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D O L L .

 ( オリジナルなりきり )
- アクセス(2069) - ●メイン記事(61) / サブ記事 (65) - いいね!(15)

すれぬし @milkywayy☆woNfuP/Psag ★iPhone=WsHBgyg92L

 これは、人形達の残酷で悲しい物語。


 人形達は何故かそれぞれが体の一部だけが生身の人間だった。そんな人形達はいつしか完璧な人間になることを望んでいた。



「十四の欠片を集めれば人形は人間となることが出来るのです。十四体の人形(ドール)の中で人間になれるのはたった一体。さて、誰が願いを叶えるのですかねえ」



 十三の人形を破壊し、十三の体の欠片を集めましょう。

 十四の欠片を継ぎ接ぎ繋いで、たった一人の人間の出来上がり。



 ――――頭が胴体に壊された。残りは十三体。



 ///

(はじめましてあけましておめでとうございます! サブ記事にてお待ちしております)

メモ2018/02/28 11:55 : 冬野☆2/Tw0gYxHcQ @sweetcatsx★iPhone-VHGaT7ZbKj

EP01. 【 Ours en peluche haine br□l□e 】

→ http://mb2.jp/_subnro/15688.html-32,36#a(1/15〜)


《 Character. 》


* 右手首を持つドール:Fiorello(日向月。さん)http://mb2.jp/_subnro/15688.html-37#a

* 右前腕を持つドール:rionette(闇月さん)http://mb2.jp/_subnro/15688.html-38#a

* 右上腕を持つドール:Wisteria(すずりさん)http://mb2.jp/_subnro/15688.html-20#a

* 左手首を持つドール:Luce(芙愛さん)http://mb2.jp/_subnro/15688.html-27#a

* 左前腕を持つドール:Coffin(ろずにさん)http://mb2.jp/_subnro/15688.html-46#a

* 左上腕を持つドール:Pur(溺さん)http://mb2.jp/_subnro/15688.html-25#a

* 右足首を持つドール:Forte(絡操さん)http://mb2.jp/_subnro/15688.html-47#a

* 右下腿を持つドール

* 右大腿を持つドール:

* 左足首を持つドール:bell(ひなしろいとさん)http://mb2.jp/_subnro/15688.html-24#a

* 左下腿を持つドール:Citrus(倖さん)http://mb2.jp/_subnro/15688.html-30#a

* 左大腿を持つドール:Claribel(夕邑三日月さん)http://mb2.jp/_subnro/15688.html-26#a


* 胴体を持つドール:Adelais(スレ主)http://mb2.jp/_subnro/15688.html-29#a

* 頭を持つドール(破壊済):Etoile http://mb2.jp/_subnro/15688.html-4#a


→ サブキャラ(無制限 / 詳しくはプロフィール項目をご覧くださいませ)

* ours (テディベア)http://mb2.jp/_subnro/15688.html-36#a

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ろずに @tamtg ★PnMbNaCcXY_M0e

【コフィン/東部】

 それは北部でいつものように墓堀りの帰り道のことであった。
 突如、耳を塞ぎたくなるような咆哮が辺りに響き渡ったと思えば、黒く燃え盛る炎がコフィンのもとへ飛んできた。それをすかさずかわすと、炎は轟音をあげて先程まで彼女がいた地面へと沈んでいった。
 ちりちりと焦げた臭いが纏わりつく。

(――あっちの方向から飛んできたな)

 炎が飛んできたと思われる方向へ視線を移すと、遠方は黒い身体を持ち、炎を生み出す玩具の姿と、それを取り囲む姉妹達の姿が視界に入った。
 一体、何であんなに集まっているのか。エトワールが破壊されて以降、あまり顔を合わせることがなかったドールの姿を確認して、少し驚きの念が胸に湧く。
 全身が雪のように白いルーチェや、以前エトワールを破壊し、グルナードを奪うという事件を起こしたアデレードの姿も見える。舞いながら玩具を翻弄するルーチェに、軽やかに炎をかわすアデレード。そしてその他にも、ウィスティリアやリオネットが化け物を討たんと自らの能力を発動していた。

(大体、あのでっかい咆哮をきいて皆して駆けつけたってところか?)

 それにしても、よくこれだけの姉妹がこの地に集まったものだと思う。四人以外にも、鋏を構えるシトラスに誰かのあとをついてきたのだろうクラリベル、そして妹分であるベルとフィオを抱きしめるフォルの姿も捉えた。
 ドールに襲いかかる玩具の姿は見覚えがある。かつて事件が起こる前は愛らしい白い体を持つテディベアであった。しかし今の姿は黒く憎悪の念で染まりきっており、昔の面影はない。ただ、グルナードを持つドールへの妬みでつき動く化け物であった。

(……棺を、用意してやんねーと)

 いくら黒い炎を生み出し荒れ狂ったとしても、あの姉妹達に囲まれたのだ。もはやウルは生き残ることはできない。かつて知り合いだったテディベアの姿、そしてこれから迫り来る終わりを予感し、諦めと悲しみが胸を刺した。自我を失ったように暴れる玩具を無垢なテディベアに戻すことはできない。

 そう変わってしまったものに悲嘆しているのも束の間、彼女の目には新たな場面が映る。
 三人でくっついてウルと戦うドール達を眺めていたフォル達三人の背後に、見慣れぬ影が及んでいた。それは新たな敵の報せであった。
 はあ、と溜め息を零しながらウィンプルを外す。露になった黒髪をぐしゃぐしゃとかきあげると、コフィンは手にしていたツルハシを大きく投げ飛ばした。強い力で投げられたツルハシは影のもとへ届いたようで、不快な音をあげ、身体の一部を欠損させた。しかし、まだ核は残っている。
 近づきながら地面に落ちたツルハシの柄を蹴り上げ、弧を描いて飛ぶそれを持ち直す。そして昔と変わらぬ軽口を叩きながら、姉妹達に告げた。

「なあ、皆で集まって茶会を開くつもりなら、ここは止めといた方が良いぜ。涎垂らしてグルナードを狙う奴らがウジャウジャいるし、何より土埃がすごい」

≫ALL様、フォル様、ベル様、フィオ様
【本編解禁おめでとうございます!遅ればせながら、皆様に絡ませていただきました。特にフォル様やベル様、フィオ様方へ乗らせて頂きました。絡みにくいロルでございますが、どうぞ宜しくお願いします】

9ヶ月前 No.12

夕邑三日月 @mistydark☆NIljAHmRyhk ★Android=GaTaMXF8bf

【クラリベル/東部】

 ご機嫌よう、お久しぶり。
 そう、声を掛けた二人から普段通りの言葉が返ってきたことに、クラリベルは安堵した。本来であれば此処にエトワールも居るべきだとは思うのだが、そればかりは此処で騒いでも詮無き事だとは理解している。
 クラリベルの目的は、これ以上ドール達を、この世界を変わらせないことである。ならば今するべきことは、自ずと一つに定まってくる。
 アベンチュリンガラスの煌めく瞳は、彼女のものではない金髪と、その向こうの黒いテディベアを確と捉えた。
「待っててねクマさん、クララ達が、可愛いぬいぐるみに戻してあげる」
 戻ってきてくれるなら、それでよし。変わろうとするなら、壊してでも止める。

 そんなクラリベルの物騒な思考が読めたのか、ただただ近付いてきたドールを威嚇したのか。頭上から叩き潰せと言わんばかりに降ってきた巨大な拳を、既にそこに到着していたドール達に習って避ける。地響きを起こさんばかりの衝撃も何とか掻い潜り、クラリベルはテディベアの頭上に向かって両手を翳した。
「うふふ、お返し。クララがいっぱい遊んであげるからね、そんなに怒らないで?」
 次の瞬間、直径1メートルはあろうかという巨大な飴玉が、この場に似つかわしくないファンシーな包み紙ごとテディベアの頭部に向かって落下してくる。
 綿のかたまりに飴があたっただけとは思えない鈍い音を響かせて、それはテディベアの後頭部にあたる部分に直撃した。
 これで怯めば、他のドール達もこのテディベアと遊ぶ気になってくれるかも知れない。
「こんにちは、ルーちゃん。ご挨拶が遅れてごめんなさい」
 例えばそう、誰よりも早くテディベアと踊っていた純白のドールのように。

 そこで改めてクラリベルは辺りを見渡す。目の前の黒いテディベアに狙いを定めているドールの他にも何人か此処に来ているようだったが、詳細までは分からない。
「まぁいいわ、後でみんな揃ってお茶会しましょ」
 他の子への挨拶は後回し、と。改めてクラリベルはテディベアに向き直った。

【今回絡めなかった方にもいつか突撃したい次第です……!】

>アデレード様、リオネット様、ルーチェ様、周辺all

9ヶ月前 No.13

@itxmm ★iPhone=uSyqKf7JNY

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9ヶ月前 No.14

ルーチェ @fue☆dTW3Rdrh5/. ★iPhone=uYwUDyqtCB

【ルーチェ/東部】

ルーチェの望み通り、此方に向かっていたドール達は続々と砂嵐吹く戦場へと登壇してきた。
ワルツの四章節分にも満たないほどの僅かな踊子人形(コッペリア)の舞踏に仕掛けられた電撃で、ウルは一瞬動きを止めた。その幕間に現れ、次のスポットライトを浴びた姉妹達に目が眩んだか、ウルは標的を変え其方に襲いかかる。しかしその行く末は期待はずれに無様なもので、ウルは他のドール達からもことごとく返り討ちにされている。
(これじゃあ、ライバルが熊五郎と戦って勝手に減ってくれるのは見込めないわね……)
自分と同じグルナードを分けたドール達と、精々それに嫉妬するだけの出来損ないとでは、やはり力の差がありすぎる。幾ら何でも、ライバル達を一介の熊のぬいぐるみが倒してくれるとは期待できそうになかった。こうなってくると、ルーチェは「やはり出来損ないは邪魔なだけだ」という冷酷な判断を下し始末する方針に早々と切り替える。
(可愛いあの子は見当たらないわね……)
続々と騒ぎを聞きつけ集まるドール達の中に探している者の姿は見つけられなかったのか、ルーチェは暫しウルの周囲に視線を配っていたが、彼女を呼び止める声があることに気づく。

「あら、クラリベルにリオネット、それにエトワール……じゃなかったわね、アデレートだわ」
クラリベルの幼気な声に振り返り、姉妹達にも優雅な辞儀をした。足の爪先をちょんと後ろに添え膝を曲げて身を低くする優美な所作は、レヴェランスというバレエの挨拶に当たる動作である。しかし柔らかな身のこなしと含み笑いとは裏腹に、皆の前でアデレートを一度「エトワール」と呼び間違えてから言い直したのは故意のことであって、懐に隠し持った棘が窺われる。ルーチェはアデレートが嵌めたエトワールの頭部を羨望の眼差しで見遣った。

「ふふふ、クラリベル。……元に戻ると良いわねぇ、あなたの綺麗な世界のパーツ」

ルーチェは慇懃に目を細めると、慈しみうっとりとしたように笑った。
(あのね、それは素敵なことだと思うけど、わたしは、一度失ったものはもうよみがえらないと思うの)
それに、自分は、普遍を願えるほど好きなものも綺麗なものも持っていない。変わらない限り価値なんて望めないのだから。
クラリベルの攻撃により頭部に打撃を与えられ脳震盪のように動きを鈍らせたウル。刹那、放っていた黒い炎が一時的に止んだのを好機に、ルーチェは傀儡の脚を繰り地を蹴って躍り出る。ピケ・ターンに継ぐシェネ・ターンの連続で、白い旋風(つむじかぜ)のような身体は何十回転もの末に風車のような刃となる。かまいたちの風はアデレード、クラリベル、リオネットと共にいる位置から、巨大な敵の周りを扇状に廻り、シトラスとウルの間を駆け抜ける。
目まぐるしい迄の高速回転は爪先立ちのまま、花弁のように広がる髪を薄氷の如き白銀の刃物に変える。颯爽と吹き抜けた旋風の純白人形は、片足を軽く引き右手を高く上げたフィニッシュの立ち姿になる。背後で熊の背の表面部分が一文字に裂け、一呼吸遅れて雲のような綿がじわりとはみ出した。

「うふふふっ……シトラス、余所見はよくないわ」

氷上を舞うような相次ぐターンからシトラスの目の前に静止したルーチェは、ウルの事など視界に入っていなかったかのような彼女へと笑いかけて、踊り子が観客にそうするように、球体関節の左腕をしなやかに使ってアン・ナバンの胸の前から柔らかく招き誘うように大きく広げる動作をした。

>アデレート様、クラリベル様、リオネット様、シトラス様、周辺の皆様


【絡んでいただきまして、ありがとうございます。一度に絡むのはキャパ的に難しそうなので、お声掛けくださった方々と、シトラス様巻き込ませていただきました!】

9ヶ月前 No.15

アデレード /スレ主 @milkywayy☆woNfuP/Psag ★iPhone=WsHBgyg92L

【アデレード / 東部】

 ――――咆哮、絶叫。

 純粋無垢だった小さかったテディベアはもういない。此処にいるのは憎悪の炎で心を燃やした、哀れな玩具(ガラクタ)だけ。

 ウルスの炎はどの人形も燃やすことは不可能だったようだ。アデレードは残念だわ、と内心呟きつつ新たに自身の鼓膜を震わせたドールへと視線を向ける。大きな裁ち鋏を持ったそのドールの甘やかな賛美の言葉と、もう一つ、別のドールの声に目をゆるりと瞬かせくすくすと笑いながら唇を開く。

「あらあら、シトラスまで来ちゃったのねぇ。うふふ、楽しくなってきましたわぁ。――――あら、ウィスティリアも」

 こうなればきっとどこかに他のドールもいることだろう。ぐるり、と辺りに視線を向けても姿は見えない。まあそれはそれでいいか、なんて思っていればリオネットの声にアデレードは小さく息を吐く。

「ただのガラクタですわ、何も持てない、哀れで愚かな玩具の成れの果て」

 ウルスの咆哮を見つめ吐き捨てるようにそう呟く。そのままウルスに視線を向け思案する。あれが動かぬガラクタであれば、核の失ったガラクタであれば自身の力で他のドールを葬りされるのに、そんな物騒な思考を止めたのは、真白の人形の言葉。

「うふふ、羨ましいのかしらぁ? 可愛いでしょう、エトワールの頭、わたくしはこれで一つ、完璧に近づいたのよ」

 ルーチェの言葉が故意であることぐらいはアデレードにも理解が出来ていて、故に口元に弧を描かせ首を傾ける。その視線の意味を理解した上での皮肉であった。さてまずあのテディベアだ、そう思い視線をそちらに向ければ振り上げたウルスの拳がアデレードに届くよりも先にウルスの頭上から飴玉が降り注ぐ。可愛い力だこと、小さく小さく呟く。そしてそれに追い打ちをかけるようなルーチェの攻撃にウルスは悲痛な叫びをあげる。

「これは、わたくしの出る幕はなさそうねぇ」

 吐き捨て、背を向ける。だがしかし、悲痛な叫びとともに吹き荒れるような炎が辺りをまるで燃やし尽くすように四方に飛び散る。誰に向けられれたわけでもない、まるでこの場所全てを燃やすように。


>> シトラス、ウィスティリア、クラリベル、ルーチェ、周辺おーる



(とりあえずサブ記事にて現在の東部状況をまとめさせていただきました! いい感じにウルスがふるぼっこにあってるのでちょっと反撃させてみました! いい感じにあたるもよし避けるもよし、です!)

9ヶ月前 No.16

ベル @brillante☆VD5xV0CAcdU ★iPhone=gVxn3hDnp0

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9ヶ月前 No.17

シトラス @d0ap ★iPad=qTOmkAVEvD

【シトラス/東部】

巨大化したテディベアのなんと哀れな事か。嫉妬に狂い、ただ無闇に攻撃を繰り返すウルに対し、華麗に可憐な能力を使う姉妹ドール達をシトラスは見つめていた。と、ともにシトラスのガラスの瞳に映るのは美しいドール達のグルナード。欲しくてたまらない美しいその部位へとつい目線が引き寄せられてしまう。クラリベルの左大腿、リオネットの右前腕、ルーチェの左手首、ウィスティリアの右上腕、そしてアデレードの胴と輝く金髪を持つ頭。自分の隠しているグルナードよりも綺麗に見える其れ等にシトラスはつい恍惚とした表情で熱く視線を注いでしまう。
戦いの場にそぐわない表情で、ただその光景を見つめているとシトラスと迫るウルの間に一陣の風が吹いた。とっさに持っていた裁ち鋏を盾のように使い、自身も体を小さくする。風が収まり顔を上げると、そこにはシトラスに笑いかけるルーチェの姿と、背中が裂けて綿が出てしまったウルの姿があった。

「純白のお姉様。お姉様が美しく踊るから、つい見惚れてしまったのに……」

まるで相手を責めるかのような口調で言葉を発しながら、招き誘うように広げられた左腕……にある左手首に目線が奪われる。手を伸ばせば届く距離。叶うならば今すぐこの鋏で彼女を……。けれどその行動がどのような結果をもたらすか、シトラスは理解しているからこそ今すぐ手を出す事はしない。機を伺い、後でゆっくり丁寧に、大切なグルナードを傷つけないように……。
笑顔の下で邪な思いを飲み込んだ時、最期の咆哮といわんばかりにウルが吼えると辺り一面に炎が飛び散り、ドール達へと迫る。

「お姉様とゆっくり話していたかったのに、残念」

そう呟いた次の瞬間には、シトラスはウルに向かって駆け出していた。炎が触れそうになったその時、シトラスの身体が宙に舞う。裁ち鋏を地に突き立てた勢いでその軽い身体が浮かび上がったのだ。そのまま勢いは衰えず、ウルと同じ目線まで飛び上がると、その首にへと裁ち鋏を突き立てた。

>ルーチェ、周辺all

【巻き込みありがとうございます!お返事遅くなってしまい申し訳ありません……】

9ヶ月前 No.18

日向月。 @kafune☆01.vmkBoVYY ★iPhone=x3rA7wamz0

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9ヶ月前 No.19

闇月 @warabimoti ★Android=xdCufVxL3h

【リオネット/東部】

 ウルの咆哮と共に飛び散る業火を華麗なターンで回避し、リオネットは真っ直ぐにウルを見据える。
このテディベアのかつての姿を知っている。愛らしい純白のテディベア。だが今は。黒き嫉妬の炎に焼かれた哀れな魂。
ルーチェの攻撃でウルの布が破れジワリと綿がはみ出る。狙うべきはあそこだ。
「待っていて下さい。すぐに楽にしてあげますからね」
オカリナをくわえ、優しい旋律を奏でる。通常の玩具であれば眠らせる事が出来るが、巨大なウル相手では眠らせるまでは出来ない。しかし、それでも動きは明らかに鈍った。すかさずリオネットは裁ち鋏を巧みに操りルーチェが攻撃した部分へと向かわせる。裁ち鋏はすでに破れていたウルの綿部分に滑り込み、二つの刃を開いては閉じ、開いては閉じ…ジョキジョキと切り開いていく。溢れ出す綿。シトラスもウルの首もとを裁ち鋏で攻めている。やはりぬいぐるみ相手となると皆考えることは同じのようだ。何にせよ現在の状況ではウルに勝ち目はない。離れたところで静観しているドール達の加勢は必要ないだろう。
と、彼女達が何処かへ移動するのが目に入った。
(何処へ行かれるのでしょうか…あの方角は西?)
何か目的があるのだろう。自分は目の前のテディベアに集中しよう。もうすぐ決着が着くはずだ。

>>東部ALL


【遅くなり申し訳ありません!リオネットは東部に残らせてもらいます!】

9ヶ月前 No.20

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=nMqLjsjQcP

【ウィスティリア/東部】

次々と集まりつつある己が同胞にウィスティリアは目をやる。中には何やら別の方角に向かおうとする者もいたが、ひとまずウィスティリアは目の前のテディベアの殲滅に専念することにした。もとより中途半端なことはあまり好まない質だから、テディベアを倒してからあちらに加勢しようとでも考えているのだろう。もしこちらの決着がついた時点であちらの戦闘が終わってしまっていたのなら、もうウィスティリアにやるべきことはないのだが。

「……嗚呼、久しいなアデレード。その顔で話されたら正直誰か解りかねなかったぞ」

エトワールの頭部を持っていたとしても、物言いや雰囲気はもう彼女のものではない。咎めるような視線を含みながら、ウィスティリアはアデレードの言葉へと返答した。律儀な彼女がいくら同胞のグルナードを奪ったとはいえ話しかけてきた者を無視するなんてことはできなかったのであろう。
再びウィスティリアがウルに視線を向けると、他のドールたちは皆綿のはみ出たウルの首もとを狙っていた。どのみちウルが劣勢なのはウィスティリアの目にも明らかなことである。このまま傍観していても恐らくこちらが全滅するなんてことはありえなさそうだったが、ウィスティリアとしては早々に決着をつけておきたいところだった。苦しむ玩具を見て悦ぶ趣味を残念ながらウィスティリアは持ち合わせていない。できることなら苦しむ姿を見る前にその息の根を止めてしまいたい。すぅ、と息を吸い込みウィスティリアはいわゆる抜刀の構えを取った。このままウルの首もとにその刃を滑らせてしまおうとした瞬間━━━━今まで蹂躙されていたはずのウルの反撃だろうか、四方へと業火の波がうねり、ドールたちを燃やし尽くさんとばかりに飛び散った。間一髪で炎を避けたウィスティリアだったが、その目にはこれまで浮かべていた冷ややかな落ち着きはない。

「お、のれ……!我が主から拝領したこの体を、奪うどころか燃やすと云うのか……!」

顔も姿も声も名前も知らない己が製作者を主と慕うウィスティリアにとって、グルナードだけではなく人形としての肉体も主からの贈り物と見なされる。故にそれを奪うだけでなく、燃やし尽くさんとするウルに向けられるのは彼が発する炎よりも熱く燃え盛る憎悪。一撃で仕留めようなどという考えはもうウィスティリアの脳裏からは消えている。ぎちぎちと歯を噛み締めて、憤怒を露にしながらウィスティリアは地面を蹴った。足にバネでもついているかのように高く舞い上がる体。激昂するほど身体能力が向上する彼女にとって、その怒りは十分動力源となる。

「哀れで愚かな人の躯すら持たぬ玩具め、其の首を以てして、我が主へ懺悔するがいいッ!!」

本来なら一撃で首を落とすはずの抜刀術を得意とするウィスティリアだが、このときばかりはそれには及ばずただ感情のままにウルの首の切れ目にその太刀を突き刺した。端から見ていれば近くにいるルーチェやシトラスを援護しているようにも見えるが、今の彼女は己の感情を昂らせ、憎しみを刃に纏わせているだけである。一刻も早く不届者を滅してしまおうと、柄を握る手に力がこもった。

>>東部all様

【ひぇぇお返事が遅れてしまって申し訳ないです……!唐突にウィスティリアがぶちギレてます、すみません……!】

9ヶ月前 No.21

夕邑三日月 @mistydark☆NIljAHmRyhk ★Android=GaTaMXF8bf

【クラリベル/東部】

 クラリベルが声をかけたルーチェからは、戦闘の合間に答えが返ってきた。それに応じるより先に彼女は華麗なステップを踏みはじめてしまったので、つむじかぜのごとき残像を見送る。
――今のままでも、ルーちゃんは十分綺麗なのに。
 そうクラリベルが伝えたとしても、頑ななルーチェは聞き入れてくれないだろう。だから、誰に告げるでもなく、クラリベルは小さく呟いた。
「ううん、戻すんじゃないの……これ以上誰も変わらないように、クララが守るのよ」
 ガラスの瞳に映る、皆で協力してテディベアを倒す姉妹の姿。それはまだ、きっと手後れではないと思えるものだったから。

 そして、今暴れているぬいぐるみと比べれば余りにも矮小なクラリベルが物思いにふける余裕があるくらい、テディベアは痛め付けられていた。背中や首から綿を溢れさせながら咆哮する姿は、いっそ哀れですらある。他の姉妹はこのまま、あのぬいぐるみを静かなる眠りに導くことを選んだようだ。
「戻っておいでって言ったのに……駄目なのね……」
 何処か寂しげに告げたクラリベルだが、次の瞬間彼女の手には鉈が握り締められている。テディベアは最早誰の声にも耳を貸さず、クラリベルの大切な姉妹を傷つけようとするばかり。ならば、それは、許されない、から。
 最後の足掻き、とばかりに放たれた炎は、同じく巨大な飴で受け止める。ドロドロに溶けた砂糖の甘い香りを纏いながら、クラリベルは駆け出した。
 皆が上なら自分は足。上半身への攻撃は姉妹達に任せ、踏み潰されないようにちょこまかと動きながら、クラリベルはファンシーな凶器を、ファンシーな狂気に突き立てた。

【返信遅くなりましてすみませんm(__)m】

>ルーチェ様、周辺all

9ヶ月前 No.22

ルーチェ @fue☆dTW3Rdrh5/. ★iPhone=uYwUDyqtCB

【ルーチェ/東部】

恍惚とした薄く爽やかな笑みと共に賛辞の言葉を贈ってくれたシトラスを諌めながら、余所見をしていたのはルーチェもまた同じことだった。ウルの巨体から白い内容物が溢れ出すのを肩越しに視認すれば、追いかけるようにどこか物悲しい悲痛な咆哮が響き渡る。その声に敵方の末路を悟り、ルーチェは油断したのだ。
「……!」
はっと目を見開いたのは、目の前で話していたシトラスが徐に駆け出し飛び上がったからである。その爪先を掠めるように、足元を黒い炎が潜った。その足捌きは鮮やかで、熱風を蹴りつけるようにして空中を駆けた。一振りの大鋏が敵を貫く。然すれば次にはウルの放った反撃の焔がルーチェの目の前に迫っている。シトラスを見ていなければ反応が遅れ丸焦げになっていたかもしれない。前触れなく突きつけられた危機に対して咄嗟に飛び越えたルーチェの足は絡れ、間一髪のところで炎の舌から身をかわす。踊り子の見せるような軽やかなステップは影もなく、宙に放り出された脚は雛鳥のようにぎこちなく無様に捻れて、自重を引き連れたまま落下した。
やり過ごした凶事の炎が背中の向こうで燻りながら離れていく。感じる熱風が遠ざかる感覚を、冷たい汗の伝う心地で噛みしめている。着地に失敗したままの、どさりと座り込んだ姿勢のままで、ひとしきりの身震いが無意識に起きたのは酷く惨めだった。

身体を失うかと思ったら、創造主に賜った此の身体を失うかと思ったら、とても恐ろしかった。
焼けた砂地に笠のように広がった、純白のスカートを引き寄せてたくしあげれば、左足首から先が外れて無くなっている。切り口を流れるあの憧れの紅い血潮は無く、球体関節を嵌め込む窩がつるりと凹んでいるだけだ。落とした左足を探せば、それはすぐに見つかった。座ったままでも手の届くそれを拾い上げると、ガラスの靴を履いた白い粘土の塊は凍るように光り、生身の左手を冷やしていった。血も流れない、真っ白な硬い身体。
外れた自分の左足を抱えたまま砂の上に腰を下ろし、ルーチェはウルと戦う他のドール達を見上げた。ルーチェが付けた傷をリオネットが操る裁ち鋏が切り広げ、目の前から軽々と飛び上がったシトラスと忠誠心からか激怒したウィステリアは両側から敵の首を一突きにし、仰け反った巨敵の足元へは溶岩のように溶け出したキャンディをクラリベルが放つ。
グルナードを分けた姉妹達。ルーチェの中では当然敵同士という認識の彼女達が共闘という形で連携し強大な敵に立ち向かっている。まるでアデレードの起こした悲惨な始まりの事件など無かったかのように。誰一人変わらないように、なんて、クラリベルの言う通り、なのだろうか。そんな筈は無いのに。嗚呼それにしても、誰を選び取っても、此処で足を外している自分と違って美しい……とルーチェは卑屈な気持ちになった。

「羨ましいに、決まってるじゃない……!」

それは、エトワールの頭部をいち早く手に入れ、声を上げる姉妹に「羨ましいのかしら」と笑ってみせたアデレードへの応えだった。ルーチェは歯噛みするように押し殺した声で唸る。乱れた白髪が額から顎まで簾のように掛かり、彩色を忘れた雪のように冷たい唇がわなわなと震える。白い肌に髪が翳した斑らの陰影の隙間から、冷たい瞳に嫉心の火が燃える。戦慄きながら砂を握りしめた。

ーーわたしは、あなた達みたいに美しくない。クラリベルみたいに可愛くないし、シトラスみたいに優雅じゃない。ウィステリアみたいに気高くないし、リオネットみたいに優しくない。そして、アデレードみたいな強さも行動力も無かった。
こんなにつまらないところで躓いて、だからわたしは出来損ないでお父様にも見捨てられたのだわ。お父様はきっと、こんな失敗作は要らない。アデレード達だって、本物の人間の女の子じゃ無い時点でわたしと同じ失敗作なのに、あの子達はあんなに強くて美しい。ずるい、ずるいわ。

「あんな出来損ないの玩具がなんだっていうのよ……! ……お父様……ルーチェは、」

ーーお父様! 貴方のコッペリア≪ルーチェ≫は上手に踊ります。ルーチェは貴方からの、ただ一つの言葉が欲しいのです。貴方からの、許可が欲しいのです。

渦巻く嫉妬を沸々と燃やしながら、ルーチェは靴でも履くかのように外れた無機質な左足を球体関節に元通り嵌め込んだ。ガラス細工のような靴が水晶色の輝きわ帯びて煌めくと、何事も無かったかのように立ち上がる。地を踏みにじるように足を擦り鳴らした。人形の体のとは、便利なものだ。
ライバルであるドール達に遅れをとる訳にはいかない。一見仲間意識や協調からくる戦闘協力のように映るルーチェの行動もまた、只々その野心と悔しさ故の反撃に過ぎない。

ルーチェは悔しい気持ち混じりに、後を追うように軽やかなトンべパドブレの助走をつける。軽やかに繰り出した足を小刻みに操り、標的との距離を一気に詰める。足を地に擦り付け滑らすようにジャンプをするグリッサードから、地を捉え、蹴り、バネのように飛び上がった脚を、駿馬の前足の如く滞空中に力強く曲げる。全身に纏わり付き音を立てていた紫電を集めて爪先へと集中帯電させながら前方へと蹴り出した。踏み切った後ろの足はアラベスクに掲げる。溶けたキャンディを被弾してバランスを崩したウルが更に首を刺されもがきながら此方を振り返る。その顔面を目掛けて、180度開脚のグラン・パドシャが雷を伴う矢のように突き刺さる。プラスチックの目玉がパチンと乾いた音を立てて弾け飛んだ。
体の其処彼処から内容物を溢れさせ、足元はベタベタに飴で固められながら、ウルは電流に曝されたようにパリパリと線香花火のような瞬きを残しながら動きを止める。ルーチェはウルの鼻を踏みつけ宙返りするように降りてくると、まだ不機嫌そうな冷徹な顔で純白のドレスについた砂を払った。

>シトラス様、アデレード様、ウィステリア様、リオネット様、東部all

9ヶ月前 No.23

スレ主 @milkywayy☆woNfuP/Psag ★iPhone=WsHBgyg92L

【アデレード / 東部】


『――――ナンデ、ナンデ、ウルダケ…………アアアァァァァァッッ!!!!!!!!』

 シトラスとウィスティリアが突き立てた首、ルーチェとリオネットが引き裂いた背、そこから溢れ出す綿と痛みに悶え叫び声をあげるウルスの声。逃げようと足を動かそうとするウルスの足に突き立てられるクラリベルの可愛らしい凶器に足がもつれバランスを崩すがそれでもウルスは諦めなかった。

 腕を振り上げ反撃に出ようとした、だがしかしそれさえも封じるルーチェの攻撃にウルスは咆哮をあげる。弾け飛んだプラスチック玉の瞳。綿の詰まった布はあちこちが引き裂かれもはや原形などわからなくなりつつあった。

 アデレードは笑う。さも愉快そうに。ウィスティリアの言葉、そしてルーチェの言葉。そして哀れなテディベアを最後を。

「うふふふっ、羨ましいのなら奪えばいい、自分の望みは自分で叶えるしかないでしょう? 奪えもしない負け犬――――負け熊かしら? 貴方は負けた。あの可愛い可愛いエトワールとおんなじ。貴方の次はどのドールがこうなるのかしらねえ」

 ちらり、とルーチェに視線を向ければくすくすと笑い、そしてふわりと裾をはためかせればもう身動きさえ取れないウルスの元へ緩やかな足取りで向かう。その右手には小さなナイフが一振り。うふふ、と笑みを零しながら振り上げた切っ先の元、それはウルスの右胸に黒く輝く核≠ナあった。

「貴方じゃ、わたくしの玩具にさえなれないからいらないわ」

 核を貫かんとばかりに突き立てたナイフから手を離し背を向け優雅に歩き出す。背後から聞こえる断末魔の叫び。


『ア゛アアァァァァァ!!!!!!!!!!!!』


 あら、やはりただのナイフじゃ仕留められなかったわ、アデレードは心の中でそう呟きながらも背後のテディベアにはもう興味もないようだ。


>> シトラス、リオネット、ウィスティリア、クラリベル、ルーチェ


(ウルス戦ラストになります! 核をざっくり破壊してもらえれば!! 哀れなテディベアの最期、お楽しみください)

9ヶ月前 No.24

ベル @brillante☆VD5xV0CAcdU ★iPhone=gVxn3hDnp0

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9ヶ月前 No.25

ろずに @tamtg ★PnMbNaCcXY_M0e

【コフィン/東部→西部】

 先程敵へ放り投げたツルハシをしっかり握り直し、此処から僅かに先の方を見る。そこには、汽車の玩具であったニトロを西部へ誘導するために駆け出したベルの姿があった。いつ見ても美しい桃色の髪がベルの動きに合わせて揺れる。そこへたまたま通りかかった黒猫とすれ違った瞬間、先程とは打って変わって攻撃的で少年のように喋るベルの声が聞こえた。“もう一人のベル”が現れたということは、能力を発動させたという証拠だ。大方、あの黒猫を憑依させたのだろう。あっという間に遠くへ行き、小さくなっていく彼女の姿を見ながらどうしようかと考えているところに、今度はフィオレオが口を開いた。

「フィオも、あの子たちを追います……お姉様方も、力を貸してくれたら嬉しい、かな、えへへ」

 この状況に恐怖を抱いているであろう妹のドールが、精一杯笑顔を作ってコフィンとフォルに向かう。つい先刻までベルの手を握っていた小さな手は、いつの間にかウサギのマスコットを抱き、それに自身の能力を発動させていた。普段から穏やかで人を安心させるような雰囲気を纏ったフィオレオは、ベルの後を追う事に決めたようであった。赤い瞳が遥か先を走るベルを見据える。自分よりも姉妹の身を案じる妹を見て、コフィンはウサギとフィオレオの頭をぐしゃぐしゃと撫でながら告げた。

「いやー、まったく。すっかり逞しくなったもんだなぁ、お嬢ちゃん。あたしもベルを追うから、お前も無茶だけはすんなよ。そんでもって、そこにいるフォルさんよ。可愛い可愛い妹のお願いだぜ、あんたも来るだろ?…………それじゃ、あたしはお先に失礼するよ」

 言うや否や、コフィンはフィオレオよりも素早く、点ほどに小さくなったベルの姿を追う。その後ろには、蛇のようにしなやかに体をくねらせるニトロがいた。もし、フォルの音を操る能力やピアノ線を用いた戦力があれば危なげなくニトロを捉えられるだろう。しかし、フォルのような力を持っていないコフィンは、あくまで手に持ったツルハシと、彼女自身の能力を頼りに戦いへ身を投じるほか術はない。使うしかないのか、と心の中で溜め息を零す。自分達がたとえ人から作られた存在だとしても、心は宿るもの。その者をその者たらしめる心を暴いてしまう能力を、コフィンは好きになれなかった。しかし、今はそんな事を言っている場合ではない。“心を読める”と言う事は敵の考える次の一手も読み取れるという事だ。コフィンは小さく息を吐きながら目を眇めて遠方にいるニトロの姿に狙いをつけた。ドールへの嫉妬や憎悪で荒れ狂うその心は、一心不乱にベルを破壊する事に力を注いでいるようだ。西部へと駆けていく桃色の髪のドールは、はじめ汽車の追撃を猫のような軽やかな動きでさっとかわしていた。だが、辿り着いた西部の地を蹴り出していたその足は地面につまずき、彼女の身は転げまわった。その拍子に、紺を基調としたお姫様のようなドレスの裾がひらひらと踊る。すぐさま体勢を立て直したものの、ニトロに間合いを詰められたベルは、一瞬で拘束されてしまった。

(…………あの汽車、後ろからツルハシ振り回して走っているあたしの事なんて全然気付いちゃいねえ。それに比べてあの“お坊ちゃん”は見上げた精神だ。自分を窮地に置く一方で、それすら策にしていやがる)

 もう一人のベルの心の声に感嘆する。ニトロとは違い、背後から二人の下へ駆けるコフィンに気付いているらしい裏のベルは、捉えられて尚、ニトロを挑発し続けていた。能力によってベルの心も読んだコフィンは得物を構え、更に足を速めニトロの体へと音もなく近づく。そしてベルの叫びをもとに、哀れな汽車の核へツルハシを振り下ろした。

「第二車両の真ん中、黒い水晶!!」
「相分かった!…………なぁんてな!!」

 おどけて堅い口調で返事をする。それと同時に、ツルハシの先が水晶を砕いた。




 ツルハシによって亀裂が入った黒い水晶は、徐々に音を立てて亀裂を広げていく。そして最後まで亀裂が走った水晶は、粉々になって地面へと落ちていった。細かくなって下へと沈んでいくそれは、まるでこの世界に存在する玩具達の儚さに通じるものがあった。
 核を壊されたニトロの体が停止し、倒れていく。
 ニトロの体はドール達よりもずっと巨大だ。ああ、こりゃ墓を作るのも一苦労しそうだとコフィンはこれから先の事を想像した。
 その一方で、危うくニトロの体に巻き込まれかけていた囚われのベルを素早く抱えながら、眠たげな様子を見せる彼女に声をかけた。

「おい、お姫様。こんなとこで居眠りしてたら風邪ひくぜ。……いや、今は“王子様”って呼んだ方がいいか?」

≫西部ALL様
【勝手ながらコフィンがニトロちゃんのとどめを刺すという展開にさせて頂きましたが大丈夫でしたでしょうか?もし変更や調整が必要であった場合、再度書き直させて頂きます!】

8ヶ月前 No.26

闇月 @warabimoti ★Android=xdCufVxL3h

【リオネット/東部】

 「貴方じゃ、わたくしの玩具にえさえなれないからいらないわ」
そう言い捨て、アデレードがナイフをウルの核に突き立てた。何の躊躇いも迷いもなく、ただそこにあるガラクタを片付けるように。
(…アディ。貴女は純粋が故に獣のように残酷で冷酷ですね)
今自分に出来ることは、あの哀れなテディベアの苦しみを終わらせること。リオネットは新たに鋭い切っ先を持つアイスピックに魂を与え、アデレードがナイフを突き立てたウルの黒い水晶目掛けて飛ばした。
アイスピックが核に突き刺さり、更に亀裂を入れる。今にも砕け散りそうだ。他のドールの追撃で完全に壊れるだろう。ウルが咆哮をあげる。断末魔の叫びが虚しく響く。
リオネットは目を閉じ、小さな声で囁いた。
「…さようなら。どうか安らかにお眠りなさい。…ウル」
そのままくるりと踵を返し、リオネットは東部を後にした。

>>ALL

【何とか〆あげられました…勝手ながらとどめは他のドールさん達に任せます。】

8ヶ月前 No.27

シトラス @d0ap ★iPad=qTOmkAVEvD

【シトラス/東部(〆)】

突き立てた鋏から伝わる、繊維が切り裂かれ現れる柔らかな綿の感触。手応えのまるでないその感触に「何だこんなものか……」と冷めたように小さく呟いた。ウルの太い首はシトラスの刃だけではまだ足りない。そのことに気づいたシトラスがつまらなそうな表情をしたその時、シトラスとは反対側から突き立てられた新たな刃が目に入った。刃の先に見えるウィスティリアの全身から、ウルに対しての怒りがひしひしと伝わってくる。自分とは違う感情をこの哀れなテディベアに向けている。そう思うとなんだか可笑しさがこみ上げてきて、先程までつまらなそうに尖っていた唇に笑みが戻る。それは側から見たら楽しむような笑みだった。
両側から首を突き刺され、背中は無残にも切り開かれて、足下は枷の様に囚われた。もはやその身体は布きれと綿の塊。なのに更に紫電がこちらに向かってくるのが見えると被弾しない様、シトラスは突き刺していた大鋏を抜いてウルと距離をとった。直後、美しく舞うルーチェとともにウルの顔が醜く崩れていき、遂に動きは封じられた。

「あぁ可哀想、なんて可哀想に。身の丈に合わない欲を持ったばかりに無残な姿になってしまって……」

まるで自分は何もしていないと言わんばかりにその表情は哀しそうで。けれどすぐにその口許には笑みが浮かぶ。まるで邪魔者がいなくなることを喜ぶかのように。黒い水晶体のような核はアデレードのナイフ、リオネットのアイスピックじゃただ苦しむだけの亀裂しか入れれない。断末魔をあげて苦しむウルを尻目にシトラスはウィスティリアに目を向ける。

「気高い白銀のお姉様。お姉様の大切な身体を壊そうとした玩具にとどめを。ボクの武器じゃ上手に壊せないから」

とどめを刺すのは別に誰でも良い。たまたまウィスティリアの立派な太刀が目に入ったのと、もう一度その太刀裁きが見たいからという単純な理由からシトラスは声をかけた。自分の言葉で動く相手かどうかは分からないが、シトラス自身は動かなくなったウルに興味は無く、身の丈程の裁ち鋏をホルダーへと閉まいつつ傍観に徹することを決めた。

>ウィスティリア、東部all

【勝手な事を言ってすみません;;シトラスの提案は跳ね除けていただいても構いませんので!】

8ヶ月前 No.28

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=nMqLjsjQcP

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8ヶ月前 No.29

絡繰 @ne9rodoll☆V4.8X.AnvuQ ★Tablet=iiKTVigSmi

【フォル/東部】

頬を寄せれば寄せ返してくれる。喧騒の世界から断絶された戯れの中で、甘やかで優しい2人の香りが鼻腔を支配し、しあわせを感じた。可愛くて愛しい、仔猫のようなマイクラシック。むくれた私の頬をつついたベルの指の感触を楽しみながら、いつまでもこんな時間が続けばいい、そう思いかけて、でも、やっぱり変化がないのはつまらないかしらと脳内で首を傾げる。

ふと、腕の中のフィオの表情が曇っている気がして、どうしたのかと声をかけようとした刹那、刃物が空を切る音を鮮明に耳が拾う。咄嗟に音の方向へ顔を向ければ、空中を飛ぶツルハシが既に獲物を捕らえていた。醜い音と共に身体の一部を欠損させたモノはズルズルと重そうな肢体を引き摺って悶えている。敵の身体を的確に捉えたツルハシを投げた張本人は黒髪を優雅に風に靡かせたドール、コフィンだった。茶会は止めといた方がいい、そう軽口を囀ったのを皮切りに、ベルが腕の中からひらりと抜け出す。まるでそれは収めた手の中から飛び立つ蝶のようで。

大きな声で移動の意を告げたベルはあまり美しくないベルに成り代わってしまった。それを呆然と見送れば、もう片方の腕に収まっていたフィオも身を翻し、ベルたちを追う。振り向きざまにぎこちない笑顔を浮かべるその姿はあまりにもいじらしく、僅かばかりの切ないような甘さを残しその背を消した。

それを黙って見詰めていれば、弛たんだ意識に一石が投じられる。コフィンの聡明であり、軽やかな声だった。その言葉をふふ、と微笑みだけで返し、またもや遠い方向へ消えていく背中を見送る。

残されたのは自分ただ一人。勿論、あんな妹たちの可愛いお願いの手前、あのヘビを追いかけようと……

「…………っ」

再び耳を劈いた不快な玩具の叫び声。その不快感を合図とするようにいまいち腑に落ちていなかった霞がかった感情が姿を現す。曖昧な感情は段々と形を持ち、明確な落胆となった。要するになり損ないの玩具の相手をするのも、可愛いマイクラシックを愛でるのも、気紛れの渦の中に沈み、消えていってしまった訳だ。

「あーあ、つまらない、つまらないわぁ。飽きてしまうわ……あんな下らない玩具より、面白いものがたぁくさんあるのに」

大袈裟な溜息を吐きわざとらしく頬をむくれさせ、子供のような仕草を一人芝居のように続ける。しかし、その唇は楽しげに吊り上がっており、細められた目はいっそ妖しいほどに光を放っていた。

「これもフィナーレへの布石だというのなら、指揮者様はとぉっても変わり者なのねぇ。ふふ、これからどんな旋律になってしまうのか、ドキドキしちゃうじゃなぁい」

遥か離れた二方から響くなり損ないの断末魔をメロディに乗せ、結局その傍観の位置を崩さないまま、その姿は軽やかに舞い、何処かへ消えていった。

周辺ALL様>>(〆)

【お返事遅くなり、なかなか本記事に顔を出せず申し訳ありませんでした…!取り急ぎ、なかなかクズな行動となってしまいましたが、〆として投稿させていただきます。懲りずにまたいつか絡んでいただけたら幸いです。本当にありがとうございました!】

8ヶ月前 No.30

スレ主 @milkywayy☆woNfuP/Psag ★iPhone=WsHBgyg92L

【アデレード / 南部《ルジュエ・プルミエ》 中庭】


「――――あのガラクタさんは壊れちゃったし、うふふっ、わたくし良いこと思いついてしまったわ。ねーえ、わたくしの愛おしいお人形さん。わたくしと一緒にお茶会をいたしましょ? 楽しい楽しい、素敵なお茶会を」

 ウルスとニトロは壊された。そのすぐ後のことだ。アデレードは楽しげに笑いながら、歌うように踊るようにくるくると回りながらそう言う。まるで悪魔の囁き、蛇の甘言のように、甘ったるく、その内に孕んだ毒を覆い隠しもせずに。

「日取りは明日。場所は――――《ルジュエ・プルミエ》の中庭でお待ちしておりますわ。うふふっ、とぉーっても、たのしみですわぁ」


 ――――そして、翌日。
 南部《ルジュエ・プルミエ》の中庭。綺麗に並べられたテーブルとその上に置かれた様々なお菓子やティーカップ達。ゆらゆらと揺れ動くルッキングチェアに座るアデレードは楽しげにその時を待つ。


 こうして、疑心と策略、様々な思いが入り混じるお茶会は幕を開けたのであった。




Episode 02...
 【 Partie de th□ de poup□e. 】


(わあぎりぎり!ですが、とりあえず二章始まります!今回は戦闘なしの楽しい楽しいお茶会です。たのしんでいただければと思いますのでよろしくお願いします!)

8ヶ月前 No.31

ルーチェ @fue☆dTW3Rdrh5/. ★iPhone=uYwUDyqtCB

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8ヶ月前 No.32

ろずに @tamtg ★PnMbNaCcXY_M0e

【コフィン/南部《ルジュエ・プルミエ》中庭】

 仮想世界東部における玩具達とドールの争いからそれほどの時を待たずして、アデレード主催による茶会が南部《ルジュエ・プルミエ》にて開かれた。グルナードを持つ14体のドールの一人であるコフィンはアデレードからの招待を受け、美しさを緻密に計算された洋館へと足を踏み入れた。この地はかつて、アデレードがエトワールの頭部を奪った始まりの事件が起こった場所でもある。破壊されたエトワールの事を思い出しながら、コフィンは茶会の用意が整えられたであろう中庭へと歩を進める。つい先程まで北部の地にて、彼女は先日刃を交えたウルスとニトロの亡骸を埋葬するために墓を掘っていた。そのため、一見修道女のような衣服の裾は少し汚れている。しかし、自身の身だしなみに日ごろから無頓着である彼女は、服を取り替える事も無く北部から南部へとそのまま移動してきたのである。
 アデレードは今頃楽しそうに皆の到着を待っているだろう、と始まりの事件以降性格も変わってしまった姉妹の姿を想像した。

(あれ以来、姉妹間ではグルナード争奪戦の気配が近づいていると言うのに、一体何を考えているのやら…………)

 戦闘以外では自身の能力――対象の心を読む力――を使わないようにしているコフィンに、アデレードのねらいを正確に推測する事は困難であった。コフィン自体は“人間になる”事自体に魅力や憧れを抱いてはいない。ただ、ある意味では事件の元凶とも言える作成者を抹殺したいという強い憎悪を胸に宿している。エトワールが消えて、いつからか剣呑さを孕んだ姉妹との関係に悲嘆に暮れながらも、作成者への黒い感情を募らせていく。しかし現にこうして茶会に足を運んでいる事から、コフィンは不穏な状況を理解しながらも、心の何処かで姉妹達と元の日常に戻れるのではないかと一縷の希望を抱いていた。
 ギギギと音を立てながら、中庭へと続く扉が開かれる。そこには、美しくセッティングされたテーブルや菓子類と、ルッキングチェアに座り他の姉妹の到着を待つアデレードの姿があった。どうやら他のドール達はまだ来てはいないようだ、と辺りをキョロキョロと見回して確認する。艶やかに咲き誇る花に囲まれて優雅に佇むアデレードは、まさしく人形めいた美を秘めていた。その光景に一瞬動きが止まりながらも、すぐさま彼女のもとへ向かい声をかけた。

「よっ、来てやったぜ。盛大にもてなしてくれ。…………おっ、これ美味そうだな、頂きまーす」

 相変わらずの軽口を叩きながら、コフィンはテーブルに並ぶ菓子の一つをつまみ食いし始めた。他の姉妹と違って淑やかな振る舞いや礼儀作法が苦手な彼女は、茶会においてもそのいい加減な言動を隠す事はない。

 ≫ALL様
【第二章開始おめでとうございます〜!早速ですがアデレード様に絡ませて頂きました】

8ヶ月前 No.33

夕邑三日月 @mistydark☆NIljAHmRyhk ★Android=GaTaMXF8bf

【クラリベル/東部(回想)→南部《ルジュエ・プルミエ》 中庭】

 雪のように、綿が散る。降り注ぐ火の粉はカラメルの匂いに成り代わって力を無くす。黒い水晶は、罅割れ、砕けた。
 テディベアの足に突き立てた鉈を引き抜き、クラリベルはそっと上を見る。姉妹達の連携によって、暴れ回る可哀相な玩具の息の根は止まった。
 自分達を妬むもの、大好きなドールを傷付けるもの、変わってしまったもの、変えようとするもの。ならば、仕方ない。戻ってこられないのなら、諦める他ない。
 巨体が倒れてくるよりも先に、クラリベルは一足飛びでさっさとその場を離れた。
 不変を愛する傲慢は身勝手な手向けの言葉を一つ。
「……ごめんなさいは言わないわ」
――ウルは悪くない、けれど、クララ達も悪くない。ただのぬいぐるみなら、姉妹達に刃向かいさえしなければ、もっと愛してあげたのに。
 決してテディベアを壊したことに向けられたものではない悔恨を胸に、クラリベルは既に去った姉妹達を追い掛ける。
 そこで告げられたアデレードの言の葉に、クラリベルはそんな感情など一瞬で忘れて微笑んだ。
「わーい、みんなでお茶会が出来るのね! 明日、約束よ!」
 アデレードの真意など探ろうともしないクラリベルは、無邪気に再び姉妹が集えることを喜んだ。そのままスキップで家路に着いたほどである。

 そして、今日。
 色とりどりかつ多種多様なありとあらゆるキャンディをバスケットに詰めたクラリベルは、これまたスキップしながら南部へと繋がる道を進んでいた。結構な勢いで跳び跳ねるものだから、時々キャンディが地面を転がったが、それすらも彼女は気にしない。そして幸か不幸か、それを食らう小鳥も、それを辿ってやってくる狼も、この世界には存在しない。
 クラリベルが目的とする中庭が見えたとき、そしてそこに集いつつあるドールの姿を目に止めたとき、ついに彼女は駆け出した。此の地で起こった忌むべき事件の記憶など、その頭から振り払うように全力で。
「こーんにーちはー」
 飛び込んできた、そんな表現がぴったりはまる勢いで中庭に駆け込んだクラリベルは、取り繕うようにケープの裾を詰まんでお辞儀をして見せた。
「お招きありがとう、アディ。それからフィンもこんにちは。はい、これお土産」
 それから、手にしていたバスケットを白いクロスの上に置き、蓋を開けた。零れんばかりのキャンディの山は、何処か張り詰めた空気など無視して日の光に煌めいていた。

>アデレード様、コフィン様、周辺all

【二章開始おめでとうございます、クララの〆上げられなくてすみませんm(_ _)m】

8ヶ月前 No.34

ベル @brillante☆VD5xV0CAcdU ★iPhone=gVxn3hDnp0

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8ヶ月前 No.35

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=nMqLjsjQcP

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8ヶ月前 No.36

スレ主 @milkywayy☆woNfuP/Psag ★iPhone=WsHBgyg92L

【アデレード / 南部《ルジュエ・プルミエ》 中庭】


 ゆらゆらゆらゆら、チェアを揺らしながら鼻歌を歌っていれば誰かの足音がアデレードの鼓膜を震わせる。かけられた声ににっこりと微笑み唇を開く。

「あらコフィン。いらっしゃいませ。お行儀が悪いわねぇ……せめて座って食べたらどうかしらぁ?」

 くすくすと笑いながらもテーブルを囲むように置かれた椅子を指差す。きちんとドールの数だけ並べられた椅子の一つには可愛らしい何かのぬいぐるみが置かれていた。だがその何かは分からなかった。――――首から上が存在しなかったから。

「ようこそクラリベル。あらあら可愛らしいキャンディ。まるで貴女のようだわ」

 続いてやってきたのはクラリベルだった。張り詰めた空気を溶かすような甘い雰囲気に思わず笑みが零れた。アデレードは、バスケットの中の溢れんばかりの色とりどりのキャンディの山とクラリベルを交互に見つめながらそう言葉を発していれば、また新たなドールの来訪にそちらに視線を向ける。

「ベルもいらっしゃい。あら美しい素敵なお花ね。とってもお茶会に相応しいわ」

 ありがとう、花瓶はどこかにあったかしら、そんなことを呟きながらもいじらしく可愛らしいベルに微笑みかける。お茶会がますます彩られることが嬉しくて仕方がないようだ。

「あらウィスティリア。昨日はとぉーっても素敵だったわ。うふふ、素敵なお土産もありがとう。みんなで食べましょう?」

 嫌味で言っているわけではなく本心であった。ウルスの核を破壊した彼女に賛美の言葉を述べつつ、辺りを見回す。集まるほかのドール達を見つめ、ただ柔らかな微笑を零す。その腹の中など、誰にも分からないだろう。

「――――うふふ、みんなも座って? ほかのドールちゃんたちを待ちましょう? お茶会を始めるのが待ち遠しいわぁ……」


>> コフィンちゃん、クラリベルちゃん、ベルちゃん、ウィスティリアちゃん


(みなさまありがとうございます! 二章もよろしくお願いします…!)

8ヶ月前 No.37

ルーチェ @fue☆dTW3Rdrh5/. ★iPhone=uYwUDyqtCB

【ルーチェ/南部《ルジュエ・プルミエ》】

アデレードからお茶会の招待を受けた。
ルーチェはその日帰ってからも、眠る前も、お茶会の当日になっても、その真意を測りかね、そわそわと落ち着きがなかった。
エトワールの頭を被ったアデレードは、その愛らしい顔で嫌に毒のある話し方をした。その言葉に忍ばせた棘が、荊のようにちくちくと肌に残っている。ほんとうのエトワールは、あんな風に笑わないだろう。いや、昔のアデレードだって。それが、人間になるためのパーツ≠ノ目が眩んだ人形達の恐ろしさなのだろうか。それは、自分とて同じこと。

身支度を終えたルーチェは、氷色に光る硝子細工の靴を抱いたままぼんやりと物思いに耽っていた。鏡に映る己の姿に目を向ければ、その顔貌は相変わらず雪のように蒼白で冷たく、今は自分でも驚くほど怖い顔をしていた。
(こんな顔では、お父様がルーチェを好きになってくれる筈もないわ……)
ルーチェは落胆する。己の醜悪さに失望する。誰かに愛されたいと思っているだけ、此処にいても良いと言われたいだけ。何の魅力もないつまらない人形にそれをしてくれる人がいたとしたら、それは創造主である人形師だけと思っているのに。それすら。
憑かれたように鏡の前に近づいて行って鏡像を撫でた。柔らかく器用な左手は、鏡の中の世界でだけは右手に変わる。
(エトワールの頭じゃなくちゃ駄目なの。そして、人間の右手……)
泣きたい気持ちが雪崩のように押し寄せる。けれど、涙なんて無かった。焦る心は不安定に揺れ、こうして時折癇癪の波が押し寄せる。長い白髪も純白のドレスも無造作に床へ投げ広げて、誰もいない部屋で膝を抱えた。

そうして迎えたお茶会の刻。ルーチェは理想の女の子のように笑顔だった。一人での想い嘆きなど嘘のように、彫刻のような微笑をその口元にたたえ、歌でも歌い出しそうな何処かあどけない仕草で洋館の門をくぐった。
「御機嫌よう、わたしの素敵な姉妹達。……アデレード、今日はお招きいただいて光栄ですわ。これ……あらあら、お菓子は沢山あったわね。ごめんね、よかったら皆で食べましょう?」
ルーチェが差し出したレース模様のプレゼントボックスには、色とりどりのマカロンが入っていた。主催者であるアデレードに手土産を見せると、箱の蓋を開けてテーブルの上に置く。テーブルの上には既にクラリベルが持ってきたキャンディ、ウィステリアが持ってきた金平糖、それからアデレードが用意した菓子が並べられており、「益々お菓子だらけになってしまったわね」とルーチェは困ったように笑う。「わたしも、ベルみたいにお花とかにしておけばよかったかしら」そう言いながらも、テーブルの上がどんどん甘く華やかになっていくのを貼りつけた笑みが優しく見守る。
コフィン、クラリベル、ウィステリア、ベル、アデレード……まだまだお茶会の参加者は来るのだろう。並べられた上品なティーカップの数が余っているのを数え、まだ此処には見えないがいずれ到着するのであろう姉妹達の顔を思い浮かべた。
(アデレード……あなた、何を考えているのかしら)
ウルと戦った昨日、その首の上に乗っているエトワールの頭部に言及したルーチェを含む数名の同胞に、隠すどころか悪びれもせず自慢気に見せつけていたアデレード。エトワール殺しとグルナードを巡り姉妹間の関係の糸が張り詰めていくばかりの今、その渦中の人物たる彼女が、敢えてグルナードを持つドール達を一つの洋館に……それも最初の事件が起きた現場であるこの場所に集めるというその意図が気になって仕方がない。もしや、洋館に一同を集め、一人一人消していくという算段なのではあるまいか。或いはこのお茶会の食べ物飲み物に毒でも……そんな被害妄想も、此処に来る道中で数十通りは浮かんだ。それでもルーチェが此処に来たのは、そうやってアデレードや他の姉妹に先を越され続けるのも恐ろしいからに他ならない。

皆が笑顔だ。しかし何処と無く、張り詰めている。
甘い匂いで、殺意と毒薬を隠匿しようとしているつもりなのか。
ざわざわと白波のように鳴る胸の内を此方も隠しながら、ルーチェは薄い笑みを崩さないまま、近くにいたベルの傍に寄った。良い香りのする長い髪が今日はまだそのままなのを通りざまに指に絡め、囁く。
「あら、今日はまだ誰にも結ってもらっていないのね?」
昨日のガラクタとの戦いの時に、ルーチェが一瞬その姿を探した一人がベルだった。少し離れたところから西部に向かった彼女達の姿には気付かず、ゆえに少し落胆し少し安心もしたものだった。薄桃の髪は午後の陽を浴びて、彼女が持ってきた雑草よりも余程芳しく麗しく、羨ましかった。

>all様


【先日は投稿ミス大変失礼致しました。心優しいスレ主様に許していただけて嬉しいです。ありがとうございます。
そして、二章開始おめでとうございます。今後もよろしくお願い致します!】

8ヶ月前 No.38

闇月 @warabimoti ★Android=xdCufVxL3h

【リオネット/南部《ルジュエ.プルミエ》私室→中庭】

 ウルスとの戦いが終わり、リオネットはルジュエ.プルミエにある自分の部屋へ帰還した。彼女がドアを開けると、彼女の帰りを心待ちにしていた道具達が我先にと近寄ってきた。食器棚の中では小さなティーカップがぴょんぴょん跳び跳ねている。リオネットが戸を開けると待ちきれないように手のひらに飛び乗ってきた。リオネットは微笑み、友人達に告げる。
「━━ただいま。」

もっとゆっくりしたいところだが、今日は予定がある。昨日東部を去る際、何を思ってかアデレードが「お茶会をいたしましょ?」と姉妹達を誘った。アデレードの意図は解りかねるが折角の誘いを蹴るのも忍びない。元よりリオネットは茶会が大好きだった。昨日は会えなかった姉妹達にも会いたい。
(アディのことですから、裏があっても何ら不思議はありませんが…)
アデレードがエトワールのグルナードを奪ってから、姉妹達の間にはどことなく空気が張り詰めている。この茶会は少しでも雰囲気を良くするいい機会かもしれない。
そう判断し、身支度を整える為ドレッサー前に座る。するとヘアブラシが宙へ浮き、リオネットの美しい銀髪を優しくとかしていく。いつもはボンネットをかぶるのだが今日は青い薔薇を頭に飾る。さて、問題はドレスだ。銀髪に浜茄子色をした切れ長の瞳と、可愛らしさより美しさを重視して造られたリオネットのドレスは、装飾やフリルもダークな雰囲気をしたゴシックロリータが殆どだ。茶会には向いていないだろう。
「…どれがいいと思いますか?」
全身が映る鏡の前に立ち、問いかける。比較的明るめのドレスをいくつか取りだし体に当てる。深いグリーンのクラシックロリータを見せると鏡は賛成するようにキイキイ上下に動いた。
「そうですか?じゃあこれにしますね。手土産は…」
何か持っていける物があったかと部屋を見渡すと、ティーカップがぴょんぴょん食器棚に戻り、中にある小さな袋の前で止まった。それを見てリオネットは笑う。
「ええ、いいですね。きっと皆喜びますよ。」

友人達に礼を言い、リオネットは緑溢れる中庭へ出た。ふと地面を見やると、色とりどりのキャンディがあちこちに転がっている。その落とし主はすぐに分かり、思わずクスリと笑う。
(クララったら、はしゃぎすぎですよ)
あの可愛い妹も、茶会がよほど楽しみだったのだろう。
 会場にはすでに数人のドールがいて、思い思い過ごしている。今回の主催者であるアデレードはルッキングチェアを揺らして笑みを浮かべ、コフィンは菓子をつまみ食いしている。クラリベルはキャンディ入りのバスケットをアデレードに渡し、ベルは花を抱えていじらしい笑顔。彼女らに言葉をかけるウィスティリアに、マカロンをテーブルに置き席につくルーチェ。会場の雰囲気は思いの外柔らかいが、リオネットは椅子のひとつに置かれた首なしのぬいぐるみを見つけた。椅子はドールの数だけ並べられている。首から上がないそれは頭部のグルナードを奪われたエトワールを連想させる。
(…やはり…何か考えていますね…気はぬかない方が良さそうです)
そう思いつつアデレードに挨拶する。
「ごきげんよう。アディ、遅くなってごめんなさい。本日はお招きありがとう。これはほんのお土産に…以前のお茶会で皆が気に入ってくれた茶葉です。良ければお飲みください。」
他のドールにも声をかけるため、輪の中心に近付く。黙っている時は冷たい印象を受けるリオネットだが、微笑むとまるで花が咲くようだった。
「こんにちは。コフィ、もう少しで皆揃いますからその辺にしましょうね?クララ、綺麗なキャンディですね。でも途中で落としてしまっていましたよ。ベル、とても素敵なお花とドレスですね。ルーチェも美味しそうなマカロンですね、是非私にもくださいね。それから…」
リオネットは己によく似た銀の髪のドールに近付き嬉しそうに言った。
「ティリアも来てたんですね。ゆっくり会うのは久しぶりなので嬉しいです。」
いつも独りで他者を寄せ付けないウィスティリアは他のドール達から離れた一匹狼だったが、リオネットは親しげに話しかける。同胞思いで悪を嫌い創造主を敬う彼女達は、どこか似ているのかもしれない。

>>ALL


【遅れてしまいましたが二章開幕おめでとうございます!なんかウィスティリアちゃんとリオネット気が合いそうだなと思い話しかけちゃいました。】

8ヶ月前 No.39

シトラス @d0ap ★iPad=qTOmkAVEvD

【シトラス/南部《ルジュエ・プルミエ》中庭】

可哀想なテディベアが壊れてすぐ、楽しそうな物言いでアデレードがお茶会を提案した。約束は明日。漸くゆっくりとおしゃべりができると、シトラスはそれは楽しみにしていた。
南部にあるその大きな洋館は始まりの場所とも呼ばれ、中には様々な玩具が飾られている。洋館の門をウキウキとした足取りでくぐり、シトラスは目的の中庭へと歩を進める。甘くとろける様な香りとともに見れば既に何体ものドールが揃っており、その面々に対し嬉しそうに頬を緩ませた。

「こんにちは、お姉様方。今日もとても美しくて可憐な姿だね。あ、麗しい金のお姉様。お茶会を開いてくれてありがとう。ボク、ゆっくりお話がしたかったからとても嬉しいよ」

少女よりは低く少年よりも高い声で姉妹達へいつも通りの讃辞を並べるとアデレードへと一歩近付き、満面の笑みでそう伝え右手を左胸に当て行儀良くお辞儀をした。そのままアデレードの隣の椅子へと腰を掛けると、テーブルに広げられた多種多様なお菓子に綺麗な花々が目に入り香りの元はこれだったのかと納得した。
集まりつつある姉妹達を眺めながら、シトラスの興味は既に二つのグルナードを持つアデレードへと注がれる。どう相手からその部位を奪い自身の身体と繋いだのか。あの醜い継ぎ目は綺麗になっているのか。今後の参考のためにも聞きたい事がたくさんあるシトラスにとって、このお茶会はとても良い機会だった。

「ねぇ、金のお姉様。黒髪もとても素敵だったけれど、この金の髪もとてもお似合いだね。ボクもお姉様みたいに綺麗になりたいなぁ」

自然な手つきで不躾に髪に手を伸ばしながらシトラスはにこやかに話し掛ける。アデレードの様子を伺いながらもまるで世間話をするかの様な軽い口調で言葉を紡ぐシトラスは、それは楽しそうな様子だった。

>all

【遅ればせながら、二章開始おめでとうございます!二章もよろしくお願いします】

8ヶ月前 No.40

クラリベル @mistydark☆NIljAHmRyhk ★Android=GaTaMXF8bf

【クラリベル/南部《ルジュエ・プルミエ》 中庭】

「あ、ベルたんにティリアもこんにちは! お花とお菓子でテーブルがとっても綺麗なの、やっぱりこれがお茶会の醍醐味ね!」
 新たにやってきたドールたちの手土産により次々と彩られていくテーブルに、クラリベルは全力ではしゃいでいる。右から左へと忙しなく動いていた彼女の瞳が、一瞬ある一点で止まった。

 そこには、十四脚の椅子。そのうちの一つに座る、頭のないぬいぐるみ。

「……エト?」
 思わずその姿から連想される姉妹の名前が口から零れた。それはクラリベルにしては小さな声で、誰に届いたかも分からない。けれど、此処に集まったドール達は皆、遅かれ早かれその思考に辿り着くだろう。そもそも此の場所は、始まりの事件が起こった場所なのだ……いつ、その再来が起こるとも限らない。
 そこまで思い至ったクラリベルだが、敢えて彼女はそのまま手近な席に着いた。
「わー、ルーちゃんのマカロン可愛い! 今度クララのキャンディと交換して! リーオの紅茶も良い香りね……あ、落ちてた? ごめんぬ、クララあんまり嬉しくて走ってきたの、きっとその時だわ。こんにちは、シトラスも今日も可愛いわ」
 それどころか、次々とお茶会にやってきたドールに向き直り、何事もなかったかのような言葉をかけ続ける。
 クラリベルの望みはただひとつ、これ以上姉妹が変わらないこと。その為なら何だってするし、敢えて変わってしまったものに触れて、皆を刺激するようなことはしたくない。そしてクラリベル自身も、全て無視してこのお茶会を全力で楽しむ用意はある。

 けれど、だから。

「ありがとうアディ。けれどね、クララだけじゃなくて、みぃんな可愛いくて綺麗なのよ、どのお菓子よりもお花よりも」
 余り行儀は良くはないが、椅子に座ったまま足を組む。左足を上に、ショートパンツから伸びる人肌が見えるように――自身のグルナードが目立つように。
「だからクララは、このままみんなで仲良く過ごしたいのよ」
 お茶会の主催者の狙いなど考えたくもないクラリベルは、早々に宣言しておくことにした。

>ベル様、ウィスティリア様、アデレード様、ルーチェ様、リオネット様、シトラス様、周辺all

8ヶ月前 No.41

ベル @brillante☆VD5xV0CAcdU ★iPhone=gVxn3hDnp0

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8ヶ月前 No.42

@itxmm☆OxYUdDLLJjM ★iPhone=uSyqKf7JNY

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8ヶ月前 No.43

スレ主 @milkywayy☆woNfuP/Psag ★iPhone=WsHBgyg92L

【アデレード / 南部《ルジュエ・プルミエ》 中庭】

「あら、ルーチェ。うふふ、お菓子はたくさんの方が楽しいわぁ……綺麗なマカロンねえ……まるで、ルーチェのようだわ」

 くすくすと笑う。可愛らしいレースのプレゼントボックスの中身を見ればそれは色とりどりのマカロンであった。そのマカロンをアデレードは綺麗だと、彼女のようだと言う。その真意はいったい何なのか、じいっとルーチェを見つめながらにんまりと笑みを浮かべた。

「ご機嫌ようリオネット。あら、貴女の持ってきてくれる茶葉はとても美味しいからうれしい。……エトの味覚とわたくしの味覚は同じなのかしらぁ……うふふっ」

 かけられた言葉ににっこりと微笑む。リオネットから差し出された茶葉を見つつティーポットに手を伸ばす。全員が揃ったようだし紅茶をいれようとしたようだ。ふと唇から零れた言葉とともに隣に座るぬいぐるみの首だった部分を愛おしそうに撫でた。

「 シトラス、貴女も今日もとっても美しいわぁ。……うふふ、そうでしょう? エトワールの金色の髪、ずっと羨ましかったのよ。あら、貴女のそれも、とっても綺麗よ……?」

 髪に触れるシトラスに笑みを深める。そして指をそっと黒のニーソックスで包まれた左脚の膝辺りを撫でつつ首を傾けた。

「――――エトだけ仲間外れなんて、かわいそうじゃない?」

 クラリベルの呟きに近い言葉にアデレードは歌うようにそう囁く。だがしかし、その後に発せられたクラリベルの言葉には少し驚いたように目を丸くして、そして口元を歪ませる。

「――――うふふっ、そうねえ。みぃーんな、美しいわ。だから、だからこそ、なのよ。不変なんて、叶うわけもないのだから、ね?」

 頬杖をつきながらうっとりとするようにクラリベルを、晒されたその彼女の左脚を見つめて。だがしかし鼓膜を震わせた声に視線を逸らせばやってきたドールに視線を映し笑みを浮かべる。

「いらっしゃい、ピュール。大丈夫よ、たくさんあるから、みんなで食べましょう?」

 手土産のないことを謝罪するピュールに首を横に振りながらそう言う。彼女が席についたことを確認すればティーカップの紅茶をカップに注げば、左手を振るように動かす。そうすればテーブルの上に飾られた小さなぬいぐるみ達が動きだしカップをそれぞれのドールの前へと運んでいくのだった。

>> ALL


(全ドール揃った!はず!シトラスちゃん撫でてごめんなさーい!すきですー!)

8ヶ月前 No.44

ルーチェ @fue☆dTW3Rdrh5/. ★iPhone=uYwUDyqtCB

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8ヶ月前 No.45

ろずに @tamtg ★PnMbNaCcXY_M0e

【コフィン/南部《ルジュエ・プルミエ》中庭】

 「ウィスもリオもアディもお堅いねぇ、ここは姉妹の仲って事で見逃してくれよ。それとウィス、幾らあたしが美しいからって口説いてくるとは驚きだぜ」

 他の姉妹達の注意にも、相も変わらず軽口を叩くコフィンであったが、同時に続々と中庭に集ってきたドールの様子の観察をしていた。普段は厳格な佇まいのウィスティリアや一見冷たい印象を受けるリオネットのその中身は同じドールへの親愛や慈悲が垣間見える。先日のニトロとの戦いで一緒にいたベルは、ルーチェに髪を結ってもらった髪に嬉しそうな表情を浮かべ、視線を更に違うほうに向ければシトラスとアデレードとルーチェが会話をしている。
 かつてエトワールが居た頃の穏やかな時が戻ってきたように感じて、顔には出さないものの、コフィンは嬉しくなった。例え姉妹達がそれぞれの胸に何を抱いていようが、それについては考えない。考えてはいけない。心の奥底では常に在りし日の平和が戻る事を望んでいるコフィンにとって、今この時に自身の能力を使うことはその希望を打ち砕く事になるという確信に近い思いがあった。しかしそんな鬱屈とした感情を隠し、つい先程やって来たばかりのピュールに声をかけた。

「ようピュール、土産が無い事なんか気にするなよ。かくいうあたしも何も持ってきてないんだ。強いて言うなら土産話とかならあるけどよ、最近作った棺(キャスケット)とか。赤い宝石を埋め込んで、そりゃもう豪華な作りにしたよ。おかげで寝不足だ」

 小動物のように縮こまるピュールをよそに一人捲し立てるコフィンであったが、その内容が長話になる事は明らかであった。ピュールが日頃から大人しいのを良い事に、棺がどうだのと喋り続け、言葉が途切れる様子はない。そもそも、お茶会の中で墓に関する話題は相応しくない筈だが、それを気にかける事ができたなら今頃他の姉妹達のように楚々としたドールになっているだろう。ピュールに片腕を回し背後から抱きつくような姿勢のまま、コフィンはさらに続けた。

「この前戦った玩具の棺も作っていたけど、それは姉妹に捧げる棺だからな。生半可にはできなくてさ」

 そう言って、話を区切りテーブルの一席に置かれた胴体のみのぬいぐるみに目を向ける。頭部のないそれが誰を表しているかは、恐らく他の姉妹達も察しがついているだろう。現にクラリベルはその答えを口にしていた。そしてピュールに回した腕を解かないまま、コフィンはアデレードの方へ告げた。

「そういう事で、だ。アディ、エトの胴体は何処にある?あのプライドの高かったお嬢様のために専用の棺を拵えたんだぞ。ちゃんと使って弔ってやらなきゃ、あたしは棺とエトに呪われてしまう」

 久しぶりの姉妹との一時を過ごし、束の間の幸せに浸りたかった気持ちも確かにあった。しかし、今日の茶会への誘いに応じた真の目的――それは、破壊されたエトの胴体の在り処を突き止める事だった。

 ≫ALL様
【小動物系のピュールちゃんの可愛さに惹かれ絡ませて頂きました…!そして僭越ながらエトワールちゃん関連の話をこちら側から切り出していますが宜しかったでしょうか?もし訂正が必要であれば変えさせて頂きますので…!】

8ヶ月前 No.46

闇月 @warabimoti ★Android=xdCufVxL3h

【リオネット/南部《ルジュエ.プルミエ》中庭】

 「そうはいってもコフィ。マナーは守らなければいけませんよ?…ごきげんようピュール。大丈夫、皆が美味しそうな物を沢山持ってきてくれましたから。ほら、こっちにいらっしゃい」
申し訳なさそうに縮こまるピュールに手招きしたが、ピュールはコフィンに捕まってしまった。彼女の棺の話に付き合わされる羽目になっている。あら…と呟き、リオネットは改めて会場を見渡した。各々談話したり、髪を結って貰ったりとやわらかい雰囲気にみえる。
全員が席についた事を確認したアデレードが左手を振ると、小さなぬいぐるみ達がカップを運んできた。彼らに小さく「ありがとう」と礼を言い、カップを受けとる。
とうとう始まったのだ。ここからは気を抜きすぎないようにしつつ、下手な詮索をして茶会を壊さないよう気をつけなければ。不変を望むクラリベル、純粋に茶会を楽しむ他のドール達を無闇に不安にさせてはいけない。
万が一アデレードが何か仕掛けてきたとしても、ここには沢山の道具がある。道具は全てリオネットの友となる。

━━と。ピュールに腕を回したまま、コフィンが切り出した。頭部のグルナードを奪われたエトワール。その胴体は何処にあるのか、と。リオネットも抱いていた、そして恐らく全員の疑問をコフィンは直接アデレードにぶつけたのだ。
(…嗚呼…コフィンなら言うと思っていましたが、予想より早かったですね…仕方がありません。こうなったからには…)
リオネットはカップを置き、コフィンに目配せすると口を開いた。
「…私もそれは気になっていました。アディ。折角の茶会を壊す気はありませんが…姉妹に隠し事は野暮ではありませんか?コフィの言う通り、せめてきちんと弔わなければ」

>>ALL


【うわあギリギリ二週間!!遅くなってすみません!コフィンちゃんに乗らせて貰いましたが大丈夫ですか?コフィンちゃんのキャラ好きです…!】

8ヶ月前 No.47

シトラス @d0ap ★iPad=qTOmkAVEvD

【シトラス/南部《ルジュエ・プルミエ》中庭】

自身が発した賛辞に言葉を返してくれるクラリベルに微笑みかけながら、甘い香りに誘われる様に「美味しそうなキャンディだね。ボクにも一つ頂戴」と手を伸ばした。そう言うシトラスは特に手土産を持ってきてはいないのだが、本人は特に気にする様子もなく、テーブルに広げられたお菓子を眺めつつ漂ってくる紅茶の香りを堪能する。

手触りの良い金の髪。美しく巻かれた長い髪。これが自分と一つになったらどれほど綺麗になれるだろうか。愛らしい美しい姿を思い描きながら髪に触れていると、するりと自身の隠してあるグルナードを撫でられ咄嗟にアデレードの腕を掴んだ。

「お世辞をありがとう、お姉様。素敵な金の髪、大事にしてね。汚くしちゃダメだよ」

思わずつい力の入ってしまう手はそのままに、表情は崩れることなく穏やかに言葉を紡ぐ。けれどその端々からはいずれ自分と一つになるであろうグルナードを今はただ預けているだけだ、と言いたげな様子が見受けられた。
しばらく腕を掴んだままアデレードを見つめていたが、後ろから声が掛かるとそっと腕を離し声の主へと目を向ける。そこにはルーチェとベルの微笑ましい姉妹の光景に思わず笑みが深まる。あの事件のせいで姉妹間に妙な空気が流れている事は明白だったが、それはそれとしてやはり姉妹仲が良いのも素敵な事だと、目の前の光景を見てシトラスは改めて感じた。
シトラスへと声をかけたルーチェは、ベルの長い髪を操りながらお礼の言葉を紡ぐ。何の事か、初めはピンとこなかったシトラスだったがあの哀れなぬいぐるみのことを思い出すと「あぁ」と小さく声を漏らす。

「ボク、何もしてないけど……お姉様にお礼言われちゃった。ふふっ、嬉しい」

シトラスとしてはただ邪魔者を排除する為の行動だったが、思わぬ収穫に素直に嬉しさが表面に出てしまう。運ばれて来るティーカップを見つめながら、しばらくシトラスの表情から嬉しそうな笑みが消える事はなかった。このお茶会が終わってしまったら、明日からはこんなに穏やかに姉妹と接する事が出来なくなってしまうかもしれない。自分自身だって目的の為に行動しなければならない。けれどこの束の間のひと時くらいは和やかに過ごしたいと、姉妹の面々を見つめつつそう思った。

>all

【お返事遅くなってしまいすみません。此方こそアデレードちゃんに気安く触れてすみません;;素敵な返しをありがとうございます!】

8ヶ月前 No.48

ベル @brillante☆VD5xV0CAcdU ★iPhone=GluqJRxBaG

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8ヶ月前 No.49

スレ主 @milkywayy☆woNfuP/Psag ★iPhone=WsHBgyg92L

【アデレード / 南部《ルジュエ・プルミエ》 中庭】


「……あーら、わたくしはルーチェだって、うふふっ、マカロンと一緒ぐらい美味しそうだと、思ってるわよぉー」

 不敵な笑み、その言葉の真意はなんだったのだろうか。アデレードはルーチェを見つめたまま口元に弧を描かせた。シトラスのその部分を撫でていた手は彼女からの制止によって阻まれる、掴まれた手とシトラスの言葉にゆるりと微笑を浮かべればアデレードは唇を開く。

「当然じゃない、これはわたくしのだぁーいじな髪だもの。汚さないし――――誰にも、あげないわ」

 シトラスの様子を見つめながらもまるで宣戦布告のように、自分の髪を撫でる。自身のグルナードは誰にも渡さない、そう言うかのように。

 ――――不穏ではあるが、穏やかな時間。ティーカップに口を付けながら優雅に微笑を浮かべるアデレードは、次に自分の鼓膜を震わせた言葉に、その笑みを消した。

「――――あら、こんな素敵なお茶会の時間に聞くのねぇ、コフィン」

 仲の良いドールのお茶会は終わりを告げる。ここからは腹の探り合いと化かし合いといったところだろうか。コフィンに問われたその言葉。全ての発端となったあの事件の犠牲になったドール、アデレードによって破壊されグルナードである頭部を奪われたドール、エトワールの胴体の行方。

「そうねぇ、リオネット。確かにわたくし達仲の良い姉妹に隠し事は野暮ねぇ……うふふっ」

 コフィンの言葉に続くかのようなリオネットの言葉にアデレードは笑みを零す。きっと、それはこの場にいるドール全ての疑問であることはきっと間違いないだろう。

「――――わたくしは知らないわぁ、エトの胴体はこの館にはないし、わたくしはそんなガラクタ、興味はないもの」

 残念ね、緩やかにロッキングチェアを揺らしながらアデレードはそう言って微笑む。ただ、優しい微笑だった。

>>ALL


(とても素敵な切り出し方! コフィンちゃんすてきです!シトラスちゃんもとっても可愛いです!ありがとうございますー!)

7ヶ月前 No.50

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=pggBRiWxLX

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7ヶ月前 No.51

ルーチェ @fue☆dTW3Rdrh5/. ★iPhone=uYwUDyqtCB

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7ヶ月前 No.52

クラリベル @mistydark☆NIljAHmRyhk ★Android=GaTaMXF8bf

【クラリベル/南部《ルジュエ・プルミエ》 中庭】

 不変など叶うはずもない――優しく艶やかに、けれど無慈悲に、エトワールの唇からアデレードの言葉が漏れる。そんなこと、クラリベルとて理解していた。あの日に、痛いほどに。
 大事な大事な姉妹は、もう二度と戻らない。そしてこのままでは、一人また一人と此処から居なくなってしまう。それだけは、避けなければいけないのだ。これ以上は、絶対に。
「……叶わなくなんてないわ。クララが、変えさせないもの」
 その為なら何でもする。エトワールを喪ったあの日に、クラリベルはそう決めていた。例え今此処に集まった全てのドールが、お互いに争い壊し奪うことを選んだとしても、最後まで抗って見せると。
 だからそれは、アデレードに、ひいてはドール全員に対しての宣戦布告にあたったのかもしれない。クラリベルのそうしたスタンスは昨日今日に始まったものではないので、今更と言えば今更だが。

「どうぞシトラス。たくさん食べてね、いくらでもあるのよ」
 しかしそれだけで、クラリベルは、きっと平行線にしかならないであろう会話を切り上げることにした。自身が持ってきたキャンディへと手を伸ばすシトラスに向けてバスケットを押し出し、その勢いに転がり落ちたピンクの飴玉を二つつまみ上げる。
 一瞬、辺りに流れる空気が氷のように冷たくなった気がした。元より薄氷のように張り詰めた平穏だったのだろうが、エトワールの躯の在処という鋭い棘は、瞬く間にそのヴェールを破壊して見せた。
 知らない、と。ガラクタに興味はない、と。いっそ優しく言い切ったアデレードに対して、クラリベルは思う。
 知らないのではなく、忘れたのではないかと。しかしその思いを形にするのは、別にクラリベルでなくてもいい。それが気にならない、或いは気に食わなくないと言えば嘘になる。けれどそれ以上に、彼女が気にすべきことがあった。
 わずか一言、確かに空気を震わせた言葉。此処に集まったドール達の可憐な容姿からは想像もつかないような暴言に、それが漏れ出してしまう可能性を秘めた存在に、クラリベルの注意は一気に注がれた。
 あの子だ、あの子は、クララが止めないと。
 それもずっと前から、決めていたことで。

「ベルたん、ルーちゃん! はい、これあげる」
 場違いでしかない声音と内容で、ベルの言葉を掻き消すように叫んだクラリベルは、手にしたキャンディを笑顔で二人に差し出した。

>アデレード様、シトラス様、ベル様、ルーチェ様、周辺all

7ヶ月前 No.53

ろずに @tamtg ★PnMbNaCcXY_M0e

【コフィン/南部≪ルジュエ・プルミエ≫中庭】

 少し前までは和気藹々としていた茶会も、コフィンが投げかけた一言によって瞬く間に静まり返った。恐らく、自分以外でも本心ではアデレードの目的に疑問を抱きながらも、姉妹間の交流を楽しみたかったドールがいただろう。いや、寧ろ殆どのドールがそうであったかもしれない。己の発言により、場に殺伐とした空気が生じてしまった事に罪悪感を感じながも、アデレードへと向き直った。同時にすぐ傍からカチャリとガラスの音が聞こえる。それはリオネットが手にしていたティーカップを机に置き直した音であった。同じくアデレードに向き直るリオネットの銀髪が、頭が動く拍子に艶々と光る。コフィンの疑問に同調するように、それでいて尚、いつもの彼女らしい何処か慈しみをたたえた声でリオネットはアデレードに尋ねた。
 そして誰もが持っていた筈の疑問を声に表したのはコフィンとリオネットだけではない。

「てめぇら、ごちゃごちゃうるせぇんだよ……いいから全部…」

 そこまで言いかけて、驚愕したように目を見開くベルの姿が映る。先日の戦いで垣間見えた『もう一人の凶暴なベル』も、謎が駆け巡る状況に苛立ちを感じているようだった。普段の理知的なベルとは正反対の“彼”の登場に、コフィンはおやおやと眉を上げた。

「――――わたくしは知らないわぁ、エトの胴体はこの館にはないし、わたくしはそんなガラクタ、興味はないもの」

 なんて事は無い、まるで天気の話でもするかのようにアデレードの口から言葉が漏れ出す。その顔は穏やかな笑みを浮かべているが、コフィンにはそれが先程聞こえた残酷な台詞とは噛み合っていないように思えた。頭の片隅では、もしかしたらアデレードが大人しく胴体の在り処を教えてくれるかもしれないと言う一縷の希望を抱いていた。しかし、実際に耳にした言葉自体も、はじめからコフィンの想定していた答えの一つであった。
 ある日を境に突然エトワールの頭部を奪い、それ以降もグルナードに執着するアデレード――。昔の控えめだった彼女からしたら嘘のようなその言動も、現在の様子じゃ納得出来ない訳でも無い。他の姉妹達のグルナードすら奪わんとする彼女にとって、“ドール”の部分などあくまでガラクタ同然のものなのであろう。先んじてアデレードの答えを想像していた為、コフィンは落胆したものの、大きなショックを受けるでもなく冷静にアデレードの言葉を受け止めることが出来た。目の前のロッキングチェアに座るドールが嘘をついている可能性も捨てきれないが、グルナードへの固執を隠さないような彼女が今更嘘をつくのかという疑問も残る。
 収穫はゼロか、と誰にも気付かれないような小さい溜息を零し、そこでようやく今までずっと腕を回していたピュールを解放する。「悪かったな」と言ってピュールの頭をぐしゃぐしゃと撫でながら、コフィンは椅子に座った。
 アデレードからの返事を貰えた事でコフィンの主な用事は終わったのだが、一方で肝心のアデレードの言葉によって、他の姉妹達の間には不穏な気配が沸き立った。

「……ならば私も、“私たち”も、グルナードさえ無くなってしまえば所詮はガラクタか?」
「……ひどいわ、アデレード。貴方は、グルナードを奪ってしまえばガラクタ、それどころか奪う前から、わたし達のことを、『美味しそうな獲物』ぐらいに見ているのでしょうね」

 怒りで身体をわなわなと震わせるウィスティリアと、非難めいたルーチェの声が聞こえる。プライドが高く、他の者とあまり交わりを持とうとしなかったエトワールであったが、それでも自分達姉妹の一人であったのだ。彼女との突然の別れがもたらされて以来、二人の中でも何かしらの葛藤はあったに違いない。そして、アデレードにとっての自分達が如何なる存在なのか、一点の曇りが生じていく――――。そこまで考えて、シトラスやクラリベルの姿を目で追う。両者とも姉妹を慕う性格であるが、今のアデレードの発言をどう思うのか。
 やっちまったと額に手を置いて殺伐とした空気をどうしたものかと考える。己の発言が招いた事態である為、コフィンは責任感からどうにか場を収束させようと他のドール達の間に入った。

「あー、ゴホン。鎮まりたまえよ、お嬢さん方。ウィスとルゥ、あんた達の気持ちは尤もだ。だけどウィス、あんたのその『能力』で今キレられたらヤバイ事になる。可愛い可愛いあたしに免じて、ここは落ち着いてくれ。でもってルゥ、あんたはいつも慎重な奴なんだ。ここでやり合う気は無いよな?……そして“ベル”、いつもの賢いお姫様はどこに行ったんだ。今のあんたに比べりゃ、あたしの方がまだ上品に囀れるぜ」

 剣呑なさまを見せる姉妹達をどうどうと宥めていると、クラリベルも同じ事を考えていたのか、ベルとルーチェにキャンディを差し出していた。姉妹の中で誰よりも不変を望む彼女にとっても、この状況は避けるべき事態であるのだ。内心クラリベルに感謝しつつ、アデレードを見る。ロッキングチェアにつられて揺れる彼女を呑気なものだと思いながら、他のドール同様アデレードに向けて口を開く。

「大層な表現をするようになったな。もしかして脳みそも誰かと交換したのか?昔のアディちゃんが恋しくなるよ。だが、例えエトやあたし達をガラクタ呼ばわりしようが、今のあんたの『おてて』と『あんよ』もガラクタには変わりないぞ」

 ――――まあ良いさ、エトの胴体を知らねぇって言うんなら、この世界を片っ端から探れば良いだけの話だ。そこまで言って、コフィンは渇いた喉を潤すべくティーカップを手に取った。少し前まで湯気を放っていた紅茶は、既に冷め切っている。そしてグイっと一気にカップを煽った後、ぬいぐるみ達に「おかわり!勿論砂糖は多めにな」と空になったそれを突き出した。

≫ALL様【ふぉぉ…乗って頂き有難う御座います…!リオネットちゃんもアデレードちゃんもエエキャラしとる…SUKI…!】

7ヶ月前 No.54

闇月 @warabimoti ★Android=xdCufVxL3h

【リオネット/南部《ルジュエ.プルミエ》中庭】

 コフィン、リオネットの問いにアデレードはただただ優しく微笑む。そして云った。
「ーーーーわたくしは知らないわぁ、エトの胴体はこの館にはないし、わたくしはそんなガラクタ、興味ないもの」
会場が戦慄する。その微笑みはどこから来るのか。自分が殺した姉妹の胴体を「ガラクタ」と言い捨てる者の笑みではない。
その言葉にウィスティリアは怒りに震えて殺気立つ。
ルーチェも非難の目を向けた時、ベルの唇から信じられない暴言が聞こえた気がした。ベルが二重人格であることは、薄々気付いていた。だが直接凶暴なベルを見たことはない。その様子に危機感を覚えたのかクラリベルはベルとルーチェにキャンディを差し出している。あの二人はクラリベルに任せ、リオネットは今最も怒気を出しているウィスティリアに声をかける。
「…ティリア。気持ちは解りますがコフィンの言う通りここは一旦落ち着いて。しかしアディ、私も今の言葉は聞き捨てなりません。」
静かな、いつもと変わらない表情の裏に僅かな冷たさを滲ませて、アデレードに向かって言う。
「アディ。グルナードさえなければ、私達はガラクタに変わりないと云うのなら、今の言葉は私達だけでなく私達を造り出して下さった『父様』への侮辱でもあります。」
リオネットは姉妹の一人として、アデレードを愛している。…今となっては、愛していた、の方が正しいのかもしれない。嘗てとは別人のように残酷になってしまったアデレード。エトワールの胴体をガラクタと言い捨てたアデレード。果たしてこれからも変わらず彼女を愛せるのだろうか。
「…私は貴女を愛したい。けれど、父様を侮辱すると云うのなら、私はもう貴女を姉妹とも同胞とも思えません。最早貴女は、私達の知っていたアデレードではない。貴女は変わってしまった。私達の知らないアデレードに。」

>>ALL

【アディちゃんに喧嘩売るみたいになってしまいましたごめんなさい!!
ろずにさん、好きと言ってもらえ嬉しいです!!】

7ヶ月前 No.55

スレ主 @milkywayy☆woNfuP/Psag ★iPhone=WsHBgyg92L

【アデレード / 南部《ルジュエ・プルミエ》 中庭】


「ええ勿論。貴女方も、わたくしも、グルナードがなければただのガラクタに過ぎませんわ。あの可哀想なテディベアと一緒。だからグルナードを求めるのでしょう? ただ一人の、たった一つの、本物の少女≠ノなるために。だからわたくしも、わたくしの目的のためにグルナードを求めるの。獲物だなんて、野蛮だわぁ」

 ウィスティリアの怒りに笑みを零す。周りのドールの非難の言葉や視線もアデレードにとっては取るに足らないもので、まるで歌を歌うように紡がれる言葉はきっとアデレードの真意で。だがしかし小さく息を吐く。そして隣の椅子に座らせた首のないぬいぐるみを優しく抱き上げ頬を寄せる。大切そうに、愛おしそうに。そうして目を細めれば唇を開く。

「わたくしは今でもむかしのままよ。嗚呼、悲しいわ、とぉーっても、悲しい。今日は久しぶりの姉妹の楽しいお茶会だったのに、わたくしは悲しいの」

 悲しそうに、ただ悲しげな声音のまま、まるで涙を流しそうなほどに、切なげに他のドールを見回す。ゆるゆると首を横に振りながら、コフィンを、ルーチェを、ウィスティリアを、ベルを、クラリベルを、リオネットを見つめ、浮かべたのは、悲しげな微笑。

「――――嗚呼、こんなこと、言いたくはなかったわ。わたくしは貴女方を愛しているんだもの。愛おしい姉妹なんだもの。だから、大好きなエトの胴体が消えても、エトの首はわたくしと共にあるから、残りのガラクタは仕方ないって思ったのよ。それなのに――――ひどいわ」

 淡々と語るその瞳は、先ほどとは打って変わった冷たいものであった。アデレードの口から告げられるあの日の事件の後日談。行方不明となったエトワールの胴体。

「あの子の胴体は消えてしまった。わたくしがほんの少し席を外した間に、忽然と消えてしまった。――――……まるで、誰かに奪われてしまったみたいに。エトワールの胴体は、誰のもとにあるのかしら」

 緩やかな視線をぐるりと向ける。失われたエトワールの胴体の行方を探すかのように。

>>ALL


(みなさまの素敵レス最高です〜〜! まさか二章でこのお話ができることになるとは、と一人感動するすれぬしです。後日サブ記事にてお知らせするかと思いますが、このエトワール胴体誘拐事件(?)はわりと重要だったりします、よろしくお願いします…!)

7ヶ月前 No.56

シトラス @d0ap ★iPad=qTOmkAVEvD

【シトラス/南部《ルジュエ・プルミエ》中庭】

クラリベルから溢れるほどのキャンディが入ったバスケットが押し出され「ありがとう」と微笑みながらキャンディを受け取ると包みを剥がし早速口の中へ。蕩ける様な甘さを堪能しつつ、シトラスはアデレードから返ってきた言葉へ返答の代わりに冷ややかな目線を送る。いつか必ず、その身体を……そんな想いを込めて。
話題はあの事件の被害者の胴体の話に。シトラスがつい先程願った思いとは裏腹に徐々に不穏な空気へと色を濃くし、重くなる。グルナードを分けた愛すべき姉妹の胴体を『ガラクタ』と清々しいほどに言い切ったアデレードに対してシトラスはついクスクスと笑みが溢れてしまった。

「星のお姉様は星屑となり、夜空に瞬くのでした。めでたし、めでたし」

まるで絵本を読み上げるかの様に、アデレードが語った後日談を思い浮かべながらシトラスは言葉を紡ぐ。忽然と消えてしまった胴体。その行方は一体誰が知っているのか。この中に隠した人物がいるのか。不明な点は多々あるものの、シトラスにはこの事件がどんな結末を迎えるのか、一つの娯楽の様な面白みを感じていた。

「星屑のお姉様は何処に消えてしまったんだろうね。ボクの手元にあったら美しく着飾ってあげるのに」

紅茶を一口。優雅にティーカップに口をつけながらシトラスは愛しい姉妹の姿を思い浮かべる。勿論、シトラスには胴体の行方など知る由もなかったが、もし手元にあったらと空想を巡らせては楽しそうに微笑んだ。

「ありがとうお姉様。そのときはよろしくね」

社交辞令の様に交わされる言葉達に満足そうに微笑みながら、ルーチェの手によって愛らしい髪型になっていくベルをほんの少し羨ましいと思った。が、その時その可憐な唇から飛び出した言葉に驚いた様に瞬きを繰り返す。周りの姉妹達もそれに気付きベルに次々と声をかける中でシトラスはただ動かずじっと様子を伺いしばらくした後(これは面白いことになりそう)と内心で呟いた。

>all

7ヶ月前 No.57

ベル @brillante☆VD5xV0CAcdU ★iPhone=xzNlTkId5q



【 bell(ベル)→裏ベル / 南部《ルジュエ・プルミエ》 】


 しん、と白けたお茶会はそうなることを望んでいなかった筈の僕が、間違いなく迎え入れたたものだった。狼狽するお姉さま方をぐるりと見渡してから、一番近くにいたルーチェお姉さまと視線を合わせる。怯えたとは違うけれども、驚愕の色を隠せていない。首を上にあげてしたから見上げるような形で暫くそうしてから、そっと滑らかな頬に手を這わせた。
 「僕、…あの何も言ってないよ、ね」
 縋るようにして笑顔を見せる。か弱く含羞むようなそれはいまになると、きっと恐ろしさを纏ってしまうのだろうけれども。そうする他に取るべき行動が頭に浮かばなかった。誰かに肯定してもらわなければ膝から崩れてしまうような気がして仕方がない。あまりにも身勝手な笑顔に自分ですら虫唾が走る。
 同じようなタイミングでガラクタに興味はないと言い放った、アデレードお姉さまへの憤怒の気持ちが募る前に二度目の合図が来た。グルナードがなくたって、と言おうとしたさなかに心の奥底からふつふつと声が蘇る。Wだから、ごちゃごちゃうるせぇんだってW全部俺にやらせろよ。






 「……そして“ベル”、いつもの賢いお姫様はどこに行ったんだ。今のあんたに比べりゃ、あたしの方がまだ上品に囀れるぜ」

 頭上に声が降りかかると、片目を閉じながらお綺麗な顔を大胆に歪ませながら鼻で笑った。馬鹿にしたわけではなく、その通りだという同調の意でいつもの賢いお姫様という部分を何度も堪能する。ほら、見てみろ。てめぇはそれだから舐められるんだよ。声をかけて自体を収集しようとしたのだろうがそうはさせない。
 いちいち他の個体の名前なんか覚えるつもりも無いけれども、記憶の部分では多少繋がっているところもあるらしく、喋っている相手がコフィンであることが分かった。昨日のニトロ戦で恐らく俺の代わりにトドメを刺した奴。美味しいところをくれてやったのだから、と喧嘩腰に答える。
 「お上品な姫さんは、身体の中に猛獣を飼ってるのかもしれねぇな……いつでも喰ってやれるんだぜ」

 本当は出来ないけれども。とは、心の中で呟いてぺろりと悪戯に舌を出すところを妄想した。自分の意思でベルの身体を借りれるけどもそこに留まり続けることは出来ない。異物を排除するかのようにまた戻ってしまう。束の間の極楽。
 そこにいる全員を挑発するかのような汚い笑みをへらりと浮かべているとクラリベルがキャンディーを持ちながら近づいてきた。あいつはクラリベルのことを少し近寄り難いお姉さまという認識をしているが、それだからか俺からすると波長の会う珍しい相手でもあった。

 「ベルたん、ルーちゃん! はい、これあげる」

 素っ頓狂な声で話しかけられると俺がまだいつものベルだ、と思っているのだと理解する。クラリベルになら茶番に付き合ってやろう、と思い少しだけあいつを模倣しながら

 「クラリベル、ありがとうね」

 と、作ら笑いを浮かべた。Wお姉さまWを付け忘れたことはわざとだったことに、クラリベルが気づいていることを願う。仮面のような笑顔を顔面に貼り付けて生きている平穏を崩すのはとても楽しい。もっと、破滅していけばいい。所詮は人形、部品を外せばただの物体。そう思いかけたところで少し興味深い話が飛んで来た。胴体がなくなった、あのドールの話だ。


 「あの子の胴体は消えてしまった。わたくしがほんの少し席を外した間に、忽然と消えてしまった。――――……まるで、誰かに奪われてしまったみたいに。エトワールの胴体は、誰のもとにあるのかしら」



 消えてしまった、胴体。アデレードから放たれた言葉の折節からはW誰が胴体を持っているの?Wという棘を感じる。本人にその気があったかは知ったことでは無い。けれども、確かにまたティーパーティーの雰囲気が変わったのは分かった。
 そして、こちらもタイムリミットが近づいているのがわかる。痛くないはずなのに頭が重くなるのを感じた。昨日のニトロ戦ではしゃいだからだ。いつもよりも長くとどまることが出来ない、そこで最後に問う。もしかしたらこれが口火を切ることになるかもしれないが、俺には直接関係ないことだ。高みの見物をする準備を整えながら少し遠い場所にいるアデレードに向かって声を放った。

 「おいおい、それじゃあグルナードを奪われたドールはW人間になれないWでも、W奪われた部分を失った不完全な人形Wとして存在する訳でもなく、消えてしまうってことかよ…あぁ?………なぁ、それなら何もしないのが良かっただろうに、誰かのが奪われちまったんだからもう止めらんねぇよな?みんなで取り合いっこ、でもおっぱじめるのかよ」

 いなくなる前に、不穏なお茶会の末路をこれからの経緯を知りたい。その一心で、鼻に笑いを含ませながらゆっくりと全員の顔を頭に思い浮かべた。


>>周辺Allさま



【 大変遅くなってしまい申し訳ないです。ベルに戻った状態のレス、裏ベルでこのまま進行していくようなレスなど色々書いてみて一番、御スレッドの物語を加速できるようなかたちのものを投稿させていただきます…。コフィンちゃん本体さま、クラリベル本体さまには特にベルが巫山戯、挑発したり暴言を吐いたりしていること、謝罪申し上げます。ご不快になられたらスルーしていただいて構いませんので、どうかお許しくださいませ。

 また、当場面での裏ベルとしての会話の内容などは能力を使っている訳では無いので普段のベルの頭の中にもしっかりと残っているものとしてこのあと扱わせていただきます。長々と失礼いたしました。よろしければ絡みを拾ってやってください! 】


7ヶ月前 No.58

闇月 @warabimoti ★Android=xdCufVxL3h

【リオネット/南部《ルジュエ・プルミエ》中庭】

 「あの子の胴体は消えてしまった。わたくしがほんの少し席を外した間に、忽然と消えてしまった。ーーーー……まるで、誰かに奪われたみたいに。エトワールの胴体は、誰のもとにあるのかしら」
哀しげな響きをたたえて、アデレードは姉妹を見渡した。その言葉は呪文のように会場に染みていく。誰かが胴体を持っているのか。誰かが隠したのか。アデレードの虚言というわけではなさそうだった。
(…アディの他に、エトワールの胴体の在処を知っているドールなんているのでしょうか…?)
予想だにしない事件にリオネットは思考を巡らせる。
さらに、凶暴な方のベルの声がする。
グルナードを奪われたドールは"人間になれない"でも"奪われた部分を失った不完全な人形"として存在するでもなく、消えてしまうのか、と。
(…まさか。でも、ありえない話ではない。筋は通っている。グルナードは父様が核の他に私達に与えてくださったもうひとつの魂のようなもの。それが失われると消滅する…?)
魂については、リオネットはよく考える。魂とは肉体の核とは違う、私達の存在理由(レゾンデートル)。だがもし、グルナードが魂と直結しているというのなら。グルナードを奪われたドールは、この世から跡形もなく消えてしまうのか。

「…さあ、何処に行ってしまったのでしょうね。私も解りませんよ。ベル、アディ…。一体エトワールの『胴体』は何処に在るのか。」
そんな想いをこめて、あえて問いかけた。

>>ALL


【遅れて申し訳ありません!分かりにくい文章ですみません。誰か語彙力をください。絡めてるのか不安ですが絡ませてもらったつもりです】

7ヶ月前 No.59

クラリベル @mistydark☆NIljAHmRyhk ★Android=GaTaMXF8bf

【クラリベル/南部《ルジュエ・プルミエ》 中庭】

 キャンディ抱えたクラリベルの特攻は思いの外上手くいった……訳でもなさそうだった。柔らかいベルの微笑みは、けれど明らかに普段のそれとは異なっている。名前の呼び方だって違うし、そもそも他の姉妹に対して口にしている内容が、全く以て猫を被る気のないものだ。
「ふふ、ベルたんとはお久しぶりになるのかしら? 元気だった? クララには別に畏まらなくても良いんだけど、久しぶりのお外だからって、あんまり悪戯しちゃ駄目だよ」
 唐突に姉面をし始めるクラリベルだが、彼女としてはこれもベルへのアピールの一つのつもりだった。分かっているから、気にしなくて良いと。
 クラリベルにとっては、このベルも先程までのベルも大切な同胞。二人で一人の愛しい“ベルたん”なのだ、どちらかを無下にすることなどあってはならない。ベルの方から向けられる感情と、周囲からの評価を鑑みた結果、若干此方のベルに肩入れしている部分があるのは否定できないが。そして、此方のベルを放っておくと誰彼構わず喧嘩を売りかねないので、そんな事態を抑制したいという思いもある訳だが。

 しかし幸か不幸か、ベルの――と言うか、クラリベルも含めた一同の興味は、次の瞬間に紡がれたアデレードの言葉に注がれることになる。
「居なくなった……? エト、が……?」
 思わず、クラリベルは首のないぬいぐるみに視線を送っていた。まさか、頭のない胴体が一人で歩いていくとは思えない。それならそれで、誰かが発見してとっくの昔に騒ぎになっているだろう。ならば、誰かが持ち去ったと考えるのが自然……此処にいる誰かか、外にいる玩具達か、或いは……姉妹達の、創造主。
「知らない……クララは、知らない。確かにクララならたとえもう動かなくても、エトと一緒に居られるのなら嬉しいわ……ずっと、クララのお部屋でみんなで一緒に居られたらどんなに良いかって思っていたわ……でも、それはきっと……赦されない、事だから」
 クラリベルに言わせれば、そもそも姉妹のグルナードを奪うことからして言語道断なのだが、それを差し引いても尚、遺された姉妹の身体を弄ぶことは、あってはならないことだった。

>アデレード様、ベル様、周辺all

6ヶ月前 No.60

三章開始 @milkywayy☆woNfuP/Psag ★iPhone=WsHBgyg92L

「――――もう物語は始まっているの。誰にも止められないし止まらない。うふふっ、たった一人の少女≠ノなるのはだぁれ?」

 始まりの事件の裏側の真実。それが明らかになったお茶会でアデレードはそう言ってただ笑った。どう足掻こうが最後に残るのはたった一体なのだ。そう、十三体の中でたった一体だけ。

 ――――残ったドールは、十一体。


「グルナードを奪われたドールは消えないわ。消えるなんてあるわけないでしょぉ? でもエトワールの胴体は消えた。誰かがエトを持っていってしまったから」

 物語は終幕に向けて動き出す。たった一人の少女を決めるための聖戦が今、始まろうとしている。




Episode 03...
 【 Les poup□es qui dansent follement 】

6ヶ月前 No.61
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