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東京廃棄譚2007:鏡界面上のアンリアル

 ( オリジナルなりきり )
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探索型ホラースレ @haine345☆SyFFuyTE.oo ★Android=VtwZLh3fND

 じりじりと照り付ける夏の陽光がアスファルトから陽炎を立ち上らせている。
2007年の東京は、夏であった。正しく言うならば七月五日。夏休みを間近に控え学生達は浮足立ち、大人はお盆休みを夢見て日々の職務に励む頃。
恐怖に震えた記憶も忘れ、自分の人生は間違いなく平穏に違いないと誰もが信じて疑わないこの街は、現代という時代を象徴するようであった。

 そんな街に、二つの命知らず共があった。
自分達の人生は平穏であると信じて疑わないのに、進んで平穏ならざる領域に踏み入ろうとする大馬鹿者達。
彼らに共通しているのは、"オカルトマニア"という悪癖。浪漫がしゃぶり尽くされ、地上が開拓され尽くしたこの現代においてさえ、未だ誰の手も入っていない未開の地が存在する。それこそが、"霊"の領分。怪異の世界だ。
要するに、彼らは冒険家なのであった。浪漫のない時代に生まれた、青く勇敢な冒険家集団。

 集団は二つ、名も二つ。
周囲の好奇の目線を華麗に無視しながら日々眉唾ものの活動を続ける若者達――<松高オカルト研究会>。
深い知識と経験から独自の目線で怪異を調べ、世にその結果を解き放つホラー雑誌の殿堂――<東京怪奇譚製作委員会>。
歳も立場もまるで違う二つの冒険船はひょんなことからこの夏交錯を果たす。今まで決して交わることのなかった二つが、一つになる。
……されどそれは歓迎出来る事態ではない。二つを結び付けるのは言わずもがな怪異。人の世の外にある存在だ。

 この時――彼らはまだ知らない。
2007年の夏、自分達が踏み出した先に足場など一切ないということを。
現世でも幽世でもない、今はただ"おぞましいモノ"であることしか分からない正真の恐怖こそが、彼らを待ち受ける宝島だ。
彼らの行手には多くの血と、多くの悲劇と、多くの恐怖と……そして多くの出会いと別れ。
青春と呼ぶにはドス黒すぎて、現実と呼ぶには夢心地すぎる非現実的な三ヶ月。残暑すらも消え失せ、秋が夏を食い尽くすまでの短い御話。
それが此度の演目だ。背表紙の煤けた単行本の内容だ。――きっと誰の記憶にも留まらない、前時代の残照だ。

 それでも頁を捲るというのなら、心せよ。
現幽双方から相手にされないはぐれ物、棄てられた怪異達に際限はない。
当然それに触れようとする者もまた、棄てられた身に堕ちる。
――手を差し伸べる者はいない。だけど、ああ。たとえ孤独に堕ちて尚、この頁を捲るというのなら……。

 君には語り継ぐ義務がある。ひと夏の冒険を――棄てられた彼らの<廃棄譚>を。

【伝奇風味のホラー探索スレです。興味を持っていただけた方は、ぜひサブ記事へ】

メモ2018/07/10 17:57 : 本編開始@引き続き募集中☆SyFFuyTE.oo @haine345★Android-VtwZLh3fND

キャラ一覧


・オカルト研究会

 【会長】(募集締め切り)

 氷野 玄人★Android=VtwZLh3fND(http://mb2.jp/_subnro/15747.html-3#a)


 【副会長】(募集締め切り)

 枸杞谷 真琴★nkaO2WpZ4T_ouC(http://mb2.jp/_subnro/15747.html-7#a)


 【部員】(募集締め切り)

 天地 天地★DoaFJQIlTR_ouC(http://mb2.jp/_subnro/15747.html-8#a)

 勾田 神影★Android=ti0IvmfI1e(http://mb2.jp/_subnro/15747.html-11#a)

 穂村 緋色★Android=42zyboh5vZ(http://mb2.jp/_subnro/15747.html-15#a)

 牧村 翡翠★Android=VtwZLh3fND(http://mb2.jp/_subnro/15747.html-10#a)

 不破 辰巳★M4WUxX33bd_ouC(http://mb2.jp/_subnro/15747.html-17#a)


・東京怪奇譚製作委員会

 【代表】(募集締め切り)

 篁 士郎★Android=VtwZLh3fND(http://mb2.jp/_subnro/15747.html-3#a)


 【養子】

 あと一名募集


 【サブライター】

 あと一名募集


 【スタッフ】

 あと一名募集


・その他

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本編開始@引き続き募集中 @haine345☆SyFFuyTE.oo ★Android=VtwZLh3fND

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9日前 No.1

本編開始@引き続き募集中 @haine345☆SyFFuyTE.oo ★Android=VtwZLh3fND

【松蔭高校/空き教室/氷野 玄人】

>ALL

「……退屈だ」

 場所は松蔭高校校舎三階のとある空き教室。かつては何らかの用途で使われていたらしいが、少なくとも十年以上は何ら用途のない空き部屋として此処にある。そこを教師の許諾なく乗っ取り、我が物顔で使っている碌でもない集団が一つ在った。
松蔭高校オカルト研究会。部活動として不健全という身も蓋もない理由で部への昇格を許されていない彼らは、資金難に時折困り果てながらも毎日細々と活動を続けながら今日に至る。
活動内容は単刀直入に、"未知への挑戦"。あらゆる浪漫や神秘がしゃぶり尽くされ手垢の付きまくったこの現代で、尚も未開の謎を求める探求者集団。……といえば聞こえはいいが、実際には生徒の大半からは変人集団と思われている。悲しい現実であった。

 そして今、座椅子に凭れかかってうだるような熱気に脱力しながら退屈を口にした男こそ、オカルト研究会会長・氷室玄人その人である。
せっかく未知の探究をしようにもアテがなくてはどうにもならない。心霊スポットはそこかしこに転がっている訳ではないし、有名所はとっくのとうに攻め終えている。要するにネタ切れ、やることが思い付かない。オカ研は今、そんな状況に置かれているのだった。
後、なんといっても単純に暑い。七月の上旬ともなれば流石にエアコンやら扇風機やらが欲しくなる季節だが、研究会止まりのこの集団にそんなものが与えられる訳もなく。必然、温室のような部屋で窓を全開にして過ごすしか選択肢がないのが現状だ。

「何人か来てない奴も居るみたいだが、今日はいっそ休みにしても良かったかもな――暑すぎる……」

 オカルトのオの字もない、どこにでもあるような学校の一風景。
時刻は午後四時十七分。放課後の松蔭高校には、吹奏楽部の演奏の音色がやかましく響いていた。

【松蔭高校/二階廊下/牧村 翡翠】

>ALL

 ――牧村翡翠という少女がオカルト研究会に入会してから早一週間が経過した。
都会育ちの人間を連れて行ったなら一日耐えられるか分からないというほどの辺境の田舎から引っ越してきた彼女がよりにもよってオカ研などという際物中の際物集団に近付いた動機は、本人曰く「楽しそうだから」。
この発言からも分かるように、翡翠は所謂アーパーな人物である。実際学力も良い悪いを通り越して悲惨の領域に居るし、オカルトに対する知識は恐らく会の中で一番薄い。専門用語など出された日には、首を傾げるかその場でグーグル検索を始める程だ。
そんな彼女は今、弾む足取りで部室代わりに会の面々が占領している空き教室へと向かっていた。今日は何ら予定もなく、十中八九ただ集まって駄弁って終わりになる。そのことは昨日の時点で半ば判明済であり、故に足取り軽やかに向かう理由など本来ならば存在しない。
しかし、翡翠にはその理由が存在した。早くこれを皆に教えてあげたい。皆が流石と褒めるのを見たい。そんな気持ちで、彼女は放課後の廊下を進んでいくのであった。

「さ、待ってて下さいよぅ先輩方……♪」


【というわけで少し予定より早いですが本編を解禁します。皆様ふるってご参加いただければ幸いです。
なお、引き続き各役職のキャラクターは大募集中です】

9日前 No.2

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★DoaFJQIlTR_ouC

【 松蔭高校・グラウンド→空き教室 / 天地天地 】

 夏の暑さのせいで階段を昇るのが面倒臭い。そんな時に大活躍するのが、ちょうどオカルト研究会の部室の近くにある茂みにあらかじめ隠しておいた折り畳み式のハシゴだ。某大手通販サイトにて福沢諭吉1.5人分のお値段で購入したアルミ製の丈夫なハシゴを人目につかぬよう素早く部室の真下に運び、よいしょと伸ばして空きっぱなしの部室の窓に向かい立てかける。日陰に置いていたから炎天下のプールサイドみたいにアッチッチにはなっていない。むしろこの纏わりつくような外気に比べればひんやりしているくらいだ。
 慣れた動作で二階分の高さを昇り切り、先に来ていたらしい教室内の玄人に「ちわーッス!」と満面の笑みで片手を上げ挨拶する。長身の彼は座椅子にうなだれかかって、ぐでぐでとこの蒸し暑さに参っている様子だ。無理も無い。文明の利器はエアコンどころか扇風機さえ設置されていない前時代的な部室なのだから。ここに来る際は諦めて暑さを真正面か受け入れるか、それが嫌なら各自で対処するしかないのである。かく言う天地はいくつかの対処方法を用意する派だ。背中の“白地に黒字で「りゅっくさっく」と書かれているだけのサブカル系をシンプルに拗らせたデザインのリュックサック”の中には、こうして部室を訪れる前に一旦校外に出て近場のコンビニで購入したアイスが入っているし、脇の下や股関節にはトイレで冷えピタを貼って来た。首には水に浸して絞った後で保冷剤を包んだタオルを巻いてある。これで帽子でも被ったなら、気分は真夏の野外イベントそのもの。

「まだ会長しか来てないんッスね! テンテンそこのファミマでアイス買って来たんッスけど、会長どれ喰うッスか?」

 ハシゴを部室内に回収して窓際の床に寝かせて置いた後、断られるとは思っていない態度でリュックサックの中身のアイスを机上に広げだす。ほんのちょっとだけ溶けてしまっているが、少しも溶けていないアイスなんて堅くてスプーンが刺さらないのでむしろこれくらいが食べごろだ。自分は真っ先にトルコ風アイスのチョコチップミント味とやらを選び、椅子に座って足をぶらぶらさせながら付属のプラスチックスプーンで氷菓を賞味しだす。一応、人数分は買ってきたけれど、あまりにも溶けるスピードが早ければしれっと己で数人分平らげる予定だ。既に視線は他のアイスに狙いを定めている。さすが自分で買って来たアイスクリーム、見事に自分好みの味しかない。そんな阿呆なことを頭の中で考えている。

「そういや今日の活動内容って何ッスか? もし何もネタが無いようなら、テンテンのノーパソでホラー映画でも流しますけど」

 アイスクリームでほっぺたを膨らませながら小首を傾げる。高校入学を機に母方の祖父母がプレゼントしてくれたばかりのノートパソコンは、上等なお値段に相応しい上等な働きをしてくれる上等なマシンだ。こんなクソ暑い中でだってちゃんと起動してムービーの一つや二つサクサク映してくれるはず。

>氷野玄人様&ALL様

【メイン解禁おめでとうございます!】

9日前 No.3

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

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9日前 No.4

本編開始@引き続き募集中 @haine345☆SyFFuyTE.oo ★Android=VtwZLh3fND

【松蔭高校/空き教室/氷野 玄人】

>天地、ALL

「――うお」

 玄人が思わず驚きの声をあげてしまったのも詮無きことであろう。
オカ研の部室(仮)であるところのこの教室は校舎の三階にある。飛び降りてショートカットしようなどと目論めば滅茶苦茶運が良くて捻挫、最悪自らがオカルトの一ピースになってしまう次元の高さだ。それを窓下から登ってくる奴が居るなど、誰が想像出来ようか。
よく言えば個性派、悪く言えば変人揃いのオカ研ではあるが、それでもこんな奇天烈な行動に走る人間は一人しか居ない。
天地天地。その名前の字面もだいぶ個性的で一般離れしているが、実際に絡んでみるとそんなことが気にならなくなるくらい強烈なものを持った少女だ。部長を除けば、今日は彼女が一番乗りらしい。余人には想像も付かないようなショートカットをして、だが。

「毎度思うんだが天地、お前の行動力はとことん振り切れてるよな。お前ほど"行動力の化身"って言葉が似合う奴、俺は他に知らねえよ。
……って、おお。気が利くじゃないか。じゃあ俺はこのスイカバーで……うん、美味い。やっぱり夏はこいつに限るな〜」

 気の利く後輩が用意してくれたアイスから一つ選ぶと、溶け出す前に素早く口に運ぶ。
今年の暑さはなかなかに殺人的だが、それを和らげる手段さえあればこの熱気も風物詩と好意的に評価してやることが出来る。氷菓もその一つだ。夏のお供と言ってもいい。食べて美味しい体も冷える、いいことづくめだ。季節如何では健康食品と言ってもあまり過言ではないかもしれない。

「ン――都内の心霊スポットも有名所は大体回っちまったし、こっくりさんもひとりかくれんぼもやったしなあ。
今のところはホラー映画コースだな。『ミスト』は……まだDVD化されてないか。『仄暗い水の底から』とか『呪怨』なんか王道でいいんじゃないか? 白石晃士の『ノロイ』なんかも面白いが」

 ホラー映画というジャンルは巨大だが、しかしその当たり外れの激しさは全ジャンルの中でも随一だ。B級映画を踏んでしまったくらいならまだいい。C級を踏んづけるのは普通で、時にはZ級としか言いようのない、お粗末を通り越して最早理解不能の域に到達した作品と遭遇することもある。ある意味未知との遭遇だ。
だからこういう皆で何か見ようという時は必然、挑戦はせず安牌を切るのが利口というのがオカルトマニアの間での鉄則である。

【松蔭高校/二階廊下/牧村 翡翠】

>神影、ALL

「ひゃうっ!?」

 不意に聞こえた自分を呼び止める声に心臓が跳ねる。声は、翡翠の目線よりもだいぶ下の方から聞こえていた。
足音は聞こえなかったが、幽霊の類にしては声がきちんとしている。それに翡翠を呼び捨てにしている時点で知り合いなのは明白だ。死人にそれほおど思われる節は……まあ無いわけではないけれど、今は関係のない話だ。
見れば声の主は翡翠にとってよく知る相手だった。尤も付き合い自体はまだ今日を含めてやっと一週間、といったところなのだが。

「も〜、脅かさないでくださいよ勾田先輩〜。私びっくり系とか超苦手なんですからっ」

 勾田翡翠。オカルト研究会の会員で、学年的な意味でも会員歴的な意味でも翡翠にとっては先輩にあたる人物だ。しかしその体格は、女子の中では小柄な方である翡翠よりも更に小さい。中学生、それどころか小学生でも十分に通るような矮躯だ。
その腕には埴輪が抱かれている。これもいつも通り。どういうわけかこの神影という少女は埴輪にご執心で、常にこうやって持ち歩いている。理由を出会った初めの頃に聞かされた気もするが、翡翠は綺麗さっぱり忘れている。アホなのだ。

「良いことでもあったのか、って――そりゃもう、ありましたよ!
今日は翡翠ちゃん大活躍の予感しかしません! 皆さんが翡翠ちゃんサイコー!って声をあげるのが全く目に浮かびます!」

 翡翠はオカルト分野に見識がなく、危機感もなければ頭も然程よろしくない。おまけにデリカシーもちょっと欠けているきらいがある、と欠点のオンパレードのような人間だ。しかし――彼女は耳がいい。純粋な聴力の話ではなく、聴きたいものを聴きつけることにかけて右に出る者がいないほどの才能を持っている。

「いいとこ見つけたんですよ、心霊スポット!」

 彼女達の部活(?)は、オカルト研究会。つまり、そういうことだ。

9日前 No.5

アルタイル @orcus ★nkaO2WpZ4T_ouC

【枸杞谷真琴/空き教室】

 暑い。
 言いたくはないものの、そんな文句が止め処なく溢れる。
 松“蔭”なんて字を使う割に、我が校の日当たりは結構いい。こうして歩く三階の廊下にも、西に傾き始めた陽の光が容赦なく突き刺さっていた。

「あーつーいー」

 あまり意識すると余計に暑くなるのだ、と分かっていても、たった三文字の愚痴を抑えることは叶わない。
 とっとと家に帰れば涼みようもあるだろうが、帰路はアスファルトと青空に挟まれた灼熱地獄。割合真面目一本のはずの私は、珍しく“だるい”の感情に阻まれて、結局、せめて直射日光の当たらない校内にもうしばらくたむろすることに決めたのだった。
 ろくに体を動かす気にもならず、熱気に揉まれてゆらゆら歩くこと少し。目指す教室のドアは案の定開きっぱなしで、それなのに空気の流れがあまりに感じられない程度には風が吹かない。

「相っ変わらず風通し悪いねー、この部屋」

 どうせ会長がスタンバイしているのは知っていたから、開口一番はそんな台詞だった。
 松蔭高校三階、空き教室。我らがオカルト研究会の事実上の部室、言い換えるならば溜まり場。私はそこに集う物好きのうちの一人。
 全部で七人いる会員は、放課後になるとここに集まるか、勝手に帰るかする。
 怪談の夏、なんて言うものの、研究会はそこらの怖い話で肝を冷やすような連中ではない。
 だから、この殺人的な猛暑の中、アテもなくこんなところに遊びに来るのは玄人と自分くらいなものだろう、と思っていたが、教室にはもう一人、殊勝な後輩がやってきていた。
 天地天地。一見して全く読み方が分からない名を持つ彼女は、メンバー最年少にも関わらず一丁前の知識を持ち、頭の回転も速い優秀な会員だ。

「おろ、やるねテンテン、私が一番乗りのつもりだったのに」

 一番乗り、というのは何も氷野玄人よりも早いという意味ではなくて、会長は百パーセント先乗りしているという前提での話だ。何せ、私がここに出入りするようになってから、彼の山吹色の頭が見当たらなかったことなんてないのだから。
 熱気を帯びた学生カバンを壁際に置いて、改めて二人に向き直る。手元の熱源が無くなって、汗ばんだ手のひらをひやりと空気が撫でた。

「ね、それ貰ってもいい?」

 ひとまず何の話をするよりも、熱暑の中で目の前に現れた涼味の方が優先度が高い。近くの椅子を引っ張って腰掛けながら、机に並んだアイスを指した。

>>氷野玄人、天地天地、ALL


【本編開始おめでとうございます】

9日前 No.6

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★DoaFJQIlTR_ouC

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9日前 No.7

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

【松蔭高校/二階廊下/勾田神影】

案の定突然神影に声をかけられた翡翠は如何にも驚いたとでも言わんばかりの表情を一瞬浮かべたが、相手が神影だと気づくといつも通り、感情豊かな顔つきに戻る。驚かさないでくださいよ、と言ってはいるが彼女が本気で怒っている訳ではないことは人付き合いを不得手とする神影もよくわかっている。むしろこれは友好的な対応の部類に入るのではなかろうか。

「嗚呼、すまないね翡翠。次からはびっくり系ではなくじわじわ系で行くとするよ」

そのため普通の学生からしてみれば「何言ってんだこいつ」と思われそうな冗談も平気でぶっこんだ。まあ埴輪のぬいぐるみをいつでも抱き締めて行動している時点でちょっとおかしいのだが、其処は大目に見てもらおう。勾田神影は自他共に認める変わり者なのだから。

「成る程、翡翠ちゃん大活躍……か。それは僕も楽しみだな。期待しているよ翡翠。もし予想以上のサプライズをくれたら翡翠ちゃんサイコーと叫ぶことにしよう」

うきうきとした様子で話す翡翠を、まるで年の離れた妹でも見るかのような視線で見つめる神影。後輩というものはどのような形であれ神影にとっては可愛いもので、翡翠は分かりやすいこともあってか(あくまでも神影なりにだが)可愛がっている方だ。それに翡翠は何処と無く放っておけない雰囲気も漂わせているために余計神影は先輩風を吹かしたくなる。オカルト研究会の三年生として後輩を危険な目に遭わせてたまるか、といった心情なのだろう。もっとも、いざというときにいちばんその危険に近づいていく……というか突撃していくような危険極まりない奴は恐らく神影なのだろうが、彼女にその自覚はないため何とも言えない。

「ふむ、心霊スポットか。たしかに最近はマンネリ気味だったからね。これはもしかしたら久々のフィールドワークになるかもしれない。きっと玄人も二つ返事で了承してくれるんじゃないかな」

ふふ、と声をあまり立てることなく密やかに微笑みながら、神影は翡翠の歩幅に合わせてぴょこぴょこと歩く。もともと歩幅が小さいので彼女に合わせるとどうしても小走りみたいになってしまうのだ。それでも神影は疲れている様子を見せることはなく、むしろ早く空き教室に向かいたいという気持ちの方が勝っているために、その表情は心なしか明るいものに見えた。

>>牧村翡翠様、周辺all様

8日前 No.8

本編開始@引き続き募集中 @haine345☆SyFFuyTE.oo ★Android=VtwZLh3fND

【松蔭高校/空き教室/氷野 玄人】

>天地、真琴、ALL

「機械仕掛けの神の不在ってのは大きいからな。主人公補正とかご都合主義とか言われるアレだ。
いついかなる時でも舞台を好きに転がせるパワーが無かったら、途端にフィクションはノンフィクションに近付いてくる。フィクションならではの面白さってのも勿論あるし、どっちにも良さがあるけどな」

 うんうんと頷きながら玄人は天地とホラー映画談義に花を咲かせる。
そうこうしていると仮部室に新たな顔が現れた。彼女の名は、枸杞谷真琴。このオカルト研究会の副会長である。入ってくるなり風通しの微妙さに一言述べるのも無理はないだろう、間取り上此処は多分に割を食っている部屋なのだ。
どうせ正式な部室じゃないんだし他の空き教室に活動場所を移せばいいじゃないかという話だが、風水上のあれこれだとか先代からの伝統(二世代で伝統も何もあるかというのは禁句だ)だとかで、今のところはこの教室に留まり続ける予定らしい。まあ、何分活動が活動だ。下手に場所を移して頭の固い教師に目を付けられるのは面倒だし、波風を立てない方が賢明と言えば賢明かもしれない。

「あとは勾田と牧村と穂村と……ってとこか、来てない連中は。
この暑さだからサボりかも知れんが――ホラー映画もいいが、誰か何か面白いネタでも持ち込んできてくれないもんか……」

 ホラーを見るなら担任にでも頼んでプロジェクターを借りてくるか、などと考える玄人なのであった。人脈は利用し得、この一言に尽きる。

【松蔭高校/二階廊下→三階廊下/牧村 翡翠】

>神影、ALL

「言いましたね? いやあ楽しみだなあ、先輩に褒められるの」

 余程自信があるのか、ふふん、と不敵な笑みを浮かべてみせる翡翠。
彼女が意気揚々と持ち込もうとしているのはオカ研らしく、未探訪の心霊スポットについての情報であった。
オカルトと一口に言ってもジャンルは多岐に渡るが、この松蔭高校オカルト研究会がメインと据えているのは基本的に幽霊の類だ。よって心霊スポットは彼女らにとって運動場のようなもの。幾つあっても困るというものではない。

「詳しくは部室に着いてから話すつもりですけど、まあ、なかなかに恐ろしげな曰くのある場所なんですよ。
ナントカっていうカルト宗教絡みの場所だとか、現実に警察が出入りしたこともあるだとか。聞いた限りじゃ、今まで皆さんの耳に入らなかったのが……もとい全然知名度がないのが不思議なくらい。ま、なんてことのない事件に尾鰭が付いただけって言われたらそれまでですけど」

 幽霊の正体見たり枯れ尾花とはよく言ったもので、この巷に出回る怪談や曰くの大半は人が伝言ゲームの中で勝手に付け足した「尾鰭」だ。
心霊スポットなどはまさにこの典型。日本中にはその手の場所など文字通りごまんとあるが、大袈裟でも何でもなく、本物はその内一割もないだろう。あくまで基本的にという前置きが付くが、この世は科学や辻褄で成り立っているのだ。基本に属さない例外を見つけ出すとなれば、それ相応に運が絡む。要するにオカルトマニアのフィールドワークはくじ引きのようなものなのである。

 語らいながら階段を上り、三階へ。此処まで来れば皆が集い、夏の暑さにやられながら駄弁っているだろういつもの部室はすぐそこだ。

「……にしても暑いですね。異常気象だなあ、今度皆でお金出し合って扇風機でも買いません? 部室ヤバいことになってますよ絶対。あの部屋風通しは悪いのに日当たりだけはいいですから、最悪死人が転がっててもおかしくないですよ」

8日前 No.9

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

【松蔭高校/二階廊下→三階廊下/勾田神影】

翡翠はよっぽど自分の持ってきた情報に自信を持っているのだろうか、不敵な笑みを浮かべている彼女を神影は微笑ましそうに見つめる。こういった嘘の吐けないところは翡翠の美徳なのだろう。いくら賢くて聡くとも、外面を偽りに偽った人間は嫌いだ。そんな神影からしてみれば翡翠は好感を持つことのできる人間に分類される。正直で素直なことは良いことだ。たまに彼女の行く末が心配になることもあるが。

「そうなのか……。まあ、何はともあれ行ってみなければわからないこともあるだろう。まずは受理してもらうのが最優先だ。僕からしてみれば当たりだと嬉しいんだけどね」

翡翠から簡単な説明を受けて、神影はふむ、と顎に手を当ててそう口にした。オカルト研究会に入って三年目ということもあってか、神影はそれなりにそういった事象には場馴れしている。心霊スポットというものは言ってしまえば運試しのようなものだ。これまで幾つもの外れスポットに行ったことのある神影なので、其処だけは自信を持って言うことができる。要するに足を運んでみるまで何もわからない、例えるならばダンジョンに近い。それでもオカルトに対する好奇心はいつまでも冷めないので神影が足を絶やすことはないのだろう。そういったところだけは譲れない。
話を進めているうちに二人は空き教室の近くまでやって来ていた。他の面々はもう到着しているだろうか。もしかしたら遅刻だなんだと言われるかもしれないが、其処は三年生の力でなんとかしようと決意する神影。とはいっても三年生の力とはなんなのか、神影自身もよくわかっていない。

「今年の夏は暑くなるって噂されているからね。たしかに熱中症や脱水症状になるのは良くない、今日の部活の最後にでも提案してみようか。もし駄目だったら明日にでも僕が皆の分の冷えピタを持ってくるよ」

オカルト研究会の活動場所である空き教室の暑さといったら尋常ではない。神影も何回か夏場にぶっ倒れたことがある。特に今夏は例年にない酷暑なので空き教室は下手したら地獄と化している可能性だってやぶさかではない。欲を言えばエアコンことエアーコンディショナーの設置をお願いしたいところだが、たかだか研究会に学校がどうこうしてくれる訳がないので此処は扇風機で妥協することにしてみる。まあ、却下されたら明日から神影は冷えピタを何枚も貼り付けて登校するつもりでいるので特にやってやろうという念はなかったが。

>>牧村翡翠様、周辺all様

8日前 No.10

本編開始@引き続き募集中 @haine345☆SyFFuyTE.oo ★Android=VtwZLh3fND

【松蔭高校/三階廊下→空き教室/牧村 翡翠】

>神影、空き教室ALL(真琴、天地)

「割と真剣に検討しましょマジで。扇風機なら贅沢言わなきゃ三千円くらいで買えるでしょうし。
冷えピタとか保冷剤もいいですけれど、やっぱり持続性ってところじゃ難ありですから。学校の電力は無限に食い潰せますけども」

 すっかりエアコンにお株を奪われ半ば前時代の遺物と化している扇風機だが、やはり仰いだりせずとも、外が無風や雨降りでも一定の涼しさを供給してくれるのはこの過酷な夏という季節においてとんでもなく有用だ。
そんなことより部に昇格出来る努力をすればいいという意見もあるだろうが、それが出来ない事情があるのがこのオカルト研究会。
心霊スポット巡りやホラー映画鑑賞などの活動を「部活として不健全」の一言で片付けられてしまってはもう努力のしようがない。何より、顧問だ何だと面倒が増えて活動の幅を制限されることをあの変人連中は望まないだろう。
翡翠としても同意見である。せっかくの遊び場を外から来た秩序の歯車に乱されちゃ堪らない。

「っと――もう何人かは来てるみたいですねやっぱり。私たちも急ぎますか、勾田先輩」

 部ではなく研究会である故の利点はもう一つあって、それは出席しなくても何ら咎められることがない、という部分だ。
要するに暇なら来ればいいし、サボりたかったら何も言わずに帰ればいい。にも関わらず欠席者が居る日の方が珍しい辺りは少しほっこりする部分と言える。それだけ毎日オカルトにうつつを抜かして尚飽き足らない変人共だと言われたら、返す言葉はないが。
それはさておき、もしサボりの不逞者が居たとしたら今日ばかりは大損だ。何せ今日はアテがある。正しくは、これから出来るのだから。

「こんちわーっ! みんなの後輩翡翠ちゃんが、耳寄りな噂を持ってきてあげましたよーっ――って、あっつ! 植物園か何か!?」

【空き教室パートは過密が予想されますので、便宜的に一人ひとりがそれぞれの宛先へ個別にレスを返すのを許可する、ということにしようと思っています。
レスを待つ時間が長引いて進行が遅れ、スレ全体の停滞に繋がることを阻止するための措置です。ご理解とご協力をお願いしますー。】

8日前 No.11

雪鹿 @class ★Android=42zyboh5vZ

【松陰高校/三階廊下→空き教室/穂村 緋色】

照りつける日差しから目を背けた彼は炎天下と言うにも関わらず、涼しい顔をして妙に男女が喧嘩をしているかのような騒がしい教室の扉を開けて二階廊下へと出ると、その廊下を紳士的に悠然と歩いていた。しかしながら、彼も暑さを感じない人形だとか幽霊の類いではないらしく、普段ならば手元まで隠しているはずのYシャツは肘の少し上まで捲り上げられて、その日光に晒された事がないかのような白い肌には、じんわりと汗が滲んでいた。
それを軽く水気を帯びたシックなデザインのハンカチで拭う。余談だが、別に僕は美容に関心があるわけではない……が、何かと綺麗な方が役に立つ場面は多い、という訳で少しばかりは気遣う事にしているんだよ。

距離があるせいか、微かに耳に届く程度に収まった交響曲だか協奏曲だか組曲すら分からない雑音混じりのそれを楽しむ余裕どころか、見聞する余裕すら無い、と言うのが実情。ああ、なんたる無様な有り様だろうか……なんて、僕は全く思わないんだがね。むしろ、そんなちっぽけで粗雑な余興よりも本題に頭を使いたいわけさ。本題が何かって、そんな初歩は言わずもがなだろう?なにせ、それこそが炎天下の中を私が歩いている理由なのだから。
しかし、今日の事件は期待外れだったな。校内でもそこそこに有名な軟派男の彼女が浮気調査を依頼してきたものだから、ちょっと探りを入れてみたらボロボロと出て来て、あっさりと終わってしまった。せめて、校内で逢瀬をするのは辞めてほしいものだ。朝に依頼を受けて落陽に至る前に終わるだなんて、暇潰しにもならない……まぁ、その後の罵り合いは面白いと思わなくもなかったが。

「ふむ、それにしても無駄に遅れてしまったな……次から依頼を選別するとしよう。」

ため息を吐いた彼は歩みを進めながらも今日の教訓を噛み締めて報酬の1つとして受け取った半分ほど凍ったままのスポーツドリンクの蓋を開けて一口喉へと流し込む。冷えきったそれが喉を潤して全身を襲う熱を少しだけ和らげてくれる。まぁ、流石に焼け石に水のようなものではあるが、無いよりはマシだろう。さてはて、熱帯林の如く蒸し暑くなっているであろう部室の様子はどうだろうか、と様子を伺った所で部室に入っていく二つの人影。それには非常に見覚えがあって、誰だか、と言うのは容易く理解が出来る――――正確には、片方の人影は一週間程度しか見ていないので何とも言えないのだが、ね?
いや、しかし、サボりだと思われては敵わない、その思いで進み続ける脚を意図的に早める。

「諸君、ご機嫌如何かな?うん、暑さで体調が崩されそうなのは見なくたって分かるとも。いやはや、どうやら遅れたようですまないね……次からは気を付けるさ。」

相変わらずの爽やかな癖に無機質感溢れる貼り付けたような笑みを浮かべた彼は颯爽と挨拶がてらに微塵たりとも思ってなさそうに一応の謝罪を述べておくと、スマートかつマイペースに部室の中へと踏み込んで行けば適当に空いていた椅子へ腰を掛ける。
その姿は背筋がピンと伸びている割には何処か大人の余裕のような物を感じさせる上に、ティーカップと英字新聞がよく似合いそうな程の紳士の雰囲気を醸し出して。まぁ、彼は学生なので机上に置かれているのは半分ほど凍り付いたようなスポーツドリンクだし、流石に英字新聞なんて機会が無ければ読まないのだが。

>all

【ちょっとタイミングを見失ってしまって遅れましたが、取り敢えず部室内に入れておきますね……!】

8日前 No.12

@siromi ★M4WUxX33bd_ouC

【松蔭高校/三階廊下→空き教室前/不破 辰巳】

2回目の1年生。それだけでも周囲から浮きがちな現状に慣れ始めた今日この頃。だがそれはあくまで,生きた人物,の視線からであって、,それ以外,からの視線からは背を向ける日々が続いた。この現状を未だ認められず、ひょっとしたら本当に皆の言う通り一種の精神病なのかも、と言う疑惑に縋りつつある始末だ。
けれどもう、この現状と切っても切れない事態になってしまっている。過去の俺はいったい何を血迷ったのだろう、俺はいつの間にかあの変態的なまでにオカルトに執着する変人集団の仲間入りを果たしていた。留年について見られ、陰で何かしら言われてしまうのはまぁまだ分かる。問題は何故俺が帰宅部ではなくオカルト研究会なんてところを選んでしまったか、だ。少なくとも今の俺はその自問に自答出来ずに居た。
日本特有のじめじめとした蒸し暑い季節。その熱気にあてられ、いつも以上に上手く回らぬ頭を無理矢理回転させている最中、この足は自然と3階廊下を歩き、例の如く空き部屋へと引き込まれるように向かっていた。顔を上げた頃にはついてしまったと言う謎の後悔と同時に、首筋に当てたコーラの冷気が少しずつ失われてゆくのをじわじわと感じさせられる。さて…ほぼ同時に着いたであろう前方の彼に次いで入るとしよう。

『ちわーっs………』

出入り口の前に立った途端、この身を包む暖気と肌の上をじとりと艶めかしく這う湿気に顔は歪み、気だるげな声は不意に途切れる。その場を何かで表すなら、サウナ。大袈裟に言ってしまえば地球温暖化の原因と言ったところだろうか。廊下は少なからず空気が、風が循環しているだけまだマシだが、風通しの悪いその一部屋には熱気が籠り、視界が揺らめくような錯覚さえ起こさせる。その上一部始終だが聞こえてしまった不穏なホラー映画談義に花を咲かせる、先に室内に入り氷菓子を味わう2人の喋り声。言っている内容は正直さっぱりだったが、少なからずオカルトの類だろうと察しが付く。アレが気の所為でなければここから先、俺は悲鳴を上げる事になりそうだ…。生存本能が囁くように脳裏にそう知らせてくるような気がした。

『……失礼しました』

なので俺は右向け右!と異様にキレのある動作をもってこの身を空き部屋から逸らす。そうしてこの場から逃げる心算だ。オカルト談義は聞かなかったふりをしよう、部屋の端の梯子なんて見なかった事にしよう。それに廊下にまで微かに零れた声を聞いて居た限り、部長の口から俺の名は紡がれなかった。それはつまりそういう事だ、うん。そう自己完結してしまえば、少量のコーラを喉奥へと豪快に流し込み、食道内で暴れる強炭酸の痛みにまるで梅干しのように萎みに萎んだ苦痛の表情を浮かべるのだった。
痛い、凄く…痛い。

>>空き教室ALL

【参加許可を下していただき有難うございます。それでは宜しくお願い致します!】

8日前 No.13

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

【松蔭高校/三階廊下→空き教室/勾田神影】

よっぽど空き教室の暑さに辟易しているのだろうか、翡翠のいつになく真剣そのものといった表情に神影はくすりと微笑む。これまで翡翠のように空き教室の設備について弁を交わせる相手はあまりいなかった……というかそこまで気の回らなかった神影としてはこういった会話は新鮮である。これは割りと本気で空き教室に扇風機が仲間入りすることもあり得るかもしれない。そうであったら神影も嬉しい。

「……熱帯か此処は?」

そして空き教室に一歩足を踏み入れてこの台詞である。暑い。暑すぎる。常夏の島ならまだわかるが此処はただの空き教室である。雰囲気からして暑苦しい。思わず扉を閉めて帰りたくなってしまったが、此処はぐっと我慢する。なんといったって神影は三年生、詰まる所の先輩なのだから。こんなところで暑さにへばってとんずらして良いだろうか、いや、良いはずがない。そんな無理矢理な反語で自分を奮い立たせた。

「全く、何をどうしたらこんな暑さになるんだ……。遅れてすまないね、決して邪な気持ちがある訳じゃないから許しておくれ。ほら、翡翠だっていることだし。━━━━翡翠、君から皆に知らせたいことがあるんだろう?此処は勿体ぶらずに宣言するのが吉だよ」

下手したら誰かが溶けてしまうのではないかという中で神影はパンパンと手を叩き皆が此方に注目するようにと促す。後輩のサポートも先輩の仕事だ。せっかく翡翠が耳寄りな情報を持ってきてくれたというのだから、小耳に挟む程度ではなく大々的に聞いてもらいたい。あとそのアイスはなんなんだ。僕の分はないのか。……そんな私情を挟んでいるのは神影だけが知ることだ。
そんな中、明らかにこの空き教室から退散しようとする声が神影の耳に入る。これはいけないと思ってから神影がそれを行動に移すまでは数えるまでもなかった。つまりは瞬時に“彼”へと視線を向ける。

「まあ待ちたまえ辰巳。お知らせくらいは聞いておいた方が良いと思うのだがね。連絡事項は把握しておかないと後々になって痛い目を見るぞ。それで一回やらかした奴もいるしね。暑さについての文句は是非ともお天道様に言ってくれ、こればっかりは僕もどうにも出来ない」

ほら早く入った入った、と埴輪のぬいぐるみをひょこひょこ動かして神影は一同が落ち着くのを待った。この暑さの対策については翡翠の話が終わったと同時に切り出すことにしよう、と決意しながら。

>>空き教室all様

8日前 No.14

アルタイル @orcus ★Android=ne9kdfeA4J

【枸杞谷真琴/空き教室】

 やたっ、と手頃なアイスを手に取る。この恩はツケておこう、と決めつつも、口には出さない。返すから! と言ってしまうより、何かのときに平気な顔で助けてあげればいいのだ。尤も、彼女にできなくて私にできること、なんてあるのかは分からない。

「映画……は、私あんまり詳しくないからなぁ」

 ひんやりと口に広がる冷たさを有り難く思う。
 曲なりにも副会長ではあるが、私はホラー映画というのは見ないタチだ。そもそも今年になるまでそんなものとは無縁だったし、マンション独り暮らしの身としては余計なものに憑かれたら堪らない。実際にそんな呪いのビデオがあるかはともかく、それこそこんな会の中でしか、見る機会も話す機会もない。
 うーん、と返事に困る間に、教室に続々と他のメンバーが集まってくる。最後にやってきた翡翠と神影の合図で、意識はそちらに向いた。

「耳寄りな噂? 最近何か変なもの出たっけ」

 噂などという不確定な話題は、時に蔑ろにされることもある。けれどそれは世の常識人の中でのことで、好奇に溢れた奇人揃いのこのコミュニティでは、非常識なほど真面目に取り上げられるスクープだ。
 松村翡翠の元気はいつものことではあるが、今回はやけに自信ありげだし、隣に立つ神影の様子もどこか得意そうで、これは、と期待が高まる。
 最悪、デマでも構わない。この植物園より健康に悪そうな部屋でだらだら過ごすよりは、ああだのこうだの言いながら、外に出掛ける方がよほどいい。そう感じた。

>>all

7日前 No.15

本編開始@引き続き募集中 @haine345☆SyFFuyTE.oo ★Android=VtwZLh3fND

【松蔭高校/空き教室/氷室玄人、牧村翡翠】

>空き教室ALL

「なんだ、一気に雪崩込んで来たな。しかし悪いが今日は有力なネタがない。
だから天地のパソコンを使ってホラー映画の鑑賞会でもしようという流れ――む」

 勾田神影、牧村翡翠、穂村緋色に不破辰巳。
残りのメンバーは示し合わせたみたいにいっぺんにやって来た。今日も今日とてオカ研が誇る変人達は全員出席、欠けている顔は見られない。良いことだとしみじみ頷くべきか、それだけオカルトの占めるウェイトが大きいことに呆れるべきか。
室内の惨状を見た途端他人を装って帰ろうとする辰巳を誰かが止めるのも見慣れた流れだ。彼は部内でも屈指の「大丈夫? 心臓発作とか起こしたりしない?」枠であるが、アレはアレでなかなか見込みがある。と、少なくとも玄人は思っている。

 閑話休題。
今日は生憎のネタ切れ状態で、このままだらだらとホラー映画鑑賞会になる流れに思われたが、神影の台詞に玄人はその口を噤む。
オカルト研究会期待の新入生兼不安の暴走娘、牧村翡翠が何やら"ネタ"を持ってきたのだという。そういえば確かに入会の時、耳が良いのが取り柄だとか何とか言っていたなとぼんやり思い出しつつ、玄人は翡翠の方をちらりと見やる。
すると無い胸を堂々と張って、この場では学年的な意味でも会員歴的な意味でも一番の後輩(同学年の会員は居るが)である少女は口を開いた。

「ふふん、実はその通りなのです! お喜び下さい暇人の皆さん! ネタ切れの退屈感と猛暑の熱気に喘ぐ皆さん!
皆さんの後輩にしてオカ研のマスコットキャラクターこと翡翠ちゃんが、この惰性という言葉を具現化したような時間を終わらせて差し上げます!」

 いつからお前はその立ち位置に就いたんだ、だとか、出てくるなり随分な物言いだな、とか、言いたいことは各々たくさんあるだろうが翡翠はそういう諸々を気にする人物では全くない。勢いと雰囲気に全てを任せて突き進むのが、このトラブルメーカーな娘の常套手段だ。
尤も後半部に限って言えば、翡翠の台詞は嘘でも偽りでもない。あくまでも部長である玄人とその他部員諸君の意向次第ではあるが、少なくともホラー映画を皆で暑さに耐えながら鑑賞する放課後にはならずに済む。翡翠の手土産は、それほどの価値を秘めた"噂"だった。
勿体ぶらずに宣言した方がいいという神影の発言は至極正しいが、しかし人は勿体ぶりたくなる生き物。それに絶対の自信があるなら尚更だ。翡翠は敢えて最初から本題に入ることはせず、指をぴんと一本立てて皆へ問うた。

「皆さん――<禁后教>って覚えてますか? ほら、あったじゃないですか。三年前くらいに大騒ぎになったカルト宗教」

 ――禁后教。きんこうきょう、と読むそれは、確かに今から三年前、2004年の日本を騒がせたカルト教団だった。
規模は決して大きかった訳ではない。かと言って少なかったという訳でもないが、同程度の宗教団体なら国内には無数にある、その程度の勢力。それがある時突然、狂ったようにとある主張を唱え、ヒステリーのように街角で喚き散らすようになったのだ。

 "終末論"、である。字面は仰々しいが、終末論自体はかのキリスト教やヒンドゥー教にも存在する特段物珍しくもない教義だ。
最後の審判、弥勒菩薩降臨、救世主カルキの齎す世界再生、元会運世説、古いものでは百王説なんてものも存在する。かの有名なヨハネの黙示録とて、終末論の枠組みに組み込んでいいという宗教家も居るくらいだ。この程度で物騒物騒と騒いでいては宗教など信じられない。
第一科学の世界にだって地球という惑星に縛られる限り不可避の絶対終末が何十年と前から立ち塞がっている。では何故、人々はそれを恐れないのか。答えは簡単だ。それは今すぐにやってくる問題ではない――自分も、その親も子も孫も、皆々死に絶えた遥か彼方の未来に訪れる終末だから。これに尽きる。一万年後にやって来る破滅を恐れて頭を抱える者はまず居ないだろう、そういうことだ。

 が、その終末が今この瞬間目と鼻の先にあると言われたなら話は別だ。
禁后教はあろうことか、社会に向けて声高らかにそう主張してみせた。世界は直に終わる。この終末を防ぐには教祖である「禁后」の御力に縋るより他にないから今すぐ入信せよと拡声器で喚き立て、社会問題にも発展した。行政も動き、それなりに重い処分を幾つか食らって大人しくなるかに思えたかの教団だが――問題はこの後であった。
他ならぬ守るべき国、救うべき民によって終末の回避を邪魔立てされた彼らは、已むなく自分達だけでノアの箱舟へ乗り込んだのだ。彼らは彼らなりの手段で以って、恐ろしい終わりの向こう側へと旅立った。
奥多摩山中での集団自殺、というやり方で。件の「禁后」を含めた教団有力者数名による焼身自殺は社会に大きな衝撃を与え、カルトというものの恐ろしさを皆の心に深く刻み付けた。
とはいえ、犠牲が数人で済んだのは不幸中の幸いであったと言えよう。曰く、教団上層部の暴走が原因らしい。勝手に不安を振り撒いて自分達だけで逃げ出すなんて、と教団内外から糾弾の声があがったが――禁后の死と国による解散命令でかの邪教は今、日本のどこにも存在していない。此処でようやく、牧村翡翠が見初めた心霊スポットの話に戻る。

「そこの関係者が運営してたっていう病院が、K区の外れにあるらしーんですよね。もちろん今はやってないんですけど。
噂によるとかなりヤバいらしいです。面白半分に肝試しに入った学生が今も行方不明だとか、呪い上等のイケイケな某番組が唯一収録をボツにしただとか。……まあ流石に幾つかは尾鰭でしょうけど、なかなか骨があると思いますよ? どうですっ?」

「ふむ……確かに初耳のスポットにしちゃ、なかなかパンチが利いてるな。お前ら、どう思う?」

 心霊スポットと呼ばれるに足る"いわく"はやや弱いが、尾鰭だとしてもなかなか剣呑な文句だ。
オカ研の面々ですら聞き覚えがない穴場ということもあり、確かに夏の退屈さと暑さを紛らわせてはくれそうである。はてさて、勇猛果敢にして命知らずなオカ研会員達の意見は、如何に――。

7日前 No.16

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★DoaFJQIlTR_ouC

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7日前 No.17

雪鹿 @class ★Android=42zyboh5vZ

【松陰高校/空き教室/穂村 緋色】

何時ものように騒がしくもある変人奇人ビックリ箱のような部室は存外、見ていて面白いものだ、と内心ではひっそりと思いつつ、恒例となった不破一年生の直帰宣言と誰かがそれを引き留めている光景を相変わらずの澄まし顔で物見していた。面の皮が厚いと言うべきか、人様の喧嘩を眺めて笑ってるような趣味の悪さを言及すべきか、はたまたその両方なのか。
いずれにせよ、何とも性根の悪い男である事に変わりはないだろう。それが例え、彼の無意識の所業だとしても―――いや、無意識なのだとしたら尚更に質が悪いと思うが。
さて、そのような今更と言う他無いような話題は一先ず置いておこう。なにせ、話は時の流れように淀み無く進んでいき、映画鑑賞会という個人的には部員達の反応を鑑みる事と専ら知識の吸収に専念する、それだけでも面々が面々なだけに面白くはあるのだが、やはり何か物足りなく感じないわけがない。今日はもしかしたら、なんて思ったものだから多少の気落ちはしたのは確かだ。

……と、そんな気落ちした所に不意にコツリと大分溶けてきたスポーツドリンクのペットボトルに何かが当たって止まった。何かと思って見てみれば、結露によって表面を濡らしたアイスボックスが其所に堂々と立ち尽くしている。勿論、それを確認して1つ机上に視線を運べば犯人―――と言うと人聞きが悪いのでサンタさんとでも言うべき者は容易に分かる事だった。

「素敵な贈り物、感謝するよ。レディ。」

思い浮かべる物は一緒であったらしく、少しばかり、キザったらしい台詞をさらりと何時もの事であるかのように告げると共に、柔らかくも子供らしさは微塵も感じさせないような薄い微笑みを天地へと向けた。なんというか、高校生らしからぬ雰囲気のせいで妙に様になってしまっている割に、机上に置かれているのはアイスボックスとスポーツドリンクで場所が空き教室と言うのが、珍妙だが。

そんな折りに、他の面々と比べて新顔と言わざるを得ない新入生の少女の牧村一年生。明朗快活な少女なのだが、オカルティズムに疎い私から見ても些か知識が欠けていると思わなくも無かった。別にそれを批判するつもりも無ければ、決して嫌いだとかマイナス感情を抱いている訳でもないさ……どうやら、いつもの癖でうっかり脱線してしまったね。話を戻そう。

禁后教、それはオカルトに詳しくない僕でも勿論知っているとも。むしろ、オカルト分野の中では比較的知識がある件だと言ってもいい……ああ、他の面々より詳しく知っているわけではないさ。
ただ、一種の『事件』にまでなったとあれば探偵として興味も関心もあったわけで、勿論一通りは把握しているとも。拡声器で世間へと自身達の教えを訴え続けた事も、その果てに現世からの逃避と焼身集団自殺を行った事も……人の考えはそれぞれだ。馬鹿にするつもりは全く無いが、他の方法は無かったのだろうか、と思わない事もない。
しかし、終末論の否定、それはすなわち、終わらない事の証明。証明を生業にする探偵であったとしても、それは不可能だろう。早い話が解決不可能、そう決め打って頭の片隅に追いやったのだが……まさか、今になってその話題を聞く事になろうとは思わなかった。

聞き始めは微笑みを湛えていた顔色も考察や検分を頭の中で粛々と行っていたものだから、無意識の内に真剣な面持ちへと移ろった。そんな所で、不意に意見を求められる声とそれに先駆けて応じる形で放たれた参加表明にぷつりと思考が切れる。ああ、いけないいけない。考え過ぎてしまったかな。

「ああ、それなら僕も一片の迷いも無く勿論賛成だとも。思いもよらぬ謎を見付けるには、非日常へ自分から飛び込まなくては話にならないからね!」

アイスボックスの蓋を開けて一つの氷塊を口へと運べば、再び爽やかそうでいて作り物臭いと言うか、胡散臭い笑みを浮かべた彼は普段と変わらない声量の癖に、何処か子供っぽく見える楽しそうな雰囲気を漂わせていた。おおよそ彼なりに、久しい探求が出来る事が余程楽しみなのだろう。それもそのはず、なにせ彼は事件に自分から首を突っ込んでいくような度胸と躊躇いの無さなら、小説の中の探偵と何ら変わらないのだから。

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7日前 No.18

アルタイル @orcus ★nkaO2WpZ4T_ouC

【枸杞谷真琴/空き教室】

 きんこーきょー……と少し考えて、思い出す。三年前、私がオカルトのかけらとすら無縁だった頃、日本社会を掻き乱した宗教団体だ。
 始めこそ、掲げた終末論のインパクトを武器に一定以上の信者を獲得、その後一気に過激化して文字通りに燃え尽きていった暴走列車。その経過は毎日にように各局で報道され、それでも事件の熱りが冷める頃には、大多数からは“ちょっと前にあったこと”程度の話で片付けられている。無理もない。彼らの巻き起こした嵐は、あまりに非現実的過ぎた。
 件の病院の経営者は、そんな連中の関係者__というからにはある程度幹部的な立場の人間だったのだろう。幽霊やら心霊現象との関連は薄い気もするが、確かに厄介な事案をいくつも抱えていそうなスポットではある。
 スプーンの上で溶けかけているアイスを流し込んで応える。流石に無理をしたらしく、キーンとしてちょっと顔を顰めた。

「行方不明にはなりたくないけど、私も乗るよ。ちょっと手狭かも知れないけど、せっかくの舞台だもの」

 だから、現代の夢なき探索者として、降りる手はない。
 怖くないと言えば嘘だ。けれども、その恐怖も、未知を追う興奮も、もはや科学の世界では味わえないものだ。人々の強い念が集まる場所は、時に異界に通ずるのだという。廃病院なんて正にそうで、さながら魔界。二十一世紀のぼくらがオカルトを探検することと、二十世紀の旅人が月面という異世界に踏み出したことの、一体何が違うというのか。
 我らオカルト研究会は奇人揃いだ。誰も彼もが何かしらの爆弾を抱えていて、それは私だって例外じゃない。
 喩えどれほど怖くとも、如何なる不安があろうとも、この身をただ探究心に委ねることができる。そういう星の下に生まれた、生きる限りの旅人。それが私だ。
 多分、何かが足りていないのだろう。感情とか、本能とか、そういう分かりやすいものではなくて、もっと目立たない、想像だにしないほんのちょっとしたネジが抜けている。そのおかげで、私はこの会にいられる。特別な能力も、格別の知識も無い真琴という人間は、ただ冒険ができるというだけの理由で、研究会に吸い寄せられた。
 それはさておき、カップの中で半分液状になった氷菓を掻き集めながら付け足す。

「“禁后教”なんて、そこらの本には解説されてないしねー」

 ゴシップ系の書籍にはまるで興味が無いから、彼らの唱えた終末論が一体何を以て終末なのかなんて忘れたし、実際どれだけの規模の団体で、誰が構成員だったのかも知らない。実際、民俗学の本に載るような宗教ではないし、“知らないものを知る”という私の目的と、今回の翡翠の特ダネは繋がるものがあった。

>>all

7日前 No.19

本編開始@引き続き募集中 @haine345☆SyFFuyTE.oo ★Android=VtwZLh3fND

【松蔭高校/空き教室/氷室玄人、牧村翡翠】

>空き教室ALL

「確かに懐かしいな、<禁后>。マジに絵に書いたような邪教だぜ。
結局具体的にどうして世界が終わるのかは全然明かされずじまいで、一部信者の起こした集団ヒステリーだったとすら言われてるが――」

 オカルトというのは何も心霊沙汰に限った話ではなく、如何にもコンビニの本棚に置いてありそうな陰謀論も一応はその枠組みに含まれる。このオカ研にはたまたま、心霊専のマニアが多いだけだ。玄人はどちらも行ける質のマニアである為、謎に満ちた邪宗門の残骸に踏み込めるという辺りでも高揚を覚えているらしい。何とも物好きなことである。
さておき、会員達の反応は概ね好意的だ。普通、軽い気持ちで入った人間が行方不明になっただなんて曰くを耳にしたなら怯んで怖じ気付くのが当然だが、しかしそこはオカルト研究会。松蔭高校きっての変人集団が"普通"の筈もない。
玄人は此処で時計にその目を向ける。午後四時三十分を、無機質な安物の壁時計は示していた。此処からK区まで行って、実際に場所を探すのに少し手間取るだろうことを思えばなかなか丁度いい時間と言えよう。

「勾田先輩と不破さんはどうですか〜? 怖いんなら別にお留守番でも構いませんけどっ」

 口元に手を当て、からかうように言うのは翡翠だ。
予想通り、自分の提案が高く評価されたことで随分機嫌を良くしているらしい。自分の分の氷菓をごく自然な動作で口に運びながら、一方でスマートフォンの電源を入れ何やら弄り始める。場所の確認をしているようだった。

6日前 No.20

@siromi ★M4WUxX33bd_ouC

【松蔭高校/空き教室/不破 辰巳】

「え゛ほっ…あがッ…!…はぁ…。でも此処で言う事って大体1つしかねぇだろ…。どっちかっつーと聞かねぇ方が吉なんだよなぁ俺としちゃ…」

喉奥で弾けまわる痛みに喘ぐ最中、丸い背に待ったをかける人物がいた。勾田先輩だ。見ているだけで暑苦しいその風貌に眼を細めながら、喉の調子を整える。そうして一旦は出入り口の枠に身を寄せ凭れかかれば、コーラ片手に両腕を組んで、自然と彼女を見下ろす形となろう。うだうだと文句ありげに言う俺だが、このオカ研に入ってしまったが最後だったと言える。つまりは過去の自身の自業自得なのだ。

そうして牧村の話を黙々と脳に流し込む。簡易的に纏めると、一時期やべーこと起こした宗教の関係者がやってたヤバそうな廃病院行こうぜ、って事か。無論、行かない。普段の俺ならそう言っていただろう。しかし聞いている限りでは、心霊に関しての情報は薄く感じる。どちらかと言えば洗脳、カルト宗教、もしかすると儀式の類のオカルトと言えるのではなかろうか。しかし俺としちゃ十分な心霊ものだ。
禁后教。一時期世間を騒がせたものの、今は人々の記憶から無に帰していると言っても過言では無いような話題だ。だが俺にとって、この話しの肝は彼らが唱えた終末論でも、それを世間へ訴えかけんとする奇行でも、ましてや集団自殺の件でもない。大事なのはその「禁后」の部分であった。当時両親の使っていたパソコンから、好奇心に任せて何故「禁后」教なのか調べた事がある。
その時目にした奇妙な記事と禁后教が直接的に結びついているものか、其処までは知りもしない。
一先ず俺は自身に対し返事をすることに待ったをかけた。怖い、とてつもなく。絶対宗教団体に入ってた奴らの何かが掛ってるだろ(いやまぁ何かは分からないが)。だがそれよりもっと怖いのは、此奴らが好奇心に身を任せて人様に迷惑を掛ける事になるか、或いは自滅して行く末路だ。眉間に皺を寄せ瞼を伏せた俺は、左手の指をとつとつと軽く腕に打ち付け、考える。その時瞼の裏を過るのは、禁后教について記された新聞紙と止め処無く放送されるニュース。禁后教についての批判と話題の嵐。そして何より、「禁后」についての奇妙な記事。あやふやでありながらも微かにハッキリとしている記憶を呼び覚ませば、頬には冷や汗が伝った。
そうして瞼を再び開け、見慣れた顔ぶれと調子に乗った新入部員の態度に眉間を寄せた。

「禁后教って…これまた懐かしいのが…。ってか廃病院ってホラゲーだのホラー映画だの…お決まりスポットじゃねぇか!何、そんなに俺の心臓止めたいわけ?オカルトの一部にさせたいわけ?絶対アレだろ?ガラスとか割れてたり診察室が血まみれだったり電気がカチカチしてたりするんだろ?んでもって医者がサイコパスで………。もうそのパターンは分かってんだよ!」

些か熱烈に暴走した妄想がポンポンと脳裏に浮かんだ途端口から吐き出す。カタカタと震える奥歯をギュッと噛みしめ、誰に対してか分からぬ人差し指をビシッと伸ばしさし示した。前髪に隠れた目は見開かれ、ぎょろぎょろと生きの良い魚のように泳いでいる。
上記だけ見れば、俺は完全に反対派となるのだろう。

「…いや、でもまぁ……うん。…ヤバいって思ったら引き戻すかんな…?!」

賛成派でもない。強いて言うなら中立派だ。暴走列車だらけのオカ研、冷静そうに見える奴も例外ではない。少なくとも俺はそう思っている。特に部長やこの話を持ち込んできた牧村、そして何より天地。きっと俺だけじゃこの3人の手綱をひくことは出来ないだろう。しかし無いよりはマシだと自身に言い聞かせれば、遠まわしに賛同の意を示す事にした。

>>空き教室ALL

6日前 No.21

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

【松蔭高校/空き教室/勾田神影】

危うく踵を返して帰ってしまいそうな勢いの辰巳だったが、なんとか踏みとどまってくれたようで、見下ろされる側の神影も内心ほっとない胸を撫で下ろす。こういったイベントには部員全員で参加せねば意味がない。そう考えている神影としては、何がなんでも説得するつもりでいたのだ。少しでも参加しようと考えてくれているのならこれほど喜ばしいことはない。

「ふむ……禁后教か。これまた懐かしいものを引き合いに出してきたね。最近になってだいぶ騒がれなくなったみたいだけど、まだ足跡が残っていたとは……」

翡翠が口にした“禁后教”なる単語に、神影はふむと少し考えるような素振りを見せた。彼のカルト集団の名前なら神影も聞いたことがあるし、勿論彼らの起こした騒動とて把握済みだ。かつては毎日のワイドショーで騒がれるほどには話題になっていた彼らだが、最近ではめっきり耳にすることもなくなった。
そんな禁后教の関係者がかつて運営していたという廃病院が今回のフィールドワークの舞台になるらしい。翡翠によればなかなかの手応えがありそうな物件である。本当に肝試しに入った学生たちが行方不明になったり、とあるバラエティー番組で其処の企画だけ没になったりしたのかは不明だが、そういった噂が流れる程度には雰囲気のある場所なのだろう。嘘か真かは行ってみなければわからないし、まず己の目で見なければ何も始まらないと神影は考えている。そのためふぅ、とひとつ、小さく息を吐いてから一同に向き直る。そして翡翠の茶化すような言葉に、ふっと緩やかな笑みを浮かべた。

「こんなに良い話を持ち掛けられたんだ、わざわざ僕が断るわけがないだろう?もしも翡翠から知らされる前に僕がその廃病院の噂を聞き付けていたのなら、まず一人でも行っただろうさ」

本人は冗談めかすように口にしてはいるが、これは恐らく本気のものである。普段の佇まいから神影は割りと落ち着きがあり、常識も持ち合わせている部類と思われることもなくはないが、実のところ彼女は暴走しやすい上に向こう見ずだ。テンションの上がる……つまり自分の趣味嗜好ドストライクな案件もしくは現象に出会ってしまったが最後、神影はいつもの落ち着いた物言いをかなぐり捨てて危険も顧みずに突撃していくことだろう。これまでも神影はストップをかけられていなければ帰らぬ人となっていたであろう行動を起こしていた。今回とてその可能性は決して低くはないだろう。

「見た感じ、全員参加のようだね。うん、やっぱりこういうのは皆で行くものだ。危険な場面に遭ったら僕がどうにかするから安心したまえ。……嗚呼、そうだ。━━━━翡翠ちゃんサイコー!!」

かつて神影とフィールドワークをした者なら「お前が言うな」と突っ込まれてしまいそうなことをさらりと口にしてから、神影ははたと何かに気づいたのか一瞬口をつぐんだ。そして、その小さい体躯で力一杯ジャンプをしてから、先程翡翠としていた小さな約束を果たしたのである。

>>空き教室all様

6日前 No.22

本編開始@引き続き募集中 @haine345☆SyFFuyTE.oo ★Android=VtwZLh3fND

【松蔭高校/空き教室/氷室玄人、牧村翡翠】

>空き教室ALL

「ま〜、不破さんの言ったのがテンプレですよね。何故か窓や出入り口が開かなくなって、よく分からないクリーチャーに追い回される、も追加で」

 ホラー作家も、如何にしてその場所から探索者達を逃さないか考えるのはさぞかし大変だろう。
翡翠的には、いざ逃げ出したら自分の知っていた景色とは全然違っていて結局意味がなかった――とか、そういうオチが好きなのだが、現実で起きて欲しいとは流石に思わない。……尤もオカ研が誇る命知らず達の中には、それさえ結構!と頷く面子も居そうであるが。

「満場一致だな。頼もしい会員を持って俺は嬉しいぞ」

 皆、翡翠の提案を断る理由はなかったようだ。一見乗り気ではなさそうな辰巳も、止めるのではなく賛同の意を示している。天地が見繕ったホラー映画を鑑賞する会は、どうやらまたの機会になりそうだった。
玄人はニヤリと笑うと、もう使われることもないだろう乾ききった黒板にチョークをカカッと素早く走らせていく。

「情報を整理すると――今回のスポットは<禁后教>の関係者が運営していた廃病院で、語られている曰くも失踪者が出るなど比較的物騒。この時点で、単に"出る"と言われているだけの場所に比べて脅威度も期待度も上なのは言うまでもないが……」

 気になるのは一つだ、と言い、玄人は白チョークで記した<禁后教>の三文字を丸で囲む。

「未だ謎多き件の教団と、心霊スポット扱いされてる理由との間に繋がりがあるのかどうか。
そもそも何も出ない"ハズレ"だって可能性は一先ず置いといて、そこに居るヤツと禁后の間の因果関係はぜひ探ってみたい。もし、こいつらが一つの線で結ばれたなら……そいつはメチャクチャ面白いからな。宝の地図めいてくるぜ」

 杞憂の終末論の果て燃え尽きた熱病の宗教。忘れ去られた廃病院に蠢く怪異。
一見無関係そうなそれらを結び付ける線は既に半ばほどまで描かれていて、後は最後の一歩を詰めるだけ。
普通考え過ぎと一蹴されそうなものだが、時にその"考え過ぎ"が過剰でも何でもなくなるのがオカルトの世界だ。
玄人のような倒錯者にはそこが面白い。単純な恐怖以上に、バラバラのピースがパズルのように組み合っていくところにこそロマンがある。

「じゃあ、各自準備等あるだろうから――今から一時間後に校門前集合でどうだ?
そのくらいに出発すれば、きっと着く頃にはちょうどよく薄暗い感じになってると思うんだよな」

 スポットに出かけ、怪異に遭遇すること自体はどんと来いだがそれ以外の危険には可能な限り出会いたくない。少なくとも玄人はそうだ。
不測の事態に備えて応急処置の道具や水分を持ってくるのは当然だし、そもそも懐中電灯がないと探索なんて出来るわけもない。
そういう意味でも一旦解散し、また再集合とするのが最も合理的と判断した。心配せずとも、時間は沢山ある。テスト期間もまだまだ先だ。

「いやあそんな褒められると照れちゃいますよ〜、いくら翡翠ちゃんが超絶出来る子だからって〜」

 褒められれば何でもいいのか、すっかり調子に乗り切っている翡翠をよそに――今日の探訪が、いざ始まらんとしていた。

【全員分の御返事確認致しましたら、移動パートはバッコリ省いて廃病院探索パート移行しようと思います。
明日〜明後日くらいには移行の予定ですので、もし遅れそうという方や、自分の返事は待たなくていいという方がいればサブ記事に連絡お願いします。】>ALL本体様

6日前 No.23

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★YRuDhSwQ0p_ouC

【 松蔭高校・空き教室 / 天地天地 】

 さすがは愛すべきオカルト研究会の同士たち。「そんなヤバい所に行けるか! 俺は帰らせて貰うぜ!」という一般人的な死亡フラグはたてず、ヤバい心霊スポットに集団で突撃するというオカルトマニア的な死亡フラグを皆がたてた。……あれ。どちらにせよ死亡フラグだ。
 閑話休題。英国紳士じみた微笑みでアイスの礼を述べる緋色にひらりと笑顔で片手を振り返し、自身は机の上に残っていた最後のアイスに手を伸ばす。これで本日みっつめのアイスクリームだ。腹の弱い子ならそろそろ下痢を危惧する頃合。生憎天地は賞味期限が一週間前の牛乳くらいなら加熱せず飲める程度に頑丈なお腹と消化器官の持ち主なので、このくらいの量のアイスじゃそうはならない。むしろ目の前にあれば四つ目でも五つ目でもイけそうな調子だ。だって暑いし。夏だし。

「一時間後に集合ね、了解ッス! 懐中電灯とか、おやつとか、蚊がいそうだから虫除けグッズとか、廃病院なのを良いことにひょっとしたら住み着いてるかもしれないホームレスに襲い掛かられた時のための催涙スプレーとか、そんな感じのものをざっと準備して来るッスねー」

 言うが早いか、さっそく帰宅し我が家で用意に取り掛かるべく教室から出て行く天地。もちろん、来た時と同じく折り畳み梯子を使って窓からの退室だ。どうせ下の草叢の中にしまうのだから、だったら降りるのもこれでしたほうが手っ取り早く効率的である。外の様子を確認し、相変わらずオカルト研究会の部室の周りには人影が乏しいことを確認して窓際に梯子をたてかけた。するすると降りて行く足取りが消防士並の“慣れ”を感じさせる。きっと高校に入学する前にもこの移動方法を使っていたに違いない。

「それじゃあ皆さん、また後で!」

 真夏の太陽がよく似合うスマイルと共にグラウンドから空き教室目掛けて挨拶を飛ばし、梯子だけ目立たないようこっそり隠蔽工作を施すと、正門まですたこら走り去ってゆく。所詮『オカルトマニアに起因する変人』たる天地だが、時折こうして『オカルトマニアでない部分』にも変人らしさが見え隠れするのもまた彼女の特徴だ。それさえ浮かないどころか、むしろ馴染んでしまえるオカルト研究会の気風に今日も感謝。天地は家族の次にこの高校で出会ったオカルト研究会の面々が好きだ。願わくば、これからも月の無い漆黒の海上にボートを浮かべて蝋燭の光だけを頼りに鏡を覗き込んで皆でブラッディ・マリーを三回唱えたり、メンバー揃い踏みでトイレの花子さんや太郎くんを求めて色々な学校の便所ドアをノックして回ったりしていきたい。……トイレの太郎くんは、確か都市伝説ではなくビデオ時代の某ホラーアニメの創作だったか。うん、じゃあ太郎くんは諦めて代わりに赤紙青紙とか紫ババア辺りを捜索対象に組み込もう。ともかく、そんな風に好きな子達と一緒に好きな物を追い求めていきたい。それこそが、紛う事なき天地天地の本音だ。

>ALL様

【移動パートは省略して廃病院探索パートからの開始とのことで、承知いたしました。ついにストーリーが動くのが楽しみです!】

5日前 No.24

雪鹿 @class ★Android=42zyboh5vZ

【松陰高校/空き教室/穂村 緋色】

さて、これは言うまでもなく予定調和と言う他無い位に想定されていた事ではあったが、全員が拒否する事なく件の廃病院へ行くことが確定した。過半数はオカルトとなれば私以上に命知らずだからね、この程度で驚いたりはしないさ。その勇猛果敢な姿勢が無謀にならないとは言わないが、少なくともオカルト研究会という立場に置いては基本のスタンスとして間違いではないのだろう――――あぁ、不破一年生のように用心する、と言うのも実に大切だとも。こういった面々の中には一人くらい居てもらわなくては困るくらいの存在ではあるのさ。

そうして、氷室三年生が一通りの大まかな目的や情報の整理を行ってくれたが、粗方としては同意見と言う他無いだろう。確かに、禁后教と廃病院の繋がりは気になる点ではある。それに失踪者が居るとなれば、それは明確に解き明かさなくてはならない事件だ。もっとも、オカルティズムに関しては知識が無いので然程の活躍は難しいだろうが、それは……まぁ、分からなければ聞くという形でも取って行くとしよう。

「点と点を結び付ける、か。それであれば、僕も力になれそうだね。廃墟探索となれば、僕も多少の準備をするとしよう。では、また一時間後に。」

ははっ、と相変わらず爽やかで無機質な笑みを浮かべたまま、氷室の賛同するように僅かな頷きを見せて天地が早々に事前準備をするために窓から外へと向かっていったので彼もまた、机上に置いていた飲み物をズボンのポケットに入れた後に施されたアイスボックスを手に取って粛々と部室から出ていった。
廃墟探索に必要な物は分かっているとも。なにせ、そういう場所で密会する者も居るのでね、探偵としては必須の知識ではあるのさ。まずはペンライトと手袋、それと後は――――そうだな、非常食とガムテープにカメラ……は携帯で代用出来るかな?確か、家に準備をしてあるはずだから、そこまでの時間は要らないだろう。ともかく、鞄があると邪魔だから重荷になるのはいけない。それに、移動の際に中で物同士がぶつかって音が出てしまうからね。いざ、という時なら捨てて逃げても構わないが、そういった物は致命的な証拠になってしまいがちだからね。

と、廃墟探索についての思考を巡らせながらも普段通りの澄まし顔で氷菓を口に運びながらも階段を変わらない一定のペースで降りて行く。夏という事もあって未だ明るい外も一時間もすれば、確かに夜の兆しが訪れるのだ。
はてさて、怖い物を知りたいからこその探求心を持つ彼等を襲うのはおぞましき恐怖か、あるいは単なる落胆か。それは彼であっても預かり知らぬ神のみが知る未知である。

>all様

【いよいよですね……!次回よりのパート移行につきましては了承致しました。】

5日前 No.25

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

【松蔭高校/空き教室/勾田神影】

部員全員の了承が取れたということもあって、いよいよフィールドワークの下準備といった空気が流れ始めた。こういった準備段階が神影にとってはフィールドワークの醍醐味のひとつのようなもので、勿論フィールドワークで現地の探索をしている時も楽しいが、このように計画を立て、今後の行動を思索するのも活動のひとつと見なしている。そのため埴輪のぬいぐるみを抱く腕にも力が入り、心なしかいつもは半開きでじっとりとした雰囲気を漂わせている目元もぱっちりとして見える。
玄人の説明に胸を高鳴らせながら、神影は静かに彼の話に耳を傾けていた。暴走することに変わりはないが、説明はちゃんと聞いておきたいタイプなのだろう。それゆえ自分以外の部員が突っ走った時にはこれまた「お前が言うな」と指を差されそうな言動でやんわりと止めに入る。もしも神影がハイテンションになった際には頑張って止めるか、もしくはそのまま置いていくしかない。そうしなければ十中八九巻き添えが出る。

「ふむ、一時間後に集合か。それなら僕は非常食などを多目に持っていくとしよう。それでも念のため、皆は何らかの食事を摂ってくることをお薦めするよ。腹が減っては戦は出来ぬ、と言うからね」

密やかに微笑みながら、神影にしては先輩らしくアドバイスなんかもしてみる。たかだかフィールドワークに戦はないだろう、と突っ込まれるかもしれないが、神影にとっては戦も同然なのだ。恐らく一度自宅に帰ってがっつり夕食を食べてから戻ってくるのだろう。ちなみにオカルト研究会の部員である天地天地が窓から退出していったことに対して神影は何も言及することはなかった。まあ、慣れているのだろう。オカルト研究会に所属している以上、それなりに……というか相当変わっていることに違いはないのだが、順応力というものも相当のものらしい。周りの面々が何も言わないのもあるかもしれないが、それはそれである。細かいことは気にしてはいけない。だってオカルト研究会だし。
そうして入ってきた扉から出ていこうとしていた神影だったが、はたと何かに気づいたようで、くるりと一同を振り返った。彼女にとって大切なこと━━━━それを忘れたまま戦場に赴くわけにはいかない。

「このフィールドワークが終わってからで構わないのだが、この部室に扇風機を持ってこないか?さすがにこれからの夏を乗り切るのに、何もないんじゃ自殺行為だと思うのだが」

要するに、このフィールドワークが終わったら扇風機を取り付けてほしいとのことなのだろう。じゃあその厚着をやめれば良いじゃないか、という批判が飛んで来ないうちに神影は退散することにした。今目指すは件の廃病院、残念ながら文句を受け付けている場合ではないのだ。

>>空き教室all様

【いよいよ探索パートとのことでドキドキしています……!探索パートでもよろしくお願いいたします……!】

5日前 No.26

アルタイル @orcus ★nkaO2WpZ4T_ouC

【枸杞谷真琴/空き教室】

 再集合は一時間後、と口の中で反芻する。“丁度良く”も何も、別にオバケに会いに行く訳じゃなし、明るくたっていいとは思うのだが、実際のところ準備時間も確かに必要だ。だから、オカ研特有の言い回し、ということでひとつ片付けておくことにする。
 今から一時間。家から学校までは、自転車が仕事をするこの季節、往復して十五分も掛からない。必要そうな道具はすぐに出せるようになっているから、軽食を摂って一休みするくらいの時間はある。
 研究会に入ってすぐ、貯金を多少崩して買い揃えた探検グッズを頭で整理していると、モチベーションがむくむく起き上がってくる。廃墟、とはいっても瓦礫の山ではないだろうから、安全靴やらの大層な防具は必要ない。懐中電灯、虫眼鏡、ちょっと物騒な折り畳みナイフ、それっぽいという理由だけで用意したピンセット……等々、持ち運びに便利な小さなものを列挙していく。鞄を持ち歩くのは面倒だから、よく使うものは多機能ベストのポケットに収める方が簡単でいい。

「なんか、久しぶりにワクワクしてきたね。“研究会”なんていったらこれくらいじゃなきゃ」

 これよりは探求の時間。今や大部分が謎のままとなった禁后教の、その真っ黒い部分を白日の下に暴き出す冒険だ。喩え、教団と怪異の因果が一直線でなくとも、それはそれでいいタネになる。部室で既成の映像を貪るのだってれっきとした活動に違いないが、やはりサンプルは現地で調達するに限る。
 たかが高校生の趣味としては些かアグレッシブなケもあるけれど、踏み込むべき未知の残されていないこんな時代じゃ、仕方がない。
 さーてと、と一度伸びをして、席を立つ。先に放り投げたカバンを拾う頃、翡翠ちゃんサイコー、なんて歓声が上がったから、すかさず「サイコー!」と合わせて声を上げる。一度大声を出すと、気怠い暑さが少し気にならなくなる気がする。プラシーボ効果、なんてのは科学的には何の根拠も無いそうだが、少なくとも私は、気の持ちように簡単に左右されるタイプなんだろう。

「あ、扇風機、私も賛成。ここで回してもぬるそうだけど、空気の流れはできるでしょ、きっと」

 神影のナイスな提案に乗っかっておいて、私も家に戻ることにした。

>>ALL


【展開了解です、探索パート楽しみにしております】

5日前 No.27

本編開始@引き続き募集中 @haine345☆SyFFuyTE.oo ★Android=VtwZLh3fND

【羽見診療所/正門前/氷室玄人、牧村翡翠】

>ALL

 ――羽見診療所。三年前、かのカルト教団が燃え尽きると共に役割を終えた筈の医療施設は、今も取り壊されることなくその場に佇んでいた。
K区郊外、住宅の並びも疎らな寂れた一帯の中にひっそりと存在する"そこ"。滅多に人が寄り付かないのは勿論のこと、翡翠によれば命知らずの野次馬もそう寄り付かないという曰く付きの廃墟。その正門前に、オカルト研究会の面々は立っている。
予定通りに集合して、出発。別段何かアクシデントに見舞われることもなく到着した目的地は、時間帯が薄暗くなり始める夕暮れ時ということもあって心霊スポット特有の貫禄とでも言うべき威容を醸し出していた。
胆の小さい人間ならば顔を引き攣らせながら踵を返そうとすること請け合いの仰々しさ。しかし無論、この程度で臆する程オカ研の面子は軟ではない。むしろ望む所、という者が殆どだろう。そして会長である氷室玄人と好奇心の獣、牧村翡翠も例に漏れずその類である。

「なかなかそれっぽいな。広さも結構あるし、こりゃ探索のし甲斐がありそうだ」

 街の診療所なだけあって階数自体はそう多くないが、決して小さい訳ではない。どの程度中が片付けられているか、或いは荒れているかにもよるが、玄人の言う通り虱潰しに探すとしたら結構な時間を要するだろう。
そして何より気になるのが、此処には本当に出るのか、だ。オカ研は何も廃墟マニアの集いではない。幽霊という、科学の観点からはどうやっても証明出来ない存在を観測することが彼らの最たる目的だ。
噂通りに失踪したいなどとは流石に思わずとも、可能ならば此処に潜んでいるという"何か"の姿を拝みたい。空振りに終わる可能性の方が高くはあるが、それでも期待をしてしまうのが人の性、というもの。

「さてと……分かっちゃいると思うが、こういう場所は幽霊だの妖怪だのと出くわす以上に現実的な危険が付き纏う。
廃業してから三年で床が抜けるなんてことはないにしても、良からぬ連中が溜まり場にしてたり、浮浪者が住み着いてたりする可能性は十分以上にあるからな。だから単独行動は勧めない。出来る限り、集団で動くべきだと俺は思う」

 何といってもオカ研は女子が多いのだ。やはり、その辺りの不慮の遭遇には気を配っておくべきであろう。
……もしも"本物"が出てきたことを想定しても、だ。翡翠の語った物騒な曰くが真実ならば、一対一で向き合うべき怪異とはとても思えないのだし。

「勾田先輩、私と一緒に行きませんー? 先輩ちんまいですし、翡翠ちゃんが助けてあげますよ〜」

 だからまずは、編成決め。探索の下準備からだ。


【お待たせしました! これより、第一章本格スタートとなります】

2日前 No.28

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★YRuDhSwQ0p_ouC

【 羽見診療所・正門前 / 天地天地 】

 約束された一時間後の現在。昼下がりと変わらず夜でも元気なオカルト研究会ご一行様は、目的地たる羽見診療所の前に辿り着いていた。さすが曰くに曰くが付きすぎて葡萄のように実りまくった心霊スポット。見事に人気が無い。野次馬さえ寄りつかない、と聞き及んでいたが、こんな状態なら野生動物まで避けて通る勢いだろう。外れとはいえ、郊外地らしからぬ奇妙な雰囲気に包まれた一角。TRPGならここの地下室で邪心とか降臨しそうだ。壁の中に人骨が埋め込まれていても驚かない。

「やっぱ蚊が飛んでますねー、虫除けスプレー持って来て正解だったッス!」

 自分のみならず他のオカルト研究会メンバーにまで親切心のつもりで勝手に虫除けスプレーを吹きかけながら、会長らの後ろで診療所を見上げる。無駄に素材に拘ったオーガニックな虫除けスプレーだから肌の弱い子も大丈夫だ。加えてアルコールフリーでお子様の皮膚にも安全。その分お値段がちょいとばかし高いのが難点だ。
 繁栄や清潔の二文字とは無縁の診療所は、会長の言う通りいかにも浮浪者が住み着いていそうな適度な寂れ具合。これは幽霊でなく対人間用に持って来た催涙スプレーが役に立つ場面も来るかもしれない。余談だが、なんとこの催涙スプレーよりも素材を厳選した虫除けスプレーさんのほうが高かった。あっちは2500円代、こっちは1600円代だ。

「神影先輩と翡翠ちゃん、二人で行動するんッスか? じゃあ、人数的には『二人』『二人』『三人』の3グループできるとして……辰巳くーん、同じクラスのよしみでテンテンと組まないッスかー?」

 クラスメイトに「うわっ面倒臭いのに絡まれた」という顔をされることも恐れず、天地は陽気な笑顔でちょっと離れた場所にいる辰巳に片手を振る。汗牛充棟のオカルト本を自室に積み上げている女が面倒臭くないはずがなく、つまり天地天地は不破辰巳にとって嫌いなタイプ。その割に喧嘩をした覚えが無いのは、正確には『天地の面倒臭さ』が『辰巳の嫌う面倒臭さ』のど真ん中からは外れているからだろう。ことあるごとにマウンティングをかましてくるとか、自虐風自慢がしつこいとか、天地の面倒臭さはそういった方向性ではない。例えるならマウンティングして来る奴に「君だいぶうぜぇッスね! テンテンちょっと無理ッスわ君と会話すんの!」と素直な発言をしてしまう系統の面倒臭さだ。穏便に済ませるという発想が欠けている。

「テンテンと二人きりがキツイなら、もう一人くらい誘って三人グループにすんのもアリなんで!」

 自分が万人ウケする女ではないことは自覚済みの天地。そんな中途半端な気遣いをクラスメイトに見せるも、残念ながら辰巳視点だとオカルト研究会に面倒臭くない人材は一人もいない可能性が高いので誰を増やしても癒しにはならないだろう。
 ひらひらと揺れるワンピースの裾も、けらけらと明るく楽しげな声色も、陰鬱極まりない心霊スポットにはそぐわない代物。だが彼女の背負うリュックサックの中にはお守りや塩や懐中電灯がちゃんと詰まっていて、中身を見れば心霊スポット探索にめちゃくちゃ気合を入れまくってきたことがよく分かるはず。心構えはバッチリ、準備も万端。いざいざ行かん怪奇の最中(さなか)へ! そこに『在って欲しくないもの』が『在ってくれること』を願って!

>ALL様

2日前 No.29

雪鹿 @class ★Android=42zyboh5vZ

【羽見診療所/正門前/穂村 緋色】

あれから一時間と少しが経って、特段変わったトラブルも無く眼前に聳え立った廃れて特別な事情でも無ければ、近寄りたくない類いの雰囲気を漂わせる医療施設は中々どうして趣があるものであった。怪談話の似合う夏だからこそ、丁度良いのかもしれないが――――あぁ、いや、こと我々に至っては夏という季節を気にする事無く年がら年中そういった話を見聞きして、こういった場所に足を運んでいるのだから、その辺りは言及する必要も無いのかもしれないね。

さて、天地一年生の虫除けという気遣いを身に受けて、一先ずは虫関係のリスクを避ける事が出来た所で「すまないね。」と一応の御礼を言いつつ、組分けの話に耳を傾けた。ふむ、確かに女性1人では不安な点も多いか……見たところ広さはあるが高さはないものだから、下手すると何か起きても気付かないかもしれない。

「確かに、天地一年生の言った人数が最適だろう。勿論、探索も格闘も一通り出来る僕が単独行動をとって、残りが二人組でも構わないんだがね?」

鞄の類いを一切持たない癖して片手には中程度のビニール袋を提げた彼ははははっ、と冗談めかした笑いを浮かべてそんな事を言いつつも、陽気な笑顔で同クラスの不破一年生をチームメイトとして誘っていく天地一年生の言った[2,2,3]の組み合わせはそこそこに理想的と言えるだろうとは思っていた。最悪、片方が逃げて他の者に伝えれば、一大事になる前に問題に対処できる可能性が高いからね。え?なのにお前は1人でも構わないのか?そこを突かれると痛くはあるが、僕は男であるから、襲われる可能性は高くないだろう。それに、探偵と呼ばれた者の誇りとしてダイイングメッセージ位は的確に残して見せるさ!犯人が三人くらいに絞り込める位のややこしさを孕んだような、それでいて謎がしっかりと残されていて解き明かせば一人の犯人が浮かび上がる、そんなミステリーの醍醐味溢れるダイイングメッセージを!……あぁ、うん。それを解き明かすはずの探偵が被害者と言うのは少し悼まれないものはあるけどもね。

「あぁ、組分けは一任するとも。どんな事になっても異論は無いから、適当に振り分けてくれ。」

相変わらずの澄まし顔で部長である氷室の方へ、何とも他人任せに組分けの希望は特にない旨を告げれば、なんともマイペースに集合する道中で購入していた一口サイズの饅頭を普段はしていない白の手袋に包まれた手でビニール袋から取り出せば、ひょいと口に運ぶ。
最近のコンビニは和菓子も取り揃えているというのだから、驚きだね。僕は意外だと、何故か言われるが和菓子の方が好きだから、最近抹茶系の甘味が増えてとても嬉しい限りだったりする。まぁ、ビニール袋の中にあるのは飴とグミ位しか無いのでビニール袋はここで適当なポケットにご退場してしまうのだが……。

>all様

1日前 No.30

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

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1日前 No.31

@siromi ★M4WUxX33bd_ouC

【羽見診療所/正門前/不破 辰巳】

これは賛同と言うより、ほぼ妥協に近かった。準備をしている間は胃が不安により悲鳴を上げていたわけで…。時間の経過に抗う術もなく、とうとうこの足は例の廃病院前にたどり着いてしまった。
あぁ、此処まで来るのに色々あったな。オカ研なんて言う端から見れば疑わしさの塊のような集団の一員である事をお世話になっている親戚に伝えるなんて事が出来ないため、準備をしている間にも「こんな時間に何処行くの」「その荷物はなんなの」とおばちゃんからの質問責めを喰らったり。再び記憶に刻み込もうと「禁后」について調べ、自ら気分を害したり。そうして現実逃避にこの瞼を閉じ、短い回想を脳内に流すのだ。
そんな俺の現在の所持物は何気に万全である。滑り止め付きの軍手が両手を覆い、常時所持しているリュックはいつもより一回り膨らむほど大きい。中は非常食やスポーツドリンク、散々買った大量のお守りやタオル、怪我をした時の為の絆創膏や消毒液等。右手にはゴミ拾いで活躍する火ばさみがしっかり握られ、腕にはまだ光を灯していない大きな懐中電灯と、首にはデジタルカメラの入った小さなカバンがぶら下がっている。もしや誰よりも此処に来るのを楽しみにしていたのでは?とすら思われそうな重装備だが、本人的にはその逆である。備えあれば憂いなし。ビビりだからこそ準備を怠る事などないのだ。
効き目があるかどうかは別として、右手の甲に中指で「人」と言う字を何度も書き、何度も飲み込む最中に、腕にひんやりとした感触が吹き掛けられンギャッ!?と大きく体を震わせソレの正体に眼をやった。天地天地。気遣いなら嬉しいが今の現状でいきなり吹き掛けられては寿命が縮まってしまう。現に心臓が有り得ない方向に跳ね上がった気がしているわけで。感謝はしたいところだが、感謝しては負けだと思ってしまう自身もまた心の奥に潜んでいた。
複雑な心境を表情に写しだし天地を見た後、再び廃病院こと、羽見診療所を見上げる。少し前までは誰もが診査の為に老若男女を問わず人々が募ったその場所だったのだろうが、現在ではそんな様子すら想像しがたい程に寂れ、周りを見ただけでも人気は無い。俺ももしこのあたりに住んでいたなら、この道を避けて別の道を選んでいたんだろうな、なんて思いながら心臓の奇妙な高鳴りを、そして腹の調子を治めるように胸から下腹部へと掌をゆっくりと這わせた。

『……はぁ…。分かった。んじゃ一緒に行くか。…頼むから暴走すんなよ…まぁお前にとっちゃそれが通常運転なんだろうけどさ…。勝手になんかしでかそうもんならこれで掴み上げっかんな…!あー……3人にするかどうかはもう任せるわ』

そんな中スプレーでは無く声をかけてきたのは、暴走列車、暴れ馬など。少なくとも俺の中では「暴」の文字が良く似合う現在のクラスメイト、天地天地である。またお前かとあからさまに苦々しく梅干しのように皺の寄った表情で天地を見下ろした。確かに面倒な奴は嫌いだ。面倒事もまたしかり。だからこそあまり関わりたくないし、自ら突っかかりもしないため、無駄な衝突も起こさない。だが面倒事に至ってはそれに釣られる馬鹿…ではなく、オカ研であるため、現在のように最終的に突っかかってしまう事になるわけだが…。
オカ研の中でも行動力の一点にパラメーターが振られたような面倒臭さを誇るような人間でも、向こうから関わってきたとなれば話は別だ。オカルトに対して知識の乏しい俺とブレーキを何処かに置いてきたような天地。どれだけだんまりを決め込んでも、導かれる答えはたった一つであった。否、寧ろどの相手でもこれ以外に言う事は無いだろう。俺はその答えを口に出しながら、天地に見せつけるように軽く火ばさみの先を上へ向けて小さく振った。
少なくとも1人になるのを回避できただけマシであり、傍に誰か1人でも居てくれるならそれ以上は望まない。いざとなれば心のよりどころに肩なり腕なり掴ませてもらおう。勿論、相手がソレを許す限りで…

>>ALL様

【文章と探索パートの知らせに気を取られていたのか見逃していました…「全員分の御返事確認」について数時間前にやっと気づいた白です…(汗)
すみませんでした…以後、気を付けます】

1日前 No.32
切替: メイン記事(32) サブ記事 (21) ページ: 1

 
 
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