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 ( プロ詩投稿城 )
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Kazu. ★BY/kAgAaGPs

 なにをそんなに怯えているのか
 ここはわたし以外には誰もいないというのに
 なにをそんなに憂いているのか
 今宵は満月 月の光が満ちているというのに

幼子の覚束ない行進のように
わたしは背を押されて躓く囚人の列にいた
罪状は知らされず
理不尽な拘束のまま
わたしには穴を掘る罰が科せられていた

だから今日一日 穴を掘った
(明日もまた一日中 穴を掘らねばならぬ)
なぜ穴を掘ることがわたしを甦生させるのか
その穴と刑との因果関係を量ろうとするのだ

わたしの声は声にはならず伸吟するばかりで
そして自分が発した声ではない声を耳にして
いっそう後悔するのであった
それはわたしがわたしを生かす唯一の道が
罰としての穴を掘り続けることでしかない
ことを自覚するからであった

 なにをそんなに怯えているのか
 ここには穴を掘るための道具がないというのに
 なにをそんなに憂いているのか
 今宵月明かりに影だけは醒めているというのに

夜中
どこからかまた伸吟する声に目覚めた
日中の喧騒に掻き消されていたものが
夜のしじまに浮かびあがってきたものか
なにかがどこかで傷ついている
もしかしたら
昼間わたしに掘られた穴が
深いところで病んでいて
ひっそりと泣いていたのかもしれない

遠い日
下校時に君と別れたいつもの街角に
今日 掘削機のメスが走り
喪服の女 禿頭の僧侶
野良犬にいたるのでが一様に躓いていた
あの日もちょうど
穴は今日のように掘られていて
君とわたしは一緒にその深淵を覗いていた
君はわたしよりいつも満月のように明るくて
一瞬
わたしは君を突き落としたい衝動に駆られていた
(あの日からずっとわたしの内の深いところに穴がある)

 なにをそんなに怯えているのか
 なにをそんなに憂いているのか

昨日 君の訃報を知った

2009/12/02 14:10 No.0
ページ: 1


 
 

水無芙蓉 ★y/PRTMZ/r1E

感想になってしまうことを初めにお詫びします。

乙一氏の小説を読んでいるような感覚でした。
暗く重い狂気に軽く吐き気すら覚えました。
詩に入り込んでしまいました。

一つだけ
>野良犬にいたるのでが一様に躓いていた

>野良犬にいたるまでが一様に躓いていた
でしょうか?
違っていたらすいません
ここだけ読むときにつまづいたので。

2009/12/02 16:02 No.1

Kazu. ★BY/kAgAaGPs

水無芙蓉様
お読みいただきありがとうございました。

乙一さんという小説家(?)のお名前は存じていましたが、一度も読んだことがなく想像するだけです。
現在のマイブームはドストエフスキーです。「罪と罰」「カラマーゾフの兄弟」「未成年」とこの夏より読み、今は「悪霊」の下巻を読みつつあります。その関係か音楽もショスタコーヴィッチ熱が再現し始め、あれやこれやで今回の作品の風合いとなりました。

>野良犬にいたるのでが一様に躓いていた

>野良犬にいたるまでが一様に躓いていた
でしょうか?

ありがとうございます、仰せの通りです。
メモ欄に訂正を入れます。(恥ずかしい!)

2009/12/02 16:22 No.2

るりこ ★y/5yFM0GOy6

引き込まれる詩ですね。
とても好きな詩です^^
あえて一つ言わせていただくとすれば、
>なにをそんなに怯えているのか
>なにをそんなに憂いているのか
の二文ですね。ここだけが何だか陳腐に思われます。重い雰囲気の詩ですが、この部分は凄く軽い気がします。もしかしたらわざとなのかもしれませんが、私は違和感を覚えました。

2009/12/03 18:30 No.3

Kazu. ★BY/kAgAaGPs

るりこ様
お読みいただき、ありがとうございました。

>あえて一つ言わせていただくとすれば、

>>なにをそんなに怯えているのか

>>なにをそんなに憂いているのか

>の二文ですね。ここだけが何だか陳腐に思われます


ご意見、再考してみます。

ちょっと自説を書かせて下さいね。
私は作品の中で時系列があるものが好きなので、このことを常に意識してしまいます。
そして時系列の組合せと同時に、作中の主人公や主題がいつの間にか(読み手に気づかれない内に)移行していて、でも最後にはしっくりと落ち着く、こんな作品を書きたいと思います。ただ、これはヘタをすると荒唐無稽な支離滅裂になって、とても人様に「詩」として受け止めて頂けないものになってしまいます。
今回の なにをそんなに怯えているのか
     なにをそんなに憂いているのか
は、もう一人の私の内なる声で、この声に誘発された作品(事実と虚構)にしました。ですから段下げの連とそうでない普通の連との間には、温度差があってしかるべきなのですが、それが作品全体の統一感を損なっているとしたら「出直して来なさい!」なのだと思います。

(私にはとても痛いところを衝かれましたが)改めて、ありがとうございました。

2009/12/04 09:11 No.4

Rei ★ip9AdZmCfNQ

「なにをそんなに〜」の反復はちょっと気になるけれど、前回等に比べるとずいぶんと印象的、つまり良くなったなあと思いました。
ただ、これは私の好みかもしれませんが

>昨日 君の訃報を知った

この最後で萎えてしまいました。
それまでの幻想的な雰囲気が一気に俗っぽくなった感じがして残念に思いました。

2009/12/07 21:33 No.5

Kazu. ★BY/kAgAaGPs

Rei様
印象に残せて頂いたとのこと、嬉しい限りです。一人でも多く(不特定多数)の人の心に一石を投じられれば、それに優ることはありません。

>昨日 君の訃報を知った

これがご不満とのこと、やはりなぁと思いました。
ただ、この一行がこの作品において是か非かは、きっと詩に対する根本的立場の相違だと思われます。これはどっちが正しくてどっちが間違っているといった類いの話ではなくて、私とReiさんの詩に向かう方向性だと思います。私にとって、この一行(半分事実で半分虚構ですが)のために、この作品を書きました。

(でも、私の所属する同人誌の集まりでも、今度のReiさんのような指摘はよくされます。多分これが私の詩の本質なのでしょう。しかし、ここはどうしても受け入れ難いところでして、云わば私の自恃というところでしょうか、いつかはこれは私にとっては不羈なのですと、言える日がくるまでガンバルつもりです。永遠にこないかも・・・。)

遅くなりましたが、お読みいただきまして、ありがとうございました。

2009/12/08 08:25 No.6

笹川明彦 ★U1y8nfS6Vg6

さらに細密な事象表現が必要だと思います。

2009/12/08 13:02 No.7

Kazu. ★BY/kAgAaGPs

笹川様
コメントありがとうございました。

>さらに細密な事象表現が必要

ということは、例えばどんな風にして穴を掘ったか、といったことでしょうか?

2009/12/09 07:56 No.8

笹川明彦 ★94jFgU5jVwc

部分のクローズアップの事です。モノ、事象についての細密な写生描写です。
書くと文章が生きます。

2009/12/09 17:14 No.9

Kazu. ★BY/kAgAaGPs

笹川様
ご回答、ありがとうございました。
(前回もそうでしたが)今回のご指摘に異論を唱えます。

理由@

>部分のクローズアップ

して
>モノ、事象についての細密な写生描写

することで、読み手に対して、私の想いがより明示され得るとは(私には)思われません。
イメージ(比喩)を精鋭化する必要はありますが、主題に対してぼやけさせたりしそうで、そうなったら本末転倒です。
理由A
>細密な写生描写

をすると、私の場合は散文か随筆になりそうで、あえて「詩」という形態をとる必要がなくなります。
(この作品を散文で書けば、2,000字は超えます)

私には「詩」と言うものがなんであるかと明確には説明しきれませんが、私のなかでは一つの矜持としての思いはあります。多分それが笹川様の思いとは相違しているのだと拝察致します。

ひとつ質問です。
>文章が生きる

とは、どう解釈したらよろしいでしょうか?(ここでは手法のことをお尋ねしているわけではありません。詩のなかで、文章が生きるとはどういうことかを知りたいと思いまして・・・)
読み手に受け入れやすくなるとか、書き手の主旨がハッキリするとか、でしょうか?

2009/12/10 08:36 No.10

笹川明彦 ★94jFgU5jVwc

そうですね。読み手に受け入れやすくなるとか、書き手の主旨がハッキリするとかでしょう。

細密描写は、それ自体がメタファーとなります。映像の手法ですよ。まあ、お好きに。

2009/12/10 13:25 No.11

Kazu. ★BY/kAgAaGPs

笹川様

真摯な回答、痛み入ります。

>細密描写は、それ自体がメタファーとなります。


ここまで来てしまいますと、私の頭では堂々巡りに陥りますので、この辺りで終わりにさせて頂きます。
改めまして、ご意見、ご対応、ありがとうございました。

2009/12/11 08:33 No.12

盗作で有名に? ★M.iMvAAfFyA_a1

盗作で見つけて登場

中3女だから受賞されたのか?
この作品に賞を取るほどの作品なのかがとても気になりました。
たぶん、中3女でこのような文章をかけるということが才能ということで受賞されたのかもしれませんね。

この作品自体が、素晴らしいものであるのなら、Kazuさんに声がかかっても不思議ではないと感じる今日この頃でした。

2010/10/15 13:48 No.15
ページ: 1

 
 
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