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火事と喧嘩は魔都の華!

 ( オリジナルなりきり )
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すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

魔術師、それ即ち、魔法、妖術、幻術、呪術などを使う者たちのことである。



【???/とある路地裏】

「魔法なんて夢物語、存在する訳がねぇよ」
「何故そう断言出来る?」
「何故もどうしてもねぇだろう。この時代に、世界に、魔法も魔術もありゃしねぇ。1000年前ならともかく、今時そんなもんを使う奴等がいようものなら、時代そのものが狂っちまわぁ」
「狂う……か。なるほど、狂うときたか」

ざくり、と。何かが柔らかいものを突き刺す音と共に、男の司会がぐらりと揺らぐ。ごふ、と口から血が流れ出し、口中は鉄錆の味に包まれた。彼は何が起こったのか理解できていない。たまたま酒場で出会って、帰り道を共にしていた人物に何をされたのか、わからないまま彼は絶命した。
男の胸には“真っ白な手が突き刺さっていた”。何処からともなく現れた、明らかに人間のものなのであろう手。それは男の隣を歩いていた人物のものではない。否、誰のものでもあるはずがなかったのだ。だってこの路地裏を歩いているのは彼らしかいなかったのだから。つまり、男一人の心臓を突き刺した手は空中から突如現れたということだ。

「ふふ、馬鹿らしい」

人物は笑う。笑って嗤ってわらい続ける。その笑い声に釣られるかのように、その人物の周りには次々と白い手が現れて、パチパチパチパチと五月蝿いくらいの拍手喝采を送る。誰もいない路地裏に、ずっとそれは鳴り続ける。その人物が笑い続ける限り、ずっとずっと、狂ったように。


「━━━━私たちはとっくに、この都市という夢物語に狂っているのにね」



ーーーー→あなたたちはなぁに?

「何って、決まっているじゃない。私は魔法使い。此処に居る限り、私はずっと魔法使いよ」
「愚か者でも構いやしねぇ。だって此の世はみーんな仮の住まいって奴だからなァ?」
「全てを壊し、破り捨てて、そして再生させる。こんな腐ったもの、わたしたちの口には合わないもの」
「貴方に絶対の忠誠を誓いましょう」
「僕の邪魔をするなら絶対に許さないぞぅ!」
「……さて、次の依頼は何だったか」
「これは呪いだ。私以外の、全ての人間に課す呪詛だ!」
「お前、まだ常識なんてものを信じていたのか」
「さぁさ、寄ってらっしゃい見てらっしゃい!」
「あーあ、今日も才能が爆発してるよ」
「なんだ、新入りか。それなら早く着いてこい、野垂れ死にたくないんだろう?」

此処はソルセリア。魔法使いが治める都市にして、今日も何処かで血の流れるあの世に最も近い場所。魔法や魔術の闊歩する魔都であり、血腥さに溢れた魔都。そんな街に住まう曲者たちの織り成す、奇抜で狂った物語。

【魔術師が力を持つ都市で、非日常な日常を送ろうぜ!をコンセプトにしたスレッドです。少しでも興味をお持ちになられた方は是非サブ記事へ……!】

メモ2018/09/06 22:54 : すずり☆uVgy9R1pZdc @suzuri0213★Android-ti0IvmfI1e

【ルール】http://mb2.jp/_subnro/15753.html-1#a

【舞台・用語】http://mb2.jp/_subnro/15753.html-2#a

【プロフィールの書き方】http://mb2.jp/_subnro/15753.html-4#a

【現在の募集状況】http://mb2.jp/_subnro/15753.html-328#a


まだまだキャラクター募集中ですので、興味をお持ちになられた方は是非サブ記事までお越しくださいませ……!

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漆黒の冒険者 @andouken ★BxGXTrkAtu_UHY

【真神タケル:東区:ビル街付近】

 利益目的で動いている事を明かせばいくらか警戒を解いてくれるかと思いきやまだ疑念を持たれている様だ
その一方で無欲なのか無欲を装っているのか分からない相手は信用している様だが、どうやら只より高い者は無いと言うのに
 ルイーズの様子を見て心配にあるも、まぁツケはいずれ自身で払ってもらう事になるだろう
首謀者について情報が得られ魔眼で見た一団の中に居た少年に思い当たる。
 しかしクルスの提案でイドラを仕留められない可能性が出て来た事に内心どうにかしなければと考える
神出鬼没な子供たちの群れに、それを隠れ蓑にするイドラを無計画に探して見つける事は砂漠に落ちた砂金や
大海に逃げたメダカを追うようなモノしかしイドラの標的が手元にあればイドラの方から寄ってくると踏んでいた
 なによりロシュフォール家なら見つかりやすいが、見つかったとしてもロシュフォール家で見た森を生む魔術を見て
守り切れるとの確信めいたモノも持っていた逆に他の区に逃げても見つからない保証もなく見つかれば袋のネズミになるだろ
 自分と関係ない状況でルイーズがどんな最期を迎えようと構わないがタケルの保護下で死なれるとロシュフォール家との関係
やりりィとの契約にも関わって来るだろうが、ルイーズがどちらに付くかは一目瞭然との危機に懐に手を入れる

「安全な場所ね………そこはイドラとやらに踏み込まれても安全か?ロシュフォール家は当主殿の魔法で森の要塞と化していたが、そこより安全とは恐れ入る」

 イドラには多くの子供を精神支配下に置いている事からどこにその目があるか分からない以上見つかる事は想定しておくべきだろうと言う
皮肉めいた意図もあったが何より戦闘向きでないクルスと子供二人だけこちらに判断を委ねている以上
俺と青年が揃って騒動を収める側に回る事も考えているはずだが、そうなったらどうする気なのか青年とクルスは恐らく騒動の中で知り合ったはず


「………まぁこのザマさ。だが君が来てくれたのなら千の兵を得たと同じ。光明も見えてくるかだが彼はこの状況下で安全な場所とやらに向かうそうだ」

 リリィの言葉に自身の怪しさの事もあって苦笑交じりに笑みをこぼすとクルスの提案内容をその場にいなかったリリィにも話す
しかしリリィに対して言った言葉の通り彼女が来てくれた事はありがたい情報のない青年を戦力としてアテには出来ない。
 クルスについて多少は知っているが素性だけで戦力としては未知数だがリリィは違う戦力としてだけでは無く兵数としても頼りになる
とは言え有効範囲はあるリリィから離れられたら護衛の死者も物言わぬ死体に戻ってしまう。
リリィを中心として数で守りつつ森の要塞に入った上で籠城する方が守り切れるし当主殿の眼前でイドラをしてめられようて
 それに隙あらば青年か俺かがイドラを暗殺できようが俺が言うよりフォルツァ家の名を出してくれたリリィに任せた方がいいと
リリィに視線を送るいざとなったらルイーズを、いただいて行こうと言うアイコンタクトだ付き合いは長くは無いが裏に生きるもの同士
通じようと期待し彼女の行動を待った



>>クルス様、ルイーズ、サニタ様、リリィ様

11日前 No.304

癒しの炎 @kaizelkai ★OXLEo7dgy0_mgE

【 サニタ・フォーヤン/東区:ビル街付近 】


 「 “イドラ”?同じ子供とは思えないねぇ、それにここまでの騒動を起こすなんて普通じゃない。 」

 ルイーズという貴族の女の子は自信満々に答える。名前と容姿がわかるなら自分が見つけてもわかるだろう。しかし同じ子供で人を襲うような事を起こし、只者ではないと思う。まるでやっている事は犯罪者、何も知らない子供とは思えない人物である。そんな自分が合間見たら、子供とはいえ果たして捕まえる事は出来るだろうか。それは難しい、何故なら自分はただの料理人なのだから。けどそのイドラを捕まえたら、この騒動は収まるのは間違いない。


 話をしてる時に、車から一人の女性が歩いてくる。白いワンピースに白いつばの大きい帽子をかぶった何処かの令嬢な服装をしてる。綺麗な女性だが、腕に付けている骸骨をモチーフにした腕時計は服装と合っていない。そういうお洒落なのだろうか。
彼女はリリィと名乗り、タケルの身の保証もしていた。共闘という事は彼らは戦いに向いた人達なのだろうか。しかし、このリリィという女性からは何か臭ってくる。何かが腐った臭いが鼻腔の中を駆け抜けるが、初対面相手に臭いというほど度胸はない。
こちらも素直に自己紹介を二人にした。


「 僕はサニタ・フォーヤン。タダの……“料理人”です。」


 頭を下げて二人に自己紹介後、クルスからとある提案が出される。東区の騒動を収める側と、この子たちを保護する側で別れるという話だ。それを聞いて思考を始める。確かに自分の魔術を使えば騒動を収める手伝いは出来るが、それはある意味難しいかもしれない。扱いが難しく、被害が広くなりそうだからだ。それに戦いの玄人が二人もいるなら、そちらに任せた方が良い。


「 僕はクルス君についていくよ。君一人だけだと大変だと思うし、元々微力ながら手伝いに来たわけだしね。 」


 クルスに答え返す。それは子供達を守るという答えだった。攻めるより守るくらいなら、多分問題はないだろう。一人で子供二人を守りきるのは難しいし、複数いれば問題はないはず。
最悪は本当に自分の魔術を使って、火の粉を払わなければならないだろう。自分の“炎”で誰かを傷つけるより、誰かを守るために使う方が良い。そう思って、自分は選択した。


>>クルス・オラクルーム、真神タケル、リリィ・フォーマルハウト

10日前 No.305

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

【クルス・オラクルーム/東区:ビル街付近】

タケルは住宅街には向かわない方が良いというクルスの提案には乗り気でないようだった。彼が言うには現在ロシュフォール邸は何らかの魔法で半ば要塞のような状態になっているという。しかしそんな話を聞いてもクルスは己の意見を曲げる気にはなれなかった。ある程度反論されることは覚悟の上である。クルスは嫌な顔ひとつ見せず、相変わらず微笑みを浮かべたまま続ける。

「たしかにロシュフォール邸は安全かもしれません。しかし、よく考えてみてください。我々がロシュフォール邸に向かっているところをイドラさんに目撃されたらどうするのです?ロシュフォール邸は格好の獲物になってしまうでしょう。それでは本末転倒です」

ルイーズを救うためにルイーズの家族を犠牲にするなんて洒落にはならない。それくらいだったらルイーズは死んだ方がましだと思うだろう。そのためクルスはロシュフォール邸に近付くことは避けたかった。イドラが目標としている住宅街に向かうなど、死地に飛び込むことと何ら変わりない。自分が傷付くことに関しては無関心なクルスだが、他人となれば恐ろしい程に傷付くことを気にするようになる。

「東区を出ればある程度安全は確保出来るでしょう。中央区であればイドラさんもさすがに襲撃を仕掛けてはいないはずです。イドラさんは恐らく洗脳を主とする魔術師ですから、子供たち以外に戦闘手段を持っていない可能性が高い。そんな人がわざわざ中央区に足を運ぶとは思えませんが」

要はある程度身の安全を確保出来る中央区に子供たちを避難させ、設備もしっかりしていそうな公共施設に身を寄せるつもりでいるらしい。中央区にはソルセリア外からの観光客も訪れる。そのためソルセリアの中では最も魔法の規制が行き届いていると言っても過言ではない。クルスの記憶の中の中央区では特にこれといった大きな暴動が起こったこともなく、那由多からも「何かあったら中央区に行け」と言われている。少なくともいつ何処でイドラにかち合うかわからない東区の住宅街よりは安全と言えるだろう。
そんな中、一台の車がクルスたちに向かって近付いてきた。何かあってはいけないとクルスは子供二人を自分の傍に引き寄せる。車内から出てきたのは一人の若い女性だった。つばの広い帽子に、西洋人形のそれを思わせる出で立ち。そして常に笑っているかのように見える糸目が特徴的だ。一見穏和な印象を持たせる彼女は、優雅な所作でルイーズに対して自己紹介をした。どうやらタケルの知り合いらしい。物腰柔らかな物言いの女性━━━━リリィ・フォーマルハウトだったが、ルイーズは彼女の名前を聞くと表情を険しくさせる。

「……そう。事情の方はわかりました、フォーマルハウト様。あなた方もお外に出るなんて、珍しいこともあるのですね」

言葉こそ丁寧なものの、ルイーズの口振りは決して明るいものではなかった。クルスの背中に隠れるようにしながらリリィに言葉を返す。何か彼女なりの理由があるのだろうが、今のところクルスやアルセンにその意図を察することは出来なかった。

「おや、サニタさんは僕に同行してくださるのですか。それはありがたい。何か起こってこの子達二人だけで行動させるのはさすがに危険ですからね。あなたがいてくだされば僕も安心出来ます」

にこり。平然と微笑んだクルスだが、わかる者なら「こいつは死ぬことに対して一切の恐れがないのか」と彼を不気味に思うことであろう。クルスは死に対する恐怖というものが薄い。だから誰とも知れぬ他人のためにも身を投げ出せる。勿論ルイーズとアルセンを守るためであればイドラの傀儡である子供たちの前にも立ちふさがるだろう。そういう男なのだ、クルス・オラクルームは。

>>サニタ・フォーヤン様、真神タケル様、リリィ・フォーマルハウト様、周辺all様

10日前 No.306

@purple3ru ★iPhone=5uXDFiflht

【 哀羽沢弥生 / 東区:移動中 】

此方の真剣さと打って変わって、余りにも緩い相手の態度に「チッ」思わず舌打ちをする。相手のキャラクター性も自分のキャラ設定も興味は無い。今はそんな些事よりも、最重要事項に答えて欲しかった。相手の微笑みに再度問いかけそうになった途端、空の水鉄砲に鎖が巻きつく。「っ!?」それに気を取られている間に、相手は後ろへ退き、自分から遠ざかった。これに関しても別に問題は無い。どんだけ離れていたって、水鉄砲を使用不可にされたって、ゼロ距離で光線を撃つことは可能なのだから。しかし、高貴な哀羽沢の家の自分が、こんな簡単に油断させられたのが悔しく「……チッ」再び舌打ちした。

「……――そっかぁ! あなたもふぉるつぁ家と何かあるんだね! じゃあしんじるよ! おたがいがんばろーねっ! あ、ヘンなことしたら勿論その瞬間ぶっ殺すからな? そのつもりでー、よろしくぅ!」

相手から是と返ってきたのを確認した瞬間、声の調子は相変わらず無邪気だが、口調は幼く頭の緩そうなものに、背中は少女の方に、瞳は細め、口角を上げ、腕を下ろし、水鉄砲の銃口を地面に、戻った。一瞬だけ乱暴な口調が戻ったが、表情は元の元気いっぱいなかわいい笑顔に戻っていた。

「うんうん! さっさと行っちゃおー……で、行くあてはあるの?」

「えい、えい、おー!」とでも言うように腕を振り上げたが、すぐに立ち止まって振り返り、そう問うた。

>>ルシエラさま、allさま

9日前 No.307

ナトリウム @asdpoi556 ★Android=h61nJht09N

【リリィ・フォーマルハウト 東区 ビル街周辺】

「ええ。私達も東区の皆さまをお助けしようと、ついでにネクロマンサーの悪評を払拭しようと動いている次第でございますわ。」

あくまでも打算で動いていることは誠実に伝えながらも誠意を見せるカタチでルイーズの発言に応じる。実際は各々の家に貸しを作る為にフォーマルハウト家は動いているのだが。リリィもルイーズを利用してロシュフォール家に貸しを作る腹つもりだ。

「さて、私達はロシュフォール様をご自宅へお送りすること、貴方たちはロシュフォール様とそこのガ……少年を中央区に連れていくこと。まぁこの対立の落としドコロは━━」

タケルから事情は聞いた。ロシュフォール家の娘ごと彼らは中央区へ行くつもりのようだ。確かに中央区は安全だが、そんなことをされたらせっかくの手柄が向こうに渡ってしまう。タケルの目配せからとりあえずこちらに交渉は任せるという意図は伝わった。期待に応えなんとしてもロシュフォール家の娘をてにいれよう。

「私達はロシュフォール様をご自宅にお送りしてそちらはその子だけを中央区に連れていく。これならばお互い損をし合うことない理想的な折衷案だとは思いませんか?貴方が指摘した点も私の車でロシュフォール様を安全にお送りできますしイドラに発見されることはありませんわ。」

少年が指摘した点はリリィが来たことにより改善された。車で隠して運べばイドラには見つけられはしないし来たら来たでむしろ好都合。そして折衷案とは名ばかりのちゃっかりルイーズをてにいれつつ、しれっと利用価値がないガキを押し付ける提案をする。皮肉にも不利益はこの提案はどちらにもない。感情の面はともかく理論的には文句は言えまい。

相変わらずの人形のように表情を変えない無機質な笑みを浮かべて返答を待つ。


>>サニタ・フォーヤン様、真神タケル様、クルス・オラクルーム様、周辺all様

9日前 No.308

ワンコ @vtyjf ★4gCE4td3c0_gaI

【西区→東区/ダンスホール付近→路地裏/メリア】

>>オズワルド・ロバート、ルカ・S・バシュラール、リューグナー・フレッサー

突如響き渡る奇怪な咆哮に、意志をなくしていた子供たちの瞳に理性が戻る。そのまま、その声に驚いた子供たちは散り散りに逃げ出して行くき、仮面の男が何かを吐き捨てるように言い残して子供たちの後を追いかけて走り去っていく。

こちらへと手を伸ばして何事かをしようとしていたようだが、もしもこちらへと触れるつもりならば問答無用で発砲するつもりだった。もっとも、それはオズワルドの機転であろう奇声で未然に防がれたわけだが――

「――そう」

一応、気の無い返事を仮面の男に返し、東区の方へと走り出す。西区に集まっていた子供たちの何割かはこれで正気に戻った、そして仮面の男は主張はどうあれ子供を助けようとしていることには間違いはない。

ならば、この周辺は任せても大丈夫だろう――それに、どうにもあの仮面の男とは相性が悪そうだ。

「後は、おねがい……」

ダンスホールの中にいる人の良い彼へ、呟き残した言葉は届かずに溶けていく。今から向かう東区は、西区とは比べものにならないほどの子供たちが集まっている。つまりは、東区こそこの事件の首謀者の目的の一つである可能性が高い。少なくとも、西区よりは物騒な状態になっているということは想像に難くない。

そのまま、音もなく月光すら差さない路地裏へと身を翻し、闇の中へと消えていく。次に目指すのは東区、騒動の中心地だ――


【→東区/→路地裏/メリア】

>>イドラ、レヴィ

悲鳴、怒声、遠くで聞こえたその声を便りに住宅街の屋根の上を駆ける。屋根の端、次の屋根までは軽く跳んでも十歩以上の距離――届くはずのない空間へ、身を踊らせる。

タンッ、タンッ、と小気味よく鳴る音の発生源は、目指す次の屋根の上。瞬き一つよりも短い時間、踏み出した足先に『穴』が生まれ、そこが足場となる。繋がるは目標の屋根の上、結果足音だけが『穴』の繋がった先である屋根の上から聞こえるという怪奇現象が発生していたが、メリアには関係のない話だ。

「たしか、こっちの方――」

直線距離を駆け抜けて、最短経路でここまで来た。何かが起きているなら、止めるのは遅くないはずだ。と、屋根の上からキョロキョロと見回した、その視線の先に見知った顔を見つけた。

そして、相対する子供たちの集団もまた、メリアの瞳が捉える。

――小さく黒い外套を纏った影が音もなく宙を跳ねる。

遥か遠くの屋根の上で足音三度、四度、そして五回――月光を背に、子供の集団の背後から飛び込むようにメリアが強襲する。

チラリ、と壁に立つ男へと視線を向けて、目だけでこちらに合わせるように一方的に告げると、そのまま会話を交わしていた子供へと飛び蹴りを仕掛ける。

慣性と重力加速の相乗効果、如何に子供の体重といえど何の身構えもなしに受ければ昏倒は免れないだろう。

この子供が誰で、おじさんスライム魔法使いとどういう知り合いなのかは分からない――が、少なくとも、仲良くお茶会をするような仲ではないことだけは確かだ。それならば、一先ずは、少々手荒にでも倒してしまうのが良いだろう。

などと、短絡的に考えていることを熟練の顔見知りの魔法使いは察してくれるだろうか。


【過密気味だったこともあり、レスのお返事が来ないことも併せてレス蹴りと離脱をさせて頂きました。事後承諾となってしまい誠に申し訳ありません。>>溺様、サムライ様、めろ様】

【絡ませていただきます。文字通り飛び入り参加になりますが、宜しくお願いします。>>すずり様、狼谷様】

9日前 No.309

漆黒の冒険者 @andouken ★BxGXTrkAtu_UHY

【真神タケル:東区:ビル街付近】

リリィが到着した事で奇しくも全員の名を知る事になるサニタ・フォーヤンそれにクルス・オラクルーム
サニタと言う男はクルスの提案に乗るつもりの様だがあいにく俺には自殺願望なんてものは無い。
 何よりロシュフォール家が格好の獲物になってしまうなど考えてはいなかった
その辺の三流魔術師ならいざ知らずあのロシュフォール家を獲物になるのまして格好のとはロシュフォール家を見下しているのだろうか?
 いざとなれば始末してルイーズの身を確保する事も考えたが、リリィが上手く話しを流れを動かしてくれる上手くいけばルイーズを救える
その可能性が見出せそうだ正直タケルにとって保護対象はルイーズだけでありマフラーのガキだどうなろうと知った事では無ければ敵に情けをかける気もない
 何よりの懸念材料は敵は必ずしもイドラだけとは限らないライトノベルの様にヒーローと悪役の戦いでは無いイドラと言う石がソルセリア落ちた事で
様々な波紋が起きよう何よりタケル達は道楽で保護しようとしているのではないロシュフォール家に貸しを作るはずが命を狙われる理由を作っては本末転倒

「そうだな………俺達のやっている事は道楽でもヒーローごっこでもない。が落としどころとしては妥当か」

 リリィの提示した条件はタケルにとっては願ったりかなったりだが、足元を見られないように、それならばと言う姿勢を
貫きつつ相手を見ていると自身の端末に奇妙な情報が入って来るその内容が海賊船………何かの冗談と思えたがそうではないらしい
 この状況で現れた海の向こうから現れた別勢力イドラの援軍とは思い難いがその可能性も一応考えておいた方がいいかもしれない
ここまでなかば強引に中央区に向かおうとする理由と関係はあるのか、だが那由多に拾われて以降外と繋がりは無いはずだ

「これ以上此処に止まるも危険だ。どうだろうリリィの提案に乗っては貰えないか?こっちは遊び半分じゃなく業務としてやっている以上責任もある」

 両手を広げて話しかける本当は勝手にロシュフォール家寄りに動いているだけだが、そこは隠しておく事にした
なによりリリィの提案は素晴らしい足手まといを押し付けルイーズを手に入れ上手くいけばルイーズを狙ってきたイドラを仕留められる可能性も出てくる
 一石二鳥ならぬ一石三鳥だが、これ以上この場にとどまりたくないのも事実である中央区行きを強行すると言うのならばイドラサイドに鞍替えすく事も
考えなければならないだろう興味があればリスクも気にしないタケルも無駄なリスクをしょい込む気は無いが、それがリリィに対する裏切りになる事を
考えると悪臭としか言えないどうにかしてロシュフォール家向かわなければ計画は水泡溶かすそれだけは避けなければならかった。


>>クルス様、ルイーズ、サニタ様、リリィ様

9日前 No.310

狼谷 @anima1997☆PMqTzZiUwVg ★iPhone=BN3hO8AmiJ

【レヴィ/東区:路地裏】

此方の視線に気づくということは、それなりに注意力のある人物ということがわかった。この少年、やはりただの子供ではないという目論見は当たっている。

「俺の名前が知りたいのか? 熱烈なファンにでもなっちまったか、坊主。」

名乗ったところで考えられるデメリットは無かった。いや、メリットでありデメリットなことは、ファンが増えてしまうことだろうか。そんなことを言い続けていたら、この少年の堪忍袋の緒が切れてしまいそうだから冗談はこの辺にしておき、「レヴィだ。ただの、レヴィ。」そう簡潔に述べた。名前なんて、レヴィにとってはあってないようなものである。自分を自分と識別させるモノにしては、あまりにも不安定なものだと、思えてしまうのだった。固有名詞がなんだというのだ。
相変わらず不敵な笑みを浮かべつつ、新たな問いを受ける。相手の少年も笑みを絶やさない。
こういう場面でも笑えるヤツって、ただ無邪気だったり能天気なだけじゃ出来ねぇんだよなあ。俺も然り。

「誰に。さて、誰にだろうなあ。お前の挙げた家の奴らを全員知ってるが、だからといってそいつらのお雇いなわけじゃない。海が呼んでいる気がした。……つってもこんな街中に海なんてないしなあ。」

ぽりぽりと頬を掻いて、有耶無耶な答えを返した。
フォルツァ家はソルセリアきっての名家だが、残念ながら現当主とレヴィとの間に縁はない。前当主とならば面識はあるのだが、既に複数名のお抱えアルカナや手練の魔術師がいる中に雇われにいこうとは思っていない。ロシュフォール家と梓橋家は、確かに一度関わった身だが、那由多にイドラを叩けと指示されたわけではない。そしてロシュフォール邸に訪れていないレヴィは、その娘がイドラに攫われた被害も知らないのだった。
路地裏に差していた月が翳る。一瞬だ、一瞬のこと。少年の美しいブロンドヘアが闇に紛れる。視界の隅に映った黒い影を一瞥し、口元を綻ばせる。お嬢、やりたいことは伝わったぜ。とでも言いたげに、軽く目を瞑る。

「誰に命じられてても、誰にも命じられてなくても、いいじゃねぇかそんなこと。俺が誰かってことより、お前が何をしでかしてるか、っていうほうが大事だと思うんだ。おじさん間違ってるか?」

適当に紡いだ言葉は一応時間稼ぎが目的だったりする。その間に少年の死角かつ、少年を守るように群がってくる子供の頭上に浮かぶ水の球の体積を、じわじわと広げていく。そして、黒い外套を纏った少女――メリア、彼女と自分は古くから親しい仲であるのだ――の蹴りが少年を襲う刹那、その取り巻きの子供達へと、魔力の込められた水の球が炸裂する。決して水自体に殺傷能力はない。何故このように魔術を使ったかというと、先の戦闘中に涼介と那由多が魔力で子供達の洗脳は解けると言っていたのを覚えていたからだ。メリアが少年に攻撃を仕掛けるのならば、取り巻きが必ず邪魔してくるだろう。それを未然に防ごうという考えだ。
広範囲に弾けた液体は、全員とは言わずとも周辺のほとんどの子供にかかったことだろう。地面に広がる水溜まりを自分の方に引き寄せ、次はメリアのサポートをすべく、少年の出方を伺った。

>>イドラ、メリア、ALL

9日前 No.311

鶏チキン @rmlp3322 ★wejhOBMSnu_keJ

【エレノア・ファインハルス/東区 住宅地→路地裏】


 警官、ドミニクはエレノアの言葉を疑うことなく、状況の非常性を飲み込んでくれた。大多数の警官であればこのようにうまくいくことはなかっただろうな、とエレノアはドミニクに出会えた自身の幸運を喜んだ。
 ドミニクが提案したのはパトカーでの移動だった。確かに徒歩よりは断然早い。彼が運転し、エレノアが周りをよく見ていればいいだけの話だ。エレノアは一も二もなく頷き、「異論はありません、よろしくお願いします」と軽く頭を下げた。慇懃無礼なエレノアだが、これは心からの礼だった。ドミニクに続いて助手席に乗り込み、初めてのパトカーだが、最後ではないかもしれないと自分の将来の可能性を思った。警察の中にもこのように真面目な男はいるようだし、いつか自分はもう一度この車に乗っていくことになるかもしれないな、などと考え、鼻を鳴らした。今は関係のないことだ。

「おまわりさんは、まじめだ」

 移動中、運転するドミニクの顔を見ないまま、思ったままにそう評価を下す。

「私のことをもっと疑うこともできたし、こんな危険な場所にわざわざ来ることもなかった。パトロールのふりをして被害のない遠くへ逃げることだって、できたはずです」

 そう言って、名前を名乗っていなかったことを思い出し、つい名乗りそうになったが開きかけた口をそのまま閉じた。自分は犯罪者だし、彼は警察だ。協力関係のようになっているのは、ただ偶然目的が一致したから。この事件が解決すればエレノアはまたフォルツァ家を狙い人を殺すし、それが警察の耳に届けばこの男は自分を見つけ出すだろう。ならば、縁などはなから結んでおかないに限る。



 声の主を追い、住宅地からどんどん路地裏のほうへと向かっていく最中、辺りを注意深く窺っていたエレノアは多数の子供たちの影を視界の端に拾う。

「止まって!」

 運転するドミニクのほうを振り返り叫んだ。しかしドミニクがブレーキを踏むよりも先にエレノアはドアを開け外に飛び出して行く。大股に、次第に小股に走りスピードをゆっくりと落とし、先ほど子供たちを見つけた曲がり角へ足音を立てないように壁沿いに進み、様子を覗き込む。先ほど庭園で見た子供よりも多い。列を成し、やはり誰かに操られているようだ。子供たちはエレノアとは逆の、路地の奥の方を向いている。暗闇から男の声が聞こえる。首謀者? エレノアの心臓が高鳴った。心臓を押さえつけるように呼吸を深くし、自身の武器に手を掛けたその時だった。
 屋根から足音とは思いたくない破壊音、しかしそのリズムは誰もが聞いたことのある、いわば足音。
 様子を窺っていたエレノアの目の前に、彼女は降ってきた。そしてそのまま迷うことなく子供の一人を蹴り飛ばした。
 フラッシュバック。エレノアの視界は数十分前の惨劇へと遡る。――死なせたくないとは虫のいい話だ。何人も殺しているくせに。いや、しかし、それでも嫌だ。こんなところで、子供が死ぬのは見たくない。
 エレノアが飛び出したのは少年が蹴られたとほぼ同時。バリケードのような子供たちになるべく怪我を負わせないように軽く押しのけながら女、メリアを目掛けて数歩進んだところで上から水が降ってくる。雨かと空を見上げる余裕などない。髪から水滴を垂らしながらいよいよ騒ぎの中心へ辿り着く。蹴りを喰らった子供と、喰らわせた女、そしてもうひとりの男。何事かを話していたようだったがエレノアは聴くことができなかった。
 とにかく子供を殺させないことが第一だと少年――まさかその少年が黒幕であるとは知らず――を背で守るように二人の間に割って入る。弥生による惨殺のショックが癒えていないエレノアは二人の大人(ひとりは少女のようだが)がこの子供を殺すのだろうと思う。ひとり状況把握を誤ってしまったことには気が付かず、「殺さないで」と二人を睨みつけた。

>ドミニク、イドラ、メリア、レヴィ、ALL


【走行中にイドラ君たちを発見する、という場面は有栖川さまと話し合い描写いたしました。確ロル失礼しました】

9日前 No.312

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

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9日前 No.313

癒しの炎 @kaizelkai ★OXLEo7dgy0_mgE

【 サニタ・フォーヤン/東区:ビル街付近 】


 「 ……。 」


 この二人はきな臭い、果たして信用してもいいのだろうかと胸の中が渦巻く。不機嫌そうな表情になっていく自分の顔を、とりあえずそれを悟らせないように固定する。真神タケルとリリィ・フォーマルハウトは協力関係にあるようだが、グレーに感じる。道楽でもヒーローごっこではないのはわかってはいるが、この二人は子供達のことを本当に心配に思っているのだろうか。彼らが大切にしてるのは、そこにいる貴族の女の子が目的のようでアルセンには興味がないような形だ。現に貴族の女の子は任せて、そっちでアルセンの守護を投げてきた。

 貴族の女の子も、リリィと話す時の声に元気もない。クルスの背中に隠れるようにしながらリリィに言葉を返すその姿に、見てるだけで同情を覚える。子供を怖がらせる大人はロクなやつではない。


「 ああ、まだ君といた方が良いような気がするからね。何が起こってもか……俺はクルス君も含めて心配してるんだけどなぁ。君、意外と無理をする方だろう?ま、こんなんで良ければ出来る限りは協力はする。 」


 にこりと笑みを浮かべる彼にやれやれと肩を竦め、ポンと彼の頭の上に手を置く。厳しくもやや呆れた目線で彼に向かって言い、最後は苦笑混じりに笑顔を浮かべる。自分にとっては彼の命も守る中に入っている。
クルスの案とリリィの案が出てきて、さてどうしたものかと考える。こういう事は難しく、彼らだけで決めてもらいたいが二人の子供を眺めて、口が開いた。


「 まあ、この子達がどっちに守られたい次第じゃないかなぁ?あ、もし落ち着いたら、港区のフォーヤン亭っていうところに来てね。君達には初回はタダで美味しい物を食べさせてあげるよ。 」


 二人の子供は果たしてどちらの人間について行くのか、最後はこの子達が選ぶ。視線を合わせるように屈むと、笑顔を浮べて自分の店の宣伝を始める。彼らは未来のお客様になる相手だ。生きていれば、いつか自分の店に来るかもしれない。その時は全ての技術を使って、この子達の胃袋を掴む事にしよう。子供向けのメニューも考えた方がいいかと少し考え込み始める。


>>クルス・オラクルーム(ルイース&アルセン)、真神タケル、リリィ・フォーマルハウト

8日前 No.314

有栖川 @hananomi☆Mwp.W.uiBT6 ★5tuXai74if_Vzx

【 東区 / 住宅地→路地裏 / ドミニク・フォン・ティルピッツ 】
 エレノアを助手席に乗せ、パトカーを走らせる。向かう先は先ほど声がしたと思われる地点ではあるが、声の主がどの程度移動しているかという事は不確定だ。

「真面目はよく言われるよ。実際そうだろうな、職務に誠実であれば自然と真面目にもなるさ。そうあれば、逃げるなどと言う選択肢は存在しない。
 確かに俺は、君を疑うことも出来た。それをしなかった理由は、君が先ほど見せた、強い眼だな。こういう卑劣なことをしないやつの見せる、綺麗で、強い意志のこもった眼だ。無礼な推測だが、誰かを襲うにしても、君は自らの手を汚してやるだろう」

 エレノアの言葉に対して、やや言葉を盛り込みつつ返す。無論、職務に対して誠実にあろうとするという点について虚飾は存在しない。
それにしても、我ながら、随分と口が回る夜だと思う。隣にそれを聞く人がいるというのもあるけれど、誰が犯人なのかという事が分からないという緊張に依る物なのだろう、と、家庭を無理やり信じ込むことにする。

――

 視界の端に子供の集団を捕らえるのと、エレノアが車から飛び降りるのがほとんど同じタイミングだった。咄嗟にブレーキを踏んだドミニクであったが間に合わない。そもそも車というものは急に止まれるものではなく、慣性に従って進もうとするものである。ブレーキを軽く緩めつつハンドルを回してからサイドブレーキを引き、ほぼその場で270度ターンすることによって先ほどまで助手席側側面だった方向に車の正面を向ける。
 車のライトに照らされた先には、見知った顔が二つと、見知らぬ子供たちの集団があった。
 片や、先ほどまで同じ食卓についていた少女。片や、この数年顔見知りの年上の傭兵崩れ。どちらも風来坊という共通点があるのがなんとも面白いものだが、今この場ではそこまで重要なことではない。

「警察だ、全員武器を捨てて投降しろ! レヴィとメリア以外な」

 パトカーから降り立ち、自動式拳銃を抜いてイドラへと向けつつ、周りの子供たちへと叫ぶ。彼らの判断能力が残っているのかという事を試すという意味もあるが、彼らがどういう行動をとるのかを見て、あの少年が首謀者であるという事を確定させるという狙いもある。レヴィとメリアの二人が二人とも敵対しているという時点で彼が首謀者とみてしまって問題ないようにも思われるが、一応彼ら二人が勘違いしている可能性も捨てるわけにはいかないのである。

>>エレノア・ファインハルス、イドラ、メリア、レヴィ、周囲all


【飛び入りにて失礼しますー、よろしくお願いいたしますね】
>>すずり様、狼谷様、ワンコ様

8日前 No.315

ワンコ @vtyjf ★4gCE4td3c0_gaI


【東区/路地裏/メリア】

>>イドラ、レヴィ、エレノア、ドミニク

魔術による水が弾け、取り巻きの子供たちの意識が奪われる。特に威力がある攻撃には見えなかったが、子供たちが倒れたことには何かしらの理由があるのだろう。詳しい理由はわからないが、メリアにとっては過程よりも障害が排除されたという結果だけが重要だった。

「――ッ!!」

少年を蹴り飛ばし、そのまま受け身を取りながら地面をゴロゴロと転がる。二回、三回とバウンドした身体を跳ね起こし、顔見知りの魔術師――レヴィの下へと飛び退る。
壁に立つ飄々とした顔の彼をチラリ、と一瞥し、安否確認。ほぅ、と小さくため息を漏らして、緩みかけた意識を張り詰めさせる。

「――生け捕り?」

眼の前の子供の群れと、その王を見据えたまま、傍らの魔術師に問う。彼も巻き込まれたクチか、あるいは依頼された結果か。どちらにせよ、用がない限りは首謀者と思わしき子供は命を奪うのが一番リスクは少ないが、レヴィの思惑を聞いておきたい。そんな意図が込められた問いかけは、しかし返事を待たずして状況が二転三転する。

子供たちと自分たちの間に割り込むように立ちはだかる女性、合唱するように懇願を始める子供たち――そして、振りかぶられる子供たちの凶器。

「別に?――強いほうが勝つ、それだけ」

煽るように笑みと言葉を作る子供に、ただただ無感情な言葉を返す。善悪も、理由の大小も、老いも若いも、男も女も、何も関係ない。ずるい、卑怯、そんな言葉は敗者の戯言だ。

「気がい合いそう――私も、あなたは嫌い」

爛々と、赤と青の光が両目に宿る。子供たちが振りかぶり、そして数瞬後には起きるであろう数多の暴力による嵐――一撃は致命傷にほど遠くても、それが積み重なれば簡単に命を落としてしまうだろう。塵も積もればなんとやら、レヴィが削ったとはいえ、未だに軍勢と呼ぶに相応しい子供達が繰り出す暴力は看過出来ない。

「あなたの顔と声は、もう覚えた――あなたは、この目からは絶対に逃げられない」

振り下ろされる凶器、迫る暴力の嵐を前に、メリアは自ら一歩を踏み出す。

開かれるは入り口と出口。厚さゼロ、物理学的に矛盾したそれは、魔法による理論の超越だ。起こりえないはずの現象が起こり、現実が捻子曲がる――入り口と出口が重なり、あらゆるものを反射する『鏡』が生まれる。メリアが踏み出す先、足元へと表れたその『鏡』は、そこに入ったあらゆるものをそのまま方向を反転させて跳ね返す。

無論、衝撃や運動エネルギーも全て。

その『鏡』を、メリアは刹那の間、三重に展開した。踏み出すは一歩、しかし生まれるは六回分の推進力。襲い来る衝撃で踏み出した右足を痛めながらも、メリアの身体は一瞬で子供たちの頭上――彼らの暴力の届かない場所へと押し上げられる。

立ちはだかる女性、武器を振りかぶる子供たち、それらを全て跳び超えて、目標の子供を仕留めにかかる。

同時に、よく知る声が響き渡るのを耳にしながらも、もはや動きは止まらない。視線を向けることもままならない。一先ずは目の前の子供を確保してから、そう咄嗟に判断して住処と手元に繋がる『穴』を生み出し、二振りのナイフを両手に握りしめる。

最初の襲撃の焼き直しのように、飛び込みながら両のナイフを突き立てるように振り下ろす。狙いは手足、子供達を支配する王の懐へ――金髪の獣が、その牙で王の手足を食いちぎらんと襲いかかった。

【こちらこそ宜しくお願いします〜>>有栖川様】

8日前 No.316

狼谷 @anima1997☆PMqTzZiUwVg ★iPhone=BN3hO8AmiJ

【レヴィ/東区:路地裏】

メリアの蹴りが少年に炸裂した。どうやら少年も身を捻るなどしたらしく、致命傷には至らなかったようだが、彼の頭部を濡らす赤い血がその負傷度を表していた。立ち上がる彼を冷ややかに見つめ、その後視線をメリアに移す。場に仲間が増えたことだし、自分もそろそろ参戦するかと腰を上げたとき、此方に向かって走る足音が聞こえた。
突如現れた白金色の髪をした女性の『殺さないで』という台詞に困ったように眉根を下げる。確かに自分はこの少年が怪しいと確信して足止めをしようとしていたし、飛び込んできたメリアは先手必勝、倒すつもりで蹴りをかましたに違いない。のだが、殺すまでは考えてなかった。かと言って、どうやって拘束しようかとか、誰に引き渡すのかも考えていなかったのである。「そう決めつけるなよお嬢さん、何も殺すまでは考えてねぇ」と言葉を返そうとした。メリアの『生け捕り』かどうかを問うことへの返事も兼ねてである。しかしレヴィが口を開こうとした時に、女性の発言をきっかけに、堰を切ったように場に溢れ出す『イドラを殺さないで』という子供達の声。最早合唱レベルだ。一瞬、怯むように顔をしかめる。

……ん? なんだ、やっぱりイドラじゃねぇか。ビーンゴ。

女性の真剣な表情とは真逆で、目の前の金髪の少年がイドラだと特定出来たことに満面の笑みを浮かべるレヴィ。冷静に場を見渡した。先程から続く子供達の大合唱から推測するに、自分の魔力を込めた水を破裂させたことにより洗脳を解かれた子供の数は、まだ洗脳中の子供の数よりも少ない。この場のほとんどの子供がまだイドラの手中にある。イドラへの攻撃はメリアに任せるとして、自分はさらに広範囲に水をばらまき、洗脳を解くに徹するとするか。
一度はイドラを庇うように前に立った女性も、これで自分達がただの子供を標的にしている訳では無いことが分かったことだろう。彼女の行動は彼女に任せるとして、

「卑怯なのは、自分の手を汚さず、無垢な子供達に武器を持たせ手駒にしてるテメェの方じゃねぇか、笑わせんなよイドラ。俺はお前みたいな卑劣な真似をするガキはガキだと思ってねぇぞ。それにお前、本当に子供なのか? 子供は子供らしく、ナイフやら鉄パイプやらじゃなくてボールとバットで遊んどけばいいのによ。」

そう捲し立てる。メリアと対照的に、レヴィの口は達者なのだ、昔から変わらず。子供達の振りかざした武器は、十分な距離を保っている壁上のレヴィには届かない。飛んだメリアをフォローするために下準備に意識を注ぎつつ、慣れ親しんだスキンヘッドの男性の声に、口角を吊り上げる。

ドムドムじゃねーか。メリ嬢に加えてアイツまで来たって、なんだこれ同窓会か? いや、歳はバラバラだ。なーんて、言ってる場合じゃねえし、再会のハグはこれが終わってから、だな。

武器を捨てろという言葉に従わない子供は――この場にいる大半だ。下半身の液状化を解くと同時に壁を蹴って、ドミニクの近くに降り立ち、彼を見上げる。右手で安心させるようにサムズアップを形作り、彼の構える銃口を遮らないように気を使いつつ、耳打ちする。

「ドム、あの金髪のガキがイドラだ。俺はここら一帯のガキの洗脳を解いてやるから、お前はメリ嬢のサポートを頼む。」

そう言うや否、地面を蹴り、宙でドプリと溶けた。厳密に言うといなくなった訳ではなく、体の大半を液体として切り離したのだが。本体は、先の戦いで一度なった姿のように、赤子ほどの背丈で、雑多な路地裏の物陰に隠れている。今回の目的は身代わり(スケープゴート)ではない。
狙いは、広範囲の洗脳を解くこと。既に路地裏一帯の屋根付近には、先程から準備をしていた水の塊が浮かんでいた。明らかにレヴィの体で賄える体積ではない水は、どこからやってきたのか。答えは路地裏を抜けた先にある井戸である。井戸の水に自身の魔力の篭もった液体を混ぜ、それらを巻き上げたのである。さらに今切り離した液体が合体する。
与えられた時間は長くない。レヴィはすぐさま、それらを破裂させた。路地裏一帯にはバケツをひっくり返したような勢いで、雨に似た、しかし魔力を帯びたソレが降り注ぐ。さすがに全員とまではいかないだろうが、これでほとんどの子供の洗脳が解けたはずだ。洗脳を解くことを優先した理由は、彼らがナイフを持って襲いかかってくることを恐れただけではない。中には手榴弾を持った子供もいたのだ。そんな下らないもので、命が奪われるところを見たくはない。

「流石に一日二回も使うと、疲れるな……。俺も鈍っちまったか。」

魔術を解くことも忘れて、疲れたようにその場に座り込む。不本意だが、暫くは動けそうにない。行く末を見守った。

【イドラくんとの戦闘はその場に任せて、レヴィはより戦いやすくするために、周囲の子供の洗脳を解くことに徹しました!長々と申し訳ありません。
行動の時間軸としては、メリアちゃんがイドラくんに武器を突き立てようと飛びかかっている時に、水が破裂して周辺に降りかかっているつもりです。障害物などで、水がかからず洗脳が解けていない子供が十数名いるかなと思っています。
レヴィは疲弊して暫く動けなくするつもりですので、今後の流れは皆様にお任せする方向でもよろしいでしょうか。】

>>イドラ、メリア、エレノア、ドミニク、ALL

8日前 No.317

鶏チキン @rmlp3322 ★wejhOBMSnu_keJ

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8日前 No.318

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

【クルス・オラクルーム/東区:ビル街付近】

クルスは驚くほど前向きで、驚くほど他人に対してマイナスな感情をぶつけることのない稀有な人間である。しかしながら人間同士のどろどろとした取引は飽きるほど見てきたし、彼らが腹の内で何を目論んでいるか、それを理解出来ないほど間抜けではなかった。そのため、今回リリィが持ちかけてきた提案の真意もなんとなく察することが出来た。リリィとタケルの目的はあくまでもロシュフォール家の娘であるルイーズであり、アルセンに至っては特段何とも思っていない。恐らく彼らにとっては何のメリットもない相手だからだろう。たしかに彼らの言い分もわからなくはない。しかしクルスとしては取引の手段としてルイーズが扱われるのは快いものではなかった。
引き留めてしまおうか。ふとそんなことを思う。クルスにしては珍しかった。いつもならどちら側にも付かず、常ににこにこと笑みを絶やさないでいるというのに。今回ばかりは自分に隠れるルイーズに、「此方においで」と言いたくなった。けれどサニタの言葉にぐっと我慢する。そうだ、決めるのは自分ではない。ルイーズの処遇を決めるのは、あくまでもルイーズなのだから。

「……ごめんなさい。私のことを思って言ってくれているみたいだけれど、その提案には乗れません」

クルスの後ろに隠れるようにしながら、それでもルイーズははきはきとした口調で答えた。応対の仕方や礼儀作法、マナーなどは両親から叩き込まれているのだろう。わずか10歳の少女とは思えない物腰だった。

「たしかに帰りたい気持ちはありますが、私もロシュフォール家の娘です。今ここで屋敷に帰っても、父や母の足を引っ張るだけ。それに、何かあったら事態が収まるまで、中央区や南区の安全な場所にいるようにと両親から言われています。フォーマルハウト様にご助力いただいたことは両親に伝えておきますね。ですからどうか、私のことは気にせずイドラ討伐に専念なさってくださいな」

微笑み、そして一礼。そう私には関わるな、そんな意図をほんのりと含みつつ、淑女としての礼節も忘れない。ルイーズの所作はさすが名家の子と言わんばかりのものだった。とにもかくにもルイーズはクルスから離れる気配がない。あの二人がどう出るかはわからなかったが、クルスは少し安心したかのように表情を弛めた。実を言うとクルスもクルスで気を張っていたのである。

「え、ええ。出来る限り、無茶はしません。お気遣い、ありがとうございます。……しかし、僕はもう子供ではないのですから、頭を撫でるのは、少し」

親しみのある笑顔で頭を撫でてきたサニタに、クルスは気恥ずかしげな表情を浮かべてはにかんだ。那由多もクルスへのボディタッチに遠慮がないので、割りと躊躇いなく頭を撫でてきたり頬を軽くつねったりつついたりすることがある。その度にクルスはもう子供ではないのですから、と那由多を嗜めてきた。まさか外でも同じようなことを言うとは思ってもいなかったのだろう。

「……ねぇ、おじさん、お姉さん。僕はルイーズがどこに行っても構わないけれど、そろそろイドラを追いかけた方が良いんじゃない?たぶん、足止めされてなければどんどんここから離れていっちゃうよ。そうしたら、二人とも追いかけるの大変になっちゃうんじゃないかなぁ」

此処で口を開いたのは意外なことに、これまでクルスの後ろにいたアルセンだった。相変わらずぽやぽやとした朗らかな表情はそのままに、こてんと小さく首を傾げてみせる。それだけならただ単に可愛らしい仕草だが、状況が状況であること、そしてアルセンが手に鉄パイプを握り締めていることもあって何処とないうすら寒さをかもし出している。もしかしたらこのアルセンという少年は相当な肝っ玉の持ち主らしい。大きくなったらとんでもない強者に成長するかもしれない。

「……さて、如何致しますか?アルセン君の言うことは尤もです。イドラさんは移動を続けている。足止めでも食らわない限り、此処でお話をしていればその距離は離れていく一方でしょう」

ルイーズは決断した。ならば次はリリィとタケルの番である。クルスはその長いポニーテールを揺らしながら、一歩、二歩と彼らに近づいてそう問いかける。ルイーズは固唾を飲んでその様子を見守り、アルセンはサニタの言葉に「ご飯!?食べに行っていいの!?お姉ちゃんも連れていっていい!?」と場違いな程に瞳を輝かせていた。

>>サニタ・フォーヤン様、真神タケル様、リリィ・フォーマルハウト様、周辺all様

8日前 No.319

ルシエラ @mistydark☆NIljAHmRyhk ★Android=GaTaMXF8bf

【ルシエラ/東区・移動中】

「……高貴なるレディが余り舌打ちなどするものではありませんわ」
 自分のことは棚の上どころか屋根の上位まで放り上げて、たしなめるように告げる。ルシエラも舌打ちなど日常茶飯事なのだが、彼女は確実に弥生の足下にも及ばない出自の持ち主なので、高貴云々には当てはまらないらしい。
 そして正直、此処で弥生にブチ切れられるとルシエラには勝ち目がない。せいぜいアルカナ―自分―が死ぬのはフォルツァ家当主の意に反すると訴える位だが……それはそれで代わりが生まれるのだから良いか。しかしどうやらそこまでする必要はなさそうだ。

「ご納得頂けたようで何よりですわ」
 元の調子に戻って走り出した弥生を一瞥し、ルシエラは今後の行き先について考える。元々ルシエラも手掛かりを求めて弥生に声を掛けたのだが、ある意味相手を間違えていたようだ。
「そうですわね、今からでも動く死体とやらを追い掛けてみるか……子供たちの目的が強盗的なものだと仮定して、この辺で狙いがいがあるのはロシュフォールの家ですかしら? 或いは小悪党どもが集まると相場の決まっている路地裏でも探してみましょうか」
 顎に手を当てて数秒間考え込んだルシエラは、立ち止まった弥生に自らの見解を告げた。

>哀羽沢弥生様、周辺all

【イベントが佳境なので早いとこ移動しなければ……と思いつつ、イドラさんのところが既に過密気味なのでどうしようかと悩んでいます。色々ご都合主義な描写をしましたが、どの辺に向かうかは弥生ちゃん本体様にお任せします】

7日前 No.320

ナトリウム @asdpoi556 ★Android=h61nJht09N

【リリィ・フォーマルハウト】

「やれやれ。」
本日なんかい目か。口癖である。やれやれがこぼれる。

「世の中、思う通りに動かないモノですわね。」

基本的にリリィの表情は仮面のような笑顔を崩すことはあまりない。顔を引っ張ったり寝ているとき以外は基本仮面のそれだ。例外はいまのようにイラついているとき――糸目の奥の瞳が見えるほど目が開く。本人は目を見開く程にイラついているのだがそれでもなおその開いた目は細い。先程までの仮面のような笑顔から本来の顔に戻ったぐらいにしか客観的には見えない。本来の顔は仮面の笑みである。あくまでもリリィは現在顔に出る程イラついている。ロシュフォール家の娘はてに入らないわ名前も知らんガキに煽られるわ散々だ。いまこの集団の中で最も弱い存在にされて入るとリリィ自体は思っている。だが早まってはならない。今感情任せに動くとタケルはこの場で裏切りかねない。弱味を見せた仲間は食い物にされるのが裏の摂理。
とりあえず思考の時間を作るため負け惜しみを吐くことにした。

「大変申し訳ありませんタケル様。せっかく任せていただいたのにこのザマ。なんとお詫び申し上げたらよいのやら……」

もとの仮面の笑みに戻り次にした行動はタケルへの謝罪。タケルがどう思ってるかこれはリリィにはわからないがまァ形式的にこれ以上タケルがこちらの失敗を責めはしないだろう。ネチネチ言うのなら所詮そこまでだ。始末する。
そう考えながら次の言葉を口にする。

「 ――彼らの言うことにも一理ありますわ。ここにはもう用はありません。一刻も早くイドラを追って――『皆殺し』にいたしましょう」

いろいろ思いながらも、リリィにとってタケルは仲間として頼りになる。この程度の失敗で失うのは惜しい。だから彼の興味の引きそうな提案でヨリを戻そうとするついでに――

もはや利用価値がないロシュフォール家の娘をはじめとした彼らに対する呪詛。善良であればあればあるほど効く呪詛。彼らは子供を救ったがそれ以上に救えない子供もいるのだ。それを是非とも認識して苛まれてしまえばいい。まるで子供のようにブチキレたリリィのささやかでチープな嫌がらせだ。

>>サニタ・フォーヤン様、真神タケル様、真神タケル様、周辺all様

7日前 No.321

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

【イドラ/東区:路地裏】

卑怯。そう口にしたイドラに、簡潔にまとめると「お前が言うな」という旨の発言が降りかかる。正論中の正論をぶつけられたイドラは一瞬表情を歪ませた。それは明らかに子供が浮かべるそれではない。しかしイドラもこのような煽りには慣れている、すぐにまた笑顔を戻した。嫌い、と口にしたメリアに視線を向けると、イドラは目を細めつつ不気味な程明るい声音で「あはっ、あははははっ!」と嗤う。

「なるほど、君とはたしかに気が合いそうだ!気が魔術師でなかったなら、僕の駒にしてあげていたかもね!」

イドラとておしゃべりに夢中になって自分の防御を怠るような真似はしない。残っている子供たちの中でも比較的年長な者を自分の周りへと呼び寄せる。北区育ちの子供たちは良くも悪くも逞しい。そのため年長の子供たちは洗脳された今、イドラの駒たちの中でも最も戦わせるに適していた。だから最後まで残しておけるように、自分の傍に置いておく。正直言って年少の子供たちは壁くらいにしか使えないので前衛であの魔術師たちと戦わせることにしよう。いざとなったら手榴弾を使わせて魔術師ごと爆破させてしまえば良い。

「……僕は見ての通りだよ、レヴィ?君にはどう見えるのか知らないけどね。ついでに言っておくけど、この子たちは僕に使われることで価値を見出だされた子ばかりなんだ。もしも僕と出会わずに生きていたら、この子たちは近いうちに北区の路地裏で汚ならしく死んでいたと思うよ?それでもまだ、僕のことを悪者扱いするの?」

憎らしいほどに口の回るレヴィに、イドラは殺意を抱きつつも口調を荒げることなくそう問いかけた。北区の子供たち。それはイドラにとっては利用価値の塊だ。自分はいつかのたれ死ぬであろう北区の子供たちを使ってやっているのだから、悪者と言われる筋合いはない。イドラはそう言いたいのだろう。誰が何と言おうと悪者以外の何物でもない。恐らくイドラの意見に賛同してくれるのは彼の洗脳を受けた子供たちだけだ。
まずは女性を取り囲むことに成功し、イドラはくすくすとほくそ笑む。いらぬ正義を振りかざすからこんなことになるのだ。……そう思っていた矢先、なんと現れたのはイドラが恐れていた警察官である。見つかった。警察沙汰にはしたくなかったが、過ぎたことは仕方ない。幸いやって来たのはあのスキンヘッドの男一人だけだし、あいつさえ始末してしまえば此方のもの。しかしシナリオはイドラの計画とは反対方向に進み始める。レヴィが降りかけた水が、女性を取り囲んでいた子供たちの周辺一帯に降り注いだのだ。これによって半分近い子供たちの洗脳が解けてしまうことになる。

「……ちぃっ!余計な真似を……!」

思わず子供らしからぬ舌打ちが出てしまった。それくらいイドラにとっては厄介な一撃。レヴィが恐らく彼の持てる魔力のほとんどを使い、多くの子供たちの洗脳を解いた。それははた目からみていたイドラにも明白であった。まさかあんなかくし球を持っているなんて。だから魔術師は嫌いなのだ、と相変わらず自分のことは棚に上げながらイドラは思う。そんなイドラの頭上を、突如黒い影が覆う。

「っ、またお前かよ!?」

口調が崩れるなど若干の苛立ちを見せはするものの、二度も引っ掛かる程イドラも腑抜けてはいない。先程周りに呼び寄せた子供たちには「何がなんでも僕を守れ」と命令しておいた。そのためメリアにいち早く気づいた子供の一人がドンとイドラを突き飛ばした。イドラは突き飛ばされた先にいた子供に受け止められたが、彼を守った子供……というよりは少年に近い彼は、メリアのナイフによって肩口を切り裂かれ、軽傷とは言えない傷を負ってしまう。しかし少年は痛みを感じても尚、虚ろな目のままゆらりと得物である鋸を構えた。

「そこのガキからは目を離しちゃダメだよ!死ぬ気で、止めてね!」

手負いの少年に、イドラはは笑いながらそう指示を下した。少年はこくりとうなずくと、傷に構うことなくメリアへと鋸を持っていない方の手を伸ばした。恐らく片手でメリアの動きを封じてから鋸で攻撃するつもりなのだろう。イドラの口元が三日月形につり上がった。

>>レヴィ様、メリア様、エレノア・ファインハルス様、ドミニク・フォン・ティルピッツ様、周辺all様

【丁寧なご説明ありがとうございます!流れの件把握致しました!此方でレヴィさんの魔法に合わせた対応にしたつもりではありますが、もしおかしな部分などございましたら申し訳ございません……!】
>>狼谷様

【現在イドラの周辺が過密気味で、何処に行こうか迷っていらっしゃっている方は東区でまだイドラに洗脳された子供たちが富豪の家などを襲っておりますのでそちらに向かっていただいても構いません!イドラの手下は自由に動かしていただいて大丈夫ですので、キャラクターに合わせてお使いくださいませ!】
>>参加者all様

7日前 No.322

有栖川 @hananomi☆Mwp.W.uiBT6 ★5tuXai74if_Vzx

【 東区 / 路地裏 / ドミニク・フォン・ティルピッツ 】
 どうやらややタイミングが遅れてしまったらしく、メリアはブレーキをかけることなく主犯と思しき少年へと飛びかかっていく。むしろ制動をかけた方が危ないレベルの速度であるのは見るからに明らかなのだから、とりあえずは彼女が指示に従える状態になるのを待とう、あの一撃で仕留めてしまったらそれはそれで始末書だな―――などとドミニクが考えたところで、タイミング良くレヴィが傍に現れた。曰く、あの少年たちに守られる格好になっている、丁度今メリアの攻撃を受けている金髪の手負いの青年がやはり主犯なのだという。

「了解した。後は休んでいてくれ、明日にでも美味いシーフードを奢ろう」

 レヴィが彼の身体の大半を材料にするでなく周囲の水源から水を吸い上げてまで行った攻撃を横目に見つつ、そう彼に対して労いの言葉を投げかける。確か行きつけの南区のカフェにシーフードメニューがあったはずだし、たしか彼もそういうものが好みだったはずだと記憶している。であれば、それが労いとなればいいのだが。
 彼の魔法の性質的に、広範囲に魔力を向けるだとか、あるいは隠密行動が要求される場面での偵察だとか、そういう事は彼に向いているが、こと一対一の魔法戦闘に於いては彼は恐らくそう向いているとは言えないであろう。相手をおぼれさせるなどすれば勝てるのだろうけれど、それを彼が好むかはまた別の問題だ。

「魔法か、あるいは魔力そのものに触れることで解けるのだろう―――恐らく、単純な魔力を浴びせるだけで十分だろう」

 レヴィがくれたのは単純な洗脳解除だけでなく、それがどういう原理で解けるのかという事まで見る機会そのものもだった。つまり、魔法の原理をある程度系統立てて考えられるものがそれを見ていれば、その解析も行う事が出来る。
 エレノアの問いにそう答えつつ、ホルスターへと銃をしまい込む。彼、イドラの言葉を信じたというわけではない。むしろ逆―――彼の言動一つ一つが、彼が真犯人であると結論付けるに足る材料になっていく。敵対しようとする行動は変わらず、むしろ激化しつつある。であれば、取るべき行動は一つ。彼を殺すことなく制圧する事だ。

「メリア、その子は気絶させろ。そのまま洗脳を解いたら痛みに苦しんで死にさえするかもしれん。
 ―――さて、行くぞ、悪戯坊主。お前さんの躾をし損なった親父さんに代わって、鉄拳制裁の時間だ」

 メリアがイドラを仕留め損ねたのを確認してから、メリアに対してそう短く声をかけたうえで、拳を握る。
 彼に相対することによってこの身がこの場で潰えることになったとしても、彼を止めねばならない。それが彼の仕事であり、『正義』を負う者の役目である、と考えているからである。
 ドミニクを横あるいは後ろから見ていれば、彼の制服の襟口から、背に刻まれたアルカナの淡い光が漏れるのを見る事が出来ただろう。彼の中の一切の肉体的不良条件を排除したドミニクは、軽く首の骨を鳴らしたうえで、イドラに対してファイティングポーズをとった。

>>イドラ、メリア、レヴィ、エレノア・ファインハルス、周囲all

7日前 No.323

漆黒の冒険者 @andouken ★BxGXTrkAtu_UHY

【ベリアル:南区・海上】

この街の騒動を解決するのに海賊の戦力を利用できないかと考えるも乗ってくる素振りも見せない
であれば交渉も無意味かと諦める。
 そう都合良く事は回らないあくまで武器を売りつけてくるだけ彼等自身を戦力として買い上げる事も
考えてが、これ以上交渉に時間をさけないと切上げにかかる少なくとも騒動の首謀者の関係者では無い

「………分かったもういい。今街にいるテロリストとは無関係だと理解した。それと安心しろ自分は正規の警官と言うわけでない」

そう言うと踵を返すように水上バイクを港に向けて出発させる。今街で起きているテロにしろ海賊にしろ
そんな事はベリアルにとっていや魔術協会にとっては、どうでもいい事でしかない。
 彼等の目的は魔術の秘匿それをただ守る事だけだった。その為であれば何をしても構わないと狂信的に信じて疑わない
故に外部から現れた彼等にその危険性を感じたが、そうでないのであれば後は警察の仕事だ

「……さてこれかどうするかテロ騒ぎにはすでに多くの魔術師が動いている………東区内でで済めばいいが」

 ベリアル自身もこの騒ぎをどうするか決めかねていたまだ協会からの指示は無い
戦場が東区内にあるうちは放置しても良かろう。騒ぎが他の区に洩れぬ様先回りすべきかと思をはせていた



>>南区all

【桜花さま スイマセン。ベリアルは武器を買いそうにないなと思いいろいろ考えましたが、お待たせして上に離脱する事になってしまって申し訳ないです】

7日前 No.324

漆黒の冒険者 @andouken ★BxGXTrkAtu_UHY

【真神タケル:東区:ビル街付近 】

 リリィの提案に乗ってもらえるだろうか懸念材料はあるルイーズは明らかにタケルに対して嫌悪感に似た感情を持っている
最悪のケースも考えておいた方がいいかもしれない。そう中央区行くと悪手を選択されたらどうすか
 リリィと共に護衛に付くいやあり得ない適度なリスクなら楽しみようもあるが、この状況下中央区に行くなど
50階ビルの屋上から飛び降りるより死亡率は高いだろう。あのフォルツァ家の当主か北区のあの男クラスならいざ知らず
 俺はもちろんリリィとてフリーに動けるならともかくルイーズを守りながらとなれば危うい可能性が高い
現状嫌われている状況から俺達の提案を蹴る為だけにクルスの案のる可能性が高い状況でサニタの言葉に冷や汗を流すが
悪い予想に限って見事に的中するこれも日頃たいした理由も無く人をハメて喜んできたツケなのだろうか………

「たとえ足を引っ張られても実の娘を迷惑がる親はいないと思うが………リリィの事を両親に言うと言っても」

 「フォーマルハウト様にご助力いただいたことは両親に伝えておきます」その言葉に偽りを感じないが、それも生きていればの話
なにかがあれば中央区に行くクルスもルイーズも親からそう仕込まれているが、それは二人だけでは無いだろう言わば当然の避難通路
 そう誰でも知っている事それをイドラだけが知らないなどと言う都合のいい事があるだろうか
今自分達に迫っているのは危機は自然災害では無い意志を持った人間に狙われている以上当然向こうもこちらの思考を読んでくる
 中央区に逃げ込むそんな教科書通りの逃走など敵からすればお見通し良い所教科書に載っている事など教科書を読んだ事のあるモノなら全員知っている
逆に自分がイドラの立場なら中央区で戦闘を避けるにして東区から中央区へのルートで待ち伏せるだろう此処から中央区を目指すならルートは一つ

「あぁいや構わないむしろ任せきりになってすまない………俺が嫌悪感が原因むしろ謝るのはむしろ俺の方だ」

 もしもここにいるのがリリィ一人ならこうはならなかっただろうと共闘どころか足を引っ張った事を詫びる
だがその言葉にはどこか力が無かったタケルからは状況を楽しんでいる風でもあっても覇気もまたあったが今はそれが消失していた
 信用されないなんて事はザラにあるが、こちらの提案を100%蹴った上で自分達の考えを100%を押し通すなんて事をする奴は
そうざらにいないが、そもそも目と鼻の先にあるロシュフォール家より距離のある中央区を目指す意図は何だ。
 心ここにあらずと言った風の死者のような眼をしていたタケルの目に光がともると同時にクルスの思惑が何処にあるかを思考する
何を目論んでいるのかタケルの魔術の魔眼は透視そして遠見と最後に魔力を視覚化し見る事その目を駆使すればイドラ配下の少年兵は
今だかなりの数で東区の富豪を襲っている様だが、東区の外縁にも多く別の地区に逃がさないようにしているのだろうと示唆する
 それもそうだ例え魔術で多くの少年達を操れてもイドラにも限界はあるだろう東区の人間が外に流失し助けを呼べば呼ぶほどイドラは不利になる
それを避けるためだろうと考えるタケルには東区はもはや陸の孤島にしか見えなかったしかもご丁寧に中央区へのルートがだけが洗脳兵の数が少ない
 分かりやすい誘いだそこを通って中央区へと行く者を控えている伏兵が狩る算段か………


「……あぁ悪いリリィ少し考え事をしていた。今だ東区一帯はイドラの兵隊がいっぱいで他の区に移動は不可能の様だ。なら奴自身も、この閉ざされた東区の中に居るはずだ」

 獲物を逃がさない様にしておいて当の本人がトンズラとはいかないだろうとリリィの言葉に応えるも、このままイドラ退治も退屈になりそうだ
いっそイドラに付くのも一興だが、せっかく築いたリリィとの関係をなくすのも惜しいし今はイドラを狩る側でいるかと息を吐き現状の打破する術を考える
 イドラがロシュフォール家を狙っているのであれば闇雲に探すより奴のゴールで待ち伏せるのありかと

「気を取り直していくか。奴らはロシュフォール家を狙っていのならちょうどロシュフォール家の屋敷は、もう目と鼻の先そこでイドラを迎え撃つとするか?」



>>リリィ様、クルス&ルイーズ様、サニタ様

7日前 No.325

五十鈴 @isuzu0☆LocDP0eky2k ★6nv8TkWG5g_mgE


【 花園 ノエル / 東区:住宅街 】


 頭から爪先までじっくり見たのはいいが、彼もそう見られると煩わしく思うかもしれない。念を押したことに朗らかに笑ってみせる彼に「 ならいい。……穴が開きそうなぐらい見てすまなかった。 」と小さく笑って見せて、怪我の確認とは言え見過ぎてしまったことに関して謝罪する。魔術で隠していないとのことで、此処でやっと胸を下ろした。

 ふと、先程自分たちが居た路地裏とは別の路地裏から何人かの足音と思わしき音が聞えた。警察にしては早すぎるし住人は避難済み。何かがおかしいと思っていたのは彼も同じだったようで。どうやら自分と同じ南区に行こうとしていたが、足音が気になって思考が変わったらしい。確かにそっちに行けばこの騒動の原因となる人物がいるかもしれない。被害は南区の非ではないかもしれない。ぐるぐると悪い方向にしか行かなくなり、自分もと足を元凶の方向へ向けた。が、ふいに足を止めて考えてみた。そちらに行くべきなのか引き返すのか。珍しく自分は迷っていた。
 彼の言葉に動かされ、彼の瞳に見つめられ、思わず背筋がゾクッとなる。何時にも無く真剣な眼差しをじっとエメラルドグリーンの瞳で見つめ返す。西へ歩き出したかと思えば、くるりと此方を向いて選択肢を与えた。その言葉をゆっくり噛み締め、一息つき、短く息を吸いこんだ。


「 俺は……、一度お前とは別行動にしようと思う。お前は此処から真っ直ぐ西に、俺は南を通って迂回する。上手くいけば、ばったり出会うかもな。 」


 彼の足手纏いになるのが嫌だとか、南区を捨てた訳じゃない。自分も気になって仕方なかったから、此処は一先ず分散していくことを勧めた。右手で彼がこれから行こうとしている道筋を指差して、次は自分がこれから進むであろう反対側の道を差す。回っていけば元凶の元で鉢合わせになるかもしれないし、もしかしたらならないかもしれない。
 これが自分なりの応えであり、結果である。足を南へ一歩踏み出したところで「 これが俺の意志だ。 」とはっきりとした口調で、真剣な眼差しで、でも少し笑って見せた。


>フィアーバ・メルヴィル様、ALL様

7日前 No.326

ワンコ @vtyjf ★4gCE4td3c0_K6b

【東区/路地裏/メリア】

>>イドラ、レヴィ、エレノア

振り下ろした刃と、刃を濡らす鮮血。月光のみが照らす薄暗い路地裏にあってもなお鮮烈なその色に、しかしメリアの心は動かない。罪悪感も、怒りも、恐怖も、生き残るために遥か昔に削ぎ落として置いてきた。だからこそ迷わない、躊躇わない――なすべきことを、最適効率で行うことに逡巡はない、はずだった。

「くっ――!!」

伸びる虚ろな少年の手。掴まれ、振り下ろされる凶器は鋸。判断は一瞬、掴まれた少年の掌へとナイフを振り下ろし、捻りなが引き抜くことで筋と腱をずたずたにする。人体構造上、動かせなくなった少年の手を振り払い、迫る鋸から飛び退くように弾けた大雨の中へと後退する。

雨が外套を濡らし、メリアから溢れる紅を足元で薄く稀釈していく。頬、そして肩、痛みというよりは刺されるような熱を持ったその傷を、意識的に思考から追い出して邪悪な王へと冷然な視線を注ぐ。

爆発音、そしてこの局所的な大雨のような水。この場にいる子供達を洗脳から開放するのにそう時間はかからないだろう――だが、それだけの時間があれば、目の前の邪悪な少年、イドラが逃げおおせるには十分だ。

「――違う」

雨音に紛れて、ぽつりと呟いた独り言は、誰かへ届くとも知れず消えていく。それは、イドラの言葉への否定。彼によって子供達は生きながらえ、価値を見出されているという言葉への激情が、メリアの内から溢れ出る。

怒り、ではない。それの感情が何なのかは、メリアにすら分からない。生きるために必要のないものは全て置き去りにしてきたはずなのに――こんな言葉は不要で、意味がないはずなのに。

「それは、違う……最期まで生き抜くことも、屈して家畜として生きることも、私達が決める――!!」

生まれたときから、選択肢など存在しなかった。誇り高いと信じる生き方を貫いて、最期の時まで走り抜けるか――外道に身を堕とし、あるいは外道に恭順する家畜となって少しでも長く生き長らえるか。北区の劣悪な環境では、そんな選択肢しか存在しなかった。

だが、それを不幸だと思ってはいなかった。生きることを諦めてはいなかった。少なくとも、どんな状況であっても笑い合う人々がいた。明日の命すら分からず、数時間後の未来さえ闇に包まれたそんな場所で、それでも誰も生きることを誰かに預けたりはしなかった。

「お前が、その子達の生き方の自由すら奪おうとするのなら――」

一際強く、メリアの両眼が光り輝く。それは暗い路地にあって、それでも獲物を狙う獣の如くはっきりとイドラの身体を捉えて離さない。
選択肢は少なかった、理不尽な世界だと感じることも多々あった。それでも、己で生き方を選ぶ自由だけは、あの場所に生まれた者たちの数少ない寄る辺であり、誇りだった。それを奪い、穢すというのならば、私達の生き方すら嗤うというのなら、

「――私は、それを、許さない!!」

何か大きなもの引かれるように、吐き出すように、言葉を紡ぐ。イドラに対しての叫びは、同時に己に対しての誓いでもあり――刃と一緒に握りしめた想いは、過去に置いてきたはずのものだった。

降り注ぐ豪雨を抜けて、飛び出す。感情はどこまでも冷徹に、思考はどこまでも緻密に、溢れる想いは握りしめて、その刃に全てを乗せる。
     オーダー
ドミニクの注文は生け捕り。ならば、逃さず、殺さず、行動不能に陥らせる。
輝く瞳はそのまま、三度焼き直しのようにイドラへの突撃を敢行する。現れるは先と同じく重なった『鏡』。そして踏み込んだ右足が『鏡』を踏みしめ――メリアの身体が閃光と化す。

踏み込みの足音が二十の足音になって破裂音のように路地裏に響き渡り、メリアの右足が内側から弾ける。筋が千切れ、骨が砕け、肉が弾けて膝から下が赤い血袋へと姿を変える。例えるならば、大型トラックの衝突を無理矢理蹴りで止めようとすれば、こうなるのだろう。瞬間的にかかった極大の負荷に、人に身体が耐えきれないのは道理である。

その右脚の代償に、メリアが得た加速は人の速度を容易く凌駕していた。風に煽られて外套のフードがめくれ、露わになった金糸の髪がたなびく姿を、辛うじて捉えられるかどうかというほどの速度。先程までの速さとはまるで違う、獣すら上回る超常の疾さ。

魔術の多重行使により赤熱して意識ごと焼ききれそうな脳と、右脚の激痛。ともすれば痛みに鈍りそうな思考を無理矢理に叩き起こして、極限の集中を以て目標の少年から狙いは外さない。

集中によって引き伸ばされた時間間隔が、更に細断されて延長されていく。何もかもがコマ送りに視えるような、刹那の永遠の中握りしめた両手の刃と激情をイドラへと振り下ろす。

子供を盾に、こそこそと逃げ回るならば――誰も、何も出来ないほどの速度で制圧すればいい。子供の反応速度、イドラが指示を出す猶予、そんなものを踏み越えて、二振りの刃がイドラへと振り下ろされた。

6日前 No.327

桜花 @kgb☆YV/LbxVUS0Pr ★Android=0bca4o0hXK

【エルヴィン・クラーク/南区・海上】

どうやらあちら側は交渉を断念したようだ。
商談の短期決戦を狙ったが、それ以上に目の前の男を取り巻く情勢は逼迫しており、この場に割ける時間はそうそうなかったようだ。
男はそのまま引き返した。

「………ふーん、やっぱり面白そうだ」

複数の大きな気が、目の前の港町より更に奥の方で蠢いているのをエルヴィンは感じている。
こんな国は初めてだ。
テロリストがどうとか言っていたが、なら彼らに売ろうか、と考えるエルヴィンだったが、しかしこの国では果たして自分達の"商品”は有効なのかどうか、疑問符が付く。
銃器は、一般人には極めて有効だが、自分のような"異常”にはあまり効果がないように思えるのだ。そしてこの大きな気は、明らかに普通の者ではない。
銃器の類いは売れないだろう。しかし、白兵武器ならば、話は別だ。
その為にも、とりあえず実情は見ておこう、と言って小型艇のエンジンを再始動させ、目の前に見える港へ向かった。

>>ベリアル様、南区all様


【大丈夫ですよ!むしろ商人で海賊なんてめんどくさい立場なんで適当に絡んで適当に捨てちゃってくださいな!】

6日前 No.328

雪鹿 @class ★Android=42zyboh5vZ

【フィアーバ・メルヴィル/住宅街→路地裏】

小さく笑って『穴が開きそうな位に見てすまなかった』なんて言う彼は何処かで安心したような様子で、僕も取り敢えず納得してもらえたなら一安心って所かな。一応は「あはは、別に気にしてないよ。」とだけ、相も変わらず笑ったままに答えておく。見られて困る事なんて……あー、うん、傷がある時はあんまり見てほしくないかな……あとはちょっとだけ照れ臭い位。うん、本当にそのくらいだしね!

振り向いて、一応は示した選択肢。それに一呼吸をした彼は相変わらず真っ直ぐに、僕の行く道とは違った道を指差して答えてくれた。ただ、やっぱり優しい彼らしく危なっかしい僕に気を使ったのかな、なんて少しだけ心配をしてしまった。……実際、元凶さんが強かったら――――それは、まぁ、うん。その時はその時って事で気にしない事にしよう。
でも、少なくとも彼の心配は要らなかったみたいだ。一歩踏み出した彼は少しだけわらってるのに、それでも真剣に、はっきりと『これが俺の意思だ。』なんて言ってみせてくれた。
宝石みたいに綺麗な色をした瞳に迷いなんて無くて、さっきまでは少しだけ小さく見えてた背中も今じゃとっても大きく見えた。その姿は僕から見ても、迷う必要なんて無いくらいに格好いい。そう、僕が心配する必要なんて無いくらいに、とっても。

「ん、分かった。あんまり遅くならないといいね。っと、じゃあ……またね!」

その意思を受け止めて彼はもう心配する事はなく、ただ自分達を心配してくれる人達の為に事件が早く解決する事を祈りながらも、最後には笑って夕焼けを写し取ったような茶髪の彼へ手を振れば何時ものように再会を誓う。
それが今日か明日か、あるいはそれ以降になるか、そこら辺は分からないけれど、また会えるって分かってる。普段通りのなんて事無い平和な日常と同じくらい、御互いが生きてまた会える事が分かってるもん。此処は戦場なんかじゃなくって、いつも通りの日常の中にある、ちょっとしたトラブルみたいな物だ。
だから、彼の方へ振り返るのを止めて、路地裏へ歩み始めた足取りだって重くはない。ちょっとだけ辛めのスパイスだけど、それはそれで味になる。

「……誰かが交戦中、かな?だとすれば、邪魔になっちゃうかなぁ……うん、どうやら君達の相手が先みたいだね。」

音のした方へ歩みを進めて近付いていくが、なにやら物騒だったり聞こえるはずの無い水の音……だとすれば、魔術師同士の交戦があったと見て間違いないだろう。流石に、そういう戦いに水をさせる程にお人好しって訳でも無いし……そう考えている最中でした誰かの気配。
そう、恐らく辺りに居た子供達が集まっていた。洗脳者による号令か、あるいは単に人の匂いを嗅ぎ付けただけか、それは分からない。路地裏、そこは狭い場所で脇道があるとは言え、基本的には一本道。このまま進ませれば、彼等の戦いに水を差させてしまう事になる――――まぁ、僕にはこっちの方がずっと性にあってるかもしれない。

響く銃声。しかし、弾丸は彼を射抜く事は叶わず、ふわりと揺らめく彼の身体を通り抜けて壁に当たる。彼等の周りの脇道は既に壁で覆われて、このまま僕を倒して通り抜けるしかない―――そう、子供達には見えている筈だ。

「今日は悪夢を見ている子が多いや。けれど、そんな夢を見てる内は、ここを通してあげられないよ。」

にこりと優しく笑った彼は瞳の色と同じ光をぱちり、煌めかせた。それは瞬く間に小鳥や蝶に姿を変えて踊るように羽ばたけば、子供達の悪夢を、ただの夢へと変えていく。瞬きをすれば、既にそこには武器なんて無くて、あるのは子供らしい甘いお菓子。
そうして子供達は何が起こったのか、それを理解する前に何かに追われるように慌てて逃げて行く。まだ夢の中に居る子供達にとっては壁のあるはずの道を、夢から覚めた子供達は駆けて行く。

頬を伝ったその汗を無視して、ただ魔法を振るい続ける。大丈夫、まだ無茶じゃないとも。せめて目の前の彼等だけは、彼等だけは助けないと……元凶と話をするなんて、そんなのは彼等を助けてからでも遅くはないから。

>花園 ノエル様、all

【ひとまず絡み、ありがとうございました!とっても楽しかったです……!
もし、また機会が御座いましたら、その時はまた宜しくお願い致します!】

6日前 No.329

鶏チキン @rmlp3322 ★wejhOBMSnu_keJ

【エレノア・ファインハルス/東区 路地裏→大通り】

 警官、ドミニクの助言に舌打ちを漏らす。エレノアは傷つけない魔法には長けていない。しかし幸運か、洗脳が解けていない子供の数もそう多くはない。狭い路地裏、いよいよ決着がつこうとしている。怪我を負っている子供たちを何人か背負ってここから退避することもやぶさかではない、と考えていたとき、メリアの刃がひとりの少年を裂く。少年の動向に息を飲んだが、洗脳は解けていないようだ。もう一度メリアに向かい、その凶器を振り下ろす。
 エレノアの方からはメリアが死角となって少年に彼女が何をしたのか、目視で確認することはできなかった。しかし瞬時に彼女は少年から距離を置き、再びイドラに向かっていく。少年はその場に倒れ、しかしそれでも立ち上がり使い物にならない手で鉈を持ち上げようとしている。
 エレノアは先ほど自身が起こした爆発に巻き込まれ意識を失っている少年を右に抱え込み、その少年の元へ向かう。真っ赤に濡れた少年は助かるか否か、医学にも人体にも詳しくないエレノアには判別がつかない。どちらにせよこの少年はこれ以上傷ついてはいけない。エレノアは少年と手を繋ぎ、少年の傷から漏れる鮮血と自身のそれを混ぜ合わせるように何度か強く握る。エレノア自身の傷も浅くはないようで、どろどろとした赤が少年のものと溶け合った。手を離し、少年の掌に意識を集中させるとエレノアの血は赤黒い結晶となって少年の傷を幾分か塞ぐ。またここから自分の魔力が流れ込み、洗脳が解けることを信じて、弱々しく抵抗する少年を左に抱え込んだ。そしてパトカーが停まっている大通りへ二人を運び、壁に寄りかからせる。依然として洗脳が解けていない様子だが、もう立ち上がる力も大してないようだ。エレノアはしゃがみ込み、少年の頭を撫でる。

「こんなことを言う権利は私にはないのですが、たいへん申し訳ありません、あのクソガキに代わって謝罪しましょう。けれど、子供(あなたたち)が巻き込まれる革命は正しくない」



 もうイドラとの決着はすぐだ。洗脳が解けた少年少女たちをひとりでもあの路地から逃がしてやらないといけない。手前の子供たちからこっそりと運び、地面に寝転がせる。何人かは意識を取り戻して何事か分からず泣いている子供もいる。もうすぐ家に帰しますよ、と雑に声をかけながら路地裏から戦いの火の粉がこちらへ飛んでこないように注意深く路地を覗く。自分がここにいることで、少なくともこちら側からはイドラは逃げられないし、一石二鳥というものである。
 それにしてもあのメリアとかいう少女の戦い方は目が当てられないものがある。彼女はどうしてそこまで戦う? こちらへ逃げる際に一瞬見えた彼女の右脚を思い出す。そしてあの警官の背中。そうか、彼もアルカナだったのか。エレノアの左頬に先ほどまで浮かんでいたであろう紋章、それに似た輝き。アルカナで、しかも警察。――良い人間に見えたが、すでにフォルツァ家の傘下に加わっていてもおかしくないだろう。下手に馴れ合っておかなくて正解であった。

「無事にここで仕留めてくれるといいんですけどね」

 大通りへ連れ出せたのは半数、それより少し多いくらいだろうか。そのうちの大多数はまだ意識を失っている。怪我をしている子供も少なくはない。初対面のふたりに願を掛けるのはいかがなものかと思うが、あのふたりがここで仕留めてくれないと彼らを元居た場所に安全に帰すことは難しい。いざとなれば自分も戦いに加わるつもりで、暗がりの結末に目を凝らしていた。
>イドラ、メリア、ドミニク、(レヴィ)、ALL

【エレノアは子供たちを大通りへ連れ出しつつ、道を塞いでいる形になりました。イドラくんたちとは少し離れたところになるので、レスは待っていただかなくて大丈夫です。こちらもちょうどいい具合になったら合流させていただきます】
>路地裏のみなさま

5日前 No.330

@purple3ru ★iPhone=5uXDFiflht

【 哀羽沢弥生 / 東区:移動中→ルージュ家 】

とことこ、とことこ。そんなかわいらしい効果音が聞こえてきそうな歩き方をしながらも、履いているブーツは、地面に触れるたび、コツコツと硬い音を奏でている。進みながら聞いた少女の話は、要約すると何も決まってはいなかった。案はたくさんあるけれど、その思考に決着がついていない。恐らく、彼女は独り善がりにならぬよう、弥生の意見を聞いて、結論に至るつもりなのだろう。それか、選択肢を示すのを自分の役目とし、選ぶのは弥生の役目とすることで、平等さを保とうとしているのかもしれない。しかし、そんな賢い考えが弥生に伝わるはずもなく、立ち止まった彼女は頬を膨らませて少女をかわいらしいぱっちりおめめで睨んだ。先ほどと違って、全く殺気のない目つきで。

「えー! じゃあじゃあ、何にもきめてないってことぉ? もーっ、よいちゃんに『子供をかたっぱしから殺していくのは『こーりつ』がわるいと思って』だの『『しゅぼうしゃ』をみつけてさっさと片付けたほうが』だのいってきたくせにぃ! むー、そんなにいっぱいあったらこまるよぉ! うーん……あ、そうだ。この近くって、確か『ルージュ家』があるんじゃなかったっけ? ほら、なんかちょっとそこそこおかねもちなとこ! そこにならいっぱいいるかも!」

弥生の言葉の拙さのまま、少女の物真似をしながら長科白を吐いた挙句、選択肢になかった富豪の家へ行くことを決め、ずんずん歩みだす。自由なやつだ。
3分もせぬ間に、ルージュ家に着いた。そして案の定、ルージュ家を襲う子どもたちがわんさかいた。片手を水鉄砲で塞いだまま、庭にとめてある車へ器用に飛び乗る。そこからさらに飛んで開いた2回の窓へ潜りこもうとする――も、やや高度が足りず、慌てて壁を蹴って窓枠に水鉄砲を2つとも引っかける。哀羽沢の戦闘訓練のおかげだ。

「きゃはー、いっぱいいるねえ、ガキども! オトモダチとのわかれはすませたか? ――あなたは、1階の方をよろしくね! 誰もいなかったら、2階にきて! 少なくとも、このへやには、けっこーいるから!」

目を爛々と輝かせ、心底愉快そうにあの狂気に満ちた笑みを浮かべた弥生は、まだルージュ家の前にいる少女に、窓枠に武器を刺したままそう言うと、そのまま腕の力だけで体を上げて窓から部屋の中へ入っていった。女のガキとは思えない力だ。
入った部屋は、さすが金持ち、結構広かった。と言うか、広めに作られた子供部屋のようだ。小さい子ども用の遊具があちこちに設置されている。が、どれも血にまみれている。此処で逃げ惑っているのは、母親と数人の子どものようだ。あちこちの遊具に子どもが隠れていて、1人の男の子が必死に襲いかかる子どもから逃げ回っていて、母親が「はやくにげて! リリィ!!」と泣き叫びながら数人の子どもに刺されていて、1人のドレスを着た女の子が血まみれになった痙攣していて、目のあった少年が不思議そうに怯えたようにこちらを見上げている。酷い惨状だ。父親は何処だろう? 元からいないのか、他の部屋で襲われているのか、もう逃げたのか、既に殺されたか。まあ、どうだっていい。此処にいる十数人のみずぼらしいガキを、殺せれば、それで。
ペロリと上唇を舐め、弥生は空っぽの水鉄砲を構えた。

>>ルシエラさま

【ルシエラちゃんのどの案にも乗らなかった&勝手に富豪の家へ乗り込んだ&確ロル&異様な運動神経でアウト要素多すぎてドッキドキです、すみません…!!!】

5日前 No.331

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

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5日前 No.332

有栖川 @hananomi☆Mwp.W.uiBT6 ★5tuXai74if_Vzx

【 東区 / 路地裏 / ドミニク・フォン・ティルピッツ 】
「イドラ。お前さん、人間としても魔術師としても二流以下だな。
 事情もないのに何も込められていない弾丸一発程度防げないんじゃ、魔術師失格だぜ」

 彼が敢えて銃撃を防がなかった理由は、この場に迷い込んだ魔術師―――梓橋那由多が、彼女が魔術師であるのならば弾丸を防ぐ術を持たないはずがないという確信があったからだ。そうでもなければ不用心にこのような騒ぎの渦中に入り込んでくるはずがないだろうし、彼、イドラがそれを見抜けなかったことに対する、僅かな憐憫さえも含んだ言葉を、敢えてドミニクは容赦なくイドラへと突き刺した。

「……メリア、」

 イドラの反応を待つことなく目線をイドラからメリアに移し、彼女の名を呼ぶ。呼べば戻ってくるだろうし、それが何とかできる状態にはあるだろう。
 彼女がこちらに来るまでの間に、ドミニク自身も彼女に歩み寄りつつ、『メリアがこの場に来ず、ドミニクの実家で眠りについていたifのメリアの身体』を仮定し、それをいつでも彼女に対して再現できるように準備する。普段ならば自らの魔術を他人に対して使用することは無いが、高頻度で出会うメリアならば、彼女の平常状態を再現することもたやすい。例えるならば、銃の安全装備を外し、弾丸を装填し、銃口を対象に向け、一秒後には発射できるように。彼女が効果範囲に入った瞬間に、文字通りいつでも彼女の潰れた足を直せるよう、準備を整える。
 アルカナの不便なところの一つが、魔法の使用と同時に発光することだと思う。特にこういった暗い場所では、ごまかしが効かない。如何にノーモーションで発動させようとしたところでも相手に魔法の使用を察知されてしまうという点で、やはり不便が過ぎると言わざるを得ない。

「……梓橋。梓橋那由多、か。西区の何でも屋、ってのはお前さんだな。初見のはずだし一応名乗っておく、ドミニク・フォン・ティルピッツだ。見ての通り警官をしている。
 願ってもない申し出だな、現状戦闘可能なのはお前さんと俺だけだしなぁ」

 彼女の顔と職業から、また那由多のフルネームから、彼女の普段の居場所を記憶の引き出しから引きずり出し確認するとともに、那由多に対して名を名乗る。
 レヴィとエレノアはそれぞれこの場から退避しており、片や力を消耗しきり、片や物理的距離があるせいで、どちらも此方に対して手を出せる状況にない。治す準備を整えたとはいえ、今のメリアは片足が潰れているし、それを治したとしても先ほどまでの戦闘での消耗が激しいだろうし、という点から、これ以上の継戦させるわけにはいかないし、今この瞬間以降の戦力として数えることはできないと判断する。もし仮にできたとしても、これ以上の無理をしてほしくないというのが偽らざる本音であった。
 何なら単騎でやれるところまで時間を稼ぐつもりであったが、彼女が助力してくれるというのならば、それ以上を望むことはできないだろう。敢えて言うならば、知り合いの探偵だとか用心棒だとかが来てくれれば幾分負担が減りはするが、この場に居ない以上それを望むことはあるまい。前者はさておき後者は依頼人の護衛に徹するだろうし、まずこの場に現れることは無いだろうと踏んでいた。

「観察する時間は山ほどあったからな、だいたい見えているとも。奴、イドラはどうやら本当に戦闘能力は無い、洗脳だけが能の人間らしいな。おまけに魔術に対して耐性の無い、一般の人間だけしか素直に洗脳できないと見た。そうでもなければまだメリアが術中にない理由が説明つかんからな。もう何発か殴って、気絶でもさせてしまえば終わるだろうよ」

 再び戦闘態勢を整える那由多に対して、ドミニクは、見える限り観察できた情報の全てを那由多に開示する。先ほどまでメリアに助力がほとんどできなかった分、観察に徹することが出来た分、今後より楽な戦闘終結が可能になるはずだ。

「なぁ、イドラ。お前さん北区にコンプレックスがあるみたいだが、丁度良く俺の拳は“北区の実戦仕込み”だ、最高に気持ちよく目覚めさせてやるよ」

 その職業故に、ドミニクに求められる戦闘技能は高いものだ。北区で拳を合わせないといけない相手はなにも無頼漢のみではない。例えば全く予期しない所から不意打ちをかけてくるような少女とも戦わないといけない、だとか、この街有数の拳法の使い手である用心棒をも倒さないといけない場面が想定される、とか。故に、北区に縁がある彼らと定期的に拳を合わせているドミニクの拳もまた、北区に縁があると言ってしまって過言ではなかろう。

>>イドラ、メリア、梓橋那由多(、レヴィ、エレノア・ファインハルス)、周囲all

5日前 No.333

雪鹿 @class ★Android=42zyboh5vZ

【フィアーバ・メルヴィル/東区:路地裏】

あれから少し経って、子供達を片っ端から洗脳を解き、北区へ送り返す僕は一人の女性を枝分かれする路地裏の奥に見付けてしまった。ああ、魔術師か何だか知らないけれど、そっちは首魁が居るかもしれない方なのに、と。要らない心配だったのかもしれないけれど、花火のように魔力の光を散らして一通りの洗脳を解いてから咄嗟にそちらへ駆け出してしまっていた。
思った以上に彼女は足が速くて、疲れを伴った足じゃ中々追い付けなかったもんだから、いっそ建物を通り抜けて先回りする位の方がいいか、と身体を霧状に変えて建物の隙間を縫ってようやく追い付いた。そんな時に一人の少年が彼女に助けを願い、彼女の足も止まった。それなら僕も力になれるかな、と姿を現そうとしたが、状況は一変して少年は彼女を人質に取る。一瞬、彼も追い詰められて気が動転しているのかとも思ったけれど、話を聞いていれば違うらしい。

それでも、少年の一つの台詞が耳に届いた時、ようやく確信に至れた。

「……『僕の所に』って事は君が騒動の首魁って事で間違い無さそうだね。」

その場に立つ民族衣装を纏った女性、梓橋と呼ばれたその人の数歩後ろに突如として現れる。それは蜃気楼のように大気が揺らめいて、彼の姿を幻と見紛うような、そんな出現をした彼は言葉を紡いで一人の少年を睨む事無く、ただ見つめる。

いつもならば穏やかな表情を浮かべる彼も、この時ばかりは何処か悲哀に染まったような瞳は子供が取り囲んでいる憎悪を露にしたような少年に向けられていて、しかし、それでも子供の前だからなのか、どことなく柔らかな優しさを失っていない。そんな戦意も敵意もそこには無いようにすら思えるくらいの透き通った瞳は、それから彼へ敵意あるいは戦意を示した彼等へ向けられる。

「こんばんは、麗しいお嬢さんと逞しいお兄さん。僕はメルヴィル……ああ、君達の敵じゃないから安心してほしいな。僕はただ、あの子達を助けに来ただけだよ。」

一転、悠長に何処かの民族衣装を身に纏った梓橋という女性と警察の人らしいドミニクと名乗っていた男性へ、実年齢と身長の割りには幼い顔立ちに柔らかな笑みを湛えて挨拶を送る。その二人へ敵意が無い事を示すように、しかし、一人を取り囲む少年少女達へ視線を向ければ、やはりその表情は悲しそうなものである代わりに、瞳は明確な決意を宿していた。
そんな彼の着ているダッフルコートはボタンが千切れて前が開いたまま。交戦続きで此処まで辿り着いたせいか、うっすらと汗が滲んでいる。場違いに柔らかな微笑みを湛えた表情にも、よくよく見てみれば然程余裕があるようには映らないだろう。事実、余力は既に使い果たしちゃった、って言っても良いくらいかな。けれど、もう少しなら無茶じゃない。ギリギリ多分、きっと……なんか、自分で言い訳してたら自信無くなってきちゃうや。この際、無茶でもいいかな!

「子供達は僕に任せて。彼等の相手は慣れているんだ。こんな風に、ね?」

パチンッ、鳴らされた指には星のような煌めきが灯っていて、音と共に眩く弾ければ、柔らかく暖かな光の雨となって子供達へ降り注がれる。それは当たれば怪我には消毒液で注がれたかと思えばガーゼが貼られ、服の汚れも傷も綺麗さっぱり消え去って、ポケットには武器や爆弾の代わりにお菓子が詰まってるだろう。そして、魔力の塊でもあるそれが当たれば、洗脳も同時に解ける。まさに、子供達の悪夢をかき消す夢の光。
ただ、そんな大規模な魔術を此処まで多用し続けて来て、既に余力なんて空っぽの筈なのに、洗脳が解けたであろう子供達へ「そこは危ないから、こっちからお逃げ。」と手招きをして柔らかく微笑む彼の周りで、洗脳をしようとしてもすぐに解くと意思を現すように、残った煌めきは蝶と小鳥になって羽ばたいていた。

これが僕に出来る最善だ。此処で倒れても何にもならない……この手で届くならば、誰一人だって諦めるものか。そんな意志を胸に彼はふらつく視界も少しだけぐらつく足も気にする事無く、子供達を守らんと真っ直ぐに立ち続ける。

「君は無辜の子供達の夢を奪って自分の悪夢を叶えようとしてる―――とても、いけない事だ。誰かを巻き込むなら、魔術なんて使わずに、しっかり話をして志を、夢を共にするべきだった……残念だけど、ここら辺の子供達は帰してしまったから、増援は諦めた方がいいよ。北区の子供は君の味方でも友達でも、なにより道具でもない。」

悲哀を込めた眼差しで一人の少年を見つめて、残酷かもしれない事実と当たり前の現実を事件の首魁である一人の少年へ冷酷にも突き付ける。先程まで、彼は二人で片っ端から洗脳を解いて子供達を北区へ送り返していたのだから、これはハッタリでも無く事実だ。もちろん、その後の事も。

せめて、彼の悪夢を解いてあげたい。なら、まずは目を覚ましてもらう所からだ。そこから、後は……正しく希望と夢を見られたら良いな。この状況だとそう願ってあげる事しか、僕には出来ないから。

>イドラ様、梓橋 那由多様、ドミニク・フォン・ティルピッツ様、路地裏all

【過密かな、と思いつつ、失礼致します…!不都合があれば直したりしますので……!】

5日前 No.334

ルシエラ @mistydark☆NIljAHmRyhk ★R3lMq2ye0U_gaI

【ルシエラ/東区・移動中→ルージュ家】

 ルシエラの提案は弥生には気に入ってもらえなかったようで、結局彼女は此処から近いという別の富豪の屋敷に向かってずんずんと歩き出して行ってしまった。
「……まぁ、確かに何も決めていなかったワタクシの責任ですわね。ここは彼女の言う通りにしておきましょう」
 既にこれだけ大きな騒ぎになっているのだ。動いているのがルシエラと弥生の二人だけである訳がなく……ましてや首謀者を追い掛けている存在など、魔術師でも警察でも東区の人間でも山ほどいるだろう。
 そう結論付けたルシエラは弥生の後を追って走り出すが、その距離はどんどん広がって行くばかり。必死に足を動かすものの、ルシエラが何とかルージュ家の門扉に辿り着いた時には、彼女は既に一階をよろしくという言葉を残して二階の窓から軽やかに不法侵入を終わらせていた。見た目がいくら可愛らしい少女であろうとも、哀羽沢の戦闘訓練をこなしているのは伊達ではないということか。

 門の前で息を整えながら、前方の屋敷を見上げる。中からは悲鳴とも歓声ともつかぬ声があちこちから上がっており、弥生の言う通り多くの人間が中に居るのは間違いないようである。
「さて、それではお邪魔致しますわね」
 今となっては屋敷の警備などあってないようなもので、ルシエラは堂々と門をくぐり、玄関を抜けて中に入った。扉を開けた瞬間に鉄錆の臭いが鼻腔を擽り、この喧騒が穏便な事態ではないことを如実に物語っていた。
 一階はあらかた蹂躙され尽くしたのか、二階とは打って変わって静かなものである。ブーツの音を響かせながらルシエラが適当に家の中を見て回っていると、キッチンでやっと人影を見付けた。

 床に倒れている男性と、それに群がる数人の子供たち。身なりからして男性がルージュ家の人間で、子供達はストリートチルドレンとでも言った所か。男性は子供達からリンチを受けているに等しい状態だが、まだ何とか息があるようで。
「こんばんは皆様、お楽しみ中の所ご免遊ばせ」
 キッチンの入口からカテーシーを決めたルシエラの太腿が僅かに光り、その背後から二本の鎖が伸びる。それは一瞬のうちに男性を襲う子供達を一纏めに縛り上げ、結構な勢いで部屋の隅に放り投げた。
「お子様はとっくにおねんねの時間でしてよ、暫くそこでくたばりやがっててくださいな……でそこの貴方。これはどういうことなのか、ワタクシに説明してくださいませんこと?」
 脳震盪やら骨折やらで済めば幸いな方と言う状態の子供達を一瞥して、ルシエラは男性の所まで歩み寄る。満身創痍の彼に問い掛けてはみたものの、「子供が、」とか「頼む、妻と娘を……」とか断片的なことしか喋ってくれず、見れば分かること以上の情報は得られなかった。ならばと縛り上げた子供達の方に向かうも、彼等も彼等で呻き声を上げるばかり。その虚ろな目から、子供達が自らの意思で富豪の家を襲撃しているとは思えなかったが、矢張り首謀者が分からないのではどうしようもない。
 諦めたルシエラが二階の弥生の加勢に向かおうとしたその時。

「……帰らなきゃ、イドラが、呼んでる」
 子供の一人が、そう呟いた。そうして鎖の拘束から抜け出そうともがいていたが、戒めをきつくしたらやがて動かなくなった。
「……イドラ、ねぇ」
 呟いて、ルシエラはキッチンを後にした。

>弥生様、ALL

5日前 No.335

癒しの炎 @kaizelkai ★6KiTLDTj2c_mgE

【 サニタ・フォーヤン/東区:ビル街付近 】


 「 ほぉ……幼いのに立派だな。 」


 クルスの背後に隠れていた貴族の女の子の振る舞いに、何だかカッコいいと思ってしまった。まだ幼く命が危険に近いところにも関わらず、狼狽えず、流されず、自分がどうするべきかと考えての行動に出た。貴族というのは金や名声ばかりに目を眩む欲の塊かと思ってたが、あの少女はそれではない。強く燃え上がる炎のような意思さえも感じる。もう少し大人の女性であれば、きっと好意を抱いていただろう。どちらにせよ、将来が楽しみなレディである。
頭を撫でていたクルスはどこか恥ずかしそうであった。意外だ、さっきまで笑っていたのに今は年相応の少年の顔になっている。


「 君、まだ十代だろう?子供じゃないか。子供である内は子供らしくなった方が、可愛いぞ。 」


 よしよしと遠慮なく、撫でる。気恥かしがっている彼の姿は可愛らしく、見ていると面白かった。からかいやすい方なのだろうか。まあ初対面にこれ以上撫でていると怒られそうなので、止めておく。
これで女の子であれば、本当に可愛く見えるのだがそれは心の中で呟いておく。



「 まあ……此処は僕たちに任せた方がいいかもねぇ。ん?アルセン君には、お姉ちゃんもいるのか?是非一緒にいらっしゃい。美味しいもの、食べさせてあげるよ。 」


 タケルとリリィはイドラを捕らえるか、殺すとかで動いており、自分は特に興味も沸かなかった。自分の知らない誰かがイドラを捕まえてくれれば、それでいいと思っている。他力本願に見えるが、自分はただの料理人。目の前にお腹を空かせた少年少女、老若男女問わずご飯を提供する事だって出来る。アルセンの喜びに自分も笑みを零し、よしよしと頭を撫でながら、答える。


>>クルス・オラクルーム(ルイース&アルセン)、真神タケル、リリィ・フォーマルハウト

3日前 No.336

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

【クルス・オラクルーム/東区:ビル街付近→移動】

リリィとタケルは腑に落ちないという顔つきではあれどルイーズがこう言い切ってしまった限りこれ以上の交渉は無駄と考えたのだろうか。ルイーズが言った通りイドラ討伐の方に移動していった。ひとまずクルスは揉めなかったことにひと安心する。彼の後ろにいたルイーズも彼女なりに緊張していたらしく、リリィとタケルの姿が見えなくなると大きな溜め息を吐いてクルスの背中にぽすりと顔を埋めた。

「……怖かったわ。どうなるかと思った」
「いいえ、いいえ。あなたはよくやりましたよ。それに僕がどうにもしません。あなただったから、此処まで上手くいったのです。誇りに思いなさい」

くるり、と後ろを振り向いてクルスはよしよしとルイーズの背中を擦ってやる。本当にルイーズはよくやってくれた。彼処までの対応が出来る子供というのはまずいるまい。貴族特有の所作や振る舞い、そして良い塩梅の矜持を持ち合わせていたルイーズだったからこそ交渉は円滑に進んだのである。小さな体でよく頑張ってくれた、とクルスは思う。だからこそ、ルイーズは何があっても守り通さなければならない。
……と、クルスが考えていたところで彼の頭がわしゃわしゃと遠慮なく撫でられた。クルスは「わわっ」と驚きを顔に表す。何故だろうか、サニタに撫でられるのは悪い気がしないが、なんとなく恥ずかしい。自分はもう子供ではないというのに。サニタの傍にいたアルセンはにこにこ微笑みながら、「お兄ちゃんお顔真っ赤だねー」なんて言っている。

「え、ええと、ですね。たしかに僕はまだ十代ですが、もう可愛いなどと言われる年頃ではなく……。お、同じようなことは保護者にもよく言われるので、わかっているつもりではいるのですが……」

なんだかんだ言いつつ那由多もクルスに触れる機会は少なくない。普段は淡白な物言いの那由多だが、その手付きはひどく優しいもので、時々クルスもびっくりしてしまうことがある。けれど不快には思わない。口には出さないだけで、那由多が自分のことを案じてくれていることがよく理解できてクルスも嬉しいのだ。それにしても心配し過ぎだと思うこともあるが。

「うん、そうだよ!僕より四つ年上なの。お姉ちゃんも来て良いんだね!やったぁ!ありがとうお兄さん!」

姉といっしょに来て良い、とサニタに言われたアルセンはぴょんぴょんと跳び跳ねて喜んだ。さすが北区の子供といったところだろうか、食に対する熱意が凄まじい。そんなアルセンの姿を見てルイーズもくすりと笑みを溢していた。アルセンの無邪気な立ち振舞いは不思議と場を和ませる力があるようだ。
しばらく嬉しそうにうろうろしていたアルセンだったが、その腹からきゅるる、と可愛らしく音が鳴った。アルセンは「あ」と小さく呟いてから、恥ずかしそうに頬を染めて自らの腹を押さえる。時すでに遅し、という奴だったが可愛らしかったので気にしないことにしよう。

「お兄さん、僕お腹空いちゃった……。どこかでご飯、食べたいなぁ……」
「ふふ、わかりました。それじゃあ中央区にあるレストランに向かいましょうか。ルイーズさんも、それで構いませんか?」
「ええ、良いわよ。行きましょうアルセン」

ルイーズはすっかりアルセンに心を許したのか、彼の手を取ってにこりと笑顔を向けた。アルセンもアルセンでルイーズとは打ち解けたのだろう、にこっと笑みを返した。そんな二人の様子を微笑ましく見守りながら、クルスは「それでは行きましょうか」とサニタに呼びかけた。

>>サニタ・フォーヤン様、(真神タケル様、リリィ・フォーマルハウト様)、周辺all様

【次のレスで移動してしまって大丈夫です!】
>>サニタさん本体様

3日前 No.337

ナトリウム @asdpoi556 ★Android=h61nJht09N

【リリィ・フォーマルハウト 東区 住宅街】

「そ、そんな………嘘でしょう」

リリィ・フォーマルハウト。彼女は臨機応変にここまでの戦いを続けていたが本来、根っこの性格は計画をしっかりたてて精密に動くタイプの人間である。本来はロシュフォール家にあがりこんでそこで戦果をあげるつもりだった。だが実際はそうはならなかった。まぁ紆余曲折の果てにロシュフォール邸へ向かうことになった……が、たどり着くことはできなかった。リリィの車がガス欠を起こし住宅街のど真ん中でストップしてしまったのだ。原因は移動のしすぎだ。本来の想定はロシュフォール家とフォーマルハウト家を行き来する程度の移動のために。実際はアグレッシブに動きすぎ満タンにしてなかった車のガソリンがなくなったのだ。子供の手榴弾を回収して積み荷が増えたのも追い討ちだろう。歩いて行くこともできるが武器も時間も失うものが大きい。ロシュフォール邸でのタケルとの待ち合わせは断念しよう。


「やれやれ……まさかガソリンを使いきるまでアグレッシブに動いていたとは……」

と、いうことでリリィはこの騒動では、ただ沢山子供を殺した魔術師という評価で終わる━━かに思えた。
不幸中の幸いなのか止まった場所は住宅街の真ん中。子供達の被害がかなり大きいエリア。端的に言えば活きのいい獲物はリリィくらいしかいない。ぞろぞろとリリィを目指し子供達がやってくる。
一般人なら絶体絶命。普通の魔術師ならばピンチ。ならば、フォーマルハウト家のネクロマンサーならば━━

「やれやれ。MVPは取れそうにありませんが、ベストキリング賞ならば狙えそうですわ。」

負ける気はしない━━らしい。ゲームにでてくるような単語を口にしながらゾンビを展開していく。
リリィを中心にミミックとアサルトライフルをもったゾンビ、デュラハンで囲んだ形だ。

「さて、ネクロマンサーらしい戦いをお見せいたしましょう。」

やってくる子供の群れに銃弾を浴びせていく。ネクロマンサーが数を絞ったゾンビなだけあり狙いは正確。次々と頭をぶち抜き死体に変える。そしてここからがネクロマンサーらしいところ。今しがた殺した子供を即、ゾンビ化させるのだ。ゾンビに感染するが如く、はたまた将棋の如く減らした敵のぶん味方が増えるのだ。いつもは質に拘るリリィであるがこの即席でゾンビ化させた死体は近くの人間を喰らうことしか能のない低級なゾンビらしいゾンビだ。だがそれで充分。低級ゾンビでも敵は殺せる。そして新たな死体をゾンビ化。加速度的に敵は減って味方は増える。

「ネクロマンサーに軍団で挑むだなんて……最ッ高のお笑い草ですわね。あははは。」

だんだんと銃声が疎らになっていく。弾は魔力と違って時間や食事、儀式では増えない。ならば温存できるときはしておくにこしたことはない。
子供が子供を喰うという最早、人道も倫理も欠片もない地獄の中でだんだんとケタケタと笑うネクロマンサーの声が響く。

>>周辺ALL様(サニタ・フォーヤン様 クルス・オラクルーム様 真神タケル様)

【イベントも終盤ですしネクロマンサーっぽく派手なことをさせていただくために勝手ながら真神タケル様とは別れさせていただきました。申し訳ありません。】

3日前 No.338

漆黒の冒険者 @andouken ★BxGXTrkAtu_UHY

【真神タケル:東区:ビル街付近→移動】

 交渉を終えてみると何の成果もあげる事も出来ず一方的に相手の要求を飲まされることに結果に終わった
こうしてリリィと共に相手の勝手極まりない要求のもとイドラを追う事になってしまいリリィの手前やる気を見せてはみたが
 正直な所やる気はかなり消え失せテンションは右肩下がりの一途をたどっていた
それゆえだろうか自分がリリィと離れ離れになっている事に今の今まで気づかずにバイクを走らせていた

「チッどうした物か………リリィとはぐれてしまったかかと言って今さらルイーズを追ったところで中央区を目指した以上まだ生きているかどうか」

まさかあそこまで完全に拒絶されるとは、さしものタケルにも読み切れなかった確かに損得勘定はあった事が少なくとも
ルイーズの事はどんなことをしても守るつもりではあったリリィの手前。そしてあちらの見込み通りマフラーのガキを助ける気も無かったが
 そもそもタケルは正義の味方では無い際限なく全ての人を救えないし救えるとも思うほど傲慢ででは無かった
冷たい言い方をすればマフラーのガキの為にここに来たわけでないあくまでルイーズを助けに来たのだから
全てを求めた結果その欲故にすべてを失う事もあるそれをタケルは知っていた救助に来て自身が要救助者なっては本末転倒の極みと言えようが
 しかし過ぎてしまった事は仕方がない魔眼で見通すも、すでにイドラと戦闘に入っている者もいる中完全に出遅れた事は明白
今さら駆け付けた所でもはや意味をなさないだろうし何よりタケルにとってイドラを倒す事はリリィとの為と言う点が大きかった
そのリリィがいない状況で正義の為にイドラを討つなどと言う意志などはあろうはずもない

「やれやれ………引き時か?中央区へのルートは避難してくる事を見越してイドラの兵が多く配置されているかなら北区経由で西区に戻るか」

 タケルはすでに撤収を考え始めていて懐から銃では無くサンドイッチを取り出す流石に少し腹が減ったがのっびりディナーと洒落こめるほど
落ち着いてもいられそうにないと用意してあった携帯食を取り出し食べながらまずは北区を目指してバイクを走らせた。
 イドラの洗脳兵も貴族など街の中枢を狙っているのかスラム街である北区の方は手薄なのか北区の荒くれ者に始末されたのか
手薄な理由など関係ない重要なのは突破する事は容易の様だと言う事さっさと撤退を決めて動き出した



>>北区all(リリィ・フォーマルハウト様、サニタ・フォーヤン様 クルス・オラクルーム様)


【>>ナトリウムさま:そうですねイドラさんの周りも過密だしパーと言ってください。私もちょっと超展開にどうしよかと悩んでいましたし見に回ろうかと思います】

3日前 No.339

英雄と繋ぐ心 @kaizelkai ★6KiTLDTj2c_mgE

【 サニタ・フォーヤン/東区:ビル街付近→移動開始 】


「 そっか、君より四つも上なのかぁ。 」


 そこまで喜ばれるとは思わなかったが、純粋に喜んでいるアルセンを見て、生暖かい目で眺めて、答える。4つくらいだと姉もまだそこまで大きくはない。まあ流石に大人の女性と知り合いになれるとは思ってはないので、是非自分のお店に来た時は幼い姉弟のお腹を満たしてあげようと思った。



 「 ……ん?え、僕もかい?まあ良いけど……。 」



 事が上手く進んでいる。良かった良かったと思っていると、喜んでいたアルセンから腹の虫がなる。成長期だし、仕方ないよなと思っていると、クルスがレストランに行こうという提案をする。ルイーズと仲良くなっているアルセンに羨ましいと思いつつも、眺めているとクルスから一緒に行こうとお声がかかる。
正直、自分が一緒に行くことを想定してなかった。確かにクルスと行動を共にすると思ってたが、それはこの騒動の間だと思っていた。まあいいかと思い、彼らについていった。
そういえばクルスは自分の保護者がいるらしい。頭を撫でられたりするそうだが、仲が良いそうに見える。となるとクルスには実の親がいないのではないかと思い始める。まあどんな関係であれ、彼がそう望むような関係なら問題はない。彼の保護者とは誰だろうかとふと思っていた。


>>ビル街付近ALL


【了解しました。簡潔ですが、お相手ありがとうございました。】

2日前 No.340

ワンコ @vtyjf ★4gCE4td3c0_K6b

【東区/路地裏/メリア】

>>イドラ、レヴィ、エレノア、那由多、メルヴィル

鮮やかに紅が彩られたナイフをその手に、自らの勢いを殺しきれず路地裏の壁へと激突する。咄嗟に取った受け身も虚しく、強かに背中を打ち据えたために肺から空気が絞り出される。空気を求めて咳き込みながらも、傷めた背中がジンジンと熱を持ち痛みの警鐘を鳴らす。

「――ふぅ」

けれど、これでもう終わりだろう。右脚を引きずるようにして、よく見慣れた男の下へとゆっくりと向かう。さながら、忠犬が主人の傍らに控えるように、そっとドミニクの一歩後ろへと――その瞬間、右脚に感じる痛みが消え、瞬き一つほどの時間もかからずその右脚は元通りの健常な姿へと立ち返る。

「――あとは、お任せ」

もはや首謀者の少年――本当に少年かどうかは分からないが――も、もうチェックメイトだろう。この街における幾人もの強者に包囲され、援軍も粗方片付けられたようだ。ならば、これ以上自身がリスクを追う必要もないだろう、と、メリアは肩から力を抜く。

「――頑張ったご褒美、後でちょーだい?」

身長の関係で耳打ちは出来ないが、こっそりと、極力周りに聞こえない小さな声でドミニクにそう囁く。どうせあの水の魔術師もこの近辺にいるのだろう、彼も交えて祝勝会と洒落込むのも良いだろう。

などと考えていることをおくびにも出さずに、ただただ無機質な目で首謀者の少年を見つめる。メリア自身はもはや手を出すまでもない、後は最後まで悪あがきをするか潔く諦めて投降するかのどちらかだ。

――そして、もしも逃げおおせたのならば。あるいは、再び同じことを起こそうとするならば、その時は、私が。

密かに胸中で固めた意思を、ゆっくりと胸の奥底に沈めていく。どうにもこの件に関してはよくわからない衝動に突き動かされそうになることが多い。己を落ち着けながら、この事件の最後を刻みつけるために首謀者の最後をしっかりとその目に焼き付けようとした。


【これにてメリアは事件の終息までは傍観者となります。今後の流れやタイミング次第で、再び絡ませていただくことになるかもしれません。その場合は宜しくお願いします。>>路地裏ALL様】

2日前 No.341

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

【クルス・オラクルーム/東区:移動→中央区:市街地】

四つも上なのか、と返事をしたサニタの何処と無く残念そうな表情を気にすることもなく、アルセンは嬉しそうにこくこくと首を縦に振った。そんな彼の様子を見て、クルスはきっとあの姉弟は非常に仲が良いのだろうと推測する。そうでなければあの少女はアルセンを見失ってあそこまで悲しげな表情をすることもないだろうし、アルセンもわざわざ姉をサニタの店に連れていこうとは思わないだろう。クルスには兄弟姉妹というものがいまいちよくわからない。物心ついた頃には孤児院にいたし、これまで義兄弟が出来たこともなかった。そのため兄弟姉妹と言われてもイメージがしづらいのである。少なくとも自分と那由多のような関係性だろうか、と想像するくらいだ。

「おや、サニタさんはお嫌ですか?気に沿わないようでしたら申し訳ございません。お帰りになられるようでしたら、途中までの同伴でも僕は構いませんから」

クルスの提案に意外そうな表情をしたサニタをからかうようにクルスはそう口にする。勿論帰って欲しいなんて思いは微塵もない。むしろ先程好き放題に頭を撫でられたことへの、ちょっとした仕返しのようなつもりであった。那由多には仕返しをしようと思ってもすぐに出来るような相手ではないので、少しの気恥ずかしさが残ったままうやむやにされてしまうのである。それでも那由多いわく、「仕返しするようになっただけ成長だ」とのことだった。那由多の何でも屋に引き取られたばかりの頃のクルスは、那由多が何か話しかけなければずっと静かにしているだけか、時折手を組み合わせて祈りを捧げるくらいしかしなかったのだから。良くも悪くも人間らしい扱いを受けてこなかったクルスは、引き取られた当初などほぼこれまでの生活と同じようなことしか出来なかったようだ。慣れとは恐ろしいものである。

「……東の国のお姫様、大丈夫かしら」

るんるんと歩くアルセンとは対照的に、彼と手を繋いで歩くルイーズの表情は浮かないものだった。彼女の口にした“東の国のお姫様”という単語が気になったクルスは彼女の可愛らしい顔を覗き込む。

「誰か、心配な人でもいるのですか?」
「……ええ。私の家をお守りくださっていた方よ。まるで遠い遠い、東の国々の人のような出で立ちをしていらっしゃるの。とても華やかなものだから、私や妹は“東の国のお姫様”と呼んでいるのよ」

ルイーズの話してくれた人物にクルスは心当たりがあった。いや、心当たりしかなかった。そんな格好をして名家の警護に当たるような人物とは、恐らく彼の保護者である梓橋那由多のことであろう。ちょうど警護の依頼が入っていたというから、ロシュフォール家から警護を頼まれていたのだろうとクルスは考えた。物憂げな表情のルイーズの頭を撫でながら、クルスは彼女に向けて穏やかに微笑む。

「……きっと、その方なら大丈夫ですよ。東の国の人は、不思議な魔法を使うことが出来るのです。ええ、それこそ、あなたが知らないような、不思議な不思議な魔法です。ですからその方も、魔法を使って危機を脱していることでしょう」
「……その魔法って、何?」
「なーに?」

問いかけてきたルイーズに続いて、アルセンもひょこりとクルスに視線を向けてそう尋ねてきた。クルスは「内緒ですよ」と前置きしてから、二人の耳元でこそこそと何かを呟いた。それを聞いた子供二人は、わかったとでも言うように強くひとつうなずく。どうやら効き目抜群のようだ。

「さて、あちらのレストランにしましょうか。どうやら二十四時間営業のようですし。ある程度食事を済ませたら、この子たちを保護出来そうな場所に連れていかなくてはなりませんね」

クルスはそう遠くない場所にあるファミリーレストランを指しながらそう提案する。サニタから何も案がなければ此処で遅めの夕食を済ませ、那由多の営む何でも屋に二人を連れていく予定だ。きっと那由多のことだから、嫌な顔ひとつすることなくルイーズとアルセンのことも保護してくれるだろう。

>>サニタ・フォーヤン様、周辺all様

【無事安全な場所に出ましたので、もしこれ以上絡まなくても大丈夫なようでしたら此処で絡みを切っていただいても大丈夫です!もし絡みを切る予定でしたらファミレスで食事をしてからサニタさんとクルスたちは別れてそのまま何でも屋に帰るような流れになります。勿論このまま絡みを継続する形でも構いません!】
>>サニタさん本体様

2日前 No.342

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

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1日前 No.343

有栖川 @hananomi☆Mwp.W.uiBT6 ★5tuXai74if_Onj

【 東区 / 路地裏 / ドミニク・フォン・ティルピッツ 】
 手負いの少女が、あと一歩で自分と並べるという距離まで来て、その傷ついた足を止める。それが、治療をすべきタイミングの合図となる。仮定した空想を現実として、虚構と事実とを置き換える。すなわち、メリアの傷ついた足を、傷ついていない状態のifのそれへと変換する。準備をしてしまえば、それそのものはごくわずかな時間で終わる。『事象の否定』は、極論『現実はそうではない』という一言を言うだけであり、その言論を固め証明するための準備に時間と労力がかかるだけなのだ。

「そうだな、考えておこう」

 頑張った御褒美を、と強請る金色の忠犬に対し、そう微笑んで見せる。メリアも甘いものが好きだったはずだし、行きつけのカフェに一緒に行って甘いものを一緒に食べでもすれば、それが最も彼女にとって良いご褒美になるはずだ。先ほどのレヴィとの約束もあるし、これが終わって諸々の事がひと段落すれば、メリアだけでなくレヴィも誘って、3人で小さな祝勝会でも開かねばならないだろう。如何に忙しくとも、それが出来るくらいの時間は作れるはずだし、作らねばならない。

 イドラの取り巻きとなってしまっている子供たちをどうするか、このままにしておくわけにはいかないし、さりとて自らの魔力を広範囲に拡散させることのできないドミニクには彼ら全員を一気に洗脳から解放することは出来ず、どうしたものかと悩んでいたところで、思いがけず強力な助っ人が現れた。メルヴィル、と名乗った青年の広範囲に及ぶ魔法が、子供たちの洗脳を文字通り一気に解いたのである。恐らく道々の子供たちにそういうことをしてきていたのであろうことも言葉の端々やその態度から察せられるが、大規模な魔法であればあるほど、その魔力消費が大きくなるのは誰も同じらしく、彼にも一切の余力はないらしいと思われる。それでも自らの心配よりも子供たちの誘導を優先するフィアーバの方を見て、帽子のつばを持って軽く黙礼することで彼への感謝の代わりとし、再びドミニクはイドラの方へと向き直る。
 状況は既にチェックメイト。対抗しようもなく、逃げようもなく、孤軍の王は既に負けが決まっている。しかし彼はそれを知ってか知らずか、かつての自らの手下にして肉壁とするつもりであったのであろう子供たちの一人へと銃を向ける。しまった、と内心で悔やみつつも、先程メリアの治療のために彼女へと近寄ったせいでさらに距離が離れているせいで、ドミニクが防ごうにも間に合いようがない。結局先程と同様に那由多が防ぐ形となり、返す刀で彼女が一方的にイドラを殴打し、彼から拳銃を取り上げることで戦闘が終結する格好になった。

「……本気でこの街を変えたいなら、手段が悪かったな。たかが一人でやれることなんて限られてんだ、まして一人で街をひっくり返すなど、この場にいる誰一人出来んさ」

 諸々のショックからか、しゃがみ込み、自らのカラへと籠ってしまっているイドラへと向けて、ドミニクはそう語りかける。
 この街をただ転覆させるだけではない、方向性はどうあれこの街を変える事が最終目的となるのであれば、本当に手段が悪かったと言わざるを得ないだろう。誰もが納得するという事はあり得ないにしても、もう少し軟着陸させられる方法が確実に存在しているだろうからだ。

「殺しはしない、堀の中で反省して来い。死刑にならずに出てこれたなら―――そうだな、酒の一杯でもおごってやる」

 この騒動の件で裁判となり、もしも刑務所から出てこられたならば、そしてそれがなされるかもしれない遠い未来に、まだ自分が生きていられたならば。そういうことをするくらいはいいかもしれない、と、ドミニクは自分らしくもない事を口にした。
 彼の頭を押さえている手の両手頸に、手錠をかける。それはこの場の大半の面々にとっては騒動の終焉を意味するものだろう。ドミニクにとっても、事後処理も多数あるが、この件についてはこれで一区切りつくことになるだろう。

>>イドラ、メリア、梓橋那由多、フィアーバ・メルヴィル(、レヴィ、エレノア・ファインハルス)、周囲all

【お言葉に甘える形で、手錠をかけるところの描写に確ロルを使わせていただきましたー】

1日前 No.344

雪鹿 @class ★Android=42zyboh5vZ

【フィアーバ・メルヴィル/東区:路地裏】

イドラ、その少年はあまりに何かを大きく見誤っていた。正義の味方、それをしたいなら彼はとっくに悪のされるだろうイドラの後ろに居たことだろう。なにせ、現れた時から夢か現か、それすら曖昧な彼にとって、造作もない事なのだから。
制裁、果たしてそんな物に何の意味があるのだろう、そう考える彼は決して正義の味方等では無かったし、ましてや自分が正義の味方をしている、だなんて思った事もなかった。気取った事があるわけがない。故に、彼は哀しんだ。

嗚呼、また一人。きっと彼には助けが必要だったのにこんな事になるまで、僕は手を向けられなかった。もっと早く出会えていたら、きっと何かを変えてあげられたのに。こんな虚しい終わりを迎える事なんて無かったろうに。彼の夢を正しい方向へ導いてあげられたはずなのに。

そう哀しみの中で悔いているのも束の間、拳銃が一人の子供の方へ向けられる。いけない、助けなくちゃ。と、息をするように当然助けに動く彼であったが、ぐらり倒れかける。どうにか膝をついて、倒れる寸前で止まれはしたものの、溜まった疲労が今になって災いしてしまった。間に合わない、そう脳裏に最悪を思い描く。イドラの放った「役立たず」の言葉が突き刺さる。

しかし、その最悪は起こらなかった。麗しき女性である梓橋 那由多、その人が身を挺するように子供の前に立ち、弾丸を魔術らしき力で受け止めてくれた。アンクレットが弾け飛び、僕の方へ一端が転がってくる。それを拾い上げてから、イドラの行く末を見届けようと立ち上がった。
平手打ち、確かに彼はこれから罰を受けるけれど、それをする彼女の気持ちも分からないでもなかったから止めるのは止めた。痛そうで少しだけ僕も辛かったけれど、彼女や子供達、この町の皆は、もっと苦しかった。もっと辛かった。もっと、痛かった。それだけは確かだったから。

そうして、全てが終わった事を示すように警察官の男性ドミニクが彼の手に手錠をかけた。彼は、きっといい人らしかったから余計な心配はしない事にする。きっと、彼の事も悪いようにはしないだろう。

「梓橋さん……で良かったかな?これ、アンクレット。少し見ただけだから、デザインはちょっと変わってしまってるかもしれないし、何より魔法の力は無いけれど、良かったら受け取ってほしいな。」

先程までは確かに一端でしか無かったそれは、先程のような魔力はなく、デザインも部分的に若干変わってしまっているが、出来るだけ元通りの綺麗な姿なるように、と魔法で直したアンクレットを普段と同じ柔らかな微笑みを向けて那由多へと差し出す。
このアンクレットにそこまでの価値がなくても、子供を助けてくれた彼女にしてあげられる事はしてあげたかった。お礼にしては細やかにも程があるけれど、残念な事にそれしか僕には出来ないから仕方がない。要らないと言われたら……ドライにあげようかな?もちろん、デザインは彼女の似合うように変えてあげないとだけど。

「さて、僕は失礼するよ……もう出来る事は無いだろうから。それでは、どうか貴方達が良い夢を見れますように。」

戸惑っていた子供へ「北区まで一緒に帰ろう。大丈夫、なにもしないよ。」と声を掛けてから、彼の周りに集まった子供引き連れて、彼は那由多が歩んだであろう道を気丈に引き返してゆく。彼の別れの挨拶と共に目映い煌めきで作られた蝶と小鳥は滲むように、最後にはパチリと終わりを祝う小さな花火のように弾けて消え去った。
そう言えば、ノエル君は帰っただろうか?彼等を帰したら一応、東区を一巡してみよう。その後は流石に子供達と一緒に寝ようかな……やっぱり、こういう事は少し疲れちゃうね。

>イドラ様、梓橋 那由多様、ドミニク・フォン・ティルピッツ様、メリア様、(レヴィ様、エレノア・ファインハルス様)、all

1日前 No.345

狼谷 @anima1997☆PMqTzZiUwVg ★iPhone=BN3hO8AmiJ

【レヴィ/東区:路地裏】

 レヴィは魔力の使い過ぎで一時的に行動不能になり、路地裏の物置のような障害物の上で、事の顛末を見守っていた。自分のした事――広範囲に魔力を散水して大半の子供の洗脳を解いたこと――は、少なくとも無駄にはならなかった。ドミニクは期待通り、いやそれ以上に上手くやってくれたし、ほかも各々やれる事をした。と言うのが相応しい展開だった。また、事態が収束したことには、思わぬ参戦者、那由多とメルヴィルの存在も大きいだろう。多勢に無勢だったのは最初は自分達のはずだったが、今は違う。戦況がこちらの勝利に傾き始めた頃には、レヴィも安堵して魔術を解いていた。近接武器のない状況での肉弾戦では、自分は役に立たないので見守るだけだったのだが、こちらが優勢になって一安心だったのである。歯痒い思いをしないで済んだ。
 ドミニクがイドラに手錠を掛けたのを見て、重たい腰を上げた。魔術を全て解いているため、元来の姿――猫背で高身長な髭の男――である。筋骨隆々な彼の後ろからひょっこり顔を出して、

「過去は変えられねぇ。起きちまったことは紛れもない事実なんだよ。で、俺らはその目撃者であり当事者、お前は張本人。
ドムと二人で酒は緊張するだろうから、俺もついて行ってやるよ。水の魔術師の俺様がな。また会う日があれば、その時は、な。幻想の魔術師さんよ。」

 真剣な眼差しで淡々とそう言って、最後は酒を煽るジェスチャーをしながらにやりと笑った。ドミニクの言葉の通り、イドラは刑務所行きになるだろう。これだけ多くの人を巻き込み、混乱に陥れたのだから刑は軽いはずはない。だがもし、もしも、イドラが改心していつかこのソルセリアの日の元に戻ってくる日があれば、一緒に酒でも飲んでみたいものだ。彼がただの子供でないことは、先程の戦闘中に感じたこと。こんな容姿をしていても、もしかしたら自分と同い年くらいかもしれないな、と心の中で笑う。
 そして視線を那由多とメルヴィルのほうへ向けた。メルヴィルは子供達を連れて去って行くようだ。自分とは入れ違いで路地裏にやってきた彼なので、今回直接言葉を交わした訳では無いが、彼の魔術を目の当たりにしてとても興味を惹かれた。「気を付けてなー、メルヴィル!」と、あれこれ考えるよりも先に、彼の後ろ姿に声を掛けていた。彼にこの声が届いているかどうかは、大きな問題ではない。泡沫のような不思議な魅力のあるメルヴィルとは、またいつか会える気がした。次に、メルヴィルとなにかやり取りしていた那由多に近づき、軽い調子で声を掛けた。

「よっ、さっきぶりだな、お嬢。ロシュフォール家はどうだった?」

 一度それに足を突っ込んでいるので、どうしても気になっていたことを那由多に尋ねる。イドラの一件はもうカタがついたようなものだが、彼女の雇い主の状況だけが気掛かりだったのだ。

>>イドラ、メリア、エレノア、ドミニク、那由多、メルヴィル、ALL

1日前 No.346

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

【梓橋那由多、イドラ/東区:路地裏】

この事件の終幕と言わんばかりに、警察官の男性はイドラに近づいて彼の手首に手錠をかけた。冷たい鉄の感触がひんやりとイドラの肌を冷やす。これまで鉄の臭いといったら自分が盾にしてきた子供たちや殺してきた富豪たちの流す血ばかりだったな、なんてイドラはぼんやり考える。

「……やめておくよ。僕は酒があまり好きじゃないんだ。温かいミルクで十分だよ」

そして警察官の男性から、もし刑務所から出ることが叶ったならば酒の一杯でも奢ってやるとの旨の言葉をかけられて、イドラはうっすらと苦笑いして肩を竦めた。酒が好きではないというのは本当である。そのためこれまでもイドラは酒を自分から飲むことはなかった。こんな姿で居続けたせいかな、とイドラは自虐的に笑む。少なくとも、今のイドラには何も出来ない。それは彼自身もよくわかっているのだろう。
イドラの戦意は見るからに挫かれていた。そのため那由多はそっとイドラから離れて、後の始末は警察官の男性に任せることにする。自分は何でも屋であり警察ではない。これ以上自分がイドラにするべきことは何もない。そう考えていた矢先、メルヴィルから声をかけられた。はて、何か彼に話しかけられるようなことがあっただろうかと那由多は一瞬思案する。もしかしてイドラの頬を数発張り飛ばしたことを責めるつもりなのだろうかと思いもしたが、どうやらメルヴィルが伝えたいのは別のことのようだった。

「……拾っていてくれたのか。ありがとう、感謝する。使える形であればいくらでも使い道はある。……私は何かを壊すことは出来ても、直すことは出来ないからな。お前の魔法が少しだけ、羨ましい」

直してくれたアンクレットを受け取りながら、那由多は少し声音を柔らかくしながらそう口にした。メルヴィルの魔法はまるで子供に見せる夢のようだ。ふわふわとして、すぐに壊れてしまいそうな儚さを持ち合わせながらも、決して誰も悲しい気持ちにはさせない優しい魔法。そんな魔法が那由多にとっては羨ましかった。彼女の魔法は、自分を守るか敵を攻撃するかしか能がない。そういう魔法だとわかっていても、時折自分の魔法がもし違うものだったら、と考えてしまう。

「……レヴィ。……実はまだ、ロシュフォール家の娘が見つからないままなんだ。たしかイドラの部隊に連れ去られたという話だったが……。……イドラ、ロシュフォール家の娘は何処にやった?」

これまで何処かで待機していたのだろうか、突然声をかけてきたレヴィに那由多は少し驚いたのか僅かに目を見開いてからそのように答えた。そうだ、まだルイーズが見つかっていない。彼女を見つけ出すまで那由多の仕事は終わらないのだ。那由多はまだ連行されていないイドラの方を振り返って問いかける。イドラは疲れたような表情を隠すこともなく、溜め息を吐いてから怠そうに応対した。

「ロシュフォール家の娘なら僕から逃げ出したよ。てっきりお前らが手引きしてるんじゃないかって思ってたんだけど」
「何処に行ったのかわかるか?」
「知らない。僕の駒といっしょに、何処かに行っちゃったよ」

イドラから返ってきた答えは那由多にとって最善のものではなかった。しかしひとまず盾にされていないことがわかって那由多はほっとする。もしイドラが嘘を吐いているというのなら後で警察官の男性に頼んで一発殴っておいてもらいたい。那由多とて大海のような器の持ち主ではないのだ。

「……ひとまず、私は一旦何でも屋に戻る。今回の一件で幾つか装飾品が壊れてしまったからな。このままではあまりに危うい」

メルヴィルの直してくれたアンクレットを懐に仕舞ってから、那由多は自転車を停めてきた方角にちらと視線を送った。此処から西区までは自転車を走らせて20分程度だろうか。あの自転車はなかなか良いもののようだったし、久しぶりに自転車に乗った那由多も非常に漕ぎやすく使い勝手が良いと評価した。今度貸してくれた青年に出会うことがあったら、何かしらのお礼をせねばなるまい。

>>ドミニク・フォン・ティルピッツ様、フィアーバ・メルヴィル様、レヴィ様、(メリア様、エレノア・ファインハルス様)、周辺all様

【イドラの方は連行してしまって大丈夫です!後程〆レスを投下致しますので、それまでしばらくお待ちくださいませ……!】

1日前 No.347

鶏チキン @rmlp3322 ★wejhOBMSnu_keJ

【エレノア・ファインハルス/東区 路地裏】

 路地裏には民族衣装の女と白銀の髪を持つ男、この二人が加わりもはやイドラに勝機はないようだった。エレノアは子供たちを戦火から守りながらそれ以上手を貸すことはなかった、必要なかったという言い方もできるが、おそらくイドラが子供の洗脳をほとんど解いてしまった今、エレノアが彼の敵になる理由はなかった。
 理由はどうあれ、東区の金持ちや、ひいてはフォルツァ家が憎いのはエレノアだって同じなのだ。ただ今回は、イドラに関しては手段が許せなかっただけ。だから妨害した。我ながらなんて勝手だろうと思う。もしイドラがこんなやり方を選んでいなかったら? もしかしたらいい友人になれたかもしれない、なんて思う。

「さ、もう終わりましたよ。帰りなさい。私はこれ以上あなた方に構うことはできないので、適切な方に適切な助けを求めてくださいね」

 幸い、怪我を負った少年にも息はあり、その他に大きな、命に関わるような怪我をした子供はいないようだった。数人、縋るようにエレノアの服を引っ張るが、それを優しく引き剥がす。エレノアは子供が嫌いではない、しかしエレノアはこの子供たちの味方ではないのだ。むしろこの子たちをいいように操っていたイドラと同じ立場の、いわば悪人。幸い、白銀の男は北区の子供たちを連れて帰ってくれるようだし、歩ける子供は彼と一緒に帰ればいい。怪我をしたり、精神的にショックを受けた子供は、先ほどの警官がどうにか処置してくれるだろう。子供たちの方を振り返ることなく、エレノアは再び路地裏へと戻っていった。最後にイドラと会話を交わすためだ。


 すでにイドラの手には手錠がかけられ、ドミニクに連れられて行くところだった。先ほど下半身が液体になっていた青年は人間の姿に戻っており、ドミニクの言葉に口を挟んでいる。おまわりさんにも不思議な知り合いがいるのだなあ、と思いながら彼らに近づいて行く。そして聞こえる、ドミニクの言葉。一人で街をひっくり返すなんてことはできない、という。エレノアは静かに奥歯を噛み締めた。それはまるで自分に向けられた言葉のようだった。そんなことない、と叫びそうになり、咄嗟に歯を食いしばる。
 イドラにはすでに覇気はなく、諦め切った、といった様相だった。エレノアは無言で彼に近づき、ドミニクに向かい「少しだけ話をさせて」と頼む。形だけの懇願であり、ドミニクの答えは必要ないと言うかのようにすぐさまイドラに耳打ちをする。すぐ近くのドミニクにもレヴィにも、メリアにも聞こえないように。

「私が変える、この街を変えてやる。お前とは違った方法で、必ず」

 そう、もしかしたら今逮捕されていたのはイドラではなく自分だったかもしれない。彼がなぜ東区の人間たちに歯向かおうとしたのかは知らないし、知るつもりはない。けれど結果として彼が捕まり、野望を果たせず、未だエレノアはのうのうとしていられる。エレノアは目の前の少年に、次は自分がと改めて誓う。一人で街を、魔術師を変えなければいけないのだ。
 イドラにエレノアの意図がどの程度通じたかはわからないし、それは彼女にとってはどうでもいいことだった。あくまでもエレノアはイドラを通して自分に語り掛けたに過ぎない。失敗していたかもしれない自分を、イドラを通じて見たのだ。

「――はい。お話終わり。あなたはそうやって大人しい顔をしているほうがよっぽど可愛いですね。まあもうどうでもいいですけど。大人しく死刑になれるといいですね」

 イドラからひょいと距離を取り、そのように皮肉る。イドラを見た目通りの少年と思っているエレノアには彼は可愛らしい少年にしか見えない。そのことが逆に彼の行った残虐性を際立たせていた。
 エレノアはメリアにも目を向ける。そして目を疑う。傷がすっかり治っているではないか、いや、治っているなんて話ではない。そもそもその傷が存在しなかったように彼女の足はそこに在った。おそらく誰かの魔術だろう。メリアの足が元通りになっていることに、エレノアは自分が気付かないほど小さく安堵する。一瞬彼女に向けるエレノアの視線は安心からか柔らかくなるが、すぐにまた強い眼光に戻りドミニクとレヴィ、そしてこの場を去ろうとする女性と青年を睨みつける。
 青年は、入れ違いになってしまったようでほとんど顔を見ることはできなかったが、全身の力が抜けるような優しい空気を纏っていた。そして民族衣装を着た女性、あれは巷で小さな噂になっている何でも屋だろうか? 不思議な服を着た女性が営んでいると聞いたことがある。いずれにせよ、二人にはまた出会ってしまうような気がした。

「じゃあ、お疲れさまでした。ちゃんとそいつを檻に閉じ込めるところまでお願いしますよ、おまわりさん。職務は全うなさってくださいね。――それと、あなたは……人間、ですか?」

 最後はレヴィに不審な目を向けながらの問いかけだった。魔術でもあんな風に身体を変化させられるものは聞いたことがない。もしかしたら彼は人ではないのかもしれない。

「なんでもいいですけど、もう二度と会わないのだし。あーあ、無駄な怪我しちゃったな」

 傷ついた腕の調子を確かめるように数回ぐるぐると動かしながらなるべく興味がないことを装う。スライムの彼と少女はともかく、警官とはもう二度と会いたくないな、というのがエレノアの本音であった。見透かされているような気がして恐ろしい、というのも本音である。
>イドラ、ドミニク、レヴィ、メリア、メルヴィル、那由多、ALL

21時間前 No.348

ナトリウム @asdpoi556 ★Android=h61nJht09N

【リリィ・フォーマルハウト 東区住宅街】

ケタケタとした笑いとはうってかわって甲高い子供叫びが住宅街に響く。
「これで最後ですわ。途中で洗脳が切れたときは見逃そうかと思いましたが、まぁ魔術の秘匿のため仕方がありませんわね。」

元・仲間の死体の群れに最後まで生き残ってしまった子供は貪り食われ正気のまま死んでいった。正気であるが故にわけもわからず食われていくことに叫ぶくらいしか抵抗のしようがなかったのだ。悲しいかなその悲痛の叫びは最も近くにいた女の心には響かなかったのだが。

「スコアは……あのときの爆破とこれを合わせて……100いかないくらい……といったところですわね。」
何十もの死体のど真ん中で今回の騒動で自分の貢献度を計算する。単純に子供を殺しまくっただけだがその数は多分一番、だろう。相手の戦力を削いだということでフォルツァからの謝礼くらいはのぞんでもバチは当たらないだろう。

「……にしても長い夜でしたわ。さすがに眠たくなって━━おや?」
使った子供ゾンビの一部を停止させて死体処理兼、魔力補給のためにゾンビたちに停止させた死体を食べさせている間、時計を見て時刻を確認する。すっかり夜更かししてしまったことと━━時計が光って、いや、時計の下、自分の手首が光っているのだ。

「ベストキリング賞の賞品がここまで豪華だったとは……殺しまくった甲斐がありましたわ。 あははは! 」

自分の手首にあったのはアルカナ。青黒く光るマークが手首に現れている。まさかこんな形で報われるのか。この歓びですっかり眠気も吹き飛んだ。歓喜の高笑いが再び静寂を破る。

>>周辺ALL様

【イドラが完全降伏したのでリリィにアルカナが発現する描写をさせていただきました。】

20時間前 No.349

@purple3ru ★iPhone=5uXDFiflht

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20時間前 No.350

桜花 @kgb☆YV/LbxVUS0Pr ★Android=0bca4o0hXK

【エルヴィン・クラーク/東区・路地裏周辺】


「一足遅かったみたいだね」

褐色のマントに身を包み、フードで顔を隠す男が、先ほどまで一騒動あったと思われる路地裏を、建物の上から見下ろしていた。
警察官らしい男性に連行されていく、大きな気を持った少年?が、騒動の主犯だろうか?
その周りにいる複数の人物も、というか、この東区と呼ばれる地区に大きな気を持った者が集中しているようだ。

「でも、この町じゃあまり商品は売れなさそうだな」

武器を持つということは、つまり自分の戦闘力を武器によって補完せねばならない、ということだとエルヴィンは考えている。なので、武器を持たずとも高い戦闘力を発揮できる者に、武器は必要ない。
魔術師が集まる東区では、武器を売ることは無理だろう。
だが、強者が集まる場所なら、それなりにこの町についての情報も得られるだろう。

「一応、色々見ておくか」

そう言うと、エルヴィンは建物から飛び降り、通りを歩くことにした。

>>東区All


【イベント終盤に駆け込もうかなとも思いましたが、学校の行事の関係や学年内の対立で色々揉めまして………時間食って機を逃した次第です。もしよろしければ、うちのエルヴィンに絡んであげてください(((土下座】

9時間前 No.351

有栖川 @hananomi☆Mwp.W.uiBT6 ★5tuXai74if_Onj

【 東区 / 路地裏 / ドミニク・フォン・ティルピッツ 】
 軽口に、レヴィも加わる。彼がいるならば確かに場の空気も良い感じに緩みそうなものだ―――などと考えたところで、イドラからまた随分と可愛らしくない反応が返ってくる。いや、本当に反抗期のガキなら可愛いものだが。

「なら仕方ねぇか。何にせよ反省して、生きて出てこいや」

 あっさりと酒に誘った前言を無かったことにし、改めてイドラへと言葉をかける。気が緩んだわけではないが、

「待て、何を―――」

 エレノアの唐突な言葉と行動に対し、ドミニクは制止を掛けようとする。しかし彼女はドミニクの言葉を聞くことは無く、まるで既に許可を得ているかのように、イドラへと何事かを囁く。それがどういった内容であったのかという事はドミニクには聞き取れず、彼女の唇も見えないせいで読唇術の類も使う事は出来なかった。何らかの情報交換か、房中でのアドバイスか、何にせよ、聞かれたくない類の事であるのは確かだろう。

「……何故俺が見ている前で怪しまれるような行動をとるんだかねぇ。
 そんなに、俺に自分の事を調べてくれって言いたいのか」

 去っていくエレノアの背中を軽く見やり、そんなことを呟いた。口調に呆れが混じってしまうのは、彼女の一連の行動―――この場につく前から、パトカーの車中での会話からすでに、怪しいと思えるようなことがそこかしこに散らばっていたからだ。ブラフを掛ければいっそすがすがしいまでに強硬な反応を見せたり、本来彼女に向けられたものではない言葉にまで反応したり。何かを腹の中に抱えているのは確かだろう。

「あぁ、有難う。お前さんのおかげで、最小限の被害で済んだ」

 子供たちと共に帰途へ着くメルヴィルへと、ドミニクは素直な謝礼の言葉を口にした。彼の広範囲魔法で子供たちの洗脳が解けなければ、子供たちのけがはさらにひどいものになっていただろうし、ドミニクたちとて無傷では済まなかっただろう。それを考えれば、彼の貢献は計り知れない。彼にならばこのまま子供たちを任せて大丈夫だろうと考え、ドミニクはメルヴィルを引き止めなかった。

 無線機で、児童集団暴動の主犯を拘束したと警察本部へ通告する。そう時間を置かずに何台かパトカーが応援が来るはずだから、イドラの移送は一般の警官に任せてしまってもいいだろうと判断する。それよりも気になるのが、那由多とレヴィ、そしてイドラの会話に出て来た子供の話だ。

「レヴィ、その家の場所を教えてくれ。こいつの移送を確認してから、安否を見に行こう」

 何でも屋に戻るという那由多の言葉をこのまま西区へと直帰する意味だと受け取り、ドミニクはレヴィへとそう言葉を投げかける。恐らく今回の事件の標的となった子供がまだ安全な自宅へと戻れていないのならば、この件は完全に解決したとは言えない。パトカーを持ってきてあるのだから、彼を送り届けるついでに東区内にあるであろうその家へと寄る程度何でもないのだ。もしメリアと那由多も乗るとしても、大の男が5人乗れるパトカーならば全く問題は無い。

>>イドラ、梓橋那由多、フィアーバ・メルヴィル、メリア、レヴィ、エレノア・ファインハルス、周囲all

8時間前 No.352

五十鈴 @isuzu0☆LocDP0eky2k ★6nv8TkWG5g_mgE


【 花園 ノエル / 東区:→公共庭園 】


 一旦メルヴィルと別れ、来た道を引き返すように走り回っては洗脳された子供たちを解いて逃がすの繰り返し。子供たちの数が先程より少なかったため、恐らくこの事件の元凶人物はメルヴィルが向かった方へ居るのだろう。無茶をしてないといいのだが、と届くはずもない願いを静かに心中に潜め目の前のことに集中する。子供たちの数が減ったとはいえ、一人で相手にするのは少々多い気もしたが何とか子供たちを正気に戻して道のりを促す。

 もう魔力が底をつきそうになった時、洗脳されていた子供たちが突然、しかも同じタイミングで解かれたことに声は出ずとも眼を見開いたノエル。元に戻った子供たちは次々と手にしていた拳銃や刀をその小さな手から落としていく。文字通り何が起こったのか分からなかったノエルだったが、魔力が切れた=敵が殺られた。もしくは魔力切れ、と考えるのが妥当だろう。……あぁ、終わったのか。ほっとした瞬間に思わず力が抜けて膝から崩れ落ち膝立ちになる。ふぅ、と息を吐きだし地面を映し出した瞳を右にずらすと淡い紫色の花びらを捕え、ゆっくりとその花に触れる。その花の左右に同じ花が咲き、その咲いた花のまた左右に咲き、みるみると一つの道筋を指し示す道が出来る。


「 その花の道を辿っていけば帰れる。……さあ、家に帰っておいで。 」


 花の道を指差しながら子供たちに告げると、一人、また一人とその道に沿って走って行った。そして最後の一人まで見送ると、ついに魔力が切れて美しく咲き乱れていた淡い紫色の花は元々咲いていた一輪を残して消え去った。今思うとこの花はカタクリだったのか。珍しい花だっていうのに喜ぶことが遅れてしまった、というかその余裕すらなかったことに笑いが込み上げてくる。

 はぁー、と長い溜息を吐いてその場に仰向けになって大の字に寝転がる。視線を周りに移すとどうやら此処は公共庭園らしい。此処まで戻って来たのか、とぽつりと呟く。少なからずの犠牲はあったものの、よく鎮められたものだ。
 んー、と声にならない声を喉から出して背伸びをする。少し此処で休んで行こう。もうすぐパトカーや警察なんかが来るまで、ゆっくり。


>ALL様



【 そろそろイベント終了間際ですので、のんびりさせて頂きました()。 】

3時間前 No.353
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