Google
    
<< TOPページ 掲示板TOP 記事データ お知らせメール ▼ページ下 >>
★この記事にはショッキングな内容が含まれます。もし記事に問題がある場合は違反報告してください。

 ( プロ詩投稿城 )
- アクセス(43) - いいね!(1)

沙織 ★OmU5p7GqB7_keJ


 僕は、気づいたときには、線路に立っていた。前を見れば先は霞み、後ろを見れば先は千切れたように無いように消失している。僕はぼんやりと思案して、困惑する。

 するとグイっと斜め後ろ側に身体が引っ張られた。慌てて目を向けると凶悪な顔をした女の子が座ってこちらを見つめている。

 そのまま女の子は口を開いた。

 ここは、灯の道よ。右手を見てみて。

 僕が、右を見つめると、そこには火にあぶられている人の姿があった。匂いも何もないがそこには苦悶の表情がある。僕は、げんなりとした顔をした。


 その様子を見とめた後、女の子は口を開いた。

 ここは、灯の道よ。左手を見てみて。

 僕が、左を見つめると、そこには水に溺れている人の姿があった。音も何もないがそこには苦しそうな顔があった。僕は、思わず目を背けた。


 女の子は口を開いた。

 右手に見えるのは、あなたがあの千切れた道の過去のどこかで、あなたが人にされてきたことよ。

 僕は、えっ、と思い、もう一度火にあぶられる人を見つめる。そうだったかもしれない。これぐらいひどいことを僕はされていたかもしれない。そう思った。


 女の子は口を開いた。

 左手に見えるのは、あなたがあの千切れた道の過去のどこかで、あなたが人にしてきたことよ。


 僕は、思わず顔を青くして、女の子に反論した。僕はそのようなことをしていない。と力いっぱい抗議した。女の子はそこで初めて嫌な顔をして僕に言った。


 だから、あたし、あなたが嫌い。


 僕も僕が嫌いだと僕は言い返した。


 ふと、霞んだ先が目に留まって、疑問が湧いた。女の子に尋ねた。

 なぁ、列車はいつ前からここに来るだろうか。


 女の子は、馬鹿にするように僕に言った。


 馬鹿ね。列車が来たら、轢かれちゃうじゃない。だから、来ないの。

ページ: 1

 
 
<< TOPページ 掲示板TOP 記事データ お知らせメール ▲ページ上 >>
★必ず ローカルルールメビウスリングのルール をご覧ください。
 ▼スタンプ▲スタンプ
※スタンプはいちどに 3個 まで使えます  ×閉じる