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僕と君の終末世界

 ( オリジナルなりきり )
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異能力終末旅行 @karasu1010☆TyGLtXpsS1g ★0gkYBdXyN1_lXe

これは僕と君のエンドロール。そしてこれを僕はスノーノイズと名付けたんだ。


――だって世界が終わる日に雪が降るなんて、なんとも僕等らしいじゃないか。


僕と君が創ったはずのこの世界が飽きられる頃、君は空を見上げてポツリと呟く。


「この世界は――」


【駄文失礼しました。スレ主は至らぬ点や返信が遅れる事がありますが宜しくお願いします】

メモ2019/03/03 18:46 : 仮 @humanmind★Android-2lLIfycDSo

ルール

http://mb2.jp/_subnro/15814.html-1#a


世界観/用語や設定/募集

http://mb2.jp/_subnro/15814.html-2#a


プロフテンプレ

http://mb2.jp/_subnro/15814.html-3#a


詳細なロケーション

http://mb2.jp/_subnro/15814.html-12#a


諸質疑応答

http://mb2.jp/_subnro/15814.html-6,9,21,40#a


アルカディア・ロケーション

http://mb2.jp/_subnro/15814.html-24#a


【プロフィール】

鏡水央一

http://mb2.jp/_subnro/15814.html-32#a

閻魔八葉

http://mb2.jp/_subnro/15814.html-33#a

龍駒零

http://mb2.jp/_subnro/15814.html-41#a

バンダースナッチ/緑酢

http://mb2.jp/_subnro/15814.html-42#a


除夜詣鍵/友禅

http://mb2.jp/_subnro/15814.html-10#a

…続きを読む(21行)

切替: メイン記事(49) サブ記事 (90) ページ: 1


 
 

緑酢 @karasu1010☆TyGLtXpsS1g ★0gkYBdXyN1_inN

【???/スノーノイズ】

――地球と呼ばれた現実世界は滅亡した。

そしてその全てが終わったはずの現実世界にそれは淡い淡い幻想的な雪が、デッドエンドを迎えさせる程の異能力、通称、ノイズを持つ者である、ノイズホルダーの元に舞っていた。





「世界が終わる日に雪が降るなんて、なんとも僕等らしいじゃないか」





此処は終末世界、スノーノイズ。ノイズホルダーによって一度は滅ぼされた現実世界の残骸で出来上がった雪降る理想郷である。

そんな五等分に分かれた理想郷で多くのノイズホルダーは今日も、世界創造に勤しんだ日常を五人の王をノイズに塗れた歯車の軸にして過ごしていく。


「この世界は、私が夢見た世界は此処に――」


【それではメイン記事解禁です。参加者の皆様、宜しくお願いします】

5ヶ月前 No.1

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★YRuDhSwQ0p_7DO

【 除夜詣鍵 / シャングリラ・実験所内・女子風呂 】

 ひとっ風呂浴びるという行為は誰にとっても気持ちの良いものだ。
 もちろん水アレルギーの人には苦行でしかないだろうし、中には面倒臭すぎて風呂なんて半年は入っていない、という者もいるだろうが、世間一般の声では気持ちの良いことという風になっている。
 いくら稀代の名殺人鬼を自称しそうあらんと邁進する除夜詣鍵であろうと、そこら辺の感性は意外と一般人寄りだ。
 お風呂は普通に気持ちの良いもので、設備に不調でも発生した訳でないのなら毎日でも入りたい。それもシャワーで済ませず湯船にまで浸かりたいタイプ。

 なので日課の殺人を済ませた後、まだ夜にもなっていないのにこうして女子風呂まで足を運んできた。
 どこもかしこも真っ白でシミ一つ無い建物は、風呂場であろうとその路線を変えず、シャンプーやトリートメントのボトルに至るまでホワイト一択で構成されている。
 こんなに白ければ、たぶんカビのほうも気を使って発生する時は白カビとして発生してくるだろう。それくらい床も天井も壁も純白一色だ。

 誰でも知っている有名なメーカー……はもう滅んだので、そのメーカーを模して牛のロゴを入れた石鹸を湯桶に突っ込み、洗顔ネットを指先でくるくる回しながら風呂場のドアをスライドさせる鍵。
 中はスーパー銭湯さながらに様々な種類の湯船が用意されており、そのどれもにきっちり湯が張ってある。
 準備や掃除は生み出されたクローンやサイボーグが担当してくれているのだろう。ご苦労なことだ。おかげさまで入浴だけすれば良いこちらとしては万々歳だ。

「よい大きい殺人はまた、今日される。再び達成の感覚に包まれる間このように氾濫するのに良い浴室に来ることが、ずっと多くでもある。
 (今日も良い名殺人ができました。達成感に包まれたまま、こうして良いお風呂に浸かりに来るのもまたひとしおです)」

 彼女の口にする言葉は相変わらず呪われているレベルで理解不能で、それは独り言においても違いない。
 いつものメルヘンなコートも脱衣所に置き去りにし、けれど物騒なナイフだけは頑として身体に括り付けたままペタペタと風呂場の床を歩く。
 時間帯もあってか中に自分以外の人影は見えない。これが朝なら朝風呂の愛好家をぽつぽつ見掛けるし、夕方や夜なら毎晩お風呂に入るのを日課にしている清潔な人々が姿を現し始める。だが今はお昼間に近い時間帯だ。賑わいがあるとすればそれは飲食関係の施設のほうで、現に女子風呂はこうも空いている。

「最初はどの浴槽であふれるか? …… それは贅沢であるけれども、それは、開始からアウトドアのhotspring風呂を言うのにより良いかもしれない。普通は内部の浴室から次々含まれて、それは時々不規則なのにより良いかもしれない。
 (最初はどの湯船に浸かりましょう。……贅沢ですが、初っ端から露天風呂というのも良いかもしれませんね。いつもは室内風呂から順に入っていますし、たまには変則的なのも良いかもしれません)」

 シャワーでひとしきり身体を清潔にし、洗髪と洗体を済ませた後、真っ先に露天風呂に入ると決めた鍵はだだっ広い風呂場を歩き抜いて露天風呂コーナーへと向かった。
 スイッチ一つで生命体まで生み出せるシステムを備えたシャングリラでは、当然、建物もそれ以上の気軽さで増築および建築される。
 だから一口に露天風呂といえども、その種類は多種多様。驚くべきことに十も二十も露天風呂が用意されており、そのどれもに異なる効能を謳う看板がかかっていた。
 半日ここに来なかっただけで新しい風呂が増えていることもあるから、毎日通っていても飽きの感情が降ってこない。
 今回は疲労回復におすすめらしい泉質の露天風呂を選び、まずはそこに肩まで浸かることにした。もちろん、素肌にゴム紐でナイフを括りつけたままである。此処が普通の銭湯なら刺青のおじさんなんて目じゃない通報案件の客だ。

>ALL様

【メイン解禁おめでとうございます。
 いくら実験所でも人が暮らしている以上風呂はあると思い勝手にロケーションとして登場させてしまいましたが、もし無い設定なら変更いたしますのでご指摘のほうよろしくお願い致します!】

5ヶ月前 No.2

メディスン @suta ★dU12w0HJuv_Bdn

【アベル・メルクーリ/ユートピア/都市中心部(屋根の上)】

街は常に雪に見舞われていた。 春夏秋冬今では常に季節を凍らせるように冷たい。日がさすことを拒む乱層雲に包まれる世界。
空は白い結晶に包まれ、街は氷河期のように死んでいた。
道には人の姿もなく、人類が滅んだ今人間は例外なくいないスノーノイズは今日もまた幻想に包まれていく。
電灯の明かりが雪のヴェールに対抗し、その中影たちが今日もまた新しく街を構築していく。

下から上へと、大工が建てる建築などとはその動きは常識など無く、セメントや木材など無く、影が触れるとそれがそこにあるという事実だけが起こる現象。材料など必要もない、過程や方法などすべて無視して、結果のみ生み出す行為。
レンガや石造りの家が多く、庭も広く作り上げるそれは 世界の家と呼ばれていたローマを連想させる。

その光景を平地の屋根から少年が眺めていた。

ぐつぐつと煮込まれる鍋

蒸気は天へと向かい

イカ、タコ、アサリ、カサゴ、エビ、ホシザメがその中から顔を出す。少年の片手には白ワインとそれを軽く感覚で足していく。煮込まれるトマトは赤く、汁からスープへと熟成され、少年の足元にはオリーブオイルとハーブが足元へ転がっており、視線は鍋に意識することなく調理していく。
いつも通りの行動、いつも通りの生活。

キッチングッズに置かれた鍋の隣はフライパンが蓋をされている。端っこにはコーヒーが置かれておられ、傍から見たら屋根でキャンプセットで料理をしてる子供にしか見えないだろう。否、実際そうであった。

「平和で何よりと、特に異常もないか。毎日こんな光景なら私も苦労しないのだがね」

吐き捨てる言葉は愚痴のように、何処か大人びた口調でおたまを回す。ゆらりと、力なく回すそれを片手に都市を見渡していきながら少年は
白い粒立った乳液を、はや煮立っている油の上へ、巧みな丸を描いて注いだ。

暖な香気を漲みなぎらせ、泡を吹くようにトマトが震えると彼は火を切り街の様子を眺める視線が始めて外れた。
少年は席を立つように立ち上がり、フライパンの蓋をあける。中はアルミホイルが引かれており、桃と銀色を光らせるキングサーモンも切り身はバジルとワインの臭いが辺りを包み上げていく。それを皿へと移し替え、鍋の前へと再び腰をゆっくり下ろしながらそれを口にした。

「口の中に広がる、赤ワインの酸味にこのトロのように柔らかさがあるに関わらず、歯ごたえ。 悪くないな」

スモーク・サーモンと剃刀の刃のように薄く切って氷水でさらした玉葱を見つめながらふむと口元に手を乗せ自分に納得するこの少年

彼もまた人間ではなく、今はこの地ユートピアに居座るノイズホルダーの一人

まるで人間みたいに何故か料理していた。 彼自身それは自覚しているが『半分は人間の血があるものでね』と人間の真似事をしている異端児であった。
だが、ユートピアの王はそれをとがめることはない為、それ以上言われることも少ない故に、彼は仕事をしながら今日もこの地を見守っているのだった。

【解禁おめめ、しかしヨーロッパ風だとイタリアイメージになってしまいました。確かずっと雪は降ってると信じてこんな風になりましたが違ったら教えてください】

5ヶ月前 No.3

緑酢 @karasu1010☆TyGLtXpsS1g ★0gkYBdXyN1_inN

【鏡水央一/ユートピア/都市中心部(宇宙エレベーター前)→都市中心部(屋根の上)】

今日もノイズ色に染まりながら廻っていくスノーノイズの空はどう象っても、どう枠に収めようとも、どう彩ろうとも、常に雪を纏った灰色の雲がその視界いっぱいに這っていた。そんなずっと何も変わらない天候はまさに、この多くのノイズホルダーが住んでいるはずのスノーノイズの世界をたった一言で表していた。

「ふう……やっぱり平穏なんだね。この世界は」

此処はスノーノイズの中でも、中心地と言える首都程に他のエリアの交流が多く、終末世界としてノイズホルダーだけの文明を既にある程度は構築しているユートピア。またその中をよく除いてみると全て、ノイズホルダーの王と民が各自で一から自由に創っている為、他には無いであろう独創的な建物が立ち並んでいるのがよく分かる。

そしてさらにその都市中心部の真ん中に建てられているのが協議会である通称、宇宙エレベーターと呼ばれる外装は中世ヨーロッパの雰囲気にある程度合わせた300m程の巨大な塔に似た建物である。

その協議会と呼ばれる場所で、五人のエリアにおける王はスノーノイズの非常事態時や多くの交渉の際等、不定期で利用していた。

さらに通称で呼ばれている宇宙エレベーターと言うのは現在、一部のユートピアの民が進めている宇宙開発計画であり、ユートピアのさらなる発展の為に協議会の屋上等と言った一部を火星や月と呼ばれる他の惑星と繋ぐ軌道エレベーターへ変えてしまおうと言う大がかりな計画である。
現在は協議会を飲み込みかねない程に屋上にて、巨大なテレポート装置を建設中。ただしユートピアの王の許可は取っていない状態で建設している事や、協議会の上に建てようと考える事、さらにはユートピアの雰囲気に合わない事等に中には宇宙開発について反対派も少なくない。
ちなみに協議会の上に宇宙エレベーターを建てる理由はもしも他惑星との宇宙エレベーターの開発に成功した際、この中央部に存在する協議会を分かりやすい一つのシンボル兼交流拠点として活用する為である。

「まあ、要はユートピアがスノーノイズの交流場だから、宇宙も一緒に同じ場所を交流場にしちゃおうって事かな。凄い勝手な話な気がするけど……」

そしてその宇宙エレベーター前に立っていたのは鏡水央一と言う少年。本来はアルカディアの民なのだが、ノイズを見込まれてこのユートピア宇宙開発計画の一員としてお誘いを受けていた。

と言うのも、彼のノイズは自身の意識を自分の身体と合わせて合計五つに分裂する事が出来、その意識達を他の生物や物体に憑依する事が可能な能力。其処から宇宙エレベーターの軌道部分そのものに憑依してもらい、宇宙エレベーターの動力源として、そのエレベーター内に入る実験台として、他惑星で探査するロボットとして、反逆を考えているかもしれない宇宙人として、意識に憑依出来るのでは、と考えられてこの宇宙エレベーターに呼ばれたのであった。

しかし残念ながら、既に彼は既に五つの意識にそれぞれ夢の中の自分、影の中の自分、電子の中の自分、幽霊の中の自分に憑依している生命体が居る為に一旦、断る事にした。ただ現在、宇宙エレベーター前に立つ鏡水もまた本体を演じている鏡の中の鏡水に過ぎないのだが。

「さてと普通なら、このままテレポートマシンでも使ってアルカディアに帰る所だけど、折角ユートピアに来たから少し、観光していこうかな。アルカディアに良い土産も買いたいし」

そして彼は一人旅と称して、この後の予定も無かった事からその場でユートピアの観光を行う事を決めていく。するとそう決めた直後、彼の鼻に美味しそうな料理の匂いがユートピアの街並みへ立ち込み始めていた。

その立ちこめた源を探して、屋根の上をふと見上げると其処には鍋を煮込んでいる少年の容姿が見えていた。

「……何とも、凄く美味しそうな料理を創ってるじゃないか。でも、どうしてわざわざ屋根の上で調理してるんだ?」

そう言いながら鏡水はなるべく、本体に近い形を演じながら屋根の上の少年について気にかけていく。

>>アベル・メルクーリ様、周辺ALL

【これから宜しくお願いします!】

5ヶ月前 No.4

緑酢 @karasu1010☆TyGLtXpsS1g ★0gkYBdXyN1_inN

【閻魔八葉&ククルカン/シャングリラ/第一テレポートマシン室→第一実験所→実験所内・女子風呂】

シャングリラ。スノーノイズにおける五つの地域の一つであり、常に舞い落ちる雪が溶けだした様な純白のスチームパンクで外装までも、スノーノイズに合わせて幻想的に仕上げた研究室が多くの墓標の様に次々と立ち並ぶエリアである。

そしてこのエリアの特徴としては世界滅亡前から引き継がれたノイズホルダーが所有している多くのクローンやアンドロイド、さらにはヴァンパイアと言った架空の存在や悪魔と言える異形の怪物と言った科学技術、ノイズホルダーによる具現化、そしていずれも証明出来ないとされる式神や呪い、召喚獣、魔法と言ったオカルトの研究が行われている事である。

これも他のエリアの理想郷を現実世界とは比べ物にならない程によりよい世界へと発展させるサポート役や実験台として、基本的にシャングリラに住まうノイズホルダーや他のエリアの王や民達が、懸命に多くの未確認生命体を生み出し続けている。

しかしそんな中、わざわざディストピアに配置されているテレポートマシンを利用してシャングリラを訪れていたのは閻魔八葉と呼ばれる自称、閻魔様であった。

「ふう、やっぱり色んな組織や派閥、一派が有象無象に絡み合って乱れ合って、最終的に皆死んでしまう様な醜い争いが続かないと酷く退屈ですね。此処で獄卒達を使って再び、この世を地獄にするべく世界滅亡ゲームで遊ぶのも良いですが、それではワンパターンでちっとも面白くありません。ですので新しいゲームが思い付くまで獄卒達には、私がこれから創る遊び相手にでも退屈をしのいで貰います」

そして実はこのシャングリラにおける最大の需要はいくらでも喧嘩相手、遊び相手、練習相手と言ったノイズホルダーの要望に合った敵対勢力をいくらでも創れる事。これでこの何も変わらない平穏な終末世界に飽きてしまい、刺激を求めるノイズホルダーや、世界を滅亡してもまだまだ暴れ足りていない戦闘民族の様なノイズホルダー達が退屈せずにずっと多くの強者達と拳を交え、戯れる事が出来る。

さらにそのシャングリラでの戦闘は今後のクローンやアンドロイドの弱点を発見出来るデータとして、おおいに今後の研究に役立てている為、むしろシャングリラ側は戦闘を歓迎している。ただシャングリラ外の戦闘も、多くの観測機器が搭載された集団で活動するタイプの小型ロボットが監視している場合が多く見られている。
ちなみに敵対勢力の難易度も設定変更可能で、無抵抗のチュートリアル雑魚モンスターからノイズホルダーと同じく世界滅亡出来る程の最終ボス級の人型クローンを生み出す事が可能。

勿論、退屈しのぎと言う理由で閻魔がシャングリラに依頼して創って貰っていた生命体は、ノイズの能力に応じてモンスターの名を与えられた人型ノイズクローン達であった。

クローンの製造は研究所に揃っている数多くのオリジナルの細胞から取り出して、培養させるのが主な方法であるが、クローンの育成は二通り存在しており、一つ目は成長ホルモンを促して無理やりお好みの年齢まで急成長させる方法、二つ目は自然に赤ん坊から育成させる方法と別れている。ただし設備や研究段階がかなり進んでいる事から、どちらを選択してもリスクはほぼほぼゼロだと言う事が分かっている。

「それでこれがククルカン、ですか」

そう言う彼女の目の前には、口の中に入れられる物体を一度も噛まずに丸呑みして見事、体内の中に入った事を認識出来た場合、その胃の中に入った物体ならばどんなに距離に空いても自由自在に操れると言うトリッキーなノイズを所有している一人の顔に蛇の刺青が入ったボロボロの格好をした男性が手錠をかけられた状態で現れる。
しかしそんな彼の様子はあきらかに精神が病んでおり、通常のクローンでは無い事は目に見えていた。

「……お、俺は、食べたよ。き、君の為に。多くの、ウジ虫や屑肉を……。そして最期に……僕は僕を捕食した、んだ」

すると、そう言い終えた後にククルカンは自分の意思では無い様に、手錠を付けたまま高速移動を開始。そしてなんと、一人先客がいる実験所内の女子風呂にまで一瞬で移動してしまっていた――。

>>(除夜詣鍵)様、周辺ALL

【少し急ぎなので、誤字脱字があると思いますがご了承ください。またこの様な形ですが、絡まさせて頂きます。状況も状況ですので、お断りして頂いてかまいません。もしも絡んで下さる場合はこれから宜しくお願い致します! そしてククルカンは自らの肉を丸呑みした事で自身の肉体を操作出来る様になっている為に強烈な高速移動や肉体強化が可能となっております。】

5ヶ月前 No.5

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★YRuDhSwQ0p_7DO

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5ヶ月前 No.6

メディスン @suta ★dU12w0HJuv_sNF

【アベル・メルクーリ/ユートピア/都市中心部】

自己採点を終え、満足な笑みを浮かべながらまた一口一口と口に運んでいくと突如地上から声が聞こえた。
感想を述べたような一言の先へと顔を向け、アベルは地上を見下ろす形でその声先の主に目が合う。
こちらを見上げるものと見下ろすもの
声の主は子供のようなアジア人のような輩でその不釣り合いな金色の髪はお世辞でも似合ってはいない。日本でいうヤンキー的スタイルなその姿はアベルは見たことない人物だと認識をしていく。そして不敵な笑みを浮かべた。

「ふむ、何処の誰だか知らないが、いや君の語る質問にはごっともな意見だ。なに、仕事ついでに休憩挟んだ、ただの趣味だ。それ以上でもそれ以下でもない」

ぽんと体を撥(は)ねる。
それは屋上から飛び降りるように地上へと落下していく。
数十メートルある高さから地上へ真っ逆さま、人間なら致命傷或は死に至る行為、他人から見たら自殺行為の行動だが――
つま先から地へ両手を地面を掴むように前に出し、地面に激突するはずだった。
それを着地の際は必ず両足をそろえて、力を抜き、軽く膝を曲げた状態でつま先から地面に着地し、横へと飛んだ。

それは二点着地

猫は本能的に五点着地を行い、高いところから飛び降りても無傷なのはお尻、背中、肩の順に着地の衝撃が体中に分散されると同様彼はそれを肩と足のみだけでおこなった。
何事もないようにアベルは彼を見上げる。

身長差は一回り男より小柄な彼は先ほどと真逆で見上げる形に変化する。

「ふむ、まあ私はただのこの地の平穏を満喫している、ただの民だが。見たところ君は……この辺りのモノではなさそうだが、何者かね?一応この地にいる理由も聞かせてもらおう。厄介ごとの持ち込みはこちらとて御免被るからな」

腰に手を当て、重い溜息を吐く。
またテンソウソーチの類かと察する機会が苦手な彼はエレベーターの乗り方がギリギリわかる程度であり、この不釣り合いな文明に手を伸ばす行為に気が重くなる。宇宙に干渉することそのものが面倒ななのだ。
やっていることが人間と同じ。科学の先にあるものなど人間と同じという結末に気づかないのか、気づいてやってるのかどちら転んでも人類を滅ぼした意味がない。
自分達の方が優れているというそんな理由だけならノイズホルダーも人間と何も変わらない。ただ力が人間よりよりあるそれだけの差でしかない。
改めて彼を認識する。一言でいう人間で言うカラフル

「君を見ていると俗物なイメージだが、一言いうとその服はなんだ?」

【こちらこそよろしくです】>鏡水様

5ヶ月前 No.7

朱華 @loading☆otJOY5C0qs2 ★Android=MZepO17WUn

【ガイア・ウェイ/シャングリラ屋上庭園】

人間の消えた、人ならざる者の住まう雪降る理想郷スノーノイズ。5つに分けられた新世界の一角たるシャングリラを担う無性の王は、シャングリラの研究棟の1つ、自分の研究室の真上にあたる屋上庭園でカウチに寝転び、平和を享受していた。当然のように、ハイヒールは履いたまま。宝石も付けたまま。
スノーノイズの名の通り外は雪は降っているが、屋上庭園はガイアの好みで硝子張りのサンルームのようになっている。ノースリーブのまま寝ても寒くはなかった。どこか異国のお姫様のような昼寝スタイルは、神様と崇め奉られていた頃からあまり変わらない。かつてと違うのは、付きまとっていた世話役や監視役が、耳元で羽音を立てる小さな虫のような監視システムに変わったくらいか。

「んんー?なぁに…クローン?…いいよ、ほっといて。異常事態になったらまた教えて。」

シャングリラの技術で作った、ユートピア程ではないがそれなりの性能の監視システムが伝えるクローン実験棟の緊急事態。それを寝惚けながら軽く受け流し、ガイアは夕焼け色の瞳を開いて起き上がった。欠伸をしながら硝子の向こうを見れば、何やら露天風呂が騒がしげなような気もする。いや、問題が起きたのはクローン実験棟だったはずだが。

「…まあ、いいか。」

寝ていたカウチに座り、軽く頭を振って頭を覚醒させるが、どうせすることも特にないことに気がついた。機械の開発などはするべきかもしれないが、少なくとも急ぎではない。何より、こちらに来てからやっと機械に触るようになったガイアは、あまりそういうのが得意ではない。隔離されていた故の憧れはあるし好きでもあるが、他の研究員がやっているのを見ている方がよほど楽だし楽しかった。でも、今の時間だと食事を取っている人の方が多そうだし、見に行く当てもない。
仕方がないから暇潰しだ。ハーフグローブを外し、両手を軽く合わせてノイズを開放。一瞬集中してからパッと手を開くと、そこから無数の蝶が飛び立った。瞬く間にサンルーム中に広がる蝶たちは、どれもちょっとずつ大きさや柄は異なるが、それがまた美しい。

「あ、成功。綺麗だなぁ…」

例えその気質がランダムであっても、蝶のような物ならあまり関係がない。こういうのは一日くらいで死んでしまう弱い命にしかならないが、暇潰しとしては割と気に入っていた。暇ならば話し相手でも探しに行こうかと思いつつ、どうにもまだ寝起きと言うこともあって動く気にもならなかった。

>>all様


【遅れましたがメイン開始おめでとうございます!これからよろしくお願いします。
 絡みづらいかとは思うのですが、どなたか絡んでいただけると嬉しいです】

5ヶ月前 No.8

緑酢 @karasu1010☆TyGLtXpsS1g ★0gkYBdXyN1_inN

【ククルカン/シャングリラ/実験所内・女子風呂】
【閻魔八葉/シャングリラ/実験所内・女子風呂前→実験所内・女子風呂】

ククルカン。多くの物体を丸呑みする様子が蛇に似ている事からなのと、ノイズが神の領域に入ってくれる事を祈ってククルカンと呼ばれたノイズクローン。服装はまるで余り物の布をツギハギして縫った様なボロボロの服であり、彼のノイズは口の中に入れられる物体を一度も噛まずに丸呑みして見事、体内の中に入った場合、その胃の中に入った物体ならばどんなに距離に空いても自由自在に操れるノイズ。
正確に言えば、体内に入った形状と素材がこのスノーノイズに存在する同一の物体ならば、どんなに距離が空いても位置さえ把握出来れば、自由自在に浮遊や物体の硬化、高速移動等、頭に思い描いた変化を操作出来るノイズである。つまり球の形状をした鉄の素材、即ち鉄球が体内に入ると位置が分かる鉄球ならば全て操作出来ると言う事である。
しかしこのノイズには弱点が存在しており、一度でも噛んでしまいその形状が崩れされた状態で体内に入るとその崩された形状の物体しか操作出来なくなってしまう。その為、多くの物体は丸呑みしないと完全に能力を発動する事が出来ないと言う事になる。
ただし既にシャングリラにおけるノイズホルダーの手によってノイズが強化。体内に入った素材の形状が認識出来、それが何なのかが目に見えて分かる一部の素材さえ丸呑み出来れば、その元の素材の形状そのものを操作出来る事になる。その事で彼は自身の腹部の一部の肉を喰らったにも拘らず、自分自身の操作が出来ていた。ただしちゃんと食べる直前までに見えた一部の形状で無ければ、能力は発動しない為ちゃんと丸呑みする必要がある。
その為に、彼はまるで自分の動きでは無く、ノイズを使って人形の様に自身の身体を高速移動や身体の硬化等が出来てしまう。

そしてククルカンはシャングリラの予測を超える高速移動を発生させた為に、シャングリラの研究室から逃亡してしまう。そしてシャングリラはククルカンの行方をロボットを駆使して捜索する事になった。ただし第一研究所から女子風呂まではかなりの距離があるのと、シャングリラの研究室の範囲が広かった為にククルカンの捜索には少しだけ時間がかかっていた。
其処で誰一人シャングリラが被害者である自身に対応してくれない痺れを切らした閻魔は唯一、ククルカンが向かった方向を知っていた為に呆れながら一人で、女子風呂の前まで移動する事にした。

「わ、私、私は、お前と、逢う為に皿いっぱいの僕や誰かを丸ごと、身体の隅から隅まで食べたのに……。貴方なら、この地獄か、から……俺を助けて、助けて、下さ……」

そして一方のククルカンは残念ながら多くのノイズ強化実験により沢山の物体を捕食した為、ククルカンは強力なノイズを手に入れた代わりに精神崩壊を来たしていた。また彼は同一の存在であったクローンを既に様々な方法で平らげている。この実験は全く持って、担当ノイズホルダーによって価値観が違っており、ちゃんとクローンを人間として対処するノイズホルダーも居れば、今回のケースの様にノイズを優先するノイズホルダーも存在している。
ちなみに顔に蛇の刺青を入れているのは、複雑とも言えるノイズを分かりやすく一目で分かりやすくする為。これも担当ノイズホルダーによって対応が違う。
そしてククルカンはシャングリラの出口と勘違いして、逃げ出す様に先客がいる女子風呂に潜入してしまっていた。だがもはや人の認識さえ怪しいはずの彼は、この不審者と間違えられる状況でその先客、除夜詣鍵に彼なりの助けを求めようとしていた。

「許……して下、さい。見逃して、下さい。助け、て……下さい。ウジ虫、でも、屑肉……でも、貴方の、私の、目ん玉でも……一回も噛まずに、一つも残らずに、食べるから。……そう、私、俺、君、僕、僕は、誰? そうだ……僕は、ククルカン」

そう言って彼女の殺意が乗ったノイズに応じる様に目の瞳孔が蛇の様に開いた瞬間、女子風呂のカビ一つ無いピカピカの四方の壁にヒビを入れる様な高速で壁キックしながら高速移動を開始。

「良い退屈しのぎになりそうで良かったです。だってククルカンはシャングリラの監視を掻い潜る程度にはノイズが強力って事で良いんですよね……? それにしても、もう其処のお方に喧嘩を売ってたんですか? 血気盛んなのは良いのですが、相手は私と同等レベルで世界滅亡を引き起こしたノイズホルダーですから、雑魚のククルカンでは役不足かと思います。まあ、そんな事はどうでも良いんです。ククルカンは私の獄卒の獲物なので少し待って貰いますか? 今、獄卒達は全員、他の研究所の施設でアンドロイドやヴァンパイアと言った怪物の制作を依頼してますので。ほら、此処はゆっくり湯冷めしない様にお風呂の中に入ってククルカンの白熱した一人舞台でも見ていきません? 嫌なら、ノイズホルダーの貴方を真っ先に殺さないといけませんが。まあ、折角洗ったであろう貴方の身体を、血で汚すなんて薄汚くてナンセンスな真似は出来ればしたくないんですけど」

するとそう長台詞を吐きながら全く武器の一つも持っていない全裸で同じく女子風呂に入るのは、暴走するククルカンを探していた閻魔であった。だが彼女には具現化の能力がある為に此処で獄卒を誕生させる事が可能であった。ただし彼女の人生に関わる程に大きい嘘や罪で無い限りは、生み出されたとしても獄卒としてはあまりに未熟で弱い存在に過ぎないのだが。

>>除夜詣鍵様、周辺ALL

【この様な形の絡みになってしまい、またククルカンの能力について説明不足且つ、分かりにくくて本当に申し訳ございませんでした。ククルカンは勝手に動かして頂いて、いつでも殺しても、逃がしてもご自由に構いません。またククルカンの能力は少々複雑となっておりますが、本来ならば操作したい形状の素材を全部飲み込んで操作出来る能力ですが、能力強化により一部の素材でも飲み込めば能力が作動する様になった為、ククルカンは自分の腹部を食べて自身の全身を操れる様になりました。今後はこの様な事が無い様に努めていきます。】

5ヶ月前 No.9

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★YRuDhSwQ0p_Xdn

【 除夜詣鍵 / シャングリラ・実験所内・女子風呂 】

 かかってくるなら適当に相手してやろうと思っているのに、あちらさんは壁を無駄に傷付けて立体的に高速移動するばかりでこちらに攻撃してくる様子が無い。タイミングを見計らっているのか。あるいは建物を倒壊させることでこちらを生き埋めにする作戦でもとったのか。はたまたスピードが自慢したいのか。そんなことを考えられる脳味噌を失っていて適当に動いているだけ、という線も有り得る。なにせいきなり女子風呂に乗り込んでくる奴だ。まともさは期待するだけ損である。言葉もなんだか支離滅裂だし。……最後のは鍵自身にも当てはまることだが、彼女は己を一時的に棚に上げることにした。人間、見ない振りが上手くなったほうが幸せに生きられるのである。

「いいえ、もし私が逃走したいならば、どうぞ、そこで使ってください。および、テレポーターおよびまた、また、ユートピアのアルカディアで望むように行く。変貌が追われず、できれば、この場所から足止めされないので。
 (いや、逃げたいならそこのテレポーター使ってユートピアでもアルカディアでもお好きに行って下さいよ。こっちから好き好んで変態を追いかけたり引き止めたりはしませんから)」

 ドライかつ真っ当なことを言って女子風呂のテレポーターを指さすも、頭の良い人間じゃなきゃザックリでも理解できない彼女の再翻訳語を頭のイかれた男が解読できるはずも無し。どうやらククルカンという名前らしい彼は相も変わらず元気に壁を蹴りまくっている。それを全裸でぼうっと観察する娘の図はなんとも形容しがたいシュールさだ。
 そうこうしている内に女子風呂の騒ぎを聞きつけてか新たな全裸の女がまた一人。どこかで見たことがあるような無いような女だ。……いや、よく見ると普通に初対面の人だった。少なくともシャングリラの民ではあるまい。さすがにご近所さんなら顔くらいは覚えている。
 胸も背丈も手足もだいぶと小さい、御伽噺の親指姫を想起させる容姿の少女。年はかなり下に見えるが、発育不良かつ童顔気味なだけで意外と成人していたりするのかもしれない。合法ロリというやつだ。が、素直な感想としては年下に見えるので引き続き少女と描写することにしよう。

「割り当てられた部分を持つ不満の能力の欠乏として同じ意味が全然なく、実のところ、それは真実の逆の意味である。それは、しばしばあなたが悪事をし、どのように善 for which を使うかの言葉である。従って、あなたは右をマスターし、どのように、機会としてこれを使うことを使い、戻るか、右?あなたの小さい娘。
 (役不足は力不足と同じ意味ありませんよ、むしろ真逆の意味です。よく間違った使い方をされ易い単語ですので、これを機会に正しい使い方をマスターして帰りましょうね。小さなお嬢さん)」

 風呂場に入って来たのにシャワーも浴びずいきなりマシンガントークをぶちかましてきた少女に対し、鍵が返した台詞はというと国語の先生じみてシンプルなものであった。
 それ以外に何かしたかというと特別なことは何もしていない。強いて言うなら、少女が提案してきた通りに露天風呂にちゃぽんと浸かり直して呑気に欠伸なんぞをこぼしている。くつろぎモードだ。あからさまに余裕ぶった態度なのに、やはりどこからどう見ても隙を感じさせない。警戒している風には見えないのに。
 せっかくテンション高く喋りかけてくれた少女にもう二、三言かけてやるべきかと思わなくもないが、ここで話をまぜっかえすと向こうが容姿に相応しい子供じみた癇癪を起して襲い掛かってこないとも限らない。鍵としても『名殺人鬼』に相応しい『名殺人』でなくては行うにもテンションが上がらないし、彼女も彼もそれに足り得る器ではない。だから自分からは突っかからない。向こうから何かしてくるなら相手はしてやるが、してこないならどうだって良い存在なのだ。
 だからククルカンは逃げたければ逃げれば良いと思っているし、少女は何がしたいのか分からないが何であれ一人で勝手にやっていれば良いと思っている。火の粉がかかるなら振り払うが、かからないなら横で男と女がファイヤーダンスしていても気にも留めないのが鍵である。加害者としての己を高めてくれない、被害者未満の愚物など知ったものか。

「BABANBABANBANBAN…、…。
 (ババンババンバンバン……)」

 ザ・ドリフターズの『いい湯だな』を最初の部分だけ繰り返し口ずさみ、真っ白い壁に頭と背中を預ける。手足は伸びきらせてゆったりリラックス。瞳を閉じて鼻歌を楽しむ姿は、もはやククルカンと少女のことなど意識の外に追いやっているように見えた。
 ――このまま目の前から二人が消えれば、鍵は二人のことなど一人あたり一秒で忘れられる。邪魔なんて何もしない。
 だから二人が鍵に害を為し、それによって鍵が二人に報復したならば。報復のせいで自分たちが『被害者』になってしまうのは、究極の『加害者』たる除夜詣鍵……名殺人鬼を舐めてかかった彼ら自身のせいだ。

>ククルカン様&閻魔八葉様&ALL様

【ククルカンくんには確定ロルOKとのことで承知いたしました。動かす時がくれば動かさせて頂きますね。能力についての再度の説明にも感謝いたします】

5ヶ月前 No.10

洗濯蟻 @arinohito ★iPhone=n7Rebp7mCv

【軻邏彌梛 / ディストピア / 廃ビル群】


ず ずううううぅぅぅん…………


炎上する薄鈍色の都市。
破壊と殺戮が蔓延るこの地で。

互いに凭れ掛かる様にして濫立・顛倒・積層する、伽藍堂の廃墟と化した高層ビルの群の中。
爆煙と豪炎を巻き上げて倒壊するビルの瓦礫の向こうで二、三度ともなく光が瞬き、白金色の光条が天を削り閃く。


ぱぱぱぱぱうっ!


その幾つもの光条は複雑怪奇かつ鋭角的に折れ曲がった軌跡を空に画いて、何かを狙う様に一点に収束した。


「__Jawohl, Jawohl, Jawohl!! 空舞う烏を撃ち墜とせと轟き叫ぶ、人が吾れ呼ぶ声がするっ!」


ごきん、と重苦しい金属音が響き、白金色の誘導光線が跳ね返されて空に扇型に広がった。ビルの森を嘗め尽くす炎の光に照らされて鈍く光る規制標識が鎌首を擡げる。赤い八角形の板に白抜きの“STOP”、いびつに歪んだ凶器を振るう人影が瓦礫と共に、雑多な文句を吐き出しながら、バサバサとカソックコートの裾を翻して空を逆さに落ちていく。その落ちる先のビルの瓦礫をすり抜けて白金色に輝く人型が急速垂直射出された。

「きょああああああ!!」

奇妙な風切り音にも似た咆哮。白金色の人型の周囲に金環が生じ、その縁から光弾が無数にバラ撒かれる。機関砲弾めいて迫り来る光弾の中に落ち行くそれが、一瞬その輪郭をブレさせた。

「おほほ」

がいんっ

“STOP”標識を盾に光弾を防ぎつつ降下を続けるそれの輪郭がまるで空間を削り取るかの様な挙動を見せた次の瞬間、落下するそれと上昇するそれの軌道が交錯。
白金色の光に照らされて、重厚な白無垢の仮面を被った、長い三つ編みを翻す少女の影が一瞬炎の中で踊った。

しゃらしゃらしゃらしゃら

鎖状に繋げられた金属製環状留め具が風に揺れて音を立てる。蜘蛛の巣垣の様に広がった色取り取りの鎖が白金色の人型を捉えた。

「激安大都督オープンセール開幕戦!」
「四六時中五里霧中無我夢中絶賛発売中」
「君ぞ散るや鐡の國」
「世界首吊り人形大博覧会開催決定!」

輪郭のブレた仮面の少女が重なり合う様な無数の文句を宣うと、白金色の人型が空間に鋲を打たれたかの様に静止した。そのまま1秒時が止まる。光の速さに追いつく為には時間と空間が躓かなくてはならない。彼女のノイズは時間の横隔膜に作用するもので……、

「一昨日出直しなさい、このスットコドッコイ風情の糞雑魚ゾンビ光虫め」

崩れたビルの屋上で、錆びたかの様に光を失った白金色の人型を足蹴にしつつ、ゆらりと立ち上がる仮面の少女。

「吾は此処に居ますわよ、みんな」

ぐしゃりと足の下のそれを踏み潰し、天を仰ぐ彼女は、『軻邏彌梛』。

スノーノイズの住人にして、このディストピアにて悪虐羅刹の限りを尽くすノイズホルダーの一人だ__、



>>周辺ALL

【スレ開始目出度き事この上無き】

5ヶ月前 No.11

緑酢 @karasu1010☆TyGLtXpsS1g ★0gkYBdXyN1_inN

【鏡水央一/ユートピア/都市中心部】

恐らく重力や酸素や地球と月を繋ぐ軌道と言った宇宙エレベーター建設に対する山積みな問題点を神の領域に入ったノイズや宇宙規模の具現化ならばなんとか出来ると考えているのか、一切の宇宙の知識も無いのに宇宙エレベーターを始めとした宇宙開発計画に参加させられる様に言われた元中学生、鏡水。
それに現在、彼はもはや建設段階までその計画が進んでいるにも拘らず、宇宙開発計画の責任者と名乗る斑鳩(いかるが)と言う柄の悪いノイズホルダーから今更、宇宙開発に必要な物質の投資を迫られていた。流石にこのスノーノイズではほぼ現実世界の紙幣に意味は持たない為、直接的な金銭の要求では無かったがそれに近い脅迫の様なものであった。

しかしそんな事等、忘れてしまう程にいい匂いで充満した料理で彼の鼻を立ち込めていたのだが、その居所がまさかの屋根の上であった為に思わず、料理を行っていた少年に質問を行ってしまう。

(少し待てよ。本物だったら、此処で行うべきなのは世界を滅亡させる程のノイズホルダーながら氷や雪でツルツルと化しているであろう屋根から落ちる危険性がある少年の心配をしなければならないんじゃ……)

そんな正義感溢れる本物の演技を行う事に少し面倒臭さを心の中で留めておきながらも感じていると、やはり見た目は子供に見えるがこの人物もまた世界を滅ぼしたノイズホルダーの一人、ただ者ならぬ雰囲気を感じる少年から返答が返って来る。

どうやら休憩がてら趣味であんなに美味しそうな料理を制作していたとの事であった。確かにこの雪降る美しいユートピアの街並みを眺めながら料理を制作するのも本物の自分だった場合、喜んでいたかもしれないと鏡水は素直に感じていた。

すると、ただならぬ雰囲気を持っていると感じてはいたのだが突如として少年は、あろう事かいきなり屋根からこちらの方へと飛び降りてしまう。流石にただならぬ雰囲気を感じてはいたのだが其処までただ者では無いくせ者とは思わず、重力に引っ張られて真っ逆さまに落ちゆく彼を助ける事もせずに驚愕してしまう。

しかしこの状況からでは一流の体操選手でも不可能に近いであろう着地を見事に少年は成功させてしまう。流石に世界を滅亡に追い込んだ事から、ある程度は一流と自負している鏡水でも、この様な技は難易度が高過ぎて出来ないと考えてしまう。そして目の前に立つ少年はこちらを不審に覗くかの如く、鏡水が何者かと言う事を話しかけていた。

「ああ……自己紹介をしてなかったっけ。えーと、俺の名前は鏡水央一。そうだな……俺はまだ中学生だけど警察官や消防士、医者とか誰かを救う仕事に就きたいって思っててさ。うん……まあ、この世界は一度滅んじゃったけどね。でも、まだ諦めてないから。むしろこんな時こそ、皆が平穏に暮らせる様に頑張らないと。だから、色々役に立ちたくて斑鳩さんって言う、詳しい事は良く分からないけど宇宙開発計画の関係者の人に誘われてこのユートピアにテレポートマシンで来たんだ。まあ、ノイズホルダーならテレポートマシンが無くても色んな手段で他のエリアに行けそうだけどね」

そう少し苦笑いして見せると、鏡水が着込んでいる服装を見ながら少年から再び質問が飛んでくる。彼の服装はボタンが隠れて見えるタイプの紺色の学ランで、彼の本性が出た時に誰かを殴った返り血でべったりと学ラン全体に汚れがこびり付いてしまっている。

「ん? ああ……これは学ランって言う学校に通う時に着る制服かな。ちょっと汚れちゃってるけど、これがどうかしたの……?」

そう言うと相手が汚れてしまっている学ランについて聞いた事で、その服が返り血で臭ってしまっているのではないかと考えてしまう。一応、毎日ちゃんとアルカディアの川付近で洗濯を行っているのだが、それでも返り血は中々落ちづらいのである。

>>アベル・メルクーリ様、周辺ALL

【斑鳩と言う人物に関してましては、後のストーリーに関わる際に詳細プロフィールをお書きします。】

5ヶ月前 No.12

メディスン @suta ★dU12w0HJuv_sNF

【アベル/ユートピア/都市中心部】



苦笑いして自己紹介をする鏡水央一という男性に対して、アベルは感心したようにほうと一言口らから漏らし央一を全身を見つめる目は鋭く細かった。

「ふむ、好印象だな。私からしたら気味の考えは嫌いではない。なるほど誰かの為に役に立ちたいか。立派な考えだな。しかし、またアレの手伝いとは君もなかなか苦労していると見える。まあ君の今の言葉からして無理やりではないようだが。まあなら問題はないだろ。」

納得したような口調で話すがその視線は変わることなく表情は見つめるから睨むように徐々に顔つきが冷たくなる。

「律儀に返してくれたのだからこちらも名乗るのが礼儀と言いたいが……」

一度言葉を止める。

「つまり、君は人間というわけだ。名前からして君はおそらく日本人、学ランというのは『日本』しか存在しないからな。そして警察官や消防士いやこれはレスキュー隊だろうか、医者というのは人間にしかない概念だからな。
だが、人間というのはおかしい。そうだろ?絶滅機種ではなく、絶滅した。それに斑鳩が人間を呼ぶという考えもない。あれは化学でも生物とは思えん。故に考えられる可能性は
君が人間と思い込んでいるだけの何か。或は輪廻転生など魂からの何らか憑依か。 異世界或は過去から来た人間か誰かに当てはまると思うわけだが、さて、もう一度訪ねるがナニモノかね?」

そう、名前とか出身ではなく何者かを答えろと赤い視線は冷たく語る。
この男はおかしいそれこそ、日常が好きな人間そのものの言い方、人間社会なら好印象を持てるだろう、だがこの地は違う人間が異端児とも呼べる。それに人間を嫌うという特性を持つアベルは首をゆっくり傾げながら央一の一つ一つの動作、仕草、表情を観察する。
人間は嘘をつくとなんらかの癖が出る。それは本人も知らずの無意識に起きる。
人間の事はよく熟知している故、人間の酷さも嫌というほど理解していた。

学ランに対しての質問も確かに血については少し疑問はあった。ボタンがないのも違和感はあった。だが、違う質問の糸は学ラン『そのもの』存在故、まあ、血が落ちないというならこの返答次第の内容では手伝ってもいいかもしれないと内心抱く。

半分は女神の血を持つ半神半人、他者の看破は他のモノより優れている。無論、血というより経 験の方が彼の場合は大きいがその加護もある。無論信仰が薄い今ではその価値は低い。それもそのはず、祖父カオスなど知ってる人間は既にこの地にいない。

緊迫する空気中それに口を開く。

「そうそう、私だったからよかったものの、あからさまに人間ですアピールは辞めておくんだな。この地は好戦的な輩も無論いる。そんな奴が君が人間だと思うと即座に殺されても誰も文句は言えないぞ。君も理解しているんだろ?人間がノイズホルダーに絶滅させられたと、生き残りがいると思えばやることは想像できように……以降は立ち回りを精々気を付けることだな。君が何者だろうと敵意や悪意は感じられない為、私は君に手を下すという事はないはずだ。無論君が人間というなら話は別だがね」

最後にはやれやれと最初の氷のような視線は溶けていき、皮肉のような冗談を混ぜ小笑いを浮べていく。


>>鏡水央一様、周辺ALL

【わかりました。あと今回は短文にさせてもらいます。下手に長く書いてもここ仕方ないので】

5ヶ月前 No.13

E9-O3 @e9o3 ★iPhone=kpTHNMlOIW

【NNET/アルカディア/湖2周辺】


この美しくも残酷な世界にも、平穏は存在する。
アルカディアはスノーノイズにあるエリアの中でも最も平和で、穏やかで、緩やかな場所である。争いや諍いなんて何処にも無い、居心地の良い微温湯に浸かっている様な、優しい陽射しの中にいる様な世界。

このアルカディアに住まう人々は広大な自然と雄大に広がる草原に囲まれてゆっくりと時間を過ごしている。

平穏無事であれ。純粋無垢であれ。
自然のままに自由に暮らす、来る者拒まず去る者追わずが此処のルールだが実際はルールなんて何処にも無い。

此処の王は徹底した中立中庸の立場であり、誰の味方でも無く誰の敵にもならない。厳しくも優しくもないし何処の側にも依らないが、唯一このアルカディアと言う『箱庭の維持』と言う役割にだけは執心していた。



「今日も、平穏じゃな」


齢10代前半ほどの、色味の無い少女が倒れた木の上に腰掛けて、穏やかに笑いながら目の前に広がる湖を眺めていた。波は穏やかで水面は鏡の様に真っ平ら。静かで何も無い場所だが良く見れば程よく整えられた草地に囲まれた場所だと言うことが分かるだろう。

広大な草原を維持するのは大変だが、然程難しい事では無い。適度に草を刈っておけば後は勝手に自然の方から整っていく。そうで無くとも、アルカディアの王たる彼女にはそれに見合うだけの力があった。

「妾はその内この湖に島を造ろうかと思っとる。高い樹を一本植えて、鳥の巣にするんじゃ。如何か喃?」

少女の手には一羽の小鳥が留まり、羽根を繕っている。一度世界が滅びて全ての生物が死滅した世界に生まれたこのスノーノイズ。このアルカディアに棲まう生物は全てがクローンである。自然のままの姿になる様に調整されたこの小鳥は、寸分違わず現実世界に居た小鳥と変わらず、囀りながら少女の手を離れて空の彼方に飛び去った。

造られた生命。
少女と同じ存在。

此処の生物は総じて警戒心が薄い。そういう風に造ったから、自然のままになる様調整とはそういう意味である。見かけは偶然と奇跡に支配されている様に見えるが実際は緻密な計算と気の遠くなる様な試行の元に成り立っている。維持と管理の名の基に、全ての自然は彼女の小さな掌の上にあった。

「次はどんな動物を放そうか喃。此処特有の固有種は前から頼んでは居るが、まだまだ足りぬ。ああそうじゃ、虫の種類をもう少し増やせば風情が出るな!」

そう独りごちる少女はぽんと手を叩き、立ち上がって身体を伸ばした。パキポキと骨のなる音と共に左右に身体を反らせて裾を払い、踵を返して湖の畔を歩き始める。

「さかな、魚は良い喃。川と海にも放して……そのうち釣りとやらもやってみたいの。釣った魚をじっくり焼いて、脂の滴るのを喰うのがオツじゃと訊いたし……」

少女の歩みはその歩幅の割に早かった。地面の土自体が練り込む様に動いて、少女の足を滑る様に運んでいる。

風に吹かれて、一瞬彼女の長い後ろ髪が捲れる。陽射しに照らされて煌めく銀色の髪の下に、密かに隠れた文字列。


“NNET”


それが彼女の名前だ。


>>ALL

【遅くなりましたorz】

5ヶ月前 No.14

朱華 @loading☆otJOY5C0qs2 ★Android=MZepO17WUn

【ガイア・ウェイ/アルカディア湖2】

アルカディアは、いうなればシャングリラとは正反対の土地だ。純白のスチームパンクで覆われた、人工物であることを全面に押し出したシャングリラに対し、アルカディアは前の世界でも中々お目にかかれなかっただろう完璧な自然を保った土地だ。“計算し尽くされた”完璧で雄大な、美しい自然の世界。

「久し振りだねえ、アルカディアの小鳥たち。元気そうで何より…」

その設定のために警戒心もなく近づいてくる小鳥に話しかけながら、ハイヒールのままで草原を歩く。草と地面に細いヒールが食い込んで足首は挫ける寸前だが、なんだかんだで本当に挫いたことはないから大丈夫だろう。割と平然と歩き回る。ガイアの体は正確には女性ではないから、それなりに頑丈だ。
シャングリラを飛び出し、暇を持て余した王がテレポーターやら何やらを駆使してたどり着いたのは、アルカディアの平和な湖畔だった。本来はこのように王が自分の領域から出るのは好ましいことではないのだろう。しかし、アルカディアの自然を飾る動物はその全てがシャングリラ製のクローンだ。例えその見た目がかつての現実世界のそれと同じであっても、中身は所詮作り物。シャングリラの基本構造でもあるガイアは、何か不具合は起きていないか、新しく必要な生物はいないかを確認するため、定期的に様子は見に来るようにしていた。それと、最近のシャングリラではアルカディア固有種の開発も進めている。研究員からいろいろと確認して欲しいと言われていることもあったから、それもついでに調べる必要があった。
つまり何かというと、これはただの暇潰しではなくて、調査でもあるということだ。

「ん……あれは……?」

今の処は問題はなさそう、と思いながら湖畔を見回すと、輝く銀の髪を靡かせる少女が目に映る。刻一刻と色の変わる、不思議なモノクロの体。中立を保つ彼女とはそんなに面識らしい面識があるわけではないが、あの目にチカチカする容姿を見間違えるはずもない。シャングリラの、言うなれば“お得意様”だ。

「こんにちはぁ、ネートさん。定期調査に来たんですけれど、なにか動物たちに変わりはありませんか?」

にこやかなアルカイックスマイルを保ったまま、片手を振りながら近づく。名前らしい名前を持たない、NNETという彼女の呼び方は難しい。ガイアに付ける敬称に皆が迷うのも、同じ感覚なんだろう。

>>NNET様


【折角ですので絡ませていただきました。
 よろしくお願いします!】

5ヶ月前 No.15

緑酢 @karasu1010☆TyGLtXpsS1g ★0gkYBdXyN1_inN

【龍駒零/シャングリラ第二実験所・実験室→シャングリラ第二実験所・廊下】
【ベイオウル・ベナンダンテ/シャングリラ第二実験所・実験室→ユグドラシル行きテレポートマシン→ユグドラシル・世界樹屋上】

「俺は世界が終わる前に全てを失った。親友も大切な人もな。だから、別にもう構わない。このままこの理想郷で死ぬのも、きっと……」

かつては親友を始めとしたノイズホルダーによって裏切られた結果、かつては世界滅亡を前に思う存分暴れていたが、現在は理想郷の中心地と言えるユートピアにて老後の生活と称して終活をのんびり過ごそうとしているのは、龍駒零と呼ばれる未成年の少年であった。

彼は骨を変幻自在に伸縮、硬化、分裂、接合、再生、吸収出来るノイズを所有していたが、ノイズ強化実験や肉体改造実験による影響によって身体を酷使し続けた結果、身体や脳にまでノイズが影響してしまい、もうすぐに身体が限界を迎えて死んでしまう危険性やリスクが出て来る程に龍駒は寿命が迫っていた。
その為、現在、身体がボロボロの彼はユートピアでは無く、多くの科学技術が集約するシャングリラの第二実験所と呼ばれる施設のガラス張りの実験室の中で骨等における治療を行っていた。しかしその最先端を超えた科学でも、彼の身体や脳における劣化を止める事は出来なかった。

「そうだったな。折角、シャングリラに世話になったから此処の王様に挨拶しておく必要があった。だが、王って普段は何処に居るのかまるで分からないんだが……。そもそもこのエリアにいないかもしれない。一応、確か……顔はユートピアで見た事はある記憶は在るが……それも気のせいかもしれない。そう考えるとどうすれば……」

そして龍駒はユートピアも好みだが、かつて大切な人も科学者であった事から何とも懐かしい感じのするシャングリラも素敵だと次第に考えていた為に、シャングリラの王について逢う方法で悩んでいると、第一実験所であるクローン実験棟から現場で働いていたであろう監視ロボットがククルカンと言う脱走ノイズクローンを捜索していた。

「……はあ、残念だ。折角ユートピアと同じ様に大切な人を感じられる場所が見つかったと思ったのに。もしも、もしもそのクローンがこのシャングリラを乱す様な害獣なら、勝手ながら二度と悪さが出来ない様に潰しておこう。そして、その害獣の頭でもシャングリラ王の土産に持っていこう。……いや、やはり止めておくか……」

世界滅亡前よりも常識的な性格と化した為、そう直ぐにはノイズで暴れる様な事はほとんどない龍駒は、極めて落ちついた状態で実験室を後に出てユートピア王を探す為にまずはシャングリラの探索を開始する。

すると丁度、実験室の前の廊下にて一人の大柄で強面、それで狐の面を被っていると言うひょうきんなのか、ヤバい奴なのか全然判断が付かない一人の男性とシャングリラの科学者であろう白衣を着たノイズホルダーが壁にテレポートマシンであろう図面を広げながら話し合っていた。

「それでこのテレポートマシンの技術をユグドラシルに伝えたいと……? 勿論、今まで我が科学技術を存分にユグドラシルへ広め、伝えて下さり、尚且つ、シャングリラにユグドラシルの生体技術を教えて貰っているユグドラシル王候補であるベイオウル様なら、きっと悪用する事は無いと思いますので是非とも構いませんが。でも、どうしてこんな急に?」
「……早く、行かないと王位争奪戦に遅れるからだ。これ以上、余計な事を話すな」

そう言いながら、少し焦った様子でベイオウルと呼ばれたユグドラシル王候補である青年は、テレポートマシンの図面を奪う様に科学者から取り上げるとシャングリラにおけるユグドラシル行きのテレポートマシンの方角へ進んでいく。

(何でユグドラシル王の候補が此処に……? まあ、俺が探しているのはシャングリラ王だから関係は一切無い。無い……はずだ。多分)

そう考えて、真横の廊下へ小走りしながら去りゆくベイオウルの背中をひたすら眺めていた。

「あの……どうかしました?」

そんな龍駒を不審そうに話しかけるのは先程までテレポートマシンの使用方法等を図面で説明していたシャングリラ専属の科学者であった。

「あ……すまないが、シャングリラ王の居場所を知らないか?」
「えー……確か、屋上庭園で見た気がしますけど……すみません。ちょっとクローン実験棟の様子が騒がしいので……」

そんなシャングリラ王についてかなり曖昧な事を言い放ちながら、科学者は何度も頭を下げてへこへこした後に隣のクローン実験棟に走ってしまう。恐らく先程ロボットが言っていたククルカンと言う怪物についてであろうと龍駒は考えて早速、屋上庭園まで折角なので観光がてら屋上庭園まで歩いて向かう事にした――





その一方で王位争奪戦に参加するべく、ベイオウルはユグドラシルへとテレポートマシンで僅か一瞬とも言える間で戻っていた。そしてユグドラシルそのものである世界樹の一番上で秘密基地の様に手作り満載の屋上部分に設置された、雪が被っているテレポートマシンから彼は緊迫した雰囲気を出しながら出現する。

「……」

しかし彼は何故か、真っ先にユグドラシルの地下に在ると言うラグナログ本部では無く休憩がてら、アルカディア、ディストピア、ユートピア、シャングリラ、そして真下のユグドラシルと言った全エリアが見える絶景を眺めていた。

>>周辺ALL

【龍駒もベイオウルもいつでも第一章のイベントが始まるまでは絡んで下さって問題ございません!】

5ヶ月前 No.16

緑酢 @karasu1010☆TyGLtXpsS1g ★0gkYBdXyN1_inN

【ククルカン/シャングリラ/実験所内・女子風呂】
【閻魔八葉/シャングリラ/実験所内・女子風呂前→実験所内・女子風呂】
【黒縄/シャングリラ/第三研究所・研究室→実験所内・女子風呂】

自由気ままに、気まぐれ、気分が赴くまま、自らの直感だけを頼りにまだ見えぬはずの先へとなんとか導かれようとノイズを駆使して足掻き出すククルカン。そんな彼は無駄の無い最短距離で四方の壁を上手く利用して、高速で巡る展開を縦横無尽に囃し立てながら壮大に一人舞台を続けていた。

「すみ、ません。ごめんなさい。申し訳、ございま、せん。すみません。ご、めんなさい申し訳。ございません。こ、心から、謝りますので……私、私を……本当に、本当に、許して下さい。私は、私は、ただもう、既に、これだけ、ありましたように貴方の為に、貴方だけの計画の為に、貴方の、脅迫の為にあれ程……? あ……?」

しかしそんな悲痛な言葉に反して、身体は女子露天風呂の壁を何度も蹴って移動するのを、瞳は隠しきれない憎悪に塗れた視線を辞める事は無かった。それはまるでこの場を錯乱させる様だった。しかしその彼が突如、虫の様に這いながら四足歩行で壁の亀裂に手足の指の握力だけで留まりながら、隙を突いて攻撃する予定だった彼女の様子をまじまじと眺めて始めて行く。

勿論、思わず足を止めて彼女を眺める理由はその彼女自身の支離滅裂な言葉。自分でも何を言っているのか理解出来ない程、読解力が皆無なククルカンにとっては、当然の彼女の言葉が何を言っているのか当然と言うべきか、さっぱり分かっていなかった。しかしそうだとしても、ククルカンにとって予想以上に初めての体感だったのか、心底驚いた表情でぽかんと口を開けて、動かなくなっていた。

そしてそんな妙に奇怪な行動を見せるククルカンに、見た感じノイズを発していた彼女に余裕を持って、一緒に風呂に入る事に勧誘するのは閻魔であった。勿論、これから仲良くなりたいと言った可愛らしい気持ちでは無く、獄卒の為に開放したククルカンの始末を邪魔されたくなかったからである。その為、この誘いに彼女は乗ってくれないと少し騒動を起こす事になってしまう事は確か。
さらに言うとむしろノイズホルダーは閻魔にとって滅するべき存在だと閻魔は考えているので、もしもこの誘いを拒否した場合、、恐らく応答無用で閻魔は適当な嘘を沢山並べて、風呂に溢れるばかりの獄卒達を具現化して襲撃させると言うかなり大きな騒動を起こしてしまおうと考えているのは確か。

ただし紛れも無く、このククルカンに関するトラブルを起こした一番の原因は彼女であるのは確か。この様に三つも確かな事がある程に閻魔と言う存在は疫病や災いに好まれ、また彼女自身も好いていた。

するとそんな閻魔の八割方脅しに近いであろうお誘いについての返答を待っていると、役不足と言う単語について言葉の間違いを普通に指摘されてしまった。ただ正直、冷静に考えると断然その言葉を注意する彼女の方がこちらで頭を整理しながらでないと理解出来ないと言う、暗号の様な言葉の使い方が間違っている気がする事等、閻魔は呆れながら疑問に思ってしまう。

「風呂にそんな錆びて手入れが大変そうなナイフを持ち込んでしまう地点で無粋で品の無い危なそうな方だとは思ってましたが、まさかククルカンレベルまで頭のネジが飛んでるとは思いませんでした。……まあ、ククルカンに手出しさえしてこなければ、貴方の様なノイズホルダーなんてどうでも良いんですけども。まあ、どうぞゆっくりしてて下さい。これから、クソつまらない一人舞台を終わらせるべくククルカンと私の獄卒の美しき殺戮ショーが見れると思いますから」

そう言ってこれ以上、彼女やククルカンに関与する事無く露天風呂から上がり始めた後、何事も無かったかの様に身体を洗うべく風呂の前に設置された鏡の前に座っていく。

するとその直後にバスタオルを巻いた状態で、女子風呂に用意しているのは別のシャンプーとリンス、さらには専用の石鹸をわざわざ持って閻魔の傍に来るのは厳しめな表情を行っている黒縄であった。
そして黒縄はゆっくりと膝を付きながら、閻魔よりも下に頭を下げて閻魔印のシャンプーとリンス、石鹸を届けに来ていた。

「よく来てくれました。それでは、私の退屈しのぎにあのククルカンを倒して下さい。貴方も良い暇潰しになると思いますよ?」
「はっ! 勿論、閻魔様の気ままに、気まぐれ、気の赴くままに。しかし私としては……」

そう言う途中で遂に我慢出来なかったのか、閻魔の傍から露天風呂に未だに動かないククルカンと、やけに発音が良さそうな気がするいい湯だなの曲を口ずさむ彼女の元へ入って行こうとしていた――

>>除夜詣鍵様、周辺ALL

【このスレにおけるキャラのプロフィール制作が思った以上に見通しが甘く手間取ってしまい、かなり返信が遅れてしました。申し訳ございません。】

5ヶ月前 No.17

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★YRuDhSwQ0p_Xdn

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5ヶ月前 No.18

緑酢 @karasu1010☆TyGLtXpsS1g ★0gkYBdXyN1_inN

【バンダースナッチ/ディストピア/廃ビル群】

多くの強力なノイズに塗れた現実世界の残骸達が、今もこの世界を彩っているのはディストピアと呼ばれる一つのエリア。この土地は基本的に色濃く滅んだはずの文明が化石の様に埋まっており、中には重要とも言える現実世界での情報や技術が施設として残っている可能性は大いに在った。ただし、再び現実世界の技術を復活させようとするノイズホルダーは少なく、むしろこの混沌とした環境から以前から治安は悪く、多くの犯罪組織や派閥が形成されている等、常に争いが絶える事は無い等、むしろ現実世界を滅ぼしたノイズホルダーの無法地帯と化している。
またそのディストピアの特徴と言えばは唯一、其処ら中で壊れかけの廃墟ビルが墓標の様に立ち並んでおり、派手に多くの抗争に負けてしまった力自慢のノイズホルダー達が火葬されていた。

その混沌とした一つの街は誰もが地位や身分等、関係無く、永遠に終わる事の無い殺し合いの中で誰でも平等にディストピアの王になれると言う可能性がある事から、他の、平穏を求めるアルカディア、中庸を求めるユートピア、創造を求めるシャングリラ、破滅を求めるユグドラシル、どのエリアと比べても非常に特殊な雰囲気を醸し出していた。

そんな中、そんな殺し合いに参加せずホームシックなのか、もう二度と帰らない現実世界の技術に触れたいが為にディストピアに訪れたのはバンダースナッチと呼ばれる唯一、世界さえもこうして死んでいく中で生き残る事が出来た人間であった。

「こうして現実世界は見事、ノイズホルダーの諸君によって終焉を告げましたとさ。めでたしめでたし。……でもこのままじゃあ、あまりに味気ない。だから、こう言うストーリーはどうだい。その終わったはずの世界が復讐に来るんだよ。この雪降る理想郷、スノーノイズにね。何とも、素敵な物語だろ?」

そう言って見た目はまさしく現実世界に取り残された高校生の青年、バンダースナッチは廃ビル群の中、地面に埋まった人骨、街の隅っこで灰になった本、次々と燃えては消える現実世界の不思議な欠片を見守る。

「どうせ、ラグナログの隊長共は待ち合わせの時間を過ぎてもまともに集まりはしないだろう。だから、暫く此処で……」

そしてもう少しこのスノーノイズの時間を過ごしたいが為に、ラグナログ本部にてもうすぐ始まる王位争奪戦集合時間を無視してしまう。

するといくつもの恐ろしい程の奇声に合わせて、付近の廃ビル群から天を貫く程の光が此方の方に見えていく。

「全くこうも暴れられると未だ残っている現実世界の欠片さえも消えてしまうかもしれないじゃないか。……やはり、ノイズホルダーは滅するべきだな」

そう言うと彼はその光を発しているであろうノイズホルダーの元へ向かおうとしていた。

>>(軻邏彌梛)様、周辺ALL様

【かなり遅れて絡んでしまいましたが絡んで下さる場合、これから宜しくお願い致します。】

5ヶ月前 No.19

E9-O3 @e9o3 ★iPhone=kpTHNMlOIW

【NNET/アルカディア/湖2周辺】


「ん、おお、其方は、シャングリラの」


NNETは振り返り声をした方を見て少し驚いた。
このスノーノイズに於いて五つあるエリアの王が一人。シャングリラの王、名前はガイア・ウェイ。面識が無いわけでは無いがなぜ故この様な領域に他の王が……まぁ、事情は兎も角。

「応な、皆変わりなしじゃて。変化が無いのは良い事じゃ、平穏無事が維持されているという事だから喃」

定期調査、つまりはこの箱庭に放した動物たちを診に来たのだろう。動物のクローンを創るのはシャングリラの十八番である。

「近々新しい生き物をと思っとったでな、まぁちょうど良い機会じゃろ。視察がてら少し話しておこうか喃」

NNETは笑顔に笑顔で応えつつ、隆起させた地面に横を向いて座った。隆起はNNETを載せそのままスライド移動し始める。

「少し前に長期記憶ホルダを漁っていたのじゃが、秋一日を鳴き通す虫の声、と言うのが風情が出ると……何ぞ鳴く虫を数種類欲しいと喃。特にこの……ひぐらし?……とか言うのが良いものらしいが」

かつてのNNETが持っていた記憶はブラックボックスに封じ込められている。詰まるところ、本人にスノーノイズ以前に居た場所や自身の記憶が殆ど無い。なので偶にメモリバンクの長期記憶ホルダを漁って目ぼしい情報を発掘しているのだ。ただその情報は何処か曖昧な内容のものも多いのだ。

>>ガイアさん

【絡みありがとうございます 何処か行きたい場所があればどうぞ】

5ヶ月前 No.20

洗濯蟻 @arinohito ★iPhone=n7Rebp7mCv

【軻邏彌梛 / ディストピア / 廃ビル群】


少し傾いだビルの屋上。ひび割れ、焦げ付き、大穴が開き、崩れかけた摩天楼。


「そう、摩天楼!砂上の楼閣、天に傅くは天守閣!逆さま三角また来て四角、視覚の死角から刺客はやって来るのでしょう!鋭角の果てより来たる犬の如きにまた吠えまた吠えヤイヤイと!」


白無垢の仮面が眼下を睥睨する。装甲を一枚隔てた向こう側に隠れた顔は一体どんな表情なのか。それは誰にも窺い知れない。

「時間と空間、光と重力。横隔膜の痙攣により吃逆は起きますね?この吃逆は嚔と違いとても厄介な物ですの。100回吃逆をすれば死にますの。当然神も死にますわ。バラバラに砕け散りますわ!」

屋上を右往左往しつつ、彼女は在らぬ方へと身振り手振りを交えて語りかけ、講釈を垂れる。彼女は狂っていた。彼女の周りは時間と空間が狂っているのだから彼女も狂っている事は当たり前の事。

「青色脳漿は猟犬の了見」
「ええじゃないか論争激化の一途」
「ニルヴァーナは何処にある?」
「アバラの味の素好評発売中!」

ぢぢぢぢぢっ、と空間を削り取るような音が響き、無数の残像が一瞬彼女の身体に重なった。残像の中の彼女は天に両手を捧げたり、項垂れたり、血に塗れていたり、上半身が焼け切れて消失していたりしていたが次の瞬間には一つに重なり、屋上の縁の上に立って右手を目元の上に添え、遠くを見やる様な仕草に凝集する。

「何かいるのかしら?ふふふっ、次の相手でしょうかね?そう来なくては面白くないッ!」

左手に規制標識を構えて彼女は何かを待ち受ける__。


>>周辺ALL、(バンダースナッチ)

5ヶ月前 No.21

緑酢 @karasu1010☆TyGLtXpsS1g ★0gkYBdXyN1_inN

【鏡水央一/ユートピア/都市中心部→協議会前】

「……あれ、やけに中心部が騒がしいな」

屋根の上の良い匂いに釣られてユートピアを散策していた鏡水だが何故か、協議会、それも宇宙エレベーター建設予定地の屋上の辺りが少し騒がしくなっていた。彼は一回、協力を仰がれた時に大体のノイズホルダーを紹介して貰っていたからその騒いでいたノイズホルダー達が、斑鳩派に属していた人々と言う事を理解していた。

「ど、どうしたんですか? こんなに慌てて……」
「ああ……君は鏡水君か。どうやら代表である斑鳩さんとユートピアの王が交渉して、宇宙エレベーターを五区に移設する事で手打ちにしたんだ。何だよ、斑鳩さんが宇宙エレベーターの撤去の交渉に使って、ユートピアの王に成り上がるんじゃなかったのか……。そうだと思って俺はわざわざ使えるノイズホルダーの噂とか必死に聞き回ってたのに……。それも斑鳩がユートピア王にならないなら、俺の地位も資源も全然上がらねえし、増えねえ訳かよ……」

そう言うと勝手に斑鳩派のノイズホルダーは落胆しながら、鏡水の方角を一度も向く事無く協議会へ去って行く。

すると先程から話し相手であった少女に、鏡水自身の行動についてはどうやら納得してもらえていた。しかしどうやら彼女は人間とノイズホルダーを全く別の生き物だと考えており、然程ノイズがあるか、ないかくらいしか変わらないと考えた彼にとってはまるで意味が分からなかった。そもそもノイズホルダーは勿論、兵器やクローン、ましてや人間でも無い具現化として生まれるケースもあるが、それと同じくらいに普通の家庭で人間から普通に生まれるケースも多いと考えている。
今の彼は圧倒的に前者でありながらも、本体の鏡水は後者である為に、特に彼は人間と言う種の中にノイズを持っていない人間とノイズを持っている人間に分類しているだけだと今まで感じる事は例え、鏡の中だろうと出来ていた。

正直、この考えから合わない様な環境や個性、思想があまりに違うノイズホルダーとは、単にただただ疲れる為に交流する気にはなれないが、普段の鏡水なら、きっと積極的に話して友達になろうとするだろうと考え、彼なりに演じ続ける事にした。この時点ではまるで彼が鏡水と言う人間を演じていると見抜かれている事も知らずに。

「成程、そのような考えもあるんだな……。どうやら、君は人間が嫌いらしい。……まあ、俺はノイズ程度で人間が別の生き物とは考えられないけど。でも俺が思った通り、ノイズホルダーは多種多様、色んな思想や考えがあるんだ。否定はしないさ。押し付けもしないけどな」

そう彼は彼女に皮肉を言うと再び、人間らしく少し頬笑みを含ませて、なるべく悪印象を見せない様にお得意の造り笑顔を見せる。だがそんな事をしていると次に彼女は、改めて鏡水に何者かと尋ねて来た。其処で初めて彼自身は、この身体は人間では無い、鏡の中の具現化である事を見抜かれたと考える。

「……」

そして最後に人間であろうとする事に警告を促される。確かに今回の出来事で人間嫌いのノイズホルダーが存在する事に気付けたのは今回の旅行での大きな収穫であった。ただ彼が住んでいるのはアルカディア。少なくとも外部の攻撃が無い限りは、平穏であろうと彼が考えていた。

「そうだな……流石に、敵意と悪意を見せられた時まであいつを演じるのも面倒だ。別にそんな奴と逢った所で意味無いって分かったし。今の言葉、ノイズホルダーとして参考にさせて貰いますよ。じゃあ、やる事が出来たんで、俺はこれで」

そう言って彼は本来の自分として適当に手でも振りながらその場を立ち去って協議会の方へ向かって行く。

>>アベル・メルクーリ様、周辺ALL

【もうすぐイベントを始まる為、特にきりが悪くないと考えて絡みを切らせて頂きます。ありがとうございました。】

5ヶ月前 No.22

緑酢 @karasu1010☆TyGLtXpsS1g ★0gkYBdXyN1_inN

【ククルカン&閻魔八葉&黒縄/シャングリラ/実験所内・女子風呂】

そして趣も何も無い亀裂だけが入った真っ白な壁に囲まれながら、その一色に縛られた空が見える露天風呂に入った黒縄は早速、自身の任務を遂行する為に自らの手にノイズを静かに発動する。
当然、任務の内容は暇潰しのククルカン討伐と、閻魔と同等の態度を取ると言う失礼な先客の清掃。その事だけを考えながら彼女は、石鹸と共に持ってきた鋼鉄製の小さな棒をまずはその先客に見せて行く。

「ノイズホルダーごときが何故、麗しき閻魔様の優雅なお風呂タイムに介入してるのか理解出来ないのだが……? この一番の側近の私でさえ、これくらいは弁えると言うのに……」

しかしその先客の彼女はどうやら今や、各エリアのゲリラ達が宇宙開発計画と同じ様にノイズや科学技術を駆使しながらまだディストピアに残っている、或いはシャングリラの技術を利用して改めて電波塔や発電所、そしてインターネットのシステム等を復旧や一から制作した後に勝手に好きなスマートフォン等を通じて配信していたであろう動画を呑気に眺めていた。

やはりノイズホルダーの中にも、依然の現実世界の文明が恋しいどころか、終末世界で然程、現実世界と変わらない動画を配信すると言うホームシックや現実世界に戻りたいと思える様な現象や欲求が起こっているのだと閻魔は地味に確信していた。

「ほう……閻魔様を間近で見られると言う、どんな絶景よりも美しいに違いない光景を無視して動画を見るとは……いい度胸してるじゃないか。でも、良いのか? お前の見る最期の景色が美しき閻魔様では無く、面白ノイズホルダー動画になっても?」

だがそんな皮肉を言っていると、あからさまに嫌な表情を浮かべながら室内の風呂に入ってしまった。それを見て恐らく自身の殺意に気付かれてしまい、そのまま逃げてしまったのだと考える黒縄。

そしてその行動の全てに対して見事、憤慨した彼女は、所持していた警棒の様な形の鉄棒を鞭の様に撓らせ始め、途端に室内の窓を豪快に割って行く。

「つれないじゃないか。折角の殺戮ショーだと言うのに。是非、一番前で見て欲しいのだよ……! 出来れば、生首だけで」

さらにまだ防弾ガラスが甲高く綺麗な音を建てながら飛び散って行く中、鉄で出来た鞭に真っ赤に腫れあがる程高温化のノイズを追加させていた。そして彼女は鞭を華麗に振るって遂にこの場で暴れて、生首だけ一番良い席で観賞できる殺戮ショーを開始しようとしたその時、エキストラ役のククルカンが得意の高速移動を行って、先客の彼女の前へと訪れて行く。

「君、僕、貴方、俺……君は誰だ? き、君は何で、こんな地獄……へ? 駄目だ、駄目だ、駄目だって……。一緒に、一緒に……此処から、逃げないと、奴が来るから。俺と俺と、逃げ、ないと……!」

そう相変わらず一方的にヤバそうな言葉を並べて病んでいる事を呟き始めたが少なくとも今までの殺意に塗れた表情では無く、全く持って穏やかな表情で、まさかの彼女と一緒に逃避行を提案する。

「……ほほう、平民同士で協力し合うか。だがそれでも平民は平民と言うのが分かっていないらしいな……! ほら、早く私に血反吐を無様に吐く様を見せてくれ!」

そう言いながら、黒縄はククルカンの顔面に向けて傷が残りそうな攻撃を鞭で振るって見せる。そしてさらに実はもう一つ用意していた鉄の棒をタオルの背中から取り出した後に誰から見えづらい様、手に持ってこのままノイズを駆使して鉄棒の先端を鋭くして伸縮、直接彼女の胴体を貫いてしまおうと考えていた。

だがこんな危機迫る状況でも閻魔は暇潰しにスマホの画面でも見る様に、ちゃんと自身の身体に合わせたシャングリラ特製の石鹸を泡立てながら身体を洗って、その世紀の殺戮ショーを見届ける事にした。

>>除夜詣鍵様、周辺ALL

5ヶ月前 No.23

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★YRuDhSwQ0p_Xdn

【 除夜詣鍵 / シャングリラ・実験所内・女子風呂→? 】

 やっぱり五月蠅くて細かい音声が聞き取りづらかったため、もっと快適にスマホを楽しむためイヤホンを耳と繋げた。これによって鍵は更に動画をじっくりと視聴することが可能になった。弊害として現実世界で誰かが話しかけて来ても分からないので、やはりというべきか、インク髪娘の台詞はほんの一文字分たりとも鍵の鼓膜を震わせることはなかった。なんか騒いでるな、という感覚は伝わって来るが、一人で勝手にはしゃいでいるだけだと思っているのでまさか自分が話しかけられているとは考えもしていない。そしてあくまで視線は動画に向けたまま、インク髪娘のほうなど一瞥することもなく飛んできたガラスの破片だけを最低限の動きで流麗に避ける。
 今youtuberもどきにお勧めされて飛んだ動画に丸々アップロードされているローマの休日を観賞するのに忙しいのだ。多弁症のキチガイに構っている余裕は無い。確実に精神の御病気であらせられるイかれ女の相手をするよりオードリー・ヘップバーンの絶世の美貌を眺めていたというのは、恐らく全人類に共通する価値観のはずだ。前者は金を払ってでも会いたくないが、後者は金を払ってでも会いに行きたい。

「…… あー、私が、私が関係を全然催さないことだけが発展させられると思うので、あなたは、私 今最初に から レジャーである を作るね?私がオードリー・ヘップバーンにより静かに会いたいので。そして。
 (……あの、さっきから私には関係のないことばかり繰り広げられているみたいだから先に御暇(おいとま)しますね。もっと落ち着いてオードリー・ヘップバーンを観たいので。それでは)」

 鍵は、アンタらが騒がしいせいで映画の台詞とか聞き取り辛いんですよ、とアピールするように己の耳にはまったイヤホンをとんとん指先で二回叩く。表情はしかめっ面。それでも視線はスマートフォンを向いたまま、ククルカンのこともインク髪娘のことも視界には入れない。閻魔と呼ばれた矮躯の少女のことに関しては、もはや見ていないどころか存在を忘れかけている。今から視界に入って来たなら「そういえばいたな」と思い出すけれど。
 視界に入っていない相手のことでも、名殺人鬼たる鍵の手にかかれば次の動きは簡単に読める。ぶっちゃけ殺気がモロに垂れ流しすぎてバレバレだ。これがプロの暗殺者とかなら気配も殺気も消してくるから難敵としてテンションを上げられるが、ここまで素人さん丸出しの態度で来られると余計に興味が急降下していく。今や抉れてグラフはマイナスの領域に突入していた。なのでいつの間にやら室内風呂まで移動していたククルカンにも、洋画みたいな窓割りダイブを果たしたインク髪娘にも、最後まで視線は向けず、耳のイヤホンからはローマの休日の台詞を流したまま。除夜詣鍵は坦々とした足取りで女子風呂のテレポーターに向かい、今度は手を振る事さえ無く姿を消した。

 ――相手の攻撃?
 嗚呼、そんなこともしようとしていたらしいのは察していた。だが、牽制のつもりでククルカンに向けて鞭を振るったその瞬間に名殺人鬼たる者の俊敏な動きでスタートダッシュを切り、誰にも邪魔させることなくテレポーターに乗り込みせしめた己には関係の無いこと。
 殺しのアマチュアが慣れないフェイントなど入れず、最初からこちらに直接の攻撃をしていればせめて戦闘開始にまでは持ちこめていたものを。身の丈に合わないテクニックを使おうとするから逆に隙として突かれてしまうのだ。

 テレポートした『何処か』。自室では無い場所でそんなことを考え、それを最後に鍵は風呂場で遭遇した彼ら彼女らのことを脳細胞から破却した。
 スノーノイズは魔境だ。だが、魔境に住む者全てが魔人ではない。己を過大評価して驕り先走った先程のような面々がこれからどうなるかなど、運命は思考するまでもなく目に見えている。
 つまるところ。鍵の脳内ではあの面々は「その内すぐ死ぬ連中」で「二度と会うことは無い」ので。覚えておく必要が無く、単なる合理的選択として忘れることを決めたのだった。


     ◇     ◇    ◇


 一方、ククルカンは近付いても鍵から攻撃されなかったことで一緒に逃げようという提案が受け入れられたと勘違いしたのか、攻撃を避けきれず顔面の端で受け止めた後テレポーターに飛び付き起動させ――残念ながら鍵とは全く異なる何処かの土地へ移動してしまっていた。

>ククルカン様&閻魔八葉様&黒縄様&ALL様

【もうすぐイベントとのことで、こちらも切り上げさせて頂きました。イベントが開始したらまた鍵は適当な場所で動かします。短い間でしたがありがとうございました!
 あと、ククルカンくんは勝手に動かして良いとのことで最後にこんな描写をしてしまいましたが、マズい場合は無かったことにして頂いて大丈夫です。さすがに完全に置いて行くのが申し訳なかったので……】

5ヶ月前 No.24

緑酢 @karasu1010☆TyGLtXpsS1g ★0gkYBdXyN1_inN

【バンダースナッチ/ディストピア/廃ビル群】

眩い程の人工的な木漏れ日が光一つさえ無いディストピアに差し込む中、それに幻影的に照らし出すバンダースナッチはいたって深刻な表情を浮かべながらその光差すノイズホルダーへ歩き出していた。

ちなみに彼のノイズは相手のノイズに応じて、無条件でバンダ―スナッチの命を危険から守ると言う危機感から決まって行く。ただし他人を守る事や、ノイズの対策として、自身のノイズが出現する訳では無い為、特にノイズを得たからと言って相手の弱点や攻撃に耐性が付属される事は少ない。飽く迄も、自分の身を守る護身用のノイズと言う事を常に頭に入れないとあっという間に敗北してしまう事を彼は今後、行うかもしれない戦闘について改めて考えていた。

すると、しばらく廃ビルの辺りを探ってみるとあからさまに時空やノイズごと目に見えて狂っているのが分かる仮面の少女がひゃっくりしながら、一人遊びでさえディストピアの中ではあまりに恐ろしげな行為を見せていた。

そして恐らく光の方向からしてあの少女がこの数少ない現実世界の技術の上で暴れているアルカディアの民、或いはそれに触発されて観光ついでに暴れに来た他のエリアの民である事を察したバンダースナッチは実質、現実世界についてどう思っているのか、彼女に質問を投げかけようと近づき始める。

しかし向こうは既に戦闘態勢を取っていたのか、幾つものの残像を経て屋上に立って少し遠くに位置した自身を見始める。残念ながら、今のノイズが発されたであろう光景を見ても彼にはまだノイズの内容は分かる事は出来なかった。

「出来ればこの街を傷付けない様に慎重に倒すつもりだったが……やはり、流石と言うべきか一筋縄ではいかない様だ。では……」

其処等に落ちていたガードレールだった鉄の棒切れを持って、その少女に向けて思いっきり振り回しては投げて見せようとしていた。これでもノイズ無しの状態でも、政府直属の治安維持部隊に属していた為、多くの肉体強化実験等によりノイズホルダー程ではないが普通の人間としても、彼はある意味特殊と言えていた。

「さて、どんなノイズを見せるのか……」

そう言うとあえて自らの存在を知らしめるかの様に、ビルの屋上から見える様に堂々とその下に立って見せる――。

>>軻邏彌梛様

【まだ絡んだばかりですがこれからイベントを開始する予定ですので、絡みを切り上げて頂いても構いません。】

5ヶ月前 No.25

緑酢 @karasu1010☆TyGLtXpsS1g ★0gkYBdXyN1_inN

【ククルカン/シャングリラ・実験所内・女子風呂→ユートピア行きテレポーター】
【閻魔八葉/シャングリラ・実験所内・女子風呂】
【黒縄/シャングリラ・実験所内・女子風呂→脱衣所】

閻魔から誘った今日限りの素敵な殺戮ショーを見ずにスマートフォンからまだ現実世界に残された映画等、配信された動画の数々を見てしまうと言う、いくら映画が名作でも閻魔の誘いを無視する行為に対して完全に閻魔の侮辱と考えた黒縄は、窓ガラスが割った事で騒ぎになる事すら気にしない程に激怒していた。だがその怒りの前に堂々と立ち塞がるのは、先程まで先客の彼女に殺意まで向けていたのにいつの間にか、一緒にその彼女と逃げる事さえ考える等、まさに思考が気まぐれ支離滅裂状態のククルカンであった。
しかし同時に彼は常に、既に攻撃を仕掛けている黒縄やこの状況を既に飽きており、ククルカンの存在等忘れて石鹸で出来上がった泡で遊んでいる閻魔では無く、全く別の誰かに追われているかのような恐怖に怯えていた。しかしそんな風に気を取られた結果、黒縄の熱された鞭に顔面が直撃して肉が焼ける痛々しい音を懸命に受け止めるはめになってしまう。
だがその後、身体が吹き飛びながらも頭の中を高速回転させて此処から少女と二人で逃げる為に女子風呂の入り口に設置されたテレポーターに乗り込む事となった。ただし既に少女はその風呂には存在しておらず、先に彼女がテレポートで逃げた事も知らずに風呂を見渡しながらどこかのテレポートにランダムで転送されてしまう。

「……ほう、上手く二人共隙を突いて逃げたか。流石、逃げ足だけでもノイズホルダーだけあって早いと言うべきか」

既にククルカンともう一人討伐対象であった彼女も先程までは、何気に動画を見ながら音声を集中して聞く為にイヤホンを点けていると言う聴覚や視覚が制限された状態だったのだが、流石はノイズホルダーと言うべきか見事な逃亡劇としか黒縄であっても言いようが無かった。

「まあ、この程度の攻撃で尻尾巻いて逃げるのだ。どうせ、大したノイズでも無いのは確かであろう。では、鬱陶しい蠅の様な邪魔者が消えたところでようやく閻魔様だけの優雅な時間が……」

しかし閻魔が黒縄が上手く誤魔化そうとした失態を、これっぽちも見逃すはずが無かった。

「おや、逃がしたんですか。折角の退屈しのぎに造った私のクローンを? 私の誘いを断ったあの無礼なノイズホルダーを?」
「……も、申し訳ありませんでした。今すぐに探してきます故、消滅だけは……」
「まあ、良いでしょう。此処で貴方を殺しても貴方の返り血で折角洗った私の身体が汚れて結局、気分が損ねてしまいます。特にあんなウジ虫程度のノイズホルダー達等、どうって事はありません。それより良いアイディアが思い付きました。ですので黒縄さんには今から、全ての獄卒に国王暗殺ゲームを開催する事が決定した事をお伝え下さい」
「……国王暗殺ゲーム、ですか。分かりました」

そう今度は黒縄が怯えた表情で閻魔に一礼した後に、この風呂における脱衣所まで走る様な速度で彼女は逃げ去って行く。

「それにしてもククルカンがこの風呂に入った事を感謝しなければなりませんね。あの子のまるで暗殺者の様な殺人鬼たる動きやククルカンが彼女を守る様子、そして彼女を狙う獄卒からこの国王暗殺ゲームアイディアが浮かびましたので……。それに伴い、このアイディアに免じて今回は特別に全員、許してあげましょう。だって、この後に十分過ぎる程、彼女達の死に体が見られるんですから。まだまだ殺戮ショーは終わりませんよ……?」

>>除夜詣鍵様、周辺ALL

【こちらこそ絡んで下さり、ありがとうございました! ククルカンはユートピアの何処かにテレポートさせて頂きました。またククルカンの対応等、何か不都合等がありました場合、直ぐに対処させて頂きます。】

5ヶ月前 No.26

緑酢 @karasu1010☆TyGLtXpsS1g ★0gkYBdXyN1_inN

【廻戸勇&椣ノ木修一&羽喰和正/ユグドラシル地下・ラグナログ本部→】

「成程、王位争奪戦の集合時間に来たのは廻戸と椣ノ木だけか。まあ、隊長の集まりが悪いのはいつもの事だから気にはしないが……。今後、こんな意識が低い隊長が王になると考えると先が思いやられるんだよね……」

ラグナログ本部。ユグドラシルの地下に存在している秘密結社における大きな拠点にして一番最初の拠点である。支部は各エリアの地下に見つからない様に細々と活動している中、この本部はかなりの範囲を有しており、合計隊長ごとに十二もの地区に分けてこのユグドラシルと言うエリアに大きな権力と言う根を張っている。また内装もそれぞれ十二地区で異なっており、地区ごとに隊長の色が良い意味でも悪い意味でも発揮されている。
また本来は隊長ごとにちゃんとした仕事における役割があったのだが、隊長の個性や野心が強すぎるが故にほとんどブレーキの効かない暴走が隊長を中心に起こすと言うラグナログで問題になっている。
ちなみに隊長に昇格する基準は単純なコネや貢献、ノイズの強さも当然存在するが、一番は世界滅亡に対する想いのみである。むしろそれさえあれば簡単に幹部になれる、シンプルながら分かりやすいそのラグナログの基準はそれだけ世界滅亡の為に創られた組織がか分かる。

「確かに終番隊隊長も折角の王位争奪戦当日なのに顔を見せてないんですもん。そりゃ、他の隊長なんて来る訳無いでしょ。……これって実際、どう言う事なんですかね。羽喰さん」

そう言うのは四番隊隊長、廻戸勇。十七歳ながら、スノーノイズさえ現実世界と変わらないからと言う理由でもう一度世界滅亡を望むと言うあまりに入れ込み過ぎたその終末思想に見事、抜擢された人物。世界滅亡以外は遊び優先にする等、意識は一見低い様に見えるが平等な世界を本気で実現するつもりでいる。

そしてそんな彼が羽喰に唱えたのが、終番隊隊長が不在している事についてである。実は現在、終番隊隊長は一切と言う程、活動を零番隊に任せており、こう言った集会にも参加すらしていなかった。その事に怒り心頭の廻戸は、全く持って納得出来ていなかった。

「色々考えたんすけど、もしかして、もしかしちゃって、零番隊隊長が権力を駆使したいから、終番隊隊長がもう殺されてるのを隠しちゃってるとかそんな陰謀説みたいな事ありませんよね? 今時、陰謀説なんて流行らないっすけど?」
「……終番隊隊長はお前と違って多忙だ。隊長は常にこの世界の行方について考えているのだからな」
「その通りだ。廻戸。ましてや終番隊隊長である仲間を疑う等、このラグナログ全体の士気に関わってしまう。今後、発言に気を付ける事だ。確かに王の座まで捨てて行う仕事が何なのかは気になるが……」

そう言いながら廻戸の疑いについて呆れながら反論するのは六番隊隊長、椣ノ木修一。隊長の中でも古参幹部でラグナログのまとめ役でもある。ラグナログの思想自体は反対しているのだが、ラグナログの事は気に入っていると言う複雑な状況ながら長くラグナログに勤めていたと言う理由から幹部に昇格した。

「あー……マジでうるさいっすね。此処に隊長が来ない事の方が士気に関わるでしょ……」

そんな相変わらずうるさい二人の喧嘩に対して羽喰は呆れながら、これからの王位争奪戦の全体的な流れを説明していく。

「王位争奪戦はユグドラシル以外の四つのエリアで開催される。開催の合図は……そうだな、どんなに離れても分かる様に色々考えておこう。それで基本的にルールは無し。妨害や殺害等はあり。基本的にこのスノーノイズを一番破滅的に、そして一番独創的に壊した隊長が優勝とする。独創的だと判断する基準は私と終番隊隊長の独断と言う事にさせて頂く。問題等無い場合はこの本部から出て合図が出るのを待つんだ」









――その後、何て事の無い雪が降り注ぐ終末世界に、ユグドラシルのラグナログ本部は本懐を遂げる。世界樹ごとの大きな爆破と言う形で――。

こうして十人の候補者における世界滅亡ユグドラシル王王位争奪戦が盛大に開幕する。

>>周辺ALL

【第一章イベント開始しました! これから皆様宜しくお願い致します!】

5ヶ月前 No.27

洗濯蟻 @arinohito ★iPhone=n7Rebp7mCv

【軻邏彌梛 / ディストピア / 廃ビル群】


「おや」


現れたのはカッチリして見映えの無い学生服に学生帽の中肉中背、見かけ上は至って普通の青年。
若干拍子抜け、と言った風に仮面を撫でて、その青年をジッと覗き込む。この破壊漲るディストピアに大凡似つかわしくない『普通』に『異常』は直ぐに反応を見せた。

「成程成程、そう来ましたか。ええ、誰もが御存知です!こんな場所に来る輩に真面な奴などと!素面の振りした御同類に決まってます!」

ごう、と空気を切って、その辺の残骸を放った投槍が迫る。ガードレールか何かの破片で出来た棒だろうか?普遍的な見た目に反した膂力、正に異様。しかしその意図としては何事かを推し量るが如くを感じる。


ぶわんっ


両手の甲を中心に白色の光輪が展開。1から12までの記号と太さ長さの異なる三本の針がそれに重なり時計の文字盤を成す。それは正に魔法陣の様に。


ぢきぢきぢきぢきぢき


文字盤を蠢く針はまるでランダムに時を刻んでいる。そこに法則も何もあったものでは無く、針が回る向きも転でバラバラ、一秒毎に目紛しく表示を変える。

「光よりも早く移動したいですか?それならば時間を止めて、一秒に7回半の世界一周旅行をすれば良いのですわ!高慢で緩慢で肥満で豊満な心には良いダイエットになりますわ!」

立ち上がって右手を差し出し、人差し指と薬指だけ立てて握り込むと飛来する鉄の棒に向ける。あわや衝突、と言ったその時、飛来するそれが空間に削り取られる様に消失した。


がこぉんっ!!


次の瞬間、それは背後に立つ貯水塔に突き刺さっていた。否、其処に出現したのだ。まるで空間を削り取る様にブレて遅延した鉄棒の輪郭が、貯水塔の瓦礫に収束する。

「おお、運が良い!飛躍跳躍劇薬秘薬、時は空間を刎ね飛ばして轢き殺しましたわ!即死ですわね御陀仏ですわね御臨終ですわね!おほほほっ」

振り返った少女は崩れ落ちて行く貯水塔を一瞥して、青年の方を振り向き、


ごんっ

「ぐえ」


『先程と同じ鉄の棒』の顔面直撃にて後方へ回転しながら吹き飛ばされた。


>>バンダースナッチ

【了解です 後こちらから二、三回レス返したらイベントに対応します】

5ヶ月前 No.28

緑酢 @karasu1010☆TyGLtXpsS1g ★0gkYBdXyN1_inN

【美歎新一&鏡水央一/ユートピア・協議会付近】

ユグドラシルの世界樹が爆破。その世界滅亡でも倒れる事無く逞しく立っていた木は一気に炎に焼かれる悲惨な光景はどのエリアからでも見えて、且つ、騒ぎを起こすには十分過ぎた。

「遂に始まっちゃったか……。王位争奪戦。って事は俺みたいにボイコットしようとした奴が最低一人は居るって事だよな……?」

ラグナログ二番隊隊長。美歎新一。今回の王位争奪戦には仲間同士が争い合うと言う理由から中止にする様に求めていた。その為、今回のイベントは隊長全員がボイコットして王位争奪戦を開催出来ない様に隊長達に語りかけていたのだが、残念ながらそれが叶う事は無かった。それに彼は現在、激怒しており、自分が他の隊長を殺して、王の座に座る事でくだらない権力争いを終わらそうと考えていた。

「マジでふざけやがって……」

そしてそんな美歎はスノーノイズの中心部である為、一番に崩壊が目立つユートピアを隊長達は襲撃するであろうと踏んで既に開始前からずっとこの時を待っていた。

だが同時に微塵も人間らしさが皆無となった鏡水が、燃え上がる世界樹を背に協議会に向かって歩き出す。

「……」

彼はアルカディアを守る為に、これから敵意と悪意に塗れた敵を鏡の中の鏡水として対立しようとしていた。その証拠に、彼の周囲には影の自分、夢の自分、アバターの自分、幽霊の自分が美歎を軸に少しずつ包囲網を張っていた。
さらに言うと、既に美歎は四つの意識を使って情報収集していた鏡水によって美歎が世界滅亡を企むラグナログ二番隊隊長と言う事は知っていた。その為、彼は美歎が敵だと見なして戦闘を起こそうと考えていた。

だがその美歎も鏡水の並々ならぬ殺意に気付くと直ぐに、その場に居た二番隊の部下の背中に触れると二つの機関銃へと変化させていく。

「俺の相棒は機関銃。お前に用なんかねえよ」

>>周辺ALL

【乱入大歓迎です!】

5ヶ月前 No.29

緑酢 @karasu1010☆TyGLtXpsS1g ★0gkYBdXyN1_inN

【ヨハン・アガーテ/アルカディア・川1】

「もしもその流れる涙も、その溢れる血も、その命まで甘かったらそれはそれはきっと素敵な事だと思うな……!」

独創的に世界を滅亡させるべく、ヨハンは甘い甘い願いを込めてアルカディアの住民を殺し回る為に侵入を開始する――

ラグナログ五番隊隊長。ヨハン・アガーテ。幸せな死を全人類が望んでいると思い込んでおり、自分のノイズで全員を幸せに殺して世界滅亡を叶えようとする人物。ちなみに今日が王位争奪戦である事はすっかり忘れている。そもそも王の座に興味無い為、王位争奪戦が彼女の頭の中に入っているかどうかも怪しい。それでも世界滅亡にはかなり積極的が故に幹部に選出されている。後は彼女のノイズ中毒と化した部下達の推薦が大きい。

「はい、私が直ぐに楽にさせてあげるから! ほら、じっとしてて! 私はただとてつもなく苦そうな貴方をズタズタに引き裂いて、ミンチにしたいだけだから!」

そう言って部下達に抑えつけられたアルカディアのノイズホルダーをチェーンソーを笑顔でぶんぶん振り翳してしまう。ちなみにチェーンソーは元々ノイズホルダーの持ち主で、理由は不明だが林まで向かって木の素材を取ろうとしていた途中であった。

「待ってくれ。俺はもうノイズなんて使いたく無いんだ。俺はもう平穏に生きたいんだよ。幸せに生きたいんだよ! おい……聞いてんのか?」

「だから、私は貴方を甘味のする安楽死、バームクーヘンエンドへ導いてあげるから! きっと他の人からすると貴方はバッドエンドだけど、貴方自身は幸せな死を体感できるハッピーエンド。だから、落ち着いて、落ち着いて、私のノイズを受け入れれば幸せな、幸せな……」

すると彼女の皮膚から甘い匂いが漂い始めたと同時に、彼女の体はそのノイズホルダーに馬乗りになる様に近づく。するとさらに近くに見えたチェーンソーに心底怯えてしまったのか、無残にも世界を滅亡したノイズホルダーがショック死してしまう。

「はあ……何で、先に死んじゃったんだろ。ミンチにした方が幸せになって死ねるのに!」

そして彼女は見境なく、生命体さえ見つかれば応答無用でチェーンソーで襲いかかってしまう思考へと陥っていた。

>>周辺ALL

5ヶ月前 No.30

緑酢 @karasu1010☆TyGLtXpsS1g ★0gkYBdXyN1_inN

【下蚊屋神楽/庭園内テレポートマシン→シャングリラ・屋上庭園】
【龍駒零/シャングリラ第二実験所・廊下→シャングリラ・屋上庭園】

シャングリラの王に挨拶がてら龍駒は、純白のスチームバンクに彩られた芸術とも言えるその内装を見ながら観光に勤しんでいた。しかし先程、シャングリラの住民に聞いた王が居た場所、屋上庭園まで辿り着いてしまった。

「それより、随分大きな爆破があったみたいだが……まあ、俺には関係無い事か」

そう言ってシャングリラの様子も確かめずに、雰囲気から研究所から隔離されている感じがしてしまう庭園までそのままテレポート無しで入って行く。

「お前……いや、貴方がシャングリラの王……か?」

そして屋上庭園にまるで王の様に立ち尽くしていたのは七番隊隊長、下蚊屋神楽。彼女の正体はアンドロイドで主人に地位と金と人間が全てだと教わって貰ったノイズホルダーである。その為、普通にユグドラシルの王を目指している。ただしラグナログの思想はあまり賛同しておらず、むしろどうでも良いとさえ思っている。ただし彼女の主人がノイズホルダーの世界滅亡に貢献していた事から幹部に昇格する。その為、今の立場はほとんど主人のお陰である。

さらに彼女と龍駒はどちらも生物兵器として生きていたと言う共通点があった。

「いえ、私はこれから王になる者です。シャングリラを貴方ごと殺して」

すると庭園に咲いた一輪の花が突然、オカルトチックなオーラを見せて奇声を花弁から上げながら動き出すと下蚊屋が所持していたくまのぬいぐるみに寄生。そしてそのぬいぐるみからは多くの茨が触手の様に出現。明らかにこのシャングリラを壊す意志がある事を伝える。

「此処はあの科学者に似た匂いがするんだ。だからお前に壊させる訳にはいかないな。……出来れば、こんな事等、するつもりは本当に無かったのに」

しかし一方も龍駒も本当に悲しそうな表情を行いながら、徐々に体をノイズに染めさせようとしていた――

>>周辺ALL

5ヶ月前 No.31

緑酢 @karasu1010☆TyGLtXpsS1g ★0gkYBdXyN1_inN

【バンダースナッチ/ディストピア/廃ビル群】

二度目の世界滅亡を待つ世界樹はいとも簡単に燃え上がり、空しく灰になる。この様な事はこのディストピアではよくある事。その為、バンダースナッチは特にユグドラシル等、気にせずに今はただ、目の前の相手である仮面の少女に対応するだけであった。

ただ彼女のノイズを知りたいが為に、様子見として鉄パイプと言うべき長さの棒切れを思いっきり彼女に投げて見せる。そして上手くノイズさえこちらで理解出来れば、身体が勝手に身を守ってくれるのに相応しいノイズを選定してくれるはずだとバンダースナッチは考えていた。

「もしもの為に……」

さらに彼は付近で死んで直、炎を操れると思われるノイズが存分に暴走する様に炎を撒き散らして溢れ出ている遺体に触れてみる。其処で彼に発動したノイズは、触れた生命体や物体を火炎に耐性が付く事が出来る能力。火傷はしないが勿論、熱いのは変わりない為、結局痛いのは痛いのであまり役に立ちそうも無いノイズだが万が一の対策としては十分であると彼は感じていた。

すると明らかに仮面の少女は何かしらのノイズを発生させている。五感も一般の人間よりは良いはずなので、何とか目を凝らして彼女の様子を一瞬たりとも見逃さないがまだ何のノイズかは理解出来なかった。

だがその直後、少女は独り言か、こちらへの対話か、それとも挑発か、全力で叫び始めて行く。それに応じてバンダースナッチも再びその場にあった利用価値の無いマンホールをかなり重いはずなのに片手で持ち上げて、戦闘態勢を取って警戒する。

しかしその一切、感情が揺らぐ隙が無いと思われた彼はその直後、思わず少しだけ反応してしまう。

と言うのは先程投げた鉄切れが彼女の前で消えたかと思えば、後ろの貯水塔にいきなり出現、だがその直後、また同じ鉄切れが彼女に直撃してしまう、説明しようも無い光景を見ていた為。

「……もう此処からでは何も分からないか」

遠くでこそこそ様子を見ても無駄だと感じたバンダースナッチは、クライミングの容量で窓ガラスに腕を突っ込ませながら一気にビルの屋上まで高速に動き出し始めて行く。

>>軻邏彌梛様、周辺ALL

5ヶ月前 No.32

E9-O3 @e9o3 ★iPhone=kpTHNMlOIW

【NNET/アルカディア/湖2周辺→川1方面】


「あれは……?」


地平の遥か彼方に聳える巨大な樹、ユグドラシル。それが爆炎により吹き飛ぶ様をNNETは見た。
同時に、地面から伝わる『何か良くない感触』を感じ取る。

「何やら、キナ臭い喃。……話は一旦置き、じゃな。妾はちょっと……様子を見てくる。其方も領地に戻った方が良いかも知れぬな。然らば」

そう言ってNNETはアルカディアの中央部辺りに目を向け、地面に脚を突いた。
ぐわり、と地面が大きく隆起し土が箱型に突出、NNETを飲み込むと再び地面に沈み、NNETを地中へと誘う。

「ふむ、……川か?」

目的地を決めた次の瞬間、NNETは地中を猛スピードで伝い、目的地周辺の地面から突出した箱型の土から外に出る。

其処は、血と狂気に満ちた臓物の森と化していた。
人は斃れる、妙な匂いはする、おまけに見覚えのない人物等が蔓延る。その頭目と思しき少女とその行為を見ても、NNETは笑顔を崩さず、ただ彼女達に近付いて呼びかける。

「__何ぞ面白い事をやって居るそうじゃな!」

ざりり、とNNETの足元で土が鳴った。


「妾も混ぜてくれぬか喃?」


笑顔、と言っても、其処には何も無い。
笑顔と言う名の圧倒的無表情。
その細められた目の奥で、四角い虹彩がビデオテープめいてくるくると回転している__、


>>ヨハン、(ガイア)、周辺ALL

【イベントなので絡みを切り上げます、そして宜しくお願いします】

5ヶ月前 No.33

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★YRuDhSwQ0p_Xdn

【 除夜詣鍵 / アルカディア・滝 】

 水辺でランチタイム。そう書けば優雅極まりない光景が浮かんでくるが、実際に鍵がお弁当を食べている『水辺』とは『滝の真ん前』の事だ。ゆえに弁当箱にはさっきから水面に叩きつけられた水飛沫がびしばし飛んでくるし、空気を吸えばそこには湿気どころか目にはっきり見える水が含まれている状態。ちょっと炊くのに失敗したかな? と思っていたパサついた米は、この水分が余りあるシチュエーションの影響でべちゃべちゃごはんと化していた。
 そう。除夜詣鍵は、滝の真ん前に小舟なんぞを浮かべて平安貴族みたいな寛ぎ方で昼飯をとっている真っ最中だ。

 先程まで全裸で風呂場バトル開戦の一歩手前に在ったというのに、どこから調達したのかいつもの装束を身に纏い、帽子まで被って完全に元の姿。しっとり濡れていた髪を湿らすのも、風呂場の湯ではなく間近にある滝の水分だ。あの超加速、急停止、超旋回、みたいなめまぐるしい動きをしていた男辺りが追いかけて来やしないかと少しばかりは面倒に考えていたが、幸いその気配も無く、ゆったりとした心持ちのまま弁当を平らげることができた。
 水筒に入れた温かな煎茶を飲み、ほっと一息。嗚呼、平和だ。女子風呂で『目が合ったら近寄ってくるタイプのやべー奴』に絡まれ騒がれ、決してくつろげなかったけれど、代わりにこうして水場でランチを楽しむことができたのでプラマイゼロとしよう。人生、悪いことがあれば良いこともあって帳尻を合わせてくれるというのは本当のことなのかもしれない。吸い込み肺を満たす空気にはマイナスイオンが満ちて麗しく、呼吸をしているだけで清々しい気持ちになれる。

「……どれが、そのような味がここにあるスペースの次の犠牲者をどんな種類の生き物にするかを考えるか……。非常に有意義な指導。
 (こうした風情ある空間の中で、次の被害者をどんな生き物にするか考える……。とても有意義な行いです)」

 満足げに独り頷き、弁当箱の横に置いてあるノートにボールペンでさらさらと文章を書きつづってゆく。シャングリラでどんなに強力かつ頭脳明晰で殺し難い生物を創造し、如何にしてそいつへ被害者の役を割り振るか案を出しているのだ。
 たまに人間を殺すこともある鍵だが、基本的には制作した吸血鬼だのドラゴンだののファンタジーじみたチート予備軍の化物を相手に、血肉沸き踊らせ頭脳を働かせながら殺害しにかかるほうが多い。そっちのほうがやり甲斐があるからだ。自分にとって殺すハードルの高い生き物を自分で考えて自分で生み出すのだから当然の話だが。

 今日くらいはずっとこんな落ち着きのある時間が続けば良い。そんな風に感じ入って、お茶をもう一口啜ったところで。
 ……今の考えがフラグになってしまったのだろうか。川を流れて滝のある水溜りに合流してくる『赤くて』『鉄臭い』『液体』に、鍵はふぅと控え目な溜息をこぼした。血だ。万にも及ぶ数を殺戮せしめた『名殺人鬼』がそれを見間違うはずも嗅ぎ間違うはずも無し。上流から辿り着いたということは、つまりこれより先にある川で何者かによる切傷沙汰、あるいは殺害事件が繰り広げられていて。その犯人は運が悪ければ下流の此処にくるかもしれない。ということだ。

「私が、殺すことが難しい兵士である時には、大きい残忍な殺人者樽は、私のためにである親愛なる犠牲者であるかもしれない……。それは何とかして、完全に私であり はずれる 、引き起こされた合図は感じられない。もし浴室でしばらく前右のgirlhoodsおよび等しいレベルまたはそれが、脅威の以下の程度であったならば、私の感覚はそう効果的である。
 (殺し難い強者であるならば、名殺人鬼たる私にとっての愛しい被害者となりえるのですが。……なんとなくですが、どうにもこうにもそそられる気配を感じません。さっき風呂場で合った少女らと同等程度かそれ以下の脅威度だと、私の勘がそう告げています)」

 またもややる気無さげに呟き、怠そうな動きで弁当箱とノートを片付けてゆく。此処にいたら鬱陶しいのに出くわしそうだし、そうなってしまった時にすぐとんずらこけるよう荷物はまとめておこう。
 ――ああでも。まだお弁当の付属のデザートを食べ終えていないし、それを食べるためにいちいち移動するのもそれはそれで面倒臭い。向かって来たなら、興味をそそられない相手といえど適当に殺しておくべきか?

>ALL様

5ヶ月前 No.34

緑酢 @karasu1010☆TyGLtXpsS1g ★0gkYBdXyN1_inN

【色麻馴鹿&浦咬沙耶/ユートピア・宇宙エレベーター建設予定地→テレポートマシン→ディストピア・廃ビル群b】
【斑鳩&???/ユートピア・宇宙エレベーター建設予定地】

「……それでどうなんだ? 俺と同盟組むって話? なあ、悪くねえだろ? って此処、何だよ……。随分と変な位置に更地があるもんなんだな。もうユートピアは発展しきってたと思ってたのに。何? 何かいい儲け話とかでもあるの? 金って言う概念も無いのにー?」
「汝、もう少し、世界に選ばれた天使として、自覚を持つべきかと。我々は、あの方の為に、この世界を、人間を一匹たりとも、生き残らせてはいけない様に、清掃しなければ、いけないのだから」

そう言いながら、これ以上発展と進化を望んでいない様に思われているユートピアでは珍しいであろう、何も無いアルカディアの様な空き地に王位争奪戦について多数の部下を引き連れて話し合っているのは、ラグナログの隊長である色麻と浦咬であった。

「どうせお前は王の座なんて興味無くて、この世界さえ綺麗にすれば良いんだろ。だったら、俺と同盟組んで悪い事ねえじゃねえか。俺が王の座を獲った暁には、ちゃんとその世界を綺麗にする? 何かよく分かんねー願いを絶対、望み通り叶えてやるから。な? まあ、同盟って言うより取引みたいなもんだけど、悪くねえだろー? ほら、隊長の仲じゃねーか。……あー、言っとくけど俺はお前以外の隊長を全員殺すつもりだから、断るならそれなりに覚悟しててくれよ? 俺だって……本当は殺したくねーんだから」

そしてこの口の悪いジャージの男性が八番隊隊長、色麻馴鹿。かつては信念と言った筋を通す人物だったが、それが原因で死にかける程の経験を体感した為、誰かを踏み台にしてでも現実世界の自分が手に入れられなかった権力を掴むべく、ラグナログに入って王になる機会を待っていた。そして思想重視のラグナログの幹部の仲、己の腕っ節の強さだけで昇格。さらに遂にユグドラシル王の候補まで入ると言う間違った方向ながら、新しく信念を掴みかけそうとしていた。
ただし同時に彼はラグナログを気に入っており、王にならなくとも幸せであったがそれを振り切る為に王の座を狙う。ちなみに隊長を全員殺すのも、その不安定な気持ちを確たるものにする為。それにより、実は浦咬も利用するだけ利用して殺す予定である。

「そう、ですか。では、貴方も、あの人に、挨拶する、必要があります。まあ、そもそも、貴方に、あの人を、仕える価値が、あるかは、分かりませんが」

さらにこの途切れ途切れで話す女性が九番隊隊長、浦咬沙耶。スノーノイズで生まれた閻魔の獄卒。ノイズホルダーを世界を清掃する天使として、一人残らず世界滅亡に生き残った人間を消す思想を掲げている。ただしノイズホルダーもその役目が終われば死ぬべきだと考えており、かなりの危険思想だと言う事が分かる。

そしてあの人と言う謎の人物を狂信しており、この危険思想も全て謎の人物の為に行動を起こしている。

「おー……どうしたんだ、浦咬。お前が別エリアに来るなんて珍しいじゃないか。何だ、宇宙エレベーターの開発に協力する気になったか? んで、そいつは誰だ? 彼氏か?」
「いえ、同僚、です。そして、私は、あの方の思想のままに、動くのみ。さらに、宇宙エレベーターは、まだ優先的に行う必要性、皆無はです」
「おいおい、いきなり再会して何だ? あの方だって全てのフィクションをノンフィクションにするって唱えてんだ。俺達はその言葉を信じて信者になったんだろうが。まあ、それに対して起こす行動は真逆なんだけどな……」

そう宇宙エレベーターについて一蹴されていたのは、かつて王が住まう協議会の屋上に無理やり宇宙エレベーターを建てようとした宇宙開発計画代表、斑鳩。そして彼は王との交渉によって移転する事を条件に宇宙エレベーターの建設が許可されたので大分浮かれており、早速、物資等を屋上から移動させて着手している。

そして浦咬とは信者仲間であり、彼もまた謎の人物の教えにより宇宙エレベーターを建てようとしていた。ただし同じ人物を信じているにも拘らず、世界滅亡と言う真逆の事を考える彼女とはかなり反りが合っていない。

「それでわざわざ俺の事を尋ねたのに、理由があるんだろ?」
「ええ、一つは、このユートピアを破壊して清掃する事を、伝えに、来ました。ですので、貴方のユートピアを、発展させて、あの方に、理想郷を、貢献する事は、不可能となります。一応、貴方は、あの方の為に、行動していましたから、せめての情けとして、その事を、教えて、あげました」

「ふん……言いたい事はそれだけか? この世界をあの方だけの理想郷にしてみたいって言うお前の思想も分かるが、だがその前にやる事があるんじゃねえか。例えば……その理想郷を快適にする様に発展させる事。特に宇宙エレベーターをな!」

「私は、ただ、醜悪な、匂いのする、人間の、香りを、排除したい、ただそれだけです。それこそ、あの方の、為に」

「えー……う、浦咬。な、何の話してんだよ。何でも良いから、早く世界をぶっ壊そうぜ。まずはやっぱり一番目立つユートピアかー? くー! 今から此処を焼け野原にするのが楽しみだな……!」

しかし色麻が存在感を出そうと無理やり世界滅亡に関する発言を行うが、その直後に斑鳩がため息混じりにノイズを発動。そして体から気色悪く、六本の腕と二本の足を生える様に出現させて合計腕八本、足四本と言う十二本の殺意を剥き出しにした手足を生やしていく。

「小僧が……お前、早死にするタイプだぞ?」
「へー、それじゃ確かめてみるか。俺、これでも頗る運が良い方なんだけど」

だがそんな二人の一触即発の喧嘩も気にせず、浦咬は淡々と斑鳩に話を続けて行く。

「それで、二つ目は、宇宙開発計画の、裏に潜む、黒幕について、聞きたいのですけど」
「……黒幕? 何だ、初耳だな」

しかし彼女が切り出した話の内容は、宇宙開発計画には代表である斑鳩が裏で操っている存在が居る事についてであった。

「その黒幕は、このあの方だけの世界を、私物化しようと、してます。私としては、絶対に、許せません、勿論、それに、関わった、貴方も」
「……あれだ。終番隊の話だろ。確かに、あいつ等はかなりきな臭いもんな。裏で誰かを操ってるのは確かだな。ただ、あいつ等と俺は何も関係ねぇよ」
「まあ、私も、クローン開発と言う、人間に似た、愚かな、行いをし続ける、シャングリラの科学者ノイズホルダーを、ノイズ漬けにしていたら、たまたま得た情報、ですけど」

宇宙開発計画に裏がある事の情報源は以前、浦咬が捉えたシャングリラの科学者を務めているノイズホルダーを人間と同じ様な行動を見せていると言う理由からノイズを駆使して殺そうとした最期に、命乞いとして話していた事から。

「……それより、どうするんだ? 本気でユートピアを壊すなら、俺が相手になるが?」
「いえ、ユートピアより、滅ぼしたい、場所が、あるので」
「そいつはまさか、ディストピアか?」
「はい、そうなり、ますね。あそこは、人間の匂いや、記録が残っている、忌々しい地ですので、最初に壊します。では、恐らく、次回に、逢う時は殺し合う、と思いますが、宜しく、お願いします」
「それじゃー……俺も再会を楽しみしてまーす」

そう言うと隊長の二人は、数人の部下の監視を残してユートピアに存在するテレポートマシンでディストピアへの移動を開始。

「……」

すると監視役の一人の部下が、斑鳩に深刻な表情で語り始める。

「はっきり言いますが、パートナーは貴方のせいで計画が頓挫された事を非常に怒っております。……何故、ユートピアの王の宇宙エレベーターの交渉に応じたのですか? そもそも宇宙エレベーターは終番隊の……」

しかしそれに斑鳩は思いっきり八つの腕を上手く駆使して監視の身体と頭を同時に掴んで、りんごを粉砕する様にその頭蓋骨を醜く握りつぶしてしまう。

「……ったく、お前も浦咬に情報漏らすなんて下手打ったんだ。これであいこにしようぜ。もう、何を企んでんのかは知らねえし、興味もねえけどな」

>>周辺ALL

5ヶ月前 No.35

緑酢 @karasu1010☆TyGLtXpsS1g ★0gkYBdXyN1_inN

【ヨハン・アガーテ/アルカディア・川1】

「やっぱり全然傷付けてないから、あんまり甘くなってないのかな。うんうん……こんな味じゃあ皆、幸せになんてなれないよ。だから、これからはちゃんと確実にズタズタに出来るだけ傷を負わせて殺してあげないと……! 皆が笑顔で死ぬ為に! きっと皆も分かってくれるはず。この傷の心地よさが……!」

そう言ってヨハンは川付近で周囲も気にせず、甘そうな表情で先程まで人間の形を留めていたノイズホルダーの肉片に染み込んだ血液を浴びる様に飲んでいた。実際はあまり甘くないのだが、ヨハンは折角殺したのに血を飲まないのは礼儀では無いと考えてちゃんと完食しようとその全ての命を平らげていた。だがその結果、その身体の一部から流れる大量の血が川に流れてしまい、赤いペンキでも垂れ流した様に真っ赤に染まっていた。しかもそのおぞましい光景に対してヨハンは意図的では無いにしろ、何故か思わず拍手する程に歓喜してしまっていた。


「わー凄い! これって甘くてスイーツな川が完成したって事かな? そしたらそしたら草も、木も、湖も、滝も、全部を甘くした血だけで出来た世界が出来るかもしれない! これなら、皆幸せに死んでくれる! そう、だからもっともっと誰かの傷付いた命を川とかに流さないと!」

すると彼女は何か良い事でも思い付いた様に、重たいチェーンソーを地面に置いて部下になるべく軽い自傷用のナイフを要求する。

「でもきっと一番甘いのは私の血! きっと彼の苦味が沢山の血じゃ皆、満足してくれないと思うから……。そう、もう二度と可哀想な死に方をさせない様に、絶対に確実に拒否なんてさせない様に……!」

そう言うと狂った様に白目を剥いて笑い出すと、部下が見せる切れ味が鋭いナイフを奪う様に取って怪我だらけの腕に新たな傷を付けようと考えていく。

すると心から幸せそうに噴き出た蜜でも眺める様に、ただただ純粋な血飛沫を望む彼女の前に笑顔で訪ねたのは少女と言う一言には収まりきれないノイズなのかどうかは不明な、謎の女性であった。

「あれ、貴方もこの甘くて美味しい血の匂いに誘われたの? なら、一緒に食べようよ。はい、お近づきの印に!」

そしてヨハン血の色に混ぜ込んだ川の水を両手いっぱいに救い出すと、その女性の方へその水を向け始める。

「あと、あと……特に他にも新鮮な血や涙、肉片もたっぷりあるから、私の分については気にしないで大丈夫!」

>>NNET様、周辺ALL

5ヶ月前 No.36

緑酢 @karasu1010☆TyGLtXpsS1g ★0gkYBdXyN1_inN

【レント・オーガスト/アルカディア・滝付近→アルカディア・滝】
【ベイオウル・ベナンダンテ/ユグドラシル・屋上→アルカディア・滝】

「うへ……ノイズホルダーの匂いがして気色悪いけど……何とか、頑張らないと……」

そう言って舌を出してあからさまに嫌悪巻を示す表情を見せるのは十番隊隊長、レント・オーガスト。彼は基本的にやる気は無いがやる事はやると言ったタイプのノイズホルダー。そして今回も終番隊から指示を受けて、王位争奪戦に参加している。

「しかも、何か川から血とか流れてるし……これって絶対隊長の誰かの仕業でしょ……はあ……何で……」

そうブツブツと文句と愚痴と悪口を存分に吐いていると、滝の方向から小舟で食事を取っているノイズホルダーらしき人物を見かける。ノイズホルダー恐怖症と自ら言うだけあり、ノイズホルダーはトラウマが原因でそのノイズを見てしまうとただただ怯えてしまう。

「……はあ、どうしよっかな。殺すか、殺さないか。でもノイズホルダーと戦うのは骨が折れるし、そもそも負けるかもしれないし……。やっぱ、やめとこ。それに……俺は個人で頼まれた仕事があるし」

そして面倒臭そうに呟きながらある人物に頼まれたと言う仕事を遂行するべく滝を後にしようとするが、その背後に何者かが立っていた。

「あ、貴方は……終番隊隊長!」
「……」




実はレントに仕事を頼んだのは終番隊隊長。そしてその仕事の内容は、ラグナログの裏切り者である隊長の一人を見つけ出す事。その裏切り者は理由は不明ながら、王位争奪戦に紛れて十二人の終番隊全員の襲撃、そして殺害を考えているらしい。残念ながら本来は零番隊の仕事だが、審判と言う目立つ役割を勝手に請け負ってしまった為、ラグナログ結成時から監察として裏の任務を行わせていたレントが裏切り者の粛清を行う事になった。

「……まあ、恨まないで下さいね……」

しかし何故か、レントはその攻撃の矛先を真っ赤な滝に小舟を浮かべていると言う異様な光景の中に居る少女に無言で圧を送る様な攻撃を小舟に直接ジャンプで乗り込んで応答無用で仕掛けようとしていた――。




だがその直後、飛び込んで小舟で戦闘を開始しようとしていたレントは、背後に現れた人物の牙によって頸動脈を噛まれ、倒れてしまう。

「……やはり、血は不味い。あれを良くヨハンは飲めるな」
「お前……」
「……ほら、恨むな。これはルール無用の王位争奪戦。そしてお前に王の資格は無い。此処で死ね」

そしてまるで獣の様な鋭い爪でレントの身体を、いとも簡単にズタズタに引き裂いてしまう。

彼は三番隊隊長、ベイオウル・ベナンダンテ。自らが隊長の中で一番強いと考えながらも、自分には王の器は無いとも感じている。その結果、誰が一番ユグドラシルの王に相応しいかを今も探している。そしてノイズによって身体変化を起こす程の思い込みを所持しており、本当に怪物と思えば牙が生え、爪が伸びる。

「……それであれが除夜詣鍵か。シャングリラの科学者から聞いていたが中々強そうじゃないか。さて、君に一つ依頼があるのだが聞く気はあるか?」

>>除夜詣鍵様、周辺ALL

5ヶ月前 No.37

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★YRuDhSwQ0p_Xdn

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5ヶ月前 No.38

緑酢 @karasu1010☆TyGLtXpsS1g ★0gkYBdXyN1_inN

【ベイオウル・ベナンダンテ&レント・オーガスト/アルカディア・滝】

「まさか、お前が……この、ノイズホルダーを……守るとは」

レントは小舟で既に死にかけてよろめいていると言うのに頸動脈を無残に食い千切られ、はらわたを何度も刺され、ただでさえその身にワームホールと言う穴と言う穴を所有していると言うのに、まるで試練の如く王の資格を求めるベイオウルはノイズを用いて、蜂の巣の様に彼の身体に痛々しい巨大な穴に見立てた貫通傷を開け続けていた。

そして王位争奪戦においていきなり開始直後に致命傷を負った彼は、誰がどう見てもラグナログ最初の脱落者である事は明らかであった。ただそれでも何とか、最小限の意識を保ったまま虫の息に聞こえる呼吸を行って見せる等、しぶとく生き続ける。

「って事は……終番隊隊長が言ってた裏切り者ってのは……」
「……さあな。ただ一つ言えるのは、さっきお前が逢った終番隊隊長はもう存在しない。あれは俺なんだから」
「何を言って……」

しかしその直後、ただでさえアルカディアの川が甘い血で汚されていると言うのに身体中の穴から噴水の如く血を出しながらレントは、小舟から川に転落。そして死体が滝に浮かんだまま、永遠の眠りについてしまう。それも彼の身体に残った多くのワームホールの穴は例え、宿主が死のうとも消える事は無かった。

だがレントの死体の処理を彼が行っているとこちらが依頼を行おうとしている少女、除夜詣は窮屈であった小舟から陸に上がった後に、ベイオウルが話していた交渉についての返答を行っていた。

だがどうやらシャングリラの科学者が噂していた通り、彼女の言語はまるで翻訳機無しでは理解不能であり、もはや除夜詣語として成立する程に難解であった。

「……そうか、全部を解読出来なかったが、とりあえず依頼内容を聞く気はある様だ。そう、俺は当然、君と殺し合う気等さらさら無い。そもそも、俺程度の実力では君を殺せない事くらいは理解は出来ている。俺は自分の身は弁えているつもりだからな」

と言うのも、あらゆる殺人鬼においても単純に彼女しか出せない様な誰にも触れる事の出来ない危険な迫力等から例え、斑鳩だろうがククルカンだろうが、彼女がいかに世界滅亡に貢献したノイズホルダーなのか理解出来るだろうとベイオウルは素直に考えていた。

「……だからわざわざ直接俺が出向いて、依頼しに来たんだ。ラグナログの幹部である隊長から直々に依頼されるなんて、それだけで光栄と思わないと。……そして肝心の依頼内容って言うのは、終番隊隊長オオガミ、そしてユートピア宇宙開発計画代表の斑鳩の二人へのちょっとした脅迫だ。まあ、正確には現在、オオガミが居る協議会の屋上に居る斑鳩の部下等、全員を殺さない程度に病院送りにすれば良い。何せ、俺が終番隊隊長を脅迫しようと指示したって言うのは秘密にしたいからな。ただ、斑鳩はまだその屋上にいないらしいから来たら、自由なタイミングで暴れて構わない。……だが問題なのは、ユートピアに侵入したラグナログの隊長だ。俺より弱いがかなりの曲者揃いだ。今の地点でユートピアの協議会付近に居るのは、美歎って言う囚人服を着た男性と椣ノ木って言う鎧を着込んだ男性の二人。後は……ククルカンって言う顔に蛇の刺青が入った脱走クローンがウロチョロしてるらしい。まあ、彼は無視して大丈夫だ。勿論、全員そいつ等を殺すのがベストだが、彼女には見て欲しいからな。新たなるユグドラシルの姿を。だから、殺すのは後で良い。そして……報酬はユグドラシルの王の座だ。悪くないだろ? そう、個人的に俺は圧倒的な強さを誇る君を、新たなるユグドラシル王として導きたいんだ。是非とも、王として君臨して欲しいんだがな……」

そう言ってベイオウルは彼女の言われた通り、殺しでは無い依頼について詳しい情報を説明する。

>>除夜詣鍵様、周辺ALL

【殺気の描写についてですが特に世界を滅亡させたノイズホルダーなら、特に世界観的には問題はないと判断致しました。またいつでもお聞きしたい事等、ありましたら宜しくお願いします! また終番隊隊長のプロフィールは後日提出させてただきます。またベイオウルは最終的に裏切る予定です。ですのでこの依頼に応じたとしても、ユグドラシルの王になり得ない可能性があります。ご了承ください】

4ヶ月前 No.39

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★YRuDhSwQ0p_Xdn

【 除夜詣鍵 / アルカディア・滝 】

 さて。肝心の依頼内容を狐面モドキ男から聞いた鍵の心情はというと、こいつ人の話聞いてねぇな、であった。先程自分は名殺人鬼であって殺し屋ではないといったばかりなのに、どうして名殺人鬼の肩書を至上としている自分に王の肩書きをもたらして喜ばれると思ったのか。そんなことを考えている。わざとでないとはいえ、そもそも他人がまともに理解できないような喋り方をしておいて随分な考え方だ。やはり人間は自分のことだけ棚に上げて他人を糾弾するのが得意な生き物である。

「拒絶。拒絶。それは拒絶である。私は言った。もし私のタイトルが「大きい残忍な殺人者」であるならば。それは、非常に殺人者になりたくないような王になりたくない。あなたが私を動かしたい時には、どうぞ、きちんと報酬になるものを準備してください。しばらく前あなたが示した足の裏は、私のために価値を全然見つけることができない。
 (却下。却下。却下です。私は言いました。私の肩書は『名殺人鬼』であると。殺し屋になりたくないのと同じく、王にもなりたくありません。私を動かしたければちゃんと報酬になるものを用意して下さい。貴方が今しがた提示したソレは、私にとって何の価値も見いだせないものです)」

 瘴気じみた威圧感をふと霧散させたかと思うと、代わりに表情に浮かべたのは呆れの感情一色。
 それと同時に指先でくるくる回していたナイフを狐面モドキ男の乗っている小舟に投擲し、放たれた凶刃は舟底を貫通すると、みるみる間に水流が小舟の中を満たして行った。すなわち小舟は沈没したのである。
 けれど狐面モドキ男は身軽に小舟から飛びあがり、鍵と同じく陸上に着地を決めていた。殺すつもりなら最初から身体のほうを狙っているので、鍵としても今の行動で彼に明確な害を為すつもりだった訳ではない。ただ今の報酬内容が不服であるこ分かりやすく行動で示したまでだ。
 これで新たな報酬を提示してくるようなら見込みがあるし、激昂して襲い掛かってくるような狭量であらば依頼など受ける意味が無い。そんな奴の考える作戦は失敗するに決まっていて、失敗する作戦を手伝ったとて報酬は頂戴できないから。

「もし代わりの報酬があるならば、どうぞ持ってください。もし私が、, 私がこの話を止める で持っていないならば that 。はい、もし私が、現在中のものに利己的に怒り、著しいならば自由になりなさい。おお戦いたいように、私は持っていなく that 特別 けれども、私はまた疲れている of 逃走する 。現在、 魅力的ではないあなたのような表情ものが、私が犠牲者をすることができる感覚である および。
 (代わりの報酬があるならどうぞ。無いならこの話は終わりにしましょう。ああ、今ので勝手に怒って襲い掛かってくるならどうぞご自由に。戦いたいことはまあ別にありませんけど、逃げるのにも飽きました。今は貴方みたいな魅力的でない御方でも、被害者にしてあげて良い気分ですし)」

 御伽趣味なコートの下から新たなナイフ――残酷だとか凄惨だとかの概念を刃物として形にしたらこうなる、と断言できるような飛び抜けて物騒なデザインである――を取り出し、八本あるそれらで暇潰しにジャグリングを開始しながら口笛を吹いて相手の返答を待つ。
 血に染まり、小舟まで沈んで来た嫌に賑やかな水場の中では、鍵の奇妙なオーラが途切れたことでやっと意識を取り戻した魚たちがバシャバシャと慌ただしく泳いで滝の近くから離れている真っ最中だ。魚の注目を浴びる趣味は無いので鍵はそちらには目もくれない。魚たちだって稀代の連続殺人犯と見つめ合いたい趣味はないだろうからフィフティ・フィフティだ。

>ベイオウル・ベナンダンテ様&ALL様

【確定ロルの許可ありがとうございます! 鍵はそもそも玉座につきたい願望が無いので、新しい報酬の内容が美味しいものでない限りは取引に乗らないルートで確定すると思われます】

4ヶ月前 No.40

緑酢 @karasu1010☆TyGLtXpsS1g ★0gkYBdXyN1_I0j

【ベイオウル・ベナンダンテ/アルカディア・滝】

随分と長ったらしく、ベイオウルは終番隊隊長と斑鳩への脅迫の依頼を真剣に話す。それだけ彼は、ユートピアでの騒動を望んでいた。それにスノーノイズにおいて五人しか選ばれない王の座をわざわざ明け渡すと言う、誰もが二つ返事で受け入れる様なかなりの好条件を彼は提示したつもりで、既に次の行動を考えていた。

彼にとって終番隊隊長を抑え込む事さえ、通過点に過ぎないのだ。

「……しかし普通は殺す理由とかを気にするのが、人間と言う生命体だと思うが……君は気にしないのか? 何故、斑鳩を殺そうとするのか」

必ず核になる部分の為、聞いて来ると思っていたが故に色々対策を考えていたのだが全然聞いて来ない為、思わずこちらから話したベイオウル。彼はどうやら、自分が予測した計画通りに動かないとどうしたらいいか分からないと言う、臨機応変が出来ないタイプであった。


その為、依頼の却下を意味していた彼女の拒絶の言葉に心底、彼は予想が出来ず、仮面の下でも動揺しているのが分かった。しかも追い討ちをかける様に、彼女は一石を投じるかのようにナイフを投げると小舟に見事刺さり、沈没させてしまう。だが其処は一応でもユグドラシル王候補。彼は何とかこの状況から脱する為、船が沈む前に陸へ飛び込み、難を逃れるに成功した。

「……」

しかしもはや戦闘の火蓋が落とされた様な気はするが、彼は興奮せず、一旦冷静になっていた。と言うのも終番隊隊長を脅すと言う計画の通りに進まないと困る為、王の座でも動かない彼女をどうにかして動かす必要がある。
さらに除夜詣からは相変わらず理解不能な言語を返答として返されるが、とりあえず代わりの報酬を求めていると言う事は少しだけ理解した。

「……報酬。……もう一度だけ言うがユグドラシルの王になれば、ユグドラシル全体の土地を支配出来るも同然だ。ユグドラシルのノイズホルダーをいくら殺しても許される。それを……拒否するのか?」

はっきり言えばほとんど嘘である。だが此処はハッタリでも、あの殺人鬼に王の座を魅力的だと思わせる事が大事だと彼は考えていた。

「……いや、申し訳ない。もう王座は興味無いんだったな。では、次の報酬は……宇宙エレベーターの利益が独占出来る宇宙開発計画の代表の座だ。あの宇宙エレベーターが完成すれば、多くの観客が来る事間違いなし。そしたら、その利益は全部君のだ。これは絶対に、悪くないはずだが……。も、もしてもそれも嫌ならば、君の方から報酬を提示してくれても良い。俺はいずれユグドラシルの王になる男。それに、俺のノイズならばほとんどの願いは叶えられるかもしれない……!」

此処でちゃんと王座について引く事で、向こうに何とか興味を持たせようとベイオウルは何とか謙りながらハッタリも交えて必死に試行錯誤する。

>>除夜詣鍵様、周辺ALL

4ヶ月前 No.41

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★YRuDhSwQ0p_3wf

【 除夜詣鍵 / アルカディア・滝 】

 思考の不一致。そして嗜好の不一致。鍵と狐面もどき男ことベイオウルの話の合わなさは正しくそれであった。
 ベイオウルは鍵のことを心のどこかで普通の枠に押し込めて考えようとするから彼女を理解できず、鍵はベイオウルに対し普通でない自分の主張を当たり前に理解されることを前提に会話しているから噛み合わない。
 どちらかがどちらかに寄せる気のない会話。そりゃあスムーズに成立しないに決まっている。そもそも違う方向にちょっと性格とか精神とかがアレな奴がするやり取りが普通に進む訳がないのである。この場合の『普通』は、すなわち破綻することだ。

「理由は、人が人を殺すので必要ではない。理由は、また、殺さないのに必要ではない。すべて 何 そのよう もない の後に、人はすべてをすることができるはずである。それをどのような指導にもするクリアな理由を望んでいるなど弱いメンタルである指導。そして、大きい残忍な殺人者樽キーは弱さではない。私は犯罪者である。
 (人が人を殺すのに理由はいりません。殺さないのにも理由はいりません。そもそもそんなものが無くても、人間は何だってできるはずなのです。どんな所業であれ、それをするために明確な理由を欲するなど精神的弱者の行い。そして名殺人鬼たる鍵は弱者ではありません。加害者です)」

 相手の質問に淡々と答え、ついでにジャグリングに使うナイフの本数を二本増やす。これで合計十本だ。ジャグリングの世界記録はボールの場合で十三個。このまま彼女が暇を感じる時間が長引けば、それに迫る個数までナイフが増えるだろう。

「それが許されない時には、人を殺すことができないすべての男の後で残忍な殺人者であるわけではない。何度も私が言うように私が大きい残忍な殺人者であるずっと多く。去るか?資格?それは排泄物shoku RAEであるね?出発なしで彼が殺すので、大きい残忍な殺人者が資格をし、殺すので 大きい残忍な殺人者 。どうか、最初に、それを計画してください。
 (許されないと人が殺せないような奴は、そもそも殺人鬼になりません。まして私は何度も言うように名殺人鬼なんです。許し? 資格? クソ喰らえですね。許しなくして殺すからこそ名殺人鬼、資格なくして殺すからこそ名殺人鬼。それをまず念頭に置いて頂きたい)」

 相手の理解力が無いので何度も同じことを教えてあげています、みたいな顔で台詞を繰り返す鍵だが、だからそもそも繰り返しているその台詞が意味不明なんだよとは誰も突っ込んでくれない。突っ込んでくれたところでわざと使っている口調じゃないのでどうしようもない。
 それにしても。次こそ報酬に足る条件を提示してくれるとちょっぴり期待したのに、相手の口から出る言葉がこれじゃあ期待するだけ無駄かもしれない。内心テンションを下げる鍵。彼女の予感は的中する。狐面もどき男が第二に提示したのは宇宙開発計画の代表の座とやら。完全に王より格落ちしている上、そもそもさっきからアピールし続けている「自分の肩書は名殺人鬼一つで充分なので肩書き系は報酬NG」の意志が全くもって反映されていない。だからいらないのだそういうのは。魚いらないから肉寄越せと言っているのに「じゃあサンマとかどうです?」とお勧めしてくる話の通じない店員を引いてしまった客の気分だ。

「あなたはすでに全然無駄ではない! 私の世界は見られない!
 (もう、貴方ちっとも駄目です! 私の世界が見えてない!)」

 あまりにもな『理解されてなさ』についに呆れ果てた鍵は、ジャグリングしていた十本のナイフを自分と狐面もどき男との間の地面にズドドドドドドッとマシンガンじみた轟音と共に投擲。乱れなく横一直線に突き刺さったナイフたちは、まるでこの線を越えて来たらお前を殺すと物々しく主張しているようであった。

「たとえ私が話していても、それは無駄で、私はすぐ戻る。もしあなたが、まだ、私と議論するための何かを持っていると言うならば、どうぞ、ナイフを越えて来てください。もし私が殺されうるならば、私は今後物語をあなたに尋ねる。もしあなたが失敗するならば、あなたは死体である。そして。
 (話していても無駄です、もう帰ります。貴方がまだ私に話があるというのなら、どうぞそのナイフを超えて来て下さい。私を殺せたら来世でお話を聞いて差し上げます。失敗したら貴方は死体です。それでは)」

 軽くぷんすかと腹を立てつつ、お弁当箱と水筒を片手に滝から背を向け帰路へとつく鍵。女子風呂といいこの滝といい、今日は絡んでくる奴が全員こっちの事情を理解してくれない厄日だ。そんなことを考えている当の本人が他人の事情などお構いなしに凶事を繰り返した名殺人鬼である。因果因果。

>ベイオウル・ベナンダンテ様&ALL様

4ヶ月前 No.42

メディスン @suta ★dU12w0HJuv_sNF

【よく考えたらアベル今の状況何も知らないんだよなぁ。見てない聞いてないの状況故】

【中央都市(首都)/中央塔(屋上)/アベル・メルクーリ】

彼と去り際に聞こえた他のホルダーの言葉を思い返す。

『どうやら代表である斑鳩さんとユートピアの王が交渉して、宇宙エレベーターを五区に移設する事で手打ちにしたんだ。何だよ、斑鳩さんが宇宙エレベーターの撤去の交渉に使って、ユートピアの王に成り上がるんじゃなかったのか……。そうだと思って俺はわざわざ使えるノイズホルダーの噂とか必死に聞き回ってたのに……。それも斑鳩がユートピア王にならないなら、俺の地位も資源も全然上がらねえし、増えねえ訳かよ……』

そう、男は言った。その意味は少し考えれば理解できるだろう。斑鳩を王にしようとしている。彼は科学者であり、自分の記憶が確かなら野心を持つようにも見えないほとんどかかわりがない為実際はわからなかった。
彼自身がなろうとしているのか。?それとも彼が知らずに誰かにそう仕込まれているのか?ノイズホルダーの噂という言葉も気になるところがある。
少なくとも町全体に『噂』は広がっている可能性は高いだろう。現在の王『アグラーヤ』彼女は知っているのか?
斑鳩を王に迎えようと誰かが動いているなら今の王は当然『邪魔』にしかならない。あらゆる手で彼女を蹴り落とす算段をしているに違いない。先程のいきなり現れた男はただの使いっ走りである。何も知らない可能性もあるし、知っていて教えろと言って言うとも限らない。斑鳩派でない自分が騒ぎを起こせば立場も危うい。
よって経た動きもできず、確証もない憶測という推測を立てるしかできず、今はアグラーヤ本人を探すことにしていた。
この話がデマなら笑い話のネタにでもなるだろう。真実なら彼女もかなり怪しい立ち位置に迫られている。

結論から言うと王がどちらになろうと興味がない、この地をうまく気づき上げる輩なら問題はない。だが、反乱のようなやり方をする輩など暴君に落ちるのは目に見えている。実際人間がそうだったように。

「やれやれ、人が滅んでも、争いは常に隣り合わせ、人間ではなくても知性がある輩はどうも、自分を上に持ちたがる」

見下ろす地上、民泊のような小さい物から高級ホテルのような大きいものまで多種多様なホテル街。そして目立つのは協会状に出来たハイライトのゴシック、礼拝堂のように祭られるロマネスク、イタリアからのルネサンス、ドーム。このように彫像を豊富に用いるバロック式、植物のような優美な曲線のアールネーボー式
アールヌーボー様式以外は教会だが、その芸術はまさに完璧と呼べるだろう。かつて12世紀から13世紀に生まれたものがまさか一つの場所にあるとは夢にも思えず初めて見た時は感動さえ覚えた。建築に詳しくない自分でも凄さが分かる。少なくとも彼女の建築の上を超えるものはなかなかいないだろう。
そういう面を含めたらアベルは今の王の方を気に入っている。偵察部隊だが王を危険にさらされるなら彼は手を下すだろう。

ギリっと目を大きく開きユートピア全体を見つめるようにその赤い眼を照らす。
この塔にいつもはいるがそもそも自由気ままな一面もあり出かけているときもあり、部屋を確認などできるはずもない為監視カメラのない、この場で王を探しながら怪しい輩がいないかを探すことにした。無論すべてが見渡せるわけでもない、当然対角のところもだが、ここからでは第二区の根菜類施設と場所が根本的に違いそもそも、ここからの道がない。五区のエレベーターに関して、そもそも門があるためその先のモノも見ることはできない。

4ヶ月前 No.43

緑酢 @karasu1010☆TyGLtXpsS1g ★0gkYBdXyN1_I0j

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4ヶ月前 No.44

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★YRuDhSwQ0p_3wf

【 除夜詣鍵 / アルカディア・滝 】

 ……ふむ。話が最後まで通じないのは結局変わりやしなかったが。それはさて置き、自分の信念を貫こうとする姿には好感が持てる。そうそう。人間そういうので良いのだ。気取ったって格好付けたって、芯の芯まで飾れる訳でもなし。ならば最初から己を全て曝け出すのが潔さ。除夜詣鍵は今この瞬間、初めて狐面のような何かを被った眼前の男に多少の好意を抱いた。――だから殺す。コレは加害者(わたし)の被害者(えもの)になる価値のある男だ。
 ククルカンやインク髪娘を相手した時のようにスマートフォンに視線を向けず、しっかり相手の目を見てにこりと微笑。こちらのことを四割は理解してくれたようで何より。どこまでいっても『名殺人鬼』でしかない自分を王の器と捉えている辺り完璧には理解されていないが、それでも先程までの認識よりずっと上等だ。ゆえに浮かべる表情は満足げ。立ち去ろうとしていた身体をくるりと反転させて、稀代の殺人犯は足元に刺さったナイフを一本蹴り上げた。それを左手でキャッチし、斜め寄りの正対に軽く構える。足は肩幅より少し広く。両の踵は僅かに浮かせ、両の手をやや前に出した。
 歴戦の軍人を想起させる堂に入ったナイフの構え。真半身に構えても良いが、今はこの男の正面から戦い合って良い気分だ。ゆえにこの構えをとった。ナイフはあくまでそっと握り、刃の可動域を広める。けれど握力を弱めすぎてすっぽ抜けたりはしないように絶妙の力加減。名殺人鬼vs狂戦士。ナイフvsナイフ。中々の対戦カードではないか。さあさ果し合いと洒落込もう。楽しもう。たとえどちらかが死んだって。命がかかっているからこそ人生は素晴らしい。

「善。私はあなたを殺す。どうぞ、私を殺すために来てください。それは持ち上げられて お互いに お互いに 、私は頭をよい犯罪者およびよい犠牲者と認める。
 (良い。私は貴方を殺します。貴方は私を殺しに来て下さい。良き加害者と良き被害者として、互いに高め合い絶頂を迎えましょう)」

 睦言のように囁いて。怪なる変貌を遂げた男とメルヘンな衣装の少女とは向かい合い、次の瞬間には刃を交えた。キン、という金属音は彼と彼女の動きより後から鳴り響く。薩摩藩の古式剣術たる示現流兵法剣術には、打ち込みの速さを現す言葉が六つある。即ち「秒」「絲」「忽」「毫」「厘」「雲耀」。それに当てはめるならば、二人の初太刀は秒であり、次ぐ太刀は絲であり、三度目の剣戟は忽であり、重ねたナイフの鍔迫り合いは毫であった。打ち込めば打ち込むほど、躱されれば躱されるほどに再現なく上がってゆくスピード。あと二撃でこのやり取りは空を駆ける雷の速さに匹敵し、場合によってはそれすら上回るであろう。
 殺人鬼がナイフを振るう。狂戦士がナイフを受け止める。狂戦士がナイフを振るう。殺人鬼がナイフを受け止める。その繰り返し。刹那の間にて繰り広げられる接戦。凄まじいのは技無く肉体のスペックのみで彼女に並ぶ彼のほうか、はたまた能力を発動せぬまま技術と経験値のみで異形の彼に張り合う彼女のほうか。
 ジャスト一分間。それ以上に感じる濃密な命のやり取りを同時に後方へと飛ぶことで一旦切り上げ、狂戦士と殺人鬼は間に3メートルの距離を置いて互いに見つめ合う。どちらも息は上がっていない。鍵は微笑みを更に深くした。そして口を開く。

「能力はSHI-lessnessであり、パートナーがすることは無作法であったね?
 (能力は無しでお相手しよう、というのは失礼でしたね)」

 相手を認めるような発言と共に、彼女のノイズたる≪名殺人鬼――グリムリーパー≫が即座に発動された。平均的な強さの魔物であればノイズ無しの殺戮技巧のみで絶命せしめることもある彼女が、名殺人鬼を自負する除夜詣鍵がノイズを使った。その行為は目の前の男に素面の身体能力だけで勝つのは厳しいと判断した結果であり、この時点で殺人鬼から狂戦士への評価は五分前と比べれば天と地ほどの差があった。

「私は、あなたに私 for whom 普通の大きい残忍な殺人者樽の大きい残忍な殺人者 を見せる−−完全に次に、私ではなく、ノイズホルダーが十分である。
 (次はちゃんと、ただの名殺人鬼たる私ではなく――ノイズホルダーの名殺人鬼たる私をお見せ致しましょう)」

 彼女の唇から漏れ出た言の葉が空気を揺らした瞬間。
 殺人鬼の肉体は瞬き一つ以下の時間で現在の立ち位置から掻き消え、ゼロコンマ一秒未満の時の流れを経て、狂戦士の懐へと潜り込んでいた。
 そして神速のナイフを心臓目掛けて閃かせる。死神の刃との邂逅。今まで幾万もの命を屠って来た死神の大鎌は、この少女の手に握られる刃でなく、それを振るう少女の腕自身か。

>ベイオウル・ベナンダンテ様&ALL様

【NPCは勝手に動かしてOKとのことで、いきなり高速ナイフ戦闘を初めてしまいました。大丈夫でしょうか?】

4ヶ月前 No.45

緑酢 @karasu1010☆TyGLtXpsS1g ★0gkYBdXyN1_I0j

【ベイオウル・ベナンダンテ/アルカディア・滝】

ベイオウルは、目の前に立つ除夜詣鍵と言う名殺人鬼に心を奪われる程に魅せられていた。地位や金、権力と言った私欲に塗れた小さな器では手に入れられず、どう足掻いても叶わない様な、凡人ではない天才と言う言葉さえも似合わない、唯一無二でしかその覇道を突き進む人生を表せられない存在。まさにたった一人の王の資格に相応しい者。

だがそのとんでもない威光を放つ魅力に頭を下げる程、同じ時代に生まれてしまった彼女を数少ない宿敵、天敵、強敵と見なして殺さなければならない。世界における王位の座は一人分、唯一無二でなければいけないのだから。

「……きっと貴方は、素晴らしい王になれると思う。どんなにお仕え出来たら嬉しいか。どんなに貴方が王座に座る雄姿を見れたら素敵か。もしかすると、貴方の言っている言葉が全て理解出来る程に親密になれたかもしれない。ただ、もっと早く出会えていればと思う反面、こうして殺し合う出会いも悪くないとも考える。ましてや、相手が名殺人鬼だと言うのなら、貴方と直接戦える事を心から光栄に思う」

地位や金、権力と言った私欲と言った汚れの無い本当の王位争奪戦を開始するべく彼は、握られたナイフを誰でも無い除夜詣鍵に向ける。

犯罪者、犠牲者、加害者、被害者、狂戦士、殺人鬼。もはや相手の言っている言語がどんなに分からなくとも、この殺し合いの場では互いの行おうとする事は既に理解していたと考えても良い。

そして心における芯とも言える信念を込めたナイフを、次の瞬間に交えていた。
もうこの戦いについて行けるのは互いの信念のみ。その速度は一段階ごとに上昇。ひたすらにアルカディアの土地に謳い響くのは、その想いが残った火花が混じる金属音。

その一分後、命を削るかの様に、怪物そのものであるベイオウルと鬼の様な雰囲気が出ている除夜詣は距離感を保ちながら笑って見せる。
そしてその彼女の中に秘められた鬼が今、まさに現実のものとなり、彼の前にノイズとして現れる。

それを見たベイオウルは自分の眼に狂いは無かったと確信。それはどれだけ自身の勘違いが致命的なものであり、斑鳩やククルカンを巻き込みながら人生を懸けた計画が頓挫した結果としてのこの出会いに、いか様にして普通と言う仮面を外した世界が、彼女からしか見えない世界である事を彼なりに感じ取っていた。

「……」

そしてノイズを発動する彼女の言葉を返す間も無く、一瞬さえも襲い程の速度で自らの心臓を反射で映すナイフは自らの懐を切り裂こうとしていた。

それにベイオウルは真っ先に本能的な反射と言うべきか、身体を大袈裟に動かした。これは心臓への致命傷を避ける為なのだが当然、彼女の速度に間に合わず、ナイフは胸の部分を深く抉る。

しかし同時に彼はそのナイフが刺さった犠牲を彼女の腕ごと己の手で掴んでいくと、もう一方の手に持つナイフで彼女の首筋にある頸動脈を身体の継ぎ目にして力任せに開こうとしていた。

>>除夜詣鍵様、周辺ALL

【ナイフ戦闘の件ですが、特に問題ございません。また何か質問等、ありましたら宜しくお願い致します!】

4ヶ月前 No.46

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★YRuDhSwQ0p_3wf

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4ヶ月前 No.47

緑酢 @karasu1010☆TyGLtXpsS1g ★0gkYBdXyN1_I0j

【ベイオウル・ベナンダンテ/アルカディア・滝】

確実にこの勝負の幕を閉じるべく、ベイオウルはあえて自らの身体を犠牲にする事でナイフで刺しっぱなしにおける除夜詣の身動きを封じ込めようとした。例え彼女がナイフを離したとしても、もはやベイオウルの捨て身の攻撃から彼女の首筋を守ってくれる武器は、見た限り遠くに見えるナイフ以外は存在しない様に見えた。

しかし其処は流石、格の違いを見せつける彼女。衣服であるコートを上手く利用した事であの時、握ってみせたはずの手は残念ながら離れてしまっていた。さらにはそのコートを目隠しとして活用。見事、視界を奪われてしまう。だがノイズの影響で聴覚が発達していた為に、アルカディアの滝の音に混じりながらも彼女の着地音、そして地面からナイフを抜き取った僅かな音、そしてこちらの尻の方向に向けて降り下げられるナイフの風を切る音から、串刺しを連想させる自身の尻に向けてナイフを差しこもうとしている事を捉えきっていた。

その為、直接当たらないまでも威嚇として退けさせようと、手に持っていたナイフを真後ろに居る彼女の足元へ投げ飛ばしていく。さらに続いて首元を狙うべく、振り翳す彼女の両手に自慢の牙で噛み付こうと、コートを取った後に体勢を変えながら大きく口を開けて彼女の腕どころか顔面まで噛みちぎるべく、自ら飛び込んで行こうとしていた。

「……俺は、もっと貴方の格の差から出る恐怖って奴を体感したいんです。その圧倒的に平伏す様な、凄まじい王の力を!」

するとベイオウルは自らが着込んでいる服装まで破り捨てながら叫ぶ様に言葉を発して、胸部から血が垂れ流れているのにも拘らず、さらなる一匹の怪物へと変貌を遂げてしまう。

>>除夜詣鍵様、周辺ALL

【こちらも短文になってしまいました。申し訳ございません。また、特に無理しない範囲で書き込んで下されば嬉しいです。】

4ヶ月前 No.48

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★YRuDhSwQ0p_3wf

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4ヶ月前 No.49
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