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人形感染パンデミック

 ( オリジナルなりきり )
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ゾンビを人形に置き換えたパニックホラー @yuuzenn ★YRuDhSwQ0p_3wf

 時は令和元年。
 新元号の発表を迎えた一か月と少し後、5月の半ばに異常は発生した。

 ――さっきベランダで洗濯物干してたら、向かいの家の屋根にデカい日本人形がよじ登って来るの見えたんだけど。何これ映画の撮影?

 ――いま学校のグラウンドにやたらとリアルなビスクドールのコスプレした女が乗り込んできて軽いお祭り騒ぎ。教師がさすまた持って確保しに行ったけどまだ戻って来ない。

 ――たぶん着ぐるみだと思うんだけど、さっき玄関のドア開けたら熊のぬいぐるみが自宅の前に待機してて糞ビビッた。まだ扉ドンドンされてるんだけど、警察呼ぶべきかな?

 ――どっかのアニメで見たことのあるキャラクターのフィギュアが等身大サイズになって俺の目の前で人を殺した。嘘じゃない。証拠の動画も添付しておく。

 ――全裸のラブドールがおっさんの首元にいきなり齧り付いたかと思ったら、おっさんのほうも数秒後にはラブドールに変身した。俺はいつの間に二次元に迷い込んだんだ。

 ――本物の赤ちゃんだったはずのうちの娘が、赤ちゃん人形に食い殺されたら赤ちゃん人形になってしまった。「ママ」と呼びながら私のほうに向かって来る。どうしよう。

 ――そんな、私は壊した人形の中に入っていた液体が目に入ってしまっただけで噛まれてないのに! 指先からどんどん間接が球体になっていく!

 SNSや動画投稿サイトを中心に情報は爆発的に広まる。
 世界各国、北と南の垣根無く、『動いて人を殺し回る人間大サイズの人形』が目撃され始めたのだ。
 人形は人を食い殺すのみならず、噛まれた者や、人形の体液を摂取してしまった者も次いで同じ人形と化してしまうゾンビ映画のパロディじみた光景。

 幸い各国の主要施設や主要機関まで人形に占領されてはいないが、それでも不測の事態に対応は後手に回る。
 中でも下手に人口が多く下手に孤立した片田舎のベッドタウンは最悪だ。
 マンションの住民が、ショッピングモールの来客が、公園で遊ぶ児童らが、次々と人形にされ他の人間へ襲い掛かる始末。
 果たして人類はこの騒動を生き抜くことができるのか? そして人形たちがいきなり巨大化し動きだした原因とは――?


【「スレッドに参加したいけどスレ管理能力が無いのでスレ主にはなりたくない」→「でも自分で作らないとスレッドはそうぽんぽん生まれない」→「自分でスレッドを作り、かつ『私は作った人かつプロフを審査するだけなポジでスレ主ではありません、ストーリー展開やイベントの発案は参加者様たち全員でお願い致します』と言い張れば良いのでは?」。という思考回路から生まれたスレッドです。なので私は本当にスレッドを設立してある程度の世界観を用意し、皆さんのプロフにOKとNGを出す以外には何らスレ主らしい仕事はいたしません。そんな奴が作ったスレでも大丈夫という方のみご参加お願い致します!】

メモ2019/04/17 01:03 : 友禅☆fXqsD0VZIxk @yuuzenn★YRuDhSwQ0p_Oem

『ルール』

http://mb2.jp/_subnro/15824.html-1


『世界観』&『人形について』

http://mb2.jp/_subnro/15824.html-2


『ロケーション』&『募集キャラ』

http://mb2.jp/_subnro/15824.html-3


『プロフィール』

http://mb2.jp/_subnro/15824.html-4


〜キャラクター一覧〜


『一本橋鑿』

http://mb2.jp/_subnro/15824.html-5


『降魔天狼星』

http://mb2.jp/_subnro/15824.html-7


『桃神楽不知火』

http://mb2.jp/_subnro/15824.html-8


『上三依慈』

http://mb2.jp/_subnro/15824.html-11


『朝霧信長』

http://mb2.jp/_subnro/15824.html-13


『葛風恋歌』

…続きを読む(1行)

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友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★YRuDhSwQ0p_Oem

【 一本橋鑿 / ショッピングモール周辺・駐車場→ショッピングモール一階・スーパー 】

 世界はどうやらイかれてしまったらしいと、どんなに鈍感な奴でも十二分に感じ取って生き残るための行動を開始し始めた頃。
 さして鈍感でもない一本橋鑿はというと、行動の遅い連中がやっとこさ動きだす時には既に動きだして数分が経過しており、その結果として自宅からベッドタウン唯一のショッピングモール近くまでたどり着いていた。
 ただし中には入れていない。大きな建物をぐるりと取り巻く駐車場の一画。そこに停められたバイクなどの陰に身を潜めつつショッピングモール内部を目指している真っ最中だ。自然と沸き上がってくる緊張を解すために口の中で噛んでいる『歯磨きガム』はすでに噛み応え以外を失い、マイルドミントとやらの味も舌で感じ取れなくなっている。ぺっと吐き出したそれを付属の紙に包んで、設置されたダストボックスに音をたてぬよう捨てた。
 こんな非常事態だというのに。そしてここに来るまでに人形へ石を投げたり通り過ぎざまに殴ってそのまま逃げたりと色々やって来たというのに。それでもゴミのポイ捨てには妙な倫理観が働いてしまう辺り、人間の根っこが善性なのか悪性なのかは未だ謎だ。新しいガムを口内に放り込みつつそんなことを考えてみた。思想の自由は非常事態にも保障されている。

 カワサキのバイクを遮蔽物代わりに利用する傍ら、ひょっこりと顔だけ出して目視できる範囲の人形たちを数えた。ひい、ふう、みい、よ、い、む、な、や……八体。合計八体もの人形が見える範囲だけでもひしめき合っている。
 病院の備品みたいなやけにリアルな赤ちゃん人形が身長180cmになってなおハイハイで進んでいるのも不気味だし、等身大の藁人形がかさかさ身体を鳴らしつつ不器用に歩いているのも不気味だが、それより金太郎の五月人形が厄介だ。なにせ大きなまさかりを背負っている。装備が軽くて動きも素早そうだし、いざ人形どもに発見されるのを覚悟でこの駐車場を突っ走るとしても、抜けていくルートにあの金太郎の傍は選ばないほうが良さそうだ。
 後はマトリョーシカも分裂して増えてきそうでかなりの警戒対象だし、貞子のフィギュアなんて等身大になったらもはやただの貞子で「怖っ」以外に感想が無い。雛人形の三人官女は先程から固まって行動しているから、いざ近付くと連携プレーとかで襲撃してきそうだ。
 そんな個性豊かな八体の人形たち以外にも、今まで命からがら進んで来た道のりの中にはもっと大勢の人形らが居た。これから進んでいく内にもたくさんの人形に出会うだろう。そしてそれらは、ひょっとして自分の友人であるかもしれず、そうでなくとも友人の友人であるかもしれない。
 数分前に殴り倒したブードゥ人形の感触を手の平に思い起こす。ぞわぞわしたものが皮膚から神経を伝って脳味噌にまで這い上がってくる心地。けれどそれに指や肩を震わせはしない。怯えても良いし、恐れても良いが。それでも震えて動けなくなっては駄目なのだ。そんな有様ではこの未曾有の非日常を生き残れない。自分は命ある者の当たり前の責務として、それを持ち続ける努力をせねばならないのだから。

「……さん、にい、いち!!」

 気合を入れるためにカウントし、小声で叫ぶ器用な真似と共にバイクの陰から走り出す鑿。向かう先は自分の立ち位置から二番目に近いショッピングモールの出入り口。最も近い出入り口には金太郎が待ち構えているので避けた。五月人形である以上あのまさかりだって鉄製の鋭器ではないだろうが、そうでなくとも質量のある鈍器に真正面からぶつかっていくのは悪手だ。誰かを助けるためでもなければかち合わないのが吉。
 こちらを発見してハイハイで寄ってくる赤ちゃん人形をスピードで振り切り、四つん這いで迫りくる貞子には釘バットの一撃をお見舞い、怯んでいる内になんとか逃げ切れる範囲まで距離を稼ぐ。金太郎と三人官女は少し離れた位置におり、別の標的を見つけたのか逆方向に向かって進みだしたのでこちらには来ない。残るマトリョーシカは手も足も無く跳ねて移動しており遅い。藁人形も決して速くはないからこのまま逃げられそうだ。

「はあ、はあ、はあ……」

 ここまで散々っぱら体力を消費してきたので、いざ建物に入り込んで扉を閉められた瞬間どっと疲れが身体を襲った。途中で休みを入れなかったのも痛い。少しでも早く此処へ辿り着きたくて急いだ結果だ。しかしそのおかげで、この人形騒動が発生してから一時間とたたないうちに目的のショッピングモールへ無傷で辿り着くことができた。体力ならこれから休んで回復すれば良い。前向きに考えよう。

 いつまでも出入り口の近くにいるのは危険だ。荒い呼吸を無理やり整えて顔を上げ、通路にはカピバラのぬいぐるみ(※身長180cm)しかいないのを確認してから忍び足でスーパーへ向かう。まずは飲料だ。水分を補給して喉を潤そう。それから投擲用の武器として使えそうなものを探したい。怪我をした時の応急手当に使えそうな手巾などもあれば尚良く、贅沢を言えば包帯やガーゼやサージカルテープも欲しい。此処の品ぞろえなら叶わぬ願いではないはずだ。

>ALL様

【お待たせいたしました、メイン解禁いたします! ベッドタウンにありそうなものなら何でもあってOKの自由なロケーションですので、皆様ご自由にキャラクターを動かし手下さいませ!】

2ヶ月前 No.1

メディスン @suta ★dU12w0HJuv_kLf

【 降魔 天狼星/ 駅前→ショッピングモール周辺・駐車場 】

「はぁはぁはぁはぁ――くそっ! 」

駅は無人、街は死んでいるようにそこには人影はなく、存在する影は別の形をした人形という意思を持つ物体。本来人が込み合うはずの人通りの場所はかつての活気はまさに面影すら残っておらず、電車で移動という希望すら立たれていた。俺に残っている移動する手は耐え、今逃げおおせるように外へ出る。
背後から聞こえる足音、這うように覆うアリス人形。本来なら可愛いはずだが今は恐怖の対象でしかない。あの人形たちが何で認識しているのか?目視?音?体温?
SFのゾンビとかは目視や音に反応するが人形相手だと何なのか検討すらつかない。
階段を上り終え、駅前に戻る。 視界に入るのは無人の道路

「ハ―――――ハァ、ハァ、ハ――――っと!」
両手を使って、犬コロすれすれの姿勢になってしまう。

わかっていたはずだ乱れる呼吸を抑えるように俺は手を胸に抑え、周囲を見渡す。 ビル マンション 平家 等々目に入る。
ビルに関しては除外逃げ道がない 上に上がればそもそも追いつめられる。仲に人形がいると配慮すれば最悪だ。 マンションに関してはポード(団体の人形)が起きればどうにもならない。
このまま走っていてもこちらのスタミナはすぐに尽きる。対して――人形に体力など存在するわけがない肺という機能なんて存在しない無限と呼べる体力相手の鬼ごっこなんて結末は子供でも分かる。無意識に唇を噛みしめていた。

不意に横を向くと看板が視界に入る道路情報板。 ●●●ショッピングモール200mという文字が目に入る。

「ふぅー ショッピングモールか。」

ポケットに入れているスマホは相変わらず、電波は立っているがネット環境はつながらない、今の状況がどうなのか他のところもこうなっているのか相変わら情報は一切入ってこない。世界がこうなっているのかこの付近がこうなっているのすら不明。しかもネットが機能していないということは仮に他の場所が無事でもそれを伝わる情報は極めて遅い。今の人類はネット社会、それが崩れた場合は他所の情報なんて入ってこない。こうなると政府が動いているのかも怪しいだろう。
故に必然的に助けは来ない。
まさに孤立した世界が今の京都のなれの果てだった。
とりあえず、食料といろいろ確保したものが多い。自分一人しかいない可能性も十分視野に入れてこれからは行動しなければならないのだ。
方針を決めると落ち着いた呼吸と共に立ち上がり、道路情報板にそうように俺の足は再び前へと走り出す。ここにいるのは危険だと生物的本能が足をよく速く向かわせる。


「―――とまあ、そんな経緯で今に至るわけだけど。やっぱりここにもいるわけだ」

目の前には目的地があるが徘徊するように個性豊かな人形たちは視界に八体目に入る。こんな状況でなければメルヘンであるが今はただのホラーと化している。時代劇に出てくるような落ち武者人形、に雛人形、通常よりやはりここもデカい。
目立たず裏から回ることも考えたがそれはいけない。ショッピングモールで後でこれらが襲ってた場合、ショッピングモールに他の人形もいる場合悪手に回る。視界が広いここでやはり迎撃に回るしかなかった。

しかしどうやって?
普通に正面から当たると当然自分もあの仲間になってしまう。
その為奇襲という形を取りしかない。物陰の電信柱の裏で思考を巡らせる。自分のとりえといえばものつくりとゲームの偏った知識くらいしかない。
一撃でまとめて

しばらく考えた結果一応まとまった。材料は駐車場に止まっているあれ(車)がある。問題はどう気づかれないようにするべきという難関があった。
事を起こすにはどうしても音が響く。音を立てるという事は気づかれる可能性が高い気づかれたら全員こちらに向かってくるだろう。人形の足の速度は個性がるようにそれぞれバラバラな主体。
身をかがむようにして、足音を意識するようにつま先歩きを行いながら、駐車場内に足を踏み入れる。 そこでバイクの存在に気が付く。

「お」

それは少し前に橋鑿物陰にしていたバイク。彼女はそんなことは当然知ることもなく、這うように恐る恐るバイクへと足先を変える。真っ先に向ける視線の先は燃料フィルター
大概のバイクは金属製で出来ている。そして次に燃料タンクをかがんだまま確認を行う。

運転席に恐る恐る手を伸ばし、燃料コックをリザーブの位置にガチッと少し小さな音共に
動かし、即座に空のペットボトルに抜けていくガソリンを注ぐように押さえつける。

「どなたのバイクか知らないが永遠にバイク借りるぜ今は燃料だけな」

蛇口のように流れるガソリンを二個コメのペットポトルに持ち替え、座席から周囲を確認する。まだ気づかれていないのかこちらを向いていない。
ガソリンは必ず金属の缶に入れよう。間違っても俺みたいにペットポトルに入れるのは危険なので辞めましょう。
お姉さんとの約束です。無論すぐにこれは消化される為関係はないわけだが。

そして5つ分ペットポトルに入るとガソリンは底をついたように漏れた蛇口のようになっていた。

四つをかばんに入れ込み一つのペットポトルを右手で掴み、即席火炎ボトルを掴む。無論ペットポトルの為割れないし、このまま使っても何の意味もない。本来は布や燃えるモノを蓋にしなければならないがこれはペットポトルの蓋である。投げたところで何の意味ももたらさない。だが、もし着火するものが遠距離ならどうだろうか?

キャップがないペットポトルを片手に天狼星は隠れることを辞めて堂々と前に出る。
ガソリンの沸点は40度それ以上は蒸発を起こす。その為、本来は熱いところに置けない理由である。


「行くぜ、コイツを喰らいな!」

一投目、布袋を取り出し五月人形に向けて投げつけ、すかさず握っていたペットポトルを腰を落とし、地面すれすれに振りかざすアンダスローのように二投目を振りかざす。ガソリンの重さがあるのかそれは一番目に投げつけた布袋を追い越すように向かう。

そして、彼女は銃を即座に構える。

「これで終わりだ。人形ども」

袋は何もくくられていなかったのか、粉末のように飛散するそれに引き金を下す。

それはまさに適当に打ったものだった。狙っても当てれる技術は彼女にはないのだ。よって狙ったのは空に舞う粉末した亜鉛。ラッパ銃の火薬だった。離れた亜鉛と粉末になった亜鉛は摩擦で燃え、

浮遊した粉塵が燃焼し、粉塵爆発を引き起こした。当然投げた先のペットポトルもその影響受け、即座に爆発を起こす。連鎖爆風

放った同時に床に顔を抑えながら伏せた天狼星は炎の爆風を恐る恐る眺めながら周囲を見渡す。

「やったか?これフラグじゃないよ」

他の人形も巻き込まれたかと警戒しながら周囲を眺めていた>ALL


【メイン解禁おめでとうございます】

2ヶ月前 No.2

はるみや @basuke21☆MhETKCZLYfIV ★sBHPZi6My9_OSy

【桃神楽不知火 / ショッピングモール周辺駐車場→ショッピングモール一階】


 バクバクと高鳴る鼓動、荒くなる息遣い、恍惚に染まる頬。桃色の髪を風に靡かせながら、緑色の双眸を鋭く光らせている男──桃神楽不知火は、今自分が置かれている状況とは水と油の如く正反対な感情を抱いていた。
 近づいてくる150cmのくまのぬいぐるみ。綿とその他諸々が詰まったその身体を重そうに左右に揺らしながら、ドスドスと不知火に近付いてくる。ゆっくりと、けれど確かに。
 それでもまだ不知火の影は動かない。
 近付く、近付く。ゆっくりと、確実に。そして150cmの影は不知火を覆う。にやりと、ぬいぐるみの口角が上がった気がした。それに合わせゆるりとスローモーションのように右腕を振り上げる。
 二つの緑色は揺ぎ無く、ただぬいぐるみの目だけを、一点だけを見つめている。
 右腕は振り下ろされる。風圧で桃色の髪が揺れる。
 不知火は笑う。

「ふはっ……綿抜いた方がもっと早く動けるんじゃない?」

 ゆるりと腕をかわす。ドォン、と大きな音をたてて、ぬいぐるみの腕は不知火のいた地面へ埋まった。
 ──全部がそうとは言えないが、大多数の重い人形は動きも遅い、しかし攻撃の威力は高め。ううん、敵じゃないな。
 そう冷静に分析と判断を行いながら、不知火はとん、と。まるで重力が働いていないかの如く軽々しく、高くジャンプをする。
 そして

「液体を漏らす人形もいるんだってね、っと!」

 靴に仕込まれた刃は使わず、空中でぬいぐるみの頭へ蹴りを一発。
 よろめいたぬいぐるみを横目に着地して身体を低くすれば、両足を払うように蹴りを一発。
 ふらつくぬいぐるみの背後に回り、背中へ右ストレートを打ち込む。
 怒涛のラッシュに手も足も出なかったぬいぐるみはついに耐えかね、どおぉん、と巨体を地面へ沈める。
 不知火は汗一つかかず、息も乱れず、余裕そうな表情でにんまりと口角を上げれば「不合格」とだけ一言残し、軽快な足取りでショッピングモールへと向かった。
 しかし向かう途中には他にも人形がうじゃうじゃといる。不知火は足を止め、近くにあった赤い軽自動車の影に身を潜めながらジッと観察を始めた。
 ──大きな身体の赤ちゃんという不釣合いさが不気味さを醸し出している人形。180cmはあるだろうか、ハイハイで動いているから動きは早い。しかし攻撃の内容は限られているだろう。いけるな。ゴキブリのようにカサカサと移動している人形。藁だから物理的な攻撃はあまり効果が無いかもしれない。逃げよう。大きなまさかりを背負っている人形。ふむ、厄介だ。足取りが軽いし、装備も軽い。ということは動きも軽い。おまけにまさかり。スピードなら勝てるかもしれないが、リーチも威力も負けている。逃げよう。
 数秒で以上の分析と判断を行えば、視線を人形から周囲へ移す。
 ──分裂するマトリョーシカ。対複数は分が悪い。貞子はまあいけるだろう。しかし本当にいろんな人形がいるな。個体差もあるし、早いとこ武器を見つけるか生きている“人間”を見付けなければ。この楽しさが終わるのは勿体無い。……あ、赤ちゃん人形と貞子とマトリョーシカと藁人形が標的を見付けたのか一点を狙って走って行った。チャンスだ。
 ぞくぞくと身体に走る快感にも似た異次元の感覚を噛み締めるように笑みを浮かべれば、意を決したように立ち上がり

「んふふ、私に着いて来れるかなぁ!?」

 心の底から出た、小学生のような笑い声を挙げて走り出す。
 目的地は不知火から見て右側の、金太郎と三人官女の先にあるショッピングモールへの出入り口。
 まず金太郎が不知火に気付く。まさかりを片手に、のしのしという足音が聞こえてきそうな、しかし軽い足取りで不知火の後を追う。が、スピードは不知火の方が圧倒的に上だった。
 その騒動に気付いた三人官女は、見事に三人纏めて不知火を追ってくる。しかしこちらもまた不知火の敵ではない。
 案外余裕にショッピングモールへ入れたことに内心驚く。良くも悪くも更なる余裕が生まれていた。
 まだ息は上がっていない。汗もかいていない。

「ふう。まずは……」

 外から視線を店内の通路へ向ける。何者かが走る足音と、確かな気配。
 これが人間のものなのか、あるいは人形のものなのか。
 どちらにせよ確認しておいた方が得ではあるが、まずは水だ。水が欲しい。そう考えた不知火は、スーパーへと視線を向け──

「鑿ちゃん!」

 スーパーへの通路を歩く人影が幼馴染であることに気付き、相手の名前を呼んだ。

>>鑿ちゃん

2ヶ月前 No.3

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★YRuDhSwQ0p_Oem

【 一本橋鑿 / ショッピングモール一階・スーパー 】

 スーパーの飲料コーナーで天然水のペットボトルを拝借し喉を潤していたところ、建物の外側から途轍も無い爆発音が轟いて来た。鼓膜を突き破って脳内に侵入してきた松永弾正がそのまま頭の中で平蜘蛛釜に火薬を詰めてボンバー自殺したような衝撃で、爆発音が済んだ今でも微かに頭が回っている気がする。驚いてミネラルウォーターも口からちょっと噴き出した。ベタつく清涼飲料水や色の濃いコーヒーを飲んでいなくて良かった。
 まさかダイナマイトでも持ち出した輩がいるのかと慌てて視線を出入り口の近くに向けるも、さすがに距離がありすぎて外のことはよく分からない。……人が助けを求める声は聞こえないし、たぶんあの爆発には人形しか巻き込まれていないか、あるいは巻き込まれた人間はいても既に声も出せぬ死に体となっているのであろう。何より今の爆音で近場の人形たちはわらわらと駐車場に群がり始めるに違いない。よってここで近付くのは危険だ。
 以上の理由から駐車場の爆発音の記憶をひとまず精神から追い出し、役立つアイテム探しに舞い戻る。スマートフォンのほうも時おり制服のポケットから取り出しチェックするようにしているが、集中しているのか回線が重すぎてLINEもTwitterもロクに機能しやしない。いつまで経っても読み込み中だ。只々充電のパーセンテージのみが減ってゆく。嗚呼、また1%が消費された。

「っと、まずい。静かにしないと」

 エスカレーターの向こうから首の無い女性型のマネキンがひょっこりと顔を出すのを見て、あちらさんに見つかる前に慌てて果物置き場の通路に身を屈める。頭が生えていないイコール目も無いのでマネキンがどこを注視しているかは分からないが、胸の部分が逆方向を向いていたからまだ発見されていないはずだ。無理に戦わずできるならばこのままやり過ごそう。今は休む時と数分前に決めた。
 それから二分。ちびちびとミネラルウォーターを飲みながら息を潜め、ペットボトルの中身が残り三分の一にまでなったところでマネキンはエレベーターに搭乗し三階へと上がって行った。ライトを確認していればそれくらいは隠れたままの位置からでも知れる情報である。適当に押したら動いたのか、使い方を分かって動かしたのか。もしも後者なら厄介だ。人形にそれなりの知能があれば絡め手まで警戒しなくてはならなくなってしまう。
 しかしながら、今の段階ではどちらと断定するにも証拠が足りなさすぎる。この件はもう少し奴らを観察してから結論付けるとして。目下の目標は武器の調達に拠点探し、そして人間の仲間を見つけることだ。それも肝の据わった人間なら尚良い。此処に来るまでに生きた人間とは何度かかち合ったが、皆逃げ惑うばかりで頭の中には恐怖以外の文字が踊っていないように見えた。ああいう連中は駄目だ。仲間にしたところで庇護対象が増えるのみ。つるむなら強かな者が良い。ストーヴの傍で編み物をする優しい老婆のような笑顔のまま、鈍器なり凶器なり振り下ろして人形の中身をぶち撒けられるナチュラルボーンキラー。この非常事態をまるでゲームのように捉えて楽しみながら攻略して行ける有能な賢しい性悪。どれだけ絶望的な状況に追い込まれようとただただ諦めず進んでしまえる頑固者。そんな連中が良い。何であれ『強さ』を持った存在をこそ仲間として望む。

「……強さ、か。そういえば、不知火くんの野郎は生き残っていてくれやがるのでしょうか。アタイがこうして五体満足な内は、おめーも五体満足だと思っちゃいますが」

 頭の中に浮かんできたのは、年上の腐れ縁ご近所さんのダブルピース笑顔なイメージ図。それに向かって語りかけるような独り言をこぼす。マネキンが立ち去ったので、既に果物置き場に身を潜めるのは辞めていた。今は普通に突っ立っている。
 嗚呼、彼のことをこんな非常事態の最中に思い出したせいか「鑿ちゃん!」なんて幻聴まで聞こえて来た。本当に彼そっくりの声だ。自分の幻聴とはいえレベルが高い。リアリティを追及してか足音まで搭載していて……ん? これリアリティってかリアルじゃね??
 ぱっと身体ごと振り返った先にいたのは一人の男。妖艶で軽薄なのにどこか気品を感じる不可思議な気配の美青年。盗品の高級ヴァイオリンで格調高く奏でられた淫らな曲のような、とでも称すれば良いのか。その隠しきれない癖の強さが人を遠ざけることもあれば、逆に一握りの好き者につけ回される原因にもなる。――桃神楽不知火。彼は、一本橋鑿にとって一言での形容が難しい相手だ。だがこれだけは断言できる。彼は『強さ』を持っている男だ。つまり鑿がつるむ相手にと望んでいた人材だ。

「不知火くん! おめーもやっぱり無事でしたか!」

 顔見知りの近くにこちらからも駆け寄り、労いとして新品のミネラルウォーターのペットボトルを軽く投げ渡す。それから背中をバシバシ叩こうとして、しかし見えないだけで其処には怪我をしている可能性もあるからと上げかけた手を密かに下げた。さすがに挨拶で相手を痛がらせる悪趣味は持ち合わせていない。もちろん完全に無事だと判明したらその時は遅ればせながらバシバシやらせて頂く予定だが。

>桃神楽不知火様&ALL様

2ヶ月前 No.4

@purple3ru ★iPhone=5uXDFiflht

【 上三依慈 / ショッピングモール前 】

「ねえ、そこのあなた。この顔に見覚えはあるかしら? ……もし良かったら、私を守ってくれませんか?」
「悪い話じゃないでしょう? すべて終われば、元天才子役で現在女優兼アイドルの女子高生を、欲望のままに好き放題できるんだから」

***

久々にもらった休暇を使って、兵庫の実家へ帰ってきて早数日。父も母も出かけて行ったので、普通の女子高生らしく自室のベッドに寝転んでスマホをいじっていたのだけれど――先ほど投稿した自撮り呟きのリプライに、いくつか妙なものが紛れ込み始めた。
妙っていうか――もはや異常。これを本気で現実的な物差しで測った結果私に伝えているのだとしたら、申し訳ないけれど事務所に連絡してブロック機能を……なんて考えていた矢先、内容以上に量の異常さに、予想以上の異常な量に、通知のカウンタがどんどん回っていく。
内容は全て統一されて【大きな人形の怪物が襲ってくるからめぐむちゃんも気を付けて】【そいつらと接触するとめぐむちゃんまで人形になっちゃうから本当に気をつけてね】というもの。
『集団催眠』、なんて言葉が頭をよぎる。私の大事なファンに一体何が――

「きゃっ!?」

玄関のドアが、一際大きく叩かれた。叩かれたという表記はすれど、重量感的には、叩くというより拳で力強く殴るみたいな――ひゃっ! また!
恐る恐るカーテンの隙間から窓を通じて玄関を覗いてみると、扉の前には日本人形が立っていた。日本人形が立っていた?
次の瞬間、カーテンを勢いよく閉めた。目が合った。私の下手したらお父さんよりも背が高いような、おかっぱで着物を着込んだ日本人形特有の不気味な瞳が、こちらを見た! 目が合った! すぐにカーテンは閉めたけれど、遅かったようで、次は部屋の窓がどんどんどん! とノックされ始めた。ノックとは言えどそれは決して入室の許可を得るためではなくて、窓を割って侵入することが目的のように感じ取れる。
此処にいては駄目だ。すぐに日本人形にされる。スマホの充電は8割以上ある。変装用のニット帽とマスクもオーケー。災害用リュックサックも部屋に常備していたから完璧。あとはあの日本人形を壊す手立てを…………………………フライパンしか見つからなかった。重たいけど仕方がない、これでやろう。
私は音を立てないように玄関を開けて、外へ出る。そして、両手で握りしめたフライパンで、勢いよく日本人形の頭を叩く! 叩く! 叩く! 叩く!
半壊したし、動きが止まったし、もういいだろうか? 一刻も早く何処かへ逃げたい。私はその場から去ろうとするも――引かれる。後ろ髪ではなく、リュックを。

「ひっ――やだっ、離して、離しなさいよ! 離して!!!!」

再びフライパンで攻撃するも、今度は片手。私のか弱い握力ではフライパンを支えきれず離れて行ってしまった。攻撃の術を失った私は、諦めて掴まえられたリュックからするりと抜け出し、ダッシュでその場を離れた。
もう、攻撃手段も生き永らえるためのアイテムもない。運動神経は決して良いとは言えない。私には、何もない――否。あるじゃないか。私は『上三依慈』だ。

ウチとは別ブロックの住宅街の塀に、中年男性が隠れていたので、交渉を持ちかけると、私のファンだったのか、すぐオーケーした。何を考えているのかは知らないけれど、私に都合良く動いてくれればそれでいい。

そんな風にやりくりして、今交渉してるこの人で4人目。最初の中年は割とすぐ赤ちゃんに食べられた。次の大学生は逃げればいいのにアホな特攻(私のファンにアホなんて言葉を使うのは失礼かしら?)をしてあっけなく蝋人形になった。その次のやせ細った引きこもってたみたいな人(純度百パーセントの私の偏見ではあるけれど間違い無いと思う)は、私を庇って呆気なくクマのぬいぐるみに噛まれた。交渉中の4人目は――これも偏見だけれど、『よく見るオタク』って感じのおじさんだ。小太りでメガネの生理的に受け付けない人が多そうなダサい中年。やたら息が荒い。彼も今までの男性と同じくらいオッケーをした。……今までの人もそうだったけれど、私が『何でも』と言うと、明らかにニヤつく。男の人って、苦手だなぁ。
だがしかし、男の欲ってすごいんだなぁ。一番嫌な人間のタイプに見えた彼だったが、物資が無いならショッピングセンターへ行こうと提案してきたり、襲ってくる人形をきちんと退治――破壊したり。あっという間にショッピングセンターまでやってきた。

「とりあえずどうにかして中へ入ろう。僕が辺りを見渡すからめぐむちゃんはこのまま隠れてて」
「はい、ありがとうございます」

営業スマイルを向けて、言われた通りそこから動かずショッピングセンターの方も見ず、動かなかった。生存者の1人ぐらい、私たちの別にいるといいのだけれど。

>>allさま

【長いオブ長いし無駄なところが多くてすみません!!!重要なのは最後らへんだけなのでそこだけ読んでもらって大丈夫です……
スタートダッシュが遅れましたが、これからよろしくおねがいします!!】

2ヶ月前 No.5
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