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創り物の学園の中心で

 ( オリジナルなりきり )
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異能力学園群像劇 @isaribi10 ★0gkYBdXyN1_jWF

「この世界はジオラマ。皆、皆、騙されているのよ」
学園の隣の近未来的な実験施設の屋上で少女は空を見上げてポツリと呟く。誰かが呆れながら呟く。
「で?次はどんな陰謀説?」
少女は大げさな笑顔でどこか遠くへ見る。
「もう貴方は知っているはずよ」
少女は笑顔を創りながら、その場を去る。

――此処は九十九(つくも)学園。とある都市に構える豪華な学校。全寮制で家に帰れるのはお盆と正月だけ。制服では無く私服登校で髪型、髪の色も自由の為規則は厳しくは無い。学園の隣には学生、教師専用の研究施設のラボが建てられる等少なくとも金回りが良い私立高校と言うのが分かる。
そしてこの学園には大きな秘密が存在している。その秘密とはこの学園が国の政府により創られた異能力養成学校であった事。その為、九十九学園は普通科と異能力科と別れている。普通科の生徒達は校舎そのものが別れている為その事を知る事は無い。

そして九十九学園の異能力者達はとある事件をきっかけにまるで運命の様に一つの学園から一つの真実まで導かれていく。
【駄文失礼しました。スレ主は至らぬ点や返信が遅れる事がありますが宜しくお願いします】

メモ2017/07/09 21:13 : 友禅☆fXqsD0VZIxk @yuuzenn★Ywte4t2Nfq_m8y

ルール

http://mb2.jp/_subnro/15565.html-1


世界観・用語・募集・プロフィール

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ロケーション

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http://mb2.jp/_nro/15565.html-144


物語全体のあらすじ

http://mb2.jp/_subnro/15565.html-56


第三章のイベント内容

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〜キャラクター一覧〜


理事長(セヴェルト・スージオ)

http://mb2.jp/_subnro/15565.html-31


御子柴優

http://mb2.jp/_subnro/15565.html-9


序ノ舞浪曼

http://mb2.jp/_subnro/15565.html-81


黒葛原綴裏

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友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★Ywte4t2Nfq_m8y

【 陀羅尼宝剣 / 普通科・屋上 】

 相手の返答を聞き、やはり別の場所の生徒会と敵対する関係にあるのだと改めて確信。首を取るが物理的な意味か比喩的な意味かによって事の荒々しさが違ってくるが、もし物理的な意味なら、夜間過程では一体どのような血腥いイベントが開催されているのだろう。宝剣は生徒会長の「よそで何をやっていようと普通科の生徒たちに被害が来なければそれで良し」というスタンスを尊重しているので、極論を言ってしまえば夜間過程の生徒たちが屍の山だとか血の海だとかを築き上げて惨劇の舞台の登場人物になっていても一向に気にしない。自分達は普通科の生徒会。守るべきは普通科の生徒たちで、よその科の生徒たちのことは管轄外。だからこの人狼と白衣の少年の邂逅だって、場所がよりにもよって普通科の屋上でさえなければ横槍を入れるつもりはなかったのだ。

「血の気が多いですなー。まあ、お前様がその気ならば致し方ありませぬ。小生と紅葉が、お相手しましょうぞ」

 ニィと薄桃の唇を吊り上げて、今の今まで回し続けていた唐傘の動きをピタリと止める。そして次の瞬間。椿の花が茎から丸ごと落ちるように唐傘の傘の部分だけが地面に転げたかと思えば、宝剣の姿がその場から消えていた。紅葉は一定の速度と角度で振り抜けば中から太刀が姿を現す仕込み刀だ。その振り抜く瞬間が見えずいきなり傘の部分だけが落ちたように見えたということは、即ちそれだけ宝剣の一閃が早かったということ。遅れて、ヒュンッ、と刀が空を斬る音が鳴る。下駄での足運びも、達人たる宝剣が行えば音は発生しない。今の今までカランコロンとわざとらしく鳴らしていた足音は、まさしくわざとだったのだろう。
 音も無く、予備動作も無く。いつの間にやら人狼の真正面に立っていた宝剣は、まさしく人狼と称するに相応しい相手の顔を下から覗き込みながら狐面越しに鮮やかな笑みを見せた。そして耳元に唇を寄せ、密やかに囁く。――残念ながら、今宵は満月ではありませぬが。この狐との一時の逢瀬を楽しみましょうぞ、人狼殿。
 宝剣の剣士としての優れた観察眼は、白衣の少年よりも人狼のほうこそを難敵と判断した。この人狼が戦う気でいるのかいないのかは、はっきり言って分からない。が、いざ戦闘になれば、恐らくはこちらが己にとって厄介な存在になるだろうと。事実、その判断は間違いではない。宝剣は白衣の少年こと朱夏の能力を知りはしないけれど、ポルターガイストで周りから物が飛んでくるくらいならいくらでも対応できる。けれど単純な身体能力が自分より高い相手とやるのは非常に難しい。ゆえに宝剣が向ける警戒心は、この場においては6:4で人狼のほうが優勢だ。
 囁き終えると同時、またしても音も無く屋上のフェンスの上に移動し、太刀を片手に危なげなく人狼と白衣の少年とを見据える宝剣。生徒会としての立場上、相手のほうから自分に攻撃を加えようとするまでは斬りかかる気は無いらしい。

>元貞坂朱夏様&ALL様

16日前 No.156

異能力学園群像劇 @karasu1010 ★0gkYBdXyN1_OzI

【檜木真琴/男子寮・宝嵐玉の部屋】

二股舟はスクリーンの方を向きながら正論を檜木に突く。ただし周りの男子生徒が檜木の大声で様子を見に野次馬が集まろうが檜木は少しも怯む事無く二股舟の方へ向かって呟く。
「だからって開き直ってる意味が分からないわよ……それに私は盗聴器……」
彼女は矢野島が盗聴器を仕掛けるのを止めようとした事を伝えようとするが矢野島が無言で彼女を止める。矢野島の顔はかなり困惑していた。
「どうしたの……? 」
檜木から見ても今の矢野島の状態は異常だった。大きく疲労しているのかいきなりソファーに倒れ込む。
「とりあえず、ソファー借りるわね……」
彼女は一刻も早くこんな場所を出たかったが矢野島がソファーから全然起きない。とにかく安静にすべきと判断したが此処で矢野島を色んな意味で置いていく訳にもいかないのでこの部屋の主に甘えさせて貰いソファーに座り映画を見る事にした。檜木は音楽以外は成績が5と言う程に頭は良い方だが中国語は勉強した事が無くましてや途中からこの映画を見ている為、内容がさっぱり分からない。その為この映画は何時間構成なのだろうか、字幕や中国語を学んでいればこの映画を楽しむ事が出来たのか等、作品の内容以外しか考えられない。

檜木自体は映画に行くかと言われれば友達とたまに行く程度。ただし映画がつまらなければ途中で帰り、友人が映画で寝ていたら必死に起こす等やはり色々と騒がしい。しかも一度見に行った映画ならば檜木はこの後の展開を言わずにはいられない。言わなくとも、これからどうなると思う? 等と物語展開についての質問の連続。しかもちゃんと質問に対応しなければかなり怒り、口を利かなくなる。これは一緒に映画に行った友達も騒がしい所か鬱陶しく感じ始める。

矢野島はかすかに聞こえる映画の音声を子守唄にして天井に写されるスクリーンの光を見る。
「大丈夫……? 」
檜木はさっきまでトラブルを起こしていた二股舟と面識が無い宝嵐玉に対して偉そうに指示をする。
「二人は何か飲み物とか布団とか持ってきなさいよ。後、映画の音量下げて。矢野島が気持ちよく眠れないでしょ」
自分で行動すれば良いと思うが檜木は矢野島の傍にいたかった。

矢野島は檜木を見つめる。その目の輝きは不規則に変わり歪んでいた。

>>二股舟木舞様、宝嵐玉様、周辺ALL


【元貞坂朱夏/普通科・屋上】

狐面は唐傘の傘の部分だけを残し何処かへ消えてしまう。そしてその後に刀が降る音が鳴る。狐面はいつのまにか人狼の前に立っていた。これは宣戦布告と取れる行為だと感じる。そして同時に屋上のフェンスの上に移動する。人狼はそれを受けるが如く、狐面に遠吠えを上げる。元貞坂としては漁夫の利を狙えるチャンス。一方、複数の幽霊は屋上に落ちていた様々な用途のある武器を探していた。そして一人の幽霊が雨で付着している血が滲んで少しへこんでいる黄金の金属バットを見つけ元貞坂の足元へ投げる。
「普通科も物騒なのは変わらないッスね」
元貞坂は雨に濡れたバットを躊躇無く拾う。
「流石に刀相手に丸腰は勘弁して欲しいッス」
人狼は振り切ったかの様にフェンスの上の狐面の方へゆっくり歩くが突如、不意に元貞坂の方へ水たまりを跳ねさせながら劇的な速さで走る。元貞坂は咄嗟にバットを人狼の口にフルスイングしようと試みる。しかし人狼はそのフルスイングよりも早く飛びながら元貞坂の頭に左足で右側に横蹴りを仕掛ける。元貞坂は後ろに引いて避ける。しかし人狼はそれを待っていたかの様に蹴り足を踏み込んで、その勢いで相手の顔面に大きな爪による裏拳打ちを決める。元貞坂は顔を剥ぎ取られ大きく吹き飛ばされ床に寝転ぶ。幽霊はただ存在しているだけなので元貞坂に関して何も出来ない。人狼は狐面を見て構え、爪に付いた皮膚を舐め取る。そしてゆっくりとフェンスの上まで歩き出す。どうやらかなり興奮している様で全然戦いに飽きていない模様。むしろ、まだ戦いに飢えている雰囲気さえ出ている。

そして人狼は狐面に向かって走り出そうとした、その時。
「……オレっちがこの程度で倒れると思ってるッスか」
元貞坂はローラーブレードで華麗に滑り込み人狼の後ろまで来る。ローラーが床の雨水を巻き込み噴射しながら人狼の後頭部にローラーの速度そのままでバットを突いて行く。人狼は即座に元貞坂を掴みその場で回転し投げ飛ばそうとする。しかし彼はバットで人狼の眼球を思いっきり突く。人狼が今度こそ怯んだ隙に元貞坂は器用に人狼を踏み台にして斜めに飛び上がる。

飛び上がった先はフェンスの上。つまり、狐面の元。

元貞坂には頬には大きな斬り傷が何本か綺麗に出来ていた。彼は痛みに耐えながらバットを狐面に振り被ろうとする。

目の前にいるのは倒すべき敵の姿。元貞坂は真っ先に生徒会を狙う。

屋上から見えるは雨に濡れながらも時に満月や星が出る夜空よりも美しき夜景。だが今此処は紛れも無く汚ない血が飛び散る戦地であった。

>>陀羅尼宝剣様、周辺ALL

16日前 No.157

@purple3ru ★iPad=o1RdeKbLL2

【花丸山望 / 購買→ロビー・自動販売機】

夕食を食べ終えた後、望はなんとなーくで購買へ寄った。何か食後のデザートになりそうな売れ残ったお菓子はないかなー、なんて考えながら。そうしてやってきた購買には、なんといつも売り切れている大人気の苺大福が残っていた。和菓子好きの望がそれを見逃すはずなく、いつもぼうっとしている小豆色の瞳を輝かせ、いつもののんびりとした動きとは打って変わった俊敏な動作で苺大福を手に取り、すぐにお金を出して、無事購入した。
いつもの無表情と比べるとほんの少しだけ口角を上げて、寮のロビーを通っていると、いつも視界の隅で背景になっている自動販売機に存在感を感じ、足を止める。苺大福1個にしては大きすぎるビニール袋を手首にかけ、また財布を取り出すと小銭を入れ、飲み物たちを見つめる。このあと、苺大福と一緒に飲むものを買うことにした。やっぱり和菓子といったらお茶だよね……と、選ばれた緑茶のペットボトルのボタンを押し、お釣りなくぴったりの値段だったことに喜びを感じ、ペットボトルを取り出してから進む道を見ると、知ってる少女がいた。

「浪漫。翠紅館さん。こんばんは」

ペットボトルを苺大福と一緒のビニール袋に突っ込むと、まだロビーには入り込んでいない、廊下を歩く2人に、自分からとてとてと駆けて近付く。そして、きなり色の髪やら手首にかけたビニール袋やらパステルピンクのワンピースの裾やらを揺らしながら、少し首を傾げて珍しくはにかみ程度に口角を上げて挨拶。
1人は友人の序ノ舞浪漫。もう1人は、同学年の翠紅館ドリス。"自分が世界で一番美しいと思っているタイプの女"とクラスメイトが授業中にこそこそ話しているのを聞き、その日のうちに姿を見かけて「ほんとに美人さんだ…」という印象を受けた人。望は普段ぼうっとしているが、他人の姿形名前を覚えるのは結構得意な方だったりする。

「2人も、のみもの買いに?」

傾げていた首を真っ直ぐに直し、2人のことを見つめて問う。絶対に挨拶のときに首を真っ直ぐにするべきで、絶対に今首を傾げるタイミングのはずなのだが、まぁいちいち首の角度について突っ込むような相手ではないのでいいだろう。

>>序ノ舞浪漫さま&翠紅館ドリスさま、周辺allさま

【出遅れましたが今日からまた普通に返信できます!
 勝手に浪漫ちゃんとドリスちゃん動かして絡みました、駄目だったら言ってください!】

16日前 No.158

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★Ywte4t2Nfq_m8y

【 二股舟木舞&宝嵐玉 / 男子寮・宝嵐玉の部屋 】

 真琴が今の言い分ですんなり引き下がる女でないことは知っていたから、お静かにと告げて静かにされなかったところでそこに更に文句を返して泥沼になる気はない。ただ無言で映画の音量設定を上げるだけだ。部屋中に響き渡る中国語の歌。スクリーンの中には美女に扮した俳優だけでなく大王に扮した俳優も出てきて、ますます画面が中国チックになった。背後では何やら矢野島がいきなりソファーに倒れたり真琴がそんな矢野島の安否を気遣ったりしているが、やはり木舞の視線も嵐玉の視線もそちらに向くことは無い。木舞は真琴にも矢野島にも少しも興味が無いから、嵐玉は単純に映画の視聴を優先したいから。

「ご自分でなされては?」
「いま映画が良い所ネ。キッチンはあっち、ベッドルームはあっち、耳栓はそっちの棚の中に入ってるヨ」

 案の定ドライな返答の木舞と、暗に飲み物は自分で取って来い、布団が欲しければ自分で寝かしに行け、映画の音量を下げるつもりはないが耳栓の場所は教えてやるからそれでも付けていろ、な説明だけしてスクリーンに視線を戻す嵐玉。やはり振り返って指さしでキッチンやベッドルームの場所を教えた分だけ木舞よりは丁寧な対応なのだが、それは比較対象があまりにもドライすぎるからマシに見えるだけで、嵐玉の対応とて一般的な観点からすれば充分にドライだ。
 いくら檜木真琴が女王様気質と言えども、二股舟木舞と宝嵐玉は他人の精神の身分など気にも留めない壊人と奇人。『女王様』に傅くのは彼女の恩恵を受けたことがある者か彼女を敬愛する者だけで、どうでもいいと思っている人間や興味が無い人間にまでは、その威光も届かない。ましてここは彼女の城ではないのだ。生徒会室でも校舎の中でもない、『男子寮』の、『宝嵐玉の部屋』。そもそも女子が男子寮に入るだけで校則違反なのだから、その違反行為を教師にチクっていないだけで自分達は彼女に優しく接しているほうだろう、と考えているのが嵐玉で、真琴が校則を犯しているかいないかなんてどうでも良いし興味も無いのが木舞だ。
 けれど二人とも、矢野島の様子が可笑しいのは気配で何となく察していたので、一応の警戒心はしっかり持っている。「リングナイフ」、と誰にも聞こえない小さな声で囁いて手元に暗器を召喚したのがその証拠だ。両手を降ろした状態で召喚したから、ソファーの陰に隠れて後方の二人からは見えないはず。ひょっとしたら嵐玉も気付いていないかもしれない。嵐玉のほうも、いつでも“歌える”ように密かに呼吸だけ整えていた。

>檜木真琴様&矢野島様&ALL様

16日前 No.159

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★Ywte4t2Nfq_m8y

【 陀羅尼宝剣 / 普通科・屋上 】

 遠吠えを上げてこちらに向かってくるかと思われた人狼だったが、しかしその鋭い爪が閃いた先は白衣の少年だった。恐らくはそれが能力の一部なのだろう、自身が動いたわけでもないのにどこからともなく飛んできた金属バットをキャッチして迎撃しようとする少年。けれど少年の金属バットが人狼の顔面に叩き込まれるよりも、跳躍した人狼の左脚が繰り出すキックのほうが速かった。回避のために自ら下がった以上、少年のフルスイングはもちろん空を切る。そこに追撃として再度振るわれる爪。今度は回避できず、少年の女の子ウケが良さそうな小奇麗な顔面は皮膚の大部分がベリッと剥された。さらに衝撃を殺しきれず後方に吹き飛ぶ。剥ぎたてほやほやの皮膚を美味しそうに舐めている様子を見ると、人狼はルックスの通りに肉食なのだろうか。フェンスに向かって歩いてくる人狼。宝剣はくすりと笑う。

(いけませんぞ、人狼殿。吹き飛ばした敵を意識から追いやるような真似をなさっては)

 視界の端で、今しがた吹き飛ばされたばかりの少年がのそりと起き上がるのが見える。身体のバネを利用して飛び起きた彼はローラーブレードで強く足場を蹴り上げ、ほとんど一気にトップスピードまで加速すると人狼の背後に肉薄した。人狼の後頭部にクリーンヒットする金属バットによる突き。衝撃によってやっと自分が投げ飛ばした相手がまだ戦意を失っていないことに気付いた人狼は、また迎撃するために後ろに振り返った。その瞬間を狙って、少年の再度の突きが人狼の眼球にぶち当たる。血が出ていないところを見るに破裂とまでは行かなかったようだ。思わず怯んだ人狼を踏み台に空高く跳躍、そしてフェンスの上にいる宝剣を目掛けてバットを振りかぶる。

(見事な闘志、このご時世には珍しく根気のある若者ですな。しかし、それだけに勿体無い。使い用によっては離れた場所から攻撃が可能であろう能力を持ちながら、どうして『剣士』たる小生を相手に近付いてしまわれるのですかな。――紛う事無き悪手ですぞ、それは)

 不安定どころではない、常人ならば足場とさえ認識できないであろう細いフェンス。その上で器用にも足幅を開き居合にも似た構えを取った宝剣。そして次の瞬間、白衣の少年が握っていた金属バットは根元数cmだけを彼の手元に残し鮮やかなまでに切断されていた。宝剣の体勢は、よほど動体視力に秀でた者でなければ構えたまま変わっていないように見えただろう。が、実際には違う。鞘の無い状態で居合もクソも無いが、宝剣は居合を気取ったそれっぽい構えから素早く『紅葉』を振るって卓越した技量で容易く金属バットを斬った後、また元の体勢に戻るという行動を一秒未満でやってのけたのだ。
 示現流兵法剣術には太刀の速度を現す『秒』『絲』『忽』『毫』『厘』『雲耀』という言葉がある。宝剣の流派は示現流ではないが、この表現方法に則るならば今の太刀筋の速度は『絲』。すなわち秒の十分の一の速さだ。もちろんこの剣戟が限界点ではない。お次に披露する剣の速度は『忽』。秒の十分の一の速度である絲の、そのさらに十分の一の速度だ。一流の剣士は秒以上の世界で戦わない。ゼロコンマでのみ表現される『秒以下の世界』でお互いの手の内を読み合い己の技を繰り出せる強者でなければ、陀羅尼宝剣を相手に接近戦など成立しない。さあ、果たして目の前の彼には自分の敵として立てる強者の資質があるのだろうか。
 殺すわけにはいかないから、当たっても死にはしない峰のほうを向けて繰り出される燕返し。すなわち下段から中断への振り上げ。金属バットを振り上げたままの体勢の少年は、ありがたいことに腹部も胸部もガラ空きだ。そこを目掛けて内臓がつぶれない程度に加減した力で『紅葉』を振るう。剣が空を切る音さえ遅れて聞こえてくるであろう一流の剣士の一閃。常人であれば、それを空中で避けることなど不可能だ。

>元貞坂朱夏様&ALL様

【NPCと普通のキャラクターの戦いならNPCへの確定ロルOKですけど、NPCとNPCの戦いだとOKかどうか微妙なところですよね。バット切断あたりが判定に触れたらすみません】

15日前 No.160

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★Ywte4t2Nfq_m8y

【 序ノ舞浪漫&翠紅館ドリス / 女子寮・ロビー 】

 お互い仲が良いわけではなくとも、目的地が同じ以上は同じ方向に歩くしかないし、浪漫もドリスも誰かのために自分の予定をズらすという行為があまり好きではなかったので、結果として彼女らは二人揃ってロビーの自動販売機にやって来ることになっていた。ドリスならいつも侍らせている奴隷のようなファンの男子生徒たちに買いに行かせるという手もあるだろうに、いちいち女子寮から男子寮に電話をかけて呼び出すのが面倒だったのか、そうすることはなかった。
 目立つ二人なりに周囲の視線を頂戴しながら自動販売機に辿り着き、ミルクセーキ缶のボタンを押す。一口にミルクセーキと言えども二人が買ったのは違う商品だ。片方はみんな大好き森永のミルクキャラメルのパッケージを模した黄色い缶のミルクセーキ、片方は同じ森永製品と言えどもパッケージには何故かホットケーキのプリントが入った白っぽい缶だ。プルタブを開けたそれらをひとまず無言で3分の1ほど喉に流し込む。会話が盛り上がらない。もう少しお互いに好意か悪意のどちらかがあれば言葉に困ることはなかっただろうに、中途半端な関係だから何を話せば良いのか分からないのだ。
 ミルクセーキ缶を片手に「雨が降っていますわね」「そうね。空も曇ってるわ」くらい内容の無い会話を交わしながら、心無し速足でロビーを後にする。けれど廊下に差し掛かったところで背後から浪漫にとっては聞き慣れた声が降りかかったから、咄嗟に足を止めてそちらに振り向いた。ドリスもクラスは異なれど学年は同じなので、その声には一応の聞き覚えがある。もちろん姿にも見覚えはあるから、振り向いた先にいた少女――花丸山望に胡乱げな眼差しを向けることなく、己が誇る美貌に無駄に艶やかな笑みを浮かべて「あら、ごきげんよう」と髪を手で振り払った。仕草からいちいち傲慢さがにじみ出ているが、それが妙に様になるのがドリスという女である。

「ええ、飲み物を買いに来てさっき入手したばかりですわ」
「右に同じく。おもちちゃんは、今帰ってきたの?」

 腕にかけているビニール袋にちらっと視線をやってそう問いかける。最近なにかと物騒になってきた学園だから、派手にドンパチやるタイプではない目の前の友人にはあまり一人で出歩いて欲しくないというのが浪漫の本音だ。けれどただの友人という身分でそれを強制するのはあまりにも押し付けがましいという意識もあるから、決して口に出しはしない。まったく、生徒会だかディザスターだか学園の秘密だか知らないが、暴れたい奴は暴れたい奴らだけで暴れていれば良いのに。いい年をして中二病患者みたいなことを口走りながら犯罪行為をやらかす奴がこんなにいるなんて、やはり能力を持っていると人間の人格にも影響が生じてくるのだろうか。珍しくまともな人間みたいなことを考える浪漫であった。

>花丸山望様&ALL様

【問題ありません、お気になさらず! 紫様は今後の展開にご希望とかあります? 屋上バトルに参戦したいとか、男子寮に侵入してみたいとか、いっそ学園から外出してカラオケとかゲームセンターにでも行くとか】

15日前 No.161

ますたあ @ritonetto ★iPhone=gWqlrtM9V5

【白月レイ:庭園】

今日はあいにくの雨だけど、庭園にとっては恵みの雨。ちょっと気になることもあったので後輩を引き連れ庭園に
作業をしていると後輩同士が話をし始めた。

『知ってます?この前の競技大会…もう一つの校舎で死人が出たって』
『えーなんでー?隣の校舎って単なる夜間性なんでしょ?なんで死人なんてでるのー』

あの球技大会のことはこちらでも噂になっている。あれだけの騒ぎ、さすがに隠し切れなかった。私は一度ため息をはき

「あなたたち、そんな嘘話していないで早く終わらせましょう」

作業をしながら後輩達に注意する。こうして嘘だと言い続ければなんとかごまかせるかな。
でも後輩達は少し不満そうな顔で、一度互いを見合わせ、こちらをみる

『でも先輩、先輩も心配じゃないんですか?だって死人ですよ?怪我人ならまだしも…原因もわからないし。この学園、得体の知れないところがあって怖いですよ』

その言葉に私は何も言えなかった。たしかに少し怖い。あの怪物の正体もわからないし、いつこちらに被害を出すかわからない。そうなったらなんの能力を持たない彼女達は

『それに最近もう一つの変な噂もあるし』

「変な噂?」
怯えたような目で話し始める後輩
話では屋上に謎のレインコート姿の何かが現れるのだとか
それは狼男ではないかという噂で、面白がって近づく生徒や、怯えている生徒がいるということらしい
それをきいて私は

「そんな噂が……(私みたいに異能をもった方がいるのでしょうか…それならお友達になれるかも)」

そう思い屋上の方を見上げる。あれなんか誰かいるような。こんな雨の日にどうして屋上に
もしかしてさっきの話に出ていた狼男?

「ごめんなさい用事ができたので今日はここで帰ります。お疲れ様ー」

そういい屋上へと向かう

>>all(これから絡んで見ようと思います。遅くなってすいません

15日前 No.162

異能力学園群像劇 @karasu1010 ★0gkYBdXyN1_OzI

【檜木真琴/男子寮・宝嵐玉の部屋】

当然と言えば当然だが二股舟も宝嵐玉も偉そうな口調で命令する檜木の言う事等まともに聞くはずが無い。
「私の言う事が聞けないの? 折角お願いしてるのに……。外道ね」
檜木は頑なに二人に対して指示を出そうとしていたが矢野島の事も考えて自分で持っていく事にした。彼女はキッチンへ移動した後に綺麗に食器が並べられている棚から乱暴にガラスのコップを取り出す。そして蛇口から水を出しコップに中くらいまで入れ一回コップを洗った後にまた三分の二程水を入れそのコップを矢野島に見せる。
「自分で飲める? 」
矢野島は瞳孔が開き疲労で充満している顔で頷き水を飲む。檜木は今の所、大きな異常が無い事に一安心して寝室から布団を用意する。かなり大雑把に引っ張ったせいかベッドがかなり散らかってしまう。
「……今は矢野島の方が大事よ」
彼女はベッドを見て見ぬふりして水を飲んでいる矢野島の肩に布団をかけてあげる。そして耳栓を宝嵐玉に言われた棚に向かう。
「え〜と、どの引き出しかしら」
一応初対面に近い宝嵐玉の部屋だが友達の家の様に棚を雑に開けて行く。彼女はプライベートに土足で入りプライベートに関して意見まで言う様な人間。やがて棚に入っている余計な物まで探索し始める。
「成程ね……他に面白そうなのは……」
もう少し探索して見たかったが矢野島の事もあり棚荒らしは抑えておき素直に耳栓を探す。そして耳栓を見つけたがサイズによって合う合わない等がある為、少し不安になるがとりあえず矢野島の元へ行き耳栓を入れる。
「どう?大丈夫? 」
矢野島は耳栓を入れているので檜木の声が聞こえない。しかし自分を中心に考えている檜木はまだ話し続ける。
「ちょっと何で無視してるの? 」
檜木は矢野島の目線に無理やり入り手を振る。
「やっほー! ほら完全に見えてるじゃん。何でそんな無視するの? 」
そして不機嫌な顔をしながら矢野島を看病する。

>>二股舟木舞様、宝嵐玉様、周辺ALL


【元貞坂朱夏/普通科・屋上】

元貞坂は人狼を乗り越えバットを狐面に向け振り翳す。狐面はフェンスの上で居合の様な構えを行う。此処までは元貞坂の考え通り。この攻撃で倒せるとは思っていないが少なくとも金属バットの攻撃ならば狐面が行うであろう選択肢は刀を受けるか避けるかしか予測していなかった。狐面の所持している刀でガードを行い刃毀れしてしまえば良し。頭が割れればラッキー程度。一番困るのが避けられる事。避けられるとそのままフェンスを飛び越え落ちてしまう。その時はその時で考えるつもり。
だが元貞坂は飛び立った時、狐面がフェンスに昇るまでの距離をローラーブレードの速度を優に超えるであろう速度で移動していた事を忘れていた。秒を越える程の速さにそれに身体が付いて行けるタフさ、そして正確なコントロール。この地点で思い出しても既に遅いのだが考えようともしなかった選択肢がようやく元貞坂の頭にも浮かぶ。

だが彼はせめてものの金属バットでの防御を行う。刀で金属バットを斬る等一流の剣士でも無ければ不可能。どうにか刀身と金属バットを合わせる事が出来ればこの場は乗り切れる。
しかし結果は元貞坂が思っていた最悪の結果を招く。バットは根本のみ残して金属バットは斬られる。元貞坂は今の一撃で自分の腕が吹っ飛ぶ事を想像して狐面の人物が一流の剣士である事に気付く。
だがそれはもう遅く考える前に音の速さと変わらない、或いはそれ以上の刀の一閃が元貞坂を襲う。意識が飛びそうな激痛が腹部に響く。出来る事ならその刀を握って攻撃に転じる事を望んだが刀を仕舞う速度も素早く残心さえも感じる間も無かった。

元貞坂はどう足掻いても対処出来ない追撃を恐れフェンスにしがみ付き狐面から必死に逃げる様に歩く。元貞坂は幽霊に指示して遠い距離からの飛び道具として援護攻撃を思い付くが所詮はポルターガイスト程度の攻撃。金属も斬れて音速とほぼ同じくらい速さの攻撃を行う狐面の間合いに入れば斬られるのは当然。そもそもあの速度ならば間合いなんて物は存在しないかもしれない。

「あれ程強いなんて……油断した……ッス……」
元貞坂の口から普通では無い咳と血反吐を吐いていく。夜景が歪んで映る床の水たまりとさっき吐いた血が混じり滲む。ただ、彼が今思っているのは恐ろしい速度で自分の元まで来て斬られる事。

一方、人狼は眼球の破裂は避けられたが元貞坂により目が失明していた。そして途端に叫びながらその眼球を腕で掴み抉り出す。恐ろしい叫び声と共に眼球は少しずつ細胞が増殖する様に再生される。人狼は元貞坂を見るがもう戦えなさそうな元貞坂の様子を見て落ち込み、狐面の方へ行く。

すると、幽霊がどこから持ってきたのか陣痛剤と絆創膏を持っていき足元に置かれる。元貞坂は陣痛剤だけ服用してポケットの中に入れる。
「これで……腹や頬の痛みは少なくとも……」
そして骨が折れていないか自分の身体に触れて確かめる。
暗闇の中、二人の強者を見る。一人は人間一人を一つの拳だけで大きく吹き飛ばした怪力の狼、もう一人は秒を越える速度で移動出来る剣豪の狐。

人間にはたどり着けない境地に辿り着く二匹の化け物に対処出来る方法を元貞坂は痛みに耐えながら考える。
「……良いッスね。下剋上みたいな感じで」

元貞坂は口から出てくる血をツバと共に飛ばす。一番有効なのは単純だが強風等で狐面の速度を対処出来る程に落とせば勝機が見えてくるが生憎そんな事は出来ない。また罠等を設置して動きを止める事も考えたが今、そんな事を行う余裕は無い。そして考えた結果、一人の幽霊にリーチが長く少なくとも鉄よりも固い丈夫な武器を要求する。さらにもう二人の幽霊に人狼、狐面のそれぞれに背後に回る事だけを指示する。
「まあ意味があるかどうかは分からないッスけどとにかく気配を錯乱させるッス。存在するだけがどれだけ恐ろしいのか教えてやるッスよ」
幽霊を二人にとって雑念と化して集中力等が切れて隙が出来れば元貞坂にも好機が回る。だが彼自身、遠まわしな戦略に出ている事を反省する。

>>陀羅尼宝剣様、周辺ALL

【個人的にですがNPC同士での戦いについての確定ロルは不自然で無い限り臨機応変に対応出来たらと思います】

14日前 No.163

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★Ywte4t2Nfq_m8y

【 二股舟木舞&宝嵐玉 / 男子寮・宝嵐玉の部屋 】

 木舞も嵐玉も真琴もそれぞれ別方向にゴーイングマイウェイなこの空間において、案外、最も可哀想なのは洗脳されたというキャラ設定の特異性を大して発揮することもなく突然の体調不良に見舞われ床に伏している矢野島かもしれない。映画の音声に混じって真琴が乱雑に部屋を漁る音が聞こえてくるが、嵐玉は『壁を突き破ってトラックで部屋まで入って来た強盗が金目のものを根こそぎ掻っ攫った後で中の住人を犯して殺して最後に小便を引っ掛けた後ガソリンを撒いて火を付けて炎をバックにトラックで帰って行く』くらいのことをされない限りは部屋に入って来た他人のことを悪人だとか失礼だとか認識しないので、もちろん物の扱いが雑だとか散らかしまくっているとかその程度のことを気にする素振りは見せなかった。イイ人の基準が狂っているとこういう時に怒りが湧いてこない。木舞が気にしていない理由は、単にここが自分の部屋ではないからだ。もし真琴が荒らしているのが嵐玉の部屋でなく木舞の部屋だったなら、そもそも中に入れることなく「男子寮の誰かに夜這いをかけに来た変態女に部屋に侵入されそうになった」と嫌な方向の心象操作も込みで男性教師を呼び出していたことだろう。

「お前はお前で何やってるアルか?」
「メールですよ。もしかしたら百合さんが興味を示すかな、と思いまして。一応ご報告だけしておきました」

 落ち着いたデザインのケースに入ったスマートフォンで文章を作成し、登録されている百合さんこと湯布院百合のメールアドレスに送信。内容は『シニヤ事件の実行犯の一人が、今俺の部屋で原因不明の体調不良を起こして寝込んでいます。生徒会の方も一名いらっしゃいますが、もし興味がおありなら男子寮の×××号室にどうぞ』というシンプルなものだ。家主ならぬ部屋主である嵐玉に何の断りも無く新たな女子生徒を呼び込もうとしているあたりナチュラルに非常識な奴だが、嵐玉も斜めの方向に常識だとか完成だとかがズれている奴なので問題ない。現に百合に誘うような内容のメールを送ったと聞いても、その百合が誰かを知らないくせに「そうアルかー」の一言で気にした風もなく済ませている。頬に詰め込む月餅はもう五つ目だ。
 次いで綴裏にも誘いを掛けるか迷ったが、自分から綴裏に電話やメールをするということが殆どない木舞にとってそれはあまりにもハードルが高く、三十秒ほどじっとスマートフォンを凝視した末にパジャマのポケットの中に仕舞い直していた。同じ部屋にほぼ敵対関係のディザスターと生徒会のメンバーがいるという事実には緊張しないくせに、依存する主人にメールを打つか打たないか程度のことではここまで緊張するらしい。ちなみに先に綴裏から電話やメールによる命令があり、それを達成したと報告するための折り返しの電話やメールに関しては大丈夫だ。基準よく分からない。

>檜木真琴様&矢野島様&(湯布院百合)様&ALL様

【来るか来ないかは雪鹿様のご気分で決めて頂いて大丈夫です】

14日前 No.164

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★Ywte4t2Nfq_m8y

【 陀羅尼宝剣 / 普通科・屋上 】

 どのような手段で避けるつもりかと内心ワクワクしてさえいたが、しかし内臓を潰さないようにと力加減をした峰での燕返しはあっさりと腹に入った。どうやら少年、運動神経はそれなりに良いものの本格的に武道や格闘技をやりこんでいるタイプではないらしい。宝剣を目の前に近付いてくる人間は二種類に別けられる。宝剣の実力を見抜いた上で自分なら勝負になると判断し距離を詰める強者と、宝剣の実力を見抜けず自分なら勝てると誤った判断をし距離を詰める愚者。残念ながら白衣の少年は後者。しかしこの一撃を喰らったことで相手も宝剣が近接戦闘に秀でた人種だということが理解できたはず。次からは、賢い者であれば近付いてこない。
 受け身もとれず地面に墜落した少年は、フェンスを掴んでよろめきながら歩き宝剣との距離を取ろうとする。そこに追撃を仕掛ける真似はしなかった。宝剣は少年に普通科の校舎から出て行って貰いたいだけで、少年を殺したり壊したりしたいわけではないのだ。このまま戦意を喪失して逃げてくれれば万歳。もしまだ向かってくるようなら、その時にまた命に関わらない程度の峰打ちを喰らわせて、という行為を彼が自主的にここから逃げ出したくなるまで続けるだけだ。長引くようなら、さっさと気絶させて夜間校舎付近のフェンスにでも転がしておくという手もあるけれど。

「お前様、小生はお前様に殺意を持っておりませんぞ。甚振る気もありませぬ。ゆえに、いつでも姿を消して頂いて構わない」

 血反吐を吐く少年の背中に向かい、暗に逃亡することをお勧めする声を掛けておく。逃げられるものなら逃げてみろ、ではなくて、逃げて欲しいから逃げろと暗に言っているのだ。挑発ではなく勧告。ゆえにその声には、相手を嘲るような色が含まれていない。大人げなく『剣士』としての本気の殺気を飛ばすことも、第二撃を振るうこともしない。けれど人狼のほうは話が別だ。あんな目ん玉を抉っても再生してくるような回復力で、なおかつ平然と少年の顔面の皮を剥げる凶暴性とパワーを持った生き物、ここで駆除するなり捕獲するなりしておかなければ我ら生徒会が守るべき可愛い普通科の生徒たちに被害が及ぶかもしれない。近付いてくる人狼を見つめる狐面の下の双眸が、誰にも知られることなく剣呑に細められた。足場をフェンスではなく屋上のタイルの上へと変える。いかにフェンスの上でも神速の一撃が放てる一流の剣士といえども、やはりまともな足場のほうが戦いやすいことに変わりない。さっきまでフェンスの上にいたのは、なんかそのほうが恰好良いかなという馬鹿と煙は高い所が好き的なアレだ。
 『紅葉』を脇構えにすると同時、大きく顎を開いた人狼が流石と言う他無い速度で飛びかかってきた。それを足を踏み替えて最低限の動きで避けながら、横面目掛けて『紅葉』で斬りかかる。兵法二天一流剣術。かの剣豪、宮本武蔵の流派だったとされるそれにおいて『虎振』と名付けられた技だ。しかしそれを人狼の人外にしか発揮できない抜群の跳躍力で横っ飛びに躱される。ヒュッ、と口笛にも似た鋭い息を吐く宝剣。口元に浮かぶは無意識の笑み。どうやら二人、というか一人と一匹とも、雨粒を纏っていた最初の幽霊と違い姿が見えない幽霊に関しては特に何も感じ取っていないようだ

>元貞坂朱夏様&ALL様

【その感じで承知いたしました。これも今更なんですけど、人狼さんって私も動かしちゃって大丈夫でしたか?】

14日前 No.165

@purple3ru ★iPad=o1RdeKbLL2

【花丸山望 / 女子寮・ロビー】

振り向く2人の美少女に、手を振る。ドリスは華やかで美しい笑顔で挨拶してくれた。自分のことなんて知らないで、汚らわしいだとか言われると思っていたので、思わずきょとんとしてしまう。その動作から出る美しさに、この人やっぱすごいな、と思いながらドリスを眺める。ふたりは飲み物を買ったらしい。そう言われてふたりの手を見てみると、種類は違うが2人ともミルクセーキを持っていた。今帰ってきたのか浪漫に聞かれたので、望はこくんと頷き口を開く。

「うん。いちご大福とお茶かったの」

腕にかけていたビニール袋を手で握り、それを掲げて示す。そして、話しやすいようにふたりのすぐ近くへ歩み寄る。
2人は、この後どうするのだろうか? 普通に寮に戻るだけなら、一緒に何かしたい。残念ながら浪漫とドリスが仲が良くないことに望は気付いていないので、"3人で"このあと遊んだりなんだりしたいと思っていた。屋上でおしゃべり…は、雨が降ってるし。学園から出るのは少し面倒だ。1人で思考回路を巡らした結果、ぽんっと手を叩いた。ビニール袋をガサガサ鳴らしながら。

「宝さんのところに行かない? まえ、月餅があるっていってたっ」

菓子の話を思い出し、少しだけ目を輝かせて提案する。クラスメイトの宝嵐玉。いっつもヘッドフォンしてる中国人ぽい喋り方の人。彼が教室で月餅を四種類こさえただとか言っているのを思い出たのだ。

>>序ノ舞浪漫さま&翠紅館ドリスさま、周辺allさま

【男子寮に侵入を選びました!( 次で勝手に移動させて大丈夫です!】

14日前 No.166

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★Ywte4t2Nfq_m8y

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14日前 No.167

異能力学園群像劇 @karasu1010 ★0gkYBdXyN1_OzI

【檜木真琴/男子寮・宝嵐玉の部屋】

矢野島は落ちる様に眠りに入る。矢野島の眠り顔は当たり前だが本来の矢野島と変わらず檜木にとってはやっと矢野島が帰って来たかのように思う。そして檜木も落ち着き始め矢野島が入った更生室について考える。
「やっぱりこの学園おかしいわよ」
大体の生徒は入学式の地点で全国の隠れた異能力者を必死に集めて極秘に建てられた異能力育成学校のはずなのに異能力の訓練等はほぼ無く行っている授業もあまり普通科と変わらない事や更生室のシステム、謎の施設トリガ―ラボ、壁や窓が壊れても修復する学園、セレブが通学する学園にも劣らない金の使い方、極秘なのに何故か普通科の学園が隣に存在する等、この学園がおかしい事に気付く。檜木もその一人で何か裏があると好奇心でトリガ―ラボ潜入等を行い様々な秘密を追い掛けていた。此処までの裏に檜木は怒りを覚える。
「こんなの許せない……」
檜木の心は今にでも理事長の元へ行き更生室の廃棄、それに更生室の実態を吐かせるべく理事長室へ向かおうとするが今が夜である事と矢野島を置いて行けないと言う事で何処にも発散出来ない怒りを溜め込む。

彼女は不機嫌そうに二股舟達の方を振り向くとどうやら誰かとメールをしている所を見る。呆れたため息をつき映画を見たりメールしている暇があるなら手伝えば良いのにと身勝手な事を考える。

そして矢野島が息を荒げて耳栓を外し起き上がる。檜木は慌てて言葉をかける。
「あ、安静にしてないと……」
見るからに矢野島は普通では無い。檜木はどうにか鎮めようと語りかける。
「貴方は何も悪くないわ……。そうでしょ? 」
矢野島は檜木の方を見て驚く。その目は歪んでいたが何処か純粋だった。
「私は……私は……」
「そう、大丈夫。私の知ってる矢野島ちゃんは悪い事なんてするはず無いんだから」
檜木は本音を話し始める。
「ディザスターのあの事件だって……無理やりやらされたんだよね? 師堂とか新堀とかに言われて……」
すると、矢野島は少しだけ頷いて布団を顔まで被りそのまま息苦しそうに眠る。
「……」
「私は貴方が思っている程の人間じゃない」
矢野島はシニヤ事件と更生室を思い出しながら呟いていく。

【パソコンの調子が悪く活動しにくい環境にあります。返信等が遅くなる、或いは出来なくなる恐れがあります。申し訳ありません】

14日前 No.168

雪鹿 @salt9140 ★Android=42zyboh5vZ

【黒葛原 綴裏&湯布院 百合/保健室】

一対の少年少女は、安寧が約束されているはずのその空間で余裕をたたえて悠々自適に話を続ける。ナース服の少女とは言えないような少女も、この時ばかりは忙しなく動く手を止めて椅子に座って話し込む。かたや、気分屋の少年としか言い様の無いその少年は、いつものようにおどけて茶化しながらも手袋を付けたその手でティーカップを持ち上げ、紅茶を飲んで話を聞き続ける。

「へぇ、そんな事があったんだ……僕の友達にそんな酷いことをするなんて許せないや!」

少年―――こと、黒葛原 綴裏は少女こと、湯布院百合の話を聞いて一方的な悪を相手に押し付けた。なにせ、彼と彼女……それだけでなく、彼等達はそういう節が少なからず存在している面子であるがゆえに、なにもおかしくはない。はたから見たら異常であるというだけで、ただそれだけなのだ。
さてはて、木舞ちゃんから話も聞いてるからして!困っちゃうよね〜。このまま行くと、がっぷり四つ組み合っちゃう。そうなったら、まるでいじめられっ子の如く数の暴力で押し込まれちゃうよ。そうならないための手段はいくつか用意してはあるんだけど……有効打は少ないかな!

「貴方ならそう言うと思っていたわ。で、その気になる娘っていうのは、大丈夫なんでしょうね?私達を相手にして精神病にかかりました、なんて言われても治さないわよ。」

彼女は彼女でくすりと笑って綴裏が話題に出していた少女に言及し始めた。元はと言えば、木舞が提言した者であったとしても、既にこの黒葛原 綴裏が気になったとなっては彼女としても話は別なのだろう。そもそもを言ってしまえば、自分の思い通りにならない事が嫌いなこの湯布院百合という女が、何故このどうにもならない男と数年に渡って関わっている理由は単純明快。自分よりも底に居る人間と居るというのは、誰にとっても気持ちの良いものだ。あとは……まぁ、死にたく無いわよね。

「あはは、それを言うなら僕もかな。君がそう言ってくれると信じてたよ。勿論、そうなったならそうなったで纏めて処理しちゃえば良いんだし、直接会って話して決めるつもりだよ。まぁ、それらしい子が居たら見掛けたら連絡ちょうだい。」

子供っぽく笑う綴裏は、時折見せるその愉快だと楽しむ魔物のような雰囲気で紅茶に角砂糖を3つ入れて意趣返しが如く言葉を返してその紅茶をくるくるとかき混ぜた。 彼が思うのは、この砂糖のようにぐずぐずと解けて無くなる校舎の姿。そして、紅茶の赤のように一面に広がる血の海。あぁ……でも、何人か残しておかないとね。だって、全員死んだらその場で悲しむ人が居なくて死んだ子達が可哀想だと思わない?
僕は、思うから何人か残すんだよ。とはいえ、前回は何故か悲しんでくれなかったもんだから、僕自ら小細工をするはめになったんだけど……今回はきっと、団結力のある子達とかも居るわけだし!調整すれば大丈夫かな?

「分かったわ……あら、木舞ちゃんからメールみたい。それじゃ、私はちょっと遊んでくるわね。」

くすりと微笑む彼女の携帯から音が鳴る。その理由を確認すれば、『じゃあ、少しだけお邪魔するわね。』と返信してから彼女は立ち上がって真っ赤な救急箱を片手に保健室を立ち去った。この世に遍く数多の病気を治してきた天才少女は、未知の病を好んで治療する。なにせ、彼女は屈しない人間に処方すべき最適な病気は何か、それを探している真っ最中なのだから。

そして、残された少年と言えば―――

「あはっ、いってらっしゃい。僕は僕で何かしておくよ。」

彼はただ、不敵に笑っては紅茶を啜って同じ穴の狢こと、湯布院百合を見送った。彼も彼とて、ろくでもないことをしようとしている事は確かだったろう。世界を自分の理想にする。そんな理想ならぬ妄想を現実にしようとしている救えない男は、手に持っていたグラスをそっと置いて手を打ち鳴らす。手にこびりついたようなその手袋が塵となって辺りに散らばる。
彼もその保健室を後にした。

>(二股舟 木舞様)、all

13日前 No.169

@purple3ru ★iPad=o1RdeKbLL2

【花丸山望 / 女子寮・ロビー→男子寮・エレベーター内】

どうやら2人とも異議はないようで、望の片手を浪漫が、望のもうひとつの片手をドリスが握った。両手に花、という言葉が頭に浮かび、この2人のファンに怒られちゃいそうだな、と心の中で苦笑しながら、男子寮へ向かう。
そういえば、翠紅館さんは潔癖症だと聞いたことがある。あ、だから手袋をしているのかぁ、なるほどぉ……。
本当は異性の寮へ入るのは禁止だったりするけれど、そんなの守っている生徒は案外少なかったりするので、生徒会にでも見つからない限り、たぶん怒られないだろう。逆に見つかれば速攻構成室送りもあり得る。最近の生徒会は本当に面倒だ。

「あ、此処じゃない?」

一階全てを回ったが、どこにも宝とかいう特徴的な苗字は無かった。特徴的な苗字…なんて言ったが、この学校では一般的な苗字の方が特徴的かもしれない。花丸山も序ノ舞も翠紅館もすごく珍しいし、この学園にはそんな長い苗字や珍しすぎる苗字の人があふれているんだから。
一階にはなかったので二階を歩いていたのだが、『二股舟』とかいうすごく浮気してそうな苗字の隣に『宝』と書かれたネームプレートがかけられていた。
足を止めた三人娘。望は2人から手を離し、コンコン、とノックする。

「宝さん、おもち……花丸山です。えっと、浪漫…序ノ舞と翠紅館さんもいます」

おもちちゃんと言いかけたり浪漫と言ったりしながら、自分たちが来たことを伝える。
中にさっき浮気してそうだという印象を抱いた二股舟さんやら球技大会で話した檜木真琴やらシニヤ事件での犯人の1人の矢野島がいることも知らずに。

>>序ノ舞浪漫さま&翠紅館ドリスさま&二股舟木舞さま&宝嵐玉さま、檜木真琴さま、周辺all

13日前 No.170

@purple3ru ★iPad=o1RdeKbLL2

【皆甘里原薇 / 武道館裏】

雨降る夜、その雨に打たれる少女が、最近建設された体育館代わりの武道館の裏にいた。
少女は血のこびりついたカッターナイフを握っていた。少女はカッターナイフで手首に切り込みを入れた。血が出ることはなく、"また"跡だけが残った。今度は思いっきり手首を切る。なかなか切れず、ガンガンと何度も何度も何度も何度も刃を打ちつける。カッターナイフの刃が折れ、折れた刃が跳び、少女の頬を裂いてから弧を描いて濡れた地面へ落ちる。しかし、刃が地面と触れる前に、少女の頬は血も傷も残さず、綺麗で滑らかで病的な色をした肌に戻っていた。手首の方は、噴水のように血が噴き出し、しかし3秒後には止まり、グロテスクな跡を残して治った。

「……はぁ」

皆甘里原薇は、思わずため息を吐く。また死ねない。どうやったら死ねるんだろう。早く死にたい。死にたい死にたい死にたい。
本当は寮の自室でやればいいのだが、生徒会の管理が厳しくなって以来、部屋に血がつくと面倒なことになってしまう気がするので…簡潔にいうと更生室に入れられてしまうので、やめている。風呂でやればいいのだが、あれは何度やっても駄目だった。だから、今日は雨に打たれながらなら死ねるかもと思ったのに…。
更生室に入るのは絶対に嫌だった。更生というのは、好ましくない精神状態からかつての健康で豊かな状態に戻ること、である。今の薇の精神状態はどう考えても好ましくない。しかも、ほんの数年前までは、健康で豊かだった。否、健康で豊かとはいっても、血の繋がらない父親に殴られる日々だったわけだが、本人的には健康で豊かだった。でも、今からまた健康になるのは嫌だ。それじゃ、死ぬのが遅くなる。精神状態が戻るとは思えない。無理やり生きなきゃいけなくなる部屋になんて、いきたくない。

「死にたい…」

思わず声が零れる。ほんと死にたい。死にたい人にこの異能力は、正直、皮肉でしかない。もう少し願ったり叶ったりな能力が良かった。指に針が刺さっただけで命を落とす…とか。
鬱々とひとりで考えたけれど、結局結論には『死にたい』以外思いつかなかったので、刃の折れたカッターナイフで、また手首に打ちつけた。

>>黒葛原綴裏さま、周辺all

13日前 No.171

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★Ywte4t2Nfq_m8y

【 二股舟木舞&宝嵐玉&序ノ舞浪漫&翠紅館ドリス / 男子寮・宝嵐玉の部屋 】

 百合に送ったメールの返事が早速来た。矢野島に語りかける真琴の声と映画の中国語をBGMに文面に目を通す。『じゃあ、少しだけお邪魔するわね』。どうやら彼女もここに来るようだ。天災以上にどうしようもない存在であるところの彼女の被害を受けるのは、果たしてこの場の誰になるのやら。矢野島か真琴か、あるいは嵐玉か自分か、それともまだ見ぬ誰かか。コンコン、というノックの音で意識が中断される。鍵はかかっていないので、嵐玉は「入っていいヨー」とフランクに声をかけた。普通の男ならクラスメイトも混じっているとはいえいきなり女子が三人も自分の部屋にやってくるのに良くも悪くも緊張するものだが、嵐玉はケロっとしたままだ。
 がちゃり、と扉の開く音。入ってくる三人の少女たち。山盛りのフリルにまみれたピンク色のセーラー服を着た少女、序ノ舞浪漫。自己愛の強さが滲み出た艶やかな美貌の少女、翠紅館ドリス。アクの強い二人を緩和する癒し系ふわふわオーラを放つ少女、花丸山望。皆、嵐玉と同じ異能科の一年生だ。浪漫と望ならよく一緒にいるのを見かけるが、そこにドリスもいるとは珍しい。基本的に彼女は取り巻きの男を侍らせているイメージだ。同性とつるんでいる光景はあまり見かけない。

「邪魔するわよ……あら、先客が三人もいるのね。貴方、もしかして友達多いの?」
「いや、ここにいるのは知り合いと知り合い以下だけヨ。我めっちゃ友達いないアル」
「貴方に友達がいるかいないないかなんてどうでもいいですわ。それよりさっさと美しいアタクシをおもてなしなさいな」
「いま映画が良い所で目ぇ離したくないから、自分でやるアル。月餅もまだキッチンに作り置きがあるから勝手に喰って良いネ。ソファーも空いてるとこ適当に使うヨロシ」
「まあ、この上ない美貌を有した優雅で華麗で妖艶なアタクシに奉仕できるという身に余る栄誉を自ら辞退なさるだなんて。相変わらず理解できない思考回路ですこと。そちらの貴方でもよろしくってよ? 素晴らしいアタクシに奉仕する気はなくって?」
「俺の奉仕する先も依存する先も既に決まっておりますので。遠慮させて頂きます」
「あらそう。貴方も変な方ですのね」

 入って来て早々にわちゃわちゃと話し出す浪漫と嵐玉とドリスと木舞。木舞に関しては浪漫のこともドリスのことも大して知らないが、それでも緊張した様子がないのは興味が無い他人への関心の薄さゆえか。そして浪漫は浪漫で『他人に気にされていないことを気にするタイプ』ではなく、ドリスは周囲の人間は美しい自分を気にして当たり前なので気にしない奴がいればそいつの頭が可笑しいだけ、くらいの認識だから、理由は異なれどやはり相手の態度でストレスを溜めない。丸太みたいな神経の持ち主がこれだけ集まるといっそ壮観だ。
 自分で用意しろと言われたドリスだがもちろん美しいアタクシはそんな雑事をする必要など無くってよ、な姿勢は崩さないので、電話で誰かに向かって「今すぐ××号室に来なさい」と命令したかと思えば、ものの数十秒でどこからともなくやって来たいかにもモブっぽい男子生徒がドリスのためにせっせとお茶の準備を進めて行く。「ご用意いたしました、ドリス様ァ!」の叫びと共にテーブル上に差し出されるホカホカの中国茶と月餅のセット。準備をしてくれた男子生徒に礼さえ述べることなく「下がってよろしくってよ」の一言と共にソファーの上で脚を組み換え、高級そうなレースの扇子をばさりと開くドリス。ぞんざいに扱われた男子生徒はというと、けれどそんな彼女の態度に怒るどころか顔を赤らめ涙を浮かべながら「ありがとうございます! ありがとうございます!!」と頭を下げて言われた通りに去って行った。きっとそういう性癖なのだろう。ファンというより奴隷志望だ。

「ついでに貴方たちの分も用意させましたわ。アタクシに感謝して頂いてもよろしくてよ?」
「……相変わらずの尽くさせぶりね。お茶は有り難く頂戴するわ」

 三人掛けのソファーのど真ん中に座るドリスの左側に腰掛け、淹れて貰ったばかりの中国茶を啜る浪漫。そういえばずっと無視するような形になってしまったけれど、後ろの倒れている生徒とその生徒を看病している生徒は一体どういう目的でこの部屋にいるのだろう。自分たちと同じく月餅をご馳走になりに来たにしては、近くのテーブルにその痕跡も見当たらないが。

>檜木真琴様&矢野島様&花丸山望様&(湯布院百合)様&ALL様

【人口過密してきたなあ(自業自得)】

13日前 No.172

雪鹿 @salt9140 ★Android=42zyboh5vZ

【黒葛原 綴裏/武道館→武道館裏】

新設された武道館と呼ばれる其処に彼は居た。雨の日と言うことも相成ってまだ誰も居なかったが、寧ろそっちの方が都合が良かったりする。この学園の修復能力……それは誰かの能力によった物なのかどうか分からないけれど、どんな物であっても劣化させる彼にとっては、それが何であるか、という事ほど、どうでもいい事はなかった。
そんな彼が壁際に寄っていって適当な壁を蹴ると、そこがガラガラと音を立てて崩れ落ちた。それはまるで、あらかじめ其処が壊れるように作られたかのようであった。その上、彼に蹴破られた其処は中々修復が始まらない。とはいえ……少しずつ直ってきてるみたいだね。まっ、問題ないかな。
その倒壊した壁からちらっと顔を出すと、1人の少女が確かに其処に居た。少しの間、その少女を見て少し思い当たる節があった……木舞ちゃんの言ってた少女。聞かされた話とよく雰囲気が似ている気がする。

「女の子がこんな所でそんな事してちゃ駄目じゃない!……とまぁ、冗談は置いておいて、それだけ血を流して死なないだなんて、つまりはそう言うことなんだ。へぇー。」

一旦は怒る振りをして一般人を装ってみたものの、凡例でしか一般を理解できない彼が一般を装える筈もなく、へらっと笑ったかと思えば、相手の様子を伺った。そして、その事から推測を立ててみた。おおよそ、自身の死なない能力によって自殺を阻止されてる……位しか思い浮かばないんだよね。というか……少なからず似通った人の考え位なら僕でも流石に多少分かったりするんだよね。

さてと、本題も本題に移ろっかな。いや、まさか新設された武道館の強度を見に来ただけだったのに目的がもう一つ果たせるなんて僕の中だったら十の指に入らない位には珍しい事なんだからね!

「あはっ!そんなに死にたいなら僕が殺してあげよっか?勿論、冗談なんかじゃないって!僕は冗談抜きで冗談が世界で一番嫌いなんだよね。」

無邪気に笑った少年は、死神のようにケラケラと笑う。気軽に死を提案する程の善人でもなんでもない、そもそも人かどうかすら怪しまれるような発言を、彼はその笑みをたたえて冗談混じりに保証する。なにせ、つい先程会っていた湯布院百合に冗談は好きだよ。嫌いだなんてとんでもない、と言ったばかりなのにもう矛盾を生じさせているというのだからおかしなものだ。彼らしいと言えば、確かに彼らしいだろう。
大きく穴の空いた壁からひょい、と軽く跳んで出てくれば、ようやく壁は修復し始めた。触れた彼が手を離したその瞬間であるものだから、彼が何かしていた事くらいは簡単に分かってしまうかもしれない。いや、それで間違いないのだから、そう思われない方が少し不思議だが。

「でもまぁ、殺人罪なんて背負わせるんだから、僕のお願い位は聞いてほしいな。嫌なら生徒会に報告すれば良いだけだし……さて、どうする?君に残されたのは延命処置を施される茨の道と罪を背負って死んでいく茨の道だけど、どっちがいい?」

けろっとした顔で相手との距離を少し詰めて、独特の気色の悪い雰囲気を気にすることなく駄々漏れにした彼は、スマホを片手に持ちながらも、飴と鞭ならぬ、鞭と鞭で交渉を始めた。百害あって一利無し。まさしく、それを体現化したような彼はそんな交渉で推し進めるのだから嫌悪される、という事も理由の一つだろう。……しかしながら、彼は試験としてもそれを言い放っているのだ。これで逃げるのなら、捕まえて引き渡すし他のアクションでも……まぁ、結果は見えてる。こういう交渉を受け入れるからこそ、僕達は僕達なのだ。
……え?百合ちゃん?百合ちゃんは、僕が試されたもんだから今の結果に落ち着いてるんだよ。故に、彼女は下に付けども従わず。対等でしかない。

>皆甘里原 薇様、all

12日前 No.173

@purple3ru ★iPad=o1RdeKbLL2

【皆甘里原薇 / 武道館裏】

少年の声が降ってきた。
誰もいない、と思っていたため、少年が何を言っているかは一切頭に入らず、ただただ焦る。雨でぐっしょり濡れたセーターの裾を指が隠れるほど引っ張って傷を隠す。少年が何を言っているのかは本当に頭に入っていないので、相手をまだ"常人"だと思っている。
嫌だ。自傷行為を怒られて、生きる希望について語れられちゃう。一度だけ、祖母にやっているところを目撃されたことがある。そのときは、行為を怒られて、悩みがあるなら聞くだとか、明日いいことがあるかもしれないだとか、そんなことを数時間言われ続けた。あんなのは絶対に嫌だ。普通に死なせてくれ。

「……っ、こ、ころ……ころして、くれるんですか…?」

『殺してあげよっか?』という言葉に素早く反応し、光のないローズレッドの瞳を見開いて濡れたローズピンク色の髪を乱して振り返り、座り込んだまま少年を見上げる。不気味なほどあどけなく笑う彼を、常人は死神と例えるかもしれないが、薇には神聖な天使に見えた。
……よく見たら壁に穴が空いている。そして少年が手を離すと修復が始まった。少年が何かをしたのだろうか? 修復を阻止する…破壊の能力? いや、それなら武道館が無くなっていてもおかしくない…まぁ、いいか。そんなこと。

「やります、やります、なんでもやります…ころしてくれるなら、なんだってやります」

薇は立ち上がり、10cmほど自分より背の高い近付いてきた彼を、もう見開いていない死んだ目で見つめる。相手の薄気味悪いオーラなんて一切気にならなかった。死なせてくれるなら、もうなんでもいい。常人は「トゲのない道を行かせてくれ…」と呆れそうだが、薇から見れば、甘ったるい美味しい林檎と食べたら即死の毒林檎ぐらいに天と地ほどの差がある選択肢だった。

「私は、なにをすれば…?」

>>黒葛原綴裏さま、周辺all

10日前 No.174

異能力学園群像劇 @karasu1010 ★0gkYBdXyN1_OzI

【元貞坂朱夏/普通科・屋上】

夜景に当たり煌めいていく雨水と泥と混じり沈んでいく水たまりをしわが刻みこんである白衣によってたらふく吸い込んでいく。本来ならばその白衣を今すぐにでも脱ぎ捨ててこの学園自慢のクリーニングにも劣らないくらいに汚れが落ちる洗濯機でも詰め込めば良いがそんな事を気にする余裕は何処にも無い。
「あー……やっぱ、痛いッス」
そう言って粒状の鎮痛剤をいくつか口に放り投げ飲み込む。そして追撃するであろう狐面に攻撃を予測しようと考える。だが予測する方法は無い。よって出来る事はただ一つ、持って培われた勘のみ。

しかし生死を運に任せた彼に朗報が入る。
「お前様、小生はお前様に殺意を持っておりませんぞ。甚振る気もありませぬ。ゆえに、いつでも姿を消して頂いて構わない」
だがこれを朗報と捕えるのは普通の人間。その点に関してハッキリ言えば普通の人間では無い。敵に情けをかけて逃げる様な真似が元貞坂には出来なかった。
「生徒会も冗談が言えるんッスね……こんな事を言われちゃ死んでも身を引く訳にはいかないッスよ」
こんな事を言っているが元貞坂に出来る事と言えばポルターガイスト程度の妨害のみ。ひたすら化け物同士の戦いから勝機を見出すしかない。そもそも敵の言葉を信じる訳でも無い。

小さな水面の片隅に夜景と化物が見える。そして飢えた水面に二匹の化物が幾重もの衝撃を与えている様に波紋を広げ映っていく。元貞坂はそんな水面に水飛沫を上げながら沈む様に座る。

「ま、まずは相手の分析をしないと駄目ッスね……」

狐面については見切られない様に不規則に動き尚且つ敵の攻撃を予測しなければならない。倒す方法は罠等張らない限りほぼ皆無。
人狼については恐らく一切防御無しの攻めが続くと予想。理由は攻撃を受けられても再生してしまうから。

「再生能力がどれくらいなのかがまだ分からないッスね……。まあいずれにしても一筋縄ではいかないッス……」

>>陀羅尼宝剣様


【人狼は誰でも動かして構いません。ただし人狼の行動範囲は普通科の屋上のみでお願いしたいです】

10日前 No.175

ますたあ @ritonetto ★iPhone=gWqlrtM9V5

【白月レイ:普通科屋上】

隣の異能科生徒がこっちに来ているかもしれない。もしそれを他の生徒に見られるのだけはまずい。そう思い屋上へと駆け上がる
そして屋上へとたどり着く直後、階段の下から少し見えた状況、誰かが狼人間さんと戦っている?大変助けないと…でもどうすれば…あ、そうだ

「誰でもいいので、これ!受け止めてください!!」

そう叫ぶと、自分の体を剣に変身させて屋上のど真ん中へと飛びだす。私が変身するところを見られていなければ、周りからは誰かが投げた不思議な剣ということになるはず

これで私が異能力者だと気づかれない!!

>>屋上All(すんません絡みます。誰かレイを使ってください

9日前 No.176

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★Ywte4t2Nfq_m8y

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9日前 No.177

異能力学園群像劇 @karasu1010 ★0gkYBdXyN1_OzI

【檜木真琴/男子寮・宝嵐玉の部屋】

矢野島が眠ったと思い込んだ檜木は周りを見るといつのまにか人数が三人程増えている。
「え〜と彼女達は……もう少しで名前が思い出しそうなんだけど」
三人の内の一人の名前は序ノ舞だったはず。矢野島の事で動揺してすぐに名前が全然出て来ない檜木は色んな意味でパニックに陥る。
「確か……」
序ノ舞はかつてトリガ―ラボにて研究員に1-Aの有名人を聞いた所、有名人の一人に彼女の名前が挙がっており檜木もいずれは話して見たかった相手。もう一人は花丸山。この子は球技大会の時に一緒に話した子だと直ぐに気付く。今さらながら無事に避難出来たんだと心が落ち着く。最後の人は翠紅館。檜木とはタイプが違う女王。檜木は初対面だが見た目だけでも檜木とは合わなそうである。しかしそんな事は相手は知らないが彼女自身は気にしない。彼女はいくら見下されても見下されている事も知らずに平気で注意出来る。
「今夜はパーティでも開くの? 良いわよ、私、好きだから! 」
そして嬉しそうに勝手に誰かの中国茶を手に取り飲む。またスマートフォンから勝手に音楽を流そうとするが充電が無くなりそうだったのでまた勝手にコンセントを探し充電を行おうとする。
「あ、充電器持って来てないわ。ねえ? 何処にあるか分かる? 」
と言いながら中国茶を飲み干し耳栓が入っていた棚を漁る。
「でも、パーティをしたら矢野島が眠れなくなるわね……」
棚を散らかしたまま、檜木は充電器を探すのを止めてこの場にいる全員に注意する。
「今、矢野島が寝てるから絶対にうるさくしないで」
一番うるさい彼女が言うととても変で理不尽だが本人は比較的真面目。そして矢野島の元へ行き状態を確認する。とは言っても医療の勉強をしている訳ではないので今、矢野島の状況がどうなっているのか全然分からない。
「ねえ? 誰か矢野島の状態が分かる子いない? 」
そう言って相手からの返事を待つ。

>>花丸山望様、(湯布院百合)様、二股舟木舞様、宝嵐玉様、序ノ舞浪漫様、翠紅館ドリス様、周辺ALL


【元貞坂朱夏/普通科・屋上】

狼と狐の秒を越えた速度の戦いを見るが元貞坂には全く持って確認出来ず剣や拳の振る音しか聞こえない。先程までこの二人に相手しようとして今だに生きている自分を褒めてやりたいくらいに二人は強かった。この光景を見た後ならば恐らく先程の行為だってしていないと考える。
「これでもし、あの狐面の生徒会に致命傷を与えたとしたら……オレっちって大分ディザスターに貢献出来るッスね。幹部とかなっちゃったり? 」
苦笑しながらも何も出来ない自分に哀れさえ感じる。

「誰でもいいので、これ!受け止めてください!!」
突如、声が聞こえた後に剣が屋上のど真ん中へと飛びだす。元貞坂は考える前に幽霊が剣を手元に置いてくれる。そして元貞坂が触れた途端にその剣の雰囲気が変わった様に思えた。
「な、何だこの剣……」
触れた途端にこの剣は普通のではないと気付く。この学園でも得体の知れない事に元貞坂は驚く。
「やっぱりまだこの学園には知られざる何かがあるッスね」
元貞坂はそれでも剣の特性を知らない為にどういう特性なのかを知る必要がある。ただし少なくとも彼が感じた中である一つの特性を感じていた。それはオカルト、即ち呪い。

トリガ―ラボの様な最新科学でも異能力だらけの九十九学園でもオカルトについての証明はいまだされていない。その事を知っていた元貞坂は思い過ごしでもそのオカルトを感じる事に興奮する。

「オレっちの幽霊は飽く迄も異能力によるもの。実際はオレっちの願いが具現化した物なのか、それとも本当に死んだ後魂となってオレっちの元に居座るのか、さっぱりわからないッス。でも……」

元貞坂はもしかして自分が持っているのが妖刀かもしれないと言う事に喜びを覚える。
>>陀羅尼宝剣様、白月レイ様、周辺ALL


【白月レイの能力欄にパートナーの能力のタイプによって、武器の特性も変わる。と記入してありましたので勝手ながら武器の特性がオカルト、呪いの類、妖刀に変わった様な描写をいたしました。ますたあ様の中で何か違っていた場合は遠慮なく元貞坂朱夏の思い過ごしで済ましても構いません。明確な武器の特性、元貞坂朱夏の能力のタイプ、属性は出来ればで宜しいのですがますたあ様がお決め下されば嬉しいです。特にお決め頂かなくても良いとの場合は今回は私が勝手に決めさせて頂きます。ただし剣で相手を切った場合呪いで必ず死んでしまう等と言ったチートの様な特性は控えて下さい。直、この世界の呪いはこの世の存在する全てのモノに有効とします。ちなみにこの地点で元貞坂朱夏は持っている剣が白月レイだと言う事を知りません。】

9日前 No.178

@purple3ru ★iPad=o1RdeKbLL2

【花丸山望 / 男子寮・宝嵐玉の部屋】

「……!」

浪漫、嵐玉、ドリス、眼鏡の青年が、楽しげに(?)会話をするなか、望は見たことのある眼鏡の青年を凝視していた。あの青年――二股舟木舞を、望は知っている。あの青年の名前は知らないけれど、彼は骨の清掃員に銃をバンバン撃ってた人だ。第一印象があれだったので、望にとっては珍しく恐怖を感じる人物になってしまったわけだ。というわけで、もともと気にするタイプではなかったが、嵐玉からも木舞からも興味も緊張も、おたれない問題は望のなかでも解決した。
ドリスの家来っぽい男子が、月餅と中国茶を用意して出て行く。嵐みたいな人だなぁ…とぼうっとその風景を見てから、3人がけソファーのドリスの右側に座る。

「いただきます」

用意された月餅をもちもちした手でとり、小さな口で齧る。もぐもぐと噛みながら、先に来ていたのが見えた真琴の方を覗いてみる。倒れ込んだっぽい生徒の隣に真琴はいる。あの倒れているのは…シニヤ事件の矢野島だっけ。
ごくんと飲み込み、二口めを食べながら、真琴の方を見続ける。興味があるわけではないが、先にここに来ているのに飲み食いしていないのが気にかかっただけだ。しかし、そんな望の心配を無視するように、真琴はパーティを開くのか等と言いながら嬉々として望の中国茶を勝手に飲む。「あっ」と思わず声に出してしまったが、まぁ飲みたくなったら自分で淹れればいいだろう。望はドリスと違って自分で自分のことはするのだ。

「……ねぇ、浪漫、翠紅館さん……知り合い以下のひとが、他人のの部屋のたなとかあさっていいのかな…?」

充電器を忘れた、と言って棚を散らかしながらさがす真琴をチラリと見て、もうそっちに体を向けるのはやめて前を向いて座り、月餅三口目に入りながら2人に問う。
解答を待ちながら咀嚼していると、真琴からうるさくするなとの命令が。矢野島が体調が悪いからだろう、と納得して嚥下し、四口目を口にした。

>>二股舟木舞さま&宝嵐玉さま&序ノ舞浪漫さま&翠紅館ドリスさま、檜木真琴さま、(湯布院百合さま)、周辺all

8日前 No.179

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★Ywte4t2Nfq_m8y

【 二股舟木舞&宝嵐玉&序ノ舞浪漫&翠紅館ドリス / 男子寮・宝嵐玉の部屋 】

 誰もパーティを開くとは言っていないのにいきなりパーティ云々と言い出した真琴だが、一つの部屋にこれだけの人数が集まっているのだからそういう考えに至るのも自然なことかもしれない。開かれていたとしても、その内の二人は予定されていたメンバーではなく『詳しいことは知らないけどなんか部屋に盗聴器を仕掛けようとしていて、あとなんか急に部屋の中でぶっ倒れた人と部屋を荒らしている人』でしかないのだが。嵐玉がこんな性格でなければ通報されている振る舞いだ。
 しかしこの部屋で真琴の振る舞いを気にしないのは自分に対しても他人に対しても大らかすぎる嵐玉と、そもそもここは自分の部屋では無いし何より真琴に一切の興味を感じていない木舞だけ。友人である望の目の前に置かれている中国茶のカップを勝手に奪われ飲まれた浪漫はと言うと、その光景を見てチッと不機嫌を隠す気もない盛大な舌打ちをかますと、変に張り上げても潜めてもいない平然とした声で「あのメス豚、他人に断りも無く他人のものを奪うだなんて乞食以下ね。まさしく視界に入ったものを口に放り込まずにはいられない卑しい飼い豚の姿だわ」と吐き捨てた。ほとんど初対面の相手にとんでもない言いぐさだ。それだけ望に用意されたものを勝手に奪われたのがイラついたらしい。

「あ、この女優が終盤で首吊って死ぬ役ヨ」
「この方がですか。昔の映画の娼婦の方って、大体最後は悲惨な結末ですよね」

 充電器の場所を聞かれても予備なんて置いていないから貸せないし一つだけある充電器は自分が使っている、という理由で黙殺を決め込み、その傍らでスクリーンの女優に対しネタバレでしかないコメントをする嵐玉とそれに反応して会話する木舞。スクリーンの中では中華風の娼館っぽい建物の内部と、そこで働く着飾った美女たちの姿が映し出されていた。そのシーンを見て「アタクシのほうが美しいですわね」と考えているドリスも通常運転である。

「部屋の主が気にしていないなら宜しいんじゃなくって? まあ、アタクシの部屋でこんなことをされれば即刻奴隷どもに追い返させますけれど」
「良いとか悪いとかを抜きにして、どうやらこの私はあのメス豚があまり気に喰わないようだわ。おもちちゃんに用意されたものを断りもなく奪って悪びれもしないなんて」

 望からの問いかけに上品に中国茶のカップを傾けながら答えるドリスと、答えているのか答えていないのか判定が微妙なことを言う浪漫。ちなみに浪漫は望のものに手を出されたから怒っているだけであり、友人でも何でもない嵐玉の部屋が荒らされていることに関しては特にどうとも思っていない。嵐玉もどうとも思われていないことをどうとも思っていないだろうから、この空間では局所的に“どうでもいいの無限ループ”が発生している。

「あら、アタクシより美しくもない貴方がアタクシに命令しないで下さる? 大体、先程から一番うるさいのは貴方が部屋を荒らす物音でしてよ」

 静かにしろという真琴からの注意に、玉座に君臨する強国の女帝のごとき態度でもってして言い返すドリス。思い上がりと傲慢さと自己愛がこれでもかというほどよく似合う花顔は、今日も燦然と輝いている。心の中では、矢野島に対してアタクシの行動を制限させるくらいなら貴方が一人で勝手に頑張って起き上がって静かな場所まで移動するべきですわ、くらいのことを考えているのだろう。生まれた時から傲慢だったドリスだが、そんな傲慢さを秘めなおかつ華やかで美しい女王のごとき振る舞いが一部の特殊性癖を所持した男性諸君に受けてしまったことがその生まれ持った傲慢さに拍車をかけた。しかしその傲慢さを大喜びして受け入れまさしく奴隷のように傅く男共が一定数いる限り、ドリスの性格は加速していくことはあっても減速することはないだろう。

>檜木真琴様&矢野島様&花丸山望様&ALL様

8日前 No.180

異能力学園群像劇 @karasu1010 ★0gkYBdXyN1_OzI

【檜木真琴/男子寮・宝嵐玉の部屋】

この場にいる者達から矢野島の容態について質問したが返事は大体無視か返事とも言えない文句。今までの檜木の行動から言えば当然と言えば当然である。だが彼女は特に文句を言っていた序ノ舞と翠紅館に文句を言われた事では無く言葉使いの事で怒る。
「そんな言葉を使っちゃ駄目じゃない……。ほら、私が正しい言葉使いを教えてあげるから!」
傍から見ればおせっかいを越え、煽っている様にしか見えないが本人は至って真面目。今までの行動も一応だがこの場にいる全員に心を開き甘えているつもりである。迷惑極まりないが。
「はい、ほら聞いて聞いて。今から私が行った通りに発言するのよ。そうすれば私の様に正しい言葉使いを話せるになるわ! それじゃ今から話すわね。……檜木様は九十九学園で有名な美少女だ。はい、リピートアフターミー! 」
これは、何故だか分からないけど空気が異常に悪いと彼女なりに感じ必死に盛り上げようとするべく起死回生を狙い言ってみたかったボケ。このボケならばきっと映画しか見ていない宝嵐玉も先程トラブルを起こし関係が悪くなっている二股舟も本人は友達のノリで勝手に中国茶を飲んだのだが反応が完全に知り合いレベルだった花丸山も檜木の評価をメス豚としていた序ノ舞も檜木を一番うるさいと評した翠紅館も腹を抱えて笑い転げる所が目に見える。
彼女は大爆笑がうるさすぎて矢野島が起きてしまうのではないかと気にするが耳栓をしていた事を思い出す。
「それじゃパーティの音楽も問題無いけど結局私のスマホ、充電無いしな……」
そんな事を平然と言いながら彼女は相手の反応を待つ。だが顔は檜木の中では半ば腹立つドヤ顔で全く平然を装えていなかった程に自信が満ち溢れている。また自然な感じをイメージしてぎこちなく手で顔を覆い笑うのを震えながら堪える。

矢野島も起きていたら笑ってくれる顔を見せてくれたんだろうなと思うとそれだけで心が明るくなる。

「矢野島も一緒に……」

檜木は今からでも矢野島は無理やり起こそうとするが矢野島は顔を布団に被ったままで顔は見えない。檜木は拷問等関係無く2ヶ月も自由を奪われ、疲れているのだから色々と暴走している所は見逃そうと心に決める。

「さっきのあれだって久々に外の世界に出ておかしくなっただけでしょ……ね? 」

檜木はいつもの笑顔を矢野島に向ける。

>>花丸山望様、(湯布院百合)様、二股舟木舞様、宝嵐玉様、序ノ舞浪漫様、翠紅館ドリス様、周辺ALL

7日前 No.181

@purple3ru ★iPad=o1RdeKbLL2

【花丸山望 / 男子寮・宝嵐玉の部屋】

浪漫が自分のために怒ってくれることに少し嬉しくなる。他人の部屋に来ても態度は変わらない。
ドリスは高い品格を感じるように中国茶を啜りながら、部屋の主――嵐玉がスルーしているならいい、と言う。ドリス本人は怒るらしい。浪漫は、望の質問よりも望の茶が勝手に飲まれたことが気に入らないらしい。望は自分のお茶が奪われたことは別になんとも思わないので、先ほどと同じで嬉しくなりながらも、苦笑いをこぼす。

「……あ、あわわ…」

浪漫が口悪いことにさっきからいつ注意しようかと笑って紛らわしていたが、ドリスの女王様な態度での真琴への返しに、笑えなくなり、完全に焦った。顔が引きつるのがわかる。普段から無表情気味なので、苦笑いも本当に微々たるものだったが、顔が引きつったのもほんとうに微々たるもので、他人から見れば変わってないだろうが、望的には表情に出るぐらいにヒヤヒヤしていた。翠紅館さん、さすがにおこられる…、と。
しかし、真琴のとった行動は想像しているものとは違った。望的には、最近の学園の雰囲気からして、「そんな口と聞くなんてqりえない!はい更生室!」という勢いかと思っていたが、真琴はまず叱るポイントが違っていた。真琴に対しての暴言ではなく、その言葉遣いについて教えて"あげる"と言い出した。

「……ひのきさまはつくもがくえんでゆーめーなびしょーじょだー」

私の後に繰り返して、と言われたので、何でこんなこと言うんだろうと首を傾げながらも、間延びした調子で復唱する。言い方には感情が一切こもっておらず、しかし冷めた言い方ではなく、イメージとしては、園児や小学校低学年の子どもの挨拶のような感じだ。
普通なら、『彼女は何でこんなことを言うのだろう、もしかしてボケなのか? 面白いと思っているのか?』と考えるべき場面なのだが、望は「おなじこと言わなきゃー」程度の認識しかしていない。

「ねぇ、浪漫と翠紅館さん。檜木さん、“学園で有名な美少女”? わたし、きいたことない」

繰り返さなきゃいけないことを受け入れてしまったため、これがボケだと気付くことなく、内容を真に受けてボケにボケを重ねるようにまた2人に問う。ボケにボケを重ねると言ったが、望は本気だ。本気なので、素直に純粋に澄んだ小豆色で美少女2人を見つめながら、かわいらしく小首を傾げた。

>>二股舟木舞さま&宝嵐玉さま&序ノ舞浪漫さま&翠紅館ドリスさま、檜木真琴さま、(湯布院百合さま)、周辺all

7日前 No.182

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★Ywte4t2Nfq_m8y

【 二股舟木舞&宝嵐玉&序ノ舞浪漫&翠紅館ドリス / 男子寮・宝嵐玉の部屋 】

 恐らく誰と誰の組み合わせで考えても、この部屋にいるメンバーの相性の良さはさほど宜しくないパターンばかりだ。例外は浪漫と望、木舞と嵐玉の組み合わせくらいだろうか。真琴と矢野島に関しては判断に困る。唯一、望だけがこの空間の誰と二人きりにしても険悪なムードをこさえないであろう貴重な清涼剤だ。中身も見た目も癒し系の望がこの学園において如何に数少なく尊い存在であるかが、こんな仲良しのなの字も無い空間にいると改めてよく分かる。そんな彼女だからこそ、個人主義の気がある浪漫も好まずにはいられないのだ。

「おもちちゃん、人の言うこと何でも信じちゃ駄目よ。あと、はい。これこの私が変わりに淹れてきたお茶」

 進んで人を助けてやろうというタイプではないが、友人たる望のためなら自ら茶を淹れにいくくらいのことはする。熱々の中国茶の目の前に再度置いて、今度こそ真琴に取られないよう目を光らせておく。さすがに彼女も立て続けに二杯も飲もうとはしないだろうが、とりあえず念のためにだ。ちなみに真琴の発言に関しては、頭の中で「いきなり『言葉使いを話せるようになる』なんてあからさまな誤用してるメス豚に言葉遣いのなんたるかなんてご高説は受けたくないわよ……言葉遣いって言葉の使い方って意味よ、それだと『言葉の使い方を話せるようになる』って意味でニュアンス狂ってることに自分で気付きなさいよ……」と現代国語の細かい先生みたいなことを考えるにとどめる。指摘したところで自分の言い分は間違っていないから恥をかくことにはならないが、こんな言葉の間違いをいちいち指摘していると一気に泥沼になる。ただでさえ安穏とは言い難い空気なのだ、そこに積極的にガソリンをぶち込むこともない。

「少なくともアタクシは耳にしたことありませんわね。序ノ舞さんは?」
「右に同じく。それにこの私の目から見れば、おもちちゃんのほうがもっとずっと可愛らしいわ」

 愛くるしさ満点の仕草で小首を傾げる望の質問に答える浪漫とドリスだが、浪漫のほうはしれっと友人をマウンティングしている。この場合は友人相手に自分を上だとアピールするのではなく、他人相手に自分の友人を上だとアピールするマウンティングだ。ちなみに木舞と嵐玉は相変わらず映画の視聴を優先していて真琴の言葉に目立ったリアクションは無い。が、きっと心の片隅では「俺は百合さんのほうが美しいと思いますが」とか「我の妹のほうが超絶可愛かったヨ。今墓の下だけどナ」とか考えているはずだ。あまりにも味方が少なすぎる真琴のため、矢野島なんちゃらはさっさと目を覚ましてやるべきかもしれない。

>檜木真琴様&矢野島様&花丸山望様&ALL様

7日前 No.183

異能力学園群像劇 @karasu1010 ★0gkYBdXyN1_OzI

【檜木真琴/男子寮・宝嵐玉の部屋】

残念ながら渾身のボケは思った方向とは全然違う方向へ向かってしまう。むしろそれが原因としてかなり空気が悪くなっていく。だが彼女はその空気が自分しか感じていないのではと疑問に思う。彼女から見れば他の人々はその空気に関して何とも思っておらず或いは気にしていない等と全体的に纏まりが無い。

「皆、もう少し空気を大切にした方が良いよ。私じゃなかったらヤバいって……」

勝手に質問したくせに勝手に全員の対応に対し素直に引いてしまい注意する。また今まで通じていた檜木の雰囲気等が全否定されておりかなり今さらだが若干ショックを受ける。まさしく此処は檜木のテリトリーから外れているアウェーな空間。だがそんな空間にいた事の無かった彼女は動揺してしまう。

「な、何で笑わないのよ……!笑いなさいよ! 」

仕舞いには笑わない事を怒ったりして迷走を繰り広げる。もはや何がしたいのかが全く分からない。しかし檜木自身が招いたこのきまずい空間から彼女は逃げ出す事は無かった。彼女を突き動かすのはくだらない意地。

(絶対に貴方達のその捻くれた性根を叩き直してあげるんだから……!)

と一番捻くれた彼女が冷めた反応を続ける全員に対して決意を固める。とはいえ全員知り合い以下。今日が初対面の人もいるのに檜木が見境無く馴れ馴れしく対応してくるのだからどちらかと言うと彼女の方が性根を叩き直した方が良いと思われる。檜木の思い通りに実行出来なければどんなにガソリンを与えなくてもひたすらに自身の考えを押し通そうとする。
だが性根を叩き直す方法を全く思い浮かばない。そもそも彼女が考える性根がまともな人物が分からない。基準となる像が無いのだからどのように叩き直したらいいのかますます分からなくなる。ちなみに檜木に更生室を利用する権利は無い。また彼女自身も以前から更生室を怪しんではいたが矢野島の件から明確に難色を示している。
とりあえず険悪なムードを一旦立ち切るべく、矢野島の寝ているソファーに座り距離を置く。これは飽く迄も第二ラウンドまでの準備として間を入れただけで決して逃亡では無い。そう、まだゴングは鳴っていない。
「このまま引き下がるなんて私じゃないわ。絶対に……」
遂に取り返しのつかない所まで燃え上がり、檜木は覚悟を決める。

>>花丸山望様、(湯布院百合)様、二股舟木舞様、宝嵐玉様、序ノ舞浪漫様、翠紅館ドリス様、周辺ALL

7日前 No.184

ますたあ @ritonetto ★iPhone=gWqlrtM9V5

【白月レイ:普通科屋上】

なんとか乱入に成功しその場にいた男子生徒に使ってもらえるようになった。
え?掴んだ際に流れて来るこの力、なに?
まるでこの世の力じゃないものが外から集まってる…。
レイの刀身にさまざまな霊の怨念のようなものがあつまり刀身が黒くなった。
集まった怨念が生み出した力はそれは猛毒のようなものになった。斬られた相手を徐々に蝕む呪いのような毒。


私は剣の正体が人間だと知られるわけには行けない。でも、この毒のことはこの使い手の方に言わなくては

「毒…」

そこで使い手の生徒の脳内に毒のイメージを直接流し込む。これで伝わればいいのですが
ところで今の状況は
狼と狐?が戦っているようす。それをとめればいいのでしょうか。

>>元貞坂朱夏/>>陀羅尼宝剣


(とりあえず周囲の怨念を集めて毒になったという流れになりました。毒といっても相手を弱らせ、弱らせた果てには気絶いう弱い設定にしておきます。死んでしまうような猛毒だとチートになると思ったので。気絶させ目が覚めたら呪いは解けますのでご安心を)

6日前 No.185

@purple3ru ★iPad=o1RdeKbLL2

【花丸山望 / 男子寮・宝嵐玉の部屋】

「うん。ありがと、浪漫」

飲みたくなったら自分で淹れよう、と思っていた中国茶を浪漫が淹れてくれた。そのことに素直に感謝を述べて、月餅をまた食べる。
真琴が学園で有名な美少女かどうかは、2人も聞いたことがないらしい。答えてくれたことと望の方がかわいいと言われたことに「うん、そっかー」と半ばスルー気味に相槌をうつ。もちろん、望的には真琴より自分の方がかわいいと思ったことは一切ないし、そう言う浪漫や自分大好きなドリスの方が美少女だと思う。真琴だって、望と比べると美少女だと思う。こうも女子3人が知らないとなると、もしかして、学園で有名な、というのは『学園で"男子に"有名な』という意味だったりするのだろうか。だったら嵐玉や眼鏡の青年に聞かないと真意がわからないが、男子2人は映画に見入っているっぽいのと、いつまた銃をぶっぱなすかわからないのとで、とても話しかけれそうにない。

「……? あ、あははははー…?」

真琴は、空気を大切にしろと言ったり笑えと言ったりしてきた。人の言うこと何でも信じちゃ駄目、と浪漫に言われたばかりなのだが、また素直に笑いなさいという命令に、月餅を飲み込んでから従っていた。従っていたとは言っても、顔は相変わらずのキョトンとした無表情だし、声もまた棒読み。さっきからの真琴の行動の何処らへんに笑う要素があったのか、わからないままなのでしょうがない。なんかこのまま引き下がるなんて私じゃないとかなんとか言ってる。一体彼女の中で何があったと言うのだろう。知人レベルの人に対して何かやってあげなきゃいけないことがあったのだろうか。

「わたし、なにかした…?」

下手したらいつ更生室に入れられるのかわからないのが今の学園の状況なので、かなり不安になりながらまた2人にきく。今日は2人に質問してばかりだ。

>>檜木真琴さま、矢野島さま、(湯布院百合)さま、二股舟木舞さま、宝嵐玉さま、序ノ舞浪漫さま、翠紅館ドリスさま、周辺ALL

6日前 No.186

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★Ywte4t2Nfq_m8y

【 陀羅尼宝剣 / 普通科・屋上 】

 そうなってくれたら嬉しいと願った通り、白衣の少年は突如屋上に振って湧いた謎の剣を手に取ってくれた。驚いた素振りをしているということは、やはりあの剣には少年が所持する能力とやらやこの正体不明の人狼のように、何かしらの不思議が隠されている代物なのだろう。真空の刃でも飛ばしてくるか、持った人間の技量を一流の剣士レベルにまで高める能力か、剣が炎でも纏いだすのか。相手のいう能力とやらにどのようなルールや制限があるのかまでは推理できない。宝剣は授かった天賦は、剣に関するものであれ考察に関するものではない。ここにいるのが我らが偉大なる生徒会長であったならば、この段階でもう少しあの剣の能力を絞り込めていただろうが……あの領域には残念ながら宝剣の頭脳ではたどり着けない。努力では到達することのままならぬ領域に生まれた時から平然と仁王立ちしているような存在が、九十九学園普通科の生徒会長たる道明石導という女なのだ。そんな女と同等のレベルを目指したところで徒労に終わるのは、領域異なれども『才能があって努力も惜しまぬ者にしか到達できない領域』の剣技に至っている宝剣もよく知っている。かつて同じ道場に通っていた鈴鹿という名の少女がその最たる例だ。彼女は宝剣に負けぬほどの努力を積んでいたが、宝剣ほどの才能が無かったのでいくら頑張っても宝剣には一度も勝てやしなかった。才能の差というのはそれほどまでに絶大だ。
 かつて剣豪として名高い新撰組の沖田総司が得意としていた三段突き、正確な名称は無明剣。平正眼の構えから間合いを詰め、踏み込む足音が一つ鳴ったかと思えば、それが相手に聞こえた瞬間には既に三度の突きが入っていた、とまで評される神速のそれを人狼目掛けて繰り出す。天才剣士の沖田総司はもうとっくの昔に結核で死んでいるから、生き返りでもしてくれなければどちらの三段突きが速いかは分からない。が、少なくともその突きは人狼の反応速度を超えることには成功したようだ。頭と喉とみぞおちの三か所を素早く『紅葉』で突かれたことにより、そこから血を噴き出しよろめきながら後退する人狼。しかし人狼の回復能力が常軌を逸していることは先ほどの白衣の少年との戦闘で理解している。追撃すべく肉薄し、胴を逆袈裟切りに斬りあげようとした。が、確かに皮膚を引き裂き肉に喰い込んだ刃は、けれど斜め上に進む途中でその勢いを何かに阻まれた。人狼の筋肉の締め付けだ。斬られている最中あえて腹筋に強烈な力みを加えることで、刃をそれ以上進まなくしたのである。人間の筋力でそんな真似はできない。まさに人狼だからこそ成し得る技。
 虚を突かれたのは一瞬のこと。素早い判断で逆袈裟切りを諦め紅葉を逆に引き戻そうとした宝剣だったが、しかし一秒以下の戦いにおいて一瞬とは充分な隙を意味する。視界に閃く人狼の鋭い五爪。咄嗟に身をひねってダメージを減らすことに成功はしたが、しかし完全には避けきれなかった。身に纏う藍染の浴衣がぐっしょりと血に塗れる。脇腹をやられた。致命傷と呼べるほどの深さはなく、しばらくは動いても失血死の心配も無いだろう。決定的な負傷を回避しながら愛刀の紅葉を回収しきったところも流石だ。が、宝剣はあくまで一流の剣士である“だけ”のただの人間。当然、人狼のように人間離れした回復能力は有していない。敵に負わされた怪我の度合いで言えば今でこそ人狼のほうが上回っていて重傷だが、あれも数分の内に回復することを考えると、ここで怪我をしてしまったのは痛手だ。なにせ宝剣は数分で切り傷が癒えるような特異体質ではない。この肉体は剣士として洗練され鍛え上げられた、けれども普通の人間の身体なのだ。

「まあ、手足をやられなかっただけ重畳ですな。ねぇ、小生の愛しの紅葉」

 お互い一旦距離を空け、人狼は地面に座り込み回復に努め、宝剣は己の浴衣の裾を裂いてそれを脇腹に応急手当としてきつく巻きつける。敵の血と小生の血とで濡れそぼった今宵の紅葉はかくも妖しく美しい、などと己の愛刀に熱っぽい眼差しを向ける余裕がある分、本人が自覚する通り脇腹の傷は浅いのだろう。が、雨晒しの戦いはただでさえ体温と体力を奪われる。早期決着が望ましいが、そのためにリスクの高い手段をとるとその後の白衣の少年との戦いに響くかもしれない。まったく、ただの放課後のつもりがえらく難儀な事態になったものだ。風紀委員長でも生徒会長でも良いから、早くここに来てくれないだろうか。

>元貞坂朱夏様&白月レイ様&ALL様

6日前 No.187

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★Ywte4t2Nfq_m8y

【 二股舟木舞&宝嵐玉&序ノ舞浪漫&翠紅館ドリス / 男子寮・宝嵐玉の部屋 】

 真琴の言う通り、確かにこの部屋の空気は気遣い屋やお節介焼きがいればあまりの息苦しさに窒息死してしかねないようなものだ。けれど幸か不幸か、ここにいるのはまともな精神を破壊された気狂い、育ちが悪すぎて正常な価値観を持っていない奴、ぽややんふわふわな天然気質のおっとり娘、自我が強すぎて空気の良し悪しだの気にも留めない女傑、己が美しいことに比べれば空気なんて些細な問題のナルシスト、原因不明の体調不良に見舞われて頭から布団を被っている者、そして空気について言及しつつ本人も空気を読めない女王様。どいつもこいつも気遣いの気の字もありはしない。望はこのメンツと一緒くたに扱うのが申し訳ないが、それでもお節介焼きではないのは確かだろう。

「情緒が不安定なのよ。気にしちゃ駄目よ、おもちちゃん。もっと月餅お食べなさい」

 距離を取ってしまった真琴を見て自分が何かしたのだろうかと考える望に気にしないよう声を掛け、小さくちぎった月餅を望の口元にあーんとしながら自身も月餅を食べる。中に詰められたアンが水っぽくなくてクルミも入っているので、これは北方の月餅だろう。これを全て手作りしたということは、この宝嵐玉という男は案外料理上手なのか。中国料理限定という可能性もあるが、浪漫は古今東西のお菓子ばかり作るタイプの料理上手なので、今度それ以外の料理を習ってみるのも面白そうだ。……それにしても、こんなに甘いものばかり食べているとなんだか塩気のあるものが欲しくなってくる。

「そうそう、晩に食べた太平燕がまだ冷蔵庫の中に残ってるヨ。せっかくだからお前ら平らげていくネ」
「貴方の晩御飯の残りなのに、俺達に行きわたるほどの量がおありなのですか?」
「明日の朝と昼にも食べる予定でめっちゃ大量に作ったヨ。けど晩に食べたらもういいやって感じになったアル。だからお前ら責任持って喰ってけヨ」
「何の責任ですか……? まあ、ありがたく頂きますけれど」

 中国福建省福州市の郷土料理の名前を出し、それを月餅片手にキッチンまで取りに行く嵐玉。太平燕は、端的に説明するとアヒルのゆで玉子が入ったスープワンタンだ。日本でアレンジされた同じ名前の料理があるが、そちらはアヒルの卵の代わりにニワトリの揚げ卵、扁肉燕の代わりに春雨の入った別物だ。嵐玉が作ったのはもちろん中国の太平燕。アヒルの卵なんて近所のスーパーでは売っていなさそうなものをどこで入手したのやら。
 映画の中では遊郭の女と結婚することになった男を巡ってもう一人の男とその遊郭の女が修羅場を繰り広げている。よくよく考えれば、嵐玉は途中で「この女が首を吊って死ぬ」とネタバレをかましていた辺り、一度か二度は既にこの作品を最後まで見ているはずだ。同じ映画を何度も観て面白いのだろうか。世の中には好きな作品を映画館に十回観に行ったと豪語する者もいるが、あれは映画が好きというより好きな俳優や監督や作品に貢いでいる感覚に近い。

「ぶっちゃけこの映画見逃してたの最初のほうだけで中盤以降は全部覚えてるヨ。ここから先は観なくても良いネ、だからホラー映画に切り替えるアル」
「自由ですか貴方」

 この映画を観ようと誘われた木舞を置いてけぼりにする言い分だが、しかしこのくらい自由な男でなければ木舞の知人なんてやっていられない。結局のところ木舞も失礼な男だから、付き合うなら同じくらい失礼なこの男がなんだかんだ良い相性なのである。

>檜木真琴様&矢野島様&花丸山望様&ALL様

6日前 No.188

酢橘 @karasu1010☆TyGLtXpsS1g ★0gkYBdXyN1_OzI

【元貞坂朱夏/普通科・屋上】

「毒…」
頭の中に突如、毒のイメージが浮かび上がる。こんな経験は今まで皆無であった為、持っている妖刀を素人ながらに慌ただしく構えもせずに振り回し警戒する。元貞坂は器用な人間だが剣の心得も知識も当然無い。つまり剣を持ち出来る事と言えば型の無い自我流でとにかく振り回す他無い。そして乱雑に振り回している剣の刀身がフェンスに触れる。見た目では分かりにくいが途端にフェンスが少しだけ錆びる寸前まで脆くなる。元貞坂はその時に剣に恐ろしい程の霊力を感じる。
「こ、この剣には劣化作用があるッスか……」
呪いは生物、非生物、関係無く発動する為、非生物のフェンスでも毒に侵されてしまっている。そして毒のイメージが剣に結びつく。
「まさか……」
元貞坂はこの剣に毒の作用が発生している事に気付く。だが毒のイメージを脳内に流し込まれたのは何だったのか疑問に感じる。
「疲労で幻聴が聞こえたッスかね。いやいや……」
彼は立ち上がり狐面と人狼の様子を眺める。互いに傷を負っているが人狼は再生能力を持ち狐面もまだ余裕を持っている様子が窺える。金属をも斬ってしまう狐面がこれ程苦戦する等、やはり人狼も一筋縄ではいかない。だが人狼は再生能力を持っている自信からか慢心や油断が多いと思われる。其処を突いていけば元貞坂も先程、眼球を潰せる様なチャンスが生まれる。だが油断しても人間の能力は超えている為、人狼に有効なのは考える限りだが不意打ちくらいしか無い。狐面に関しては面で視界が見づらいと思うのだが全くそれを感じさせない美しい戦いを見せる。もはや完全に生まれる時代を間違えたと思わせる程に才能が溢れており、それは異能力者を持ってしても敵ながらその戦う姿に敬意を称したいくらいに圧巻であった。それに下手したら大怪我を追う可能性がある得体の知れない敵にも関わらず即座にこの状況に対応出来る度胸と勇気に驚かされる。だが元貞坂の異能力もある意味人間を越えた素晴らしい才能と言える。そして彼は狐面の対策を思い付き静かに狐面に嘲笑う。

(この剣の毒は非生物にも有効らしいッスね。つまり愛しの紅葉って奴にも効果はあるって事ッス)

ただし問題は狐面の刀に当てられるかどうか。実際、身体に当てた方が直接的な効果が見込まれるがまず素人が一太刀だけでも達人に浴びせるのは困難を極める。だが頭に毒のイメージでも流れていなければこの剣の能力が毒だと言う事を判断する事も困難を極める。しかしもし狐面がフェンスの異変に気付いたのならば警戒心を煽ってしまう可能性がある。それに身体では無く剣に当てる為の不自然な行動等、狐面に見切られる可能性もある。いかに動作を読みにくくするかがこの戦闘の重要な所と言える。

そんな事を考えながらまだ狐と狼の様子を見る。漁夫の利を狙う彼としてはまだ戦う時ではない。そして彼は人狼の対策を閃く。

>>陀羅尼宝剣様、白月レイ様、周辺ALL


【ますたあ様、剣の特性を確認いたしました。剣の特性等、色々とお任せして申し訳ございません。同時に非常に感謝しております。これからも宜しくお願いします】

【檜木真琴/男子寮・宝嵐玉の部屋】

檜木はまず模範となる人間を考える。まともな性根を持っている人間を誰か決め、その人間を基準にして歪んだ性根を持つこの場全員にどうあるべきか導いてあげようと言うクソ程もいらないボランティア精神を原動力として燃え続ける。ちなみに檜木にとって花丸山だけはちゃんと反応してくれている為、まだ良心的だと思うがそれでも檜木の理想では無い為歪んだ性根の対象に入ってしまう。

「……まずは生徒会から」

生徒会で一番まともなのは恐らく生徒会長。とはいえ彼女は生徒会長に一度も会った事が無く何を行っているのか正直まるで分からない。一度も会ったことが無い人物が一番まともと言うのもおかしいがそれくらいにまともな人間が少ないと言う事に当たる。
次に考えたのは残間。現に発言力を持っているのは何故かこの人。だがかなりの危険思想。まともとは程遠い人間。

「……あー……もう良いわ。この学園にまともな人なんていないんだから」

彼女は何人か教師を上げたがあまり好印象では無い。そんな事を考えていると宝嵐玉が聞き慣れない料理名を出す。

「そう言えば矢野島、お腹空いて無いのかしら……」

だが矢野島はまだ眠っているので冷蔵庫に向かう必要は無い。今はソファーに座って自分の部屋の様にリラックスする。そしてもう既にこの時あれだけ決意していたこの場にいる矢野島以外の全員の性根を叩き込むのを忘れてしまっている。好奇心が塗り替わる彼女の思考は誰も理解出来ない。

>>花丸山望様、(湯布院百合)様、二股舟木舞様、宝嵐玉様、序ノ舞浪漫様、翠紅館ドリス様、周辺ALL

5日前 No.189

@purple3ru ★iPad=o1RdeKbLL2

【花丸山望 / 男子寮・宝嵐玉の部屋】

浪漫が、ちぎった月餅を自分の口へ近付けてくる。望はまだ自分の手元にあと二口ほどで食べ切れそうな月餅があったが、素直に浪漫の手にある月餅を「あーんっ」と言いながら食べる。もぐもぐ噛んで飲み込むと「浪漫、ありがと」と感謝を述べ、自分の手元に残った月餅を口に詰め込み、友人の淹れてくれた中国茶で喉に流し込む。おいしかった。
もう1個食べようかと思っていると、嵐玉が“たいぴーえん”とかいう料理名を出してきた。“お前"ら"”と言っているから、望たちも食べていいのだろうか? 望はわらび餅のことを除けば食い意地のはっている方では決してないし、1時間ほど前に食堂で夕食を食べたばかりだし、床に置いているビニール袋の中に苺大福とお茶が入っているのだが、未知の料理名を聞いて涎が出ていた。普通に食べたい。

「わたしも、“たいぴーえん”いただいてもいいですか…?」

ソファから立ち上がると、映画の邪魔にならないように、嵐玉に声をかけてみる。たいぴーえんが何かは知らないが、あんなにおいしい月餅を作った嵐玉の作る料理だ。きっとおいしいはず。しかし、嵐玉的にはきっと眼鏡の青年に話しかけてるだろうから、正直いただいていいのかとても不安だ。なので、一応きくことにしたのだ。ちなみにどちらかの望への対応が怖かった場合さっきまで自分が座っていたソファの影に隠れるつもりだ。
ふと、真琴の方をチラリと横目で見ると、矢野島のことを心配していた。あのぐらい、周りの人みんなを気遣えれば、この場の空気はもう少しよかったと思うのだが。

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4日前 No.190

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★Ywte4t2Nfq_m8y

【 二股舟木舞&宝嵐玉&序ノ舞浪漫&翠紅館ドリス / 男子寮・宝嵐玉の部屋 】

 小分けにして冷蔵庫に突っ込んでいた太平燕を皿から鍋に戻して温めた後でまた皿に戻すという面倒臭い作業を鼻歌混じりにこなしつつ、望からの質問には「おう、お前も我の部屋に入った以上は責任持って喰うヨロシ」と、相変わらず何の責任なのか少しも分からない責任を理由にOKを出した。たっぷりの野菜から煮出された自然な甘みや、鶏がらなどをベースにしたスープの良い香りがリビングのほうまで広がってゆく。食欲を刺激するのに充分な匂いだ。廊下にまで広がって行ったのか、未だにこっそりと部屋の中を覗き込んでいる様子だった近隣男子たちは「なんか腹減ってきたな」「コンビニまでなんか買いに行くか」などと会話を交わしながら嵐玉の部屋から離れてゆく。好奇心よりも食欲が勝った結果だ。そういえばずっと扉開けっ放しだったな、と今更気付く嵐玉である。気付いたからといって閉めに行こうとしないのがこいつらしいと言えばこいつらしい。

「我今両手が皿で塞がってるから、お前代わりにホラー映画入れるヨ。そこの棚からなんか適当にそれっぽいタイトルの取って突っ込むネ」
「俺ですか? まあ、そのくらい構いませんが……この『女の子よ死体と踊れ』はホラー映画なんでしょうか」
「あー、それ一応ホラーコーナーに置いてあったけどアイドルばっか登場してて全然ホラーって感じしなかったやつネ。別のにするアル」
「『トイレの花子さん新劇場版』は?」
「端的に言って糞ヨ」
「『学校の怪談』」
「面白いけどちょっと制作が古くて画像が粗いから、大スクリーンでの上映には耐えかねるかもしれんアル」
「もう貴方が選んだほうが絶対早いですよ、俺が配膳やりますからご自分でなさって下さい」

 早々に役目をバトンタッチして木舞は配膳、嵐玉はホラー映画のDVD選びとそれぞれの仕事をこなす。日本人なら誰しもが知っている『呪怨』や『リング』や『着信アリ』も置いてあったが、これは今更DVDを見なくてもほとんどの人間がオチも貞子が飛び出すタイミングも知ってしまっている作品だ。よって選択肢からは排除する。一応食事の最中に観るものだからあまりにもスプラッターが過ぎた作品も止めておくとして、それならばこれ辺りが無難だろうか。いや、これは先の三作ほどではないとはいえそれなりの知名度がある作品。こちらも人によってはオチが知られている可能性がある。それなら多少面白さの格が落ちるとしても、まず誰も観たことのなさそうなマイナーホラーで攻めよう。

「……もうこの一周してギャグみたいになってるやつで良いアル」

 『サイレン島』と書かれたDVDをデッキに入れて再生ボタンを押す。日本にこの作品のDVDをわざわざ購入した者が何人いるのだろうか。『サイレン』という一字削ったタイトルのホラー映画はまだ有名なほうだが、こっちの『サイレン島』に関しては今まで観たことがあると口にした相手に出会ったことが無い。ちなみに初めて観た時の感想は「失敗作を掴まされた」だ。訛ったおっさんの声で「帰れんどー」としつこいほど繰り返されるシーンなど失笑を禁じ得ない。

「おもちちゃん、ホラー映画平気?」

 ドリスは見るからにホラー映画でキャーキャー言うようなタマではなさそうなので質問しないが、望に関してはどっちか想像がつかないので念のために尋ねてみる浪漫。ちなみに浪漫自身は平気なタチだ。実際に目の前に幽霊が現れても逃げようとするのではなくとりあえず戦ってみようとするタイプの女だから。

>檜木真琴様&矢野島様&花丸山望様&ALL様

4日前 No.191

雪鹿 @salt9140 ★Android=42zyboh5vZ

【湯布院 百合/男子寮・宝嵐玉の部屋】

赤い救急箱を片手に現れた少女と言い難い女性はその開きっぱなしの扉を三回ノックしてから、間を置かずに中へ入って扉を閉める。彼女は第三陣営の中でも比較的まともな人間ではある。言ったことを聞かない人間でも居なければ、という前提の話になってしまうが、それでも外面はまともなのだ。……彼女の服装は少々まともとは言い難いが。

「あら、随分と可愛い子ばっかりね。貴方達、そういう趣味だったの?まぁ、そういう趣味なら扉は閉めておいた方がいいわ。廊下、結構人居たわよ。」

くすりと冗談っぽく笑っては、この場に居る二人の男に向けて冗談をさらりと言いつつも見分はしっかりと付けていた。なにせ、ネームバリューならそこそこの人間が幾人か……本当なら、木舞ちゃん以外は全員患者(おともだち)にしたい位だけど……多勢に無勢ね。いつも通り、普通を普通に過ごしましょうか。あんまりごたついても面倒なだけ……それに、今日はそんなに持ち合わせが無いのよね。

ちら、と布団の方を見て患者らしい人は頭まで被っている事を確認する。周りが喧しかったり、もう1人近くに居るせいで細かくは分からないけれど……風邪なんかじゃ無さそうね。多分……薬害に近いのかしら?いずれにせよ、大元の薬が分からなきゃ意味がないわ。薬自体も彼女の身体に溶けきっているせいで、どうにも出来ない。能力を試しに発動しようとすれば、この位は分かるのよね。半分は推測だけど。……薬害関連でなければ、精神疾患という事になるけれど……あるいは、両面?いずれにせよ、正しい診断は出来ないわね。

「まぁ、冗談はさておきましょうか。結論から言っておくと、病気の類いじゃないわ。薬害だとか……もしくは、脳に過剰な負荷でも掛けたんじゃないかしら?未知の病気って線も無くはないけれど、薄いわね。」

ふぅ、と診察結果をさらりと、その患者の症状を尋ねていた少女にも聞こえるように告げた。事、病症に関してを言うなら、真摯に向き合ってきた彼女は嘘を吐かないだろう。それが、より一層に彼女の真っ当さという外面を引き立たせているのだろうが。だからと言って、彼女がまともである保証なんてどこにも無いが。

そして、今更と言う他無いが、彼女も彼女で中々にここが他人の部屋であることを気にしてない様子で適当な所に救急箱を置いて、そこに足を組んで座り込む。なにせ、彼女も彼女でそれなりに横暴さはある。入れるようにしてる時点で其処は私達の根城足りうる場所なのだから。

「とにかく検査しなきゃ詳しくは分からないけど、普通の治療なんかじゃ簡単に治るもんじゃないわ。今からでも入院させた方がいいんじゃないかしら?……まぁ、治せる子がこの学園に居るかもしれないけど、ね。」

悪戯に笑ったその女性は多少投げやりに言葉を投げ掛けては、1人の少女を思い出したので意味深にそれを暗に告げておいた。一応、私にも出来なくはないけれど……他人の手に掛けられた後の子って面白くないのよね。脳に過剰な負荷を掛けられているとしたら、そう長くはないだろうし。
保健室の天使にして悪魔である彼女は、病症に関しては真摯であるが、その結果として患者がどうなろうと興味はそこまで無い。黒葛原にしろ、湯布院にしろ、世界を滅ぼすつもりなのだから、他人がどうなろうと知ったこっちゃない。世界を自分の理想郷(ディストピア)に出来れば、それでいいのだ。

「少し前から話だけは聞こえてたから、話題の共有だとか、そういうのは必要ないわ。ホラー映画よね?嫌いじゃないわよ。」

口許に手をやんわりと当ててくすりと微笑む彼女は相も変わらず、余裕を保ったままに画面を見てもそれを一切変えることはない。本当に何も感じないのはスプラッタ系だったりする彼女は、ホラー映画に対してもそこまで驚いたりはしない。なにせ、毎日のように他人の臓物を見続けているような少女なのだから、それも当然だろうか。怖いものが無いわけでも無いが……まぁ、そこは後程という事にしておこう。

>二股舟 木舞様、宝 嵐玉様、檜木 真琴様、序ノ舞 浪漫様、翠紅館 ドリス様、花丸山 望様、all


【黒葛原 綴裏/武道館裏】

声を掛けた少女は、どうやらアタリだったようで考えていたような物とは違えども、相応の反応。……あはっ、僕の予感って当たっちゃうみたい。それはつまり、この学園に蔓延る何かに対する嫌な予感も当たりかねないって事になっちゃうけど……まぁ、いいか。パブロフの犬みたいな心境なんだろうね。そりゃ、人には死があるから人なんだよ……え?僕は確かに老化するけど、それでも死ぬのは困るんだよねぇ。

「あはっ、簡単な事だよ。連絡先交換しよう!……なんていうのは建前で、生徒会とディザスターの均衡を今は保ってほしい。いずれ、無力化しなくちゃなんないけど……そこら辺はその時に連絡するね。」

その同じ穴の狢だとすぐに分かるような瞳を、狂気を孕んだような眼で微笑みながら見詰め返して雨の中、携帯を取り出した。御互いがまともであったとしたら、恋愛漫画さながらの光景であったものの、此処に居るのは残念ながら、絶望を共有する狂人と死を求める狂人。いずれにせよ、マトモとは程遠い二人ではあった。
さてと、これで四人……か。んー、ちょうどいいけど、あともう1人居たら生徒会っぽくていいよね。いや、他校に行けば居るんだけどね。協力してくれるかどうかは別として、という話ではあるけど……あの子の話をすれば、多少は協力してくれるかな。

「んー……フリックしにくいから、中入ろっか。」

面倒臭そうに携帯を出していた彼は、はぁ、とため息を吐きながら、手近にあった壁に手を当てる。すると、そこはガラガラと崩壊して修繕される事は無かった。いや、正確に言うなら「彼が其処に居る間は修繕される事はない」。能力すら劣化させる彼の能力は、いちいちコントロールの効かない暴れ馬のようなものなのだ。……いや、騎手が暴れさせてるというのもあるのだろうが。

その自分で崩壊させた壁から、武道館の内部に入る。若干濡れてしまったが、その程度の事を気にする彼ではないだろう。誇らしくも何ともない事だが、そういう人間であることは分かるだろう。他人の都合を考えないのが彼、ないしは彼等なのかもしれない。

「はい、これ!連絡先。もし、万が一にでも生徒会に会ったら連絡して。勝負が付くまでに間に合う自信はないけど、更正室送りまでには間に合わせるよ。で、第三陣営って形で戦ってる僕らなんだけど……質問とかある?」

携帯の画面を袖で拭って相手に連絡先が映し出されたそれを見せると、ケタケタと笑いながら、相変わらずの冗談を言っていた。3階の情報処理室に僕、1階の保健室に百合ちゃん。木舞ちゃんは定位置とか無さそうだけど……機動力で言うなら、僕や百合ちゃんの比じゃないだろうね。五分もあれば、誰かが着くだろうし……大丈夫でしょ。百合ちゃんがきちんと動いてくれるとは思えないんだけどね。

>皆甘里原 薇様、all


【皆様、返信大分遅れてすみません!】

4日前 No.192

@purple3ru ★iPad=o1RdeKbLL2

【皆甘里原薇 / 武道館裏】

連絡先を交換しようと言われ、セーターのポケットに手を突っ込むと、それは建前だったらしい。生徒会とディザスターの均衡を今は保ってほしい。生徒会とディザスターの均衡を今は保ってほしい? 生徒会とディザスターのバランスをとれということ? しかもいずれは無力化しなければならない? 少々難しいことを言っている気がするが、まぁ殺してくれるならなんだっていい。いつかの未来で自分の人生が絶対的に終わると約束してもらったのだ、その為だったら別にその間に起こったことなんて知らない。死ぬために彼のお願いを聞くだけだ。
ポケットから薔薇色のスマートフォンを出すと、彼は中へ入ろうと言った。そして、彼の触れたところが壊れた。…どういう能力なのだろう。触れたもの全てを破壊だとしたら、あの携帯はもう塵になっているだろうし…。ま、どうでもいいか。彼の能力がわかったところで死ねないし。そう結論をだして、少年のあとに続いて壊れた壁から武道館の中に入る。びしょ濡れになってしまった髪から新設の建物へ水滴が落ちていった。

「黒葛原綴裏…が、あなたの名前なんですね。私のはこれです。……質問は、えっと…」

表示されたスマホに書かれた連絡先を入れると相手の名前が出た。語感がよくてあんまり長くない名前だな、と思った。一般的に考えれば少し長くて言いにくそうな名前だが、まぁ、皆甘里原薇とかいう長い名前と比べたらマシだろう、きっと。そして自分も連絡先を表示した画面を相手に見せる。生徒会に会ったら連絡…か。とりあえずそれを守れば殺してもらえるだろう。更生室送りまでには間に合わせてくれるらしい。それはありがたい。健やかな精神には変わりたくないし。そして彼らが噂の"最近出てきた生徒会でもディザスターでもない第三勢力"である"第三陣営"らしい。学園にいれば嫌でも耳に入る噂だったが、本当に存在したとは。質問の有無を問われ、少し目を逸らして考える。いつ殺してもらえるかは愚問だ。彼の"お願い"が全て叶ったときだろう。だったら、これから死ぬまで、本当に死ぬまで戦うチームのことを聞いておくべきだ。

「えと…あなたの能力は? それと、第三陣営の他のメンバーは誰でどんな能力を持っているどんな人ですか…?」

光の灯ることのない暗い暗い瞳で、相手を真っ直ぐ見上げる。メンバーぐらい知っててもいいだろう。死ぬまでの仲になってskまうのだ、後にいやでも知ってしまいそうだし、もし廊下で遭遇して話しかけられても疑問に思わないようにもしたい。

>>黒葛原綴裏さま、周辺all

4日前 No.193

渡空飛燕 @luckytumo☆IwylAz1LldTn ★Android=YsiOVTQyN2

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4日前 No.194

異能力学園群像劇 @karasu1010☆TyGLtXpsS1g ★0gkYBdXyN1_OzI

【檜木真琴/男子寮・宝嵐玉の部屋】

檜木は映画をリラックスしながら見ていたが別の映画を見たいらしく途中ながら今の映画の上映を止めてしまう。彼女にとっては今の映画は言語の意味が分からなかったのでとりあえず安堵する。せめて次の映画は海外の映画でも字幕が付いて欲しい等と考える。また檜木は英語なら理解出来るので海外の映画で字幕が無くても英語であれば内容くらいは理解出来る。そして宝嵐玉が選んだのはサイレン島と言う映画。一瞬と言うかずっと頭に浮かんでいるのは、かの有名なサイレン。このサイレン島と言う作品はそんな有名な作品に肖った類似作品の可能性かもしれないとあまり考えずに結論を導く。
「こういうのって低予算が多いのよね……。これも低予算かしら? まあ予算があるからって面白い訳でも無いけど」
意外と物事に対して見極めようと言う意思が彼女には現れる。だがやたらと批評を語りたがる所や自分の好きな作品に関してはかなり贔屓目で見たり等、心の中で偏った評価を下す事がある。

すると、赤い救急箱を片手に現れた女性が現れ、部屋の中に入る。
「こんなに集まって逆にパーティをしないって言う方が珍しいわね」
そう言ってソファーから立ち上がりソファーのしわを手でスライドさせる様に押し込むんだ後、ポジションを確かめて座り直す。座りっぱなしなのはきついのか手首、足首の運動をしながら映画を見る。そんな事をしていると救急箱の女性がこちらを見てくる。彼女は咄嗟に見て見ぬフリをする。今、心の中では何で自分を見ているのかと疑問で埋まって行く。そして段々緊張しているのが自分でも分かる。普段ならば「ちょっと何見てるのよ! 私の美しさに魅了されるのは分かるけど」等とこの場の空気がもっと悪くなる様な言葉を叫ぶが彼女は本気で救急箱の女性に警戒している。眼差しから見える熱い視線に彼女は対応出来ない。そして女性は遂に言葉を発する。
「とにかく検査しなきゃ詳しくは分からないけど、普通の治療なんかじゃ簡単に治るもんじゃないわ。今からでも入院させた方がいいんじゃないかしら?……まぁ、治せる子がこの学園に居るかもしれないけど、ね。」
檜木はその言葉を聞いて今までの視線は自分自身では無く矢野島であり安堵したのと同時に矢野島について不安になる。
「もしかして……医者か何か? じゃ、じゃあ矢野島の病状について分かるのね? 」
救急箱を持っている事は知っていたが医療に関する人物が現れるとは思っていなかった。しかし同時に入院と言うワードが頭に突き刺さる。それ程、酷い事になっているのか。
そして救急箱の女性の発言を鵜呑みにした彼女は充電が切れそうなスマートフォンで他の人々の了承を得ずに急いで救急に連絡しようとする。九十九学園の付近には色んな娯楽施設があるが歩いてすぐに着く病院は無い。そもそもこの時間では開いていない。それよりもまず、教師に報告しなければならない気がするがそんな事をする暇は無い。救急車を呼ぶ事は初めての為、間違いが無い様に身長に画面の番号に向かって119番を押そうとする。それにしてももし連絡を行った場合、この後この部屋に数人の救急隊員が此処に来るのだからさらに人が多くなり騒がしくなってしまうのだろう。そしてそれ程の人数が揃いながら現在行っているのは九十九学園ご自慢の大スクリーンで映し出されるB級映画を鑑賞すると言う何とも奇妙な状況に陥っている。

>>花丸山望様、湯布院百合様、二股舟木舞様、宝嵐玉様、序ノ舞浪漫様、翠紅館ドリス様、周辺ALL


【代々木上原網代/屋上】

「テメェ……雨の日に何してんだ? 」
屋上に向かっていたのは渡空だけでは無かった。口調が男にも勝らない彼女は何と先生。それも渡空と同じ2-Aの教師。つまり彼女は渡空の担任である。
「まあ何をしてようがテメェの勝手だけどよ」
そう言って代々木上原は雨の中、生徒の前で煙草を吸い上げる。雨に当たり煙草の火は消えるが熱は消えない。彼女に滴る雨は蒸発して気体に変わり大気中へ流れる。単に彼女は渡空を追って等では無く煙草を吸いに屋上へ来ていた。九十九学園は当たり前と言えば当たり前だが基本的に普通科、異能科も教員含めて禁煙。煙草を吸う為には校舎を出て校門辺りで吸わないといけない。また本来は屋上での喫煙は禁止。
「あ、そう言えばテメェ、明日小テストあるからな。勉強しろよ」
普通気まずくなる状況だと思うが全く気にせず、と言うか知った事では無いと言わんばかりに渡空に話しかける。

>>渡空飛燕様、周辺ALL


【早速絡ませていただきました】

4日前 No.195

@purple3ru ★iPad=o1RdeKbLL2

【花丸山望 / 男子寮・宝嵐玉の部屋】

責任持って食べて良い、とのお許しを受け「ありがとーございます」とお辞儀をしてソファの方へ戻る。
嵐玉と木舞のやりとりに、さっき宝さんは此処にいるには知り合いと知り合い以下なんて言ってたけどこの人は友達なのでは、と思ったが、そこまで興味はなかったので、ソファに座って茶を啜る。
すると、浪漫からホラー映画は平気かと聞かれた。映画は作りもの。怖がらせるために作ってる。だから平気だ。目の前で銃を撃たれたり人が死んでいったりするのは生々しくて耐えられないが、基本何事にも動じない系女子なのでホラー映画ぐらいへっちゃらだ。望は目の前に幽霊が現れたらキョトンとした顔で数分後には仲良くなっているタイプである。

「うん、平気」

心配してくれた浪漫に向けて、小さく頷く。また中国茶を飲もうと思っていると、開けっぱなしの扉から女性が入ってきた。金色、赤黒い瞳、官能的な体型、その体型を生かしたナース服、ばってん印のナース帽、赤い救急箱。……この空間でいちばんに目のいく容姿だ。たぶんこの特徴的な見た目を忘れることはないと思う。そんな個性的な服装の女性は、いつしたのか、矢野島の診察結果を述べたあと。ホラーは嫌いじゃないと微笑んだ。今のところそこだけは気が合いそうだ。
真琴はどこかへ連絡を入れようとしている。病人もいるし救急だろうか…?

「……かってに電話、いいのかな」

少し首を傾げながら、独り言のようにつぶやいた。

>>男子寮・宝嵐玉の部屋all

3日前 No.196

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★Ywte4t2Nfq_m8y

【 二股舟木舞&宝嵐玉&序ノ舞浪漫&翠紅館ドリス / 男子寮・宝嵐玉の部屋 】

 駄作と表現して差し支えない三流どころか百流くらいのホラー映画をDVDデッキに投入すると同時、部屋に響き渡る規則正しいノックの音。そちらに視線をやると、嵐玉にとっては見覚えのない少女、けれど木舞にとっては見慣れた少女である湯布院百合が立っていた。今日も今日とてボディコンシャスなナース服がよく似合う妖艶な出で立ち。「可愛い子ばかり」という台詞に「まあ我は可愛いアルからな」みたいな顔をしながらリモコンをいじっていて、なおかつそれが冗談か本気なのかも分からない嵐玉はさて置き、他の面々は突然現れたナース服の女性に視線を集中させている。「百合さん」と、木舞が声にあからさまな喜色を滲ませて微笑んだ。仲間や友達じゃない女が来てもスクリーンに視線を集中させてソファーから動こうともしなかった木舞だが、百合が相手だとこの対応である。手元にはいつの間にやら百合の分の中国茶と月餅と太平燕が用意されていた。

「よろしければこちらをどうぞ。味に保証はございませんので、お口に合えばよろしいですが」
「言っとくけどお前、それ作ったの我だからナ。保証あるに決まってるネ。我の作る中華料理みんな絶品ヨ。マズいって言う奴はシャブかヒロポンのやりすぎで味覚が壊れた薬中アル」

 暗に自分の作った料理をマズいかもしれない呼ばわりされたことに真顔で苦言を呈しつつ、無事にデッキに『サイレン島』のDVDをセットし終える。さて、このホラー映画を唄うくせして開始三十分くらいはほとんどホラー要素が無いし三十分すぎた後も殆ど盛り上がらないクソみたいなホラー映画に、果たして誰が飽きずについてこられるだろうか。ちなみに一度観た嵐玉は再生ボタンを押す前から既に飽きている。どうしてこんな作品を選んだのか自分でも謎だ。初めて観た時のあまりにも酷い脚本に対するある種の衝撃を皆にも味あわせてやろうとかそういう魂胆だったかもしれないが、ぶっちゃけこれを観ることを決めた数十秒前の自分が何を考えていたのかよく覚えていない。無心で選んだらたまたまこれだった。

「ちなみにこの映画、低予算だし低クオリティだしクッソつまんねー展開が続いたままクッソつまんねー終わりを迎えるクソ映画ヨ。覚悟して観るヨロシ。我はこのDVDを購入するのに金払ったこと未だに後悔してるアル」

 真琴の言葉に身も蓋もない返しをする。スクリーンには身長低め胸小さめで茶髪の女性と、身長高め胸大きめで黒髪の女性が映し出された。大きな島と海を背景にどこぞの浜辺で地元のおじさんから面白い話を聞いた、みたいなありきたりなフリをするシーンがすぎれば、いきなり『ダンダンダァーン』みたいな不自然に大きい効果音と共に画面が暗転し、そこから元のフルカラーに戻ったかと思えば、姿は映らないがやたらと訛った男性の声で「あの島に行ったら戻ってこれねぇぞ」「戻ってこれねぇぞって言ってんだ」という感じの台詞が挿しこまれる。それに困惑する女性二人のリアクション。そこから二度目の『ダンダンダァーン』と暗転を挟んだ後、カメラが手振れしている中で逃げ惑う女性の映像が映し出され、その映像も三度目の『ダンダンダァーン』と暗転でまた切り替わる。この時点で敏い者は駄作と雰囲気を感じ取ることだろう。そして空飛ぶかもめの映像をバックにいきなり文字が流れ出す。
 ――S県、I市。旅番組の取材でかの地を訪れていた番組スタッフはある噂を耳にする。地元民に「音無島(おとなしま)」と呼ばれ恐れられているその島は何年に一度干潮時につながり島に訪れることができる。しかし、そこに行って帰ってきた者は一人もいないのというのだ。好奇心を刺激されたスタッフたちは人々の静止を振り切り島に行くことにした。大海から現れたか細い道を歩いて行った。そして彼らは……二度と戻ることは無かった。
 文字が送られている最中はずっと過剰におどろおどろしげなBGMが流れ、最後の「二度と戻ることは無かった」の文字が見切れる寸前辺りから、これまたいきなり先程登場した訛った地元住民の声を機会で頑張って重低音にしたような声でひたすら「帰れんどー」の台詞が繰り返される。エンドレス「帰れんどー」だ。これが一分近く意味ありげな映像と共にひたすら続く。ちなみに嵐玉が「帰れんど―」とだと思い込んでいるこの地元住民のしつこい台詞、実は「帰れんど―」ではなくタイトルコールの「サイレン島」なのだが、あまりにも男性の訛りが酷過ぎて聞き分けが難しいため嵐玉は未だに間違いに気付いていない。きっと他にも聞き間違う者はいる。

「まあ、校則に電話禁止とは書かれてないんだし別に良いんじゃないかしら。それにしても、これ今の内から酷い映画の匂いがプンプンするわね」

 小首を傾げる望にそう返し、視線の先のスクリーンを苦々しい表情で見つめる浪漫。クソ映画を観せられるくらいなら、選りすぐりの激怖ホラー映画でも上映して欲しかったのだが。

>檜木真琴様&矢野島様&花丸山望様&湯布院百合様&ALL様

3日前 No.197

異能力学園物語 @karasu1010☆TyGLtXpsS1g ★0gkYBdXyN1_OzI

【檜木真琴/男子寮・宝嵐玉の部屋】

「ちなみにこの映画、低予算だし低クオリティだしクッソつまんねー展開が続いたままクッソつまんねー終わりを迎えるクソ映画ヨ。覚悟して観るヨロシ。我はこのDVDを購入するのに金払ったこと未だに後悔してるアル」

檜木は宝嵐玉から始まってもいない映画の総評を聞く。思った事は何故今からその酷評された映画を見なければならないのか。今からでもさっきまで見ていた言語が分からない映画をもう一回最初から映すべきだと考える。とはいえもはや其処まで酷評された映画がどのくらい酷いのか見たくなってしまう。

彼女はホラー映画が好きかと言えば嫌いな方に入る。だが怖いから等と言う可愛らしい理由では無い。
「結局、全部偽物なのよね。てか何でホラー映画に出てくる幽霊って異能力者レベルで強いのよ。なんか萎えるのよ私。まあ私ってオカルトとか超常現象はきっちり証明したい派でしょ? はあ……本物の幽霊はいないのかしら」
だから何だ。としか言えなさそうな意見を不機嫌そうに語る。だが今頃普通科の屋上で幽霊を使役するディザスターが戦っているとは思いもしない。

「何だか眠くなってきたわ。……もうすぐ救急隊員が来るのに」

檜木は映画等で寝ないタイプなのだが早速、映画の音声を子守唄にして矢野島と重なる様に眠ろうとしてしまう。辛うじてまだ起きているが映画の事は何処かへ消えて行く。今自分が出来る暇潰しと言えばスマートフォンで遊ぶ事だが残念ながら充電がほぼ無い。とりあえず映画は見続ける事に。何処か面白いシーンがあるかもしれない。あってほしい。

それにしてもこの映画の上映時間はどれくらいなのだろうか。何時間も続くのならば画面に映っている者含めて苦痛にしかならず誰も得しない気がする。其処で檜木は別の映画を提案しようと考える。しかし結局数十分後に来るであろう救急隊員が矢野島を運んでしまえば此処にいる理由は無い。それならばいっそこの映画を見て待つしかない。此処から一気に面白くなる可能性だってある。……あると考えておいた方が良い気がする。

>>花丸山望様、湯布院百合様、二股舟木舞様、宝嵐玉様、序ノ舞浪漫様、翠紅館ドリス様、周辺ALL

3日前 No.198

雪鹿 @salt9140 ★Android=42zyboh5vZ

【黒葛原 綴裏/武道館】

考えているような様子の相手を見れば、そこら辺にあった平均台に座り込んで楽しそうに笑いながら、それを眺めている。賢者を嘲笑う愚者、その表現はこの場合に正しいのかなんて分からないが、そんな雰囲気だ。
相手のスマホに表示されたその名前と電話番号を覚えれば、それをメモすることなく、自分のスマホをしまう。そして、相手の質問を受けてその表情をほんの少し真面目なものへと変える。

「そうだなぁ……それに答えるのは実に容易い事だけど……監視の目が無いっていう確信がない訳じゃないし。そこら辺は後日に放課後、情報処理室に来てくれないかな?僕の都合で話して、うっかり殺されちゃったらたまったもんじゃないしね。」

誰が誰にとは言わないけれど、と心の中でひっそりと思いながら眉を潜めた少年は、だったら『質問とかある?』とか聞くなよ……!と思わず言いたくなるような言葉を続けてそう言った。……まぁ、万が一にでもこの場に透明人間が居たとして、彼等第三陣営の情報を見事すっぱ抜いたとしたら、それほど不幸な事は無いだろう。なにせ、自分を偽ってまで隠している保健室の悪魔は勝手に知られる事をなにより嫌うのだ。
流石に、百戦連敗の僕でも百合ちゃんだけは相手にしたくないかな!いくら僕でも、数多の病気を一度にぶちこまれて立ち上がれる自信はないからね。彼女の本気は正真正銘一撃必殺。それ故の油断というか隙がある辺りが彼女っぽいけどね。

「あ、僕の能力だっけ?そっちなら、別にバレてもいいや。うーん……端的に言うなら、劣化能力かな?どこまでやれるか試したこと無いから、僕もこの全容を把握してないんだよね。ひょっとしたら、地球も壊せちゃうかも!あははっ、今度やってみよっか?」

まるで、うっかり忘れていたように―――いや、本当にうっかり忘れていたのだが、ともかく軽い調子で説明の後にとんでもないことを続けて言った。無邪気な子供のような彼は、下手したら本当にやってしまいそうな危うさがあるもんだから、冗談にすら聞こえないという困ったものだが。

>皆甘里原 薇様、all


【湯布院 百合/男子寮・宝 嵐玉の部屋】

どうやら、各々自由に活動している纏まりの無い集団であったようで、本格的に烏合の衆といった印象であった。……いや、そもそも女王様二人と木舞ちゃんが居る時点でそれくらいはとっとと察しておくべきだったけれど、患者の診察に集中しすぎたツケかしらね?
そんな中、木舞ちゃんがあからさまに見知った人を見付けた犬……それに近しいような反応で私にわざわざ、一揃えの食べ物や飲み物を持ってきてくれた。中国と言えば、漢方よね。その気になれば、薬膳料理だとかでも元に出来なくはないけれど……その類いではなさそうね。
……にしても、男子二人もどちらかと言えば、可愛らしい感じに見えるもんだから困り者ね。

「あら、ありがとう。そして、安心してちょうだい。職業柄、薬の怖さはよーく知ってるわ。」

仲間である木舞に対しても、その微笑んだその表情でお礼を言うと歴史に名を残してしまった程の悪薬を口に出した嵐玉にちょっと皮肉めいたその口調でそう告げておく。麻薬はむしろ通常の学生なんかより、圧倒的に接する機会の多かった彼女だからこその台詞だろう。なにせ、内科外科はおろか、精神科や麻酔科にまで手を出している万能に近い医者、もとい看護婦なのだから。……まぁ、麻酔なんて無くても手術はするんだけど、ね。
そんな風に話していると、やはり周りからの視線は自然と私に向く。私にとっては普段着のこれは、きっと世界の非常識なのだけれど……これが最も私に相応しい服装だと思わないかしら?

「そうね……医者とは言わないけれど、医療関係者よ。なんなら、私が適当に引き継ぎしておくから……寝たらどうかしら?」

余裕の笑みをたたえた彼女は、さらりと質問に答えながら、患者の近くに居たその少女にさも優しそうな声色で語り掛けた。そして、白地に赤いばつ印のスマホケースに入ったそのスマホを取り出して何処かに何かを送っている様子だった。
……あの子に興味はないけれど、あの子に使われた何かは気になるわね。だから、少し調べさせて貰うわよ。そのためには、貴女はほんの少し……邪魔だと思うのよ。だから、今だけは優しくしてあげるわ。もちろん、そんなのは偽善に違いないけれど、それでいいじゃない。

その後は、スクリーンいっぱいに映し出されたその映画を観ては、各々感想をぽつりぽつりと口に出した。……まぁ、確かに面白くはないわよね。シュールではあるんだけど……あからさまに費用が足りませんでした感が出ちゃってるのよね。確かに、宝君は少しだけ可哀想かもしれないわ。
と、頭の中で感想を呟きながら、彼女は太平燕を音を立てずに食べて宝君に少しだけ憐れみの視線を向けてしまった。いや、こういう残念な作品が好きな子を知っているから一概に何とも言えないけれどね……。

> 二股舟 木舞様、宝 嵐玉様、檜木 真琴様、序ノ舞 浪漫様、翠紅館 ドリス様、花丸山 望様、all

2日前 No.199

@purple3ru ★iPad=o1RdeKbLL2

【皆甘里原薇 / 武道館裏】

仲間の情報を教えるのは命懸けらしい。そんなに恐ろしい敵がいるなら、是非私を殺してほしいのだが。まぁとにもかくにも、情報処理室にいけば教えてもらえるらしい。どうせ放課後は死に損なうぐらいしかしてないし、できるだけすぐ行こう。情報と自殺欲、その日どっちが勝つかにもよるけど……あー、死にたい。でも死ぬ方法は見つかったみたいだし、いいか。情報処理室行きを優先しても大丈夫な気がする。

「劣化…ですか。……地球を壊すのは、やめてください。宇宙でひとり、呼吸ができないのに死ねない、生死の無限ループにハマるのは嫌です」

楽しそうに現実的な冗談を言う相手に、心底げっそりした様子で返す。割と本気でやめてほしかった。彼がいれば死ねるのに、地球がなくなったら全人類消滅するのに自分はたぶん絶対的な力で生き続けてしまう。やったことないから確証はないが、首を絞められて死んでもすぐに生き返るのだ、酸素がない空間だからどうしたって感じで死に損ない続けるに決まっている。いやもうほんと、自由に死にたい。スカートのポケットに突っ込んだカッターに手を伸ばしかけたが、質問が思いついたのでそれを留まる。

「あの、もうひとつ質問…なんですが、第三陣営って、何人ぐらいかって……いま教えてもらって大丈夫ですか?」

人数だけきこうと思ったが、どれが彼の都合で話して良くてどれが彼の都合で話していけないのかがわからないので、いまきけるかも質問に加えた。

>>黒葛原綴裏さま、周辺all

1日前 No.200

@purple3ru ★iPad=o1RdeKbLL2

【花丸山望 / 男子寮・宝嵐玉の部屋】

ナース服の女性――“百合さん”は眼鏡の青年の知り合いということに驚き、それでも顔は無表情のまま一切変わることなく、始まった映画の方に顔を向ける。“クッソつまんねー”らしい。じゃあなんでこれにしたの、と言いかけたが、それはきっとこの空間の誰もが、選んだ嵐玉本人すら思っていることだと思うので、飲み込むことにした。
ぼーっといつもの無表情でスクリーンを見つめ、背もたれに持たれることなくぴしっといい姿勢のまま、手は何となくで残り少ない中国茶入ったカップを両手で持ったまま、映画を見続ける。望はあまり映画を見る方ではないが、鈍感な方の望でも、わざとらしいうるさめの効果音が3回めのあたりで「つまんない」と考えなくても言葉が浮かんでしまった。

「じゃあいっか。退学はないもんね」

嫌そうな顔でスクリーンを見ている友人に、何を思っているのかよくわからない顔でスクリーンを見ながら返し、カップの中の中国茶を飲みきる。
真琴の呟く声が耳に入った。眠くなってきた、救急隊員が来るのに。そう言った。へー、救急隊員が来るんだ。何だかもう映画がつまらなさすぎて、全部どうでも良くなってきた。“百合さん”は医療関係者らしい。その格好でそうじゃなかったらとんでもないコスプレイヤーさんでは、と思ったが、ヘンテコな格好の生徒がそこそこいるこの学園でそんなことを言うのは馬鹿だろう。
映画があるのに暇になったと言う矛盾っぽい状況のなか、音の立たないような丁寧な食べ方の、本当に微かな咀嚼音が聞こえ、くるっとそちらを見て、"たいぴーえん"の盛られた皿の方へ、ソファから立ち上がって、すすすーっと歩いて行く。

「これ、もうたべていいですか?」

皿を指さして、さっきまで配膳していた青年の方に声をかけてみる。あれは絶対怒らせたらやばいタイプなので、怯え気味だ。本当にやばくなったら能力を使って隠れて浪漫に助けてもらおう、うん。

>>檜木真琴様、湯布院百合様、二股舟木舞様、宝嵐玉様、序ノ舞浪漫様、翠紅館ドリス様、周辺all

1日前 No.201

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★Ywte4t2Nfq_m8y

【 二股舟木舞&宝嵐玉&序ノ舞浪漫&翠紅館ドリス / 男子寮・宝嵐玉の部屋 】

 案の定、何でこいつはこの映画を選んだという空気に包まれる室内。嵐玉に問いただせば「我もそう思っていたところアル」と神妙な面で返してくるだろう。まったくもって今更の話だが、この部屋にはまともに話が通じる人間があまりにも少ない。全員が全員、空気を逆さまに読んだり斜め上から読んだり裏側から読んだりわざと誤読したりしているような連中ばかり。同じ空気が読めない人間でも、その読めなさにさえ個性が出ている。ここは奇人変人の博覧会だ。妙な奴もたくさん集まればその妙な言動が場の通常運転と化す。そう考えれば、ここに至極まっとうで常識的な人間が一人もいないことは不幸中の幸いかもしれない。変人の犠牲になっているのが変人だけで、変人を犠牲にしているのが変人だけなら、少なくとも健全で意思薄弱の嫌いがある普通の人々にとっては喜ばしいことである。

「本物の幽霊なんざ映ってたら発禁処分アルからな。そんなに本物が観たいなら、今度心霊スポット巡りでもするアルか? 運が悪ければえげつねー悪霊とかに憑りつかれることに成功するかもしれんアル」

 趣味の悪いデートの誘いみたいな言い回しだが、嵐玉と真琴の間にそんな嬉し恥ずかし甘酸っぱい意図などあろうはずもなし。「行きましょうか」と返されれば本当に行くが、「嫌よ」と返されればダメージも受けずに「そうアルか」の一言で終わる。雑談の延長線上の、咄嗟に口にした気まぐれのようなものだ。

「まだマリファナとかなら合法の国もあるくらいだからそこまで危険は無いけど、ヘロインとかになるとマジでやべーアルからな。昔隣の家に住んでた王(わん)さん、静脈注射のやりすぎて頭おかしくなって一日中叫んでたからクソうるさかったヨ。お前もやるならヘロインじゃなくてマリファナにしとくネ」
「いや、やりませんよ。そもそも日本じゃマリファナも非合法ですし。……貴方、ひょっとして俺の隣の部屋で危ない薬やってませんよね?」
「何言ってるアルか。我は日本の法律を順守してビールだってノンアルコールを選ぶイイ子ヨ。きっとこの部屋の中で我が一番イイ子ネ」
「その意見は鼻で笑うしかありませんが、まあ、人間どんなことでも思うだけなら自由ですからね」

 最初の内は百合に向かって話しかけていたのに、最後の言葉は急に木舞に向けて振る。ただの知人と評するにはお互いあまりにも砕けた態度だが、木舞の場合はむしろ友人となると砕けた態度ではなく恭しい態度になるので、木舞にとってはこれが知人に対する正しい態度なのだ。ちなみに知人以下とカテゴライズされた相手には口調こそ丁寧だがやっていることはわりと失礼という状態になる。真琴や、先日出会った生徒会の少年などがその礼に当てはまる。名前を知っていても親しくなければいつまで経っても分類が知り合い以下なのに変わりは無い。

「そこの看護師さんが引き継ぐと言っているのだから、眠たいなら眠ってしまえば良いじゃありませんの。睡眠不足は美容の大敵ですわよ? アタクシなんて目の前に死にかけの親戚がいても、決めた睡眠時間が迫っていればこの美を損なわないために睡眠のほうを優先いたしますわ」

 眠気を堪えている様子の真琴に向かいドリスらしさ全開の非常識な言葉をさらっと投げかける。本当にその状況になってもこの女なら美容のための睡眠を優先するんだろうな、と殆ど彼女を知らない人間にも確信させるような堂々たる口振りであった。スクリーンの中では茶髪と黒髪の女性に加えてやたらと太った男性ディレクターが登場していて、マヨネーズみたいなサイズの練乳を片手にイチゴ狩りのリポートをしているなんともまあつまらないシーンが放映されている。地方にロケに来た芸能人とスタッフという設定なのだろう。ちなみにこの後も十数分はつまらない食べ歩きの映像につまらない温泉の映像などが続く。ホラー要素が入ってくるのはもう少し後だが、その肝心のホラー映画でさえつまらないというのがこの映画の恐ろしいところだ。面白くなさすぎて怖いという意味では、この映画も立派にホラー映画をしていると言えるかもしれない。

「仮に退学させられたって、別の高校に入ってしまえばそれで良いわ。人生が終わるわけじゃないもの」

 現時点で「視聴料が100円でも二度と観たくないな」以外に感想が浮かばない映画をしらーっとした顔で流し見つつ、望の言葉にそんな台詞を返す浪漫。木舞は望にやたらと警戒されていることに気付いてはいるものの、今のところ彼女に敵対する理由は無いので穏やかな笑みを浮かべて彼女の言葉に「どうぞ。お召し上がり下さい」と返すばかりだ。仮にこの部屋で戦闘が始まれば、百合と木舞が組むことや浪漫が望を守ろうとすることは確定しているとして、ドリスや嵐玉あたりがどうするかが謎だ。それに全員の能力がどう作用しあうかも分からない。そんな戦いを混沌としていてちょっと楽しそうだと思う気持ちが無いでもないが、ここでドンパチが始まったらさすがに上階の教師たちが駆けつけてくるだろうから出来ることなら避けるべきだろう。

>檜木真琴様&矢野島様&花丸山望様&湯布院百合様&ALL様

1日前 No.202

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★Ywte4t2Nfq_m8y

【 陀羅尼宝剣&榛菊千代 / 普通科・屋上 】

 引き千切った浴衣の裾を脇腹に巻きつける止血作業を続けていれば、白衣の少年が手に取った剣をビュンビュンと振り回す音が聞こえて来て咄嗟にそちらに注視する。もちろん人狼からも完全に視線を逸らすことはしない。特別な構造になっているこの狐面は、自分から誰かを見る時に邪魔になることはないが、相手からしればこちらの視線の動きが読めないという便利な代物である。ゆえに、白衣の少年は宝剣に見られていることに気付いていない可能性もある。もっとも、目の前のこの人狼のように野生の勘が発達した生き物であれば気付いてしまうのだが。かんっ、と金属製のフェンスと剣とがぶつかりあう大きな音が屋上に響く。かと思えば白衣の少年は何やら驚いた様子で目を見張り、剣をまじまじと見つめている。あの様子からして、この距離からでは分からない程度の微細な変化があの剣と振れたフェンスには起こったのだろう。その変化が、斬ったものに対してのみ発生するのか、それとも触れただけのものにも発生するのかは分からないが……用心するに越したことはあるまい。

(愛しの紅葉が傷物にされてはたまりませんぞ。仕方がありませぬ。あの白衣の御仁には悪いですが、紅葉に何かする気ならもうあの剣を握れないよう両手の指を何本か置いて行って貰うことに……しようかと思いましたが、その必要は無さそうですな)

 思案の途中、何かに気付いたようにおもむろに屋上の出入り口に顔を向ける宝剣。恐らく人狼も宝剣とそう変わらぬタイミングで新たな足音の存在に気付いたはず。軽い、とにかく軽い。まるで小学生のような重さを感じさせない足音。こんなにも軽い足音の持ち主は、宝剣の知る限りこの九十九学園普通科に一人しかない。ハイランダー症候群。身体の成長が一定の次期で止まってしまう奇病中の奇病を患った、風紀委員会の副委員長。そして宝剣さえ一目置く合気道の達人。

「宝剣くん、そっちから電話して来たのに何度折り返しても繋がらないのが心配だからって理由で探してくるように言われたんだぞ。うちの委員長も生徒会長たちも心配しているから、さっさと帰るんだぞ」

 変声期を迎えていないボーイソプラノが雨音に混じって屋上に響く。130cmの身長に良い所のお坊ちゃんみたいなファッション、雨に濡れないようにビニール傘をさした彼はどこからどう見ても一桁の年齢のいとけない男児としか映らない。が、実は18歳の高校三年生であることを、普通科の人間なら誰でも知っている。榛菊千代。人狼や白衣の少年にとっては謎の乱入者で、宝剣にとってはナイスタイミングで現れた頼りになる助っ人だ。
 きっとこちらから電話をかけてきたのに折り返しても繋がらないのを心配した生徒会長が五加に宝剣の現在地をGPSで探るよう頼み、その現在地の情報を受けてまだ風紀委員室あたりに残っていた菊千代に屋上の宝剣を回収しに行ってくれるよう頼んだのだろう。勘違いされることが多いが、普通科の生徒会と風紀委員会はまったくもって犬猿の仲などではない。むしろ協力関係にある。
 ひらりと菊千代に向かって手を振れば、菊千代は宝剣の脇腹に血が滲んでいること、そして普段は番傘に隠されている紅葉が抜き身を晒していることにまず驚き、そしてあきらかに人間ではない人狼や、絶対に普通科の生徒ではないと確信できる白衣の少年の姿にも少し目を見張って見せる。カメラアイの持ち主である彼は、我らが生徒会長と並んでこの九十九学園普通科の全生徒の顔と名前を完璧に記憶しきっている数少ない人間だ。数少ないというか、そんな奴は生徒会長とこの菊千代しかいない。

「キミ! は抜刀してて軽傷、しかも帯剣した不審者と、不審者っていうか危険動物みたいなのが一名ずつ……どういう状況なのかサッパリ分からないんだぞ!」
「ふむ、残念ながら小生もこの状況を正確に説明する術を持っておりませんな。とにかく、その白衣の御仁には屋上から退出願って、こちらの人狼殿には保健所に引き取られるか殺されるかして頂きたいのです。野放しにして普通科の生徒に危害が及んではたまりませんからな。協力して下され、風紀副委員長殿」
「……まあ、そういうことなら風紀委員たるボク! の役目でもあるんだぞ。わかった。キミ! を手伝うんだぞ」

 溜息を吐きながら折りたたんだビニール傘を出入り口の扉に立てかけ、一歩踏み出す。跳ねる水溜りの飛沫。人狼には宝剣が向かい合っているので、消去法で顔面が何やら酷い有様になっている白衣の少年のほうに視線を合わせた。気になることは色々とあるが、それを宝剣に尋ねるのは後だ。まずはこの白衣の少年をできるだけ優しく屋上から追い出して、怪我が酷いのでついでに保健室にぶち込むか救急車を呼ぶかしてしまおう。一番大事なのは普通科の生徒たちだが、さすがに怪我人を目の前にすればそのくらいの慈悲の心は湧いて来る。

「キミ! にどんな事情があってこんなことをしているかは知らないけど、先に忠告しておくと、ボク! が宝剣くんを連れて十分以内に風紀委員室に戻らなかったら、そっちで待機してる化物みたいに強い委員長がこっちまで様子を見に来る予定なんだぞ。だから帰るなら今の内に帰っておいたほうが良いんだぞ」

 脅しではなく、本気の忠告だ。彼にどのような事情があるにしろ、デコピンでコンクリートブロックを粉砕するような女と近接戦闘なんて普通ならやりたくない。宝剣は一流の剣士で菊千代は合気道の達人だが、彼女の場合は何かしらの武術の達人とかではなく、もう単純に身体能力がとんでもないのだ。宝剣を指さして「ちなみに委員長は宝剣くんより強いんだぞ」とでも言えば、強情そうなこの少年でもさすがに撤退を選択してくれるだろうか。

>元貞坂朱夏様&白月レイ様&ALL様

1日前 No.203

異能力学園群像劇 @karasu1010☆TyGLtXpsS1g ★0gkYBdXyN1_OzI

【檜木真琴/男子寮・宝嵐玉の部屋】

檜木はナース服の女性に矢野島を引き継ぎソファーで何も考えずにリラックスする。映画の雑音に紛れて聞こえる雨音がやけに心地良い。思えば彼女は初対面の異性の部屋でこうして眠る等初めての経験。とはいえ経験があってもそれはそれで彼女にとっては全く持ってノーマルでは無い。しかしそれよりも檜木がナース服の女性やこの場にいるほぼ初対面の全員を信頼し過ぎている事がノーマルな人間ならばあり得ない。もしかしたら眠っている間に矢野島が連れてかれるかもしれない。眠っている間に襲われるかもしれない。そんな可能性を秘めているのに寝てしまっている檜木はかなり抜けてしまっている。もっと辿ってしまえば初対面の異性の部屋で勝手にソファーで寝る事は非常識。彼女は全体的に無意識でこんな事をしているのだから、いずれ将来は男女関係に大きな縺れを起こすに違いない。だが此処にいるのは全員ノーマルとは遠い位置に存在する人間達。そんな当たり前の事は起こるはずが無い。

すると宝嵐玉が檜木に質問を投げる。

「本物の幽霊なんざ映ってたら発禁処分アルからな。そんなに本物が観たいなら、今度心霊スポット巡りでもするアルか? 運が悪ければえげつねー悪霊とかに憑りつかれることに成功するかもしれんアル」
「本当に幽霊なんていると思ってるの? いや、いたら私も嬉しいけど大体、心霊スポットって言われてる所は気味が悪いだけで何も起こらないのがオチよ。まあビビり過ぎて幽霊がいると思い込んでいるのは分かるんだけどね。そんな存在しているかどうか分からない物にいちいち憑依とか言われても笑っちゃうわよ」
檜木は返答とは言えない返答を返す。彼女の中では幽霊と言う存在は口裂き女と同じ都市伝説の類に入る。彼女にとっては浮遊や憑依するだけの幽霊よりも目の前に実際、存在して異能力を扱える者達の方が恐ろしいと思う。
「でも幽霊の存在は否定したくないわ。後、ドッペルゲンガー現象とか妖精とかそれこそ都市伝説とか」
と一人熱心に呟いていると翠紅館は檜木に突然、言葉を投げる。

「そこの看護師さんが引き継ぐと言っているのだから、眠たいなら眠ってしまえば良いじゃありませんの。睡眠不足は美容の大敵ですわよ? アタクシなんて目の前に死にかけの親戚がいても、決めた睡眠時間が迫っていればこの美を損なわないために睡眠のほうを優先いたしますわ」
「それは……ボケなの? 」
彼女は翠紅館に対してこの場の空気が悪いのを感じて必死に盛り上げようとするべく起死回生を狙い言ってみたかったボケを言い放ったのかと本気で感じる。成程、確かにブラックジョークは翠紅館の雰囲気にピッタリと言えよう。このボケはディスクの無駄とも言える映画から生まれた静寂にきっと終わりを告げるだろう。翠紅館に感謝しなければ。

「それにしてもこの映画……異能力レベルで危険ね」

>>花丸山望様、湯布院百合様、二股舟木舞様、宝嵐玉様、序ノ舞浪漫様、翠紅館ドリス様、周辺ALL


【元貞坂朱夏/普通科・屋上】

「宝剣くん、そっちから電話して来たのに何度折り返しても繋がらないのが心配だからって理由で探してくるように言われたんだぞ。うちの委員長も生徒会長たちも心配しているから、さっさと帰るんだぞ」

突如屋上の扉を開け現れたのは小学生。何故小学生がこの時間に普通科の九十九学園に現れたのか一切理解が出来ない。

「ど、どう言う状況ッスか……これ」

身体が再生する人狼にも狐面を被りながら日本刀を巧みに操る達人よりも元貞坂はこの場に平然と現れた小学生に驚愕する。暫く経ってから元貞坂は彼が異能力者である事を予想する。恐らくは自分の年齢を操作出来る能力者。下手すれば不老長寿が叶えられる能力者。しかし何故小学生の姿で現れるのか分からない。
とにかく殺伐とした空気に意味不明の癒しが置かれたのは間違いない。しかもどうやら狐面と話している辺り、助っ人の確率が高い。異能力者ならかなり厄介だが今の所、普通の小学生が助っ人に来てもしょうがない気がするが。
「ちょっと動揺しちゃったッスけどまあこの剣があれば大丈夫ッスよ」
「キミ! にどんな事情があってこんなことをしているかは知らないけど、先に忠告しておくと、ボク! が宝剣くんを連れて十分以内に風紀委員室に戻らなかったら、そっちで待機してる化物みたいに強い委員長がこっちまで様子を見に来る予定なんだぞ。だから帰るなら今の内に帰っておいたほうが良いんだぞ」
「本当は人狼にこの剣の特性を試したかったッスけどね……」

元貞坂は人狼に秘策を用意していた。それは呪いの毒で人狼を斬る事。場合においては再生能力より優先的に呪いが身体を蝕む可能性があり人狼の脳天にでも突き刺せば狐面よりも先に倒す事が出来るかもしれない。

「……其処のボク! オレっちはあの人狼を倒せる可能性を秘めたディザスターッスよ。オレっちは小学生を甚振る趣味は無いッス。大人しく引いてくれないッスか? 」
そう言って左手で鎮痛剤を口に放り込みながら右手で剣先を小学生に向ける。笑いながらもその目には殺意が生まれる。彼は周りにかつて愛した者の幽霊が永遠と言える程に存在するせいか、死について考えが軽い所がある。普通の人間には無い永遠を知った彼に迷いは無い。だが彼は知らない。宝剣さえ一目置く合気道の達人と言う事を。

>>陀羅尼宝剣様、榛菊千代様、白月レイ様、周辺ALL

1日前 No.204

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★Ywte4t2Nfq_m8y

【 陀羅尼宝剣&榛菊千代 / 普通科・屋上 】

 菊千代が見た目に反して小学生ではないことを知らないとなると、今更のことだがやはり白衣の少年は普通科の生徒ではないのが確定した。宝剣を異能力者と勘違いしている彼の脳内では、きっと菊千代も見た目を変える能力者とか年齢を操作する能力者あたりの認識で落ち着いているのだろう。忠告を無視して剣先を向けてくる白衣の少年に、菊千代ははあと小さな溜息をこぼす。その剣の構え方からして西洋東洋問わず剣術を嗜んでいないことは確か。だというのにこの自信満々振りは、きっとあの剣に何か秘密でも隠されているのだろう。あんな人狼が平然と存在しているくらいだし、目の前の相手が魔剣使い的な何かだったとしてももう驚かない。

「もう、忠告はしたんだぞ。……ボク! は引く気が無いから、キミ! からかかってくれば良いんだぞ。怪我は出来るだけさせないけど、ちょっとくらい痛くても我慢して欲しいんだぞ」

 合気道は後の先、つまり相手が仕掛けてきた攻撃に合わせて技を繰り出すのを基本とする武道だ。ゆえに菊千代から攻撃を仕掛けることはない。できなくはないが、彼がやる気なのだからそのやる気をむき出して飛び込んでくるのを待てば良いという算段だ。その佇まいに恐怖も尻込みも無い。右足と右手を前に出したいわゆる右半目の状態で、凪いだ海のように落ち着き払った目をして白衣の少年を見据える。その佇まいが達人のソレであるということは、けれどもやはり武道を遣り込んだ人間にしかわからない。白衣の少年はそうは見えない。宣言通りできるだけ怪我をさせないつもりで相手をするが、関節を外したり、最悪の場合指の骨を折るくらいはやるつもりだ。顔面の有様を見るにこの少年は痛みには強そうだし、それでも無理なら相手が根を上げるまでひたすら投げ続けたりするのも覚悟しなければならないかもしれない。相手の台詞を返すのではないが……菊千代とて、年下の少年を甚振る趣味はないのだ。それでも普通科の生徒たちのほうが大事だから、この少年が普通科の校舎で危ないことをしようとしている限り、自分は彼をどうにかしなければ。
 少し離れた場所では、怪我の応急手当を終えた宝剣とひとまずの休憩を終えた人狼が改めて向かい合っている。宝剣は菊千代を心配していないし、菊千代は宝剣を心配していない。お互いにお互いが実力者だと身を持って理解しているからだ。なにせ手合せの経験がある。もちろんその時に宝剣が使ったのは木刀で、菊千代だって相手の骨をどうこうするような技までは繰り出さなかったけれど。そんな互いに手加減をした試合でも、相手の技量は充分に理解した。だからこそ、お互い戦いが始まればわざわざ視線を交わすこともしない。後ろの相手は絶対に負けないから、自分は目の前の相手をどうにかすれば良い。その考えを薄情と呼ぶ者もいれば、信頼と呼ぶ者もいる。宝剣と菊千代は信頼と呼んでいた。

>元貞坂朱夏様&白月レイ様&ALL様

1日前 No.205
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