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霧の都に葬送曲No.33 だけを表示しています。

ジャック @fue☆dTW3Rdrh5/. ★iPhone=uYwUDyqtCB

【ジャック/6月13日/おさんぽ】

ふぅん、とジャックは解ったような解らなかったような顔で口を尖らせた。師匠は大切なことを教えてくれる人。白雨はミリヤムに大切なことを教えてくれるという事。たいせつ、ってどんな事だろう?

「ジャックも、ししょー ほしいな、いいないいな」

なんの、とは、よく解っていないようだった。しかし、幼心にも二人を繋ぐ絆のような何かは言外にも気配のように感じ取れたようだ。ふと、ジャックの左手にさらりと滑らかな細い指が絡みつく。ひんやりしているが、しっかり握ると芯の温かい手だ。

「つみつくり って、えすこーと のこと?」

罪作りはエスコートではない。エスコートは、女性を侍らせることでは絶対にない筈だ。自分の置かれた贅沢すぎるこの状況の有り難みをちっとも理解しないまま、ジャックはされるがままに空いていた右手も預けてしまう。右手に繋がる手は、少し大きく指は細く長いながらしっかりして、さらさらとした手袋越しに体温が伝わってきた。こんな風に両手を繋がれて出掛けるのは生まれて初めてのことで、ジャックはわくわくして目を輝かせた。
両手を万歳したような格好で、濡れた石畳の街を歩く。雨はしとしとといまにも止まりそうな小雨のまま降り続いていた。ジャックは時折、白雨の差す異国の傘を物珍しそうに見上げて、それからまた嬉しそうに小さな口で弧を描いては白雨とミリヤムを交互に見比べた。お喋りをしながら、霧の都の街を行く。
「おもちゃ! おかし!」
ジャックは水たまりの上をスキップした。二人の腕に吊り下げられるようにして、大きな水溜りを飛び越え、着地する。その先にある小さな水溜りが、ピチャンと音を立て刹那に飛沫を上げた。
やや歩いて着いたのは、まだ来たことがないエリアだった。若者の通りが多く、傘の花が行ったり来たりしている。目に飛び込んでくる看板やショーウィンドウ、全てが目新しくて、それだけでも楽しそうに、ジャックはキョロキョロと落ち着きなく辺りを見回した。

>白雨、ミリヤム

2018/06/17 00:40 No.33

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