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地球の命運が僕らにかかっているらしい

 ( オリジナルなりきり )
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デスゲーム/化物VS人間/舞台は学校 @yuuzenn ★DoaFJQIlTR_ouC

 ――君達は、小学生から大学生までの十代の少年少女らだ。

 とある日の朝、いつも通りに目を覚まし学校に行こうとすると、いきなり目も開けていられないほどの光に包まれ、そして次に視界に映ったのは見知らぬ広々としたグラウンド。
 加えて自分と同じ状況なのだろう、パジャマ姿や制服姿で互いに顔を見合わせザワつく子供たち。
 混乱する千人もの若者をよそに、いきなり現れたヌイグルミじみた見た目の謎生物、自称『ウーくん』の声が響き渡る。


「やあやあ僕はウーくんさ。今から君たちに殺し合いをして貰います!
 ――と言っても、人間同士じゃないから安心してね。ええっと、君たちはいきなりこんな所に連れて来られて、僕みたいなのが現れて、すっごくすっごく、混乱していると思うんだ。思うけど、でもパニック起こしても死ぬ確率が上がるだけだから落ち着いて聞いておくれ。
 まず、ここは地球の何処でもありません。君達のこれからの頑張りは世界中のテレビ局や動画サイトをジャックして外の世界に生中継されるけど、でも君達のほうから外の世界にコンタクトをとるのは無理です。外の世界で自分たちがどう報道されているか、くらいならお手元のスマホ等から確認できるぜっ。
 グラウンドの向こうにある校舎やらプールやら体育館やら武道場やらピロティやら、そういう施設にも入れるよ。ステージをこういう形で設定したのは、敵と戦うにあたって君達が慣れ親しんだ場所のほうが少しでも落ち着けるかなと思って。
 ……あ、敵って言っちゃった。人間と闘わないなら何と戦うんだよ、って最初に思ったそこの君! 実はこれから、君達には人間ではない敵と殺し合って貰うのです。とはいえ全ての敵と絶対に戦闘しなきゃいけないことはありません。頑張って逃げてくれても大丈夫。
 敵の種類は後で説明するね。結論からいうと、一週間後に誰か一人でも残っていれば地球の勝利。逆に一週間以内に君たちが敵に滅ぼされれば地球の敗北だ。その時は、誠に残念ながら地球を滅ぼし――――ああもう、うるさいなあ分かった急ぐよ! ごめん、ちょっと上に急かされたから言葉での説明はここまでにするね。後は文章を空中に流すから、各自ちゃんと目を通して内容を頭に叩き込んでね。
 それじゃあ皆、頑張って! 僕は訳あって君達をこんな目に遭わせているけれど――君達に頑張って生き残って欲しいのは、本当なんだ」


 言うだけ言って、少年少女らの目の前から姿を消す『ウーくん』。
 空に流れる文字の羅列と、「三分後にゲーム開始です」の放送。

 一体、何のために自分たちはここで戦わされるのか?
 どうして十代の少年少女ばかりなのか?
 世界中の情報網を当たり前にジャックできる『ウーくん』らは果たして何者なのか?

 全ての疑問が解決されないまま、無情にも三分は過ぎ唐突な展開のサバイバル型デスゲームが始まる。
 何もかも謎だが、それでも多くの子供らは生き残るために走り出した。

 一週間。この地獄を生き抜くために。
 地球を滅ぼされないために。


【なんか朝っぱらからデスゲームにお呼ばれされてよく分からん生き物に「お前ら勝てなかったら地球おしまいな!」とか言われた不憫な子供たちが一週間ほど頑張るスレ(要約)。
 短期のつもりで建てたけど、短期で終わるかは謎。あと私は一度もスレッドを完走させられたことがないので、途中で頓挫してしまっても怒り狂わない方のみ参加して下さると嬉しいです。詳しくはサブ記事にて。まだメイン記事サブ記事ともにレス禁です】

メモ2018/07/17 06:46 : 友禅☆fXqsD0VZIxk @yuuzenn★iPhone-jveydpeVf9

・ルール(http://mb2.jp/_subnro/15748.html-1)

・ロケーション(http://mb2.jp/_subnro/15748.html-2)

・いきなりのネタバレ(http://mb2.jp/_subnro/15748.html-3)

・ゲーム開始前に空中に流れた文章(http://mb2.jp/_subnro/15748.html-4)

・募集キャラ一覧(http://mb2.jp/_subnro/15748.html-5)

・プロフィール(http://mb2.jp/_subnro/15748.html-6)


〜キャラクター一覧〜


『地球人の少年少女ら』

対馬小路天衣(http://mb2.jp/_subnro/15748.html-9)

弥勒空(http://mb2.jp/_subnro/15748.html-19

弥勒海斗(http://mb2.jp/_subnro/15748.html-19)

新堂瞬(http://mb2.jp/_subnro/15748.html-73)

不破風見(http://mb2.jp/_subnro/15748.html-23)

黎明アキ(http://mb2.jp/_subnro/15748.html-27)

音無響弥(http://mb2.jp/_subnro/15748.html-29)

毬米蔵鵺(http://mb2.jp/_subnro/15748.html-33)

カレン・グレアム(http://mb2.jp/_subnro/15748.html-35)

鍵宮アリス(http://mb2.jp/_subnro/15748.html-43)

坂本通(http://mb2.jp/_subnro/15748.html-50)

有栖川瑪瑙(http://mb2.jp/_subnro/15748.html-58)

西野伊織(http://mb2.jp/_subnro/15748.html-71)

津山丈介(http://mb2.jp/_subnro/15748.html-96)

柴南芒(http://mb2.jp/_subnro/15748.html-101)

白河雫(http://mb2.jp/_subnro/15748.html-106)

白詐欺黒(http://mb2.jp/_subnro/15748.html-110)

盤渉日向(http://mb2.jp/_subnro/15748.html-115)

レイ・ライゼンハイマー(http://mb2.jp/_subnro/15748.html-123)

阿智北鬼灯(http://mb2.jp/_subnro/15748.html-129)

…続きを読む(16行)

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すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

【校舎・1F・1-A教室/薄氷虚】

虚の言葉に、少年は観念したかのように箒の穂先を下ろした。それと同時に虚に対する警戒も僅かに緩んだように思える。一見表情が変わらず、何を考えているのかわかりにくい虚でも、いつまでも疑われたままというのは辛いようで、少年の対応に表情を綻ばせた。そりゃあいきなり見ず知らずの人間に出会ってしまったら誰だって警戒する。それを信じてもらえたのなら虚としても喜ばしいことだ。まだ少年には少し緊張するかのような素振りがあるが、これから親交を深めていけばもっと気を許してもらえるかもしれない。前向きに考えながら、虚は軽い足取りで少年の隣へと移動した。

「もう、そんなに緊張しなくたって良いのに。こんな状況だもの、警戒しなくちゃって気持ちはわかるけどさ。でも、そんなに肩肘張ることもないと思うよ?気を引き締めているのって、それだけで疲れてしまうからね」

まだ表情の固い少年を諭すように、虚は開いたままになっていた扉を後ろ手に閉めながらそう口にした。たしかに初対面から数分の相手に気を緩めるのは簡単なことではないかもしれない。しかしずっと緊張しっぱなしというのも決してよろしくないことだ。あまり気を張っていたら精神的にも辛いだろう。少なくとも虚は辛いものだと思っている。

「通……か。うん、良い名前じゃないか。僕は薄氷虚。薄い氷って書いて薄氷、虚は虚無の最初の部分さ。名字で呼ばれるのはこそばゆいから、気軽に虚と呼んで欲しいな。あと堅苦しい口調は無し。此処では先輩も後輩もない。皆平等に同じ立場だからね」

ぎこちなさを感じる口調で自己紹介をしてきた少年━━━━坂本通に、虚も同じく自己紹介をした。そして軽く注意するかのようにちょん、と人差し指を立てて堅苦しい口調は無し、と付け加える。どうやら通は虚のことを年長者だと思っているらしい。たしかに見た目からしてみれば虚の方が年上に見えるが、こんな状況で年上も年下も関係ない。誰もが同じくこのデスゲームに巻き込まれた、無辜の少年少女なのだ。だからこそ虚は敬語とか丁寧な口調で話すのはやめにしよう、と提案した。もっとも、これはあくまでも提案に過ぎないので、通がどうしてもこの話し方が良いと言うのならそれを否定するつもりはなかった。

「通、早速質問したいのだけれど。君は今から何をしようとしているの?さっきから机を動かしているみたいだけれど……もしかして、バリケードでも作るつもりかい?」

やや気まずそうに机を動かす通に、虚はそんな風に問いかけた。勿論虚はエスパーではない。ただ、通の机の動かし方と今現在置かれている状況からそう考えただけのことだ。オブラートに包まない物言いのせいで不気味に思われるかもしれないが、まあそれが薄氷虚という奴なのである。

>>坂本通様、周辺all様

3日前 No.68

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★YRuDhSwQ0p_ouC

【 校舎・3F・廊下→校舎・2F・視聴覚室 / 薛樵 】

 階段は上りでなく下りを選択。「落ちている」と錯覚するほどのスピードで駆け降りて、無事に切り抜ければ互いに名を教え合おうと誓った少年少女はついに二階の床を踏んだ。音はまだ追いかけてきている。都合良く4階に進んではくれなかったらしい。予想の範囲内。とはいえ幸運が働かなかたことを密かに舌打ち。さて、これからどうしてアイツを撒こう。頭を必死で働かせる樵の視界に映ったのは、廊下の左側にある『視聴覚室』と書かれたプレートだった。咄嗟に機転が閃く。足の速さで少女より先行していたことを利用し、ひとまず自分が一人で視聴覚室の扉を開け中を確認。敵はいない。血痕はある。中でゾンビと戦って噛まれた誰かが動く死体となりこの部屋から出て行った後、といったところと推測できた。これなら大丈夫。思い浮かんだ作戦が使える。

「こっちだ! 俺様を信じてついて来てくれ!!」

 開いた扉から少女を室内へ呼び寄せ、彼女が入って来てくれたかも確認しない内の視聴覚室の片隅を慌ただしく漁る。見つけた。プロジェクターに道徳教育用の映画DVD。コンピューター室にちゃんとコンピューターがあった時点で、視聴覚室にもこういった“視聴覚室らしいもの”があることは予想していた。幸いスクリーンは既に降りている。こちらも直前まで教室にいたのであろう何者かの血痕が飛び散っているけれど、この際だから四の五のは言っていられない。
 DVDをセットしてプロジェクターのスイッチを入れ、音量設定を爆音レベルの最大にまで引き上げる。室内に耳をふさぎたくなるほどの音が響き渡り、鬼の金棒が床板をこする音さえ掻き消した。が、だからといって鬼の存在までは消えやしない。普通に考えれば、こんな爆音を立てただけではむしろ鬼をおびき寄せてしまうだけだ。故に、もちろんこれだけでは終わらない。締まりきった窓とカーテンを一枚だけさっと開いて近場の椅子を握りしめ、『階下の教室の窓』に向かって二度、三度と勇ましく振り下ろす。一発では割れなくても、パイプ椅子を平均よりは鍛えている男子高校生のパワーで叩き続ければ当然パリンッとガラスの砕ける音色が奏でられた。武器として使ったパイプ椅子は、持ち上げる時間も無いとばかりにグラウンドにそのまま落とす。

(――よし。これで音に釣られて視聴覚室に来た『鬼』は、教室の中を見て俺様たちが「視聴覚室から一階の窓ガラスを叩き割ってそちらに移った」と思うはずだ! 窓が開いているだけなら室内に隠れている可能性を疑われるかもしれねぇけど、この切迫した時間の中でわざわざ窓まで割ったんだから流石に疑われない……たぶん!)

 それはもう凄まじく急いで諸々の行動を済ませたので、今の樵の息は運動神経抜群の男子高校生と言えども荒くなっている。が、息を潜めるためにそれを無理やり押さえつけ、『鬼』の来ぬ間にカーテンの裏側に隠れた。視聴覚室のカーテンはコンピューター室のカーテンと同じく、外からの光を透かさない素材で作られている。だから朝の時間帯に窓枠に足を引っ掛け身を縮めたとて、“光の入り方が不自然”“人型のシルエットがカーテンから透けている”などの理由で隠れていることが露見しはしない。

「どこでも良いからそっちも隠れろ、あと十秒もしねぇ内に『鬼』が来る!」

 カーテン裏に隠れたまま少女に叫ぶ。スクリーンにて爆音上映されるムービーは、当然デスゲームの内容なのだ。それがたまたま二階の廊下を映したから、樵には鬼の金棒の音も聞こえぬはずの爆音の中とて敵の接近が分かった。五秒前に見てあの場所、そしてあのスピードなら、間違いなく宣言通り十秒以内に視聴覚室に入って来る。それまでに少女が隠れられなければ、この作戦の成功率は一気に急降下してしまう。
 ――頼む、間に合ってくれ!

>ALL様

【私も休みの日には早いってだけで仕事ある日は返すの遅いですし、そもそもすずり様ぜんぜん遅くないので気になさらないで下さい……!
 あと勝手に視聴覚室に飛び込んで色々とやっておりますが、別に風見ちゃんは視聴覚室に入らず廊下を走って逃げ続けている設定でも大丈夫です。その場合は絡みありがとうございました、視聴覚室について来てくれている場合は引き続きよろしくお願い致します!】

3日前 No.69

七彩 @tmr☆qrj4adrhQpgH ★Android=BhKAgLfVKA

【四階音楽室/覡千颯】

 なにもかも、全てがとつぜんのことだった。

 気がついたらこんなところにいて、気がついたら「自分たちは地球の代表者」だって、わけのわからないお人形さんに言われて。足がブルブル震えて仕方がなくなって、そこからとりあえず逃げれる間に階段を駆け上がって、何も考えないで、にげて、にげて、結果音楽室にはいって、そこから一度も動いてはいない。けれど、このままではいつか死んでしまう。信じずにカウントダウンをお兄さんやお姉さん達はいつのまにか殺されていて。音楽室の窓越しに見た校庭に広がる臓物と紅い色に、一瞬だけちはやはどきんと音を立てた。


 ぱぱと、ままにあいたい。どこに行ったの?
 ちはやは、なにか悪いことをしてしまったの?
 そんな考えがぐるぐるとずっとつきまとって心が重たい、もし今誰かが入っていたのなら、視認できない場所にいるのなら気づかないかもしれない。というのは嘘で、本当。とにかく自分は何をしているのか、いまいちわかっているようで分かっていないのだ。頭にあるのは人外から逃げなくてはいけないことと、自分が何者であるかだけなのだから。

「……ぱぱぁ、ままぁ、たすけて」

 ちいさく、小さく助けを呼んで、しくしくと泣くことしかできない。無力なちはやは、誰か同じ人間が来ることだけをひたすらに願い続けていた。

>>ALL


【出遅れたーーーー!よろしくお願いします……!】

3日前 No.70

狼谷 @anima1997☆PMqTzZiUwVg ★iPhone=H508FesIAo

【 校舎・2F・家庭科室 / 篁 透子 】

 快諾してくれた少女に向かって「ありがとう」と言ったのち、彼女の後ろ姿を眺める。彼女は透子が見向きもしなかった、一つの大きな箱のようなもの――しかもこれがかなり大きく、一番上は透子も背伸びしなければ届きそうにないほどの高さがある――に向かっていき、勢いよく扉を引いた。
 思わず、何が中に入っているのかが気になって、そろそろと彼女の後ろについて、扉を開けた動作のまま固まっているその頭越しに箱の中身を覗き見た。中には結構色々なものが入っていて、これが食料だということは予想がついた。
 ぎこちない笑みを浮かべる少女から、今から作る料理の名前を伝えられる。先程向けられた笑顔との微妙な差異に気付きつつ、それが何を意図するのかは判断不可だったため特に気にもとめずにこう答える。

「ちらし寿司……? すし……スシ! 嬉しい、食べてミタカッタの。嫌いナ食べ物はないよ。」

 ぱあ、と表情を輝かせて胸の前で手を組む。デスゲーム中に必ずこれだけは食べようと思っていたのが、スシとラーメンなのだ。まさか、こんなに初っ端から目標を達成出来るとは想定しておらず、篁透子という設定上の透子ではなく、紛れもなく本心からプラスの反応を示した。思わず口が紡ぐ言葉がぎこちなくなる。ただ、これは本性に感情が芽生えたと言うにはまだ浅い心の揺れである。ちなみに透子の中のスシとは真っ赤なマグロの握り寿司で、ラーメンとは煮卵とチャーシュー三枚とメンマの乗った醤油ラーメンであったりする。
 何はともあれ、生を受けてから初めての食料摂取に落ち着かない様子で、少女が家庭科室内を行ったり来たりするようすを眺めていた。透子が知る由もないが、きっとアリスの料理する光景の流れている動画サイトでは、視聴しているアリスのファン達が興奮気味にコメントを打ち込んでいることだろう。透子は暫くそうやって手持ち無沙汰にしていたが、少女がコンロの火をつけた辺りでふと思い出したように、ガサゴソと何かを始める。

 そして丁度透子の作業もひと段落したところで、声が掛かる。条件反射的に彼女の方へと顔を向けた。もちろん微笑みは絶やさず。

「アリスちゃんっていうのね。よろしく。私は篁透子よ。」

 アリスと名乗った少女の名前を復唱し、軽く会釈をする。そして自分に与えられた名前を答えた。こうやって人間は自分の名前を他人に伝えていくのだな、と学習していることはアリスには悟られることはないだろう。
 そして、透子がしていた作業についてだが、彼女が調理している間に、室内で目に付いた『武器になりそうな物』を机の上に並べておいた。そのラインナップは、フライパン、おたま、肉切り包丁、まな板、胡椒の小瓶である。最後の胡椒の小瓶は、誤って棚の上部から落としてしまい顔にかかったときに、一瞬劇物を食らったかのような衝撃が感覚器官、というか鼻と喉と目に襲いかかってきたからだ。意図的に止めることの出来ないくしゃみにはとても驚いた。これは目くらましになるだろう、主に対人間用であるが。
 「武器になりそうなものを集めていてね、」相も変わらずにこにこと微笑みながら「私はこれを持っていこうと思うの。」と言ってフライパンと胡椒の小瓶を手に取った。もしかしたら他にも武器や今後使えそうな道具がこの部屋にあるかもしれないが、考えた上の結果がこれらなので、もう透子には捻り出せそうなアイディアもない。

「アリスちゃんは、ご飯を食べたらどうするかとか決めているの?」

 胡椒の小瓶をリュックサックに詰めながら問い掛けた。

>鍵宮アリス、ALL

3日前 No.71

@itxmm☆OxYUdDLLJjM ★iPhone=uSyqKf7JNY

【 校舎・4F・美術室→書道室 / 白詐欺 黒 】

 安堵から勢いで抱きつきそうになったのを宙で止めていると、不意に頭の上に手が伸びてきたことに大して一瞬目を見開く。自身の背の高さで頭を撫でられるなんて事に慣れていなかったこともあり、少しこそばゆい気持ちもあった。自分よりいくつか背が低い芒が何故だか随分と大きくて逞しく見えたような気がして、やはり兄なんだな、と思うと思わず頬がほころんで「ありがと」と柔く芒に微笑みかけた。幼馴染みというだけあってもはや家族のようなものだと思ってもいいだろう。しかし芒と家族になれば、案外自分の方が芒よりもずっと弟かもしれない。生きて帰った時には芒の家に手伝いにでも行こう。弟くんや妹さんの相手くらいなら俺でもできるだろうし。そんな事を心に決める。
 しかしそれにしても、言い淀んでいた時に「無理しなくてもいい」と言ってくれたり口を開けば横槍等をしてきたりすることがない芒と話しているのは、まるで普段と同じように何気なく話しているような気分になって、こんな状況では些か不釣り合いな言葉ではあるが、安心する。いや、こんな状況だからこそこの不釣り合いなほどの安心感がどれほど心強い事か。

 「あは、そっか。じゃあ俺もらしくなく投げたくなっちゃったってことかな。ほんとありがとう、芒」

 フォロー……ではなく、恐らく素で言っているであろう芒をみて思わず笑みがこぼれる。お咎めの事まで考えるのは少しばかり芒に気を遣い過ぎてしまったかもしれない。今更気を遣わなければいけないような相手でもないのに。
 それにしても、確かに芒は幼少期から自分とは違って運動神経が抜群に良かった。いや、黒から見ればちょっと運動神経の悪い人でも運動神経がよく見えてしまうくらいには運動神経が抜群に悪いのだが、芒は関係の近さ云々を切り離しても顕著にと言ったところだ。幼少期から運動神経の格差が酷い自分と一緒にペアなんて組んでても良いのかと思うと同時に、周りのクラスメイトに対するちょっとした優越感があったのも懐かしい記憶だ。高校に入ってからは美術系の学校に進学したのでめっきり運動の経験も減ってしまったが。

 そんな事を頭の隅っこに置きながら言いたい事を言い終えると、目の前の芒が明らかに不機嫌そうになったのをみて何かまずい事を言ってしまっただろうかと思う。しかし既にまずい事をしているわけで……などと悶々と負の連鎖に陥ろうとしていたところで額に走る軽い痛みに「あいたぁ!」と反射的に痛みよりも大袈裟なリアクションを取りながら意味がわからなさそうに額を押さえて不機嫌そうな芒の方を見る。

 「ほんと……君って奴は……」

 芒の言葉に思わず涙腺が緩くなってきてしまったが、こんな所で泣いていられる余裕はない。それにしても自分は本当に人に恵まれている。そのおかげか否か涙腺も緩くなってきているような気がする。もしや歳のせいだろうか。そんな事を考えていると続いて聞こえた言葉に小さく頷いてから「楽しみにしてる」、と高校2年の秋振りと言っても過言ではない少し悪戯っぽい笑みを浮かべる。
 さすがに芒に頼りっぱなしなのも如何なものか。自分に何かできることは無いかと模索しようとしていた所、早くも芒が口を開く。ふむふむ、と頷きながら自分の頭の中で芒の言葉をイメージさせてからやろうとしている事を形として把握する。

 「勿論、それは俺の得意分野だよ。あ、一応何か持って行っとく? つっても……正直今渡せるのなんて彫刻刀か鑿くらいしか無いけど……。まあでも護身くらいにはなると思うから! 使わなかったら後で俺に返してくれれば良いし」

 心配は必要ないだろうとは思っていたが、手ぶらで芒を向かわせるのにも若干躊躇いもあったので、鑿は邪魔になるだろうと思い彫刻刀セットから敢えて一番刃先の荒い切り出し刀を無理矢理持たせる。怪我するリスクは刃先が荒い物が高いと聞いていたから、少しでも力になれれば良いのだが。芒が悪戯っ子のような笑みを浮かべて書道室へ向かったのを見て、黒もそれを見送ってからトートバッグから今日の製作で使う予定だった鑿を取り出す。
 確実に音が近付いてきている以上、大したものは作れないが、それなりの重みがある普通のよりも些かサイズの大きい石膏を一番近くの机にあげてから元々形になっているおかげで少ない手の加えで理想の形はできそうだった。本当はもっと繊細にやらなければならない作業ではあるが、そんな余裕は無い。思いっ切り追い入れ鑿を石膏に食い込ませて削った石が勢いで飛び散って自分の顔が若干白くなったり多少の凹凸はご愛嬌としてもそれなりの形を作った後に近くにあった鋏と布を使って服のように巻き付け、石膏を床におろすついでに鑿と念のためと鋏も回収して美術室の鍵を閉める。
 余計な物音は立てないようにしてからゆっくりと窓からベランダに出ると、一際大きい目立つ体を屈め、そして息を潜めながらゆっくりと書道室の方へと向かう。

 「多分、第一ミッション完了……かな」

 まだやる事はあるが、一先ず美術室から抜け出して書道室へ向かう事はかなり緊迫した状況ではあったが上手くできたようだ。安心するにはまだ早いが、一つひとつの安心が焦りを取り除く重要な事でもある。
 窓が開いてないなんて事はないだろうが、念のため軽く小さい音でコンコン、と書道室の窓をノックという形で大方準備は出来たという事を伝えてからまず先にトートバック、その次に小さいリュック、そして最後に自分が書道室に入り込んでから書道室の窓を閉めてからリュックとトートバックを背負い直して、いつ隣から音がしても良いように書道室の扉に寄った。

>>紫南芒様、all様


【1発目の対戦は景気良く成功しておこう! と思ったので成功ロルで失礼します!】>>雪鹿様

3日前 No.72

紅虹 @sidem5431☆iGlpyIQnxD2 ★Ao99mij1M0_GKj

【校舎・1F・廊下/黎明アキ】

 …名前、言ってなかった。
あの少女は名前も年齢も丁寧に言っていた。なのに私は名前すら言わなかった。
確かにこの場は1000人が入り乱れて実質的な生存競争を繰り広げる場だ。
個々の名前なんてどうだっていいかもしれない。
でもなぜかそこに後悔していた。そんな些細なことどうだっていいのに。

 私の考え過ぎだろう。生きのこればどうせまた会える。
…ん?「その時には名前を伝えようとは考えないのか」だって?
それ一種の死亡フラグってやつじゃないですか?
「俺、この戦い終わったら結婚するんだ」なんて言った人はことごとく死んでましたよ。
まあ小説の話ですけど…ってそうじゃなくて、

 さっきすれ違った少女の走り方--それも逃げるような--からして、
向こう側で何かあったのだろう。「鬼」がいたならば金属音がするはずだ。
…少し走りながら耳をすましてみるが、そんな音はしない。
ならば考えられる可能性はそれ以外。一番良いパターンは変人がでたってことだが、
まああの逃げ方からしてそうではないだろう。

 さて、そろそろ叫び声がしたあたりになる…まあ方向でしか把握していないのだが。
ここからもっと走る事になったら諦めよう。少し息も切れてきた。
靴を入れるところがあるあたり目の前の空間は下駄箱であろう。
さていざ着いてみると…

 下駄箱の上に男。下には頭部がないゾンビの死体。
そしてデブ…じゃない、太っていてうめき声をあげていて腹にバットがはまっている…
あれがゾンビか。というかあれはゾンビだ。
ゾンビの条件にぴったり当てはまっている。
そして襲われそうになっている女性が一人。

 …この際どうすればいいのだろうか。
背後から斬りかかる?動いている頭部を正確にぶち抜ける自信がない。最悪スカる。
こちらへ誘導する?後ろに何かが迫っていて挟み撃ちになる可能性があるのに?女の子が逃げている理由が迫ってきている可能性だってある。
声をかける?ゾンビがこっちを向くに決まっている。背後から殺ってもらおうにも武器らしきものは見当たらない。ゾンビの腹にはまっているバットがそれだったのだろうか。

 私が背後にいるという以上ゾンビはこちらに気づいていない。
呼吸を落ち着かせながらどうすべきか考える。
…男とジェスチャーで意思疎通という思考が出てきたが一旦ストップする。
この際何か画期的なアイデアの一つや二つ浮かべばいいのだが…

>>下駄箱all


【追いつきました!突然失礼します!】

3日前 No.73

漆黒の冒険者 @andouken ★BxGXTrkAtu_UHY

【校舎1F・廊下:白河 雫】

武器について聞かれた雫は自身が持っていた物についてお姉さんに話すも反応は芳しくない
きっと自分が使える物を持っていなかったからだと
 それで無理にゾンビや雫達を狙う存在に戦闘を仕掛けなくてもとハッキリとでは無いながらも話す
逃げ腰な雫を攻めるでもなくあくまで仕掛けると言う意思を明言し彼女は敵がいるであろう場所に走り去った低まった
 止める事も追いかける事も出来ない自分がもどかしく思いながらもその場に立ちすくむ事しか出来ずにいると
すぐそこの教室から話声が聞こえて来た声からして男性が二人いると分かるが分かると同時に雫の体がブルブルと震えだす
デスゲームに対する恐れでは無く過去のトラウマからくる震えだったが、恐る恐るながらも目の前の教室1−Aとプレートが出ている
 その教室の扉を開けると思った通り男性が二人いたのだが、どう言うわけかその一人が机をを動かしているではないか
その意図が分からずに恐怖に混乱が上乗せされ目をグルグルさせ始める

「なかからお声が………いったいぜんたい何をアワアワワ」

 この人達がここで、何をしているのだろうか?怖い人じゃ無ければいいなと祈りつつも彼等に声をかけようとしたが
何を言っていいのか言葉を詰まらせてしまっていた黙っていても始まらないと知りつつも



>>薄氷虚様、坂本通様

3日前 No.74

蟻宮 @arimiya ★y7VU2lOjOV_a2e

【 レイ・ライゼンハイマー / 3F / 廊下→図書室 】

カレンは広げた両の腕の間に飛び込んでくる事無く、紅茶の淹れ方について尋ねてきた。一瞬不思議そうに目を見開いたが、すぐに彼女の意図を理解したらしくいつもの得意げな顔に戻り、ピン、と左手の人差し指を立てて見せながら答えを述べ始める。

「ふふ、カレンらしい問いだね。細かいところまで言い出すととても長くなってしまうだろうし、大体で良いかな。ええと……まず、沸騰しはじめの熱湯でティーポットとカップを温める。ポットに茶葉を適量入れた後、100度の熱湯を少し高い位置から勢いよく注ぐ。それから数分蒸らしたら、カップに最後の一滴(ベスト・ドロップ)までしっかり注ぎきる。これで君の納得のいく解答になったかな?」

そこまで詰まることなくすらすらと言い切ってみせる。しかし大分端的に言った上に紅茶の淹れ方だけでは知識さえあればわかりそうだと思ったらしく、更に続けて、

「カレンはミルクティーが好きだね。私は砂糖を――『ほんの少し多め』に入れるのが好きだ」

そう言った。他人が見れば明らかに過剰な量の砂糖を「ほんの少し多め」とする、以前からカレンに咎められ続けている言い訳じみた発言もあえてそのままに言う。実際のところ自分でも
言い切った後にこれで信用されなかったらどうしようかなどといった不安が湧き出してきて、伸ばしていた指をふにゃりと折り曲げながら、これでどうかな、なんて言葉を小さく後ろに付け加えた。
こちらから彼女が本物かどうかを確認する質問をする必要はないだろう。先程言ったように、投げかけた質問そのものが彼女らしさを物語っている。レイを見て間もなく、彼女と共通のキーワードになる紅茶を思いつくのは、このゲームに紛れこんだドッペルゲンガーには不可能だろう。
彼女がレイを信用してくれる事を願いながら、彼女のダークブルーの瞳を見つめ返事を待つ。

>>カレン・グレアム、3階ALL

3日前 No.75

@siromi ★M4WUxX33bd_ouC

【校舎・2F・廊下/K子】

ずうっと下に顔を向け、泣きじゃくる。そんな中ぼやけた視界に入ったのは茶色い革の靴だった。それが靴だと視認すれば、酷く怯えたように震える両肩の振動がピタリ…と止まった。マスクの下からは今まで声を出さぬようにと食いしばっていた口が半開きになり間抜けな面構になれば、カタカタと微かな音が鳴る。目の前の人物は、いったいどんな顔をして私を見ているのだろう。誰かが居ると言う安心感から驚愕と畏怖のどん底に突き落とされた絶望の顔だろうか。それとも身に着けている物が未だ綺麗なだけで、目の前の人物はもう生きる屍と成り果てているのだろうか。
そんな疑問と、上を向く事への恐怖から下を向いたまま瞼を固く閉ざし、溢れる涙を塞き止めた。さぁ、貴方から発せられる第一声は何だろう。先程の元デスゲーム参加者のような呻き声だろうか?言葉に詰まった声だろうか?それとも、この光景に吐き出される朝食だろうか?

結果は予想の範疇を超える物だった。
目の前の貴方基、彼にとっては大した事の無い、何気ない行動なのかもしれない。頬に何かが当たれば即座に見開いた眼で彼を見上げた。混乱した頭で彼がまだ生きたデスゲームの参加者だと分かれば、途端にぶわりと再び涙が雪崩れ込む。零れる程に盛られた多くのお菓子を無視して、私は其方をジッと見つめた。敵を警戒して、声すらまともに出せる事は無いであろうこの現状に。緊迫感と恐怖心、罪悪感がはち切れて、安心感が漏れ出した。声を上げて泣きたくなった。これは夢だろうか?否、現実だ。今目の前に、デスゲームの参加者が。ちゃんと生きている参加者が、呻き声では無く困り果てたような声で「大丈夫」と言ってくれた生存者が、傍に居る。この事実に気をとられたお陰か、ほんの少し、先程のような張り詰めた胸の奥の痛みが和らいだ気がした。
だが流石に泣き叫ぶわけにはいかない。世界中が見ている上に校舎には敵となった元デスゲーム参加者と愉快な仲間達だらけ。しかも叫び散らした声が男の逞しい声であると分かれば、更に彼を困らせるどころか、最悪な場合。いや、大抵は好奇の眼差しかドン引いたような表情を、或いはどちらも向けてくる物だ。唖然としていた私だが、後方からの叫び声に即座に我に返った瞬間その身を震わせ其方を振り返る。しかしその叫び声は、死の間際の断末魔ではなく私達への警告だった。

《うん、大丈夫。ちょっと弱気になってただけだから!ありがとね。お菓子はまた後で》

《ありゃー。こりゃ見事にひきつけられ…ちょっ、待って待って流石に私でもその数は裁けないって!?はぁ…とりま走ろっか》

手慣れていたはずのスケッチブックとボールペンの出し入れに手間取れば、震えていた手を力ませ濃い筆圧で言葉を綴る。最初は手を差し伸べてくれた彼へ。次に声色からギリギリ男性だと判断できる、私たちを巻き込まんと全力疾走している彼に。そしてもう一度傍に居る彼にスケッチブックを向けた。先程無様に泣いていた赤い目とおちゃらけた文章の小さな矛盾に私自身気づいているが、それは気にしない方向で行こう。
ゆらりと覚束ない脚で立ちあがれば、バールを首と肩の間に挟み込み両手をボールペンとスケッチブックで埋めてこの脚を急かす。そんな私は2人に対しこんな選択肢を指し示すとしよう。

《逃げるか戦うか。2人ならどっちが良い?逃げるなら天井があるとことか2階以上の場所は勧めらんない。木端微塵になってたゾンビ居たじゃん?私の傍に。アイツをゾンビにした方のゾンビがさっき床すり抜けてったわけよ。私の目の前でね》
《後、戦うに関しては武器になりそうなのがあるとこ知ってるから其処まで案内するけど…どうする?そう遠くないとこ。まぁ今そこが安全かなんて知んないけど、何もないよりマシっしょ?あ、このバールも其処っから持ってきたやつね》

そうして私は全力で平気なフリに勤しむ。もう「オカマ」と罵られぬよう、「男」に成りすましていた時のように。全力で。

>>花咲 太陽様/西野 伊織様/ALL様

【有難うございます…!では宜しくお願い致します!】

3日前 No.76

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

【校舎・2F・廊下→2F・視聴覚室/不破風見】

さすがに階段を下りただけでは鬼を撒くことは出来なかったようで、尚もあの不気味な足音は後ろから聞こえてくる。ああもうしつこいなぁ、と風見の中で恐怖に混じって苛立ちも生まれ始めた。どうせ狙うならこんな色んな意味で無防備な青年とかバドミントン部の補欠とかじゃなくて、もっと倒し甲斐のある奴を狙って追いかければ良いのに……と思うがそれはあり得ないことである。ある意味このデスゲームに必要とされるのは運なのかもしれない。勿論身体能力とか頭脳とか対応力も求められるのだろうけれど。

「……っ、はい!わかりました……!」

青年が飛び込んだのは廊下を少し走ったところに見えた視聴覚室だった。俺様を信じてついて来てくれ、という彼の言葉に息を切らしながらうなずく。彼は何か作戦を思い付いたのだろう。そういったものを考える余裕などなかった風見なので、今はこの青年に頼るしかない。先程の立ち回りもあってか、何様だと突っ込まれるかもしれないが風見は青年の手腕はかなりのものだと評価していた。だから今回もきっと上手くいく。
青年は一通り棚のものを漁ると、耳をつんざくほどの爆音を伴いながらプロジェクターの電源をONにした。そして窓を開けてその近くにあったパイプ椅子で一階の窓を割る。慣れない爆音に思わず耳を塞ぎながらも、風見は彼は自分たちが視聴覚室の窓を割って一階に逃げたように思い込ませるつもりなのだと察した。

「いやぁぁぁ、おーちーるー!!」

そのため風見も風見で彼女なりの演技を披露することになった。ご丁寧に「るー、るー、るー……」とエコーまでかける始末である。残念ながら風見は演劇部ではないので其処まで上手いものではなかったが、この切迫した状況なので切羽詰まった感じは出せたかもしれない。
もう少しで鬼が来るかもしれないとのことで、カーテン一枚なのを利用して同じカーテンの中に隠れた青年が風見にも隠れるようにと促す。風見もこくりとうなずいて扉や窓からいちばん遠い端っこにあった掃除用具入れの中へと潜り込んだ。もわん、と掃除用具特有の湿っぽい臭いが鼻を突いたが今はそんなことを気にしてはいられない。口と鼻を手で覆って息づかいが外に漏れないようにする。掃除用具入れの扉も出来るだけ音が立たないように閉めたし、風見の体型が小柄なこともあって外から見て不自然なところはないはずだ。

(……お願い、素直に騙されてくれますように……!)

間もなく鬼が視聴覚室に入ってくる。それが無事青年の作戦に嵌まってくれることを祈りつつ、風見は荒い息を静めていた。

>>薛樵様、周辺all様

【そうおっしゃっていただけるととても気が楽です……本当にありがとうございます……!
風見も視聴覚室に入らせていただきました!樵君の作戦がうまくいくことを願っております……!】

3日前 No.77

雪鹿 @class ★Android=42zyboh5vZ

【校舎・2F・家庭科室/鍵宮 アリス】

ちらし寿司、特に寿司という単語を何度も呟いた彼女は食べてみたかった、確かにそう言った。その言葉1つで鍵宮 アリスという少年は目敏くも確かな違和感を覚える。それは片言だとか、冷蔵庫を見ていた時にうっすらと感じた視線の話ではなくて至極単純なこと。
『日本に居て寿司を食べない事なんてあるの?』
パターン1、お家が貧乏だった?
パターン2、実は外国人で先日、日本に来たばかり?
パターン3、父母兄弟の中に魚系のアレルギー持ちの人が居た?
……考えたくないけど、パターン4、彼女は生まれたての怪物。
全部の可能性があって断定は全く出来ないし、かといって不自然に探りを入れてしまえば、相手だって私が分かった事を理解する……私はそうなった時が怖い。こう見えて、リスクマネジメント位は出来るの。あくまで、記憶の片隅に止める程度にしておこうか――――全てが怪しく見えるから。

「そっか、良かった!食べた事無いなら、張り切って美味しくなるように作りますね!」

脳裏に過った一抹の疑念への僅かな考察を片隅へ無理矢理に押し込んで柔和に微笑みを示して相手に疑惑を抱かせない事に全力を注いだ。額に滲んだ汗は、ふぅ、と一息付いてコンロの火で感じる暑さのせいにして、何百回何千回と繰り返したアイドルスマイルは綺麗に疑惑を包み隠してくれる。
表面まで焼き上がった卵を確認すると、フライパン火を止めて器用に菜箸で焼き付いた端の部分を剥がしておく。そして、菜箸で掴んだそれを破れないように慎重にまな板の上に乗せると包丁でパリパリになった端の部分を切り落とし、器用に畳んでから細く刻んでいく。最後に刻み終わった錦糸卵は小皿に持ってほぐしておいて、と……これで錦糸卵は出来上がり。

そんなところで、何か作業をしていた様子の女性が名乗ってくれたのでそれを受けて「はい、長くても一週間っていう短い間になっちゃいますけど、こちらこそよろしくお願いしますね!透子ちゃん。」と微笑みに応じるように愛想を振り撒くような笑みで普段通りに応えておく。
勿論、彼も疑念を抱いているから、と言っても、そこまで思考が行き届く訳もなくて学習されている事なんて露知らずであった。多分、後に知る事となれば「そんなっ……そんな杜撰な作りだなんて聞いてないっ!」と膝から崩れ落ちるだろう―――勿論、女の子座りは忘れずに。

取り敢えず、と近くの棚にあったお鍋を手にとって水を入れてコンロに置き、火にかけると、あからさまに二人分にしては大き過ぎると思える程の大きさをしたマグロのブロックを手に取ると片方の手はあざとく猫の手にしておいて、冷水でさっと洗った包丁で切って行く。それは薄くもあるが、人間であれば確かに歯応えは感じる十分な厚さであった。多分、これを切り終えればサーモンのブロックにも着手するだろう。

「なるほど。女の子だと、いざっていう時に困っちゃいますもんね!私も考えておこっかな……。」

透子が微笑みながら、フライパンと胡椒を武器として持っていく、という話をしたので感心したように頷きながらも手は止めずに、武器を持つ事にさも抵抗があるかのように声のトーンを落として物悲しげに返事をした彼であった。
が、しかし、実は既に動き回ってる際に屈んで開けた棚にあったタバスコをこっそりと足に付けていたレッグホルダーへ確保していた。勿論、上手い具合に見えなかったとは思うけど……うーん、少しだけ時間掛かっちゃったから不審に思われたかも。え?だって一本しか無かったんだもん。教える訳無いでしょ?
そ、れ、に!私には武器なんて必要無いの。だって無謀だもの。絶対に戦わない。戦うくらいなら、逃げて逃げて逃げまくる。そっちの方が、きっと何倍もマシ!

魚の肉片を丁寧に切り終えた手を洗えば、水蒸気がうっすらと立ち上って沸騰した様子のお鍋に塩を小さじ一杯入れて、絹さやも続けて入れることで塩茹でしておく。

「私ですか?そうですね……一ヶ所に留まるのも危険ですし、隠れられそうな場所を探しに行こうかな、って思ってました。あとは……動きやすい服でも探そっかな、なんて。」

うーん、と少し唸って目を伏せ、考えるような素振りをしつつ、華美なスカートの裾を少し持ち上げて今後の想定していた予定を答えながら、冷蔵庫へ向かっていき、ラップのしてあるお酢の香りがする白米がぎっしりと詰まった桶を一度両手で持ち出して、やっとの思いで本来は教師用なのであろう調理台へ乗せ、予め置いておいた比較的小さめの丼に酢飯をしゃもじで乗せていく。勿論、彼が目的地を明確に言わないのは意図してやっている事である。人間だったとしても、情報を売らないとは限らないしね!

「透子ちゃんは武器集め、まだするんですよね?何処に行くか決めてたりするんですか?」

自分は言わない癖にさらっと相手には目的地まで聞き出そうと、屈託の無さそうな微笑みを向けて首を少し幼い子供のように傾けて訊ねてみる。勿論、情報っていうのはとっても大事だもん。大切に黙っとかなきゃだし、相手からは引き出させないと……まぁ、この質問も「特に決まってない」とか返されたら終わりなんだけどね!

と、さくらでんぶときざみ海苔、そして酢飯の入った二つの丼を持って、先程まで自分が調理していた台に戻ってくる。ついでに丁度良い具合の色になった絹さやを洗っておいたザルへお湯ごと、シンクの上で流し込めば流水で冷やしておく。その間に、ささっと錦糸卵を二つの丼の全体へ行き渡るように盛り付ければ、きざみ海苔とさくらでんぶを軽く散らしていき、次にマグロやサーモンの刺身を器用に花の形に整えていくつも盛り付けていく。そして、マグロとサーモンの花の側に二つに切った絹さやを一枚ずつ添えて、最後に小さく乱切りにした胡瓜とイクラを丁寧に花の中央とか彩りを考えて散らしていって……完成!本当は水煮筍とか欲しかったけど、仕方ないか。
余った刺身を残すために洗って乾かしたお鍋に醤油と味醂、そして料理酒を入れて、強火で煮たたせて五秒くらいで氷水の入ったボウルで冷やせば酢飯によく合う漬け用の醤油ーっと。そこが小皿二つと底が深いお皿に注いで、底が深い方にはマグロとサーモンを一緒に入れとけばいっか!で、見付けたラップで蓋をして余った食材とかも含めて冷蔵庫に戻す、と。

「お待たせ、透子ちゃん!これがちらし寿司です!食べた事無いなら、イメージとちょっと違うかもしれないけど……あ、このお醤油を掛けて食べてくださいね。きっと、そっちの方が美味しいですから!」

盛り付けが終わった数多の赤と朱の花が咲き誇り、芽吹いたばかりの草花の如く鮮やかな緑がそれを支えるかのように丼へと盛られたちらし寿司を二つ、透子の居る場所に近い調理台へと置けば、にっこりと微笑んで先程の小皿に入れられたお寿司に丁度良い感じで合うように調整されたお醤油を隣に出した。そして、手前に出されたのは割り箸。

「あ、そうだ。甘口にしちゃったから、甘いのが苦手でしたら、ワサビとかお醤油に少し溶かすと良いかもしれませんよ!」

うっかりと話に夢中で錦糸卵もおしょうゆも甘めに仕立ててしまったので、パタパタと冷蔵庫へ歩いていき、緑色のチューブに入ったそれを、そっと真ん中辺りに置いておいた。

>篁 透子様、all

3日前 No.78

@itxmm☆OxYUdDLLJjM ★iPhone=uSyqKf7JNY

【 校舎・2F・廊下 / 花咲 太陽 】

 太陽が彼女にお菓子をあげよう、と思い手のひらいっぱいに乗せたお菓子と共に手を伸ばしているとなかなか受け取って貰えず、甘いのが好きじゃないのかなぁ? なんて考えた後に、もしかしたら今はそういう気分じゃないのかも、と自分の中で決めて、一度スクールバッグの中に床に落ちた袋に入ったチョコレートや飴も一緒に拾って入れる。落としたりしたら嫌なのでチャックをしっかりと閉め、そしてそれを3回くらい確認してから目の前の彼女がスケッチブックに何かを凄まじいスピードで書いている様子だった。
 彼女が何か後方に気がついたようで、太陽は不思議そうに首を傾げた後に彼女よりもワンテンポかツーテンポ遅れてから太陽も彼女の後方に体ごと少し横に動かして目線を向けると、そこには可愛く整った顔立ちをした疲れ始めている様子の男の子が何かを警告してくれているようだった。その何かを聞き落とすのが流石太陽というところか。それにしても、太陽の方は未だにあの子随分と整った顔立ちだなぁとまだまだ危機感が追いついていない脳でぼんやりと考える。すると、目の前の彼女がスケッチブックに書いていたのは文字だったようで、スケッチブックに書いてある文字を目で追いながら太陽は小さく気の抜けたように笑いながら頷く。

 「よかったぁ。お菓子がきらいってわけじゃないんだねー。あとであの子とおれときみと、一緒に食べようねー」

 明らかにこんな呑気な事を言っていられる状況では無いにも関わらず、これだけ呑気な事を言ってられるのも逆に才能だ。母親と父親譲りのお花畑の頭の中はこんな所でもフル発揮されているし、もし両親が今のこの映像をもし見ていたら、見ているとしたら、「ひなたがテレビデビューしてるよ〜」なんて嬉しそうに言っているだろう。テレビデビューはテレビデビューでも、全く喜ばしいテレビデビューでは無いが。
 目の前の彼女が立ったのを見て、太陽も立ち上がってからスクールバッグを来た時と同じようにリュックのようにして背負ってから立ち上がる。軽い準備運動をした後に彼女の足のスピードに合わせて、逃げる状況の今になんとか頭は別として体はついていく。走りながら再度見せられたスケッチブックの文字をちょっと遅い目線で追ったあと、太陽は一度警告をしてきた可愛い二つ結びをしている背丈は同じくらい……見ようによっては太陽の方が少々背が高いかというくらいのあまり身長差が無い男の子の方をちらりと見た後に、「うーん」と声を漏らす。

 「おれ、戦ったりしたことないからこのまま逃げたいけど……きみに任せるよぅ。戦うならおれも頑張るよぅ……てゆうかまだきみ走れる? おれが運んであげようかー?」

 おれさっき朝ごはんいっぱい食べてきたから運べると思うよー、と付け足しながらのほほんとした様子で全力疾走をしてまで警告をしにきてくれた男の子の方と彼女の方を交互に見る。今は彼女のスピードに合わせていることもあって、これでも小学生の時から陸上クラブ、それも長距離を専門としてただけあって体力には余裕がある方だ。それに、今さっき会ったばかりと言えど、こうして警告をしてくれている彼に何か出来ることがあればしてやろうとちょっとした気まぐれが起こったのだ。彼女に自分と彼とお菓子を食べようと約束もしたし。もしかしたら、いつも通りの思いつきな発言の可能性も大いにありえるが、まあ今回の状況で後者は殆ど無いだろう。

>>K子(音無響弥)様、西野伊織様、all様

2日前 No.79

漆黒の冒険者 @andouken ★BxGXTrkAtu_UHY

【食堂:丸山たけし(NPC)】

食堂の掃除道具入れの中で息を殺して潜んでいる丸山たけしは聴覚を頼りに外の情報を得ようとする
高校生と中学生どうやら二人とも年下の様だが出ていっても大丈夫だろうかと考える
 しかし季節設定は夏なのだろうか妙に熱いここは蒸し風呂のような熱気に包まれる
もう限界だこのまま此処に居る事は暑すぎる。

「ぷっは〜 おいお前等食わせろ!!」

 夏よりの季節設定された状況に上に掃除道具入れに長期にこもっていた事により
限界を超え脳が沸騰していたとはいえ目の前のアイスクリーム欲しさにとんでもない事を口走ってしまう
挙句にこのファッションだ自身の言葉の不味さに冷や汗が止まらなくなる
両手を前に出しブンブン振ると誤解を解こうと何か何かと言葉を探すも口下手な丸山たけしは何も思いつかず

「ううううううヴヴう」

 結果的に何かを唸っている様な声を出す事しか出来ていなかった不味い事になったと言う事だけは
理解できて入るがどうすればよいかは分からない以上事態を悪化する前に逃亡するかとも考えだしたが

「すまない 驚かしてしまったが、俺、俺は食いたいだけなんだ」

 絞り出すようにしてどうにかそれだけを彼女等に告げる事が出来て
ホッと丸山は息を吐くはくとはちきれんばかりの胸筋の胸を張って彼女等を見下した



>>対馬小路天衣様、毬米蔵鵺様

2日前 No.80

@purple3ru ★iPhone=9hJIin38fI

【 食堂 / 毬米蔵鵺 】

「中3! じゃあ天衣ちゃんだー! よろしくねっ☆ 『毬米蔵』って、か行とま行とら行だけでできたこの苗字、言いにくくない? そんなに改まらなくていいよー、好きに呼んでよっ!」

相手が年下とわかった途端、ちゃん付けをするし、年上扱いしなくてもいいというし、なにかと馴れ馴れしいものだ。人懐こい彼女らしい。の割に、さっき桃巳にあまり懐かなかったのは、彼が天衣と違って、かわいさが名前以外になかったし、友好的でも無かったし、男だったし、年上だし……いろいろある。
にしても、(にしても……天衣ちゃんは何処の出身の人なんだろ? 鵺の住んでるとこではこんな喋り方しないし)なんとなくニュアンスで何を言いたいかは伝わってくるけれども。

「わぁ、ありがとっ! じゃあ適当に座っとくねー」

スイカバーが投げ渡され、それを無事キャッチした鵺は、言われた通りに空いた椅子へ座り、持っていたリュックと手提げを隣の椅子に置く。袋を開いて、スイカバーのてっぺんを齧った。毒が入っているかも、なんて疑うことなく。誰のことも信じていない鵺が、如何して他人に渡されたものをそう易々と口へ運んだかというと、珍しく彼女が目の前の少女を信じたから――ということでは勿論無く、単に『コレを渡して来たこの子も此処にある物を漁って食べているから』である。自分も食べようとしたものを鵺に渡したようにしか見えなかったから、信じていないけれど疑わなかったのだ。(でも、こんな食堂に、女の子が2人だけって変んだよね――)

「ひゃあっ!?!?」

食堂にいたのは、女子2人だけではなかった。掃除ロッカーの中から、男性が飛び出して来た。ずっと其処で此方の様子を伺っていたのだろうか? 『人狼』と書かれた怪しげなシャツを着た、背の高い大男だ。否、こんな服を着ていなくて背の小さな少女だったとしても、突然掃除ロッカーから出てきたというだけでかなりびっくりするのだけれども。彼は両手をぶんぶん振り回して何かを唸った挙句、『俺は食いたいだけだ』と言ってこっちを見下してくる始末だ。(こ、この人なんなの!? いきなり出てきて『食いたい』って……?? しかもシャツに『人狼』ってかかれてるよ!?)いやまあ、誰のことも信用していない鵺からすれば、『友好的でスイカバーをくれたセーラー服の年下の方言女子』と『人狼とかかれたTシャツを着た掃除ロッカーから出てきた巨漢』は、別にどちらが怪しい怪しくないがあるわけではないのだけれども。

「ね、ねえ、天衣ちゃん。あの人、天衣ちゃんの知り合いだったりする? 鵺はぜんっぜん知らない人なんだけど……」

望み薄ではあるが、念のため、天衣にきいてみる。もちろん声を潜めて、彼に聞こえないように。スイカバーをこっそり開いた袋に入れなおして、彼又は彼女が変な動きをしたらすぐにぶん殴れるように、手提げから取り出した折り畳み傘をしっかり握って。

>>対馬小路天衣さま、丸山たけしさま、周辺allさま

2日前 No.81

有栖川 @hananomi☆Mwp.W.uiBT6 ★5tuXai74if_GKj

【カレン・グレアム/3F/図書室】
 投げかけた問いの意味を理解してくれたのか、目の前の金髪の令嬢はすらすらと答えを返す。その答える口調も、その仕草も、その全てが、カレンの知るレイ・ライゼンハイマーと差はない。これで本人でなかったとしたら、その真似の質の高さに驚かざるを得ないだろう。ドッペルゲンガーであっても、その基になった人間の記憶は保持できないという。故に、判断するために重要になるのが答えそのものなのだ。
 レイの放ったその答えは、多少簡略化されているところがあるとはいえ、まさに普段カレンがレイの紅茶を入れる際のやり方であり、普段からある程度相手の事を見ていなければ答えようがないものだ、ということは簡単に判断できた。何よりその後の好みの話は、それをどちらも知っているのは互いのみだと言い切ってしまってもいいくらいだ。つまり、対面しているのは紛れもなく本人だ。であれば、本人確認も済んだことだし、これ以上疑うのは彼女に対しても失礼な話だろう。

「……ええ、この上なく。疑ってしまって申し訳ありませんでしたわ。
では、改めて。ごきげんよう、お姉様」

 レイのエメラルドを思わせるような綺麗な緑色の瞳を正面から見つめ、そう謝罪の言葉を口にしてから、カレンは仕切り直しだとばかりに、『普段通りに』彼女の姉に対して挨拶する。その口上は、ここから先はいつも通りに貴女の『妹』として接します、という意思表示も兼ねている。信じて貰えたかと不安そうに見えるレイに対して、最適な返しとなればよいのだけれど。

>>レイ・ライゼンハイマー、3階ALL

2日前 No.82

雪鹿 @class ★Android=42zyboh5vZ

【校舎・4F・書道室→3F・コンピュータ室/柴南 芒】

らしくなく投げてみたくなったのかな、なんて言って笑みを見せた黒にお礼まで言われたが、当人には思い当たりがこれっぽっちも無かったので「お、おう?」と戸惑い気味に返事をした芒は内心で、黒が俺みたいになったらどうすっかな……なんて要らん心配をしてはいたが、それはそれで良いか!と、いつものように思考をぶん投げる。
その内、目が若干潤んだように見えた黒の様子に内心「あれ、加減出来てなかったか?」なんて焦ったが、その後に浮かべられた久々に見た気がする悪戯っぽい黒の笑みに俺も安心してつられたように「おう!楽しみにしとけよ!」なんて言って嬉しさに任せて同じように笑みを見せて応えた。弟達も心配してんだろうし、奮発して沢山作っとくか!……黒が食べ盛りの弟妹達と争奪戦になって勝てる未来が見えねぇしな。あとは、今面倒見てくれてるただろう桜季と……あとの二人は黒と相談だな。

「お、ありがとな!」

咄嗟の事だったので無理矢理持たされた形になった彫刻刀の一つを受け取って、怪我をしても困るので一応、肩に掛けていたエコバッグの中に入れて書道室のベランダに入っていきながら、ちらっとグラウンドの方を確認した。黒い影のような何かがグラウンドの倉庫の方へ向かっていく姿に一瞬目を奪われたが、寧ろ見てる方が不味いか……アイツが倉庫から出てくる前に事を片付けた方が良さそうだ。

一旦、開けておいた書道室の窓から中に飛び入って閉めておいた扉の鍵を音がたたないように開けたり、使えそうな物が他に無いかを探してみるが、やけに重たい手の平サイズの文鎮が二つばかりあったくらいで、後はあまり役に立ちそうには無い……一応、墨汁も持ってっとくか。ともかく、俺が僅かな時間で見れた範囲でゲット出来たのはそのくらいだ。
そうこうしている内に、美術室から来た黒が鞄を書道室の中に入れ込んでから、入ってくる。それに変わるようにベランダに出ていくが、すれ違い様に、ありがとな、俺が合図したら逃げるぞ、と笑って告げておく。

ベランダに出た彼は、脇目もふらずに綺麗な野球の投球フォームをとって、持っていたガラス玉を開けておいたものの僅かにしか見えない美術の窓へと向けて投げ入れる。当たるのは……まぁ、皮肉にも乾燥棚であったが、今回ばかりは行幸で派手な金属にぶつかる音と共にガラス玉が割れる音がした。
それを確認すれば、内心でガッツポーズを取りながらもすぐに書道室の中へ戻っていき、外の音を聞き取り自分達が此処に居ることを悟られない為にも息を潜める。一応、横目で確認した限りでは倉庫の方へ行った奴は目に見当たらない……セーフ、だな。

金棒が床に擦れる音が書道室の前を少し勇み足でもしてるかのように通り過ぎていったかと思えば、隣からガタガタ、と扉を開けようとする音がする。それから、数秒も経たずして四階に響いたのでは無いかと思うくらいの扉の破壊音。そして、再び金棒が引き摺る音がする。
今だ!と黒の背中を軽く叩いて合図をする。直に扉が開いて、出来る限り音は立てずに、それでいて出来るだけ急いでいるであろう黒のペースに合わせて階下へと階段を下っていく。十分に時間を稼いでくれた黒の人形も、そろそろ偽物だと気付かれた頃合いだろうか。階段の中腹へと辿り着き、階下に着いた頃には上から再び聞こえてくる金棒が擦れる音。
それは、苛立っているような、そんな足音にも聞こえるが、走る芒がそこまでの考察が出来る訳もなくて、ただ三階に着いて左右の様子を一瞥して伺う。何故か放り投げられたような椅子とぶっ倒れてるゾンビこそ居たが、起き上がろうとしていたので、ポケットに忍ばせていた文鎮を取り出しておく。そんなタイミングで下から窓が割れる音がして響く声……しめた!

「黒、こっちだ。走るぞ!」

下から鬼が降りてくる気配がしたので、呻き声をあげながら起き上がろうとしていたゾンビに見られると面倒なので頭部目掛けて文鎮を投げ入れてから、そっちの方を向かせない為に黒の服の裾をちょいと引っ張ってそれが居た方とは逆方向であり、唯一扉が開いていたコンピューター室へと全力で走り抜ける。ぐちゃ、と物凄く嫌な音―――例えるなら、腐肉に硬いものがぶつかって貫通とかめり込んだりする音……って多分、そのままだとは思うけども―――を聞かなかった事にしよう。出来れば死んで欲しいと思ったし、殺すつもりも正直あったけどな。

ともかく、彼は全力で走り抜けた為に身体能力の差で黒よりも速く中へと着く事になったわけで、黒が入ってきた後、すぐに扉が閉められるように、と咄嗟に扉がある方に身を寄せて黒が無事に入ってくる事を信じて待機した。
黒の足音の奥で鬼の重厚な足音と金棒の擦れる音が聞こえる。鬼の大きな足では日本の学校にあるような階段を歩くのは得意じゃないらしく、多少は遅れてるが、それでも時間は然程無い。いつでも助太刀に入れるように、残り一つの文鎮を手に握る。

頑張れ、負けんなよ、黒……!

>白詐欺 黒様、all

【私の方も大分作戦の終盤辺りまで成功してる感じで強引に進めちゃいましたが、不都合とかあったらある程度改変しちゃって大丈夫ですので……!
あと、芒は黒君が入ったらすぐ扉閉めて鍵かける予定ですので必要でしたら、その辺りの描写もしちゃって大丈夫です!】
>溺様

2日前 No.83

サムライ @samurai07 ★iPhone=QCAUNJ3bTK

【校舎1階下駄箱/津山丈介】

「ん!?何だこの煙幕みたいなのは…!?】

突然投げ込まれた謎の煙玉。さすがに丈介もこの事態には狼狽する。だが、彼自身は下駄箱の上に登っているので被害はない。しかし、田中ゾンビの姿が見えづらくなる。

「この野郎!誰だ俺の邪魔した奴は。ちっ、覚えてろよ、こんちくしょう。」

煙玉を投げてきた2人に小声で悪態をついた後、煙が晴れた。田中ゾンビも慌てふためていているらしく、ウロチョロと下駄箱を徘徊している。丈介はため息混じりに天井の蛍光灯を外して手に持つ。そして、下駄箱から飛び降り、あたふたしている田中ゾンビの口に蛍光灯を突っ込んだ。

「はっ!これでうぜえ歯は使えなくなったな。今だ、死ね!」

小回りの効かない田中ゾンビの手足を殺人鬼から奪ったナイフでズタズタとかっ捌いていく。田中ゾンビは反撃に噛みつこうとするが喉の奥にまで蛍光灯が突っ込まれているため、口を動かすことができない。終いには田中ゾンビは手足のない肉だるまになってしまった。

「あばよ、デブゾンビ。ちょっとだけ楽しかったぜ。」

丈介は無情にも田中ゾンビの身体を玄関から蹴り飛ばした。校庭の片隅に田中ゾンビの首と手足がなくなった胴体が蹴られた衝撃で2つに分かれて転がった。相変わらず、狂気に満ちた笑顔で外へ転がっていく田中ゾンビのバラバラ死体を見送っていた。その様子は猟奇殺人犯そのものだ。

「さて、疲れたから少し休憩するか。しかし、金属バットが錆びて使い物にならなくなった…新しい武器を探すかな。」

金属バットは田中ゾンビの体液で錆びて折れ曲がってしまっていた。丈介はバットをその辺に捨てる。その時、この一連の流れを見ていた視線に気づく。

「誰だ…お前は?俺に何の用だ。」

その瞳はアキを睨みつけていた。余談だが、志穂は無事か…そんな感情は丈介には存在していない。

>>黎明アキ様、古原志穂様、周辺ALL


【気づくのが大変遅れてすみませんでした。アキ様、よろしくお願いします。しかし、丈介は今までに殺人鬼1体、ゾンビ3体とキル数はトップじゃないでしょうか。これは丈介の名前がウーくんのSNSのホットワードになる日も近い(笑)】

2日前 No.84

紅虹 @sidem5431☆iGlpyIQnxD2 ★Ao99mij1M0_GKj

【校舎・1階・下駄箱/黎明アキ】

 何かいい策は…そんな事を考えていると向こう側に人影があるのに気がついた。
確かあれは…私の縄を切ってくれた二人組だ。無事に殺人鬼からは逃げられたのか。
それはよかった。…ではなく、
片方がなにかこちらに向けて投げてきているではないか。

 まさか爆弾かなにかかと一瞬身構えたが、実際は…

(煙玉…?)

周囲は煙に包まれ視界は酷く悪くなる。上にいる男は煙の外だが、ゾンビと女はその中だ。
「これで逃げろ」なんてメッセージなのかと思うが、男は降りてくる気配がない。
…それどころか

・・・・・・・・・・・・・・・
煙が晴れるとゾンビに殴りかかった。
蛍光灯を引き抜いてゾンビの口に差し込むやいなやそのままナイフでズタズタに引き裂いた。
…私の力必要ないみたいですね。
だって実際こんなバーサーカーがいるんじゃ助けに来なくても一人でボコボコにできるんだもん。
そりゃ数が多ければ援護は必要になるだろうけども。
相手はゾンビ一体だ。雑魚相手にロケラン使っているような物。
ゾンビは多少息がある(死んでいるけども)ようだがもはや動くことはできないだろう。

 見事な制圧(ただの暴力)に感嘆の声をあげそうになるがそうともいかない。
男は私のほうを睨み付けてきた。

「誰だ…お前は?俺に何の用だ。」

そういうものなのだろう。他人が何も言わずに見ているとそういう反応をするものだ。
ゾンビを狩りに来た旨を素直に伝えるべきか、通りすがっただけと言うべきか一瞬悩んだが
…まあ前者でいいだろう。言い方次第では殴り倒されるのではと少し緊張するが、

「ん、私?ゾンビに噛まれたって叫び声が聞こえたから走ってきただけだよ。」

…ほとんど回答になってない気がする。支離滅裂な思考・発言とはなってないだけマシか。

>>周辺ALL


【煙玉投げるシーン完全に忘れてたのは秘密です(核爆)】

2日前 No.85

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★YRuDhSwQ0p_ouC

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2日前 No.86

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★YRuDhSwQ0p_ouC

【 食堂 / 対馬小路天衣 】

 櫛風沐雨と形容するにはあまりにも温い三十分を過ごした。デスゲームの最中とは思えぬ穏やかな時間。それを甘受していた反動なのか、いきなり姿を現したこの怪しすぎる男は。巨漢で坊主頭なのはまだ良い。シンプルなジーンズと安全靴にも文句は無い。が、よりにもよって『人狼』と書かれたTシャツに狼を模した被り物。これは駄目だ。センスもそうだが、タイミングが最高に悪すぎる――否、最悪に最悪すぎる。
 仮に彼が張三李四のありふれた男だとしても、敵に人狼がいるデスゲームの真っ最中にその恰好をしている時点で平穏に生き抜く術は失われていた。……いや、そもそも彼は本当に一般人なのだろうか。いくら何でも発言内容が食欲に溢れすぎていて人狼ムーヴが凄いし。これをわざとやっているならリアル狂人っぽくてデスゲーム進行の邪魔になりそうだから殺害、わざとじゃなくやっているならそれはそれで馬鹿っぽくて役に立たない気がするから殺害、で良い気がしてきた。
 投げやりで物騒な方向に思考が至る。そもそも男ってだけでなんか好きじゃないんだし、ここは好きな女の子の安全のためにも迷う暇があったらさっさと刺し殺すなり殴り殺すなりしたほうが良いのでは……? 無表情の裏側でそんなことを思って、こちらを高い視点から見下してくる人狼(?)男に箸箱を構える。スライド式のフタの入れ物に中身のお箸がぎっしり詰まっていて、このまま投げれば視界を奪うには充分な代物だ。それで相手が怯んだ一瞬の隙を突き、女子バスケ部の一年生レギュラーとして鍛えに鍛えた脚で距離を詰める。そしてフォークを眼球に向かい思い切り振り下ろす。いくら体格での有利があちらにあっても、片目さえ奪ってしまえばこちらもやり用はあるはずだ。できれば両目とも奪いたいが、欲をかけば相手から反撃を喰らう恐れがある。ヒット&ウェイ。当てたら逃げる戦法で臨もう。

「おらんよ、女子中学生と女子高生を相手に『食いてえ』なんて言うような変質者の知り合いは。――第一われ、喰いてえって。そりゃアレか? 犯(ヤ)りたえって意味か? それとも殺(ヤ)りたえって意味か?」

 絶世には及ばずとも美貌と書いて差し支えない、けれど無愛想極まりない面に鋭い敵意を携えた天衣は、鵺を庇うように彼女の前に立って男を睥睨する。鵺の構えた折り畳み傘が、場合によっては自分に振り降ろされるかもしれないことは薄々感じている。それがどうした。こんな状況にいきなり放り込まれてしまった、不安で不安でたまらない、頑張って自分が生き残りたい女の子が良くも悪くも一生懸命なだけなのだ。それにいちいち目くじら立てるほど天衣は女嫌いじゃない。むしろ女好きだ。いるだけで不快な男どもと違い、女の子ならいてくれるだけで癒し。その癒しが警戒心を抱く対象を目の前にいる。ならば自分が守ってあげよう。天衣自身とて警戒の対象であることを承知の上で。
 台詞の前半は鵺に向けたもの、後半は男に向けたもの。これで次に少しでもマトモだと感じさせてくれるような言葉が返って来なければ、予定の通りに殺す気で攻撃しよう。ひょっとしたらこの映像とてネットやテレビに配信されていて、画面の向こう側で何処かの誰かさんが天衣を侮辱してくるやもしれないが……何、同じ人間に嫌われた程度じゃ人間は死なない。ヒトがそんなに脆い生き物なら、自分の父親は娘に抱かれている嫌悪感だけで五回は死んでくれているはずなのだから。

「鵺。逃げたきゃ逃げてええ。その時は足止めしてあげーし、おらが勝手にやったことで恩を売ー気も無えけん」

 鵺にだけ聞こえるごく小さな声量で呟く。相手は決して裏切らない、と思い込むことを『信じる』と表現するなら、天衣は鵺のことを信じているわけではない。そもそも自分が相手を勝手に守ろうとしているだけなので相手が何をしようとそれは裏切りでは無い、という考えは、『信じる』ではなく『愛する』だ。数秒前に女好きを自認した、その舌の根も乾かぬ内に前言撤回しよう。対馬小路天衣は、女を好いているのではなく女を愛している。父親という名の最低のクズと結婚してしまった以外には何の欠点も無い、聖人のごとき母が『女』だから。――女だから、女だから、女だから。鵺が女だから、ただそれだけの理由で自分はここで死んでも後悔しない自信がある。し、ここで殺してしまっても相手が『男』だからというだけで後悔しない自信がある。生粋の女贔屓で男アンチ。発揮される場所が日常生活からデスゲームに変わっても、今日も今日とて天衣の女尊男卑は健在だ。

>毬米蔵鵺様&丸山たけし様&ALL様

2日前 No.87

くら子 @kura003☆pak20/nYiv6 ★wyf4VWw0x0_ouC

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2日前 No.88

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

【校舎・2F・視聴覚室/不破風見】

幸か不幸か、風見の潜り込んだ掃除用具入れは僅かな隙間から外の様子がわかるようになっていた。そのため風見には狭い隙間からではあるが掃除用具入れの外を確認することが可能だったのである。普段はこんなにはっきりと物が見えることなどないのに、この時の風見の見る風景は不気味な程鮮明だった。見たくないのに、出来ることなら目を閉じていたいのに、目蓋だけ金縛りに遭ったかのように動かない。初めは爆音から耳を守るためにそれを塞いでいたが、今は外界の音をシャットアウトしたくて、風見は両手を強く耳に押し当てた。
鈍い音を立てて扉を殴打して入ってきた鬼。彼(と一概に言って良いのかわからないが)はまず映画の爆音に僅かにではあるが顔をしかめたかのように思えた。もともと厳めしい顔をしているので実際どう思っているのかは風見にはわからない。鬼の心人知らず、という奴だ。鬼は不思議そうに首を傾げてから、相変わらず金棒の音を立てながら視聴覚室を徘徊する。時おり上げる雄叫びに風見は必死で息を殺しながらその頼りない肩を震わせていることしか出来ない。

(来るな、来るな来るな来るな!!こっちに来るな、あっち行け、あっち行けあっち行けあっち行け出てけ出てけ出てけ!!!)

口に出すことは出来ないので心の中で叫びながら風見は鬼の様子を窺う。鬼はやはり音がした窓が気になるのかそちらに近づいていった。あのカーテン一枚の青年が見つけられないことを風見は一生懸命に祈る。だってあの鬼は“恐らく既に人一人を殺している”。つまりはそういった経験がお有りなのだ。あってもなくてもいっしょだろ、と突っ込まれそうだが扉の近くにこびりついた赤黒いそれは恐怖心を煽るにはもってこいの材料である。見つかったら自分もああなる。そう思うと鳥肌が止まらなかった。
鬼は少しの間窓の近くに滞在していたが、やがて此処には誰もいないと判断したのか視聴覚室を出ていった。でもまだ安心は出来ない。だっていつ戻ってくるかわからない。歯をガチガチ鳴らしながら、風見は掃除用具入れから出られずにいた。そうしているうちに、カーテン裏からあの青年が出てきて、風見へと出てきて良いと促した。その声で風見は恐る恐るといった様子ながらきぃ、と音を立てて掃除用具入れから顔を出す。いない、鬼はもういない。いるのは自分とカーテン一枚の青年だけである。

「…………はぁぁぁぁ〜〜、良かったぁぁぁぁ〜〜〜〜……!!」

安心感からだろうか、ずるり、と吊るされた糸の切れたマリオネットのように風見は床にへたりこんだ。慣れたいわけではなかったがあの爆音にも慣れてしまったのか手を退けてもややキンキンするだけである。しかし風見にとってそんなことはどうでも良くて、鬼を撒けたことが何よりも大きかった。

「ああもう本当に良かったぁ、やっぱり神様に見捨てられてなんかなかったぁ……。うぐっ、えぐっ、死ぬかと思ったぁぁ〜〜……!」

安堵からぼろぼろと涙も出てきて、しかしそれを憚ることなく風見は年甲斐もなく泣きじゃくった。美少女ならもっと綺麗に泣くのだろうが、風見のそれは幼子に近かった。いつまでも手で擦っている訳にもいかず、風見はポケットからティッシュを取り出すと良い音を立てて洟を噛んだ。

>>薛樵様、周辺all様

【明日のレスの件、了解いたしました!わざわざご連絡くださりありがとうございます……!
作戦大成功ですね!やったー!風見が年甲斐もなくギャン泣きしてます、あんまり綺麗じゃないもの見せてしまってごめんなさい……!】

2日前 No.89

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★YRuDhSwQ0p_ouC

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2日前 No.90

@itxmm☆OxYUdDLLJjM ★iPhone=uSyqKf7JNY

【 校舎・4F・書道室→3F・コンピューター室 / 白詐欺 黒 】

 せめて、という気持ちで無理矢理渡す形になった彫刻刀が生かされる時がくるかは分からないが、嫌な顔をせず受け取ってくれた芒に安堵のため息をこぼす。いや、一々安心するようなことではない事は自分でもわかっているのだが、やはりこんな状況になってしまうと小さな事一つひとつが安心材料になっていく。不安が焦りに繋がるし、安心というのはすぐに磨り減ってしまうものだから、こまめに補給していかなければ。

 美術室でやることを終えて書道室に入ると、入れ違いになるように芒がベランダの方へと出て行っては、感謝の言葉と合図をしたら逃げるぞ、という言葉に小さく頷く。感謝をされるほどのことをしたつもりはないが、今それを言うタイミングではないし、今が少しでも落ち着いた時にでも言うとしよう。
 黒が芒の健闘を祈りながら書道室で息を潜めていると、隣から聞こえてきたなかなかの大きな音に思わず肩を揺らすが、声は出さないようにと咄嗟に手で口を押さえる。すぐに書道室に入ってきた芒を見て、寧ろこれからが勝負だという雰囲気に小さく唾を飲み込むと、先程までじわじわと近づいていた金棒の擦れる音が今となってはほぼ真隣に聞こえる状況に心臓が早鐘を打つ。擦れる音と足音が自分達の横をきっと通り過ぎた時、美術室の扉を開けようとしている音まで聞こえる。ついには鍵を壊したであろう破壊音まで聞こえ、足がガタガタと震えていた時、芒に背中を叩かれて一瞬で黒は物音を立てないようにして書道室から急ぎの忍び足で出て行く。
 あんなにも震えていた足がこんなにも動く。1人だったら確実に動けないままゲームオーバーだったかもしれない。目の前の芒が自分を気遣ってくれているだろうスピードに申し訳なさはありつつも、足の長さというリーチのおかげで階段を下る時は2段、3段飛ばしで走る事ができた。
 何か呻き声のようなものが聞こえ、そこに何があるのか想像で分かってはいてもそちらに目を向けようとした時、芒に「こっちだ」と服の裾を軽く引っ張られて、黒はまた芒の後に続く。とは言え、やはり身体能力の差というのは非情なもので、そろそろ黒の体力やスピードも落ちてきていた頃、今頃階段を下っているであろう金棒を引き摺る音に、擦り切れそうな体力を振り絞って唯一空いたコンピューター室に芒よりも遅れて黒も飛び込む。

 大学に入ってから殆ど運動なんてしていなかったもので、コンピューター室に入るや否や「ごほっ……」と咳込みかけたが、まだ油断ができない状況にまたもや手で口元を押さえて、黒が飛び込んできた瞬間に、芒は扉を閉めて鍵をかけた。安心、とはまだはっきりと言えないが、ひとまずやる事はやれた。きっと。
 まだ声を出すのは危ないだろうか? 鬼に自分の姿を見られてはいないだろうか? 全力で走ったのなんて久々すぎて息が苦しくて耳に入る音が自分の心臓の音が邪魔ではっきりしない。

 「す、芒、どう? 大丈夫そう……?」

 声を最低まで下げて、迷惑にならない程度の短い言葉で、自分より元から耳がいい方である芒に問いかけてみる。これくらい自分でなんとかしたいのだが、自分の心臓がうるさすぎて自分の発した声とコンピューターの作動している音くらいしか聞こえなかった。

>>紫南芒様、all様


【鍵かけ描写させて頂きました! 黒は芒くん頼りまくりですね……。】>>雪鹿様

2日前 No.91

漆黒の冒険者 @andouken ★BxGXTrkAtu_UHY

【食堂:丸山たけし(NPC)】

汗だくの大男の出現に驚きを隠せない少女達だったが毬米蔵鵺と言ったか
彼女はまだ中学生の方の対馬小路天衣と名乗った少女の知り合いの可能性を考えているが
 当の本人から否定されたうえ変質者呼ばわりを受けたけしの言った言葉が
犯(ヤ)りたえって意味かそれとも殺(ヤ)りたえって意味かと問われここでも慌てたたけしはまたも失言を

「………やるかやるか………あぁそう言う意味でどっちかと言うと犯りかな?って」

 音の上では伝わらないだろうが何かを揉むようなニギニギと指をくねくねさせていては
それが犯りたいと言う意味だと伝わるだろうが、それが失言だと気づき顔面蒼白になるも時はすでに遅かった
 不味い不味いと言う言葉が頭の中を走り回るもう彼女等の頭の中では自分はレイパーと思われていてもおかしくない
むしろそう思わないとしたら余程頭がお花畑な子だろ………がその期待はかなり薄くすでに
 天衣ちゃんは自分を敵だとみなし鵺さんを逃がすための足止めをしようとする様子ゾンビも殺人鬼もいない状況で何の足を止めるか
そんな事は園児ですら見ればわかるだろう自分だ


「ちょっと待っておくんなまし!今のはせめて殺人鬼とかに殺される前に一度くらいは………」

 一度くらいはと言いかけた所で言葉を詰まらせる。自身の言葉がつまりは一度も経験が無い事を
初対面の相手に告げてしまった蒼白だった顔が途端に真っ赤になり話題を変えようと

「やるとやるじゃなく………その俺はこんな格好で………だから服を脱いでくれないか」

 強面で人相が悪いのは承知の上で出来る限りのキメ顔で意思を伝えた
何時までも人狼Tシャツは不味いが上半身だけとは言え裸も不味いだろうが、着替える服が無い
 それ故に服を譲ってもらおうと交渉を持ちかけ机の上に持っていた紙袋の中身を出し
必要な物があれば譲ろうを思うも入っていたのは、竹とんぼ、肉まん、カーテンを止める器具、スコップ、
 一番ナイフ代わりにの武器になりそうなスコップ持ちジリジリと彼女達との距離を詰めていった
これもいきなり近づかいない駆け寄ったら驚かせるだろうと彼なりの気づかいだが吉と出るか凶と出るかは分からない





>>対馬小路天衣様、毬米蔵鵺様

2日前 No.92

サムライ @samurai07 ★iPhone=QCAUNJ3bTK

【1階校舎下駄箱/津山丈介】

「何だ、あんたはただの野次馬か。なら、俺には関係ないことだ。」

アキの返事を聞いてため息混じりにナイフをスカジャンのポケットにしまう。現在、丈介の武器はナイフのみ。金属バットは使い物にならなくなったので破棄した。

「後ろの女も怖気付いたのか何もして来ねえし…腹減ったし、少し休むか。まずは…水分補給でもしてくるかな。」

丈介とて人間だ。空腹にもなるし、喉も乾く。丈介は廊下の先にある保健室に目を向けた。そして、アキの方に向かって歩く。別にアキに殺意はない。だが、片目が血走ったように赤く、しかも、今の今までゾンビをおよそ人間とは思えない残虐さで解体していた人物だ。これで警戒しない方がおかしいだろう。

「とりあえず道を空けろ。邪魔だ。俺とやりてえなら話は別だが…」

殺人鬼とゾンビとの連戦で少し疲労は見えるものの、アキに威圧感たっぷりの目を向ける。どうやら先ほどアキと雫が進んできた道に入ろうとしているらしい。後ろの志穂の存在はすっかり忘れているようだが。

>>黎明アキ様、古原志穂様、周辺ALL


【アキ様は丈介に従って、撤退しても、食べ物や強敵の情報で懐柔を図っても、殺人鬼や鬼に対する用心棒や囮にしても、危険だからと殺そうとしても、どれでも構いません。何もなければ丈介は保健室に移動します】

1日前 No.93

坂本通 @arthur ★iPhone=iMggi8xxKR

【校舎・1F・1- A教室/坂本通】

 通と美少年の精神的な距離は物理的な距離と等しかったが、その認識は通のものだけであったらしい。物でも取るかのように軽い足取りで、彼は通の隣にまでやって来た。緊張をほぐすように諭されはしたものの、この距離感に通の身体は強張るばかりである。他に利用客のいない電車内で、隣に人が座って来たかのような、独特の気まずさが強まる。
 最も彼は気にした様子もなく名乗り返した。変わった名前だと通は思った。苗字はともかくとしても、虚という言葉はあまり良い意味に捉えられない。彼の親がどんな意味を込めたのかは想像もつかなかったが、彼の名前だと思うと不思議としっくり来る気がした。
 そして、彼からその下の名前で呼ぶように言われてしまう。加えて砕けた口調でも構わないとの事だったが、初対面の人間に馴れ馴れしくし過ぎるのも抵抗があった。

 「えっと、じゃあ虚さんって呼びます……呼ぶね」

 間を取る形で呼称を決めたが、さすがに言葉遣いは探り探りになる。法や神が平等を決めても、人は心の中に上下を作るようだった。
 そのくせ、平等に同じ立場という言葉には通は不吉な光景を蘇らせる。校庭で惨死した男子生徒を自分に置き換えて、僅かにだが想像してしまった。
 不愉快だが、現実味のある想像を振り払う為に、自然と机を動かす速度を早めようとするが、美少年こと虚はその行動に待ったをかけた。

 「そのつもりだけど……なにかまずかったりする?」

 聞いておきながらも、バリケードを張ることのデメリットも通は思い当たっている。
 確かにバリケードがあれば突破こそされづらくはなるだろうが、逆に言えば突破されてしまった時に逃げ道も塞がれるのだ。一階なので窓から脱出する手段もないわけではなかったが、その窓から侵入されれば目も当てられない。
 それに食料をはじめとするアイテムがこの校内にはいくつか存在しているらしい。今、バリケードを張ることはそれらの探索をひとまず先延ばしにすることになる。
 理屈では探索を優先して然るべきなのだろうが、今の通は本能的な恐怖心に突き動かされている。

>>薄氷虚

1日前 No.94

雪鹿 @class ★Android=42zyboh5vZ

【校舎・3F・コンピューター室/柴南 芒】

道中は大して離れてなかったし多少は気遣う余裕もあったので、段々と黒の走るペースが落ちてきていたのも限界が近い事も分かってたが、今の状況では何とか頑張ってもらうしか無かった。もちろん、転んだりしたら助太刀に行くつもりだけどよ、不測の事態っていうのが起こるかもしれないだろ。その時はその時でどうにかしてみせるしかねーんだけどな!仲間を見捨てるなんざ、柴南 芒の辞書には無いって奴だ!

ともかく、そんな思いと共に扉の裏で黒の足音と鬼の金棒が床や階段に擦れる音を聞きながら、扉の鍵の部分に手を掛けて何時でも閉められるように準備をしておく。鍵を掛ければ、数秒でも時間を稼げるのは美術室の罠で確認したばかりだ。もし、見付かってもベランダから逃げる位の時間は稼げるかもしれない……正直、黒にはこれ以上無理はさせたくないし、そうなったら最悪のシチュエーションには違いないんだけどよ。
待っていた時はすぐにやって来て、黒が開いていた扉から飛び込むような形でコンピューター室の中へと入る。距離的にはそこまで遠いってわけでも無かったはずなんだが、緊張感とかそういうやつのせいで俺が入ってから黒が飛び込むまでの僅かな時間が、やたらと長く感じた。
黒が飛び込んでから、すぐに扉を閉めて鍵も掛けておく。焦りからか、多少の音が立っちまったが、下で何か聞こえてくる音やらで上手くかき消えたもんだと信じたい。黒が咳き込みかけた姿を見て、本当はすぐにでも頑張ったな、って声を掛けたかったが、この時ばかりは流石にそういう訳にもいかなかった。まきっと、ゾンビにも鬼にも見られてはないとはいえ、まだ終わってない。後は、上から来た鬼がさっきのガラスの割れる音とかにつられて下へ向かってくれる事を祈るだけなんだが――――。

額を伝う汗を感じながら、耳を澄ませて鬼の動向を探っておく。階段を降りているせいで跳ねたような金棒の音は三階に到達した事で擦れる音に変わり、一度止まった。不味い、バレたか……?
サッ、と血の気が引いていくのを感じた。体温が奪われてくような寒気を感じて表情も一瞬険しい物へと変わったが、希望を信じて音を聞き続けていく。黒の問い掛けは勿論聞こえていたので、ちょっと申し訳なさそうに眉尻を下げて「わりぃ、もうちょっと待っててくれ。」と答えを先送りにしておく。
音は少しの静寂を経て、また擦れる音を少し出した後に、また跳ねるような音を出して遠退いていくのを感じた。生憎、それが上下のどちらかは分からなかったが、それでもひとまず安心するには十分すぎる。あまりに上手くいったので、ちょっとだけ口元がにやけてしまった。

「うし、もう大丈夫だぜ。身体、平気か?よく頑張ったな、黒!」

ふぅ、と一息吐いてから汗を拭って黒の方へと向き直って、無事に二人とも逃げ切れた喜びの中に黒の体力とかの心配する気持ちもあったが、それでも普段よりも嬉しそうにニカッと快活な笑みを見せれば、拳を合わせるためにひょいっと黒の前に突き出した。それは負けたとしても勝ったとしても体育の時間の試合で一緒に戦った時とかによくしてる芒の癖みたいなもので、昔馴染みなら大体は見覚えのある仕草だろう。それでも、本当に信頼してる相手位にしかやんないけどな。

それにしても、と辺りを見回せば数々の電子機器もといパソコンの数々……ううむ、妙なとこに来ちまったな。コンピューター室っていうのか?俺が一番縁のねぇ部屋に来ちまった。いや、鬼灯が確か得意だった気がするし、丸っきり無くはねぇけどよ。それでも、俺が一番苦手な事かもしれねぇな……この前、妹にネット通販とか言うのが分からなくて笑われたし。取り敢えず、此処に居るわけにはいかねぇってのは確かだ。俺も飲み物も食い物も、ついでにバイクも置いてきちまったもんだから、このままだとじり貧になっちまう。まっ、向かうとしても俺も疲れたし休憩入れてからだな!

「そういや、飲み物か何か持ってんのか?一応、暫くはここで休むけどよ……大分疲れたみてぇだし、あるんだったら飲んどけよ。」

黒の様子を見て飲み物でも渡そうか、と考えたが液体は残念なことに先程拾ってきた墨汁位しかなかったもので、買い物後だったらなぁ、と内心で少しばかりへこみながら、黒が自分で持ってる可能性もあるので持ってるなら飲むように、と促しておく。芒本人は多少汗をかいている位で然して疲れたような様子は無いが、それでも緊張からの疲れは溜まってた。喧嘩の緊張感とは、また違った最悪の緊張感ってやつだよな。出来れば感じたくなかったぜ……。

>白詐欺 黒様、all

【芒はなんだかんだで頼られ慣れてるし、頼られると嬉しいタイプなので、ドンドン頼ってやって大丈夫ですよ!】
>溺様

1日前 No.95

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

【校舎・2F・視聴覚室/不破風見】

普通こういった場面ではほろほろと透き通った涙を流しながらふにゃりと柔らかな笑みを浮かべるのが常套のはずなのだが、あろうことか風見はずびずびと洟を噛むわちゃっかりティッシュをなんとか無事だったごみ箱に投げ捨てるわとリアリティー溢れる対応に走っていた。残念ながら風見は二次元を好んでいてもそこまでのクオリティーを追い求めはしない。其処まで自分の容姿が追い付いていないとわかっているのだろう。現実をよく理解していることが悪いとは言わないが、いくら気が緩んでいるからといって年頃の女子中学生が人前でやって良いことと悪いことがある。イケイケキメキメのJCとかJKがこの場面を見たら悲鳴をあげてトンズラするか風見が滅茶苦茶怒られるかのどちらかであろう。

「あっ、そうでしたね……名前……」

青年に声をかけられたことで、止まらぬ鼻水の処理に追われていた風見は彼と取り交わしていた約束について思い出す。この数分間に色々とありすぎてすっかり忘れていた。会話って大事なんだなぁ……と某詩人のような語感で内心しみじみとしつつ、風見はまず青年の名前が薛樵ということ、彼の名前は読みでは長いが漢字に著すとたったの2文字になることを理解した。

「私……私は、不破風見といいます。関ヶ原……不破関の……じゃなくて、破らずの不破に、風を見るで風見って書きます。私のことも、好きに呼んでくださって構いません。あ……あと、中学二年生です。バドミントン部に所属してます。補欠ですけど……」

普段決まった友達としか話していないのが仇になった。ややたどたどしい自己紹介になってしまい、もうちょっとちゃんと考えておけば良かったと後悔する。クラス変えの自己紹介も淡白なものになりがちで、今年のクラスで友人が出来たのはちょっとした奇跡だったことを忘れかけていた。機会がなかったらぼっちだって夢じゃなかったかもしれない。

「ふふ、じゃあ樵君って呼びます。……大丈夫ですよ、私はそんな風に呼んで楽しむほど外道じゃありません。未使用の下着さえ見つかってしまえば私のジャージがあります、希望を捨てずに頑張りましょう」

男子生徒とはあまり話すことのない風見だが、樵のコミュニケーション能力が高かったのもあってか、先程よりはだいぶと表情を明るくさせてそう言葉を返した。気を許してしまうと自然と口数が増えてしまうタイプのコミュ障なので、これから吃ったり緊張したりすることはよっぽどの事件でも起こらない限りないだろう。先程命を助けてもらったようなものだし、出来ることなら恩返し的な何かをしたい。そんな訳で風見は樵のために未使用の下着を探すことをサブクエストとして登録した。女子中学生がカーテン一枚の青年に向かって「未使用の下着さえ見つかれば大丈夫」と言っている絵面は何とも言えないものがあるが、風見が良いのなら全て良しとしよう。少しでも目標が出来るのは悪いことではない。

>>薛樵様、周辺all様

【樵君コミュ力高い……しゅごい……(感謝) 改めてよろしくお願いしますー!】

1日前 No.96

紅虹 @sidem5431☆iGlpyIQnxD2 ★Ao99mij1M0_GKj

【校舎・1階・下駄箱/黎明アキ】

「何だ、あんたはただの野次馬か。なら、俺には関係ないことだ。」

 野次馬といえば野次馬だろう。そりゃそうだ。頼まれても無いのに駆けつけられてもそうとしか言えない。
ナイフを持っていたのには正直気づかなかった。どうやって調達したのかは分からないが、
あの強さからして殺人鬼を葬って入手した物ではないかと考えた。
…そうだとすると凄まじい強さであることが分かる。
殺人鬼を一体倒し、ゾンビ一体とそれに噛まれたデブのゾンビを倒したという事になる。

 圧倒的だ。そうとしか評しようがない。
念のため聞いておこうと思ったが、じきに分かるだろうと思ったのでやめておく。

「とりあえず道を空けろ。邪魔だ。俺とやりてえなら話は別だが…」

 やれるわけないじゃないか!やりあってもフルボッコにされるのは目に見えている。
大体そんなことしたところで私含め人類にメリットは何一つない。
私が勝ったとしてもそれは超絶強力な戦力を失うという事を意味する。
もしそうなったら生きのこれても「戦犯」の烙印を押される事になるだろう。
まあそんなこんなで、特に情報があるわけでもない(し、視線がキツい)ので、私は道を空けた。

 …それで、だ。さっきゾンビに襲われていた女の存在を完全に忘れていた。
引っかかれたりしていたら女は第三のゾンビになってしまう。
それだけは避けたかったので、一応怪我をしていないか確認しておくことにした。

「…ところでそこのお姉さんは怪我とかしてない?」

>>周辺ALL


【特に何もありませんでした。】

1日前 No.97

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

【校舎・1F・1-A教室/薄氷虚】

通から虚さんと呼ぶ、と言われて、虚はそれこそ自分の周りにお花畑でも出来てしまうのではないかという程度には表情が華やいだ。虚としては慣れないけれども虚さんと下の名前で呼んでくれる通が微笑ましいのだろう。年も其処まで離れているわけでもないのに、と突っ込まれてしまいそうだが、虚には変に達観しているところがあるからかどうしても年上からの目線になってしまうようだ。実際虚の方が年齢は上なのだろうけれど、まだ確証も得られないうちから年上面するのはどうかと思われる。虚に悪気は微塵もないのでそもそもこんなことを言って失礼ではないかな、とかいう配慮はなかった。

「うん、うん!そう呼んでもらえて僕も嬉しいよ。改めてよろしくね、通」

至極嬉しそうにしていた虚だったが、ふと通の表情が浮かないことに気づく。たしかにこんな状況で初対面かつ見ず知らずのはっきり言ってしまえば怪しすぎる奴に、いきなり馴れ馴れしくされたら誰だって戸惑うだろう。しかも今はデスゲームの真っ最中だ。他人を疑うのはもっともなことである。虚は少し自分の行動を恥じた。これでは親しむどころか余計な壁を造ってしまっただけではないか。もっと人付き合いをちゃんと学んでおけば良かったのかなぁ、と内心で首を捻りつつ、虚は通の問いかけにうつむけていた顔を慌てて上げた。いけない、考え事をしていて話を聞いていなかったなんてまさに本末転倒という奴だ。そんなことになったらたとえデスゲームの真っ最中でなくても相手に避けられてしまう。

「うーん、バリケードを作ることが悪いこととは言えないけれど、まずは下準備が必要だと思うよ。今見た限りでは此処に食べ物とか飲み物はないし、外の様子を探ることの出来るメディア機器もない。それに通、お手洗いとかはどうするつもり?あと一週間我慢するなんて僕には出来る自信がないよ」

諭すように、しかし不足点をはっきりと虚は指摘する。虚とてまだこのデスゲームが始まって間もないので、この校舎がどのような造りや教室配置になっているのか、設備は整っているのかを一概に知っているとは言い切れない。それに現在どれくらいの参加者が生き残っているのかもわからない。不明な事柄は何事でも足を引っ張るものである。少なくとも虚は、この時点でバリケードを作ることは得策ではないと考えていた。

「でもね、バリケードを作るって案は良いと思う。でもこの教室じゃあ心もとないし、僕たち二人きりっていうのも気まずいものだ。だとしたら、食料や必要なものの調達がてら、バリケードを作るのに適した場所を探そうよ。ほら、ゾンビの対策もしなくちゃいけないでしょ?またとない機会なんだから、作るには徹底的にやろう」

ぱっと両手を広げて、まるで子供のように虚はこれからの行動計画について大まかにだが通に提案した。デスゲームという状況が決して喜ばしいものではないことは虚もわかっている。しかし、置かれてしまった状況はもうどうしようもない。だとしたら今自分に出来る最善のことをするだけだ。━━━━そう考えていたところで、虚は自分が閉めたはずの扉が再び開く音に気づく。まさか襲撃か。そんな懸念から咄嗟に振り返ってしまったが、虚の目の先にいたのはぶるぶると震える年端も行かない一人の少女だった。

「ごめんね、驚かせちゃったかな。此処に怖いものはないから、安心して。具合が悪いなら、保健室も遠くないし、遠慮なく言ってね」

少女のもとに近付くと、虚は彼女の目線に合わせられるようにと腰を屈めて柔らかな口調で話しかける。まさかこんな幼さの残る少女までデスゲームに参加させられているとは。表情にこそ現さないものの、虚は内心で僅かに驚いていた。

>>坂本通様、白河雫様、周辺all様

1日前 No.98

蟻宮 @arimiya ★y7VU2lOjOV_a2e

【 レイ・ライゼンハイマー / 3F / 図書室 】

「ふふ、無事でなによりだよ。ごきげんよう、カレン」

先程まで自分に向けられていた懐疑の念が完全に消え、そこにはいつも通りのカレンの姿があった。こんな状況と、まるで日常の様に自然なその挨拶とのギャップに笑みをこぼすと、レイもその意思表示に則って同じように挨拶を返す。
身の潔白も証明されたことでその顔にはいつもの自信に満ちた輝かしい表情が戻ってくる。普段ならばその自信に特別な理由もなく、いわば「何となく自信ありげ」なだけなのだが、今この時ばかりは違った。カレンと共にいる。なんの根拠も無いが、その事実はレイに確かな安心感と前向きな気持ちを呼び起こさせていた。

「さて、お互い本物とわかったところで再会を祝して抱擁を交わしたいところだけれど――どうやら、そうはいかないらしい。足音が聞こえた。靴の音だし、声も聞こえるからきっと他の生存者だね」

そういえば中途半端に開いたままだった両腕を下ろし、いつもの様に背筋の伸びた凛とした立ち方に戻る。カレンとの身長差はそれほど大きくない為、視線は若干下に向く程度に落ちて彼女の目を捉える。
既に冗談めかした口調で喋れる程度には精神的に安定したらしく、廊下から聞こえた複数の足音に注意を向けた。それを追うように金棒が引き擦られる音がけたたましく木霊するのを聞き、恐らく鬼に発見されて逃げてきた生存者がいたのだろうと予想する。扉の開閉の音などから察するに、どうやらコンピューター室に入ったようだ。性別や人数などまでは音で判別できなかったが、少なくとも近くに人がいるという事実は間違いないだろう。カレンもいるこの図書室に逃げ込まれて、危険を引き連れて来られることがなく良かったと少し安心してしまう。
人が逃げてきたならば、敵も追ってくる可能性が高い。逃げるにしても隠れるにしても、何か道具を持っている方が便利だろうか。運動もできるとはいえ、鬼の様な大柄な相手とまともに渡り合えるとは考えにくい。消耗しない為にも戦わずにやり過ごすのが得策だろうからと、気を逸らしたり怯ませるのに使えるものを探すべきだろう。今持っているものではバッグや水筒当たりが使えそうだが、今後の事を考えるとどちらも手放したくない。やはり手近なものを見つけて所持するのが良い。
顎に手を当てながらそんな事を考えると、改めてカレンに向き直り言う。

「カレン、何か……使えそうなモノはあったかい? 敵の注意を逸らすか、一瞬でも怯ませて時間稼ぎできるものがあったら私も持っていたいんだ。あとは、他の生存者と合流したいかどうか、君の意見が聞きたい」

>>カレン・グレアム、周辺ALL

1日前 No.99

@itxmm☆OxYUdDLLJjM ★iPhone=uSyqKf7JNY

【 校舎・3F・コンピューター室 / 白詐欺 黒 】

 黒が不意に尋ねた言葉に、芒からもうちょっと待っててくれ、と言われて黒は小さく頷いた。その間に自分はまだ走る事になるかもしれないことを予測して少しでも息を整えようと大きな音は出さないように慎重にゆっくりと息を吸ってから口で今まで溜めていた息を細くしながら吐く。2、3度丁寧な深呼吸をしているうちに、自分から聞こえてくる心臓の音がゆっくりと小さくなり、やがて自分のうるさい心臓の音は消えていった。
 すると、黒が深呼吸を終えたのと同じくらいのタイミングで丁度よく芒が自分の方に向き直って、それもいい笑みを浮かべていたのを見て、そしてその後芒から出てきた言葉に一先ずは上手くここまで来れたのだろうという事に安堵のため息を漏らす。

 「ありがとう、芒のおかげでなんとか」

 目の前に突き出された拳に自らの拳を軽く合わせながらニッと黒も歯を見せて笑う。あの場に居たのが芒で本当に良かった。もし他の知らない誰かが同じ作戦を考えて居たとしても、芒が居なければきっと自分は動けなかったかもしれない。書道室に出るときに押されたあの軽く叩かれた背中の温もりが、あの時の自分を動かす一番の源力だった。
 不意に、芒から何か飲み物があるなら飲んでおけという言葉が耳に入り、何か持ってきたかとトートバッグとリュックの中を探ってみるが、あるのはアクリル絵の具だのタオルだの、飲み物はおろか財布すら家に置いてきたかもしれない。 いや、もしかしたら財布はテニスボールに頭をぶつけたときにテニスボールと引き換えにあの場に落としてしまったかもしれない。これから大学、しかもその前に彼女の墓参りがあるというのに財布を忘れるなんてことあるか。

 「そういえば……芒ってスマホ持ってたっけ? 今の状況とか中継されてるみたいだから、もしかしたら他の教室の状況とかパソコンで見れるかもだし、今の内に確認しとこ?」

 そう言いながら一番近くにあったパソコンの電源を入れて立ち上がるのを待つ。高校の授業の一環でほんの少しデジタルイラストをやっていた事もあり、普段は趣味と課題の美術制作に時間を削っているにしてもインターネットの利用は少ないが必要最低限の使い方は分かる。タイピングは早い方じゃないにしても人並みだろう。
 パソコンが立ち上がったのを確認して、どこを開こうにも今のデスゲームの話ばっかりになっている事に思わず「うわぁ」なんて声が漏れる。動画サイトの画面を開けば、タイトルには恐らく場所名が書かれているのだろう。一先ずコンピューター室前廊下の状況を確認すると、やはりどこにでもゾンビは居るらしく、すぐそこにいるわけで無いにしても同じ階層に居るのは不安だ。
 続けて2階や1階の映像も流し見する程度にクリックしていると、2階や1階もなかなかに人だけでなくゾンビや殺人鬼も多く、3階のこの場所は他のところに比べればかなり安全地帯そうでもある。安全とは一概には言い切れないが。それにしても、どの動画サイトを見ても他人事に誰かが打っているコメントには思わず嫌気がさしてくる。

 「ふむ……大体こんなもんか……。芒はどこか見ておきたい場所とかある? ずっとここに留まってるわけにもいかないし……。168時間ってことは寝泊まりとか食事のことも考えないとだ。食事はなんとかなるにしても、こんな状況で寝るのも難しそうだけど」

 もう何時間くらい経ってんだろう、なんて呟きながら、黒の中ではもうずっと時間が経っているようにも思える。というか、こんなに色んなことが立て続けに起こってはいくら手元にスマホがあれど時間感覚が狂ってしまう。そんな事を思いながら黒はマウスから手を離して、パソコンの主導権を芒に譲ろうと横にずれた。

>>紫南芒様、all様

1日前 No.100

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★YRuDhSwQ0p_ouC

【 校舎・2F・視聴覚室 / 薛樵 】

 少女の名前は不破風見。不破と名乗っても風見と名乗っても、どちらも苗字だと思われそうなフルネームだ。学生時代のクラスメイト山村鱸(やまむら・すずき)くんを思い出す。クラスに山村が二人いて鈴木が二人いたから、彼が下の名前で呼ばれても上の名前で呼ばれても他の生徒まで振り向いて面倒臭いとよく愚痴っていた。その愚痴をファーストフード店で聞かされた自分は何と答えたのだったか。……時たま、矛盾など一つも無いはずの自分の記憶に自信が持てない時がある。果たして俺様は、本当にこんな人生を送って来たのだろうか? と。でも過去に同じような状態になった経験は無いから、今だけそうなるなら、きっとデスゲームなんぞのせいで知らず知らず頭と心が疲弊しているのだ。気の乱れや荒れが精神の不調を生み出しているだけに決まっている。

「じゃあ風見ちゃんな。俺様は高校二年生。普段は素人で集まって作ったヴィジュアル系ロックバンドのボーカルとかやってるけど、ネットに動画も上げねーで路上ライブばっかの活動だから知名度はほぼゼロ! でも歌と踊りは上手いんだぜ。楽器はひけねーけどな。……下着は、そうだな。見つかると良いな……はは……」

 言葉とは裏腹、遠い目をした樵は脳内で下着の存在を既に諦めている。『ウーくん』の説明に食糧だの便利アイテムだのの記載はあれど、下着なんて一切合財触れられていなかったのだから無理も無い。万が一用意されていたとしても、マッパでデスゲーム召喚される自分の運の無さからして、そのパンツはきっとスケスケだったり紐だったりTバックだったり大事な部分に穴が空いていたりフリフルするだったりするデザインのはずだ。さすがに履けねーわ。
 気を取り直して。十数秒前まで死ぬほど喧しくしていたのだ、いつまでもここでじっとしているのはマズい。ひとまずどこかに移動しようと提案をすべく、なるべくフランクな笑顔で口を開こうとしたところで――。

『えー、こほん。おはよう皆。只今AM9:00を迎えたことをお知らせするよ。デスゲームの開始からちょうど一時間が経過した。現在の残り地球人数は940人。敵の残りは殺人鬼が9体、ドッペルゲンガーが10体、人狼が10体、ゾンビが38体、鬼が10体だ。……うん、皆の言いたいことは分かる。ゾンビ、完全に増えちゃってるよね。でも、こればかりは仕方がないんだ。死体が増えるっていうのは、ゾンビの攻撃を回避できない子が増えていくって意味だもの。完全に真っ二つにするとか、頭を頭と分からないくらい潰しちゃうとか、丸ごと燃やして灰にしちゃうとか、それくらいしなきゃ死体という死体は基本的にゾンビになって甦って来ると思ってくれたほうが良い。つまり、君たちは自分が生き残るために同じ人間の死体を破壊して回る必要があるってことさ』

 ――どこかで聞いたことのある。否。ちょうど一時間前にグラウンドで耳にしたばかりの『ウーくん』の声が、鼓膜を震わせることなく、いきなり頭蓋骨の中に現れた。つまりはテレパシー。頭に直接話しかけているアレだ。ファミチキください。
 ……冗談はさて置き。

「おい、風見ちゃん。風見ちゃんにもこの声聞こえてるか?」

 表情と声色が弓の弦のごとくピンと張り詰められる。自分にしか聞こえていなければ、それは自分の心がついにこんな状況へのストレスに負けてしまいとち狂ったということだ。けれど、もし、目の前の彼女も同じ声を聞いているのであれば。これは幻聴ではなく現実。聞き逃してはならない声と判断できる。

『僕は本気で君達が生き残ってくれることを渇望しているからね。同僚たちに掛け合って、このゾンビ乱舞状態への救済措置を敢行する権利をもぎ取ったよ! その救済措置は午前10時に開始される。記念すべき≪第一イベント≫と銘を打ってね。
 で、その第一イベントの内容を君達に明かす所までは上からのお許しが出なかったのだけれど、ヒントくらいは与えて良いと言われたんだ。だから君達には僕から、『ウーくん』からこう告げよう。――【孤立するな】【仲間を増やせ】【けれど増やし過ぎるな】。
 ……そうだな、片手の指の数くらいがちょうど良い。僕に許可された開示内容はこれだけだ。じゃあね諸君、引き続き頑張ってくれたまえ! 心の底から切実に、僕は地球の存続を願っている!』

 風見の返事を待つ間にも『ウーくん』の話は続々と進み、ついにはプツンッとテレビの電源を落としたような音を最後に何も聞こえなくなった。

>不破風見様&ALL様

【俺様系なのは見た目と一人称だけで中身はわりと気の良い兄ちゃんなので……。あと今回はやっぱり遅くなりました。眠気のせいですねぇ!!】

>すずり様

【そんな訳で、ステージ中(※正確にはステージ中の人間の脳内)に響き渡る放送が流れました。実はお昼頃から始まるイベントのアドバイスみたいなものです】

>ALL

1日前 No.101

狼谷 @anima1997☆PMqTzZiUwVg ★iPhone=H508FesIAo

【 武道場 / 阿智北 鬼灯 】

「いやいやいや、ちょお待てや。こんなに早くゾンビと会えるとかめっちゃラッキーやんウチ。星座占いは最下位やな、きっと。」

 控えめながらも切羽詰まったような声音で、いつも通り皮肉混じりの鬼灯節をかます。ここ最近で一番焦っているというか、死の危険を感じている状況でも声を抑え気味なのは、この声を聞いて他の敵が寄ってこないようにするためである。そう、こんな時でも冷静さは欠いていない。今回のようなシチュエーション初めてだが(というかこれまでも経験していたら大変だ)、昔ゲーセンでハマったお化け屋敷とシューティングゲームが一緒になったような、ゾンビを撃退するアーケードゲームを思い出し、必死に「前もこんなんあった、あれは全クリした。これも全クリしたるわ」と言い聞かせ、行き先の定まらないまま足を動かしている。

 いきなり学校に集められ、今から地球の未来を賭けたデスゲームをしますと言われたことが既に懐かしい。ほんの十数分ほど前の出来事である。その時の鬼灯はというと、そんな現実味のないこと言われても困りますわ、と心の中でツッコミを入れつつ、離れ離れになってしまった愛車のことを考え嘆いていた。釣竿とクーラーボックスまでは持っているのに、これではタダの釣りバカである。近くにいた顔も名前も知らない女の子が、釣り糸の先についた疑似餌を見てドン引きしていたことはとても鮮明に覚えている。次会ったら顔に投げつけたるからな、顔はちゃんと覚えたで。……なんて、大人げないことは言わないが。
 自分達の未来のためにも、愛車のためにも、このゲームで生き延びないといけない。7日間と考えるか、168時間と考えるか、この状況下では途方の無い数字に思えてしまうのが事実だった。だがなんとかなりそうだ、とも、根拠もないのに思えてしまうのは根がポジティブだからだろうか。ちらりと後ろを返り見て、ゾンビに向かって言葉と物を投げつける。

「これやるから去ねや!」

 クーラーボックスの中身である保冷剤を取り出し、投げつけては逃げ、投げつけては逃げを繰り返した。
 なんとか撒けたようである。だが、いつ追いつかれるか分からない。取り敢えず、ということで目の前にある施設に忍び込んだ。
 静かに、かつ迅速に扉の開け閉めを行い、中に入る。入った先にまたゾンビがいたらどうしよう、今日は晴れのちゾンビかいな、なんて軽口が叩けるほどには呼吸も落ち着いていて。幸い、忍び込んだ先の施設にはまだ何者も入った形跡がないようだった。1000人も集められているのに案外校舎内で分散しているのだろうか。それとも早々とリタイア者が多く出ているのだろうか。そんなことを考えていたら、とても気になってきて、ポケットに入れていたスマートフォンを取り出して、最初に目に付いた動画サイトを開く。そこには自分と同じように敷地内で逃げ回る少年少女の姿があった。親友のうちの一人の、弟と妹と同じくらいの子も、それより小さい子供もいる。だが、彼の弟妹らしい姿はどこにも見当たらずホッと一息つく。
 こんなところで悠長に動画を見ている余裕もない。電池を食うだけであるので、ポケットにしまった。そして今一度、施設の中を再確認する。どうやら武道場という施設らしい。床には一部畳のようなものが敷いてあり、壁際には防具のようなものが置いてある。防具はさすがに暑くて重たいから装備するのは嫌だが、それよりも目に止まったのは、

「ほんまはバットがあれば良かったんやけど……こいつでもええか……?」

 竹刀だ。壁際に立てかけてあった竹刀を手に取り、野球のバットさながらのフルスイングすると、空を切る音がした。こんなことになるなら、刀の振り方の一つや二つ習っておけばよかったなと、在りし日の体育で剣道をした時のことを思い浮かべる。その頃流行っていた少年漫画の、右足を前にする抜刀術だとか、「いてこましたれ、鬼灯丸!」というようなオリジナルの決めゼリフを作ってサボっていたのだった。あの頃のことが懐かしくなるなんて、時が経つのは早い。子供が大人になることなんてあっという間なのだ。
 思い出し笑いを浮かべつつ、スキニーのベルトループに竹刀を差し込む。慌てていても仕方がない。自分流、を見失わないことがこういう時は重要だと思うのだ。扉からは死角になるところに胡座をかき、現在分かっている情報を整理し出す。

 暫くの沈黙、自然と耳に入ってくる声が頭の中で実際のものより大きく響いた。
 【孤立するな】【仲間を増やせ】【けれど増やし過ぎるな】
 どうやら単独行動はまずいらしい。腕を組み、校舎があると思われる方角の壁を睨んだ。


【遅ればせながら、鬼灯も投稿しておきます!今後も武道場周辺にいると思うので、宜しければどなたでも、どのグループでもいいので絡んでいただけると嬉しいです!
ちょうど孤立するな、ということなので、こちらからももしかしたら絡みに行くかも知れません。何はともあれ、よろしくお願いします!】

>ALL

1日前 No.102

@siromi ★M4WUxX33bd_ouC

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1日前 No.103

漆黒の冒険者 @andouken ★BxGXTrkAtu_UHY

【校舎1F・廊下⇒1-A教室:白河 雫】

 中に居た男の人の一人に対してバリケードを作っているのかと問い聞かれた男の人がそれを肯定する
それを聞いて後からこの教室に来た人は締め出されてしまうのだろうかと不安を募らせる
 こんな状況だし助け合いとは、行かないのかもしれないと寂しい気持ちが雫を支配しようとしていた
なぜなら雫もまた彼らより後からこの教室に来た者だから………

『ごめんね、驚かせちゃったかな。此処に怖いものはないから、安心して。具合が悪いなら、保健室も遠くないし、遠慮なく言ってね』

 雫に気付いた髪を染めているのだろうか?変わった髪色のお兄さんが声をかけてくれた
目線が合うように腰を屈めてくれているしこっちのお兄さんは優しい人だと少しの安堵を覚え

「あのその………ありがとうございます。私は白河雫って言います」

 せっかく目線を合わせてくれているのに、気恥ずかしさから雫の方が目線を外していまうもペコリと頭を下げてお礼をうと
お兄さんに名前を教え大丈夫である事を告げる
 少なくともゾンビなどと遭遇しておらず精神面はともかく肉体的には健康そのものだ
優しいお兄さんに満面の笑顔を向けていた時何かが聞こえたが、耳にと言うよりもっと自分の深い所に聞き覚えのある声だ

『えー、こほん。おはよう皆。只今AM9:00を迎えたことをお知らせするよ。………』

 今の声はどちらのお兄さんの声でもない………ウー君と言ったあの存在の声だった
ウー君が近くのいる事を恐れて周りをキョロキョロするも姿が見えない空耳だったのだろうか


「あの………さっきウー君の声がしたんですけど虚さんも聞こえました?ってごめんなさい馴れ馴れしく………お二人が話しているのが聞こえて」

 さっきのが雫の気のせいであればお兄さんは聞いていないはずと聞こうとした際さっき聞こえた二人の会話から許可なく虚さんと呼んだ事を
謝りその上でさっきの声についてどう思ったのかその答えを静かに待った



>>薄氷虚様、坂本通様

1日前 No.104

雪鹿 @class ★Android=42zyboh5vZ

【校舎・3F・コンピューター室/柴南 芒】

歯を見せて笑う黒と俺の拳が軽くこつん、とぶつかり合う。こんな普通じゃないような状況でも、そんな日常と変わらないような青春を謳歌したあの頃に戻ったみたいで少しだけ楽しく思えてきたのは秘密だ。だって、これは1人だったら味わえなかったんだぜ?そういった意味じゃ黒が居てくれて本当に良かったー、なんて、ちょっとだけ不謹慎だろ?あとは……まぁ、照れ臭いしな。
ただ、彼が直情家であって隠し通せる質でも無かったので「俺の方こそ、ありがとな。」なんてポロっと笑って言ってしまったのだが。
そうして、荷物を探ったようだが何も無かったらしく、黒が飲み物を飲むような事はなかった。こうなりゃ、どっかで飲み物だけでも調達しとかねぇとな、と少しばかり眉尻を下げて億劫そうに髪をわしゃわしゃと掻いた。ペットボトルがありそうなのは食堂の購買とかか?まぁ、いずれにせよ行かなくちゃいけねぇとこだし、然して問題はねぇか。

「んあ?ガラケー……っていうのか?あれならあるぞ、ほら。え、そんな事になってんのか……すげぇな。おう、確認は大事だからしっかりしとかねぇとな!」

不意を突かれた質問に、ちょっぴり間抜けな声を上げたかと思えば、最近の趣味であるサーフボードと児童向けのパン系アニメの主人公のストラップが付いた黒くて傷だらけの二つに折り畳まれている――――まぁ、昨今では非常に珍しくなりつつあるガラパゴス携帯なのだが、それをズボンのポケットから取り出して見せた。そして、あんまり良く分かってはいない様子だったが、確認は大事っていう事で納得して賛同する。
まぁ、そのくらいに彼は機械に疎い。機械だらけのゲーセンに入り浸ってはいたが、彼が主にやっていたのは身体を動かすタイプのゲームにハマっていて時折、興味を持って他の人がやってるゲームに手を出しては負けて非常に悔しがると言うのが一連の流れなのだ。それでも、本当に最低限の使い方は身に付けているので触っただけで壊しちゃうような事はないが。

黒が慣れた手つきで手近なパソコンの電源を付ける様子やサイトを開いていく姿を見て「おぉ……すげぇな。」と少しだけ声をあげて感心しつつもパソコンの画面を後ろから覗き込んだ。うん、全く分からん。まだ、キーボードのあれすら覚えてねぇからタイピング無茶苦茶遅いんだよな……俺。だから、人並みでも出来てる黒とか、こういうのが得意な鬼灯には毎度感心してしまう。

どうやら、どこもかしこも「このゲーム」の話題で持ちきりらしく、黒が思わず「うわぁ」なんて声をあげてしまう程だった。正直、俺も声に出はしなかったが「うわぁ」って感じだ。次々に映し出される映像が俺にはちょっとばかし情報量が多くて全部は把握しきれなかったが……三階はともかくとして一階と二階に化けもんが居るのか。校舎は逃げやすいが、その分化けもんも多いって感じか?だとすりゃ、一回校舎抜けて他の食堂とか体育館とか、その辺に向かった方が良さげではあるよな。そういう所の方が逃げにくそうな場所ではあるけどよ。

「そうだな。でも二人居りゃあ仮眠位は出来んだし、大丈夫だろ!それで一週間は辛いけどよ。まぁ、まずは食い物とかだよな……!?」

黒が一通り情報を把握し終えたのか、こちらにマウスの操作権を渡すために手を離しつつ、奇しくも先程考えていた事が話題に上がったので気楽な彼は、そんな事を暢気に言いつつも身を乗り出して「食堂」か「家庭科室」辺りの映像でも見ておこうとマウスを握った瞬間だった。
不意に、頭の中で聞き覚えが確かにある声がし始める。芒はマウスを手放して焦燥を露にバッと振り返った後に左右を見渡したが、勿論黒以外の姿は見当たらない。
しかし、そんな戸惑いは配慮される事もなくて、淡々と話は進んでいく。一時間経った事、ゾンビが恐ろしく増えている事、第一イベントとかいうものの開始、第一イベントには仲間が必要だが五人までにしておいた方が良い事。なんだ、何を考えてやがる……これから何が起こるっていうんだ。あぁ、クソ。駄目だ、頭が混乱してきやがった。

「……黒、今の聞こえたか?第一イベントがどうとかっていうやつ。取り敢えず、孤立はしてねぇから大丈夫だとは思うんだけどよ……あと一人か二人増やした方が良いんじゃねぇかって俺は思ってる。」

『ウーくん』とやらの校内放送ならぬ脳内放送を受けてから少しの間、彼は眉間にシワを寄せて気難しい面持ちで状況を整理しようと必死に考え事をした結果、ふぅ、と一息ついて黒の顔を真っ直ぐに見据える形で取り敢えず自分の思ってる事を伝えてから、相手の意見を聞いてみる事にした。芒としても黒と組んで行動するのは大前提であって、だったら自分の意見だけで行動しても仕方がないし、正直考えんの疲れちまったんだよな……。
それに、俺はともかくとしても突然他人と一緒になって黒は平気なのか、そこが一番気掛かりな事だったのだ。出来る限り守っていくつもりだけどよ、流石に俺も後ろから刺されたりすんのは二度とごめんだからなぁ……アイツらが居りゃあ、丁度五人だし殺人鬼だろうが負ける気がしねぇんだけどよ。

>白詐欺 黒様、all

22時間前 No.105

坂本通 @arthur ★iPhone=4NRiFrBBrA

【校舎・1F・1- A教室/坂本通】

 名前で呼んでもらったことが余程嬉しかったのか、今度は花の開くような笑顔を虚は見せた。ここまで大きなリアクションが返ってくるとは思わなかったので、通は思わず面食らってしまったが、同時に小さな安堵も覚える。超然とした雰囲気に圧されていたところがあったが、彼にも人間味があることが確かめられた為である。
 バリケードを作ることのデメリットに関しては、通も思いついていたことがほとんどだった。排泄に関しても小さい方であればペットボトルに溜めて、大きい方をする際ついでに持っていって、トイレに流してしまう手が考えられるが、それにしてもその都度バリケードをどかす必要がある。安心できるとは到底言えない。
 物資のない籠城戦ほど辛いものはない。それらの調達を行おうと言う虚の意見は最もだったが、あの扉から外に出ることは大きな勇気を必要する行為だった。

 「……そう言えば食料ってどのくらい用意されてるのかな」

 千人分のそれが用意されている、と決めつけるのは希望的な観測だろう。同族同士で殺し合うように仕向ける為、もっと少ない数しか用意していない可能性は十分に考えられる。
 もし相手を殺さなければ生き残れない状況に陥ったら自分はどうするだろうか。それはある種、化け物と対峙するよりも恐ろしい状況であるかも知れない。
 それでも両手を広げる虚を見て、ひとまずは考え直す。それらの懸念があるからといって、餓死を座して待つのは愚かの極みだ。
 その時、ふと教室の扉が開く。通は反射的に箒を握り直すが、すぐに脱力した。相手がまだ幼い少女だったからだ。
 それとほぼ同じくして、忌々しい主催者からの放送が脳内に流れ込んでくる。

 「ゾンビが38体……!?」

 まだ始まって間もないのに、およそ四倍近い数にまで膨れ上がっていることに通は戦慄する。
 ゲームが進行するにつれて、ゾンビの数は増えていくだろう。そうなれば満足に探索をするのも難しくなる。
 もう行くしかない。反射的にそう決心した。虚との会話で少しずつ決意を固めていたこともあったが、この期に及んで震えているわけにはいかない。拳を強く握りしめて、恐怖を抑え込む。

 「救済措置……」

 ゾンビ化した人間の蘇生だろうか。それとも単に口減らしをしてくれるだけか。いずれにしても、一時間後に第一イベントとやらが開始される。【孤立するな】【仲間を増やせ】【けれど増やし過ぎるな】。イベントの内容が明かされていない以上、参加するか否かはまだ決められないが、覚えておいて損はないはずだ。
 結局、この教室に留まっている訳にはいかなくなった。通は大きく深呼吸をすると、両手で頬を叩いて気を引き締める。

 「虚さん、ありがとう。怖いけど……ボクも覚悟を決めた」

 不安と恐怖が混ざってはいるが、決意を込めた眼差しを虚に送る。
 しかし、問題はこれからの行動だ。小学生の女児を放置して動く訳にもいかないし、かと言って全員で探索してもいざという時に守り切れる保証はない。いっそ戻って来るまでこの教室のロッカーなどに隠れていてもらうのも手だが、先程の主催者の言葉の一つ「孤立するな」というヒントが頭をちらつく。なによりこの状況下に一人でいさせるのは、さすがに酷だと言えた。

 「……ボクが一人で行って来ようか?足の速さには自信があるし」

 例のヒントが気にはなるが、少女を一人にしたり、無理に彼女を連れて全滅するよりかはいくらかマシな選択ではないかと通には思えた。
 もちろん、帰れる約束が出来るほど安全な状況ではないので、決めた時間内までに戻らなければ、虚たちには動いてもらうしかなくなる。それは三人での行動よりも危険を伴う行為になってしまうだろう。どう動いてもリスクは免れない。

>>薄氷虚 白河雫

21時間前 No.106

@itxmm☆OxYUdDLLJjM ★iPhone=uSyqKf7JNY

【 校舎・2F・廊下 / 花咲 太陽 】

 太陽はいつもののんびりとした様子でありながらも足を動かしながら、伊織の回答を待っていると、伊織からも逃げた方がいいと思う、という言葉が返ってきたことに心のどこかで安心する。もしこれで戦おうなんて言われたら太陽はもしかしたら戦線離脱を選びかけていたかもしれない。雰囲気からしていつもの聞き落としができる状況では無さそうだったので、らしくないにしても今回は一言一句何度か自分の頭の中で噛み砕いたりした後に返答を考えていたので伊織の疑問形から5秒くらいの間を置いた後に頷いて肯定を示す。
 息継ぎをしている男の子の様子に、やはり運ぶべきか? と太陽が思っている、というか口に出そうとすると、男の子は口を開いてもし駄目になったら頼むよ、と言われ、それに続き女の子からもスケッチブックに書かれた文字を目で追ってから太陽は小さく頭を縦に振る。

 「いいよぉー。おれ走るのすきだから任せてー。きみ……女の子もきつくなったらおれが運んであげるから言うんだよぅ? 頑張れば2人ともいけると思うー」

 名前で相手を呼べたら良いのだが、生憎こちらも名乗っていないし相手の名前もわからない。取り敢えず見たまま女の子、とド直球に太陽がそう言ってから、落ち着いたら2人の名前教えてもらおう、と太陽はぼんやりとした言動の9.5割思いつきの脳内で考える。本当にぼんやりと考えていた程度だったので、太陽はえへへ、とその場に不釣り合いなまだ余裕そうな笑みを浮かべて2人を見る。女の子が親指を立てたのを見て、太陽もまた「ぐぅー」なんて言いながら親指を立てて返す。呑気というかぼんやりしているというか、不安要素は積もるばかりだ。とはいえ、「頑張れば2人ともいける」と言ったところくらいは不安要素を取り除く材料になるかもしれない。こんな頭お花畑が2人も運んでいる姿もなかなか想像が難しいが。
 女の子の様子を見るに、そろそろ目的の場所につくのだろう、ということはわかり、女の子と、だいぶ最初の方から走っていた男の子の方へと目線を向けながら走っていると、突如こちらに飛ばされたばかりの時に折角「おはよう」と言ったのに無視をした存在の声に太陽は「およ」と意味のわからない擬音を出す。
 太陽がそのまま走っていると、女の子の方が止まったことに後から気がつき、少し先まで走ってしまっていたこともあり女の子の方まで戻ってから脳内に響く放送の内容を拾った範囲の中で噛み砕く。すぐに走り出した女の子が見せたスケッチブックを見て太陽もまた口を開く。

 「たぶん、おれも聞こえたよぅ。おれとー、かわいい女の子とー、かわいい男の子で3人ってふうに数えちゃって良いのかなー? あれ、おれ今両手にお花だぁ。嬉しー」

 放送から聞こえた中で【仲間を増やせ】という言葉だけを辛うじてきちんと聞き取った太陽は指を折りながら自分を含めた今のメンバーの数を確認する。相変わらず、空気というか雰囲気の読めていない言葉も続いて出ているが、可愛いものは母親の影響で比較的好きな太陽は素直に嬉しいのか満更でもなさそうな笑みである。

>>K子(音無響弥)様、西野伊織様、all様

21時間前 No.107

狼谷 @anima1997☆PMqTzZiUwVg ★iPhone=H508FesIAo

【 校舎・2F・家庭科室 / 篁 透子 】

小さな違和感から、アリスが透子に対して疑念を抱いていたことなどつゆ知らず、動きやすい服が欲しいという言葉に、条件反射で彼女の服装へ視線を向ける。凝ったデザインの服装である。なりふり構わず動くには不向きなのだろう。服を手に入れるにしても、校舎内にアイテムとして落ちているものなのだろうか。これがただのゲームならば、装備品として服装のアイテムが落ちていても何らおかしい所はない。そして、確かに一つの場所に留まることは危険だと思い、なるほどと頷いた。

「うーん、他の武器と行き先ねえ……。特に考えていなかったからすぐには答えられないかな。」

自分に対する問い掛けに少しばかり言葉を詰まらせる。咄嗟に出てくるほど考えているわけではなかったので、即答できず未定である旨を伝える。その後は沈黙のままアリスが丼へと具材を入れていく後ろ姿を眺めた。色鮮やかな具材は、それら単体でも美味しそうに見えたが、それらが合わさるとさらに美味しくなるに違いない。

盛り付けの終わった赤と緑の丼を目を輝かせて見る。これは食べ物なのだろうか。こんなにも丁寧に綺麗に仕上げられたものを食べて崩していくのはなんだかもったいない気もする。この状況下で、冷蔵庫に偶然入っていた材料でこんな素敵な料理を作れるなんて魔法使いだろうか、透子に通常の人間と同じソレがあれば、そう思ったに違いない。取り敢えず、近くにあった椅子を持ってきて自分達が座れるようにセッティングする。内心早く食べてみたくて仕方がなかった。

「じゃあどちらも楽しめるようにするね! せっかく作ってもらったのだから、味わいたいからね。」

甘口だとか辛口だとかは特に気にするつもりはなかった。というか、辛いも甘いも食べたことがないので、その基準すら分からないのである。目の前に並ぶ丼と小皿、そして棒切れを見つめる。この棒で突き刺して食べるのだろうか。それにしては先端が尖っている訳でもないし、勝手が悪そうだ。
そういうわけで、箸の使い方が分からない透子は、アリスが割り箸を割るところを、椅子に座り直しながら注視する。あくまでも自然に見えるように。そしてワンテンポ遅れながら自分も箸を割き、見よう見まねで両手を胸の前で揃え合わせて「いただきます」と復唱する。これが人間の、食事の際の儀式なのだろう。一度見てしまえばなんてことはない。箸の使い方も、コップの水に口を付けながら注意深く観察して、大体の仕組みを理解する。これが幼児であれば、使い方の習得に時間がかかるのだろうが、透子には造作ないことであった。限度はあるのだが。多少の粗さはあるものの、一般人のそれと変わらない箸運びでちらし寿司を口にする。

「……美味しい! 見た目も色とりどりで可愛らしいし、ちらし寿司って美味しいのね。ありがとうアリスちゃん。」

一口味わったところで一旦箸を丼の上に置き、ちらし寿司の感想と感謝の言葉を述べた。にこっと笑った後、また箸を持って食べ出す。
柔らかいマグロとサーモンの身も、シャキシャキと瑞々しい絹さやや胡瓜も、噛むとぷちぷちしてなんとも言えない舌触りと後味のするイクラも、どれもこれも一つ一つが美味しくて、それを錦糸卵と酢飯と一緒に掻き込むと、これがまた絶品なのだった。大きな口を開けすぎないように、口の中にズラリと並ぶ先端が鋭利に尖った歯が見えないように、顎を上げすぎないことを意識しながらも勢いよく咀嚼を続ける。そうしているうちに、すぐに丼の中身は半分程度にまで減ってしまい、卓上のわさびへと手を伸ばした。ついでにアリスへ話しかける。

「武器は、今はとりあえずこれだけで大丈夫だと思っているの。次は校舎の上の方……そうねぇ、屋上とか行ってみたいなあって。」

チューブからほんの少しだけわさびを捻り出し、それを箸を使って醤油で溶きながら、答えるのを先延ばしにしていた、アリスからの問いへ対する返答を零す。
武器がこれで十分なのは、透子の怪力を持ってすれば、こんなただの平たい金属がとんでもない凶器へと豹変してしまうから。人間離れした、まさに人外らしいその力は、アリスの前ではそう簡単に振るうことは出来ないが、ひとまずこれさえあれば大抵の敵とはやり合えるはずだ。事情を知らない者ならば、戦闘というより自衛のために持つのだな、と判断するかもしれない。まあ、捉え方は様々だろう。
屋上に行ってみたいのは、空が見えるから。あの綺麗な空の向こうに私が生まれたホシがあそこにあるの、なんてロマンチックというかなんというか、なセリフは透子の頭では到底思いつかないが、何故か空に惹かれてしまう感覚が、ゲームが始まってから透子の中にあった。それに、たとえ敵が来たとしても、小回りの効くこの体なら鬼や殺人鬼にもステージを利用した勝ち方が出来そうだからである。具体的な対策は未だ思いつかないが、その状況になれば咄嗟に体が動くだろう。そういう意味で屋上に行くべきだという答えに辿り着いたのだった。
だが、勿論そこまで語る必要は無い。それに、あえて言うならば、ということで言った行き先なので、まだ確定したわけではない。視線を丼の中身へと落とし、また食べ始めた。

最後の二口分くらいが残った丼を満足げに見下ろしながら一息ついていたら、唐突に、脳内で声が響いた。生存者の数と敵の数、そしてゾンビの倒し方についてを、「あらあら」なんて吹き出しが付きそうなくらい、にこやかな表情で清聴する。完全に真っ二つにする、頭を頭と分からないくらい潰す、丸ごと燃やして灰にする……などが挙げられたが、ゾンビにやられた死体に対してそこまでしなかった者がいたということが意外だった。分からなかったのだろうか。分からないことが分からない。哀れみだとかの感情のない透子には理解できなかった。たとえ数分前まで友達だったものが死体に成り果てても、透子ならいつも通りの微笑みで、頭を木っ端微塵にするだろう。
次に開示された情報にふむふむと唸る。孤立するな、か。何が始まるのかは検討がつかない。人狼であっても、あくまでゲームの参加者に過ぎないのだ。主催者ではない。片手の指の数がちょうどいいということだが、どうするべきだろうか。まだイベントは開始されたわけではないので、焦る必要はないだろうが。

「イベントだなんて、なんだかワクワクするね。」

自分と同様に、この声が聞こえているであろうアリスの方を向いて、朗らかな声音でそう話しかけるのであった。

【事前に連絡させて頂きましたが、いくつかの確定ロルをお許しください……!アリスちゃんのお料理ロル、全部まとめたいくらい好きです!】

>鍵宮アリス、ALL

20時間前 No.108

サムライ @samurai07 ★iPhone=QCAUNJ3bTK

【校舎1階下駄箱→保健室/津山丈介】

随分と長い間留まっていた下駄箱を後にし、保健室にやってきた丈介。おもむろに扉を開けて周りを見回す。花瓶が割れて床に転がってる以外は何の変哲もない保健室である。

「さてと…まずは食えるもの…ああ、ここにあるじゃねえか。」

丈介は保健室の冷凍庫を開けた。そこには患部を冷やしたり、氷枕に使うための氷がたくさん入っていた。何と丈介はその氷をバリバリ食い始めた。まるで氷砂糖を食べている感覚である。もちろんこれは食用の氷ではないが、ホームレスのような生活の長い丈介にとっては何の苦にもならない。むしろ、空腹と喉の渇きを同時に癒してくれる物であると思い、その発見に歓喜してることであろう(※よい子は真似しないください)

「食った食った。次は役に立ちそうな道具を探すかな…これにするか。」

丈介が手に取ったの聴診器だった。果たして、これは何に使うのか。絞殺に使うのか、あるいは鎖分銅のような飛び道具か…その真意はわからない。丈介は一通り消毒液などで傷口からの血を止血したりした後、しばらくベッドにもたれかかって眠った。だが、数十分後、脳内に直接声が響く。その声で丈介はハッと目を覚ます。

(【孤立するな】【仲間を増やせ】【けれど増やし過ぎるな】。
 ……そうだな、片手の指の数くらいがちょうど良い。)

引っかかったのはこの部分だった。丈介は舌打ちする。仲間…?馬鹿いえ。そんなもん作ってどうするんだ。今まで孤独に生きてきた丈介にとってそれは理解しがたい指示であった。しかも、丈介は過去に犯した殺人を知っている人間は皆、彼を避けている。そうでなくても、ゾンビ3体、殺人鬼1体を惨殺した記録によって丈介を恐れている人間だっているはずだ。おそらく丈介はここに来て初めて躓いたといえる。自業自得であるが。

「だが…ここでボーッとしてても仕方ねえ。休んだら身体を動かしたくなってきたぜ。食後の運動と洒落込もうか。」

保健室の扉を開けて再び廊下を歩き出す丈介。そのままあてもなく歩き出す。果たして、鬼が出るか蛇が出るか…。どちらにせよ、このバトルジャンキーは戦うと思うが。そして、ウー君の指令の意味はいかに。

>>周辺A LL


【丈介は現在1階の廊下をうろうろしています。さあさあ、彼は今フリーですよ!筋力や耐久がAランク、幸運や賢さがEランクとピーキーなキャラですが、皆さんいかがでしょうか?ちなみに、食ったばかりなので若干大人しくなってるので安心してお声かけください。挑発とかしない限りは暴れたりはしないので。】

20時間前 No.109

有栖川 @hananomi☆Mwp.W.uiBT6 ★5tuXai74if_GKj

【カレン・グレアム/3F/図書室】
 どうやら相手も普段の調子をそれなりに取り戻したらしい。口調にも自信が戻ってきているようだし、態度も見慣れたものに戻ってきている。内心胸をなでおろしたのは、彼女には内緒にしておこう。

「ここは図書室ですから、分厚い本には困らないかと、」

 レイから使えそうなものの心当たりについて聞かれて、そう答える。武器として使用することを想定する場合、ハードカバーで装丁されたものならば投擲してもページが折れたりする程度でそうそう壊れないだろうし、などと考えていたところに、唐突に割り込む形で頭の中に声が響く。鼓膜は揺れず、されど声は聞こえる。本来ならば体験することのない状況ではあるが、決して初めての体験ではない。
 気が付けば一時間も経っていたのか。それほど時間が経過しているとは思われなかったが、とりあえずは先ほど聞いた声の主、“ウー君”からの現状の説明に傾聴する。現状、人間側が60人死亡。殺人鬼が一人死亡、ゾンビが28体増加、他に動きはなしという感じらしい。死体がそのまま残っているならば、当然ゾンビはまだまだ増える事だろう。誰がどうやってか、既に殺人鬼の数にも変動があったということらしい。その勢いで今日中に全滅してくれれば楽なのだけれど、そうもいかないだろう。
 名前こそどこかふざけているようにも思われるけれど、ゲームマスターであろうこの声の主が生き残って欲しいとこちらに願っているのは、恐らく本当なのだろう。開幕の時点から、そのアドバイスは一貫して此方の武器となり得るものなのだから。『孤立するな』『仲間を増やせ』『けれど増やし過ぎるな』。響く声は暗に、一人でいると一時間後からのイベントで死ぬことになるよ、とアドバイスを送ってくる。カレン自身はもうレイと合流したこともあって一人になる事はほぼほぼないとは考えているものの、しかし二人きりで逃げ切れるかどうかという事は断言できない。これが24時間ならばまだしも、肉体的にも精神的にも限界ぎりぎりの綱渡りが一週間続くとなれば、何が起こるかという事はわからないのだから。

「……要は一時間以内に5人程度で組め、という事でしょうか」

 始まった時と同じように唐突に途切れた声の、その内容を反芻する。
 どういったイベントが企画されているのかはわからないけれど、恐らく一人あるいは二人程度ではクリアできないという事なのだろう、ということを相手の口調から判断した。

「先ほどの続きですが、誰かと合流すべきという考えには賛成です。
 コンピューター室に入った足音は明らかに複数でしたし、とりあえず彼らと合流する、というのはどうでしょう?」

 答えが止まっていたことを思い出し、そう答えるとともに、恐らく未だに生存しているであろう同じフロアにいる学生と合流することを提案する。まだ見ぬ彼らが人狼あるいはドッペルゲンガーである確率が無いとは言い切れないけれど、仮に前者であれば、昼間はこちらに危害を与えることは無いのだからとりあえずはそれを考える必要はないだろう。後者かどうかは、コンピューター室の中の相手が単数になっているかどうかを見れば分かるかもしれない。隙をついて殺してくるというのならば、コンピューター室の中に入って一息つくタイミングこそが隙となる。それを狙わないならば、その相手も恐らくそうではないのだろうと判断していいのだろう。

>>レイ・ライゼンハイマー、3階ALL

15時間前 No.110

@itxmm☆OxYUdDLLJjM ★iPhone=uSyqKf7JNY

【 校舎・3F・コンピューター室 / 白詐欺 黒 】

 拳を合わせた方にありがとう、と返された事に一瞬驚いてしまったが、ここで謙遜したところでどうにかなるわけでもない。軽く笑んで肯定だけを示した。
 黒が尋ねたスマホは持っているか、という質問に対して、目の前の芒はズボンのポケットから何年か前に見たような型のガラパゴス携帯を取り出して黒に見せた。黒も懐かしいなぁなんてどこかで思いつつ、それと同時に芒は物持ちがいいなぁなんて若干論点のずれたことを思う。それにしても、黒が確認しようと言ったことに芒が賛同してくれたのは良かった。もし意味がないとか、そんな物しなくても大丈夫だと言われたらそれこそ本当に自分が出来ることが無くなる。

 黒が画面をスクロールさせたり動画を見ようとクリックをしていると、後ろからのすげぇな、なんて声に思わず笑みがこぼれる。ああ良かった、芒ほどの功を奏すのにはまだ時間がかかりそうだが、やっと役に立つことができたみたいだ。

 「そっか、まあこの状況でぐっすりも難しいもんね。俺睡眠浅くても大丈夫な方だから眠くなったら言ってくれていいからな。 ……あー、確かに。食べ物は無理でも飲み物くらいは確保しときたいよね」

 芒の放った言葉に対してふむふむ、と黒は腕を組みながら納得するように頷く。「睡眠浅くても大丈夫」というのは普段から夜遅くまで絵を描いていたり制作課題で美術作業をしているのはもちろん、最愛の彼女が亡くなってからはめっきり睡眠時間が減った。寝付きが悪くなったのも原因なのだが、それよりも寝ている方、寝ることに対する感情がずっと不安な気持ちになる事も多い。寝ている間に彼女のことを忘れてしまうかもしれない、なんて脅迫観念が常に頭を過ぎるから。しかし眠気はそんな都合の良いものではないので本人の意思とは反して突如として襲ってくるものだ。
 芒がマウスを握ったのを見て、黒も後ろから画面を覗き込もうとした時、不意に頭の中に響いた声に目を見開く。黒がキョロキョロとするよりも先に芒が左右を見たりした行動も重なり、恐らく芒の頭の中でもこの声は聞こえているのだろう。
 まだ1時間しか経っていない事実にはかなり気が滅入ってしまったし、ゾンビが増えた事にも嫌なため息が出てしまう。第一イベントが開始されるというのも気が落ちてくるものがあるが、『救済措置』と言っていただけに何も悪いことばかりではなさそうだ。

 「もちろん、聞こえたよ。片手分と言われても流石に2人だと心許ないしね……。俺もあと1人か2人は欲しいと思ってる。できれば2人」

 「まだ夜じゃないからなんとも言えないけど人狼もいるみたいだし、1人増えたところで黒いと意味無いしね」と付け足しながら肩を竦める。人狼は人間と同じ見た目をしているらしいし、行動するのは夜ときた。今は信用できても、なんて事まで考えてしまうのはいくらなんでも考えすぎだろうか。それにしてもこれから会う人のことを考えると殆どは自分よりも年下だろう。身長の高さで自分が人狼と思われないか些か不安にもなってきた。なんだよ187って。
 そういえばドッペルゲンガー、なんてものも居るんだったか。今のところ自分は恐らく遭遇していないにしても、これから会う中にドッペルゲンガーが居る可能性だってあり得る。芒のドッペルゲンガーなら見抜ける自信はあるのだが。

>>柴南芒様、all様

15時間前 No.111

雪鹿 @class ★Android=42zyboh5vZ

【校舎・2F・家庭科室/鍵宮 アリス】

ちゃっかり仕掛けておいた罠は知ってか知らずか、想定していた「考えてなかった」という言葉が返ってきて、内心はちょっぴり舌打ち気分。ま、上手くいくなんて思ってなかったし、上手くいった所で確実に利用できる情報か、と聞かれればNOを答えるしか無いのだけれど。それに、嘘を吐かれる可能性もあるわけで……簡単な話、あくまでも参考とか、そんな位にしかならないのよね。

「そうですよね、急に聞いちゃってごめんなさい。」

そんな事は内心で思えども、表面上の彼は申し訳なさそうに眉を下げて柔らかく微笑んでおく。上手くいかない苛立ちなんて何度も味わってきたもの、こんな程度で今さら顔色なんて変えられないわ。だって、皆見てるんだもんね?きっと、今もかわいいかわいい私の狂信者(ファン)達は私の姿を追い掛けるのに必死で、Twitterのトレンドに入るのも時間の問題かな?新しいファンを獲得するためにも、私はエシリア(わたし)らしく居なきゃいけないよね!

そうして透子がセッティングしてくれた椅子に自分も座って甘口と辛口の両方を楽しみたい、そう言った透子に「それも良いかもしれないですね!」なんて、さも楽しみにしてもらえた事が嬉しいかのように照れ臭そうな笑みを浮かべておいた彼は自然体で居るために、パキリと割り箸を上手に二つに割れば「いただきます」と手を合わせて味を合わせて作った特製お醤油をすーっ、と一周掛けて回して一口、ぱくりと擬音が出そうな感じで口に運ぶ。
酢飯の酸味の中にある甘さに柔らかい食感でありながら独特の旨味を広げていくサーモンとマグロ。キュウリの歯ごたえや絹さやのシャキッとした感じもさくらでんぶの独特な甘さも全体的な味としては協奏曲みたいでグッド。ん、久々なのは本当だったんだけど、上手くできたみたいで良かった!
と、そんな食レポはこの際どうでも良いの。それよりも相手の事……なんだけど、少し遅れたくらいで大きい問題は無し。見た目に反して少しだけ箸の使い方が粗いかな、って位。じろじろ見て疑われるわけにもいかないから、そんなに細かい所まで見てないけど、雰囲気的にはそんな感じ。って事は、お箸は使った事がある、と見るべきかな?んー、何とも言えない絶妙な塩梅かなぁ……少なくとも、判断材料にはならない―――と相手の動向を自然な範囲で見て分析した結果の結論を出し終えた所で透子が箸を置いたので不思議そうに透子の表情を伺ってみる。すると、ニコッと笑みを浮かべた彼女は口を開いて、そこから出された言葉は感想とお礼の言葉だった。あー、びっくりした。てっきり、気に入らないからって殺されるんじゃないかって一瞬ヒヤッとしちゃった……本当、ホラゲの実況なんてやるんじゃなかった。

「良かった!透子ちゃんが喜んでくれて私も嬉しいわ!」

応じるように箸を置いて口の中の物を飲み込んだ彼も安心したように微笑んで自分も食べ進めていく。まぁ、私が安心したのは単純にそのままの感情なんだけど、ニュアンスとしてはそんなに変わんないから丁度良かったわ。
そうして二人とも食べ進めていく内に、ふと机上にあったわさびへと手が伸びたのを見て相手の丼をちらっと確認すると既に半分程無くて、私よりも早いな、とか思いつつ、私も時間は有限だし、と食べ進める事にした。小さめのツナ缶二つとタバスコ位しか収穫無かったけど……まぁ、いっか。非常食確保出来ただけマシでしょ。

「なるほど、確かに武器を持ちすぎても人間の方に怪しまれちゃうかもしれませんね。それにしても、屋上ですか……開けてるかも知れませんし、多分逃げづらいでしょうから気を付けてくださいね!」

わさびを溶かし始めた透子の行動と共に若干のタイムラグを経て答えられたそれには、自分で納得できる理由を探しておきつつ、屋上へと向かう旨を聞いて目的地違っちゃったなぁ、なんて少し残念そうに目を伏せながらも応援だけはしっかりとしておく。屋上、なにげに私が一番行きたくない場所だったりする。飛び降りたら死んじゃうし、かといって逃げられる広さや複雑さがあるとは言えない。とてもじゃないけど、私としては候補外 >>2 よ。1位は因みにグラウンド。

そうして、私も半ばを過ぎた頃合いで不意に聞き覚えのある声がする。確か「ウーくん」だったっけ?味方だか何だか知らないけど、そっちに立ってる時点で私としては敵認定かな。まぁ、抗う手段がないってだけで、本心的には一泡吹かせてやりたい気持ちが凄いんだけど。ともかく、イベントとかいうふざけた催しの内容を説明されて私の作戦を見透かされたようでカチン、と来たのは秘密。孤立させない、なんて邪魔なものを引っ提げて逃げ切れって事でしょ?こっちは自分の身を守るだけで精一杯なのに!
それにしたって、駒が多いに越した事はないのだけれど……ううん、判断材料が少な過ぎるかな。本当、宇宙人ってソシャゲの運営みたいに傲慢で気が利かないのね。「ウーくんサンドバッグ」って言うのが作られれば良いのに。これが終わったら私は買うわよ?宇宙人代表、つまり運営の顔だもの。

と、僅かに湛えたままの微笑みの裏でそんな怒りを募らせていれば、朗らかな声で「ワクワクするね」なんて言葉が聞こえた。……ワクワク?ワクワクしちゃうの?――――待って、これは流石に反応せざるを得ない。私の中で完全に『感性がイカれた子』か『ド天然のうっかりさん』か『とんでもなく肝が据わってる』か『人外』の四択なんだけど、どれにしたって、この状況じゃマイナスでしかない。あっちゃあ、私ったらもしかして大ハズレ引いちゃったのかも……?逆に『人外』がこんな杜撰に作られてる訳無いから、可能性としては一番低いんだけど。

「えっと……それを言うならドキドキじやないかな?ほら、私達をこんな目に会わせてる人達がやるイベントなんて、きっとろくでもない事ですよ?もしかして、透子ちゃん『うっかりさん』って言われたりするんじゃないですか?」

一瞬、言葉に詰まったものの、すぐにニコッと愛らしくも困惑したような微笑みを浮かべて相手の言葉の意を出来るだけ前向きに捉える事にした。それはもう、疑ってはいないけど確実に荷物認定はしたわ。ううん、私ったら運がないなぁ……!

>篁 透子様、all

【全然大丈夫ですよ!全部まとめると駆け足&杜撰さが見えちゃいますが、そう言ってくださって嬉しいです!】

14時間前 No.112

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

【校舎・2F・視聴覚室/不破風見】

自分から樵君と呼ぶ、と言ってしまった手前で何だが、彼からの風見ちゃん呼びに当の本人は少々気恥ずかしさを感じる。これまでこういった……例えばクラスの中心にいるような男子生徒と話したことがないので、状況が状況とは言え慣れないようだ。風見が話すことができるのは本当に優しい好青年か、ちょっと変わったところのある人物くらいなのだから仕方ないと言ってしまえば仕方ない。それに加えて樵が年上であることに気づき、今更ながら君呼びで良いのか迷ってしまう。まがりなりにも運動部に所属している人間として、年上を敬わなければという気持ちはある。しかし自分で宣言してしまったのだ。これはどうしようもない。彼方から何か言われるまではこの呼び方を貫こう、そう決めた風見であった。

「バンド……!凄いです、私は学校の授業でしか音楽に触れたことがないので……。大丈夫です、きっと見つかります!私も頑張ります!下着探し!」

樵がビジュアル系ロックバンドでボーカルをしていると聞いて、風見は心からそう思ったのであろう、僅かに眼鏡の奥の瞳を輝かせながらそう口にした。風見の通っている学校はいわゆる良いところの学校なので、習うとしてももっぱらクラシックだ。たまにミュージカルやオペラの鑑賞もするが、ロックに触れたことはない。残念ながら風見には音楽の才能はないので、ただ聞いてみて「なるほどよくわからないけど良い曲なんだなぁ。作った人凄いなぁ。みつを」くらいのものである。音楽を職業としていらっしゃる方やガチめのファンにはどつき回されそうだが、それでも鑑賞ですやすやお休みにならないだけ多目に見ていただきたい。決してディスるつもりはないのだ。それだけは信じて欲しい。
そしてどこか遠くを見ながら黄昏るように下着が見つかるといいな、と口にする樵に、何処からその自信が出てくるのかと突っ込まれてしまいそうな勢いで風見は下着が見つかる、自分も頑張ると主張した。字面が酷すぎるのでSNSで話題にされること間違いなしだろう。風見がまだスマートフォンを持っていなくて良かった。画面の向こうの両親が頭を抱えていないことを祈ろう。

「……はい。樵君も、ですか……?」

そして何の脈絡もなく突然頭の中に響き渡ったこのデスゲームの主催者━━━━ウー君の声。樵からの問いかけに首を縦に振りながら、風見はウー君の言葉を聞き逃すまいと耳を傾ける。どうやらデスゲームが始まってから一時間が経過したらしい。今までてんやわんやで時間など気にしてはいられなかったので実感が持てない。それに明らかにゾンビが増えている。彼らの中にはもともとゾンビだった者だけでなく、かつてはデスゲームの参加者だった者もいるのだろう。それを止めるためとは言っても風見には死体を損壊出来る自信がなかった。
加えてウー君によれば、これから何らかのイベントが開催されるらしい。どうやら増えすぎてしまったゾンビを減らすことができるようだが、内容がわからない以上気を抜くわけにはいかない。ウー君から提示されたアドバイスは三つ。【孤立するな】【仲間を増やせ】【けれど増やし過ぎるな】。つまりは仲間を増やすことが重要視されるらしい。たしかに今のように二人だけでは心もとないし、仲間が増えるのは心強い。しかし風見としては心配な点も幾つかあった。

(人狼……まだ、誰も脱落してないんだ……)

1000人、もとい940人に加えて、自分たちを殺めんとする存在が10人いるということに、風見は少なからず不安を覚える。もしも出会った仲間の中に人狼がいたら。そう思うと彼らの行動する夜間も眠いなどと言ってぼんやりしてはいられない。しかも人狼とは言え姿は自分たちと変わらないというから、回避することも難しそうである。

「き、樵君。僭越ながら、なんですけど……私、ウー君の言っていたみたいに、仲間を探したいです。ずっと此処にいる訳にもいかないし、私たちと同じ状況の人もいるかもしれないし……」

とにもかくにも、仲間を探すことに変わりはない。しどろもどろになりながら、風見は樵に視聴覚室を離れて仲間を探しに行こうと提案した。出会う者がどのような人間、もしくは人狼であれ、それは風見の運次第。ぐだぐだ言っていても仕方がない。

>>薛樵様、周辺all様

【いえいえ、むしろこちらこそ遅い投稿になってしまって申し訳ないです……!開幕一発目から人狼とエンカウントしてる風見ですが樵君ならむしろ大当たりですね……!←】

14時間前 No.113

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

【校舎・1F・1-A教室/薄氷虚】

通の食料ってどのくらい用意されてるのかな、という呟きに虚も顎に手を遣って思案する。カウントダウン中に見た文字によれば、水や食料、そして今のところどのようなものかはわからない便利アイテムとやらがこの校舎には用意されているらしいが、量までとなるとしっかりとした確証は持てない。一週間で十分足りるだけの量があれば嬉しいのだが、そうでなかったら食料を巡って内部抗争が起こる可能性も否定できない。なんだか原始的な問題も生まれてきたなぁ、なんて虚はしみじみしてしまう。虚は其処まで大食いという訳ではないが、年齢的にもそれなりの食欲はある。食料が足りないということは彼からしてみても悩みの種になるだろう。

「雫、だね。うん、僕の名前は……ありゃ、聞かれてたのか。まあ良いや、何はともあれよろしくね」

先程教室に入ってきた少女━━━━白河雫に、虚は通に向けるものと何ら変わりないたおやかな微笑みを浮かべた。子供は苦手ではないし、そもそも虚に今のところこれといって苦手な人間はいない。強いて言うなら敵意を向けてきたり高圧的な態度の人間だろうか。少なくとも雫はそういった類いの人間ではなさそうなので、虚も特に何か思うことはなかった。
そしてそんな最中に突如頭の中に響くウー君の声。主催者(ぬいぐるみだが)の彼によれば、殺人鬼が一体減ったとは言えエネミーの数は其処まで減ったわけではなく、むしろゾンビは三倍程度まで増えたのだという。恐らく脱落した参加者たちが大半なのだろう。虚は痛ましく思ったが、このデスゲームでは仕方のないことだ。出来る限り彼らの死体を処理しないことを祈るしかない。虚とて白昼堂々そういったことを積極的に出来るほど場馴れしてはいないのだ。

「ううん、良いんだよ。僕だって人のことを言えるほど何かしたって訳じゃあないし」

通から謝礼の言葉を述べられて、照れ臭いのかはにかみながら虚はそう返した。少し恥ずかしいけれど、人からお礼を言われるのも悪くないかもしれない、なんて思えるのは単に虚の人付き合い経験が少ないからだろう。しかし通が一人で行ってこようか、と提案すると虚はすぐに表情を険しくした。

「駄目だよ。さっきウー君から孤立するなって言われたじゃないか。まずは三人で移動するべきだよ。仲間を見つけ次第二手に分かれて、何処か場所を決めて落ち合うっていうのはどうかな?人数が多くなればリスクもあるけど、少なくとも効率は上がる。そうしたら、食料や水も見つかりやすくなるかもしれないよ」

ほら、遊びに行くときは三人でって言うだろう?と人差し指を立てて虚は付け加える。多少危険が付きまとっても、誰かが孤立するよりはずっと良い。最初は三人で移動して、まずは仲間を見つけなければ。雫のことも考慮に入れつつ、虚はそんな案を提示してみた。

>>坂本通様、白河雫様、周辺all様

14時間前 No.114

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★YRuDhSwQ0p_ouC

【 校舎・2F・視聴覚室 / 薛樵 】

 風見が頷いてくれたおかげで、精神的負荷でついに我が脳味噌がエラーを起こし始めた可能性は消えた。となると、となったで、先程の放送……テレパシー? の内容は事実ということで、第一イベントやらには参加せねばならなくなる。面倒臭いが、救済措置とほざいた以上まさか地球人の数が半分以下に削れるような鬼畜行為を強いてはくるまい。腹を括って午前10時を待とう。――もちろん、仲間集めと同時進行で。
 それにしても、ドッペルゲンガーと人狼が一体も減っていないのは痛い。まだゲーム開始から一時間なのだ、序盤の序盤でそう都合良い展開にはならないと思ってはいたけれど、ゾンビに関してはもう凄まじい増え方をしているし。唯一の僥倖はたかが一体とはいえ殺人鬼が減ってくれていること。チェーンソーのほうの殺人鬼だろうか、ナイフのほうの殺人鬼だろうか。樵としてはこっそり忍び寄ってくるナイフ殺人鬼に脅威としての危険度を高く見積もっているので、減った一体がナイフ殺人鬼であれば有り難い。

「そうだな、仲間探すか。五人くらいがベストって向こうが言ってんだ、そんくらいで固まったほうが良いだろーし」

 相手の発言にすぐさま同意。虚脱状態に陥って忘我している時間は無い。明確に片手の指の数ほどが良いと勧められた以上、それに従わねば命を落としても己のミスとなってしまう。ここまで必死に生き残っておいて、そんなつまらない理由で死ぬのは御免だ。何が何でもあと三人、それに及ばずとも二人程度の仲間を午前10時までに見つけてやる。
 が、その前に。いざという時の牽制道具くらいにはなるだろうと、先程まで爆音を発していたプロジェクターを小脇に抱えてみる。持った感じ、重量は3kgを超えたか超えていないかくらいだ。これならヒットしなくたって、投げて相手の足元にでもぶつけられれば一瞬は怯ませられるはず。仮に当たったならそれなりのダメージになる。

「……や、でもこのまま持つよりカーテンを風呂敷みてーに使ったほうが持ちやすいし投げやすいな」

 そう呟くと抱えたばかりのプロジェクターを近場の机上に置いて、視聴覚室のカーテンの一枚をカーテンレールからぶちぶちと取り外した。それを折りたたんだり端と端を器用に結んだりして、不格好な風呂敷バッグめいたものを作り出す。中にプロジェクターを突っ込んで、うん、やっぱりこのほうが持ち運びに便利だと満足げな表情を浮かべる樵。そうしてやっと風見の傍に戻って来た。

「待たせたな。さ、移動しようぜ風見ちゃん。動くにゃ今が良い案配だ。幸い廊下にゃゾンビもいねぇ」

 先んじて扉から顔だけ覗かせ廊下の様子を確認。外に人影が見えないことを把握すると、首だけ後ろに回してひょいひょいと風見を手招き。どこに行くかは決まっていないが、そんなものは決めたところで途中で敵と遭遇すれば予定変更になってしまうのだから、行き当たりばったりで充分。とりあえず、さっきの鬼は自分たちが一階に逃げたと勘違いしてそちらに向かっているはずだから、一階に行くのは避けるとして。目指すべきは3階か、2階をうろついてみるか。……うん、まあ、それも廊下に出て歩きだしてから決めよう。

>不破風見様&ALL様

【次で大きく場所を変えて頂いても大丈夫です!
 私も最初に出会えた相手が着々と友情をはぐくめる風見ちゃんで良かったですめっちゃ楽しいです。あと、明日はまた仕事が終わってから着付け教室コースでロル返しが午後9時過ぎからになります。ご容赦を!】

12時間前 No.115

漆黒の冒険者 @andouken ★BxGXTrkAtu_UHY

【校舎1F・1-A教室:白河 雫】

この学校の様な場所に来てようやくの安堵を得た雫だったがテレパシー的な声により
またも不安でいっぱいになって来るお兄さん達の会話からさっきの声が他の人にも聞こえていた様だ。
 彼等をオロオロしながら見つめる事しか出来ずにいると意を決して通さんは外に出ると言う
しかしそれを虚さんが危険だと止めているさっきの声の事もあり雫も虚さんに賛成ではあるが
 通さんの単独行動の理由が自分にあると分かってしまっている故に虚さんの様に異を唱える事が出来なかった
二人のやり取りをオロオロと見ているだけだった雫は仲間を見つけ次第と言う虚さんの言葉にハッとなり

「あ〜の虚さんが言った仲間なんですけど………この教室の前の廊下でお姉さんと会いました」

 保健室を出た後廊下であったお姉さんの事を思い出し二人にその事を告げる
もっともゾンビを倒しに行ってしまったあの人は彼等と仲良くなれるのだろうか
 期間内を生き残れればいいと考えていた雫そしてゾンビに自ら戦いを挑む彼女だが
二人は積極的にゾンビ狩りをするよううには見えない彼女からの協力は難しいかもしれない

「そのでも………その人は自分からゾンビを探して狩りに行ってしまって………ごめんなさい」

 教室の外で得た情報を二人に提供できたと思いながらも結局のところ役に立つモノじゃないと
行ったあとで気付き申しわけなさから誤っていしまうも、やっぱり一人で行かせるわけにはいかない
でもついて行っても自分が足を引っ張る事になるとのではいう思いっから雫は押し黙ってしまった


>>薄氷虚様、坂本通様

3時間前 No.116

雪鹿 @class ★Android=42zyboh5vZ

【校舎・3F・コンピューター室/柴南 芒】

睡眠浅くても大丈夫、なんて言った黒を見てると、どうしても少しだけ当事者って訳でも無いのに「あの事」を思い出しちまう。終わった事だなんて言わねぇけど、今は言葉にする事でも無し、こういう時は一回、目を閉じて気持ちごと丸っとリセットしておくに限る……ん、よし!俺も俺で結構巻き込まれてから考えて過ぎてる気がすんな……此処じゃ当然なんだろうが、ちょっとらしくなかった、反省!そんで、反省し終わったら俺らしく引き摺らねぇのが大事だよな、うん!

「おう、頼りにしてっけど、黒も無理すんなよ!」

こんな状況に陥っても曇り知らずなようで、ニッと口角を少し上げて笑った芒はそんな風に何時もの調子で応えて何処と無く無理をしかねない危うさのある黒のその一点だけ軽く注意しておく。まぁ、それを言ったら芒という男も他ならぬ親友の黒が相手となれば、無茶も押し通す男ではあるので他人の事を言えないのだが、本人にその辺の自覚は全く無いのだろう。
そして、飲み物に関しては同意されて「やっぱ、そうだよな!」なんて少し嬉しげに頷く。あんまり自分の頭に関しては自信が無かったもんだから、正しい判断が出来てて嬉しかったんだよ。やっぱし、あんまり考えるよりも自分の思った事を言葉にして確認してもらう方が俺の性に合うわ!小難しい事を考えんのは苦手だからな!

そんでもって、気が滅入ったような様子で肩をすくめながら俺の問いも兼ねた確認に答えてくれた。確かに、あれで一時間ってのは精神的に来るよな……なんつーか、焦ってたり緊張してっと時間が長く感じちまっていけねぇや。正直、三時間位は経ったような感覚……はちょっと盛りすぎたかもしんねぇけど、それでも結構経ったような気はしてたんだぜ?

「そうか、人狼とかもあんだっけか。顔見知りが居りゃあ話は早いんだが……あ、いや巻き込まれてねぇ方が良いんだけどな。」

最初に会ったのが黒、という事もあって完全に忘れていた人狼とかの話題に、頭の後ろ辺りをわしゃわしゃと掻いて「ややっこしいな」なんてぼやきながら、ややこしい事を考えるのが苦手な芒は、ついぞ昔馴染みな他の三人を思い出して口に出してしまう。それに、桜季が居ねぇと弟達を面倒見る奴が……アイツに限っては危機感ねぇから、それ以前の問題だな。うん、やっぱ居ねぇ方が助かるかも知れねぇわ。普段ならともかく今は手に負えねぇっての!
そうなれば、ともう一度マウスに手を置いて多少不慣れな手つきなものだから、黒が操作していた時に比べると大分ゆっくりながらに動画サイトとやらを2つ3つ回って確認していってみる。それはどうやら、校舎の廊下と校舎の外周を映したような物で先程と比べるとイベント開始に合わせて、なのか若干敵の影と思われる物は少なくなっていた。それが運営からの多少の気遣いなのか、はたまた偶然なのかは分からないが、人間達にとっては優位に働く事実である事には違いないだろう。

「なぁ、全体的に廊下とかの敵が少なくなってんだけどよ……今の内にピロティかどっか行ってペットボトルを回収しつつ、途中で仲間を探すって作戦どうだ?」

確認してもらえるようにマウスから手を離して、ちょっとばかり真剣さがありながら、何処と無くイタズラを計画する少年のような心境が垣間見えるような楽しげな表情で黒の顔を見据えて返答を待った。なにかと趣味が悪いゲームではあったが、それも親友が一緒となれば話は別なようで、少しだけこの凄惨たる状況を楽しんでいるような、そんな節が鬼の恐怖にさらされて未だなお、彼の中にはあるらしい。
まぁ、今のところペットボトルがありそうなのはピロティの自販機と購買部位であって、校舎から向かうのであればピロティの方が食堂の方まで足を伸ばすよりは安全だろう。食料は……まぁ、ピロティの自販機にもヨーグルト位ならあるかもしれない。大の男二人がそれで事足りるか、と聞かれると……少なくとも芒は絶対に足りないのだが。

「黒は他にやりたい事とかあったりするか?イベントが始まったらどうなるか分かんねぇんだし、今の内に出来るだけやっとこうぜ!」

そういや、黒のやりたい事は聞いてなかったな、と思ったもんだから、そのまま声に出して聞いてみる。それはやりたい事を好きなだけやって来た彼らしい言葉で、そんな事を言う彼は、ちょっとばかり小学生の頃のような悪童の表情が垣間見えていた。
まぁ、俺も武器の一つや二つは欲しい感じはあるが……鬼とチェーンソーの奴は在っても時間稼ぎ位にしか、なんねぇもんなぁ。それだったら、投げ物の方がまだ色々と使えるかもしんねぇし……そいつらには、かち合わねぇに越した事はないんだけどな。

>白詐欺 黒様、all様

1時間前 No.117
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