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Howling Days

 ( オリジナルなりきり )
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死人×現代×非日常/戦闘 @karakure ★6cse8x0sVG_M0e

 ある帰り道――――僕は、死んだ。
 その時の事は刻鮮明に覚えている。僕の眼の前には『狼』がいた。
 いや、狼の形状をした『ナニカ』。形は狼そのものだが輪郭は波打ち、全身が真っ黒でまるで影を肉付けした様だった。
 その狼の爪牙が僕の胸に食い込み、言葉にならない激痛と共に僕の意識は真っ黒に染まり途絶えた。

 次に目を覚めた時、僕は宙吊りにされていた。
 僕だけでは無い。僕の隣に、そのまた隣に人が吊るされていた。10人以上いるだろうか。
 視点を下げれば、まるで証言台のような場所に立つ1人の女の子がいた。日本では考えられない青い青い髪、年端は10歳程度だろうか。顔に幼さが残るものの、服装はまるで魔法使いの様な黒いローブを着ていた。
 その少女は僕達を見上げ一望した後、口を開き始める。

「お帰り、キミたちは死んで命の始まりの場所に戻った」

 両足を縄で一括りにされているものの心は異様なほど落ち着いており、また頭に血が昇るような感覚は無い。それどころか全身の感覚が失ったかのように何も感じない。
 その少女は徐にローブの中から取り出した分厚い本を開き、そのページに目を落とす。

「ああ、そうだ。先に言っておくけど今流行の異世界への転生なんてモノは無いよ。そして――見えるかな、キミたちの真後ろ……穴があるだろう? 本来ならば生前の行いを審査し天国と地獄に分けて突き落とすわけだが――キミたちの死に方は世界の常識から逸脱している。本来行える措置を行えない、というわけだ」

 身体を仰け反らせ、少女が言った穴とやらを見る。一方は晴れやかで清涼な、一方は今まさに火が吹かんとばかりの無骨な穴。こう露骨に区分されていると分かりやすいと思ってしまう。
 少女はパタンと本を閉じ、再度僕達を見上げる。

「故に私がキミたちの身柄を保有した。宙吊りされているのは、そのため」

 数多の疑問を口にしようとするも口が開かない。いや、違う。言葉を発せられないのだ。
 その少女はそんな僕達を尻目に続ける。

「キミたちにはキミたちを殺した原因を突き止めて貰いたい。大よそ、自身の死の予想はついているだろう? そう【影の狼】だ。キミたちがアレを駆除しきれば、キミたちが死ぬ前の瞬間……その時間まで世界の時を戻そう。即ち、キミたちは元の世界で変わらず生きていけるわけだ。無論、拒否しても構わない。生きる意志がある者だけ、手を下に伸ばすがいい」

 突然の選択。
 だが僕は――手を伸ばした。
 僕の他にも何人か手を伸ばしていた。全員が全員では無いが、手を伸ばした人間は確かにいた。
 その光景を少女は見据え、手を伸ばした人物を次々と指差していく。

「キミたちはこの後、『死人』として世界に顕現が赦される。猶予は30日間。現世ではキミたちは行方不明になっており、その間のキミたちは人間には視認できない。いわゆる透明人間に近い。そしてモノに触れてもその事象は人間に感知されない、電話をしても誰も出ない、物を取っても誰も気付かない、そういう風に私が世界を一度設定し直す」

 少女は先ほどと別の本を取り出し、開く。

「そして私はむざむざ殺されに再度世界に顕現を赦すほど愚ではない。キミたちには【影の狼】に抗う力を与えよう】

 藍色に光る本のページから突如光の玉が浮き上がる。
 それは野球の変化球の様にカーブを描き、手を伸ばした人物へと放たれる。
 その光の玉が当たる場所は様々で僕は胸に直撃した。だが痛みは無い。ただ心臓が熱くなるのを感じた。
 先ほどまで鈍っていた感覚が雲間が失せ蒼穹が見えるように燦々と冴えていく。

「キミたちは武芸の達人でも無ければ稀代の天才でも無い。だから、それを補助するのはその『武装』だ。その武装を身に着ている最中は人間離れした動きが誰でも出来、キミたちがいう魔法のようなモノも宿している。キミたちには過ぎた力……そうだな、過負荷【オーバーロード】とでも名付けようか」

 少女は本をしまい、代わりにとばかりに長い長い杖を持ち出し振るう。
 手を伸ばした人物の真下に穴が開く。それは先ほど示した2つとは異なる全く異質のただただ黒い無機質な穴。

「最後に。過負荷を授けたとはいえ死なない訳では無い。その点は人間の時と同じ、重々承知しておくことだ」

 突如、世界が暗転する。吊っていたはずの縄はいつの間にか切断され、落下していていたのだ。
 その中で少女の声が耳元で響いた。

「――いってらっしゃい」


 その手には剣を。
 その胸には鎧を。
 その心には勇気を。

 僕たちは、一度目の生を紡ぐために二度目の生を駆ける。

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水没王子 @umeboshi ★chfNVTLIUI_VuR

【御剣 真白/ログハウス】


「おー、おかえりおかえ……うわあ!どうしたのさ、その怪我!」


 元気良く声を上げて帰ってきた鴨を見れば大怪我を負っているではないか。その元気はどこ来てるのだろうか。とりあえず包帯は、いや先に消毒だろうか、救急車は呼べないし……とあれこれ考えている間に六畳がどうやら彼女を直してあげることになったらしい。彼にそんな能力があったとは。回復役が一人いるだけでこうも心強いとは。




「うーん……やっぱり私もいっぱい包帯とか消毒液を近くの薬局から盗んでくるべきだったかなあ。とりあえず、はい。オレンジジュースでも」


 そう言い終わるよりも先に謎の音が真白の耳に入る。先ほどのようにまた敵が来たのか、と慌てて振り向くと固く閉ざされていた南京錠が床に落ちていた。そしてその意味を理解するよりも先に真白たちはその南京錠で閉められていた扉に吸い込まれた。


 ちょうどコーラの蓋を開けた瞬間だった真白がそんな急な強制移動に対応できるはずもなく、何とかして受け身を取って態勢こそは六畳同様に尻もち程度で済んだものの、激しく振られた炭酸飲料は無慈悲に真白に降りかかる。



「……。そういうのはもっと事前に確認を取ってからにしてくださいよ。こっちには怪我人もいるんですよ。あと、せめてもう少し間をあけてから来てほしかったんですけど」


 明らかに不機嫌そうな声を出しながら袖で顔と頭を拭いて、状況を確認する。そんなことを口にしながらも鴨を守るように少し前に立ち、いつでもオーバーロードを展開できるように身構える。戦闘になったとしたら人数では勝っているが、こちらは鴨を守りながら戦わなくてはいけない。
 と、思っていたのだが突然現れた老人は『ワシは敵ではない』なんて言うではないか。言っている意味がよく分からなかったが、とりあえず今すぐ戦うつもりではないらしい。

 少し落ち着いたところで、改めて周囲の状況を確認すると、どうやらここは長い廊下であることが分かった。そしてあの老人のいうことが本当ならば真白たちの前に存在している複数の扉のうちどれか一つを開けて、『行動』しないとこの廊下からは永遠に出られないようだ。


「団体行動は無理……かあ。鴨ちゃんが怪我してるから一人ぼっちにさせたくないんだけど……って、うわあ、鴨ちゃん!ちょっとフットワークが軽すぎるよ!」


 元気に見えても怪我人は怪我人。そんな、「一番乗り!」とでも言いだしそうな勢いで扉を開けて、何かあってからでは遅いのだ。死んでからできた友人を死んでも失いたくない、文字に表すと可笑しいがまさにその文字通り。



「いや……でも、どっちみち私たちが『行動』しない限りはここからは出られないのか……。鴨ちゃん、無理はしちゃだめだよ。危なくなったら『ガンガンいこうぜ』じゃなくて『いのちだいじに』、だよ、分かった?」


 まるで娘がはじめてのおつかいに行く時のお母さんのように何度も確認しながら鴨を気遣う。仕舞いには「ちゃんと約束するために指切りげんまんでもしようか」なんて言い出す始末。これでも真白は割と真面目な顔をしているのが返ってめんどくさい。

 鴨をこれでもか、と過保護に扱った後に真白も覚悟を決めて、深呼吸してから扉を選ぶ。


「うーん……ど、れ、に、し、よ、う、か、な……よし、私は黄色の扉を選ぶよ。」


 運命の神様は黄色の扉を選んだ。ならばそれに対して特に反論もないし従おう。真白も鴨と同じように反対する意見が無ければ勢いよく扉を開けるつもりで黄の扉の前に移動する。


>>周辺ALL様

5ヶ月前 No.123

雪鹿 @salt9140 ★Android=42zyboh5vZ

【鍵宮 柘榴/ログハウス→赤の扉】

六畳……だったか?ともかく僕が言うのもなんだが、少しばかり身長が低めだろうか。そんな男が鴨を自らのオーバーロードで治療し始める。ふむ、とすると包帯があれば、完治できるだろうか。いずれにせよ、包帯だけはサブ武器としても持ち歩くとするか……そう易々と使えそうには無いが、無いよりは幾分マシだろう。

しかし、状況は一変する。僕の質問に六畳が解答をしようとした瞬間に金属の落下する音―――南京錠が唐突に扉から外れたのだ。元々開けるつもりではあったが、独りでに開いたということは……十中八九何かが起こると見て間違いないだろう。
咄嗟にオーバーロードを展開する為に言葉を紡ごうとしたが、それよりも早く扉が開いてしまい、その扉へと吸い込まれてしまった。
扉に吸い込まれた彼はまるでそれが当たり前であるかのように受け身というよりも完全な着地を決めた。タイミングを疲労困憊にも関わらず、きっかりと決める辺りは流石としか言いようが無い。
着地を決めた彼は周りを見回してみた結果として得られた情報が、スポットライトに照らされているT字型の椅子に座する、異国の紳士といったような風貌の老人の存在だけであったと確信する。そして、その老人は鳥籠のような檻に入れられている……確実に異常。それだけは、はっきりと理解できた。

その老人を照らしていたスポットライトが消えたかと思えば、間を置かずに今度は空間全体が照らし出される。しかし、その結果として得られたのは、2つの事。当然のごとく、退路を断たれた事。そして、この空間自体はあのログハウスとは違う異空間のような物であることは明白であった。

「ここまでされて信じない程、僕は馬鹿じゃないが……簡潔かつはっきりとした説明はありがたいな。」

その老人が放った淡々とした言葉に対してそれに応じるように淡々とした言葉を返す。威圧感を感じなかった訳ではないが、それとなく感じたものがある。この男はなんとなく……僕と通ずるものがある気がするのだ。だからこそ、少しばかり腹が立つのだが。
老人が指を鳴らせば、四つの扉が現れた。それは間違いなく先程までは無かったものであったのだから、この男は空間支配系だろうか。厄介だな。敵ではない、その言葉は味方でも無い事を暗に示しているのだろう。

「そうか、君達二人の幸運を祈っている。一応、これを持っていくといい。頭を動かすとしたら、まず糖分だろう?要らないかもしれんが、非常食にでもしてくれ。」

鴨が九月の入れない赤の扉を選んで入ろうとしていた。そして、それを見た御剣は鴨に命を大事にするように言い聞かせては、神頼みで決めてそこに入るらしい。承諾してから、残り少ないままにビニール袋に手を突っ込んで包装紙にくるまれた飴とチョコを2つずつ出し、右手と左手で投げ渡した。正確無比に投げられたそれは、片手でも取れるように弧を描いて緩やかに鴨と御剣の元へと落ちていく。
ここの面子は戦いなら心配ない。二人一組が組めなくなったのは痛いが、それでもなんとか倒せると信じる。鴨に至っては疲労困憊の重傷で此処に来てしまったが、あの巨腕を打ち破った彼女なら、特段心配は要らないだろう。しかし、頭の方はそうそうに疲れがとれる物ではないだろうから、渡しておくことにした。

「さてと、君達も早く選んだ方がいい。僕は最後で構わない。あぁ、どうしても行きたくないなら、代わりに行ってやらんでもないぞ?」

不敵に笑みを浮かべて仲間の二人を少しばかり煽った彼はなんとなく理解してしまった。一人しか入れない扉が四つなのに、此処に居るのは五人―――最後に残った一人はどうなるのだろうか?突然死は無いかもしれないが、戦闘かもしれないし騙し合いの勝負かもしれない。推理ゲームを仕掛けられたり、終わらない鬼ごっこをするはめになるかもしれない。
だとしても、鴨が負傷している今は総合的な生存率を比較して残るのは自分が適任であると考えたのだ。だから、残る二人に選択を促した。
……にしても、女性陣の行動の早さが尋常じゃないな。男性陣形無しだ。

>扇子車 鴨様、御剣 真白様、九月 仁宗様、六畳 正嘉様

5ヶ月前 No.124

唐紅 @karakure ★WfkdFvXBLL_mgE

【六畳・九月・老人/謎の空間】


 迅速……と言っていいか分からないが女性陣2人は入るべき扉を決めた。
 その光景を老人は黙って見ている。残っているのは男性陣3人。だが――……

「鴨さんは赤の扉、真白さんは黄の扉……けど5人に対し4つの扉」

 柘榴が考えていた疑問を六畳も同じく考えており反芻するように口に出す。
 だが、老人が言っていた。行動を起こさなければ現状を打破できない。信じるも信じないも此方の判断に委ねたもの。ならば、行動を起こすしかない。老人を攻撃してこの空間が破壊できるならばまだしも『敵ではない』との発言、嘘か真か分からないが積極的には戦闘したくは、無い。

 柘榴に促され、青の扉の前へと闊歩していき、ドアノブを握る。

「……僕は青の扉に入ろう。柘榴君、九月君は?」

 後方にいる2人へ振り向き問う。

「俺ちゃんは――」

 どうしよっかなーと唇を尖らせ、九月が考えていれば。

「お主はこっちだ」

 老人が呟く。
 扉に吸い込まれた時の吸引と同様、だがそれは九月だけのみに適用される。
 宙に浮かんだ九月は老人が収容されている牢獄へと飛んでいく。為す術も体勢もままならず、そのままの勢いだったら鉄格子に衝突する筈だった――が。

「!?!?」

 九月はまるで透明人間のように鉄格子をすり抜け、老人と対する様な位置へ。着地点には老人が座っている椅子と同様の椅子があり、レールが敷かれた様にその椅子に座るべく九月は着地と同時に腰を落とした。
 違和感。強制感。だが、抗えない。椅子に座った九月は真っ直ぐに老人を睨み付ける。

 全員が扉に入った後、老人と九月は話し始める。

――――

「どんな繕った言葉よりワシは真実を簡潔に話そう。九月仁宗、お主はもう■■でいる」

「はっ? 当たり前だろうが、皆一度■■で此処にいるんだろうが」

「お主はこれが■■■なのだ」

「…………どういうこっちゃ?」

「お主は■■■のだ。クランベリーに。そんなお主がどうして今ここにいるかはワシも理解が及ばん。だが、必ず意味がある筈だ」

「ちょっと待てよ。俺はそんな事覚えてねーぞ!!」

「……そういう風に『■■』されたのであろう。先ほど同様に真意は分からないが」

「そんな事……そんな事はい、そうですかと信じられるかよ……」

「もう暫く、話そう。ワシの名は『無二・トータス』、そしてこの空間はワシのオーバーロード『アンダームーン』によるもの。まだ、時間はある」




【各扉を開けて部屋に入った瞬間、扉は消える。読み終わった後、入ってきた扉の反対方向に白いドアノブが付いた黒の扉が出現する。そこを開けると、黒野区民ならば知っている人が多い海の近くの公園に着く。時間は深夜、季節は夏近く蒸し暑い、人通りは全く無いが暫くすると狼の遠吠えの様な音が聞こえる】

5ヶ月前 No.125

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★Ywte4t2Nfq_jCr

【 扇子車鴨 / 廊下→赤い扉の中 】

 赤い扉の前で事の成り行きを見守る。途中で真白にフットワークの軽さについてツッコミを頂戴したり心配して貰えたりしたので、小さな声で「バブみを感じる……」と呟いた。真白に聞こえたかは半々だ。聞こえていたとしても意味が通じない場合もある。しかし口振りから察するにドラゴンクエストのことは知っているようなので、真面目に確率を考えてみると5:5ではなく8:2くらいで意味が通じそうだ。通じたからといって何だという話でもないのだが。

「わかった、『いのちだいじに』するね! 真白さんもお亡くなりになっちゃ嫌だよ、だってこの会話アニメなら完全に死亡フラグだから私か真白さんのどっちか死にそうだし……用心しないと……! まあ、ぶっちゃけ私らいっぺん死んでるわけだけど」

 無駄に真面目な顔でオタクらしい理由を全面に押し出し相手にも注意を促す。けれど台詞の最後には普通の表情に戻っている。相変わらず情緒不安定の一歩手前くらいにコロコロと表情の変わる小娘だ。頭の中では“扇子車鴨は二度死ぬ、ってなんかラノベとかのタイトルにありそうな響きだよねー”くらいのことを考えている。警戒心と緊張感が表に出ないだけでなく、そもそも内側にもそんなに無いのだろう。普段から備蓄しておかないからこういう場面で不足するのだ。

「はひはほー! はっほふはへふへ!」

 柘榴がくれた飴とチョコを器用にも口でキャッチ。高校のパン喰い競争で隣のレーンのパンまで喰ってしまった機敏な動きは一度死んでも健在だ。口の中で舌と歯を使って包装紙だけを器用に剥きながら、食事中のリスみたいに膨らんだ頬で柘榴に礼を述べる。「ありがとー! さっそく食べるね!」と言ったつもりだが、前半はともかく後半は通じないだろう。ぶっちゃけ立て続けに二戦続けた後で、怪我も治して貰ったとはいえ体力消費まではどうにもならないし、何より左腕の動脈が豪快にヤられた際に失った血液などは身体に戻ってきていない。つまり体力ケージが多めに削れていて貧血気味の状態だ。だから今日はもうベッドに潜り込んでぐっすり眠りこけてしまいたかったのだが、こんな空間に飛ばされてしまった以上はもう腹を括るしかない。この腹を括るという行為も今日だけで三度目だ。本当にオタクで良かった。精神的に疲れていても、そんな状況で頑張る自分がどっかのアニメの主人公みたいでちょっとテンション上がるよね、という雑な理由でモチベーションを保てる。ボンズ万歳、動画工房万歳、シャフト万歳、サンライズ万歳。二次元のおかげで今日も扇子車鴨の心はマイペースであれる。
 頭の中でアニメ制作会社に万歳三唱をやっていたら、いきなり仁宗だけがおじいちゃんのいる牢獄の中へとINして行った。磁石に吸い寄せられる砂鉄のような勢いだ。あの吸引は無差別なものかと思いきや、こうして一人だけを対象に行使することも出来るらしい。ぶつかったらとても痛そうな鉄格子にぶつかることもなくすり抜け、老人の目の前の椅子に強制的に腰を下ろさせられる仁宗。強制イベントっぽいのでこっちから横槍を入れるのは無理だとオタクの勘が主張しているので、この場に残されることになる仁宗にはグッと親指を立てるジェスチャーだけ見せてさっと赤い扉の中に入った。まだ口の中で飴とチョコを食べているから、口で恰好良い別れの挨拶とかしようとしても出来ない。

「ほー、はっひほいふーはんはー。ほひへひはひほひゅーひょーはひへふっほいほほはっへん! はひはははひははー」

 喋らずさっさとチョコと飴を食べきってしまえば良いのに、食べるのも喋るのも中断しようとしないものだから扉を超えても何を言っているのか分からない。真っ白い空間の中にあるT型の黒いテーブル。その上にある紙切れにテクテクと歩み寄って内容に目を通す。ふむ。黒野工業高校といえば、確か姉の鳩(はと)が10代の頃に通っていた女子校の近くにあるあの工業高校だ。あの高校で死人など出ていたのか……いや、思い返してみたら去年あたりそんな話をクラスメイトが話していたような気がしないでもない。この少年が誰だかは分からないが、ともかく死に方から察するにこの紙切れに記された少年Aは自分たちと同じく影の狼さんにパックリ噛まれてポックリ逝ってしまった子なのだろう。南無阿弥陀仏。どうか安らかにお眠り下さい。

「総理大臣かー……めちゃくちゃ意識高い系の子だったのかな、でも同級生に馬鹿だって言われてるくらいだしなー……」

 やっとこさ口の中の飴とチョコレートを完食し、必然的に口の中に残ってしまった包装紙を、あろうことかたった今目を通した紙にこっそり吐き捨てそれをクシャクシャに丸めることで中身を見えなくした。それを黒い粘液でびっしょびしょなスカートのポケットに突っ込む。あるかどうかは怪しいが、この不思議空間にゴミ箱があったらその時に捨てておこう。内容はひょっとしたら重要なことかもしれないので一応完璧に暗記しておいた。英単語を覚えるよりはよっぽど楽だ。
 いつの間にか白い空間に新たに出現していた黒の扉のドアノブを躊躇いなく回す。扉は抵抗なく開いた。足を踏み出す。目に映る光景は、この黒野区に住む者なら大抵が行った覚えのある公園とまったく同じものだった。蛍光灯が切れかけの街灯が時折チカチカと点滅していて、そこに数匹の蛾が群がる。肌に纏わりつくような湿気の多い暑さ。人通りの無さから察するに時間帯は深夜か。あっちの茂みとかこっちの砂場からいつ敵が飛び出してきても可笑しくなさそうなフィールド。念のため、小さく祝詞を唱えてオーバーロードを先に展開しておく。あとゴミ箱が見つかったので紙に包んだゴミはちゃんと捨てておいた。ゴミ箱のプレートが剥げていて燃えるごみか燃えないごみか読めなかったが、お菓子の包装紙くらいなら間違えて燃えるごみに突っ込んでいても普通に燃やせる範囲内のはず。

「とりあえず、イベント発生するまで遊具で適当に遊ぼっかな。戦闘始まるにしても、物がいっぱいあったほうが鴨さん的には有利だし」

 言うが速いか、奥のほうに見えるブランコ目掛けて「ひゃっはー! ブランコだぜー!」と叫びながら満面の笑みでスタートダッシュを決める鴨。彼女のなけなしの名誉のために補足しておくと、いつもこんな奇行にばかり走っているわけではない。連戦に次ぐ連戦でちょっと脳味噌がエラーを起こしているのだ。
 深夜の公園でブランコ目掛けて突進する黒い粘液まみれの制服姿の女子高生。おまわりさんがいれば職務質問ののち補導必至の姿だが、ここにおまわりさんはいない。それは鴨にとっても、そして恐らくはおまわりさんにとっても幸いなことだ。誰だって深夜にキチガイの相手なんかしたくない。

>九月仁宗様&鍵宮柘榴様&六畳正嘉様&御剣真白様&ALL様

5ヶ月前 No.126

雪鹿 @salt9140 ★Android=42zyboh5vZ

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5ヶ月前 No.127

水没王子 @umeboshi ★chfNVTLIUI_VuR

【御剣 真白/廊下→黄の扉】


「私は……うん、まあ……最悪死んだとしても別に皆の能力の方が強いだろうしなあ。私の死亡イベントが発生したとしても、誰かがそれで覚醒!とかね、それでいいよ、私は主人公にはなれないから」

 友達が多い方ではないので一人でも気軽にできるテレビゲームはよくやっていたからドラゴンクエストの事も知っていたが、バブみとはなんなのだろうか。呪文か何かなのか、それともそういうアニメか何かの台詞なのか、それを聞こうとしたところで突然アメとチョコが降ってきた。


「お、ありがとね。……何かあったら君も死なない様に、頑張って。そっちの幸運も祈ってるよ。あ、あと鴨ちゃんが無理してたら止めてあげてね」


 チョコを口の中で転がしながら鍵宮に親指を立てる。アニメかゲームだと確実に死ぬであろう言葉を連発しているが実際に死ぬかもそれないのだ。考えたくはないが今言っておかないと二度と言えなくなるかもしれない。まあ、死亡フラグと立てまくると逆に回避できるとも言うし、今回もそうであってほしい。

 さて、私もそろそろ行くか、と言おうとした所で九月が突然あの老人に吸い寄せられた。まるで掃除機か何かで吸い取っているように老人の前の椅子に座らされた。直ぐに反撃しようとするが、その直後にあの老人の『Aワシを攻撃しても死なないし、何より意味が無い。』という言葉を思い出した。きっとその通りなのだろう。残念だが、真白たちはどうすることもできないらしい。


「えーっと、そっちは大丈夫……な、わけないか。私たちは何もできないっぽいし。わざわざ個人的に呼び出されて強制二者面談されてるってことは多分まだ君は死なないと思うから、できるだけ早めに『試練』とやらをクリアして解放させるね」


 聞こえたかどうかは分からないが取りあえず檻の向こう側の九月に手を振る。そうと決まれば思い立ったが吉日、だ。早くあの老人が言っていたことをクリアしよう。


「それじゃ、私も行ってきまーす!死んだら骨は適当に海に散骨してね!」


 そう縁起でもないことをさらりと言って真白も黄の扉へ入った。てっきり、入った瞬間から戦闘イベントが始まるのかと思っていたのだがそうではないらしく、真っ白い空間の中にはT字型の黒いテーブルがあった。他に何もなかったので、恐らくこれが目的のものなのだろう。そう思いながら、一応警戒しつつ近寄っていくと一枚のプラスチックプレートが。


 何か重要な事が書いてあるのかとも思ったが、そのプレートにはただ『602』とだけ書かれていた。その数字を見ても特に思い当たることはなかったし、少し頭の中を整理してもそれらしいことは何も思い出せなかった。とは言え、わざわざこんなあからさまに置いてあるという事はきっと重要になるものなのだろう。とりあえず、頭にしっかりと記憶させたあと、他に何かないかと顔を上げてみるとそこには黒色の扉が出現していた。

 怪しさMAXだが、他に何もないのだから入るしかない。プレートを片手に持ちながらその扉を開けた。扉を抜けた先には黒野区民なら一度は行ったことがあるであろう海の近くの公園だった。真っ暗で人通りもないという事は時間は深夜だろうか。そして、この日本の夏特有の蒸し暑さ。


「うーん、何もないと逆に怖いなあ……『さあおいで』。一応準備はしとこっと」


 あの空間の中で暫く考えていたから少し時間が経ったのか、それとも別の場所に居るのかは分からないが周辺に鴨や鍵宮の姿はなかった。出来ることならば合流したいが、無理ならば早く終わらせてしまおう。



>>all様



【合流していいのかどうか分からなかったので、空間のなかであれこれ考えて少し遅れて出てきたことにしました】

5ヶ月前 No.128

唐紅 @karakure ★WfkdFvXBLL_mgE

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5ヶ月前 No.129

雪鹿 @salt9140 ★Android=42zyboh5vZ

【鍵宮 柘榴/夜の公園】

そのまま、ベンチに座っていると視界が慣れてきて誰かが入ってきたのが分かった。満月が姿を照らし、話し声が聞こえてくるが……しかし、こちらへ一向に興味を示さない。わざとガン見しても無し。そして、話を聞く限りでは緑の扉の先にあった部屋から持ってきたあの記事に記された名前の者達らしい。……が、そんな事がどうでもよくなるくらいの出来事が起きる。獅子と少年―――コスモスとテージーの登場。そして、頼みの綱であったオーバーロードは全くもって通用せずに蹂躙されゆく少年少女。
正直、声が出なかった。その獅子と少年は圧倒的な強さを誇り、その正体不明の謎としか言えない力を振るう姿に少しばかり唖然としてしまった。

その後、一ヶ所の黒が膨らみ現れ出でたクランベリー・クランベリー。そのコスモスという名の獅子との会話を聞いていれば、ますます謎が深まる。というか、合点がいった数に対して謎の数が多すぎるんだ。……世界が終わらない……?定着という言葉から察するに、重なったもう一つの世界とか、そういう事か?分からない。真実を知らない限り、真意が分からない。判断のしようもないが、記憶はしておこう。

「御剣、鴨に六畳ー。居るならこっちに来てくれ!万が一はぐれたら面倒くさい。」

九割方、後半関連の私情で独断ながらに居るだろうと判断した仲間へこちらに集まるように呼び掛けながら、白いスーパーボールを能力によって目印となるように目に優しい程度に白光……もとい、発光させた。月明かりがこうも出ていれば要らないか、とも思ったのだが、それでも念には念を押したかった。
多分、これは推測に過ぎないが全員何かしらの情報を抱えているものと推測する。しかし、だからと言ってまだ何が起こるのか、何をさせたいのかがさっぱりな以上は、どうにもしようがない。気になる事と言ったら彼等が言っていた『束間』という人物だ。僕の情報からすれば、僕達のような死者を見た者と言う事になるが……他の者との違いはなんだ?
ここら辺は、鴨や御剣、六畳の意見も聞きたいところだな。更に言うなれば、僕達は何故、ここに連れてこられたのかが、さっぱりだ。殺したいならこんな手段を取らないで、普通に刺客を差し向ければいいのに。額面通りに受け入れるとするなら、ここに連れてきたあの男が本当に敵ではなく、何か目的があって連れてきた。そう考えるのが自然なのだが、それにしたって目的が分からない。
謎解きに自身はあるが、それにしたって難しすぎるな。

>扇子車 鴨様、御剣 真白様、六畳 正嘉様、all

5ヶ月前 No.130

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★Ywte4t2Nfq_jCr

【 扇子車鴨 / 赤い扉の中→公園 】

 ブランコをそのうち一周しそうな勢いで立ち漕ぎし続ける鴨。かつてはポリアンサだった黒い粘液にひったひたに浸しまくったカーディガンは、ブランコが上下するたびにあっちにこっちに黒い粘液の飛沫を振り撒いて水滴が落ちるような音を立てている。周りにブランコの順番待ちの子供がいれば、いきなり顔にかかった謎のべちゃべちゃする液体に泣きわめいて「お母さーん!」と叫び逃げて行ったことだろう。こいつ一人で良かった。賑わっていないおかげで被害を受けているのはブランコを取り囲む柵と地面の砂で収まっている。
 ハイテンション気味にブランコを漕ぎ続けること三分前後。自分一人しかいなかったはずの遊具コーナーにいきなり複数の人々が見えた瞬間、鴨は咄嗟にそれが敵の出現だと判断してブランコの上から砲弾もかくやの勢いで飛び出した。そのままスピードを殺すことなく、滑り台の上にいるパーカーにミニスカート姿の少女へと鎖鎌で斬りかかる。が、それはあえなく宙を切った。相手に避けられたわけではない。斬った感触がしなかったどころか、当たった感触さえ、もっと言えば人体にあるべき温度さえ感じなかった。ということは、これは実体のある敵ではなく3D映像の類なのだろう。
 そう結論付けた鴨は大人しく地面に着地すると再度ブランコのほうへと戻り、今度は座ってゆっくりと漕ぎながら目の前で流れるその映像を傍観する。総勢四人の見知らぬ少年少女たち。誰も彼もがオーバーロードの使い手。そして迫り来る影の狼たち。その内の一人、赤っぽいロングヘアの少女が使っているオーバーロードには見覚えがあった。あれはポリアンサが使っていたものだ。赤い大布『クリエイティブ・マイン』。数十分前に鴨のオーバーロードが斬り裂いた代物。
 しかしクリエイティブ・マインを使っている少女とポリアンサの容姿は、百八十度違うとまでは言わないものの全くの別物に見える。もっとも、コスプレイヤーである鴨は女の見た目の印象などウィッグや衣装や化粧である程度まではどうにでも変えられることを知っているから、100%の確率で別人だとまでは断言しない。が、かなり印象が異なるのは確かだ。

「これ、私だけじゃなく他の皆にも見えてる映像なのかなー? もし私だけに見えてるなら、記憶力総動員して内容フル暗記しなきゃなんないんだけど」

 とりあえずこの四人以外にも“束間さん”なる人物がいること、黒野で十人弱は行方不明になっていること、オーバーロードからオーバーホールなるものへの進化が必要なこと、たぶん自分達に課せられる次の使命は『過去を見つけろ』になること、ポリアンサだけでなく他の敵たちもかつては自分達と同じ立場の死人だった可能性が濃厚なこと、オーバーロードの力が効かない敵が存在すること、影の狼の名前は影狼(かげろう)なこと、何故か穴が空いたみたいに聞こえなくなっている単語があることなどを頭に叩き込んでおく。
 ふむふむ。こりゃあなんとかして強化イベントを迎えんことには全滅必至ですなーと相変わらずブランコを漕ぎ続けていれば、少し離れた場所から柘榴のものと思しき声が聞こえてきた。てっきり自分一人だけだと思っていたが、他のメンバーも最終的にはここに来るようになっていたのか。呼ばれたからには行くしかあるまい。これが本物の柘榴でなく実は敵の罠であるという可能性も無くは無いが、まあ、その時はその時だ。

「あいあいさー! 鴨ちゃん、今すぐそちらに向かわせて頂きますことよー」

 変な言葉遣いで返事をしてブランコから飛び退いた。声の聞こえてきた方向に向かって走ろうと思ったが、それよりも先に相手がスーパーボールを発光させて目印を作ってくれたので、素直にそれを目指して進んでゆく。街灯の光も白だが、あれとスパーボールの光は同じ白でも若干質が違うので混同することはない。相変わらず靴下が靴の中でべちゃべちゃと不快な音を立てるのを我慢しながら一分ほど走れば、そこにはベンチに腰かけた柘榴がいた。おーい、と手を振りながら目の前まで駆け寄る。まだ他の子達は集まっていないようだ。

「さっきのVR並にリアルな映像、柘榴くんにも見えた?」

>鍵宮柘榴様&ALL様

4ヶ月前 No.131

雪鹿 @salt9140 ★Android=42zyboh5vZ

【鍵宮 柘榴/夜の公園】

呼び掛けた声に反応するように僅かな間ではあったものの、それなりに聞き慣れた鴨の声が聞こえる。そして、べちゃべちゃと泥の中を走り抜けるような音を鳴らしながら、こちらへ駆けてくる姿がうすらぼんやりと見え始めた。相変わらず、怪我をしていたとは思えないくらいのテンションと独特の言い回し。……これを模倣するのは流石に難しい気もするし、多分恐らく本人で違いないか?
すっかり失念していたが、そりゃあ偽の味方が向かってくる場合もある。だからこそ、確認でもあったが問題はなさそうだ。敵ではない、と言う言葉を鵜呑みにしていれば、考え付く物ではなかったけれども。

「見えた……というか、現在進行形でまだ見えてるな。会話の内容としては疑問が増えたにも関わらず、解答を出せたのは僅かという不条理さだが……まぁ、元より無いも同然の情報であった訳だ。こちらとしてもピースを地道に揃えるしかないな。」

会話についての確認をされれば、一度嘆息を吐いて自身の見解やらを述べてみる。彼自身としては、分からない事が多すぎるこの現状はあまり好きではないので嘆息を吐いてはいるが、彼は所謂難ゲーだとかには手を出してみたくなる年頃であるが故に、嘆息を吐きながらも内心では絶対に解き明かすと息巻いているような状態だった。
鍵と錠を組み合わせる、そんなイメージで器用にある程度を卒無くこなす彼はその実、結構な負けず嫌いでもある。ということは、勿論今回も解けない謎という彼にとって攻略したい事象に過ぎない。とはいえ、決して今まで倒してきた影によって形成された狼までもが、同じ死者であった事には多少、ショッキングだった。……仁ーちゃんには、伏せておくのも手だろうか。彼はそもそも、何が僕達と違ったのだろうか……ここら辺も謎だが、確かに引っ掛かる部分はあったんだ。しかし、喉に魚の小骨が引っ掛かるよりも気にならないものだったから流していたし、そもそもそれ自体が関連しているか、それすら不明だ。要するに、同じく判断材料が足りない。

「鴨が居るってことは残り二人も居る可能性が高いが……ツーマンセルという可能性も否めないな。」

光る球体―――まぁ、スーパーボールなのだが、それを軽く上に放ってはそれをキャッチする、という手持ち無沙汰な野球部員のような事をしながら、他の扉に入っていった二人について言及してみる。まぁ、それは無さそうだという勝手な予想はあるのだが、公園がそれなりに大きさがあるものだから、もう少し待っていても構わないだろう。
個人的に、あんまり体力を使ったりしたくないと言うのが本音だが……正直、最高火力の鴨が回復したばかりな今、戦闘になったら最前線で頑張るしかないか。仮に二人二組だとすると、この組み合わせは体力を消耗しきっている可能性が高い二人なのだが……それならそれで、あちらの組の足手まといにならなかった分よしとするしかないか。幸いにも、この組み合わせなら多少の敵は無問題だ。

>扇子車 鴨様、all

4ヶ月前 No.132

逆流王子 @mischief ★cjMytOmAWm_yFt

【御剣 真白/夜の公園】


しばらく辺りを彷徨ったが、一般市民は勿論の事、鍵宮や鴨達も見当たらない。前者はこんな時間なので当然かもしれないが。もしかしたら、自分だけ個別の空間に飛ばされているのかもしれない、なんて思いながら植木のそばに腰かけた、まさにその時だった。


「ん?誰かいるっぽい?……んー、あれ人……かな?」


 少し離れた場所にある滑り台の上。そこには見慣れない人影があった。こちらに気付いていないのか、相手は真白の方を見向きもしない夜中とは言え絶対に人が居ないとは言えないのだから、もしかしたらただの家出少女の類かもしれない。でも敵だったら怖いのでいつでも戦えるように準備はする。

 少し経ってから、恐る恐る石を投げてみても反応が無かった。やっぱり只の家出少女かなあ、と少し安心したような、味方でなかったことの落胆のようなため息をついていると、何の前触れも予告もなく影の狼の群れが現れた。何度遭遇しても慣れないが、取り敢えず迎撃するためにナイフを射出する。


「……いや、これは違うね。うん、絶対に現実じゃないよ、これ」


 射出したナイフは全て狼に当たることなく地面に刺さった。恐らく今見えているのは映像のようなものなのだろう。だとすれば、これもあの老人の能力で、きっとこれにも何か意味のあることなのだろう。そう頭の中で決定した後は、何をするでもなくその戦闘を傍観していた。


「まあ、でも……いくら映像とは言っても目の前で人が死ぬのは堪える……ね。あんな死に方は御免だよ……」


 一方的に殺された少年少女たち、そしてその後で意味深長な会話をしていた例のクランベリーと名乗った男たち。思ったことはたくさんあったが、段々とゲームのストーリーでも見ているかのように思えてきて、何だか一周まわって冷静になっていた。


 一連の流れを見た後、さてこれからどうするよ、と思っていたら鍵宮の呼びかける声とそれに反応する鴨の声が聞こえてきた。しっかりと周りを探していなかっただけで、実は案外近くに居たのかもしれない。


「なんだ、皆も居たんだねー!今からそっち行くから待っててねー」


 声の聞こえてきた方へ向かってみればそこにはあの二人が。良かった、と安堵しながら少し小走りで二人に近寄っていく。しかし、もしかしたらこっちも映像ではないのか、と思ったので鍵宮と鴨の目の前でナイフを左右に振って反応を確認しながら声を掛ける。


「おいーっす。何の話か分かんなけど私も交ぜてよー。……本物だよね?」


ここに居るという事は彼らも先ほどの戦闘を見たのだろうか。そしてついでに本人かどうか少し不安になったので最後に確認しておいた。


>>鍵宮柘榴様 扇子車鴨 周辺ALL様

4ヶ月前 No.133

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★Ywte4t2Nfq_jCr

【 扇子車鴨 / 公園 】

 相変わらず頭脳派ポジション担当らしい冷静さを醸し出す柘榴を見て、やっぱり大人数のパーティには一人秀才キャラが必要だよね、と呑気なことを考える。自分はマイペースお気楽キャラ辺りを担当しているつもりだし、たぶん傍目にもそういう風に見られているはず。とりあえず自分以外にも先程の立体映像が見えていることが確認できて一安心。録画できるスマートフォンやビデオカメラも、内容をメモしておけるペンや紙も持っていない以上、先程の映像に関しては人間に最初から備わっている記憶力だけが頼りなのだ。観た人間は数が多いに越したことはない。

「ツーマンセルかあ。ここでまた戦いあるんなら、私は今日だけで三戦目で、たぶん柘榴くんも三戦目だよね。お互い消耗激しいけど、お相手さんにはそんなの知ったこっちゃないだろうしー……うん、ともかく頑張ろう!」

 スーパーボールでお手玉の真似事をする柘榴の隣、同じようにベンチに座った鴨は相変わらず作戦もクソも無い根性論をかましつつ笑顔を浮かべた。こいつの場合、敵が○○なら××、△△なら□□、みたいな細かい作戦をいくつも立ててそれを完璧に覚えた上で場の流れに応じて実行するよりも、瞬間的に思い浮かんだ案を咄嗟に実行するほうが向いているし上手くいく。それを無意識に理解しているからこそ、鴨はこの期に及んでも深刻な表情にはなっていなかった。自分に限っては、そうなっても意味が無いのだ。
 ジュース飲みたいから自動販売機でも探して来ようかなーと周辺をきょろきょろ見回す。すると遠くから黒髪ロングの見慣れた女性――伏せるまでもなく御剣真白その人である――が駆け寄ってきて、かと思えばこちらの目の前でいきなりナイフを左右に振り始めた。「本物だよね?」と聞かれても、たぶん偽物だってその問いにはYESと答えるだろう。鴨にもひょっとしたら仲間が本物を装った偽物かもしれないという発想はあったが、けれどそんなの疑いだしたらキリが無いので違和感や怪しさを感じたら警戒すれば良いくらいのあっさりした心構えでいる。仲間全員がそんな態度だったらあまりにもパーティに警戒心が不足しすぎているので、柘榴や真白のこういう慎重さは本当に有り難い。

「本物だよー。んっとね、証拠になるかは分かんないけど、極楽浄土でも踊ろっか? 鴨さんMMDとかも観るタイプだから、振り付け完コピしてるよ。別に他の曲でも大丈夫だけど」

 言うが早いか、何故か極楽浄土ではなくルカルカ★ナイトフィーバーの振り付けを始める鴨。場所は地面ではなくベンチの背もたれの上だ。一応柘榴にぶつからないよう気を配ってはいる。脚も手も腰も激しく動くノリノリのダンス。これも何が出来るか未知数な存在である敵サイドの能力を駆使すれば再現できるものなのかもしれないが、自分が本物であると証明するためにいきなり踊りだすような人間の言動を完全に真似しきるのは無理だと判断してくれることを祈ろう。ダンスだけだと味気無いなと思ったので、途中からは歌も加えた。静かな公園に響き渡るステップ音とソプラノの歌声。黒い粘液はもはや乾ききってグチャグチャではなくカピカピになっているので、幸い柘榴や真白のほうに飛沫が散って二次災害を引き起こすようなことにはならない。
 それにしても、一体正嘉はどこに消えたのだろう。真白が現れた時点で今回の戦いがツーマンセルにて行われるものだという可能性は限りなく低くなった。この流れだと正嘉も合流して四人で何らかのイベントをクリアするのが自然だと思うのだが、ひょっとして彼は彼でどこか別の場所にて新たな試練にでも励んでいるのだろうか。ただ手前の部屋で時間を喰って合流が遅れているだけなら良いのだが。

>鍵宮柘榴様&御剣真白様&ALL様

4ヶ月前 No.134

唐紅 @karakure ★WfkdFvXBLL_mgE

【夜の公園】


 クランベリーが陋巷の身体に触れ、その手を身体の中へと入れていく。まるで豆腐の中に指を入れるが如く容易く、そしてその入れた場所から中心に黒い粘液が漏れ出し陋巷の身体を伝っていく。
 滴るように伸びていく粘液、全身を覆いつくしたと思えば徐々に身体の輪郭が溶けて行く。人の形が砂に水を掛けた様に崩れていったと思えば、その粘液は狼の輪郭を形作ろうと蠢く。
 瞬く間に『死人』は『影狼』と化した。影狼が形成し終えれば、クランベリーは手を引き抜き代わりに影狼へと手を差し出す。

「『さぁ、おいで』、行こう次の舞台へ」

 主と下僕、忠誠を誓うようにその手に頬を寄せる影狼。

「人ならざる者から人ならざる物への変貌。……暫く見てなかったがやっぱエゲつない――!?」

 コスモスがそう呟こうとした瞬間、敵の気配を察した。テージーも気付き空を仰ぐ。祝詞の声が近づいてくる。

「――地に溺れな!!!」

 象サイズの獅子より高く、空に浮かぶ月に映る一人の影。その手には長く大きいツルハシが握られており、テージーに向かってメモ帳を投げ付ける。
 そのメモ帳を基点とし、不可視の落とし穴が顕現する。そう、九月仁宗のオーバーロード『ドーナツホール』の力。
 本来、『ドーナツホール』は発動しても穴の大きさは5mを限界とする。象のサイズは大よそ縦に3m、横に7m。不動の状態でも、更には獅子より更に速く動ける相手を落とし穴に入れることなど不可能だった。
 ――扇子車、御剣、鍵宮が知っている九月ならば。

 不可視の落とし穴が世界に顕現する。察したコスモスが動く――が、

「――貴様ッ!!?」

 衝突する。既に遅かった。落とし穴にコスモスとクランベリーは入っている。
 空間に展開されている不可視の網に嵌った2人と1匹へ、宙を舞っていた少女は着地する。

 長いポニーテールが揺れる。脱色した様な艶が全く無い白濁色の髪が闇夜に鈍く映え、色気の無い黒縁メガネの奥底に宿る瞳は漆黒。
 服装は蓬色のつなぎで胸元は開き、そこにはさらしの様なものであまり発達著しくない胸をぐるぐると巻いている。歳は高校生くらいだろうか。
 風貌は九月と似ても似つかぬ少女。だが、言動は九月と酷似しており――見る者が見れば九月の影が朧気に見えるであろう。
 ツルハシを肩に担ぎ、鋭い眼光がクランベリーを貫く。

「クランベリー……てめぇ、俺たちを騙しやがったのか」

 檻の中に閉じ込められているにも関わらず、クランベリーは余裕の笑みを浮かべながら

「何を、言っているのかな?」

「舐めた事言ってるんじゃねぇよ。お前さん、自分を殺すためにあいつ等を成長させると言ったが……何てめぇ自身で殺してんだ!?」

「彼らは成長しなかった。これ以上の過程は無駄と判断したから、オーバーロードだけ頂戴しそれ以外の存在を壊した」

 淡々と話すクランベリーに怒りを顕にし、奥歯をギリギリと鳴らす。
 そんな九月?とは別にクランベリーは表情を崩さず、コスモスに寄り掛かりながら話を続ける。

「九月仁宗、身体は伊南和香のモノか。よもや女性に『定着』されるとは私とて思ってもみなかったよ。そして、オーバーホールを3つも使用できるようになっているとは……全くキミは私の予想を遥かに超えてくるね」

「褒めても何も出さねーぞ、いい加減てめぇをぶっ殺してこの世界を終わらせちゃ――」

 そこで九月?は漸く気付いた。先ほどまでコスモスの上にいた影、テージーの姿が見えなくなっていることを。
 先ほどの戦闘を遠くで見ていたからこそ、奴の存在が厄介になる事は分かっていた。故に閉じ込めたのだ。だが――

「――……いつ、の。……ま、に」

 九月?の背後に立っているはテージー。ドーナツホールの落とし穴は一切砕けていないにも関わらず、テージーはまるで透明人間のように九月の背後におり、そしてその手に握られているはオーバーロード『サニーサニーサニー』。
 その矛先は九月?の身体の中心を貫いていた。血が槍を伝い、地面へ、落ちていく――筈だった。

「…………!?」

 流れ出した血は意志を持つように形を鋭く、無数の針のように宙を浮きテージーへと向かう。
 かなり小さいサイズながら千本を越えるであろう針の海に溺れるよう、テージーのその身に余す事無く突き刺さっていた。
 テージーは地面に倒れ、その身体から黒い粘液が溢れてでいく。

「流石……というべき、か。キミは私が望んだように成長してくれる。――これで何回目かな、キミの登場は」

 仲間であろうテージーの死にクランベリーの表情は一切崩れない。それどころか唇の孤が増していく。
 槍が突き刺さった九月?は息をしているものの、もう長くない。目は死んでいないが、どうしようもならない。血の針の攻撃は半自動的に発動したものの、現状を打開するには至らないのだ。

「ああ、そうだね。何度も。何度も。リセットされているから覚えていないか」

 『ドーナツホール』の落とし穴にヒビが入っていき、瞬く間に音を立てて崩れ落ちていった。
 最も不可視ゆえに、視認は出来ないわけだが。クランベリーは両手を後ろで組み、闊歩し倒れた九月?へと近寄る。

「オーバーホール『クラッチアップ』、それでドーナツホールの限界範囲を拡張し、『ラピッドラビット』でその存在を極限まで消し、『レッドヒートラヴァー』……半自動的に血を操る力か……予想を超え、成長したということは認めよう。だが……まだ足りない」

 九月?の身体から槍を引き抜く。風穴がぽっかりと空いた穴から血が溢れ出して行く。
 槍を担ぎ、クランベリーは空いている手で顔面に手を翳す。

「『偽りを灯せ』

 祝詞の言葉と共に仮面が具現する。彼の力の象徴。そして、これから行うことは――
 と、コスモスがクランベリーに近寄る。一歩でも歩めば地面が罅割れ、ドスンという音が響く。

「おい、クランベリー」

「コスモス、どうしたんだい?」

「そのクソガキの次の『定着』先は決まっているのか?」

「……いや、決まっていない。彼女が何処の誰に『定着』するのか私すら理解も把握も出来ない」

「……次ぜってー男にする様にしろ!頼め!祈れ! 女じゃなく男のアイツをぶっ殺してみたくてしょうがねえ!!」

「テージーの仇討ちかい?」

「それもゼロではない。けど、動く理由は俺の根っこの部分(気持ち)だ。悪くねぇ、あーゆータイプ嫌いじゃねぇ!!」

「……全く、例え意味が無いと分かっていても祈っておくとしよう」

 単純にコスモスの自尊心を傷つけられたから。報復戦など元々行う気は無かったが、自身のオーバーロードで落とし穴から抜け出せなかった事を恥ずかしく、そして苛立ったから。
 何よりどうしても女だと躊躇してしまうという自分勝手な願い。それをクランベリーも気持ちは汲みつつ、僅かな願いをそこに灯す。

「オーバードライブ『サンタマリア』」

 眩い光が公園に溢れ出す。それはクランベリーのオーバードライブを視認できないほど、神々しく、光の海に突入するような錯覚。

「バイバイ、また次の世界で逢おう九月仁宗。――そして、今度こそ私たちを殺してくれ」

 言葉の終わりと共に光は消え失せる。
 そこに存在したクランベリー、コスモス、テージー、九月?、雲井、新村、陋巷(影狼)、朱々見の存在は全て、最初から無かったかの様に痕跡を一片たりとも遺さず。


>鴨、柘榴、真白


【すみません。このレスで六畳出そうと思ったのですが、次レスまで待ってください。あと『さぁ、おいで』は他意は無いです】

4ヶ月前 No.135

雪鹿 @salt9140 ★Android=42zyboh5vZ

【鍵宮 柘榴/夜の公園】

蒸し暑い夜の公園の中で改めて何をやっているんだろうか、と衣服によって冷した頭で思わずも考え付いてしまっていたが、 それを考えた所で、恐らくこの問題は解決しないだろう、という事でそのまま片隅まで追いやることにした彼は、未だに発行し続けるスーパーボールを掴んだまま、次にそれを上へ投げることはしなかった。

「そうだな……まぁ、その心配は杞憂だったようだが、いずれにしたって頑張るしかないさ。」

同じくベンチに座った前向きな鴨の発言に同意するように薄く笑えば、こちらへと歩いて向かってくる御剣の姿が見えた。という事は、恐らく六畳も此処に居るのだろう。むしろ、居ない方が不自然な位だ……にしても、こうして全員揃うというなら、仁ーちゃんも来れれば良かったのにな。こうして四人で行動するとなると、少しばかり疎外感というものが生まれないか、今から心配だったりもしている。なにせ、彼は精神面でそこまで強い訳じゃないことが分かってしまったからな。

そして、御剣の姿がはっきりと視認出来るようになれば、ナイフを左右に振って居るのが見えた……うん、見なかったことにするか。こうして考えるとつくづく僕達が一般に見えないという事にされていて良かったな。普段だったら一発でお縄レベルじゃないか……。

「ふむ……立証する事は難しいが、少なくとも僕は自分を本物だと思ってる。確かめたかったら、適当に問題でも出してくれれば答えるぞ。」

本物か、と聞かれたので少し考え込み、その後に彼らしい答えを返す事にした。いちいち、ややこしい言い回しではあったが、確かにその通りだとしか言い様の無い答えではあるだろう。なにせ、昨今の漫画などでは記憶すらコピーする偽者が存在するらしいからな。そもそも、記憶も心も複製されて姿形もそっくりだとしたら、それは最早本物なのではないか。なんていう答えを導き出せないような問いに、これ以上考えすぎるとぶち当たりそうなのでこの辺りで止めておくとしよう。

因みに、鴨はボーカロイドと呼ばれる音声合成ソフトを使った曲を踊っているが……ふむ、躍りか。そう言えば、やったことが無かったが……今度、何かやってみるとするか。いくつか聞いたことはあるから、さほど嫌いでも無いからな。

ただ、そんな事を考えている暇など無かったのだ。突如として、闇夜を切り裂くような1つの声が聞こえた。しかしどうして、声色こそ違えどその声の語調は何処かで聞いた事があるような気がした。
その少女はなんと見事にあの二人と一匹をオーバーロードを使って落とした。
それは紛れもなく、『ドーナツホール』であった。間違いない。発動方法も使い方も。精々違うとすれば、此方の方が効果が強いという点だろう。―――それを使っていたのは、仁ーちゃんとは似ても似つかない白濁色な少女の姿。
それでも、僕は彼女にはっきりと彼を重ねてしまったというのだから、他人から見れば笑い者だろう。

しかし、彼女は貫かれた。敵の一人を道連れにした彼女はしかし、何かをされるようだ。『リセット』『定着』……彼は何度も死んでその度に新たな身体に定着されて……自然に沸々と怒りから手に力がこもる。それは、恐らく次も殺されるかもしれないという不安と焦燥も混じっている気がした。しかしなんで、『九月 仁宗』はここまでこだわられているんだ?どうやら、謎はまた増えたようだった。
そして、クランベリーが光を放った。オーバードライブ……恐らく、オーバーロードの上の力だろうか。まるで、光源に包まれような感覚だったそれに思わず目を閉じてしまった。そして次に目を開けると、そこには何も痕跡がない。死体もなければ、クランベリーも居ない……終わったのか?

彼は短く嘆息を吐いて怒りをそっと鎮める事にした。怒りに身を任せて失敗したのは、つい先程の事ではないか。それが彼の怒りと焦燥を抑える。手をパッと開けば、そこには無惨に砕けているスーパーボールがあった。発光しているものの、その明かりは弱々しくなっていた。思いの外、焦っていたらしいな。つくづく僕らしくない。

「次の扉も無い辺り、終わってないと思えるが……どうするか。あと、解決できそうな問題は精々束間とか言う男に関する事だけだが……。」

いつもを装って余裕を保てば、思考を即座に切り替えて次の行動案について早速考え始める。彼は恐らくで次の目星を付けていたが、それが正しいのか、という事に関しては決めかねていた。なにせ、束間がどういった人間なのか分からないのだから、目的にしていいものかどうか……。

>扇子車 鴨様、御剣 真白様、all様

4ヶ月前 No.136

唐紅 @karakure ★WfkdFvXBLL_mgE

【六畳 正嘉/青の扉→夜の公園】


 青の扉を開ける。
 そこで待っていたものは白い――ただただ白い空間には机とその上に置かれた新聞記事のような紙の断片。他には何も無い。
 オーバーロードを展開した上でその紙を手に取り、目を通していく。

「束間平穏……知らない人だな。……いや、でも工業高校近くの交番だったら見たことあるし……あの人かな」

 ボンヤリと浮かぶ輪郭。友人に誘われ工業高校の文化祭へ行く最中、確かに交番がありそこには中年男性がいた。
 細かい所までは分からないがメガネを掛けており、その表情は柔らかく遠目から見てもなぜか優しそうに感じた。その男性が病院に入院しているという情報、これが何を伝えるか分からなかった。一応にとポケットにその紙をしまい再度部屋の中を見渡す。
 しかし――これ以上の情報は無い。入ってきた扉とは別に出現した扉に近づき、慎重にドアノブを握り緩やかに開いていく。

 開けた瞬間、溢れ出す光の渦。攻撃かと思い即座にドアを閉める。
 体内時計で1分経過後、呼吸を整え日本刀を構えながら再度ドアを開ける。

 そこは――公園だった。確か砂浜近くの公園で、そこには自分の他に鴨さん、柘榴君、真白さんがいた。
 何も起きていない様子だが、ならば先ほどの光は何なのか。一先ず日本刀を一旦消しつつも白い長ランを着たまま3人に近寄る。

「皆さん、大丈夫ですか? 何かありましたか?」

 と、思い出したように先ほどの新聞紙をポケットから取り出す。街頭に照らされているから内容は見えるはず。

「ああ、そして――これ、僕が入った部屋にありましたが皆さんの部屋にもありましたか?」

>鴨、柘榴、真白

【先日記載した青の扉の紙の内容を『今年』→『去年』に変更させて下さい。すみません】

4ヶ月前 No.137

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★Ywte4t2Nfq_jCr

【 扇子車鴨 / 公園 】

 鴨のダンスを見て真白が「鴨ちゃんは本物っぽい」と思ってくれたかどうかは定かではない。そのリアクションが返ってくるより先に、目の前で新たな映像が展開されてしまった。当然、全員の意識はそちらに持って行かれる。鴨もダンスを切り上げてベンチの背もたれの上に立ったままじっと映像を凝視していた。さっきので終わったと思ったら、あれは小休止でまだまだ続きがあったらしい。一昔前の映画みたいにフィルムにトラブルでもあったのだろうか。この立体映像がどういう原理で流れているかなんて想像もつかないけれど。
 映像の中で次々と明かされたり明かされなかったりする驚きの連続に「ほえー」と気の抜けた声をあげる。特に仁宗の親戚みたいな恰好の少女が現れたかと思いきや中身は本当に仁宗のものだという展開には、思わず目を丸くした。ひょっとしなくても仁宗はこの戦いに参加するのが初めてじゃないどころか数回目なのだ。敵さんの口振りから察するにその都度の記憶は残っていないようだけれど、何かの切っ掛けでフラッシュバックみたく断片的に蘇ってくることもあるかもしれない。

「ふぅん……これ、仁宗くんだけが何度も蘇ったり死んだりしてるのか、他にもそういう子がいるのかは分かんないけど。どちらにせよ、仁宗くんがわりと特別枠なことは間違いなさそうだねー。ところで次の敵ってあのコスモスさんとやらだったりするのかな?」

 ベンチの背もたれの上に座って脚をプラプラさせながら小首を傾げる。クランベリーは個人的にラスボス一歩手前とかに戦う相手だと思っているので、その予想が間違っていなければ本格的に矛を交えるのはまだまだ先になるはず。まだまだ先と言っても期限が一ヶ月だから近いと言えば近いか。ここら辺の感覚には個人差がある。あんな映像を見せられて考えることが増えたら、ますます喉が渇いて来た。本格的に自動販売機の登場が恋しい。けれども、やっぱり探しに行こう、とベンチから飛び降りたタイミングで見慣れた長ラン姿の正嘉が現れたので、さすがに勝手に自動販売機を探しに行くのは中断する。どうやら正嘉はあの映像たちを見事に見逃してしまったようだ。一から説明するのは面倒臭いが、こういう役目は色々なことを端折ったり抽象的にしたりして伝える鴨よりも、冷静な頭脳と口調が光る柘榴向きのものであるがず。よって説明は柘榴に任せよう。たぶん正嘉としてもそっちのほうが有り難いだろう。なにせオタクはオタク以外の人間に何かを説明する時、えてして無駄な情報を入れてしまったり妙な言い回しを使ってしまったり変に早口になったりして空回りがちだ。あとちょっと吃音が入ったりする。幸い鴨はオタクとしてはコミュニケーション能力がまだマシなほうだが、説明能力となると平均値を上回っている自信が無い。

「ほうほう。去年おまわりさんが襲われて重傷になったと。鴨ちゃんが見たのはねー、黒野市立黒野工業高校に通う18歳の匿名少年Aくんが出血性ショック死したって新聞の記事だったよー。死体には大きな犬に噛まれたみたいな傷跡があって、あと、インタビューに答えた同級生くん曰く少年Aくんは『将来の夢は総理大臣』な子だったんだって。記事の日付は去年の6月30日。新聞記事はチョコと飴のゴミと一緒にゴミ箱に捨てちゃった。内容は絶対に間違えて覚えてない自信あるけど、まだゴミ箱に残ってると思うから念の為に拾って来ようか? 唾液とか付いてるだろうけど」

 正嘉が見せてくれた記事にざっと目を通した後、自分が見た紙の内容について語る。この分だと、柘榴と真白が開けた扉の向こうにも同じような何かが置いてあって、その何かに書かれた内容はそれぞれ違うものなのだろう。単純な戦闘の繰り返しかと思えば謎解き要素もあるとは、なかなか難しい展開だ。漫画だけでなく推理小説とかも読んでおくべきだった。金田一少年の事件簿と名探偵コナンで得た知識はあまり役立ちそうにない。

>鍵宮柘榴様&六畳正嘉様&ALL様

※警告に同意して書きこまれました (個人情報)
4ヶ月前 No.138

雪鹿 @salt9140 ★Android=42zyboh5vZ

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※警告に同意して書きこまれました (個人情報)
4ヶ月前 No.139

水没王子 @umeboshi ★chfNVTLIUI_VuR

【御剣 真白/夜の公園】


 冷静になって考えてみれば本人かもしれないのに『本物だよね』、と聞くのは失礼な上に頭の可笑しな奴だと思われたかもしれない。まあ間違いではないのだが。


「あー、そう返してくれるってことは映像じゃないのね。良かったような恥をかいただけのような……」



 そんな事を目線を逸らしながら言っていると鴨が極楽浄土を踊ると言ったので、少し期待して待ってみる。だが、そのダンスの感想を言おうとした途端に、終わったと思っていたあの映像が再び展開される。「あれで終わりではなかったのか」、と呑気に口に出そうとしたのだがその言葉は喉元で食い止められた。


「……うん、そうだねえ……。鴨ちゃんと鍵宮さんの言った様に……あのー、仁宗君、だっけ?は転生?してるみたいだね。こわいなあ、私も実はもう何度も死んでるかもしれないのかあ」


 映像に出てきた彼と一緒に行動していたらしい鍵宮と鴨とは違い、真白は仁宗の事をよく知らないので何とも言えないが、仁宗は既に何度もこの戦いを経験している、と言う事は理解できた。独り言のように言ったあと、再び合流した六畳がよく分からない資料のようなモノを見せてくれた。続けて鴨と鍵宮も続けて『それぞれの扉にあった資料』を説明してくれた。

 真白もそれなりに頭が良い方ではあるのだが、どちらかと言えば予想外の問題に対応することが苦手なタイプなので、頭は既に処理落ち寸前だった。故に状況の説明と整理は鍵宮に任せる事にした。正直な話上手く説明できる自信がない。



「いやー、何だか余計に謎を深めそうで申し訳ないんだけど、私のとこにあったやつもよくわかんないのだったよ。ほら、これ。『602』ってあるんだけどさあ、私はこれが何なのか皆目見当もつかないんだよねー。皆はこの数字に見覚えがあったりしない?」


 そう言ってずっと手に持っていたプレートを掲げる。あの映像を見ている時もしっかりと持っていたので緊張と驚きから手汗が持っていた所がはっきり分かるくらいに付いてしまっているが、そこは目を瞑ってほしい。



>>六畳 正嘉様  扇子車 鴨様  鍵宮 柘榴様

【文字色が分かりにくかったので変更してみました。】

4ヶ月前 No.140

唐紅 @karakure ★WfkdFvXBLL_mgE

【六畳 正嘉/夜の公園】


「……そう、なんですか。あの影の狼が、僕たちと同じ人だった……」

 ならば昨日戦った影の狼も、さっき逢ったジュリアンという方も恐らく『死人』だったという事。そう考え始めると自分が間接的にとはいえ人殺し、したという事。言葉にならない不快感、嫌悪感が全身を奔る。引き攣った表情を隠すように、俯きながら柘榴の話を聞き続ける。

「僕と真白さんが戦った……と言っていいか分かりませんが、ジュリアンという方がいっていました」

 二つ目の発言に対し、自身のオーバーロードである白い長ランを持ちながら。

「僕たちが今纏っているこのオーバーロード、これは日本語で言う所『過負荷』ということ。次の段階という『オーバーホール』に進化させないと30日を待たずに自分たちの身体が自壊するということ。今は大丈夫かも知れないですが、その力の反動は必ず自分自身へと帰ってくる……と。……そして九月君が……まさか、そんな……」

 俄かに信じられないこと――だが、今の状況を鑑みればある程度『おかしい』という事象も『ありえない』という現実も納得しなければならない。
 自分が自分である証拠は自分が『六畳正嘉』と確認するまでも無くそう思っているから。もしかしたら『六畳正嘉の精神』で『知らない誰かの身体』に入っているかも知れない。ならば、ならば――それは生きているのか、死んでいるのか。境界線が見えない、分からない。嫌な脂汗が背筋を、額を通過していく。

 連々と言葉を紡いでいく柘榴君に対し昨日の今日で余り会話を交わしてはいないが彼を見て感じたのは『冷静』という二文字。鴨さんには『天真』、真白さんには『純朴』。
 提示された白いプレート。そこに記載されているのは数字。自身が見た記事は束間さんが入院したという事ならば。

「順当に考えるとその『602』のプレートは病院の部屋番、じゃないでしょうか…? 黒野の医大なら602号くらいまでの部屋数はあっておかしくないですし……」

 入院した事も入ったことも無いが、黒野の大学病院ならばその施設の大きさから察するに部屋数も膨大であろう。最も確証は無いが。

「ですが……その人、束間さんに逢えたとしても僕たちと話が出来るのでしょうか? この空間のルールみたいのが不明確なので、そこが一つ」

 徐にブランコのほうへと歩み寄る。鎖を握り揺らせば、キコキコと悲鳴のような音が聞こえる。

「二つ、僕たちはこの空間の物体には干渉できるみたいです。こうやって歩けば多少なり土埃があがりますし、ブランコとかも触って揺らすこともできます。……この空間にいられる制限時間があるか分かりませんが、柘榴君の言うとおり束間さんから何か貰える情報があると思います。一先ず医大へ行ってみましょうか?」


【選択肢】
@黒野の医大へ行く
A交番へ行く
B二手に別れ、両方へ行く


【選択肢です。どれかお選びください。水没王子様、レスが遅くなりそうでしたら番号だけサブ記事に書いていただければ幸いです。またヒントとして雲井たち4人の会話と『束間』が襲われるタイミングです】

4ヶ月前 No.141

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★Ywte4t2Nfq_jCr

【 扇子車鴨 / 公園 】

 早速正嘉にことのあらましを説明してくれた柘榴に密かに親指を立ててグッドジョブのサインを送る。鴨が考えていた説明よりも圧倒的に分かりやすい。やはり持つべき者は頭脳派のパーティメンバーだ。正嘉も納得した様子で神妙にうなずいている。いや、あれは俯いているのだろうか。ちなみに鴨はポリアンサやマラコイデスたちの正体が元人間だと知った後も、あまり人間を殺したという感覚は持っていなかったりする。そんなこと言えば、ゾンビだって吸血鬼だってそうなる前は人間だったのだ。昔は人間だったとしても今は化物なら、そいつは問答無用で化物と見做して良いというのが鴨の考えだ。もちろん、勝手にそう思っているだけだから人に押し付けるつもりは無い。
 次いで正嘉の口から語られたオーバーロードの秘密。束間平穏なる人物の情報。鴨が記事の少年Aは仁宗である可能性が高いこと。真白が見せてくれたナンバープレートの数字。それらを総合して考えると、正嘉の言う通り病院の602号室に束間平穏さんが入院しているから彼から話を聞いてこいという意味か、あるいは束間平穏さんは関係なくともその病室に今の状況を好転させる何らかの手がかりがあるということだろう。そういえば黒野の大学病院は、入院こそしたことはないが骨を折った時にお世話になった。確かにかなり広々とした印象だったし、あれなら部屋数が600以上あっても可笑しくはない。

「会って話が出来るか出来ないかは、考えるより会って確認したほうが早くない? 出来なきゃそん時諦めよーぜー」

 ひとまず医大へ行こうという正嘉の提案に乗っかる形でそう言って、とうっ、とベンチの背もたれ部分から地面へと着地を決める。時間に余裕があれば先に服屋に突撃して衣装を変えたいが、さすがにいつ元の世界に戻されるか分からない今の状況ではそんな悠長なこともやっていられない。そっちはこのイベントが終わってから済ませよう。けどこんな乾いた黒い粘液でカピカピの状態で清潔第一の病院を歩くのはさすがに憚られるし、途中でビニールでもかっぱらって靴とか腕に巻きつけるくらいはしたほうが良さそうだ。じゃないとうっかりシーツの上に乾いた粘液の欠片とかが落ちて、後日病院に新たな心霊現象として語り継がれてしまうかもしれない。そうならなくても、こんな何で出来ているのかも謎な粘液の乾いた物体、弱っている病人の皆々様に近付けるのはいくらなんでも駄目だ。お見舞いの品にもなりやしない。

>鍵宮柘榴様&六畳正嘉様&御剣真白様&ALL様

【鴨自身は@のつもりでいますが、個人的にはBが望ましいです】

4ヶ月前 No.142

雪鹿 @salt9140 ★Android=42zyboh5vZ

【鍵宮 柘榴/公園】

六畳の様子を説明しながらに伺ってはみて僕に分かったのは、六畳にも仁ーちゃんと同じように弱さがあるように感じた。やはり、人間らしいというべきだろうそれに一抹の不安を感じてしまう。そして、その不安を自分では掻き消せない事も仁ーちゃんの一件で少々懲りた部分がある。
それくらいなら、他の二人に任せてもいいだろう。二人とも、シリアスな雰囲気から少しばかり距離があるように感じてはいるが……まぁ、やる時はやる二人だと期待しておこう。いや、鴨は無理をし過ぎる気があるから期待も微妙か……?

「成る程……しかし、だからといって30日までに、という生易しい事は言っていられんな。僕達には、明日にでも特訓が必要だよ。」

ジュリアンという敵だった者からの伝言に頷きながらも、そう答えた。単純にそれが真実だと身をもって実感したばかりなのだから、無理もない。とにかく、僕達には今より遥かに高い境地に辿り着く必要性が出てきているのだ。

その後、鍵宮は御剣が少々申し訳なさそうに『602』というプラスチックプレートを見せてくれたが、当然の如く彼はそこから思い付く可能性に全く決定打が無いことに気付く。一言にそう言っても、マンションの一室だとかコインロッカーだとかホテルだって有り得ない話ではないだろう。
そんな中、大学病院の一室という可能性の提示が成される。成る程、確かにその案は考えられなくも無いだろう。というか、入院しているとしたら、彼処の可能性が考えられなくはない……重傷と言うことは、大きな病院に運ばれるのが常というものだ。だが、なにかが引っ掛かる……何か……重傷?いやいや、重傷だったら話せないし調べものも出来ない。此処に来て、散っていた少年少女の言葉に反する。つまりは、そう言うことか。
彼は数秒目を閉じて、考えを手早く纏めにかかる。別に自身の頭がいいとは思わないが、だからこそ、よく考えて賛同を得られるようにさっぱりと簡潔に纏めるのだ。

「待て、日付の確認を最優先とするぞ。伝え忘れていたが、束間は調べものが出来る状態……つまり、まだ怪我はしていない可能性が高い。六畳、君の持ってきた資料の日付は7月27日……今がそれより前なら問答無用で全員で交番に向かうか、二手に別れよう。時間は惜しい、歩みを進めるとしようか。」

先程から、さりげにその手の役割を一任されているような気もしなくは無かったので、例によって例のごとく説明を兼ねながらの反論をしつつ、歩き始めた。勿論、他の意見を聞き入れる思いも充分にあるが、その可能性が少しばかり薄く感じたからこその行動だろう。
さてはて……束間は一体何をしていて、誰に怪我を負わされるのだろうか?今回の最大の問題はそこだ。万が一にでも、僕達よりも強い相手が居たとしたら、その時点で詰みなのだが、それはないと思っておくとしよう。

>扇子車 鴨様、六畳 正嘉様、御剣 真白様

4ヶ月前 No.143

藤堂悠 @nakata056 ★Android=rODfa24jih

───これは今、どういう状況なのだろうか。
扉を開けたらそこは公園で目の前には見覚えのない四人組、何を言ってるか解らねぇと思うが僕にも解らない、頭がどうにかなりそうだ。しかし何故こんなことに。

少し状況を整理しよう…僕はあの女の子の誘いに乗って手を伸ばした、そこまでは大丈夫だ。しかし目を覚ました先は見覚えの無いログハウスの中だった。

そして自分のオーバーロードを確認したりして、ほれからしばらくして僕は要らぬ好奇心を働かせてログハウス内を捜索することにして…そう、事の発端はあの一階にあった扉だ。あの扉がどういうわけか開いていたので、何かあるのかなー、なんて軽い気持ちで扉を開けた、そうして今に至る。駄目だ、状況を整理しても全く解らん。いやぁ、だって扉を開けたら知らない場所に出るなんて誰も予想できないだろう。

とりあえず、目の前の四人組に声をかけるべきだろうか?いや、いきなり現れて無言だったら怖いだろうし…まぁ声をかけても此方に損はない、失敗したら僕が変な奴に見られるだけだ。

「あー、すいません…此処って何処か解ります?」

何か話し込んでいる四人組に声をかけた僕、流石に無視はしないだろう。あんな扉から来た先に四人組、何か無いわけがないだろう、もしかしたら同じ手を伸ばした人達かもしれない。そんな期待を込めながら僕は出来るだけ笑顔で接する。


>all


【これからよろしくお願いします!】

4ヶ月前 No.144

水没王子 @umeboshi ★chfNVTLIUI_VuR

【御剣 真白/夜の公園】


 六畳の言った言葉になるほど、と思いながら鴨と同じように親指を立ててサインを送る。真白はあそこにお世話になったことは今のところので細かいところまでは分からないが、確かにあの大きさの病院ならば602号室くらいはありそうだ。


「鴨ちゃんは寧ろ患者として病院に行った方が良いレベルなんだからもうちょっといのちだいじに……でも時間も限られてるっぽいしなあ、あんまりもたもたしてると私たちもあの映像の子たちみたいになる可能性だってあるわけだし」


 そう、一番の問題は『真白たちもあの敵に襲われるかもしれない』と言う事だった。あれを見た限りでは今のところ勝ち目はないのだろう。真白はあの時は酸欠で危うく死にかけてたのでしっかりと聞き取れなかったのだが、ジュリアンもそんなような事を言っていたらしい。だとするならば、やはり優先するべきは『物語の続き』であって『キャラクターのHPを回復させる事』ではないのだろう。
 納得はいかないがみんな揃って死ぬよりはマシだ。ならば真白のすることは六畳たちの言う通り、束間と言う人を探して物語を進める事のみ。自分の中でそう結論を出していると、何やら鍵宮が考え事をしているのが目に入った。彼は真白よりも何かを閃く力があると既に分かったので、またしても何か良いことを閃いたのでは、と鍵宮をじっと見つめる。


「……やっぱり賢いねえ、鍵宮君は。行き成りこんな真夜中に飛ばされるんだから時間を遡っていても不思議ではないしね」


 鍵宮の言う通り、今が六畳の持ってきた記事よりも過去であるという確証はない。だとするならば、あの映像の子たちも行っていたように、束間と言う人物が怪我を負う前に真白たちはいるという事も可能性としては0%ではないわけで。
 ならば鍵宮の言う通り、今は寸暇を惜しんで行動を起こすべきだ。真白も鍵宮の意見に賛成で、『じゃあ私は二手に分かれるのに一票』と口に出そうとした時だ。

 何か、はっきりとは分からないが何か引っかかるような気がした。重大な問題ではないのだが、確実にこの機を逃すと良くない事が起こるかもしれない、そんな感じがした。唐突に「まって、なんかちょっとだけ待って」と傍から聞いたら時間がないのに何を言っているんだ、と思われそうな事を言ってから皆から目を瞑って腕を組んで考える。


 束間と言う一般人が調べものをできる状態で、まだ怪我をしてないかもしれない事、その男は一般人でありながら真白たちの存在を確認することができて、更にはオーバーロードも実際に見えるらしいという事。


「……あっ!そうだ!そうだよ!束間って人は普通の人とは違って私たちを見ることができるっぽいんだよね?」

 やや興奮気味に真白は続ける。

「だとしたらさ、『その人だけが見える合図』を送ればいいんじゃないかな!例えば……ほら、扉を開けた後に鍵宮君が私たちと合流する目印として何かを光らせてたじゃん、ああいうやつ!あれをさ、こう、もっといっぱい光らせて……って、言うのをちょっとだけ思いついたんだけど駄目かな?……あー、なんかよくわかんない敵も来ちゃうかもしれないのかあ……ごめん、やっぱ確実性に欠けるかも」


 ここまで言っておきながら最後の最後で急に自信を無くして俯く。真白の考えがあっているならばそれでいいのだが、もしかしたら『束間以外の何か』もそれを目印に集まってしまうかもしれない。狼の一匹や二匹程度なら何とかなるかも知れないが今の真白たちではどうしようもない敵が来てしまったら、それこそゲームオーバーだ。


 せっかく珍しく皆の役に立てると思ったのだが、そうでもなかったようで少し落ち込んで目を逸らした。するとその先には一人の男性が。おや、と思うと同時にその男性が話しかけてきた。明らかに真白たちが見えている様子だった。


「……!!え、えっと……私たちが見えてるってことはだよ、あの、あれだ。……あなたが束間さん……?」


 驚き8割喜び2割、そんな表情で恐る恐るその男性に尋ねる。見た感じ、歳は真白とそう変わらない感じだ。いずれにしても、この状況で真白たちに話しかけ気てきたという事は物語で何かしらの意味があるのだろう。


>>周辺ALL様


【こちらこそ、こんな子ですがよろしくお願いします。それと、文字色がまたしても被ってしまったので変えました。分かりにくかったら申し訳ありません】

4ヶ月前 No.145

唐紅 @karakure ★WfkdFvXBLL_mgE

【六畳 正嘉/夜の公園】



「真白さんの案、やってみる価値ありそうだ。……けど、大きなものか。柘榴君、その光る奴というのはサイズを大きく出来たりするの?」

 提案を受け、歩みだそうとしている柘榴を止めるようにその背に言う。
 確かにこの公園ならば近くの海があり、吹き抜けた位置にある。そこで特大の何かが光れば、『死人』を視認できる者ならば感知できるかも知れない。
 だが、その場合行動が後手に回る。あくまで相手からの感知を待つしか無いからだ。これが常に空中に浮かぶ特大の物ならば話は異なるが。
 そして大きいものと言えばこの公園に設置されている象さんの鼻型の滑り台や細い木があるが、鴨のへルタースケルターの能力がいまいち理解していないからその提案はしない、できない。

「真白さんの案でダメだった場合、この空間で『束間平穏』さんに逢って話せるのか、それとも『束間平穏』さんが所持する何かの資料を僕たちに見せたいのか……明確な回答が分からない以上やれる事は全部やりましょう。余りやりたくありませんが……二手に分かれた方がいい、かも知れません。あとコンビニとかで時間を確認しましょう」

 自身が持っていたスマホ。今では誰にも掛けられないが時計代わりには丁度いい、と思っていたがどうやら日時に変更は無い。今日の日付に午後13時過ぎの時刻が画面に映っているのみ。

 正直、謎の空間極まりない状況で戦力を二手に裂くのは愚策だと思う。が、自身はあの老人を信用していない。
 こんな回りくどい事を僕たちにやらせている理由、説明もろくにせず――いや、口頭では信用されないからの行動だろうか。逢って1分も満たない相手の真意が理解できる方が凄いのだが。

「あと柘榴君、鴨さんの二人は別れたほうがいい、と思う。僕のブレイブで鴨さんは回復したのはいいけど、連戦は避けた方がいい。僕と真白さんは戦闘……まではいかなかったから余力としてはまだあると思うんだ」

 と、勝手な提案をしていれば聞こえてくる誰かの声。その声に反応する真白に

「真白さん待って!」

 瞬間的に日本刀を具現し、手に握る。相手と真白の間、妨げるように日本刀を構え

「僕が知っている束間さんは……多分この人じゃない」

 40近い男性でメガネを掛けており、その表情は柔らかく遠目から見てもなぜか優しそうに感じた。
 眼前にいきなり現れたその青年は余りにも若すぎた。

「……キミは――、いやキミも、『死人』であってる……かい? 僕たちと同じ『オーバーロード』を持った……」


【多数決で選ばれた選択は『B』とします。因みに選択肢に点数を設定して、エンディングは何点以上でAエンドとかで考えています。医大か交番どっちか行きたい方を選んでいただければ幸いです】

4ヶ月前 No.146

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★Ywte4t2Nfq_m8y

【 扇子車鴨 / 公園 】

 日付の確認のことを言われて、そういえばここに来てから時計とかカレンダーとか見ていなかったな、と思い出す。あの映像はただの立体映像で現実ではなかったといえども、昼だったのが急に夜になっているのだから時間軸を操作されていたって何ら不思議ではない。そこに気付かないとは、いくらなんでも気を抜きすぎていた。怪我による貧血のせいで頭が呆けているという設定にでもしておこうか。いや、呆けていると言えば普段から呆けているようなものなのだが。
 二手に別れるならどちらへ行こうか。唇に指先を当てて「んー」と唸りながら脳内であみだくじを制作開始。この結果で引き当てたほうに誰かと一緒に行くことにしよう。けれどあみだくじは八つ目の横棒を辿って左に逸れた時点で中断された。視界の端にいきなりニュー登場人物が現れたからだ。180cmくらいに見える背丈、跳ねた黒髪に薄らと赤い瞳。その上に黒縁の眼鏡をかけていて、服装には特に変わったところもない。これで背中に逆十字の入った黒いロングコートとかを着ていれば「て、敵だー!」とリアクションをとったが、さすがにここまで一般人に擬態した敵は今までの傾向を考えても出てこないように思う。その裏を欠いて敵という可能性もあるにはあるが、同時に自分達と同じポジションの存在だという可能性も存在するわけだし……戦いの場で頑張ってくれたら信用しきることにした。今は半信半疑くらいで。
 ここがどこかを訪ねる彼に貴方が束間さんですかと尋ねる真白と、そんな二人の間に割って入って刀を構える正嘉。これ漫画とかでよく見かける構図だ、と内心テンションを少し上げる鴨。そして彼の口から自分が死人か死人じゃないが語られる前、空気をぶち壊しかねない明るさで「はいはいはーい!」と挙手した。

「鴨さんってばシリアスな空気超絶苦手だから、先にコンビニ行って時間確認してきて良い? ついでに喉乾いたから飲み物とか取ってくる! あとねあとね、柘榴くんと別れて病院と交番のどっちか行くなら、私は交番のほうに立候補するよー。なにせこの恰好だからね! 超不衛生!」

 ポリアンサを倒した時に体中にかかった黒い粘液が時間経過で乾いてカピカピになっているスカートの裾を摘み上げ、己の恰好の病院に対するそぐわなさをアピールするようにその場で片足を軸にくるくると回る。テコンドーをやっているからだろうか、無駄に体幹がしっかりしている分めちゃくちゃ綺麗な円を描いていた。五秒ほど回った後、目を回した様子もなくぴしっと両足を地面に着けて元の体勢に戻る。粘液の影響さえなければふわっと軽やかな広がりを見せたであろうプリーツスカートは、残念ながら固まった粘液で硬くなっているので全然優雅な靡き方をしていない。
 というかこの感じだと下着まで粘液が染み込んでいるかもしれないから、コンビニ行ったついでにパンツだけでも変えておいたほうが良さそうだ。ブラジャーはたぶん置いていない。ああいう場所に置いているのは男性用トランクスに女性用ショーツにタンクトップくらいで、あとはたまにキャミソールとかボクサーパンツが置いているくらいだ。よってそちらは諦める。早く着替えたいよー、コスプレイヤーの端くれとしてキャラクターの衣装でもないのにダサい恰好っていうのは矜持に関わるんだよー、なんてことを考えつつ、誰かから「OK」が返ってくるのを待つ。「NO」と返ってきたら、チームの和を乱してまでコンビニに先んじたいわけではないので素直にここに留まる。鴨は空気を読まない娘だが、反抗的な娘ではないのだ。

>鍵宮柘榴様&六畳正嘉様&御剣真白様&藤堂悠様&ALL様

4ヶ月前 No.147

雪鹿 @salt9140 ★Android=42zyboh5vZ

【鍵宮 柘榴/夜の公園】

歩き始める僕は、背後に耳を傾けていると制止の声が聞こえる。成る程、確かに可能性を取り零したくないと言った手前、それも試さない手は無い……が、自身の能力を試す方向で行くとするか。なにせ、やった事が無いからな。そんな事が出来るのか……いや、いくつかパターンはあるから大丈夫だと信じよう。

「人よりほんの少し、焦らないだけだからな。言うほど、賢くなんて無いさ。……それと、サイズは能力的都合上不可変だ。しかし、目立てばいいというのなら、出来ない事はない。」

検討しながらも二人の言葉に返答をしつつ、ポケットから出した左手に持っている白いスーパーボールを四つに増やして透明なスーパーボールを右手に持てば、その透明なものに白いものをくっ付けていく。ゴム自体の粘性に関連させて接着という能力を付与した結果だ。これを増やしていけば、それは目立つ玉の集合体が生まれるだろう。
……能力が一つまでな上に関連付けするのが、毎度のごとく煩わしいと感じる。しかし、それでもほんの少しその煩わしさが嫌いでも無かったりするのだから、おかしなものだ。

「ふむ、確かにチーム分けを考えなくてはならないな……たった今、それより優先事項が増えたが。」

はぁ、と眉間に皺を寄せながら、此方に声を掛けてきた大人しそうな言葉尻とそれなりに筋肉質な体格が少々合わなかった青年をちら、と見て様子を見ながら数歩距離を取った。此処に来るとしたら、僕達が見落とした味方か……あるいは、敵方のスパイ位じゃないだろうか?しかし、それにしては……パッと見だと便りにはならなそうな見た目だと感じてしまった。失礼にも程があるからそれこそ口にしないが。
仮に味方だと表明したら、三人組の方に回す事は確定だ。二人組にしてしまうと、裏切られた時が恐ろしい。だからこそ、確実に不利にならない方へ回したい。……まぁ、僕が組んで対応するのも吝かではないが、少なくとも鴨と二人組は危うい気がするな。全員の意見を聞いてから、の話ではあるがな。

「それはありがたい申し出だな。行ってくるといい。となると、僕は病院になるな。ふむ、了解した。」

やはり、シリアスが苦手だと言い放った鴨が時間確認も兼ねてコンビニに行くと言うので、そちらを向いて許可を出す。正直、単独行動は困ったものでもあったが、僕が行ったとしても疲労困憊が二人に増えるだけなもんだから、許可するしかないだろう。
少々欠伸をしながら、手近にあった低めの鉄棒に器用に座る。元のログハウスに帰ったら、寝るとするか。流石に両面の疲労が感じられてくる。こういう事は気を付けたいな……今回は気を付けようが、全くなかったが。

>扇子車 鴨様、御剣 真白様、六畳 正嘉様、藤堂 悠様

4ヶ月前 No.148

藤堂悠 @nakata056 ★Android=rODfa24jih

自身の発した挨拶の反応は様々だった。驚いた表情をした人、此方を同類だと察した人、特に目立った反応することなくコンビニに向かっていく人、そして自身を警戒している人。一瞬何故見えているなんて聞かれたのか解らなかったが、あの少女が生きている人間には見えることは無いと言っていたのを思い出した。つまり自分は彼らが死人でなければ誰に聞かれるわけでもないのに声を出していた事になっていたわけだ、この四人組が自分と同じ死人で良かったと心の底から思う、彼らが一般人なら僕は一人羞恥心に襲われていただろう。

現状の目標は彼らの信頼を得て同行を許してもらう事、扉を開けた先に同じ死人である四人が居たのは確実に偶然ではないだろう。それに自分だけではこの先蘇れるとは思えない。

話をかけた当所はいきなり攻撃されるのも覚悟していたが、今は日本刀を出しているだけで済んでいる。いや、それだけでもかなり怖いのだが。だが予想よりも相手の警戒心は薄い、恐らく自身の頼りなさそうな、ナヨナヨした雰囲気のお陰だろう。まさか死んでも自分の雰囲気に助けられるとは思っていなかった。

「えっと、そこの日本刀を持っている彼の言う通り、僕は束間って人じゃ無くて君達と同じ死人だよ。ちゃんとオーバーロードも持ってる」

とりあえずは警戒を少しでも解きたいので、両手を上げてこれ以上警戒心をあげないために気を付けながら質問に答えていく。後は自分の名前と、自身のオーバーロードである星龍の能力の説明、後は流石に発動はさせないが、この太陽のペンダントが変身することを伝えておく。そして最後に自分がここに来た経緯。下手に動いたらあの日本刀が自身を切り裂くんじゃないかとビクビクしているが…最悪星龍を起動させて防ごう、その後は直ぐ様星龍を解除してから自慢の土下座だ。

しかし、話を聞いていた感じだと、束間と言う人を探しているのだろうか。そしてそのために手分けして何処かに行こうとしている?しかしその束間という人を探しているのか?謎は深まるばかりだ。それにしてもなんてタイミングに入ってきてしまったんだろうか、邪魔すぎるだろう僕。

「と、とりあえずその日本刀を下げて貰えるとありがたいんだけど…」

ずっと刃物を出されているのは安心できない、いつ自分に向いてくるかと思うと落ち着かないのだ。下げてもらえなければ自分の説明に信用する要素が足りなかったということになるが、そうでないことを祈っていよう。



>扇子車鴨様、御剣真白様、六畳正嘉様、鍵宮柘榴様

4ヶ月前 No.149

唐紅 @karakure ★WfkdFvXBLL_mgE

【六畳/夜の公園→コンビ二→交番】


「ゴメン、気が立っていて」

 引き攣った表情を緩やかに戻すと同時に謝罪する。日本刀を消失し、抄出された言葉を整理する。
 彼の名前は『藤堂悠』で、彼も影狼に殺された僕たちと同じ死人。そして、

「……順を追って考えよう。キミは僕たちと同じ死人だけど、少し今に至るまでの経緯が異なるみたいだ。……失礼だと思うけど、僕と行動を一緒にして貰う。僕たちはもう一人仲間がいるんだ。その一人は今はいないけど、僕たち五人は一度そのお爺さんが作ったと思える空間を経由してこの場所に降り立ったけど……話を聞く限りキミは違うようだ。だから、と言っては変な話だけど……疑いたくは無いけど、許してください」

 それは、今いる戦力の中で余力が残っている、かつ男の子としての責任感。信用したい気持ちが強いが、九月がいなくなった矢先にの登場。疑わない方が嘘になる。
 そして実用可能という柘榴の発言に頷き、顎を抱える。今ここで投げてもし束間が気付くのはいいが、入れ違いになっては困る。
 時間的に就寝している可能性が高いし、ならば連絡用に適した方がいいのかも知れない。

「僕と藤堂さん、そして鴨さんで交番へと行こう。柘榴君と真白さんは病院へ向かってほしい」

 ジュリアンに向かって刀を抜いた事で吹っ切れたのかもしれない。現状を打破するための行動が沸いて出てくる。例え選択が間違っていても。

「そして柘榴君。もし病院へ行って何も無かったらその光を空に投げつけてくれ。僕たちが行く交番に何も無かったら……早速で悪いけど藤堂さんの力で狼煙を上げるよ」

 ビームも放出可能と先ほどの能力説明で聞いたので、こちらも目印に問題ない。深夜も深夜、どちらも膨大な光量なら見間違うことは無かろう。

「真白さん、何か危ないモノがあったらR.I.P起動して柘榴君とそのまま逃げていい。どんな空間か分からないけど絶対に死なないよう動いてください。僕たちもそう動きます。――――では、行きましょう」

 そう一言、伝言を残した後、鴨の後を追うように交番へ向かって歩き出す。



―――
【九月・無二/白の空間】


 九月と無二は当初向かい合ったまま話し合っていたが、今その顔はどちらも空中に流れる映像を眺めている。
 今まさに4人の死人がクランベリーたちにやられている映像だ。

「さて――どこまで話したかな」

「オーバーホール『スクラップ・シアター』で誰も干渉できない空間を創り、オーバーロード『アンダームーン』は月が出ている一夜の映像を見せる事が出来る能力。そして、お主にも彼らにもクランベリーの行っている事、その強さを知って貰う必要が――」

 映像の中のクランベリーが『サンタマリア』と呟いた瞬間、光が空間に溢れ出てくる。目を奪う――否、焼くほどの光の奔流。
 それも一瞬で収まるが、流れる映像が続いている事に気付き無二は呟いた。

「事象が『改竄』された……あるべき過去の映像が流されていない……それどころか『過去への介入』を今赦されている」

 無二は流れる映像を見て、若干だが焦りの色を顔に映した。

「……過去への介入?」

 九月は無二の焦りを知らず、疑問を実直に口に出す。

「……あるべくしてあった過去、今のお主たちに至るまでの経緯が『改竄』されようとしている。あの空間は最早、映像ではなく『現実』なのだ」

「…………?」

「例えば、だ。あの子たちが『束間平穏』を救った瞬間、お主の未来は潰える」

「……? 潰えるも何も俺たちは死んでる。これ以上の絶望は無(ね)ーだろーがよー」

「違う、そうじゃない。あの子たちが『束間平穏』を守りきった時点でお主たちの世界は終わる」

「……わけ分からん事ばっかりだ」

「クランベリーは勿論、恐らく死んだ後出会った少女にも出会わない未来が待っている、ということだ。お主たちをわざわざ死人にせず、迎えられるエンディングに『彼』はたどり着く。そして――」

「ちょっと待て。お前さんの言う5人はクランベリーたちにぶっ殺された。後、誰が残っているちゅうねん」

「黒野工業高校で死亡した一人、曇役 日隈(どんえき ひくま)……今お主が使っている身体の持ち主だ。その者がオーバードライヴ『スタック・オン・ユー』が目覚め、世界の時を止める事になる。今のお主があるのもあ奴が『炎炎焔』と『水水海」に負けたからじゃ」

「オーバードライブ?」

「本来オーバーロードは自衛の力、オーバーホールは他者を攻撃する力、オーバードライブは世界に干渉する力なのだ。そして日隈が持つオーバードライブは■■■■■・■■■とは似て非なる力。だが、同じ世界に干渉する力に相違無い。少女の力が世界を終わらせない力ならば、彼の示す力は世界の時を止める力。誰も歩めない、停止した世界で彼はずっと意思を持ったまま生き永らえる。誰もが存在し誰もいない世界で」

「――――……」

「ワシはクランベリーたちが行っている映像を流し終えたら、『アンダームーン』を解除する筈だった。だが、それは出来ずそれどころかワシの干渉が出来なくなっている。恐らくクランベリーの手の者だろう。このままだと彼らは『束間平穏』を救ってしまうかも知れぬな」

「何淡々ほざいてやがる!! 俺が止めちゃる、俺をあの空間にぶん投げろ」

「……言うただろう。ワシの干渉が及ばない空間……『現実』になったあの世界にお主を投げることはできん」

「じゃぁ……じゃあ! どうしたらいいんだよ!!」

「手立ては……0では無い。万が一、お主があの空間に行けるのならば、彼らが『束間平穏』を救わないよう動くしかあるまい。時は待ってくれぬぞ。――奴らは必ずやってきて、『その未来の形を掴むため』に動くのだから」

 無二は立ち上がり、杖を具現した。――あの少女と同じような、長い長い杖を。


―――
【???/???】


「ねーねー海ちゃん」
「何だよ焔」

「私たちの狙いはあの冴えないおじさんで合ってるのよね」
「配られた人相書きだと、間違いないと推測される」

「なーんであんなおじさんに『少女の力』を分けたんだろうね? おじ様くらいの気品だったら分かるけどさ」
「そんもの俺たちで推し量れるものではあるまい。はたまた何も考えていないも考えられるが……まぁ、いい。予定通りに事を運ぶぞ」

「『束間平穏』の死を『曇役日隈』に見せる」
「違う。『曇役日隈』によって『束間平穏』に傷を負わせることだ」

「……そうだっけー?」
「お前は人の話をちゃんと最後まで聞け。分からないなら聞きなおせ。理解しきれないならメモを取れ」

「あーもう海ちゃん厳しー」
「お前が甘すぎなだけだ。仕事だ、賃金は発生しないがな」

「最低時給0円って法律違反だと思いまーす」
「俺たちに生きている人間様の法律なんて適用されるかよ」


―――

【交番:扉は閉まり、一見消灯している様に見える。家の横にミニパト。二階の私室にて蝋燭の光で『束間』が座りながら書物を読んでいる。束間は40代の男性、メガネを掛け年相応の顔だが仄かに優しそうに見える。黒髪の短髪に同色の瞳。細身の161cm。Tシャツに短パン】
 大学病院:門は無いものの玄関は閉め切っている。所々部屋に電気がついており、エレベーターも起動する。602号の部屋のプレートの下には『九月仁宗』と書かれており、チューブが口に繋がっており一目で重態な事が分かる。顔は包帯に隠されており見えないものの、高校生か中学生くらいの男性の様な体格】

【勝手ながら班分けさせていただきます。次レスで各場所に到着から接触でも大丈夫です。また六畳がリーダー気取ってすみません】

4ヶ月前 No.150

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★Ywte4t2Nfq_m8y

【 扇子車鴨 / 公園→コンビニ→交番 】

 柘榴からOKサインを頂戴したのでそのままスタコラサッサとコンビニまで一走りして時間をチェック、ついでにパンツだけ新しいものに変えておく。白地に黒と灰色のモノトーンなミニハートが散ったよくあるデザインだ。コンビニならこんなものだろう。裾に黒レースでも施しておいてくれればもう少しテンションが上がったが、贅沢は言ってられない。いくら周囲からは見えないとはいえコンビニのど真ん中で下着を履きかえるのは女以前に人としての何かが危うくなる気がして、一応女子トイレをお借りしてそこで履き替えた。なお確認した日付は去年の7月26日、壁にかかったアナログ時計の示した時間は午後11時30分だった。一応、レジに並んでいるサラリーマンや女子高生などのスマートフォンも覗き込んでそちらでも日付と時間を確認したのでこれで間違いない。まさか三連続で客のスマホの時刻表示が狂っていることはない、はず。
 しっかり把握した時間を伝えるために再度公園に戻ろうと思えば、ニュー登場人物な彼と正嘉がコンビニまで合流しに来てくれたので、彼らに時間を伝えた後そのまま鴨も後ろについて行く形で交番へと向かうことにした。病院のコンビは柘榴と真白か。危なげのない二人だ。あの二人なら、敵がどんなタイプだろうとこう、機転を効かせた華麗な勝利とかを決めてクールに帰って来てくれそうな気がする。どちらかというと自分達のチームに一波瀾ありそうだ。

「交番とーちゃく! 電気は消えてるねー。鴨さんちょっと二階を覗いてみる」

 言うが早いか、ヘルタースケルターの能力で履いている靴を浮かび上がらせることで自分の身体を二階の高さにまで運ぶ。向こうさんも自分達の姿が見えるということで、窓を覗き込む仕草はかなり控えめなものだ。交番の二階には、束間さんかどうかは定かではないが40代くらいのおじさんが蝋燭の灯を頼りに本を読んでいる姿があった。ぼんやりとした炎の明るさでは、読んでいる本のタイトルまでは判別できない。表紙のあっさり具合からして漫画ではなさそうだ。身長は低めで、交番の二階にいるのにおまわりさんっぽい服装はしていない。容姿と性格が一致しているならば、きっと優しい性格をしているだろう穏やかな印象の顔立ち。背は成人男性にしてはかなり低めだ。きっとヒールを履いたら鴨のほうが高い。
 そこまで確認すると、ひとまず地面に着地し直して耳打ちで今見た情報をニュー登場人物と正嘉に伝えた。ひょっとしたらニュー登場人物は自己紹介をしてくれていたのかもしれないけれど、その間鴨はコンビニに行っていたので名前を聞き逃している。後で聞き直しておこう。ちなみに耳打ちの理由はなんとなくだ。周りに声が聞こえないとわかっていても、こういう夜更けの住宅街ではちょっと静かにしたほうが良いかな、みたいな気分になるものだし。その割に到着した時に叫んでいたが。

>藤堂悠様&六畳正嘉様&ALL様

4ヶ月前 No.151

雪鹿 @salt9140 ★Android=42zyboh5vZ

【鍵宮 柘榴/夜の公園→大学病院】

六畳と新たな死人の話を多少の警戒と共に聞いていれば、そこそこに二人して冷静ではあるようだ。その後に取り決められた班分けにも、僕達としては申し分は無いだろう。突然現れた相手に警戒するのは当然の事で……強いて言うなら鴨なら普通に接するかもしれんな。少なくとも、僕らより警戒を表立って出すことは少ないだろう。

「ふむ、了解した。幸運を祈っておくよ。」

淡泊にそう言っては、彼方とどうように此方も歩き始める。少なくとも戦闘系統のバランスで言うなら、あちらの方が良い分安心はしている。万が一、此方が戦闘になったら……可能性としては希薄とは言え、無いとは言いきれんからな。合流を目標とするしかないだろうな。……にしても、なんとなく嫌な予感がするのは気のせいだろうか?気のせいであるなら、それでいいんだが……。

そうして歩いていると、程なくして大学病院に辿り着く。門こそ無かったが、やはり業務時間外と言うこともあって玄関は閉めきられていた。まぁ、こんな時間まで開いている大学病院が存在していたら、それはそれで不安だから仕方ないか。
彼はその閉ざされた扉に手を当てれば、起動済みのオーバーロード『贈統』(オーダーギヴ)を行使して僕によって自由に操作される能力を付与して、何事も無かったかのように二人で大学病院の内部に侵入した。見たところ、エレベーター自体は問題無さそうなのでそれに乗って六階まで向かうと、602号室が見えた。
その問題の部屋まで向かって中に居る者の名前を確認して、彼は一瞬愕然とする。そこに記された九月 仁宗の名前が、何を意味するのか。それを確かめるべく、中に入って患者を見る。
其処にあったのは、おおよそ既に生存もギリギリの状態であろう中高生辺りの男の姿が見える。顔は包帯に包まれてしまって口元位しか分からない……が、少なくとも知っている『九月 仁宗』とは違うかもしれない、という事を連想させる事は出来た。

「……此方には、見せる程のものは無いようだな。」

あくまでも冷静を保つ彼は言葉を失いながらも、分析をしてその部屋をザッと眺めては特筆して何も無いことを改めて確認する。目先のインパクトに捕らわれてしまってはいけない。それが、仮に友人の無惨なる姿であったとしても、冷静さを欠いてしまうという事は、僕が僕でない事と同義なのだ。故に、装ってでも冷静を保ち続ける。あの時に比べたら、全然マシだ。
許容なんて出来はしないが、焦って何になると言うのだろうか。僕は僕であり続けるしかない。それが、仮に人間らしく無かったとしても、だ。

「さてと、合図を出しておくか。御剣、もそれでいいだろう?」

言葉を失う程の衝撃からか、すっかり失念していた御剣の方を向いて何時も通りの淡白な口調ですっかり大きな一つの珠になったそれを取り出して確認をとる。
普段なら、すぐに合図を出してしまうものなのだが、今回ばかりは僕が冷静を少し欠いたが故に見落としがあったかもしれないと思えてしまったのだ。

>御剣 真白様、all

4ヶ月前 No.152

藤堂悠 @nakata056 ★Android=rODfa24jih

【藤堂悠/公園→コンビニ→交番】

どうやら少しは信用は得られた様で、彼は持っていた日本刀を消し、ある程度の事情を説明してもらった。彼らは自分とは方法でこの公園へとたどり着いた事、更に彼らに加えて一人の仲間、その仲間が消えた時にタイミングよく現れた自分。これで疑わない方がおかしいだろう。しかし、自分より年下に見えるのになんて立派なのだろう。

そして自分達は自分と彼、あとはコンビニに居るというもう一人の仲間と共に交番へと向かうらしい。そうして何の問題もなく無事に交番にたどり着き少し落ち着こうと深呼吸しようとした瞬間、彼に『鴨』と呼ばれていた女性は一言告げた後突如浮き上がった。

「浮いた!?」

思わず少し大きな声を出してしまった自分、これがあの女性のオーバーロードなのだろうか。女性は交番の二階の方まで浮かんでいき、そのままそっと窓から二階の様子を覗いていた。その間自分は開いていないであろう交番の扉を開けようとしてみるが、予想通り開かない。さて、どうしたものかと少し考えた後少し力業に出ようと考え、扉の前で座って星龍を起動する。そして指先からエネルギーほんの少し放出して、指先を扉の鍵穴の近くに当ててエネルギーの熱を利用して溶かし、拳大の大きさの穴を開ける。丁寧にやったので物音は余り無く、ほんの少し焦げる臭いがするくらいだろうか。そこから開けた穴に腕を突っ込み鍵を開けた。

そして鍵を開けたのを伝えようと立ち上がり星龍を解除したと同時に浮いていた彼女が降りてきて自分と彼に耳打ちしてくる。その内容は交番の二階にお巡りさんには見えない四十代くらいの男性が蝋燭の灯りを頼りに本を読んでいる、とのことだった。その男性が彼らの探している束間という人物なのかは解らないが、とりあえず一度中に入ってみてはどうか、と二人に伝える事にする。

「教えて頂きありがとうございます。確か鴨さん…ですよね?僕は藤堂悠って言います、よろしく。それで、その二階に居るっていう男性の事だけど、とりあえず鍵は開けたから中に入ってみるっていうのはどうかな?」


>扇子車鴨様、六畳正嘉様、all

4ヶ月前 No.153

唐紅 @karakure ★WfkdFvXBLL_mgE

【水水海/交番前】

 2人は交番から離れた箇所で3人の死人を見据える。焔は海に耳打ちする。

 炎炎焔(ほのぼの ほむら)は黒髪を後ろでお団子にし藍色の瞳。頬は桃色で天真爛漫が似合う少女。中学生くらいで身長150cm程度。ただ服装は赤色のジャージと華やかではない。履いているローラーシューズがそれを更に加速させる。

 水水海(みずみず しい)は黒髪のオールバックに金色の瞳。服装は胸元が開いた薄い青色のYシャツ1枚にスラックス。そのYシャツの下には素人目でも分かる鍛えた筋肉が顕になっており、体格も細くは無く更に高身長。歳は30歳前後だろうか、顎鬚というより無精髭が目立つ。右手には黒色の指貫グローブを着用している。


「おっかしーよー。ここには日隈君しか来ないんじゃなかったの?」

「確かに……予定外だ。クランベリーが除外した5人以外死人は日隈しかいない筈だが――まぁ、いい」

 自身から焔を引き剥がし、ポケットからワックスを取り出し髪にこれでもかとベッチャリと付ける。そして髪を再度整えながら、

「お前は日隈を探せ。九月の病床にいるかも知れん」
「えー何々。九月って誰ー?」

「……黒野医大の602号室へ行け。それを命令とする」
「はーいのあいあいさー」
「…………全く」

 小さくため息を吐き、反対方向に駆けていく焔を見据えた後、自慢の指貫グローブを深く手に嵌め込む。

「大紅蓮に佇め」

 生温い風が吹いた、と六畳が思う。その前に

「――――!?」

 急襲。接近した海は六畳の腹部に開いた手を添えたと思えば、夥しい水量がその掌から噴射される。
 オーバーロードを身に纏っているものの、まるで反応が追いつかない。元々オーバーロードによる身体能力が強化され、増して自身のブレイブはそれを更に増す。故に防御力に関しては折り紙つきだ。だが、その水量は尋常ではなかった。地面から脚が離れていき――

 ――吹っ飛ばされる。その水量は留まる事を知らず、六畳の身体ごと束間の家、丁度2階へと突っ込む。
 木片とガラス片が水飛沫が舞い上がり、煙を上げ六畳の姿は家の中へと消える。そして水も一瞬で消え失せ、間髪入れず2撃目を藤堂へ放とうとする。
 その右手に触れた瞬間、夥しい水量が身体を穿つべく射出される。

>鴨、悠




【炎炎焔/医大】

「あーもー仕事熱心の人ってきーらいー。だって頑張ってお菓子も買うお金もくれないなんてー」

 愚痴を零しながら、ローラーシューズで地面を滑る。
 夜風を浴びているとは言え時期が時期、凄い蒸し暑い。風を切っているのにその風が温い。
 口を尖らせ不平不満を言い続ければ、ようやく目標だった黒野医大に到着する。

 どうやって入ろうか考え誰か施錠忘れしてないかなーと考えて一つずつ試していれば、扉の一つ開いた。
 ラッキーとばかりに中に入り、エレベーターに乗り込む。602だから多分6階だろうと。

 ローラーを靴底にしまい、テコテコと明かりの小さい廊下を歩き辿り着いた602号室。
 疲れもあって何の警戒も無く、バーンと扉を開けた。と思えば、視界に飛び込んでくる全く見覚えの無い2人。

 脳内で『……』が流れる。が、深くは考えない。その存在から感じるのは、目の前の人は『死人』という確証。
 そして、存在していないとされる『死人』がいる現状。やることは一つ。

「……えーとえーとえーと……敵ってことでOKだよね」

 靴底で床を叩く。

「龍旋処で踊ろう」

 祝詞を呟く。
 そして徐に脚を蹴り上げる。2人には距離がある――が、まるで脚があった箇所が溶解した様に床に一本の筋が凹み、飛んでいくは蝋燭から滴る蝋のような白濁。だが、それは炎以上の熱量を持ち、触れれば火傷以上の傷を負うだろう。

>柘榴、真白

4ヶ月前 No.154

藤堂悠 @nakata056 ★Android=rODfa24jih

【藤堂悠/交番】

「───ッ!?」

突如目の前の日本刀の彼がガラスの割れる音と共に二階の、男性が居ると思われる部屋へと吹き飛ぶ、一体何が起きた───!?
瞬時に彼を吹き飛ばしたであろう存在を確認するために視界を向けると、そこに居たのは見覚えのない金髪オールバックの、いかにも鍛え上げられた肉体を持つゴツい男。その男は確実に此方を標的としており、既にその男の右手は自分の腹部まで残り10cm程まで迫って来ていた。その速度は観ていたのに関わらず反応しきれず、このままでは自分も彼の様に吹き飛ばされる。そうならないためにスイッチを切り替えて星龍を起動させる。

「紅蓮の星より来たれッ!」

祝詞を告げた瞬間首からかけていたペンダントが光り輝き、ペンダントが龍を模した赤い全身鎧へと姿を変えて自分の身体に装着される。が、起動した瞬間に男の右手が自分の腹部へと触れた。その右手から物凄い勢いで水が身体を押し出してくる、この鎧の重さで一瞬保っているが、策を打たなければ直ぐ様吹き飛ぶであろう。高速で頭を働かせ、精一杯吹き飛ばされぬ様に背中のブースターからエネルギーを放出したのだが、タイミングが遅すぎた。二階には突っ込まずに済んだが、5m程吹き飛ばされていた。ブースターからエネルギーを放出していなければ一瞬で意識ごと持っていかれていただろう。しかし、何だあの男は。此方が見えていると言うことは同じ死人なのだろうか?しかし同じ死人同士でなぜ攻撃してくるのか、敵は影狼だけではなかったのか?考えれば考えるほど解らなくなってくるが、こちらを攻撃してきた時点で敵意有。敵と判断して問題ない筈なので倒さなければならない、正直吹き飛ばされた彼の安否を確認しに行きたいのだが、あの男が許してくれるようには見えない。

「何が目的で攻撃してきてるのかは知らないが…!」

今度は此方の番だと言わんばかりにブースターからの放出の強さを高め、高金髪の男に向かってブースターで勢いを付けて加速し空中からのパンチ。本当は全力でビームを放ちたい所なのだが、まだ最大出力の威力を知らないため、放った場合最悪彼女を巻き込む可能性もあるだろう。そうなったら目も当てられない。あの男が空中に居るなら被害を考えず放てるのだが…。出来ない事を木にしても仕方がない、そのために外れても最低限の被害にしかならないであろうパンチにしたわけだが。あの水流で押し返されても困るので左手に纏うようにエネルギーを放出、もし水流が来てもエネルギーの熱で蒸発させられる筈だ。もしそれでも駄目なのなら右手からビームを出して攻撃、威力は片手なので出ないだろうが牽制にはなるだろう。

>扇子車鴨様、六畳正嘉様、all

4ヶ月前 No.155

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★Ywte4t2Nfq_m8y

【 扇子車鴨 / 交番前 】

 ずっと名前が分からなくて脳内では『ニュー登場人物』とばかり表記していた相手の名前が藤堂悠だと分かり、すっきりとした笑みを浮かべながら「うんうん、悠くんね! 鴨さんは鴨さんだよー」と頷いてみる。もはや小声を心がける意識はいずこかへ消え去った。相手の提案にも反対したい所は無い。どうやらいつの間にか能力を使って扉が開くようにしてくれていたようなので、お言葉に甘えてそこから鍵を開けて入ろうかと一歩踏み出したところで。
 生ぬるい風が頬を撫で過ぎると同時、今しがた目の前にあったはずの正嘉の身体が吹き飛んだ。迸る水飛沫。ウォータースライダーから勢いよくすべり落ちてプールに思い切りダイブした時を思い出させるそれが身体の前面にバシャッとかかって、けれど「何で水?」という疑問が湧いてくるよりも速く、短期間で戦闘を重ねた鴨の精神と肉体は瞬時に“距離を取る”という回避行動を取っていた。即ち、先程と同じく靴を浮かばせる形で身体ごと空中に舞ったのだ。高さは目測にしてざっと20メートル。結構な速さで移動したから皮膚が耳が少しキーンとする。
 見下ろした先にいる襲撃者の正体は、高身長の筋肉質な成人男性だった。服装自体はわりと繁華街とかにいそうな雰囲気だが、只者じゃないのは気迫と行動で分かる。正嘉に次いで狙われた悠はギリギリのところでオーバーロードを発動したが、完全な防御とはならず5メートルほど後方に下がらされた。交番の二階が知らぬ間にボロボロになっているのを見ると、正嘉のほうは第一撃であそこまで吹き飛ばされたに違いない。怪我の程度は大丈夫だろうか。二階にいた束間さんかもしれないおじさんも、飛んできた彼にうっかり轢き殺されていなければ良いのだが。

「鴨さん、今日で戦うの三度目なんだけどなーッ!」

 さすがに疲れたという感情を込めて叫びながら、高度20メートルを保ったままヘルタースケルターの能力で地上の道路標識を操作する。根元からズボッと抜かれた『通行止め』や『駐車禁止』の道路標識たちが、ねずみ花火並の勢いでぐるんぐるんと回転しながら風を切って敵と思しき男の元へと滑空してゆく。ねずみ花火並の勢いというのは回転の速度のほうで、道路標識が男に向かう速度のほうはドッヂボールの剛速球レベルの勢いだ。それが四方から襲い来るのだから、常人なら絶対に避けられない。が、今までの経験で敵が常人の範疇に含まれないことも、こういう攻撃は確実に躱してくることも身に染みて理解している。だからこそ、鴨は第一の攻撃に相手がリアクションを取るよりも速く第二の攻撃の準備を始めた。
 道路上の目につく範囲にあるマンホールというマンホールのフタをヘルタースケルターの能力で外し、その中から茶色とも黄色ともつかない濁りを帯びた汚水を間欠泉のごとく噴出させる。空中で巨大な龍のようにトグロを巻いてうねる複数の水流。それら全ては鴨の合図と同時に、やはり常識の枠から外れた速度で敵を飲み込まんと襲い掛かって行った。敵の能力が水を操るものならば、上手くいけばこの自分が操っている汚水と相手の水を混ぜてしまうことで、支配権の何割かを自分がぶん取ってしまえるかもしれない。上手くいかなくても、頭上から自分に汚水を浴びせてきた女がいれば敵の注意は悠と正嘉よりもこちらに向くはず。自分は連戦続きで体力が無くなってきたが、逆に言うと戦闘経験はこの三人の中だと一番ある。だから集中砲火される役目とかは自分が率先して買って行こう、というのが鴨の考えだ。

>藤堂悠様&六畳正嘉様&水水海様&ALL様

4ヶ月前 No.156

雪鹿 @salt9140 ★Android=42zyboh5vZ

【鍵宮 柘榴/大学病院・602号室】

合図を出すために窓の方へと歩んでいたが、直後に扉が勢いよく開け放たれる。手に持っていた珠を九月仁宗とやらが寝ているベッドの下へ投げ込んでそちらを向き直せば、其処に居たのは1人の少女―――此方を見ているという事は、同類か敵か。見定めようとした瞬間に、祝詞が聞こえる。敵か。

そして、蹴り上げられた足と同時に放たれる白い一閃。あからさまに異常な熱量を持っている事だけは確かだったろう、それへ水色のスーパーボールを投げ込む。凍結の能力を付与したそれだが、スーパーボール自体が熱で溶けてしまったらしく熱量を落として減速には成功したものの、未だ攻撃となりうるそれを左手に持った水色のスーパーボールを直接手で当てる事で停止させた。
手に関してを言えば、保護するためにある手袋によって火傷の一つも無かったが、そこそこに衝撃があったのか痺れている。……間違いない、格上だ。

「……熱系統のオーバーロード……厄介極まりないな。だが、病院では静かに、だろう?」

そして、迎撃の後に分析を終えて治療の為に使うはずだった市販の包帯を敵の頭上へと放り投げる。すると、包帯は独りでにほどけて敵とおぼしき少女へ巻き付こうと勢いよく動き始めた。包帯は巻くものだから、勝手に巻かれてもらっただけに過ぎないんだが……これで、鴨のような能力に偽装できれば、それなりに牽制はできるからな。中々に便利なんだよ、これ。

……にしても、先程の炎よりも熱い白濁としたもの―――地面から出された物だが、触れた物をそれに変える能力……?少なくとも、スプリンクラーのある病院であるからこそ、炎は……使えるのか分からないが、少なくとも牽制にはなるのではないだろうか?感知されない可能性もあるが、そうだとしたら最悪、僕が無理やり起動しても構わん……しかし、九月の容態が心配だな。せめて、廊下に出れたら良いのだが……。もし、九月が転生している原因がこれだとしたら、今の彼が消えてしまう可能性がある。同姓同名の別人という線も無くはないが、限りなく無いだろう。

「なぁ、せめて此処から出てやらないか?狭い病室でやり合いたくはないんだが……。」

あまりに不利な戦況から油断こそしないにしても、一応僅かな可能性に賭ける気持ちで相手に相談を持ち掛ける。交渉だけなら、少なくとも一方的に情報をもぎ取れる可能性もある。少なくとも、損は無いわけだ。
故に、彼はこの状況下でもその冷えきった頭で交渉にあたった。こいつらの狙いが九月でさえ無ければ、これに乗ってもらえる可能性は高いが……九月が狙い立った場合は、間違いなくアウト。誰かを守りながら格上と戦うなんて御免だが……こればかりは仕方ないな。その時は運が悪かったと諦めるしかない。

>御剣 真白様、炎炎 焔様、all

4ヶ月前 No.157

水没王子 @umeboshi ★chfNVTLIUI_Vx8

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4ヶ月前 No.158

唐紅 @karakure ★WfkdFvXBLL_mgE

【水水海/交番前】


 空中で体勢を整え、こちらに向かう青年を見据える。

 拳が掌に接触するその瞬間、水流がその勢いを削ぐべく射出される。が、その拳はただの鋭いだけでは無かった。射出されている水流は相手の拳を押し返すどころか接触した瞬間から蒸発していく。無表情のまま「なるほど大した熱量」だと相手に感嘆を覚えつつ、ここに遣したのが焔で無くて良かったと思う。無駄に意地を張り合う癖があるからな、あの娘(こ)は。

 このままでは接近する相手の拳により自身の手が破壊されるのは自明。ならば、と。
 噴射は続けるものの、それが掌から噴射された瞬間から凍っていく。それを続け後方へ逃れれば、追撃を見据える。
 目にも留まらぬ速度で飛んでくるマンホールや標識の束を掌から噴射する水流で弾き飛ばした後、轟くは黄茶色の水龍。だが、先ほどのオーバーロード『星龍』に対する意識より遥かに薄い。

「凍死せよ」

 その黄茶の水竜が自身の身体に触れた瞬間、景色が一瞬白くなる。複数襲ってきた水龍は全て逃れる事無くその身を凍らされ、動きを止める。
 夏に見合わない冷たい空気が周囲を包み、悠々とした様子で、2人を見定める。

「放出系に操作系のオーバーロードか……なるほど粒揃いではある。そしてキミたちは『死人』で間違いないみたいだが――」

 水水海、所持するはオーバーロード『シャイク・ハンズ』、汚水だろうが何だろうが関係無く水を操作及び精製する能力。武装は指貫グローブ。オーバーホール『アイ・スクリーム』、シャイク・ハンズに関係した水のみを即座に凍らせる事が出来る能力。
 名前の通り、水に関係した力に特化している。が、それ以上は無い。
 先ほどのパンチから察するに『星龍』のエネルギー(熱)の放出に警戒しつつ、2人を殺せばいい。物を操作するであろう『ヘルタースケルター』には負けない自負があり。

「――何も喋るな。ここで朽ちろ」

 地面に手を置く。扇状に水が手から溢れ出し、地面を濡らして行く。先ほどの噴射でバラバラに湿っていたコンクリートが瞬く間一面全て濡れていく。
 そしてこれを凍らせれば一種の結界になるだろう事を目論んで。

>鴨、悠


【例によって先に出来た分のレスを投下します。焔の方はもう少し待ってください】

4ヶ月前 No.159

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★Ywte4t2Nfq_m8y

【 扇子車鴨 / 交番前 】

 自分なら絶対に浴びたくない汚水の数々は全て凍らされ、標識やマンホールの蓋も弾き飛ばされた。しかし弾き飛ばされただけで破壊されたわけではないので、攻撃というよりは相手の気を散らす目的で再び特攻させておく。標識とマンホールたちに意識があれば「物使いが荒い」とクレームが入っていただろう。何ならストライキでも起こされたかもしれない。それにしても水を操るだけでなく凍らせることもできるとは、便利な能力の持ち主だ。一つの能力でそのどちらもできるというよりは、別々の能力を二つ持ちしていると考えたほうが良さそうだ。ひょっとしたら二つどころか三つ四つ所持している可能性もあるけれど、そういうチートスペックな敵はもう少し後になってから現れると信じたい。

「放出系とか操作系とか言わないでよ、ハンターハンター読み返したくなるじゃん」

 場違いなことを呟きながら、早々に凍り付いた汚水の操作権は切り捨てて、今度は近場数軒のガレージに置いてある車を操作対象とする。この車の持ち主たちがどれだけこの車を愛していたか、買うのにどれだけ苦労したか。それらを考えると物凄く悪いことをしている気分になり非常に申し訳ないが、こちらも命が懸かっているのだから法律順守に道徳遵守とは言っていられない。許せ車の所有者たち。今から愛車はぶっ壊れます。
 エンジンもかかっていないのにガレージから急発進した車たち。スポーツカーだったり、軽自動車だったり、未だ動くのが不思議なくらいのオンボロ車だったり、誰でも知っている有名なメーカーの高級車だったり。数にしておよそ三十といったところだろうか。それら全てが路上に躍り出てきたかと思えば空高く浮かび上がり、恐るべき勢いで落下しては地面にオイルを垂れ流していく。水だけでなくガソリンという名の油にもまみれまくることになったアスファルト。そこにどこからともなく突っ込んでくる火が出っぱなしのオイルライターたちも、やはり鴨のヘルタースケルターによって操作されたものだ。

「着火ァ!」

 その一声と共に上空20メートルにて振り下ろされる鴨の左手。車三十台分のガソリンが容赦なくぶち撒けられた地面は、各家庭からヘルタースケルターの能力で勝手に拝借されてきた数えるのも馬鹿らしいほどのライターや着火マンやマッチたちの炎によって爆発じみた燃え上がりを見せ、次いでこちらも鴨が各家庭から能力で動かしてきたお鍋に大活躍のガスボンベや冬の必需品であるポリタンク入りの灯油などが加わることで、さらなる規模と威力の上昇に至る。相手の能力の正確な規模が分からないので確証は得られないが、いくら何でもこんな燃え盛る地面をすぐさま凍らせるというのはいくら何でも難しいはず。それに灯油やガソリンが凍る温度は真水よりもずっと低い。
 地面に火の海を作る作業と並行して、鴨は自分の手持ちに一つだけマッチ箱を移動させていた。ヘルタースケルターの能力では『触れたことがあるもの』しか操作対象にできない。だからこそ、この作業は火を操作対象とするために必要なのだ。一本だけ取り出したマッチを箱の横ですって火をつけ、棒の先で燃える小さな炎で根性焼きでも作るように手の甲の一部を数秒炙る。一瞬だと触れたと判断されないかもしれない、という懸念があったので、一応火傷を負うまでそうすることにしたのだ。軽く眉根を寄せて痛みと感じ分けできない熱さに耐えた後、マッチ箱に入った残りのマッチと今しがた自分の皮膚を炙ったばかりのマッチを燃え盛る地上の業火目掛けて落とす。
 これからは火もヘルタースケルターの操作対象に入った。さすがに誰かの能力によって作り上げられた特殊な炎などは操作できないが、あれは結果的に自分の能力によって作り上げた常軌を逸さぬ人工の炎だ。ゆえにどうにかなる。まずは周囲の家に燃え広がらぬよう炎の広がりを操作し、後は悠にもダメージが及ばぬようそちらにある炎は敵らしき男の元へと向かうよう頭の中で指示を送った。ついでに上空20メートルでも暑さを感じたので、さらに20メートル上昇して上空40メートルの位置に移動しておく。

(水&氷使いっぽい敵に水で挑むのはやめておいたほうが良いね。別のもので攻めよう。っていうか鴨さん今日めっちゃ働いたし、もう今回の戦いのトドメは悠くんか正嘉くんに任せて良いよね。……っていうか、正嘉くんずっと起き上がって来ないけど大丈夫? 生きてる? いや、私達みんな元から死んでるけどさ)

 注意だけは眼下の敵に向けたまま、いつまでも出てくる気配の無い正嘉の安否を気遣う。本当に大丈夫だろうか。あと連戦続きで重いものを動かしまくったせいか、さすがにそろそろ疲れてきた。ヤバくなったらこのままフライアウェイして休息を取らせて貰ったほうが良いかもしれない。

>藤堂悠様&六畳正嘉様&水水海様&ALL様

4ヶ月前 No.160

藤堂悠 @nakata056 ★Android=rODfa24jih

【藤堂悠/交番】


相手が放出してきた水を想定通り蒸発させながら拳が進み、後少しと言った所でいきなり水が氷始めた。そのま男は離れ自分の攻撃は完全に外れ、自分は僅かに後方へと下がり地面に着地。まだ鴨さんの攻撃がある、そう思って次の攻撃を準備し始めようとしたのだが鴨さんの操作しているであろうマンホールや標識、汚水の龍はことごとくかわされるか凍らされるかして無効化されていった。

「能力が二つとかどうなってるんだ…?」

小さな声でそう呟き、現状を打破する術を考える。自分はこれが初めての戦闘だ、生まれてからこの方人と争うなんて両手で数えられる程にしかけいけんがない。だがあの男や鴨さんは戦闘慣れしていて、自分よりも大幅に経験豊富だ。その差は大きく、自分ではあんなにも早く次の手を打つことは出来ない。どうしても次の行動に移るまでワンクッション置いてしまい、その隙に対応されてしまう、今のように自分の能力が割れてしまう。近距離では今のように対応されて意味がない、ならば。
そうこう考えている内に男は地面に手を置いて次の行動に移っていた。まずい、そう考えている内に次は鴨さん、彼女は前ほどの様に宙に浮いたかと思えば、一瞬の内に周りが火の海へと変貌する。思わず自分も燃えると思い飛ぼうとしたが、火は自分を避けて男の方へと向かう。まさか火までも操作できるとは。しかし、これで大きなチャンスが出来た。先程まで考えていた最大出力のビーム、あのときは鴨さんにまで被害が及ぶ可能性があったので出来なかったが、鴨さんが宙高くに居るなら話は変わってくるだろう。
思いついたら即行動だ、自分は空へと高く飛んで、男の丁度真上、15m程の高さで止まる。流石に民家もあるので最大出力でビームを放ったら確実に熔けてどろどろになるだろう、そうならないために真上に飛び、出力もある程度抑える。息を整えて、背中のブースターから更にエネルギーが放出されていく、まるで龍の翼のように。そして龍の頭部を模している兜の龍の口に当たる部分に今までのとは非にならない量のエネルギーが集中していき、夜だと言うのにまるで太陽の様に輝き始める。

「鴨さん!俺がこれを放ったら彼の安否を確認しに行ってください!」

エネルギーのチャージが終了する寸前、自分より高い場所で浮いている鴨さんに対して大声でそう伝える。このビームであの男を倒せるだなんて全く考えてはいない、当たって倒せたら超最高、当たったら最高、外れても男の気を引くことが出来れば十分だ。伝えることを伝えた直後、貯めに貯めたエネルギーを放出した。放出されたエネルギーは太さ10m程の光の柱で、もし当たれば軽傷ではまずすまないだろう。しかしこれで最大出力ではないのだ、最大出力で放たなくてよかったと、心の中で安堵した。

>扇子車鴨様、六畳正嘉様&水水海様、ALL様

4ヶ月前 No.161

唐紅 @karakure ★WfkdFvXBLL_mgE


【炎炎焔/医大→医大前】


 溶解した元床の液体は防がれる。攻撃を軽くいなされた(と思って)事に、唇を尖らせ頬を膨らませる。今にも手をぐーにしてぐるぐるパンチしそうな勢いだったが、まさか停戦を持ちかけられるとは思ってもみなく目を丸くする。

「えー……うーんうーんうーん……ちょっと待って」

 少し唸りながら、手を開き2人に静止を促す。
 焔の持つ力はオーバーロード『ホットス・ナック』、靴で叩いた箇所が靴のサイズ分溶解し、炎以上の熱を宿した液体として飛ばす事が出来る能力。武装はローラーシューズ。そしてオーバーホール『レア・チーズ』は前者のオーバーロードを遥かに超える能力を宿している。が、まだ発現はしていない。

「海ちゃんから言われたのは602号へ行けってだけだしーでも日隈君いないしー」

 海との会話を思い出し、自分が課せられた約束を思い出す。602号室へ行くということ、一応それは果たしたわけだしーと慣れた様子でローラーシューズの靴底にしまったローラーを出す。
 顔には屈託の無い笑顔を浮かべ、

「まーいいよー。お駄賃くれるなら尚更いいよー。300円以上ね。で、で、で逃げちゃダメだよ、はい手を握って! じゃー入り口の道路あたりに行こ行こー」

 停戦協定、快諾。何分持つか分からないが。
 柘榴と真白の間に挟まるように自身の身体をいれ、2人の手を握る。無警戒にも程があるが、それがこの少女の強さでもある。無邪気で自分の欲求に忠実、得てしてもそれに呼応できる力もある。子供なのだ、拳銃を手にした。
 2人を引っ張る。2人と同じくオーバーロードを展開しているから、その勢いに何も抵抗しなければそのまま引っ張られるだろう。

 エレベーターを経由し、医大の前の道路に降り立ち手を放す。

「お望みどおり外に出たけど、これでいいよねー。さぁ、やる? やっちゃう?」

>柘榴、真白

4ヶ月前 No.162

雪鹿 @salt9140 ★Android=42zyboh5vZ

【鍵宮 柘榴/大学病院→大学病院前】

御剣の補助もあってか、存外簡単に話は進んできたので宙で動きを一度止めていた包帯は元に戻るように巻き取られる。自主的に巻き取られて貰ったに過ぎないが。それにしたって……本当に子供のようだな。三百円を与えるより、この戦闘の結末が先に来るが……いや、そもそも殺したくないな、死んでるのかもしれないが。
兎も角、そうと決まれば―――。

「っと、中々に元気がいいようだな。」

唐突に少女は御剣と僕の腕を掴んで進み始めた。ローラーシューズの機動力は侮れないな……縺れないように足を動かすだけでも結構大変だ。オーバーロードを展開しているからこその機動ではあるんだろうが……これに関しては一応、注意を払っておこう。
にしても、こうやって離れた辺りを鑑みると……狙いは九月ではないな。まだ、もう一つ何かがあるんだろうが……そこまで考えている余裕は流石に無い。なにせ、このあからさまな格上を二人がかりとはいえ、倒さないといけないんだからな。

「あぁ、そうだな。……だが、年の功だ。先手は貰うぞ?」

手が離されたとほぼ同時に左方へ距離をある程度取れば、両足を地面に着けるよりも先にポケットを左手に入れて両足が地面に着くのとほぼ同時に炎炎の足元へ向けて電気を纏った黄色のスーパーボールを三つ放り投げる。
……僕の能力を見破れる者は少ないだろうが、こう力の差があっては情報戦も意味が薄いな。恐らく……この少女は端末に過ぎないだろうな。年端もいかない少女にわざわざ機密を教えるだなんてとんでもない事だ。ただ、少なからず何かしらの情報は握っているだろうか。お目付け役でも居れば、そいつから引き出せそうなんだが……そういう者は見当たらんか。もしかしたら、あちらも似た状況なのかもしれないが……頑張ってもらうしかないだろう。

……さてと、解決すべきは眼前の問題だ。なにんしたって蝋のような物は辛うじて止めることが出来たが、御剣は……恐らく対処できないのだろう。つまり、攻めを御剣に任せてしまった方が楽と言えば楽なのだが、それにしては此方が連戦という兼ね合い上、少々不利に感じた。故に、僕も攻めに出て短期決戦に転じた方が楽と言えば楽だ。

「そう言えば、小銭の持ち合わせが無いんだよな。……5000円でいいか。」

攻撃をしておきながら、ふと思い出した事をそのまま口に出していた。いや、小銭を持っているとうっかり、落としてしまうんでな……普段から小銭は持ち歩いてないんだ。消費税が上がって計算しづらくなったもんだから、あの時ばかりは政府を少々恨んだものだが。

>御剣 真白様、炎炎 焔様

4ヶ月前 No.163

唐紅 @karakure ★WfkdFvXBLL_mgE

【水水海/交番前】


 空中に浮かぶ無数の車にタンクにライター。
 これから起こるべき事はすぐさま理解し、水の噴射を止める。悠長に構える時間は無い。即座に迎撃体制を取ろうとするが、それより相手の行動が早い。

 黒に朱が灯る。
 天空を貫くほど一点集中に迸る炎の渦。
 その圧倒的な熱量の前に水で氷で対抗する行為など愚行。掌から放出する水を自らに纏わせ、凍結その上にまた水と層を重ねていく。即席ながら、その水氷の鎧は炎の干渉を妨げるには十分であった。視認性は悪いが、炎を横切って飛んでくる飛来物は弾く程度にはある。降りかかるマンホールの蓋を手と脚を駆使し蹴り飛ばしつつ、渦から脱出を図る。

 両手を交差し、渦を突破したと思えば――炎の渦を貫いて、飛んでくる極大の光。
 面白い、とこちらも最大級の水量で押し返すべく、掌から噴射する。その水の勢いは先ほどの比には及ばず、光と拮抗する。本来ならばスタミナ的にこちらの有利は間違いなかった。だが、油断は意識の外からやってくる。

 弾き飛ばしたマンホールの蓋が翻る。そもそも海は勘違いしていた。それは鴨の力がその物に対し、一度しか使用できないということ。この飛んできたマンホールも先ほどと違うものと認識していた。それは悠との戦闘に集中したいが為に思ってしまった勝手な願い。
 それは四方八方から飛んできて――その身を砕いていく。

「ぐっ、っぅ……っ――!?」

 意識が逸らされたその瞬間、光がその身に余す事無く直撃した。
 肉体が焼かれていくような錯覚、水氷の鎧を持ったとしても炎の渦の余りの熱量に薄まり、そこに極大の一撃は鎧を貫き、服を焼き、その身を焦がした。胸元を中心に酷い火傷が全身に出来上がっていく。貫通までとはいかないが、絶命の一歩手前まで追い込まれたその身体は地面に伏した。僅かに残った水氷の鎧が体の炎から守っているものの、このまま放置すれば焼死は免れないだろう。

 既に海の意識は朦朧としており、その目はどこか遠くを見ていた。
 月に映る一つの影を――。

>鴨、悠


【また申し訳ないですが、先に出来た分を投下します。また海・焔・無二・日隈の誰かが嘘を言います(言いました)ので、これからの選択肢は少し注意してください】

4ヶ月前 No.164

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★Ywte4t2Nfq_m8y

【 扇子車鴨 / 交番前 】

 炙ったばかりの左手をぶんぶんと軽く振って感覚的に冷ました後、悠の叫びに頷いて上空40メートルから交番の二階へと突撃をまかす。窓ガラスは正嘉がぶち込まれた時既に割れていた。水と氷を使う敵の相手は束間なるおまわりさんと正嘉を確保するまでの間悠一人に任せてしまうことになるが、大丈夫だろうか。とりあえず炎は何かの役に立つかもしれないのであの場で固定したまま放置しておきた。活かせる場面があれば、悠の役に立ってくれることを祈ろう。まさか自分が苦し紛れに二度目の突撃をさせたマンホールの蓋達が敵にダメージを与えているとは知りもしない鴨であった。

「束間さーん! 正嘉くーん! 死んでるー!? 生きてるー!?」

 飛び込んだ部屋に二人の姿は見えなかったので、廊下に出て左右に顔を動かしながらとりあえず大声で叫んでみる。もっと体力に余裕があれば家ごと空中まで持ち上げるという手もあったが、さすがに一日で三戦やったらそこまでの潤沢な体力は残っていない。それに寝て起きただけで全快するとも限らないのだから、明日の勝負のための体力も残しておかなくては。とはいえ、空中から巨大な氷塊が降ってきて押しつぶされそうになる、みたいな状況になれば家ごとの移動も厭わない。ただ、その後の自分の疲労具合はお察し状態になるはず。

「つーかーのーまーさーん! あれ、つかまさんだっけ? おーまーわーりーさーん! と、正嘉くーん!」

 あれだけ車を破壊したり燃やしたりして吹っ切れたので、近所迷惑など微塵も気にしない大声で――そもそも自分達の声は生きている人間には聞こえないのだが――叫びながらあちこち練り歩く。これだけ叫んでも出てこないということは、ひょっとして二人とも二階ではなく一階に移動したのかもしれない。いや、でもひょっとしたら二人揃って気絶していて呼びかけに反応できないパターンかもしれないし、念のために二階の全ての扉を開けてチェックしてから一階に行こう。
 トイレらしき扉を開ける。中には積み上げられた予備のトイレットペーパーと便器しかない。次。風呂場だ。小さいけどよく手入れの行き届いたバスタブに身体を洗うためのナイロンタオルや固形石鹸やシャンプーボトルが目につく。けどやっぱり人はいない。次。最初に覗き込んだ部屋だ。あちらこちらにガラスや壁の残骸が散らばっている。よくよく考えたらここに彼らがいないのは最初の最初に確認済みだ。次。そんなに部屋数は多くないようだから、この部屋に二人がいなければ今度は予定通りに一階の捜索に移ろう。中にいるかもしれない二人が見るもおぞましい肉塊へと変り果て、二人分の血液で血の海なんてヘルリゾートを作り上げていなければ良いのだが。

>藤堂悠様&六畳正嘉様&水水海様&ALL様

4ヶ月前 No.165

藤堂悠 @nakata056 ★Android=rODfa24jih

【藤堂悠/交番前】

自分が放った極太ビーム、相手が選んだのは対決。予想では回避されるかと思っていたがこれは予想外だ。しかし、こっちの方が都合がいいのは確かだ。鴨さんも彼の救助に向かってくれた、後は自分がどれだけこの男を引き付けていられるかだろう。相手の放った水は自身のビームと拮抗し始め、熱量で蒸発させても意味の無いほどの勢いだった。一方此方は自身のビームの熱量でもれなくダメージを受けており、少しずつ勢いも無くなっていく、このままなら普通に押し負けそうだ。
しかしここで男に鴨さんが操作していたマンホールがぶつかり、男の体制が崩れた。それをチャンスと思い、ビームの勢いを強くし、そのまま押しきろうとする。段々と細くなっていたビームは放った当初の太さへと戻り、背中だけではなく全身からエネルギーが漏れ始める。体力が無くなり始めたからかまともに操作が出来なくなっていくが、それももう大丈夫だろう。勢いを取り戻したビームは水を押しきり男を飲み込んだ。流石に今は死なれたら困るので命中を確認した後ビームを止め、男の容態を確認する。

「…ギリギリ生きてる…のか?」

星龍は解除せず、そのまま地面に降りて既に虫の息の男の火傷を見て相当に酷い傷なのを認識し、ある程度の応急処置だけしておく。応急処置といっても体の炎を星龍の鎧で払う様に触れて勢いを弱めただけだ、自分の能力ではどうにもならない。なんとか出来るのは鴨さんぐらいではないのだろうか?正直に言って自分も結構ボロボロ、最初のダメージが今になって響いてきていた。初の戦闘はギリギリ勝利、しかしこれ以上何か襲ってくるなら自分は戦力には数えられないだろう、まず先程のようなビームは撃てそうにない。そのまま気を失いそうだがなんとかこらえて男から情報を聞き出そうとしてみる。

「一つ聞きたい、あんた何で俺らを襲ったんだ?」

とりあえず男を持ち上げ火が無いところに移動、それから男が襲ってきた理由を聞く。無論何か不穏な動きがあるようならこの星龍の拳で黙らせる、今の瀕死のこの男なら何とかなりそうだ。

>扇子車鴨様、六畳正嘉様&水水海様、ALL様

4ヶ月前 No.166

水没王子 @umeboshi ★chfNVTLIUI_Vx8

【御剣 真白/大学病院→大学病院前】


「あ、思ってたよりもすんなりと……いや、いいことなんだけど」


 あっさりと快諾してくれたことに若干驚きながらも少し緊張を緩める。ただ敵対しているだけで実は良い子なのかもしれない、と思ったが本当に良い子ならば会敵して行き成りあんな殺意MAXの攻撃してこないだろうなあ、なんてぼんやり考えていると突然、その女の子が真白と鍵宮の間に入り手を握りだした。この屈託のない笑顔は彼女の本心なのか、それとも余裕の表れなのか。

 どちらにしても彼女を倒さなければ先には進めないのだろう。しかし、今鍵宮との間で無警戒に楽しんでいる彼女を殺さなければならないとしたら、真白は『敵だから』という理由だけで殺せるだろうか。


「『絶対に戦わないといけない』ってのが分かりやすくていいね」


 少女が二人から手を放したあとに少し悲し気な目をしながら左手を振り上げると、それに呼応するように無数のナイフが出現する。全てのナイフが今にも少女を貫かんとエッジを覗かせている。真白の合図があれば今にも射出できる状態だ。能力の特性上、どうしても回避重視で攻撃を組み立てなければいけない。きっと前回と同じように他にも敵がいると思われるので、持久戦になれば真白達が不利なのは明らかだ。幸いにも今回も頼れる男性がいる。鍵宮の能力を生かしつつ、なるべく有利に立ち回ろう。



「うわーお、鍵宮君ブルジョワジーだね。私なんて、ほら、コーラ4本買ったら全財産無くなっちゃうよ」


 真白が狼に襲われたときは少し散歩してすぐ帰る予定だったので、財布には500円程度しか入っていなかった。残念ながら生き返ったときに所持金が増えるなんてこともなかった。そして、格上を相手にしていながらも真白は少し油断していた。そもそもこの現状に実感が湧かないし自分よりも年下の女の子を相手にこんな凶器を飛ばすという事にもまだ悪い夢なんじゃないか、と心のどこかで思っている。


「お駄賃はあっちのカッコいいお兄さんがくれるってさ。……さあ、おいで。出来れば私の見えないところでやられてほしいな」

 短期決戦、できれば最後の言葉なんて聞こえないくらいすぐに倒せたらどんなに楽か


>>鍵宮 柘榴様  炎炎焔様

4ヶ月前 No.167

唐紅 @karakure ★WfkdFvXBLL_mgE

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4ヶ月前 No.168

逆流王子 @mischief ★cjMytOmAWm_yFt

【御剣 真白/大学病院前】



 鍵宮が放ったスーパーボールは同じように女の子が飛ばした蝋のような何かで打ち消された。想定の範囲内ではあるのだが、こうもあっさりと往なされるとどう行動すれば一番良いのか悩んでしまう。現に今この瞬間も真白が牽制の意味合いで出現させたナイフにも動じることなく、余裕のある表情を浮かべている。
 効果があるかどうかは分からないがせめて猫騙しになれば、とナイフを射出しようとしたとき、唐突に女の子が鍵宮の提案に手を叩く。一瞬攻撃の合図かと思い身構えたが、本当に鍵宮の言った事に対してのリアクションらしい。


「なんて言うかさ……良い意味でも悪い意味でも、あんな感じの子は相手にしたくないなあ……本当に戦う気がないのか、頭のネジがぶっ飛んでるのか、どっちなのか分かんないし」


 誰に言うでもなくそう呟く。彼女が余裕な理由が前者ならばもしかしたらお金を払えば戦闘を回避できるかもしれない。しかし後者ならば、お金を払った瞬間に「じゃあ死ね」なんて事にもなりかねない。お金を持っているのは真白ではなく鍵宮なので、彼女にお金を渡して停戦協定を結ぶかどうか等の最終的な判断は鍵宮に委ねよう。


「で、どうするよ鍵宮君。私はどっちでもいいけどさ、『信用できる相手かどうか』ってのは何とも言えないんじゃないかなあ、と思うよ。戦う気がないなら出会って行き成り殺意剥き出しな攻撃してこないと思うしね。どうせ私たちにはお金なんてもう価値がないし、私は『取りあえずお金で和平交渉』に一票入れとくね」


鍵宮の隣に立ち、少し声量を落として話す。別に聞かれてそこまでこちらが不利になるような内容ではないのだが、もしかしたらそれで相手が気を悪くするかもしれないし念には念を、というやつだ。
鍵宮に自分の意見を伝えた後に、女の子にも少し距離を開けて話しかける。勿論、もしもの時に備えてナイフはいつでも射出できるように準備しておく。手にはナイフがばっちりと握られている。


「そういえばさ、君の名前って聞いていなかったような気がするんだよね。なんていうの?あとさ、私たちが病院に来ることを知ってそうな感じだったけど、誰かにそのことを教えてもらったりしたの?保護者とか?」


 名前を聞きつつ、何か情報を入手できないかと探りを入れてみる。


>>鍵宮 柘榴様 炎炎 焔様

【真白は@を選択します。意見が食い違った場合は、真白が何を思うかは選択し次第ですが鍵宮さんに従うと思います。】

4ヶ月前 No.169

雪鹿 @salt9140 ★Android=42zyboh5vZ

【鍵宮 柘榴/大学病院前】

地面を蹴りあげる少女と、それに従って蹴り出された白塊。スーパーボールはそれに包まれて溶けて消えてしまったが、二回の観察でおおよそは分かった。つまり、あの蹴り出された蝋は火力こそ高いものの、方向は限定されている。……つまり、二人ならチャンスは無くはないか。ふむ、しかし―――これだけで良いのだろうか?それだけではない、という直感。

「ふむ、その口の形で『ぶ』を発音すると、子音の『B』を発音できずに母音の『U』だけが発音される……であってるのか?僕もまだまだ勉強不足だな!」

戦闘中にも関わらず、相手の不思議という単語に答えを導こうとしたが、どうにも確信が持てなかったらしくへらっと笑ってそう言う彼は、どこか楽しげではあった。子供の素朴な疑問ほど、知識ある者の自信を揺るがすというが、こうして見ると確かに……説明しにくい事を聞いてくるんだな。いや、子供はそこまで得意ではないから、自分から関わるのは御免だがね。

そんな事を考えていれば、少女は僕の言葉に反応したらしく、戦いの中断を提案してくる。……御剣もそれに乗るつもりのようだが、1つ確認を入れておくか。

「確かに、無意味な争いは本当に何も生まんから吝かではない……が、新渡戸稲造?すまんが、今は樋口一葉ではないのか?両方あるから、好きな方を選ぶといい。いや、むしろ、両方要るかね?」

少女の発言に1つ引っ掛かった。五千円札を一種類ずつで計二枚、懐から取り出して相手の様子を伺ってみた。確かに、数年前までのD号は新渡戸稲造だが……とにかく、これで分かる事と言えば、彼女があの老人の仲間では無いであろうと言うことだけだ。この時代の人間であることは確定したが、だからなんだというのだ……この過去に来てから、いちいち頭がこんがらがることばかりだ。子供の冗談であったなら、それでいいのだが。
その後、御剣はプロフィールから情報を得ようと尋ねていた。ふむ、ノウハウは理解している辺り……頼もしいな。正直、子供相手なら僕よりも彼女の方が色々な意味で信頼を得やすいだろう。正直、僕も大人相手の方がやりやすい。

問題があるとしたら、この少女が見た目や態度にそぐわないような強かさを持っていた場合だ。その為に、金に能力を付与した。とはいえ、簡単な物に過ぎない。持った者が不意打ちをしようとした時点で警報が鳴り、知らせるという至極単純なもの。お金を媒介とした契約であるからして、それを破らないように、という関連性……正直、今はこれがギリギリのラインだった。不意打ちさえ食らわなければ、どうにかなる。

>御剣 真白様、炎炎 焔様、all

【鍵宮も相手を疑いながらも@という事でお願いします!】

4ヶ月前 No.170

参加者募集中 @karakure ★WfkdFvXBLL_mgE

【水水海/交番前】


 情報を求める相手を嘲笑う。既に喉は焼け、言葉も途切れ途切れ。

「■■■■、■の手……先に……だ、れが喋……るか」

 水の鎧が波打つ。だが、それは攻撃の合図では無い。水が形状を整え、それはレイピアの刀身のように成る。その先端は空中で翻り、水水の心臓を貫いた。悠と鴨は敵対する存在、情報を話すことも強要される可能性を全て断ち切るための絶命。僅かに動いていた表情も失せ、水の鎧も失せ辺りに散らしていた炎が水水の身体に着火すれば徐々にその身を焦がしていった。
 まるで『死人』では無く『人間』の様に。

 そして、――束間の家には誰一人としていなかった。束間平穏も六畳正嘉もまるでその存在だけ世界から切り取られたかのように一片の名残も無くその存在を消失させた。

 月に映った影はもう無くなっていた。

>鴨・悠


『選択肢』
@病院へ向かう
A辺りを散策する


【短いながら戦闘終了、束間・六畳離脱です。犯人は月に映った謎の人物? 選択肢はどちらでも大丈夫です】

3ヶ月前 No.171

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★Ywte4t2Nfq_m8y

【 扇子車鴨 / 交番内 】

 結局最後の扉を開けても二人はいなかったから一階に降りて捜索を開始し直し、しかしそこにも正嘉と束間の影は無かった。飛ばされた勢いでグチャッと潰れて死んでしまったならさすがにひき肉や血飛沫といった痕跡がどこかしらに転がっているはず。それすらも無いとなると、ひょっとして二人は鴨や悠が戦っている最中に二人してどこかへ移動してしまったのだろうか。人体だけを丸ごと蒸発させるような能力を持つ敵の襲撃を秘密裏に受けていたわけでも無い限り、その線が濃厚だ。あるいは“移動させられた”という可能性もあるし、どちらかというとそちらの可能性の方が高いけれど。

「悠くーん! なんかねー、正嘉くんも束間さんっぽい人も綺麗さっぱり消え失せちゃってるー! 死体も無いから、その水と氷を使う敵さんとはまた別の敵さんにピーチ姫にされちゃったのかもー! っていうかその敵さん死んでるじゃん、一人で倒したのー? 凄いねー! それはさて置きこれからどうするー?」

 交番の出入り口から炎の燃え盛る轟音に掻き消されぬよう大声で叫び、敵の死体が丸焦げになっていくのを目撃すれば悠の戦闘振りを笑顔で褒め称える。殺しに来られたら殺す気で返していい――と考えるのが、鴨の危うい所であり同時に強みだ。撃って良いのは撃たれる覚悟のある奴だけだとフィリップ・マーロウも言っていた。相手は自分たちを殺すつもりだったなら自分たちに殺される覚悟も当然決めていたはずだからこちらも罪悪感に悩む必要は無くて、仮に覚悟を決めていなかったならばそれは相手の非なのでやはり罪悪感に悩む必要は無い。そんな単純明解ゆえに強固な理由で、鴨は向かってくる敵の死にショックを受けない。それと悼む気持ちが無いこととは話が別だから、戦いの中でなんとなく通じ合うものがあった気がしたポリアンサの死体は持ち帰ろうともした。が、今回の敵にはそれも無い。ゆえに情緒の湖は波立たない。
 ヘルタースケルターは触ったことがあるものを操作できるだけで自由に消したりはできないので、そこら中で燃え盛る炎はひとまず空中に持ち上げると、確か海はあっちのほうだったかなーと方角を確認してそちらに向かって飛ばしてゆく。空をうねり進むその様はまるで炎の龍だ。ひょっとしたら柘榴たちがいる病院の窓からも見えるかもしれない。あれを海に丸ごと突っ込ませて消してしまえば消化作業は完了だ。未だ焦げ付く空気で充満して道をテクテクと歩き、悠の傍まで寄って行く。初めての敵と戦った彼の精神状態によっては、何かしら慰めるなり鼓舞するなりの対応を心がけたほうが良いだろうかと内心思案しながら。

>藤堂悠様&六畳正嘉様&水水海様&ALL様

【鴨はどっちでも良いので悠さんに合わせる感じでいきます】

3ヶ月前 No.172
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