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妖と12人の怜悧な人々(新規様大募集)

 ( オリジナルなりきり )
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【妖怪×戦闘×青春×殺伐×日常】 @kino10 ★EHAKMvHTHQ_jmr

このお話の脇役、猫田是清は考えていた。


「そろそろ自分は殺されてしまうかもしれない」


……突然物騒な話で恐縮だが、彼がそう思うのには理由がある(彼がネガティブな性格であることとかとは関係なく)。

その理由は、彼が日夜『妖怪』と戦っているからだ。

じゃあ彼は妖怪に襲われて殺されることに怯えているのか?


違う。

彼は仕事に殺されようとしていた。


彼の仕事は税理士であり『霊理士』。

前者の説明はするまでもないが、後者の職業については説明が必要であろう。

霊理士とは、陰の世界で日常を脅かす妖怪達を倒し、制御する人々のことだ。


猫田是清は、朝昼夜は税理士として顧客の相談に乗り決算書とにらめっこする傍ら、深夜は妖怪を退治して回っている。

彼は度重なる過労に殺されようとしていた。



【興味がある方はサブ記事へどうぞ!】

1年前 No.0
メモ2018/06/16 03:28 : 主 @kino10★ccZgXX84ei_08J

@お知らせ

 (1)参加希望者様へ(2017/10/14/03:46 更新)

   下記サブ記事参照の上、Bで募集キャラチェック後、参加申請をお願いします。

   http://mb2.jp/_subnro/15631.html-1

   http://mb2.jp/_subnro/15631.html-2

   http://mb2.jp/_subnro/15631.html-3

   http://mb2.jp/_subnro/15631.html-4

   http://mb2.jp/_subnro/15631.html-5

   上記参照後、Aで現段階までの簡単な流れやBのキャラクタープロフィールを把握していただけると参加しやすいと思います。何かご質問等あれば、遠慮なくサブ記事や主のマイページで仰ってください。


Aメイン記事の流れ

 (1)第一章「選ばれし者達」

    猫田是清を筆頭とする天上界の遣いによって、西東京檜原村の合宿所にて数人の選ばれし者が選抜される最中、妖怪と人間の混合極道組織「煉獄会」の急襲を受ける。これをなんとか返り討ちにし、選ばれし者達は無事、霊理士に着任することとなった。


   第二章「幕開け」

    合宿所での一件から数日。天上界は新たな選ばれし者の発掘と「煉獄会」急襲に乗り出した。その時、霊理士と霊獣たちは……。


 (2)第二章のルート

   @枯れた庭園……猫田是清の私用で、合宿所で用いられた「怨玉」の怨念の発生源に向かう。


   AVS煉獄会……天上界の命により、妖怪と人間の混交極道組織「煉獄会」を威力偵察(or殲滅)へ。


   B新人発掘……新人霊理士の勧誘。


   Cその他……(自由行動)


Bキャラクター募集状況

 ◆◆=空席

 〇〇=前任者アリ


…続きを読む(20行)

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Doubt @casebycase☆0c9nqQGSPbs ★koxvC6ZLNl_mgE

【山鳴 八房、播磨 竜胆/お台場 倉庫街】

「さて、ぼちぼち潮時だなこりゃ」

右脚の先、血と吐瀉物に塗れ息も絶え絶えに喘ぐ少女の醜態に八房は事の決着を確信した。天上界より指名されたとはいえ、まだ十代も半ばの少女には元よりさした期待を抱いていた訳でもなかったのだが、こうも予想通りだとやはり張り合いという物に欠けてしまい面白くない。もっとも自身の興不興を優先した挙句に無益な人死を出して良しとするほど此方も頭のネジが外れているわけでは無い
確かに彼女は天才で、素質はあったのだろう。しかし例え霊獣を受け入れるだけの器があったとて、それだけでこの先の激戦を生き残れる保証などどこにもないのだ。現状直面している惨事が生温いとさえ錯覚させる程の鉄火場を八房は何度も経験してきた。多少乱暴な物言いだが、ここで元いた平穏の世界へと帰っていける少女はきっと幸せなのだと思う。天上界のお偉方には頭下げて詫びを入れる形になるがそれもまた致し方ない。それと今回態々視察に足を運んだ竜胆にも謝罪の必要があるだろうか
了承を得るべく後方にて事の顛末を見届ける竜胆へと視線を送る。腕を組み佇む竜胆の表情は相も変らず意図の読めない微笑のまま。それは賛同の笑みなのか、それとも否か。考えあぐねいている八房にただ一言竜胆が言葉を投げかける

「戦いの最中に敵を視界から外すとは中々に剛毅だな犬神憑き。それと、余り彼女を舐めないでいただこう」

警告か将又冗談か。何度反芻してみてもやはり意味の分からない。困惑のままに口を開こうとした刹那右脚に微かな違和を覚える。視線を戻すと右脚の先、磔の少女が抗うかのようにしがみ付いていた。とはいっても抵抗らしい抵抗は皆無、咽ながら紡ぐ言の葉さえ聞き取れない程に弱弱しいもので。満身創痍、半死半生の少女に継戦の余地はあるというのだろうか?八房の至極当然と言える疑問をゆっくりと面を上げる少女の表情が解決に導いた。乱れる前髪の合間、血反吐に汚れながらも決して折れることのない意志を宿した燃える瞳

『私は、やっと弱くなれた』

少女の決意の言葉に総身が泡立つのを感じる。止めを刺そうと足に力を込めたのと少女がその力を発揮したのは同時。突如襲い来るのは全身を隈なく蹂躙するような倦怠感。少女と接触している右脚を基点に文字通り気を「吸われる」感覚に苦痛の声を漏らす
気の吸収。それ自体は妖怪の一部、さらに言えば霊理士であってもそれに類する異能を発揮するものは存在する。希少ではあっても目新しいものでは決してない。その前提があってなお八房をして驚嘆させているのは偏に少女のそれが根本から異なる体系の能力に属していることにある。先に見せた通り竜王寺珠の持つ性質は「流」。気の流れに干渉し、操作する彼女の能力に例外は無い。例え相手が内包する気であろうともその支配下から逃れる術は無いのだ

(こいつ……俺の気を自分に流し込んで回復に中ててやがるのか……?!)

同時に白蝋のと化していた少女の頬には血の気が戻る。八房の気を利用しての治癒、それに加えての自己強化により一方的な磔は最早拮抗状態にまで押し返されている。互いに身動きが取れない千日手、されどこの状況は二対一という前条件を鑑みるに八房の不利へと天秤が大きく傾いていた
絶好の勝機、それを見逃す竹寅では断じてない。裂帛の気合いと共に放たれたのは空を切り宙を駆ける斬撃。虚を突かれた一撃に舌打つ八房。女が手を打つよりも早く少女の叫びが倉庫内を木霊する

――――炸裂。斬撃に砕かれたコンクリの壁面が散らばり噴煙が視界を覆う。爆心地の直下、四肢を投げ出すように仰向けに倒れる八房が胸元で安堵するように息を吐く少女へと純粋な疑問を投げかけた

「よぅ……なんで俺を助けた?やりようによっちゃ俺のタマも十分に取れた、とは考えなかったか?」

>竜王寺珠、桐生竹寅、倉庫ALL

9ヶ月前 No.245

YY @nickker8 ★iPhone=cFT5IWdD6W

【桐生 竹寅 / お台場倉庫街】


竹寅が放った斬撃は、珠の危機察知能力の甲斐あって誰も傷付ける事なく倉庫の壁面を粉砕した。勿論、竹寅に殺意は無い。珠と八房を引き離す為の斬撃であったが、どうやらその攻撃は不要だったようだ。


「よう、大丈夫みたいだな」


倒れ込んでいる2人の元に駆け寄り、珠にそう声を掛けた。先程まで死にそうな程追い込まれていたが、今はもう眼前の八房に勝るとも劣らない気を宿している。どうやったかは知らないがこれが彼女の『気』なのだろう。流石は『辰』の選ばれし者。やはり竹寅の見立て通り彼女もまたかなりの強者だ。



「なぁ、八房さん。試験とやらはまだ続くのか?」



先程までの八房とは違い、気が大分減っているように感じる。珠のように詳細に相手の気について分かる訳では無いが、竹寅でも減少が分かる程の減りようだった。それとは対照的に気が漲っている珠を見れば、何があったかは容易に想像がつく。ここで試験が終わった場合、間違いなく珠は合格になるだろう。あの八房をここまで追い込んだのは紛れも無く彼女なのだから。となると自分の場合はどうなのか。特に決定的な攻撃を決めた訳でもないし合格を貰えるかは微妙。というのが竹寅の見立てだった。自分が更に強くなるには霊理士になることは最低条件。今の次元を超える強さを手に入れるにはここで躓いていては話にならない。現状の自分の評価がもし不合格であれば、この先で何とか挽回しなければならないしここで試験が終わるようであればかなりマズイ。そんな彼独自の焦りから八房に質問を投げた。



≫八房、珠、竜胆、倉庫ALL

9ヶ月前 No.246

キープ @keep10 ★Tablet=CBeB5ByG4P

【龍王寺珠 / お台場倉庫街】

「・・・・・・ふざけんじゃないわよ」

 なぜ自分を助けた、との問いに重く低い怒気をはらんだ声で答える。八房の胸ぐらを掴み引き寄せる。その瞳には隠しようのない怒りの炎が燃えさかっていた。

「私をあんなぼろ雑巾みたいにしといて、死んでイーブンなわけないでしょ!? アンタにいまここで死なれちゃ私が困るのよ!」

 古来中国に『登龍門』という言葉がある。鯉が激流の黄河を上り、龍門と呼ばれる瀑布を泳ぎ切ると龍へと転生し天へと昇る伝説から、成功へと至る難関を突破したことを意味することわざである。鯉に意志や感情があるならば、なぜ彼らはわざわざ滝を昇ろうとしたのだろうか。

「アンタは私の初めての壁なの! 初めて全力でぶつかって、それでも全く歯が立たなかった相手なの! 誰かに負けたことも、誰かを見上げたことも、誰ッかを・・・・・・尊敬することも、初めてでェ!」

 胸の奥から沸き起こる経験したことのない感情の奔流は、涙となって零れ落ちる。ボロボロと流れる大粒の雫はとめどなく彼女の小さな手を濡らした。
 なぜ鯉は龍になろうとしたのか。黄河を泳げる素質のある鯉だ、それは見事な体躯の持ち主だろう。湖や滝壺など一所に留まれば、そこの主と噂されるに違いない。絶対的強者として安寧の生活が約束されていた鯉は、その生を振り切ってまで黄河を渡る。強さへの渇望、困難へと立ち向かう勇気、その原動力は自らに内包した『弱さ』。弱い自分を受け入れ、泳ぎ続けた者だけが、龍へと成れるのだ。

「強く・・・・・・なってやるッ! 強くなってやる! 一人でもアンタを倒せるぐらい、強くなってやるッッ!!」

 黄河は時に氾濫し多くの犠牲を齎した。しかし肥沃な土と絶えぬことのない水と水産物は国全体を潤す糧となった。破壊と創造、死と恵みを与える雄大な河を人々は『龍』と崇めた。涙で澄み切った眼は高い志により研磨され、珠玉の如き輝きを放ち、纏う覇気は龍をも統べる皇(すめらぎ)の器を感じさせる。

「それに何寝ぼけたこと言ってるのよ、チェックメイトよ山鳴八房」

 タマは既に握られていた。相手の気を奪えると言うことは、自分の気を相手に流せると言うこと。珠は自らの気を八房の内臓に流し込んでいた。それはまるで手のように胃を、肝臓を、そして心臓を握っている。下手に動けばどうなるか、想像もしたくない。
 竹寅も合流しこちらの布陣は盤石のものとなった。後は、この女がどういう評価を下すか。

>>八房・竹寅・竜胆・BALL



【返信遅くなって申し訳ありませんでしたぁぁぁ!!】

9ヶ月前 No.247

Doubt @casebycase☆0c9nqQGSPbs ★koxvC6ZLNl_mgE

【山鳴 八房、播磨 竜胆/お台場 倉庫街】

「やっぱりガキだなぁ……お前。みっともなくボロボロべそかきやがって……女の涙はそんな安っぽいもんじゃねぇだろうがよ」

単純な疑問。返された答えは少女らしからぬ、そして少女らしい年相応の感情の奔流。
自分ですら制御できない思いの丈が涙となってしとどに頬を濡らしていく
人は元来、生まれ落ちて物心つくころには必ず何かしらの障害と対峙する。それは親の躾か同輩の虐めか将又その他なのか。要因こそ千差万別なれど、自分自身の力だけではどうしようもなく立ちいかない、何度ぶつかろうとも踏破出来ぬ強固で高い聳え立つ壁を人は必ず経験する。そうして初めての敗北の中で己の身の程を知る
だが眼前で落涙する少女は違うのだろう。己の才気と気概がそれを良しとしなかった。そして挫折と敗北を知らぬままここまで進んできてしまった。それを八房がブチ壊しにした。十と余年をかけて構成された少女の世界を跡形もなく打ち壊し、外の世界を突き付けてやった。と、御大層な言い方になってしまったがこんなものは人間ならば誰でも済ませてしまったものだ。大方の人間が鼻垂らしていた幼少期に済ませてしまったものを、今更自覚したというのは遅きに過ぎるという物だ。尤もこんな些細な切っ掛けであっても目に見えて成長してしまうのだから天才という物は恐ろしい

『それに何寝ぼけたこと言ってるのよ、チェックメイトよ山鳴八房』

そして彼女の言うとおり、今や生殺与奪の権限はこの小さな少女が握っている。全身、特に内臓にまで張り巡らされている気はまさに少女のものと見て間違いない。相手の気を自分に流せるということは逆もまた然り。己が気を相手に流すことすら容易いのだろう。無論そんな不純物を遠慮無しに流されてしまってはどれ程のダメージを被るかは想像に難くない。故にこれは詰みである。ナイフを首元に突き付けられてヘラヘラと笑っていられるのは余程の狂人か、将又ナイフによる刺突が致命傷に成り得ない人外か。この明らかな敗北の前で平然と笑って見せた山鳴八房という女は間違いなく前者に類する人間だった

「そっちの小僧もまだまだやり足りないみたいだし、新人二人にこっぴどくやられましただなんて恥かしい報告キヨの野郎に出来るはずもねぇ……あと何より、本気になったテメェとガチンコしてみてぇじゃねぇか。詰んだかどうかなんてのは俺が決めることなんだよ!」

――オン・アミリタ・テイ・ゼイ・カラ・ウン

紡ぐは真言、司るは『戌』。力ある八房に言の葉に呼応し内に眠るに二つの獣が吼え猛る。内側より伝播する咆哮が八房の全身に干渉、縛鎖の如くに戒める少女の気の悉くを無害な『音』へと変換する。密着状態にある少女の反応すら置き去りにするほどの解呪式の高速展開、そして無害とはいえ内臓を直接振るわせる微細音波に八房の口端には鮮やかな朱が零れる。常人ならばたとえ成人だろうと叫ばずにはいられない激痛の中女は剛毅に笑みを浮かべる。自身に跨る少女を抱えたまま跳躍、空中での姿勢制御と回転の勢いそのままに一気に振りほどく。さぁ、首輪は外れたぞ。これから三人愉しいお散歩(ランデブー)と洒落こもうか

「ゲ、ガボッ……そら寝坊助もようやっと目ェ覚ましたところで試験の続きだ。気合入れて魅せろやガキ共ッ!」

>竜王寺珠、桐生竹寅、倉庫ALL

【病床に臥せっておりまして……返信遅れ申し訳ないです】

9ヶ月前 No.248

YY @nickker8 ★iPhone=5uLOojlU7y

【桐生 竹寅 / お台場倉庫街】


(なんだこの気は……)


やはりこの女は只者ではない。隣にいる珠が絶対的な優勢を保っていたにも関わらず、その珠の気を圧倒的な気で塗りつぶしていく。八房自身にもそれなりのダメージがあるのだろうが彼女は痛がるどころか笑みを浮かべていた。その様相はさながら狂人といったところだ。初めて会った時からその片鱗は感じたが、今では気の質が全く違う。これが試験前に言っていた『シノ』と『ドーセツ』とやらの影響なのだろうか。これが霊理士と霊獣の真の力ーーーー



場を支配し圧倒的な気を放つ八房を前に竹寅の気がさらなる昂りを見せる。自分の気だけでなく対となる霊獣の存在によってここまでの力を出せるのか。自分がこれから足を踏み入れようとしている世界には、これから先どんな修行をしても絶対に手に入らないような力がある。ならば俺も手に入れてみせよう。たとえ霊獣の力がなくても一人でもその『強さ』を。


そんな竹寅の気がもう一段階覚醒する。右手だけでなく左手にも白銀の神刀が具現した。それはまさに十拳剣。右手に天叢雲剣、左手に十拳剣を持つ竹虎の姿はスサノオノミコトを模しているようにも見える。
その気を覚醒させ八房を圧倒した珠にも、その珠をも超える気を放ち現状を支配する八房にも負けるわけにはいかないのだ。竹寅は珠のようにその場の気を上手く操れる訳でもなければ、八房のように内なる霊獣と共鳴しその力を高める事が出来る訳ではない。彼に出来る事は、あらゆるものを『切り裂き断ち切る』事だ。



『ゲ、ガボッ……そら寝坊助もようやっと目ェ覚ましたところで試験の続きだ。気合入れて魅せろやガキ共ッ!』


試験官はどうやら試験を続ける気のようだ。その言葉を聞くや否や竹寅は再び八房の元へ駆け出す。その顔には僅かだが笑みが浮かんでいた。既に手に馴染んでいる二振りは竹寅の昂りに応えるように一層の神気を放つ。どんどん加速していくスピードさえも利用し竹寅は八房目掛けて二振りを振り抜いた。



そこから放たれるは文字通り神すらも屠らんとする斬撃。竹寅に流れる気を全て刀へと集約させた一撃だ。先程放った斬撃とは別物のX印の斬撃が八房を襲う。


「神斬り・双月ッ!!!」



≫八房、珠、竜胆、倉庫ALL



【返信の件、お気になさらないで下さい。くれぐれもご無理だけはなさらぬ様に。】


≫Doubt様

9ヶ月前 No.249

@kino10 ★ccZgXX84ei_xmq

【 北軽井沢「冴木家別荘」 / 猫田是清 】


軽井沢駅を降りてショッピングモールに目もくれずタクシーに乗り込み1時間弱。「群馬県」北軽井沢に到着すると、そこからは徒歩で更に小一時間、別荘地を奥へ奥へと進み、別荘跡の廃屋すらも見て取れなくなったころ、是清たちは目的地へ着いた。

成人男性二人分ほどの高さの石造りの塀と、これでもかとばかりに鎖で雁字搦めに締めこまれいるさび付いた鉄製の門。門の隙間からは、新人霊理士勧誘のゴタゴタの際に是清が見た件の景色が確かにあった。

枯れた庭と朽ちた邸宅。

ここに至るまで、「コノサキススムベカラズ」「キタミチモドレ」等ユニークな記載のある標識をいくつか目にした。標識の文字が醸し出す不穏な雰囲気とは裏腹に、進んだ先の目的地には妖しい気配は「ほとんど」なかった。

「ふう……。お疲れ様です。檜原村の合宿所以来の険しい道のりでしたね。」


目的地に着くなり、辺りに漂う微妙な気配に眉を顰めつつ数秒、何事か思案した後、いつも通りの如才ない苦笑いで、是清は後方にいた胡庵・砂卯月の方に振り返りそう語った。


>>砂卯月・胡庵

※警告に同意して書きこまれました (個人情報)
8ヶ月前 No.250

@kino10 ★ccZgXX84ei_xmq

【 煉獄会前 / 切裂 】

己が直接刀を振るい、戌井に斬撃を浴びせたかに思わせる周到なカモフラージュ。その実は、人型大の殺気を織り交ぜた斬撃型の衝撃波。
切裂の手首をつかみにかかった丑島は、蜃気楼か何かを手でとらえたような手ごたえの無さを感じることだろう。

生身の人間であれば真っ二つ。鉄であっても深さ数センチの傷をつける程度の斬撃。戌井に振るったものであったが、その従者である狗盗にそれを阻まれた。


「命は取らぬ。」


殺気もなしに頭上から現れた切裂は着地と同時に、戌井と戌井を庇う狗盗の背の隙間に刀を通す。

「その身体、達磨にし持ち帰る。」

無防備に振り出された戌井の腕が宙を舞った。


>>戌井、狗盗、丑島


【腕を切り落とすというかなり強めの確定ロルなので、もし問題がある場合は腕に斬撃を見舞う手前でも構いません。よろしくお願いします。>>酢橘様】

8ヶ月前 No.251

@kino10 ★ccZgXX84ei_xmq

【 亜空間 / 蛇ヶ崎・牛鬼 】

「ブモォォォォオオオォォォ」

塩には邪気払いの効果があることは周知の事実であるが、市販されている程度のただの塩であれば、この牛鬼にはかすり傷程度のダメージしか負わせることはできなかったであろう。そして、そのかすり傷程度では牛鬼は怯むことなく、葉巻を殴りつけていたことだろう。
御塩殿神社の塩。牛鬼は振るった拳の勢いに合わせて、自爆するかのように腕全体を蝕まれた。まるで火花のように丑鬼の巨腕から血しぶきが飛び、葉巻の頬を掠めるか掠めないかギリギリのところで丑鬼にパンチが反れた。
尚も巻き上げられる聖なる霊験あらたかな塩に、今度は傷こそできないものの牛鬼は悶え苦しみ、思うように身体を動かせないでいた。


「(っチ!使えないパートナーだこと。こうなったら……。)」


自らを囮に牛鬼に攻撃させる当初の予定が崩れた蛇ヶ崎は、脱皮の要領で石化した己の身体こ口内から新たな大蛇として、粘液を身にまといつつ現れ、大口を開け葉巻を襲う。その身をトウビョウに蝕まれながら。


「ハッ!こんな小せぇのがいくらわらわら身体にとり付こうが!何度だって脱皮繰り返して引きはがしてくれるよ!」


>>葉巻


【ごり押し体力勝負に持ち込んで、あわよくば牛鬼の復帰を望んでるパターンです。>>友禅様】

8ヶ月前 No.252

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★DoaFJQIlTR_D9v

【 茨新田葉巻 / 亜空間 】

 略祓詞を連続して唱えたまま堅塩での結界の補強を終え、続けざまに取り出したるは薄っぺらい小型のミュージックプレイヤー。けれど日本人なら誰でも知っている有名メーカーの高級品だけあって性能は折り紙つき。慣れた手つきで視線も送らず操作して、目当ての曲を大音量で流す。正確には、曲というよりただの音色だ。クリスタルボウル。音による浄化、サウンドヒーリングのツールとして一部の間で名が知れ渡っている。自宅に置いてあるそれを鳴らして録音することで、重量のある実物を持ち運ばずに済む。クリスタルボウルの音がもたらす恩恵は浄化。高純度の水晶を主原料として作られた聖なる楽器。すなわち音による清めの力は柏手を上回る。穢れ無き浄化の音色は小さなプレイヤーから最大音量で亜空間へと響き渡り、葉巻にはヒーリング効果を、悪しき妖怪たちにはストレスと苦痛をもたらす。人間で例えれば、黒板やガラスを爪で引っ掻くあの音が特大、かつ肉体的なダメージさえ伴って延々と聞こえてくるようなもの。加えて葉巻の気で強化されているのだから、もうちょっとした音響兵器じみている。当然、牛鬼が悶え苦しむ時間はより長引くはず。

「はんっ、ウチのトウビョウはんらは皮に貼り付くんやのうて皮と肉の間に潜り込むねん! ホンマに引き剥がしたかったら、脱皮なんて根性無い真似せんと自分の肉ごと引き剥がすことやな!」

 相手の強気な言葉に負けじと強気で返す。ミュージックプレイヤーからクリスタルボウルの音を爆音で流し空間の邪気を現在進行形で祓いつつ、お次に葉巻が手に取ったのは5ml程度の液体が入るごくごく小さな小瓶が数本。葉巻の小さな手の平にだって五本は余裕で握り込めるそれらの中に詰まっているのは、どれも浄化の作用を持つ純度100%の精油。霊的防御にも効果があるとされるローズマリーに、乳香という和名で有名なフランキンセンス、悪魔祓いにも使われた経歴を持つオルガノ、かつては神と繋がる目的で焚かれたバジル、呪い返しのパワーを発揮するガランガル。それらを勢いよく地面へと叩き付けると、もちろんガラスの小瓶は粉々に割れる。隙間から昇り立つ多種多様な芳香たち。そのどれもが、やはり葉巻にとっては心地良く己が性能を補助してくれるものであり、敵方にとっては忌々しいことこの上ない聖なるものだ。風もない密室たる亜空間では、音も香りも外より永続する。亜空間を自分のフィールドへと作り変えて行く作業は、着々と進みつつあった。
 目の前にはトウビョウに生きたまま血肉を喰らわれてなお、怯むことなく大口を開けてこちらに向かってくる蛇。喉奥までしっかりと見えそうな其処を目掛けて、葉巻は集めた気が青い光となって灯った指先でis(イス)のルーンを書き上げた。氷を意味する文字だ。英字で言えばIに近い形のそれは、やはり葉巻の気によって強化されたことで、物理的な氷の剣と化して大蛇の喉へと勢いよく飛んで行く。その傍から同じ指でyr(ユル)のルーンを虚空に二つ書いて、目の前の大蛇への追撃と、後ろの牛鬼へと攻撃もこなす。yr(ユル)はイチイの木、死と再生、そして弓を司るルーンだ。それを視覚化すれば、禍々しくも荘厳な威容の弓と、毒を持つイチイの木によって作られた矢という形で顕現する。二つある弓の片方は大蛇に毒の矢を番え、もう片方は牛鬼に毒の矢を放つ。
 いくら結界を補強し続けながら幾重にも用意しているとはいえ、みすみす相手にそれを破らせなければならない理由は無い。自分の守りも、相手への攻めも。どちらも全く手を緩めず、『今まで通りに』勝ってみせる。ミルフィーユみたく何層も重ねられた結界の中で舌舐めずりをして、葉巻はそれからも手を休めず、攻撃のためのis(イス)とyr(ユル)のルーンを次々と書き連ねた。一時的にダウン状態になっている牛鬼のほうにも姿無きトウビョウたちは迫っている。大蛇からだけでなく牛鬼からも血肉という形でトウビョウ越しに気の補給ができれば、そろそろ大技をぶちかましてみても良いかもしれない。もちろん、自分に隙を生み出さない程度に加減した範囲での大技だが。

>蛇ヶ崎様&牛鬼様&ALL様

【相手を削りに削りつつ自分の防御を堅めに堅め、なのでこちらも持久戦の姿勢です。結界こさえまくってるので、基本その場から動きません。葉巻としては「堅牢な城を作って篭城しているのだから、城の中の自分に攻撃している者がいるからと城から移動する意味がない」な姿勢です】

8ヶ月前 No.253

キープ @keep10 ★Tablet=CBeB5ByG4P

【龍王寺珠 / お台場倉庫街】

 油断はなかった。八房の体内に張り巡らせた気は攻撃の為だけではない。金縛りのように四肢を動けなくする捕縛の効果や僅かな気の流れも感じ取る感知の効果もあった。まさにチェックメイト、詰みの一手。それをまさか盤上ごと力任せにひっくり返されるとは。耳をつんざく咆哮と最初出会った頃よりもさらに強くなった獣の臭い。一瞬にして自分の気が無力化され、軽々と振り払われた。コンクリートの床が迫る。この速度でぶつかったら先ほどの二の舞だ。珠の目が二つの気を見切る。空気中を流れる気と、地面を這うように流れる気。先程は力任せに操ろうとして、まるで噛み合わない歯車のような無様な姿をさらしてしまった。支配するのではない。こちらから歩み寄る。そして同調し、調和する。

(さっきは無理やり操ろうとして・・・・・・その、悪かったわ。だから今度は)


「今度はちゃんとやるから」


 珠の体がふわりと浮いた。いや浮いただけではない。まるで天へと昇る若き龍が如く倉庫の屋根スレスレまで自身の体を押し上げた。どんな気にも順応する珠の気。ならば自分の体すら気に還元すれば、より多くの力を味方にできる。龍王寺珠の仮説は正答へと導かれていった。空気の気、そして龍脈から注がれる気。この地球上にはありとあらゆる気がまさに川の支流のように張り巡られている。その気の流れを縦横無尽に泳ぐ珠の姿はまさに水を得た魚。その緩急自在の移動は風に乗る飛燕のように自由を謳歌していた。

 八房に先ほどの技よりもさらに強力な必殺技を浴びせかけようとする竹寅。全力前進、攻撃は最大の防御と言わんばかりに相手の先の先をいく戦闘スタイルは猛虎の権化とも言える。しかし、攻撃に特化した動きは隙も多くカウンターを取られやすい。あの八房が、それを見逃すほど甘い性格ではないと珠はこの戦闘で学んだ。特にこの空中戦。かわすこともましてや受け止めることもできない竹寅の斬撃を八房はどう対処するか。決まっている。己が持つ最大最強の力で真っ正面から対峙する気だ。


「相変わらず一人で突っ走るんだから。攻撃後の隙見え見えよ」


 竹寅の後ろに付いた珠は気を二人の体を纏うように流していく。八房の攻撃が竹寅の攻撃を打ち消すレベルの高威力と判断した珠は、防御のための結界を施した。八房の気の性質は『音』。音とは波である。空気及び水などを振動し伝わる科学的現象である。この結界内の気の流れは極めて遅い。まるで泥水や固まる前のコンクリートのように、吸収率は極めて高い。震えなければ音ですらない。八房の攻撃を全て受け止める気でいる龍王寺珠であった


>> 八房 竹寅 竜胆




【返信遅れました。今日あたりから返信できそうなので、今年もよろしくお願いします】

8ヶ月前 No.254

ますたぁ @ritonetto ★iPhone=gWqlrtM9V5

【胡庵:軽井沢「冴木家別荘」】

タクシーに乗り、目的地である別荘に着くまでの間、胡庵はまだ怒っていた。そして目的の別荘について、是清さまが「お疲れ様でした。」という言葉に、コクリと頷き

「主様こそお疲れ様でございました。日々の疲れの上にこんな山奥に遠出までなさって、私共よりよっぽどおつかれのはずでございましょう」
と、少し棘のある言い方ではあるがこれでも、労っているつもりである。そして例の屋敷の門を見る。
怪しい気配を漂わせているこの屋敷、なんだか嫌な予感がする。

「主様……お気をつけください。神獣の目から見ても、ここはとても嫌な気配で満ちています。ここは……しっかりと準備を整えた方がよろしいかと」

嫌な気配がするのはもちろんだが、この屋敷……なんだか昔いたあの屋敷にそっくりな気がして、本当のところ入りたくない。でも是清様はきっと仕事だからと入っていってしまう。是清さまを一人で行かせるわけには(砂卯月さんもいるのだが)やはりついて行くしかないだろう


>是清 砂卯月

(待ってました。
少しRPGとかでよくある「戦いの準備はできた?」『もちろん』『もう少し待って』的な流れにして見ました)

8ヶ月前 No.255

@purple3ru ★iPad=o1RdeKbLL2

【砂卯月空瑠璃 / 北軽井沢「冴木家別荘」】

「お、お疲れ様です……ってことは、やっと着いたのかい?」

軽井沢駅を降りて、素敵なショッピングモールには一歩も入れず(趣味:ウィンドウショッピングのくるりにはなかなか辛い決断だったよ)タクシーに乗り込み、1時間ぐらい走ったところで(運転手さんには、是清さんと胡庵さんとくるり、どういう関係に見えたんだろ?)歩いて、歩いて、歩いて、歩いて、歩いて、歩いて、歩いて、歩いて、歩き疲れて、やっとゴールへ辿り着いた。途中の奇妙な標識には、ついホラーゲームでもやっているような感覚で「いやでも道を進まないと話が進まないし、進むしかないんだよ…」と突っ込んでしまった。幽霊が見えるとはいっても現実世界を生きている身としては、『いかにも』な表号は、ゲームの中の世界な気がしたのだ。
塀は空瑠璃2人分より大きく、門は鎖まみれで腐りかけで。こんなの本当にゲームでしか見たことがない。さっきまでホラーゲームなら、これはラスボス前のRPGだ。ロールプレイングゲームだ。

「な……、なんてことを言うんだい、胡庵さん! そんな怖いこと言われたら入りにくくなるだろう!?」

(くるりなんかが足を引っ張るわけにはいかないから、此処で足踏みしてるつもりはないけど――)と、胡庵のいう『嫌な気配』を新米霊理士ながら自分なりに感じとり、固唾を呑む。微々たるものではあるのだが、胸がざわざわする雰囲気が漂っている。おばけが無理な空瑠璃としては、正直ここで退散したいところだ。しないけれど。絶対にしないし此処まできたらむしろ退散する方が面倒だし目的を達していないから帰るわけにはいかないのだけれど、それでも、入るのがちょっぴり億劫になってしまう。おばけっぽい何かがいればダッシュで逃げ出してしまう、きっと。

「……い、行きましょう是清さんっ…」

それでもこれから霊理士としてがんばるんだからこれも仕事だ、と覚悟を決め、空瑠璃は是清に準備完了を知らせた。

>>猫田是清さま、胡庵さま

8ヶ月前 No.256

Nero @nerokichi ★Android=ibuMTFvydU

【丑島亮介/煉獄会アジト一階】



 物の怪の手首を掴んだかと思えばその掌に感触は無く、握った拳は虚しく空を切った。反応は悪くなかったとは思うがどうやら速さについてはあちらの方が上手らしい。戌井の腕が吹き飛ぶ光景を相も変わらず動かぬ表情で眺めながら、そんな冷静な思考がスローモーションのように綴られていく。まあ、予想出来ないような事でもない。相手が一太刀で四肢を断絶できるような得物を携えているという視覚的情報があるにも関わず慢心的な行動をしてしまった時点で此方の落ち度だ。
 それにしても。どちらかというと気になる点はそこでは無く奴等の発言の方だった。前回の合宿所襲撃の時も感じていたが、口を開けば誘拐やら持ち帰るやらと明確な殺意を感じない。霊理士を卵のうちに仕留めておきたいのなら、今の斬撃で首を飛ばせばよかったものを。それを態々達磨にして攫うと宣言するとは。

「……苦露川の時も気になったが、単純な始末じゃなく態々誘拐なんて面倒な方法を選ぶ目的は何なのかね」

 どちらにしろろくな事でも無いだろうが。独り言のような問いを零しながらくい、と右手の指を曲げて掬い上げるような仕草をすると黒い霧の一部が戌井の切断された腕断面に収束していく。残念ながら己の気に直接的な回復手段は無いが出血の程度や痛みを抑えるくらいは出来る。それでも危険な状況には変わりないし、現状この場の霊理士霊獣で回復薬やら術やらを使用できる可能性があるのは葉巻ぐらいだろう。そしてその葉巻は現在別の妖に引きずり込まれて不在。

(早くも面倒な事になってきたな)

 パートナーの腕を吹っ飛ばされるというインパクトのある行動を取られれば狗盗はまあ理性的な行動が取れるかと言われれば難しい。挙句冷静な思考無しにアレの相手が出来るとは思えない上、ここは敵方のアジト。物の怪からすれば絶好の狩場であるが故に戦闘を長引かせるのは避けたい。

 丑島が一つ長い息を吐き出したのを合図に、部屋に充満していた気の性質が変わる。澱みが増したそれは霧状であるというのに何処か鉛のような気配を持って、室内を縦横無尽に駆ける切裂に纏わりつくだろう。動きが少しでも緩慢になれば十分。此方が少しでも相手に触れることが出来れば直接気を送り込んでくれる。同時に戌井が重点的に狙われると分かった今、タンクとしての役割もそれなりに果たさなければならない。
恐らく多少は霧に視界を取られているであろう物の怪の位置を己の気から割り出し、その身体を掴み上げる為に低い体制のまま素早く接近した。


>煉獄会アジトALL


【お久し振りです。連絡遅くなってしまって申し訳ない。戌井さんの投稿を待った方がいいかとは思ったんですが一応落とさせていただきます。今のところ腕が切り落とされた方向で進めたのですが主様と同じで酢橘様の判断で改変してもらえればと】

8ヶ月前 No.257

酢橘 @karasu1010☆TyGLtXpsS1g ★0gkYBdXyN1_QaP

【戌井狗哉/煉獄会アジト一階】

自身から躊躇無く見えていたはずの当たり前であった澄み切った視界を単なる呼吸さえも行うのが人体に危険無影響を及ぼすかもしれないと警戒してしまう程の真っ黒で有害物質が含まれていそうな霧が視覚を完全に使い物に出来なくなる程覆い隠し、これでもかと溢れ出し充満している敵地の事務所にて、頼れるのは己自身の視覚以外の感覚のみであった。そしてそんな瞳を閉じても何も変わらない程濃度が高い暗闇をいとも簡単に裂きながら現れたのは斬撃による不意打ち。それに彼は煙が風圧によって掻き消す程のカウンターパンチを繰り出し、相手との距離を軽く確かめていく。そして分かったのは敵の不意打ちは完全なる衝撃波。つまり直接的な物理攻撃では無かったと言う事になる。それに対して、戌井は本体を探し当てるべく自身の腕をすぐさま引っ込めようと考えたがその時、相手からの鋭い攻撃と呟きが発される。

「命は取らぬ。」

そしてその攻撃は自身の片腕を斬り飛ばそうと考えており、実際相手の中ではこの暗闇の中、実際には確認出来ないが恐らく自身の腕が舞っていると考えているであろう。しかし残念ながら、身体全体に霊力を振り分けている為にダメージは変わらないが斬られた事による傷についてはあまり酷くなる事は無かった。戌井もまたしっかりと事前に対策を取っていた。その為、戌井が負った傷は腕が取れる程では無かったが、ダメージは実際に腕が飛ぶ程激痛が走り、一瞬怯みながらも相手が犯したその一瞬の判断の迷いを利用して直ぐに相手と距離を取る。
すると、全く持って一ミリも動かない程の激痛が直も走り続けていた自身の腕から黒い霧が周りを覆うが如く、集まり始め自身の腕の痛みを和らげてくれる。

(僕がこんなダニごときに負けるはずが無いじゃないか。絶対に僕の手で鉄拳制裁してあげるよ……)

今までの余裕そうで相手を小馬鹿にしていた顔はどこへ行ったのか、今の戌井の顔は憤怒に満ちている表情でまだ見ぬ敵を探知すべく事務所の壁を高速移動により伝っていき、人影が見えた瞬間誰であろうとフェイントをいくつか入れたストレートを放とうと考えていた。

>>狗盗様、丑島亮介様、(茨新田葉巻)様、切裂様、煉獄会ALL様


【申し訳ありませんが此処で重傷を負わされてしまうと >>239 での表現に矛盾が生まれてしまうので、腕は斬られていないが斬られる程のダメージを受けたと言う事にして下さると助かります】

8ヶ月前 No.258

白鷺 @keiunuiek☆mQLLuNXADKnU ★Android=hn2HASXm05

【狗盗/煉獄会アジト一階】


「っ、狗哉様!」

敵からの攻撃を、丑島が本体を捕え狗盗が戌井を庇う事で回避したかと思ったが、丑島が掴んだ腕ごと敵の姿は蜃気楼の如く掻き消えた。戌井を庇ったため狗盗に襲いかかろうとした衝撃波も戌井のカウンターで霧散した。かと思えば頭上から声が聞こえたと同時に刀の鈍い光が視界の端に映った。狙いはずっと狗盗の主人である戌井。慌てて振り返れば深い傷を負ってはいないものの痛みに耐えるような表情をした戌井の顔が目に入る。恐らく戌井の気によって怪我を最小限に抑えたのだろう。でなければきっと腕が飛んでいた。しかし戌井の気では痛みまで抑える事は出来なかった筈だ。つまり今戌井には腕が切り落とされる程の痛みが走っているという事である。一気に怒りが頭を支配する。ぼわり、と浮き上がっていた火玉が膨張する。
飛び出そうとした足を止めたのは丑島が操る黒い煙だった。戌井の怪我を癒すように彼の腕に纏わり付くその様子を見て、自分がやるべき事は何か冷静に判断しなければならないと脳が警鐘を鳴らした。

(後で八つ裂きにしてやる)

怒りのままに叫び出したい気持ちを抑えて、落ち着けるように息を長く吐く。既に二人は敵へと向かっている。此処で狗盗までもが前線へ赴いても邪魔になるだけだろう。今、自分がしなければいけない事は何か。膨張した火の玉がゆっくりと収束していき、拳大の大きさにまで小さくなると狗盗の頭も冷えてきた。

「……援護致します」

それでも怒りは治まって居ないのか地を這うような低い声で宣言する。一先ず戌の霊獣の選ばれし者である戌井に狗盗の気の性質を付与する。戌井が拒むこと無く付与出来れば、繰り出そうとしている拳に青い炎が纏うだろう。
迷い無く走り出した丑島の先に、敵は居るのだろう。そう考えるとその進行方向の更に後ろ、つまりは敵の背後に炎を二つ程火の玉にして現す。それに先程戌井の腕を切り落とそうと現れた時に臭いも覚えた。確かに、その方向に居る。敵の逃げ道を塞ぐように一つ、また一つと火玉を増やしていく。


>>戌井狗哉様、丑島亮介様、切裂様、茨新田葉巻様、ALL様


【遅くなり申し訳ありません。
戌井様の気は霊獣だし知ってるだろ、と思って知ってる設定にしましたが、問題があれば、ああこいつストーカーしたんだな、等と思ってくだされば……】

8ヶ月前 No.259

@kino10 ★ccZgXX84ei_xmq

【 北軽井沢「冴木家別荘」 / 猫田是清 】


連れの二人が警戒するように、確かに別荘に至るまでの道、そして至っての門前には嫌な気配が流れている。しかしそれは、元々ここにあったより禍々しく濃い気配の出がらしのようなものに是清には思えた。六感までのすべてに関して鋭敏な神経を持つ猫の霊獣たる胡庵が、この微かな気配を何かが収束した後と捉えた是清とは逆に、何かの前触れと捉え警戒したのは、主人と彼女の経験則や性格の差異に依るのだろう。
往来の看板や邸宅の外観は、一般人が警戒心を抱くのには十分過ぎるものであった。気の発現によりもともとあった霊感が更に鋭敏になった砂卯月にとって、経験の無いただ漠然とした得体の知れないこの嫌な気配は、どれほどの消耗をもたらすであろうかと是清は思案した。


「ありがとう胡庵さん。確かに警戒を怠るべきではないよね。ただ何となくここはもう大丈夫って気もするんだ。でも一応砂卯月さんは僕と胡庵さんの近くを離れないでね。」


そう言って是清は胡庵の助言に沿い、纏う霊気に多少の緊張感を働かせた。
是清は門前に立つと、正面に手を翳し何かしらをぼそぼそと呟いた。すると、複雑に絡み合う門を閉ざす鍵の役割を担っていた錆びた鎖は、その絞力を失ったかのようにダラダラと解けていき、地面に落ちた。すると同時に門がガラガラと大きな音を立てながらゆっくりと開いていった。


「砂卯月さんは特に大丈夫かな。ただ用心のためと今後のために……。ごめんね、失礼するよ。」


庭園に足を踏み入りその雰囲気に触れ、是清は何事かまた思案した。そして砂卯月に関して独り言ちると彼女の手を握った。
すると所在なく動き回っていた砂卯月の気は身体中満遍なく彼女を覆い、その性質も柔和なものとなった。


「この気の状態は身体を癒す効果や、外からの悪い気を受け流す効果があって、肉弾戦になっちゃったときも所謂柔の動きに対応するんだよね。今の状況には最適だと思う。できれば僕が手を離した後も続けられるよう努力してみてほしい。じゃあ離すよ。」


>>胡庵・砂卯月


【結局あんまり危険じゃないという落ちなので、よろしくお願いします。】>>ますたぁ様、紫様

8ヶ月前 No.260

ますたぁ @ritonetto ★iPhone=gWqlrtM9V5

【胡庵:軽井沢】

主様は今回は大した案件ではないというが、それでも警戒を怠るわけにはいかない。何より今の主様では、いくら今回が雑魚妖怪の仕業だとしても、きっと
いざとなれば私がこの命にかえても
と思っていたとき、ふと目の前に心をくすぶられる光景が胡庵を襲う

主様が砂卯月さんの手を握っている。もちろんそれは、彼女を霊的なものから守るためなのはわかっているが、胡庵のなかで密かに火花が散っていた。

「……」

先ほどまで人の目を気にして人間に化けていた胡庵は、急に子猫の姿になり、是清さまの肩に乗っかり擦り寄る。

「あ、お気になさらず、この方が主様を守りやすいので」

といいながら砂卯月さんの方を見て『勝った』と言わんばかりの顔をしている。

≫是清さま 砂卯月さま

8ヶ月前 No.261

@purple3ru ★iPad=o1RdeKbLL2

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7ヶ月前 No.262

@kino10 ★ccZgXX84ei_BXv

【 北軽井沢「冴木家別荘」 / 猫田是清 】

猫田是清は税理士であり『霊理士』である。どちらか一方でも多忙を極める仕事を両立させている彼の身体はいつもギリギリ一杯。毎日意識を失う臨界点にある。サンプルとしてここ最近のスケジュールを書き記してみる。

―霊理士業務によって前倒しになっていた税理士業務を2徹することで完了させた後、霊理士業務へ。檜原村で新人を勧誘したのち、馬鹿な組織に腹を刺され重傷を負った上になんらかの呪いまで掛けられた。そんな一連を天上界へ報告を行った後にやっと帰宅。息をひきとるように眠りにつく。―

この一連は彼のスケジュールの中で特別忙しい内には入らない。瀕死の重傷を負いながら仲間と共に鬼の手から東京を救ったことすらある彼からしたら、まあ普通に忙しかったな程度のことであろう。
……そして本日、久々のオフ。2連休。是清の手帳の当日の欄には燦然と輝く「胡庵さんとデート」の文字。彼は軽井沢にいた。仕事で。

今回の怨玉の件は天上界からの任務ではない。猫田是清個人の思うところにより、後輩達を巻き込みこの場所を訪れている。
怨玉の作動解除の時分、その怨念から感じた物悲しい気。たまのオフを棒に振ってでもそれに直に触れて、なんとかしてやりたいという気持ちが猫田是清を今ここに立たせている。

「なるほど、こういうことか……。」

老朽化が進み、風に揺れると度にキィキィと不快な金属音を立てる錆びた門の鉄柱の隙間から、是清は広大に広がる枯れた庭園を見て独り言ちた。
怨玉の解除を終えた後、渦巻いていた妖怪たちが文字通り花となって散り、体育館全体を色とりどりの花々となって埋め尽くしたこと。その景色を思い出し、この広大な枯れた庭園は過去、花々で満たされいたのだろうと合点が行った。


>>ルート@ALL


【メイン記事解禁です。】

3ヶ月前 No.263

@kino10 ★ccZgXX84ei_BXv

【 東京湾倉庫街 車内 / 十文字清春 】

「マジでこれ実社会で言ったらほとんど犯罪だよなー。」

十文字清春は本日、見ず知らずの人間を霊功により混沌させた後、ワンボックスカーで拉致って倉庫街まで運ぶという『お仕事』を終え、車内で溜息をついた。
彼は天上界『非公認』霊理士。非公認の彼が先輩霊理士の山鳴八房の命とは言え、以上のような一連の行動をとることに全く疑問を持たなくなるほどこの業界に染まっていない。八房曰く今回のお仕事は「お前の命と引き換え」であるため、恐らくロハであることは間違いない(とか言いつつもいつも何かしら施しが有るのだが)。

さて十文字清春に運ばれてきた人間であるが、一連の流れ的にはこれから謎の液体で溶かされてたり、車なら数十秒でペチャンコにするプレス機のもと一瞬で潰されて海に捨てられてしまう未来が想像できる。相手が山鳴八房となればペチャンコにされるあたり大きく間違ってはいないのであろうが、今回運ばれてきた目的は殺人ではなく勧誘である。就活売り手市場でどこの業界も苦労している昨今、檜原村の一件もそうであったが、天上界の新人勧誘は混沌や拉致によって行われる。

「ま、新人のお手並み拝見といこうかね。」

>>BルートALL

3ヶ月前 No.264

雪鹿 @class ★Android=42zyboh5vZ

【東京湾倉庫街 車内/椿】

車内にどこからともなく、くつくつとした性根が悪そうではあるが、妖艶さも感じさせるような男の笑い声が聞こえてくる。これがもし、この声で無かったとしたら、非公認とは言えども霊理士である十文字 清春は警戒していたのだろう。
車内の影の一端が助手席へ伸びて行き、その影から吹き出して黒い靄が一瞬助手席を覆ったかと思うと、それはすぐに雲散霧消した。靄が晴れて笑い声の発生源が明瞭になった、その助手席には一人の男の姿がそこには確かにあって、その男はくつくつと笑いをあげている。十文字 清春なら、その声も姿もよく知っているはずだろう。なにせ、声の主は他ならぬ彼が霊理士となる切っ掛けを作り出した張本人なのだから。

「はははっ!清春、そりゃあ『ほとんど』じゃなくて普通に犯罪だぞ?だーれも咎めたり出来ないだろうけどなぁ。」

愉快そうにくつくつと笑う鬼、椿は助手席を僅かに倒してもたれかかると左足を上に足を組んで悪戯っぽくそう言った。本来なら、椿は足を放り出してダッシュボード辺りに足を放り出すような事をしなくもないが、前にやって怒られたので懲りたらしい。とはいえ、今の姿勢もマシと言うだけで中々に不遜な態度である事に変わりはないが。因みに先程までは後ろ一杯に人が居たから、席が倒せなくて比較的楽な影に潜ってスマホで少しばかりゲームをして暇を潰していた……まぁ、ちょいと飽きてきたから出てきたんだがな。
余談だが、今回は珍しく彼も働いた。誰かを拉致したり、といった力仕事こそあまりしなかったが、拐われた新人達が居ない事で生まれる日常の穴を包み隠しておいた。だから、今日は新人の彼等が何処から居なくなったとしても、誰も居ない事に違和感を持てないから罪として問う所までに発展しない、という完全犯罪である。あとは……現場で目撃者が出ないようにしたり、だとか。しかしながら、どれもこれも彼にしてみれば、赤子の手を捻るよりも遥かに簡単な事だ。

「そうだな。ま、新人なら元の形そのままで話せたら御の字じゃねぇか?鬼もびっくりの鬼教官だしなぁ。」

お手並み拝見、と言った言葉に、椿も今回の形式的に見れば依頼主である山鳴 八房という人物を少なからず知っていた。だからこそ、新人を思い返して多少なりとも憐れみを向けざるを得なかった。だが、彼にとっては他人事でしかないために声を出すような笑いが止まった位で彼の表情はにやついていたまま軽い調子で愉快そうに言葉を続けた。人間は好きだが、清春以外が死のうと潰れようと使い古されようと、そこまでの問題じゃねぇからな。
そう思って薄く妖しい笑みを口元に浮かべたままに清春の方へ向き直ってみたが、溜め息を吐いている辺りを鑑みるに多少は疲れてんだろうなぁ……と心配になった。ったく、是清みたいになりそうで怖い位だ。そうなったら、仕事に忙殺されちまって堕ちる堕ちない以前の問題だからなぁ、と彼も心の中で少々ため息をついた。

「とにかく、お疲れ様だ……で、仕事終わりか?まだあるんなら、面倒だが最後まで付き合うぞ。」

普段から忙しなく動く清春を軽く労いつつ、上機嫌そうな笑みを浮かべた彼は普段とは多少違った意図ではあったが、ここで残りの仕事の有無を確認しておく。なんだかんだと言う彼ではあったが、上機嫌そうに最後まで手伝うとか言ってしまう辺り、身内にはとことん甘いらしい。

>十文字 清春様、Bルートall

【メイン解禁おめでとうございます。早速ですが、絡みますね!】

3ヶ月前 No.265

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★DoaFJQIlTR_yO9

【 北軽井沢「冴木家別荘」 / 鯢四ツ谷 】

 妖怪は空想の産物ではない。真実そうであれど、しかしながら、世間一般の人々にしてみれば非現実的な概念でしかないのもまた事実。そんな訳だから、アルバイトを休む際に理由を聞かれて「知人の妖怪退治に付き合うんです。あ、怨霊だったかな?」と正直に答えた四ツ谷が店長から凄まじい目で見られたのも無理の無い話だ。地下に潜っていたツチノコがいきなりコンクリートをぶち破って目の前に現れたみたいな、とんでもないものを見る眼差しだった。恐らく店長の人生史上初めて、前代未聞の有休取得理由だったと思う。だが店長は優しく、心理カウンセラーさながらの性格をしていたので、ふざけるなと怒鳴り付けずに「そっか、頑張ってね」と最後には柔らかい笑顔で送り出してくれた。彼がそうしてくれた背景には、そもそも四ツ谷が変わり者として知られているから、というのもあるに違いないものの、それを差し引いたって店長が人格者の部類であることに変わりない。
 そうして無事に休暇をもぎ取った四ツ谷は、アルバイトではなく本業である霊理士としての同僚、猫田是清とその愉快な仲間たちの一員としてここ北軽井沢の別荘に訪れていた。普段の是清は決して弱々しい男ではないけれど、今の彼は弱っている。よって四ツ谷の好みに当てはまる人材だ。故にこうして、彼が危険な目に遭った時に守ってあげられるようわざわざアルバイトを御休みしてまで遠出について来た。彼は一人でなく傍らには守りたがりの子猫ちゃんもいるけれど、それにしたって人手は多くて不自由することはあるまい。駅で合流して早々、彼らに追い返されなかったことがそれを物語っている。

「ふむふむ。お兄さんは合宿当時、お仕事として北海道でペンタチコロオヤシと火力勝負をしていたから、その怨霊たちとは直に遭遇していないけれど……。是清くんが何か納得した様子でいるなら、ここが怨霊たちにゆかりのある場所で間違いないみたいだね」

 火炎放射器みたいな勢いで燃え盛る松明を次々ぶん投げて来るワタリガラスの妖怪とドンパチやった時の記憶を思い返しつつ、是清の後ろで荒れ果てた庭園を覗き込む。それにしても随分と寂れた風景だ。血眼になって探したって、瑞々しい気力のある花など一輪も残っていなさそうである。まだ昼間だというのに幽霊が出て来そうな雰囲気だ。というか実際に出るのだろう。でなければここまで足を運んだ意味が分からなくなってしまう。

「是清くんは今のところ怪我人だ。お兄さんも前衛型ではない。となると、ここは胡庵ちゃんが先陣を切るのが一番だね。ああ、空瑠璃ちゃんはお兄さんの傍においで。何があっても守ってあげよう」

 ニコニコ笑顔で空瑠璃の肩に手を回し、自分のほうに軽く引き寄せる。自分の嗜好に正直な女だ。

>ALL様

【圧倒的に人手の足りていなさそうなAと悩んだのですが、そっちは以前葉巻で参加していたので他にも体験したくて@にしました。よろしくお願い致します!】

3ヶ月前 No.266

ますたぁ @ritonetto ★iPhone=gWqlrtM9V5

【胡庵:北軽井沢「「冴木家別荘」】

今日の胡庵は主様の前でずっと不機嫌で、尻尾をずっと振り、時折地面に向かって尻尾をバシッと打ち付けるのだった。

あの体育館の合宿以来、主様の霊力に不自然な乱れが見られる。何かが主様の体を蝕んでいる。どう考えても普通じゃない。でも主様は平気な顔をして、なんともないように振る舞い、いつもの忙しい業務をこなしている。「少しは休んでください」という胡庵の言葉にも耳を傾けず、日に日に目の下のクマが濃くなるばかり

そこで胡庵は、主様には内緒で、天上界に「主様に休暇をください」とお願いをした。いろいろ交渉してやっとのこと手に入れたこの休日に、主様は遊びに行こうかと言ってくれた時は嬉しかった。

嬉しかったのに
結局主様が来たのは怪しげな妖気を漂わせる怨霊屋敷。いつもならこんな屋敷は雑魚同然に片付くだろうけど、今の主様に無理をさせるわけにはいかない。私が全力で御守りしなければ。そもそもそのための神獣だ。

すると一緒に来ていた四ツ谷さんが、私に先陣をきるように支持して来た。

「ええ、言われずとも分かっています。ご安心ください、主様の命令ですから、貴方様のこともついでにお守りしますので」

少し殺気がこもったような笑顔で振り返り、青い炎と共にライオンサイズの猫に変幻する。
この屋敷自体は大したことはないだろうけど、油断をしないようにしなくては

>>是清さま 四ツ谷さん 空瑠璃さん

3ヶ月前 No.267

@purple3ru ★iPhone=xRN1JRhplv

【北軽井沢「冴木家別荘」/ 砂卯月空瑠璃】

砂卯月空瑠璃は、ごくごく普通のLJC(ラスト女子中学生)だ。LJCなんて言い方を世間でするかは知らないが、とにかく平々凡々な一般的な中学三年生の少女をしていた。つい最近までは。
気まぐれで参加した林間合宿で、違和を感じて夜中起きだすと、妖怪とのバトルが行われていて。成り行きで、その場の流れで、霊理士になった。『女子中学生霊理士』って響きがかわいくない? もうそれだけで萌え要素みたいなとこあるよね。しかも『卯』の選ばれし者。兎さんだよ? 職業というか、称号というか、新たに得た肩書きがすごくかわいい。女子中学生霊理士・『卯』の選ばれし者、砂卯月空瑠璃です、よろしくおねがいします。

「うえぇ……雰囲気が『いかにも』過ぎないかい? これ……」

そんな空瑠璃は、今日は中学生としても霊理士としてもお休み(そもそも霊理士のお仕事はまだしたことないけど)なわけだが。今日は『霊理士』として、軽井沢に来ていた。霊理士になった日に、空瑠璃も止めるのを手伝った『怨玉』。それの根源を突き止めるとかなんとかで。(実はくるりも100%は理解してないんだけど、あれを止めるのに関わっちゃったし、気になるってもんだろ?)そんなわけでやってきた北軽井沢の別荘。ボッロボロだ。門もその中の庭も荒れに荒れてる。間違いなくホラーゲームが始まるだろう。いや霊理士になった時点でもうホラーゲームが始まっているわけなのだが、『見える』くせにというべきか、『見える』故になのか、空瑠璃はおばけとかそういう類が苦手だ。おばけっぽくないおばけは大丈夫なのだが、おばけっぽいおばけは無理。ここ絶対おばけっぽいおばけ出る。だがしかし、別荘が放つオーラに顔を引きつらせているのは空瑠璃だけ。一緒に来ている他のメンバーは、みんな「ふむふむ」といった様子だ。空瑠璃を霊理士にした(って表現であってるのかな?)是清さんも、是清さんの霊獣(どう見ても綺麗なおねーさんなんだけどなぁ)の胡庵さんも、先輩霊理士(一人称は「お兄さん」だけど、すっごいスタイルが良いおねーさんだ。あと、弱い子が好きらしい)の四ツ谷さんも、余裕な表情。経験者は違うな……って、あれ? 是清さん、いまハーレムじゃないか?

「あはは、くるりのこと守ったって何の得もありませんよ? でも四ツ谷さんがそうしたいみたいだから、お言葉に甘えて守ってもらおうかな」

肩に袖に隠れた手が回されて、身体が四ツ谷の方へ一歩動く。うお、という声を飲み込んで、満面の笑みの相手に、自分も笑顔で言葉を返す。本心だ。(くるりに守る価値なんてない。たぶん、囮にしたり犠牲にしたり――『最初に死ぬ』べきなのは、くるりだろ? それなのに、この人……まあ、くるりは決して強くはないからね。四ツ谷さんの好みの対象なのはわかるさ。くるり1人じゃ何にもできないし)
四ツ谷の指示に、胡庵が動く。突然青い炎――こっちの方が赤の炎より熱いんだっけ? ガスバーナーの授業で理科の先生が言ってた気がする――が舞って、思わずぎゅっと目を瞑る。次に目を開けたときには、さっきまでの女性の姿は無く、代わりに一匹の猫がいた。ただの猫じゃない。動物園で檻に入れられてそうなサイズ。(……本当に霊獣だったんだなあ。こういう大きくともけどかわいい妖怪ばっかりだったら、くるりも平気なんだけど)

>>@all

3ヶ月前 No.268

四方津 @co2haku ★Android=jRx3JFpeo0

【東京湾倉庫街/有瀬未完】

「…………」

冷たいコンクリートの床の上に力なく横たわりながら、見渡す限りの真っ暗闇に己の目を疑う一人の女性。彼女こそが件の完全犯罪の哀れなる被害者、有瀬未完である。
何やらふわふわとした前後不覚の状態からようやく意識を取り戻すと、そこにあったのは光の一筋も差し込まない暗黒の世界。さらには直近の記憶を取り戻すこともままならないという明らかに異様な状況下。彼女ほどの年頃の女性であれば錯乱状態に陥ってもおかしくない……というより、冷静であることがむしろ異常な場面で、彼女はなかなかどうして落ち着いていた。

有瀬が生まれ育ったのは山手線によって結界が張られた首都・東京ではなく、種々の妖怪伝説がつたわる東北の一地域である。その土地柄もあってか、彼女は人ならざる者の存在とその脅威をかなり身近に感じていた。無論、そのような不可思議なものを認識できたのは、彼女自身の「素質」があってこそなのだが。
有瀬は今まで生きてきた20年の間、自身と同じような霊的素質の持ち主と邂逅したことは一度もなかった。その事実は元来平凡だった彼女の性向を大きく狂わせた。気づけば彼女は自らにしかなし得ない何らかの「使命」を追い求め、場違いなまでの責任感を持って絶えず努力する反面、強がりと妙に歪な自己アピールを繰り返す人間になっていた。

目を覚ました場所がいつものような常夜灯の暖かな光に照らされたふかふかのベッドの上ではなく、辺り一面に漆を塗ったかのような空間の冷たい床の上だったことを、彼女が比較的冷静に受け入れているのは何故か?答えは前述した彼女の生い立ちの中にある。要するに、有瀬がこのような怪現象に見舞われるのはこれが初めてではなかったからだ。

「(不思議なことは生きている限り起こる。それに私には、妖の類いに抵抗できる手段もあるのだ)」

自分を励ましつつ上体を起こして辺りを手探りで調べると、今まで横たわっていた場所のすぐそばに置かれていた何かに手が触れた。どうやら有瀬がいつも服飾学校に通学する際に持っていくバッグのようだ。中に入っていたスマートフォンは充電が切れているのか、それとも何か別の理由があってか分からないが、一向に起動しなかった。しかし、一通りバッグの中身を(はっきりとは見えず、手探りではあるが)確認し終えると、一応はこの怪現象を打開することができるのではないか、と漠然とした希望を持つに至る。


あっという間に、その希望は絶望へと姿を変えた。


有瀬はある重大な事実に気づいた。彼女がいま身に着けている服は、他でもない彼女自身の作品だった。有瀬未完は自ら作り上げたものに妖怪に抗う「浄化」の力を宿す能力の持ち主。よって彼女の服には妖怪に抵抗できる力が十二分に満ちていた。そうなるとこの怪現象の犯人は人間か、それとも妖とも人とも付かぬ異質の存在か。
何も見えない状況の中で、顔が青ざめていくことを自覚する。有瀬の力は飽くまで「妖怪」に抗う能力。それ以外の存在にはまるで効き目がないのだ。よって犯人は恐らく自分の敵う相手ではない。
だが、臆病風に吹かれるのはどんな状況であれ悪手だ。半ばヤケクソのような気持ちで、有瀬は思いっきり虚勢を張ることにした。誰がいるとも判らぬ闇に向かって、決死のハッタリをかます……声が上擦らないよう注意しながら。

「……そこにいることは分かっている。お前は誰だ、名を名乗れ」

>>BルートALL


【メイン初投稿です!今後ともよろしくお願いします】

3ヶ月前 No.269

@kino10 ★ccZgXX84ei_BXv

【 北軽井沢「冴木家別荘」 / 猫田是清 】

 ライオンを帯同して歩くサーカス団員さながら、是清は胡庵を連れだだっ広い庭へ慎重に歩を進めた。門前には呪いや結界といった類のものが張られている様子もなく、すんなりと是清たちの侵入を許した。

「気味が悪いですね。」

 怨玉から溢れ出ていた禍々しい思念を鑑みるに、その発生源となっている土地に易々と足を踏み入ることができた事実を気味悪がったのもそうであるが、それ以上に是清が気味悪がったのは庭の中心に位置する朽ちた屋敷であった。
 門前から感じとれた薄い瘴気。呪いや怨念を携えたそれは、庭全体に広がっており、屋敷を中心として発散されていることに是清は気がついたのだ。屋敷へと続く石畳を進めば進むほど、この気味の悪い気は強力なものとなり、人の身体を蝕むことは明らかであった。

「病み上がりの身体には応えますが……、歩を進めないわけにはいきませんから。胡庵さんと砂卯月さんは待機、四ツ谷さんと自分で……。」

 全体に指示を出す間、一人一人に目をやりながら、是清は砂卯月の異変に気がついた。
 気を扱う霊理士は、その練度に応じて身に纏う気の濃度と大きさが変化する。言うまでもなく、強力な実力者ほどその濃度は濃く、大きくなる。そして、その時々の環境に応じて己の気を操り行使する。今回の是清の場合纏っていた気を病み上がりの傷口に集中させ、尚且つ冴木家の屋敷から発散される気に対抗すべく全身を呪詛に耐性を持つ気で覆っていた。万全な状態の是清であるならば、わざわざ気の性質を変化させてまで全身を覆うことをしなくとも、身体から発散される素のままの気で対処できたであろう。
 砂卯月は先日、なし崩し的に気の解放を行われただけで、その後特に誰かから気の活用について指導を受けていたということはないはずである。そんな防衛能力ほぼ0の砂卯月を今回是清が連れだった理由も、怨玉という魔具に一度関わったため、経験の一環として最後までその成り行きを見せるためのもので、危険と判断した場合は待機を命ずる予定であった。

「これはどうしたことだろう。」

 砂卯月の身体は膜でも張っているかのように、庭全体を包む瘴気から守られていた。

>>@ルートALL

【ネタバレすると、砂卯月さんの力どうこうでなく、瘴気の元が砂卯月を意図的に避けています。勝手な設定付加で申し訳ありませんが、乗ってくださると幸いです。
 また、是清は病み上がりのため庭で待機。砂卯月さんと誰か1名で屋敷に向かって欲しいと考えています。組み合わせ的に四ツ谷&砂卯月・是清&胡庵かと思いますが、こちらも乗っていただければと思います。】

3ヶ月前 No.270

@kino10 ★ccZgXX84ei_BXv

【 東京湾倉庫街 車内 / 十文字清春 】

「だよなあ……。」

 ほとんど犯罪ではなく、列記とした犯罪です。椿にその旨を告げられて、清春はまた溜息を吐く。そんなことは十二分に気がついていたわけだが、どこか後ろめたい気持ちから「ほとんど」という枕詞を付け足してしまった自分の心の弱さを、己がパートナーに見破られてしまっていたことに少々の罰の悪さを感じる清春であった。
 『椿はお前の弱い心を食い物にする。』昔誰かさんにそんなことを言われた気がする。いろいろなあれこれがあり、清春の中で今や椿は既に気の置けない友人として認定されているため、そんなセリフはどこ吹く風で、たまに思い出しては気をつけなきゃなと思う程度。小学生が聞く校長先生の有難いお言葉くらいにしか清春には響いていなかった。

「元の形て……。とりあえず新人が心配だから今のところはここで待機な。」

 椿の言葉に、かつてスイカ割りの如く八房に頭部を吹っ飛ばされたことを思い出した清春は身震いし、「(あの人、俺が再生するってわかっててあんなことしたのかな。)」と考えると共に、そんな人間の相手をさせられる新人霊理士候補がさっき以上に心配になった。
 『仕事終わりか?』の問いに対してはノー。もう少しここで倉庫の様子を見守ることを椿に告げる清春であった。

>>椿&BルートALL

【『椿はお前の弱い心を食い物にする。』の警告は、個人的に八房によるものかなと考えています。
 清春の2章での役目は便利屋さんで、様々なルートで進行が難しそうになったらヘルプで向かいます。それまでは椿との雑談を通しての関係構築かと。】

3ヶ月前 No.271

ますたぁ @ritonetto ★iPhone=gWqlrtM9V5

【胡庵:北軽井沢「冴木家別荘」】

物珍しそうな顔をしながらこちらを見てくる空瑠璃さんに、少し鼻で笑い、主様のそばに寄り添う。いつでも主様を御守りできるようにと

しかし、主様から驚きの言葉が飛び出した『胡庵さんと砂卯月さんは待機で、四ッ谷さんと自分が……』、主様の前に立ち



「主様……そのお身体で、霊獣である私から離れては危険です…。いくら主様でも…。私と主様が先に行くべきでは……」

何より主様から離れたくないというのが本音だが、それは黙っておいて。そのことを抜いても、今の主様を他の誰かと組ませて別行動なんて、どう考えても間違っている。

「……可笑しいですね。この場所、霊獣である私ですらこの瘴気に少し息苦しさを感じるというのに……空瑠璃さんはその影響を受けていない……空瑠璃さんには何か特別な何かがあるのでしょうか。」

>>空瑠璃さん 是清さま 四ッ谷さん

3ヶ月前 No.272

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★DoaFJQIlTR_yO9

【 北軽井沢「冴木家別荘」 / 鯢四ツ谷 】

 是清はハンデ持ちで自分はNOT前衛型、そして愛しき空瑠璃は非戦闘員。ならばここは胡庵に先陣を切って貰おう。というのが、当初の四ツ谷の考えだった。が、それを意見として口に出す前に是清がまさかの提案をしてきた。なんと、自分と四ツ谷で先陣を切ると表明したのだ。確かにバランス型で気の運用の基本は何でもできる是清なら、当然前衛だって勤まる。けれど、今の彼は本調子ではないのだ。そんな彼に一番危険が大きい役目を任せるのは、今の彼が『弱っている強者』という辛うじて己の嗜好にヒットする状態なだけあって四ツ谷には躊躇われた。それにこの場には、弱っている強者である是清よりも四ツ谷の好みにドストライクな、『弱っていなくても弱者』の空瑠璃がいる。傍にいて優先的に守ってあげたいのは、どちらかといえば彼女のほうだ。

(能力だけでいうと、お兄さんよりも胡庵ちゃんのほうが近接戦闘向きだけれど……彼女はいざという場面で絶対に是清くんを優先するだろうからね。となると、やはりお兄さんは空瑠璃ちゃんについておきたい。しかし、是清くんがお兄さんと自分で行きたいと言った以上、それは適当ではなく明確な理由があってのことなんだろう。それを無下にするのも考え物かな)

 真白の指先を唇に押し当て、無言で思案する。この屋敷が国や個人の所有物でないのなら、いっそのこと自身の魔眼で一気に燃やし尽くしてその残骸に全員で踏み込むなんて荒業をとるのも考えたのだが、確認をとっていない以上ここは誰かの資産である可能性の残る建物だ。いきなりそんな真似はさすがに出来ない。
 是清大好きっ子の胡庵は彼が先に行くことにもちろん反対している。行くならせめて自分と一緒に、と言ったところか。是清の提案通り四ツ谷と是清とで先に行った場合、うっかり彼が怪我でも負おうものなら彼女の殺意は妖怪や怨霊のみならず四ツ谷にも向くことだろう。激情家っぽいところがあるのは知り合った時から変わらない子猫ちゃんだ。

「怨霊がペドフィリアなんじゃないかい? 好みの相手には優しくしたいものだろう」

 空瑠璃だけが瘴気に襲われていない原因にコイツらしい感想を述べる。半ば冗談で半ば本気だ。ちなみに四ツ谷の周りを取り巻く瘴気は、発動前の人工魔眼『g]V・コカドリーユ』が振り撒く魔力だか妖気だかよく分からない禍々しいオーラだけで相殺できている。よって四ツ谷にはノーダメージだ。彼女の人格も才能もイかれた父親が人生をかけて作り上げた眼球は、神話の怪物の名を冠しているだけあって能力を発動する前からえげつない。霊気で瘴気を振り払うのを『泥棒を警察官で威嚇する』行為に例えた場合、四ツ谷の人工魔眼から迸る謎の冒涜的空気感で瘴気を振り払うのは『泥棒を殺人鬼で威嚇する』行為だ。結果的に泥棒は離れていくけれど、質の差は明白。これが空瑠璃の場合、『警察官も殺人鬼も威嚇していないのに泥棒が寄って来ない』事態に陥っているのだから余計に不思議である。これはいよいよ怨霊のペドフィリア説も否定できない。

「――ううん、天上界のブラックカードって何円までなら使っても怒られないのかな。ひょっとしたらここは誰かの私有地で弁償代や慰謝料が発生するかもしれないけど、いっそお兄さんのコカドリーユで建物も庭園も石畳も全部めちゃくちゃに燃やしてしまうかい? そしたらほら、庭と屋敷の分別なんかつかなくたって待機も先陣も概念ごと無くなるよ」

 天上界の面々にとって非人道的で酷いことをさらりと口にし、すっと左目を覆う前髪に手を伸ばす四ツ谷。いくらなんでも思い切りが良すぎるし、金の使い方が「仕事にしか使っちゃいけないカードだけど、戦って喉乾いたしあそこの自販機でジュース買っちゃおう」みたいな生易しい範囲に留まっていない。天上界のお偉いさんだってこの場にいれば即座に腕を×にしてこの提案を拒否してくること請け合いだ。
 まあ、自分で提案しておいて「きっと是清に却下されるだろう」、という考えがあるから、天上界の面々は彼がこの場にいることに感謝したほうが良い。四ツ谷が一人で来たなら確実にやっていた。ダンジョン攻略を無視していきなりダンジョン喪失にまで持ち込む空気を読まない暴挙を。

>ALL様

【サブ記事で話した通りにしれっと発言を無かったことにしております。それによってお相手さんの文章の描写にも「あの台詞が無かったならこの台詞も無かったはず、あの台詞が無かったならこの行動も無いからこっちのリアクションも無かったことに」云々な理由から反応できないものが生まれてしまいました、申し訳ありません……】

3ヶ月前 No.273

雪鹿 @class ★Android=42zyboh5vZ

【東京湾倉庫街 車内/椿】

二回目のため息を吐いた。それは罪悪感からか、あるいは嫌悪感か、はたまた別の感情か……いずれにせよ、そういった感情は俺にとっては非常に好ましいと言うか、堪らなくそそると言うか。全く、変な虫けらが目を付けなきゃ良いんだが、と人ならざる者だからこその妖しさを備えた笑みを口元に湛えた彼はひっそりと嘆息を吐いた。憂いだけではなくて幾つかの感情が入り交じったような、そんな吐息はきっと誰かの耳に入る前に消え去ってしまうのだろう。

「俺はそういう所も好きなんだけどな。まぁ、気にしすぎんなよ?」

罰が悪そうな清春とは対照的に、機嫌が相変わらず良さそうな椿はカラッとした笑いを浮かべながら清春の頭へ頑張って自然な風に装って手を伸ばすと、まるで親が子供を宥める時のように、ぽんぽん、と頭を軽く撫でた。『仕事だから』と言い訳をする訳でもなく、『命と引き換え』だから、と弁明をする訳でもなくて、ただ納得して罰が悪そうにしている。俺好みの正しさとか清さの一端とも言えるそれは昔を思い出して憎くもあったが、それを上回る位に堪らなく愛しく思えた。愛しいとは言えども、その愛がどういったモノなのか、と問われると解答には、とんと困るんだけどな。こういう複雑な感情を抱くのはアイツと清春だけだし、人間でもねぇ俺には適当な言葉が見付からねぇや。
そう考えると、今となっては親友止まりがちょっとだけ口惜しいが、お目付け役共の目もあるし……何より信頼ってのも悪くねぇし今はこれで満足してやるとするかねぇ。封印されるのは御免だし、どこぞの酒飲みの馬鹿みたいに首をはねられるのも御免だ。そもそも今は虫けら共のせいで、それどころじゃねぇしな……こんな事なら片っ端からシバいて回れば良かった、と少しばかりらしくない後悔をした。

「OK、今回はどんな事になるのか気になるしな。」

やたらと発音よくフランクな調子で了承の意を示せば、不謹慎にも新人達がどんな荒波に揉まれる事になるのか、と好奇心を示し始める椿は倉庫の方へ視線を一瞬運ぶ。しかし、結果さえ分かれば後は問題ないか、とすぐに視線を車内へと戻した。既に彼の気分は物見遊山のようで、履いていたブーツを妖術で消してから、清春に膝が当たらないように気を付けつつ、助手席であぐらをかいた彼は清春と話をするために嬉々として上体を起こした。
清春か身震いしてた気もしたが、それは概ね予想がついた。いや、だって現場に居たしな……あの時はうっかり蘇るの忘れてて一瞬『末代にしてやろうか』と殺気立ったのは秘密だ。殺す直前まで殺気を隠す癖があって良かった、とあの時ほど思った事はないが……まぁ、長年の悲願を木っ端微塵にされかけたんだし、殺気向けられても仕方はないよな。今は清春の事もあるし喧嘩は売らないけども。

「なぁ、きーよはるー?今度の休みの日のおやつ、決めてたりするか?」

先程までの大人びた妖しい雰囲気とは一転して、普段なら妖しさを際立たせている黄金色をした目を緩やかに細めて子供っぽく輝かせながら、清春の顔を見据えた彼は無邪気さを感じさせるような、少しだけ甘えた雰囲気の声で話を唐突に持ち掛けた。その妖怪らしさがまるでない顔と声は清春限定で何か要望がある時に使われる物であって、最近はもっぱらお菓子のリクエストに使われている。最早、千才超えの威厳は何処へやら、といった感じだ。

>十文字 清春様、Bルートall

【了解です!】

3ヶ月前 No.274

白熊けらま @tokyoapple ★iPhone=RGAcSVe0GA

【 東京湾倉庫街 / 亥村寧々音 】

 「……むにゃ?」

 亥村寧々音は間抜けな寝惚け声と共に目を覚ました。
 数秒開け、周囲が真っ暗な闇であること、自分が冷たい地面に横たわっていることに気が付き不可解な表情で半身を起こした。身体の節々が痛い。
 時刻を確認しようにも、スカートのポケットに入れっぱなしのスマートフォンはどうやら充電切れのようだ。
 なんで、私いつも充電には人一倍気を使ってるのに!───ややズレたところで慌てながら、暗闇に慣れてきた目で周囲を見渡す。
 周囲はがらんとした広い空間であり、寧々音が部室として利用している高校の美術室という訳ではなさそうだ。

 ───私、何でここに居るんだっけ?

 寧々音はテスト明けなどに部室の固い机で眠ることもしばしばあるが、床で寝た経験はないし眼鏡を掛けたままというのも不自然だ。
 目が覚める前の記憶を思い起こすと、確か友達と買い物して分かれた帰り道、突然意識がぼやけて途切れたような。
 ……もしかしなくてもこれ、結構ヤバい状況では。一旦気付くと、現在寧々音がいる倉庫のような空間も得心が行く。
 脳裏にヤクザ、人身売買、生き埋め、デスゲームなどの不穏な単語がぐるぐると回り、心当たりを必死に探し回るがまるで思い当たらない。
 パニックを起こし掛けた寧々音は、そこで突如聞こえた声にびくりと身体を硬直させる。

 『……そこにいることは分かっている。お前は誰だ、名を名乗れ』

 「い、亥村です!亥村寧々音!17歳の池袋第二高校2年A組出席番号3番、良かった他にも人が居たんですねぇぇ………!」

 他にも人が居た!安堵と混乱が極まり、声の主をロクに確かめもしないままわああっと泣いて取り縋る。
 警戒心の欠片もない行動だがそれは当然、今の今まで寧々音はごく普通の女子高生として暮らしてきたのだ。
 聞こえてきたそれが女性の声だったのも安堵を増させる。

 寧々音は確かに生まれつき"奇妙なもの"が見えていたが、今まで実害があるとしてもせいぜい目を離した隙に物が移動しているぐらいだった。
 それ以外は家族構成も経歴も平々凡々としたものであり、奇妙な体験というものにはとんと縁がなかったのだ。

 暗闇に慣れた目で見上げると声の主は寧々音よりも数個上と思しき若い女性だった。
 その目に小さく宿る不安を見るに、人攫いの犯人とも違うようである。

 「よかった、私気が付いたらここに居て……お姉さんもですか? 何なのほんと、何が始まるの……」

 後半は独り言のように呟きながら、初対面の見知らぬ女性との対話を試みる。
 バッグは消えていたが携帯は壊されておらず、暴行目的ならもう事は済んでいる筈である。
 改めて不可解な状況を確認しながら、臆病な寧々音は小さく震えながら辺りを見回し警戒した。

>有瀬未完、BルートALL

【よろしくお願いします。絡ませていただきました】

3ヶ月前 No.275

YY @nickker8 ★iPhone=wpcdIOpOzd

【東京湾倉庫街/桐生竹寅】


いかにもヤクザ同士が怪しい取引をしていそうな倉庫街。その一画ではヤクザ以上の怪しい組織が危険な新人勧誘を行おうとしていた。その舞台となる倉庫では既に女性2人が意識を取り戻し現状を把握すべく声を掛け合っている。だが彼女たちは知らない。その場にもう1人男がいることを。


「…………ん……?」


女子2人の話し声がトリガーになったのか、この男もまたゆっくり目を覚ました。彼の名は桐生竹寅。上野の高校に通い剣道部に所属している2年生。先日行われたインターハイでは史上初の個人2連覇を達成した、その道で名が知られている有名人だったりする。今日も警察道場での出稽古を終え、いつもの肉屋で夕食用のコロッケを買って帰宅する途中だった。が、その辺りの記憶が曖昧だ。気が付いたらこの暗闇の空間に転がっていた訳だが。


(こいつら……犯人じゃなさそうだな…)


竹寅の目を覚ました声の方向を見やる。まだ暗闇に目が慣れていない為ハッキリとは見えないが、この空間には自分以外にも2人の女性がいるらしい。片や一方的に話し片や聞き役に回っている。両方女性だと判断出来たのは、1人は声、そしてもう1人は『お姉さんもですか?』という発言からだ。どうやらこの両名はうっすらとだろうがお互いの存在を確認出来ている。そして竹寅と同じくここに連れて来られた人間だろう。共通点は今の所サッパリだが少しでも情報が欲しい。竹寅は静かに体を起こし声を掛ける事にした。


「おい、アンタらもここに連れて来られたんだよな。なんか覚えてる事は無いか?あー、俺は桐生竹寅。別に怪しいもんじゃない」


状況が状況である。聞きたい事だけ聞いては相手の不信感を生んでしまう。声の方向へと歩み寄り声を掛ける。一応名乗っておこうと竹寅は質問の後に自分の名前を発した。目が慣れてきたのかボンヤリだが女性2人の存在が視認できた。1人は自分と同じぐらいの高校生だろうか、そしてもう1人は自分よりも年上の女性に見える。少なくとも高校生ではないだろう。そんなことを考えながら眼前の女性達からの返答を待った。



>>有瀬未完様、亥村寧々音様、BルートALL様



【サブ記事で投稿が遅くなると書いたのですが、時間が空いたので投稿出来ました!改めてよろしくお願いします。】

3ヶ月前 No.276

四方津 @co2haku ★Android=jRx3JFpeo0

【東京湾倉庫街/有瀬未完】

ブラフをかけた有瀬の問いに、思いもかけない相手の応答。
亥村寧々音と名乗るその少女は取り乱しつつも律儀に自己紹介すると、泣きながら有瀬に取り縋る。

「わわ……!」

台詞に反してどこに誰がいるのかしっかりと把握できていなかった有瀬は、突然の出来事に驚く。と同時に今まで抱えていた心細さが緩和され、危うく貰い泣きしそうになった。なんとか涙を堪えると、自身を見上げる寧々音と目が合った。ようやく暗闇に目が慣れたようだ。……今の私の瞳からは、私の弱さが透けて見えるだろう。そんなことを思うと有瀬は気恥ずかしさを感じた。
寧々音は対話を試みつつも、落ち着かない様子で辺りを警戒している。まずは自らの素性や置かれた状況について明かしつつ、この子の緊張を和らげなくては。そう考えて口を開きかけた矢先の出来事だった。

突如として響いた男性の声に、心臓が一瞬だけ止まったような心地がする。声が聞こえた方向を見ると、そこには180cm程はあるだろう長身の男が立っていた。
彼はこちらに対して問いかけをしたあと、自らの名前をつけ加えた。桐生竹寅。その名前は、有瀬も聞いたことがあった。


ある日の夕方のニュース。
『今回密着したのは、現役高校生の天才剣士、桐生竹寅君です』
テレビの画面はその若き剣士のストイックな日常を映し出していた。有瀬は努力家であると自負している自らよりもさらに過酷な日々を送る彼に尊敬の念を抱くとともに、彼がもしスーツを着るのであればどのようなスタイルのものが似合うだろうか、と思いながらその番組を観ていた。
『いやぁ、驚きました。最近の若者の中にも、こんなに殊勝な子がいるんですね』
コーナーはどこぞの評論家の適当な文句によって締めくくられた。


有瀬は一歩前に歩み寄り、竹寅の問いかけに答える。

「……私は有瀬未完。そして、こっちは亥村寧々音。私たちも今まで面識はなかったが、気づけばこの場所にいた。特別なことは記憶していない」

ここまで言い終えると、寧々音の方を振り向いて小さく頷く。自らの名前を明かしたためでもあるし、「亥村寧々音」という名前に間違いがないか確認するためでもある。また、安心して欲しい気持ちを込めてのことでもあった。有瀬はもう一度竹寅の方を向くと、こう続けた。

「強いて言うなら……天才剣士、桐生竹寅。その名前はテレビ番組で観て記憶している」

>>亥村寧々音様、桐生竹寅様、BルートALL

3ヶ月前 No.277

@kino10 ★ccZgXX84ei_BXv

【 東京湾倉庫街 車内 / 十文字清春 】

 ともすれば自分より一回り幼く見える椿の手を、振り払うでもなく成すがままにポンポンされる清春。椿の持つ強大な力について、自分が取り込まれるやもしれない恐れよりもパートナーとしての全幅の信頼が先立つ清春にとって、見た目とかは特に問題ではない。清春は椿を目上として慕っている。

 「そうさなー。次は洋菓子にしようと思ってんだよな。こないだ給料と一緒にもらった果物でも使ってみるか。あれ、まだ全部食ってないよな?」

 腕を組んで背もたれに身体を預けての熟考の末のお菓子回答。椿のことを目上として慕うとともに、世話の焼ける愛玩動物のようにも思っているのは秘密である。

 閑話休題、十文字清春は純粋な人間といえるであろうか。仕事中にスイーツの話で盛り上がるほど妖怪と仲良く共同生活をしている人間は最早人外ではないかという直感的な理屈ではなく、客観的な事実として清春は純粋な人間とは言い難いのである。
 清春の身体は妖気を内在している。
 人間が用いる「気」は「霊気」、妖怪の用いる気は「妖気」。天上界の研究における原則に反して十文字清春の身体には霊気と共に妖気が流れている。大妖怪・椿が清春の先祖にかけた呪いに起因するものであろうが、その詳細を天上界は知りえていない。大妖怪を使役?し、体力気力共にバツグン、頭の回転も別に悪い方ではない。そんな清春が「非公認」の霊理士であるのは、天上界が彼を「人間」として信用に足る存在ではないと考えているからであろう。天上界公認の霊理士となるどころか、お目付け役を二人も付けられているのが現状だ。

>>椿、ルートBALL


【違和感ありまくり、突然清春のトリセツ。こんな感じの設定でご理解いただけますと幸いです。そちらからも何か付け足したい設定があればご提示いただけると嬉しいです。>>雪鹿様】

3ヶ月前 No.278

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

【東京湾倉庫街/午野宮琴】

午野宮琴の寝起きというものは決して良いものとは言えない。むしろ悪いと言った方が正しいくらいで、この時も普段と同様だった。覚醒していく五感は冷たい床の感触を琴に伝え、彼女は低く呻きながらのそりと起き上がった。ごしごしと目を擦っていると、自分からそう遠くないところからなにやら話し声が聞こえてくるではないか。ぼやける視界の中なので彼らが何処にいるとか、どのような容姿をしているのかとか、そういった細かい情報は全く入ってこない。しかし自分の他にも人がいる、という事実は琴の心にある程度の安心感を与えてくれた。

(女性が二人、男性が一人か。何がどうなってこのような状況に陥っているのかはわからないが、私一人でないのなら状況の解析は不可能でないはずだ)

顎に手を遣りながらふむ、と17歳の女子高生らしからぬ動作をしてから、琴はまず足元に置いてあった自分のスクールバッグを開けた。特に盗まれたものはなさそうだがどういう訳かスマートフォンの充電が切れている。しかし琴はこの年頃の若者に比べればスマートフォンを使う機会が少ない。制限されている訳ではなく、ただ単に必要最小限の使用しかしないのだ。そのためスマートフォンの充電について彼女が取り乱すことはなかった。その他にもちょこちょこ確認してから、琴はスクールバッグを肩にかけてすっくと立ち上がる。途中からしか聞いていないので話の流れはわからないが、とりあえず会話を試みないことには始まらない。かつ、かつ、とローファーの音を響かせながら琴は声の聞こえてきた方向へと歩を進める。

「会話に割り込むような形になってすまないが、私も混ぜてはくれないか?安心して欲しい、私は五反田に住むごくごく普通の高校生だ。名を午野宮琴という」

ただでさえ目付きが悪くてそこそこ背も高く、加えてこの話し方の琴なので威圧感を出さずにはいられないが、何せ状況が状況である。名乗っている口上の割には異質な雰囲気をかもし出してしまいそうだった。ちなみに余談だが、日本人とイタリア人のハーフである琴にはイタリア名もある訳で、それをシルヴァーナ・メルザリオというのだが、この時は名乗る必要がないと琴が判断したために紹介することはなかった。
とにもかくにも自己紹介を済ませた琴だったが、普段自分から積極的に話すことが少ないために次に何を言おうかと少し悩んだ。琴とて状況はそれなりに把握しているつもりでいる。それゆえに口にする言葉はしっかりと選ばなければならないと考えたのだ。僅かな間を置いてから、琴は再び口を開く。

「盗み聞きをしたつもりはないのだが……有瀬未完、亥村寧々音、桐生竹寅、で間違いないかね?私は先程目覚めたのだが、訳もわからないままこの空間に居た。……よければ、私も君たちと行動を共にさせてはもらえないだろうか?」

頼み事をするという行動をあまりしたことがない琴は、ややぎこちなく三人にそう告げた。彼女とて自分の物言いが人よりもだいぶ古めかしく時代に合ったものではないことを理解しているので、もしも自分の何気ない言葉で他人に不快な思いをさせぬものかと不安になるときがあるのである。そして今がまさにその時というもので、琴は居心地悪そうに目線を斜め下に向けて、ぎゅっとスクールバッグの持ち手を握りしめた。

>>有瀬未完様、亥村寧々音様、桐生竹寅様、周辺all様

【僭越ながら倉庫の皆様に絡ませていただきました……!改めてこれからよろしくお願いいたします……!】

3ヶ月前 No.279

閃輝本体 @kaizelkai ★Android=6zEr0whMHA

【こんばんは。妖怪ポジションの閃輝本体です。
スレが復活したという事で、書き込みさせてもらいました。再参加を希望ですが、大丈夫でしょうか?】

〉〉スレ主様。

3ヶ月前 No.280

雪鹿 @class ★Android=42zyboh5vZ

【東京湾倉庫街 車内/椿】

腕を組み、背もたれにもたれ掛かる清春を相変わらず期待を込めて回答を待ち続ける。なにせ、食事の必要が殆ど無い椿のお気に入りは清春の作る料理……その中でも特にお菓子は彼の趣味であるゲームを中断して食べに来ると言うのだから相当なものだ。多分、預かり知らぬ所で清春の料理が振る舞われたとするなら、拗ねたりするのだろう。

「洋菓子か!そいつはいいなぁ……へ?お、おう、全部は食べてないと思うぞ。」

洋菓子、と聞くと満足そうに顔をほころばせて子供っぽく笑った彼であったが、確認といった感じで果実の在庫を問われると一瞬、間抜けな声をあげて気まずそうにそろりと顔を逸らす。―――言えねぇ。つい、昨日の夜中に暇だったし酒にしたらどうなんだろうな、って気になったから、妖術使って果実酒に仕立てて冷蔵庫で寝かせてるとか間違っても言えねぇよ……半分位使っちまったが、残りのあれで足りるか?料理なんてしねぇから足りるかどうかなんて分かんねぇな。でも、おやつが減るのは不味い。俺としては由々しき事態だ……仕方ねぇ、後でとってくるしかねぇか。
椿は気まずそうに顔を逸らしたままに、うんうん、と手を組んで唸りながら、自分のやった事を穴埋めするために良からぬ算段をたてているばかりだった。


さて、ここから閑話休題。この椿という鬼は逸話を自身の口で語らせれば尽きないのだが、しかし誰かがそれを記憶している事は殆どない。たとえ、それが神であったとしても。
故に、彼の存在は天上界の観点から見ても清春との件で彼が露見した時点での俺の認識は『よく分からない何か』だった。しかし、力量は少なくとも大妖怪の規格に当てはまる程である事は一件で判明している癖に、清春以外の目的も何も語らないし分からない。そこも相成って尚更に清春の信用は得られず、霊理士の中でも実力者の二人の目付役の元で非公認活動……って訳だ。ちょいと面倒でややっこしいが、早い話が得体が知れねぇもんは神様でも怖いって話だな。そもそも、俺が天上界とやらを全く信用してないのもあるんだがな?神便鬼毒酒に鈴鹿御前とかいう天女……鬼を殺すのは何時だって天上界からの使いが原因だ。

あぁ、そうそう。清春に掛けてる呪いは解いてない―――ってより、月日が経ってるわ妖力は注ぎすぎたわで強くなり過ぎて、俺が死なねぇと誰にも解けねぇし消せねぇ物になっちまってた。ただし、そのままにしとくと虫けらが集るんで俺がちょいと構造を弄くり回して妖気の器にしたのさ。もっとも、俺は器を作って根源を植え付けただけで制御してんのは他ならん清春って訳だ。清春の霊功が『制御』じゃなかったら、あるいは呪いを弄くり回したのが俺じゃなかったら、あのまま鬼になってたろうな……そうなっても清春なら大歓迎だけどな!ずっと側に置いて可愛がってやらぁ。まっ、今の清春は妖気を内在させていて、それを扱えるってだけで人間だぜ?
まかり間違ったとしても俺が側に居る間は鬼になんてさせねぇよ。俺は人間が大好きなんだ。それにまだ堕ちてもない人間をこちらの道に誘い込むなんて意味がない――――それでも清春が望むなら話は別だけど、な。

>十文字 清春様、Bルートall

【椿の観点からの補足になりましたが、如何でしょうか。もし、不備や頂けない設定が御座いましたら、却下して頂いて構いませんので!】
>主様

3ヶ月前 No.281

@purple3ru ★iPhone=9hJIin38fI

【北軽井沢「冴木家別荘」/ 砂卯月空瑠璃】

不気味な庭の中へ、難なく入る。(もっと強力な結界や見えない力が邪魔をするのかと思ったけど、案外そうでもないんだな)中に入っても、身体に倦怠感を感じたり、呼吸がしにくくなったりする様子も無い。他3人(2人と1匹?)もそれは同じだようだ。
是清さんが、指示を出す。指示を出しながら空瑠璃を見て――かたまった。(……え?)「これはどうしたことだろう。」? どれが何をしたというのだ? 空瑠璃は何もしていない。少なくとも、意識的には何もしていない。わけがわからず戸惑っていると、巨大な猫が――胡庵も、不思議そうに言った。(……息苦しい? 此処がかい?)胡庵の言葉に、目を丸くして返す。パチパチと何度も瞬きする。身体に倦怠感を感じたり、呼吸がしにくくなったりする様子も無かったのは、自分だけだったらしい。それを3人(2人と1匹?)が表に出していなかっただけのようだ。

「ぺ、ぺどっ……!? ……く、くるりはそんなに幼くないさ。ぺどふぃりあ? って、もっとこう、ちっちゃい子に対するやつなんだろう? くるり来年から女子高生だし……。それに、くるりなんかが好みだなんて、そんな奴いるわけないだろ? よっぽどの変人じゃないと……」

ただでさえ『自分だけ良くないものの影響を受けていない』という、主人公か女神みたいなステータスに動揺しているというのに、四ツ谷の冗談みたいな発言に、動揺が2割増しぐらいになる。普通(霊理士は普通ではないが、此処にいるメンバーは全員霊理士か霊獣なのでノーカウントだ)の中学三年生なので特殊性癖について詳しくない。上手く冗談めかしく返したかったが、冷静じゃないせいで下手くそになってしまった。(弟なら、もうちょっと、面白おかしく、ユーモアたっぷりで応えたんだろうけど……くるりってほんとダメ)
自分の置かれた状況と情けなさに頭を悩ませていると、四ツ谷が『天上界のブラックカード』という単語を出した。ブラックカード。霊理士になったときに支給された紙切れ。否、相当な価値をもつものだから、紙切れなんて言ったら失礼どころか使う資格すら剥奪されてしまいそうなものだが。空瑠璃も持ってる。(くるりは欲しいものもないし、おじいちゃんとおばあちゃんに渡すわけにもいかないしで、一応持ち歩いてるだけって状態になってるけど……)その上限なしの最強マネーカードで、慰謝料弁償代諸々払うつもりらしい。コカドリーユ(詳しくは知らないけど、いろいろ燃やせる人口魔眼らしい)でこの家ごと燃やして。

「いや、駄目だろう……くるりなんかが意見を言える立場じゃないのは先刻承知だけれど――先刻承知の助だけれど、でも駄目だろう。中に人……人? 人かはわからないけれど、誰かいたらどうするんだい!?」

かなり雑な洒落と自虐を入れて、四ツ谷を否定した。動揺しっぱなしではあるが、他人(人かはわからないけれど)を心配する余裕はあるらしい。

>>@ルートall

【遅くなってすみません!!;;】

3ヶ月前 No.282

doubt @casebycase☆0c9nqQGSPbs ★0w2hUnjmki_mgE

【山鳴 八房、播磨 竜胆/お台場 倉庫街】

「なんというか、吾がこんなことを言うのも口幅ったいが……その遮光眼鏡に黒装束は流石にどうかと思うのだが……」

東京はお台場某所、まだ肌寒い潮風に晒されながら倉庫街の端を対照的な二つの人影が進んでいく。端的に言えば「白」と「黒」、全く印象の異なるそして両者ともに異様な風体の双影。カラカラカラと高下駄の足音と潮騒を背景音楽に両者が交わすのはどうしようもなく他愛ない言葉の応酬だった。

「この際アンタに対するツッコミは置いておいてだ、それでも隠密の気功が効いてるから一般人には見えやしないっすよ……それにこういう『機関』に所属する人間はグラサン黒スーツって相場でしょうよ?」

涼やかな声音の苦言を悪怯れるでもなく流した「黒」、山鳴八房が快活な笑みを零す。
東洋人特有の黒髪と、それと同色の瞳。黒いスーツに同色のネクタイ、足元を見れば似合わぬ革靴までもが暗い光沢を放っている。全体で見れば一般的なキャリアウーマン像を大きく覆しているのは陽光を弾き煌めくレイ○ン社製の遮光眼鏡。口元に咥えられた紫煙燻らせる紙煙草も併せ、その姿はどこからどう見てもヤの付く自営業にしか見えない。尤も彼女を良く知る人物からしてみればそちらの方が余程性質が良いと口を揃えるだろうが……
その横合い、彼女の言に苦笑に含有される苦味をさらに強めている「白」、播磨竜胆はまた別ベクトルの異様さを醸していると言えるだろう。風に靡く白銀の髪、時代錯誤的な和装と人形の如き不自然に整った相貌は常人(ただびと)のそれではない。何より翡翠の瞳に入る縦長の獣の瞳孔と額より突き出た双角はこの人物が常世の住人に非ずと雄弁に物語っていた。

歴戦の霊理士と「辰」の霊獣、此度二人に与えられた任務は十二支に見初められた当代の霊理士、その勧誘と品定めである。十二支とその霊理士たちは東京を守護する方陣の文字通り要であり、天上界からは一人欠けることなく確実に引き込めという厳命である。無論今回の任務に付き纏う責務の重さは重々承知、されどこの八房の辞書には半端という単語は記されてはいないのだ。やるのならば徹底して徹頭徹尾全力で、だ。例えその果てに脱落したとして、八房は微塵も悔やむことは無いだろう。
生半な気持ちでやってきた若人を死地に放り込むことほど酷なことも無いだろう。ま、これもまた一種の優しさってことさね

「……っと、此処みてぇだな」

そんな思案も束の間、二人の歩みは止まり無事目的地に到着したことを確認する。
割れた窓ガラス、所々に罅が目立つ外壁、錆びれた門扉。凡そ無人倉庫と形容しても差し支えないこの建屋こそ八房が用意した試験会場だ。後輩霊理士たる十文字清春の手引きだが、その迅速さと隠密性は見事という他ない。尤もあれが得意とする「昏睡」の呪を使ったというのならばここは相応に派手な気付けが必要だろうが。
一歩、さらに歩みを進め錆が浮く門扉を手でなぞる。かつては巨大なコンテナを運び入れたのか、高さは二階建て相当といったところか。これならばさして問題も無いだろう。ニタリと滴るような不敵な笑みに竜胆が気付いたと同時、女の咆哮が木霊する

「ッシャオラァアアアアアアアア!!!」

竜胆の制止を振り切り繰り出された後ろ廻し蹴りが門扉に命中、霊力を乗せた一撃に超重量が冗談のように吹き飛ばされる。劈くような轟音と舞い散る破片、新人霊理士たちの頭上をスレスレに飛翔した鉄塊が壁面へと突き刺さる。暗い室内へと差し込む陽光を背景に黒の女が満足げに微笑む

「よぉ、雁首揃ってるじゃあねぇかヒヨっ子諸君。ハッピーな寝覚めだったか?」

>BALL

【かなり遅れてしまいましたが、皆さん出揃ったようなのでBに対してのALL文を投下いたします。至らぬ点あるかと思いますが宜しくして頂ければ幸いです】

3ヶ月前 No.283

@kino10 ★ccZgXX84ei_08J

【 東京湾倉庫街 車内 / 十文字清春 】

 若干の戸惑いが見える椿を横目で見つつ、こりゃ件の果物が全くなくなっていることも考慮しなきゃあな思案し、より深く背もたれに頭を預けようとした、ちょうどその時だった。

「始まった!」

 倉庫街に響き渡る轟音。深夜という時間帯に加えて人祓いの気功が効いている一帯に対して不釣り合いなほどの大音量を聞き、清春は合点がいった。山鳴八房が行動を開始したのだ。他人とは言え、未だ何も知らされていない霊理士候補の若者4人を、再度気の毒に思う清春であった。

「今ので人死に出てないといいけどな……。」

 椿に意見を求めるかのように独り言つ。その言葉には暗に、ちょっと様子見に行ってみない?という気持ちが見え隠れしていたが、椿はそれに気がつくだろうか。
 物見遊山と言うよりも、人の生き死にが心配な清春であった。強力な力を持つ先輩霊理士として、また恩人としても八房を尊敬し信用もしている。時々の気分に任せてノリで人を殺してしまうような愚挙はしないであろうことはわかるが、何分その気性と力、霊理士候補生には戦闘向きではなさそうな女性も混じっていることを鑑みると心配せずにはいられなかった。

>>椿

【とても魅力的な設定ですね。なんだか良くわからない鬼の力に困ってる天上界のメンツの顔が目に浮かびます。あと、自分の中では清春・椿共に殺すべしという強硬派も天上界にいるだろうなとか考えてます。
>>雪鹿さん

 倉庫街をコソコソしている清春と椿には、八房の査定が始まるまでノータッチでお願いします。

>>霊理士候補者担当各位】

3ヶ月前 No.284

@kino10 ★ccZgXX84ei_08J

【 北軽井沢「冴木家別荘」 / 猫田是清 】

「ペド……」

 四ツ谷の発言に困惑する是清。言葉の意味はわからないであろうけど、中学生の前でその発言はどうだろうと四ツ谷を軽く訝しむと共に、こんな時どういう風に注意したり場を収めたりするのかも考えて硬直。新幹線で軽井沢まで来る道すがら、隣に座る砂卯月にベタベタしたり微妙な発言を繰り替えす四ツ谷に対して何度も同様に硬直していた是清であったが、任地に赴いてなお硬直するのはいかがなものだろう。しっかりしろ。

『ぺ、ぺどっ……!? ……く、くるりはそんなに幼くないさ。ぺどふぃりあ? って、もっとこう――。』

 いや、意味知ってたんかい。という突っ込みをいれるかどうかまた思案の硬直に入りかけた自分を頭を振って気付けする是清。今置かれている状況、どのように次の一手を指すべきか考える。

「先ほどの自分の指示通りのチームで行動しましょう。四ツ谷さん、有事の際は間違っても僕ごと燃やすことのないような火力でお願いします……。」

 砂卯月の状態も勘案してみたが、どんな状況であれ新人の砂卯月を先行させるわけにはいかないと判断した。胡庵の身体を撫で、ばつの悪そうな顔でウィンクして軽くお辞儀して見せる。同行を志願する胡庵に対して、その申し出を却下したことへの詫びとして。
 四ツ谷の申し出も勿論却下。やんわりと拒否したニュアンスが届いているか顔色を窺って見る是清であったが、是清目線では相も変わらず何を考えているかわからない四ツ谷であるため、早々に苦笑いして見せる。「では、よろしくお願いします。」の合図と共に歩を進めようとしたとき、花壇の土がモコモコと揺れ始めた。

「くっ!?」

 是清が花壇の揺れを認知した直後、土が爆ぜ、中から白い塊のような何かが是清目掛けて突進してきた。咄嗟に片手に霊気を集中させ、それを手刀で薙ぐ。

『グルルルルルル』

 白い塊の招待は白骨化した――骸骨犬とでも言うべきか□□□恐らく犬であったモノ。皆より先に歩を進めていた是清は、一体を相手にする合間に数体の骸骨犬に囲まれていた。

>>@ルートALL

【すいません。突然の戦闘です。これを契機にチームを是清&胡庵、四ツ谷&砂卯月に分断したいと考えています。また、このあと是清の行動により判明する予定ですが、別荘の外にはもう出られなくなっています(他の方が認知しても構いません)。何か提案や質問等ありましたら宜しくお願いします。>>@ルートALL

新幹線内で勝手にイチャイチャしていたことにしてしまいましたが、気に入らなかったら蹴って頂いて結構です。>>友禅様、紫様】

3ヶ月前 No.285

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★DoaFJQIlTR_Twa

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3ヶ月前 No.286

ますたぁ @ritonetto ★iPhone=gWqlrtM9V5

【 北軽井沢「冴木家別荘」 / 胡庵】


自分の提案を却下され、耳も尻尾も垂れ下げ、心配そうな顔で主様を見つめる。身体を撫でられウィンクをされても、やはり納得いかない。

しかし主様の命令である以上それに従うしかなかった。改めて空瑠璃さんを守ろうとトボトボと歩くが、その時辺りの土から白い骸骨犬が現れ主様に襲おうとした。主様はそれを見事にはじき返したが、その時のは周りを囲まれていた。

「主様!!……っ!!」

瞬時に主様のそばまで行き、主様が弾き飛ばした骸骨犬の上から強烈な猫パンチ(とはいえおよそ1tくらいある強烈な猫パンチ)を食らわせ粉々にする

「……その汚れた牙を主様に向けた報い……受ける覚悟ができているのでしょうね……下級妖怪風情が!!!」

青い炎を纏わせ自分の周りにいた骸骨犬4匹くらいを燃やす。ちなみに、この炎は敵意を持った相手には高温で触れれば骨も残らぬ強烈なものだが、胡庵が敵ではないと判断したものが触れても、熱くない少し暖かいくらいにしか感じないかなり便利な炎である。

「皆さん!こちらへ!」

とりあえず再び囲まれる状況を防ぐため、開いた道へと、その場にいた人たちを誘導しようとする。

その際、幻術を使って自分の分身を増やし、骸骨犬を引き寄せる。
しかし、その幻術に引っかからなかった骸骨犬が胡庵の後ろから飛びかかり、ガブリと胡庵の首に噛みつく

「くっ!……鬱陶しい!!」

その骸骨犬を炎で焼き消し振り払う。そして主様のそばに駆けつけ、相手に背を向け『乗ってください』と目で合図する。

≫是清さま 四ッ谷さん 空瑠璃さん @ルートAll

3ヶ月前 No.287

雪鹿 @class ★Android=42zyboh5vZ

【東京湾倉庫街・車内→車外/椿】

突如として響く轟音。しかし、そちらを見る事はせずに妖怪らしく妖しい笑みを浮かべて清春の方に視線を戻した。鬼が蔓延った昔ならいざ知らず、現代で聞く事になるとは思わなかった。とはいえ、既に山鳴八房という人物を知っていたが故に、想定外の出来事なんていう訳ではない。むしろ当人を知っているんだとすれば、この程度の事は想定内と言わざるを得ないのさ。現に隣の清春ですら、すぐに理解して反応する始末だってんだから、そりゃあもう。
と、一人で楽しんでいたが、どうやら清春は気が気でないようで人死にが出てないといいけどな、なーんて意見を欲しがってる……ってより、こりゃあ心配過ぎて見に行きてぇんだろうな。生まれて一週間位から見てんだから、それくらいは分かるってもんよ。幼年期は死なねぇ程度に厄介払いしてたし……いや、どっちかって言うと、引くくらい子供狙う妖怪が多すぎんだよ。

「ははっ、清春!俺には甘えても良いんだぞ?そら、物見遊山だ……お前さんは目的が違うんだろうが、な?」

カラカラと笑った椿はそう言い終えるが早いか、助手席からスッと一瞬で消えると何時の間にやら、鍵を掛けていたであろう運転席のドアを外から開けていた。ふと、椿の花の香りが漂う。しかし、こんな倉庫街に匂う程の椿の花がある訳が無くて、当然ながらに彼が隠形鬼としての力を使った時に合図として漂わせる香りである。他の香りでも良いんだが、これが一番使いやすいんだよなぁ……仮名と言えど縁があるからかねぇ。
さて、これにて隠匿完了。感知系ですら、感知された事実を隠してしまう故に認知出来ない存在の隠匿……ただし、これは一先ずってやつだ。何をどうするにしろ、最初は全部隠しちまった方が便利だろ。

「一応、全部隠しておいたが……注文あるなら言えよ?」

車のドアから手を離して機嫌良さげに扉がぶち破られた倉庫へと何時の間にやら履いているブーツをコツリと鳴らして踵を返した所で、顔だけ振り向いて何時ものように人と思えない程に艶のある妖しい笑みを清春へと向ける。愛玩動物のような雰囲気は既に無くて、ただ一人の鬼が其処には居るばかりだった。

>十文字 清春様

【そう言って頂けて良かったです!椿は天上界がわたわたしてるのを見たら、笑い転げてそうですね。
多分そういう方も多いでしょうね……ただ、不用意に殺そうとすれば清春君連れて椿が雲隠れしちゃいそうなので迂闊に手を出せないんじゃないかな、とか思ってます。椿も椿で天上界は常に警戒してるでしょうし。】

3ヶ月前 No.288

YY @nickker8 ★iPhone=1uZrRYZX64

【東京湾倉庫街/桐生竹寅】

「天才剣士か……」

どうやらこの有瀬未完という女性は自分の事を知っているらしい。テレビの取材は受けた事はあったがその放送を観ていたのだろうか。天才などと呼び名を付けられ竹寅自身複雑な心中だが、それは決して眼前の女性が原因ではない。安易にテレビの取材などを受けてしまったからだ。当時は多くの人の目に晒されながら修行するのもいいかもしれないとの考えだったが、大した効果は無く影響はせいぜい大衆の認知ぐらいであった。


「アンタもか。俺達も殆ど同じみたいだ。状況が掴めない以上、一緒にいた方が安全だろう」


2人と話しているとまた新たな人物が現れた。名は午野宮琴。竹寅や寧々音と同じ高校生らしい。ハッキリとは見えないがハーフらしい顔立ちと女性としては高めの身長である事が分かる。彼女の申し出に竹寅は賛同の意を示した。よくよく監察してみればスクールバッグを持つ手が震えている。当然といえば当然だ。こんな不気味な所にいきなり閉じ込められたのだから。まぁ実際のところ彼女の不安は若干違うものなのだが。どちらにしても一刻も早くここから脱出しなければならない。


それにしてもこの場に集まったメンバーの共通点が全く見つからない。名前を聞いても竹寅が知っている人物は1人もいない。女性を狙った誘拐ならまだ話は通るが、そうなれば自分はターゲットにはならないだろう。竹寅にしては珍しく頭を働かせて考え事を始めたその時だった。


「なっ……!」


入り口とも思われる鉄塊が轟音と共に壁面へと突き刺さる。とっさに身を屈めたが、飛んできたソレは竹寅達の頭上スレスレを通過していった。とてもじゃないが並みの人間が出来る事じゃない。差し込んできた陽光がその主の姿を映し出す。端的にいえば黒と白の二人。黒は女で見た目はその道の人。白に至っては額から立派な双角が生えている時点で人間ではないだろう。幼い頃から特殊なものが視えてきた竹寅でさえも、その存在は遥かに異質に映る。突如現れたこの出来事の黒幕であろう2人が放つ圧倒的な覇気に、竹寅の頬には一筋の冷や汗が浮かんでいた。


「…………アンタら一体何者だ?」



>>山鳴八房様、播磨竜胆様、有瀬未完様、亥村寧々音様、午野宮琴様、BルートALL様



【遅レスすみません。】

3ヶ月前 No.289

白熊けらま @tokyoapple ★iPhone=RGAcSVe0GA

【 東京湾倉庫街 / 亥村寧々音 】

 この異様な状況に、寧々音は半泣きながらもなんとか平静を取り戻そうと努める。
 寧々音の声に反応したのか、同じ境遇と思しき人間の姿が増えてきた。
 桐生竹寅、午野宮琴、そして寧々音が取りすがっていた女性の有瀬未完。
 みな一様に状況がよく解っていないようだったが、何人か集まることでなんとか不安は癒えつつあった。

 竹寅と琴は寧々音とちょうど同じぐらいの高校生らしい。しかし大きく取り乱しているのは自分のみのようで、なんだか気恥ずかしくなり不本意な方法ながらもなんとか冷静さを取り戻す。
 竹寅はかなり体格差があったが、それもそのはず、未完曰く彼は天才剣士と呼ばれているようである。何それかっこいい。
 琴はやや古めかしい中性的な話し方をしているが、彼女の性質によく馴染んでいるようでこれもまた素敵だなぁとのんきな感想を抱く。

 しかし恐らく竹寅も琴も高校は別であり、未完に至っては特に自分との共通点も思い至らない。
 竹寅ほどの体格、実力の者も簡単に連れて来られるのだから、犯人もやはり只者ではないのだろう。
 ここに攫われてきた理由を再度考え込んでみるが───その思考は轟音に遮られる。

 「ひええっ、な、何!?」

 情けない声を出しながら後方にそそくさと隠れる寧々音。
 力強い咆哮と共に重い鉄の扉が吹き飛ばされたのだ。外の光をバックに現れたのはパンツスーツ姿の三白眼の女性。

 『よぉ、雁首揃ってるじゃあねぇかヒヨっ子諸君。ハッピーな寝覚めだったか?』

 ……彼女が自分たちを攫ってきた犯人で間違いなさそうである。
 ただの犯罪者なら力を合わせれば隙を見て策を練り脱出、なんてこともまだ可能だったろうが、彼女は明らかにカタギどころか常人ではない。
 しかもその後ろに控えているのは頭から角を生やした青年だ。何が何だかわからない。
 頭上擦れ擦れを舞い背後に落ちた鉄塊にちらりと目を遣りながら、いやいやこれはムリ!と露骨に怯えた態度で震える。

 しかしそこは場数が違うのだろう、竹寅は冷や汗こそ流しながらも冷静に彼女らに質問を投げかける。
 彼の姿に寧々音も寸でのところで我に帰ると、声を僅かに震わせながらもおずおずと問い掛けた。

 「……私たちに何の用ですか?何のつもりでこんなとこ連れてきたんですかぁ……」

 せっかくの問い掛けも、話しているうちに強制労働だの何だの不穏なワードが脳裏をよぎり語尾が小さく消えていく。

>山鳴八房さま、播磨竜胆さま、有瀬未完さま、桐生竹寅さま、午野宮琴さま、BルートALL

【遅筆で申し訳ないです…】

3ヶ月前 No.290

@purple3ru ★iPhone=9hJIin38fI

【北軽井沢「冴木家別荘」/ 砂卯月空瑠璃】

くるりなんかが好みだなんて、よっぽどの変人じゃないと……と言ったところ、いつもゆるふわでまぬけな(失礼だけど)表情の四ツ谷さんが、珍しく真剣な顔で返された。そんなふうに、言われると、たしかにそんな気がする――しそうになった。いや、生きてる人みんな変人って。他人と違っているから、変わっているから変人なのであって、変人しかいないのならばそれは凡人なのでは? もともと変な人間にさらにランクアップを加えないと自分を好む人はいない、なんて言った空瑠璃の前提がやや間違っている気もするが。

「えふぇぼ……? は、さすがに知らないけど、とりあえず、くるりは変人で、四ツ谷さんはよっぽどの変人だってことがわかったよ。変わってるね。変わり果ててるね。油断大敵、油断禁物だよ。気をつけるね」

少しだけ考えて、別のことを考えている間にさっきまでのパニックもすっかりおさまり、いつも通りにぱっと笑って、冗談めかしく返す。(くるりのこと見ててくれて、優しくしてくれた、お兄ちゃんと弟も『よっぽどの変人』なわけだよね……ははっ、自分で口から出まかせで言った命題だったけど、案外あってるじゃないか)兄も弟も少なくとも『凡人』ではなかったからね。

結局、最初の案通り、プロ霊理士(じゃあくるりはアマチュア霊理士なのかいって話になるけど、実際は素人どころかミリしら霊理士だよね)2人と、空瑠璃と巨大猫のペアでいくことになった。当然、全てを燃やし尽くす作戦は却下。(よかった……意外と是清さんがヒャッハー系だったらどうしようかと思ったよ)是清さんの合図で、胡庵さんと一緒に待機の空瑠璃が、「いってらっしゃーい」と手を振る前に――異変が起こった。

「ひいっ!? ほ、ほねっ……!?」

庭にあった花壇の土が盛り上がり、震え、揺れて、中から白骨化した動く犬が出てきた。(魚の骨はフィッシュボーンズだからこれはドッグボーンンズだねって言える余裕がくるりにあればよかったんだけど! 無理!)だってあれ、明らかにおばけじゃないか! 犬が向かったのは是清の方向だが、存在自体が怖いので、咄嗟に犬から距離をとる。目尻に涙を浮かべて。逃げ惑う途中で四ツ谷の普段隠れてる方の眼と目があった。人工魔眼『g]V・コカドリーユ』。万華鏡みたいに綺麗で、色の暴力で頭がおかしくなりそう。何かビームのようなものが出るのを察し、慌てて目を逸らし、軌道からも逃げる。次の瞬間には骸骨犬は炎の上にいた。熱そうだな、と、小学生みたいな感想が思い浮かんだ。次の瞬間には胡庵さんが骸骨犬を殴り、燃やし、噛みつかれ、燃やした。つよい。こっちへ、って言われたけど、自分はどうするべきだろうか。

「……ごめんなさい、くるり、何にもできなくて……」

やっぱ駄目な子だ、と、呟くように謝る。自分を虐げる。己を嫌う己を否定する。こんなこと言うともっと嫌われるぞ。もっと駄目な子になるぞ。もっと自分を嫌いになるぞ。わかってても、生きるために呼吸をするのと同じように、本能的にやってしまっていた。

>>@ルートall

3ヶ月前 No.291

四方津 @co2haku ★Android=jRx3JFpeo0

【東京湾倉庫街/有瀬未完】

未完がテレビ番組から引用した「天才剣士」という枕詞に、竹寅から返ってきたのは何ともいえない反応だった。少なくとも喜んでいるようにはあまり見えなかったが、未完は内心こんなことを思っていた。

「(私は竹寅を怪しい者だとは考えていない。今の発言で、その考えを竹寅と寧々音に伝えることができただろう。間違った行動ではなかった筈だ)」

何はともあれ、少しでもその素性を知っている人物がいるのは心強い。事実、未完は何者かが近づいてくる足音を聞いても、その恐怖心は竹寅によってもたらされた安心感によって中和されたのだった。
三人の前に現れた第四の人物は午野宮琴と名乗った。やはり彼女も自分たちと同じように、目が覚めるとこの場所にいたらしい。琴は自己紹介を済ますと、ややぎこちない様子で行動を共にさせてほしい旨を伝える。
勿論、竹寅と同じく未完もその申し出には賛成だった。四人も集まれば、この空間から脱出することもできるのではないか。未完は暗闇の中に一筋の光を見たかのような心持ちだった。

「っ……!?」

比喩でなく暗闇に光が射し込むのは、かくも喜ばしくないものなのか。
突如として轟音が響き渡り、頭上スレスレを何やら大きなものが通過する。どうやら少し前まで鉄製の扉だったものらしいが、未完がその正体を確認する頃には単なる鉄の塊として壁に突き刺さっていた。
光源の方に目を向けると、明らかに異様な二つの人影が立っていた。いや、「人影」という言葉すら妥当なものではないかもしれない。何故なら両者とも決して普通の人間ではなかったからだ。
一方は角の生えた和装の青年。その不自然な美しさも相まって、彼(?)がヒトと呼べる存在ではないことはもはや確定しているように思えた。
もう一方は黒ずくめの怪しい女性。……未完自身も黒ずくめではあるのだが、その女性の装いは未完のものとはやや趣が異なった。人に威圧感を与えることを良しとしているような印象だったのだ。

「(恐らくだが、この女は暴力を生業としている)」

未完のこの直感は、あながち間違いでもないのだろうか。


「……お陰様で、随分と目が冴えたようだ」

そう呟くと、未完は倉庫内に散らばった破片に目を落とす仕草をする。だが、本当に確認したかったのは自らの持ち物の位置。幸いにして、バッグは未完が手を伸ばせば届く距離に転がっていた。

「(この状況下において、私の能力が役に立つ時があるとするなら……あのバッグはかなり重要だ)」

未完は再び二人組の方を見据えると、竹寅と寧々音の問いかけに対する彼らの答えを待つ。

>>BルートALL


【遅筆申し訳ありません……!】

3ヶ月前 No.292

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

【東京湾倉庫街/午野宮琴】

もともと人付き合いというものが得意ではないという自覚がある琴なので、もしかしたら共に行動することを拒否されてしまうかもしれないという不安もあった。というか不安しかなかった。しかし皆同じ状況に陥っているということもあってか、琴の同行に対して否定的な反応を示す者は居らず、一先ず琴はほっと胸を撫で下ろす。とにもかくにもこんな状況で孤立するという致命的なシチュエーションにはならなくて良かった。同年代のクラスメートと話すことはほとんどなく、いつも一人でいることの多い琴としてはこれまでコミュニケーションを怠ってきた自分を一回殴りたい。そして一から人付き合いというものを学び直したい。この状況下で考えることではないのだが、きっと琴が精神的に落ち着いているということなのだろう。そう信じよう。

(とりあえず、此処から脱出することを最優先にしなければ)

よし、と琴は内心で握りこぶしを作って気合いを入れた━━━━のだが、そんな彼女の決意は一瞬にしてぶち壊されて遥か彼方に吹き飛ぶこととなった。
唐突に室内に響き渡った轟音。咄嗟に琴は「ひっ」とほぼ吐息にも近い悲鳴を上げて地面に臥せたが、もしそうしていなかったら今頃彼女の頭部ごとぶっ飛ばされていたかもしれない。それが鉄でできたそれなりの大きさがある扉だということを琴が理解して戦慄するのはもう少し先の話である。

「な、何事だ……!?」

頭を抱えながらなんとか起き上がった琴の目にまず入ってきたのは、この暗闇の中にいた人間からしてみれば若干眩しすぎる外界の光だった。目映さに目を細める琴だったが、その先に立つふたつの人影を見つけてそちらに注視する。
男性が一人、女性が一人。男性は人のものとは思えない角を頭部に携えている。それが着けているものなのかもともと生えているものなのかは今の琴にはまだわからないところだ。角に気を取られていたが、現代日本では珍しい和装も目を引く。女性は黒いスーツに身を包み、男性とは対照的にモードな印象を与える。……正直なところ琴は「嗚呼、これがヤのつくご職業のお方なのだろうか……」と悟りにも近い感情を抱きかけてしまった。いけない、人は諦めを感じると何もかもが他人事のように思えてしまう。まだ生きる道はあるぞ私、と無理矢理に琴は自分に喝を入れる。

「私からも同じ質問をさせていただきたい。貴殿らは何者なのか、そして目的は何なのか。私たちは申し訳ないがこの状況をいまいち理解していないのでな。まずは諸々の説明をいただけないだろうか」

震える唇を一噛みすることで抑えてから、琴はスカートに飛んできた鉄屑を手で払い落としながらおもむろに立ち上がる。どうやらこの奇妙な男女二人組が自分たちを此処まで連れてきたらしい。それゆえに彼らから何をされるかわからないという不安もあったが、何も知らないまま人生を終えるよりはひとつでも情報を手に入れてから天に召された方がよっぽどましというものだ。それでも拭いきれない恐怖をスクールバッグを握り締めることで誤魔化しながら、琴は目の前の男女を見据えた。

>>山鳴八房様、播磨竜胆様、亥村寧々音様、桐生竹寅様、有瀬未完様、周辺all様

3ヶ月前 No.293

doubt @casebycase☆0c9nqQGSPbs ★0w2hUnjmki_mgE

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2ヶ月前 No.294
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