Google
    
<< TOPページ 掲示板TOP 記事データ お知らせメール ▼レス(23) >>

Elemental Blade!!

 ( オリジナルなりきり )
- アクセス(568) - ●メイン記事(23) / サブ記事 (49) - いいね!(11)

短編/学園/戦闘 @buridaikon ★4b4NVukaLH_8Xv

『紅い月』

夜空を血の様な真っ赤な月が彩る時、世界は恐怖に包まれる

私利私欲に溺れる人間に業を煮やしたのか、それとも精霊達の気まぐれか

突如として出現した精霊点と呼ばれるポイントから、炎や水、風や大地の精霊達が、具現化し人間達に牙を向ける

精霊に比べれば人間はちっぽけな物で、近代兵器の数々は当たらずにすり抜け、あるいは撃退されていった

なすすべも無く、人類は精霊に蹂躙されていく。だが世界が絶望の淵に立たされた時に、日本人科学者がある言葉を提唱する

「目には目を、歯には歯を、精霊には精霊を!!」

その言葉と共にもたらされた技術は画期的であり、物質に存在する精霊を抽出し自らの力にするというものだ

日本の『九十九神』にあやかり、ツクモシステムと名づけられたそれは、唯一精霊に対抗できる手段として人類の希望となった

しかし、このシステムも大きな問題が存在していた……


〜AM 1:00 日本 朧町 精霊点付近〜

「砂原、悪ぃ!!そっちに5匹行った!!炎系の奴だ狼の形をしている」

「こちら砂原!!了解!!気にしないでくれ、こっちでそいつらは処理する」

紅い月が不気味辺りを照らす。朽ちた街並みの中、迷彩服姿の少年少女達は、唯一そこに存在していた。砂原と呼ばれた少年は無線機で戦況を確認する。先行した隊によると、今日の敵は狼らしい。やがて、遠方で陽炎の様に空気が揺れたかと思うと、背に炎をはやした狼が遠吠えを上げ迫って来た。

砂原は胸ポケットの中に入っている砂時計を取り出し、握りしめる。するとそれは光を放ち大きな戦斧へと形を変えた。
他の少年少女も、物質に力を込め武器へと変えていく。

「敵は5匹!!炎系の精霊だ!!素早い相手だから、間合いに気をつけろ!!炎を吐いたり遠距離攻撃も考えられるぞ!!」

無線で得た情報を、隊員に伝えていく。そして……。

「皆、何度も言っているが絶対に死なない様に!!砂原隊行くぞ!!」

隊長である砂原の号令で、武器を構え突っ込んでいくのだった。



ツクモシステムの大きな欠点。それは、使える者を大きく限定する事だ

確率にして一万人に一人、それも使える期間は、高校生と呼ばれる3年間だけだ

だから、素質のある者は強制的に戦いに駆り出される。それを本人が望まなくとも……

これは、精霊と共に生きる少年少女達の汗と涙と戦いの物語である

【駄文失礼します!!これは、学園物……、なのか?興味を持たれた方はサブの方までお願いします!!】

切替: メイン記事(23) サブ記事 (49) ページ: 1


 
 

ぶり大根 @buridaikon ★4b4NVukaLH_8Xv

〜PM 23:00 日本 朧町 精霊点付近 〜

今宵も月が空に昇る。

雲の隙間から輝く真紅の月が、街並みを薄赤く染めていく。

草平は荒廃した街の中、瓦礫に腰を下ろし、軍隊式の黒のブーツの紐を通し直すと、最後に堅く結んだ。

11月も半ばに差し掛かり、山並みは紅葉を終え、本格的な冬の到来を告げる。朝に見た天気予報では、今日を境に気温はグッと下がるという事だ。草平は、座ったまま首を上げると、空に視線を移す。吐く息が白く濁り、刺すような空気の中に消えていった。
天候はよろしくはなかった。夜空は厚い雲に覆われている。

今日あたり初雪が降るかもしれない。砂原は表情をしかめる。

「皆、準備は良いか、そろそろ精霊達が来る頃だ」

砂原は立ち上がりと隊長として皆に支持を飛ばし、前方を見据える。街灯や家の明かりは無く、唯一照らすのは『赤い月』のみだ。
辺りは静寂に包まれる。隊員の息遣いだけが、いやに大きく聞こえるのだった。

これは、少年少女の物語
精霊と戦う力を持ち、運命に流されながらも、懸命に今を生きる者達の物語である。

そして、この物語の開始は、1日前の放課後に遡る……

3日前 No.1

ぶり大根 @buridaikon ★4b4NVukaLH_8Xv

〜PM 16:00 朧高校 砂原隊部隊室〜

【砂原草平/部隊室】

「あー、目が痛てー……」

隊長である草平は、眼鏡を外すと目頭を押さえる。現在はデスクの前で書類とにらめっこである。
視力が悪い草平にとって、細かい字を長時間眺めるのは苦痛だった。デスクの引き出しを開けると、愛用の目薬を取り出し、乾いた目に潤いを与える。酷使したせいか、今日はやけに目に染みる。それでも、今日中に資料は頭の中に入れておかなければならない。なんせ、隊員達の命にも関わるのだから。

目を通している資料は、過去の先輩たちが集めた、精霊のデータだ。敵である精霊の特徴や、攻撃方法が細かく乗っている。基本的には、夏は炎系の精霊の出現率が多く、冬は水や氷系の精霊の出現率が高くなる。勿論、風や土など、他の種類の精霊達もいるので、一概には言えないが……。現在は、11月であるから、草平は水や氷など、冷気系の精霊のリストを調べている所だ。

「ちょっと休憩するか」

そう言うと、草平は自分で持ち込んだクッションが敷いてある事務椅子から立ち上がると、キッチンの方へ向かう。
この鉄骨組のプレハブの部隊室も3年生になれば見慣れた光景である。天井には飾り気の無い二本組の蛍光灯。壁も普通の白壁である。一番広いホールには、隊長である自分の事務机が前にあり、一般隊員の事務机が学年事に固まっている。更衣室にはロッカーもあるし、トイレはもちろんの事、仮眠を取ることが出来る仮眠室、TVとソファーが設置されている談話室まで設置されており、ちょっとした家みたいな物だ。自分達の寮はあるものの草平は、ここで一日を過ごす事が多い。
隊長である自分の性格の為か、女性隊員が比較的多い為か、砂原隊の部隊室は比較的綺麗である。これが、男性隊員が多い所になると、それこそ男子校の部室の様になっている。

キッチンまで来ると、草平は戸棚を開けて中からインスタントコーヒーを取り出した。同じく傍らにある自分のマグカップを取ると、適当にコーヒーを入れ、電気ポットでお湯を注ぐ。そして、疲れが取れるように砂糖を多めに入れ、ミルクも入れると、湯気の立つマグカップを持ち自分の机に戻るのだった。コーヒーを一口すすると草平は、時計を見る。時刻は16時を指していた。

本日は砂原隊の訓練日。18時から、グラウンドで訓練である。17時までに部隊室集合とは、皆に伝えてある。

「さて、訓練が始まるまで、もうちょっと頑張るかな……」

そして、草平は再び資料に目を通すのだった。

>>ALL

3日前 No.2

ぶり大根 @buridaikon ★4b4NVukaLH_8Xv

【羽野つばめ/部隊室】

「う〜ん」

部隊室の自分の机で、つばめは唸り声をあげている。机の前に広げられているのは、教科書である。しかも、つばめの天敵である数学の……。シャープペンを握る手が、一行に進まない。つばめは何時も思う。+や−や=はまだ分かる。しかし、数学なのになぜにXとかYとか、アルファベットが出てくるのかと。時折、手の中で器用にシャープペンがクルクル回るも、ノートに書きこむ様子は見られなかった。

だが、突如つばめの表情がハッとした顔になる。どことなくピコーンと音がして、頭の上で豆電球が輝きそうだった。

「つばめの数学の成績とかけて、雨の日の燕とときます。その心は……」

誰も聞いていないのに、急に喋り始める。

「どちらも、低空飛行でしょう!!」

完全な自虐ネタなのだが、何故かドヤ顔である。本人的には満足らしい。数学は全く、これっぽちも関係なかった。現実逃避もよい所である。そして、むなしくなったのか、シャープペンを机の上に放り投げ、そのまま突っ伏した。

「偶には、やる気だそうかと思った所だけど、やっぱり無理。誰かに見せて貰おう……」

それは、僅か5分の出来事であった……。

>>ALL

【本編を開始したいと思います!!
皆さまは部隊室に居たり、集まったりしてください!!ある程度集まったら、訓練開始したいと思います!!
訓練内容は、現時点では【1年 VS 2、3年生】にしようかなと考えています!!
学校の施設やコンビニなどの回りの建物については自由に作って構いません!!

それでは、よろしくお願いします!!】

>>参加者様

3日前 No.3

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★DoaFJQIlTR_WcJ

【 鬼山地獄綿飴 / 部隊室 】

 部隊室に入るや否や防寒のためのボアコートを脱ぎ、それをひょいと壁掛けハンガーラックの端っこに引っ掛ける。いくら長袖と言えど肩ががっつり出ているデザインだ。さすがに外でこれ一枚だと寒いから、屋外ではコートの一枚は必要になってくる。フリーマーケットで買ったのでどこのブランドかは分からないものの、汚れも解れも無くレディースらしい小洒落た造りのそれは綿飴のお気に入りだ。愛用している香水、ゲランのミツコを毎朝一滴シュッとスプレーしているから、脱ぎ着するとフルーティーな香りがふわりと広がる。ただし付け過ぎると香害なのであくまで一滴。ここが大切な所だ。

「こんにちはー! 早速ですけど、ちょっと台所お借りしますねー!」

 挨拶を済ませるとすぐさまキッチンに引っ込む。手洗いうがいをパパッと行い、左手に提げていた最寄のスーパーのレジ袋の中から苺と蜂蜜とレモンとアセロラドリンクを取り出せば、他にも自分用にと買った材料全てに油性ペンで名前を書いた後、使わない分は全て備え付けの冷蔵庫の一角に仕舞った。食器棚から耐熱ガラスのティーカップを取り出し、そこに小さ目の苺を10個と大匙一杯の蜂蜜と絞ったレモン果汁をぶち込めば、ハンディタイプのブレンダ―で撹拌。苺が液体と遜色ない状態になったことを確認した後、150ccのアセロラドリンクを注いで、スプーンでぐるぐるとかき混ぜる。これを電子レンジで1分ほど温め、最後に前回購入しておいたカルモンダンのパウダーの余りをパラパラと降りかければ完成だ。冬の日にぴったりの苺とアセロラのドリンク。秋や冬になると、こういうホットドリンクを自作してリラックスしながら飲むのが楽しみの一つだ。身体がぽかぽか温まるし、美容効果も期待できる。鼻歌を口ずさみながらお手製ホットドリンク片手に自分の席へと移動。綿飴の椅子は紐でくくりつけられるタイプのふかふかの座布団を座面に装着し、背もたれにはニット編みで丸っこい大きめのビーズクッションを置いてあるので、絶対に他のメンバーの席と間違えることがない。ついでに机の下にも自費で持ち込んだフットヒーターがある。引き出しに畳んで押し込んであるブランケットも取り出して膝にかければ、これで最悪室内のヒーターがぶっ壊れても凍える心配が無い。我ながら巣作りのような私物の持ち込み具合である。
 早速椅子に座って用意したホットドリンクを二口ほど飲み、こちらも持参してきたおやつのビスキュイなどを時折つまみながら机の上に置いていたレディースファッション雑誌をぱらぱら捲りだす。一歩間違えれば完全にOLの昼休みの絵面だ。これでも一応は命懸けの戦いを経験したことがあるのだから、人の見た目から得るイメージなどやはり大して役には立たない。戦いの経験の有無を抜きにしたって、こんなお高く留まっていそうな外観で中身は結構剽軽なのだし。まあ見た目から得られる印象と実態とのギャップの話をしだせば、小学生にしか見えないけど高校生、という王道童顔なつばめのほうに一番の軍配が上がるだろう。どんなジャンルでも正統派は強い。机に突っ伏すつばめを眺めながらそんなことを考える。なお綿飴は人に勉強を教えるのがあまり得意ではなく、完全に傍観の姿勢を決め込んでいた。許せ同輩よ。綿飴から与えてやれるのは数学の知識ではなくビスキュイの甘ったるさだ。

「そういえば、今日の訓練って何やるんでしたっけ? 模擬戦とかですか?」

 体力作りのためにマラソンとかなら服も着替えて靴も履き替えないとなー、などと考えつつ、誰に向けたわけでもない質問と共に小首を傾げる。基本的に人がいる場所だと誰かが自分の質問には答えてくれるだろうという楽天思考があるため、聞く相手を指定しないのはこいつの常習だ。そのくせ誰かに「うるせぇ」と言われれば「貴方に聞いてないのに反応してくれるってことは、それひょっとしてツンデレですかぁー? やだー! 可愛いー! 鬼さんの質問に答えたいなら素直に答えて良いんですよー?」とか何とか騒ぎだすだろう気質は、愛嬌があると言えば愛嬌があるし、ウザいと言えばウザい。

>ALL様

【メイン解禁おめでとうございます!】

3日前 No.4

ゆーす @sable ★mvaJaf04S7_PHR

【花園瑠花/部隊室】

精霊との死闘を義務付けられた者達の集う場所、朧高校。その一角に設けられたプレハブ小屋で、鼻歌まじりに花を愛でる少女がいた。
常に死と隣り合わせという状況下ゆえ、彼女の行いは少々場違いに見えてしまうだろう。単に危機感がなく長生きできないタイプか、はたまた苦境を何とも思わないどころか楽しめるドMか。そんな推測を立てられても文句は言えない。
しかし本当のところはどちらにも当てはまらず、これはこれで瑠花にとって正常な状態なのである。日常は思い切り羽を伸ばして楽しみ、有事の際は一転し死力を尽くす。
メリハリこそが混沌の世に生きる術、そう言いたげな表情で花瓶を持ち上げる。

「お疲れ様です、隊長さん」

湯気の立つコーヒーカップを傍らにデスクワークに励む男こそ、大先輩かつ我らが隊長・砂原草平である。大きな学年差があるため声をかけるのは躊躇われたが、共に戦うこれからのことを考えると、コミュニケーションを取って意思疎通の図れる関係を築いておくべきだろう。
それに隊長という重い責務を背負った彼を放っておけないという気持ちもある。おこがましいかもしれないが、一人のチームメイトとして仲間を労わるのは当然のことだ。
その内容は個人によって様々だが、瑠花にできるのは花を使った癒し。砂原の仕事の邪魔にならないよう、そっと机の端に花瓶を置く。

「お花が嫌いでなければ、時々ご覧になってください」

白く細い花瓶に生けられたのは、黄金にも似つかわしい輝きを湛える菊の花。鮮やかでいて目の疲れない色彩は、自然由来の色の優しさを象徴しているかのよう。
花瓶の色との対比にもなっている上、花特有の瑞々しく甘い様な香りが、コーヒーとはまた違う形で癒しの効果をもたらしてくれるだろう。
言ってしまえば物理的ではなく精神的な疲労回復しか望めないが、自分ができるのはこのくらい。余計なことをしてはいまいかという不安こそあれど、瑠花はふっと柔らかい笑みを浮かべて隊長を労った。

>>砂原草平、ALL


【メイン開始おめでとうございます!絡ませていただきます】

3日前 No.5

citrus @citrus26☆QKe2LIS7IaQ ★EKHSBXpiiF_2mP

【部隊室/速見結子】


 「おぉ〜、つばめちゃん頭良いっぽい事言ってるっスね」


部隊室は、それぞれの学年によって違う雰囲気や色が醸し出されている中、一人面白そうな事をやっている女の子を発見したあたしは自身満々にドヤ顔を披露する彼女の横でパチパチと手を叩いていた。
どうやら数学をやっているらしいけど、つばめちゃんが唸っているのと同じようにあたしも数学はあんまり得意じゃない。

というか勉強全般の成績は大変よく出来ていません。


 「あたしも数学は低空飛行っスよ〜。誰か教えてくれる優しい先輩は居ないっスかね?」


チラチラと、片や多忙な我が砂原隊の隊長である彼に視線を送りつつニヤニヤと口元を緩ませる。
そんな風にやり取りをしていると、今度はまた新しく入ってきた女の子の方へと視線を向ける。

手際よくティータイムの準備を終えて、雑誌を開いている彼女は鬼山地獄綿飴ちゃん。………正直、初めて名前を聞いた時一度聞き間違いと思ったけど、そんな事はなかった。
そんなインパクトのあるネーミングの彼女を横目に、どちらかというとあたしの視線は彼女の口にしている焼き菓子の方に釘付けだった。
そういえば、お昼は食べていなかった。



>>部隊室(砂原さん、綿飴ちゃん、つばめちゃん)


【出来るだけ、千尋と結子は色分けしていきたいと思います】

3日前 No.6

citrus @citrus26☆QKe2LIS7IaQ ★EKHSBXpiiF_2mP

【部隊室/八神千尋】


………全てが無意味になってしまったあの瞬間。


愛したモノすべてが朽ち果て、少し前までそこにあったはずの存在が、精霊によって完全に否定されてしまった。
××、×××、××。
今はもう、名前もよく覚えていない。ただ、今ここにある確かな思いはただ一つ。


 「(精霊は、一匹たりとも残さない)」


千尋にとってこの学園はあくまでも目的を遂行する為の道であり、利用しているに過ぎない。仲間、などと言われてもこの目の前に居る数名の"隊員"を眺め。
信用するに値するかどうか。能力適正が低いだとかどうだとか文句をつけられながらこの学園に入学した時から吟味して来た。

しかし、実力という意味では千尋にとって納得の出来る人間は少ない。

目をつけている人間は数人居るが、しかしそれはあくまでも訓練内の評価であり、実際に戦闘になっての動きはまた違ってくるだろう。
そういった意味でも、これからも観察を特に進めていく必要がある。


 「(……早く始まらないのか、訓練は)」


面倒事から逃げ出すのも良いが、しかし体裁上、普段から特に指導を受けている身としては合同の訓練は出ておく必要がある。
鍛錬のせいでこの安全地帯を追い出される訳にはいかない。

部隊室の窓際に身を預けながら、静かに目を閉じてその時を待つ。


>>部隊室

3日前 No.7

でりSKR @sentakuari ★pl3L5xkSi4_D2H

【神支 円 / 部隊室】


「___ひとつをとおつと成せ、ふたつを去るに任せよ、急いでみつを造れ、然らば汝は富まん。よつは棄て措け、いつとむつよりななつとやつを生め……」


この世知辛い世の中も既に一年の四分の三ばかりを消費し後は只管寒くなる一方。夕闇迫りいよいよ炬燵に蜜柑が恋しい季節。防寒に努める者も居れば暖かい飲み物をしばく者も居て、プレハブ小屋の中は賑やかしい限り。

そんな中、各隊員に割り当てられた事務机に座し、開いた手帳に何事かを書き込みつつ呟く者が居る。周囲の暖かみを断絶するかのようにその一角だけ冷ややかで、色が少ないように見える。厚い前髪で顔を隠した厚着の彼女こそ此処『砂原隊』の日陰者、『神支 円』。日々この平和な日常を脅かす精霊共と戦い、須らく掃滅せんと息巻く個性豊かな面々の中にあって、何故この場所に居るのか良く判らない、そんな存在。

今日はこの後より部隊全体での戦闘訓練があると言うので此処に居るだけの雪像めいた彼女は、今まさに隊員達への個人的な目測で戦闘評価を付けている最中である。手帳に書き込まれた文章や図面は酷く崩れた字体で、他者が一見した所で内容を判読する事は難しい。

「予定のチーム分けだと力量の偏りが激しいかもって円は思うけどなー……、あきゃ、でも相性で何とかなるかも。……斯くて魔女は説く、斯くて成就せん。即ちここのつはひとつにして、とおつは無哉。此れぞ魔女の九九、っと」

ぶつぶつと呟きつつ書面を纏めた円はぱたりと手帳を閉じ、横に置いて、代わりにテスクトゥーラ体の金箔で『SNEGUROCHKA』と題名が刷られた茶革製ハードカバーの文庫本を取り出して読み始める。訓練が始まるまでこれで時間を潰す様だ。


>>周辺ALL

【やっと始めラレルロレー!!】
【これから宜しくお願いします 絡みもご自由にどうぞ】

3日前 No.8

橘麻琴 @railgun230 ★iPhone=z0FNsBzA5m

【橘麻琴/部隊室】
部隊室に入るやいなや落語だがなんだか知らないけど勉学というか議題を「数学」でなにかしてた。まあ、その子はというと数学を1番の苦手としてるんだろうなと思うこととし低空飛行という事は赤点レベルか?それとも、単にこの単元だけが低空飛行ということなのか?と考えたが、彼女にはそのふざけた勉強法は許せなかったのか、つばめの机にバン!と、手を置いては
「ねえ、勉強熱心はいい、けど私ゃふざけながらやるは関心できないな。」やるならやるでわからなくても真面目にやれ!とピシャリというような勢いでいつものように言いたいことを言い放っては今にも属性が雷なだけに上から鳴るなにかのように言いたいことを言っては。だが、これでも言葉は以前と比べては、言うように心掛けてる、が、はたから見れば何処かでケンカを売っているようにしか見えないだろうなとは自負しているようでどこか言い過ぎ感もあったのか申し訳なさそうにそう言っては、また、「訓練」は、早くやりたいようで体の関節をゴキゴキとならして→部隊室allつばめ

3日前 No.9

酢橘 @karasu1010☆TyGLtXpsS1g ★0gkYBdXyN1_jG9

この投稿はフィルタされています。表示するにはアカウントにログインして下さい。

3日前 No.10

キープ @keep10 ★Tablet=CBeB5ByG4P

【茅野 火雨/部隊室前喫煙所→部隊室】

「−−はいーーはい、わかりました。砂原にも至急伝えておきます。ーー少佐殿が謝る必要はありませんよ。自衛隊のご尽力、感謝しています。ーーはい、それではお疲れさまです、失礼します」

 火雨はスマホをポケットに入れると煙草を一本口にくわえる。マッチを擦り先端にあてがうと、重い鈍色の世界に淡い灯がともった。一息吸えばケミカル味の冷気が肺へと送られ、火照った脳みそをキンと凍らせる。一息吐けば湿った紫煙が空へと昇り、曇天に掠れて消えていく。胸にたまった苛立ちも頭にこびりついたノイズも、すべてを包んで。所々色のはげたベンチに置いてあるコーヒーに口を付ける。甘味のない純粋な豆の香りと苦味が鎮まった神経を緩やかに覚醒させた。この喫煙所は火雨の特等席だ。無論、隊の中で喫煙するのが彼女以外いないからである。真面目な砂原はこの喫煙所の撤去を何度か試みたがっていたが、副隊長である火雨の作業効率の低下を盾に交渉した結果『キチンと分煙して綺麗に使うこと』を条件に渋々了承してくれた。雨除けの屋根があるだけのふきっさらしなこの喫煙所は、夏は暑く冬は寒い。しかし空と雲と風を一番感じられるこの場所を火雨は気に入っていた。
 砂原隊が発足し自分が副隊長という役職に就いてもうすぐ一年が経つ。そして運良く生き延びられれば、はれて来春から『茅野隊』が生まれるわけだが。現在の人員の顔を思い浮かべると火雨の眉間に深く皺が寄る。『個性的』と言えば聞こえはいいが一筋縄ではいかない連中ばかりだ。あれを一つにまとめ上げると考えると、砂原ではないが頭と胃がキリキリと痛み出す。そろそろ自分の後釜候補も決めなければと、灰をブリキ缶の中に落としながら火雨は考える。新しく隊長になった者の指名で選ばれる副隊長、砂原から自分の名前が呼ばれた時はリアルに絶望しか感じられなかった。

「・・・・・・あの子が生きていたら、先輩もあの子を側に置いたんだろうか」

 自分の目の前で戦死した親友を思い浮かべる。明るく真面目で誰に対しても平等に接し、みんなから慕われそして砂原を誰よりも想い慕っていた彼女。考えたところで詮無きことと頭ではわかってるが、今の自分の居場所がまるで場違いなんじゃないかと時たま心が揺らいでしまう。


 すっかり体が冷え切ってしまった。上下長袖の芋ジャーを着てはいるが、11月の寒空の下にいつまでもいるもんじゃない。短くなった吸い殻をブリキ缶に落とし、『茅野用』とメモ書きされた市販の消臭スプレーをジャージに振りかける。これをしないで入ると色々と面倒なのだ。喫煙者への風当たりの強さを身にしみながら、火雨はそそくさと部隊室に入った。メンツをみれば大体が揃っている、後は三年の先輩方が数名といったところか。

「聞いてると思うけど、今回の訓練は実戦を想定した能力使用の模擬戦だ。1年対2・3年のチーム戦ってことを頭に入れといて、詳しくは隊長から話すから」

 今回の模擬戦、代替わりが差し迫る時期になるとどこの部隊でも行われる。一つは一年生の成長具合の確認、その中でも頭角を現すものがいれば副隊長候補に選ばれる可能性も出てくる。もう一つは今後部隊を率いていく新しい隊長の指揮能力や適性を確認するためだろう。今日は自分が率先してあれやこれやとやらなければいけないと思うと今から気が滅入る。
 中間や期末試験のシーズンになると「どうして命懸けで戦っているのにテストなんかしなきゃならないんだ!」と嘆く声が少なからずある。その意見にはある程度理解を示すが、ここを卒業すれば我々は否応なしに日常に戻される。精霊討伐に貢献したとして進学を希望すれば国から学費の免除が約束されているが、合格できるかどうかは本人の能力次第だ。就職に至っては朧高校卒なんてのはなんの箔にもならない。部活もなく学祭や体育祭などのイベント事もなく、高校三年間という貴重な時間を化け物退治にあてがわれる。『朧高校は青春の墓場』とは言い得て妙だ。

「毎日勉強机に座ろうとしないからそうなる。飲み込みの悪さを自覚してるなら尚更努力しな」

 数学の勉強に力尽き自虐を込めた謎かけで現実逃避をはかる後輩のつばめに対し、火雨は冷ややかな視線と辛辣な言葉とポケットから取り出したキャラメルを放り投げる。キャラメルは放物線を描きながらつばめの額に当たり、白紙に近いノートへぽとりと落ちた。火雨なりのささやかな労い。また座ろうとSwallow(ツバメ 飲み込む)とかけた返しなのだが、相手は気づくこともないだろう。

「花園・・・・・・悪いこと言わないから別の花を生けてあげて・・・・・・その、菊はちょっと」

 砂原の机で凛とした佇まいを見せる見事な菊に苦笑いが絶えない。花園瑠花、誠実さと他人に気を配れる朗らかな性格は我の強い砂原隊にとって貴重な存在だ。今回も彼女なりに隊長である砂原の身を案じ、自分ができる精一杯の努力で彼を労いたかったのだろう。健気な心遣いに悪意の陰りはないと信じたい。が、流石に仏花を隊長の机に置いておくのはあまりにも縁起が悪いので早々に交換してもらおう。

「砂原隊長、先ほど堤少佐から連絡がありまして。一昨日から行方不明になっていた石動隊のものと思われる残骸を発見したとのことです。損傷は激しく、付近を捜索しても生存者の痕跡は発見されませんでした」

 自分の机で休憩中だった砂原の耳元で、先ほど陸自から受けた連絡を小声で報告する。戦死者の確認や報告はここにいれば避けては通れない道だ。しかし中には死に対して未だに割り切れない人間も多くいる。戦闘経験の浅い一年もそうだし、何より目の前の優しすぎる隊長がそうだ。いちいち他人の死に心を痛めていては身が持たないというのに。

>>砂原・つばめ・花園・部隊室ALL


【メイン開始おめでとうございます。いろいろと設定を盛ってしまいましたが、「勝手なまねすんじゃねぇよ!」となりましたら自重します】
>>主様

2日前 No.11

ぶり大根 @buridaikon ★4b4NVukaLH_8Xv

【羽野 つばめ/部隊室】

『おぉ〜、つばめちゃん頭良いっぽい事言ってるっスね』

突っ伏した状態のつばめ。そのまま顔を上げ、声とパチパチと手を叩く音が聞こえた方を見る。
自分と同じ様な小柄な体格。活発そうな猫目のポニーテール。同学年の速見結子である。

「なんだ、結子かー。宿題見せて……、って私と似たようなもんだよね」

表情は露骨にガッカリである。何も成績まで似なくてもよかったのに。結子の宿題を写しても自分で考えても一緒である。

『あたしも数学は低空飛行っスよ〜。誰か教えてくれる優しい先輩は居ないっスかね?』

「そうだよね!!誰か教えてくれる、先輩はいないかな〜」

つばめはわざとらしく声を出すと、結子の意見に同意して、団長である。草平の方を見つめた。草平の方もその視線に気づいたようだが、資料から目を離さず、面倒そうに手を振ってあし払う。要約すると、『自分でやれ!!』である。

「くぅ……、隊長の鬼……」

的外れな、恨み節を呟く。だが、表情がクルっと変わり悪だくみしそうな顔になる。

「よし!!他の人に見せて貰おうよ!!結子!!」

何故か結子まで巻き込んでいる。つばめは同じ一年生を吟味し始める。

まずは、最初に目が行ったのは、綿飴だ。自分の席でホットドリンクを飲んでいる、ダイナマイトボディ(死語)。眼鏡を掛けているから頭が良さそうかと言われると、そうでもない気がする。そこはかとなく、同族な気がする。止めておこう。

次に目に入ったのは桐矢だ。ミリタリーコートのその少年は乱暴に椅子に座り退屈そうにしている。うん、却下。宿題見せてって言える雰囲気じゃない。

そして、最後に目に入ったのは瑠花だった。獲物を狙う鷹の様に視線が鋭くなる。花瓶を持ち隊長の席に歩いて行く所だ。瑠花なら温厚だし見せてくれるだろう。そう思って声を掛けようとした瞬間だった。

『ねえ、勉強熱心はいい、けど私ゃふざけながらやるは関心できないな』

バンっと机が叩かれ、雷の様な激しい言葉が飛んできて、つばめの肩が思わずビクンとなる。恐る恐る顔を上げると、そこには麻琴の姿が。

「いや、あの、そのね……、今ちょっと休憩してた所なんだよ、麻琴!!ねっ、結子!!」

しどろもどろになりながら、必死に言い訳する。結子、巻き添え。まさか宿題を丸写しにしようと考えていた何て口が裂けても言えない。変な所で麻琴も真面目だし、本当の事を言ったら何て言われるか。

『毎日勉強机に座ろうとしないからそうなる。飲み込みの悪さを自覚してるなら尚更努力しな』

前方にいる火雨から、最もな御言葉とキャラメルが飛んで来て、ノートにポトリと落ちる。

「はい……」

最もな言葉に、素直に返事するとつばめはキャラメルを口に含むのだった。

>>結子、綿飴、桐矢、瑠花、麻琴、火雨、部隊室ALL

1日前 No.12

ぶり大根 @buridaikon ★4b4NVukaLH_8Xv

【砂原 草平/部隊室】

草平は黙々と資料に目を通す。過去の11月に出現した精霊と、その対策。やはり水や氷系の精霊の出現率が高くなっている。勿論全部が当てはまる訳ではない。全く新種の精霊が出現する事もあるし、逆に極僅かしか出ない事もある。今読んでいる資料だって、同じ精霊が出てくる確率はわずかだ。しかし、わずかでも可能性がある以上、調べておかなくては気が済まない。草平はそういう性格である。それが、隊員の生存率を上げるのだから。

『お疲れ様です、隊長さん』

集中しすぎて人が近づくのに気が付かなかった。声の掛かった方向を見ると、瑠花の姿が見えた。
ポニーテールの花が好きだと語る一年生。花が好きなのに反し、能力は『金』である。本来なら、喧嘩すらしそうに無い雰囲気の少女。しかし、選ばれてしまった以上、戦火に身を置かねばならない。

『お花が嫌いでなければ、時々ご覧になってください』

そう言って飾ってくれたのは、白い花瓶に活けてある、鮮やかな花だった。その色彩に思わず和む。花には詳しく無いから、何の花かは知らないが。

「ありがとう瑠花。所でこれ、何のは……」

『花園・・・・・・悪いこと言わないから別の花を生けてあげて・・・・・・その、菊はちょっと』

その質問を遮る様に、火雨の注意が入る。えっ、これ菊の花なの?一瞬だけ脳裏を過るも、すぐにかき消す。縁起が悪かろうが、好意を無にする事は草平は出来なかった。

「せっかくこんなに綺麗なんだ、飾ってて大丈夫だ。目の保養にもなるしな」

気を使わせない様に笑顔で火雨と瑠花に言うのだった。

火雨の表情が曇り、自分の耳元に顔を近づけて来た。自分だけが報告を受ける様な話。内容は検討がつく。覚悟もしていた。しかし、本音を言えば聞きたくなかった。信じたくなかった。

『砂原隊長、先ほど堤少佐から連絡がありまして。一昨日から行方不明になっていた石動隊のものと思われる残骸を発見したとのことです。損傷は激しく、付近を捜索しても生存者の痕跡は発見されませんでした』

「そうか……」

草平は、一言。簡単な言葉で返す。
石動は1年の時から同じクラスだった男だ。寡黙なタイプで、質実剛健という言葉がよく似合った。同じ隊長としての悩みを相談したり、相談されたり。卒業後は家業を継ぎたいと、珍しく照れながら語ってくれたのを思い出す。
草平は涙が出そうになるのをグッと堪える。握った拳は震え、白くなる。隊長として、隊員に感情を見せる事はしたくなかった。石動隊の1年、2年にも、知っている者がいるかもしれない。

「後、半年だぞ……、もうちょっと、なのに……」

かすれ声をさらに押し殺すように呟く。隠しきれない感情が、目から一滴流れ落ちる。そして、慌ててティッシュを取ると鼻をかむふりをして拭うのだった。

>>瑠花、火雨、ALL

【長くなるので分割します!!】

1日前 No.13

ぶり大根 @buridaikon ★4b4NVukaLH_8Xv

【砂原 草平/部隊室】

「さっき火雨も言った通り、今回は実戦を想定した能力使用の模擬戦だ。組み合わせは1年対2、3年の連合軍だな」

部隊室に隊員が集まって来た事を確認すると、先程までの感情を断ち切って、草平は説明を始める。思い思いに過ごす、隊員達を見回す。

「目的は2つ。まずは、現在の1年生の実力の確認だな。そろそろ、副隊長を選ぶ時期もきている。勿論今日の結論だけで出す訳ではないが、適正を見たい」

草平は一年生の顔を見回す。どちらかと言えば、攻撃的な能力の1年生。現時点での副隊長としての資質は一長一短である。

「もう一つは、2年生が、最上級生となった時、中心として、皆を引っ張る訓練だな。今日は2年生をメインにやってくれ。俺達、3年生は今日はバックアップに回る。来年度の『茅野隊』としての予行訓練みたいなものだ。3年も部下だと思って、どんどん指示してくれ。火雨、円、千尋、頼んだぞ!!」

次に2年生の顔を見回す。副隊長の火雨を含め、どちらかと言えばテンションが低めなメンツが揃っていた。
1年と2年を足すと、丁度いいんだがなと、草平は思う。だが、こういうのは、なる様にしかならない。現に自分達3年も何とかやっている。

「戦力や能力の偏りは、あるかもしれない。ただ、戦闘のすべてが有利で万全で出来る訳では無いからな。そう思ってくれ」

先程、円が呟いた、疑問に対する答にも回答を出す。
味方がやられて、少人数で戦う事もあるし、自分の能力と相性が悪い敵と合う事もしょっちゅうだ。

「場所は第一グラウンドだ。もう少ししたら、各自着替えて集合してくれ」

そして、今日の訓練の詳細を伝えるのだった。

>>ALL

【指揮を振っちゃったんですが、よろしいでしょうか(汗)>>キープ様】

1日前 No.14

いちご蒸しパン☆BN0nIoLPBMCP ★iPhone=Cf9tmtvYki

【流石黒曜/校舎裏→部隊室】

一陣の風が髪を梳いて徒に流れていく。この前まで夏だ暑いと騒いでいたような気もするのにすっかり空気は冷たくなった。ぼんやりと過ごしているつもりはないのにこんなにも時間は早く過ぎていく。……あれからもう2年と数ヶ月だ、本当に早いものだ。
この寒い中花をあげに訪れる人もまばらで、一層さみしさを感じさせる慰霊碑の前の献花台にいつもの学ランと寒さよけとしてのマントというこの為に合わせた訳では無いがいかにもと言った風貌で立つ。ぱらぱらといた人影が完全に消えるのを待って持っていた花束ごと目の前の塊を1人座れる程度にどかす。窮屈になった山から2、3の束が落ちたが誰か片付けるのだろう。少なくとも自分ではない誰かが。傍らにやや大きめの白い箱を置き、献花台を背にして腰掛け足を組む。ほんの一瞬第一声に迷い、挨拶からかと口を開く。

「久しぶり、なんだかご無沙汰だね。……特に話題があって来たわけじゃないんだ、ただ名前を見たくて……他のとは上手くやれてる。なんてったって君の入れ知恵だからね。……ん、髪、前より伸びただろ? ぱっと見じゃ分からないかもしれないけど、確実に手間はかかってる。これでずっとぶつけやすくなってて、ぶつけやすくなったと言えば味方にも当たりやすくなっててね。始末書が大変なんだ。そう例の『殺意の有無』から始まるやつ。それで────」

珍しく、本当に珍しく他愛もない話をつらつらと並べていた口がはたと止まる。目を閉じてやや言いにくそうに二の句を繋げる。

「────最近君の声が思い出せないんだ。言われたことは言葉として記憶してるんだけど、それがどんな声だったかを忘れてさ……人は声から忘れる、なんて言うけど君のことは少しも忘れたくなかった。だから少し、怖くて……」

自分も人であるという当然の事実に苦笑しつつ身震いする。長く居すぎた寒さからのそれであることをほんの少し願いつつ段から飛び降りる。

「次に来る時は土産話の一つでも用意しておくよ。君のこともちゃんともう一度思い出せるように努力する。また今度」

慰霊碑の1つの名前に手を振り、雑に壇上の花を直す。片手に白い箱を持って急ぎ足で部隊室に向かう。集合時間は17時、若干過ぎてはいるがまだ間に合うだろう。

三度のノックと「お疲れ様です」の声とともに小屋に入る。質素で飾り気のないそれはそれなりに気に入っている。ちょうど隊長の砂原が号令をかけたところであり、ギリギリになってしまったと困ったような笑顔を浮かべる。

「流石黒曜、遅れました。申し訳ございません。訓練の件了解しました。……ああ、それとケーキを買ってきたので後で皆さんで分けて召し上がってください」

白い箱を軽く揺らしながら肩を竦める。花のついでだ。それに少しでも食べて大きくなった方がいざと言う時見つけやすいだろうし。中身はショートケーキ、チョコレートケーキ、アップルパイ、レモンパイ、桃のタルト、ガトーショコラにティラミス、それとプリンがそれぞれ2個ずつ入っている。冷蔵庫に直行し、胸ポケットに入れたボールペンを取り出し桃のタルトの上の飾り用の厚紙にコクヨウと記してもう一度挿し直す。
自身の卓上にあるいくつかの書類に目を通し、その過程で何気なく見た砂原の机の上の菊の花にややぎょっとする。花園が近くにいて事情を理解した。いや、本人が良いならいいのだが。事実にならなければ彼にとって最上だろう。鼻で笑いそうなのをぐっと殺した。

>>ALL


【遅れながら参加です。遅刻気味ィ! ケーキ買ってきたんでご自由にどうぞ。】

1日前 No.15

ゆーす @sable ★mvaJaf04S7_PHR

【花園瑠花/部隊室】

花の名を尋ねる隊長の問いに畏れ多くも答えようとしたところで、別の花に変えるようにと忠告する声があった。情報の伝達から戦線での索敵・陽動等、他の人間には到底真似できない範囲の分野を担う部隊の頭脳・茅野火雨副隊長である。
確かに一般的に菊は仏花であり、墓前に添える葬花としての認識が根強い花だ。人の死後に携わる以上、生きた人に渡すには縁起の悪い花と捉える人も少なくはない。
しかし起源を辿るとそれらは誤解であるとわかる。明治政府が西洋の風を取り入れようとした故に根付いてしまった、一種の風評被害とも言える認識なのだ。
菊の真の姿…それは、古くからその気高さを認められ、高貴な身分の人々に愛された孤高の花。皇室が紋として用い、軍艦の艦首にも輝いていたのがその証拠だろう。
ただこういった知識や解釈を全ての人に求めるのは無理というものがある。誰にだって知らないことはあるものだ。それを口に出して説明するのは価値観の押し付けに他ならない。

「先輩方、失礼致しました。悪気はなかったんです」

それらを踏まえて無駄な弁明はせず、素直に謝罪の言葉を述べる。ただ隊長のお言葉には甘えさせてもらうようで、机の上でピンと背筋を伸ばす菊に手を伸ばそうとはしなかった。
そう、我らが隊長には、菊の花言葉が示す通り「高貴」かつ「高潔」であって欲しい。苦境にも決して膝をつかず、常に部隊を引っ張ってくれる太陽の様な存在でいて欲しい。
見た目が太陽に似ており、手折られた後も簡単には枯れることのない菊は、まさにそういった願いを忠実に表しているのだった。

(いよいよ始まるんだ…私の実力がどれほどのものか、先輩方に見てもらわなきゃ)

実戦想定の模擬戦を執り行うという隊長の言葉に、今一度気を引き締めて訓練に当たることを誓う。これは単なる練習ではない。戦禍の中を生き抜く力があるかを図ると同時に、次期副隊長の候補(今日の結果だけで決まるわけではないが)を選び出す選考試合でもあるのだ。
黄金を生み出すという創意工夫無しには何の意味もない能力に一時は戸惑ったが、個人での特訓を重ねてこの日に備えてきた。当然温めてきた奥の手もある。
それらの努力が果たして実戦に通用するかを見極めてもらおう。

「わぁ、美味しそうです!私はレモンパイいただきますね」

…と、そんな小難しい考えを巡らせていた瑠花であったが、これまた大先輩の黒曜が買ってきてくれたケーキには表情の綻びを禁じ得なかった。
生憎これから訓練なのですぐには食べられないが、課題をクリアしてひと汗かいてからの方が格別においしくなるだろう。楽しみは後でとはこのことか。
先輩がやったように飾りの厚紙にルカと記入すると、年齢相応の無邪気な笑顔を浮かべながらパイの上に紙を戻し、花を愛でる時に負けず劣らずの慎重な手つきで冷蔵庫に仕舞うのだった。

>>砂原草平、茅野火雨、流石黒曜、ALL

1日前 No.16

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★DoaFJQIlTR_WcJ

【 鬼山地獄綿飴 / 部隊室→第一グラウンド 】

 なるほど今年の秋はネイビーがトレンドなのかー、とレディース雑誌を適当に読み込んでいれば、ふと手元に突き刺さる視線に気付く。顔を上げる。左を向く。視線の主は同じ一年生ゾーンにいる彼女、こちらもつばめと同じく童顔の速見結子だった。つばめが小学生に見える童顔なら、結子は中学生に見える童顔だ。程度は違うが属性は同じ。身長も低くてあどけない雰囲気だから、本音を言ってしまうと、二人とも戦場ではついつい庇わなければならないような気分になる。この二人が強いことは同じ一年生としてよく知っているにも関わらず、だ。さっきは人の見た目などアテにならないと言ったが、そうは言えどもやはり人の見た目は馬鹿にできない。良くも悪くも多少は精神に影響が出る。
 とにかくこれだけ手元に熱視線を注がれているなら、結子はきっとビスキュイかレディース雑誌のどちらかに興味を示しているのだろう。彼女の性格を鑑みれば8:2くらいの確率でビスキュイ優勢。なのでまだ未開封のビニールとモールでラッピングされたビスキュイを、机の上を滑らせて結子のほうに送ってみた。気分としては、バーカウンターの端から端まで他の客にカクテルを飛ばすあれだ。やったことはないけれど。一緒にウインクもしておいたから、これで相手はこちらの意図を察してビスキュイを受け取ってくれることだろう。もし興味を示したのがレディースのファッション雑誌のほうなら申し訳ない。

「ほへー、模擬戦」

 火雨の言葉を聞いて小さく呟く。一年生VS二年生と三年生。言うまでも無く経験値は相手チームのほうが上だ。胸を借りるつもりで行くべきか、倒すつもりで行くべきか。半々くらいの心持ちで自分に出来る限りのことをやるのが良いかもしれない。萎縮しすぎて力が出せないのも問題だし、調子に乗り過ぎてうっかりをやらかすのも問題だ。隊長も実力を確認したいと言っているのだから、現在のポテンシャルをそのまま披露する感じでやってみよう。副隊長は、選ばれたいとも選ばれたくないとも思っていないから、アピールのためにと下手に神経を強張らせずに済みそうだ。
 さて、ともかく隊長に言われた通りに第一グラウンドに行くとしよう。着替えなくても下はジーンズで靴は固定なのだから、この服のままで行って良いはず。いや、寒さを考えるとジャージの上着だけでも羽織っておくべきだろうか。ううむ。……着て来たコートを着直して外に出て、いざ模擬戦が始まるとなったらその時に脱ぐ。これでいこう。苺とアセロラのホットドリンクをぐいっと飲み干し、食べ残しのビスキュイを机の端っこに寄せると素早く席を立つ。途中で黒曜が持って来てくれたケーキが気になるが、今から食べると動きまくった時に横腹が痛みそうなので後で有り難く頂こう。ただでさえビスキュイが入っているのだ、さすがにこれ以上胃袋に詰め込むとマズい。
 壁掛けハンガーフックからコートを取って袖を通し、部隊室の扉を開ける。身を斬られるような冷たさ――とまで書けば大袈裟だが、少なくとも「この寒さの中でタンクトップとか半袖の奴は温度を感じる神経がイかれてるんだろうな」と思う程度には肌寒い。吹き抜ける風が体温を奪っていく。やっぱりコートを着て来て正解だ。9cmのヒールを物ともしない軽快な足取りで歩き、他のメンバーに先んじて第一グラウンドに辿り着く。着替える者はもう少し後になるだろう。それまで準備運動がてら、身体を温めるためにちょっと跳んだり跳ねたりしておこう。

「Shall We Dance?」

 気取った言葉を履いているヒールにかけて、かつんっ、とグラウンドの砂を靴底で叩く。LED電球のスイッチを入れたみたいに眩い閃光を発したヒールは、次の瞬間にはサイハイブーツに姿を変えていた。青いエナメルの生地に金色の革紐で施された編み上げ。ヒールの高さは9cmから12cmへ。まるであつらえたように脚にぴったりとフィットするこれが、ツクモシステムに適応した綿飴の武器だ。属性『脚』。キーアイテムのポインテッドトゥスティレットヒールから生まれ出る攻防一体のバトルシューズ。靴の形をした盾にして鉾。精霊にとっての死神の足音を奏でる物。そして己の死装束となるかもしれない物。
 たんっ、たんっ、たんっ。その場で三回ほど跳ねて変な所が無いか確認。いつも通りの靴音だ。前回の戦闘の後ちゃんと破損が無いかチェックしていても、こうして次の戦闘で使う前にも一応チェックしておかないと、武器の疵は意外と己の死や危険に繋がったりする。でも今回は大丈夫そうだ。自分にも靴にも可笑しい所は無い。後は他の皆が集合するまで、近くの建物の壁を駆けあがるでもして身体を温めておこう。あまり動きすぎると疲れるが、適度に動いておけば模擬戦が始まってすぐに逆に良い動きができるようになる。スロースターターなら、綿飴と同じことを考えて早めに来る者もいるかもしれない。

>ALL様

1日前 No.17

citrus @citrus26☆QKe2LIS7IaQ ★EKHSBXpiiF_2mP

【 部隊室 / 速見結子 】


 「つばめちゃんとウチ、成績表じゃほぼ同率っスから……」


露骨につばめが残念そうな表情を浮かべたのを見て、あはは〜と苦笑いしながらもスッとポケットから取り出した直近のテスト成績表を差し出す。
ただでさえ生徒数の少ないこの学園において、ここまでずば抜けて成績が悪いと嫌がおうにも目立ってしまう。……事を、下の方にかなりの太字で書かれている名前を指さした。
かの『兄貴』の教えその一。『勉強ォ?んなもん貴重な"子供時代"の拘束具みてぇーなもんだぜ!』という格言を守り続けた結果、こうなってしまったのもある。
同世代より抜きんでた知識量で、幼い頃通っていた僅かな学生期間では常に成績トップを飾っていた結子も、ついに最底辺争いをしてしまう程になった。
怠慢とは、恐ろしや……

傍でぴっぴっと手で隊長にあしらわれている彼女を横目に見つつ、机から器用にスライドされてきたお菓子の包みをキャッチ。
ふと送られてきた綿飴ちゃんの方を見やるとウィンクを一つ。これは、もう、行くしかない。


 「まもむッ!」


そして一口。うまいッ!と言いたかったのだろうが、喉奥から出てくる言葉と口に含んだお菓子が衝突して不可思議なハーモニーを醸し出した。
直感で生きている結子。本来甘いモノは極力控えている程苦手な食べ物だが、このお菓子は絶妙な砂糖の量でお茶の香りを壊さない位に調節されているのが分かる。
故に素材の味をそのまま味わった結子は、ニコニコと笑顔を浮かべながら綿飴ちゃんにピースサインを送った。

他の人に教えてもらおうよ!という声にまむ、まむ(いえす、マム)とどこで覚えて来たのかよく分からない音を発しつつ、もちゃもちゃと口を動かす。
つばめちゃんの勉強教えてもらう旅のお供をしつつも、咀嚼していると、


 「ぶふッ」


急に鳴り響く怒号に思わず口の中をバーストしそうになった結子は、げほごほと咳き込みながら麻琴ちゃんへ


 「そ、そっスよ、ちょっと休憩してただけっス……」


げはごはと本格的な咳き込みに入った辺りからつばめに気をかけられず。
先輩であり二年生の副隊長のありがたいお言葉に「(正論っスね)」と小さく思い浮かべてつばめを同情の瞳で眺める事しかできなかった。

茅野火雨。彼女の姿や言動は、記憶にある兄貴が女性になったらこんな風になるのかも……という程に、類似している点が多い。
年中上下ジャージ姿なのは、兄貴は年中ハーフパンツに革ジャンだったのでそこが大きな相違点とも言うべきだが、鴉などを思い浮かべる深い青色の髪や赤(なのかどうなのか半開きなのでいまいち分からないが)っぽい瞳。
粗暴な中にもきっちりとした芯が通っていて、それでいて優しさも感じられる。
結子にとって火雨の存在は、かなり気にかかっている人物でもある。

という風に脳内ではシリアスっぽい風を吹かせつつも、表面は咳き込んだせいで出てきた涙を袖で拭いつつぽけーっと火雨を眺めているのであった。

そんな中、また新たな興味を惹くもの。具体的に言えばケーキが到着し、その箱を見た途端におぉ、と小さく嘆息する。
ケーキ、といえばおそらく現在地上に存在する食べ物の中で最上位級に苦手なモノに入るだろう。理由はまぁ、昔色々とあったので甘いモノは軽いトラウマの様なモノになっているので。


 「……よし、何事も挑戦っス! 黒曜先輩頂きますっス!」


相変わらず漫画から飛び出してきたような綺麗な容姿の黒曜先輩へと飛びつくと、瑠花先輩のレモンパイを横目に白い箱の中にあった中で一番甘そうな桃のタルトを手に取る。
意を決し、正面から一気にがぶっと行こうとしたところで止まると、保険の為に一応タルトを四分の一ほど千切って。
その欠片を口にッ……!!


 「ぶぼふッ」


口にした途端にこれまでの風景が流れ去り、軽く意識が飛びかけた結子はそのままゆらゆらとつばめの元に戻って、


 「つばめちゃん、コレ、どう、っスか」


ばたっと顔面から床に倒れ込んだ。広辞苑の言葉で簡単に表すと、これが、『バカ』である。


>>部隊室の皆さん


【一レスで二回も嘔吐する系の一年生】

1日前 No.18

citrus @citrus26☆QKe2LIS7IaQ ★EKHSBXpiiF_2mP

【 部隊室 / 八神千尋 】


自慢する訳ではないが、日々の鍛錬に加え余計なモノすべてをシャットアウトする自身の特性の様なモノで、五感はかなり優れている方である。
茅野火雨が現れ、訓練内容であるだろう『模擬戦』の旨を伝えた後、砂原草平に耳打ちした内容がこれだけの距離離れている千尋の耳にも微かながら端々が聞こえていた。
石動。石動××。
名前が一向に思い出せないが、そういえばそんな人間もこの学園には居た気がする。話の内容の通り、以前あった任務を遂行中消息が途絶え………そして、想像に難くはない結末を迎えたらしい。
ソレを聞いて一々"悲しんだ様相"を見せるのが、砂原草平という男。この男、確かに一般的に見れば『隊長』という枠組みがなるほど当てはまるんだろう箇所がいくつかはあった。

千尋が目をつけている人物の一人でもあるが、しかしそれ故にコイツの脆すぎる一点だけは見逃せない。その自前の高いカリスマ性が生み出している、"人間を惹き付けては、また消えていく"負のスパイラルが生まれている事に。それは、この学園が三年間という短い期間の間のみ、精霊という超常の存在と死闘を繰り広げるこの状況だけを理由に出来るか?と言われればいやそうではないという意見があるのが千尋だ。
コイツの周りでは他の人間が、『砂原草平』という男に多少なりと感情面で影響を受け、直接的な影響はあるない分からないにしろそれが何らかの『悪性』か『良性』に働いているのはここ数か月の状況を見て分かる。
死を慈しむその態度は、千尋にとっては"砂原草平自身が生み出している流れ"に気付かずに、精神を自傷しているように見える。
これはあくまでも一意見。しかし、行き過ぎた情愛は最悪の状況を生み出す事を―――――――――薄れゆく記憶の中で、確か、自分がそうだったことを。

それまで目を閉じて静かに集中力を高めていた千尋は、ゆっくりと目を開くと新たに入ってきた流石黒曜、という長身の美丈夫を見やる。
彼は、読めない。すぐに何かしら感情の機微を浮かび上がらせる砂原草平とは対照的に、この男は全てが読めない。戦闘における指揮能力や直接戦闘能力が高い事は過去の戦闘の資料である程度把握はしているが。
その立ち振る舞いには気味が悪い位に"規則性"が存在し、まるでルーチンワークの様にそれをこなし続けているせいで"ボロ"が一切見当たらない。ソレが、逆に怪しさを増している。完璧の中にある違和感はとても掴み辛く、そして見分け辛い。

砂原の元へ歩みを進める手前で、黒曜の前に立ち止まると、


 「……流石黒曜。」


相手の機微、僅かな、細かな、微かな、細部まで動きを眺める為、彼の変わった金色の瞳を見つめ続ける。時間にしておおよそ一分。たっぷりと見つめ続けた後、


 「模擬戦、よろしくな」


それを誤魔化すという訳ではないが彼女なりの、一応の"ご挨拶"を口にすると特にこれといった事もせずにそのまま砂原・茅野が居るデスクへと歩いて行った。
能力を使用したり、ケーキで失神するバカが居たり、一人黄昏れる孤高の人が居たりと背後で行われる喧騒には目もくれず、砂原達のデスクへとたどり着いた千尋は、


 「"どこまで"やっていい。先に程度を決めておかなければ、行き過ぎるヤツが確実に現れるだろう」


最後の一言は、一種の疑いをかけている黒曜に対するカマかけと同時に、自分自身がやれるのならどこまでもやってしまいそうな危険性がある……自制の為の発言でもある。
あの日以来自分に掛かっている洗脳の様なモノは時折我を忘れそうになる程に強く頭に響いてきては、復讐の為にどこまでも行ってしまいそうな本能的な恐怖を感じる時が来る。
その前に、枷を掛けねば。
また彼らの隣に居た花園瑠花は、実際の模擬戦でどれほどの力を見せるかによって千尋にとっての評価は大きく変化するだろう。現状の評価だけで言えば、『お嬢さん』と言ったところだろうか。


>>部隊室の皆さん(砂原隊長、茅野副隊長、流石黒曜)


【度々失礼な発言をしていると思われます。ご了承ください】

1日前 No.19

でりSKR @sentakuari ★pl3L5xkSi4_D2H

【神支 円 / 部隊室】


人の命は儚く脆い。何処かで何かが行き過ぎれば容易く圧し折れる。
この世界に生きる者なら尚更だ。世界は残酷で冷酷で非情。

自分たちが戦っている『精霊』と言うのは一説には自然現象に宿る一種の霊体だと言われている。彼らは環境破壊を辞めない人間に愛想を付かせて牙を剥いた、その結果がこれだと本で見た事があった。信憑性には欠けるが、万物には古来より神が宿っている、自然物にしろ人工物にしろ大切に扱わねばならないと説くのはこの国特有の自然崇拝にも見て取れる。昔の時代はこうでは無かったが此処2〜300年程度の歴史の中で地球を取り巻く環境は変わってしまった。

経済の発展、技術の進歩と共に人類が自然に対して行ってきた行為、その揺り戻しがこれだと、本には書いてあった。

「……石動隊の皆は行き過ぎちゃったんだって円は思うな……、……R.I.P.(安らかな眠りを)」

隊長に齎された凶報を横耳で聞いて、そっと胸の前で十字を切る。
然る後手帳を開いて幾つかのページを破り取り折りたたんで卓上ゴミ箱に置く。
自分には最早必要のない物だ。


__暫くして。

気持ちを切り替えたらしい隊長が摸擬戦の詳細を話し出す。
曰くこの摸擬戦には二つの目的がある。一つは一年生組の実力を推し計る事。
もう一つは我ら二年生組の指揮能力の訓練。正直自分に隊長が務まるとは思えないので他の二人に此れは丸投げする。

しかし隊長に念を推す様に自身の名前を呼ばれた事に動転し、

「あっはい」

と決して小さくない返事を返してしまった。
その後に続く自身の独り言に対する返答の様なものまで貰い、やはりこの隊長は特別製だ、と考えた。考えるだけで口にも顔にも出さない。行動場所は寒風吹き荒む第一グラウンドとの事だ。

……やる事は多そうだ。先ずは火雨さんか千尋さんに指示を仰いで……此処は火雨さんが良いか。あとは陣地の構築、エリアに障害物の設置、etcetcetc。三年生組は今回は補助に回るらしいのでそれを考慮して、一年生組がその実力を如何無く発揮できる環境を御膳立てしつつ、その全てに対処しなければならない。記憶している限りの一年生の属性情報は自身の属性と相性が悪いものが大半。
電気系統が二人、身体強化が二人、切断系統、金属系統、そして出来れば交戦を避けたい炎熱系統。その他にも居た気がするがパッと思い浮かぶのはこれだけ。
どの面子を見ても見事に弱点や上位互換で固まっている。しかし隊長の言い分も間違いじゃない。

「あきゃー……、前途多難だ。横っ腹がシクシクする……」

そう頭を抱えた所でギリギリで飛び込んできた先輩の差し入れと、漂う甘い匂いに僅かに身体が反応した。ケーキである。即ち糖分である。

「シナプスを満たす甘い恍惚。脳細胞の肥満はダイエット要らず。香ばしき糖分こそ至高のエネルギー源。Hallelujah Hallelujah.」

ショートケーキ、チョコレートケーキ、アップルパイ、レモンパイ、ピーチタルト、ガトーショコラ、ティラミス、プリン。此ればかりは出遅れてしまっては元も子もなく余り物を宛がわれるに違いない。


ぎしっ。


椅子を軋ませて立ち上がる。座っていた事で縮こまっていた体躯が伸び上がる。
頭部がプレハブ小屋の決して高くは無い天井近くまで上がり切る。
身長198p。年齢と性別を顧みても高過ぎる外見はコンプレックスの一つだ。ここに居る誰よりも大きく、巨きく見えるが身体の線は細め。しかし厚着しているので体格的には一見普通に見える。

ごつっ、ごつっ、と歪んだ足音を響かせながらケーキの箱に寄り暫く考えた後、クレーンゲームめいた動きでアップルパイを手に取って、差し入れしてくれた流石先輩に一言礼を入れる。

「有難う御座います流石先輩。これはあとで熱々に温めて食べようかなって……、流石、流石の流石先輩……、あきゃきゃ」

手に取ったアップルパイを持って自分の席に戻り、引き出しから紙皿とラップを取り出して乗せ換え、卓上の隅に置く。そう長い時間放置するわけじゃないし、アップルパイは熱々に温めて食べる方が美味しい。名前は書かなくても態々取って勝手に食べるような輩はこの隊には居ない……だろう。

一人早々に隊員室を出て行ったのを見て自身も準備を始めた。と言っても髪を降ろしてもこもこした白いウシャンカ帽とマフラー、ドゥブリョンカと呼ばれるコートを隊員服の上に着用、手袋を嵌めるだけだが。

髪留めのロッカースイッチを押すとパチンと音がしてゴムが外れ、ばさりと髪がずり落ちた。元々ツインテールに括っていた時点で膝下まで届くほどの髪量。残った一方のゴムも外すと、バサバサした髪は床まで届きそうだ。

ウシャンカ帽とマフラーで防寒した後、コートを着て、身支度を整える。

「円は先に行って準備してるんだ……みんなも早めに来た方がいいかなって円は思うけどなー……」

最後に使い捨てカイロと携帯水筒を提げ、出て行き際に後ろを振り返って小さく呟く。

「……あきゃきゃきゃ、コザイクは一切無しだから」


第一グラウンドに辿り着いた後準備運動に励む一年生、やたら仰々しい名前を持った彼女を横目にグラウンドに立ち、しかる後手袋を嵌めた手をパシンと叩き合わせる。


キュルンッ、ヂギギギギギッ!


その瞬間、手袋の周囲に何処からともなく雪片が軋みながら凝集し、一本の長軸の白い杭へと変貌した。がりん、と地を突いた杭の先の砂地に白く薄い雪の層が滲み出す。同時に冷気が身体に下り、吐き出した息が一条の線になって棚引く。


「………………」


準備運動を続ける一年生を厚い前髪の向こうから観察し続けながら、残りのメンバーが来るのを待った。


>>周辺ALL

【一足先に失礼します】

1日前 No.20

橘麻琴 @railgun230 ★iPhone=z0FNsBzA5m

【橘麻琴/部隊室】
「休憩、ねぇというか、休憩に数学に関する落語とは面白い発想してんじゃん」
休憩というつばめに一瞬本当にそれか?単に努力を怠り楽をしようとしてんじゃないの?と、おもったのだが、速見結子の、『休憩』という発言により、《なるほど。これまでつばめの趣味についてはよくわからなかったけどそれが、その、落語まがいのことが趣味なのか?それでか。》と、勝手に納得しているようで、休憩にそれならばも和むし良いかなと、考えてたりし、すると、彼女が咳き込んでたりしてたので、へんなとこにつっかえたのか、大丈夫かな?と思ったので取り敢えず水を差し出しては、自身はノーマルにショートケーキを選択した後に
「それじゃ、いただきますね。」
そう、言っては自分も何か差し入れとかした方が良いのかなと考えたりし
→黒曜さん、つばめ、速見さんたちその場オール

1日前 No.21

酢橘 @karasu1010☆TyGLtXpsS1g ★0gkYBdXyN1_jG9

【千田桐矢/部隊室】

僅かな希望と充満する死骸といつも通りの煙草と隊長の近くに置かれた菊の花と何処か甘い様な匂いが五月蝿いくらいに混ざり合うプレハブ小屋にて自身の見慣れたデスクに座りながら見慣れた光景を眺めている千田は反吐が出る程の退屈を感じながらも、静かにただ無言で目の前で繰り広げられる情景を劇場でも見るかの如くそれぞれで展開されるこの雰囲気に身を寄せていた。
すると、副隊長から今回の訓練についてこの場で淡々と連絡される。どうやら訓練の内容は能力使用の模擬戦らしい。正直、相手は誰であろうとも関係ないが自身にとって、模擬戦とは能力を使用する為に精霊の存在程、大嫌いであった。人生を狂わせたこんな能力は同じく自身の人生を間接的にも狂わせた精霊や人間と同等の存在。だが同時にこの力、存在が無ければ精霊や人を終わらせる事は出来ない。残り二年の青春を犠牲にすればかつては望んでいた日常が帰って来るのだろうが、その為には三年間、死と戦い続けなければならない。残念ながら千田はその経緯を辿ろうと一度は考えたがその前に彼は既に狂っていた。
すると、先程まで副隊長と何やら小声で話していた隊長から詳しい模擬戦の説明を聞かされる。その様子を彼はやる気が無さそうに聞きながら、途方も無い憂鬱やストレスを感じていた。ただ、病気や怪我でも無ければ棄権は難しいので此処は訓練を早く終える事だけを考え、簡単な戦闘準備を行う。とはいえ特に準備と言う準備はほぼ無く、服装を着替えるつもりはなく、武器もポケットの中にいつでも忍び込ませている。必要なのはせいぜい準備運動とストレッチくらい。
そして千田は自身のデスクから立ち上がり、軽く端の方で準備運動を開始すると、先程現れた先輩である流石がどれを見ても美味しそうな多くの種類のケーキ類を用意してくれる。しかし生憎だが千田はあまり甘いのが好きではない。それでもプリン等は食べられるが、まず食べる時間が無い。そもそもアップルパイの様なスイーツもあるがまず、冷たい食べ物が寒がりの千田にはあまり好まれない。だが彼はよっぽど空腹だったのか、無言でプリンと同封されたスプーンを取り出す。訓練の事を考え後で食べる事を選択した者、訓練後の楽しみとして食べる為にスイーツを冷蔵庫で冷やす者、この場でスイーツを食べるが苦手なスイーツだったのか知らないが突如、床から崩れ落ち倒れる者、スイーツに対する様々な対応を砂原隊は見せるが、彼は時間が無い中、無表情でプリンを開封して乱雑にそして素早く全て食べきる。そしてゴミと化したプリンの入れ物をゴミ箱に捨てるのも面倒なのか自身のデスクへ置いて、訓練を行う為部隊室を後にした。

「……さっさと済ませるか」

そして千田は先客が二人程いる第一グラウンドに辿り着くと面倒そうに三段警棒の様に折り畳まれた物差しを展開させ、黙って影を潜めながら訓練開始まで待機する。

>>周辺ALL

1日前 No.22

唐紅 @karakure ★WfkdFvXBLL_mgE

【黒墨 蘇鉄/部隊室→グラウンド】


 いつからだろうか、こんな馬鹿げた事態が始まったのは。
 年端も行かないガキを戦場に出す、戦時中の日本でも中々無い事だ。

 精霊との闘争に現状終着点は見えない。そもそもツクモシステムやらで精霊を全て薙ぎ払う事自体正しい事なのだろうか。答えも見えないが、自分たちが生きる以上敵として立つ存在は屠らなければならない。それに対する是非は求められていないのだ。我々が命を全うするために、3年という刻限は。

 故に我らには――少なくとも俺には求められる。この堂々巡りを終わらせるために、精霊の駆逐を。
 次に泣く人が出ないように。


―――


「いいじゃねーか、センスあるぜ」

 パチパチと乾いた音が室内に響く。いつもの頭に手拭、灰色のゴムパンにサンダル、上は黒のTシャツの上に灰色のパーカーとラフ極まりない服装で中へと入れば、砂原の机へと闊歩して近づく。
 仏花である菊が砂原の机にある時点で色々思う事はあった。イジメで無く善意からの行為なのは推測できる、が表面上いつもと変わらない不機嫌そうな表情を浮かべ。
 まさか理由は違うが自分と似た行為をする人物がいる事に内心で驚きつつ、手を振り上げる。

「俺様今日暇だったからな、そこらへんの引っこ抜いてきたからやるよ」

 拍手の邪魔にならないよう小指で挟み持っていたのは旬から少し遅れて咲いた黄色のマリーゴールドの束。それをずぼっと既に活けてある花を押し曲げながら乱雑に花瓶の中に突っ込む。
 厳密に言えばマリーゴールドも菊の一種である。花言葉も負に系統するものを宿している。だが黄色のマリーゴールドに至ってはそれとは別にもう一つ、宿している花言葉はあるが――わざわざ書く必要は無かろう。

 と、模擬訓練の話をされ、くるっと踵を返し。

「サポート、ねぇ。まぁ俺様の力じゃこれから躍進間違い無しのチェリーボーイズの相手にはならんし丁度いいわ。何より“隊長”の命令だしな、ちゃんと従ってやるよ」

 背中を向け、声だけで返す。
 わざわざ“隊長”と言い放ってる理由は、隊長としての砂原の命には従うがそれ以外の時、即ち砂原自身の願いの時は一切合切断るという定義。砂原が隊長になった瞬間からこれは固持している。幼稚染みた行動だと重々理解しているものの変えられない矜持でもある。

 2年であるこいつは――誰だったか。忘れたが砂原に質問する奴に取って返すように言葉を放つ。

「“死なない程度”にだろう? 隊長様、分かってるって」

 一方的な解釈を言った後菓子には目もくれず、ひらりと手を挙げプレハブ小屋を出て行く。
 時間も時間、季節も季節、厚着でパーカーを着てきたとはいえ寒いなと小さく呟ければ両手をポッケに突っ込み、時を待つ。

>ALL様


【書いてて何か度し難い奴だな。ロルが酷いのは許して下さい。またこれからよろしくお願いします】

22時間前 No.23
切替: メイン記事(23) サブ記事 (49) ページ: 1

 
 
<< TOPページ 掲示板TOP 記事データ お知らせメール ▲ページ上 >>
★必ず ローカルルールメビウスリングのルール をご覧ください。
 ▼スタンプ▲スタンプ
※スタンプはいちどに 3個 まで使えます  ×閉じる
注…進行相談・設定はサブ記事をご利用ください(テスト中)。