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誰もいなかった…

 ( オリジナルなりきり )
- アクセス(604) - ●メイン記事(34) / サブ記事 (35) - いいね!(4)

ラル @rarusann ★KTNVlpaG5M_vln

この街アルデカランには200年前の戦争と共に忘れ去られた街である。

だがまだ完全には忘れ去られてはいなかった…それはある人間達の存在。

その人間達を完全に抹消しようと蠕く存在。

君はどちらの陣営に付くか?

そして隠されし能力の開放と共に静かに始まる物語…

『あっこんにちはです。ラルです!今回は中々面白そうな感じがします。(人が来るかは…まぁおいておこう。)で詳しい設定とかはサブ記事に書いておくので見ておいてください。(見てくれる人は…まぁこれもおいておこう。)ん〜とそれからメインは自分が書いたらレス解禁です!そこら辺よろです!)

メモ2017/12/28 22:13 : ラル @rarusann★KTNVlpaG5M_vln

アルデカラン側

風谷ラル(人の能力を一度だけ再現)

碧ヶ崎あさぎ (自分が武器として持つものに刃物同等の切れ味を付与する)

垂水真鈴 (都合の悪い相手に自分の顔・特徴を覚えさせない)


エランテル側

花蝋燭絹綾(投げキッスを物理的なもの(ピンク色でハート型の弾丸)として飛ばせる)

相初葵 (空間移動 転移)

凍玻璃虚雪(抗力操作)

氷切 (自身の依代を作る)


中立

渡空飛燕(風を操る)


まだまだメンバーは募集しておりますのでよろしくお願いします!

切替: メイン記事(34) サブ記事 (35) ページ: 1


 
 

ラル @rarusann ★KTNVlpaG5M_vln

ラル視点

 はぁ毎日が暇だ…暇過ぎる。この街で今いるのは自分1人だ。だからトモダチ?なにそれ?…等と思いながら、ギラギラと輝く太陽の光を浴びながらそんなことを考える。もう…良いや。今日もまた一人で本でも読んでおこうとするか。

アルデカラン→アルデカラン図書館
 やっぱり本は面白いなぁ。歴史とか乗ってあるし、何で皆この街から出て行った理由も分かるし、何より荒らされてないからね。
 本を探していたら何か面白そうな本を見つけた。そのタイトルが
『能力開放した私達』
 初めは何だこれ?絶対嘘だろWWと馬鹿にしていたのだが、知らず知らずのうちにドハマリしてしまった。
 読んでいると能力が覚醒した場面があったので真似してみようとした。

「開け!阿修羅観音!そして我が神域よ!目覚めよ!」

……何にも起こらない。

 やっぱりガセネタか…でもこれ面白そうだし持ってかえろう。
 図書館から出ていくときに思い出した。何か毎週誰かがこの街に食べ物とか置いてくれるから貰いにいかなきゃ!
 ラルがそう思い走り出した。その時能力開放した私達がページの切れ端が落ちた。そこには
( 第一の覚醒者 人の能力を一度だけ再現 第二の覚醒者 風を操る 第三の覚醒者 物理的な物を飛ばす )
 であった…
アルデカラン図書館→アルデカラン
「おっ今日も置いているなぁ。しかし誰が置いているんだ?」
 そう呟き入っていた食材を見る。そこにはエビだ。
「よっしゃ!来た〜!誰か知らないけどありがとう!」


相初 葵

「おっちゃん!人参とかじゃがいもある?」
 そうエランテルの市場のおっちゃんに聞く。
「人参とかじゃがいもかはあるよ。そういや聞いたよ。八始聖の中で現状トップらしいんだね。というかそんな人が何でここに来るのか教えてくんない?」
 私は少し考え答えを出した。
「ある街の人に必要なんだよ。あとここの野菜とか美味しいからね。」
 おっちゃんは感心した顔で
「あんたは人のためにやるんだ。すごいな。そんな良い事をする八始聖サマは今日はサービスでタダにしてやる」
 そう言って私に頼んでもいない野菜とかも渡す。
「ま、まぁありがとー!」



(という事で始めます。今のところ特に時間制限はありませんので)

3ヶ月前 No.1

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★DoaFJQIlTR_UxJ

【 花蝋燭絹綾 / エランテル・北部・花蝋燭家 】

 アルデカランの子供たちを殺せ。
 最初にそんな命令が国から下った時、軍人でもない自分に何を、と突っぱねた。タチの悪い冗談だと思ったからだ。だって花蝋燭絹綾は、身体と精神の性別が異なっていることを除けば至って普通の……というには少し癖が強いかもしれないが、ともかく戦争のせの字も知らない民間人である。しかも14歳。つまりは子供で、学生だ。そんな自分にいきなり他国への襲撃の任務が言い渡されるなど、この状況に置かれたのが他の人間だったとしても信じまい。エイプリルフールは過ぎているのに、と笑って受け流して。それで、それで、それで――嗚呼、だからこんなことになってしまったのだ。最初の通達が来た時点で、真面目に事実を重く受け止めて。大事な家族や恋人たちと一緒に、どこか遠くの国にでも逃げてしまえば良かった。そうすれば。今までの平穏を捨てることにはなっても、殺人者に身を落とすことなど無かったかもしれないのに。

「ぅ、え――気持ち、悪い」

 起き抜けに嘔吐感を覚えてベッドから飛び上がり、トイレへと慌てて駆け込む。縋りつくように便器へと顔を近付けて、空っぽの胃の中身をげーげーと吐き出した。初めてアルデカランの子供を殺したのが、三日前。それから水分は取っているものの、固形物はロクに口にできていない。食べてもすぐに吐いてしまう。罪も無い子供を、自分よりも幼く、無垢で、善良で、守られるべき存在を、守らないどころか殺しにかかった。その行為に対するストレスと罪悪感。それが今でも重くのしかかって、絹綾の内臓をキリキリと痛めつけている。この分だと、今日もまともな食事はできそうにない。
 夢の中に恋人が出て来た。殺した子供も出て来た。二人が天秤の左右にそれぞれ拘束された状態で乗っていて、自分の腕には刃がある。一撃で首が切り落とせそうな、武骨で物々しい刃だ。冷や汗をかいて、生唾を飲み込んで。そうして進むことも下がることもできず立ちすくむ自分に、顔が黒塗りになった自国の偉い人間がこう問いかけてくるのだ。――君は見捨てなければならない。どちらか片方を、死なせなくてはならない。愛しい己が恋人か。罪なき赤の他人か。夢の中の自分は、迷わなかった。躊躇いはしたけれど、それは『人を殺す』という行為に対する躊躇いで。子供と恋人の二択で恋人を選ぶことには、躊躇わなかった。刃を引きずって、子供に近付いて、刃を振り上げて、子供は泣いて、刃を振り下ろして、子供は――子供は――。

「ぐっ……あはは、あはははははは。馬鹿みたい。軍人でもないのにぃ? 狂人でもないのにぃ? 大人でもないのにぃ? 子供一人殺しただけで“こんな”になるようなガキ一人ぃ、国は何を思って人質とってまで無理やり戦士に仕立て上げたのかなぁ?」

 見開いたままの目から無意識に涙がボロボロとこぼれ落ちる。嘔吐感も止まらない。耳鳴りも終わらない。口元が引き攣る。現実の記憶も悪夢の記憶も、内容に大差は無い。せめて夢の中でくらい、幸せな光景を見せて欲しいものだ。あるいは……無辜の命を摘み取った自分には。もう、幸せになる権利など無いのかもしれないけれど。

「うん、うん、それでも諦めないよぉ。他の何は諦めたってぇ……正義も良識も幸福も安寧も平穏も諦めたってぇ。それでもぉ、あの子のことだけは諦めないよぉ」

 己に言い聞かせるように強く呟き、吐瀉物に塗れた唇をトイレットペーパーで拭う。強き麗しき愛しき君よ。国に人質に取られた、最愛の恋人よ。助けを求めてくれた君を救い出す為ならば。私はこの手を血で汚し、この背に罪を負う者になろう。君以外の全てを諦め、空いた全てで君だけを求める修羅になろう。だからどうか待っていて欲しい。今となっては、君がこの世に在るということだけが私にとっての希望なのだ。

>ALL様

【既にアルデカランの子供(モブ)を殺したことがあるみたいな描写をしてしまいましたが、問題があるようなら変えます。何はともあれメイン解禁おめでとうございます!】

3ヶ月前 No.2

ラル @rarusann ★KTNVlpaG5M_vln

相初 葵

 家に帰ってまずは晩ご飯でも作ろうとしたとき、インターホンが鳴り響いた。
「お届け物です」
 正直外は寒いからあんまり出たくないんだけどなぁ。渋々外に出た。
 何故かそれは手紙だった。

 家に入った私は渡された物の差出人を見てギョッとした。
 エランテルの上の人らしい。
 手紙内容がとりあえず来い。という何とも簡素な内容と場所が書かれてあった。

 相初家→国会議事道

「はいは〜い相初参上で〜す!」
 誰も返事は返さない。
 まぁ無かったことにしよう。
「皆さん今宵は忙しい中お集まり有り難うございます。」
 そういったのは誰だっけ…分かんないや。
「今回お集まり戴いたのは、ある街の事です。その街アルデカランの子供を殺すという事です。」
 と平然と言ってきた。私はなぜそんな平然とそんな事が言えるのか知りたい気持ちだった。
 話は続く
「もうそれは始まっている。3日程前から。……………」

 なんやかんやあったがあの後花蝋燭絹綾という人物が殺人に手を染めてしまったそうだ。
 こんな国のせいで罪も何も無かった人が…
 事情聴取をするため、花蝋燭絹綾を訪ねてみようか…

 国会議事堂→花蝋燭家
ピーンポーン♪
「えっとはじめまして!八始聖の相初葵と申します!花蝋燭絹綾さんですよね?」

『花蝋燭絹綾』

【あっ別に変えなくて良いですよ!それを今回は利用させてもらったので!】

3ヶ月前 No.3

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★DoaFJQIlTR_UxJ

【 花蝋燭絹綾 / エランテル・北部・花蝋燭家 】

 やっと収まって来た嘔吐感に溜息をこぼして、ゆっくりと便器の前から立ち上がる。ずっと膝をついていたせいか、少し脚が痺れていた。真冬でもないのに底冷えする感覚。血行不良はこそばゆさだけでなく体温が低下したような感覚も伴う。それを解消すべく軽く足をぶらつかせながら、緩慢な動きでよろよろとトイレを出る。台所では母が愛情を込めた料理を作ってくれている。それを無駄にしてしまうのは心が痛むが、それでも、今朝も胃袋に収めることはできないだろう。嗚呼、またスムージーで当面の栄養を賄わなければ。
 そんなことを考えながらリビングに向かっていた絹綾の足を止めたのは、ピンポーン、と、玄関のほうから響いて来たチャイムの音。そして八始聖を名乗る、恐らくは同じくらいの年頃であろう若々しい少女の声。名指しして来たということは、用があるのは家族の誰でもなく絹綾に対して。それにしても随分とお偉い立場の方が来たものだ。思わず頭を押さえて、本日二度目の小さな嘆息。

(国のほうから人質を取ってまで僕ちゃんにアルデカランの子供を殺せって命令してきたんだからぁ、まさか『お前を逮捕する!』なんてことにはならないと思うけどぉ……なんだか面倒な予感。お偉いさんにはぁ、良い思い出が無いんだぁ)

 心の中には後ろ向きな思いしか湧き上がって来ない。なにせ絹綾は、先日お偉いさんに恋人を拘束された挙句「お前がアルデカランの子供たちを殺さないとお前の恋人を殺すぜヒャッハー(要約)」みたいなことを言われたばかり。そして子供を殺したばかり。このタイミングでわざわざ自宅までやって来るお偉いさんなんて、もうどう足掻いたってストレスの種にしかならない。まさか今日またアルデカランに行って子供を殺せ、とでも言われるのだろうか。とりあえず一週間は休んで良いと言われたばかりなのに。ぐちぐちと考えながら、玄関に辿り着き鍵を外す。嫌な予感しかしなくたって、それでもお偉いさんが訪ねて来た以上、居留守は使えない。だってお偉いさんなのだ。後で「偉い人を無視して不快な気持ちにさせたのでお前の恋人はやっぱり殺します」とかされたらたまらない。

「今ぁ、開けますねぇ」

 深呼吸してなんとか気分を落ち着けてから、扉の向こうの相手にそう声を掛け、玄関の扉を外向きに押す。本音を言ってしまうと、人質にとられている恋人の命さえ保証して貰えるなら、自分は刑務所に叩き込まれようが殺されようが構わない。けれど恋人の命が保証されない内にそうなるのは御免だ。絹綾は、何が何でも愛しいあの子を守りたい。生かしたい。助けたい。救いたい。ゆえに祈った。扉の向こうの少女が、どうか自分の運命にこれ以上の艱難辛苦をもたらす者ではありませんようにと。

>相初葵様&ALL様

【承知いたしました!】

3ヶ月前 No.4

ラル @rarusann ★KTNVlpaG5M_vln

相初葵

「えっとですね。ん〜単刀直入で聞きます。貴方はアルデカランの子を殺しましたか?というか寒いからハイラセテクダサイ。」
 こんなことを言っているが実際はまったく寒くない。じゃあなぜ嘘を付いたのかというと、コートの中に花蝋燭絹綾の資料等が入っていて、それが風で飛んで行った時本人にある意味個人情報がばれると厄介なのでその様な嘘を付いた。

 風谷ラル
ザッザッザッ
 何かが走り何かを抜く音が聞こえる。
 まぁ気のせいだろう。この街には自分以外いないのだから。そう思い、再び本を読み始めようとしたその瞬間…!
 本当に人の声なのかも疑いたくなる、悲鳴が聞こえ、そこに恐る恐る行ってみた。剣を鞘に入れる音と、ドサッと人が倒れる音がした。
 自分はまずこの街はまだ子供がいたということと、何故殺したかを知りたくなった。それと怖い。次は誰を狙うのかが。
 はぁ…考えてもしょうがないや。今日は寝よう。


「うっ誰か!誰か…!助けて!あああああ!!!!!!!」

 昨日はすごく怖かった。もうこの街にはいる事さえ出来ない。
 そして昨日貰った食材と図書館の本を鞄に詰め込み、アルデカランを飛び出した。

この痛みが能力覚醒したということも知らずに…

(ラルが覚醒したので、渡空 飛燕さん参加していただけると嬉しい限りです!建物とか、立地場所とかは自分で決めてください。お願いします。)

3ヶ月前 No.5

渡空飛燕 @luckytumo☆IwylAz1LldTn ★Android=YsiOVTQyN2

【 アルデカラン / 外部 】

立場からして中立に属する飛燕は、二つの勢力の板挟みにあり危険な立場に置かれており、アルデカランには迂闊に行動できないため、常に外部で活動していた。

「 よっ…… 」

アルデカランの外部へ出てきたラルを見つけるなり、まるで知り合い同然のように後ろから話しかける。

「 何逃げてんだ…? 」ポンッ

ラルの肩にてを乗せて引き止める。

【他の方々のロルの凄さに投稿を何度も躊躇っていましたが、只今投稿いたしました…】

>>ラルさん

3ヶ月前 No.6

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★DoaFJQIlTR_UxJ

【 花蝋燭絹綾 / エランテル・北部・花蝋燭家・応接室 】

 扉を開けた向こう側の少女、相初葵は、単刀直入という前置きに相応しく真正面から質問を投げかけて来た。それに無言で頷く。問いかけが簡潔なら、こちらの返事も簡潔だ。というか、彼女もお偉いさんなら他のお偉いさんが民間人の恋人を人質にとって民間人に人殺しをさせていることを知らないのだろうか。知っていてこれなら白々しいにも程があるが、知らずにこれなら、どうやら国の上層部も一枚岩ではないらしい。
 寒いと言われたので、扉を開けはなったまますすっと家の中に移動して「どうぞぉ」と手招いた。そしてキッチンの母親に向かって「母上ちゃん、お客様ぁ。寒いって仰ってるから温かいお飲物でもご用意して差し上げてぇ」とゆるく声を張り上げる。改めて相対した少女はやはり同年代っぽかったが、それでも八始聖である以上は敬語を持続して使っておこう。母親から了承の旨を伝える声が返って来て、それに礼を述べつつ、自身はキッチンではなく応接室へと歩を進める。花蝋燭家は大富豪というほどではないが、国民の平均的な生活よりは裕福な暮らしをしているほうだ。だから応接室くらいなら家にある。

「とりあえずどうぞぉ、お掛けになってお待ち下さい」

 上座を手で示してゆるりと笑った後、一礼と共に応接室を出てキッチンに向かう。母親が用意してくれているであろうお茶と茶菓子を引き取りに行くのだ。一分ほど後、アールグレイの入ったティーカップとショートケーキを盛った皿が乗ったお盆を手に持って、再び応接室へと戻って来る。それらをテーブルに並べて、自分は下座となる席に腰掛けた。革張りのソファーの上で、改めて相手と顔を合わせる。

「それでぇ、僕ちゃんにこれ以上に聞きたいことってございますかぁ? あ、ケーキと紅茶が駄目ならおまんじゅうと煎茶もございますのでぇ、お気軽にお申し付け下さいませぇ」

 言い回しは丁寧だが、語尾が甘ったるいのでどうしても間延びした印象になる口調。あちこちフリルとレースとリボンにまみれた豪奢なドレス姿の少女……のような少年が緩い喋り方でティーカップを傾けている姿は、決して緊張感の欠片も無いように見えるだろう。が、これで絹綾はそれなりに緊張していた。当たり前だ。誰だって、自宅にいきなりお偉いさんが推し掛けて来たら畏まるし警戒もする。向こうも訊ね先がピリピリしていてはやり辛いだろうからと、あえてそういう心情は見せないようにしているけれど。

>相初葵様&ALL様

3ヶ月前 No.7

ラル @rarusann ★KTNVlpaG5M_vln

 ラル

 いきなり喋りかけられたのだがこの人敵じゃないよね…
 昨日の事でトラウマを植え付けられたラルは、言葉を返そうとするが声が出ない。
「あ…あの!自分アルデカランに住んでいるラルと申します!貴方は敵ですか?!」
 もうこれしか言えなかった。敵だと言われれば速攻で逃げる。だが昨日の事で自信というものが失われている。

相初葵

 目の前にケーキが出されて嬉しかったが、呑気に食べている場合ではないと思い、質問を返す。
「先ほど申した通り、アルデカランの子供を殺しましたか?その依頼は誰からですか?あと申し上げにくい事…いえ、単刀直入で聞くと言ったのは私ですからね。守らないと…ゴホン えっとこれは花蝋燭絹綾さん貴方にとって大事な話です。貴方には彼女がいますよね?その彼女は現在、私の屋敷で幽閉という名の天国にいます。これはですね。私が無理を言って、上層部の方を説得して引き取り、私の家でお菓子、ご飯、お風呂等普段の生活と何一つ不自由が無い生活をしています。ではお迎えに行きますか?…といっても答えは一つしかなさそうですがね?」

<渡空飛燕さん 別にいちでも投稿加能ですから>

<友禅さん これの答えで内容変わってきますのでくれぐれも相初葵の言葉に騙されない様にしてください。>

3ヶ月前 No.8

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★DoaFJQIlTR_UxJ

【 花蝋燭絹綾 / エランテル・北部・花蝋燭家・応接室 】

 どうやら葵は和菓子派ではなく洋菓子党だったようで、差し出したショートケーキは気に入って貰えた。「アルデカランの子供を殺しましたか?」という質問には、さっきも玄関先で同じことを聞かれて頷いたばかりだが、もう一度頷き返しておく。また聞かれたということは、さっき頷いたのは見えなかったのかもしれないし。依頼が誰からか、という点に関しては、そんなもの絹綾だって聞きたい。そもそもあれは依頼なんて生易しいものではない。人質まで取られて脅されたのだから、言うなら命令だ。黒服の男達に力尽くで連れ去られたと思ったら目隠しをされ気絶させられ、気付けば謎のモニターに囲まれた妙に暗い部屋で、壁に映ったいかにも偉そうな人達の映像に囲まれていて。顔の部分だけボカしが入っていたから思い返しても未だに誰だったのか分からないし、そもそも顔を見せられていたとしても、残念ながら絹綾は国の偉い人の名前全てを覚えてなんていない。ただ、男達が名乗った肩書の中に、葵と同じ『八始聖』が混じっていたことは覚えている。それが嘘か真実かなど、絹綾に調べる術は無いけれど。

「……依頼じゃなくて『脅し』で『命令』でしたしぃ、僕ちゃんにそうさせたあの人達が誰だったかなんてのもぉ、顔隠してあったから把握できてませんねぇ。でもぉ、貴方ちゃんと同じ『八始聖』を名乗ってる方が一人いらっしゃいましたよぉ? 他の方々の肩書もぉ、それはそれは凄い響きが揃い踏みでしたぁ」

 白磁のティーカップの中で揺れる紅茶を一口飲み、まずはそちらの話題に手を付ける。嘘は口にしていない。脅しをかけてきた彼らに対する情報など、一市民の絹綾には殆ど入手できないものだ。確かなのは、そんな権力者たちに何の理由か自分が目を付けられ、そして恋人が囚われた。ただそれだけ。

「確かに僕ちゃんの恋人の話はぁ、僕ちゃんにとって神様や世界よりも大事な大事なお話ですけどぉ……でもでもぉ、あの子は僕ちゃんの『彼女』じゃありません。『恋人』ですぅ。僕ちゃんに脅しをかけてた方々でさえ間違えなかったことを平然と口にできる方の言うことぉ、素直に受け入れる気にはさすがになりません。それを抜きにしたってぇ、さすがに何の証拠も無しに貴方ちゃんの言うことを信じられないと言いますかぁ……確かに縋りつきたいくらい素敵なお言葉ではあるんですけどぉ、せめて僕ちゃんの恋人が本当に貴方ちゃんの家で何不自由なく暮らしているのだと確信できるものを見せて下さい。話はそこからですぅ」

 言って、茶菓子のショートケーキをフォークで切り分けぱくりと口にする。が、やはり固形物を胃が受け入れなかった。腹の中で臓器が痙攣する感覚。それ以上は無理だと判断し、フォークを皿の上に置く。紅茶を一気飲みしてなんとか嘔吐感を誤魔化しながら、後でまたトイレで吐こう、と決めた。
 絹綾は身体が男で精神が女、恋人たるあの子は、身体が女で精神が男。歪な二人。だからこそ噛み合った二人。そんな彼ら、あるいは彼女らは、お互いのことを呼ぶ時に『恋人』という呼称を使う。『彼氏』『彼女』を使う時だって、『彼女』を名乗るのは絹綾で、『彼氏』を名乗るのはあの子のほうだ。絹綾に関しての情報を調べればすぐにでも出て来るような当たり前のこと。それを知らずにあの子を『彼女』と呼んだ――あるいは、知った上で何かしらの目的があって『彼女』と呼んだ葵の言い分を、残念ながら絹綾は信頼する気にはなれなかった。

「それともぉ、貴方ちゃんも僕ちゃんを脅してやらせたいことがあると仰るならぁ、それこそ単刀直入にどうぞぉ。僕ちゃん、罪無き子供一人殺してから三日間、ずっとずっと吐きっぱなしの魘されっぱなしで食事も睡眠もまともにとれていないようなただのガキですけどぉ――それでもぉ、あの子のことは本気で愛してますからぁ。あの子の無事さえ保証されてる状況ならぁ、どれだけ嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で仕方のないことでもぉ、ちゃあんとやりますよぉ?
 だってそうしなきゃぁ、あの子が国の偉い人に殺されてしまうんですものぉ。僕ちゃんの最愛の恋人を助けられないんですものぉ。あの子のことが大切なんですぅ。大好きなんですぅ。だからあの子を生かすためならぁ、僕ちゃんは誰だって殺しますよぉ。全然平気なんかじゃないけどぉ、それでも殺すんですぅ。罪ある子供だってぇ、罪なき子供だってぇ、命令さえあれば自分だってぇ。だってだってぇ、そうしなきゃ死んじゃうんですぅ。愛しいあの子が、国に殺されちゃうんですぅ」

 応接室に淡々と響くボーイソプラノ。相変わらず間延びした口調だが、そこには紛うことなき『本気』があった。狂気めくほどに真剣だった。絹綾は本当に、自分を脅す相手が名も知らぬ国のお偉いさんから名前を知っている目の前のお偉いさんに変わったって、命令がよりいっそう残酷でおぞましいものになったって、それで恋人の命が保証されるならやり遂げてみせるだろう。吐きながら、泣きながら、魘されながら。それでも足を止めず、腕を動かし。ただただ助けを求めたあの子を助けるために、自分を含めたそれ以外の全てを助けることなく邁進してみせる。
 それこそが、花蝋燭絹綾が『あの子』に向ける愛だ。

>相初葵様&ALL様

【承知いたしました!】

3ヶ月前 No.9

ラル @rarusann ★KTNVlpaG5M_vln

相初葵

 答えを聞いて納得した。でも私は私でやることがある。まずは八始聖を拷問でもするか…そして最後は惨めな姿でこの地に還してあげよう。
 そう思いながら言う
「そう。貴女は私より強いのね。この国に強制連行された私よりね。ちなみに私の家族構成知ってる?母は奴隷で売られ、父はアルデカラン行き、弟は売り物にならないから溺死…だから私より強い。…無駄話すみません。花蝋燭絹綾さんのお母様この時間にすみませんでした。」
 そして家の外に出ると、我が家のメイドがいた。
「葵様。そちらにいる花蝋燭絹綾様の彼女様が上層部に連れて行かれました。もちろん私たちは抵抗しました。ですが、時を止められたという様に、やられてしまいました。」
 …嘘でしょ…上層部の噂というのはたまに聞くが、その内容は残酷かつ冷酷である。私みたいにはなって欲しくない。ましては私の関係者なのだから。
 急ぐ様子で、私は聞く
「どう?一緒に行きます?というか早くしてクダサイ寒いし、急がなくちゃ。」

【友禅さん】

3ヶ月前 No.10

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★DoaFJQIlTR_UxJ

【 花蝋燭絹綾 / エランテル・北部・花蝋燭家・応接室→玄関先 】

 相手が語り出した過去が真実か虚像か。それさえも、ただの市民でしかない絹綾に知る術は無い。だから聞き流した。それにしても、事情が本当ならどうして葵は母親と同じように奴隷として売却されなかったのだろうか。厭らしい話、若い女と年を喰った女なら若い女のほうが良い値段で売れるし引く手も数多だろうに。そしてアルデカランに行ったという父親は、その話が本当なら既に死んでいるのだろう。そうでなければ、八始聖という高い地位についた彼女がこの国に父親を呼び戻せない理由が無い。
 いきなり謝られた母親は、扉の向こうでぺこりと一礼して通り過ぎて行った。慇懃無礼というよりは、単になんと返せば良いか分からなかったに違いない。元々、この部屋を覗くつもりは無くたまたま通りがかっただけなのだ。まさか声を掛けられるとは思っていなかったはず。立ち去るらしい葵を見送るべく、絹綾も彼女の後を追って玄関へ向かう。アポ無しとはいえお客様、しかもこの国でも指折りの地位にいる相手だ。これくらいはしておかないと心象が悪い。
 いつの間に来ていたのやら、外には見覚えのないメイドさんが一人佇んでいた。葵様、と少女に敬称を付けて呼んでいる辺り、彼女に仕えている使用人か。そのメイドさえも絹綾の恋人を『彼女』と呼んだことに、表情には出さないものの少し嫌悪感を覚える。が、すぐに思い直した。あの子の事情を知っているのに女扱いするのか、と眉を顰めそうになったものの、よくよく考えればこのメイドはただのメイド。偉い人ではなく、偉い人の使用人なのだ。たぶん、葵ほどこちらの事情を正確に把握していない。ならばあの子を『彼女』と呼ぶのも仕方のない事だ。

「寒いならぁ、早くお家に帰ってぬくぬくなさって下さい。僕ちゃん、貴方ちゃんにここに居て欲しいって言った記憶はありませんよぅ。それにこれから行く所があるのでぇ、急な予定変更は出来ないんですよぉ」

 葵からの質問に、ゆるりとした笑みを浮かべてそう宣う。片手はひらひらと振っていかにも不思議ちゃんな雰囲気を醸し出していた。中身が苦悩葛藤でドロドロしていようとも、こうして軽薄に見せられるのが、ある種の強みと言えば強みだ。
 さて、絹綾は何も考えなしに葵の同行提案を断ったわけではない。行けない理由があるのだ。しかも幾つも。それは例えば、『八始聖』を名乗った男の部下の使い魔である、家の周りを常に飛び回って監視しているハトやカラスの存在であったり。『八始聖』ではないがそれなりの地位にいる男に金を握らされて花蝋燭家を監視している近所の一部住民たちであったり。絹綾が常に持たされている、誰かの能力によって作られたらしい盗聴器のようなものであったり。他にもたくさんあるが、ざっと挙げられるだけでもこれほど。
 それらは今も、葵と絹綾とのやり取りを上層部のあの男達へと明確に伝えている。そんな情報が筒抜けの状態で、自分が葵の提案に乗ればどうなるか。彼女について行けばどうなるか。……一人きりとはいえ同じ『八始聖』である葵の屋敷からあの子をぶん取り返してしまえる辺り、言うまでもない。強大な力を敵に回す、その見せしめとしてあの子はとんでもない目に遭わされてしまうだろう。だから行けない。葵はここであの子を助けに行かなければあの子が危ないと思っているのだろうが、むしろ逆だ。ここで絹綾が上層部の男達に反旗を翻せば、そっちのほうがあの子が危なくなる。捕虜ではなく人質なのだ。少なくとも絹綾が彼らの言うことをしっかり聞いて大人しく傀儡をやっている内は、あの子はちゃんと生かされる。たとえ葵がどう考えようとも。

(……嗚呼、これから行く所があるっていうのもぉ、嘘じゃなくなっちゃったなぁ。呼び出しかぁ。嫌だなぁ。でも仕方ないなぁ。行くしかないかぁ。あの子のためにぃ)

 遠方から飛んできたハトが絹綾の肩に留まり、口に咥えている丸まった紙切れを絹綾に渡してくる。その内容にざっと目を通して、絹綾は静かに溜息を吐いた。また胃がキリキリと痛む。例の男達の一人からの呼び出しだ。このタイミングということは、「お前をいつも見ているぞ」という警告と、後は新しくあの町の子供たちを殺す仕事でも押し付けられるに違いない。……そてでも行かなければ。

「それではぁ、またどこかでお会いいたしましょう。僕ちゃん、これからクソ野郎ちゃんと嫌々デートしなきゃなのでぇ。さようならぁ」

 絹綾が葵に頭を下げれば、肩に留まっていたハトがくるっぽーと一鳴きして空へと羽ばたいてゆく。返事も待たずに歩き出しながら、絹綾はバクバクと煩い心臓を服越しに押さえた。憂鬱な気分が胸を支配する。『クソ野郎と嫌々デート』という言い回しも、あながち嘘ではない。あの男は女装男子に興奮する趣味でもあるのか、会えば毎回命令を伝えるだけでなく変にどこかに誘われたり絡まれたりするのだ。幸い肉体関係の強要までは行かないが、人質を取られている身としてはそういう状況に陥っても逆らえない。今回も、デート紛いの行為だけで済むことを祈るばかりである。

>相初葵様&ALL様

【絡みありがとうございました!】

3ヶ月前 No.11

すずり @suzuri0213 ★Android=nMqLjsjQcP

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3ヶ月前 No.12

ラル @rarusann ★KTNVlpaG5M_vln

ラル

 敵かどうかも分からない人と喋っている時アルデカランから人が出てきた。
 まだ人はいたんだとホッとしていると何があったと話してくるので、
「昨日このアルデカランで子供が殺されていて自分は怖くて逃げ出した。」
 恐怖のあまり伝えたいことはまだあるのに言えない。
 でもこの状況は自分にとって有利である。情報収集は基本中の基本だと悟った自分は聞いた。
「それで殺した人は誰か?殺すと命じた組織は何処だ?と言うことが知りたいです。」

<碧ヶ崎あさぎ様 渡空飛燕様>



提案には乗ってくれないと理解したので私はもう帰ろうと思い、

「有難う御座いました!貴方のおかげでこの国の愛着度が下がりました。」
 これはわざと言っている。
「ねぇ華鈴。私寒いからテレポートで送って〜」
 今日は色々と疲れた。帰って、まとめ資料でも作って風呂入って、寝る。今日の残りのスケジュールはこれで良いか。等と考えていた  らメイドの華鈴の魔法は完成していた。
「じゃあね。また今度何処かでねバイバ〜イ」
 こんな恥ずかしい事をしたのは初めてだったがこれを国に筒抜けだと知ったらもっと恥ずかしい。
花蝋燭家→相初家

「ふ〜う疲れた。お休み〜」
 予定が狂った。でも今日でそんな日は無いだろう…

<あっ渡空飛燕様に連絡です。そろそろ人数集まって来たので、能力覚醒とかって出来ませんか?もし出来ないのであれば第三の覚醒者である花蝋燭絹綾様と順番を逆にする予定です。まぁ知っておいてください。>

3ヶ月前 No.13

朱銀 @syuginn☆lXg/nRyFCsTU ★HPzqP6MFXB_3Nj

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3ヶ月前 No.14

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★DoaFJQIlTR_UxJ

【 花蝋燭絹綾 / エランテル・北部・花蝋燭家・玄関先→エランテル・西部・市街地 】

 去り際の葵の様子を思い返すと、名前の通りに青い子だな、という感想が浮かんでくる。自分と同年代くらいであることを考えればあのくらいの正直さは普通だが、しかし、あれでどうやって他の国の高官たちと渡り合っているのだろう。煮ても焼いても喰えないような狸どもの巣窟の中、ただ一人だけあの性格でいては子猫ちゃんだの仔羊ちゃんだの揶揄されるだろうに。そりゃあ絹綾だって腹芸は得意ではないけれど、たぶん、やろうと思えば彼女よりは上手くやれると思う。けれど葵のああいった部分が、人によっては好意的に受け止められて部下や使用人に慕われるのかもしれない。絹綾とは、たまたま合わなかっただけだ。葵が悪いわけでも、絹綾が悪いわけでもなく、相性とかタイミングとかが悪かったのだ。
 現実逃避のために今ここにいない葵のことを考えてみても、現在、自分の隣に性癖がちょっとアレな男がいることに変わりは無い。社会的地位のある変態に比べれば、まだニートの変態のほうがマシだと思うのは絹綾だけだろうか。前者にはどんな反抗をしても揉み消されそうな恐ろしさがあるが、後者は周囲からの信用性が皆無なので仮に冤罪だろうと警察に訴えた時点で罪を裁いて貰えそうな気がする。残念ながら、うきうきとした様子で絹綾と指を絡めて歩いている男は社会的地位のある変態だ。つまり自分は彼に逆らえず、彼は絹綾が逆らわないから、絹綾に好かれていないことに気付かない。幸せな鈍感野郎。
 好きになれる所があるとすれば、そうしても誰にも文句を言われない立場にありながら、文句を言われても足蹴にできる立場にありながら、それでもこちらに本格的な意味合いで手を出そうとはしてこないこと。今日もホテルに連れ込まれることは無さそうで、絹綾は男に買い与えられた流行りの食べ歩きスイーツを口にしながら密かに安堵した。とは言え、侍らせている相手がろくすっぽ固形物を摂取できない精神状態であることも察せない辺り、やはり心の底から評価を改められそうにはない。そもそも恋人を人質にとって人殺しさせる奴等の一員である時点で、たとえ天地がひっくり返ってもそうなることは有り得ないけれど。

「絹綾ちゃん、クレープ美味しいかい?」
「はい。とってもとってもぉ、美味しいですよぉ」

 男からの問いかけに、蜂蜜を煮詰めたような笑みを浮かべて返す。顔色は悪いし、口端は少し引き攣ったが、そこを見ないフリさえすれば、我ながら完璧なゆるふわスマイルだ。幸か不幸か鈍い男はそれに気付かない。こちらの返事に満足げな表情を浮かべるのみ。実際、美味しいのは本当だ。胃袋がストレスでズタズタのボロボロに荒れ果てていなければ、絹綾としても存分に大喜びできたと思う。恋人が好きそうな味だし、あの子にお土産として買っていってあげよう、なんて幸せな思い付きに頬を緩めることもあっただろう。つい最近までは現実だった光景が、今では遠い昔のことのように思えてならない。嗚呼、息が詰まる。ふとした瞬間に聞こえてくる、己が手で殺した子供の断末魔。その幻聴。それはこうしてストレスの原因となりうる相手といる時には、余計に発生の頻度を増やしてくる。
 吐き気を堪えるために唇を噛む。のを、男に見られないよう少し俯く。そんな絹綾の顔を起こしたのは、目の前から掛けられたどこか機械的な声だ。隣を歩く男の足が止まる。それに合わせて絹綾も止まる。視線を上げて、声の主の姿を明瞭に視認。隣にいる男よりも高い身長と均整のとれた肉体を持った、黒いスーツ姿の青年だ。氷像と人間が交わればこのような生物を産むのかもしれない。そう思わせる浮世離れした佇まいは、良くも悪くも非人間めいている。美しい男だ。素直にそう思った。幻の中を生きるかのごとき幽玄とした雰囲気が、一瞬、見慣れた町の風景を別物へと変じさせる。
 もっとも、そう感じたのは絹綾と彼が初対面だったかららしい。どうやら彼と少なからず面識のあるらしい隣の男は、「ああ、君か!」と顔を輝かせておもむろに手を振った。相手に好意を抱かれていないことなど一目で分かるはずなのに、本当、どうしてこの鈍さで今の地位まで昇れたのだろう。よほど運が良かったのか、それとも親の七光りか。なんにせよ、街中で敬語も使わず話しかけてきた銀髪の青年に気分を害した様子は無い。……こんな男だから。誰の敵意にも気付かなくて、冷たい目にも気付かなくて、自分が好きになった相手はみんな自分を好いてくれるのだと信じてやまない男だから、悪気の無い笑みを浮かべて悪いことをできるのかもしれない。出会い頭に歓迎のキスを受けた頬を無意識に手の甲で拭いながら、男と青年のやり取りをぼんやりと眺める。

「そうか、そうか、そうだね! うん、確かに君の言うとおりだ! 私は偉いから私の行動に間違いはないけど、周りは偉くないから、私に間違いがないことに気付かない。『私が間違っているという間違った考え』を持った国民たちが不安に感じてしまう可能性は大いにある。それは避けないとね!
 というわけで絹綾ちゃん、今日のデートはここまでにしよう。君は私が呼び出せばいつでも来てくれるからね。君も私とのデートを楽しみにしてくれているんだろうけど、でも、国民たちの不安を煽るのは良くない。今日はこれで我慢してくれるかい? そしてまた呼んであげるから、今度は国民たちが気にしなくて良いよう、貸し切った施設でデートしよう!」

 ……これもある種の狂気だ。相変わらず頭がイかれている。青年の言葉のどこからそんなニュアンスをくみ取ったのか、とち狂った己が考えを疑いもなく真実だと思い込める男は、自分の中だけで斜め上の方向に忠告を完結させ、最後に絹綾にウインクと投げキッスを送って軽快に去って行った。男の言葉に言いたいことは色々あった。でも全部ちゃんと抑え込んで、「はぁい、楽しみにしてますねぇ」とこちらも笑顔で手を振った。アレの機嫌は損ねたくない。恋人の命が、彼らの手中にある内は。
 さて、と。男の姿がすっかり見えなくなった後、内臓まで吐き出しそうな勢いで深々とした溜息を吐く。疲れた。あの男は普通のクズを相手にするのと別ベクトルの疲労感を提供してくれることに定評がある。部下たちは後ろから刺殺したくなったりしないのかと疑問に思う。仮に刺された経験があった上であの性格ならいよいよ凄い。性格が能力なのかと考えるレベルだ。

「あのぉ……すみません、本当ぉ……」

 改めて青年に向きなおり、緩慢な動きで頭を下げる。彼が自分に意味ありげな視線を向けてくれていたことには気付いていた。気付いていたが、男のマシンガントークの勢いに負けて発言する隙が無かった。
 ……それにしても、刀をぶらさげている辺り彼も戦士の類なのだろうか。それもこれだけの洗練された覇気を湛えているなら、自分のようなぽっと出ならぬぽっと出されとは違い、長年戦場に身を置いている類の。

>凍玻璃虚雪様&ALL様

【絡みありがとうございます! 描写に不都合はございません、まさかほぼほぼモブお兄さんでしかない権力者Aに他の方のロルで出番があろうとは……これはもう実質銀幕デビュー】

3ヶ月前 No.15

すずり @suzuri0213 ★Android=nMqLjsjQcP

【碧ヶ崎あさぎ/アルデカラン・市場付近】


アルデカランで子供が殺されていた。

それはアルデカランに住まう人間からしてみれば物騒だが日常的で当たり前のことであり、とりあえず自分の身の安全を確保しておこう、と考えるのが世間一般の方々であろう。しかしあさぎの場合はそれだけに留まらない。一瞬その大きな瞳が見開かれたかと思うと、ぞわりと言い知れないどす黒い空気が醸し出される。あまりに凶々しすぎるそれは、おおよそ彼女のような子供が発するようなものではない。

「おのれ……おのれ……侵略者めが……」

憎悪にまみれた恨み言を小さな口から溢してから、あさぎははっと我に返った。いけない、また余計なことをするところだった。いくらアルデカランの人間がエランテルに酷い仕打ちを受けているからと言って、あさぎのように復讐を考えているような者は余程のいかれでしかないだろう。エランテルから逃れるために故郷を捨てた者が数知れないというのに、いちいち復讐だなんだと言っていたら周りから冷たい視線を向けられてしまう。ごほんと咳払いをしてから、あさぎは見知らぬ青年へと視線を移す。

「私からも質問をさせてください。そもそもあなたは此方の人間ですか?それとも外部からの方ですか?もし後者であった場合、何処から、何のためにこのアルデカランに至ったかも教えていただけると助かるのですが」

幼さゆえに感情のコントロールがまだつたないのか、あさぎの表情は未だ硬いままである。もしも目の前の青年がエランテル側の人間ならば、彼女は躊躇いなくその喉笛に竹光の切っ先を向けることであろう。それほどまでにあさぎのエランテルに対する憎悪は大きいものだった。

>>風谷ラル様、渡空飛燕様、周辺all様

3ヶ月前 No.16

ラル @rarusann ★KTNVlpaG5M_vln

【風谷ラル アルデカラン外部】

 目の前にいる人の正体も気になるがそれよりも聞きたいことがあった
「あの!今侵略者って言いましたよね!?それはどういう意味ですか!?」
 声を上げながら言った。
『碧ヶ崎あさぎ様 渡空飛燕様』

3ヶ月前 No.17

すずり @suzuri0213 ★Android=nMqLjsjQcP

【碧ヶ崎あさぎ/アルデカラン・市場付近】

急いで口をつぐんだものの、やはりあさぎの言葉は目の前の少年に聞こえてしまっていたらしい。やってしまった、とあさぎは臍を噛んだが後の祭である。とりあえずここはいい感じに誤魔化すことに決めた。いくら彼がアルデカランの少年とはいっても、必ず味方であるとは限らない。どこでエランテルの人間が此方の会話を聞いているとも知れない。此処ではあさぎは非力で貧しいアルデカランの孤児でなければならないのだ。

「いいえ、なんでもありません。……敢えて問うなら、あなたはエランテルの人間に大切な人を殺されたことがありますか、とだけ聞いておきましょう」

表情はもとのぼんやりとした、空虚さえ感じさせるものにすり変わっていたが、その青い瞳には未だ鋭いものが混じっている。あさぎはある意味復讐のために生きているといっても過言ではない。そもそも生きる意味は彼女にはないにも等しいのだ。ただ恩人の仇をとりたいという意志だけが碧ヶ崎あさぎという幼い少女を動かしているのである。だから彼女が注意を向けるのは復讐に関わるものだけ。それ以外は基本的に波風さえ立たなければどうだっていいのだ。

「そんなことより、ずっとこんな拓けたところに留まっていても良いのですか?エランテルの人間がいつやって来るかわからないのに、立ち話をしているのはあまりにも危険です。どこかの廃屋か何かに移動した方が良いのでは?」

すっと瞳の色を変えてあさぎは目の前の二人に問う。できればあさぎもエランテルの人間にこの状態で見つかるのは避けておきたかったし、いくら先程知り合ったばかりとはいっても目の前で人間が殺されたり傷つけられたりするところを見るのはさすがに堪えるものがあるのだろう。小さく首をかしげて、無言でどうしますか、とでも言いたげな視線を送った。

>>風谷ラル様、渡空飛燕様、周辺all様

3ヶ月前 No.18

下がり藤 @libraryice ★9DnW4PWAsQ_m9i

【垂水真鈴/アルデカラン・市場周辺】

まずい。こっちにやってくる。
久々に気まぐれで市場の方まで足を伸ばして、当てもなくふらふら歩いていたのが迂闊だった。行く手に見知らぬ人物が二人、立ち話をしていた。まさか人に遭うとは思っていなくて、あわてて近くの建物の陰に逃げ込んだのがつい先刻。二人の男性、加えて…少年?少女?一人の一行は、漏れ聞いた話によるとどこか人目につかなさそうな場所に移動するようだ。それってつまり、確実にここを通る、まずい。

(どうしよう……!)

僕は生憎、今現在エランテル国の侵攻下に置かれている街の住人だ。それがあっさりバレては、相手によっては一瞬でお陀仏にされる可能性もある。
見つかるのはもはや避けられないとして、鉢合わせするのと自ら進み出ていくのとではどちらがより安全か?心の準備の面で言えば、後者である、たぶん、いやきっと。隠れているということは何かやましいことがあると見なされても困る。
敵かもしれない、という確かめようのない恐ろしさを肚の底に押し込めて、そっと足を踏み出した。

「あのー、こんにちはー……。どうも、通りすがりの行商人なんですけど。アルデカランって街、どなたかご存知ですか…?」

振り返る三人の視線が顔に突き刺さる。怖い。相手がエランテルの兵士ならば知っているそぶりを見せるだろうし、同じ町の住民か何の関係もない一般人なら、知らないか知らないふりをするだろう。問題は、三人がこの即興の芝居に乗ってくれるかどうか。
手にさげたカゴ一杯のきのこと人参が、下手な芝居の小道具になってくれることを祈るばかりだ。

>>風谷ラル様、渡空飛燕様、碧ヶ崎あさぎ様、周辺all様
【参加許可ありがとうございます。都合が合わない点などあれば訂正いたしますのでご指摘よろしくお願いします】

3ヶ月前 No.19

ラル @rarusann ★KTNVlpaG5M_vln

ラル

 その質問の答えで始めて自分はエランテルの存在を知った。
 というかこの二人の名前聞いてなかったな…
 その考えを遮るように、ひとがやって来た。
 その人はアルデカランについて知りたいそうだから。
 あっちですよ。と言うように指差した。

<垂水真鈴様、渡空飛燕様、碧ヶ崎あさぎ様>

3ヶ月前 No.20

下がり藤 @libraryice ★9DnW4PWAsQ_m9i

【垂水真鈴/アルデカラン・市場周辺】

どうやら、間の悪いところで話しかけてしまったみたいだ。
特に聞き咎められるわけでもなく、意外と親切に「向こうだよ」と指さされて拍子抜けした。ごめん、僕、ほんとは知ってる。後ろの青年と少女(これは希望的観測だ。さすがに男三人に囲まれたら逃げ切れる気がしない)は警戒オーラ剥き出しで凝視してきているけど。さっきの質問で敵か味方かアタリをつけようとしたつもりだったのだが、余計泥沼にはまってしまった。知っているようだからまさかエランテルの雑兵?でも、アルデカランの街の人間だったら……?でも、敵ならすぐに……

ええい、考えていても分からない!
こうなったら当たって砕けろだ。丁重に謝ればきっと嘘も許してくれる。

「ありがとうございます!ところで皆さん、浮かない顔ですが何かあったんですか?」
いささか無理やり自分を話の輪にねじ込んだ。

>>風谷ラル様、渡空飛燕様、碧ヶ崎あさぎ様、周辺all様

3ヶ月前 No.21

朱銀 @syuginn☆lXg/nRyFCsTU ★HPzqP6MFXB_3Nj

【 凍玻璃 虚雪 / エランテル-西市街 】

 上層部の男に笑みを向けられ手を振られても、虚雪は微動だにしないまま、氷のような表情を微塵も変化させずただただ彼を見遣る。あまりにも見当違いで虫のいい言葉をべらべらと並べ立てる男に、よくもまあそんなに口が回るものだ、と頭の片隅でぼんやり思う。そもそも自分の直属の上司でもないこの男に興味など欠片もないため、男が発した言葉は虚雪の耳を馬耳東風よろしく通過した。ふと気付けば男は立ち去り、眼前に居るのは少女(らしき少年)だけになっていた。

「…………慰労」

 呼気と共に体の全てが弛緩し、地面に溶け流れてしまうのではないか、というくらいに深い嘆息を吐いた少女の様子を見るだけで、彼女の苦労がありありと伝わってくる。己はあの変態とは直接的な関わりなどないが、それでもあの自己主義な性格には多少辟易している。となると、二人で肩を並べてデート紛いなお出かけをしなくてはならないこの少女の苦しみには、同情にも似た感傷を少なからず抱かざるを得なかったゆえに、労いの言葉を短く一つ呟いた。

「だが、何故? 奴、多分、全部汚い。――脅迫?」

 単語だけを繋ぎ合わせた虚雪の喋り方では、その発言の意味を全て相手に汲み取らせることは難しい。それが初対面の相手ならば猶更である。だがかいつまんで解説するならば、思想や行動の全てが汚らわしいあの上層部の男と、見る限り普通の少女である絹綾が一緒にいる理由を問うており、その理由を虚雪は脅迫であると推測している、という塩梅である。サイコパスであるこの男に共感能力があるのかは定かではないが、並外れた洞察力や観察眼から、もしや絹綾はあの男に何らかの理由で脅されているのではないか、という一つの予想に辿り着いたまで。
 ふと、少女の意識が己が腰に帯びた刀に向いたのを感じ取り、緩やかに少しだけ小首を傾げる。

「……初見?」

 血腥い環境に身を置いてきた自分にとって、得物や凶器の類は常に自分の隣にあった物であり、珍しくもなんともない。だが、眼前に居るのは幼気な少女。人の命を斬り捨てることに特化したこの道具を、文献で目にしたことはあっても現物を見ることは初めてなのかもしれない。

>>花蝋燭絹綾、周辺ALL

3ヶ月前 No.22

すずり @suzuri0213 ★Android=nMqLjsjQcP

【碧ヶ崎あさぎ/アルデカラン・市場付近】

どうやら目の前の少年はそもそもエランテル自体の存在をよく知らなかったらしい。ともあれ何事もなくこの一件が収まったのであさぎとしては万々歳である。下手に探りを入れられたらあさぎとて気が気ではないのだ。いくら復讐復讐言っていたって、中身は13の少女なのだから。
そうこうしているうちに、ひょっこりと路地裏から自分とおおよそ同年代と思わしき子供(パッと見では性別がわからなかったためこう表記する)がアルデカランの場所について尋ねてきた。聞けば、その子供は通りすがりの行商人らしく、たしかに手にはきのこと人参がたくさん入った籠を持っている。一瞬疑わしく思ったあさぎだったが、まあ籠を持っているならそれなりに行商を営んでいるのだろうと納得した。

「お勤め御苦労様です。こちらの少年が言うとおりアルデカランはあちらですが、今無闇に近づかない方がいいかと」

敵がいるかもしれませんからね、と相変わらずの無表情でその子供に告げる。そして何かあったのか、という質問を受けてあさぎは一瞬言葉に詰まった。ここで素性というか目的が露見してはいけない。

「……わ、私たちもたまたまここで落ち合ったんです。近くで、エランテルの襲撃があったとかで。それで、ひとまず避難しないかと話していたんです」

慎重に言葉を選びながら、あさぎはそっと目の前の子供の顔色を伺った。

>>風谷ラル様、渡空飛燕様、垂水真鈴様、周辺all様

3ヶ月前 No.23

ラル @rarusann ★KTNVlpaG5M_vln

ラル

「えっと自分は風谷ラルと言います。彼女が言った通り、エランテルからの襲撃により、人、殺されてるんですよね〜。」

 こんな事を平然と話しているが内心かなり怖い。
 エランテルが何も無しに攻めてくる事が信じられない。
 なぜ殺しに来るのか?殺した所で結果は何も変わらないはずなのに…

「というか皆さんはこの現状どうしますか?自分は反旗を翻すつもりですがね…」


<渡空飛燕様、垂水真鈴様、碧ヶ崎あさぎ様>

3ヶ月前 No.24

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★DoaFJQIlTR_UxJ

【 花蝋燭絹綾 / エランテル・西部・市街地 】

 勝手に冷たそうだと感じたいた銀髪の青年。けれど思いと裏腹に、こちらを助けてくれたり労いの言葉をかけてくれたりと、密かな人情味もあった。もちろん絹綾がそう考えただけで、実際の彼は違うのかもしれない。けれど絹綾の中では、彼の血潮は流氷ではなくなった。再びぺこりと頭を下げて、高い位置にある彼の顔をじっと見つめる。うん、やっぱり綺麗だ。人としての生臭さを感じない所が特に良い。綺麗という言葉には「造形が整っている」と「汚れていない」の二種類の意味があるけれど、彼の場合はそのどちらの意味にも当てはまるだろう。ふわふわとした純粋さは無いけれど、俗世の泥沼にまみれた粘着質な下心も無い。潔癖な美貌。例えるならばそれだ。最近悪い意味で『人間らしい』者とばかり接していたから、彼の淡さや冷やかさが、絹綾にとっては良い清涼剤になる。

「えぇ、まぁ。恋人が人質に取られてましてぇ。……脅されるにしたってぇ、別に“そういう目”で見られるくらいならまだ良かったんですけどねぇ」

 殺した子供のことを思い返せば、やはり未だに痛む胃。それをさすりながら苦い顔になる。そりゃああの男のことは端的に言って嫌いだし苦手だが、それでも「抱かせてくれればもう子供たちは殺さなくて良いよ!」と言われれば「マジっすか!?」と喜びながら服を脱ぎ捨てる自信があった。それくらい人殺しなんて苦痛だ。鶏や豚の解体なら「食べる」という目的があるから前向きに遂行できる。でも、あの子供たちに関しては何故殺害しなければならないのかの理由さえ知らず、知らされず、脅されるがままに殺すしかなかったから。だからこんなに後を引くのだ。良薬は口に苦しというが、毒薬だって甘くない。ジクジクと、いつまでも臓腑を蝕み心の痛みを忘れさせない。

「はい。それ、日本刀っていうやつですよねぇ? 初めて見ましたぁ。マサムネとかムラマサとかぁ、そういう名前がこの刀にも付いているんですかぁ?」

 こてり、と首を傾げて相手に問うてみる。絹綾の日本刀に対する知識など、ぶっちゃけ大したことは無い。持った者が死ぬ妖刀があるらしいとか、西洋の剣に比べて物凄い切れ味らしいとか、精々そのくらいだ。だが、知らないからこそ気になるもの、というのも世の中にはある。近くにあった適当な喫茶店を指さして、絹綾は再び口を開いた。最近、家族以外には国のお偉いさんかその部下たちとしか話していなかったから。そのどちらでもない青年との会話を、もう少しだけ続けていたい。

「あのぉ、先程は助けて頂いてありがとうございますぅ。お礼に何か奢らせて下さい」

 断られたら諦めるつもりではいるが、それでもせめて、お持ち帰りのケーキくらいは渡させて欲しい。

>凍玻璃虚雪様&ALL様

3ヶ月前 No.25

朱銀 @syuginn☆lXg/nRyFCsTU ★HPzqP6MFXB_3Nj

【 凍玻璃 虚雪 / エランテル-西市街 】

 花蝋燭が脅迫されている、という推測はどうやら的中していたらしい。血で血を洗う己の業界では、相手の大事なものを人質にとって強制的に従わせるのは特に珍しいことではない。今や戦場と化しつつあるこの国でも、そういった汚い手法は蔓延っているのだろう。だが、如何せん理由が分からない。見たところ、色恋沙汰に関して以外は特に何の変哲もないこの少女に、わざわざ脅迫を使ってまで言うことを聞かせる必要があるのだろうか。あの上層部の男がすっかりこの少女だけにお熱を注いでいるのならばまだ分からないでもないが、彼女の口振り的に、どうやら“そういうこと”が上の目的ではないらしい。
 何かを思い出してしまったかのように苦い表情になった目の前の少女をじっと見下ろし、この国でも面倒臭そうなことが起きているのだなあ、と心底億劫になる。尤も、少女の顔を曇らせた原因が己の生業である“人殺し”に起因するものであることまでは考えが及んでいなかったが。

「…………ライ……、……。……忘却」

 ふと刀の銘を聞かれ、記憶を辿る。この刀を、この大陸とはずっと離れた東の孤島で譲り受けた時、確かにその名を知ったのだ。だが、虚雪にとって刀は刀。商売道具ゆえに入念に手入れはするが、所詮刀に道具以上の感情を持つこともない。だから、忘れてしまっていた。それを聞けば、この刀は怒るだろう。“雷切・真打”。実在する掛け値なしの名刀である。いつかどこかで仕事を受けた際のボスにも、花蝋燭と全く同じ質問をされたことがあるが、その時にはもう既にその名を忘れてしまっていただろう。肝心の刀の名を忘れてしまうという抜け目に、これ以上広がらない会話を申し訳なく感じることすら、虚雪には面倒だった。

「……礼? 不要。此れ、仕事じゃない」

 礼がしたい、という彼女の言葉に、きょとんとした表情で頭上にハテナを浮かべる。血腥い商売で日銭を稼いできた虚雪にとって、礼とは、定められた任務を完遂した際に支払われるもの。よって、誰に依頼されたわけでもなく、自分の意思で行ったことに礼をされるのは、虚雪の中に常識としてインプットされていなかった。
 そういう理由で、虚雪は花蝋燭の健気な申し出を冷たく断った。今までの彼ならここで後腐れなく立ち去っていただろう。だが、極度のめんどくさがりであるこの男は、今回とてもレアな気まぐれを起こした。

「だが、行く。礼じゃない。……行きたいから、行く。只其れだけ」

 いつも通り淡々とした声音と無表情でそう告げれば、一足先に彼女が指差した喫茶店へと歩みを進めて入店する。適当にテラス席へと腰掛ければ、店員が持ってきてくれたメニューにちらりと目を通す。そこで、虚雪はピタリと静止した。比喩ではない。本当に氷像になってしまったかの如く、メニューに視線を落としたまま、かっちりと固まってしまったのである。

「…………疑問。――けえき、とは何だ……?」

 この男、齢26にしてケーキを識別できないのである。いつかどこかで目にしたり口にしたりしたことはあっただろうが、それ自体がケーキである、という知識は得てこなかった。――殺人に必要がない知識だからである。面倒くさがりが服を着て歩いているかのような虚雪にとって、自分に必要な知識以外は積極的に吸収する意味を見出せない。
 堂々と喫茶店に入ったはいいものの、果たして一体何を注文すればいいのかわからず、眉間にしわを寄せながらじっと花蝋燭の顔を見つめた。

>>花蝋燭絹綾、周辺ALL


【あけましておめでとうございます、今年もぜひよろしくお願いいたしますー!】

3ヶ月前 No.26

下がり藤 @libraryice ★9DnW4PWAsQ_m9i

【垂水真鈴/アルデカラン・市場周辺】

「えっ。人が、殺されて……?エランテルに?」

にわかには信じられない、いや信じたくない言葉だった。ついに、僕たちがここにいるだけで狙われるようになってしまったということだろう。たしかに、今までにエランテルの襲撃を経験したことは何度かあった。しかし危険を感じて隠れていたし、甚大な被害を受けたわけではなかった。だから、軍の襲撃と言っても盗賊や強盗団のようなもの、と何となく思い込んでいたのだ。以前よりも差し迫ってくる身の危険に、足がすくむような思いがする。わからないことが多すぎる。けれど一方で、なんだかめらめらとむかっ腹が立ってきた。一国の軍隊ともあろう者たちが、何の抵抗手段も持たないうらぶれた町を袋叩きにして、あまつさえ人まで殺すなんて、そんな不条理な話があっていいのか?
しかし、いくら真鈴が憤ってもただそれだけの話。今は、この三人はエランテルを脅威とみなしている、つまり少なくとも自分の敵ではない、それが確定したことがただ一つ確かなことだ。

「反旗、ですか……。確かに、このまま何もせずにいるわけにはいきませんよね。まあでも、誰かに聞かれているかもしれませんし、ひとまずここはどこかに移動しません?無理にとは言いませんが。」

実際、目の前で飄々としゃべるこの少年も、虚ろな表情に抜け目無さそうな眼光の子供も、先ほどから黙ってこちらを観察している青年もみんなみんな空恐ろしい。それでも、この町の中心部に出てきた価値はあったと思いたかった。

>>風谷ラル様、渡空飛燕様、碧ヶ崎あさぎ様、周辺all様

【明けましておめでとうございます。去年はお世話になりました、今年もよろしくお願い致します】

3ヶ月前 No.27

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★DoaFJQIlTR_N6D

【 花蝋燭絹綾 / エランテル・西部・市街地 】

 最近は人生そのものの展開が目まぐるしすぎて精神的に休む間も無かった。だから目の前の青年のゆったりとした口調にも、むしろ急かす気持ちではなく安らぎを感じる。これが口数の多い飄々とした詐欺師とか奇術師みたいな曲者なら、こちらも渡り合うべく仮面を幾重にも被って心を武装させなくてはいけなかった。だから彼の人間的な淡さが心地良い。彼はきっと、何があろうと他人に過剰な好意も悪意も抱かないだろう。今こうして絹綾と会話しているのだって、なにも絹綾を気に入ったからではない。『気まぐれ』か、『立ち去る理由も無いから』か。そこに明確なものは存在しないはずだ。だからこそ安心できる。お互いに特別な意味の無い出会い。運命を左右しない対話。さりとて無意味なものが無価値なものとは限らない。

(らいぼうきゃく……字は何を当てはめれば良いのかなぁ。きゃくの字が一番悩むぅ)

 じっとこちらを見つめてくる青年を絹綾からもじっと見つめ返し、頭の中でクエスチョンマークを飛ばす。相手の口数の少なさに無意識の内に合わせてしまっているのだろうか。「どういう字を書くんですかぁ?」と問い返せば良いものを、何故だかそうしようとしない。そもそも刀の名前の読みが「らいぼうきゃく」ではないことに気付きもせず漢字を当てはめようとして、何通り考えてもしっくりこなくて途中で諦めた。どう足掻いても「きゃく」の部分が難物だ。
 仕事ではないのだから礼は不要、と不思議そうに語る青年に釣られて、こちらも仕事でない行為に礼をしてはいけなかったのだろうか、と自分の常識が狂った心地を味わう。まともだと思ったこの国がイかれていることに最近気付いたばかりだから、この国で培ってきた常識にもいまいち自信が持てない。ひょっとして、もっとまともな他の国ではこういった行為が失礼にあたってしまうのではないだろうか。ハラハラと相手の表情を窺う。が、彼の心の中で何かしらの動きがあったらしい。礼じゃないとは前置きされたものの、気付けば彼は指さした先の喫茶店へと歩を進めていた。それに密かに胸を撫で下ろす。良かった。怒られなかったということは、やはりよその国でのかなりの非常識をやらかしたわけではないらしい。トテトテの小走りで彼の後を追う。かなりの身長差なので、客観的には親鴨と子鴨のようだ。顔立ちも色彩も似てはいないけれど。

「ケーキとは何かぁ、ですかぁ? それはそのぅ、哲学的な質問なのでしょうかぁ……?」

 席について早々、メニューに目を通す青年から掛けられた質問に困惑気味ではあるものの至極真面目な表情でそう返す絹綾。こいつの中では『成人男性がケーキを知らない』というのがほぼほぼ有り得ない発想で、恐らくケーキとは比喩であり何らかの深く抽象的な質問を受けているのだろうと思い込む。
 ケーキ。ケーキとは何か。真っ先に思い浮かぶのは幸せだとか祝福だとかの象徴であること。誕生日ケーキとクリスマスケーキとウエディングケーキ辺りが良い例だ。他にも何か嬉しいことがあったら自分へのご褒美にケーキを買う、という人は一定数いるし、絹綾だってそうしたことがある。つまりこの質問に込められた意図とは、『君は幸福や祝福とは何を指すと思う?』ということ。なんと難しい。

「そうですねぇ。僕ちゃんの幸せはそのぉ、やっぱり恋人との繋がりが深いっていうかぁ、恋人こそが幸福そのものみたいな所がありますけどぉ。祝福に関してはよく分からなくてぇ。お兄さんにとっての幸せは何ですかぁ? ――あ、店員さんすみませーん! このエンゼルケーキお持ち帰りでお願いしますぅ。それと店内でダージリンのファーストフラッシュ飲みますぅ。ミルクを入れてホットでお願いしますねぇ」

 前半は青年からの質問(※間違った解釈をしている)に答え、後半は店員さんへの注文。今の自分の胃袋は固形物をろくすっぽ受け入れないが、紅茶くらいなら吐きはしない。優しい味になるようにミルクも入れて貰ったし。

>凍玻璃虚雪様&ALL様

【新年あけましておめでとうございます。去年は色々とお世話になりました。今年も皆様に幸多からんことを!】

3ヶ月前 No.28

ラル @rarusann ★KTNVlpaG5M_vln

ラル

 「何処かに避難ですか…まぁ良いとは思いますが迂闊に動くとエランテルからの刺客にやられると思いますので自分はここで待ってるつもりです。」

<渡空飛燕様、碧ヶ崎あさぎ様、垂水真鈴様。>

『相初葵 エランテル 相初家』

今日も呼び出しですかそうですか。と思いながら、着替える。
「ねぇ華鈴送って。しんどい昨日今日とだからね」
 これはほんとだ。嘘ではない。
「了解致しました。では帰りはどう致しますか?」
 少し考える。そして答えは
「帰りは良いよ。では行きましょう?」

相初家→国会議事道

「相初で〜す」
 と言い席に座る。
「本日はお集まり有り難うございます。本日はこの前の件の続きなのですが、本格的に戦争を始めようと思います。その総大将を八始聖の相初葵に任せようと思っている。引き受けてくれるか?」
 えぇ…(困惑)状態だった。戦争ねぇ。引き受けてくれるか?って半強制的じゃねぇか。
「あ〜はい。それなら受けます。」
「それなら早速だが隊を作るとしよう…では本日の議会終了です。」

【皆様へ 本編がようやく始まるところです!これも皆様のおかげです。有り難うございます。で能力開放の件ですが、イベントとか作って下さい。’(人任せですみません。)で渡空飛燕様なのですが10日投稿をしていなかったので死亡にさせてもらいます。つきましてはこの戦争の勝者側に引き入れるということにしますのでよろしくお願いします。】

3ヶ月前 No.29

すずり @suzuri0213 ★Android=nMqLjsjQcP

【碧ヶ崎あさぎ/アルデカラン・市場付近】

自らを行商人と名乗った子供は、エランテルによってアルデカランの人間が無差別に殺害されていることを知って明らかに驚愕の色を示していた。まあはじめて聞いた者は驚くのだろうな、と思っていたあさぎにとっては予想外でもなんでもない。それがアルデカランの住民にとっての日常なのだから。

「エランテルとはそういうものです。……そう割り切らなければ、此処ではやっていけませんよ」

あさぎとしてはこの子供がこれ以上衝撃を受けるのを避けていきたいのだろう、彼女にしては珍しく忠告めいたものを投げ掛けた。目の前で惨劇を見せつけられて頭がおかしくなってしまった人間など、あさぎは飽きるほど見ている。年端もゆかないこの子供には、そのような目に遭ってほしくはないのだろう。
そして自分と同年代の少年━━━━風谷ラルと名乗った━━━━は、自分はエランテルに反旗を翻すつもりだと公言した。それにもあさぎは特段反応を示すことはなかった。こういった思想の持ち主は隠れてはいれどどこかにいると思っていた。皆、エランテルに何かしらを奪われた者なのだから。

「……私は、碧ヶ崎あさぎと申します。風谷殿はエランテルに対して反旗を翻すつもりなのですね。それなら私もご一緒してよろしいでしょうか?……もっとも、私はエランテルの尖兵に報復ができればそれで構いませんので、細かいことは皆様で決めなさってください。私は物事を考えるような知恵を持ち合わせておりませんので」

今まで目深に被っていたフードを脱いで、あさぎはぺこりと一礼する。光の加減によってはオレンジ色にも見える茶髪と名の通りの碧眼が現れる。それはどこか虚ろで光をなくしているかのようにも思えたが、エランテルへの報復の手段が見つかりそうだということもあってか僅かに輝きを取り戻していた。

「……この近所に私の穴蔵がありますが、良かったら使いますか?家と言うにも古ぼけた廃墟のようなところですが、とりあえず今までエランテルの尖兵から見つかったことはないのでそこら辺はご安心ください。この人数なら余裕で入れますし、周りに小路も多いのでもし逃げるとなってもすぐに行動できるかと思いますが」

これからどうするか、という題目にあさぎは控えめに提案を投げ掛ける。この市場をうろうろしていてもそのうちエランテルの人間が通りかかるかもしれない。しかし移動もリスクを伴うとなれば、あさぎがまず考え付くのが自宅であった。あさぎにとっては睡眠を取るくらいにしか利用していない代物だが、何かしらの形で役に立つのならそれはそれで良いのではないか、と考えたのである。

>>風谷ラル様、垂水真鈴様、周辺all様

【遅ればせながら新年明けましておめでとうございます!昨年はお世話になりました、今年もよろしくお願いいたします!そして返信遅れて申し訳ございません……!いよいよ本編開始ですね。これからの展開を楽しみにしております……!】

3ヶ月前 No.30

ラル @rarusann ★KTNVlpaG5M_vln

【風谷 ラル/アルデカラン・市場付近】
 見つかった事が無いのは好都合である。たとえ廃墟のような物でも。

「ええ。あさぎさん。行かせてもらいたいです。自分の家普通にバレると思いますので。」

碧ヶ崎あさぎ様、垂水真鈴様、周辺all様

3ヶ月前 No.31

下がり藤 @libraryice ★9DnW4PWAsQ_m9i

【垂水真鈴/アルデカラン・市場周辺】

微かに気遣うような、それでいて現実を心に突き刺すような忠告にため息が漏れる。これから自分たちの敵となるものの一端を知ってしまったからには、これほどの、いやこれ以上の衝撃をぶつけてくるものをたくさん目にするだろう。耳を塞いでしゃがみ込みたくなる。
しかし、堂々と「反旗を翻す」と明言したこの、風谷、さんには少なからず驚いた。それに私も参加したい、と言いきったこの碧ヶ崎さんにも。二人とも自分とほぼ同じくらいの年で、お世辞にも”一人前のおとな”とは言えない背格好だ。それなのに。まだ抵抗という選択肢が残っていることを、僕には気づけなかったことをはっきりと示して見せた。なんて勇敢な。加えてこの少女、報復といったか。復讐を心に決めるほどの強い恨み、怨念がないと出てこない言葉だ。こんなうら若い子供が、いったいどんな悲惨な過去を背負っているというのだろう。

「あの、僕も、僕も参加させてください!僕にできることなんてほとんど無いですけど、多分ほとんど役に立ちませんけど、されるがままにただ死ぬのは嫌です。あと、お二方の力になれればと」

ところで、たまたま通りがかっただけの行商人がいかにも自分にも関わりがありそうな口調で話すものだから、二人もそろそろおかしいと思い始めている頃だろう。嘘をつき通すのも限界だ。

「謝らなくちゃいけないことがあります。僕、実は、行商人ではなくて、アルデカランの住人なんです。嘘をつくのは忍びなかったんですが、得体の知れない方々だったので怖くて……。本当にごめんなさい。森のはずれに住んでいる、垂水真鈴と言います。家はもうあちらに割れているので使えませんが、辺りの山林の地理はある程度わかります。信用ならないとお考えかもしれませんが、どうかお願いします」

素性を偽りはしたけれど、自分もレジスタンスに加わりたいという気持ちは嘘ではないことを伝えたい。自己紹介とは全く違う意味で、深々と頭を下げた。

>>風谷ラル様、碧ヶ崎あさぎ様、周辺all様

【いよいよ本編開始とのこと、経験の浅さゆえ緊張ひとしきりですがちょっとわくわくします。よろしくお願いします!】

3ヶ月前 No.32

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=nMqLjsjQcP

【碧ヶ崎あさぎ/アルデカラン・市場付近】

あさぎの案にラルは賛成の意を示した。それを聞いてあさぎはほんの少しだけホッとする。ここで拒否されてもあさぎにはなんの不利益もないのだが、それなりに堪えるのである。たとえ仇討ちに心を燃やしているとはいえ人間関係を捨てたわけではない。つまりそこそこ傷つくこともありえるのだ。自分の精神面がそう強くないことはわかっているのだが、どうしても人付き合いを捨てきれないのはあさぎの弱みでもある。だから此処で取りつく島もなく断られたらぼろぼろ幼子のように泣き出してしまう可能性もなきにしにもあらず、といったところであった。

「……ありがとうございます。それでは案内するので、ついてきていただきたく」

そう言って二人を穴蔵まで案内しようとした矢先に、先程行商人と名乗った子供が神妙な面持ちで謝罪の言葉を述べ始めた。この人物もあさぎと同じくラルの計画に協力する意を示していた。そのためあさぎはほんの少しだけ眉を潜める。
子供は垂水真鈴と名乗った。真鈴は実は行商人などではなく、あさぎと同じアルデカランの住人であった。どうやら得体の知れない二人を前にして咄嗟に嘘を吐いてしまったらしい。申し訳なさそうな表情で謝る真鈴をあさぎは一瞥し、ふうとひとつ息を吐く。基本的に嘘を吐くことや偽りを嫌うあさぎだが、防衛の手段として咄嗟に使ったのなら仕方ない。それに同じ状況ならあさぎだってそうしたかもしれない。だから特にあさぎは真鈴を責め立てようとは思わなかった。

「……そんなに謝らないでください。たしかに嘘を吐くことは良くないけれど、そういった事情なら仕方ありません。それにこの辺りの山林について知っていると言うことは助けになります。こちらこそ、よろしくお願いしますね」

久しく笑っていなかったため、あさぎは頑張って口角を上げてみたが、ひきつったような表情になってしまった。それでも彼女が笑顔を作ろうとしたことは彼女の口振りから傍目にもなんとなくわかるだろう。これからは表情筋を鍛えていかなくては、とあさぎは密かに決意を固めたのだった。

>>風谷ラル様、垂水真鈴様、周辺all様

3ヶ月前 No.33

下がり藤 @libraryice ★9DnW4PWAsQ_m9i

【垂水真鈴/アルデカラン・市場周辺】

 前までは、たまたま自分に会話の機会が無いだけで、話そうと思えばいつでもうろたえずにしゃべれると思っていたけれど、それは間違っていたみたいだ。二人に否と言われたらどう返そうか、さっきから考えてはいるのに、どうしようどうしようという一言がぐるぐると頭の中をまわるばかりで一向に考えつかなかった。あさぎさんがよろしくお願いしますと言ってくれた今も、何と答えていいか分からずにいる。

「寛大なご判断、ありがとうございます……」

 ちぐはぐな礼を変に思われたかもしれない。厳しく詰問されもせず、冷たく突き放されもしないで済んだのには正直心からほっとした。けれど笑顔が自然に出てこないのは、拭いきれない罪悪感のせいか、はたまた緊張のせいか。にっこりと屈託なく笑うことはとても出来そうになかった。ひとまず碧ヶ崎さんの控えめな微笑みかけに応えて、真鈴も両ほほをつり上げた。
 それでは行きましょう、と風谷さんと真鈴の顔を見比べた碧ヶ崎さんはさっと踵を返す。自分の住居を別の目的で使用するときに、碧ヶ崎さんの一存でそうと決められるところ、自分以外の住人の存在について私たちに一切断りを入れない所を見るに、彼女も自分と同じ、同居人はおらず一人暮らしのようだ。明るい瞳輝く少女がどんな場所で寝起きしているのか興味がわいてきた。

「僕、アルデカランにまだこれだけ人が住んでるなんて知らなかった……。案内、よろしくお願いします」

>>風谷ラル様、碧ヶ崎あさぎ様、周辺all様

【前回の投稿からだいぶ間が空いてしまいましたが、よろしくお願いします!】

2ヶ月前 No.34
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