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___お前が何だとしても俺はお前を愛す

 ( 恋愛小説投稿城 )
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夕映 ★kd1iSv6kPz_PY6




「好きですっ...付き合ってくださいっ....」

告白なんてつまらないものだ。
「好きです」なんて言って、結局は遊びたいだけ。
そんな経験をしたから、俺はそう思うのだ。

「無理。好きな人、いるから」
「________そう....ですよね。好きな人、いますよね」

は?女子って意味が分からん。
「好きな人がいる」って、知ってるなら告白なんて、するな。

「なんで、好きな人いるって知ってて告白する訳?バカじゃないの」
「っ....!!」

勝手に走り出す、女子。
なんで走る訳?
ここで、喧嘩にでも、なったら付き合ってやるのに。

俺は、その、なんと言うか真っ直ぐな女子が好きだ。
すぐにいじけて、諦める。
そんな女子は嫌いだ。
大嫌いなんだ。

俺は、あの夏、マジの恋をしたんだ。
だから、そう言う事が言える。
そう、あの夏に.......

4年前 No.0
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夕映 ★kd1iSv6kPz_PY6




[ピロリン♪ピロリン♪]

メールが、帰ってきた。
ドキドキしながら、祐美のメールを読む。

「え.....?」

思わず、床に携帯を落としてしまった。

[祐菜]
[すごいね!裕也にも話しておくよっ。あのね、こんな事、あんまり言いたくないんだけど長谷川家とはあんまり、関わらない方が、いいよ。私は、裕也君のお母さんの過去とか、知ってるから...」

『関わらない方がいい』?
どう言う意味。


意味を、ずっと考えすぎて、その日は頭が痛くなった。

4年前 No.24

夕映 ★kd1iSv6kPz_PY6





「夏休みには体に気をつけて、遊んだり学んだりしろよ。では、良い夏休みを」

大村が、そう言うと俺は開放された。

マジで嬉しい。
樹や、祐菜とも沢山遊べるし、毎日ゴロゴロできる。
それを、考えただけでニヤけてきた。

「真弥」

樹が、俺の肩を叩く。
その後ろには、祐菜や瀧本がいた。

「ねー、たきもっちゃんがさぁ、夏休みにしたい事があるんだって」

樹が暑苦しそうにそう言う。
さっきまで、ニヤケて暑さも忘れていた、俺も暑くなってきた。

「あのね、あたしのお父さん、別荘持ってて、夏休みにその別荘友達呼んでもいいよ、って言われてるんだ。だから樹君や、真弥君や、祐菜を誘って行こうかな、って」

瀧本は、最後にニコリ、と笑う。
この笑顔が、結構男子にも人気が、ある。

別荘か。
なんか、すげぇ。
別荘なんて、夢の夢だと思っていた。

「あたし、行く!」

最初に、祐菜がそう言うと、続いて

「俺も」

と、樹が言った。
俺も多分、夏休みは一人だし、良いだろう。

「俺も行ける」

そう言うと、樹と、祐菜は喜び、瀧本は泣いていた。

4年前 No.25

夕映 ★kd1iSv6kPz_PY6




夏休みが、やってきた。

夏休みの初日に、瀧本んちの別荘へ行くことになっている。
結局、2泊三日で泊まる事になった。

「行ってきます」

朝、8時ぴったりに家を出る。
誰も居ない家に、また今日もそう言う。

駅に着くと、樹や祐菜達はもう来ていた。

「遅いよっ」

祐菜が、俺の背中をバン!、と叩いた。
これはもう、毎度毎度で、慣れてしまった。

「8時6分の電車なんだけど.....真弥、もしかして忘れてたとか?」

マジで忘れてた。
でも、そう言うのも何なので。

「忘れてねぇよ。ゲームしてた」

そう言っておいた。
実際、集合時間まで、ゲームをしているのはカッコよくはない。

「じゃあ、ホーム行こう。今、8時4分だから」

瀧本が先頭になり、ホームに着く。


少し経つと電車も来たのでそれに乗り込んだ。

4年前 No.26

夕映((希菜 ★kd1iSv6kPz_PY6






「ひゃっほー!着いたぜ!」

樹が、海に向かって叫ぶ。

___ここは、瀧本の別荘の近くだ。
周りには、海とヤシの木。
まるで、ハワイにいる気分だった。

「真弥君、樹君、あたしと祐菜、別荘入ってるからね」

遠くから、瀧本の声が聞こえた。

「了解」

そう言うと、瀧本はニコリ、と笑い祐菜と別荘へ入っていった。

「真弥、俺らも行く?」

樹が、ヒッソリとそう言った。

「おう」

俺と、樹は別荘に入る。

中に入ると、木の香りがプンプンした。
リビングは窓が、沢山ありすごい開放感だった。

祐菜は、木のチェアに座って、テレビを笑いながら見ていた。
そして瀧本は、キッチンの冷蔵庫を覗いている。

「すっげぇ!」

樹は、あっけに取られたようにそう言った。
俺も同じ、気持ちだった。



4年前 No.27

希菜 ★kd1iSv6kPz_PY6





「男子の、部屋は二階の左側の部屋。女子は右側だからねーっ」

祐菜は、ポテチを食べながらそう言う。
と、言う事は俺と樹は同じ部屋で寝るのか。

「俺ら二階行ってみるから」

樹が、そう言うと俺と樹は、階段を上がり二階へ行く。

「っわ。めっちゃヤバい」

俺は、驚きながらそう言った。

二階は、部屋が4つあった。
男子の部屋は、畳11畳くらいの部屋。
女子は、ふかふかのベットで、男子の部屋の2倍くらいの部屋だった。
真ん中の部屋は、トイレとお風呂。
お風呂は、とても広く温泉のようだった。
そして、最後の部屋は、クローゼットだった。





夕映から、希菜に変えました。
これからもよろしくお願いします

4年前 No.28

希菜 ★kd1iSv6kPz_PY6





「瀧本んちの別荘、最強ー」

階段を下りながら、樹が瀧本にそう言った。

「そうかな?ありがと」

瀧本は、ニンジンやキャベツを切っている。
そうか。もう、夕食の時間か。

__時計を見てみる。
針は、5時47分を指している。

「夕食の準備にしては早くね?」

俺は、瀧本に聞いた。

「ここら辺、7時になると暗くなるんだー。それに、今日は焼肉だから外で食べたいでしょ?だからだよ」

瀧本は、ピーマンを切りながら丁寧に答える。
器用だな。瀧本は。

「そこのテラスで食べんの?」

樹は、外のテラスを指差す。

「そうだよ」

瀧本は、そう言った。

つか、祐菜は手伝わねぇのかよ。
そう思い、祐菜の方を振り向くと、やっぱりポテチを食いながらテレビを見ている。
なんて気分屋な奴。

「祐菜、ちょっとは手伝えよな」
「うん。分かってる。もうちょっとしたらね...」

完全、手伝う気ねぇだろ。
俺は祐菜を、ガン見する。

「まぁまぁ、真弥。彼氏でしょ。優しくしてよ〜」

祐菜は、こっちを見て優しく笑う。

___可愛い。
俺は、改めてそう思った。

4年前 No.29

希菜 ★kd1iSv6kPz_PY6

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4年前 No.30

希菜 ★kd1iSv6kPz_PY6






「焼肉、マジ最高だったぁー!」

祐菜は、皿を片付けながらそう言った。

焼肉は超美味しかった。
タンや、長い長いウインナーが特に最高だった。

「次、花火するよー」

瀧本と、樹がバケツと花火セットを持ってきた。
打ち上げ花火も、入ってるヤツだ。

俺と、祐菜も外に出て、花火をした。

「きれーい!」「俺、ダブルでやってるぜ」

祐菜と樹は大騒ぎ。
俺と、瀧本はただたんに、楽しんでいた。


気がつけば、もう9時を回る頃だった。
スイカの種飛ばしをしたり、打ち上げ花火をしたり、楽しかった。


「じゃぁ、樹君、真弥、おやすみー」

祐菜はバイバイ、と手をふる。
まぁ、そんな大げさな事ではないが。

「おやすみ」

俺も、瀧本と祐菜にそう言うと男子部屋に入っていった。



4年前 No.31

希菜 ★kd1iSv6kPz_PY6





はるも、寝て夜が深い頃、あたしは目を覚ました。
別に、具合が悪いわけじゃない。

__あの、姉ちゃんのメールが気になって仕方ない。
あれからずっと、意味を考えていたけど、全くわからなかった。
姉ちゃんに、聞いてみても、ごまかされて終わった。


「下行くか」

呟くと、1階に行った。

下には、明かりが灯っていた。

おかしいな。
電気は、消したはず.....

「祐菜」

下には、真弥が居た。
びっくりした。
お化けかと、思っちゃったよ。

「眠れないから、下来たんだ。祐菜も?」
「うん。そうだよ」

真弥と、喋ったりすると楽しい。
でも、なぜか気まずかった。

「ねぇ、真弥」
「何」
「真弥のお父さんとお母さんって、何で離婚したの」

思わず、そう聞いてしまった。
でも、姉ちゃんの意味深なメールを解き明かすにはそう聞くしかなかった。

「....」
「ごめん..変な事聞くつもりじゃ..「俺の親父が、一人の女に金つぎ込んだんだ。それがバレて離婚した」

一人の...女?

「一人の女って?」
「親父の、日記には優子って書いてあったから、名前は優子かな」

優子.....
思わず、水が入ったコップを落とした。


優子って...あたしのお母さんの...



名前。

4年前 No.32

希菜 @kinako123 ★kd1iSv6kPz_PY6





「祐菜?どうか、した?」

俺は、コップを落とした祐菜の顔を、除く。


____親父の不倫相手と、祐菜は関係してるのか?
良く、分からなかった。
祐菜が、あんな質問したのも、名前を聞いたのも。

「なんでもない」

何かを、隠そうとする祐菜。
_こんな祐菜は、嫌いだ。

「何か、あったんでしょ」
「.....あのね..」

あたしは、今までの事を、全て話した。

「...俺の母さんは、祐菜のお母さんが不倫相手だって事は、知らないんだよな」
「多分」
「なら、別に大丈夫だろ」

不安を吹っ飛ばすように俺は、言った。


俺は、祐菜を愛しているんだ。
どんな事情があっても、お前を、


愛してみせる。

4年前 No.33

希菜 @kinako123 ★kd1iSv6kPz_PY6




「俺、もう寝るぜ」

それだけ言い残すと、二階へ上がった俺。

静かさが、怖い。


嗚呼、どうすればいいのだろう。
『愛してみせる』ったって、どうすれば.....

そう思いながら、いつの間にか眠りに着いた。



次の日、起きると樹や、瀧本は、もう起きていた。

「瀧本、祐菜は?」

リビングの椅子に座るとそう言った。
だが、返事は帰ってこなかった。

「たきも...」

瀧本は、キッチンで泣いていた。

「あのねっ....ゆうな...ちょっと風邪見たいだったからッ...病院行くって帰ったよ..」
「何で、瀧本泣いてんだよ」

その質問には瀧本は、答えなかった。

「樹ー?」

顔を洗っている樹にも聞いてみた。

「俺、なんにも知らねぇよ?」

何かを、隠しているように、樹は言った。


何だ?何が起きたんだ。


____この世界は、狂ったのだろうか?



4年前 No.34

希菜 @kinako123 ★kd1iSv6kPz_PY6




結局、この企画は、浮かない感じで終わった。

シーンとしてて、盛り上がらなくて。


____祐菜が、いなきゃ、楽しくねぇ。
そう思った、時だった。


「樹ー、何か隠してるだろ?」

夕焼けが、樹と俺を照らす。

家への帰り道、樹に祐菜の事を聞いた。

「別にー」
「嘘つけ」

正直、樹の嘘はバレバレだった。
顔を合わせねぇし、いつもみたいにテンションが高くなかった。

「ま、気が向いたら話せよな」

俺は、それだけ言い残すと玄関のドアを開けた。

やっぱり、母は居なかった。
いつも通り、電気が付いていなく、夕食が準備されていた。

「嗚呼、なんか...」

ポツリ、と呟くと夕食が、乗ったお盆を二階へ持って行く。

_アイツに、メールしてみるか。
そう思い、携帯を開く。

[具合大丈夫か?風邪、早く直せよ]

こんな感じで、いいか。
メールを送信すると、1分もたたずに返信が、来た。

[大丈夫だよーっ!タダの風邪だったしー]



そのメールが届くと、俺は少し安心した。

4年前 No.35

希菜 @kinako123 ★kd1iSv6kPz_PY6


“ただの風邪”か。

__あたし、何嘘ついちゃってるんだろう。


いつ、見破られるかな。
この、

嘘を。




4年前 No.36

希菜 @kinako123 ★kd1iSv6kPz_PY6



俺は、安心を胸にし、コンビニへ出かけた。
飲み物が、なかったからだ。


コンビニに入ると、適当に炭酸飲料を選びレジへ行く。

「120円になりまーす」

定員が、そう言うと俺は金を払う。
レシートを、もらわずにコンビニを、出た。


外は、ジメジメしてて、蝉の音だけが聞こえる。


うるせぇな。
そう思いながら、家までトコトコと、歩いていく。


___あれは....


見覚えが、ある。
ポニーテールに、大きな目。
こっちに、歩いてきた。


祐菜?
いや、そんなはずがない。
風邪なんだから、今日ぐらい寝てるはずだ。


それに、


男と腕を



___組んでいるはずがない。

4年前 No.37

希菜 @kinako123 ★kd1iSv6kPz_PY6






嗚呼、これはきっと、夢なんだよな?


_俺の彼女の、祐菜が....
腕を、組んでいるとか、楽しそうに、喋っているとか...


俺は、その場で立ち止まった。
祐菜が、近づいてくる。


「...祐菜..」

俺は、祐菜が立ち止まり、俺に気がつくのを見計りそう言った。

「真弥じゃん!ちょうど良かったーっあのね...「っさい。別れよう」

俺は、それだけ言い残すと、その場を去る。

「真弥...?」

祐菜が、俺の名前を呼ぶのが聞こえる。
でも、無視して、家に走った。


4年前 No.38

希菜 @kinako123 ★kd1iSv6kPz_PY6





__真弥?
これは、誤解だよ。


あたしは、真弥を愛してるんだよ。

ねぇ、

冷たい目をして

走らないで______

4年前 No.39

希菜 @kinako123 ★kd1iSv6kPz_PY6




朝。
テクテクと、登校する。
いつも通り_

でも、気持ちはいつも通りじゃなかった。
心に雲がかかっている用で、もう少しで雨も降りそうだった。


ふと、前を見ると、ポニーテールの女子が見えた。
間違えない_祐菜だ。


話しかけたい気持ちと、モヤモヤする気持ちがぶつかる。
嗚呼、どうすればいいのだろうか?


「まぁーやぁ!!」

そう言い、目の前まで走ってくる。
祐菜だ。

祐菜を、素通りして登校していく。

アイツは、何で俺が無視したのか、分からないのか?
キョトン、とした顔で、こちらを見ている。


アイツと、俺の恋は、



_____終わったんだ

4年前 No.40

希菜 ★kd1iSv6kPz_PY6





中学に着くと、樹が話しかける。

「つかさぁ、プレステ故障してんだよねー。だから、7ステの魔王倒せないんだけど、真弥倒した?」

樹の、話した事など、頭に入っていなかった。
てか、樹が居る事も気づいていなかった。

「真弥ー?」

樹が、俺の肩をさする。
それで、ぼんやりが溶けた。

「そう言えば、真弥、ぼんやりしてない?」
「え?まぁな...」

俺は、祐菜の事を全て樹に話した。

「え?良く分かんない。祐菜ちゃんと真弥は別れた?」

樹は、興味津々に聞いてきた。

「俺的には別れた」
「そうなん...「えぇ!!祐菜と、真弥、別れたの!?」

急に、高い声がしたのでそっちを振り向く。
嗚呼、クラスの女子だ。

そう言うと、俺と樹の机を女子は囲んだ。

「本当に別れたの?」「そう言えば、はるちゃんと祐菜、珍しく図書室行ってたもんねっ」「えーヤバい。熱々カップルだと、思ってたぁ」

女子達は、物凄くザワザワとし始める。
こんなのは、前の担任が、黒板に頭突きをした時以来だ。


「嗚呼、そうだよ!俺と向井は別れたんだ」


俺は、椅子に立つと隣のクラスにも聞こえるように大声でそう言った。
クラスが、シーン、となる。


_教室に入っきた祐菜が、走っていくのが見えた。


4年前 No.41

希菜 ★kd1iSv6kPz_cc1






「ゆ...うな..」

泣きながら、廊下を走っていく祐菜を見て、思わず名前を呼ぶ。


嗚呼、俺が泣かせたんだ。
泣かせた事なんて、一度もなかったのに。



名前を呼ぶとすぐ、振り向いてくれる。
そんな、関係だったのに、今はもう違うのか。


寂しい気持ちと後悔が混ざり合う。
変な、気持ちだった。


「真弥ー、祐菜ちゃんにもう一回付き合おう、とか言ってくれば?」

さっきの騒動が収まったとき、樹は耳元でそう言った。
樹は、俺の気持ちを...分かってんのか。


そりゃ、言えるもんなら言いたいけど言えない。
だって俺は、


____ひねくれた奴だから





4年前 No.42

希菜 ★kd1iSv6kPz_cc1



___真弥が、あんな事言うなんて、思ってもいなかった。



『嗚呼、そうだよ!俺と向井は別れたんだ』

その言葉が、痛いほど胸に染みる。

これは、あたしが悪いのかな?
全部、あたしが悪いのかな?


だと、したら真弥は何に怒ったの。
風邪ひいてたのに、外にいた事?
真弥意外の子と、腕を組んでいた事?


あたしは元彼女なのに、彼女だったのに、真弥の気持ちはさっぱり分かんなかった。


「ゆーうなっ」

屋上で悩んでいると、聞き覚えがある声がした。
はるだ。

「はる...」

はるもきっと、さっきの出来事は知ってるよね。


「祐菜、落ち込まない方がいいよ。私が、新しい人紹介してあげる」
「うん!そうだねっ」


あたしは、気持ちを新たにして、真弥の事を忘れることにした。


4年前 No.43

希菜 ★kd1iSv6kPz_9b2





_今日は、日曜日。
この日は、新しい出会いの日になる。


はるが男子を紹介してくれたから。

正直、『真弥が一番』って、今でも思ってる。
でもその気持ちは、『思ってた』に変えなきゃいけない___



「こんにちは!あたし、向井祐菜。今日はよろしくお願いしますっ」


あたしは、真弥の事は忘れるようにして元気に挨拶をした。
そして、場所となる喫茶店の椅子に座った。

はるは、隣にチョコン、と座り大畑君と喋っていた。
大畑君の隣に座っている男の子は大畑君の友達だ。

「俺、竹本大智。よろしくね」

あたしの、向かいの男の子がそう言った。
大きな瞳に、優しくウェーブがかかった茶髪の髪_まるで、絵のようだった。


4年前 No.44

希菜 ★kd1iSv6kPz_9b2





別れたのかはよくわからないが、祐菜と別れて、2日が立った日曜日。

この日は、穏やかな日だった。
小鳥が囀り、太陽はその姿を見て、ニコニコと笑っているように見えた。
秋、って言う季節はこんなに素晴らしかっただろうか。


『ピーンポーン』


インターホンが鳴った。
扉を、開けると樹と、女子が居た。
女子_と言ってもどこかで、見覚えのある顔だった。


「真弥っ!この子が、真弥の事が気になってる子だよー」

樹は、女子の肩をポン、と触った。
少し茶髪が入ったサラサラの髪に、クリクリとした目、そして太陽のような優しい笑顔。
正直、祐菜よりも100倍は可愛かった。


「あたし、6組の森嶋麗蘭って言います。よろしくお願いします」


『森嶋』は、お辞儀をするとリビングの椅子に座った。

今日は樹が開催した『真弥に新しい彼女を見つけてあげよー!計画』なのだ。
全く、人騒がせな友達だ。




4年前 No.45

希菜 ★kd1iSv6kPz_ZMR







「真弥ー!大変だよ!祐菜ちゃん、2組の大智と付き合ってるんだってさ」

麗蘭と出会った次の日。
教室に、着くと樹が駆けてきた。

「別に、いいんじゃね?」

俺は、わざと興味がないように見せた。
本当は、とても興奮してる。
内心、まだ祐菜を諦めきれなかった。

「でも、大智だよ?」

樹は俺の顔を見つめながら聞いた。

_『でも』
どう言う意味か。
大智は、1年の時同じクラスだった。
女好きで、1年間に付き合った女子は最高70人超なのだ。


「アイツなら...向井なら大丈夫だろ」

まるで他人事のように言った。

そう言えば、いつからだろうな。
皆に祐菜の事を言う時は、『向井』って呼ぶのは。


どうして、俺はこんなにひねくれた奴なんだろう。
脳内では、ちゃんと『祐菜』って、



_言っているのに..

4年前 No.46

希菜 ★kd1iSv6kPz_ZMR






いつからだろうな?
真弥が、麗蘭って子と付き合い始めたって、噂が流れ始めたのは。


真弥は、あたしが好き。
あたしは、真弥が好き。


いつまで経っても、何があっても、相思相愛だと思ってた。
でも、恋愛漫画みたいに、恋愛小説みたいに上手くはいかないんだね。

きっと、今真弥が想っている人は、麗蘭ちゃんなんだね。



4年前 No.47

希菜 ★kd1iSv6kPz_ZMR






『大智は危ないからやめといた方がいい』

メールの本文には、そう書いてある。
でも、それは送信せずに、いつまでも保存してあるまま。

そんな日が、続いた。
祐菜は、きっと大智と付き合ってる。
だから、壊さない方がいい、そう思ってどうしても送信はできなかった。



『ピーンポーン』


インターホンが鳴る。
嗚呼、そうだ。
今日_土曜日は、麗蘭とのデートの日なんだ。

噂通り、俺と麗蘭は付き合っている。
別に好きと言う訳ではない、といつまでも言い聞かせている。
" 気晴らしのために "そう思って、デートに出かけた。


4年前 No.48

希菜 ★kd1iSv6kPz_ZMR






「まぁーやっ!麗蘭、メロンパン食べたーいっ」


俺の家を、出て麗蘭が俺の腕を組みながらそう言った。

メロンパン...か。
祐菜と俺の、初デート場所だっけ。

「じゃあ、行こうぜ」

祐菜との思い出を噛み締めながら俺はニコリ、と笑いそう言う。

嗚呼、ダメだ。
祐菜の事は忘れよう。
思い出す度に、頭がキューッと締め付けられる。

「メロンパンさ、麗蘭、好きなんだよねーっ」
「そっか。俺も好き」
「やっぱ、気が合うよねーっ」

歩きながら、メロンパンの話題や、昨日のテレビの話題で盛り上がる。

「真弥は麗蘭の事、好き?」

いきなり、麗蘭が聞いてきた。


「す..き」


俺がポツリ、と言った言葉。



_『好き』






4年前 No.49

希菜 ★kd1iSv6kPz_ZMR





『ピーンポーン』


あたしは、ドキドキを胸にしながら大智の家のインターホンを押す。
今日は、初デートの日___


「はぁい」

女の人が、扉を開けた。
身長は、あたしの少ししか差がなかったのできっと、お姉ちゃんと言う分類に入ると思う。

「あのっ、大智って居ますか?」
「嗚呼、大智ね。いるから、中入って」

女の人の優しい声が、あたしを落ち着かせた。
初デートって_こんなに緊張したかな。

それに、デート場所って言っても、何で待ち合わせ場所は家なんだろう。

不安と謎を胸に、大智の居る二階へ上がった。





4年前 No.50

希菜 ★kd1iSv6kPz_ZMR





『コンコン』


" だいち "と書いてある部屋のドアを、ノックした。
ドアが、開く少しの瞬間が、緊張した。


しばらくして、大智が出てきた。

「あ、祐菜。中入って」

大智の、オテンキな声に少し反応する。
真弥とは反対に、少し高い声だからだと思う。

「お菓子...食べる?」

大智は、勉強机に置いてあるポテチを持ってきた。

「ぁ、あたしこれ好き!」
「俺も、好きなんだ。しょっぱい感じが」
「あたしもそこがお気に入りー」

偶然の一致に笑いが堪えられなかった。

「なんか、すごいねーっ」

急に大智が、落ち込んだような顔で、俯いた。

「だい、ち...?」
「なあ、襲ってもいい?」


部屋に入って5分後の事でした。


4年前 No.51

希菜 ★kd1iSv6kPz_ZMR






「良かった。麗蘭の事、嫌いなのかと思った!」

麗蘭は、俺を見つめながらニコニコ笑う。

『良かった』って。
どう言う事?
俺が、嫌いって言ったら「馬鹿」って行って終わる訳?


『ピロリン ピロリン』

麗蘭の電話が鳴った。

「ごめんねー」

そう言うと、携帯を取り出し話しだした。

「え?れい君っ・・・今から、デート?無理だよ。そんなぁ、デートしなかったら別れるって・・・分かったって。今そっち行くから」

"デート""別れる"
このワードが出たって事は、麗蘭は二股してるって事だよな?
どう言う事だよ。

「ごめんっ!用事あるの忘れてたんだー。じゃあ、また今度デートしようね」

麗蘭は、それだけ言い残すと広い道の真ん中をズカズカと、走って行った。


長谷川真弥。

二度目の失恋を経験しました。

4年前 No.52

希菜 ★kd1iSv6kPz_ZMR





「・・・襲うって、それどう言う意・・・」

話している途中で、唇に暖かいものが触れた。
これって、大智のくち...びる?

初キスは、大智に奪われた。
はるにそう言ったらなんて思うかな?

「こう言う意味」

大智は、耳元で囁くと後ろにあるベットにあたしを押し倒した。
そして大智は、あたしに抱きつく。


「俺、祐菜の事が好きなんだ」
「でもっ! やめてよ」

大智の冷たい手を離そうとするが、力が強くて駄目だった。

「もう! やめてよ! 変態!」

あたしは、そう言うと力尽くで大智の手を引き離した。

「大智とは、もう何でもない! 別れよう」

あたしは、そう言い残すと大智の部屋から出て行った。



4年前 No.53

希菜 ★kd1iSv6kPz_ZMR






結局俺の隣には、誰が似合うんだろうか。

様々な女子と見てきた。
でも、『一番似合うのは、誰だろう』

そんな思いなんて一粒もなかった。


そう思いながら、部屋のベットに寝転がる。
麗蘭と、初デートから別れるとか。
笑えてしまう。

俺に、「恋」を教えてくれたのは誰?
樹?大智?麗蘭?・・・祐菜?


「俺には、祐菜が一番似合うのかなあ」

俺は、ポツリと呟いた。


4年前 No.54

希菜 ★kd1iSv6kPz_ZMR






部屋に戻ると、祐美姉ちゃんが居た。
リビングで、お母さんとお茶をしていた。


向井家は、離婚したからと行って交遊がない訳ではない。
お父さんも祐美姉ちゃんも鍵は持ってるし、夜ご飯だって食べる時がある。


「祐美姉ちゃんだ!」

思わず、祐美姉ちゃんに飛びつきたくなって飛びついた。

「ちょっと、どうしたの。なんか、あった?」
「・・・別に何もないけど」

あたしは、目線を床にそらした。
見つめられると、見抜かれるような気がしたから。


「なんか隠してるね?祐菜は昔から嘘つくときは下向いてたんだから」


祐美姉ちゃんは、あたしを沢山見ていてくれた。
そう思っただけで、嬉しくて涙が出そうになった。

だから祐美姉ちゃんに全てを話そうと思ったんだ。





4年前 No.55

希菜 ★kd1iSv6kPz_ZMR







俺は、久しぶりにチャットをしようと思った。
最近は色々あって、やっていなかった。


悩みを、雫やヒナコ、yuyaやいつきに話したい。


マヤ[おひさー。皆元気?]

そう書き込むと、真っ先にヒナコから返信が来た。


ヒナコ[マヤーっ!最近来ないから心配してたよ><そう言えばさ、ゆーなちゃん、チャット退室したよ]

祐菜は、退室したのか。
良かったような、少し悲しかったような。
二つの気持ちが混じっていた。


マヤ[実はさー、ゆーなと別れたんだよな]

ヒナコ[そうなの!?ラブ02カップルだと思ってたけど...いつきも、あの二人がイチャイチャしてるとこ見たとか書き込んでたよ]


いーつーき!!!
何なんだよ、もう。


4年前 No.56

希菜 ★kd1iSv6kPz_ZMR






それから、雫やyuya、いつきも来た。
久しぶりに、話をできて笑ったり笑ったり、とても楽しかった。


マヤ[んじゃ俺、落ちるわー]


それだけ書き込むとパソコンを止めた。


嗚呼、それにしてもどうしよう。
彼女なんて、別にいなくても良かったのに。
なのにどうしてこんなに、モヤモヤするんだ。


俺は、誰が好き?
もう自分が、コントロールできなくなってきた。

自分自身の事を全く知らない自分。
これは、おかしい?


4年前 No.57

希菜 ★kd1iSv6kPz_ZMR






何もないまま、日曜日が過ぎた。


いつも通り登校。
いつも通り勉強。
いつも通り休み時間。

だが、昼休みはいつも通りではなかった。

「真弥あ!何でメール返してくんないの」

廊下の隅で、麗蘭がそう言う。

メールか。
確か、携帯の電源切ってたかもしんない。

「あ、ごめん。確認すんの忘れてた」

俺と麗蘭が居るのを、女子や男子がジロジロしている。
その視線の中で、話すのは少し恥ずかしい。

「次からは、ちゃんと見てよね」

麗蘭は、それだけ言い残すと廊下をスキップで駆けていった。

麗蘭が二股してるのは知ってる。
なのに、「別れよう」の一言はどうしても出なかった。



4年前 No.58

希菜 ★kd1iSv6kPz_ZMR







廊下から、教室に戻ろうとするとポニーテールが横をすぎる。
思わず後ろを振り向いた。

__祐菜だ。
祐菜も、俺とすれ違ったのを分かったのか振り向いていた。


俺は、目線を逸らすと教室に戻った。


祐菜の顔を久しぶりに見た。
いつも通りだったけど、どこかいつも通りではなかった。
いつもニコニコしていた笑顔が消えて、目の下にうっすらと隈があったように見えた。


「真弥ー! 俺、7ステの魔王倒したんですけどー」

教室に入ると、樹が自慢げにそう言った。
いや、俺はもう全クリしたっつーの。


「だから、俺もう全クリしたって言わなかった?」
「言ったっけ。ごめんねえー」

樹は、いつも通りの笑顔を見せた。

「そう言えば、麗蘭ちゃんとどう?」
「麗蘭、二股してた・・・的な」
「マジで!? なんか、紹介したのにすまん」
「いや、絶対ごめんとか思ってねえだろ」


やっぱり、持つべきものは友達だ。
樹といると、笑顔になれる。


4年前 No.59

希菜 ★kd1iSv6kPz_ZMR







さっきあたしの横を通ったのは、真弥だよね?
あの横顔は、きっと真弥だった。


「ま・・・や?」

そう呟くと、あたしは振り向いた。
真弥も、こっちを振り向いていて、目があった。

真弥の目は、少し変だった。
いつも見たいな目じゃなくて、何かが違った。


また、まえを向いて歩いていく真弥を見て、自分もまえを行く。

「あーもう。忘れなきゃ」

祐美姉ちゃんから言われた言葉を思い出す。


『もう、忘れた方がいいよ』
『大丈夫。明日だってあるし、祐菜にはまた良い出会いがあるよ』
『真弥君だって、もう付き合ってるんだから祐菜も新しい恋を芽生えさせたらどうかな』


前向きになれる言葉ばかりだったけど、真弥と別れると思うとどうしても一歩を踏み出せなかった。



4年前 No.60

希菜 ★kd1iSv6kPz_ZMR







「ただいま」

家に帰ると、久しぶりに明かりが灯っていた。
母親だ。

結局、あの日以来母とは喋っていない。
思いっきり喧嘩して、どうしても「ごめん」とは言い出せなくて。

「真弥」

二階に上がろうと思うと、母が呼び止めた。
リビングの椅子に座っている母は、何かの紙を持っていた。

俺は、黙ってリビングの椅子に座る。
母と向かい合わせになった。

「何?」

久しぶりに母と喋るで少しドキドキした。
どんな声だったのかも、忘れてしまっている。

「あのね・・真弥」

母の声は少し嬉しそうな少し不安そうな、そんな声をしていた。

「お母さん、再婚するの」





4年前 No.61

希菜 ★kd1iSv6kPz_ZMR








「再婚・・・?」

俺は、しんとしているリビングに言葉を発した。

再婚って、再婚って、何なんだ。
母は、俺を捨てる気なのか?


「お母さんね、冴木和希さんって言う46歳の人と結婚する事にしたの」

46歳だと、母は42歳なので4歳差と言う事になる。

「冴木和希」
俺は、冴木真弥になると言うのか?


4年前 No.62

希菜 ★kd1iSv6kPz_ZMR







「真弥も、勿論良いよね?大丈夫、この家に和希さんが来るんだから」

母は、俺の肩をポン、と叩いた。

「別に、良いけど」
「そう。良かった。実は、この紙、結婚届なのよ。もうすぐ、お母さんの誕生日でしょう?その日に出すつもり」

母は、そう言うと紙を見せた。

母の名前、長谷川睦実と冴木和希の名が書いてあった。
嗚呼、目に涙が浮かんでくるのは何故なんだ。


しっかりしろ、冴木真弥_____

4年前 No.63

希菜。 ★kd1iSv6kPz_Nml











母の、再婚が決まってから3日が経った。
今日は、母の誕生日。

冴木と母が再婚する日だ――


「真弥ーっ!じゃあ、結婚届出してくるわねー」

母が、上に居る俺に聞こえるように言った。

「おーう」

棒読みでそう言った。
正直、もうどうでも良かった。

冴木が"今日からお父さんだ"って言ったとしても、俺はもう中2。
お父さんじゃない、そんな事ぐらい分かってる。

どうせ、冴木が新しい家族になったとしても、俺は一人だ。
あっちはあっちで、いちゃついて俺は一人なんだ。


あーあ、面白くない。
ゲームだって全クリしたし、チャットだってする気になれない。

俺は、ベットにダイブした。

4年前 No.64

希菜。 ★kd1iSv6kPz_Nml







それから、何時間経っただろう。

俺は喉が乾き目が覚めた。


一階に行くと、
ワインを持っている母と男の人。

誰?

「あ、真弥ー この人が、お母さんの再婚相手の冴木和希さんよお〜」

酒に弱い母は、デレデレに酔っている。
息も、酒くさい。

「えっと、これから真弥君のお父さんになる冴木です。よろしくね」

やっぱりか。
"お父さん"だなんて。

こんな奴に、心は絶対開けない―――

「よろしくっす」

俺は、それだけを言いキッチンに入る。
水をコップに一杯入れると、また上にもどる。

階段を登りかけた時だった。

「真弥には悪いけど、真弥を捨てるのか〜 なんかすがすがしい!」


―――は?


4年前 No.65

希菜。 ★kd1iSv6kPz_Nml








俺は、いてもたってもいられなくなった。


「捨てるって・・・捨てるってどう言う事だよ!!」

俺は、リビングのドアを思いっきり開け
そう叫んだ。

唖然としている、冴木と母。

「お前ら、何なんだよ。この世から消えろよ!!!」

俺は、思いっきり暴走している。
本当なら、何もかもぶっ壊したい。

「真弥...あのね、お母さ...「何がお母さんだよっ!!俺の事捨てるくせに・・・!」

「真弥、話を聞いてっ・・・」
「お前の話なんか、聞きたくねえよ!」

俺は、家を飛び出した。

アイツ等とは、同じ空気を吸いたくない。


家を出ると、空は曇っていた。
俺の気持ちも、空も同じだ―――

4年前 No.66

希菜。 ★kd1iSv6kPz_Nml






俺は、場所も決めずに
ふらふらと歩く。

もう少しで雨が降りそうな空。
俺は今夜、どうすればいいのだろうか。

時刻は夕方の6時。

樹んち?
いや、絶対無理だ。

樹んちは両親が二人とも共働きで、
泊まらせてくれるほどの、家でもない。

滝本んち?
いや、家知らねえし。

麗蘭ち?
気まずい。絶対会えない。

向井ん・・・

何考えてんだ、俺。
アイツとは無理だ。

でも―――
他に親しい奴も居ないし、
結局向井んち・・・?

どんな顔すればいいんだ。
何を話せばいいんだ。

でも、母と向井んちのお母さんは、確か同級生のはず。
再婚することも、知っているだろうし、一番状況を把握してくれるはずだ。

っ・・・

俺の足は、向井んちに向かっていた。

4年前 No.67

希菜。 ★kd1iSv6kPz_Nml








俺は今、向井の家の前につっ立っている。

インターホンを押せないまま、
15分が経過した。

黒いフードを被っているから不審者に思われないわけでもない。

ただ、どのタイミングで押せばいいのか、分からなかった。

「ん?誰?」

しばらくしていると、
久しぶりの声が聞こえた。

後ろを振り向くと―――

向井が居た。

4年前 No.68

希菜。 ★kd1iSv6kPz_Nml







「ばーいばーい!!」

あたしは、はるに手をふる。

―――今日は、久しぶりのはるとのお出かけの日。

時刻は、6時を回っているので
あたしとはるは別れた。

「〜♪〜♪〜♪〜」

はると遊ぶのは、久しぶりだったから
なんか、嬉しかった。

だからあたしは、無意識に鼻歌を歌っていた。


鼻歌を歌いながら10分ほど経つと
家に着いた。

「ん?誰?」

あたしは、黒いフードを被っている人に話しかけた。
後ろ姿に若干見覚えがあるような。


黒いフードの人が後ろを振り向く。

―――真弥・・・?

「真弥・・・?どー・・・したの?」

真弥が何で此処にいるのか。

理解不能。

「あの・・・、話は後でするから、向井んちに泊めてくれ」

「え・・・う、うん」

断りもできないし、あたしはOKした。


真弥の声を聞いたのは
真弥の姿を見たのは

久しぶりで嬉しかった。


また、付き合えたらいいな。

なーんて。

4年前 No.69

希菜。 ★kd1iSv6kPz_Nml






俺は、向井の家に入っていく。

久しぶりの家だけど、何も変わっていなかった。

いつも通りの玄関。
いつも通りの寝室。
いつも通りのトイレ。

俺は、玄関を入ると真っ直ぐある
リビングに、音もたてず入った。

入ると机と椅子、テレビがある。
そこをまっすぐ行くと、キッチンがある。

そのキッチンでは、向井のお母さんがいた。

「祐菜お帰・・・あら、真弥君」

向井のお母さんは何かを包丁で切りながら、そう言った。

「すいません・・・。あの・・・」

俺は、なんて言おうか迷ったが、

「あのねー、真弥が家に泊めて欲しいんだって」

と、向井がフォローしてくれた。

こう言うとこが、変わっていない。
ま、俺と向井の恋は終わったし。

「泊まる?いいけど、なんかあったの?」

「さーね、それは後で真弥に聞いてみる」

「じゃあ、二階の和室に泊まってね。祐菜、布団ひいてあげて」

「わかったー。真弥、来て」

俺は、向井に手を引っ張られ二階に上がった。

4年前 No.70

希菜。 ★kd1iSv6kPz_Nml









「ここで、真弥は泊まってね!」

二階を上がったらすぐにある和室に、俺は泊まる事になった。

「今、布団ひくから」

「おう、ありがとう」

ちょっと気まずい。
何を話せばいいのかも分からないし。

「なんで、急に家出たの?」

向井は、布団を戸から出しながら聞いた。

「俺の母さん、再婚することになったんだ。それで、再婚したんだけどさっき、聞いちゃったんだ。再婚相手と母さんが『真弥を捨てる』って言ってるのを。で、俺は怒って出てった」

簡単に、説明した。

向井は少しの間黙った。

「ならね、いつまででもあたしんち、泊まってていいから!そんなお母さん、あたしが言うのもなんだけど最低だよ」

「あ、ありがと」

俺の目にはうっすら涙が浮かんだ。

こんな事、言ってくれる奴始めてだった。

「次、あたしの話聞いてくれる?」

向井は、そう言った。

4年前 No.71

希菜。 ★kd1iSv6kPz_Nml





「え、あ・・・いいけど」

俺は、そう言った。

話ってなんだろ。

家庭の事?
学校の事?
それとも、他のこと?

「真弥はきっと、あたしが男子と手組んでたから別れよう、なんて言ったんだよね」

向井は、そう発した。

そうだ。
今でも覚えてる。

「あのね、本当にごめん。その人、あたしの従兄弟の将太。その日は、家に帰っても誰もいなかったし一人で行くのもなんか嫌だから、ついて行ってもらったの」


―――え?

「じゃあ、俺は誤解・・・してたのか・・・」

「うん。だからね、あたし言いたいの」

「何を?」

「あのっ・・・もう一回、真弥と付き合いたい」


4年前 No.72

希菜。 ★kd1iSv6kPz_Nml






『もう一回、真弥と付き合いたい』

向井が発した言葉に
俺は、信じられなくなった。

「真弥は、もうあたしの事嫌いなんだよね・・・」

「な訳ないじゃん」

俺は、本当の気持ちを素直にぶつけた。

自分の気持ちに嘘をついてきた俺にとって、
なんか清々しかった。

「真弥・・・」

向井は―――いや、祐菜は涙もろい声だった。

「好き」

俺は、向井を抱き寄せた。

久しぶりの温もり。

冷え切っていた俺の体が
祐菜の温度によって、暖かくなっていく。

「これから、『また』よろしくね?」

「おう」

また付き合えるとは夢にも思っていなかった。

嬉しい。

今は只、それを思うだけだった。

4年前 No.73
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