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東京23区陣取り合戦

 ( オリジナルなりきり )
- アクセス(1628) - ●メイン記事(47) / サブ記事 (99) - いいね!(20)

異能/領地争い/組織/バトル/日常 @yuuzenn ★YRuDhSwQ0p_rxQ

「ねぇねぇ知ってる? 北区の『出羽(いずるは)映画ホール』の連中、板橋区の『コミック空間』の連中に競り負けて領主ヤられてんだって」
「うっそぉ! じゃあ東京三つ目の合併区の誕生?」
「そう。品川を獲った目黒、中野と港を取った荒川に続いてこれで三つ目。噂じゃ品川と大田もそろそろやりあうかもって話だし、アタシらさっさと引っ越すべきかなぁ?」
「だね、台東区なんだかパッとしないし。領主が負けてあっちの奴隷にされたんじゃたまらないよ」
「幸せな生活のために、より強い領主の治める土地に引っ越して庇護下に入る! これが私たち領民の生きる術ってね」


 ――とある平成の冬の日。
 何の理由も前置きも無く。神様がいきなり東京に手を加えて来た。
 23人の領主が23区を治め、互いに奪い合う陣取り合戦。
 詳しく語ればもっと長くなるが、ともあれそんなものをいきなり押し付けられてから東京では早三年が経過している。

 どこどこの区がどこどこに戦争を仕掛ける。
 どこどこの区がどこどこに合併された。
 どこどこの区がどこどこと同盟を組んだ。

 東京を駆け巡るのはそんな噂ばかり。
 もはや日本という国から隔絶された異郷と化した東京は、自堕落に日々を謳歌しているだけでは生き残れない。

 自分の住む区の領主を他区の連中が殺せば、自分たちの区は他区に吸収された上、自分たち領民は他区の奴隷にされる。
 逆に他区の領主を殺せば、自分たちは仕事をせずとも他区の奴隷にやらせることで王侯貴族のような生活が可能になる。

 全区を統一すれば神が何でも願いを叶えてくれるから、と。
 領主たちの大半だって他区を制圧するのに一生懸命で、力の無い区は次々と淘汰されてゆく。

 ここは魔の東京。げに恐ろしき23区。
 神の横槍が入れられた混沌の地。

 逃げ出すことのできない狂乱の大都会で、貴方はどんな風に暮らしますか――?


【陣取り合戦と異能の要素を含んだ組織モノのバトル&日常スレ(要約)。そんな感じになる予定でございます。詳しくはサブ記事にて。まだ書き込みは禁止です!】

メモ2018/12/02 19:57 : 友禅☆fXqsD0VZIxk @yuuzenn★YRuDhSwQ0p_m5I

≪ルール≫

http://mb2.jp/_subnro/15786.html-1


≪世界観や用語の説明≫

http://mb2.jp/_subnro/15786.html-2


≪スレッド開始時点での東京23区の状況≫

http://mb2.jp/_subnro/15786.html-3


≪募集≫

http://mb2.jp/_subnro/15786.html-4


≪プロフィール≫

http://mb2.jp/_subnro/15786.html-19


〜キャラクター一覧〜


『板橋区』

領主……サムライラ・ニンジャクリーン(http://mb2.jp/_subnro/15786.html-45)


『大田区』

領主……群青空将(http://mb2.jp/_subnro/15786.html-85)


『葛飾区』

領主……泉界湯殿(http://mb2.jp/_subnro/15786.html-10)

副領主……琳圭太(http://mb2.jp/_subnro/15786.html-28)

自警団メンバー……筑紫恋甜果(http://mb2.jp/_subnro/15786.html-62)


『墨田区』

領主……川村桜威(http://mb2.jp/_subnro/15786.html-92)

…続きを読む(27行)

切替: メイン記事(47) サブ記事 (99) ページ: 1


 
 

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★YRuDhSwQ0p_2YW


【 泉界湯殿 / 葛飾区・スーパー銭湯『湯け湯け健康ランド』・入口脇 】

 露天風呂だけで5種類。屋内風呂も合わせれば22種類。
 広大な敷地に多様な温泉設備を揃えたスーパー銭湯『湯け湯け健康ランド』は今日も今日とて絶賛営業中だ。

 24時間営業の店内は早朝に来ても深夜に来ても常に人がおり、アルバイトも含めた従業員らは高い時給や美味しいまかないの存在もあって皆やる気に満ちている。従業員のやる気は客の満足に繋がり、満足した客はまたここに来たいとリピーターになってくれた。
 附属レストランは定番メニュー湯上り御膳の他に季節ごとの特別メニューなども取りそろえ、米も小麦も使用するものは全て国産のブランド品。更にはモーニングにもランチにもディナーにもアレルギー対応のセットを一つは用意。
 1階にも2階にも高性能のマッサージチェアを設置。1階のリラクゼーションサロンはなんと深夜2時まで営業しており、待ち時間さえ我慢して貰えるなら当日予約なしでいきなりのご利用もOK。
 売店に陳列された自社ブランドの調味料や美容品は雑誌で特集が組まれたほどの高品質。しかも年会費500円の会員登録をしているお客様なら常に2割引きで購入が可能。1000円以上のお買いものでスタンプが一つ溜り、スタンプが十個押されたカードを提示すれば一回分の入浴料の代わりとなる。
 有料の仮眠スペースは男女別に別れていて間仕切りもあるので女性客が泊まりでも安心。大事な荷物は脱衣所とは別に設置されているロッカーに預ければ盗まれる心配も無い。着替えならロゴの入った浴衣が仮眠スペースをご利用のお客様なら無料で借りられる。
 レディースデーにメンズデーにシルバーデーにキッズデーにと、その他のお客様をカテゴライズしたサービスも豊富。最近は区民によるサービスデーがたくさん増えた。例えば葛飾区デーでは入場料800円の風呂に400円で入れる。

 まさしく至れり尽くせり。
 そんな風に葛飾区で一番の集客率と満足度を誇るこのスーパー銭湯は、けれどそれだけではない。
 およそ3年前――神が東京23区の在り方に手を加えてからは、領主が定めたアジトという役目も果たすようになった。

「いらっしゃいませ! 本日はよくぞ当店においで下さった! そちらの御客人もいらっしゃいませ! 駐車場なら今はあちらが空いているぞ!」

 ハキハキと。
 快晴の青空によく通る明朗な声で、出入りする客たちに次々と声をかける少女が一人。
 彼女こそが泉界湯殿。意図掴めぬ神の采配に振り回された23人の一人。葛飾区の領主である。
 加えてこのスーパー銭湯の次期経営者という肩書きも持つ。
 ほんの数ヶ月前までは女子高生だった、齢18のうら若き乙女だ。
 仮にも従業員でありながら客相手に敬語でないのは、領民たちに「領主なんだし一応立場としては敬語を外したほうが良いんじゃないですかね?」とアドバイスされたから。
 「それもそうだな!」の一言で素直に助言を受け入れて以来、彼女の接客スタイルは基本こんな感じだ。

「りょうしゅのおねーちゃん、おはよーございます!」
「うむ、おはようトオルくん! 今日も元気だな! 良いとも良いとも、男児たるもの元気が一番だ!」

「今日もここの湯に浸かりに来たよ。岩盤浴は空いとるかね?」
「おお、松山のトメさんではないか! もちろん空いているとも! ちゃんと水分をとって、前のように立ちくらみを起こさないよう気を付けて入ってくれたまえ!」

「湯殿ちゃーん。スタンプ十個あるからタダでいーれてっ。あと行きたかった高校受かったー!」
「それはめでたいなアリスちゃん! しかし今日は千代田区デーだ。千代田区民の君は半額で入れるのだから、そのスタンプは次回に取っておいたほうが賢明ではなかろうか!」

「は、初めて参りました! よろしくお願い致します!」
「そう堅くなるな御客人よ! 此処はあくまで銭湯だ、湯に浸かる時はくつろいでくれなければ勿体無い!」

「ひゃっはー! 葛飾区の領主は俺が獲ってやるぜー!」
「残念ながら我がスーパー銭湯は戦闘禁止だ! またのご来店をお待ちしているぞ御客人、今度はただただ温泉を楽しみに足を運んで欲しい!」

 最後の客だけは履いている下着以外の衣服をタオルに変えることでご退店願った……もとい追い返したが、他は老若男女や敵味方の区別なく大歓迎した。
 宣言通り、追い返したばかりの男だって温泉に浸かりに来てくれるなら今度は快くのれんをくぐらせる。

 板橋区が北区を獲り、東京に三つ目の合併区が誕生してから早一週間。
 どこもかしこも俄かに殺気立っているというのに、葛飾区の領主殿は良くも悪くも平常運転だった。
 なにせお昼前にやっていることが作戦会議ではなく店舗前の掃き掃除だ。

>ALL様

【お待たせいたしました皆々様、いよいよメイン解禁いたします!
時間軸は文中にある通り、板橋区が北区を獲ってから一週間後の冬のある日です。ハロウィンは終わりましたがクリスマスはまだ迎えておりません。クリスマスはイベントで消化する予定なので、皆様はとりあえず今を11月の終わりかけだと思ってお過ごしくださいませ!】

28日前 No.1

雨上がり @koshou0602 ★iPhone=WhimNy2RFf

【琳圭太 / 葛飾区・スーパー銭湯『湯け湯け健康ランド』・入口脇 】

「Hey,ボス!!お疲れさん、そろそろお昼だぜ、飯食おーぜ」

掃き掃除をする湯殿に声をかけたのは、葛飾区副領主の琳圭太。
店内の掃除が一段落ついたところで、お昼休憩をとることにし、ボスを誘うために外にでる。

「うわっ、寒いな!もう冬だな……なんか暖かいもん食べようぜ」

季節は既に11月。薄着で外を歩くには肌寒い季節だ。
俺は、冬より夏の方が好きだなぁ。暑い方が生きてる!!って感じがするし、アメリカにいたころでは冬ってのは地獄のことだった。寒いし、皆活気を失う時期で、誰もが夏を愛していた。
まぁ、日本に戻ってきてからは冬のよさも嗜めるようになったけどな。
日本は四季を楽しむのが得意で、冬の間もたくさんの行事があるし、夜の間も活気に満ちていて明るい。なにより寒いときに入る温泉は格別なのだ!

それにしても、ボスの交友関係には舌を巻く。
会う人会う人が彼女の知り合いであり、初めて葛飾区に来た人でさえ、彼女の人を安心させるような物言いと雰囲気の前ではリラックスしてしまうだろう。
もちろん、副領主であり、よく銭湯にいる自分も、常連さんや領民とはそこそこ仲がいい自信はある。あるのだが、彼女には敵わない。
それこそ、ボスの知り合いは老若男女を問わないのだから。
――さすがボスだ!!

ボスの素晴らしさを再確認する一方で、3つ目の合併区がでたのに変わらず平常運転な彼女に若干の焦りを感じる。

3つ目の合併区、板橋区。
葛飾区に特段近いわけではないが、注意は必要だ。
板橋区の領主は外国住みだったとのことで、少しだけ親近感もあったが、意外と好戦的なのかもしれないな。

我が葛飾区のコンセプトは案外複雑で、来るもの拒まずだけどハリネズミ区、という矛盾したもの。スイスかよ。
合併したいわけではないし、好んで殺し合いたいわけでもないけれど、合併されるのだけは避けなくてはならないから、戦うべきところは戦う。

――まぁ、世界平和なんて到底無理なんだから、葛飾区が平和で、領民が元気で、ボスがボスらしく温泉を楽しんでいるなら、それでいいかな。

An army marches on its stomach、だ。とりあえずまずは腹ごしらえだな。

「ボス、何が食べたい?」


>>ALL様


【メイン解禁おめでとうございます!いろんな区に遊びにいきたいです、いきます】

>>友禅樣


【めっちゃ絡みました、湯殿ちゃんがお弁当組だったらすみません……】

27日前 No.2

水戸 @ttuxx☆3N3yNWRSAAE ★Android=3IiEHvRqQK

【 吉日潜 / 杉並区 とある公園ベンチ付近 】

季節の移り変わりには珍しいポカポカとした、しかしどこかつめたい空気を全身に受けながらベンチに座りぼうっと上を向くごくごく普通の高校生がそこにいた。手にはブラックのホットコーヒー、プラス2度温度アップ!という謳い文句に惹かれて購入したもののコーヒーが飲めない事実にショックを受け、季節には少しはやいカイロと化してしまう。
年頃の高校生であればバイトに恋愛、部活などなんにでも興味を向けられる、希望こそここにありと言った印象や表情を抱くはずだがその少年は暗めのどこかどうでもよさそうな。そんな似つかわしくない表情で、似つかわしくない場所にいた。平日昼間、学ぶべきことは先に学んだし、そこに彼がいる必要は無かったのだ。
別に天才などではなくそれが急に必要になった、それだけであるが。

「は□あ……。」

3年前領主に選ばれたうちの1人、ほのぼのとした雰囲気の杉並区を保とうと励み『戦わない』とまで宣言した人物、吉日潜は公園で何も考えていないように日々を過ごしていた。本当に何も考えていない、のだが。
ただし、警戒心が薄いように見えるがそうではなく。物音がすればすぐに振り返り なんだ猫か…という1人芝居を繰り返している。
ストレスマッハ、人間としては良く出来ている方だとは思っていたが重役を任されるのとは話は別。思っても見なかったようで、このような事をここ1年毎日続けている。選ばれた当時は中学生であったため毎日学校に通い、周りに守られて過ごしていたもののそれは申し訳ないいうより、上を守るために犠牲が必要というのはあまりいい気持ちではなく、「有利な陣形にいれたらいい」と必死に勉強を重ねた。
その結果どうにか高校で習う知識は詰め込むことができこのように平日の公園で好きなように過ごすことが叶えられた。好きに、とは知識の上で成り立つものなのだ。

「………」
「あ、そうだ。」

急に立ち上がってはそこらから木の枝を拾い、床にガリガリと絵を描き始める。画力はお察しではあるもののなんとなく東京の位置を示していることはわかるだろうか。

「えーと……、ここが殺されたんでしたっけ、それで……」
「練馬、渋谷、世田谷…」

杉並区の近くにある区を読み上げていく。そこに中野という言葉はなく、ただそれを無かったものとして扱っていく。それが普通とされたから平凡な少年はそれに従うのだ。哀しそうな顔をして。
それは置いといても真剣そうにとても上手とは言えない絵を見て暗い顔。「ああ、俺ってやっぱり秀でた才能とかないんですよね……」とさらに体を縮めてしまった。
それが彼の日常で、いつものことである。だがしかし!顔が暗いままでも今日は気分がいつもより晴れやかだった。プラス二度!のコーヒーをポッケに入れそこに手を突っ込み暖を取りつつも「視察…」と口を溢す。この区が気に入っている彼にとっては珍しく、他の危なくない区を見に行きその振る舞いを見物しようかと考えているのだ。
…問題は、それをする度胸が足りないということだけで。

「…………はあ。」

>>ALL様


【 メイン解禁おめでとうございます!恐らくこの後も他の区に行くか行かぬか迷っているはずなので暖かい目で見守って頂けると幸いです…! 】

27日前 No.3

hati @sirusiru ★AyV4BftLqD_UHY

『 森峰 七瀬 / 杉並区・とある公園ベンチ付近 』

 渋谷・原宿が日本のファッションの最先端を行っているというのは、あながち間違いではないと七瀬は考えている。若者向けのファッションの流行は大抵どちらかから発信されていくし、常に最新の服やメイクや情報が行きかっている。しかしその中でも手に入らないものがある。それは古着だ。古着だけは、あまり自身の区域である渋谷区で、お目当ての物が見つからない。そのため暇があれば七瀬は少し下って高円寺や吉祥寺(区内ではないが)に古着を探しに行くのであった。勿論他区は危険があるだろうが、そんなものは服に比べれば二の次である。いや、場合によるか。
 そんな中で今日も暇があったため、七瀬は古着を探せと杉並区へ赴いていた。彼の手には既に購入を終えた衣類が何点か入った袋が下げられており、ほくほくと満足げな表情で道を歩く。

「……喉が渇いた」

 ふと目の前に現れた自動販売機に立ち止まって七瀬はつぶやく。思い返せば朝からアドレナリンでも出ていたのか、水を起きぬけに一杯飲んだ限りで水分を取っていなかった。電子マネー対応! と主張する自動販売機のお茶(一番安かった)のボタンをおもむろ押し、交通系電子マネーをポケットから取り出し軽くタッチする。
 ガコン! と音がして思った通りのお茶が飛び出す。それを手に取り、肌寒くなってきたこの季節では少し素手で触ることを躊躇うかのようにキャップの部分を親指と人差し指、二本の指で摘まむようにして持つと一度座って落ち着こうかと近くにあった公園へ足を運ぶ。
 果たして、そこには一人の少年がいた。七瀬よりかはいくらか小さな背丈と、恐らく年下であろう顔つき。特段それだけなら気にせず空いているベンチにでも腰かけてお茶を飲めばよいのだが、彼から聞こえてきた『渋谷』というワードに多少意識を取られる。

「…………」

 次に聞こえてきたのは『視察』。なるほど、杉並区の自警団か何かか。だとすれば自区に被害が及ぶ前に被害を最小限に留めるのも副領主の役割。だろうか。
 争いになると迷惑が仲間にかかると思案しながらも、七瀬は真っ直ぐに少年の元へ足を運んだ。人当たりの良い、人懐っこい、表情を浮かべるのも忘れずに。

「すごいね。俺、そんな区の場所暗記してないからソラでこれがどの区〜って言い当てられるの普通に尊敬しちゃうや。勉強好きなの?」

>>杉並区・とある公園ベンチ付近ALL


【メイン解禁おめでとうございます〜! 書き込み遅くなってしまってすみません……!
一か所に集まっちゃうのもあれなので温泉には別の機会に浸かりに行くとして、コーヒー飲みに来ました!(?)
一応顔見知りではない設定でからませていただいたのですが、領主・副領主は顔が知れ渡っているという設定でしたらすみません……。お前は……!? 的な反応していただけると嬉しいです〜!
よろしくお願いします……!】
>>水戸様・ALL様

27日前 No.4

水戸 @ttuxx☆3N3yNWRSAAE ★Android=3IiEHvRqQK

【 吉日潜 / 杉並区・とある公園のベンチ付近 】

「な、なんすか!?」

『すごいね。』から始まる軽く明るい言葉。しまった、考え事に夢中で気付かなかった。自分は何故こうも抜けているのか、と咄嗟に一歩分程後ろに下がった。
声のするそちらを向かえばモデルの様な顔立ち、それにピッタリの美しい体型。吉日潜の貧相な言葉では表せない程、杉並区の空気とは違う男性の姿に一瞬目を奪われてしまった。
それを体が自覚した後、落ち着いて言葉を組み立てるためそちらの男性の声を遡り、把握。どうやら自分に関する質問の様子だから怪しい人ではないのではないか?と失敗しないように、数秒前に決められた言葉を放つ。

「………あ、ああ、これですか。慣れ、みたいなモン……ですね。」

たどたどしい言葉使いではあるものの確かに放ち、さらに「勉強はそこまで。必要な知識ってやつっす、」苦笑混じりに告げればとりあえずは自分のことを変には思わないだろう。多分。なんて思いつつ他のことにも目を向ける。都会的な雰囲気から見るに彼は恐らく他の区から来たのか。そして自分に話し掛けた、それが疑問点として挙がる。ただしそれを聞くような性格ではなく会話を続けているうちにわかるだろうと相手の返答を待つことにした。本当のことを言うのなら、それよりも何もすることがないのにベンチを占領していること、袋を持った方に譲らないことに常識人としての良心が傷んだためこそりと横にずれ、それをごまかすように飲めもしない缶のコーヒーを開けるフリをした。

(これ全然開かないな……ッ!!!)

>>hati様宅、森峰七瀬様


【初対面(顔見知り設定なし)で行かせて頂きました!最低限だけ話しつつも怪しまれないように…が行動方針とさせて頂いておりますが、何か不都合があれば勝手に吉日を喋らせて頂いて構いません、ありがとうございます!】

27日前 No.5

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★YRuDhSwQ0p_2YW

【 泉界湯殿 / 葛飾区・スーパー銭湯『湯け湯け健康ランド』・入口脇 】

 店外のお掃除にひと段落つき、そろそろ中に戻ろうかと思案する。
 が、それよりも早く、店内の掃除を担当していた圭太が直々に昼食の誘いをかけに来てくれた。
 グッドタイミング。さすがは我が愛すべき副領主だ。

「うむ! そうだな、圭太の言う通りだ。 時は昼間、季節は冬! なればこそ、食べるべきは温かい食べ物! すなわち鍋だな!!」

 ぐっと拳を握りしめ高らかに昼食メニューを宣言。
 温かい食べ物は鍋以外にもあるとか、そもそも昼から鍋かよとか。
 色々とツッコミ所は多くとも、すっかり己が領主の気性に慣れた領民らは特にリアクションもせずニコニコ笑顔で銭湯に入って行く。
 すっかり性格が感染してしまって、今の一言で自分もお昼は鍋にしようと決めた領民とているやもしれぬ。
 領主が“こう”だからか、葛飾区の領民層は基本的に温和で温厚で温泉だ。最後のは誤字ではない。

「おでんやしゃぶしゃぶも良いが、やはり冬とくればもつ鍋であろう。ここから歩いて十分の場所にちょうど先月オープンしたちゃんこ屋がある。あそこは確かもつ鍋もメニューにあったぞ! 祝いに花を送りはしたが、まだ客として足を運べてはいないのだ。圭太よ、ここは一つ我が義理に付き合ってくれんだろうか?」

 新装開店を記念して領主名義で送った大型フラワーアレンジメントは、オープンしたてということもあってまだ店の前を通れば見られる。
 それを視認するたび、いつか行かねばいつか行かねば、いや行かねばなんて消極的な気持ちじゃない、行きたい! などと思っていた。
 しかしたった一人でちゃんこ屋というのも些か寂しい。一人鍋を否定する気は無く、単に湯殿の嗜好として大人数でわちゃわちゃするのが好きなのだ。
 だから機会があれば誰かを誘おうと思っていて――機会が来たから、圭太を誘った。

 ワクワクと踊る気持ちを抑えつけもせず、表情の上に丸出しにして圭太の返事を待つ。
 瞳は爛々と輝き、頬は紅潮し。握りしめた両の拳を顔の下にして男を見つめる様はさながらジャ○ーズのアイドルとその熱烈なファンのようだが、実際には腹の減った小娘が一番の男友達とめちゃくちゃ鍋パーティしたがっているだけだ。
 年頃の男と女でありながら、お節介ババアも天を仰いでから首を横に振るくらい色気の無い関係性。それでいて仲良しなのは初見の人間でも見てとれる二人組。それが泉界湯殿と彼女が最も信頼する琳圭太。葛飾区の領主と副領主である。

>琳圭太様&ALL様

【早速の絡みありがとうございます!
 湯殿は料理こそできはしますが、地元葛飾の経済を回すべく率先して外食する女なので(※今生えた設定)お弁当は持って来ておりません。大丈夫です!】

27日前 No.6

hati @sirusiru ★AyV4BftLqD_UHY

『 森峰 七瀬 / 杉並区・とある公園ベンチ付近 』

「ん……? ああ、ごめんなさい。俺、森峰七瀬。怪しいやつじゃないよ。古着探しに来ててさ、喉乾いたからお茶買って公園で一息つこうと思ったら、君が区の位置と名前言い当ててたから凄いなって思って話しかけちゃった。驚かせてごめんね」

 柔和に微笑んで見せると、一歩下がってしまった相手に軽く両掌を合わせて眉を下げる。一瞬ファーストコンタクトを誤ったかと内心唇を噛んだが、どうやらそうでもなく、相手の返答に表情は崩さないまま小さく息を吐く。
 必要な知識ね。と改めて相手を失礼にならない程度に観察をする。いつも自分の周りにはいなさそうな、言ってしまえば『平凡』を具現化したような。案外本当に区の名前を覚えるテスト前の学生だったのか、あるいは視察というのは遊ぶ場所の事だったのかとと自分の勘に首を傾げながら、開けられたベンチに礼を言って腰を下ろす。
 失礼ではあるが、今まで見てきた≪領主≫は癖が強い。だからこそ選定され、領主になったのだと。これは完全に七瀬の持論だが。その下にいる副領主も、自警団の面々もどこか外れている面々を見ているために、警戒に警戒を重ねていた七瀬の気持ちが少し緩む。

「ベンチありがとう。歩きすぎて疲れてたんだよね〜。……あ、コーヒー開かないなら開けてあげようか?」

 持っていた袋をベンチへ、摘まんでいたお茶を膝の上に置くと、隣でコーヒー缶を開けるのに苦戦している相手に笑いかけながら手を差し出す。
 それから、「こんな寒空の下で何してたの?」と横から相手の顔を覗き込むようにして頬杖をつく。人を待っているわけでもなさそうだし、流石にこの年齢にもなって一人公園で遊ぶわけでもないだろう。もしそうであったらこちらまで悲しくなってしまう。

【ありがとうございます!
流石に私が潜君を喋らせてしまうととんでもないキャラ崩壊引き起こしそうなのでお気持ちだけ頂いておきます……!w】

>>杉並区・とある公園ベンチ付近ALL

26日前 No.7

水戸 @ttuxx☆3N3yNWRSAAE ★Android=3IiEHvRqQK

【 吉日潜 / 杉並区・とある公園のベンチ付近 】

「森峰さん……ですか、ええと、変な言動して申し訳ねえっす、自分は吉日潜。です、一応。」
「…ああ、なるほど。ここらは結構古着屋がありますし、不思議じゃあないですね。…こういう時、なんて言えばいいんでしょう。お褒め頂きありがたい、です。またお越しくださいませ…?」

自分より目上そう、かつ明るく昔毎日のように深く深く関わっていたスクールカーストの最上位を思い出し少し口ごもる。久しぶりの感覚に前の様に舌が回らず。全く苦手なタイプではない…むしろ、落ち着くような。そんな彼から出る雰囲気を感じたからかどうしても気は緩む。むしろ一瞬でも最悪の事態を疑ってしまったことに申し訳ないという気持ちすら覚えている。ただしそれを出してしまうと『この区は弱い』なんて思われてしまうかもしれない。それが伝わってしまうとなれば少し危険ではあるが目の前の彼はこんなに優しく接していてくれてるんだしそれは無いと思う。と、信じたい。

「そうでしたか。お疲れ様、です。…あ、すいません。お願いします……」

思考がぼやあ、とする中でもうだいぶぬるくなってしまったコーヒーを手渡すと、面目なさそうに眉が垂れる。自分の警戒心のお陰でなんの関係もないはずの人に迷惑を掛けているのかも、つぎからはそれについても考えなければ。なんて。そんな事を考えているからか相手に対し、無意識に素直な言葉が出てくる。

「ああ、えーっと…近々他の区の様子もみてみたいなあ、と。自分、この区から出ること少ないんで。……だからそれのための作戦会議的な?…ものっす。」
「っていっても、1人しかいないんですけど。1人だと普通に公園に1人や2人いる何故か佇んでいるただの人、っぽいんで良いかなあ、と。」

"公園である必要は別にないんですけど"と笑みを浮かべ付け足しながらも目的を話す。勿論八割ぼーっとしていただけではあるがそれを話すと学校は?と相手に思わせてしまうだろう。領主ということである程度黙認して貰っているが実際サボっている身であるのでできれば口外したくはない。空いた手を適当に絡めながらそう思った。

>>hati様宅、森峰七瀬様 / ALL様

25日前 No.8

ばにらあいす @kodai4370 ★iPhone=CBpshBbHc5

【群青 空将/大田区・空港 展望デッキ】


今どこにいるか、という質問をされたら、三分の一ぐらいの確率で「空港にいる」と答えることになるだろう。何せ大田区の三割ほどは空港でできているのだ。と言っても昔から住んでいた彼ですら、最近某サイトを覗いてようやく知った事実。意外と空港が近いという恩恵を感じたことは一度もない、そりゃ自分の出身地である蒲田は東京の住みたくない街ランキングで毎度毎度ベストスリーに食い込んでくるような街、しかも大田自体が東京の端に位置するので観光客の金が中々落ちない。経済は回らず、貧困と治安の悪化を招く、というのは真っ赤な嘘だが、そういう悪循環にいるのは間違いない。同じ大田でありながら対極に位置する羽田と蒲田、今は心底どうでもいいが、昔は蒲田以外の華のある場所で生活したいと思っていた。


「…そこまでする必要はない、制作コストは重要だからな、まぁどの道誰も乗せない……いや、こっちの話しだ」

展望デッキから景色を眺めるでもなく、食べ物を貪るでもなく、ただ顔の見えぬ誰かと電話を続けるこの男が、大田区の領主として地力を得た群青空将本人である。近くの木製ベンチに腰掛け、瞼を閉じてまだまだ喋り続けた。


「…あと一ヶ月以内に三機という注文、もしも完成させたのならお前らの好きな値段で買い取ってやる、普通はできるわけもないが…」

それだけ言うと相手の返事を聞く間も無く、すぐにスマホの通話を終了させた。これ以上相手の喜ぶ声を聞いても仕方のないことである。それに、造られたそれを買い取る気は最初から微塵もない。そんな買い取れるだけの金があるならとっくに銀座辺りで豪遊している、最後には電話相手の製造会社も、造りに問題のある飛行機を不正に航空会社へと売りつけようとした、そういう名目でマスコミに暴露し消えてもらうという算段だ。以前にも一度、整備不良の飛行機を寄越した問題会社としてマークはしていた。こういう時に役立つとは考えもしなかったが。向こうさんも利益を得るために最低限のコストすらかけずギリギリ飛べるぐらいのヤツを持ってくる、そこまで行けば思惑通りだ。勿論、造られたブツはありがたく使い捨てにさせていただく。

心底クズだと自分を嘲笑するように微笑む彼だが、「くだらねぇ」と一蹴し、立ち上がった。再び瞼を開き、その視線を勢いよく走り出しす旅客機へと移すのに、そう時間はかからなかった。

「たまには他区にも遊びに行くか…」


≫all様

【出遅れましたが、開始おめでとうございます!】

25日前 No.9

雨上がり @koshou0602 ★iPhone=WhimNy2RFf

【琳圭太/葛飾区・スーパー銭湯『湯け湯け健康ランド』・入口脇】

 ボスは最近近くにできたちゃんこ屋のもつ鍋をご所望とのこと。ボスが言うなら火の中海の中どこへだってついていくと誓っているため(ボスと温泉に入るのはちょっと別だ。ボスが男なら毎日だって一緒に浸かりたいが、生憎今世では遠慮する)、どんなところでも反対をするつもりはなかった。反対をするどころか、大賛成であることに太鼓判を押すほどだ。
温かくて一緒に食べて楽しいメニューをこうもすぐ思い付くものだろうか、いや思い付かない。ボスのなせるわざだ、さすがボス!!

「いいな、もつ鍋!!!俺食ったことないんだ、九州の料理だっけか?」

ボスの言うちゃんこ屋は俺も知っている。最近できた店で、そこで鍋を食べた領民たちが美味しいと噂していた。
どんな料理でも残さずたくさん食べれると自負している食べ盛りな俺にとっては是非とも実食したいと思っていた。まさか、そんな俺の気持ちまで考慮しての選択……?

 ガッツポーズをして、キラキラとエフェクトが入りそうなほど目を光らせる圭太は、

「Sure thing!!!!もちろん付き合うぜ!!ボスが行けばちゃんこ屋の人も喜ぶだろうし、俺も行きたかったんだ!」

と答えた。

たかがもつ鍋、されどもつ鍋。尊敬する大好きな人と食べる料理に期待を馳せる。

>>泉界湯殿様&all樣

【どんなところからも「ボスすごい」の思考に繋げる圭太……。
もつ鍋は圭太と同様に私も食べたことないです笑
鍋ですからね、もっと大人数でもいいんですよ(チラッチラッ】

25日前 No.10

hati @sirusiru ★AyV4BftLqD_UHY

『 森峰 七瀬 / 杉並区・とある公園ベンチ付近 』

 またお越しくださいませという言葉に笑いながら、今後ともお世話になります。と軽く頭を下げる。杉並区を攻めて統合でもすれば買い物しやすいだろうな、と脳裏を過ぎったのは、まあ内緒で。
 相手の名前を聞けば覚えるように数度呟いてみせると、珍しい名前だねと微笑む。一度聞けば忘れなさそうな名前だと記憶しながらも、生徒名簿にあれば数度に一度は呼び間違えられそうだなとどうでも良い事を思案して。そういえば、たまに機械の修理を依頼するやつも珍しい名前だったなと芋づる式に呼び起こされる記憶を追い払う。
 そうして渡されたコーヒーを受け取ると、何でもないように缶の口を開け、相変わらず閉じない口を回しながら相手に手渡す。

「あはは、ありがとう。古着屋だけはこの辺りが一番だから、ついつい来ちゃうんだよね。おかげでいつもヘトヘトになって帰るんだけど。
はい、コーヒー。開かない時ってなかなか開かないよね〜」

 そう言って、ようやくだと膝の上に置いていたお茶を乾いた喉に流し込む。三分の一程を一気に飲み干せば、喉の渇きは落ち着きを取り戻したようでキャップを数度回してペットボトルの口を閉じる。

「作戦会議?」

 あ。と自分の口を突いて出てしまった言葉に苦虫を噛み潰したような感情を覚えつつも、話を聞けばああ。と続けざまに声を漏らす。このご時世、他の区へ出かける機会が極端にない方が珍しい気がするが案外そういう人間がいてもおかしくはないのだろうか。陣取り合戦をやっている最中でもあるし。
 やはりどこかひっかかる部分を頭の隅に抱えながら、もう一口お茶を含むとまあ自身の区を言うだけなら警戒する事は無いかと口を開く。

「俺渋谷から来てるんだけど、まあ洋服とか好きだからこうして杉並まで来てるわけで……うーん。服とか興味あるなら渋谷区、楽しいよ? あと最近海外から来たパンケーキの一号店が原宿にオープンしてね。俺も行ったんだけどふわふわの生地が最高でさ……! 他にもバスソルト専門の店とか、コスメにも敏感だし、俺は好きな区かな」

 女の子も可愛いし。とニヤリと付け加えて。
 別段今『渋谷から来た』と言っても攻め込んでいるわけでもないし、杉並区は記憶が正しければ穏健派であるはずだ。ここで、もしこのやり取りが全て作戦のうちで自分の正体がバレていれば、今日の戦利品は捨てて逃げるか。若しくは相打ち覚悟で戦力を削っていくかと、案外好戦的な自身が拳を突き上げ始めるのを感じながら相手の返答を待った。

>>杉並区・とある公園ベンチ付近ALL

25日前 No.11

@purple3ru ★iPhone=5uXDFiflht

【 筑紫恋甜果 / 葛飾区・筑紫恋家→スーパー銭湯『湯け湯け健康ランド』入口脇 】

「……へっくちっ」

今年ははやめに出してもらえた炬燵に入り、蜜柑を向いていた筑紫恋甜果は、不意な寒気に嚔をした。向かいで、一緒に炬燵に入って、寝そべってテレビを見ていたおじいちゃんが、「風邪でも引いたか?」と尋ねてきたのに、首を横に振ってから、祖父には自分が死角になっていることに気づき、「ううん、大丈夫だよ」と口で答える。まだ11月だというのに、本当に寒い。神様は東京掻き乱すだけでなく、四季まで少し早めてしまったのだろうか? などと考えていると、「寒いときはお前、やっぱ温泉だろ。スーパー銭湯行ってこいよ。自警団入ってんだから、堂々と行けるし、ついでに領主様達と飯でも食ってこい」と言いながら、おじいちゃんが五千円札を炬燵の上に置く。こういうときは遠慮するな、と、この家へ来たときに言われた甜果は、少々申し訳なく思いつつも、「うんっ!」と素直に金を受け取り、剥きかけの蜜柑を代わりに祖父の手の上へ置き、出かける準備をすべく自室へ向かった。



「ひっ……うぅ、当たり前だけど、やっぱり外の方が寒いなぁ……」

いつも着ているポンチョよりも数段モコモコ仕様なポンチョを着用し、耳あてとマフラーと手袋までつけ、素足にスニーカーなこと以外は完全な冬スタイルで道を歩む甜果。肩にかけた鞄の中には、五千円札の入った財布と、水着と、バスタオルと、分銅が入っている。筑紫恋甜果は自警団のひとりである。『体の一部分から毒ガスを撒き散らす』とかいう敵も味方も自分も厄介と感じる力を授かり、誰に言われたわけでもなく、自ら自警団へ入った。しかし、彼女はとても臆病である。臆病すぎるが故に、もうひとりの自分を生み出し、戦争ではもうひとりの彼女である『恋紫』が戦っていた。戦争だけでなく『恐怖の限界』に達したときは、いつも恋紫が代役をしている。それに甜果は気付いていないし、これからもきっと気付かない。気付かないまま、この狂わされた東京で生きていく。

「あれっ、あそこにいるのって……湯殿さんと、圭太くん?」

歩を進めていれば、目的地である、スーパー銭湯『湯け湯け健康ランド』が見えてきた。さらに進めば、その入口の近くに、よく見知った顔がふたつ。女性と少年。我が葛飾区の領主と副領主。同じ自警団のメンバー。泉界湯殿と琳圭太がいた。怖がりな甜果だが、ふたりのことは怖くない。自警団のみんなは怖くない。みんな、とってもやさしいから。

「こっ……こんにちはぁ。湯殿先輩っ、圭太くんっ。つ、筑紫恋、その……温泉、入りにきたんです。今日は……とっても、寒いから……。そっ、それでっ、良かったら、一緒にお昼とか……どう、かなって……。お、おじいちゃんが、お金もくれた、から……」

優しいから怖くないけど、甜果のビクビクした態度は通常運転である。たぶんコレは治らない。口下手だけど、精一杯朗らかに笑っているので、大目に見ていただきたい。

>>泉界湯殿さま、琳圭太さま、葛飾区all

【やっっと参戦です!!長かったぁ!!!絡みました、よろしくおねがいします!】

25日前 No.12

雪鹿 @class ★Android=42zyboh5vZ

【墨田区・隅田公園/川村 桜威】

 はて、何年前だったか忘れちまったが、ともかく数年前、争いの火種は東京23区に撒き散らされた。地力と呼ばれるみょうちきりんな神通力に加えて、俺達ゃ東京から出れなくなっちまったのさ。そして、神さんが「23区を統べれば願いを叶えましょう」だなんて、阿呆な事を抜かしてきたもんだ。本当、神さんってのも分からねぇよなぁ。
 数ある区の中で内部のイザコザはあった癖に、それでも尚、比較的平和を保ち続けている区が在った。狐面に法被を羽織る和服姿でありながら、よく素性も知られていない領主が統べる土地、墨田区。しかしまぁ、この領主としては滅多にお目に掛かる事はないだろう――――なにせ、彼は自由な男なのだ。



 赤や黄、茶に染まった落ち行く葉のひとひら。池の水面に小さな波紋を広げて浮かび、揺蕩うままに何処かへと流れ行く。その行方は、いそいそと先を泳ぐ鯉のみぞ知るばかり。吹く木枯らしは肌寒く、地に積み重ねられた葉は巻き上げられ、行方も知れない何処かへと旅をする。
 そんな景色を一望するだだっ広い隅田公園の特等席とも言えるような、一席のベンチ。そこへ胡座をかいて色鉛筆の入った木筒を傍らに、スケッチブックを抱えて描く一人の和服姿をした男が居た。狐面はおろか法被の姿は其処に無く、頬や髪には朝焼けを描いた時の朱や水色の絵の具が付きっぱなしで、肩に掛けただけの霞模様が鮮やかな羽織の袖が靡くが、そんな事はお構い無し。ただ、周りの好奇も不信感も、あるいは嫌悪感にも似た何かを一切合切、不要だと言って切り捨てているかのように、一心不乱に鉛筆を走らせていた。

 嗚呼、なんとも物悲しい季節だろうか、と嘆いたのは何時の歌人だったろうか。侘しさに寂しさを織り混ぜて、その切ない味わいを噛み締めるってのも、中々に乙なもんじゃあねぇかい?
 なに、領主なら領主らしくしろって? 生憎と、俺ぁ領主である以前に絵描きだからなぁ……部屋に閉じ籠ってたんじゃあ良い絵の一つも描けやしねぇ。なら、当然俺ぁ外に出て描きたい絵を書くだけってなぁ! 一応、屋形船描いてた絵の裏に「ちょいと出てくるぜぃ」って一筆したためといたが、やっぱ後でこってり絞られるのかねぇ……ま、それはそれ。今の俺には、とんと関係の無ぇ話さな。

「んん……ちょいと不味っちまったなぁ……」

 ピタリ、手を止めた。しかし、ぼやく一方で再び手は動き出して精巧に自らの眼で捉えた絶景を描きあげる。それが例え失敗作だったとしたって、手を止めて次の紙に移るなんざ絵描きとしちゃ二流どころか三流……ってのは、俺の持論さな。気に食わねぇ気持ちは分からねぇでもねぇし、否定はしねぇさ。ま、それでも失敗して失敗して、それを積み重ねて生まれた絵ってのは中々に感慨深いもんだぜ!
 まぁ、早い話が失敗して笑う奴なんざ、鼻で笑って適当に往なしときゃ良いのさ。さてさて、何処からどうやって今の失敗を取り返そうかねぇ……ふむふむ、ほうほう。此処をこうしてみっか。

 思うままに筆を走らせる彼を、通り掛かった人が何と見るのか。そればかりは計り知れないが、少なくとも放つ雰囲気は常人ならざるものであるだろう。故に、彼の周りに止まる者は少ない。しかし、通り掛かりに彼の描く絵を覗く者は少なからず居た。そして、そうした者は一様に驚くのだ――こんな男が、これほどの絵を描くのか、と。
 景色を切り取ったような、そんな写真で代替の効くような物ではなく、景色に花や色を添えつつも忠実に。それでいて、味のある不完全な筆遣いが絵をより上質な物へと仕立てあげる。日常の中にあった景色を描いていると言うのにも関わらず、まるで非日常に垣間見た絶景かのように描き出されるのだ。

 かつて、森羅万象を描くとまで言われた葛飾 北斎。そして、その北斎に美人画にかけては敵わないと言わせた娘、葛飾 応為には遠く及ばないかもしれねぇが、そんな事は諦める理由なんかになりゃしねぇのさ。夢ってのはそういうもんだろ? それに……諦めたら、届くもんも届かなくなっちまう。なら、俺は少なくとも、やれる所までやり切ってみてぇのさ。

「……さぁて、仕上げてみるとするかね……っと」

 色鉛筆を持ち替えて、最後の色が添えられて行く。細やかな差し色ではあったが、それを添えられて描き出された日常の一シーンでありながら、非日常のような絶景に絶妙な現実感を与えて行く。
 しかし、完成したであろう絵を見て、ため息を一つ吐く。その表情は何処か浮かないものであった――当然だ、彼にとっては目新しさも無ければ、昨日も似たような絵を描いてしまっていたのだから。それでも、得るものがまるで無かった訳ではない。一体、どれ程の人が失敗だと分かるのか、そいつは分かりもしねぇが、少なくとも失敗があったってこたぁ、成功に一歩近付いたって事さな。

「ま……ちょいと気分転換が必要かねぇ、こりゃ。さてはて、今日は何処へ行こうか」

 ふぅ、と息を軽く吐けば、深く覗いた水面のような藍の目を閉じてから、コトンと乾いた音を立てて持っていた色鉛筆を木筒に戻し、スケッチブックをパタリと閉じて、それらが丁度納まるサイズの大波が描かれたトートバッグに押し込む。
 それから立ち上がって「んっ」と短く声を出して身体を伸ばす。鈍い音を鳴らした体の鈍りも多少はマシになるってもんだろうさ。毎度の事ながら、肩が凝っちまって仕方がねぇや。

 しかし、立ち上がったはいいものの、何処へ行けば気分転換になるのか。それがとんと分からねぇし、ピンとも来ねぇ。トートバッグに袖を通して腕を組んだまま、少しばかり首を捻ってウンウン、と唸る。墨田区領主ではなく、今は一人の絵師である川村 桜威はその辺りを右往左往して、今日の行く先に思いを馳せて悩むばかりであった。

>all

【本編開始おめでとうございます!
何とも適当で自由気ままな領主ですが、皆様どうぞ宜しくお願い致します…!】

25日前 No.13

青梅雨 @ameagari27 ★iPhone=PosxaGOeYr

【奈良ヒトミ/葛飾区 湯け湯け健康ランド・入口】

「朝風呂ッてなんやかんや始めてちゃう?」

朝風呂(昼前)のためやってきた男、奈良ヒトミ。これから冬だと言うのに薄着である。
本人は特に寒そうになく、吹く風にあるがまま髪を靡かせる。
中央区の副領主でありながら一人旅が好きで、狙われる立場とも知らず電車の振動の心地よさと共に偵察と称し様々な区に出向いている。しかし他区に行ったとて彼にお金もなく、ただ迷い歩き売られれば喧嘩をし、なにもなければなにもないまま中央区へ帰る。前者後者共に領主への手土産は忘れずに。この区へ降り立ったのもそんな旅件視察の最中だった。
電車を寝過ごし気がつけば葛飾区。彷徨いながら辿り着いた『湯け湯け健康ランド』に初めて入ったその日から、その種類の多さに息を弾ませ、風呂上がりのフルーツ牛乳が琴線にふれすっかり虜にさせられたヒトミは、思いもせず常連に。
今日も半ばフルーツ牛乳のために湯け湯け健康ランドへやってきたのだが。

「....あれ、あそこにおんの、圭太とォ......誰やァ?女....やんなァ...二人.....ハッ、まさかこれ修羅場、なんちゃう....!!!?」

二人の女の子に囲まれる(?)ヒトミの唯一と言ってもいい友達、琳 圭太を見つける。
どうやら彼は自らの友が二人の女を誑かしていると思っているらしい。友ならばそんなことするわけがない人間だとわかるはずなのだが。
彼には一切の悪気はなく、ただただおつむが弱いだけである。
ともかく彼は今友人がやらかしてしまったと信じて疑わない。そろりそろりと3人の元へ向かい、圭太にだけこっそり声をかける。

「自分......遊びすぎとちゃう...??二股はあかんて.....」

声は何処か楽しそうである。

>>琳 圭太様 all様


【メイン解禁おめでとうございます!打っては消して打っては消してを繰り返しやっとこさ投下できました。皆様の素敵なキャラさんと少しでも絡めたらなと思っております。何卒。
葛飾区に遊びに行ってしまったんですが、葛飾区の皆様が綺麗に集まっているところ部外者が申し訳ございません!!!重ねて圭太くんには謝り倒したいです。すみません。悪気はございません、悪しからず....】

※警告に同意して書きこまれました (個人情報)
25日前 No.14

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★YRuDhSwQ0p_2YW

【 泉界湯殿 / 葛飾区・スーパー銭湯『湯け湯け健康ランド』・入口脇 】

 もつ鍋。
 それは彼の言う通り九州、もっと言えば福岡の郷土料理を発祥とするお鍋である。
 最近だと「ホルモン使ってりゃあ全部もつ鍋!」とばかりに雑なもつ鍋を出す店もあったりするが、今から湯殿が向かおうとしているちゃんこ屋のもつ鍋は本格派を謳っていることで有名だ。
 夏場でも行列を作らせてみせる、と豪語する料理上手な店長の自信に過不足は無く、店に行ったことがある客たちは皆「あの味なら確かに暑くても行っちゃうかも」と口にしていた。
 その評判を聞き付け、湯殿は是が非でも仲間と鍋を囲みたくなったのだ。

 圭太はもつ鍋を食べに行こうという提案をガッツポーズまでして喜んでくれている。
 さすがは湯殿が直々に副領主になって欲しいと頼んだほどの男、鍋料理は夜ごはんでしょ、なんてつまらない言葉は口にしない。
 これだから彼とはただ日常を過ごしているだけでも楽しいのだ。
 さあ、一緒にホルモンをぐつぐつ煮込もうではないか!

「さすがは圭太、そう答えてくれると信じていたぞ! さあさあ! 共にちゃんこ屋へいざ行かん!」

 高らかに宣言し、ちゃんこ屋へ歩を進めるべくその場でUターンし真後ろに振り返る。
 と同時に。ちょうど葛飾区の自警団メンバーである筑紫恋甜果が、二人に声をかけてきた。
 ビクビク、おどおど、なんて効果音が似合いすぎる挙動不審で情緒不安定な口調。
 それは人の庇護欲を煽ることもあれば嗜虐心を唆ることもあり、湯殿の場合は前者に該当していた。
 すなわち領主たる自分が守るべき民らの一員である。

「おお、甜果ではないか! 残念ながら料金の支払いは我が財布の出番と決めているので祖父殿から頂いた現金の出番は無いが、昼がまだだと言うのであれば温泉私や圭太と共にちゃん屋へ行こう! 絶品だぞ! 美味だぞ!」

 まだ食べていないのに、やたらと自信満々でちゃんこ屋の味をアピールする湯殿。
 声のデカさが甜果の五倍はある。通常運転でこれなら大声大会にでも出場した時はもっと凄い。ガラスが割れるかもしれない。

「して、そちらの常連の御客人は圭太と知り合いか? ならば同伴願おう! 今から食べるのはもつ鍋だからな、大勢で囲むとなお美味し!!」

 自分が甜果に話しかけている間に増えていた関西弁の男を訝しむ様子もなく、常連だからという理由だけで身内の鍋タイムに参加することを決定。
 ただ、突拍子の無い奴でこそあれど傲慢な奴ではないので、予定があるから鍋は良いですと断れば普通に引き下がる。
 ……しかし行動が迅速な奴でもあるので、行かないなら早いところその意思表示をしなければ流されて鍋を食べることになるだろう。
 その証拠に、下駄を履いた湯殿の足は既にきびきび動いてちゃんこ屋に向かっているのだから。

>琳圭太様&筑紫恋甜果様&奈良ヒトミ様&ALL様

【なんて可愛い副領主なんだ! お婆ちゃんがお年玉をあげようねぇ……ひひっ……。
 そして甜果たんもヒトミさんも絡みありがとうございます! とりあえずちゃんこ屋に移動を開始しますね!
 日常パートではありますが、このスレの東京23区は日常的に小競り合いとか発生するので道中でアクシデントが発生する描写をして頂いても大丈夫です!】

25日前 No.15

鈴ノ介 @observer17 ★Android=E7eofHTlS6

【 天花寺神楽 / 目黒川の橋→目黒区領主の自宅 】




 陣取り合戦がはじまってから三年の月日がたったが、三年もの月日がたてば区の特色がだんだんわかってくるだろう。ここ、目黒区は治安がいいとされている。閑静な住宅街が多く、雰囲気自体がおしゃれで、落ち着いていて、争いごとなどは滅多におこらないような治安が良い安心安全な街というイメージが強いかもしれない。確かに、街自体は落ち着いているが、自警団は別。目黒区の自警団は簡単にいえば目黒区のヤクザ「四代目 菊亟会」の集まりだ。その荒くれものたちを率いているのはまだ17歳の女子高生という、変わった組織なのはいうまでもない。
 攻撃的で野心家な領主をもつ目黒区自警団は早速、大田区と殺りあおうとしていた品川区を不意をつくかたちで潰しにかかり、領主と副領主の殺害に成功。品川を落としたその日から、殺伐とした雰囲気が目黒区に流れるようになった。目黒区の領主が人を殺したという話は直ぐに東京中に広まる。

 どこかでは「人の心がないのではないか」とウワサされている目黒区のJK領主、天花寺神楽は目黒川の橋の上で煙草を吸っていた。セーラー服姿の彼女は見ての通り未成年だが、喫煙者だ。領主になった今、それを咎める大人はあまりいない。煙を深く吸って、長い煙をふうっと遠慮なく世の中に吐き出す姿には女子高生とは思えない貫禄がある。煙草を厚ぼったい唇に咥えながら、目線を橋の下にやった。
 その視線の先には、男が逆さに吊るされている。足を縛られ橋に吊るされているその男は時折呻き声をあげているので生きてはいるのだろう。体は傷だらけで血だらけだ。何故こんなことになっているかというと、約5時間前に遡る。単刀直入にいうとこの男は裏切り者であり、元品川区の自警団メンバーである。品川区を落とした目黒区に反抗心を持っているのか、神楽に対して殺意を剥き出しにしてきたのである。

「おい、帰るぞ……」

 神楽は、橋の上にいる如何にもヤクザ風の男たちに声をかける。するとその中の一人は神楽の言葉にすぐ反応し、近くに停めてある黒塗りベンツの後部座席を開けた。神楽はなれた様子で後部座席に乗り込み、リアガラスをウィーンという機械音と共に開け、目黒川の橋に残る男たちに「後はてめぇらでやっとけ……」とだけ告げる。男たちの威勢のいい返事を聞いた神楽は煙をはいてリアガラスを閉め、運転席の男に車を出すように指示をした。

 暫く車を走らせ、たどり着いたのは和の雰囲気が漂う屋敷。門をくぐった先にドン!と構えているこの屋敷は品川区を落とした次の日から建築が始まった。品川区を落としたことから、収入が増え、贅沢なこともできるようになったのだ。今、神楽が乗っている高級車は本来副領主の真央の物であり自警団で購入したものではないが、神楽の送迎車として自警団で使うことが多い。
 我が家に着いた神楽は、運転席の男が後部座席のドアを開けてから外に出た。屋敷の前には数名の自警団メンバーが出迎えており、深々と頭を下げている。

「お嬢、お勤め御苦労様です!」

「嗚呼……」

 すっと差し出された灰皿に短くなった煙草を押し付けて火を消す。煙草を灰皿に捨てた神楽はそのまま屋敷内に足を踏み入れた。



>>目黒区all




( 日常パートということで、個人的に戦闘は避けようかなと思い目黒区内で絡み文投下しました。神楽ちゃんの性格上、他の区の人に遭遇したら戦いに発展してしまいそうなので! 限られる絡み文ですみません。)

24日前 No.16

雨上がり @koshou0602 ★iPad=ihrSGDc1yh

【琳圭太/葛飾区・スーパー銭湯『湯け湯け健康ランド』・入口脇→ちゃんこ屋】

いざちゃんこ屋へ出発というときに、声をかけてきた少女が一人。
葛飾区自警団が一人、筑紫恋甜果だった。
彼女は大人しく、いつもなにかに怯えているように見えるため、俺も何かにつけて気をかけている。余計なお世話と言われたらそれまでだが、葛飾区の一人であって守るべき存在なのだ。ちなみに彼女はボスと同様に年上だ。そして大変複雑なことに、甜果にも身長は1p負けている。
いや、俺にはまだ成長期がある!!その将来のために今、鍋を人一倍食べるのだ!!(?)

閑話休題。

甜果が先程声をかけてきたときも声色には怯えが垣間見えたが、笑顔でいるため怖がってはいないのだろう。
大人数で食べれば食べるほどうまい。そしてその新たな参加者が彼女なのだ。喜ぶ以外に他ない!

「How it's going,甜果?GOOD timing!!一緒に鍋食べようぜ。
……え、ボスが奢るって?太っ腹だぜ!!でも俺の分は払うぜ、ボスとは公平でいたいからな」

あ、でも奢ってもらったほうが礼儀としては正しいのか……?中国とかそんな感じだったな、と考えていると、またもや来訪者が。
二股はあかんと声を掛けたのは銭湯の常連のヒトミだ。
彼は中央区の副領主であり、仮にも敵同士だ。だが、領主好きなところや銭湯好きなところなど馬があうところが多く、現在は友達である。

「よぉヒトミ!!……二股って、なにが?銭湯と鍋ってことか?……駄目なことなのか??
あ、そうだ、今から鍋食いにいくんだ。ボスもああいってるし、一緒にいこうぜ!」

と誘ったあとに、甜果がいることに気付く。
ボスとヒトミはまだしも、甜果にとって初見のヒトミは怖い対象になってしまうかもしれない。なにせ、傷だらけで関西弁である。関西弁が怖いイメージになるかは分からないが、一応気を付けたほうがいいだろう。

小さな声でヒトミに話しかけ、
「おい、あの子にはあんまり絡まないようにしろよ。あとでフルーツ牛乳やるから」

と言っておく。

そうこうしているうちにボスが歩き出していたため、小走りで追いかける。
「思い立ったが吉日」ってやつだな!ボスの行動は全てにおいて人生の参考になる。かっこよすぎるぜ!!

甜果とヒトミの距離を気にしながら歩くこと10分、ちゃんこ屋についた。

「いい匂いがするぜ、早速入ろうぜ!!」

>>泉界湯殿様、筑紫恋甜果様、奈良ヒトミ様、all様

【鈍感なわけじゃないけど自分の恋愛とかには疎いので二股の意味が分かってない圭太。
すごい強引にちゃんこ屋行きました、道中の描写とかいれてくれて構いません!!あと甜果ちゃんはヒトミくん怖がるかなとか勝手に思いましたが、もしそうじゃなかったら圭太も対応を変えます、すみません】

24日前 No.17

水戸 @ttuxx☆3N3yNWRSAAE ★Android=3IiEHvRqQK

【 吉日潜 / 杉並区・とある公園のベンチ付近 】

「ああ、よく言われます。むしろそれだけが俺の個性っつーか、」

名前に関して触れた彼に、笑みを浮かべて告げる。自嘲的なものではあるが落ち着いたようなそんな警戒心のない抜けた笑い。それを浮かべつつも自分が相手に渡したコーヒーの缶が開けられるさまを見つめ、渡されたものを受け取る。苦味が得意ではなく飲めはしないが、まあ我慢すればワンチャンイケるだろうなんて考えてその黒色に視線を移した。

「ありがとうございます、はは。なんなら途中まで荷物とかお持ちしますんで、楽にしてくだされば。」

外から来たのであれば疲れているだろう、と労いのつもりの言葉を掛ければ「そう、作戦会議」と復唱。それ以外に適切な言葉が思い浮かばなかったからか訂正などせずに頷く。

「渋谷の方なんすね、洋服…スイーツ…」

渋谷は新宿と何か約束をしていたと聞いたことがある。つまりはそこ2つにいるのであれば割と安全なのではないか?なんて考えつつ少しだけ、いやかなり興味がある響きにドキドキ。女の子もかわいいと聞けばどう反応すればいいかわからずただ少し焦るのみだった。

「いいなあ、流行の最先端って感じですね。昔は結構行ってたんですけど。服とか最近のは詳しくないし、でも…」

(視察は別として)「普通に行ってみたいな」…と付け足しながらも渋谷への憧れを膨らます。中学時代友達との付き合いで何度か行ったことはあるものの4年程前のこと。流行の最先端、と評価した通りあの場所は今どうなっているのか単純に興味が湧いてくる。こんなに他の場所の話を聞いたのは久しぶりだし、知り合いも出来たのであれば近いうちに訪れるのもありか。
ああでも、いざとなった時に何もできないのはちょっと困るな。バレなければ大丈夫か、なんてつまらないような普通の思考を巡らせながら。


>>hati様宅、森峰七瀬様 / ALL様

24日前 No.18

陽香 @brahman☆r92H8KW1RF2 ★Android=lmNuvruUyx

【千代田区/秋葉原中央通りに面したすうぃ〜てぃあ店舗/まゆ】

「おかえりなさいませ、ご主人様!」

 入口の方からチリンチリンとベルの音が鳴り、その後に1人のメイドが「ご主人様のご帰宅です」、と。その後に1拍置いてお屋敷内全てのメイドが声を揃えておかえりなさいませ、とご主人様へご帰宅の挨拶。今の時間、40席ほどあるすうぃ〜てぃあはほぼ満席、メイドも慌ただしく、しかしご主人様お嬢様への気配りともえもえチャージは忘れずにお給仕している。通常10店舗ほどあるすうぃ〜てぃあのどこかに所属し、それ以外の店舗でお給仕するのは店休日のみだけど、社長であるまゆちゃんは全ての店舗でまんべんなくお給仕するのです。
 ひとまず今入ってるチェキの撮影を終え、あとは落書きするのみ。しかしピンクのポスカの出が悪く、妖精さんが常駐しているキッチン手前の物入れにポスカを取りに来た。そのついで、リーダー妖精さんが触っているノートパソコンを覗く。この中には現在お給仕中のメイドに入っているチェキやゲームのオーダー、ご主人様お嬢様へのお食事やお飲み物の未了が一覧になって表示されてる。リーダー妖精さんのお仕事はこれらをいかに効率よく回していくか考えること……なのだが。

「今日はサクサク回ってますね。今ならお楽しみ会できそうじゃないですか?」
「そうね、まゆちゃんはお楽しみ会の間にチェキの落書き終わらせて、さくらちゃんと新人さんの2人と、あとあの子にも出てもらおうか」
「そうですね!」

 その後すぐにお屋敷内の照明が落ち、薄いカーテンから覗く光だけの薄暗さに。手にマイクを持ってメイド4人が席前方のステージへ向かうのを、ステージ横の壁で仕切られた小さな部屋──いわゆる落書き部屋──から見送る。かわいらしいポップチューンの歌を聞くのを横目(横耳?)に、手早く心を込めてもえもえいっぱいに落書きする。1曲歌い終わる頃には12枚全てのチェキに落書きし終えた。

>>All様


【本編開始おめでとうございます! メイドカフェ用語で妖精さんはメイドさん以外の事務仕事をする社員やキッチンスタッフのことです。お花畑女まゆちゃんともどもよろしくお願いします!】

23日前 No.19

坂上叶 @railguns03 ★iPhone=gXeY8DTIMi

【坂上叶/杉並区 公園付近】
元々は文京区の彼女。ではあったが、元から身体が弱く、病院=家みたいな感じだったが、どうも、体調を崩してしまい、取り敢えず電車で寝る。それは論外だと感じ公園かどこかで休ませてもらうか。と、それらしいところを見つけ安堵してたりはするが、ここどこ?私は誰?それは流石にないがそんな状態。彼女自身、あそこ(病院)以外の場所にはあまり行ったことがなく色々不安だったりし、公園付近なのはみてわかるが取り敢えずそれである。

また、公園には誰かいてて、何か話してる様子だったため少し離れたところに休めそうなとこを見つけ座っては2つの意味での様子見をと思う。1つ目は自身の体調、2つ目は相手の様子を伺いつつといったとこである。

こういうことは彼女からすればここ最近、よくあること。で、あるがためまた?と思うようなことで、あんな公共交通機関でよくあることだが体調を崩すとはと、思ったりし、過去に何度かああいった場所で体調崩し、おおごとになったりしたから、こうなる前にと、思い体調崩す直前に出てきたというところだ。

「取り敢えず休ませてもらうかな」
そういうと、音楽プレイヤーで、この状況にもかかわらず音楽をきいてたのか、歌詞の一節「君は小さく微笑んだ。平気だとばかりに」と、決して綺麗な音程とは言えないが口ずさんでみたりしては
【遅くなりましたが文京区出身の病弱女児投下です。】
→all

22日前 No.20

hati @sirusiru ★5yPzyPUYrP_agS

『 森峰 七瀬 / 杉並区・とある公園ベンチ付近 』

「なんだそりゃ。ま、自分が気づいてないだけで個性なんていくらでもあるんじゃない? 俺は……ほら、顔が良い事とか?
ありがとう、でも持ってもらうほど貧弱じゃないから大丈夫だよ」

 名前だけが個性という言葉にきょとんとした表情で数秒固まった後に、七瀬は笑い出すと顔の前で手を振りそんな奴はいないと再度相手を見る。自信満々に自分の顔が良いと言ってのけるところが彼らしいのだが、初対面の人間に言い放って引かれるという考えはないものか。
 荷物を持つという相手に申し訳ないからと軽く断りを入れると、自身の区に興味がある素振りを見せたのに多少思案する。
 恐らく、限りなく恐らくだがこの少年は敵意は持っていない。それに領主、副領主では無いのではないだろうか。まあ、領主クラスであっても自身の統治区以外に出てしまうと強化がなくなるし、いざとなったら自分の領主に連絡でも取って弱体化、申し訳ないがそのまま杉並も(自身の買い物のためにも)統合すれば良い話しだ。
 頭の中で思考を止めることなく結論を出すと、ベンチから立ち上がりくるりと相手に向かい反転する。

「じゃあ行ってみる? そういえば俺も新作のスイーツ出たみたいでいつ食べに行くか迷っててさ〜。どうせいつでも行けるけど、久しぶりに行けるってなら最近の渋谷の雰囲気も分かっていいんじゃない?」

 もちろんアジトだとか、重要な場所への案内はごめんだが。スイーツが食べたかったのは本音だし、暫く行く用事もなかったから久しぶりに渋谷へ来るという彼と観光紛いのことをするなら楽しいのでは無いかと思案しつつ、ふと耳に届いた歌声に辺りを見回し。

【返信遅くなってしまってすみません……それに叶ちゃんの拾い方も微妙になってしまってすみません(´;ω;`)
宜しければ我が(我が?)渋谷でスイーツ食べてキャッキャウフフしましょう!(?)】

>>杉並区・とある公園ベンチ付近ALL

22日前 No.21

@purple3ru ★iPhone=5uXDFiflht

【 筑紫恋甜果 / 葛飾区・筑紫恋家→スーパー銭湯『湯け湯け健康ランド』入口脇→ちゃんこ屋 】

甜果の、今にも掻き消えそうで途切れ途切れな声とは対照的な、領主様の元気溌剌などデカい声が返ってくる。端的に言えば奢ってくれるらしい。「そんなっ、いいです、払います……!」と言おうかとも思ったけれど、彼女のことだ。こちらがなんと言っても多分全額支払ってくれるのだろう。おじいちゃんからもらったお金は、元からお釣りが出る予定だしその分返すつもりだったけれど、どうやら丸ごと五千円返金することとなりそうだ。小賢しい者ならそのまま自分の財布に忍ばせるし、祖父もきっと「お釣りは小遣いって事でそのままやるよ」と行ってくれるだろうが、真面目な甜果は他人の大事な金を自分のものにするなんて、考えもしないのだった。

「そ、そうですか……? じゃあ、お言葉に、甘えます……! ……ちゃんこ屋、ですか? 筑紫恋、行ったことない、です……多分。……絶品……湯殿先輩が、言うなら……楽しみ――きゃあああぁぁぁああぁぁっ!? だっ、だっ、だっ、だっ、だ、だ、だ、だ、誰!?」

湯殿の言葉に、一生懸命自分の気持ちを伝えている途中、視界の隅に知らない人間が映り込み、つい悲鳴をあげ、早速その彼も誘っている湯殿の背中に隠れる。つい、鞄を落としてしまった。甜果にしては大声を出したが、それでも普段の三倍ぐらいで、領主の普段の声には程遠い。
突然現れた圭太の知り合いと思われる男は、この身長150cm半ば三人と比べると二十数センチほど高い。180cmほどだろうか。身体中に傷が目立っている。まあ、大きくて傷だらけの男だったとしても、悲鳴をあげるのは失礼だろうが。

「あぁっ、う……そ、その、えっと、あの、ひっ……ご、ごめ、ごめんな、さい……つ、つつつ、筑紫恋っ、その……怖く、って……あああっ、違う! 違うんです! 怖いっていうか、違くて、違わないんですけど、その、筑紫恋が、こ、怖いのは、いつもで……ふぇえ、ごめんなさいぃ!!」

相手は何もしていないというのに、わたわたと焦った様子で無意味に手を動かし、涙を浮かべ、悲鳴を上げたことに対してどうにか説明を試みるも、恐怖に覚えた脳味噌では上手く表せるはずがなく、結局地面で伏せていた鞄を拾い上げ、謝りながらトテトテと湯殿の元へ駆け出した。(あ、圭太くんに、誘ってくれてありがとうって、言えてない……)なんて、考えながら。

>>泉界湯殿さま、琳圭太さま、奈良ヒトミさま、葛飾区all

※警告に同意して書きこまれました (個人情報)
22日前 No.22

鶏チキン @rmlp3322 ★wejhOBMSnu_keJ

【千代田区・日比谷野外音楽堂/阿澄今日子】

 音楽は祈りだ。私は祈る。
 たしかこれはどこかの作家のとある著書の序文を捩ったものだったけれど、あまりにもしっくり来たので私は自分の格言のようにして使っている。数年の前の私であれば音楽は祈りなどと甘ったれたことは言わなかっただろう。音楽は神に手を伸ばすこと、冒涜的だが挑戦的で、他人を引き付けるもの。しかし色々あった。色々あって私は音楽は自分だけの挑戦ではないと知り、しかしながら本質的にはひとりっきりの戦いであることも知っている。だからこそ祈りだと、ある意味ではそれは正しいと思う。
 Music, Music, Music. Sing. I sing a song.
 人間の孤独を歌い、触れ合う皮膚の触感を歌い、笑いあう温かさを歌い、分かり合えない空白を歌う。
 音楽は祈りだ、私は私の歌がどこかのだれかに届くことを祈って歌う。それがどこのだれであろうと私の歌を聴き、なにかが伝わればそれが本懐だと思う。昔の私には考えられない、他人あっての私の歌。

 日比谷野外音楽堂は数年前、東京での陣取り合戦が始まってしまった時からほとんど使われることはなかった。歌を歌っている場合でも、聴いている場合でもないと判断した者たちが半数以上だったからだ。しかし今日もここで勝手にギターを掻き鳴らす阿澄今日子にとっては歌を歌っているのに陣取り合戦などしている場合ではない、と言ったところだ。
 日常であれば勝手にステージに上がり、勝手に音響をいじくりまわし、勝手に歌い叫んでいる今日子は出禁になってもおかしくないだろう。その点では東京をめちゃくちゃにした神とやらに感謝すべきなのかもしれない。今となっては好きなところで好きに歌っても注意する者はほとんどいない。皆、自分の生活で精いっぱいなのだ。
 そんな中でも今日子が好き勝手歌う音楽堂に足を運ぶ物好きはいくらかいて、大音楽堂の固いベンチ席は三分の一埋まっているかどうかといった集客であるが確かに今日子の歌に耳を傾ける人たちがいた。
 三十分ほどトークも挟まず次から次に自作の曲を歌い続け、汗だくになった今日子はステージの端に置いておいたタオルとミネラルウォーターのペットボトルを引っ掴み『解散!』と宣言した。その声は女性にしては低く、ハスキーと分類されるようなまっすぐとした声音だが、どこか人工のリズムがあり、ひっかかりを覚えるものではあった。

『阿澄は疲れたぞ! 今日は十分歌った! 今日の阿澄はきみたちにとってどうだっただろうか? 良かったか? きっと良かっただろう、阿澄が聞くに堪えない歌など歌ったことはないからな。わはは』

 声音は一瞬キンと耳障りに響くが喋りながら音の調整を行ったのか徐々に音は落ち着いてくる。阿澄今日子は歌を歌う人間だが、その喉は機械仕掛けなのだ。
 阿澄今日子はアイドルではないので、良かったか、と観客にアンサーを求めても誰も返すことはないし、阿澄も本当に返答を求めているわけではない。その証拠に返事を待つこともなく、今日の自分も最高だったと結論付けた。先週偶然ここを訪れ、今日も興味本位で立ち寄ったOLは、この子先週も同じことを言ってたな、と苦笑いを残し職場へ帰って行った。
 アンコールを唱える客もおらず、皆のんびりと各々の場所へ帰って行く。今日子は鼻歌を歌いながら今日使ったエレキギターやエレクトーンを片付けていた。
>ALL

【遅ればせながらALL文投稿させていただきました! 阿澄は攻撃されたら自衛するスタイルなので他の区の方からの絡みもお待ちしてます! 今後ともよろしくお願いいたします】

22日前 No.23

狼谷 @anima1997☆PMqTzZiUwVg ★iPhone=LUtXGUBCy4

【四童子真央 / 目黒川の橋→目黒区領主の家】

 ――自分の名を呼ぶその声は、泣いているようだった。

 懐かしい声、もう誰の声だったかなんて忘れてしまったなと、そんなことを考えながら目覚めた。少し、居眠りをしていたらしい。もたれかかっていたシートから背を離し、鼻の頭でズレていたサングラスを掛け直す。何気なく腕時計を確認して、眉間を揉んだ。頭が痛い。
 黒塗りのベンツの運転席に座るこの男、四童子真央は目黒区の副領主である。目黒区の自警団は簡単にいえば目黒区のヤクザ「四代目 菊亟会」を、女子高生であり領主である天花寺神楽が統べる集団といっても過言でない。女子高生だからといって舐めてかかると痛い目を見る所では済まない。現に、今神楽が行っているのは元品川区の裏切り者の処刑だ。やりすぎなのでは、という声もあった。だが、真央がそんな声に首を傾げ、

「自分の仲間ァ売ったんだから、当然の報いだろ」

 と言って鼻で笑ったのは、つい何時間か前のことだ。記憶に新しい。そうか、やりすぎ、か。
 窓の外へと視線を向け、そして空を見上げた。トントン、と右手の人差し指で左手首を軽く叩く。裏切り者という、新たな問題に悩まされるようになったのも、品川区をモノにしてからだ。目黒区だけの時代は、神楽が菊亟会やその他不良の統率を取り、上手く機能していた。確かに品川区を吸収することによって得た利益も大きい。例えば、前とは比べ物にならないくらい資金が増えた。そのおかげで目黒区は神楽と数名の自警団員が住むための屋敷を購入できたのである。真央も勿論、副領主として、そして神楽の側近として役割を果たすベく、その屋敷に住んでいた。

 程なくして、車の傍に小さな人影が。ドアを開け入ってくる目黒区領主の少女に、「お嬢、おつかれさん」と声を掛けた。返事の有無は然程重要ではない。リアガラスを開けて外の自警団員に向かって指示を出す神楽の顔を、バックミラー越しに確認する。いつもと変わらない無表情、そして何処か無機質で抑揚のない声。車を出すように指示を受けながら、ハンドルに添えた手と逆の手で前髪をかきあげた。黒のスクエアサングラスの奥の瞳が弧を描く。
 暫く車を走らせ、着いたのは立派な屋敷。これが、神楽や真央、目黒区自警団員数名が住む家だ。後部座席のドアを開けた真央も、周りの団員と同じように頭を下げた。深々と。神楽の姿が屋敷の中に消えたことを確認してから、運転席に戻ってガレージを目指した。勿論団員達には「俺の迎えはいらん」と一言掛けてから。


 脱いだスーツを腕にかけ、ワイシャツ姿になった真央はネクタイを緩めながら屋敷の長い廊下を歩いていた。そして、先程わかれたばかりの神楽の後ろ姿を見つけた。やはり、いつもと変わらない凛とした立ち姿。眉間に皺を寄せ、口を固く結んでいた真央の表情が少しだけ柔らかくなる。

「お嬢。飯にするか?」

 そう尋ねてから、ちらりと時計を一瞥する。裏切り者への粛清へ彼女が地力を使ったかどうかまでは知らない。だが、真央が掛ける労いの言葉はいつもこれだった。

「あ、それより。近々会議を開いた方がいいと思うんだが、お嬢はどう思う?」

 口元に笑みを浮かべていたのもつかの間のことで、すぐに堅い表情に戻り、そう問い掛けた。だが、頭の中は今冷蔵庫の中には何が入っているかだとか、今日の献立は何にしようかだとか、明日はなんのゴミの日だったか、などである。そんなことおくびにも出さないのがこの男、四童子真央である。

【早速神楽ちゃんに絡みました!!!回すロルの部分が短めでごめんなさい……!】

>>神楽、ALL

20日前 No.24

@line☆1jppp41g33s ★Android=Iph2i3QnCf

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20日前 No.25

坂上叶 @railguns03 ★iPhone=gXeY8DTIMi

【坂上叶/杉並区 公園付近】
先程から中良さげなこの二人は、多分スイーツを食べに行くらしく、渋谷にいつでも行ける。、久しぶりにと言ってることから察するに恐らく渋谷出身かな。と、少し考える。そして、キョロキョロと辺りを見回す七瀬に、
「おっす!さっきの声は、私だべ!」
キョロキョロとしてる七瀬を見るなり先程の歌声の主は自身であると、言うと、そんなキョロキョロしなくてもと、苦笑しながら二人の会話や雰囲気的にどこか行くような感じであったので、どこか行く感じ?と、思いながらにもし仮に遊びに行く話だとしても、声がかからない限りはーしたい、○○に行きたい、やりたい。とは言わないタイプ。いや、言わないではなく、言えない引っ込み思案だし、自分が何か意見を言っても病気がある病弱だからとのことで聞き入られない事が多々あったためになるがまま(されるがまま)でいいやと思うようになったという事で内心、楽しそうだな。と、彼らの話をききながらおもったりして、もし、盗み聞きしてたとか思われたら嫌だなと思ったものの、自身は自分の世界に浸っていたからなんとか大丈夫かな?と、思ったり、この二人仲よさそうであるし同じ地区の人なのかな?と、色々勘ぐってたりし、【はい!全然いいですよ!この子、超、引っ込み思案ですが、よろしくです。】→七瀬さん、杉並区公園付近allさま

19日前 No.26

雪鹿 @class ★Android=42zyboh5vZ

【墨田区・隅田公園→移動中/川村 桜威】

 さてはて、何処へ行こうか、と行く先を誰に尋ねるでも無く思いを馳せては、不意に頬を掠めた秋風に、ぶるりと身を震わせた。絵を描いてる内は気になりゃしねぇが、冬程じゃねぇにしたって秋の寒空ってのも、どうにも応えらぁな。
 そう眉尻を少し下げていた折りに聞こえてきた、小気味の良い乾いた下駄の鳴る音に思わず口元がハッと緩む。いやなに、こんな時間に下駄でわざわざ近付いてくんのは一人くらいしか思い当たらねぇのさ。カツリと雪駄を鳴らしては、最近じゃ、すっかりと慣れてきた「旦那ァ」と呼び掛ける、のんびりとした声へ応えるように声のした方へ顔を向ける。
 大方予想通りに、よく似合った濃紺の着物と海面のように鮮やかな群青の結われた髪を持つ、たおやかながらにぶっきらぼうな男――ま、壱成の見慣れた顔がそこにあった訳だ。いつもと違う所と言やぁ、白と黒に別れた羽織を半端に羽織ってる位なもんだ……そうさなぁ、枯れ木も良いが、やっぱり夜の桜並木か五月雨の紫陽花の方が合うか。いや、番傘に雪景色も中々に――っと、いけねぇいけねぇ。また筆を取っちまう所だったぜ。

 相変わらず犬歯が覗く緩んだ口元はそのままに「よぉ、壱の字」そう暢気な声で答えながらも、似たような事を考えたのは何度目だったか、なんて五分後には覚えてないだろう反省をしていれば、絵描きは終いか、と問われれば「まぁな、ちょいと筆の乗りが悪ぃのさ」と僅かに嘆息を吐けば、なんか食いに行きやせんか、と声を掛けられる。

 はて、もうそんな時間かね、と時計探しも兼ねて辺りを見回す前に、そんな必要はねぇとでも言うように腹が小さく、グゥとタイミング良く音を立てた。

「ははっ、丁度腹の虫もうるせぇや! そうさな、暖けぇもんでも食いてぇところだ。なんせ、流石に俺も敵わねぇもんでなぁ」

 腹の虫をカラッと快活に笑い飛ばしては、トートバッグを持っていない左手で数度腹を小さく叩く。それから、落ち葉を巻き上げながらも強く吹き付ける秋風に、眉を下げて苦笑を零して両手で二の腕辺りを擦る。
 いや、本当に冷え込んでらぁな……こりゃ、冬になったら雪の一つや二つ降るかもしんねぇや。俺ぁ、大して困らねぇけどなぁ……いや、むしろ東京の雪景色なんてのは滅多に見れねぇ絶景なもんで喜ばしい限り――っと、んな先の事を考える暇はねぇや。今は飯だ、飯。はてさて、何があったかねぇ……そういやアレがあったな。昼下がりだが、席の一つや二つ空いてんだろ。

 そう、腕を組み直して寸刻ばかり悩む素振りを見せていた桜威は、少しばかりの悪戯に「こっちで良いだろ?」なんて声を掛けては雪駄を、ちゃらりと鳴らして壱成が来た方へと一歩、歩み出す。どうせなら、土地勘のある墨田の方が色々と差し支え無くて良いだろうし……あとはまぁ……飯一つでんなに歩きたくねぇってのが、本音さな!

「なぁ、ちゃんこ鍋と拉麺。どっちが良い? 俺ぁ、どっちでも構いやしねぇからな。ま、悩むってんなら、道すがら決めても良いぜ」

 落ち葉が道端に積もった公園を抜ける道中にて、ふと壱成の方へと顔を向けては、なんと無しに口に馴染むもんで早々に思い付いた二つの選択肢を投げ掛ける。多少の幼さの残る顔は寒さに負ける事無く上機嫌に口角を上げていて、何を気にするでもなく闊歩するだけだ。
 たとえ、疑念や不信がこめられた視線を集めても構いやしねぇ。俺はありてぇようにあるだけ、采配ってのも取りてぇように取るだけさ。それに文句があんなら言ってみろってんだ。
 そう言わんばかりの快活にして豪傑な在り方に、文句を言えない視線は自然と霧消する。果たして彼が領主足る器かどうか、それは分からないが、在り方は確かに人の心を惹くに足るものなのだろう。でなければ、とうの昔に瓦解していてもおかしくないのだ。
 ――故に、墨田区は平穏である。少なくとも、今のところは。

>壱成、all

【絡みありがとうございます!こちらこそ、よろしくお願いします!】

18日前 No.27

お天気お姉さん @tokyoapple ★iPhone=RGAcSVe0GA

【 羽根木 都空 / 世田谷区 / タワーマンション・羽根木邸 → 浄吉寺 】

 ハロウィンからしばらく経ち、クリスマスや年末の騒がしい気配が刻一刻と近付いている霜月下旬の朝。
 小綺麗に片付けられたマンションの一室に無機質なアラーム音が響き、一人の女性――羽根木都空がむくりと起き上がった。
 乱雑に広がった布団に半身を包ませしばし目を擦ってから、思わず小さな声を零す。

 「……さむっ」

 十二月も迫った早朝の室内には、張り詰めたような冷たい空気が満ちている。
 暖房のスイッチを入れ、カーテンを開くと慣れ親しんだ世田谷の街並みと――どんよりと濁った曇天が広がっていた。
 都空は晴天が好きだ。特に一日の始まりが曇っていては縁起が悪いように思う。何となく。
 溜息を吐きながら指を鳴らすと、それに呼応するように灰色の雲が円状に広がり青空を披露した。

 “神”とやらの介入により、都内全域に“地力”なる異能力が発現し既存のシステムが崩壊してから三年。
 世田谷区の領主である都空は、天候操作の地力を授かっている。雲を掃うぐらいならば僅かの予備動作で事足りてしまう。
 義理の叔父兼右腕である蓮司には能力の乱用を諫められてはいるのだが、毎朝青空を拝むのが日課なのだ。

 身支度を整えトレードマークの空色コートを羽織り、都空はベランダに出た。片手には愛用の傘。
 髪を靡かせる風を感じながら、イヤホンにお気に入りのバンドを流し、“いつものように”傘を開く。
 都空の自宅はタワーマンションの最上階である。
 当然落ちたら一溜りもない高度なのだが、彼女は何の躊躇いもなくベランダの柵の上に立ち、――柵を蹴って飛び降りた。

 メリーポピンズという映画には、傘で空を飛ぶ魔女が出てくる。
 小さい頃それに憧れていた都空は、地力を授かって真っ先に傘による飛行・滑空の練習を行った。
 区の自警団の本部である浄吉寺に向かう際も、いつもこの摩訶不思議な交通手段を採っているのだ。

 『あ、お天気のおねーさんだ!』「おーおはよう!遅刻も寄り道もするんじゃないぞー」
 『都空ちゃん、こないだはありがとねぇ』「どういたしまして!また何かあったら頼ってよ」

 こちらを見上げる登校中の小学生たちに手を振り、呼びかけてくる老婦人に笑いかける。
 青空の中ふわふわと空を飛ぶ都空は矢張り目立つ。最近はこの出勤の時間も領民たちとのコミュニケーションに利用しているのだ。
 毎朝のように見られる急な晴天と空を飛ぶ領主は、もはや世田谷区のちょっとした名物となっている。
 しかし毎日晴天では花や木が枯れてしまう。空に穴をあけるのは一瞬に留め、また雲は以前のように流れ始めていた。

 〇●〇

 ふわりと寺の境内に着地した都空は、ここを貸し出してくれている住職に挨拶をしてお参りをして、本堂に向かっていく。
 腕時計を見遣ると時刻は9時20分前。自警団の面々に顔を出して回るのにちょうどいい頃か。

 世田谷区自警団に正式な名称は無い。各々好きに呼べば良いと思っている。
 都空は『世田谷連合』などと呼んでいるが、なんだかヤンキー臭いと他の面子からの評判は悪い。
 幼い頃は毎日のように喧嘩に明け暮れていたため、彼女の感覚がヤンキーに近いというのは強ち間違いでもないだろう。

 本日の予定をざっと思い返してみるが、今日はいつもより時間が空いているようだ。
 前から気になっていた他区の見学に行くのもありかもしれない、と暢気に考えながら本堂の扉を開く。

 「お早う諸君!今日も一日頑張ろーね」

>ALL


【メイン解禁おめでとうございます!遅ればせながらよろしくお願い致します】

17日前 No.28

ぴーぴーけー @ppkppk☆ErEBsPNY5g.j ★iUcwHsnoGa_2YW

【千代田区・日比谷野外音楽堂/江楠 真希奈】

 人工物とは儚いものだ。ひとたび人の手から離れてしまえば、朽ちるのは予想以上に早い。先史の文明の遺産もそのようにして朽ち果て、姿を消していったのだろう。もしかすると我々が今生きるこの現代文明をしのぐ発明もあったのかもしれない。

「いやー、さすがは今日子ちゃん! 相変わらず歌も演奏もうまいですなー!
発声器もばっちり使いこなせているようで、何よりですぞ!」

 今ちょうど歌姫の舞台が終演を迎え、ステージ袖で音響機材を操作していたこの男も彼女に向かい小さな賛美の拍手を送る。アニメや漫画に出てくる研究者そのままのビン底メガネと白衣を着用し、額には謎のヘッドセットを装着した長身長髪の男――――江楠 真希奈。数々の凄まじい発明を生み、この3年間で地球の機械工学を50年は進めたといわれる、まさしく天才発明家である。しかし残念ながらそのどこか気の抜けた外見からはそのような威厳は露ほども感じられない。今回のような知人の依頼や仕事以外ではめったに外に出ることもなく、普段は秋葉原の一角に構えた研究所で日々新たな(あやしい)発明にいそしんでいる。

 この野外音楽堂の機材類も、神の介入以降しばらく人の手に触れなかったために、一時は劣化が激しくとても満足に運用できるようなものではなかった。そこにたまたま仕事帰りに通りかかったのがまさしく機械の虫の真希奈であった。壊れた機械があればとりあえず分解して修理を試みることが呼吸のように身に染みついた彼とその技術のおかげで、野外音楽堂の音響設備は機材の手配にかかった時間を除けばたった半日で修理が完了してしまったのだ。

 今回のライブで使用した機材も、慣れた手つきで素早く片付けていく。使用したミキサーやスピーカー、アンプ等の機材類も、すべて真希奈謹製のPAセット。非常に小規模な機材ながら、この音楽堂程度の会場ならば余裕でまかなえる高い性能のもの。大型のスピーカーを筆頭とした各種機材類を軽々と運び乗ってきた小型の配送トラックに積み込みながら、ふと今日これからの予定を思い出した。

「今日子ちゃん、この後はもしやバイトですかな? 僕もまゆちゃんの所へ昼食がてら行く用事があるので、送って行きますぞ!」

 どうやら彼の用意した機材はほぼ積み込み終えたようだ。徹底的に効率化したが故に、設営もバラシも非常に短時間で済む。残ったケーブル類を次々に巻き取りながら、同じく自分の楽器類を片付ける彼女にいつもの飄々とした笑顔で語りかける。普段から慣れているためにケーブル類を巻き取る際の8の字巻きの速度も尋常ではない。収納したケーブルボックスの蓋を閉じ、トラックへの音響機材の積み込みも完了した。どちらにせよ彼女の機材類も一緒に積み込んで家に送り届けなければならないのだ。配送トラックにはこれも真希奈謹製の厳重なセキュリティが搭載されている。メイドカフェ「すうぃ〜てぃあ」から見える位置にもコインパーキングがあるため、そこに停めておけば問題はないだろう。

【参加が遅くなってしまい大変申し訳ございません……!!!!】

>>阿澄 今日子様、周辺ALL

17日前 No.29

@line☆1jppp41g33s ★Android=Iph2i3QnCf

【墨田区・隅田公園→移動中/京極壱成】

 彼は犬歯の覗く口元を緩ませて、「壱の字」と自分を呼ぶ。ようやく耳に馴染んできたその呼び名に小さく頷いて、壱成は「へい」と律儀に返事をした。
 ふいに木枯らしが吹いた。目の前を一枚の葉が風に流されるのを、気紛れにパシッと掴んで何となく見つめてみる。赤く色付いた葉、四方に伸びる葉脈。葉柄を親指と人差し指で掴み、くるくると回す。単なる手遊びだ。表も裏も夕陽のように真っ赤に染まった葉を見て、秋の訪れを感じる。そして桜威が歩き出すと、壱成も彼の後に続いて足を踏み出した。下駄と雪駄の乾いた足音が響く。
 目の前を歩く桜威の背。霞模様が鮮やかな羽織の袖が靡くのを見ながら、不思議なお人だなァと壱成は思った。自分と歩くということは奇異の目で見られるというのに、桜威はそんなこと少しも気にする素振りを見せずに歩みを進めていく。文句があれば言ってみろとばかりに堂々とした足取り。
 恨んでいないのだろうか、副領主を殺した自分を。
 しかし、ふいに浮かんできた疑問は、こちらを振り向いた桜威と目が合った瞬間消えた。壱成はきょとんとした顔で「ちゃんこ鍋と拉麺ですかィ?」と彼の言葉を復唱した。

「旦那、拉麺にしやしょう。今の俺はそういう気分でさァ」

 ひらりと目の前に落ちてきた黄色い銀杏を見て、ふいに拉麺の黄色い麺を想起した。ただそれだけの理由で壱成は拉麺に決めたのだった。と、同時に先程浮かんできた疑問を壱成は飲み込むことにした。――今そんなこと聞いたってどうしようもねェな……。
 前を行く桜威の後に続きながら、壱成はゆっくりと一度瞬きをして顔を上げた。

 冷たい風が吹きすぎ、ぶるっと身震いをした。壱成は黒と白の羽織に袖を通しながら、桜威の隣に並ぶ。雪駄と下駄の足音が通りに響く。

「旦那ァ、この近く、真っ直ぐ行って横断歩道を渡ったところに拉麺屋がありやすがそこにしやすか? それともどこか別のところに?」

 墨田公園に来る途中で見かけた小さな拉麺屋。近場がいいのならそこになるのか、それとも彼お気に入りの店があるのか。
 墨田の街は未だに馴染みの薄いところがある。領主である彼を探すあまりに大体は慣れてきたが、それでも墨田について知らないことはまだまだあるだろう。壱成は手に持っていた赤く染まった葉を手放すと、ちらと桜威に視線を向けた。

>桜威、ALL

15日前 No.30

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★YRuDhSwQ0p_2YW

【 泉界湯殿 / 葛飾区・スーパー銭湯『湯け湯け健康ランド』・入口脇→ちゃんこ屋 】

 身内だけの三人で和気あいあいと会話しながら歩くこと十分。
 目的のちゃんこ屋に辿り着いた一行は、入る前から漂ってくるお鍋の出汁の良い匂いに既にテンションを上げていた。
 もちろん、湯殿が勝手に「みんなテンションが上がっている」と判断しただけで中にはそうでない者もいるかもしれない。
 ただ間違いないのは、湯殿は店内から香って来る食欲をそそる匂いたちに確実浮かれていること。
 気持ち小躍りする自分たちの領主を見て、小窓からそれを見ている従業員らもニッコニコだ。

「ふふふ、これはなんとも期待できる匂いだ! 複雑な食材の組み合わせのみが為し得る芳醇な出汁を提供してくれるのだろうと、店の前に立っているだけの現時点から分かってしまうぞ……!!」

 のれんの前で生唾を飲み込み、来たるべき昼食タイムに備えまた精神を高揚させる。
 だが、さすがにいついつまでも店の前を陣取っていては営業妨害の謗りを受けかねない。
 何より外は寒くて店の中は温かいのだから、誘った自警団仲間のためにもさっさと入るべきだ。

「邪魔するぞ、店主殿! そして従業員の皆の衆! 加えて我が愛すべき領民らよ!」

 声を張り上げてのれんをくぐり、引き戸をスライドさせちゃんこ屋への突入を果たす。
 入店した瞬間から暑くない程度に良く暖房が効いていて、寒さで緊張していた身体が時解れる気分だった。
 全ての領民と懇意に、とまでは行かずとも、近所の領民なら殆ど友人知人レベルの気安さで接することにお互い慣れきった関係性だ。
 故に湯殿にやかましいとさえ言える元気な挨拶を受けた領民たちは、「偉い人に声をかけられた!」とワタワタすることもなく、あら領主さまじゃないのいらっしゃい、くらいの和やかさと親しみをもって迎えてくれていた。
 立場の線引きが厳格な区から越してきたばかりの領民は、しばしばこういった光景を目撃しては目を点にする。しかしこれが葛飾区での普通だ。

 手の空いていた従業員に案内され、葛飾区自警団御一行様は奥の座敷席に辿り着く。
 床は畳で掘り炬燵よろしく机の下に穴が空いており、正座してもしなくてもお鍋を食べられる設計だ。
 本来は四人席なので並べられた座布団の数は四つ。
 湯殿は一応周囲が気を遣う可能性も考え、上座にあたる“入口から最も遠い席”に座す。

「さてと! メインはもつ鍋のつもりで来たとはいえ、喰い盛りの十代が三人もいるのだ。それだけで足りはしまいだろうよ。皆、サブメニューは何を頼む? おっと、締めのラーメンも入れられるだけの隙間は残してくれたまえよ!」

 嬉々としてメニューを木製の卓上に広げ、とりあえず飲み物は麦茶にしよう、などと考えつつ他の二人にも注文を聞く。
 このちゃんこ屋はボタンを押すのではなく、大声を出して従業員を呼べばすぐに飛んできてくれるシステムだ。
 甜果はそういうのが苦手だろうから、とりあえず頼むものが決まれば自分か圭太が従業員に注文を済ませよう。

>琳圭太様&筑紫恋甜果様&ALL様

【ヒトミくんの本体様からの反応が無かったため、ヒトミくんは残念ながらキャラリセとなってしまいました。そのため、なんかこう最初からヒトミくんはいなくてこの三人でちゃんこ屋に来ていたような感じで合わせて頂けると嬉しいです。クッソ曖昧なお願いですみません……!】

14日前 No.31

雨上がり @koshou0602 ★iPhone=WhimNy2RFf

【 琳圭太 / 葛飾区・ちゃんこ屋 】

 ちゃんこ屋についたボスは、こちらから見ていても人目でわかるほど、鍋の匂いにテンションが上がっているようだ。店の小窓からそれを見つけた従業員たちも、ボスの裏表がないその喜び方にほほえんでいる。ボスの素直さは、人を笑顔にさせる力がある。

 声を上げてちゃんこ屋へ入るボスについていき、

「Hello!!お邪魔するぜ」

と言って、後ろにいた甜果のために引き戸を持ったまま、彼女が室内に入ったあとに入店する。

ボスほどではないにしろ、よくボスと一緒にいるせいか、領民達には俺の存在も知ってくれている方もままいる。俺にも挨拶をしてくれるのは大変嬉しいのだが、マダムや俺より年下の男子たちが「あら圭太くん、身長はのびた?」やら「圭太だー!!背は??背はのびたか???」などの話をしてくるのは余計だ、大きなお世話である。残念ながらそんなにすぐ伸びねぇよ!!大体、毎日銭湯で会ってるから分かるだろ!!

「まぁ見てろ、あと3年もすれば180p台のナイスガイになってるから……」

 と小声で言いつつ、従業員に案内された座敷席に到着する。
 ボスが一番奥に座ったため、一番の下座となる湯殿の目の前に座り、メニューを見る。

「サブメニューか……野菜炒めだろ、唐揚げだろ、だし巻き玉子だろ……あとりんご料理があればいいけど、さすがにないか……。ボスはなんか頼むのか?」

 ちなみにサブメニューは全て完食し、しかるのちもつ鍋もしっかり食べるつもりである。いくら食べても満腹にならないし、寝るときは常に身体が痛い(成長痛だと思われる!!)俺は育ち盛り絶頂期である!

「甜果は頼むもの決まったか?」
>泉界湯殿様&筑紫恋甜果様&ALL様

【了解しました!!
裏設定ですが、圭太の身長は190くらいまで伸びます……
鍋屋とかいったことないんで鍋屋のサブメニューがいまいちわかんなかったので、絶対無さそうなのとかあれば教えてください】

12日前 No.32

雪鹿 @class ★Android=42zyboh5vZ

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11日前 No.33

@purple3ru ★iPhone=5uXDFiflht

【 筑紫恋甜果 / 葛飾区・スーパー銭湯『湯け湯け健康ランド』・入口脇→ちゃんこ屋 】

たのしくトコトコ歩いていると、温かな匂いが鼻腔をくすぐった。隣を歩く領主ほどではないが、静かに甜果も期待で笑みを浮かべ、「うん、そうですね……筑紫恋も、たのしみ……です」と湯殿に答える。
ドアを開けてくれた温泉領主に続き、戸を持ったままでいてくれる圭太に「あ……ありがと」とお礼をしてから、のれんをくぐり店の中へ入る。

「お、お邪魔しまーす……」

入っていちばんに(あったかい……)と感じた。怖がりで恐怖がきっかけでいろいろ起こる甜果だが、恐怖と真反対の安堵を感じている。心も身体もぽかぽかする。そうしてホッとするのも束の間、甜果と違って大きな挨拶をした湯殿の声にびっくりしたあと、お客さんの視線にあわあわして、圭太に注がれる声にビクビクして、「あら甜果ちゃんじゃない、おばちゃんのこと覚えてる?」等、自分にも声をかけてくれる人達に「あ、あの……えと……」とどもり、いつも通り怯える。しどろもどろなまま、トテトテと慌てて2人についていく。湯殿と圭太、どっちの隣に行くか迷ったが、入り口にいちばん近い圭太の隣へと正座した。

「さ、サブメニューなんて、あるんですね……。……け、圭太くん、いっぱい食べるね……? お鍋だけの、つもりだった……けど、筑紫恋も、からあげ、食べよう……かな」

ちゃんこ屋なんて来たことないから、完全に腹いっぱいもつ鍋を食べるつもりだった。し、湯殿にサブメニューをどうするかきかれた際も、「筑紫恋はお鍋だけで十分です」と伝えるつもりだった。伝えるつもりだったのだが、隣で小さな身体(失礼)の少年が、食べたいものをドンドン言っているのをきいていたら、なんだか鍋以外もちょっと食べたくなってしまった。なので、唐揚げを頼むことにした。ちなみに、甜果の食欲は、この年齢の少女だとごくごく一般的である。性格からして少食そうだし、体型からしてよく食べてそうだが、めっちゃ平凡な量を好む。性格からすると割と食べるし、体型からすると意外と食べないのだ。

>>葛飾区allさま


【了解です!悲鳴をあげた失礼な甜果はいなかったってことですね!←】
>>友禅さま

11日前 No.34

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★YRuDhSwQ0p_m5I

【 泉界湯殿 / 葛飾区・ちゃんこ屋 】

 サブメニューというサブメニューを網羅せんとの意気込みを感じさせる圭太とは対照的に、甜果はからあげオンリーと控え目な選択を提示する。
 というか、彼女の性格を考えるなら湯殿がサブメニュー云々を言い出さなければもつ鍋だけで済ませていたに違いない。
 それで無理をさせてしまうのは申し訳ないから、もしも彼女がから揚げを食べていて「もうお腹いっぱいだけど食べ物を残したくない」みたいな困り顔を浮かべた時は圭太と一緒にからあげ消費に助太刀しようと決心する湯殿であった。
 湯殿もやたら滅多ら大喰らいするほうでないとはいえ、これでも平均よりは食べられる。
 要するに「たくさん食べようと思えば食べられるけど普段の食事を少量で済ませようと思えば済ませられる」器用なタイプの胃袋の保持者であった。

「うむ! 温泉私はだな、この中身に鮭とおかかの入った手結びおにぎりと韓国のりを頼む予定だ! あとは枝豆だな。デザートはシメのラーメンに入った頃合にシャーベットでも頼むとしよう。それでは注文するぞ!」

 圭太と甜果の注文を聞き、それはもうとても良く通る大きな声で店員さんを呼ぶ湯殿。
 ただ日常生活を送っているだけなのに相変わらず無駄にパワフルだ。
 初めて彼女らを見る人間なら、湯殿と甜果の様子を交互に観察した後「あっちの女の子の元気があっちの女の子に吸い取られている……?」と真剣に考え込んでも可笑しくはない。
 ただし実際には、湯殿は誰の元気を吸い取らずとも“こう”で、甜果は誰に元気を吸い取られずとも“こう”だ。

 領主の威勢の良さに釣られてか、手にボールペンとメモを持った従業員のお姉さんも「はいよっ!!!!」と感嘆符が大量につく張り上がった声とともにテーブルに駆けつける。
 この店でアルバイトして5年目です、くらいに貫禄のある従業員のお姉さんだが、先月に新装開店したばかりなのでオープンと同時に入ってもまだ働きだして一ヶ月目のはずだ。
 なのに領主を目の前にして、多少テンションに引きずられはしていても全く臆した様子が無い。これはあと数ヶ月もすれば名物アルバイターとして密かに有名になる逸材だと湯殿は内心満足げに笑った。
 自分の区にいる領民が健やかで優れているのは領主にとって何よりの喜びだ。幸せで穏やかであってくれればなお良い。
 東京にいる領主の中には、自分の領民をペットか何かだと思って好き勝手に扱う者もいるそうだが……。そういった連中は、湯殿にしてみればまったくもって奇怪きわまりない。こんなに愛しい生き物たちを、どうして無下にできようか?
 嗚呼、我が領民たちは今日も赤子から老人まで等しく好ましい!

「そういえば、ドリンクは勝手に烏龍茶で統一してしまったが大丈夫だろうか? ドリンクメニューの一番上に書いてあったもので、つい全部それにしてしまった。今ならまだキャンセルが効くから、変更するなら今の内だぞ?」

 再びメニュー表を片手に小首を傾げて二人の意見を問う湯殿。
 至極平和な光景。食欲と幸福に満ちた店内。けれどそんな店の扉を叩き壊す勢いで横薙いで、傷だらけで飛び込んでくる男の姿が、それら全てへ一気に緊迫感をもたらした。
 年の頃は30くらいと見える。スーツ姿で手にビジネスバックを持ったメガネのサラリーマンだ。
 中肉中背でこれといって可笑しな点も無いその男は、けれど全身が血まみれという点において異様なまでに人目を引く。
 慌てて男に声をかけようと我を取り戻した店員が動くよりも、一番奥の座敷にいたはずの湯殿が通路に飛び出して男の眼前に躍り出るほうが早かった。
 湯殿は男の肩を両手でがっしと掴み、今にも前倒れになりそうだった肉体を支える。温泉マークの着物が血でびしゃびしゃになるのも気にせず。

「何があった!? 敵襲か!? それとも地力の暴発事故か!? ええい、とにもかくにも救急車を呼んでくれたまえ! 彼の顔には見覚えがある、我が領民だ!!」

>琳圭太様&筑紫恋甜果様&ALL様

【いきなり負傷したサラリーマンが乱入してきてすみません。日常パートなので大きな争いの前振りではなく、他区のチンピラに絡まれた被害者が逃げ込んできた程度のプチ騒動の予定です。何なら次のロルでそのチンピラが店に飛び込んでくるなどの描写をして頂いても大丈夫です】

11日前 No.35

鈴ノ介 @observer17 ★Android=E7eofHTlS6

【 天花寺 神楽 / 目黒区領主の家 】




 屋敷に戻った神楽は靴を脱いだあと、上に羽織っているスカジャンを脱いで近くにいた自警団メンバーに放り投げるように手渡した。「洗濯しとけ」とだけ告げて、また歩き出す。普段なら週に一度洗濯できればいいくらいだが、今回は違う。裏切り者のメンバーを拷問したときに、反り血が少しかかってしまったのだ。神楽自身は血がついてようが別に知ったことではないが、領主として外面は多少気にしなければいけないということにこの頃気付きはじめた。血を浴びている服を着ていたら、なにも知らない領民は怯えてしまうだろう。

 自分の部屋に向かって歩みを進めていると、後ろから見知った相手に声をかけられた。そろそろ飯にしようかという男「四童子真央」、彼は目黒区副領主であり神楽の右腕だ。真央は、神楽がJCビジネスをやっていた頃から世話になっている反社会的組織「菊 会」の構成員である。神楽は彼の資質を見抜き、目黒区副領主に抜擢した。神楽は目黒区の仲で一番信頼しているのは彼だといっても過言ではないだろう。さすがの神楽も真央に裏切られたらそれなりに傷付きはするのかも、しれない。

「そうだな……仕事が増えて疲れた。さっさと飯にするぞ……」

 神楽は少し不機嫌そうに言った。不機嫌になるのも無理はない。元品川区自警団メンバーの裏切り行為、裏切り者への拷問。面倒事を増やされてうんざりしているのだろう。だが、全く予想していなかったことではない。こう見えて、神楽は自警団メンバーのことをよく観察している。自警団メンバーの行動に対し、何か違和感を覚えるようなことがあれば、これから起こりうる事態に対して必要な処置をとる。
 今回はあえて、その裏切り者に行動を起こさせた。「目黒区領主は、仲間であろうと容赦なく制裁をくわえる。」ということを元品川区自警団メンバーに知らしめるいい機会になったはすだ。これで裏切り行為を行おうとする人間は減っただろう。

「……確かに、これだけじゃまた馬鹿なことをする奴が出るかも知れねぇ……釘打っとくか。真央、テメェからもよく言っとけ。次、裏切り者がでたら容赦しねぇ、命はないと思えよって、なぁ……」

 神楽は光のない大きな瞳で真央を見上げた。まばたきを全くしないその瞳は真っ直ぐに真央を見つめていて、どこか不気味だ。可愛いらしい目をしているのは確かだが、油断をしていたらむしろ此方が狩られてしまうのではないかと錯覚するほどの威圧感がそこにはある。

「まず飯だ………今日の飯はなんだ……?」

 女性にしては低めの声で問いかける。話し方に抑揚がなく、生気も感じないが、それなりに腹は減っている様子。




【遅くなってごめんなさい!急いで書いたので、回すロルの部分が短めです。ごめんなさい!】




>>真央、ALL

10日前 No.36

雨上がり @koshou0602 ★iPhone=WhimNy2RFf

【 琳圭太 / 葛飾区・ちゃんこ屋 】

「おっ、甜果も唐揚げ頼むのか!もし食べられなくなったら遠慮なく言ってくれ、喜んで食べるぜ」

甜果はどうやらサブメニューに唐揚げを食べるようだ。分かる、分かるぜ。このメニューに乗ってる唐揚げの写真、めちゃくちゃうまそうだもんな。……もちろん、唐揚げだけではなくどのメニューの写真も魅力的だった。料理への期待がさらに膨らむ。

 そう思いながら再度メニューを眺めていると、ボスが自分の頼むメニューを宣言する。

「さすがボスだぜ!選ぶメニューも旨そうだ、俺もそれ追加で!」

 全員の注文を聞いた上でボスが大きな声で店員を呼び、これまたいい返事で注文を取りに来てくれた店員の声が響く。

「ドリンク、烏龍茶でいいぜ。炭酸で腹膨らませたくないし、なによりお茶が鍋に一番あうだろ。ありがとなボス!!……って、え?」

 圭太がそう言い終わるか終わらないかのうちに、急に湯殿が立ちあがり通路に飛び出す。
慌ててボスが走る方向である後ろに振り向くと、この場に不釣り合いな血だらけの男が肩で息をしながら、今にも倒れそうな状態で立っていた。
よく見ればそれはたまに銭湯にくる領民の一人。男湯で仕事の疲れを取りにきたと語り、優しくて、俺がどんな話もしても楽しそうに聞いてくれるおじさんだった。おじさんと呼ぶといつも「まだ三十代だよ……」と言いながらも笑顔を向けて許してくれるような、大事な、領民。

血だらけの状態のおじさんを見るやいなや、瞬時に甜果が後ろをを見ないように今現在彼女が座っている背中側に壁になるように立つ。そのままスマホを取りだし、救急車を呼ぶために119と素早く番号をタップする。なぜ彼が、なぜ葛飾区領民が。憤りを隠そうともしない表情のままスマホを耳に当てる。その間にもボスは倒れそうな彼の肩を掴み、何があったかを問いている。

「甜果、今怪我をした領民がいるんだ。危ない人なんかじゃないが、後ろを振り向くな……っボス!!追っ手だ、あぶねぇ!!!」

甜果に事情を説明しながら電話をかけていると、入口ドアから複数の男が入ってくる。全員二十代ほどで、見たこともないようなやつらばかりだから、他区の者だと瞬時に判断する。さらに、そいつらの服についている血しぶきからおじさんの追っ手だと理解しボスに知らせる。

「甜果、救急車を呼ぶから、ここの場所と、全身を出血している男がいるって伝えてくれ」

と言って甜果にスマホを渡し、追っ手に目をやると、6人が店の中に入ってきていた。それらの中の一人が手を開いたまま片腕を上に上げていくのが見える。すると、彼の地力であろう、店内の頭上には槍が無数に出現し、今にも降ってきそうだった。
彼がその腕を降り下げれば槍が落ちてくるのだろう。
だが。

「――無駄だぜ、why don’t you go outside and play hide and go fuck yourself?」

地力を使い、追っ手である彼らにかかっている重力を操り、負荷をかける。無論、立ってなどいられないほどに。
大事な領民を傷つけた罪は重い。本当なら殺すのも吝かではないし、今ならそれも可能なのだが、ボスがいる手前膝をつかす程度の重力に抑える。しかし、彼らの膝はつかせたが、頭上にある槍は消えていない。槍を落とすため腕を動かせれるような状況ではないにしろ、頭の上に今にも落ちてきそうな尖ったものがあるというのは、どうも落ち着かない。それに、6人の人数をこのペースで負荷をかけるとなると、多分30分弱くらいしか持たないため、次の行動を思案する。


>>泉界湯殿様&筑紫恋甜果様&ALL様


【追っ手増やしたりとか色々してくれて大丈夫です。あと甜果ちゃんガードがエグいと思われたら言ってください……】

10日前 No.37

@purple3ru ★iPhone=5uXDFiflht

【 筑紫恋甜果 / ちゃんこ屋 】

「ありがとう、圭太くん。……申し訳ないけど、もしおなかいっぱいになったら、お願いしよっかな……」

圭太の申し出に、はにかみながら受け答える。真面目な気質の甜果なので、勿論自分で頼んだものは――自分で頼んだものでなくとも、出てきた食べ物は完食するつもりだ。するつもりだけれど、もしもお鍋をいっぱい食べて、満腹になってしまったら、遠慮なく圭太にあげようと思った。普段なら「いっ、いいですっ、申し訳ない、ので……っ」と断るところだったが、相手は育ち盛りで身長を気にする少年だ。多分、からあげも無理して食べようとする女の子より、これから伸びるであろう男の子に食べてもらいたいはずだ。

「シャーベット……えへへ、たのしみ……。……あ、はい。筑紫恋も、烏龍茶でオッケー……で――す――?」

デザートにシャーベット、と聞いて、顔を綻ばせる。甘いものが好きなのは女子の天性だ。ドリンクについても、圭太同様、了承の意を伝えようとして――その前に、湯殿が目の前から消えた。席を立った。方向的には、入口の方へ、焦った様子で向かっていった。只事ではないと感じ、自分もそちらへ顔を向けると――圭太が立っていた。「へ!?」予想外だったので、変な声が出た。座っている状態から立っている彼を見上げる。その顔は、見たことないぐらい怒りを露わにしていた。それを、怖い、と思ってしまった自分がいて、すごく嫌だった。憤怒の表情のまま、圭太はスマホを耳に当てながら、甜果に現況を説明をする。

「けっ、怪我……っ!? ……うっ、うんっ、わかった……後ろを、向かなきゃ、いいんだね……? ……はぇっ、きゅ、救急車っ? わ、わわわ、わかったっ、任せて……っ」

怪我をした領民がいる、ときいて、「じゃあ助けなきゃ」とか「筑紫恋だって自警団の一員だもん、一緒に戦わせて」とか、思わなかったわけではない。思わなかったわけではないけれど。上司の言うことは聞かなくちゃいけなくて、相手の方が立場が上なのは確かだし、圭太は善意で自分を守ってくれているし……と、どんどん言い訳が浮かんできて、素直に指示に従うことにしたのだ。携帯電話を受け取り、恐る恐る耳に当てる。

「……えっと、救急……です……。……え、えっと、葛飾区の……最近できた、ちゃんこ屋さん……って、わかります、か……? あの……スーパー銭湯『湯け湯け健康ランド』ってところから、歩いて十分ぐらいの……はい……! そこ、です……! ……あ、その、全身を出血している男がいる……です……。えっ、つ、筑紫恋ですか? 筑紫恋はっ……筑紫恋甜果、です……はい。はい、お願いします……っ!」

時間をかけて、電話越しでもやっぱりオドオドしながら、なんとか状況を伝え、電話を切る。全身を出血だなんて……怖い、と、今更ながら思う。
怖い。このシチュエーションに、遅れて恐怖がやってくる。領民が死んでしまうかもしれない怖さ。その人を傷つけた人がやってきて、此処にいるお客さんが亡くなってしまうかもしれない怖さ。お客さんだけじゃなくて、自分まで怪我を負ってしまうかもしれない怖さ。考えれば考えるほど、体が震え、頭が恐怖で埋め尽くされる。こわい、こわい、こわい……!
怖いものを見たくなくて、俯く。ぎゅっと目を瞑る。こうすれば、視界を閉ざせば、きっと怖くない。……でも、それで、葛飾区の自警団がつとまるのかな?

「……っ……ゆ、湯殿先輩、圭太くんっ……! つ、筑紫恋にも、何かさせてほしっ……ひっ……!?」

濡れた視界で顔を上げ、決意した顔つきでふたりに指示を問いながら、立ちふさがる――守ってくれている、圭太を見上げる。見上げたがしかし――目に入ったのは、視界に入ってしまったのは、今にも雨のように降り注がんとする、槍だった。それを見た途端、さっきまでの真剣さは消え失せ、あっという間にいつもの怯え青ざめた相貌が返ってくる。『甜果』がどれだけ頑張ったところで、怖がりな筑紫恋甜果の恐怖を前には、怯えることしかできないのだ。

「あ……あ……あ、あ……」

>>葛飾区allさま

【何も話が進んでねえ!救急車呼んだぐらいですかね?
 今 甜果ちゃんは「槍が降ってきたら死ぬ」っていう恐怖に耐えきれなさそうになって終わってるので、どうにか説得するか放置して恋紫のターンにするかはご自由です〜! 弱々な甜果のキャパはもともとオーバーしがちなので恋紫は最終兵器というわけでもないので()】

8日前 No.38

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★YRuDhSwQ0p_m5I

【 泉界湯殿 / 葛飾区・ちゃんこ屋 】

 支えている領民の体温がだんだん低くなっていく。
 支えている領民の血液がだんだん減ってゆく。
 支えている領民の顔色がだんだん悪くなってゆく。

 嗚呼、嗚呼、なんと嘆かわしい。
 愛すべき我が領民が斯様に不遇な目に遭っているなどと。
 今すぐに自分が代わってやりたいくらいだ!

「っ――と、衝撃のあまり固まっている場合ではないな! 暫しそこで横になっておりたまえ我が領民! 立っているよりは楽なはずだ!」

 相手より小さな身体を器用に使って近くの座敷席の畳上にサラリーマンを寝かせ、少しでも身体の冷えがマシになるようにと血まみれの着物を脱いで被せる。
 これで湯殿の姿は長襦袢一枚の下に半襦袢と腰巻の簡素なものになったが、長襦袢のほうにも着物と同じ温泉マークの柄が入っているためパッと見はさほど変わらない。
 店内は程よく暖房が効いていて快適だが、これだけの出血ともなると当然体温が著しく下がり寒さを感じるようになる。少しでもこうして何か掛けてやったほうが良いと判断した。

「ええい、次から次へと元気な奴らめ! 若者がイキイキしているのは良いことだが、ギラギラしているのはどうかと思うぞ温泉私! ましてその余ったエネルギーを我が領民にぶつけるとは何事だ!! もっとボランティアとかせんかボランティアとか!!」

 救急車を呼んでくれている途中で発された圭太の叫びに反応して再び通路へ舞い戻る。
 そこにいたのは明らかに自分たちが襲撃者だと物語ったルックスの男数名。
 湯殿に見覚えが無いということは、少なくとも『湯け湯け健康ランド』に足を運んだことはなく、もっと言えば葛飾区の領民でない可能性が高い。
 内一名は手を頭上に掲げて空中に槍なんぞ召喚している辺り、未だ害意も衰えていないと見える。

「我が眼前にて領民をこれ以上傷付けられると思うてか!」

 迷うことなく眼帯を外し、彼女の地力たる魔眼を発動する。
 生物以外ならあまねく全てを温泉へと転じさせるみょうちくりんにして強力無比な魔眼は、圭太が重力操作で彼らに隙を作ってくれた事実も相まって無事に落ち切る前の槍を視認することに成功。
 今にもサラリーマンに突き刺さらんとしていた無数の槍は、全て赤箱の牛乳石鹸にジョブチェンジを果たした。スーパーでも薬局でも、もちろん銭湯でもお馴染みの定番商品だ。湯殿は90周年を記念して制作されたこれの湯桶や石鹸入れなどのオリジナルグッズも持っている。

 自慢の槍が突然石鹸に変貌した瞬間を目の当たりにし、重力に顔を歪めていた男も思わず呆然とした形相を浮かべる。事態が呑み込めていないと見た。
 向こうが追撃してこない内にもっと仕掛けることにしよう。幸い、電話は圭太から引き継いで甜果がかけてくれている。
 それにしても、圭太は咄嗟にこちらのフォローに回るのみならず気弱な甜果を気遣って視界を遮るまでするなんて。さすがは我が区の誇るべき副領主。そして自慢の友だ。

「あぁっ、泣くな甜果よ! 温泉私は領民の涙に弱いのだ! ほら、もう槍なんて怖いものは無いぞ? みんな牛乳石鹸だ牛乳石鹸! な、甜果もよく色んな場所で売っているのを見るであろう?」

 追撃として魔眼パワーで男たちの衣服を全てお湯に変え全身ズブ濡れのパンツ一丁状態にさせた瞬間、後ろにいる甜果の口からめちゃくちゃ庇護欲をそそる怯えた声が聞こえて来てそちらを咄嗟に宥めにかかる。
 まるで初めて幼稚園児をあやす保育園の新米先生のような有様だ。
 が、自分たちのことを放っておいて仲間を優先するその態度が、立て続けに身に降りかかった出来事への困惑で麻痺していた男達の敵愾心に火をつけた。
 槍を出したのとは別の男――モヒカンなので仮称『世紀末野郎』とする――が、「舐めんなぁ!」と叫びながらいきなり全長3メートルはあろうかというムキムキのスーパーマッチョマンに大変身する。
 当然、残っていたパンツなんてもう布地が伸びきってピッチピチのミッチミチだ。よく破けなかったとあのパンツを作ったメーカーを褒めたい。
 あとこのちゃんこ屋が広々とした天井の造りでなければ頭に大ダメージだったと思う。

 破けていないのが不思議な窮屈パンツ姿の世紀末野郎は、重力には筋力で対抗してやるぜとばかりに雄叫びを上げながら身体にパワーを込めだした。
 その後ろでは顔中にピアスをつけた男が呪文みたいなものを唱えているが、小声すぎて何を言っているのかはよく分からない。
 他の面子は身動き一つしていない点から、圭太の地力と相性が悪く反撃に移れないと見た。
 ならば警戒すべきは世紀末野郎と謎の呪文を唱えている奴。
 何をしでかすか分からないから、警戒優先度でいうと呪文を唱えている奴が一番だ。

>琳圭太様&筑紫恋甜果様&ALL様

【もう設定も何も無い集団なので追手たちは好き勝手に描写していきましょう!】

8日前 No.39

雨上がり @koshou0602 ★iPhone=WhimNy2RFf

【 琳圭太 / 葛飾区・ちゃんこ屋 】

「Thank-you!ボス、ボスなら何も言わずとも槍をボスの力でなんかに変えてくれるって信じてたぜ!!」

敵が膝をついた隙を使って、ボスが頭上にあった槍を全て石鹸に変えてくれた。これはこれで異様だが、これなら落ちてきても安心だし、むしろ落ちてきたら嬉しいくらいだ。

槍が怖かったのか後ろで悲痛な声をあげていた甜果に声をかける。

「甜果、泣くな。年下に言われてもあんまり安心できねーかもしんないけど、怖いことなんかなんにもないから、大丈夫だ。……あと、血とかも、怖かったりするか?」

彼女の地力は強いし、もうひとりの彼女――恋紫と言ったか――は好ましいくらいさばさばした強い女性だ。だが、今の状況で彼女が地力を使えば他の領民にも被害が出るし、現在の彼女は『恋紫』でなく『甜果』なのだ。
その恐がりな方の甜果に頼むのは酷かもしれないが、もし血を見るのが我慢できるなら、おじさんの手当てをして欲しかった。もちろんおじさんの怪我が心配というのもあるが、何もせずに守られているというのは、優しい彼女にとっては自分を責める原因となるかもしれないと思ったからだ。だが、無理はしてほしくない。誰だって適材適所はあるもので、甜果の場合たくさんの敵がいるときは最高の地力だ(俺は大人数は不得手)。ただ今回は味方が周りに多い室内で、彼女の地力を使いにくいというだけである。

ボスが引き続いて、追っ手の服をお湯に変えて下着一枚の状態にしていた。
だが、そんな状態でも尚足掻こうとするモヒカンの男が、全長3メートルほどに大きくなり、叫びながら重力に打ち勝とうとする。
それを見た俺が思ったことは、小賢しいでも、呆れるでもなく、

「……な、なんだよそれ……

かっこよすぎだろ!!!!!」

マッチョに変身できるとか男のロマン……しかも三メートルもあるとか……!!
しかし、目を光らせて俺が叫んだ瞬間、周りの領民たちが呆れる、というか可哀想な者を見る目で見てきたので、ハッと我に帰る。

「……じゃなくて、やってやろうじゃねぇか!!」

モヒカン男に更に重力加速度を増やす。彼が更に筋肉を増やし動こうとする。それを繰り返すうちに、モヒカン男に注意をかけすぎたのか、もう一人別の男が詠唱をし地力を使おうとしているのに気がつかなかった。

近くにいた領民の男の一人が近づいてきていた。
領民だと思って、気にしていなかった。

――領民のはずの彼が、俺の首をしめるまで。

「……っ゛あ゛ッ!?」

重力を操っていた地力が緩む。

>泉界湯殿様&筑紫恋甜果様&ALL様

【詠唱してたやつの地力は他人の体を乗っ取って操る、にしました!】

7日前 No.40

神波 @thousand00☆hyqkMkn9Rthi ★Android=uJs7nQDOiH

[サムライラ・ニンジャクリーン/葛飾区内駅→葛飾区・ちゃんこ屋]

 駅のホームにあるベンチに腰掛けて、天を仰ぎ深い息を吐く女性。今にも線路側へと歩いていきそうな重たい雰囲気を見にまとったまま遠くを眺めるサムライラ・ニンジャクリーン。
 ここ数日で時の人となった板橋区の領主。現代の中で乱戦が巻き起こっているこの時代。彼女は先日、人を殺した。北区領主の首を跳ねた感覚が腰から下げる刀から体、腕を通って手のひらまで未だに伝わってくる。思わず手のひらを見ると真っ赤に染まり、血が滴っている。

「……っ」

 慌てて顔を振り、幻覚を消し去る。荒くなった息と、額に滲んだ冷たい汗が否が応でも人殺しを自覚させる。
 板橋区での会議を終え、行く宛もなく電車に乗り込んだのは二時間ほど前。外回りに行ってくると嘘をついた。誰もいない一番後ろの車両に乗り、パーカーを深く被って揺られていたら葛飾区に来てしまった。何故この駅で降りたかは分からない。そもそも板橋区から出ない方が策としては正しいはずだ。まだ少ない合併区となった板橋区を警戒している人は多い。彼女も領主として領民にはなるべく板橋区から出ないことを伝えているだけに自分がここに来てしまったことに確かな矛盾を覚える。実際、他の区に来ているので彼女の地力は弱まっている。
 電車から降りるとそのままホームのベンチに座ったのは三十分前。何度も板橋区へと向かう電車を虚ろな目で送った。椅子に足を縛り付けられたように、爪先に杭を打ち込まれたように立ち上がることが出来なかった。


 ようやく立ち上がり、目の前で閉じる電車の扉を眺めるとそのまま駅から外へと出た。何度か他の区との衝突があったことは有名であり、その度に持ち直している底力がある区だ。これも掴みどころがないのに芯が強い領主のおかげかと思ってしまう。
 対比するように自分は板橋区のために動けているだろうか。歩く人々の視線が自分に向いているようにさえ感じてしまう。フードを被り直してここではないどこかへと走り出そうとした時、目の前を救急車が通り抜けていった。サイレンとアナウンスで他の車を追い越し、人を避けて進んでいく。目で追っていくと、見覚えがある道へと入っていく。

 彼女は息を呑んだ。何度もあの道は自分で歩いたことがある。葛飾区のアジトであり憩いの場の銭湯へと続く道だ。救急車が向かっていった通りは道がたくさん別れるうえに彼女の予想があっているとは限らない。それでも不安が心臓を何度も強く叩く。顔が一気に熱を持つ。
 葛飾区の領主は好戦的な人物ではないし、そんな彼女について行くメンバーも顔見れば殴りかかってくるような人ではない。だがそれは先日までの状況である。北区を取った今、彼女達が態度を変えないとも限らない。むしろ距離を置くのが普通だ。

 だが、そのような事情をすべて差し引いても彼女は救急車を追い越さんばかりに走り出していた。フードを乱暴に脱ぎ捨て、三つ編みをヒーローのマントの如くたなびかせた。口の端を強く噛み、糸目から少し目をのぞかせた。
 これが償いになるとは思えない。償えるとも思わない。思ってはいけない。それでも力を持っているものとしてここで動かない訳にはいかない。
 これまでの行いに縛られてこれから動けないのはいけない。

 曲がり角を通ると一度寄ったことがあるちゃんこ屋が見え、事件の現場はそこであることが分かった。走りながら視野を広げる。
 交戦場所はちゃんこ屋の入口から店内に入って数メートル。店の入口には見るからにガラの悪い連中と血が垂れた後がある。既に怪我人が出ているということだ。このままでは駆けつけた救急車や救急隊員の人たちが危険な目にあうかもしれない。かと言って元凶がいるであろう店内は後回しには出来ない。
 数歩走る間に彼女は思考を巡らせた。周りの意識を自分に向けるためには。

 彼女は軽く、前方に跳ぶと両足の爪先に触れた。爪先立ちでコンクリートに着地し、力を込める。足元のコンクリートにひびが入り、軽快な音が小さく鳴る。そうして地面を強く蹴り出した。先程より早く強く前方へと跳び空中で微調整すると体を小さくし、腕を顔の前で交差し、ちゃんこ屋の窓から飛び込んだ。

 長い三つ編みが満月を描き、前に転がりながら着地し、顔を上げると同時に周囲を見渡す。周囲が呆気に取られている間に情報を脳へと叩き込む。
 まず視界に入ってきたのは飲食店には似つかわしくない大量の牛乳石鹸。一つでも首を傾げるのに辺り一面に散らばっている。だがサムライラはそれを見るとどこか安心する自分がいることを知っていた。葛飾区の領主、泉界湯殿。色白の肌に対して血色の良さと緑の黒髪が目を惹く。いつもしている暖簾のような眼帯を手に持っている辺り既に銭湯、否、戦闘が店内でも始まっていることを察した。
 そんな彼女の後ろにいるのは筑紫恋甜果。葛飾区の自警団の一人。こちらは綺麗な黒髪を高い位置でまとめてツインテールにしている。すっかり怯えてしまっており、領主と副領主の後ろに隠れてしまっている。失礼に当たるかもしれやいが、本来なら彼女のような気の持ちようになるのが普通なのだろう。自分が戦っていることにどうも疑問符がついてしまう。
 そして最後の一人。葛飾区副領主の琳圭太。彼について記憶から引き出そうとしたが現在その時間はなかった。

「先に言っておきマス、ソーリーネ!!」

 荒くれ者達が正常な判断を取り戻すより一呼吸早く、サムライラは強化された脚力で姿勢を低くしたまま、近くに転がっていた牛乳石鹸を拾った。力強く握ると牛乳石鹸の色が少し黒ずみ、二回りほど大きくなった。走った勢いのまま回転し、牛乳石鹸だったものを琳の首を絞める者へと力強く投げつけた。
 投擲物が見事頭に当たると明らかに牛乳石鹸の強度ではない鈍い音が聞こえ、相手がバランスを崩す。これで首を絞める力も弱まったはずだ。

 ようやく足を止めると荒くれ者達に対するように正面から向き合った。荒くれ者達もどうやらここにいるのが板橋区の領主だと気づいたようだ。琳が足止めしていた者達も何人か立ち上がってこちらを睨んでいる。サムライラは腰から下げる刀の柄を握ると腰を少し落とした。

「今はキョートーさせてくだサイ」

[遅れてしまいましたが、本編参加させていただきます。よろしくお願いします]

>>筑紫恋甜果様 泉界湯殿様 琳圭太様 周辺皆様

6日前 No.41

@purple3ru ★iPhone=5uXDFiflht

【 筑紫恋甜果 / 葛飾区・ちゃんこ屋 】

頭上にて待ち構える槍にパニックになり、キャパシティをオーバーしそうになっていたが、オーバーしきる前に、温泉領主様が赤い箱に変えてくれた。牛乳石鹸……。そのおかげで、涙がひっこむ。

「はっ、はいっ、牛乳石鹸……筑紫恋なんかのために、ありがとうございます。圭太くんも……。……ち、血……? こ、怖いけど……、でもっ、つ、筑紫恋にできることがあるなら、やらせて……!」

まるで普段の甜果のように、ワタワタとした様子で慰めてくれる湯殿と、落ち着いた様子で「怖いことなんてない」と言ってくれる圭太。その様子に、場違いながら安心して少し表情が綻んでしまう。筑紫恋の周りの人は、こんなに強くて優しくてあたたかい。それがなんだかうれしかった。
そうしてホッとしている間に、敵のひとり(いつの間にかパン一)が巨人化した。え? 手でも噛んだ? それにしちゃあ小さいか。あんなのに握られたら、踏まれたら、食べられたら……。そんな風にまた死の恐怖がよぎる。心臓がギューッ苦しくなるから、できるだけ頭の中から追い出す。大丈夫、大丈夫。怖いことなんてないんだから……!

「……っ! けっ、圭太くっ――へっ……い、板橋区の……領主さん……!?」

心を落ち着けているうちに、ひとりの領民が圭太の首を絞めた。それをどうにかしなきゃ、と動く前に、片言の日本語が聞こえて、領民に向かって何やら大きめの物体(甜果には牛乳石鹸だと気付くことはできなかった。そりゃそうか)が投げつけられた。ぐらりと揺れた領民の身体はその場へ座り込む。投擲が行われた方角を見ると、板橋区の領主、サムライラ・ニンジャクリーンの姿が。
彼女に目を奪われているうちに、どうやらチンピラの方が我にかえるのがはやかったらしく、再び呪文を唱えている。今度はさっきとは別の領民の女性に糸切り鋏を持たせ、甜果に襲いかかろうとしている。呆気にとられていた甜果も、目の前で人間が立ち上がって近づいてくれば警戒する。さっきのを見たばっかりだし。(鋏もってる……裁縫道具を持ち歩く、良い人なんだろうな……怖い……)でも、守られてばっかりじゃ、自警団を名乗れないよ。

「ごめんなさいっ……っ……避けてッ!!!」

本当は、領民を傷つけたくなんてない。だから、「避けて」なんて、普段の何倍かで叫び声をあげながら、分銅を相手へ当てようとした。矛盾しているなあ、とも思うけど、言葉の方が本心だ。申し訳ないし、できれば躱して欲しい。でも、それでも、自分の身を自分で守るために、甜果は立ち上がり、鞄から武器である分銅を取り出して、操られている領民の手元へ向かって繰り出したのだった。

>>葛飾区allさま

【私、モブを動かすのがド下手くそなのかもしれません……】

6日前 No.42

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★YRuDhSwQ0p_m5I

【 泉界湯殿 / 葛飾区・ちゃんこ屋 】

 ちゃんこ屋に大量の牛乳石鹸が散らばっている光景はいっそ怪奇現象だ。
 ミステリーサークルよろしく、世界七不思議的な事例としての目撃報告が上がっても可笑しくはない。
 けれど地力は人によりけり何でもありのミラクルパワーなので、神様が東京23区に干渉してからはこんな光景もこの大都会では珍しくなくなってしまった。
 何の前触れもなく便所に人体模型が現われるとか、一人カラオケの最中にいきなり地面から人が生えて来て一人じゃなくなるとか、雨が降って来たから傘をさしたはずなのに傘が知らない内に大根と入れ替わっているとか、そういう意味不明な珍現象がここ二年に限っては『よくあること』なのだ。

「そういう圭太こそ、君であれば真っ先に助太刀してくれると信じていたぞ! まったく、温泉私は良い副領主を持って幸せ者だ!」

 圭太の発言にこちらも嬉々として返す。
 リップサービスではなく本心だし、湯殿の雰囲気は周りの人間にも「こいつは本気でそう思っているな」と感じさせる謎の説得力がある。

 さてと。
 槍が石鹸に変わったことで落ち着いたかと思えばモヒカンがマッチョに進化したことでまたザワついて、と大変リアクションに大忙しだった領民たちだが、さすがに初っ端の衝撃からある程度の時間が経過するとみな落ち着いてきた。
 何人かは「巻き込まれない内に退散」と「下手に人質に取られたりして自警団に迷惑がかからないように退散」の気持ちを半分ずつ発揮して密かにちゃんこ屋から離脱を始め、位置的にちょっと逃亡は厳しい客たちも、戦闘の邪魔にならぬよう席の隅っこで出来るだけ身を縮めて静かに息を殺している。
 そのどちらにも属さずむしろ前に出張っている領民は、表情の真剣さやスマホで現場を撮影していないことを鑑みれば、きっと戦闘系の地力の持ち主だから自分たちの自警団を手助けしに行くべきか悩んでいるのだろう。
 皆が皆、自分の力量を勘定に入れた上で自分にできることを実践するか実践しようと試みている素晴らしい領民たちだ、と湯殿はこんな状況ながら誇らしい気持ちになった。
 しかしいつまでもそんな気持ちにのんびりと浸ってはいられない。
 なにせ目の前で、愛すべき領民が愛すべき副領主の首を思い切り絞めだしたのだ。

「圭太!」

 咄嗟に副領主の名前を呼ぶ。声には動揺の色が滲んでいた。
 これが他区の領民かつ全くの素面であったなら、湯殿は手元の空気を風呂桶にかえて後頭部に思い切り投げつけるなどしただろう。
 だが、眼前の領民はどう見ても呪文を唱えるチンピラに操られた結果凶行に走っているだけで、彼は全くもって悪くない。そんな相手にたんこぶをこさえる破目になるのは憚られる。でも圭太が失神するのを黙って見ている訳にもいかない。
 こうなったら呪文を唱えている男のほうをパンツ一丁から全裸にランクアップ(ランクダウン)させて羞恥心で呪文を妨害しよう、というちょっと年齢制限に引っ掛かる案を実行しようとした次の瞬間。
 それを行動に移すよりも早く、なんと窓からハリウッド映画張りの鋭い動きで他区の領主がスタイリッシュに飛び込んできた。

 いや本当に格好良い。
 一流のスタントマンみたいな動きだった。窓ガラスの割れ方まで洋画感があって、湯殿の頭の中で知らない映画監督が「アクショーン!」と叫んでくる幻聴が響く。
 神話に語られるシヴの金髪はきっとこれによく似た輝きなのだろうと思わせる見事なプラチナブロンド、黒髪混じりで三つ編みの形に結われた長々しいそれが円形にしなって虚空を横切った。
 同時に上げられた顔はいつも通りの糸目を有しているが、平時よりほんの少し真剣に見えるのは状況が状況だからだろうか。
 大正浪漫チックな和装は和風なちゃんこ屋の内装によく似合う。少なくとも傍に散らばった牛乳石鹸なんかよりはよっぽどちゃんこ屋とマッチしていることは店長だって認めるに違いあるまい。
 そんな彼女の名前はサムライラ・ニンジャクリーン。つい数日前、とある区の領主を殺して合併したことで一躍時の人となった板橋区の女傑である。

「サムライラ殿! サムライラ殿ではないか! 先日の騒動があってから暫く見掛けなかったので心配していたが、我が銭湯に足を運ぶ気になるくらいには回復していたのだな! 良かった、後でコーヒ牛乳を奢らせてくれたまえ!」

 ちょっとでも疑り深い領主なら、この状況での他区の領主の出現は「はっはーん、さてはこのチンピラどもはコイツの差し金で自分が倒すことでこっちに恩を売る気だな?」などと考察する。
 だが此処は葛飾区。領主は泉界湯殿。
 当然そのような事態など起こり得ようはずもなく、サムライラに向けられる視線にも言葉にも、驚きはあれど棘は無かった。

「おおっと、危ないそれは危ないぞ我が領の民よ! ひとまずこれにでもくるまってじっとしていてくれたまえ!!」

 糸切りハサミ片手に甜果に襲い掛かろうとしていいた領民、そんな領民を泣く泣く迎撃せんとする甜果。
 自分の領民大好きウーマン湯殿がそれを見逃すはずもなく、双方に害を負わせないために彼女が選んだ手段は『二人の間の空気を魔眼で五枚重ねたバスタオルに変える』だった。
 柔軟剤が高級ホテル並に効いたふっかふかのバスタオル五枚に阻まれ、領民の糸切りバサミと甜果の分銅は二つとも互いにダメージを及ぼさなかった。しかしそれだけだと操られたままの領民がまた甜果を襲撃してしまうから、召喚したバスタオルを器用に操って結び合わせることで一本の縄とし、それを領民の両手両足に巻き付けることで拘束を成し遂げる。

「よし、これでその呪文の男は封じたぞ! 残りの面子の制圧にとりかかろう! あとそこな領民よ、警察への電話を頼む!」

 次いで同じ要領で呪文男の口に丸めたタオルを噛ませることでまともに喋れなくし、この隙に一気に畳み掛けるぞと自警団の面々に台詞でアピール。
 スマホの片手間に戦うと何かあった時に対処できなくなってしまうから、救急車の次に警察に電話をかけるというミッションはたまたま目が合った領民に頼んだ。

>琳圭太様&筑紫恋甜果様&サムライラ・ニンジャクリーン様&ALL様

【このチンピラ軍団が葛飾区の領民を襲った理由は何でも良いのですが、何も案が無ければとりあえず「刺激的な映像をyoutubeにアップしようと思った」というアカンほうのyoutuber集団だった設定で行きます】

6日前 No.43

@line☆1jppp41g33s ★Android=Iph2i3QnCf

【墨田区・隅田公園→拉麺屋『万紅軒』/京極壱成】

 お気に入りのラーメン屋に連れて行ってくれるらしい。ちょいと足を伸ばそうという桜威の提案に、壱成は静かに頷いた。
 落葉する赤と黄色の色彩を目に映しながら、隅田公園の出口に向かって歩いていく。雪駄と下駄の足音は目立つらしく、人々の奇異な眼差しが刺さる。が、壱成はあえて知らないフリをして下駄を鳴らしながら隅田公園を歩いた。
 和服姿の男が2人、加えて1人は悪名高き副領主。桜威も名の通った絵描きではあるのだが、なにせ表舞台に顔を出すことがほとんどなく、ましてや領主でいるときは彼は大体白い狐面を付ける。だからもしかしたら変わり者同士くらいに思われているのかもしれなかった。
 と、そこで道すがら、八百屋の主人に声をかけられ壱成は驚きのあまりそちらに顔を向けた。――俺たちに声をかける奴がいるのか。しかし『隠れんぼ』という言葉に壱成はふと笑った。面白い例えをするなと、そう思った。桜威とのやり取りを見るに親しい者であるらしかった。彼の言葉に続いて「お疲れさん」と一言労いの言葉をかけ、小さく笑みを浮かべた。ひらりと手を振って別れる。物好きな領民もいるものだなァと面白くなってしまった。

 並木道からビル街へ出ると、一気に人の数が増えた。しかし都会育ちの2人は雑踏の中をするすると慣れた足取りで突き進む。「此方だぜ」と道案内をする桜威に壱成はそちらに顔を覗かせた。まばらに店が並んでいる小道へ入っていく彼の背中が見えて、壱成も後に続いた。
 物珍しそうに周囲に視線を巡らせる。来たことのない道だった。大体店は大通り沿いに立ち並んでいることが多かったため、この道に入るよりそちらで済ませてしまうのだ。
 それから程なくして桜威の足がある店の前で止まった。「此処さな」と言われ、壱成はふと視線を上げる。造りはごくごくありふれたラーメン屋ではあったが、ゴミ一つ落ちていない店前や、手入れされた花壇を見ると、この店が大層大事にされていることがうかがえた。ヘェ、と感嘆の言葉を漏らす。そして「万紅軒」と書かれた紅い暖簾を壱性もくぐった。

 店員から歓迎の言葉を受けると、桜威は迷いなく座敷へと向かっていく。そこで座敷から見える景色を見れば、壱成は納得した。この人らしいや、と小さく笑って、彼もまた下駄を揃えて脱ぎ座敷へと上がった。右手で袴の裾を左右に払い、胡座をかいて座った。腰に帯刀していた刀は右横に、刃の方を自分側に向けて置く。
 丸窓から覗く景色を見ては移ろい行く季節に自然と目を引かれる。ひらりひらりと螺旋を描いて紅葉が地面に落ちていく。真っ赤な夕陽を思わせるような色彩は、同じ赤でも血とは無縁な色だと思った。血はもっと生臭くて濃い、闇夜でも月明かりに照らされれば不気味に鈍く光る。けれどこの赤は人々の情緒を動かす美しい赤だ。そして無意識に葉を目で追っている自分に気付いて、密かに息を吐き出した。
 港区時代には思い浮かびもしなかったことだ。旦那に感化されたのかなァと壱成はしばし考える。しかし、きっと美しいものを美しいと感じられなくなった時点で人間はおしまいだ。そうなり掛けた頃に、自分は彼に拾われた。

 桜威の言葉にふと顔を上げて、机上のメニュー表にちらと目を落とす。そして壱成は表紙にある数枚の拉麺の写真のうち、その一つに目を奪われ、指を差した。

「旦那、選ぶまでもねェ。俺ァこれにしまさァ」

 一秒と掛からずに決めるのだった。
 今にも塩の香りが漂ってきそうな塩ラーメン。食感の良さそうなザーサイ、穂先メンマ、味の染み込ませていそうな味玉、チャーシューなどの具が揃った一品。元々拉麺の中でも塩ラーメン好きではあるので、写真を見た瞬間秒殺であった。

「俺はドリンクはこの水でいいでさァ。旦那は構わず気兼ねなく決めてくだせェ」

 自分が瞬時に決めてしまってものだから、壱成はメニュー表をくるりと桜威の方に向けてそう言うのだった。

>桜威、ALL

【遅くなってすみません……!】

5日前 No.44

雨上がり @koshou0602 ★iPhone=WhimNy2RFf

【 琳圭太 / 葛飾区・ちゃんこ屋 】

「はなせっ……ぐっ、」

なにがなんだか分からない。彼は我らの領民なはずで、話したことだってある。十中八九敵の誰かの仕業だろう。これがもし領民じゃなければ、どんな手を使ってでもやめさせることができたはずだが、相手は大事な葛飾区の人間なのだ。迂闊に手は出せず、どんどん顔が赤くなり、頭に靄がかかったみたいに状況が判断できなくなる。ねむい、勝手に瞼が閉じていく。
――酸素、たりねぇ

そう思った瞬間、なにかが割れる音がして、徐に目を開けるとなぜかそこに板橋区領主であるはずのサムライラさんがいた。あれ、とうとうまじで俺の頭おかしくなったのかなと思うと、彼女は大きな声とともに何かを投げて、それが俺の首を閉めていた領民の頭にヒットする。首にかけられていた手がほどける。

「げほっ…!はぁ、はぁ……、!!おい、大丈夫か!!」

俺の首をしめていたはずの領民が倒れてきたのでそのまま受け止める。頭から血が出て、気絶しているが対した怪我ではない。そのままはしっこに寝かせておく。

そして、彼女だ。顔は自然と、現在追っ手たちと相対しているサムライラに向く。
共闘をすると言った彼女――板橋区領主、サムライラ・ニンジャクリーン。
たまに葛飾区の銭湯にきていて、ボスとも仲が良かったはずだ。だが、今の板橋区といえば。
……新たな東京都の合併区である。
彼女が望んで北区を手にかけたとすれば、それは我ら葛飾区と相反する行動だ。もちろんだからといって敵になるわけでもないし、なんならボスだって全然気にせずにサムライラに話し掛けている。
だが、それはボスの話だ。最高に優しい我らボスに変わって、急に自陣に現れた他区の領主を警戒するのは副領主として当然のことだった。なんせ圭太は彼女とあまり交流がない。同じアメリカ育ちなので親近感はわいていたが、それはそれだ。

「……知ってるかもしれないが、葛飾区副領主、琳圭太だ。That's very kind of you……but,……いや、なんでもねぇ、話は後だな。助けてくれて、ありがとう」

そうこうしているうちに、領民を操っていたと思われる敵はボスによって猿轡をされる状態に。拘束が解けたので、再度彼らに地力をかける。
モヒカン男だけ他の者より倍の力を使う。
今度はあまり容赦をせず、膝をつくどころか全身を床に這いつくばらせる。

「今のうちに捕まえよう、何が目的かを聞き出さないとな。ボス、タオルもっと出してくれるか?」

>泉界湯殿様&筑紫恋甜果様&サムライラ・ニンジャクリーン様&ALL様

>>サムライラ・ニンジャクリーン様

【サムライラ姉様と圭太はあんまり面識ない設定にしちゃいました!多分銭湯とかでも逢うタイミングがあまりなかったんでしょう……ちなみに今絶賛警戒してますが、アメリカ育ちなのも含めて絶対仲良くできます、仲良くさせてみせます。サムライラ姉様めっちゃ気になってたので誠に勝手ながら葛飾区にきてくれてうれしいです!!】

>>all様

【このまま捕まえてくれても、そうじゃなくても大丈夫です!!】

※警告に同意して書きこまれました (個人情報)
5日前 No.45

神波 @thousand00☆hyqkMkn9Rthi ★Android=uJs7nQDOiH

[サムライラ・ニンジャクリーン/葛飾区・ちゃんこ屋]

 殺した人の上に立って強くなる地力というものはとてもとても分かりやすい。殺す、殺さない、倒す、守る。それらは全て、力を持つものだけが初めて選ぶ権利を有する。力無きものには選択肢すら与えられない。このような設定、世界観、ストーリーは本やゲームの世界で幾度となく見てきた。それが現代日本に反映され、自分がその立場になることなど考えもしなかった。領民や自警団と参戦を考え、戦い勝ち取ったものが確かにある。
 ただ日本が好きで帰化までして、それなりの稼ぎを出して好きな物にお金を使って。そんな人生がずっと続くと思っていた頃が懐かしい。神様に文句の一つでも言わなければ気が済まない。この東京がどのように進み、どのような終わりを告げるのかはそれこそ神のみぞ知るということだ。

 領主の首を跳ねた刀の鞘を握る力が強くなる。幾度となく構えた形。心の動揺あれど体の震えはない。背後から聞こえた葛飾区領主の声もはっきりと聞こえた。この人は本当に暖かい。寒さか不安かで震えていた心が少し落ち着いた。このタイミングでの参戦は荒くれ者達は自分が差し向けたと言われても仕方がない状況である。そんな中、会えて嬉しいとまで言われて本当に嬉しいのはどちらか。まさに温泉に浸かっているようなじわりと広がるよう温かさを感じた。
 武器を構えはしたが、鞘から獲物を抜く必要はなかった。泉界は筑紫恋と操られている領民の二人を傷つけないように持ち前の地力でタオルを出現させた。当然のようにふわりと現れたそれは見るからに柔らかく、触れば気持ち良いに違いない。数枚のタオルを器用に結び合わせ一本の縄にするとそれらで手足の拘束を行った。それだけに終わらず、葛飾区の領民を操っていた者は泉界によってタオルで猿轡をされる形となった。声を出せなければ地力を使う以前の問題である。一連の行動を迅速に、確実に行う姿は正しく領主である。20歳も行かぬ子がここまで対応出来るのは素晴らしいと思うと同時に生き死にさえ関わるこの戦場に堕とされたことが不憫に思えてしまう。
 それは共に並ぶ筑紫恋にも、その場を制圧しながら警戒感をこちらに向ける琳にも言えることであった。本来ならば学校に通い、勉学に励んだり初々しい青い春を満喫していても何ら不思議ではないのだ。彼女らが良い悪い思っているかは分からない。だが、サムライラから見たこの現状はとても悲しく思えた。
 葛飾区は何度も他の区との衝突が起きている。無血で出来ることには限界があるはずだ。10代の背中でどれだけのものを背負っているのだろうか。守るものがあるということは戦闘においてハンデになることの方が多い。それを分かっていながら若い領主、副領主、自警団が戦っているのだ。領民を守って戦うも、相手を決して殺しはしない。
 それが、葛飾区。
 それが、泉界湯殿。
 それが、葛飾区自警団。

 ──ワタシにも出来たでショウか。

 軽く息を吐くと、鞘から手を離し腰を落とし下げていた重心を元に戻しながら背筋を伸ばす。袴についた埃を軽く払いながら進むと先程より強い力で抑えられ、地に伏している荒くれ者の元へと近づく。漫画でしか見たことないようなモヒカンをキメた男の近くで足を止めた。体長は3mと言ったところだろうか。身体強化の地力は視界から入るインパクトが大きくて好きである。
 だが、その力も重量という自然の理には決して勝てない。

「リンサンですネ、知ってマスよ。お礼は大丈夫デス。お互いサマー」

 自分達がいる区に他の区の、しかも領主が目の前に出てきたのなら警戒するのが普通である。流れる髪の間からは床と仲良くしている者に向けるのと同じように睨みを利かせている。泉界の代わりに疑うという形だろうか。とても良い副領主だと思う。性善説ではこの戦いはきっと生き残れない。
 その視線を背に受けながら、モヒカン男の近くにしゃがみこむサムライラ。相変わらずこちらを睨みつけ、途切れ途切れの罵倒を発しているが、せめてびしょ濡れでパンツ一丁でさえなければまだ格好がついたというのに。それがどうしても滑稽に思えてしまう。
 サムライラは外見的には見えない糸目で相手を見つめたかと思うと、バチンと重い音を鳴らしながらデコピンをモヒカン男へと打ち込んだ。体が動かないのに額を中心に受けた衝撃によりモヒカン男の意識はちゃんこ屋の香りの中へと溶けて行った。同時に気を失ったことにより地力が解除されたのかモヒカン男の体が一般男性に戻っていく。満足そうに口角を少し上げるとヨイショという声とともに立ち上がった。

「救急車も来てマスから早くケガ人運んだほうがいいと思いマス」

 金色の瞳を一瞬覗かせ、入口に待機していた救急車に視線を送った。荒くれ者達の制圧に時間がかかったわけではないが、怪我した人がいることは事実であり軽いものではないはずだ。一秒が惜しい。
 それよりも、とサムライラは顎に手を添えてちゃんこ屋の中を見渡した。元からお客も多かったようだ。騒動が終わりへと向かっているのを察してか、店の隅でじっとしていた人達も各々動き出し、戦った三人へのお礼の言葉を述べている。その中で琳とはまた違う視線が自身に向けられているのがなんとなく分かる。この場からなるべく早く離れなくてはならない。それは単純明快であった。サムライラは一度自分が飛び込んだ窓ガラスを見てから頭を下げた。

「突然のオジャマ失礼しました。警察にも連絡しているとのことデスので私はオイトマさせてもらいマス。よりによってイタバシの人間がいたら話がややこしくなってしまいマス。……あと、窓ガラスのお金はまた払いに来るネ」

 既にムダかもしれませんガ、と先にお客として来ていた中で戦闘の邪魔にならぬよう席の隅っこへと移動した者ではなく、スマホを構えていた者を糸目で見ながら重い息を吐いた。

[自分はそのまま捕まえてもらっても大丈夫です!!]

>>筑紫恋甜果様 泉界湯殿様 琳圭太様 周辺皆様


[面識あまりなくて警戒から入るのとても素敵だと思います。気になっていたと言っていただけてとても嬉しいです!!加えて、熱冷めぬうちに葛飾区にお邪魔してしまったので心配でしたがそう言っていただけてよかったです。絶対仲良くなれるので、なりたいので、是非お願いします]

>>琳圭太本体様(雨上がり様)

3日前 No.46

雪鹿 @class ★Android=42zyboh5vZ

【拉麺屋『万紅軒』/川村 桜威】

 丸窓から、一つ景色を覗く。
 一枚、また一枚と踊るようにアスファルトに舗装された地面の上へと落ちるの紅葉。何の変哲もない当たり前の景色でありながら、人の心という物を揺れ動かす何かがあるならば、やはりそれは絶景なのだろう、と少なくとも、それを眺める桜威はそう思っていた。
 なにも、華厳やら富士が特別な訳でも無し。ただ、それらは万人に受けやすいと言うだけの事ってだけだ。この人々が織り成した日常の一頁とて、二度と見られぬ絶景よなぁ……ま、そんな小難しい事を言う理由も無し。結局は世捨てにすら成り損ねた、しがない絵描き風情の戯れ言さな。敢えて言うとするなら……俺ぁ、そいつが楽しみたくても楽しめねぇ奴が居るってぇのが気に食わねぇのさ。もちろん、それを知らねぇ奴が居るってのも気に食わねぇ。

「こりゃまた随分と……あいよ、塩ラーメンな。なら、俺ぁ――ま、いつもので良いか」

 早いもんだ、その言葉を向けようとして驚き混じりに壱成の顔を見れば、おおよその合点はいった。こりゃ、俺が絶景見付けた時と変わらねぇや――なら、俺ぁ言うべき言葉は持たねぇのよな。
 そんな訳で、一先ず注文を請け負ってメニューを受け取れば、ひらりと開いて指を適当にあちらこちら。どーれにしようかな、と数え歌を口ずさむ。いつもの、そう言うように彼が数え歌で適当に決める事自体は珍しい事でもない。特に、食事辺りは割りと無頓着なもんだから、尚更に。
 御先祖様の言うとおり、少しばかり改められた歌と同じくして止まった指の先を見て「ほう」と小さく声に出す。いや、なに、そういや此処のは食べた事ねぇなぁ、ってな。

 ひょいと手を挙げれば、忙しなく足音を立てて此方へ向かってくる快活そうな短い黒髪の青年。美丈夫の類いとは言えずとも、母譲りの人懐っこい笑みを浮かべて「ご注文、お決まりですか?」と周りの客に配慮してか、少し控えめな声で訊ねる。

「おう、塩ラーメンとつけ麺。それと、シソ餃子と普通の餃子、全部一つずつ頼むぜ」

 相変わらず、口元に犬歯を覗かせてニッと不敵に笑うと、すらすら注文をしながらメニュー表を窓側へ立て掛けた。
 当然ながらに、その餃子を一人で食べる程の大食漢では無いので、おおよそ適当に二人でつまめれば良いか、位に思っているのだろう。ま、壱成が食えねぇってんなら、俺が食べちまうのも吝かじゃないけどよ。

 その注文を一度繰り返してから、去っていく青年の後ろ姿を見送って、片手で持ち上げた湯呑みを一口啜る。
 こうして座敷に座り、和服の男二人が湯呑みを啜る様はそうそう現代の日常生活にてお目にかかる事はないであろう。それでも視線を然程集めないのは多少は通い慣れた桜威の姿もあっての事だろうか。客も僅かな店員も目を止める事は無い――それはまぁ、多少壱成の姿に驚いた者も居たであろうが、それだけであった。

「なぁ、壱成。お前さん、今の東京があって良かったかい?」

 拉麺屋独特の喧騒の中で普段と変わらぬ他愛ない口調で呼び掛ける声。されども名を呼び、問い掛ける言葉は何処と無く真剣みを帯びていて、海の底を写し取ったような瞳は珍しく迷っているようにも見える事だろう。
 らしくもない。しかし、それを隠すつもりも無いようで、依然として毅然としたままに座するばかり。

「なに、絵描き風情の戯れ言さな。そう気負わなくてもいい」

 そう口にする彼の佇まいは壱成の『答え』を待つように凛と構えて物怖じ一つしようともしない。言葉通りに流すも良し、答えぬも良し。俺がそうあるように、たた自由にすればいい。と、そう物語るようであった。
 今の東京、敢えて一つの言い換え方をするのであれば、この神によって戦争の引き起こされた東京を指すであろう言葉。はてさて、彼の真意は如何なる物であるのだろうか。少なくとも今は、彼のみぞ知る事だ。

>壱成、all

8時間前 No.47
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