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ロンリーガールとお面と人気者と。

 ( 恋愛小説投稿城 )
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あかね** ★Android=7v3k9AgDtt

この学校には、
いろんな人に嫌われ、
気味悪がられている
ロンリーガールがいました。


彼女は、いつも、
顔に《狐のお面》をつけています。


感情をあまりださない、
無口で陰気な彼女が、
嫌がらせの対象となるのに、
時間はかかりませんでした。





そして、彼女の前に一人の
男が現れたとき、
彼女のまわりの世界は、
すこしずつ廻りはじめたのです。





*****



お面をかぶった謎少女


「……あたしに、かからないで」



VS



学校一のモテモテ人気者



「俺、気に入っちゃった子は、
もう離さないよ?」


5年前 No.0
切替: メイン記事(17) サブ記事 (34) ページ: 1


 
 

あかね** ★Android=7v3k9AgDtt

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5年前 No.1

あかね** ★Android=7v3k9AgDtt


嫌でもまわりからきこえてくる
野次馬たちの声が耳障りだ。


入学して一ヶ月がたつのに、
いまだ絶えないわたしの野次馬。



……―――――わたしは、お面を
つけている。





顔をみられたくないから、とか、
そんなことではない。



このお面は、回りとの関係を
断ち切るものだ。



人って脆くて弱い生き物。
すぐに裏切る。


裏切られるのは…いやだ。
だから、人とは関わらない。


お面をつけてたら、
みんな気味悪がって関わって
こようとしてこない。


それに、まわりがみえなくなる。
小さな穴二つで微かに前だけみえる。
……それでいい。
まわりなんて、みえなくていい。
わたしは、わたしの世界に
……いればいい。




入学したときから、
ずっもお面をかぶり、
ほとんどなにも喋らないわたしは、
いつも一人。


わたしに関わるな。

そんな警告のかわりでもある
このおめんのお陰で、
誰もわたしに喋りかけてこない。



別にいい。むしろ好都合だ。

あのくだらないウワサのおかげで
お面を無理矢理剥ぎ取られることも
なくなった。



ただ、妙ないやがらせは消えない。
身体的なものとか、物になにかする、
とか、言葉とか。


いやだ、と口にはださないが、
やられていい気分にならないのは、
当然だ。





「全然うごかないね」


「生きてんのかあれー?」


「おいおい、そりゃ言い過ぎ」


「狐のお面ってとこがまたこえー」

「確かに…呪われそうだな」


「なにがしたいんだろーね?」






お面をつけてて、表情もなにも
わからないあたしを、
遠慮なしにじろじろみて、
大きな声で噂をしていくひとたち。




……――――会話、筒抜け。

5年前 No.2

あかね** ★Android=7v3k9AgDtt


*...


チャイムがなり、今日が終わった。


先生にもあのくだらない噂が
届いているのか、入学したころは、
はずせはずせとうるさかったのに、
最近はめっきり言われない。


……信じてるなんてびっくりなんだけど。



ヒソヒソ、クスクス、じろじろ。


とまらないまわりの目と声を
振り払うように、かばんをもって
教室を出る。


ほんのわずかな視界で、
前だけをみて、廊下を進む。






どん。




階段をおりようと、曲がり角を
さしかかったとき。


少しぼーっとしていたからか、
人にぶつかった。


あまりはやく歩いていなかったから、
少し身体が後退しただけですんだが。



「あーわりぃ……ぅわ!お面おばけ!」




ぶつかった男は、わたしをみるなり、
嫌そうな顔をした。


おめんおばけ……ね。
ばりばり生きてるんだけど。


なんて、声に出さないわたしに、
目の前の男は少し顔を青くする。





「稜、どーした?」




……なんだ、もう一人いたのか。


わたしの死角となるところに、
もうひとり男がいるらしい。



「千景…ヤバイ俺不幸になる…」

「はあ?なにいってんだよ、っつか、
誰かいんの?」




ぶつかった男がわたしからみえない
男としゃべってる。


どーでもいいけど、はやく退いてほしい。



と思っていると、ひょい、と、
死角から背の高い男が覗いてきた。



私を見たとたん、意外にも、
嫌そうな顔ではなく驚いた顔をした。





「なあ、なんでお面なんかしてんの?」




そして、いきなり話しかけてきた。

なに、このひと。





「お、おい、千景…」



こいつはやめとけ、と、
千景とよばれた男を制す怯えたような
声音のぶつかった男。



……わたしはそれを無視して、
なにも言わずに二人の横を通りすぎた。



階段をおりていると、
上からさっきの二人の会話が少し聞こえる。





「びびったー!おめんおばけにぶつかるわ、千景が話しかけるわで!」



「なんでだよ。……っつか無視された」


「あいつの顔と声、知ってるやついねーんじゃねーの?」


「は?まじ?同級だろ?」


「おー確か1-3のー…あれ、本名わかんね。お面おばけで定着してっからなー」


「へえ、かわってんな。……なんか、




……――――――おもしろそう」

5年前 No.3

あかね** ★Android=7v3k9AgDtt

Side 千景



入学して一ヶ月。
だんだん高校にも慣れた。
フジコーは、俺のいってた中学校から
遠いけど、同じ中学のやつらが
けっこういてびびる。
中学時代からのツレ、良峰稜と
ぶらぶら歩くのが最近の日課。



俺って昔からなにかとモテた。
自分でいうのもなんだけど、
告白はされまくってきた。
今だって、入学して一ヶ月なのに、
何回されたかわからない。



コクられて嫌な気持ちにはならない。
ま、男なもんで。
ただ、罪悪感と同情が残る。


俺は自分で好きになった人と
付き合いたい。



だから、今そーゆーのがいない俺に
コクってくる女子が、なんだか
かわいそうになってくる。


っとゆーか俺、好きな人
できたことねーわ。


今からできるかもよくわかんね。



……とりあえず今現在暇してる。

5年前 No.4

あかね** ★Android=7v3k9AgDtt



放課後、幼馴染みの北岡姫里んとこに
いこーと、稜と階段を上る。


久々に一緒にかえるつもりだ。



「あーはやく姫里ちゃんにあいて〜」


俺より少し前を上っていく稜は、
姫里にゾッコンだ。


姫里も中学校がいっしょで、
よくつるんでたから、仲はいい。



階段をのぼりきると、パッと
稜が後ろ…つまり俺の方を向きながら



「なー千景、なんで姫里ちゃんって
あんな可愛いんだよ?ありゃー
天使だ天使!」



……と、姫里について熱弁する。




「わかったから、前見ろよ」



半分あきれながら言うと、
曲がり角のところで、稜が誰かに
ぶつかった。



……言わんこっちゃない。





「あーわりぃ…ぅわ!おめんおばけ!」



稜は、俺からは死角でみえない
相手をみて、若干青ざめる。




「稜、どーした?」



オメンオバケ、ってなんだよ。



俺が首をかしげていると、
稜が青ざめた顔のまま振り返ってくる。




「千景…ヤバイ俺不幸になる……」




は?なにいってんだこいつ。


俺は目をほそめて稜をみて、
そして曲がり角からグッと顔を
覗かせた。





そして、見た瞬間びっくりした。




狐かなんかのお面をかぶった、
おんながいたから。



5年前 No.5

あかね** ★Android=7v3k9AgDtt

そのお面をかぶった女は、
髪は黒髪のさらさらストレート。
背も小さくて(っつっても、俺が
181あるから160くらいか)、
手足も細く、白い。



……――――んで、なんでお面?






お面つけてるから、
そのおんなの表情もなにも
わかんねー。


しかも、さっきからずっと、
お面の女はしゃべらない。



だから、一番の疑問をきいてみた。




「なあ、なんでお面なんかしてんの?」




すぐに稜の焦ったような声がした。




お面の女は、微動だにしない。

……すげ、眼中にないって感じ。



そしてそのまま、すっと俺と稜の横を
すりぬけ、去っていった。




少しポカンとしてしまう俺にたいし、
いきなり、はーっと盛大なため息を
つく稜。


「びびったー!おめんおばけにぶつかるわ、千景がはなしかけるわで!」


「なんでだよ。……っつか無視された」





……なんか、こういうとあれだが、
女子に無視されたのは初めてだ。



っつか、なんでびびんだよ。




「あいつの顔と声知ってるやついねーんじゃねーの?」


「は?まじ?同級だろ?」



「おー確か1-3のー…あれ、本名わかんね。おめんおばけで定着してっからなー」



有名なのに本名知らねえとか…


「へえ、かわってんな」


……でも、そーゆー奴って。




「なんか……―――――おもしろそう」

5年前 No.6

あかね** ★Android=7v3k9AgDtt

Side 瑠璃



朝、下駄箱にいくと、大量の視線。




……いつもどおり。





階段をのぼっていると、
馬鹿げたいやがらせや、こそこそと
話される。


……いつもどおり。



そして、三組に入る。
…コソコソヒソヒソ。



……いつもどお―――――――…








「よっ!!」




……りじゃなかった。


わたしの席に我が物顔で座り、
まわりには数多の女子たちがいて、
それをスルーしながらわたしに
声をかけてきた、この男。





「……誰」





誰だ、全く知らない。


一言、わたしが呟けば、
教室が静まり返った。

5年前 No.7

あかね** ★Android=7v3k9AgDtt


何事だと、少しお面の下で
眉をひそめれば、ひそひそと
また会話がはじまった。




「はじめてしゃべったよね!」


「声、はじめて聞いた〜!」


「千景くんのこと知らないとかー」


「ったりまえじゃん、ユーレイ女
なんだからー」




……相変わらず、べらべらと
癪に障るようなことを言ってくれる。



わたしが喋るのがそんなに変か。
わたしがこの男を知らないのが
そんなに変か。




妙な空気がただよう教室を
たちきったのは、わたしの席に
すわり、わたしに片手をあげ
挨拶をしてきた男。




「え、嘘だろ?まじで忘れた?
ほら、昨日あった」




……昨日?

5年前 No.8

あかね** ★Android=7v3k9AgDtt

男は、ひょいっと立ち上がり、
すたすたと近づいてくる。

女子のセットもついてくる。


そんな男をお面の奥で見据えて、
また、呟くように口を開く。






「……ぶつかった奴?」



抑揚のない声に、目の前にきた男は、
苦笑した。




「ははっ、まじか。こりゃマジで
覚えてねーな俺のこと。そいつは、
俺のツレ。俺、聞いただろ?
“なんでお面つけてんの?”って」





……うっすら思い出した。


顔はへのへのもへじで形成されて
いるが、言われたことは覚えている。

5年前 No.9

あかね** ★Android=7v3k9AgDtt



「……で?」



さっきから、口しか動かしてない
わたし。



というか、この学校に入って
同級生と会話をしたのははじめてだ。


わたしの無機質な冷めた声に、
男は目をまるくしたが、また笑う。




「……で?……って!俺、とことん
眼中にないみたいだな!おもしれー。
おこってんの?」



……なにこいつ。

思わず舌打ちがでそうになるのを
おさえる。

5年前 No.10

あかね** ★Android=7v3k9AgDtt


「……なんでそーなる」




お面で周りに表情は全く見えない
だろうが、わたしはいま、とても
イライラしている。




「いやなんか、さめてっから。違った?」




……あーもう。うざい。




「……リアクションが面倒なだけだ」



……まわりの女たちもだんだん
イライラしてきてる。


わたしと、このおそらく人気者であろう
男が話しているのが、
気にくわないのだろう。




「そーかそーか。怒ってなくて
よかった。んじゃそろそろチャイム
なるからいくわー」



男がヘラっと笑いそう言った瞬間、
女子から「えー!」と不満の嵐。



それはそうだ。

大方、人気者が教室に来て
喋ろうと囲んでいたら、こんな
わたしがきて、わたしとだけ喋って
かえるんだから。




……――――これで、女子たちの
嫌がらせが酷くなる。


いきなりきて、なにがしたいのか
よくわからないことをして……

傍迷惑なやつだ。

5年前 No.11

あかね** ★Android=7v3k9AgDtt



―――……案の定、学校が終わると
同時に、複数の女子に呼び出され、
集団リンチというものを受けた。



でもおかしかったのが、
首から上は全く攻撃してこないこと。


いっぱいできたわたしの噂のうちの、
〈お面に手を出すと呪われる〉、
〈顔を見ると不幸になる〉を、
信じてるってことになる。


まさか、信じてるなんて吃驚だ。




満足して帰る女子達をため息とともに
みつめ、ボロボロの体をおこす。




一言も喋らず悲鳴もなにもださない
わたしを不気味がって、
やめたんだろうと思う。


満足した、なんていってたけど、
あの人達も結局はわたしが怖いのだ。

5年前 No.12

あかね** ★Android=7v3k9AgDtt

パンパン、と服についた土や砂を
はらって、立ち上がる。

そして、ゆっくりとした足取りで、
教室にむかった。

カバンはまだ、教室におきっぱなしだ。

がらがら、と教室の扉をあけると…




なんで。



「よっ!」




朝と同じ。わたしの席に座っている
あのおとこがいた。



なんの反応もせず、机の上に
おいてあるカバンをとりに、
そのおとこの前にいく。



すると、男は眉をひそめた。




「服、すごい汚れてんよ?あと、
手とか足とか…怪我してるじゃん」




……あんたのせいだ。


口には出さなかったが、
舌打ちはでてしまっていたらしい。

5年前 No.13

あかね** ★Android=7v3k9AgDtt

チッ、という音に、男は目を丸くした。



「え、ワリ、」



焦ったような男の声。
……つくづく、なんでわたしに構うの。




「……勝手に席、座るな」



わたしはそう呟いて、男の方は
見向きもせずにかばんをもち、
教室の扉に向かった。



しかし、教室の扉の前にきたとき、
目の前に影ができた。



「チーカーゲー!帰ろー!」



それは、女子の声。
わたしより少し背の高い。


ちらりとみると、可愛らしい顔立ちを
していた。この男の彼女かな?

まあそんなことよりも。



一番驚いたのは、わたしをみても
変な反応をしなかったこと。

4年前 No.14

あかね** ★Android=7v3k9AgDtt


なにも言えずに、立ち尽くしていると
その女の子はわたしを視界に捉えた。







「あ、噂のお面の人!はじめまして!
あたし、隣のクラスだから、よく
知ってるよ!あたしは、北岡姫里!
よろしくね」




……普通に自己紹介された。
お面のしたで、ぽかんと呆けた顔を
してしまう。

なにかたくらんでいるのかと、
訝しげに北岡さん?をみれば、
彼女に屈託のない笑顔を頂いた。

純な人なんだな…。


他人に干渉するのは嫌いだが、
北岡さんは悪い人ではないとわかった
為、小さく会釈した。





「…………月宮、瑠璃です」




そう呟くと、北岡さんは、
にこり、と可愛らしく笑った。






「……え?なに?名前なにって?!」



しかし、そんな雰囲気をぶち壊すのは
やはりあの男。

……うっとおしいな。

4年前 No.15

あかね** ★Android=7v3k9AgDtt

わたしはガン無視していた。

なぜこの男に名前を教えなければ
いけないのだ。



しかし、私の前にいる、北岡さんが
ふわりと笑い、
「月宮瑠璃ちゃんだって。
かわいい名前だよね?」と言う。


……まあ、北岡さんに悪気はないし
第一別にどうでもいい。



「へーかわいいじゃん。ルリ?」

「……呼び捨てするな」




しかし。
こいつの馴れ馴れしさは、
どうにかならないものか。

4年前 No.16

あかね** ★Android=7v3k9AgDtt



「なあ、席に勝手に座ったこと、
ごめんって。機嫌直してよ」



へらへらっと笑う男にピキ、と
青筋がたった。

まあ、お面してるから
見えないだろうけど。




「……うっとおしい。わたしに構うな」




冷めた声で呟き、北岡さんの横を抜け、
階段をおりる。

おりる途中、昨日わたしに
ぶつかったであろう男に会い、
「げっ」と呟かれたが、無視した。



……なんなんだ一体。




ずっと一人でいてきたのに。
昨日こいつらに会ってしまったせいで
わたしの中の何かが狂い始めた。


ハァ、といきをつき、携帯をだす。

電話帳に入っている二つだけの
連絡先。




『自宅』……『柚葵』



柚葵(ユキ)……わたしが唯一
すべて信じた人。わたしのたった
一人の友達。


元気なんだろうか。
ふと、おもった。

4年前 No.17
切替: メイン記事(17) サブ記事 (34) ページ: 1

 
 
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