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やさしいきみとおかしなぼく

 ( オリジナルなりきり )
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夕暮れ時の教室 @haku10☆tvSno6grVqw ★iPhone=N94BLBbCmi


きみがあかくあかくそまっていく。





やさしいきみなら、きっとこれもゆるしてくれるのでしょう。





…いいえ、ちがいます。わたしがしたかったことはこんなことではないのです。





ほんとうは×××つもりなんて、なかったのです。





ぼくはほんとうは、とてもとてもやさしいあなたのようになりたかったのです――――






(レス禁)

メモ2018/08/29 01:06 : ぬ@メイン解禁☆tvSno6grVqw @haku10★iPhone-N94BLBbCmi

現在、異常者の方が多い状態となっております。募集はストップしませんが、メインへの書き込みがストーリー進行の都合上少しお待ちいただくことになりますのでご了承ください。

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友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★YRuDhSwQ0p_o1k

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1ヶ月前 No.19

雪鹿 @class ★Android=42zyboh5vZ

【学生寮・203号室共用スペース/前桐 柘榴】

憂鬱な感傷が何時ものように気だるさを全身にもたらして億劫ながらに見詰めていた扉が突然、ノブが壊されそうな位にガチャガチャガタガタと―――時折、全く違う横とかに動かされる。鍵は開けておいたから、そのまま入れる筈なんだが……おおよそ、閉めた事に気付いていないんだろうな。それほど、おっちょこちょいな奴ってことか。面倒だ。
少し経って鍵の開く音が響いたかと思えば、勢いよく扉は開かれて中々のハイテンションのままに片足立ちでみょうちきりんなポーズを取った少女は、何か妙な事を口走っていたが……まさか、同居人が居るって事を知らないんじゃないだろうな?あるいは、アミーゴって辺りから最初から友好的に接してもらえると思ってるのか?ああ、だとしたら尚更面倒な奴だ……このハイテンションな様子からしたって面倒な事に変わりはないのに。

「 No soy tu amigo.」

取り敢えずため息を小さく吐いて億劫そうに立ち上がれば、おそらく同居人となるのであろう相手を憂鬱な瞳で見下ろしながら、アミーゴという言葉には丁寧にスペイン語で「俺はお前の友達じゃない」と流暢ながらに気だるそうな語調で目を伏せて返しておく。相手がスペイン語を話せない事なんて百も承知だが、アミーゴと簡単な英語を知っているならば大方の意味は分かるだろう。
それに、こういう返しの方が取っ付きづらいらしい。大体の高校生は外国語で話されると面倒だ、と感じるケースが多いらしい。こういう時はドイツ系の母から教わった知識が少しだけ役に立つ……本当は医者になった時の為だったんだけどな。

「……一応、言っておく。ルームメイトの前桐 柘榴。敢えて言うが、よろしくするつもりはないからな。」

その憂鬱と気だるさをない交ぜにしたような瞳で相手を見下ろしたままに、迷彩柄パーカーのポケットから手を出す事は無く、立ち姿からも無気力な雰囲気を漂わせたまま自己紹介がてらに仲良くするつもりはない、と無気力ながらに冷徹な声色で告げておく。
それにしても女、か。壊れやすい位なもので、特段惹かれるものは無いって事しか知らない。面倒だ。バットやらナイフを手に取らないようにする以外にも殴る事にすら気を付けないと、うっかり殺ってしまうかもしれない。運がない、それは既に確信していたけれど、それでもつくづく運がない事を思い知らされる結果だった。

さて、挨拶はした。用は終わった。ならば、あとは荷物を整理して寝るだけだ。だから、「俺の寝室こっちだから」とだけ告げて共用スペースから立ち去る為に荷物を運び込んだ左側の寝室へと歩み始める。それは全くもって仲良くするつもりどころか、知り合いという関係性すらまともに築かせない、という意思表示でもあるのだろう。

>谷口 美香様

【ええ、こちらこそよろしくお願いいたします。】

1ヶ月前 No.20

菊花。 @mion00 ★Android=k7r2sHeMna



【学生寮 201号室・玄関 /小鳩鈴】

 同室の彼はどうやらとても人当たりがよく、小さな気遣いもできる性格の人らしい。鈴は目線を合わせるように屈んでくれた彼の足元をちらりと見た。上半身を前に倒す方ではなく、膝を折り重心ごと下に落とす様な屈み方をしてくれている……言うなれば半空気椅子のような体勢だ。当たり前だがこっちの方が断然辛い。なんだか申し訳ない気持ちになった鈴は、彼にバレないようにこっそり自分の踵を浮かせてみる。身長差が少しでも無くなるように、と試みているようだった。が、大して意味もなさそうだったので結局は直ぐに元の立ち方に戻す。屈むのも辛いが背伸びもなかなかに疲れるものだ。
 それにしても、ひとつひとつの気遣いがあたたかい。この人はきっと、今私にしてくれることと同じような事を、他の色んな人にもしているような優しい人なのだろう。自分だけに向けられた事じゃないのは頭の片隅では良くわかっているつもりだけれど、今はその小さな優しさが鈴にはとても嬉しかったし、その分特別に思えた。緊張が少しずつ和らいでいるのを改めて感じる。よかった、と彼女は伏せ目がちだった目を相手に合わせ、そのままふにゃりと柔らかい笑顔を向けた。

「__は、る、ち、か」

 言葉の滑り方を一文字づつ確かめるようにゆっくりと名前を繰り返し、それを何回か続けてみる。どうやら彼は3年生で、自分よりひとつ年上の先輩だった様子。あめへのお礼と共に頭を撫でてもらった鈴は、髪をすべる指の気持ちよさと年上に対する安心感に包まれ、口角を上げ幸せそうに目を瞑った。……とてもあったかい手。ふわふわと自分の世界に浸っていた彼女だが、よろしくという彼の言葉によってふっと我に返ったように目を開ける。目の前には握手用に差し出された大きい手。何を思ったかその手を、たかが知れてる程度の筋力だが力の限り握った彼女は、そのまま手を引きながら彼を共有スペースまで連れていき、そこに置いてあった椅子に彼を座らせた。

「ちょっと待ってて、今お菓子片付けるね!クッキーもぐみもいろいろあるのっ。どれがいい??ああ、そうだ!鈴は2年生だから春近くんより一個年下なんだけど、春近せんぱいと春近くん、どっちの呼び方がいいかなあ??」

 先ほどまで震えていた少女とは打って変わったように一気に明るく話すようになった彼女は、自身がぶちまけたお菓子たちをひとつひとつ拾ってはかごに入れなおしながら、質問を一気に2つ投げかけた。全てのお菓子を入れてかごごと戻ってきたかと思えば、テーブルに一種類ずつお菓子を置いていき、そのまま満足そうに自分も彼の隣にぽふんと腰を掛ける。
 今日は何を食べようかなあ。ビスケットにスナック菓子、チョコレート……並べたお菓子をしばらく見つめた結果、結局クッキーを手に取った鈴は、隣に座っている彼の方をちらっと見た。
 誰かと一緒にお菓子を食べるのはいつぶりだろう。ーーこの人は、お菓子を一緒に食べても私の元から離れていってしまうのだろうか。そんなことを考えながら、彼女は片手でクッキーを食べつつ、もう片方の空いた手で彼の服の裾を控えめに掴んだ。当たり前だが、少女漫画や女性雑誌の恋愛コーナーにありがちな「これをしたら彼の心を射止められる!」みたいな恋愛的要素を含んだ意味で掴んだわけではない。出会ったばかりでそれは、と思う人もいると思うのだが、鈴は単純に、この明るくて優しい綾咲春近という名前の彼に嫌われる事がただただ怖かった。

 行かないで、怒らないで、離れないで、側にいて……

 この全ての感情をひとつに纏めながら、鈴は袖を掴んでいる手に少し力を込める。「鈴のこと、嫌いにならないで」ぽつりと相手の耳に届くか届かないか瀬戸際の声量で、静かな部屋に彼女の声が小さく落ちていった。

> > 綾咲春近様

1ヶ月前 No.21

黒ここあ @milky2☆ggNFEl0Udhk ★UhUozvq756_gaI


【 202号室玄関 → 共用スペース / 忌宮 寿々也 】


 奥の部屋から恐る恐るこちらへ向かって来る様な床の僅かに軋む音を聞き逃さず、次第に人の気配が近付いている事を教えてくれる。声を出さずにゆっくりと此方へ来ると言う事は、相手の警戒心を刺激する事には成功しているのだろうと言う謎の達成感を味わっていた。ファーストインプレッションはどうやら成功の様だ、と。此方の強張る表情も微かに緩み不敵に微笑んでみる。だがしかしそんな優位性は、その気配の主の姿を見た途端に瓦解する事となる。
 瞬間、寿々也の瞳は見開かれた。見開かされたと言ってもいい。上半身だけで覗き出すその姿。シルバーブロンドとでも形容すべきサラサラと滑らかさを帯びた頭髪は恐らく腰の辺りまで伸びているのだろう、重力に負けて垂れる頭髪が空を撫でていた。紫水晶の如き瞳はこちらを伺うその出で立ちが、とても同い年とは思えない程度には大人びている雰囲気があった。そう、緊張のあまり失念していた事を今更ながら思い出した。ルームメイトの人間がいると言う漠然とした情報の中に、女性であったり年上だったりする可能性がある事を。そしてそれ以上に寿々也が言葉を失った理由、息を飲み込まざるを得なかった理由は、彼女が美しくも儚げな――見るからに日本人ではなかったと言う事。

「 ――エレ、オノ……あァ〜、そうか、そう来たか……。 」

 彼女の自己紹介でようやく我に返る寿々也は目を伏せた。彼女の名前を満足に復唱出来ぬままに何とか事態を理解しようと、先程の威勢の良さなど微塵もなく小さな声でそう呟いた。聞く限り日本語は喋れるようだし、コミュニケーションに恐らく難はないだろう。あるとすれば文化的な違いだろうか、彼女がどれだけ日本に滞在していたのかが判らない以上まずはその辺りからルームメイトとして理解を深めて行かねばならない。何せ将来の日本を支える為の人材教育をする学園なのだから、グローバル化も目覚ましい現代ではそれくらいのきっと在って然るべきだ。なんて、無理矢理自己を納得させようと一人頷いていると、彼女の言葉の半分も耳に入って来ない。けれど、それでも聞き逃せない発言があった。謂われのない言葉――半径一メートル以内には、近付かないでいただけますか――を耳にした途端、寿々也は目を再び見開き頬を紅潮させる。別に照れや好意での表情ではなく、それとは逆の激情的な血潮の流れだった。

「 ハ、ハァ!?近付くなってどういう意味だコラ!まさか俺が出会ってすぐの女に手ェ出すような軟派な男だとでも思ってんのか!あ、ちょっ、待てオイ!……さ、寒いだァ?いや、もう涼しいくらいだろ……? 」

 勿論初対面の異性と言う事は流石の寿々也でも理解しているし、警戒される事も理解――と言うかむしろ警戒させるような挨拶を故意に――しているけれど、面と向かって言われるとは思っていなかった。そして明確に距離を設定されると思ってなかった。半径一メートルだなんて、まあ中々に短い距離だろう。こと同じ空間で過ごす事となるのであれば尚更である。だがその不当な距離設定よりも、彼女の言葉からよもや寿々也が襲って来るのではないか警戒されているのではと深読みをして怒りを覚えていた。そんな不埒で軟派な男は強い男とは言えない、寿々也の目指す男像とは寧ろ真逆。再び怒号の如く声を荒げ、さっさと奥へ進むエレオノーラについて行くべく靴をきっちり揃えて脱いだ後、大股開きに歩み寄って行く。しかし彼女は続けて吐いた「寒いので」と言う言葉を思い出し、寿々也は距離を縮めるのを止めた。春先の涼しい気候ですら彼女にとっては寒いのだろうか。否、彼女の前後の会話を考慮すれば近寄られると寒いと主張しているように聞こえた。因果関係を理解出来ない寿々也は怒りと疑問が入り混じり、眉間にしわを寄せつつも一定の距離を保ったまま問い掛けた。


>> エレオノーラ・チェルカソワ様

1ヶ月前 No.22

京極五和 @yumomi☆dszkmgEaqwdD ★jnEgvtoCyw_gaI

【 学生寮・102号室・自室 / 京極五和 】

 こそこそっと衣擦れの音だけがきこえる。扉の向こうの男性が、何か動きを示した。五和の部屋の扉は、静かに閉じられていたけれど――かちゃっと、これまた小さな音を立てて、開かれた。五和ではない者の手によって。

 彼は五和の部屋に入るなり、驚嘆の声を漏らした。五和の部屋に置かれている本棚の背の高さに、だ。まだ床や段ボールの中に散らかっている本の冊数にも。床が抜けないか心配しているのかもしれない。ここは1階であるから他の階に比べてその心配は杞憂である、それにしても。彼が驚くから、この部屋の構えはずいぶん異常なのかもしれない。たとえそれが、五和にとっての正常だとしても。

本当なら、わーっと大きな声をあげてしまいたいけど、そんなことしたら、絶対彼が困ってしまう。そんなことは避けたい、この人なんなんだって思われたくない。いや、もうすでにこの状況が、彼を少し困らせているのかもしれないけれど。
五和を気遣うような優しい問いに、五和は少しだけ、小さくうなずいた。私は、大丈夫。けれど?

(ルームメイト、……?)

彼――白野江瑞雲と名乗った――は、五和が自分のルームメイトということを確認する旨の問いを投げかけた。それに五和は小首をかしげる。ルームメイトなんているの? と、眉根をこれまた少し、寄せながら。ここは102号室で、五和が受け取った鍵についているプレートにも、102と刻まれている。

ああ、そういえば、玄関を入ってすぐのところ、共有スペースの向かい側(五和の部屋の反対側)に、扉がひとつ、あったなぁと思いだす。彼がそこの住人だろうか。住人というか、ルームメイトというか……。同じ、102号室の。男の子。
こういうとき普通、同性同士で同室になるんじゃないのとか、結構身長高いけど(五和から見て)、いったい何年生なのかしらとか、君(白野江瑞雲と名乗った彼)が私(五和)のルームメイトということで間違いはないだろうかとか、いろいろ考えて。けれど、入学ガイダンスの入寮説明を生返事ですっかり聞き逃した五和にその質問の答えは、わからなかった。きっと、わかりませんなんて言ったら彼を困らせてしまうだろうと思う。顔を見合わせてから一言も、喋っていない五和の今の対応そのものが彼を悩ませているなど思いもせず。戸惑う彼を正面にして、五和もまた、困っているのだった。

【五和のこと、書いていてじれったくなってきましたが、きっとこれを受けとる瑞雲くんがいちばんじれったいんだろうなと思いました……!(すみません) ほんとうは一言でも喋らせたいんですが、五和のキャラクターを重視させてしまいました。がんばれ、瑞雲くん!】
>白野江瑞雲

1ヶ月前 No.23

スマイル @smile390 ★iPhone=swl5Z77LCC

【 学生寮:205号室(自室) / 白鳥優(優那) 】


持ち前のマイペースさを思いっきり発揮して荷解きを終えた優は、散歩をしようと玄関へ向かい今まさにドアを開けようとした時だった。優がドアノブに触れる前にドアが勝手に開いたのだ。優は内心で驚き、心なしかいつもより目も見開いていたような気がする。続いて目の前にドアを開けた本人なのであろう女性が現れた。パッと見、男性に見えなくもない容姿ではあるが、学校指定の制服スカートをはいているので女性であると判断。それによく見れば顔もどちらかというと女性寄りの顔立ちだ。すぐにいつもの無表情に戻り、じーっと目の前の女性を見つめていた優だったが、その女性の言葉を聞いて思い出した。そういえば部屋は2人ペアだった、と。しかも学年や性別は関係なし。ガイダンスで聞いたときはえっと思ったが、実際部屋に来てみたらちゃんと個人スペースもあったので気にしていなかった。優は改めて目の前の女性を見つめる。相手の方が少し身長が高かったようで目線を合わせるようにしてくれている様子から、なんだかお姉さんみたいだなと感じた。実は歳下だとは知らずに。

『ねえ、これから何処か行く予定だったりする?』

そう尋ねられて優は黙り込んだ。何をしようとしてたのか聞かれれば散歩と答えられたのだが、何処に行くのかと聞かれて散歩と答えるのはなんか違う気がする。

「……」

無言のまま10秒…20秒…と過ぎていく。そして30秒が経とうとしたところで優はふるふると首を振った。散歩に行こうとしてはいたが、特に何処とは決めていなかったので違うと答えるのが妥当だと思ったのだ。

そこでふと優はあることを思い出した。

「……講堂……?」

そう呟きながら首を傾げる。というのも講堂と呼ばれる場所に行くように誰かが言っていたのを思い出したのだ。たしか開校記念がどうとか。正直言って行きたくない。しかし今までも普段の授業は休むことはあれど、修学旅行とか卒業式とかは登校してきた。しかも今日は編入初日だ。初日から休みというのは気が引ける、というより優は初日くらい行ってもいいかなという気分で講堂に向かうことにした。

優は通るならどうぞという意味で横に1歩ズレる。この女性が通って行ったら自分は部屋を出て講堂に向かうつもりだ。しかし方向音痴の優では講堂に辿り着けないのは目に見えている。まあ本人はそんな心配は欠片も思っておらず、どうにかなるだろうという気持ちでいるが。


>>進藤新様、ALL様



【申し訳ありません!私の記載の仕方が分かりづらかったかもしれないのですが、優の本名は優那(ゆうな)であり、優はまだ誰にも“優”と名乗っていないつもりでおりました!それに同室の方の名前や性別は事前には知らされていないらしいので、一応優ちゃんと呼ばれたことは聞かなかったことにしておきますね!(多分ですが扉か壁にあるのは部屋番号のみでネームプレートとかはないんだと思います!多分!)それともうひとつ!まだほとんど会話もしてないのに勝手に移動しようとしててすいません!一緒に行こうとか自分も荷解きするから待っててとか言われれば大人しく部屋に戻るなりすると思うので!勿論ここで一旦お別れしていただいても構いません!】
>>新ちゃん本体様

1ヶ月前 No.24

火の粉 @sanii0815 ★iPhone=SmgVGkCvYH

【 祇園社 花厳 / 302号室 】

わざわざ国から声がかかった時点で、確実に何かあると直感した。さらには学費等完全免除という胡散臭さ。それに加えて、生徒が卒業どころか入学すらもしていないのに、国の研究施設だの、卒業したら議席は確実だのという噂が細々と流れている。普通ならそんなのただの噂話、と流すところだが、火のないところに煙は立たないというし、何より、彼女──祇園社花厳は持ち前の先見の明で、この噂のうちの中に真実があると確信した。
そして、蓋を開けてみればその通り。また自分の予想通りと辟易する事をしなくなって久しい。
明確にこの学園の目的を知っている訳では無いが国が"異常者"と定めた高校生を集め、"正常者"とひとつ屋根の下で過ごさせる時点で、大体の憶測はつく。大方、互いの変化を見るための実験施設といったところだろう。
とはいえ、そんな事情を知る"異常者"側の花厳にとってはそんなものはどうでもいいのだ。たとえ、周りが異常者だらけであろうと、正常者がその中に混じっていようと。
そんな彼女は、持ち込んだ荷物が少ない故に、もう既に荷物の整理を終え、共有スペースでゆっくり紅茶を嗜んでいた。これは荷物の中に入っていた──、荷物を纏めてくれたのは実家の使用人なのでおそらくその人が、家事をあまりしたことがない花厳を、心配して入れておいてくれていたのだろうパックの紅茶だった。お嬢様あるあると言っては何だが、正直に言うと、パックの紅茶など初めて飲んだ。やはり味も香りも家で飲んでいたものと比べれば劣るけれど、飲むことを躊躇する程まずいわけじゃないし、飲めるし別にいいか、と呑気に思った矢先、部屋のドアを開ける事が小さく聞こえた。その後足音も聞こえないので、ドアの前から中の様子を伺っていると言ったところだろうか。なんて相手の様子を想像していれば、これまた小さく声が聞こえてくる。声音と喋り方からして女生徒のようだ。名前を木実というらしい。

「 ──木実さん、覗いてないで入っていらっしゃいな。取って食おうなんてしないわ 」

同居人がいるであろう玄関にもはっきり聞こえるように、少し大きめの声でそう告げる花厳は、それを言い終わると、初めて玄関の方へ目線を向けた。その表情は、いつも通りの薄い笑み。その笑はこれから同室となる人物には、不気味と思われるだろうか、それともミステリアスだと思うにとどまるのか、はたまたその笑の下にある異常性を一瞬で見抜いてしまうのかは神のみぞ知ること。
私と同室なんて、つくづく運のない子ね。心の中でこちらを覗く彼女にそう言えば、相手の反応を待つ。


>>木実しずか様


【控えめに言って癖の強すぎるやつですが、どうぞよろしくお願いします。私めも遅筆ですので、返信が遅くなりがちになってしまうかと思われます】

1ヶ月前 No.25

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

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1ヶ月前 No.26

霧灯 @sunsuncat ★o08FOtq5xo_gaI

【谷口美香/学生寮203号室】

 視界に入り込んだ何か黒っぽい存在。正面にはまさかの先住民、……もとい、先に来ていたルームメイトらしき人物が壁に凭れ掛かってこちらを見ていた。先ほどのポーズのまま美香の時が止まる(3点カメラがそれぞれ別アングルをパッパッパッと映して間を演出的なイメージ)。

(既に誰か居たーー!?)

 この間0.3秒。電撃が美香の脳裏を突き抜けた。顔は真っ赤。誰もいないと思ってハイテンションで飛び込んだのに、真正面から見られた! 恥ずかしすぎる!
 猛る気持ちを抑え切れずに結構早めにやって来たつもりだったのに、彼はそんな美香よりも強く興奮して颯爽と駆け出してきたというのか。ズンタカ歩く美香の前方で「ゥワーーーイ!」と全力疾走してこの部屋を目指す彼を想像した。いや、違うな。違う気がする。何となくそうではないような予感がしてすぐにこの考えを捨てた。
 兎に角、あの既に色々済ませて若干寛いでる風の態勢は明らかにルームメイトだろう。ルームメイト。居るとは聞いてたけど、まさか先に来ているとは思わなかった。ちょっとそれ先に言っといてよ! さっき入学式とか言ってガイダンスしてたじゃないの! なんでこんなに早く到着してるの!? サボリ!? 入学式サボタージュ!? え? だから鍵が開いてたの? どんなトラップよ! 知らないんですけどそんなこと! っていうか楽しみすぎて仮に知っててもきっと忘れてた! でも鍵の時点で可能性の一つくらい思い浮かべても良かったー! 私のバカ! バカバカ! 既に先のポーズは解いて横を向いて頭をブンブン振る。

 その時彼が何かを呟いた。突然だった上、英語っぽくてよくヒアリング出来なかったが、"amigo"と言った気がする。え! うそ! もしかして乗ってくれた!? なんだ良い人じゃない! 英語ってことは外国人かな? 髪も金髪だし。さすが最新鋭校、グローバル! でもなんかイヤーカフとかついてて服装もなんかラフいし目つき悪いし、金髪なだけのヤンキーっぽい気もするけど、って寧ろヤンキーじゃないかなコレ! あっヤンキーっぽい! ああでも理想のルームメイトとはなんか180度違う感じだけど、この際ヤンキーでも何でもいいや! 良い人ならなんでもいい! 人間心が大事!

「あの、私!」

 先ほどのことには触れないで左手で自分を指さしてそのまま名前を伝えようと明るい顔で言いかける。
 しかしそれは相手の言葉で遮られた。

「……一応、言っておく。ルームメイトの前桐 柘榴。敢えて言うが、よろしくするつもりはないからな。」
「へぁ?」

 笑顔のまま凍り付く。思わず光の巨人が潰れたような声が出た。今なんて? 思考が追い付かない。いかにも面倒臭そうに、丸っきり愛想も無い言葉がxy軸無視した対角線みたくストレートに飛んできたような気がする。まさかね。ないない。そんな訳ないって。違うって。違う違う。やだもう。あはははは。

「私、谷」
「俺の寝室こっちだから」

 もう一度言おうとしたが、再び言葉を失う。今度は「谷」で止まった。そのまま彼は自室へ入り、そして扉が閉まった。誰も居なくなった空間を美香は呆然と眺める。
 静寂。無音。自分を指さしたまま固まって立ち尽くす。玄関から共有スペースの個室扉までの距離は恐らく3〜4mほど。距離がある。玄関に立つ美香。ぽつんと。

「あー、えっと、うん」

 自分へ指していた指をゆっくり折りたたんで胸の前で優しくグーにする。
 これはなんというか、そう、あれだ。"入寮前の手荒い歓迎"という奴だ。部屋からというより運命からの。

「盛り上げてくれちゃってますぅ?」

 後ろを振り返ってジィ〜っとドアノブを見る。ドアノブは何も言わない。バツが悪いのか、してやったりとほくそ笑んでいるのかダンマリだ。
 嘆息。
 まずは荷物を置こう。未だ玄関という名の始まりの地を踏みしめている状態だ。考えるのはもう一歩踏み出してからでも良い。
 靴を脱ぎ脱ぎ。お邪魔、します。彼は左のようなので美香は右である。わー、部屋決めする手間が省けてラッキーだおー。リュックのバンド余りを摘まんでパタパタしてみる。谷口美香選手、自室に向かって飛翔、そして見事に着地。ゴーーール。
 ……一旦次の予定まで部屋に籠って荷解きでもしていよう。ドアを閉めた。パタン。

>>前桐 柘榴


【波乱の出だし。この後こちらは部屋シーンを描くかパーティまで放置か一旦うろつくかでしょうか。だおー】

1ヶ月前 No.27

@purple3ru ★iPhone=9hJIin38fI

【 学生寮・103号室・自室→玄関 / 夢戯曲鵜紗 】

うたうことが好き『だった』。周りの人は喜んでくれた。狂喜乱舞した。狂って喜んで乱れて舞った。みんなを狂わせた。最終的に、親を殺した。だから、声を封印した。もう喋らないと決めた。ずっとノートとペンで会話してきた。でも、つい1ヶ月前、孤児院の院長に、スマホを買ってもらって。スマホに入れた合成音声で会話できるようになった。

そうしてやってきた響仁学園。なんと初めての寮制! 自分はつい最近まで孤児院にいたから、他人との共同生活にはそこそこ慣れているけれど、それでも、性別も学年も違う1人の生徒と共に過ごすなんて、ちょっと――否、かなり緊張している。(もし、ジブンのこの声のこととか、理解してもらえなかったらどうしましょう……いえ、がんばるしかありませんけど)どうやらルームメイトよりも早く着いたようだったので、先に荷解きを粗方済ませた。共用スペースがあるようだが、孤児院では自室なんてなかったため、ベッドなども取り急ぎ用意したもので、慣れ親しんだ私物はぬいぐるみと私服とヘアピンと指輪とスマホぐらいの鵜紗には、キッチン等に置きたいものは無かった。なので、先に挨拶の文章を打ち込んでおいた。相手が来た瞬間、待たせることなく、言葉を発せられるように。……自分ではなく、この機械が。

そうこうしているうちに、扉がノックされた。規則正しく3回。突然のことに息をのむ程度には驚いたが、こんなことで声をあげたりはしない。もう数年も声を出していないのだ。これからだって出すつもりはない。『ごきげんよう』『かしら』という丁寧な言葉遣いと、女の子の声。性別学年無関係ときいてから、口の悪いゴリラみたいな3年生男子の可能性も想像していたから、なんだか肩透かしをくらった気分になった。男尊女卑も女尊男卑もするつもりはないが、できれば同い年の女子が良い。その方が話しやすい。

無言で立ち上がり、玄関へ向かい、扉を開ける。そこには女の子が立っていた。短い焦げ茶色の髪の、自分より10cmほど背の低い少女。否、鵜紗が女子にしては高いというだけなのだけれども。動物に例えると狐っぽい、かわいい子だ。
鵜紗は、黙ったまま彼女を部屋に入れ、扉を閉めると、スマホを操作し、音声を再生した。

「『はじめまして。あなたのルームメイトとなりました、夢戯曲鵜紗っす。ジブン、諸事情で、声を出"し"ません。なので、こうやって打ち込んで機械の声でお話します。これからよとしくおねがいするっす』」

多少は人間らしくも機械的な高音の少女の声が、にこやかでハキハキとした友好的な声色で、言葉を紡いだ。スマホを持った鵜紗も、声色のように、にこにこ笑ってフレンドリーな雰囲気を纏っている。『出せません』ではなく『出しません』と云った――云わせたのは、わざとだ。『不可能である』とは云わず『可能ではあるがそれをしない』という云い回しにしたのは、『出したくない』自分の気持ちを強く感じて欲しかったから。本当は声を出せるのに出さない理由は何かあるけれど踏み込んではいけないんだ。そんな風に思って欲しくて。昔のことは、できるだけ話したくない。

>>暮屋敷うみほさま

【導入だけで長すぎる!これからよろしくおねがいしまーす!!】

1ヶ月前 No.28

京極五和 @yumomi☆dszkmgEaqwdD ★jnEgvtoCyw_gaI

【 学生寮・102号室・自室 / 京極五和 】

 この寮についてわからないこと……。そういえば、過ごしやすい部屋を作るのに夢中で、そして昨夜読んだ本が面白くて、入寮の説明を、すっぽかした気がする。厳密には、説明会には出ていたけれど、内容をほとんど理解していなかったということ。普段真面目な五和らしからぬことであるが、実際問題、寮についてわからないことがわからない。それに気がついて、五和は全身からどっと変な汗をかく。緊張のため顔が赤くなっていくのがわかる。焦りと緊張と、恥ずかしさと、この先に関する不安。人に頼るのが凄く苦手だから、大体のことは自分でやってしまうし、当たり障りなく、周りから浮かぬよう、細心の注意を払ってこれまでの学校生活、日常生活、過ごしてきたのに、新しい環境に飛び込むときはもっと気遣わなきゃいけないのに、ああどうして。やってしまった。

(寮、わからない。ああ、でも)

 彼――瑞雲はおもむろに鞄からクリアファイルを取り出し、五和の方へ資料を差し出して、最初に声を発したときのように朗々と、寮生活についての説明をした。
学年性別関係なく部屋割りされていると伝えられているということ。瑞雲も、例に漏れず同室の人間がどんな人間であるか分からない状態で部屋番号が書かれたプレート付きの鍵だけが渡されたようで、詳しいことはわからない、と台詞の最後に付け足した。

(でも、説明してくれた)

顔を合わせてから10分も経っていないだろうけれど戸惑うばかりで一言も言葉を発さない五和にしびれを切らすことなく丁寧に説明をしてくれたことに、五和は素直にうれしく思う。同時に少し、申し訳ない、とも。こんな私に、こんなふうに丁寧に接してくれるなんて、なんて優しい人なのだろう。ありがたいし、申し訳ない。
ひとつ優しさを噛み締めた五和は不安が解け、少しの安心を取り戻した。そして、堰を切るように早口で喋りだした。

「あり、ありがとうございます。すごく、あの、わかりました。説明、あの、していただいて、ごめんなさい。不安とか、大丈夫です。あ、えっと。私も、あなたと仲良くしたい……築いていきたい、良好な関係を」

 たくさん喋ったので、また汗をかく。顔も少し赤い気がする。他人に自分の意見を言うことに慣れていなくて、声のボリュームは大丈夫かしらとか、途中で裏返ってないかしらとか、いろいろ考える。
最後、仲良くしたいなんて言ってしまったけれど、迷惑でないかなと心配し、また顔を赤くする。そして、五和の心のうちでは、瑞雲は五和にやさしくしてくれる人、という等式が完成されようとしているので本人が《怖い顔》と感じていたとしても、優しいから怖くない。少なくとも、今は。……最初、姿の見えない状態で、突然部屋をノックされたときは怖かったけれど。「要望は、あの、大丈夫です」と続けた。

 要望を言うのは得意ではない。いつも他の人に任せてきたから慣れていなくて、当たり障りのない台詞を吐く。自分なんかが口出ししてはいけないと臆病にならずにはいられないし、何より、たった今寮のことを理解したので、さっそく意見など出すのは――もっと得意ではない。

「本当に、大丈夫」

>白野江瑞雲

1ヶ月前 No.29

黒ここあ @milky2☆ggNFEl0Udhk ★UhUozvq756_gaI

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1ヶ月前 No.30

雪鹿 @class ★Android=42zyboh5vZ

【学生寮:203号室・私室/前桐 柘榴】

何かを言おうとしていたらしいが、特に聞く必要も無いだろうと聞く耳を持たずに自室まで呼び止められる事も無く、すんなりと戻る事が出来た。存外、物分かりの良いタイプだったのだろうか?それなら僥倖。関わってこないのなら、それに越したことは無いんだからな。

ガチャリ、内鍵を後ろ手で閉めて一度ベッドに腰を掛ける。はやく荷解きをしなくてはならないな、とは頭で思えども、なんだかすぐに動きたくない気だるさで身体が満ちている。それどころか、このまま寝てしまいたい位に、頭の中で色々と余計な事まで考えすぎてしまっていた。

だって、俺なんかより運が無いのはあの子だ。名前は知らないし俺から見たら面倒な相手って事に変わりはないが、それでも悪い奴じゃないのは分かる。だからこそ、尚更に余計な考え事が募っていく。考えたって仕方ないのに、なにもできる事なんて無いのに。
とっとと友達の一人や二人作りでもして、そいつの部屋に泊まったら良い。それで貧乏クジ引いた、って笑い話にでもしてくれる位の気概があったら良いのにな……俺とは縁遠い場所で笑い合ってる方がずっと良いじゃないか。
今頃、荷解きしながら愚痴でも零している頃合いだろうか?それでいい、是非とも嫌って避けてくれ。そっちの方がお互いの最善策だ、当然そうに決まってる。

「……最善策、か。」

ぐるぐると負のサイクルを続けていく思考の中で出てきた言葉がぽつりと口から漏れ出た。それと共に頭が急に重くなってしまったようで、人を避ける為の黒いマスクを外してベッドへ倒れ込めば、ボフリと重い音を立ててギシリと軋む。ああ……そう言えば、照明付け忘れてたな。まぁ、どうでも良いか
最善策。そう、俺が誰も殺さないために俺が取れる最善策。誰も側に寄せ付けなければ、問題を起こさずに済むんだ。中学の時なら、こんな事悩まずに殴って蹴って終われた―――ってのも違うか。ただ、有耶無耶にしてただけだ。胸が満ちて張り裂ける前に、頭の中が溢れて腐ってしまう前に、暴力って形で吐き出してただけだ。終わってた訳じゃない。

嫌な事ばかりが募っていく。今に限った話じゃなくて、俺の人生が埋もれる位に積もっていく。……アレに参加するしないは別にして、今は眠ってしまっても良いだろうか。もうこれ以上、何も考えたくない。
どうせ、荷解きは今しなくたって困るような物は殆ど無い。それに、この部屋に人を入れるつもりは無いんだ。だったら、荷解きがいくら遅かろうと初めから何も問題は無いじゃないか。今したって、きっと大して捗らないに決まってる。多分だけど。

そう自分を納得させるために適当な論理を組み立てれば、目をゆっくりと閉じて意識を端の方から崩して落としてゆく。そうして、彼は現実逃避にも近い微睡みを迎えるのであった。

>(谷口 美香様)

【そうですね、そうなるかと思います。ひとまず前桐は寝てしまうので、パーティー開始以降まで待機させて頂く運びとさせて頂きます。
そして一区切りという事で、絡みありがとうございました。】

1ヶ月前 No.31

進藤新 @railguns03 ★iPhone=gXeY8DTIMi

【進藤新/学生寮205号】
優那は一瞬こそ驚いたようなそんな表情をみせたものの、そんな様子をみては内心なにか一言声掛けしてからドアを開けるべきだったのかも。と、思いながらに、しかし、自身の何処か行くの?という問いに対して講堂。と、いった。そして、講堂と言えばなんかイベントがあったような。と思いながら
「一旦こっち来たけど、私も最終的には講堂行ぐし、もういっちゃおうか!」
同室の子はどういうこだろうか。と思いながら、また、講堂に行きたいと彼女は言ってたし、今から行くか。と、荷解きもしないといけないが、そんな気分じゃないため、今じゃない。気が向いた時にやろうと、思う。それにまだ少し時間はたっぷりあるのである意味で自身の暇つぶしにもそれもまあいいだろう。と、思い
→白鳥優那、all
【いえ、大丈夫ですよー。あと、お名前初っ端から間違いまして、すみませんです。うちの子も結構やることあんのに「暇ー」とか言っちゃうタイプの子ですよ。なんのために来たんだよ?って感じではありますがね。新は気分屋なとこもありましてですので、講堂へいく感じの文で書きました!】→優那ちゃん本体様

1ヶ月前 No.32

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

【学生寮 102号室 共用スペース/白野江瑞雲】

これまで女子生徒と話したことはあっても、親しいガールフレンドというものが存在しない瑞雲は、目の前の少女にマイナスな印象を与えていないだろうかと心配しながら説明を終えた。しかし彼女は頬こそ赤らめていたものの、此方を怖がっているような様子は見られない。これはなかなか良いコミュニケーションが取れたのではなかろうか。もともと前向きな瑞雲は早すぎるくらいにポジティブシンキングであった。喜ぶのはまだ早いのだが瑞雲だから仕方がない。これから何かあっても「そういうこともある」で済ませる男なのだから。堰を切るように、やや早口で話し出した少女の可愛らしく、そして何処か安心したような声音に瑞雲もほっとする。彼女も瑞雲と良好な関係を築いていきたい、とたどたどしくも口にした。

「そうか……君がそう思ってくれていて、俺は嬉しい。寮生活と聞いて不安なこともあったが、君となら有意義な時間を過ごせそうだ。どうか遠慮はしないでくれ、これは俺が勝手に始めたことだからな」

勿論これからも気楽に頼み事をしてくれて構わないぞ、と瑞雲は付け足す。どうやらこの少女もわからないことだらけで不安らしい。だとしたら自分が彼女を引っ張っていかねばなるまい。不安げな表情をした少女を置いていくなんて瑞雲には出来ない。というかそんな少女がいたら担いででもいっしょに連れていく。おせっかいというか、世話焼きというか。堅い顔立ちに似合わず、瑞雲は他人への貢献を惜しみ無くやってのける。それが彼の長所なのかもしれないが、本人に自覚はない。なんてこった。

「そうか、後から何か気づいたことがあったら言ってくれ。……そういえば、君の名前を聞いていなかったな。俺は白野江瑞雲という。好きに呼んでくれて構わない。君さえよければ、名前を教えてくれないか」

ふと、少女の名前を聞いていなかったことに気づいて、瑞雲はさらりと彼女に問いかけた。瑞雲に思春期はあったのだろうか。全ての成長が身体面にだけ現れてしまったような人間なので、仕方がないと言えば仕方がない。これでは先生か何かと勘違いされても可笑しくないのではなかろうか。
まあそんな訳で、瑞雲は特にまごついたり言い淀んだりすることなく再度自分の自己紹介をしてから少女に向き直った。彼女が名乗りたくないというのなら別にそれでも構わない。相手の嫌がることはしないのが最善なのだから。たとえ自分の名前だけ知られているような状況であれ、瑞雲はそれを受け入れてしまうだろう。彼女の返事がいつ来ても大丈夫なように、瑞雲は耳をそば立てた。

>>京極五和様


【学生寮 202号室 共用スペース/エレオノーラ・チェルカソワ】

可笑しい、と。変だ、そんなことはあり得ない、と自分の体質を否定されることがほとんどであったエレオノーラは、寿々也の言葉に不本意ながら驚かされた。異常とは思わない。たしかに彼はそう言った。本当にそう思っているのだとしたら、彼はきっと、エレオノーラを偏見の目で見ることのない━━━━つまり、エレオノーラにとっては過ごしやすい人間なのだろう。第一印象ですべてを決めつけてしまうのは良くない、そんな風に考えさせられた。いや、今あったことだけで相手のことを信用しきるつもりはないけれど、それでも出来ることなら、寿々也とは程よい関係でありたい。何と言えば良いのか迷って、頭の中で色々と考えてから、エレオノーラはなるべく平静を装いながら言葉を紡ぐ。

「……はい、そのような認識で問題ありません。不可抗力なら致し方ないでしょう、私もその辺りは理解しています。近寄らないと言っても、半径1メートル以上であれば大丈夫ですから、有事の際には其処まで気にせずとも構いません」

最後に寿々也が何か言いかけていたようにも思えるが、その内容をエレオノーラはいまいち処理しきれなかったため、「……?」と首を傾げるしか出来なかった。暖める……といったらストーブやヒーターなどの暖房を使うのがベストだろう。もしかして日本では他に何か方法があるのだろうか。もしそうだったのなら教えて欲しいところである。知らぬが仏とはこういった場面のことを言うのであろう、会話が噛み合わなかったためにいさかいが起こることは防がれた。
さて、共用スペースにたどり着いた訳ではあるが、はじめて目にする寮の内装にはしゃいでいるのか、寿々也は座ることなく設備などをあれこれ見て回っていた。エレオノーラもそれを咎めるつもりはない。自分だってそうだった。寮にたどり着いてからは何処がどうなっているのか気になって仕方がなくて、あれやこれやと引き出しを開けたり歩き回ったりしたものである。途中で頭をぶつけて我に返ったのは良い思い出だ。そういうことにしておかねばエレオノーラが悲しくなる。

「……料理であれば、少しは出来ますよ。ええ、本当にです。頼んでくださったなら、簡単なものは作ります。お口に合うかはわからないけれど。……そうですか、それなら良いのですが……。何か必要なものがありましたら言ってくださいね。私、初めはうきうきしてしまう性分なものですから、大事なことを忘れていても可笑しくはありませんので」

先程までの不機嫌そうな顔つきとは打って変わって無邪気な表情を浮かべる寿々也に、僅かではあるがエレオノーラも気持ちが緩む。荷解きに関しても寿々也は自分で行うつもりらしい。それならそれで構わないし、エレオノーラも無理に手伝おうとはしない。ただ、寿々也では届かないところに何か置かなければならなかった場合には、手伝ってあげた方が良いかしらと彼の身長を見て思ったのだ。まだ聞いていないからわからないが、もしかしたら寿々也はエレオノーラよりも年下かもしれない。もしそうだったのなら、年上として出来る限りのことはしてやりたいところだ。

「身長……?ええと、最近測っていないから、正確な数値はわからないけれど……。自動販売機がこれくらいで、たしか183センチだったから……174とか、175くらいになるのかしら」

そんな中で突然寿々也から身長は幾つだと問いかけられて、エレオノーラは戸惑いながらも目分量でだが彼の問いに答えた。日本人からしてみれば、たしかに自分は高身長ということになるのだろう。街行く人々も、エレオノーラが歩くと視線を送ってくることがある。エレオノーラとしては、小柄でほっそりとした、それこそ大和撫子といった女性に憧れを抱くのであった。

>>忌宮寿々也様

1ヶ月前 No.33

仁平 @hitohira ★PG2wetToBT_yoD

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1ヶ月前 No.34

霧灯 @sunsuncat ★o08FOtq5xo_gaI

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1ヶ月前 No.35

これからだ @tomokkk ★iPhone=0XzhconIr1

【木実しずか/302号室】

 それは、上品な女性の声であった。ルームメイトが異性、なんてやりにくい状況でないことがわかって、一先ずある程度の安堵を覚える。自分の身を守る自信はあったが、やはりそういうことを抜きにしても、男女での同室はお互い気が休まらないだろうとは思っていたのだ。取って食おうなんてしない、という言葉にしずかはくすっと笑って、「よかった、女の子で」と聞こえるように呟き、新居である302号室へと足を踏み入れた。
 まず目に入ったのは、スカートのディープグリーン。3年生だ。しずかより2つ上の声の主は、玄関からすぐ近くの共有スペースで紅茶を飲んでいた。甘ったるいストロベリーの香りはしない。そして、彼女の美しい黒髪と深い青の瞳を見てしずかは直感的に悟る。春の乙女達に向けた、薄いストロベリーティーのような会話が通じる相手ではないと。彼女は明らかに違うのだ。しずかは狭い世界で生きてきたので、人の本質を見抜く力に優れているということはない。難しいことはよくわからないし、異常性を察するなんて到底無理だ。それでも、ほんの数秒で彼女の纏う異質の空気だけは理解できた。
 ただ、しずかにとってその事はさほど重要ではなかった。ちょっと変わった雰囲気の綺麗な人だ、と思っただけで。それよりももっと困ることに気が付いてしまっていたのだ。

 紅茶。

 そう、紅茶である。彼女は既に荷解きを終えたのだろう。優雅なティータイムを楽しんでいる。つまり、しずかが今この場でダンボールを開いたり大きな荷物を運んで騒がしくしたりごみを出したりしてしまうのは、好ましくないということだ。タイミングが悪かった。自分本位なしずかでも、人を気遣う気持ちがないわけではない。ましてや相手は1年間を同じ部屋で過ごすルームメイト。しかも先輩にあたる人である。初日から心証を害するのは悪手。

「あ。3年生の方なんですね! えへへ、先輩だ」

 そこで初めて気付いたかのようにちらりと視線をスカートへと落とし、話を続ける。ほら、とでも言わんばかりに、自身の臙脂色したスカートの裾をちょんとつまんでみせながら。

「わたし、木実しずかって言います。見ての通り1年です! ……えっと、これからよろしくお願いします」

 しずかは悩んだ末に方針を変更していた。最も優先すべきは、彼女と親睦を深める――限られた時間ではあるが――こと。荷解きは次だ。最悪パーティーの後だっていい。もしかしたら想像以上に仲良くなることができて、手伝いを頼めるかもしれないし。なんて図々しいことも考えてのことだ。しずかは計算高くしたたかな女であるが、それが異質の彼女に簡単に通用するとは思っていないので、飽くまであわよくばである。
 言い終わるとぺこりと軽くお辞儀をして、顔を上げると同時にできるだけ可愛い顔をして微笑む。目の前にいる彼女の暗がりを、現時点のしずかは見つけることができない。


【いえいえ!! 花厳ちゃんとお話できて本当に嬉しいです! 火の粉様さえよろしければゆっくりペースでやっていきましょう。こちらこそよろしくお願いします(⌒▽⌒)】

>>祇園社花厳様

1ヶ月前 No.36

たわら @tawara529☆OfI7utBYH1Y ★Android=7J0aOKrluH

【301号室前/入江アキ】

 この18年間、平坦で真っ直ぐな道を歩み続けるような生活をしてきた。大きな障害もなく、かといって特筆するほどの幸運に見舞われることもない、穏やかな毎日。良くも悪くも刺激のない日々は、これからもずっと続くものだと思っていた。続いて欲しいと願ってすらいたというのに、やはり人生は思うようにはいかないらしい。現在アキがいる場所は今のところ胡散臭さ最高値の響仁学園。学費免除の完全寮制、政府公認の学校から入学案内が届いた時点で、平穏は塵も残さず消え去ったと言っても良いだろう。3年生からの入学は、友達作りもクラスカーストの把握もなにからなにまで1からやり直しということ。活発なタイプではないアキからしたら地獄でしかない。 悪魔でも良いから助けて欲しい。寿命なら3年分くらいあげるから。
 そんな想いが届いたのか、たまたまガイダンスの席が隣だった男子2人と行動を共にすることに成功し、今は他愛もない会話をしながら寮の廊下を歩いている。会話の中心はやはり男女も学年もランダムな部屋割りについてだが、アキはそんな事よりも夕食のメニューに嫌いな食べ物が出ないか心配で仕方がなかった。ピーマンの肉詰めは肉部分しか食べられないし、人参のステーキなんて出された日には卒倒する自信がある。そもそも野菜が出てこられたらその時点で少し厳しいかもしれない。でも知らない人の前でそんな醜態晒すのは嫌だ。そんな心配をしている内に2人とも自分の部屋を見つけたらしく、緊張混じりの笑顔で別れの挨拶を交わす。2人の話には適当なタイミングで相槌を打っていただけでろくについていけてなかったが、彼らのこれからの生活がより良いものになるように祈り、自分も目的の部屋に向かって歩みを進めた。

「さん、まる、いち。うん。合ってる」

 3階まで来てしまえば部屋を見つけるのは簡単だった。鍵についているプレートの数字と部屋の数字を確認して、少しもたつきながら鍵を差し込んで回す。鍵があいたと分かるや否や、実家の玄関の扉を開けるような気軽さで部屋の扉を開けた。てっきり誰もいないものだと思っていたが、物音から察するにルームメイトは既に到着しているらしい。そっと扉を閉めて廊下に戻る。ノックなりなんなりするべきだった。今更と言われたらそれまでだが、ノックからやり直して扉の外から声をかける。

「ルームメイトの入江アキです。さっき勝手に鍵あけちゃったんだけど、入っても平気かな」

 相手の機嫌を探るようにそう聞きながら、怒られたらちゃんとごめんなさいをしようと決意を固めた。


【出遅れてしまってすいません(;_;)これからよろしくお願いします!】


>>山際聖司様

1ヶ月前 No.37

吐瀉きゃっと ★iPhone=4nCijTIDNF

【宮ケ 吐瀉:学生寮/204号室・自室→共用スペース】


__この度転入する事になったこの学園での生活、その第1日は割り当てられた寮の自室への荷物の搬入から始まった。

自分一人でできる限りの荷物を運び入れてどうにもならない家具は業者に頼む、今ようやく最後の荷物が運び込まれて業者の人は出て行った。窓辺にドリームキャッチャーを吊り下げ終えて、足場にして居たベットに腰を下ろす。

傍に立てかけられた松葉杖を見て、窓の外を見て、テレビの入った棚を見て、息を吐く。

「…………」

この寮は誰かとの相部屋が常な様で、この204号室にもその内誰かがやって来るはずであった。

喉に乾きを覚えて水でも飲もうかと立ち上がる。松葉杖を掴み、そのまま床に突いて部屋を出た。タントンタントンと堅い床に音が響く。共用スペースの片隅に小さいキッチンがあって、その流し台の上に置いておいた自分のマグカップを掴んで蛇口を捻り……出て来た水で数度カップを洗い、水が冷たくなったらカップに汲んで、飲み干す。カップの模様のイルカに水滴が付いて、心成しか光って見えた。

はぁ、と一息入れてもう一杯。水を飲んだ後はカップを濯いで流しに置き……テーブル傍の椅子を引いて腰掛けた。

さて、自分とこれから一緒に過ごす事になるのは一体どんなのだろうか?それを待ちながら、テーブルに頬杖を突いた。

>>ALL

1ヶ月前 No.38

スマイル @smile390 ★iPhone=swl5Z77LCC

【 学生寮:205号室→2階廊下 / 白鳥優(優那) 】


優が講堂と答えると女性も講堂に行くと言う。もう、ということは行くのはまだ早いのだろうか。優は、じゃあもう少し部屋にいた方がいいのかなと思い戻ろうとしたが部屋に戻ってもやることがないのだったと思い出し、やっぱり講堂に行こうと部屋を出かけたが自分は荷解きを終えたが目の前の女性はまだなのではないかと気づく。

「……にも……」

荷物はいいのかと聞こうとしてやめた。女性は講堂に行こうとしている様子だし、本人がいいならいいかと思ったのだ。

開きかけた口を閉じ、女性に続いて部屋を出る。そして一度立ち止まると廊下を見回した。廊下はしーんとしていて誰も見当たらない。各部屋には誰かしらいるのかもしれないが、音漏れしないような壁の造りにでもなっているのだろう。

優は左右を確認して一瞬どちらに行こうか迷ってから右側に向かって歩き出す。理由はなんとなくだ。しかし3歩も進まないうちに優は立ち止まると窓際に近づいていく。そして徐に手を伸ばすと窓に手をかける。しかし、開かない。

「……?」

それもそのはず。窓にはロックがかかっているのだからそれを外さないと開くわけがない。暫く窓と格闘していた優だったが、やっと鍵の存在に気づきロックを外す。窓を開けると爽やかな風が入ってきて優の髪をなびかせた。たったの2階だが中々の眺めで優は窓の縁に手をかけ顔を出すと窓の外を眺めた。

「……」

相変わらずの無表情だが、心なしか気持ち良さげな表情をしているように見える。


>>進藤新様、ALL様



【なんか自由な子ですいません…。自分でも文章を考えながら大丈夫かこの子…って思ってました笑 あっ、あと短すぎると思い新ちゃんが先に部屋を出たことにして話を進めたのですが、もし不都合などあれば優が勝手に出ていったことにしちゃってください!】
>>新ちゃん本体様


【まだお話中の方々も多いので適当に校内をぶらついていようかなと思ってます(そもそも場所が分からないので絶賛迷子中ですね笑)】

1ヶ月前 No.39

ぬ@サブ記事必読 @haku10☆tvSno6grVqw ★iPhone=N94BLBbCmi

【学生寮 101号室 共用スペース /花屋敷 累】



今に至るまで、別に彼の顔をずっと眺めていたわけではない。だけれども終始冷静に、淡々と言葉を紡いでいた彼から淡い笑みが零れた。なんていえばいいのだろうか、こういうのを、嬉しいっていうんだろうか。累は喜怒哀楽の喜と楽だけ抜き出したような人間なので、いうなれば常にいい気分ではあるのだけど。こういう風に微笑みかけられたことなんて、きっと片手で数えられる程度だった。
別に彼女は迫害されてきたわけじゃない。ちょっとみんなと考え方が違ったから皆びっくりして離れてしまっただけで、別に暴力を振るってきたり、陰では知らないけども直接何か悪口を言ってきたことはなかった。でも、人とこんなに語り合ったことはなかったし、ましてや否定もされなくて、普通の人から聞けば気味悪がるような理由で磨いてきた料理スキルを肯定された。そう、周りとちょっと考え方が違うだけで花屋敷累という人間は、褒められれば嬉しいと感じる。慣れていないからなおさら。本人はむずむずするけど、ふわふわするようなそんなふうに感じて、嬉しいなんてちゃんと理解はしていないけど、割と普通な人間でもあった。

「うん、うんうん!もちろんだよ!なんなら毎日でもいいくらいだ!」


ぶんぶんと首を縦に振って、互いに料理を作り合おうという言葉を喜んで受け入れる。人を食べたいという所が目立ってしまいがちだが、彼女には美味しくご飯を食べたいという欲求が強くある。味を気にしないのであれば別に料理スキルなんて磨かなくていいし、こんなに大量の料理道具や調味料を持ち込む必要は無い。要するにただ普通に美味しくご飯を食べることが好きなのだ。


「そうだね、法律なんて気にしたくはないけれど日本というコミュニティで生活していく上では守らなくちゃいけないね。ふふ、そうだね相談か。小さい頃、親にしていた以来だよ。」


昔は何でもかんでも親に相談しては気味が悪いだとか、おかしいだとか、そんなことを言われ続けてきた。だから自分とほかの子たちの考え方にはズレている部分があるのだと早々に悟っていた。だから彼女はズレがあるのに相談しても仕方ないと、割と幼い頃に結論づけた。
時代が私に追いついてないのか、私が時代に追いついていないのか。彼女の平等主義は、全部の生命は横並びで一緒、というものであるだけで考え方まで一緒とは考えていない。だからまあ、仕方ないことなんだろうと、思っていた。それが悲しいとか思ったことはないけど、否定ばかりされるのはいい気分はしないし、程よく理解を示してくれて、心地がよかった。もし彼が私は貴方のことをちゃんと理解しているよ、とまで言ってしまっていたら、彼女はきっと彼に対して自分の思想をオススメしていただろうし、もしお腹がすいていたら食べる?と自分の身体を切り落として食べさせてくれたかもしれない。本人に自覚がなくても、きっと特別扱いしてしまっていた。だが決してその特別扱いはいいものではなく、ある種恐ろしいものであっただろう。
まだまだ話をしたい気持ちはあったが、目の前にいる少年はまだ開封されていない段ボールをぽんぽんと叩き、作業を進めようと促している。それと同時に今日の晩御飯、つまり開校記念パーティのことを思い出す。政府がどうとかの学園だし、パーティと名がつくくらいだ。きっと美味しい、素敵なご飯があるに違いないとガイダンスの時から楽しみにしていた。

「そういえばそうだ、忘れていたけど早く作業を終わらせないと開校記念パーティだっけ?今日の晩御飯の時間に間に合わないからね!私の作業はあと空箱の整理と入りきらない調味料たちを一旦隅に追いやる程度で、もう大体の片付けは済んでるからね。君の片付けにお手伝いが必要なら手でも足でも貸すから言ってほしいな!」


作業に戻る同時にまたいつもの調子に戻り、機関銃のような早口でまくし立てるように彼に話すと、また自身の荷物たちの方へ戻っていく。手早く入りきらなかった、調理器具を元のダンボールに詰め込み、残りのもう使わない空のダンボールを潰していく。その作業を進めているとなにか思い出したかのように、あ、と声を発し、また彼の元へと駆け寄っていく。


「ところでなんだけどね、君のお名前はなんて言うのかな。そういえば聞いていなかったと思ってね!」


靭屋寵様>
【初めからエンジン全開で申し訳ありません…!友禅様の文章はひとつひとつの言葉が洗練されていて、心が奪われました…!
そろそろ講堂の方へ移動していきたいと思いますので、よろしくお願いします!】

1ヶ月前 No.40

ぬ@サブ記事必読 @haku10☆tvSno6grVqw ★iPhone=N94BLBbCmi

【学生寮 201号室】


こちらが目線の高さを合わせるとその小さな白い少女も少しづつ不安が解けてきたのか、伏せ目がちだったウサギのような赤い瞳が春近をうつす。互いに目が合うと、小動物を連想させるような可愛らしい笑顔を見せてくれた。その白い少女は、はるちか、とこちらの名前を1文字ずつ確かめるように、彼女の中に溶かしていくように何度か繰り返している。頭を撫でる手も受け入れてくれ、気持ちよさそうに目を細めるその表情がより小動物らしさを助長させていた。ペットとか飼ったことないけど、もし子猫とか子犬とか飼い始めた時に初めて触らせてくれたこんな感じの気持ちなんだろうか。庇護欲を掻き立てられるっていうんだろうか、守ってあげたくなる系女子とはまさにこのことだ。守りたい、この笑顔。
よろしく、と彼女に差し出した手は小さな手でしっかりと握り返され、そのまま手を引いて共用スペースの机まで連れられる。手を引かれるまま椅子に座ると、先程まではふるふると怯えた子ウサギのように震えていた彼女が嘘のように打って変わって、明るくこちらに2つのことを尋ねてきた。


「なんでもいーよ!鈴ちゃんが呼びたくなっちゃう呼び方で呼んで!」


春近はあまり上下関係を気にするタイプではないので、先輩とか敬語を徹底して使ってほしいと思う人間ではない。どちらかと言えば、仲良くなれるなら好きにしてくれていいと思うタイプだった。だから呼び方はよっぽど変じゃなければなんでもいいし、できれば彼女が呼びやすいと感じるようなものがよかった。
会話をしながらあちらこちらに散らばっていたお菓子をかごにまとめ、今度はかごごと持ってこちらに来る。机の上に一種類ずつお菓子を並べると、横の椅子に座り満足そうにしている。好きなものを選ばせてくれるようなので、クッキーやスナック、グミ、色とりどりのお菓子が机にありどれにしようかと目移りする。彼女はクッキーにしたようだった。昔はクッ◯ーモンスターの真似して怒られたっけなぁと懐かしくなり、同じくクッキーを手に取る。


「あっでも、もう少しで夕飯だからあんまお菓子ばっか食べたらゴチソー入んなくなる!」


そういえばたくさんのお菓子に気を引かれて忘れていたが、今日はなんか記念パーティらしく、夕飯はご馳走だと期待している。さっき一緒に歩いてきた彼らと同室の子はどんなだったと報告し合う約束もしていたことも思い出す。彼らには悪いが自分の同室は可愛い女の子、くじで言うなら1等よりも上、特賞を引いてしまったようなものだから、ドヤ顔で自慢してやるつもりだ。
ふと気付くと横に座った小さなルームメイトが自身の服の裾をつまみ、一言なにかぽつりと呟いた気がした。


「どったの?」

小鳩鈴様>

1ヶ月前 No.41

@purple3ru ★iPhone=9hJIin38fI

【 学生寮・103号室 / 夢戯曲鵜紗 】

この合成音声を、自分が話せない――話さないことを知らない人物に聞かせたのは、初めてだった。孤児院にいたころ、練習でそこの子や職員の人とはコレで会話したけれど。みんな「わ!うさちゃんこれで喋れるの!?すげー!」だとか「うさちゃん、前より会話しやすくなったわね。高校でもがんばってね」だとか云われるだけで、正常な反応はゲットできなかった。だから、彼女が瞬きをし、ほんの少しの間黙ったのを見て、その僅かな無音の時間で(あぁ、これが普通の反応なんすね)と悟った。別に失望とかではなくて、これからもみんな驚いて言葉がなくなってしまうことがわかって良かった、それだけ。慣れておかないと。
けれども無言は本当に一瞬で、相手の少女はこちらへ近づき、自分と目を合わせた。(読唇術。なるほど、考えたこともありませんでしたね)と、考えながら、そう打とうとする前に、『うさ』と呼ばれ、髪色を褒められた。今度はこちらが目をパチクリさせてしまう。少ししてから、

「……『ありがとうございます。ジブン、髪色……というか、容姿のことを褒められたの、はじめてなもので』」

と云った。云わせた。機械の声色は先ほどと少し違い、少々照れていて、鵜紗もソレに連動するようにはにかんでいた。声帯を微動だにさせないくせに表情豊かだ。

「……『うみほさん、ですね。これからよろしくおねがいするっす!』……『お気遣いありがとうございます。では、遠慮なく手をとらせていただきますね』……『あ、ジブン、1年3組なので、隣のクラスですね! 良かったぁ、ルームメイトが同い年の女の子で』……『あ、はい! うみほさんのお部屋は、こっちっす!』」

少女に――うみほに、満面の笑みと楽しげな機械の声色で礼とクラスを伝えたあと、あわあわとした様子と機械の声色で、玄関から入って、共用スペースを抜け、左側の扉を指さした。

>>暮屋敷うみほさま

1ヶ月前 No.42

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★YRuDhSwQ0p_o1k

【 学生寮・101号室・共用スペース / 靭屋寵 】

 お互いの料理の腕前を披露しあいたいという申し出は快く受け入れられ、なんなら毎日でも、というお返事には寵も思わずにっこり。珍しい性格をした子ではあるけれど、決して悪い子ではない。仲良くやっていけそうだ。今晩の料理は気合を入れて作らねば。
 気を抜けば満漢全席を作ってしまいそうなくらい逸る気持ちをぐっと押さえつけて、頭の中で彼女に振る舞うメニューを思案。人間さえも食べるべきだと感じるほどの平等主義だ。シンプルな料理より、きっと色々な食材を使った複雑な料理のほうが喜んでもらえるだろう。デザートも付けて、なんなら食前と食後にドリンクも添えよう。鶏肉も牛肉も豚肉も鴨肉も羊肉も兎肉も使って、ああそうだ、食材を買いに行くために学校に外出届を出さないと……。
 近所のスーパーにそんなにもたくさんの種類のお肉があるかは不明だが、今晩の予定を考えつついそいそと荷物を片付けてゆく。無かったらもう仕方ない。今日は無理でも明日か明後日に作ろう。食材はネット注文でお取り寄せだ。インターネット社会万歳。ドライバーさん、いつもお世話になります。

「法律を守ることで法律に守られるからね。自分一人だけで何を敵に回しても生きていける傑物でないなら、とりあえず絶対のルールとして法は犯さないほうが良いよ。……ふふ。数年越しの相談相手になるなら、その時には私も気合を入れないとね。相談された時は意見を押し付けすぎず、されど真摯にだ」

 親に相談していたのが『小さい頃』だけなら、きっと彼女は途中で母と父を見限ったのだろう。失望したのだろう。何を言っても否定されるばかりで、糾弾されるばかりで。まともに相談なんて乗ってくれやしないから、この人達には話しても無駄なのだと幼い累は悟ったに違いない。だが、自分の娘が人間を食べたがっているという事実を何の抵抗もなく受け入れられる精神力を持つ人間は日本どころか世界にもそうたくさんはいない。累は少数派(マイノリティ)で、累の両親は多数派(マジョリティ)だった。どちらが悪人で善人とかではなく、修復できない溝が生じた原因はそれだ。
 可笑しいと、異常だと、そう口汚く罵って頭ごなしに押さえつけるばかりでなく、人を殺して食べてはいけない根拠ある理由を滔々と説明すれば、頭が悪い訳ではない彼女は子供の時分でも納得してくれただろうに。人を食べたい気持ちは捨てられずとも、ひとまず人を食べるのは大変なことで安易にはできないことを覚えただろうに。それが出来ずにただ嫌悪し拒絶してしまったから、彼女のほうも両親に理解されるのを諦めた。そのままここまで成長してしまったからには、もはや彼女と彼女の両親の仲を回復させるのは不可能だ。きっと彼女だって今さら両親とどうこうなりたいと思っていない。
 寵は両親との決定的な断絶なぞ経験したことがない。喧嘩だっていやいや期だった幼稚園児の頃に何度かした覚えがあるくらいで、小学校に入ってからは言い争った記憶なぞ皆無だ。ご近所さんからは「手のかからない子供って実在するのね」と羨ましがられ、母からは冗談混じりに「一定の時期を過ぎてからは手がかからなさすぎて暇なくらいだったわ!」とケラケラ笑われた。父からは「子供に我儘を言われなくなるのってちょっと寂しいね」と少ししょんぼりされて……まあともかく、そういう平和な家庭で過ごしてきた寵には、彼女の家庭の殺伐ぶりなど想像に及びもつかない。だがきっと苦労したことだろう。変わり者はイコール無敵ではないのだ。ちょっと『まともじゃない部分』があるからって、それは彼女が何を言われても傷付かない理由にはならない。世の中にはそこを勘違いしている者が一杯いる。

「ああ、そういえば開校記念パーティがあるんだったね。教えてくれてありがとう。君との会話が楽しくてうっかり忘れかけていたよ。間に合わなさそうなら、手伝いをお願いしても良いかな? もちろんタダでとは言わない。クール便で家から送って貰ったハーゲンダ○ツを君に横流ししよう」

 荷解き作業に戻った累の言葉に好意的に礼を述べて、自身も急ぎで段ボールを整理して回った。今日一日で完璧に片付けなくったって、とりあえず寝るスペースさえ確保できれば今日の夜は越せる。明日早起きして作業の続きをして、それでも無理そうなら放課後に持ち越せばそれでなんとかなるはずだ。となると、キッチン用品よりは枕とか布団の入った段ボールを先に開けよう。『寝具』とマジックで書き殴られた段ボールに手を伸ばし、その中から分解されたベッドの部品などを取り出しつつ壁にかかった時計を見上げる。××時××分。ギリギリ、ベッドを組み立てる時間くらいは残されている……だろうか。

「私の名前は靭屋寵だよ。君のことは累さんで良いかい? 男に下の名前で呼ばれるのが嫌なら、その場合は花屋敷ちゃんと呼ばせてくれ。私は何と呼ばれても構わないから」

 自己紹介を聞き逃されていたのに、それはそれで彼女らしいと嫌な気持ちにはならなかった。これが人徳、あるいは愛嬌というものか。わざと聞いていないフリをされたなら気分を害するものの、素で忘れられていたならそれすら発生しない。人為的ではない天然ものの失礼は、相手次第でむしろ好感触なのだ。

>花屋敷累様

【エンジン全開むしろ大歓迎です、フルスロットルのコミュニケーションとっても楽しい……!
 私もぬ様の文章と累ちゃんのキャラクター性がドツボにはまって毎度ドキドキと胸をときめかせておりますので、そんな御方に褒めて頂けるのはとっても嬉しいです。
 次のロルでこちらのキャラクターに確定ロルを使って頂いて構いませんので、よろしければ「累ちゃんも手伝ってくれたことで荷物の整理が終わって講堂に向かうことになった」みたいな描写をお願いしてもよろしいでしょうか?】

1ヶ月前 No.43

黒ここあ @milky2☆ggNFEl0Udhk ★UhUozvq756_gaI


【 202号室 共用スペース / 忌宮 寿々也 】


 そういえばキッチンや冷蔵庫が用意されていると言う事は、食事は自分達でどうにかしろと言う事なのだろうか。それとも夜間も食堂のようなものが空いていて、そこで食事を取る事が出来たりするのだろうか。もしも前者なのであれば、暫くはお湯を沸かして注ぐだけの簡単な晩ご飯になるかも知れない。料理に関してはやった事がないだけであって、別に特別苦手意識もない。そのうち自分で作れるようになれたら良いな、なんて思考を巡らせているとエレオノーラからの提案。嬉しい申し出だったが故に寿々也の声は明るみを帯びる。

「 へえー、流石女子だな。じゃあ今度ご馳走してくれよ、特に苦手なものもねェからお前の得意なやつ!つーか教えてくれたら俺も色々手伝うけど。 」

 彼女の作る料理は、日本では中々見ないような食事なのだろうか。そうなのだとすれば若干ワクワク感もあった。けれど全てを丸投げにするだなんてルームメイトとしてどうなのだろうと言う寿々也の思いから、言葉を紡いだ。如何せん包丁を持つ機会なんて小学校の家庭科実習程度だったから、普段料理をする者からすればそれはそれは危なっかしいものになるのだろうけれど。そして寿々也に、その自覚はない。
 ――私、初めはうきうきしてしまう性分なものですから。そう口にした彼女を丸い目で見詰め、数回の瞬きの間に寿々也の中では妄想が始まった。まるでさっきの寿々也よろしく目を輝かせてこの部屋を物色するような姿を、出会って数分程度の相手ながら中々に想像しがたく思わず顔をしかめて首を傾げる。もしも彼女の素がそっちならば、実は今とても気を使わせているのではないだろうか、なんて勘ぐってしまう。実際初対面だし今後ルームメイトとして共同生活をするわけだから、何の気兼ねも不安も警戒もなく接するのは無理でも、それにしたって彼女とうきうきという言葉は、今の寿々也の中ではイコールで結びつかなかった。

「 俺お前がうきうきしてるトコ想像できねえ。……そっちの荷解きはもう全部終わってんのか?そういやガイダンスって全員一緒じゃねェんだなー、つくづく妙な学園だ……つーか現状でも結構なぶっ飛び具合だし。 」

 何にせよ、色々と手伝うと申し出てくれるのだからいざとなったら助けて貰おうくらいに今は受け取っておく事にしよう。というか、むしろ女子の方が荷物も多いだろうし力仕事なのだから大変なハズなのに、彼女は既に終わっているような口振りだった。随分前からこの部屋にいたのだろうか。となると、一体いつから?そんな疑問も生まれるけれど、それよりも疑問なのはこの学園の制度だ。中途編入上等で年齢性別国籍関係なく二人で一部屋を使って共同生活をさせると言うのは、いくら政府の管理下だったとしても、日本を支える人材を作る為の精神的訓練だったとしても、異常だ。いっそ問題が起きないようにモニタリングでもされているんじゃあないかと疑ってしまう。そんな事を考えると次第に表情は難しくなって一人唸る。監視カメラとか設置されてないか後で一人調べてみようかなんて小さな声でぽつぽつと呟くが、勝手な妄想で彼女を不安にさせるのも気が退けて、一応本人的には聞こえない程度の声量。

「 175……マジか……!!ぐ、く……いやでも10cm以上の差はない……う、うう……!く、悔しくなんかねェからな!俺だって3年生になる頃にはお前だって追い越してる予定なんだ!まあその頃にはお前は卒業してるかもだけどな! 」

 両眼に映る景色は紛う事なく現実だった。そこに虚像が付け入る隙もなく、唯々事実だけを残酷に突き付けられる。血液が下から昇って来なくて指先が痺れそうだ。次第に微細な痙攣の様に手が震え、胃の中は醜く臓物がのたうちまわるかのような不快感に襲われたが、それでもまだ希望まで握り潰されてはいなかった。――9cm差。いっそ10cm以上の開きがあるならば諦めも付いたのかも知れないけれど、まだ一桁。食べ盛り育ち盛りな青少年にとっては、まだ望みが潰えたとは言えない。両親の遺伝的にこれ以上伸びるのは絶望的だと言う現実から目を背けつつ、自分の可能性をひとえに信じて吠えた。強がりでも無謀でも構わない、自分が自分を信じてやれず、他の誰が信じてくれるだろうか。恐らく立ち振る舞いや身長から相手は3年生なのだろうとあたりをつけ、あと一年もすればきっと伸びるという虚勢、自分を親指で指し示し惨めに宣言した。ちなみに相手が先輩だと認識しているハズなのに、言葉使いは今更修正が効かなかった。


>> エレオノーラ・チェルカソワ様

1ヶ月前 No.44

進藤新 @railguns03 ★iPhone=gXeY8DTIMi

【進藤新/学生寮205号→二階廊下】
優那のにも、という言葉より、なんとなく言いたいことは察して恐らく『荷物の整理をやらなくていいのか?』と言ったとこなんだろうな。そう思いながらに、取り敢えず彼女は気分じゃないから致しません的な感じにはなってたため
「にも?ああ、荷物、ね。なんとなく今やる気分じゃないし、あとでやるよ。って、風、気持ちええよな。」
風にあたる優那をみると、そうやって風にあたってるの、個人的にはどちかと、落ち着くし好きな方である。そのため
その後に
「私も、そーやってかぜにあたったり、感傷に浸ったりすんの、好きなんだよね。」
と、微笑みかけて言ってみて
→白鳥優那、all
【はい!了解です!新も、比較的自由な子だったりするんで結構気、あったりして(笑)】→優那ちゃん本体様

1ヶ月前 No.45

火の粉 @sanii0815 ★iPhone=SmgVGkCvYH

【 祇園社 花厳 / 302号室 】


──やっぱり、賢い子ね。

木実しずか、と名乗った少女に、声にも顔にも出さぬようそう告げる。初めて出会った彼女だが、ひと目見て仕草を少し確認すれば、花厳は異様に鋭い観察眼、そして花厳自身最大の武器であり、ある意味では花厳の人生を壊したと言っても等しい先見の明で、人の性格はだいたい把握することが出来てしまう。対面の彼女もその例外ではなかった。
『あ。3年生の方なんですね! えへへ、先輩だ』なんて今気付いたように言うしずかが、それを言うよりも前に、花厳が3年生であると気付いていたことを、花厳は気づいた。しかし、目の前の彼女は、もし多少図々しいことを考えていたとしても、別に悪意を持ってそんなことをしていたわけではないともなんとなくわかる。つまりは、自分と円滑な人間関係を築こうとしている、そんな結論になった。きっと、人間関係では苦労しないタイプの人間なのだろう。

「 私は祇園社花厳。あなたの言うとおり3年生よ。こちらこそよろしくね。……そう、なんて呼べばいいかしら 」

お辞儀をして微笑むしずかの笑顔を見れば、自分もそう名乗り、相手をどう呼べば良いか問う。自分の真意を読ませない癖に、向こう側の真意は容赦なく察して読み取る、変わらない薄い笑み。彼女自身、決して真意を読ませたくないからしている表情ではないが、そう思われても仕方が無いだろう。

「──あぁ、それと、私のことは気にせず荷解きしていいわよ。何なら手伝いましょうか?」

気を遣っているような様子を察して、花厳はそう続けて、また一口紅茶を飲む。もう煎れた時のような湯気はたっておらず、ティーカップの中身は、残り後4口ほどと言ったところか。
基本何にも、もちろん人にも興味すら示さないくせに、こうして友好的に人に接する所が花厳のタチの悪いところだ。ただただ友好的に接しているだけ、そんなふうに花厳が周りと接している事に、母が気づいた時、彼女は大層不気味そうな顔をしたが、果たしてしずかはどんな反応をするだろうか。

>>木実しずか様

1ヶ月前 No.46

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

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1ヶ月前 No.47

ぬ@サブ記事必読 @haku10☆tvSno6grVqw ★iPhone=N94BLBbCmi

【学生寮 101号室 共用スペース/ 花屋敷 累】


料理が得意だと言うルームメイトの名前をじっくりと、食べ物を舌の上で転がすように何度か小さな声で繰り返す。それはおいしい食べ物を忘れないように味わう行為のようで、食事をしている時のような幸せな気分であった。なんと呼ばれても構わないと言っていたが、元より好きに呼ぶつもりであったので寵くん、と下の名前で彼を呼ぶ。自分も呼ばれ方にはこだわりがない、どう呼ばれても構わないという人間であったので適当に呼ばれたことのある名を並べてみる。


「うつぼや、ちょう。靱屋寵、寵くん…寵くんだね!うんうん、私のことは好きに呼んでくれて構わないよ。花屋敷ちゃんでも累ちゃんでもお花ちゃんでも、呼びやすいように呼んでちょうだいな!」


すっかり機嫌を良くしたようで、いや、いつも機嫌は良いのだけれど。それでも心なしかいつもよりもご機嫌な様子であった。そんなこんな会話をしながらも累は最後の空のダンボールを潰し終えたようで、もう使わないダンボールを手際よくまとめてしまう。
彼の持ってきた荷物たちの様子を見ると、自分よりも荷物が多いことや、荷解きを始めた時間が遅かったことから、どう見てもこのままでは夕飯に間に合わない、それどころか寝具もまともに出ていないことからこのままでは彼は冷たい床と仲良く夜を過ごすことになるだろうと察する。自分と会話をしていたから今宵のパーティのことも忘れていたようだし、自分の手伝うという申し出に対しても彼は素直に受け入れてくれた。それどころか自分もたまにしか買わない、高くて、特別美味しいアイスクリームを横流ししてくれると言う。見返りを求めて言った申し出ではないが、頂けるなら喜んで頂いておきたい。タダより高いものはないとはいうし、これから暮らしていく仲だからどちらだけが何かしてやるという関係性は望ましいものではないかもしれない。


「それはとっても魅力的なお願いだね!喜んで手伝わせてもらうよ!それにこのままだと夕飯を食べ損ねるどころか寵くんは冷たいフローリングの上で夜を過ごすことになりそうだしね。新生活のスタートが床とともに幕開けなんて素敵過ぎて笑えないしね。」


彼の近くまで駆け寄ると何を手伝えばいいか指示を仰ぎ、サクサクと荷解きを進めていく。自身が持ち込んだものは少なかったが、1度は荷解きを経験しているので自分の荷解きの時よりもスムーズに物を出していく。累は口が回るのも早いが、動き、というか迷いがないからか手を動かすのも早く、思ったより順調に進んでいた。また、2人で分担して荷物を出していたので単純に作業は早く進み、完璧ではないが取り敢えず彼がフローリングと夜を過ごさなくても大丈夫なように寝具と、優先順位の高い物たちは整理ができた。時計を確認してみたらそろそろ移動を開始しないと、開始時刻に間に合わないような時間になっていた。別にもう少し整理してから出てもいいが、累の優先順位は彼の荷物よりも今夜の食事の方が高い。もう少し作業をしていても走ればきっと間に合うだろうが運動は嫌いじゃないが好きでもない、そもそもスカートで走りたくはない。


「寝具とか、今必要そうなものは整理できたし、そろそろ移動しようじゃないか!時間も時間だしそろそろ出ないと会場にスライディングで滑り込まなきゃいけなくなりそうだよ。私は一番いい状態のご飯を一番いい状態の私で食べたいからね。因みに私はもう準備が出来てるよ!」


荷物整理もある程度できた所で、まだ整理されていない彼の荷物たちを勝手に片隅に寄せてしまい、自身の衣服を直しながら立ち上がる。1人足早に玄関へ向かうと、靴を履き準備が出来ていると声をかける。彼がもう少し作業してから行くと言えば止めはしないし、きっと1人で講堂へと向かうだろう。しかし急かすような瞳でじぃと見つめ、待っている。

靭屋寵様>
【お返事遅くなってしまい申し訳ありません…!本当にアクセルしかない子なので、そんな風に言っていただけるとすごく嬉しいです…!
無理に手を引いて行くタイプではないので玄関に先に行っていますが、一緒に行ってくれると嬉しいです!】

1ヶ月前 No.48

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★YRuDhSwQ0p_o1k

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1ヶ月前 No.49

これからだ @tomokkk ★iPhone=0XzhconIr1

【山際聖司/301号室】

 山際聖司の部屋は既に殆ど完成していた。残すは本棚を整理するだけとなり、一息つこうとベッドに腰掛ける。
 見知らぬ誰かとの共同生活。何の因果か政府から選ばれ、半ば強制的に入学が決められているという非凡な状況。必要最低限の情報のみが開示され、未だ明かされない学校の方針と政府の目的。面白い話だと思う。何故か一癖も二癖もあるような生徒が多くいるし、教師は不自然なまでに不干渉。楽しいことをするには都合が良すぎるくらいだ。しかしここで聖司の望むことはできそうになかった。政府の考えることがわからない限り、下手なことはするべきでない。久しぶりに、人間として正しく生きることを余儀なくされたのだ。とは言っても、卒業までの1年間を我慢すれば良いことだと思えばそれほど苦ではないし、それなりに楽しませてもらおう。これも何かの縁だ。聖司は物思いに耽り、虚空を見つめていた。現状を楽しむ準備はできていた。
 しばらくして、鍵が開く音と人の足音を聞いた。大方ルームメイトのものだろう。聖司は腰掛けていたベッドを軋ませ立ち上がり、手に持っていた重たい本をごとりと机の上に置いた。さて、神様はどんなのを自分に差し向けてくるつもりか。それを考えるとある意味面白くて仕方がなくて、ぞくぞくとした高揚感で今にも可笑しくなりそうだった。整った白い歯の隙間から真赤な舌を覗かせ、自身の薄い唇を舐める。それは微かな水音をたてた。狂気に取り憑かれ好奇心でぎらついた脳内とは裏腹に、身体についている二つの目玉は気味が悪いほどに冷静な表情をみせる。聖司は依然として物憂げな眼差しをやめない。これから対面するルームメイトが怯えてしまってはいけないので。
 しかしもう一度、扉の音がした。どうやら再び外に出たらしいが何かあったのだろうか、と怪訝に思っていると、外から声が掛かった。こちらの機嫌を伺うような言葉についにやりとする一方、一つ気がかりが生まれた。外から声が聴こえるということは、聖司が過去にやってきたあんなことやこんなことをするには不向きであるということだ。やはりこの学校ではろくなことができない。と肩を落としながらも、ルームメイトに「勿論」と返事をする。そして、寝室を出て玄関まで赴きこちらから扉を開けた。

「今日からしばらく二人で暮らしていくことだし、そう堅くなるなよ。仲良くやろう」

 聖司は淡々と言い終えると、部屋を出てすぐそこに佇むルームメイトの姿を、穏やかな色をした双眸で捉えた。真面目そうな黒髪だが耳には無数のピアスホールがある。しばらく放置されているらしい、塞がりかけの穴だ。右目には涙黒子。覚えやすくて助かるな、と胸のうちで呟きながら、彼の些細な特徴を丁寧に紙に書き留めるように記憶していく。
 彼は聖司より10センチほど背の低い華奢な少年のように見えたが、スラックスを見るに同輩であるらしい。そもそも聖司は彼に見覚えがあった。以前から接点があった気はしないし、おそらく同じクラスであったのだろう、と推測する。初めて見た当時は何の感情も湧かなかったはずだが、こうして見てみると実に愛らしい顔をしているように思えた。しかし、タイの色が自分のものと違うのは何か意味があるのだろうか。特別奇抜な服装の生徒には見えないし、彼の私物という可能性はなさそうだ。
 一秒とかからずこの思考を終えたので、聖司の行動は至って自然であり、単にルームメイトを一瞥しただけに見えるだろう。人の良さそうな笑みを浮かべ、入室を促すように部屋の奥へと視線を送り、くるりと彼に背を向けた。共用スペースまで歩みを進めながら、間を持たせるために愛想よく口を動かす。

「僕は山際聖司。ああ、君には見覚えがあるんだ。3組だろ? 僕もだ」

【返信遅くなってしまって申し訳ないです……。これからよろしくお願いします〜!!】

>>入江アキ様





【木実しずか/302号室】

 彼女は祇園社花厳と名乗り、こちらの呼び方を問う。薄い笑みからは感情が読み取れないが、言葉自体は好意的なものに思えた。しずかは、目の前にいるこの人はそう難しい人柄ではないな、と安易な判断を下した。本性がどんなものであろうと、今のところしずかと敵対する意思のある相手でないという確信を持った。花厳の柔らかい態度に胸を撫で下ろし、間髪を容れずに返事をする。

「しずかって呼んでくださいっ。花厳さん」

 自分勝手に呼び方を決めた。嫌な顔をされればやめることも吝かではないが、これくらいは花厳ならば許してくれるだろうと踏んだ。しずかは人懐っこく、悪戯っぽい笑みを浮かべる。花厳の本質を探ることに興味はなかった。表面上だけでも仲良くできるならばそれに越したことはない。しずかは安全で平穏で問題のない生活を確保したと思い込んだ。踏み込みすぎなければ大丈夫、平和に過ごせるよ。残酷なくらい凡庸な本能が、しずかにそう告げてくるからだ。
 そして花厳は気を遣わなくても良いということを付け足し、くわえて手伝いまで提案してくれる。まるでこちらを完璧に見透かしているような物言いに、しずかは少しばかり怯んだ。自分が大きな勘違いをしていたことに気付かされる。今のこの会話、花厳とのやりとりの中では、自分に主導権などなかったのだ。結果的にしずかの思惑通りにいったものの、これは花厳の掌の上で転がされているに過ぎないのではないか。何でもないように冷めた紅茶を啜る花厳が、しずかの平凡な瞳に少しだけ恐ろしく映った。きょとんとした表情で、一瞬固まっていたかもしれない。この一瞬を花厳は見逃さないのだろうか。

「えー、ホントですかー? ちょっとだけ荷物多いので、手伝って貰えたらすごく嬉しいです。あ、紅茶飲み終わってからで大丈夫なので! なんかすみません」

 それでも彼女の評価はしずかの中で平凡な現実の域を超えることはなく、最初に持った印象を早くも取り下げるようなことはしなかった。ただ、自分よりずっと上手(うわて)で、敵には回したくない人だ。できるだけ穏便に生活したいもの。そんな風に思った。遠慮して手伝いを断る、という選択肢を考えることはせず、しずかは人懐っこい笑みを作り直して饒舌に話す。
 それから小さな荷物から順に手をつけていく。こういうことは苦手ではないので、しずかの手際は悪くはなかった。カッターシャツの袖を捲り、澱みなく作業をこなす。没頭していたら次第に花厳への疑問は薄れていき、実に都合の良い脳が不可解な出来事の補完を始める。


【先日は失礼いたしました;;
 この荷解きシーンはぱぱっと終わらせて、移動までのやりとりを始めようかなと思うのですが、いかがしょうか……! 適当に描写して済ませていただけると有難いです〜】

>>祇園社花厳様

1ヶ月前 No.50

菊花。 @mion00 ★Android=k7r2sHeMna


【学生寮 201号室・共同スペース / 小鳩 鈴】

どったの、と自身への問いかけにハッと我に返ったように裾を掴んでいた手を離す。いきなり変なことしたら嫌われちゃう。取り繕うような笑顔で「ごめんね、やっぱりなんでもなかった」と言い訳を述べる。
昔から自分の容姿に関して、周りの好奇心からか色々な噂や陰口があったこと、太陽が苦手なせいで外に出られなくて両親にも嫌われていたことを思い出す。独りが多かったのに全然慣れることはできなかった。むしろどんどん独りが怖くなっていった。でも、彼はまだ何も聞いてきていない。それどころかこの何分か話した感じでは、何か疑問があったこともしてもそれをまっすぐぶつけてくれて、更に受け入れてくれそうな。そんな不思議な空気を感じる。前までの人たちとは全然違う。

ルームメイトの彼は、明るいながらも落ち着きがあった。流石歳上、というような面倒見の良さで若干自分の子供っぽさが浮き彫りになって来ている感じがする。お兄ちゃんがいたらこんな感じなんだろうか??そんなことを考えながら、隣でクッキーを選んでくれたのを確認し満足そうに頷く。嫌われてもいないのに余計なことを考えるのはやめよう。今は、この時間を楽しみたい。彼女にはもうさっきまでの影が落ちたような表情はなかった。

「なんでもいいの!?じゃあ、じゃあ、近くんって呼んでもいい??」

何か仲良くなれそうなあだ名みたいな。そんなのを付けようとして考えても、頭と共に脳みそも小さめな鈴は、ありがちな「春くん」「近くん」の2つしか呼び方が思い浮かばなかったようだった。それに一番最初に出てきた春くんに関しては、きっともう呼んでいる人はかなりの人数が居るはず。それは嫌だ。せっかく何でもいいと言ってくれたし、出来るだけ呼んでる人が少なそうな方が良い。よくわからないけど呼びがいみたいな、そういうものが倍増する気がする。

「あぁ、そっか。開校ぱーてぃーがあるもんね!じゃあクッキー1個だけ食べて、あとはまた今度食べよっ。鈴とお友達になってくれてどうもありがとう!! ーーあっ、そう言えば荷物とか大丈夫??鈴はもう荷ほどき終わったから、何かあるなら手伝うけど……」

お菓子を一緒に食べたらもうお友達の印。お友達のために何かお手伝いするのはあたり前だよね!鈴はるんるん気分でルームメイトの彼の手を握り、顔をぐいっと近付けて嬉しそうに笑った。

>>綾咲 春近さま


【お返事遅れてしまいましたっ;;。それと前回の私のレス寝ぼけてたのか文章もぐちゃぐちゃで……申し訳ございませんでした(´・_・`)】

1ヶ月前 No.51

京極五和 @yumomi☆dszkmgEaqwdD ★iPhone=NSNaHyHO4B

【 学生寮・102号室・自室 / 京極五和 】

「あっ、あ、ごめんなさい。京極五和です……ごめんなさい」

名乗り忘れたことに謝罪の言葉を述べる。今の今まで彼はなんと呼べばいいのかわからなかっただろうに、と申し訳なく思う。当たり障りのない返答を、と思えば思うほど自身の名前以外に謝罪の言葉が口をついて出る。謝罪についても謝罪する……とてもきりがない。

あまり十分とはいえないような、名前のみの自己紹介をしたところで五和はまた顔を赤らめた。今度は、瑞雲が五和のほうをじっと向き直り、真剣に聞いてくれていることへの気恥ずかしさである。……慣れない。恥ずかしくて、つい俯き、前髪に隠れた目を逸らしてしまう。

五和は自室の中、瑞雲は共有スペースで五和の部屋の扉を開いたかたちで佇んでいるので、2人の間には物理的距離があるものの、些かこの空気が気まずくなってしまい、五和は俯いたまま拳をぎゅっと握りしめた。上手に喋れなくて恥ずかしく、瑞雲に申し訳ない。いつもだったら不特定多数の人数の中ひっそりと息を潜めてやり過ごすけれど、この学校、この寮ではルームメイトの存在がいつだって付いて回る。一対一で会話をすることに慣れていかなければならないと強く感じた。

(……瑞雲、くん)

五和は心の中で彼の名前を反芻した。好きに呼んでくれて構わないと彼は言うが、特別な呼び方をするのも気恥ずかしいので、当たり障りなく名前で呼ぶことにした。無意識のうちにくん付けで呼んでしまうが、五和は1年生、瑞雲は3年生なのでもう少し適切な敬称があるはずだが、今の五和が知る由もなく、同学年であると勘違いしているのであった。

>白野江瑞雲

1ヶ月前 No.52

黒ここあ @milky2☆ggNFEl0Udhk ★UhUozvq756_gaI

【 202号室 共用スペース / 忌宮 寿々也 】

 冷蔵庫に敷き詰められた何かは学園が用意したものではなく、エレオノーラの個人的に持ち込んだものだったらしい。何やら大量にパンのようなものがあったが、なんとなく納得してしまった。聞いた事はあっても実際に食べた経験はなく、少しだけ興味がそそられる。もし小腹が空いた時はお言葉に甘えて一つくらいちょうだいしてみようかと、そんな事を考えると本当に腹が何かを欲してしまいそうになる。

「 ピロシキ?確かロシアの食べ物だよな、ロシア人なのか?個人的なものね……俺の個人的なものって言ったらこれくらいしかねーな、別に食べられてもいいケド。お前もいるか? 」

 寿々也は懐から小さな箱を取り出した。手の平に収まる程度のサイズの箱は一瞬煙草と見間違うような風貌。けれどそれは煙草ではなく、見た目が煙草にそっくりな駄菓子のココアシガレット。まるで煙草を吸っているかのような立ち振る舞いをしてみたくて食べてみた事がキッカケでついついハマってしまっている。寿々也は箱から一本取り出して口に咥えつつ、エレオノーラにも箱を向けて尋ねてみる。
 エレオノーラは戸惑いながらもフォローを繰り返したが、今の寿々也にとってそれは全て彼へのダメージとなる。彼女に悪気があるとは一切思わないけれど、それでも身長で負かされた上にフォローまでされてしまうなんてプライドは既に粉々の手前だった。もう一押し何かあれば多分完全敗北を喫する所だが、年上だし10cm以上の差がないと言う事で何とか背水に耐えていた。声をかけて貰えば貰うほどなんだか目頭が熱くなって来る気がするが、目を一度強く瞑る事でお茶を濁す。とりあえず、差し当たって大きすぎる女子が怖いのかと言う問いにだけは否定を入れておかねばならないと思った。

「 全く怖かねェ!くっ……余計虚しくなるから妙な慰め方すんじゃねーよ、そうだ俺にはまだ時間が……ん?来年が三年?…………はあ!?お前、まさか2年生!?同い年か!? 」

 事実怖くはない。そしてそれを否定しておかねば、寿々也はさらに惨めな気持ちになってしまいそうだったから。と言うか普通に羨ましいとすら思った。だが、彼女の言葉に違和感を覚えた。あと二年もあると言うのは、3年生が終わり卒業した段階での話なのだろうか。そういう事であれば判らなくはないが、しかしそうだとしても彼女の続く言葉がその違和感に答えを与えてくれた。来年、3年生になる。つまり彼女は現在2年生だと言う事。そこに気付き、寿々也は背水に落ちた。同い年の女子に身長で大差を付けられたと言う事実が現実として押し寄せる。思わず部屋全体に鳴り響き、なんだったら隣の部屋にまで聞こえるんじゃないかと言う程の声量を放つ。確認するまでもない事実だろう、けれどそれでも何かの間違いであって欲しいと言う気持ちから、思わず尋ねてしまった。
 彼女は誤魔化すように、とは言え寿々也としては閑話休題と言った感じに話を切り替えたようにしか受け取っておらず素直に記憶の解氷を始める。寿々也としては唐突に言い渡されたルームメイトの制度で脳内キャパシティがオーバーしかけていて、他の事に裂くメモリが少なくなっていた。だからガイダンスで教師に言われた内容も正直あまり頭に入っておらず、こうやって他者からキーワードを刺激されてようやく何か喋っていたなと思い出す程度しか記憶が出来ていない。だから間延びしたワンテンポ遅れた反応、若干頭を傾けつつも辛うじて記憶の残滓を救い出した。

「 か、歓迎パーティ?あ、ガイダンスでそんな事も言ってたっけな……んー、じゃあ荷物を段ボールから出すの手伝って貰えるか。けど重たい物もあるからな、いくら力仕事が得意って言っても女子に無茶させるとあっちゃ流石の俺も男が廃るぜ。 」

 やや悩んで、部屋に積んである段ボールを開けて行く手伝いを提案しつつ自室スペースへ足を踏み入れる。そう多くない荷物の中には参考書の他に本であれば漫画や小説、それ以外には地球儀やポスター等もある。だがやはり彼の荷物で一番ウェイトを占めているのは筋トレグッズだった。小さい荷物の様でいて意外と重いと言うのは往々にして油断し腰を痛めたりしてしまうが、そんな事を女子にさせるわけにはいかない。まあ自分は平気だけど、なんて少し得意げな笑みを――彼女に背を向けているから誰に見せると言うわけでもないが――浮かべてみせる。しかし少ないからと言って拘りを持ってレイアウトを決めているとパーティとやらには間に合いそうもない。とりあえず今は必要な物だけを荷解きし、後はゆっくり時間のある時にでもやれば良いかと荷物をぼんやり眺めつつ、まずは参考書の入っている段ボールを持ち上げた。本の束とは意外と重量があり、思わず息が漏れそうになるがそれを何とか耐えて、机の上に置きつつ開封を始めた。

>> エレオノーラ・チェルカソワ様


【 お返事が遅くなってしまい申し訳ありません! 】

1ヶ月前 No.53

独楽 @sbluexxx☆rx3sEFPR6z6 ★rqRPsSgCf7_keJ

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1ヶ月前 No.54

火の粉 @sanii0815 ★iPhone=SmgVGkCvYH

【 祇園社 花厳 / 302号室 】

間髪入れずに答えたしずかに、「ならそう呼ばせてもらうわね」と簡潔に答える。人によっては自分勝手に呼び名を決められると嫌な顔をする者もいるだろう。これからルームメイトとして1年間付き合っていく仲で、さん付けとはいえ、出会ったばかりの先輩に名前呼び。しかし、年功序列も、相手の地位にも自分の地位にも興味が無い花厳にとっては、後輩のルームメイトになんて呼ばれようが関係ないのだ。なんなら、名前や苗字の呼び捨てでも花厳は気にしないだろう。
そして、花厳の言うことはしずかの思考を見透していたのか、一瞬、ほんの一瞬だけ固まってしまったのを、見逃さなかった。否、見逃す訳がなかった。しかし、それに関しては「やっぱりそうか」と心の中で思うと同時に、また紅茶を啜る。こうして人の言動が自分の予想の範疇で終わってしまうことにも慣れたが、如何せん退屈でならない。

「 あら、別に気にしなくていいのよ。これから同じ空間で暮らす仲でしょう? 」

しずかに言葉にそれだけ返すと、残った紅茶を飲み干し、椅子から離れると、流し台へ移動しカップを軽くゆすぐ。それが終わると、荷解きを始めたしずかの近くに行き、小さめのものから手をつけるしずかに倣って、花厳も小さめの箱に手をつけ、「これ開けるわね」と一声かけて荷解きを始める。根っからのお嬢様育ちのおかげで、こういうことは先程自分の荷物を荷解きした以外にやった事がないのだが、その1回で要領はさっさと掴んでいるので、特に手こずることもなかった。
荷物の量と、互いの手際の良さと時計を見て、これぐらいなら大体これぐらいの時間で終わりそうだと予想し、荷解きが終わった頃には花厳の予想した通りの時間が過ぎていた。しずかの部屋は、女の子らしい淡いピンク色の部屋。物が多くて、取り敢えず部屋の中にある何かで暇は潰せそうな部屋だ。ドライフラワーを飾っていたり、色つきのマットを敷いて多少装飾しているとはいえ、趣味のものを一切置いてないせいで物の少ない花厳の部屋とくらべると、その差は一目瞭然である。

「──あぁ、そう言えば、開校記念パーティーがあるらしいわね。しずかは行くの?」

片付けが終わると、そう言えばそんなものもあったな、とふと開校記念パーティーの存在を思い出す。正直、人間関係を築く事にも、周りの人物を知ることにも興味はないので、花厳としては参加しても参加しなくてもどちらでも良いのだが。


>>木実しずか様

【その節については本当に気にしていないので、これからだ様もどうか気にしないでくださいませ…!
移動する流れにする為に、荷解きの描写をちょっと適当にしすぎた感が否めなくてすみません……】

1ヶ月前 No.55

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

【学生寮 102号室 共用スペース/白野江瑞雲】

ルームメイトの少女は京極五和と名乗った。間違えないように、と瑞雲は内心で彼女の名前を何度か繰り返す。名字で呼ぶのはさすがによそよそしすぎるだろうか。いや、しかしいきなり呼び捨てにされるというのも居心地が良いとは言えないだろう。これまで女子生徒のことは出来るだけ名字で呼んできた瑞雲だが、度々「委員長よそよそしい〜」と彼女らから指摘されたことがあったのも思い出す。人によって感覚というものは違う。五和はどのような呼び方が好ましいと思っているのだろうか。少しの間微動だにせず考え込んでいた瑞雲だったが、立ち尽くしていても何も始まらないと思いひとまず呼び方については後程どうにかすることにした。

「謝らなくて良い。君は何も悪いことなどしていないだろう?初対面で緊張するのは仕方のないことだ。そう気に病むな」

申し訳なさそうにごめんなさい、と繰り返す五和を諭すように、瑞雲は彼女にそう語りかける。斯く言う瑞雲だって五和とのやり取りには少なからず緊張している。はじめてのルームメイト。そんな彼女と円滑な関係を築いていくためにはどうすべきか。考えながら、悩みながら言葉を編み出している。だから緊張していること、それによってどのような言動をしようと、瑞雲はそれを咎めるつもりはなかった。最初から気軽に付き合える人間というのは限られている。初めのうちは緊張したって仕方がないし、可笑しいことでもない。

「そういえば、この後校舎で記念パーティー、とやらが開かれるそうだ。遅れてはならぬからな、一通りの片付けは済ませてしまおう」

俺も手伝うぞ、と言わんばかりに瑞雲は手荷物を床に置くと腕捲りをした。掃除は苦手ではない。むしろ整理整頓は得意な方とも言える。実家にいた頃も彼の自室はきちんと片付けられていたし、散らかすほどの私物がそもそもなかった。瑞雲には年に見合わぬ程欲がない。欲しいと思うものはあれど、それは生活に必要なものくらいである。本なら図書館で借りてくるし、体を動かしたい時には外に出る人間なのだ。

「此処にある本はこの本棚に仕舞えば良いのか?並べ方などがあったら教えて欲しい」

とりあえず瑞雲が目を向けたのは床に置かれた段ボール箱だった。その中に入っている本をちらりと一瞥するとそう五和に問いかける。本の並べ方というのは個人で異なるものだ。此処は持ち主である五和の意見を聞くとしよう。

>>京極五和様


【学生寮 202号室 共用スペース→自室スペース/エレオノーラ・チェルカソワ】

どうやら寿々也は冷蔵庫に入っていたピロシキに興味を示したらしい。彼との会話で、エレオノーラは自分の出身地をまだ明かしていなかったことに気づいた。初めは警戒していたから、必要最低限の自己紹介しかしていなかったのだ。別に伝えたところでデメリットがあるわけでもないのに、とエレオノーラは反省する。そんな中、寿々也が懐から何かを取り出した。一瞬煙草かと身を固くしたエレオノーラだったが、よくよく見てみるとどうやら煙草を模した菓子らしい。駄菓子をあまり食べたことのないエレオノーラは、まじまじとそのパッケージを見つめた。

「まあ、面白いお菓子もあるのね。両親の故郷━━━━ロシアのお菓子とはまた違って、なんだか新鮮だわ。なら、私にも一本くださいな。今度ピロシキを食べる時には、ひとつ分けてあげる」

これでおあいこね、と内心で思いつつ、エレオノーラはなんだか自分が少し悪いことをしているような気がして胸が高鳴った。これまで駄菓子なんて食べたことがなかったので、未知の存在と言っても良いのだ。ロシアのお菓子も良いけれど、たまには日本のお菓子というのも悪くはないわねとエレオノーラは勝手にうんうんとうなずく。右手の手袋を外すと、エレオノーラはそっと手を伸ばしてココアシガレットを一本頂戴する。そのままかりかりと栗鼠のように食べ始めた。美味しい。これなら学校で小腹が空いたときもちょっとつまむことが出来る。今度何処かで売っていたら買ってみよう、とエレオノーラは決心した。

「こ、怖くはないのね?それなら良かった……いや、良くはないわ。ごめんなさい、嫌な思いをさせてしまったみたいで……。そ、そうよ、私は今年二年生。こんな見てくれだから、よく年齢よりも年上に間違われるのだけれど……。そ、それよりもいきなり大きな声を出されたら驚いてしまうわ。びっくりしたのはわかるけれど、どうか落ち着いて」

突然予想以上の音量で叫んだ寿々也にびくりと肩を震わせてから、エレオノーラは落ち着いてはいるものの戸惑いと驚きを孕んだ声音で告げる。エレオノーラもてっきり寿々也は年下だと思っていたので、同い年ということには驚いた。こんなことを言うのは相手に失礼なので口にはしなかったが。ただ実年齢よりも年上に見られることはエレオノーラの密かな悩みのひとつだったのでこれだけは告げておいた。寒さに耐えながら見に行った映画の学生割引が危うく効かないところだったり、知らずに手に取ったお菓子がアルコール入りでも咎められずにすんなり買えてしまったりと、これまでエレオノーラが年齢を間違えられて憂き目に遭ったことは少なくない。
エレオノーラが切り出した歓迎パーティーの話題によってひとまず身長云々の話は収められた。気を遣ってくれたらしい寿々也に感謝しつつ、エレオノーラも彼に続いて部屋へと入る。勿論それなりの距離を取ることは忘れない。とりあえず軽そうなものから、と考えてエレオノーラは近くにあった段ボール箱を開けてみる。其処に入っていたのは大小様々な筋トレグッズだった。勝手に置場所を決めてはいけないと考えたエレオノーラは、よいしょとあまりにも軽々とした様子で段ボール箱を抱えると、片腕でそれを持ちながらもう片方の手でポケットから伸縮性の指示棒を取り出した。ボタンで伸び縮みするようになっているそれを伸ばして、エレオノーラはちょんちょんと寿々也の背中をつつく。

「ねぇ、体を鍛えるための道具は何処に置いておけば良いかしら?具体的に置いて欲しい場所があったら教えてちょうだい」

エレオノーラにそんなつもりはないが、明らかに重そうな段ボール箱を片腕で抱えながら指示棒を持つ姿はあまりにもシュールである。本人としては離れた場所からコミュニケーションを取るために工夫しただけなのだったが。

>>忌宮寿々也様

【いえいえ、全然遅くなんてないのでお気になさらないでください……!】
>>黒ここあ様

1ヶ月前 No.56

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【 学生寮 101号室玄関→学生寮1階廊下 / 花屋敷 累】


慌ただしく準備をして出てきた彼を、さながらこれから散歩に行く犬のように待ってました!と言わんばかりの表情で出迎える。先に廊下へと1歩でて、こちらに片手を差し出しエスコートを申し出る彼を一瞬キョトンとした顔で見るが、すぐにまたパッと楽しそうな笑顔になる。


「あはっ、君ってば結構お茶目なんだね!可愛いなんて言われたのも、エスコートされるのも初めてだよ!」


本当にエスコートされるなんて初めてで、どうされればいいかも分からないようで初めは彼の手を眺めてニコニコしながら首を傾げていたが、手を出されたらこっちも手を出せばいいのだろうと判断し、指の揃っているほうの手を重ねる。しかしエスコートされる側だというのに相手の手を引いて、1歩廊下に出ると講堂へと歩みを進めていく。鍵は勿論閉め忘れている。
こんな風に高校生の男女が手を取り合って歩いていたら、背景で恋愛ソングが流れていそうな雰囲気になっていたり、長年付き合ってきた者同士でもなければ多少は照れたりしそうなものだが、彼女に至ってはこれから遊園地に行く子供のような笑顔で、スキップしてしまいそうなくらい足取りも軽く進んでいる。そんな風に楽しげにグイグイと進んでいき、本当にエスコートが何たるや分かっていない様子だった。
それもそのはず。彼女はドラマや映画といったものには興味はなく、小説や漫画もあまり読まないので言葉は知っている、という程度の知識であった。


「パーティって名前だからね、どんなご飯が出るんだろうね!ガイダンスの時からずっとずっと楽しみにしていてね、今日のお昼ご飯は控えめにしていたのさ。今が私にとって食事をするのにいい状態、つまりベストコンディションってやつだね!ちなみに寵くんには特別好きな物とか苦手な物とかないのかな?私はなんでも美味しく食べられるからね、苦手なものがある人の気持ちは分からないんだよね!」


部屋の鍵を閉め忘れていることなんて気付いておらず、それどころか彼女の頭の中には部屋に鍵がついているということもキレイさっぱり消えてしまっているようで逸る気持ちはそのまま歩くペースに現れていた。実際お昼を控えめにしてしまっていたのでお腹は限界を迎えていてお腹と背中は一体化してしまいそうだった。
パーティには何があるだろうか、肉汁溢れる柔らかお肉、新鮮なお野菜のサラダ、フェットチーネのパスタ、色々あると言っていたし、中華とかイタリアンもあるのだろうか?デザートにはどんな素敵なケーキがあるだろうとか、そんなことしか頭になかった。
折角エスコートを申し出てくれた彼であったが、傍から見ればはしゃいで飼い主を引っ張る散歩中の犬のようであった。雰囲気もへったくれもない。


【今回の台風すごかったですね…屋根とか飛ばされた家もあったみたいなので私も部屋から出れませんでした。
折角エスコートしてくれるのに鍵閉め忘れてグイグイ進んでいってすみません…!よかったらブレーキとかかけてやってください…!】
靭屋寵様、ALL>

1ヶ月前 No.57

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【学生寮 201号室 共用スペース/ 綾咲 春近】

「なんでもなかった」そう言って服の裾を離す彼女は笑顔ではあるけど、なんとなーく不安そうというか春近の足りない脳みそでは言い表せないモヤモヤした違和感があった。でも本人はなんでもないと言ってるし、無理矢理聞くのもなんか違うよなーと自己完結させる。「そっか!」と一言返事をして笑いかける。友達が多いというのはそれだけ多くの人間に関わってきたということでもあるので、春近は馬鹿であったが引き際を判断するということを身につけていた。
でも謝んなくてもいいのになぁ、そう心の中で呟きつつ手にしたクッキーを口に運び3年ってだけで威圧感とかあんのかな、なんて見当違いのことを考えながらお菓子を味わう。だが真っ白な彼女は自分がお菓子を選んだところを満足した様子で見ているようなので、このことは特に気にしないことにした。気にしたってわかんないもんね。

自分への呼び方を、呼びたくなるやつで呼んで!と冗談ではないが、冗談めかして言うと彼女は愛称を考えてくれたようで、「近くん」と呼んでもいいか聞いてきた。春近の名前の「春」の部分を呼ぶ人や文字る人は多くいたが、「近」の部分で呼ぶ人は実はかなり少数だった。初対面に近い、たまーに不安そうにする小さな真っ白な女の子が愛称を付けてくれたことに対して嬉しいという気持ちと、かなり昔に呼ばれていた時期があったと懐かしい気持ちがふんわり心を包み込んでいた。


「近くんか!懐いなー、小学校の頃すっげー短い期間だけ呼ばれたことあんだよね!すぐ春って呼ばれるようになったけど!」


昔むかし、小学校低学年の頃だっただろうか?友達から「チカ」、そう呼ばれていたことはあった。しかしやっぱり「ハル」のほうが呼びやすいし聞こえも良い、それでいて文字りやすい。「チカ」と呼んでいた数名の友人たちもすぐに「ハル」だったり「はるっち」とか呼ぶようになっていた。因みに現在についても彼女の考えていた通りで、春近は早くもクラスメイト達から「ハル」と呼ばれていた。やはり呼びやすいし、分かりやすいのだろう。だから「チカ」と呼ばれるのは本当に久しぶりだった。別に自分としては呼ばれ方にこだわりはないので、どっちがいいとかは特になかったがちょっとだけ懐かしい、いつもと違う呼ばれ方を嬉しく思っていた。


「マジで!!?鈴ちゃんってばもしかして天使!?」


手を握り手伝いを申し出てくれる少女の手を強く握り返し、こちらも思わず顔を近づける。何を隠そう春近、片付けが苦手なくせに荷物が多いのだ。本当はこんな風に和やかにクッキーを頬張っている時間なんてないのだが、あまりに荷物の量が多すぎて考えたくなかったのだ。でも新生活一日目、冷たいフローリングの床で夜を過ごすなんて嫌だ。寂しすぎる。白いしちいさいしウサギみたいだなー、なんて思ってたけど、もしや天使だったのではないか。そんな気がしてきた。


【私もすごく遅筆なので、ゆっくりペースでやりましょう…!その方がありがたいです(´ω`*)
全然、鈴ちゃんの心理描写が不安げで、でも健気で可愛くてめろめろです…!】
小鳩鈴様>

1ヶ月前 No.58

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★YRuDhSwQ0p_o1k

【 学生寮・廊下→学生寮・出入り口 / 靭屋寵 】

 紳士的エスコートなんぞにトライしてみたところで、我が意を得たりという顔で向こうに手を引かれ先に進まれてしまってはどうしようもない。こちらはただただ着いて行くのみである。ここで彼女の話に割って出てまで完璧なエスコートを成し遂げたいかと聞かれると、それはあまりにも野暮なので避けたいのが本音。ゆえに彼女に先導されるまま廊下を歩く。誰かとすれ違うかと思ったが、特に他の誰の足音も聞かぬままスムーズに進めてしまった。皆もう講堂に到着しているのか。それとも学生寮には時間ギリギリに出発するタイプの生徒しか住んでいないのか。だとすれば国の選定基準があまりにも不可解だ。なのでまあ、この状況は偶然とかたまたかとかそういった部類の出来事でしかないのだろう。

「エスコートはともかく、可愛いと言われたのも初めて? それはおかしいね。君の住んでた町って、ひょっとして美醜の価値観が現代日本とかけ離れている?」

 ともすればナンパと間違われそうな言葉は下心抜きの本音だ。カニバリズムという性を知られた上でならともかく、表面上だけ、器だけの彼女を見れば正しく美少女と形容して差し支えないというのに。……まさか人を喰うべきだという平等性が、誰かの悪意によって地元中にバラ撒かれていたとでも? 思い浮かべた可能性をリアルに想像してみて、その居心地の悪さに苦笑いが滲んだ。そんなのは殺人の前科者だと周囲に知られた状態で日常生活を送るのと同等のストレスを強いられる環境だ。いくら彼女が人並より悪意に耐性のある精神を持っていても、塵も積もれば山となっていずれは言動にまで影響を及ぼす。彼女がやたらとハイテンションでマシンガントークなのも、考え用によってはそういった周りの態度の悪影響が多少なりとも関係していそうだ。栄養と同じで、愛情や幸福が足りていなさすぎると人間はどこかしらに変異を来してしまう。それを異常と糾弾するも個性と甘受するのも人次第だ。
 ……累と指を重ねたまま、二人して。まるでデートのように歩いてゆく。そう見えるだけで、気分としては男女の自認などしていない幼い男児と女児がおてて繋いで仲良く駆けているアレに近い。あるいは犬の散歩だ。この場合、彼女を元気すぎて犬を引っ張っている飼い主ととるか、元気すぎて飼い主を引っ張っている犬ととるかはやや迷う。どちらにせよ、スキップする彼女に遅れないためにはこちらは小走りになる必要があって、でもそれが嫌じゃない。なんだか妙に楽しかった。

「ごはんか。何でも好きだけど、ここ数日はミートパイ作りにハマっているかな。もしパーティ料理にこれがあるなら、今後の参考のためにプロの味を知っておきたい。苦手なものは無いよ。今のところね。ただ、もしかしたら世界中の料理の中に、いざ食べてみれば『これだけは無理』となる味のものが見つかってしまうかもしれない。だから死の間際にでもなれば、食べられないものの一つや二つは出来ているかもね」

 質問に答える傍ら、そういえば、部屋の鍵を閉めていなかったなと今さら思い出した。後の祭りだ。もう遅い。それに国営の学園というからには、セ○ムなりアルソ○クなりの警備会社との契約くらいはしっかり済ませてくれているはず。外から泥棒に入られたってどうにかなるだろう。付け加えるなら、そもそも部屋に金目のものは然程無い。高級食材ならあるけれど、そんなもの盗んだってどこでも換金できないから泥棒の目には留まらないだろうし。
 パタパタと、スキップと駆け足で辿り着きたる場所は学生寮の出入り口。ここから外に出て講堂までは大して距離も無く、このペースなら十分にパーティ開始時刻に間に合う。寵は手を繋いだままの累の背中に声をかけ、「そろそろ普通に歩かないかい? このままの速さで会場まで行ったら、さすがに息が切れそうだしね」と提案した。提案したくせに、相手がOKと言うまでは自分もということなのか、未だ小走りなのがコイツらしい。

>花屋敷累様

【我が家のガレージにも誰かの家の千切れた屋根の一部分とか、近所で見たことのない謎の大きなゴミ箱とか色々と飛んできました。お互いに大変でしたね……。
 ブレーキどころかこっちも小走りになっていてすみません。でも最終的に歩きの提案をしたのでセーフです(?)】

1ヶ月前 No.59

スマイル @smile390 ★iPhone=swl5Z77LCC

【 学生寮:2階廊下 / 白鳥優那 】


優が言いかけただけの言葉を女性は理解してくれたらしく、あとでやるという返事が帰ってきた。優はそのやり取りがなんだか不思議に感じた。ちらと女性に目を向けてから視線を窓の外に戻す。

なんだろう。にも、とまでしか言っていないのに伝わったから?それは違う気がする。今の状況ならにもが荷物のことだって分かってもおかしくない。じゃあ、なに?なにが…。

__…私も、そーやってかぜにあたったり、感傷に浸ったりすんの、好きなんだよね。

「……!」

優は女性がそのあとに続いて言った言葉を聞き、ハッとした。

「きょう、かん…?」

優は誰に言うでもなく、ぼそりと呟く。余程耳を澄ましていなければ聞こえないであろう声量。いくら耳のいい人でもなんと言っているかまでは聞き取れないだろう。

そう、共感だ。優は無意識だが風が気持ちいいと感じていて、女性もそう感じていた。そしてそれだけではない。一番の違和感は女性が優の行動を否定しなかったことだ。今までは優が何かすると否定されてばかりだった。優が言うことも理解してもらえないし、そもそも話すら聞いてくれなかった。それが当たり前だった。でも、この女性は違った。優の言いたいことを分かってくれ、優の行動にも共感してくれた。こんなのは初めてだ。

「………」

優はなんとも言えないような気持ちでいた。いや、正確にはこの気持ちをなんと呼べばいいのか分からなかった。なんというか、まるで未知の世界に一歩踏み出したような、そんな気持ちだった。

優は唐突に振り向くとじっと女性を見据える。女性から見たら相変わらず無表情の優にしか見えないだろうが、優の心中では子供が冒険に出る前のような、わくわくもあるが怖さもあるような、そんな感情が渦巻いていた。

知りたい。

優はそう思っていた。この女性はどうして優を否定しないのか。分かってくれるのか。優はそれを疑問に思った。今までこんな人はいなかったから。

優は窓から少し離れると口を開いた。

「……名前」

それだけ言うと優はまたじぃと女性を見つめる。突然「名前」とだけ言われてもなにが言いたいのか伝わらないかもしれないが、訳すと優は「名前はなんていうの?」と聞きたいらしい。自分の名前すら名乗っていないのだが、本人は気づいていない。


>> 進藤新様、ALL様


【遅くなって申し訳ないです!やっと名前聞けた…!バイト前に急いで書いたので文章とか変だったらすいません!】

1ヶ月前 No.60

進藤新 @railguns03 ★iPhone=gXeY8DTIMi

【 学生寮2階廊下 / 進藤新】
名前…と言われると名前を知りたいのかな?と察しては、荷物を部屋に片す前にここでたし、そんな余裕なかったからなぁ。と思い
自身の名前を聞かれればあーそういえば自己紹介すらしてなかったなと。ある意味ドタバタだったかな?とも思い、同室の子のことはこれまでになく知りたい。そう思うことはこれまでの人生を生きてきて指で数えられるくらいだ。そのため、名を聞かれただけでも嬉しく思って
「名前は、新!進藤新!貴方は名前なんてゆうの?」
下の名を少し強調させて、下の名前をよく間違えてく輩がいたりするから「あらた」だから。「あたら」ではないからね。と、優しくそう言っては相手のことも知りたいと思ってたために貴方の名前は?と自虐ネタを少し挟みながら聞いては
→優那、all
【いえ、大丈夫っす。私も多少は遅くなることありますんで】

1ヶ月前 No.61

黒ここあ @milky2☆ggNFEl0Udhk ★UhUozvq756_gaI

【 202号室 共用スペース / 忌宮 寿々也 】


 随分と大きな声が響いた。思わず己の口元を手で押えると響いた声が反響しているかのように耳鳴りとなって返って来た。その声量を相手にも咎められて、少しばかりバツの悪そうな表情で少しだけ頷き謝罪した。自分でも声を張って生活する事を意識しているつもりだったが、人間本気で驚いた時はあれくらいの声が出るものなのだなと寿々也は妙な思考を巡らせつつ、同い年でありながらここまで年上な印象を与えるエレオノーラに感嘆する。寿々也の目指す男像は、日々変化する。様々な情報を元に、常に最新の理想と言うものが形成されるのだ。そんな寿々也の理想の中で絶対的に揺るがないのは腕っ節が強く高身長。腕っ節に関しては努力できっとどうにかなるだろう。けれど身長に関してはもはや生まれ持っての才能とでも言うべきだろうか、そんな努力とはかけ離れた位置にあるものだから、それを持って居る者が純粋に羨ましかった。例えそれが、本人が望まないものであったとしても。

「 っとスマン……けどマジか!同い年か……まあ、それならお互い上下関係の気遣いはしなくて済むから良いか。けど羨ましいな、俺はもっと大人に見られたいぜ。だからこうやって色々頑張ってんだけどな。 」

 エレオノーラの言葉の副音声を拾う事は寿々也には出来なかった。身長が高い事が悩みなど、彼にとっては考えられない事だったから。持っている者の苦労と言うのはきっとあるのだろう。けれどそれが自分にないもの、自分の欲しているものであればあるほど、その感情を理解出来るほど寿々也は大人びていない。腕を曲げて筋肉を隆起させようとしてみても、そこまで硬くもない細腕だけが虚しくあるだけ。寿々也は思わず溜息をついた。
 部屋のレイアウトは既に設置された机や本棚、ベッドに左右される。残る作業と言えば寿々也の持って来た雑貨類を何処にしまい込むか、と言う作業だけだ。だからそこまで時間のかかる事ではない。それでもやはり初めての実家を離れた空間が故に、どうしようかと手元が迷うのを寿々也は止められない。そんなワクワク感さえある部屋の片付けを手伝わせてしまうのは少しばかり気が退ける気がしたが、こうして親切にも手伝ってくれるのだから、きっと彼女は良い人なのだろう。初めは驚きの連続でしかなかったけれど、何かと憤りを覚えた事もあったけれど、蓋を開けてみれば普通の女子と何も変わらない。そう思うと、こうして同じ部屋に住まうと言うのがなんとなく気恥ずかしくなりそうだった。しかしそれも仕方の無い事だろう。寿々也とて硬派を主張したところで、所詮は思春期の男子高校生なのだから。そんなドギマギを胸の内に抱き始めた瞬間、背中を突かれる感触が走る。驚くように肩を僅かに跳ねさせてしまった。触られるだなんて思いもしなかった彼女の行動に寿々也は不意を突かれた思いで振り返る。近付かれると寒くなる、そう言った彼女の言葉を、その刹那に思い出す事も出来ずに。

「 あー、その辺は箱開けたままにしといてくれ。俺が後で適当な場所に片付け――――えっ。 」

 色々と。色々と言いたい事は山積みだった。けれど多分、この非日常生活もいずれ日常へと変わるだろう。そんな中で全ての事に気を張っている事は、きっと不可能だ。例えば自分が割と苦労して持ち上げる筋トレグッズを、あろう事か同い年の女子が軽々しく持ち上げてしまっている事も。例えば指で突かれたと思って振り返ってみたら意外とその距離は遠くて、では何で触られたかと言えばどこから取り出したのであろう指示棒の様な金属製の何かである事も。きっと、それはいつしか驚く事もない単なる日常へと変わって行くのだ。ならば、今は何も言うまい。もっとキャパシティが決壊する程の何かがあった時の為に、この感情は取っておこう。

「 …………そこの棚にお願いします。 」

 寿々也は何かを諦めたかのような優しげな表情で――そして何故か敬語で――何も入ってない本棚の最下段を指差した。さあ、部屋の片付けを進めよう。現実から目を背ける為に。


>> エレオノーラ・チェルカソワ様

1ヶ月前 No.62

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

【学生寮 202号室 自室スペース/エレオノーラ・チェルカソワ】

人の悩みというのは一人一人大きく異なるもので、年齢よりも年上に見られることをコンプレックスとしているエレオノーラに対して寿々也はもっと大人に見られたいと口にした。思わずエレオノーラはたしかに、と呟いてしまいそうになったが済んでのところでその言葉を飲み下す。いけない、普段の物言いが素っ気ないのに加えて嫌味ったらしい人間だなんて好感度が下がる一方だ。せっかくのルームメイトなのだから、エレオノーラとしても寿々也とは仲良くやっていきたい。もしかしたらお互いのコンプレックスというか、求めているものを良い感じに埋め合わせることだって不可能ではないはずだ。前向きに考えてみればなんだか良い巡り合わせのようにも思えてきた。同い年ということは勉強だって教え合えるし、もし行事などでわからないことがあったら質問だって出来る。なるべく誰かに頼らないでいようとするエレオノーラとて、時にちょっとしたドジをすることだってあるのだ。

「そうね、私も気を遣うのは疲れるから、同い年というのは素直に嬉しいわ。それに、何かを目指して努力するのは良いことよ。私も可能な限り、あなたを応援するわね」

寿々也の言葉に同意を示してから、エレオノーラは応援しているつもりなのか両手を胸の前でガッツポーズに近い形……つまりは握りこぶしを作った。日本生まれの日本育ちであるエレオノーラだが、日本でメジャーなジェスチャーだとか、日本人の感覚だとか、そういったものには疎い。そのため相手からしてみればなんだか何処かずれているジェスチャーになりかねない。一応身振り手振りの練習はしているのだが、染み付いてしまったものというのはどうにも修正が利かないのだ。
さて、寿々也の部屋の片付けを手伝っていたエレオノーラだが、段ボールを片手に抱えながら彼の部屋を物珍しそうにきょろきょろと眺めていた。同い年の男子生徒━━━━というか、同い年の人間の自室というものに入ったのはこれが初めてなので、なんだか新鮮でならないのだ。今のトレンドはよくわからないエレオノーラなので今時の子は何が好きなのかしら、と勝手に目線で寿々也の荷物を物色している。彼の開けている段ボール箱に入っているのは書籍類だろうか。漫画はエレオノーラもそれなりに読むが、参考書が入っているのには素直に感心してしまう。エレオノーラの場合、好きな科目は教科書を読むだけだから、参考書なんて手に取ったことは一度もないのだ。苦手な科目に至ってはテスト用紙をすぐにゴミ箱に投げ入れるくらいなので、そもそも関わること自体が嫌と見える。出来ることなら日常生活でまで苦手な科目に関わりたくはない。これからエレオノーラのクラスを担当する英語教師は彼女の点数だとか学習への取り組みだとかに悩まされることになるだろう。

「……?どうしたの?敬語なんて使わなくて良いのに……」

エレオノーラを見て明らかに驚愕の表情を浮かべ、突然敬語になった寿々也。原因が自分であるとは微塵も知らないエレオノーラは首を傾げてから、ひとまず彼の言うとおりに段ボール箱を彼の指差した棚にしまうことにした。指示棒のボタンを押して長さをもとに戻してポケットに入れてから、エレオノーラは持っていた段ボール箱を棚に入れる。そしてまた積み上げられた段ボール箱のもとに戻ると、他の筋トレグッズが入っている段ボール箱も先程と同じように持ち上げた。

「同じようなものが入っている箱も、其処に置いておくわね」

片付けに集中しているらしい寿々也にそう声をかけてから、エレオノーラはてきぱきと作業をこなしていく。こういった単純な仕事をするのは苦手ではない。たまには力仕事で体を動かすのも悪くないわね、と寿々也の心中を知らぬエレオノーラは呑気に片付けを楽しんでいた。

>>忌宮寿々也様

1ヶ月前 No.63

黒ここあ @milky2☆ggNFEl0Udhk ★UhUozvq756_gaI

【 202号室 共用スペース / 忌宮 寿々也 】


 荷解きはほぼ完了した。流石に手分けして作業をすると少ない荷物ならあっという間ではあったが、何となく気疲れをしてしまって寿々也は共用スペースの椅子に腰掛けて溜息を付く。時間こそ掛からなかったけれど、部屋に女子がいる感覚と半径一メートルに侵入出来ないと言う制約から遠回りな迂回の繰り返しが、精神的磨耗を生んでいたのは否定出来ない。特に疲労感を与えたのは後者の制約で、何をするにしても直線距離で進む事が出来ず、近付けば彼女の体に異変が起きてしまうわけだから大変だ。つまり、これが日常的になってしまっている彼女の負担と言うのはどの程度のものなのだろうか、と寿々也は密かに視線をエレオノーラへ移した。確かに自身を異常と称するだけの苦労はあるのかも知れない。感覚を共有出来るわけではないにせよ、先程の作業一つ取ってもその大変さは身に染みる。そんな思考を疲労のたまった寿々也の脳でぐるぐると反芻しているうちに、ぼーっとエレオノーラを眺めてしまっている自分がいる事に気付いてゆっくり瞳を閉じた。数秒の間。気持ちの切り替え。別に彼女を異常と特別視するつもりはない。けれど理解は必要だ。何せこれからルームメイトになる相手の事なのだから。機会があれば、また色々と話を聞くのも良いかもしれない。と、誰に言うワケでもない見詰めてしまっていた自分への言い訳を胸の内に秘め、再び目を開き立ち上がった。

「 ――よっし!そろそろ歓迎パーティの会場とやらに行くか?まだ始まる時間じゃねェかもだけど、もしかしたら他にも集まってる奴が……。 」

 大きく伸びをしつつ共用スペースの出口あたりまで歩いて行く。歓迎パーティがあるらしいけれど、詳しい事はよく判っていない。実は学園長の長ったらしいスピーチ会だったら憂鬱だが、パーティと言うくらいなのだから食事が出て来れば万々歳だ。ちょうど体を動かし小腹程度ならば空かせているから、出来れば自由に食事が出来る空間であって欲しい。他の生徒達も、知り合いは恐らくいないだろうけれどどんな人達が入学しているのか気になる所ではあった。しかしふと思い至り、再び振り返ってエレオノーラへ視線を向けた。

「 そういえばお前、平気か? 」

 主語は抜けたが、前後の言葉があれば伝わるだろうか。他にも集まっていると言う事は、それなりの人混みがあると言う事で。それはつまり他人との距離感を意識しなければならない彼女にとって、苦痛の空間になるのではないだろうか。いや、しかし歓迎パーティは彼女から切り出した話題でもあるのだから、ある程度は平気なのだろうか。よく判っていない彼女の事情を考えて寿々也は足を止めた。

>> エレオノーラ・チェルカソワ様



【 片付けを進めて時間を少し経過させていただきました…!エレオノーラちゃんがいる体で進めていますが、もし齟齬があればこちらのロルは気にせず進めてください! 】

1ヶ月前 No.64

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

【学生寮 202号室 自室スペース→共用スペース/エレオノーラ・チェルカソワ】

荷解きは順調に進んだが、エレオノーラとしては寿々也の障害になっていないだろうかという気持ちが大きかった。エレオノーラも気を付けてはいたが、寿々也も先程彼女の体質について聞いたからであろう。出来る限りエレオノーラに近付かずに作業をしようとしているようだった。狭くはないものの、自室スペースで距離を取るのは簡単なことではない。寿々也の力になれたらと意気込んで片付けを手伝ったは良いが、かえって迷惑になっていたというのならエレオノーラは申し訳なさすぎて今すぐにでも外に穴を掘ってその中に入ってしまいたかった。寿々也の優しさと気遣いに良心が痛む。どうして自分はこんな体質なのだろう、と思いさえした。これからは出来るだけ寿々也に迷惑をかけないようにしたい。そう思いはするものの、今のエレオノーラにはどうすることも出来なかった。エレオノーラはやるせなさに下唇を噛んだが、すぐに表情を戻す。いけない、暗い顔をしていたら雰囲気もよろしくないものになってしまう。迷惑をかけるだけでなく雰囲気も悪くするなんて最悪だ。エレオノーラはなんとか顔をポーカーフェイスに保とうと努める。せっかく寿々也とはそこそこ仲良くなれたというのに、こんなところでぶち壊しにしたくはない。

「……そうね。そろそろ校舎に向かいましょうか」

寿々也からかけられた声に、エレオノーラは出来るだけ平静を装って答える。作業しづらくなるから、と外していた手袋を着け直して、寿々也の背中を追いかける。勿論一定の距離を取ることは忘れない。正確に距離がわかる訳ではないが、なんとなく「この距離なら大丈夫」というラインならわかる。こんな体質には慣れたくもなかったが、年月というものはそれを許さない。エレオノーラは意識せずとも、相手との適当な距離を取れるようになっていた。

「……?平気って、何の……」

そんな中、寿々也から平気か、と尋ねられてエレオノーラは一瞬彼が何を言いたいのか理解出来なかった。しかし「何のこと?」と口に出す前に、もしかしたらパーティーのことではないかと思い当たる。エレオノーラの体質を心配してくれているのだろうか。ひとまずそうであると仮定したエレオノーラは寿々也に向けて「それなら大丈夫よ」と告げる。

「私が寒さを感じるのは、言葉を交わした人だけなの。だから誰とも話さなければ私は大丈夫。きっと私に話しかけようなんて思う人はいないと思うから、あなたはあなたでパーティーを楽しんでちょうだい。私は会場の隅っこで終わるまで何か食べているから」

もとよりエレオノーラに友人を作ろうという気持ちはないに等しい。友人を作れば誰か近付いても大丈夫な人物が増えることに間違いはないが、他人から友人になるのにはそれなりの時間がかかる。適度な距離を保ちながら友人など作れまい。そんな諦めの気持ちもあってか、エレオノーラは特段これといった友人が欲しいとは思わなかった。寿々也には自分のことなど気にせずに、素直にパーティーを楽しんでもらいたい。寮での生活では苦労をかけるかもしれないが、少なくとも彼の学校生活は明るいものであって欲しかった。

>>忌宮寿々也様

【わざわざご丁寧に連絡ありがとうございます……!此方も少し省略してしまった部分があるのでもしわかりにくくなっていたら申し訳ございません……!】

1ヶ月前 No.65

菊花。 @mion00 ★Android=k7r2sHeMna



【学生寮 201号室・共有スペース / 小鳩鈴】

 鈴は少々拗ねていた。と言うよりは顔文字でよく言う「しょぼん」というか、よくある動物もののキャラクターが落ち込んだ時に耳を垂らしてしょげているというか……見えないけど、耳が彼女に生えてるかと思わせるくらいにはわかりやすくへこんでいた。──やっぱり、「近くん」と呼ばれるのは初めてじゃないらしい。でも、隣でクッキーを味わって食べてくれている彼の言葉を聞いたところ、「初めて」ではないけれど中々に珍しい呼ばれ方だったと受け取ることが出来たため、鈴はまあ、それでもいいか!懐かしいって喜んでくれているみたいで嬉しい、とまた満足そうに笑った。
 初めてを狙うとなると、きっと名前の原型が無くなるほど奇抜な呼び方になっちゃうのかなあ……鈴にはちょっと難しいかもしれない。小さくても脳みそは脳みそ。それをフル回転しても出てきた呼び方は2つだけなので、鈴はもう新しいあだ名に関しては半ば諦めモードに入っていた。取り敢えず喜んでくれていたら、もうなんでも良いのだ。

「近くんって呼ばれたことあるのちょっとだけなの??じゃあ、今日からは鈴がたくさん近くんのお名前呼ぶからね!!」

 やはり「春くん」の方は呼ばれる確率が高いらしく、自分の考えてた事が当たった!と彼女はえらくご機嫌な様子。沢山呼ぶね!という言葉とともに首をぶるんぶるん激しく動かして何度も何度も頷く。そのため、耳に付いている鈴のピアスは、いつもの可憐な音とはかけ離れたレベルの凄まじい音をかき鳴らしている。普段は耳触りの良い軽めの鈴の音なのだが、こういう風に激しく振り回したりすると、控えめに言ってもかなりうるさい。
 流石に自分でも耳が痛くなったのだろう。彼女がきらきらとした瞳を崩すことなく、でも手はきちんと耳についたままの鈴のピアスを握りしめ始めたのは、それの音が騒音になりかけるギリギリ一歩手前だったことは間違いない。これで音自体はだいぶ静かになった……はずだ。

「天使……じゃないけど、『お友達』だから鈴は近くんのお手伝いいっぱい、いーっぱいしたいなあ。近くんが困ってることあって、鈴が手伝えそうなことならなんでも教えてね!近くんはお片付け得意な人?もし、ぱーてぃーで間に合わなくて、寝るまでにお片付け終わらなかったら、鈴のお部屋で一緒に寝たらだいじょぶだねえっ」

 鈴はもうお片付け終わってるし、お部屋も綺麗になったんだよ、偉い?なんて言葉も最後にちゃっかり付け加えておく。彼に強く握り返してもらった手に額をくっつけ、嬉しそうにお友達の幸福感に少しだけでも浸っておく。久し振りの『お友達』で、自分でも歯止めが効かなくなっているのかもしれない。嬉しすぎてスキンシップ多めになっている事に気付かないまま、彼女はそのままいつもの様に笑った。自分の口から出てきた「一緒に寝る」なんて爆弾発言も、もちろん爆弾なんて少しも思っておらず、むしろ「友達なら一緒に寝たら安心できる」の気持ちを誰かと共有したかっただけのこと。相手が男性だろうと女性だろうと年上年下どんな人でも同じような対応になるかもしれない。
 ガイダンスでも言っていた開校ぱーてぃーは、確かもうすぐで始まってしまう。立ち上がった鈴は、ルームメイトの彼を少々引っ張る、という形で部屋まで一緒に行きましょうと言う気持ちを伝えようと試みていた。


【あたたかいお言葉ありがとうございます(´;ω;`)とても嬉しいです。春近くんも、とても心が広くておおらかで……プロフィールを見た時に感じた以上の感動とドキドキが私を襲っています……(( 友達多そう、むしろ私も友達になってくれませんか、の感じです。もう見る度にニヤニヤしています。笑←
そしてまたまたお返事がかなり遅れてしまいました、地震の影響でバタバタしていて、まとまった時間が取れず……今はだいぶ落ち着いたのでまた張り切ってやっていきたいと思っているのでよろしくお願いします(*´ω`*)】

>> 綾咲 春近さま

1ヶ月前 No.66

霧灯 @sunsuncat ★o08FOtq5xo_K6b

【谷口美香/学生寮203号室→寮ロビー→寮の外】

 持ってきたキャリーバックの中から制服を取り出して、設置した姿見の前で合わせて改めて確認してみる。勿論家では何度か袖を通してきたのだが。
 ベージュ色でハイウェストのブレザー制服は、高級そうな学園に来てしまった感じがして不思議な気持ちになる。以前の高校はよくある紺に白ラインのセーラー服で、地味な色の制服に対してカラーのカーディガンなどで少しでも彩ろうとしていたことを思い出した。
 この明るいベージュのブレザーなら、どうだろうか? 合わせるなら黒? いいや、黒だと重いから、彩度の高い緑とか。目立ちすぎるかな。上着代わりにいつものパーカーを着れば何となく分かるだろうか。しかし、秋冬は遠いので今すぐ決める必要は無さそうではある。
 左斜めに構えてみて、右斜めに構えてみて、後ろを向いて背中に制服を当てて見てみようとするがちょっと上手くいかなくて合わせるのをやっぱり止めた。

 制服を抱えながら美香は今朝のことを思い出す。
 母親からは遅れないように前日に付近のホテルに泊まりなさいと言われたのだが、こんな機会早々無いと夜行列車に乗ってやって来たことが仇となった。結果的に入学式は私服での参列。本来であればトイレかどこかで入学式前に着替えて、きちんとこの学園の制服に身を包んだ上で綺麗にその第一歩を踏み出す筈だったのだが、その着替える時間が無くなってしまった。睡眠は車内で数時間取ったので問題は無かったのだが、スマホで地図を見ながら歩いた筈なのにどういう訳か南北を間違えて逆方向に進んだ挙句グルグル回ってしまい、結局如何ともし難い窮地に陥ったと認めた果てにナビ付きの別の地図アプリを入れ直して開始3分遅れでギリギリ到着したのだ。横着してプリインストールの地図アプリで済ませようなどと思わずに、初めからそちらの人気アプリを入れておけば良かった。尤も制服ではない生徒が全く居ないことも無かったのでその点だけが救いではあった。イレギュラーは自分だけではないと思えることの安心感と言ったらいざその立場になった者にしか分かるまい。
 制服一式をハンガーに通してクローゼットに掛ける。

 さて。パーティは自由参加の体だが参加しないなどこの谷口美香にとってはどうにもこうにもあり得ない話で、少し早めだが先に部屋を出ることにした。プログラムに載っていた時間帯まではまだそれなりに時間があるが、校内探索をするには丁度良い。今の内にあちこち回って調べておきたい。
 時間を確認した際いつの間にかスマホの充電残量が殆ど残っていないことに気が付いた。昨日の夜から使い通しな上部屋でもあれこれ調子に乗って使い続けてしまったからなのだが、玄関で靴を履いてしまったし今更充電しに戻ってまた時間を潰すのも煩わしい。どうせこの後数時間は時間を確認するくらいしかしないだろうからきっと問題無いだろう。
 少し静かめに扉を閉めて寮の部屋を出れば、突き当たりの窓の所に女子2人が立って居るのが見えた。ルームメイト同士だろうか。同性同士の部屋もあるんだ。などと思いながら、わざわざ話しかけに行くような距離でもないと彼女たちから目を離して階下へ向かう。

 ロビーには何人か人が居た。美香のように一人で居る者も居たが、複数で寄り集まって談笑している者達など。先ほどの突き当たりの2人組もそうだったが、既に知り合いが出来ているグループが羨ましく思えた。尤もその内授業が始まればきっと自然に知り合いは出来るだろうからそれまでの辛抱だ。
 そのまま寮の外へ出ようとした際、入り口付近の壁に寄りかかって立っていた一人の男子生徒が突然大声を上げた。

 アオーーーーーーーーーーーーーーーン!!!

 それは犬の遠吠えのような。少し長めだった。周囲の視線も集めてしまっていることだろう。何かと思って美香は相手の顔をまじまじと見る。しかし男子生徒はそれ以後人形のように微動だにせずこちらに意識を向けることもしない。訝しみながらも静かになった為、美香は首を傾げて寮を出る。
 悪戯だったのだろう。見知らぬ相手にそんなことをして一体何が面白いのか分からないが、どんな場所にもそういう訳の分からないことをする男子というのは居るものだ、……と言ってしまっても良いものか。まさかこの学園に来てまで、それも高2にもなってこんな小学生レベル悪戯をされるとはさしもの美香も思わなかった。見知った友人のおふざけならば笑えなくもないが、さすがに。

「ま、いいっか。それより探検探検」

 気を取り直して校舎側へと歩き出す。ある程度見て歩いたら講堂に向かえば良いだろう。

>>All

1ヶ月前 No.67

夜霧龍臥 @hirundo058 ★Android=ptUsq2kgJI

【食堂】


「……ん、こんな状態でも美味いものは美味いな…!」

食堂で左手首に点滴を打っている黒髪の少年。彼はいまは平然と椅子に座っているが、歩くときはロフストランドクラッチを使わなければいけない程、平衡感覚などがやられている。つまり、脳に障害があるが、まあこれは彼を蝕む不治の病の影響によるものだと思われる。そんな彼は食堂でやや力が弱いが右手でおにぎりをゆっくり掴みながら口の方へと運んで少しずつ噛って食べながらもぐもぐと口を動かして飲み込めば、「美味しいな」とどこか食べれれる喜びを知ったような台詞を述べていて。

>>all

22日前 No.68
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