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火事と喧嘩は魔都の華!

 ( オリジナルなりきり )
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すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

魔術師、それ即ち、魔法、妖術、幻術、呪術などを使う者たちのことである。



【???/とある路地裏】

「魔法なんて夢物語、存在する訳がねぇよ」
「何故そう断言出来る?」
「何故もどうしてもねぇだろう。この時代に、世界に、魔法も魔術もありゃしねぇ。1000年前ならともかく、今時そんなもんを使う奴等がいようものなら、時代そのものが狂っちまわぁ」
「狂う……か。なるほど、狂うときたか」

ざくり、と。何かが柔らかいものを突き刺す音と共に、男の司会がぐらりと揺らぐ。ごふ、と口から血が流れ出し、口中は鉄錆の味に包まれた。彼は何が起こったのか理解できていない。たまたま酒場で出会って、帰り道を共にしていた人物に何をされたのか、わからないまま彼は絶命した。
男の胸には“真っ白な手が突き刺さっていた”。何処からともなく現れた、明らかに人間のものなのであろう手。それは男の隣を歩いていた人物のものではない。否、誰のものでもあるはずがなかったのだ。だってこの路地裏を歩いているのは彼らしかいなかったのだから。つまり、男一人の心臓を突き刺した手は空中から突如現れたということだ。

「ふふ、馬鹿らしい」

人物は笑う。笑って嗤ってわらい続ける。その笑い声に釣られるかのように、その人物の周りには次々と白い手が現れて、パチパチパチパチと五月蝿いくらいの拍手喝采を送る。誰もいない路地裏に、ずっとそれは鳴り続ける。その人物が笑い続ける限り、ずっとずっと、狂ったように。


「━━━━私たちはとっくに、この都市という夢物語に狂っているのにね」



ーーーー→あなたたちはなぁに?

「何って、決まっているじゃない。私は魔法使い。此処に居る限り、私はずっと魔法使いよ」
「愚か者でも構いやしねぇ。だって此の世はみーんな仮の住まいって奴だからなァ?」
「全てを壊し、破り捨てて、そして再生させる。こんな腐ったもの、わたしたちの口には合わないもの」
「貴方に絶対の忠誠を誓いましょう」
「僕の邪魔をするなら絶対に許さないぞぅ!」
「……さて、次の依頼は何だったか」
「これは呪いだ。私以外の、全ての人間に課す呪詛だ!」
「お前、まだ常識なんてものを信じていたのか」
「さぁさ、寄ってらっしゃい見てらっしゃい!」
「あーあ、今日も才能が爆発してるよ」
「なんだ、新入りか。それなら早く着いてこい、野垂れ死にたくないんだろう?」

此処はソルセリア。魔法使いが治める都市にして、今日も何処かで血の流れるあの世に最も近い場所。魔法や魔術の闊歩する魔都であり、血腥さに溢れた魔都。そんな街に住まう曲者たちの織り成す、奇抜で狂った物語。

【魔術師が力を持つ都市で、非日常な日常を送ろうぜ!をコンセプトにしたスレッドです。少しでも興味をお持ちになられた方は是非サブ記事へ……!】

メモ2018/10/13 23:14 : すずり☆uVgy9R1pZdc @suzuri0213★Android-ti0IvmfI1e

【ルール】http://mb2.jp/_subnro/15753.html-1#a

【舞台・用語】http://mb2.jp/_subnro/15753.html-2#a

【プロフィールの書き方】http://mb2.jp/_subnro/15753.html-4#a

【現在の募集状況】http://mb2.jp/_subnro/15753.html-406#a


まだまだキャラクター募集中ですので、興味をお持ちになられた方は是非サブ記事までお越しくださいませ……!

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ナトリウム @asdpoi556 ★sqxSbCXnmh_keJ

【リリィ・フォーマルハウト 移動中→中央区】


「無暗に首謀者を探すのは時間の無駄……ふふっ。ごもっともでございますわ。こっ……」
(この前の件でも私は首謀者を見つけて斃す為に東区中をかけずりまわりましたが、結局首謀者は別のプレイヤーに取られて私のスコアはただ子供80ばかりを始末しただけ。ベストキリング賞しか私はとれませんでしたもの)
口から放たれそうになった言葉をすんでのところで抑え込む。やれやれ。あぶない、あぶない。

人間生まれ持った性質や性格、『さが』というのは根本から変えてしまうのは難しい。TPOに応じて抑え込むことはできるが『首謀者』という単語に反応して、リリィの中にあるネクロマンサーに相応しい邪悪な本性が――この前のイドラ騒動での自分の活躍やアルカナを手に入れたという自慢――という形で溢れそうになった。だが突然こんなことを口にされても向こうは困るだろう。せっかく楽しむのに血腥い話をされては気分は悪くなる、らしい。この手の魔術師はこういったTPOが弁えれない手合いが多いがその点リリィは理性的だ。比較的。


「……っと。ふふっ。実はルシエラ様と出会う前に不思議な道化師サマと出会ったことを思い出しましてね、。彼曰く『祭りは見るより参加する方が楽しい』と。そこで、まぁ見る分にはそこのビルの屋上で人混みを観察することもできますし、参加する分には……そうですわね、あの『型抜き』や『金魚すくい』なんてあたりはどうでしょう?」


と、自分の本性が出てきたことを誤魔化しつつルシエラに参加する祭りを提案するのであった。ほかにも食べ物の屋台があるが偏食家のリリィは味の濃い祭りの料理が好きになれないのでしれっと選択肢から外している。

>>ルシエラ様 周辺all様

30日前 No.502

バカラ @bakara ★kanIEqkLWh_PHR

【ヤン/中央区 建物屋上】

 眼下に広がる騒乱を眺める男がいた。身長は高く細身。胸に下げられた青いペンダントを除いて髪から服装に至るまで白一色に染められている容姿は遠くからでも存在が確認できる。周囲には無数の煩雑な記号が彼を取り囲んでおり赤や緑色に輝いていた。

「…これはあかんな。僕じゃどうもできんわ。範囲、術式強度共にはるかに上や」

 表情こそ笑顔を浮かべているが穏やかな雰囲気はなく、寧ろ余裕のなさを感じ取れる。
 手にした一枚の札が炎に包まれ焼き消える。灰が虚空へと舞い上がっていく様子をため息とともに見送ると同時に宙に浮いていた模様は文字通り霧散する。
 大したことではない。彼の魔法だ。刻印と呼ばれる模様に魔力流して発動させる。魔力を流し込むことさえできれば誰でも可能な簡単な手品。それを複数併用したに過ぎない。

「宙に文字を描く*v@で探知≠ニ解析≠フ魔法の刻印を書いただけ。ほんま種がわかるとしょうもないことしてるな、僕は」

 自嘲気味に笑みを深めると一変して真剣な表情に変わる。澄んだ赤い瞳が鋭く光を放っていた。
 男、ヤン・フェイは続ける。

(対して向こうは領域支配や。原理は結界に近いと思うけどなにせ範囲が広すぎる。それに領域を支配しとるなら彼らみたいになっとらん僕らは異物に近い。せやったら考えたくはないけど、僕らの居場所もばれとる可能性だってある。
 もっと言えば目的も不明や。祭りが始まって結構経っとるけど人が倒れたりはない。おまけにこの街を動かしとる人達はかかってないみたいやから都市機能は正常。となると、祭りを行うことで何か起こると違くて祭りを続けること≠ェ目的…?
 ええい。考えが読めん! 一体、何がしたいんや)

 魔法の結果と推論から答えに近づくも確証はない。根拠も何一つない。
 尤も、確かめる手段がないわけではない。ヤンの考える通り都市全体を包むこの魔法の本質が領域支配であれば中心点には何かがあるはずだ。術者本人か触媒か、あるいは術式そのものか。どれにせよそこに行けば分かることだ。
 が、

「まあ、僕はひとまず様子見やな。触らぬ神に祟りなしって言うしな。当面はここで変わりようでも見ようかなっと」

 そう言うと座り込み街の様子を眺める。
 しかし彼は知らなかった。そのすぐ下にはリリィ・フォーマルハウト、ルシエラの二名がいることに。

≫リリィ、ルシエラ、周辺ALL

【雑な絡み文で申し訳ありません! 絡みにくいと判断されたら、ビルから落下させても結構ですし、最悪無視してもらっても大丈夫です! その場合はまた辺りをうろついていますので!】

30日前 No.503

サムライ @samurai07 ★iPhone=QCAUNJ3bTK

【オズワルド・ロバーツ/南区・港】

(どなたかこそこそしてるみたいですね?出てきますか? いえ、気が進まないのであれば強くは勧めませんが。こちらも無駄にこんなところで争っている場合ではないので、できれば穏便に済ませましょう)

オズワルドは港のコンテナの陰からスキンヘッドの男性とショートヘアの女性の2人を観察していたが、どうやら女性の方がオズワルドの存在に気づいたらしい。しかし、彼女は穏便に済ませたいと言っている。仕方ない。こそこそしていても同じならばいっそ堂々としてよう。オズワルドは2人の前にコツコツと靴を鳴らして芝居がかったように現れた。

「察しの良いお嬢さんのせいで見つかってしまったようだね。ならばせめて、自己紹介でもするのが礼儀だろう。僕はオズワルド。北区の平和を守る正義の味方だ!」

まるでミュージカルのような自己紹介である。普通の人間ならポカンとしてしまうだろう。2人がどうなのかはわからないが。

「僕は少し厄介事に巻き込まれてここまで逃げてきたのさ。何、僕はあなた達の敵ではないから安心してくれ。あなた達が貴族でない限りは。」

顔に手を当ててポーズを取りながら喋る姿はいささか鬱陶しくもある。しかし、北区の正義の味方、オズワルドと聞いて2人には引っかかる部分があるかもしれない。北区に住んでいた者ならその名を知っているかもしれないし、警察ならオズワルドは北区に入った貴族によく喧嘩を売るため、貴族達からは「大迷惑」と苦情が届いていることが伝わっているかもしれないからだ。


>>ドミニク・フォン・ティルピッツ様、エレノア・ファインハレス様、周辺ALL

29日前 No.504

癒しの炎 @kaizelkai ★VwxWcbHAbI_mgE

【 西区 / 大通り / サニタ・フォーヤン 】


「 相変わらずだねぇ。そういうところは変わってないな。 」


 苦笑混じり、そして困ったような声を彼女にかける。抱きしめる力は強く感じる。彼女には変わってないと言ったが、かなり変わってると言いたい。主に体から感じる彼女の柔らかい身体、いい匂い、愛くるしい笑顔はかなりのレベルが上がっている。少女から美少女になった事は嬉しいが、本当にそろそろ離れて欲しいと願う。この場に誰もいなかったら、何かとんでもない間違いが起きそうで怖い。男女の友情を信じるため、ここは耐えるしかない。
 自分の何気ない問いが、何故かソフィアの表情を曇らせた。そして彼女の口からあの養父母がもういないと聞き、驚愕の表情を浮かべる。信じられない、まさか亡くなっているとは。


「 そ、そうか……ソフィアのところもか……。 」


 曇らせた表情を浮かべ、呟く。自分の両親も旅行先で亡くなっている。世の中、親というものはなかなか長生きはしてくれないらしい。知り合いの花屋の店長も同じ境遇であると思い出し、世の中はなかなかに惜しい人達が亡くなると思わせる。彼女の養父母に関しては深く聞かないでおこう。
 薫香がソフィアの孤児院について尋ねられる。孤児院で名が知られているのは有名になっているのかと思い、彼女一人で経営しているのだから、それはかなりの道だったと思われる。ソフィアが彼女達に気付き、離れていく。甘くも精神的にくる抱擁に開放され内心喜びつつ、薫香に向けてありがとう助かったと言わんばかりの笑顔を向ける。



「 …… 。」

 梓橋からきついお叱りを受け、精神的に自分が不甲斐ないと思っている。しばらくは彼女に関わらないでおこうという考えも出ている。魔術やアルカナに関して危険なのだと教えてくれたのだ。例えるならこれは包丁や道具の取り扱いと同じである。料理に関わる者として、包丁の取り扱いを誤れば自分や相手を傷つける恐れがあるからだ。それは自分の持つ魔術も同じ、斬る事燃やす事に特化した魔術は扱いに注意せねばならない。



 「 邪魔をする……?邪魔、邪魔か……――ん? 」


 メリアの言葉に違和感を感じる。りんご飴を探す調査がこのお祭り状態の調査に変わっている事は見逃そう。しかし、祭りを邪魔をすると考えるとそれはもうこの場を壊すという答えが出た。確かに祭りを始めた魔術師にとって、一番邪魔なのはこの祭りを壊す事だ。色んな出店やあの人形達を壊せば、この祭りを起こした張本人が出るかもしれない。



「 ちょっと待って、メリアちゃん。邪魔するって、あのお店や人形達を壊すのかい?流石に危険じゃないかのかなぁ? 」


 初対面だが、メリアのやろうとしてる事に口を出す。祭りを壊し、犯人をあぶり出すのは効果的だろう。しかし、此処には操られている一般人も多くいる。彼女はそこら辺をどう思っているのか、わからない。一般人を巻き込んでまで、やろうとする事には自分は反対を選ぶ。
 そして梓橋と薫香は祭りを壊す事には、止める気はないようだ。何でも屋というのは合理的なのか、人命優先なのかわからない。思わずため息をつきそうになる。



「 二人共、メリアちゃんが人を傷つけず、建物を壊さなければやってもいいんだねぇ……けどそんな事、出来るのかな? 」


 出店と人形だけを破壊する。そんあ器用なことをメリアが出来るかは彼女次第だ。自分だったら、少し自信がない。料理人として料理を提供する場を壊す側にいるのは嫌だし、人形とはいえ人の形をした者でも壊すのは腰が引ける。


>>ソフィア・リリイホルム、梓橋那由多、琥薫香、メリア

29日前 No.505

雪鹿 @class ★Android=42zyboh5vZ

【フィアーバ・メルヴィル/北区・廃ビル屋上】

僕と同じように、彼女も普段通りの対応で、その様子に妙な点も無い辺りが尚更に彼女の言葉を強調して裏付けていたから、さっきよりも少しだけ安心したようにさらに顔を緩める。それは彼女だっていう確証を持てたこともあるけれど、旦那様から仕事を任された、そう言うなら旦那様もしっかりと無事って事だから。
その後に続いた言葉は、少しだけ引っ掛かったけれど、彼女がそう思っているのなら仕方がない。それに、謙遜を押し退けて無理に誉めるっていうのも押し売りに違いないから、しない方が良いんだろうね。

そんな事を思っている内に、色んな物が見れるらしい綺麗な淡い金の瞳で祭りを見たらしい彼女は言葉とは裏腹に少し楽しみたいような、そんな風に見えてしまって少しだけ、朝に僕を起こしてくれたドライを思い出してしまった。気のせいだったのかもしれないけれど、それならそれで僕が勘違いしてたってだけの話だしね。

「多分、ね。僕の家と周りは特に何とも無かったから、これも魔術なんじゃないかな。それも、ソルセリア全体に広がるくらいに大規模な。でも、素敵な魔法だよね。」

相変わらず穏和に笑みを浮かべ続けるメルヴィルは、魔術によって包み隠している自身の屋敷と中に居た子供達や周囲に屋台が無かった事を想起して、空を飛んで見てきた現状から、このソルセリア全体に広がった魔術だと思われる事を伝えるが、彼の表情は変わらず穏和な笑みのまま。きっと警戒も既に然して抱いておらず、何かあるとしたって今じゃない、少し先の話。そう確信しているのだろう。この祭り自体には、少なくとも悪意は感じられない―――ただ、不測の自体が起きないとも言い切れないのだけれど。
もし、そんな事が起こるとするのなら、そうなる前に子供達を屋敷に帰さないといけないけれど……あの子達、疲れ知らずだからなぁ、なんて少しだけ内心で先を思って、どうしようか、なんて彼等を説得する方法も考えてみる。アインス達はどうにかなるにしても、普段家に居ない子はちょっぴり素直じゃないからさ。

さてはて、どうしたものだろう。うっかりと脇道へと逸れたままにアイシャさんの話に耳を傾けていると、どうやらノクス先生は御仕事中みたいでパトロールに同行してほしい、確かにそう言った。何処かで楽しんでいそうな雰囲気は相変わらずで、僕も少しだけ微笑ましく感じたのは秘密にしておこうか。ノクス先生も少しは楽しんでいたら良いのだけれどね?

「そっか……うん、僕で良ければ是非とも。あ、僕が先に居ると降りづらいだろうから、もしも此処から降りるのなら、先に降りてて大丈夫だよ。僕もすぐに後に続くからさ。」

ほんの少しの間だけ、ノクス先生がこんな時も忙しくしている事を残念で眉尻を下げて何処か、落ち込んだような影のある笑みを浮かべたが、すぐに元通りの笑みに戻って小さく頷いて答える。丁度、何をするのか決めていなかったし、むしろ有り難いくらいの申し出で、答えない選択肢を選ぶとしたら、それは僕じゃない誰かだろう。それはもちろん、パトロールであっても彼女を楽しませるという意味でも、ね。まぁ、普通に階段から降りても良いんだけれど、少しだけ崩れ掛けてて危ないから、安全に屋上から降りれるなら、それに越したことはないかなって。
だけど、もしも僕が先に降りたら、後から彼女は此処から飛び降りるとして、その時に位置を調整する必要があるだろうから、その必要が無いように、と先に譲る……レディ・ファースト、そんなつもりはないけれど、結果的にそうなってしまったみたいだ。

「そうだ、何か行きたい場所とかあるかな?無いなら、道すがら僕が適当に案内するから、あんまり考えなくて大丈夫なんだけど……もし、僕を待ってる間に思い付いたら教えてほしいな。思い付かなくても、大丈夫だから……ね?」

ひょいっと軽やかに足を上に跳ね上げながらも、上体もそれに合わせて上げれば、立ち上がって縁から少し離れた所で緩やかに目を細めて笑った。どうせなら楽しい方が良いから、そんな思いで彼は少しだけ自分よりも背の低いアイシャを見て笑みを浮かべる。楽しい、そんな感情が無いのかもしれないけれど、ほんの少しでも何か感じて貰えたなら、それだけで僕は満足だから。

>アイシャ・ノワール様、all

28日前 No.506

雪鹿 @class ★Android=42zyboh5vZ

【ジャック・イグニス/南区:的屋】

俺の次に出たのは、さっき口笛を吹いて両手はサムズアップにウィンクまでして称賛を送ってくれた俺ちゃんの親友レヴィ。その肩を竦めるレヴィの漏らした言葉。それに思わず、口元がニタリと悪戯っぽく上がる。霞む、ふーむ……?ま、確かに本気を出しすぎたかもしれんな!なにせ、他ならんお前とエーリアルの前なんだ。俺ちゃんの手が外れたって手を抜くなんざ、出来っこないってもんだろ!
ま、それはともかくとして。そうレ狙いを定めたのであろうレヴィの持つ銃口の先を見る。はっはーん、やっぱそれか。と予想が合っていたのが嬉しかったのかニタニタと笑っては一発目を眺めていた。それは……まぁ、マスケット使った事なきゃそうなるよな、といった感じだ。手練れって言ったって使った事がないタイプの銃は存外使いづらいのさ。俺ちゃんも最近の銃、よく分からんし。しかしまぁ、レヴィも感覚は掴んできたようで、続く二発目と三発目は割りと近い。四発目でヒット……したが、ぐらりと揺れるだけ。そうそう、ちゃんと当てないと落ちないのよ。ま、ちゃんと当てるのって意外と難しいから俺ちゃん二段撃ちしたんだけど。
ラスト、五発目。景品に上手く当たって倒れたが、しかし、コルクは跳ね返る。半ば反射的に、ランプに手を掛けて中に灯る蒼炎を密かに指先に灯したが、それと時を同じくしてレヴィが弾道の先へ手を上げるのを確認すれば、炎をすぐにランプに戻す。レヴィがやるってんなら、俺が手を出すのも野暮ってもんさ。
レヴィの手に当たってぽとりと地面に落ちるコルク。おおよそ何をしたのか、それは分かるが何も言うつもりはないぜ?ただ、俺ちゃんは驚かないってだけの話で、レヴィが何事も無かったかのようにパズルを袋に入れて持って来るのを何事も無かったかのように、ヒュー、なんて景気よく口笛を吹いて普段通りに笑って待つだけだ。

「中々に手こずったみたいだな、親友。だがまぁ、初めてにしては中々に流石だったぜ?おっと、そいつはサンキュー!だが、俺ちゃん狙撃手は存外飽きたもんでな!もう少し、お前達とばか騒ぎしてたい気分なんだ、分かるだろ?」

銃の並んだ机に腰を掛けるレヴィと同じように口角を上げてへらっと笑って真似たように、両手でサムズアップをしてみせたジャックも、当然ながらに弥生とエーリアルの様子を伺う事にした。なんせ俺ちゃん、血を見るのは少し飽きた。いや、今でも滾るんだろうが、今を捨ててまで戻りたくはねぇのさ。少なくとも、今のところは、な?

両手を組んでのこりふたりを見守る俺ちゃんをよそに、残念ながらに五発外しちまったお嬢ちゃんは……何と言うか、本性?それも少し違うか。とにかく、荒っぽい言葉で人形を捲し立てていたが、人形は流石に応対はしないし狼狽えない。そりゃそうだ、人形だもんな?にしたって、ふぅむ……口と顔には出さんが、ヤヨイの嬢ちゃんはなんとなーく過激派って感じだ。
そこへ、さっきは無邪気に拍手を送っていたエーリアルがすかさず嗜めながら、フォローに入ってくる。慣れてるのか、ああいう癇癪。
ともかく、銃を構えて狙いを定めたエーリアル。その姿は様になっていて、一発目は右側、僅かに動くが程遠い。二発目は下、大きく揺れた。それにエーリアルは口元に笑みを浮かべる……ほっほーう、あたりをつけて探ってたのか。なら、当然次は―――三発目、上部を狙って見事にゲット。続けてマスコットに宝石箱も連続ゲット。それも両方一発で、だ。これには、流石の俺ちゃんも完敗だな!なんて、組んでいた手をパッと解いて片手でサムズアップと共に「グレイト!お見事だったぜ!」とエーリアルへ称賛を送った。

「なぁなぁ、ところでこの後はどうする?金魚を掬うか?それともスーパーボール?ヨーヨーを釣ってみるのも悪くないかもな!―――とはいえ腹ごしらえってのも良いかもしれないな!ふぅむ、どれどれ……イカ焼きにわたあめ。たい焼きに焼きとうもろこしってのもあるぞ!あ、疲れたんなら休むのもアリだ!」

射的は終わった、なら次だ!と言わんばかりに、その場の三人へと陽気に語りかけながら、右手で前の方に見える金魚の屋台を指差して、左手で道中で見掛けたらしく元の公園方面へと続く道をゆびさして、それから唐突に釣竿がそこにあってそれを握るように両手を前に出せば何かを釣り上げるかのように両手を勢いよく上げてジェスチャーを交える。その認識が間違っている事は知っていたが、それはそれ。しかし、腹が満たされていないのを感じては、軽く右手で腹を二回叩けば、目を凝らして遠くを見るように細めている左目の上に左手で日除けをして、手当たり次第に食べ物を並べ続けて行く。
最後に、普段通りにニパッと笑い直せば、この中で唯一のレディである弥生の事を一応は気に掛けるように言葉を付け足した。気にしないとは言ったが、気に掛けない、なんて言ったつもりは無いからな!

>エーリアル・クラウス・フォルツァ様、レヴィ様、哀羽沢 弥生様、all

28日前 No.507

ワンコ @vtyjf ★4gCE4td3c0_sxd

【 メリア/西区/大通り】

>>那由多、サニタ、薫香、ソフィア

見下ろす形で向かい合う那由多を、無表情で見つめ返す。忠告とも警告とも取れるその言葉、その言葉は那由多なりの真摯な言葉なのだろう。だからこそ、メリア自身も真摯な言葉を返す。

「約束は出来ない――私は『善い』人じゃない、から」

でも、と言葉を区切る。軽く瞑目、集中――開いたメリアの両眼が、鈍い輝きを放つ。

「迷惑をかけずに、」

ちょうど、茶色いパスタを炒めていた人形の足元に『穴』が開く。当然、自然の摂理として重力に逆らえるはずもなく人形の右脚が太腿近くまで『穴』へと落ちる。

「関係ない人を、傷つけず、」

眼前、メリアのすぐ前へと表れた人形の脚、その大腿部にあたる場所に軽く触れる。硬質な、人とは違う無機質なソレが、余計な動作を行う前に『穴』が閉じる。

「騒ぎにもせず、」

空間が途切れ、同時に人形の右脚もまた空間の途絶に巻き込まれる。結果、滑らかな切断面を晒す人形の右脚が転がり落ちる。

「仕事をする――そういうのは、得意」

瞬き一つほどの早業、勿論相手が意思のない人形だからこそ出来る芸当ではあるが、それを告げる必要はない。あるいは、今メリアが何をしたのか理解されなかったかもしれないが、むしろ好都合だ。自らの魔法を懇切丁寧に解説すればお互いにリスクが高まるのは魔法に携わっているなら言うまでもないだろう。

瞬き二つ、輝くメリアの両眼が、次は人形の左脚と右手を切断する。

「この数は、一人だとちょっと大変だけど」

瞬き二つ、人形の左手と人形の頭がぼとりと転がる。その転がった頭を持ち上げ――ようとして、その重さに少しだけ蹈鞴を踏む。

「それでも、やらなければいけないのなら、やれる」

それは己の身を顧みなければ、という言葉が隠されているが、メリアにとっては問題ではない。それを実行せねばならず、それが実現可能であるならば、それはメリアにとっては『出来る』ことに含まれる。それがどれだけの代償と苦痛に舗装された道であろうとも、己の全てを支払って実現し切る。

「でも、手伝ってくれるなら、嬉しい」

その答えでは、駄目だろうか。そう問うように首を傾げて那由多を見上げる。短い付き合いだが、那由多が悪い人間ではないのはわかる。だからこそ、アルカナだからではなく、魔法を使えるからでもなく――彼女が那由多だからこそ、メリアは助力を願った。

27日前 No.508

ルシエラ @mistydark☆NIljAHmRyhk ★Android=GaTaMXF8bf

【ルシエラ/中央区】

「……金魚すくい? 型ぬき……?」
 リリィの口から発せられた聞き慣れない言葉を、ルシエラは不思議そうに繰り返す。
 改めて辺りを見回してみれば、先程公共公園の近くで見付けたものとは少しばかり趣の異なる屋台が軒を連ねる通りに出ていた。水槽の中に色鮮やかな小さい魚を泳がせていたり、色とりどりの風船が浮かべてあったり、輪投げやくじ引きや魚釣りのおもちゃがあったりと枚挙に暇がない――有り体に言えばそこは、食べ物を売る屋台ではなく遊びを提供する場所だった。
 尤も、日本の祭りを知らず、屋根に書かれた文字の判別も出来ないルシエラからしてみれば、どれも何だかよく分からないけれど不自然なくらいに楽しそうな人達が集まる場所、としか認識出来なかった。

「折角ご提案頂いた所大変申し訳ないのですが……ワタクシ無知蒙昧な若輩者でして、祭りというものが何なのか理解しておりませんの。その金魚すくいや型ぬきがどういうものかも存じ上げませんので、いきなりやってみるというのは少し難易度が高い気がします……そういうものだと仰るのでしたらそれまでですが、宜しければもう少し見学がてら説明して頂けます? このお礼は何時か必ず」
 結局ルシエラは、まだ何もしないことを選んだ。興味を持っているのは間違いないので押されたらそのまま流されるだろうが。
 しかし、その胸の内には、見知らぬ子供の案内を買って出たリリィの狙いを知りたいという意図もある。だからわざわざお礼という言葉を口に乗せ、更に。
「あ、そうそう。魔術の中ではどうだか分かりませんが、こうした浮かれた場所には良からぬ輩も多いものですわ。ワタクシは所詮下賎の身なれど、リリィ様は歴としたご令嬢。どうかお気をつけ遊ばせ」
 リリィを上目遣いに見詰めながら自らの出自も交えて告げたルシエラだが、彼女の側近くに控えるゾンビ達を見て直ぐに訂正する。要らぬ心配ですわね、と。

「あら……?」
 しかし目線を上げたルシエラは、ビルの上のまた別のものを捉えていた。
「……リリィ様、彼方に仲間になりたそうに見詰めている殿方がいらっしゃいますがお知り合いですの? でしたらワタクシお暇しますが」

>リリィ・フォーマルハウト様、ヤン様、周辺all

【ヤン様絡みありがとうございます。上手く拾えなくて申し訳ないですm(__)m】

27日前 No.509

くら子 @kura003☆pak20/nYiv6 ★wyf4VWw0x0_rxQ

【チコ/西区/薬舗『呵々堂』】


 律義にチコが用意するお茶を待つノクスの棚に並ぶ生薬たちの感想に「そうだろう」と自慢げに鼻を鳴らす。ここにある薬剤は、(勿論彼女が集めた物もあるが)今亡き夫が独自のルートで取り寄せた物であり、滅多に手に入らないものまで惜しみなく並ばされている。ここにきて基本手に入らない薬品は無い。薬舗『呵々堂』は下手したら西区一の薬舗かもしれない。
 さっきから待ちきれないと鳴く飼い猫の前に餌を置き同時進行でお湯を沸かす。『たこ焼き』は味の濃いタレがかかったものだと知っている。なら、あっさりとした茶が合うかもしれない、と数ある茶葉の缶から一つ、選んで急須に入れた。

「西区だけではないことは薄々思っておったが…。そうか、ソルセリア全域に及ぶとはこれはまた大層なものじゃの。」

 チコも年甲斐もなく祭りごと楽しんでいたが、どこか心引っかかるところは多々ある。食べ物も飲み物も毒薬等含まれていないことは確かで、被害といえるものも今の所殆どないところから、魔術師は傷つけるのが目的ではないと見える。ただ、街の人々が普通の祭りでは見られない熱狂の仕方。西区だけでも熱狂的で盲目なほどの祭りへの夢中具合がソルセリア全域に及んでいる。そう、それはまるで―――

「何かから離れさせているような…。…ま、意図が何か。それが分かれば何とか止める手段が見つかるやもしれんのう。民が興奮で倒れる前に、どこかでその魔術師と会えたら良いのじゃが。」

 「いったいどこに居るのか…」とまるで民を心配しているかのように話すが、本当の所は人の事より自身の商売しか考えていなかった。何時までも終わりの見えない祭りで客もぱったり来ない。客が来なければ店はあがったりだ。そして例の無機質の売り子の様に気前よくタダで薬をやるほど、チコは優しくないのだ。

 茶はできあがっていた。急須から二つの白い小さな湯のみに注ぎ、ふわりと優しい香りのするそれをノクスに差し出す。
祭りは好きだが、これ以上夫から継いだ商売の邪魔になるのならただの煩い馬鹿騒ぎに見えてしまうな。そう、内心苦笑を洩らしながら少しほろ苦い茶に口付けた。


>>ノクス・トリスタン、周囲ALL

27日前 No.510

ナトリウム @asdpoi556 ★sqxSbCXnmh_keJ

【リリィ・フォーマルハウト 中央区】


「ええ。かしこまりました。」
多趣味なリリィはともかく、よくよく考えてみればソルセリア育ちの人間の多くは日本という文化を知らない。故に名称を言われてもピンとこないのは通りだろう。ルシエラの言葉にリリィはそれもそうかと思いながらもルシエラの「お礼」という言葉に反応して口角がニタァと吊り上がる。目論見どおりにコトは進んでいる。あとは適当なタイミングでアルカナとカミングアウトしフォルツァ家当主に口添えしてもらう。リリィ含めフォーマルハウトの面々は交渉は下手。新しいフォルツァ家当主に直接申告したところで待遇の改善がなされるかは疑問。だがここでフォルツァ側のアルカナに口添えさせればアルカナの顔を立てる必要があり自ずと待遇がよくなるだろうと画策したのだ。彼女ルシエラとはあって一時間程度の間柄だが、一方的にフォルツァ側のアルカナであるとこちらは確信している。

「まァ、流石にアルカナ持ちとなれば私の脅威にはなりえますがね。おや?」
ルシエラの視線の先を追ってリリィもまた彼女の見ている方向を見る。そこには髪も肌も服も真っ白な『知り合い』がいた。運び屋ヤン・フェイ。彼の使う魔術はリリィから見て戦術的価値が高い。何とかこちらにスカウトしたいが毎度断られてしまっている。

「おやおや。あれは運び屋のヤン・フェイ様ですわね。……知り合いと言えば知り合いですが、祭りを一緒に巡るほどの仲ではありませんわ。どうにも、嫌われていましてね。それに、ルシエラ様にしていただきたい『お礼』が私にはありましてよ。」
現状、ヤンに対して有効となるナニカをリリィは持っていない。故に今うまくいっているであろうルシエラと仲良くなる方がやりやすいとリリィは判断した。

>>ヤン・フェイ様 ルシエラ様

26日前 No.511

バカラ @bakara ★iPhone=uLgJlqiFdd

【ヤン/中央区】

「えらく冷たいやないですか」

 いつも通りの軽薄な笑みを浮かべ屋上から飛び降りた。
 高さは20数メートル。そこから飛び降りようものなら骨の一本でも折れるのが当たり前だがそれはそれ。お得意の手品である。
 今回のタネも至って単純。擬似的に重さをないものとして扱う*v@。海の向こうの大陸が発祥の魔法であり体術と併用して使われる。強い魔法ではないが汎用性が高いヤンのお気に入りの一つだった。
 軽やかに着地すると前を向く。丁度リリィの目の前に立つ。身長差は20センチほどあるが向こうもそれは気にしないだろう。

「別に君のこと嫌うてないよ。僕は」

 眉ひとつ動かすことない笑みからは真意は伺えない。
 ヤンはその場でくるりと回り今度はルシエラの方を向く。

「どうも。さっきこの子が話してくれたけどヤンといいます。仕事は運び屋で…まあ、色んなもんを運ばせてもらってます」

 なんかあったらよろしゅうお願いしますと締め手を差し出す。握手のつもりだろう。
 が、その手はすぐに引かれた。そして思い出したように口を開く。

「そうやった。ちょっと君たちに教えとかな思うことがあったんよ」

 軽快な、そしてどこか軽薄な口調で続ける。

「どうせ君たちもこれがただの祭りやのうて魔法の効果や言うことは察しがついとると思う。
 けどな、ちょっとまずい事が起こったんよね。端的に言えば祭りを邪魔する魔術師が出始めた。それもあちこちや。一応は想定内の行動なんやけど奴さんの対応が早くてな。
 まあ、何が起こるかは目の前見たら分かるわ」

 そう言って指差した方向からは人形が数体、こちらに向かって走ってきている。とうに辺りに人影はなく無人の出店が並ぶのみ。異様な光景だった。
 尤も人がいないのはヤンの魔法によるものである。曰く無意識に寄りつきたくないと思わせる魔法≠セそうだがリリィ達に効果が見られないところを見ると、魔法を使えない人限定の効果のようだった。

「こんな感じで襲いかかってくるみたいやけど、僕と手組まん? これでもサポーターとしては優秀やと思うよ」

》リリィ、ルシエラ

【全然問題ないですよ! むしろいきなりのバトル展開で申し訳ないです】

25日前 No.512

ぴーぴーけー @ppkppk☆ErEBsPNY5g.j ★iUcwHsnoGa_rxQ

【アイシャ・ノワール/北区/廃墟ビル上→寂れた路地】

「はい、私も同じ気持ちでございます。…ですが、この住民の熱狂ぶりは…少し度を越しているのではないでしょうか。」

柔和な笑みをたたえたまま、メルヴィル様は「素敵な魔法」とおっしゃいました。私も同感でございます。お祭りというものは、まさに住民を笑顔にするためのものですから、その基準で測定するならば今の街の見た目はまさしく「大成功」と言えるものでしょう。ですが、魔法人形である私にも伺えるこの違和感。もう少し近くで観測する必要がありそうです。

「かしこまりました、お心遣い感謝いたします。それではお先に失礼いたしますね。」

さすがはメルヴィル様です。先程の私の跳躍における目測の見誤りを見抜かれてしまったかもしれません。いつもの穏やかな笑顔の中には常に冷静な判断力をお持ちのお方です。やはり旦那さまが信頼されるだけはあります。夜ですのでなるべく音を立てないように跳び、無事に屋敷の前の寂れた路地の地面に着地することができました。メルヴィル様が降りてくるのを待ちつつ、ふと先程の屋台の方を伺います。屋根の上よりもわずかに強くなった刺激が嗅覚センサーを刺激しています。成分としては人体に影響のないものと予測されますが、念のため確認はしておくべきです。もしかしたら以前旦那さまとテレビで見た「たこ焼き」なるモノの香りなのかもしれません。あの時も旦那さまは「なんだアイシャ、あれ食べたいのか?(声真似)」と笑いながらおっしゃいましたが、けっしてそんなことはありません。ただ珍しい料理だったので、少し興味を持っただけです。なのに先程はメルヴィル様まで、「行きたい場所とかあるかな?(声真似)」と…困りました。けっしてそんなことはないのに、まるで子供扱いです。私だって設定されている肉体年齢は20歳なんですからね。人間だったらお酒だって飲めてしまうんですから。とにかく、今はメルヴィル様が来るのを待ちながら、目的である屋台の方に向き直ります。


……「たこ焼き」…どんな味がするのでしょうか…。。

>>フィアーバ・メルヴィル様、周辺ALL

【後編も近いので少し簡潔になってしまいました、申し訳ございません。
イベントが後半に突入しそうなので、メルヴィル様のレスでもし移動が必要になりそうでしたら一緒に移動させてしまっても構いません。】

>>雪鹿様

25日前 No.513

ぴーぴーけー @ppkppk☆ErEBsPNY5g.j ★iUcwHsnoGa_rxQ

【ノクス・トリスタン/西区/薬舗『呵々堂』】

彼女は慣れた手つきで茶の準備を進めていく。その姿は、目が見えていないなどとは到底思えないほど。それだけ自分の住まう家のことは感覚に深く染みついているということだろう。嗅覚や音の反射、空気の流れ等によって、ことこの家に関しては目よりも詳しく把握しているのかもしれない。

「ああ、生半可な規模じゃない。俺も職業柄、心理学の知識はある程度は持ってるつもりだが…効果の発現が急すぎる。薬剤で集団ヒステリーを引き起こすことも可能っちゃ可能だが…。ただ、薬に関してのことだ。婆さんならわかるだろうが、これほどの規模ですべて同じタイミングで発現するようなものの原因が『薬剤』とは到底考えられない。」

彼女に頂いた食事をはくはくと夢中で口にする猫に視線を落としつつ、脳内で思考を絶やさぬままに言葉を紡ぐ。おそらくは彼女も同じことを考えているのだろう。長く生きていることで身についている落ち着きなのか顔色こそ変えはしないが、常にどこかで警戒は怠らない。そんな冷静さとしたたかさこそ彼が彼女を信頼している点でもあった。続いて彼女が述べた「こちらの視点の誘導を狙っているのでは」という考えには心中でなるほどと感嘆しつつも、先程自宅前で彼女を迎えた時のことを思い出し、それ告げることにした。

「…さっき診療所の前で婆さんを迎えた時、俺は住民と軽くぶつかったんだよ。別にそれはこの人の混み様なら怒るようなことでもないんだが…今思い返せば、あの時の違和感が頷けるよ。あの時の住民…俺にぶつかったことに気付いていなかった、というよりも、まるで祭りに夢中でそれ以外を認識していないかのような…心ここにあらず、と言ったところか。」

少し前の記憶をたどり自らの見解とともに説明しながら、渡された湯呑をいつものように「悪いな」と小さな礼を返しながら受け取る。立ち上る湯気に視界に映る猫の姿が隠れ、また現れる。優しくも芳醇な香りが緊張を解いてしまいそうな安心感を与えるものの、依然変わりなく張りつめた軍で培った警戒心は彼自身の脳にさらなる思考を巡らせる。

「ただの祭り好きの魔法使いが一連の犯人だとするなら、現状の一面だけを考えればさもただの悪戯にこそ見えるだろうよ。だが……」

淡々とそう言って、渡された茶をすする。そしてわずかに一息をついたのちに虚空から家主に視線を移し、小さな、かつ核心的な疑問を投げかける。

「……この祭り、『いつ終わる』…?」

>>チコ様、周辺ALL


【イベントが後半に突入しそうなので、チコ様のレスでもし移動が必要になりそうでしたら一緒に移動させてしまっても構いません。】

>>くら子様

25日前 No.514

有栖川 @hananomi☆Mwp.W.uiBT6 ★5tuXai74if_Onj

【 南区 / 港 倉庫裏 / ドミニク・フォン・ティルピッツ 】
 何が思い違いだったのか、という事について、エレノアは思った以上に懇切丁寧な言葉を返してくる。曰く、自らを消耗品と思いそのように扱え、と。確かにそれは、一般的には正しいのだろう。何せ、今相対しているのは犯罪者と警察官なのだから。しかし、ドミニクは必ずしもそれに賛同しない。

「さて、な。少なくとも俺が求める人材は、お前さんが思っている以上に居ないものでな。替えが効くとは思えんのだ。それに―――幸か不幸か、俺が内心で何を考えていようとも職務の遂行は出来てしまうからな」

 少なくともドミニクにとって、今のエレノアは消耗品ではない。そう告げたうえで、今から始まる協力関係がどのように進んだとしても、全てが終わった後には手錠をかける、と。暗にそうエレノアへとほのめかす。
 自分が自らの『正義』という観点において最善の行動が出来ているか、という事を考えれば、これは必ずしも最善の策ではないのだと思う。しかし、そもそも三年前に妻を失った時点で最善の策などというものは取れなくなっているのだから、次善三善の策を取らざるを得ないのだ。だからこれでもいいのだ、と、決して間違った事をしていないのだ、と内心で自らを安心させる。

「そうだな。明らかにこの辺りの物ではない、恐らく東洋の物だろう。一見すると全てが無害だが、それ故に怪しい」

 エレノアの、祭りへの不信感の言葉に頷いて見せる。先ほどレヴィから貰った甘味は確かに美味い類の物ではあったし、未だに毒の類が体で暴れはじめる気配もない。だが、このようなことを完全に善なる気持ちでやっている魔術師がいるのかといわれると疑問符が付く。そもそも、このレベルの魔術を延々と行使していつまでも平気でいられるとも思われない。術が解けるタイミングで何が起こるか、という事も警戒を要するだろう。
 そのような事を考え込んでいたために周囲への警戒がやや薄れてしまっていたためか、潜んでいる何者かへの対応がエレノアよりも遅れることとなってしまった。

「正義の味方、といったな。しかし警官でもなく、そう言った類の物を目指している様子もないな。
 本筋を逸れるが敢えてこの場で問う、お前の正義とは何だ」

 エレノアの言葉に呼応する形でオズワルトが自らの名と共に口にした言葉は、ドミニクにとって聞き捨てならないものだった。少なくとも、『正義』の名を標榜し、それに恥じぬようにと行動している者にとっては。
 それ故にドミニクは、エレノアを必要以上に待たせることになるとは思いつつ、オズワルドに対してそう問いかけたのであった。

>>エレノア・ファインハルス、オズワルド・ロバーツ、周囲all

【遅くなってしまい申し訳ありませんー】

25日前 No.515

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

【花表樋代/北区:とある路地裏→移動】

ひゅ、と。何かが風を切る音が聞こえた後に、ごとりと地面に何か重みのあるものが落ちる音が響いた。そして、ざり、ざりと地面を踏みしめる音。

「……哀れな」

少女━━━━花表樋代の顔に浮かんだ表情は、なんとも悲しげなものであった。形の良い眉尻を下げて、地面に転がった“それ”を拾い上げる。“それ”の周りにいた人形たちは、樋代が“それ”を手に取ったのを確認するとうやうやしい仕草で後ろへと下がった。
樋代が手にしたもの、それは人間の男の生首であった。ただ驚きの表情を浮かべたまま息絶えたそれは、未だ切り口から血が滴っている。故に樋代の纏う巫女装束も彼の血で赤く濡れていく。それでも樋代は生首を捨てたり人形に手渡したりすることなく、じいっとその顔を見つめていた。何も言わず、ただただ悲しげな顔つきで、生首を凝視する。

「もし、もし仮に、そなたが術者の類いでなかったのなら、妾の祭を楽しめていたやもしれぬのに。術者であったが故に妾に逆らい、この祭を破壊しようとしたのだな」

樋代の黒い瞳がす、と動く。その先には壊れた屋台と、ずたずたに引き裂かれて見るも無惨な姿となった二体の人形があった。恐らくあの屋台を経営していたのがあの二体の人形なのだろう。しかし何者かによって屋台と人形たちは破壊された。使い物にならないくらいに、完膚なきまでに蹂躙された。

「妾が望むは万人の幸福。その中に術者も入れるつもりであった。嗚呼そうだ、妾は皆を愛したい。皆を幸せにしたい。そのために祭を開いたのだ。誰でも分け隔てなく、平等に幸せになれるようにとな」

樋代はあれほど大切そうに持っていた生首を、いとも簡単に、そしてひどく素っ気なく路上に投げ捨てた。ごろり、と転がっていった男の首はもともとくっついていたのであろう彼の胴体のもとへと行き着く。首が離れた血まみれの遺体が転がっているというのに、路上を歩く通行人はそれを気にせず祭を楽しんでいる。もともと遺体などないかのように、されど遺体を避けて歩いていく。破壊された屋台には目もくれずに、まだ機能している屋台ばかりを見ている。その光景は明らかに異常としか言い様がなかった。

「……嗚呼、まただ。また、我が僕が壊されている。術者、術者の仕業だな」

ぼんやりと、何処か遠くを見つめながら樋代は譫言のように呟いた。己の魔力から生み出したものの情報は一通り共有出来るのであろう、樋代は遠くで屋台、もしくは人形が壊されていることを把握していた。つ、と樋代の瞳から一筋の涙が伝っていく。

「いらぬ殺生は好まぬが、この際仕方あるまい。この男のようにいちいち妾の手で葬っていくのも無粋というもの。術者、術者を攻めよ。邪心なき術者ならばそなたらに襲われたとて反撃はして来るまい。反撃をした術者は、皆殺すのだ」

樋代が言い終わるか言い終わらないかのうちに彼女の周りに幾つもの人形が現れた。彼らは樋代の言葉を聞くと各々がぎこちない動きで東西南北に散っていく。人形たちの背中を見送りながら、樋代は酷く冷たい目をして空を仰ぐ。陽が沈みきった魔都の空。普通なら暗いはずのそれは、祭の喧騒に照らされて不思議と暗く感じない。


「万人に幸福を。そのためならば、術者でも鬼でも殺してみせよう」


ぽつりと、誰にも聞こえないような声音で樋代は呟く。そして何処へとともなく、彼女はおもむろに歩を進めていった。その行く先を知る者は、まだ此処にはいない。

>>all様

【大変お待たせいたしました、これよりイベントの後半パートとなります!こちらでは戦闘がメインとなりますので、どうぞお子様たちを暴れさせてやってください!樋代についてはまた頃合いを見てレスを投げさせていただきます……!】

25日前 No.516

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

【梓橋那由多/西区:大通り】

どうやらソフィアの運営している孤児院は北区の中では有名なものらしい。薫香の反応を見て那由多も内心でなるほどとその話に聞き入る。リリイホルム孤児院。北区の孤児院と言えば人体実験や密売紛いの行為に手を染めるものも少なくはないと聞くが、このソフィアの運営するものはそういった類いの施設ではないようだ。あいにく那由多は北区に私用で行くことはあまりないため、そこら辺の事情はよく知らなかった。けれど北区にちょくちょく出入りしているクルスなら知っているかもしれない。何でも屋に戻ったら聞いてみよう、と那由多は心の中で決めた。リリイホルム孤児院、リリイホルム孤児院と何度も心中で繰り返したのできっと忘れることはないだろう。

「……止める?」

そんなソフィアから止めないんですか、と問いかけられて、那由多は小さく首を傾げた。那由多としては別段メリアの仕事に口を出すつもりはないし、他人に迷惑をかけなければどうということはないものだと判断していた。それに仮にこの祭の首謀者に気付かれたからと言ってもこちらからしてみれば“それがどうした”としか言うしかない。だって此処は魔都だ。魔法に溢れ、魔術師が蔓延る都市なのだ。それをわかっていて首謀者はこんな祭を起こしたのだろう。何も知らぬまま、ただ“やりたかった”からこんな事態を起こしたというのなら、きっとその首謀者はこちらが何か行動を起こす前に死んでいる。ソルセリアという都市の特性を那由多はよく理解していたし、これまで数々の騒動に巻き込まれたり首を突っ込んだりしてきた目は伊達ではない。

「気付かれたからどうしたというのだ。もとよりこのような騒動を起こしたのだから、ソルセリアの魔術師から何らかの接触を図られるのは承知の上であろう。何もお前が心配する程のことではあるまい」

那由多はソフィアのことを横目でじろりと見つめながら、淡々とそう口にする。慣れというものはある意味恐ろしいもので、初めはいくら非日常であったとしても、いつの間にかその非日常が日常の一部になっているのだ。那由多とて慣れたかった訳ではない。しかしソルセリアに生きる魔術師ならば嫌でもこういった事態に慣れさせられる。いつ何が起ころうと、臨機応変に対応しなければならない。━━━━そう、いつ、何が起ころうと。

「━━━━!」

それは突然のことであった。那由多の頭上、正確には西区の娼館の屋根の上から、屋台を運営しているものと同じような人形がこちらに向かって飛び掛かってきたのである。手には恐らく那由多の祖先の故郷で使われていた武器━━━━いわゆる日本刀が握られている。あれで斬られたらひとたまりもないであろう。
故に那由多はこの人形を敵と見なした。手にしていた錫杖に憑依させていた陽炎をぶん、と一振りすることで解いてやれば、それはたちまちのうちに三叉の槍へと変貌する。アルカナの印が那由多の瞳に浮かび上がり、彼女の左目は黄金色に光った。槍を躊躇いなく斬りかかってくる人形に向けて那由多は振るう。勿論、周りに一般人がいないことを確認することも忘れない。薙がれた槍は人形の首をぼきりと折り、人形はぐしゃりと地面に倒れて動かなくなった。

「……何故、このような」

このようなことを、と呟こうとした那由多だったが、すぐに視線を周囲に走らせる。何処からともなく現れた人形たちが、無機質な表情のままにこちらに武器を向けている。どうやら囲いこまれてしまったらしい。唯一幸いと言うべきなのは、人形たちが祭を楽しんでいる一般人に見向きもしないことだろうか。

「……メリア。お前の為すことは私には関係のないことだ。だが、今この時だけであるならば、私はお前と行動を共にしよう。……本来なら破壊するつもりはなかったが、攻撃を仕掛けられては仕方あるまい」

三叉槍を構え直して小さく金属音を鳴らしながら、那由多はメリアにそう答える。つまりは一時的な共闘という訳だ。きっと似たような職業に身を置くメリアであればわかってくれるだろう、という確信を抱くが故の答えである。もしも彼女がただのか弱い少女だったのなら、那由多の対応も大きく変わったであろう。

「……お前たちはどうする?お前たちがどう動こうと私は構わん。私にお前たちの行動をどうこう言う権利はないからな」

次いでサニタや薫香、そしてソフィアに視線を遣ってから那由多はそう告げた。仮に彼らがこの場から逃げようと、那由多は決して恨みも後悔もしないだろう。もとより那由多は彼らを戦わせたい訳ではないのだから。

>>メリア様、サニタ・フォーヤン様、琥薫香様、ソフィア・リリイホルム様、周辺all様

25日前 No.517

漆黒の冒険者 @andouken ★BxGXTrkAtu_UHY

【ベリアル:移動中⇒西区:/薬舗『呵々堂』】

 東区での騒ぎの後共同公園に来たベリアルは先ほどの令嬢と少女の姿を見るも少女がかの名家に関わる者としり
先程の青年の様な真似を彼女等がするまいと思い通常モードに再度移行し西区の清掃しつつ情報収集を始めた
何でも大通りから見える目と鼻の先で大騒ぎをした者がいるとかいないとかその調査を並行してこの騒ぎについても
調べないくてはならなかったが通常モードのベリアルは清掃職員も大変だなとため息を漏らす

「おや?ここは薬屋?へぇ〜こげん店があったんや知らんかったな」

 何気なく自身の中の地図になかった薬屋だろう店を見ていると中から声が聞こえる
聞こえていた内容からしてこの騒ぎについて何かを知っているように思えたが、犯人とも思えない
 とにもかくにも入って見てみる事にするもバーサーカーモードの人格が表に出る
彼女達が犯人とは思えないが念には念を入れよという奴だ

「御免。店主殿はおられるか?」

 店に入ると中に居る者達に声をかけたが、果たして話を聞けるだろうか
あわよくば良い薬を手に入れればよいのだが、この騒ぎただでは済まない気がしてならなかった。




>>ノクス・トリスタンさま、チコさま

【絡ませてくださいね】

25日前 No.518

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★YRuDhSwQ0p_rxQ

【 西区 / 大通り / 琥薫香 】

 良かれと思って口にした言葉はソフィアの地雷を踏んでしまった。それくらいは表情の変化で感じ取れる。しかしここで謝ってしまったなら、彼女に『気付いたことを気付かせてしまう』から結果的に余計なストレスをかけてしまう。故に薫香のとった選択は気付かなかったフリ。幸い自分は常日頃から水商売の女みたいな格好をしているし、頭の軽そうなオーラでも振り撒いておけば向こうもあの娘は鈍いんだとスルーしてくれるはずだ。それにしても、釣られてサニタまでどんよりした空気を纏っているから重苦しい。周りはお祭りムードなのにあそこの二人だけ葬式ムードではないか。

「むしろ気付かれたほうガ、事態が進展して良いかもしれないワよ? それにホラ、今はお祭りの時間なんですもノ。はしゃいだって許されるワ!」

 止めないのかと進言するソフィアに陽気で軽薄で適当な返事をしておく。サニタはメリアが建物も民間人も傷付けず祭の邪魔などできるのか、と訝しんでいるが、ぶっちゃけてしまうと薫香だってメリアとは今日が初めの対面だから出来るかどうかなんて知らない。一発で分かったらエスパーかそういう魔法の担い手だ。身体強化で視力をパワーアップしたって心までは覗けない。
 魔法を用いて次々と店番人形らをジャンク品に堕としていくメリア。しげしげとそれを眺めつつ、真隣にあった屋台から小銭と引き換えにふんだくった綿飴をぺろぺろ舐める。甘くて美味しい。ただの砂糖でも祭で食べるとスイーツに昇華される。那由多はメリアに手伝いを申し出られているが、彼女の性格を考えると引き受けるかは微妙だ。仕事としてなら快諾されるだろうが……。
 那由多の顔色を目端に窺いつつ、手中の綿飴を半分ほど平らげたところで。

「――あラ、殺気」

 自分ではない。近くの那由多に向けられた殺気を感じ取り、ステップを踏むような足取りで軽く彼女から距離をとる。それから一秒未満の後。空高くから降って来たのは、日本固有の武器である刀を手にした人形。外観は店番をしている者らとほぼ同一。さりとて用途は違うと見た。これは戦闘用ドールとでも記すべき代物。しかしながら。

「ま、那由多チャンにその不意打ちは効かないわよネ」

 いとも容易く奇襲を退けた那由多を見て、当然とばかりの笑顔で独り言をこぼす。過去の仕事で自分と接戦した女がこんな木偶の坊に負けるものかよ。黄金に光り輝く紋章を宿した那由多の左目が、祭提灯に照らされなおも鮮やかに煌めいた。さて。この流れだ、襲われるのが彼女一人ということはあるまい。ただ一番手が彼女だっただけ。これからは、きっと自分や他の三人も攻撃対象に含まれる。無数に湧いて来る戦闘人形どもの敵とみなされる。

「民間人ヲ殺すのは虐殺だけど、兵士を殺すのは戦争ヨ。偶、虐殺は好まないけド戦争は得意」

 返事になっているような、なっていないような。なんとも曖昧な宣言をウインクと共に那由多に繰り出し、ヨーロッパの面々にとっては未知の得物だろう九環刀を二つ手にした。どこから取り出したのか。もちろんチャイナドレスの下だ。師父がこさえてくれた珍しい折り畳み式の九環刀なので、こんなに足元の防御力が低い格好をしていても余裕で持ち運べる。刀背に九つ並んだ穴に通った金属の輪っかがしゃらんっと音色を奏でた。それは九環刀が振るわれた証。次の瞬間、常人の目には止まらぬ速さで一体の人形が真っ二つに分かたれた。人であれば死んだとはっきり判定できる有様を呈する人形。犯人は当然薫香。その上、彼女の肉体はまだ光り輝いていない。是即ち素の剣技で人形を屠ったということだ。

「偶、魔法を使えば超人ヨ。でも、使わなくても達人なノ。舐めてかかると痛い目見るわヨ?」

 赤い唇の上をもっと赤い舌が艶めかしく通り過ぎる。隙を感じさせぬ構えで二刀を手にした薫香は、色香妙にして殺意豊かな艶然とした笑みで剣舞を開始した。ただし肉断ち骨斬り血沸かせる、標的ありきの実践的剣舞。鋭い切っ先が涼しげな音色と共に一閃される。見世物のごとき華やかさの剣技が見世物として成立せぬ速度でお披露目される、その勿体無さが一周して素晴らしく贅沢だ。

>サニタ・フォーヤン様&メリア様&梓橋那由多様&ソフィア・リリイホルム様&ALL様

25日前 No.519

バカラ @bakara ★iPhone=uLgJlqiFdd

【ソフィア/西区 大通り】

『むしろ気付かれたほうガ、事態が進展して良いかもしれないワよ? それにホラ、今はお祭りの時間なんですもノ。はしゃいだって許されるワ!』

「それは…、そうかもしれないですけど、」

 軽快な口調で話す薫香への抗議は最後まで言われることはなかった。娼館上から飛び出してきたのは屋台を営んでいた人形。しかしその手には鈍いきらめきを放つ刃物が握られている。

(っ?!)

 咄嗟にサニタを庇うように前に立つ。仮にソフィアが傷付いても魔法を使えば治癒は難しくない。だがサニタは違う。

(サニタくんは魔法が使えない! ここはわたしが守るしか…!)

 握りしめた拳に力を込める。筋力増強。細胞そのものを変質させおよそ常人の数十倍まで跳ね上げると迎え撃たんと構えた。
 が、幸いにも人形は那由多により首を折られ地に伏せる。達人並みの技の切れ。ソフィアではあそこまで鮮やかに決めることはできない。
 薫香は言わずもがな、先ほどから人形をどうやってかは分からないが切断しているメリア、そして那由多。この三人は人形相手でも引けを取らないだろう。

『……お前たちはどうする?お前たちがどう動こうと私は構わん。私にお前たちの行動をどうこう言う権利はないからな』

 那由多は問う。彼女の口調からは逃げても構わないという言葉が暗に込められているようであった。
 確かに逃げるのも一つの手だ。ソフィアなら逃げ切れる。
 だがここで逃げてもし子供たちが襲われたら。その考えがよぎった時点でソフィアの取る手は決まっていた。
 エプロンのポケットから煩雑な紋様の描かれた一枚の札を取り出し魔力を込める。札は緑の炎に包まれ灰と化し、代わりに人混みが目に見えて減っていく。人々は祭りに浮かされながらも足早に去り、またこちらに来ることなく曲がって別の道へと行く。

「…お世話になってるおじさんからもらった物です。これなら犠牲者は出ないですよね」

 本人が聞いたら怒りそうな呼び方はさておいて。
 大きく息を吐くと飛びかかる人形の頭を掴む。人形は手にした刀で斬りかかろうと振りかざすも遅い。力任せに握りつぶした。力任せのアイアンクロー。恐らくこの場において単純な筋力であれば随一のソフィアだからこそできる荒技だ。
 顔が砕け力の抜けた人形を床に放り那由多の質問に答える。

「わたしも戦います。あの子達に危険が及ぶなら全力で止めるだけです」

 そしてサニタの方を振り向いて微笑みかける。

「ちょっと待っててね。サニタくん。すぐに片付けるから」

》サニタ、那由多、薫香、メリア、周辺ALL

25日前 No.520

癒しの炎 @kaizelkai ★VwxWcbHAbI_mgE

【 西区 / 大通り / サニタ・フォーヤン 】



 メリアが人形を次々と人形の各部を切断する。穴を作って、別の所に出口を作るという感じなの魔術なのかと納得する。色んな所に穴を作って、便利そうだと思うがその穴を閉じると通ってある物体は綺麗に切断されている。あれが人間の手足だったら、間違いなく切断出来るだろう。歩いている時、地面に穴を作り、そこに足が入ってしまったら、回避しないと切断されてしまう。自分がやられるだけ想像すると、恐怖で背筋が凍りつく。洒落にならない人体切断マジックである。
しかし、人形の手足を切断しても周囲のお祭りを楽しんでいる人々はその異変に気づかない。



「 やっぱり洗脳と変わらないなぁ……――!? 」



 祭りを楽しむ事が出来ない状態は、人の心を操る魔術と変わらない。やっぱりこの状況を打破しないと思っていると更なる異変は起きた。西区の娼館の屋根の上から、屋台を運営しているものと同じような人形がこちらに向かって飛び掛かってきたのである。手には緩やかな曲線の刃物、日本刀が握られている。人形を壊されたから、今度は自分たちを壊しにきたのだろうか。
 しかし、梓橋は錫杖を一振りすると、それはたちまちのうちに三叉の槍へと変貌する。アルカナの印が彼女の瞳に浮かび上がり、彼女の左目は黄金色に光った。あれがアルカナの印なのかとじっくり見る。続けて、琥薫香はチャイナドレスの下から刀身の広い刃物を取り出す。そして、目にも止まらぬ剣技で人形を真っ二つさせた。二人の何でも屋は話に聞いてた通りに、かなりの戦闘技術があるのが改めてわかった。




「 おおー、梓橋さんも薫香も凄いし、綺麗だなぁ。 」



 鮮やかな剣技、見事な技前に軽く拍手を贈る。着飾る事のなる無骨で不動の梓橋と艶めかしく、見ても飽きない薫香は対比が見られ、どっちも綺麗だなぁと思ってしまう。こんな二人がいると、自分の出番なんてないかなぁと思っているとソフィアが自分の前に立った。そしてまた現れる戦闘用の人形。離れろと言おうとした瞬間、ソフィアの手が風船のように膨れ上がった。




「 ソフィア、その手って……? 」



 驚いた、まさか彼女も魔術が使えてるとは思ってもなかった。数年経つと色々変わっているものである。飛びかかる人形の頭を掴み、人形は手にした刀で斬りかかろうと振りかざすも遅く、力任せに握りつぶした。まるでひき肉を細かく揉み潰すように。何でも屋二人に対して、こちらは単純な力押し。えげつない、これはソフィアに殴られたら怪我じゃ済まないだろうなぁと思った。




「 あ、あぁ……ソフィア、危ないッ!! 」



 微笑みを浮かべるソフィアに返事をする。何処か覚悟を決めた彼女の姿は、やはり色々あったのだろう。躊躇なく魔術も使えて、しかも当たり前のように使えている。
 振り返ってこちらを見てる彼女の背後に新たな戦闘用の人形が現れる。呼びかけるが、このままでは彼女は斬られてしまう。もう自分が魔術を使えることを隠す必要はない。意識を集中させ、彼女の背後から襲いかかる人形に走った。


――願う、幼なじみに降りかかる火の粉を払える力を。

彼の背中に一本の長剣が出現し、それを掴み、抜いた。





「 …… 」





――それは一瞬の出来事。
襲いかかってきた人形の頭部は真横に斬られ、動きが止まる。足の動き、手の動きはまるで歴戦の剣士を思わせるような動き。ただ疾く、ただ鋭く、敵を斬った。
それを観せたのは黒髪の青年。手には黒い長剣が握られており、刀身が熱しられた鋼鉄のように淡く紅く輝いている。柄や持ち手には鱗状に浮き彫りとされ、全体的に龍を思わせる意匠になっている。背中には右肩側に出るように鞘が装備されてる。
 明るかったその表情は冷血無比と思わせる冷淡な表情に変化していた。




「 ――まさかソフィアも魔術が使えてるとはなぁ、驚いたよ。 」



 冷淡な表情はすぐに明るくなり、ソフィアに向けて笑顔を浮かべる。自分の魔術のことよりも、彼女が魔術を使える事に驚きを示す。


>>ソフィア・リリイホルム、梓橋那由多、琥薫香、メリア

24日前 No.521

くら子 @kura003☆pak20/nYiv6 ★wyf4VWw0x0_rxQ

【チコ/西区/薬舗『呵々堂』】

柔らかい香りのお茶を飲みつつ『たこ焼き』を一つ摘まむ。うん、後味あっさりのお茶を選んで正解だったようだ。

「何とも言えぬな…。まあ分かる事は、暫くは…いや当分終わらないじゃろうな。」

 尚も聞こえる愉快な祭り囃子に耳澄ませ、お茶を一口。終わる気配はまだまだ見えない。
例の魔術師が姿を現さないのなら騒ぎを起こして呼び寄せることも一つの手だろうが、それに応えるとも限らないし、浮かれる住民の熱狂に掻き消されそうだ。何か行動に起こすべきなのだが、魔術師の情報が不明確すぎて今の所これといった妙案は思い浮かばない。それなら、相手が姿を現すまでじっと待っていよう。詰まるところ、面倒ということなのだ。

 もう一つと、『たこ焼き』に伸ばした小さな手は、突然察知した人の気配で止まる。
開いた扉から聞こえた声から男性と判断。聞こえる高さから、これはまた随分と高い背の持ち主だ。口調はともかく怒気を含んだような『匂い』に“常用者”かと思考するが、それ特有の“匂い”がしない。なら、ただの客人だろうか。いや、『ただ』の客人ならここには来ない。来るはずもないのだ。すると、必然的に彼は魔術師と断定することができる。とはいえ、今までの例の魔術師の行動傾向から、危害を加える者ではないと分析している。すると怒気含む彼は例の魔術師ではなさそうだ。

「いらっしゃい、魔術師殿。わしがここの店主じゃが、なにか用かえ?そんなにかっかせずとも聴いておる故、機嫌を直すがよかろう。」

 一般人、魔術師、怒れる者も、暴れる者も、長年この仕事に就いていると日常茶飯事。仮に彼が例の魔術師だとしても、特になんと思わずその男性を迎え入れた。何かあればノクスが何とかしてくれるだろうと、悠著に構え、微笑む(実際に彼は護ってくれるだろう)。

 だが、その余裕の笑みは降ってきた無機質な音で掻き消された。開いた扉の外から聞こえる売り子と同じ無機質な物体の行進の足音。だが、纏う雰囲気は既に売り子と同様のものではない。それも、かなり、物騒な『匂い』だ。

「あー……失礼。客人。あれは、うぬの御友人かのう?」

 内心予想外過ぎて、驚きが一周回り、逆に落ち着いた口調で音に指差し問いかける。
ノクスと二人で分析して出た『危害を加える者ではない』という仮説が崩れ、途端に目の前の男性が怪しく見える。まだ、断定できないが用心して少し距離を空けた。


>>ノクス・トリスタン、べリアル、周囲ALL


【絡みありがとうございます。バーサーカーモード人格の解釈違いがありましたら申し訳ないです!!チコも怪しんでいるという返しになってしまいましたが、よろしくお願いいたします…!】
>>漆黒の冒険者さま

24日前 No.522

ルシエラ @mistydark☆NIljAHmRyhk ★Android=GaTaMXF8bf

【ルシエラ/中央区】

 お礼という言葉に、リリィは期待通りの反応を返してくれた。一瞬でつり上がった口角から察するに、彼女が何かしらを期待しているのは明らかで、ルシエラとしてもその何かをカードに出来るのは有り難かった。
「ワタクシ如きに出来ることがあるのなら、後でゆっくりお話を伺いますわ。でも、取り敢えず今は」
 しかしそこで、再びルシエラの視線は上がる。ゆうに20メートルはあろうかというビルの屋上から降ってきた件の男性は、あらゆる物理法則を無視して軽やかに着地した。
「ヤン様にご挨拶申し上げねばなりませんね。ワタクシ、ルシエラと申します、以後宜しくお見知り置きを」
 リリィから運び屋と紹介された彼・ヤンから差し出された手を躊躇いなくルシエラは握り返す。今のところ特に運んでもらいたいものはなかったが、人脈は広げておくに限る。

 尤も、初対面の二人が親交を深める暇など、与えられることはなかったのだが。

 ヤンが指差した方向から、此方に向かって駆けてくるのは二人の――否、二体の人形。彼の言葉を信じるのならば、このお祭り騒ぎを作り出した元凶が差し向けた刺客らしい。
「これはこれは……のんびりお祭り見学とは行かなくなってしまいましたねリリィ様。ヤン様もこう仰っていることですし、此処は一つ、とっとと無粋な邪魔者を蹴散らしてしまいましょう」
 幸か不幸か、あれほどまでに賑わっていた筈の雑踏は、今は遥か遠くにしかない。まるで世界にルシエラとリリィとヤンの三人と、人形だけが取り残されているようだ。
「……全く、この間のお子様といい今回の人形といい、操られて無差別に人を襲うしか能がないのかしら?」
 今にも自分達に攻撃を仕掛けんばかりの勢いで迫ってくる人形を、ルシエラは顔色一つ変えずに見詰めている。しかしその手には、いつの間にか一本の鎖が握られていた。

>リリィ・フォーマルハウト様、ヤン様、周辺all

24日前 No.523

ナトリウム @asdpoi556 ★sqxSbCXnmh_keJ

【リリィ・フォーマルハウト 中央区】

「やれやれ。何度か勧誘したのにいいお返事はいただけていないものですから……てっきり嫌われているのかと。」
ヤンからの嫌ってないという発言にリリィはわざとらしく指で目頭を下げ悲しそうな表情を『作る』。嫌いでなくとも好きではないだろう。いや、もしくはただ単に無関心なだけかもしれない。そもそもリリィの方もヤン・フェイという人間の魔術に大きな価値を見出してはいるが、人柄については、得体の知れないヤツという評価である。まぁ、リリィもロクに表情が変わらない顔と、ヘタクソな演技をしているかのような態度だし自分が言えたことではないな。そう心の中で自嘲し目頭から指を離す。ゴムのようにびよんとした挙動で元の上に孤を描いた目つきに戻る。


さて、ちょっとしたおふざけをし終えた直後、ヤンの口から興味深い言葉が聞こえ、彼の指さす方向を見る。こちらに向かってくる二体の人形。いつのまにやら祭りを楽しんでいる人間の姿がないこと、そして向かってくる人形の持ってる獲物――双眼鏡で確認したところ、血がべっとりとついた刀を持ったのが一体。相当初期の時代の銃(火縄銃)持ちが一体。どうやら魔術師を倒す程度の戦闘力はあるとみて間違いない。そして、ヤンとルシエラから共闘を持ちかけられる。返答は――

「そうですわね。魔術師三人が協力すれば不覚をとることはないでしょう。ですが――」
すぐさまゾンビ一号、控えさせているゾンビの中で一番ボロボロ(少し前にオズワルドの使い魔ガルラと戦ったため)の個体に指示をだす。一号はすぐさま自分の腹部からアサルトライフルを取り出しすぐさま人形たちに向かって弾丸を浴びせる。リリィの予想では身体の中心か頭部を破壊すれば停止する。その予想は的中し弾丸が頭部に命中したとたん人形共はがしゃがしゃと倒れ動かなくなる。この人形の弱点は頭部か。リリィのゾンビたち同様弱点であるコアを破壊されない限り元気いっぱいに動けるタイプの人形。このタイプは総じて人間よりタフ。オマケに倒してもそれを駒にしてやることもできない。今回は数が少なかったからまだしも多数でやってくるならちょっとマズいかもしれない。

「まだ刺客の数が少ないですから、チュートリアルがてらお二人の魔術を振るってみてはいかがでしょうか。戦術の相互理解というのは協力や連携をするのに必要なモノですわ。あ、それと。からくり人形たちは頭さえ壊せば動かなくなりますわ。」

共闘の答えはイエス。だが二人に戦力を見せろと要求した。
ヤンの多彩な魔術やアルカナであろうルシエラの魔術を見ておきたいとう打算もあるがそれ以上にリリィは『共闘するならしっかりとした連携』をとるために提案したのだ。丁度都合よく二方向から数体ずつ人形がやってくる。さて、二人はどのように戦うのだろうか。もし人形たちにやられるようなら共闘したところで役には立たない。お手並み拝見。そんな感じに二人を見るのであった。

>>ヤン・フェイ様 ルシエラ様

【しれっと仕切り出して申し訳ありません…!】

23日前 No.524

バカラ @bakara ★kanIEqkLWh_keJ

【ヤン/中央区】

『これはこれは……のんびりお祭り見学とは行かなくなってしまいましたねリリィ様。ヤン様もこう仰っていることですし、此処は一つ、とっとと無粋な邪魔者を蹴散らしてしまいましょう』

「様を付けられるような人間とちゃうよ、僕は」

 わざとらしい演技をするリリィにも言えることだが。そう内心で付け足すも表情はいつも通りの軽薄な笑みのまま。
 一度開いて手を握りなおす所作を見せればそこには一枚の札が指の間に挟まれている。たいした意味はない。ただの手品だ。リリィの戦闘を見てこの程度の余興は入れても問題ないと判断、実行したに過ぎなかった。
 札が燃え上がると同時に地面をけり疾駆する。自己加速魔法、流石に音速までは不可能だが人形よりははるかに早く接近する。

『まだ刺客の数が少ないですから、チュートリアルがてらお二人の魔術を振るってみてはいかがでしょうか。戦術の相互理解というのは協力や連携をするのに必要なモノですわ。あ、それと。からくり人形たちは頭さえ壊せば動かなくなりますわ。』

 リリィの声を背中に聞きながら間合いに入ると勢いを殺さず掌底。顎を正確に打ち抜くも破壊には至らない。しかし怯みはした。のけぞった人形の側面に回り込むと顔面を掴みそのまま地面に叩きつける。砕ける感覚が手のひらから伝わる。

(まず一体)

 人形の持つ刀を手に取ると背後より切りかかろうとした一体を振り向きざまに頭に刺せば機能停止。
 人と違い痛覚のない人形には鳩尾などの急所を狙っても意味がない。これについてはリリィの操るゾンビと差異はない。武装は東洋の島国で使われているものであり近接武器が主。集団で来られると厄介だが単体では脅威たり得ない。

「この程度やったら問題ないな。そっちも手伝おか?」

 迫りくるもう二体に札を投げる。一体は札が当たると同時に発火しその場に倒れ去る。もう一体も札の付いた頭部が一拍空けて爆散。これでこちらは片付いた。

(問題ないとはいえ、あのルシエラって子リリィ君と一緒で中距離が主体っぽいしなぁ。近接の乱戦はこっちが不利やろうな)

 ヤンが目にしたのはルシエラが鎖を握っていた様子だけであり、近接にも十分対応可能であれば話は別だが。しかし仮にヤンを考えが正しければこちらの弱点も出てくる。リリィはゾンビを操るネクロマンシー。本人の戦闘能力自体はそれほど高くはないだろう。ヤンは全距離に対応可能だが札が尽きれば魔法はほぼ使えなくなる制限付き。札に余裕はあるが敵の数がわからない以上格闘主体で戦うことになる。

「中衛2、前衛1ってとこかな…」

 誰にも聞こえないような声でつぶやく。状況は思った以上に芳しくないようだ。

》リリィ、ルシエラ、周辺ALL

【全然もんだいないですよ!】

23日前 No.525

ぴーぴーけー @ppkppk☆ErEBsPNY5g.j ★iUcwHsnoGa_rxQ

【ノクス・トリスタン/西区/薬舗『呵々堂』】

「このまま祭りが終わらなかった場合、熱狂している街の住民はどうなるんだろうな。」

 人間は持久力が他の生物に比べてケタ違いに優れている。42.195kmを給水のみの無休憩で、かつ3時間以内に走破できる生物は人間くらいのものである。とはいえ、無事に運動を続けていられる時間は無尽蔵ではない。この熱狂が半日も続けば確実に死者が出るだろう。終わる素振りを見せない祭りの熱気に怪訝な表情を見せつつ、渡された「たこ焼き」とやらに手を伸ばそうとする。しかしその時、突然の来客。その男の筋骨隆々な容姿や帯びたただならぬ雰囲気を一瞥した瞬間、自分の身体をチコの方に向けるように座り直し、かかとを浮かせ爪先を自分の身体の正中線直下に置き直す。運動の起点を重心の直下に置くことにより、何かあった際に一瞬でチコへと距離を詰めるためである。入ってきた男の身体からして、単純な力比べではまず歯が立たないだろう。とはいえ自分も元軍人であり、今に至るまで鍛錬も欠かしていない。いくら相手が速く動けようと、お互いの物理的な立ち位置からして、チコまでの到達時間は確実にノクスの方が早い。何者かは知らないが、考えなしに安心できるほど平和ボケはしていない。

「おーおー、えらく鍛えてんだなアンタ……。うらやましいこった……って、なんだあれは……!?」

 もちろんノクスは目の前の男を警戒していた。しかし「最優先の警戒対象」はすぐにその後ろにある、開いた扉の向こうの不気味な光景に移ってしまった。無機質な人形の行進。それを見た途端、瞬時に立ち上がりチコを背に隠す。店内のチコやノクス達から人形まではざっと15mほど。人形達はまだこちらには気づいていないようだ。もちろん目の前の男が原因の可能性も捨てきれない。だがその場合、この店に来ること自体を人形に任せた方が危険性は少ないはずだ。この男の魔法はノクス達も知らないが、平時で我々がめったなことでは魔法の内容を口外しない以上、この男も同様にこちらの魔法の情報を知り得ないからである。現状で得られるそういった情報を統合して考えた結果、おそらくこの男と人形は別の勢力なのだろう。ただ、この男の目的も、その背後にある人形達の行進も、目的は未だ不明。今わかっていることは、この店を守るうえでおそらく武力行使が必要になるだろうという予測だけだった。銃の点検は常に欠かしていない。必要な銃弾も服のあちこちに仕込んである。少なくとも、戦闘は可能だ。

――ふと、1体の人形が立ち止まった。
そして次の瞬間、ゆっくりと店内にいるノクス達の方に向き直った。

「……婆さん……裏口から俺の家に逃げろ……!」

後ろ手にチコの手に自宅の鍵を握らせながら、ある目的のためにポケットの中の携帯電話を少し操作する。
チコはよくノクスの家にも遊びに来る。家同士も近所だ。彼女が盲目とはいえ、家同士の隙間を縫って行けば通りに出ることもなくノクスの家に行ける。

婆さんも、婆さんの大切な店も、守らなければ。

「おいおっさん、あんたあの人形どもの主か?……そうじゃないなら、手を貸せ。」


>>チコ様、ベリアル様、周辺ALL

【絡みありがとうございます!よろしくお願いいたします!】

23日前 No.526

鶏チキン @rmlp3322 ★wejhOBMSnu_keJ

【エレノア・ファインハルス/南区 港】

 ドミニクはどうやら何か考え込んでいたらしい。自分より反応が遅れた彼を見て、彼に対しての心配が募る。それは反応が鈍いことに対して、というよりも、出会ってすぐの自分への信頼の寄せ方に対してだ。協力するとは言ったが、彼はまるで自分が突然エレノアに刺されることは考えていないようだ。一方、エレノアはドミニクのことを完全に信用したとはいえず、どこかぴりついている。彼に兄の面影を見たにも関わらずだ。
 コツコツと靴が気取った調子で地面を叩く音が聞こえる。悠然とその姿を現すつもりなのか、とエレノアは一瞬身構える。自分の気配を相手に感じ取られて焦らない人間はこのような状況に慣れている、つまりはやり手だろうと想像したからだ。
 しかし姿を現した少年はエレノアの想像した殺し屋のような人間ではなく、どこか調子の軽そうな青年だった。エレノアは半歩下がった姿勢を崩すことはなかったが、彼、オズワルドの演技の一幕のような自己紹介に軽く口を開く。危機感というものは感じられず、それどころか、ともすればふざけているような態度にエレノアは拍子抜けする。

「オズワルド、オズワルド……? 北区の……。ああ……あの厄介さんか」

 どこかで聞いた名前だとエレノアは記憶を手繰り寄せる。珍しい名前ではないが、北区の平和を守る、というフレーズでピンとくる。エレノアも北区で生活をしていた経験があるので、オズワルドの噂と、彼への悪評どちらも聞き覚えがある。エレノア自身は彼と顔を合わせたのは初めてだが、様々なトラブルに首を突っ込んでは解決しているとか悪化させてしまったとか。しかし噂の総評では、まあ悪い奴ではない、と言ったところだったか。
 敵ではない、とは名乗るが、味方と言うわけでもないだろう。エレノアは一応警戒態勢を解き、オズワルドを見据える。

「ご丁寧にどうも。私はエレノア・ファインハルスと申します……、北区に住んでいたこともあるので、貴方のことは噂で何度か」

 名乗られたら名乗り返すのが一応の礼儀だ。染みついている習慣なので、名前を明かすべきかどうか考える前に口は動いている。顔に手を当てるオズワルドに気味悪そうな顔を向けながらも、彼のことを知っているということも告げる。
 お前は今回の騒動についてなにか知っているか、と尋ねる前にエレノアの後ろにいたドミニクが口を開く。正義とは何か、という彼らしい問答だ。彼の自称に思うところがあったのだろう。言わせておけばいいのに、と思うところもあったが、別に止めはしない。腕を組んでドミニクの問いに対するオズワルドの答えに耳を傾ける。港は祭りの喧噪から少し離れていたので、エレノアは人形たちが魔術師を襲い始めたことにまだ気付いていない。
>オズワルドくん、ドミニクさん、周辺ALL

23日前 No.527

ワンコ @vtyjf ★4gCE4td3c0_sxd

【 メリア/西区/大通り】

>>那由多、サニタ、薫香、ソフィア

槍が、刃物が、掌が、剣が、襲いかかる人形たちをそれぞれガラクタへと変えていく。、同時にソフィアの何らかの呪いなのだろう、四人がそれぞれ人形を相手取る間に人々の足音は遠ざかっていく。

「おねがい、そっちの方が、面倒がない」

視線は今まさに出店を乗り越えてこちらへと向かい始める店子をしていた人形たちに注いだまま、メリアは那由多に言葉少なに返事を返す。一波を壊滅させられた人形たちは、しかし視界の範囲内に限定しても未だその数を多く残している。

そして、その全てが今や明確な殺意を持って群がる子蜘蛛のようにこちらへと向かっている。

「他の人も、守る心配はなさそう――なら、遠慮なく」

つい先日の子供たちを相手にしたあの騒動とは違い、膂力に欠けるメリアでは刃物によって人形たちを破壊するのは少し骨だ。かと言って、デモンストレーション代わりに見せた解体ショーも乱発していてはすぐに息が切れてしまうだろう。ならば――それ以外の方法を用いれば良い。運がいいことに、巻き込まれる心配のある人々は立ち去り、相手にも容赦する必要性は感じない。

寝床にしている廃ビルの一角、今や鮮明に脳内に描けるその場所と自らの右手へ繋がる通路を思い描く。

接続――赤と青の光が二つの空間を繋げ、メリアの右手へと騎兵銃が現れる。構え、狙い、銃爪を引く。フルオート射撃、 5.56x45mmのNATO弾が人形の胴体を躾のなっていない獣のように食い散らかす。衝撃で銃床が肩へと食い込み、反動で跳ね上がる重心を必死に抑え込んで固定する。

魔術でも、力でも劣るならば、それを補う道具を使えばいい。こと、何かを傷つけるということに関して言えば人類は魔術には勝るとも劣らない技術を持っているのだから。

「遠くのは任せて――とりあえずこの辺りを殲滅してから、移動?」

新たに自身の寝床から林檎型の手榴弾が一つ、メリアの左手へと現れる。クリップとピンを引き抜き、人形四体が密集するその頭上へと繋げた『穴』へ手榴弾を放り込む。爆発――半径十五メートルを等しく死の破片が暴れまわり、人形たちを吹き飛ばす。

「人形は、手加減しなくていいから、楽でいい」

追加でもう一つの手榴弾を違う人形たちの塊へと繋がる『穴』へと投げ入れ、独りごちる。人形たちが手足が引きちぎれ、あらぬ方向に折れ曲がり、あるいは上下で身体がお別れになっていく。子供を相手にこんなものはとてもではないが軽々しくは使えない。

弾薬と爆弾――決して安くはないそれらを吐き出すということは、これからまた極貧生活が始まるということでもある。こちらのほうが軽々しく使わない理由の大半を占めているのだが、それは言わぬが花というものだろう

23日前 No.528

漆黒の冒険者 @andouken ★BxGXTrkAtu_UHY

【ベリアル:西区・薬舗『呵々堂』】

 呵々堂と言う店で偶然に聞こえた声に手掛かりを求めてその店を訪れたベリアル
そんな彼を迎えたのは小柄な少女に見えるが、何かがひかったのが彼女の口ぶりだった
とは言えそれを問い咎める立場では無い事から詮索する事を止め周りに目をやるともう一人の男

「いやまぁ………職、一応はそれなりにな。そう言うアンタも良い体してるよねオイ」

 彼から鍛えているなと言われ職業柄と言いかけるも、どんなと言われると困るなと思い言葉を変え
彼の一見細身に見えるその体に芯が通っている事からそう評するも背後からの気配と彼等の言葉から
姿勢をそのままに首を後ろに振ると無機質な人形の群れそれを警戒してか彼は少女を自分の影に隠す
 この騒動がただの騒動から事変に一歩段階が上がったのだろうと外に足して警戒を始めるも自分が彼らから
警戒されている事にも気付く当然と言えば当然かもしれない自分が現れてすぐコレでは………
 だがその誤解を解く間もなく人形の一体がこちらを向きベリアルもまた腰のナイフに手をかけると
少女を逃がそうとする男の声に「君も彼女につけ」そう言おうと思ったが彼の言葉に?マークが浮かび飲み込んでしまい

「いや違うがその………協力は惜しまんが今君は婆さんと言わなかったか?そんな話をしている場合では無かったか」

 この一件の黒幕の抹殺の為に動いていたベリアルにとって断る理由も無く共闘への申し込みを了承するが彼女が婆さんとは
それを気になるが今は目の前の脅威の駆逐を優先させる事にする
 腰のナイフを逆手に持ち腰を落としてドッシリと構えると左手を前に出しいつでも殺れる様に構えた


>>チコさま、ノクス・トリスタンさま

【くら子さまそれで大丈夫ですよ。ぴーぴーけさまこちらこそよろしくです】

22日前 No.529

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

【梓橋那由多/西区:大通り→移動】

次々と人形たちは襲い掛かってくるが、どうやらこの面子を相手取ったのは大外れ中の大外れだったようだ。まず薫香はチャイナドレスの下から九環刀を取り出すとそれを用いて軽やかに人形たちを切り刻んでいく。東洋の武器であるためヨーロッパ圏ではあまり見られないのだろうが、那由多は梓橋の屋敷にある書物で何度か見たことがあった。ああいったものを実際に使う人間もいるのだな、と状況を憚ることなくしみじみしてしまう。たいていの武器は使いこなせる那由多だが、実際に目にしたことのない武器もそれなりに存在する。いつか使う機会があれば参考にしよう、と普通の21歳の女性ならまず考えないであろうことを内心で考える辺り、那由多は根っからの武人なのだろう。

「……符術か。何はともあれ助かる、礼を言おう」

次いで那由多はエプロンのポケットから何やら煩雑な模様の描かれた札のようなものを取り出したソフィアに視線を向ける。彼女がその札を使用した後、不思議なことに人だかりは那由多たちを避けるようにして移動していった。人払いの符であろうか。恐らく東洋の魔法に起源を持つものだろうと那由多は仮定する。どのようなものなのかはよくわからないままだが、犠牲者を減らすことが出来るというのならそれに越したことはない。相変わらずの無表情ではあったが那由多はソフィアにそう感謝の意を述べた。
そして最後にサニタ。この状況で正気を保っていられるので彼も何らかの魔法を使うことが出来るのだろうと那由多も推測していたが、まさか攻撃系統の魔術師だとは思ってもいなかった。人は見かけに寄らないものなのだなとつくづく思い知らされた那由多であった。いや、決して那由多はサニタが戦えないと仮定していた訳ではない。ただ、明らかにお人好しそうなサニタが戦っている場面を上手く想像出来なかっただけである。どちらかと言えばサニタは剣を手にしているよりも調理器具を持っている方が様になるのだ。それは那由多がこれまで料理をする彼ばかり見てきたからなのかもしれないが。

「無理に数を倒す必要はなかろう。目眩ましでもすればこの場は切り抜けられるだろうからな」

メリアからの問いかけに、那由多は襲いかかる人形の額を槍で貫きながら淡々と答える。此処にいる全ての人形を倒そうとすればそれだけの時間がかかる。それでは非効率的だ。出来ることなら必要最低限の人形だけ倒してさっさとこの祭の首謀者を捕縛したい。魔法が使えるとは言え魔術師も人間なのだ、体力の限界というものがある。さすがの那由多もぶっ倒れるまで戦いたいとは思わない。

「私が目眩ましをしよう。その隙にお前たちは移動を開始しろ。これは私の勝手な推測だが……“まずは一際大きな御輿を探せ”。恐らく首謀者を探す鍵となるだろう」

一度だけその場にいる全員を見渡してから、那由多はそう告げた。一際大きな御輿。那由多がそのように目を付けたのは聞いたところによると祭において御輿は重要な位置を占めると何処かで聞いたことがあったからだ。もしも首謀者がいるとすれば、祭という文化に沿った動きをするに違いないと推測したのである。これまで歩いていていくつか御輿は見たので、探すこと自体は難しくないだろう。

「私が殿を務めよう。お前たちは疾く御輿を探せ」

そう言うや否や、那由多は後方に飛び退くと同時に槍を地面に置いて弓に矢をつがえた。そしてそれを躊躇うことなく此方に向かってくる人形に向けて放つ。イドラが騒動を起こした時にも使った技術だ。飛んでいった矢は人形に突き刺さると共に爆発した。もうもうと煙が立ち上る中、那由多は直ぐ様サリーを翻して駆け出す。向かった先に誰がいても那由多としては構わない。とにもかくにも、あの面子が移動出来ていれば那由多はそれで良かった。

>>メリア様、サニタ・フォーヤン様、琥薫香様、ソフィア・リリイホルム様、周辺all様

【次のレスで各々移動していただいて構いません……!】

22日前 No.530

雪鹿 @class ★Android=42zyboh5vZ

【フィアーバ・メルヴィル/北区・廃ビル→寂れた路地】

 ですが、その先から続いた言葉は頷くしかない言葉ではあった。確かに、この祭りは少し洗脳に近しい物を感じる、と言わざるを得ない。それを是とするつもりは無かったけれど、一時の平和と見れば仕方ない。そう自分を何処かで誤魔化していたのかもしれない。誰だって、怒ることも泣くこともあるし、争うことだって時にはある。だからこそ、全員が笑っていられる方法はこれしかない、と言うしかないのかも、なんてね。悲しいけれど、現実は夢と違って甘くない。少なくとも、今のところは。
 お気遣い感謝します、と静かに飛び降りていった彼女を見て自分も降りようと縁の方へと歩みを進める最中で、ふと気になって後ろを向く。何か、嫌な感じがするな、なんて少し離れた場所へ目を凝らしてみる。すると、妙に足の速い――――多分、人っぽい姿をした何かが此方の方へ駆けてくる姿が見えた。なんだろう、あれは……ともかく、ちょっと様子を見てみようかな。祭りの方には子供達も居るから、もしも何かあったのであれば……見過ごせないよね。

 縁から降りて落下するが、ゆらりと彼の体は淡く霧のように姿を変えてゆく。何時の間にやらアイシャの隣に現れた霧の塊が晴れていって、中から彼が平然とした様子で現れる。その表情は僅かながらに険しいもので、左側の方をじっと見つめた。

「ごめん、アイシャさん。少し、妙な事になってきたかもしれない……一旦此処で対処するけど、何かあるまでは待っててほしいんだ。僕の勘違いかもしれないからね。」

 隣に立つアイシャの方へと向き直って、その苦く笑った顔で「行きたい所があったら」なんて言ってしまった手前、気まずそうに尋ねる。それでも尚、左側を気に掛けるようにちらりと向くのは、既に彼の幻術を引き伸ばす事によって祭りへの最短経路を辿るとするならば、左側から来る事は概ね確定している。幻術が何処まで人ならざる相手に通用するのか……もしも、人を感知して壁をぶち破る位の相手なら、何の意味も持たないけれど。

 そんな事を言っている間に左から祭りを運営している人形に似た人形が三体、連なって現れる。祭りの催しでもあるのだろうか、そんな思って近付いていこうとしたが、何か嫌な気配を感じて立ち止まった。
 この時、僕はすぐに離れるべきだったんだ。きっと、祭りの人形と変わらなかったせいで、心の何処かで油断してしまったんだと思う。それだけは確かだった。

 突如として速度を上げて距離を詰めてくる人形。反応が、一瞬遅れてしまった――――だけじゃない。人間ではあり得ない人形ならではの関節を半ば無視したような駆動をするそれを、想定していなかったんだ。
 横凪ぎに硬質な腕がバットのように振り抜かれてゆく。それも、僕の首を狙ったように的確で正確に。辛うじて、距離があったから状況反射が間に合ったらしく、身体が咄嗟に下へ避けてくれる。人形らしく硬質で、しかし勢いよく風切り音を立てて振り抜かれた腕は、宙に靡いた僕の後ろ髪を僅かに切り裂く。
 そして、当然ながらに左足が顔目掛けて蹴り抜かれる訳だけど、流石に魔法が間に合った。霧と化した僕を左足は両断したが、すぐにアイシャさんの隣へと元通りの姿で戻る。後ろ髪は流石に戻らなかったけれど、仕方ないかな。

 此処で、そう離れた場所に居ないであろう、先程去っていった接続という魔術を使う少年「アインス」へ、彼と繋いだ魔術パスを頼りに連絡を取る。一方的に言いたい事を言って切ったから、後で怒られちゃうな……余裕が無いから許してほしいな、なんて。

「あはは……心配させちゃったかな? 取り敢えず、僕の所の子達が魔術を使える知り合いを屋敷に保護してくれる手筈になってる……アイシャさん、ノクスさんが心配なら帰っても大丈夫だから、無理はしないでね。」

 余裕を湛えたような笑みを浮かべて3体の人形へと視線を向ける。祭りの通路の方から、屋敷に向かう道を幻術の届く範囲で塞いだように見せているから、彼方は問題ないけれど……問題はこっちだ。正直、三体ならともかく他にも居るとしたなら――ノクスさんが不味いかもしれない。少なくとも、普通の人間が何体も対処するのは難しいはず。
 だからこそ、改めてアイシャさんの方へ状況に合わない笑顔を向けて、そう告げておく。彼女に感情は無いのかもしれない。あるいは、言うまでも無いのかもしれない。けれど、言わないよりは言った方が良いかな、って……まぁ、余裕があるか無いかで言えば――――言わぬが花、かなぁ。

>アイシャ・ノワール様、all

【少々、確定ロル気味になってしまいましたが、問題がありましたら直しますので、言ってくださいませ……!】

22日前 No.531

ルシエラ @mistydark☆NIljAHmRyhk ★Android=GaTaMXF8bf

【ルシエラ/中央区】

 何とか全員分の自己紹介が終わった辺りで、今度は全員の魔術紹介と洒落込まなければならないらしい。
 人形を迎え撃つリリィのゾンビと、頭を潰せば動きが止まると言う彼女の言葉に、ルシエラは準備運動でもするように小さく首を回した。そうこうしている間にヤンは超人的なスピードで移動し、体術と爆発する札でさくさくと人形を倒してしまう。
 リリィは死体を操る魔術を使うのだろうが、数や何処まで精緻な命令が出来るのかは分からない。ヤンは現時点では何もかもが詳細不明……リリィが買っている辺りそこそこの使い手なのだろうが。この状態で自分の魔術を行使するのは割と情報量的にフェアではないと一瞬ルシエラは感じたのだが、そもそも隠すほど複雑な魔術でもなかった。

 ぐさり、と先の尖った鎖が、何の前触れもなくルシエラに向かってきた一体の人形のこめかみを串刺しにする。それは全く勢いを殺さぬまま蛇のようにしなり、別の場所にいた二体も連ねて壁に突き刺さった。
 正確無比に人形の頭を潰し、そのまま三体を宙ぶらりんにした鎖は、あっという間に奇っ怪なオブジェをその場に作り上げた。因みにルシエラの手の中には先程の鎖は握られたままで、その右脚にはしっかりと悪魔の紋様が浮かび上がっている。
「……そういうことでしたら、ワタクシの魔術は単純明快。鎖を操る、それだけですわ。一応任意の場所に任意の形で出現可能ですので、まぁ目に入ったものなら何とか出来ると思いますわ、多分。きっとお二人の足下にも及ばない、詰まらないものでしてよ……さて、此処を片付けたら、お二人はどういたしますの? ワタクシはこうなると、さっさとお家に帰りたいですわね……ちょっと病院にお見舞いに行きたい方がいらっしゃいますの」
 三人いればこの場を切り抜けることは容易だろうが、これは三人が襲われたのではなく、無差別に魔術士が襲われていると見るのが妥当だろう。ならば移動しても国中がお祭り騒ぎの今、同じような目に遭うのは必定。ルシエラとしては、さっさと身の振り方を決めて……余程大丈夫だとは思うが、バルザードの身の安全を確かめておきたかった。

>リリィ・フォーマルハウト様、ヤン様、周辺all

22日前 No.532

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★YRuDhSwQ0p_rxQ

【 西区→中央区 / 大通り / 琥薫香 】

 人の数だけ攻撃の種類がある。それぞれ魔法や剣技で次々と戦闘人形らを屠り、そして失われた数だけ、どこからともなく新たな人形たちが補充されていた。まったくキリが無い。マンホールから無数に湧いて来るゴキブリを数匹ずつブチブチ踏みつぶしてもまだ追いつかない、みたいな気分だ。北区はそりゃあもう不潔極まりないのでマンホールに殺虫剤でも放り込めばすぐそんな光景が見られる。なんなら鼠バージョンだってお手軽に観賞可能だ。場合によっては人で出来る。
 そもそも薫香のように一軒家(?)を構えていられる北区の住民は少数。ホームレス暮らしなんぞそこら中にゴロゴロ転がっていて、家を持っていると自称する者も実際は廃墟やあばら家に勝手に住み込んでいるだけだったりする。当然家賃も払っていなければ電気も水道も通っていない。シャワー? ああ、先月の大雨で身体を洗ったぜ! みたいな連中が蠢いているからもうどこに行っても基本クサいし、立派な家に住んでいる腹いせに家の近くに野糞されまくった時なんぞいよいよ最悪の心地だった――と、いけない。北区というキーワードからまた思考が関係の無い方向に逸れかけた。
 慌てて軌道修正を施し、「ふっ」と短く息を吐きながら目前に迫っていた人形の片腕を一閃のもと切り伏せる。最初に斬った時の感触で理解した。この人形、それなりに頑丈だ。一発で無力化しようとするより手数を打ち込んだほうが、手間こそ増えれど結果的に体力消費が少ない。残ったもう片方の手で振るわれた拳を上半身の動きのみで回避。元の姿勢に戻ろうとする勢いを利用して人間でいう喉仏の位置に刺突を繰り出し、その衝撃に怯んだところで眼球のある位置を横薙ぎした。あとはこちらを視認できなくなった人形の四肢を順々に削いで最後に頭も削る。それを一対一ではなく、自分VS複数の人形という形で平行作業として進めて行った。両手も両足も視線もせわしなく動く。ところが呼吸は乱れない。師父からスパルタで受けた中国武術の訓練には秘伝の呼吸法も含まれており、その応用である程度の疲労は文字通り吹き飛ばせるのだ。

「那由多ちゃんがそう言うナら、甘えさえて貰おうかしラ? 御神輿も探してみるワ」

 敵を殲滅し続けているのは己のみならず。サニタも、メリアも、那由多も、ソフィアも。凄まじい速度で人形のスクラップを量産し、物言わぬ死体の山は高々と積み上がる。しかし考えようによっては、これは自分たちの体力が消費され続けているだけ。故に薫香は那由多の提案に異論なく乗った。囮を買って出る彼女を心配する素振りも見せない。薫香は自分が囮役をしても成功すると思っていて、那由多は自分と同じくらい強いと思っている。だから自分にもできることを那由多がしようとしても大丈夫。シンプルな考えだ。ドライなだけである種の信頼を感じさせる。
 大きな神輿とはどれほどの規模のものを探せば良いのやら。頭上にハテナを浮かべ唇に人差し指を当てるも、まああれこれ思案するより探したほうが早いかとその場からスタートダッシュ。背後では那由多の魔法を纏った弓矢の弾幕がテロ現場みたいな轟音を立てて囂々と燃え盛っている。とはいえ、やっとこさ身体強化の魔法を発動して全身ピカピカ輝かせた薫香が足場を蹴り飛ばした音も、大気圏外を目指すミサイルの発射音に近いのでご近所迷惑の観点からいうとお相子だ。ついでにやたらと眩しくて目にも物理的に毒だから光害でさえある。色素が薄くて太陽光でもグラサン必須の子は暗幕越しにでも目撃するよう気を付けてくれ。

「それじャあ皆、また後デ! 偶たちが血祭にあげられるか、黒幕を血祭にあげるカ! 今この瞬間からは、そんな物騒なお祭りに変わっちゃうみたいだけド――。それでも気持ちのほうは変わらず楽しみましょウ!」

 現場に残すはウインク一つ。人間が走っているだけで響かせて良い音ではない、びゅーんっという空気の壁を破った効果音。それをセルフで纏い、薫香はものの数秒で西区の大通から姿を消した。そうして辿り着きたる先は中央区。選んだ理由は「黒幕って高い所とか町の真ん中とか好きそう」だからだ。もっと言うと、黒幕が高い所とか町の真ん中とか好きそうだと思った理由は勘なので、最も簡単に言い切ると「勘で選んだ」。人間が一日にとる行動の内、大それた理由があるものなんて殆ど無いのだ。それが例え非日常の最中であったとて。ましてや琥薫香は魔術師にして用心棒。魔法関係のイザコザに巻き込まれるなど下手をすれば日常茶飯事。見方によっては今この時など非日常ですらない。……最後のはさすがに過剰な表現だ。

>サニタ・フォーヤン様&メリア様&梓橋那由多様&ソフィア・リリイホルム様&ALL様

22日前 No.533

ナトリウム @asdpoi556 ★sqxSbCXnmh_keJ

【リリィ・フォーマルハウト】


「……くっくっく…………」
ヤンとルシエラがそれぞれ人形たちを順当に仕留めていく様子を見ながらリリィは嬉しそうにクスクスと笑っていた。ヤンの心配をよそにリリィは戦況を甚く楽観視している。リリィの操るゾンビの体内にまだ弾はあるしまだデュラハンどころから二体目すら動かしていないリソース的な余裕もあるが何よりルシエラの右脚のアルカナ。この戦場にはアルカナが二人いる。ただ魔術師が三人集まっているわけではない。オマケにリリィ視点ではヤンもアルカナという可能性もゼロではないし、アルカナでなくても彼女視点から見れば非常に多彩な魔術を使える規格外の魔術師であることには変わりない。決して慢心しているわけではないが肩の力を抜いて戦況を観察することができている。

「やれやれ。これでファースト・ステージいえ、ファースト・ウェーブは終わりといったところですわね。お二人ともご無事で何よりですわ。」
結局ヤンとルシエラの方向に現れた増援を殲滅してから新手が来ることはなかった。実にチュートリアルらしい。随分と首謀者はこちらを嘗めてかかっているようだ。そしてルシエラの質問、今後のどうするかということを答えなければならないだろう。

「そうですわね。私はもう少し人形狩りでもしましょうかね。前回のイドラ事件では首謀者の首が手に入りませんでしたので、フォーマルハウト家の地位向上の為にも今回の首謀者の首くらいは献上したいところですわ」
いろんなことを考慮したうえでリリィは残ることにした。当初の目的ではルシエラに恩を売ってアルカナ報告の時に便宜をはかってもらおうとも思ったが上手くアルカナを見せるタイミングがつかめない。最終目的がフォーマルハウト家の地位向上である以上、騒ぎの元凶を斃すというやり方もある。やはりネクロマンサーらしい評価のあげ方の方がリリィとしてもやりやすいのだ。
「ヤン様……いや、ヤンさんはどういたします?」
スタンスを決めたリリィはまだそうヤンに問いかけるのであった

>>ルシエラ様 ヤン・フェイ様 周辺all

22日前 No.534

バカラ @bakara ★kanIEqkLWh_keJ

【ヤン/中央区→移動】

 ―結論からいえば心配は杞憂に終わった。ルシエラ、リリィの二人は難なくガラクタの山を築き上げ息が切れる様子もなく敵の増援もなし。人形たちとの初戦は快勝に終わったようだ。
 それはそれとしてヤンには気になることがあった。悪魔のアルカナの少女、ルシエラの魔法だ。彼女自身も説明した通り鎖を操る*v@なのだろうが果たしてそれだけなのか。出現、操作の他にも何か可能であったなら少し厄介だ。

(リリィと一緒に警戒対象にしとこか)

「この後かぁ…。僕は南に行こか思うとるよ」

 リリィたちの元に戻ったところで加速魔法が切れる。自身が遅くなった違和感を胸にしまい軽薄な笑みのままルシエラとリリィの質問に答える。
 南に行くことに大きな理由はない。強いて言えば北区から離れておきたい、くらいのものだ。北区にはリリイホルム孤児院がある。その近くで戦闘が起き、仮にも子ども達が怪我でもすれば知り合いの少女が悲しむ。
 この事を二人にいうつもりはないが。

「国中で戦闘が起こっとるけど狙いはあくまで魔術師や。敵の数は多いけど無限って程やない。せやったら一ヶ所で暴れまわって人形集めたら他が動きやすくなるやろ」

 魔法を組み合わせれば首謀者の位置を特定することは不可能ではないが勝てる見込みは少ない。それよりも人形を壊しまわればソースをこちらに割かなければならなくなり、結果として他が安全になる。こちらが首謀者と鉢合わせる危険もあるが。
 と、ここまで考えたところである事を思いつく。大したことではない。リリィは首謀者の首を挙げるといった。であればリリィが人形を破壊している間にヤンが鉢合わせるという展開は面白くないはずだ。

(なんか言われても面倒やし、ここは…)

「心配せんでも首謀者見つけたら狼煙でも上げたるよ」

 笑みを浮かべたままリリィに先回りで言っておく。
》リリィ、ルシエラ、周辺ALL

22日前 No.535

サムライ @samurai07 ★iPhone=QCAUNJ3bTK

【オズワルド・ロバーツ/南区・港】

(ご丁寧にどうも。私はエレノア・ファインハルスと申します……、北区に住んでいたこともあるので、貴方のことは噂で何度か)

「ああ、やはり僕は北区では有名だったようだ。いかにも、僕は北区の虐げられし者達の味方だ。フッ、僕の名を知っている人間は2種類に分けられる。僕のファンかあるいは敵かだね。」

まずは厄介者という言葉は聞こえてないのかスルーしたのかは定かではないがエレノアに視線を向けて話す。エレノアに結構ドン引きされているのにどこまでの楽天的な奴である。続いて、ドミニクに視線を移してこう言う。

「僕の正義とは何かか…僕は常に『正しい取捨選択』をしている。それが自分の持つ確固たる正義だ。すべての人間を救おうというのは限界がある。ならば、自分の力でどうにでもなる貴族や金持ちなどは放っておいてもいいだろう。しかし、北区に住むような貧困に苦しむ人達はどうだ?僕はそんな人々を選んで救いの手を差し伸べている。その選択が正しいのだ。庶民を迫害する貴族やその家に従わぬ魔術師を虐殺するフォルツァ家などは愚の骨頂だな!」

息継ぎしているのかさえ怪しいくらいのマシンガントークならぬマシンガン演説である。それをドミニク目掛けて投げかけた。もしも相手が貴族であったのなら怒りを買いそうな内容であるが、とりあえずドミニクとエレノアにはどう捉えられたのか。まあ、オズワルド本人は気にしてる様子は微塵も感じられない。

>>ドミニク・フォン・ティルピッツ様、エレノア・ファインハレス様、周辺ALL

21日前 No.536

バカラ @bakara ★iPhone=Z2enKiRCb5

【ソフィア/西区 大通り→北区 廃墟郡】

(すごい…)

 スクラップへと変えられていく人形の群れを見ながら感嘆の声を内心で漏らす。研鑽を重ねてきたであろう剣技や体術の数々や実戦を重ねて磨き上げられた戦術。どれもソフィアにはないものだった。
 迫り来る人形の顔を殴り潰す。不快な感覚に眉をひそめる。刀を紙一重で避けアイアンクロー。勢いでこそ負けていないが四人に比べて余裕はなかった。
 理由としてはひどく単純だった。

(建物を壊しちゃ駄目って思った以上にきつい…)

 嫌な汗が頬を伝う。魔法を制限された状態での集団戦。味方に危害を与えず建物を壊さずに行う戦闘をソフィアは経験していない。さらに言えば皆が手練れ。邪魔をする訳にもいかず数も減らない。負荷だけが溜まっていく状態だった。
 故に那由多の提案は渡りに船だった。

『私が目眩ましをしよう。その隙にお前たちは移動を開始しろ。これは私の勝手な推測だが……“まずは一際大きな御輿を探せ”。恐らく首謀者を探す鍵となるだろう』

「は、はいっ!」

 言うが早いか那由多は素早く持ち替えた矢を放つ。着弾点で爆ぜると煙幕が包み周囲は灰色に包まれる。

『それじャあ皆、また後デ! 偶たちが血祭にあげられるか、黒幕を血祭にあげるカ! 今この瞬間からは、そんな物騒なお祭りに変わっちゃうみたいだけド――。それでも気持ちのほうは変わらず楽しみましょウ!』

 薫香はその言葉を残して何処かへと走り去った。那由多は確認できないが既に移動を始めているだろう。ソフィア達もいち早く移動を開始しなければならない。

「それじゃあサニタくん、メリアさん。わたしは北区に行くからまた会えたらね!」

 二人がいたであろう場所に向かってそれだけ残すと脚部の筋力を増強。ありがたい事にこれだけ濃い煙幕ならソフィアが魔法を発動させても晴れ切ることはないだろう。
 石畳を砕く勢いで地面を蹴ればその反動で疾駆する。外見的な変化なしに発動させても♂喧汲フお陰でその事がバレる事はない。

(後で那由多さんにはお礼しないと)

 目指すは北区。多少暴れても問題なく、何より孤児院がある。問題ないとは思うが子ども達が心配だった。

》サニタ、メリア、那由多、薫香、ALL

21日前 No.537

癒しの炎 @kaizelkai ★VwxWcbHAbI_mgE

【 西区→南区 / 大通り / サニタ・フォーヤン 】



 火蓋を切ったように、人形達が襲いかかる。スクラップへと変えられていく人形の群れを見ながら感嘆の声を内心で呟く。研鑽を重ねてきたであろう体術の数々や実戦を重ねて磨き上げられた戦術。自分も確かに剣を振るうが、実際は長い年月をかけたものではない。
この呪剣はまるで自分が長年使っている包丁に近い。愛用された道具で実に手に馴染みやすく、使いやすい。しかし、自分にとってはこの場を切り抜ける力として、感謝しなければならない。



「 ……。 」



 二体の人形に囲まれ、前と後ろの挟撃が襲いかかる。
その場にしゃがみ込み、二体の脚を巻き込むように切り捨てる。その動きは無駄がなく、洗練された動き。だが自分は戦闘訓練はしておらず、全くの一般人。この剣を使っていると、体の動きが普段と違うのがわかる。まるでこうすれば敵を倒せると、頭の中で戦ってた記憶が蘇る感じだ。もちろん、自分は誰かと戦った覚えはない。
 梓橋が大きな御輿を探すよう提案が出される。日本の祭りに使われる大人数で運ぶあの豪華な社みたいなものかと想像する。何で大きいの探さないといけないのか疑問に思ったが、それがこの状況を解決出来るとするならば、了解するしかなかった。


 皆がそれぞれの場所へ向かう。特にソフィアとは魔術について、もっと話をしたかったが、そんな時間はないようだ。



「 ソフィア、薫香。気をつけなよ。じゃあ、また。 」




 別れる二人に手短に言葉を言い、そして梓橋に向き直った。




「 わかりました、僕は一度南区に戻ります。」




 彼女が起こした煙幕に紛れ、その駆けた足は一度南区へと駆けた。走っていると、人形達は襲い掛かってくる。無駄に相手をしていると、こちらの体力が持たないので一撃で頭を仕留めている。





「 ……こんな街中じゃ、“出す”わけにはいかないなぁ……ッ! 」




 彼女達の前では、この呪剣の本当の力を見せる事はなかった。建造物を傷つけるのはよろしくないと言ってたし、自分も周囲の被害を考慮すれば、此処では使えない。いざとなったら使うしかないのだが、そういう事態は起きないよう祈るしかなかった。



>>ソフィア・リリイホルム、梓橋那由多、琥薫香、メリア

21日前 No.538

くら子 @kura003☆pak20/nYiv6 ★wyf4VWw0x0_rxQ

【チコ/西区/薬舗『呵々堂』】

 無機質な行進は止まらない。着々とこちらに近づく足音に身構えると、すっとチコの前に立ち塞がる大きな気配を感じた。消毒薬と煙草の嗅ぎなれたその匂いの背中、白衣の裾をきゅっと握る。
 複数体いるであろう無機質なそれの一体の足音が止まる。気付かれたか。物騒な『匂い』を放って危害を加える気配を微塵も隠す気がないのなら、こちらもそれ相応のもてなしをしなければ。チコを庇うように立つノクスから一歩前に出ようとした時、「逃げろ」という言葉と共にに、その手に冷たい金属の何かを握らされる。それが、彼の自宅の鍵だと気付くのに時間は掛からなかった。

「…馬鹿を申せ。店主が、店を護らずしてどうするんじゃ。」

 そう呟くように言うと、握った鍵をそっと優しくその手に返す。が、黒い幕で覆われた白濁した双眼はひどく冷めきっていた。心なしか返す言葉も冷たい。何者でも、彼女と今亡き愛する夫の店を荒らす者は決して許されない。それが例え、生きた者でも血の通わない者でも、例の魔術師でさえも。

「恩に着るぞ、男の者よ。…詳しいことはまた後で話すとしよう。」

 協力を惜しまないと言った客人に例を述べる。完全に白と言うわけではないが、大いに信頼を置く事が出来るだろう。
そしてノクスと並ぶように隣に立ち、人形と向かい立つ。

 ――止まる一体がこちらに向かって走る。後ろに並ぶそれらも続いた。

「来る者拒まず。じゃが、招かざるべき客人は早急にお帰り願おうかのう…!」

息が薬を帯びる。漏れる口の端から薬品特有の匂いを発し、その小さな喉笛に彼女がアルカナであることを示す紋章が光輝き、浮かび上がった。


>>ノクス・トリスタン、べリアル、周囲ALL


【短文失礼します…!】

20日前 No.539

狼谷 @anima1997☆PMqTzZiUwVg ★iPhone=rWwjSnqBVX

【レヴィ/南区:的屋】

 いつも通りのジャックの軽口を聞き流しながら――もちろん無視なんて冷たいことはしないぜ、何せ俺様には冷たい水じゃなくて熱き血潮が流れているからな。え、ホントかって? 試してみるか? 斬れるものならば、な――、両手を組むジャックの隣で両腕を組みながら、ヤヨイとエーリアルを見守った。
 ヤヨイのほうは、お目当てのエアガンを獲ることが出来ず少々、いいやかなりご乱心のようで。エーリアルはそんな彼女の扱いを心得ているようにも、そしてどこか試しているようにも見えた。口を出すのは野暮なので、レヴィはただそれを眺め、ジャックと同じようなタイミングで「マーベラス!」と賞賛を送った。それにしても、ヤヨイのことはただのお嬢さんだと思わない方が良さそうだ。最初から油断しているつもりは無かったが。
 この場にいる全員がテキヤを経験したところで、隣に居たジャックが口を開いた。彼の発言を最後まで聞いてからレヴィは口を開く。

「ほー、随分も祭りについて物知りじゃねぇかパンプキンペディアさんよ。タコは食べたが、イカもあるのか……美味そうだな」

 イカ焼きという言葉にオーバーに眉を上げ、片方の口角を釣り上げる。たこ焼きはパンケーキに似た生地に包まれた、不思議で美味しい食べ物だった。また作り方を調べておくか、と思うほどにはハマってしまった。だがイカ焼きはまだ未知の食べ物である。シーフードならハズレはナシだ。そう、シーフードがレヴィのハートを射抜く精度については、ジャックの射撃の腕前よりも遥かに高い。

 不意に、悪寒が走った。ジャックの身振り手振りを眺めていた穏やかな表情から一変し――とは言いつつも、口元には相変わらず薄ら笑いを浮かべているのだが――、じろりと鋭い眼光で道路脇の薮を見つめた。それと同時に、薮がガサっと大きく揺れ、次の瞬間には得体の知れないものが飛び出していた。いや、得体の知れないものではなく、正体を捉える前に、視界に映りこんだ煌めく切っ先に視線が釘付けになってしまったのである。反射的に、傍に積んであった鉄の棒を掴み取る。恐らく屋台のテントを組み立てる支柱の一部であると思われるポールだ。
 金属のぶつかる音が響いた。重低音。手が痺れたが、それは不思議と心地よかった。

「っ……なんだぁこりゃ。ただ気前がいいって訳じゃ、なかったってことだな。食いすぎちまったか俺? 食い逃げしたつもりはなかったんだ、許してくれよ」

 初めてまじまじと相手を見て、ようやく正体がわかった。襲い掛かってきたのは日本刀を手にした人形だった。先程から、食べ物を渡してくれていた人形である。無害だと思っていたが、まさかこんなことになるとは。
 敵ということならば容赦はしないのがレヴィである。迷うことなく人形を蹴り飛ばした。足先に、硬い感触。そして乖離する感触。

「サプライズするのは好きだが、されると照れちまってロクに相手の顔見れないのがさ、俺のダメなところだよなあ」

 レヴィの蹴り飛ばした人形は空中でバラバラになりながら地面に落ちた。ここまででレヴィが魔術ではなく鉄の棒で戦う理由は、手の内を明かさないため、である。レヴィの魔術は特異だ。そして文字通り手の中には、アルカナの証がある。とっておきは、来るべき時に備えて取っておかねぇと。好きなものは最後に食べる派なんだよ、俺。

【大変遅くなってしまい申し訳ありません……!】

>>エーリアル、ジャック、弥生、ALL

20日前 No.540

ぴーぴーけー @ppkppk☆ErEBsPNY5g.j ★iUcwHsnoGa_rxQ

【ノクス・トリスタン/西区/薬舗『呵々堂』前】

「ありがとな、婆さん。心強いよ。同感だ、店に入れること自体許せねーよな。
……よし、婆さん、―――を『創って』くれ。薬師ならわかんだろ、例の抗菌剤だよ。
そのあとそれを使って―――にして、そこから―――を。固形のままでいい。
あと、別枠で―――を。漢方入れるガラス瓶あるだろ、それに溜めてくれ。

出来上がるまでは、俺達で時間を稼ぐ。」

 チコにそう告げ、名も知らぬ男と店先に出る。店を守り、かつこの人形達を無力化する必要がある。
大丈夫、彼女ならば創ってくれる。そう信じられる。
なぜなら彼女は、彼が知り得る中で最も薬に精通したエキスパートだからだ。

「……とにかく、左は任せた。右は俺がやる」

 男に担当を告げながら考える。なるほど、この男の武器はナイフか。あの体躯から繰り出される格闘に刃物が混ざるとすれば、確かに脅威だ。そう考えながらも人形の方を向き、店内に入られる前に店の前に出た。幸い店の周囲には一般人はいない。ここならある程度ドンパチやったとしても被害は出にくいだろう。この男自身も十中八九間違いなく魔法使いだろう。長くソルセリアに住んでいれば、立ち居振る舞いでわかるものもあるということだ。
 どうやら他の人形もこちらに気づいたようだ。手に持った武器を振りかざしながらこちらへと足を速めてきた。彼は静かに腰のホルスターから愛銃を抜き、流れるような動きで先頭の人形に6発の弾丸を連続で撃ち込む。銃弾はすべて人形の関節部分に着弾し、着弾部分の構造は破壊され脚の破片や片腕が地面に転がった。しかしなんと不気味なことか、それでも進軍をやめない。表情のない不気味な進軍はまだ続く。

「……ほう、結構丈夫なんだな……でもな……!」

 先頭の人形の横薙ぎ。しかし瞬時にポケットから6発の銃弾を空中に浮かせると同時に身体を半回転させ、人形のこめかみに後ろ回し蹴りをくらわせる。回転の慣性モーメントが十分に乗った踵落としぎみの蹴りは、片腕が落ち片足が壊れた人形を軽く地面に叩きつけた。それと同時に銃のイジェクションロッドを操作し、中折れ式リボルバーのフレームをオープンさせた状態でガンスピンさせながら空になった薬莢を排出する。そしてそこにちょうど落ちてきた6発の銃弾を、ガンスピンの動作の中で、かつ空中でシリンダーに再装填(リロード)する。そして銃を跳ね上げるようにしてフレームを再ロック。そして迫り繰る人形達に再び静かに照準を合わせる。この間、約1秒。

「……あいにくこの店は俺の主要取引先でな……。
大切な家族も住んでるし、その家族の宝物なんだ……だから手出しはさせねーよ。
……祭りなんだろ?ちょうどいいじゃねーか――――

――――“Let's dance, dolls?”」

>>チコ様、ベリアル様、周辺ALL

18日前 No.541

ぴーぴーけー @ppkppk☆ErEBsPNY5g.j ★iUcwHsnoGa_rxQ

【アイシャ・ノワール/北区/寂れた路地】

 彼のおっしゃった言葉に静かにうなずいて再び屋台の方に視線を向ければ、なにやら数人こちらに向かって走ってくるではありませんか。いえ、あれは人ではありません。屋根の上から望遠で見た屋台の人形です。数は3体。しかし、その手に持った物騒なものから予測するに、どうやら友好的な態度で接していただけるわけではないようです。
 1体が跳びあがり、私に向かって武器を振りかざしました。同時に下にいる2体も同じく武器を構え、3体同時に斬りかかってきました。

「……!物騒ですね。」

 瞬時に「金剛力」を発動し、高くジャンプします。3体は直前まで私の背後にあった太い鉄柵を、いとも簡単に切ってしまいました。あの切れ味と形状……あの武器は見たことがあります。世界最高の刃物と謳われる、日本刀です。しかしどうやらそこまでの業物ではなく、扱う者自体もあまり手練れではないようです。メルヴィル様の方を見てみれば、どうやらあちらからも来ているようです。
 切り落とされた鉄の棒がカランカランと音を立てて地面に転がります。私は空中で姿勢を制御し、着地地点にいる1体を蹴り飛ばし、その反動で残りの2体の方に跳び、2体が繰り出す斬撃をかわして地面を滑りながら鉄の棒を拾うことに成功しました。先程屋上で確認した携帯電話には、旦那さまの緊急位置確認機能が起動しておりました。しかし旦那さま、申し訳ございません。私は旦那様の言いつけ通り、今はこちらの危機を振り払う必要がございます。

「いえ、メルヴィル様、ご心配には及びません。私もここで子供達をお守りいたします。それに、ここでメルヴィル様をおいて旦那様を助けに行けば、逆に旦那さまからから叱られてしまいます。」

 鉄棒の長さは約130cm。これでしたら、自宅にある私の武器と同じ長さ。これでしたら、私にもうまく使えます。

「……『金剛力』25%発動(スタートアップ)……。
メルヴィル様、微力ながら……私も一緒に戦わせていただきます。
トリスタン診療所のメイドたるもの、そのくらいできなくては恥ですから。」

 隣で微笑む彼に対して呟きつつ鉄の棒を構えながら、私は自分の身体に備わった機能を起動させます。
ここは北区。周辺の建物に被害を与えないよう、最小限の起動にとどめます。

「子供達に危害を加えることは許しません。
でもお祭りでしたら、お付き合いいたしましょう――――

――――“Shall we dance, dolls?”ですよ。」

私は、たたかうメイドさんです。

>>フィアーバ・メルヴィル様、周辺ALL

【いえいえ、大丈夫ですよ!!遅くなってしまい申し訳ございません!!】

18日前 No.542

漆黒の冒険者 @andouken ★BxGXTrkAtu_UHY

【ベリアル:西区・薬舗『呵々堂』】

 目の前の人形に対して戦闘態勢をとるベリアルだが、少女が避難を拒否する
確かに彼女の店だと言う話だが、意外な反応に少し驚くも礼を言われては応えないわけにはいかない
 それに男は何やら少女に指示を出している様だが俺達が時間を稼ぐその言葉から自分を味方と数えていると判断
彼の言葉は正確には聞き取れなかったが自分に対する対処では無いと安堵して敵を見据える

「………左だな。了解した」

 男に続いき店先に出ると男から標的を割り振られその相手との距離を詰めるジリジリと
そうしながらも周りに気を配る魔術の秘匿を守る自分が魔術をばらしては本末転倒もいい所だ
 もっともベリアルの武器は相手の魔力を暴走させる対魔術師用の薬物を塗ったナイフ
当然見られたら通報ものだが魔術とバレる事は無いだろう………
 右の人形を男に任せ自分の相手に集中する銃声が聞こえる男が撃ったか男が撃たれたか
どちらにせよ先程の様に街に被害を出すわけにはいかない水道管を破壊されたその事を思い出す

「この騒ぎの首謀者の傀儡か………時計塔の破壊と言い次から次へとゴミ虫が!!」

 ジリジリと一定距離まで詰めると一気に距離を詰めたと思うと人形の首を飛ばすも
相手は人形であるその事を失念していた人形は止まる事無く殴りかかろうとするも動きがおかしい
ナイフの斬撃が致命傷にならなかったが、魔力の流れに支障をきかしたらしく動きが鈍り精細さを欠く
 この気を好機と見たベリアルは完全破壊する事を諦めて膝にならいを定め動きを止めようと
低い姿勢からの膝関節を破壊していき這いつくばったところで手の甲にナイフを突き立て昆虫採集が如く縫い留める

「おい そっちは無事か?」

 こちらの人形をとりあえず地面に縫い留めるナイフを3本使い残り4本だが、その一本を抜くと彼の方に向かっていた一体を背後から襲った




>>チコさま、ノクス・トリスタンさま

17日前 No.543

@purple3ru ★iPhone=5uXDFiflht

【 哀羽沢弥生 / 南区:的屋 】

優しく頭が撫でられる。もしコレがバルザード相手なら、心臓がギュッてなって、嬉しくて嬉しくて堪らなくて、気恥ずかしくて、甘酸っぱい気持ちになっただろう。しかし相手はエーリアル。自分が忠誠を誓ったフォルツァ家であっても、愛を誓ったバルザードではない。だから、その行為で胸がときめくことはなかった。……頭を撫でられるなんて経験、一般人と比べると極端に少ない人生を送ってきたから、十分嬉しいけれど。『この人形はズルもイカサマもしていない』という言葉を受け止めながら、ぼんやりとそんなことを感じていた。
さて、次はエーリアルの番だ。弥生は撫でてもらったことで少しだけ機嫌を直しながら見守る。……どうやらエアガンを狙ってくれているようだ。そしてたった三発で倒してみせ、残り二発は別のものに使い、獲得したエアガンを弥生へ渡した。

「……い、いいの!? ホント!? ホントにホント!? もう、かえさないからね! かえしてって言われても、もうよいちゃんのものだから! あげないから! わあ、すっっごいうれしい!! ありがとうっ、えーりある『さん』!!」

コルク銃を目にしたときよりも、エアガンに狙いを定めたときよりも、今日一番の生き生きとした笑顔とテンションで、驚きも隠せず少々動揺しながら、幸せそうにエアガンを受け取る。受け取った箱は、背負っている大きなリュックに、既に入れていたからっぽの水鉄砲と一緒につっこんだ。大事にしよう。自分が使える主人(?)からの贈り物だから。
景品をしまったところで、かぼちゃ頭が次へ行こうと急かす。金魚すくい、スーパーボールすくい、ヨーヨーつり、イカ焼き、わたあめ、たい焼き、焼きとうもろこし……どれも縁日の定番! と言ったところだが、やはりこういう祭り事は初めてで、哀羽沢の閉じた世界で生きてきた弥生には、ピンとこないようだった。今日は、初めてのことだらけだ。

「よいちゃんは、ぜんぶよくわかんないけど……わたあめ? が、いちばんかわいいとおもうな! えーりある『さん』は? どれがいちば……」

自分の曖昧であやふやな意見とも言えないようなソレを交えつつ、エーリアルに話題を振ろうとしたところで、感じた。コレは『狙われている感覚』だ。何かに、狙われているッ!
弥生がソレを対処するよりも先に、レヴィが動いた。相手は、なんだっけほら、あの剣、えっと……そう、日本刀。日本刀対ポール。あっという間に決着がつき、日本刀でこちらを狙っていた人形は、バラバラになった。
終わった……と、思うのははやかったらしい。あとからあとから、日本刀を構えた人形がわんさか湧いてくる。人差し指と親指を立てて拳銃に見たて、こちらへ走って襲いかかってきた人形の首に向かって一筋の光線を撃って怯ませてから、リュックへ手を伸ばす。伸ばしながら、叫ぶ。

「えーりある『さん』! シツモンがあるんだけど、まず、こんなことになってもまだ祭りはつづいてる? つづいててもつづいてなくても、ただのよいちゃんでもいつものよいちゃんでも、コウドウはあんまりかわんないけどね! つぎ、この人形達に、ぶっぱなしていい!? めいれいしてっ!」

最初の質問の意味は、本人も気付いてる通りあまり意味がない。『祭りの間はフォルツァでも哀羽沢でもない』と言っていたけれど、襲われても祭りはまだ続いてるのかな? そんな小さな疑問をぶつけただけだ。哀羽沢弥生もただのヤヨイも、この場では何をしてでもエーリアルだけを守ることに変わりはない。もうひとつの質問は、かなり重要だ。今からからっぽの水鉄砲を取り出していつも通り光線を撃っていいのか、だめなのか。もしダメならば、その水鉄砲を鈍器に、この人形達を力技で倒していくしかない。哀羽沢の訓練のおかげで、かなりの怪力人っているからそっちでも問題はないかもしれないけれど……相手は魔法で動く人形。どうなるかはわからない。……まあ、命令される前に、先に一線ビームを撃ってしまっているのだけれど。ちなみに、指を立てて撃つ意味がゼロである。何もなくたって何もないところから撃てるのだから、咄嗟のときにも見栄えを気にして魔術を使っただけだ。

>>エーリアル・クラウス・フォルツァさま、ジャック・イグニスさま、レヴィさま、周辺allさま

17日前 No.544

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

【エーリアル・クラウス・フォルツァ/南区:的屋】

エーリアルが獲った景品を見た弥生は、まるで幼子のように表情を明るいものへと変えた。それを見たエーリアルもほっと一安心して表情を綻ばせる。諸刃の剣を体現したかのような気性の弥生ではあるが、こうして見るとやはり年頃の少女に他ならない。フォルツァ家の当主たるエーリアルが彼女の生き方にどうこう言うのは後ろ指を差されてしまいそうだが、少しでも弥生が人並みの感情を見せてくれるのならエーリアルはそれで良かった。これは彼の持論だが、女というものはどんな表情よりも心からの、柔らかで温かな笑顔が美しいものだ。だから何処か表情が不格好な者を見ると、エーリアルとしては状況や身分や立場がどうであれ、ついついその顔を覗き込んでしまうのである。

「ヤヨイが嬉しいのなら俺も嬉しいよ!大事に使ってくれるともっと嬉しいかな!」

屈託なくはしゃぐ弥生に笑顔を向けてから、エーリアルはジャックとレヴィに視線を移動させる。弥生がこの祭を楽しめていること、そしてエーリアルが上手く立ち回れるのはこの二人のおかげでもある。そんな感謝の気持ちと射撃の腕前を褒めてもらえたことが素直に嬉しいことから、エーリアルは次は何処に向かおうかと話し合っている二人の間に無理矢理にはなりすぎないようにと心掛けながら割り込んだ。

「二人にはせっかくこんなところまで付き合ってもらったんだから、俺が何か奢るよ!あっ、奢るって言っても皆遠慮なんてしなくて良いんだぞ?このお祭りは色々とタダでもらえるみたいだし、こんな時くらいもらえるものはたくさんもらっておかなきゃ損も損、大損って奴だからね!」

茶化すような口調でにししと歯を見せてエーリアルは笑う。仮にこの祭で販売されているものが有料であったとしても、エーリアルは同じようなことを言ってのけるであろう。まかり間違ってもエーリアルはソルセリアに君臨するフォルツァ家の当主なのであり、その懐は冷えることを知らない。エーリアルの趣味がフォルツァ家の当主としてはかなり安上がりで庶民的なこともあってか、むしろ何かで使わなければエーリアルの懐が温かさを通り越して熱くなってしまいそうなくらいなのだ。エーリアルが使うと言っても彼が熱を入れるのはせいぜい食事くらいのものである。しかもたいていがジャンクフードという有り様だ。きっとバルザードが当主であった頃とは違う悩みが経理関連の部下と主治医の中で芽生えていることだろう。
弥生からわたあめはどうか、と提案されて、エーリアルもそれに賛同しようとした矢先に彼の肌をぴりぴりと何か軽く刺すような感覚が襲った。無論、実際に刺された訳ではない。それが殺気であるとエーリアルが気付くのに数秒もかからなかった。こういった視線を浴びるのには慣れているのだ。エーリアルも何か対処すべきだろうとは思ったが、彼よりも先にレヴィが動いたことでエーリアルはその場に立っているだけの形となった。

「…………駄目じゃないか、ヤヨイ!そういうのは“命令”じゃなくて“指示”っていうんだぞ!━━━━下手に蜂の巣をつつくのは得策じゃあないな。ヤヨイ、君が先陣を切るんだ。何処でも良い、人形の手が及ばなそうな建物に俺たちを誘導してくれ。ジャックとレヴィは不意討ちに備えて。殿は俺がやろう。武器なら足りているからね」

明るく弥生に言葉のチョイスを指摘してから、エーリアルは度の入っていない眼鏡を押し上げる。相手は生気のない顔付きをした人形。きっと勝ち目なら数多存在することだろう。この程度の敵を相手に易々と敗北出来る程エーリアルも柔ではない。ひとまず面倒を起こしたくはないので、エーリアルは安全な場所を確保することを第一目的に動くことにした。

>>ジャック・イグニス様、レヴィ様、哀羽沢弥生様、周辺all様

【お返事が遅くなってしまって申し訳ございません……!】

13日前 No.545

雪鹿 @class ★Android=42zyboh5vZ

【ジャック・イグニス/南区:的屋→細道】

 祭りを楽しみ、次の行く先に話を弾ませていた。寒気を感じたのは、俺の予想通りにレヴィがイカ焼きに食い付いた辺りだったろうか。その直後、それは現れた。しかし、確認するまでもなく感じた敵意。咄嗟に手近で短めの鉄パイプを手に取り、僅かに口角を上げた
 レヴィが同じように鉄パイプ片手に殴り込むのを後目に、ジャックもダンッ、と音を立てて跳ね上がり、半回転して手足が逆転した所で物騒な刃先をぎらつかせる一人の頭へ、遠慮の欠片もなくパイプを持っていない左手を突いて軽く跳ね上がる。直後、敵が突然の負荷に体勢を崩した所で着地し、しゃがんだままに刃を持っている方の手首へ鉄パイプを軽く突き立てて、その動きを封じた――その時に、ジャックはようやく相手が人形という事に気付いて、少しばかり残念そうに目尻と口角を下げていた。

「ったく! 俺ちゃん、かき氷早食い対決位でイカサマなんざしないって言ってんだろ!? それともパンプキンが食いたくて仕方ないのか? 残念だが、俺ちゃんの頭は若すぎてカッチカチなんだな、これが。そういや、お前さん朝食でも抜いたのか? ちょっとばかり顔色悪いぜ? ま、空きっ腹にしろ貧血にしろ、これでも食っとけって!」

 直後、不機嫌そうに目尻を吊り上げてはいるが、それでも口元はニタリと弧を描いていて、人形相手にマシンガントークを繰り広げているのは相変わらずらしい。しかし、そんな最中で鉄パイプを突き立てていない方の腕が此方へ振り抜かれていた。まぁ、そんな事は彼のくり貫かれたような目の前ではお見通し。立ち上がりながら、鉄パイプを横に振り抜いて手を払う。それから、鉄パイプを上へと放り投げて、人形が立ち上がる過程で振り抜かれる日本刀を避ける為に再度飛び上がる。その空中で半回転、鉄パイプは丁度足の甲へ。
 最中でヤヨイが放った光線を眺めながらも勢いよくオーバーヘッドキックでもするかのように、鉄パイプを蹴り飛ばして丁度彼が喋り終わるタイミングで人形の頭をぶち抜いた。足がちょっぴり痛かったが、それは一旦置いておくとして、その後は人が少ない適当な場所――まぁ、平たく言うとレヴィの真隣に着地しちまった……レヴィの近くに来ちまったのは偶然だぜ、本当に。

「サプライズされるのが苦手か! 分かるぜ、その気持ち。俺ちゃんも照れ臭くって頭がどっかに行っちまうのさ。ま、嫌いじゃねぇんだけどな! ありゃ、これって俺ちゃんにとっても駄目な所か? いやぁ……生まれて初めて見付けちまったわ」

 たまたま聞こえたレヴィの話には、先程の不機嫌そうな雰囲気や残念そうな表情は何処へやら。ニパッと笑い、両手を大袈裟にやれやれと広げたかと思えば、ゲラゲラと笑い声を上げる。そうして、ふと何かに気付いたように片目を少し閉じてから、手をポンと叩いてカラッとした笑い、そして冗談と共に腕を組んで妙な感慨に耽っていた。え、だって俺ちゃんの悪いとことか無いだろ? 何処をとったってナイスガイなパンプキンヘッドとは俺ちゃんの事よ! ……それにしても、祭りに油を注ぐならまだしも、水を差すなんてな? それこそ、レヴィに水の使い方ってのをレクチャーしてもらった方がいいんじゃねぇの?

 そんな最中で、ヤヨイが命令を求めたエーリアルが統率を取るようにして人が居ない場所へと向かうように告げる。人が居ない場所、人が居ない場所ねぇ……ほうほう、まぁ確かに被害は抑えたいもんな。分かるぜ、うん。だけど南区で人が少ない場所とかそうそう無いよな……はてさて、どうすっか。

「ふーむ……ま、いいか。そういう事なら、俺ちゃんイイトコ知ってる。ヤヨイの嬢ちゃん! 案内のためにも俺が先導させてもらうが、変な気は起こさんでくれよ! さーて、祭りに血が付かねぇようにトバしてくが……俺ちゃん1人は流石に寂しい。だから、はぐれるなよ!」

 腕を組んだまま考えるように目を細めていたジャックだが、吹っ切れたようにパッと何時もの表情に戻って、同居人のレヴィの方をちらっと見てはニッと悪戯っぽく口の描く弧を深めた。間もなくして、斬りかかってきた人形の胴を左足で蹴り抜く。そのまま飛び上がって別の立っていた人形の頭に着地したかと思えば、再び飛び上がって比較的人の少ない近くの脇道へと立ち、手をブンブンと振りながら告げていた。
 その脇道が示す行き先はレヴィとエーリアルの二人なら、見当がつくかもしれない。そう、その道は彼の屋敷へと続く道。故に人通りは少なく、彼の移動が基本的に徒歩である以上は、そう距離は無い――普段以上に騒がしい南区で人の少ない場所となれば、最適と言っても差し支えないだろう。強いて残念な事を挙げるとすれば、既に彼は他の選択肢を聞く耳を持っていない事だろうか。

 しっかし、まさか俺ちゃんの屋敷に人形を御招待なんて夢にも思わなかったぜ! 今回にしろ、前回にしろ、もしかしてソルセリアってお人形フェスタでもやってんのか? やっぱり俺ちゃん、そろそろ人形も喋るべきだと思うんだ。こう、なんていうか……んー、アガらねぇんだよなぁ。
 他の三人が此方へ向かう間に腕を組んだままにそんな考え事をしながら、脇から飛び出てきた刃の横凪ぎを平然としゃがんで回避。それから、手を服の裾を掴んで強引に引っ張りながら立ち上がると呑気に屋敷の方へと向かって軽く走ってゆく……一応、三人が追い付ける程度のペースで走っているとは言え、彼の身体能力の高さのせいで軽くでも結構早いが。

「ほら、こっちだぜ! そら、鬼さん此方、手の鳴る方へ……って、俺ちゃん鬼ごっこ好きじゃねぇんだよな。やっぱ、俺ちゃんを捕まえて、とか言うべき?」

 くるりと後ろを向きながら、余裕たっぷりに上げた手をパンパン叩いていたが、途中で気付いたように溜め息を吐いて叩くのを止めれば、彼の右手はパッと消えて次に現れた時にはフランクフルトを持っていた。どうやら道中の屋台から取ってきたらしく、後ろ向きに走ってむぐむぐと食べながら、タンッと跳ねて彼の前方――この場合進行方向を指すため、彼からしてみれば後方だが――に立っていた人形を飛び越し、空いた左手で人形の頭を地面に叩き付けて再び走り始める。相変わらず、何処までも器用な男である事に変わりはなかった。

>エーリアル・クラウス・フォルツァ様、レヴィ様、哀羽沢 弥生様、all

【すみません!さらっとジャックの屋敷に向かっちゃいましたが、止めたり着いてこなかったりはお任せしますね…!】

12日前 No.546

雪鹿 @class ★Android=42zyboh5vZ

【フィアーバ・メルヴィル/北区・路地裏】

 どうやら、僕の方だけじゃなくてアイシャさんの方からも来ていたようで……となれば、つまりはそういう事だろう。どれだけの数が揃えられているのか、そこまでは予想が着かないけれど、きっと大規模な魔法を発動させ続けている者による事象と考えれば――規模は少なくとも、尋常ではないのだろう。なら、尚更に――
 そう思ったけれど、しかし、アイシャさんは答えた。此処で僕達を見捨てて行けば、旦那様に叱られてしまう、なんて……ううん、そっか。怒られちゃうか。やっぱり、少し申し訳無いなぁ、なんて。

「それじゃあ、手早く片付けよっか。流石に、狭い路地とは言え頭数を揃えられてしまったら、押し切られてしまうもんね」

 あちこちで吊るされた提灯の明かり。そして、うっすらと見える月の下で鋭く光を反射する刃を前にしてもなお、メルヴィルは戦場の緊張感という物を持たない。そこにあるのは敵意でも憎悪でもなく、ただ僅かな悲哀が残るばかり。今宵の夢、あれほど楽しそうであった夢、今はすっかり悪夢になってしまった悲しい夢。許せない、そうは思わない。ただ、こんな素敵な夢のような祭りを、誰にも恐いものだなんて思ってほしくないんだ。
 だから、夢を見ない彼等にも夢を見て貰おう。何を思われなくても、彼等の最後が少しでも惨たらしいものではありませんように――人形相手に、そう願う僕は愚かなんだろうか。あるいは、自己満足なのかもしれない。きっと僕の夢を押し売ってるだけだろうけど、それでも何もしないよりは、きっといい。
  “Shall we dance, dolls?” 聞こえてきた、その言葉を背に彼は未だ、そんな事を想っていた。

「そうだね、きっと今夜は良い月だ。それを背に踊るのも良いかもしれないけれど――夢を見るのだって、悪くはないよ?」

 にこりと微笑み、ゆっくりと両手を広げれば、幾つかの星明かりのような大小様々の光が彼の周りに現れる。夜空に輝く星のように色とりどりに輝く光の一つが一際大きくなり、彼の頭上へと浮かび上がった。その光は間近で輝いていると言うのに、目に刺さるような刺々しさを持っていない、穏やかな明かり。ただの魔力の塊ではあるけれど、それが分からなければ幻想的と評される事だろう。
 そうして、彼は口にする。弾けて、夢灯り――その一言を合図に、パチリと背にした光が弾けて降り注ぐ、淡い光の雨。今の魔力残量では、常に魔力の通った人形を変える事は出来なかったが、それでも彼の前面に居た人形の持つ刃は、わたあめへと姿を変える。そして、周辺の様子も脆かった壁やひび割れたコンクリートが、まるで建造された当初のように真新しい姿へと変わっていく。彼の近くに居たアイシャの持っていた鉄棒も、一抹の明かりに触れて武器としては十分な硬度と太さを得ている……流石に、アイシャさんの方の人形には届かない、か。

「なんて、ちょっと気障が過ぎたかな。他に何かあったら言ってね」

 あはは、と照れ臭そうに笑ってアイシャへ一言告げれば、まだ残っている光と共に彼は武器も持たずに人形の方へ駆けて行く。敵も武器を持っていないとは言え、相手は素手でも殺傷能力を持った人形。一見すれば、それは無謀にすら映るだろうが、この程度で倒されるなら、彼は過酷に溢れた北区で今頃生きてはいない。
 武器では無くなったからだろうか、地に捨てられたわたあめは地に落ちれば、環境に悪いし、と残存していた魔力を使ってふわりと消しておく。戦闘中でも、無駄なゴミは出来るだけ出したくないからね。
 そして、彼へと突き出された拳。それを直前で右に避けて肩へ一直線に光を灯した指先を伸ばした。届く、その寸前でメルヴィルは一つ謝っておく。

「ごめんね、少し痛いかも」

 人形の肩に触れた光の輝きが一瞬増したかと思えば、人形の肩のパーツを消してしまった。故に、その先の腕は音を立てて下へ落ちる。直接触れて魔力を流し込めば……うん、一部だけなら変えられるね。
 ――それにしても、人形に痛覚が無いとは言え、やっぱりこういう事をするのは気が引けるなぁ……何かを守るためには仕方無いのに、僕は大概甘いや。

>アイシャ・ノワール様、all

12日前 No.547

ルシエラ @mistydark☆NIljAHmRyhk ★Android=GaTaMXF8bf

【ルシエラ/中央区→移動中】

 此処に留まって人形狩りを続けると言うリリィと、南に向かうと言うヤン。それぞれの言い分は納得のいくものであったし、そもそもさっき出会ったばかりの行きずりの共闘者でしかないルシエラに、引き留める理由など何処にも無かった。
「ふむ、それでは……折角お会いできたのに少し残念ではありますが、本日は此処でお別れですわね。お二方の御武運をお祈り致しますわ」
 余り残念そうには見えない顔で、ルシエラはバラバラになった人形を見遣る。先程の様子からしてリリィもヤンも心配する必要は無いだろう。ルシエラ自身も押し負けるなどとは小指の甘皮程も思っていないが、果たしてそう簡単に各々の目的地に辿り着けるものか。
「……お互い健闘しましょう、もし道中で首謀者に出会したら、ワタクシも可能な限りお伝えしますわ」
 狼煙代わりに、巨大な鎖を打ち上げるとか。

「それでは皆様、短い間でしたが有り難うございました。次のご縁がありましたら、その際はどうぞ良しなに……ああそうそう。リリィ様は何れワタクシのお茶会にご招待致します、またゆっくりお話しましょう」
 特に連絡手段を持っている訳ではないが、フォーマルハウトの名があれば探すのは容易いだろう。一応お礼云々の件を忘れていないルシエラはそう告げて踵を返した。
 元来た道を辿るルシエラの目的は一つ。バルザードの眠る病院の無事を確認すること。

>リリィ・フォーマルハウト様、ヤン様、周辺all

【お返事遅くなりまして申し訳ありません。そしてルシエラはこれにて離脱させていただきます、絡み有り難うございましたm(__)m】

11日前 No.548

ぴーぴーけー @ppkppk☆ErEBsPNY5g.j ★iUcwHsnoGa_NqW

【アイシャ・ノワール/北区・路地裏】

「さすがですね……。そして、ありがとうございます、これで満足に戦えます。」

 手に触れる鉄棒の質感から、彼の魔法を受ける前とは剛性が明らかに違います。先程の状態であれば、二度か三度攻撃を受ければ破損していたことでしょう。ですが今の鉄棒は、家にある私の武器とまではいかないまでも、この現状を打破するには十分すぎるほどの武器となりました。さすがは旦那さまが「環境改変型の魔法でメルヴィルよりすごい奴は見たことがねえ(声真似)」とおっしゃるほどですね。彼の操る流星群が人形達を駆逐していくのを脇目に、私も頑張りましょう。

「……可動範囲は人間と同じようですね……。それなら……!」

 棒を利用して素早く人形の腕を絡め、斜め上方向へとひねり上げます。人体構造上、こちら側には動かせないはず。やっぱり折れましたね。私だって、ダテに旦那さまのもとで勉強していないのですからね。人間の身体の構造はきちんと覚えておりますよ。

 地面に棒を突き立ててポールダンスのように回りながら周囲の人形達を一掃します。金剛力によって増強したパワーをもってすれば、蹴りの一撃で頭部を破壊することができるようです。しばらくすると、人形の数もかなり減ってきました。メルヴィル様の方をちらりと見てみれば、どうやらあちらもほとんど片付いてきているようです。あと数体。

「メルヴィル様、ここが終わり次第、他の区へ向かった方がよいかもしれません。私が確認したところ、他の区はもっと多いと判断いたします。」

 金剛力によって強化された聴覚と視覚で確認した他区の情報は、あまり喜ばしいものではございませんでした。街の喧騒から考えても、北区は人形の数も比較的少ないようです。ならばここが片付いた後は他の区へと応援に向かった方がよいでしょうね。私が相手をしている最後の2体を開脚蹴りで同時に鎮めた後、遠くの喧騒へと目を向けます。あちらの区は大丈夫でしょうか……街の皆様が心配です。

【遅くなって申し訳ございません……!!】

>>フィアーバ・メルヴィル様、周辺ALL

9日前 No.549

狼谷 @anima1997☆PMqTzZiUwVg ★iPhone=rWwjSnqBVX

【レヴィ / 南区:→屋敷】

 奢ると言ってくれているエーリアルに、「俺も楽しんでるから気にすんじゃねーよ。俺らなんかにまで気ィ回してると禿げるぞ」と、笑いながら返答した。代償が欲しくてエーリアルと友人でいる訳でも、弥生を見守っているわけでもないのだ。賑やかな方が祭りは楽しいに決まっている。わたあめがいいと言う弥生に軽く微笑んでいた。

 そんな平和なやり取りも束の間に、人形による襲撃が始まった。自分とほぼ同タイミングで――いや少し彼の方が早かっただろうか――ジャックが得物を人形へと突き立てる様子が視界の隅に映っていた。(ひゅー考えていることは一緒かよ、以心伝心キマったな)なんてことを悠長に考えていたレヴィは、次の瞬間指先から光線を出す弥生を見て感嘆の声をあげた。
 自分の隣に降り立ったジャックを見て、へらりと笑った。やはり彼が隣にいると心地よい、なんて思っていることは、ジャック並に口が裂けたときに言うため、今は黙っておこう。

「お前、何処をとっても自分はナイスガイだとか思ってんだろ、その顔。だがな、それは違うぜ。シャイゆえに逃避行しちまったテメェの頭。その時点でジャーック、お前はただのガイだ。ナイスなのはそのパンプキンなヘッドであって、お前自身のことじゃない。……なんーてな」

 チッチッチッと舌を鳴らしながら人差し指を左右に振る。もっともらしい口調で酷なことを言ってのけたが、最後には冗談めかしく言葉を締めくくって、言葉の綾だということを仄めかす。そんなやり取りをしている間にも、パイプを握った手は勿論動かしていて、レヴィの足元には人形の首が転がっていた。



 人が少ないところはないかというエーリアルの言葉に、眉間に皺を寄せて顎を撫で、暫し黙考する。(そういや髭剃り忘れてたな)なんて、顎の無精髭をさすって考えていたのは秘密である。口を開いたジャック――常に口は開いている、なんていうツッコミは受け付けていないし、いつからこれを口だと錯覚していた?――を注視する。言い終わってから此方を見て口の湾曲をいっそう顕著にさせるジャックに、閃いたように眉をはね上げる。そしてピストルを模した人差し指と親指を立ててL字にした両手を彼へと向けた。そう、弥生ならば指先から光線を出せる構えだ。

「人は少ないからって静かなところだとは限らねぇけどな」

 その口調はとても愉快そうで、レヴィの機嫌の良さが滲み出ていた。ジャックと同じように――といっても彼のように絵に描いたような弧では無いのだが――ニンマリと口角を吊り上げ、意地の悪い笑みを浮かべた。人形を撃破しつつ脇道へと降り立ったジャックを見て、頭の後ろで手を組んだ。ホームグラウンドで戦う試合ほど気合いの入る試合はない。ジャックの何気ない一言が、レヴィの口に宿るマシンガンの引き金を引いた。

「パンプキン畑でつかまえて、だな。主人公のいたいけな中年・レヴィの仕事はカボチャ畑で遊んでいるガキ共が崖から落ちそうになったら救うことだ。一日中、ただそれだけをやればいい。パンプキン畑のつかまえ役、そういったものに俺はなりてぇ。おお、マザーシー、馬鹿げてることは百も承知。でも、真になりたいものといったら、それしかないね。馬鹿げてることは知ってるけどな。――――ってとこか? 興行収入は……パンプキン一年分だぜ、おめでとう親友」

 べらべらべらと嘘八百な言葉を並べて、締めに鼻唄を歌う。馬鹿げていて拙いオマージュだ。多弁な中年の寂しい独り言だと思って聞き流して頂けると有難い。
 先頭を行くジャックが大まかに道を作ってくれていた。そのためレヴィ達は、数秒前までは凶暴だった今や無機質な残骸を横目に、たまにお零れで回ってきた粗暴な人形の相手をするだけで目的地に辿り着くことが出来た。ペースランナーが給水所――お察しの通り屋台である――でフランクフルトを手に入れているのを目敏く発見し、「おいおいおい、カーニストなベジタブルなんて聞いてねぇぞ。ベジタリアンなアニマルなら数多と存在するが」なんて不平を言う。しかしジャックの耳に届いているかは定かでない。

 愉快なランニングをしているうちに、屋敷が見えてきた。南区の外れにある、古ぼけつつも何処か荘厳な洋館。錆びてはいるものの仰々しい門が出迎えてくれた。不法侵入者も暇を潰す相手になるのなら大歓迎なので、鍵は掛けていない。蔦の蔓延る煉瓦造りの外壁と、庭の噴水、そして愛すべき親友の愛すべきブラザーがたくさん並ぶカボチャ畑、次々と視線を移し、最後に弥生を見た。

「ようこそ、此処が俺とパンプキンヘッドの愛の巣さ。……ん? ああ、もちろん愛を育むんじゃなくて、愛すべき親友とシェアハウスしてるって意味だぜ」

 軽口を叩いて、門を押した。金属の独特な音が響く。さて、パーティの再開だ。思う存分楽しめる最高の開催地。

【どうしても的屋前にいるときの皆さんのアクションにも反応を返したくて長々となってしまいました……!屋敷に着いたことにしてくださって構いません!】

>>エーリアル、ジャック、弥生、ALL

9日前 No.550

@purple3ru ★iPhone=5uXDFiflht

【 哀羽沢弥生 / 南区:的屋→屋敷 】

「りょーうかぁーいっ!」

先陣を切り、安全な場所へ向かう。命令――じゃなくて、指示。指示を口の中で復唱して、満面の笑みで返事しながら、リュックからからっぽの水鉄砲二丁を抜き出す。
さて、この辺りだと何処があっただろうか。弥生の行動範囲は主に東区が中心だが、勿論フォルツァ家にとっての邪魔者を排除するために、北へ南へ西へ真ん中で、何処へでも行く。だから、この南区だって、何度か訪れたことがあるのだ。さてさて、何処へ行ったものか。とりあえず、人気がなさそうなところへ――

「――は?」

『イイトコ』を知っていると言う南瓜頭が、『先陣を切れ』という弥生に下された命令を崩すのように、先導するため自分より先を行った。その瞬間、弥生の顔から表情が抜け落ちた。目はいつも以上に見開き光が消え、口を小さく開け、明らかに不機嫌を表した。隠す気が無いかのように――というか、隠す気はさらさら無かった。殺そうと思った。人形相手にビーム撃つのはよく無いけど、南瓜頭に撃つのは駄目とは言われてないもの。迷いなく、高火力の光線を撃とうかと思った。『変な気は起こさんでくれ』? 知ったことか。フォルツァ以外の命令はどうだっていいんだから。そう思ったけれど、やめた。エーリアルは『弥生が先陣を切る』ことよりも『人形の手が及ばなそうな建物へ行く』ことを優先しているように思える。だから、許してあげることにした。

結構速い南瓜頭に、哀羽沢家の者としての当然か、余裕を持って追いついていく弥生。横から自分の首を切らんと日本刀を水鉄砲で受け、片手で人形を地面へ押し付け踏みつけ、走り抜ける。そうしているうちにあっという間に屋敷へ着いた。

「……なんだか、『はいきぃ』みたいだねっ、えーりある……『さん』? 『様』? あの2人の前ではまだ『さん』かなっ?」

ズカズカと門をくぐり庭へ入りながら、そんなことを口にする。侵入者が入ってこないように、門のところへ触れた瞬間焼き焦げる光線を張り巡らせておいた。勿論、人形を他人専用だ。自分もエーリアルも残り2人も、コレに当たっても焼け焦げない。

>>エーリアル・クラウス・フォルツァさま、ジャック・イグニスさま、レヴィさま、周辺allさま

【めっちゃ遅くなりましたすみません!!!!!】

3日前 No.551
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