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『私の運命の人は…君でした』

 ( 恋愛小説投稿城 )
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@kfsys97 ★Android=UehYmgw8Ei



ねえ、皆は”運命の人”って信じてる?
あたしは、運命の人なんて信じてなかった。
だって、運命の人に出会えるのなんて、奇跡に近いんだもん。


でも、君に出会って運命ってあるのかなって僅かだけど思えた。神様が、君とあたしを巡り合わせてくれたのかな…?

__________『私の運命の人は…君でした。』

メモ2017/03/17 09:56 : 梓 @kfsys97★Android-UehYmgw8Ei

文才力、もう少し上がらんかな(´・ω・`)?

書くからには、完結を目指してる。お楽しみ頂ければ、幸いです。

                  by作者。


『主な登場人物』


佐山佳奈。(仮名)

⇒この物語の、主人公。

ごく普通のどこにでもいる高校生。

争いごとか好きじゃなく、争いごとを避けてきた。


中島翔奏

⇒佳奈のクラスにやってきた転校生。

周りから慕われやすい性格の持ち主。佳奈の彼氏。


真嶋彩夏

⇒佳奈の親友。明るく優しいことから、男女問わず人気がある。佳奈とは小学校から同じだった。


祐馬先輩。

→佳奈に、意地悪をする先輩。

だけど、本当は優しくて…のちのち佳奈の良き理解者になる

切替: メイン記事(40) サブ記事 (5) ページ: 1


 
 

@kfsys97 ★Android=UehYmgw8Ei



運命の人は本当に、存在するのだろうか?
でも、運命の人に出会える確率なんてそんなに高くないでしょ。だから、運命の人に出会えるのって奇跡に近いんだとあたしは思う。

『ごめん、別れて』
『は、何で?俺のこと嫌いになった?』
『うん。ごめん』
今日、付き合って5ヶ月の彼氏と別れた。
向こうから告白されて、付き合い始めたけど何か一緒に居て楽しくなかった。

『佳奈、あんた彼氏振ったの?』
『うん、まあ…』
『今回は、続くと思ったんだけど』
『まあ…うん。色々あるよね。』
『色々で、纏めるなよ(笑)』
親友の彩夏は、あたしが別れたことに不服そう。
ちなみに、彩夏は彼氏と順調らしい。

『彩夏は、何ヶ月だっけ?』
『あたしは、昨日で6ヶ月になったよ。』
『へ-、おめでとうございま-す』
『んふふっ、ありがとうございます』
『うわぁ、甘い空気半端な。』
『お裾分けいる?』
『あ、いちごミルクあるから要りません。←』
『受け取れえ〜!』

これがいつも、彩夏と交わす言葉。

6ヶ月前 No.1

@kfsys97 ★Android=UehYmgw8Ei


放課後になれば、人がまばらになっていく。
彩夏も部活に行ったし、あたしも帰ろうかな…。
ちなみに、あたしは帰宅部。
部活に入ろうと思ったんだけど、入る機会を逃した…というより何か入りたくなかった。

『なあ、俺と付き合おうぜ』
目に入ったのは、違う女の子に告白する元カレだった。あ-、あいつが好きそうなタイプの女の子だ。
女の子も、堕ちる前なのか顔を赤らめ上目遣いで相手を見てる。
『はいっ』
『じゃあ、今日から俺の彼女な』
わ-、相変わらず手が早いこと。そういうとこが嫌いであたしは別れた。

『どうせ、すぐ破局でしょ』
まあ、もうあたしには関係ないことだけど。
『美味しい…!やっぱこれだね』
学校帰り、駅前の喫茶店で糖分補給←
ここのパフェが大好きなあたしは、たまに立ち寄る。

ふと、視線を感じ隣に目を向けるとあたしをじーっと見つめる男の子。
『(あたしの顔に何かついてるのかな)』
気にせずあたしは、パフェを頬張る。
どうしても気になって、チラッとまた隣を見るとまだ、あたしを見ていた。

6ヶ月前 No.2

@kfsys97 ★Android=UehYmgw8Ei

『(何で、ガン見してくるの…?)』
男の子は、見た感じあたしと同い年くらいに見えた。
向こうも1人で来ているみたいだった。

『(ああ、もう気が散る)』
『あの、あたしの顔になにかついてますか?』
思い切ってあたしは話し掛けてみた。
『…別に』
はぁ?!何も無いのに、見てたとか…。

居心地が悪くなり、あたしは足早に喫茶店を出た。
本当ならまだ、居たいのに…。あの男の子のせいだ、!
『ああ、もう最悪っ!!』
糖分補給したはずなのに、また糖分が欲しい。←
『我慢しよっと。』あんまり食べすぎて太るのはごめんだ。体型はなるべくキープしたいし。

『で、なんで付いてきてるんですか?』
あたしの後ろにいたのは、さっき喫茶店にいた男の子。まさか、ストーカー?
『これ、君のでしょ』忘れ物、と言った男の子が持っていたのは、ハンカチだった。
『あ…、ありがとうございます』
『じゃあ、俺はこれで。』男の子は、それだけ言うと足早に去って行った。まさか、これ届けるために。?

『あたしの勘違いか…失礼なことしたな』

6ヶ月前 No.3

@kfsys97 ★Android=UehYmgw8Ei



あの男の子の事も頭からすっかり抜けて、また何気ない日常が過ぎてった。
「はぁ…気分上がんない…」


それもそのはず、外は土砂降り。
こんな日は、いっつも憂鬱…。雨が嫌いじゃない人間なんているのだろうか?
「はぁ…」口から漏れるのは、ため息。


時刻は、お昼を指していた。
「佳奈、お昼食べよっ!」
椅子とお弁当を持った彩夏が目の前に座る。
ふっと、あたしの顔を見た彩夏が苦笑いを浮かべた。


「佳奈、憂鬱そう…笑」
「…ご名答。だって、雨だよ?テンション上がんない」
「ははっ、それは分かる。」
菓子パンの袋を開け、パンにかじりつき空を見上げる。


「ねえねえ、佳奈。明後日予定ある?」
明後日…。ああ、土曜日か。
「何も無いよ?」
「じゃあさ、出掛けよ!!佳奈と遊びたい。」
「ん、いいよ。」


「あ、佳奈見て。雨止んだよ。」
ほら。と言いながら彩夏が指さす。
さっきまで、土砂降りだった雨がいつの間にか止んでいた。


雨が止んだと同時に、昼休みは終わり午後の授業が始まった。

1ヶ月前 No.4

@kfsys97 ★Android=UehYmgw8Ei

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1ヶ月前 No.5

@kfsys97 ★Android=UehYmgw8Ei



後ずさりしても、先輩は距離をどんどん縮めてくる。
ただただ、後ずさりするしかなかった。
あっという間に、壁に追いやられてしまった。


「あの、本当にごめんなさい。」
「じゃあさ、反省してるなら…」ガチャン。と扉に鍵がかけられたと思った矢先、グイッと持ち上げられた体。目の前には天井と、先輩の顔。
「あの、先輩…?」
「君、名前は?」


「え…。」
「名前、何て言うの?」
「佐山佳奈です。」
「ふ-ん。」
「あの……っ?!」先輩の顔が近付いたと思ったその瞬間、あたしは先輩にキスされていた。
「……っふ」絡められる舌。必死に先輩を叩くけど、あっさり押さえ込まれてしまう。


呼吸が出来ない…。
そう思った瞬間、離された唇。
「…っは…、何するんですか。」先輩を睨みつける。
「キスだけど?別に初めてじゃないからいいっしょ。じゃあね、佐山ちゃん。ご馳走様。」


ニヤッと笑みを浮かべた先輩。
「あ、これ返して欲しかったら明日取りに来て。」
先輩の手に、握られてたのは制服のリボンだった。
…信じられない。!
キスした挙句、リボン奪うなんて…。


「最悪だ…」

1ヶ月前 No.6

@kfsys97 ★Android=UehYmgw8Ei



家に帰ってからも、気分は憂鬱。
「佳奈、ご飯よ。」
「…いい。食欲ない。」
「どうしたの?体調でも崩した?」
「そんなんじゃない…、明日食べるから残しといて。」


もう、ご飯も食べる気力ない。
ベッドに倒れ込み、自分の唇に触れる。
まさか、キスされるなんて。しかも、あんまり話したこともない先輩から。
リボンも…、明日も会いに行かなきゃ行けないのか。
「やだな…。うう…」


翌日、あたしはいつもより早く出て校門前で先輩を待った。何でリボンを取り返すために、こんなに早くから待たなきゃならないんだろ。
「あれ?佳奈じゃん、どうしたの?こんな朝早く」
「彩夏…、それがさ。」キスのことは伏せ、先輩にリボンを取られてしまったと、彩夏に話した。


「そっか、リボンを取られちゃったのか。」
「うん…。」
「あたしも、待っとこうか?」
「ううん、大丈夫!ありがと。」
頑張ってね、と彩夏は手を振り先に行った。


それにしても、早く来てくれないかな?
もう、30分も待ってるのに中々来ない。
そうしてるうちに、あの先輩が来た。
「あの、先輩…っ!」先輩に駆け寄ると、「ああ…佐山ちゃん。何?待ち伏せ。?」


「違いますっ!あの、昨日奪ったリボン返してください」手の平を出し、返すよう訴える。
「何、手握って欲しいの?」ギュッと、からかうようにあたしの手を握る先輩。
「あの、握手じゃなくて。リボン…」
「え、何?聞こえないな」


ニヤニヤと笑う先輩。
年上だけど、ムカつく…。本当にムカつく。
「リボンを返してもらえませんか?」
更に詰め寄り、返すように要求。
「いいの…?そんなに近付くと昨日みたいにキス…しちゃうよ?」ハッと我に返り、距離を空ける。


「まあ、返すけど。放課後、また来なよ。」
それだけ言うと、嘲笑うかのように先輩は立ち去った。
そんな…なんてことなの。
暫く、あたしはその場から動く事ができなかった。

1ヶ月前 No.7

@kfsys97 ★Android=UehYmgw8Ei



「どう?リボン返して…貰えなかったみたいだね。」
「…うああ、彩夏」思わずあたしは、彩夏に抱きついた。
リボン返して貰えないばかりか、放課後また呼び出されてしまうという…。


「よしよし、まあこれでも舐めて落ち着きな?」
彩夏から貰った飴玉を口の中で転がす。
授業中も、全く頭に入らなかった。
授業の終わりを告げる予鈴が鳴り「佐山、悪いけど黒板消しといてくれないか?」
「あ、はい。分かりました。」


この先生、黒板の端から端までぎっしり書くから消す方からしたら大変なんだよね…。
しかも、端に書かれたら見えないし。
「う…、届かない。」
あまり身長が高くないあたしからしたら、一番上を消すのはキツイ。


「佐山さん、大丈夫?俺消すよ」
「あ、ありがとう。間宮くん。」
「どういたしまして。」あたしが苦戦していた一番上の文字を、間宮くんは簡単に消してしまう。


「おい、間宮。ちょい来て。」
「お-、今行くわ。」間宮くんは、あたしの元カレの将希と仲が良い。バチッと、あいつと目が合う。
ただ、すぐ逸らしたけどね。


そして、迎えてしまった放課後。
「行きたくないな…。」
気が重すぎて、保健室に向かう足取りも重くなる。
気がつけば、もう保健室の目の前。
しかも、今日保健の先生休みでしょ?


"コンコン"
ノックして、扉を開く。
「遅い。」そこには、顎肘ついて待ってる先輩がいた。

1ヶ月前 No.8

@kfsys97 ★Android=UehYmgw8Ei



「あ、もう待ってたんですか。」
「うん、5分前くらいからいた。」
たったの5分じゃん…。心の中で悪態をつきながらも、あたしは先輩に近寄った。


「……祐馬。」
「はい?」
「俺の名前、"先輩"じゃなくて"祐馬"だから。」
「あ、そうなんですね。」祐馬って名前なんだ、初知り。…じゃなくて、あたしの目的は。


「先輩。今度こそリボン返して下さい。」
「はい、返さない。」
「え…、何でですか?」貴方に呼ばれたから来たのに。
「ちゃんと、祐馬先輩って呼ばないと返せないな」
ほら、早く。とまた、嘲笑うかのようにあたしを見る。


「…リボン返して下さい。祐馬…先輩。」
「よく出来ました、はい。御褒美の…」
「キスは、要りません。」やられる前に、先輩の口を手で抑え阻止する。


……ペロッ。
「……っな!!」信じられない、人の手を…。
「…口抑えられると、こんなことしちゃうよ。?」
パッと手を離すと、不敵な笑みを浮かべる先輩。
「いいから…早く返してください。」


リボンを、頭上に持ち上げる先輩。
おおよそ170はあるであろう、先輩に対して背伸びして必死に手を伸ばす。
「…っく。」
「ほらほら、頑張って。」
「…っ、何なんですか。」気づいたら、あたしは先輩にこう言っていた。

1ヶ月前 No.9

@kfsys97 ★Android=UehYmgw8Ei



「ん、何?」
「何でそんな、意地悪するんですか?あたし、祐馬先輩と全く関わりないし、そんな…全く関わりない人にこんな意地悪されるなんて、嫌です…っ!」


「………。」
あ、しまった…。幾ら何でも相手は先輩。
今あたしは、先輩に対して口答えしてしまった。
「…っ、ごめんなさい。でも、リボンは返してください。お願いします。」
「まあ、いいよ。そんなに言うなら返す。俺も少しからかいすぎたな。」


ごめん。と言って先輩はあたしの頭を撫で保健室を後にした。一人残されたあたしは、その場に座り込む。
リボンが、膝上に落ちた。
…これでいい。これでいいんだ。


リボンも取り返せたし、いいじゃんか。
何でこんなに落ち込む必要があるの?
「…帰ろ。」
リボンを、手に握りしめあたしも、保健室を後にした。


1ヶ月前 No.10

@kfsys97 ★Android=UehYmgw8Ei



次の日、教室に入るとやけにざわついていた。
何かあったのかな?
「あ、佳奈!!やっと来た。」
待ってた。と言わんばかりに彩夏が近寄ってきた。


「佳奈、知ってた?今日このクラスに転校生来るんだって!!しかも男子だよ。男子。」
だから、朝からみんなこんな感じ。と彩夏が言う。
あ-、そういうこと。


「ようやく、佳奈の隣埋まるね。」
「ああ、そうだね。」あたしの隣は、暫くの間ずっと空席だった。隣の席の子は転校してしまった。
だから、それまでずっとあたしの隣は誰もいなかった。
ちょっと嬉しいかも。


「はいはい、HR始めるよ」
先生が入って来て、みんな席に座る。
HRを始めようとした時…。
「なあ、先生。転校生紹介お願いします」
「その前に、HRだ。」
「そんなの転校生紹介した後でも出来ますよ〜!!」


早くみんな転校生を見たいらしい。
「じゃあ、連れてくるから。」
よっしゃ!と歓声が上がる。
教室に転校生が入った瞬間、静まり返る教室。


「初めまして。××高校から来ました、中島翔奏です。宜しくお願いします。」
挨拶をした途端、割れんばかりの拍手と歓声。
「じゃあ、中島の席は…佐山!!」
「はいっ!」


「あいつの隣な。」
「はい。」こっちに近付いてくる転校生。
席に腰を下ろしたと同時に、先生が告げる。
「あ、佐山。お前暫く中島の世話係な。中島、分からないことあれば佐山に聞け。」


「宜しくね、佐山さん。」
「こちらこそ、何でも聞いてね?」
休み時間になると、中島くんの周りには人だかりが。
廊下にも噂を聞きつけた人が、中島くんを見に来た。

1ヶ月前 No.11

@kfsys97 ★Android=UehYmgw8Ei



「…動物園のパンダになった気分だよ」
顎肘を突きながら、廊下にいる人だかりを見て彩夏が言う。確かに、廊下には人が押し寄せてた。


囲まれてる間、中島くんは笑顔で受け答えをしてる。しかも、隣のあたしのとこまで人が侵食してて狭い…。
「ほらほら、此処は動物園じゃないぞ。」
教科書を持った先生が、教室に入ってくる。


「中島、教科書はまだ届いてないんだよな?」
「1週間くらいは、かかるみたいです。」
「そうか、じゃあ佐山。見せてやれ」
あ、そうか…。教科書無いと授業出来ないよね。
「佐山さん、ごめんね?教科書来るまで迷惑かけるけど」
申し訳なさそうに、両手を合わせる中島くん。


「しょうがないよ。大丈夫!」
「じゃあ、失礼します。」
そう言うと、中島くんは机を合わせてきた。
授業を受けてる間、何気なく中島くんを見てみた。


細くて長い手。
微かに匂う香水の香り…。
髪の隙間から見える横顔…。綺麗な顔立ちしてるな…。
「…ん?」視線に気付いたのか、中島くんが此方を見た。


「俺の顔に何か付いてた?」
「あ、ううん。別に。」えへへ、と笑顔を浮かべ視線をノートに戻した。
いけない、いけない。つい見すぎちゃった…。
それから授業が終わるまで、あたしは授業に何となく集中出来なかった。


「ありがと、助かった。」
授業を終え、離される机。
「お-い、翔奏!!こっち来て話そうぜ」
「お-!」凄い、もう男子と打ち解けてるよ。

1ヶ月前 No.12

@kfsys97 ★Android=UehYmgw8Ei



___放課後。


「じゃあ、また明日な!!翔奏。」
「おう、また明日。」
「打ち解けるの早いね…?」あたしは声をかけていた。
そうかな?と中島くんは微笑み、「このクラス馴染みやすい。」そう告げた。


「皆、良い人だね。最初は俺、緊張してた。」
「そうなの?緊張してる感じに見えなかったけど。」
「あ、まじで?内心は、ガチガチだったんだからな。」
「へ-、意外。」


「佐山さんさ……。」「佳奈でいいよ。」
「じゃあ、佳奈で。俺のことも翔奏って呼んでよ。」
「分かった。翔奏ね、翔奏はどこら辺なの?家。」
「あ、俺?××町。」
××町…、あたしの住んでる場所と同じだ。


「佳奈は?どこら辺?」
「あたしも、翔奏と同じで××町だよ。」
「まじで?!だったら、一緒に帰ろうぜ。」
キラキラと嬉しそうに目を輝かせながら言う翔奏。
「ふふ…っ、いいよ。」


そうして、一緒に帰ることになった。
一緒に帰ってる間、翔奏が前いた学校のことや色んなことを話した。話してるうちに、あっという間に××町に着いた。
「あ、俺ここだから。」
「あたしは、ここ…」


「「えっ?まさかの隣同士?!」」
思わず声が重なる。嘘、まさか翔奏があたしの隣だなんて。びっくりして言葉を失う。


こんなの…あり?

1ヶ月前 No.13

@kfsys97 ★Android=UehYmgw8Ei



「ただいま〜。」
玄関には、見慣れないヒールがあった。
来客中…かな?


「ただいま。」
「あら、佳奈おかえり。」
「お客さん…?」
「あ、さっき話してた娘さんですか?」
「ええ、娘の佳奈です。佳奈、ご挨拶しなさい。」


「初めまして、佳奈です。」
「初めまして。可愛らしい娘さんですね」
ふわっと、微笑んだその女の人は、スラッとしてて、まるでモデルさんかな。と思うほど綺麗な人だった。


「中島です。宜しくね」
「あ、こちらこそ。」
「中島さん、隣に引っ越してきてね。さっき、挨拶に来てくれて。お母さん意気投合しちゃった!」
この人が、翔奏のお母さん…。


「中島さんの息子さんも、佳奈と同い年だって。」
「翔奏くんでしょ?今日、転校してきたよ。」
ちなみに、さっき一緒に帰ってきたばっかだけど。
「あら。もう顔馴染み?早いわね」
「だって、同じクラスだし。」


「佳奈ちゃん、翔奏のこと宜しくね。」
深々と頭を下げる翔奏のお母さんにつられ、あたしも深々と頭を下げる。
「…じゃあ、あたし部屋にいるから。ごゆっくり。」
2階に上がり、自室に入る。
びっくりした…、まさかの翔奏のお母さんにも会っちゃったよ。


"コンコン"
窓を叩く音が聞こえ、窓を開けると翔奏がいた。
「なあ、そっちにまさか母さん…」
「ああ、いるよ?すっかりあたしのお母さんと仲良くなってる」
「まじか…、早いな。仲良くなるの。」
「んね。翔奏のお母さんさ、綺麗だね」
「そうか?普通だろ?」


「まだ、着替えてないんだ。」
「佳奈こそ、まだ制服じゃん。」
「だって、今帰ってきたし。」
「だよな。笑」
「それより、部屋も隣同士だね。」
「だな。たまに乱入していい?」


「ダメです。笑」
「ケチかよ。」
「五月蝿いな〜。」
不思議と、翔奏とは話があった。
気付けば、2時間半話していた。


「じゃあ、また明日。」
「うん、明日ね。」窓を締めたと同時に、お母さんから呼ばれた。
「ねえ、佳奈。悪いんだけど買い物行ってきてくれない?」まあ、断る理由もないし、買い物を引き受けた。


近くのスーパーまで、歩いて15分弱。
音楽を聴きながら、スーパーに向かう。
塀の上にいる猫と戯れ、ちょっとした寄り道。


「…あ、いけない。買い物買い物。」

1ヶ月前 No.14

@kfsys97 ★Android=UehYmgw8Ei



「……っく、重い。」
何で、重たいものを買いに行かせたんだろ。
手の平が赤くなっていた。袋を一旦下に置き、手を休ませる。「…よしっ。」荷物を持って、帰ろうとした時。


____ヒョイ。
置いたはずの荷物を、誰かが持った。
顔を上げるとそこにいたのは…。
「……将希。」元カレの将希だった。
「家まで運んでやるよ、」そう言うと、スタスタと歩いていく将希。


「ちょ…っ、待ってよ。」
その後ろを小走りで追いかける。
「何で、いるわけ?」前を歩く将希に問い掛ける。
「別に。近くを通ったら、佳奈を見かけただけ。」
「…そか。」そこから、無言が続いた。
何話していいか、全く分からない。
付き合ってる時は、こんなんじゃなかったのにな…。


「ほら。これで全部だろ」
結局、家まで荷物を持ってもらった。
「じゃ…。」それだけ言うと、将希は足早に去ってしまった。


「ただいま…。」
「あ、ごめんね。買い物重かったでしょ?」
「…ん、大丈夫。」荷物をお母さんに渡し、部屋に駆け込んだ。


1ヶ月前 No.15

@kfsys97 ★Android=UehYmgw8Ei



____ピリリリ…。


「んぅ……」手探りで、鳴り響く目覚まし時計を止める。
「こらっ!佳奈。起きなさい!!」
勢いよくお母さんが、部屋に入ってきた。


「何よ…、まだ時間あるし…」
「何言ってんの!!もう、7時半よ?!」
えっ?寝っ転がったまま、思考が停止する。
「…7時半?」
「そうよ。間に合うなら別に構わないけど?」


良くない。…良くないよ?!
「遅刻だああああっ…!!」
急いで身支度を済ませる。やばい、間にあうかな?
「ねえ、お母さん。車出してよ!」
「何言ってんの。ダメです、自分で行きなさい。」
「お願いっ!ねえ、お願いっ!」


「じゃあ、早くしなさい。」
お母さん車に乗ってるから、と先に外に出るお母さんの後を追い掛ける。


車の中で、髪型をセットし一気に体の力が抜ける。
「はぁ…、間に合わないかと思った…。」
「もう、何回もお母さん起こしたのに、起きないんだもん。」ミラー越しに、お母さんが呆れたような目であたしを見る。


「だって…。」そんな話をしてる間に、あっという間に学校に着いた。
「ありがとう、行ってきます。」
「は-い、行ってらっしゃい。」走り去るお母さんの車を見送った後、教室へ。


「あ、おはよ。遅かったね?」
「彩夏、おはよ。…実は寝坊して送ってもらったんだ」
「そうなんだ。朝からお疲れ様っ!」
「ありがと。」


「佳奈、おはよ。遅かったのな。」
「あ-、翔奏おはよ。うん、寝坊した。笑」
「まじかよ。よく間に合ったな笑」
「送迎です」走ったら完璧遅刻。と言えば、次は気をつけろよ、と笑われた…。

1ヶ月前 No.16

@kfsys97 ★Android=UehYmgw8Ei



「ふぅ…。」
屋上で、1人空を仰ぐ。
彩夏は先生に呼び出されちゃうしさ。
でも、屋上久々に来たかもしれない。辺り見回しても、今は誰もいない感じ。


「独り占めだ…っ!」
「残念、一人じゃないんだな…。」
この声は…。恐る恐る後ろを振り返る。
「やぁ、佳奈ちゃん。」壁にもたれ、ヒラヒラと手を振ってるのは紛れもなく、祐馬先輩だった。


「………。」チラッと、先輩を見つめ屋上から出ようとした時だった。
「お話しようよ、佳奈ちゃん。」
行く手をふさがれてしまった。


「…通してください。先輩と話すつもりは無いです。」
「おお、キッパリ言ってくれるじゃん。」
「早く通してください。それとも…、また意地悪するんですか?」今度は、ジッと先輩を見てみる。


「もう、この前みたいに意地悪はしないよ。ただ、普通に話をしたいだけなんだよ…。ダメかな?」
話し相手になって、と先輩があたしを見る。
話し相手…くらいならいいかな。


「…分かりました。ただ、この前みたいな意地悪したらもう、話し相手にはなりません。」
「ん、ありがとうね。」
そこから、あたしは先輩の話し相手をすることに。

1ヶ月前 No.17

@kfsys97 ★Android=UehYmgw8Ei



予鈴が鳴り、あっという間に昼休みが終わる。
「あたし、戻りますね。先輩も戻るんですよね?」
「いや、俺は戻らないよ。このあと一発、あるから」楽しみだ。と言いながら先輩はベンチに寝転んだ。


「あ、そうですか…。じゃあ、これで。」
「うん、話し相手なってくれてありがとうね。」
「どういたしまして。」
重たい扉を開き、階段を降りてると目の前から階段を上がってくる女の人とすれ違った。


もしかして、あれが先輩の相手…。
そう考え、ふるふると頭を降る。
「…何てこと考えてるんだろ。」
関係ない、関係ない…と自分に言い聞かせ教室に戻った。



「あ、やっと戻ってきた!」
ぎゅーっと、あたしに抱きつく彩夏。
「わっ、彩夏。用事なんだったの?」
「あ-、実はさ提出物出し忘れて出しに行ったら小言言われてた。」もう、疲れたよ…と口を尖らす。


「ああ、あの先生提出物出し忘れたら、五月蝿いもんね」
「本当。次から気をつけなくっちゃ。」
まあ、次はその先生の授業なんだけどね。と2人で苦笑いを浮かべ席に着いた。

1ヶ月前 No.18

@kfsys97 ★Android=UehYmgw8Ei



放課後、翔奏の姿が無かった。
あれ…?どこ行ったんだろ。一緒に帰ろうかな、なんて思ったのになぁ…。


「あれ?佳奈、誰か探してんの?」
「翔奏をね、まあ大した用事じゃないんだけど。」
「翔奏くんなら、さっき先輩に呼び出されたみたいだよ。」あたし見かけた。と思い出したように告げる。


「そっか…、ありがと。」
「じゃあ、あたし帰るね。バイバイ。」
「バイバイ。」
彩夏が帰ったのを確認して、翔奏を探す。


図書室…、保健室…、校舎裏…。
思い当たるところは全部探した。でも、どこにも翔奏の姿は無くて…。
あたし、何で探してるんだろ。


「教室戻ろ…。」
教室に戻ると、「あ、佳奈。どこ行ってたんだよ。」
待ってたんだけど。と言わんばかりの顔。
「帰ろ、佳奈。」
「う、うん。そだね、帰ろ帰ろ。」


一緒に帰ってる間にも、どこ行ってたのかな?って気になったけど聞かなかった。
「なあ、佳奈。聞いてる?」
心配そうに、あたしの顔を覗き込む翔奏。
「へっ?…大丈夫大丈夫っ!!」
「ならいいんだけど。」


「じゃあ、また明日な。」
「うん、バイバイ。」
忘れよう、あたしには関係ことだ。と再度自分に言い聞かせた。

1ヶ月前 No.19

@kfsys97 ★Android=UehYmgw8Ei




今日は遅れるわけには行かない。
この前みたいな、遅刻未遂を起こすわけには行かない。
目覚ましが鳴るより早く起き、支度を済ませる。
「よしっ、ばっちり!!」鏡を見て、念入りにチェック。


「佳奈、お迎えよ!!」
迎え…?誰だろ。下に降りると、玄関にいたのは翔奏だった。
「おはよ。佳奈」
「…おは、よ。え、何で。」
「この前みたいに遅刻しないように、と思って。」


「良かったわね、佳奈。迎え来て貰えて良かったわね。翔奏くん、佳奈を宜しくね」
「はい、分かりました笑」
すっかりあたしのお母さんとも、打ち解けてる。


「今日も快晴だっ!」思いっきり、伸びをするあたしを見てクスクス笑う翔奏。
「何よ?」
「いや、別に。笑」
置いてくぞ。と言わんばかりに先を歩く翔奏。
「あ、待ってよ!置いていくなんて反則っ!罰金!」


「はぁ?罰金ってなんだよ。笑」
「罰金として、アップルジュース奢りなさい。」
「そんなんでいいの?」
「いいよ?」
「じゃあ、コンビニ寄ってこ。」


あたし達は、近くのコンビニに入りジュースを奢ってもらった。「ありがと、翔奏」
「どういたしまして。安い罰金でありがと。笑」
買ってもらったジュースを片手に、ご機嫌なあたし。


「あ、猫。」
駆け寄ろうとするあたしを、翔奏が止めた。
「寄り道しすぎたら、遅刻するぞ。」
「そっか…、触りたかったな…猫。」
「はいはい、行くぞ。」
翔奏に引きずられ、学校へ。


この時の、あたしは気付いてなかったんだ。
あの人があたし達2人を見てたなんて…………。

1ヶ月前 No.20

@kfsys97 ★Android=UehYmgw8Ei



「ねえ、佳奈知ってる?」
昼休み、ご飯を食べながら彩夏が告げた。
「翔奏くん、かなりモテるみたいだよ。」
「そうなの…?」


「うん、聞いた話によると10人くらいから告白されたみたい。」チラッと彩夏が翔奏を見るから、あたしもつられて翔奏を見る。
「しかもしかも、全部振ってるみたい。」
「まあ、あんだけのルックスを持ってれば無理ないよね」
あれはモテるタイプだもん、と1人で納得する彩夏。


「だからね、噂になってるらしいよ。翔奏くん、もしかしたら本命の女の子がいるんじゃないかってね。」
…本命。
沢山の人を振ってまで、翔奏が好きになる女の子ってどんな子なんだろ。


翔奏を見ると、目が合った。
「何何、どうしたの?」友達と話してる途中で、翔奏がこっちに近寄ってくる。
「何の話?」
「翔奏くんには、内緒!ねっ、佳奈。」
「あ、うん。内緒内緒。」


「何だよ、それ笑」
まあ、いっか。と友達の方に戻る翔奏。
「そういえば、彼氏がさ…」
「うんうん。」


君の本命は……誰なの?

1ヶ月前 No.21

@kfsys97 ★Android=UehYmgw8Ei



「あのさ、佳奈。今日先に帰ってて。」
「あ、うん。分かった。じゃあ、先に帰るね。」
「ごめんな、また明日。」
そういうと、小走りに何処かへ行った。


いけないと思いつつも、気付けばあたしは翔奏の後を追いかけていた。翔奏が向かったのは屋上だった。
隙間から様子を伺う。
そこには、1人の女の子と翔奏だった。



「…あのっ、翔奏くん。あたし…、翔奏くんが好きです」
告白現場だ…。
「翔奏くんは…、あたしのことどう思ってますか?」
「…ごめん。俺さ、好きな子がいるんだよね。だから、君の気持ちには答えられない。」
「……っ、分かりました」
その瞬間、女の子の目から零れ落ちる涙。


「…呼び出してごめんなさい。」
女の子は、早歩きでこっちに向かってきた。
やばい…見つかる。
咄嗟に物陰に隠れた。


彩夏の言ったこと、本当だったんだ。
翔奏に目をやると、座り込んで空を見上げてた。
あたしは、声をかけずその場を立ち去った。


_____数日後。


結局、翔奏の好きな人は分からないまま。
「佳奈、呼び出しだよ。」
「え?誰。」
「分かんない。ただ、呼んで。って言われた。」
廊下に出ると、そこにいたのは先輩たちだった。

1ヶ月前 No.22

@kfsys97 ★Android=UehYmgw8Ei



「貴方が、佐山佳奈ちゃん?」
「…はい、そうですけど。」全く面識がない先輩。
「ちょっとだけ、話せるかな?ついてきて。」
言われるがまま、あたしは先輩の後ろを歩く。


長い長い沈黙が、空気を重くさせた。
連れてこられたのは、誰もいない校舎裏。
あたしを取り囲むかのように佇む先輩達に、あたしは息を飲んだ。


「あのさ、単刀直入に聞くわ。あんた、翔奏くんとの関係は?」
…え?翔奏との関係。
「えと、友達ですけど…」
「友達の割には、凄く親しそうじゃん。一緒に登下校しちゃってさ。」
「それは、帰り道が同じなんで…。」


「口答えしてんじゃねえよっ!!」
空気を壊すかのように、壁にもたれかかってた先輩があたしに詰め寄る。その迫力に怖気づきそうだった。
あ…この先輩確か…。
「お前さ、一緒に登下校すんのやめてくんない?ムカつくんだよね。あんたは、知らないだろうけど翔奏くんは人気あるんだからね。」


そんなの…、言われなくても分かってるよ。
「いい、忠告…。今度翔奏くんと2人きりでいたら許さないから覚悟して?」ジロっと、あたしを鋭い目つきで見た先輩たちに言葉を失った。

1ヶ月前 No.23

@kfsys97 ★Android=UehYmgw8Ei



先輩達の気迫に、驚くしかなかった。
"あんたが、翔奏くんと仲良くしてるとムカつく人が沢山いるんだからね"
先輩が言われた言葉が、頭の中でループする。


あたしが、翔奏と仲良くすれば嫌な人がいるんだ。
何でそんなことに気づかなかったんだろ…。
「……教室戻りたくないな。」
教室前で、そんな気持ちになって中に入ることが出来なかった。


「はぁ…、」
向かった先は、屋上。
フラフラと、近くのベンチに腰掛ける。
「あれ?佳奈ちゃん、サボりですか?」
「…先輩」
「どうした?テンション低くない?」
何かあった?とあたしの隣に座る祐馬先輩。


「何もないです。今日は授業受ける気分じゃなかったんでサボりました。」
「そか、俺と仲間だ。笑」
俺も受けたくなくてさ、と苦笑いする先輩。
「でも、先輩は授業受けないと単位やばくないですか?」
「俺は大丈夫、余裕。」
「本当ですか?」
「うん、まじまじ笑」


先輩と少し話しただけなのに、さっきの言葉を少しだけ忘れられた。
「じゃあ、俺戻るけど佳奈ちゃんは?」
「……あたしは、もう1時間此処にいます。」
「そ?じゃあね」
それだけ言うと、先輩は立ち去って行った。

1ヶ月前 No.24

@kfsys97 ★Android=UehYmgw8Ei



結局、2時間も授業をサボってしまった。
何で自分が、先輩達に目の敵にされなきゃならないんだろう…、何度考えても分からなかった。


翔奏と仲良くしなければ、みんな嫌な思いしなくて済むのかな?なんて、考えたくもない事が脳裏をよぎる。
「だめだめっ…!」パンっと自分の頬を叩き、自分に喝を入れる。あたしはあたしらしくいればいいんだ。


教室戻ると、彩夏が抱きついて来た。
「佳奈〜!どこ行ってたの、もうっ!!」
「ごめんごめん。ちょっとね。」
席に戻ると、翔奏がジッとこっちを見て来た。
「佳奈、大丈夫か?体調崩したんじゃねえの?」
「平気だよ、ちょっとサボりたかっただけ。」
「ならいいけど。帰ろうぜ。」


「う…ん。」
翔奏の後を追いかけ、一歩後ろを歩く。
「な、どうした。この距離感。」
翔奏が立ち止まり振り返る。
「え?何も無いよ。」
「…。何かあったら、言えよな。」
真剣な眼差しを向ける翔奏から、目が離せなかった。


「ありがと。」
「家に帰ったら、サボってた2時間分のノート見せてやるよ。」「助かります。」


"何かあったら、言えよな。"
何だか少しだけ、心があったかくなった。
「よ-し、帰るぞ。!!」
「どうした?笑」
「何でもないの。ついて来なさい!!」
「はいはい。」


1ヶ月前 No.25

@kfsys97 ★Android=UehYmgw8Ei



それから数週間後のこと。
あれから、先輩達は何も言ってこないから、先輩達の事を忘れかけていた。
探し物があって、資料室に居た時だった。


「久しぶり、佳奈ちゃん。」
顔を上げると、先輩たちが立っていた。
「あたし達の忠告、無視したみたいね。改善されるかと思いきや残念だわ。」
「あたし達、言ったよね?翔奏くんと2人きりでいたら許さないからって。」


____バンッ。


勢いよく叩かれた机。
びっくりしたけど、負けじと先輩を見詰め返す。
負けない、絶対に負けない。
「先輩は、あたしが翔奏と仲良くしてることでムカつく人がたくさん居るって言いましたけど、…あたしは、翔奏と仲良くしないのは無理です。」


面と向かって、言い切った。
例え、先輩達の反感を買ってもあたしは翔奏と仲良くしないなんて無理だから。
「…そ。勝手にすれば。…でも、あんた本当気に入らない。その威勢がいつまで、続くかしらね?」先輩達は立ち去った。


「はぁ…、緊張した。」
足が震え、立てなくなりその場に座り込んだ。
でも、あの気持ちは嘘じゃない。
例え、周りが気に食わなくてもあたしは翔奏といることをやめないしやめたくない。


「佳奈、」
振り返ると、翔奏が立っていた。
「あ、何…?」
もしかして、今の話聞いてたわけではないよね?
「佳奈も何かの資料探し?」
「うん、まあ。でも、もう終わったよ。」


「じゃあ、俺が探してるやつも探して?」
「え、どうしよっかな?笑」
「頼むよ、」アップルジュース奢るから、と言われ手伝うことに。


「ねえ、翔奏…。」
「ん-?」
「好きな人…いるの?」
「え…?」


翔奏が、手を止め此方を見た。

1ヶ月前 No.26

@kfsys97 ★Android=UehYmgw8Ei



「え…?」
何言ってんだろ、でも言ってしまった。
「いきなりどうしたの?」
あたしの方に近寄る翔奏に、目を逸らす。


「別に?ただ、気になっただけだよ。」
何事もなかったかのように笑ってみせる。
お願い、さっきの質問は忘れて欲しい…。


「…そか。」
暫く無言が続いた後、それだけ呟いた翔奏。
「うん、ごめんね?変なこと聞いて。」
「そういう、佳奈は好きな人いんの?」
「え…?」何でそんなこと。


「う-ん、どうなの…かな。」
翔奏に対するこの気持ちが、何なのか分かってるはずなのに分からないふりをしてしまう。
"好き。"


きっとあたしは、友達ではなく異性として翔奏が好きなんだと思う。でも……。それを伝えようにも伝えられない。


30日前 No.27

@kfsys97 ★Android=UehYmgw8Ei



数日が過ぎた、ある日。
あの質問をした時から、翔奏に対して何処かぎこちない自分がいた。
「佐山さん、これ手紙。渡すように言われた。」


白い封筒を渡される。
「何何、佳奈それラブレターじゃない?」
ニヤニヤとした顔の彩夏が、そう言うから止めてよって交わす。


封筒の中身を見ると、そこに書かれていたのは…。
「佐山佳奈さん。お話があります、放課後、屋上で待ってます。」
それだけしか、書かれていなかった。


誰が書いたかもわからない手紙。
「やっぱ、ラブレター?」
首をかしげて、此方を見る彩夏。
「うん…、でも名前が書かれてないんだよね。」
ほら。と彩夏に手紙を見せる。


「恥ずかしくて、書き忘れたんじゃないの?」
「そうなのかな?」
「まあ、結果は明日教えてよ!」
「うん………。」


_____放課後。


書かれていた通り、屋上に向かう。
扉を開けるその前に、脳裏に"あること"がよぎる。
もしかしたら、先輩達の罠じゃ…。


いやいや、考えすぎだよね。
中に入ると、一人の男の人が立っていた。

30日前 No.28

@kfsys97 ★Android=UehYmgw8Ei



「あの…、すいません。」
後ろ姿に声をかける。「何ですか?」
振り返り、あたしを見る。


「この手紙…くれた人ですか?」
手紙を目の前に出してみる。その手紙をマジマジと見つめられる。
「ああ、佳奈ちゃん?」
「は、はい。」
「ごめんごめん、俺がこの手紙の差出人。名前書き忘れてたわ、ごめんね。」


「あ、いえ…。」
見た感じ、少しチャラいというか…。
確か、一学年上の先輩だったはず。


「あの、話っていうのはなんですか?」
「うん、それなんだけどね。俺、君のことが好きなんだよね。」


唐突すぎる告白に、言葉が出ない。
「君は、俺のこと知らないかもしれないけど俺はずっと君の事見てたんだ、でも中々告白する勇気がなくてさ。」真剣に話してくれる先輩。


「俺と付き合ってくれませんか?」
「あの、返事はできません…。」
「何で。他に好きな奴でもいるの?…翔奏くんとか。」
え…?翔奏という言葉に先輩に顔を向けると、ニヤッとした顔を向け、誰もいない屋上でこう言った。


「おい、図星だぜ。」
……誰に言ってるの?先輩からの目が離せない。
逃げなきゃ、反射的にそんな気持ちになった。
「あの、あたし失礼します…」
「おい、待てよ」グイッと腕を掴まれる。


「痛い……っ、離してください。」
「あ-、先輩からの告白振ったらダメでしょ。」
そこから、出てきたのはやっぱり先輩達だった……。


ああ、罠にハマったんだ。
何とも言えない気持ちになり、言葉が出ない。
「ねえ、認めなよ。あんた、翔奏くんが好きなんでしょ?」ジリジリと距離を詰められる。
逃げたくても、腕を掴まれてるから逃げられない。


「素直に認めたら、帰してあげるからさ。」
ほら、早く。と言わんばかりに此方を見る先輩。
もうダメだ…、と思った次の瞬間………。



「おい、何してんの?」

30日前 No.29

@kfsys97 ★Android=UehYmgw8Ei



「おい、何してんの?」
振り返ると、そこにいたのは翔奏だった。
「翔奏くん、いやこれは…」
明らかに動揺する先輩達、さっきの態度が嘘みたいだ。


「離してくんない?この手…」
あたしの腕を掴む先輩の手を上から掴む翔奏。
「触んなって、言ってんの。」
聞いたことのない低い翔奏の声。


グイッと、あたしを引き寄せる翔奏。
「なあ、何してんの?って俺聞いてるんですけど。」
ジリジリと、先輩に詰め寄る翔奏。
「俺に、振られた腹いせでもしてるんすか?」
「いや…、だって付き合ってもないのに…この子が」


「付き合ってなきゃ、一緒にいちゃいけないんですか?」
完全に言葉を失う先輩達。
「今度、またこんなことするなら幾ら先輩達でも、容赦しないんで。」覚悟してください。そう告げると、涙目で屋上を後にする先輩達。


二人きりになったあたしと、翔奏。
「何処も怪我してない?」
いつも通り、優しい顔に戻った翔奏に平常心を装い頷く。


「…なら良かった。」
「でも、何で分かったの?」
「実はさ、真嶋と佳奈の会話聞いちゃったんだよね。」
それで、気付いたら佳奈追いかけてた。と顔を逸らしながら言う翔奏。


心配してくれたんだ…。

30日前 No.30

@kfsys97 ★Android=UehYmgw8Ei


今更ながら気付いた。
助けてくれた時から、ずっとあたしの腕を握ったままの翔奏。
「…翔奏、腕。」


「あっ、ごめん。」
パッと離された手を、何となく離して欲しくなくてあたしは、翔奏の手を掴んだ。
「え…?」今度は、翔奏が驚いたような顔をした。


「…もう少し、このままがいい。」
「うん、いいよ。」
暫く手を繋いだまま、無言が続いた。
溢れてしまいそう…。翔奏、あたし翔奏の事が…


「…好き」
気付いたら、そう伝えていた。
「何…?」
ジッと、あたしの顔を見る翔奏から目が逸らせない。
ああ、そうだ。あたしは気付かないふりをしてただけ。あたしは、自分の気持ちに嘘付きたくない。


「あたし…、翔奏が好き。」
別に振られてもいい、翔奏に想いを伝えたい。
「…っ。あのさ。」
「別に返事はいいの、ただ…伝えたかっただけ。」
「待って。俺も…、佳奈に話がある。」


「俺の話、聞いてくれる?」

29日前 No.31

@kfsys97 ★Android=UehYmgw8Ei



近くにあるベンチに腰掛け、翔奏の話に耳を傾ける。
「俺、佳奈にさ好きな人は?って聞かれたじゃん。」
「もういいよ、その話は。」
「聞いて、俺の話最後まで…。」


その言葉で、もう一度翔奏の話に耳を傾ける。
「俺が好きな人はさ、…佳奈だよ。」
え…?驚いたあたしは、翔奏を見つめる。
翔奏の頬が、ほんのり赤くなっていた。


「あたし…?」
「佳奈、って名前他にいたっけ?」
小さく首を横に振る。
「俺は、佳奈の事が好きなんだ…。だから、佳奈がさっき俺に好きって言ってくれた時嬉しかったんだ。」


あたしの頬を、触り微笑む翔奏。
現実なのか分からなくて…。
「…現実だよね?」気付けば、そんなことを口にしていた。

「現実だよ、夢でもなんでもない。」
「……っ。翔奏、好き」あたしは、翔奏に抱きついた。
「俺も好きだよ、じゃあ…返事はYesでいいの?」
「うん、うんっ!」
何回も何回も頷く。


「…じゃ、帰ろうか?」
差し出されたその手を、あたしは握り返した。
友達から、恋人…。
嬉しくて、ふわふわした気分だった。


「えっ、今なんて…?」
ポカンと口を開いてる彩夏。
「翔奏と…付き合うことになりました。」
「ええええっ?!」
彩夏の声で周りの皆が反応する。


「しーっ、声大きいよ。」
「ごめんごめん。…で、どっちから告白したの?翔奏くんから?」
「ううん。あたしから。…で、向こうも好きって言ってくれて…」
「そかっ、そっか!!おめでとう、佳奈」


「ありがとう、彩夏」
「何か嬉しくて、涙出て来た。笑」
「何で、泣くのさ…笑」
自分のことのように喜んでくれた彩夏に、何だかこっちも嬉しくなった。

28日前 No.32

@kfsys97 ★Android=UehYmgw8Ei



翔奏と付き合い始めてから、先輩達の嫌がらせが嘘かのように止まった。
まあ、目が合えば睨まれたりはするんだけど…。
でも何もしてこなくなった。


「ねえ、翔奏…」
「ん-?何。」
フルーツジュースを飲みながら、此方を見る翔奏。
「フルーツジュース、それあたしの。」
あたしのフルーツジュースを、飲んでるんですが…。


「あ-、じゃあこれやるよ。」
渡されたのは、コーヒー。しかも、ブラック。
「やだよ。飲めないもん。」
「へえ、飲めないのか。笑」
「苦いのは、やだ。」
「知らなかったわ〜。」


「嘘。この間教えたじゃん!!」
この間、苦いのは無理って教えたばっかなんですけど。
「ん、ご馳走様。」
「ちょっと!!全部飲んでる…っ。」
空になったフルーツジュース渡す翔奏を、叩く。


「いやぁ、これ美味いわ。」
「……うう。あたしのフルーツジュース…。」
「佳奈、これ飲む?」
彩夏があたしに差し出したのは、苺ミルク。
「ん、飲む。」


「翔奏くんに、全部飲まれたんだね。」
空の容器を彩夏が畳みながら、苦笑い。
「本当、酷い。」
「でもさ、佳奈…」
「何?」
「ブラックコーヒーくらい、飲めるようになろ?」


「え、彩夏飲めるの?」
ふふん。と何処か自慢げな顔の彩夏。
「ブラックコーヒー…」
「うんうん。」
「あたしも飲めないっ!」


「ええ…?!」
えへ。と言いたげに笑う彩夏に愕然とした。

20日前 No.33

@kfsys97 ★Android=UehYmgw8Ei



帰り道、何となく喫茶店に立ち寄りたくて翔奏と近くの喫茶店へ。
「このお店の雰囲気好きだなぁ…。」
店内をグルッと見渡すと、翔奏がいない。


「ほら、席取っといたぞ。」
ちょうど、柱で見えるか見えないかの場所。
「じゃあ、何か頼もうかなぁ。」
「俺、飲み物はコーヒーでいいや。」
「ブラック…?」
「ん?うん、ブラック」


「砂糖入りの甘いやつにしようよ。」
「いや-、それはいいわ。笑」
「じゃあ…あたしは、オレンジジュースとケーキ。」
頼んだものが届くまで、暫く翔奏と談笑。


飲み物とデザートが届いて乾杯。
「ん〜!オレンジジュース、好き。」
「ふはっ、子供みたいだな。」
「何よ。あたしだって、本気になればブラックコーヒーなんて余裕だもんねっ!」
「へえ…じゃあ、はい。」


笑顔で、翔奏があたしの前に差し出したのはコーヒー。「え、何これ。」
「本気、出せば飲めるんだろ?」
飲んでみて?と顎肘付きながら、あたしを見る翔奏。


「それとも、嘘…?」
「の…、飲めばいいんでしょ。飲むもん…」
両手で、カップを持ち上げる。
コーヒー独特の匂い…。
よし…、飲もうっ。カップに口をつけ、コーヒーを一口流し込む。


「〜〜っ?!」
何とも言えない味が、口の中に広がる。
「…っ、にぎゃ……い……」
「ほら、口直し。」そう言って、ケーキを差し出す翔奏。
慌ててケーキを、口の中へ。
苦さから甘みへと変わる。


「…美味しいッッ!!」
パクパクと、ケーキを食べるあたしを見ながら翔奏が「飲めないくせに、無理すんなよな。」と告げる。
「もう…あたし、ブラック飲まない。」
「おう、そうしろ。」


あっという間に、ケーキを食べ終えた。
「はぁ、満足。」
この上ない幸せ感…、あたしってば単純?
「あ、佳奈…ここ。」翔奏の顔が不意に近付く。


「……んっ?」
気付いた時には、翔奏にキスされていた。
「ちょ、…ここお店。」
「口にクリーム付いてたから、取った。」
唇をなぞる翔奏が、何処と無く色っぽく見えた。
「でも、ここお店だよ…?」
「じゃあ、店じゃなきゃいいんだ?」


「そ、そうじゃない〜〜!!」
「ほら、帰るぞ。」何事も無かったかのように振舞う翔奏に、してやられた感が凄いあたしだった。

17日前 No.34

@kfsys97 ★Android=UehYmgw8Ei



でも、ビックリしたけどドキドキしたのは事実…。あそこに、柱が無ければ完全に見られてたかもしれないっていうスリル感…。


「危なかった…。」
「ん、何が?」小さく呟いたのに、翔奏に聞き取られていた。
「な、何も無い〜っ。」
「さっきのキス、ドキドキしたんだ?」ふっと、耳に息を吹きかけられる。


「ひゃっ、…ちょっと」バッと耳を抑えると、面白そうに笑う翔奏。絶対、確信犯…。
「ほら。」差し出された手を握り、帰路に着いた。
「ただいま〜。」家に帰るなり、何やらバタバタ準備をしているお母さんの姿が。


「あっ、丁度良かった。佳奈、一品何か作って。」
「え、何で?」
「今日、中島さん家を夕食会に招いてるの。」
「そうなの?」
「そうそう。だから、何品かは作ったんだけど後一品だけ、佳奈に作って貰おうかなって思ってね。」
「なるほど、分かった。」


急いで着替えを済ませ、台所へ。
あたしの得意料理を作ることにした。
「出来た…。」作り始めて、数分後ようやく料理が完成。
「ありがとう、助かったわ。」
「どういたしまして。」
夕食会か。楽しみだな…。


そして、夕方。
「お邪魔します〜。」
「いらっしゃい、座って座って」
「翔奏くんは、佳奈の隣ね。」
皆、席に着き夕食会がスタートした。

15日前 No.35

@kfsys97 ★Android=UehYmgw8Ei



夕食会は、大盛り上がり。
お父さんもお母さんも、楽しそうだしいいかな…なんて。隣を見ると、翔奏があたしを見ていた。
「何…?」
「ここ、付いてる。」翔奏が自分の頬を触るから、つられてあたしも自分の頬を触り、あることに気付く。


「〜〜っ!!」
そう、ご飯粒を付けていたのだ。
慌てて取ると、面白そうに翔奏が笑うから肩にパンチをお見舞いしてやった。
「ご馳走さまでした〜!!」


夕食会が終わり、皆で後片付け。
「いいのよ、座ってて!!」
「ううん、ご馳走になったし片付けくらいさせて?」
本当、いつ見ても翔奏のお母さんは綺麗な人だ。


「今日は、本当にありがとう。楽しかったです。」
「また、夕食会しましょうね〜。翔奏くんもおやすみなさい。」
「おやすみ、叔母さん。」
翔奏たちが帰った後は、そろぞれ自由にお風呂へ。


お風呂を入り終え、2階の自室へ。
カーテンを開けると、翔奏の部屋の明かりは付いていなかった。翔奏もお風呂かな?なんて思いつつ、カーテンを閉めた。
丁度、タイミング良く彩夏からLINEが届く。



彩夏:《今、暇?》


佳奈:《うん、暇だよ。》


彩夏:《通話しよ。暇すぎて、、笑》


佳奈:《OK、いいよ。》



送ったと同時に、彩夏から通話が。
少し話すつもりが結局、3時間半話してしまった。
時計の針は、既に2時を回っていた。


「いけない、早く寝ないと起きられない。」
そのまま、眠りへ落ちた。

13日前 No.36

@kfsys97 ★Android=UehYmgw8Ei



夢を見ていた…。
真っ白な殺風景な景色の中、1人佇んでいた。
周りを見渡しても、景色は変わらなくて…。
「…な、佳奈。」


「翔奏…っ、」
遠い場所だったけど、翔奏がいた。
駆け寄ってみたけど翔奏の傍にはいけない。
「佳奈〜!!」
振り返ると、そこには彩夏もいた。


「翔奏っ、彩夏っ!」
追いついたと思えば、すぐに消えてしまう。
待って…、置いていかないで。
「佳奈…。佳奈っ!!」


ハッと目を覚ませば、そこにいたのはあたしの顔を覗き込む翔奏の姿。
「どうした…?何かうなされてたぞ。」
「…っ、大丈夫。それより何で?」
「窓開けっ放しだったぞ。幾ら2階とはいえ不用心すぎだろ。」お叱りに加え、デコピンまでされた…。


「ごめんごめん…。」
今何時?と時計を見れば、お昼過ぎだった。
「…寝すぎた。」
「うん、かなり寝てたな。」
「かなり寝てたな。…って、いつからいたの?」
「1時間くらい、ずっといた。」


「え、1時間もあたしの部屋いたの?」
「嘘だよ。15分前くらいからかな。」
「…なんだ、そっか。」
「朝ごはん、食ってこいよ。」
「ん、そうする。」


1階に降りると、誰も居なくて書置きだけしてあった。
”お出かけしてきます。 母”
テーブルの上には、サンドイッチが置かれてあった。
「いただきます」
「はい、どうぞ。」
「うわっ…!何。」


目の前の椅子に、翔奏が腰掛けサンドイッチを食べる。
「ちょ、それあたしの朝ごはんっ!」
「うわ〜、これ美味い。」
「ちょっと〜!」自分の部屋に戻ったんじゃなかったの?


「佳奈の母さん、俺の母さんと外出したしな。」
「そうなの?」
「おう。でも、佳奈大爆睡だったから出かけたのにも気づいてないだろ?」
うん…、気付いてない。←


「折角だしさ、これ食べたら俺らも出かけね?」
「いいよ、出かけよう。」
「じゃあ、俺は準備してくるわ。後で迎えくるから」
「はーい。」帰りは、玄関から出て行った翔奏。


「あ、玄関閉まってたんだわ。」
そう言って、逆戻りしてきた…笑

13日前 No.37

@kfsys97 ★Android=UehYmgw8Ei



お洒落して、準備万端。
軽く髪巻いてみたけど、変じゃないよね?
鏡と何回も睨めっこ。変な所ないかな、とか気にしすぎってくらい気にしてる。


「よしっ、これでいこう。」
下に降り、外に出ると既に翔奏が待っていた。
「ごめん。遅くなった…!」
「ん、じゃあ行きますか?」差し出された手を握り、いざデートへ。やっぱ、制服の時と違って私服って新鮮だなぁ…。とか思いつつ翔奏の隣を歩く。


「まず、どこ行くの?」
「ん-?映画とか。俺今見たいやつがあってさ。佳奈も気に入ると思う。」
「へ-、気になるかも。見に行こ?」
ポップコーンを買い、席に着く。


見た映画は、割と感動ものの良い映画だった。
思わず泣いちゃったよ。
「あの映画、良かったね〜!」
「佳奈、泣きすぎだって。笑」
「だってさ、あの良い場面で泣かない人いるの?」
「いるんじゃね?」


「よし、じゃあ映画も見たし次はどこ行く?」
「佳奈は、どこか行きたい場所ねえの?」
「あたしはね…、う-ん。新しい洋服が欲しい。」
「じゃあ、次は服見に行くか。」
お互いの行きたい場所に、沢山行った。


「あ-、楽しかった!!次は遊園地行きたいね。」
「言うと思った。笑」
「いいじゃん。笑」
「まあ、いいけど。」
本当、楽しい時間はあっという間に過ぎ去ってしまう。


あんまり遅くなるといけないから、19時過ぎに帰宅。
翔奏にネックレス、買ってもらっちゃった。
しかも…、お揃い。


「……っふふ。」
嬉しくて自然に笑みが零れる。
この、ネックレスあたしの宝物になっちゃった。
ネックレス入れに、そっと閉まった。


「あら、佳奈。ご機嫌ね。何かいい事あったの?」
どうやら自然と顔に出ていたらしい、
「ちょっとね〜!」
お母さん達には、絶対内緒。


あたしだけの秘密にしたいしね。
「ご馳走さまでした。」
何となく、甘い物が食べたくて冷蔵庫を開ける。
そういえば、プリン買ってたんだっけ?
冷蔵庫を探すも、プリンが見当たらない。


「ねえ、お母さん。プリン知らない?」
「あ、ごめん。朝お母さんが食べちゃった。」
「ええ、あれ楽しみにとっておいたのに。」
一気にテンションガタ落ち。
「また、明日同じやつ買って入れとくから許して。」
「…許す。」

12日前 No.38

@kfsys97 ★Android=UehYmgw8Ei



「どう?翔奏くんとは。」
「どうって…普通だよ?」
今日は、彩夏と出かける日。この間は、急に彩夏が来れなくなっちゃって断念したんだけど今日ようやく、あそべるってわけだ。


「そういう、彩夏は順調なの?」
「あ、はぐらかした?うん、まあ順調だよ!!」
彩夏と彼氏さん、本当に仲が良い。いつも話を聞いていて、微笑ましくなる。


「一昨日は、泊まってきたんだ〜!」
「へえ、いいじゃん。」
「佳奈と翔奏くんは、隣同士だもんね。行きたい時に行けるから羨ましいな〜。」
「そんなこと…は、あるかも。」


グラスを回しながら、彩夏がこんな提案をした。
「ねえっ!今度、あたしの彼氏と佳奈達の4人でWデートしない?」やってみたかったんだ、と彩夏が嬉しそうに言う。Wデートか…。
イマイチ、想像が付かない。


「とりあえずさ、翔奏くんに聞いてみてよ。もし、良かったら連絡ちょうだい。」
「うん、わかった」
彩夏と別れ、家に帰り部屋の灯りをつける。
翔奏の部屋の電気がついていない。
もしかして、翔奏も外出してるのかな?


翔奏の携帯を鳴らしてみる。
でも、反応がない。
「…どうしたのかな?」
気になったけど、とりあえずLINEだけ入れとくことにした。


佳奈:《彩夏に、Wデート誘われたんだけど、翔奏はどうかな?》
既読が付いたのは、3時間後の夜中だった。


翔奏:《ごめん、母さんの買い物に付き合わされてて、充電切れてたわ。明日詳しい話聞かして。》


佳奈:《分かった!また、明日。》


翔奏:《おう、おやすみ。》

3日前 No.39

@kfsys97 ★Android=UehYmgw8Ei



「…ってことなんだけど、どうかな?」
「ん、別に俺は構わないけど。」あっさりとWデートを承諾してくれた翔奏。
「いい、の?」あっさりすぎて、びっくりしてしまう。


「じゃあ、彩夏に言っとくね!」
彩夏にLINEを入れて、予定を立てWデートは今週の土曜日に決まった。
「楽しみ、かも。」そういえば、初めて彩夏の彼氏くんに会う気がする。


そして、迎えた土曜日。
朝早起きして、メイクをしたり髪を整えたり…大忙し。全身鏡で何度も何度も確認する。
スカートにするか、ショーパンにするか悩んだけどショーパンで行くことにした。


「翔奏、おまたせっ!!」
外に出ると、翔奏は既に待っていた。
「…それ。」翔奏が首元を見つめる。
「あ、これ?付けてきたよ。」それは、翔奏が買ってくれたネックレス。


翔奏を見ると、翔奏も付けていた。
「…っふふ。お揃いだね。笑」
「ああ、そうだな。」
手を握り、待ち合わせ場所に向かう。


「あ、来た来た!!佳奈、翔奏くん!!こっちだよ。」
大きく手を上げ、あたし達を手招きする彩夏。
「お待たせ、彩夏。」
隣を見ると、彩夏の彼氏と目が合う。
「あ、紹介するね?彼氏の慎翔です。慎翔、いつも話してる親友の佳奈と、佳奈の彼氏の翔奏くん。」


「はじめまして、いつも話は彩夏から聞いてます。今日は宜しくね。」話に聞いてた通り、凄く大人っぽい彼氏さんだった。
「こちらこそ、今日は宜しくお願いします。」
「じゃあ、行こっか。」
「そだね、最初どこ行く?」


「あたし、見に行きたい映画あるんだけど映画からでいいかな?」
「いいよ、じゃあ映画館へ出発〜。」
こうして、Wデートが始まった。

1日前 No.40
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