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曉の彼は誰時。

 ( オリジナルなりきり )
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ホラーゲーム風 / 和風 / 脱出 @sweetcatsx☆2/Tw0gYxHcQ ★iPhone=VHGaT7ZbKj

 ――――朱月≠ノは気をつけて。

 ――――貴方も、ああなってしまうよ?


【 八月上旬 / 山の麓の町 バス停留所 】

 がたがたと揺られ続けること一時間。止まったバスをおりてゆっくりと辺りを見渡す。辺りには田畑、そして山。この山の向こうに目指している場所はあった。


 その山には入ったらいかん。
 その山の奥には、曉町がある。
 あの町は住人全員が神隠しにあった。もう誰も残っとらん。

 ――――あんたも、神隠しされちまうぞ。


 幾度となくかけられた言葉を愛想笑いで逃げ切って、一歩、また一歩と山の奥へと足を踏み込んでいく。生い茂る木々が空を遮るようにして立ち並んでいるせいか薄暗く、より一層怪しげな雰囲気が立ち込める。深い深い山道をただひたすら、真っ直ぐ。


【 八月上旬 / 曉町高台広場 】

 山道を何時間歩いただろうか。目の前に巨大な朱塗りの鳥居が視界に入る。安堵からか思わず溜め息が零れた。やはり、やはり実在していた。浮き立つ気持ちを抑えつけ辺りを見渡せば黒のワンボックスカーが視界に入る。……もしかしたら、広めの道もあったのかもしれない。

(…………他にも人がいるのか)

 心に小さく浮かんだ疑問。それらを拭い去るためにはこの中に入らなければ。深く息を吸い、ゆっくりと鳥居の下を潜る。――――その時だった。


「――――――――もう、逃げられない」


 鼓膜を震わせた少女の声。辺りに少女はいない。気のせいだったのだろうか。首を捻りながらもふと、視界に映った空に目を見開く。何故、どうして、空はまだ青かったはずだ。それなのに――――


 何故、空は闇に染まっているのだろう。
 何故、月はあんなにも赤く染まっているのだろう。


 ――――これは、閉ざされた町曉町≠ノ足を踏み入れた彼等に待ち受ける怪異譚である。

( 鈴の音が、聞こえた気がした )



 ///

( 冬だけどホラースレッドです! 兎にも角にもサブ記事へ! )

メモ2018/10/08 11:16 : 七、都城京☆e0aRNqDUyEM @sweetcatsx★iPhone-8p27ODDVl8

要必読事項(EDについて) → http://mb2.jp/_subnro/15697.html-234,250#a

イベントについて → http://mb2.jp/_subnro/15697.html-232,233#a


第一章『曉町』>>1-186

第二章『蠶』>>187-354

第三章『朱月』>>355-


【 登場人物 】

▼ オカルトサークル

 八岳龍矢(芙愛さん)http://mb2.jp/_subnro/15697.html-41#a

 逢澤安玖(千羽さん)http://mb2.jp/_subnro/15697.html-32#a


▼ 曉町探し隊

 御子柴ゆらぎ/ふわりちゃん★(夕邑三日月さん) http://mb2.jp/_subnro/15697.html-16#a

 鑓ヶ岳烈/足軽其の壱(すずりさん)http://mb2.jp/_subnro/15697.html-23#a

 狩谷真希人/よこぎる猫(かささぎさん) http://mb2.jp/_subnro/15697.html-63#a

 安仁屋右叉兎/シシO(推古さん)http://mb2.jp/_subnro/15697.html-199#a


▼ ホラー小説作家と編集者とカメラマン

 都城京(冬野)http://mb2.jp/_subnro/15697.html-62#a


▼ ある理由からやってきた謎の人物

 式島柊平(神崎りりかさん)http://mb2.jp/_subnro/15697.html-28#a


▼ 村で出会った謎の少女

 七(冬野)http://mb2.jp/_subnro/15697.html-13#a

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特殊レス @sweetcatsx☆e0aRNqDUyEM ★iPhone=8p27ODDVl8

【 特殊レス / 曉町立図書館 二階書庫 】


 ずるり、ずるり、と七に寄っていこうとする女が不意に足を止める。そしてゆるり、と立ち上がりながらゆらぎへと視線を向けた。その言葉に、その思いに。

『――――おにいちゃんは、やさしかった』

 ぽつり、ぽつり、と呟く。優しくて優しくて、でもいなくなってしまった。おにいちゃんはどこへいってしまったの、ねえ、なんで、どうして、わたしのおにいちゃんはどこなの。

『――――ちゃん、わたし、の、かんざし……』

 女の唇が誰かの名前を呼ぶ。懐かしそうに、苦しそうに。その時だった。女の視界に映るそれに、女の目が見開く。

『ッ……あ、ぁぁぁぁぁぁ!!』

 安玖から手渡されたそれを見た女の頬を涙が伝う。悲しくて、嬉しくて、苦しくてら、ちりん、と音色を奏でる伸ばす七の髪を飾る鈴ではなく女が握る簪。


『おにいちゃんはやさしかったのに、――――で、いなくなってしまった。おにいちゃんだけじゃない。――――も、いなくなってしまって』

 簪を掴んだ女の瞳から涙が零れる。大事そうに簪を抱きしめながら震える声音はまるでなにかを悔やむようだった。

『おにいちゃんも、おねえちゃんも、おかしくなって……町がおかしくなって――――あなたたちも、気をつけて。おかしくなってしまわないように』


 ありがとう、あかつきに、気をつけて。そう囁くと女は柔らかな微笑を零して髪に簪を挿すと霧のように消えていく。まるで初めから何も居なかったかのように。ただ、その場所には鈴の描かれた日記がぽつん、と残されていた。


>> 二階ALL


(ということで二階サブイベ鈴の付いた簪≠アれにて成仏という形で終了です! ちょっと大人の都合ぶっこみましたが、烈ちゃんとゆらぎちゃんの立ち回り、安玖くんの名推理ありがとうございます! とてもたのしかったです! それでは探索にお戻りください!)

1ヶ月前 No.443

御子柴 ゆらぎ @mistydark☆NIljAHmRyhk ★Android=GaTaMXF8bf

【御子柴ゆらぎ/図書館二階書庫】

 振り上げた腕は後ろから誰かに掴まれて行く先を無くした。はっとして振り返ると、そこには簪を手にした安玖がいる。
「安玖くんナイス!」
 思わずゆらぎはそのままハイタッチでも決めそうな勢いで叫んだ。刃など、振り下ろされずにすむのであれば、その方が良いに決まっているのだから。
 そのまま彼の為に道を開けたゆらぎは、未だに熱を帯びる右手に一瞬視線を向けて、飛び出したままの刃をしまう。今日だけで安玖に手を取られたのは二回目だ……多分。いや、首とか背中とか入れたらもっと色々あったかも知れない。龍矢パパとは違う意味で頼りになる男性である……変な意味ではないが違う意味で心臓に悪いが。
 そしてその一方で、落下物女は正気を取り戻してくれたようで。

 優しかったおにいちゃんにが、いなくなってしまった。失踪した兄がくれた簪だったから、あんなに半狂乱になって探し続けていたのだろうか。しかし、おにいちゃんもおねえちゃんもおかしくなったとは? 優しかった人がおかしくなって消えてしまった? それこそ今目の前で一行の身を案じる女は人が変わったようで、まるで先程まで“おかしくなっていた”かのようだ。そう言えばふじのの父親も急に大人しくなって……おかしくならないように気を付けて……あかつきに気を付けて?
「朱月のせいでおかしくなった?」
 これまでの事象を統合したゆらぎの疑問に、答えるものはもういない。満足したのか、彼女は始めからそこにはいなかったかのように消えてしまっていた。そこに一冊の日記だけを遺して。

 何とはなしにそれを拾い上げたゆらぎは、書かれた文字列を読み上げる。
「いなくなってしまった。どうして? どうして、いなくなっちゃったの? ……しょうま、おにいちゃん。……しょうま……この後何かスペースあるけど読めないや……さっきの話からするとおねえちゃんかな? えっと、こわいよ、たすけて」
 何だか聞覚えのある響きにゆらぎは一瞬首をかしげたが、結局深く考えないことにした。それよりもさっきから意味深に文章が歯抜けになっている日記が多すぎることの方が気になる。
 しょうま、なんて……多くはないが少なくもない名前だろうから。

「……二階、もっかいちゃんと探そうか。さっき安玖くんも日記がどうって言ってたよね?」

>二階all

【思いっきりサブ記事に本編のレスを投稿してしまった馬鹿です、お許しください……m(__)m 二重投稿エラー避けに若干加筆してあります。
 改めましてサブイベントお疲れ様でした!】

1ヶ月前 No.444

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

【鑓ヶ岳烈/暁町立図書館・二階 書庫】

二度あることは三度ある、再び現れた女はまたしても七に向かって近付いてきた。這いつくばって探索をしかけていた烈は一瞬対応に遅れる。くそ、と彼女にしては珍しい悪態がつい口から飛び出した。どうしたものか、焦る気持ちを抑えながら机の下から這い出た烈だったが、どうやら安玖の持ってきた簪が鍵となったらしい。女なその簪を探していたようで、生きている人間のようにほろほろと涙を流す。お兄ちゃんもお姉ちゃんも、町もおかしくなってしまった。そう彼女は語ってから、女は此方を案ずるように、「ありがとう、あかつきに、気をつけて」と口にして消えてしまった。

「人が、いなくなる……朱月……。先程警官殿がおっしゃっていたお話とも似ておりますな。もしかして、我等が閉じ込められたのも、そのせい……?」

女の言っていたことを反芻しながら、烈はむむむと頭を悩ませる。こんなことなら兄者こと次兄にも着いてきてもらえば良かった。文系の兄者なら民俗学についての造詣も深いのではないか……なんて思いもしたが後の祭り。今は自分たちの力で此処から脱出するしかないのだ。ならば探索を続け、手がかりを見つけていくしか手段はあるまい。

「左様にござるな、ゆらぎ殿。二階もしっかり探索致しましょうぞ。虫食い日記が多いのは困りものでござるが手がかりにならないということはありませぬ。こう、パズルのように、いくつか組み合わせれば概要がわかるやもしれませぬからな」

ゆらぎの手にした日記を横からちゃっかり覗き込みながら、烈は彼女の意見に賛同の意を示す。本当にゆらぎの言うとおり、此処で見つける日記は何処か抜けている箇所がある。それでも記録として残されているものである以上、烈たちは日記に頼らざるを得ない。

「朱月、というのは何かの儀式でござろうか。それとも迷信……?この町に伝わる伝統的な何かの可能性が高うござりますな。だとしたら神社について調べるのが妥当にござるか……?あっ、逢澤殿、神社の鍵をお持ちでござりましたな!ならば拙者は次に向かう場所のためにも、神社や伝統行事についての書物を探すことを薦めまする!」

一通り思索してから、烈が思い至った答えはそれであった。神社について調べる。一階では目ぼしいものがなかったけれど、二階にならあるかもしれない。それでも他者の意見を聞いておくことも忘れずに、「皆様はどのようにお考えにござるか?」と一同に質問を投げ掛けた。

>>二階all様

1ヶ月前 No.445

推古 @iwing ★gBSwv0JJyH_Tzt

【安仁屋右叉兎/曉町立図書館・一階書庫】

「どこでって、そこの机っスけど……」

 Bの番号が割り振られた机を見る。

「正確には、机の下の方に落ちてあったのを拾ったものっスけど、これがどうしたんですか?」

 頭に疑問符を浮かべる。柊平がなおも切歯扼腕するような思いで右叉兎の腕を握り締めるが、何に対して怒っているのかが本気で分からないようだった。右叉兎はこの場の空気が読めなかったので、自分がまさか揉め事に関わってるとは露知らず、まるで対岸の火事かのような態度をとっており、のほほんとした表情で目の前の相手を見やる。

「あっ、そっちも何か見つけたんスか?」

 ちょうど龍矢が受付カウンターから出てくるところだった。縄を床に引きずりながら運ぶ様子には度肝を抜かされたようで、どうしてあんなものが図書館にあるんだろうと首を傾げた。

>> 式島柊平様、八岳龍矢様、周辺all様

1ヶ月前 No.446

@sweetcatsx☆e0aRNqDUyEM ★iPhone=8p27ODDVl8

【 七 / 曉町立図書館 二階書庫 】


 白い着物の女は消えた。七はぺたり、と地面に座り込んでいたがもそもそとまた動き始める。服に付いた埃を払ってから唇を開く。

「――――わたし、は、本棚は調べられそうにないので……他をさがしてみますね」

 本棚探索が目が見える周りに任せ竹箒をぎゅ、と抱きしめるとまた歩き出す。きょろきょろと辺りを見回しながら、足元を箒で掃きつつ前に進む。ぽすり、と何かにぶつかったようで首を傾けながら左腕を伸ばしぺたぺたと自分に触れた障害物に触る。固いそれの上には特に何もないようだが何は少しずつ進みながらそれを確かめてみてから後ろを振り返る。

「えっと……これ、机……? ここだけ開く……みたいです……」

 七にぶつかったそれはどうやら一階にもあった受付テーブルであるようだった。横から受付テーブル内に入れるようでそれを確かめた七は振り返り周りの様子を伺うことにしたようだ。

>> 二階ALL

1ヶ月前 No.447

御子柴 ゆらぎ @mistydark☆NIljAHmRyhk ★Android=GaTaMXF8bf

【御子柴ゆらぎ/図書館二階書庫】

「……烈ちゃんエスパー?」
 虫食い日記は困る、と思っていた通りの事を言い当てられたゆらぎは思わずそう呟いた。烈がエスパーというよりは、皆同じような事を思っているというのが正しいのだろうが。
「うん、それもそうだね……今までの事を統合すると、月舘家からは誰か追い出されてて竹彦さんとやらが後を継いだけど何かが上手く行かなくて、ふじのちゃんは人形壊しちゃってパパとすれ違って……あとあのひとがどうのってのとおにいちゃんがいないってのと……なるほど分からん。いなくなったおにいちゃんと月舘家の元跡取りが同一人物ってのは流石に安直だしなぁ……」
 そして、幾つか組み合わせれば良いという烈の提案にゆらぎはこれまで皆が見付けた日記の内容を反芻するも、結局有益な情報は出てこなかった。
「となるとやっぱり神社関係の本を……取り敢えず本棚? あ」
 先程放り投げたのは辞典だから関係ない、としれっと放置を決め込んだゆらぎは散らかっていない本棚を指さ……そうとしてその人差し指はカウンター状の机に向いた。何故なら其処には、箒を頼りに歩き出し、更にカウンターが開く場所を見付けたという七がいる。

「えっとなっちゃん大丈夫? 先ずは無事で何より……そこは多分受付カウンターだよ、本の貸し借りの手続きするところ。今なっちゃんが触ってるところに蝶番が付いてて、持ち上げれば開くはず……奥は事務所かな? 行ってみるなら一人じゃ危ないし着いてくよ〜。あ、烈ちゃんに本棚の確認お願いしていい?」

>烈ちゃん、七ちゃん、周辺all

1ヶ月前 No.448

神崎りりか @else☆TYRYeuBpk3k ★t4ewEy7NmI_AC5

【 式島柊平 / 暁町立図書館・一階書庫 】

 安仁屋の何も分かっていないような無垢な表情を見て、式島は自分が早計に失していたことに気が付いた。どこにあったのかと問いたものの、手紙が見つかった、その事実だけが重要なのであって、本当は見つかった場所なんてどうでもよかった。いや、何故あんな触れてもいない机の下に手紙があったのか疑問には思ったが、この際そのことは気に留めないでおこう。この町に足を踏み込んでから幾度となく摩訶不思議な怪奇現象に見舞われ続けていた。いちいち反応していたらきりがない。
 式島は掴んでいた手をそっと離し、息を整える。そして呑気な安仁屋に向かって「……すまない」と小さく謝ったあと、改めて彼の瞳をじっと見つめた。

「それは、その紙片は俺にとってとても大切なものなんだ。……返してくれるか?」

 絞り出すような声で懇願する。安仁屋はおろか、近くにいる八岳も編集者もまだこの紙切れについて何も気が付いていない様子だった。それならば今すぐこの手紙を回収することができれば全ては杞憂に終わるだろう。彼らに何一つ手がかりを渡してはいけない。この暁町の失踪事件は自分一人で解決しなければ意味がないのだ。
 式島は八岳が縄を見つけたことにも一切眼中にないようで、ジッと安仁屋の答えを待った。彼の返答次第では強奪することも厭わない様子だった。


>一階周辺おーる

1ヶ月前 No.449

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

【鑓ヶ岳烈/暁町立図書館・二階 書庫】

どうやらゆらぎも烈と同じようなことを考えていたらしい。烈ちゃんエスパー?という彼女の言葉に烈は一瞬きょとんとするが、すぐにぱっと表情を輝かせた。この薄暗い室内にはあまりにも似つかわしくない。

「おぉ、以心伝心、にございますなゆらぎ殿!拙者はよく空気が読めないだのなんだの言われます故、同じことを考えていたというのは嬉しいものにござりまする!」

もしも此処に烈のクラスメートがいたら「そういうところだよ鑓ヶ岳」と突っ込まれそうである。これまでに経験してきた出来事だとか先程の一件だとか、決して明るいことがあった訳ではないのにこのテンション。ある意味物凄い肝っ玉と言えるのではないか。雰囲気ぶち壊しなことこの上ない。かといって烈がほの暗い雰囲気を作り出すことは地球が四角くなってもあり得ないことであろう。
七も動けるようになったのか、着物についた埃をぱたぱたと払ってからまた動き出した。七がたどり着いたのはいわゆる貸し出しなどを行う受付カウンターだった。箒を掃きながら進んでいたら其処に行き着いた、ということで間違いなさそうだ。

「うむ、わかり申した!ではゆらぎ殿と七殿には奥の方をお願い致す!気になった書物は読み終わり次第近くの机にまとめておきまする!」

本棚の調査を頼まれた烈はぐっ、とそのまま溶鉱炉にでも沈んでいきそうな勢いで親指を立ててみせる。何故そんなに前向きなのだろうか。答えは鑓ヶ岳烈だからである。気にしてはいけない、これがデフォルトだ。
とりあえず烈は近くの本棚から順に気になる本を手に取っていくことにした。神社だとか民俗学だとか、そういった類いの本を重点的に探していくことにする。ある程度手に取ってからさすがに持ちきれなくなったのか、烈は近くにあったGと記された机に持っていた本を置いておくことにした。

「……そういえば、此方の机はまだ調べておりませなんだな」

本を置いてから、ついでとばかりに烈はGの机の上を眺めてみたり、引き出しを開けたりしてみた。(別の机だが)先程潜った机の下も確認しておこう。

>>二階all様

【ひぃ〜お返事遅れてしまって申し訳ございません……!】

1ヶ月前 No.450

八岳龍矢 @fue☆dTW3Rdrh5/. ★iPhone=uYwUDyqtCB

【八岳龍矢/暁町立図書館・一階書庫】

ちょっと、二人とも何揉めてるんですかこんな時に……
そう言いかけて安仁屋さんと式島さんの間に割って入るところだったが、二人の間には思っていたほど剣呑な空気は流れていない。
ちゃんと協力しましょうよ、なんて、とても言えた義理ではないけれど、俺はそこそこまあまあ空気を読んで立ち回り、人とは敵対せず、貢献しているつもりだ。自画自賛。
どうやら安仁屋さんは式島さんの反感を買うべくすっとぼけているわけではなく、彼自身気づかないうちに式島さんの大切な何かを手中に収めてしまっているらしかった。事の行く末をハラハラと見守っていると、式島さんも冷静さを取り戻してきたらしく、此処からは穏便に話が進みそうだ。

「……よかった。あの、安仁屋さんが何を手にしてしまったのかはわかりませんが、大切なものなら返してあげたほうがいいんじゃないでしょうか。人には触られたくないものもありますし、その……」

式島さんを怒らせないようにそう言いながら、しまったこれでは安仁屋さんと敵対してしまうみたいだ、と慌てて自衛に入る。

「でも、手掛かりになるなら共有したほうが良いというのもわかります。今までみたいに、思わぬ誰かがパズルの別のピースを持っているってこともありますし」

そこまで言って俺は「すみません」と肩を竦めた。出過ぎた真似は絶対しないほうが良いと思っていたのに。なんでもありません、と両者に取り入る俺は卑怯だ。鷸先輩が持っていたはずの簪を手に螺旋階段を駆け上がっていく都城さんの後ろ姿が見える。階上から、逢沢先輩と何か話している声がした。都城さんが届けたのも、何かの1ピースだったのだろうか。

「……ああ、そうなんです、受付のテーブルに、こんな縄が……なんでこんなものが図書館にあるんでしょうね」

丁度手掛かりの話と安仁屋さんの言葉で思い出したのと、このムードに居たたまれなくなって話題を逸らしたかったのと、その両方で、俺は手にした縄を掲げてみた。どうしてこんなものがこんなところに。残念ながら今のところ全く何も思い当たる節がない。
きっと二人も同じだろうな……と希の薄い期待を抱きながら、そっと図書館の出入り口を見る。そういえば、逢澤先輩も驚いていたけれど、
ーー鷸先輩、何処へ行ってしまったんだろう。


>安仁屋さん、式島さん、都城さん、一階all

1ヶ月前 No.451

@sweetcatsx☆e0aRNqDUyEM ★iPhone=8p27ODDVl8

【 七 / 曉町立図書館 二階書庫 】


 ぺたぺたと受付テーブルに触れていた七であったが背後からかけられたゆらぎの言葉にごそごそと蝶番をあげれば扉を押す。ゆっくりと開いていくそれに気付いたのか振り返って辺りを見回し唇を開く。

「えっと……じゃあ、行ってみます……。御子柴さんも……よろしくお願いします……」

 ぺこりと頭を下げれば七は受付テーブルに手を触れさせ伝いながら足を踏み出す。受付テーブル内はそれほど広くもないがテーブル背後には扉が一つある。七は扉には気付かず受付テーブル付近を捜索しているらしくしゃがみながら辺りをぺたぺたと触れて歩く。

「――――これ、は……?」

 ふと、七の動きが止まる。どうやらなにかを見つけたようだ。受付テーブルの中に手をいれた七は触れたそれを握りながらゆっくりと手を引く。そしてそれを握ったまま着いてきてくれたであろうゆらぎへと向けば首を傾ける。なんでしょう、これ、と付け足しながら。

>> 二階ALL


(運営側が奥の探索に固まってしまったのでアイテムは回収させてもらいますね…! 推理はみなさまに丸投げです!)

1ヶ月前 No.452

都城京 @sweetcatsx☆e0aRNqDUyEM ★iPhone=8p27ODDVl8

【 都城京 / 曉町立図書館 一階書庫 】


 安玖に渡した簪、どうやら二階の騒ぎは無事に鎮まったらしい。都城ば安堵の表情を零し螺旋階段に背を向け一階の面々の元へと歩き出そうと足を踏み出す。だがしかし、都城は振り向いたことで今度は別の事件を見てしまったらしく顔が青くなる。

「えー……何やっとるんですか…………」

 振り向いた都城の視界に映ったのは安仁屋の腕を掴む式島の姿だった。何とも険悪な雰囲気である。小さく息を吐き出してとりあえず止めなければ、と意を決して動き出した都城だったが都城が口を挟む間もなく収束しかかっていた。なんやねん、と内心ちょっとつっこみながらもゆっくりと足を進める。フォローしているつもりなのだろう、八岳の言葉に少し表情を緩めつつその手に持つそれにひええ、と小さく悲鳴を零す。

「なんって危ないもん持っとるんですか八岳さん……! いや縄跳び用……? なわけあらへんよねぇ」

 八岳の握る縄に首を傾け目を瞬かせる。一瞬不穏な思考が脳裏を過ぎったが此処は図書館、もしかしたら子どもの忘れ物かも、なんてことを思いそう言葉を零した。

>> 一階ALL

1ヶ月前 No.453

御子柴 ゆらぎ @mistydark☆NIljAHmRyhk ★Android=GaTaMXF8bf

【御子柴ゆらぎ/図書館二階書庫→事務室】

「はーい、此方こそよろしく〜。じゃあちょっと行ってくるね」
 七と烈の了解を取り付けたゆらぎも、受付カウンターの中に向かって歩き出す。小さい頃は何となく憧れていたその場所も、今となっては何の変哲もない机である。長らく――と言っても柊平の言葉を信じるのであれば10年前後だが――使われていないせいか、事務用品なども特にない……と思いきや。
「あ、なっちゃん何かあったの? 見せて見せて〜」
 テーブルの中をごそごそやっていた七が、引き出しから何か白いものを引っ張り出した。目の見えない彼女の代わりに確認しようとその手許を覗き込めば、どうやらそれは一枚の紙切れのようだった。
「うーん、紙? 何か書いてあるからちょっと借りるね……ゴミじゃないと良いけど」
 七から紙を受取り開く。そこには女性らしい綺麗な文字で誰かへの思いの丈が書き付けてあった。
「だけどきっと、あなたは来ないでしょうね……――いつも考えているわ。何これラブレターならぬ失恋レター? いきなりだけどで始まってるし、破れてんのか一枚目があるのか……何だろ、人形の次は手紙のパーツ集めないといけないのでしょうか」
 七の為に内容を一読し、ついでに自分の見解を述べてから七に返す。それから改めてカウンターの中を確認するが、それ以上は何もなさそうだった。

「此処はこれだけかな。こっちにドアがあるから行ってみよう」
 手紙を返した勢いで竹箒を握っていない方の七の手を引き、事務室へと続く扉に向かう。自分より幼い少女とは言え誰かと手が繋がっている安心感からか、ゆらぎは一呼吸も置くことなく、そのままドアを開け放った。特に何も飛び出してこなかったのは幸いなのかも知れない。
「事務室かな、机が四つある……それだけだから、取り敢えず手分けして確認しよっか」
 そうしてゆらぎは右半分の、漢数字の一と二という番号がついた机を調べる。七に合わせているのか真似をしているのか、ペタペタと天板や引き出しを撫でたり、意味もなく机の下に潜ったりしながら。

>烈ちゃん、七ちゃん、周辺all

【確定ロルで七ちゃんの手を引っ張るゆらぎちょっとそこ代われ……じゃなくてすみませんでしたm(__)m】

1ヶ月前 No.454

推古 @iwing ★gBSwv0JJyH_Tzt

【安仁屋右叉兎/曉町立図書館・一階書庫】

「えっ……そうだったんっスか?」

 驚いたような目で、柊平と破られた紙片を交互に見やる。
 意外だった。どうして最初から言ってくれなかったのだろう。
 しかし、だからといって彼への信用を失ったわけではない。龍矢の言葉に倣うなら『人には触れられたくないものもある』ようだし。もとより指摘されるまでもなく返すつもりではいた。

「いえ、八岳さんが謝らないでください。この場合、いつまでも自分の手元に置いておいた俺が悪かったっスから。でも、これ以上誤解がないように最初に言っておきますけど、俺が最初に見つけた時から既にこんな風に破られていた状態だったっスよ? 本当っス……ッ!! 実は一部だけ破いてちょろまかしていたとかないっスからね……ッ!? でっも、もしかしたらちゃんと探せば破られた紙片のもう一部が見つかるかもっスね」

 柊平の様子を伺った。どうして彼が怒っていたのか終ぞ解らなかったが、それでもアレがあまり好ましくない状態であるのは鈍感な右叉兎でも理解していた。なるべく穏便に済ませたかったのは彼も同じ気持ちだった。
 慌てた様子で机Bに駆け寄ると入念に、引き出しの中や、それこそ机の裏側まで丁寧に調べた。

>> 式島柊平様、八岳龍矢様、周辺all様

1ヶ月前 No.455

御子柴 ゆらぎ @mistydark☆NIljAHmRyhk ★Android=GaTaMXF8bf

【御子柴ゆらぎ/図書館二階事務室】

 ペタペタ、がさごそ。
 少し汗ばんだ手が机に触れたり離れたりすることで起こる湿った音。役に立たなさそうなものを脇に避ける度に起こる物音。普段であれば気にも留めないような些細な音さえいやに明瞭に響く静寂を、あ、という呟きが打ち破った。
「ラッキー、地図みっけ〜」
 一の机の上に残っていた紙の束からゆらぎが見付けたのは暁町の地図だった。今まで通ってきた高台広場や月舘家、神居家の他にも町長邸や墓地が記載されている。図書館の入り口で話題に上がったらしい井戸の場所もしっかり書いてあった。
「流石にこれで町全部ってことはないだろうけど、ないよりはマシかな。まだ町に入ってからそんなに歩いてないと思ってたけど、町長さん家に神社もあるから、この辺が中心部なのかなぁ……後でみんなにも見て貰おうっと」
 これまで通った道を指でなぞり、その先にあるものも確認しながら、ゆらぎはそう独り言ちた。

>七ちゃん、周辺all

【地図ゲットしたので追いレス失礼します】

1ヶ月前 No.456

神崎りりか @else☆TYRYeuBpk3k ★t4ewEy7NmI_AC5

【 式島柊平 / 暁町立図書館・一階書庫 】

 式島のフォローに入った八岳に便乗するように、式島は手を差し伸べて紙片をこちらに回すようにと催促した。どちらもこちらに対して敵対心を抱いているわけではなく、寧ろ肯定的に式島を捉えているようで内心ホッとした。どうやら手紙を無事に返してもらえそうだ。
 そこで一瞬、八岳の言っていた「手掛かり」という言葉に反応する。

「その破片が何かの手掛かりになるとはとても思えないが……。見たければ見ればいい」

 そう言って、安仁屋が慌てて弁解しつつ机周りを調べている様子を傍観した。「一部だけ破いて」と彼は言ったが、式島は彼の言葉がまるで分からなかった。頭の中にクエスチョンマークを浮かべる。
「あ……いや、その手紙はもとから破れていたんだ。多分、探しても見つからないと思うが……」

 今まで手紙が破れていることに対して何の疑問も思わなかったが、安仁屋の言葉を聞いてハッとした。そういえば確かに変だ。もしかしてあの手紙には続きがあるのだろうか。


>一階周辺おーる様

1ヶ月前 No.457

八岳龍矢 @fue☆dTW3Rdrh5/. ★iPhone=uYwUDyqtCB

【八岳龍矢/暁町立図書館・一階書庫】

穏やかならなかった緊迫した事態は、なんとか収束方向に向かい不穏さは影を潜めてきた。やれやれ……安仁屋さんも式島さんも乱暴な人じゃなくて良かった……。ほっと一息吐いていると、近付いてきた都城さんから小さな悲鳴が上がる。今度はなんだ!? と思ってたら、その視線は明らかに俺に向いているーーーーえ、俺ぇ!?

「え、危ないもんってこれ!?」

手元に視線を落とす。この縄のことか……って、ハッ!まさか!

「ち、ちちちち違いますよ都城さん! 俺はそんな変な趣味は無いですから! 誤解です! 締めたりとか縛ったりとか打ったりとか吊るしたりとかマジそんな趣味ありませんから!!」

探索中に見つけたんですよう! と、怪しいものではありません弁明をしながら、畳んで両手にした縄をぴんぴんと横に引っ張りながら近付く。そこでようやく、縄跳びとかほういう平和的思考もあったのだなということに気づく。成る程、一理ある。

安仁屋さんと式島さんの話では、安仁屋さんの見つけた紙は手紙の一部で、それは元から破られていた。そして持ち主の式島さんは、手紙が破られていてまだ続きがあるということも知らなかったようだ。
式島さんが見ても良いと言ってくれたことで、俺も若干躊躇いはしたがそっと覗き込ませてもらうことにした。確かに、個人的な手紙のようだった。あまり脱出と関係のない個々のプライバシーに首を突っ込むのは気がひけるが。

「確かに……この手紙のこの部分、破れているみたいですね。何が書いてあったんだろう」

式島さんは、この「待っている」という文言を見て差出人探しにきたのだろう。安仁屋さんの言うようにこの手紙に続きがあれば、もしかしたら詳しい居場所とか書いてあるんじゃないだろうか。

「俺ももうちょっとこの辺り探してみます」

それに、気掛かりは他にもあるし……俺は書庫の机の近くから、出入り口付近の方へと移動して、また本棚を眺め、最近触った形跡のある本を手に取っては、何か挟まっていないか調べた。

>1階all様

1ヶ月前 No.458

千羽 @hina0126☆cC6IJvcXXi01 ★fPOFwkowwK_xKY

【逢澤安玖/二階書庫】

 左手にスマホを、右手に日記を持っていた安玖はふと顔をあげ首を傾げた。今の今まで二人が別室に行った事に気付いていなかった彼は、ぐるりと室内を見渡し扉が開いている先を認め「ああ」と声をあげる。

「二人は別の部屋に行ったのか」

 納得したと再度声をあげ、またスマホへと目を落とす。そこには漢字に直された日記の文面が表示されていた。

「タケルくんが言ってた
 サトシくんに聞いたんだって
 昔嫁さんがおつさん所行くの嫌がったんだって
 嫁さんは井戸に落っこちちゃったんだって
 死んだのかな? でもタケシくんは違うって
 井戸はお外に繋がって嫁さんは居なくなったって
 ホントかな。気になるな不思議だな
 でも井戸を覗いても真っ暗
 でも梯子が掛かってたから下りれそう

 ととさんに怒られた
 井戸は危ないから駄目だって
 ととさんに叩かれた
 残念だな」

 子供が書いたと誰でも分かるような文面。言い回しがどことなく古臭いから、今まで出てきた人々と同年代なんだろうと分かる。
 “ととさん”は父親の事だ。“おつさん”は恐らくだが月の事だろう。嫁さんだの男の子達の名前だのはよくわからないが、井戸に落ちたのに死んだわけでは無く、けれど確実に居なくなっている、というのと父の言動を見るに推測できるのはほぼ一つ。

「――……人柱」

 時代や地域によって目的や方法などは変わるが、大体は若く操の清らかな女性か穢れを知らない子供を使う。子供の場合は大半が食糧として差し出すし、女性ならばそれでも食糧か神の嫁として差し出される。儀式を行う場所も日本人が古来から無条件かつ無意識下に信仰し恐れる火か水の元が多い。火ならば多くの松明に囲まれた火の中で一際大きく燃えるそれに身を捧げる、水ならば海や滝や川や――果てには井戸にも白い無垢姿で身を投げ出す。

(よっぽど信仰心が強いか、そうやって育て上げられていない限りは嫌がる人の方が多いだろうし……ましてや年頃ともなると思い人が他に居たっておかしくはない)

 この町で起きている不可解な現象は自分達が思っているよりもずっと前から起きていて、今まではそれを人柱で無理やり抑えていたのだろうか。そして人柱の文化が廃れた今になって、その効力を失い放たれた怪異に飲み込まれているのだろうか。もしくはそれより前に既に飲み込まれて、何も知らない人々が移り住み“また”飲み込まれたのが集団失踪の原因なのだろうか。
 何にしても。と思う。「暁町」「月」「井戸」について、何か情報を手に入れるべきだろう。戦うよりは考えることの方が性に合うけれど、だからって数少ない情報から何でもかんでも導き出せるわけではない。メモを取り敢えず保存し、安玖は先程から一人で本棚を漁っている鑓ヶ岳さんに声を掛ける。

「この町の歴史に関する書類とかあった?」

>>鑓ヶ岳さん、周辺ALL

【大幅に遅れました。すみません!!】

1ヶ月前 No.459

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

【鑓ヶ岳烈/暁町立図書館・二階 書庫】

図書館を利用したことこそあれど、烈は目の前の本棚に並べられているような小難しい本を読んだことはない。一応現代文は得意科目であるはずなのだが、趣味では論文だとかエッセイだとか、そういったものに手を付けることはないようだ。おとなしく読書をしているよりも体を動かしたり美味しいものを食べたりした方が良いじゃない、といったスタンスらしい。そのため本棚を見つめる烈の表情は何やら気難しげだった。良さげな本を見つけようと一生懸命なのだろう。こんなことならもっと本とか読んでおけば良かった、と気になった本をぱらぱら捲りながら烈は後悔する。最初の触りと後書きを読んではいるが、めぼしいものは数冊しか見つかっていない。

「……む?これは……」

そんな中で、烈の手がある一冊の本に伸びる。タイトルは“曉村民謡集 1”。烈の瞳が一気に輝きを取り戻した。これは良い手掛かりになるかもしれない。烈は早速ページを捲ってみる。

《壱 月のお嫁様
 その昔、この村にはそれはそれは美しいお姫様がいらっしゃいました。
 お父様とお母様の言うことをよく聞く賢い子で、村の人々に愛される優しい子でした。
 お姫様は村の人々と仲良く幸せに暮らしていました。

 ある日、村の空に真っ赤な月が昇りました。
 その日を境に村の夜は明けなくなり、人々は不安でいっぱいになりました。


 村の夜が明けなくなって幾日か経ったある日、お姫様のもとにそれはそれは美しい男の人が現れました。
 男の人は美しい舞をお姫様に見せると、こう言いました。
「私は月に住む神の一柱です。私の妻になってくれる人を探しに、この世界にやってきました。あなたはそれに相応しい、どうぞ私と結婚してください」
 お姫様は喜んで、その申し出を受けました。
 二人が月へと上っていくと、村の夜は明けました。
 そうしてお姫様と月の神様は、末長く幸せに暮らしたのでした。》

一通り内容に目を通してから、烈はもう一度最初のページに戻る。そうして何度も何度も読み返した。真っ赤な月。そのワードは烈に、これまで幾度か耳にしてきた“朱月”という言葉を思い出させた。これを、この物語を噛み砕けば、“朱月”の謎に迫ることが出来るかもしれない。そんな思いから何度も同じページを行ったり来たりしていた烈の耳に、同じく書庫の探索をしていたらしい安玖の声が入る。すっかり一人で立ち読みしてしまっていた烈は、安玖のもとまで民謡集を手にしたまま駆け寄る。

「逢澤殿!先程此方の本棚で、このようなものを見つけ申した。その中に、非常に興味深いお話があり申してな。此処、この話にござる。これは警官殿がおっしゃっていた“朱月”の手掛かりになると思いまする。……あ、いえ、これはあくまで拙者の憶測故、まだこうと決まった訳ではございませぬが……」

途中まで物凄い熱意で話していた烈だったが、さすがに恥ずかしくなったのか最後には彼女にしては後ろ向きなことを口にしていた。散々手掛かりになると思ってはいたが、まだどのような意図が込められているのか烈は断定出来ない。なんだかかぐや姫に似たところがありまする、と思うくらいである。此処はひとまず安玖にもこの民謡集を読んでもらい、彼の意見を聞いてみることにした。

>>逢澤安玖様、二階all様

1ヶ月前 No.460

@sweetcatsx☆e0aRNqDUyEM ★iPhone=8p27ODDVl8

【 七 / 曉町立図書館 二階書庫→事務室 】


 見つけた手紙の内容を七の代わりに読み上げるゆらぎの言葉を聞きながら首を捻る。あまり七もぴん、とはこなかったようだ。手紙の意味も、その内容も。自身の見解を述べるゆらぎの言葉に七も少し考えるように唸りながらも唇を開く。

「破れてしまってるなら……もしかしたら、他にもあるのかもしれませんね……」

 二階にいる七達は気付かない。七達が拾ったその手紙が一階でも見つかっていることを。そのままゆらぎに引かれるように事務室内に進んだ七はゆらぎの言葉に小さく頷きゆらぎが探す机の反対側の三と四を調べ始める。ぺたぺたと机の上を触ってみたり机の下に潜り込んだり、とまあ相変わらずの探し方ではあるがゆらぎと同じタイミングで同じような行動をしているのは側から見ると少し面白いかもしれない。

「地図…………べんり、そうですね。……あれ、これは…………」

 ゆらぎが見つけたのはどうやらこの町の地図のようだった。ゆらぎの声にそう言った七は四が書かれた机の引き出しに手を入れ、触れたそれに首を傾けながら引き出す。しゃらん、という音と冷たい感触がその手にはあった。

>> ゆらぎちゃん、周辺ALL

1ヶ月前 No.461

御子柴 ゆらぎ @mistydark☆NIljAHmRyhk ★Android=GaTaMXF8bf

【御子柴ゆらぎ/図書館二階事務室→書庫】

 曉町の地図を眺めていると、七から声が掛かる。地図が役に立つのは多分間違いないし、彼女の方も何かを見付けたようである。
「どうせなら町の出口とかも書いといてくれればいいのにね……えっとそれは……ペンダント、かな?」
 七が見付けたものを確認すると、それは金色のペンダントだった。彼女の手の中で鎖がシャラシャラと音を立てているそれは、トップの部分がやや大きなつくりになっている。
「あ、もしかしてロケットかな? なっちゃんちょっと横のとこ押してみて、そこ、出っ張ってるとこ」
 中に何か入っているのでは、と踏んだゆらぎは七に頼む。すると案の定、中には一枚の写真が入っていた。
 袴姿の男性と、白無垢姿の女性。仲睦まじく二人が寄り添うそれは、誰がどう見ても結婚写真である。しかも。
「結婚写真が入ってる……これ多分、下にいるお巡りさんだ……探し物これだったのかな?」
 男性の顔に、ゆらぎは見覚えがあった。というか、さっき話したばかりである、多分。それは今より幾分か若い柊平で……恐らく隣がその妻。気のせい程度であれば彼女にも見覚えがあるのだが、白無垢姿の写真など大体そんなものだろう。
「何でこんなとこにあるんだろうね……返してこようか? この部屋も大体確認したし……」
 事務室の中の机やカウンターなど、見られるものは七と二人で全て見た。一つ一つに指を向けながらそう結論付けたゆらぎは、最後に入ってきた扉を指したまま手を止める。
「帰ろう、なっちゃん」
 何処に帰るのかと言えば、他の面子の所へである。

「おーい、こっちは粗方見たよ〜。失恋レターと地図とペンダント見っけた! そっちは?」
 そうして書庫の方へと顔を出しながら、残っている二人に問うのだった。

>七ちゃん、二階all

【アイテム全回収とのことで(すっとぼけ)合流目指します】

1ヶ月前 No.462

都城京 @sweetcatsx☆e0aRNqDUyEM ★iPhone=8p27ODDVl8

【 都城京 / 曉町立図書館 一階書庫 】

 和解した様子の二人を横目に都城は先程自身が発した悲鳴に驚いている八岳に苦笑を滲ませる。必死に弁解する彼を眺めへらりと笑いつつゆるり、と足を後ろに下がらせる。いやだって怖い、怖いんやもん。

「いやなんかこわい、こわいんやけど……うん、分かった、縄を拾ったんやね、うんうん」

 もしかしたらなにかに使えるかもやね、とフォローをいれつつ都城は受付テーブル内に避難することにしたようだ。他の者は本棚などを探しているようだが特に何もなさそうだし、やはり進むべくはこの受付テーブルの後ろにある扉が都城は気になるようだ。

「まあとりあえず、二階の人等はどうなってんやろ……。御子柴さーん! 七ちゃんに逢澤さんに鑓ヶ岳さーん!」

 そっちはどないですかー、と都城は上を向き声をあげ二階にいる者達へ声を掛けてみることにした。

>> ALL


(とりあえず合流に向けてALL文であげますね!)

1ヶ月前 No.463

千羽 @hina0126☆cC6IJvcXXi01 ★fPOFwkowwK_xKY

【逢澤安玖/二階書庫⇒】

 鑓ヶ岳さんの見つけ出した民謡歌集を読み込んでいた安玖は、やっぱり、と声をあげる。そして戻ってきた御子柴さんと七ちゃんからの問いに本を閉じ、次いで階下から聞こえてきた自分達を呼ぶ声に身を乗り出した。

「町の名前の由来と、町の秘密と、次の目的地。そこに行く理由も分かった。まだ情報が足りないけどね」

 二階と一階、自分の視界に入る全員を見やると目を細める。階段を下りながら自分と鑓ヶ岳さんの見つけた本を掲げてみせ、御子柴さんも何か見つけたらしい、と付け足す。

「次の目的地は神社。ここの土地神について、知る必要がある。……けど、今までの場所以上に覚悟がないと駄目だ。
 あと井戸。そこのポスターにもあった井戸……もしかしたら行く必要があるかもしれないけど……多分、女性はあまり近付くべきじゃない」

 本当に自分の仮説が正解だとすれば、年若い女性達はあまり行くべきでは無いだろう。成人の男女もそれなりに居るが未成年の男女も同じくらい居るこの面子では、懸念が残る。

「渡せる情報があるなら、全員で一度揃えた方が良い。僕もひとつ、仮定の話は建てたけど……どうだろうね、皆が信じられるかも理解できるかもわからないから」

 ――責任は果たすべきだ。本人に自覚はなかったとしても自分から踏み込み、関わったのならば知る責任も、義務も、権利も、ある。
 図書館に入る前に自分が零した言葉。それが、今になってべたりと背に張り付いたようだった。そして何より。

「……“真実”に向き合えない人間の末路なんて、知れてんだよ」

 今までの言動を見ていれば分かる。全員が、心の奥底に大なり小なり――そんなもの互いに比べる物ではないが――向き合いきれない何かを抱えている。この町は、そんな自分達にはとっても「お誂え向き」なのだ。

>>一階、二階ALL

1ヶ月前 No.464

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

【鑓ヶ岳烈/暁町立図書館・二階 書庫】

安玖に民謡集を渡すと、彼はそれを読んで「やっぱり」と口にした。何か思い当たる節でもあったのだろうか。烈にはいまいちわからなかったが、それでもこれまで謎を紐解いてきた安玖が言うのだから何か重要な手掛かりが得られたのだろうと烈は解釈した。そうしているうちに、奥を調べていたらしいゆらぎと七が書庫に戻り、一階の京からも呼び掛けられる。そろそろ探索も潮時、ということだろうか。烈も書庫はある程度調べたし、これ以上目ぼしいものもない。

「我等は興味深い書物を手に入れ申した!後で皆で読みましょうぞ。地図が見つかったというのは大きな収穫にござりますな!……いやぁ、それにしても失礼のお手紙とは……。他意はありませぬが、気になりまする……」

何かあったかと問いかけてきたゆらぎに烈は答えたが、何よりもゆらぎたちが見つけたという失礼レターが気になりすぎて仕方がない烈であった。色恋沙汰に興味がある訳でもない烈とて突然失礼レターと言われたら良くも悪くも興味を抱かずにはいられない。
閑話休題、とにもかくにも次の目的地は神社ということで間違いはなさそうだ。その前に安玖が口にしていた井戸にも向かわなければなるまい。しかし烈は安玖が「女性は井戸に近付くべきではない」と言ったことに疑問を覚えた。たしかに七のような人間は知らぬ間に落っこちてしまう危険性があるから、井戸には近付かない方が良いのかもしれない。女性と一括りにせずとも良いのに、と思ったが、それも安玖なりの考察があってのことなのだろう。烈は特に口を出さないことにした。

「信じる信じない、理解出来る出来ない以前に、拙者は逢澤殿の仮説を聞きたく思いまする。どんなお話も、一度耳にせねば何も始まりませぬからな。……あっ、どうせなら皆が集まっている場でお話しになっては如何でござりましょう?此処からだと上手く伝わらぬやもしれませぬ故」

仮定の話は立てた、と口にした安玖に烈は近付いてそう提案する。頭脳労働が苦手な烈にとって、安玖の仮説はきっと役立つだろうと考えたのだ。それにその仮説がどのようなものであれ、まずは伝えてみないとわからないものである。一階にいるメンバーがどんなものを見つけたかによって、話の筋がまとまることだってあり得るのだし。

「ゆらぎ殿と七殿も、一階に向かいませぬか?拙者はそろそろ皆で一旦お話ししたく思いまする」

後方にいるのであろうゆらぎと七に向かって微笑みながら、烈は一階に行かないかと誘いをかけた。情報を開示するのなら、全員で共有した方が良いだろう。

>>all様

1ヶ月前 No.465

八岳龍矢 @fue☆dTW3Rdrh5/. ★iPhone=uYwUDyqtCB

【八岳龍矢/暁町立図書館・一階書庫】

それからしばらく、書架の本をパタパタとやっていた俺だったが、特にこれといってめぼしいものは見当たらない。手が段々埃っぽくなってくるばかりだし、やっぱりここには破られた手紙の続きは無いのかもしれない。つーか、手紙破って本の間に挟んだりなんかしないよな普通。そんなことしたら次見つけ出そうと思っても見つけられなく……
俺は用が済んで並べ直した本棚の背表紙を見つめたまま首を傾げた。何だろう、この違和感。
なんで式島さんは、初めから破かれていたという手紙を見てあんな微妙な反応をしたんだ? その手紙を初めて見た安仁屋さんはあの断面を見て直ぐに「破ったと思われるかも」って超慌ててたぐらいなのに。
さっき俺は自分で「人には触れられたくないものがある」って偉そうなこと言ったはいいけど、見せて貰ったあの手紙、別に隠すような文面じゃなかったよな。まあ恥ずかしいとか照れるとかだったらあれだけど……。式島さんが探している間に破れてしまっていたらそれこそ大事な手紙になんて事を! ってなる筈だし、もし本当に見られたくないもので式島さんが意図的に破っていたらあんなにハッとした顔で「元から破れていた」なんてことは言わないだろう。破れていたことを知っていたなら、普通続きを探すことにもっと必死になりそうだけど……式島さんは続きがあるとは思ってなくて、あの紙片の一枚だけ取り返せればそれで良い、みたいな顔だった。

「式島さん。俺は後から来たから、もう誰かに聞かれてたら二重で申し訳ないんですけど……三年前に亡くなった奥さんのその手紙って、いつ、誰から届けられたんですか? 誰かから渡されたとか、ポストに入ってたとか」

記憶が間違ってるか見間違えじゃなければ、俺や都城さん達が遅れて入って来た時、式島さんは酷く混乱した様子で、何が何年前で……とか言ってた。こっちも色々と必死だったから、よくは聞けてなかったけど。なんだか、側から聞いても時系列がめちゃくちゃだった気がする。とはいえ、また彼を混乱させてしまうのはその精神衛生上良くない。そもそも俺はこの人がちょっと心配なのもあって一階に残ったんだった。邪魔な縄は一旦適当に肩に掛け、俺は本棚を調べるふりで本を一冊手に取りながら式島さんに話を振ってみた。

「……失踪して暁町に行ってしまう前、この手紙の『暁町のどこそこで待ってるね』みたいな、何か手掛かりになりそうなこと直接言ってなかったんですか、奥さんは」

>一階all


【もうすぐ合流、との事だったので、順番で迷いましたが追加行動滑り込ませていただきます】

1ヶ月前 No.466

御子柴 ゆらぎ @mistydark☆NIljAHmRyhk ★Android=GaTaMXF8bf

【御子柴ゆらぎ/図書館二階書庫→一階】

「あ、京さんの声だ……二階組そろそろ戻りまーす」
 下から自分達を呼ぶ声は、ちょうどゆらぎが受付カウンターを越えた所で聞こえてきた。
 それに返事をして事務室から書庫に戻ると、何故か安玖が神妙な顔付きをしていた。そもそも楽天的にヘラヘラしている方がおかしいのだが、その辺は人間の適応能力の高さ故である。町の名前の由来だとか神社に向かわなければならないとか、彼は現状の根幹に関わる何かを見付けたのだろう。

「なるほど神社ね……えーっと、こっから町長さん家の前通って田んぼ突っ切れば良いのかな? 井戸は墓地の方にあるみたい……どっちも如何にもラスボスがいそうだよね……あ、地図見付けたんだ、後でみんなに見せるね」
 事務室で拾った地図を確認しながらゆらぎは告げる。それから、手紙の内容が気になるという烈を振り返った。
「失恋レターもみんなに確認して貰おうと思ってるから大丈夫だよ烈ちゃん。今までのパターンからしてこれも誰かの未練とも限らないし……何か、後悔してそうだし……離別? 死別? どっかに手紙探してるオバケ居ないかな」
 すぐ下に手紙を探している生者・柊平が居るとも知らず、ゆらぎはテトテトと螺旋階段を降りる。
「二階組戻りましたー、一回みんなで情報共有したいんだけどどう?」

>all

1ヶ月前 No.467

七、都城京 @sweetcatsx☆e0aRNqDUyEM ★iPhone=8p27ODDVl8

【 七、都城京 / 曉町立図書館 二階書庫→一階書庫 】

 都城の言葉が鼓膜を震わせる。七もまたゆらぎに続き螺旋階段を下りて一階書庫へと戻っていく。安玖や烈の言葉を聞きながらそれに続くゆらぎの言葉に七の足がぴたり、と止まる。

「――――田んぼ、あっ……あの、自信、ないですけど……たぶん、田んぼは通れないかも、です……」

 月舘家に行く前にどこかで落ちそうになって、たぶん田んぼかなあ、と。自信はなさげではあるが朧げな意識を手繰り寄せるように。

「えっと……わたしは、あの……ペンダント、を……見つけました」

 ゆらぎの言葉に続くように七はそう言って握りしめていた金色のペンダントを周りに見せる。都城はといえば受付テーブル内にある椅子に座りテーブル越しに周りへと視線を向ける。情報共有は大事やねぇ、と呟きながら。

「とりあえず情報共有出来たら先に進みましょかぁ、なんかこの奥に扉あって、どこかに続いてる見たいですよぉ」

 あ、ちなみに私は収穫ゼロです、と苦笑を滲ませて。


>> ALL

30日前 No.468

推古 @iwing ★gBSwv0JJyH_LOn

【安仁屋 右叉兎/曉町立図書館・一階書庫】

 Bの番号が割り振られた机を入念に調べ上げてみたが狙いは外れたようだ。
 破られた紙片の残りが同じ場所に隠されてあると踏んでいただけに期待外れの結果だった。
 ばつの悪そうな微笑みを湛えながら柊平の元に返ってきた右叉兎は、今の今まで手元に置いておいた紙片の一部を元の持ち主へと返却した。

「何だかんだ言って返すのが遅れたっス……!! 式島さんの言う通り、確かにそれらしいものは見つけられなかったっスけれど……」

 手紙が中途半端に破られていたから、続きがあるものと安直に判断したが、右叉兎の思い違いの可能性もあるにはあった。もしかしたら勘違いなのかもしれない。柊平に指摘されて以降、自分自身の考えに自信をなくしつつあった。

「ちょっと分かんなくなってきたっス……ッ!! そもそも十年前に暁町で失踪事件があったっスよね? 式島さんの奥さんが手紙を送れるとしたら、普通に考えれば、十年以上も前の出来事になると思うっスが……? あっ、そういえば式島さん、翔子さんがいなくなったのが三年前で一週間前に手紙が来たって、確かそう言ってたと思うっスけど、もしかしてあの紙片のことを言ってたっスか?」

 龍矢の質問の意図が未だに図りあぐねていたが、大体の内情は理解しているつもりだった。いつ手紙がきたのかは以前に柊平から耳にしていたからだ。

 二階へ探索していたメンバーが続々と階段から降りてくる。あらかた探し終えたのだろう。情報を共有したいと言うゆらぎの提案に答える。

「俺が玄関ホールで日記を拾った以外に、他に目ぼしいものと言えば、式島さんの手紙が見つかったくらいっス」

>> 式島柊平様、八岳龍矢様、御子柴ゆらぎ、周辺all様


【遅くなって済みません】

28日前 No.469

神崎りりか @else☆TYRYeuBpk3k ★t4ewEy7NmI_AC5

【 式島柊平 / 暁町立図書館・一階書庫 】

 安仁屋から手紙を受け取り、もう二度と失くさまいと大事そうに胸ポケットにしまう。そして彼に向けて「ありがとう」と、ここで初めて柔らかい笑みを浮かべた。
 図書館の中を探索し続ける八岳と安仁屋が何やら腑に落ちない様子で式島に質問を投げかけた。式島はなぜ彼らが自分のことを知ろうとしているのか見当もつかず、けれど答えるわけにもいかないと記憶を遡ろうとする。
 ――……まただ。頭の中が靄のよう朧げになっている。昨日見た夢を思い出そうとするように霞みがかった記憶を手探りでかき分けていくと身体がそれを拒否するように頭痛がどんどんひどくなっていく。

「一週間前……世話になった人にこの手紙を受け取ったんだ。翔子がいなくなってもう三年も経っているのに突然ポストに投函されていて……いや、違う。俺は今日が初めて手紙を読んだんだ。十年前、町が滅ぼされたからって言って、それを翔子が様子をみに行って……あれ、翔子が死んだのは本当に三年前だったか……?」
 そこまで言って式島は八岳のほうを見る。
「どこ、とは言っていなかったな。色々探し回ってはいるが……そういえばまだ彼女の実家に行っていないな。神社にあとで行ってみるとしよう」

 式島が色々と思いあぐねているあいだに、二階へ捜索しに行っていた連中が戻ってきた。互いが見つけたものを見せ合っている。その中で巫女がどこかで見たことあるようなロケットペンダントを握りしめているのに気がついた。

「なあ、君が持っているそれはなんだ?」

 式島は確認しようと巫女姿の少女に話しかけた。


>おーる

28日前 No.470

千羽 @hina0126☆cC6IJvcXXi01 ★fPOFwkowwK_xKY

【逢澤安玖/一階書庫】

 一階に降りた安玖は周囲の様子を見渡し、勝手に情報共有を始めることに決め込んだ。あまり接点のない人の個人的事情は、ドラマや小説を読む程度かそれ以下にしか興味が湧かない。ましてや少し話した程度の警察官は、割と本気でどうでも良かった。
 適当な机に鑓ヶ岳さんと自分が手に入れた本と自分のスマホを並べる。それぞれ該当ページと漢字に直したメモ帳が見せられており、それらを順繰りに指で示しながら説明を始めた。

「こっちが二階の机から出てきた日記。多分だけど子供が書いたんだろうね、平仮名だけだったから俺のスマホで漢字に直した。内容をざっくり言ってしまえば、この日記が書かれた時代よりも昔、とある娘が“おつさん”というところへ嫁入りするのを嫌がっていたら井戸に落ちて行方をくらませた。死んだ、んじゃなくて行方が分からなくなったらしい」

 唇に指先を押し当て、おそらく、と呟く。この日記を書いたのが子供だと察せられる以上、あまり信用する気になれないのも本音だった。だけど、この町に来てから手に入るそれらが役立たなかった事は無いから。そんなしょうもないと言われるかもしれない理由だけが、安玖の憶測の背中を押していた。

「……おそらく、この“おつさん”ていうのは月の事だと思う。そうなると嫁入りっていうのも異類婚姻譚や人身御供の一種だと思う。……別の言い方をするなら、人柱。日本では昔から巫女や純潔の操を持った女性、7つに満たない子供を土地神に捧げてきた。子供ならば神の内に、親なる神へ返却だとか食事代わりだとか。女なら神の伴侶として、が主だった理由とされてきたね。そんな凄いモノを用意できますから、どうか我々から災いを避けてくださいませ、って祈るんだ」

 次に指で示すのは鑓ヶ岳さんが見つけた歌集のひとつ。今まで自分達が不審に思ってきたそれについて書かれている、小さな物語。

「少なくとも、この町は……村だった頃のこの土地は、その儀式をしていた。それも神が直々に要求しに来ていた」

「暁町って名前は、これが由来だ。まんま赤い月が昇るから『赤月』……それが転じて今の『曉村』になり、村が町へと変わって今の『暁町』になった。けど、人間がつける名前なんて所詮はただの名前だ。それ以上の意味なんて、ほとんど持たない」

「そしてこれも恐らくだし、可能性としていくつかあるけど……途中まではきちんと嫁が捧げられたんだろう。けど、元々そのスパンが人間には長かったからか、時代が大きく流れる中でいつしかその仕来りが忘れられてきた……もしくは神社やこの本のような形で残ってはいたけれど、誰も信じなかった。だから赤い月が昇った日、誰も新しい嫁を供えはしなかった。神にしてみれば約束を違えるだなんて言語道断だし人間から見れば長い年月も向こうからすれば大した時間じゃない。だからいつまでも赤い月は下りず、言うに屍人が町にあふれかえり皆が飲み込まれた――」

「――もしくは、きちんと用意されていた捧げられるべき存在が、何かしらの形で直前に逃げてしまった。この土地の人間からすれば、捧げるはずだった存在以外を神の嫁にするわけにはいかない。……そうこうしている内に儀式が失敗に終わり、以下略、か」

 どちらにしても、だ。安玖は周囲の人間の顔をぐるりと見渡し、顎を引く。彼の顔を幼くさせている要因でもある瞳を瞬かせ、まるで熱を帯びたスマートフォンを冷ます時のように何度も頭を振る。

「僕が次の目的地が神社か井戸だと言ったのは、そこら辺の理由から。人柱は特定の範囲でのみギブアンドテイクが効く土地神に相手でしか行わない。全知全能クラス相手にんなことしてたらこっちが搾取される一方だからね。そして土地神ならどう考えても町と同じ、しかも伝承と同じ名前を持つ神社が祀っていないわけがない。しかもあの男の人、わざわざ神社の鍵を落としていった。――この町に関わる人達はどうにも何かの目的を達成させる事に関しては恐ろしくも効率的だから、行けって事だろうね」

「井戸は……これこそ僕の推測でしかないけど、嫁入りの儀式に使われていた場所が井戸なんじゃないかな。小説ばりのサスペンス劇場が繰り広げられていない限りわざわざ井戸に飛び込む理由も、その後に遺体が見つからない理由もわからない。女性は行くべきじゃないかもしれないって言ったのは、どうも人柱にされていたのが女性ばかりのようだから。もし仮に神社と井戸がその根源に近かった場合……確認しようのない確率の話にはなっちゃうけど、俺たち男よりは女性達の方が狙われやすいと思う。そんなのっぴきならない事態になった時、そもそも人間の俺達でどうこうできるのかもわからない」

 僕の持っている情報はこんなもん。
 最後にそう付け加え、ふう、と息を吐く。勢いのままに語り倒したのもあって少しくたびれたのだ。あとの推測なり行動なりは周りにぶん投げようそうしよう。と情けない決意を硬く決め込み、どうする、と周囲の表情を伺った。

>>一階ALL

【もう小出しにするのが面倒臭いので、安玖が持っている情報と推測を(かなり長文ですが)まとめてぶん投げます。ので、あとは任せました!】

27日前 No.471

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

【鑓ヶ岳烈/暁町立図書館・二階→一階 書庫】

周りの面々が次々と一階に移動したため、烈もその様子を見て最後尾を着いていった。また誰かいなくなってはいないだろうか、と少々不安な気持ちもあったがひとまずはぐれたらしい人はいないことを確認して一安心する。はぐれてしまった面々は大丈夫だろうか。無事だと良いのだが、と烈は少し眉尻を下げた。

「あっ、その民謡集はまだ続きの巻があるやもしれませぬ。たしかこれが一巻でござった故。もし一階の方で続きの巻を見つけた方がいらっしゃったならお教え願いたく思いまする」

安玖が机の上に置いた本を指差して、烈は一階にいた面々にそう呼び掛けた。もしかしたらまだ手がかりになるようなことが書いてあるかもしれないし、もしそうだったのなら見つけておきたい。まあ、今は情報開示の時間なのでまた探す機会を得ることが出来たら探してみようとひとまず烈は情報開示に集中することにした。
安玖の推測は正直に言ってしまえば、普段の烈ならば非科学的だと言って一笑に付してしまいそうなものであった。それでも、この状況下であれば不思議と現実味のあるもので、烈は神妙な表情で彼の話を聞いていた。人身御供。詰まるところの生贄、人柱ということだろう。そんな風習がまだ残っているのか、と疑問に思うこともあるが、外部から隔絶されたこの地であればそういった風習があったとしても可笑しくはない。儀式を怠ったが故に町が滅び、怪異に飲み込まれたというのなら、再びこの土地の土地神にいわゆる“嫁”を供えなくてはならないのだろうか。もしそうだとしたらはっきり言って烈は御免被る。というか誰だって知らぬ土地で人柱になどなりたくはないだろう。自分たちはあくまでも探検に来たのであって、神に嫁入りしに来た訳ではないのだから。たとえ土地神の好みが侍口調の女性であっても、烈は丁重にお断りする。無事に帰るためには従来の方法以外で解決したいものだ。

「警官殿、警官殿。つかぬことを問うて申し訳ござりませぬが、実家……ということは貴殿の奥方は神社の関係者なのでござるか?」

ふと、式島の言葉に疑問を覚えた烈は彼の話に割り込む形を取った。もしも彼の妻の実家が神社なら、普通なら入れないような場所にも入ることが出来るのではなかろうかと考えたのだ。いわゆる、関係者以外立ち入り禁止の場所である。神社がキーになるというのなら、出来るだけ隅々まで探したいところだ。

「とにもかくにも、でござる。もしも井戸を調べるというのなら、一旦男性陣と女性陣に分かれなくてはなりませぬな。神社に行くのはその後になさった方が良かろう」

ひとまず今手に入れた情報を整理するためにも、烈は一同をぐるりと見渡した。今後、どのように行動するのかは重要な問題である。大勢で動くことにデメリットがないとは言えないが、烈としては出来るだけ皆で行動を統一したいところだった。また誰かはぐれたなんてことになるのは、絶対に避けたかったから。

>>一階all様

26日前 No.472

御子柴 ゆらぎ @mistydark☆NIljAHmRyhk ★Android=GaTaMXF8bf

【御子柴ゆらぎ/図書館一階書庫】

 安玖に向けて道順を説明すると、七から田んぼは通れないという忠告があった。落ちそうになった、というのは七の目が見えないからなのか、それとも田んぼはもう潰されていて別の穴とか池とかになっているのか。
「なるほど気を付けよう。まぁ、一回見に行ってみて駄目だったら戻るとか? 町長さん家にも何か色々ありそうだしー」
 階段を降りながら、ゆらぎはそう結論付ける。

 そして情報共有をしたいというゆらぎの提案は、階下のメンバーにも受け入れられた。京や右叉兎の見付けたものについて聞き、安玖の手元を覗き込み、彼の推測を聞く。
 ふむふむ、と呟きながら、ゆらぎも自らが手に入れた地図を机に広げた。
「わたしとなっちゃんで二階の事務室見てたんだけどね、この地図と貴方が来ないみたいな失恋レターとネックレス見付けたの。ネックレスはロケットになってて写真はお巡りさんっぽくて……あ、やっぱ見覚えある? お巡りさんの探し物ってそれ? 取り敢えずなっちゃんさっきの見せたげて〜」
 手紙とネックレスは、とゆらぎが七を振り返ると、ちょうど柊平が彼女に声をかける所だった。中に入っていた写真は矢張り柊平だったのだろうか。
 取り敢えずそちらは七に任せることにして、ゆらぎは改めて地図を見遣る。安玖・烈の見付けた文献と彼の話とを統合した時に、何故か違和感を覚えたからだ。

 恐らく町の名前の由来だとか土地神に人柱を捧げるといった推測は間違っていないのだろう。生贄を捧げずに神の祟りで集落が滅びるなど、オカルト界隈ではよくある話だ。その舞台が井戸というのも無くはない、だが、そうだとすれば。
 ゆらぎは自分が見付けた地図の一点、墓地の近くの井戸を指差す。
「……確かに井戸は調べた方がいいと思います。安玖くんの推測も間違ってはないと思う。でも……変な話、人柱を突き落とすような井戸、わざわざ地図に載せる? ここは本当に単なる井戸なのかも知れなくて、何かもっとこう……山の奥とかどっかの地下とかそういう秘匿されたとこにあるのかも知れないけど。ここだとしたら大っぴらにする意味がないし……この子の日記もストレートに読めば嫁さんは井戸に落とされたんじゃなくて井戸から逃げたってことじゃない? 梯子云々ってのは確認したさあるし、男女で別れるならそれもアリだけど……井戸が外れだった時にそれこそ女の子生贄にするぞーって襲われたらたまったもんじゃないし……別れるにしても求む男子。あと京さんが言ってた奥の部屋も一応見ないといけないかなって思うんですがどうでしょう」

>all

26日前 No.473

七、都城京 @sweetcatsx☆e0aRNqDUyEM ★iPhone=8p27ODDVl8

【 七、都城京 / 曉町立図書館 二階書庫→一階書庫 】

 不意に七の鼓膜を震わせたのは聞き慣れない声音だった、びくりと肩を震わせ一歩後退るがゆらぎに掛けられた言葉にこくりと頷きロケットを開けそっと周りに見えるように差し出す。

「えっと……わたしには……見えないので御子柴さんの言葉通り、かと……」

 俯きつつも式島にロケットを見せれば反応を待つようにただじっとしていた。

「井戸ねぇ、まあ別れるのも手かもしれへんけどこれ以上人が減るのも怖いですしねぇ、みんなで一緒、ってのも有りかもしれまへんよぉ」

 そういや八岳くんもなんか見つけとったよね、そう声をかけつつ自身の意見を述べる。都城はやはり奥の部屋が気になるようでそわそわとしつつも拾得物発表会を見守るかのように受付テーブルに肘をついた。

>> ALL

26日前 No.474

八岳龍矢 @fue☆dTW3Rdrh5/. ★iPhone=uYwUDyqtCB

【八岳龍矢/暁町立図書館・一階書庫】

式島さんは俺の質問をはぐらかそうとしているわけではなく、むしろ精一杯答えようとしてくれていたように見えた。けれど、なんだろう。どうして「世話になった人から受け取った」のに「突然ポストに投函されていた」んだ? 矛盾している。せめてその「世話になった人」とやらの詳細を覚えていたなら、俺はその手紙を渡した人が式島さんの奥さんからの手紙の都合の悪い部分を破って渡した線を疑っていたのだが。

「俺もちょっと……わからないんですよね。暁町の人達が失踪したのは10年前、で式島さんの奥さんが亡くなったのは3年前。手紙が一週間前に届いたのは、奥さんがそれこそ誰かに預けでもすればなんとかなるとしても……普通、十年前の事件と三年前の事件を同じ事件として捜査しますかね……? 二つの事件を一つのものとして捜査し始めたのは、式島さんの所属する警察署のほうで決めたんですか? もしかして、奥さんの手紙を渡してきたのは警察の同僚とかでは無いですか?」

俺は本を閉じ、式島さんと安仁屋と都城さんのところへ戻ってきた。さっきの二手に別れる前の式島さんの話をちゃんと聞いていた安仁屋さんが、もう一度要点を説明してくれたが、暁町の失踪事件と奥さんの失踪或いは殺害には七年近くものタイムラグがある。腕を組み、考え込むとひとりでに表情が険しくなってくるのがわかる。

「式島さん、誰かに騙されているんじゃないですか……?」

ちょうどその時、二階から遠く聞こえていたがやがやというざわめきが近づいてくることに気づいた。
相澤先輩、七ちゃん、鑓ヶ岳さん、御子柴さんがぞろぞろと連れ立って螺旋階段を降りてきた。どうやら二階の探索は終わったらしい。皆で大きな机を取り囲み、俺たちは情報共有をすることになった。
地図……そうか、ポスターの井戸はそこにあったのか。手紙の欠片……間違いない、あれが破れた手紙の続き。ロケットペンダント……前後関係からすれば、若い式島さんの隣に写っているのが奥さんの祥子さんなんだろうな。それから、民謡集や、相変わらずの日記。
どうやらこの町には、土地神への人身御供のようなしきたりがあったらしい。……そんな時代錯誤な風習! 何時代だっつーの! と鼻で笑いかけた俺だったが、その直後に相澤先輩が大真面目に民俗学的な解説をし始めたものだから、笑い声を出さなくてマジで良かったと心の底から思った。先輩との間に変な軋轢だけは生みたくない。いやしっかし……先輩マジで神様とか信じてるのか……マジか……。……え、てかこの流れってみんなも神様とか信じてる系なの? 人柱とか人身御供とか、それで取引できてるとか本当に思うの? マジかよもしかして俺がおかしいのか? ここは一発信じとくふりしといたほうがいい!?
俺が耐え難い認知的不協和に頭を抱えていると、不意に都城さんから声を掛けられてハッと怪しい世界の淵を覗く断崖絶壁から現実に引き戻される。

「あ……ああ……そういえば、受付のところに縄があったんですよ。これ。何に使うのかはさっぱり……。あ、それと井戸。よくありますよね、この村の下は巨大迷路みたいな鍾乳洞になってて、いろんなところにつながっている……ま、お話の中だけだと思いますけど。俺も皆で纏まって行くほうに賛成です」

「だって井戸なんて怖いじゃん」という言葉はもちろん飲み込みながら、俺は皆が取り囲んでいる机の上に縄を置いた。なにかの仕掛けとかに使う縄なんだろうか? 地下迷宮のくだりは、月舘家で床に穴を開けた時には一瞬頭をよぎったが、それは餓鬼の頃その手の本が大好きな母親からよく聞かされたよくある昔話からの受け売りだった。まったく子供にデタラメを吹き込んで貰ったら困る。だからお化けだの幽霊だの超常現象だの信じてビビる輩が後を絶たないんだぜ。……俺もその一人になりかけてるけど。

>all様

26日前 No.475

推古 @iwing ★gBSwv0JJyH_LOn

【安仁屋右叉兎/曉町立図書館・一階書庫】

「八岳さん、俺の記憶が確かだと、式島さんは一度もそんなことは言ってなかったっス。翔子さんが"居なくなった"と"亡くなった"を聞き間違えるんじゃないっスか?」

 柊平が言った言葉を再度思い出そうとする。

「そういえば、その前にも、十二年前の暁町を式島さんが訪れた時に、翔子さんと二人で逃げようとしたと言いかけていたような……? すぐにそれを式島さん自身が否定していたから、単なる思い過ごしなんでしょうが……」

 仮に柊平の言葉を信じて整理するとすれば、十二年前に曉町を訪れた柊平が翔子と共に町から逃げ出し、どこか別の場所──式島の居住でも生家でもいいが、そこで二人で移むか翔子を預けるかしたのだろう。十年前には失踪事件が発生するが、凶報が届くまでにはタイムラグがあり、翔子が例の事件を知ったのは三年前で、同時期に柊平の元から去るということになる。

「でも、そんな単純な話じゃないと俺は思うっス。式島さんが翔子さんと交わした約束が俺は気に掛かるっスけど。今まで式島さんの助けになるからと思って色々と質問をしてきたっスが、それ以上話を進めれば式島さんのプライベートに深く入り込み過ぎるっスからね。それに式島さんが忘れていたんじゃ話を続けていても埒が明かないっスから。俺から始めたお節介なんで言いだし難いっスが、式島さんに思い出す機会を与えるためにも、ここで一旦保留にしないっスか? 俺もその井戸のことは少し気になりますし……」

 正直に言って、人柱や人身御供と言われても右叉兎はピンと来なかったが。

>> 八岳龍矢様、式島柊平様、周辺all様

26日前 No.476

神崎りりか @else☆TYRYeuBpk3k ★t4ewEy7NmI_AC5

【 式島柊平 / 暁町立図書館・一階書庫 → ??? 】

 様々な思惑が行き交う。質問が鋭い矢のように式島に降り注ぐ。
 しかし巫女姿の少女が手に持つロケットペンダントと破られた手紙を目の前にした時、その全てが式島の耳に届くことはなかった。全てが雑音と化して式島のもとを通り過ぎていく。

「ちょっと……見てもいいか?」

 誰の問いかけに答えることなく、式島はロケットペンダントを手に取って恐る恐る中身を確認した。……間違いなかった。それは結婚式の日に式島が妻の翔子に贈ったものだった。幸せそうに微笑む若かりし頃の自分の写真を食い入るように見ていると、御子柴がもう一方の破られた手紙についても言及する。ふと思い立った式島は先ほど胸ポケットにしまった手紙の破片を取り出し、それを少女が持つそれと繋ぎ合わせてみた。ピッタリと破れ目が合わさった。一度も見たことのない文面なのに、それは明らかに式島が持つ手紙の続きだった。

「どうしてこんなものがあるんだ。これは……これは、翔子の私物だ」

 そんなはずはない。そう頭の中で否定しても、手紙とロケットペンダントは無情にも式島に受け入れたくない現実を突きつける。――私の罰? 私の罪? 何を言っているんだこの手紙は。式島は考える。翔子は実家に帰省したときに殺されたはずだ。そう他の警官(どうりょう)は言っていた。俺はその日仕事で何もできなかったんだ。何もできなかったからこそ、こうやって彼女を探しに来ているんじゃないか。そうだ。そうだったはずだ。
 そこまで思って、式島はハッとあることに気がついた。

「もしかしてここに翔子がいるのか……?」

 式島は少女が手にしていた手紙を乱雑に握りしめて駆け出した。周りにいる人間に少しも気にとめることなく、暁町立図書館の外へと向かって消えていった。

>おーる
【レス蹴りみたいな形になって申し訳ありません……!錯乱した式島は少しの間、離脱します】

22日前 No.477

七、都城京 @sweetcatsx☆e0aRNqDUyEM ★iPhone=8p27ODDVl8

【 七、都城京 / 曉町立図書館 階書庫→一階廊下 】

 とりあえず全員が手にしていた情報を共有していたその時、ゆらぎの手にあった二階事務室内で拾った手紙の断片を乱暴に奪い去っていく式島の姿に都城は首を傾ける。よく分からないが相当焦っているようだ。

「――――まあ、いっか」

 都城は思考を停止させる、彼は彼で行動をしていたし心配することはないだろう、と。そして都城は自分の背にある扉に手を伸ばし開いてみる。ひょこり、と覗いた扉の先は奥に続く廊下、そしてその奥に見える階段。

「みなさーん、この先に下に降りる階段あるみたいですよぉ」

 七が都城の言葉にゆっくり足を踏み出し受付内へと向かう。その様子に都城は扉の先に足を踏み出しながら誘うように周りに声をかける。

「とりあえず、進んでみたらええんちゃいます? 今までもそうやったし」


>> ALL


(式島さんが一時離脱されましたのでこちらは先に進ませていただきました!いよいよ三章はラストに差し掛かりました、皆さまはどのような推理をなさるのか、たのしみです!)

22日前 No.478

御子柴 ゆらぎ @mistydark☆NIljAHmRyhk ★R3lMq2ye0U_gaI

【御子柴ゆらぎ/図書館一階書庫】

「あ、ちょ、おまわりさーん、一人は危ないよー……行っちゃった」
 情報共有ということで様々な憶測が飛び交う中、ロケットと手紙を見た柊平は血相を変えて飛び出していった。なんだ、この図書館は施錠されていなかったのか……てっきり此処も出られないものだとばかり思っていたゆらぎは、何処か拍子抜けたような気分になる。
「まぁあの人は最初から一人でここに来たみたいだし良いのかなぁ……というかあの手紙、前半があったんですね」
 失恋レターだとばかり思っていたが、前の部分を読めば実は全く違うものだったのだろうか。途切れ途切れの話を統合すれば、あれは柊平の妻に当たる翔子という女性の私物だそうだが……何故そんなものがこの地に、意味深にバラバラに散らかっているのか。
「なぁんか嫌な予感しかしないんだけど……大丈夫かな。すっごい不謹慎だけど、あの人の奥さん化けて出ない……?」
 ゆらぎはそう呟いて、不安げに柊平が消えて行った扉の方を見遣るが……やがて京のまぁいっかという声を聞き、彼女も思考停止することを選んだ。

「うん、多分あの人は翔子さんを自分で探したいんだきっと。部外者が邪魔するのいくない。わたし達はわたし達に出来ることをしよう……二度手間になるから取り敢えず地下を確認して、井戸はそれからね。もしかしたら龍矢くんの言う通り鍾乳洞の入口とかあるかもしれないし……いや、あったら本傷むな。縄も探索に使える物かも知れないしね」
 色々と勝手に結論付けたゆらぎは、七や京に続いて地下へと続く階段があるという扉に向かって歩き出した。

>ALL

20日前 No.479

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

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18日前 No.480

八岳龍矢 @fue☆dTW3Rdrh5/. ★iPhone=uYwUDyqtCB

【八岳龍矢/暁町立図書館・一階書庫→地下室】

「えっ、す、すみません、俺とんでもない聞き間違いを……!」

安仁屋さんに指摘されて、その通り俺はとんでもなく不謹慎かつ失礼な勘違いをしていたかもしれない可能性に気付く。三年前奥さんは、「亡くなった」んじゃなくて、「いなくなった」のか……だとしたら、申し訳なさと恥ずかしさと焦りで胃のあたりがきゅんと痛む。そうだとしたら、生きている人を死んだ前提で話していたとしたら、本当に本当に申し訳なさでいっぱいだ。
生きること、生かすことは俺にとってどんな場合でも信じられる正しさで、死ぬことは当然避けたいし遠ざけてあげたい悪い事……それ以外の解釈なんて、たとえ諭されようと俺はまだ認めたくない。

しかし俺の失言のせいなのか、混乱の所為なのか、それとも二階から持ち帰られてきた手紙とロケットペンダントを見たせいなのか、何か思い出したのかそれとも何かに気づいたのか、式島さんは玄関から走り去ってしまった。

「ちょっと! 式島さん!!」

俺は慌てて後を追いかける。一人は危ない。それに、意図的ではないにせよ地雷を踏み抜いてしまったかもしれない訳だから。
あの人をあのまま一人にしておいて良いのだろうか。各々納得し始めた皆を背にして、玄関ホールを抜けて図書館の外へと飛び出す。勢いよく開いたガラス戸から、夏の夜風が吹き込んでじわりと肌にまとわりついた。

「式島さんっ…………!」

しかし、赤い月が照らす田舎町に、式島さんの姿は何処にも無くなっていた。田んぼの水が、つやつやと光っている。時が止まったような薄赤い暗闇が俺の声を飲み込んで、やがて水面のようにしんと静まり返った。右も左も、無人の民家の影はなんとなく見て取れるものの、その奥には果てしなく吸い込まれそうな闇が広がるばかりで、今更恐怖を思い出しゾッと身震いする。見失った。こんな暗闇の向こうに、生きた人の気配なんて感じられない。本当にあの人が探している人物なんてこの先にいるのだろうか。
その時だった。
前方から、何処かで聞いた覚えのある重い足音がした。ガチャリ、ガチャリと金属の触れ合う音が。

ーーーーガサガサガサガサガサ……タッ……ガサガサ……コ……ザザザザザ…………ルノ…………?

聞いた覚えのある、ノイズだらけの音声が。

「は………………うわ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」

紅の月光に照らされて、いつのまにか其奴は目の前に立っていた。雨に濡れたように艶めく黒の鎧。歴史の教科書か、ばあちゃん家の納屋から出てきたかのような兜。神居家で倒した筈の、巨大五月人形。神居家の人形の呪いなら解けた筈なのに、追いかけてきたのは、もしかしてこいつが人形じゃないから、ってことなのか。

「お、おおおおおおお落ち武者ぁっ!?」

其奴はあの時と同じように、帯びた刀をすらりと抜いた。鏡のように磨かれた刀身に、恐怖に歪んだ俺の顔がますます歪んで化物めいて映っている。
やややややめろって! 今回は先輩も御子柴さんも居ないんだから! 無理無理無理無理俺一人じゃ無理!!
後少しのところで気を失いそうになりながら、けれど数歩も下がれば真後ろに皆の居る図書館があることをギリギリの思考で思い出し、俺は回れ右をして全速力で敵前逃亡をした。

「……みなさん! 早く、早く地下を探索しましょう!!」

俺はガラス戸で五月人形もとい落ち武者を締め出し、肩で息をしながら奥の書庫から地下室へ向かう皆へ叫んだ。落武者は知能の足りない虫のように扉にガンッと一度ぶつかったが、俺が構わず全体重で扉を抑え見えているけれど無視する方向で皆に話しかけていたら諦めるように消えていった。これは、式島さんを今一人で探しに行くのは無理だ。こっちの身がもたない。
結局俺は式島さんを見捨てるような後味の悪さをそのままに、皆を追って地下室へついていくことにした。

>all様



【遅くなりました! 一応式島さんを追いかけてみようとしたもののオバケに軌道修正されて結局諦めて地下探索に加わる感じでいきますー】

15日前 No.481

七、都城京 @sweetcatsx☆e0aRNqDUyEM ★iPhone=8p27ODDVl8

【 七、都城京 / 一階廊下→地下廊下 】

 先頭を歩く都城は七の手を引きながら一階廊下から地下へと続く階段を下りていく。ひんやりと頬を撫でた冷たい風に背筋が凍るような感覚、そっと隣の七を見れば今までのような何かを感じたような素振りはなくきょろきょろと辺りを見回しながらも都城に手を引かれるままてくてくと歩いていく。

「うーん、なんや扉が二個もあるけど……開かへんねぇ」

 階段を下りた先の地下はまたも廊下のようだった。廊下には横並びの扉が二つあるだけで他に目ぼしいものはない。右側の扉に手を伸ばせばがたがたと引いたり押したりとするがびくとも動かない。

「なんやろ……鍵……穴はないし……」

 試しに左側の扉も開けてみようと手を伸ばす、かちり、という音が小さく鼓膜を震わせたがやはり左側の扉も開く様子はなかった。扉には鍵穴もない、ただ足元が少し盛り上がっているぐらいだった。

>>ALL


(ちょっと強引にすすみます!三章ラストまでもう少し、twitterアカウントにヒントをあげておきますのでみなさま推理、よろしくおねがいします!)

15日前 No.482

推古 @iwing ★gBSwv0JJyH_LOn

【安仁屋右叉兎/一階廊下→地下廊下】

柊平の後を追うように、玄関ホールへと駈け出して行った龍矢。走り去る龍矢に言い掛ける言葉もなく、離れ行く彼の背中を右叉兎はただ見届けるだけしかできなかった。ゆらぎの言葉に半ば納得し掛けていたからだ。ゆらぎの言うように、自分一人の力だけで柊平は翔子を探したかったのだろう。一人の警察官として、また、一人の恋人として、愛すべき女性を守ってやれなかった負い目を感じないはずはなく、あの時、怒りに近い感情を右叉兎へと向けたのは冷静さを失っていたからなのかもしれない。どうして手紙の存在を隠し通さなければならなかったのか、柊平の考えなど右叉兎には知る由もなかったが、彼にも何かしらの事情があるに違いないと自分自身を納得させた。

「そういえば式島さん曰く、翔子さんの殺人事件に関わったり、失踪事件を起こしたとされる犯人がまだ暁町に居るらしいっスけど、なるべく固まって行動した方がいいというのは俺も賛成っス。多分ああいう手合いは幽霊や化物よりも質が悪いと思うっスから」

柊平と合流できているのならひとまずは安心だろうと、一人で出て行った龍矢のことを憂慮した後で、京の後に続いて右叉兎は地下廊下へと下って行った。廊下には横並びの扉が二つあるだけで他に目ぼしいものは見られなかった。右側の扉の取っ手に京が手を差し伸ばしたが、引いたり押したりするもののピクリとも動かないようだった。今度は左側の扉を開けようとする。しかし、室内にカチリと音を響かせるのみで全く開く様子は見られなかった。

「長い間使われてなかったようっスからね。もしかしたら立て付けが悪くて開かないのかもしれないっス。何かパールのようなものがあればこじ開けられそうっスが……用務員室かと思えばそうでもなさそうだし、一体ここはどういう目的で作られた部屋なんスかね?」

 何もないと分かっていながらも右叉兎は部屋をぐるりと見まわしてみた。

>> 周辺all様

13日前 No.483

御子柴 ゆらぎ @mistydark☆NIljAHmRyhk ★Android=GaTaMXF8bf

【御子柴ゆらぎ/図書館一階廊下→地下廊下】

 取り敢えず地下に行くという提案は、龍矢や右叉兎にも受け入れて貰えたらしい。後ろに続く足音を感じながらゆらぎはトコトコと階段を下りる。ゴスロリ衣装から制服に変わったお陰か、矢張り多生なりとも動きやすい。
「え、殺人犯いるのこの町……お化けよりよっぽどヤバいじゃん……犯人は神居家にいたママとかで既に解決してますように」
 思考が非現実的なものに侵されているからか、或いは単なる現実逃避か、地下に潜った先や扉を開けた先に件の殺人犯が隠れているかもしれないという可能性は無視して、ゆらぎは進む。

 しかしその歩みは地下室に辿り着いて直ぐに止まった――二枚の扉を前にして、先に降りた面々が立ち往生している。どうやら鍵もなければ鍵穴もなく、けれど扉は開かないらしい。
「鍵穴がないってことは内側から閂でもかかってて別の入り口があるのか、何か仕掛けが鍵替わりなのか……ドアノブ順番に回すとか上の本棚で正しい順番に並び替えるとか、意外とハイテクな受付とかで操作する電子ロックとか……でも上はもう怪しいものはなかったし……」
 ブツブツ言いながらゆらぎは考える。全ては仮定でしかないから、全てが正しいようにも間違っているようにも思える。
 目の前にあるのは、左右対称の二枚の扉だけ。
「……双子の扉」
 ぽつり、と。何かを思い出したように呟いて。

>all

13日前 No.484

八岳龍矢 @fue☆dTW3Rdrh5/. ★iPhone=uYwUDyqtCB

【八岳龍矢/暁町立図書館・地下廊下】

皆の後を追いかけ、転がりそうになりながら階段を駆け下りた。躍起になって見慣れた背中を追いかければ、不意にそれが階段を降りた先で動かなくなり、扉の前で詰まって危うく追突事故を起こしそうになる。

な、なんですか、いったい…………
寸前で止まり、そう言いながら彼女達の肩越しに見えたのは、閉じられたままの扉。なるほど、それでつまっていたのか。皆さんをここに集めてください・状態≠ノなってる皆さんと、よく分からないこの状況を見回す。
この図書館で鍵らしきものは見つけなかった。少なくとも一階では。それは二階組も同じ事らしく、皆それぞれに首をひねっている。これは、また地上階に戻って、鍵を探さなければいけないだろうか。でも鍵穴はないって言うし。
扉を破壊できそうな持ち物があれば良いが……ドライバーやコルク抜きや栓抜きがついたアウトドア用サバイバルナイフか? いや、さすがにピッキングツールはついてないぞ……ってか鍵穴がないんだって。あとこの図書館で見つけたものといえば……縄? いやこれは関係ないだろう。……ロケットペンダント? RPGのダンジョンじゃないんだからなぁ。

「蹴破れそうなほどヤワにも見えませんし」

左右対称に並べられた、二つの扉。そのどちらともが開かないらしい。右も、左も。
俺は二つを見比べて、都城さんがガタガタと揺らしている左の扉に近づいてから自分でもガタガタと揺すってみた。開かない。続いて、足元に出来た小さな丘をふみふみと踏んでみる。うーん……。

「……もしかして御子柴さんの好きなあれだったりして。……右の扉、俺と『せーの』で開けてみませんか。はい、せーの!」

俺は左の扉に手をかけたまま、顔を右に向け、誰か勘まかせの物は試し精神に張ってみてくれるよう促した。

>all様


【短くなっちゃってごめんなさーい!】

11日前 No.485

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

【鑓ヶ岳烈/暁町立図書館・一階 書庫→地下廊下】

地下に向けて歩んでいく一行の背中を追いかけながら、烈は何か怪しかったり危なかったりするものはないかと辺りを見回していた。これまでの経験から、いつ何処に仕掛けがあっても可笑しくはないと考えているからなのだろう。今時地下室というのも珍しい、と思いながら烈も歩を進めていく。そんな中、右叉兎から“失踪事件を起こした犯人がまだ町内にいるかもしれない”という話が挙がる。烈もゆらぎと同じように、犯人はこれまでの怪異たちであって欲しいと願うばかりである。ほら、月館家を出てすぐに出会った千枚通し娘とか、可能性がなくもない。

「……!分かれ道、にござるか……!?」

歩みを進めていくうちに当たったのは目の前に存在する二つの扉である。どちらかが正解、もしくはどちらか片方を選ぶことによって当たり外れはなくとも行き先が変わる、ということだろうか。普通の図書館にこんな迷宮めいたものがあるものだろうか、と烈は目の前に立ち聳える扉を睨み付けた。

「押して駄目なら引いてみろ……という感じにはござりませぬな。はて……」

顎に手を遣りながら、烈もどうにかして扉を開けられないものかと思案する。謎解きは苦手だ。それでも皆の力になりたいという思いに嘘はない。何か手掛かりのようなものはなかろうか。そう考えていた烈は、じろじろと不自然過ぎるくらいに辺りを観察する。やや中腰になりながら、何か落ちていないかと探していた時、ふと京の足下が何やら盛り上がっていることに気づいた。

「……?編集者殿、編集者殿。貴殿の足下にござるが、何やら盛り上がっておられるご様子にござる。少し見てみたり、出来たら踏んでみたりして何か埋まってなどおられぬか確認は出来ませぬか?」

もしお嫌にござったら拙者が承りますぞ、と後に付け加えながら烈はそう京に声をかける。其処に何があるのかはわからないし、何もないかもしれないけれど、気になったのならそのままにはしておけない。

>>周辺all様

【ひぃ〜〜お返事遅れてしまって申し訳ございません……!】

11日前 No.486

七、都城京 @sweetcatsx☆e0aRNqDUyEM ★iPhone=8p27ODDVl8

【 七、都城京 / 地下廊下→双子廊下(右) 】

 周りの声を聞きながら都城は右の扉を調べ始める。特に変わった様子はないただの扉なはずだがどうやっても開かない。どうしたものか、安仁屋の言葉通り壊すしかないのか、そう思っていれば背後から掛けられた烈の言葉に足元を見る。

「あっ、ほんまや。これ乗ったらかち、っていうしおりたらならへんねぇ……」

 足元の盛り上がった部分はまるでスイッチのように踏めばかちり、と音がする。だがしかし扉はやはり開かなかった。いつのまにか左の扉を調べていた八岳の言葉にこくん、と頷いた都城は「いっせーのーで!」と声をあげながら扉を押してみた。両方の扉を、同時に。

「――――ひらいた」

 七の小さな声と重なるように扉が開いていく。扉の先は一本道で奥には扉が一つ、二つの廊下は全く同じようで、辿り着く先も同じにのかもしれない。

>>ALL


(八岳くんナイスです〜〜!!!!進行の都合によりいっせーのーでを待たずに開けます!八岳くん当たり!答えは、偶数人で同時に足元の踏み台を踏む、でした!)

8日前 No.487

御子柴 ゆらぎ @mistydark☆NIljAHmRyhk ★Android=GaTaMXF8bf

【御子柴ゆらぎ/図書館地下→双子廊下】

 御子柴さんの好きなアレ――不意に自分の名前を呼ばれたゆらぎが顔を上げると、皆の立ち往生は終わっていた。どうやら、両方の扉を同じ人数・タイミングで開ける必要があったらしい。
「わたしそんなにせーのせーの言ってるかなぁ……言ってるか。あとこのドア一人で開けたいときどうすんだろう……司書さん困らないのかな……ま、取り敢えずドア開いたところで進もうか」
 色々とゆらぎの中にも突っ込み所はあった様子だが、この状況下で突っ込むだけ無駄だということはこれまでで嫌というほど自覚している。だからさっさと先に進もうと扉の向こうの暗闇を覗き込んで……真横にも全く同じ道が続いていることに気付いた。

「これ、どっち行く? 鍵の感じからするとどっち選んでも大丈夫だと思うけど……いや違う……多分これ、半々じゃないと進めない」
 最低二人居ないと開かない扉というのはつまり、その二人を分断するためのものではないのだろうか。幸いにも此処には二人よりも多くの人間が居るから、一人ずつ進む羽目にはならなさそうだが。

「どうしようかな……取り敢えず全員で右行ってみて……多分その段階でドアが閉まっちゃうけど。閉まらなきゃ僥倖、そのまま行こう。閉まったらグッパーね」
 手の平を握ったり閉じたりしながら、一行を振り返って告げるゆらぎは知らない。グーだかパーだか下手をすればチョキだかを一斉に出して組分けをするアレの呼び名が、地方によって異なることを。

>all

【多分置きレスで例のアレをやるのは難しいので、別れる場合は適当にお願いします。】

4日前 No.488

八岳龍矢 @fue☆dTW3Rdrh5/. ★iPhone=uYwUDyqtCB

【八岳龍矢/暁町立図書館・地下廊下】

都城さんとタイミングを合わせて押し込んだ扉は、スッと開いた。
「うわぁぁっ!?」
何をしても開かなかった時の勢いのままほぼ全体重をかけていた俺は、扉に突っ込んだまま前につんのめり、危うく転けそうになる。
……開いた。
危ないところで態勢を立て直し、ドアノブには手をかけたまま、開いた扉と続く細長い廊下とを交互に見比べる。

「おっしゃぁ! 当たりか! ………………や、あの、勘じゃなくて、推理と論理的思考、それから洞察力ですよ」

ハッと周囲の目に気付いて、咳払いを一つ。
俺たちを二手に分断する別れ道……。ただでさえ人数が少ないのに、細分化されては心許ない。どこに続いているからわからない先行き不明瞭な細長く薄暗い廊下がそんな気分を加速させているのかもしれないが。

「そうですね、それじゃあみんなで右に……」

俺は御子柴さんの勧めに従って左の踏み台から降り、都城さんのいる右の扉の方へ向かった。が、その瞬間にいま解錠した扉はひとりでに閉まって、カチリという施錠音を背中で聞いた。どうやら、皆で片方に集中するわけにはいかないらしい。

「ダメみたいです。小癪な仕掛けだが、二手に別れるしかないみたいですね……御子柴さん、それは……」

怪訝な顔で扉を睨んでいたこの視界の端で、何かが開いたり閉じたりしている。それは、御子柴さんの手だった。ああ、名前なんていうんだっけ、懐かしの、二つのチームに別れる時の……

「……限定ジャンケン?」

……じゃなくって。

「ええと。……まあいいや、雰囲気でわかりました。はい、お手を拝借! グッとっパーで別れましょ!」

俺は徐に右手を掲げ、みんなにもそうして貰うよう促してから振り切った掛け声とともに手をパーに開いた。勿論この時、この掛け声が微妙にバラバラでなんか締まらない感じになるとは俺だって予想していなかったわけだけど。

「よし、丁度わかれたみたいですね、行きましょうか……」

>all様


【というわけで、尺の都合で適当に二分割、ですね】

3日前 No.489

推古 @iwing ★6TfTABjBWh_sxd

【安仁屋右叉兎/曉町立図書館・地下廊下】

「これ、一人だけがグーかパーだったら最悪なパターンじゃないっすか……」

おっかなびっくり手を差し出す。
ゆらぎから提案があった時から決めておいた型を出して半々の組を決める。
左右対称の扉から続く廊下へ、二手に分かれて進む班を組むのである。どちらのチームに組み込まれるかはまだ右叉兎にも分からない。先ほどから危惧していたように、片方の班に一人だけで分けられる可能性も確率的にはあり得る話だ。それでもズルをして後出しをするのも格好がつかないと考えたのか、周りに合わせるように手を差し出した。もう子どもではない──と右叉兎は思っているのでわざわざ声には出さなかったが、心の中では恒例となっている例の開始の合図を唱えていた。

>> 周辺all様

1日前 No.490

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

【鑓ヶ岳烈/暁町立図書館・地下廊下】

どうやら龍矢の推理は的を得ていたらしく、重苦しい音を立てて扉が開いた。喜ぼうとしていたもののハッとして咳払いをする龍矢に、烈はクエスチョンマークを頭上に出しそうな表情を向けた。嬉しいのなら思いっきり喜んでも良いというのに。……周りの目をあまり気にしない質の烈は、時々そんな風に思うことがある。さすがに空気は読めないわけではないので口に出すことはないのだが。

「ふむ、なるほど。ならば半分に分かれねばなりませぬな。逢澤殿の話もあります故、バランス良く男女が分かれてしまうのもいささか不安ではござるが……」

双子の道を行くには半分に分かれるしかない。それに一抹の不安を覚えるものの、後には引けないと考えた烈はそれを受容することにした。もしかしたら自分たちを分断して離ればなれにするのが目的なのではないか、なんて考えてしまったが、其処は持ち前の前向きさ加減で否定しよう。きっとこの道の先は何処かで繋がっているはずだ。どのくらいの道のりになるかはわからないけれど合流出来るならそれで良い。

「ほほう、グッパーにござるか!懐かしゅうござりますなぁ、拙者も幼き時よく行い申した!」

うんうん、と感慨深そうにうなずきながら烈はグッパーに応じることにする。グーとパー、どちらを出すにしても確率は半々である。右叉兎がなんだか不穏なことを言っていたけれど、きっとそんなことは起こらないはずだ。いや、起こらないと信じたい。こんな暗い道のりを一人で進んでいくなんて正直嫌だ。せめて誰か一人でも良いから同じものを出していますように、そう願いながら烈は手を出した。

>>周辺all様

1日前 No.491

御子柴 ゆらぎ @mistydark☆NIljAHmRyhk ★Android=GaTaMXF8bf

【御子柴ゆらぎ/図書館地下】

 龍矢が扉から――恐らくその前の凹みから離れると、案の定扉はひとりでに閉まってしまった。よくできてるなぁ、とゆらぎは場違いに感心するが、全員が手分けして探索することには同意してくれたのでその思考は振り払った。
「一人は流石に危ないから、その時はやり直そうね。はいグッパーグッパー、グーッパー!」
 とまぁ、龍矢に合わせたつもりの掛け声を上げたゆらぎだが、三文字目から既に何かがおかしく、手を開いて閉じる回数すら異なっていた気がした。というか異なっていた。ゆらぎはしげしげと自分の握り締められた手を見詰め、「パーって言いながらグー出すの意外と難しいんだよね」という常套句を、そっと胸の内にしまいこんだ。
「……えーっと、じゃあパパのチームは右で、わたしの方が左ね」
 掛け声云々について触れると収集がつかなくなると察したゆらぎは、まるで何事もなかったかのように二つの扉を指差した。

>all

【チームの詳細についてはスレ主様より発表があります。】

1日前 No.492
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