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【空席有り】華都の月日は妖を映す【募集中】

 ( オリジナルなりきり )
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すずり @suzuri0213 ★Android=nMqLjsjQcP

━━━━鎖を失えば、万物の流れは必ず揺らぐ。


時は此の日ノ本の元号が『明治』に変わって早10年、欧米文化が流れ込み、文明開化が花開く世。人々は変わり行く自国に順応し、はたまた目を回し、とにもかくにも世の革新と隣り合わせに生きていた。
かつて華の都と呼ばれた京もまた同じ。かつての雅な風情を残しながらも、きらびやかな西洋の文化を受け入れつつあった。ほんの10年前には侍が道を闊歩し、辻斬りが出るのは日常の一部でしかなく、何時何処で人が斬られていてもおかしくはなかった街でさえ、維新という名の革命によりがらりと様変わりしていた。

しかし、そんな変容は人間だけを振り回した訳ではない。

古の時代より、人と暮らしを共にしてきた彼等は、じょじょに自らの存在すら消してしまいかねない世の中を恨んだ。かつては共に生きてきたというのに、革命を言い訳に自分たちを放り出した人間を、彼等は酷く憎んだ。たとえ目に見えずとも、存在を信じ、其処にいるものとして扱ってくれた過去を捨てた人間に、並々ならぬ憎悪を向けた。
そんな彼等を待っていたのだろうか、突如彼等の前に現れたその人物はある提案を持ちかける。

━━━━我等の力を以てして、裏切り者共に報復してはみないか、と。

斯くして彼等は立ち上がった。人間たちに自分たちの力を見せ付けてやるために。裏切り者に誅を下すために。明らかに敵意と憎しみに満ちた彼等は、次々と人々の営みを破壊し、蹂躙し、踏みにじった。何の罪も力もない民は彼等の悪行に為す術もないまま、傷つけられ、多くのものを奪われ、喪っていった。
見かねた政府は彼等━━━━人に非ず、然れど神に非ぬモノら、即ち妖に対抗すべく策を練った。妖に近しく、そして妖を抑え込むだけの力を持つ者を探し出し、最も妖の気の強い京へと送り込んだ。


かつて華の都と呼ばれた街で、人と妖は対峙する。
その先にあるのは光芒か、はたまた暗雲か━━━━。


【初っぱなから駄文失礼しますorz 明治に入って間もない京都で人間と妖がドンパチやるスレッドです。少しでも興味をお持ちになられた方はサブ記事へどうぞ!】

メモ2018/05/12 17:33 : すずり☆uVgy9R1pZdc @suzuri0213★Android-ti0IvmfI1e

《第1章:転機は秋風と共に》:>>2>>130

《第2章:戰場の兵士に送る鎮魂歌》:>>131


ルール:http://mb2.jp/_subnro/15683.html-1#a


世界観・用語:http://mb2.jp/_subnro/15683.html-2#RES


プロフィールの書き方:http://mb2.jp/_subnro/15683.html-4#RES


現在の募集状況:http://mb2.jp/_subnro/15683.html-375#a


いつの間にかたくさんのいいねをいただいていて幸甚の至りです……!まだまだキャラクター募集中ですので、少しでも興味をお持ちになられた方は是非サブ記事まで……!

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白鷺 @keiunuiek☆mQLLuNXADKnU ★Android=hn2HASXm05

【一番ケ瀬勹/街中】

リスクや何やらと問いに答える前にペラペラと言葉を並べ立てるイチイに、配慮や契約した際のリスクを考える事が出来たのか、という失礼極まりない驚きが心の隅に有ったものの、一番は流石元は強力な術者だな、という感心の方が大きかった。正確には生前は術者だったと言われた訳では無いが、今迄の言動やその深い知識からそうではないかと一番ケ瀬は既に決め付けている。
問いの応えは有る、というもので、外法箱の管理こそしており、時折開けては居るがその中身の全貌を知らない一番ケ瀬は聞いてみるものだな、と思う。影縫での契約のような術は余り使いたくないというのが本音だ。だが、箱の中身が独りでに蠢く気配に、これからイチイが何をしようとしているのか少しばかり分かってしまって溜息を吐きたい気持ちに駆られる。

「……勝手に出て来られちゃ困るんだけれどね。何の為に君の存在を隠してると思っているんだい。……もう仕方無いから良いけれど」

危ないよ、とイチイが照陽の背後から忠告してくるが、何の事か一切分からない一番ケ瀬は違う問題に着目してしまった。今の段階で照陽を味方だと認識している一番ケ瀬は彼女が雪月花から逃げ出したいと思っている事等露ほどにも考えておらず、全面的に信用している。
完全に出て来てしまったイチイに今度こそ溜息を吐いて投げ渡されたナイフを危なげなく柄の部分を掴み取る。

そんな中、現れた一人の術者が言いたい事を言って結界を張って去っていった。初めて見る姿と顔に、一体誰だろうかと目を向けるが、確かに言っている事は正論である。言い訳をさせて貰えるなら、一番ケ瀬は結界の類の術を使えない。一番ケ瀬の能力は影縫に全振りされている事が理由だ。修行を積めば多少は別だろうが、それより家の秘術を極める事に重きを置いていた。また、ここら一帯には既に人の気配は無し、であれば良いかと思っていたのだが、妖や外法箱の存在を知らぬ隊員、それに動く骸共がやって来て邪魔されるのは確かに面倒だ。考えが足りなかったと反省しながら飯綱山へと目を向けるともう事切れる寸前であった。これはもう駄目かもしれないな、と思った瞬間、今にも息を引き取ろうとしていた妖は佇まいを直し頭を下げてきた。そして誓いの言葉を口にする彼女の生への執念にへえ、と感心する。

「それじゃあ、その言葉に免じて止血だけは先にしてあげよう」

イチイの指示に頷きながらも恐らくこのままでは契約を完了する前に死してしまうだろう飯綱山に、先程彼女の動きを止めた要領で今度は器用に血だけを止める。そうは言っても既に大量の血が流れている為容易に動く事は出来ないだろうが血が止まった以外は何の変わりも無い筈だ。手も足も動くし呼吸も出来る。声も出せる。ただ血が止まっているだけ。
キチンと止血が出来ている事を確認すると、イチイに言われた通り長く息を吐いて身体から空気を失くす。直後に少しずつ息を吸い目を瞑って楔を思い描く。出来るだけ鋭く、決して抜けないような、そんな楔を。


>>照陽瑠璃様、イチイ様、飯綱山葛尾様、ALL様


【お待たせして申し訳ありません!】

3ヶ月前 No.287

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★DoaFJQIlTR_cjE

【 小神殿八乙女 / 北部地域:小山の頂上 】

 地面に投げつけたかんざしから、最近は呼び出していなかった新たな式神が顕現する。緑の短髪、緑の双眸、緑の無精ひげ。つるりとした手触りの竹の皮で編まれた作務衣に袖を通し、同じく台が竹で作られた珍しい下駄を履いた壮年の男性……もといおじさん。全体的に真緑なおじさんは手に竹箒を持っている。攻式佰捌拾号『竹河』。それがこのおじさん式神の名前だ。召喚主たる八乙女と視線を合わせた彼は、へらりとした笑みを浮かべてこちらに手を振って来る。相変わらず、喋らないけど表情や仕草が豊かな式神だ。平時ならそれに応じるのも吝かではない。が、今は戦闘中。後にしろという意味を込めて顎をしゃくれば、それを察した『竹河』は先んずる『紅葉賀』と『鈴虫』に続いて周囲の亡者たちの討伐に乗り出した。『竹河』が手にした竹箒を振るえば、その穂先から無数の竹槍が南京玉簾よろしく連なって敵に襲いかかる。一本一本の頑丈さはただの竹槍と同じ。だが、それが百本も千本もあれば充分な脅威と成り得る。鎧の隙間から竹槍で貫かれて、亡者の骸は次々と串刺しの刑に処された。海外事情に詳しい者なら、某国の有名な串刺し公の名前でも脳裏をよぎりそうな光景である。
 銀閣と名乗った雪月花の剣士への宣言通り、自身の有用性を証すべく式神らに続々と亡者を屠らせる八乙女。銀閣のほうも薙刀を手にした打掛娘と鍔競りあっている。非力な手弱女としか見えなんだが、意外にも彼女は武芸を修めているらしい。人は見掛けによらないものだ。よりにもよって一般人である佐和乃に助けを求めるように駆け寄っているあの雪月花の隊員も、もうちょっとこう、女顔を裏切る男気を発揮できないものだろうか。あれならまだ背丈が四尺にも届いていなかった頃の八乙女のほうが根性がある。いや、一歩譲ってまだ根性が無いだけなら良い。あろうことかその雪月花の隊員は、佐和乃に気圧されるがまま符を投げてしまった。もくもくと立ち昇る白煙。当然、それは佐和乃らの姿を亡者の視界から隠すだけでなく、戦っていた銀閣や八乙女の式神らの視界をも邪魔する。

「そこの嬢ちゃんみてぇな坊ちゃん、戦えたぁ言わねぁからせめて邪魔はしねぇでくれ! じっとしてりゃああっしが守ってやらぁ!」

 一寸先は闇ならぬ煙。不良の視界の中、それでも女顔の隊員のいる方向に当たりを付けて声を張り上げた。とはいえ彼は随分と慌てている様子だし、ひょっとしたらこの声は届いていないかもしれない。誰かが何らかの策を講じたらしく、徐々に晴れていく視界。数秒の後、煙の消え去った視界に飛び込んできた光景に、八乙女は思わず口笛を吹いた。『術者の八乙女』としては舌打ちをすべき場面なのだが、さりとて『ただの八乙女』は、無茶をやらかす人間が嫌いではない。だから煙の中を掻い潜り、徒手空拳の生身で打掛娘の前に立ちはだかるという佐和乃の所業は……正直に言って愉快だった。正しい行為ではなくとも、面白い行為ではあった。
 だが、佐和乃の行いを否定する銀閣の主張も理解できる。というか、真っ当なことを言っているのは彼のほうだ。八乙女は多少無茶な霊力の使い方をして、視界に入る全ての京の民を守って来たが――視界に入っていない京の民までは守れていない。自分が見ていないだけで、無辜の民の死体は京のあちらこちらに転がっているのだ。そしてそれを作り上げたのはこの打掛娘を主と仰ぐ落ち武者の亡者たち。責を取るのが将の務めである以上、つまるところ無残に散らされた罪無き人々の命の片は、この打掛娘の命で付ける他ありはしない。その前提がある上で、無意識と言えども『見知らぬ被害者』より『見知った加害者』に情を注いでいるのが今の佐和乃の状態だ。真実がどうであれ、八乙女の視点ではそう映っている。

「この世で一番人間を殺してるのは、正義でも悪党でもなく“中途半端な正義”――なんて言葉もあるくれぇだ。進み時も、引き際も。見誤るなよ、お姫さん」

 佐和乃の背中に小さな声でそんな言葉を投げかけて、さて、と視線をよそに向け直す。亡者どもが打掛娘に跪いた以上、少なくとも今すぐに佐和乃がどうこうされる事は無さそうだ。ならば優先順位は、颯爽とご登場しなさった新たな二人組を一番に繰り上げる形で処理するとしよう。
 戦場のど真ん中に前触れなく投げ込まれた煙玉。『匂宮』の香りの結界でその直撃を防ぎ、じっと敵の正体に目を凝らす。……片方は見覚えのある相手だった。河童の件で一緒に風呂にまで入った辻ヶ花の少女だ。隣にいる忍び装束の男に見覚えは無い。が、立っているだけで実力者と分かる雰囲気があるからには、妖怪の世界でそれなりの著名人なのだろう。睥睨と共に言い放たれた台詞に、八乙女は全身を口にして笑った。とはいえそれも五秒程度。銀閣が立場を表明したのに続き、こちらも笑いすぎて目尻に溜まった涙を拭いながら口を開く。

「いやぁ、オメェがそう言ってくれて嬉しいよ。なにせあっしは、そういうことを言う奴に一度だって殺されたこたぁねぇ。けんど、まぁ――その意気や良し! 殺す気で来る相手にゃ、殺す気で挑まにゃ失礼でさぁ。お互い死ぬには良い夜でぃ。さあ、魂の取り合いと洒落込みやしょうぜ」

 『匂宮』が、『紅葉賀』が、『鈴虫』が、『竹河』が、八乙女の周囲をぐるりと取り囲んでそれぞれの武器を構える。その中央で凄絶な笑みを浮かべる八乙女の姿は、修羅とも羅刹とも言える。本当に地獄に送られても、この小娘なら地獄の淵で悪鬼と遊んでみせるだろう。それだけの闘気を、殺意を、齢16の人間が醸し出している。恐ろしいとしか言えない事実だ。あるいは悍ましい、と言い換えても良い。清廉で潔癖な人生を歩んでいては、人間“こう”はなれない。血と死臭が支配する夜の世界を吹き飛ばすだけの激しさを伴って、小神殿八乙女は今日まで生きて来た。その過去が、たかが人間の小娘の存在感に自然と圧力めいたものを纏わせる。
 見せつけるのは、疾風迅雷の生き様か。はたまた死に様か――。これだけピリピリした空気が充満しているにも関わらず、八乙女は殺気もそのままに辻ヶ花の少女の挨拶に無言で手を振りかえして見せる。さすがに言葉までは掛けないが、一般人なら失禁しそうな緊迫感の中で指さえ震わせないのは流石だ。まだ初潮も迎えていない内から妖怪と殺し合って来た女なだけあって、神憑り的なまでに肝が据わっている。相手を侮っているからこういう態度な訳ではない。ただ八乙女は、ずっとこんな風に生きて来たから、殺す時も、死ぬ時も、こんな風なままでいようと決めているだけで。

>咲花佐和乃様&卜部銀閣様&鞍馬青蓮様&飢々様&珠簾様&ALL様

3ヶ月前 No.288

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=nMqLjsjQcP

【照陽 瑠璃/街中】

ふわふわと宙を漂いながらも瑠璃の肩に手を置き牽制するローブの男。どうやら一番ケ瀬は彼の存在を隠そうとしていたらしい。それほどまでに危険な存在なのか、と瑠璃はちらとローブの男を一瞥する。先程の穹という男によると怨霊とのことだったが、なぜ雪月花が怨霊などを有しているのか。雪月花は妖を滅し民を守る組織ではなかったのか。問い質したい気持ちがむくりと頭をもたげたが瑠璃はぎゅっと口をつぐむ。此処で余計な詮索をして墓穴を掘ったりなんかしたら取り返しのつかないことになる。時には我慢も必要だ。

「……あ、あなたは、一体何なのですか……?隊長殿までもが隠そうとするなんて、よっぽどの力を持っているとでもいうのですか……?」

とにもかくにも正体、いや少なくとも名前は問うておかねば瑠璃の気は済まない。恐る恐る、様子を窺うように瑠璃はローブの男へと問いかけた。正直この男が素直に自分の素性を語ってくれるとは思っていない。そもそもあんな禍々しい空気をかもし出している点で相手に真っ当な手段が通じるとは考えてはいけないだろう。自分もあいにく真っ当な手段を使う人間ではない瑠璃はそれをわきまえていた。
そして瑠璃はつと視線を葛尾へと向ける。しばらくの間座り込んでいた彼女は生死の境をさ迷っているのではないかと思わせるほどの衰弱ぶりだった。その姿を直視するだけの度胸は残念ながら瑠璃には備わっていない。もともと血なまぐさい現場が得意な訳ではないから、目を逸らしたくなるのは至極当然のことなのである。もしかしたら葛尾は敵方の者かもしれない。そうは思っていても、瀕死の者をそのまま見殺しにする勇気など瑠璃にはなかった。生きている者ならまだその後の可能性を考えられる。しかし葛尾は自分たちに頭を下げてまで生きようとしている。生を渇望している。それがわかってしまっている以上、瑠璃の口から「見殺しにしましょう」なんて言葉は出てこない。だからもし一番ケ瀬が葛尾を見捨てようとしたのなら、瑠璃は葛尾に近くの養生所を教えるくらいはしたかもしれない。

「……あの……あなたがこれから隊長殿に行おうとしていることって……」

何ですか、と聞くつもりだった。しかし瑠璃は途中まで口にして言い澱む。なんとなく、この場でこれから行われようとしていることが只事ではないと察してしまったのである。先程現れた穹が結界を張ったのも、恐らく民に見られてはまずいものだったからだろう。そう考えてしまうと、瑠璃のようなこれまで普通に暮らしてきた人間は自然と閉口してしまうものなのだ。

>>一番ケ瀬勹様、イチイ様、飯綱山葛尾様、周辺all様

【返信が遅れてしまって誠に申し訳ございません……!佐和乃のレスは後程投下させていただきます……!】

3ヶ月前 No.289

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=nMqLjsjQcP

【咲花 佐和乃/北部地域:小山】

屍御前の前へと立ちふさがった佐和乃を、彼の意を知らない者なら頭がおかしくなったか、雪月花の任務を妨害しているかと考えるであろう。それは佐和乃も重々承知の上であった。卜部が咎めるような視線を向けてきたとしても、芦屋が「あの馬鹿ぁ!あと僕のこと嬢ちゃんとか言うなぁ!」と喚いていても、佐和乃の表情が変わることはない。表情をますます険しくさせる卜部に、涙目で己を睨み付けてくる芦屋に、さも愉快そうに口笛を吹いた八乙女に、そして屍御前を狙う全ての者に。彼らに向けて佐和乃はよく通る声で告げる。

「たしかに姫はこの一連の事件を起こした張本人なのだろう。俺とてそれは承知の上だ。だがもし姫が人ならざるモノならば、恐らく姫がこのような行動に至った原因を見つけない限りもう一度現れるか、此度より酷い騒動を起こすやもしれん。人間とてすぐに下手人を斬らずまずは聴取に走るだろう。人ならざる姫さえ俺の言うように兵を止めてくれたのだから尚更だ。今の状況を解決したとて、後により酷い二次災害が起これば本末転倒だ」

相変わらず屍御前やその配下の落武者に斬られてもおかしくない位置にいながら、佐和乃に臆した様子はない。流麗な弁舌は何処から来るものなのだろうか。それは間違いなく佐和乃の強すぎる責任感と正義感である。突っ込まなくても良い騒動に首を突っ込み、非日常に身を投じる彼の本質。どこまでも頑固で、どこまでもお人好しな佐和乃だからこそできる所行なのだ。
そして佐和乃が再び口を開こうとした瞬間に、突如として投げ込まれる煙玉。咄嗟に八乙女が匂宮に結界を張らせたため一同は無事であったが、そこに颯爽と煙玉を投げ込んだ犯人とおぼしき人物が現れる。その二人組のうち一人は佐和乃の見知った顔━━━━いつだか共に風呂に入り、少しの間であったが言葉を交わした辻ヶ花の少女。妖であろうとは思っていたがまさか人間に敵しているとは。だがそんな驚きを佐和乃は表に出さない。いちいちこのような事態に心を揺らしていては、屍御前を止めることなどできないと考えているのだろう。とにもかくにも此処は積極的にこちらに攻撃を仕掛けてこようとする二人組を止めることが優先なのか、卜部と八乙女の視線は屍御前から外れた。しかしだからといって屍御前の身が安全になった訳ではなく、辻ヶ花の少女━━━━珠簾の生成した蔓に周りの落武者と共に足を取られていた。屍御前は汚れる足元などには目もくれず、もがく落武者を一瞥してから新たな落武者を生み出し、彼らへと命令を下す。

「……使えない者は楽にしてやりなさい。武器を持てない兵なんていらないわ。手が空いた者はあの二人へと攻撃を仕掛けて。検非違使たちはまず置いておくこと」

その命令を聞くや否や、新たに生み出された落武者たちは身動きを封じられた落武者を躊躇なく切り捨てていった。傍目から見たらいきなり同士討ちを始めたようにも見えるかもしれない。芦屋は「……嘘だろ……」と若干引いていたが、気を取り直して符を手にする。ひゅ、と彼により投げられた符は鎌鼬を思わせる鋭い斬撃となり己や卜部、ついでに八乙女や佐和乃の周りの蔓を切り裂いた。戦闘要員が減るのと一般人に怪我を負わせないための芦屋なりの気遣いとも言えよう。斬撃は何かに幾度か当たると消えてしまうものらしく、蔓を数本切ると空気に溶けるようにして無くなっていった。

「姫!待っていろ、すぐに蔓なら解いてやる!」
「……さくら……。ごめんなさい、迷惑かけて……」

佐和乃は落武者が自分を襲ってこないことを良いことにどれかの落武者が落としたと思われる脇差を手に取って屍御前の足下へと跪く。そして彼女の足を切ってしまわないように気を付けながら絡み付いている蔓をじょきじょきと切り始めた。何重にも絡まる蔓に悪戦苦闘しながらも一生懸命に屍御前を蔓から解放しようとする佐和乃に、屍御前は僅かに申し訳なさそうな表情を浮かべる。そして近くの落武者から槍を奪うと、近寄るなとでも言いたげに珠簾と共にいた臨戦態勢の男性に向けてそれを投擲した。

>>小神殿八乙女様、卜部銀閣様、珠簾様、鞍馬青蓮様、飢々様、周辺all様

3ヶ月前 No.290

サムライ @samurai07 ★iPhone=QCAUNJ3bTK

【鞍馬青蓮/北部地域・小山】

佐和乃が投げた槍は青蓮の頬を掠めた。顔に少し切り傷が入るが、青蓮はまったく気にしてるいない。それどころかため息混じりにこう言った。

「何だいたのか人間よ。しかして、なぜその妖を庇うのだ?ふむ、少し興味が湧いた。貴様はしばらくは生かしてやろう。珠簾、すまぬがその屍御前とやらと隣の人間を見張っておいてくれ。何、もうあと3分で良い。たとえ術者であろうと人間に遅れは取らぬ。」

青蓮は脱ぎ捨てた落武者の鎧の裏に隠してあった手筒花火のような物を瞬時に組み立てて発射口を銀閣と八乙女に向けた。

「貴様らは霊力だけなら大したものだが、まだまだ構えが隙だらけでござるな。二対一で来るなら囲むのが定石であろうに…一列に並んでいるとは愚かな!吹き飛べ!」

そう叫ぶや否や導火線に火を点け、その筒の中から焙烙火矢よりふた回りは大きな砲弾を2人の中心に発射した。どうやら2人纏めて吹き飛ばすつもりだったらしい。これはかつて忍者が使っていた捕火方という火炎放射器のような武器と打ち上げ花火を組み合わせた青蓮お手製の武器で現代でいえばロケットランチャーのようなものである。だが、1発打つと反動で手筒が破裂し、バラバラになるため1回しか使えないという欠点がある。しかし、青蓮は何もこれだけで2人を仕留めるつもりはなかった。

「まずは厄介そうな式神使いから黙らせるか。あの剣士には一応、これをくれてやろう。」

青蓮は大破した手作りの木製ランチャーを破棄し、爆風めがけて跳躍し、銀閣のいた位置には手裏剣を4、5枚投げた。続いて八乙女のいた位置には鉄鞠という棘の付いた鉄球を伸縮性がある紐の先に括り付けたまるで現代でいうヨーヨーのような武器を鞭のように叩きつけた。

「拙者の焙烙火矢の爆発に面食らったろう。さらに襲いかかる手裏剣と鉄鞠だ。これで逃げることはできまい。往生せい!」

手筒大砲の砲撃が直撃したなら結界でも張っていない限り即死であるし、避けられたとしても火傷くらいはしているはず。さらにそこへ暗器の雨が降る。所詮は人間だ。己の術を過信してもはや瀕死であろう。青蓮の胸の内にはそんな慢心があった。

>>珠簾様、小神殿八乙女様、卜部銀閣様、咲花 佐和乃様、屍御前様、周辺ALL


【2章も大詰めということで手持ちの武器を大盤振る舞いしてみました。まあでも、そう簡単に銀閣様も八乙女様も倒せませんよね。青蓮は佐和乃様含めて人間達を侮っております。叩くなら今がチャンスですよ(小声)ちなみにこのレス内で使った捕火方や鉄鞠は使い方は違えど実在している忍者や隠密の武器です。戦国、江戸時代に火炎放射器や手榴弾のような武器を開発していたとは忍者ってすげえなって思いました。てか、青蓮は全然術を使わずに火器や暗器ばかり使ってますね…明治の術者よ、戦国や江戸の武器を舐めるなよ(笑)】

3ヶ月前 No.291

篝火 @hijirisaya☆zk2IQ04u3Kaf ★iPhone=9AN0V8tqmT

【イチイ/街中】

余程の力を持っているのかという少女の問いに、怨霊は思わず笑ってしまう。
おそらく雪月花隊員として勘定に入れられている存在の中で最も非力なのは間違いなくイチイなのだ。霊らしい念力もなければ、妖気の補足もできない。物理的にも霊的にも攻撃手段を持たず、物理攻撃は効かずとも祓われれば霊体は千々に散る。固有名詞すら覚えられないため、諜報活動もまともにこなせない。呪われているがために消滅しないとはいえ、出来ることはといえば囁くことと存在するだけで悪気を撒き散らすことくらいである。

「お兄さんのことは後で教えてあげる」

しぃっと声を潜めて、イチイはできることの一つを行った。
壊れたビー玉の瞳を隊長に向ける。先ほどまではイチイに呆れているいつもの表情だったのが、今は冷酷に葛尾を見下ろしていた。
一番ヶ瀬は隊長ではあるが、本来なら現場で能力を行使し妖を滅ぼさんとしている方が似合っていると怨霊は口にしない感想を持つ。一番ヶ瀬も恐らく自分と同じ、統べるのではなく闘う人種であろう。生まれてきたのがこの時代で良かった。もしあと50年も後に生まれていたら、一番ヶ瀬は自分の生きる意味を見つけられず、この歳まで生きられなかったに違いない。戦場の空気でしか肺を満たさない男は、今この瞬間輝いている。本人にその自覚は無いのかもしれないが。
周囲に立ち込めるのは微かな瘴気。外法箱より汲み出された禁術がこれから発動しようとしている。それを瑠璃は敏感に感じ取っているのか、落ち着かない様子でじっとこれから起こることを見守っていた。

「うん、いいね。そうしたらそのナイフで人差し指を傷付けて。血が流れるくらい。流れた血で、対象となる妖の額に紋様を描く。初めに点。それを囲うように右、左。こうだ。(・)」

空中に赤い点と線の視覚イメージを描き出す。いわばお手本である。これを妖の額に描き出すよう指示をする。

「描きながら唱える。『我が螺旋よ、よりよりて楔とならん。桎梏せしめ、繰るは明き鏈。この者より還り糸を絶て』詠唱が終わったら、人差し指を妖に咥えさせ血を与える。量は、額に書いた紋章が消えるまで。人によって変わるけど、隊長は使役に関してはど素人だし、時間かかりそうだね」

余計な一言を加えながら、ふわりと宙に浮かぶ。結界の天井すれすれから全体を見回す。
僅かながらに命の火を灯す葛尾を上から見るとその出血がいかに致命的か一目瞭然だ。

「この術で与えた血は妖に吸収されない。妖の命をいつでも奪うための楔になって、異物としてその存在に上書きされる。だから血の摂取で回復は見込めないんだけど、眷属として庇護下に入ればその後でいくらでも治療のしようはあるだろう。まあ、要するにあと少し苦しいのを我慢してね、ってこと」

あいも変わらず口調だけは優しい怨霊だが、その表情は壊れた瞳のせいで全く感情を表現していなかった。

>>一番ヶ瀬様、瑠璃様、葛尾様

3ヶ月前 No.292

五十鈴 @isuzu0☆LocDP0eky2k ★NbQEF8QrNY_mgE


【 十神 時雨 / 北部地域(北東部) / 北野神社(北野天満宮) 】


 自分の提案を断ることはなく、案外素直に取ってくれたようですぐ左側の傍で正座した。取り敢えず、脅しというか無理矢理のような声かけは上手くいってよかった。隣に座る彼女は足を崩すことなく正座を取り、若干こっちまで正座にしなくてはならないみたいな空気感になる。こんな時まで真面目なんだな、と尊敬すら覚えた。
 出会った頃なんて性格は真逆みたいなもので、失礼ながら彼女とは馬が合わないとすら思えた。だがどうしたものか。月日を重ねる事に日々の会話も増えて自分が酒に溺れたら止めてくれるし愚痴でもなんでも聞いてくれるような同僚になって、何時しかパートナーのような関係になって。随分と仲良くなったものだ。時には衝突もするけどそれはお互いがお互いを思っているからで。――何、昔のこと思い出してるんだろう、と過去に耽ってしまった。


「 ……あははっ。お見通しって感じ? 」


 どうやら焦っていた自分をすぐに見抜く彼女に目をぱちくりとさせ、乾いた笑みを浮かばせる。自分の感情が知らず知らず外へ漏れていたのだろうか、それか自分の表情で感じ取ったのか、そこら辺はよく分からないが彼女はすごい。そりゃあ彼女相手に嘘なんて吐けるはずないんだ、と自分に言い聞かせる。ただ、それは自分に言った、というよりは彼女自身に向けた言葉だろう。彼女のことだ、また自分一人で抱え込もうとする。
 雪月花が設立されて早五年。両親の後を継いで術者として入った。妖に両親を殺された時は妖に対してふつふつと憎悪が湧いてきたが、今はどうだろう。数々の妖を見てきたが、危害を加えるものもいれば反対に加えないものも居ると遅からず気付いてしまった。そこからだ。少しずつ傾いてきたのは。自分は藍ちゃんや銀閣ちゃん、勹ちゃんみたいに攻撃的でも防御的な能力ではない。そんな能力だから妖ともちゃんと戦えるし滅せられる。返って自分はどうだ。足手纏いになって迷惑かけて五年前より弱体したな、と自分でも分かる。どうしたらよいものか。


「 まぁ、人其々だから難しく考えなくていいんじゃない? ……藍ちゃんは藍ちゃんらしくしていればいいよ。 」


 天を仰ぐように空を見上げてぽつりと告げる。そして彼女の方へにこりと笑いかける。今すぐには答えは出せないが、どうしたいかどうするかはこれから決めることにしよう。焦りは禁物だから。
 彼女が何かを思い詰めているのなら自分はこうした言葉しかかけられないし傍に居てあげることしかできないが、それで彼女が少しでも救われるのなら良い。気が利かない自分に少しばかり腹を立てるがそこは隠して仕舞おう。


>池田藍様、周辺ALL様

3ヶ月前 No.293

有栖川 @hananomi☆Mwp.W.uiBT6 ★5tuXai74if_pp5

【池田藍/北部地域(北東部)/北野神社(北野天満宮)】
 焦るなよ、と声をかけた相手は、彼女らしくもない乾いた笑い声をあげた。どうやら内心で焦っていたのは、時雨も一緒だったらしい。

「そら、俺達結構似ているところあるだろ」

 お見通し、という時雨に対して、短くそう言って口角を上げる。
 自分で言うのも何だが、根が真面目なところとか、相手の事を優先しすぎてつい自分の事を勘定に入れ忘れるとか、精神面でそういう共通点があるために、多少は考えていることも想像がつく。今のは完全に偶然だったけれど。

 まるで考えていることを読んだかのような時雨の言葉に、流石に驚きを隠せなかった。知らないうちに声に出ていたか、そうでなくても表情に出ていたか。どちらもそのつもりはなかったが、時雨には筒抜けだったらしい。ごまかそうにも恐らく今度こそ顔に出ているだろうし、鳩が豆鉄砲を喰らったような表情になっているだろう。時雨も意外と鋭いところがあったりするし、そうでなくても、さっき言ったように似ているところがあるという事は、逆説的に自分の考えも当てられやすいということに他ならない。
 自分らしく。そう、結局今抱えているこの問題も自分で解決するしかないのだ。であれば、自分らしくやるしかない。時雨だって横にいてくれるけれど、この問題は多分彼女であっても解決できるものではないのだ。治癒でどうにかなる問題でないのだから恐らく時雨の専門外だろうし、そもそも彼女が解決できるのであれば先程のようなことは発生していないはずだ。時間差はあれども、互いに戦闘継続が出来ない状態になる可能性が存在しているというのは、まずあるべきではない。

「俺らしく、か。結果的にどうなるかはさておき、そうするしかないよな。
 ―――よし、時雨。ちょっと俺の膝に座ってみ?」

 時雨にそう問いかけて、ぽんぽん、と自分の膝を叩く。先ほど時雨にされた脅し(と言うほどでもないが)の意趣返しというわけではないけれど、どうにも時雨も思い詰めているようだし、この場にまだ少し留まって自分なりに労うくらいは許してもらえよう。

>>十神時雨、周囲all

3ヶ月前 No.294

篝火 @hijirisaya☆zk2IQ04u3Kaf ★iPhone=P5Bx8d7RUd

【珠簾/北部地域・小山】

妖よりもよっぽど妖らしい術師が、修羅そのものか鬼神のような凄みを纏い、配下の式神たちを従え立つ。
それを迎え撃つのは鞍馬青蓮。身体中に装備した武器を次から次へと展開し、場に爆風が吹き荒れる。
珠簾はその風上に立っていた。熱いのはからっきし不得手だ。鞍馬の火器とは相性が悪いので、場に蔓延らせていた根は仕舞った。そうでなくても折角捉えた亡者は新たに湧いた亡者に斬り殺され、屍御前も佐和乃の手によって解放された。
それよりも次の手がある。
つ、と伸ばした両手の指がしゅるりと解け、薄緑に変色しながらスルスルと伸びて佐和乃と屍御前に絡みつく。

「まぁ、お待ちになって。鞍馬様のお話では3分ほどということだから」

今度はさっきの根とは違い、緩やかに柔らかく首や手首や胴に巻き付いていく。
硬くも鋭くもない。
だが、それで充分……いや、だからこそ凶悪なのだ。

「大人しくしていれば、何も怖いことはないのよ。唯、引き千切るのは良くないわ。わたくしの体液は人間にとっては猛毒。五体満足でいたいのなら」

佐和乃の側まできて珠簾は教えてあげた。何も言わなければ、人間は毒があることにも気がつかず、毒花を摘もうとするからだ。
そうして死んで行った人間は両手では数え切れない。こうして枝葉を伸ばし、沢山分岐させれば数え切るかも知れないが。
屍御前は毒で死ぬことはないだろうが、3分くらい楽に稼げる。動きの鈍い服に何重にも巻きつければいいだけの話だ。
不安要素があるとしたら、亡者が猛攻を仕掛けて来るか、八乙女の助太刀が入った場合だ。
だがそれは、鞍馬を信用する他ない。生命力には自信のある珠簾は、もしこの戦いで鞍馬が倒れればすぐにここから逃げ出す算段である。
亡者という脅威があるうちは、自分のような妖は捨て置かれるものだと踏んでいるからだ。

>>鞍馬様、八乙女様、佐和乃様、銀閣様、屍御前様、周辺ALL様

3ヶ月前 No.295

白鷺 @keiunuiek☆mQLLuNXADKnU ★Android=hn2HASXm05

【一番ケ瀬勹/街中】

ゆうらりと浮かぶ怨霊に感情の種類は扠置き、関心を抱いている様子の照陽におや、と思う。一番ケ瀬が呼びづらいからとイチイと名付けた外法箱に取り憑く怨霊は、当たり前だが怨念を持っている幽霊だ。幽霊は妖とは違う。人から視認される妖とは違い、雪月花の隊員や術者であってもその目に捉える事は難しい。だから術者の他に霊媒師という者が居るのだし、そうやって専門家が別に居るのだから。外法箱の管理が少人数に限られているのもその所為だ。元々外法箱が並の術者では扱えないというのもあるが、それに取り憑くイチイの存在もまた関係している。外法箱を隅から隅まで知る彼と交流出来なければ外法箱の管理等出来るはずも無い。彼がお喋り好きなのも理由の一つになるかもしれないが。
現に緊急事態で夕刻にイチイとかち合った十神は彼の姿を視認出来なかった。恐らく靄のようなものに見えただろう事はその視線から想像がつく。術者として雪月花に身を置く彼女にもイチイの姿が見えなかったというのに、照陽はその存在を正しく認識しているようだ。その事に遅れながらも気付いた一番ケ瀬は、やはり、と彼女の潜在能力の大きさを察する。恐らく其処等の術者よりも、一番ケ瀬よりも大きな力を持っているのだろう。照陽の末裔なのだから当然とも言えるか。

イメージが上手くいったのか、イチイの説明が次の段階に入る。紋様をお手本のように空に描く彼に、便利なものだな、等と思ってしまう。怨みを持って死んでから出来るようになっても仕方無い事だろうが。
一度、教えられた紋様を練習がてら空に描いてみる。点を描いて、右、左。恐らく順番にも意味が有るのだろうから、癖で左か等囲わないようにしないと。
次に詠唱を教えられ、それを一言一句洩らさずに暗記する。この位ならば大丈夫だろうが、余り詠唱等の言霊を使わない一番ケ瀬はこれ以上長いものだと危ういだろう。覚えろと言われれば覚えてみせるが。

「時間が掛かる、か」

ふと、結界の外を見詰める。先程見た時より火の手が増えている。早く全てを終わらせなければ、被害の拡大は免れない。

『……我が螺旋よ、よりよりて楔とならん。桎梏せしめ、繰るは明き鏈。この者より還り糸を絶て』

一先ずは指を浅く傷付け、血を滲ませる。言われた通り詠唱しながら飯綱山の額に点を描きそれを囲うように線を引く。詠唱が終わるのと同時に紋様を描き終わるようにゆっくりと。

「余り、ゆっくりしている暇は無いよ」

詠唱の前の言葉を引き継ぐように呟くと、もう一度ナイフを握り、人差し指の先から掌迄をざっくりと傷付ける。利き手では無い手でナイフを握っていた為か勢い余って掌迄斬り込んでしまったが、血は血だ。問題無いだろう。それに言った通り悠長にしている暇は無い。早く契約を終わらせて問題を片付けに行かなければ。
掌を上にして人差し指を飯綱山へ差し出す。下にしてしまえば大量の血を無駄にしてしまうからだ。皿のように手を丸めてよもや真っ二つにでもなりそうな人差し指へ血が伝うように傾ける。

「さあ、飲みなさい」

有無を言わさないその声色は大量出血をしているとは思えないものだ。指を浅く傷付けた時から、言ってしまえば朝目を覚ました時から今に至る迄、一番ケ瀬は一切顔色を変えていない。掌迄深く刺すという誤算はあったがその時も一番ケ瀬は眉一つ動かす事は無かった。何故ならそれは必要な事で有るからだ。それが遣り遂げる為に必要な事で有れば、血も痛みも厭わない。


>>照陽瑠璃様、イチイ様、飯綱山葛尾様、ALL様

3ヶ月前 No.296

五十鈴 @isuzu0☆LocDP0eky2k ★NbQEF8QrNY_mgE


【 十神 時雨 / 北部地域(北東部) / 北野神社(北野天満宮) 】


 口角を上げて『 俺達結構似ているところあるだろ 』と言った彼女を見つめて「 そうだね。 」と笑いながら肯定を述べる。なんだかんだ言って自分たちは似ている者同士なんだと改めて感じた。いくつかの共通点を持ち、そこまで明確に似ているなんて後にも数えて彼女ぐらいだ。偶然という形で片付いてしまうこともあるけれど。

 笑いかけながら告げた言葉に少々無言になる彼女を見据え、何かまずいことでも言ってしまったのだろうかと変に焦る。年下とは言え相手は立派な副隊長な訳で術者の自分が上から物を言える立場ではないことは考えなくても分かる。藍ちゃんは藍ちゃんらしく、って今思うと難しいことではないかと。彼女が何を想っているのかさっぱりでアドバイスらしいアドバイスもできず、知ったような口聞くんじゃねぇと言われそうなことを口走ってしまった。そんな深刻なことを脳内で考えているが、彼女は驚いていたという事実は後で知ることになるだろう。
 自分の言葉を聞いてか何処となく落ち着きを取り戻した彼女にほっと胸を撫で下ろす。どうやら自己解決をしたようで、何か言われるんじゃないかと焦っていた自分が恥ずかしい。そんな気持ちを悟られぬよういつものように振る舞う。


「 そうそう。ゆっくり考えていこ。―――え? ひ、膝!? 」


 うんうんと頷きながら微笑みを見せるが、次の言葉で表情が固まり首を傾げる。ぽんぽんと膝を叩き、上に乗れという命令(というわけではないと思うが)に驚きを隠せないでいる。何がどうなって膝の上に座れなどと言うのか意図が見えないが、これは先程自分が座れといった仕返しだと思う。恐らくこのまま自分が断っても座らせようと彼女はするに違いないと思い「 じゃ、じゃあ、ちょっとだけ……。 」と言い、膝立ちになって砂などがついた場所を軽く手で払い「 し、失礼します……。 」と何故か頭を下げながらおそるおそる彼女の膝の上に腰を下ろす。


>池田藍様、周辺ALL様

2ヶ月前 No.297

キープ @keep4603 ★nJ5qCxa7H9_8gk

【飯綱山葛尾 / 街中】

「くっ! ……ふ、ウッ!」

 一番ケ瀬の指先が葛尾の額をなぞる。すると指が触れた部分からジュッという熱い鉄板に肉を押し当てたような音と煙が立ち込めた。文様を描いている一番ケ瀬には何も感じないだろうが、葛尾の表情を見る限り肉を焼かれる痛みが伝わってくる。瑠璃の声が聞こえてきた。心配そうな、今にも泣きだしてしまいそうな表情でこちらに問いかけてくる。自分のことで精いっぱいなはずなのに、本来なら葛尾のような下賤な妖怪など見て見ぬふりをしても構わない立場だというのに。こっちの胸まで締め付けるような、そんな悲しい表情を浮かべてまで、この穢れた身を案じてくれているのか。人間は嫌いだ。心底からそう言える自信がある。しかし彼女は、照陽瑠璃は、どうにも困ったことに、憎むことができない。葛尾は本当に何百年ぶりに、本音の気持ちを込めて。


────笑った


「瑠璃ちゃん……こっから先ウチがやろうとしてること、絶対見たらアカン。目ぇ閉じて、耳もキツく塞いで、じっとしとるんや。えぇな? 絶対見たらアカンで? ウチとの約束や」


 彼女の五感が塞がれるのを確認すると、葛尾は一番ケ瀬に向き直る。かつて何十もの呪術や禁術をその身に受けた経験から、今回の禁術も相当負担が大きいことが予想される。禁術が禁術たらしめる要因はその非合法非倫理的な方法の他、この世の理を根底から覆してしまう恐れを含むからだ。今回の屍御前による死者蘇生も海外では死霊術と呼ばれ忌み嫌われている通り禁術に当てはまる。術者の適性を無視し妖怪を無理やりに奴隷とするこの禁術。作成した術者の悪辣な人となりが透けて見えることこの上なしである。
 一番ケ瀬の掌に溜まる多量の血。恐らく浅掌動脈弓まで傷つけているに違いないその出血量。しかし一番ケ瀬は動じない。たとえ手首付近にある橈骨動脈を傷つけて出血多量に陥ろうが、彼は眉一つ動かさないだろう。それが最速で任務を終わらせる方法ならば、むしろ進んで切っていたに違いない。まるで尋問官か死刑執行人のような冷たい出で立ちで、こちらは葛尾に対してなんの情もかけていなかった。彼の手を左手で掴み、自分の口まで誘導する。溢れ出る血を零さぬよう人差し指を咥えるようにして、その血を喉奥まで流し込んだ。

「んっ!? ンッグ!! カハッ!?」

 血を飲んだ瞬間苦しみだす葛尾。まるでドロドロに溶かした鉄を飲み込んでいるような、形容しがたい激痛と苦しみ。さらに額に描かれた文様からも、血を飲むたびに頭に釘を打ち込んでいるような鋭い痛みが走る。見開かれた目は赤く充血し、脂汗は先ほど自分から流れ出た血の比ではない。一番ケ瀬の腕を掴む手に力がこもる。まるで許しを請うように。しかし禁術というものは始まってしまった以上終わらせなければならない。途中で止めるというのは即ち不履行に値し、莫大なペナルティを負う羽目になる。奴隷となるものに苦痛を与え、二度と反逆心を抱かせないためか。はたまたハナから奴隷のもだえ苦しむ姿が見たいがためか。この禁術の作者の底知れぬ嗜虐心を感じずにはいられない。

「ンンンッ! ……ッグ、カハッ! ンッンッ!」

 一口飲んでは意識を飛ばし、二口飲んでは頭痛で目を覚ます。文様が半分ほど消えるまでかかった時間は約5分。しかし当事者にとってはさらに永い時の流れを感じただろう。げに恐ろしきは葛尾の生に対する執着の心。いや、“生き狂い”とも言える狂気。『葉隠れ』の一節に『本気にては大業はならず。気違いになりて死に狂いするまでなり』というものがある。死ぬ気で生きる、矛盾を孕んだ言葉であるが今の葛尾の姿はまさに生を貪る鬼だ。死は時に逃避の意味合いを持ち、時に救済も意味する。地獄のような生を歩むのであれば、死んで楽になりたい。そんな死神の囁きを封じるかのように、葛尾は一心に血を飲み干していった。

「ンンッング! グッン! ……!!? ガアアアアァァッッ!!」

 最後額に残った文様の点が消える瞬間、脳髄を貫くような一際強烈な激痛が葛尾を襲う。体は反り返り髪を振り乱し、天を仰ぐ瞳は白目を向き口元は乾いた血で赤黒く汚れていた。一番ケ瀬がイメージした楔が葛尾の魂に打たれた瞬間だった。ビクビクと数度痙攣したかと思えば、葛尾は力尽き前のめりに倒れる。いつの間にか失禁もしていたようで、周囲にはその臭いも立ち上っていた。飯綱山葛尾、見事契約の履行を致す。狂気とも呼べる生への執着、何より人間に対する憎悪の深さ。鬼や天狗をも上回る何かを孕んだ妖怪として、その場の人間の記憶に強く印象付けただろう。

>>一番ケ瀬勹様 イチイ様 照陽 瑠璃様 周辺ALL



【返信遅れました。大変申し訳ございません。そして朝から割とグロテスクな表現の文章を投稿してしまい、御気分害された方がいらっしゃいましたら重ね重ねお詫び申し上げます】

2ヶ月前 No.298

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

【照陽 瑠璃/街中】

京に来てから出会った人間に対しては最大限の警戒を、妖ならば尚更と幾度となく瑠璃は自分に言い聞かせながら過ごしてきた。街中で葛尾と邂逅した時も、彼女は妖なのだ、雪月花にとってはそうでなくとも自分にとっては敵なのだと考えた。しかし今の葛尾はどうだろうか。息も絶え絶えながら、瑠璃の身を案じた言葉を口にしながら、微笑んでいるではないか。その微笑みは慈母のようであったし、ましてや此方に敵意を向けているようには思えないものだった。

「……わかりました。お心遣い、ありがとうございます」

もしかしたらこの笑顔にも何か裏打ちされたものがあるのかもしれない。そんな気持ちを瑠璃が抱かなかった訳ではないが、この時ばかりは素直に葛尾の言葉に従う他できなかった。ぎゅっと瞳を閉じて、耳を塞ぐ。嗚呼、なんて私は甘いのだろうと瑠璃は己の未熟さを嘆いた。彼女の思う未熟さは、もともと瑠璃という人間が持ち合わせている優しさなのだろう。照陽の血を引く者として京に連れてこられる前から備わっている、ただただ純粋な感情。瑠璃はそれを甘さと感じているが、そのように考えるのは戦いに身を置く者くらいである。15の少女がそれを抱くのは、あまりに普通すぎることだ。恥じる必要も、自責の念に苛まれる必要もない。
読書を趣味とする瑠璃ではあるが、当然ながら禁術の類いについての造詣は深くない。いや、脱出のために簡単なものなら身に付けようと雪月花の拠点の書庫に保管されている書物を少しだけ覗いてみたことならあった。しかし内容のえげつなさから瑠璃はそれらを体得するのは控えようと決めた。いくら故郷に戻れるからといって、人間を辞めるようなことはできない。それを行えるほどの勇気や覚悟はなかったのである。言い様のない恐ろしさに襲われて、瑠璃はそれ以降禁術についての書物を手に取ってはいない。だから実際に禁術に手を出してはおらずとも、その危うさはそれなりに理解しているつもりであった。

「……っ……」

耳を塞いでいても時折聞こえる葛尾の苦し気な声に、瑠璃は幾度となく瞳を開きかけた。何が起こっているのか確かめたくなる気持ちを抑えに抑えて、歯を食い縛ってこの儀式が終わるのを待つ。見てはいけない、見ることは許されない。此処で目を開いたら、葛尾の気遣いは無駄になってしまう。自分を叱咤し、瑠璃は封じられた視覚に沈む。それはたったの数分間の出来事だったはずだが、瑠璃にとってはそれよりもずっとずっと長い時間に感じられた。一番ケ瀬や、ましてや術を受ける立場にある葛尾はその比ではないのだろう。このような禁術を口伝するあのローブの男は、一体何者なのだろうか。宙に浮いていたから生きている、もしくは生身の人間ではないのだろうということはわかる。この一件が片付いたらある程度のことは教えてもらわなければ。━━━━そんなことを考えている最中、塞いだ手をも突き破って響き渡る葛尾の絶叫。これには瑠璃の瞳も見開かれ、その場の状況をまざまざと目にすることになる。

「葛尾さんッ!」

苦悶の表情を色濃く残しながら、力尽きたのか前のめりに倒れる葛尾。敵味方云々を無しにして、ほぼ反射的に瑠璃は彼女に向けて駆け出した。肩に置かれていたローブの男の手を思い切り振り除けて、周りの状況には目も暮れずに葛尾の傍へと向かう。倒れ込んでしまった葛尾の頭を自身の膝に乗せて、まずは彼女に息があることを確認する。大丈夫だ、まだ生きている。瑠璃は麻袋から手拭いを取り出すと、葛尾の顔についた血をそっと拭う。彼女の白い肌は血で濡らしたままにして良いものではない。

>>一番ケ瀬勹様、イチイ様、飯綱山葛尾様、周辺all様

【返信が遅くなってしまい、加えて数々の確ロルとも受け取れる表現申し訳ございません……!】

2ヶ月前 No.299

有栖川 @hananomi☆Mwp.W.uiBT6 ★5tuXai74if_sgs

【池田藍/北部地域(北東部)/北野神社(北野天満宮)】
 座るようにと言ってみたところ、彼女はおとなしく膝の上に腰掛けてくれた。彼女と一緒に居るとついつい忘れてしまうが、考えるまでもなく、副隊長である自分の言う事は、例え強制する意図がなくとも、自分よりも下位の隊員たちからすれば命令であると受け取られてしまってもおかしくはないし、内容にも依るけれどむしろそう受け取られない方がおかしいくらいなのだ。ことこういう時にこういう事を頼んでしまうと、職権乱用だなどと指を刺されてしまってもおかしくない。よりによって救護部門で重要な地位を占める時雨を連れまわしている時点で、大概職権乱用なのだろうけれど。時雨なしでの戦闘なんて考えられなくなってしまっているし、言われたとしてももうどうにもならないような気がする。
 先ほどは彼女を労おうかと考えたが、口だけのそれよりは、今後に向けて布石を打っておいた方が良い気がしてきた。どうせ職剣乱用するならば、前向きなことに使ってしまおう。

「なぁ、時雨。俺の武術の稽古、受けてみないか? 勿論無理にとは言わんが、今後の為にはなると思うぞ」

 膝の上の時雨に対して、なるべく穏やかな口調になるように気を付けつつ、問いかける。
 今回の大橋での事の発端は、時雨の戦闘能力の低さである、と藍は認識している。その過程が正しいならば、彼女が提案を承諾することで稽古を受けることによってある程度以上の自衛が可能になり、ああいった事も起こりにくくなるのではないだろうか、と推論したのである。稽古を続けていけば時雨の体力もより高まるだろうし、それによって彼女の異能の使用限界も高まるはずだ、という目論見である。
 当初の考えとは完全に言う事を変えてしまったために、膝に相手を抱えながら言う事でもなくなってしまったけれど、それはもう後から言い訳するとしよう。

>>十神時雨、周囲all

2ヶ月前 No.300

篝火 @hijirisaya☆zk2IQ04u3Kaf ★iPhone=GmzuXl8cz8

【イチイ/街中】

手を振りほどいて妖狐へ駆け出した瑠璃に、怨霊は驚いて目を丸くした。

「憎いねぇ」

くつくつと喉の奥で笑う。所有者ですら触れることも触れられることもできない特殊な霊体に、何の意識もせず触れて振りほどいたのである。相当な才能、というよりは別格の存在。瑠璃はこの一瞬、イチイにかかっているどうしようもない呪いを無効化したのだ。
もしかしたら照陽の末裔であれば、この身にかかる呪いを解いてくれるのでは? そんな希望的観測が、怨念の底で熾火のように燻り出した。
だが、それは一先ず後にして、契約の終わりまでガイドするのが外法箱に取り憑いたものとしての役割だ。
従わせることを得手としない術者と、従うことに抵抗のある妖。それらを結びつける禁術。

「前にも増して、って感じだけどさぁ」

怨霊は呆れたというように肩をすくめる。
外法箱から出した禁術は、入れる前と比べて呪いの力が増し、代償は大きく、効果はより恐ろしいものになる。とはいえ、葛尾の苦しみ方を見るにイチイの知っていた効果よりも数段凶悪に進化していたようだ。長く入れっぱなしだったせいだろうか。契約する妖を殺しかねないほどの強制力にして矯正力。見るも悍ましいその光景を見ないようにと照陽に懇願したのは、この妖なりの優しさなのかもしれない。

「君らも大概だよなー。隊長、救護班もいないのにそんなに深く切っちゃってまぁ。すでに貧血っぽいけどあと一手順あるから頑張って」

苦しみもがいて、自らの血と一番ヶ瀬の血に沈み込み意識を途絶えさせた葛尾を、感情の映らない瞳で見下ろす。妖をここまで苦しめたのは禁術にかかる呪の進行もそうだが、半分は一番ヶ瀬の思い描いた楔が強固で鋭利を極めた、慈悲のひとかけらもない形をしていたからだろう。それはそのまま支配の強さとなり、契約の効果たらしめる。一番ヶ瀬の冷徹さはイチイにとっても好ましいものだった。その好ましさは同族意識や仲間意識と言ったものであり、一番ヶ瀬に対する親しみになるべきものである。だが、残念ながら怨霊であるうちはそのような感情も全て憎しみの陰に隠れてしまうのだった。

「といっても、妖狐さんにしてもらうことはもう無いし、痛いことでもないんだ。照陽ちゃんはそのままで大丈夫」

心配そうに葛尾を介抱している瑠璃に一言そう断りを入れる。そうでもないと彼女のことだ。近づくことさえ、反対されるかもしれない。精も魂も使い果たした葛尾は、回復するまでは少女に庇護されて眠る他、何もできないのだから。

「今使ったナイフで、契約した妖の体の一部を切り取ってそれを身につける。どこでも良いけど、この場合髪とかかな? 一房くらい持っておけばいいと思うよ。これで、契約はおしまい。ご苦労様でした」

ぱんっと手を叩いてイチイは朗らかに笑った。
眼前には箱によってもたらされた惨状が広がっていた。


>>一番ヶ瀬様、瑠璃様、葛尾様、周辺ALL様

2ヶ月前 No.301

白鷺 @keiunuiek☆mQLLuNXADKnU ★Android=hn2HASXm05

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2ヶ月前 No.302

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

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2ヶ月前 No.303

五十鈴 @isuzu0☆LocDP0eky2k ★8dXnLGpsYk_mgE


【 十神 時雨 / 北部地域(北東部) / 北野神社(北野天満宮) 】


 腰を下ろし、自分の両膝に両手をそれぞれ置いて視線を地面に向ける。さてさて、どうしたものか。流されるがまま座ってしまったが此方から切り出す話題がない。どういった意図で座らせたのか、何故膝の上なのか、考えることは沢山あったがどうにも時雨の思考回路がキャパオーバーな訳で考えれば考える程分からなくなる。頭を抱えたい気持ちを抑えて藍からの言葉を待つ。
 すると、頭の上から穏やかな口調で『 俺の武術の稽古、受けてみないか? 』と誘われた。その言葉にぴくりと僅かながら肩が揺れたのが自分でも分かった。今回の大橋での事だろう。如何なる理由があったとしても妖に助けを求め、掠り傷だが傷を負い、果てには動けなくなった自分は彼女に抱きかかえられて逃げてきた。体力的に自信はあるもののそれだけでは駄目だということを知っていた筈なのに見て見ぬ振りをしてこの様だ。情けない。確かに彼女の言う通り、今後の為にもなるし、戦闘能力を少しばかり補えるかもしれない。


「 ……ん。武術の稽古、受けてみようかな。―――時雨さんも、皆と一緒に戦いたいからね。 」


 厚かましいことは承知で、彼女の胸部から腹部にかけて背もたれのように自分の背中をゆっくりと預けながら首を上げて彼女の目を見つめながら受けると答える。そして、にこっと笑って見せる。今の自分では正直言って妖を退治するほどの力は持ち合わせていない。体力負けで死ぬことは目に見えている。それでも何もしないよりかは何かをした方がいい。それも副隊長から武術を習うのだ、簡単ではないといえ受けてみる価値はある。今後の為に背に腹は代えられない。遅かれ早かれ何れ、そうなる運命だったのかもしれないのなら今此処で決断してやる。


>池田藍様、周辺ALL様



【 遅くなり誠に申し訳ありません!! 】

2ヶ月前 No.304

有栖川 @hananomi☆Mwp.W.uiBT6 ★5tuXai74if_sgs

【池田藍/北部地域(北東部)/北野神社(北野天満宮)】
 提案を聞いた時雨が、僅かに身を固くしたのが、接している服越しに感じられた。やはり彼女があまり触れられたくない問題だっただろうか、と一瞬後悔するものの、もう覆水は盆には帰らない。恐らく先ほどの大橋でのやり取りを彼女も思い出しているのだろうという事が、藍にも明らかに見て取れた。

「だよな。今のまま俺に守られっぱなしっての、お前は嫌だろ」

 藍からすればあっけないほどに、時雨は提案を承諾した。やると決めたら一直線、というのも互いの共通点だったか。力を抜いて此方へと身を預け、振り返って笑って見せる時雨は、普段の彼女とそう大差のないように藍には思われた。
 眩しい笑みに対して、微笑み返す。表情筋が固まっているような気もするけれど、とりあえずまだ笑う余力はある。あるというか、戻ってきたというべきか。先ほどよりは、休んだ分だけ、余力が戻ってきている。

 やや軽すぎる気はするものの、彼女の重み(女同士なのだから特にその辺りを取り繕う必要もあるまい)が適度に感覚を強めてくれる所為か、服越しに、あるいは肌が触れているところは直接伝わってくる彼女の体温が、随分心地よいものに感じられる。精神まで温められるような気がして、つい、普段なら心中にしまっておくような言葉まで口にしてしまう事にした。

「例えば明日から稽古を始めるにしても、まず今日、今起きている問題を解決しないといけないわけだ。ただ、正直、またあの鬼と戦うとなると生きて帰れる気がしねぇんだよな」

 普段なら口にする事の無い弱音。それを、藍は口にしていた。周囲に人影はなく、時雨しか聞いていないであろうという事が、藍の箍を緩めていた。
 両腕を身体の前にやり、丁度身体を預けた時雨を抱え込むような体勢になる。互いに直ぐには立てない体勢になってしまったが、周囲に気配もないし、暫く座っていても問題は起きない、と思う事にしよう。

「あの鬼も死ぬ気なさそうだし、勝算がない戦いに挑みたくねぇってのが本音なんだが……どう思うよ、時雨?」

 普段からすれば、大分口調も弱くなってしまっているが、仕方ないのだ。死ぬとわかりきった戦い何てしたくはないけれど、それでも職務上死にに行かないといけないことだってある。普段なら何も言わずに死出の旅としゃれこむのだけれど、今日に限って、ぽろぽろと弱音がこぼれ出ていた。

>>十神時雨、周囲all


【何かと忙しい時期ですし、お気になさらないでくださいませー】
>>五十鈴様

2ヶ月前 No.305

漆黒の冒険者 @andouken ★BxGXTrkAtu_UHY

【弥勒 空:街中】

 人々が行きかう街中に刀を帯びた小柄な少女が周りを見渡してあたふたとしていた。
その手には一通の手紙を持っている少女の名は弥勒空。
京より西方に位置する田舎の小さな道場の娘であるが、空の天賦の才に目を付けた両親により
雪月花に入る事になりようやく街に着いたばかりであった

「わ〜凄い所だ。空こんな所でやっていけるの?ウンウン頑張って妖のいっぱい狩らないと父様母様に顔向けできないの」

 実家を離れて初めて見る街に不安を覚えつつも、自分を鼓舞して奮い立たせようとする空は
手にした紹介状を持って街でひょっとしたら居るかもしれない雪月花の隊員さんを探し始めるも何やら血の匂い何処からともなくす
 その事に何か言い知れぬいやな予感が走るひょっとしてついた早々妖と出くわしたのだろうか
であらばやる事は一つそれは斬る事だ!!

「ちょっとこれって運が回って来た?いきなり大物だったらどうしよう。きっと空がいい子だから」

 性格的な物だろうが血の匂いから人同士の争いを考えず妖怪が出たと意気揚々と大きな瞳を輝かせ
街中を匂いのする方に走りみつかだし血の匂いの元で自身と同じくらいの少女を見つけたのだった



>>照陽 瑠璃、街中周辺all

2ヶ月前 No.306

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★DoaFJQIlTR_YD6

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2ヶ月前 No.307

篝火 @hijirisaya☆zk2IQ04u3Kaf ★iPhone=kjcz3Fi0FV

【イチイ/街中】

カラン、と落ちた血塗れのナイフを拾い上げる。
この危険な禁術は再び一番ヶ瀬が箱に封じない限り、正式な手順を踏めば誰でもいつでも使用可能だ。またすぐに使う必要性がないならば、しまっておくのが良いが、次に出した時には更に呪われた術になっていることだろう。

「何かを従わせるってのは大変だ。家畜でさえこれなんだから、相手が人間となればどうなることやら」

一番ヶ瀬の力が回復するまでナイフを預かることにして外套にしまう。このナイフは術を使用する時だけ物質化するが、この術そのものの概念として霊体でも扱えるのだった。

この後の戦いを案じる瑠璃が今後の動向をうかがう。
照陽氏の末裔。彼女こそ雪月花の切り札にして家畜にされた少女。
だが、雪月花は彼女の扱いを間違えている。彼女はもっと危険な存在だ。首輪もつけずに放していていいものではない。

「敵勢力の一つを手中に収められたのは思わぬ幸運だったわけだけど、隊長もその使い魔もこの有様だ。お兄さんも戦闘要員じゃないし、前線に飛び込んだところで足手まといかなぁ」

この有様を作り出した張本人だが、悪びれもせずにがしり、と瑠璃肩をホールドし直す。もちろんこちらからは触れられないが、黒く巨大な図体の視覚的な圧力は十分である。

「で、せっかく逃げてきた照陽ちゃんには悪いんだけど、山に戻ってもらおうか。不安ならお兄さんも付いてっちゃうよ! 何もできないけど!」

極めて明るくそう続けて今にも倒れそうな一番ヶ瀬に視線を移す。
治癒の術をかけられたとしても元どうりになるまでには一日はかかりそうだ。元どおりでなくても剣を振るうのが、仕事人一番ヶ瀬のスタンダードではあるが。

「いいよね、隊長。だってこの騒動は、照陽ちゃんが原因なんだし」

最早確信に変わった推察をここで口に出す。
本当は全てが終わった後に一番ヶ瀬にだけ言っても良かったが、このタイミングを逃すと隊長権限で瑠璃を帰投させるかもしれなかった。
それでも事態を収束させる事は出来るだろうが、かなりの遠回りなる。少なくともイチイが考える通りのシナリオならば。

「見張りが必要なら、お兄さんが見てるしーー、ん?」

薄い笑顔で二人の疑問を置いて行きながら話をまとめようとする最中、誰かがこちらに向かって来るのを発見した。
それは焼けた街にはそぐわない、元気で意欲に満ちた人影だった。


>>一番ヶ瀬様、瑠璃様、葛尾様、弥勒様、周辺ALL様

2ヶ月前 No.308

サムライ @samurai07 ★iPhone=QCAUNJ3bTK

【鞍馬 青蓮/北部地域・小山の頂上】

青蓮は一瞬の出来事に我が目を疑った。八乙女めがけて放った鉄鞠が何者かの手によって弾かれた。しかし、青蓮は驚きもそこそこにバックステップで八乙女から距離を取る。

「ふん、人間の分際で随分と大口を叩くな。算術ができぬだと?最初から人間風情が呼び出した式神など数に数えてはおらぬ。その隣で虫の息な剣士の男と同じ道を辿りたくなければ…」

その時、ハッと青蓮は忍刀を抜いた。ドレスを着た女性のような式神がナイフを片手に迫って来たからだ。しかも、そのナイフは青蓮の忍刀をあっという間に両断した。そして、二撃目はナイフが青蓮の腹部に突き立てられた。

「くっ…馬鹿な…なぜこの式神は拙者の動きについて来れる…?痛い、腹が痛い…なんてな!」

ナイフに刺さっていたのは忍装束の上着だった。どうやら青蓮は忍術のひとつ「空蝉」で式神の攻撃を回避したらしい。一方の本人は珠簾に拘束されている屍御前の前に飛び降りてきた。まるで瞬間移動したかのような素早さである。

「珠簾、よくやった。拙者が交戦している間、ずっと屍御前とやらを足止めしてくれていたことを感謝しよう。」

青蓮は珠簾とすれ違い様に労いの言葉とともに彼女の頭にポンと手を一瞬だけ置いた。青蓮なりの「お疲れ様」という表現だろうか。しかし、青蓮は今度は屍御前に向き直り、珠簾にかけた優しい声音から一転、槍のように鋭い言葉が屍御前に突きつけられた。どうやら八乙女は予想以上の強敵であると見た青蓮は先に本題である屍御前を仲間に引き入れ、月双氏の手土産にする任務を優先することにしたようだ。しかしながらこれは八乙女の力を侮っていた青蓮のミスなのだが。

「屍御前よ!お前は人間に怨みはないのか?今の世を嘆くことはないのか?いい加減ただ存在しているだけではお前の価値は微塵もないぞ。お前は強大な力を持ちながらなぜ人の世に異議を唱え、反抗せぬのだ。もしも人間に復讐心、懐疑心があるのであれば我々と共に来るがいい。歓迎しよう。それともこのまま付和雷同に生きて消え逝くだけの生涯を送るのか?」

最初は力づくではなく説得を試みる青蓮。果たして屍御前はどのような答えを出すのか。そして、青蓮は珠簾の根を切ろうとしている佐和乃を睨みつけてこう吐き捨てる。

「そこな人間。貴様は屍御前を庇うそぶりを見せたが故に今回は見逃そう。だが…次に拙者の邪魔をすれば貴様の首は胴体から離れることになるだろう。」

苦無を右手に握りしめ、動くなと言わんばかりに佐和乃を威圧するのであった。しかし、青蓮も先ほどの八乙女の式神の思わぬ反撃で脇腹が裂けて血が滲んでいる。どうやら空蝉はぎりぎりの発動だったようだ。青蓮は態度には出さないが深傷を負っているのだろう。

>>八乙女様、佐和乃様、珠簾様、屍御前様、周辺ALL


【八乙女様の式神の華麗な攻撃に油断していた青蓮はダメージを受けて一時的に八乙女様から逃げてしまいました。追いかけるかどうかはお任せします。それと何気に珠簾様の頭をポンポンしてますが、これはあくまで労いですので深い意味はありませんので軽く流してください。珠簾様と掛け合いするシーンもほしくて入れただけですので。】

2ヶ月前 No.309

Quetzal @no2banshee☆ylmxxzXWIaEq ★W6VrfzSiuS_AC5

【後樹釜座/街中】

長い長い気の遠くなるような昼寝をして起きてみれば、華の都である京の様子がどうにもこうにもおかしい。

人間の悲鳴やら逃げ惑う姿がそこら中で散見される。人の命が喪われたり、恐怖に怯えることに対しての感情はないに等しい。あるとすれば知らぬ間に踏みつぶされる蟻に向けられる感情。詰まるところ彼らを見る釜座の目には人は蟻と同等の価値、あるいはそれ以下の存在でしか映らない。そんな彼の視線の端に明らかに人ではない異質な存在が写り込んだことによって興味はそちらに向いた。
明治の世には不釣り合いで、時代が遅れに遅れているその落ちぶれた甲冑姿。だがその鎧を着込む人物の眼窩は虚ろで生気を感じることはできない。この世に未練を残した彷徨う武者……俗に言う落ち武者。

「明治の世になってまで未練をタラタラと引きずっているとは情けない。新しい世になったのだ、素直に成仏してこの国の行く末を他界から見ておけば良いものを……」

明治のこの世の中になって今頃に彷徨い始めるなんて寝坊助にもほどがあるだろと思いながらも、それらの行動の行く末を眺めていると腰に携えられた鞘から刃こぼれのした刀がゆらりと抜かれる。首から上がギギギと音を立てるかのように機械的に釜座の方へと振り向く。生者であることがトリガーなのか、目に付いた者全てがトリガーなのかわからないが、一体が釜座目指して歩み始めた。その一体に釣られるようにして複数体の武者達も後に続く。

「人間に妖に見境なく襲いかかるのか?一体全体君らはこの世にどんな未練があるんだい。それとも君ら自体にはなんら未練はなく、誰かの思いに共鳴している哀れな亡者達なのか?」

問いに対する答えは沈黙で以って返される。そもそも返事されることに期待などしていなかったため、独り言の延長線上と割り切って行動を始めることにする。

先陣の一体が構える前に前腕に手刀を叩き込み刀を振り落とす。痛覚などの感覚は彼らにはないようで、刀が落とされると認識するとすぐさま掴みかかってきた。掴みかかろうとする手を受け流し、がら空きになった胴体へ強烈な前蹴りを叩き込む。
くの字になって後方へ吹き飛ぶ武者に巻き込まれるように、後続の武者が倒れこむ。

「寝起きのの運動にはなったから逃げる。では諸君に度と会わないことを祈ろう!」

そう言うや否や、軒先に飛び乗り屋根伝いに戦闘現場から一目散に逃走した。
逃走の最中、数少ない友人の飯綱山葛尾と、見知らぬ顔を複数人見かけ物陰から彼女達の様子を伺うことにした。

>>周辺all様


【遅ればせながら参加させていただきます】

2ヶ月前 No.310

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

【咲花 佐和乃・屍御前/北部地域:小山】

一生懸命に屍御前の足元に絡み付く蔦を切ろうと奮闘していた佐和乃だったが、珠簾によって新たに生み出された蔦によって身動きを封じられた。屍御前は諦めているのかはたまた多少動きを封じられたくらいでは動じないほどの精神を持っているのか落ち着いているが、佐和乃としてはそうしてもいられない。たとえ珠簾からその蔦は猛毒を秘めていると忠告されても、なんとか脱出することはできぬものかともがく。だが一般人である佐和乃が縄脱けなどできるはずもなく、その動きは徒労に終わった。僅かに汗をたたえながらも踏ん張る佐和乃を助けたいのか、先程負傷した卜部を安全圏までずるずる引きずり周りに結界を張っていた芦屋が何か救援できないかと符を手に目を泳がせていた。そんな芦屋の姿に苛立ちを覚えたのか、佐和乃が状況も顧みずに彼に向けてよく通る声を放つ。

「おい小僧、俺は放っておいて構わん!お前は八乙女の援護に回れ!」
「は、はひっ!!」

びくりと肩を揺らしながらバタバタ八乙女の傍へと駆けていく芦屋。彼は明らかに後方支援向きなので若干八乙女の影に隠れる形になるのは見逃してやってほしい。決して怖がっているわけではない……と信じたいところである。
そんな中でも戦況は目まぐるしく変動していた。これまで人間を相手としていたからか余裕を垣間見せていた忍じみた妖━━━━鞍馬青蓮だが、紅葉賀のナイフを食らってしまったらしい。重傷とは言えないものであったが妖に傷を負わせただけでも大したものである。並の術者であれば運よく相性が噛み合ったりしなければ青蓮ほどの妖を相手取ることは極めて難しいことなのだろう。間一髪で回避した青蓮ではあるが、完全に避けきれたというわけではなさそうだ。

「屍、御前……?……それは、姫のこと……?」

そして青蓮から鋭い視線と共に突きつけられた問い。説得を試みようとしている辺り、彼の目的は屍御前を仲間として妖陣営に引き入れることなのだろう。これまで屍御前、とはっきり呼ばれたことのなかった彼女は、始めきょとんと首を傾げていた。その姿はどこからどう見ても戦闘能力を持つようにはとうてい思えない、儚げで消えてしまいそうな危うさを併せ持った姫君である。そんな彼女の様子に危機感を覚えたのか、「姫、そいつの言葉などに耳を貸すな!」と佐和乃が叫ぶ。そこに恐怖は映っておらず、目の前で苦無を構えられても佐和乃は気丈に青蓮を睨み付けていた。

「なんだその屍御前、などという洒落っ気のないあだ名は。姫は姫だろう、勝手に趣味の悪い呼び名で呼んでくれるな」

これでは火に油を注ぎかねないが、もともと咲花佐和乃はそういったことを気にしない性分なので仕方のないことだ。たとえ妖相手でも怯まず臆せず物を言ってのけるのはある意味凄い。術者でも武人でもないのだから尚更である。

「……ねぇ、天狗さん。あなたは姫のことをどれくらい知っているの?」

佐和乃の声を聞いているのかいないのか、それは屍御前以外にはわからないことだ。とにもかくにも屍御前はぱちぱちと瞬きをしてから、何の揺らぎも震えもないしっかりとした声音で青蓮へと問いかけ返した。すぐさま青蓮が天狗であるということを見破ったのは偶然ではないのだろう。屍御前の瞳は真っ直ぐに青蓮、そして珠簾を見据えている。

「たしかに姫は姫の大切なものを奪った人が憎いわ。戦の起こる世が憎いわ。でも、あなたたちは姫のことを何も知らないでしょう。姫が誰なのか、何処の生まれなのか、どうやって死んだのか。あなたたちが求めるのは、姫という存在だけなのでしょう?姫が今この時をどう思っているかなんて、正直どうでも良いのでしょう?」

ぞわり、と。佐和乃の首筋を明らかな悪寒が走った。それほどまでに屍御前のかもし出す空気は禍々しく、この世にあってはならない瘴気に溢れている。ぐずりぐずりと彼女の身体に絡み付いていた蔦が“枯れていく”。屍御前の霊力は怨霊のそれに近い。葛尾に向けて発せられたそれと全く同じ、負の感情を体現したかのような彼女の霊力は常人には辛いものなのだろう。先程まで気丈に青蓮を睨み付けていた佐和乃の顔は青ざめ、ふるふると震えそうな唇はなんとか噛み締めることで止めていた。

「姫は人よ。人だったのよ。それを道具のように使うというなら姫の憎む人たちと同じ。戦を起こし、姫の全てを奪った人たちと同じ」

枯れきった蔦がぼとぼとと地にへたり落ちる。その余波を受けてか、佐和乃を拘束していた蔦も徐々に枯れ始めていた。それなのに佐和乃の顔色は悪くなる一方であり、心なしか息も荒い。瘴気というものは時に生きた人間の害ともなる。佐和乃が息苦しさを感じているのも屍御前の瘴気によるものなのだろう。瘴気に感情が入れば時にそれは様々な形に変化する。単なる霊力の放出と嘗めきれば痛い目を見る程度には。


「━━━━それなら、あなたたちは姫の敵。姫はあなたたちも含めて、“奪う者全てが”憎い」


轟、と屍御前を取り巻くようにしてどす黒い瘴気が勢いよく立ち上る。屍御前の拠点となっていた小山の木々は無事なようだったが、珠簾が張った蔦は根ごと枯れ果て屍御前が率いていた落武者さえ瘴気に耐えきれずに消滅していった。薙刀を手にし、双眸に殺意を映す屍御前は一歩も踏み出していないにも関わらず常人であれば萎縮させるかのような威圧感を漂わせている。

「ひ、姫……!やめろ、このままでは……!」

あまりの瘴気に足を引きずり、ふらつきながらも佐和乃は屍御前に向かって手を伸ばそうとする。このままでは屍御前が取り返しのつかないことになってしまいそうで、情けない話だが佐和乃は恐ろしくなったのである。一度目をかけてしまえば放っておけなくなる性分の佐和乃は人ならざる空気を纏う屍御前を止めたかったのだろう。近くの木に手をつき、胸元を押さえる彼の霞みがかる視界に、しゃらりと揺れる玉飾りの簪が映った。

>>小神殿八乙女様、珠簾様、鞍馬青蓮様、飢々様、周辺all様

【返信が遅れた上に滅茶苦茶長くなってしまって申し訳ないです……!】

2ヶ月前 No.311

漆黒の冒険者 @andouken ★BxGXTrkAtu_UHY

【弥勒 空:街中】


「ねぇねぇ君達のその娘に何してるの?」

 小首をかしげてその場にいる者達に問いかけてみた女の子の肩を極めているモノに笑みを浮かべて見る
だが空の場合笑みと言うのは睨んでいるのと同意であるのだが………その周りを見る
どう言う状況かは分からないが、どうやら妖が一匹とわけの分からないモノが一匹
 物陰から覗いているのもいるよだけどこれも殺っちゃっても問題なしだよねきっと
するりと腰の獲物を抜くと青眼に構えるも笑顔を絶やす事は無かったがジリジリとにじみ寄る

「う〜んとよく分からないけど斬っていいよね?駄目でも斬るけど」

よくは分からないけど良くないモノなのは、なんとなくだが理解できた
そうあれは斬らなきゃ駄目な物だと一足目で最高速に達して距離を縮めると目前で跳躍し
 艶やかな髪の女性の形をした者の脳天めがけて先制攻撃を仕掛けるのであった
無論の事物陰に潜むモノへの警戒もしつつだが、彼が何者だろうと視界に入った男性についてふと考えた





>>一番ヶ瀬様、瑠璃様、葛尾様、イチイさま、周辺ALL様

2ヶ月前 No.312

サムライ @samurai07 ★iPhone=QCAUNJ3bTK

【鞍馬青蓮/北部地域:小山】

「…そうか。残念だ。どうやら投降に応じる気はないということか。…姫か。まあ、ある意味世間知らずな言動はそういうに相応しいがな。」

青蓮は禍々しい霊力に少し顔をしかめるがため息混じりに吐き捨て、さらに佐和乃の反論を皮肉る。そして、珠簾に視線を移して彼女の前に庇うように立ち、こう言った。

「珠簾、ここから先は拙者に任せよ。お主は身を隠すか、守りを固めておるが良い。何、奴が暴走するのはまだまだ想定の範囲内にござる。」

関係ない珠簾を巻き込んですまないという贖罪からか戦場から離れろと伝える青蓮。蔦を枯らされてしまった以上、ここに居続けるのは危険と判断したのだろう。自分のせいで珠簾を死なせるわけにはいかない。青蓮はやはり自分と同じ妖には情が捨てきれないのであろう。

「やれやれ、拙者は現実逃避に付き合うほど暇ではないのでな。だが、あくまでお前が拙者を敵として処理するならばこちらも抵抗させてもらおう。ほら、かかって来るが良い。地獄から這い上がるための蜘蛛の糸を自ら拒否するならそのまま地獄に叩き落としてくれる。」

まるで屍御前を挑発するかのような物言いの青蓮。しかし、なぜか青蓮は2、3歩後ずさりしている。実はこれも青蓮のある策略の内である。果たして屍御前を煽って何をする気なのだろうか。

>>八乙女様、佐和乃様、珠簾様、屍御前様、周辺ALL


【青蓮の作戦のヒントとしましては青蓮の敵は何人いるかを考えれば何を企んでいるかがわかります。果たして、皆様がどう出るか楽しみです】

2ヶ月前 No.313

篝火 @hijirisaya☆zk2IQ04u3Kaf ★iPhone=pG60z8k6ln

【珠簾/北部地域:小山】

鞍馬に労いの言葉をかけられ、珠簾は花の綻ぶように笑む。
鑑賞される存在は愛でられてこそ輝くのだ。
しかしながらその幸せに浸っていられるような状況でもなくなってきている。
毒花である珠簾の蔦すらも枯らすあまりに濃い瘴気。
鞍馬の投げかけた言葉がトリガーになったのだろうか。先ほどまでのひ弱な娘にしか見なかった屍御前は、その名にふさわしい変化を始めていた。周りを取り囲んでいた鎧武者も残らず消失し、護られるものから害をなすものへと羽化してゆく過程。妖である珠簾からすれば、無理して取り繕っていた無意味な装飾が剥がれ、より自然な形になったように見える。
だが、人間にとってはそうではないようで、佐和乃は蒼白な顔でこれを阻止しようとしていた。
事実瘴気に打ち勝つことができればそうしていただろう。今にも倒れ臥す佐和乃の瞳は、尚諦めてはいない。
瘴気に晒されているのは佐和乃だけではない。八乙女もまた、瘴気とこれまでの消耗と戦っていることだろう。霊力をどれほど消費しているのかは珠簾には預かり知らないが、河童の件よりも明らかに八乙女は能力を行使している。苦痛を食い殺すような鬼神の表情は、変化する屍御前と張れるほど禍々しい気を放っていた。

「人で在りたいのね。わたくしは人間で在った事など一度きりも無いから解らないけれど、貴女にとっては意義深い事なのかしら」

人らしさを手放してさえ。
過去にしがみ付く妖は醜い。何故なら妖はそうなる前よりもずっと、妖と化した後のほうが長くなる。今の自分を肯定できない妖は、いずれ人に狩られるか忘れられる運命だ。
瘴気の中心に立つ屍御前に疑問を投げかけながら、そっと身を引く。
鞍馬の指示通りに彼の後方まで退がる。
蔦を根元から枯らされた珠簾は、人間の形に戻ったが、両腕を欠損した状態だ。何も入っていない袖が風に揺られてはたはたと音を立てる。
腕は日光さえ浴びて元気になれば幾らでも再生が効く。しかし、この瘴気の立ち込める空気の中で、栄養素を消費して再生してもまるで意味のないことは悟っていた。

「鞍馬様、あの者は妖の側に身を寄せるようには思えませんが……」

鞍馬の申し出を跳ね除けた屍御前が仲間になる道はないだろう。そう提言しかけたが、鞍馬の不可解な動きに途中で言葉を止める。
じりじりと数歩の後退り。

「……?」

撤退するのだろうか。それほど鞍馬の傷は深くはないはずと見ていたが、目的の達成が難しくなった故の撤退だろうか。
それでは今さっきの挑発は見栄ということになるが……。
戦うことに造詣の深くない花の妖には、この行動の真意を図ることは出来ないのであった。


>>八乙女様、鞍馬様、佐和乃様、屍御前様、周辺ALL様


【遅くなりすいません! 珠簾は戦線離脱します。その場には留まりますが、攻撃を受けたり逃げる指示が来た場合、サクッと逃げ出します】
>>小山の皆様

2ヶ月前 No.314

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★DoaFJQIlTR_YD6

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2ヶ月前 No.315

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

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1ヶ月前 No.316

キープ @keep4603 ★nJ5qCxa7H9_8gk

【飯綱山葛尾 / 街中】

 ズキリと脳髄に刺し込む頭痛に、葛尾の意識は揺り起こされた。血の味と熱気がまだ口の中、そして喉の奥にまで感じられる。呪術をやり切ったという達成感はほとんどなく、全身を気怠い疲労感が包んでいた。願うならば一週間ほど泥のように眠りたい。自分の中に一番ケ瀬の霊力が混じっているのが体感でわかる。それが決して好意的なものでないことも。彼のさじ加減で自分の運命はいともたやすくねじ曲がってしまう。まさに生殺与奪を握られたのだ。人を滅ぼすことに我が命を賭すと決めた葛尾にとって、これ以上の屈辱はない。生き永らえるとはいえ人の、それも敵対する雪月花の下僕となり果てた現実がギリギリと葛尾の胸を締め付けていた。その時、自分の頭が何か柔らかいものに乗っかっていることに気づく。まだ霞がかる視界に目を凝らすと、こちらを心配そうに見つめる瑠璃の顔があった。

「……瑠璃ちゃん」

 最初は自分も『照陽の末裔』としか彼女を見ていなかった。彼女の心中に入り、彼女をうまく操れば雪月花を内部から崩すことができる。いやそれ以上に、この国に対しても大きな打撃を与えることができると。その小さな体で自身に降り注いだ運命に必死に抗い、雪月花の人間にすら心を開かない強情な性格。孤独に自ら身を置く癖に愛に飢える姿は葛尾にとってカモにしか見えなかった。
 だが彼女は、自らの身が汚れることを厭わずこうして葛尾を介抱してくれた。本当に、本当に優しい子。人間は嫌いだ。その浅ましい姿を今までうんざりするほど見てきた。それでも────。


 思考はすぐさま掻き消された。小山から吹きすさぶ濃密な瘴気が眼下の街中にまで入り込んできた。屍の姫君のものだろう。しかし、量も質も自分に向けられたものより段違いに強くなっている。葛尾は瑠璃に体を支えてもらうように起き上がり、主人である一番ケ瀬に視線を向けた。

「主(ぬし)様よ、瑠璃ちゃん連れて早よあの山に行った方がえぇで。元凶たる屍の姫君、あれはこの地で死んだ女子供の残留思念が集まったもんや。人でも妖怪でも霊魂でもない。この京の霊脈が照陽と月双、二つの相反する莫大な霊力によって乱されて出来上がったもんやろなぁ。最初の内は『生きていたい』ゆう想いで行動してたから大したことはなかったけど、今あの子に宿る何千何万の魂に刻まれた怨恨が浮かび上がっている。塵も積もれば何とやら、平将門公にも匹敵する怨霊に成り果ててる」

 奇しくも全く同じ助言を自分の真後ろに佇むイチイがしているのだが、霊力の低い葛尾にはその存在を感知することはできなかった。このままあの屍姫に暴れさせれば京都のみならずこの日ノ本を襲う厄災になるだろう。人間がいくら死のうが勝手だが、絶滅の瞬間を見る前に自分が死んでしまっては意味がない。この目で見てみたいのだ。人の世の終わりを。この手で成し遂げたいのだ。人間の駆逐を。

『ねぇねぇ君達のその娘に何してるの?』

 高くあどけない声が辺りに響く。焼け落ちる街並みの中、まるで遊び相手を見つけたような場違いな声色に視線を向けるとまだ幼さの残る少女が腰から刀をスラリと抜いたところだった。瞬間、葛尾の背中を走る悪寒。死線を渡ってきた者にしかわからないこの感覚。あの少女は、今から自分を斬ろうとしている。童が戯れに虫の羽を手折るように、無邪気に純粋に他者を殺める幼心特有の狂気。一難去ってまた一難とはこのことだ。縮地にも似た常人ならざる脚運びで距離を詰めると、少女は高々と刀を振り上げる。小さな体躯からは想像もできない腰の入った唐竹割、アレを喰らえばまず命はない。いかに逃げるか、どう防ぐか。生き残る術を濃縮された時の中で考える葛尾の頭に、ふと小さな声が響く。


────おかあちゃん


 気づけば葛尾は真後ろにいた瑠璃を力いっぱい突き飛ばしていた。向けられた凶刃は自分に向かっている。その延長線上にいる彼女にも被害が及ぶのではないか。そんな思考を挟む余地はどこにもなかった。ただ体が動いていた。妖からも獣からも人からも侮蔑され軽蔑されてきた自分に、ほんの細やかな優しさをくれたこの少女を助けたい一心で。千年も前、すでに面影すら思い出せないほど記憶の奥底に眠っていた我が子の声を聴いて。迫る殺気に本日何度目かの死を想う。いかに手を尽くそうとも死神からは逃れられないのか。こちらに向けられた盟友である後樹釜座の視線に気づくこともなく、葛尾は最期の瞬間を覚悟した。


>>一番ケ瀬勹様 イチイ様 照陽 瑠璃様 弥勒 空様 後樹釜座様 周辺ALL



【や、やっと返信できた……大変遅れてしまい申し訳ございません。リアルの方でゴタゴタしておりました。GWに入りますとまた忙しくなり、返信が滞るかもしれませんので予めお詫び申し上げておきます。それと釜座さんの扱いが無理くりになってしまってそこも重ね重ね申し訳なく思っております】

1ヶ月前 No.317

サムライ @samurai07 ★iPhone=QCAUNJ3bTK

【鞍馬青蓮/北部地域:小山→???】

「ちっ、まさかあの八乙女という術者…撤退を選ぶとは…腰抜けめ。」

青蓮は懐の芭蕉扇から手を離した。どうやら芭蕉扇の力で八乙女と屍御前を纏めて竜巻に巻き込み、一網打尽にする策を練っていたのだが、八乙女が撤退したことは青蓮にとっては想定外であった。珠簾から以前聞いた河童を殺さなかったことも含め、八乙女という術者は青蓮にはこの上なくイレギュラーに見えている。

「仕方ない…ならばせめて屍御前だけでも…」

だが、まさかの屍御前もおそらく八乙女に連れて行かれた人間を追って青蓮を無視して八乙女を追っていった。ますます異例の事態である。青蓮もさすがに理解が追いつかない。

(まずいな…珠簾に逃げろと伝えたが、このまま下山すればおそらく八乙女なる術者と屍御前の戦闘に巻き込まれる可能性がある…しかし、このままぼんやりしているわけにもいかない…葛尾殿も釜座殿にも頼れぬ今、手ぶらで帰れば月双氏側の完全敗北だ。依頼された手前、せめて屍御前の死体くらいは持ち帰らねば…待てよ…?)

青蓮はハッと閃いた。賭けのような方法だが、成功すれば珠簾を無事に逃がせるうえ、屍御前か八乙女のどちらかならば始末できる。まず、青蓮は腰に差した竹筒を抜き、蓋を開ける。どうやらこれは水筒のようだ。青蓮は次に自分の頭を覆う頭巾を脱いで、頭巾に水筒の水をかけて濡らす。それを珠簾の頭に巻いてあげた。

「すまぬな。拙者の采配がうまく行かなかったが故にお主は腕が使えぬようになってしまった。応急処置であるが、水を含んだ頭巾で何とか頭だけでも湿らせてみたがどうだろうか?それにお主はその格好は目立つ。屍御前や八乙女なる術者の式神の標的になるかもしれぬからとりあえず頭巾を被り、茂みに隠れて下山するが良い。顔だけでも隠して後は身を屈めて山道を動けば幾分か安全であろう。」

まずは珠簾に湿らせた頭巾を被せてそのまま隠密に下山すれば逃げられるとアドバイスを送った。とりあえずこれで何とか珠簾が戦いに巻き込まれる可能性は下がったはずだ。青蓮はそう考えていた。そして、今度は青蓮は落武者から奪った火縄銃を手に取り、山の茂みに歩き出した。

「拙者は屍御前と八乙女なる術者の戦いを見守ることにする。ただし、ただ傍観するだけではない。この戦いはどちらかが必ず瀕死となるに違いない。青蓮はこの火縄銃でどちらか弱った方を射殺しようと思っておるのだ。屍御前が死ねばその死体は我が陣営の貴重な資源となるだろう。八乙女が死ねば妖にあだなす術者が1人減ることになる。どっちに転がってても拙者の得になろう。最悪の展開は八乙女と屍御前が和解し、結託して拙者に向かってくるというのだが、それはまずあり得ないだろう。では、拙者は2人を追おう。珠簾、気をつけて下山するのだぞ?死んだら…拙者はきっと後悔する。」

それだけ背中越しに言い残し、小山の茂みをかき分けて入っていく青蓮。これが青蓮の最後のチャンスであり、この機を逃すわけにはいかない…そんな気迫を漂わせていた。

>>八乙女様、佐和乃様、珠簾様、屍御前様、周辺ALL


【青蓮の企みは八乙女様の撤退により失敗でした。しかし、彼は諦めずに2人を狙撃しようと狙っています。さあ、青蓮の考える最悪の展開は起こるかな?それと珠簾様には濡らした頭巾を被せて身を隠しつつ逃走を促しましたが、もし、青蓮の今後が気になるようでしたら後をつけても構いません。もちろんそのまま下山でもOKです。しかし、青蓮は相変わらず珠簾様を甘やかしてしまってますね(苦笑)】

1ヶ月前 No.318

Quetzal @no2banshee☆ylmxxzXWIaEq ★di9k3NzpGl_AC5

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1ヶ月前 No.319

漆黒の冒険者 @andouken ★BxGXTrkAtu_UHY

【弥勒 空:街中】

街中で見つけた集団に声をかけた空は、その中から妖怪を臭わせた相手との距離を一瞬で詰め
相手を抹殺する手目の一撃を放つ躱すそれとも受け止めるのか妖力を使ってくるのか
少し楽しみに思っていたが、意外にも女は少女を突き飛ばす
 振り上げられた太刀が振り下ろされる間の僅かな時間で最後に行った行為につまらなさを感じそのまま振り下ろそすも
放物線を描く様に飛んできた瓦とそして老人………?いったいなのつもりだろうと一考するも老人は身の上話をした上で酒を奢ってくれと言う

「え?お酒?おじいちゃんお酒が欲しいの?空はお酒なんか持っていないしお金あったかな〜ちょっと待っててね」

 少しあっけにとられるも太刀を目の前の女の手間に振りろすと慌てて自分の懐の財布を探し始めた空
もちろん持ち合わせがあれば奢ってあげようろ思っていたが、何やら嫌な感じがした。
クンクンと匂いを嗅ぐと嫌な臭いがするそれは実際に匂うと言う元はべつの直覚的な何かだったそれを感じて財布を探すのを止める

「ねぇ〜おじいちゃん?どこに急いでいるの?お酒はいらないのかな?」

 先ほどまで目を丸くして財布を探していた少女はもうそこには居なかった。
今此処に居るのは振り下ろしていた一刀に加えて背中のもう一刀も抜き放った一人の剣客だった
ニッコリと微笑みながらも、先程まで親しみを持っていた老人を見据えて言い放つ

「ねぇ〜知ってるここって………通行止めなんだよおじいちゃん。一応聞くけどソイツを助けようとしていないよね?と言うか貴方って人間?」

 空は老人に問いかける言葉こそまだ確認をしようとしているが、その眼光には確かな殺気がこもっていた




>>一番ヶ瀬様、瑠璃様、葛尾様、イチイさま、後樹釜座さま、周辺ALL様

1ヶ月前 No.320

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

【照陽 瑠璃/街中】

ずしり、と。再びあのローブの男に肩を掴まれたのか、瑠璃の肩に不自然な重みが乗った。先程穹と名乗った術者の男に触れられたからか、金縛りのような状態に陥ることはなかったが、やはり悪寒やうすら寒さは避けられないもので、瑠璃の肌に鳥肌が走った。……というのも、ローブの男が放つ空気だけが彼女をそうさせた訳ではない。

「私の、せい……?」

小山で出会った、打掛姿の妖のような、されど幽霊のような落武者を率いる女。あれが起こした騒動は、ローブの男いわく瑠璃が原因なのだという。何故。どうして私が。そんな疑問が瑠璃の脳裏を駆け巡り、知らず知らずのうちに声音も弱々しいものとなっていた。いくら気丈に振る舞おうとしていても、瑠璃は所詮齢15の少女なのである。彼女の精神は年相応に脆く、外部からの影響を受けやすい。それゆえに、瑠璃は信じられなかったし信じたくなかったのだ。“自分のせいで無辜の民が血を流す事態に陥った”などとは。
そうしていると、瑠璃が膝枕をしている形になっていた葛尾が意識を取り戻したようで、かすれた声で瑠璃の名前を呼んだ。ローブの男が告げた言葉により精神的にも弱っていた瑠璃に、葛尾のその言葉は彼女が思っていたよりも響いたことだろう。良かった。生きていた。葛尾はまだ、生きている。それが瑠璃の精神を不思議なことに支えてしまった。

「……照陽と、月双の霊力が……」

そして葛尾により小山へ行った方が良いと促され、瑠璃は譫言のように彼女の言葉を反芻する。つまり、強大な霊力2つがぶつかったことで何らかの異常事態に陥り、結果として屍御前が顕現したというわけか。それなら自分を拐ったのもうなずける、と瑠璃は一人で勝手に納得したが恐らくその推測は間違っていることだろう。瑠璃は決して馬鹿というわけではないが変にものを考えすぎてしまう節があった。
小山へ行くか行くまいか。葛尾やローブの男が言う限りでは瑠璃は必ず其処へと向かわなければならないのだろう。それは彼女とてよくよくわかっていた。しかしまたあの幽霊のような女と対さなければならない恐怖が瑠璃の胸中に沸き上がったのだ。あいつとまた顔を合わせて、果たして無事でいられるのか。というか置き去りにしてしまった芦屋はどうなっているのか。様々な不安要素が瑠璃の脳裏を埋め尽くすかと思われたが、それは急に瑠璃の体が揺らいだことで止められる。嗚呼、葛尾さんに突き飛ばされたのだと瑠璃が理解するのと、葛尾に向かって刃が振り下ろされようとするのがほぼ同時だった。葛尾を仕留めんとするのはまだ年端もゆかぬ瑠璃と同じくらいの年頃の少女である。間一髪といったところで何処からか瓦が放物線を描いて飛んできた。物陰から現れたのは何処と無くただ者とは思えぬ雰囲気を身に纏う初老の男。あの口振りからすれば葛尾の知り合いか何かなのだろうか。そうだとすれば彼は妖か、もしくは妖と密接に関係する人間ということになる。そんな男にも少女は純粋な殺意を向ける。このままではいけない。突き飛ばされたことで体勢が崩れたままだったが、瑠璃はがばりと顔を上げて、今出すことのできるありったけの声で誰に向けるでもなく叫ぶ。


「━━━━止めなさいッ!!」


それは決して比喩ではなく、瑠璃の声はたしかな衝撃波となってびりびりとその場の空気を震わせた。霊力を感じやすい者ならわずかに熱も感じたことだろう。もちろん瑠璃にそのつもりはないし、今はこの状況を止めようと必死なのである。周りのことにまで気を配ってなどいられなかった。

「そちらの方は、政府の組織に恭順の意を示しました。あなたと彼女の間に何があったのかは知りませんが、今彼女を傷付けることはすなわち政府の人間を傷付けることに相違ありません。あなたは逆賊の汚名を着てまで、この方を殺めたいのですか」

よろよろと立ち上がりながら、瑠璃は自分と年の変わらなそうな少女の殺気に負けぬようにと彼女をきつく睨み付ける。瑠璃が知らず知らずのうちに霊力を放出しているからか、その視線すら相手を射抜いてしまいそうな凄みをかもし出している。これ以上此方の意に反する行動を取ったのなら突き刺してやろうか、そんな雰囲気すらたたえた眼光は只人のそれには程遠い。

「それに、今は見ての通りの異常事態です。そちらの方もですが、此処を歩いていては危険が過ぎます。落武者たちの討伐に来たと言うのなら、先ずはそちらを優先すべきではありませんか。このようなところで争っている暇があるのなら、発生源たる小山に向かった方が明らかに効率的でしょう」

次いで、初老の男へも目線を走らせてから、瑠璃は声音の棘を僅かに緩める。とにかく今は落武者たちの鎮圧が最優先事項なのだ。個人の因縁など気にしてはいられない。瑠璃としてはこの一件を早急に済ませて、行きたくはないが小山へと向かいたかった。

>>一番ケ瀬勹様、イチイ様、飯綱山葛尾様、弥勒空様、後樹釜座様、周辺all様

【返信が大幅に遅れてしまって誠に申し訳ございません……!拾いきれていないところも多々あるかと思いますがご容赦くださいませ……!】

1ヶ月前 No.321

五十鈴 @isuzu0☆LocDP0eky2k ★8dXnLGpsYk_mgE


【 十神 時雨 / 北部地域(北東部) / 北野神社(北野天満宮) 】


 彼女の提案に反応したのは接する服越しとして感じられてしまったのであろう。よく痛い所を突いたな、と内心溜息を吐きたいのは山々なのだが彼女の提案は最もである。弱い自分とも少しはおさらばできるし、限界も感じていた。だが、それよりも護られるだけはもうごめんだ。
 にっこり明るい笑みを向けながら答えを出すと、微笑み返されながらやっぱり思っていたことを口にされる。全く、何処まで読んでるのか素なのか分からなくなる。


「 ―――これで、少しでも藍ちゃんの負荷が無くなるといいんだけどね……。 」


 くるっと彼女の目から直ると背もたれと言う名の胸部と腹部に凭れ掛かりながら視線を膝に向けてぽつりと呟く。自分の両手を膝に置いて両指を絡ませる。承諾したのはいいが若干ながらの不安は残る訳で、それは表しなのだ。この選択がどのような結果をもたらそうとも自分が決断したことなので精一杯取り組むだけだ。結果はその次に考えよう。そうは思っても拭いきれない気持ちなので弱音のように聞こえてしまうだろう。

 珍しく弱音を吐く彼女の言葉に視線はまだ膝に向いているため、しっかり耳を立てて相槌を打ちもせず神妙に聞く。確かにあの鬼に勝てる見込みは現在持ち合わせていない。それもそうだ。あんなデカくて幾つも口があって攻撃してくるのでなかなか近距離まで詰めるのは難しいだろう。生きて帰れる気がしない、なんて此処まで弱った彼女を見たのは初めてかもしれない。
 ふいに背中に少しの重みを感じてちらりと視線だけ寄越すと後ろから抱え込まれた体勢になっている。これでは身動きが取れないではないか、とかけたい言葉を喉の奥に仕舞い代わりにあははっ、と小さく笑う。


「 ちょっとどーしたの? 藍ちゃんらしくないよー? ……まぁ、正直なところ時雨さんも勝算のない戦いを挑むのは無謀だし、挟み撃ちとか子供っぽい考え方じゃ駄目だね。最悪死だよ。だからと言って背を向けたくないし逃げたくもない。 」


 こんなしんみりしている彼女に笑うのは失礼かもしれないが珍しい光景のため笑わずにはいられなかった。穏やかに、でもしっかりとした声量で考えを述べる。そして最後に「 答えになってないかもしれないけど、今は力をつけるだけ、かな。 」と微笑んで見せる。次にあの鬼と出会うまで力をつけるのみだ。それまで残された猶予の中、どれだけ自分たちが強くなれるかだ。あの鬼と対等に戦える技術と体力、そして頭脳を。


>池田藍様、周辺ALL様



【 およそ3週間ぶりのロルになってしまい、ご迷惑をおかけして本当に申し訳ありません……!! 】

1ヶ月前 No.322

篝火 @hijirisaya☆zk2IQ04u3Kaf ★iPhone=Iqb7dq356X

【珠簾/北部地域:小山→小山の梺】

ひやりと濡れた頭巾を巻かれ、珠簾の消耗はゆるやかになった。
逃げ方のアドバイスと、今後の行動指針を告げて命の恩人は茂みを掻き分けて消えて行った。
役目に囚われた妖は難儀なものだと改めて感じる。自分は気楽に自由でいたいと珠簾はそう思う。……思うのだが。

「有難う御座います、鞍馬青蓮様。わたくし、生命力だけが取り柄の妖ですもの。生き延びるわ。どうか貴方様にも御武運を」

鞍馬を憐れんだり嘲笑う気持ちなど微塵も湧いてこない。むしろ珠簾の中には敬愛の念が芽吹いていた。生き方を異にする、鞍馬と珠簾。それは交わることも、真に互いを理解することも恐らく永久にないだろう。だがだからこそ、珠簾は鞍馬を尊敬に値すると感じた。
始めて自分でないもののために祈りを捧げる。妖にあるまじき奇異な感情と分かっていたが、そうしたい気分だった。

「さて皆さま。わたくし、命が惜しいわ。貴女の憎悪も苦痛も解りませんが、貴女がこの地を荒廃せしめるなら離れるまで。わたくしは根無し草ですもの。さよなら」

数刻前に人として憐れみをかけて来た少女にそう告げる。妖としての本性を振りかざしている今の屍御前に、挨拶など届くかも解らないが、珠簾のなりの礼儀であった。
踵を返し、倒れた樹々の合間を軽やかに駆け抜ける。
ざざざ、と夜風が珠簾の髪を揺らした。
弱体化しているのか、少女が自分の周りに力を集めているせいか、雪月花隊員の頑張りだろうか、理由はいずれにせよ武者の亡霊と鉢合わせすることもなく、戦場は遥か後方へ流れ去った。

「はぁ……はぁ……、……あれ」

水分を吸いきって、乾いた頭巾をするりと外した。
梺の空気は暖かく湿り、優しく珠簾を包み込む。

「月が出ていたのね」

見上げた夜空は澄んでおり、忘れ去られていた月が煌々と光を放っていた。
珠簾は小さく口の中で昔屋敷で聞いたわらべ歌を口ずさみ、空の袖を揺らしながら独り歩き出した。


>>鞍馬様、八乙女様、佐和乃様、屍御前様、周辺ALL様



【大変お待たせしてしまってすいません! これにて珠簾戦線離脱となります。絡んで頂いた方、最後まで面倒見ていただいた鞍馬さん、ありがとうございます。確ロルじみましたが、鞍馬さんのアドバイスのお陰で梺までは無事逃げおおせたということにしました。すいません。この後寝ぐらに帰ります。根無し草とかいってますが、本筋が解決すれば多分出て行かずに止まると思います】

1ヶ月前 No.323

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★DoaFJQIlTR_LoN

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1ヶ月前 No.324

篝火 @hijirisaya☆zk2IQ04u3Kaf ★iPhone=vg1lojmikU

【イチイ/街中】

起きざまに葛尾の口にした警告は、イチイの見解と合致していた。
妖力は貧弱といえど、古孤は古狐。知恵もあれば知識もある。取るに足らないと半ば下に見ていたイチイに、葛尾への関心が初めて横切った。
それが憎悪に変わる前に、硬質な音が響き渡って思考が中断された。
鋭く斬りかかった少女の刀に、中空から投擲された瓦が打ち付けられる音だった。
普通に生きていたら聞くはずのない音。妖怪退治を生業としていた普通ならざる怨霊にすら、こんな事態初めてである。
こちらへと駆けてくる老人の脚力は、老人らしからぬ強靭さで距離をぐいぐいと詰めて来た。それに応戦する構えを少女がとった、その刹那。

「━━━━止めなさいッ!!」

突き飛ばされて転がっていた照陽が叫んだ。
しかしそれを言葉として認識する前に、波状の衝撃がイチイを襲った。
肉体のあるものですら、その言葉に魂を揺さぶられ僅かな放心状態に陥る。
肉体のない悪霊はその衝撃波を直撃で受けるしかない。その暴力的な影響力は剥き出しの魂にとって、爆発に巻き込まれたようなもの。

「うわ……っ!」

悲鳴をあげるより更に早く、四肢が首が胴体が千切れ飛び、その半分近くが消失する。
痛みはない、血が吹き出ることも、千切れた霊体が無様に地面に転がる事もない。
ただショッキングな光景に死んだ人形の目を丸くするだけである。

「ひぇえ……おっかなぁ〜!」

右半分が削り取られた舌で冗談めかして言う。
霊体の致命的な破損。
並みの幽霊ならば一瞬で完膚なきまでに浄化され、この世からもあの世からも永久に無くなってしまっていただろう。
イチイとて、箱の呪いがなければ同じ運命だ。
少女らを叱咤する照陽はまだこちらに気がついていないが、どうしたものか。
霊体を修復するためには箱に一度戻らなくてはならない。だがそうすると一番ヶ瀬以外との会話ができなくなる。

(せっかく面白くなって来たところだし……。んー、どうすっか……)

怒りの中で敵に立ち向かう恐怖を捩伏せつつある照陽を、観察しつつ思案した。
ぷかぷかと中空に人体の破片が浮かぶ光景を見ることができるのが、ごくごく限られた者だけというのが、不幸中の幸いであろう。

「うん、そうだね。そうとなれば、山に急ごう。亡者たちにはもう一度、霊力で荒らされ暴かれた墓にお帰りいただかなくちゃ」

ややあって照陽の言葉に同意する。
それはそれは見事なブーメラン発言だった。


>>瑠璃様、葛尾様、一番ヶ瀬様、弥勒様、釜座様、周辺ALL様

1ヶ月前 No.325

漆黒の冒険者 @andouken ★BxGXTrkAtu_UHY

【弥勒 空:街中】

 女を庇おうとする老人の前に立ちはだかる空だったがそんな空を止めたのは
さきほど女に突き飛ばされた少女だった「━━━━止めなさいッ!!」その言葉にビックと反応する空
少女を気配から人間と察知した空は構えをわずかに緩めてその声に耳を傾ける
恭順の意思を示しただの随分と小難しい話が出て来てくるが、一つだけ分かった事があった
落ち武者たち………たちつまり落ち武者は一体ではなく沢山いるって事だよね

「別にそう言うのは何もないけど………それより小山か〜」

 最初にとめられた際にチェと不満を顔に出していたが話を聞くたびにパッと表情を明るさせていく
小山には落ち武者がいっぱいいてそれが、狩り放題と理解して心が躍り出す

「まぁソイツのとどめが刺せないのは心底残念だけどその落ち武者は皆殺しでだいいの?それと空は弥勒空って言うの」

 いったん目の前の獲物については待てを受けるが、小山の方は狩りつくしてもいいのと満面の笑みを浮かべて少女に問う
標的が変わると新しい標的に闘志を燃やしだし居ても立っても居られない感じをにじませる空




>>一番ヶ瀬様、瑠璃様、葛尾様、イチイさま、後樹釜座さま、周辺ALL様

1ヶ月前 No.326

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

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1ヶ月前 No.327

サムライ @samurai07 ★iPhone=QCAUNJ3bTK

【鞍馬青蓮/北部地域:小山】

火縄銃を片手に茂みを掻き分けて進む青蓮。すると背の低い木の陰から見えるのは八乙女と屍御前であった。

(ついに見つけた…もう失敗は許されない。あの2人のどちらかを撃ち抜かなければ拙者の任務は何も得られずに失敗となってしまう…)

青蓮は音もなくするりと忍装束の上を脱ぎ、上半身裸になるとその上着を頭から被り、夜の暗闇と同化する。茂みの中に隠れているうえ、隠形の術を使っているため、よほど目が良くないと見破れないだろう。あるいは妖力に敏感で探知ができる者にも警戒しなくてはいけないが、青蓮の目の前にいる両人にはそんな力はないと見ている。装束の袖から火縄銃の銃口を向ける青蓮。弱った方を撃ち殺す…もうそれしか方法がないのだ。しかし、その時、霊力を纏った衝撃波のようなものが小山に吹き荒れた。

(むっ!?何だこの熱は…!?何者かはわからないが、さぞかしの術の使い手であろう。人間か妖かはわかりかねるが…)

これは霊力により熱風に吹かれた感覚に陥った青蓮だが、すぐに持ち直して狙いを定める。その照準は現時点では屍御前を狙っていた。

>>屍御前様、佐和乃様、八乙女様、(瑠璃様)、周辺ALL


【珠簾様が無事に撤退できたようで良かったです。さて、珠簾様のケアも終わって青蓮は自分の任務に集中します。今は茂みに隠れて狙撃の機会を狙っています。あと2〜3スレくらい進めばどちらかに発砲する予定なのでそれまでに見つかるか…不発に終わるか…あるいは銃撃が成功するのか…ドキドキしています】

1ヶ月前 No.328

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★DoaFJQIlTR_LoN

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1ヶ月前 No.329

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

【咲花 佐和乃・屍御前/北部地域:小山→街中】

自分で無理矢理に入れ直したからか佐和乃の片腕はまだ痺れるような痛みを伴っていたが、彼の思考は痛覚になど構っていられなかった。見てしまったのだ。自分を助けるために、自らの身体を犠牲にする八乙女の姿を。何もできない無力な民を守るためだけに血を吐き、満身創痍になった娘を誰が放っておけようか。佐和乃は決して知り合った人間を見捨てようとはしない。だが知り合った人間がこれまた別の知り合った人間を傷付けたというのなら、佐和乃は傷つけられた人間を優先する。それゆえに佐和乃は視線を屍御前から八乙女へと移した。屍御前を止めることをやめ、八乙女と共にこの小山を脱出することを選んだのだ。

「さくら、なんで……どうして行ってしまうの、さくら!」

瑠璃のものによる霊力の波動をモロに食らったことで少しの間動けずにいた屍御前が悲痛な叫びを上げながら佐和乃たちの駆けていった方向に向けて真っ黒く染まった手を伸ばす。彼女はもはや自分に照準を定める青蓮のことなど脳裏に掠めもしていない。それほど佐和乃を行かせまいと必死だったのだ。しかし八乙女の臓器を糧とした式神たちに彼女の手が届くことはなかった。佐和乃の耳にも屍御前のすすり泣く声は聞こえたが、目の前にいる血濡れの八乙女を見てしまったからには屍御前の傍にいてやることはできない。ぐっと意識が遠退かないように心掛けながら、街中に戻るまでの間佐和乃は己が葛藤に耐えた。本当に姫を置いてきて良かったのか、と責め立てる声が己の内から聞こえる。しかしそれを佐和乃はことごとく無視した。民を守ろうとする八乙女と民を傷付けようとする屍御前なら、佐和乃は間違いなく前者を選ぶ。
さて、無事に街中へと戻ることができた佐和乃たちだったが、さすがに限界が来たのか八乙女の身体は地面に倒れ、彼女の式神たちも掻き消えた。佐和乃は慌てて八乙女の身体を支えようとするが間に合わず、倒れた八乙女の傍に跪くことが精一杯である。青い顔をしているのに、指先は震えているのに、笑顔だけは消すことのない八乙女を見て、佐和乃は年甲斐もなくぼろぼろと涙を流しながら彼女の言葉を遮るように叫ぶ。

「もう、もう良い。もう喋るな八乙女。見送りはいらない、俺は歩ける。だからもう、そんな顔をするな。お前目を、目だけを開けていれば良い」

そう言うなり、佐和乃は脱臼しなかった方の腕を軸にして八乙女を抱き上げる。肩の痛みなんてどうこう言ってはいられない。八乙女を横抱きにしながら佐和乃は街中を駆ける。何処でも良い、誰でも良い。腕の中にいるぼろぼろの少女を救うことのできる者がいるというのなら佐和乃はそれが誰であろうと頼りたかった。すがりたかった。自分には何もできないのが、酷くもどかしかった。


「━━━━助けてくれ」


だからこそ、街中を走りに走ってやっと見つけた人影に佐和乃は助けを求めた。彼らが味方なのか、そもそも八乙女を救う手立てを持っているのかはわからない。しかしこの時、無力な民である咲花佐和乃が頼ることができるのは、目の前にいる人物たちだけに他ならなかったのだ。

>>小神殿八乙女様、鞍馬青蓮様、周辺all様


【照陽 瑠璃/街中】

ひとまず先程まで殺気を漂わせていた少女が此方から狙いを外したのに瑠璃は安堵する。久しぶりに大きな声を腹から出したせいか息が苦しい。ぜぇぜぇと肩で息をしながらふとあのローブの男はどうしたのだろうかと彼の声がした方向へと視線を向けてみれば、なんと彼は何があったのか瑠璃にはわからなかったが右半身が何処かに行ってしまっていた。血が出ていないとはいっても衝撃的な光景に変わりはなく、瑠璃はそっと彼から視線を外した。要するに見なかったことにしたのである。

「そうですね、落武者を倒すというのなら好きなだけ倒してくださると助かります。ですが落武者の首魁の姫君みたいな女は殺さないでくださいね。恐らく此方で尋問をしなくてはなりませんから」

落武者を目一杯斬ることができる、と聞いてぱっと瞳を輝かせる少女に瑠璃は淡々と答える。あえて屍御前を殺さないように言ったのはやはり彼女の目的を探るためである。問答無用で殺めるよりも、目的や思想、そして彼女の正体を理解してからの方が利益は大きい。それに雪月花としても妖の情報を得ることは重要だと考えた結果だった。少しでも雪月花に貢献すれば待遇もよろしくなるのではないか、なんて腹の中で思案していた瑠璃だったのだが、その思考はすぐに彼方へと飛ばされる。


「━━━━助けてくれ」


酷く掠れた、弱々しい声。それを耳にするや否や、瑠璃は躊躇いもせずにそちらを振り返った。其処にいたのは二人の年若い人物。一人は男物の着物を着てはいるが、ぱっと見て性別を断定することのできないほど整った顔立ちをした若者だった。もう一人はそんな若者に横抱きにされた娘。身体中傷だらけで口から胸元にかけて赤黒い染みが広がっている。恐らく吐血したものなのだろうと瑠璃は推測した。二人とも着物を土に汚し、ほうほうの体といった様子である。娘を抱き抱えている若者は意識がしっかりとしているようで、大粒の涙を流しながら此方に助けを求めるような表情で瑠璃たちを見ていた。

「……何が、あったんですか。一体、何が」

からからに乾いた口内から絞り出したのは、自分のものにしてはやけにか細い声だった。瑠璃はどうしても震えてしまう自分の唇を噛みながら、おもむろに二人へと近づく。若者━━━━咲花佐和乃はがくりと膝をついて、それでも視線は瑠璃に向ける。涙で濡れそぼった瞳に射抜かれ、瑠璃の喉がひゅっと鳴った。

「だ、誰か、医術の心得のある方は、いらっしゃいますか。ほんの少しでも、いいから」

そう口にしたが、この場をなんとかしなくてはいけないのは自分だということは瑠璃もよくわかっていた。麻袋から予備の手拭きを取り出して娘の噛み千切られたかのような傷に巻き付け、脈があることを確かめる。医術の類いはよくわからないので娘に対して瑠璃にできるのはこれくらいだ。瑠璃はすっくと立ち上がり、首から下げていた麻袋を佐和乃へと押し付ける。

「この中にお水と私のお金とその他諸々が入っています。好きに使っていただいて構いません。これは私からのお布施です。私が与えたいから与えたのです。……その代わり、ひとつお聞きしても良いですか」
「……なんだ」
「あなた方は、彼方の小山から来たのですか」

瑠璃からの問いかけに、佐和乃はこくりと首を縦に振る。それを見てから瑠璃は「そうですか、ありがとうございます」と一礼し、くるりと後方にいた一行に向き直った。その表情に迷いや不安はない。だからといって勇ましい表情という訳ではなく、何かを悟ったかのような不気味なほど静かなものだった。

「……小山に向かいます。戦える方はご助力を、もしくはお二人の傍にいてあげてください」

そのまま背中を向け、迷うことなく瑠璃は小山へと歩き出す。先程は我が身可愛さに、何の罪もない少年を置き去りにして逃げてきてしまった場所。其処へ行くのに抵抗がなかった訳ではないが、それでも瑠璃は足を止めることなく、後ろを振り返ることなく小山へと歩を進めた。

>>イチイ様、弥勒空様、小神殿八乙女様、一番ケ瀬勹様、飯綱山葛尾様、後樹釜座様、周辺all様

【大変申し訳ないのですが進行の停滞を防ぐためにお返事を待たずにレスを投稿させていただきました……!本当にすみません……!瑠璃について小山についていくか、もしくは佐和乃や八乙女姐さんの介抱に専念するかを選んでいただければ幸いです。お手数をおかけしますがよろしくお願いいたします……!また、屍御前はまだ小山にいるのでまだまだ元気です。ガンガン攻撃を仕掛けていただいて構いません……!八乙女姐さんに確定ロル使いまくってしまっていますごめんなさい……!(土下座)】

1ヶ月前 No.330

有栖川 @hananomi☆Mwp.W.uiBT6 ★5tuXai74if_XGK

【池田藍/北部地域(北東部)/北野神社(北野天満宮)】
「……ああ、そうだな。逃げるわけにはいかねぇもんな」

 自分の弱音に対する答えは、それでも逃げずに力をつけ、時期を見て立ち向かう、というものであった。時間があれば、力をつける余裕と余剰な時間があれば、同じような答えも出せていたに違いない。きっと『池田藍』は、行かなくていいよという答えを期待していたのだ。死にに行かないでほしいと、引き留めてほしかったのだ。それを見透かしてか否か、『十神時雨』はそれを正面から切り捨てた。何とも面倒くさい話だが、恐らくそれが自分に対する正答なのだろう、と藍自身も思う。
 間違っても、その責務から逃れられるなどと言う幻想を抱くことなど許されないし、そこから逃避してしまえば今度はそれに対する罪悪感が生涯付きまとうであろうことは想像に難くない。であれば、例え一時間後にその命が尽きようとも、最後まで職務を全うして燃え尽きるべきであろう。例えこの命が犬死に終わろうとも、僅かなりとも戦訓を残せるならば、少しでも後に続くものの役に立てるのならば、それでいい、と覚悟を決める。

「じゃあ、往こうか時雨。座るように言っておいてなんだが、立ってくれ」

 時雨の前まで回した腕を自らの横の自然な位置に持って行きつつ、そう時雨に言葉を投げる。
 果たしてあとどれくらい言葉を交わせるかも定かではないけれど、元からそういう職業だったはずだし、それがもとに戻っただけのことだ。そう改めて考えれば、もう少し普段から普段のありふれた様々な事を大事にしておくべきだっただろうかとか、そういう事に考えが及ぶ。本当に後の祭りだけれど、せめて今からのわずかな時だけでも、大事にすれば多少は悔いも減るであろうか。

>>十神時雨、周囲all


【返信遅くなってしまい大変申し訳ありません】

1ヶ月前 No.331

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★DoaFJQIlTR_LoN

【 小神殿八乙女 / 北部地域・街中 】

 震える己が指先に舌打ちしていれば、涙をぼろぼろとこぼした佐和乃に突然抱き上げられた。思いつめた表情で何か叫んでいる。クソ、このポンコツの耳め。これだけの至近距離だというのにやはり声が聞き取れない。喧しい耳鳴りは相変わらず止まる気配を見せなかった。さりとて相手の声が聞こえずとも、雰囲気から何を訴えられているかは分かる。恰好付けるな、か、もう戦おうとするな、か、たぶんその系統の内容だろう。脱臼して嵌め直したばかりの腕で小娘とはいえ人間一人を持ち運ぶのは痛かろうに。咄嗟に式神に彼の行為を手伝わせようとして、けれど佐和乃の鬼気迫った形相を見て辞める。気丈な彼にこんな顔をさせてしまったのは、その可憐な美貌に翳りを与えてしまったのは間違いなく自分。それを更なるものとしてしまう真似はしないほうが良い。相手の身体を助けることが精神まで救うことに繋がらない状況は多々ある。今はその時だ。佐和乃が大変そうだから、とここでまた骨なり血なり肉なりを霊力に変換して式神で彼の手助けをすれば、それは彼の心を追い詰めてしまうだけ。

(涙が武器になるのは、何も女だけじゃねぇなあ。……あーあ、泣かせちまった。手ぬぐいの一つでも差し出してやりてぇが、おあいにく様そっちも血まみれでぃ)

 明瞭さを欠いた視界の中、泣きながら走る佐和乃の顔が薄ぼんやりと映る。八乙女は笑顔にした男女の数こそ誇ることはあれど、泣かせた男女の数を自慢する気にはならない。そんな奴はクソ喰らえだ。例え泣いてくれる相手が美しくとも、笑った顔のほうがもっと美しいに決まっているのだから。三分の二に減った胃がキリキリと痛む。自分のせいで別嬪さんを泣かせてしまうシチュエーションは随分と久しぶりだ。こればかりは、命のやり取り以上にいつまでたっても慣れない。
 意識を失わないよう、引き続き無言で舌を噛んだり爪の剥がれた指先を故意に手の平に強く押し付けたりと痛みを味わい続けること数分。一定のペースで身体を揺さぶっていた振動が止まった。つまりこれは佐和乃が走るのを止めたことを意味する。閉じかけていた目を無理やりかっ開き、首を動かして周囲に視線を巡らせる。そこにいるのは見知った顔が何人かと、見知らぬ顔が何人か。どういう繋がりの集まりなのかイマイチ謎だ。妖怪も術者もただの人間も入り乱れている。その中の一人が八乙女の手首に手ぬぐいを巻き付けてくれた。自身の歯で肉ごと噛み千切ったそこの断面は中々に猟奇的だったと思うが、それに眉一つ顰めない辺り場馴れした少女なのかもしれない。……目がかすんでいる状態の八乙女なので、相手の些細な表情の変化に気付けなかっただけという可能性もある。

「ありがとうな嬢ちゃん。で、だ。あー……悪ぃが今ちょっと、血ぃ失いすぎてて耳鳴りが酷ぇんでさぁ。だから旦那方の声は聞きとれねぇが、大事なことを言うんでとりあえず一方的に喋らせてくだせぇ」

 手首に応急処置を施してくれた少女に礼を述べ、自分に周りからの声は聞こえないのだと申し訳を置いた上で、時折軽く吐血を挟みながらなんとか言葉を紡ぐ。

「さっきまで街中で散々っぱら暴れてた亡者どもの親玉は北の小山にいて、打掛姿の上品なナリしたそいつぁ屍御前って名前で呼ばれてる。どうも記憶だか自我だかが錯乱してるみてぇで、『さくら』っつー女の名前を呼びながらお姫(ひい)さん……あっしを抱えてくだすってるこの別嬪を追いかけて来たくれぇだ。まともな話し合いが成立するかはまぁ怪しい。で、これが一番大事な事で、その屍御前はあの北の小山にいる限り妖力を無尽蔵に扱える。ちょっと吸うだけで一般人ならすぐグロッキーになるような瘴気を広範囲に漂わせたり、こっちが血だの爪だの骨だの肉だの内臓だの諸々を霊力に替えてまで身体能力を強化した式神に平然と足で追い着いたりしてきやすぜ」

 これで少女らが別に小山に行く予定でなければ、こいついきなり何を喋りだしたんだ状態だが……それならそれで良い。もう飲み込むことさえしんどいのか、口内にたまっていた血をぺっと地面に吐いた後、再度唇を動かす。

「あと、小山にゃまだ忍者みてぇな恰好した天狗が残ってる可能性もありやすぜ。口振りからして人間に敵意を持ってる手合いで……正確な能力は分かりやせんが、瞬間移動みてぇな技は少なくとも持ってやした。あとは多彩な武器を使って来るのも特徴で、火薬もしこたまぶっこんできやす。あとは――げほっ、おえっ」

 弱った状態で無理に喋りすぎたせいで、誤飲した血と唾液が気管のどこかに絡まった。喉を抑えてげほげほと咳き込む。まったく、餅を喉に詰まらせて死にかけるお爺ちゃんお婆ちゃんの気分だ。思いがけず老人体験をしてしまった。
 十秒ほどかけてなんとか咳を抑え込み、靄がかった視界の中、指先で探り当てた適当な簪を去って行く少女の背中にぶん投げる。正しくは、ぶん投げたつもりだが力が入りきらず、少女の背中に当たることもなく途中で落ちた。その簪に向かってボソボソと小声で何かを呟けば、簪は一瞬だけ淡く光って、すぐにその光をおさめる。

「恩は返す主義だ、嬢ちゃんが危ない時にゃその簪に助けろとでも叫んでくだせぇ。あっしの霊力はすっからかんだが、まだ『替えられるもの』は残ってまさぁ。血まみれの怪しい女に優しくしてくれる可愛い嬢ちゃんのピンチとありゃ、死んでも助けやすぜ」

 死んでも××、という言い回しを使って、本当に死にかけの場面で言った通りのことができる者はそう多くない。だがこの女に限っては死にかけていても真剣に言ったことを守ろうとするだろうと、会って間もない人間にも感じ取らせるだけの気迫を八乙女は重傷の身体にすら纏っていた。あるいは重症だからこそ真実味があるのかもしれない。五体満足の人間にアイスクリームでも食べながら本を片手に「死んでも助ける」と言われるのと、あっちこっち傷だらけの血まみれで地面に這いつくばっても笑みを絶やさない人間に「死んでも助ける」と言われるのとでは、言葉の孕む説得力が違う。
 それに、こんなことを口にすれば余計に佐和乃を泣かせてしまいそうだが……もしもまた亡者どもが北の小山だけでなく街中に流出してくれば、その時だって八乙女は身体の外側にも内側にも鞭打って京の民を守る気でいる。怪我を言い訳にして逃げるのは簡単だ。一人じゃまともに立つこともできない状態だ、もう今日は休んだって、ぶっ倒れたって誰も八乙女を意気地なしとは謗るまい。――小神殿八乙女、本人を除いては。
 一度でも逃げ出した奴は、死ぬまで逃げ続けることになる。この場合の逃げは、敵から逃げるという意味ではない。自分の定めた自分らしさから逃げるということだ。だから八乙女は逃げない。『そんな自分は格好良くない』――『恰好良くない自分は自分らしくない』。泥にも血にもまみれず圧倒的な勝利を獲得することが恰好良さではない。泥にまみれても血にまみれても、負けてそのまま死ぬことになっても、自分の考える自分らしさに背かないことが八乙女の考える恰好良さだ。

「お姫(ひい)さん。アンタを泣かせちまった身の上で言うのもなんだが……あっしにとっちゃ、命がありゃあ腕ちょん切れようが足ぶっ飛ばそうがかすり傷みてぇなもんでさぁ。だからお姫さんが泣く必要なんざありやせんぜ。今回なんざ四肢が残ってるんだ。そう考えりゃ、身体の中身がいくらか軽くなった程度は大したことねぇでしょう。何よりアンタに涙流されちゃ、あっしがどうして良いかわからねぇんでさぁ。
 ――花は萎れず咲いててくだせぇ、お姫さん」

 抱き締められた状態のまま佐和乃の顔を見上げ、震える指の腹で彼の目尻をそっと拭う。臭い台詞。けれど本心だ。それにしてはあまりにも言い慣れた口振りで、相手には場を和ますための軽口と受け取られるかもしれないが。

>咲花佐和乃様&照陽瑠璃様&イチイ様&弥勒空様&一番ケ瀬勹様&飯綱山葛尾様&後樹釜座様&ALL様

【確定ロルの件は全然問題ありません、ご丁寧にありがとうございます!】

1ヶ月前 No.332

篝火 @hijirisaya☆zk2IQ04u3Kaf ★iPhone=iAH13nryHq

【イチイ/街中】

転がり込んできたのは死体と見紛うばかりのズタボロな少女と、最近妖の世界とやたら接触してしまう危うげな青年だった。
少女の方は一刻を争うような怪我をしている。まさに死の淵といった様子である。だが不思議と気力だけはしっかりとしていた。死んでも助けると宣いながらも死神と真正面から斬り合えば必ず返り討ちにする。青年の涙を拭う少女の笑みにはそんな気概すら感じられた。

「どんな根性してるんだ。……俺の時代にもそういなかった術者にこうも出会うと、祟る対象を誰にするか迷っちゃうな」

軽口を叩きながら、イチイは若干引き気味だ。
敵の領域で、我を忘れた怪異に、標的にされた一般人を、守りながら戦い、こうして死なせずに連れ帰ってきたのだ。
どんなに優れた術者でもおいそれとは出来ない。これは技量よりも根性の問題だ。絶対に守りきるという強い意志がない限り成し遂げられない異業。
自己犠牲でも言い足りない。その上にある決意を、この年端のいかない術者は抱いている。
もしもイチイが八乙女であったら青年のことは早々に諦め、屍御前にくれてやり、その間に態勢を立て直していた。その考えが間違っているとは爪の端ほども思っていない。だが八乙女の在り方はイチイに憎しみを抱かせるには充分なほど、怨霊の凍った心を揺さぶった。

「この騒ぎだ。町の医者はあちこち駆けずり回って捕まえられないんじゃない? それなら、雪月花本部に連れていって負傷者を診てる救護班に、表面的な治療してもらった方がいいね。どうせ中は、もう治せないんだろ?」

拭えど拭えど八乙女の口の端から溢れてくる黒い血を眺めながら、周りの隊員に持ちかけた。
術の代償として差し出した肉体は、損壊するのではく消失する。禁術を行うとき常に頭に入れておくことだ。かく言うイチイも生前は記憶のある範囲で既に身体中スカスカだった。
禁術で失った身体機能を禁術で補う、多重債務者のような自転車操業で、ゾンビのような身体を動かす。それが、無理をしすぎた術者の成れの果てである。

「生憎俺は貸す手がない。呼びに行っても良いけど、お兄さんが見える救護班がいるか定かじゃないし、山に行かない隊員で連れて行ってあげるのが、一番良い選択かなぁ。……んー、お兄さん何もできないけど、鎧武者の少ない道を案内するくらいなら役に立てそうだね!」

千切れて浮かんでいる二本の腕に噛み付いて引き寄せる。
修復は早い方がいい。消えずに残っていた霊体は再利用しよう。
あの呪いまみれの箱のことだ10分も経たずに、元の姿に戻してくれるに違いない、とおおよその予測を立てる。

「やー、あとへ(じゃあ、後で)」

口に両手の指を咥えながらもがもがと挨拶をすると、悪霊は外法箱に一時退去した。


>>瑠璃様、八乙女様、弥勒様、釜座様、一番ヶ瀬様、葛尾様、佐和乃様、周辺ALL様

1ヶ月前 No.333

サムライ @samurai07 ★iPhone=QCAUNJ3bTK

【鞍馬 青蓮/北部地域・小山】

ターゲットの1人である八乙女は戦場から離脱してしまった。ならば、必然的に狙うのは屍御前となった。だが、青蓮はあろうことか被った上着を着なおし、茂みを忍び足で進み、屍御前の背後を取った。そして、彼女の首の後ろに火縄銃を突きつけてこう言った。

「だから、言っただろう。人間は信用に値するものではないと。人の世にお前の居場所はないのだ。拙者からの最後の通告をしよう。我々と共に人間を蹂躙し、妖の世を再興させようではないか。人間は矮小で脆弱で愚かで汚れている。そんなものに妖が迎合する必要などないのだ。」

青蓮があえて狙撃を行わずにこのような行動に出たのはやはり屍御前に妖に対しての情から最後のチャンスを与えようとしているのである。だが、月双氏の陣営でおそらく一番の過激派の青蓮はいつまでたっても自分を妖であると認めない屍御前に業を煮やして力づくで従わせるという手に打って出たであった。

「お前の喋って良い言葉は「はい」か「いいえ」だ。いいえと答えるか、拙者に抵抗すれば火縄銃でお前の喉元を即座に撃ち抜こう。ああ、行っておくがたとえお前が落武者を召喚しても、薙刀を用意しようとしても、拙者が引き金を引く方が早いから妙な気は起こさぬ方がいいだろう。拙者は目玉と喉をやられて死ななかった妖を生まれてこの方見たことがないからな。」

屍御前に揺さぶりをかけつつ脅迫する青蓮。しかし、ここまで大胆な行動に出るのは追い詰められている証拠でもある。果たしてこの行動が吉と出るか凶と出るのか。

>>屍御前様、ALL


【青蓮がかなり極悪人(妖?)になってしまいました。さあ、絶体絶命の屍御前ですがどうなるか楽しみですね。ちなみに屍御前が従う素振りを見せれば一旦は銃を下ろしますのでそれを利用するのも手かもしれません】

1ヶ月前 No.334

漆黒の冒険者 @andouken ★BxGXTrkAtu_UHY

【弥勒 空:街中】

落ち武者狩りの許可を受けて夢見心地だった空だが、首魁の女は斬るなと言われてしょんぼりするも
彼女の言った尋問と言う言葉に希望を感じる何かを吐かせるのだとなら空にも協力で来ることがあると
兎に角一度抜刀していた刀を鞘に納める事にした

『━━━━助けてくれ』

 助けを求める声に反応した空は声に気付いた他の者と一緒にその人達の元に駆け寄った
するとお兄さん………お兄さんだと思われる人とお姉さんが怪我をしているみたいで
医術の心得のある人を探しているが、当然の如く空にはそんなものは無かった

「うちの人が持たせてくれた正露丸ならあるけどいっぱいあるけど駄目だよね〜あっでも楽にならしてあげられるよ」

 親指で腰に帯びていた方の刀の鍔をはじいて鯉口からわずかに刃を見せるも小山に向かうと言う少女の声を聞くと
もうそちらの方に思考が偏っていた何よりここで出来る事は何も無さそうだし………いても仕方がないよね
小山に向かい歩き出した少女について行こうとした時に

『生憎俺は貸す手がない。呼びに行っても良いけど、お兄さんが見える救護班がいるか定かじゃないし、山に行かない隊員で連れて行ってあげるのが、一番良い選択かなぁ。……んー、お兄さん何もできないけど、鎧武者の少ない道を案内するくらいなら役に立てそうだね!』

「え〜どうせなら鎧武者がわんさか居る所に突っ切て行こうよ片っ端から切り伏せて………でも首魁を取り逃がすとアレだしなんら空が囮になろうかな」

 鎧武者を片っ端から斬って殲滅しようと言い出すも首魁を取り逃がせないと気づきながらも引き付け役になろうかと持ち掛ける空
しかし雑魚の百の首があっても大将首を獲った方が上かなとも思い少し悶々とし始めた空



>>瑠璃様、八乙女様、イチイ様、釜座様、一番ヶ瀬様、葛尾様、佐和乃様、周辺ALL様

1ヶ月前 No.335

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

【屍御前/北部地域:小山】

屍御前は戦闘を好んでいる訳ではなかったが、少なくとも己の実力を理解しているつもりでいた。何にせよ、あの式神使いの少女━━━━八乙女を、その気になれば再起不能に陥らせることも、彼女の命を奪ってしまうことも、屍御前からしてみればそう難しいことではなかったはずだった。だからこそ、瑠璃の熱波による衝撃こそあれ佐和乃を手放すことなどあるものかとある意味でたかを括っていたのだ。たかが人間ごときに、自分が押し負けるはずなどないと。いくつもの憎悪と怨念に染め上げたこの手が、たった一人の術者の少女の命を手折ることなど造作もないと。

「……う、あぁ……」

それなのに、そうだというのに、またしても屍御前は佐和乃から引き離されてしまった。もっとあの時こうしていれば。もっとあの時ああしていれば。幾つもの後悔が屍御前の中に押し寄せる。悲しみからか、悔しさからかはわからないが、屍御前は嗚咽を漏らしながらホロホロと涙を溢す。自分が、自分が油断したばっかりに、佐和乃は連れていかれてしまった。これは、これではまるで━━━━。


「あの時と、同じ」


ぽつり、と屍御前が呟くのと彼女の首筋に冷えきった銃口が突き付けられるのはほぼ同時であった。声からして姿を見せていなかったあの天狗の妖━━━━鞍馬青蓮であることがわかる。先程まで喉からせり上がっていた嗚咽は止まり、屍御前の顔から表情が消える。いくら錯乱しているとは言っても、屍御前は狂乱している訳ではない。そのため青蓮の言葉の意味もわかっていた。要するにこの妖は、自分を己が陣営へとなにがなんでも引き入れたいのだろう。青蓮が人間から何をされてきたのかは屍御前からしてみれば知りもしないことだが、彼が人間に並々ならぬ恨みを抱いていることはその口調から読み取ることができた。人間を蹂躙し、完膚無きまでに叩きのめし、そして妖の世を創る。良からぬ妖が人間に害を与えていることは知っていたが、まさか彼らは一軍団として人間への報復を目論んでいたとは。だから街には舛花色の軍服を纏った検非違使たちがうろついていたのかと今更ながら屍御前の脳内で地味に気になっていた事柄の辻褄が合った。もっとも、自らをまだ人間の端くれであると考えている屍御前にとっては妖を駆逐せんとする雪月花の隊員など歯牙にもかけていなかったのだが、自分が生きていた時代にはいなかった職種の人間を気にするくらいは自然だろう。彼女の生きていた時代には、あんな風に揃いの制服を纏った人間などよっぽどこだわりの強い大名の兵士くらいのもので、普通はそうそういないものだったのだから。

「……そうね。たしかに姫の居場所なんてないかもしれないわ」

青蓮の方を向くことなく、屍御前は星が瞬き始めた夜空を仰ぎながら呟いた。この小山では莫大な霊力を自分の思うまま、恣に操ることができる屍御前であっても、一歩でも此処から出てしまえばそこら辺にいる妖と大差ない力しか持てなくなってしまう。今や屍御前が居られる場所は本当にこの小山だけなのだろう。青蓮が言いたいのはそういうことではないのだろうが、何にせよ屍御前でさえ自らの居場所などないと悟っていた。

「あなたの目的はよくわかったわ、天狗さん。妖の世を創る、なんてとてもとても壮大なことを考えるのね。姫には思い付かないわ、そんなこと。大志を抱くことができるって、きっと良いことなのね。━━━━でも」

途中まで屍御前の声音は彼女にしてはあまりにも肯定的なものだった。しかし逆接を表す言葉を一度口にした直後、屍御前の首は勢いよくぐるりと青蓮の方を向いた。要するに彼女の首は180度回転したのだ。人間にも頑張れば出来る者がいるのかもしれないが、屍御前の雰囲気と相まってそれはとてつもなく不気味でおぞましい動きに見えたであろう。

「姫は妖だろうが人だろうが天下などに興味はないし、天下をどうこうしようとする者がそもそも好きではないの」

たしかに屍御前が落武者を召喚するよりも、薙刀を構え直すよりも、青蓮が引き金を引く方が早いものだったのだろう。しかしこの小山は屍御前の霊力で圧し固めたようなものである。故に彼女が単純に霊力を放出することは容易であり、青蓮が引き金を引くよりも早く屍御前は彼の持つ火縄銃へと視線を走らせていた。屍御前のどす黒い霊力の衝撃波によってバキン、と音を立てて火縄銃が三等分に断ち切られる。これではもう使い物にはならないだろう。その隙を見計らってか屍御前は両足に霊力を集中させ、瞬時に薙刀を取り落とした場所まで移動した。そして得物を拾い上げるとその切っ先を青蓮に向けることはなく霊力を含まぬ目線だけを送る。

「あなたがどうしようと姫には関係ないし手を出すつもりもないわ。姫はただ取り戻したいだけ。あなたたちの邪魔をする訳じゃない。あなたたちが姫を殺そうとしない限り此方からあなたたちに手を出すことはやめておいてあげる。姫の敵はあくまでも姫の邪魔をする人たちだから」

つまり屍御前は邪魔をすることなくこの場を退くのなら見逃してやる、と言いたいのだろう。逆に考えれば次に此方に攻撃を仕掛けてきたのなら命を奪われても致し方のないことだということでもある。屍御前は言いたいことを言うだけ言うともう一度周りの木々に視線を流して自分と青蓮の間に障壁を作った。そして薙刀を手慣らしに一回転させてから、焦る様子もなく参道の石段を一つ一つ下りていった。

>>鞍馬青蓮様、周辺all様

【割りととんでもないやり口で銃撃を回避してしまいました、すみません……!屍御前はこのまま下山して参道の入り口の方に向かう予定です。障害物は作りましたが別のルートからでも追いかけられるのでお好みのルートを選んでいただきたく思います……!】

1ヶ月前 No.336
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