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地球の命運が僕らにかかっているらしい

 ( オリジナルなりきり )
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デスゲーム/化物VS人間/舞台は学校 @yuuzenn ★DoaFJQIlTR_ouC

 ――君達は、小学生から大学生までの十代の少年少女らだ。

 とある日の朝、いつも通りに目を覚まし学校に行こうとすると、いきなり目も開けていられないほどの光に包まれ、そして次に視界に映ったのは見知らぬ広々としたグラウンド。
 加えて自分と同じ状況なのだろう、パジャマ姿や制服姿で互いに顔を見合わせザワつく子供たち。
 混乱する千人もの若者をよそに、いきなり現れたヌイグルミじみた見た目の謎生物、自称『ウーくん』の声が響き渡る。


「やあやあ僕はウーくんさ。今から君たちに殺し合いをして貰います!
 ――と言っても、人間同士じゃないから安心してね。ええっと、君たちはいきなりこんな所に連れて来られて、僕みたいなのが現れて、すっごくすっごく、混乱していると思うんだ。思うけど、でもパニック起こしても死ぬ確率が上がるだけだから落ち着いて聞いておくれ。
 まず、ここは地球の何処でもありません。君達のこれからの頑張りは世界中のテレビ局や動画サイトをジャックして外の世界に生中継されるけど、でも君達のほうから外の世界にコンタクトをとるのは無理です。外の世界で自分たちがどう報道されているか、くらいならお手元のスマホ等から確認できるぜっ。
 グラウンドの向こうにある校舎やらプールやら体育館やら武道場やらピロティやら、そういう施設にも入れるよ。ステージをこういう形で設定したのは、敵と戦うにあたって君達が慣れ親しんだ場所のほうが少しでも落ち着けるかなと思って。
 ……あ、敵って言っちゃった。人間と闘わないなら何と戦うんだよ、って最初に思ったそこの君! 実はこれから、君達には人間ではない敵と殺し合って貰うのです。とはいえ全ての敵と絶対に戦闘しなきゃいけないことはありません。頑張って逃げてくれても大丈夫。
 敵の種類は後で説明するね。結論からいうと、一週間後に誰か一人でも残っていれば地球の勝利。逆に一週間以内に君たちが敵に滅ぼされれば地球の敗北だ。その時は、誠に残念ながら地球を滅ぼし――――ああもう、うるさいなあ分かった急ぐよ! ごめん、ちょっと上に急かされたから言葉での説明はここまでにするね。後は文章を空中に流すから、各自ちゃんと目を通して内容を頭に叩き込んでね。
 それじゃあ皆、頑張って! 僕は訳あって君達をこんな目に遭わせているけれど――君達に頑張って生き残って欲しいのは、本当なんだ」


 言うだけ言って、少年少女らの目の前から姿を消す『ウーくん』。
 空に流れる文字の羅列と、「三分後にゲーム開始です」の放送。

 一体、何のために自分たちはここで戦わされるのか?
 どうして十代の少年少女ばかりなのか?
 世界中の情報網を当たり前にジャックできる『ウーくん』らは果たして何者なのか?

 全ての疑問が解決されないまま、無情にも三分は過ぎ唐突な展開のサバイバル型デスゲームが始まる。
 何もかも謎だが、それでも多くの子供らは生き残るために走り出した。

 一週間。この地獄を生き抜くために。
 地球を滅ぼされないために。


【なんか朝っぱらからデスゲームにお呼ばれされてよく分からん生き物に「お前ら勝てなかったら地球おしまいな!」とか言われた不憫な子供たちが一週間ほど頑張るスレ(要約)。
 短期のつもりで建てたけど、短期で終わるかは謎。あと私は一度もスレッドを完走させられたことがないので、途中で頓挫してしまっても怒り狂わない方のみ参加して下さると嬉しいです。詳しくはサブ記事にて。まだメイン記事サブ記事ともにレス禁です】

メモ2018/07/17 06:46 : 友禅☆fXqsD0VZIxk @yuuzenn★iPhone-jveydpeVf9

・ルール(http://mb2.jp/_subnro/15748.html-1)

・ロケーション(http://mb2.jp/_subnro/15748.html-2)

・いきなりのネタバレ(http://mb2.jp/_subnro/15748.html-3)

・ゲーム開始前に空中に流れた文章(http://mb2.jp/_subnro/15748.html-4)

・募集キャラ一覧(http://mb2.jp/_subnro/15748.html-5)

・プロフィール(http://mb2.jp/_subnro/15748.html-6)


〜キャラクター一覧〜


『地球人の少年少女ら』

対馬小路天衣(http://mb2.jp/_subnro/15748.html-9)

弥勒空(http://mb2.jp/_subnro/15748.html-19

弥勒海斗(http://mb2.jp/_subnro/15748.html-19)

新堂瞬(http://mb2.jp/_subnro/15748.html-73)

不破風見(http://mb2.jp/_subnro/15748.html-23)

黎明アキ(http://mb2.jp/_subnro/15748.html-27)

音無響弥(http://mb2.jp/_subnro/15748.html-29)

毬米蔵鵺(http://mb2.jp/_subnro/15748.html-33)

カレン・グレアム(http://mb2.jp/_subnro/15748.html-35)

鍵宮アリス(http://mb2.jp/_subnro/15748.html-43)

坂本通(http://mb2.jp/_subnro/15748.html-50)

有栖川瑪瑙(http://mb2.jp/_subnro/15748.html-58)

西野伊織(http://mb2.jp/_subnro/15748.html-71)

津山丈介(http://mb2.jp/_subnro/15748.html-96)

柴南芒(http://mb2.jp/_subnro/15748.html-101)

白河雫(http://mb2.jp/_subnro/15748.html-106)

白詐欺黒(http://mb2.jp/_subnro/15748.html-110)

盤渉日向(http://mb2.jp/_subnro/15748.html-115)

レイ・ライゼンハイマー(http://mb2.jp/_subnro/15748.html-123)

阿智北鬼灯(http://mb2.jp/_subnro/15748.html-129)

…続きを読む(16行)

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坂本通 @arthur ★iPhone=Mhc6XOjRyw

【校舎・1F・1- A教室/坂本通】

 彼の表情からは感情らしい感情が読み取れなかった。その穏やかな微笑みは木漏れ日に照らしてみれば、画家の創作意欲を煽っただろうが、この生か死かの二者択一を迫られる土壇場にあっては不安を煽る類のものである。もし彼が数年来の友人であれば、そうした疑念から逃れられただろうが、生憎と美少年と坂本通の人生は交差したばかりだった。
 数秒間の沈黙の後に、少年は言葉の意味するところを説明した。この生きるか死ぬかの瀬戸際にあれば、他人を蹴落としてでも生き残ろうとする人間は出てくるだろう。無論、むやみやたらと他人から奪うことが賢い方法ではないのだが、この非常時にまともな倫理観と思考回路を維持することは難しいのかも知れない。
 通はそうした選択肢が最初から浮かんでいなかったので、閉口を通り越して衝撃すら覚えた。明瞭な殺意と強靭な肉体を持って徘徊する存在を無視する勇気とは無縁だったし、そもそもまともな人間は生き残るにあたって、真っ先に略奪を前提に考えることはしない。その点、少なくとも目の前の少年はそういった短絡的な考えとは無縁に思える。仮に悪人だとしても、賢ければ誰彼構わず殺して奪うような真似はしまい。

 「……分かった。信じるよ」

 確証と呼べるようなものは何一つとして無かったが、通は観念したように今度こそ穂先を下げた。人を疑っていればキリがなくなる。それに彼の落ち着きっぷりは不気味にも思えるが、味方だと思えば頼り甲斐があるとも言えなくはない。それにいつまでもバリケードを張らずに、箒を情けなく構えているにも疲れた。
 一度腹を括ってしまうと、むしろ気が緩むらしい。精神的な弛緩と相まって、白くなるくらいに握り込んでいた指が僅かに開かれた。隙間から入る空気が汗ばんだ手の平を冷やす。
 最も全幅の信頼を置けるほど、通も単純な頭はしていないので、少しだけ距離を取る形で彼との会話は続けられた。

 「え、あ、いや……特には……」

 彼もその心の壁は感じ取っているのか、気を遣ったように話しかけてきてくれたのだが、当たり障りのない答え方をしてしまう。
 警戒してしまった手前、小さな後ろめたさがあったし、上手く話すと言っても自分を無害だと証明できるものなどないのだ。財布に入った身分証もこの状況では、自分の人間性や信頼の証明にはならない。
 気まずい沈黙の中、とりあえずバリケードを作ってしまおうと、通はまだ汗ばんでいる手で机を運び出した。
 そう言えば、あれほど取り乱していたのに、今は少しだけ事態を受け入れられたように思える。ちらりと美少年を見やった。

 「えっと……ボクは坂本通。あなたは?」

 纏っている雰囲気などから年長者の予感があったので、中途半端な敬語を使ってしまったがひとまず自己紹介をしておく。
 とりあえず彼とは上手くやっていこう。この悪夢のような世界ですら、僅かながら自分は受け入れてしまったようだから。

>>薄氷虚

3日前 No.55

有栖川 @hananomi☆Mwp.W.uiBT6 ★5tuXai74if_GKj

【カレン・グレアム/3F/図書室】
 カレンがいるその場からは見えなかったものの、彼女がいる3階も地獄絵図の様相を呈し始めていた。何かが引きずられる音は、恐らく鬼の持つ金棒が立てているのだろう、とか、先程聞こえた金属音や水音は、このフロアで誰かが裂かれたという事を意味している。つまり、この図書館も安全ではない。否が応でも身を固くしてしまう。静かなことを幸いに、ナイフを持った殺人鬼が忍び寄ってきている可能性だって存在する。疑い出せばキリがないし、ずっと緊張していたらそれこそ一週間経たずに、自壊してしまうであろうことはカレンにもはっきりとわかった。
 せめて誰か信用できる相手と組めれば、あわよくば姉と慕うあの人がいれば、この一週間を生き抜くことも出来るだろうか、などと考えたところで。まさにその、カレンが最も信用できる相手が現れた。

「……お姉様……? そんな、お姉様も此処に……」

 まず頭に浮かんだ考えは二つ、なぜ彼女がこの場にいるのか、そしてそんなに自分に都合がいい事があっていいのか、という疑念であった。
 たしかに先程、それを願ったのは紛れもない事実だ。もしも、彼女がいれば、と願ったのは、他でもない自分だ。しかし、いざ目の前に彼女が現れると、それが本当に彼女なのか、自らが姉と慕っているレイ・ライゼンハイマーなのか、と疑わざるを得なくなってしまう。果たして本当に彼女は自分が知る相手なのか、殺される間際に幸せな夢を見ているのではないか、と自分を信じられなくなってしまう。

「……このような状況でございます。一応、お姉様が私の知るお姉様か、確認させてください。私の普段の紅茶の淹れ方は、どうでしたでしょうか?」

 広げられた腕の中に今すぐにでも飛び込みたいのを自制しつつ、そう問いかける。互いに紅茶を好むのであればこそ、紅茶に関わる問いを投げかけるのも当然であると言えるだろう。
 これで相手が人狼であるならば、間違う可能性もあるだろう。しかし、相手が真にそれを知る相手ならば、幾度となくお茶した仲ならば、この問いの答えを間違うはずなどない。

>>レイ・ライゼンハイマー、3階ALL


【絡みありがとうございますー】
>>蟻宮様

2日前 No.56

@itxmm☆OxYUdDLLJjM ★iPhone=uSyqKf7JNY

【 校舎・4F・美術室 / 白詐欺 黒 】

 恐らく外に居るであろうゾンビは自分の出した音に気がついているだろう。乾燥棚に普通に触るだけでもそこそこの音がするのにもかかわらず、テニスボールなんていう程よく硬いものがぶつかれば確実に被害は出さないにしても大きな音は出すに違いない。窓の鍵を開けたのもいつ逃げてもいいように、という為の気持ちだったが、自分の明らかなこの巨体で窓へ逃げるのはグラウンドに居る敵に自分の居場所を教えるようになるようなものだと今更になって気がつく。
 まさかこんなに早くゲームオーバーか? そんな気持ちが一瞬過ぎった時、後ろにある窓から無骨な音で二度ノックする音が聞こえ一瞬肩を揺らす。まさか敵が来たのかと構えるも、律儀にノックをする敵が居てくれるわけが無い。もしかしたら助け? いや、ドッペルゲンガーやええと確か……そう、人によく似た人狼とかいうのだったらどうする? しかし、今のこの状況が余裕のある状況と言えないのは確かで、自分の運に掛けてそちらを振り向くと、幼馴染みである紫南 芒の姿が瞳に映った。
 その上、芒がいつもと変わらない人懐っこい笑みで話しかけてきてくれたことに対して一気に安堵感が胸の中で溢れてきたのか、「よかっ」と声をあげた直後に「たぁ〜……」と安心しきったような声をあげながら芒の肩に手を置いた。安心感の勢いで抱きつきそうになったが流石に気持ち悪い気がしたので寸前で抱きつこうとしていた手を止める。というか抱きついていられるような余裕も無いし、熱い抱擁を交わすのであれば2人でここを抜け出した時だろう。

 「何かっていうか……えっと……」

 普通に素直に言おうかと一瞬躊躇ってしまう。なにせ、「何故かトートバッグに入ってたテニスボール投げてみたら乾燥棚に当たっちゃったんだよねー。それで今ゾンビに気付かれてんじゃね? やばいわこれHAHAHA」なんて事を言えるわけもなく。というかそれ以前にそんなフランクな言い方をしてフランクなノリで言えていたら躊躇ったりもしない。全くの他人であればまだしも、小学生の時から体育のペア組みで孤立していた黒の救世主である芒に言おうもんなら自滅行為をした事を咎められてしまうかもしれない。しかもデスゲームというこの状況となれば尚更だ。しかし、それでも唯一の支えでもある幼馴染みに嘘をついたり隠し事をするのは後ろめたさもある。というか今更嘘をついたり隠し事をしたところでどうせすぐバレるような気もしたのでここは素直に言おうと口を開く。

 「それがさ、何故かトートバッグの中にテニスボール入ってて……自分で何考えてたのか知らないけどテニスボール投げたらさ……あれに当たったんだよね……。で、結構な音出しちゃったから多分まずい」

 あれ、と言いながら乾燥棚の方を人差し指で示す。明らかに乾燥棚は真正面にあるものではなく、どんな変化球を投げれば逆に当たるんだというような位置にあるのが尚更言葉にしづらい要因である。
 とはいえ、スマホで確認しなくても今の状況がやばい事は分かる。いやむしろ分からないわけがない。なにせ廊下からはゾンビの呻き声にプラスして、恐らく鬼が金棒を引きずっている音すら聞こえ始めているのだから。先ほどまでは聞こえなかった音の聞こえる恐怖といったら。死へのカウントダウンというには余りにも呆気ない。というか、若干既に逃げ場所も限られている諦めていた時に現れた芒を見てやはり彼はいつも自分にとっての救世主だと思う。

 「折角来てくれたのに芒を巻き込むみたいになってごめん……。あっ、お詫びつーか、当たり前だけど俺が出来ることあるなら手伝うから! と、とりあえず今俺どうすればいい? 囮になる?」

 少し前までは遠くで聞こえていた鬼の金棒を引きずる音が少しづつではあるが現在地に近付いている事に気がつくくらいの危機感は持ち合わせていた。黒の中に1人で逃げるなんて発想や選択肢は無いらしく、芒のそばに居るという意思表示の代わりに自分が何かできる事は無いかと問いかけてみる。
 なにせ唯一無二の救世主であり幼馴染みなのだ。若干黒の中で目の前の芒を神格化している節も無くはないが、芒が神でも救世主でもある前に、自分にとってただ1人の幼馴染みという点においてはやはり力になりたいと思う。元々のお人好しもなくはないが、普段助けてもらっている側としてはこういう時くらいは彼の力になりたいと思うのだ。自分にできることが例え数限りない事であったとしても。

>>紫南芒様、all様


【 芒くんかっこよすぎか……。絡みありがとうございます! なんとも頼りにならない幼馴染みではありますが宜しくお願いします……! 】>>雪鹿様

2日前 No.57

@itxmm☆OxYUdDLLJjM ★iPhone=uSyqKf7JNY

【 校舎・2F・廊下 / 花咲 太陽 】

 久しぶりにやる気というか気が向いていた為陸上部の朝練に出ようとした矢先、何かに掴まれたような掴まれなかったような、そして何かの光が見えたような見えなかったような、そんな曖昧な意識の中飛ばされた先は学校だった。学校に着いたから体育着に着替えようかな、なんてのほほんと考えていたが、なんというか、学校のただならぬ雰囲気に流石にそろそろ「わーい。知らない間に学校着いてたよぅ」とは言えなくなってきている。とはいえ、やはり未だに「誰が連れてきてくれたんだろー」みたいな事をぼやいている余裕はありそうだが。
 とはいえ、危機感が欠如しているのか、今のやばさを未だに全く理解していないようで、どこかルンルンな気分でスニーカーの靴を鳴らしながら気が付いた時にはそこに居た二階廊下をうろうろと徘徊してみる。それにしても、いつもと見る校舎とちょっとだけ作りが違うらしい。男子校にも関わらず道中に女子トイレを見つけた時は思わず「あれれぇ。女の子ー?」なんて声を出してしまったレベルだ。所謂ゾンビを見つけてしまった時もゾンビの動きが遅いのが幸か不幸か「ケガしてるのかなぁ、大丈夫かなぁ」なんて思っているレベルで、恐ろしく今の状況を何も理解できていない。ただまあ、直感的にゾンビから追いつかれそうになった時は走ったが。
 しかし、少し先から聞こえた物音につられるように太陽がそちらへ足を伸ばすと、そこには可愛らしい黒のロングスカートを履いた自分よりも背丈の高い中性的な顔立ちの人がいて、その人のなんとも言えない顔つきとロングスカートについた赤い血を見て、太陽はゆっくりと彼女(と太陽は思っている)の前に近付こうとする。……と、その近くにはモザイクなしのリアルすぎるグロテスクな何かの肉片があって一瞬怯んでしまったが、メンタルが激強なのか或いは何も考えないという考えの勝利なのか、それを避けるようにしてから彼女の前にしゃがみこむ。じっと目の前の彼女を見つめた後に彼女の瞳から溢れ出る涙を見て、咄嗟に手を伸ばして自らのカーディガンの裾で彼女の涙を拭ってやろうと頬へとカーディガンの裾を寄せる。

 「大丈夫だよぅ。……あ、お菓子あるよぅ。甘いの好きー? 食べるー?」

 相手の返答も聞かずに、太陽は彼女に寄せていた手を下ろしてから背中にリュックのようにして背負っていたスクールバッグを廊下の床に下ろして、今にも破裂しそうなスクールバッグのチャックを開けてからスクールバッグの中を占領する大量のチョコや飴から始まる甘いお菓子を両手いっぱいに乗せるようにして取り出してから「どうぞ」と彼女の前に出す。ところどころ両手のひらというお椀に入りきらなかった飴やチョコレートや小さな袋に入ったマシュマロが床にぽろぽろと落ちる。
 空気が読めないというか、それ以前に今の状況を理解していないというか、お得意のふわふわ頭お花畑なアホを炸裂しまくる太陽の行動が今の彼女の為になるだろうか。もしかしたら逆効果になってしまうかもしれない。それでも、彼女を見た時、太陽はどうしてもそのまま放っておくような気分にはなれなかった。
 画面越しで誰かが太陽の行動を後ろ指差しているかもしれない。もしかしたら、偽善と詰っているのかも。それとも普通にただ貶されている可能性だって十分にあり得る。ただ、目に見えない事どころか目に見えている事だって太陽は気にしない。その時に自分が思った自分の行動を信じるだけだ。いや、信じるというほどの大層な考え方すらしていないのだけれど。

>>K子(音無響弥)様、all様


【 僭越ながら空気の読めないアホ男子で絡ませて頂きました。K子ちゃんがほっとけなくて…! もし宜しければお相手してくださると嬉しいです! 】>>白様

2日前 No.58

くら子 @kura003☆pak20/nYiv6 ★wyf4VWw0x0_ouC

【 校舎 2階廊下 / 西野伊織 】

頼りない箒を片手に廊下を歩く。先ほどまで美容がどうのこうのなんて言ってたが、落ち着いて現実を見るとそんなことを言っていられるほど悠長に構えていられる様子ではない。悲鳴やうめき声が廊下を反響し身が竦み、さらに赤く、潰れ、ひしゃげた形容しがたい『それ』に目を背けた。
あれはなんだ。人なのか。それじゃなかったらなんだというのか。学生服を纏った肉塊が人ではなかったらなんだというのか。
じわりじわりと理解する脳に急停止をかけ、急いで先に進む。余りに惨い光景を見続けては鬱になってしまいそうだった。これだったら一週間の美容についてを悩んだ方がマシというものだ。

ロッカーを見つけては開けて、目ぼしいものを探し、見当たらなくてため息を付く。という作業を暫く続けること数分。
反響していたうめき声が教室から聞こえる。ロッカーをむやみやたらに開けたのが不味かったのか、音を聞きつけてずずずと何かを引きずるような音が近づく。
即座にその場を走って離れる。あれに対峙しようという方が無茶なものだ。いくら最弱とはいえ一人で立ち向かうにはリスクがありすぎる。
ふと後ろに振り返るとゾンビの群れが10m程後ろを付けていた。ざっと3、4体ほどだろうか。どうせあの教室に籠城していた学生なのだろう。服はボロボロに肌蹴て崩れそうな肌が見え隠れしていた。

「すり抜けるゾンビか…この調子だと他の奴らも…ほらきたっ!」

さらに隣の教室からも濁った音を発しながらすり抜けるゾンビに、走りながら右手に持ってた箒を両手で横に構え、待ってましたとばかりに柄をゾンビの首にフルスイングする。ぱたたっと血が自慢の髪や頬に掛かるが必死すぎてそれどころではない。余りに手応えがなさすぎて不安になるが、バランスを崩したゾンビは地に伏した。軽々とそれを飛び越えると廊下をめちゃくちゃに曲がり走った。

走った廊下の先には人の後ろ姿が見えた。またゾンビかと思い構えたがよく見ると生存者のようだ。具合が悪そうだが、生きている。その足元には潰れた肉塊。彼女がやったのだろうか。生存者が居て安心しているのも束の間、後ろからは迫るゾンビの群れ。足が遅いと言えどすり抜けるというショートカット技を使われては追いつかれるのもすぐだろう。
彼女に構ってはいられない――

「君、大丈夫かい!?すぐ後ろに奴らが迫ってるんだ!急いでここから離れよう…!」

全力疾走で息も絶え絶え、喘ぐようにその女性に叫ぶ。
構ってなどいられない状態なのに、なぜか彼女を放って置けなかった。
バールに縋るように握る彼女の傍で立ち止まると箒を持っていない左手を彼女の前に差し出した。

>>K子、周囲ALL

【絡ませていただきました…!】

2日前 No.59

漆黒の冒険者 @andouken ★BxGXTrkAtu_UHY

【校舎1F・廊下:白河 雫】

 廊下で出会ったお姉さんに咄嗟にしたと言うかしてしまった質問に雫が欲しかった回答が返ってくると
その場で糸の切れた操り人形が如くその場にペシャンとへたり込んでしまう

「良かったのです。あっその………私は白河雫って言います10才です」

 一人でいる事が心細かった事もあり安堵し安心しきった笑顔を彼女に向けると
自己紹介と言うにしては手短だが名前と年を言うとよろつきながらも立ち上がりスカートを払う
するとチビっ子の雫には不釣り合いなEサイズの胸が大きく揺れる
彼女が敵では無いようだ人狼だとすれば一足飛び食べられてしまういるだろう
 それは弱者故の確証でもある人狼や殺人鬼が、いくら屈強とはいえ同様の身体能力を有する人間に対しては策を練る
その可能性もあるが雫の様な脆弱な者に対して対話する事は敵とされる者にとって仲間を呼ばれる危険しかないだろう

「武器?武器ですか………今私が持っているお兄ちゃんの釘バットと後はお父さんの革靴と画びょうぐらいしかないです。あうあう」

 持っていていた物から武器になりそうな物を見せるバットに刺さった釘が雫の兄について雄弁に語っているかも知れない
少なくとも甲子園を目指す高校球児では………はさておき革靴は論外で画びょうは箱ごとあるので撒けば足止めにはなるかもしれないが
それは人間相手の話で人外である放たれた黒き獣達は木にも止めない可能性もある。

「あう〜お姉さん………無理に倒さなくてもそのあの………説明だとクリアー条件は生き残る事だし………そのごめんなさいです」

 彼女に対してデスゲームにおけるクリアー条件が校内に放たれた敵を全滅させるや、ラスボス的な魔王の討伐では無い事から
無理に戦わなくてもいいんじゃないかと提案をしようとするも目が合ったとたんビックッとなり意味もなく謝ってしまた
 これ絶対に変な子だと思われちゃったと心の内でしょんぼりするも、どうしても倒すのなら釘バットを渡した方が良いのだろう
雫の腕力では仮に、フルスイングで頭部を捉えても倒しきれそうにないし運よく頭を飛ばせてもゾンビだと致命傷にならない可能性もあるから
 お姉さんは倒しに行ってしまうのかなと上目づかいに彼女を見つめていると、何かが私達の横をとうりすぎていった




>>黎明アキさま、1F廊下周辺all

2日前 No.60

紅虹 @sidem5431☆iGlpyIQnxD2 ★Ao99mij1M0_GKj

【校舎・1F・廊下/黎明アキ】

小さい女の子は安心したらしいが、そのままへたり込んでしまった。

「良かったのです。あっその………私は白河雫って言います10才です」

 最初は見ていなかったが、10歳にしては不釣り合いなほど胸が大きかった。
…切り落としたい。そう考えてしまった。
小説を読んでいると「大食いだが栄養はどこかへと(主に胸に)消えている」なんて設定をたまに見る。
私だって少しは大きくしたいと思った事はあったさ。うん。

 だから沢山たぺた。沢山なれない運動をした。沢山牛乳を飲んだ。
それ結果どうなった?本当にどこかへと消えてしまった。本当の意味で。
胸は大きくならなかった。かと言って脂肪もつかなかった。背も伸びなかった。
わけがわからなかった。

 さて一応断っておくが私は本を読んでいたといっても科学とかの本を読んでいたわけではない。
俗にいう「ラノベ」だ。ああいった非現実的な物は正直嫌いじゃなかった。…もっとも、嫌いな物もあった。
二番目に嫌いなのは「異世界転生モノ」だった。車にはねられて異世界に行きましたみたいなものだ。
こっち側の人間が異世界に行く必要性がわからない。最初から異世界で始めろと言いたい。
一番嫌いなもの…?主人公が親友に裏切られて精神崩壊するパターン…だろうか。
ああいうのは気の毒すぎて見てられない。本当に。

 …っとそんなことを考えている場合じゃない。誰に断りを入れているんだ私は。
私は武器について質問したが、返答はというと

「武器?武器ですか………今私が持っているお兄ちゃんの釘バットと後はお父さんの革靴と画びょうぐらいしかないです。あうあう」

だった。お前のお兄ちゃん何者なんだ。
武器として使えそうなものは釘バット…以上。
大体こんな気弱な少女が使えるとは思えない。
頑張って降ってもせいぜい胸をゆらs…もういい。
画びょうの方は…対人以外には使えないだろう。
至近距離でまけば(ナイフ持ちの方の)殺人鬼を怯ませることくらいなら…といった感じか。

…革靴の存在を忘れてる?使いようがないじゃないか。持ってる事には少し違和感があるが、私が言えたことではない。

「あう〜お姉さん………無理に倒さなくてもそのあの………説明だとクリアー条件は生き残る事だし………そのごめんなさいです」

 まあ少女は大体そんな事を言っていた。「生き残る」というクリアー条件だけを重視してこの一週間を生き延びようとしているらしい。
まあ攻めた生き方をするのも守りに徹する生き方をするのも個人の自由だ。その点私は何も言えないだろう。別に誰も咎めはしない。
私は前者、彼女は後者だっただけだ。ただそれだけ。

 …といった感じで武器の調達は今回は無理だった。諦めよう。本人だって護身用のつもりで釘バットを持っているだろうし。
「殺してでも奪い取る」なんてしたのを見られたら後からツケが回ってくるだろう。
少女は行ってほしくないような目でこちらを見上げてくるが、あくまで私の目的はゾンビを倒しに行く事。
悠長にはしていられないだろう。

「いいよ。気にしないで。じゃあ、私はもう行くね。」

 そう言って私は少女に背を向け走り出す。
釘バットをもらった方が良かった気がするがまあいい。小太刀でなんともなりそうにない相手は釘バットでも多分同じだろう。
…その数秒後、何かから逃げるように走る…自分と背が同じくらいの少女とすれ違った。

>>周辺all


【ゾンビ狩りの時間だと思う(こなみかん)】

2日前 No.61

漆黒の冒険者 @andouken ★BxGXTrkAtu_UHY

【食堂:丸山たけし(NPC)】


 筋肉質でしっかりとした体躯の男が一人食堂の掃除道具を収納するロッカーの中で息を潜めていた
狼の上顎より上を模した帽子に大きく胸いっぱいに人狼と書かれたTシャツを着た彼は丸山たけし
 ここで説明しなければならない事は彼がデスゲームにおける敵キャラ的存在の人狼では無い事だ
Tシャツがピチピチになるほどの有り余る筋肉にこの様な怪しいファッションしているが間違っても人狼では無い

「ミスった映画館で買った服を、その場で開けて着たせいで。今さら脱いでも何人かには見られてるし裸の男なんて怪しいの極みだろ」

 すでに数人にその姿を見られているうえ脱げが脱いだで代わりの服が無く上半身だけとは言え裸になるわけで
今は逆に本物の人狼がワザワザそんな恰好しないだろうと皆が考える事を願うばかりだが
 そうこうしているうちに食堂で食事をしていた少女の元に別の少女が現れ先にいた少女の名が対馬小路天衣と分かる
ここから出るべきか出ぬべきか思案した結果暫く様子を見る事にするその様はさながら人狼ではなくストーカーそのものだろう

「中高生ぐらいだろうか ハァハァとりあえず」

 どうしよう考えが纏まらないまま時間だけが過ぎていくいっその事服を脱ぎ捨てて全裸で特攻するかと
怪しい発想を起こす丸山



>>対馬小路天衣様、毬米蔵鵺様

【NPCを投下してみました全く言葉を交わすことなく絡んでみました】

2日前 No.62

@purple3ru ★iPhone=9hJIin38fI

【 →食堂 / 毬米蔵鵺 】

(食料調達といえば、やっぱ食堂だよねー!)

ということで、鵺は食堂の方へ駆けていた。食料調達というのは、桃巳を外へ追い出すための口実というだけではなかったらしい。ここから1週間生き抜くために、弁当と水筒2本は余りにも頼りない。(3日に1回だけスープと水をほんの少しだけ食べれば平気な、60秒間で必要な物を集めて核シェルターに逃げ込むゲームをやったことがあるけど、現実はそういうわけにはいかないもんねー……)鵺がテッドかドローレスかティミーかメアリージェーンだったら、1週間なんてあっという間だったのだが、此処には必要な物も60秒の猶予も核シェルターも無い。(いやまあ、3分間の猶予はあったんだけどさぁ)その3分で得られたのは、水でもなければ777年間保つトマトスープでも無く、『囮』であり『犠牲』だけだった。(って……そんなゲームのお話してる場合じゃ無いよ! ゲームは大好きだけど……)お話というか、鵺のただの独白に過ぎないのだが、とにかく。
とにかく、無事、食堂に到着した。

「わあっ!?」

校舎に比べてとても静かだったため、誰もいないのかと思ったのだが、突然声をかけられた。何かを吸う音と一緒に。誰もいないなら存分に食料をゲットできてラッキー! と思っていたため、完全に不意打ちをくらった気分だ。少々大袈裟に驚いてしまった。
一瞬蹌踉めきそうになってからなんとか体勢を立て直し、話しかけてきた方を見る。(……女の子!?)身長は自分と同じぐらいの、細くて、三つ編みカチューシャをしたおかっぱがかわいい女の子だった。目つきは悪いけど、間違いなく顔が良い。背が低い身長が一緒……ということは、年下か? 否、確認なしの確定はよくないけれど。生憎、制服に詳しい方ではないので、この制服が中学生のものか高校生のものかはわからない。それはさておき、何処の地方かはわからない方言ではあるものの、名乗られた上に名前をきかれたのだから、名乗り返さなければ。

「えっと……びっくりしちゃってごめんなさい! 鵺は、毬米蔵鵺! JK1年だよ! 天衣……さん? は、何歳なの?」

相手が年下である、というのはあくまで仮定だ。なので、タメ口で喋りながらも、一応『天衣ちゃん』とか『てんてん』とかではなく、さん付けで呼ばせていただく。年齢が下だとわかればちゃん付けさせてもらおう。

>>対馬小路天衣さま、周辺allさま

2日前 No.63

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★YRuDhSwQ0p_ouC

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2日前 No.64

くら子 @kura003☆pak20/nYiv6 ★wyf4VWw0x0_ouC

【 校舎 2階廊下 / 西野伊織 】

頼りない箒を片手に廊下を歩く。先ほどまで美容がどうのこうのなんて言ってたが、落ち着いて現実を見るとそんなことを言っていられるほど悠長に構えていられる様子ではない。悲鳴やうめき声が廊下を反響し身が竦み、さらに赤く、潰れ、ひしゃげた形容しがたい『それ』に目を背けた。
あれはなんだ。人なのか。それじゃなかったらなんだというのか。学生服を纏った肉塊が人ではなかったらなんだというのか。
じわりじわりと理解する脳に急停止をかけ、急いで先に進む。余りに惨い光景を見続けては鬱になってしまいそうだった。これだったら一週間の美容についてを悩んだ方がマシというものだ。

ロッカーを見つけては開けて、目ぼしいものを探し、見当たらなくてため息を付く。という作業を暫く続けること数分。
反響していたうめき声が教室から聞こえる。ロッカーをむやみやたらに開けたのが不味かったのか、音を聞きつけてずずずと何かを引きずるような音が近づく。
即座にその場を走って離れる。あれに対峙しようという方が無茶なものだ。いくら最弱とはいえ一人で立ち向かうにはリスクがありすぎる。
ふと後ろに振り返るとゾンビの群れが10m程後ろを付けていた。ざっと3、4体ほどだろうか。どうせあの教室に籠城していた学生なのだろう。服はボロボロに肌蹴て崩れそうな肌が見え隠れしていた。

「すり抜けるゾンビか…この調子だと他の奴らも…ほらきたっ!」

さらに隣の教室からも濁った音を発しながらすり抜けるゾンビに、走りながら右手に持ってた箒を両手で横に構え、待ってましたとばかりに柄をゾンビの首にフルスイングする。ぱたたっと血が自慢の髪や頬に掛かるが必死すぎてそれどころではない。余りに手応えがなさすぎて不安になるが、バランスを崩したゾンビは地に伏した。軽々とそれを飛び越えると廊下をめちゃくちゃに曲がり走った。

走った廊下の先には男女二人分の後ろ姿が見えた。またゾンビかと思い構えたがよく見ると生存者のようだ。女性の方は具合が悪そうだが、生きている。その足元には潰れた肉塊。彼女がやったのだろうか。生存者が居て安心しているのも束の間、後ろからは迫るゾンビの群れ。足が遅いと言えどすり抜けるというショートカット技を使われては追いつかれるのもすぐだろう。

「君たち、大丈夫かい!?すぐ後ろに奴らが迫ってるんだ!急いでここから離れいいよ…!!」

全力疾走で息も絶え絶え、喘ぐように二人の生存者に叫ぶ。


>>K子、花咲 太陽、周囲ALL

【すれ違い失礼しました…新たにお二方に絡ませていただきました…!】
>>59 は無視していただいて結構です。削除の仕方が分からない…】

2日前 No.65

雪鹿 @class ★Android=42zyboh5vZ

【校舎・4F・美術室/柴南 芒】

振り返った時の黒の顔は何だか余裕が無さげで、きっとドッペルゲンガーとか言う奴だと思ったんだろうな、とそんな事を思えば、尚更に弟妹達がホラー映画を見て不安がってる姿を思い出しちまった。あん時は夏だってのに、全員寄せ集まって寝たもんだから暑かったな……まぁ、可愛い弟と妹の為ならそんくらい全然良いんだけどよ。
そんでもって、黒の不安そうだった顔もだんだん安心したような顔に変わっていって、肩に置かれた手と声を聞けば、俺も少しだけ頬が緩んでしまって、自然と手が動き落ち着かせるように軽く二回頭をポンポンと撫でていた。……あ、しまった。つい、癖で弟達にやるみてぇにやっちまったな……まぁ、黒も家族みてぇなもんだしな!仕方ないだろ!取り敢えず、元気みたいで良かった。

と、何とも勝手に自分で話にけりを付けておきながら、黒が俺の聞いた事に答えようとしているのか、それでも何か言いづらさがあるのか。少し口ごもったように躊躇っている様子だったので、「無理しなくて良いからなー?」と少しへらっとした笑みで声を掛けつつ、中学の時に見た覚えのある……何だっけな。とにかく棚みたいなやつを指差し交えて話始めた内容に野次だの横槍を入れる事無く、至って普段と変わらない様子で静かに聞いていた。

「なんだ、そんな事か。ボールって見てると投げたくなるよな!次から気を付けりゃ良いんだし、気にすんなって!」

黒の話を最後まで聞き終われば、彼にとっては思ってたよりも大事じゃなかったので一瞬、きょとんとしてしまったが、全く気にする様子も咎める事も無く、よくある事かのようにカラッとした笑みで笑い飛ばした。なにせ彼も小学生の頃なんか、隠れんぼに飽きてサッカーしていた上級生に混じったりしていたのだから、励ます為だとかそういう意図は一切無くて、本当に単純に思った事を口に出しているだけだったりする。
……いや、あれは鬼だった桜季が桜の木に見とれてて、いつの間にか木の下で寝てたのが一番の原因なんだけどな。今だってボール見ると蹴ったり投げたりしたくはなるけど、そこまで集中力が無い訳じゃないぞ!

と、不意に近付いてくる重い金属が引き摺られてリノリウムの床を傷付ける音と重苦しい音。さっきまで外に居たもんだから、気付かなかったが……クソ、鬼まで居んのか。ゾンビだけなら、適当に撒けば良かったんだが……こうなると確かに不味くはあるか。確かに、このフロアに居ちゃあ見付かるのも時間の問題だ。

さて、どうしたもんか。といった具合に打開策を思案していると、黒も金棒の引き摺られて擦れる音に気付いていたらしく、どうすればいいか?なんて、ちょっと焦ったような様子で訊ねてくる。
ただ、それを聞き終えた芒は何処か不機嫌と言うか、ちょっと怒ったようにムッとした顔になって黒の額に少し痛いかな、程度に軽くデコピンをする。

「あのな、俺は黒が怪我したおかげで生き残っても辛いだけで全然嬉しくないぞ。だから、囮とかそう言うのナシな!あと俺が好きで来たんだから、巻き込んだー、とか、くだらねぇ事も考えなくて良し!」

僅かに眉を潜めて少し怒ったような表情のまま、相手の顔と目をしっかりと見つめて自分の思ってる事を言い終えると、「一緒に生き残って俺ん家で唐揚げでも食べようぜ!」なんて暢気に言えば、またニカッと少しだけ優しく笑った。
こんな状況で甘いのかもしんねーけど、幼馴染を見捨てて逃げる位なら一緒に戦って死んだ方が百倍マシだからな!もちろん、生きて逃げ切る気満々だけど……にしても、どうすっか。あの作戦で行けるか微妙な所だよな……。

「黒、あの胸像とか布使って棚の物影に潜んでる感じの人っぽいの作れたりするか?最悪、座り込んでる人みたいなサイズの影が出来れば大丈夫だ。それが終わったら、美術室の鍵閉めて窓は開けっぱなしでベランダから隣の書道室に来てくれ。書道室から出て左手にある階段から、俺がこれ投げて美術室の中で音出すから、タイミング見て忍び足で逃げる!ちょっとキツイかもしんねーけど頑張ってくれ。」

真剣さを帯びたような顔付きで相手が自分よりも器用である事を見込んで美術室の扉からはギリギリで見えるかどうか、といった位置の物影を指差してデコイの製作を頼んでおき、作戦の粗方の概要を説明すると手近にあった手の平大のガラス玉を手に持って、何処か楽しそうな悪戯っぽい表情を浮かべる。そして、「隣のベランダで待ってるから、困った事があったら言ってくれよ!」と声を掛けて書道室の方へと向かっていった。一辺に向かっちまうと、詰まったりして大変だし……そういう器用な事出来る気がしねぇんだよな。

因みに作戦の大筋は自分で考えた訳じゃなくて、中学生になって本気で隠れんぼしようぜ、ってなった時に鬼灯に使われた手だったりする。今になってあの悔し過ぎる経験が役に立つとは……人生、何があるかわかんねぇわ……。

>白詐欺 黒様、all

【ありがとうございます!
芒も芒でちょっと無鉄砲な所ありますが、こちらこそ宜しくお願いします!】
>溺様

2日前 No.66

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

【校舎・3F・廊下→2F・廊下/不破風見】

青年が思いきり投げつけたひとつめのキャスター椅子は見事にゾンビに命中し、多少グロテスクな光景を見ることにはなったものの風見はゾンビという障害物を乗り越えることが出来た。直視したらたぶん朝に食べてきたご飯となめこの味噌汁と沢庵が再び地上にこんにちはする可能性があったので必死でゾンビからは視線を逸らした。ジャージはこのカーテン一枚の青年に貸さなければならない(と勝手に風見は思っている)のだ、こんなところで服を汚してはいられない。

「わわ、凄い!アスリートみたいですよ!」

次いで青年が投げたふたつめのキャスター椅子も見事ゾンビに命中。あまりに華麗な手さばきに走りながらにも関わらず風見はパチパチ拍手をしてしまった。自分にはとうてい出来ない技術だ。もしかしたらこの青年は何かしらの運動でもやっているのだろうか。後で落ち着いたら聞いてみることにしよう。噛まれるだけでゾンビの仲間入りをしてしまうということでなるべく返り血などが当たらないように身を竦めながら風見はそう考えた。こういう時ほど眼鏡をかけていて良かったと思う。ゾンビから出た体液が目に入ったりしたらひとたまりもない。いつもは邪魔だと思っていた眼鏡だが今回の一件で見直した。ありがとう眼鏡。

「ひぃぃ、鬼さんですね……!?ああもう嫌な音だなぁ本当に……!」

金棒が地面を引き摺っているのであろう耳障りな音が聞こえてくることに恐怖と悪寒を覚えながら、それでも風見は足を止めることなく青年と並走する。絶対明日は筋肉痛だ、と思うが、果たして明日まで生きていられるのだろうか。明日の筋肉痛に苦しめることを祈りつつ、風見は間もなく階段に差し掛かることに気づく。上の階に行くか、下の階に行くか。特に風見は凝ったことを考えるわけでもなく、ただ“上りはきつい”という理由で二階に移動することを決めた。階段を上っている最中に鬼に追い付かれてしまったらそれこそゲームオーバーだし、何より風見の体力が持たない上にもうこれ以上体力を使いたくない。もうちょっと筋トレとか頑張っておけば良かった、と今更ながら後悔の念を抱く。どうせレギュラーメンバーに入れないからってだらけるものじゃなかった。怠慢のツケがこんなところで返ってくるとは。

「こ、こっちです……!」

ぐりん、と足の筋肉を最大限にフル活用して風見はカーブを曲がると、そのまま一段飛ばしながら階段を駆け下りる。今ので下手したらアキレス腱が切れていたかもしれない。運動不足の恐ろしさを噛み締めつつ、風見はひたすら前だけを見て走り続けた。ずっと走っているのも辛いので、出来れば何処かの教室などに入りたい。そのためには後ろの鬼を撒かなければならないという課題がある。これはもう早く私たちを見失ってくれ、と祈るばかりだ。

>>薛樵様、周辺all様

【お返事遅れてしまって申し訳ございません……!僭越ながら二階に移動させていただきました……!】

2日前 No.67

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

【校舎・1F・1-A教室/薄氷虚】

虚の言葉に、少年は観念したかのように箒の穂先を下ろした。それと同時に虚に対する警戒も僅かに緩んだように思える。一見表情が変わらず、何を考えているのかわかりにくい虚でも、いつまでも疑われたままというのは辛いようで、少年の対応に表情を綻ばせた。そりゃあいきなり見ず知らずの人間に出会ってしまったら誰だって警戒する。それを信じてもらえたのなら虚としても喜ばしいことだ。まだ少年には少し緊張するかのような素振りがあるが、これから親交を深めていけばもっと気を許してもらえるかもしれない。前向きに考えながら、虚は軽い足取りで少年の隣へと移動した。

「もう、そんなに緊張しなくたって良いのに。こんな状況だもの、警戒しなくちゃって気持ちはわかるけどさ。でも、そんなに肩肘張ることもないと思うよ?気を引き締めているのって、それだけで疲れてしまうからね」

まだ表情の固い少年を諭すように、虚は開いたままになっていた扉を後ろ手に閉めながらそう口にした。たしかに初対面から数分の相手に気を緩めるのは簡単なことではないかもしれない。しかしずっと緊張しっぱなしというのも決してよろしくないことだ。あまり気を張っていたら精神的にも辛いだろう。少なくとも虚は辛いものだと思っている。

「通……か。うん、良い名前じゃないか。僕は薄氷虚。薄い氷って書いて薄氷、虚は虚無の最初の部分さ。名字で呼ばれるのはこそばゆいから、気軽に虚と呼んで欲しいな。あと堅苦しい口調は無し。此処では先輩も後輩もない。皆平等に同じ立場だからね」

ぎこちなさを感じる口調で自己紹介をしてきた少年━━━━坂本通に、虚も同じく自己紹介をした。そして軽く注意するかのようにちょん、と人差し指を立てて堅苦しい口調は無し、と付け加える。どうやら通は虚のことを年長者だと思っているらしい。たしかに見た目からしてみれば虚の方が年上に見えるが、こんな状況で年上も年下も関係ない。誰もが同じくこのデスゲームに巻き込まれた、無辜の少年少女なのだ。だからこそ虚は敬語とか丁寧な口調で話すのはやめにしよう、と提案した。もっとも、これはあくまでも提案に過ぎないので、通がどうしてもこの話し方が良いと言うのならそれを否定するつもりはなかった。

「通、早速質問したいのだけれど。君は今から何をしようとしているの?さっきから机を動かしているみたいだけれど……もしかして、バリケードでも作るつもりかい?」

やや気まずそうに机を動かす通に、虚はそんな風に問いかけた。勿論虚はエスパーではない。ただ、通の机の動かし方と今現在置かれている状況からそう考えただけのことだ。オブラートに包まない物言いのせいで不気味に思われるかもしれないが、まあそれが薄氷虚という奴なのである。

>>坂本通様、周辺all様

2日前 No.68

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★YRuDhSwQ0p_ouC

【 校舎・3F・廊下→校舎・2F・視聴覚室 / 薛樵 】

 階段は上りでなく下りを選択。「落ちている」と錯覚するほどのスピードで駆け降りて、無事に切り抜ければ互いに名を教え合おうと誓った少年少女はついに二階の床を踏んだ。音はまだ追いかけてきている。都合良く4階に進んではくれなかったらしい。予想の範囲内。とはいえ幸運が働かなかたことを密かに舌打ち。さて、これからどうしてアイツを撒こう。頭を必死で働かせる樵の視界に映ったのは、廊下の左側にある『視聴覚室』と書かれたプレートだった。咄嗟に機転が閃く。足の速さで少女より先行していたことを利用し、ひとまず自分が一人で視聴覚室の扉を開け中を確認。敵はいない。血痕はある。中でゾンビと戦って噛まれた誰かが動く死体となりこの部屋から出て行った後、といったところと推測できた。これなら大丈夫。思い浮かんだ作戦が使える。

「こっちだ! 俺様を信じてついて来てくれ!!」

 開いた扉から少女を室内へ呼び寄せ、彼女が入って来てくれたかも確認しない内の視聴覚室の片隅を慌ただしく漁る。見つけた。プロジェクターに道徳教育用の映画DVD。コンピューター室にちゃんとコンピューターがあった時点で、視聴覚室にもこういった“視聴覚室らしいもの”があることは予想していた。幸いスクリーンは既に降りている。こちらも直前まで教室にいたのであろう何者かの血痕が飛び散っているけれど、この際だから四の五のは言っていられない。
 DVDをセットしてプロジェクターのスイッチを入れ、音量設定を爆音レベルの最大にまで引き上げる。室内に耳をふさぎたくなるほどの音が響き渡り、鬼の金棒が床板をこする音さえ掻き消した。が、だからといって鬼の存在までは消えやしない。普通に考えれば、こんな爆音を立てただけではむしろ鬼をおびき寄せてしまうだけだ。故に、もちろんこれだけでは終わらない。締まりきった窓とカーテンを一枚だけさっと開いて近場の椅子を握りしめ、『階下の教室の窓』に向かって二度、三度と勇ましく振り下ろす。一発では割れなくても、パイプ椅子を平均よりは鍛えている男子高校生のパワーで叩き続ければ当然パリンッとガラスの砕ける音色が奏でられた。武器として使ったパイプ椅子は、持ち上げる時間も無いとばかりにグラウンドにそのまま落とす。

(――よし。これで音に釣られて視聴覚室に来た『鬼』は、教室の中を見て俺様たちが「視聴覚室から一階の窓ガラスを叩き割ってそちらに移った」と思うはずだ! 窓が開いているだけなら室内に隠れている可能性を疑われるかもしれねぇけど、この切迫した時間の中でわざわざ窓まで割ったんだから流石に疑われない……たぶん!)

 それはもう凄まじく急いで諸々の行動を済ませたので、今の樵の息は運動神経抜群の男子高校生と言えども荒くなっている。が、息を潜めるためにそれを無理やり押さえつけ、『鬼』の来ぬ間にカーテンの裏側に隠れた。視聴覚室のカーテンはコンピューター室のカーテンと同じく、外からの光を透かさない素材で作られている。だから朝の時間帯に窓枠に足を引っ掛け身を縮めたとて、“光の入り方が不自然”“人型のシルエットがカーテンから透けている”などの理由で隠れていることが露見しはしない。

「どこでも良いからそっちも隠れろ、あと十秒もしねぇ内に『鬼』が来る!」

 カーテン裏に隠れたまま少女に叫ぶ。スクリーンにて爆音上映されるムービーは、当然デスゲームの内容なのだ。それがたまたま二階の廊下を映したから、樵には鬼の金棒の音も聞こえぬはずの爆音の中とて敵の接近が分かった。五秒前に見てあの場所、そしてあのスピードなら、間違いなく宣言通り十秒以内に視聴覚室に入って来る。それまでに少女が隠れられなければ、この作戦の成功率は一気に急降下してしまう。
 ――頼む、間に合ってくれ!

>ALL様

【私も休みの日には早いってだけで仕事ある日は返すの遅いですし、そもそもすずり様ぜんぜん遅くないので気になさらないで下さい……!
 あと勝手に視聴覚室に飛び込んで色々とやっておりますが、別に風見ちゃんは視聴覚室に入らず廊下を走って逃げ続けている設定でも大丈夫です。その場合は絡みありがとうございました、視聴覚室について来てくれている場合は引き続きよろしくお願い致します!】

2日前 No.69

七彩 @tmr☆qrj4adrhQpgH ★Android=BhKAgLfVKA

【四階音楽室/覡千颯】

 なにもかも、全てがとつぜんのことだった。

 気がついたらこんなところにいて、気がついたら「自分たちは地球の代表者」だって、わけのわからないお人形さんに言われて。足がブルブル震えて仕方がなくなって、そこからとりあえず逃げれる間に階段を駆け上がって、何も考えないで、にげて、にげて、結果音楽室にはいって、そこから一度も動いてはいない。けれど、このままではいつか死んでしまう。信じずにカウントダウンをお兄さんやお姉さん達はいつのまにか殺されていて。音楽室の窓越しに見た校庭に広がる臓物と紅い色に、一瞬だけちはやはどきんと音を立てた。


 ぱぱと、ままにあいたい。どこに行ったの?
 ちはやは、なにか悪いことをしてしまったの?
 そんな考えがぐるぐるとずっとつきまとって心が重たい、もし今誰かが入っていたのなら、視認できない場所にいるのなら気づかないかもしれない。というのは嘘で、本当。とにかく自分は何をしているのか、いまいちわかっているようで分かっていないのだ。頭にあるのは人外から逃げなくてはいけないことと、自分が何者であるかだけなのだから。

「……ぱぱぁ、ままぁ、たすけて」

 ちいさく、小さく助けを呼んで、しくしくと泣くことしかできない。無力なちはやは、誰か同じ人間が来ることだけをひたすらに願い続けていた。

>>ALL


【出遅れたーーーー!よろしくお願いします……!】

2日前 No.70

狼谷 @anima1997☆PMqTzZiUwVg ★iPhone=H508FesIAo

【 校舎・2F・家庭科室 / 篁 透子 】

 快諾してくれた少女に向かって「ありがとう」と言ったのち、彼女の後ろ姿を眺める。彼女は透子が見向きもしなかった、一つの大きな箱のようなもの――しかもこれがかなり大きく、一番上は透子も背伸びしなければ届きそうにないほどの高さがある――に向かっていき、勢いよく扉を引いた。
 思わず、何が中に入っているのかが気になって、そろそろと彼女の後ろについて、扉を開けた動作のまま固まっているその頭越しに箱の中身を覗き見た。中には結構色々なものが入っていて、これが食料だということは予想がついた。
 ぎこちない笑みを浮かべる少女から、今から作る料理の名前を伝えられる。先程向けられた笑顔との微妙な差異に気付きつつ、それが何を意図するのかは判断不可だったため特に気にもとめずにこう答える。

「ちらし寿司……? すし……スシ! 嬉しい、食べてミタカッタの。嫌いナ食べ物はないよ。」

 ぱあ、と表情を輝かせて胸の前で手を組む。デスゲーム中に必ずこれだけは食べようと思っていたのが、スシとラーメンなのだ。まさか、こんなに初っ端から目標を達成出来るとは想定しておらず、篁透子という設定上の透子ではなく、紛れもなく本心からプラスの反応を示した。思わず口が紡ぐ言葉がぎこちなくなる。ただ、これは本性に感情が芽生えたと言うにはまだ浅い心の揺れである。ちなみに透子の中のスシとは真っ赤なマグロの握り寿司で、ラーメンとは煮卵とチャーシュー三枚とメンマの乗った醤油ラーメンであったりする。
 何はともあれ、生を受けてから初めての食料摂取に落ち着かない様子で、少女が家庭科室内を行ったり来たりするようすを眺めていた。透子が知る由もないが、きっとアリスの料理する光景の流れている動画サイトでは、視聴しているアリスのファン達が興奮気味にコメントを打ち込んでいることだろう。透子は暫くそうやって手持ち無沙汰にしていたが、少女がコンロの火をつけた辺りでふと思い出したように、ガサゴソと何かを始める。

 そして丁度透子の作業もひと段落したところで、声が掛かる。条件反射的に彼女の方へと顔を向けた。もちろん微笑みは絶やさず。

「アリスちゃんっていうのね。よろしく。私は篁透子よ。」

 アリスと名乗った少女の名前を復唱し、軽く会釈をする。そして自分に与えられた名前を答えた。こうやって人間は自分の名前を他人に伝えていくのだな、と学習していることはアリスには悟られることはないだろう。
 そして、透子がしていた作業についてだが、彼女が調理している間に、室内で目に付いた『武器になりそうな物』を机の上に並べておいた。そのラインナップは、フライパン、おたま、肉切り包丁、まな板、胡椒の小瓶である。最後の胡椒の小瓶は、誤って棚の上部から落としてしまい顔にかかったときに、一瞬劇物を食らったかのような衝撃が感覚器官、というか鼻と喉と目に襲いかかってきたからだ。意図的に止めることの出来ないくしゃみにはとても驚いた。これは目くらましになるだろう、主に対人間用であるが。
 「武器になりそうなものを集めていてね、」相も変わらずにこにこと微笑みながら「私はこれを持っていこうと思うの。」と言ってフライパンと胡椒の小瓶を手に取った。もしかしたら他にも武器や今後使えそうな道具がこの部屋にあるかもしれないが、考えた上の結果がこれらなので、もう透子には捻り出せそうなアイディアもない。

「アリスちゃんは、ご飯を食べたらどうするかとか決めているの?」

 胡椒の小瓶をリュックサックに詰めながら問い掛けた。

>鍵宮アリス、ALL

2日前 No.71

@itxmm☆OxYUdDLLJjM ★iPhone=uSyqKf7JNY

【 校舎・4F・美術室→書道室 / 白詐欺 黒 】

 安堵から勢いで抱きつきそうになったのを宙で止めていると、不意に頭の上に手が伸びてきたことに大して一瞬目を見開く。自身の背の高さで頭を撫でられるなんて事に慣れていなかったこともあり、少しこそばゆい気持ちもあった。自分よりいくつか背が低い芒が何故だか随分と大きくて逞しく見えたような気がして、やはり兄なんだな、と思うと思わず頬がほころんで「ありがと」と柔く芒に微笑みかけた。幼馴染みというだけあってもはや家族のようなものだと思ってもいいだろう。しかし芒と家族になれば、案外自分の方が芒よりもずっと弟かもしれない。生きて帰った時には芒の家に手伝いにでも行こう。弟くんや妹さんの相手くらいなら俺でもできるだろうし。そんな事を心に決める。
 しかしそれにしても、言い淀んでいた時に「無理しなくてもいい」と言ってくれたり口を開けば横槍等をしてきたりすることがない芒と話しているのは、まるで普段と同じように何気なく話しているような気分になって、こんな状況では些か不釣り合いな言葉ではあるが、安心する。いや、こんな状況だからこそこの不釣り合いなほどの安心感がどれほど心強い事か。

 「あは、そっか。じゃあ俺もらしくなく投げたくなっちゃったってことかな。ほんとありがとう、芒」

 フォロー……ではなく、恐らく素で言っているであろう芒をみて思わず笑みがこぼれる。お咎めの事まで考えるのは少しばかり芒に気を遣い過ぎてしまったかもしれない。今更気を遣わなければいけないような相手でもないのに。
 それにしても、確かに芒は幼少期から自分とは違って運動神経が抜群に良かった。いや、黒から見ればちょっと運動神経の悪い人でも運動神経がよく見えてしまうくらいには運動神経が抜群に悪いのだが、芒は関係の近さ云々を切り離しても顕著にと言ったところだ。幼少期から運動神経の格差が酷い自分と一緒にペアなんて組んでても良いのかと思うと同時に、周りのクラスメイトに対するちょっとした優越感があったのも懐かしい記憶だ。高校に入ってからは美術系の学校に進学したのでめっきり運動の経験も減ってしまったが。

 そんな事を頭の隅っこに置きながら言いたい事を言い終えると、目の前の芒が明らかに不機嫌そうになったのをみて何かまずい事を言ってしまっただろうかと思う。しかし既にまずい事をしているわけで……などと悶々と負の連鎖に陥ろうとしていたところで額に走る軽い痛みに「あいたぁ!」と反射的に痛みよりも大袈裟なリアクションを取りながら意味がわからなさそうに額を押さえて不機嫌そうな芒の方を見る。

 「ほんと……君って奴は……」

 芒の言葉に思わず涙腺が緩くなってきてしまったが、こんな所で泣いていられる余裕はない。それにしても自分は本当に人に恵まれている。そのおかげか否か涙腺も緩くなってきているような気がする。もしや歳のせいだろうか。そんな事を考えていると続いて聞こえた言葉に小さく頷いてから「楽しみにしてる」、と高校2年の秋振りと言っても過言ではない少し悪戯っぽい笑みを浮かべる。
 さすがに芒に頼りっぱなしなのも如何なものか。自分に何かできることは無いかと模索しようとしていた所、早くも芒が口を開く。ふむふむ、と頷きながら自分の頭の中で芒の言葉をイメージさせてからやろうとしている事を形として把握する。

 「勿論、それは俺の得意分野だよ。あ、一応何か持って行っとく? つっても……正直今渡せるのなんて彫刻刀か鑿くらいしか無いけど……。まあでも護身くらいにはなると思うから! 使わなかったら後で俺に返してくれれば良いし」

 心配は必要ないだろうとは思っていたが、手ぶらで芒を向かわせるのにも若干躊躇いもあったので、鑿は邪魔になるだろうと思い彫刻刀セットから敢えて一番刃先の荒い切り出し刀を無理矢理持たせる。怪我するリスクは刃先が荒い物が高いと聞いていたから、少しでも力になれれば良いのだが。芒が悪戯っ子のような笑みを浮かべて書道室へ向かったのを見て、黒もそれを見送ってからトートバッグから今日の製作で使う予定だった鑿を取り出す。
 確実に音が近付いてきている以上、大したものは作れないが、それなりの重みがある普通のよりも些かサイズの大きい石膏を一番近くの机にあげてから元々形になっているおかげで少ない手の加えで理想の形はできそうだった。本当はもっと繊細にやらなければならない作業ではあるが、そんな余裕は無い。思いっ切り追い入れ鑿を石膏に食い込ませて削った石が勢いで飛び散って自分の顔が若干白くなったり多少の凹凸はご愛嬌としてもそれなりの形を作った後に近くにあった鋏と布を使って服のように巻き付け、石膏を床におろすついでに鑿と念のためと鋏も回収して美術室の鍵を閉める。
 余計な物音は立てないようにしてからゆっくりと窓からベランダに出ると、一際大きい目立つ体を屈め、そして息を潜めながらゆっくりと書道室の方へと向かう。

 「多分、第一ミッション完了……かな」

 まだやる事はあるが、一先ず美術室から抜け出して書道室へ向かう事はかなり緊迫した状況ではあったが上手くできたようだ。安心するにはまだ早いが、一つひとつの安心が焦りを取り除く重要な事でもある。
 窓が開いてないなんて事はないだろうが、念のため軽く小さい音でコンコン、と書道室の窓をノックという形で大方準備は出来たという事を伝えてからまず先にトートバック、その次に小さいリュック、そして最後に自分が書道室に入り込んでから書道室の窓を閉めてからリュックとトートバックを背負い直して、いつ隣から音がしても良いように書道室の扉に寄った。

>>紫南芒様、all様


【1発目の対戦は景気良く成功しておこう! と思ったので成功ロルで失礼します!】>>雪鹿様

2日前 No.72

紅虹 @sidem5431☆iGlpyIQnxD2 ★Ao99mij1M0_GKj

【校舎・1F・廊下/黎明アキ】

 …名前、言ってなかった。
あの少女は名前も年齢も丁寧に言っていた。なのに私は名前すら言わなかった。
確かにこの場は1000人が入り乱れて実質的な生存競争を繰り広げる場だ。
個々の名前なんてどうだっていいかもしれない。
でもなぜかそこに後悔していた。そんな些細なことどうだっていいのに。

 私の考え過ぎだろう。生きのこればどうせまた会える。
…ん?「その時には名前を伝えようとは考えないのか」だって?
それ一種の死亡フラグってやつじゃないですか?
「俺、この戦い終わったら結婚するんだ」なんて言った人はことごとく死んでましたよ。
まあ小説の話ですけど…ってそうじゃなくて、

 さっきすれ違った少女の走り方--それも逃げるような--からして、
向こう側で何かあったのだろう。「鬼」がいたならば金属音がするはずだ。
…少し走りながら耳をすましてみるが、そんな音はしない。
ならば考えられる可能性はそれ以外。一番良いパターンは変人がでたってことだが、
まああの逃げ方からしてそうではないだろう。

 さて、そろそろ叫び声がしたあたりになる…まあ方向でしか把握していないのだが。
ここからもっと走る事になったら諦めよう。少し息も切れてきた。
靴を入れるところがあるあたり目の前の空間は下駄箱であろう。
さていざ着いてみると…

 下駄箱の上に男。下には頭部がないゾンビの死体。
そしてデブ…じゃない、太っていてうめき声をあげていて腹にバットがはまっている…
あれがゾンビか。というかあれはゾンビだ。
ゾンビの条件にぴったり当てはまっている。
そして襲われそうになっている女性が一人。

 …この際どうすればいいのだろうか。
背後から斬りかかる?動いている頭部を正確にぶち抜ける自信がない。最悪スカる。
こちらへ誘導する?後ろに何かが迫っていて挟み撃ちになる可能性があるのに?女の子が逃げている理由が迫ってきている可能性だってある。
声をかける?ゾンビがこっちを向くに決まっている。背後から殺ってもらおうにも武器らしきものは見当たらない。ゾンビの腹にはまっているバットがそれだったのだろうか。

 私が背後にいるという以上ゾンビはこちらに気づいていない。
呼吸を落ち着かせながらどうすべきか考える。
…男とジェスチャーで意思疎通という思考が出てきたが一旦ストップする。
この際何か画期的なアイデアの一つや二つ浮かべばいいのだが…

>>下駄箱all


【追いつきました!突然失礼します!】

2日前 No.73

漆黒の冒険者 @andouken ★BxGXTrkAtu_UHY

【校舎1F・廊下:白河 雫】

武器について聞かれた雫は自身が持っていた物についてお姉さんに話すも反応は芳しくない
きっと自分が使える物を持っていなかったからだと
 それで無理にゾンビや雫達を狙う存在に戦闘を仕掛けなくてもとハッキリとでは無いながらも話す
逃げ腰な雫を攻めるでもなくあくまで仕掛けると言う意思を明言し彼女は敵がいるであろう場所に走り去った低まった
 止める事も追いかける事も出来ない自分がもどかしく思いながらもその場に立ちすくむ事しか出来ずにいると
すぐそこの教室から話声が聞こえて来た声からして男性が二人いると分かるが分かると同時に雫の体がブルブルと震えだす
デスゲームに対する恐れでは無く過去のトラウマからくる震えだったが、恐る恐るながらも目の前の教室1−Aとプレートが出ている
 その教室の扉を開けると思った通り男性が二人いたのだが、どう言うわけかその一人が机をを動かしているではないか
その意図が分からずに恐怖に混乱が上乗せされ目をグルグルさせ始める

「なかからお声が………いったいぜんたい何をアワアワワ」

 この人達がここで、何をしているのだろうか?怖い人じゃ無ければいいなと祈りつつも彼等に声をかけようとしたが
何を言っていいのか言葉を詰まらせてしまっていた黙っていても始まらないと知りつつも



>>薄氷虚様、坂本通様

2日前 No.74

蟻宮 @arimiya ★y7VU2lOjOV_a2e

【 レイ・ライゼンハイマー / 3F / 廊下→図書室 】

カレンは広げた両の腕の間に飛び込んでくる事無く、紅茶の淹れ方について尋ねてきた。一瞬不思議そうに目を見開いたが、すぐに彼女の意図を理解したらしくいつもの得意げな顔に戻り、ピン、と左手の人差し指を立てて見せながら答えを述べ始める。

「ふふ、カレンらしい問いだね。細かいところまで言い出すととても長くなってしまうだろうし、大体で良いかな。ええと……まず、沸騰しはじめの熱湯でティーポットとカップを温める。ポットに茶葉を適量入れた後、100度の熱湯を少し高い位置から勢いよく注ぐ。それから数分蒸らしたら、カップに最後の一滴(ベスト・ドロップ)までしっかり注ぎきる。これで君の納得のいく解答になったかな?」

そこまで詰まることなくすらすらと言い切ってみせる。しかし大分端的に言った上に紅茶の淹れ方だけでは知識さえあればわかりそうだと思ったらしく、更に続けて、

「カレンはミルクティーが好きだね。私は砂糖を――『ほんの少し多め』に入れるのが好きだ」

そう言った。他人が見れば明らかに過剰な量の砂糖を「ほんの少し多め」とする、以前からカレンに咎められ続けている言い訳じみた発言もあえてそのままに言う。実際のところ自分でも
言い切った後にこれで信用されなかったらどうしようかなどといった不安が湧き出してきて、伸ばしていた指をふにゃりと折り曲げながら、これでどうかな、なんて言葉を小さく後ろに付け加えた。
こちらから彼女が本物かどうかを確認する質問をする必要はないだろう。先程言ったように、投げかけた質問そのものが彼女らしさを物語っている。レイを見て間もなく、彼女と共通のキーワードになる紅茶を思いつくのは、このゲームに紛れこんだドッペルゲンガーには不可能だろう。
彼女がレイを信用してくれる事を願いながら、彼女のダークブルーの瞳を見つめ返事を待つ。

>>カレン・グレアム、3階ALL

2日前 No.75

@siromi ★M4WUxX33bd_ouC

【校舎・2F・廊下/K子】

ずうっと下に顔を向け、泣きじゃくる。そんな中ぼやけた視界に入ったのは茶色い革の靴だった。それが靴だと視認すれば、酷く怯えたように震える両肩の振動がピタリ…と止まった。マスクの下からは今まで声を出さぬようにと食いしばっていた口が半開きになり間抜けな面構になれば、カタカタと微かな音が鳴る。目の前の人物は、いったいどんな顔をして私を見ているのだろう。誰かが居ると言う安心感から驚愕と畏怖のどん底に突き落とされた絶望の顔だろうか。それとも身に着けている物が未だ綺麗なだけで、目の前の人物はもう生きる屍と成り果てているのだろうか。
そんな疑問と、上を向く事への恐怖から下を向いたまま瞼を固く閉ざし、溢れる涙を塞き止めた。さぁ、貴方から発せられる第一声は何だろう。先程の元デスゲーム参加者のような呻き声だろうか?言葉に詰まった声だろうか?それとも、この光景に吐き出される朝食だろうか?

結果は予想の範疇を超える物だった。
目の前の貴方基、彼にとっては大した事の無い、何気ない行動なのかもしれない。頬に何かが当たれば即座に見開いた眼で彼を見上げた。混乱した頭で彼がまだ生きたデスゲームの参加者だと分かれば、途端にぶわりと再び涙が雪崩れ込む。零れる程に盛られた多くのお菓子を無視して、私は其方をジッと見つめた。敵を警戒して、声すらまともに出せる事は無いであろうこの現状に。緊迫感と恐怖心、罪悪感がはち切れて、安心感が漏れ出した。声を上げて泣きたくなった。これは夢だろうか?否、現実だ。今目の前に、デスゲームの参加者が。ちゃんと生きている参加者が、呻き声では無く困り果てたような声で「大丈夫」と言ってくれた生存者が、傍に居る。この事実に気をとられたお陰か、ほんの少し、先程のような張り詰めた胸の奥の痛みが和らいだ気がした。
だが流石に泣き叫ぶわけにはいかない。世界中が見ている上に校舎には敵となった元デスゲーム参加者と愉快な仲間達だらけ。しかも叫び散らした声が男の逞しい声であると分かれば、更に彼を困らせるどころか、最悪な場合。いや、大抵は好奇の眼差しかドン引いたような表情を、或いはどちらも向けてくる物だ。唖然としていた私だが、後方からの叫び声に即座に我に返った瞬間その身を震わせ其方を振り返る。しかしその叫び声は、死の間際の断末魔ではなく私達への警告だった。

《うん、大丈夫。ちょっと弱気になってただけだから!ありがとね。お菓子はまた後で》

《ありゃー。こりゃ見事にひきつけられ…ちょっ、待って待って流石に私でもその数は裁けないって!?はぁ…とりま走ろっか》

手慣れていたはずのスケッチブックとボールペンの出し入れに手間取れば、震えていた手を力ませ濃い筆圧で言葉を綴る。最初は手を差し伸べてくれた彼へ。次に声色からギリギリ男性だと判断できる、私たちを巻き込まんと全力疾走している彼に。そしてもう一度傍に居る彼にスケッチブックを向けた。先程無様に泣いていた赤い目とおちゃらけた文章の小さな矛盾に私自身気づいているが、それは気にしない方向で行こう。
ゆらりと覚束ない脚で立ちあがれば、バールを首と肩の間に挟み込み両手をボールペンとスケッチブックで埋めてこの脚を急かす。そんな私は2人に対しこんな選択肢を指し示すとしよう。

《逃げるか戦うか。2人ならどっちが良い?逃げるなら天井があるとことか2階以上の場所は勧めらんない。木端微塵になってたゾンビ居たじゃん?私の傍に。アイツをゾンビにした方のゾンビがさっき床すり抜けてったわけよ。私の目の前でね》
《後、戦うに関しては武器になりそうなのがあるとこ知ってるから其処まで案内するけど…どうする?そう遠くないとこ。まぁ今そこが安全かなんて知んないけど、何もないよりマシっしょ?あ、このバールも其処っから持ってきたやつね》

そうして私は全力で平気なフリに勤しむ。もう「オカマ」と罵られぬよう、「男」に成りすましていた時のように。全力で。

>>花咲 太陽様/西野 伊織様/ALL様

【有難うございます…!では宜しくお願い致します!】

2日前 No.76

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

【校舎・2F・廊下→2F・視聴覚室/不破風見】

さすがに階段を下りただけでは鬼を撒くことは出来なかったようで、尚もあの不気味な足音は後ろから聞こえてくる。ああもうしつこいなぁ、と風見の中で恐怖に混じって苛立ちも生まれ始めた。どうせ狙うならこんな色んな意味で無防備な青年とかバドミントン部の補欠とかじゃなくて、もっと倒し甲斐のある奴を狙って追いかければ良いのに……と思うがそれはあり得ないことである。ある意味このデスゲームに必要とされるのは運なのかもしれない。勿論身体能力とか頭脳とか対応力も求められるのだろうけれど。

「……っ、はい!わかりました……!」

青年が飛び込んだのは廊下を少し走ったところに見えた視聴覚室だった。俺様を信じてついて来てくれ、という彼の言葉に息を切らしながらうなずく。彼は何か作戦を思い付いたのだろう。そういったものを考える余裕などなかった風見なので、今はこの青年に頼るしかない。先程の立ち回りもあってか、何様だと突っ込まれるかもしれないが風見は青年の手腕はかなりのものだと評価していた。だから今回もきっと上手くいく。
青年は一通り棚のものを漁ると、耳をつんざくほどの爆音を伴いながらプロジェクターの電源をONにした。そして窓を開けてその近くにあったパイプ椅子で一階の窓を割る。慣れない爆音に思わず耳を塞ぎながらも、風見は彼は自分たちが視聴覚室の窓を割って一階に逃げたように思い込ませるつもりなのだと察した。

「いやぁぁぁ、おーちーるー!!」

そのため風見も風見で彼女なりの演技を披露することになった。ご丁寧に「るー、るー、るー……」とエコーまでかける始末である。残念ながら風見は演劇部ではないので其処まで上手いものではなかったが、この切迫した状況なので切羽詰まった感じは出せたかもしれない。
もう少しで鬼が来るかもしれないとのことで、カーテン一枚なのを利用して同じカーテンの中に隠れた青年が風見にも隠れるようにと促す。風見もこくりとうなずいて扉や窓からいちばん遠い端っこにあった掃除用具入れの中へと潜り込んだ。もわん、と掃除用具特有の湿っぽい臭いが鼻を突いたが今はそんなことを気にしてはいられない。口と鼻を手で覆って息づかいが外に漏れないようにする。掃除用具入れの扉も出来るだけ音が立たないように閉めたし、風見の体型が小柄なこともあって外から見て不自然なところはないはずだ。

(……お願い、素直に騙されてくれますように……!)

間もなく鬼が視聴覚室に入ってくる。それが無事青年の作戦に嵌まってくれることを祈りつつ、風見は荒い息を静めていた。

>>薛樵様、周辺all様

【そうおっしゃっていただけるととても気が楽です……本当にありがとうございます……!
風見も視聴覚室に入らせていただきました!樵君の作戦がうまくいくことを願っております……!】

1日前 No.77

雪鹿 @class ★Android=42zyboh5vZ

【校舎・2F・家庭科室/鍵宮 アリス】

ちらし寿司、特に寿司という単語を何度も呟いた彼女は食べてみたかった、確かにそう言った。その言葉1つで鍵宮 アリスという少年は目敏くも確かな違和感を覚える。それは片言だとか、冷蔵庫を見ていた時にうっすらと感じた視線の話ではなくて至極単純なこと。
『日本に居て寿司を食べない事なんてあるの?』
パターン1、お家が貧乏だった?
パターン2、実は外国人で先日、日本に来たばかり?
パターン3、父母兄弟の中に魚系のアレルギー持ちの人が居た?
……考えたくないけど、パターン4、彼女は生まれたての怪物。
全部の可能性があって断定は全く出来ないし、かといって不自然に探りを入れてしまえば、相手だって私が分かった事を理解する……私はそうなった時が怖い。こう見えて、リスクマネジメント位は出来るの。あくまで、記憶の片隅に止める程度にしておこうか――――全てが怪しく見えるから。

「そっか、良かった!食べた事無いなら、張り切って美味しくなるように作りますね!」

脳裏に過った一抹の疑念への僅かな考察を片隅へ無理矢理に押し込んで柔和に微笑みを示して相手に疑惑を抱かせない事に全力を注いだ。額に滲んだ汗は、ふぅ、と一息付いてコンロの火で感じる暑さのせいにして、何百回何千回と繰り返したアイドルスマイルは綺麗に疑惑を包み隠してくれる。
表面まで焼き上がった卵を確認すると、フライパン火を止めて器用に菜箸で焼き付いた端の部分を剥がしておく。そして、菜箸で掴んだそれを破れないように慎重にまな板の上に乗せると包丁でパリパリになった端の部分を切り落とし、器用に畳んでから細く刻んでいく。最後に刻み終わった錦糸卵は小皿に持ってほぐしておいて、と……これで錦糸卵は出来上がり。

そんなところで、何か作業をしていた様子の女性が名乗ってくれたのでそれを受けて「はい、長くても一週間っていう短い間になっちゃいますけど、こちらこそよろしくお願いしますね!透子ちゃん。」と微笑みに応じるように愛想を振り撒くような笑みで普段通りに応えておく。
勿論、彼も疑念を抱いているから、と言っても、そこまで思考が行き届く訳もなくて学習されている事なんて露知らずであった。多分、後に知る事となれば「そんなっ……そんな杜撰な作りだなんて聞いてないっ!」と膝から崩れ落ちるだろう―――勿論、女の子座りは忘れずに。

取り敢えず、と近くの棚にあったお鍋を手にとって水を入れてコンロに置き、火にかけると、あからさまに二人分にしては大き過ぎると思える程の大きさをしたマグロのブロックを手に取ると片方の手はあざとく猫の手にしておいて、冷水でさっと洗った包丁で切って行く。それは薄くもあるが、人間であれば確かに歯応えは感じる十分な厚さであった。多分、これを切り終えればサーモンのブロックにも着手するだろう。

「なるほど。女の子だと、いざっていう時に困っちゃいますもんね!私も考えておこっかな……。」

透子が微笑みながら、フライパンと胡椒を武器として持っていく、という話をしたので感心したように頷きながらも手は止めずに、武器を持つ事にさも抵抗があるかのように声のトーンを落として物悲しげに返事をした彼であった。
が、しかし、実は既に動き回ってる際に屈んで開けた棚にあったタバスコをこっそりと足に付けていたレッグホルダーへ確保していた。勿論、上手い具合に見えなかったとは思うけど……うーん、少しだけ時間掛かっちゃったから不審に思われたかも。え?だって一本しか無かったんだもん。教える訳無いでしょ?
そ、れ、に!私には武器なんて必要無いの。だって無謀だもの。絶対に戦わない。戦うくらいなら、逃げて逃げて逃げまくる。そっちの方が、きっと何倍もマシ!

魚の肉片を丁寧に切り終えた手を洗えば、水蒸気がうっすらと立ち上って沸騰した様子のお鍋に塩を小さじ一杯入れて、絹さやも続けて入れることで塩茹でしておく。

「私ですか?そうですね……一ヶ所に留まるのも危険ですし、隠れられそうな場所を探しに行こうかな、って思ってました。あとは……動きやすい服でも探そっかな、なんて。」

うーん、と少し唸って目を伏せ、考えるような素振りをしつつ、華美なスカートの裾を少し持ち上げて今後の想定していた予定を答えながら、冷蔵庫へ向かっていき、ラップのしてあるお酢の香りがする白米がぎっしりと詰まった桶を一度両手で持ち出して、やっとの思いで本来は教師用なのであろう調理台へ乗せ、予め置いておいた比較的小さめの丼に酢飯をしゃもじで乗せていく。勿論、彼が目的地を明確に言わないのは意図してやっている事である。人間だったとしても、情報を売らないとは限らないしね!

「透子ちゃんは武器集め、まだするんですよね?何処に行くか決めてたりするんですか?」

自分は言わない癖にさらっと相手には目的地まで聞き出そうと、屈託の無さそうな微笑みを向けて首を少し幼い子供のように傾けて訊ねてみる。勿論、情報っていうのはとっても大事だもん。大切に黙っとかなきゃだし、相手からは引き出させないと……まぁ、この質問も「特に決まってない」とか返されたら終わりなんだけどね!

と、さくらでんぶときざみ海苔、そして酢飯の入った二つの丼を持って、先程まで自分が調理していた台に戻ってくる。ついでに丁度良い具合の色になった絹さやを洗っておいたザルへお湯ごと、シンクの上で流し込めば流水で冷やしておく。その間に、ささっと錦糸卵を二つの丼の全体へ行き渡るように盛り付ければ、きざみ海苔とさくらでんぶを軽く散らしていき、次にマグロやサーモンの刺身を器用に花の形に整えていくつも盛り付けていく。そして、マグロとサーモンの花の側に二つに切った絹さやを一枚ずつ添えて、最後に小さく乱切りにした胡瓜とイクラを丁寧に花の中央とか彩りを考えて散らしていって……完成!本当は水煮筍とか欲しかったけど、仕方ないか。
余った刺身を残すために洗って乾かしたお鍋に醤油と味醂、そして料理酒を入れて、強火で煮たたせて五秒くらいで氷水の入ったボウルで冷やせば酢飯によく合う漬け用の醤油ーっと。そこが小皿二つと底が深いお皿に注いで、底が深い方にはマグロとサーモンを一緒に入れとけばいっか!で、見付けたラップで蓋をして余った食材とかも含めて冷蔵庫に戻す、と。

「お待たせ、透子ちゃん!これがちらし寿司です!食べた事無いなら、イメージとちょっと違うかもしれないけど……あ、このお醤油を掛けて食べてくださいね。きっと、そっちの方が美味しいですから!」

盛り付けが終わった数多の赤と朱の花が咲き誇り、芽吹いたばかりの草花の如く鮮やかな緑がそれを支えるかのように丼へと盛られたちらし寿司を二つ、透子の居る場所に近い調理台へと置けば、にっこりと微笑んで先程の小皿に入れられたお寿司に丁度良い感じで合うように調整されたお醤油を隣に出した。そして、手前に出されたのは割り箸。

「あ、そうだ。甘口にしちゃったから、甘いのが苦手でしたら、ワサビとかお醤油に少し溶かすと良いかもしれませんよ!」

うっかりと話に夢中で錦糸卵もおしょうゆも甘めに仕立ててしまったので、パタパタと冷蔵庫へ歩いていき、緑色のチューブに入ったそれを、そっと真ん中辺りに置いておいた。

>篁 透子様、all

1日前 No.78

@itxmm☆OxYUdDLLJjM ★iPhone=uSyqKf7JNY

【 校舎・2F・廊下 / 花咲 太陽 】

 太陽が彼女にお菓子をあげよう、と思い手のひらいっぱいに乗せたお菓子と共に手を伸ばしているとなかなか受け取って貰えず、甘いのが好きじゃないのかなぁ? なんて考えた後に、もしかしたら今はそういう気分じゃないのかも、と自分の中で決めて、一度スクールバッグの中に床に落ちた袋に入ったチョコレートや飴も一緒に拾って入れる。落としたりしたら嫌なのでチャックをしっかりと閉め、そしてそれを3回くらい確認してから目の前の彼女がスケッチブックに何かを凄まじいスピードで書いている様子だった。
 彼女が何か後方に気がついたようで、太陽は不思議そうに首を傾げた後に彼女よりもワンテンポかツーテンポ遅れてから太陽も彼女の後方に体ごと少し横に動かして目線を向けると、そこには可愛く整った顔立ちをした疲れ始めている様子の男の子が何かを警告してくれているようだった。その何かを聞き落とすのが流石太陽というところか。それにしても、太陽の方は未だにあの子随分と整った顔立ちだなぁとまだまだ危機感が追いついていない脳でぼんやりと考える。すると、目の前の彼女がスケッチブックに書いていたのは文字だったようで、スケッチブックに書いてある文字を目で追いながら太陽は小さく気の抜けたように笑いながら頷く。

 「よかったぁ。お菓子がきらいってわけじゃないんだねー。あとであの子とおれときみと、一緒に食べようねー」

 明らかにこんな呑気な事を言っていられる状況では無いにも関わらず、これだけ呑気な事を言ってられるのも逆に才能だ。母親と父親譲りのお花畑の頭の中はこんな所でもフル発揮されているし、もし両親が今のこの映像をもし見ていたら、見ているとしたら、「ひなたがテレビデビューしてるよ〜」なんて嬉しそうに言っているだろう。テレビデビューはテレビデビューでも、全く喜ばしいテレビデビューでは無いが。
 目の前の彼女が立ったのを見て、太陽も立ち上がってからスクールバッグを来た時と同じようにリュックのようにして背負ってから立ち上がる。軽い準備運動をした後に彼女の足のスピードに合わせて、逃げる状況の今になんとか頭は別として体はついていく。走りながら再度見せられたスケッチブックの文字をちょっと遅い目線で追ったあと、太陽は一度警告をしてきた可愛い二つ結びをしている背丈は同じくらい……見ようによっては太陽の方が少々背が高いかというくらいのあまり身長差が無い男の子の方をちらりと見た後に、「うーん」と声を漏らす。

 「おれ、戦ったりしたことないからこのまま逃げたいけど……きみに任せるよぅ。戦うならおれも頑張るよぅ……てゆうかまだきみ走れる? おれが運んであげようかー?」

 おれさっき朝ごはんいっぱい食べてきたから運べると思うよー、と付け足しながらのほほんとした様子で全力疾走をしてまで警告をしにきてくれた男の子の方と彼女の方を交互に見る。今は彼女のスピードに合わせていることもあって、これでも小学生の時から陸上クラブ、それも長距離を専門としてただけあって体力には余裕がある方だ。それに、今さっき会ったばかりと言えど、こうして警告をしてくれている彼に何か出来ることがあればしてやろうとちょっとした気まぐれが起こったのだ。彼女に自分と彼とお菓子を食べようと約束もしたし。もしかしたら、いつも通りの思いつきな発言の可能性も大いにありえるが、まあ今回の状況で後者は殆ど無いだろう。

>>K子(音無響弥)様、西野伊織様、all様

1日前 No.79

漆黒の冒険者 @andouken ★BxGXTrkAtu_UHY

【食堂:丸山たけし(NPC)】

食堂の掃除道具入れの中で息を殺して潜んでいる丸山たけしは聴覚を頼りに外の情報を得ようとする
高校生と中学生どうやら二人とも年下の様だが出ていっても大丈夫だろうかと考える
 しかし季節設定は夏なのだろうか妙に熱いここは蒸し風呂のような熱気に包まれる
もう限界だこのまま此処に居る事は暑すぎる。

「ぷっは〜 おいお前等食わせろ!!」

 夏よりの季節設定された状況に上に掃除道具入れに長期にこもっていた事により
限界を超え脳が沸騰していたとはいえ目の前のアイスクリーム欲しさにとんでもない事を口走ってしまう
挙句にこのファッションだ自身の言葉の不味さに冷や汗が止まらなくなる
両手を前に出しブンブン振ると誤解を解こうと何か何かと言葉を探すも口下手な丸山たけしは何も思いつかず

「ううううううヴヴう」

 結果的に何かを唸っている様な声を出す事しか出来ていなかった不味い事になったと言う事だけは
理解できて入るがどうすればよいかは分からない以上事態を悪化する前に逃亡するかとも考えだしたが

「すまない 驚かしてしまったが、俺、俺は食いたいだけなんだ」

 絞り出すようにしてどうにかそれだけを彼女等に告げる事が出来て
ホッと丸山は息を吐くはくとはちきれんばかりの胸筋の胸を張って彼女等を見下した



>>対馬小路天衣様、毬米蔵鵺様

1日前 No.80

@purple3ru ★iPhone=9hJIin38fI

【 食堂 / 毬米蔵鵺 】

「中3! じゃあ天衣ちゃんだー! よろしくねっ☆ 『毬米蔵』って、か行とま行とら行だけでできたこの苗字、言いにくくない? そんなに改まらなくていいよー、好きに呼んでよっ!」

相手が年下とわかった途端、ちゃん付けをするし、年上扱いしなくてもいいというし、なにかと馴れ馴れしいものだ。人懐こい彼女らしい。の割に、さっき桃巳にあまり懐かなかったのは、彼が天衣と違って、かわいさが名前以外になかったし、友好的でも無かったし、男だったし、年上だし……いろいろある。
にしても、(にしても……天衣ちゃんは何処の出身の人なんだろ? 鵺の住んでるとこではこんな喋り方しないし)なんとなくニュアンスで何を言いたいかは伝わってくるけれども。

「わぁ、ありがとっ! じゃあ適当に座っとくねー」

スイカバーが投げ渡され、それを無事キャッチした鵺は、言われた通りに空いた椅子へ座り、持っていたリュックと手提げを隣の椅子に置く。袋を開いて、スイカバーのてっぺんを齧った。毒が入っているかも、なんて疑うことなく。誰のことも信じていない鵺が、如何して他人に渡されたものをそう易々と口へ運んだかというと、珍しく彼女が目の前の少女を信じたから――ということでは勿論無く、単に『コレを渡して来たこの子も此処にある物を漁って食べているから』である。自分も食べようとしたものを鵺に渡したようにしか見えなかったから、信じていないけれど疑わなかったのだ。(でも、こんな食堂に、女の子が2人だけって変んだよね――)

「ひゃあっ!?!?」

食堂にいたのは、女子2人だけではなかった。掃除ロッカーの中から、男性が飛び出して来た。ずっと其処で此方の様子を伺っていたのだろうか? 『人狼』と書かれた怪しげなシャツを着た、背の高い大男だ。否、こんな服を着ていなくて背の小さな少女だったとしても、突然掃除ロッカーから出てきたというだけでかなりびっくりするのだけれども。彼は両手をぶんぶん振り回して何かを唸った挙句、『俺は食いたいだけだ』と言ってこっちを見下してくる始末だ。(こ、この人なんなの!? いきなり出てきて『食いたい』って……?? しかもシャツに『人狼』ってかかれてるよ!?)いやまあ、誰のことも信用していない鵺からすれば、『友好的でスイカバーをくれたセーラー服の年下の方言女子』と『人狼とかかれたTシャツを着た掃除ロッカーから出てきた巨漢』は、別にどちらが怪しい怪しくないがあるわけではないのだけれども。

「ね、ねえ、天衣ちゃん。あの人、天衣ちゃんの知り合いだったりする? 鵺はぜんっぜん知らない人なんだけど……」

望み薄ではあるが、念のため、天衣にきいてみる。もちろん声を潜めて、彼に聞こえないように。スイカバーをこっそり開いた袋に入れなおして、彼又は彼女が変な動きをしたらすぐにぶん殴れるように、手提げから取り出した折り畳み傘をしっかり握って。

>>対馬小路天衣さま、丸山たけしさま、周辺allさま

1日前 No.81

有栖川 @hananomi☆Mwp.W.uiBT6 ★5tuXai74if_GKj

【カレン・グレアム/3F/図書室】
 投げかけた問いの意味を理解してくれたのか、目の前の金髪の令嬢はすらすらと答えを返す。その答える口調も、その仕草も、その全てが、カレンの知るレイ・ライゼンハイマーと差はない。これで本人でなかったとしたら、その真似の質の高さに驚かざるを得ないだろう。ドッペルゲンガーであっても、その基になった人間の記憶は保持できないという。故に、判断するために重要になるのが答えそのものなのだ。
 レイの放ったその答えは、多少簡略化されているところがあるとはいえ、まさに普段カレンがレイの紅茶を入れる際のやり方であり、普段からある程度相手の事を見ていなければ答えようがないものだ、ということは簡単に判断できた。何よりその後の好みの話は、それをどちらも知っているのは互いのみだと言い切ってしまってもいいくらいだ。つまり、対面しているのは紛れもなく本人だ。であれば、本人確認も済んだことだし、これ以上疑うのは彼女に対しても失礼な話だろう。

「……ええ、この上なく。疑ってしまって申し訳ありませんでしたわ。
では、改めて。ごきげんよう、お姉様」

 レイのエメラルドを思わせるような綺麗な緑色の瞳を正面から見つめ、そう謝罪の言葉を口にしてから、カレンは仕切り直しだとばかりに、『普段通りに』彼女の姉に対して挨拶する。その口上は、ここから先はいつも通りに貴女の『妹』として接します、という意思表示も兼ねている。信じて貰えたかと不安そうに見えるレイに対して、最適な返しとなればよいのだけれど。

>>レイ・ライゼンハイマー、3階ALL

1日前 No.82

雪鹿 @class ★Android=42zyboh5vZ

【校舎・4F・書道室→3F・コンピュータ室/柴南 芒】

らしくなく投げてみたくなったのかな、なんて言って笑みを見せた黒にお礼まで言われたが、当人には思い当たりがこれっぽっちも無かったので「お、おう?」と戸惑い気味に返事をした芒は内心で、黒が俺みたいになったらどうすっかな……なんて要らん心配をしてはいたが、それはそれで良いか!と、いつものように思考をぶん投げる。
その内、目が若干潤んだように見えた黒の様子に内心「あれ、加減出来てなかったか?」なんて焦ったが、その後に浮かべられた久々に見た気がする悪戯っぽい黒の笑みに俺も安心してつられたように「おう!楽しみにしとけよ!」なんて言って嬉しさに任せて同じように笑みを見せて応えた。弟達も心配してんだろうし、奮発して沢山作っとくか!……黒が食べ盛りの弟妹達と争奪戦になって勝てる未来が見えねぇしな。あとは、今面倒見てくれてるただろう桜季と……あとの二人は黒と相談だな。

「お、ありがとな!」

咄嗟の事だったので無理矢理持たされた形になった彫刻刀の一つを受け取って、怪我をしても困るので一応、肩に掛けていたエコバッグの中に入れて書道室のベランダに入っていきながら、ちらっとグラウンドの方を確認した。黒い影のような何かがグラウンドの倉庫の方へ向かっていく姿に一瞬目を奪われたが、寧ろ見てる方が不味いか……アイツが倉庫から出てくる前に事を片付けた方が良さそうだ。

一旦、開けておいた書道室の窓から中に飛び入って閉めておいた扉の鍵を音がたたないように開けたり、使えそうな物が他に無いかを探してみるが、やけに重たい手の平サイズの文鎮が二つばかりあったくらいで、後はあまり役に立ちそうには無い……一応、墨汁も持ってっとくか。ともかく、俺が僅かな時間で見れた範囲でゲット出来たのはそのくらいだ。
そうこうしている内に、美術室から来た黒が鞄を書道室の中に入れ込んでから、入ってくる。それに変わるようにベランダに出ていくが、すれ違い様に、ありがとな、俺が合図したら逃げるぞ、と笑って告げておく。

ベランダに出た彼は、脇目もふらずに綺麗な野球の投球フォームをとって、持っていたガラス玉を開けておいたものの僅かにしか見えない美術の窓へと向けて投げ入れる。当たるのは……まぁ、皮肉にも乾燥棚であったが、今回ばかりは行幸で派手な金属にぶつかる音と共にガラス玉が割れる音がした。
それを確認すれば、内心でガッツポーズを取りながらもすぐに書道室の中へ戻っていき、外の音を聞き取り自分達が此処に居ることを悟られない為にも息を潜める。一応、横目で確認した限りでは倉庫の方へ行った奴は目に見当たらない……セーフ、だな。

金棒が床に擦れる音が書道室の前を少し勇み足でもしてるかのように通り過ぎていったかと思えば、隣からガタガタ、と扉を開けようとする音がする。それから、数秒も経たずして四階に響いたのでは無いかと思うくらいの扉の破壊音。そして、再び金棒が引き摺る音がする。
今だ!と黒の背中を軽く叩いて合図をする。直に扉が開いて、出来る限り音は立てずに、それでいて出来るだけ急いでいるであろう黒のペースに合わせて階下へと階段を下っていく。十分に時間を稼いでくれた黒の人形も、そろそろ偽物だと気付かれた頃合いだろうか。階段の中腹へと辿り着き、階下に着いた頃には上から再び聞こえてくる金棒が擦れる音。
それは、苛立っているような、そんな足音にも聞こえるが、走る芒がそこまでの考察が出来る訳もなくて、ただ三階に着いて左右の様子を一瞥して伺う。何故か放り投げられたような椅子とぶっ倒れてるゾンビこそ居たが、起き上がろうとしていたので、ポケットに忍ばせていた文鎮を取り出しておく。そんなタイミングで下から窓が割れる音がして響く声……しめた!

「黒、こっちだ。走るぞ!」

下から鬼が降りてくる気配がしたので、呻き声をあげながら起き上がろうとしていたゾンビに見られると面倒なので頭部目掛けて文鎮を投げ入れてから、そっちの方を向かせない為に黒の服の裾をちょいと引っ張ってそれが居た方とは逆方向であり、唯一扉が開いていたコンピューター室へと全力で走り抜ける。ぐちゃ、と物凄く嫌な音―――例えるなら、腐肉に硬いものがぶつかって貫通とかめり込んだりする音……って多分、そのままだとは思うけども―――を聞かなかった事にしよう。出来れば死んで欲しいと思ったし、殺すつもりも正直あったけどな。

ともかく、彼は全力で走り抜けた為に身体能力の差で黒よりも速く中へと着く事になったわけで、黒が入ってきた後、すぐに扉が閉められるように、と咄嗟に扉がある方に身を寄せて黒が無事に入ってくる事を信じて待機した。
黒の足音の奥で鬼の重厚な足音と金棒の擦れる音が聞こえる。鬼の大きな足では日本の学校にあるような階段を歩くのは得意じゃないらしく、多少は遅れてるが、それでも時間は然程無い。いつでも助太刀に入れるように、残り一つの文鎮を手に握る。

頑張れ、負けんなよ、黒……!

>白詐欺 黒様、all

【私の方も大分作戦の終盤辺りまで成功してる感じで強引に進めちゃいましたが、不都合とかあったらある程度改変しちゃって大丈夫ですので……!
あと、芒は黒君が入ったらすぐ扉閉めて鍵かける予定ですので必要でしたら、その辺りの描写もしちゃって大丈夫です!】
>溺様

1日前 No.83

サムライ @samurai07 ★iPhone=QCAUNJ3bTK

【校舎1階下駄箱/津山丈介】

「ん!?何だこの煙幕みたいなのは…!?】

突然投げ込まれた謎の煙玉。さすがに丈介もこの事態には狼狽する。だが、彼自身は下駄箱の上に登っているので被害はない。しかし、田中ゾンビの姿が見えづらくなる。

「この野郎!誰だ俺の邪魔した奴は。ちっ、覚えてろよ、こんちくしょう。」

煙玉を投げてきた2人に小声で悪態をついた後、煙が晴れた。田中ゾンビも慌てふためていているらしく、ウロチョロと下駄箱を徘徊している。丈介はため息混じりに天井の蛍光灯を外して手に持つ。そして、下駄箱から飛び降り、あたふたしている田中ゾンビの口に蛍光灯を突っ込んだ。

「はっ!これでうぜえ歯は使えなくなったな。今だ、死ね!」

小回りの効かない田中ゾンビの手足を殺人鬼から奪ったナイフでズタズタとかっ捌いていく。田中ゾンビは反撃に噛みつこうとするが喉の奥にまで蛍光灯が突っ込まれているため、口を動かすことができない。終いには田中ゾンビは手足のない肉だるまになってしまった。

「あばよ、デブゾンビ。ちょっとだけ楽しかったぜ。」

丈介は無情にも田中ゾンビの身体を玄関から蹴り飛ばした。校庭の片隅に田中ゾンビの首と手足がなくなった胴体が蹴られた衝撃で2つに分かれて転がった。相変わらず、狂気に満ちた笑顔で外へ転がっていく田中ゾンビのバラバラ死体を見送っていた。その様子は猟奇殺人犯そのものだ。

「さて、疲れたから少し休憩するか。しかし、金属バットが錆びて使い物にならなくなった…新しい武器を探すかな。」

金属バットは田中ゾンビの体液で錆びて折れ曲がってしまっていた。丈介はバットをその辺に捨てる。その時、この一連の流れを見ていた視線に気づく。

「誰だ…お前は?俺に何の用だ。」

その瞳はアキを睨みつけていた。余談だが、志穂は無事か…そんな感情は丈介には存在していない。

>>黎明アキ様、古原志穂様、周辺ALL


【気づくのが大変遅れてすみませんでした。アキ様、よろしくお願いします。しかし、丈介は今までに殺人鬼1体、ゾンビ3体とキル数はトップじゃないでしょうか。これは丈介の名前がウーくんのSNSのホットワードになる日も近い(笑)】

1日前 No.84

紅虹 @sidem5431☆iGlpyIQnxD2 ★Ao99mij1M0_GKj

【校舎・1階・下駄箱/黎明アキ】

 何かいい策は…そんな事を考えていると向こう側に人影があるのに気がついた。
確かあれは…私の縄を切ってくれた二人組だ。無事に殺人鬼からは逃げられたのか。
それはよかった。…ではなく、
片方がなにかこちらに向けて投げてきているではないか。

 まさか爆弾かなにかかと一瞬身構えたが、実際は…

(煙玉…?)

周囲は煙に包まれ視界は酷く悪くなる。上にいる男は煙の外だが、ゾンビと女はその中だ。
「これで逃げろ」なんてメッセージなのかと思うが、男は降りてくる気配がない。
…それどころか

・・・・・・・・・・・・・・・
煙が晴れるとゾンビに殴りかかった。
蛍光灯を引き抜いてゾンビの口に差し込むやいなやそのままナイフでズタズタに引き裂いた。
…私の力必要ないみたいですね。
だって実際こんなバーサーカーがいるんじゃ助けに来なくても一人でボコボコにできるんだもん。
そりゃ数が多ければ援護は必要になるだろうけども。
相手はゾンビ一体だ。雑魚相手にロケラン使っているような物。
ゾンビは多少息がある(死んでいるけども)ようだがもはや動くことはできないだろう。

 見事な制圧(ただの暴力)に感嘆の声をあげそうになるがそうともいかない。
男は私のほうを睨み付けてきた。

「誰だ…お前は?俺に何の用だ。」

そういうものなのだろう。他人が何も言わずに見ているとそういう反応をするものだ。
ゾンビを狩りに来た旨を素直に伝えるべきか、通りすがっただけと言うべきか一瞬悩んだが
…まあ前者でいいだろう。言い方次第では殴り倒されるのではと少し緊張するが、

「ん、私?ゾンビに噛まれたって叫び声が聞こえたから走ってきただけだよ。」

…ほとんど回答になってない気がする。支離滅裂な思考・発言とはなってないだけマシか。

>>周辺ALL


【煙玉投げるシーン完全に忘れてたのは秘密です(核爆)】

1日前 No.85

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★YRuDhSwQ0p_ouC

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1日前 No.86

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★YRuDhSwQ0p_ouC

【 食堂 / 対馬小路天衣 】

 櫛風沐雨と形容するにはあまりにも温い三十分を過ごした。デスゲームの最中とは思えぬ穏やかな時間。それを甘受していた反動なのか、いきなり姿を現したこの怪しすぎる男は。巨漢で坊主頭なのはまだ良い。シンプルなジーンズと安全靴にも文句は無い。が、よりにもよって『人狼』と書かれたTシャツに狼を模した被り物。これは駄目だ。センスもそうだが、タイミングが最高に悪すぎる――否、最悪に最悪すぎる。
 仮に彼が張三李四のありふれた男だとしても、敵に人狼がいるデスゲームの真っ最中にその恰好をしている時点で平穏に生き抜く術は失われていた。……いや、そもそも彼は本当に一般人なのだろうか。いくら何でも発言内容が食欲に溢れすぎていて人狼ムーヴが凄いし。これをわざとやっているならリアル狂人っぽくてデスゲーム進行の邪魔になりそうだから殺害、わざとじゃなくやっているならそれはそれで馬鹿っぽくて役に立たない気がするから殺害、で良い気がしてきた。
 投げやりで物騒な方向に思考が至る。そもそも男ってだけでなんか好きじゃないんだし、ここは好きな女の子の安全のためにも迷う暇があったらさっさと刺し殺すなり殴り殺すなりしたほうが良いのでは……? 無表情の裏側でそんなことを思って、こちらを高い視点から見下してくる人狼(?)男に箸箱を構える。スライド式のフタの入れ物に中身のお箸がぎっしり詰まっていて、このまま投げれば視界を奪うには充分な代物だ。それで相手が怯んだ一瞬の隙を突き、女子バスケ部の一年生レギュラーとして鍛えに鍛えた脚で距離を詰める。そしてフォークを眼球に向かい思い切り振り下ろす。いくら体格での有利があちらにあっても、片目さえ奪ってしまえばこちらもやり用はあるはずだ。できれば両目とも奪いたいが、欲をかけば相手から反撃を喰らう恐れがある。ヒット&ウェイ。当てたら逃げる戦法で臨もう。

「おらんよ、女子中学生と女子高生を相手に『食いてえ』なんて言うような変質者の知り合いは。――第一われ、喰いてえって。そりゃアレか? 犯(ヤ)りたえって意味か? それとも殺(ヤ)りたえって意味か?」

 絶世には及ばずとも美貌と書いて差し支えない、けれど無愛想極まりない面に鋭い敵意を携えた天衣は、鵺を庇うように彼女の前に立って男を睥睨する。鵺の構えた折り畳み傘が、場合によっては自分に振り降ろされるかもしれないことは薄々感じている。それがどうした。こんな状況にいきなり放り込まれてしまった、不安で不安でたまらない、頑張って自分が生き残りたい女の子が良くも悪くも一生懸命なだけなのだ。それにいちいち目くじら立てるほど天衣は女嫌いじゃない。むしろ女好きだ。いるだけで不快な男どもと違い、女の子ならいてくれるだけで癒し。その癒しが警戒心を抱く対象を目の前にいる。ならば自分が守ってあげよう。天衣自身とて警戒の対象であることを承知の上で。
 台詞の前半は鵺に向けたもの、後半は男に向けたもの。これで次に少しでもマトモだと感じさせてくれるような言葉が返って来なければ、予定の通りに殺す気で攻撃しよう。ひょっとしたらこの映像とてネットやテレビに配信されていて、画面の向こう側で何処かの誰かさんが天衣を侮辱してくるやもしれないが……何、同じ人間に嫌われた程度じゃ人間は死なない。ヒトがそんなに脆い生き物なら、自分の父親は娘に抱かれている嫌悪感だけで五回は死んでくれているはずなのだから。

「鵺。逃げたきゃ逃げてええ。その時は足止めしてあげーし、おらが勝手にやったことで恩を売ー気も無えけん」

 鵺にだけ聞こえるごく小さな声量で呟く。相手は決して裏切らない、と思い込むことを『信じる』と表現するなら、天衣は鵺のことを信じているわけではない。そもそも自分が相手を勝手に守ろうとしているだけなので相手が何をしようとそれは裏切りでは無い、という考えは、『信じる』ではなく『愛する』だ。数秒前に女好きを自認した、その舌の根も乾かぬ内に前言撤回しよう。対馬小路天衣は、女を好いているのではなく女を愛している。父親という名の最低のクズと結婚してしまった以外には何の欠点も無い、聖人のごとき母が『女』だから。――女だから、女だから、女だから。鵺が女だから、ただそれだけの理由で自分はここで死んでも後悔しない自信がある。し、ここで殺してしまっても相手が『男』だからというだけで後悔しない自信がある。生粋の女贔屓で男アンチ。発揮される場所が日常生活からデスゲームに変わっても、今日も今日とて天衣の女尊男卑は健在だ。

>毬米蔵鵺様&丸山たけし様&ALL様

1日前 No.87

くら子 @kura003☆pak20/nYiv6 ★wyf4VWw0x0_ouC

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1日前 No.88

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

【校舎・2F・視聴覚室/不破風見】

幸か不幸か、風見の潜り込んだ掃除用具入れは僅かな隙間から外の様子がわかるようになっていた。そのため風見には狭い隙間からではあるが掃除用具入れの外を確認することが可能だったのである。普段はこんなにはっきりと物が見えることなどないのに、この時の風見の見る風景は不気味な程鮮明だった。見たくないのに、出来ることなら目を閉じていたいのに、目蓋だけ金縛りに遭ったかのように動かない。初めは爆音から耳を守るためにそれを塞いでいたが、今は外界の音をシャットアウトしたくて、風見は両手を強く耳に押し当てた。
鈍い音を立てて扉を殴打して入ってきた鬼。彼(と一概に言って良いのかわからないが)はまず映画の爆音に僅かにではあるが顔をしかめたかのように思えた。もともと厳めしい顔をしているので実際どう思っているのかは風見にはわからない。鬼の心人知らず、という奴だ。鬼は不思議そうに首を傾げてから、相変わらず金棒の音を立てながら視聴覚室を徘徊する。時おり上げる雄叫びに風見は必死で息を殺しながらその頼りない肩を震わせていることしか出来ない。

(来るな、来るな来るな来るな!!こっちに来るな、あっち行け、あっち行けあっち行けあっち行け出てけ出てけ出てけ!!!)

口に出すことは出来ないので心の中で叫びながら風見は鬼の様子を窺う。鬼はやはり音がした窓が気になるのかそちらに近づいていった。あのカーテン一枚の青年が見つけられないことを風見は一生懸命に祈る。だってあの鬼は“恐らく既に人一人を殺している”。つまりはそういった経験がお有りなのだ。あってもなくてもいっしょだろ、と突っ込まれそうだが扉の近くにこびりついた赤黒いそれは恐怖心を煽るにはもってこいの材料である。見つかったら自分もああなる。そう思うと鳥肌が止まらなかった。
鬼は少しの間窓の近くに滞在していたが、やがて此処には誰もいないと判断したのか視聴覚室を出ていった。でもまだ安心は出来ない。だっていつ戻ってくるかわからない。歯をガチガチ鳴らしながら、風見は掃除用具入れから出られずにいた。そうしているうちに、カーテン裏からあの青年が出てきて、風見へと出てきて良いと促した。その声で風見は恐る恐るといった様子ながらきぃ、と音を立てて掃除用具入れから顔を出す。いない、鬼はもういない。いるのは自分とカーテン一枚の青年だけである。

「…………はぁぁぁぁ〜〜、良かったぁぁぁぁ〜〜〜〜……!!」

安心感からだろうか、ずるり、と吊るされた糸の切れたマリオネットのように風見は床にへたりこんだ。慣れたいわけではなかったがあの爆音にも慣れてしまったのか手を退けてもややキンキンするだけである。しかし風見にとってそんなことはどうでも良くて、鬼を撒けたことが何よりも大きかった。

「ああもう本当に良かったぁ、やっぱり神様に見捨てられてなんかなかったぁ……。うぐっ、えぐっ、死ぬかと思ったぁぁ〜〜……!」

安堵からぼろぼろと涙も出てきて、しかしそれを憚ることなく風見は年甲斐もなく泣きじゃくった。美少女ならもっと綺麗に泣くのだろうが、風見のそれは幼子に近かった。いつまでも手で擦っている訳にもいかず、風見はポケットからティッシュを取り出すと良い音を立てて洟を噛んだ。

>>薛樵様、周辺all様

【明日のレスの件、了解いたしました!わざわざご連絡くださりありがとうございます……!
作戦大成功ですね!やったー!風見が年甲斐もなくギャン泣きしてます、あんまり綺麗じゃないもの見せてしまってごめんなさい……!】

1日前 No.89

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★YRuDhSwQ0p_ouC

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1日前 No.90

@itxmm☆OxYUdDLLJjM ★iPhone=uSyqKf7JNY

【 校舎・4F・書道室→3F・コンピューター室 / 白詐欺 黒 】

 せめて、という気持ちで無理矢理渡す形になった彫刻刀が生かされる時がくるかは分からないが、嫌な顔をせず受け取ってくれた芒に安堵のため息をこぼす。いや、一々安心するようなことではない事は自分でもわかっているのだが、やはりこんな状況になってしまうと小さな事一つひとつが安心材料になっていく。不安が焦りに繋がるし、安心というのはすぐに磨り減ってしまうものだから、こまめに補給していかなければ。

 美術室でやることを終えて書道室に入ると、入れ違いになるように芒がベランダの方へと出て行っては、感謝の言葉と合図をしたら逃げるぞ、という言葉に小さく頷く。感謝をされるほどのことをしたつもりはないが、今それを言うタイミングではないし、今が少しでも落ち着いた時にでも言うとしよう。
 黒が芒の健闘を祈りながら書道室で息を潜めていると、隣から聞こえてきたなかなかの大きな音に思わず肩を揺らすが、声は出さないようにと咄嗟に手で口を押さえる。すぐに書道室に入ってきた芒を見て、寧ろこれからが勝負だという雰囲気に小さく唾を飲み込むと、先程までじわじわと近づいていた金棒の擦れる音が今となってはほぼ真隣に聞こえる状況に心臓が早鐘を打つ。擦れる音と足音が自分達の横をきっと通り過ぎた時、美術室の扉を開けようとしている音まで聞こえる。ついには鍵を壊したであろう破壊音まで聞こえ、足がガタガタと震えていた時、芒に背中を叩かれて一瞬で黒は物音を立てないようにして書道室から急ぎの忍び足で出て行く。
 あんなにも震えていた足がこんなにも動く。1人だったら確実に動けないままゲームオーバーだったかもしれない。目の前の芒が自分を気遣ってくれているだろうスピードに申し訳なさはありつつも、足の長さというリーチのおかげで階段を下る時は2段、3段飛ばしで走る事ができた。
 何か呻き声のようなものが聞こえ、そこに何があるのか想像で分かってはいてもそちらに目を向けようとした時、芒に「こっちだ」と服の裾を軽く引っ張られて、黒はまた芒の後に続く。とは言え、やはり身体能力の差というのは非情なもので、そろそろ黒の体力やスピードも落ちてきていた頃、今頃階段を下っているであろう金棒を引き摺る音に、擦り切れそうな体力を振り絞って唯一空いたコンピューター室に芒よりも遅れて黒も飛び込む。

 大学に入ってから殆ど運動なんてしていなかったもので、コンピューター室に入るや否や「ごほっ……」と咳込みかけたが、まだ油断ができない状況にまたもや手で口元を押さえて、黒が飛び込んできた瞬間に、芒は扉を閉めて鍵をかけた。安心、とはまだはっきりと言えないが、ひとまずやる事はやれた。きっと。
 まだ声を出すのは危ないだろうか? 鬼に自分の姿を見られてはいないだろうか? 全力で走ったのなんて久々すぎて息が苦しくて耳に入る音が自分の心臓の音が邪魔ではっきりしない。

 「す、芒、どう? 大丈夫そう……?」

 声を最低まで下げて、迷惑にならない程度の短い言葉で、自分より元から耳がいい方である芒に問いかけてみる。これくらい自分でなんとかしたいのだが、自分の心臓がうるさすぎて自分の発した声とコンピューターの作動している音くらいしか聞こえなかった。

>>紫南芒様、all様


【鍵かけ描写させて頂きました! 黒は芒くん頼りまくりですね……。】>>雪鹿様

20時間前 No.91

漆黒の冒険者 @andouken ★BxGXTrkAtu_UHY

【食堂:丸山たけし(NPC)】

汗だくの大男の出現に驚きを隠せない少女達だったが毬米蔵鵺と言ったか
彼女はまだ中学生の方の対馬小路天衣と名乗った少女の知り合いの可能性を考えているが
 当の本人から否定されたうえ変質者呼ばわりを受けたけしの言った言葉が
犯(ヤ)りたえって意味かそれとも殺(ヤ)りたえって意味かと問われここでも慌てたたけしはまたも失言を

「………やるかやるか………あぁそう言う意味でどっちかと言うと犯りかな?って」

 音の上では伝わらないだろうが何かを揉むようなニギニギと指をくねくねさせていては
それが犯りたいと言う意味だと伝わるだろうが、それが失言だと気づき顔面蒼白になるも時はすでに遅かった
 不味い不味いと言う言葉が頭の中を走り回るもう彼女等の頭の中では自分はレイパーと思われていてもおかしくない
むしろそう思わないとしたら余程頭がお花畑な子だろ………がその期待はかなり薄くすでに
 天衣ちゃんは自分を敵だとみなし鵺さんを逃がすための足止めをしようとする様子ゾンビも殺人鬼もいない状況で何の足を止めるか
そんな事は園児ですら見ればわかるだろう自分だ


「ちょっと待っておくんなまし!今のはせめて殺人鬼とかに殺される前に一度くらいは………」

 一度くらいはと言いかけた所で言葉を詰まらせる。自身の言葉がつまりは一度も経験が無い事を
初対面の相手に告げてしまった蒼白だった顔が途端に真っ赤になり話題を変えようと

「やるとやるじゃなく………その俺はこんな格好で………だから服を脱いでくれないか」

 強面で人相が悪いのは承知の上で出来る限りのキメ顔で意思を伝えた
何時までも人狼Tシャツは不味いが上半身だけとは言え裸も不味いだろうが、着替える服が無い
 それ故に服を譲ってもらおうと交渉を持ちかけ机の上に持っていた紙袋の中身を出し
必要な物があれば譲ろうを思うも入っていたのは、竹とんぼ、肉まん、カーテンを止める器具、スコップ、
 一番ナイフ代わりにの武器になりそうなスコップ持ちジリジリと彼女達との距離を詰めていった
これもいきなり近づかいない駆け寄ったら驚かせるだろうと彼なりの気づかいだが吉と出るか凶と出るかは分からない





>>対馬小路天衣様、毬米蔵鵺様

20時間前 No.92

サムライ @samurai07 ★iPhone=QCAUNJ3bTK

【1階校舎下駄箱/津山丈介】

「何だ、あんたはただの野次馬か。なら、俺には関係ないことだ。」

アキの返事を聞いてため息混じりにナイフをスカジャンのポケットにしまう。現在、丈介の武器はナイフのみ。金属バットは使い物にならなくなったので破棄した。

「後ろの女も怖気付いたのか何もして来ねえし…腹減ったし、少し休むか。まずは…水分補給でもしてくるかな。」

丈介とて人間だ。空腹にもなるし、喉も乾く。丈介は廊下の先にある保健室に目を向けた。そして、アキの方に向かって歩く。別にアキに殺意はない。だが、片目が血走ったように赤く、しかも、今の今までゾンビをおよそ人間とは思えない残虐さで解体していた人物だ。これで警戒しない方がおかしいだろう。

「とりあえず道を空けろ。邪魔だ。俺とやりてえなら話は別だが…」

殺人鬼とゾンビとの連戦で少し疲労は見えるものの、アキに威圧感たっぷりの目を向ける。どうやら先ほどアキと雫が進んできた道に入ろうとしているらしい。後ろの志穂の存在はすっかり忘れているようだが。

>>黎明アキ様、古原志穂様、周辺ALL


【アキ様は丈介に従って、撤退しても、食べ物や強敵の情報で懐柔を図っても、殺人鬼や鬼に対する用心棒や囮にしても、危険だからと殺そうとしても、どれでも構いません。何もなければ丈介は保健室に移動します】

17時間前 No.93

坂本通 @arthur ★iPhone=iMggi8xxKR

【校舎・1F・1- A教室/坂本通】

 通と美少年の精神的な距離は物理的な距離と等しかったが、その認識は通のものだけであったらしい。物でも取るかのように軽い足取りで、彼は通の隣にまでやって来た。緊張をほぐすように諭されはしたものの、この距離感に通の身体は強張るばかりである。他に利用客のいない電車内で、隣に人が座って来たかのような、独特の気まずさが強まる。
 最も彼は気にした様子もなく名乗り返した。変わった名前だと通は思った。苗字はともかくとしても、虚という言葉はあまり良い意味に捉えられない。彼の親がどんな意味を込めたのかは想像もつかなかったが、彼の名前だと思うと不思議としっくり来る気がした。
 そして、彼からその下の名前で呼ぶように言われてしまう。加えて砕けた口調でも構わないとの事だったが、初対面の人間に馴れ馴れしくし過ぎるのも抵抗があった。

 「えっと、じゃあ虚さんって呼びます……呼ぶね」

 間を取る形で呼称を決めたが、さすがに言葉遣いは探り探りになる。法や神が平等を決めても、人は心の中に上下を作るようだった。
 そのくせ、平等に同じ立場という言葉には通は不吉な光景を蘇らせる。校庭で惨死した男子生徒を自分に置き換えて、僅かにだが想像してしまった。
 不愉快だが、現実味のある想像を振り払う為に、自然と机を動かす速度を早めようとするが、美少年こと虚はその行動に待ったをかけた。

 「そのつもりだけど……なにかまずかったりする?」

 聞いておきながらも、バリケードを張ることのデメリットも通は思い当たっている。
 確かにバリケードがあれば突破こそされづらくはなるだろうが、逆に言えば突破されてしまった時に逃げ道も塞がれるのだ。一階なので窓から脱出する手段もないわけではなかったが、その窓から侵入されれば目も当てられない。
 それに食料をはじめとするアイテムがこの校内にはいくつか存在しているらしい。今、バリケードを張ることはそれらの探索をひとまず先延ばしにすることになる。
 理屈では探索を優先して然るべきなのだろうが、今の通は本能的な恐怖心に突き動かされている。

>>薄氷虚

13時間前 No.94

雪鹿 @class ★Android=42zyboh5vZ

【校舎・3F・コンピューター室/柴南 芒】

道中は大して離れてなかったし多少は気遣う余裕もあったので、段々と黒の走るペースが落ちてきていたのも限界が近い事も分かってたが、今の状況では何とか頑張ってもらうしか無かった。もちろん、転んだりしたら助太刀に行くつもりだけどよ、不測の事態っていうのが起こるかもしれないだろ。その時はその時でどうにかしてみせるしかねーんだけどな!仲間を見捨てるなんざ、柴南 芒の辞書には無いって奴だ!

ともかく、そんな思いと共に扉の裏で黒の足音と鬼の金棒が床や階段に擦れる音を聞きながら、扉の鍵の部分に手を掛けて何時でも閉められるように準備をしておく。鍵を掛ければ、数秒でも時間を稼げるのは美術室の罠で確認したばかりだ。もし、見付かってもベランダから逃げる位の時間は稼げるかもしれない……正直、黒にはこれ以上無理はさせたくないし、そうなったら最悪のシチュエーションには違いないんだけどよ。
待っていた時はすぐにやって来て、黒が開いていた扉から飛び込むような形でコンピューター室の中へと入る。距離的にはそこまで遠いってわけでも無かったはずなんだが、緊張感とかそういうやつのせいで俺が入ってから黒が飛び込むまでの僅かな時間が、やたらと長く感じた。
黒が飛び込んでから、すぐに扉を閉めて鍵も掛けておく。焦りからか、多少の音が立っちまったが、下で何か聞こえてくる音やらで上手くかき消えたもんだと信じたい。黒が咳き込みかけた姿を見て、本当はすぐにでも頑張ったな、って声を掛けたかったが、この時ばかりは流石にそういう訳にもいかなかった。まきっと、ゾンビにも鬼にも見られてはないとはいえ、まだ終わってない。後は、上から来た鬼がさっきのガラスの割れる音とかにつられて下へ向かってくれる事を祈るだけなんだが――――。

額を伝う汗を感じながら、耳を澄ませて鬼の動向を探っておく。階段を降りているせいで跳ねたような金棒の音は三階に到達した事で擦れる音に変わり、一度止まった。不味い、バレたか……?
サッ、と血の気が引いていくのを感じた。体温が奪われてくような寒気を感じて表情も一瞬険しい物へと変わったが、希望を信じて音を聞き続けていく。黒の問い掛けは勿論聞こえていたので、ちょっと申し訳なさそうに眉尻を下げて「わりぃ、もうちょっと待っててくれ。」と答えを先送りにしておく。
音は少しの静寂を経て、また擦れる音を少し出した後に、また跳ねるような音を出して遠退いていくのを感じた。生憎、それが上下のどちらかは分からなかったが、それでもひとまず安心するには十分すぎる。あまりに上手くいったので、ちょっとだけ口元がにやけてしまった。

「うし、もう大丈夫だぜ。身体、平気か?よく頑張ったな、黒!」

ふぅ、と一息吐いてから汗を拭って黒の方へと向き直って、無事に二人とも逃げ切れた喜びの中に黒の体力とかの心配する気持ちもあったが、それでも普段よりも嬉しそうにニカッと快活な笑みを見せれば、拳を合わせるためにひょいっと黒の前に突き出した。それは負けたとしても勝ったとしても体育の時間の試合で一緒に戦った時とかによくしてる芒の癖みたいなもので、昔馴染みなら大体は見覚えのある仕草だろう。それでも、本当に信頼してる相手位にしかやんないけどな。

それにしても、と辺りを見回せば数々の電子機器もといパソコンの数々……ううむ、妙なとこに来ちまったな。コンピューター室っていうのか?俺が一番縁のねぇ部屋に来ちまった。いや、鬼灯が確か得意だった気がするし、丸っきり無くはねぇけどよ。それでも、俺が一番苦手な事かもしれねぇな……この前、妹にネット通販とか言うのが分からなくて笑われたし。取り敢えず、此処に居るわけにはいかねぇってのは確かだ。俺も飲み物も食い物も、ついでにバイクも置いてきちまったもんだから、このままだとじり貧になっちまう。まっ、向かうとしても俺も疲れたし休憩入れてからだな!

「そういや、飲み物か何か持ってんのか?一応、暫くはここで休むけどよ……大分疲れたみてぇだし、あるんだったら飲んどけよ。」

黒の様子を見て飲み物でも渡そうか、と考えたが液体は残念なことに先程拾ってきた墨汁位しかなかったもので、買い物後だったらなぁ、と内心で少しばかりへこみながら、黒が自分で持ってる可能性もあるので持ってるなら飲むように、と促しておく。芒本人は多少汗をかいている位で然して疲れたような様子は無いが、それでも緊張からの疲れは溜まってた。喧嘩の緊張感とは、また違った最悪の緊張感ってやつだよな。出来れば感じたくなかったぜ……。

>白詐欺 黒様、all

【芒はなんだかんだで頼られ慣れてるし、頼られると嬉しいタイプなので、ドンドン頼ってやって大丈夫ですよ!】
>溺様

11時間前 No.95

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

【校舎・2F・視聴覚室/不破風見】

普通こういった場面ではほろほろと透き通った涙を流しながらふにゃりと柔らかな笑みを浮かべるのが常套のはずなのだが、あろうことか風見はずびずびと洟を噛むわちゃっかりティッシュをなんとか無事だったごみ箱に投げ捨てるわとリアリティー溢れる対応に走っていた。残念ながら風見は二次元を好んでいてもそこまでのクオリティーを追い求めはしない。其処まで自分の容姿が追い付いていないとわかっているのだろう。現実をよく理解していることが悪いとは言わないが、いくら気が緩んでいるからといって年頃の女子中学生が人前でやって良いことと悪いことがある。イケイケキメキメのJCとかJKがこの場面を見たら悲鳴をあげてトンズラするか風見が滅茶苦茶怒られるかのどちらかであろう。

「あっ、そうでしたね……名前……」

青年に声をかけられたことで、止まらぬ鼻水の処理に追われていた風見は彼と取り交わしていた約束について思い出す。この数分間に色々とありすぎてすっかり忘れていた。会話って大事なんだなぁ……と某詩人のような語感で内心しみじみとしつつ、風見はまず青年の名前が薛樵ということ、彼の名前は読みでは長いが漢字に著すとたったの2文字になることを理解した。

「私……私は、不破風見といいます。関ヶ原……不破関の……じゃなくて、破らずの不破に、風を見るで風見って書きます。私のことも、好きに呼んでくださって構いません。あ……あと、中学二年生です。バドミントン部に所属してます。補欠ですけど……」

普段決まった友達としか話していないのが仇になった。ややたどたどしい自己紹介になってしまい、もうちょっとちゃんと考えておけば良かったと後悔する。クラス変えの自己紹介も淡白なものになりがちで、今年のクラスで友人が出来たのはちょっとした奇跡だったことを忘れかけていた。機会がなかったらぼっちだって夢じゃなかったかもしれない。

「ふふ、じゃあ樵君って呼びます。……大丈夫ですよ、私はそんな風に呼んで楽しむほど外道じゃありません。未使用の下着さえ見つかってしまえば私のジャージがあります、希望を捨てずに頑張りましょう」

男子生徒とはあまり話すことのない風見だが、樵のコミュニケーション能力が高かったのもあってか、先程よりはだいぶと表情を明るくさせてそう言葉を返した。気を許してしまうと自然と口数が増えてしまうタイプのコミュ障なので、これから吃ったり緊張したりすることはよっぽどの事件でも起こらない限りないだろう。先程命を助けてもらったようなものだし、出来ることなら恩返し的な何かをしたい。そんな訳で風見は樵のために未使用の下着を探すことをサブクエストとして登録した。女子中学生がカーテン一枚の青年に向かって「未使用の下着さえ見つかれば大丈夫」と言っている絵面は何とも言えないものがあるが、風見が良いのなら全て良しとしよう。少しでも目標が出来るのは悪いことではない。

>>薛樵様、周辺all様

【樵君コミュ力高い……しゅごい……(感謝) 改めてよろしくお願いしますー!】

10時間前 No.96

紅虹 @sidem5431☆iGlpyIQnxD2 ★Ao99mij1M0_GKj

【校舎・1階・下駄箱/黎明アキ】

「何だ、あんたはただの野次馬か。なら、俺には関係ないことだ。」

 野次馬といえば野次馬だろう。そりゃそうだ。頼まれても無いのに駆けつけられてもそうとしか言えない。
ナイフを持っていたのには正直気づかなかった。どうやって調達したのかは分からないが、
あの強さからして殺人鬼を葬って入手した物ではないかと考えた。
…そうだとすると凄まじい強さであることが分かる。
殺人鬼を一体倒し、ゾンビ一体とそれに噛まれたデブのゾンビを倒したという事になる。

 圧倒的だ。そうとしか評しようがない。
念のため聞いておこうと思ったが、じきに分かるだろうと思ったのでやめておく。

「とりあえず道を空けろ。邪魔だ。俺とやりてえなら話は別だが…」

 やれるわけないじゃないか!やりあってもフルボッコにされるのは目に見えている。
大体そんなことしたところで私含め人類にメリットは何一つない。
私が勝ったとしてもそれは超絶強力な戦力を失うという事を意味する。
もしそうなったら生きのこれても「戦犯」の烙印を押される事になるだろう。
まあそんなこんなで、特に情報があるわけでもない(し、視線がキツい)ので、私は道を空けた。

 …それで、だ。さっきゾンビに襲われていた女の存在を完全に忘れていた。
引っかかれたりしていたら女は第三のゾンビになってしまう。
それだけは避けたかったので、一応怪我をしていないか確認しておくことにした。

「…ところでそこのお姉さんは怪我とかしてない?」

>>周辺ALL


【特に何もありませんでした。】

10時間前 No.97

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

【校舎・1F・1-A教室/薄氷虚】

通から虚さんと呼ぶ、と言われて、虚はそれこそ自分の周りにお花畑でも出来てしまうのではないかという程度には表情が華やいだ。虚としては慣れないけれども虚さんと下の名前で呼んでくれる通が微笑ましいのだろう。年も其処まで離れているわけでもないのに、と突っ込まれてしまいそうだが、虚には変に達観しているところがあるからかどうしても年上からの目線になってしまうようだ。実際虚の方が年齢は上なのだろうけれど、まだ確証も得られないうちから年上面するのはどうかと思われる。虚に悪気は微塵もないのでそもそもこんなことを言って失礼ではないかな、とかいう配慮はなかった。

「うん、うん!そう呼んでもらえて僕も嬉しいよ。改めてよろしくね、通」

至極嬉しそうにしていた虚だったが、ふと通の表情が浮かないことに気づく。たしかにこんな状況で初対面かつ見ず知らずのはっきり言ってしまえば怪しすぎる奴に、いきなり馴れ馴れしくされたら誰だって戸惑うだろう。しかも今はデスゲームの真っ最中だ。他人を疑うのはもっともなことである。虚は少し自分の行動を恥じた。これでは親しむどころか余計な壁を造ってしまっただけではないか。もっと人付き合いをちゃんと学んでおけば良かったのかなぁ、と内心で首を捻りつつ、虚は通の問いかけにうつむけていた顔を慌てて上げた。いけない、考え事をしていて話を聞いていなかったなんてまさに本末転倒という奴だ。そんなことになったらたとえデスゲームの真っ最中でなくても相手に避けられてしまう。

「うーん、バリケードを作ることが悪いこととは言えないけれど、まずは下準備が必要だと思うよ。今見た限りでは此処に食べ物とか飲み物はないし、外の様子を探ることの出来るメディア機器もない。それに通、お手洗いとかはどうするつもり?あと一週間我慢するなんて僕には出来る自信がないよ」

諭すように、しかし不足点をはっきりと虚は指摘する。虚とてまだこのデスゲームが始まって間もないので、この校舎がどのような造りや教室配置になっているのか、設備は整っているのかを一概に知っているとは言い切れない。それに現在どれくらいの参加者が生き残っているのかもわからない。不明な事柄は何事でも足を引っ張るものである。少なくとも虚は、この時点でバリケードを作ることは得策ではないと考えていた。

「でもね、バリケードを作るって案は良いと思う。でもこの教室じゃあ心もとないし、僕たち二人きりっていうのも気まずいものだ。だとしたら、食料や必要なものの調達がてら、バリケードを作るのに適した場所を探そうよ。ほら、ゾンビの対策もしなくちゃいけないでしょ?またとない機会なんだから、作るには徹底的にやろう」

ぱっと両手を広げて、まるで子供のように虚はこれからの行動計画について大まかにだが通に提案した。デスゲームという状況が決して喜ばしいものではないことは虚もわかっている。しかし、置かれてしまった状況はもうどうしようもない。だとしたら今自分に出来る最善のことをするだけだ。━━━━そう考えていたところで、虚は自分が閉めたはずの扉が再び開く音に気づく。まさか襲撃か。そんな懸念から咄嗟に振り返ってしまったが、虚の目の先にいたのはぶるぶると震える年端も行かない一人の少女だった。

「ごめんね、驚かせちゃったかな。此処に怖いものはないから、安心して。具合が悪いなら、保健室も遠くないし、遠慮なく言ってね」

少女のもとに近付くと、虚は彼女の目線に合わせられるようにと腰を屈めて柔らかな口調で話しかける。まさかこんな幼さの残る少女までデスゲームに参加させられているとは。表情にこそ現さないものの、虚は内心で僅かに驚いていた。

>>坂本通様、白河雫様、周辺all様

9時間前 No.98

蟻宮 @arimiya ★y7VU2lOjOV_a2e

【 レイ・ライゼンハイマー / 3F / 図書室 】

「ふふ、無事でなによりだよ。ごきげんよう、カレン」

先程まで自分に向けられていた懐疑の念が完全に消え、そこにはいつも通りのカレンの姿があった。こんな状況と、まるで日常の様に自然なその挨拶とのギャップに笑みをこぼすと、レイもその意思表示に則って同じように挨拶を返す。
身の潔白も証明されたことでその顔にはいつもの自信に満ちた輝かしい表情が戻ってくる。普段ならばその自信に特別な理由もなく、いわば「何となく自信ありげ」なだけなのだが、今この時ばかりは違った。カレンと共にいる。なんの根拠も無いが、その事実はレイに確かな安心感と前向きな気持ちを呼び起こさせていた。

「さて、お互い本物とわかったところで再会を祝して抱擁を交わしたいところだけれど――どうやら、そうはいかないらしい。足音が聞こえた。靴の音だし、声も聞こえるからきっと他の生存者だね」

そういえば中途半端に開いたままだった両腕を下ろし、いつもの様に背筋の伸びた凛とした立ち方に戻る。カレンとの身長差はそれほど大きくない為、視線は若干下に向く程度に落ちて彼女の目を捉える。
既に冗談めかした口調で喋れる程度には精神的に安定したらしく、廊下から聞こえた複数の足音に注意を向けた。それを追うように金棒が引き擦られる音がけたたましく木霊するのを聞き、恐らく鬼に発見されて逃げてきた生存者がいたのだろうと予想する。扉の開閉の音などから察するに、どうやらコンピューター室に入ったようだ。性別や人数などまでは音で判別できなかったが、少なくとも近くに人がいるという事実は間違いないだろう。カレンもいるこの図書室に逃げ込まれて、危険を引き連れて来られることがなく良かったと少し安心してしまう。
人が逃げてきたならば、敵も追ってくる可能性が高い。逃げるにしても隠れるにしても、何か道具を持っている方が便利だろうか。運動もできるとはいえ、鬼の様な大柄な相手とまともに渡り合えるとは考えにくい。消耗しない為にも戦わずにやり過ごすのが得策だろうからと、気を逸らしたり怯ませるのに使えるものを探すべきだろう。今持っているものではバッグや水筒当たりが使えそうだが、今後の事を考えるとどちらも手放したくない。やはり手近なものを見つけて所持するのが良い。
顎に手を当てながらそんな事を考えると、改めてカレンに向き直り言う。

「カレン、何か……使えそうなモノはあったかい? 敵の注意を逸らすか、一瞬でも怯ませて時間稼ぎできるものがあったら私も持っていたいんだ。あとは、他の生存者と合流したいかどうか、君の意見が聞きたい」

>>カレン・グレアム、周辺ALL

7時間前 No.99

@itxmm☆OxYUdDLLJjM ★iPhone=uSyqKf7JNY

【 校舎・3F・コンピューター室 / 白詐欺 黒 】

 黒が不意に尋ねた言葉に、芒からもうちょっと待っててくれ、と言われて黒は小さく頷いた。その間に自分はまだ走る事になるかもしれないことを予測して少しでも息を整えようと大きな音は出さないように慎重にゆっくりと息を吸ってから口で今まで溜めていた息を細くしながら吐く。2、3度丁寧な深呼吸をしているうちに、自分から聞こえてくる心臓の音がゆっくりと小さくなり、やがて自分のうるさい心臓の音は消えていった。
 すると、黒が深呼吸を終えたのと同じくらいのタイミングで丁度よく芒が自分の方に向き直って、それもいい笑みを浮かべていたのを見て、そしてその後芒から出てきた言葉に一先ずは上手くここまで来れたのだろうという事に安堵のため息を漏らす。

 「ありがとう、芒のおかげでなんとか」

 目の前に突き出された拳に自らの拳を軽く合わせながらニッと黒も歯を見せて笑う。あの場に居たのが芒で本当に良かった。もし他の知らない誰かが同じ作戦を考えて居たとしても、芒が居なければきっと自分は動けなかったかもしれない。書道室に出るときに押されたあの軽く叩かれた背中の温もりが、あの時の自分を動かす一番の源力だった。
 不意に、芒から何か飲み物があるなら飲んでおけという言葉が耳に入り、何か持ってきたかとトートバッグとリュックの中を探ってみるが、あるのはアクリル絵の具だのタオルだの、飲み物はおろか財布すら家に置いてきたかもしれない。 いや、もしかしたら財布はテニスボールに頭をぶつけたときにテニスボールと引き換えにあの場に落としてしまったかもしれない。これから大学、しかもその前に彼女の墓参りがあるというのに財布を忘れるなんてことあるか。

 「そういえば……芒ってスマホ持ってたっけ? 今の状況とか中継されてるみたいだから、もしかしたら他の教室の状況とかパソコンで見れるかもだし、今の内に確認しとこ?」

 そう言いながら一番近くにあったパソコンの電源を入れて立ち上がるのを待つ。高校の授業の一環でほんの少しデジタルイラストをやっていた事もあり、普段は趣味と課題の美術制作に時間を削っているにしてもインターネットの利用は少ないが必要最低限の使い方は分かる。タイピングは早い方じゃないにしても人並みだろう。
 パソコンが立ち上がったのを確認して、どこを開こうにも今のデスゲームの話ばっかりになっている事に思わず「うわぁ」なんて声が漏れる。動画サイトの画面を開けば、タイトルには恐らく場所名が書かれているのだろう。一先ずコンピューター室前廊下の状況を確認すると、やはりどこにでもゾンビは居るらしく、すぐそこにいるわけで無いにしても同じ階層に居るのは不安だ。
 続けて2階や1階の映像も流し見する程度にクリックしていると、2階や1階もなかなかに人だけでなくゾンビや殺人鬼も多く、3階のこの場所は他のところに比べればかなり安全地帯そうでもある。安全とは一概には言い切れないが。それにしても、どの動画サイトを見ても他人事に誰かが打っているコメントには思わず嫌気がさしてくる。

 「ふむ……大体こんなもんか……。芒はどこか見ておきたい場所とかある? ずっとここに留まってるわけにもいかないし……。168時間ってことは寝泊まりとか食事のことも考えないとだ。食事はなんとかなるにしても、こんな状況で寝るのも難しそうだけど」

 もう何時間くらい経ってんだろう、なんて呟きながら、黒の中ではもうずっと時間が経っているようにも思える。というか、こんなに色んなことが立て続けに起こってはいくら手元にスマホがあれど時間感覚が狂ってしまう。そんな事を思いながら黒はマウスから手を離して、パソコンの主導権を芒に譲ろうと横にずれた。

>>紫南芒様、all様

6時間前 No.100

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★YRuDhSwQ0p_ouC

【 校舎・2F・視聴覚室 / 薛樵 】

 少女の名前は不破風見。不破と名乗っても風見と名乗っても、どちらも苗字だと思われそうなフルネームだ。学生時代のクラスメイト山村鱸(やまむら・すずき)くんを思い出す。クラスに山村が二人いて鈴木が二人いたから、彼が下の名前で呼ばれても上の名前で呼ばれても他の生徒まで振り向いて面倒臭いとよく愚痴っていた。その愚痴をファーストフード店で聞かされた自分は何と答えたのだったか。……時たま、矛盾など一つも無いはずの自分の記憶に自信が持てない時がある。果たして俺様は、本当にこんな人生を送って来たのだろうか? と。でも過去に同じような状態になった経験は無いから、今だけそうなるなら、きっとデスゲームなんぞのせいで知らず知らず頭と心が疲弊しているのだ。気の乱れや荒れが精神の不調を生み出しているだけに決まっている。

「じゃあ風見ちゃんな。俺様は高校二年生。普段は素人で集まって作ったヴィジュアル系ロックバンドのボーカルとかやってるけど、ネットに動画も上げねーで路上ライブばっかの活動だから知名度はほぼゼロ! でも歌と踊りは上手いんだぜ。楽器はひけねーけどな。……下着は、そうだな。見つかると良いな……はは……」

 言葉とは裏腹、遠い目をした樵は脳内で下着の存在を既に諦めている。『ウーくん』の説明に食糧だの便利アイテムだのの記載はあれど、下着なんて一切合財触れられていなかったのだから無理も無い。万が一用意されていたとしても、マッパでデスゲーム召喚される自分の運の無さからして、そのパンツはきっとスケスケだったり紐だったりTバックだったり大事な部分に穴が空いていたりフリフルするだったりするデザインのはずだ。さすがに履けねーわ。
 気を取り直して。十数秒前まで死ぬほど喧しくしていたのだ、いつまでもここでじっとしているのはマズい。ひとまずどこかに移動しようと提案をすべく、なるべくフランクな笑顔で口を開こうとしたところで――。

『えー、こほん。おはよう皆。只今AM9:00を迎えたことをお知らせするよ。デスゲームの開始からちょうど一時間が経過した。現在の残り地球人数は940人。敵の残りは殺人鬼が9体、ドッペルゲンガーが10体、人狼が10体、ゾンビが38体、鬼が10体だ。……うん、皆の言いたいことは分かる。ゾンビ、完全に増えちゃってるよね。でも、こればかりは仕方がないんだ。死体が増えるっていうのは、ゾンビの攻撃を回避できない子が増えていくって意味だもの。完全に真っ二つにするとか、頭を頭と分からないくらい潰しちゃうとか、丸ごと燃やして灰にしちゃうとか、それくらいしなきゃ死体という死体は基本的にゾンビになって甦って来ると思ってくれたほうが良い。つまり、君たちは自分が生き残るために同じ人間の死体を破壊して回る必要があるってことさ』

 ――どこかで聞いたことのある。否。ちょうど一時間前にグラウンドで耳にしたばかりの『ウーくん』の声が、鼓膜を震わせることなく、いきなり頭蓋骨の中に現れた。つまりはテレパシー。頭に直接話しかけているアレだ。ファミチキください。
 ……冗談はさて置き。

「おい、風見ちゃん。風見ちゃんにもこの声聞こえてるか?」

 表情と声色が弓の弦のごとくピンと張り詰められる。自分にしか聞こえていなければ、それは自分の心がついにこんな状況へのストレスに負けてしまいとち狂ったということだ。けれど、もし、目の前の彼女も同じ声を聞いているのであれば。これは幻聴ではなく現実。聞き逃してはならない声と判断できる。

『僕は本気で君達が生き残ってくれることを渇望しているからね。同僚たちに掛け合って、このゾンビ乱舞状態への救済措置を敢行する権利をもぎ取ったよ! その救済措置は午前10時に開始される。記念すべき≪第一イベント≫と銘を打ってね。
 で、その第一イベントの内容を君達に明かす所までは上からのお許しが出なかったのだけれど、ヒントくらいは与えて良いと言われたんだ。だから君達には僕から、『ウーくん』からこう告げよう。――【孤立するな】【仲間を増やせ】【けれど増やし過ぎるな】。
 ……そうだな、片手の指の数くらいがちょうど良い。僕に許可された開示内容はこれだけだ。じゃあね諸君、引き続き頑張ってくれたまえ! 心の底から切実に、僕は地球の存続を願っている!』

 風見の返事を待つ間にも『ウーくん』の話は続々と進み、ついにはプツンッとテレビの電源を落としたような音を最後に何も聞こえなくなった。

>不破風見様&ALL様

【俺様系なのは見た目と一人称だけで中身はわりと気の良い兄ちゃんなので……。あと今回はやっぱり遅くなりました。眠気のせいですねぇ!!】

>すずり様

【そんな訳で、ステージ中(※正確にはステージ中の人間の脳内)に響き渡る放送が流れました。実はお昼頃から始まるイベントのアドバイスみたいなものです】

>ALL

6時間前 No.101

狼谷 @anima1997☆PMqTzZiUwVg ★iPhone=H508FesIAo

【 武道場 / 阿智北 鬼灯 】

「いやいやいや、ちょお待てや。こんなに早くゾンビと会えるとかめっちゃラッキーやんウチ。星座占いは最下位やな、きっと。」

 控えめながらも切羽詰まったような声音で、いつも通り皮肉混じりの鬼灯節をかます。ここ最近で一番焦っているというか、死の危険を感じている状況でも声を抑え気味なのは、この声を聞いて他の敵が寄ってこないようにするためである。そう、こんな時でも冷静さは欠いていない。今回のようなシチュエーション初めてだが(というかこれまでも経験していたら大変だ)、昔ゲーセンでハマったお化け屋敷とシューティングゲームが一緒になったような、ゾンビを撃退するアーケードゲームを思い出し、必死に「前もこんなんあった、あれは全クリした。これも全クリしたるわ」と言い聞かせ、行き先の定まらないまま足を動かしている。

 いきなり学校に集められ、今から地球の未来を賭けたデスゲームをしますと言われたことが既に懐かしい。ほんの十数分ほど前の出来事である。その時の鬼灯はというと、そんな現実味のないこと言われても困りますわ、と心の中でツッコミを入れつつ、離れ離れになってしまった愛車のことを考え嘆いていた。釣竿とクーラーボックスまでは持っているのに、これではタダの釣りバカである。近くにいた顔も名前も知らない女の子が、釣り糸の先についた疑似餌を見てドン引きしていたことはとても鮮明に覚えている。次会ったら顔に投げつけたるからな、顔はちゃんと覚えたで。……なんて、大人げないことは言わないが。
 自分達の未来のためにも、愛車のためにも、このゲームで生き延びないといけない。7日間と考えるか、168時間と考えるか、この状況下では途方の無い数字に思えてしまうのが事実だった。だがなんとかなりそうだ、とも、根拠もないのに思えてしまうのは根がポジティブだからだろうか。ちらりと後ろを返り見て、ゾンビに向かって言葉と物を投げつける。

「これやるから去ねや!」

 クーラーボックスの中身である保冷剤を取り出し、投げつけては逃げ、投げつけては逃げを繰り返した。
 なんとか撒けたようである。だが、いつ追いつかれるか分からない。取り敢えず、ということで目の前にある施設に忍び込んだ。
 静かに、かつ迅速に扉の開け閉めを行い、中に入る。入った先にまたゾンビがいたらどうしよう、今日は晴れのちゾンビかいな、なんて軽口が叩けるほどには呼吸も落ち着いていて。幸い、忍び込んだ先の施設にはまだ何者も入った形跡がないようだった。1000人も集められているのに案外校舎内で分散しているのだろうか。それとも早々とリタイア者が多く出ているのだろうか。そんなことを考えていたら、とても気になってきて、ポケットに入れていたスマートフォンを取り出して、最初に目に付いた動画サイトを開く。そこには自分と同じように敷地内で逃げ回る少年少女の姿があった。親友のうちの一人の、弟と妹と同じくらいの子も、それより小さい子供もいる。だが、彼の弟妹らしい姿はどこにも見当たらずホッと一息つく。
 こんなところで悠長に動画を見ている余裕もない。電池を食うだけであるので、ポケットにしまった。そして今一度、施設の中を再確認する。どうやら武道場という施設らしい。床には一部畳のようなものが敷いてあり、壁際には防具のようなものが置いてある。防具はさすがに暑くて重たいから装備するのは嫌だが、それよりも目に止まったのは、

「ほんまはバットがあれば良かったんやけど……こいつでもええか……?」

 竹刀だ。壁際に立てかけてあった竹刀を手に取り、野球のバットさながらのフルスイングすると、空を切る音がした。こんなことになるなら、刀の振り方の一つや二つ習っておけばよかったなと、在りし日の体育で剣道をした時のことを思い浮かべる。その頃流行っていた少年漫画の、右足を前にする抜刀術だとか、「いてこましたれ、鬼灯丸!」というようなオリジナルの決めゼリフを作ってサボっていたのだった。あの頃のことが懐かしくなるなんて、時が経つのは早い。子供が大人になることなんてあっという間なのだ。
 思い出し笑いを浮かべつつ、スキニーのベルトループに竹刀を差し込む。慌てていても仕方がない。自分流、を見失わないことがこういう時は重要だと思うのだ。扉からは死角になるところに胡座をかき、現在分かっている情報を整理し出す。

 暫くの沈黙、自然と耳に入ってくる声が頭の中で実際のものより大きく響いた。
 【孤立するな】【仲間を増やせ】【けれど増やし過ぎるな】
 どうやら単独行動はまずいらしい。腕を組み、校舎があると思われる方角の壁を睨んだ。


【遅ればせながら、鬼灯も投稿しておきます!今後も武道場周辺にいると思うので、宜しければどなたでも、どのグループでもいいので絡んでいただけると嬉しいです!
ちょうど孤立するな、ということなので、こちらからももしかしたら絡みに行くかも知れません。何はともあれ、よろしくお願いします!】

>ALL

4時間前 No.102

@siromi ★M4WUxX33bd_ouC

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4時間前 No.103

漆黒の冒険者 @andouken ★BxGXTrkAtu_UHY

【校舎1F・廊下⇒1-A教室:白河 雫】

 中に居た男の人の一人に対してバリケードを作っているのかと問い聞かれた男の人がそれを肯定する
それを聞いて後からこの教室に来た人は締め出されてしまうのだろうかと不安を募らせる
 こんな状況だし助け合いとは、行かないのかもしれないと寂しい気持ちが雫を支配しようとしていた
なぜなら雫もまた彼らより後からこの教室に来た者だから………

『ごめんね、驚かせちゃったかな。此処に怖いものはないから、安心して。具合が悪いなら、保健室も遠くないし、遠慮なく言ってね』

 雫に気付いた髪を染めているのだろうか?変わった髪色のお兄さんが声をかけてくれた
目線が合うように腰を屈めてくれているしこっちのお兄さんは優しい人だと少しの安堵を覚え

「あのその………ありがとうございます。私は白河雫って言います」

 せっかく目線を合わせてくれているのに、気恥ずかしさから雫の方が目線を外していまうもペコリと頭を下げてお礼をうと
お兄さんに名前を教え大丈夫である事を告げる
 少なくともゾンビなどと遭遇しておらず精神面はともかく肉体的には健康そのものだ
優しいお兄さんに満面の笑顔を向けていた時何かが聞こえたが、耳にと言うよりもっと自分の深い所に聞き覚えのある声だ

『えー、こほん。おはよう皆。只今AM9:00を迎えたことをお知らせするよ。………』

 今の声はどちらのお兄さんの声でもない………ウー君と言ったあの存在の声だった
ウー君が近くのいる事を恐れて周りをキョロキョロするも姿が見えない空耳だったのだろうか


「あの………さっきウー君の声がしたんですけど虚さんも聞こえました?ってごめんなさい馴れ馴れしく………お二人が話しているのが聞こえて」

 さっきのが雫の気のせいであればお兄さんは聞いていないはずと聞こうとした際さっき聞こえた二人の会話から許可なく虚さんと呼んだ事を
謝りその上でさっきの声についてどう思ったのかその答えを静かに待った



>>薄氷虚様、坂本通様

3時間前 No.104
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