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蒼の大地と白の海

 ( オリジナルなりきり )
- アクセス(1872) - ●メイン記事(88) / サブ記事 (74) - いいね!(27)

ファンタジー風味 @dengaku ★FZSDg7BMdN_8gk

「く〜、疲れた〜」

ボヤキながら青年は船上から大地に降りた。所々にオイルが染みたつなぎを着て、ゴーグルを着用した青年、リタルはスパナを持ったまま手を組み上へ伸ばす。整備作業の疲れが溶けていくようで実に気持ちが良い。

リタルは手袋を外すとポケットに突っ込み、ゴーグルの汚れを袖で拭うと、海の傍に停泊している船、ゲネラルパウゼ号を見上げた。シルバーの船体が青い空をバックに輝いて見えた。

ダイバーの仕事で、最後に海に潜ったのは、一か月前になる。
前回の依頼は散々だった。過去の遺物のサルベージだったが、依頼者の指定した地点には何もなく、報酬も最低金額。別にこちらが悪い訳では無いはずだったのだが、成功報酬の割合が高かった為に収入は雀の涙だった。危険が少ない仕事を選んだつもりだったが、裏目に出たらしい。
ダイバーの仕事は過酷だ。高額の仕事には常に死が付きまとう。かと言って安い仕事を探すと今回の様な事も起きかねない。金にうるさい団員には、しこたま怒られた。団長も楽じゃない。団を結成して1年以上経つが、つくづくそう思う。

「まぁ、グチグチ悩んでも仕方ないよな」

リタルは苦笑しながら天を仰いだ。上では気球がゆらゆらと飛んでいる。そして切り替えるべく、海が一望できる切り立った崖の上に立った。今日も海は平穏で静かに流れている。最も表面上は静かでも下は大荒れだったりするのだが……。

「よし、切り替え終了!さてと、船の試運転といくか!」

暫く海を見つめると、言い聞かせるように声を出して船に戻る。向かう先は操舵室だ。
やがてたどり着くと舵を握りしめ、船内用の放送管に声を通す。

「整備が終了した。只今より試運転に入る!」

そう伝えると、リタルは船のエンジンを始動させた。
微かな音を立て、船体が静かに宙に浮いていく。
赤、青、黄色、色とりどりの気球の間を縫う様に上昇し十分な高度を取る。

窓越しに眼下を眺めると、何処までも海が広がっていた。純白の雲の海が。
雲の上には無数の島々が浮かんでいる。そこで営む人々も小さく見える。
リタルは視線を戻し、真っ直ぐに前を見据えた。雲は下にしかない。眼前に広がるのは何処まで続く澄んだ蒼だ。

「それじゃあ、全速前進!!」

そして、ゲネラルパウゼ号は風を切り、前へ進み始める。
やがて、小さくなっていき、蒼の大地に溶け込むのだった。



かつて空と呼ばれていた物は大地となった

かつて雲と呼ばれていた物は海となった

これは、そんな世界の物語

飛空艇を駆り、海へ飛び込むダイバー達の物語である



【駄文失礼します……
これは、色々な種族や能力を持つ団員達による、ごった煮ファンタジー……、になる予定です。
興味を持たれた方は、サブ記事の方までどうぞ!!】

メモ2018/04/27 20:18 : 味噌田楽 @dengaku★FZSDg7BMdN_8gk

【基本的な事】

・あらすじ&用語(http://mb2.jp/_subnro/15727.html-1#a)(http://mb2.jp/_subnro/15727.html-2#a)

・ルール(http://mb2.jp/_subnro/15727.html-4#a)

【登場人物】

・リタル=ダンド(http://mb2.jp/_subnro/15727.html-7#RES)

・アッチェ=レランド(http://mb2.jp/_subnro/15727.html-8#a)

・スズ(http://mb2.jp/_subnro/15727.html-9#a)

・イヴリン=マクレイ(http://mb2.jp/_subnro/15727.html-12#a)

・ダン=ブラウン(http://mb2.jp/_subnro/15727.html-13#a)

・ティグ&ジグ=リル=ラント(http://mb2.jp/_subnro/15727.html-14#a)

・クーリ=オイディーエ(http://mb2.jp/_subnro/15727.html-16#a)

・ラドリアス=ガルドロン(http://mb2.jp/_subnro/15727.html-22#a)

・ジャック(http://mb2.jp/_subnro/15727.html-23#a)

・ツァーン=フィイー(http://mb2.jp/_subnro/15727.html-24#a)

・カイ(http://mb2.jp/_subnro/15727.html-26#a)

・アール(http://mb2.jp/_subnro/15727.html-27#a)

・エドワード=チャン(http://mb2.jp/_subnro/15727.html-28#a)

・ミフネ=ユウ(http://mb2.jp/_subnro/15727.html-34#a)

・イリーナ=オルロフスカヤ(http://mb2.jp/_subnro/15727.html-35#a)

・ジオ・レイジャード&フビック(http://mb2.jp/_subnro/15727.html-40#a)

・クロウ キサラギ(http://mb2.jp/_subnro/15727.html-45#a)

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参加者 @rana1234 ★OCXwo6xL1u_iR4

【 ミフネ・ユウ / 敵船付近 】

流石としか言いようがない。GP団の仲間たちは次々と敵を蹴散らしていく。
敵も、これほどの相手と戦闘する事は想定の範囲外だろう。
慌てふためているのが良い証拠である。数名は勇敢に立ち向かっているが、所詮は烏合の衆。
少数精鋭でやってきているGP団の相手ではない。

「皆さん凄いですね……」

素直に感心するミフネ。フビックというエルフの赤ちゃんまでも敵を倒していくのが見えた。
背中を任せたと言って来たエドワードも本領を発揮して敵を打ちのめしている。流石だ。

『アイツ弱そうだぞ! やっちまえ!』
『1人だけでも討ち取れ!』

と、一気にミフネに向かって4名の敵が襲い掛かろうとナイフを持って走ってきた。
先ほどから糸で絡めて動けなくしているだけのミフネを見て、それしか技を持っていないと思ったのだろう。
ミフネはふと一歩前に出る。するとGP団には見せた事のない『人を殺せるんじゃないか?』という程の殺気で敵を睨みつける。
それと同時だろう。圧のような物がミフネから飛び出し敵を包み込む。

『!!……』
『!?……』

その“圧”に触れた敵兵は、何もしていないのにバタバタと倒れていくではないか。そう。失神したのだ。
これは彼の持つ生き物としての本能『威嚇』である。どんなに小さい生き物であっても威嚇をする。
それは時として、自分よし数倍デカい身体を持つ生き物ですら怖気させてしまう程。
獣人族や鳥人族も似たような技を使い、蛇で有名なラミア族はこの技を『蛇睨み』と呼ぶ。

「よし。数も少しづつ減ってきた。クライアント様が無事か確認しましょう!」

ミフネはそういって戦っている近くの数名に声をかけた。



>>アッチェ、クーリ、エドワード、スズ、ジャック、ジオ・レイジャード&フビック、周辺ALL

5ヶ月前 No.39

アール(R) @tajiri ★iPhone=X8aiuduNXc

【アール/エンジンルーム→GP号外】

ジリリリリリリリリッ!!
エンジンのチェックを済ませリタルに報告をしようとしたところ、ベルの音が鳴り響く。当たり前だがアールは知っている、このベルが意味する事を…そうだ、非常事態だ。しかもほとんどが敵襲で、海賊や怪物やよくわからない生物などなど……1年もこの船に居たら嫌でも遭遇してしまう。戦闘向きの能力を持った船員には喜ばしい事だろう、しかしアールは全くもって戦闘向きではない。むしろ最悪の状態である。

「うわぁーっ!ベルが鳴ったぁー!戦闘は何処で……」

戸惑っているうちにスピーカーからリタルの声が聞こえてくる。

『皆、非常事態だ、クライアントが襲われている!!』ゴロゴロゴロッ!!

そしてそれと同時に雷が轟き、ここでアールは察したようだ。

「雷?今日は晴天のはず…あ!わかった!雷鳴空賊団だ…確か過去に数回やりやったはずなんだけどなぁ?」

そして、アールは階段を全速で上り、GP号の外に出る。アールの目の前ではGP船員のアッチェ、ミフネ、クーリ、エドワードが戦い、少し離れてジャックが舞う。ジオ&フビック兄弟はクライアントの方へ向かうようだ。

「うわぁ…この乱戦は僕の出る幕じゃないな…と言うか俺が出た方が足手まとい…悲しいなぁ。みんなはカッコイイや、ジャックはなんだ!賊とダンスを踊っているように戦うし、エドは敵の攻撃と雷をヒラリヒラリと蝶のように避けていく…凄い…」

改めて皆の強さを感じたところで、自分に出来ることを考える。やっぱり特にない…そう思った矢先

「ん?飛行船の中から大将!?嘘だろオイ!そうだ、確か前にも3、4回見てるから弱点が分かるかもしれないな…」

そう思い浮かぶとすぐに実行した。距離が結構あるので見にくいが、皆に知らせるには充分な情報だ!

「皆!聞いてくれ!敵船から大将が出てきた!そして、さっき弱点を見た!あいつは今寝違えて首があまり動かせない!特に左には全くと言っていいほど動かす事が出来ない!それに利き腕の右を鍛えて来たようだが……筋肉痛で思うように動かせない!」

これでいいだろう。僕の仕事は終わりだ。戦いが終わったら疲れてるだろうし、温かいお風呂と飲み物を用意しておこう。

>>周辺ALL

【勝手にボス登場させたり訳の分から無いことをいったりしてます、すみません(汗)これはアカンやろって言ってもらえたら書き直しますので…】

5ヶ月前 No.40

サムライ @samurai07 ★iPhone=QCAUNJ3bTK

【ラドリアス・ガルドロン/食堂→GP号外】

けたたましく鳴り響く警報に若干うとうとと舟を漕いでいたラドリアスはハッと目を覚ました。数人はもう先に食堂から出ていたらしく、ラドリアスも負けじと食堂から飛び出す。

「何?空賊だと?はっ、度胸のない奴らだな。男なら俺みたいに貴族や王族に喧嘩売れっての!」

ラドリアスは一旦、自室に戻り、マスケット銃を背負う。そして、甲板に出ると自分の尻尾を手持ちのサーベルで切り落とした。すると、切れた尻尾からみるみるうちに身体が生えて来て、ラドリアスと瓜二つのクローンが生成された。

「ぐっ…激痛がすげえな…ちょっとだけ傷を癒すか。おい、俺その1!お前は先に空賊船に乗り込め!お前の仕事は敵の撹乱だ!ただし、ピンチの仲間がいれば庇ってやれ、わかったな?」

ラドリアスは面倒なのか1体目のクローンのことを『俺その1』と呼んでいるらしい。ラドリアスの言葉にこくりと頷くとクローンは空賊船に突入した。見張りの空賊を武器のサーベルで斬り捨てて後続の仲間が通りやすいように道を開いてくれている。クローンはやがてアッチェやクーリやミフネやエドがいる戦場に足を踏み入れた。しかし、クローンは何の感情もない。ただ、黙々と戦闘をこなしている。果たしてアッチェ達はラドリアスのクローンの存在に気づくだろうか?

一方の本物のラドリアスは少し休んだ後、サーベル片手に飛行艇の裏口に回る。ラドリアスの作戦は盗賊団ニーズヘッグ時代の常套手段。クローンを陽動に使い、自分は裏から回って本陣を叩くというものである。しかし、同じような考えの者がいた。

「お前はスズか?はっ、さてはお前も裏口から侵入するんだな。よくわかってんじゃねえか。今は俺のクローンがいい感じに囮になってくれているから警備は手薄だ。きっと、5〜6人のメンバーが正面から行ってるはずだ。裏から行けば挟み討ちにできるかもしれねえぞ。」

ナイフを持った猫のような少女にラドリアスは声をかけつつも先行する。そして、裏の窓をラドリアスはマスケット銃の銃底で叩き割って船内へ侵入した。おそらくそこから侵入するつもりなのだろう。戦闘狂なラドリアスだが、あえて盗賊のような戦い方をするのは自分のやり方を空賊達に見せつけたいという自己顕示欲があるからだろう。

>>スズ様、(アッチェ様、ミフネ様、クーリ様、エド様)、周辺ALL


【まさか裏から侵入に先駆者がいらっしゃるとは…ということでスズ様に声をかけてみました。もちろんラドリアスに同行でも別行動でもどちらでも構いません。ちなみに(かっこ)内の方々の近くにはラドリアスのクローンがいますがクローンは意思疎通ができず、喋れないので会話もできません。リアクションはあってもなくてもOKです。ちなみに…本物のラドリアスと間違えるなんて方はいらっしゃいませんよね…(小声)】

5ヶ月前 No.41

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★DoaFJQIlTR_LoN

【 イヴリン・マクレイ / GP号・食堂→GP号外 】

 聞いているだけで糖尿病になりそうな壮絶に甘ったるい声と媚び一歩手前の愛想を振り撒くイヴリンだったが、さすがの通常運転も海賊だか空賊だかの襲撃とあらば御休みせざるを得ない。我先にと飛び出して行った戦闘お得意メンバーズを手を振って送り出した後、残っていたフルーツ炭酸水を飲み干して一旦自分の部屋へと戻る。そこで戦闘時にのみ着用することにしている白衣にするりと袖を通し、靴をヒールから軍用ブーツに履き替えるのにかけた時間がゆったりめの三分ほど。ついでに可愛らしいピンク色をした愛用の折り畳み傘も手に持って、他の面々よりも幾らか遅い戦場へのスタートダッシュを決めた。
 緊急事態ということもあってシロップ漬けの胎盤から産まれ出でたような甘ったるいオーラを平時の二割減に抑え込んだまま、やっとGP号の外へと姿を現したイヴリン。それでも花を散らすかのごとく白衣の裾を翻しやって来たナース服姿の女は賊の人目を引いたらしく、ちらちらと視線が寄越されるのを感じた。が、戦闘中にそんな余裕をぶっこいてしまった奴らは先行していた頼もしい仲間たちにことごとく無力化されてゆく。命のやり取りの真っ最中に隙を見せるとどうなるかの良い例だ。

「ええっとぉ。今のところダーリンたちもハニーたちも怪我はしていないみたいだしぃ、クライアントの保護にはもう何人も向かってるしぃ……イヴリンちゃんは怪我人が出るまで大人しくしておこうかしらん?」

 なんて言いつつ頬に人差し指を添えて小首を傾げるイヴリンを、背後から襲わんと鉄パイプを振りかぶった男が何の前触れもなくふらりと倒れる。よくよく見れば、地面に倒れ込んだ賊の首筋には小さな注射器が突き刺さっていた。しかも血管の部分にピンポイントで針先が埋まっている。中身のいかにも身体に悪そうな真紫色をした毒々しい液体は、イヴリンが己で調合した即効性の麻酔薬。故郷の祖母曰く「効くのめっちゃ速いけど負担が大きいから身体の弱い人とかに使ったら絶対駄目」なソレを躊躇いなく静脈に流し込み、結果として賊は秒で意識を失うに至った。イヴリンは素手での戦闘技能こそ欠片も無いが、投擲の素養はバッチリなのだ。それこそノールックで後ろ手に投げた注射器を狙い通りの場所に刺せるくらいには。

「やだやだやだぁっ、戦うダーリン達もハニー達も恰好良すぎ! イヴリンちゃんったら皆にチューして回りたいくらいだわんっ! っていうか後で絶対しちゃうんだからぁ」

 スイーツを司る神とかから声帯に加護と寵愛を賜っている説さえ唱えられたことのあるゲロ甘ボイスに、ホイップクリームや苺を乗せて行く要領でハートマークの山を追加し、戦場の仲間たちに黄色い悲鳴を上げる。足元でヤバい顔色をして泡吹いている賊の野郎なんぞお構いなしだ。だってこの子ったらダーリンでもハニーでも無いんですもの、とは本人の談である。そういうところが原因で病院が継げなかったのに、反省の無い娘だ。20歳でこうなら死ぬまでこうなのだろう。

>ALL様

5ヶ月前 No.42

スマイル @smile390 ★Android=N8ewA5S8Mh

【カイ/GP号外】

ジオとフビックの会話を聞き、道の少し先を見るとクーリとアッチェが話している姿が見える。後ろからの足音にも気づき、ちらりと後方に目をやるとイリーナもいた。そして、タイミング良く団員らが集まっているな、なんて思っていたカイだが、何かを感じ取ってぴたと立ち止まる。

「…………!」

じっと神経を研ぎ澄ませて数秒……、ハッとして空を見上げる。つい先程まで雲一つない青色だった空には、点々と灰色の雲が現れていた。それはみるみるうちに空全体まで広がっていく。そして、ポツリ、ポツリと水滴が落ちてきたかと思うとあっという間に土砂降りになった。このダイバー島はほぼ年中天気は晴れでいつでも綺麗な青空が続いているはずだ。そんなこの島でこんな大雨が降るというのはどう考えてもおかしい。何かが起きている、カイはそう直感し周りに注意を払いながらその何かを考えようとしたその時。カイが不自然に揺れる小型の飛空艇を確認したのとピカッと突然辺りが明るくなったのはほぼ同時だった。その後に続いて物凄い雷鳴も轟き、カイは雷だと認識する。そして小型の飛空艇はどこに行ったのかと見回して、墜落した小型の飛空艇とその後ろに現れた巨大な影を確認。胴体部分に大きな髑髏の描かれた大型の飛空艇……空賊だ。この突然天気が変わるという状況を考えると、指名手配にもされている雷鳴空賊団で間違いないだろう。その団には雷属性の魔術を扱う魔術師がいたはずだ。指名手配犯ではあるが、カイに依頼はなかったので放置していた。

「本音なら、傍観したいけど、あれ、多分依頼者の船だね……。はぁ、面倒だけど行きますか」

というアッチェの言葉を聞いてカイはやはりかと内心ため息をつく。カイも本音を言うなら放っておきたい。クライアントだかなんだか知らないが、カイには関係ない……と言いたいところだが、今のカイはGP団に所属しているのだ。GP団への依頼者というのならリタルから命令もあるだろうし、動かなければならないだろう。どんな私情があってもリーダーに従順というところはやはりカイは暗殺者なのだ。
カイはふぅと1度息をついてから駆け出した。アッチェたちがクライアントの飛空艇付近の賊、ジオたちはクライアントの救出などとそれぞれ動いているのを横目に見て、カイは賊が次々と現れる根源、大型の飛空艇の入口を目指す。雨で足元がぬかるみ、視界も悪いがそんな状況には慣れている。寧ろ天気が悪いお陰で真っ黒なカイの姿は景色に溶け込み、好都合だ。カイは持ち前の素早さを生かし、敵の後方に大きく回り込むと丁度出てきた賊らを一瞬にして気絶させる。1ミリのズレもなく、急所を突けるのはさすがは暗殺者だ。しかし暗殺の依頼ではないので殺しはしない。あっという間にカイの周りには気絶した賊が山積みになり、他の賊らはじりと1歩後ずさった。カイはそんな賊らを冷たい目線で一瞥する。何処かに落ちた雷に反射してきらりと光ったカイの目を見てか、誰かが「暗闇の赤目……」と呟いたのが聞こえた。

「!」

その時、丁度カイをめがけて雷が落ちてきた。カイはぎりぎりで避けるがバランスを崩す。それを見逃さなかった敵は一斉にカイに武器を振り上げた。人数が多すぎる。しかし、こういう窮地に陥るのも初めてではない。カイは素早く体制を整えると短剣を構え、避けきれないものは短剣で流しながら攻撃をかわす。右頬に切っ先が掠り、血が流れるが気にしない。

(雷が厄介だな……)

入口付近なら雷も少ないと踏んだのだが、まさかピンポイントで狙ってくるとは思わなかった。敵もなかなかの手練のようだ。先に魔術師を倒す必要があるなとカイは思った。魔法系の奴らは近距離戦は苦手だろうから近づければこっちのものだ。敵の魔術師は大方飛空艇の安全な場所、または離れたところから魔術を唱えているのだろう。カイはそう考えて敵を倒しながら敵船に乗り込む隙を伺っていると、飛空艇の裏側へ向かう人影が見えた。よく見るとそれはリザードマンのラドリアスと猫人のスズで飛空艇の裏口から敵船へ乗り込むつもりのようだ。魔術師が飛空艇内にいるのなら外へ逃げ出してくるかもしれない。カイはとりあえず船内は彼らに任せるとして、自分は湧き出る賊らを倒すのに集中することにした。

>>周辺ALL様


【いえいえ!カイなんて話しかける気すら無かったですし!そして皆さん早いですね!どんどん進んでいってしまって驚いてます!笑】

5ヶ月前 No.43

ゆんかーさん。 @yunkermaze ★iPhone=dBbsPrXOcu

【ツァーン・フィイー / GP号→敵船付近の上空】

「あっちょ、待って、待ってよ!あたしも付いてく!」

突然の襲撃と、応戦命令。早速と駆け去るスズの服の端っこを泡食いながら掴み、密かにくっついてドッグ外に出る。外は天候が悪化して雷雨が拡がりつつあった。そこにクライアントの船と海賊船。空飛ぶトビウオみたいなその船影を見付けて眉を潜める。

彼方此方で既に戦闘が始まっている。思わずスズにくっ付いて出て来てしまったが……これからどうしたらいいものか。

「ごめん、思わずついて来ちゃったわ」

スズから離れて空を揺蕩い、周囲を見渡して呟く。

「雷は嫌いだわ!あれの妖精っていけ好かない奴ばっかりなんだもの!」

周囲は天降る雷撃で錚々たる有様。ピカッと光ってドンと炸裂する破壊の雷鳴。轟渡る破砕音に思わず耳を覆ってしまった。

「もたもたしてると如何にかなっちゃいそうだわ。せめてもう一人……、」

と、そこに現れたのは増えたり減ったりするのが得意な同胞、『ラドリアス』。彼の歯は興味深い。

「あたしもここに居るわよ!」と彼にアピールして置いてから、空気を劈く雷鳴に再び耳を覆い、兎に角どうにかせねばと自身も武装を展開した。……と言っても取り出した猛獣の歯を剣のように掴んで構えるだけだが。

「で、如何する訳?裏口からお邪魔するの?」

>>スズ、ラドリアス

【付いて来てしまいました】

5ヶ月前 No.44

ばでほり @17854 ★Android=V2XtkxYYcb

【ダン/GP号船内】

団長からの緊急連絡を受け、GP団の仲間達は一斉に船を出て行く。あえて真っ直ぐに突っ込み賊どもを薙ぎ払う者、巧みに敵の同士討ちを誘い戦力を削ごうとする者、派手な戦場を避け目的の挺に裏から侵入を試みる者、戦闘スタイルは様々だが皆が一騎当千の活躍を見せ、賊を圧倒している。

「私が今からあそこに行ったとて、できることは無い……か。」

ダンはあえて船内に留まり、愛用のクロスボウによる後方支援という選択肢を選んだ。
団長の指示からは外れてしまうが、肝心の母船が留守になってしまい賊に襲われるようなリスクは避けるべきだ。
あくまで一歩引いた視点から戦況を見て、自分に求められる役割を果たす。そのくらいの判断ができなければ、戦闘能力の高くない自分がこの船に乗っている意味など無いに等しい。
そうして構えていると、戦場を迂回するようにこちらに向かってくる敵の姿を視界に捉えたため、照準を合わせ狙撃する。

「想定外の戦力が現れた時点で逃げるべきだったんだよ、ツイてなかったな。」

そう呟きながら発射された鉄の矢は、狙い違わず敵を仕留める。

>>ALL



【あえて船内に残ってみました。まあ武器からして前線に出るタイプではないので。】

5ヶ月前 No.45

鈴音 @fallere825☆IZFOZv6wWeA ★Android=XfEQupwd0M

【クーリ/GP号外】

軽やかにしなやかに、獣は雨の中で賊たちを翻弄する。爪で裂き牙で抉り押し潰す。時折、口に入った血肉を咀嚼するでもなく吐き捨てるのが唯一の人の名残に見えた。
クーリはジャガーの姿を維持しながら、けして賊の集団から外れることなく立ち回る。
そもそもクーリは雷が人為的な、魔法によるものだと確信を得たのは落雷の頻度と、ジオとフビックに狙い打たれる雷とそれを弾く様を見たからだ。そこから、クーリは明確に敵の影を駆けるように立ち回った。
クーリを狙えば、味方を巻き込むことが必須になるからだ。思惑通り、雷の槍は一度もクーリを狙うことはなく、クーリは着実に下っ端の数を減らしていく。

(しかし、そろそろ不味いな……)

クーリの周囲にいる肉盾が少なくなってきている。
賊とは如何に言葉で飾ろうとヒトデナシどもだ。少ない犠牲を良しとするならばそろそろクーリへも雷が……という心配は現実となった。
ぴんっと無意識に尻尾が立ち上り気が逆立つ。咄嗟にその場を飛び退くのと空が点滅するのは殆ど同時で、直後に落ちた雷は数人の賊を巻き込んで地面を大きく抉る。巻き込まれた者は悲鳴と共にぶっ飛び転がって意識を失ったらしい。ぴくりとも動かなくなった。

(追い詰められて形振り構っていられなくなったか? ……短絡的な)

ふん、と小馬鹿にするように鼻を鳴らす。
冷たい視線を向けると、立ち止まるのは得策ではないと再び飛び込もうとし

『あ! あそこにアッチェさんもいます! クーリさんまで。独りじゃ危ないですよ!』
『おーい!アンタら、オイたちも加勢するぜ!』
「ガッ!? オゥン!! ガオガオ、ニャ、ニギャァーーー!!!」

意識外からのミフネとエドの声に飛び上がった。耳をピンと立てて、言葉通り、びくん、と跳ね振り返るとガウガウと鳴き声を上げ応答する。何度も言うが別にこの状態では人語を話せないわけではない。焦りすぎでクーリすらその事実を頭から消し飛ばしただけである。
そして、一息置いてハッと我を取り戻した。

「ご、ごめん! そうだな敵の数も多いし協力大事な! 敵の数は多いけど俺たちが力を合わせりゃ百人力でこいつらより戦力増大できるさよっしゃ殲滅だぁって、あ、うん、クライアントの無事を確認するのも大切。ジオとフビックたちが助けに向かってるし戦場が泥沼化しそうならそっちのフォローを優先…………」
『皆!聞いてくれ!敵船から大将が出てきた!そして、さっき弱点を見た!あいつは今寝違えて首があまり動かせない!特に左には全くと言っていいほど動かす事が出来ない!それに利き腕の右を鍛えて来たようだが……筋肉痛で思うように動かせない!』
「……だってさ! アールすごいな。見ただけで弱点看破出来るんだから。そんな情報を無駄にしないために俺は動かせないらしい右側から……いやうん、大丈夫魔法使いに腕関係なくないってのは分かってるけどほらあれだよ……あの、うん。気をそらしに行くから止めは任せたーーー!!」

戦場ですらクーリのハイテンションコミュ障は健在である。
返答を許さないと言わんばかりのマシンガントークのまま、協力大事! と言った舌の根も乾かぬうちに二人に背を向けて駆け出した。
確かにアールの言う通り飛行挺から如何にもボスですと宣伝するような眼帯黒マントの強面男が出てきている。魔術師には見えないが、奴が本当に雷を落としているのか、という疑念はあっという間に解消される。
牙を向いてボスらしき男へ飛び掛かれば、先程までの比ではない勢いで飛び込んできた賊たちに邪魔立てをされた。振るわれたシミターを避け距離を置く。

「チィ……ッ」

徹底して庇われている様子から間違いないらしい。
落雷の魔法は魔力を食うのだろうか。今魔法を使わないのは魔力切れか節約のためか。
がり、がり、と威嚇するように前足で地面を掻く獣にじりじりとボスらしき男と護衛らしき賊はまた飛行挺内部へ後退する。
宣言通り気をそらした。今ならば、恐らく飛行挺の裏口から侵入されようとクライアントを避難させようと雷による邪魔立てはされないだろう。

【絡んでいると言えるのかは兎も角関われそうな場所には絡んでいきます……!】
>ミフネ、エド、アール、周囲ALL

5ヶ月前 No.46

イリーナ @rmlp3322 ★wejhOBMSnu_8gk

【イリーナ・オルロフスカヤ / GP号前】

 シャワー浴びたいというイリーナの心が天に届いたのかと思った。さすがに冗談だ。面白くない。
 先ほどゲネラルパウゼ号の仲間たちに見せていた不機嫌を装った困り顔とは違い、心から面白くなさそうな顔で空を睨みつける。大きな髑髏が描かれた飛空艇が黒い雲の中から自慢げに飛び出してくるのが見えた。

「だっさ」

 本音が漏れ出てしまったことへの苦笑いなのか、鼻で笑う。そして飛空艇の中から出てきた、飛空艇のデザインと同じく冗談のような空賊たち。逆に面食らってしまったのか、より不愉快さを深めたのか、イリーナはため息をついた。クライアントが襲われている、と団長の声が響く。あんないかにも小物みたいな空賊に襲われるなんて、今回のクライアントは実はたいしたことないのではないかと穿った見方をしてしまう。
 先に行くと飛び出したアッチェ、エドワード、クーリ、等々。イリーナも追撃するかとも考えたが、飛空艇の中の親玉を倒すには自分の武器はやや大きすぎる。自分の武器は飛空艇という狭い通路の中での乱戦には向かない。まさか味方まで一掃するわけにはいかないので飛空艇のほうへ向かいかけた足を止める。その代わり敵方の飛空艇からぽろぽろと出てくる空賊からゲネラルパウゼ号を守る役割に徹することにした。

「うじゃうじゃ出てきて、蟻みたいですね」

 ゲネラルパウゼ号と自分に向かって真正面から走ってくる空賊をイリーナは睨みつける。何もせずに突っ立っているイリーナのことを空賊がどう思ったのかはわからない。二、三人で囲めば女など大したことはないと思われたのかもしれない。振りかぶったシミター、下品な笑いを浮かべている男、まだ、もう少し。
 今だ。腰に掛けていた小さな槍を両手で引っ掴み、目の前に突き出す。その動きには無駄がない。先ほどまで一メートルもなかったミニチュアのようなそれは、気づけば倍ほどの長さになり、イリーナをバカにしたような眼をしていた男の脇腹にぱっくりと切り傷を作っていた。見下し、驚き、痛み。その表情の変化をイリーナは冷たい顔のまま見送る。殺しはしない、動けなくなればいい。決心も覚悟も足りていないような連中なのだ、ちょっと痛めつければすぐに逃げ帰るだろう。
 突き出した槍の勢いをそのままスイングさせる。刃物の部分を体に当てないように少しばかりズラした。首にハルバード全体の重みがかかった空賊はそのまま吹っ飛んでいく。折れてはいないだろうがしばらく動けないだろう。
 ゲネラルパウゼ号から援護射撃。ダン・ブラウンのクロスボウだろう。鋭い射線はイリーナに当たることなく、確実に空賊たちだけを捉えていく。ゲネラルパウゼ号から離れないよう、威嚇するように空賊たちの前に立ちはだかるイリーナは一度三歩ほど後ろに下がり、槍を構えなおす。イリーナの堅実な動きにかよわい女ではないと理解したのか無計画に飛び出してくる輩はいなくなった。じりじりとにじり寄る両者の間には緊迫した空気が流れる。

「ハッ。びびってんじゃないですか。見た目通り、小物ですね」

 煽りつつも自分から飛び出していくことはしない。ただひたすら船を守るために防衛線を張る。

>(ダン)ALL

5ヶ月前 No.47

有栖川 @hananomi☆Mwp.W.uiBT6 ★5tuXai74if_XGK

【スズ/ GP号船外(敵船近辺)】
「勝手にするがいいにゃ……怪我しても責任取らないからにゃ」

 着いてくるらしいツァーンの事をそれきり意識から外して移動していたが、どうやら振り落とされるようなことはなくくっついたままで来れていたらしい。声が頭に響くが、意図的に振り落とすほどのことでもなかったということで無視を決め込む。あんまりひどいようだったら落とせばいいだけの話ということもあったが、そうするよりも早く他の面子と合流することとなった。

「そう言うのはラドリアスだにゃ、やっぱり正攻法は選ばないんだにゃあ?」

 どう攻めるか考えているところに、人の顔とトカゲを思わせる身体を持つ男、ラドリアス・ガルドロンが合流してきた。音で敵が寄ってくるのではないかと制止するよりも早く、彼はガラスを破って船内へと入っていった。ガラスの割れる音をなるべく耳に入れないようにと耳に手を当てていたスズは数泊遅れることとなったが、身のこなしの軽さは彼と同等と自負していることもあり、ツァーンの問いに応えるよりも早く、窓からひらりと船内へと侵入した。

「ところでこの船、本当に敵さんの船なのかにゃあ? 盗賊の船にしてはあっさり入れちゃったけれど」

 足先で軽く床を蹴りつつ、独り言をつぶやく。名前が知られているような盗賊の本拠地であるところに対して何ら障害もなく入れていることに違和感を隠せずにいるらしい。
 実際の所、例えスズが見ている光景や触っている物の感触、といった五感の全てが魔術的な幻惑であったとしても、彼女にそれを見破るすべも抗うすべも存在しない。

>>周囲all


【もし可能でしたら、他キャラに対する確ロル及び確定描写は事前に確認を取って頂けますと助かります。スレのルールで禁止こそされていませんが、そのキャラが全くしないであろう行動であることも場合によってはありますし、お手数をおかけしますがせめて一言いただければ幸いです、よろしくお願いします】
>>ゆんかーさん。様

5ヶ月前 No.48

味噌田楽 @dengaku ★FZSDg7BMdN_8gk

【リタル/GP号外】

「こりゃ、放送で知らせるまでも無かったかな……」

濡れたゴーグルを袖で拭うと、リタルはぼそりと呟く。
外に居た連中は元より、自分と同じ船内にいた連中まで既に飛び出していた。おそらくは、自分が操舵室に向かう間にも準備を整えていたのだろう。

『ええっとぉ。今のところダーリンたちもハニーたちも怪我はしていないみたいだしぃ、クライアントの保護にはもう何人も向かってるしぃ……イヴリンちゃんは怪我人が出るまで大人しくしておこうかしらん?』

そこに準備を整えたイヴリンが、チョコレートをハチミツで漬けたような、激アマボイスで現れる。明らかに戦場にそぐわない雰囲気だ。
そのイヴリンの背後から、鉄パイプを持った男が現れる。思わず声が出そうになるが、それは音になる前に終わった。男は首に注射器が刺さり沈黙する。
何とも見た目にそぐわず大胆なと、リタルは頬を掻く。だが、そんな事をしている場合ではない。

「悪いけどイヴリンもついてきてくれないか?クライアントが無傷とは思えない。救出後に安全な場所に運ぶ余裕があるか分からない、出来るだけ迅速に治療したいんだ。頼むよ」
リタルにとってはクライアントの命を守る事が最優先だ。ならば一秒でも速く治療した方が良いという結論を出す。
視線を戦場の方に向けると、こちらに気づいた感のいい連中が、駆け寄って来る。だが、そいつらもGP号にたどり付く前に、倒されていく。
金髪の髪を、お団子にに結った女性。一番新しく入団した、イリーナである。見た目より威力のあるその一撃は、空賊を吹き飛ばしていく。イリーナの力にビビったのか、距離を取った空賊。しかし、突然もんどりをうって倒れた。その体には、クロスボウの矢が深々と刺さっている。上を見上げれば、ダンがクロスボウを構え狙いを定めている。イリーナとダンの活躍により、空賊はその数を減らしGP号に攻め入る事が出来ないでいる。

「イリーナ!!、ダン!!すまないがGP号の守りを頼む!!これから俺は、クライアントの救出に向かう!!」

それを確認すると、空賊と対峙しているイリーナに伝え、入り口近くにある音送管からダンに頼む。

『皆!聞いてくれ!敵船から大将が出てきた!そして、さっき弱点を見た!あいつは今寝違えて首があまり動かせない!特に左には全くと言っていいほど動かす事が出来ない!それに利き腕の右を鍛えて来たようだが……筋肉痛で思うように動かせない!』

そんな中、敵の情報を知らせる声が聞こえる。そちらの方に居るのは、子供の様に小さい容姿を持つアールだった。
戦闘向きの能力は持ち合わせていないが、自分と一緒でGP団の技術班を担当する。また、今の発言の様に、敵の弱点が見える事もあるらしい。

「了解だ、アール!!」

聞こえる様にリタルは声を掛ける。さらに言葉を続ける。

「もしかしたら、飛空艇の応急処置を頼まれるかもしれない。しかも、最新式だ。覚悟しておいてくれ……」

言葉が段々尻すぼみになっていく。技術班というのは、意外と過酷な仕事だったりする。リタルも最新式の飛空艇が見れるという嬉しさ半分、簡易的でも動けるまでどれぐらい、かかるのだろうという心配半分である。

そして、リタルは墜落した飛空艇へ駆けるのだった。




【アッチェ/GP号外】

アッチェは、一人目の敵を倒すと、振りかぶられたシミターを躱し鳩尾に叩き込み、立て続けに二人目を倒す。

『ガァアアアゥウウォオオオオッッ!!』

それと同時に、後方より一匹の獣が現れる。紺のコートを申し訳程度に引っ掻けたジャガー。それが、一人の空賊の腕に噛みつき振り回している。
アッチェは、驚いた様に口笛を吹いた。

「やっぱ、クーリも速いわ。私、負けるかも」

肩をわざとらしくすくめ、おどけた様に呟く。自分はスピードに自信があるし、さっきもフライング気味に飛び出したはずだ。それがすでに追いつかれている。そう、言いながらも舞う様に二本のダガーを振るい敵を叩き伏せていく。

『あ! あそこにアッチェさんもいます! クーリさんまで。独りじゃ危ないですよ!』

『おーい!アンタら、オイたちも加勢するぜ!』

後方から、声がしたと思い振り向くと、ユウとエドである。

「お疲れ様、エド、ユウ、じゃあ、手っ取り早く終わらせますか。こんな金にならない事するのも面倒だしさ」

あくまで視線は敵に向けたまま、淡々とした口調で言葉を返す。そして、突っ込んできた敵をヒラリと躱すと、鳩尾に膝を叩き込んだ。

そこに、ジオ&フビック、カイ、ジャックと次々と仲間が合流し、敵の数が減って来るのだった。

【まとめ投稿失礼します】

5ヶ月前 No.49

味噌田楽 @dengaku ★FZSDg7BMdN_8gk

【リタル&アッチェ/GP号外】

「皆、すまない!!遅くなった!!戦況は!?」

エドの被雷点へのマーキングを頼りにリタルは、皆に合流する。

「とりあえず、墜落した飛空艇の回りはあらかた片付いたかな?クライアントの安否はまだ不明。あと、ラドリアスとスズ、それにくっ付いて、ツァーンが裏手に回った」

その問いに、一番最初に斬り込んだ、アッチェが答える。

「了解……」

そう言いながら、軽くゴーグルを抑えるようにして、リタルは考える。今、最も必要な事はクライアントの安全を確保する事だ。
悩んだのは数秒。リタルは直ぐに結論を出す。

「アッチェ、クーリ!!二人はラリー達に合流して、裏口の方で派手に暴れて敵を引き付けてくれ!!」

足のある二人に裏口への合流を支持する。アッチェの顔が面倒くさそうに歪む。だが、それはため息と共に元に戻った。

「……分かった。親玉は捕らえた方がいい?」

「いや、クライアントの安全が優先だ。深追いしなくていいよ」

「……了解、依頼料ふっかけるからね」

それだけ言うと、アッチェは土砂降りの中を駆けて行った。

リタルは、それを見送ると、急いで墜落した飛空艇に駆け寄る。小さな小窓から覗くと、操舵輪を握ったままイスに背を預け、クライアントが気を失っているのが見える。急いで中に入ろうとするも、新製品の為か頑丈な金属製の扉がそれを阻む。墜落の衝撃で歪んでしまったのか、それに手をかけ引っ張るもビクともしない。
そこで、リタルは腰に括り付けてある、円盤を手に取る。次に、ゴーグルを一度外すと、つなぎの袖でレンズを拭いた。そして、扉の継ぎ目にそれを、正確に当てる。

「皆、ちょっと音が煩いが、我慢してくれ!!」

そう言ったと同時に、リタルは円盤から手を放すと、それは高速で回転を始めた。金属同士がぶつかり合う、耳障りな甲高い音。飛び散る火花。少しずつであるが、円盤は進み扉を刻んでいく。
リタルにとって聞きなれている音ではあるが、だからと言って大丈夫という訳でもない。飛び散った火花が、肌を焦がす。やがて、円盤が扉の回りを一周すると、ワイヤーを引っかけ手前に倒す。ズンという、鈍い音を立てて倒れる扉。

クライアントである、ライアングは重症だった。二本の角の間の額からは血を流し、操舵輪に腕をぶつけた為か、右腕がありえない方向に曲がっている。
リタルは表情を歪めながらも、首の頸動脈に指を当てる。そこで、表情が緩んだ。大丈夫、何とか生きているらしい。

「イヴリン!!頼む!!」

我が団のナースに頼むと、リタルは飛空艇の外に出て、自らも歯車を構える。

「皆、クライアントは生きている。安全を確保する為もう少し頑張ってくれ!!」

そして、身近な敵に歯車を投げつけるのだった。


一方、アッチェは迂回し艦の後方に回りこむ。そこでは、ラドリアス、スズ、ツァーンがすでに船内に侵入していた。アッチェもラドリアスが割った窓から、内部に侵入する。侵入した先は大きな通路の様な場所である。前方からは、複数の足音が迫ってくる。

「ラドリアス、スズ、ツァーン、お疲れ様」

息も乱さずに、追いつくと労いの言葉をかける。雨の当たらない船内でびしょ濡れの服の裾を絞る。

「団長からの伝言。依頼者の救助が最優先だってさ。私たちは、こっちで暴れて敵を引き付けてくれって。深追いはしなくていいよ」

淡々とした言葉で端的に、内容を伝える。

「まぁ、とっとと終わらせようよ」

そう言うと、迫って来た敵の鳩尾にダガーの柄を叩きこみ、顔面を蹴り飛ばすのだった。

【無理やり纏めたような感じになってすみません!!GWは忙しく、次回書き込みは、GW明けになると思います(汗)。よろしくお願いします!!】

5ヶ月前 No.50

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★DoaFJQIlTR_LoN

【 イヴリン・マクレイ / GP号外 】

 戦場の端っこで仲間の活躍にきゃーきゃーと黄色い悲鳴をあげるだけの楽しい時間は終わりを告げた。リタルから声がかかったからだ。もちろん仲間大好きっ娘のイヴリンであるからして、そのお誘いは大歓迎。戦いなんて好きではないけれど、好きな相手に頼まれて戦うなら大好きだし、千金に勝る時間だ。「いいわよぉ」と鼓膜の野郎が糖分の過剰摂取でポックリ逝ってしまいそうな声を出し、嬉々として彼の後ろをついて行く。驚愕すべきは態度の軽さだ。本来は非戦闘員のくせして、相変わらず血腥い場所に突っ込むのに躊躇いが無い。とはいえこの程度ならまだ可愛いものであり、万が一、彼女の前で仲間が獣にでも傷付けられようものなら相手が格上と承知済みで特攻をかます。それに比すれば、今しがたの緊張感の欠落くらいマシというものだ。
 ハニーらダーリンらの奮闘を背景に混戦の最中を掻き進み、辿り着きたるは墜落した飛空艇の付近。そしてリタルの指示によって、その場にいた仲間の一部は、裏口で暴れて注意を引き付ける組とクライアントを救出する組に分かれる。当然、イヴリンは後者の組に振り分けられた。正しい運用だ。ここでイヴリンに前者の働きを任せる者がいれば、それは天才すぎて奇抜な作戦が思い浮かんでしまう人種か普通の馬鹿かのどちらか。リタルは真っ当なリーダーである。つまりどちらの厄介な人種でもない。

「あらあらあらぁ。重傷ねぇ、人体構造を理解していない子供が画用紙に書きなぐった走っている最中の人間のイラストみたいな状態だわぁ」

 リタルが手慣れた金属加工技術を応用しこじ開けた、というより取り外した扉の向こう。そこでぐったりと力なく倒れるクライアントを一目見て、こいつ仲間以外には人としての情とか持ち合わせてないんじゃと勘繰りたくなるレベルの言動と共に中へ足を運ぶイヴリン。クライアントに意識が残って入れば多少は態度を取り繕いもしたが、気絶しているのを知ってしまうと気遣いしようという気さえ失ったらしい。だからそういう所だぞお前。

「はぁい、イヴリンちゃん喜んで頼まれちゃう! だぁりんも頑張ってねんっ?」

 怪我人をこちらに任せて外へと飛び出すリタルを、グラブジャムンじみた極甘シロップ浸けボイスと笑顔で見送り、彼の背中が視界から消えれば有言実行とばかりに治療にとりかかる。白衣の内ポケットからいそいそと取り出される、絆創膏に包帯に添え木に鉄分のサプリメントに栄養ドリンクにと、現場に合っているような合っていないようなチョイスの品々たち。重傷のクライアントを前にあまりにも頼りなく見える物の数々は、けれどイヴリンの能力にかかれば大活躍必至の有能アイテムと化す。
 まずは絆創膏を片手にもう片手を血まみれの額にかざした。鼻歌混じりの治療行為。頭が痛くなる糖度の響きを聞かずに済むことが、目の前で倒れる不運なクライアントにとっての不幸中の幸いだ。みるみる間にクライアントの額の傷は塞がってゆく。続けざまに小さな添え木に指先で触れ、衣服の下で尋常じゃない方向を向いてしまっている右腕をさすった。こちらも額の傷より時間はかかったが、徐々に骨が引っ付いていき、腕も正常な方向に戻る。外は随分と騒がしいが、愛しい愛しいダーリンやハニーたちは無事だろうか。ぶっちゃけそっちのほうが心配でクライアントの安否を気遣う気持ちは殆ど湧いて来ない。だって仲間じゃないもん、この人。

>リタル様&ALL様

5ヶ月前 No.51

ゆんかーさん。 @yunkermaze ★iPhone=iu7hXtbv3W

【ツァーン・フィイー / 敵船付近の上空】

「わかったわ、そういう事なら……」

表舞台から増援も来た所で、通路の外へ身を乗り出して船外から通路を見遣る。羽搏きが一瞬強くなると翅から漏れ出た光の粒が身体を包み込み、光の球体へと姿を変える。

皆の居た通路に押し迫る敵の構成員の内、二人を目標に定めた。手斧を持った水夫と棍を持った水夫。それらに向けて手に持った牙を振りかざすと、牙の周囲に超自然の小さな紋様が浮かび上がった。

「奴等をこの場所に留めておけば良いのね!」


ビスッ、ガンッ!!


振り翳した牙が弾け飛び、棍を持った水夫を強襲。鋭い牙が水夫の服を貫き、通路の壁に打ち付ける。

「もういっちょ!」

バラバラバラ、と身体を包む光の中から無数の歯が零れ落ちた。煌めきながら落下していく歯の粒。その内幾つかを周囲に保持すると歯根の方を目標に定める。


パゴンッ!!


ショットガンめいて撃ち出された歯は通路に縫い止められた水夫に追い打ちを掛ける。そこで手斧の水夫がこちらの存在に気付き、手斧を振り上げ投擲姿勢に入った。仲間の動向をチラリと確認し、光の球体から右手に光を一擧集中。

「あなたは歯抜けにしてあげるわっ!」

次の瞬間、手斧を投げようとした水夫が突然口元を押さえて悶絶しながら転倒。押さえた手の隙間から血が溢れ、苦悶の表情だ。咳き込む様にして血反吐と共に床に吐き出された無数の粒は、その水夫の歯だった。見事に圧し折られて歯肉ごと無理やり引き抜かれている。
その苦痛は想像に難く無いが、通路の水夫達はゾッとした事だろう。

「さぁ次よ次!」

>>周辺ALL

【うわ ごめんなさい、気を付けます】

5ヶ月前 No.52

サムライ @samurai07 ★iPhone=QCAUNJ3bTK

【ラドリアス・ガルドロン/飛行艇内】

「大丈夫だろ。正面からはアッチェ達が攻め込んで、さらに俺のクローンも陽動を行なってる。裏まで警備してる暇なんか敵さんはないのだろうよ。さて、俺はこのあと何をしようか…」

スズとツァーンを安心させるためなのか、それともラドリアスが楽観的なのか、とにかくそう言って2人を励ます。すると今度はラドリアス達の後ろからアッチェがやって来た。

「おう、アッチェじゃねえか。ここに来たってことは表の敵はあらかた片付いたってことか。んじゃ、いよいよこの仕事も終わりが近いってことかね。じゃあ、俺は少しやりたいことがあるから少し離れるぞ。」

皆を置いて先に進むラドリアス。たまにところどころにいる見張りをぶちのめしながら進むと通路の隅に鍵がかかった扉があった。ここでラドリアスの盗賊時代の悪い癖が出てしまう。

「へっ、こいつは臭うな。もしや何か珍しい物が隠してあるかもしれねえぞ。おらあ!」

扉を蹴破り、部屋に入るがあったのは山積みにされた酒樽だった。

「ちっ、酒樽しかねえのか。こんなの仮に奪ったとしても持って帰るのが面倒だな…ん?あれは…!?」

部屋の床に小さい金属片のような物が1つ落ちていた。それは何と銃弾だった。

「マジか!どこののろまが落としたのかは知らねえが、こんなシケた船でお宝が見つかるなんてな。よし、これは俺がありがたくいただいていこう。いやー、ツイてるな!」

これでラドリアスのマスケット銃の残弾は5発に増えた。銃弾はかなり貴重な品で本来は海に行かないと手に入らない代物だ。しかし、ここはダイバー崩れのゴロツキの巣窟。たまたま誰かが持って帰ってきたのだろう。ただし、手に入ったのは1個だけだったが。

「それじゃ、ついでにこの積荷も…ん?あそこにいるのはこの船の親玉じゃねえか?」

船室の丸窓から外を見ると魔導師のような格好の男が飛行艇から外に出ようとしている。どうやら自分の不利を悟って逃げようとしてるらしい。ラドリアスは皆のところへ船室から小包を担いで戻ってきた。

「おい、敵のボスは仲間を見捨てて自分だけ逃亡するらしいぞ。それであいつは見過ごすのかい?それとも、俺のクローンに追撃命令を出すか…あるいはGP号に残った仲間に連絡してぶちのめしてもらうか…まあ、一番スッキリするのは2番目に挙げたやつだかな!」

一方のラドリアスのクローンは魔導師風の男の護衛と戦闘している。ラドリアスが追撃命令を出せば護衛を押し退けて斬り殺しに行くだろう。血の気の多いラドリアスらしい答えだが、リタルからは深追いは控えろと言われている。一応、周りに問いかけるのだった。

>>スズ様、ツァーン様、アッチェ様、周辺ALL


【陽動サボって略奪に精を出してすみません!でも、敵の飛行艇だからいいよね?あと、ボスが逃げようとしてることに勝手にしましたが、クローンに追撃させても、他の皆様で処理していただいてもOKです】

5ヶ月前 No.53

味噌田楽 @dengaku ★FZSDg7BMdN_8gk

【アッチェ/敵飛空艇内】

「ツァーン……、相変わらずえぐいね……」

迫りくるシミターを躱し、敵の後頭部に一撃入れると、アッチェは血反吐を吐き倒れた空賊を見る。グロテスクというか、スプラッターというか、そういうのが苦手な人は、卒倒しそうな状況だった。我が団最小のツァーンは、歯の妖精である。最初に聞いた時は、驚き戦力になるか疑ったが、実際共闘してみると、その独自の戦法で団の一員として働いている。

「ああ、あんまり、がむしゃらにやんなくてもいいよ。もう少しで、依頼者を救助出来るだろうからさ」

無気力な言い方。しかし、体の方は、敵の攻撃を舞うようにヒラヒラ躱している。そして、胴体部に蹴りを入れて吹っ飛ばすと、通路の何にかを将棋倒しに巻き込む。

『おう、アッチェじゃねえか。ここに来たってことは表の敵はあらかた片付いたってことか。んじゃ、いよいよこの仕事も終わりが近いってことかね。じゃあ、俺は少しやりたいことがあるから少し離れるぞ』

「まぁ、大体はね。今、団長が依頼者を助けてる。イヴリンも連れてきてたから、大丈夫でしょ」

少し離れると言うところで、少々アッチェは顔をしかめる。この程度の戦力であれば、ラドリアス一人抜けても十分大丈夫である。しかし、一人抜ければ作業量が増える訳で、正直面倒くさい。

「私だって面倒くさいんだけど?まぁ、いいよ。ただ、いい物見つけたら何か奢りなよ」

そう、戦場から背を向けるラドリアスに言うのだった。

やがて、戦利品を手にしたラドリアスが戻って来る。

『おい、敵のボスは仲間を見捨てて自分だけ逃亡するらしいぞ。それであいつは見過ごすのかい?それとも、俺のクローンに追撃命令を出すか…あるいはGP号に残った仲間に連絡してぶちのめしてもらうか…まあ、一番スッキリするのは2番目に挙げたやつだかな!』

「ほっといたら、いいんじゃない?団長には無理するなって言われているし……」

腰に手を当て半ばあきれる様に、冷めた態度でアッチェは言う。自分達の任務は、あくまで、依頼者の救出であって、魔術士の男を倒す事では無い。
余計な仕事は、増やさないで欲しい。そう思い、ふと壁に目をやる。
モノクロのポスターに魔術師の男が写っていた。その下には結構大き目の数字も。自分たちの悪行を自慢したい為か、手配書を船内に貼っていたらしい。

アッチェの目が「G(ゴールド)」のマークに早変わりする。

「前言撤回!!ラドリアス、捕まえて!!殺しちゃダメ、生きて捕まえた方が報奨金は高くなるから!!」

そう言うと、親指でポスターを指してみせる。そして、窓に近づくとリタル達が見える位置まで進みダガーをかざす。室内灯の光を上手く調節し、団特有のモールス信号でリタルに合図を送った。

「敵、報酬高い為、捕獲する。飛空艇の動き止めて」

窓の外では、リタルが頭を抱えている。そして、歯車に光を照らし、了解の合図を送って来た。

「団長にも確認を取ったから大丈夫!!さぁ、こいつら全部倒して、報奨金もらうよ!!上手くいったら今夜はご馳走だから!!」

さっきのやる気のない態度とは、うってかわって全力で残党の処理をするのだった。

>>ツァーン、ラドリアス、スズ、クーリ(?)、周辺ALL

5ヶ月前 No.54

味噌田楽 @dengaku ★FZSDg7BMdN_8gk

【リタル/GP号外】

『はぁい、イヴリンちゃん喜んで頼まれちゃう! だぁりんも頑張ってねんっ?』

「あ、ああ、頼むよイヴリン!!」

イヴリンの返事に苦笑しながらリタルは答える。恋愛関係には、疎いリタル。例え、皆にダーリン、ハニーと言っているのが分かっていても、ドキッとしてしまう。
イヴリンが治療をしている間にリタルは外に出て、空を見上げる。魔力が尽きたのか、はたまた逃げる気なのか、雲が薄くなっており、所々雲間から光が射している。頼れる仲間達により、辺りの空賊は、ほぼ壊滅状態になっていた。リタルはゴーグルを外し、水滴を拭うと再びかけ直す。

やがて、イヴリンの治療が終わったらしい。依頼者の顔色は元に戻り、ひん曲がった腕も元通りに戻っている。バイタルも安定しているようだ。
それを確認すると、リタルはほっと一息つく。

「これで依頼者は一安心かな?お疲れ、イヴリン。助かったよ!!」

イヴリンに礼を言う。依頼者は何事も無かったかの様にスースーと寝息を立てている。

「皆も、お疲れ様!!依頼者は何とか大丈夫だ!!怪我した奴がいたら、イヴリンに見て貰ってくれ!!ここまですれば、敵も後は逃げていくだろう」

そして、ずぶ濡れになった団員達に声を掛ける。次に、歯車を日にかざし、

「依頼者を無事確保。まもなく帰還する」

光通信で、GP号に残った団員に合図を送のだった。

その時、目の端に光が飛び込む。目を細め光の出どころを探すと、敵の飛空艇の窓からアッチェが信号を送って来る。

「何々……、『敵、報酬高い為、捕獲する。飛空艇の動き止めて』って、おいーーー!?ラリーもアッチェも何やってんだよ!?」

その内容を読み解き、リタルは頭を抱えた。そういえば、ラリーが突っ込んでいって、追いかけて行ったのがアッチェ。お金に強いこだわりを持つ、この二人を止められそうなメンツはいなかった。華麗なる人選ミスである。言って聞く相手でもないし、諦め半分で了解のサインを出した。

その時、目の前の飛空艇が逃げ出そうとし、プロペラが回転し始める。敵も相当混乱し、倒れた者は無視して飛空艇に逃げ帰っていく。ボスすらも置いて逃げ出そうとしているようだ。

「まずい!!まだ、飛空艇にアッチェ達が乗ってる!!すまないが、飛空艇を落としてくれ!!」

そう、皆に言ったのと同時にリタルは持っている歯車を飛空艇のプロペラの根元に投げつける。大きく弧を描いた歯車は期待に刺さり高速回転。表層の鉄板を削ると、内線コードを断ち切りプロペラの動きを止めるのだった。

>>ALL

【遅くなってすみません(土下座)!!】

5ヶ月前 No.55

柘榴 @class ★Android=42zyboh5vZ

【ジャック/GP号外】

ジャックは途中から飽きてしまったのか、ショック死だったり出血死してしまった敵の霊魂を食べていた。傍目から見たら、それは見えないので何をしているのかさっぱり分からないような状況だろう。ただ、目に見える報酬が無意味な彼にとっては外せない重要事項だった。
それにしても、結構多いな。まぁ、雨で血が流れやすかったか。質はそこまでじゃねぇが、これだけありゃ十分どころか十二分だ。一回くらい大きいやつを使った方が身体に良さそうだ……溜め込みすぎても良くねぇもんだ。

「あ?落とせって言っても……なんだ、大して飛んでねぇな。それにプロペラが止まってるって事は持てば良いだけって事か。それなら、簡単だ。」

鬱屈そうに飛び上がった飛行艇を見上げて、リタルの放った歯車がプロペラの動きを止めた事を確認した。それを見てニタリと笑みを深くして、そう告げると右手を霊化させてプロペラの方へ視線を向けた。

その右手は飛行艇の停止したプロペラ部分の真上に位置する辺りで霊化を解いた、その直後に緻密な蒼白の魔法陣が展開させる。一種の大魔法と呼ばれる類いのものだろうが、緻密過ぎて他人が真似るには近くで詳しく見ないと難しいだろう。

「我が腕、焔の巨神が如く燃え上がらん。焔掌発破、塵芥に……したら不味いのか。焔掌不破。」

魔法陣が煌々と燃え上がり、彼の腕を中心にして蒼白の焔で構成された巨腕が出現する。一瞬、彼の詠唱によってその熱量が増して爆発する予兆を見せたが、寸前で熱量が一気に下がって普通にプロペラ部分を掴む。内部は多少暑いだろうが、プロペラや機体を焼き切ったりはしないはずだ。
あー、それにしても危なかった。久々に詠唱までしたもんだから、ノリに乗ってうっかり爆発させちまう所だった。いや、そもそもそっちが正しい使い方だから仕方無いんだけどな。

「で、これを下に叩き付けるのか?ゆっくり下ろせばいいのか?言っとくが、この魔法は正式な使い方じゃない分、不安定だからな。雷撃一発かすっただけでも、諸とも墜ちると思ってくれ。」

一時的に隻腕となった南瓜頭は残った左腕で欠伸をするような仕草をしつつ、ふらっと司令塔であるリタルの方へ歩いていきながら、留意事項の伝達も兼ねて尋ねてみる。返答があり次第、それに準ずるつもりだ。
別に怪我も無いし無理もしてないんだが、ちょいとばかり疲れる。そもそも、この前にずっと他人の頭を渡り歩いてたもんだから、体力はそれなりに磨耗してはいたのか。加減ってのは結構難しいな。それにしたって……人間ってのは薄情なもんだよな、仲間が殺られたら勇んでかかって来ても良いだろうに。こういうのを烏合の衆って言うんだったか?
墓場に居た頃から、ちょくちょく見掛けてはいたが、こういう奴等に限っては大半が最悪の結末を迎えるってもんだ。……GP団もパッと見だと、そこそこに烏合感が拭えないか。種族だとかもてんでバラバラだしなぁ……。

>リタル様、(ラドリアス様、アッチェ様)、all

5ヶ月前 No.56

ばでほり @17854 ★Android=V2XtkxYYcb

【ダン/GP号船内】

リタルとイヴリンが離れてから、GP号周りでは膠着状態が続いていた。
敵の方が数は多いが一人一人の力量は大したことはなく、イリーナの無双ぶりにすっかり怯えたように先ほどから様子見を続けている。
かといってこちらも二人(アールを入れれば三人)では、さすがに打って出るのは難しく、時間だけが過ぎていく。

まあ、こちらは船さえ守れれば勝ちは決まったようなものなので、拮抗しているように見えても圧倒的有利なのは間違いないが。

ーーー別に敵を倒した数で給料が上がるわけでもなし。

そんな風に戦場を静観していると、遠く敵の飛空挺からGP団専用の光信号が送られてくる。
『依頼者を無事確保。まもなく帰還する』
内容を確認し、音送管を通しイリーナに連絡をとる。
「ダンよりイリーナへ。光通信は読めるな?依頼人のために退路を確保したい。援護はするから、もう一仕事頼む。」
そう一方的に伝えると、話は終わったとばかりに、クロスボウの引き金を絞り、敵の一団に向けて立て続けに矢を放つ。

>>イリーナ、ALL

5ヶ月前 No.57

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★DoaFJQIlTR_LoN

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5ヶ月前 No.58

サムライ @samurai07 ★iPhone=QCAUNJ3bTK

【ラドリアス・ガルドロン/飛行艇内→外】

「そうだったのか!?すげえな。今日はめちゃくちゃツイてんじゃねえか!よし、俺その1に命令して奴を拘束しよう!」

あの魔導士の男に懸賞金がかかっていると聞いて喜び勇んでラドリアスは裏口の窓から飛び出し、外へ出た。そして、頭の中でクローンに命令を送る。

(俺その1!外へ逃げた魔導士を追いかけて、とりおさえろ!ただし、殺すなよ?生け捕りにするんだ!)

一方のクローンは護衛を蹴り飛ばして、逃げた魔導士の男を追いかける。相手は魔力切れでヘトヘトだったらしく、クローンは男に後ろから跳び膝蹴りを食らわして、転ばせた。続いて、クローンを追ってやってきたオリジナルのラドリアスが現れて、男の逃げ道を塞いだ。

「よくやった、俺その1!さあて、覚悟はいいか?せいやあっ!!」

男のリアクションは「あれ?あんたは俺の後ろから追ってきて膝蹴りした奴じゃ…」みたいな感じだったが、次の瞬間にラドリアスの鳩尾への肘打ちで気を失った。ラドリアスは気絶した男を担げとクローンに命令し、そのまま2人でアッチェ達のもとへ戻る。

「おーい!懸賞首を捕まえたぞー!」

意気揚々とアッチェ達に報告するラドリアス。その後ろから服装は靴まで、顔は目元まで同じのクローンが魔導士の男を肩に担ぎながらやってきた。パッと見はまったく見分けがつかないが、本物のラドリアスは背中にマスケット銃を背負っていて、顔は銃弾と懸賞金がかかった空賊を確保した結果に破顔している。クローンは無表情でさっきから一言も喋っていない。これが2人の見分け方である。

「ついでにラム酒1ダースを飛行艇の食料庫からかっぱらってきたぜ。欲しい人いるかい?いらねえなら俺が独り占めするぞ。」

ラドリアスは小脇に抱えた木箱を自慢げに見せびらかしていた。やはり、足を洗っても盗賊の頃の手癖の悪さは治らないようである。

>>リタル様、アッチェ様、スズ様、ツァーン様、(ジャック様、ダン様、イヴリン様)、ALL


【とりあえず捕獲完了しました!あとどうするかは任せますね。ちなみに前スレで銃弾の他に奪った積荷はラム酒の詰め合わせでした】

5ヶ月前 No.59

味噌田楽 @dengaku ★FZSDg7BMdN_8gk

【リタル/GP号外】

『飛空艇を止めれば良いのねんっ? 分かった、待っててダーリン! イヴリンちゃん、身体にかかったらお肌がでろでろに溶けちゃう危ないお薬持って来るわ!』

「了解、頼むよイヴリン!!」

イヴリンの進言を、リタルが了解すると、イヴリンは猛スピードでGP号に走っていく。
了解とは言った物の、リタルの頭に疑問符が付く。お肌がでろでろに溶けちゃう危ないお薬ってなんだ?疑問の解決が出る前に、イヴリンがGP号から、怪しげな薬を持ってくる。ゼーハー言ってる、イヴリンに薬を手渡される。何か人間には使っちゃいけない色をしている。

『ちょっ……と、今イヴリンちゃん投擲無理かも……! 代わりにこれ投げておいてダーリン……!』

「わ、分かった!!」

言われるまま、リタルはくる瓶を二つ、止まったプロペラとは、逆の翼へ投擲する。
クルクルと回転し、ガチャンと音を立てて瓶が割れると中から飛び散った液体が翼へ掛かった。すると、シュワシュワと音を立て白い煙を上げている。そして、煙が無くなった時には、翼は表面を溶かし、むき出しの鉄骨が見えていた。お肌ってレベルじゃねーぞ、これ。

えっ?これを、GP号の中で作ってたの?

「イ、イヴリン、次からはこういう劇薬は、船外で作るようにね……」

額に汗しながら、イヴリンに注意するのだった。

『我が腕、焔の巨神が如く燃え上がらん。焔掌発破、塵芥に……したら不味いのか。焔掌不破』

ホッとしたのもつかの間、隣からは詠唱音が聞こえる。見れば、魔法陣が煌々と燃え上がり巨大な腕が出現している。その熱量は大したもので、今にも爆発しそうである。

「ちょ!?」

ちょっと待て、と言おうとした所、熱量が収まり推進力を失ったプロペラをがしっと掴んでいた。リタルはほっと胸を撫でおろす。

『で、これを下に叩き付けるのか?ゆっくり下ろせばいいのか?言っとくが、この魔法は正式な使い方じゃない分、不安定だからな。雷撃一発かすっただけでも、諸とも墜ちると思ってくれ』

隻腕となった南瓜頭のジャック。その姿を見ると、幼い子供は泣いてしまいそうな迫力があった。やはり種族によって特徴は違う訳で、自分にとっては信じられない。

「爆発するかと思ったよ……。ゆっくりと下ろしてくれ、ジャック。そっとだぞ、まだ中にアッチェ達もいるから」

そして、ジャックに頼むのだった。

動きの止まった、飛空艇。窓から皆に見えるように、また光通信が送られてきた。

「何々、『捕獲成功、ラム酒、上質の砂糖、大量の小麦粉、奪取成功』……」

そして、額に手を当て盛大にリタルはため息をついた。

「どっちが、空賊だか、分からないな、これは……」

だが、リタルは直ぐに気持ちを切り替える。団の経営の事もあるし、貰えるものは貰っておこう。いささか、考えが、ラリーやアッチェに毒されている気がしないでもない。

「ラム酒か、まぁ、たまにはいいかもな。エドは聞くまでもないか……。ジャックも難しいのかな?カイ、ユウ、ジオ、はどうだい、つまみぐらいは作るぜ?まぁ、依頼の交渉が成立したらの話だけどね」

そういうと、リタルはグラスを傾ける仕草をして見せる。リタルも、多量には飲まないが、人並みに酒を嗜む方だ。

「フビックには、まだ早いかな……。よし、砂糖も手に入ったようだし、何かお菓子も作るよ!!イヴリンも楽しみにしていてくれ」

一応、人並み以上に家事をこなせるリタル。奪い取った品というのが、多少引っかかるが、任務の前のちょっとした景気づけを企画するのだった。

>>イヴリン、ジャック、エド、カイ、ユウ、ジオ&フビック

【一応、異世界という事で、お酒は何歳でもOKという事で!!】

5ヶ月前 No.60

味噌田楽 @dengaku ★FZSDg7BMdN_8gk

【アッチェ/敵飛空艇内】

『おーい!懸賞首を捕まえたぞー!』

「お疲れ様。お手柄だね、ラドリアス」

賞金首をラドリアスのクローンが抱えてくる。ラドリアスの本体とクローン。最初は見分けが、つかなかったが今は直ぐに分かる。血の気が多くて、表情がクルクル変わるラドリアス。全くの無表情のクローン。仲間であればすぐに分かる。これが、もしもカイの能力だったら、絶対に見破れないだろう。
全く、上手くいかない物である。

『ついでにラム酒1ダースを飛行艇の食料庫からかっぱらってきたぜ。欲しい人いるかい?いらねえなら俺が独り占めするぞ』

「私はいらないけど、欲しい人は結構いるでしょ?エドとか黙っちゃいないと思うよ」

敵をあらかた片付け、窓の外を親指で指して見せる。その先には仲間達がいた。さっき、飛空艇が飛びそうに地面から浮き上がった時は、やばいと思ったが、どうやら仲間達が上手くやったらしい。先程まで聞こえていたプロペラ音が消え。飛翔が止まっている。

「まぁ、私は酒よりも、やっぱりこれだね。袋のマークを見て、もしかしてと思ったんだけど……」

アッチェもラドリアスが懸賞首を捕まえに行っている間に、品物をくすねていた。足元には、パンパンに詰まった麻袋が二つと、一つの小さな包み。中には白い粉が大量に入っていた。一つは小麦粉。もう一つは……。
アッチェは小指の先でそれをすくい、ペロっと舐めて見せる。
上品な甘みが、口中に広がる。アッチェは身震いする。

「うん、おいしい!!空賊のくせに結構いいの使ってるね。シュガ島産のだ」

その正体は、粉雪の様に白い上質の砂糖である。その中でもシュガ島産の物は高級品であり、ちょっと値段の高いデザートにも使用されている。何時も使ってる十把一絡げの、安砂糖とは訳が違う。

「売ればお金になるけど、たまには贅沢しないとね。ツァーンも楽しみにしててね。あっ、けど歯の妖精としては、甘い物は天敵かな?」

美味しい砂糖が手に入って、何時もよりも饒舌である。

「クーリも甘い物はいける口?それともラム酒の方がいいかな?」

その表情は珍しくニッコニコ。満面の笑みである。そして、麻袋の隣にある小さな包みを開ける、中には少量の干し肉が入っていた。それをスズに投げて渡す。

「はいっ、スズ。残念ながら魚は無かったよ。良かったら、それしかないから食べちゃって」

スズとは、戦闘スタイルが似ている事もあり、前線でも一緒になる事がある。アッチェとしては、背中を預ける事が出来る相手だと思っている。

「イリーナも、きっと好きだよね甘いの。よしっ、団長に美味しいお菓子を作って貰おう!!」

そして、何時もの姿とは打って変わり、無邪気にはしゃぐのだった。

>>ラドリアス、ツァーン、クーリ、スズ

【流石に「さ島」はあんまりなので、シュガ島にしてみました】

5ヶ月前 No.61

毬藻 @shuchishin☆jHqXF0noOB6 ★Android=RJoyEyAkSa

【ジオ・レイジャード&フビック/GP号外】

「あ……!」

依頼人はリタルとイヴリンに任せて雑魚相手に暴れていると、不意にフビックが声をあげた。何事かと目線だけ寄越せば、敵の飛行挺を指差しつつジオに耳打ちしてきた。

「にーちゃ! ねーちゃたちが鬼しゃんつかまえた!!」
「ああ? ……お、あっちはあっちで上手くいったみたいだな。依頼前に景気がいいぜこりゃ」

気がつけばあれほど鬱陶しかった手下どもは地面に伸されている奴らを除いてほとんどいなくなっていた。大方親玉がやられて逃げ帰ったのだろうが、戦力的に不利と判断したのもあるのだろう。ならず者達にしては賢明である。

「うし! チビ、お疲れさん。後でもし小遣い貰えたら、早速わたあめ買ってやるからな」
「やったぁ! にーちゃ、大好き!!」

武器を納めると、くしゃりとフビックの頭を撫でて労う。幾度となく共に戦線を駆けてきたが、今回もし彼がいなかったら迅速に依頼者を救出できなかっただろう。依頼前に大分体力を使わせてしまったし、ご褒美くらいあげなくては。

空賊団の飛行挺、分解できねェかな……と刃先で適当につついていると、リタルからグラスを傾ける動作をしつつ、どうだと誘われた。勿論断る理由などない。

「いいねェ。最近、思う存分に飲めてなかったんだ。有り難く頂こうぜ。団長様のつまみとくりゃあ酒が進まねェこたァねェだろう」
「わーい! リタルにーちゃのおやつ、好きー!!」

お菓子を作ってくれると言われ、手を叩いて喜ぶフビック。一見元気そうだが、やはり魔法をつかっていたからか疲れているらしい。ふああ、と小さな口を目一杯開いて欠伸をしつつ眠そうに目を擦り始めた。

「疲れたんだろ。おら、寝たきゃ寝ておけ」
「う〜ん……やらぁ……。わたあめ……」
「眠そうな声で何言ってやがる。しっかり寝て次に備えとけ。起こしてやるから」

片腕でフビックを抱えながらあやすと、起こしてやるという言葉に安心したのか、すぐにすーすーと小さな寝息がジオの腕の中から聞こえ始めた。

「……てな訳で、酒盛りはちっと無理そうだな。ああ、菓子は作っといてくれないか? 最近あまり甘いもの食べさせてやれてないからな。悪いが体力回復も兼ねてちっと頼む」

戦闘後は疲労からか寝付きが良いので多少騒いでも起きないが、やはり無意識に小声になってしまう。腕の中の幼子をあやすその姿は、二人の関係性を知らない人からしてみればまさに父と子であろう。何故かジオには分からないようだが。

>>リタル様、周囲ALL

【中々書き込めず、申し訳ありませんでした。……ゴールデンウィーク……? そんなものなかったんや……。】

5ヶ月前 No.62

柘榴 @class ★Android=42zyboh5vZ

【ジャック/GP号外】

掴む少し前にぶつけられた謎の液体入りの瓶……なんだ、ありゃあ。人とかにぶつけて良い物なのか?正直、そこら辺の下手な魔法より威力高いしエグいぞ。何て言うか、化け物の胃液をそのまま取り出したんじゃないか、って思うくらいには。もしかして……この頭、溶けるんじゃねぇか。ヤバイな、そりゃあ。

「すまん、ついぞ張り切った。オーケー、ゆっくり慎重に下ろす。」

一瞬、声を荒らげた団長の方に向けた顔は口角が下がって少しばかりばつが悪そうだった。うっかりで死傷者を増やす所だったのだから、当たり前ではあるのだが。
取り敢えず、言われた通りに慎重に尚且つ、可及的速やかにボロボロになった飛行艇をゆっくりと下ろした。出来るだけ、着地時の衝撃も抑えたつもりだが、流石にこれだけの大きさを衝撃無しで着地させるのは難しい。なので、若干の衝撃はご愛嬌だ。
着地と同時に燃え上がった巨腕は消失した。しかし、彼が腕を戻す事はなく、隻腕で満足げに腕を組むような仕草をするだけ。それは単にうっかりしているのか、いつものように怖がらせてみたかっただけなのか。それは彼にしか分からないだろう。

そうしていると、中に酒でもあってそれを……言い方は悪いが、強奪でもしてくるのだろう。団長がグラスを傾ける仕草をしながら、難しいか、と尋ねてくる。中に居るアッチェとラドリアスは中々にがめついな……今に始まった事ではないんだろうが。

「あぁ、酒なぁ……飲めなくは無い。まぁ、生憎といくら飲んでも酔わないんでな。お前さんらで飲むんなら俺は要らないさ。それに潰れたら運ぶ役ってのも必要だろ?」

先程とは打って変わって口角を上げては、ケタケタと笑っては冗談めかしてそう言った。食事の必要がない、というだけで食事自体は出来る。ただまぁ……無意味ってだけだ。無意味なら、意味のある奴に譲った方が良いってもんだろ?雰囲気だけでも十分に楽しいから、俺としては皆が楽しめるなら、それでいいってもんよ。それに、もう俺は喰い終わったしな。

ふと、もう一人の影が見えたのでそちらを向く。抱えられていたもんだから、影としては見えなかったようで正確には二人であったようだ。何やら団長殿の提案に心踊らせているようであったが、直に少年の方は寝てしまった。流石に疲れたみたいだな……こんな小さいのに、しっかり背中を守って大層なこったな。俺も何か作れたら良いんだが……生憎とカボチャ料理以外は、とんと作れん。あ?共食い?よくあるよくある、自然界なら当然だ。

「そうだな、俺からも頼むわ。女も多いんだ、菓子はあって困らないだろ。そういや、甘いって言ったらイヴリンだが……お疲れ様だな。お前さんが良かったら、だが運んでやろうか?」

ジオがフビックのためにお菓子を作ってくれ、と言っているのを聞いて、それに同意するように頷いて団長に頼んでおく。別に食べるわけじゃないが……ほら、小さい奴は笑ってた方がいい。そうだろ?少なくとも、俺はそう思う。
と、ここまで思って連想したイヴリンの方をちらと見るが、息を切らしているようだった。そりゃ、本来医者とかそういうポジションな訳だし仕方無いか。と思いながらも、一応ここからGP号に戻るわけだし、と気遣って声をかけておく。

>リタル様、ジオ様、フビック様、イヴリン様、all

5ヶ月前 No.63

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★DoaFJQIlTR_LoN

【 イヴリン・マクレイ / GP号外 】

 地面に座り込み息を整える。そうしている間にもリタルは手渡した危ない薬品を敵の飛空艇を目掛けてぶん投げ、ものの見事に的中させてくれた。……発揮された威力が想定以上だったのに冷や汗をかいたのは、何もリタルだけではない。うっかりミスで謎の劇薬を作ってしまったイヴリン自身にも想像外の危険度だった。あらやだ、イヴリンちゃんったらあんなお薬ずっと自分の部屋に置いてたのねん。落として瓶を割らなくて良かったわぁ。なんて内心で胸を撫で下ろしている。いや本当、あんなものお肌に被ったらお肌どころの話じゃなかっただろう。たぶん肉までダメージが及んで、薬品を洗い流すのが遅れれば骨までイかれる。リタルの言う通り、今度から失敗して危険物ができそうなお薬の調合は船外ですることにしよう。でなければその内、マッドサイエンティストから熱い視線を注がれる類の新種の劇薬とかをうっかりで発明してしまって船内で紛失するなどのイベントを発生させかねない。

「う、うん。イブリンちゃん今後はちゃんと気を付けるわぁ……」

 床に坐したままこくこくとリタルの言葉に頷く。本当にそういう心境だ。ダーリンの前だからとりあえず頷いておこう、なんて気休めではない。マジで、ガチで、本当に。これからは絶対に船内で危険物の制作はしない。故郷のパパとママに誓う。あと昔飼ってたペットのインコにも。
 眼前では仲間の活躍によって飛空艇が無力化されてゆく。船内のアッチェ達は賞金首のみならず物資も獲得したらしい。ラム酒に砂糖に小麦粉とくれば、これはもう洋菓子をこさえるしかあるまい。ラム酒はそのまま風味づけに使っても良し、ドライフルーツを漬け込んでみるも良し。ジャムに混ぜてケーキの味のバリュエーションを増やすも良しと、ただ飲む以外にも幅広い活躍の見込めるアイテムだ。
 イヴリンが酒というカテゴリの中で最も愛しているのはロゼ・ワインだが、ラム酒だって嫌いではない。実家ではラム酒を数滴ほど垂らした紅茶だってたまに飲んでいた。し、ラムレーズンだって小腹の減った時にぽりぽり食べていた。食卓のメインになったことはなくても、サブとしてなら舞台に上がる機会も多かった酒だ。

「ありがと、だぁりん。イヴリンちゃんも美味しいお菓子を愛情たっぷり込めて作るわん。あまぁいあまぁいイヴリンちゃんの愛、ダーリンハニー達にたっくさん味あわせちゃうんだから」

 目を付けた相手をベッドに誘うファム・ファタールがごとき蕩けた表情で、甘ったるい吐息をこぼしながら皆に振る舞うお菓子のメニューを考えるイヴリン。いかがわしいことをしていないのに子供の教育に悪い。醸し出す雰囲気だけで年齢制限がかかりそうな勢いだ。そしてその桃色のオーラは、ジャックに運んでやろうかと声をかけられたことで更に深まる。ぶっちゃけ頑張ればGP号に戻るくらいなら出来そうだが、しかし愛しいダーリンの一人に構って貰える時間を不意にするイヴリンではない。色を乗せた流し目をジャックに向け、唾液の代わりにシロップでも含んでいそうな口元から、甘い甘い溜息を吐く。次いで差し出された手の微細な仕草までもが、いたいけな童女がパパに抱っこをおねだりするようなあざとさに満ちていた。

「だぁりん、お姫様抱っこして? イヴリンちゃん、もう歩けないのぉ……」

 ぶりっ子などという死語では生ぬるい。上目使いに媚びた声色と幼げな仕草の3コンボが揃った、まともな女であれば自分がそうすることを想像しただけで鳥肌ものの行動。だがイヴリン・マクレイはまともな女ではない。常識とか節度とかクソ喰らえ。せっかくダーリンが甘やかしてくれるのだ、甘えに行かなければ大損である。ぺたんっと女の子座りをしたまま物欲しげな眼差しでジャックを見上げつつ、彼に抱き上げられるのを待つ。彼女をよく知る人間ならば分かるはずだ。これはお姫様抱っこのみならず、隙あらばほっぺにチューまで狙っている時のイヴリンだと。

>リタル様&ジャック様&ALL様

【自分で書いてて「ひゃーっ(ドン引き)」ってなるくらいの女になりましたが、場面転換までよろしくお願い致します……! すみません!!】

5ヶ月前 No.64

イリーナ @rmlp3322 ★wejhOBMSnu_8gk

【イリーナ・オルロフスカヤ/GP号外→GP号】

 音送管からダンの声が聞こえてきた。光通信は見える。むしろ小物相手に時間がかかったのではないかとも思える。その分何か収穫があったに違いない。こちらにも空賊まがいの連中がちらほらいるのだから。

「イリーナです。了解」

 短く連絡を終えると、面倒くさそうにもう一仕事と槍を振るう。しかしほどなくして自分たちの飛空艇が下降していったのを見ると、イリーナの目の前で隙を見つけようとしていた下っ端たちは慌てて逃げ帰っていった。こちらは損失もなければ収穫もない。今回は防衛線を張ることが役割だったので、それでいいのだが。
 振るっていた斧槍をまた小さく縮めると、大きくのびをした。急な戦闘だったためか、いつもより多少疲れがある。運動後だったこともあるが、空腹も感じられる。船内に先に戻ろうとしたとき、向こうの方からガヤガヤとにぎやかな声たちが近づいてきていることに気づき、足を止める。しかし思い直したかのようにため息をついて船内へ戻っていく。食事があればぜひとも分けてもらいたいが、どうにも誰かを迎える立場というのはこそばゆいものがある。さっさと中に入って体を休めていよう。

 船内に入ってすぐ、ダンの姿に気が付く。背中は合わせていなくとも共闘したのだから一言くらいかけるべきだろう。

「おつかれさまでした。なにか戦果があったわけではありませんが、損失がなくてなによりです」

 確か彼は海図を作りたいだとか。当たり前に存在していると思っていた地図やらなにやらだって、こんな熱情から生まれたものなのだろう。もしも海図が完成したときにはもっと島と島の行き来なんかも楽になるのかもしれない。それとは裏腹に他の島に攻め込むようなところだって増えてしまうのかもしれないが。なにもかも表裏一体だ。彼がこの先どんな海図を描くのかはイリーナには分からないし、脳筋の彼女には手伝う気もないが、完成したらすぐに故郷に持って帰りたいとは思っている。父も喜ぶだろう。

「みなさん、これから帰ってくるようです。いつも騒がしいですね、ここは」

>ダン、ALL

5ヶ月前 No.65

柘榴 @class ★Android=42zyboh5vZ

【ジャック/GP号外】

少し休んで余裕が出てきたと見えるイヴリンだが、相変わらずの甘さ加減だ。多分、そこらの砂糖菓子じゃ敵にすらならん位だが……フビックが寝てて良かった。流石にここまで甘いと、子供にゃ毒だな。あれ、子供じゃ無いんだったか?まぁ、俺にとっては似たような物だから、どっちだって良い。160p以下なら全員子供だ、俺がたった今そう決めた。

「ははっ、良いねぇ。その甘さは嫌いじゃない。久々にやる物だから、どこか痛かったらすまんな。」

流石に長い間一緒に居たものだから耐性があるらしく、イヴリンの甘さに関してはケタケタと一笑に付しては、うっかりと消したままだった腕を戻すと手慣れた様子で背中に手を回して膝の下にもう片方の腕を回して軽々と持ち上げる。普段は正直冷たいと言った方が適切な位の体温な彼であったが、この時ばかりは気を遣ってか、俗に言う子供体温を保っていた。
お姫様抱っこに関しては余程慣れているのか、はたまた単純に本人の筋力か、仮にジャックに掴まらなかったとしても何か無いかぎりは落ちたりする事はないだろう。何故、こんなにも手慣れているのか。正直、本人が思い出さない事には誰も知る由は無い。まぁ、敬意を払うような丁寧さからして、少なくとも遊び人では無かったようだが。

「ん?思ったより軽いんだな……それはそうと、姫様なら貞淑にするのが世の常ってもんだぜ。なぁ、お姫様?」

うっかりと体重に関して溢した後に、イヴリンが何をするのか察していたのか、少しばかり口角を上げて相変わらずのニタニタ笑いを浮かべる。そしていつの間にやら、イヴリンの目の前に現れた掌は悪戯っぽく人差し指をピンと立ててイヴリンの唇にちょん、と触れると消えて元の位置に戻った。言葉はどことなく冗談じみたような相変わらずの掴めなさがあった。
要は、お姫様ならそういう事はいけないぜ、とかいう抑止の意味を込めてみた。別にイヴリンの事は嫌いじゃないし、こういう事も嫌じゃ無いんだが、こう言うのはちゃんと愛あってのもんだろ?まぁ、そうじゃないケースもあるんだろうが、俺は少なくともそういう古臭い考えなんでな。……まぁ、ナース服でとんでもない劇薬作ってるお姫様ってのもどうかと思うが、今回は割愛だ。

「さてと、それじゃ帰るとするか。もし、何か運ぶ物があったら言ってくれよ。もう一回戻ってきて運ぶさ……まぁ、こんだけ人数が居りゃあ杞憂かもしれんがな。」

満足そうに笑って帰路につきながらも、少々小振りな南瓜頭で振り返ると団長やラドリアスを見てそう告げておいた。なにしろ荷物は多そうだったもんだから、一応そこら辺にも気を配っておいた方がいいと思ったが、そもそも此処にはそれなりに体格のいい男手が何人か居た。だとすれば、多分大丈夫だろうと直ぐに思い直して帰る事にした。

さてさて、依頼と宴か。正直、不安の種は尽きねぇがてんでまぁ、この団なら大丈夫だろ。今は取り敢えず、目先の、って言うと何だか悪い気もするが、宴を楽しみにしておくとするか。依頼も俺にとっては楽しみなんだがな?

>イヴリン様、all

【場面転換前に返したかったので手番ではないですが、失礼します!
むしろ、持ち掛けた側なので私は全然大丈夫です!】

5ヶ月前 No.66

鈴音 @fallere825☆IZFOZv6wWeA ★Android=XfEQupwd0M

【クーリ/飛行艇内】

リタルからの指示を受け、クーリもまたアッチェに続きにらみ合いを離脱して船内に潜入し暴れていたわけだが、それもそう長くは続かなかった。
空賊たちは次々と撃破され、敵の頭も沈められた。最後の足掻きと浮かび上がった飛行艇すらリタルによって投げられたイヴリンの薬品やジャックの魔法で機体を破壊され逃亡の為の足すら折られた。
正に、死に体である。
そして死体に鞭打つように船内の砂糖やらラム酒やらなんやらを略奪する有り様をクーリは少し離れた場所……気絶させた敵から服を剥ぎ取りながら眺めていた。
衣服もついた姿に変身することも出来るがそうすると感覚的に実質全裸だし服までダメージ判定が入るのでいつもきちんと服を着てるのだが、変身するとどうしても、脱げるのだ。現在クーリが着ていた服は外で変化したときに脱げたため行方不明である。
しかし獣ではやりずらい、と完全に一人の世界に入り込んでいた。油断していたといっても言い。
そのためアッチェの言葉は完全なる不意打ちだった。

『クーリも甘い物はいける口?それともラム酒の方がいいかな?』
「あ、甘いものも嫌いじゃないけどっなんなら欲張りに甘いものをつまみにラム酒もいいかなってクーリは思う! それにラム酒は時間がかかるけどフルーツをつけても美味しいし! お菓子に使ってもいいし! うん、だからええっと、貰えるものはなんでもいい!」

ジャガーの手で服を剥ぐことが面倒になり手だけ人間にした奇妙な姿にで作業し始めたあたりで邪気もなにもないアッチェの言葉にハッと顔を上げる。そしていつもの要領の得ないマシンガントーク。
その最中に勢い余って剥いでいた服を破いてしまい「あっ」と小さく声をあげた。
しかしまぁいいか、と襟が破れたまま服を剥ぎ取る。
敵の一人をパンいちに仕立て上げ、申し訳程度に首に引っ掻けていたコートに潜り込んで数秒もぞもぞと動き、ひょいと立ち上がる時にはジャガーではなくいつも通り、人間体クーリの出来上がりだ。

「というわけでラドリアス、クーリにもラム酒をわけてくださいな!」

そう言ってアッチェから敵の頭を担ぐラドリアスへパッと視線を向ける。
しかし反応がない。

「……え、えっと、ほら、クーリもこっちに来るまではそこの頭の足止めしたから……あの、ちょっとだけど貢献したと思う! ので、あの……その……」

そう言いながら段々と語尾が小さくなり最終的に「ごめんなさい……」と小さくなって意味もなく謝罪する。
おろおろと視線をさ迷わせるコミュ障の鑑のような反応をしているクーリにとって仲間であろうと話し掛けるのは未だに緊張するし、しかも物をねだると言うことはとてつもないハードルの高さだ。
それでもそのハードルを越えようとするクーリの心臓は戦闘中の方が静かだっただろうと思うほどに大きく騒いでいるし手汗もベトベトであり、つまり相当テンパっている。
どういうことかといえば、クーリが、自分が話しかけている相手がラドリアスはラドリアスでもそれがクローンの方であり、しかも本体は略奪品を抱えてアッチェに話しかけている方だと気付くのはまだ先であり、気付けるほど余裕を得るのも先のことだったというわけであった。

>アッチェ、ラドリアス、周囲ALL
【場面転換が近いですが是非とも一回間違えたかったんですという言い訳と共に絡みます。場面が変わったり不都合がありましたら気にせず蹴ってくださいませ】

5ヶ月前 No.67

有栖川 @hananomi☆Mwp.W.uiBT6 ★5tuXai74if_XGK

【スズ/ GP号船外(敵船内)】
 襲い来る敵は首領以下捕縛ないし各個撃破の憂き目に晒され、機関とプロペラを繋ぐ配線や機関部そのものも見る間に制圧され、クライアントを襲った空賊の集団はその戦闘力の大半を喪失し、まるで翼をもがれた鳥のような有り様となっていた。
 その間のスズはといえば、敵の多くいるところに突っ込んで相手を無力化するという、まさに戦場を引っかきまわす遊兵としての役割に徹しつつ、自らの戦闘本能を少しずつ満たしていた。船内に残っていた人員がそこまで多くなかった為か、結局撃破したのは両手で数えられる程度の人数でしかなかったが、船内の廊下のような狭い場所ではナイフくらいの大きさの取り回しのよい兵装に限るという事は充分に言えた。銃を一発撃たれる前に二撃叩き込むためにはやはり簡単に扱える武装が最も適している。

「ありがとにゃ、アッチェ……うんうん、義賊行為は嫌いじゃ無いにゃ。おこぼれは普通に好きだにゃ」

 仲間の所に戻れば、近くにいるのに気が付いていたのか、アッチェが何やら食料が入っているらしき袋を投げ渡ししてきた。礼を言いつつ受け取り、中身を確認すれば、そこまで大食いでないスズの一食分にすらも満たないものの、それが相応に上質な干し肉であるらしいと気が付く。どこから持ってきたのかは推測するしかないために船内の上役の人間の携帯食料であったのだろうということくらいしかわからないけれど、恐らくもう彼がこれを手にする機会もあるまい、という事で、アッチェの言葉に従いそれを口の中に放り込む。
 口の中に入れてまず気が付くのが、適度に肉の味と香辛料の味のつり合いが取れているという事だった。袋の中をのぞいた時にもそこまで香辛料の強い香りがしなかったことから多少は期待できていたが、やはり猫の舌にはこれくらいがちょうどいい。保存食としてはやや薄めともいえる味は製作元の方針なのか、それともただ単に作った人間の腕に依る物なのか、どちらかはわからないけれど、同時に大量に作られたであろうものにありがちな、香辛料が効きすぎて舌がひりひりするだとか、逆に香辛料が少なすぎて味が悪いだとか、あるいは塩が効きすぎていて味が分からなくなるだとか、そう言ったものは特には感じられない。ちゃんとした、という言い方が正しいかはさておき、料理の造詣がある人間が作ったらしいことが伺えた。
 干し肉が好みの味だったことに満足しつつ、半ばもごもごと口を動かしながらそんなことを口にする。満足げな口調はアッチェのそれに引っ張られたわけではないが、珍しく彼女が上機嫌であるという事もスズの機嫌のよさを後押ししているのは事実だった。

>>アッチェ、周囲all

【返信が大幅に遅くなってしまい大変申し訳ありません】

5ヶ月前 No.68

ばでほり @17854 ★Android=V2XtkxYYcb

【ダン/GP号船内】

もしかしたら残った敵が捨て身の突撃をしてくるかと身構えていたが、どうやら杞憂だったようだ。
イリーナはその口調と同様、淡々と武器を振るい、相変わらず付け入る隙を与えない。
そうこうしているうちに、賊は散らばるように逃げていき、戦闘は終了した。
ダンも緊張を解き、すっかりぬるくなった珈琲をすすりつつ休んでいると、仕事を終えたイリーナが姿を現す。

『おつかれさまでした。なにか戦果があったわけではありませんが、損失がなくてなによりです』

そんな、いたって冷静なイリーナの言動に、ダンは心のなかで舌を巻く。
たった今まで命のやりとりをしていたばかりだというのに、この落ち着きよう。この若さでいったいどれほどの場数を踏んでいるのか。

「お疲れさん。そうは言うが、《何も失っていない》というのは立派な戦果さ。もう少し胸を張ってもいい。」

ちょっと説教じみていたかな、と自嘲しながらイリーナに笑いかける。
そうしていると、にわかに外が騒がしくなってきた。おそらく外に出ていった仲間達が帰ってきたのだろう。

『みなさん、これから帰ってくるようです。いつも騒がしいですね、ここは』

イリーナも気付いていたようで、そんな風に呟く。
彼女はたしか前に所属していた団で傭兵のようなことをやっていのだったか。ひょっとしたらだが、仲間との距離を測りかねているのかもしれない。

「ああ、私も色々な団を渡り歩いてきたクチだが、これほど賑やかなのはちょっと珍しいかな。ーーー大丈夫、きっとすぐ好きになるさ。」

イリーナの心情を知ってか知らずか、ダンはそんなことを言う。

>>イリーナ、ALL



【場面転換すると言っているのに滑り込み投稿申し訳ないです。。】

5ヶ月前 No.69

味噌田楽 @dengaku ★FZSDg7BMdN_8gk

【ライアング氏の依頼】

春を迎えたと言っても、夕暮れはまだ冷え込みを見せる。太陽が白の海に沈みかかる時刻、窓からは西日が射しこみ辺りを照らしている。
GP号のミーティングルーム兼操舵室の扉を開けると、2人の男が現れる。一人はGP団の団長であるリタル。そのリタルに案内された男は、頭には山羊の様な角が2本生え、目は限りなく細く、全体的に笑みを浮かべたような表情である。上質な黒のローブを羽織ったその男の名前はライアング。今回の依頼者である。先ほどまで個室で休んでいたが、落ち着いたとの事で、今回の依頼内容を説明したいとの申し出があった。

ミーティングルームの中央には、簡素な円型のテーブルが置かれている。そこには、GP団の団員の姿があった。
毒性は無いとはいえ、全身ずぶ濡れになった体を、シャワーで温め、着替え直し集合しているのだ。

「まずは、皆さん、先ほどはありがとうございました。おかげで命拾いしました。この分の謝礼は、依頼料に上積みさせていただきます」

ライアングは、団員の姿を見ると深々と頭を下げる。その姿にリタルは慌てて、手を振った。

「いやいや、お顔をお上げください!!謝礼何てそんな!!我々としては当ぜ……」

ガン!!そこまで言うとリタルの弁慶の泣き所に衝撃が走る。リタルは苦痛に顔を歪め、それでも叫び声を何とか呑み込み悶絶した。
その隣では、最小の動きで気づかせずに、蹴った張本人、アッチェが満面の営業スマイルで、ライアングに椅子を進めている。

「そのお話は後程……。まずは、依頼内容をお聞かせ願いますか?」

「そうですね、一応自己紹介しておきましょう。私はライアングと申します」

椅子に座ったライアングは、まず自己紹介をする。そして、すぐに本題に入った。

「皆様にやって頂きたい事は、ここから、12000キロ北西の海底の非翔船から、エンジンを取ってきて欲しいんですよ」

まずは、そう切り出し、以前リタルにした物と同じ説明を行う。

船の全長が500m程あり、今まで発見された物の中でも最大な事。

それなりの、報酬を用意している事

そして、船は特定の時間しか姿を現さない事

「船が消える理由は、不明です。ちなみに姿を現す時間は、明け方の5時から約3時間ぐらいです」

最後にそう付け加え、ライアングは団員達を見渡す。顎に手を当てて考えるアッチェ。

「船の種類は何ですか?」

いつの間にか交渉の主導権はリタルから、アッチェに移っている。そのままの姿勢でアッチェは尋ねる。

「水上船ですね。白の湖の真ん中になります」

表情を変えずに、にこやかに言うライアング。その言葉に、アッチェは舌打ちを我慢し、心の中で毒づく。「破格の報酬な訳だ」と。
水上船というのは、その名の通り、水の上に浮かぶ種類の船だ。それは、問題ない。最大の問題は、白の湖の方にある。
白の湖は海中にある、巨大で、それこそ大陸程もある湖だ。そして、その水質が最悪なのだ。それこそ大昔から降る毒の雨。その毒は年月をかけ濃縮されて湖を形成している。つまり、落ちれば即死級の毒が回り一発アウトである。
そして、問題点がもう一つ、飛空艇が着陸できないのである。常に飛び続けているという状態は、リスクが付きまとう。

「そして、問題点がもう一つ、あります」

「フリーズレインですね」

ライアングの言葉に被せ気味に、今度はリタルが答える。ライアングは、少し驚いた表情を浮かべる。だが、それも直ぐに元の表情に戻り、言葉を続ける。

「御名答です。流石に見識がありますね。見込んだ通りのお方だ」

「いやー、依頼の位置と、我々に仕事を頼んだ点を考えると、そうかなーって」

あくまで笑顔のライアングに、褒められたのを照れ、相好をくずす。そして、アッチェは片手で頭を抱え、ため息をつく。

フリーズレインとは、寒冷地で起きる現象だ。飛空艇に付着した雨が氷ってしまい、故障の原因になってしまう。特に木製フレームの飛空艇へのダメージは大きい。勿論、長時間雨にうたれる程、飛空艇へのダメージは大きくなる。では、雨の無い蒼の大地を進み、ピンポイントで潜ればいいかといえば、それも不可能だった。雲は何層にも厚くなっており、その関係で潜っている最中に座標が大きくズレてしまう。
では、どうするかというと、近くの島を基準に潜るのだ。島の下には、座標が与えられており、そこを基準に海の中を探索しなければならない。つまり、島との距離のある地点では、どうしても到着するのに時間が掛かってしまうのだ。

「以上の事から、金属製のフレームを持ち、他の団体よりも飛空艇の速度が速いあなた達にお願いしたいのです。請けていただけないでしょうか?」

ライアングは、あくまで丁寧に、笑顔でこちらに頭を下げる。「こいつ、食えない奴だ」と、アッチェは心の中で思う。おそらくは、こちらの状況を調べ上げ、懐事情も知っているのだろう。アッチェはリスクと報酬を天秤に掛ける。危険だが、この任務をうちの団以外が出来るとは考えづらい。消えるというのは気になるが、仮に大型船にしても、3時間もあれば余裕で行けるはずだ。飛空艇の能力だけで請けれる仕事と、考えられなくもない。気に食わないが、請けない手は無いという結論に達する。

「団長、私はいいと思うよ。リスクの無い仕事は無いからね」

アッチェは視線をライアングに合わせたまま、リタルに小声で話しかける。釘を刺す事も忘れない。リタルも、アッチェと同じ結論に達していたが、そう言われて決心する。そして団員を見回した。

「皆、危険なのは承知だが、俺はこの仕事を請けようと思う。大丈夫か?意見や質問があったら言ってくれ」

団員に尋ねるのだった。

【会話ぶった切り、長くなって申し訳ないです……。結構ハードなお仕事になってしまいました(汗)】

5ヶ月前 No.70

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★DoaFJQIlTR_LoN

【 イヴリン・マクレイ / GP号外→GP号内 】

 かぼちゃ頭の愛しいダーリンにキスを試みるもあえなく失敗。ぷっくりと頬を膨らませて不本意を表明するも、頬が薄く色付いているので本気で怒っていないのはバレバレだ。キスだけが目的というよりも単に好きな相手とイチャつきたかっただけなので、お姫様抱っこからの唇に指ちょんのコンボでそれなりに満足したご様子。こういう所が案外チョロい。今の今まで体重が重いと思われていたことに関しては、ケタケタ笑う相手の胸元をポカポカやって軽く抗議しておいた。イヴリンちゃんはメリハリの効いたナイスバディなのぉ、ぽっちゃりしてるわけじゃないわよぉ、と小言も垂れておく。とはいえ傍目に見てもやはり甘えた仕草でしかない。当たり前だ。本当はお姫様と呼ばれた時点で損ねた機嫌など回復し、心の中ではやだもうダーリンったらぁ……みたいなことをハートマーク付きで考えているだけなのだから。
 閑話休題。そうしてジャック手ずからGP号内まで運んで貰った後、イヴリンは宣言通りに皆のためのお菓子作りにとりかかる。本当はたっぷり時間をとってレーズンをラム酒に漬け込みたかったが、時間がそれを許さないので用意したレーズンにラム酒を振りかけるにとどめた。今から作ろうとしているのはラムレーズンサンド。これなら今日中に食べられなくてもおやつとしてちょっとくらいは日持ちさせられる。たくさん卵を割って卵白を泡立てメレンゲを作り、別のステンレス手洗い台(※本来はボウルを使うべき)にも練ったバターだの砂糖だのを準備。バターの中にメレンゲを少しずつメス(※本来はゴムベラを使うべき)で混ぜてゆく。この時に分離しないよう注意が必要だ。程よく混ざったらラムレーズンも加えて再び混ぜ合わせ、これでクッキーに挟むクリームの完成。完成したクリームを本来は冷蔵庫で寝かせるのだが、時間が無いので能力を応用して氷嚢片手に『患部を冷やす』ていで休息に冷やしていく。この作業が済んだら今度はクッキー作り。こっちも急ぎに急いでめちゃくちゃ手早く作り上げたが、さすがに能力は応用できず焼き上げる作業はオーブンに任せた。
 完成したお菓子をよりにもよって巨大なビーカーなんぞに盛り付け、鼻歌混じりに皆の所に持ってゆく。扉を開けて中に入れば、ちょうど依頼人とリタル達との話し合いがまとまりかけた頃合だった。この依頼を引き受けて大丈夫か、と問うてくる団長に、イヴリンは手の中の巨大ビーカー盛りラムレーズンサンドより糖度の高い笑顔と声で応える。

「イヴリンちゃんは問題無しよ、ダーリンやハニーが行くならもちろんイヴリンちゃんだって行くわんっ」

 テーブルを回って皿代わりに持って来た医療用トレイにラムレーズンサンドを盛り分け配り歩きつつ、いち早く任務への積極的な参加を表明。とはいえダーリンもハニーも誰一人としてこの依頼を受けないとなった場合は、すぐさま手の平を返して「やっぱりイヴリンちゃんやーめた!」なんて言い出すことだろう。20歳にもなってますますアレな要素を深めているイヴリンであった。故郷のパパさんママさん、今日も貴方たちの娘さんはこんな感じです。

>ALL様

【場面転換につき絡みぶつ切り失礼いたします! せっかっく絡んで頂いたのにごめんなさい……! また機会があればよろしくお願い致します!】

5ヶ月前 No.71

サムライ @samurai07 ★iPhone=QCAUNJ3bTK

【ラドリアス・ガルドロン/GP号外→内】

「おうおう!皆、聞いてくれ。さっきの空賊の頭領を保安官詰所に引き渡したら謝礼が手に入ったぜ!ざっと750万Gだな。へっ、1000万G以下だなんてまだまだザコい空賊だぜ。ニーズヘッグ時代は俺なんか懸賞金が5億Gだったのによ。」

ドカドカと足音を立てて、ミーティングルームに乱暴に扉をこじ開けて入ってくるラドリアス。どうやらしばらく外出して保安官詰所に行っていたようだ。その手には札束の入った丸々太った包みを持っていた。そして、遅刻を悪びれる様子もなく自分の盗賊時代の懸賞金を自慢した。ニーズヘッグが現役の時にアッチェがいなくて良かっただろう。ラドリアスは確実に狙われる。

「おい、クーリ。お前の話しかけてる俺はクローンだ。本物はこっちだぜ。お疲れさん、俺のその1。」

ラドリアスはクローンの心臓をサーベルでぶっ刺した。しかし、クローンからは血は流れず、まるで風船のようにパンと破裂してしまった。これが刃物で心臓を刺すと破裂して消滅してしまうという性質を利用した、不必要なクローンを処分する方法である。初見だと少しショッキングだが。

「ラム酒は全部で12本あるから早い者勝ちで好きに持っていくといい。ただし、ラベルに俺のサインが書いてある1本は飲むなよ?勝手に飲んだやつはお仕置きとしてケツに回し蹴りを12発食らわしてやるぞ。」

ラドリアスは自分のサインが書いてあるビンを木箱から抜き取り、小脇に抱える。あとで自室に持って行って飲むようだ。ついでにクーリにも1本、木箱から取り出してビンを手渡した。

「これで残りは…9本?ああ、イヴリンがもうすでに使ってるのか。」

テーブルに置かれたラムレーズンを見て察した。しかし、本当にラドリアスのを勝手に飲んだらお尻を蹴られるのだろうか。男性ならともかく女性だったらセクハラである。

「んで、依頼の話だが俺は全然構わねえぞ。むしろお高い報酬があるなら喜んで付き合うぜ。それに研究機関の奴らがそろそろ新しい研究材料を持って来いとうるさいからな。」

ラドリアスもその依頼は乗り気らしい。もちろん高額な仕事であるからが一番だが、少しばかり未知なるものへの好奇心もあるようだ。

>>リタル様、アッチェ様、クーリ様、ALL


【なんか無理矢理時系列を合わせてしまって申し訳ありません…矛盾が生じてるようならなかったことにしてください】

5ヶ月前 No.72

みか @kinmika ★Tablet=wJBNAW8xy2

【エドワード/船内】
酒と聞いて黙っていられない男が一人。“元”博打王 エドワード・チャンだ。
早速、ラドリアスの持って来たラム酒を一本掻っ攫う。

「アンタ、気が利くねぇ。オイも一本もらうぜ。お、なかなか上等じゃないの。高い酒は久しぶりだからな。ん…、もう空か。アンタ、2本目を…貰うってのは…?」

禁酒なんぞどこ吹く風。一瞬にして一本を空けてしまった。ラドリアスに2本目を遠慮しつつも、催促する。

さて、気を取り直して、
依頼者から依頼についての話を聞いた。皆、真剣に聞き入っている。
勿論、エドも相手を見透かすように鋭い目つきで聞いている。
その表情はまさに博打王のそれだ。現役を退いた今でも、
ついつい相手の目の動きや、仕草、声色、脈拍などを観察してしまう。
見たところ、ライアングと名乗る依頼主の男、一筋縄ではいかない。
こちらが依頼を受けるのを踏みとどまるようなリスクを知りながら、
恐らくまだ伏せているのだが、それをまるで隠すことなく居座っている。
依頼を受けて貰えれば儲けだ、くらいの雰囲気を感じる。
うわべでは平身低頭して依頼をしているが、自分たちの足元を見るように、
莫大な報酬金を手元で転がしている。

エドの基本姿勢は損得勘定によって決まるのは周知の通り。
今回の依頼内容は、エドにとってしてみれば、リスクの過多。
莫大な依頼金とはいえ、こちらには最悪、全滅のリスクもあるだろう。
それに、対象が不確定すぎる。なぜ消えるのかも分からないなんて、
体当たりにも程がある。
こんな依頼、断るべきだ。
と、言っただろう。かつての博打王エドワードだったら、の話だが。
エドはあくまで飄々とした態度で、ふと口を開いた。

「アンタぁ、そう、依頼主のアンタだ。まだなんか隠してるってな事は無いな?無いならオイの思い過ごしだ。にしても、リスクの方がでかいぜ。オイだって、出目の見えねえチンチロじゃあ負けることだってある。これで言う負けってのは、死ぬってことだろ?命かけるのに釣り合うだけの対価ってもんが必要だぜ。でも、団長含めアンタらみんなに伝えとくぜ。オイは冒険にはリスクが必要だって思っとる。だから、どんなに厳しい依頼でも、オイはアンタらと乗り越えていきたい。これがオイの気持ちだ。いいかい?団長さん。」

エドは言ってから、これじゃあビビってるの隠せてないかななんて思っていた。
実のところ、ものすごく怖い。リスクに突っ込んで行くのにどうしてもまだ馴れない。
でも、そんなハラハラやドキドキに惹かれているのも確かだ。
でなけりゃ今だって博打を打っているだろう。
さり気なく、依頼者に報酬額を上げるように釘を刺すが、うまく行くかどうか。
ここはアッチェに任せるのが得策だろう。
しかし、依頼者が隠すほどのリスクって何だろうか…?

>>ALL様


───────────────────────────────

【久々の書き込みです。なかなか書き込めなくて申し訳ないです。
エドは損得勘定男ですが、冒険が好きなので、依頼受ける派です!
依頼にはまだまだ隠されたリスクがある、かも?みたいに
勝手にしてしまいましたが、良いですかね?もし駄目だったら
お手数ですが御一報くださいませ。】

5ヶ月前 No.73

有栖川 @hananomi☆Mwp.W.uiBT6 ★5tuXai74if_XGK

【スズ/ GP号船内】
 騒動からひと段落した船内で、GP号の団員は改めて依頼主から依頼についての説明を受けていた。
 スズも、まだ乾ききっていない髪の水気を肩から掛けたタオルに吸わせつつ、おとなしく説明を聞き、その上で浮かんだ質問を、リタルが意見がないかと問いかけたタイミングでぶつけることにした。

「依頼主の……ライアングさんで間違いなかったかにゃ。あ、私はスズっていうにゃ。ライアングさんに2つ、団長に1つ質問にゃ。
 まずライアングさんへの一つ目、素人質問で申し訳にゃいにゃ、気を悪くしてほしく無いからワンクッション置くにゃ。
 今の依頼はエンジンそのものを持って帰ってくるってことと認識しているけど、エンジン本体そのものが無事なら配線だとか補機だとかには気を配らずに千切ったり壊したりしてしまっても問題ないと見てもいいかにゃ?」

 一つ目は、技術的な観点からの質問。大きなパワーを発生させるエンジンがあったとしても、そのエンジンの上下運動を回転運動へと変換する変速機(トランスミッション)あるいは減速機がそのパワーに耐えきれなければ意味はなく、そのどちらにおいてもこの世界で新しく作成する技術は恐らくないはずだ。そういう事が出来るところがあると聞いた記憶がない。
 故に、彼女が依頼主であったならば元からついている変速機も丸ごと持ってこさせるだろう。客船に使用されていたものをそのまま転用できるかはさておき、少なくとも外側は使用に耐えうる強度を有している筈だからである。
 彼がどうするかがまだはっきりとわからないために、そう問いかけたというわけである。

「二つ目。まだ契約書読ませてもらっていないから書いてあったら申し訳にゃいけど、私達に責任がない範囲でエンジンが壊れていた場合―――例えば経年劣化で輸送中に部品が壊れて動かにゃくにゃっただとかそういう事があったとして、それは私達が賠償する必要はにゃいよにゃ? 多分現地でエンジンを開ける余裕はにゃいと思うから後あとの確認ににゃっちゃう筈だけど」

 二つ目の質問は、現実の運送会社などにありがちな免責について。契約書に書いてあることも多いものであるが、要するにGP団の責任がない場面で荷物であるエンジンが壊れてしまったとき、それに対してGP団が責任を負わなくてもいいという事がしっかり契約書に記されているか、記されていない場合のためにと今確認するわけである。

「団長への質問は簡単、最悪下で行動している3時間の間に外装全部凍ると思うけど大丈夫にゃのかってことだにゃ。外に突き出ているものは全て凍る、機器も大半が使えないと想定して、それでも皆無事に帰ってこれるかにゃ? 追加で何か施工しにゃいといけにゃいとかあるにゃら猫の手も貸すにゃ」

 リタルへの問いは、恐らく彼も認識しているであろう危険なことについて、そしてその対策についての質問である。想定されうる最悪は、GP号が文字通り氷漬けになって飛べなくなる事であろう。回転翼部分にも氷は続々と付くだろうし、外部についているであろう対気速度計測の為の装置(現実で飛行機についているピトー管)があるならば、もちろんそれだって凍るであろう。そうなれば速度もわからなくなるし、それによってさまざまな操作ミスが誘発され、場合によっては墜落するであろう。そういった事を彼が想定していないはずもないであろうけれど、確認の意味を込めてスズはリタルへと問いかけた。答え次第ではある意味景気づけにもなるかもしれない。

>>船内周囲all

【場面転換に伴い、再度レスを投下します】

5ヶ月前 No.74

柘榴 @class ★Android=42zyboh5vZ

【ジャック/GP号・ミーティングルーム】

あの後、若干ながらに小言を垂れながら頬を膨らませて抗議するイヴリンの反応を相も変わらずケタケタと笑って面白がりながら帰って来た。まぁ、彼女が満足してそうだったので、遠慮なしに面白がったのだが。
部屋に戻っては真っ先に魔法で濡れた服や包帯を乾かした。一応、替えの服は持ってるが、色々と手間なんでな。そもそも、汗もかかなければ垢の類いも全く無いので外的要因で汚れなければ常に清潔な状態だ。一応、毎日風呂は入ってるけどな。服に関してはカラッと乾かしたので匂いもしない、多分。もし臭うとか言われたら、着替えてこよう。着替えるのに時間がかかるんだよ、包帯とか包帯とかのせいで。大部分は魔法でどうにかなるが、手先とか首もとの調整が難しい。だから、気軽に風呂も入れんが……このスタイルを辞める気はさらさら無いな。

そうして、ミーティングルームで適当な席に座っていれば、依頼内容の前に感謝と謝礼の話になった。最終的に団長殿が隣のアッチェに蹴りを食らわせられて声を出さずに悶絶していたが……まぁ、そうなるよなぁ。アッチェもこれを見越してあの席を先取したと見た。

そんでもって、話の続き。依頼内容は白の湖の真ん中に浮かんでる水上船のエンジン回収。白の湖だとか、そういう事は此処に来てから、資料を読み漁った時に見たことがある。詳しくは知らんが……ふむ、話の内容からして大方察した。こりゃあ、難題だな。いや、素直にそのまま終わるってんなら、そこまでじゃねぇが……下は何が起こるか分からんからな。だが、そこがいい。依頼人は気に入らんが、依頼の本題には然して関わらないしな。

「ははっ、いいんじゃねぇの。俺は好きだぜ、こう言うの。」

団長に意見を求められたので、カラッとした笑いを上げて自分の思った事を率直に答える。そもそも、そういう理由で此処に来たんだ。今更、断る理由なんざ考えるだけ無駄ってもんだよな。
まぁ、流石に無意味な無謀に挑戦したくは無い。他が揃って踵を返すなら、俺も仕方なく足並みくらいは揃えるってもんだ。出来れば避けたい事ではあるけどな。
にしても、寒冷地か。嫌な予感がする……いや、化け物だとかそういう奴じゃなくて、単純に……

「保温材とか解凍装置代わりにされそうだなぁ……。」

少し困ったように口角を下げて半円状に細めた目も少し垂れ下げた彼は腕を組んで僅かに天を仰いだと思うと、そう呟いた。いや、呟くつもりは無かったんだがな……思わず、溢れちまった。
普段は無機物みたいな体温だが、そこから温度を上げる位は出来る。それに加えて俺自身は特に暑いとか寒いとか感じないし、俺の扱う魔法は焔系統もある。寒冷地で暖を取る事も勿論だが、こちらが取れる対策の1つとしては数えられるだろう。それ自体は良いんだが……もし、それで寄られると複雑な気持ちになるんだよな、うん。解凍はともかくとして、保温に関しては各自に任せたい。流石に保温材は勘弁だ。

若干の憂鬱とまだ見ぬ幽霊船への期待が入り雑じって何だかよく分からない複雑な気持ちになったまま、正面を向き直して目の前に現れていたラムレーズンサンドを開けた口の中にほいっと投げ入れた。しかし、咀嚼する様子もなく、目に見える変化と言えば少しばかり南瓜の中の焔が燃え上がった位だった。

>all様

【大丈夫ですよ!その時はこちらこそ、宜しくお願い致します!】

5ヶ月前 No.75

レーリン @reirin16☆iFOiR2juBrUr ★iPhone=t2Gdx8uNU5

【フェルディナン=クローディアス/GP号内】

__GP団の面々が船内に戻り、今回の依頼主からの依頼を船長から聞いている頃、それは目を覚ました。
灯りの消えた個室のベッドの上に横たわっていた少年__フェルディナン=クローディアスは、自らの片瞼を上げ、周囲を確認しようとする直前、視界のど真ん中に、何やらフワフワとしたクリーム色の物体が、その体を呼吸に合わせ上下させているのを認識すると、その物体を起こさぬようゆっくりと自らの体を起こし、寝ている間に所々寄れた服装を正すと床に足を付けた。

「…………寝すぎたかな」

そんな短い感想を独りごちると、ベッドの縁に掛けていた愛用の黒マントを羽織り、白いシーツの上で未だに丸くなっている相棒を両手で優しく持ち上げると、胸元にその頭がくるように抱えて個室を出た。

通路を歩いていると、ちょうど賑やかな声が聞こえるミーティングルームに差し掛かり、扉を静かに開けて様子を確認する。すると案の定、馴染みのメンバーたちが依頼に参加するか否か、意見を各々述べている最中であった。その依頼の内容、そして今回のダイブにどのくらいのリスクが伴うのか、今しがた起きて入ってきたフェルには当然分からない。

「……どうしたの?依頼?……ボクも一緒に行こうか?」

それなのに彼は自ら進んで名乗り出る。先程までの過程からして、彼の判断は何とも向こう見ずというべきか、そうでないのか……。取り敢えず、フェルはこの団に入ってからというもの、この調子であった。
但し、彼が決して無力という訳でもない。彼の体は特別であり、海の下に潜った後も瘴気等の影響を受けにくく、体内で生成される魔力により仲間のサポートも可能だ。それでも体力に難有りであるため、無理をさせるのは禁物だろう。

>ALL様


【こんばんは、初めて本編に参戦させて頂きます!そしてフェルはまさかの起床スタートです(>_<;)依頼があるということ以外何も分かっていない状況ですが、どなたか彼と接して下さると嬉しいです!】

5ヶ月前 No.76

毬藻 @shuchishin☆jHqXF0noOB6 ★Android=RJoyEyAkSa

【ジオ・レイジャード&フビック/GP号内】

一段落し、依頼主の無事も確認できたところで漸く依頼内容を拝聴する。

依頼内容を簡潔にまとめれば、大型非翔船からエンジンをサルベージすること。言葉で表せば何の変哲もなさそうだが、そこに海中の特質と船のある場所の環境、さらに標的の船の謎が絡み合って依頼内容をより難しくしていた。

自分は機械関係はからっきしなので、やることといえば作業中に襲ってくるであろう邪魔者を斬り捨てるくらいだろう。エンジンなどはリタル辺りに任せておけばいい。他に気を付けるところと言えば、いつもより着込んでいくくらいだろうか。

「俺は特に問題ねェが……ああそうだ、誰かこいつと一緒に船内に残っていてほしい」

そう言うと、傍の椅子に座ってわたあめを食べていたフビックの頭にポンと手を置く。年齢はジオよりも遥かに上だが、エルフからすればまだまだ赤子である。故に毒素の雨の中に連れ出すわけにもいかなかった。

「チビのことだから二人は欲しいかな……ああ、無理そうなら俺が船内に残るから。そん時は遠慮なく外に行ってくれ。俺からは以上だ」

それ以上は本当に言うことがないらしく、それだけ言うと壁に背を預けてその場に胡座をかいて座り込み、口周りがベタベタになったフビックの顔を綺麗にしてやったりと世話をやきはじめた。

>>周囲ALL

【フビックだけを船内に残すのはアレなので、ひょっとしたら二人揃ってお留守番かもです】

5ヶ月前 No.77

スマイル @smile390 ★Android=N8ewA5S8Mh

【カイ/GP号内】

クライアントの救出と敵の捕獲を終え、戦闘は無事終了した。その間カイはというと敵が逃げ始めた辺りからはほぼ傍観していたのだが、味方側の方がだいぶ有利な立場にあったので問題はないだろう。カイにとってはサボりというより必要ないと思っただけのことだ。一部の団員が敵の船から砂糖やラム酒を拝借していたようで、酒好きの団員は喜んでいた。カイもリタルに酒を勧められたが、断った。酒に弱いわけではないので、例えば依頼主と食事とかのときは失礼にならない程度には飲む。しかし酒に限らず、カイは欲があまりない。特に食に関しては餓死しない程度に食べられれば良いという認識のため、酒を飲みたいとも思わないのだ。まあその話はさておき、ひと仕事終えた団員らはそれぞれ休憩に入った。カイも一度自分の部屋に戻り、そういえば頬に切り傷があったなと思い出して一応顔を洗っておいた。その後、依頼の話をすると聞き、ミーティングルームに集まったのだった。

依頼内容は白の海にある巨大な非翔船からエンジンを取ってきてほしい、というもの。続いてクライアントは、報酬は今回のお礼も含めて相応の額を出すこと、船は一定時間しか姿を表さないことを話した。そしてアッチェの問いに答えたクライアントの言葉にカイも内心ため息をつく。その非翔船のある場所が白の湖のど真ん中だと言うのだ。白の湖は白の海に降る毒の雨が溜まってできた湖だ。その中に落ちるなんてことがあったらあっという間に毒が回ってしまうだろう。その上、陸がないのだから飛空艇を着陸させられない。となると飛空艇は常に飛び続ける状態になる。しかも、白の湖は寒冷地だ。寒冷地では飛空艇に付いた雨が凍るという現象が起きてしまい、最悪船が故障する可能性がある。カイはだいぶリスクの高い依頼だなと思った。その分確かに報酬も高いのだが、やはりリスクが大きい。1番の問題は飛空艇が故障したときだ。沈没の恐れもあり、泳いで帰ることも叶わない。その上消えるだのと謎の多い非翔船だ。予想外のことが起きてもおかしくはない。

全てを話し終えたクライアントは笑顔を浮かべて依頼を請けてもらえないか訊ねた。リタルは少し悩んでいたようだったが、アッチェの意見を聞いて決心がついたのか団員全員に向けて言った。

「皆、危険なのは承知だが、俺はこの仕事を請けようと思う。大丈夫か?意見や質問があったら言ってくれ」

そう訊ねるリタルに皆、各々の意見を述べる。ほとんどの者がリスクが大きいのを承知で参加の意を唱えた。カイも断る理由はないので参加する気でいる。意見や質問もないので相変わらずの無言なのだが、聞かれれば答えるつもりだ。

そこへフェルが入ってきて自分も行ったほうがいいのか訊ねているが、今の今まで何処にいたのか。空賊との戦闘のときにはいなかった気がする。話し方からしてたぶん依頼内容を理解していないのだろう。詳しく話せば長くなりそうなので、カイは誰も教えてやってくれないようだったらあとで教えてやることにした。続いてジオが誰かフビックと共に船内に残っていてくれないかと尋ねた。カイが残っていてもいいが、一応戦闘要員であるカイが残るより補助要員であるイヴリンなどと残る方が効率がいいだろう。そう思ったカイはこれまた無言でいた。

>>周辺ALL様


【遅くなりました!なんかずっと無言ですいません……聞かれれば答える奴なのでどうかよろしくお願い致します!】

5ヶ月前 No.78

アール(R) @tajiri ★iPhone=X8aiuduNXc

【アール/GP号船内ミーティングルーム】


アールは非戦闘員…なので空賊との戦闘が終わるまで戦場が一望できる見張り台に登っていた。やがて戦闘も落ち着き皆も一服した所でクライアントからの依頼を聞いていた。リタルやアッチェ達はガンガン話を進める、アールはそれを黙って聞く。自分の出来ることはわかっている、ここはリタルやアッチェに任せた方がいい。そうするべきだ。そうしないとボロが出てしまうかもしれないから。ドンドン話が進んでいく中聞いたことのあるフレーズが耳に入ってきた。白の湖だ。ここには数回ほど来ている。依頼ではなく観光でだ。白の湖は綺麗で観光にはもってこいの所でフリーズレインの無い時は通り過ぎるだけだがツアーが時々ある。そんな感じでいつも観光に行ってたところが依頼場所になるとは正直ビックリした。そして、湖が猛毒なのも初耳でとてもビックリした。と、なんやかんやで話が終わりリタルが僕達に問いかける。

「皆、危険なのは承知だが、俺はこの仕事を請けようと思う。大丈夫か?意見や質問があったら言ってくれ」

1、2秒の短い時間をおいてからアールが口を開けた

「僕は構わないよ、なんせずっとこんな事やってるからねいつもいつも危険だし…もう慣れたよ……ところで鉄の傘は必要かな?」

アールは緊張した空気を少し軽くしようと冗談混じりに言う。それが面白くないことに気が付かずに………ちなみにフリーズレインが降っているから鉄の傘が必要かと聞いているつもりである。

「それより、僕はでっかいエンジンをどう運ぶのかを聞きたいな」

ちょっと真面目な顔に戻って問いかけた。


>>リタル、アッチェ、ALL

【ずっと無言、無理矢理感満載ですみません。】

5ヶ月前 No.79

鈴音 @fallere825☆IZFOZv6wWeA ★Android=XfEQupwd0M

【クーリ/GP号外→内】
いくら話しかけても反応のないラドリアス(クローン)にひたすら動揺をきたしていたクーリだが、その無意味でバカらしい時間は終わりを告げた。
当然のように、ラドリアス(本体)によって。

『おい、クーリ。お前の話しかけてる俺はクローンだ。本物はこっちだぜ。お疲れさん、俺のその1。』
「ひ、ぴゃっ!?」

ぱんっと目の前で破裂するラドリアス(クローン)。
勿論初見ではない。何度か目にしているが、しかし、目前でそれが起きたのははじめてだ。
破裂するラドリアス(クローン)にただでさえ混乱をきたしていたクーリの脳は完全にオーバーフローを起こし、ひたすら大の男が上げるには情けないと言う他ない寄生を最後に視界は真っ暗になり……。

「ハッ」

……我に返ったときにはクライアントと依頼の確認中だった。
手にはラム酒。どうやってここまで辿り着いたのか全く記憶にない。記憶にないが取り合えず見知らぬ他人……他羊? いや獣人だから他人でいいはず、と脳内で訂正しつつ、兎に角知らない相手を前にしてやることはひとつ。
貝のように口を閉じて壁の花。
躊躇いなく壁に背中をあて、ラム酒を指で支えながらコートの下で腕を組み、ただ黙ってクライアントとリタルのやり取りに耳を傾ける。これだけ見ればそこそこ良い面と合わさってクールに決まっているが、中身は伴っていない。
依頼の詳しい内容と、賛否を問うリタルの言葉に、クーリは息を飲む。
皆、だ。この場の皆にリタルは意見を求めた。この場の皆の中には勿論クーリも伴っている。こういう時、黙っていると話を振られるのが常であり現実は非情である。如何に息を殺していても気配を消してもきっと「お前はどうだ?」とか聞かれるのだ。下手に最後だと最悪だ。全部の視線が集まる。つまり半ばの適当なタイミングで適度な返答こそ最善。

「……ぁ、ぁ…………」

だがしかし、やはり現実は非情である。
ただ一言、「クーリも賛成」を言おうと口を開くが次々に話し出す面々と絶妙に言葉が被り上手く発言できない。
半端に口を開いては閉じて、を繰り返すうちにイヴリンがラムレーズンサンドを運んできてくれた。

「あ、りがとうなイヴリン! すごく美味しそうだ……うんラムレーズンサンドがって意味で別にセクハラ的な意図はないんだぜっところでこれさっきのラム酒だよな、俺も漬け込もうかと考えてたんだよ気が合うな流石! 皆のハニー! いっそダーリンと呼びたい!」

受け取りながら反射でいつも通りの残念ハイテンションの言葉を押し出す。
やや神妙な空気が流れていた真面目な場にクーリの場違いな声が響いた。
やらかした……! という後悔は先に立たず。ならばとクーリはその勢いで決死の覚悟を決める。

「あ、あ、依頼は! 危険って点ならクーリも別に良いと思うけど! 団長とかアールとかに質問だけどフリーズレインを考えると機体のダメージがすっごいことになると……なるよな? ちょっと専門外だからよくわかんないけど。雰囲気的にきっといつもの整備より大変になりそうだし……この報酬であとのメンテナンス赤字にならない? 大丈夫? 燃料だって、ずっと飛び続けるならかなり、使うし。うちのゲネラスパウゼちゃんはお高いから終わったあとに手入れだけでスッカラカンになるなら正直考えた方が良いと思う……んですが……あの、ほら」

依頼の場所についてクーリは、その付近にならばGP団に入る前に訪れたことがある。あそこは環境の問題でクーリの能力が一部制限を受けた場所のひとつだ。例えば、その寒さによって爬虫類や昆虫の姿で十分なパフォーマンスが発揮できない。
そしてそれはただの人間でも同じく過酷な環境であるということだ。
落ちれば命のない湖の上。船が消える、と言うのが物理的にも消えるとなれば制限時間を越えればそのままドボン、にも繋がる。
まさに命がけ。だが、そんなことは白い海の中では当然だ。クーリにとって、それは論点になり得ない。
すーはー、と深呼吸を繰り返し、直前までの眉尻を下げた情けない表情を切り換える。落ち着いた無表情で、冷たい平坦な声で、チラとライアングヘ視線を向けたあと、目を伏せる。

「……別に、俺たちはこの依頼だけが選択肢じゃない。だが、こんな条件の依頼を受けられる団は限られるし、受けた上で結果を出せるところはもっと少ない。……そうだろう?」

ぶっちゃけGP団の懐を考えれば受けるしかないのはクーリだって分かっている。が、足元を見られるのは避けるべきだと内心でボソボソと言い訳を並べる。
だってGP団はマジな金欠だ。さらに言えばさっきの空賊とのあれこれで直前に買った個人的なクーリの荷物が全滅した。切実に、お金が、欲しい。
恐らく、現在のクーリが宿した金銭への渇望はアッチェやイリーナに並ぶか上回っている。

「危険なのは構わないぜ? ダイバーなんて早死になんぼな仕事だしさ。いや、早死にしたいってわけではないけども。でもさ。……クーリの仲間を安く見てる奴の依頼なら受けたくない」

破格の報酬であることは知っている。だがその上で口を出した。つまり、報酬をもっと寄越せ。
珍しく神妙な顔で告げたのは、クーリの偽りなき意見であった。
>ラドリアス、イヴリン、リタル、アール、周囲ALL

5ヶ月前 No.80

イリーナ @rmlp3322 ★wejhOBMSnu_8gk

【イリーナ・オルロフスカヤ/GP号内】

 ダンと軽く話をしたあと、依頼人が身なりを整えている間にイリーナもシャワーを浴びた。体は芯からあたたかいが、湯冷めしないように上にジャケットを羽織り、依頼人の元へ向かう。
 そのうちに好きになる、とダンは言った。しかし本当だろうか? 以前いたチームはそれぞれが異なる目的を持った、いわば手段としてのチームだった。それに文句はない、最低限の統率さえ取れれば問題はないだろう。それに比べてここは温かすぎる。まるで家族か何かのようではないか。お互いが掛け替えのないものかのように振る舞って。ここだって、各々目的が違うのに。自分は本当にここに馴染めるのだろうかと時々不安になる、それと同時に馴染む必要などない。依頼をこなす上で支障がなければそれでいい。そう割り切ろうという気持ちもある。
 ただの仲良しこよしではないことは入団してからの数回の依頼で少しはわかっているが、まだ見極めなければいけない。特に団長、リタルなんかは。お人よしなんて、気に食わない。
 そんなことを考えながらイリーナは新入りらしく(本人はしているつもりだ)、隅の方の壁に寄りかかり腕を組んでライアングの話に耳を傾けていた。すぐ脇にはクーリ・オイディーエが同じように腕を組みながら考え事をしているように見えた。ちらりと彼を横目に見ながら、そういえばまだ彼とはあまり一緒に戦ったことがないと思い出す。ビビりで挙動不審な印象があるが、こいつは戦えるのだろうか?

 自分たちが命を救ったライアングは先の分を報酬として計上する、と申し出てきた。当然、と言わんばかりにイリーナは小さく鼻を鳴らす。しかしその謝礼をリタルが断ろうとするので、イリーナは盛大に舌打ちをかまし前のめりになりかけた。臨戦態勢に入りかけたところ、アッチェがリタルを見えないところで蹴ったのだろう、とりあえず保留にしたリタルに飛ばしかけた怒号を納め、また元の体勢に戻る。
 イブリンがラムレーズンサンドをビーカーに盛り付けて運んできた。この女性はリタルと同様に、しかし別の意味で、読めない。正直、ダーリンハニーなんて意味が分からない、そういう観点から警戒している人物であった。イリーナも小腹が空いていたところだったのでひとつふたつ手を伸ばし、ラムレーズンよりも甘ったるそうな彼女に、「ありがとうございます、いただきます」と話の邪魔にならない程度の声音で礼を言う。菓子はあまり好んで食べないが、それはとても美味しく感じた。いいラム酒をいいシェフが調理するとより品のある味になるのか。故郷では寒さ対策のためにウォッカばかり飲んでいたが、ラム酒生活を豊かにするためにあるような味だ。「おいしい」と思わず声を漏らす、その目はいつもよりも柔和だった。それとほぼ同時に横でクーリが場の空気に合わない音量でイブリンに礼を言う。イリーナは先ほどまで手作りの菓子に感動していた人間とは思えない凶悪な顔の顰め方をする。
 クーリやスズの意見を聞き、ラムレーズンサンドを食べ終えたイリーナも口を挟む。

「私も、そこのやたらうるさい方と同意見です。この依頼では報酬はもう少し弾んでくださってもよろしいのでは? そもそも白の湖やフリーズレインの件は完全に後出しです。アナタが団長には先に伝えていて、団長が我々に伝達していなかったのなら話は別ですが、ええ。優秀な団長さんでしたらその依頼内容を聞いていたらその程度の報酬では動かないはずですよ」

 まずは報酬について物申す。そこのやたらうるさい方、とはクーリのことであり、神妙な顔つきをした彼を軽く一瞥してお前だぞと釘を刺しているかのようだ。イリーナはまさかこんな大事なことを、船員の命を預かる団長が伝え忘れていたとは考えていない。皮肉癖のようなものだ。命を賭ける仕事になりそうなのだ、こちらも見返りがなければなるまい。大きすぎる見返りは集中力を削ぐが、小さすぎても集団の覇気に関わる。

「そのエンジンは何に使うものなのでしょうか。研究? 動力? それとも軍事兵器ですか? いずれにせよお金さえ積んでくだされば私は受けますけどね。ただスズさんの言う通り、動力として使いたいのであれば使えなかったときの対応を考えておくべきです」

 巨大なエンジン。いざとなればイリーナが小さくして運ぶこともできるだろう。だがそんなに大きなものを小さくした経験はない。今まで小さくすることで負担を感じたことはないが、元が大きなものとなるとどうなるかはイリーナ自身にもわからない。だからここではその能力のことを改めて口にすることは控えた。小さくして運ぶことを前提に動くべきではないだろう。

>リタル、アッチェ、イブリン、クーリ、スズ、周辺ALL

5ヶ月前 No.81

味噌田楽 @dengaku ★FZSDg7BMdN_8gk

【ライアング/GP号船内】

『アンタぁ、そう、依頼主のアンタだ。まだなんか隠してるってな事は無いな?無いならオイの思い過ごしだ。にしても、リスクの方がでかいぜ。オイだって、出目の見えねえチンチロじゃあ負けることだってある。これで言う負けってのは、死ぬってことだろ?命かけるのに釣り合うだけの対価ってもんが必要だぜ』

『……別に、俺たちはこの依頼だけが選択肢じゃない。だが、こんな条件の依頼を受けられる団は限られるし、受けた上で結果を出せるところはもっと少ない。……そうだろう?』

『私も、そこのやたらうるさい方と同意見です。この依頼では報酬はもう少し弾んでくださってもよろしいのでは? そもそも白の湖やフリーズレインの件は完全に後出しです。アナタが団長には先に伝えていて、団長が我々に伝達していなかったのなら話は別ですが、ええ。優秀な団長さんでしたらその依頼内容を聞いていたらその程度の報酬では動かないはずですよ』

木製の団子串を咥えた男、妙なテンションの男、きつめの表情の女が、ライアングを視界に捉えたまま話しかけてくる。ライアングは、その視線に動じる事も無く足を組み座り直すと、その意見に答える。

「勿論全滅のリスクは無いとは言い切れないと思います。ですからこちらが考えられるうちで、最高額の報酬を用意させていただいたつもりですよ。ですが、そちらが所有されている、飛空艇の性能を考えると他の団体よりは安全だと思いますし、だから、あなた達に依頼をお願いしに来たんですよ」

ライアングは、笑ったような表情を崩さず、エドの質問に答える。

「隠し事という訳では無いですが、そちらの猫のお嬢さんの質問にも繋がりますが、エンジンの使用先はこの世界最大の飛空艇になります。それを目玉とした、遊覧船ですかね。勿論エンジン本体を持ってきていただければ、結構ですよ。弊社には補機のストックも、それを生かす技術も持っていますので。申し遅れましたが、弊社は『ロシフォン』と言い、私はその設計主任を務めております。皆さまも、この業界に居れば一度は聞いたことがあるのでは?」

ロシフォンと言えば、業界最大手の飛空艇製造会社である。有名な団体の飛空艇から、家庭用小型気球まで幅広く製造販売している事で知られている。

『二つ目。まだ契約書読ませてもらっていないから書いてあったら申し訳にゃいけど、私達に責任がない範囲でエンジンが壊れていた場合―――例えば経年劣化で輸送中に部品が壊れて動かにゃくにゃっただとかそういう事があったとして、それは私達が賠償する必要はにゃいよにゃ? 多分現地でエンジンを開ける余裕はにゃいと思うから後あとの確認ににゃっちゃう筈だけど』

「勿論、エンジンが壊れていた場合でも、お約束の金額はキッチリとお支払いしますよ。もっとも、経年劣化や始めから使用不可な場合の減額を契約に盛り込んだ上で、依頼を請けていただけるなら、それに越したことはありませんがね」

皮肉を言うように口角を上げて、スズの質問に答えるのだった。

どうやらGP団の意見では、賛成意見が多い様だ。それを確認すると、ライアングはスッと立ち上がる。

「どうやら、賛成意見が多いようですね。私も設計の端くれです。この飛空艇の素晴らしさは分かる。それに偶然とは言え、あなた方の力量も把握する事が出来た。良き出会いに乾杯。……と行きたいところですが、私は戻って社でやる事がありますので」

そういうとコートの中から財布を取り出すと、リタルの手に握らせる。それは1万G札が10枚ほどあった。

「使いは先程だしたので、機を回収していきます。これは、私のポケットマネーになります。助けて頂いたお礼です。是非とも、今夜は皆さんでお楽しみ下さい。断る場合は一週間以内に御連絡下さい。では、失礼します」

そして、深々と礼をすると、GP号を後にするのだった。

>>ALL

【すいません、今日はここまでになります(汗)】

5ヶ月前 No.82

ばでほり @17854 ★Android=V2XtkxYYcb

【ダン/GP号船内】

今回の依頼人であるライアング氏が、依頼内容について語るのを、ダンは壁際に立ちながら黙って聞いていた。

ーーーようやく、白の湖に行くチャンスが来た。

他の船を渡り歩いていたころも、白の湖だけは避けて通るのが常識であり、ダンとしてはいつかその姿を自分が海図に記す日を夢見つつ、実際にはまだ目にしたことはないのだ。
その白の湖の、さらにど真ん中に行くことが出来るという。その時点でダンとしては、なんなら無報酬でも行って構わないくらいの気持ちになっている。
とはいえ、そんなことをうっかり口にしてしまおうものなら、今団員達がしている交渉に影響が出ることは明らかなため、ダンは自らを抑え、ただただ見守っていた。

そんなとき、ダンと同じくらい交渉に向かないであろう少年が姿を現した。

『……どうしたの?依頼?……ボクも一緒に行こうか?』

予想通り、おそらく半分も内容を理解していないだろうに依頼を受けてしまいそうになっているフェルディナンを抑えるように声を掛ける。

「おはようフェル。今回は白の湖の真ん中にある《消える船》からエンジンを回収してくるんだと。」

まだ寝起きに見えるフェルディナン相手に、依頼内容を簡潔に説明する。
もちろんこの説明ではちんぷんかんぷんだろうが、実際不明なことが多い依頼なので仕方ない。

「でもまだ決まったわけじゃないから、今はおとなしくしておこうな。」

半分はフェルへ、もう半分は自分への戒めとして、ダンは笑いながらフェルにそう告げる。


そうこうしているうちに、交渉は終わったらしく、ライアング氏は席を立つ。
置いていった金をどうするかは団長とアッチェに任せ、ダンは皆を見回し自分の意思を告げる。

「あえて口は挟まなかったが、私は海図を描くためなら報酬を問わずどこにだって行くつもりだ。とはいえ、どうするかは皆の決定に従うから、最終的には団長が決めてくれればいい。」

>>ALL



【フェルにちょっと絡んでみましたが、タイミング微妙なので無視してもらってOKですよ。】

>>レーリンさん

5ヶ月前 No.83

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★DoaFJQIlTR_LoN

【 イヴリン・マクレイ / GP号内 】

 話し合いが難航するかと思われたが、やはり団長が乗り気ということもあり収まる所に収まりそうだ。イヴリンもお手製のラムレーズンサンドが愛しいダーリンやハニーたちの胃袋になだれ込んでゆく様を見てニッコリ。巨大会社のお偉いさんという地位にも頷けよう依頼人のタヌキぶりよりも、イヴリンにとっては大好きな仲間が自分の作ったものを美味しいと言ってくれることのほうが重要だ。相変わらず優先順位のブレない女である。この場の話し合いにおける主人公がいるとすればそれは依頼人の男だろうに、イヴリンの眼差しは彼に向かないどころか掠りもしない。彼はダーリンでもハニーでもないからだ。

「おはようダーリン、はいラムレーズンサンド! イヴリンちゃんの愛情がたっぷりこもった手作りよ」

 起きて来たばかりのフェルディナンにハートマークを撒き散らしながら、ラムレーズンサンド(※医療用プレートに盛られている)を手渡すイヴリン。甘いものが苦手な人間なら耳にした瞬間鳥肌をたてそうな、つまるところ彼女にとっては通常運転のスイート・ボイス。起き抜けに摂取するにはまありにも胃の重くなる声と食べ物だが、彼が体調不良なんてものに襲われている場面に遭遇したことがないのでたぶん大丈夫なはずだ。きっといつも通りの無表情でやり過ごしてくれるに違いない。

「やだもうダーリンったらぁ! 別にイヴリンちゃんを美味しく頂いてくれたって良いのよんっ? だぁりんになら、部屋の鍵はいつでも開けておくし――『ダーリン』じゃなく『ハニー』が良いなら、イヴリンちゃんが貴方を美味しく頂いてあ・げ・る」

 ラムレーズンサンドを褒めてくれたクーリの肩をさも嬉しそうにバシバシ叩くような素振りをした後、例えるならば甘い匂いで得物を誘い込む食肉植物のような、どろっどろに蕩けた声と表情でセクハラまがいの台詞を耳打ちする。セクハラまがい、というかまんまセクハラだ。ストレートなセクハラだ。ラムレーズンサンドの味へ述べた感想をセクハラではないと前置きしてくる善良なクーリに比して、こいつの性根のなんとアレな事だろう。
 中でも一番アレな部分は、イヴリンなら本当にダーリン・ハニーが相手なら夜這い大歓迎で部屋の鍵をフルオープンにしておくし、そっちのほうが好みだと望まれれば誰の部屋にでも夜這いを仕掛ける点だ。とりあえず今晩のクーリ・オイディーエは自分の部屋の戸締りをちゃんと確認しておいたほうが良い。貞操とか純潔とかそういった類のものを喪失したくなければ。……もちろん、目が眩み舌が逝かれて脳が侵されるほどの甘ったるいナイトラブに興味がおありなら鍵は必要ないけれど。彼がそういうタイプだとは断言できない。さりとてそういうタイプでない、とも断言できないのが彼の難しい所だ。

(やだ、ハニーがデレてくれたわんっ……イヴリンちゃん感激……!)

 そしてダーリンにセクハラを仕掛けた数秒後には、イヴリンは別のハニーことイリーナ・オルロフスカヤの自作ラムレーズンサンドに対する「おいしい」発言に頬を上気させてキュンキュンしている。イリーナは仲間へのデレが少ないが、イヴリンの場合は仲間へのデレが多すぎていっそ減らしたほうが健全なくらいだ。足して割ったらちょうど良いかもしれない。――いや。二人とも違った方向性に尖った性格だし、足してもグラフのバランスが揃わず新しい方向に尖った奴が生まれるだけだろうか?

>フェルディナン=クローディアス様&クーリ・オイディーエ様&イリーナ・オルロフスカヤ様&ALL様

5ヶ月前 No.84

レーリン @reirin16☆iFOiR2juBrUr ★HfadLx6hCT_mgE

【フェルディナン=クローディアス/GP号内】

『おはようフェル。今回は白の湖の真ん中にある《消える船》からエンジンを回収してくるんだと。』
「オハヨウ、ダン。……消える、船?それだとエンジンも消えてしまう素材じゃ…………でも、気になる」

 完全に出遅れた感のある雰囲気を纏い部屋を訪れたフェルに最初に声を掛けてくれたのは、依頼を壁際で聞いていたダン=ブラウンという男である。彼はフェルより身長が高く、痩せ形の体躯と短い銀髪が特徴的な男だ。団員に拾われ成り行きでGP団に加入したフェルとは違い、雇われ仕事で海図に様々な土地を書き記すことを生業としており、その仕事に対し並々ならぬ情熱を持っている――というのが、フェルの抱える印象である。彼には何かに夢中になるという経験を殆ど(少なくとも“現在の記憶において”)したことが無く、そのためかダンの性格(勿論ほぼ全ての団員であれ)をいまいち理解できていない部分があるが、それでも彼も自分の「家族」である、という認識はしっかりとある。簡単に言えば歳の離れた従兄弟か叔父的なポジションだろうか(実はフェルの方が遥かに年上であるのだが)。
 時間帯的に朝とはほぼ真逆なタイミングだが、相手に同じ挨拶文句を返した直後、端的にではあるが今回の依頼内容について教えられ、自分で気になった単語を鸚鵡返しに呟きつつ首を横にコテンと傾げる。そして、その言葉を真に受けてか少しズレているところもありつつ、自分なりの意見を短く述べ、腕の中ですやすやと眠る小さな獣の身体を優しく撫でる。

『でもまだ決まったわけじゃないから、今はおとなしくしておこうな。』
「?……ん、分かった」

 大人しく、というのは、一人先走って決定するのは控えろ、ということだろう。実際フェル自身依頼のことをよく知らない上、見知らぬ相手との交渉事も苦手である。依頼人のライアング氏は大手会社のお偉いさんでもあり、そうした人物を相手取っての“話し合い”も上手くいかないだろう。そもそも交渉という概念もそれを苦手とするという意識も皆無であり、彼のことなので下手をすれば暴力で解決……なんてことになりかねない。ダンの言うことをよく分かっていないながらも、仲間の言うことだからと取り敢えず頷くのだった。


『おはようダーリン、はいラムレーズンサンド! イヴリンちゃんの愛情がたっぷりこもった手作りよ』
「オハヨウ、イヴリン……らむれーずん、さんど?ボク、初めて見た」

 ちょうどその直後、団の中でも一際特徴的な、どんな甘味よりも甘ったるいであろう声色を持つ女性が食べ物を持ってやってきた。彼女の名前は確か、イヴリン=マクレイだったか。格好からして明らかな医療従事者で、普通は調理に向かないような道具で美味しい食事を作るという話を聞いたことがあるが、フェルにとってその真偽は不明であるし、正直どうだっていい。身体の構造上、十分にエネルギーが得られる食事さえできれば構わないからだ――とはいえ、GP団に入ってから毎日のように様々な食事が出てくるようになってからというもの、少しずつ“美味しいもの”というものについてフェルも関心を向けるようになってきたことも事実である。
 閑話休題、職業柄なのかそういう趣味なのか、お盆ではなく医療用プレートに盛られたイヴリン特性ラムレーズンサンドを普段の無表情で見つめた後、フェルは彼女の甘い甘い声や態度、そして寝起きには重いメニューである軽食――重いのに「軽」食とは此れ如何に――の一切を完全にスルーし、「アリガトウ」と一言置いてから、相棒を片腕で抱き直しつつ、空いたもう一方の手で向かって一番右端のラムレーズンサンドを取り、一口齧る。漬け込まれたアルコールの風味とドライフルーツ独特の凝縮された甘みが口一杯に広がり、レーズンを挟むパンの柔らかさと小麦の香りがそれらを上手く包み込んでいる。無表情で黙々と咀嚼し続ける彼の姿はとてもシュールであるが、一口目を嚥下した直後、徐に顔を上げて、

「……美味しい。アリガトウ」

……とイヴリンに対しお礼を言ったため、お味に満足しているようだった。見た目は未成年だが、何百年も生きているためアルコールの類は特に問題ないようだ――推測であるが、彼自身アルコールの性質や甘ったるい食べ物(人の態度も然り)に対する感慨は一切無く、羞恥心や情欲等の感情も抱かないために、彼女の言動や差し出された食べ物への反応が一切無かったのだと思われる――。
 貰った甘いサンドイッチを食べている最中、甘い香りに反応したのか、抱えていた相棒が密かに目を覚ました頃であった。今まで無視していた依頼人の退出する音声がフェルの耳に入ってきたのである。

『どうやら、賛成意見が多いようですね。私も設計の端くれです。この飛空艇の素晴らしさは分かる。それに偶然とは言え、あなた方の力量も把握する事が出来た。良き出会いに乾杯。……と行きたいところですが、私は戻って社でやる事がありますので』

 丁寧ながらもニヤリと厭らしい笑みを浮かべつつ、ライアング氏はそう言うと、我らが団長のリタルにいくらかの紙幣の束を握らせ、深々と頭を下げつつGP号を後にした。

「…………」

 感情の読み取れない瞳で一連の行動を観察しつつ、しかし何処か不審がるような雰囲気を一瞬醸し出すフェル。彼の心情は殆ど表現できないだろう。しかし、どうしてもあのヤギ面の男は好きになれない――、ということは確かであった。

「……何か、胡散臭い。……あ」

 彼にしては珍しく低い声音でそう呟き、まだ持っていた食べかけのラムレーズンサンドに視線を落とすと、いつの間にやら自らの肩の上に飛び乗っていたらしい相棒が今にもそれに食らい付きたそうに凝視していることに気付くのだった。

>ダン、イヴリン、周囲ALL様


【絡み文を下さり、ありがとうございます!フェルは知性はあれど限度という知識や自制心の足りない子なので、どなたかストッパーになってくれる人がいないと勝手に突っ走っていってしまうので、気が向いたらで良いのでそんな彼の手綱を握って下さると幸いです((】

>ばでほり様

5ヶ月前 No.85

サムライ @samurai07 ★iPhone=QCAUNJ3bTK

【ラドリアス・ガルドロン/GP号内】

ラドリアスは一仕事を終えてどかっと椅子に座る。そして、テーブルのラムレーズンサンドに目線を移した。

(医療トレイに入ってるとか、何か薬でも混入してあんのかって思うぜ…まあいいや。ちょうど小腹空いてるし、いただこう)

そう思ったラドリアスはラムレーズンサンドをひとつ口へ運ぶ。しかし、さすがは料理上手なイヴリンが作ったものだ。味は保証である。

「へえ、うめえなこれ。店で売ってるやつにも勝るとも劣らない味だ。本当に料理の腕は大したもんだな。まあ、もう少し甘さが抑えてあったら俺好みなんだが、それは野暮な話か。」

ラドリアスはがさつで乱暴者であるが、自分にできないことができる仲間は素直にすごいと思い、褒めるタイプである。料理はその最たるものだ。ラドリアスはせいぜい丸焼きか丸かじりがデフォルトなのだから。そして、ラムレーズンサンドを咀嚼し終えると依頼人の方へ顔を戻す。

「待ってくれ依頼人さんよ。俺からも質問があるぜ。仮に俺達が依頼を受けるとして、そのエンジンはいつまでに持って来ればいいんだ?短期間で持って来いって話なら俺が厄介になってる研究機関に今回は寄り道してる時間がないって断りを入れなきゃならないからな。」

ラドリアスのみの任務だが研究機関からも海へ行く場合には何かしらの遺物を手に入れて来いと頼まれている。しかし、もしも2〜3日の内にエンジンを入手しなくてはならなような余裕がない依頼なら研究機関の任務を蹴らなくてならないから念のために質問するのであった。

>>ライアング、周辺ALL

5ヶ月前 No.86

鈴音 @fallere825☆IZFOZv6wWeA ★Android=XfEQupwd0M

【クーリ/GP号外→内】
そこのやたらうるさい方、という前置きと共に次下手な失言をしたら首をへし折られそうな――尚クーリの主観である――イリーナの凶悪な顔と視線を向けられむしろ己の首が引きちぎれそうな勢いで顔を背けた。

「ヒェッ……」

小さく悲鳴をあげ、そしてこれ以上の失言はするものかとラムレーズンサンドを口の中へ捩じ込んだ。珍しく落ち着いて話していたかと思えば奇行に走る。
そんなクーリを前にしても含みのある笑顔を絶やさないライアングはまさしく、ただ者ではないだろう、と己の残念さを横において考えるクーリは間違いなくその類いから正反対に位置する。

『勿論全滅のリスクは無いとは言い切れないと思います。ですからこちらが考えられるうちで、最高額の報酬を用意させていただいたつもりですよ。ですが、そちらが所有されている、飛空艇の性能を考えると他の団体よりは安全だと思いますし、だから、あなた達に依頼をお願いしに来たんですよ』
「…………ふん」

当然だ、と言わんばかりに、顔はイリーナからきっちり背けたまま、鼻を鳴らす。若干口の端が上がるのは団を誉められたことからの好感度の上昇が関係している。いくら積まれたとしてもクーリにとって自身の仲間の命を天秤にかければ端金。それでも今後の生活や活動のために天秤を傾けるのがダイバー業というものだ。
最初から考えうる最高額をテーブルに乗せてくるのは、誠実と見るべきか。しかし、やはり、実際そうだとしても、こちらに依頼を断らない選択肢がないと見ているようにも思えて不信感は拭えない。
イリーナの言葉もあったが報酬は動かず。動かす気もないのだろう。アッチェも納得しているのなら団として問題のない金額であることは確かだ。
……と、いくら神妙な顔でも口の中には未だに咀嚼しきれぬラムレーズンサンド。

『使いは先程だしたので、機を回収していきます。これは、私のポケットマネーになります。助けて頂いたお礼です。是非とも、今夜は皆さんでお楽しみ下さい。断る場合は一週間以内に御連絡下さい。では、失礼します』

リタルに金を握らせる姿に、少しだけクーリの警戒が下がる。好い人、にはまだ届かないが知らない人への対応からは少し緩くなる程度にはクーリは現金だった。おいしいごはんには逆らえない。
ライアングが去り、クーリは漸く一息をつけた。普段なら絶対に同席しない。しても貝のように口を閉じて呼吸をすることに全能力を捧げているのに何を血迷ったか口を開いたのがいけなかった。ラムレーズンサンドおいしい。

『やだもうダーリンったらぁ! 別にイヴリンちゃんを美味しく頂いてくれたって良いのよんっ? だぁりんになら、部屋の鍵はいつでも開けておくし――『ダーリン』じゃなく『ハニー』が良いなら、イヴリンちゃんが貴方を美味しく頂いてあ・げ・る』
「っぐほ! う、むぐぅうう……!!」

溶けたわたあめのように甘ったるくはりつくような声の囁きにクーリは激しく咳き込んだ。それでも口の中を吐き出さず飲み込んだのは最後の気合いである。
モシャモシャと高速で咀嚼し飲み込みながら己を落ち着かせた。
もし口になにもなければクーリはいつも通り要らんことを口走り、場合によってはイヴリンとあかんことになっていた可能性は想像に難くない。

「いや! やっぱりクーリはダーリンのままがいいなー! ほら、ダーリンって最愛の人って意味だし? 言われて悪い気はしないし? ハニーはイヴリンの方が似合うよやっぱり全体的にさ! それで、ほら、あの、な! ええと、イヴリンはとても魅力的だと思うけどクーリ的にはフォーリンラブはオンリーワンがいいなぁって!」

ぶっちゃけ揺れた。大変魅力的なお言葉である。
特に愛したがりの愛されたがりであるクーリはくらっと行ってしまいそうだったが、だがしかし、それは所謂コミュニケーションの最高ランクだ。最終形態だ。会話すら覚束無いクーリに出来というのか。いいや出来ない。
高速早口で首をブンブン振り回す。またイリーナに睨まれるなどは完全に頭から吹っ飛んでいた。
そしてそこらかしこへ視線を飛ばしまくるクーリの視界に入ったトンガリ帽子の黒い少年フェルディナンとその肩に乗ったルーチェ。
物欲しそうに食べかけのラムレーズンサンドを見ているが、果してルーチェは食べて大丈夫なのだろうか。人間の食べ物は時に動物の毒となるが。
そんな懸念を口には出せず、現実逃避のように二人を見詰めながら、食べかけのラムレーズンサンドを口に運ぼうとするのだった。
>イリーナ、イヴリン、周囲ALL

5ヶ月前 No.87

有栖川 @hananomi☆Mwp.W.uiBT6 ★5tuXai74if_XGK

【スズ/ GP号船内】
「にゃるほどにゃ。名前を聞いたことある気はするし、多分私が聞いたことあるにゃら相応に大きいんだろうからにゃあ」

 ライアングの言葉を受けたスズの内心は、疑心半分納得半分といったところだ。恐らく相当な経験を有する会社で、彼らの自信も決して間違ってはいないのだろうけれど、やはり不安がどうしても先行してしまう。それに乗ることは恐らくないのだから知らないふりをしておいてもいいとは思うのだけれど、果たして本当にそれでいいのかと思わざるを得ない。
 しかし、依頼は依頼なのだから、粛々とそれをこなすべきであろう。とりあえずエンジンそのものを持ってくればいいという言質を得ただけ、良しとしておこう。

「にゃは、気持ちはわかるけど『誰もが一度は名前を聞いたことのある企業』に所属してるにゃらそのリスクは最初からわかってるはずだし、わかった上で今この値段を提示してるものだと思っているけどにゃ。
 私達に責任がないものの所為で私達が損をするのは御免だってのは多分私だけの意見じゃにゃい筈だし、にゃ」

 ニヒルに口角を上げる相手に対して、不愉快だと言いたげに眉根を寄せてみせる。相手が企業の人間である以上その企業の利益のために働くのは当然だというのはわかるけれど、だからといって提示している値段から更に値切ろうとしていると見えるような行動をされてはいい気分にはならない。
 別れの言葉を述べるならばそれは団長の役目だと言わんばかりに依頼主を黙って見送った後、そういえば食べるのを忘れていた、と恐らく大概の食器よりもきれいに洗われている(消毒されている、かもしれない)であろうビーカーから、レーズンサンドをつまむ。恐らく先ほど手に入れたラム酒を使ったのか、口の中に入れるや否やお酒の香りが、次いでアルコールの味を感じられた。レーズンの中までお酒は浸透していなかったけれど、これはこれでありであろうと思われた。何より、せっかく作ってもらったのにケチをつけるわけにはいかない。

「ん、美味しい。イヴリン、ありがとにゃあ」

 素直な感想とお礼の言葉とともに、にへ、とイヴリンに対して笑みを浮かべる。所謂餌付けが成功したため、恐らく現在スズのイヴリンへの警戒度はほぼゼロに近いであろう。

>>イヴリン、(ライアング、)船内周囲all

5ヶ月前 No.88
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