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さくらビーンズ

 ( 恋愛小説投稿城 )
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未来 ★NyTewebjql_XaU


「ザー」っと強い風が吹いて、さくらの花びらが一気に散った。
『あの時に戻れたらどんなにいいだろう。』
二人は、そうつぶやいた・・・





ご挨拶

初めまして!未来です!素人なので、たまに文がおかしくなるときもありますが、
見逃してやってください・・・

3年前 No.0
メモ2017/03/26 12:46 : 未来★iPhone-5FLyqRTIEo

いいね&コメントくれると嬉しいです!私の名前が未来だったり美羽だったりしてますが登場人物とは別人です!


〜さくらビーンズ〜>>1-100>>101-200  〜番外編〜>>78>>101>>110>>111>>136>>138>>166>>167>>169>>197 


人物紹介☆☆


○春田 美羽(ハルタ ミウ)

 いつも笑顔で男女からも普通にモテる。全教科完璧。泣き虫だけど、涙はみんなの前では見せない。

 幼なじみの大輝のことが忘れられない。空と付き合っている。次期ソフトテニス部部長。未来とペアを組んでいる。生徒会。


○林 大輝(ハヤシ ダイキ)

 野球好き少年。美羽より二つ上。現在中3。大の鈍感w

 未来のことが気になる・・・?生徒会。

 

○吉田 未来(ヨシダ ミライ)

 眼鏡の美人女子。ふんわり天然。優しい。生徒会長。

 大輝と同級生。ソフトテニス部部長。美羽とペアを組んでいる。


○小林 空(コバヤシ ソラ)

 優しくてイケメン。モテる。

 美羽と小4からずっと同じクラス。意地悪で人をからかうけれど、ほんとは気が利く。大輝と野球仲間。

 よく妄想にはしるww


○佐伯 竜(サエキ リュウ)

 空の親友。クラスのムードメーカー。美羽のことが好き。ちょい本気)

 小一の時から空と一緒に野球をやってる。

 空の妄想つっこみ担当。いつもなにかの事件の元凶。

 3歩歩くと大事な事をいつも忘れる・・・

――――――――――――――――――――――――――――

〜桜ビーンズ〜

…続きを読む(59行)

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未来 @miku617 ★NyTewebjql_XaU

to,美羽(中1)


美羽「えー・・・」


  そうくるかあ・・・

  あたしは琴子と顔を見合わせた。



  苦笑いをする琴子。

  空にかける言葉さえ見つからないあたし。


 『え、俺、空の彼女と一緒??しかもその隣の子とも?ラッキー!』

  空気の読めない、空と竜の友達。


竜 「黙れ。」

空 「うせろ。」

  『・・・』


  その友達に鋭い言葉をかける二人。





琴子「と、とりあえず指定の席に座ろう?」


美羽「うん。えと・・じゃあ席の方に行ってるね!」


竜 「ああ。」

空 「わかった。」

  真顔で返事をする竜と空。

  それと・・・




  『うん♪♪』

  二人の、友達・・・


  あたしと琴子は向きをかえ、番号が書いてある席に行く。



琴子「じゃああたし。この席だけど。後でまたいろいろ話そう?」

美羽「そうだね・・」



  あたし達は暗い雰囲気で別れた。


  うーんと・・あたしの出席番号は・29番だっけ?


  あ、この席だ。


  あたしが指定の席に座ろうとしたその時。


















未来「美羽ちゃん!」


美羽「え?」



  未来さんが笑顔であたしの方に向かってくるのがわかる。


  はあ・・・なんでいるのかなあ・・・タイミング悪すぎ・・



未来「久しぶりだね!また可愛くなっちゃって!」


  イヤミですか。

  こんな超絶美人に言われるとしたらそうとしか思えない。


  てか・・あたし今日変だよ・・

  なんでこんなに性格おかしくなってるの・・・?



未来「どうしたの?大丈夫?」


  あたしの様子を伺ってくる未来さん。




  あたしと目線を合わせるためらしい。突然座り込んだ・・



未来「うわあ!!」


  座ろうとしたら転んだ、の方がどうやら正しい。


  なんか行動があたしと似てる。すぐ転けるとことか。



美羽「大丈夫ですか?」


  あたしは手を差し伸べる。


未来「あはは。ごめんねー?大丈夫だよ!ほら、どこも怪我してない!」


  笑顔でいる未来さん。



  未来さんの手の平からは血がかすかに、滲んでいた。


  転んだ時、手をついたひょうしに、すってしまったのかもしれない。


  結構痛そうだ。



美羽「あの・・本当に大丈夫ですか?右手。」

未来「ん?右手?あーこれなら全然痛くないよー!」



  めちゃくちゃ痛そうですよ。


  手、押さえてるじゃん。


  本当は痛いですよね?


  あたしは持っていたポーチから絆創膏を取り出す。



美羽「もしよかったら使ってください!」


未来「大丈夫なのに!でも気を遣ってくれてありがとう♪」


  別にあたし何にもしてないし・・

  その絆創膏なんて100均で買った奴だし。

  さっきまであたしの態度、先輩に対しておかしかったのに。












  あたしは今頃思った。






  この人天然なんだ。



  イヤミとかじゃなくて、全部優しさなんだ。



  この人が、だい君のたぶん彼女。







  よかった。



  だい君の彼女がこの人でよかった。


















2年前 No.188

未来 @miku617 ★NyTewebjql_XaU

to,美羽(中1)




未来「・・じゃあ、あたしそろそろ行くね?ステージ裏でリハーサルしなきゃだから。」




美羽「え?リハーサルって何のですか?」



未来「あ、そっか新入生は知らないか。
   あのね、新入生への挨拶。あたしいつのまにか生徒会長という役柄を務めていたらしくて・・」



  生徒会長!!すご・・


未来「うわあ!もうこんな時間!美羽ちゃん!また後でゆっくり話そうね!」



  未来さんはそういって立ち去っていく。


  あたしが、走る未来さんの背中をずっと見守っていた中、


  突然立ち止まった未来さん。

  そしてこちらを向く。



未来「そうだ!この絆創膏ありがとー!」




   笑顔でそう言った。



  100均の絆創膏もらってそんなに喜ぶ人いたんだ・・



  しばらくすると、いつのまにか保護者も後ろの方の席に座っていて、


  先生達だけが騒がしく慌てた様子でうろうろとしていた。




  突然、教頭らしき人がマイクに顔を近づけて話し始める。




教頭「えー・・新入生、保護者の方は全員おそろいになられたでしょうか。
   では、これから平成○△年度、○○市立第二中学校の入学式を行います。」





教頭「まずはじめに、○○市立第二中学校生徒会長からの挨拶。」




  ステージ裏から『はい』と小さく声が聞こえた。


  そして未来さんが出てくる。

  体育館が少しざわめいた。

  きっと未来さんの容姿端麗さに驚いたのだろう。



  真っ直ぐと綺麗に歩く未来さん。ステージの真ん中まできて止まった。




  マイクを持ち、口を開いた。



未来「新入生の皆さん。入学おめでとうございます。今日から3年間の学校生活が始まります。
   規則を守り、健康に過ごし、学業に励みながらも、友達と友情を築いていってください。中学校生活、楽しんでくださいね。以上です。」




   マイクを置き、未来さんはステージ裏に行ってしまった。




   ぼーっとしているうちに、次々と入学式が進められていく


   ついに、2,3年生の校歌斉唱で入学式は終わってしまった。






   ざわめく体育館の中で


   1年生の席に、先生らしき人がこちらに来て、大きな声でこういった。




先生「ではみなさーん。自分の各クラスに行ってー、クラスの机の上に番号の紙が置いてあると思うのでー、

   自分の出席番号が書いてある紙が置いてある席で待機していてくださーい。」






   1年生のみんなは先生の言葉通り、体育館を出てクラスに向かっていく様子だった。



   人混みに押され歩いていくあたし。なぜかみんなの視線はあたしの方を向いている。


   あたしの制服とかで、なんか変なところあったのかも・・


   もしかしてあたしがブスだから・・・!


   どこが変なのか、自分じゃわかんないよー!琴子に聞いてみよう!

   琴子どこかなあ・・・?


   その時誰かがあたしの手を引っ張った。



   あたしの手を引っ張った正体は空。



美羽「そ・そら?あ、大丈夫?クラス離れちゃったけど・・」


空 「ん、まあそれはしょうがねーからいいんだけどさ。お前。気をつけろよ。かなり目立ってるから。」


  目立ってる??


美羽「あー!やっぱり?ねーあたし、そんなにブスかなあ?すっごいみんな見てくるんだけど・・」


  空は少し苦い顔をして、言う。


空 「その反対だっつーの。このバカ天然。」



  ば・・ばか・・?ついでにあたしが天然だとー!?ありえないし!


  てかその反対ってなんだし!


  空はいつのまにか人混みに消えていた。


















2年前 No.189

未来 @miku617 ★NyTewebjql_XaU

to,美羽(中1)



  ざわめく教室。


  琴子は、かなり離れた席に座ってる。


  竜は・・

  あたしは竜の席を探した。


美羽「見っけ。」


  竜は女子や男子に囲まれて笑っている。

  いいですねー・・

  気楽そうで・・

美羽「はあ・・」



  ブルーな出来事にため息をつくあたし。


  そういえば空が言ってたあの言葉の意味も全然わかんないし。



  一度クラスを見渡してみる。



  やっぱり・・


  あたしを見ている男子や女子が何人かいる。

  小学生の時は、みんな優しいから気をつかってただけで、

  あたし、本当に顔面やばい系なのかもしれない・・


  とたんに不安になってくる。


琴子「美羽!」


  声をかけてきたのは琴子。



美羽「なんだい・・?」


琴子「なーにが『なんだい・・?』なの!?ほんとはめっちゃ焦ってるくせに!」


  琴子は少し頬をふくらませ、怒った素振りを見せた。


美羽「うん。いろんな意味で焦ってる。空の件はもう大丈夫だけどさ。」


琴子「??なんで?いつ解決したのさ?」



  あたしは空との成り行きを琴子に話した。

  ついでにあの事も。


  あの事を話した瞬間、真剣だった琴子の顔もなぜかにやけはじめてくる。


美羽「あんた・・あたしをバカにしてるでしょ・・」


琴子「はあ?違うよー?空の言葉の意味教えてあげようか?」

  琴子はあたしに顔を近づけてくる。





美羽「え?わかるの?教えて!!」


  聞くのは怖いけど気になるよ!




琴子「率直に言うと、美羽。あんたは可愛いのよ。」

  真顔で言ってくる琴子。

   ・・・ん・・?



美羽「うそでしょ。」


  え・・


















    ありえないでしょー!

















2年前 No.190

未来 @miku617 ★NyTewebjql_XaU

to,美羽(中1)



  あたしが・・可愛い・・

  そりゃあ入学式始まる前に、空と竜の友達とかには美人って言われたけど


  あれ絶対お世辞でしょ??


  美人っていうのは、もっとこう・・


  優しくていつもニコニコしてて・・なんでもできて・・


  あたしの頭に浮かんでくるのは「みらいさん」の姿だ。


あんな人を、可愛いっていうんだよ・・?


  と・・とにかくっ




美羽「なんでなんでなんで??」


  琴子の肩をがっしりとつかみ、揺らしまくるあたし。


  琴子は顔色ひとつかえない。


琴子「なんでって・・逆になんで今頃?
   そのビジュアルとスタイル12年間持ち続けて、一度も自分のこと美人とか思わない方が変だし?鈍感すぎていらつくわw」


美羽「はあ・・?」



   まだあたしは読めていなかった。この状況を。


琴子「ようするにたぶん空は、美羽が誰かにとられないか心配なのよ。」


美羽「し・・心配って・・ねえ?大丈夫に決まってんじゃん?」


  琴子はあきれ顔。

  そんな顔されても・・


  だって・・さ・・


  可愛いって思ってもらえるのは嬉しいけどさ・・

  しょせん、お世辞でしょ?


  あたしは気持ちを切り替える。



美羽「まだ少しわからないけど、だいたいなんとなくわかった・・じゃあ先生くるかもしれないから、席戻って良いよ!ありがとっ。」


   ほんとは全然理解できてない。




   だいたいあたしがこんなことで悩む日がくるなんて思ってなかったし!バカみたい。



琴子「ああうん。OK。じゃあね!」



  自分の席に戻った琴子。



  ・・大丈夫でしょ!




  きっと、なんか食い違ってるだけ!


  うん!大丈夫!空もなんかさ、勘違いしてるんだよね!うん!




  あたしが一人で確信してるなか、


  担任と思われる先生が教室に入ってきた。










先生『席ついてくださーい!』


















2年前 No.191

未来 @miku617 ★NyTewebjql_XaU

to,美羽(中1)



  先生の大きな声で


  教室が静まりかえった。






  男・・の先生か・・





先生「初めまして。私1年4組のクラスを担当させていただく『馬淵 大祐』と申します。これから1年間よろしく。」




  馬淵先生とかいう人。なんかめっちゃクール。

  優しいけど怒ると怖そうなパターンかな。体育とか得意そう。




  見た目は若そう・・25歳くらい?

  透き通った肌。少し寝癖のついた黒髪に、細長い目。黒フレームの眼鏡をかけている。これが世にいうイケメン?



  今にも女子の黄色い声が聞こえてきそうだ。




先生「何か私について質問ありますか?」



  馬淵先生の言葉に、クラスのみんながピクリと反応する。


  その時竜が手を挙げた。



竜「はーい!彼女いますかあ?」


  くだらない質問に、


  クラスが笑いに包まれた。



 竜の流れにのり、次々と手が挙がっていく。



  「カレーは混ぜる派ですか?混ぜない派ですか?」


   どうでもいいわ。w



「年はいくつですか?」





   それ聞いちゃうかあ・・(汗)


  「馬淵先生のアドレス教えてくださーい!♪♪」



   女子って・・・・・




  「好きなテレビ番組は!」


   聞いてどうする・・?



  「初恋はいつー?」


   その質問痛いでしょー!





   次々にくる質問。馬淵先生は少し焦り気味。相変わらずクールだけど。




  質問からわかったこと。




  カレーは混ぜない派。



  年は24歳。新人・・らしい。



  アドレスは・・・もちろん非公開。




  好きなテレビ番組は「しゃ●くり7」



  初恋はまだ・・らしい。





  結局・・

















   馬淵先生って何者??


















2年前 No.192

未来 @miku617 ★NyTewebjql_XaU

to,美羽(中1)





  馬淵先生への質問はタイム終了。



  大量のプリントが配られてくる。



  あたしはその中に混じっていた、チラシに目を向けた。



美羽「生・・徒・会??」



  どうやら生徒会に入る人を募集しているらしい。


  生徒会長って未来さんなんだよね。


  うーん・・


  こういう仕事やってみたいけど・・



  あたしが悩んでいると、

  馬淵先生が口を開いた。



先生「プリントみんな届いたか?

   時間あるし次は、クラスのみんな一人一人に自己紹介をしてもらうから。」





   『えー!』



   クラスメイトが声をそろえて叫んだ。



   先生はそんな生徒達にお構いなく。



先生「んじゃあ出席番号順でいいな。1番よろしく。」




   出席番号1番の人・・・琴子じゃん!そういえばクラス表見たとき、1番だったけ?

   琴子は嫌々席を立った。





琴子「初めまして。有野琴子です。よろしく。」




  え、自己紹介短い!





先生「・・・もうちょっと特技とか入る部活とかさ・・あるんだからそういうこと言えよ・・」


  先生のクールアドバイスに、琴子は小さく舌打ちした・・ように聞こえたのはあたしだけ・・?



琴子「特技はバレエ。入る部活は陸上部。以上。」



  琴子・・どうした・・?なんか怖いぞ・・




  後で何があったのか聞いてみよう・・






  琴子に続き、次々と自己紹介は進んでいった。





  そしていつのまにかあたしの番に。





  やばい・・めっちゃ緊張・・



美羽「春田美羽・・・です。特技はソフトテニス・・です。ちなみにジュニアからやっていました。

   なので部活もソフトテニス部に入るつもりです・・これから1年間よろしくお願いします・・・」







  あたしは勢いよくいすに座って、真っ赤な顔を伏せる。


  恥ずかしい・・





  なぜかみんな、あたしの事ガン見してきたし・・






  もうやだ・・・!!


















2年前 No.193

未来 @miku617 ★NyTewebjql_XaU

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2年前 No.194

未来 @miku617 ★NyTewebjql_XaU

to,美羽



  お下がりの中学校のカバンとリュックをロッカーから出し、


  あたしは再び自分の席に行こうとする。あいかわらず誰かしらあたしを見てる。もうなんなの?



琴子「美羽。」






  ふりむくと


  あきらかに様子がおかしい琴子がいる。


  下を向いたまま、あたしの肩に手をポンと置いた。



美羽「あ、琴子?なんかさっきから様子変じゃない?なんか怒ってる?」




  いきさつをあたしは聞いてみた。







琴子「やっぱわかる?・・・それがさあ・・あの担任・・・」



美羽「担任って・・馬淵先生の事?それがどしたの?」



  馬淵先生・・?




  琴子は少し涙目で



琴子「あたしの嫌いなタイプなんだよー!!」



   叫ぶ。





  ・・・



美羽「は?」




  え、何?


  そんな事で?だいたいなぜ?タイプとかあるの?


琴子「ほんっとありえない!ちょっとイケメンだからってさあ?」



  しゃべり出すと止まらない琴子。



  なんかめんどくさいことになってきたぞ・・



  あたしは琴子に同情の目をおくる。




美羽「琴子。」


琴子「何・・?」

美羽「ドンマイ。」




  むりやり会話を切り

  スタスタと自分の席に戻る。





  椅子に座り、ふと隣を見るとあることに気づいた。




  あれ?隣の席の・・・


  えーっと確か「星野司」がいない・・




  あたしは教室を見渡した。



  教室を出て行く生徒達がちらほら。



  ああ、帰りの準備できた人から、もう放課後だったっけ?



  あいつ、もう帰ったのか。




  あたしも帰るか。


  そう思い、席を立ち上がろうとした瞬間。




 『美羽ちゃん!』



  名前を呼ばれた。



  誰?



  7人くらいいて、あたしの事を目を輝かせて見てる。



  見慣れない顔。男子も数人。




美羽「えと・・何か?」


















2年前 No.195

未来 @miku617 ★NyTewebjql_XaU

to, 美羽



美羽「えと・・何か?」


  なんか怖いよー!


  なんらかの恐怖を感じるあたし。



  すると、その人たちは口をそろえて言った。




  『友達になろー♪』





  え?


  予想外の言葉。


美羽「な、なんで?あたしなんかと?」


  戸惑いながらも聞いてみると、

  あたしの周りにいる人たちの中の一人が言った。





  「最初はなんか美しすぎて、近寄りがたかったけどさ。
   結構目立ってたよー?自己紹介の時めっちゃ顔赤かったし?めちゃくちゃ笑顔見せるし?気が合いそうだなって。
   あと、美羽ちゃんと一緒にいた琴子ちゃんもできたら仲良くなりたいんだけど・・・」




  その人たちが少しビクビクしているようなのは、きっとあの冷めすぎた琴子の、自己紹介のせいだろう。


  琴子は席に座って、死んだような目をしてる。




美羽「うん・・今そこに本人はいるんだけどね?ちょっと今琴子やばそうだから話しかけるのはやめといた方がいいよ。
   でもいつもはすっごい明るいから、安心してね?あと、あたしもぜひ仲良くしてください!」


   あたしは満面の笑みをうかべた。




  「わかった!こちらこそよろしくね。
   じゃあもう帰らなきゃね。同じ帰り道だよね?できたら今度帰ろうね!バイバイ!」



   その人たちは教室を出て、帰っていった。


   よし今度こそ帰ろう。




   琴子に声をかける。


美羽「琴子!帰るよ!」



琴子「あ、うん。」







   と、とりあえず友達作り成功?










2年前 No.196

未来 @miku617 ★NyTewebjql_XaU

祝☆アクセス1000記念
番外編



to,萌良







  あたしと空は1年生の時から一緒だった。





  最初のころはなんとも思ってなかった。



  けど3年生になっても一緒で。














  『あれ?お前らまた隣の席なん!?運命じゃね?マジで付き合っちゃえよー(笑)』









  いつもこんな風に、クラスの人達にからかわれるのだって珍しくなかった。







  でも、嫌じゃなかった。いつのまにか好きになってたから。


  大胆に言うと



  嬉しくなっていた。





  けどいつも決まって空は、少し怪訝そうな顔して言うんだ。






 「何言ってるんだよ?たまたまだろ!付き合うとかありえねーし?」





  きっとあたしのことなんかなんとも思ってない空。




  それでもいつも笑顔で話しかけてくれて。ちょっかい出してきたり。




  空が大好きだったから、嫌なこと全部忘れられた。





  それなのに・・・







 『おい!空と美羽が付き合い始めたって!』




 『え!?あの春田美羽と小林空が!?』






 4年生からクラスが離れたあたしと空。





 いつのまにか空の隣には美羽ちゃんがいた。




 勝手に終わった恋。


 せめて告白だけでもしたかった。だってもう答えはわかってるのだから。






 だから美羽ちゃんにあたしは言った。





 「あの・・・あたしね・・・空のこと・・・好きなの・・・」







 いくら優しい美羽ちゃんでも、駄目って言うだろうってわかってた。



 でもそう考えるだけで涙がじんわり出てくる。











 なのに美羽ちゃんは、あたしの話を静かに聞いてくれた。




 そして笑顔でこう言ってくれたんだ。






 「告白・・・ちゃんとしなきゃ・・・あとで一生後悔するよ・・・」





 こんな風に言ってくれるなんて思ってなかった。




 なぜここまで優しくしてくれるのかも全然わからなかった。




 するとポツリポツリと自分の昔のことを話してくれた美羽ちゃん。





 空と付き合う前に壮絶な恋をしていたこと。


 いつもそのせいで泣いてたこと。全部全部。





 「萌良ちゃん。」



 「はい・・・!」


 「頑張れ。」



 「うん・・・!」





 美羽ちゃんはあたしを本気で心から応援してくれていた。





 そして卒業式。




 あたしは空に告白した。




 もちろん振られたけど。




 美羽ちゃんの言葉の意味がわかったような気がした。




 もし、美羽ちゃんの言葉が無かったら。




 もし、あたしが今ここで空に告白してなかったら。



 あたしは一生その後悔を引きずっていくことになっていただろう。







 うん。なんかすっきりしたような気がする。




 勇気をくれてありがとう。美羽ちゃん。


















2年前 No.197

未来 @miku617 ★NyTewebjql_XaU

to,美羽(中1)





  琴子と帰る、学校の帰り道。



  あたし達は他愛の無い会話を延々としていた。琴子はほぼ、馬淵先生についてずっと話していたけど。



  すると琴子はなぜか後ろを向く。

  そして突然何かを思い出したかのように、口を開いた。





琴子「あ・・・

   えと・・今日・・ピアノあったの思い出したからさ!ごめん、先行くね!ゆっくり歩いてていいから!」



美羽「へ?あ、OK・・」



  ものすごいスピードで、あっという間にいなくなる琴子。


  そういえば琴子、今日はピアノ無かったんじゃ・・・



  まあ色々とあるのだろう。


  どうでもいっか!


  あたしは止まっていた足を再び動かし始める。



  しかしまた足を止めた。



美羽「あれ?なんで琴子は後ろを向いて、習い事あるの思い出した??」



  なんとなく後ろを向いてみる。


  その瞬間、あたしの目が大きく見開いた。






  琴子が突然いなくなった理由。








美羽「そういうことね・・・」







  わかっちゃった。





2年前 No.198

未来 @miku617 ★NyTewebjql_XaU

to,美羽




  あたしは後ろに向かって叫んだ。






  「ねえ。」





  「何だよ。」




  返事が返ってくる。




  そこにいたのは空だった。




  きっと琴子は気を利かしてくれたんだ。


  空だけクラス離れたし。




  空に近づくあたし。

  そして並んで歩き始める。




  しかしあたしはあることを思い出した。






美羽「そういえば空、あたしのことバカ天然って言ったでしょ。入学式終わった後。」





  あれすっごいむかついたんだから!




空 「言ってねーよ。」



  空は制服のポケットに手をつっこんで、下を向く。




美羽「嘘つき。」





  まあ・・・いいか。


  空も内心、クラス離れて落ち込んでると思うし。








空 「・・・お前のこと、可愛いって思っただけ・・・」




  突然空は言った。





  ・・・な・・・何言ってるの?





美羽「あたしなんか可愛くない!よく見てよ!この顔!」



  下の下の下だよ!




  せっかくのお世辞、嬉しいけど、あんまり嬉しくない!





空 「ルックスだけじゃねえよ。性格も笑顔も。」



美羽「そ・・それ以上言うと怒るから・・・・////」





  少し怒り気味のあたしに、お構いなく空は喋り続ける。






空 「誰かの為に怒ったり、泣いたり、笑ったり。だけど自分の弱さはぜってえ見せない。

   友達もすぐできるはずだよな。」





美羽「え?」



  あたしは顔を上げた。




空 「美羽の周りにめっちゃ集まってたじゃん。俺の知らねえ奴がたくさん。」





  あ・・・見てたんだ・・・







  もしかしてあたしが帰るの待っててくれた?





  空は続ける。





空 「そういうところも、全部。美羽の長所だっつうのはわかってんだけど・・・

   少し・・・いやかなり、見ててイライラした。」







  それって・・つまり・・・






美羽「ヤキモチ?」


















2年前 No.199

未来 @miku617 ★NyTewebjql_XaU

to,美羽





  あたしの言葉に、空は少し顔を赤くした。





空 「べ・・つに?
   違・・・くないけど・忘れろ!さっき言ったこと全部!
   ほら。もうお前の家着いたぞ。さっさと失せろ!」



美羽「うーわ・・・ひどお・・・
   もう決めた!一生忘れないから!」




   あたしはそう言うと、走って自分の家に向かった。








  そして玄関の前まで来てへたりこむ。





美羽「やっばい・・・///]





ヤキモチって・・・

  なんか恥ずかしい・・・




 ヤキモチ・・・されたことなかったから。


 いつもしてばっかりで。








 だい君の時も。



 未来さんに嫉妬してた。



 馬鹿みたいに、泣いて泣いて泣いてた。





 あたしは熱くなった顔を、冷たい手で冷やしながら


 家に入っていった。







2年前 No.200

未来 @miku617 ★NyTewebjql_XaU

to,美羽


  中学生になって、二日ほどたった。


  あれから空とは会ってない。







馬淵「春田、お前生徒会とか興味あるか?」



美羽「へ?」



  移動教室で、琴子と廊下を歩いていると、突然馬淵先生に声をかけられた。



馬淵「人数が足りないらしいんだ。とりあえず1年生は二人必要らしくて、一人はもう候補がいるらしいから。
   お前、そういうのに向いてそうだから・・」


  生徒会・・・


  入りたいという気持ちがなくもないけど、未来さんがいるっていうのがちょっと気まずい。


  そりゃあ未来さんはいい人だけどさ。


  というか、そもそも生徒会って票を集めてなるものじゃないの?

  それほどやりたい人がいないってことか。


  すると先生は、持っていたファイルから一枚の紙をあたしに差し出した。



馬淵「これに自分の名前と志を書いとけばとりあえず生徒会室には入れるから。考えてみろ。」



美羽「はあ。」



  そう言って馬淵先生は行ってしまった。


  志って・・



美羽「どうしよ。琴子?」



  あたしは隣にいるはずの琴子を見た。

  しかし琴子の姿がない。




  あ、そういえば琴子って馬淵先生が苦手なんだっけ?なぜか。



美羽「琴子、もう先生いないよ。」




琴子「本当?」




  琴子はおそるおそる近くの女子トイレから出てくる。




琴子「生徒会。どうするの?」



  それを今、あなたに聞いたのだよ。



美羽「・・と、とりあえずこの紙持って、生徒会室に行ってみる。」


琴子「ふうん・・・頑張れ!」



  うん。頑張るよ。いろんな意味で。








2年前 No.201

未来 @miku617 ★NyTewebjql_XaU

to,美羽





  あたしは生徒会室の前にいた。



  き・・緊張する・・


  馬淵先生から頂いた紙を、ぎゅっと握りしめた。





  「これは未来先輩と仲良くなるチャンス・・頑張れ・・頑張れ・・・自分‥!」



  一か八か、ゆっくりとドアを開けた。





  「失礼しまーす・・・」



  おそるおそる中に入ると、奥から声がした。




 「はーい!どちら様ー?」




  未来先輩の声だ。




  予想通り、先輩が奥から出てきた。


  そしてあたしを見る。



未来「ようこそ美羽ちゃん!馬淵先生から話は聞いてるわ。

   それで?入る準備できてる?心の。」



  未来先輩は目を輝かせて言った。



美羽「あ、はい・・一応・・」





未来「本当!?ありがとう!助かるわ!これから宜しくね!」



  すると突然生徒会室のドアが開いた。





  「授業終わりましたー。会長ー。」




  誰・・?


  4人の男女が入ってくる。




未来「あ、紹介するね?この3人は、生徒会メンバーでーす!」



  「ん?もしかして生徒会入ってくれるの?君。」



  4人はあたしを見た。



美羽「はい。春田美羽です。宜しくお願いします!」




  あたしは頭を下げた。




 「うん!よろしく!」




 4人は両手でピースをし、とびきりの笑顔になった。





 「俺。松本達也。会長と同じ3年生。副会長でーす。」


 「私は橘しずく。同じく3年です!書記担当です!」



 「えと、うちは加藤麻衣。2年生の書記です!」


 「そして俺は小板橋啓吾。2年の会計。よろしく。」




  4人とも丁寧に自己紹介をしてくれた。

  というかここの生徒会人数多いな。




未来「あと1年生の男子が一人入って、それと3年生にもう一人いるんだけど、そういえば美羽ちゃん知り合いよね?」



  未来先輩はあたしに尋ねた。




美羽「え?誰ですか?」





  あたしが首をかしげた時、また生徒会室のドアが開いた。



  あたしは振り向く。





 「わりい。遅れた。頼まれた資料ってこれだよな?」






  生徒会の3年生のもう一人。



  それは会いたくない人だった。




未来「大輝!遅刻遅刻!もう・・・気をつけて?」


  先輩は少し顔を赤らめて言った。












2年前 No.202

未来 @miku617 ★NyTewebjql_XaU

to,美羽


  どんなに会いたいと願っても、
  どんなに昔に戻りたいと思っても、

  君は現れてくれなかった。

  君は、私が幸せな時に、現れて、

  私から笑顔を消す。


  今回も同じだった。

  あのだい君がいたのだ。

  2年前より少し大人びて、身長もずいぶん伸びている。




  だい君はあたしの存在に気づいていない。




大輝「わりい。ちょっと色々てこずっ・・・って・・」



  突然、だい君はあたしを見た。


  目を丸くしている。





  あたしは驚きを隠せない。


  もしかして生徒会の3年生のもう一人って・・・



未来「ほら。こいつが会計の林大輝。幼なじみなんでしょ?なら話が早いわ。美羽ちゃんは大輝と啓吾と、会計よろしくね?」




美羽「え・・・そ、そんなに人数必要なんですか?」


  無理だよ・・・だい君となんて・・・

  もう何年も話してないのに。



未来「しょうがないの。ここの学校、全校生徒多いし、部活とかもたくさんあるから。

   あともう一人入ってくる1年生がいるんだけど、その人には書記やってほしくて。

  だからとりあえず、今から会計の人たちは集まって役割分担しといてね。」




大輝「・・・」



  だい君の方をちらりと見ると、だい君と目が合う。



美羽「春田美羽です・・・よ・・ろしくお願いします・・・」



大輝「・・・・・・美羽・・」





   その時、だい君があたしの名前を口にした。





美羽「へ・・?」




   もしかしてだい君あたしのこと覚えててくれた・・・?




啓吾「役割決めんだろ。早く集まるぞ。」



美羽「あ・・はい・・」









   生徒会・・・・本当に入ってもよかったのかな・・・











  神様・・・これは運命といっていいのでしょうか・・・?


















2年前 No.203

未来 @miku617 ★NyTewebjql_XaU

to,美羽



啓吾「んじゃ、俺がここでお前がここ、それで春田美羽がここでいいか?」



大輝「うぃーす。」




美羽「はい。」




  やばいめちゃくちゃ緊張する・・


  だい君が目の前に座ってる・・・

  今までは後ろ姿を見ているだけでも火照ってたのに・・


  “まあ現在は何も感じてない・・・”


  って思いたい。


  空の存在だけで良い。




  あ、そういえば


  あたしはふと、あることを思い出した。




美羽「あの・・啓吾先輩・・?

   もう一人1年生が生徒会に入るって言ってたじゃないですか??

   それって誰か知ってます?」




  1年生・・・・

  男子って、未来さんは言ってたけど誰だろう・・・?




  先輩は少し考えてから言う。



啓吾「・・・さあ?俺がわかるのは男子ってことと、
   あとお前と同じクラスかなんかだったような・・・?」





   同じクラス・・




啓吾「お前、知ってるか?」




  先輩はだいくんの方を向いた。




大輝「・・・確か・・・」









2年前 No.204

未来 ★YNxghsYNe5_MVN

to,美羽




  だい君はゆっくりと口を開く。




大輝「俺の知り合いの星野っつう奴。」




  星野・・・?

  どっかで聞いたような聞いていないような・・・・




  ん・・・?



美羽「それってもしかして星野司ですか?」



  あたしはだい君の方を見て聞く。



美羽「っ・・!」



  そしてハッとして口をおさえた。



  あたし・・・だい君に普通に話しかけちゃった・・


  別にダメってことないけど、久しぶりすぎて・・・



  だい君も案の定、びっくりしたような顔をしている。




  聞かなきゃよかった。





大輝「ああ。そうだけど。」



  そう思ったとき、

  だい君は答えてくれた。


  あたしの質問に。


  懐かしい・・・

  何年振りだろ。会話したの。



  小学校にいたとき、どんなにだい君ともう一度もとの関係に戻りたいと思ったことか。



  今じゃもう会話をしなければいけないようになっている。


















               私の目からは一筋の涙がこぼれていた。



2年前 No.205

未来 @miku617 ★YNxghsYNe5_MVN

to,美羽



大輝「は・・・?」


  やばい・・

  泣きたくないのに
  涙だけがあふれ出てくる。

  すると未来先輩があたしの様子にすぐ気が付く。



未来「え・・ちょ・・・っと・・美羽ちゃん・・?大丈夫?」

美羽「だ・・っ・・大・・丈夫っ・・です・・なんでもありません・・・」



  やだ・・

  だい君がこっち見てる・・・

  怖い・・・怖い・・・引かれちゃってるのかな・・・


  悲しくて泣いてるんじゃない。


  ただ、だい君と話せたことがあんまりにも嬉しすぎて・・



未来「ちょっと誰?美羽ちゃん泣かせたの!」



  未来先輩は本気で怒ってる。



啓吾「俺なわけないだろ。」


大輝「え、俺は普通に話してただけだし・・」







  『普通に話していた。』

  だい君はそう言う。


  あたしはその言葉が嬉しい。

  だって、だい君にそういう風に思ってもらえたから。


















                  なんでだろう。こんなに胸が苦しいのは。




2年前 No.206

未来 @miku617 ★YNxghsYNe5_MVN

番外編







店員「今回はどのような髪型にしますかぁ?」



美羽「えと・・ばっさり切っちゃって・・肩にかかるくらいの長さで。。」



店員「かしこまりましたぁー♪」




  春休み。


  入学式を明日に控えたあたし。


  今日は髪を切りにきた。





店員「シャンプー入りまぁーす♪」



  3年間くらい、あまりバッサリと切んなかったから、すっごい伸びちゃって。

  中学に入るから切ろうかな?みたいなノリで・・



店員「かゆいとこない?」

美羽「あ、大丈夫です。」




  いざ切るとなると、緊張するなあ・・

  明日、みんなに、変な目で見られたらどうしよ・・

  『あいつ髪形似合ってねえー・・・』みたいな…



店員「じゃあばっさり切っちゃうね。」

美羽「はい。」



  やっぱり切らない方がよかったかな?

  でもイメチェンもしたいし、

  夏に、長いと暑苦しいし・・・



店員「こんな感じでどう?」

美羽「あ・・良い感じです・・ありがとうございます。」


  鏡の中に写るあたしは思ったよりも違和感がなく、安心した。


















                    そして入学式。






琴子「美ー羽ー!」



美羽「ひゃあ!」


  琴子気付くかな・・?
  髪型・・・



美羽「なんだよー。琴子じゃないかあ・・・今ので寿命が13年縮まったあ・・・」

琴子「いや、なんでそんな数字細かいの?wwやけにリアリティーあるんですけどw」

美羽「まあそこは気にしないで。」



  ・ん・・・・?








琴子「そういえばクラス割り表!出てるんだよね!」

美羽「うん!らしいよー♪一緒になれるかなあ?」



  ・・・・




  気づいてない・・・?


















                 そして今日。





美羽「あのさ、あたしが髪切ったの気付いてないでしょ。」


琴子「は?気づいてるわ!入学式の時から!逆に気づかない方が馬鹿でしょ。」


美羽「え、じゃあなんで言ってくれなかったの!?」


琴子「別にいちいち言う必要ないかなあって。そんなに言ってほしかったの・・」


美羽「・・べ・・別に!そんなんじゃないし。・・・」







2年前 No.207

未来 @miku617 ★YNxghsYNe5_MVN

to,美羽






  っ・・・


  やばい・・


  上手く息ができない・・・


  やだ・・・


  この場から逃げ出したくなるくらい、あたしは追いつめられていた。




美羽「あのっ・・・えっ・・と・・ごめん・・・なさ・・い。ほんとになんでもないんで・・二人のせいじゃないです。

       ちょっと廊下出ていいですか・・?」



未来「え・・全然いいけど・・美羽ちゃん大丈夫?どこか痛い?

    体調悪くなったら普通に言っていいからね?」



美羽「はい。ありがとうございます。すみません。では一旦失礼します・・・」


  生徒会のみんなに一礼し、廊下を出ていく。



  そして生徒会室のドアを閉めた。



美羽「・・・っふ・・うっ・・・うっ・・・!」





  放課後。


  静まり返った廊下をあたしはひたすら走った。泣きながら。


















  どれくらい走っただろうか。

  いつのまにかあたしの涙は止まっていて。

  近くにあった鏡を見ると、あたしの目は虚ろで真っ赤になっていた。







  その場にへたりこむ。







  「・・・なんで泣いちゃったんだろう。泣く理由なんてなかったのに。

    おっかし・・・」





  あの時は、だい君が話しかけてくれて・・・

  それで・・・それが・・・・











  「嬉しかった・・・」





  だい君にとってはそれが普通だったのだろう。


  でもあたしは違った。普通じゃいられなかった。



  昔あなたに淡い恋心を抱いていたから。







  あの約束をしてから、今年でちょうど10年になる。


  だい君はあの日、どんな気持ちで、あたしと約束したのだろう。


  あの日両想いだって浮かれてたのはあたしだけだった?






  「てかさ・・」





  あたし、もうだい君のこと諦めたんだよね?

  空っていう恋人もいる。






  「なのに。」




  なんでこんなにだい君のことばっか考えてるの?

  卒業式の日もそうだった。


  むしゃくしゃする・・・

  こんな時に安心させてくれる人がいたら・・・


  思い浮かぶのは空、琴子、竜の顔だった。


  って・・・だめだめっ!人に頼ってばかりじゃ。



  自分の問題なんだから、自分でなんとかしなきゃ。









  するとどこからか誰かの声がした。





  「おい。大丈夫かよ?」


  え・・・
  この声は・・・
















2年前 No.208

未来 @miku617 ★YNxghsYNe5_MVN

to,美羽




「何やってんだよ。こんなとこで。
 ・・・って・・・うわっ!・・泣いてる・・・?」





 声の主は、隣の席の「星野 司」だった。


 司はあたしの泣き腫らした目を見て、様子を伺ってくる。





美羽「星野司こそ何やってるのよ・・・」



  あたしは必死に強がる。




司 「いや、別に・・・あるところに行こうと思ったら・・

   お前がいた。」



美羽「あたしがこんなとこにいて悪かったわね・・・」



  少し目を吊り上げて司を見た。



  それに反発したのか、司はこちらをまじまじと見てくる。


  ちょっと・・何・・?

  こっちそんな見ないでよ・・・


  泣いた後の顔なんて・・・・

  ほら。


  早く行きなさいよ。


  用があるんじゃないの?

  なんで行かないのよ。



  すると司は口を開いた。





司 「お前さ。」

美羽「何。」






司 「なんかあったの?」


美羽「え・・・」




司 「そんなひでー顔して。
   空となんかあった?」


美羽「別に。星野司には関係ない。」



  心配・・・してくれてるんだよね・・・


  冷たくしちゃった・・

  まあ、諦めてここから離れてくれるか。



司 「・・・言えよ。そんな傷ついてるような顔してる奴、ほっとけねえだろ。」




  司の対応はとても優しかった。

  それも、初めて会ってからまだ1か月も経っていないとは思えないほどに。

  でもどんなに司が心配してくれても、今回のことだけは言えない。

  言えるはずがない。




美羽「・・ごめん。言えない。」


司 「そっか。ま、言えねーこともあるよな。しつこく聞いて悪かった。」


美羽「別に大丈夫。ありがとう。そろそろあたしも戻らなきゃ。」



司 「!やべえ!俺も行かねえと!」





   司のおかげか。


   あたしの、このなんというか、ドロッとしたような複雑な気持ちは少しおさまっていた。




   まだだい君へのこの気持ちがなんなのかはわからない。


   友達としてのなつかしさでもない、初恋の人としてのなつかしさでもない、


   ただ、“恋”がまた蘇ったなんてないと思いたい。

   絶対あってはならないことだから。





美羽「・・・じゃ、あたしこっちだから。」


司 「俺もそっちだから。」





美羽「あ、そう。」


   だいたい星野司はどこへ向かおうとしているのだろう。



   そんなことも考えながら、あたしは生徒会室へひたすら歩いた。





   タッタッタと二つの足音が重なる。



美羽「・・・ついてこないでよ。星野司。」



司 「ついてきてねーよ。てかフルネームで呼ぶな。」




  ・・・・


  タッタッタッタ

  まだ足音は二つだ。




  一つ深呼吸する。




美羽「星野司っ!あんたストーカー趣味!?ついてこないで!」


司 「知らねーよ!俺もこっち方向なの!生徒会室へ行くんだよ!つかフルネームで呼ぶな!」



  ん・・?



  今なんと・・・


  あたしは足を止めた。



美羽「せいと・・か・い?星野司、まさか生徒会入るの?」



   その場に立ちすくむあたし。



司 「そうだけど。何?お前も生徒会?
  ・・・ウソだろ・・マジかー・・・つか、だからフルネームで呼ぶなー・・」










1年前 No.209

未来 @miku617 ★YNxghsYNe5_MVN

to,美羽




  はあ・・・知らなかったよあたしは・・・

  まさか司が生徒会だったとは・・・


  そういえば、だい君が星野司が入るって言ってたっけ。


  泣いて、すっかり忘れてた。


  そうだ、それであたしはだい君と話したことで・・・




      泣いたんだ。



  というか、



  なんとなく流れで生徒会室来ちゃったけど、大丈夫な雰囲気だっけ?


  だいたいさっき自分が泣いた意味が自分でもわかってないし・・


  だい君と話せたのは嬉しいよ。



  だって幼馴染だから。



  まあそれ以上に、話したくても話せなかったもどかしさが


  生徒会という場で、無くなったからだと思う。


  あたしは、小学生だった時を思い出す。


  あの時はだい君のことで毎日影で泣いてたっけ。



  それがいつの日か、空という温かい存在が現れて、


  だんだん影でも泣かなくなっていった。



  それはなぜだろう?


  好きだから。この言葉を当てはめるにはなぜか違和感があった。


  この前までは好きが当たり前だったのに。



  だい君に再会してから、一つ一つみんなではめていったパズルがくずれていくように感じる。




  心の端っこにある、このモヤモヤはなんだろう。








  そうこうしているうちに、あたしと星野司は生徒会室の前まで来ていた。






  大きく深呼吸するあたし。


  大丈夫。平常に。


  何もなかったように。


  みんなに心配かけちゃダメ。


  もしだい君と話さなきゃいけなくなった時は、

  あまり目をみない。



  頑張れあたし。






司 「何してんだよ。早く開けろよ。つか開けるぞ。」


美羽「ちょ、ちょっと待ってまだ心の準・・・備・・・が・・・」



  星野司はお構いなしに、ドアを開ける。





司 「失礼します。」


美羽「失礼します・・・」



  先輩たちの視線がこちらに集まる。




  そして未来先輩がガタッと立ち上がりあたしの方へ来た。




未来「美羽ちゃん!体調は大丈夫?」


美羽「す、すみませんでした!会議抜けたりしちゃって。」


未来「全然良いのよ。それはしょうがないわよ。あ、あと・・・美羽ちゃん、会議終わったら少し話せる?」




   なんだろう。


   なにか言われるのだろうか。



美羽「はい。」



未来「じゃあよろしくね。」




司 「あのー・・・俺は・・・」



未来「え?ああ!星野司君ね!あなたは書記。自己紹介はまた日を改めてするから。とりあえず二人とも担当の席ついて。」





  未来先輩に言われた通り、会計の方へ向かった。だい君のいる方へ・・




  そしてだい君の真正面に座る


  チラッとだい君の方を見ると、だい君と目が合う。


  二人して同時に目が合い、同時に話す。



  昔からの幼馴染ゆえのシンクロだった。




  頬を両手で触ってみる。



  熱い・・・


  きっと今のあたしの頬はリンゴのように赤いだろう。




  赤くなる理由はなに?



  それから、もう、誰の声も耳に入ることなく


  会議は終わった。




  またしてもだい君をチラッと見てしまった。


  しかし、そこにだい君の姿はなかった。



  もう・・・帰ったのか。




  なんだろう。なんで心がこんなにズキンとするのだろう。





  あ、未来先輩に呼ばれてたんだ。



  行かなきゃ。






  あたしは席を立ち、未来先輩の方へ向かった。




美羽「先輩。話って・・」


未来「ん?あ、そうだそうだ!美羽ちゃんに聞きたいことがあるの。」





  聞きたいこと?



  あの星野司も帰ったようで、生徒会室にはあたしと未来先輩以外誰もいなかった。





未来「まあ、そこ座って。」


  すぐそこの席に座る。


  未来先輩も隣に座った。







未来「今から聞くことは、きっと思い出したくないこともあると思う。でもお願い。なるべく答えて。」



   思い出したくないって何?

   未来先輩の言葉に不安になるあたしがいる。



未来「まず今日のこと。美羽ちゃん、あの時どうして泣いたの?なんでもなくなかったよね?本当は。」



美羽「そ・・・れは。」





 未来先輩の観察力はすごい。


 あたしの挙動不審な様子に目をつけていたのだろう。



 でも言えない。


 わからない。



  自分でも涙を流した理由がわからない。


  だい君が関係していることは確かだ。


  話せたことで泣いたのも確かだ。


  でもそれは理由じゃない。


  そんなことで泣くのはおかしい。




  きっと未来先輩に、このことを伝えても、わからないだろう。



  だから言えない。



1年前 No.210

未来 @miku617 ★YNxghsYNe5_MVN

to,美羽




  わからない・・・


  なんでだろう?


  心ではわかっているはず。



   なのに



   頭が追いつかない。




未来「・・・ごめんね。」




   突然未来先輩が口を開いた。



美羽「え・・・」




   なんで・・・謝るんですか?



   未来先輩のせいじゃないのに。




未来「こんなこと無理に言わせることじゃないよね。・・・でも、泣いてる美羽ちゃんを放っておけない。」




  なんで・・・そんなことが言えるんですか・・・?


  そんなに優しくされたら。



  あたしの立場がない。






未来「もしかして大輝が関係してる?」



美羽「っ・・・!」




  なぜわかったのだろう。




未来「あ、ごめんね。美羽ちゃん大輝と知り合いっぽかったから。」






  もう。


  逃げられない。


  言ってしまおう。


  相手が誰であろうと。


  あたしの想いを。


  だい君へ昔の想いを。



  泣いた理由にはきっとこの想いが関わっているはずだから。





  言ってしまおう。



  たとえ相手がそのだい君の想い人だとしても。






  言って、



  全部終わらせちゃおう。











美羽「あたしと大輝先輩。幼馴染だったんです。もう10年以上も前の。」





未来「あ・・・それ・・・大輝から聞いたことある・・」






美羽「・・・それで、あたしの初恋でした。」




未来「・・・そ・・うなん・・だ・・」




美羽「10年ちかく想い続けました。」





  未来先輩は下を向いた。

  どこか曇った表情で。





  ああ。やっぱり未来先輩とだい君は両想いだったんだ。




  6年の時、空と付き合った日に見た、あの光景は本物だったんだ。


  そして、あの時にはもう、だい君の中には、あたしはいなかったんだ。





美羽「でも・・長く想うことが偉いわけじゃないって、わかって・・・」







美羽「私は、初恋に別れを告げました。」









  未来先輩の顔を見る。









  なんで泣いてるんですか・・・






  未来さんの目は涙でいっぱいだった。






  同情ですか・・・?



  自分とだい君が両想いなのが、あたしに申し訳なくて・・・?


  あたしは続けた。




美羽「だけど今日、久しぶりに大輝先輩と話して・・・嬉しかったのかもしれませんね。

   話したくても話せなかったもどかしさから、解放されて。」





美羽「だからきっと泣いたんです。」






  そう思いたい。



  泣いたのは懐かしさからだって。


  決して、あの時の感情が蘇ってきたんじゃないって。








美羽「そんな思いつめた顔しないでください。大丈夫です。わかってますから。」





未来「ごめんなさい・・・」





美羽「謝らないでください。先輩と大輝先輩の関係、“心から”祝福していますから。大丈夫ですよ。」







   そう。心から・・・・







未来「え、ちょっと待って・・・・?」





  なぜかみらいさんは不思議そうな顔になっていた。





未来「わたしと大輝の関係って・・・?」





  ・・・ここまで言わせる必要ありますか・・・?



  そこまであたしを追いつめる必要なんてありますか・・・?





美羽「・・恋人同士なんでしょう・・?」




  するとさらに不思議そうな顔をする未来先輩。





未来「え・・・?何言ってるの・・・?え、えー!そんなわけないじゃん!」





  違うの・・・?






未来「ごめんね。誤解させちゃったんだよね。私と大輝、そんな関係じゃないよ。」




美羽「じゃ、じゃあ・・・なんでないていたんですか・・・?」








未来「・・・本当にごめんなさい・・・私も大輝のこと好きなの。片思いだけどね!」











  まさかの告白だった。











1年前 No.211

未来 @miku617 ★YNxghsYNe5_MVN

to,美羽




  未来先輩とだい君って・・・






  つきあってたんじゃないの・・・?





  じゃああたしは・・・


















  勝手に勘違いして、勝手に泣いて、勝手に間違った道を歩いていたの・・・?















未来「あ、内緒だよ?」






   とまどうあたしを前に、未来先輩はひとさし指を軽く口元にあてた。





未来「ということは・・・あたし達ライバル同士だね。私に勝ち目は無さそうだけど・・」




   未来先輩は少し目を細めて悲しそうな顔をして。


   その顔は何かを悟ったような、寂しそうな顔だった。





美羽「そんな・・・こと・・!だいたいライバルというか、あたし大輝先輩のことはもう好きじゃありませし!」



未来「え?」







   例え、もしあたしがまだだい君のことが好きだとしても



   あなたはだい君と同じ年。


   あたしはだい君と2歳も離れてる。




   出会ったのも好きになったのもあたしの方が先だけど、





   そんなの意味ない。




   大切なのは、どれだけ一緒にいる時間が長いか。






   恥ずかしがって、目が合ってもそらして、臆病で、そんなあたしと比べたら、


   未来先輩は、きっとその何倍もだい君と過ごした時間はが長いだろう。








   だからもしあたしがまだだい君のことが好きだったとしても



   最初からあたしに勝ち目なんてない。












   それに・・・







美羽「それに・・・あたしに恋人がいるの、先輩知っていますよね?」








   あたしには空がいる。







未来「・・・知ってるよ・・・でも・・「だから本当に好きじゃないです。大丈夫です。気を使わないでください」





   未来先輩が何かを言いかける前に、その言葉を遮るあたし。









    それはまるで自分の知らない自分の気持ちを隠すように。







   あたしは心の中でひたすら言い聞かせた。


















                 “だい君に未練なんてない”


















1年前 No.212

未来 @miku617 ★YNxghsYNe5_MVN

to,美羽




  うん。





  未練なんてあるはずない。






  あたしは空が好き。   両想い。




  未来先輩はだい君が好き。




  だい君も未来先輩がきっと好き。






  ほら。





  いいじゃん。




  どこにも絡まる糸がない。





  強いて言えばあたしの謎のモヤモヤと




  だい君の好きな人。  きっと未来先輩だと思うけど。 だってあんなに完璧な人1000人に1人もいない。







  あたしが男だったら絶対好きになってるだろう。








  だからきっと未来先輩とだい君は








  両想い。







未来「美羽ちゃん」







  突然未来先輩が言った。





未来「逃げちゃダメだから。」




  ・・・・?












  この人は一体何が言いたいのだろう。







  ただ









                 「逃げちゃダメ」







  この言葉はどこかで聞いたことのある気がした。








  そうだ。










  琴子に言われたんだ。








      “現実から逃げちゃ駄目なんだよ。今と、そしてこれからの未来と向き合うの”









  あの時のあたしは、



  竜の想いから逃げてた。











  じゃあ今度は何に逃げてるの?






  いつになったらあたしは逃げることをやめてくれるの?









未来「・・・話・・長くなっちゃったね。いいよ。もう帰って。」







   未来先輩の目線の先には何もなかった。





   ぼうっとしてるだけで





   視点を合わせようとする気配も無かった。













美羽「じゃあ・・・失礼します・・さようなら・・」













  未来先輩が何を考えているのか全くわからなかった。














  わかるまでが遅すぎたんだ。










  もっと早く先輩の意味を理解していれば








  あとになって。














  “あの人”が傷つくことも少しは減っただろうに。










  “あの人”があんな目に合わなくてすんだだろうに。

















1年前 No.213

みく @miku617 ★YNxghsYNe5_MVN

to,未来

  私一人だけになった生徒会室。







未来「美羽ちゃん・・・」





  きっと気づいてないよね。




  美羽ちゃんの心の奥底にあるものがなんなのか。







  ううん。気付かないふりをしているのかもしれない。




  美羽ちゃんはそれがが何なのか知るのを怖がっている。









   美羽ちゃん・・・気づいて・・・わかって・・


















                    逃げないで


















                   自分の本当の気持ちから






  知ってる?




  大輝は私のことなんか好きじゃないよ。





  大輝の目は、昔から




  美羽ちゃんしか見えてなかったよ。














  ごめんね。



  美羽ちゃんにそのこと言わなくて。




  私、わざと言わなかったの。





  意地悪しちゃった。







  だって、





  美羽ちゃんに伝えたら



  美羽ちゃん、




  大輝への本当気持ちに気付いちゃうでしょ?





  でもね?






  もし、





  もし美羽ちゃんが自分でその気持ちに気付いたのなら








  私は何も言わずに諦めるよ。






  だから、







  それまでよろしくね?


















1年前 No.214

みく @miku617 ★YNxghsYNe5_MVN

to,美羽




                      逃げちゃダメ














  あたしの頭の中でその言葉だけがぐるぐるとさまよっていた。



  わからないことだらけで、ぐちゃぐちゃだった。




  未来先輩に謎の言葉を言われてからしばらくたった。



  生徒会で集まることがなかったためだった。








  今は6時限目でHRの時間。




  担任の馬淵先生がたくさんの資料を持って、話し始める。





馬淵「えーっと、来週の火曜日から部活見学が始まるんだが、
   みんな存じてる通りこの学校人数多いよな。一気に一年生全員が同じところに部活見学いくと大変なことなんで、
   行く順番を適当に3、4人のグループつくって決めてもらうぞ。」





  部活見学かー。



  あたしはジュニアからソフトテニスやってたから、やっぱソフトテニスかなー?







  その時あることを思い出したあたし。





  そーだ・・・




  未来先輩はソフトテニス部だったんだ・・


  前、小6のときに琴子と遊んでたら、未来先輩とたまたま道端であって・・・






  『ソフトテニス部入ってね』



  そう言われた。






  うん。入る。ソフトテニス部に入りたい。


  だって好きなことだし。





  でも未来先輩と部活でも生徒会でも会うことになる。ほぼ毎日。



  未来先輩は嫌いじゃない。


  むしろ優しいし面白いし、好きな方だ。




  でも未来先輩のあの目だけは苦手。




  眼鏡越しからの、横広い大きな目。


  ビー玉のような黒く澄んだ透き通った瞳。




  何かを見透かした目。



  あの目で見られると、未来先輩はあたしの気持ちの全てを知ってるんじゃないかって疑ってしまう。







  怖いんだ。


















1年前 No.215

みく @miku617 ★YNxghsYNe5_MVN

to,美羽








『キーンコーンカーンコーン』




  放課後。部活の時間。



  あたしはソフトテニス部に入った。



  まだ仮部活で完全に入ったわけじゃないけど。



  それで今日は初日。初めての部活。










  小学校からジュニアでペアを組んでいて、

  同じソフトテニス部の涼夏(りょうか)と一緒に

  テニスコートへ向かった。




  未来先輩がいた。


  フェンスの奥で先輩のペアらしい人と打ち合ってる。






  衝撃をうけた。


  あたしがジュニアの時に戦ってきたどの相手よりも


  ボールに威力がある。



  ジュニアの人と比べたらそりゃ


  中学生の方が強いだろう。




  でも、そういうレベルじゃないのだ。



  隣で未来先輩の姿を見ていた涼夏も目を見開いている。




  一つ一つのショットが丁寧なのにスピードがあって狙った場所に打っている。





  ショックだった。




  ソフトテニスなら少しくらいなら勝てる。たとえ中3の先輩だとしても。


  未来先輩に対してそう思っていた。


  なぜなら、未来先輩は中学に入ってソフトテニスを始めて、あたしと涼夏はジュニアからやっていたからだ





  未来先輩に勝てるところなんて一つも無かった。











美羽「え・・・?」




   ちょっと待って。


















         ・・・なんであたしは未来先輩に対抗心を燃やしているの?









1年前 No.216

みく @miku617 ★YNxghsYNe5_MVN

to,美羽





  あたしが未来先輩に対抗心燃やしてる?


  なぜ?



  ジュニア歴が長いあたしより、先輩の方がうまかったから?



  先輩の方がずっと輝いてるから?



  先輩に勝てるところが一つも無かったから?



  勝とうとしてる理由は何?







  もう。






  わかんないことだらけ。






  先輩といるといつも調子が乱される。


  自分が自分じゃなくなって。


  心が窮屈になる。









  先輩はまだラリーを続けていた。







  先輩。




  あなたはその瞳であたしの何を見てるんですか?









  なんでそんなにもあたしのことがわかってしまうんですか?















  先輩はあたしと涼夏の存在に気付いたのだろうか。


  こちらに笑顔で向ってきた。










未来「おー美羽ちゃん!隣の子は友達?」







  この前の生徒会室での出来事は何事もなかったような

  笑顔でこちらを見てくる。



  先輩にとってそんなに重いことではなかったのかもしれない。





美羽「こんにちはー。あ、この子は私がジュニアの時に組んでたペアです。」


涼夏「瑞樹涼夏です。よろしくお願いします。」




  涼夏がペコリと頭を下げた。



未来「入ってくれてありがとね。1年生、あと何人くらい入るかわかる?」




美羽「あー・・私達が知ってる中では・・」


涼夏「私達2人入れて、少なくとも8人以上はいるよね。ジュニアからやっていた人はその中で4人?」





   あたしと涼夏は顔を見合わせた。

   そう。あたしと涼夏以外にもジュニアの子が二人いる。







未来「本当!?めっちゃいるじゃん!なっつんに報告しなきゃ。

   しかもジュニアからやってた子が少なくとも」


















1年前 No.217

みく @miku617 ★YNxghsYNe5_MVN

ごめんなさい途中で終わっちゃいました・・・




to,美羽




未来「本当!?めっちゃいるじゃん!なっつんに報告しなきゃ。

   しかもジュニアからきた子が4人はいるわけでしょ?

   もしかしたら今年も関東大会行けるかも!」



涼夏「あの・・」

美羽「えと・・。」



   舞い上がる未来さん。戸惑うあたしと涼夏。



未来「あ!ごめんなさい。勝手に感動してたね。」



涼夏「いえいえ!私たちも先輩達と一緒に試合に出られるのであればすっごく嬉しいので!」


   慌てて涼夏が否定した。


   あたしも一緒に全力で首を振る。








  確かにそうだ。


  こんなにもテニスの才能がある人と試合に出られるなんて最高だと思う。


  まだあたし達は1年生で試合に出られるのかもわからないから、

  関東に間に合うかどうか時間の問題だけれど。

1年前 No.218

未来 @miku617 ★YNxghsYNe5_MVN

to,空






空「1−6の小林空です。春体(春季体育大会)出場を目標に頑張りたいです。
  これからよろしくお願いします。」





  席に座る俺。








  今は野球部の初ミーティング。


  自己紹介をしているところだ。












顧問「じゃー最後に3年生よろしく。」






   すると野球部の部長が立った。







部長「野球部部長 須藤佑大です。一昨年全国に行ったのでまた行けるように頑張りたいと思います。」





   佑大君だ。

   少年野球の時にエースだった。



   やっぱ今も上手いんだろな。






   そして誰かが須藤先輩が座ると同時に立つ。





  「野球部副部長 林大輝です。全国ベスト16には入りたいです。」




   林・・大輝・・・?





  ほんとだ。


  大輝君だ。




  面影があまりなくてわからなかった。


  背も伸びたし。






  副部長なんだ・・







  ふとあいつの顔が浮かんだ。



  美羽・・・




  もし美羽と林先輩が再会してしまったら?



  1年と3年は校舎が同じだから

  会う確率が高い。







  嫌だ。


  会わせたくねーし。






  再会したら


  美羽は作り笑いをする。





  林先輩が話しかけたら



  美羽は泣くだろう。








  もしかしたらもう再会してるかもしれない。





  ・・・って。


  危なかった。


  部活に集中できなくなるとこだった。




  いつも美羽のことしか頭に無くて。


  恋愛に目を向けてる場合じゃねえんだ。




  美羽のこと考えたって苦しくなるだけなのに。




  クラスも離れて


  美羽はやっぱりモテて。


  この前だって美羽が違う小学校出身の奴も告られてんの見たし。





  これ以上我慢できねーし。






  美羽のこと好きだ。


  好きだけど





  しばらく部活に集中して


  忘れたい。








1年前 No.219

みく @miku617 ★YNxghsYNe5_MVN

to,美羽





  あなたの言葉に


  一瞬耳を疑った。







美羽「え?」




空 「わりい。少しの間距離置こう。」






  空からだった。



  いきなりだよ。


  放課後。

  呼び出されて空き教室。

  手からの力が抜けて

  持っていたカバンが落ちそうになった。


  春の生暖かい風があたしと空の髪をなびかせる。




美羽「あたし・・・気に障るようなことしたっけ・・・?」


空 「違う・・美羽は悪くな・・「じゃあなんで。理由を教えてよ。・・・あたし今頭がぐちゃぐちゃになってる。」



   空は何かを言いかけたけれど、途中で口を閉ざした。


   言えない理由・・


   空が隠し事なんて今までなかった。


   けれど。

   だい君のことがあってから、あたしを支えてくれたのは空だった。


   わがままで、情緒不安定なあたしのそばにずっといてくれた。


   太陽みたいな笑顔を見せてくれた。



   いつのまにか・・空に重荷を背負わせていたのかもしれない。


   隠し事の一つや二つあってもしょうがないよね。




美羽「・・・わかった。ごめんね。いろいろ考え込ませちゃって。

    しばらく距離置こう。」














   もう少しであたしと空がつきあって1年がたつ。


1年前 No.220

未来 @miku617 ★YNxghsYNe5_MVN

to,美羽





未来「――であるからにして今度の体育祭のプログラムは―――となり、―――――」



  距離を置くってどのくらいだろ。

  距離を置くって別れるとどう違うのかな。

  生徒会議にもかかわらずあたしの頭は違うことでいっぱいだった。



  空のことしか考えられなくなるのは初めてだった。

  ちゃんと空のことが好きっていう証拠なのだろうか。



未来「美羽ちゃん?大丈夫?話聞いてた?異議なしだったら話進めるけど。」



美羽「え!あ、はい!」


  突然先輩に話しかけられ、思わず返事をしてしまった

  ニッコリとほほ笑む先輩がそこにはいた。



  そして未来先輩の後ろに座るだい君の驚いた表情。

  ん??あたしなんか言った??



未来「じゃあ、体育祭のプログラムを作る係りは美羽ちゃんと大輝で決まりね?」



  生徒会室に拍手が響き渡った。


  だい君とプログラム作り??


  二人きりで??


  なんで?





未来「じゃあとりあえず体育祭の分担は決まったから今日はこれで解散。」




   次々と生徒会メンバーが出ていった。


   残されたのはあたしと、




   未来さん。




   ・・・ではなく、


















                       だい君だった。










1年前 No.221

未来 @miku617 ★YNxghsYNe5_MVN

to,美羽







美羽「あの・・帰らないんですか・・?林・・・先輩・・」



  話しかけるのは怖かった。


  自分の意思でだい君に話しかけるのは久しぶりだったからだ。


  この前は思わず話しかけちゃっただけで・・・

  自分の意思・・じゃない・・。


   そして力が一気に抜けて・・・


   だい君と呼びそうになった。


   危ない。


   だい君とあたしはこの前出会ったばっかってことにするんだから。

   じゃないと、あたしがどうにかなっちゃう。



   会話では林先輩って呼ばなきゃ。




   だい君もきっとあたしのことを苗字で「春田」と呼ぶはず。





   するとだい君が口を開く。








大輝「お前が帰んねーから。美羽。」









美羽「え?」





   今、だい君あたしのこと・・・



   美羽って呼んだ。





大輝「あ、美羽じゃねえか。昔は・・・『みーちゃん』だっけ??」




  この人は一体何を言っているのだろう。



  口が開かない。


  だい君・・・もしかして・・・




  あたしとの思い出覚えていてくれたの??



  あたしという存在を覚えていたことはわかってた。


  でもあんなに小さかった時の思い出を?



  かつてあたしを『みーちゃん』と呼んだのはただ一人。




  だい君だけだった。






  拳を強く握りしめるあたし。


  勇気をふりしぼった。





美羽「だい・・・君・・・??」












   あたしの言葉にだい君は大きな口で笑った。



   太陽みたいな笑顔で。









大輝「やっと名前で呼んでくれた。」



   太陽のような笑顔・・・


   そういえば空も太陽みたいに笑う人だった。






   だい君の笑顔は空の笑顔と重なった。



   ううん・・・

   違う・・・・・






   空の笑顔がだい君の笑顔に重なったんだ。


















1年前 No.222

みく @miku617 ★YNxghsYNe5_MVN

to,美羽








大輝「久しぶり。」



美羽「そ・・・だね。」




大輝「美羽が俺の事苗字呼びしたのちょっと傷ついた。」



美羽「だって、あたしと林せんぱ・・  だい君はもう他人みたいな関係だし・・」



大輝「幼馴染だろ」






   幼馴染


   その言葉に、あたしの体は小刻みに震えた。





大輝「10年喋んなかったら、自動的に赤の他人になるわけ?今までの思い出も全部消えて記憶すらなくなってくのか?」





   思い出?記憶?


   あたしの一番の思い出一番心に残っている記憶・・・







  『大きくなったら結婚しよう』




   あたしとだい君が互いの小指を絡ませて


   永遠を誓い歌ったあの歌。






  あの思い出が自分の中から消えていく・・・


  そんなの嫌だ。


  だい君との誓いが永遠じゃなくても、破られても


  その記憶だけは残しておきたかった。


  空と付き合う直前まで、だい君に恋い焦がれていたあの想いだけは消したくなかった。













  人々はその想いを


















                         “愛”と呼ぶ






1年前 No.223

未来 @miku617 ★YNxghsYNe5_MVN

to,美羽







  二人だけの生徒会室。



  あたしとだい君も黙ってしまった。




美羽「・・・」




  だい君との思い出は忘れたくない。


  でも。





  駄目なんだ。







美羽「今更・・・なんなんですか・・・?」


大輝「え?」



  駄目なの。



  このままだい君と元の関係に戻ったら駄目な気がする。



  前まではだい君とまた元に戻れたらなって、いっつも思って泣いてた。


  でもそれは空の存在というのが現れる前の話。






  あたしには今 空 がいる。




  隣にいてくれる空がいる。
  空と付き合うことになったあの日。あの日泣いたあたしのそばにいてくれたのは空だった。
  幼馴染だからって、その関係は永遠じゃないってわかったあの日。






  だい君とまた幼馴染戻ったら

  空はきっと傷つく。




  だから駄目。









美羽「もう林先輩とは幼馴染じゃありません。
      だって10年ですよ?10年ぶりにいきなり話しかけられたって幼馴染の関係は崩れたままです。」





大輝「そっか・・・だよな。」











  だい君がその時、悲しみに包まれた瞳になったのは気のせいだろうか。


  それでもあたしは、自分への葛藤でいっぱいいっぱいだった。








美羽「だから先輩」



大輝「・・?」






  あたしは笑顔をつくる。


  そうか。


  これが作り笑顔っていうんだ。






美羽「これからは幼馴染でなく生徒会のメンバーとしてよろしくお願いします。

   あと・・・


   林先輩・・・未来先輩とすっごくお似合いですよ。

   まだつきあってないんですよね。応援しています。頑張ってください!」




   そしてこれがあたしの



   精一杯の嘘だった。




   ごめんね。



   だい君。




   本当は幼馴染に戻りたかったよ。



   でも


   駄目なんだ。



   だい君。



   あの約束守れなくてごめんね。



   嘘ついてごめんね。


















1年前 No.224

未来 @miku617 ★YNxghsYNe5_MVN

to,空


















竜 「あー・・・部活マジだりいー・・・」


空 「お前頑張れよ。部活入ったばっかだぞ?」






  部活の放課後練習も終わり


  ちょうど帰るところだった。




空 「あ・・やべ・・」




  教室に数学ノート忘れた。


  今日宿題出てんだよな。



  俺は学校の門のところまで来て足を止める。



  まだ学校開いてるし取り行くか。




空 「竜、わりい。俺ちょっと教室戻るわ。先帰ってろ。」


竜 「うぃー」



  竜に背を向け走り出す。









  学校に入り急いで自分のクラスまで戻った。


  ロッカーの奥にあるノートを取り出し教室を出た。



  そして階段を使い、帰ろうとしたその時だった。





  途中にある生徒会室から聞き覚えのある二人の声が聞こえてくるのだった。











  『だから先輩』




  美羽の声だった。


  美羽の声をきいたのは久しぶりで

  なぜか懐かしく思えた。



  そしてもう一人は・・・


  そっと生徒会室のドアを少し開けてみる。




  そこにいたのはやはり林大輝先輩だった。








  この後美羽の口からはっせられた言葉に衝撃を受けることになる。









美羽「これからは幼馴染でなく生徒会のメンバーとしてよろしくお願いします。

   あと・・・


   林先輩・・・未来先輩とすっごくお似合いですよ。

   まだつきあってないんですよね。応援しています。頑張ってください!」













空 「は・・・?」




  美羽の言葉あの作り笑顔と共に聞こえてきた。



  なんでだよ。



  美羽・・・


  ずっと林先輩と前の関係に戻りたいって・・・


  幼馴染に戻りたいって・・・





  それを美羽は自分から断ち切ったのだ。





  幼馴染の関係を忘れて

  あくまでも新たな生徒会のメンバーとして・・・





  それでいいのかよ。


  美羽。



  お前作り笑いバレバレだっつーの。



  お前がそこまで無理する理由・・・


















空 「俺の存在だよな・・・」


















  俺は手に持っていたノートをぎゅっと強く持ち



  その場を立ち去った。












1年前 No.225

未来 @miku617 ★YNxghsYNe5_MVN

to,美羽






  『カタ・・』






美羽「?」




  あたしはすぐさま後ろを振り返る。






美羽「あれ・・・?」




  生徒会室のドア・・

  開いてたっけ?






  おかしいな。




大輝「そっか。」




  だい君が口を開く。


大輝「お前にはもう空がいるもんな。ごめんな?今更。じゃあこれから生徒会の一員としてよろしく。“春田”」



  だい君の苗字呼びに少し胸が痛んだ。

  だい君も同じ気持ちだったのかな。




美羽「はい・・」



  あたしは精一杯の笑顔を作った。



  そしてだい君、いや林先輩は静かに生徒会室を出ていった。





  その瞬間一筋の涙が頬を伝う。


  生徒会室にはただ一人、立ちすくむあたしだけがいた。




  なんでだろ・・

  なんで涙が出るの・・・?








美羽「だいっ・・くん・・・!」




  もう一度『だいくん』と呼びたかった。


  もう一度顔を合わせて笑い合いたかった。



  もう一度幼馴染に戻りたかった。


  もう一度・・・







美羽『両想いに・・・!」



  と言いかけてやめた。


  これ以上だい君との関わりを持ってはいけない。


  そう思っても




  あたしの心には空の存在さえいなかった。


  いるのはだい君だけだった。




1年前 No.226

未来 @miku617 ★YNxghsYNe5_MVN

to,大輝




  美羽が俺を拒否した。


  最初っからわかってたことだったけど、


  やっぱきつい。


  俺も精一杯大人ぶって

  普通にしてたけど



  顔に出てたと思う。


  あいつのことが好きだって。




  両想いにはなれなくても


  幼馴染という関係は捨てたくなかった。



  また中学校に入り

  生徒会という場で巡り合って


  正直

  運命かなって・・



  でもあいつには想い人がいたから。


  とっくにあれから10年たってるから


  そういうやつがいてもおかしくないってわかってた。



  でもそれが空という後輩だった。



  空は野球も上手いし男の俺から見てもかっこいいと思う。


  そんな空に美人な美羽はとても似合ってる。



  だけど美羽と俺は一緒にいた時間が長い分


  美羽だけは・・・


















  ゆずれねえ。


1年前 No.227

未来 @miku617 ★mDoN4HKFHA_m9i

to,美羽



だい君と久しぶりにちゃんと話した。

でもそれは思い描いていた楽しいものではなかった。












美羽「はあ・・」





  生徒会室から出て玄関に向かうあたし。


  その足取りは重かった。




  靴を履きふと顔を上げると、



  校庭の向こう側に見覚えのある後ろ姿があった。



  あたしは何も考えずにその人のほうへ向かった。


  しばらくその人と距離を置いていたことも忘れて。





美羽「・・空・・・!」





  空が振り返った。


  やっぱり空だ・・・





空 「美羽・・・?」





  驚きに満ちた顔でこちらを見る。




  あ・・・


  そっか・・・


  あたしたちしばらく距離置いてたんだ・・・


1年前 No.228

未来 ★3DS=asJDl0ikYs

to,美羽





  空と二週間は話してなかった。

美羽「あ・・・いきなりごめんね?」




空 「いや・・別に・・」



   自分の髪をくしゃっと触る空。

   そんな空に勇気を振り絞って


   あたしは言った。



美羽「い・・・一緒に帰ろ・・・?」



   空は少し瞳を大きくして

   そのあと、微笑んだ。

   そして今までに見たことのない

   とても悲しそうな瞳を見せた。

空 「ああ。俺も今同じ事思った。」


   笑った。
   だい君にそっくりだった。

   久しぶりの笑顔だった。

   でもなんか違った。



空 「行こっか」

1年前 No.229

未来 @miku617 ★YNxghsYNe5_MVN

to,美羽




  心地よい太陽の光が当たる坂道。



  そこにはあたしと空がいた。





美羽「ひ・・久しぶりだね・・」



空 「まあな。」



  なんだろ・・


  緊張で言葉が出てこないや・・・



空「ごめん。距離とか置いて。」


  あたしは空を見た。

  空と目が合う。



  綺麗な顔立ちの空。

  思わず見とれてしまう。


  色素の薄いせいか透き通っているような瞳に太陽が差し掛かり、その瞳はまるでビー玉だった。


美羽「ううん。あたしと空、少し近すぎたよね!空、息苦しかったでしょ?」


  必死に笑った。

  やばい・・・泣きそう。

  泣くな。自分・・・!

  あたしは空に顔を見られないように下を向いた。


空 「そんなことねえから。俺が悪りぃんだよ。俺の問題。」



  その後言葉は出てこなかった。

  沈黙の時間だった。





空「覚えてるか。」


  突然空が言った。

美羽「?」




空 「俺と美羽のつきあった日」




  そんなの当たり前じゃん・・
  空はあたしの初めての恋人。



美羽「うん・・」


空「もうすぐ1年経つな。」


美羽「そうだね・・」





空 「どっか行かね?お互い忙しくて久しぶりだから。前みてえに楽しもうぜ?」





  衝撃だった。

  空がそんなこと言ってくれるなんて思わなかった。



  思えば、空と二人で出かけたことは1回しかなかった。




  そして今2回目の誘いが来てる。


  でも・・・なんでそんな悲しそうな瞳で言うの・・?」



  驚きの裏に不安があった。

  だから返事が上手くできない・・・




空 「ごめん・・・部活とか忙しいよな。聞かなかったことにして。」


  空の足取りが少し早くなったような気がする。


  駄目・・・行かないで・・・





美羽「行く!」



  空は立ち止まる。



美羽「行きたい・・・」




1年前 No.230

未来 @miku617 ★mDoN4HKFHA_yoD

to,美羽












  空と付き合い始めて間もない頃。

  琴子は言った。


 最後は傷つけて終わる恋愛なんかしちゃダメだよ?愛してるとか簡単に言っちゃダメだよ?ほんとに心から思ってる人だけに言うんだよ






  まだそのとき子供だったあたしは

  その言葉の本当の意味も分かっていなかった。










  そして今。















琴子「え?空と距離置いてたの?なんで言ってくれなかったの?」




  昨日のいきさつを全て琴子に話した。





  琴子に空との関係を話してなかったから、琴子は驚いていた。





美羽「うん・・ごめん・・。自分のことは自分でちゃんとしないとなって思ってて。
    でも、やっとまた空と話せるようになって今度二人で出かけることになった。」


琴子「よかったじゃん!で?なんで空の様子がおかしかったかわかったの?」




  あたしもずっと気にしてたことを琴子は言った。




美羽「ん・・・それがわかんない。空、まだ少し様子変だし・・・ 」



  だい君のこともあったし。
  最近あたしは疲れていた。





琴子「ねえ。美羽。美羽も最近無理してるでしょ。

    自分の本当の気持ち隠してるでしょ。」



美羽「え?」




  自分の本当の気持ち・・・?



  あたしの頭の中にいるのは空じゃなかった。


  最近・・・ううん・・・違う。もうずっとずっと何年も前からだい君だった。




  だい君への想いはとっくに消えたはずなのに・・。





美羽「大丈夫!あたし、そろそろ生徒会だから。ごめん。行くね?」



琴子「わかった。じゃあね、なんかあったら言いな?」





  あたしは琴子と別れて生徒会室に向かった。







  だい君と未来先輩がいる場所へ。







1年前 No.231

未来 @miku617 ★YNxghsYNe5_MVN

to,美羽


美羽「失礼します・・・」



   みんなが集まる生徒会室。

   もちろんあの二人もいる。



未来「おー、美羽ちゃんやっほー。」




  未来先輩はいつもと変わらぬ笑顔で挨拶してくれた。

  ほっとするあたしがいた。




  横目でなんとなくだい君を見た。





美羽「・・・!」




  目が合ってしまった。




 とっさに挨拶をする





美羽「・・こんにちは・・」


大輝「ん・・こんにちは・・・」





   ちょっとぎこちなさを感じたけど


   だい君はしっかりとあたしの目を見て挨拶してくれた。

   だい君の瞳はあんまりにもすんでいてなにもかもを見透かされそうで怖かった。

   でも、やっぱり変わらない昔とおんなじ。優しい瞳だった。





  その時感じた。





   あたしの心に空はもういない。


   だい君。




   あたし、あなたのことが好きだ。



1年前 No.232

未来 ★iPhone=JXJxLNgQ7a

まともに集中できなかった会議
だいくんのことでいっぱいの私の頭


だいくんのことをやっぱり好きだ
そう確信した




未来「以上で生徒会議を終了とします」


会長はそう言って
生徒会室を後にした



私はとっさに立ち上がる


私、未来先輩に伝えなきゃ
自分の本当の想いを





「未来先輩!」



生徒会室の前の廊下を歩く
未来先輩を引き止めた




「ん?美羽ちゃん?どーしたん?」

相変わらず優しい笑顔だ


ずっと前から憧れてた

未来先輩のようになりたいって

だいくんの視界にうつりたいって


だからこそ

未来先輩にはちゃんと言いたい


「先輩・・・私」





うん。

正直になる


「私、林先輩のことが好きです」



言った。

なんで返ってくるのか不安だった

でもそんな不安なんかいらなかった


未来「そっか。
私になんで言ってくれたの?」


「それは・・・
未来先輩のおかげで自分の
気持ちを知れたからです
嫌な後輩と思うかもしれません
でも私の思いは全て本物です」



未来先輩は優しい顔で私の話を
聞いてくれた




「うん。ありがとう。確かに
悔しいしいい気分はしない
でも美羽ちゃんには
やっぱ負けるなー。」



未来先輩は少し悲しそうな
表情をした。


何も言えなかった



沈黙だけが続いた。

その時だった


未来「頑張れ。美羽ちゃんが
大輝の事好きになってくれて
本当良かった。
それに・・・想いを伝えるのは
私にじゃないでしょう?」



先輩はどこまでも良い人だった


「・・・はいっ・・・!」

11ヶ月前 No.233

未来 ★iPhone=JXJxLNgQ7a

まだ私には

行かなくてはいけない人がいる


それは



琴子だ

11ヶ月前 No.234

未来 ★iPhone=JXJxLNgQ7a

to,美羽


「琴子・・・!」



もう部活終わったよね・・・


私は校門の前で琴子を待った


しばらくして琴子が来るのが見えた





「あれ?美羽?生徒会終わったん?」

「うん・・伝えたいことある」


私の表情で琴子は何を察したのかわからない



「わかった・・1回校舎入ろっか
ここじゃ話せないことでしょ?」


「うん」









私と琴子は部活終わりの静かな校舎へ
入っていった。

8ヶ月前 No.235

未来 ★iPhone=JXJxLNgQ7a

to,美羽(中1)



 あたしは静かな場所に行き琴子に今の気持ちを打ち明ける。


正直、私は涙の寸前だった。

美羽「空とさ・・・だい君ってさ・・・似てるよね・・・もちろん野球やってるからとかそういうのもそうだけど、
 なんか前を向いて堂々と歩く姿とか、何気ない優しさとかさ、それ以上にいつも笑ってて太陽みたいなところとかが!」


精一杯自分の今感じる気持ちを言葉にした。

琴子「うん・・・」

 琴子は控えめに頷く。

美羽「だからかな!?いつも空をだい君と重ね合わせて見てた!空をだいくんと同じ存在としてた!それで・・・あたし・・・
 だい君への気持ちを紛らわすために空と付き合ってた・・・」



やっと自分の犯した最低な事に気づいたのだ。


 6年の時のあの日、だいくんと未来さんが一緒に歩いてるの見て、あたし勝手に二人は付き合ってるんだ・・思ってしまっていた。

でもそれはあたしのただの勘違いにすぎなかった。


だけど…

美羽「なんて・・・そんなこと許されないんだよね・・・言い訳だよね・・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・!
 あたしは空の幸せを奪ったんだ・・・!」


 あたしの目にはついにたまっていた涙が滲む。でも小学校時代の弱虫のあたしとは違う。涙なんか見せないんだ。泣かないんだ・・・!


そう決めても涙は止まらなかった。

なんで泣きたくない時に涙がでるんだろ。いつもいつも…


琴子「美羽。」

 琴子の声にビクッとあたしの体が震える。琴子もきっと・・・呆れてる・・・

琴子「弱さを見せないことだけか強いわけじゃないんだよ。泣いても良いんだよ!美羽もじゅうぶん苦しんだ!辛かったね・・・!頑張ったね・・・!」


 その瞬間あたしの目から溢れんばかりの大粒の涙が出てくる。

美羽「う゛わあああああああああああ!でも・・・あ・・・あたしは・・・!あたしは・・・!」


あたしの犯した罪は一生消えることのないだろう。


 過ぎた時間は絶対戻ることはない。そんなのわかってる。でも・・・







〜過去に戻りたい〜







今願うのはただそれだけだった。



心から強く願った。





5ヶ月前 No.236

未来 ★iPhone=5FLyqRTIEo

to.美羽



空:明日、遊園地行けそう??
部活ないなら行こ。


美羽:大丈夫だよ!
わかった。10時駅前集合ね!











私はため息をついて

ラインを閉じた。



明日。空との1年記念日だ。

苦しくて仕方がなかった。

そして。明日。ほんとの気持ちを
告白する。


自分が最低なことはわかってるんだ。だからこそ中途半端に終わらせたくない。こんな気持ちのまま空を傷つけていたくない。あたしの最後の勇気。頑張らなきゃ。

1ヶ月前 No.237
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