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ここに集え少年少女よ!聖山学園にて!【二章中】

 ( オリジナルなりきり )
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【学園/推理/脱出】 @matunogirl☆JygYpuYd4vU ★Android=W1VemU3zJF

「おはよう、選ばれし者達よ」

目が覚めるとそこは見知らぬ場所で目が覚めたひとりの少女が声を上げる。
「……貴方は、誰なの?!ここは、どこなの!!」
と。
「ふふ、そんなのひ……み……つ……に決まってるでしょ?だって知ってしまったらつまらないでしょう?……そうねぇ、あえて言うならここはあなた達選ばれしものもよく知っている場所、とでも言おうかしら?……私のことについては、ここから抜け出せたあなた達選ばれし者の脱出成功者になら教えてもいいわ」
その答えに答えるかのようにクスクスと面白そうに声を出したのは年端もいかない少女のような声をした放送だった。
「……出口はどこにあるの!」
声を張り上げた少女は恐怖を隠すように再び声を荒らげる。しかし、その言葉は教えるわけがないでしょう?と一刀両断にされてしまった。
「やだ、教えるわけがないでしょう?まぁ教えたところであなた達にはまだ開けられないわ。まぁ、物語を進めれば、自ずとその扉、その扉を開く術を嫌でも知ることになるわ」

クスクスという笑い声はいつまでもその場に響き、徐々に浸透していくのであった。
────……

「もう辞めて!!私たちが何をしたというのよ……っ!!もうこんなことをしたくないの……止めたいの!!もうあの時、やらないって決めていたのにっ……!!もう私は多くのものを失ったわ!もう、これ以上何を失えばいいのよ……っ!!」

少女は叫ぶ。泣きながら、叫ぶ。多くのものを失い、それでもまだ失い続けなければならない事で。仲間を信じられないことで。
「……なんで……って、愚問ね。そのあなたの体に流れている罪をすべて綺麗にするためよ。……忘れちゃった?あなたの犯した罪────を」

そういうあどけなさを残した少女の声は酷く冷静で、凍てつく氷のように刺があるのだった。

メモ2018/03/08 12:02 : 千里☆JygYpuYd4vU @matunogirl★Android-pFeytiwsZA

はじめまして!このスレをご覧頂き、ありがとうございます!


えー、物語を読んで気になった方はぜひサブ記事へ!

メイン記事解禁いたしました!

ただいま、第2章が開幕致しました!


現在、点呼中です!1週間後が期限となっております!

点呼確認が出来き次第、星マークを付けさせていただきます!

ちなみに、メインへの書き込みでも、確認をしておりますので、宜しくお願いします!


参加者様


☆古海紀葉/うるみきよ/2-5/189号室/生徒会書記/文芸部副部長/自分自身を肯定し愛することができないため/ http://mb2.jp/_subnro/15699.html-38#a


☆姫条結菜/きじょうゆうな/1-3/112号室/無所属/文芸部/妹を自分よりも愛されているからと殺し、あなたはおかしい、と親に虐げられその親も殺した。親と妹を殺したことにより両方の祖父母を酷く酷く悲しませた/ http://mb2.jp/_subnro/15699.html-42#a


☆佐伯心愛/さえき みあ/3-1/153号室/生徒会会長/無所属/クラスメイトのいじめを止められず、自殺に追い込んだ/ http://mb2.jp/_subnro/15699.html-18#a


獅童龍司/しどうりゅうじ/3-1/299号室/無所属/剣道部部長/感情と人を信じ愛する心を無くしてしまった/ http://mb2.jp/_subnro/15699.html-13#a


☆二条景/にじょうけい/2-3/302号室/図書委員副委員長/無所属/自殺未遂/ http://mb2.jp/_subnro/15699.html-11#a


☆花散里鰐/はなちるさとわに/1-6/100号室/美化委員/無所属/虚栄心と恐怖心のために自分と周囲に嘘と演技を振り撒きながら生きている/ http://mb2.jp/_subnro/15699.html-16#a


☆幌延枢/ほろのべくるる/1-3/202号室/図書委員/演劇部/自分に暴行を加えようとした不良グループを返り討ちにし、多数の怪我人を出してしまったため/ http://mb2.jp/_subnro/15699.html-12#a


☆三鷹祐李/みたかゆうり/2-5/203号室/無所属/美術部/

好きだった人を裏切って見殺しにしてしまった/ http://mb2.jp/_subnro/15699.html-24#a


☆世屑栄寿/せくずえいじゅ/3-6/179号室/体育委員/演劇部/時と場所で掌を返し、悪質な自分を無かった事として振る舞って自分や周りから逃げている/ http://mb2.jp/_subnro/15699.html-48#a

…続きを読む(71行)

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千里 @matunogirl☆JygYpuYd4vU ★Android=W1VemU3zJF

【佐伯心愛/生徒会室→図書室】

「ということで、いいかしら?……じゃあそういう事で決まり。解散してもいいわよ。おつかれ様。気を付けて寮には戻ってちょうだいね。私はちょっと図書室で調べることがあるから、図書室に行ってくるわ」

佐伯が、そう声をかけるとわらわらと生徒会室を出ていく、役員の人たち。というのも、今日は臨時会議が行われていた。議題は聖山学園生活においてのルールの改訂について。もとよりこの議題は生徒会の中で数ヶ月前から上がっていたのだが、なかなかメンバーの会議が出来るほどの予定が合わずに会議を開くことをできずにいた。が、ようやく今日みんなの予定が会うことが分かったので、早速開くことを決めた。

とは言ったものの、そもそもこの学園に来る人たちはもとより訳あり生徒が多い。何かしらを抱えている生徒がここにあつめられていた。というのもあり、校則はそこそこ厳しめだ。これ以上厳しくなる、となると何も出来なくなってしまいそうになるぐらいで、逆に少しは緩めた方が、というのも出てきた。結論としていえば、特にルールの変更はなし、ということにまとまったのだが。

佐伯はそれを纏めるのと、少し気になることがあり、それを調べるために図書室に行くことを口にしてから、生徒会室から出ていく。

「さて……どの棚にあるのかしら……」

そう言うと一つ一つの棚を丁寧に探し始めるのだった。

>>オール様

【お待たせしました。只今よりメインを解放したいと思います!まず最初はほのぼのとした雰囲気を味わってもらうベく、まだ閉じ込められていません!では、ゆっくりとお楽しみ下さい!なにか質問があれば、どんどしてください!】

9ヶ月前 No.1

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★DoaFJQIlTR_0D6

【 花散里鰐 / 一階・保健室→一階・廊下 】

 保健室は貸切状態。デスクの上で書き物をしていた校医も、何やら所用があるとかで数分前から出払っていた。生徒は自分一人。他にはネズミ一匹いやしない。時折、風が窓を軽くノックする以外には無音の、静寂に包まれた空間。清潔なシーツに寝そべって、花散里鰐は漫画本を読みふけっていた。授業を休む言い分を、校医には生理痛と伝えてある。実際、痛みがそこまで酷くないというだけで生理なのは本当のことだから、仮病かと聞かれると否定も肯定もできない。ベッドの上でパラパラとページをめくって、ゴロゴロと寝返りを打って。肌に柔らかな陽光を受けつつ、ただただ穏やかな時の流れに身を任せる。

「あー……こんなこと、人目がある場所じゃ中々できねーからなぁ。やっぱお嬢様やるよりか、こっちのほうが落ち着くわ」

 高飛車お嬢様ムーヴを崩した鰐の素の姿はかなり蓮っ葉だ。読んでいるのも演技時はよく分からないフランス語の小説等なのに、今読んでいるのはページの中でばんばん人が死んでいくごりっごりにアンダーグラウンドなギャンブル漫画。主人公が指を切ったり腹を切ったり血まみれで麻雀を打ったり首を吊ったりと大忙しな内容で、ぶっちゃけ好きでもないのにキャラ作りのために読んでいるロマンスストーリーより数倍おもしろく感じる。
 ギャンブル漫画の登場人物たちは心が皆強い。中にはボロクソメンタルですぐにメインキャラクターに負けて死んでしまう雑魚キャラもいるが、そんな連中にしたって命を懸けた勝負に挑めている時点で鰐よりは堅い精神を持っている。勝負の世界でしか生きられない人々。ギャンブラー。そんな彼らを内心馬鹿にしつつも、心のどこかで憧れを抱いている自分が確かに存在していた。
 いじめられたくない。元貧乏だと人にバレたくない。そんな悩みに、恐怖に、「クソ喰らえ」と中指おっ立てて不敵に笑えるだけの強さが自分にもあったなら。少なくとも、コンプレックスを拗らせて偽物のお嬢様のフリばかり上手くなるような、今のごとき生き方はしていなかったはずで。

「……でもまぁ、できねぇから“こう”なんだよなぁ」

 諦念の籠った溜息と共に、読みかけの漫画雑誌をベッドサイドの鞄に押し戻す。
 誰だって、弱い自分を曝け出すくらいなら強い自分を作り出したい生き物なのだ。漫画の登場人物たちが強いのは、漫画の登場人物だから。メインキャラクターだから。鰐の人生は漫画じゃないし、鰐は漫画の登場人物じゃない。仮にそうだったとしても、『本当の自分』ではメインキャラクターを張れる強さも無い。だから今日も自分を偽る。嫌味で、高飛車で、傲慢で、ナルシストで。いつも自信に満ち溢れた、華やかで刺々しいお嬢様として。

「――さっ、休憩終了。今日も今日とて典型的お嬢様やってくとするか」

 ベッドの上でうーんと伸びをして、気持ちを素の自分から偽りのお嬢様のそれへと切り替える。無人の保健室を出れば、そこにいるのはもう本物の花散里鰐ではない。偽りの棘と偽りの花弁で飾られた偽りの薔薇。“高飛車ナルシストお嬢様”の花散里鰐である。

「うふふっ、今日も今日とて廊下の鏡に映るあたくしの姿は可憐ですこと! まさしくこの学園に咲き誇る大輪の薔薇ですわ!」

 豪奢な金髪を音をたてて一房振り払い、謎のゴージャスなキラキラを背景に振り撒きながらうっとりと鏡の自分に見惚れてみせる。我ながら今日も演技は絶好調だ。思ってもいないようなことが、口からするすると出てくる。

>ALL様

【メイン解禁おめでとうございます!】

9ヶ月前 No.2

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=nMqLjsjQcP

【幌延枢/図書室】

ふぁ、と桜色の唇を小さく開けて、幌延枢は欠伸をひとつ繰り出す。この日、彼(風体としては彼女と言った方が正しいような気もするが)は、急遽用事ができてしまった図書当番の生徒の代役として図書室のカウンターに居座っていた。彼の所属する演劇部は幸いこの日活動はなかったので特に支障はないのだが、いかんせんずっと座ったままというのも眠気を誘う。んぅ、と伸びをして枢は立ち上がった。このまま居眠りをかましてしまうよりは本棚の整理でもしていようと考えたのである。
膝より上のスカートを揺らしながら、枢はちまちまと本棚を見て回る。今日の枢は白地に紺の襟とスカート、そして淡い水色のリボンを着けたセーラー服スタイルであった。明るい茶髪(ただしウィッグである)は結ぶことなくさらりと流している。もともとお洒落は好きなので枢はその日の気分に合わせてコーディネートを楽しんでいる。日によって着ているものが違うこともあるがこれまで言及されたことはないのでギリギリセーフといったところだろうか。男子生徒が女子生徒の出で立ちをしているところからアウトなのだが気にしてはいけない。

「……あれれ、人がいる」

そんな中ふと目に留まった人影。それは華奢で何処と無く庇護欲を感じさせるような女子生徒であった。どうやら何かしらの本を探しているようで、真面目にもひとつひとつの棚を確認して回っている。このまま誰も来なかったらとんずらでもしてやろうと考えていた枢は意外そうな表情を浮かべた。まあとにもかくにも図書委員として仕事を怠る訳にはいかない。枢は男性にしては高いいわゆるボーイソプラノをさらに高めてカウンターテノールレベルにしながら彼女に声をかける。

「何かお探しですかぁ?僕で良かったらお手伝いしますよっ。これでも一応図書委員ですし!」

聞きようによっては甘ったるく鬱陶しいものになり得る物言いなのだが、不思議と枢のそれは型にはまってしまっている。つまりは似合いすぎていた。自分とあまり身長の変わらない女子生徒を見つめながら、こてんと首をかしげてみる。自分で自分の顔の使い方をよくわかっているからの仕草だった。

>>佐伯心愛様、周辺all様

【遅ればせながらメイン開始おめでとうございます……!】

9ヶ月前 No.3

千里 @matunogirl☆JygYpuYd4vU ★Android=W1VemU3zJF

【佐伯心愛/図書室】

『何かお探しですかぁ?僕で良かったらお手伝いしますよっ。これでも一応図書委員ですし!』
「……あら?図書委員の枢さん……ですよね、ありがとうございます。そうですね、実は資料を探していて、この学園の歴史についてなんですけど……」

一つ一つの棚を丁寧に探していると1人の生徒に話しかけられる。そちらに振り返ると、一人の女子生徒が立っていた。にこりと笑いながら資料を探していることを告げる。
「……最近、校内が騒がしいでしょ?だからどうしようかなーって思って。仕方が無いこともあるのだけれど……。それでもなんかそういう騒がしさとは違っている気がして。だからこの学園の歴史でも調べてみようかなって思い立ったの。それでどこにあるのかなーって思って、ね」

情けないでしょ、なんて少し苦笑を浮かべつつそんなことを言うと改めて枢に向き直る。じっと見つめていると、いつだったか学園行事で見かけたあの男の子。声をかけられなくて名前も知らないが、あの日から気になっていたのだ。
「あ、えっと……、枢さんどこにあるか分かるかしら?いつも予約して借りているから本の場所はよくわからなくて恥ずかしいけどね」

そう言いながら改めて枢に向き直るのだった

>>幌延枢様、all様

【わーい!絡みありがとうございまーす!!久々なので、文章少ないですが、よろしくお願いします!】

9ヶ月前 No.4

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=nMqLjsjQcP

【幌延枢/図書室】

どうやら女子生徒は枢の名前を知っているらしい。どうしてだろう、と少し考えてから枢は彼女が生徒会長であることに気づいた。いつぞやの集会で見たことのある顔だとは思っていたが、まさか図書室まで赴いてくれるものとは思っても見なかった。にこり、と微笑む彼女━━━━佐伯心愛に、枢も笑顔を向ける。

「へぇ〜、さっすが生徒会長さんって感じですね!僕も力になりたい……んだけど、そういう資料ってあっちの書庫にあるんですよぉ。書庫って鍵がかかってて、先生がいないと開けられないから、僕の方から司書の先生にお伝えしておきますね。せっかく来てくれたのにごめんなさい」

残念ながらこの学園の資料となるとそこら辺に置いておくわけにもいかないのだろうか、以前司書に書庫の説明を受けた際にそう聞いた。生憎ただの図書委員である枢に書庫を開ける権利はない。生徒会長の力になれないことは悔しいし残念だが、できないものは仕方ない。枢にできることは司書に心愛の予約を伝えておくことくらいである。そうしておけば次に心愛が図書室を訪れた際にすぐに彼女の望む資料を手渡すことができる。これが枢にできる最善の策だった。

「うーん、こんなところで立ち話もなんなので、先輩さえ良ければあっちに座ってお話しませんか?ちょうど誰も来なくて退屈してたんです」

ちょいちょい、と誰もいない読書スペースを指差してから、枢は心愛にそう問いかける。そして何処と無く弱々しげな心愛の言葉に、「先輩が一人で悩むことじゃありませんよぉ。そのために生徒会の方々とか、僕たち委員会があるんですから。行動に移しただけでも、何もしないよりかはずっといいと思いますよ」と表情を和らげて告げた。

「それにしても、先輩が困るほど学園が揺れてるのってなんだか気味が悪いですねぇ。僕も色々と自由にやっちゃってる方だと思うけど、やっぱりそういうのとは違うと思うんですよぉ。これから何か起こるみたいで怖いなぁ。僕の杞憂だといいんだけど……」

はぁ、と小さく溜め息を吐いてから枢は心愛を気にかけるかのように心配そうな視線を向けた。枢は生徒会に属している訳ではないので細かいところまではわからないが、それでも最近の学園の雰囲気が異質なことにはなんとなく気づいていた。それによって心を悩ませている心愛を気の毒に思いながら、枢はさりげなく引っくり返ったまま本棚に入れられていた本を直した。

>>佐伯心愛様、周辺all様

【わ〜〜こちらこそありがとうございます!正体バレるのだいぶ先になりそうですが非常に楽しみです……!】

9ヶ月前 No.5

オデット @rune1109 ★iPhone=6r8dfM7K4t

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9ヶ月前 No.6

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★DoaFJQIlTR_0D6

【 花散里鰐 / 一階・保健室→一階・廊下 】

 お嬢様ムーブに勤しみながらも、頭の中で考えていることと言えばさっき読んだ漫画の次に帰ったら何を読もうか、なんて庶民的なことばかり。考えていることと行っていることが少しも連動していない。だというのに、傍目に見た鰐の振る舞いに嘘っぽいところは殆ど無いのだから、こいつのお嬢様の演技に賭ける執念の凄まじいこと凄まじいこと。たぶんこの努力を他のこと……例えば勉強とかに向けていれば、成績は上の中ではなくトップクラスにまで上り詰められていただろうに。

(あー、帰ったら久々に完結済みの青年漫画でも読み返すかな……。ギャンブルものは読んだから、次は格闘もの辺りで)

 鏡に映る自分の顔を「ふふっ、あたくしの用紙にはヴィーナスでさえ見惚れますわね……」などと宣いうっとりする裏、帰宅してから読む漫画のジャンルを格闘系にしぼった鰐。行動と思考の温度差がエグい。心を読める超能力者でも通りかかれば、その考えていることとやっていることの合ってなさに「何だコイツ」とドン引きするなり困惑するなりしたことだろう。が、廊下を通りかかったのはテレパシストでもサイコキネシストでもない。三鷹祐李――鰐にとっては一学年分先輩の、美術部に所属する男子生徒であった。
 目の下にクマがあって猫背気味のいかにもなインドア派のルックス。が、勝手なことを言わせて貰うと顔は悪くないと思う。皮膚もニキビが出来ていたり脂ぎっていたりしないし、近寄ったら臭そうな厭らしさも無い。磨けば光りそうな素材だ。っていうかぶっちゃけ、このままでも「ちょっと闇のありそうな男子が好き」という女子のツボになら大いにヒットする可能性が高い。女子の皆が皆、白馬に乗ったキラキラ系王子様を好いている訳でもないのだし。
 ただまあ、えてして彼のような容姿の人種は、鰐のような容姿の人種に友好的なイメージが無い。それでも絡まれる危険性を排してまでこちらに視線を注いでいるのは……ううん、ひょっとしたら演劇部の一員とでも思われたのか。なんにせよ、誰が相手でも鰐の高飛車お嬢様ムーヴを崩すわけにはいかない。ここは一つ、何か“それらしい”台詞でも吐いておこう。

「うふふっ。神の与えし絶世の美貌、限度を知らぬこの麗しさがまた一人の殿方を魅了したようですわね……貴方、あたくしに惚れてもよろしくってよ?」
(かーっ、我ながら何言ってんだろうなアタシ。面倒なのに掴まったなぁ、この兄ちゃんも)

 その「面倒なの」は自分のことなのだが、心の中で相変わらず現実の台詞とは異なることを考えつつお嬢様ムーヴを敢行。ばっさぁっと、金粉でも振り撒きそうなブロンドを豪奢に手で払って、ドヤ顔じみた笑みと共に祐李を指さしそう宣言する。短気な者なら、これだけでこめかみに血管の筋でも浮かせてドスの効いた声で応戦してくること請け合いのファーストインパクト。それを受けてなおのうのうと自画自賛を続けられるのが、鰐の考える高飛車ナルシストお嬢様なのだが……目の前の少年の場合、チンピラ風のリアクションが返ってくることは想定しづらい。ひょっとしたら「は?」の一言と共に立ち去られたりするのだろうか。それはちょっとショックだ。いや、そうされて仕方のない演技をしている自負があるし、ショックを受けても完璧な演技を崩さぬよう決して感情を表には出さないけれど。

>三鷹祐李様&ALL様

【絡みありがとうございます!】

9ヶ月前 No.7

有栖川 @hananomi☆Mwp.W.uiBT6 ★5tuXai74if_otL

【 二条 景 / 南校舎 / 二階 / 二年三組教室→二年教室前廊下 】
 今日も今日とて何事もなく、二年三組の授業は平穏に終わりを告げた。自分を含めて色々な身の上の生徒がいるこの学園であるが、幸いにも自分から率先して授業中に問題を起こすような生徒はいなかったらしい。
景はといえば、放課後の図書委員の当番もなかったはずで、やるべき課題も片付けてしまったというわけで、早急にやるべきことがなくなって、完全に暇を持て余してしまっている。しかし、だからといって寮に戻るにはまだ早すぎる時間だ。となれば、校内のどこかに散歩に行くのも悪くはないかも知れない。
 周囲の席の生徒達に一言、『ごきげんよう』と声をかけてから荷物片手に席を立ち、廊下へと出る。
 そして、はた、と、必ずしも荷物を持って出る必要はなかったどころか、行く場所によっては荷物が邪魔になる可能性すらあることに気が付いた。しかし今出たばかりの教室にまた戻って荷物を置きに行くというのもばつが悪いように思われる。

「……まぁ、偶には、足の向くまま気の向くままにというのも悪くはないかしら」

 そのようなことを呟き、景は北校舎へと通じる渡り廊下の方へと歩き始めた。
 荷物の事に関しては、持ってきてしまったものはしょうがない、と、内心で諦めをつけた。どこかに寄った後教室に戻ることなくそのまま寮に戻れるのだから、必ずしも悪い事ばかりでもないだろう。

>>周囲ALL

【投下遅れまして申し訳ありません、よろしくお願いしますねー】

9ヶ月前 No.8

千里 @matunogirl☆JygYpuYd4vU ★Android=W1VemU3zJF

【佐伯心愛/図書室】

佐伯の問に対して、枢は『へぇ〜、さっすが生徒会長さんって感じですね!僕も力になりたい……んだけど、そういう資料ってあっちの書庫にあるんですよぉ。書庫って鍵がかかってて、先生がいないと開けられないから、僕の方から司書の先生にお伝えしておきますね。せっかく来てくれたのにごめんなさい』と言われる。
はたと気がつくが、そう言えば、そんなことを言っていたような気もする、と思い少し恥ずかしいなあ、なんて思いながら、
「そうだったの……。そう言えば、こんなところに学園の資料置いておけるわけないわよね……恥ずかしい。そうね、お願いしてもいいかしら?」

司書さんに伝えておきますね、という言葉にニッコリと笑いながらお願いを入れる。謝罪の言葉を告げられた佐伯は少し面食らったような顔をしてからふわりと笑いながら、優しげな口調で口を開く。
「それから、あなたが謝ることじゃ無いから、安心してちょうだいな。あなたのせいじゃないんだから」

ね?と言いながらニッコリと笑う。なにか力になりたい、と思う後輩の気持ちは可愛くて、大切なもので、幸せなものだった。こんなに幸せになってもいいのだろうか、と思うほどに。

立ち話もなんだから向こうで話さないか、という提案に佐伯は少し笑いながら「いいわね、確かに立ちながら話すよりは座ってたまにはゆっくりとお話してもいいかしらね」なんて言いながら周りを見る。たしかに誰もいないし、今なら多少のおしゃべりなら許されそうだ。誰かいれば気を使ってしまうが、誰もいないなら、そこまで気を遣わなくてもいいだろう。

佐伯の少しだけぽろりと出てしまった弱音を聞いてか分からないが、先輩だけが悩むことじゃない、と告げられる。
「ありがとう……。そうね、私だけで抱える問題じゃなかったわ。枢さんのお陰で少し前向きになれたわ、改めてお礼を言うわね。ありがとう、枢さん」
後輩に心配をかけてしまった、そう思いながらも心は少しだけ軽くなる。そうか、こういう風に誰かに話せば楽になれるのかな、なんて考えながら、枢に向き直り、お礼を告げる。

『それにしても、先輩が困るほど学園が揺れてるのってなんだか気味が悪いですねぇ。僕も色々と自由にやっちゃってる方だと思うけど、やっぱりそういうのとは違うと思うんですよぉ。これから何か起こるみたいで怖いなぁ。僕の杞憂だといいんだけど……』
「えぇ、そうなのよね。この学園元々が何かしらを抱えて通う者しかいないと言っても何かが違うのよね……。兎にも角にも今はただ何も起こらない事を祈ることしか出来ないのがもどかしいわ。……と言うよりこの学園の妙な騒がしさが原因なのよね……、この学園の資料改めて読み直そう、と思ったの」

枢の気味が悪いという言葉には頷くことしか出来なかった。否定はできないぐらい、今学園は揺れている。とは言っても好き勝手やっている生徒で常に揺れているが、そういった類のものではなく、何かしらが起こるのではないか、といった騒がしさだった。
正直言って佐伯もこの学園の妙な騒がしさは何か起こる予兆で怖いか怖くないかと問われれば、当然怖い。怖くない方がおかしい。それでもそんな弱さを、それも年上の生徒会長が見せれば後輩や他のメンバーにだって迷惑をかける。それだけは避けたくて安心させたくて口を開いた。
「でも大丈夫よ、何かあっても後輩には危害を加えさせないわ。安心してちょうだいな。それに、大丈夫よ。もうすぐこの騒がしさもなくなるわ。今生徒会でそのことについて話し合ってるの。なかなか話はまとまらないんだけど、来週までには議決しちゃうから。大丈夫よ?」

大丈夫。
その言葉は自分にも言い聞かせるように大丈夫を数回連呼するのだった。

>>幌延枢様、周辺all様


【そうですね□!気がついた時、すべて自覚しちゃうんですから私も、ものすっごくバレた時のお互いの反応が楽しみです((
返信遅れてすみません!!】

9ヶ月前 No.9

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=nMqLjsjQcP

【幌延枢/図書室】

枢の“学園に関する資料なら書庫にある”という言葉を聞いて、もともと知っていたのか少し気恥ずかしそうな表情を浮かべる心愛。そしてにっこりと穏やかな微笑みを浮かべて学園の資料の貸し出しについてのお願いと、枢が謝ることではないというフォローを入れてくれた。かの生徒会長に対して無礼があってはいけないと気を張っていた枢は一瞬ぽかんとする。生徒会長なら、もっと堂々としていて、他の生徒にまで気を配っていられないとでも言うような人間ばかりだと思っていたのに。まあ前述のような生徒会長よりは心愛の方が良いに決まっているのだが。

「お気遣いありがとうございます、先輩。先輩って優しい人なんですねっ。僕、先輩が生徒会長で良かったなって思います。きっと、他の生徒さんもそう思ってるんじゃないかなぁ」

屈託のない笑顔を心愛に向けてから、枢はおしゃべりの誘いに応じてくれた心愛のために読書スペースの椅子を「どうぞ!」と引く。いくら今の見た目が女装モードだからといって、女性への気遣いをしなくても良いということにはならない。

「お礼をされることのほどじゃないですよぉ!むしろ僕なんかが先輩のお役に立てたならそれだけで嬉しいですし!本当ならこういうのはキラッキラの王子様みたいなイケメンが受け持つべきなんですけどね、なーんちゃって」

改めて礼を言ってくれた心愛に、枢はおちゃらけたような口ぶりで言う。実のところ男性としての格好をすれば枢もそれなりに“キラッキラの王子様みたいなイケメン”に該当するのだが、それはまた別の話である。今の枢は心愛の話の方に耳を傾けた。

「先輩がそうおっしゃってくださるなら頼もしいです!あ、でも先輩だって油断しちゃ駄目ですよ。先輩みたいな可愛い女の子はいつだって狙われやすいものなんですからね!いざとなったらいつでも僕のことを頼ってくれたっていいんですよ。こう見えて僕、昔はけっこうやんちゃしてたんで!」

繰り返すように大丈夫よ、と口にする心愛の表情に一抹の不安を見て、枢は彼女を励ますようにそんな言葉をかけた。男性にしては細身で華奢な枢だが、実のところ喧嘩は下手な不良よりも強い。いじめっ子に一泡吹かせようと鍛えた体の賜物だろうか、枢の腹筋はうっすらと割れているし、袖に隠れた腕もなかなかに骨張った固いものである。いざとなれば男性モードになって心愛の安全を守ってあげよう、と密かに決意する枢であった。我らが生徒会長様を危険な目に遭わせるわけにはいかないしなんとなく枢が心愛のことを心配に思っているということもある。こういったタイプの人間は自分の身を省みずに無理をしそうだから何かと気にかかるのだ。

「まあまあ辛気くさい話は一先ず置いておいて!せっかくなんですから、もっと明るいお話でもしましょ。例えばそうだなー、うーん……。あっ、先輩、好きな人とかいたりします?」

ずっとこのまま湿っぽい雰囲気なのも憚れるため、枢は半ば無理矢理話題を変える。というのも、此処での会話をもしも学園に反感を持つ生徒に聞かれていたら色々とまずいと考えたためである。少し不自然に思われてしまうかもしれないが、その時はその時だ。

>>佐伯心愛様、周辺all様


【古海紀葉/生徒会室→二年教室前廊下】

生徒会での臨時会議を終えて、わかりやすく疲労を表情に浮かばせながら古海紀葉は廊下を歩いていた。もともとこういった議論に参加するのは苦手なのだ。白熱すればするほど事態は混乱していき、最終的にまとまれば良いのだが収拾がつくことなくずっと会議が延びてしまうこともある。今回はなんとか議題がまとまって解散となったが、なんとなく腑に落ちない部分があったのは否めない事実である。幸いながら紀葉は書記という立場なので議論に参加することはなく専ら記録に勤しんでいる訳だが、白熱する周りの状況にあたふたすることになるのは変わりない。

「……生徒会役員ならもっとしっかりしなきゃ駄目なのになぁ……」

嘆息と共に漏れ出た弱音は空気に流れて消えていった。とりあえず今回の議論の流れを書き留めたメモをまとめて近いうちに提出しなければならない。紀葉はずっと手に持っていた何枚かのルーズリーフに目を向ける。歩きながら立ち読みというのはそれなりに危ないのだが、生憎紀葉は要領が良い方ではなかった。そのため周りのことは気にせずにメモに目を通そうとしたのだ。

「うぁっ!?」

案の定何もないというのに足を縺れさせて紀葉は派手にスッ転んだ。両手が塞がっていたために何処に掴まることもできずに前へと倒れる紀葉。そして咄嗟に受け身を取らんと伸ばした両手からは持っていたルーズリーフがばさばさと落ちてしまっていた。もともとどんくさいので転ぶことには慣れているが、それでも自己嫌悪に苛まれることに変わりはない。しばし痛みで動けずにいた紀葉だったが、どうやら怪我もなさそうなのでよっこらせと起き上がる。しかしちょうどルーズリーフをぶちまけた場所に女子生徒がいたことで、紀葉は緩慢だった動きを素早いものにしてルーズリーフを拾いに行った。

「ご、ごめんなさい!すぐに片付けますから……!」

転んだことに加えて見ず知らずの相手に迷惑までかけるなんて、私って本当にポンコツだと自己嫌悪に陥りながら、紀葉は床に這いつくばって散らばってしまったルーズリーフを回収する。前述の通り要領が悪いので一つ一つを集めるのに手間がかかってしまっていたのだが。

>>二条景様、周辺all様

【いえいえ、大丈夫ですよー!心愛ちゃんの心情を知らずに枢が恋バナ始めたんでお付き合いくだされば嬉しいです……!】
>>スレ主様

【僭越ながら景さんに絡ませていただきました……!初っぱなからどんくささ全開ですが温かい目で見てやってください……!】
>>有栖川様

9ヶ月前 No.10

@itxmm☆OxYUdDLLJjM ★iPhone=uSyqKf7JNY

【 ラウ・丘音・ヴォーチェ / 食堂 】

 他生徒よりも一足早く食堂のカウンターキッチンを興味津々に目を輝かせながら見ていたのは、人目を惹く日本人離れしたプラチナブロンドが柔らかな波が揺蕩うようにウェーブを描くのと同時に、日本人離れしたオリーヴのように太陽の光を如何にも授かっていそうな宝石、もしくはそれ以上の輝きを持つ瞳と、白い歯を包む薄桃色のラメ入りリップの輝く唇を動かす少女、ラウ・丘音・ヴォーチェ。
 ヴォーチェという苗字は日本語にして「声」という意味を持ち、両親に重圧をかけられながらも愛された彼女のラウは日本語で「夜明け」という意味を持つ「ラウローラ」の略称と、それに伴う愛称として付けられた。つまりのところ、生まれた時から既に音に囲まれ、生まれてすぐに音楽家としての未来を約束されていた彼女の一番の特徴は、女性らしい柔らかな顔つきとは打って変わるハスキーな中性寄りの声だろう。

 「……? スィニョーラ(ミセス)、皆は今何を作ってらっしゃるの? 」

 ラウがイタリア語混じりの丁寧な言葉遣いで一番近くに立っていたコックと思しき若い女性に声をかけると、若いコックの女性は微笑を浮かべた後にラウの姿にこなれたように「Si.」と人差し指を立てて唇に当てた。ラウの方も女性の姿にぷくりと頬を膨らませるが、直ぐにいつもの笑みに戻って「楽しみにしてます! 」と言ってコックからは離れて食堂の奥の方に目を向ける。恐らく、スィニョーラ……もとい、ミセスはコックではなくシェフだろうが。
 整った調理器具、揃ったコック、コックの手元に握られた鈍く輝く使い込まれた道具。キッチンから香る鼻孔を擽る匂いと、肉から野菜までの鮮やかな色をした確かな食材。オリーブの瞳がそれら全てを映し、ラウの方はプラチナブロンドの髪と同じように真っ白なシルク生地の上からチュールレースのスカートを揺らしながらブーツサンダルのヒールの音を立てないように一番近くの食堂の席に座ってはコックたちの作る食事を待っていた。

 やがて料理が目の前に運ばれてくると、ラウの目の前には美しくフルーツの彩りのされたサヴォア。イタリア東部での父と母の公演の時、一緒に食べたフランスのお菓子にラウの輝く瞳は嬉しそうに細められ、席を一度立つと、シェフの元まで向かう。

 「夕飯にはまだ早いですから。なので、おやつにサヴォアを用意してみました」
 「グラッツィエ! とても素敵なおやつをありがとう、スィニョーラ。私は貴方達の作る料理もお菓子もとっても大好きよ」

 シェフの言葉に満面の笑みを浮かべた後にラウがきゅっとシェフを抱きしめてシェフの頬に軽いキスを落とすように音を立てると、軽いウィンクをしてその場を離れて席に戻ってサヴォアにナイフとフォークを落とす。物理的な距離感の近さはイタリア特有のもので、シェフの方も最初こそは驚いていたものの、軽く頬に音だけのキスを返すほどには慣れていた。いくら距離感の近いイタリア人とはいえ流石にキスはしない。音を立てるだけだ。
 控えめに開かれた口の中に柔らかく切られた一口サイズのサヴォアがラウの口の中に入ると、ラウはすぐに目を瞬かせた後に「オッティモ! 」と嬉しそうに最上級の褒め言葉を述べてから更にサヴォアを口に運んだ。


>> All様


【遅ればせながらラウを投下させて頂きました。初ラウは食堂配置したい!と思っていたので絡みづらい文になってしまっていたら申し訳ありません。
 兎にも角にも、宜しくお願いします!】

9ヶ月前 No.11

千里 @matunogirl☆JygYpuYd4vU ★Android=W1VemU3zJF

【佐伯心愛/図書室】

「そんなことないわよ?……でも後輩からそう言われると生徒会長になって良かったって思えるわ。他のみんなもそう思ってくれれば嬉しいわね」

あなたが生徒会長で良かった、と言われ、隠していた恥ずかしさが出てくるような気がした。先程よりも恥ずかしげに笑いながらそう言うと枢にエスコートされるままその椅子に座る。内心、"私なんで女の子にエスコートされてるのかしら"なんて思いながらその席に着く。

「ありがとう。枢さん女の子にエスコートされるなんて初めてだからなんかむず痒いわね。キラッキラのイケメンさん……?でも私枢さんに言われても嬉しかったんだからイケメンさんじゃなくてもいいと思うわよ?」

イケメン、という言葉には少し首を傾げる。キラキラなのかわからないが、前にあったあの子はかっこよかったかもな、なんて考えながら、嬉しかったから、誰でもいいよ、と告げる。

『先輩がそうおっしゃってくださるなら頼もしいです!あ、でも先輩だって油断しちゃ駄目ですよ。先輩みたいな可愛い女の子はいつだって狙われやすいものなんですからね!いざとなったらいつでも僕のことを頼ってくれたっていいんですよ。こう見えて僕、昔はけっこうやんちゃしてたんで!』
「後輩に頼りにされるのは私嬉しいからね。……枢さんには何だか励まされてばっかりね。でも、無理はしすぎちゃダメよ?あなただって私の大切な後輩で生徒なんだから。それにあなただって可愛い女の子なんだからね?」

可愛い女の子は枢さんの方なのにな、なんて思いながらもやはり後輩に頼られるのは嬉しい。それにしてもこの子は健気だなぁ、とか頼りになる後輩だなぁなんて考えながら枢を眺める。やはり、いざとなった時は護らなきゃ、と思う

「そうねせっかくだし、明るい話でもしましょう?
えっ?!すっ、すきな……男の、子……?!」

枢が話を変えよう、と言ったのに対し、賛成の意を示した後に、悩んでいるのを見て、どんな話が出てくるのかなぁ、なんて思いながら待っていると予想外の変化球に声が上ずる。
「ほかの人には内緒、ね?こんな話誰にもしたことがないの。好きな子、いるの。私、今年の新一年生……枢さんたちが入ってきてちょっとたったぐらいの時にイベントに来ていた後輩の男の子、好きになっちゃったの。あれ以来あの男の子見ないし、名前もまだ覚えきれてない時だったから、誰だったかわからなくて。その後新入生名簿を見たけど、その子らしき子、見ないのよね」

確実に先程よりも顔を赤くしながら恥ずかしそうに話し始める。友達ともこんな話をしないし、そもそも幼なじみともこんな会話をあまりしないのもあり、ものすごく照れくさいのだ。
「慣れない話したから恥ずかしいわ。枢さんは好きな子とか気になる子、居るの?」

少し照れ隠しを混ぜながら枢の話も聞きたい、と思い枢にもそれを投げかける。

>>幌延枢様、周辺all様

【もちろんつきあいますとも!!本人全く気がついてないですか、告白してますね!!これ!!書いてるこっちが恥ずかしかったのもありますよ!!でも楽しいので、問題ないです!!】

【姫条結菜/1年3組→部室】

ようやく授業が終わったことに安堵しながら結菜は荷物を全てまとめてショルダーバッグに詰め込むと一足先にと教室を出ていく。
今日は部活に参加しないと、と思っていたので少しだけ楽しにしていた。

いつにもなく騒がしい校内は不安で不安で仕方が無くて、本当は一人になんてなりたくはない。しかし、そうも言ってられないのが放課後、今日だったのだ。いつも一緒にいる人も今日は用があるとかで一緒に行けないと言われ、泣く泣くひとりで行くことにしたのだ。元々自由参加型なので、参加しなくてもいいが、たまには参加しないと、と思っただけな話だが。

「あーあ、やっぱりひとり怖いなぁ……。でも頑張らなきゃ……」
普段よりも目元に涙を貯めながら歩き始める。

「あれ……、まだ先輩達来てない……?」

とは言っても自由参加型。来ない人もいるだろう。
今日は誰も来ないのかなぁ、なんて思いながら近くのある席に座るとうつ伏せになり眠りにつくのだった。

>>周辺all様

【こっちの子も配置。寝ようとしてますが、よろしくお願いします!】

9ヶ月前 No.12

有栖川 @hananomi☆Mwp.W.uiBT6 ★5tuXai74if_otL

【 二条 景 / 南校舎 / 二階 / 二年教室前廊下 】
 素っ頓狂な声、何かが落ちるような音。視線をそちらに向けると、一人の女子生徒が廊下に這いつくばっているのが目に入った。
 彼女が転んでしまった辺りに段差は特になかったような気がするが、足を縺れさせてしまって転んだということは充分に考えられる。

「五組の古海紀葉さん、でしたよね。お怪我はありませんか?」

 見覚えがあると思えば、この学園の生徒会の役員の一人、書記の二人のうち景と同学年の方――――古海紀葉嬢だろう。生徒会の絡みで、生徒会長をはじめとした役員の中に混ざっているのを見たような気がする。
 中腰になって、足元にまで舞い飛んできたルーズリーフを一緒になって拾い上げながら、明らかに慌てている紀葉に対して、転んだ拍子に怪我などしていないか、と、淡くほほ笑みながら問いかけた。
 彼女が生徒会書記で間違いないならば、彼女が持っている紙の束には恐らく生徒会の会議の内容、具体的には規則の改正案だの部活や委員会への予算の割り振りだのの、一般生徒が目にするべきではないものも含まれているだろうと考え、なるべく紙片の文字を目で拾わないようにしつつ、せめて彼女が読む際に困らないようにと、紙の向きだけを揃えていく。

>>古海紀葉、周囲ALL

【絡みありがとうございます、よろしくお願いしますねー】

9ヶ月前 No.13

オデット @rune1109 ★iPhone=6r8dfM7K4t

【 三鷹 祐李 / 南校舎一階廊下 】

 冴えない男子の日本代表、いや世界代表かもしれないほどに残念な男子高校生、三鷹 祐李は彼とは別世界の住民であろう女の子に目を奪われていた。いや、別世界の住民というのはただの比喩なんかではなく、本当に彼女は別世界からやって来たのだろう。だって。よく子供が好む“きんいろ”なんて安っぽいようなものではなく、本物の純金のような縦ロールの髪。それを緑と白のストライプの模様のリボンで2つにまとめていて。それにレースやらフリルやらがあしらわれていて、緑を基調としたドレスワンピース。廊下の鏡を見ているその横顔は、どこか自信がありそうな気の強い印象を受ける。お嬢様。世の中の女の子誰しもが憧れるような、そんな特別な夢の存在。
 きっとこの子は中世の欧米諸国からタイムスリップして、何らかのミスでこんな冴えない男子の前に現れてしまったのだろう。__いや、きっと自分はモブなんだ。カマセなんだ。この子はこれから先、現代でたくさんの男を虜にしてしまって、自分はそのうちの一人にしかすぎなくて。結局、素敵な王子様とやらに助けてもらって、結婚しちゃってハッピーエンド。めでたし、めでたし。
 そんな劇を頭の中で繰り広げながら彼女の横顔を見つめていると、パッチリ。彼女の大きな目と合ってしまった。そうして自分が見知らぬ彼女のことをしばし見つめていたことに気がついて、やってしまったとダラダラダラダラ冷や汗をかく。ただでさえ人と話すことなんて苦手なのに。しかも女子。しかも自分とはまるで別人種のお嬢様。変態だと思われたらマズい。別にそんな下心はなかったんですごめんなさいいいぃぃぃぃなんて頭の中で土下座して。ここはとにかく回れ右をして猛ダッシュで逃げるべきか、何か言い訳をして回れ右をすべきか。グルグル考えながら「 あ、え、あの、 」なんて情けない声を上げて、しどろもどろになっている高校2年生。

 突如、女の子特有のソプラノの高い声が、三鷹の鼓膜を震わせる。バサッと透き通るような彼女の白い手で払われたあの純金のような髪が、ハラハラと重力に従って大人しく元の位置へ帰っていくのにまた見とれていると、今度は指をさされる。その動作に女子慣れしていない三鷹は、ベタな少女漫画のヒロインのようにドキッ__なんてしちゃって。先程髪が払われたおかげか、何だかいい匂いがする。不覚にも三鷹の心臓はドキドキバクバクしていた。
「 あっ、 」
 この手の人種は経験したことが無いから、どのような返答をすればいいのかがわからない。でも、何か、言わないと。何か…………ッ

「 ありがとうござっ…………いま、す? 」

 咄嗟に出てきた言葉を、反射的に口に出してみた訳だったが、途中で違和感を覚えて緩やかに緩やかに速度を落としていく。そして、考えること数秒。頭の中で鳴ったベルの音とともに、ゾッと血の気が冷めるのを感じた。絶対に間違えた。明らかに選択ミスの回答だっただろう。これは、あれだ。変人、あるいは不審者だと思われたやつだ。できるだけ平穏に、そして目立たず生きていこうと思っていたが、その夢はここで達成することなく終わってしまった。


>>花散里 鰐さま、周辺ALLさま

9ヶ月前 No.14

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★DoaFJQIlTR_0D6

【 花散里鰐 / 一階・廊下 】

 今でこそ我の塊みたいな強烈お嬢様を気取っているが、元の鰐は小学校から中学校までぶっ続けていじめられてきた筋金入りのいじめられっ子である。当然、目の前の相手が自分の態度に困惑、あるいは呆然としていることが見て取れた。強者の心は嫉妬のせいで曇りガラス越しにしか見えないが、弱者の心はそれを抜きにはっきりと見ることが出来る。まさか彼も、廊下でなんとなく話しかけた相手がこんな面倒臭い女だとは思いもよらなかったはずだ。百枚のおみくじの中からたった一枚の大凶を引き当てるがごとき、正しい意味での悪運。それを日常生活でさえ発揮してしまうのだ、彼が今まで歩んできた人生を思えばうっかり涙の一つもこぼれそうである。たぶん幸せじゃなかっただろう。そういうオーラがある。金持ちでも貧乏人でもなさそうだし、なんだか彼とは仲良くなれそうだ。……問題は、彼がこちらと仲良くしてくれるか分からない事なのだが。

「うふふっ、良いお返事ですわ! 貴方はこのあたくしに惚れた殿方、つまりあたくしのお友達。新しい友情の印に、このマカロンをさしあげますわ」

 曖昧模糊とした――もっと言えば意味不明でしかない理由による、一方的な友達宣言。それと共に祐李に差し出される箱入りのマカロン。ネットで『マカロン 高級』あたりのワードを打ち込み検索すれば、すぐにヒットするような有名ブランドのお値段が張るマカロンである。お嬢様ってなんかマカロンとか喰うよな、という鰐の個人的価値観からおやつとして鞄の中に持ち歩いているこれは、正直に言ってしまうと鰐の好みの味ではない。なにせ舌が貧乏だから、どうしたってうまい棒やチロルチョコのほうが美味しいと感じてしまう。が、世間一般の人々にとっては断然こっちのマカロンのほうが美味しいはずだ。祐李もこれを食べれば喜んでくれる。……たぶん。きっと。恐らくは。デパート御用達ブランドのパワーを信じよう。

(気に入った相手にいきなりの友達宣言。これもお嬢様にはよくある行動。……のはず! アタシの読む漫画に出て来るお嬢様なんて大体こんなんだったしな!)

 表面上は“相手が自分の提案を断るなどと微塵も考えていない堂々たる高飛車お嬢様の振るまい”を続けつつ、心の中ではわりとハラハラしている。パターンとしては恋人宣言やペット宣言、所有物宣言やおもちゃ宣言なども考えられるが、確か彼には恋人がいたはずなのでさすがにそれはマズい。その恋人が、鰐にとってはコンプレックスの対象である『正真正銘のお嬢様』ともなれば尚更だ。廊下ですれ違っただけでもちょっと心臓が「うっ」となるのに、あんな容姿のみならず家柄や経歴までキラキラした少女と男の奪い合いなど御免被る。目の前の少年にしたって、二人の女が自分を奪い合うことを喜ぶ性癖を持ち合わせている風には見えない。だからお互いの心の平穏のため、ここはペット宣言でも恋人宣言でもなくお友達宣言だ。

「あたくしの名前は花散里鰐! お友達の貴方には、あたくしを『鰐ちゃん』と呼んで良い栄誉を与えましょう! さあ、喜んでもよくってよ!」

 腰に手を当て、無い胸を張ってふふんとふんぞり返り、傲慢さと紙一重の気品をアピール。気品と紙一重の傲慢、のほうが正しいだろうか。馬鹿と天才は何とやらと言うし、最終的にはどっちでも良い。とりあえず、偉そうで華やかであることに変わりは無いのだから。

>三鷹祐李様&ALL様

9ヶ月前 No.15

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=nMqLjsjQcP

【幌延 枢/図書室】

心愛は枢のことを完全に女子生徒だと思っているからか彼のエスコートに対して少し気恥ずかしそうな素振りを見せていた。まあこういうことは慣れっこなので枢もえへへと笑顔でやり過ごす。しかし枢さんに言われても嬉しかった、という言葉は満更でもない。たとえ女装していても女子生徒にそんなことを言われれば少し気持ちが舞い上がりもする。

「気にしないでください!先輩が悩んでるのなら話を聞くのは当然ですからねっ。……あー、僕が可愛い、かぁ。━━━━あっ、なんでもありませんよぉ。ただの独り言です!」

あなたも可愛い女の子なんだから、という心愛の言葉に若干複雑そうな表情を浮かべる枢。こんな格好をしているからそう思われるのは当たり前と言っちゃ当たり前なのだが、一人の男性としてはなんとも言い難い気持ちになる。可愛いと言われることには慣れてしまっているのでそう狼狽えることもないのだが。
そんな中で始まった恋愛談義、俗に言う恋バナによって心愛には想いを寄せている男子生徒がいることが発覚した。わかりやすくあたふたとする心愛はなんだか微笑ましくて、ついつい枢も応援したくなってしまう。どうしてかはわからないが心愛の恋慕の相手は新入生名簿を見ても見つからないらしい。生徒会すらかわす新入生ってなんなの、と思いつつ、此処はひとつ彼女の恋に協力してみるのも悪くはないと枢は考えた。そこで枢はずいっと心愛の方へと身を乗り出して、彼女にある提案を持ちかける。

「もし良かったら、僕の男友達に頼んで探してもらいましょうか?そいつ、普段は部活とかで忙しくてあんまり会う機会がないんですけど、スケジュールが空いてない訳じゃないんでたぶん大丈夫ですよぉ。それに先輩に変なことするような奴じゃないんで安心してください」

枢が言う男友達というのは紛れもなく男性モードになった枢のことである。女装がやたらときらきらしいせいで男性モードだと驚くほど目立たない。それなりに整った顔立ちだが、なぜか絡まれることの少ない男子生徒。そういうことになっているのは枢の雰囲気ががらりと変わっているためだろう。まさか心愛の想い人が自分だとは気づかずに、枢は首をかしげて心愛の返答を待った。

>>佐伯心愛様、周辺all様


【古海紀葉/二年教室前廊下】

目の前で間抜けにも転けてしまったというのに、目の前の女子生徒は親切にもルーズリーフを拾ってくれた上にこちらを気遣う言葉までかけてくれた。予想以上の対応に一瞬ぽかんとする紀葉。しかし相手に迷惑をかけてしまいかねないということに気づくと慌てて立ち上がってスカートの裾を直した。

「す、すみません!わざわざ拾っていただいて……。その、私に怪我はないと思いますので、大丈夫かと……!」

普段から誰かと親しく話すことなんてないので若干物言いがたどたどしくなってしまう紀葉。こういう時ってどうすれば良いんだっけ、と考えを巡らせてみるがパニックになってしまっているせいか土下座して謝罪するという考えしか思い浮かばない。さすがの紀葉でも人通りがそこそこある廊下で土下座している光景をなんの関係もないクラスメートや同級生に見せるのはどうかと思うのでこの案は却下しておいた。もしこんなことをしているのが広まれば生徒会の権威も地に、いや地の底を越えてブラジル辺りまで落ちてしまうかもしれないと地学の成績は芳しくない紀葉なりに考える。たぶん生徒会の権威はブラジルまでは落ちないと思うのだが、そういったツッコミは野暮というものだろう。

「あ、あの……えっと、もしあなたさえよろしければ、お礼をさせてくださいませんか。例えば食堂でお茶するとか……。あっ、お急ぎのようなら全然大丈夫です!お名前さえ教えていただければ何かしらのお礼ができますので!」

そこで紀葉はルーズリーフを拾ってくれたお礼になにか彼女に奢ろうと考えた。これなら相手の好きなものを選んでもらえるし、紀葉が色々と悩むこともないだろう。万が一女子生徒が紀葉といっしょに行動などできるか、と考えていた時のことを考えて紀葉は慌てて後半にそう付け足す。常に自己嫌悪に陥っている紀葉からしてみれば自分が嫌われていると考えるのは日常茶飯事なのだった。

>>二条景様、周辺all様

【うわっ甘酸っぱ〜〜い!!!(歓喜)男性モードお目見えの機会を設けてみたので活用いただければ幸いです……!】
>>スレ主様

【いえいえ、こちらこそよろしくお願いします……!面倒くさい奴ですが何卒よしなに……!】
>>有栖川様

9ヶ月前 No.16

千里 @matunogirl☆JygYpuYd4vU ★Android=W1VemU3zJF

【佐伯心愛/図書室】

佐伯の可愛いという言葉に少し不満そうに、複雑そうな表情を浮かべる彼に対し、少しだけ首を傾げるも、"そう言えばここは何かしら抱えた子が来てる所だった"ということを思い出すと、そんな顔になるのも頷ける。何かあったのだろう。可愛い子は大変だなぁなんて思いながら、口を開く
「とっても頼りになる後輩だわ。───ありがとう、枢さん。慌てなくてもそんなことをいちいち気にしたりしないわよ」

と言いながら唐突に始まった恋愛談義。もとい、女子らしい会話である恋バナに慣れていないせいもあってか余計に気恥ずかしかった。それもそのはずだ。このことは大切な幼なじみにも恥ずかしくて言えていない。不思議な点なのは生徒会すらも欺くことが出来る新入生がいる事だ。名前だけでもわからないか、と思い調べても出てこない。どうやって入ってきたのか分からないが、それでも惹かれてしまった。
枢が何かを思いついたように顔を近づけてくる時に、ふと思った。"遠目だけど似てるなぁ"と。しかしその考えはすぐに吹き飛ぶことになる。それは枢からの一言が原因だった。

『もし良かったら、僕の男友達に頼んで探してもらいましょうか?そいつ、普段は部活とかで忙しくてあんまり会う機会がないんですけど、スケジュールが空いてない訳じゃないんでたぶん大丈夫ですよぉ。それに先輩に変なことするような奴じゃないんで安心してください』
「えっ……?!」
本当に心の奥底から驚いた。でも枢の友達のようで信用も置いているらしい。どうしようかとあたふたしながらしばらく悩んだ末に小さく頷くと、
「枢さんが信用している人なら……いいかもしれないわね」
と告げる。というのも恥ずかしさで何が何だかわからなくなってしまったというのが一番大きいのだが

【甘酸っぱ□□□い!!今はもう忘却の彼方(通っていない)高校のこと思い出す□□□!!もう対面した時はどうなるのかがもう今から楽しみで夜も寝れません!!(寝ろ)】

>>幌延枢様、周辺all様

9ヶ月前 No.17

@itxmm☆OxYUdDLLJjM ★iPhone=uSyqKf7JNY

【 世屑 栄寿 / 演劇部部室 → 文芸部部室 】

 鼻歌を歌いながら次の公演で使う大道具の準備をするのは、健康的に焼けた小麦の肌に背景作成で使う青色のペンキを頬にべったりと付けながらワックスで固められた黒髪のところどころにペンキを飛ばしてしまっていることに未だ気が付いていない馬鹿と白痴の代名詞、世屑栄寿。
 元々は演劇部の舞台に立っていた彼は、三年になってからは役を降板させられた。というのも、部活動の時の熱血っぷりを後輩に煙たがられた上に、自分が舞台に立つと演技の面では良い意味でも悪い意味でも浮いてしまう。演劇に対する熱意だけは本物過ぎて、お地蔵役なんていう一言二言の役を急遽やらされてもストーリーごと全てをかっさらってしまう実力者だったこともあり、世代交代というには大げさすぎるような気もするが、そんな理由で舞台は自発的に降りた今、裏方での大道具の制作をしたり衣装の手配や脚本のちょっとした書き換えなどと別の意味で今は今で部活を楽しんでいる。

 「え? 釘無くしつんた? ほやざ、うらが取ってくるさけ、なんぼ? 」

 部員の誰かが釘を無くしたと言っていたのを聞くと、すぐに取ってくるから数を聞くという行動力。流石演劇に対しては別格の熱意である。それとは別に、栄寿の独特な地元訛りはこれでもマシになった方で、高校入学したての頃は会話がぶつ切りになっていたことが多く、ちゃんとした会話をできるようになったのは実は2年の頃の話なのだ。本人としてはまだ慣れていないことが多いのが嫌みたいだが、演劇となればスラスラと言葉が出てくるのもまた不思議な話ではある。
 口頭で言うとすぐに忘れる栄寿への配慮として釘の本数とその他必要なものが書かれた紙を栄寿に渡すと、栄寿は確認し終わった後にネクタイと一緒に胸ポケットにしまってから部室の扉に向かい、扉に手をかけてから一度止まって、半分ほど扉をあけたところで振り向く。

 「あれ、釘なんぼやったっけ? ……え? ポッケ? あ、あったあった」

 ポケットに貰った紙を入れたことを忘れるほどの記憶力の悪さに、もはや慣れたのか他の部員たちは総ツッコミした後は自分たちの作業に取り掛かった。
 栄寿が道具をもらいに行こうと足を向かわせていると、不意に文芸部から小さな声が聞こえる。栄寿がそちらに足を向けて薄く開いた部室の扉を遠慮なく開けると、うつ伏せになっている人物を見て「うわ!? 」と驚いたような声をあげた後に口元を押さえた。そーっと栄寿がうつ伏せになっている人物の方へ音を立てないように近付くと、軽く彼女の肩を叩く。

 「てき……体調悪いん? 」

 栄寿が心配そうに眉を寄せながら彼女に問いかける。ついつい「てきねぇ? 」とがっつり方言で聞きかけたところを寸止めして尋ねてみた。いきなり部室に入っていきなり話しかけるというのはいくらなんでも鳥頭が過ぎるような気もするが。当然だが、栄寿は既に釘が「なんぼ」必要なのかも、「無くしつんた釘」の事もすっかり忘れてしまっている。

>>姫条結菜様、All様


【僭越ながら方言と鳥頭全開の栄寿で絡ませて頂きました〜! もし良かったらお相手してくださると嬉しく思います。】>>主様

9ヶ月前 No.18

千里 @matunogirl☆JygYpuYd4vU ★Android=W1VemU3zJF

【姫条結菜/文芸部部室】

そろそろ眠れるな、と思っていた時のこと。
『てき……体調悪いん?』
という言葉にむくりと起き上がり、声の主を探す。
あたりをキョロキョロと見渡すと見覚えのない生徒。

「ひえっ……?!痛っ……?!うぅ……。あっ、あっの……わがぶ、文芸部に、何か用……でしょうか?!」

見覚えのない生徒が目に入るなり、座っていたところから勢いよく立ち上がる。その時に膝を机に思い切りぶつけてしまい、そこを少しだけさすりながら話しかけきた彼へと向き直る。すると改めてわかるのだが、彼との身長差。大きい。とにかく大きいのだ。ビビリで怖がりな姫条からしたら、自分よりもはるかに身長が高い人は怖くてたまらない。普段よりも目元に涙が溢れてくるのがわかる。
「ひえっ……大きい……」

気がついたらぽろりと口から零れてしまい、ぎゅっとゴスロリ服の裾を握りしめながら失礼なことを言ったことに気がつき、顔を青ざめると頭を一気に下げる。

「ごっ……ごめんなさいっごめんなさい!!失礼なことを…………」
既に涙で潤んでいた瞳をさらに潤ませながら謝罪をいれる。

>>世屑栄寿様、周辺all様


【ひえぇ……目が合うなり涙目になりやがった後輩ですが、よろしくお願いします……!!】

9ヶ月前 No.19

有栖川 @hananomi☆Mwp.W.uiBT6 ★5tuXai74if_otL

【 二条 景 / 南校舎 / 二階 / 二年教室前廊下 】
 幸いにも転んでしまった相手も怪我は無かったらしい。彼女に対して手を差し出すか逡巡している間に、さっさと立ち上がっていた。特によろけるだとかという事もなかったようだし、本当に何事もなかったようだ。何もないところで転べば誰しも驚くだろうし、内心で慌てるのも致し方ないところであろう。

「三組の、二条景と申します。そうですわね、袖振り合うも他生の縁と申しますし、紀葉さんがお暇でしたらご一緒しましょうか」

 自己紹介をした後に、景は二つ返事で紀葉の誘いに乗ることとした。丁度暇を持て余していたのは事実で、断る理由も特に見当たらなかったために、まさに渡りに船だ。奢られると言うよりは、ただ午後の茶会をする程度のノリに近い。
 ここに転校してくるまでがやや特殊な環境だっただけに、誰かと購買に行ったり食堂で喋ったりするような、そういう『ありきたりな』学園生活とは本当に無縁だった。転校してきて驚いたのを今でも覚えている。その新鮮さは今でもそのままに残っているだけに、紀葉と何を話せるかという事に内心期待を寄せつつ、彼女の返答を待つ。

>>古海紀葉、周囲ALL

9ヶ月前 No.20

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=nMqLjsjQcP

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9ヶ月前 No.21

千里 @matunogirl☆JygYpuYd4vU ★Android=W1VemU3zJF

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9ヶ月前 No.22

@itxmm☆OxYUdDLLJjM ★iPhone=uSyqKf7JNY

【 世屑 栄寿 / 文芸部部室 】

 栄寿が声をかけると、栄寿の声をかけた主人は勢いよく立ち上がってどこかを強くぶつけた音に流石の栄寿も悪いことをしてしまったかと思い彼女に大丈夫か、と言う意味も込めて手を差し伸べようとすると、あがった彼女の顔、そして丸いアクアブルーの瞳は、涙がたまっているのかただでさえ美しく輝くダイヤモンドのような目が更に輝きを増していた。
 ふと下から聞こえた「ひえっ」という恐怖から出てきたであろう反射的な声に続いた後の言葉に栄寿は乾いた笑みを浮かべてしまう。
 (いっけえ(大きい)……。うらもここまでいけなるとは思っとらんやざ)
 幼稚園から小学中学と低い背丈で馬鹿にされた経験の多い栄寿。高校に入ってから急速に20センチほど伸びて今に至る。成長痛で何回も泣いたくらいだったが、幸いなことにこの地では「昔の栄寿を知る」人物はいない。昔の栄寿を知る人物が今の栄寿を見たらどう思うだろう。きっと馬鹿にするだろう。笑い飛ばすだろう。きっと“今まで栄寿のやってきた仕打ちの全て”をやり返そうとするであろう。そしてそんな事をされたら栄寿は確実に、それさえもやり返すであろう。
 背が低いからと馬鹿にされた事も多かった。それ故に暴力で物事を片付ける事も多かった。喧嘩というほど生易しいものではない。ただ一方的に汚いやり方で無理矢理押さえつけていただけだ。自覚はある。逃げているということも。ただ、そのことに目を向けた瞬間に自分が死んでしまいそうだということも、分かっている。
 (……こざにくい(生意気な)奴が嫌いなだけやざ。まあ、もうどんならん(どうにもならない)さけ……)
 「ごめんなさい」という声にハッと目を見開かせて涙を溜めながら青と黒のレースをふんだんに使われた所謂ゴスロリ服の裾を握りしめる彼女の姿に「ひゅっ」と栄寿の細い息が喉につっかえる。栄寿の背中と額には冷や汗が思わず浮かぶ。「ごめんなさい」の言葉には聞き慣れていた。嫌だというほど聞いたことがあった。口を開かなければ、何かを言わなければ、栄寿は口を数度はくはくとさせた後にやっとの思いで声を振り絞る。

 「……っと、せ、せわしねぇのぉ。ほやざ、うらは一々気にしないさけ、謝んでええから」

 急いで笑みを取り繕って彼女を見る。彼女の顔を見なければ嫌な思い出は自然と消えてくれた事もあり、栄寿は視線を彼女の目から青と黒、そして腰元にはこれでもかというほど大きなピンク色の愛らしいリボンが施されている。今更いうのもなんだが、なかなかのファッションセンスだ。こういう服作る人は大変なんだろうなぁ、と思いながら視線を更に動かした時に彼女の膝頭に気がつく。

 「そこ、さっきぶつけてえんかった? 大丈夫? 」

 彼女の膝頭を指で指し示しながら、首を傾げて栄寿はそう尋ねた。女の子に指をさすというのはなかなか失礼なものだが、この男、そういうことにはとことん気が回らない。

>>姫条結菜様、All様



【 ラウ・丘音・ヴォーチェ / 食堂 】

 美しい薔薇の描かれたフランス食器の上に乗っていたサヴォアが少しづつ小さくなってきた頃、一つ……かと思いきや、二つの影にラウは顔を上げてそちらを見ると、一方は同学年で生徒会書記の古海紀葉と、もう一方は同学年の二条景の姿だった。紀葉は同学年というだけでなく生徒会の役員というだけで名前は知れ渡るものだし、景の方は米国人とのクォーターと聞いていただけにラウが勝手に親近感を持っていた事もあり、なかなか嬉しいメンバーに一瞬ナイフとフォークを動かす手が止まってしまったが、食に対しては真面目なのも重なりすぐにナイフとフォークを動かす。
 ラウは残り少ないサヴォアを綺麗に食べきってしまいながら紀葉の言葉を聞くと、咀嚼していたのをゴクンと飲み込んで口の中が空になったのを確認するとパッと笑顔になって、立ち上がっては咄嗟に紀葉の手を掴むとにっこりと微笑んで景と紀葉とを交互に見る。

 「勿論! 紀葉も当然一緒よ! 」

 人懐っこい笑みを浮かべてラウはそう言うと、嬉しそうに二人分の椅子を引いて座るように慣れた手つきでエスコートする。流石伊達にイタリアで12年間過ごしていたわけではないようで、嫌でも父や周りの男性のエスコート術を見ていただけに椅子を引くだけの作業でもなんとも様になる。

 「そうだ、二人も何かおやつを食べる? あ、今日はサヴォアが美味しかったのよ! 紅茶だけでもどう? 」

 なんだか女子会でもしている気分なのか、テンションが上がっているラウはにこにこと笑顔を絶やさずに色々と二人に声をかける。クラスが尽く三人共別れてしまっている以上、こうして集まれるのもきっと何かの縁だろう。
 しかし、ラウはイタリア人と日本人のハーフというよりは8割イタリア人の血のような気すらする。しかし几帳面なところや誠実なところは一応日本人といえば日本人なのだろうが。

>>古海紀葉様、二条景様、All様


【お声掛けありがとうございます! マシンガントークなりかけのラウで話しづらいかと思われますがもし宜しければお相手してやってくださいませ!】>>有栖川様、すずり様

9ヶ月前 No.23

有栖川 @hananomi☆Mwp.W.uiBT6 ★5tuXai74if_otL

【 二条 景 / 南校舎 / 二年教室前廊下→食堂 】
 紀葉に続いて階段を下り、食堂へと至る。食堂で時間つぶしを、と景と似たようなことを考えている生徒が多かったのか、時間帯のわりに意外と食堂は混雑していた。だいたい埋まっている席に座っている中でも一際目立つのが、ラウ・丘音・ヴォーチェの姿だった。どこにいても目に付く鮮やかな容姿は、日本人離れした端麗さを持っている。どこか空いている席がないかと見まわしている間に、紀葉が彼女に話しかけていた。景自身が部活に所属していない事や委員会が異なったこともあって接点がなかったせいで直接話す機会もあまりなかったが、性格も明るく気さくなおかげで生徒からの人気も高いと聞いている。隣のクラスから浮ついた噂が聞こえることこそあっても、少なくとも悪い噂の類は聞いたことがない。今の紀葉とのやり取りの一言をとっても、なるほど人気になるわけだ、と納得させられる。場所が場所ならファンクラブだの妹の会だのが出来ているに違いない。

「ごきげんよう、ラウさん。相席、失礼いたしますわね」

 折角引いて貰った椅子に座らないというのも失礼な話なので、エスコートされるがままに椅子に腰かける。そういえば、高級料亭のような店以外でこういう風な扱いを受けるのは何とも久々なような気がする。最後は―――やはり、転校前だっただろうか。

「そうですわね、折角ですし戴きましょうか……えぇと、注文はどこですればよかったのかしら」

 ラウの言葉に乗ったところで、ふと、この食堂の注文システムを知らないことに気が付いた。普段自炊しているために食堂を利用しないことがこのような形で裏目に出るとは思っていなかったが、知らないものは仕方ない。紀葉かラウのどちらかならば知っていようか、と考え、景は二人に対してやや間の抜けた問いを発していた。

>>古海紀葉、ラウ・丘音・ヴォーチェ、周囲ALL

【ラウお姉さまの所にはどこかのタイミングで突撃したいなぁとか思っていたので万々歳です、よろしくお願いしますー】

9ヶ月前 No.24

千里 @matunogirl☆JygYpuYd4vU ★Android=W1VemU3zJF

【姫条結菜/文芸部】

「あっ、あの、少しだけ、屈んでくれると嬉しい……です、あの、実は……ちょっと……身長差がある人……僕怖くて……先輩……ですよね、失礼なことを言ってるとは思うのですが……。あっ、も……もっ、もしくはここに座りますか?」

なにか悪いことを言ってしまった気かまして、これ以上怖がりたくなかったのもあり、提案をいれる。屈むのはきついかもしれない、と気がついた姫条は、若しくは椅子に座らないか、という提案を再び出した。
何も用意しないまま、文芸部を離れされるわけには行かない、と思いポットに近づき、お湯を入れようとしたところで、少し離れている先輩に近づき声を掛ける。
「あ、あの、お茶と、こ、ココア、こ、……コーヒー、紅茶がありますけど、どれにしますか……?」

涙目ではあるものの、先程よりはもう怖くない。いきなり話しかけられたから怖かっただけだ、と言い聞かせながら話しかける。
「な、なら良かった、です……!あ、あのっ、その、大丈夫、ですか?あっ、ぼ、僕は大丈夫ですっ……。ちょっと赤くなってるだけなので……っ!!」

膝は大丈夫なのか、と聞かれ、大きく頷きながら、答える。

>>世屑栄寿様、周辺all様

9ヶ月前 No.25

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=nMqLjsjQcP

【幌延枢/図書室】

心愛によるとその想い人の存在を教えたのは枢が初めてらしい。そう言われるとなんだかこそばゆい気持ちになる。それと同時に自分の紹介している友人なんていないことや、男子の身で女子の振りをしながら心愛の恋愛相談に乗っていることに対しての罪悪感も少なからず生まれてくる。嘘を吐くのは苦手ではないと自負している枢にも良心はある。この罪悪感を晴らすにはなんとかして心愛の恋を成就させるしかない。

「ふーん……クールでぶっきらぼう、ですかぁ。でも僕の友達って可能性はないんじゃないですかね。あいつ不思議なくらいに女の影がないから」

枢から始めた心愛の想い人についての聴き込みだったが彼女の「ちょうどあなたのお友達のようだった」という言葉にやんわりと否定の言葉を投げ掛ける。枢は話さないということはないができるだけ誰の印象にも留まらないようにたとえ相手が話しかけてきたとしても必要最低限の答えだけ返して立ち去るようにしている。だから心愛の想い人が自分な訳がない。クールでぶっきらぼうな男子なんて探せばいくらでもいるのだ。
そして次いで出てきた心愛の言葉。黒髪のボブカットで女子生徒のような顔立ち、そして低めの身長。決して鈍くはない枢は勘づいた。心愛の想い人はもしかしたら男性モードの自分なのではないか、と。

(いやいやまさかね……)

たしかに枢は新入生の歓迎イベントで心愛と邂逅した。この学園の地理にはまだ疎かったため、自分の行きたい場所へはどのようにして行けば良いのかわからなかったのである。そのため枢はたまたま近くにいた先輩とおぼしき女子生徒━━━━佐伯心愛に道を尋ねたのだ。此処に行くにはどうすれば良いですか、と。

「……あの、もしよければ今からそいつのこと呼び出しましょうか?僕、これから部活があるから仲介とかはできないんですけど、あいつなら部活にも入っていないから今からでも来れると思います」

一か八か、枢は賭けに出た。つまりはこれから男性モードに変わって心愛と対面してみようという目論見である。そこでの反応から、心愛の想い人が自分か否かを確かめることにしよう。

>>佐伯心愛様、周辺all様


【古海紀葉/食堂】

初対面は第一印象が鍵となる。そう自負している紀葉は少なくとも目の前の女子生徒━━━━ラウがまさか笑顔でこちらの要求を快諾してくれるとは思っていなかった。自分のことが大嫌いで仕方がない紀葉は己の容姿や雰囲気を人が思うよりもずっと悪い方向に考えがちなきらいがある。そのため整ったルックスをしている景ならともかく、冴えないお下げ眼鏡娘の自分にまでラウがフレンドリーに接してくれるというパターンは頭の中にそもそもセットしていなかったのである。だからラウがパアッと花が咲くかのような笑顔を浮かべて自分の手を取ったときには、驚きと勢いで少しだけ仰け反るような姿勢になってしまった。

「あ……あう……ありがとうございます……」

綺麗な顔を真っ正面から見ることになり緊張で呂律が回らなくなっている紀葉。ここで彼女のコミュニケーション能力の低さが露見しているが少なくともラウや景が気にしている様子はない。紀葉もおずおずとエスコートされるままに椅子に腰かける。周りの顔面偏差値が高すぎて色々と溶けそうな紀葉だったが、なんとか気力を振り絞った。

「そ、そうですね、私もおやつにしてみようかと……!ちゅ、注文……ですか。…………ごめんなさい、私もあまり食堂は使わないというか、使ったことがないというか……」

普段はほぼぼっち飯なので購買で適当な弁当やらお惣菜やらを買って人目のつかない場所でもぐもぐ食べている紀葉が食堂のシステムを知っている訳がなかった。言っているうちにどんどんと目が泳いでいく。ここで『2年生徒会書記、いつも昼食はぼっち飯説』が露見してしまえば紀葉は精神的に死ぬ。なんとかこのおぞましい説を立証させまいと余裕ぶった風を装ってはいるが、明らかに不自然な背筋の伸ばし方とわかりやすいくらいにぷるぷる震えている姿は動揺しているとしか思えなかった。

>>二条景様、ラウ・丘音・ヴォーチェ様、周辺all様

【心愛ちゃんと枢の馴れ初めがはっきり決まっていなかったので色々と捏造しています、もし不都合がありましたら申し訳ございません……!】
>>スレ主様

【何この食堂めっちゃ優雅……(歓喜) 明らかに紀葉がパニクってますがあまり気にせず進めていただければと思います……!】
>>有栖川様、溺様

9ヶ月前 No.26

千里 @matunogirl☆JygYpuYd4vU ★Android=W1VemU3zJF

【佐伯心愛/図書館】

「……そうなの?」
枢が言うには全くもって女の影がないらしい。彼は違うのではないか、と告げる。高校生にしては珍しい男の子だなぁ、なんて思いながら少しだけ驚いたように口を開いた。新入生歓迎会以来会ってないないが、あの子は元気にしているのだろうか、と思いながら枢をじっと見つめる。

佐伯が彼の特徴を伝えると、一つの提案を入れてきた。その内容を聞くと、驚きがこみ上げてくる。さらに言うと、枢はこの後部活があるようで仲介はできない、と告げられる。一番びっくりしたのはこのあと部活がある、ということだ。
「えっ……、今からその男の子に……?別にいいけど……って、枢さん今日部活あったの?ごめんなさい、こんな時間まで付き合わせちゃって……まだ時間……大丈夫かしら?」

少し慌てたように立ち上がると、時間は大丈夫か、と質問を投げかける。

【わーい!!素敵な恋のキッカケです□!この流れはなんかもうドキドキの展開でしかないですね(真顔)】

>>幌延枢様


【イベントは週明けに始められたらな……と思っています!!ある程度参加者様のお話の様子をを見て、そろそろかな□と思った頃にやりたいと思っています(真顔)
なので、どうか宜しくお願いします!】

>>all様

9ヶ月前 No.27

オデット @rune1109 ★iPhone=6r8dfM7K4t

【 三鷹 祐李 / 南校舎一階廊下 】

 「 惚れてもよろしくってよ? 」という目の前のお嬢様の問いかけに「 ありがとうございます 」と返事をした三鷹 祐李。血の気が引いて冷静になってみると、お互い意味がわからない。まさかこれで恋人成立、なんてことにはならないだろうか。お嬢様をたぶらかした罪で、お付きの執事やら兵士に追いかけ回される自分を想像して、ブルリと震えた。

 ぼんやりそんなことを考えていると、視界に鮮やかな色が飛びこむ。箱に収められたマカロンだ。マカロンといえばあれだ。最近はコンビニなんかで売っているけれど、大体2個入りのマカロンで、安いおにぎり2個買える。あと、よく一軍の人たちが「 ぃんすたばぇーはぁと 」などと書きこむイメージがある。いくらそんな世界とはほど遠い冴えない男子高校生だからって、人並みの感性はある。このマカロンが高級な食べ物であることは、箱に入っている時点で想像できるし、何せこの目の前のお嬢様が差し出しているものなのだ。高いに決まっている。せっかくタダでいただけるというのなら、ここはありがたくご好意に甘えて高級なマカロンをいただこうか。

 と、思うのが普通なのかもしれないが、三鷹はそこで違和感を覚えた。この彼の疑問は、お嬢様だから、金持ちだから、という理由で一掃できるものなのかもしれないが。つい数分前まで赤の他人であった三鷹に、なぜこの目の前の女子はこんな高級そうなものをくれるのだろうか。しかも“新しい友情の印”として。まだ、仲のいい友達にならわかる。彼女はそんな悪い人だと思いたくはないが、友達がいない寂しいやつへの新手の詐欺だろうか、と警戒してしまう。
「 あの、俺なんかがこんな立派なもの食べても、良さをあんまり理解できないかもしれないし、さすがにもらえ、頂けないっすよ 」
 両手を前に出して、色とりどりのマカロンの入った箱を返す。あくまで穏便に。せっかくのご好意を断るのだから、しっかり敬語を、と途中で言い直した。

 花散里 鰐。インパクトがある忘れなさそうな名前だ。聞いたことはないから、同学年にはきっといないはず。ということは上か下か。いや、三鷹のコミュニケーション能力のせいで気づかないだけであって、もしかすると同学年かもしれない。
「 俺は、三鷹。三鷹 祐李、って言います。……女性に先に名乗らせるなんて、アイツに言われちゃうよな 」
 後ろのほうはボソリと呟く。アイツ、というのはイタリアと日本のハーフの、歌の上手い彼女。レディーファーストのイタリアでは、男性が先に名乗るのがマナーであろう。

「 マカロンの代わりに、っていうか、その、これからよろしくお願いしますっていう意味で、 」
 鰐ちゃん、は抵抗がある。呼んだら世間に殺されそうな気がしてならない。だから、「 花散里さん 」と名を呼んで自分の右手を相手に差し出した。こんなことになるのなら、小さいころからもっと友達をつくっておけばよかった。友達のつくり方なんてわからない。無性に恥ずかしい。


>>花散里 鰐さま

9ヶ月前 No.28

@itxmm☆OxYUdDLLJjM ★iPhone=uSyqKf7JNY

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9ヶ月前 No.29

有栖川 @hananomi☆Mwp.W.uiBT6 ★5tuXai74if_pp5

【 二条 景 / 南校舎 / 食堂 】
 もっとフランクに、というラウの言葉に対して、同意として淡いほほえみを返す。このラテン系の距離の近さにそのまま合わせてしまっていいのか、という考えと、恐らくラウの出身地のはずのラテン系の明るい強引さを心地よくさえ思えてしまう感情がない交ぜになっている。誰に対しても平等に明るく眩しい、まるで太陽のようだと思えてしまう。嫌とまでは言えないし言うつもりもないけれど、文字通り暗い水底に沈んで冷え切った身には、何とも熱くて、眩しすぎる。

「紀葉さんも普段お使いにならない、ということは、お昼はいつも自炊か、購買でお買いになるのかしら?」

 紀葉の答えは、景同様に知らないというものだった。
 紀葉の昼間の過ごし方を景は知らないが、彼女も生徒会の役員なのだから、昼休みには生徒会室に詰めて他の役員たちと一緒に食事を摂っているとしても何ら違和感はないし、むしろそうである方が自然に思われてならない。そうならば食堂を使ったことがない、というのにも納得がいく。
 どうやらラウの方はこの食堂をよく利用するらしく、注文の仕方を教えてくれた。どうやら、カウンターとなっているところで注文すればいいらしい。注文して席で待っていれば持ってきてくれるというのは有り難いシステムではあるが、恐らく込み合うであろう昼もそうでは厨房が大変そうだ、と、頭の片隅で思いをはせる。

「そうですわね。私も一人では不安もありますし、もし紀葉さんもよければ、皆で行きませんか?」

 ラウの提案を受けて、紀葉に対してそう問いかける。一人で注文に行くことも出来ないことは無いだろうけれど、正直に言えば上手いこと出来るかという点で不安もあるし、どうせ行くならば皆で行きたいというのが本音であった。

>>古海紀葉、ラウ・丘音・ヴォーチェ、周囲ALL

9ヶ月前 No.30

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★DoaFJQIlTR_cjE

【 花散里鰐 / 一階・廊下 】

 友達ゲットだぜ。内心ほくそ笑んでガッツポーズを決めていた頭の中のちっちゃな鰐さんだったが、そうは問屋が降ろさなかった。マカロンも拒否されるし、鰐ちゃん呼びも拒否される。名前は教えて貰えらのでまだワンチャンスはあるかもしれないが、この感じだと彼の中では絶対に喜んでお友達になろうという考えは浮かんでいまい。これは失敗したも同然。名前を教えてくれたのだって、たぶんそれくらいの情報は開示しておかないと引き下がってくれなさそうな面倒臭い人物と思われたに違いない。頭の中に続々と湧いて来るネガティブな考え。けれど。それでも。花散里鰐の『お嬢様の仮面』は剥がれない。

「あら、謙虚ですこと。あたくしの名前を呼べる名誉もこんなに美味しいマカロンもいらないんですのね」

 おずおずと押し返されたマカロンの箱を受け取る。梱包のリボンをしゅるりと解いて、色つやの良い中身のマカロンたちを口に放り込み咀嚼しながらそんなことを宣うものの、実際にはこいつの舌はマカロンの美味しさをそこまで感じ取れてはいない。ポテトチップスのほうが美味しくない? と煽りではなく真剣に考えてしまう貧乏舌だ。それでもお嬢様はマカロンとか和菓子をおほほほと笑いながら優雅に食べるイメージが強いので、そのイメージを守るべくして日々高級そうなお菓子ばかり摂取している。少なくとも人前では。

「三鷹祐李さん、知っておりましてよ。ラウ嬢のボーイフレンド。『有名人の恋人』は、それすなわち有名人なんですのよ?」

 一つだけ数の減ったマカロンの箱を鞄にしまい、くすくすと笑う。ラウ・丘音・ヴォーチェ。鰐にとってはコンプレックスの対象である、正真正銘のお嬢様。そんな女子生徒の恋人という立場にあるのだ、当然、目の前の彼の名前くらい知っている。とはいえ人となりに関する噂はあまりアテにならないものが多く、性格まで深く知り得ているとは言えないのが現状だ。あの奔放な令嬢の心を彼の何が惹きつけたのか……興味が無い、と口にすれば嘘になる。彼女のことだ。ひょっとしたら気紛れで適当な男と交際することもあるのかもしれないが、だとすればそんなに長続きはしまい。その点、三鷹祐李との交際は続いている。つまり彼にはラウを惚れさせるだけの要素が最低一つは存在する。――好奇心、疼かずにはいられない。

「シャイな方。では、倣ってあたくしも三鷹さんと及び致しますわ。うふふ。これから友人として親睦を深めてまいりましょう」

 一時期は危うかった友達作り、辛うじて成功。握手するのが普通の友達の作り方なのだろうか、という疑問はちょっとあったが、それを言葉に出すことはない。幼少期にはスラム街のような場所で育ち、養子になってからは友達100人どころかいじめっ子100人くらいに囲まれて過ごした鰐だ。『普通の友達の作り方が分からない』ことに関しては、彼女もまた三鷹祐李と大差無い。

>三鷹祐李様&ALL様

【週明けにイベント始まるみたいなので、場面転換でそろそろお別れですね。絡みありがとうございました!】

9ヶ月前 No.31

千里 @matunogirl☆JygYpuYd4vU ★Android=W1VemU3zJF

【姫条結菜/文芸部部室】

「え……?あ、いっいえ、きっ気にしないでくだしゃ……さい!!」

一瞬、相手の言っていることがわからなかったが、すぐに方言だ、ということに気がつき、さらにこの状態から言って、お礼を言われたというのはすぐに気がつけた。
気にしないで下さい、と告げようとした時。噛んだ。盛大に噛み、恥ずかしさがこみ上げてきたのだった。

「コ、コーヒー、ですね、分かりました。お砂糖と、ミルクは付けますか?」
後ろからコーヒーもろうてもええ?という声が聞こえ、少し振り返りながら頷きながら「了解です」と告げる。
目を開けた先にあったのは絆創膏。
どうやって受け取ろうか悩んだ末に、電気ポットの近くに二人分のカップを置くと、近くまでいくと絆創膏に手を伸ばす。
「ありがとうございます、先輩。ぼ、僕よくコケちゃうので……絆創膏、ありがとうございます」

受け取った絆創膏を懐にしまうと、「これ、運んじゃいますね」と言うと、コーヒーを机に運ぶ。
その時に目に入ったなにか書いてあるメモ帳サイズの紙。それを拾うと先輩に向き直り、紙を見せながらこれは声をかける。
「あっ、あの、これ……先輩の……じゃ、ないです……か?多分メモだと思うんですけど……」

>>世屑栄寿様、周辺all様

9ヶ月前 No.32

@itxmm☆OxYUdDLLJjM ★iPhone=uSyqKf7JNY

【 世屑 栄寿 / 文芸部部室 】

 栄寿がお礼を言うと、目の前の彼女が一瞬不思議そうに首を傾げたのを見て、急いで栄寿は頬杖をついていた右腕を口に当てた。気が抜けていると思わず方言が出てしまう。共通語が話せないわけではないが、訛りは酷いし得意な方ではない。当然だが住んでいた地元地域の方が話しやすいと思ってしまうのは当然といえば当然のことでもあるのだが、たったの三年でここまで普通に話せる方になったのは栄寿の割には頑張ったと思える。栄寿の割には、だが。
 目の前で噛んで恥ずかしさがこみ上げている少女の姿には目もくれず、栄寿の方はやっちまったと机に頭を数度打ち付けた後に落ち着いたのか、ゆっくりと顔をあげると砂糖とミルクはいるか、と聞かれて少し考えた後に今の気分にあった方を選ぶ。

 「んー、砂糖とミルクか……今は苦い気分さけ、要らん。お……ありがとうな」

 もう一度「おうきんのう」と言いかけて口を噤んでから「ありがとう」と言いなおす。「おうきんのう」が通じないわけではないことは今回のことによって立証はされたものの、田舎者丸出しなのは正直恥ずかしかったので先ほどの口を滑らせたお礼を上書きするように共通語のありがとうを言った。
 彼女に絆創膏を渡すと、よくこけるので、と言って結菜は絆創膏を懐にしまって机の上にコーヒーを置いた。お礼は先程までに何度も言ったのでまた言う必要はないだろうと思い、軽い微笑を彼女に向けた後にコーヒーカップに手を伸ばして口に近付け、まだ出来たばかりの熱いくらいの暖かいコーヒーを喉に流し込む。
 コーヒーはたまにしか飲まないが、それもブラックなんてものは本当にたまにしか飲まないが、たまにはこういうのも悪くないなと思いながら鼻孔を擽るコーヒーの香りに目を閉じる。すると結菜から声をかけられ、メモ、という言葉に一瞬なにを言っているのか理解できなさそうに首を傾げてから彼女の手元を覗きこむ。
 「釘14本、手芸部に衣装用の布の依頼、美術部から白ペンキの追加、生徒会役員に次のステージを借りれる時期と時間の確認、確保」と書かれたメモに「あー!! 」とでかい声をあげて勢いよく立ち上がると一気に淹れてもらったばかりのコーヒーを喉に流し込んでから結菜の手を掴む。
 コーヒーの熱さから舌と喉が焼けるような痛みが走ったが、今はそれどころではない。

 「おうき……ありがとう! あかん、忘れとった。ほんま助かったわ……! あ、うらは世屑栄寿。普段は演劇部にえるさけ、うらに用あったら部室いつでも来ね! コーヒー美味かったで、お嬢ちゃん」

 そうとだけ言うと結菜に申し訳なさそうに眉を寄せながら、簡単な自己紹介だけをして文芸部の部室から飛び出るようにしてメモ帳を見ながら廊下をさっさと走って行った。
 (はよしね、世屑栄寿! )
 心の中で自分を鼓舞しながら、突然入って突然飛び出すようなことをしてしまって申し訳ないなと思いながら名前を聞きそびれた事を思い出していた。

>>姫条結菜様、All様


【そろそろイベントも開始という事で栄寿はこれにて〆にさせて頂きたいと思います。可愛らしい結菜ちゃんと絡むことができてとても楽しかったです。最初から最後まで栄寿が騒がしくてすみません。イベントの際は機会がありましたらまたよろしくお願いします!絡みありがとうございました〜!】>>千里様

9ヶ月前 No.33

千里 @matunogirl☆JygYpuYd4vU ★Android=W1VemU3zJF

【姫条結菜/文芸部部室】

一瞬戸惑ったのを見られて慌てて口を塞ぐ所を見かけてしまう。見ちゃいけないものを見てしまった、と思い慌てて目をそらす。恥ずかしさで頭を上げられずにいると、彼が、机に数度頭をぶつける音でようやく顔を上げることが出来、お茶の用意を進める。

「お砂糖なし、ミルクなしでよかった、なら良かった……です。おっ、お礼なんて……!!僕にはもったいない言葉ですよ……っ!!さっきから貰ってばかりですし……っ!!」

彼にコーヒーを持っていくと、ブラックで飲めるなんてすごいなぁ、と思いながら近くの席に座るとありがとう、と告げられ、何度もお礼を言われることに慣れていない姫条は慌てて否定を入れる。

「よかったぁ、やっぱり先輩のだったんですね。って……あっ?!セ、先輩?!あっは、はっい!!えっ演劇部、ですね、りょっりょうかいです!今度見学しに行きます……!世屑先輩っ、ですね!!」

いつ巻きにコーヒーを飲み干したかと思えば、嵐のように自己紹介をしたかと思えば、嵐のように去っていってしまった。
「はっふぅ〜……、ひ、久々にこんなに、人と話した……なんか嵐のような先輩だったなぁ……、なんか……疲れた……でも少し楽しかった……かも、な」

世屑先輩が見えなくなると、自分が飲もうと思って入れておいた甘いココアが置いてある席まで歩き、一息入れる。疲れたのは確かだ。あまり人と触れ合う機会がなかった、というのもあるし、人と距離を置くことで、自分を守っていたのだから。
それでも楽しかったのは隠しようがない事実。
今度、暇だったら遊びに行けたらいい。

そう思いながら一人になった部室でココアを飲み始めるのだった。

>>世屑栄寿様、周辺all様

【絡みありがとうございました!!
世屑君可愛かったです(( また、絡む機会があった時は何卒、よろしくお願いしますね……!!】

9ヶ月前 No.34

オデット @rune1109 ★iPhone=6r8dfM7K4t

【 三鷹 祐李 / 南校舎一階廊下 】

 花散里のご好意__高級そうなマカロンや名前で呼ぶことも受け取らず、無礼な真似をしてしまったわけだが、花散里は金切り声をあげて逆上することなく、落ち着いた様子でマカロンの箱のリボンを解いてマカロンを口にする。三鷹は思わずごくりと生唾を飲み込んだ。いざ本物を目の前にすると、やはりそれに目が引き寄せられてしまう。その花散里の様子から、きっと毎日こういうオシャレな食べ物を口にし、きっと毎日お城みたいな家で住んでいるのだろう、想像できる。

 自分のことを言い当てられて三鷹はうっとたじろいだ。驚いた。三鷹は彼女のことを今日初めて知ったというのに、彼女は以前から自分のことを知っていたという。それはやはり、……あぁ、やはりそうだ。あのラウ・丘音・ヴォーチェの彼氏。有名人の恋人。そんな似合わない代名詞。でもきっとそれは、傍から見たら三鷹 祐李の主を占める特徴なのだろう。そういえばラウもそう、花散里と同じように金髪で碧眼で。花散里が中世の欧米諸国のお姫様だとしたら、ラウは現代のイタリアのお嬢様だ。姿かたちは違えどもどちらも金持ちでお嬢様。改めて自分がどういう人とお付き合いしているのかを感じた。

 花散里が差し出した手を取ってくれて一安心。数少ない友人の中に随分とキャラの濃い人が登録されたものだ。ホッとしたおかげか、ふと、差し出した手と反対の手に財布を持っていることに気づいた。
「 あ、そうだ。俺、これから絵の具買いに行かなきゃならないんで。……それじゃあ、 」
 握っていた手を解き、玄関へと進行方向を向ける。上半身だけ振り返って、花散里へ片手を挙げて別れを告げた。


>>花散里 鰐さま、ALLさま


【 いえいえこちらこそ!楽しかったです絡みありがとうございました!また機会がありましたらよろしくお願いします 】

9ヶ月前 No.35

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=nMqLjsjQcP

【幌延枢/図書室】

枢が口にした「まったく女の影がない」という言葉に少し驚いたかのように「……そうなの?」と問いを投げ掛けてくる心愛。これはちょっとばかり口を滑らせ過ぎたかもしれない。あまりに自分の男性モードの詳細を話してしまえば、心愛の中でイメージが固まってしまう。そうなるといざ男性モードとして彼女の目の前に出ていった際に何かしらの矛盾が生じてしまう可能性がある。小さな間違いのせいで自分が心愛を欺いていることが露見してしまったらひとたまりもない。

「……まあ、本当のところはどうだか僕にもわからないんですけどねぇ。本当は付き合ってる人がいたりして」

とりあえず枢はあやふやな感じにはぐらかしておくことにした。この話題を近いうちに持ち出さない限り心愛はそのうち忘れてくれるかあまり重要なことと感じなくなるだろう。何事も時間の経過が大切なのだ。そのため男性モードで出ていくことは今回はやめておこうと枢は考えた。此処で余計なことをしてますます波紋を広げたくはない。

「んー、まあ図書当番ってことは伝えておいたので大丈夫ですよぉ。違う日に埋め合わせしておけば何も言われないと思うし。それに、先輩こそお時間は大丈夫なんですか?楽しくてついつい長話しちゃったけど、先輩は生徒会長さんだからお仕事とかあるんじゃないかなーって思って……」

忙しかったのならごめんなさい、と付け加えてから「じゃあ僕、そろそろ行かなくちゃ。今日はお話しできて楽しかったです!」と微笑んで、荷物をひっ掴むと足早に図書室を後にした。逃げるような風になってしまったが心愛の恋を応援したい気持ちは潰えていないので、時間があったら心愛の想い人の捜索に当たろうと考えながら。

>>佐伯心愛様、周辺all様


【古海紀葉/食堂】

もっとフランクに、というラウの言葉に一瞬紀葉はきょとんとしてから、すぐに慌てたように「はっはい!わかりました!!」とフランクとはほど遠い場所にある言葉遣いで同意を示した。残念ながら紀葉はくだけた口調で話すのが得意ではないのである。そのため常に畏まった敬語で応対している訳で、決してラウの言葉に反抗した訳ではない。

「そ、そうですね。ご飯はいつも購買で買っています」

景に昼食は自炊しているか購買で買っているのか、と質問されて若干上擦った声で答える紀葉。もしかしていつもお昼を孤独に一人で過ごしていることを勘づかれてしまったのだろうかと内心気が気ではない。もともと紀葉はずぼらなところがあるので料理なんて滅多にしないししようとも思わない。不味いかもしれないものを食べるよりは少し費用がかかってもお金は払って買った方が良いという考えである。きっと二条さんは自炊していらっしゃるのでしょう、と考えてから自分の女子力のなさをひしひしと感じた。感じはするが直そうとはしないので進展はないのだが。

「へ、へー、そういう仕組みになっているんですね……。……えっ、い、いっしょに!?わ、私などでよろしければ喜んで!」

ラウからこの食堂における注文の仕組みを聞いて念のために覚えておこうとした束の間、彼女と景からいっしょに行かないかと誘われて紀葉は驚きのあまりオーバーすぎるのではないかと思われるくらいの反応を見せた。誰かから何かに誘われたことなど滅多にないことだし、この件に関しては紀葉も純粋に嬉しかったのだ。

>>二条景様、ラウ・丘音・ヴォーチェ様、周辺all様

【間もなく二章開始ということで枢の絡みは〆とさせていただきます!絡んでくださってありがとうございました!】
>>スレ主様

9ヶ月前 No.36

千里 @matunogirl☆JygYpuYd4vU ★Android=W1VemU3zJF

【佐伯心愛/図書室→放送室】

「そうねぇ、女の子と付き合ってるの隠すの上手な男の子もいるからね」

本当のところは分からない、といった枢に対し少しだけ笑みを崩しながらそうねぇ、と呟く。高校生で彼女ができないって人も珍しくもあるが、100%いない、というわけでもない。そのどちらともわからない人だって少なからずいる。大して気に掛けることも無く、その話はすぐに流すことにした。

「そうだったのね……。なら良かったわ。私は今日このあと特に予定なかったし……。今図書室に目的のものが司書さんいないとないみたいだから、このまま寮に帰る予定よ。私も枢さんと話せて楽しかったわ。部活、頑張ってちょうだいね」

先輩こそ時間は大丈夫か、と聞かれると、今日この後は暇なことを告げた。どうやら枢はもう時間が無いようで、慌てて荷物をひっ掴むと足早に図書室から出ていってしまう。

暇になってしまった。まだ早いが、そろそろ寮にでも戻ろうかしら────。そう思って荷物に手をかけた、その時だった。

学園全体の空気が変わったような気がした。その後、一瞬だった。空気が変わると同時に目の前が真っ暗に変わる。体から力が抜け、床に倒れ込むのが、わかった。気を失う前、あの時の、罪の一部が頭になだれ込むように流れ、そのまま、意識はブラックアウトしていくのだった。

何が起こったのか、理解もする余裕が、なかった。
次に目が覚めた時は、どこかいつもの学園だった。だけど、空気が、違った。なにか、違った。普段なら感じる暖かさや温もり──。それがないような気がしてたまらなかった。妙に寒々しく、いつもの活気がないように見えた。

「……あら?いつの間にこんな暗く……?まだ私が倒れた時は明るかったはずなのだけれど……」

不思議に思いながら時計で時間を確認しようとする。が、その夢は叶わなかった。なぜなら、時計は機能していなかった。
「……何が起こってるのかしら……?」

嫌な予感がしたのだ。先ほど気を失う前に見えた記憶の欠片。直前まで調べていた学園の歴史や、作られた理由。そして──この学園の七不思議。生徒がいきなり消える、という七不思議。
もちろんそんなもの、信じているわけがないし、信じるつもりもない。けれども、この状態には、理解がまだ追いついていない。
「考えていても仕方が無い、か。とりあえず窓枠が開くかどうかだけでも調べてみようかしら……」
そう呟きながら薄暗い図書室の中を手探りで窓まで近づき、窓枠に手をかける────が、こういう場合の典型的パターンだろう。開くはずがなかった。
「まぁ……そんな気がしていたわ。……でも、どうしようかしら?このままここにいても意味が無いと思うし……下手に動いて怪我はしたくないわね……」

少し佐伯は少しだけ悩んだ後に、スマホが使えるのかどうか、という考えに至る。使えるのなら、スマホには懐中電灯アプリが入っているので、それを明かりにしよう、なんなら、外部と連絡でもとろう────、そう思って佐伯はスマホの明かりをつけるのだった。
「スマホの時計も昨日はしていないようね……。外部への連絡もできない……と。とりあえず生徒会のメンバーにはメッセージを飛ばしておきましょう。届くかは分からないけれど……」

佐伯はそう言うと、生徒会のメンバーのグループチャットにメッセージを送る。『どうやら変なことに巻き込まれたみたい。みんなは平気かしら?メッセージが見れて、無事なら無事、とメッセージをくださると嬉しいです』
といいメッセージを飛ばし、スマホの懐中時計を起動させると、図書室から出ていき、放送室へと向かうのだった────。

【枢君とお話楽しかったです……!!また、機会があればよろしくお願いします……!】

【第2章が始まります!!予定よりも早いですが、よろしくお願いします!えー、そして、これは絶対なのですが、倒れる直後に罪の記憶をちらつかせて欲しいです((
それから、目覚めた場所はさっきまでいた所でもイイし、違うところで目覚めても構いません。絡みを切っていた方は何処かに目が覚めたら転送されていた、という描写をお願いします。絡みを切ってほかの方と絡みたい、という方も同じようにお願いします!】

>>幌延枢様、all様

9ヶ月前 No.37

@itxmm☆OxYUdDLLJjM ★iPhone=uSyqKf7JNY

【 ラウ・丘音・ヴォーチェ / 食堂 】

 ラウがフランクでいいよ、と言えば景からは淡い微笑みが返され、紀葉からは敬語の抜けていないお礼の言葉に思わずラウはくすくすと笑ってしまう。彼女らしいと言えば彼女らしい。思わず綻んだ口元を押さえながらラウは小さく肩を震わせて笑う。
 暫く肩を震わせて満足すれば、景と紀葉の会話のキャッチボールを耳だけでなく顔ごと話している方を見ながら追いかけた。二人はあまり食堂は利用しないらしい。自炊もたまにはしてみようか、なんて思いながら二人の会話に耳を傾ける。購買はあまり利用したことがない事もあり、今度は購買も利用してみよう、と頭の中で決意を固める。決意というほど大それたものではないにしても、利用したことがないものは利用してみなければならないのでは。購買のご飯は美味しいだろうか、とぼんやりと思っているとラウの提案した一緒に行こうという言葉に景は一緒に行こうと乗ってくれ、紀葉の方はラウの大雑把な説明に頷きながら景からの言葉に「喜んで」とオーバーにもとれるリアクションをして承諾をした。

 「今日のおやつはサヴォアが美味しかったのよ。あ、でも他にも美味しそうなのたくさんあったわ! 」

 ラウは行くと決まれば立ち上がり、席を取る事を兼ねて髪をまとめていた青色のパールの散りばめられたリボンをしゅる、と解いて机の上に置いておいた。この程度の席取りでも大丈夫なのかと問われそうだが、ラウがいつもこの程度なので大丈夫なのだ。
 と言えども、ラウがこれだけで通用するのは席取りに使われているだけのラウにとってはちょっとした小道具が一般人には手を出せない代物という事が多く、ナチュラル金持ちの威厳で近付こうにも近付けないということが多いのが理由だが、本人はそんなことには気がついていない。父からの贈り物なので無くしたりとられたりすればそりゃ悲しむだろうがまた新しいものを買ってもらえるのだと思う。
 そんなわけで、何となく置いた青色の髪を結んでいたリボンも上質の布に散りばめられたパールはただのパールというわけがなく、机の上で静かに輝く真珠だという事はラウは知らない。

 進もうと足を踏み出した瞬間に、頭の中に何かが急速に流れ込む。何かではない、大事で邪魔で、自分の人としてしてはならないことをしてしまったその記憶が何故だか流れ込んできたのだ。忘れようとしたわけじゃない。忘れておきたかった。触れないでおきたかった。それも、学校の中でなんて以ての外だった。不意に喉が震えた事に気がつき、喉に柔く触れる。何故、今なのだろう。何故あの日のことを今思い出してしまうのだろう。ごく、と生唾を飲み込めば目眩がする。皮肉なほど簡単に、その記憶は思い出せてしまう。

 『──不幸な“事故”だったらしい。……で、でも良かったじゃないか、ラウ。コンクールはまた別の日にある。他の子達は残念だったが、もう歌うことができないわけじゃない。すぐ治って、他の子達と一緒にコンクールに出れるさ。それに、パパはラウがコンクールのステージに立てることの方が嬉しいよ。マンマもきっとそうだ。今は自分の喉を大事にしてくれ、ラウ。おまえはいずれパパのオペラの家を継ぐ愛しい将来有望の娘なんだから』
 ──ごめんなさい、ごめんなさいパパ、マンマ。……それは、“事故”は、私が──

 そこから意識がブラックアウトしてしまい、ラウは全身の力が抜けたようにその場から倒れ込んだ。なんだか嫌な空気だ。意識が朦朧としているのは嫌でもわかる。何かよくない何かが始まる、そんな気がしていた。
 再度ラウが目を覚ましたとき、倒れた時と変わらない食堂のはずだったが、何かの違和感にラウは立ち上がってはキョロキョロと辺りを見回した。
 人が、明らかに少ない。
 ラウはどうすればいいのかも分からず、人の少なくなった食堂に何かないかと徐にその場を歩き始めた。

>>二条景様、古海紀葉様、All様


【開始ストーリーに乗らねば!と思っていたので無理矢理感がすごいような気がしますが食堂で倒れ食堂で目を覚ましました。
 一先ず、今回はお話して頂きありがとうございました!とても有意義な時間であったと言えます。機会があればまた三人でお話したいです!お二方の方の行動も此処からはお任せ致します。本当に素敵な時間をありがとうございました!】>>有栖川様、すずり様、All様

( ※世屑栄寿の方はこちらの後に投稿します! )

9ヶ月前 No.38

有栖川 @hananomi☆Mwp.W.uiBT6 ★5tuXai74if_pp5

【 二条 景 / 南校舎 / 食堂 】
 妙に上ずった紀葉の声に、景はきょとんとした表情を浮かべる。何か彼女なりに事情があったのだろうか、と考えてはみるのだけれど、まさか想定とは真逆の事情があるだなんてことには思いを馳せられず。しかし、あまり深追いするとよろしくなさそうだ、とは思ったらしく、追及することはしなかった。

「サヴォア、ですか。初めて聞く名前ですね。楽しみですわ」

 ラウが口にしたその名前は、響きからしてフランスの物だろうか。それが菓子かケーキか、現物を見たこともない景には判別もつかないが、彼女がおいしいというのならば信頼していいのだろう、と判断して、素直に食べるのが楽しみだ、と口にする。
 自分が座っていた椅子の上に荷物を置き、ラウに続いてカウンターに行こうとして、目眩を感じて、立ち止まった。

 頭の中で、水の音がする。実際に耳に水が詰まっているとかではなくて、恐らく幻聴にすぎない筈だ。海の流れ、岸に寄せる音。崖にあたって跳ねる、水しぶき。事あるごとに私を苛む、水の音。
 高校に上がって少しした頃に、丁度自殺が連続していた時期に、一緒に海で飛び込んで死んじゃわないか、と、仲の良かったクラスメートの子に誘われて。その子と二人でなら、それもいいか、と思ってしまって。二人で手をつないで、制服を着たまま、崖から海へと飛び込んで。嗚呼、今日はまた随分と鮮明に思い出すものだ。冷たい海水の温度に身体がどんどんと冷やされていく感覚が、体温と一緒に身体そのものが海に溶け込んでいくような感覚が、また戻ってくる。そういえば、飛び込んでから、あの子の顔を水中で見た覚えがない。意識して見ないようにしたつもりはなかったのだけれど、もしかしたら、彼女の浮かべている表情を見るのが怖かったのかもしれない。それがどのようなものであるのか、安堵か、後悔か、恐怖か、いずれにしたって、どんな表情を浮かべていたとしても、それを見たくはなかったのだと思う。
 水の中で、ごぽ、と吐く息は、死へと一歩近づいた印。視界が、それまでよりもいっそうぼやけていく。そういえば、三つ編みが海の中で解けてしまって、それを直す気にもならなかったからそのままにしていて、ふわふわと髪が水を舞う感覚は、場違いだけれど何だか新鮮だった。いつの間にか離してしまった手も、ローファーを脱いでしまった足も、生きようともがくことすらもしようとせずに、ただただ、そうしてしまったのだから、もうどうしようもないじゃないかって、青い水底へと、沈んで行って、

 そして、意識が暗転する。あの時と同じように。
 あの時とは違って、息も吸えるし、床は固いのだけれど、そんなことは大したことではない。

 意識を失ったときに、倒れこんだらしい。気が付いたら床に這いつくばっていた。先ほどまで一緒だった二人には運んでもらえなかったのか、いや、生ける屍には何とも似合いの無様な恰好だ、ととっさに自嘲がでてしまった。身体どころか、精神的にまで冷え込んでしまったらしい。
 机に手をついて、立ち上がる。身体が重い。服が、肌に触れている下着が吸い込んでいるのは海水ではなく冷や汗だとは思うのだけれど、だからってこんなに重くはならないだろう。まるで本当に、また海に落ちたみたいだ。いや、服から水は滴っている筈もないし、そういう風に思えるのは感覚だけなのだろう。

「貧血にしたって、ここまでとは……酷いですわね」

 稼働したがらない腕で何とか自分の荷物を持ち上げて、先ほどまで座っていた椅子にへたり込む。周囲を観察する余裕は、無いに等しい。
 恐らくそのままならば、彼女が異変に気づくまでもう少しかかるであろう。

>>古海紀葉、ラウ・丘音・ヴォーチェ、周囲ALL


【絡みありがとうございました、また絡めるのを楽しみにしていますー!】
>>すずり様、溺様

9ヶ月前 No.39

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★DoaFJQIlTR_cjE

【 花散里鰐 / 屋外プール 】

 朝起きたらいきなり虫になっていた。というあらすじは、確かフランツ・カフカ『変身』のものだったか。それに比べれば大いにインパクト負けするが、今の鰐の状況とて随分と珍しいことだと思う。なにせ廊下で気を失ったかと思えば、次に目を開けた瞬間、自分の居場所が真夜中の屋外プールに変わっていたのだから。もっと正確に言えば、インスタ映えしそうな巨大孔雀の浮き輪に乗って、水がたっぷり溜まった25メートルプールのど真ん中にぷかぷかと浮いていた。恰好はドレスワンピースのままだ。正直、鰐はこの事実に大いに驚いている。元貧乏人といえどもお嬢様。今ままでクロロホルム的なものを嗅がせれ誘拐されかけた経験もあるにはあるが――それにしたって、大体覚醒して目に飛び込んでくるのは壁か天井の二択だ。こんな風に満点の星空に見下ろされて目覚めたパターンは無い。そもそも手足に何の戒めも無いのだ、これは明らかに誘拐犯の仕業ではなさそうだ。
 今更説明することではないが、もちろん鰐に夢遊病や深夜徘徊の癖は無い。……本当に、どうして自分はこんな時間にこんな場所にいるのだろう。一人焼肉や一人カラオケならまだしも、一人ナイトプールを決め込むほどのぼっち上級者ではないのだ。こんな場所にぽつんと放り出されたところでどうしようもない。とりあえず、衣装の裾を濡らさないよう手だけ使って孔雀の浮き輪をプールサイドに寄せよう……としたところで。

「っ――何だよ、今の」

 予期せぬビジョンが鰐の精神を襲った。咄嗟に額を抑えて、孔雀の羽の部分に背中を預ける。小学校・中学校と続いた思い返すもおぞましいいじめの数々。それを切っ掛けに己を偽ろうと決めたあの日の自分の姿。それらがまるで走馬灯のように脳裏を流れ、ぷつりと途切れた。……いや、真剣に何だったのだ今のは。自分で記憶を思い返したのではなく、思い返させられた。そんな感じだった。気分としては心霊現象に見舞われた感覚だ。正直に言うと気味が悪い。
 ぞぞぞっと背筋を悪寒が走り抜ける。誰も見ていないのを良いことにお嬢様ムーブをかなぐり捨て、乱雑な手つきで己の二の腕をさすった。鳥肌がたちそうだ。というか既にたっているかもしれない。よくよく考えればプールというシチュエーションも駄目だ。水場は幽霊が出やすいと聞くし。やっぱりこれは心霊現象で、鰐は知らず知らずの内にホラー展開の当事者になっているのでは。続々浮上してくる嫌な予感。居てもたってもいられず、鰐は全速力でプールの水をばしゃばしゃ掻いて浮き輪をプールサイドに付けた。袖口がちょっと濡れたが、こんなものは適当に夜風に晒していればそのうち乾く。

「……とりあえず、水面から青白い手が伸びて来て襲われたりはしなかったな」

 ほっと息を吐いてプールを見下ろし、そそくさとその場を離れる。子供の頃から、幽霊とかって本当にいるのかなと気になってはいたけれど……まさかこんな形で疑問が解決されるとは思っていなかった。幽霊、いたんだ。心霊現象じゃなきゃこんな出来事は起こらない。殴られて気絶させられたにしては痛みが無い、薬を嗅がされて気絶したにしては倦怠感が無い、スタンガンを当てられて気絶したにしては痺れが無いとくれば、これはもう心霊現象と見做して許される。そして心霊現象が起こり得るなら、実際に姿を見ただけじゃなくとも幽霊はいるに違いないのだ。

「明日あたり、神社にでも行くかな。とりあえず今日は寮に帰って寝よ……」

 ふわあ、とあくびを一つこぼして、誰のものかも分からぬビショビショの孔雀の浮き輪を片手に寮に向かって歩き出す。心霊現象に巻き込まれはしたものの、すっかり事態は解決した。そう思い込んでいる鰐だが、実際に色々なことが起こるのはむしろこれからだ。それに気付くのが、果たしていつになることやら。

>ALL様

【描写におかしいところがあったらすみません! イベント開始おめでとうございます!】

9ヶ月前 No.40

@itxmm☆OxYUdDLLJjM ★iPhone=uSyqKf7JNY

【 世屑 栄寿 / 演劇部部室 → 校長室 】

 「えーと……釘14本と手芸部の布と白ペンキ……あー、後で佐伯のとこ行かなあかん」

 佐伯のとこ行かなあかん、と言った時の栄寿の顔は課長とは裏腹に満足そうというか嬉しそうにゆるゆるに緩められていた。早く佐伯に会えないかなー、なんて女子高生並みの弱すぎる思考回路でメモを見ながら演劇部部室に戻ると、部室には人がほぼ居なかった。いや、ここまでの雰囲気は言い切ってしまって良いだろう。部室には何故か人が居なかった。

 「なんやざ、行ってきてやったのに」

 ぶー、と文句を垂れているが、居なくなる心当たりは五万とある。そもそも外に出てすぐに文芸部の小さな声一つに気を取られてふらふらと文芸部の部室に入ってしまう体たらく。いくつかの会話を交わしてメモ帳を落としてからようやく自分に言い渡された任務のことを思い出して動き出すたびに何か他のものに気を取られて任務を言われてから何十分と経ったようやく戻ってきたのだ。居ないのも当然だろうしあり得る話とでも言えるだろう。
 (体育館に練習でも行ったんやろか)
 そんな事を思いながら用具室に持ってきたものをそれぞれの場所に片付けると、体育館に行こうと演劇部の部室の扉を開けると急に頭がぐらりと揺れる感覚に襲われる。なんとか近くの扉に手をつくが、妙な頭の痛みに立っているのも精一杯だった。急な出来事にその場に思わずしゃがみこむと、しゃがみこんだ瞬間に様々な物事が頭の中に流れ込む。ただの様々な物事ではない。まだ地元にいた時のこと。そして地元からこちらに来たばかりのこと。そして何よりも今、この状況で頭の中に浮かぶそれは──

 『はよしね。のくてぇ奴は嫌いやざ。……あァ? 仕方ないやろ、あのゴミがえんさけ、しかえるしか無いげ。ほや! のぉ、うらええ事思いついたんやけど、根性焼きって知らん? あはは、大丈夫大丈夫、ちょーっこし熱いだけやざ。……おら、黙ってこっち来ね』
 『おえー? ほやったっけ? うらそんな事言った記憶無いわぁ。すまんのぉ。……ンなことどーでもいいさけ、ツラ貸せ』
 『……あかん、あかん、あかん……うら、母ちゃんに、捨てら』

 次にばっと目を覚まして体をいきなり起こした時、栄寿の瞳からぼたぼたと数滴の雫が落ちてスキニーパンツに瞳から落ちた涙のシミを作る。急いで唇を噛みながらゴシゴシと荒い手つきで目元に浮かび続ける涙を拭う。
 暴力や力で物を訴え続けた日々、人の意見には耳を貸さず自分のやりたいことだけをやり続けた日、母親に捨てられた日、そして此方に来て前までと同じようにはやっていけないと悟った日。それからは掌を返して今までの自分をほぼ抹消させた日。周りからも自分からも逃げたまま何も変わらない、今。今思えば、いつから自分はああなってしまったのだろう。思いだそうとすればするほど記憶があやふやになってしまっている。
 被害者ぶっている今でさえも、逃げていると言うことになるのだろうか。

 はっとして栄寿が周りをキョロキョロと見ると、体育館……なんてことは都合よく無く、だからと倒れた演劇部部室の扉の前というわけでもなく、歴代の校長の肖像画が並ぶ校長室だった。なんだかいつもと雰囲気の違うことと、何故か校長室にいる事の二つの意味で栄寿は焦りながら校長室の中をうろうろと歩き回る。ふと校長室の窓ガラスに映った自分を見て、自分はこんなに嫌な顔だっただろうか、そんなことを思いながらまた溢れ始めた涙を服の袖で乱暴に拭った。

>> All様


【遅くなりましたがイベント開始おめでとうございます!過去の過ちに自分で自滅してるマンのくず栄寿ですがどうぞ宜しくお願いします!】

9ヶ月前 No.41

千里 @matunogirl☆JygYpuYd4vU ★Android=W1VemU3zJF

【姫条結菜/文芸部部室→屋外プール】

栄寿がさった後、1人でお茶を飲んでいると、不意に空気が冷たくなる。その刹那、あの時の、みんなを殺めて周りを悲しませた時の記憶が蘇る。無理やり、蘇った。誰かが意図的に見せているような、そんな感じ。
「なっ……なに……?」

いきなりの事で、結菜は混乱をしていた。しかし、頭がその事を理解することは無かった。唐突なブラックアウト。どこかでカップが割る音が聞こえる。『あぁ、落としちゃった……。先輩に怒られる……片付けなくちゃ……』そう思うも、体はいうことを聞いてくれない。そのまま、意識は無理やり引き剥がされ、そのまま、音も、視覚も、何もかもが奪われてしまった。

次に目が覚めた時は学園の屋上にあるプール。の、プールサイドに寝転がされていた。
「……なに……?」

起き上がると服はしっとりと濡れているし、学園の雰囲気はいつものものとは違って冷えきっていて。目元に涙が貯まるのには充分過ぎた。あたりを軽く見渡すと荷物は少し離れたところにあるようだ。

頭痛がズキズキとしているような気がしたが、立ち上がる。透けていないかを軽くチェックしてから、この程度ならすぐに乾く、と判断した結菜は歩き始める。荷物を取ると、出口に向きって歩き始める。

「あ……」

出ようとすると、学園で有名なお嬢様の1人、花散里鰐さんが立っていた。1人は心細いと思っていたので、あまり話さない人とはいえ、とても嬉しかった。嬉しくて、いつものビビリは消え失せ、珍しく自分から話しかけに行く。

「こ、こんばんは、花散里さん。花散里さんも今1人……ですか?」

話しかけた後に、気がつく。お嬢様なんかに私が話しかけてもいいのだろうか、話しかけて迷惑じゃなかっただろうか、と。

>>花散里鰐様、周辺all様


【おかしいところないので、大丈夫ですよ!そして絡ませていただきますので、宜しくお願いします!】

9ヶ月前 No.42

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=nMqLjsjQcP

【幌延枢/廊下→校長室】

心愛との話は存外楽しかった。最後に扉の後ろで「さよーならー!」と元気に手を振ってから、枢はスキップをしながら廊下を進む。どうやら自分たちが図書室で話し込んでいた時間はそれなりに長かったらしい。日は傾きかけ、若干オレンジ色に染まっている。純粋に綺麗だなぁ、なんて思いながら枢は調子に乗ってくるっと一回転した。

「あ……れ……?」

途端、ぐらりと傾く視界。あ、やばい、なんて思ったときには自分の体がほぼ横向きになっていることに気づいた。それに何故だかわからないがどんどん意識が遠退いていく。あぁ、とにかく受け身を取らなくちゃ。そう思って枢はおもむろに手を伸ばす。
━━━━手を伸ばした先にあったのは、いつもの廊下ではなかった。なぜか体を押さえつけられているような感覚と、自分の目の前で拳を振り上げる少年。彼の姿は、彼の声は、彼の名前は、忘れるはずもない。いや忘れてなるものか。あいつは、あいつはあいつはあいつはあいつは、僕のことを━━━━!


━━━━枢の手は真っ赤になっていた。鉄錆の香りがつんと鼻を突く。ゆっくり、そう、あまりに緩慢な動きで目の前を見てみると、其処には自分を襲おうとしていた奴等が同じく真っ赤になって倒れていて━━━━。


そこで枢の意識は覚醒した。がくがくと体の震えが止まらなくて、思わず枢は己が細い体を抱き締める。どうして、どうして今頃になってあいつらの夢なんて見る羽目になるんだ。がちがち鳴る歯をなんとか止めようとして、枢はぎゅっと強く唇を噛む。あいつらのことを忘れるために自分はこの学校に進学したのではないか。今更思い出したりしてどうするというんだ。……そう自分に言い聞かせるが、どうしても悪寒と不安感を拭いきることはできなくて、しばらく枢はその場にうずくまって震えていた。そうしているしか、できなかった。
やっと体の震えが収まってから、枢は恐る恐る周りの状況を確認した。自分はどうやら廊下で倒れてしまったらしい。原因はわからないが外が真っ暗になっていることからそう判断した。ただ、自分が歩いていた廊下とは別の場所のようだ。周囲にある教室が異なっている。

「……とにかく、誰か探さないと」

譫言のように呟いてから、枢はきょろきょろと辺りを見回す。いちばん近くにあるのは校長室。いつもの枢なら入ることを躊躇うだろう。しかし今は非常事態、躊躇なんてしていられなかった。よろよろと立ち上がってから誰かいますように、と祈って枢は重い扉を押す。

「あ……栄寿先輩……?」

其処で見つけたのは同じく演劇部の世屑栄寿だった。名字で呼ぶのはなんとなく呼びづらいので枢は栄寿先輩と呼んでいる。少々訛りを含んだ話し方をする栄寿に、枢はよく後ろにくっついているくらいにはなついていた。枢は彼の演技が好みだし、それゆえに彼が役者を下りてしまったことになんとなくやるせない気持ちを抱いている。それほどまでに尊敬し、頼りにしている先輩を見つけたとなって、枢は安心して校長室へと入るが、理由はわからないが栄寿が涙を流していることに気づいた。

「せ……先輩?大丈夫、ですか……?」

ただならない雰囲気だということはわかっていたが、枢はまず栄寿が心配になった。何処か怪我をしたのではないか、もしかして何か嫌なことをされたのではないか。おずおずと栄寿の傍まで近づいて、掠れた声で彼の身を案じた。

>>世屑栄寿様、周辺all様

【イベント開始おめでとうございます……!早速ですが演劇部の先輩である栄寿君に絡ませていただきました……!元いじめっ子と元いじめられっ子とか美味しい……!紀葉のレスは後程投稿させていただきます!】

9ヶ月前 No.43

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★DoaFJQIlTR_cjE

【 花散里鰐 / 屋外プール 】

 背後から誰かの声が聞こえてきた時、鰐は心の中で両手をわなわなさせて震え上がった。――夜のプール。視線を外した瞬間にかけられる声。間違いない。新手の心霊現象だ!
 かっと目を見開き、口元を微かに引きつらせる。マズい。鰐は清めの塩も魔除けの御札も霊験あらたかなお守りも所持していない現状。果たして生身の自分で幽霊に勝てるだろうか。いや、いっそこの声に振り向かずに後方に向かって孔雀の浮き輪をぶん投げ、その隙にダッシュして逃げたほうが賢明か……?
 真剣に幽霊への対処方法を練り始めた鰐の脳味噌は、けれど次の瞬間、幽霊と思い込んでいた声の持ち主が自分の名前をはっきりと呼んだことで機能を停止させる。そしてやっとこさ気付いた。あ、これ幽霊じゃないな。人間だわ。

「ごきげんよう。貴方は確か――そう、同じ学年の姫条結菜さんでしたわね。ええ、あたくしは一人でしてよ。目が覚めたら、訳もわからず夜中のプールに浮かんでいたんですの」

 ドレスワンピースの裾を無駄にふわりと靡かせて振り返り、てろりと濡れ光る碧眼を細めては優雅に微笑む。作り物の微笑み。偽物の微笑み。けれど偽物と本物の見分けなど、例えば宝石だって素人には分からないのだ。完成度の高いイミテーションダイヤのスマイルは、大半の人間にとってダイヤモンドのスマイルと同義である。
 片腕に持った孔雀の浮き輪は地面に置く。中身が殆ど空気なので重さは感じないが、なにせ濡れているので立ち止まっている時くらいは手から離しておきたい。伝い落ちてくる水滴が衣服の袖口を湿らせるのだ。
 それにしても、目の前の彼女……姫条結菜は何故こんな時間にプールにいるのだろう。考えるまでもなく、結菜が相当な変わり者でない場合は自分と同じパターンだとは思うけれど。もし自主的に夜のプールに訪れる趣味があるなら随分と変わり者だ。仮にそうでも嫌いではない。鰐だって、夜に自宅の庭のベンチで寝転がって星空を眺めたくなる時があった。たぶんあれと同じような心情なのだろうし。

「見たところ、貴方も同じような境遇なのかしら? こんな寒い場所にいないで、早く寮に帰りましょう。冷えは美の大敵ですわ」

 人間は自分より怯えている者のいる状況では冷静さを取り戻せる。それが鰐にも適応されて、彼女は謎の心霊現象への恐怖心を一時的に掻き消すことに成功した。さっきまではビクビクしていたというのに、今の脳内のちっちゃな鰐さんは右手を腰に当てて左手の人差し指を「ちっちっ」と振ってみせている。愚問とでも言いたげだ。あたくしに恐怖心などございませんことよ、な態度を、心の中でだけとはいえさっきの今で堂々とやってのけられるのは流石の一言に尽きる。
 傲慢なお嬢様らしく、相手の返事も待たない内にさっさと歩き出して寮を目指す。自分が誘ったなら空いてはついて来て当然、な思考が透けて見える足取りは随分とサマになっていた。付け焼刃で学んだテーブルマナーをさも十年前から知っていましたと言わんばかりの顔で披露できる胆力のある女だ。ろくに話したことのないような女子生徒を相手に、いきなり高飛車さを醸すのも朝飯前だ。現在時刻は夜だけど。

>姫条結菜様&ALL様

【絡みありがとうございます! プール大丈夫とのことで、本当に良かったです……】

9ヶ月前 No.44

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=nMqLjsjQcP

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9ヶ月前 No.45

千里 @matunogirl☆JygYpuYd4vU ★Android=W1VemU3zJF

【姫条結菜/屋外プール→校舎に続く通路】

「えっ……あっ、ああの、ごきげん、よう。そ、そうです、きっ、姫条結菜、です。あ、やっぱりそうなんですか?……僕も、似たような感じ、です」

やはり、位が違うお嬢様だからだろうか。一つ一つの動作が綺麗で、可愛いなぁ、なんて思いながら口を開く。────あぁ、やっぱり緊張する。迷惑なやつとか、失礼な人、とか立場をわきまえろ、とか思われていないだろうか、そういう不安に駆られる。自分の悪い癖なのはわかっている。

花散里の『見たところ、貴方も同じような境遇なのかしら? こんな寒い場所にいないで、早く寮に帰りましょう。冷えは美の大敵ですわ』その声で、我に返る。
「はっ、はい!そ、そうですね!ぼ、僕はいいとしても花散里さんが困りますから。早く寮に戻りたいです……。それに学園の雰囲気がいつもと違う気がするので、早く帰りたいです……」

先に行ってしまった花散里に追いつくと、既にそこはもう昇降口に続く廊下で、軽く息を整えてから、そうですね、と返す。転ばなくてよかったなぁ、なんて考えながら歩いていると、自分の足に縺れ、転びかける。もちろん転ばないように踏ん張ったが、結局のところ、そのまま転んでしまう。

>>花散里鰐様、周辺all様

【いえいえ!!一応屋外プールですけど、中に続く廊下があると思っていただければ幸いです!】

9ヶ月前 No.46

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★DoaFJQIlTR_cjE

【 花散里鰐 / 屋外プール→校舎に続く通路 】

 返って来た返事は拙いもので、彼女もまた、昼間に会話した男子生徒と同じく喋るのがあまり得意ではないのだろうと分かる。はきつかない言葉遣い。いじめられっ子にありがちなそれに、なんだか親近感が湧いてしまう。決めた。彼女には優しくしよう。高飛車お嬢様の演技が効く範囲内で。部屋についたら紅茶を淹れてあげるのも良いかもしれない。鰐としてはワンコインで買える安っぽい濃縮還元のジュースのほうが美味しく感じるものの、貧乏舌でない普通の人々にとってはあっちのほうが断然美味しいだろうし。……これと似たような考えで差し出したマカロンを男子生徒に拒否られたつい先ほどの記憶は、都合良く脳味噌の端っこのほうに寄せておく。

「あら、やっぱり貴方もそうですのね。きっとあたくしたち、美しいから幽霊に目を付けられて心霊現象に巻き込まれたんですのよ。嗚呼、本当に迷惑ですわぁ」

 我ながら、ナルシストが一周して頭のイかれたような発言だ。冗談ではなく本気でこんなことを口にする人間が日本に何人いるだろう。その中の貴重な一人が鰐だ。その本気は、『本気の演技』という意味の本気でしかないが。
 それと口にしてから気付いたことだが、彼女のような自信無さげな手合いに暗に容姿を誉めそやすような発言をしてはむしろ返答に困らせてしまうかもしれない。しくじった。でも一度吐いた唾は飲み込めないのがこの世の定めである。それにゴシックロリィタ風味に制服をアレンジしているのだから、案外、性格は気弱でも己がルックスには正当な評価――すなわち可憐で庇護欲をそそる出で立ちである――を下せている可能性もある。そちらに賭けよう。
 しかし夜中のプール付近で二人して歩いている揃ってフリフリの恰好をした少女二人というのは、傍目にはどう映るのだろうか。中二病を拗らせて怪しげな魔術の儀式とかをやるために校舎にやって来たヤバい女子学生……くらいの存在とは見紛うかもしれない。うん。変な噂がたてられると自分はともかく結菜は精神的にキツそうだから、誰にも見られていないことを祈ろう。とりあえずは、お釈迦様とかに。

「学校の雰囲気? ……本当ですわね。よくよく観察してみれば、なんといいますか、こう――不穏な気配? ホラー映画でいうところの殺人鬼ご登場三秒前みたいな、そういうムードが漂ってますわ」

 てくてくと通路を歩くかたわら、結菜の言葉を受けて周囲を見回す。確かに妙な空気だ。殺人鬼とまではいかずとも、人魂くらいはぽつんと出てきそうである。……どちらか片方選ぶなら、殺人鬼よりは人魂のほうがマシか。

「あら、大丈夫ですの? 貴方おっちょこちょいですわねぇ。せっかく可愛らしい洋服を着ているのだから、あんまり転んでいては勿体無くてよ? フリルとレースが汚れてしまいますわ」

 ドジッ子らしく転倒してしまった結菜に溜息混じりに手を差し伸べる。文字だけで見れば優しげな行為なのに、実際は片手を腰に当てて心持ち威張っているのでそうは見えない。こんなところまで演技に拘るのが鰐なのだ。

>姫条結菜様&ALL様

【承知いたしました! ご丁寧にありがとうございます!】

9ヶ月前 No.47

千里 @matunogirl☆JygYpuYd4vU ★Android=W1VemU3zJF

【姫条結菜/校舎に続く通路】

「あはは……、す、少なくとも僕は誰かの引き立て役です……よ、花散里さんは、ほ、本当に、幽霊さん、に見初められちゃったのかも……です、ね」

そして、容姿を褒められると、一瞬驚いた後に容姿を褒められることはあまり無いため、かなり微妙な反応になってしまう。悪いことをしてしまったのではないか。そう思うといつも持ち歩いている自分の身長より長い杖をぎゅっと強く握りしめる。この杖は彼女にとってなくてはならない者だった。というのも服をあまり握っているとシワになる、と聞いた次の日学園敷地内にあるデパートでゴスロリに合うような杖を店員さんにめちゃくちゃ噛みながら聞いたのは懐かしい思い出であり、思い出したくもない苦い思い出だ。
学園の雰囲気について言うと、花散里はホラー映画を例えに出し、殺人鬼の登場三秒前と言った雰囲気だということを伝える。こんなお嬢さまがそんな映画を見ていることに驚いたが、そんな考えはすぐに吹き飛ぶハメになる。正直にいえば、幽霊とかも出てきそうな雰囲気であるので、ぶっちゃけると、姫条としてはどちらもご遠慮願いたいのが正直トークだ。どちらも出ませんように、なんてお願いをしながら少し顔を青ざめさせながら花散里の言葉に対して答えた。
「ぼ、僕はあんまり怖いの得意じゃないので……そういうの見、見ないんですけど……、何かひんやりしてて嫌な感じ、です……よね……」

そう答えた後にあたりを見渡すと、少なくとも今のところほかに生徒がいる雰囲気はない。気を失った後にみんな帰ってしまって昇降口も閉まって居るのでは?とも思ったが、流石に先生が見回りをしてから戸締りはするはずだ、と思っているので、そんなことは無いはずだ、と思いながらこの雰囲気について嫌な予感を覚え始める。

足がもつれて転ぶと、溜息混じりに花散里が声をかけてきた。顔を上げると、差し出されているのは手。姫条は転んでも「また転んだよ」と言って手を差し伸べてくれる人は少なく、いつも自分で立ち上がっていた。
「えへへ、花散里さん。あ、ありがとうございます……!か、借りちゃいます、ね」

態度が偉そうだとしても、本当に心配してもらえていなくても、その行為自体が嬉しかった。その手を取って、立ち上がると、いつも握っている杖を拾い、再び、「ありがとうございます」と告げると頭を下げるのだった。

>>花散里鰐様、周辺all様

9ヶ月前 No.48

@itxmm☆OxYUdDLLJjM ★iPhone=uSyqKf7JNY

【 ラウ・丘音・ヴォーチェ / 食堂 】

 嫌な思い出が頭に流れ込んだことにより、非常に不快な気分に苛まれながら重たい頭を動かしつつ視線をあちらからこちらへとキョロキョロと走らせると、少し離れた場所に先ほどまで一緒に居たはずの景の姿にラウは安堵や不安や焦りの気持ちから駆け足になって彼女の元へ向かう。机の上に置いたはずの青色のパールの散りばめられていたリボンはいたはずの席には無くなっており、少し悲しい気持ちになっていながらも、いずれは壊れたり無くなったりするものだということは分かっていた。それよりも今は知り合いの姿が近くにあることに対する安堵の気持ちが強かったのも事実、彼女の隣の席に座っては心配そうに頭が回っていそうにない彼女の姿を見た。
 疲れている様子の景の姿に声をかけても良いものかと少し考えてしまったが、寧ろ黙り込んでしまっている方が不安感が募るのではないかと思った。事実、ラウも心配になりながらも彼女に声をかけるかかけないかで悩んで見ていたが、目の前に知り合いがいるのにも関わらずだんまりしているこの状況の方がずっと不安感や焦りを急かせた。ラウが意を決して申し訳なさそうに眉を寄せて口を開く。

 「景、大丈夫……? まだ少ししかこの場所に居なかったから分からないけど、私たち以外人が居ないみたいなの……。ずっとここに居て何か分かりそうにもないし、あんまり体調が優れないなら保健室に少し休みに行く? ……いえ、休みに行きましょう? 私も少し疲れてしまって。色々今の状況を理解したり話すのにもここでは野暮だと思うし」

 そうは提案してみるものの、やはり景の意思が一番だ。動くのがまだ辛いみたいならここで落ち着くまで待機していた方が良さそうだし、幸いここは食堂だ。勝手に厨房に入っても良いのかは分からないが、そんなことを言ってられる状況でもない。イタリア育ちといえど日本料理が作れないわけではない。寧ろ料理好きは日本人の母親から伝ったものだし、イタリア料理よりも日本料理の方がずっと得意だ。簡単に食べられる粥程度であれば材料があればきっとすぐにでも作れると思う。
 勿論、それ以前にちゃんとここに材料があるのかどうかというのも大事な点ではあるわけだが、やはり心配なものは心配なようで、景にもう一つの提案をする。

 「まだ動くのが辛いみたいなら、私が簡単な料理でも作るよ? あ、でも、食材があるか分からないから、無いと作れないんだけど……」

 そこまで言ってから冷蔵庫を見てから提案すれば良かった、と思った。もし無かった場合は彼女が後者の提案を受け入れた場合酷く申し訳ないことをしてしまうことになってしまう。ただ、相手からの答えを聞いていない以上冷蔵庫を見に行くわけにもいかず、彼女を心配しつつも提案をするだけはしてみることにした。

>>二条景様、All様



【 世屑 栄寿 / 校長室 】

 栄寿が今までの自分の過ちやそれによって取り戻せなくなった家族の存在にごしごしと悔しそうに目元を荒く拭うと、ふと聞こえた声にハッとして、目元にまだ微かに溜まった涙を乾かすかのように乱暴に再度拭ってから声のした方を見る。
 声の主は部活の後輩であり、女子顔負けの可愛らしさを纏う男子生徒、幌延枢の姿だった。演劇部としての活動でも彼は良い役者だな、と何様のつもりなのか先輩風を吹かしたい栄寿は思ったりもしている。彼は女子生徒の姿をしているが、栄寿はそれを別にどうとかこうとか一々思わないし、何よりも「大した表現力やざ」と思ったくらいには演劇馬鹿なので寧ろ凄いとか流石とかそんな事を考えているレベルである。一回やってもらおうかとも思ったが、三年になってからは大道具担当になって地味に筋肉がついてきてしまったもので、背丈のこともあり可愛い女の子の姿をした自分を想像しただけでいくら自分でも無理だろうと思った。元々の頭が弱いせいでそれを遠巻きに見るような脳がないと言われれば確かにそうなのだが。
 枢に挨拶をしようと口を開きかけた時、彼の口から続いて出てきた「大丈夫ですか」という言葉に一瞬目を見開くも、それを勘付かれないように、お得意の演技でへらっといつものようなアホっぽい雰囲気の笑みを浮かべながら枢に近付き、彼の肩にぽん、と手を置いた。

 「うらはだーいじょーうぶ! ただ、誰もえんさけ、ちょっこしというか、いっぺえ不安になってもうて。泣いてたのは恥ずかしいさけ、他の奴らには内緒にしねま? ……ほや! 枢ちゃんも大丈夫やった? 怪我とかしてのぅ? 」

 少し早口になってしまったような気もしなくもないが、栄寿が忙しない話し方をするのはいつもの事だし、何よりも栄寿が落ち着かないのは普段のことだ。三年も経っているのに都会に慣れて居ないのは未だ健在ではあるし、共通語を話しているつもりでも地元の方言が抜けていなかったり話せていてもひどい訛りだったりとすることも多い。未だに地元離れができていない。これでも頑張って覚えた方だということは褒められても良い部分かもしれないが。
 すぐに栄寿は枢に怪我はしてないか、と心配するように尋ねながら枢の姿をじっくりと見回すが、恐らく怪我はしていないだろう。その事に安堵しつつも、まだ不安要素はいくつかあり、栄寿はいくつか頭の中で考察を立てながら枢に尋ねてみる。

 「それにしても、枢ちゃんは今何が起こっとるか分かる? これって演劇部の大型企画とかとちゃう? まあ大型企画ならうらにも連絡入るか……? 」

 栄寿はこうして枢と出会ったことも重なり、演劇部での大型企画なんじゃないだろうか、とも思ったし、自分に連絡が入ってないとか確認してないだけでそういう企画が進んでたんじゃないのかという考察を口に出してみたが、大型企画をする際の学校を使う事になる時の連絡をしに行くのは大体は大道具と共に雑用もこなす栄寿の仕事ということもあり、企画であれば自分にも連絡が入るのではないかとも思う。自惚れるのであれば自分の演劇をまた見たいだとかそういう突発的企画なんじゃないかとも思うが、雰囲気的にはそんな感じはしない。というか仮にそうだとしたら泣いたのはバレてしまうではないか。

>>幌延枢様、All様


【食堂にいらっしゃったので再びラウと関わってくださると幸いに思います!継続して宜しくおねがい致します〜!不快でしたら蹴っていただいて構いませんので!】>>有栖川様

【絡みありがとうございます!まさかこんなに早く枢くんと関わる機会がいただけると思っていなかったのでとても嬉しいです!どうぞ宜しくお願い致します〜!】>>すずり様

9ヶ月前 No.49

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★DoaFJQIlTR_cjE

【 花散里鰐 / 校舎に続く通路→北校舎・一階・廊下 】

 通路から校舎の中に足を踏み入れる。夜なのに電気もついていなくて真っ暗だ。それでも各教室の扉の隙間から漏れ出て来る灯りでなんとか目視はできる。電気の付いている教室と付いていない教室もまばらで、そこに人がいるのかいないのかも分からない。話し声でも聞こえて来れば入ってみようという気になるけれど、聞こえてこなかったのでそれらをスルーして足を進めた。……こんな状況だから、理科室の前を通り過ぎる時は、中から人体模型や骨格標本が飛び出して来やしないかと若干警戒してしまう。けれど表には出さない。高飛車なお嬢様は心霊現象になど怯えないのである。

「ふぅん、貴方ったら謙虚な子なのね。世界なんて、丸ごと全部ひっくるめて自分自身の引き立て役くらいに考えていれば良いんですのよ。主役はあくまでこのあたくし、ですわ。あたくしにとってはね。貴方にとっては、貴方が主役であるべきですわよ。自意識過剰なのばかりが数十億人蠢いているくらいのほうが、きっと世界が面白くなりますもの」

 差し伸べた手を受け取って立ち上がったばかりの相手に対し、自己愛の凄まじい女にしか言えないような台詞を堂々と宣う。思ってもいないことを口から吐き出すことにかけて、この女の右に出る者は中々いまい。本当は自分のことなんて大して好きでもないくせに。……そう考えれば、むしろ自信の無さをちゃんとアピールできている結菜のほうが精神的に強いのかもしれない。例え話を用いるなら、天才のフリをする馬鹿より馬鹿のフリをする馬鹿のほうが幾らかマシだ。

「それにしても、この時間帯に電気の付いている教室がこんなにあるっていうのがそもそも可笑しいですわよねぇ? ……どこか適当に入ってみようかしら」

 目先にある特別教室あたりをちらりと見遣って、唇に人差し指を柔らかく押し付ける。ついでに小首も傾げれば、女性らしい思案のポーズの完成だ。仕上げに頭上に疑問符も飛ばしておく。別に入っても入らなくても良いし、入るにしたってそれが特別教室でなければならない理由は無い。先に進んで生徒会室に入っても良し、引き返して家庭科室に入っても良しだ。
 ……そういえば、孔雀の浮き輪を外に置いて来てしまったことを今更ながらに思い出す。けどまあ、元から何故か上に乗っていただけで、自分の所有物ではないのだし。プールサイドに放置しておけば、明日にでも本来の持ち主が回収しに来るだろう。そんな訳で、インスタ映えしそうな孔雀の浮き輪のことは記憶から綺麗さっぱり追い出すことにした。

>姫条結菜様&ALL様

9ヶ月前 No.50

有栖川 @hananomi☆Mwp.W.uiBT6 ★5tuXai74if_pp5

【 二条 景 / 南校舎 / 食堂 】
 隣から聞こえる声は、倒れる前まで一緒だったラウの物だった。知っている声に安堵しつつ、しかしそれと同時に別の事実に違和感を抱いた。確か倒れる直前、横に座っていたのは紀葉だったはずだが、微かに顔を上げて確認すると、やはり聞き間違いではなくラウの心配げな顔が目に入った。どうやら彼女はどこかへといってしまっていたらしい。

「ありがとう、ラウさん……そうね、ここよりは保健室の方がいいと思うわ。二人で話すには広すぎますものね」

 軽く頭を振って意識をはっきりさせ、ラウの顔をしっかりと見て、景はラウの言葉に同調する。彼女の申し訳なさそうな顔に、そういう思いをさせてしまったことに逆に申し訳なくなる。貧血など、毎月起こることなのに。倒れてしまったのも、多分色々重なったからなのだろう。あんなに鮮烈に過去を思い出したのも、きっと、たまたまなのだ。
 軽く周囲を見回して、確かにラウの言う通り食堂に誰もいなくなっていることと、陽の射す向きから、どうやら先ほど意識を失ってから少し時間が経っているらしいことに気が付いた。時間が経っているというのに、誰も助けてくれなかったなどあるのか――――否、しょせん一度死のうとした者がそれを期待するのも間違いなのだろう。

「ラウさんの食事も食べてみたいけれど、今はお気持ちだけを受け取っておくわ。それよりも、保健室に移動してしまいましょう?」

 それだけに、そういう事を考えてしまうだけに、ラウの気遣いが本当に、涙が出そうなくらいに有り難い。痛過ぎるほどに有り難いのだけれど、せっかくの料理を味わっていられるような精神状況でも、そして食べ物を受け付けられるような身体状況でもない。この場は気持ちだけを受け取って、彼女の気遣いに感謝して、彼女に合わせて話を別の所に持って行ってしまうべきだろう。
 保健室に移動することを自分からも提案して、大丈夫だから、という代わりに、弱くだけれど、微笑んで見せる。笑えるくらいの元気はあるという事を見せれば、多分彼女も納得してくれるだろう。

>>ラウ・丘音・ヴォーチェ、周囲ALL

9ヶ月前 No.51

オデット @rune1109 ★iPhone=6r8dfM7K4t

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9ヶ月前 No.52

千里 @matunogirl☆JygYpuYd4vU ★Android=pFeytiwsZA

【姫条結菜/校舎に続く通路→北校舎・一階・廊下】

校舎に足を踏み入れると随分真っ暗で、明かりがついていない。たまにぽつりぽつりと電気がついているところもあるが……。なにか出てきそう、とか思って居ると本当に怖くなって来てしまうので、なるべくそれを頭の外に追いやると、花散里の言葉に返すために頭を働かせる。
『ふぅん、貴方ったら謙虚な子なのね。世界なんて、丸ごと全部ひっくるめて自分自身の引き立て役くらいに考えていれば良いんですのよ。主役はあくまでこのあたくし、ですわ。あたくしにとってはね。貴方にとっては、貴方が主役であるべきですわよ。自意識過剰なのばかりが数十億人蠢いているくらいのほうが、きっと世界が面白くなりますもの』
「そ、そんな風に考えたことないです……。ぼ、ぼくにはほど遠いせかい、で……、花散里さんは……、す、すごいです……ね」

花散里の言葉を理解すると目を丸くしたあとに苦笑を浮かべながら、今までそんな考えを持ったことがないと、正直に伝える。

その次に続いた言葉には姫条も頷くとそっと小さな声で口を開いた。
「そ、そうですね……。入るとしたら……えっと……、生徒会室、にしませんか……?僕流石にここは戻りたくないので……」
正直に言うと、聞こえているかは分からない。花散里は考え事をしているようだったからだ。考え事をしている花散里はとても女の子らしい。お嬢様というのは、皆こうなのか、という気持ちになる。
「とりあえず、良かったら生徒会室にいきませんか……?こんな世界、嫌な予感がするんです……」

少し首をかしげながらそう花散里に声をかけるのだった。

>>花散里鰐様、周辺all様


【佐伯心愛/放送室】

佐伯が放送室に到着すると同時、明かりにしていたスマホがブルブルと震える。懐中電灯がわりにしていたアプリを閉じ、確認をすると生徒会メンバーである古海からだった。『古海です。此方は無事です』と簡素な文章が送られてくる。それを確認するとほっとしたように顔を緩ませてから『ならよかったです。古海さんも気をつけて移動してくださいね。廊下は暗くて、視界があまりよくないようなので。出来ることならスマホを明かりにしてくださいね』と送ると、息を吐いた。

そんなときだった。不意に放送室のドアが開いたのは。そちらに視界を向けると、そこにたっていたのは佐伯の一つ年下である三鷹が立っていた。
「あら、三鷹君じゃない。どうしたの?ここまで来たの?」

スマホの明かりの明るさを少し下げて三鷹の方へと向ける。
「三鷹君、大丈夫?」
何かあったのかと思い、彼に駆け寄ると、心配しながら声をかけるのだった。

>>三鷹祐李様、周辺all様


【返信遅くてすみません……!!スマホを変えたばかりでまだ慣れておらず、変換ミスもあると思います…!!ご迷惑をお掛け致しますが、よろしくお願いします】

9ヶ月前 No.53

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★DoaFJQIlTR_cjE

【 花散里鰐 / 北校舎・一階・廊下→北校舎・一階・生徒会室 】

 結菜から返って来た言葉のイントネーションだと、本当に凄いと思われているのか、単に引かれているだけなのかよく分からなかった。あるいは両方かもしれない。その二つは必ずしも相反する感情ではないのだし。こいつスゲェけどこうはなりたくねぇな、と思ってしまうような人間というのは割といる。鰐は結菜にとってそのパターンに当てはまったのだろう。たぶん。あくまでも想像でしかないので外れていたら申し訳ない。

「生徒会室? 嗚呼、そういえば一階にありましたわね。そうしましょうか。あそこならソファーもありますし、ちょっと休憩するには丁度良いですわ」

 相手の提案を快諾して、スキップにも似た軽やかな足取りで生徒会室へと向かう。その颯爽とした雰囲気は、たとえば彼女の事情を把握している第三者が見ていても生来のお嬢様であったかのような錯覚を覚えさせるだろうが、それはまるっきり勘違いだ。徹底的に華麗に、優雅に振る舞おうとするその有様は、むしろ本物のお嬢様たちにしてみればわざとらしいものとして映るかもしれない。この世に『完全な悪人』や『完全な善人』がいないのと同じく、『完全なお嬢様』もまたいないはずなのだ。だというのに、鰐は完全なお嬢様としての言動を――それが傍目に完全と映るかはともかく本人としては完全なつもりだ――こなしてしまっている。完全、であるがゆえに怪しい。その思考領域にまで達してしまえる者と相対した時、そしてそこを指摘されてしまった時。いかにボロを出せずに誤魔化しきれるかが、彼女の演技を進化させるか崩壊させるかの分かれ目になりそうだ。

「さあ、到着しましたわ。鍵は……空いてますわね。不用心ですこと」

 ノックをする。返答無し。がらりと横開きの扉をスライドさせ、薄暗い廊下から光の漏れ出る生徒会室の中へと入る。明るいから誰かいるだろうと思っていたのに、ノックに返事も無くて目で見て誰もいないなら、やはり誰もいないのだろう。入りますわよ、と出入り口を超えて進んでいく鰐は、生徒会室で物凄く浮いていた。当然のことだ。他の教室より多少充実しているとはいえ、ごくごく普通の生徒会室に、金髪碧眼のとびきりめかし込んだ娘がいるのだから。付け加えるなら後ろにはゴスロリ少女もいる。こんなの浮かないほうが可笑しい。
 誰に何の断りも無く当たり前の顔をしてソファーに座り、ふわあ、と一つあくびを漏らす。眠気をアピールするその仕草さえ気取った風にできるのだから、こいつのお嬢様ムーヴにかけてきた努力は並大抵のものではない。たぶん遠方からいきなり銃で狙撃を受けて腹に穴が空いても、内心の葛藤は表に出さずに自分なりのお嬢様らしい倒れ方や血の巻き散らし方でも実行してみせるだろう。

「あたくし始めて入ったから知らないのですけれど、生徒会室ってティーポットや茶葉は置いてありますの? あるならあたくし、紅茶が飲みたいですわ」

 我がもの顔でソファーに足を組んで座ったまま、室内をきょろきょろと見回す。ティーセット一式なんて贅沢は言わないので、マグカップと電気ケトルとティーバッグくらいは在って欲しいものだ。

>姫条結菜様&ALL様

9ヶ月前 No.54

千里 @matunogirl☆JygYpuYd4vU ★Android=pFeytiwsZA

【姫条結菜/北校舎・一階・廊下→北校舎・一階・生徒会室】

姫条の生徒会室はどうだ、という意見に対し、賛成の意見を述べてくれる。休みたいというのもあるらしく、ソファーがある、と告げる。

「そう……ですね、じゃあ生徒会室に行きましょう」

花散里は自分の意見を快諾するととても軽やかな足取りで生徒会室へと向かう。姫条は、流石お嬢様だなぁ、とか思いながらその後をひょこひょことついていく。まさに完璧なお嬢様がそこにたっていて、姫条は凄いなぁとか考えながら、歩いているといつの間にか生徒会室は目の前に広がっていた。ノックをしてもこの時間だからだろうか。なんの返答も来ない。横開きのドアが開くと、そこに入っていくと、誰も居なかった。
「無用心、ですね……。でもおかしいですね……?私たちの高校の生徒会のメンバーってそんなに無用心なひと達じゃなかった……ですね……?」

違和感を覚えた。普段なら鍵のかかっている生徒会室のドアが開いていることに。なぜだろう、と考える暇はなく、花散里はソファーに座り紅茶はあるの?という質問を投げ掛ける。

「さぁ……。すみません……、僕生徒会室には入ったことないので……。でも、文芸部の部室になら、紅茶の茶葉はありますよ」

花散里に生徒会室に紅茶があるのか、と聞かれ辺りを見渡してもそれらしきものは見当たらない。唯一の明かりは窓の外にある月ぐらいだ。窓にせめて明かりでもつかないかと思い、壁を伝って電源を入れる――――が、つかない。このくらいままなのか、と思うと少々怖いが、そうとも言ってられない状態なのは、薄々と気がついているのだった。

>>花散里鰐様、周辺all様

9ヶ月前 No.55

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★DoaFJQIlTR_cjE

【 花散里鰐 / 北校舎・一階・生徒会室 】

 結菜の言う通り、今代の生徒会の面々は決して不用心なほうではない。むしろ真面目な部類だったはずだ。なのに鍵が空いているのは、やはり自分たちがいきなり気絶して屋外プールで目覚めた件と何か関係があるのだろう。もしかすると、この心霊現象じみた異常事態に巻き込まれたのは全校生徒で、自分たちだけではない可能性とて考えられる。となると、このまま寮に帰ったところで事態は収拾がつかない……?

「文芸部の部室、確か二階でしたわね。面倒臭いですし、人に持って来させましょう」

 本当は自分で歩いて文芸部の部室まで行くのに何の躊躇いも無い。無いのだが、高飛車お嬢様ならこのくらい言うだろうから、と窓に歩み寄ってがらりと開け放つ。思い切り息を吸い込み、吸い込み、吸い込み――限界ギリギリまで吸い込んだ息を全て声に変える勢いで、鰐はよく通るソプラノボイスを腹の底から張り上げた。

「――異常事態に巻き込まれた方々! 情報交換がしたいので、北校舎の一階にある生徒会室まで起こし下さいませ! ついでに二階の文芸部の部室から紅茶の茶葉を取って来て下さると有り難いですわ! 以上! 集まって下さることを期待しております!!」

 空気をびりびりと震わせるほどの声量が学校中を駆け巡る。下手な校内放送よりもよく人の耳に入ったことだろう。至近距離にワイングラスでも置いておいたら今の声量で割れていたかもしれない。そう感じさせるくらいの声。口を開いた自分自身の鼓膜がちょっと麻痺している。唾をのみこんだら直った。飛行機に乗ったら気圧の変化で耳が聞こえづらくなるアレを思い出す。最後に旅行に行った国は、グアムだったかサイパンだったか――。

「……ふう。これで校内に人が残っていれば、きっと茶葉を持ってこの生徒会室を訪ねて下さいますわ。それまで待っていましょう」

 百合っ気のある女子ならぽーっと見惚れそうな、少なくとも外面だけは上等な微笑みと共にそう言い切って、再びソファーへ舞い戻る鰐。心の中では自分の行動に自分で呆れ顔を浮かべているが、やはりおくびにも出すことは無い。注目を集めることには慣れているのか、それとも他人などどうでも良いのか――人にそんな考察をさせる良くも悪くも堂々とした態度は、花散里鰐がお嬢様を気取る際のお決まりの手段だ。人からどう見られるかを気にしまくっている癖に、人からどう見られるかなど全く気にしていない風を装える。そんな意地っ張りは今宵も健在、絶好調。これから室内に人の数が増えたところで、たぶんそれは変わらないだろう。

>姫条結菜様&ALL様

9ヶ月前 No.56

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=nMqLjsjQcP

【幌延枢/校長室】

先程まで枢の目には一人何かに怯えるように涙を流しているようにも見えた栄寿だったが、恐る恐る声をかけた枢に向けた表情はいつも彼が浮かべているへらっとした笑顔であった。もし拒絶でもされたらどうしようと考えていた枢としてはまずはひと安心である。枢がいることに今しがた気づいたらしい栄寿は少々焦ったように早口で枢に大丈夫か、怪我はないかと尋ねてきた。訛りの混じっている物言いの栄寿だが、なんとなく枢には彼の言っていることは理解できている。ちなみに密かに家で方言云々について調べたのは秘密だ。

「僕なら大丈夫ですよ、先輩。もちろん今のことは誰にも言ったりしませんから安心してください!先輩こそ怪我とかしてなくて良かったです!」

あざとくウィンクをしてから、枢はいつものような明るさで栄寿へと返す。此処でめそめそしていたらかえって先輩に心配をかけてしまうかもしれない、という思いからである。言うまでもなく枢は先程のことを他の生徒に暴露するつもりはない。しっかりきっちり男なのでない胸の中に仕舞っておくつもりだ。誰かに見られていたら話は別だが。

「大型企画、かぁ……。うーん、それはないと思います。僕も気がついたらそこの廊下で倒れてたし、僕もなんにも聞かされてませんから。ごめんなさい、僕ったら役に立てなくて……」

栄寿からの問いと彼の推測に返答してから、枢は役に立てなかったことを素直に謝罪した。できることなら先輩の役に立てるようなことをしたかった。そうしたらもっと栄寿先輩から頼りにしてもらえるのに、なんて内心しょぼくれながら、枢は今の状況について改めて考えてみることにする。目覚めた時には周りには誰もおらず、窓から見える外の景色は真っ暗だった。演劇部の企画にしては静かすぎる。それに3年生の栄寿ならともかく新人でまだ入りたての枢をもターゲットとする理由がわからない。いくらなんでも人選がおかしい。

「……そもそも、こんな暗い時間まで誰にも気づかれないまま寝落ちしてるっていうのもある意味おかしいんだよなぁ……生徒会とか風紀委員の人に声でもかけられそうなものだけど……」

ぶつぶつと呟きながら、枢はなんとかしてこの状況を解析できないか思案していた。栄寿を先輩として慕う枢としては、できるだけ栄寿に手間をかけさせたくはないのである。そのためこうやって周りが見えなくなる程度には頭を働かせようとしていた。

>>世屑栄寿様、周辺all様

【返信が遅れてしまって誠に申し訳ございません……!改めまして、こちらこそよろしくお願いいたします!】
>>溺様

9ヶ月前 No.57

オデット @rune1109 ★iPhone=6r8dfM7K4t

【 三鷹 祐李 / 南校舎三階放送室 】

 佐伯 心愛。腰までの長さの黒髪を、パッと生える赤いリボンのついたゴムでポニーテールにしていて、それはまさに女子高校生らしいしなやかさというか、清純さを感じる。常にその大人びた顔には微笑が添えられていて、優しそうでなおかつ頼りになるお姉さん、そんな印象を受ける。友達の少ない三鷹でさえも彼女のことを知っているのだ。なぜなら彼女はこの学園の生徒会長だから。有名人も有名人。
 だが。なぜそんな有名人の彼女が、学年も違えば話したこともない三鷹の名前を知っているのだろうか。ふと、保健室前の廊下で出会った女子生徒の言っていたことが頭をよぎった。__あぁ、なるほど。やはりラウ・丘音・ヴォーチェは有名人なのだ。きっと彼女もラウ繋がりで知ったのだろう。うん、そうだ。
 なんて自問自答していると、いつの間にか佐伯 心愛が近くにいた。驚いて少し仰け反る。自意識過剰なのかもしれないが、もしかすると心配、しているのだろうか。少し胸がドキッ__なんてデジャブを感じつつ、女性に目移りしすぎる自分に半ば呆れる。

「 あ、あの、これって生徒会のサプライズ企画、とかなんすか 」
 頬をかきながら苦笑いを浮かべる。
 だとしたら、会長である佐伯が放送室にいる理由もわかる。だが、こんな夜に照明や時計を操作してまですることなのだろうか。しかも玄関にいたはずなのに教室へと動かされて__いや、さすがにそこまで生徒会はやらないか。気を失っている間に勝手に自分で歩いていたのだろうか。いろいろと推測してみるが腑に落ちない。疑問と不安が蠢く。


>>佐伯 心愛さま、周辺ALLさま

9ヶ月前 No.58

千里 @matunogirl☆JygYpuYd4vU ★Android=pFeytiwsZA

【姫条結菜/生徒会室】

結菜が、「紅茶の茶葉なら文芸部の部室にあった」ということを告げると、花散里は文芸部の部室は二階にあるから行くのは面倒だから、誰かに持ってきてもらうことにする、と言うと窓枠に手をかける────が、開かない。
慌てて、近くにあったパイプ椅子で、窓を叩くが、割る気配もなかった。それを理解すると、彼女はこれはやばいのではないか……。とでも言いたげな顔に変わる。

「は、花散里、さん?と、とりあえず、他のところ……、昇降口確認しませんか……?もしかしたら、ここだけが開かないだけかもしれないですし……」

本当は、結菜は、叫び出したかった。その場から逃げたくて堪らなかった。こんな訳の分からない自体になっていて。これがドッキリとかだとしたら、趣味が悪いにも程がある。そんなふうにと思いながら、驚いている花散里に声をかけた。
「紅茶先に飲みたいなら、僕文芸室まで取りに行きますよ!」

頑張って極めて明るく振舞おうとする。しかし、慣れないことだ。スグに目から涙がポロポロと零れてくる。

>>花散里鰐様、周辺all様


【訂正入れさせて頂きました……!分かりにくい描写ですみません……】

【佐伯心愛/放送室】

佐伯が近寄ると驚いたように仰け反る。悪いことしてしまったのか、と思いそれ以上は詰め寄ることなく、苦笑を浮かべながら背筋を伸ばした。
そんな時、この状況は生徒会のサプライズなのか?と聞かれ、ニッコリと笑いを浮かべながら口を開いた。

「そうなの、生徒会のサプライズ……イベントなのよ」

そう冗談交じりに告げてからその笑みを崩し困ったように笑いながらため息混じりに口を開く。

「って本当は言えたらいいのだけど、実際問題そうじゃないのよ。正直、生徒会長である私でも状況が理解しきれてないの。演劇部の可能性も考えたけど、正直……そんなことは有り得ないのよ。そういうことをする場合はきちんと先生にも許可を取らないとでしょ?」

だから私にもわからないのよね、なんて言いながら再びここに来てから何回目かわからないため息が零れる。誰かのいたずらだとしても趣味が悪いにも程がある。し、気味も悪い。これが誰かの悪戯だとすれば、何故あのことを知っているのかが、怖い。この学園に入った理由は人それぞれだが、佐伯とて理由がないわけが無い。

「これが何かのイベントだとしたら、気味が悪いわよ……」
ボソリと本当に小さな声で呟く。聞こえたかもしれない。そう思ったが、思わず出てしまった言葉。取り消すことは出来ない。

「……だからね、こんな場所に閉じ込められちゃった生徒が他にもいるかもしれないでしょ?だから情報交換……とまではまだ情報が無いかもしれないけど、安否確認も含めて生徒を広くて話し合いがしやすそうな場所に集合させようと思って、ここに来たの。……放送なら、全ての場所に、聞こえるからね。……ここだけは電気が来ていれば嬉しいのだけれど」

ぽつりと呟くと、とりあえずどこに集めさせようか。そう考え始めるのだった。

>>三鷹祐李様、周辺all様

9ヶ月前 No.59

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★DoaFJQIlTR_cjE

【 花散里鰐 / 北校舎・一階・生徒会室 】

 病弱という設定を一時的に大気圏外までぶん投げて、力任せに振るったパイプ椅子。かなりの威力が込められたはずの一打は、けれど脆いガラス製の窓に傷一つ付けることなく虚しい結果で終わった。この学園のガラスが知らない内に頑丈なものと入れ替えられていた……というパターンでないのなら、これは明らかな異常事態だ。滅多にないような幸運を指して盲亀浮木と言うらしいが、逆はどんな四字熟語が当てはまるのだろう。冷汗三斗? は、ちょっと違う気がする。ともかく我々は、心霊現象を通り越して超常現象に巻き込まれた可能性が高そうだ。
 「いいか、アタシが求めてんのは超常だ。非日常なんてチンケなもんじゃねぇ。現実的だろうと幻想的だろうと、因果関係がはっきりしてて理屈で説明がついちまうならそりゃ超常じゃあねーんだよ」――みたいな台詞を、先々月くらい読んだオカルト漫画の登場人物が口にしていた気がする。今、切実に彼女のメンタルが欲しい。鰐は非日常も超常も御免だ。ビバ日常。変わり映えの無い毎日をこそ愛しんでいる。それでも超常の渦中に放り込まれざるを得ないなら、せめてそれに耐え得るだけの精神性をあらかじめ与えていてくれないものか。まったく、神様というのは気の効かない存在だ。

「ここが開かないだけ……なら、良いのですけれどね。そもそも生徒会室の窓が全滅という時点で、その可能性はかなり低そうですわよ」

 他の窓も念のためにパイプ椅子フルスイングで叩き割ろうとしてみるも、やはり懸念していた通りヒビさえ入らない。ひょっとしてガラスに見えるけど鉄でできているのだろうか、この窓。まったく、これだけの衝撃で割れないなんてガラスとしての意識が低い奴らだな、と、情けない亭主を見下す女房のような眼差しを窓という窓に送ってみる。……自我の無い無機物を相手に精神攻撃とか効くわけが無かった。これが効いても、それこそホラーに逆戻りするだけだが。

「ああもう、泣くんじゃありませんわ。涙を安売りしていては、それだけ安い女になってしまってよ?」

 気丈に振る舞おうと頑張る結菜。けれど無理は続かず、すぐに潤んだ瞳から透明な雫が眦を伝い落ちた。鰐はドレスワンピースのポケットからハンカチを取り出し、それで相手の目元をそっと拭う。高飛車なお嬢様にしては手つきが優しすぎるかもしれないが、台詞でそれっぽさをプラスしたので演技は成立していると思いたい。機能美という概念を100%無視して装飾に振り切った、レースとフリルとリボンにまみれた華やかすぎるシルクの布きれ。もといお値段が張りまくりなどこぞのブランドもののハンカチを再びポケットにしまい直して、仕切り直すように視線を部屋の出入り口へと移す。
 こんな状況では、もはや紅茶とか言っていられない。言っていられないけど、高飛車お嬢様的にはむしろこの状況でなお紅茶を求めるのが『らしい』気もする。僅かばかりの逡巡の末、鰐は次の行先を文芸部にすることに決めた。その道のりで廊下の窓も叩き割りチャレンジしてみて、それで失敗したならもう超常現象確定で良いだろう。これからどうするから文芸部で紅茶を飲みながら考えよう。スコーンがあればなお良い。それは無理か。

>姫条結菜様&ALL様

【お手数お掛け致しました、ありがとうございます!】

9ヶ月前 No.60

千里 @matunogirl☆JygYpuYd4vU ★Android=pFeytiwsZA

【姫条結菜/生徒会室】

確かに、ここが開かないだけならいいが、生徒会室の窓をすべて叩きわろうたのだろうか。恐らくここが全滅なのだから開かない可能性の方が低いことを告げる。
「そ、そうですか……。そもそも……、何でこんなことに巻き込まれてるんでしょうか……?何かのイベントとかだとしたら、嫌ですよね……」


それを聞いた姫条はうつむき加減で、ぽつりと呟くように告げる。正直、今の状態というのはとても怖くて、怖くて誰かの胸の中にすがりつきたいぐらいだ。しかし、そこまで出来る仲の人もいなければ、作ることもしなかった。同じことを繰り返さないためだった。こういう時のために、ロッドを持っているのだ、ロッドを握りしめて耐えろ。そう言い聞かせながら姫条は、ロッドを力強く握る。

「花散里さん……、その、あ、ありがとう……ございます……。ごめんなさい……、涙拭いてもらってしまって……」

姫条が涙を流しているのがわかると、花散里は何やらお高そうなハンカチで涙を拭いてくれる。その事を申し訳ないと思いながらもう片方の手で目元の涙を拭うと、顔を上げた。泣かないように、だ。
顔を上げると花散里が、生徒会室の出口にへと目線を移していた。

「ど、どうします、か?お茶受けは出せないですし、市販のTバックタイプの紅茶しか無いですが、探索ついでに行きます……か?」

おずおずとしながら質問を投げかけるのだった。

>>花散里鰐様、周辺all様


【いえいえ!大丈夫ですよ!これからもよろしくお願いしますー!】

9ヶ月前 No.61

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★DoaFJQIlTR_cjE

【 花散里鰐 / 北校舎・一階・生徒会室→北校舎・一階・廊下 】

 文芸部に用意されている紅茶がアッサムかアールグレイか、はたまたダージリンか。それは重要ではない。スコーンは無さそうなことも、素の鰐にとっては全く大事ではない。が、演技の真っ最中の鰐ともなれば話は別だ。お茶請けは出せない、との言葉に残念そうに眉尻を下げて「あら、そうなの」と小さく呟く。こんなシチュエーションでもお茶請けの有無に一喜一憂できる、というのは酷くお嬢様らしい。鰐の認識ではそうなっている。世間の認識はどうかは知らない。自分がお嬢様らしいと思う振る舞いを貫くまでだ。

「うふふ、よくってよ。あたくし、可愛く着飾った女の子は嫌いじゃありませんもの」

 ロッドを握り締めて涙を堪える結菜に、婉然と微笑みかける。軽率に百合っぽさをぶち込んでいくのも鰐的お嬢様ムーヴの一環である。出番の済んだハンカチは再びポケットの中へと戻り、しばしの休憩だ。
 ……さてと。いつまでもこうしているわけにはいかない。成長期の女子高生としては、この異常事態をさっさと解決して美容と健康のために早寝がしたいのだ。となると、やはり生徒会室からの移動は必要不可欠。彼女の言う通り、探索ついでに文芸部の部室を目指すとしよう。

「そうですわね。いつまでも蹲って事態に慌てふためいているだけ……なんて、麗しの令嬢たるあたくしのやる事ではありませんわ。さ、原因究明のために次なるステージへ参りましょう?」

 パイプ椅子片手に黄金の髪を颯爽と振り払い、そのまま臆することなく扉を開けては生徒会室の外へと踏み出す。手に持ったところで罪に問われるパイプ椅子ではないが、だからといってこのまま持ち運んで良いものかは実に問題だ。何しろ、ここは多少変わった所があるとはいえ普通の学校で、時間は下校時刻をとうに過ぎている。校則に『夜間にパイプ椅子所持での校内徘徊禁止』などとは書いていないが、どう考えても『どうぞご自由に』な筈も無し。生真面目な生徒に見つかれば口頭注意くらいは受けざるを得ない。何より絵ヅラがアレだ。ドレスワンピースとパイプ椅子なんて、そんなのセーラー服と機関銃みたいなものである。
 全て承知の上で、なおも鰐はパイプ椅子を持ったまま移動することを選んだ。それだけでなく、廊下に設置された窓という窓を手当り次第にパイプ椅子でぶん殴っていく。いちいち立ち止まらず、優雅な足取りで歩きながら、通り過ぎ様に一閃されるパイプ椅子。案の定ガラスは割れないが、それをなんとなく察した上での攻撃なのでわざわざ気を落としたりはしない。鼻歌を口ずさみながら、踊るようなと表現しても良い華やかさそのままの動きでパイプ椅子の殴打を繰り返しつつ、鰐は文芸部の部室がある二階へと続く階段目掛けて進んでゆく。
 ……何度も同じことを言うが、本当に絵ヅラがアレだ。

>姫条結菜様&ALL様

9ヶ月前 No.62

@purple3ru ★iPad=1tE8MwuPts

【炭火威朱雀 / 北校舎・一階・理科室→北校舎・一階・廊下】

さっきまで何処にいたかはさっぱり覚えていないが、いつの間にか気を失って何処かへ連れて来られるか何かしたらしい、ということはわかった。よくわからぬまま、とりあえず、と起き上がーーろうとすると、頭の中で記憶の断片が突然自己主張し、映像を流し始める。
息苦しい。息を吸おうにも酸素が奪われる。死んでしまう。辺り一面、真っ赤な炎に包まれて、熱くて、眩しくて、頭がくらくらして。目の前にあるのは、部屋を燃やす火だけでは無い。自分が今まで大切に大切に見張って守って現実世界に繋ぎ止めてきた弟がいる。自分と瓜二つ――とまでは言わずとも、よく似た容姿の彼は、朱雀と同じ黄色の三白眼を細めて、低い低いと言われる朱雀よりも低い変声期を終えた声で、嬉しそうに告げた。「見てよ、姉ちゃん! ずっとこれを姉ちゃんに見て欲しかったんだよ……! 綺麗だろう? 綺麗だろう!? あぁ、なんて幸せなんだろうな……」

「……っ! びっ、くり、した……なんなのよ、今のは」

プツン、と突然途切れた過去最大で過去最悪で永遠に美化されない思い出に、朱雀は独り言ちる。独り言なんて滅多に言わないのだが――言いたくならないのだが、ついつい口から勝手に零れた。感情なんて燃え尽きたはずなのに、朱雀は肩で息をし、全身が汗でぐっしょり濡れている。アウターの下に着ているインナーが肌にくっつく。それを気持ち悪いだとか早く着替えたいだとかそう思う欲はすっかり失っているけれど、どうやら燃やされたときの恐怖にも諦めにも似たあの感情は、記憶と共に残っているようだ。焼け残っているようだ。
まあ、そんなことはどうでもいい。燃えカスになった今の朱雀には全てのものに向ける感情が“どうでもいい”だが。息を整えて、スッと立ち上がる。此処はどうやら理科室らしい、というのを、周りを見渡して――試験管やらフラスコやら人体模型を視認して――理解した。こんな夜中に見る人体模型は今にも動き出しそうでかわいい女子なら「キャーこわーい!」と逃げ出してしまいそうだが、朱雀にそんな感情は無い。焼け消えたわけではなく元からビビリでは無いのだ。(さてさて、こうなると朱雀はどうしたものかしら? 別に何処に行きたいわけでも、「夜中に理科室に無意識に忍び込んだ」って怒られたく無いわけでもないのだけれど――ん?)
何も考えていない割にお喋りな独白は、何かを叩く音によって止められた。何かを何かで叩く音。硬いものを硬いもので叩く音。それが朱雀には――誰かに何かを言われれば何でもして、誰かに何かを言われないと何にもしない朱雀には、自分を呼ぶノックに聞こえた。都合の良すぎる自意識過剰な解釈だ。しかし、『外の物音が気になるから外に出る』という能動的な考えは、朱雀にはできなくなっているから。自分の中でこう感じ取ってしまう。

「……?」

ガラリと理科室の扉を開けて廊下に出ると、綺麗な金髪の女子生徒が、窓をパイプ椅子で殴打していた。ツッコミ担当のキャラクターなら「いや何してんの!? お嬢様にパイプ椅子って!! しかも窓ぶん殴ってるし!?」などと声をかけたかもしれない。だがしかし残念なことに、朱雀はツッコミでは無くどちらかというとボケだ。しかも天然の。その常人ならツッコミをしないと気が済まない絵面に、何も感じていないし、どころか『呼ばれた』と思っているので声をかけることすらしない。声をかけられて命令されたらそれをその通りにこなすつもりだ。

>>花散里鰐さま、姫条結菜さま、周辺allさま

【メイン参加失礼します!((。´・ω・)。´_ _))ペコリ
 こんな感じでよろしかったでしょうか…?
 そして絡み失礼しますっ 結菜ちゃんには気づいていません!】

9ヶ月前 No.63

千里 @matunogirl☆JygYpuYd4vU ★Android=pFeytiwsZA

【姫条結菜/北校舎・一階・生徒会室→北校舎・一階・廊下】

「は、はい……、すみません。そう、何ですか?」

少し残念そうに呟かれた言葉に苦笑を浮かべながら答えた。もちろんショッピングモールに行ければあるのだろうが、この状況を見るに恐らくショッピングモールなんぞに行けるほどの状態ではないだろう。とはいえ、ここから出られないとショッピングモールにだって行けないし、そもそも寮にも戻れない、ということになる。=お風呂に入れないし、布団で寝ることも出来ない。流石に学校の保健室で寝るわけにも行かない。

文芸部の部室に移動しないか?という案を述べると『そうですわね。いつまでも蹲って事態に慌てふためいているだけ……なんて、麗しの令嬢たるあたくしのやる事ではありませんわ。さ、原因究明のために次なるステージへ参りましょう?』ということで、移動を始める花散里を慌てて追いかけながら、廊下に出る。

廊下に出ると、パイプ椅子で、窓をぶん殴っていた。すごいなぁ、なんて思いながら姫条も持っているロッドでコンコンっと軽く叩く。

そうやって歩いている時。理科室まで進んだ時のこと。
「あ、あれ……?」

一人の人影が見え、自分たち以外にも人がいた事に驚きが隠せない。が、あいにく彼女が出てきたところは理科室。怪談話である程度は知名度の高い場所で、もしかして人体模型なのだろうか────、そう思いながらそろそろと近づくと女の子。生きている人だった。それも確かそれなりに1年の間ではパシリに使えるんだ、と噂を聞く人だった。
「あの……、こんばんは……?」

>>花散里鰐様、炭火威朱雀様、周辺all様


【大丈夫ですよ!!】
>>炭火威朱雀本体様

9ヶ月前 No.64

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★DoaFJQIlTR_cjE

【 花散里鰐 / 北校舎・一階・廊下→北校舎・一階から二階に向かう階段の途中の踊り場 】

 『麗しの令嬢』を演じる気があるのなら、俺達を割りにかからないでくれ――窓らの訴えが聞こえた気がした。気のせいだ。何故なら窓には舌が無い。口が無い。喋らない。それに鰐の考える高飛車なお嬢様は、自分本位な生き物なので緊急事態なら平気でパイプ椅子くらい振り回すのだ。ある程度の時間が経過すると、これやっぱり重たいからいりませんわ、と適当な場所にほっぽりだすのも込みで。美化委員会のくせに校内の備品は元に戻しましょうという意識が刷り込まれていない。
 ここはお城で今は舞踏会、そしてこのあたくしは舞姫! くらいの威風堂々っぷりで何の躊躇いも無く窓を攻撃して回っていた鰐。その足取りが理科室の半ばにかかった辺りで、不意に扉が開いた。中から出て来る人影。鰐は咄嗟に窓への攻撃を辞め……ることなく、変わらず窓をパイプ椅子でぶん殴りながら視線だけをそちらへ移す。目が合った。漆黒の虹彩と黄色の瞳孔。闇夜にも眩いソフト・ラベンダーの髪。白人の血が色濃く混じった鰐でさえ驚く、『女王の陶器』と呼ばれたウェッジウッドのティーカップのように真っ白でクリアな肌。この世のあらかたの美辞麗句が相応しい花顔は、けれど当人の表情の少なさである程度の魅力が削がれてしまっている。もったいない。微笑みの一つでも訓練すれば、さぞかし大量の貢ぐ君(※プレゼントや現金をくれる男性を指す言葉。平成の今となっては死語である)が寄って集ってくるだろうに。
 ここまで容姿を描写した後でこんなことを書くのも何だが、相手は知らない人間ではなく見知った隣のクラスの女子生徒である。炭火威朱雀。それが彼女の名前だ。クラス別で珍名対決をするならば1年5組の代表は彼女になるだろうし、1年6組の代表は鰐になるだろう。そんな対決、別に勝ったところでこれといった名誉にもならないけれど。――閑話休題。とてとてと歩み寄って挨拶をする結菜に続き、鰐も軽やかに片手を振る。

「ごきげんよう、炭火威さん。このあたくしに付いてらっしゃい。今から文芸部の部室に行きますの。ついでにパイプ椅子で軽く殴って窓が割れないか確認する作業、代わって頂けると助かりますわ。よくよく考えたら、現在の地球で最も美しい生き物であるこのあたくしに力仕事は似合いませんもの」
(ごめんなー! 我ながらこんな態度でごめんなー! でもアタシの中の高飛車お嬢様ならこうすっからさぁー! ごめんなー! あと地球上にはもっと綺麗な生き物もいっぱいいるー!)

 心の中で平謝り。片言節句には拘らないとばかりに、簡素な挨拶の後は自分の要求だけを突きつけた。適当な場所にがっしゃーんと投げ捨てていたパイプ椅子を戻って拾って、今度は朱雀の足元に置き直す。端から断られることなど想定していない態度。演技中の鰐はおおよそ誰が相手でもこういう言動ではある。あるのだが、それ以上に断られる気のしない理由は相手の評判を知っているからだ。やれと言われれば何でもやる子。下品な一部の男子生徒が「炭火威さんって、ヤらせてくれって言ったらヤらせてくれそうだよな」「だよなー。俺頼んでみよっかな」などと大声で話していた時は、思わずビンタで小気味良い音を響かせてしまったのを覚えている。あれからあの男子生徒らが朱雀を抱いたという自慢話は聞いていないので、なんか怖そうなお嬢様からの無言ビンタに恐怖して不埒な内容は頼みに行かなかったのだろう。我ながら良い仕事をした。素の鰐もお嬢様ムーヴの鰐も、ああいった下半身で物を考える下世話な連中は嫌いである。学校という空間はまさしく玉石混淆。極端に不愉快な人間は威嚇するに限る。あくまで鰐の自論だ。

「ノートルダム飛び石連休 モンマルトルパーティ三昧 マルセイユで暴飲暴食 シャンゼリゼで衝動買い ノルマンディー上陸作戦 パンテオンではスイッチOFF フイヤン・ジャコバン あなたはどっち派?  新体制 what do you say so!」

 某国の有名な王妃様の名を冠したタイトルの曲をリズミカルに口ずさんで、ワルツのステップを踏むように辿り着いた階段を昇る。プールの水で湿っていたドレスワンピースの裾はとっくに乾いた。薄暗い校舎に響き渡るソプラノボイスの音色。背景に花の都を幻視させるオーラと共に歌い続けて、踊り続けて。誰に憚ることもなく。花散里鰐は途中の踊り場にとんっと足を着けては、その場で優雅にターンして下段の二人に微笑みかけた。例えここが地獄でも、牛頭馬頭さえダンスに誘ってしまいそうな、臆すること無き天真爛漫なお嬢様のエレガントなスマイル。――作り物の、だからこそ本物以上に派手な表情。いつだって、天然の甘味より人工の甘味のほうが甘ったるいのだ。

「この事態を引き起こしたのが、神様か悪魔か人間かは知りませんけれど――神様や悪魔が怖くちゃ人間なんてやっていられませんし、人間なら人間が勝てない道理はありませんわ! あたくしはあたくしらしく、貴方がたは貴方がたらしく! 優雅で華麗に颯爽と、快刀乱麻の解決劇に導いてみせましょう!」

 造花とて、様々な種類のものを一斉に咲かせれば華やかなもの。両手を広げて、何の根拠もない……けれど不思議と自信に満ちた誘いを二人にかける鰐。窓から差し込む月光を背景の姿見が反射して、さながら舞台上のスポットライトのごとく鰐の頭上を照らし出した。
 今宵の贋作令嬢も、己の演出に余念が無い。

>姫条結菜様&炭火威朱雀様&ALL様

【絡みありがとうございます。こちらでもよろしくお願い致します! あと朱雀ちゃんの瞳なのですが、プロフィールには黒目とも黄色の三白眼とも書かれていたので“瞳孔が黄色で虹彩が黒”と解釈いたしました。間違っていたらすみません……】

9ヶ月前 No.65

@purple3ru ★iPad=1tE8MwuPts

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9ヶ月前 No.66

千里 @matunogirl☆JygYpuYd4vU ★Android=pFeytiwsZA

【???/???】

「あー、てすてすーてすてすー、聞こえてますかー?うん、大丈夫そうだね。えーっとまずは聖山学園に通う罪深き生徒の皆さんこんちわー。此度は異世界……じゃないなぁ、まぁともかくこの世界にようこそー!僕は君たちを歓迎するよ!」

どこからとも無く響く声。その声は直接脳内に問いかけてくるような頭に響くような声で話しかけてくる。

「ふふ、驚かせちゃったかしら?……さて、皆さんにそろそろここの事について教えましょう!」

頭に響くような声はまだ幼さを残した声で、高い声だった。

「……とは言っても説明出来ることはここはみんながよく知ってる聖山学園ってことかな!」

その場にいたら恐らくにぱっという笑いを浮かべながら言っているのではないかと思うぐらいにけろりとそんなことを言って述べる。
「まー、みんなにも言いたいことや、聞きたいことはあるだろうけど、まずはここまでね!」

全部聞いちゃったら面白くないでしょ?なんて言いながらくすくすという笑い声が聞こえる。その後に、ああ、そうそう、と言いながら???は口を開く。
「寮に戻れないと困るだろうし、ご飯もなければ困るだろうから昇降口の鍵は開けておいたわ。後は、ショッピングモール……だったかしら、あれ。そこにも行けるようにしておいたの。後は空気の入れ替えも必要でしょう?別に窓から飛び降りれたからって外には出れないように校門にはロックをかけているから出れないようにしてあるし、開けて空気の入れ替えもしてよね。まぁともかくこの世界に必要なものは色々取り寄せてもらったから有意義に活用してちょうだい」

そんなふうに言うと、「ああ、めんどくさかった」なんて言って欠伸をふぁぁ、とするのだった。

「あー、これもいい忘れてた。貴方達の胸ポケットとか言うところにとあるロッカーの鍵とロッカーの場所のヒントとなるカードを入れておいたわ。……胸ポケットがない人は手荷物とか適当なところに突っ込んでおいたから探してちょうだい。まぁ、あとは勝手に集まるなりななんなりしてよ!それじゃあ今度こそ、ばいばぁい、罪深き少年少女達よ!」

【謎の人からの通信ですね!これより、第2章が終盤に入ります。後に佐伯の方で放送を入れさせて頂きます。
後、結菜のレスはこのあと!!この後に返させて頂きます!!遅くなって申し訳ないです!
後、これに反応して頂けると幸いです!】

>>all様

9ヶ月前 No.67

千里 @matunogirl☆JygYpuYd4vU ★Android=pFeytiwsZA

【佐伯心愛/放送室】

佐伯が三鷹と話していると、不意に頭に響く声。何を勝手なことを────。そんなことを叫びたいのに頭が痛くて、それどころではない。そもそも喉が張り付いたようになって、声が出なかったのだ。罪深き少年少女達よ。そのセリフは、佐伯にとって辛いものだった。
────もう、辞めて。あんな思いはしたくないの。

そう思いながら、放送のスイッチを入れる。電気がついた。ということは、放送ができる、という事だ。まぁ、生徒に繋がるかはわからないが。

「……聞こえるかしら?この放送が聞こえたなら、北校舎3階視聴覚室に集まってくれるかしら。私は職員室に寄ってお茶がないか見てから行くわ……。とりあえず、この状態について、情報交換……しましょうか。あとは、そうね、この学園にいる人の確認、それから安否確認としましょうか。とりあえず、視聴覚室に来てくれると助かるわ」

そう放送してからふぅ、と息を吐く。とりあえず、この状態について理解を深めなくちゃ……。そう思いながら、三鷹に「ごめんね、いきなり話し進めちゃって」なんて言いながら苦笑を浮かべるのだった。

>>三鷹祐李様、学園生徒all様


【ストーリー上、少々お話を進めさせて頂きます……!申し訳ないです!】


【姫城結菜/北校舎・一階・廊下→北校舎・一階から二階に向かう階段の途中の踊り場】

姫城が朱雀に声をかけると、無表情で、挨拶を返される。結菜自身、あまり人とかかわらなかったのもあり、むしろ少し距離を置かれていた方が、相手に依存して、相手を間違ってしまうことも無い。

そう、この人は正しいことをした。僕は、あまり人と関わるべきではない。好きになってしまったら、愛されてないと思うと、怖くなるからだ。それで過去には間違えを犯した。罪を、犯した。ちょこちょこと歩きながら付いていくとステップを踏むように階段をトントントンっと上っていく。
『ノートルダム飛び石連休 モンマルトルパーティ三昧 マルセイユで暴飲暴食 シャンゼリゼで衝動買い ノルマンディー上陸作戦 パンテオンではスイッチOFF フイヤン・ジャコバン あなたはどっち派? 新体制 what do you say so!』

なんの歌詞なのだろうか。そう思いながら一段一段、丁寧に登っていく。きちんと窓も軽く叩きながら。そうしていると、朱雀から声をかけられる。

『そうね。朱雀は朱雀らしく頑張るわ。姫条さんも姫条さんあらしくがんばるのよ? なにかやってほしいことがあれば朱雀がするわ』
「えっ、ぼ……僕ですか?……そ、そうですね、今のところは特にない……です。あ……ぶ、文芸部でちょっとお茶でもしないか?って話してたんです、けど……ココア、紅茶、あと……コーヒー、どれが好きですか……?」

やってほしいことはないか、と聞かれ、今のところは特にないなぁと思った姫条は、特にないと告げた後にどれが飲みたいか、という話になる。
相手の好みによって変わるだろうし、それは相手に合わせなくては。そうおもったのでとりあえず聞いてみる。花散里は紅茶だろうと思っているが。

そんな時だった。唐突に頭に響くようなそんな言葉が頭に流れたのは。『あー、てすてすーてすてすー、聞こえてますかー?うん、大丈夫そうだね。えーっとまずは聖山学園に通う罪深き生徒の皆さんこんちわー。此度は異世界……じゃないなぁ、まぁともかくこの世界にようこそー!僕は君たちを歓迎するよ!』
「な……なに……?」

彼女はこちらの心でも読んでいるのかと思うぐらい的確にズバズバと当てていく。
頭に響いた声は、『罪深き少年少女達よ』と言っていた。ということはほかにも生徒がいる、ということだろう。

「頭痛い……、……他にも生徒がいるの……?」

そんな時だった。学園の放送が響き渡ったのは。生徒会長からの放送で、視聴覚室に集まってほしい、とのことだった。
「……ど、どうします、か?文芸部の部室に寄ってから行くか、それともこのまま視聴覚室に行くか……」

僕はみなさんに任せます、なんて言って二人に意見を求めるのだった。

>>花散里鰐様、炭火威朱雀様、周辺all様

9ヶ月前 No.68

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★DoaFJQIlTR_GwQ

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9ヶ月前 No.69

@purple3ru ★iPad=1tE8MwuPts

【炭火威朱雀 / 北校舎・一階から二階に向かう階段の途中の踊り場→北校舎・二階・廊下】

「ココアと紅茶とコーヒー? その中から選べばいいのかしら? だったら朱雀はココアがいいわ」

やってほしいことをきけば、結菜は飲み物の好みを問う。正直に言えばどれでも良かったし、何ならクソ不味い青汁でも泥水でも毒でも構わない。というか、自分が口に入れる液体すらどうでもいいのだが、『どれが好きか答えろ』と言われたので(正確には『どれが好きですか』とおどおどと聞かれた)、一番最初に示されたココアを答えた。

「……っ」

結菜と共に鰐についていきながら、次の窓にパイプ椅子を叩きつけようとしたところで、それを空振ってしまった。なんとか取り落とさないよう持ち直しながら、アナウンスに耳を澄ます。耳を澄ますとは言っても、耳から聞こえてくるのではなく頭の中に響いているのだが。そのせいで少々頭が痛い。楽しそうな高音域の声。声の主は恐らく少女だろう。自分たちより年下。まだ義務教育を終えていない年齢だと思われる。幼い僕っ娘は、告げた。此処は学園だということ、昇降口の鍵は開けたこと、窓を開けれるようにしたこと、ロッカーの鍵とロッカーの場所のヒントが書かれたカードを胸ポケットに入れたこと。「ばいばぁい」という陽気な挨拶とともに、プツリとアナウンスは途切れた。(……なによ、いまの)さっきから不可解な現象しか起きていない。というか、現在進行形で起きている。本当になんなのだ、これ。学園で生活しろ? そういうアニメを昔見た気がする。気がするだけかもしれない。朱雀には趣味が無いので――無くなってしまったので、アニメを見る趣味は無い。無いが、テレビにそれがついていればそのままそれを見るので記憶が曖昧だ。興味無いし。
(胸ポケットに鍵とカードを入れた……とか言ってたわよね? 探してちょうだい、とも。つまり朱雀は鍵とカードを探さないといけないわけね)生憎、朱雀の服には胸ポケットが無い。とりあえずショートパンツのポケットに手袋を着けた手を突っ込んでみる。中に異物を確認。中身を取り出すと、やっぱり。鍵とカードは入っていた。カードを詳しく見る前に、再び放送がかかる。今度はちゃんと耳から聞こえてくる。頭の中には響いてこない。スピーカーからだ。内容は、北校舎3階視聴覚室に集まれ、というもの。
朱雀は命令されれば何でもやるし誰かを裏切ることもなんとも思わないので、北校舎3階視聴覚室へ向かえと言われれば、そこまで誰と行動していたとしても関係なくそちらへ向かう。なので、放送が終わるよりはやく朱雀の足は視聴覚室へ向かっていた。しかし、結菜に「どうします、か?」と聞かれ、朱雀が答える前に鰐が迷いなく視聴覚室に行くことを決定する。

「朱雀も視聴覚室へ行くわ。集まれと言われたもの」

自分にもきかれていたので、一応意見を述べておく。そして、鰐の場違いな雑学を聞きながら、視聴覚室へと足を進めた。

>>姫条結菜さま、花散里鰐さま、周辺allさま

9ヶ月前 No.70

有栖川 @hananomi☆Mwp.W.uiBT6 ★5tuXai74if_pp5

【 二条 景 / 南校舎 / 1階廊下 】
 一旦ラウと別れ、保健室へと移動するために歩いていた最中。突如響き渡った放送に、景は微かに顔をしかめた。自殺をしようと図った時点で自分が罪深いことなどいまさら言われるまでもないが、それを自認していることとそれを見ず知らず(であるはず)の誰かに言われるのとではまた全く話が違うのだ。
 他人を馬鹿にしたような口調で続く放送は、一通りこの学園の現状を伝えた後に、ロッカーの鍵とそのカギで開けられるロッカーの場所のヒントを忍ばせた、と告げ、始まった時と同じように、唐突に切れた。言われてみれば確かにそれらしき、自分で入れた覚えのない鍵と紙切れらしきものの感触がある。普段胸ポケットには鍵の類を入れないから、恐らく放送の声の主が言った通りの事なのだろう、と考えた。
 次いで聞こえたのは、先程の放送とは異なり、聞きなれた生徒会長の声だ。放送が聞こえていたら、安否確認と情報共有のために視聴覚室へと集合してほしいということらしい。

「……そういう事なら、顔を出さないといけませんわね」

 安否確認の大義名分を出されてしまっては従わないわけにもいかない。混乱している者も少なくないであろう現状、情報交換も大事だ。先ほど倒れたとはいえ、行かないというわけにもいかない。
 景は小さく呟き、北校舎への渡り廊下を通る為に、まずは2階へと歩き出した。

>>周囲ALL

【溺様が一時的に来れなくなっているとのことなので、一旦絡みを切らせていただいての投稿となります。
 鍵の詳細やヒントについては詳報が出ていなかったと思われますので、ぼかして書いております】

9ヶ月前 No.71

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