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――evil.【本編開始】

 ( オリジナルなりきり )
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闇落魔法少女BEスレ @mistydark☆NIljAHmRyhk ★R3lMq2ye0U_c1Z

 これは、輝かしい世界の裏側の、破滅に向かう物語。

「世界を救うための正義の味方になる」
 誰もが一度は憧れる夢物語。子供が何度も自分の姿を当てはめる幻想。
 もしも空が飛べたなら、もしも魔法が使えたら、もしも怪物と戦って勝てるだけの力があったなら。
 空を駆け、現実では有り得ない力を駆使して、敵を倒す。美しい姿に、綺麗な衣装、魔法の呪文のオマケつき。
 まさにそれは、世界を救う天使の卵。
 けれどそれは、絵空事だからこそ許される異端。
 一度現実になってしまえば、愚かで滑稽で残酷な御伽噺以下でしかない。

 正義の味方(私たち)は死ぬ。遅かれ早かれ、敵か味方の餌になって死ぬ。
 彼等の正体も目的も分からない。何故私たちが選ばれたのかも、何故こんな同士討ちのような真似をさせられているのかも。

 けれどもう、真実なんてどうでもいい。

 権利には義務が、そして犠牲が付きまとうもの。現実は理想通りに行かないことなんて、ずっと前から解りきっていたことじゃない。
 それなのに、死を前にして希望という甘い密にすがり付いてしまった私たちは、きっと最初から間違っていたのだ。
 やり直したいなんて浅はかなことは考えない。ここまで来たら、足掻いて藻掻いて、朽ち果てるまで生きてやるだけ。何を犠牲にしても、一度は守ろうとした世界を敵に回しても、最期まで生きてやるだけ。

 私たちの絶望が、この世界を赤く染め上げるまで。

メモ2018/01/20 12:01 : スレ主☆NIljAHmRyhk @mistydark★R3lMq2ye0U_ly4

2017/12/15 本編始動しました!


キャラクター一覧→http://mb2.jp/_subnro/15661.html-131#RES

現在深紅のエンジェル・エッグを再募集しております。


T evil〜闇の子供たち〜 >>1-49

U egghunt〜操られ人形〜【1/15〜2/14】

概要→http://mb2.jp/_subnro/15661.html-118,127#RES

『絡み状況』

・幻燈館

ウォッチキーパーVSルイン・ホワイト、神之門 朝音、レディ・グレイ

・式読神社(MAX3名)

スノウクイーンVSステラ、翡翠

・コキュトス←そのうち星の使途が出てきます。

ウィッチVSバニー、千歳柄 掴、足立優里

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洗濯蟻 @arinohito ★iPhone=n7Rebp7mCv

【THIHILO/ムーン・ファントムランド】


月の幻影。夢の残骸。幻想の跡地。希望の残滓。
未だ嘗て其処に在り、今はもう比類無き子等の楽園。

ムーン・ファントムランド。

夜の夢の舞台をテーマに掲げたその遊園地は侵略者の魔の手に堕ちこの世の地獄と化した。一人で踊る巨大な異形の下に集るはこれまた夢と希望の戦士達。

この平和を脅かす不埒で無粋な輩は、偉大な正義の鉄拳で、その腐った身体を矯正してやる必要がある。

既にこの場には数人の魔法少女が居た。エンジェル・エッグと呼称される彼らこそこの舞台の主人公。少女とは言うが何も女性だけではなく男性も居る。魔法の奇跡の力には姿形など関係ないのだ。
早い者は戦闘を始め、ある者は傍観し、ある者は蜜に集る蟲を見て舌舐めずり。
さあ、其処にまた一人の魔法少女のエントリーだ。


フゥオオオオオオオン…………


遊園地に続く前庭の路をエンジンの唸りも高らかに疾駆し迫り来る一台の重装甲バイク。

探せ探せ、奴等は何処だ?
夜の闇を侵す不粋で不埒な奴等め。絶対に許せない。赦さない。何処までも追ってやる。
追い付け、追い込め、追い詰めろ。容赦はするな皆殺しにしろ、生かして返すな土に還せ。一人残らず剿滅だ。

黒色の装甲が震え、赤熱し、蒸気と火の粉混じりの煤煙を噴きあげる。前輪を跳ね上げ加速。道端に佇む奇怪なオブジェの一つに突っ込んだバイクは空に跳ね上がった。

そのまま高い塀を越えて園内に飛び込む。着地地点には歪な人形が……居た筈だった。


ズガッシャアアアアアンッ!!!!!


歪な人形が着地したバイクの前輪に轢き潰され、ターンブレーキをかけて横滑りするバイクの慣性で地面に引き摺り倒されて擦り下ろされ、原型を失って消滅した。

バイクのヘッドライトが激しく点滅しながら周囲を索敵。排気管から火の粉混じりの黒煙を吹かし、エンジン付近から激しく蒸気を噴出させている。車体は所々赤熱し、立昇る陽炎で周囲の空気が揺らめく。その場でグルグルとドリフトしながら尚も『敵』を捜索していた乗り手の居ないそのバイクのヘッドライトは園内に聳える巨体を捉えた。


ギギギギキキャキャキャキャキャキャ!!!


激しく車輪を空転させ、前輪を跳ね上げて急発進。アトラクションの残骸の隙間を縫う様に走り、周囲の喧騒など御構い無しに真っ直ぐにケッタイな巨体の侵略者の元へと押し迫る。
ガシャガシャと車体両サイドの装甲が捲れて展開。内部から銛を備えた発射機構が迫り出して狙いを定める。


ガシュンッ!!


撃ち出された銛は迫り来る車輪の攻撃を撃ち落とし相殺。瞬く間に距離を詰め侵略者と対峙して停車したバイクから、間延びした録音音声が響き出した。

「TARGET. CAPTURED. BODY SENSOR. EMULATED, EMULATED, EMULATED!! 続いてのリクエスト曲はSandstormお客様料理をもっと美味しく簡単に新食感神聖六文字ザザザザザザ……」

ランダムに組み替えられたラジオ音声が大音量で響き渡る。注意を惹く為か存在誇示か、砂嵐の様な耳障りな雑音がプツリと途切れ、少女の低く冷たい声が響く。


「私は悪い奴は絶対に赦さないです」


ドロドロと低く唸るエンジン音とギチギチと軋む装甲の擦れ合う音が音声に混じる。新しくセットされた銛は侵略者の身体に狙いを定めていた。


>>LV2侵略者、周辺All

【周囲のサツバツとしたアトモスフィアをぶった切って殺戮者のエントリーだ!】

1ヶ月前 No.12

白鷺 @keiunuiek☆mQLLuNXADKnU ★Android=hn2HASXm05

【クリエイター/ムーン・ファントムランド、休憩所付近】


段々と地面が差し迫ってくる。着地しようとしたその時、青い閃光が此方に向かって来るのを視界の端に捉えた。この青い光は、ああ知っている。自分と同じ、堕ちた者だ。そのくせ、何を勘違いしているのか正義ぶってこうしてクリエイターを初めとしたセレス・コア欲しさに同族を狙う輩の阻止をし出す。不愉快だ。全くもって、不愉快だ。
青い閃光はクリエイターを攻撃する様子は無く、ただクリエイターが男のエンジェル・エッグに近付く事を阻止しようとしている。だったら、とわざと着地を荒々しい地面のアスファルトが隆起するようなものに変える。そのアスファルトの大きな欠片が足立優里に、そしてあわよくば男のエンジェル・エッグに当たれば良い。

「おっと悪ィ。当たっちまったか?」

あくまでも偶然を装って。白々しく二人を心配するような言葉を投げかける。二人をevilだと知らない男のエンジェル・エッグは、仲間割れだと勘違いして喚いた後、背を向ける。チャンスか、とそのまま襲おうとも思ったが、近くにクリエイターを邪魔した足立優里が居る。自分たった一人なら、さっさとセレス・コアを奪えたものを。侵略者を倒そうと駆け出した男のエンジェル・エッグを一先ず見送り、足立優里に向き直る。苛立ちが募るまま、舌打ちをして睨み付ける。

「俺が何をしようと俺の勝手だ。邪魔するんならお前も殺す。セレス・コアが手に入るならお前を殺すのも同じだからな。知ってるとは思うが、俺達は基本ワンマンプレイだ。自己責任のな。分かるか? 自分の行動には責任を持てよ。なァ? 俺を止めるなら、死んでもいい覚悟を持てよ。それが責任ってモンだろ?」

吐き捨てるように言葉を投げ掛けると、証拠だとでも言う通り創造の能力で日本刀めいたものを数本出現させると、足立優里に投げ付ける。当たるか外れるか、それとも彼女が避けるか、後は知らないとでも言うように男のエンジェル・エッグを追い掛けて歩き出そうと踵を返した。



【確定ロルかちょっと怪しいですが、全て避けて下さって問題ありませんので……! 基本的に他人への当たりが強い奴なんです、常に上からなんです本当すみません……】

>>足立優里様、オーシャンナイト様、ALL様

1ヶ月前 No.13

御柱 建(弘樹) @sibamura ★o0W3VsenYO_xmq

【御柱建/ムーン・ファントムランド・入口方面】

 夜の帳はすでに降り、本来ならば闇のしじまがあたりを支配する時間帯。
しかし、

「これは、ずいぶん派手にやってるね。人の少ない時間帯だったのが不幸中の幸いだったかな。」

 園内には火の手が上がり、車輪は飛び交い、巨大な侵略者は大暴れ。まさに阿鼻叫喚の坩堝と化していた。警官隊が封鎖しているおかげで人的被害はほとんどないようだが、巨大な侵略者が入口方面へ向かっているのを見るとそれも時間の問題だろう。
 そんな状況を入口のゲートの近くから眺めながら一人の青年が立っていた。
 身長160センチ半ば、黒髪に短髪のどうということはない少年である、服装も、デニムに白いニット、黒のジャケットとごく普通の青年のそれだ。しかし、警官隊の包囲の内側でこんなに落ち着いている人間が常人であるはずもなく。

「放っておけば市民や警官に犠牲がでるかもしれない……それに、せっかくセレスコアを回収できそうなチャンスだからね。」

 青年はそう呟くと、目を軽く閉じる。刹那の後には彼の姿は一変していた。
 平凡だった黒髪は輝く金色に、瞳の色は真紅に染まっていたのだ。その服装も先ほどとは趣を異にしている。全身黒一色のコスチュームの上にキャメルのコートをマントのように羽織り、目元を隠すように細身のバイザーが装着されていた。
 御柱建はエンジェル・エッグである。そして、その中でもEVILといわれる『堕ちた天使』なのだった。

「さて、とりあえずどうするか……ん?」

 変身を終えた建の視界に入ってきたのは巨大な車輪の侵略者とそれに追われる白髪の少女、身のこなしから見てエンジェルエッグだろう。車輪の侵略者の攻撃を躱しながら後退している少女であるが、その背後に不定形の醜悪な生き物が音もなく忍び寄っていた。
 俗にレベル1と呼称されている侵略者の一種で、別にあれに攻撃されたからといってエンジェルコアが一撃でどうこうされるわけではないが、被弾によって足を止めれば大型の車輪にとらえられてしまうかもしれない。
 そのレベル1の幽鬼のような侵略者が白髪の少女に背後から一撃を加えようとした瞬間に、

「危ない!」

 建の声と彼が指を鳴らす音が夜に響く。そして、煌めく閃光と爆音。彼の生み出した熱と爆風は、レベル1の侵略者の体の大半を確実に吹き飛ばしていた。

「gyolololo? hyurulululu」

 しかし、それでも侵略者への決定打とはならず、人には聞き取れない不可解な声を発して地面でもだえる。建はそんな侵略者へ向かって跳躍すると、残ったその頭部に腰から抜いて刀を突きたてた。

「urululululu」

 不気味な断末魔の声を上げて今度こそ侵略者の息の根が絶える。それを確認すると、建と刀を鞘に納めて白髪の少女に声をかけた。

「やぁ、初めましてだね。僕は御柱建(みはしら たける)、君の同類さ。」

>>ALL様 ブラッディースノー様


【メイン解禁おめでとうございます。遅れましたが、メインの方に書き込ませていただきました。これからよろしくお願いします】

1ヶ月前 No.14

絡繰 @ne9rodoll☆V4.8X.AnvuQ ★wgm3NQbNwV_GYH

【 ステラ / ムーン・ファントムランド、観覧車頂上】

 此処は小さな小さなアクアリウム。観察と言うには物足りなくて、実験と呼ぶには大仰な、小さじ一杯分の奇跡と正義、箱を満たすほどの絶望と反抗心で造られた水槽。箱を彩る魚たちは、決して足並みを揃えることなく進んで行く。闇をもがく様に、行き着く先が存在しないことを知りながら。

――――これは私の観察記録だ。


 ひゅうと少しばかり強い風が頬を駆け抜けた。凍える程に冷え込んだ冬の夜、視界を覆う無数のサーチライトは禍々しくこの場を染め上げている。確かにほんの数刻前まで笑顔と夢の溢れる遊園地だった場所は、今や絶望と正義の入り混じった何とも不味そうなミルフィーユの墓場となっていた。

 己の目的のためだけに破壊を続ける侵略者、正義の為に悪を討伐せんとする者、その正義ごと丸ごと捕食してしまおうと目を輝かせる者たちを、時たま片眼鏡をきらりと光に反射させ、退屈そうに両足を投げ出す少女はその全てを傍観―みて―いた。風と巨大な侵略者の行進で不安定に揺れる、動きを止めた観覧車頂上のゴンドラの上に腰かけ、壊滅しかけの遊園地を見下ろす瞳は虚ろで何を視界に入れているのかすら曖昧なもの。夜空に溶けるようなワンピースを靡かせ星空を仰いでいるのは、異能を操る正義の味方のであるエンジェル・エッグの、為れ果ての一人、ステラないし夜縋みかるであった。

 重そうな身体を引き摺りながらランウェイのように園内を闊歩し破壊活動を続ける侵略者の容貌を物珍しそうにまじまじと観察する。巨大な額縁にトルソー、自己顕示欲の塊のような姿。また新しい性質の個体との遭遇を喜ぶように口角を薄らと上げた。

「また違う、かー……。うん、残念な気がしないでもないかな」

クスクスと薄気味悪い笑い声を零しながら片手間に膝の上に広げた本に眼前に見える侵略者の特徴を書き記していく。こうして現れた侵略者についてを記録するのはもう毎度のことで、数々の侵略者と出会ってきた今では軽い侵略者図鑑のようになってきている。そして今でも、もう仇討ちの目的はないが、あの夜空を纏ったような人型の侵略者を頭の片隅で探し求めている。理由なんてきっと無いのだろうけど、あれがあの騒乱の中、夜空をひたすら静かに眺めていたのは何故か知りたかったから。

 本を閉じてペンを置き、真下に広がる混沌を写し取るように指で囲う。高い場所に居る分、いつもより広範囲の場所が自分の手の内に収まっていた。この能力は高い場所へ昇れば昇るほど、傍観者としての立場を広げるほど強くなり得るものなのだと気が付いたのはどれくらい前のことだったろうか。観測を望んだ自分の願いらしいと、素直に感心したのを覚えている。フレームをあの大きな侵略者を中心にするように定め、二言三言呪文のような歌のような言葉を口遊めば浮き上がるように魔力の塊が小さな星型の欠片になって手に収まる。大した力も使っていないので抽出出来た魔力量としては少ないが、侵略者を止める目的でもなくつまみ食い程度の魔力を欲しただけなので問題は無い。宇宙を閉じ込めた様な色合いの星になった魔力を徐ろに口に放り込んだ。飴でも舐めるようにもごもごと口を動かしながらふいに肩から掛けた鞄に手を突っ込み、ひとつの小瓶を取り出す。それはキラキラと輝きを放つ宝石、今まで狩ったエンジェル・エッグ達の儚い命の結晶、セレス・コアだった。まるで記録のように、記念のように集めたセレス・コアは様々な色や形。其れはまるでそれぞれの人生、願いを表すようで、それらが詰まった小さな瓶はエンジェル・エッグ達のさしずめ標本だと思った。十人十色で予想なんてつかない、きっと自分も同じ道は歩めない、その人だけの物語。あぁなんて素敵なのだろうと恍惚とした表情でカラカラと音を立てる小瓶にそっと口付けた。収集癖の赴くまま、趣味のように集めていたセレス・コアが数を増すごとに自分の魔力に干渉し、増大していたというのは、つい最近知ったことなのだが。

 呑気に鼻歌でも口ずさむような御機嫌さで辺りを見渡していれば、視界の端に見慣れた色が流星のように映りこんだ。自分と同じ艶やかな銀髪、薄緑のヴェールをまるで女神様のようにひらひらとはためかせる彼女は自分の中でも特に顔を知るエンジェル・エッグだった。

「あ、翡翠ちゃあん、やっほー。其処でなにしてるのー?」

間延びした緊張感の欠片もない声で観覧車の頂上から地上の彼女へ声をかける。腰元のリボンを手型に変形させ、ひらひらと手を振ってみた。彼女は翡翠を名乗るエンジェル・エッグ。本当の名前は名字が氷毬ということしか知らないが、親しく名前を呼び合う間柄でもない為、特段問題もない。彼女とは過去に、侵略者を狩る立場のはずが逆に狩られそうになっていた所を助けたのが出会いだった。到底隙を突かれそうな実力には見えないのにやけにボロボロだった彼女の理由が気になり話を聞けばパートナーを亡くしたらしいことを知った。「じゃあ、私のとこ来る?」といつもの欲しいものを集める時と同じノリで声をかけたところ虚ろだった瞳がやけに輝いていたのが印象深い。それからまるで忠犬のように自分の傍に付いて来ることが多くなった少女。気が付けば、少しばかり離れた、隣とは呼べないような隣を歩くようになってそれなりの年月が経っていて、今では何となく定位置が出来るまでになっていた。好意を持ってもらえているのは素直に嬉しく受け止めているが、一定の場所までは踏み込まない、踏み込ませない何とも不思議な関係性。 たとえば、死んだパートナーはどんな人だったのか、私はその人の代わりなのか、なんて聞いてはいけない、一歩踏み込んだらすべてが崩れてしまうような、そんな歪な関係だ。自分の年相応らしく、これも友達というものなのだろうかと悩んだりもしたが、どうにも自分らしくなくてすぐにやめてしまった。

「こっちおいでよー。案外眺めいいよぉ」

地上に届くように大きく声を張り上げて翡翠を呼ぶ。自分がこう呼んでしまえば彼女が断ることはないのは知っていたから、誘うように首を傾けてにたりと笑んだ。星空に溶け、月明りを背負った其の表情が彼女の瞳にどれだけ不気味に映るかも知らないまま。

翡翠様、周辺ALL様>>

【本編開始おめでとうございます。早速翡翠ちゃんに絡ませていただきました!拙い文章ですがよろしくお願いします】

1ヶ月前 No.15

lzh @lllllzh☆PvKD6UICUoMc ★TuwsMa7hHI_W3T

【足立優里/ムーン・ファントムランド、休憩所付近】

「!」
目の前に大きなアスファルトの欠片が迫る。
それに気づいたあたしは、おもむろに剣を振り上げ――――

「白々しいわ……ねっ!」
一刀両断。
欠片は見事真っ二つになり、そのまま地面に落ちていった。
アスファルトを切断したあと地面に降り立ったあたしは、目の前の「檸檬のエンジェル・エッグ」をじっ、と見つめる。

と、そのとき
――――お前等、こんな時に仲間割れしてる場合か!? あっちにあんだけデカい侵略者がいるんだぞ、アレをどうにかするのが先決だろうが!

背後から不意に声が聞こえた。どうやらさっきあたしが助けた同胞のようだった。

「わかってるさ! 同時にカタをつけるよ!」
声の主にそう返すとあたしは再び目の前の「檸檬のエンジェル・エッグ」をじっ、と見つめた。

――――俺が何をしようと俺の勝手だ。邪魔するんならお前も殺す。セレス・コアが手に入るならお前を殺すのも同じだからな。知ってるとは思うが、俺達は基本ワンマンプレイだ。自己責任のな。分かるか? 自分の行動には責任を持てよ。なァ? 俺を止めるなら、死んでもいい覚悟を持てよ。それが責任ってモンだろ?

「あいにく、死ぬときは守って死ぬって決めてるんだよ」
相手に啖呵を切られたあたしは啖呵を切り返す。
ちなみにこれはあたしの本音だ。何も守れないまま死にたくはない。あの時からそう決めたんだ――――

「! ……はっ!」
相手が日本刀めいたものを飛ばし攻撃してきた。すごい勢いで飛んできている。
あたしは剣や空中回し蹴りでそれを弾き飛ばし、そのすぐ後に身を翻して攻撃を捌きながら先ほど弾き飛ばした剣を手に取り、
その剣を巨大な侵略者や「檸檬のエンジェル・エッグ」に向けて投げつけていく。

「ちなみにあたしがあんただったら……利用してからザックリといただくよ!」
こんなことも言いつつ。

>LV2侵略者、オーシャンナイト、クリエイターおよび周辺all

1ヶ月前 No.16

たわら @tawara529☆OfI7utBYH1Y ★Android=7J0aOKrluH

【誘衣実加/ムーン・ファントムランド、メリーゴーランド付近】

「後片付けで盛大に焚火なんてアンタらしくて素敵だと思うぜ。うんうん、綺麗な遊園地の修復は大事だもんなァ」

 けらけらと快活に笑いながら立ち上る火柱を横目で見る。レディ・グレイの能力はものを燃やすもの。更に燃やしたものを蘇らせたり操れたりするもので、今回の盛大な焚火も彼女にとっては破壊行動ではなく修復作業だったらしい。壊すだけではなく蘇らせる事すら出来てしまうなんてなんて便利な能力なのだろうと何度思った事か。
 メリーゴーランドからドレスのスカートに風を含ませながら優雅に飛び降りたレディ・グレイは、うっかり燃えそうになったと言う実加の台詞を拾って冗談めかした返答をする。その言葉が冗談だとしても、実加は彼女が魔法少女の容姿が損なわれるような事があれば本気で火を放ちかねないような人物だということを知っていた。

「そうさな、俺ちゃんがどうしようもないくらいの火傷した時はアンタに治されるっていうのも悪くない、かも? ま、そん時はお手柔らかにィ」

 もしも実加がどうしようもないくらいの火傷を負うような事があるならそれはきっと死ぬ間際とかそういう場面に限定されてしまうのだろうけれど、死ぬ間際くらいなら1度灰の気分を味わうのも良いかもしれない、なんてぽんやり考えてぱちりと瞬きをした。魔法少女になる前はこんな物騒な事思いつきすらしなかったのに、人間自分と自分を取り巻く環境が変化すればそれに適応するものなのだなあと心の奥底で感心する。
 このカオス極まる状況にもすっかり適応した実加のお手伝いの申し出に対して良いことを思いついたと提案するレディ・グレイの顔は無垢な子供のようで少し微笑ましい。その提案内容は表面の言葉だけ汲み取れば随分可愛らしく、しかしパレードに使うものの元を考えれば微笑ましさの欠けらも無いが、そんな愉快な提案に実加が乗らないわけがなかった。

「ああ、良いねぇ。俺ちゃんの参列者チャンはマジで普通のパンピーレベルだから役に立つかは分かんないけど、数だけは揃えられるぜ」

 言うが早いか手に持った巨大なナイフの柄で地面をこつんと叩けば、柔らかな茜色の光とファンシーなキラキラエフェクトと共にドレスアップされた参列者がずらりと並ぶ。パッと見ただけで100人程。老若男女各種取り揃えていますと言わんばかりのラインナップだが、呼び出された彼等彼女等の夕焼けを映したような瞳は総じてどこも見ていない。だらりと垂れ下がった両手に握られたナイフとフォークで食らおうとしているのはきっとパーティ料理だけではないはずだ。

「有象無象共〜! レディの出演者チャンとお行儀良く並んで雑魚ゴーストをいい感じにやっつけるんだぞ〜!」

 間延びした声で100人近い参列者にそう告げる。呼び出した瞬間にゴーストに頭からぱっくりいかれてる方もいらっしゃるが硬度も強さも人間レベルなので多少の犠牲は仕方が無いだろう。ナイフとフォークでゴーストをきこきこと切り刻みたまに口に運びながら、参列者は言われたとおりにお行儀良くパレードのように列を成した。


>>レディ・グレイ様、周辺ALL様


【確かにすごいコンビになりそうな予感です……お互いドレスでゴージャスですし……(?)】

1ヶ月前 No.17

白鷺 @keiunuiek☆mQLLuNXADKnU ★Android=hn2HASXm05

【クリエイター/ムーン・ファントムランド、休憩所付近】


堕ちてもエンジェル・エッグ、といったところか。偶然を装ったものも含め、全ての攻撃を避けた彼女を感情の計れない目でチラリと盗み見る。無論この足立優里というエンジェル・エッグは自らを堕ちたとは思っていないのだろう。言葉の節々、そして行動からそれが良く分かった。その事にも、クリエイターの苛立ちは募って行くばかりだ。

「守って死ぬ、ねェ……。俺はアンタの責任を問うたんだぜ。まあいいや。俺にセレス・コアを奪われても文句は言うなよ。俺を尚も止めようってんならなァ」

クリエイターには足立優里の気持ちがてんで理解できなかった。誰かを守って死んだところで、その守った相手は自分が死んだ後、また死ぬかもしれない。だとしたら自分の死は無駄だという事になる。それに、誰かを守りたいと思うならその相手が寿命で死ぬその時まで見守る方が確実だし、何より守れたと思える。誰かを守って死ぬ、なんて、ただの自己満足じゃないか。死ぬ間際、誰かを守れたと思って死にたいという事だろう? 自己満足の、エゴだ。とクリエイターは思う。足立優里の掲げる正義というものが、俄然嘘っぱちの紛い物のように見えてきた。

自分が投げた刀が、戻って来る。背を向けたクリエイターに対して、ここぞとばかりに向こうも攻撃を仕掛けたという事なのだろう。そう認識すると、心底愉快そうに口を歪めた。

「攻撃したな? 守りたいと言いながら俺に刀を投げて来たな? お前それは矛盾してるんじゃねえの? もし俺がお前の攻撃で死んだらどうする? エンジェル・エッグの体でも回復出来ない位の傷を負って、そのまま俺がセレス・コアになったらどうするつもりなんだ? お前は守りたいとか口で言いながら結局は自分本位でしか行動出来ないんだよ。ハッハハ、俺と同じだなァ?」

まさか反撃してくるとは思わなかったが、嬉しい誤算だ。背を向けていた体を彼女に対して真正面に向ける。クリエイターに迫っていた刀はいつの間にか消滅していた。それもそうだろう。足立優里は自分に向かってきた刀を投げ返し来たんだ。つまりそれはクリエイターが生み出した刀で、クリエイターが生み出したものは彼の意で消す事が出来るのだから。クリエイターは自らが生み出した数本の刀を靄のように消し去ると、足立優里をじっと見据えた。その口には悪魔のような笑みが浮かんでいる。

「それに、なんだっけ? 利用してからザックリ、だったか。良いなァそれ、もーらい」

奇しくもそれは、クリエイターも考えていた事だった。と、いうか、その考えに至る時点でやはり彼女は堕ちているのだとクリエイターは内心北叟笑む。足立優里がした邪魔のせいで初撃は塞がれた。ファーストコンタクトもクリエイターにとっては失敗に等しい。だったら仲良く共闘して油断させてからセレス・コアを頂けばいい。幸いにも男のエンジェル・エッグのセレス・コアが何処にあるのか、クリエイターは見抜いていた。踵を返した時キラリと光った右手の剣。フェイクを生み出してからか、セレス・コア特有の輝きをクリエイターは知っていた。

「――……なあ! 待ってくれよ! あんなバカでかい相手、一人じゃ無理だろ、俺も手伝うぜ!」

もうお前に興味はない、ともう一度くるりと方向転換をすると走り出した男のエンジェル・エッグの背中を追い掛けようと足を踏み込んだ。



【趣向を変える、という事でモブくんが反応する前に割り込み! (って大丈夫なのでしょうか……?)】

>>足立優里様、オーシャンナイト様、ALL様

1ヶ月前 No.18

モブ組 @mistydark☆NIljAHmRyhk ★R3lMq2ye0U_xmq

 侵略者のからの攻撃を掻い潜りながら、ブラッディスノーはこの後の算段を考えていた。
 このまま直進すれば、ムーン・ファントムランドのエントランスに出てしまう。侵略者が何を意図して突っ込んでいるのかは分からないが、外に出ようとしているのならばそれだけは絶対に阻止しなければならない。何処か、何か、コイツの気を惹けるもの――

 そんな事を考えていた彼女は、本日二度目の失態を犯す。
 ブラッディスノーの背後で鳴り響く爆発音と、到底人の物とは思えない悲鳴。振り返るとそこには、四散したレベル1の侵略者と金髪の男性が現れている。この状況から導き出される答えはただ一つ、新たなエンジェル・エッグが自分を襲おうとしていたレベル1を片付けた。
 一度ならず二度までも敵の奇襲に気付けず見ず知らずの男に助けられるというのはブラッディ―スノーにとって結構な屈辱だったが、曲がりなりにも自分を救ってくれた相手に理不尽な八つ当たりをするほど、彼女は落ちぶれていない。その代わり、彼女はこの状況に対する苛立ちを、全力で侵略者にぶつけることにした。
「それもこれも……貴方が無駄に大きいのが悪いんですのよおォっ!!」
 叫んでブラッディ―スノーが両手を前方に突き出した瞬間、彼女の掌から、毒々しい紫の煙が立ち上って、一直線に侵略者の顔面――と思しきところ―ダッ―に向かっていく。それは毒々しいも何も正真正銘の毒物であり、常人相手なら一瞬で呼吸困難に陥るレベルのものである。それをまともに食らった侵略者は……人間でいう所の噎せ返ったようである。車輪が甲高い悲鳴を上げて、地面との間に火花を散らしながら急ブレーキをかける。侵略者相手にも慣性は働くようだが、近いうちに静止するのは間違いない。
 そしてその隙を、エンジェル・エッグたちが見逃すはずがないのだ。減速した侵略者に、足立優里の投げた刀が突き刺さり、THIHILOが狙いを定めた銛も、その体を刺し貫かんとしている。
 何とか侵略者の軌道から逃れたブラッディスノーは、やっとのことで自分を助けた青年に向き直る。
「呑気に自己紹介をしている場合ですかと言いたいのは山々ですが、先に名乗られてしまっては仕方ありませんわァ……私はブラッディスノー。本当の名前が知りたければ、侵略者の首でも手土産に逢いに来てくださいませ、御柱様ァ」
 言うが早いか、ブラッディスノーは青年、御柱建に向かって、正確にはその後ろのレベル1に向かってダガーナイフを投げつける。もしかすると彼は気付いていて迎撃さえも簡単に出来たのかも知れないが、その瞳は、これでおあいこだと告げていた。

 侵略者が足を止めたのは、今まさにそちらに向かって駆け出していたオーシャンナイトの目にも映っていた。
 背後の(彼にとっては)仲間割れが結構過激な領域に達していることなど知る由もないオーシャンナイトは、好機とばかりに再び全力で声を出す。
 意味さえも知らない異国の言葉の羅列は、それでもオーシャンナイトにとっては大切な武器である。夜闇を真っ直ぐに切り裂く音の刃は、真っ直ぐ侵略者へと向かい、侵略者の機動力を生み出す車輪を傷付けた。
 そうこうしているうちに、追い縋って来たのは先程の少女である。言葉遣いからするともしかすると男性なのかも知れないが、そんなこと今は些末な問題である。
「悪い、助かる! 何だか知らないけれど、止まってる今がチャンスだ!」
 共闘を申し出てくれた同類の姿に、オーシャンナイトは先程感じた違和感など綺麗さっぱり忘れ去って微笑みかけると、剣を振り翳して侵略者との距離を詰める。因みに、クリエイターが落下時に飛ばしてきたアスファルトは本気で偶然だと思っているので、自分が避けることが出来た以上、、文句を言う筋合いはないと思ってスルーしている。

【早速ですが、一回目の侵略者攻撃フィーバータイムです、止まってるうちに皆さんガンガン当てて下さい。
 モブ二人に絡んで下さった皆様有難うございます!】

>御柱建様、THIHILO様、クリエイター様、足立優里様、ALL

1ヶ月前 No.19

灰祢 @mistydark☆NIljAHmRyhk ★R3lMq2ye0U_xmq

【レディ・グレイ/ムーン・ファントムランド、メリーゴーランド付近】

 燃え盛る炎を見て笑顔を浮かべるフォーチュン・ブライド、その言葉が心底からの者なのか、状況に合わせて紡がれている物なのかは分からない。けれど、遊園地の修復に、自分のしていることに同意がもらえたのだから、気分は良くなってくるというものだ。
「あら、あたし達気が合うね。特別サービスしてあげるから、何時でも頼ってよ……ついでに操ろうなんてしないから安心して」
 ウィンク付きで告げた所為でこれまたおどけて聞こえたかも知れないが、此方は一応本気だった。治療役兼修復係が好き勝手やり過ぎるのは良くないと、生まれ育った場所で学んだ。それに……操り人形になり果てて尚も美しいものは、意外と此の世には少ないのだ。
 同法の横顔を見ながらそんな事を思うのは、少し失礼かもしれないが。

 そんな後悔だか何だか分からない感情も、フォーチュン・ブライドからの同意とその能力によって現れたたくさんの人間の成れの果てを見れば、直ぐに霧散する。
「相変らず圧巻ね、衣装に統一感があるのも良いわ……それじゃ、あたしも」
 衣装の至る所に隠してある、嘗て燃やしたものの遺した残骸。それを一つまみ引っ張り出して空に巻く。
 灰の形状はどれもこれも同じなので、顕現させてみるまで何が蘇って来るのか分からない……どうせなら、パレードに相応しいものが出てくると良いのだけれど……燃やしたものの大半は侵略者なので、その可能性は低いだろう。
 そして案の定、出てきたのはそこらに居るレベル1と大差ないものが数体と、植木鉢に特大金魚を突き刺したような侵略者と、以前の戦いで巻き込んで爆発させてしまった乗用車。
 凡そ美しくも可愛くもないが、此処で使い捨てることに躊躇いはない。
「仲間割れみたいになっっちゃうけどまぁいいや、それじゃ行ってらっしゃい」
 乗用車が、今向こうで暴れている侵略者よろしくレベル1に突っ込んでいくのと、その他が参列者の後ろに加わったのを見送り、再びフォーチュン・ブライドに向き直る。

「さて……しばらくは此処でパレードの見物をするとして……その後はどうする? 久し振りにお仕事する? コア食べに行く?」
 まるで甘いものでも食べに行こうと誘うかのように告げたのは、それが堕ちた者の日常だからに他ならない。

>フォーチュン・ブライド様
【ドレスの女の子二人がグロッキーなパレード鑑賞してるかと思うと我ながら萌えます、これからもよろしくお願いします!】

1ヶ月前 No.20

洗濯蟻 @arinohito ★iPhone=n7Rebp7mCv

【THIHILO/ムーン・ファントムランド/LV2侵略者周辺】


「ピガガガガージジジジジッ青い地球を護る為勝てば芍薬敗ければ牡丹 勝敗付かねば百合の花。煌めく勝利の稲光ジギギギギギ宇宙人ども撃滅だ」

ラジオ音声が饒舌に鳴り響く。動きを止めた侵略者を確実に捉えたまま、バイクは急発進した。

「敵の潜水艦をトラックナンバー187更に接近、サルボー!ダークインフェルノ!」


キュルルルルッ
ガガガガゥンッ!!!!


侵略者の周囲をドリフトで反時計回りに周回し、一度に4本の銛を発射。銛は其々侵略者の頭、胴体部分の左胸、右腰、背中に突き立った。

ガンッ、ガンッ、と重い射出音が響く度火花と蒸気が飛び散り、侵略者の体表に更に銛が不規則に突き立って行く。ただこれだけでは威力不足の様で討ち斃すには至らない様だ。銛も弾き返されたり、引き抜かれて零れ落ちたり、その身体を掠めて他所へ飛んで行くものがあったりと狙いは定まらない。

しかし相手のヘイトを集める事は出来た様で周囲に集まっていた幾人かの人影が距離を詰め、各々に攻撃を開始した。

「例えばそれがニューロンを焦がすハンダゴテの様な物だと仮定して私の進む道に32mのモアイ像として立ち憚かる事はあるのだろうか?用意する答えは『NO』である。実際限定的な状況下においてそのパルス受信強度は2.7fpsを超過し各脳内配列に平行する形でプロトンビームを照射する」

ギシギシと蠢くヘッドライトの上蓋が照射範囲を変え、もがく侵略者の全身を照らし出して睨め回す。再装填された銛には鎖が付属していた。ヘッドライトの『視界』には突撃を掛ける青年の姿と飛来して来た少女、高所より傍観する幾人かの人物と、『保有する魔力を僅かに削り取っていった』人物の姿がある。その何れもの動きを一切気にも留めずに、侵略者を中心としたヘッドライト視界内の全てに向けて銛を数度に分けて撃ち出した。

>>LV2侵略者、(周辺All)

【早速突ッかけに行くぞッ】

1ヶ月前 No.21

白鷺 @keiunuiek☆mQLLuNXADKnU ★Android=hn2HASXm05

【クリエイター/ムーン・ファントムランド、Lv.2侵略者周辺】


どうやら、男のエンジェル・エッグは余程の節穴らしい。それとも低能か。どちらにしろ好都合だ。乱闘の騒ぎに紛れ込んで、狙うとしよう。
動きを止めた侵略者に向かっていく男のエンジェル・エッグの右側を陣取りながら、どう攻撃したものか思案する。クリエイターの能力の鍵は、思考力と想像力にかかっている。

(飛行機を出して墜落させるか? いや、それじゃ騒ぎが大きくなる。あまり事を荒立てるとセレス・コアを奪う隙が見つからない。それに後々面倒な事にになりそうだ)

手っ取り早く侵略者を倒そうと思うとスケールの大きい事になるが、遊園地周辺を警察が包囲していた事を思い出し却下する。

(ジェット機なら良いか? ああ、いや。早々に此奴を片付けてしまうのは良くないか)

騒ぎに便乗してセレス・コアを奪うのなら侵略者との戦闘を長引かせる方が良いだろう、と思い直す。それならば矢張り先程足立優里に行ったように武器を生み出す方が良いか。
考え事をしている内に攻撃に乗り出すのがすっかり遅れてしまった。気付けば百人近い参列者だったり、バイクだったり――これは恐らく魔法少女の概念を覆しそうなあの魔法少女だろう。悪は全て許さないと豪語する彼女の事だ。現に悪い事を考えている此方に標準が向かないよう目を逸らす――がLv.2の侵略者に攻撃を開始している。男のエンジェル・エッグもクリエイターには理解出来ない言語の言葉を口にしている。遠くでLv.1の侵略者が同族に攻撃をしようとしているが、恐らく味方(とこの場合言って良いのか分からないが)が操っているのだろう。
クリエイターも遅れて攻撃態勢に入る。己が武器とするチャクラム二つをその手の中に出現させ、周りには有象無象の、剣やら斧やら槍やら刃物を目測で五十、生み出した。

「悪ィな。まだ力加減が上手くいかなくてよ。流れ弾に当たったら避けてくれ」

当然嘘だが、保険のために男のエンジェル・エッグにそう忠告する。今はまだ彼自身に攻撃をしようとは思わないが、気が向いて一つを当てに行ってしまうかもしれない。
クリエイターが右手のチャクラムをブーメランの如く侵略者に目掛けて投げ付けると、その後を追うかのように浮かんでいた刃物達が侵略者を傷付けんと向かって行く。


>>オーシャンナイト様、Lv.2侵略者、(周辺ALL様)


【飛行機生み出せるって凄いなクリエイター。しかし使い所は……】

1ヶ月前 No.22

たわら @tawara529☆OfI7utBYH1Y ★Android=7J0aOKrluH

【フォーチュン・ブライド/ムーン・ファントムランド、メリーゴーランド付近】

 レディ・グレイの愛らしいウィンクと共に飛んできた言葉はきっと冗談ではないのだろう。傀儡に成り果ててまでこの世界に留まろうとは思わないが、彼女の元で何も考えずに動くのは存外楽なのかもしれない。少なくとも息苦しく生きづらい今よりはずっと。侵略者を潰すのに何の感情も持たなくなったのはいつからだったっけ。人を殺す事に躊躇がなくなったのは? ふと湧き上がるただの誘衣実加としての不安も恐怖も無理矢理蓋をして押し込めるそんな毎日も、意識さえなくなってしまえばどんなに救われることか。
 しかし実加には己に課した使命がある。この世に害あるものを絶ち、平和で潔癖な世界を作るという使命が。それを達成するまでは意識を落とす事は許されない。

 思考の海を漂い始めた自我を慌てて呼び寄せると、丁度レディ・グレイが宙に灰を撒いているところだった。その姿はシンデレラに魔法をかけるフェアリー・ゴッドマザーのようだが、彼女こそが魔法にかけられたシンデレラなのはきっとevilの誰もが知っているだろう。
 灰から生成されたかのように次々と姿を現すレディ・グレイの傀儡達は、侵略者以外に乗用車も混じっていて思わず笑みが漏れた。

「随分現代的なカボチャの馬車で俺ちゃんびっくりィ」

 レベル1のゴーストに突っ込む乗用車と律儀にパレードに加わるこちら側の侵略者達。その光景は風邪をひいた時のカオスな夢に酷似していた。
 それらを楽しげに眺めていると、レディ・グレイがスイーツを食べに行くかのような気軽さで実加に狩りの誘いを掛けてくる。確かに実加も彼女も今コアを喰らわないと魔力不足で力が出せないというほど魔力に困っている訳では無い。食事ではないただの嗜好品として頂く程度のものなのだ。そのような言い方になるのも頷ける。

「丁度活きの良いコアが2つあるもんなァ。ああでもお取り込み中? クリエイターちゃんめっちゃ頑張ってるぅ」

 頑張れー、なんて手を振りながら応援しつつ、応戦する姿を見て自分の闘争本能が疼いたらしい。レディ・グレイの瞳を覗き込むと、真っ白だったドレスの色が喜びとも興奮とも取れるようなオレンジに染まる。

「うん、パレードに満足したら俺ちゃん達も行こっか」

 天使の笑顔は悪魔の微笑みと紙一重である。そう思わせるような無邪気とも蠱惑的ともとれる表情で笑いかけた。


>>レディ・グレイ様、周辺ALL様

1ヶ月前 No.23

ぬこ @tmr☆qrj4adrhQpgH ★Android=BhKAgLfVKA

【ブラッディローズ/ムーン・ファントムランド/LV2侵略者周辺】

「……ああ、出遅れてしまったのね」

 大きな貴婦人(実際には人とも言えない姿だから貴婦人は間違いだったりするのだが)とお付きの侵略者を倒そうとする仲間たち、それを遠巻きに見てから私は立ち上がる。どうやら何かで動きか止まっているらしい。交じるのなら今がチャンスなようだ。
 倒さなきゃいけないのに狩らなきゃいけないのに、まさかの遅刻は笑えない。ナックル越しに手のひらサイズの石を何個かつまみ上げつつ、ものが届きそうな位置まで、走り込む。

「遅れてしまったのだけれど……そのパーティ、混ぜていただくわね」

 そう言うか言わないか。確実に仲間を巻き込まない上の部分に向けて石を投げる。直撃すれば爆発し、尖った石が勢い良く侵略者の体へ食い込むだろう。

>>侵略者組


【遅くなって申し訳ない……よろしくお願いします!】

1ヶ月前 No.24

日向月。 @kafune☆01.vmkBoVYY ★iPhone=Q6Cz85nQlk



【 翡翠 / ムーン・ファントムランド、観覧車付近 】



 観覧車の根元から敷地全体を見下ろせばあちらこちらでそれぞれのアクションが起こしている同胞たちが見えた。それを静かなる瞳で観察する。偶然か必然か、自身がエンジェル・エッグとして名乗っている名前と同じ、翡翠色の瞳に捉えた景色は賑やかで笑いの絶えない場所だとは思えないほど生々しくて悍ましいもので。それを見ても翡翠は一向に動く気配はないが、今後どのように立ち回れば良いかをじっくりと試行錯誤していた。
 現在、巨大な侵略者と交戦している者の影がちらほらと見える。どちらかが不利になっている状況には至っていないことを確認し、何とも言えない安堵に襲われてしまった。誰が傷つこうとも、誰が死のうとも自分には関係ない話なのに。そう自分自身にはきつく言い聞かせていても気持ちというものはそう簡単に心変わりするものでもない。嘘は体に良くないとはよく言ったものだ。現にこうして、誰ひとりとして致死傷に達していない現状に胸をなで下ろしているのは、ほかの誰でない、翡翠自身なのだから。


 ふとした時に、上空からあの声が聞こえた。翡翠が何時だって待ち望んでいて、如何なる時だって聴いていたいその声は今日もご機嫌に、伸び伸びとして愉快なことを囀る。小鳥ならば捕まえられるのに、生憎其処に居るのは紛れもない人間の少女だからそういうわけにもいかない。彼女の傍に近寄ることだって本当は許されないことなのに、離れることも叶わない。否、叶わないと思い込んでいなければならないのだ。叶ってはならない。こんな愚かで浅ましい願いなんかで未来のある他人の自分を束縛してはならない。未来のない自分とは違うのだから――。嬉しい気持ちとそれを喜んではならないと反抗する気持ちとが心の中でぶつかり合って、こんがらがる。そんな思いを払拭するかのように右手をかたく、きつく握り締めてから何事も無かったかのように声が聞こえた方に向かって振り返り、薄く色付いた唇を開いた。


「こんばんは、翡翠の救世主(ステラ)」


 地上から観覧車の最高位に向かって声を上げる。其処に居たのは翡翠が望みに望む、翡翠の救世主こと、ステラだった。腰のリボンが変形して手を振っている姿を見た翡翠は愛しさのあまり少しだけ口元が緩まる。が、直ぐに普段の真顔になってしまった。それも、其処で何をしているかと訊ねられたが答えに困り果てたがゆえにである。理由は明白だったが、過剰に大きな声を出すと他の誰かに自分の居場所を突き止められてしまうのではないか、と思った翡翠はほんの少しの間だけ周囲を警戒していると、ステラの声が再び耳に入る。その言葉に応えるかのように膝を曲げて、バネの容量で地面を蹴る。身体は軽く、宙を舞う。ヴェールや腕飾りが風の抵抗を受けて翻ることにも気を止めず、淡々と観覧車の骨組みを器用に登ってステラの腰掛けているゴンドラまで辿り着く。再び息を吐きながら、登ってくる間に乱れてしまった右側の髪を耳に掛け直しながらステラのことを見つめて「お招き、ありがとう」なんて薄く微笑む。貴女の誘いを断るわけがない。翡翠は何時だって貴女の望みを叶える為に今日も此処に居るのだから。そんな気持ちを込めて、指定位置となりつつある、ステラの少し後ろの左脇にそっと控えた。


「本当にいい眺めなのね。でも、貴女のことですもの、ただの夜景を眺めにきたわけではないでしょう?」


 先程の場所も充分辺りを見渡すことは出来たが此処から見る風景はまた違っていることに驚くもステラの言葉に納得して肯定の声をあげる。そして、詮索するかのような言葉も付け加えた。言わずもがな悪意はないが、ステラが何の理由もなくこの場に居ることは絶対と言ってもいいほどないであろうと考えた翡翠は少しからかうかのように悪戯な言葉を彼女の問いかけたのだ。それに、運が良いのか悪いのか、今日侵略者が現れたのは遊園地。少しくらいの遊び心を持っても許されるような気がしてつい魔が指してしまった。慌てて瞬時にその後の彼女の言動を想像するも、それらしい姿は全く見当がつかなかった翡翠は顔色一つ変えずに、けれども内心では焦りを感じつつ、どう転ぶから彼女次第、と思いながら、ステラの背中をただただ静かに見詰めた。



>>ステラ様、周囲おーる


【絡みありがとうございます! 黒緑初の絡みが観覧車だなんてロマンチックで素敵ですね……!
 今回はステラさんことみかるちゃんに悪戯をふっかけたくせにちょっと弱気になってる翡翠を描いてみましたのでどうにかこうにか構ってくださると嬉しいです(*´ω`*)】

28日前 No.25

lzh @lllllzh☆PvKD6UICUoMc ★TuwsMa7hHI_W3T

【足立優里/ムーン・ファントムランド、休憩所付近】

――守って死ぬ、ねェ……。俺はアンタの責任を問うたんだぜ。まあいいや。俺にセレス・コアを奪われても文句は言うなよ。俺を尚も止めようってんならなァ
もちろん、そのつもりだ。
あたしはただ単にただで死ぬつもりはない。と言いたかったのだ。
魔法少女になったあの日から、すでに命を賭けて戦うつもりだった。

「……」
相手の出方を警戒し、じっと構える。
すると相手がこのような口を開いた

――――攻撃したな? 守りたいと言いながら俺に刀を投げて来たな? お前それは矛盾してるんじゃねえの? もし俺がお前の攻撃で死んだらどうする? エンジェル・エッグの体でも回復出来ない位の傷を負って、そのまま俺がセレス・コアになったらどうするつもりなんだ? お前は守りたいとか口で言いながら結局は自分本位でしか行動出来ないんだよ。ハッハハ、俺と同じだなァ?

「どうせ言ったってやめる気ないんでしょ? それに急所は外してるよ」
あたしはこう返した。
一理あるが、攻撃はあくまでも止めるためだ。
誤って息の根を止めないようベストは尽くしているつもりだ。もし当ててしまったらそれはもうどうしようもないと言っても過言でないくらいには。

――――それに、なんだっけ? 利用してからザックリ、だったか。良いなァそれ、もーらい
相手はそう言うとどこかに行ってしまった。
どうやらだまし討ちをしかけに行ったようだ。

追いかけたいところだが、今はあの侵略者を何とかする方が先だ。
あたしはあのエンジェル・エッグを警戒しつつ、敵の動きを探る。

すると仲間の攻撃のおかげか、動きが止まるのが見えた。

「……爆速!」
今が狙い目だ。
あたしはそう判断し、猛烈な急加速と同時に、侵略者に斬りかかる。

>クリエイター、LV2侵略者およびその周辺all

28日前 No.26

御柱 建 @sibamura ★o0W3VsenYO_xmq

【御柱建/ムーン・ファントムランド・入口方面】

「ブラッディースノーか、いい名だね。ぜひ本名の方も……おっと」

ブラッディースノーの言葉に応じる御柱のセリフは、彼の方へと投擲されたダガーによって遮られた。

「hyuklulullululu」

 闇夜に再び響く不愉快な鳴き声、今しも建に襲い掛かろうとしていたレベル1にブラッディースノーのダガーが突き刺さったのだ。そちらを方を一瞥すると建は笑みを浮かべて彼女の方に向き直る。

「ありがとう、助かったよ。どうも僕は用心が足りないようだ。それにね……」

 そういって暴れまわっている巨大な侵略者を見やれば、その巨体の動きが止まっているところで。

「どうも僕の能力は決定打にかける。」

 建が指を鳴らすと、動きを止めた侵略者の体の表面に1mほどの球電が発現し、先ほどと同じように光と熱、そして爆音を発してはじける。だがしかし、巨大な侵略者の強靭な体躯の前にはその熱量も致命傷には至らないようで、侵略者は痛みに身をもだえるような仕草はするが具体的にダメージを受けた様子は見られなかった。

「レベル1ならともかく、あれほど巨大な相手となると一撃必殺というわけにもいかなくてね。正直、手詰まりなんだ。」

 そう自分の能力について話しながら、建はブラッディースノーに向けて手を差し出す。

「だから良ければ、あの巨大な侵略者を倒す間、共闘しないかな? あまり深くは考えずに、君が僕を利用すると思ってくれればい い。その代わり、僕も君を頼らせてもらおう。どうかな?」

>>ブラッディースノー様 ALL様

27日前 No.27

モブ組 @mistydark☆NIljAHmRyhk ★R3lMq2ye0U_xmq

 ブラッディスノーの攻撃によって動きを止めた侵略者は、文字通りエンジェル・エッグたちの格好の的となった。
 バイクから射出された銛が額縁に突き刺さり、装飾品を引き剥がす。その頭上で大小幾つかの爆発が起こり、さながら花火か何かのような豪華さで侵略者の身体を削り取っていく。音速の少女がドレスを切り刻み、少年の発した声が車輪を傷付ける。
 そうして欠けた身体を埋めるように無数の刃物が突き刺さった侵略者は、輪をかけて奇怪なオブジェみが増していた。流石にこのままでは多勢に無勢と言った所か。
 そしてそんなことは、今まさに標的とされている侵略者自身が一番よく分かっている。それでも尚、この生き物は自分に襲い来る者達を捕食することを諦めていない。

 いくら強力な毒に侵されていようとも、このまま此処で立ち止まり続けることを、侵略者は是としない。甲高い叫びとも呻きともつかない不快な声を上げて、ソレは再び巨体を揺さぶった。エンジェル・エッグたちの武器が、侵略者の体を構成していた何かが、またしても歪な雨となって地上に降り注ぐ。
 ほんの少しだけ身軽になった侵略者は、次の瞬間物理法則を無視して上に跳んだ。車輪が連なっているだけにしか見えないその足で何故そのような芸当が出来たのかは不明だが、自分の体長近い距離をやすやすと飛び越え、侵略者はジェットコースターのレールの上に着地した。後は、先程は無視した筈の此の世の理に従って、徐々に加速しながら滑り降りていく。手当たり次第に、先程と同じく車輪を放ちながら。

「うぉっと」
 悲鳴とも掛け声ともつかぬ声を上げて、オーシャンナイトは頭上から降って来た斧と、ついでにクリエイターが投げて帰って来たチャクラムを避ける。
 さっきからアスファルトが飛んで来たり武器が飛んで来たりと忙しないが、本人の言う通りよっぽど力加減に慣れていないのだろうか。
「あれだけ的がデカけりゃ多少ノーコンでも当たるさ、それにお前の能力は何かと応用が利きそうだし……とにかく、あいつを倒すまでよろしく頼む。今更だが、俺はオーシャンナイトってんだ。取り敢えず、あの暴走列車を追い掛けようぜ」
 自身の右に立つクリエイターを戦友と信じて疑わないオーシャンナイトは、誘うように告げて走り出した。走りながら、双剣を持つ手を入れ替える。特に意味はないが、セレス・コアが武器の中にある彼の、無意識の癖のようなものだった。

 そして、一度は侵略者の動きを止めることに成功したブラッディスノーは、再び遠ざかるその背中に苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる。往生際の悪いやからだ、とでも思っているのだろう。
 しかし幸か不幸か、レールに沿って巨体が滑り出したおかげで、侵略者の車輪攻撃は今二人が立っている場所から盛大に逸れて行った。
「……あれだけの爆発が決定打にならないのでしたら、私の能力なんて何の役にも立ちませんわァ」
 建からの言葉を受けて、彼の起こした爆発の威力も目の当たりにして、ブラッディスノーが紡いだのは謙遜……などでは決してなく。
「けれどそんな役立たずでも、私にかかれば足止めくらいにはなりますのよォ? 良いでしょう、貴方を使い、貴方に使われて差し上げますわ。何か策があるなら乗りましょう、無ければ毒ガスなんて大抵燃えますもの、貴方の爆発の威力、侵略者なんて跡形もなく吹っ飛ばせるくらいまで、私が底上げして見せますわァ」
 それでも私が一番強いと言わんばかりの不遜さで、彼女もまた侵略者に追い縋った。

>周辺ALL様

【明日(最早今日)の予定は仕事と創作です、という訳で皆様メリークリスマス!
 灰祢の返信は帰ってきたらしますのでもう少々お待ちくださいm(__)m】

26日前 No.28

洗濯蟻 @arinohito ★iPhone=n7Rebp7mCv

【THIHILO/ムーン・ファントムランド/移動→ジェットコースター上】


ゴゴゴゴギンッ


振り落とされたパーツの礫が雨霰と降り注ぐ中、それは動じずジッと狙いを澄ませる様に侵略者の動きを追う。ぶつかった礫にさえ車体には傷一つ付いていない。

両側に装填された鎖付きの銛が侵略者の動きを封じ籠めようとした時、侵略者は大きく跳躍した。

逃げの一手か、状況打開のための決死行か。付近にあったジェットコースターのレール上に収まった侵略者はレールの流れに添い猛然と移動を開始。同時に無差別攻撃を開始した。

「私は悪い奴を逃がしません」

翻ってジェットコースターのレールに改めて照準を移す。車体横に輝く白金のプレートに銘打たれているのは『THIHILO』の文字だ。バイクの名称かはたまたこの異形の魔法少女の名前か。

「コンヴィニオン、その声は我が盟友コンヴィニオンでは無いか。ああジカタヴィアン、もはや一刻の猶予も無いのだ。お前の目玉は何処にある?それは、
lim[n→∞]SN^n
377*(377,377:377)
Sana(377377)
fωω(37)-7
S11=377777777777(prime)
S1=37,Sn+1=10Sn+7
3↑↑↑7
Rim(37)
3√37/777
f37(7)
Σ"s-7,n=7"≠3(77-7)
3√3777×●○○○
SN(si)=37-d/N+dΣSN(sj)/L(sj)
san(a+7×∞)&8(hairy)/28(dolphin)=377*777+S(and3or7)

Q.E.D. 495年の波紋疾走。了解。追跡します」

何処ぞの教育番組から持ってきたのだろうか、ラジオ音声が殆ど意味をなさない乱雑な数式の様なものを吐き出す。何かの計算をしたらしいがその内容は不明だ。
最後に一頻り震えたバイクから撃ち出された銛はジェットコースターの支柱上部に突き刺さった。


ギャリリリリリンッ!


鎖は車体に内蔵された巻き上げウィンチに繋がっていた。赤熱したそれが火花を散らしながら鎖を巻き戻し、ギチギチに張り詰めさせる。同時にバイクは蒸気を吐いて急発進。侵略者の破片を足場にして跳ね上がり、空中に飛び出した。


ガキャキャキャキャキャキャンッ!!!


鎖は巻き取られ続けている。故に車体はジェットコースターのレールに向けて猛然と引き寄せられ、勢い余ってそのレールを飛び越えた。銛を支柱から無理矢理引き抜き、巻き取り切ったバイクは空中で蒸気を噴出し姿勢を制御し、新たに二本の鎖付き銛を射出。レール上面に突き刺さったそれに向かって車体は動く。

レール上に轟音と共に着地したバイクのヘッドライトが彼方の先を猛進する侵略者の巨体を捉えた。

「エントロピー!ネゲントロピー!磁場バチバチバチバチッ、ジジジジジジジジジジ手作りチョコの量が多過ぎるッピ」

ギャギャギャギャッ、と金属製のレールとスパイクが付いたホイールが擦れ合う火花を散らせてバイクはレールの上を爆走。侵略者の追跡に入った。

「あかしけ。ねこです。げんきです。しゅみです。おまえのせいだ。とあるすうりのしまおくそく。すーぱーぼーる。たのしもうね。伊れません。んぼぼぼぼ。ゆるすよ。いなごはぜろひきです」

飛来する車輪を撃ち落とし、弾き返し、逃げ続ける侵略者に肉薄する。放たれた銛は2、3本は侵略者に当たったが大部分は車輪によって防がれたりそもそも狙いを大きく外れたりと落ち着きない。

>>周辺ALL

【ジェットコースター上で追いかけっことは御風だな!!】

25日前 No.29

コア @koa11 ★Android=0qnlIoZILT

【ルイン・ホワイト(櫻井真白)/観覧車内部】

しばらく夜の空を眺めていた。何の感情にも捕らわれずに、身の回りで起きていることなど気にも留めていない。まるで興味がないとも言わんばかりの態度である。
しかし、そう知らぬ振りもできないケースも戦場では発生する。例えば、同じ力を持つ何者かが近くにいる、という場合だ。身の危険を早くに察知することは生存率を飛躍的に高めると同時に反撃や逆にこちらからの不意打ちにも備えることができる。これは周囲の魔力の変化に注意を向ければ瞬時に分かること。相手が魔力をシャットアウトしていない限りはこの索敵が最も有効であり、常套手段だ。そういう状況に出くわすといつも気を張る真白なのだが、その必要もない場合もある。

「おや、誰だろう」

ちょうど真上に二人の気配を感じる。魔力云々ではなく単純に人の気配だ。内部にいる真白にとっては声なんてものは筒抜けである。これが敵なのであれば警戒をするが知っている人物ともなれば、溜め息をついてまた外に目を向けることだってできる。
そして九割九分、この観覧車の上にいるのは夜縋みかるだ。道を外れたエンジェル・エッグであるevilを統率している人物。到底ここに来た目的などは知る由もない。しかし、彼女が好戦的ではないことは知っているため、弱った魔法少女を狩ろうなんてこともないだろう。ただの興味本位か、或いは同胞の監視か。
対してもう一人は氷毬翠晶。いつもというわけではないが、みかると共にいる姿をよく見かけるのでこれは何も不思議ではない。適当な連中から見れば右腕とも思われるくらいの側近で、彼女にとってのみかるが絶対的な存在である可能性は十二分だ。素直または歪んだ忠誠心の元で動いているのかは定かではないが、姿を見ていると家にいたメイドのことが稀に頭を過る。

それにしてもこんなところで何をやっているのかと言えばお互い様だろうか。密会なら密会、デートならデートで本題に入らないうちにもっと目立たないところをおすすめするところだ。幸いなところ遊園地という場所は隠れるところも楽しむところも街中よりは大いにある。
真白は椅子から立ち上がってゴンドラの天井に三回ほど叩いて声をかけることにした。

「あー、お二方? お話のところ申し訳ない。先客がすぐ下にいるぞ」

このまま黙っていても良かったが、話を盗み聞きというのは居心地が悪い。それに遅かれ早かれいることには気づかれるという真白の判断だった。狸寝入りで誤魔化すも一興だが、生憎そのような芸をするほど器用でもない、といったところだ。

>>ステラ様、翡翠様、周辺ALL様


【真白の言う通りに近場のお二人のところにちょちょいと絡ませていただきたいと思います。呼び方は真白でも櫻井でもホワイトでもなんでも構いませんのでよろしくお願いします】

23日前 No.30

灰祢/サブ記事お知らせ有 @mistydark☆NIljAHmRyhk ★Android=GaTaMXF8bf

【レディ・グレイ/ムーン・ファントムランド、メリーゴーランド付近】

 偽りの花嫁と偽りのシンデレラ。
 二人が作り出した歪なパレードは愉快に、軽快に――この表現は主観以外の何物でもない――歩を進め、食べたり食べられたりを繰り返しながら侵略者を蹴散らしていく。自分一人だとどうしても見映えが悪くなるこの能力も、誰かと組み合わせることが出来れば捨てたものではないのだと分かっただけでも収穫だ。うん、やっぱり仲間って良いね。
「まぁ、勿論みんなが一番だけど」
 隣に立つフォーチュン・ブライドにはきっと意味が分からない言葉を吐いて、改めてレベル2と呼ばれる類いの侵略者を見やる。どうやら彼女(性別は知らないが、ドレスなので彼女と呼ばせて貰うことにする)は逃げの姿勢に入ったようで、ジェットコースターのレールを滑走している。ただ逃げるだけでは格好が付かないとでも思っているのか、再三繰り返した車輪攻撃のオマケつきだ。

「流石にカボチャの馬車は燃やしたこと無いなぁ……それこそクリエイターくんに作って貰おうか」
 頼んでやってくれるのかは分からないが、もし可能ならそれはきっと楽しいだろう。
 そんな呑気なことを思いながら、一度ゴーストに突っ込ませた乗用車を反転、急加速させる。今度の標的はドレスの侵略者が放った車輪。それに正面から突撃した車は、綺麗に真っ二つになる。左右に別れた車は勢い余って宙を舞ったが、そのまま惰性で走り……というか飛び続けた。此方に飛んできた車輪の代わり、と言わんばかりにドレスの胸元まで飛んでいったそれは。
「どっかーん」
 漏れ出したガソリンとエンジンオイルとほんの少しの火の粉によって、以前燃やした時よりド派手に爆発した。させたと言う方が正しいか。
 今現在先陣を切って侵略者とおいかけっこをしているバイクさんの攻撃もあり、それなりのダメージにはなるだろう。
 折角可愛い子と愉しくお喋りをしているのだ、侵略者ごときが邪魔しないで欲しい。

「……そう言えば爆発好きな子多いよね此処。冬の花火っていうのも洒落てて良いかなとは思うけど。さて、クリエイターくんがたぶらかしてる方か、建くんが口説いてる方かどっち行こうね、迷っちゃう」
 そして何事もなかったかのように話に戻った。
 キラキラという擬音が似合いそうなほど、蠱惑的に瞳を輝かせたフォーチュン・ブライドが誘いに乗ってくれたことの方が、自分にとってはよっぽど重要事項なのだから。

>フォーチュン・ブライド様、周辺all

22日前 No.31

御柱 建 @sibamura ★o0W3VsenYO_xmq

【御柱建/ムーン・ファントムランド・レール上】

「なるほどね。僕の策よりも君の策のほうがよさそうだ。」

 ブラッディスノーの言葉にうなずくと、御柱もまた侵略者の追跡を開始する。ジェットコースターのレールを、あるいは他の遊具の上をまるで無重力状態のように軽々と飛んでいくと先に飛んだブラッディースノーに並走するようについていく。その間にも前方の侵略者の攻撃は止まずに車輪の嵐が巻き起こる。さらに、あたり一帯に散らばる銛、

「チヒロさんは悪い人じゃないんだけど……もう少し周りを見てくれると嬉しいな……っと」

 そう話している間にも、車輪が彼らの方に飛んでくる。それに対して指を鳴らして空中で迎撃しながら御柱は横を疾走するブラッディースノーに語る。

「さて、さっきの話の続きだけど。君の作戦でいこうと思う。ただ、疾走するあの侵略者をただ気体で囲んでもすぐに振り切られてしまう。できれば密封空間を作ってそこに気体を留まらせるのが望ましいんだけど。………ん〜」

 そこまで言ってあたりを見回しながら御柱は考えを巡らせることしばし、

「チヒロさ〜ん。あなたの銛をあの物騒な花嫁の前方に杭みたいに打ち込むことってできる? できればあいつの動きをとめたいんだけど〜」

 まずは、前方を爆走するバイク魔法少女に声をかける。

「クリエイターさん。あいつの動きを止めるバリケードみたいなの作れないかな? できれば、密封型のを。1・2秒の足止めでいいんだけど。」

 次にチャクラムを持つエンジェルエッグにも声を掛けると、視線を前方に戻す。

「さて、人に頼ってばかりじゃだめだからね。」

 そう言って何度か指を鳴らす。それによって発生した球電は侵略者の進むレールの近くにあるいくつかの遊具を破損させて、レール増にはがれきが積み重なった。

「これで止まってくれるとは思えないけど……後はほかの人頼みかな?」

 人事を尽くして天命を待つとばかりにそういうと、御柱はブラッディースノーに向けていたずらっぽくウィンクをして見せた。

>> ブラッディースノー様  THIHILO様 クリエイター様


【とりあえず、周りの皆様にお声がけしてみました。スルーしていただいても乗っていただいてもかまいません。おそらく今年最後の書き込みとなりますが、皆様来年もよろしくお願いいたします。】

21日前 No.32

絡繰 @ne9rodoll☆V4.8X.AnvuQ ★wgm3NQbNwV_GYH

【 ステラ /ムーン・ファントムランド、観覧車頂上】

 自分の声かけに気が付いた翡翠はいつもと寸分変わらぬ表情で挨拶を返してきた。一瞬固く引き結んだ唇が緩んだようにも見えたが、あまりに遠目過ぎた為確信は得られない。軽々と空を蹴り、ヴェールを翻しながら自分と同じ場所まで上がってきた彼女はやはり流星のようだと一人で勝手に納得してしまう。大きな月を背負って薄く微笑んだ表情で見つめられ、瞳にちかちかと何かが瞬く。同じ人間で、エンジェル・エッグで、髪の色だって同じなのに、どうも彼女にだけまるで周囲に星が瞬いているように見えるのは何故なのだろうか。しばらく真顔のまま無言で首を傾げていたが、答えは出そうもないので早々に諦めた。

 ふと、普段の一定のものとは違う詮索するようなトーンが混じった言葉が左脇から降ってきて、驚いた。が、それを言葉を表すのに思ったより時間がかかりそうだったので、少しばかり見開いた目で彼女を見つめ、何度かぱちぱちと瞼を動かす。そして、その茶目っ気たっぷりの悪戯のような質問が翡翠から出るのが珍しく、その珍妙さが何だか嬉しくて目を細め、にんまりとした心底楽しそうな笑みを返した。彼女の言う通り、何も考えなしで此処に座っていた訳ではないのだが、それを彼女から聞かれるとは思っていなかったのだ。相手の考えを詮索し、聞きだそうとするのは相手の行動や思考に関心がある証だ。いつも後ろに控え、先のことなど聞かずに只自分の足跡を辿るばかりの彼女が初めて目的地を聞いてくれたように感じ、知らず知らずの内に気分が上昇する。
「そうなんだよねぇ」と自分の頭の中の計画を口に出そうとした瞬間、丁度真下から軽いノック音が響いた。ゴンドラを伝ってくる小さな衝撃と声に、自分が今腰かけているゴンドラの内部に別の人間が居ることを瞬時に理解する。壁を隔てて少々くぐもった音で聞こえてきた声はルイン・ホワイトこと櫻井真白のものだった。敵対意識も無ければ交戦意欲も盛んな方ではなかったことを何となく思い出し、ゴンドラに座り込んだまま自分の指でコンコンとノックをし返す。

「あ、ルゥちゃんだぁ。気が付かなかったや。真上でうるさくしてごめんねー」

声色だけでなく表情も緩く笑んでいるだけな為、謝罪の念は一切伝わって来ない謝罪をゴンドラに向かって告げた。そして、そこでハッと頭に光る電球でも出てきそうな勢いで閃いた!という言葉を全身で表す。片手で先ほどまで弄っていた鞄をまさぐりながら口を開いた。

「あんねぇ、今から面白い事するからさぁ……良かったらルゥちゃんも見てってよ」

 暫くして鞄から取りだしたのは先ほどまで眺めていた、今まで狩ったセレス・コアが詰まった小瓶。鞄の中に無数にある其れはそろそろ溢れそうでどうしようかと悩んでいた所だった。色とりどりの小瓶をカラカラと振り、取りだしたのは五個のセレス・コア。赤色、黄色、桃色、水色、黒色のそれらを膝に広げ、翡翠の方へ振り向く。

「ここにおっきな水槽と沢山のお魚が居ます。そこへ、少しの餌をばら撒くと、さてどうなるでしょーかっ? んふ、ねぇ翡翠ちゃん……遊園地、楽しもうねぇ」

にこにこ、笑顔を崩さずに、いつの間にか膝にあった五つのセレス・コアを”影”の手が拾い上げ両手に抱えるようにした後、私の声かけと共にセレス・コアたちは宙を舞う。徐に翡翠に向けられた表情は少しばかり子供のように輝き、誘うような言葉は輝く夜空に似つかわしくないほどに妖艶だった。人間の腕力で無く、魔力の集合体が放ったセレス・コアたちは遊園地全体に散らばった。真下のゴンドラの窓からは夜空から喧騒に落ちていく星のように見えたかもしれない。ね、面白いでしょ?とでも言わんばかりにセレス・コアを放った”影”の手をそのままホワイトの居るゴンドラに向けて振って、呑気にピースサイン何かもしてみた。

立ち上がり、乗りだすように地上を見据える。頂上からではセレス・コアの輝きなんて粒のようにささやかで見つけられる訳もない。運良くエンジェル・エッグが居る場所に落ちていたらいいが、見当違いの場所に落ちている可能性も充分有り得る。観測者としてやりっ放しは良くないだろう。結果を見に行こうと言うかのように翡翠へにこやかに手を差し出した。

翡翠様、ルイン・ホワイト様、ALL様>>

【という訳で、みかるからのちょっと早めのお年玉(物理)です!委細は後程サブ記事でお伝えしたいと思います。
真白ちゃん本体様、可愛らしい絡みありがとうございます!つい変なあだ名を付けて呼んでしまい申し訳ありません。みかるのトンデモ実験に巻きこんでしまいましたが、セレス・コアを追うもよし、翡翠、ステラと共に移動するもよしですのでお好きなように動いていただいて構いません…!】

21日前 No.33

洗濯蟻 @arinohito ★iPhone=n7Rebp7mCv

【THIHILO/ムーン・ファントムランド/ジェットコースター上】

上下左右にうねるレール上を猛進する侵略者と、火花を散らしてそれに追随する黒色のバイク。

ガシュッ、と鈍い金属音を立てて射出装置に新しい銛が装填される。

チヒロはこのジェットコースターの構造を把握した。園内の案内看板及びアトラクション情報と照合し、攻撃起点を作るのに必要だからだ。ジェットコースターは遊園地の外周を一周する様に造られている。それなりに距離はある筈だが、侵略者の猛進はそれ程長くは続かない筈だ。

コース上には乗降車プラットホームは勿論コークスクリュー、二連宙返り、高低差を作っての急降下等あの巨体を通すには無理のある地形が点在する。尤も、今迄の侵略者の振る舞いから見て、たとえ進路妨害を試みてレールを破壊してもその箇所を飛び越えてしまう可能性が高い。コースを破壊するより侵略者の動きを縛る方が得策か?

その時、更に後方より追随して来たエッグ達の内1人から通信が入った。曰く侵略者の前方のレールに銛を突き立てられるかとの事だが、

「おいィ?お前らは今の言葉聞こえたか?」「見えない聞こえない」
「なにか言ったのミソスープ?」
「俺のボロゴウには誰も居ませんよ?」


ギャギンッ!


チヒロはその場で急制動を掛けてレールから飛び降り、鎖付きの銛を撃ち出す。狙いは侵略者の進行方向上のレールの支柱。勢い良く巻き上げられた鎖は車体を猛烈な勢いでレール上に引き戻した。

侵略者前方の空中。慣性の法則で一瞬車体が空中高く浮き上がる。煌めくヘッドライトが上方より侵略者を見下し……、

「ザリザリザリザリザリ住所不定無職の、二人組の男が押し入り、ジジジジ悪質な国家反逆罪、拷問や虐殺などガガガガ、最高裁は、持ち歩いていたグルカナイフで、終身刑を言い渡しましたガズボズボ」


ドドドドッ!


前方のレール上どころか侵略者にまで銛が突き立つ。更に縦横無尽に生え伸びた鎖がレール上の瓦礫を更に縛り上げ、上下左右の隙間を埋める鎖の粗網が出来上がる。慣性の法則の下、横滑りしながら侵略者の後方へ舞い戻ったチヒロの視界は、水色に輝く小さな物体が下方に建つミラーハウスの天窓を突き破って落下する様子を捉えた……。


>>侵略者、御柱さん、周辺ALL

【勝手にですがミラーハウスの中に水色のコアを配置しました。レール状の進路封鎖はだいぶ甘め】

21日前 No.34

白鷺 @keiunuiek☆mQLLuNXADKnU ★Android=hn2HASXm05

【クリエイター/ムーン・ファントムランド、ジェットコースター付近】


巨大なlevel2の侵略者に突き刺さったと思ったクリエイターの放った無数の武器はその侵略者を構成する部品と共に返ってくる。降り注ぐそれを難無くに避け、戻って来た自分が作り出した武器は一瞬で消し去る。

「おっと、悪い。当たらなかったようで何よりだぜ」

斧とチャクラムを簡単に避けた少年のエンジェル・エッグに言葉とは裏腹に心の中では盛大な舌打ちをする。表情はにこやかそのものだが、早々に彼のセレス・コアを奪えなさそうだと正直物凄く顔を顰めたい。クリエイターを信頼しているような能天気さだが、矢張りエンジェル・エッグだということだろうか。
追い掛けようと誘う彼の言葉に頷きは返すが、どうしたものかと数歩遅れて続く。その時に左右の双剣を入れ替える様子が見て取れたが先程からのクリエイターを味方と疑わない言動からクリエイターの思惑がバレた訳では無いだろう。
それでもいつでもオーシャンナイトと名乗った彼にいつでも襲いかかれる様に気を抜かないでいると、他のエンジェル・エッグ――evil――から声を掛けられる。曰く、バリケードを創ってほしいと。

「はあ? なんで俺が……――いや、良いぜ。やってやるよ」

基本的に自分本位のクリエイターは他のエンジェル・エッグの頼みを聞く気は無いと断ろうと口を開いた。しかしその直後に空に放たれた五つのセレス・コアを視界に入れ、了承の意を示す。要望通りにジェットコースターを滑り落ちる侵略者の進行方向に密封型のバリケード――――黒い板のような、侵略者の全長程もある鋼の材質のものを二つ――――を出現させる。勿論こんなものが世界に存在する筈も無いので魔力が三分の一にまで減る。魔力の枯渇を感じたクリエイターは腰のチェーンからセレス・コアを一つ外し取るとそのまま自然の流れで口へと放り込む。歯を立てガリッと噛み砕けば身体に魔力が充満するのが分かる。

「その代わり、てめえがあのセレス・コアを拾ったら俺に寄越せ。要望通りの物を二つも出してやったんだ。当然だろ?」

たった今消費したセレス・コアの補充も兼ねてそんな交換条件を持ち出す。此方が行動を起こしてからの発言であるため適用されないような気もするが、その時はオーシャンナイトのセレス・コアを奪えば良い話だ。相手が乗ってきたらそれが一番だが。

さて、ここまで行動して前方のオーシャンナイトに己の思惑がバレたのでは無いかとクリエイターは思う。ならば次の行動に移るまでだ。
先程補充した魔力の飽和分を使うように、出入口の無い完全に密封された、透明な箱のような物でオーシャンナイトを閉じ込めようと創造する。相手が動いている上に創造物の中に入るような形で現す事は初めてである為上手くいくかは分からない。相手の動きは計算しての事だが、出来なくとも侵略者を無視して襲い掛かろう。それとも、比較的近くに落ちてきた黄色のセレス・コアの元まで行こうか。


>>周辺ALL様


【お待たせ致しました! 詳しい場所は決めていませんがクリエイターの周辺に黄色のセレス・コアを設置致しました。そしてあけましておめでとうございます!】

17日前 No.35

たわら @tawara529☆OfI7utBYH1Y ★Android=7J0aOKrluH

【フォーチュン・ブライド/ムーン・ファントムランド、メリーゴーランド付近→ジェットコースター附近】

「? 俺ちゃんも皆がいちばーん。……ん? んー? 意味わっかんないなあ」

 ふと呟かれた言葉に反射的に返事を返すが、その言葉の真意を汲み取ることは叶わなかった。自分が返した言葉の意味にすら首を傾げる彼の姿は傍から見れば滑稽にすら見える。今纏っているドレスの色を加味して考えてもさながらインコかオウムのようで、彼の容姿がもう幾ばくか幼かったらそれは微笑ましい場面だったのだろう。しかし残念ながら今首を傾げている彼は見た目ばかりがブライダル女なだけで中身はちょっとイカれた男子高校生である。故に可愛らしさより滑稽さが全面に押し出されてしまうのも仕方がない。

「あは、作ってくれるかなぁ。セレス・コアあげればワンチャンある?」

 くるくる髪を弄っていると、先程見ていた侵略者は己の滑車をフルに利用してジェットコースターの如く滑走していた。なにあれ俺ちゃんもやりたい、と独りごちる。あれほど豪快に滑走できたらそれはもう爽快だろう。飽きもせず飛ばしてくる車輪はその周辺の気温と湿度を火力がヤバい魚焼き器くらいにして、からっからの干物に変化させた。力なく地面に落ちた車輪は枯れ葉みたいにくしゃりと潰れる。哀れな魔法少女の未来みたいなものだ。
 黙々と車輪処理をしている間に、なにやらレディ・グレイが仕掛けたらしい。轟音と共に派手な爆発。思わず口から零れたのは笑い。

「ハリウッドかよ……。すご、いやぁすごいねぇ。俺ちゃんそんな派手な攻撃できないから羨ましいわァ」

 むぅ、と子供のように頬を膨らませる。授かる能力は自分でどうにか出来るものではないし、別に自分の能力に不満がある訳では無いけれど、それにしたって男子高校生の胸が踊るような能力が良かったと偶に思うのだ。特に炎系。あれは派手だし格好いい。

「冬の方が空気澄んでて綺麗に見えるしね。俺ちゃんの力がもうちょいあったらここら一帯冬に出来たのにィ。ていうかほんと、どっち行こうかな。どっちの方が楽し、…………は? 待って。なんかセレス・コア降ってきてない? 俺ちゃんにだけ見えるポップな幻覚?」

 ごしごしと手の甲で目元を擦るが脳裏に焼き付いて離れない煌めきは目を閉じても開けても確かに空中を舞っている。各々重力に従ってそれなりの速度で落下しているが、何度も奪ってきたそれを見間違えるはずがない。幻覚ではないはずだ。

「レディ。俺ちゃんさっさと侵略者叩いてセレス・コア新調したいなァ。腰につけてるこれ、そろそろ飽きてきちゃった。次は黄色が良い、かも」

 きらきら光るマゼンタのセレス・コアを親指と人差し指でつまみ上げて間髪入れずに口に放り込む。少し小ぶりだったそれは噛み砕かれることもなく蛇が獲物を丸呑みにするかのように嚥下された。
 舌舐めずりを1つ。いつもよりなんとなく軽い気がする脚を動かして、黄色のセレス・コアが落下したであろう地点に走った。


>>レディ・グレイ様、周辺ALL様


【お返事遅れて申し訳ありません……;; あけましておめでとうございます! お年玉を横取りしにまいりました!】

16日前 No.36

Lzh @lllllzh☆PvKD6UICUoMc ★Android=rT60tYi8k1

【足立優里/ムーン・ファントムランド、ジェットコースター付近】

「ふっ! はっ! せいやっ!」
無数のLV1を剣で迎え撃つ。LV1はそれによりばったばったとなぎ倒されてゆく。
そうしている間に車輪が勢いよく転がってきた――――

「!」
大ジャンプでそれを回避する。
そのまま後ろに飛んでゆき、それをしつつLV2の動きを見る。

見ると、勢いよく滑走していっているのが見えた。
これは普通にやっても止めることはできそうにないだろう。

悩んでいると、車輪を見つけた。
あたしはそれに勢いよく近寄り、手に取った。そして力一杯持ち上げ、

「りゃあああああああああっ!!」
勢いよく、lv2めがけてぶん投げた。

>lv2侵略者および周辺all

15日前 No.37

コア @koa11 ★Android=0qnlIoZILT

【ルイン・ホワイト(櫻井真白)/観覧車内部】

笑ったような気の抜けた返事が頭上から聞こえる。詫びなどは一切求めてはいなかったものの、そのマイペースさに付き合うためには溜め息無しではやっていられない。
ただ、帰ってきたのは返事だけではない。これから起こすであろう″面白い事″への誘いも丁寧にされていた。もちろんのところ頭上からは魔力が変化するような気配をひしひしと感じる。その一方で真白の脳内では聞こえてくる言葉の意味がそれとなくイメージされていた。

「水槽と魚と餌、ねぇ……」

一般人には到底予想が付かないその例えではあるが、過去に聞いた覚えがあった。しかし、そうこう思考を巡らせている間にも感じていた魔力はばら蒔かれたのか流星のように園内へと落ちていく。全くもってやっていることに対して演出の粋は妙に良い。おまけに自身の能力を使ってかピースサインまでくれる有り様だ。追いかけてごらんと挑発しているのか面白かったでしょと楽しんでいるのか。これではトリックスターの名を冠した観測者と言われても否定のしようがない。

「こんなことのついでに一つ。目的を聞いても良いかな?」

中立という立場ではないが、比較的その位置にいて客観的にevilのエンジェル・エッグたちを見ることができる。そうしている真意を真白は尋ねた。

>>ステラ様、翡翠様、周辺ALL様


【ルゥちゃんのあだ名ありがとうございます!確かそういう名前もあったし使えるなぁとか思ってました。返答を聞き次第、ルゥちゃんは移動しようかなって感じです。】

14日前 No.38

モブ組 @mistydark☆NIljAHmRyhk ★R3lMq2ye0U_xmq

 ジェットコースターのレールを滑走する侵略者だったが、何か考えがあっての行動かと問われれば決してそうではない。そもそもそこまでの知能がレベル2の侵略者に存在しているのかどうかも謎だが、とにかく彼または彼女の(何処にあるのか分からない)脳内を占めているのは、生存本能に基づく逃走と食欲の四文字だけだった。エンジェル・エッグ達の振り撒く魔力の臭いにあてられて有頂天になっていた侵略者は、そのせいで自分が危機的状況に陥っていることは一応理解していた。逃げなければ死んでしまう、けれど魔力も欲しい――そんな葛藤をしながら戦えるほど、此処に集ったエンジェル・エッグ達は甘くなかったというだけで。
 無意味にレールを滑り降りる侵略者の前方とその体に、無数の銛が突き刺さる。その銛の持ち主であるチヒロが再び背後に戻ったせいでその巨体は僅かながらに仰け反り、スピードが緩んだところでレディ・グレイの放った乗用車が突っ込んでくる。大事故レベルの爆発を起こした乗用車に怯んだ侵略者は思わずスピードを緩めたが、その先には建とチヒロが作り上げた瓦礫の網、そしてクリエイターの能力によって出現した鋼鉄のバリケードまで存在している。その全てに豪快に激突した侵略者は、先程までの爆発など足元にも及ばないような豪快な破砕音を立てて、瓦礫をあちこちに飛散させながら止まった。人間で言うならば、脳震盪でも起こして朦朧としている状態だろうか。しかも、その体は瓦礫に引き裂かれ、鋼鉄に潰され見る影もない。一応頭と胴体が繋がっているので息はあるようだが、そこに優里が放り投げた車輪までもが激突し、まさに満身創痍である。

 そして激突と言えば……侵略者に向かって疾走していたはずのオーシャンナイトの行く先は、突然見えない何かに遮られた。まるで開いていない自動扉に突っ込んでしまったかのような衝撃を受けたオーシャンナイトは、甲冑のお陰で無傷ではあったが逆方向に吹っ飛び、今度は背中が何かに当たって止まる。
「ってぇ」
 思わず鼻先を押さえながら立ち上がったオーシャンナイトは、新手の攻撃かと思って侵略者を睨み付けるが、彼の瞳に侵略者の姿は映らない。馬鹿みたいに大きな鋼のバリケードがその姿を遮っていたからなのだが、その様子が今の自分の境遇とよく似ていることは瞬時に理解できた。
 自分を閉じ込めたのは侵略者ではない……ならば、何だ!?
 オーシャンナイトは慌てて後ろを振り返る。そこには同胞であると信じて疑わなかったクリエイターの姿。その顔に浮かんだ表情を見た瞬間、オーシャンナイトの脳内にはクリエイターの能力が走馬灯のように浮かび上がって。
「お前、どういうつもりだ!? 相手間違ってるんじゃねぇの? ノーコンにも程があるだろ!?」
 この期に及んで仲間割れだ何だと告げるような余裕はなく、叫んだ言葉は現実逃避に近い。というか、最早彼の思考は現実に追い付いては居なかった。
 evilという、正義の理から外れたエンジェル・エッグたちが目の前にいる、彼等が狙っているのは自身のセレス・コアであるという現実に。

「セレス・コアがどうのってェ……さっきから貴方達は何を言ってるんですの?」
 そして、オーシャンナイトが気付くべき異変に気付いたのは、建の起爆剤としていったん待機を決め込んでいたブラッディスノーの方だった。
 彼女からしてみれば外野が突然コアが降って来たと騒ぎ出したのだ、正直訳が分からない。彼女の目にも夜空を舞う宝石が映らなかった訳ではなかったが、こんななりでも真っ当に生きているブラッディスノーは、まだその真意を知らないのである。
 そして知らないからこそ、誰かに誤魔化されるまでもなく、聞くだけ聞いてこの騒ぎを戯言だと決め込んだ。ブラッディスノーにとって大事なのは、自分の獲物を狩り尽くすこと……目の前の侵略者は攻撃を続け様に食らってボロボロである。やるなら今しかない。
「まァ、私には関係ありませんわ……ねェッ!」
 最後の一言で弾みをつけて、再びブラッディスノーは侵略者に向かって毒霧……というか、可燃性の毒ガスを放出する。能力で操る毒である以上ある程度の制御は可能であるが、所詮は気体。バリケードに囲まれているとはいっても、それが留まる時間はそう長くない。
「さァ、さっさと点火してくださいな御柱様。あのデカブツ、粉々になるまで吹き飛ばして差し上げます」

>周辺ALL様

【拾えるものは拾ったつもりですが漏れがあったらすみません……
 ファーストイベントの期間も残り少なくなりましたので、モブ組は次レス以降確定ロルで片付けて頂いて構いません。特に侵略者とオーシャンナイトはもう九割取られてますので、華麗に片付けてやってください。】

14日前 No.39

灰祢 @mistydark☆NIljAHmRyhk ★R3lMq2ye0U_xmq

【レディ・グレイ/ムーン・ファントムランド、メリーゴーランド付近→ジェットコースター付近】

「あぁ、今のは独り言。気にしないで」
 みんなというのは、夕凪市の面子を指すのではないのだから、フォーチュン・ブライドが首を傾げるのも無理はない。にしても何だろう、目の前の同胞の姿に……こう……面白動画大賞とかに出て来そうな小動物みを感じる。悪い意味では決してないが、いい意味でもない気がする……ごめん。
「何だかんだ言っても綾崎灰祢は男の子だからね、綺麗なものも好きだけど、カッコいいものも普通に好きだったんじゃないかな?」
 そこまで綺麗じゃないものを焼却処分してついでに侵略者にぶつけたら、思ったよりも高評価というか、羨望の眼差しを向けられてしまった。見た目の美しさで言えば、パーティの参列者の方がよほど素敵なのに。
 エンジェル・エッグに変身する前の自分のことを何処か他人事のように語る。自分で言っておいてあれだが、元々は男のドレス娘が二人並んで談笑しているなんて、なかなかに素敵な光景だったと今更ながらに思う。
 だから、このまま終わらせるのが、惜しくて。

「うーん、現実だね。そっちにも落ちてきてるし、ほら」
 と、自身の背後の植え込みを指さした時、既にフォーチュン・ブライドは黄色のセレス・コアに狙いを定めていた。
 あっという間にマゼンタのコアを呑み込んで軽快に走り出すフォーチュン・ブライドを追い掛けることに躊躇いはなかった。パレードをしようというお遊びにも、此処までの雑談にも付き合って貰ったのだから、今度は自分がお手伝いをする番だ……番だ、けれど。
「マゼンタに飽きちゃったなら、これはもう要らないよね」
 一瞬だけ道から逸れて、茂みの中から拾い上げたのは赤色の鈍い光を放つセレス・コア。突然空から降ってきたそれは一体誰の落とし物だか知らないが……幾つか一編に落ちてきたのだ、何らかの目的でばら撒かれたと考えるのが正しい。偽物という訳ではないし、星の使途がわざわざ自分たちに施しをするとは思えない。
 そうして至った結論は、このまま頂いてどう使おうが問題ないということ。

「ちょっと待ってってあたしも行くから! 黄色狙いだね、おっけー」
 自分で道を外れておきながら待ってと叫び、ピンヒールで疾走する。今後の目的は、フォーチュン・ブライドの為に黄色のセレス・コアをゲットすること。最悪さっきの拾い物は、交換条件として提示しても良い。

>フォーチュン・ブライド様、周辺ALL様

【折角なのでお年玉頂きました。グレイはそこまで逼迫していないので、ぶんどりに来てくださっても大丈夫です】

14日前 No.40

白鷺 @keiunuiek☆mQLLuNXADKnU ★Android=hn2HASXm05

【クリエイター/ムーン・ファントムランド、ジェットコースター付近】


クリエイターが生み出した透明な箱に閉じ込められたオーシャンナイトに、笑いをこらえきれない。まさか警戒されていなかったとはいえこんなに簡単に捕まえられるとは。これならさっさと奪っていれば良かったかもしれない。
クツクツと喉奥から漏れる音と共に形作られる笑みは先程までの人当たりの良いものではない。それはまるで、獲物を前にした捕食者のそれだ。ここまでされて未だに現状を理解していない様子の彼にまた笑いがこみ上げてくる。

「アッハッハハ! 間違ってねェよ、何一つな」

さて、此処からどうやって彼のセレス・コアを奪ってやろうか。何処にあるのかはもう分かっている。持ち替えた手の中、双剣の装飾の一つ。独特の光の反射をするそれをじっと物欲しそうに見詰める。このままさっさと奪っても良いが、今一つ面白みに欠けるだろうか。

「まあいいや。面白さを追求してちゃまた妨害されるかもしれねェしな。――なあオーシャンナイトくん」

青い閃光がLv.2の侵略者の方にある事を確認して、少しずつ箱の中の鳥な彼に近付く。足取りは軽い。しかしオーシャンナイトにとっては、まるで悪魔が一歩ずつ近付いているようなものだろうか。もしくは死の宣告をしに来た死神か。ニヤニヤと愉しそうな笑顔を隠しもせず目の前まで辿り着く。

「それ、そのセレス・コア。俺にくれたら命だけは奪わないでやるけどどうする?」

これは、果たして嘘だろうか。素直にくれると言うのならクリエイターが生み出す数多の武器は彼を襲う事は無いだろう。だが彼のセレス・コアがクリエイターの手に渡った瞬間、オーシャンナイトだった彼の身体は瀕死状態に戻る。そしたらクリエイターがすぐに救急車を呼んだ所で警察が包囲しているこの遊園地に彼の命が尽きる前に辿り着く事は不可能だろう。
心が傷まない訳では無い。だが何よりも、自分の命には替えられない。他人を殺してでも生き残りたい。これは、ただの生存本能だ。可笑しい事など有るのだろうか。

「くれないなら、まあ殺してでも奪うだけだけどな」

一瞬の光の後、オーシャンナイトを囲う様に様々な形状の剣が現れる。勿論、切っ先はオーシャンナイトを捉えている。
今オーシャンナイトを捉えている、まるで透明なエレベーターはエンジェル・エッグの能力に耐えられる様に手を加えている。だからこそ魔力が三分の一奪われるのだ。ただ透明なだけであれば世界に一つは有りそうである。何処かの物好きが、既に制作済みだろう。別に全てが透明である訳では無い。四隅を見れば金具がある。だからオーシャンナイトが能力で箱を壊そうとしてもそう簡単に出られない。

「……チッ、あっちはもう望みは薄いな」

少し視線をずらして先程近くに落ちてきていた黄色のセレス・コアの方を見ると、他のevilが向かっている様子が見えた。スタートダッシュが遅れたクリエイターではもう彼等より先に取りに行く事は出来ないだろう。だがばら撒かれたセレス・コアは他にもあった筈だ。オーシャンナイトからセレス・コアを奪った後、探しに行けば良い。視線を囚われの騎士へと戻すと、目を細めて彼の返答を待つ。


>>オーシャンナイト様、ALL様


【前回は色をミスって申し訳ありません……。読み返すと誤字も多く赤面ものです……。
次レス以降確定OKという事で、オーシャンナイトくんのセレス・コア貰えたら良いな……!】

14日前 No.41

日向月。 @kafune☆01.vmkBoVYY ★iPhone=lzg10J1WEt



【 翡翠 / ムーン・ファントムランド 観覧車頂上 】



 甘やかな声に誘われて観覧車の頂上に辿り着いた翡翠はぼんやりと目の前の人物を見詰めた。自分より幾らか身長の小さな彼女は今では更に下に目線がある為、自分が立ったままでは申し訳ないと思いつつもこちらから身体を屈めるのも如何なものか、と悩んでいた最中、ステラが首を傾げているのに気が付いて翡翠も同じ行為を行う。掛ける言葉が見当たらないのは最もだけれどステラの意志が見えない時は決まって翡翠も黙り込む。その風潮が今もこうして形になってしまっているのだ。


 つまるところ、翡翠は完全にステラのことを理解している訳ではない。出逢った頃からそこだけは何も変わっていないような気がする。否、何もというには語弊があるが、翡翠の中ではほぼ何もに近しいほどに彼女を理解しきれていないような気がしてならないのだ。但し、この時だけは違っていたようだ。自らの言葉に驚いたかのような様子を見せるステラは瞬きを繰り返す。初めはステラを怒らせてしまったらどうしよう、と強ばっていたが思いの外、驚いてくれていることが何だか嬉しくて嬉々としつつもそれが次第に面白くなって、翡翠は少しだけ笑を零してしまう。それから目を細めて笑う姿も愛おしいあまり、目元が緩んでしまう。確かに自分らしくはない行動だったかもしれないと思ったけれど此処まで彼女を自らの言動によって少しでも動かせたのなら、それだけで満足だった。ゆえに、それ以上の欲を晒さないように顔を整える。
 ステラが口を開きかけた最中、真下から物音が響く。瞬時に警戒モードに精神を切り替えた翡翠は自分の武器である槍を出現させようとしたが、下から聴こえる声には聞き覚えがあることを認知するとその手の動きは自然と止まってしまった。


「……ルノン・ホワイトね。翡翠からも五月蝿くしてしまったことは謝罪するわ」


 ステラが彼女ことを呼ぶことで確信した。童子に警戒モードも次第に解かれ、いつものように姿勢良くステラの傍に控える姿勢に戻す。このゴンドラの中にいるのは間違いなく、ルノン・ホワイトだ。自分たちの同胞で、真白の衣に身を包む、名前の如く白のエンジェル・エッグ。敵か味方かは定かでないが、ステラが敵と見なしていない限りは自らにとっても敵ではない――はず。その彼女が居るにも関わらず、傍にいるステラは相変わらず上機嫌で翡翠は何だか調子が狂ってしまう。いつもの事だと言われればそうなのだが、慣れはしないこの感覚が今は心地良いなんて口が裂けても言えない気持ちを抱えながら沈黙を保つ。が、それも長くは続かないわけで。


「水槽、魚、……餌? あの、……ステラ? まさかとは思うけれど貴女、もしかして――」


 ふわりゆらりと軽く口ずさむ声音はこんなにも軽いのに、それによって紡がれる言葉はあまりにも謎が深い。愉快そうに語るからあまり口を出すことはしたくないけれどその答えを簡単には口にしない辺りがますます彼女を分からなくさせる要因だと思ってしまったことはここだけの秘密。だがしかし、翡翠の返事を待たずに成された行動こそがステラの出した問題の答えであったことを知る。腰のリボンが色鮮やかなセレス・コアを拾い上げ、そのまま遥か彼方へ放り出したのだ。普通ならばイカれてたいるとしか思えないこの非道徳的且つ不利益な行動をするステラの方を慌てて見やるが、瞳に映る彼女の嬉々とした表情を見た瞬間、それこそが無意味であったのかもしれないと知った翡翠は少しずつ視線を落とす。そして、その落とされた視線をステラの方に戻しながら「お戯れも程々に」と小さく囁くと苦笑を漏らした。
 暫くして翡翠の方を向き直ったステラがこちらへ向かって手を差し伸べていることに気が付く。最初は少しだけ驚きつつ、戸惑ってしまったが今までの経過を辿ると次の行動は何となく予想がついた。きっと、先程ステラが投げたセレス・コアの行方を探しに行くのだろうと。けれど、そこに翡翠をわざわざ誘ってくれるなんて、あまりにも予想外な展開過ぎた。翡翠は迷いのあまり、ステラへ『この手を取ってもいいの?』と言わんばかりの視線を送りながらもそっと、差し出された手に自らの手をおずおずと伸ばした。それからルノン・ホワイトが発した問いかけに対して、翡翠も同じように気になっていたことを彼女が突いた。確かに目的を語ってくれたならこの手を取れるかもしれない、という淡い期待が口から零れないように唇を噛み締めて、再度ステラのことを固唾を飲んで見詰めるのだった。

>>ステラ様、ルノン・ホワイト様、周囲おーる




【お返事が遅れてしまって申し訳ありません。
 ルノンちゃんも加わり、翡翠もソワソワとして参りました。翡翠は言わずもがなステラちゃんについていきますが、ステラちゃん本体さまの仰るように立ち回りは自由で大丈夫ですので……!】

11日前 No.42

御柱 建 @sibamura ★o0W3VsenYO_xmq

【御柱建/ムーン・ファントムランド・レール上】

「ん、二人ともありがと。……了解、セレス・コアを『拾ったら』渡すよ。」

 THIHILOの銛とクリエイターの鉄壁に阻まれ、他のエンジェル・エッグの攻撃によって満身創痍になった状態の侵略者を眺めながら建は二人に声を掛けた。侵略者はすでに虫の息という様相で、放置しておいてもその活動を止めるのではないかと思われた。
 しかし、彼らは尋常の生物ではない。一見して無力化したと見えても次の瞬間には牙をむいてくるのが彼らだ。そのことを熟知している建は決して侮らず当初の作戦通りに攻撃を開始する。
 ブラッディスノーの毒霧がバリケード内に充満し、侵略者にまとわりつく。バリケードの隙間からわずかに見える侵略者に視界を合わせると、建は視線を動かさないまま指を鳴らし、協力者であるブラッディスノーの疑問へ物憂げな声で応答した。

「そうか……君はまだ知らないんだね。それはきっと、幸せなことだと思うよ。」

 だが、その言葉が彼女の耳に届いたどうかは定かではない。なぜなら、彼が指を鳴らすと同時にバリケード内に球電が発生、即座に弾けるとともにバリケード内の可燃性ガスと反応して大爆発を起こしたのだ。
 響き渡る轟音と辺りを圧する閃光、続いで立ち上る大火炎。まるで巨大な爆弾が破裂したような情景が広がる。その情景も数秒で収まると、そこにはバリケード、否、侵略者がいたジェットコースターのレールごと吹き飛んだ光景と静寂が広がっていた。
 さすがにここまでやればいかな侵略者でも生き残れない。万が一生き残っていたとしても、誰かがとどめを刺すだろう。建がそう判断して視線を侵略者がいた方向からそらすと同時に、静寂を破るように時計の鐘の音が園内に響く。

「……12時か。魔法は解け、お姫様のドレスとガラスの靴はもとの服と靴に、馬車はカボチャに、そして……」

 建の声は今までと変わらない、ブラッディスノーを助け、共闘を申し込んだその声のままに。爆音と光に、そして侵略者を見事葬り去ったという安堵に気を取られている彼女の身体へ、いつの間にか手に出現していた刃を差し込んだ。

「忠実な御者は、薄汚いネズミに戻るのさ。」

>>ブラッディスノー様 THIHILO様 クリエイター様 ALL様


【あけましておめでとうございます。お言葉に甘えて侵略者ならびにブラッディースノー様に確定攻撃をさせていただきました。皆様、本年もよろしくお願いいたします。】

10日前 No.43

白鷺 @keiunuiek☆mQLLuNXADKnU ★Android=hn2HASXm05

【クリエイター/ムーン・ファントムランド、ジェットコースター付近】


クリエイターがセレス・コアを渡すように伝えてから数秒。冷たい風が吹いたところでクリエイターは気が変わったようにオーシャンナイトを無感情に見詰めた。

「やーめた。さっさと手に入れる事にするわ」

オーシャンナイトを囲っていた数多の武器が透明な箱ごと彼を串刺しにする。透明な箱は特殊な耐性を加えたものであるので、勿論武器が指し抜く瞬間に消し去る。剣がオーシャンナイトの全身を貫き、まるで一つのオブジェのようだ。真っ赤に染め上がった地面を踏みつけ靴に返り血を浴びながら、彼の手から離れた双剣の一つを拾い上げる。軽く力を加えてセレス・コアを外せば腰のチェーンに飾り付けた。

「これから救急車呼んでも助からねえよな」

確認するまでもなく、絶命しているだろう。別に何とも思わない。明日は我が身だ。今日はまだ、運良く生きているだけ。クリエイターはただ必死で生にしがみついているだけだった。

「さァてと、飛んでたセレス・コアは他にもあったよな。手に入れに行くか」

クリエイターは血溜まりに背を向けると、そのまま魔法少女特有の強靭な脚力で飛び上がり場を後にした。夜闇で分かりづらかったが、黒色のセレス・コアがコーヒーカップの方へ飛んで行ったように見えた。反射した光がセレス・コアのものであったからクリエイターには分かったが、他の者はどうだろうか。また誰かが取りに行くかもしれない。そう思うと自然と足は早まった。


>>オーシャンナイト様、ALL様



【迷いましたが追加攻撃と確定でオーシャンナイトのセレス・コアをいただきました。何か問題があれば訂正いたします。また、黒色のセレス・コアをコーヒーカップ付近に配置致しました。次で手に入るかは分かりませんが、時間的にクリエイターが拾えたら良いな……みたいな……。私ばかり勝手にセレス・コアを配置してしまい申し訳ないです】

6日前 No.44

たわら @tawara529☆OfI7utBYH1Y ★Android=7J0aOKrluH

【フォーチュン・ブライド/ムーン・ファントムランド、ジェットコースター付近】

 そこらにいる低級侵略者を手慰み程度に斬りつけさっぱり消滅させながら走っていると、背後から聞こえるのは先程まで談笑していたレディ・グレイの声。どうやらセレス・コア横取り計画のお手伝いをしてくれるらしい。実加が履いているものより数段走りづらそうなピンヒールで走っている足音が聞こえる。あの靴で魔力を補給したばかりの実加についてこられるのだからさすがとしか言いようがないし、実加もそうだが魔法少女の健脚に耐えられる強靭なピンヒールには賛辞を送りたい。足も痛くならないのだからこの技術がもっと世の中の悩める女性の為に活かされれば良いのにとあまりに普通な感想を抱いた。
 抱いたところで黄色のセレス・コアの前に無事辿り着き、宝物を見つけた無邪気な子どもみたいに拾い上げる。満月にも似た真ん丸なそれを掌でころころと転がしてその輝きを楽しみ、レディ・グレイに向けて軽く掲げて見せた。

「あ、レディ! 見て! てっきり奪い合いになるかなーとも思ったんだけどクリエイターちゃん別のエンジェル・エッグにお熱みたい。だから黄色は無事ゲットしました!」

 言うが早いか手にしていたコアを鼻歌交じりに腰に飾り付け、長さや角度の細かい調整をし始める。余程機嫌か良いのかドレスの色は鮮やかなトパーズに変わり、コアの煌めきをより一層際立たせていた。何処かの誰かが生きた証。誰がこれをばらまいたかはさておき、良い拾い物をした。無料より怖いものは無いと言うけれど、今の実加は最高にご機嫌なのでそんな事はどうだって良い。貰えるものは貰っておけば良いのだ。

「ていうか2人も正義の味方来たのにどっちも死んじゃったァ? あっはは、えっぐいなー」

 突如頭上で響いた轟音。臆することなく目をやると吹き飛んだジェットコースターのレールが目に飛び込んできて口から笑い声が漏れた。侵略者なんて眼中に無いと言わんばかりに口に出したのは2人のエンジェル・エッグの安否。どちらもさっくりいかれていたが果たして生きているのだろうか。実加は死んだに1票入れているが、生きていたらそれはそれで面白い。弱った相手で遊ぶのも楽しいかもしれないなんて考えつつ、けたけた笑いそうになるのを必死で堪えた。

「可哀想な正義の味方。今回ばかりは己の不運を呪いなよ」

 笑い混じりにそう言って、「ね?」なんて同胞に同意を求めた。かつて己も正義の味方もどきだったなんて事は忘れてしまったかのように。


>>レディ・グレイ様、周辺ALL様



【遅筆野郎大炸裂してしまいましたごめんなさい。クソみたいに遅筆ですが失踪はしませんので……! それから黄色のセレスコアいただきました! お年玉ありがとうございましたー!】

6日前 No.45

絡繰 @ne9rodoll☆V4.8X.AnvuQ ★wgm3NQbNwV_GYH

【 ステラ /観覧車頂上】

 差し伸べた手に翡翠はその薄い表情の中に驚きの色を見せた。それと同時に不安の色も。まぁそうなるよなぁと頭の何処かで予想通りの反応に苦笑を零す。おずおずと伸ばされてくる手を見届けようとしていれば、ことの一部始終を見届けたルイン・ホワイトから投げ掛けられた疑問が耳に入った。その声と同時に翡翠の手も止まる。理由を知りたい、その瞳にありありと描かれた願望に話すしかないかと肩を竦めるような仕草をする。

「目的ぃ? それって、わたしがこの立ち位置にいることについて? それともこの行動について?」

如何にも面倒臭いですというような態度を隠さずに読み取れなかった真意を尋ねた。理由付けほど面倒なことはない。何故人は行動に一々理由を付けようとするのか、てんで理解が出来なかった。やりたいと思ったから、面白そうだったから。それでは駄目なのだろうか。だめなんだろうなぁと意味もない自問自答を繰り広げた後、相手の回答を待たない内に口を開いた。

「まぁ仮にどっちかだとしても、わたしはね、ただ星の逝き先を観たいだけなんだぁ」

 星と共に夜空が降ったあの日、願いを叶えてエンジェル・エッグとして生まれ直したあの日、私は星を見ていたいと願った。自分とは正反対の星、何処か似ている星、理解の範疇に入らない星、それらを全部まとめて手に入れたいと思ったのだ。あの日見た満天の星空はとても遠くて、手を伸ばしても届きようがなかった。其れを自分の手元に集めて、コレクションして、額縁の外から永遠と眺めていたい。そんな歪みに歪んだようで、純粋な願いだけを動力源にしているのだ。私は。でも、それを他人に理解されるとも思っていない。きっと誰にも分らない。この願いは、私だけのものだ。

「わけわかんないでしょ? ……ルゥちゃんも、いつかわかるといーね。ただの石ころになっちゃう前に、さ」

挑発とも取れるような発言を朗らかな笑みと共に残し、伸ばしかけだった翡翠の手を無理やり取る。まずは、一番近くて遠いものから。どうせいつかただの魔力の塊の石になって、放り投げられてしまう運命ならば、そうなるまではひたすら強欲に、傲慢に生きていたい。私はその為に、”こんな姿”になったのだから。

「じゃあねぇ」とのんびりした別れの言葉をルイン・ホワイトに言い残し、いきなり手を取られたことに戸惑っているであろう翡翠の腰を流れるままに引き寄せて、離さないように観覧車のゴンドラの上から軽やかに飛び降りた。飛び降りたって死ぬことなんてない。まるで化け物だと一人笑みを零しながら自らが作り上げた水槽に飛び込んで行った。

翡翠様、ルイン・ホワイト様>>(〆)

【これにて〆とさせていただきます。楽しい絡みをありがとうございました!】

6日前 No.46

コア @koa11 ★Android=0qnlIoZILT

【ルイン・ホワイト(櫻井真白)/観覧車内部→ミラーハウス】

「そうか。ありがとう」

具体的とも抽象的とも言い難いステラの返答に難色を示すような表情で言葉を返す。星の逝き先という言葉に詰め込まれた意味だけを理解しようと思えばできないことはないのかもしれない。しかし、そうしても星の逝き先を観たいという願いは到底分からないのだろう。近くにいる翡翠ですら100%理解しているか判断ができない。恐らくステラの奥深くまでを知らなければ不可能なことなのだ。
結局は何も知り得なかったことに真白は深く溜め息を吐く。収穫という収穫が無いのはどの目的を聞いているのか、といった発言の声色から察してはいた。適当に返事をされたと言われれば否定はするが、汲み取ろうとしても得るものがなければ同等のことだ。

「ああ、私には全く分からない。……ただの石ころになってしまう理由もね」

別れの言葉と共に園内に消えていく二人の後ろ姿を眺めつつ真白は呟く。
侵略者、指名に忠実に従う魔法少女、evilと三つの勢力があるこの時代はいつ誰が台頭してきてもおかしくない。より生き残るためには何よりも強さが必要で、無いものには相応の扱いが待っていた。そして、真白自身もその光景を目にしており、この遊園地を舞台にしても同様のことは起きていた。

「私はそのようにはならない」

先の二人の姿が見えなくなった後、真白もまた園内へと赴くべく夜の冷たい空気に身を委ねた。


降り立ったのは先ほどまで戦闘が行われていた付近だった。今や祭りも終わった後だが、それでも訪れた目的はステラが放っていた物体、推測するにセレス・コアを求めてのことだった。研究にも自らの強化にも使える万能アイテムを放っておくのは勿体無い。
魔力を感じる地点を洗い出して近辺を捜索する。人目には付きやすく残党がいる可能性もあるが、攻撃されようものなら反撃するだけだ。

「外に落ちていないなら中か」

屋外を一通り捜索した後、ジェットコースター付近に位置するミラーハウスへと入る。セレス・コアの魔力を感じるのは確かなので近いのは間違いない。
久々に入る一面鏡張りのアトラクション。照明こそは切れているが月夜の光が僅かに差し込み、不気味な明るさが印象に残る。そして、今や昔の面影もない自分の姿が鏡に映り込む。純粋に輝いた瞳は穢れを知った真紅へと変わり、繊細で綺麗な肌は傷を知った。誰かを守れるなど初々しく淡い期待を寄せていたあの頃が懐かしく、遠くも思えて仕方が無い。
回想に浸りながらハウスを進んでいくと、コツと何かが爪先に当たる感触がした。突き当たりの鏡にまで転がったそれはこの場に似つかわしくないような綺麗な水色の発光していた。水になんて入れれば今にも溶けてしまいそうな鮮やかなセレス・コアを手に取った真白は再び歩を進めた。

>>ステラ様、翡翠様、周辺ALL様


【短かったですが絡みの方ありがとうございました!それと誰も取りに行っていなかったので水色のセレス・コアを回収しに伺いました。もし、回収予定していた方がいればこの際に後々奪ったりするのに因縁でもなんでも付けてやってください…】

5日前 No.47

モブ組 @mistydark☆NIljAHmRyhk ★R3lMq2ye0U_xmq

 そこに集ったエンジェル・エッグたちの奇跡的な共同戦線の結果、そこに誘い込まれた侵略者は、実に呆気ない最期を遂げた。
 耳を劈く轟音が消えた時、そこに残っていたものは“何もなかった”。巨大な額縁もドレスもトルソーも車輪も、編み上げられた鋼鉄と瓦礫のバリケードも、元々そこで何人もの人々を悲鳴と歓声の渦に叩き込んできたジェットコースターのレールも、全てが跡形もなく消し飛んでいた。木端微塵という言葉が此処まで綺麗に当てはまる状況もそうそうないだろう。
 当然、一片たりとも残さず消し飛ばされてしまった侵略者が生きている筈もない。それは、各々の頭上に降り注いだ魔力の粒子が証明している――それは、侵略者が死んで、エンジェル・エッグたちの糧になった証なのだから。

 そしてまた、エンジェル・エッグの……その成れの果ての糧となった欠片が二つ。

 自分が言いだして生まれた爆発音に、思わずブラッディスノーは耳を塞いだ。当然、建の言葉など聞こえていない。だが、瞳が全てが終わった情景を映し出してくれたのと、鐘の音が無事に自身の鼓膜に反響してくれたので、彼女はそっと手を離していた……だから、彼の歌うような、童話を諳んじるような言葉は聞こえていた。
「え……?」
 建の手にした刃が、自らの身体を貫く不快な音も。
 思わず漏れ出した声は純粋な疑問だったのか、はたまた空気が押し出されただけか。肺を傷付けた刃が心臓にまで達していた事を思えば、後者の可能性も大いにある。
 次の瞬間、血塗れの雪(ブラッディスノー)はその名の通り、自らの白い身体を赤い鮮血で汚しながら倒れ伏した。
「貴方まさか……最初、から……ッ」
 喀血しながら、即死できなかった彼女は憎々しげに建を見上げる。だが、エンジェル・エッグの持つ超人的な回復力を以てしてでも、自分が助からないであろうことは理解できた。いっそ能力云々の話ではない、目の前の男が自分をこのまま逃がしてはくれないだろうことは、容易に理解できてしまったのだ。
 その理由は、知らないけれど。
 呼吸するたびに口の端から血が零れる。此処で自分が終わること、出会ったばかりの訳の分からない存在に殺されることは納得いかなかったが、今更どうしようもない。これは自分の油断が招いた結果。それに。
――……あの時に比べれば、全ッ然苦しくありませんわ……さようなら、憎くて愛しいお母様。
 建への意趣返しの一つや二つしてやりたかったが、それも叶うことなく、ブラッディスノーの意識は途絶えた。彼女の肉体もまた、徐々に霞のように薄れて消え失せる。
 ただ一つ残されたのは、ブラッディスノーのものとは似て非なるセレス・コア。赤と白を混ぜかけた様な微妙な色合いをしたそれは、坂道の傾斜に従って建の足許へと転がっていった。


 その惨劇の様子は、今や籠の鳥となったオーシャンナイトの瞳にも映っていた。
 侵略者は死んだが、ブラッディスノーも殺された。此処に来てようやく、彼は自分と目の前の存在が全く別の何かであることを理解し、自らが命の危機に瀕していることを知った。
「ま、待てよ。俺は、まだ」
 死ねない……そう答えるには、遅すぎた。
 クリエイターの気が変わったことにより、無数の刃がオーシャンナイトを襲う。それは甲冑があったとしても到底防ぎきれるようなものではなく、関節の隙間から、そして或いは甲冑ごと、彼の身体を串刺しにした。
 言葉もなく、オーシャンナイトは武器と、自らの命の砦であったセレス・コアを取り落とす。
 そして更に不運なことに、血だまりの中からクリエイターがオーシャンナイトの右の剣を拾い上げた時、彼にはまだ辛うじて息があった。

 エンジェル・エッグとして死んだ者は、その体がセレス・コアに変わる。けれど、ただコアを奪われたものは……エンジェル・エッグであったという事実が、全ての力が、契約によって生き永らえた体が消える。

「が、は」
 数多の剣に刺し貫かれた痛みに加え、車に引き潰された時の衝撃までもがオーシャンナイトを……もはやそうは呼べなくなった14歳の少年を襲い、その瞳から生気が消えた。彼にはきっと、走馬灯を見る暇すら与えられなかった。
 けれどこれが、エンジェル・エッグに待ち受ける運命。

5日前 No.48

灰祢 @mistydark☆NIljAHmRyhk ★R3lMq2ye0U_xmq

【レディ・グレイ/ムーン・ファントムランド、ジェットコースター付近】

 フォーチュン・ブライドに追い付いた時、全てが終わっていた。
 爆音と閃光が消えると、レールごと侵略者は吹き飛ばされているし、正義感に駆られてやってきたヒーローヒロインは敢え無い最期を遂げているし、黄色のセレス・コアは無事回収できたようだし……まぁ、最後のに関しては自分もあっさり拾ってしまっているからそれは良い。少し呆気なかったような気もするけれど、此処は素直に喜んでおこう。
「それは良かった、お互い良い拾い物したねー」
 新しいコアを掲げて嬉しそうに笑う同胞の姿は見ていて微笑ましかった。ドレスのカラーリングも見事だし、いっそ上機嫌のままくるくると踊り出して欲しい。そうしたらきっと、この瓦礫と残骸と血だらけの遊園地の情景も、少しは見れたものになるだろう。
 綺麗じゃない、全然綺麗じゃない、けれど。
「流石にこれ全部直す気力ないなぁ」
 最初こそ侵略者が壊した遊具の修繕に勤しんでみたが、全部さっぱり吹っ飛ばされると自分ではどうしようもない。ジェットコースターの再建は一般企業にお任せして経済を回そう、そうだそれが良い。

「そうだね、今更正義なんて振り翳しても、何の役にも立たないのに……無知って怖いね、うん」
 同意を求められたので、当然とばかりに何度も頷く。
 可哀想な正義の味方、真実を知らないから、報われずに醜く死んでしまった。嗚呼、そうだ……コレも、綺麗じゃない。死体が残っているのも面倒だし、これくらいは片付けておくか。
「可哀想だし、最期くらいは盛大なフィナーレにしてあげようか」
 言うが早いか、そこに転がっている元エンジェル・エッグの少年の遺体を燃やした。言葉通り火力は強めで、あっという間に骨も残さず火葬される。今回は灰を拾うこともなく、風に吹かれるままに空に舞い上がっていくのを何となく目で追った。

「さて、今日のお仕事終わり。折角黄色のコア似合ってるんだから、落とし主が現れる前に帰っちゃおうか」
 そしてもう興味は失せたとばかりに、フォーチュン・ブライドに微笑んで。

【これにてうちのモブと灰祢のファーストイベント〆とさせて頂きます。絡んで下さった皆様ありがとうございました!】

>フォーチュン・ブライド様、ALL様

5日前 No.49

カレン/2ndイベ開始 @mistydark☆NIljAHmRyhk ★Android=GaTaMXF8bf

Uegghunt〜操られ人形〜【1/15〜2/14】

 日常の欠片の夕暮れ時は、脆く儚く崩れ去る。その背景が、優雅な燈に照らされる薔薇園だろうが、静かで神秘的な神社だろうが、ビルの谷間の骨董店だろうが同じこと。

 金髪碧眼が目を引く少女、三宮カレンは夕凪市内のとある路地を歩いていた。如何にも日本の学校帰りといった出立ちと外国人然とした風貌はいささかミスマッチだが、そう珍しい光景でもない。どちらかと言えば、学生がこの道を歩くことの方が好奇の目を向けられ易いのかも知れない。
 大通りから少し離れたその場所は、仕事や学校が終わったばかりのこの時間でもひっそりとしている。物静かな町並みは時の流れに忘れ去られたようで、けれど人々に愛され続けているのが感じられた。
 そんな古き良き商店の一つ、コキュトスとやらがカレンの目指す場所である。本業はアンティークショップらしいのだが、併設されたカフェスペースの方が評価が高い。拘りは強いものの余り客には絡んでこないというマスターの性格が店にも出ているお陰で、非常に質の高い珈琲が居心地のよい静かな空間で味わえるのだと、レビューサイトに書いてあった。
 行ったことはないが、カレン自身もきっと気に入るお店だろう。出来ることなら壊したくない。
 その為にはそう……中に居るだろう“悪”を、表に引摺り出さねばならない。

 カチャリ、とノブを捻る音。リン、と澄んだドアベルの音。コーヒーメイカーから立ち上る芳醇な薫りが、ふわりと揺れる店内で。

 そこには、カレンの探していたものがあった。ただそれは、アンティークでも珈琲でも、寡黙なマスターの笑顔でもなく。
「こんばんは、evilの皆様。私は、貴方たちを殺しに来ました。だから少し、外に出てくださいませんか? マスターには迷惑をかけたくないんです」

 余りにもあっけらかんとした宣戦布告に、目を丸くした客もいない訳ではない。しかし幸か不幸か、今この店内はカレンがevilと呼んだ存在が大半を占めていると言って差し支えなかった。
 言うだけ言って、カレンはさっさと踵を返して店を出ていく。何人ついてくるかは分からないが、彼女は“いつも通り”全員殺すつもりだった。evilの存在を決して許さず、殲滅する。それが三宮カレン――否、ウィッチと名乗ったエンジェル・エッグの存在意義。
 一歩、夜の涼やかな空気に包まれた町にカレンが足を踏み出した瞬間、その姿は掻き消える。
 在り来たりなグレーの制服は紺色のワンピースに。ローファーは黒のブーツに。何も装飾がなかったはずの頭部には、アニメのように巨大な魔女帽子が現れ、そして胸元には水晶に似た輝きを放つセレス・コア。
 三宮カレンの言葉に乗って出てきた子供達の瞳に映るのはきっと、彼女であって彼女ではない、天使であり魔女である同胞の姿だろう。

 そしてそれは、此処から少し離れた洋館や神社でも起こっていることだった。

【皆様のお陰で無事にファーストイベントが終了しました、ありがとうございました。
 予定通りここからはセカンドイベントとさせて頂きたいと思います。また一ヶ月宜しくお願いします!】

5日前 No.50

スノウクイーン @papillon☆0uO5mlUpCUns ★sAbT0rwP1n_mgE

【スノウクイーン/式読神社】


 この街に凍て付いた銀色の風が吹き抜けたのは、世間が新しい年の訪れに喜び浮かれ、多くの人間が家族や恋人や友人達と幸福な時間を過ごす頃だった。

 夕凪市に潜むevil達の間で、とある噂が流れ始めた。evilが街から消えている。それも自主的に街を去っている訳ではない、路地裏や河川敷といった人目につかない所に所持品だけを残して、忽然と消息を絶っているのだ。そしてその現場には常人には目にする事すら出来ず、エンジェル・エッグにしか読めない魔力を込めて書かれた特殊な飾り文字でこう記されていた。

 〈ばらのはな さきてはちりぬ かみのこ やがてあおがん〉

 あの女≠ェ動き始めたのだと、とあるevilは声を潜めて言う。いかれた殲滅者≠フ仕業だと、別のevilが忌々しげに舌打ちする。暴悪な氷の魔女から逃げなければと、怯えたevilの声が自然と大きくなる。

 ふいに肌を裂くように冷めた風が吹いて。誰もいない筈の背後から、彼ら彼女らの肩がぽんと優しく叩かれる。優しくもあまりに無慈悲な、氷のごとき冷たい手が肩を揺らすのだ。

「ざんねん不正解、だって悪い魔女はあなたたちの方だもの。間違えちゃったいけない子には、――――罰ゲームなの」

 悲痛な絶叫さえも凍り付いて、白亜に染まったその響きは何処にも届かず白い闇に沈んだ。


 仲間の失踪事件が立て続けに起こり、不穏と不安が不吉な靄のごとくevil達の心を覆い尽くしていた、とある寒い日の朝のこと。
 唐突に、街のあちこちに奇妙な貼り紙が現れた。それは雪の結晶を模した五角形の、普通の人間が見れば何も書かれていないただの紙きれである。それが寂れた公園の滑り台や、学校のくすんだクリーム色の校門、人影もまばらなゲームセンターの硝子扉などにいつの間にか貼られているのだ。
 無意味な悪戯だと思う人間がほとんどだった、しかし魔法少女が見れば、そこには白銀の文字が躍るように浮かび上がって見える事だろう。

 〈みちをふみはずした てんしのたまごにつぐ
  ことしはじめてつきがみちるよる しきよみじんじゃにて あなたをまつ
  もしすがたをみせないなら このまちまるごといてつくかぜで すべてあなたとともにとざそう
  わたしはしんばつのだいこうにん あしきまじょをさばくもの
  ぎんのしろにて ゆきのじょうおうがあなたをまつ〉

 それは明白な脅迫状であり、邪悪なまでに無邪気な宣戦布告だった。


「いい夜ね、月が綺麗な、本当にいい夜なの。魔性を呼び覚ますあの金の月まで冷たく閉ざせば、悪しき魔女達もきっと綺麗に葬れるのだわ」

 冬の日暮れは早い。時計の針は逢魔が時を示す頃、コバルトブルーの夜の端にはすでに煌々と輝く月がその存在を誇示し始めていた。

 由緒ある式読神社には誰もいない。本来であれば神聖な空気に満ち満ちているのだろうが、今は普段とはまったく異なる様相を見せていた。
 寒々とした境内にはうっすらと白い冷気がたち込め、厳かな狛犬も石灯籠も、果ては神社そのものまでもが眩い月光を受けて星屑のようにきらきらと光っている。凍り付いていた、その場の全てが。
 いや、境内の真ん中にただ一人、命ある者がいた。青く煌めく氷の玉座に腰掛け、足を組んだまま頬杖をつく、白と銀で彩られた奇妙で高慢で人ならざる少女が。白銀の結晶のように、ある意味完璧だからこそ見る者に違和感と恐怖感を与えるような、雪の女王――スノウクイーン――が。

 幾つかの強い気配≠ェ式読神社に近付いてくる事に気付き、スノウクイーンは薔薇の花弁のように紅い唇をきゅうっと残酷に歪めてみせる。
 一人、また一人と境内に踏み込んでくるのは強大な魔力を秘めたる魔法少女達、堕ちたるエンジェル・エッグであるevil。

 音もなく玉座がら立ち上がると、スノウクイーンは大きく両腕を広げる。その姿は途方も無く白く、異様に大きく見えた。

「ようこそ、天使の残骸さんたち。わたしの招待を受けた事だけは褒めてあげてもいいわね。だからせめて……綺麗に綺麗に閉ざしてあげる、その命を永遠に!」


>>式読神社ALL

4日前 No.51

推古 @iwing ★gBSwv0JJyH_3Nj

【 ウォッチキーパー(シーリーン・ヘルメース)/ 幻燈館薔薇園 】

 夕暮れ時の、昼と夜が溶け合う逢魔が時。夜の帳が下りるまでの僅かな一刻には、薄ぼんやりとした曖昧な世界がよく映える。それはまるで夢と幻。夢幻の狭間。そういう時分は得てして魔物に遭遇するものだ。
 濃藍色の空が落ちようとしている、幾度も夜が訪れようとしている。処刑人が断頭台に縛り付けられた罪人に裁きを下すが如く、確実に。そして今宵はevilどもの魂を狩りに、死神が鎌を引っ提げてやって来る。
 夕闇の静けさを漂わせる薔薇園に浮かび上がる、黒き人影。いまどきハロウィンのコスプレでもあるまいし、黒いフード付きのローブを身に纏っていた。
 フードから覗く白髪が風に煽られて揺れる。両目を覆う眼帯を付けた怪しげな少女。その腕には、小柄な体格には似つかわしくない大鋏が取り付けられている。
 夜の闇が迫る頃、安寧と静謐とに満たされた庭園に忍び寄る一つの影。洋館内部の照明器具に明かりが点され、まるでスポットライトのように、黒に覆われた彼女を明らかにさせた。そしていま、舞台が整った。

「裏切り者には、それ相応の罰を」

 感情の籠もらない、機械的な声音で告げる宣告。両眼を眼帯で覆い、一切の感情すらも蓋をした。この身はevilを倒すためだけに存在する。つと辺りを見渡すと、生と死の間に揺蕩う己の儚い在り方を祝福するかのように、可憐な薔薇――もとい観客――たちが彼女を見守っていた。
 存在の揺らぎを感じる。この世界に留まれられる時間はそう長くはないらしい。しかしそんなことすら痛痒には感じ得ない。我はevilを斃す機械なり。この世の悪を滅ぼす正義の使者である。裏切り者には正義の鉄槌を。悪には正義の裁きを与えよ。念仏のように唱える正義のプロパガンダに意味はなく。ただその心を凍てつかせた。心と体は既に冷え切っていた。

 たそがれ時に閉園を迎えたばかりの庭園に起こる些細な異常。ただ静かに眠りを迎えるはずだった洋館に明かりが点ったのを、一体何人の人間が気付けたことか。しじまの向こうに誰かの足音が聞こえる。振り返ればほらそこに。――はじめまして、こんばんは。皆様……私は正義のエンジェル・エッグ。今宵はあなたたちを倒しにやって来ました。だから大人しく私に倒されて下さい。

「――だってあなたは……いえ、あなたたちは、私の可愛い生け贄ですものね」

 舞台は整った。――さて、この私に相応しい最期を手向けてくれるのはドナタかしら?
 黒き少女は密かに微笑んだ。

>> 幻燈館薔薇園ALL様


【初めまして、Twitterの方からのお誘いが切欠で、スレ主様に参加のお声がけをさせて頂きました。推古と申します。途中参加の新参者ではありますが皆々様、短い間ですがどうぞよろしくお願いいたします】

4日前 No.52

白鷺 @keiunuiek☆mQLLuNXADKnU ★Android=hn2HASXm05

【千歳柄掴(クリエイター)/コキュトス店内】


一つ消費して二つ手に入れた。
いつものパーカーに店内でも脱がないお洒落キャップ。ダボついた服の上からでも分かる角張った体型は男のそれだ。どんなに頑張って見ようとも、女に見えることは無い。だがどれだけの人が信じるだろうか。目付きが悪く誰から見ても不良だと思わしめるこの青年が、魔法少女をやっている等と。
ジャズだかクラシックだか知らないが音楽が流れる店内で千歳柄は何も入れていないブラックのコーヒーを啜った。手元には新しく手に入れた二つのセレス・コア。一つはオーシャンナイトという男の魔法少女――矛盾しているが事実だ――から奪ったもの。もう一つは何を考えたのか、堕ちた魔法少女のリーダー格であるステラがばら撒いたうちの一つ、黒色のセレス・コアだ。あの後コーヒーカップの一つに落ちていたそれを拾ったのだが、誰も向かっていなかったようで何よりだ。

(ま、上々ってところか)

欲を言えばあと幾つか欲しかったところだが、騒ぎが終結した事を勘づいた警察が押し込んで来そうだったのでさっさとお暇したのだ。あともう一つ、桃色が有った気がしたのだが何処に行ったのやら。
一般人から見ればただのチャームであるセレス・コアを同じ形状のものがじゃらじゃらと付いた腰のチェーンに引っ掛け、もう一度コーヒーを啜る。無くなったそれをお代わりをしようとマスターの方を見たところでドアベルの音が響いた。そちらを見ると制服を着た少女の姿。ただの客か、と思ったその時、少女には似つかわしくない恐ろしい言葉が飛び出した。

――こんばんは、evilの皆様。私は、貴方たちを殺しに来ました。

何ともまあ、可憐な少女の口から出たとは思えない言葉である。外に出ろという彼女に、千歳柄はどうしようかと思いながら当初の目的通りコーヒーのお代わりをマスターに頼む。空のコーヒーカップに並々と注がれる黒い液体を見ながら、腰を深く掛け直した。

(だって俺、死にたくねえし)

追加で何か頼もうかとメニューを取りながら知らぬ存ぜぬ態度を保つ。少女が来る前にセレス・コアは腰のチェーンに戻しておいたので、大きなパーカーに隠れて見えなかったとは思うが、果たして自分が魔法少女だとバレただろうか。まあ何方にしろ、自分が生き残るのなら構わない。マスターには迷惑を掛けたくないと少女は言ったが、千歳柄はマスターが戦いに巻き込まれて死のうがこの店が無くなろうが知った事では無かった。淹れ立てのコーヒーを一口飲めば、波打つその水面に千歳柄の歪んだ口元が浮かんでいた。


>>コキュトスALL様



【セカンドイベント開始おめでとうございます! 宣言通りコキュトスに行かせてもらいました。クリエイタークリエイター言い過ぎて千歳柄くんの名前忘れかけてました。
黒色のセレス・コアも手に入れた事にしましたが、欲しい方いらっしゃいましたら是非奪い取りに来てやってください^^】

4日前 No.53

絡繰 @ne9rodoll☆V4.8X.AnvuQ ★wgm3NQbNwV_GYH

【 夜縋みかる /街中→式読神社】

 夕と夜の狭間を彷徨う時間帯。夕闇に侵食され往く街並みの隅、薄汚れた人気などない路地裏で壁に背を預け、ぽつりと佇む少女が居た。

 ほう、と息を吐けば、白色の煙になる酸素が再び無色透明になって空間に溶ける様を見届ける。すっかり悴んだ手は感覚さえも凍り付いてしまいそうで、僅かな体温を閉じ込めるようにパーカーのポケットに両手を突っ込んだ。季節は新しい年の始まりに浮き足立ち、何処か冬独特の澄んだ空気でさえも高揚を纏っているような気がした。正直そんな雰囲気はうんざりで。年越しを祝う家族も、初詣に出向く友達も、今の自分には居なかった。もともと在ったのかさえ、怪しいけれど。しんと静まり返った中で、近くの建物の室外機の音だけが響く。喧騒から外れた、闇も光もない混ぜになるこの場所が好きだった。大きめのパーカーで身体を隠して、イヤホンとフードで外の世界を断絶する。其処に確かに存在するのに、まるで地に足が着いていないような不思議な感覚で街を闊歩してしまえば、もう誰も自分の存在なんて知覚することはない。そうなって初めて、相も変わらず少しだけ上空から、この世界を見渡すことが出来るのだ。

 今日、わざわざ街に出て来ているのには理由があった。最近、自分の管理下にあったはずのevilが立て続けに行方不明になっている。忽然と消えてしまったかのように消息を絶った彼らは、所謂魔女狩りに遭っているらしいとの噂を聞いた。一度は聞いたことのある”殲滅者”の名。冷徹な正義を振り翳す氷の女王。囁かれるようにまことしやかに流れた情報は廻り廻って私の元へ辿り着いた。仮にも、一応、何となくではあるが、自分は彼らを束ねる立場であり、それを放っておく訳にはいかない。という建前の為、少し前から翡翠と共にあちこちへ出向いて”殲滅者”の足取りを追っていたのだ。面倒なことだ、という意識は揺るぎないが、調べていくにつれて明らかになっていく彼女の人となり、殲滅の手口、何もかもが興味深くて、いつの間にやら此の足は彼女を自分のコレクションの一部にしようと歩み出していた。

 ようやく動きだそうと足を踏み出し、路地裏から一歩出たそのすぐ隣の店のドアにふと夕日を反射して光る何かを見つけて、徐に其れに近づく。雪の結晶のような形の繊細な紙に綴られるには不釣り合いの、脅迫文。読み進めていく内に耐えきれず思わず吹き出す。なるほどこれは愉快だと一人でにうんうんと頷いて、不気味なほどに口角を吊り上げたまま手の中の随分と傲慢な正義の塊を握り潰した。

 鼻歌を口遊みながら辿り着いた街の中心にそびえ立つ式読神社。すっかり陽は姿を消し、爛々と主張を始める月を背負った鳥居を抜ければ、ざぁと凍りそうな冷気を混ぜた風が吹き荒れた。反射的に瞼を閉じて、次に開けた時、少し離れた正面に居たのは天の使いのような少女だった。絶対的な正義を貫かんとする何者も寄せ付けないようなドレスを身に纏い、氷の玉座に腰かけるその姿は確かに女王そのもので。知らず知らずの内に見惚れるような深いため息が漏れた。

……とっても、綺麗。

夜空の藍ばかりに捕らわれた自分と正反対の、強くて気高くて、それでいて無邪気な星。私自身が何度欲しても届かなかったもの。いいなぁ、欲しい。欲しい、と溢れかえるようにに子供のような欲求が自らの頭を埋め尽くすのを感じていた。遠目に佇む彼女を囲うように両手でフレームを作り、その景色を切り取る。その光景に満足そうな表情を湛えながら邪悪とも言える笑みを浮かべて、言葉を零した。

「氷の女王ちゃん、みーつけた」

その言葉を皮切りに真っ白で清らな雪でさえも蝕んでしまいそうな闇の膜が勢い良く自分の足元から湧き上がり、この身体を包む。瞬きの間に闇の塊になった其れが次に解き放たれた時には既にエンジェル・エッグとして変身した「ステラ」としての自分が其処に居た。グレーの瞳は深い藍に染まり、髪は星を散らした銀に変わる。普段よりも幾らか縮んだ身長に、軍服のように纏った黒衣を翻すその姿は闇さえも飲み込む、深淵にも似た夜空を象徴する支配者であった。

「私、きみのこと欲しいなぁ。きみの持ってきた神罰ごと、私に頂戴よ」

数瞬前からの姿勢を一切崩さず、自分の手の内のフレームに捉えたままのスノウクイーンを見据え、不敵に微笑んだ。

スノウクイーン様、周辺ALL様>>

【二章開始おめでとうございます!波乱の予感しかしない組み合わせですがどうぞよろしくお願いいたします】

4日前 No.54

日向月。 @kafune☆01.vmkBoVYY ★iPhone=HFWUNkhgCV

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4日前 No.55

コア @koa11 ★Android=0qnlIoZILT

【ルイン・ホワイト(櫻井真白)/ 幻燈館薔薇園 】

 街には冷たい風が吹き抜け、肌には冬を象徴すべき雪が微かな魔力と共に突き刺さる。
 遊園地の一件から時折降るようになった違和感のある雪。直感ですらそう感じる理由は挙げるに一つであって、魔力を帯びた雪なんてものは人為的なもの以外にありえない。直接的な被害を受けたというわけではないが、知る人間が知れば異常気象と言っても過言ではないだろう。

 時を同じくして魔法少女たちの中でもevilの消失が話題となっていた。一件、二件程度であれば交戦中に命を亡くしたといった旨の解釈でまず処理される。しかし、立て続けに複数の行方が掴めないとなると作為的に仕組まれている可能性は否めない。現代に復刻した魔女狩りだろうか。

 いずれも誰が何のためにと問うような現象。evilという異質な存在を生み出した街でも異変を感じているのは明白だった。


「……ここも廃れてしまった後か」

 真白が訪れていたのは以前までよく来訪していた孤児院だった。しかし、侵略者との交戦か、または魔法少女同士の交戦か、理由は何にせよそこは既に廃墟に近い建物となっていた。かつては活発な命を育んでいた施設も一年経たずしてただのコンクリートの塊という事実はまさにこの世の理を体現化したような様だ。最も、現存していたとしても会わせる顔などは当の昔に捨てていたのは言うまでもない。
 変わり果ててしまいながらも微かに面影のある街を一人懐かしみながら歩いていく。目立つ看板のあるお店は孤児院に届けるお菓子を買っていた。赤い屋根の家は魔法少女となってできた友人が住んでいた。そう、仲間と共に笑いあったあの日も、戦友と肩を並べて戦ったあの瞬間も振り返るだけになってしまった思い出だ。真白にはもう二度と増えることのない時間だった。
 しばらく道なりに歩き、辺りも見慣れなくなった頃にその建物――幻燈館薔薇園は姿を現した。市で管理を行っている指定重要文化財であり、観光名所の一つとなっている。

「模様替えでもしたのか、偉く変わったな」

 腕組みをしながら真白は眉を細める。本来であれば伝統溢れるような気品のあった館は異様な禍々しさを放っていた。閉演時間を過ぎた今なお、館内に灯る明かりと風に揺られて空を舞う多色の花弁はまるで客人を誘う様にも見える。宴の始まりと言わんばかりの歓迎っぷりだ。
 薔薇の装飾で作られたフラワーアーチを潜りながら館の入り口まで足を運ぶと真っ先に感じたのは自身と同じ存在の気配だった。間違いなく誰かがいるということがはっきりと分かる。真白がその正体を突き止めようと扉に手を掛けようとしたとき、それは自動的に開いて風と共に薔薇の花弁が先に館内へと入っていった。

「随分と凝った演出……。これは招かれてしまったようで。それではお邪魔するとしよう」

 一歩足を踏み入れると外との雰囲気の違いに息を呑む。冷たく鋭いような張り詰めた空気、何処からか感じる視線はよくある動物の剥製かそれとも人によるものか。真白は四方八方に注意をしながら、探索を始めることにした。

>>推古様、幻燈館薔薇園ALL様


【二章開始ということで皆様よろしくお願いします。一章はおとなしくしていましたので、どういった戦闘をしていくか考えるのがまた楽しみです】

3日前 No.56

ばにらあいす @kodai4370 ★iPhone=HrDWQiclA0

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3日前 No.57

Lzh @lllllzh☆PvKD6UICUoMc ★TuwsMa7hHI_W3T

【足立優里/路地裏→コキュトス】

「はっ! てやっ!」
薄暗い路地裏で訓練を行っている。
格闘術の訓練のようだ。その動きは洗練されており、見事な回し蹴りやハイキックを行っていた。

「はぁ……はぁ……」
相当長いことやっていたのか、息があがる。
どうやら全身にかなりの汗をかいているようだった。

「ちょっと休憩〜……」
路地裏から出て、ある建物に向かう。
その建物は優里の行きつけであり、エンジェル・エッグになる前から時折ここに来ていた――――

「……ん?」
向かう途中、一人の女が出て行くのが見えた。
これだけなら普通なのだが、異様な殺気が漂っており、不審感を抱く。
『自分達に向けられたものだろうか? よくわからない』と優里は感じた。
さらに『厳密にはevilではない自分はどちら側につけばいいのか』という悩みも襲ってくる。

「相変わらずキレイだねぇ……ここは」
休憩のついでにその悩みを解消するために、店の中に入る。
この店に並べられている骨董品をこうして眺めるのを好んでいるようだ。

「マスター、水お願いできる?」
おもむろにカフェスペースに座り、オーダーする。
結構ゆったりくつろいでいるようだった

>周辺all

2日前 No.58

ほむら @cocoseriko☆euZV4c7/ZO6 ★iPhone=KGhEBc25IF

【 秋葉 丹咲 / コキュトス 店内□店外周辺 】


この店は、嫌いじゃない。ていうか普通に好き。
喫茶店の一席で、丹咲はコーヒーに口をつけながらぼんやりと考える。確かに普段はキャーキャーうるさいことが多いかもしれないけど、その実自分は本質的には静かで落ち着きのあるものを好む、というのは16年生きてきて割とよく考えることだ。ただそれが、表に出ないだけ。
規定の制服を少し着崩して、薄ピンクのお気に入りのうさみみパーカーを羽織っている自分は、さぞ幼稚に映るだろうが、決して心境は生易しいものではなかった。

例えば、金髪碧眼の可愛いレディ____というにはまだ幼いが____から発せられた言葉について、じーっくり考えていたりするわけだ。
evilを殺す、か。ブラックコーヒーに舌鼓を打ちつつ、次にどう動くか考える。なるほど、自分にだって煽られて黙っていられる程度のメンタルは持ち得ている。しかしそうする必要がある時とない時を見分ける術も持ち得ているわけだ。
楽しいか、楽しくないか。丹咲の場合の見分け方は、この一言に尽きる。さらに付け足すなら、「楽しいか、楽しくないか、メリットデメリットリスクの比率はどうか」。しかし最重要視されるのは己の欲望。別に死んだって何も思わない、デメリットなどないも等しい。己の力を考えると、勝率は決して低くはないはずだ。まあ相手の能力のチート具合にもよるけれど。
チラリと見た先には薄い黒の手袋をはめた左手。ふう、とため息をついて、丹咲は立ち上がる。とりあえず、マスターに迷惑をかけたくないってのは同意。もし相手が自分をevilとわかっているなら、最悪の場合、店内から出た瞬間に襲われる、というわけだ。もちろん、そんな結末なぞはなから望んでない。

やりあうならせめてお会計の後に。そうにっこり心の中でつぶやいて、丹咲は財布を取り出した。会計を済ませて、ああそうだ、と言わんばかりに店内に微笑む。


「ところで、この中にevilって何人いるのかな? もしよかったらぁ、私と一緒に軽い運動がてら共同作業でもしなーい?」


嫌ならいいけど、とだけ付け加え、丹咲、基、バニーは店を出た。



>>周辺おーるさま



【 おはようございます!こんにちは!こんばんは! 秋葉丹咲これよりメインスレに参加させていただきます!スレ主様の厚意を無下にセカンドイベントからの参加ですがご容赦ください......!
お気軽に絡んでいただければ大変嬉しく存じます。それではこれからどうぞよろしくお願いいたします!! 】

1日前 No.59

カレン @mistydark☆NIljAHmRyhk ★R3lMq2ye0U_ly4

【ウィッチ/コキュトス店外】

 夕闇が夜に変わりつつある黄昏時。
 そのうす暗がりに佇む魔女の名を冠した少女は、じっとコキュトスの入り口を見詰めていた。予想よりもその時間は長く退屈で、前言撤回して窓から石礫でも投げ込んでやろうかという考えが頭をかすめた瞬間、再びドアベルの音が響いた。
 最初に中から出てきたのは、浅葱色をその身にまとう少女。ウィッチの同胞であることは間違えようもないが、正確に言うならば元同胞であることも間違いなさそうだった。
「今晩は、私ウィッチと名乗るものです。お友達は……連れて来て下さらなかったのですね。それとも、貴方にはついて来て下さらなかったのでしょうか……?」
 先程殺すと宣言した相手に対するものとは思えない、柔らかな笑顔と言葉でウィッチは少女を迎え撃つ。薄情な方たち、なんて煽りなのか憐れみなのか分からない言葉を手向けるのも忘れない。
 そして彼女は笑顔のままで、店から出て来たエンジェル・エッグ――否、evilと呼ばれる存在に、何の前触れもなく自身の手の中に現れた鎖鎌を投げつけた。
 ウィッチが求めるのは戦闘ではなく、一方的な殺戮であり殲滅。其処には前口上で名乗り上げるような礼儀も、それに対する返答も、不意討ちを咎めるような正義も必要ない。どちらが正義なのかさえ、彼女には最初からどうでも良かった。

 そして、鎖鎌が当たったかどうかも確認しないうちから、ウィッチは地を蹴って跳び上がる。
 何だか今日は挑発に乗ってくれる人が少なそうなので、彼女くらいは追ってきてくれると良いのだが……それさえなければ上から優雅に仕留めさせてもらう。
 そんな事を考えながらも、跳び上がりざまにウィッチは結局、数枚の万札(ガラス代のつもり)でくるんだ瓦礫を、コキュトスの窓に向かって全力投球した。派手な音を立てて窓ガラスを突き破ったそれは、今尚店の中でのうのうとコーヒーを啜っている者達の所に飛んでいくだろう。

 コキュトスが店を構えている場所は雑居ビルの一階で、上の方の階には長い事テナント募集の張り紙が出たままになっている、つまりは誰もいない。そこであれば何に気を取られることもなく、evilを殺すことが出来る……そんな算段だった。

【自分で舞台設定しといてあれですが、流石に喫茶店でお茶しばきながら戦うのは無理があった……という訳で若干移動させてみました。皆様よろしくお願いします。】

>コキュトスALL

4時間前 No.60

灰祢 @mistydark☆NIljAHmRyhk ★R3lMq2ye0U_ly4

【レディ・グレイ/幻燈館の屋根】

 evil狩り、なんてものが最近この市内で流行り出したと風の噂で聞いた。未だ嘗て、これほど面倒な流行があっただろうか……いや、きっとない、と頭を振る。それは諦めであり、自分が被害に遭わないためにはどうしたらいいかという対策を導き出すための儀式だった。
 だって、僕はまだ死ねない。僕の中には、みんなが居る。
 左胸の鼓動が耳に届くたびに、嘗ての仲間のことが思い出される。大好きだった、本当に大好きだったから、綺麗なまま人として終わらせてあげた愛すべき友人たち、彼等の欠片を好みに宿している以上、自分はまだ倒れる訳にはいかない。
 そう、だから……狩られる前に、自分が狩りに行くしかない。

 そして今日も、美しいドレスを纏って闇に立つ。たまたま近くを通りかかったら、既に閉館している筈の幻燈館が騒がしかったので、興味本位で覗きに来たわけだ。屋根の淵に腰掛けて足を組んでいると、素足の先にあるガラスの靴が、光を反射して煌めいた。
 見下ろした薔薇園には、勝手に灯った洋館の明かりに照らされる、死神のような黒い影がある。
「うーん、ちょっと趣味悪いなぁ……せっかく薔薇園なんだし、スポットライト使うならもっと華やかな演出と衣装にしないと。綺麗なドレス着るとか、薔薇の花弁舞わせるとか、色々方法はあると思うよ」
 見慣れない黒い少女を自らの命を脅かす敵と仮定して、けれど見た目の美しさを最優先してダメ出しをする。油断とも余裕とも取れる言動で、取り敢えず向こうの出方を伺い。

「ところで君が、evil狩ってる正義のヒロイン?」
 ふわりとスカートをはためかせて、屋根の上から飛び降りた。

>ウォッチ・キーパー様、周辺ALL

3時間前 No.61
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