アホウと街の鳳凰

歯キャラ @a3214g ★iPad=PNWnKTcZGa

「ぼかぁねぇ、今まで人生から
逃げて逃げて逃げ続けてきたわけですよ。
そんな僕を現実と向き合わせてくれたオーケンがねぇ・・・」

一人問わず語りをしていると、

「お前の泣き言なんざ、興味ねぇんだよ！ボケ！」

と、ちょび氏から警鐘の音を聞きまして

「あぁ、そりゃそうだ。俺一人なんかの身の上話なんざ興味ねえわな」

と、独り合点がいきまして
そそくさと酒場を後にしたのです

肩を貸してくれる友達もいないし
そこまで酔ってもいなかったので
僕は深夜の湿っ気と寒さに体を震わせながら
帰路に着いたのでした

金曜日の繁華街はせわしない
休日を控えた労働者たちが
日々の疲れを癒すべく
酒場を行ったり来たりしております

五年前の俺よ
まだメソメソと泣いてんのか？
五年後の俺よ
収入は安定してるか？

「この街で一際輝く黄金の蝶になりたい」
なんてクッサいフレーズの詩も書いてたなぁ
俺が蝶なら この街の人達はなんだ？
黄金の鳳凰か？

すれ違う
スーツ姿で歩くサラリーマンの鳳凰
コンビニ店員に模した鳳凰
駅の係員になった鳳凰
土方の体力勝負の鳳凰

俺も、やる。
みんな。
みんな。
みーーーーんな、
頑張ってんだなぁ。