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【1章】Catharsisー聖女の方舟ー

 ( オリジナルなりきり )
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バイオテロ/客船/ホラー @makita ★Android=1ZJoxJicBJ

 ――19XX年6月,英国


 港は数多くの人々で賑わい、金管楽器の力強い音楽がその歓声と共に奏でられていた。新聞記者を含む取材陣がひしめき合い、彼らが向けるカメラの向こうには巨大な白亜の客船が映っていることだろう。
 聳えるといった言葉が相応しいほどにその船は大きく、見るものを圧倒していた。

 …フラッシュの光と人々の注目を浴びる彼女は、客船の“女王”と例えても不遜はないが、意外にも“聖女”の名を冠していた――Saint Mary――聖マリアと。

 彼女は当時英国の経済を支えた海運業の実業家達の出資によって誕生し、今日まさに処女航海となっていた。世界中が注目する中、記念式典が英国王室公認の元執り行われ、出資者と乗組員、乗客達に女王自らの言葉が贈られた。
 乗組員たちは自分達の任に誇りを持ち、乗客達はこれからの船旅に心を躍らせている。華々しいムードに見送られて、豪華客船セントメアリーは花火が打ち上げられる港を出港したのであった。


 ――けれど彼らは知らないのだ。悍ましい運命が、彼らを待ちかまえていることに……。


 突如現れた異形の怪物達の正体とは? 元凶たる秘密結社カタルシス教団とは? テロリストはいったい誰なのか?
 深まる謎に疑惑。豪華客船という海上の密室を舞台に、恐怖と悲しみの生き残りをかけた戦いが始まろうとしている――――。

メモ2018/06/14 10:04 : スレ主 @makita★Android-1ZJoxJicBJ

参加希望・参加している方へ

http://mb2.jp/_subnro/15744.html-10#a

切替: メイン記事(22) サブ記事 (51) ページ: 1

 
 

序章 @makita ★Android=1ZJoxJicBJ

 豪華客船セントメアリーの船出は華々しく始まり、海上に出た今も船上では晩餐会が催されている。

 貴婦人達の色とりどりの煌びやかな衣装、光を反射するシャンパンのグラス、並べられた豪勢なフランス料理。広々とした甲板ではオーケストラがワルツを奏で、カップル達が優雅に踊っている。
 まるでそれらは上流階級の世界の一端を垣間見るような、そんな一場面であろう。

 だが《悲劇》は、脆い束の間の幸福に酔いしれる彼らを虎視眈々と狙っていたのであった――――

2ヶ月前 No.1

漆黒の冒険者 @andouken ★BxGXTrkAtu_UHY

【黒川雫:自室⇒廊下】

 豪華客船セントメアリーその客室の一室に少女はいた黒川雫それが彼女の名だ
イギリスに留学していた学生と言う事になっているが、その実は密命を受けその場所で活動していた隠密である
 その彼女に更なる密命がくだり祖国への帰還と言う名目で乗船しその時を待っていた
投与する事で雑兵にすら物の怪の如き力を与える等薬物を所持する組織がこの船で何か事を起こすと言うその時を

「………例の組織たしかカタルシス教団せいぜい踊ってもらいましょう」

 冷ややかな視線を窓の外に広がる海に向けこの海が乗客たちの血で赤く染まるさまを想像していると
オーケストラが奏でる音楽が耳に入るとため息を漏らすこれから起こる惨劇を知ってか知らずか浮かれている者を思い
 彼女が受けた密命は人知れず悪の組織の野望を打ち砕き豪華客船の航海を守るなどと言う正義の味方じみたものではない
その混乱に乗じて彼等が所持する薬物、ウイルス(セイレーン)を彼らから奪取する事それ以上でも以下でもない
 いやむしろセイレーンさえ入手出来た後であれば彼等の計画が上手くいった方が都合がいい
このセイントメアリーは豪華客船と言われるだけに西欧諸国において重要人物も多く乗船している事に区分け
ウイルスに侵された物を乗せたままこの客船が陸につけばその国は多いな打撃を受ける事になるのは必定

「………では少し外に出てみますかと………ひょっとすればあちらさんから………」

 ここで雫は部屋を出る事を選択すると同時に、与えられたキャラクター初めての外国を堪能しこの豪華客船にも興味津々
そんな好奇心旺盛の少女の仮面をつけ部屋を出る


>>四階・廊下all


【メイン開放おめでとうございます!!この航海がどのような結末を迎えるのか楽しみにしております】

2ヶ月前 No.2

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★DoaFJQIlTR_Twa

【 デボラ・ヴォーン / オープンデッキ 】

 豪華客船とは、すなわち海上の動く高級ホテルだ。プール、バー、大型劇場、レストラン、入浴場、図書館、ジム、遊戯場、VIP用スイートルーム、ビーチデッキ――これら全て、あるいはこれらの八割、場合によってはこれらにもっと追加で様々な娯楽施設がたくさん入っている巨大な船。セントメアリー号。かつての大英帝国の威信をかけて華々しく造られた船内は、どこもかしこも広大で優美、これでもかというほどキラキラしていて、貧乏人なら船体を視界に入れた瞬間眩暈がしそうなくらいだ。
 冴え冴えと照りつける月光に晒されたオープンデッキ、そこに設えられた即席のパーティ会場もまた大勢の人々で賑わっており、そのくせあまりにも広すぎて込み合っている印象は無い。上流階級の人間ばかり乗っているのもあり、耳障りな奇声や品の無い笑い声も聞こえてこないのが、落ち着いた雰囲気にさらに拍車をかけている。自らも『魅入る者』でなく『魅入られる者』と位置付ける、常に楚々と振る舞う貴婦人らはドレス姿になってなお貞淑におほほほと笑って口元を扇で隠し、ハットとステッキの似合う素敵な紳士らもがっつり食べるというよりただエスプリの効いた会話をメインと据える。
 女性的なボディラインに布をキツく巻き付けて凹凸を消し、その上からなめらかな質感の燕尾服を着込んだ少女――傍目には女顔の少年と“映らせている”デボラ・ヴォーンは、そんなパーティ会場のテーブルとテーブルの合間をすいすい避けて歩いていた。白いシルクの手袋に包まれた指先には銀色のお盆。フチにレース編みじみた精緻な細工が施されており、冴えた輝きを放つソレはいかにも金持ちの従者が使うアイテムだ。自分だけが贅沢して使用人をコキ使う金持ちは所詮偽物。真の金持ちは、自身の富がいかほどかを誇示するように使用人にさえ着飾らせる。もちろんやりすぎるとそれは従者ではなくなってしまうので、あくまでやりすぎない程度にだが。その点においてデボラの装いは見事だ。頭のてっぺんから爪の先まで、貴族と見紛うほど――中身は貴族そのものなのでそう見えて当たり前だ――手入れが施されており、纏う衣服は使用人としての節度を守った上で素材には最高品質のものが惜しみなく使われている。彼/彼女を雇う家のなんと裕福なことだろう、とすれ違う人々が感嘆するに申し分ない仕上がりだ。

「お待たせいたしました、旦那様。仔兎のロティ・ロティールでございます」
「ああ、ありがとうデボラ。私の給仕ばかりしていないで、君も楽しむと良い。どうだね、あちらで一曲踊って来ては?」
「ふふ、御戯れを。ダンスの名手である旦那様の目の前で、私のつたないワルツなどお見せできません」

 高貴さという概念に余す所なく包まれた五十代ほどの美丈夫の傍ら、上品に、されど親しみを感じさせる会話を楽しむデボラ。人目を引く主従だが、実際の関係性は旦那様と従者でなく伯爵と伯爵令嬢。もっと言うなら父親と娘。このやり取りの裏側にあるのは一種のおふざけで、要するに、彼も彼女も完璧な紳士と完璧な従者の皮を被っただけのお茶目さんなお貴族様なのだ。心の声が読めれば、互いに「やだ、うちの娘めっちゃ演技派……」「やだ、うちのお父様めっちゃ演技派……」と褒め合っているのが分かるはず。さりとてこの場にエスパーはおらず。依然として二人の真実は見破られず、その有様は今も今とて無駄にノーブルなままだ。

>ALL様

【メイン解禁おめでとうございます! 仕事があったので投稿が遅れてすみません。ひとまず晩餐会の中で動かしておきます】

2ヶ月前 No.3

スレ主 @makita ★Android=1ZJoxJicBJ

【 オープンデッキ/晩餐会場/リチャード&シルヴィオ・R・チャッツワース 】

 オーケストラの奏でるクラシック音楽に乗って踊る何組ものペア。まるでそれは咲き誇る花々。その中央に埋もれるように、幼い黒髪の少年が一人楽しげに踊っているのをいったい何人の者が気付くだろうか。そんな中、若い男性の声が名を呼んだとき、少年は声のした方に満面の笑みを浮かべる。

「シルヴィオ!」

 その声の主はダンスエリア沿いに配置された丸テーブルの席に腰掛ける青年。笑顔に応えるように少年に小さく挙げた手を振っていた。若いが物腰は優雅で、チャコットグレーのスリーピースのスーツがよく似合った彼はリチャード・リバーウェル・チャッツワースという英国人だ。中世より教会と商業で発展した町や農場、自然に囲まれたフィラフォードという地域を治めてきた伯爵の家系であり現当主である。シルヴィオと呼ばれた少年は彼の一人息子だ。

「パパ! こっち来て!」
「どうしたんだシルヴィオ?」

 するとシルヴィオはダンスの輪の中から外れて、リチャードを呼ぶなり自分はさっさと何処かへ行こうとしている。リチャードはすぐに息子の後を追うが、息子は海の方を指差しながら「海がみたい」と催促をはじめた。彼の身長では海がよく見えないらしい。

「分かった。だっこしてあげる。こっちにおいで」
「わーい!」

 嬉しそうに近寄ってきた息子を抱き上げて、二人で水平線に消えかけた太陽の色と夜の闇に染められた大海を見つめた。海を滅多に見ることがない、ましてや船の上からなど初めてのシルヴィオは目を大きくして感嘆の声をあげている。

「うわぁ… すごく綺麗だね!」
「本当だね……太陽も沈みそうだ」
「人魚姫、いると思う?」
「きっといると思う。此処からではよく見えないけれど」
「ママも、そこにいるのかな?」

 何処か切なく響いたシルヴィオの声に、リチャードも影響を受けたのか、その瞳は憂いを湛えている。本当ならばこの美しい景色を愛する妻とも眺めることが出来たのだろうかと。


>All

【初レスです。よろしくお願いします!】

2ヶ月前 No.4

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

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2ヶ月前 No.5

蟻宮 @arimiya ★y7VU2lOjOV_08J

【 4階 / 廊下 / フィオリーナ・パレルミーティ 】

「全く……『あの方』は勝手にいなくなって! 私のエスコートもせずに何をしてるのかしら!」

パーティの最中だからかほとんど人影の無い廊下を独り闊歩する女の姿があった。ワインを好む人間であればその名前から家柄を察する事ができるだろう。彼女はパレルミーティ家の令嬢、フィオリーナだった。
同伴している筈の婚約者が後ろにいないことから、おそらくはフィオリーナが歩き回るうちに迷子になったのだろうが、彼女の自尊心はそんな事実を曲げに曲げる。彼女の中では婚約者がはぐれた事になっており、そしてまた悪いのも彼なのだ。
ヒールが絨毯を踏む音だけが廊下に木霊する。フィオリーナはほとんど誰も通らない光景が延々と続くのに痺れを切らしたらしく、苛立ちに白い頬が紅潮し、化粧で隠したナイフの様な目つきはその鋭利を増す。
フィオリーナの周りに人がいない、つまりそれは“命令”を下せる人物が少ないという事で、自身で何かをやろうだなんて考えない彼女にとっては死活問題なのだ。
次に出会った人物に必ず声をかけてやろうと決意を固め、徐々に力強くなる足を進めていれば、少し先でドアが開くのが見えた。中から出てきたのは小柄な少女で、黒い髪と顔つきからしてどうやらアジア系だろう。それを見止めたフィオリーナは少しだけ嬉しそうにニマリと口角を上げ、先程よりも歩幅を広げて彼女に近づいた。

「ちょっと、そこの貴女! 晩餐会の会場まで私の案内をなさい!」

息がかかりそうなほどにぐいと顔を近づけ、そう言い放つ。彼女は見たところ十代半ばといったところだが、屋敷にいる使用人にも十代前半のうちから仕えている同い年のメイドがいるし、フィオリーナの“命令”は老若男女平等に下るだろうからそんな事は問題ではなかった。

>>黒川雫、周辺ALL


【メイン解禁おめでとうございます!フィーちゃんで精一杯場をかき乱す所存です】

2ヶ月前 No.6

漆黒の冒険者 @andouken ★BxGXTrkAtu_UHY

【黒川雫:4階・廊下⇒オープンデッキ】

 部屋に出た後は故郷に帰郷するために乗船した天真爛漫な少女として振る舞わなければならない
あわよくば何らかの情報を得られるならと思いもある

『ちょっと、そこの貴女! 晩餐会の会場まで私の案内をなさい!』

 扉を開けてばかりその瞬間に声をかけららるしかも息もかかりそうなくらいの距離にまで近づいて
袖口に仕込んでいたクナイに手をかけるもスキの長から例の教団や自身の始末を目的とした者でないと悟り
大きく尻もちをついておく事にした

「いきなり何なのだ!!迷子になっちまったならちゃんと頼むものなのだ」

 言葉の上で相手の命令口調に幼く怒りをあらわにするふりをするも静かに彼女を観察する
上品な顔立ちに真紅の上等なドレスに合わせたかのような一流品だがただの成金では無いと分かる凛とした立ち振る舞い
 どこかの国の貴族様と言ったところか見た所丸腰の様だし………一緒にいて損はない有事には肉の壁にぐらいにはなるだろ
少なくとも教団関係者では無いだろうとその場から立ち上がり

「はぁ〜分かりましたお嬢様。ではわたくし黒川雫の後についてくださいまし決して見失わぬ様お気お付を」

 少し芝居がかった感じにスカートを持ち上げ頭を下げると彼女の前を歩き出し晩さん会の会場に向かう
少しからかっても含めた口調それに対してどんな反応を見せるのかも興味があったがオープンデッキに出た
 オーケストラの伴奏に合わせて踊る人々に子供を抱きかかえる親子連れにと雫でも名を知るオペラ歌手と
様々な人がいるがやはり誰も彼もが貴族や財閥、有名人と上流な者ばかりで、危うく浮いてしまう所だが
彼女と行動を共にした事が功を奏した。

「ちゃんとついてこられてますか?お嬢様」

 雫はいたずらっ子の様な笑みを見せながら後ろを振り向いて声をかけた


>>フィオリーナさん、オープンデッキall

【おかげでオープンデッキに目立たずに一般人が入り込めました(笑)】

2ヶ月前 No.7

スレ主 @makita ★Android=1ZJoxJicBJ

【 オープンデッキ/晩餐会場/リチャード&シルヴィオ・R・チャッツワース 】

 海を二人で眺めていると、靴音が近付いてくるのに気づきふと其方へと視線を向けた。一瞬視界に入ってきた潮風に靡く金色の髪は何処か懐かしく理屈では説明できないような感覚が走ったが、そんな御伽噺のような奇跡など起こるわけもない。

「……貴女は」

 そこにいたのは当然別人であった。やや安心感も覚え自嘲気味に微かに微笑んだリチャードは、気品あふれる風貌とは対照的に、フランクな口調が印象的な淑女に向き直る。周りにいる貴婦人達とは異なりサバサバした印象さえ受ける彼女は、まるで妖精やニンフのように自由を生きているように見えた。
 オペラ界で知らぬものはいないであろうそのプリマドンナを目の前に、見たことはあるなと思いつつリチャードはその様なことをぼんやりと考えている。オペラなどという都会風のものと縁がない田舎者の彼にとって無理もないことなのであろうが。

「ええ、喜んでMs.ナイトハルト。少し時間を持て余していたので話し相手が欲しかったところです」

 外国人である彼女が英語が流暢であったことや口調と見た目とのギャップに少々驚きながらも、ご一緒しても良いか訊ねるその淑女クラリッサに快く頷けば「私はチャッツワース家のリチャードと申します。以後お見知りおきを」と相手のしなやかな手の甲に軽く接吻をした。一部の文化圏では抵抗感を覚えるものはいるだろうが、リチャードにとっては相手に敬意を示す挨拶である。

「あまり余所の方々と交流が無いこともあり此処には知り合いがいない状態なんです。恋人もいればまた違っていたでしょうね」

 余所の方々とは勿論この船に乗れるような豪商や貴族達である。彼らは都会にある邸宅で舞踏会などを催し交流をしているが、地方に住むリチャードは町の人達と関わるもののパーティーに参加するため遠くへ足を運ぶようなことは滅多にしない。ロンドンで女優をしていた妻が亡くなってから、それは一段と強まった。

「僕人魚姫が好きだよ。ママも人魚姫になったの」

 クラリッサに質問をされて嬉しそうにシルヴィオが答える。他人にはあまり理解されないであろうことを幼い子どもは平然と言うものなのだろうか。それともシルヴィオの性格なのか。母親を失った心の傷を隠しているのか。いずれにせよ、もう遅いかもしれないが今日初めて知り合った人を変に心配させるのも良くないと感じたリチャードは息子の話を遮った。

「シルヴィオ……その話はお姉さんには……」
「えー……」
「それよりもお姉さんに挨拶をしなさい」

 そう言いシルヴィオを床へとおろしてやると、彼はクラリッサの前でお辞儀をして「はじめまして。僕はシルヴィオ・リバーウェル・チャッツワースといいます」と自己紹介をはじめた。


>クラリッサ

【絡みありがとうございます!】

2ヶ月前 No.8

くら子 @kura003☆pak20/nYiv6 ★wyf4VWw0x0_Twa

【オープンデッキ/グエン・ティ・ヴァン】

広々としたオープンデッキ。賑わう人々に絢爛豪華な装飾。流れる美しい音楽。ヴァンが参加したパーティの中で最も美しいものだった。アルコールの替わりに片手に持ったジンジャーエールは本物のお酒の様に輝きアルコールは含まれていないのに酔ってしまいそうだ。
留学目的で念願のイギリスに来たがまさかあのセントメアリー号に乗れるとは思わなかった。中流階級――貿易商人の娘が簡単に乗れるような船ではない。周りを見渡せば誰もが知っている顔や一度は名前を聞いたことのある著名な人物まで。パーティの正装用と身体の線が出る薄い藤色のアオザイを着こなしているが自分がここにいるのは完全に場違いなのでは、とキラキラの照明に目が眩む。
しかし、この船に乗れたのもまた何かの縁。留学の一環としてここに居る上流階級の人たちを見て学べることもあるだろうと、決して裕福とは言えない故郷を思い浮かべながら考える。ここで学んだことは故郷に持ち帰って父の仕事を手伝おう。あわよくば、今回の船旅で大きな企業の社長とかに仕事話を持ちかけられたら万々歳である。

「ふう…。」

と意気込んだことは良いものの、周りの雰囲気に圧倒されてため息がでる。本来ここに乗るはずのホストファミリーに感謝するが、たった一人で豪華客船に放り込まれてもハキハキと出来るほど器用なものは持ち合わせてない。パーティには幾度も出てきたが所詮商人同士のホームパーティに近いもの。同じ身分で気さくな父の友人たちに慣れている身には上流貴族に囲まれると息ができないものだ。
彼女はくるりと踵を返すとそのままオープンデッキの端に寄り、細かな装飾が施された手すりに背中を預け煌びやかに輝く船の真ん中を眺める。
まずは船に雰囲気に慣れてからにしよう。うん。それからでも遅くはないだろう。


>>ALL

【遅ればせながらメインおめでとうございます!これからよろしくおねがいします!】

2ヶ月前 No.9

和狸 @watanuki77 ★Android=B3ZBYCYi49

カシャン、カシャ。カシャン、カシャ。
黄金色に輝く開閉式ジッポーライターの蓋を開けては閉め、開けては閉めを繰り返す。豪華客船に打ち付ける不定期な波の音と相反して一定のリズムを刻むライターの開閉音は少しずつ遅くなり、やがて地平線に消える。その後、不定期な波の音と、別のフロアで行われてる晩餐会の楽しそうな声が混ざり合い、不協和音に変換された後、男の耳に入っていった。男の名はジェイク・マクミラン。シカゴ警察署の第三級刑事だ。

「なぁ。 なんだってオレはこんな場違いな場所でクソッタレ即興不協和音演奏会を聴かなきゃいけねぇんだ、警部さんよ」

地平線の向こうにいるであろう、自分をこの豪華客船に押し込んだ上司への愚痴を波に預ける。そして、任せろと言わんばかりに大陸の方へ向かっていく波を眺めたジェイク刑事は、もう一言だけ愚痴を零した。

「みんなくたばっちまえ、クソッタレ」

>all様
【本編開始おめでとうございます…! 物書き初心者故拙い文書ですが、どうか飽きずにお相手していただけるととてもありがたいです。序盤は隅で眺めてる感じで行く予定ですので、どうぞお楽しみください(?)】

2ヶ月前 No.10

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

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2ヶ月前 No.11

蟻宮 @arimiya ★y7VU2lOjOV_08J

【 4階廊下 → オープンデッキ / フィオリーナ・パレルミーティ 】

フィオリーナは少女が床に尻を打ち付けた事に驚いて続けようとした言葉を詰まらせてしまった。彼女のプライドは手を差し伸べようともせずにそれを傍観していたが、せめてもの気遣いなのか「埃まみれで私の近くを歩くつもりかしら?」とドレスのポケットからシルクのハンカチを出して放っておく。

「失礼ね、迷子なのは私じゃなくて勝手に何処かへ行ってしまった『あの方』よ! 私は今までに一度だって迷ったことはないのよ!」

立ち上がる彼女にそう強く返す。勿論それは彼女の主観十割だったし、迷ったことが無いというのも今までも他人が迷ったと言ってきたからだが、嘘では無く心からそう思っての発言だ。

「そうそう、解れば良いのよ。貴女こそ軽薄な行動で私の株は下げない事ね。クロカワ、ね――って、貴女日本人なの? 辺境の島国からわざわざ何の用なのかしら?」

恭しく頭を下げる少女に少し気を良くしたらしく、しかしどこか揶揄を含む態度に釘を刺すような事も言っておく。彼女の名乗った名前からそれが東洋の国の物だと判断したらしく小馬鹿にするような口調でそう言ってのける。
歩き出した彼女の後ろを素直について行けば、すぐに会場へたどり着くことができた。流石に賑やかさはフィオリーナでも数回しか見たことが無い程のもので、あちこちに所謂“大物”の姿が見受けられる。

「『あの方』はいなさそうね、すれ違ったのかしら? 本当にもう……」

周りを見渡して婚約者がいないとわかり、さほど気に留めてもいない様子でそう呟く。

「あら、ちゃんと可愛い表情もできるじゃないの、クロカワ」

子供の様な無邪気な笑みを浮かべて振り返った彼女にそう告げる。どうやらフィオリーナは雫を多少なりとも気に入ったらしい。彼女にしては珍しく素直に褒めてみせる。

>>黒川雫、周辺ALL

2ヶ月前 No.12

漆黒の冒険者 @andouken ★BxGXTrkAtu_UHY

【黒川雫:オープンデッキ】

 豪華絢爛そんな言葉が何処までもしっくりくる晩餐会の会場
そこにおいては雫は浮いてしまうはずだっただろう彼女がいなけらば
 雫とて潜入任務において場に溶け込む訓練自体は受けているしここにいる者達の様な振る舞いも
やって出来ないわけでは無いが、やはり本物あるいは本物を知る者には違和感を感じられるらしい

『あら、ちゃんと可愛い表情もできるじゃないの、クロカワ』

 彼女がちゃんと後ろにいた事に安堵して見せた対して見せた表情を、そう評されて少し顔を染める
不意を突かれた為か素の反応を見せていまうも、すぐさま仮面をつけ直す
 しかしオープンデッキに着くまでに彼女の人なりを知る事が出来た少なくとも悪い人間ではない
もっとも誇り高さからそれを素直には出せはしないのだろうけど可愛いものだと心内で思うもあの方はいない様子

「そのなんだか照れますねそう言うのを真っ直ぐに言われるのは」

そう言いながらも雫は周りに目をやっていたが彼女に駆け寄ろうとする者は雫の感知できる範囲にはいない………
馬鹿の事を自分に問いかける本当の従者でもないのに彼女の探し人の探す必要などと
 少し彼女に当てられたかと本来の目的を思い出す。
そう私はこれから起こるであろう惨劇のどさくさで例の教団が所持するウイルスを奪取する事なのだと

「………では『あの方』が現れるまでの時間つぶしに先程聞かれていた理由などお話ししましょうか?」

 今の船内の状況なら探しに行くよりも、ここで時間を潰す方が良いだろうと話を振るも
本当の事を言うわけでは無い「私はこの船で起きるであろう惨事の原因のウイルスをいただきに来た」などと
 つまりは前もって設定されている『留学生・黒川雫』としての話に過ぎない

「お察しの通り日本から来た留学生ですが、学園の選抜に選ばれてですので………自費ででは無いのだ」

 とここで上流階級の者ではない事をさらりと明かしておく事にする。
その方がイロイロと楽だし本物である彼女に後々見抜かれたりでもすれば面倒だろうと

「で目的と言うのは………実は特には無いと言うか日本の外を見てみたかっただけなんですよ。でもまだまだイギリスやこちらでは日本は未知の国なんですね」

 と設定どおりに話した後留学生として過ごした日々の話を付け加えるも、学園生活とウイルス調査の二重生活でしかなかったが
少なからず楽しい事もあったりもして、ウイルスの存在と教団についての情報から乗り込んだのだがそこは伏せておく
 人も集まり始めた中には素人ではない人物も紛れ込んでいる同業者かそれとも教団関係者か彼女と楽しいおしゃべりの合間で簡単にとはいかなさそうだ
いつ始まるも知れない雫にとっての本当のパーティが始まる時を待つ間暫しの時を楽しむ事にし配られていたグラスを二つ取り一つを彼女に差し出した



>>フィオリーナさん、オープンデッキall

2ヶ月前 No.13

スレ主 @makita ★Android=1ZJoxJicBJ

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1ヶ月前 No.14

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

【オープンデッキ/クラリッサ・ナイトハルト】

クラリッサの半ば強引かつ自分勝手な提案を、リチャードははね除けることなくむしろ賛同の意を示してくれた。クラリッサも満更ではないようで、「じゃあそういうことで、改めてよろしく頼むよ」と唇をにっと吊り上げる。このクラリッサ・ナイトハルトという女は女性らしい柔らかな微笑みを浮かべることが極めて少ない。たいてい笑うと言えば大口を開けて爆笑するか、今のようににやりと悪戯を仕掛けた子供のような、何処と無く邪気を感じさせるものを浮かべていることが多い。愛想笑いというものを気に入らないクラリッサは、つまらない時はそれこそ無表情かつ仏頂面で、目も合わせたくないと言いたげな顔をしている。ある意味素直なのかもしれないが、人前に立つ仕事の人間がそれで良いのかと突っ込まざるを得ない。

「あたしとお揃いかぁ!お顔を拝見したことはないけれど、美人さんとお揃いっていうならこれほど嬉しいものはないよ!それに女優さんだってなら、これはあたしも自信を持つしかないみたいだぞぅ!」

シルヴィオから彼の母親について聞いたクラリッサは年甲斐もなく歯を見せて笑いながら、本当に嬉しそうに自分の頬っぺたをむにむにつついてみせた。女性らしいのは見た目だけ、と言われることも少なくはないクラリッサだが、子供相手に初対面で此処まで仲良くなれるのは一種の母性のようなものなのか、はたまた精神年齢が幼いだけなのか。どちらにせよクラリッサはシルヴィオの話を楽しそうに聞いている。興味がない話にはとんと耳を貸さないクラリッサだが、そうでなければとことん聞き上手になれるのだ。

「クララか、うん!あたしの好きな呼ばれ方だよ。それにくるみ割り人形は見に行ったことがあるからね、あの勇敢な女の子と同じ呼び名で呼んでくれるなんて賛成も賛成、大賛成だ!」

音楽一家のもとに養子に出されたクラリッサは、何度か彼らに連れられて様々な舞台を見に行ったものだった。生憎身体が硬くて実際にやってみようという気にはなれなかったが、バレエの公演を見るのも彼女は嫌いではなかった。好きな作品は曲を耳で覚えて口ずさみながら、拙くくるくる回ってみたりしていた。今となっては懐かしい思い出だが、それでもバレエが好きなことに変わりはない。だからクラリッサも純粋にクララと呼ばれることが嬉しかった。

「女優じゃなくてオペラ歌手をやってるよ。まだ若造だから色々と大変だけどね、けっこうな作品に出させて貰っているつもりだよ。好きな作品があったら教えてくれ、もしかしたら一回やったことがある役かもしれないからね」

若くしてその才覚を開花させたクラリッサは数多の作品を演じてきている。記憶力が悪いわけではないが、クラリッサとしては役柄にけじめをつけておきたいのだろうか、出演した作品の題名とその作者はばっちり覚えているにも関わらず、自分が演じた役名はいまいち覚えていない。そのため指摘されなければ「ああ、あの旦那に浮気されて根に持ちまくった女の役ね」とか、「ああ、あの復讐だなんだってぶち切れる女の役ね」と、かなり大雑把な感じでの紹介になるだろう。しかも割りとその後の対応に困る物言いなので厄介である。

「勿論だよ、あたしも他のお客様に挨拶しておきたいと思っていたからね。折角だから着いていっても良いかい?知り合いのよしみってやつでさ」

少し離れたところにいる男性に挨拶がしたい、と声をかけてきたリチャードに、クラリッサは気にした様子もなく二つ返事で答える。折角の機会なのでクラリッサも良いところの方々と繋がりを持っておきたいのだろう。上手くいけばこれから良い劇場や施設を貸してもらえる可能性が大きいからだ。さて、彼方はどのようなお方なのかな、と目を向けた先には、リチャードが挨拶をしたいと言っていた男性に付き従う使用人らしき若者の姿があった。遠目からなのと中性的な顔立ちから、パッと見で性別を特定することは難しい。これは実際に近付いてみるしかなさそうだ、と興味深そうにクラリッサは舌なめずりする。それは完全に面白いものを見つけたと言わんばかりの悪童の表情であった。

>>リチャード&シルヴィオ・R・チャッツワース様、デボラ・ヴォーン様、周辺all様

【そのようにおっしゃってくださると此方としても嬉しいですー!今後とも何卒クラリッサをよろしくお願いいたします……!
僭越ながら此方もデボラさんに絡ませていただきたく思います……!】

1ヶ月前 No.15

スレ主 @makita ★Android=1ZJoxJicBJ

【オープンデッキ/晩餐会場/リチャード&シルヴィオ・リバーウェル・チャッツワース】

 初めて会ったとは思えないほどフレンドリーに接しているためか、シルヴィオもクラリッサに心を許しているようで一緒に笑っている。微笑ましい光景がリチャードの目に映っていた。

「オペラですか」

 クラリッサの仕事がオペラ歌手であると知ったとき、自分とは縁のない、だが都会的な芸術の世界の人物であることを知りリチャードは目を丸くする。
 幾つもの作品に出たことがあるというからにはオペラ界ではきっと名の知れた人物に違いない。だが尊敬の気持ちも持ちつつも、知っている作品というものはなく申し訳なさそうに答える。

「すみません。何分田舎者でオペラには詳しくないものでして。上流階級の方々との交流も少ないですね」

 正直者で気の利いたことも言えない不器用さを恥じながら、なんとも発展性のない言葉をこぼす。広い付き合いが苦手であることもあって身内とばかり交流していると会話力というのは低くなっていく一方なのだろう。
 それでも、礼儀というのは弁えているようで、一度会ったことのある者には挨拶をするという考えの元、ヴォーン家の伯爵のもとへ足を運んでいく。
 近付いてみるとヴォーン家の伯爵は食事を楽しみながら、使用人の青年と会話を楽しんでいるようであった。話し掛ける良いタイミングを見計らい、リチャードは穏やかな笑みをたたえながら声をかける。

「お久しぶりです伯爵。一度しかお会いしたことがない故覚えていらっしゃらないかと存じますが、リチャード・リバーウェル・チャッツワースです。此処でまたお会いできるとは嬉しく思います」

 隣で付き従う容姿端麗な使用人青年(まさか伯爵令嬢とは思っていない)の見事な衣服を見てもヴォーン家の財力はいかほどのものか世間知らずなリチャードでも大凡察しはつくもの。
 使用人の青年(男装したデボラ)にも律儀に挨拶をして、一田舎貴族の名前など記憶にもないであろうという前提で名を名乗る。階級制度のはっきりしたイギリスでは、上流階級の中においても上下関係というものは存在するものだ。中には目下の貴族に対して横柄な態度をとるものもいるが、リチャード自身はそういうものを面倒だと思っている部分もあり、どの貴族にも無礼の無いような態度を心掛けている。

「彼は息子のシルヴィオ・リバーウェル・チャッツワース。そして此方のご婦人はMs.ナイトハルト――」

 シルヴィオの簡単な紹介を終えた後、クラリッサに自己紹介を促すようにアイコンタクトを送る。


>クラリッサ、デボラ

【どんなところで会ったことがあるかは適当に設定してくださって構いません!】

1ヶ月前 No.16

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★DoaFJQIlTR_Twa

【 デボラ・ヴォーン / オープンデッキ 】

 同じイギリス貴族で伯爵階級ともなれば、大概の相手は顔見知りで最低でも名前くらいは聞いたことがある。デボラの父はリチャード・リバーウェル・チャッツワースのことをもちろん記憶していた。……彼が数年前、最愛の妻エリザベスを失ったことも。それも彼が治める土地にある湖へ身投げする形で。かつてはその美貌と演技力でロンドン中の男を虜にしていた名女優だったエリザベスは、噂に伝え聞いていただけの性格で判断するなら自殺するような女性ではなかったように思う。それだけに、リチャードのショックはひとしおのものに違いない。根が穏やかで善良な彼だからこそ、未だその時の傷は癒えていないと見るべきだ。だからこそ、亡き妻の話題にはデボラもデボラの父も触れないことにした。

「こちらこそ、お久しぶりですなチャッツワース伯爵。貴方ほどの御方を覚えていない訳がない。私もこうして再会できて光栄ですよ。シルヴィオくんも大きくなられた。これからの成長がとても楽しみですね」

 紳士的な笑顔には紳士的な笑顔で返す。朦朧とした意識、あるいは霞む視界の中で見たとしても「貴族の男だ」と確信が持てるくらい魂レベルでの貴族オーラを放っているデボラ父ことヘンリーは、貴族社会の真っ只中で強かに生きて家を富ませている点から分かる通り、演技力と記憶力にはとにかく優れている。デボラもヘンリーに教えられ、出会ったのは初めてでもリチャードの顔と名前は頭に刻んでいた。使用人に扮している自分にすら挨拶をしてくる、その人格者ぶりは話に聞く通り。爵位と権力を自慢げに叩きつけるしか能の無い一部貴族よりもずっと好感が持てる。彼の息子なら、目の前のこの小さなシルヴィオも良い青年に育つだろう。清楚さと上品さを綺麗にまぶしかけた微笑みを顔に浮かべて、デボラは胸に手を当て丁寧に一礼する形でリチャードへの挨拶を返しておく。お前そうやって使用人のフリしてる時のほうが令嬢やってる時より大人しいよな、なんて、この場に友人たちがいれば酒の肴にされそうだ。

(ナイトハルト……ああ、クラリッサ・ナイトハルトか! やむことのない拍手喝采の対象、音楽の女神サマにまさか舞台上じゃなく海上でお目にかかるとは)

 完全無欠の従者スマイルの裏側、これから紹介されようとしているクラリッサを見ながらデボラは友人が語っていた彼女の情報を思い出す。クラリッサ・ナイトハルト。『透明な』『澄んだ』という意味の名前に相応しく美しい歌声は、女性らしさに欠けた人間性を差し引いてなおファンを唸らせるだけの魅力がある。音楽に興味なんて無くて付き合いでオペラハウスに足を運んだだけ……そんな面々ですら思いがけない歌声の素晴らしさでがっつり心を掴み、音楽愛好家に変えてしまう、ミューズに愛されし娘。考えられないような天才というのはあらゆる分野に生まれるものだが、この時代、そして音楽という分野でソレに当てはまるのは間違いなく彼女。友人はそう豪語していた。音楽に詳しい彼女が言うなら間違いはあるまい。注目すべきは音楽の才能でも、容姿だって目を引かずにはいられない華やかさだ。彼女の金髪は満月を凌駕して太陽さながらに輝いている。嗚呼、そういえばとある国で太陽を司る男神は、確か音楽も司っているのだったか――。遠き国、ギリシアのかの神はきっとクラリッサに熱を上げている。でなければ、こんなにも優れた音楽の才能と眩い金色を持って人間は生まれて来ない。

>ALL様

【絡みありがとうございます! 改めてよろしくお願い致しますね。出会いの設定は適当に考えて良いとのことで承知いたしました。機会があれば描写いたします。
 あと名前が無いと不便なのでデボラの父親の名前をとりあえず『ヘンリー(君主)』にしておきます。使用する機会があればそう呼んでやって下さいませ】

1ヶ月前 No.17

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

【オープンデッキ/クラリッサ・ナイトハルト】

決して自分の地位を驕っている訳ではないクラリッサではあるが、それなりに自分の知名度は高いと思っていたのでオペラはあまり観たことがない、と言ったリチャードに内心で少々驚きの念を抱く。人通りの多い道を一人で歩こうものなら割りと高い確率で人々に囲まれることも少なくはないというのに。妻が女優だと聞いていたから、そういった事柄には顔が広いのかと勝手に想像していたが必ずしも想像通りに事が成り立っているとは限らないらしい。

「これは意外だね!そういうことなら気にしないでおくれ、人の趣味嗜好はそれぞれのものだ。あたしとしてはこれからハマってくれたって一向に構わないからさ。なんなら空いた時間にでもスタッフに頼んで即興の公演を開いても良いんだぜ」

楽しめる者が楽しんでくれるならそれで良い、というスタンスのクラリッサだが、此処は折角の機会なので彼女にしては珍しく「興味が向いたのならいつでも聞かせてやる」といった旨の提案を持ちかけてきた。貴族でありながら横柄なところのない、率直に言ってしまえば付き合っていて苦にならない人物であるリチャードとシルヴィオにならこれくらいのサービスは朝飯前といったところなのだろう。元来社交的でありながら気に入った人間というものが少ないクラリッサなので、そういった相手が出来ればそちらがその気になっているなら惜し気もなく自分の歌声を披露しようとする節がある。ちなみに10代の頃からの知り合いであるとある演出家には「お前は自分の才能を安売りし過ぎだ」とたしなめられたことがあるのだが、クラリッサは全く反省していない。彼女らしいと言えば彼女らしいのだが。
そしてリチャードが挨拶したということもあり、彼からのアイコンタクトを受け取ったクラリッサは任せておけとでも言いたげににやりと口許をつり上げる。大仰に一礼してから、クラリッサは相変わらず容姿に見合わぬ物言いで自己紹介に洒落込んだ。

「はじめまして。あたしはクラリッサ・ナイトハルト。一応オペラ歌手をやらせて貰っている身だから、もしかしたらはじめましてじゃないかもしれないけれどね。今回の船旅は完全に私的なものだし、お偉方との関わりも少ないから、そういった礼儀作法は不得手なんだ。気分を害するようなことをしてしまったらごめんね」

これまで英国の貴族の前で苦笑いしながら「ごめんね」なんて言ったことのあるプリマドンナが存在していただろうか、いやそうは居まい。クラリッサは生まれこそ上流階級の人間だが、もともと堅苦しい礼儀作法を嫌う性分だったのでそういった技術はほぼ使わない……というか使う気がない。それなりの振る舞いをすれば彼女への評価も良いものに転じるかもしれないというのに、あくまでもクラリッサはオペラ歌手として生きているのでその気配は皆無に等しい。まあ才有る者はその才能と引き換えに何か大事なものを欠いて生まれてくるとも言うし、彼女自身が困っているわけでもないので一先ずは大丈夫そうである。

「それで、さ。君の名前は何ていうんだい?……いやぁ、随分と素晴らしい使用人殿だったものでね。お名前だけでも聞いておきたいんだけど…………駄目?」

自己紹介を終えるとクラリッサはつつつ、と使用人の若者に近づいてこれから悪戯に臨む悪童のような、はっきり言ってしまえば成人した女性が浮かべるべきではない表情でそう問いかけた。一応了承を取っておかねばと判断したのか貴族の男性に向き直って駄々っ子のように小首を傾げてみる。是非を聞いてはいるがクラリッサのことなので恐らく断られても機会を見計らって名前を尋ねに行く可能性も十分にあり得るものだった。

>>リチャード&シルヴィオ・R・チャッツワース様、デボラ・ヴォーン様、周辺all様

【デボラさんとヘンリーさんへの自己紹介が滅茶苦茶場にそぐわないものになってしまいましたがご容赦くださいませ……!orz】

1ヶ月前 No.18

スレ主 @makita ★Android=1ZJoxJicBJ

【オープンデッキ/晩餐会場/リチャード&シルヴィオ・リバーウェル・チャッツワース】

 主に上流階級が乗客の大半を占めている豪華客船で、その中でもなお気品と威厳を兼ね備えた存在感を放つ美丈夫は、リチャードのような若者にはない深みある色気を感じさせる。まさにヘンリー(君主)という名に相応しい威風堂々とした伯爵の姿は、青年の心に一種の憧れのようなものを抱かせた。
 何よりもリチャードが感心したのは、自分のことを覚えていてくれたことだろうか。ヘンリーのような世に時めく大貴族が、自分のような田舎者のことまで心に留めていてくれたことは彼自身嬉しいものがあったのだ。
 首都の舞踏会に出席する度、同じ貴族からは馬鹿にされ豪商からは嫉まれるという苦い経験を持つリチャードにとって、ヘンリーの態度には尊敬の念さえ覚える。

「覚えてくださっていたとは光栄です」

 シルヴィオも父の横でニコニコとした笑顔を見せた。ヘンリーが自分の名を呼んでくれたことが嬉しかったのである。
 リチャードはそんな息子の頭を軽く撫でつつ、ヘンリーが妻エリザベスのことに一切触れなかったことに彼なりの配慮をしてくれたのだろうとふと思い安心したような表情を浮かべた。息子にはあまり母のことで刺激を与えたくはなかったのだ。

 リチャードが妻と出会ったのはロンドンの豪商邸宅でのパーティーで、有名映画監督によってゲストに紹介された女優がエリザベスだ。庶民の出でありながら知識教養もあり美しい彼女は皆の注目の的であった。まさに高嶺の花。自分のようなものとは無縁であると思っていたほどの女性だ。
 そんな彼女が自分を選んでくれたのは周囲もリチャード本人にとっても驚くべきことであったことに違いない。あの当時は本当に幸せであると思っていたが、今となっては彼女はどうだったのか不安に思うことばかりである。

「是非とも貴女の歌は聴いてみたいです。演奏家に頼めば確かにコンサートが出来ますね」

 オペラについては全くもって無知であるとはいえ、美しい歌声というものにリチャードも興味がないというわけではない。公演を開いても良いと気前よく言ったクラリッサの言葉に頷いた。

「それにしても海上のオペラ……何か言い知れぬ魅力を感じます」

 古今東西、人びとは海というものに神秘や畏敬の念を覚えていた。海には未知のものが存在しそこはまさに地上の宇宙である。海に美しい歌声を響かせる乙女たちがいるという伝説も、その人間の感情が産み落としたのだろうか。クラリッサという歌姫と、この美しい大海が結び付いたとき、その神秘の一端を感じ取ることが出来るかも知れない。


>クラリッサ、デボラ

【一旦これで絡み終わります。ありがとうございます。第一章は引き続き絡んでも良いですし、また好きなところから始めていただいても大丈夫です。】

1ヶ月前 No.19

一章 @makita ★Android=1ZJoxJicBJ

 晩餐会が行われる船上。その場所が悲劇の舞台となる時は刻一刻と迫っていた。

 その恐怖は、ある乗客の謎の死によって始まりを告げることとなる。

1ヶ月前 No.20

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★DoaFJQIlTR_ouC

【 デボラ・ヴォーン / 4010号室 】

 女は物語の中で様々なものとして描写される。光り輝く宝石に、帰るべき灯台に、空に見える虹に、手の届かぬ天体に、咲き誇る花に、そして時として毒や魔の類に。『女』の柔らかさや美しさを愛する男も、蔑む男も、結局『女』を特別視していることに変わりは無い。それだけ男と女は異なる生き物で――どれだけ巧みな演技により青年従者を装おうデボラであっても、燕尾服を脱ぎ払ってしまえばどこからどう見たとて『女』でしかなかった。
 高級客船らしく広々とした造りの自室備え付けシャワールーム。一糸まとわぬ姿となって、デボラは水を玉弾くきめ細やかな皮膚に石鹸の泡をすべらせた。もこもこと良く泡立てた濃密な泡は、蜂蜜やハーブが練り込まれていてこれまた良いお値段のする匂いをぷんぷん放っている。物理的にも、比喩的な意味でも。たぶん古の寵姫らはこういう石鹸を使って侍女に身体を洗わせていたに違いない。お肌がちっとも突っ張らないのにさっぱりと汚れが落ちた感覚はあって、美容成分でもふんだんに入っているのか洗い上がった傍から仄かに肌色がトーンアップして見える。
 はっきりと香りながら不思議とキツさを感じさせない石鹸は、浴室からリアリティを削ぎ落とし幻想満ちたリラクゼーションへと変貌させていた。旅は現実を忘れさせるためのもの――で、あるならば。やはりこの船の完成度はさすがの一言に尽きる。日々の暮らしが決して苦痛でないデボラを充足させるのだ、生きづらい客はそれはもう非日常的空間をエンジョイしまくっているはずだ。

「入浴剤は――……ああ、ヒマラヤのバスソルトがある。これにしておこう」

 石鹸と同じく刻んだハーブの入った薄いピンクのバスソルトを、用意されていたオーガンジーの小袋にさらさらと流し込み、猫脚のバスタブへ放る。色や匂いからして、混ぜ込まれているハーブはカレンデュラ。デトックス、肌荒れの改善に効果を発揮する。従者ムーヴの裏側でこっそり食べていた高カロリーのご馳走たちが肌に悪影響を及ばさぬよう、このハーブとお塩には頑張ってもらおう。
 シャワーでお湯を流して、とっくの昔にトリートメントまで済ませた髪に手触りの良いタオルを巻く。筋肉と脂肪のバランスがとれたカモシカの脚を、えもいわれる芳香を放つ湯船に入れる。塩とハーブがほぼ半々の割合で入っていたのだ、そりゃあもうこれくらいの香りにはなる。量をケチればこうはいくまい。こういう所もさすがは高級客船。我らが偉大なる女王陛下も、きっと玉座の上で誇らしく微笑んでらっしゃる。嗚呼、英国万歳。

「God save our gracious Queen,Long live our noble Queen,God save the Queen:Send her victorious,Happy and glorious,Long to reign over us,God save the Queen――」

 ふと湧いて来た愛国心に促されるまま、女王陛下を賛美する国家を口ずさむ。バスタブの中で足を組んでへりに首を預けただらしのない姿勢でも、場所が場所なだけによく響き渡った。お風呂で歌えばどんな音痴だって多少はマシに聞こえるもの。それが普通に歌の上手いデボラとなれば、プロもかくやの響きに聞こえた。……もっとも、先程挨拶しあったばかりのクラリッサ・ナイトハルトなどであれば、例え風呂の中でなくったって風呂でのデボラの歌よりよっぽど凄いものを聞かせてくれる。音楽の女神として畏敬の念をこめ崇められる娘に張り合うなんて馬鹿のすることだ。デボラは自分の歌が下手とは思っていない。むしろ誰が聞いたって平均以上と自負している。が、それはあくまで記憶に刻まれる程度の上手さ。対してクラリッサの歌は魂にこそ刻まれる。――とかなんとか考えておきながら、これらは全て友人の受け売りから発展させているだけの感想で、デボラ自身は彼女の生オペラを鑑賞したことはまだ無い。奇跡によって授けられたとまで囁かれる唯一無二の歌声、是非とも一度は堪能してみたいものだが……。そこまでの評価を下される、否『捧げられる』クラリッサの歌をおねだりするのに結構なお金がかかることは想像に難くないので、この旅が終わってから改めて彼女のコンサートを訪れることにしよう。なにせ今のデボラは伯爵令嬢でなく青年従者。世界の歌姫にぽんっと高額ギャランティを支払えてしまうのはさすがに可笑しい。


>ALL様

【晩餐会の終盤には既にヘンリーと共にオープンデッキからおいとまし、就寝準備のために自室でシャワーを浴びているデボラ(なおヘンリーは別の部屋)という状況からスタートしてみます。殺人事件が起こった時にアリバイが無いキャラ枠を目指してみる】

1ヶ月前 No.21

スレ主 @makita ★Android=1ZJoxJicBJ

【5020号室/リチャード&シルヴィオ・リバーウェル・チャッツワース】

「ほら、じっとしているんだぞ?」
「きゃっ!」

 バニラの甘い香りの漂うバスルーム。そこにはお湯の張られた浅いバスタブの中で座るシルヴィオと、その外でその父リチャードがシャツの袖をあげ息子の体を洗っている。少女のような声をあげてシルヴィオはシャワーをくぐり、柔らかな黒い髪を覆っていた泡は洗い流されていく。
 バスタブの栓を抜き、殆ど消えてしまった泡風呂の湯は排水口へと吸い込まれそれを見届ける間もなく、一糸纏わぬ姿でシルヴィオはバスタブから飛び出した。

「わぁあい!」
「コラ、シルヴィオ! バスタオルでちゃんと拭かなきゃダメじゃないか。床がびしょびしょだ……」
「いいじゃん別にぃ」
「よくないだろ。お手伝いさんに無駄な仕事をさせるべきじゃない」

 リチャードの注意にも耳を傾けることなくシルヴィオは広い部屋を走り回り始めたが、リチャードはバスタオルで包むようにして息子を捕まえた。

「温和しくしていろよ」
「…パパ、のどが渇いた! ミルクチョコレートが飲みたい」
「分かった。買ってきてあげるからちゃんとパジャマに着替えて部屋で待っていなさい」
「うん!」

 シルヴィオの満面の笑みに見送られリチャードは部屋を後にした。部屋には幼い少年一人。とても静かだ。だが静かであるからこそ、ちょっとした音が気にかかるものである。

「……なんだろう……?」

 ジャグジーが設置されているテラスから何やら物音がしたのだ。プライベートな空間であるため物音がすること自体おかしなことではあるのだが、シルヴィオにはそんなことまで警戒するほどの緊張感が今はない。先程までふざけていたのだから尚更だろう。
 さらに好奇心旺盛な性格が起因して、確かめなければ気が済まないとテラスへと足を踏み入れた。ジャグジーバスの青い光だけがぼんやりと輝き水面の揺らめきが壁面に反射して何処か幻想的な雰囲気を醸し出す。

「気のせいかな……?」

 視界の中にはこれといったものは確認できず実に静かである。そろそろ中へ戻ろうと踵をかえそうとしたとき、何かが目の前を落下した。いきなりのことであったため小さく悲鳴をあげて下へと視線を落とすと、暗くてよく見えないが何やら太い枝のようなものが落ちていることに気付く。

「何これ? 変なの!」

 驚かしてきた上にただの枝となると腹が立つところもあったのか、拾い上げて投げてやろうと手を伸ばした。だがそれを掴んだとき、枝とは異なる感触が手のひらから伝わってきたのだ。そして初めて、シルヴィオはこれが枝ではないことに気付くこととなる。
 ネガティブな何かが自分の中で膨張し我慢の限界を超えて破裂したように、彼は悲鳴をあげて部屋から飛び出していった。泣き叫び客室の廊下を物凄い勢いで走り抜ける少年を見るものがいたとすれば、ただならぬ事態を感じるに違いない。

>All

1ヶ月前 No.22
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