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 あなたに捧ぐ復讐劇!

 ( オリジナルなりきり )
- アクセス(854) - ●メイン記事(46) / サブ記事 (123) - いいね!(15)

復讐/学園/ほのぼの/お伽噺 @ryyy☆XMpWJ8ETLe5Y ★0JtyLrJzOz_m9i


" 王妃は、結婚披露宴で林檎色になった鉄の靴を履かされ、死ぬまで躍り続けたましたとさ。 "



 【 白ゆきひめをよんで 】

 白ゆきひめをよんで、わたしは、白ゆきひめはざんこくだなと思いました。
 り由は、おきさきさまに とてもひどいことをしたからです。
 もしわたしがおきさきさまなら、あんないじわるをしたひめを ぜったいにゆるせないと思います。

 じぶんがしんでからでも ふくしゅうをしてやろうと思います。




     「 Bereit? 」

「 さあ、鮮やかな復讐劇を御覧あれ! 」




( 閲覧ありがとうございます!こちら「 復讐目指しながら学園生活エンジョイしようよ! 」という異端ほのぼのなりきりとなっております。少しでも興味をお持ちの方は、是非サブ記事までお進みくださいませ……! )

メモ2017/03/13 20:12 : ゆれる☆XMpWJ8ETLe5Y @ryyy★0JtyLrJzOz_m9i

【 キャラクター名簿 】

《 主役 》

・荊棘之院 廻(いばらのいん めぐる)/2年百合組/いばら姫/[http://mb2.jp/_subnro/15534.html-61#a]

・宮條 寧々(くじょう ねね)/1年百合組/人魚姫/[http://mb2.jp/_subnro/15534.html-72#a]

・白樺 愛紗(しらかば あずさ)1年牡丹組/七匹目の子山羊/[http://mb2.jp/_subnro/15534.html-101#a]

・白灰 零(しらはい れい)/2年芍薬組/シンデレラ/[http://mb2.jp/_subnro/15534.html-28#a]

・華聖 紅(はなまさ べに)/3年百合組/赤ずきん/[http://mb2.jp/_subnro/15534.html-20#a]

・半嶺 糖(はんね あめ)/2年牡丹組/ヘンゼル /[http://mb2.jp/_subnro/15534.html-25#a]

・姫路 有希(ひめじ ゆき)/1年牡丹組/白雪姫/[http://mb2.jp/_subnro/15534.html-84,85#a]


《 悪役 》

・神原はるか(かんばら はるか)/2年牡丹組狼/(狼と七匹の子山羊より)/[http://mb2.jp/_subnro/15534.html-95#a]

・妃崎 麗(きさき れい)/3年芍薬組/お妃さま/[http://mb2.jp/_subnro/15534.html-29#a]

・新郷 芽璃兎(しんごう めりと)/2年百合組/海底の魔女/[http://mb2.jp/_subnro/15534.html-75#a]

・芹ケ野 黎(せりがの くろ)/2年牡丹組/狼/[http://mb2.jp/_subnro/15534.html-49#a]

・園崎 舞沙夜(そのざき まさや)/2年百合組/継母/[http://mb2.jp/_subnro/15534.html-53#a]

・桃前 左京(ももさき さきょう)/2年牡丹組/魔女/[http://mb2.jp/_subnro/15534.html-30#a]

( 教師 )

・四条 一三人(しじょう いみひと)/2年百合組担任/13人目の魔法使い/[http://mb2.jp/_subnro/15534.html-90#a]

切替: メイン記事(46) サブ記事 (123) ページ: 1

 
 

ゆれる @ryyy☆XMpWJ8ETLe5Y ★0JtyLrJzOz_m9i

【 芹ケ野 黎/校庭中心部 】

 入学式やクラス替えを終えたばかりの四月某日。高校生になってからは初めての後輩もでき、気持ちを一新して勉学に励みたい――ところだが、この神楽学園では早速全校イベントが行われる。それも「花見」という、学校行事にしてはかなり珍しいものを。

「桜の下で眠る、なんて風流だよねえ……理事長さんありがと……感謝……」

 生徒と教員が入り混ざって盛り上がる校庭の中。
 晴天と桜吹雪の下、樹に凭れかかり、今日のイベントは昼寝のためにあるのだとでも言わんばかりに堂々と寝入っている少女がいた。脇にはスケッチブックと色鉛筆が置いてあるが、どうやら本来の目的である花見をそのまま楽しむ気はないらしい。
 妖精さんもお花見に来たの?あなたは花が好きなんだね、などと寝言を繰り返す黎のもとに、相変わらず桜の花弁が舞い続けていた。


 >> 参加者Allさま

( お待たせしましたメイン解禁です……!頼りないすれぬしとキャラクターではありますがよろしくお願い致します! )

14日前 No.1

千里 @matunogirl☆JygYpuYd4vU ★Android=W1VemU3zJF

【宮條寧々/グラウンド(桜の木の上)】

「んん……全く……この学校の理事長もめんどくさいことを考えたなぁ……」

寧々は軽く欠伸をしながら、再び目を瞑った。寧々がいるのはこのイベントの目的とされる桜の花気の上。寧々としては、こんなイベントは、面倒以外何でもない。確かに自分から選んだ学校だが、こんなイベントは面倒で仕方が無い。

「ふぁあ……、眠い……」

寧々はそう欠伸をしながら、少しづつ瞼を閉じて行くのだった────。

>>all様


【神原はるか/2年牡丹組教室】
はるかは教室で去年もやっていた花見の様子を眺める。去年は物珍しさにテンションも上がったものだが、二年目からすれば一年で飽きてしまうようなつまらないイベントだ。中には冷静な新入生もいるが、テンションの高そうな新入生に言ってやりたい。
「桜は今じゃなくても見れるし……花見なんか勝手に出来るぞ……」

小さくそう呟きながら、机に広げたお菓子を1口、また一口と口に含む。

それでもはるかはこの日だけはお菓子を持ってきていいということで、はるかも人から離れたここで、お菓子一人で食べていた。
「……まってよ……これひとりで食べたらあたし流石に太るんじゃない……?」

机に広げられた大量のお菓子。それは体重に換算すると恐ろしいことになる。
「ううん……誰か来ないかな……」

そう呟きながら、お菓子に伸ばされていた手は、顎の下へとするすると下がっていくのだった────。

>>all様


【メイン開始おめでとうございます。拙い文章になりますが、宜しくお願い致します】

14日前 No.2

@akira0908☆G2g5KGLD3yBo ★Tablet=UIgVrM4Ag0

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14日前 No.3

エステル @captain1 ★Android=UJhhnaQiDA

【妃崎 麗/校庭中心部】

舞い散る桜吹雪、校庭は桜色一色に染められている本日は新学年スタート時に開催される花見の日だ。辺りが華やかな桜色に染められるなか、その桜色のなかを堂々と横切るオレンジ色の人影があった。頭に着けたシュシュをアレンジした髪飾りが歩く度にふわりと揺れる。桜吹雪の中オレンジのカクテルドレス姿で歩く女子生徒、妃崎麗はふと花びら舞う宙を眺めそれにうっとりと見惚れるように唇に指を添えたあと、両手を突然大きく広げた。

「あぁ、なんて美しい光景なの!華やかに舞う花びらの中佇む私……これこそアートですわ!」

誰に向けてでもなく、強いて言うならば自分に向けて麗は声高らかに喜びの声をあげた。美しい自分に見合う美しい光景の中で佇む……そうすることで自分は周囲の景色と一体となりひとつの美しいアートとなる……麗の思考はそんなところだ。周囲の生徒が怪訝そうに麗を見るなか、麗はまた桜吹雪の中を歩み始める。しばらく歩いた所で知った顔を見つけた。彼女は同じ美術部の芹ケ野 黎、花見など一切せず、気持ち良さそうに木にもたれて眠っている。麗の関心を惹いたのは黎本人ではなく、その隣に置かれたスケッチブックだった。麗は本人に断りなく側に屈んでそれをパラパラとめくっていく。一枚ページをめくるごとに麗の瞳は爛々と輝きを増していった。

「ちょっと、黎さん!起きて!起きて下さい!あなた、これ、この絵とても素敵ですわよ!ねぇ、黎さん!」

麗は眠る黎の肩を容赦なく揺すり彼女をたたき起こそうとする。どうやら黎がスケッチブックに描いていた絵を相当気に入ったらしく、今すぐにでもこの感動を伝えたいらしい。麗は黎が起きるまで肩を揺するのを止める気はなかった。

>>黎様、周辺ALL


【メイン解禁おめでとうございます!改めましてこれからよろしくお願いします。そして早速絡ませていただきましたので、もしよろしければお相手よろしくお願いします!】

14日前 No.4

独楽 @sbluexxx☆rx3sEFPR6z6 ★qxXpJAS7CZ_yoD

【 白灰零 / 二階廊下 】


 高校生になって、二度目の春を迎えた。一人暮らしを始めてようやく安定して学校に通えるようになったのも高校に入ってからだ。だから同じ校舎を二度見るというのもなんだか感慨深くて、廊下を歩く足取りも不思議と軽くなる。すれ違った友人に「スキップしたら転ぶぞー」と笑いながら声を掛けられ、流石にそこまでドジじゃないけどなあ、と苦笑いを零しつつ歩幅を縮めた。 中学の時も確か、殆ど一年経たずに色々な所を転々としていたから、なおさら新鮮なのだ。舞い上がってしまうのも目を瞑ってほしい。転ぶならせめて、迷惑はかけないようにするから。
 教室にうっかり忘れた生徒会役員の動きを書いた紙を持ち、己の教室である芍薬組のそこから出てくれば、ふと廊下の窓から見える桜が目に入った。此処までしっかり伸びるなら、一体いつから此処に植えられているんだろう、と窓に近寄りながら、廊下を歩いて行く。きっと、此処に根付いてからずっと、この場所で、この校舎を見守ってきたのだろう。いいなあ、と思う。羨ましい。同じ場所で、同じ人と、同じように過ごせるなんて。

 ふと窓の外から前に視線を戻すと、そこには窓を開けて桜を眺める先輩――もとい、幼馴染の姿があって一度足を止める。どうして三年生の彼が、二年生のフロアにいるんだろう。疑問符を浮かべたのも一瞬で、まあいいかと些細なことは放っておいて彼の方に手を振りながら駆け寄って行った。

「紅くーん! お花見行かなくてい――」

 いいのかい、と。問おうとした瞬間、右足が左足に引っかかってその場にズデン、と転がるのが白灰零という男だ。顔面と肘を強打し、持っていた紙がひらひらと舞い上がる。開いている窓から風が吹き、桜が舞い込んで来る代わりに、その紙は窓から外へと飛び出していってしまった。だが、地面とキスをしている零はそれにすら気付かず、うう、と小さく呻き声を上げてもぞりと動く。のろのろと両ひざと両手を床に付き起き上がりながら、ぽた、と床に零れる赤を見て数秒の間固まった。つまり。

「……う、あはは、鼻血出てきちゃた」

 四つん這いの状態のまま相手を見上げ、左手で鼻を抑えながら苦し紛れに笑う。先程まで遠巻きに紅を見ていたのであろう生徒達はその光景を見てぎょっとするが、手を差し伸べようとしてくる者はいない。ある人は零を怖いもの知らずの二年生だと認識するだろうし、ある人は二人の関係性を知っていて、紅の注意が零に向けられることに安心するだろう。けれど当事者である零はただ苦く笑うばかりで、周りの状況などは一切認識していない。ただ求めているのは救いの手、即ちティッシュである。

>>紅くん、周辺ALL様

( 早速ですが絡ませていただきました〜! 宜しければお相手お願いします^^ 開始早々すっ転んでしまってすみません……^▽^ )

14日前 No.5

仔夢 @00000x ★iPhone=y44SZZaVfW

【 荊棘之院廻 / 生徒会室→生徒会室前廊下 】


肺に入るだけの空気をいっぱいに吸い込むと、少し遅れて先程までこの部屋に『誰か』が居たことを諭す仄かな薔薇の香りが鼻に抜ける。『誰か』の手によって小綺麗に掃除された清潔感を放つソファには温もりが残り、他の教室より豪華なテーブルの上にはアンティーク調のティーカップが二つ、置かれたままだった。この様子だとまた理事長かそこらが視察に来た感じだろう。ふとゆらりと揺られるカーテンに目を惹かれ春風のそよぐ窓の外を除けば、溢れんばかりの生徒が桜の木の下に集まり、何時もなら紙くずかティッシュしか入っていないゴミ箱に菓子の包み紙が入っているのを見かけるのも年間を通して今日だけなのだろう。
さあ、目的を果たすとしよう。部屋の片隅に設けられた小さめの扉を開け、放送室とは別に取り付けられた臨時の放送機材の電源を入れる。実は放送の優先順位は職員室の次で、これを無駄に使うと一般の放送室を使う者からかなり叱られてしまうのだがそんな面倒ごとは大体を他の役員に押し付けているから実際廻にこれといった問題は無い。最近購入したという新品のマイクに口を当て、ボリュームを最大まで上げる。突如、強い風が吹き開いた窓からふわりと舞った桜吹雪を全身に受けながら、小さめのリップ音を全校に響かせる。


「あー、テステス。_____皆さんおはようございまぁす……生徒会長の荊棘之院廻です……えっと、今日は生徒会が主催を務めさせていただきます『お花見会』となっておりますので、存分にお楽しみください……ま、生徒会とて特にやることは無いんだけど」
「あ、それと持ち寄った菓子、ジュース、その他のゴミは持ち帰るか、昇降口、中庭、校庭にそれぞれ設置されたゴミ箱に。ポイ捨てとか絶対やめてくださぁい。美化委員から怒られるの、こちらたちなんだからさぁ。序でに生徒会役員はゴミ袋の交換と指導よろしくねぇ……勿論センセーも」


間延びした口調が気怠げに聴こえるが廻は至って真面目に放送しているつもりだ。しかし本心までだだ漏れの何から何まで緩い放送。こんなに天気がいいといつもより眠くなってしまうのも仕方ない。尤も、春も年中眠い奴に言われたくは無いだろうが。目立つ容姿は必要無いだろうが一応、義務として『生徒会』と特徴的なフォントで書かれた腕章を取り付け、自身の受け持った区域へ向かうべく両開きの扉を開けた。廊下の窓も全開放され、少しばかり強い風が吹くと大きめの窓から大量の桜が校内へ舞い込んでくる。『あーあ、美化委員さんお疲れ様』と若干皮肉の籠った声色で呟くと、これからどうしようかと部屋の立派なドアにもたれかかっていたのも束の間、そのままふっと激しい睡魔に襲われ、発作だと気づくのと同時、意思とは関係なしに引きずり込まれた。

>ALL様
【本編開始おめでとうございます!初っ端から生徒会室&発作という絡みにくい状況だとは思いますが誰か廻さんを助けてやって更に言えばいただけると飛び跳ねて喜びます!】

13日前 No.6

リンボ%% @linnvo☆wNQuFdG87BE ★6O1STZoCNm_M0e

【園崎舞沙夜/グラウンド→2年牡丹組教室前】

 外はすっかり暖かな陽気に包まれている。日光に照らされた桜の花が青空によく映えて、最高の花見日和を思わせる。そんな日に限って気の利く理事長が計画してくれていたイベントのお陰で、授業も部活も無いのにわざわざ学校へ来て存分に大盛り上がりする生徒達が大勢居た。……今自分の周りにも沢山いる。
 ある男子が二日も前から探したらしい、『絶好の花見スポット』なるグラウンドのある一画を場所取りして、数人の男子が持参してきたレジャーシート等を敷いた上で、男子達が適当に集まっている。自分もその中で適当に座って、誰が持ってきたのかも分からなくなっている菓子や飲み物をつまみながら、友達と喋っていた。
 入学したての頃は、いきなり自由すぎるイベントがあって不思議な学園だとかよく思ったけど、二度目の経験をしてみると、クラスが分かれてしまった友達や仲間ともまたゆっくり話せる貴重な機会になったから、結局は嬉しい行事に違いないと思えた。
 別のクラスになった元同級生の奴に、何組になったか訊かれ、

「俺? 百合組だよ」

 と答える。するとそいつは、マジ!? 会長と一緒じゃん! いいなー。と言ってきた。生徒会長と一緒なのは羨ましいのか……。普通に仲良い奴と一緒で十分なんだけど。
 去年は高校生活の初めだった割に何事も無く過ごしてきた気がする。新しい代が入ったり、部活も本格的になるかもしれないが、出来れば今年も同じように気楽に生きていきたい……。
 それにしても、一年の頃の同級生と話していると早くも懐かしい気分になってくる。たまには校舎の中にも行ってみれば、他の友達とも話せるかもしれない。そうなんとなく考え付いたから、自分が持ってきた菓子を取って来るついでに適当に校舎の中をぶらついてみることにした。

 花見の場から離れ校舎の中に入ると、空気が落ち着く感覚がする。まぁ、教室から見てる人も居るんだろう。だけど、廊下にもちらほら居る生徒を少し見てみると、花見を楽しんでいる人も居れば、特にする気の無い人も中には居るようだ。
 自分の教室がある二階へ上がる。途中で友達とか見つけたら声をかけようと思い、廊下を歩きつつ、開け放されたドアから教室の中を覗いていく。牡丹組は……菓子を広げている生徒が一人居るくらいか……?

【男子が絡みに行って大丈夫でしたでしょうか……!絡み方諸々差支えなければよろしくお願いします!】

>神原はるか

13日前 No.7

千里 @matunogirl☆JygYpuYd4vU ★Android=W1VemU3zJF

【神原はるか/二年牡丹組教室→教室前】

はるかが悩んでいると、ふと廊下へと目を移すと男子生徒が目に入る。
はるかはぱぁと金色に光る瞳を開いて、相手に近寄り、声をかける。

「ねぇねえ、そこの君!あんただよ、あんた!!ねぇ、あたしと一緒にお菓子食べない?」

どこかオバチャンぽくなったな、と思いながら、はるかはさらに言葉を続ける

「ここでひとり花見してたのはいいんだけど……、どうにもこうにも、お菓子買い過ぎちゃって……、流石にこの量をひとりで食べたら流石に体型に来るから、誰かと一緒に食べたいなって思って……、あんたのほかのお友達ってやつも呼びなよ!まだまだたっくさんあるから!……あ、そう言えばアンタの名前聞いてなかったね!名前は?あたしは神原はるかってんだ!宜しくな!」

爆弾トークのように延々と話したかと思えば、なにかに気がついたように声を出してニッカリと笑いがら握手を求めた。

「っと、……ついついはしゃいだ……ごめんなびっくりしただろ……?」

はるかは珍しく言葉を大きくしながら話してしまった────。自分の好きな動物の話になったわけでもないのにな、なんて思いながら。

>>園崎舞沙夜様、周辺all様


【いえいえ絡んでいただき光栄です。宜しくお願い致します】

13日前 No.8

@akira0908☆G2g5KGLD3yBo ★Tablet=UIgVrM4Ag0

【華聖紅/2階廊下】

 まるで黄昏るように窓から桜の木を眺めていると、ふと声をかけられたような気がして、そして怖がられ者の紅に声をかける人間なんてものは限られていて、少し嬉しい気持ちになりながら声のした方を振り向いて応答しようとした瞬間、盛大な転ぶ音と共に運悪く風が吹き、何か大事だと思われる紙は外へ飛び、代わりに桜が廊下に……

 「じゃねえよ!!」

 心の中であーあー、紙飛んじゃうじゃんかなどと素通りしようとした矢先、叫ぶように自らに突っ込んだかと思えば窓から乗り出すようにしてでかい図体を活かして長く伸びた腕を風に吹かれそうになった紙をほんっとうにぎりぎり、今にでも力を弱めた瞬間飛んでいってしまいそうな端っこの方を掴むと、すぐに腕を室内に引っ込め、開けた窓を締めて脱落したようにその場にへなへなとしゃがみ込む。

 「あー……もう……肝が冷えるかと思った……」

 実際、あまり高いところも好きではない紅にとって先程の紙をキャッチしたあとは一瞬死ぬかと思ったくらいだった。今まで憎んできた無駄に成長してきた体だが、こういう時ばかりは感謝せざるを得ない。
 ふと話しかけて来たかと思えばすっ転んだ張本人、白灰零を見れば、零の顔面の下には血液が垂れていて、それを見てギョッとすると同時にまたか、と少し肩をすくめる。一連を見ていない通りすがりの周りからは「華聖先輩もしかして副会長殴った?」だのなんだのと言われ始めたが、この際もうどうにでもなれというのは強かった。
 一先ずティッシュかハンカチを出してやろうとポケットをまさぐるも、教室に置いてきたのを思い出して「あ」と声を漏らしてしまう。何度かポケットをひっくり返すように見てみたりもしたが、やっぱり出てこなかったこともあり、急いで紅は自らの燕尾シャツの右腕の裾を破いたかと思えば零に渡す。

 「あ、後でティッシュ取ってくるから!取り敢えず今はそれで抑えてろ!えーと、拭くもん拭くもん……」

 あたふたとしながら零にこんなものしか渡せないことに少しの申し訳なさを感じつつも、廊下に付着した血液が残らないようにと拭くものを探すも、やはり無かったのでシャツの左腕の裾でゴシゴシと廊下に付着した血液を拭う。

 「ったく……ほんとどんくせぇな……おら、紙」

 殆ど拭い終わったのが確認すると、水道場で軽く左腕の裾を洗い、破れた右腕の裾は少しださかったので、肘のあたりまでシャツの裾をまくりあげる。
 先程掴んだ紙と、辺りに散らかってる紙を拾った後、零の目線に合うようにしゃがみながら紙を手渡した。

>>白灰零様、all様

【絡みありがとうございます〜!こういう時に限っていつも持ち歩いてるのを持ち歩いてない系男子です((】

13日前 No.9

リンボ%% @linnvo☆wNQuFdG87BE ★6O1STZoCNm_M0e

【姫路有希/廊下→生徒会室前廊下】

 廊下の窓から、ひらりひらり舞い落ちる桜の木々を見つめる。綺麗、と思う。こんな風にじっくりと花を見たことなんてあっただろうか。花はいつも綺麗なもの。ただ周りに綺麗なものがあるだけだった。これがお花見……。地味だけど、楽しいかも。外で見てる人達、みんな楽しそう。
 そんな様子を少しも表情を変えずに眺めていた有希は、不意に芒草で編まれた四角い籠の中から赤い林檎を一つ取り出し、口元に持っていって皮ごと齧る。シャクッ……と特有の音がして、小さな噛み痕が残った。口の中に広がるのは果汁の瑞々しい甘味と、少し渋い皮の味。高校に上がったら、持って行ける物が少し自由になった。これからは毎日大好きな林檎が食べられる。それが一番の楽しみ。
 その時、校内に眠そうな女子生徒の声が響き渡った。……この学園の生徒会長らしい。まだ入学したばかりであまり顔を見たことないけれど、とても美人な人だったことなら覚えている。そういえば、この学園の生徒会室は豪華な内装になっていると噂で聞いたことがある。……思い出したらだんだん興味が湧いてきた。生徒会室の中、少しだけ覗いてみたい。

 有希は林檎を、クロスを掛け籠にしまい、その場を離れて生徒会室の方へと向かった。ゆっくり淡々とした足取りで歩いて行く。近付いて行くと廊下の人気は少なく、生徒会室の前の窓から入ってきた桜の花びらと、扉の前にいる生徒の姿がはっきりと分かった。でも、その姿は何故だか見覚えがある。

「……あ」

 気付いた時には思わず声を小さく漏らした。生徒会長さんだ。気を失っているのだろうか。有希は少し早足になって生徒会長さんの側に寄り、床に座り込む。顔色を窺うが、具合は悪くなさそう。寝ているだけのように見える……。

「あの……大丈夫ですか?」

 声をかけながら、真っ白な手で彼女の肩をポンポンと軽く叩く。……もし起きなかったら、寝やすい場所に運んでちゃんと寝かせてあげようと考えていた。

【絡んでみました!よろしくお願いします】

>荊棘之院廻

13日前 No.10

ゆれる @ryyy☆XMpWJ8ETLe5Y ★0JtyLrJzOz_m9i

【 芹ケ野 黎 / 校庭中心部 】

 うとうとと居眠りを続けていると、近くでおそらく生徒だと思われる若い女性の声がした。しかしここは学校、それも花見というイベントの真っ只中なのだから、誰かの声が聞こえてくるのはごくごく自然なことだ。故に起き上がる必要はないと判断し、再び微睡みの中に帰ろうとしたのだが……、激しいゆさぶりによってそれは遮られてしまった。ここは起きるのが賢明だろう。目を開けて対応して、早く撒けたらまた眠ればいい。
 あまりに特徴的なお嬢様言葉で察しはついていたが、興奮した面持ちで黎を叩き起こしているのは、やはり同じ美術部の先輩である麗だった。その脇にはスケッチブック。開かれたページでは、先ほど暇つぶしに落書きした赤ずきんの女の子が微笑んでいる。

「ふぁあ、麗さんどうも……その赤ずきんちゃん気に入ってくれました?」

 睡眠が遮られたのにはいい気がしないが、いつも自分の世界観を褒め讃えてくれる麗に絵を見せるのは嫌いではない。他人に比べて人付き合いが薄い黎となると、絵の話をできる相手もあまりいないのだ。尤も、この睡眠不足もただの自業自得なのだが。

「あ、よかったら、今日も麗さんをモデルに描きたいです……。せっかくの花見だし」

 >> エステルさま

( 絡みありがとうございます。よろしくお願い致します〜! )

12日前 No.11

独楽 @sbluexxx☆rx3sEFPR6z6 ★qxXpJAS7CZ_yoD

【 白灰零 / 二階廊下 】

 ああ本当に、友人のアドバイスを耳に入れておくべきだった。床に滴る赤を見つめながら遅すぎる後悔をし、零は顔を上げる。すると何やら叫びながら窓から体を乗り出している紅の姿があって、今度は此方がぎょっとする番だった。目を見開いて固唾を呑むが、どうやら外にひらりと舞い上がっていってしまったらしい紙を彼がキャッチしてくれたらしいのだと理解する。へなへなとしゃがみこんだ相手に、申し訳なさそうに、鼻を片手で押さえながら眉を下げた。

「ごめん紅くん、大丈夫かい!?」

 傍から見ればお前の方が大丈夫かと問われそうな状況だが、零にとってこれは日常茶飯事の部類に入る。鼻血なんてそう珍しいものではないし、寧ろ転んで窓を割って下に落ちなくてよかったな、なんて考える始末だ。そうなると本格的に彼に迷惑をかけていたことになっただろうな、と思うが、今でさえかなり迷惑をかけている状況には変わりない。ポケットをまさぐり、やがて止める間もなくシャツの裾を破いた彼にぽかんと口を開けた。差し出されたそれを、受け取るしか出来ない。妙な威圧感は彼と高校で再会したときからずっと感じているものだ。けれど、彼が本当は優しいことを知っている。

「あ、ありがとう……ってうわ、待って待って床は僕が拭くってば、ちょっ……!」

 彼に貰った即席の布で鼻を押さえつつ、自分の服で床に付いた血を拭おうとしている彼を何とか止めようとするが間に合わず。他人の血液を自分の服で拭いとるだなんてことを咄嗟にやってのける彼は凄いと思うし、なんて優しいんだろう、と思う。そのまま水道場に行ってしまった背中を見ながら、四つん這いだった格好からぺたりと床に座り込む。

「……優しいなあ」

 思わず洩れた呟きは、周りの生徒たちに聞こえたのだろうか。見た目こそ怖いかもしれないし自分だって最初は吃驚したけれど、本当に彼は良い人なんだ。昔から変わってない。そういうところが大好きなんだよなあ、と緩む頬を隠せなかった。戻って来た紅が目線を合わせ、拾った紙を差し出してくれたのを、片手で鼻を押さえた不格好な見た目のまま笑って受け取る。

「あはは、ごめんね紅くん。ありがとう。……でも破くことなかっただろ、それに僕が拭くって言った!」

 けれど、自分の身を犠牲にしてまで助けてくれる必要はなかったのだと、ぷくりと片頬を膨らませ子どものように相手に文句を言う。その間も布で鼻を押さえているためきまりが悪いことは確かなのだが、零はいたって本気なのだった。怒りの感情が極端に不足している上、相手は幼馴染で自分の大好きな相手だからこそ、本気の剣幕には至らないけれども。春とはいえまだ寒い日があるのに、袖を捲り反対の方は濡れて、冷えたらどうするのだろう。たかだか鼻血くらいで大袈裟なのだと言わんばかりに、もう、と些細な怒りをとばすのだった。

>>紅くん、ALL様

( 紅くんが神対応すぎて本体共々吃驚しています……格好良すぎでは!? これからもこういうことがあると思いますが何卒よろしくお願いします……;; )

12日前 No.12

リンボ%% @linnvo☆wNQuFdG87BE ★6O1STZoCNm_M0e

【園崎舞沙夜/教室前廊下→2年牡丹組教室】

「え?」

 特に知り合いが居なかったから通り過ぎようとしたが、直後に呼び止められた。矢継ぎ早に声をかけてきながら一緒に菓子を食べよう。と誘ってきたのは、牡丹組の教室の中に居たあの生徒だった。ベリーショートと言うのであろう短い茶髪と、女子にしては高い身長で危うく男と見間違えそうだが、近くで見て話を聞いていると女子であることはなんとなく分かった。
 その女子は爆弾トークを始めるつもりなのか、延々と話を続け出すが、要するに菓子を食べながら一人で花見をしようとしたけど、量がありすぎてカロリーが心配だから、他に食べてくれる人が欲しい……という訳のようだ。
 神原はるか、と名乗った彼女はニッカリと笑いながら自分に握手を求めてくる。

「……まぁ、少しね。俺は百合組の園崎舞沙夜。よろしく!」

 突然あんなに話されて正直少し戸惑ったから軽く笑って言う。でもあまり気にしていなかった。求められたことには応えるべきだろうと思い、明るい笑顔になって片手を出し、差し出された手を握る。

「じゃあ、そのお菓子貰おうか。あと俺一人でいいよ。余ったら俺が外で見てる友達んとこに持ってくし、丁度気分変えたいと思ってたから」

 表情や声に明るさを残しつつ神原の誘いに乗って、先に教室の中へ入っていく。机に菓子を広げていたのは確認出来ていたが、確かによく見ると一人で食べるには多そうだ。本当に一人で食べ尽くす気だったのか……?

>神原はるか、周辺all

12日前 No.13

@akira0908☆G2g5KGLD3yBo ★Tablet=UIgVrM4Ag0

【華聖紅/2階廊下】

 全く大丈夫じゃない相手、零に大丈夫か、と尋ねられ、「俺はなんともねー」と素っ気なく言葉を返すと、何やってんだバカ、と言いながら軽く零の頭に手刀を入れる。あまり強い力でやってないので大丈夫だとは思うが、生憎相手はドジっ子を極めた男だ。もしかしたらまた職員室行きの可能性を細々と感じながらも、三年目にもなれば100回は行ったんじゃないかと思えばもはや慣れものでもあった。
 紅がシャツの裾で床を拭っていると、自分で拭くだとか紅を止める声に紅は「いいから」と乱暴な口調でそれを遠慮する声を出す。相手がドジっ子を極めているのであれば、この男は不器用を極めている。

 紅が零に紙を拾って渡してやると、分かりやすく怒ってますとでも言いたげに片頬を膨らませる零の姿に思わずくすくすとなるべく声をあげないように口元を抑えながら紅は笑い出す。相も変わらず怒るのが苦手な奴だなぁとほっこりした気持ちになりながらも、留まりそうにない鼻血を見て口を開く。

 「お前がどんくせェのが悪いんだよ。ていうかそうやってると鼻血止まんねぇぞ。頭下げて、抑えんじゃなくて鼻の付け根あたりを摘む!じゃないと喉の方に血液が回って胃で固まった血吐いたりするぜ。それと、鼻洗うと出血量増えるからやんないように!」

 はぁ、と呆れたように溜め息を吐きながらしょうがないとでも言いたげに軽く零の鼻の付け根あたりを力を入れないようにつまんで「ここ」なんてぶっきらぼうに言う。
 この態度と巨体と口の悪さと横暴ささえ無ければどこからどう見てもオカン、と言うよりはお母さんの知恵袋が否めない。昔はどちらかと言えば体格的な意味でも守られる側だったような気もするが、これはこれで悪くないんじゃないかなと、口には出さないがそんな事を暖まりそうな胸の中にそっと隠しながら紅は思った。

 「俺に話しかけなければこうなってなかったのに。馬鹿だなぁ、お前」

 苦笑しながらそんな事を言ってみせるも、零の事だしいずれにせよこうなってたんだろうか。そんな事をふと思うが、その時はその時でまた同じ結果になっていたんだろう。

>>白灰零様、all様

【そう言って頂けると本当に有難いです〜!どう考えてもイケメンというよりはオカンな紅ですが宜しくお願いします!】

11日前 No.14

千里 @matunogirl☆JygYpuYd4vU ★Android=W1VemU3zJF

【神原はるか/教室前廊下→二年牡丹組】

はるかが爆弾トークをし始めると、相手は戸惑っていた。それもそうだろう。名前も今初めて名乗った相手から、爆弾トークをされても困る。実際問題はるかがされたら恐らくそいつのことを訝しげに見つめてからあえてスルーを選ぶ。関わりあいたくもないだろうから。しかし目の前にいる男子生徒ははるかが名前を名乗り、手を差し出すと、少し笑いながら、少し驚いた、と言いながら円崎舞沙夜、と名乗りながら握手を交わした。お菓子については『じゃあ、そのお菓子貰おうか。あと俺一人でいいよ。余ったら俺が外で見てる友達んとこに持ってくし、丁度気分変えたいと思ってたから』と言いながら先に教室に入っていく。
はるかは内心優しい人だな、とおもいながらあとを歩いてついていく。

「へへっ、久々にお菓子持ってきていいらしいからね……、つい持ってき過ぎちゃった。ほら、桜の周りでみんなに分けながら食べても良かったけど俺には桜は似合わねぇから……」

言い訳をするようにタジタジにながら、机に広げれたお菓子の量についての言い訳をし始める。つい持ってすぎちゃった、では済まされない量だった。

>>円崎舞沙夜様、周辺all様

11日前 No.15

司徒 @nobunaga10 ★2rB1db7muK_yoD

【 桃前左京/2階廊下 】


 何処から何を見ても、薄桃に染まった花弁が、色鮮やかに視界を染める。自身の髪や、瞳の色と相似したそれらに親近感を覚え、歩きながら暗唱していた台本をそっと閉じた。彼女、桃前左京は、演劇部というよりは一端の演劇愛好家で、女性というよりは男性に近い容姿をしていたから、それとやけにミスマッチなおさげと、あどけなさを演出するそばかすがよく目立っていた。平均よりは高い身長の体に、男物の制服__しかもコスプレ染みた物__を纏い、無表情で徘徊する彼女は、近寄り難い雰囲気を醸し出してはいたが、足取りは軽かった。
 押し花の栞は草臥れているし、今度はこの桜で書物を美しく綴じてみようか。そう考えながら、窓に凭れ掛かり、2回目のお花見会を1人楽しく享受していると___。

 どこからともなく、楽しそうな騒ぎの音がした。というより、おおよそ当人の予想がつく、ダイナミックな転倒音。あの笑顔が特徴的な人間が思い出された。まあ、多分本人だろう。無愛想な眉を少し上げて、とたとたと音のする方へ赴く。

 すると、聳え立つような長身の先輩、華聖紅が、白灰の鼻血の世話をしているようだった。不良と名高い彼だが、遠くから観察するとやけにお母さんじみている。忙しない態度からは、敵意は感じられないし、寧ろ優しいお母さんオーラを思いっ切り纏っているのだけれども、どうにも周囲の先入観で、「え、鼻血出させてんかよ」みたいな思考も覚えないではない。
 ふむ、と一拍考えて、それでも本人たちに話しかけようとはしなかった。この光景を見ているのが実に楽しいような感じがしたからだ。それにしてもショッピングモールでの親子のやり取りと似ている。
 自分もドジな所があるが、大抵転んで血を出しても無表情なので、「頭打ったか!?」と心配されても、傷の手当はほぼ自分でこなしていたように思う。ちょっと羨ましくなって、自分も華聖先輩の前ですっ転ぼうかと考えたが、演劇部に支障が出てはならないと、泣く泣く諦めた。
 それでも、光景を想像して笑みを零した。だが、あまりにも微細なそれは、口から細やかな吐息を吐き出したようにしか、周囲には感じられなかった。左京は顎に人差し指と親指を着けた、思慮深いポーズで、今度こそ明確に言葉を口にした。

「仲良さげですなあ」

 随分と好々爺然としているが、あくまでも無表情で無愛想である。誰に向けて放った言葉かと言われれば、眼前の2人に他ならないのだが、視線はどこか遠くを見据えており、独り言のようでもあった。

>>白灰様、華聖様、ALL様


【 いきなり絡んで(?)申し訳ないです……! 問題があるようなら、「なんだこの独り言女は」と放置して下さって構いませんので!! 】


【 四条一三人/職員室→職員室前廊下 】


 ああー、と呆けた声を上げて欠伸と背伸びをする、アイアンブルーのブルネットヘアーが特徴的な、浮浪者もとい教員。
 がりがりと□み砕いた飴は、口内に僅かながらも強烈な酸味を残し、液体となって喉奥にするりと流し込まれた。教職員も今日は無礼講だそうで、理事長様様と手を合わせ、あるものは隠れて酒を用意し、あるものはそもそも学校にすら来ていなかった。自分も休めば良かったのだが、男の独身生活では、この花見ほど楽しい事は無い。
 職員室の前の廊下で、「新発売・桜味コーラ」と、「新発売・さくらホイップ餡蜜メロンパン」の封を切る。最初にメロンパンを頬張り、桜を鑑賞しながら、桜味コーラをごくごくと飲んだ。まだ職員室の引き出しには、桜味の菓子やらが一杯入っている。後で茶道室の冷蔵庫に入れておこうと、ぼんやりと考えていると、どうやらグラウンドにはもう生徒が数名いるようだ。手を振ってみようかと考えたが、聞こえてきた眠たげな声の放送に、とりあえず耳を傾けた。自分も生徒会室に行こうか……と考えたが、足取りは重い。

「んん……ん、もーちょっと」

 春の木漏れ日に侵され、厚ぼったい瞼がぱちんと下されそうになるが、一三人はいきなりがばりと起き上がり、メロンパンをばくばくと食べ、ベストの内ポケットから梅味のポテトチップスを取り出し、1人花見大会を楽しんだ。職員室前で惰眠を貪ったら負け、という何だか可笑しなひとり遊びに興じているらしかった。

>>ALL様


【 メイン解禁おめでとうございます! ちょっとおかしな()教員、絡みづらいかとは思いますが、どうぞよろしくお願い致します。 】

11日前 No.16

エステル @captain1 ★Android=UJhhnaQiDA

【妃崎 麗/校庭中心部】

「んもぉ!起きるのが遅いですわ!」

肩を激しく揺さぶったすえようやく目を覚ました黎に、麗はぷくりと片頬を膨らませた。寝ている相手を叩き起こすなどという理不尽を働いておきながら、それを詫びる気はないらしい。麗は黎の肩から手を離し、スケッチブックを持ち上げる。そこに描かれているのは可愛い可愛い赤ずきんちゃんだ。控えめの笑顔がなんとも愛らしい。

「えぇこの赤ずきんちゃん、私とっても気に入りましたの!こんな可愛らしい子が私の隣にいたらどんなに素敵でしょう……あぁまずは彼女が被るフードに刺繍を施して、レースをたっぷりあしらって……よりかわいくしてさしあげますのに」

麗は自分の頬に手をあてうっとりとその絵にみいる。こんな子が側にいれば……という麗だが、その本音は自分をより美しく見せるため、だ。彼女の恍惚とした表情は赤ずきんちゃんに向けられているのではない。赤ずきんちゃんを携えさらに華やかさを纏った自分へと向けられているのだ。

「まぁ、このお花見に参加する私を描いて下さるなんて、とても素敵ですわ!なんと言っても今日は花見……この花吹雪の中佇む私というアートを黎さんのアートでさらに美しく仕上げる……極上の喜びですわ!よろこんでモデルになりますわよ」

麗はよく黎がスケッチをする際のモデルをやっている。そして今日は花見という行事の日、ようするに特別な日なのだ。そんな特別なひとときの一片を切り取った絵に自分が収まるなんて、素晴らしいことこの上ない。麗は立ち上がると黎から少し距離をとった場所に移動した。

「どのようなポーズがよろしくて?」

そんなことを聞きながら、麗は先にポージングを開始する。右手は口許に、左手は腰に、その滑らかな体の曲線を強調させるようなポーズを麗はとるのだった。

>>黎様、周辺ALL

11日前 No.17

仔夢 @00000x ★iPhone=y44SZZaVfW

【 荊棘之院廻 / 生徒会室前廊下 】


軽やかな少女の囁きが脳裏に響く。夢と現実の境目のような感覚に自身が目覚める気配を感じ、加えて差し込んできた細やかな光がそれを確かなものとしていく。差し込むそれに不快感を示すように一度ぐっと瞼に力を込め、反動に逆らわずにゆっくりと双色眼を解放した。まるで墨で塗りたくったかのような漆黒に染め上げられた長髪が眼の前で揺れたかと思えば、それは風と共に消え去り、代わりに澄んだシアンの瞳がこちらを見つめている。廻の記憶が正しければ先輩や同世代にこのような容姿をした人物は見かけなかったことから新入生なのだろう。にしても、だ。廻の記憶が途切れる寸前まで居た場所は生徒会室前。何らかの事情によって運ばれた様子もなければ景色も変わっていないのだからロケーションが変わらずであることは確かだ。そしてこの生徒会室がある棟は職員室などと同じ。しかし折角のお花見会だというのに教材やらテストやらで溢れかえり、おまけに教師も見回りに出ていて殆どいないような職員室に立ち寄るなんてよっぽどの変わり種かテスト問題漏洩を企む者でなければ成し得ないだろう。この棟が何処かへの近道になっているということもなく、となるとここに偶々通りかかる、というと些か違和感が生じる。では一体この少女は何故廻に声をかけることができたのか。新入生なのだから単なる迷子か、或いは放送を聞きつけてやってきたのか。寝起きにしては冴えた頭が意思とは関係なしに次々と推理を進めていくが目の前の少女の訝しげな表情で我に帰り、彼女を安心させるかのようにふっと微笑んだ。


「起こしてくれてありがとね。いやぁ、最近睡眠不足なのかなぁ? ……ここのところ暖かい日が続いてるし眠くなっちゃうのも無理はないよねぇ。そうだ、起こしてくれたお礼にお菓子でもご馳走するけど、生徒会室寄っていく? 見晴らしもいいし、柔らかいソファもあるし……」


菓子については、この学校では禁止されているものの生徒会室のみ、異質かもしれないが他校生徒会執行部からの視察や理事長の接待などが行われるため、かなり規制が緩くなっている。普段から役員は禁止されている菓子やジュースを持ち込んでいるのだが生徒会執行部の大体が優等生である為顧問も重要視はしておらず、副顧問は生徒と共にお茶会なんかしてしまっている。然しこの事実を他に流すことに何の利点もない為、
新入生相手に病気の重苦しい話をするのも何となく気不味くなりそうで、何より生徒の大半が知らない、自分でもあまり曝け出したくはない病気を初対面の少女に話すのは些か気が引ける。廊下で無防備に寝る奴なんか早々居ないだろうが、ここ最近の陽気のせいとでもしておこう。両開きの扉を開け、彼女を中へと案内した。そこはやはり接待部屋仕様が強めに出ており、引き締まった黒い低めのテーブルを取り囲むように配置された大きめのソファはグレーの低反発。そこに役員各々が持ち寄ったクッションやらぬいぐるみが置かれ、ソファが足りなかった位置にはソファと同じ色、材質のリクライニングシングルソファがニ、三個。まるで小洒落た住宅展示場のリビングのような完成度の高い応接間、その正面に設置された大画面テレビとスクリーンはプランの説明やスライドの視聴のためにあるのだがもはやその意味は全く成されていない。放送機材部屋の隣の扉の奥には本格的な会社にも劣らない会議室。会長席と、大きな会議机、パイプ椅子、ホワイトボードが完備されており、我ながらそこらの生徒会室よりかなり発展した生徒会室だと自負している。
彼女をソファへ座るように促すと、役員が次々と放り込んでいる菓子棚から適当な菓子と数本のジュースを取り出し、控えめに置かれたコップとともに机に置く。


「どれでも好きなの開けていいからねぇ。今週末またみんなで買い出しに行くと思うし、もうあの棚全部消費してもだいじょーぶ。友達も何人かなら呼んでいいんだよ? こちらはぜーんぜん困んないし、人多い方が楽しいからね。ここは桜もすぐそばに咲いてるし、暖かいし。……ちょっと待ってて、こちらほんの少しだけお仕事終わらせなくちゃ」


彼女に笑みを浮かべながら相も変わらずの間延びした口調で語りかけ、ゆっくりとした足取りで簡易放送室の戸を開けた。今日までに提出する書類があったのだがこんな時期に生憎顧問は出張中。となると提出先は副顧問になるのだが彼はどこをほっつき歩いているのかわからない。そんな一か八かの旅に出るより呼び寄せてしまおうと考えたのだ。マイクを口元に寄せ、独特のチャイム音を鳴らす。『ピンポンパンポーン』と表現されるあの軽やかな音が響き渡ったことを確認し、口を開いた。澄んだ声で「執行部の先生方は至急生徒会室へお集まりください」と発する。先生方、なんて格好だけ。実際に呼び出しているのは一人であり、至急、なんて言ったものの実際そう急ぐほどでもない。すべて形だけ、とかいうやつだ。
応接間に戻り、彼女の向かいのソファに掛けると、「何組ぃ?」と緩めの声で問いかけた。


>姫路有希様、四条一三人様

【絡みありがとうございます!】
>リンボ様

【絡ませていただきました!先生への態度が乱雑な上に飴玉期待してる廻さん……】
>司徒様

11日前 No.18

リンボ%% @linnvo☆wNQuFdG87BE ★6O1STZoCNm_M0e

【園崎舞沙夜/2年牡丹組教室】

 窓際に寄ると、外で行なわれている花見の様子をよく見下ろせた。さっき自分が居た場所もある。そこの連中はいつの間にゲームか何かを始めたのか、妙に騒ぎ始めていた。……本当に暫く戻らなくてよさそう。他にも、桜の木の下に居る人や、木の上に居る人もいて……桜の花と一緒にこんな光景を見せていたとは。別に、気にすることじゃないけど。
 後から教室に入ってきた神原は、持ってきた菓子の量についてあれこれ話し出した。けれど、突然桜は似合わないからという発言を聞いて、園崎は思わず吹き出してしまう。

「はははは! 似合わないって、なんだよそれ!」

 似合わないから近くで見られない、なんてそんな訳無いだろうに。華の無い男子達でもあんなに花見を楽しんでるんだし。ていうか、そもそも桜が似合うことは大切? 中には似合うと思える人間も居るかもしれないが、花見だけの為にその必要が有るか無いかと言われたら……そりゃ無いに決まっていると思う。

「くすくすっ。あんたって面白いこと言うねー」

 一しきり笑うと、園崎はこう言いながら菓子が広げられた机の前の席の椅子を、神原と向かい合うような向きにして座る。たまには他の友達とも喋ったりつるんだりしてみたくなって、校舎に入ってきたんだけれど……楽しい会話が出来そうだ。誘われただけじゃなく自分でも、暫く一緒に菓子つまんでみようかと思えてきた。
 生徒会執行部の顧問を呼ぶ生徒会長の声が聞こえてくる。そういや、今年担任になった先生って生徒会の副顧問だったような……。ぼんやりと頭の片隅で考えながら、机の上にはどんな菓子があるのか眺め、時々「あっ、これ美味そう」等と零していた。

>神原はるか、周辺all

10日前 No.19

司徒 @nobunaga10 ★2rB1db7muK_UHY

【 四条一三人/職員室前廊下→生徒会室前廊下 】


『執行部の先生方は至急生徒会室へお集まりください』


 聞き覚えのある、何とも澄んだ声。それでも、その内容は今の一三人を動かすには足りないもので。
 一三人は、窓枠にだらしなく顎を乗せたまま、「まあ、顧問に任せておけば良いか」とポリポリ腰の辺りを掻いた。目の前を桜がちらちらと通っていく。薄い桃色の色彩が、目に優しくて、儚げで。そりゃ茶葉も美味しくなるわな、と1人ごちた。春は全てが淡くなる。決して淡泊という意味ではなく、全てが優しい何かに包まれているようだ。ふ、とやけに穏やかな吐息をついたところで、教員の1人が一三人に話しかけてきた。
 「今日顧問の先生出張中だろ、行かなくて良いのか?」と、いう内容だった気がする。へ、と一三人は首を傾げて、予定表を頭に浮かべる。あ、そういえば、と朧気な記憶が呼び起され、彼はやおら立ち上がると、呼びかけてくれた教員に軽く礼を言い、白衣を翻して生徒会室を目指した。


「はいはい、お呼びになられましたか会長殿ォー」


 はじめは急ごうとしたのだが、春の穏やかさに中てられて、段々と歩調がゆっくりになっただけあって、息は微塵も切れていなかった。教員としてはあるまじきだらしない口ぶりで、人目を惹く端麗な容姿の生徒会長を見据える。どうやらお客も来ているようだ。ちょっと緊張しているようだが、我らが生徒会長殿は、何処か飴を強請っているようなオーラを発していた。
 いつ見ても豪奢な生徒会室だ。男の1人暮らしの部屋に帰るより、生徒会室で宿直した方が楽しい気がした。副顧問が副顧問ならば、生徒会室も生徒会室なのだろうか、お菓子とジュースは完備されているし、ソファもふかふかだ。まあ、お菓子とジュースは、役員だけでなく、自分も茶道室に入り切らなかった物を入れていたりするのだけれど。
 自分も、菓子棚ではないが、「菓子白衣」なら着用している。飴玉は期間限定から揃えているし、ストックを切らした事は無い。包装紙だって集めている。さながら移動駄菓子屋だ。生徒に強請られればすぐ与えてしまうし、それを同僚から死ぬ程説教される事も少なくない。特に、運動部で体重制限している子の前で、お菓子を美味しそうに食べるな、とよく言われる。
 首をポキポキと鳴らして、新入生であろう、綺麗な黒髪に、しゃきっとした姿勢をした女子生徒に、軽く笑みを向ける。一応自己紹介でもしておこうか、と、気まぐれに名乗りだす。

「俺の事、分かるかなー? 俺は四条一三人。じゅうさんにん、って書いてイミヒトな。科学の生物分野担当で、生徒会副顧問で、茶道部顧問な、よろしく」

 廻にもいつも通りの、何を考えているかよく分からない笑顔を浮かべて、年頃の女子生徒への対応としては些か無遠慮に、机のど真ん中に顔を出した。葡萄のフルーティーな香りがして、すん、と鼻で軽く息を吸ってから、殊更にっこりと笑った。

「よう、何か出す書類でもあんのかい?」

 放送機材を弄ったり、菓子棚を物色したりしながら、挙動不審な態度で、一三人は尋ねた。


>>荊棘之院様、姫路様

10日前 No.20

千里 @matunogirl☆JygYpuYd4vU ★Android=W1VemU3zJF

【神原はるか/二年牡丹組教室】

はるかが遅れて教室に入ると、彼は窓際で外を眺めていた。するとはるかの発言────もとい、言い訳を聞くと吹き出していた。はるかには笑われる理由が全くわからず首をかしげていると、

『はははは! 似合わないって、なんだよそれ!』
「いや……あとは……下に降りるのが面倒で……あははは……」

あまりに笑われると、本音がついぽろりとこぼれるものだ。本人はまだ本音を言ったことに気がついていない。
思い切り笑った後に『くすくすっ。あんたって面白いこと言うねー』と言いながら、はるかの向かいの席に座った。はるかは新しいお菓子の袋を開けながら、「好きなやつあるー?」と彼に問いかけながら、隣の人の机を勝手に引っ張ってきては、カバンから追加のお菓子を取り出す。
本当にこの量を食べたら女子として終わる。本能的に思ったはるかは出したお菓子のうちのいくつかをカバンへとしまい、「あ、それ美味しいよー」
机の上に残ったお菓子の山から、彼が指さしたのを見て、はるか的にはあまり好みではなかったが、ここは美味しいと言っておいて相手に押し付けようという魂胆で、適当に美味しいよー、と答え個人的にお気に入りのお菓子の袋を開けると、それを口へと運ぶのだった────。
「あ、円崎もお構いなく食べてー。」

>>円崎舞沙夜様、周辺all様

10日前 No.21

独楽 @sbluexxx☆rx3sEFPR6z6 ★iPad=jIZ1omXWMj


【 白灰零 / 二階廊下 】

大きな体躯を持つ者が、必ずしも勇敢であるというわけではないということくらい周知の事実であるが、彼の場合はおまけに髪の色や目付きが手伝って第一印象に鮮烈な思い込みを植え付けてしまう。即ち、気が強く、喧嘩っ早く、強いのだろうな、なんていう先入観を。けれども零は知っていた。華聖紅という男は、ちょこっとだけびびりで、繊細で、とても優しい青年なのだということを。素っ気ない言葉も寧ろこちらを気遣ってのものであるだろうと、零は安心したように笑みを浮かべる。

「いたっ」

手加減された手刀が零の頭に落ちる。思わず漏れた声はそれでもほんの戯れ程度のもので、本気で痛みを感じたわけでは勿論ない。
こちらは割と本気で怒った、つもりだった。くすくすと笑う相手を見てますます眉を寄せて言及しようとするも、鈍臭いのが悪いのだと言われてしまえば言い返す言葉はない。全くその通りだ。スキップすると転ぶぞ、という友人の言葉もあり、さらにこれまでの経験もあったというのに。桜を眺めていた幼馴染が見えて舞い上がってしまっただなんて、彼に言えるはずがなかった。うう、と小さく唸り、ばつが悪そうに唇を尖らせる。けれどもそのあとに鼻の上のあたりをつままれると目を丸くし、相手の言葉をぱちりぱちりと瞬きを繰り返しながら聞いていた。やがて彼が言い終わると、入れ替わりでこちらが口を開く。

「まあそれはそうだけど……ああいや、違うんだよ紅くん。この鼻血はキーゼルバッハ部位からの出血だから、押さえるのはここでいいんだ。たまに奥から出血することもあるから、その時はその部分をつまむんだけどね。心配してくれてありがとう、相変わらず優しいね」

小鼻の部分を自身で押さえているのに加え紅からも鼻をつままれ、尚更鼻声になりつつもここで合っているのだと笑う。相手がこちらを心配して言ってくれた言葉の数々が嬉しくて、にっこりとその気持ちを全面に押し出したような表情を浮かべて礼を述べた。知識が元々あるのに加え、その上こちらは幾度となく流血沙汰を経験しているのだ。応急手当の方法から鼻血の止め方まで、経験に伴う知識は恐らく相手の予想すら上回るだろう。

「あはは、紅くんが見えたからつい。お花見いいのかい? 楽しいよ」

窓を開けて桜を見ていたのだから、興味がないというわけでもないだろう。彼は案外こういう行事が好きなのだということも知っている。わざわざ学年の違う二年のフロアで何をしていたのかと、笑いを交えながら首を傾げてそう問いかける。少し落ち着いたのか、鼻を押さえながらゆっくりと立ち上がると、周りで光景を見ていた同級生にすれ違いざま背中を叩かれ「しっかりしろよ副会長ー」と声をかけられ苦笑いを返した。

「僕も外に行こうかなって思ってて……あれ、桃前さんだ。こんにちは。良い天気だね」

背中を叩いて走っていく同級生を目で追うと、その延長線上に桃前の姿を見つけて目を丸くした。そちらにゆっくりと歩き出しながら、にこと笑顔を湛えて空いている方の手をひらひらと振る。彼女ならきっと紅を見た目だけで判断はしないだろうし、それになんとなくだけどこの二人、案外うまくいきそうな気がする。だからこそ紅がいるのにもかかわらず彼女に近寄ったのだし、まだ鼻血が止まっておらず不恰好でも彼女に話しかけたのだった。暫く生徒会の仕事もないし、突然の会長命令が下らなければお花見を楽しむことだってできるだろう。せっかくだから三人で楽しめたらなあ、なんて、零は呑気に考えるのだ。


>>紅くん、桃前さん、周辺ALL

( 絡み大歓迎です〜! 脳味噌平和ボケですがよろしくお願いいたします! )

10日前 No.22

リンボ%% @linnvo☆wNQuFdG87BE ★6O1STZoCNm_M0e

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9日前 No.23

リンボ%% @linnvo☆wNQuFdG87BE ★6O1STZoCNm_M0e

【園崎舞沙夜/2年牡丹組教室】

 菓子の量の理由に桜が似合わないという発言が飛び出し、可笑しくて笑っていたら、神原は下に降りるのが面倒で……とも言い出す。笑われたことに戸惑いながら話す様子を見るに、結局はそれが一番の理由で、元々外で花見をするつもりは無かったんだろうとなんとなく思った。
 ただその予想も、目の前の菓子の量を見れば少しは疑いたくもなってくる。教室でもこう配る相手がいないんじゃ、仕方がないのかもしれないけど……。
 神原は席に着くと、新しい菓子の袋を開けながら“好きなやつあるー?”と問いかけ、隣の机を引っ張ってきて、鞄からまた菓子を取り出した。すぐに机の上に乗っている菓子の内の幾つかをしまい始めた様だが。

「まだあんのかよ……。んー、このチョコのやつとかよく食うんだよね」

 少し驚き気味に言いつつ、自分の好きそうな菓子を机上にある物の中から探すと、お気に入りというか見知った物を見つけたので手に取った。また、美味しそうと目を付けた菓子の方も選ぶことにした。こっちはあまり知らない菓子だけど、神原曰く美味しいらしい。まずはこの二つをつまもうと考えて、どっちも袋を開けておく。

「それにしても、よく学校行事で『お花見』なんて作ったよな。まあ、こんだけ学校でのんびり出来る日も貴重だけどよ。……お、これ美味いじゃん!」

 先に菓子を食べ始める神原に話しかけながら、最初はあまり知らない方の菓子に手を伸ばして口に放り込んだ。すると、それは自分の口に合う美味しさで、園崎はパッと明るい顔になる。金銭に余裕が出来たらいつか買ってみようかともちょっと思った。

【えっと、円崎ではなく園崎(そのざき)です……!】

>神原はるか、周辺all

9日前 No.24

@akira0908☆G2g5KGLD3yBo ★Tablet=UIgVrM4Ag0

【華聖紅/2階廊下】

 零に食らわした手刀に「いたっ」と言われ思わず怯み、急いで手を引っ込める。無論、すぐにそれは反射的に出てしまうものだということにまできちんと至ったものの、申し訳なくなったのは事実なので、その場しのぎのようにもしながら零の頭をわしゃわしゃと申し訳程度に撫でる。撫でると言うには少し乱暴ではあるが。
 すると紅が鼻をつまんでやると、零がキョトンとしたことに釣られて紅もキョトンとするのだが、零の言っていた言葉を理解するのに少し時間をかける。

 「ヘーゼルナッツ……??」

 キーゼルバッハ。なんとなく知っているような知らないような。ただ、紅は勉強はしているもののそういうのは全くの専門外ということもあり、意味が分からかい事を誤魔化すようにヘーゼルナッツと答える。全く誤魔化しになっていないが、というか尚更分からないということを肯定しているが、それに紅は気付かない。
 相変わらず優しいと言われ、それに伴って表れる零の笑みから照れくさくなって紅はつまんでいた鼻から手を話すと、分かりやすくふい、と顔だけではなく体ごと斜め後ろに背けるも、あからさまに照れるのを隠すように、そわそわとしたように首元を忙しなく触る。

 「優しくねぇ。勝手に言ってろ」

 恥ずかしそうに少し顔を赤くしながらも、満更ではなさそうに決して嫌そうではない顔をしながら、そわそわと首元をしきりに触ったりやたら肘あたりに触れてみたり感情を隠すのが下手というか、露骨過ぎるほどに分かりやすい。
 紅の声をかけなければ良かったのに、という言葉に対して零の言葉に嬉しさやら恥ずかしさやらが混ざって、困ったように、それでもまた満更では無さそうに零の方を向いて、それでも目は合わせずに、というよりは嬉しさから目が泳いでるのだが、目線は合わせずに、いつもより少しだけ高い声のトーンで「そ、そうかよ」と言葉を返す。

 「花見はー……あー……混ざりたい、んだがなぁ……。如何せんこの身なりだと……それに、ほ、ほら、他の連中の邪魔する訳にはいかねぇだろ……えーっと、そんで……に、2階に、居たのは……」

 一つ目は花見はいいのか、との言葉に対して、二つ目は2年のフロアで何をしていたのか、と尋ねられた訳だが、相手は零だし、今更隠すようなこともないと言うか、今更言ったところで恐らく零の事だしそうそう酷な事は言わないだろう、と思いながらも気まずそうに口を開く。

 「その、あー……調理室、2階……だったから、その……あー……菓子、でも作るかァ……とか、思っ……て、て……」

 ────何してもいいらしいし。
 少し苦笑いを零しながらそう答えると、零は同級生とは上手くやれている様子を見て少し親心のような感情になりながらも、少しホッとするも、零の目線の先を紅も追う。
 桃前……知っているような、知らないような、名前だけなら知っているような、やっぱり分からないような。零の声をかけた相手をまじまじと見つめるも、鋭い眼光が災いしてか、零が傍に居なくなったこともありすれ違った後輩の「ひっ」と言われる声にはもはや慣れそうだった。
 一先ず声をかけるという野暮なことはせずに零の姿を見守るように少し離れた位置から二人を見た。

>>白灰零様、桃前左京様、all様

9日前 No.25

千里 @matunogirl☆JygYpuYd4vU ★Android=W1VemU3zJF

【神原はるか/二年牡丹組教室】

相手からの返答がないことで、自分の口が滑ったことをようやく気が付き口を開いた
「いやっ……、本当は面倒だったから、他にもそういうやついるだろって思ってたら、誰もいなくて…………うう……。」

自分が口を滑らしたことに気がついて代弁しようとするが特にいい言い訳が出てくるでもなく、余計に墓穴を掘ることになり、最後にはるかはうう……と声を零した。
机に広げられたお菓子の山以外にもカバンにしまわれたお菓子を見て園崎は『まだあんのかよ……。んー、このチョコのやつとかよく食うんだよね』
と零した。見られていたか────。はるかは冷静にそう考えながら、さきほど美味しいと勧めていたお菓子の行く末を眺める。彼はよく食べると言ったお菓子とさきほどはるかが自分はあまり好まないからと言って押し付けようとしたお菓子をばりっと開けながら、口を開く。

『それにしても、よく学校行事で『お花見』なんて作ったよな。まあ、こんだけ学校でのんびり出来る日も貴重だけどよ。……お、これ美味いじゃん!』
「まぁねー。俺1年の頃お花見楽しんだ覚えあるよ。……嘘だろ、じゃあそのお菓子三袋ぐらいあげるから、貰ってけよ。俺の口には合わん。」

彼ははるかが勧めたお菓子を口に入れると顔をぱぁ、と輝かせながら美味しい、と言っていた。はるかはその言葉に嘘だろ、と呟いた後に残っているやつすべて押し付けるために、カバンから追加で買っていた口に合わなかった彼の持っているお菓子を取り出して彼の前に差し出す。
「ちなみに一つ100円。安かったから買ったらあんま俺的には美味しくなくて。さっきは美味しいと言ったけど、あれほかの人の感想。わるいね。」

>>園崎舞沙夜様、周辺all様

【申し訳ないです……!以後気をつけます……。】

9日前 No.26

仔夢 @00000x ★iPhone=y44SZZaVfW

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8日前 No.27

司徒 @nobunaga10 ★2rB1db7muK_yoD

【 桃前左京/2階廊下 】


『あれ、桃前さんだ。こんにちは。良い天気だね』
「白灰くん、こんにちは。桜綺麗ですね__ところで、鼻血は大丈夫ですか?」

 近づいてきた白灰を、下から覗き込むようにして、様子を窺いながら、少し悪戯っぽく尋ねる。彼が放つ独特の優し気で穏やかなオーラは、桜と似てどこか暖かい。この花見日和な気候こそ、自分が白灰に対して抱いている印象そのものだった。柔らかくて、儚い。目を離せば、すぐ散ってしまいそうで、しかし毎年、きちんと咲く花。まあ、今、彼の鼻は血で彩られているのだけれど。
 いつでも笑顔だな、と妙に感心して、くるくると白灰の周りを回ってみる。他に何処を打った、という訳でも無さそうだ。彼なら日常茶飯事の怪我だったのだろう、焦りは感じられないし、それどころかほんわかとしている。自分の表情と、彼の笑顔を比較して、左京は自身の無愛想さに辟易した。そして、それを紛らわせるように、白灰の眼前でぴたりと止まり、口を開く。

「……私が来るまでも無く、手当はして貰っていたようですね。今回は鼻のどの部位からの出血なんですか? カシューナッツ?」

 先程の会話も耳に入っていたであろう、からかうようにして問う。キャンディピンクの髪をふわりと揺らし、友人や、人の機微に敏感な人種でなければ分からない位の、小さな笑みを零した。春の陽気のせいだろう、今日は何となく気分が良い。一通り白灰の様子を確認してから、今度はその奥の、強烈な存在感を放つ、華聖先輩に視線を移した。肝心な所でどもったり、声音が高くなる所からして、新入生や、大多数の在校生が抱いている恐怖は、どうやら徒労に過ぎないようだという事がよく理解できた。
 自分も、初対面の人間に恐怖の念を抱かれる事がある。生来の無愛想さと無表情さに比例しない、べたべたとした態度が原因なのだろう。ギャップも、過度になると凶器に変ずる。
 左京は、白灰越しに、先輩へ静かに頭を下げた。

「白灰くんのおかあ……手当をして下さった方……華聖先輩ですよね。2年の桃前左京です。とてもおかあ……はい、頼もし気で、失礼ながら一連の流れを遠くから見てました」

 会話の途中で、何度も、脳内で繰り返していた名称が出そうになり、その度喉奥まで飲み下すのに苦労した。暗に、優しいんですね、という意味をこめて発した文章は、我ながら抑揚の少ない響きで、とても本心とは思われなさそうだが、本人は一応本気だった。その証として、緑の瞳はきゅうう、と華聖の方を見据えている。

「白灰くんは生徒会のお仕事、お休みなんですか?」

 思い出したように、くにゃりと後ろを振り返って質問する。おさげが風になびき、キャンディピンクが花弁のように瞬いた。

>>白灰様、華聖様



【 四条一三人/生徒会室 】

 一拍遅れての返事。生徒としてあるまじきダラダラ感だが、一三人からの説教ではあまりにも説得力が欠けているし、そもそもいつもの光景なだけに、そこまで怒るような軽口でも無いのだ。むしろ、これが無ければ廻ではないだろう。

『はぁい、こちらがお呼びになられましたぁ……今日顧問出張でしょ? 教師ってのも中々大変そ……どっかのじゅーさんにんさんは例外だけどねぇ……いっつもだらだら……今時春キャベツの方がよっぽどシャキっとしてるんじゃないぃ……?』
「おっまっえに言われたくないよねえ。出張なの忘れてたんだよ……あっ、またジュウサンニンって呼んだな、何だ、そんなに俺に増殖してほしいのか? まあ、イケメンな副顧問の先生を13人も侍らせたいっていうなら、分からんでもないぞォ__春キャベツって。俺だって、会議とか出てるんだぜ? まー寝てるけど……」

 頭をポリポリと掻いて、真ん中に陣取ったまま言う。ついでにコメカミでもグリグリの刑に処してやろうかとも考えたが、所在なさげな新入生の前で、副顧問と生徒会のダラダラとした日常を見せつけては、業務に関わるだろうと__もう十分披露しているのだが__思い直して、上げかけた手を下す。代わりに、姫路の自己紹介にうんうんと頷いた。

『ごめんなさい。あまり覚えは無かったです……けど、覚えておきますね。うちは、1年牡丹組の姫路有希と言います。よろしくお願いします』
「なあに、別に良いよ。俺だって、たまに理事長の名前忘れるし……礼儀正しいじゃないの、よろしくね__それに比べて、生徒会長殿は、副顧問様を弄りやがってからに。つか自分で自分を可愛いって言いなさんな。俺だってイケメンだけどそれは隠してるぜ?」

 女子生徒の真ん中に陣取った際に、廻から放たれた言葉へ反論するも、あえなく華麗なブーメランに突き刺された。それに自分でも気づいたようで、「あえ?」と首を傾げてから、姫路の物とは違うポテトチップスの袋を開け、我が物顔でポリポリと食べ始めた。そして、何気なく視線の先で廻を観察していると、ほわほわとした態度からは想像もつかない程猛スピードなタイピングをしており、目を見開いた。

「あっ、先生嫌な予感するう……」

 たらり、と冷や汗を垂らして、案の定地獄の如く分厚い書類が印刷され、ドサッと机に置かれる。目の前に聳え立つ、富士山に負けずとも劣らないそれに、流れに流されて生徒会副顧問になった一三人は、己の軽々しい判断を憎んだ。

「廻さーーん、怖い。俺は君の仕事の速さが怖いよー。ええ、これ全部俺が確認すんの? いや、やるけどさ、やるけどもだよ、でも、我らが生徒会長殿が仕上げたんだから、俺ごときの確認なんて要らないよねえ? 俺せいぜい4、5枚くらいだと…」

 最後はしりすぼみになりながら、書類をペラペラと捲っていく。一応、ポテトチップスを触っていない方の手で、器用に出来上がった書類の校正をしていく。すると、思い出したように顔を上げて、廻と姫路を交互に見た後、書類の校正をしていた手を白衣のポケットに突っ込んだ。そして、2つの飴を取り出した。
 1つは、可愛らしい兎のマスコットと、真っ赤な林檎が描かれた、丸型の飴だった。2つ目は、赤い包装紙に金文字でフランス語がデザインされた、長方形で丸みのある飴だった。一三人は、前者を姫路の、後者を廻の前に突き出すと、ふ、と口角を少し上げて微笑んだ。

「君は、林檎ジュース飲んでるし、林檎好きそうだからこれあげる。ほぼ林檎の果汁だけで作ってるんだけど、角砂糖の割合も絶妙で美味い。それと、生徒会長殿には、ラズベリー風味のミルクティー味な。中には練乳が練り込まれてて美味いぞ」

 新入生を歓迎する意味と、お仕事お疲れ様、の意味を込めて、2人に飴をプレゼントすると、再び書類と悪夢のにらめっこを始めた。

>>荊棘之院様、姫路様

8日前 No.28

@purple3ru ★3DS=YdaTgmlzMA

【新郷芽璃兎 / 廊下→生徒会室】

花見とか…馬鹿馬鹿しい。

楽しそうな笑顔を浮かべながら、そんな冷たーいことを考えていた。
この学校の春のイベント、花見。桜は綺麗に咲いているけど、芽璃兎は特に興味がないので、トイレに行くフリをして校舎に入った。
行く宛は…あるっちゃある。ちょうど甘いものが欲しいし、利用させてもらおう。
やってきたのは、生徒会室。先に言っておくと、芽璃兎と生徒会には、関係が一切ない。生徒会のメンバーでも何でもないし、メンバーと友達というわけでもない。ただ、今回の目的は、飴をもらうこと。
無邪気な笑みを作ってから、勢いよくガラガラッと生徒会室の扉を開いた。

「いみひとせーんせぇっ! あっやっぱりいたっあのねあのねっめりとんせんせーにあめちゃんもらいにきたの! いますっごい甘いもの欲しいんだぁ♪ ねっ、ちょーだい?♪」

楽しそうに笑ったまま、部屋で生徒と話す四条一三人の腕にくっつき、にこにこと一気に話した。

>>四条先生、周辺all【突然ですが絡ませていただきましたー!】

8日前 No.29

リンボ%% @linnvo☆wNQuFdG87BE ★6O1STZoCNm_M0e

【園崎舞沙夜/2年牡丹組教室】

「あはは、やっぱそういうことか。そりゃお花見って普通外でやるもんだしねえ。でも……意外と教室からでもやろうと思えばやれるんだな」

 園崎はちょっと笑って雰囲気を明るくしつつ、あっさりめに受け答えした。そして窓の外を眺めて言う。神原はやっと本音を吐露し、語れば語るほど自身を追い詰めている様子だった。馬鹿にするような話じゃないし、たまたま起きてしまった小さな災難であることは分かる。それをいつまでも気にさせるのは少し可哀想なので、もうあまり深く聞かないであげようか。
 自分も、花見は外でするものだという観念がなんとなくあった。今年も去年も、適当に男子達で集まってやることになり、細かいことは何も考えずに加わっていたから……というのもあるけど。でも、それでは気付かないこともある。やっぱり外とでは桜を見る距離が違ってしまうが、教室に居るとグラウンドにある桜の木々をほぼ全て一望出来る。桜を楽しみながら何かをすることは、とりあえずは可能なのだ。それに気付くと、校内の桜なのにわざわざ外で花見なんて馬鹿馬鹿しい……とまでは思わないが、教室でというのもこれはこれでアリ、と思えてくる。

「1年の時は物珍しいイベントだと思ってそれなりに楽しめたけど、2年目になりゃさすがに飽きるかと思ったら、案外違くて。クラス変わっちまった友達とまたつるめるってのが嬉しかった。この行事も捨てたもんじゃないなって思ったよ」

 去年はただ親睦を深めるような意識で参加していた覚えがあるが、こう知り合いが少ないのと増えているのでは感覚がまるで違うのが分かってしまった。前のクラスを楽しんでいた人達は大体の人が多少の名残惜しさを残しているこの時期に、こんな風に自由な行事があると、嬉しいと思う生徒も少なくないのではないだろうか?

 神原が美味しいと言って園崎に勧めていたはずの菓子は、実は神原の口に合わないやつだったらしい。確かに、言われてみれば好き嫌いの分かれそうな味だけど。

「あれ、そうだったのかい? 結構いけるのに勿体ない。おう! 貰っとくよ。ありがと」

 元々黒目も白目も広範囲で露わにしている二重瞼が一瞬くいっと上がって、つり気味から丸い形になる。どうやらもっとあるらしく、3袋程同じものを貰った。後で外のあいつらにも持って行こう。しかし、園崎はあることに気付く。

「えっ。てことは……神原、俺に不味い菓子食わせようとしたのかよ?」

 眉間に皺を寄せ、眉をつり上げるようにぐにゃりと曲げ、少々怒りが見える顔つきと声になって神原に尋ねた。

>神原はるか、周辺all

8日前 No.30

リンボ%% @linnvo☆wNQuFdG87BE ★6O1STZoCNm_M0e

【姫路有希/生徒会室】

 両手に持つ物をコップに変えて林檎ジュースをごくごくと飲む。生徒会長さんに林檎好きであることを指摘されると、コップから口を離して、ぺろっと舌で口の周りに付いたジュースを拭ってから、一度頷く。表情はそのままだがシアン色の瞳は急に輝きを放ち始め、普段よりも声に力を込めて答えた。

「はい。林檎、大好きです。この籠の中が林檎なのも……当たりです。これで、食べたくなった時にいつでも食べられます」

 有希は側に置いた籠を自分の膝に乗せ、蓋を開けて生徒会長さんに見せる。籠の中には真っ赤に色付いた林檎が二つ顔を出しており、クロスが掛かって見えなくなっている林檎が一つ。此方は先程まで齧っていたものだ。
 そして、生徒会長さんに付き合ってもらうとするかと言われ、仲良くしてくれるのか? と思い、半ば反射的に「……ありがとうございます」と告げた。その発言の意味をあまり深く考えようとはしなかった。

“はぁい、こちらがお呼びになられましたぁ……今日顧問出張でしょ? 教師ってのも中々大変そ……どっかのじゅーさんにんさんは例外だけどねぇ……いっつもだらだら……今時春キャベツの方がよっぽどシャキっとしてるんじゃないぃ……?”
“おっまっえに言われたくないよねえ。出張なの忘れてたんだよ……あっ、またジュウサンニンって呼んだな、何だ、そんなに俺に増殖してほしいのか? まあ、イケメンな副顧問の先生を13人も侍らせたいっていうなら、分からんでもないぞォ__春キャベツって。俺だって、会議とか出てるんだぜ? まー寝てるけど……”

 先生が来ると、生徒会長さんと独特な会話を始めていた。ポテトチップスをポリポリ齧りつつそれを眺める有希。自分では話についていけそうにないが、それは見ていて不快なものではなかった。むしろ逆に……何て言えばいいのだろう……。

 その後、自己紹介で生徒会長さんの名前が荊棘之院廻と言い、2年生の先輩で部活には入っていないことが判明した。
 ポテトチップスを取る手を止めてティッシュで指先を拭いていた時、机の上にさっきまで無かったような気がする、林檎のグミを発見した。拭き終わるとすぐにグミを手に取り、白い指を使って開け始める。すると、猛スピードで鳴るタイピング音と大型プリンターの作動音が聞こえ、気付けば分厚く積み重なった書類がテーブルの上に現れた。その様子を目にして、有希は思わず可笑しなことを呟いてしまう。

「生徒会長さんって……生徒会長さんなんですね。……あ。えっと、何て呼べばいいでしょうか……。生徒会長さん……? 廻さん……?」

 有希は視線を下に外し、右、左と呼称を言う度にこくんこくん首を傾げる。ふと気付いたのだが、自分と仲良くしてくれるみたいだったので、堅苦しい呼び方じゃない方がいいのかどうか迷ってしまった。
 今度は林檎のグミをつまむ様になった有希はもぐもぐ口を動かしていると、四条先生から飴を一つ差し出される。可愛らしい兎のマスコットと、真っ赤な林檎が描かれた、丸型の飴で、曰くほぼ林檎の果汁のみであり、絶妙な量の角砂糖を使っているらしい。林檎の飴なので内心で喜びつつ、有希は「ありがとうございます」と変わらない表情でお礼を言って受け取ると、ペン等を沢山差している自分のブラウスの胸ポケットの中にしまった。

 その時、再び生徒会室の扉が開く……音がした瞬間。

“いみひとせーんせぇっ! あっやっぱりいたっあのねあのねっめりとんせんせーにあめちゃんもらいにきたの! いますっごい甘いもの欲しいんだぁ♪ ねっ、ちょーだい?♪”

 幼げな声を上げながら、パステルピンクの髪をツインテールに結んだ小柄な少女が生徒会室に入ってくると、真っ直ぐ四条先生目指して歩いて行き、腕にくっ付きながら話しかけていた。飴をねだっているようだ。有希はグミをむにむに噛みながら、全く動じない様子で彼女に注目していたが……何故か、初めて会った気がしない。なのに、なかなか思い出せない……。

>荊棘之院廻、四条十三人、新郷芽璃兎、生徒会室all

8日前 No.31

千里 @matunogirl☆JygYpuYd4vU ★Android=W1VemU3zJF

【神原はるか/二年牡丹組教室】

「ま、まぁ、普通は外だけど……。室内で見ても桜って綺麗だから中で見る人がいてもおかしくねぇなって。」

はるかはそう言いながら、窓の外へと目線を戻した。桜は随分綺麗に咲き誇っていて、なかなか立派なものだ。はるかは暫く眺めた後に「ここはやっぱり特等席だな、」と一言口にした。その理由も下に降りてしまうと近くにある桜しか見えないのに室内なら全部の桜が見下ろせる。こんなに綺麗なものはないだろう。口を少し綻ばせながら見下ろす。
「それは俺も思った。けどさ、途中で気がついたんだよね、これ2年とかの教室から見た方が桜もっと沢山見られるんじゃね?って。勝手に先輩の教室に入るのははばかれたから、今年が初めてだったんだけど、結構いいもんだよ。……でも俺二年目は飽きてたわ……」

たしかに学校で花見、なんて珍しいので、1年はテンションが上がった。しかし二年目には既に飽きていた。元々飽きやすい性格なのもあり、余計に飽きていた。知り合いという知り合いがあまりいないはるかこそ参加すべきなのだが、如何せん、飽きている。こうして教室でひとり花見をしている時点でバレて入るだろう。が、あえて口にはしなかった。寂しくはないから。

はるかの美味しくなかった、というと、勿体ない、と言いながら、お菓子を受け取る。が、その後確信に迫られることを言われ、はるかは、今度こそうっ……と声を上げる。また口が滑った。そう思いながらも、口を開いた、
「元々はそれ、人にあげる用だったんだけど、誰もいないしためしに味見したら、最初はよかったんだけど、最後の方は飽きてきてて……。ひと袋食べたら満足したし、ふた袋目以降は誰かにあげよーって思ってて……。」

最初の方の感想を伝えただけだった。
はるかは最後にそう言うと紙コップをカバンから取り出し、みんな大好き炭酸飲料を注ごうとする。
「……あ、お前って炭酸平気?」

注ごうとしたのを一度止めてそんなふうに問いかける。

>>園崎舞沙夜様

8日前 No.32

独楽 @sbluexxx☆rx3sEFPR6z6 ★qxXpJAS7CZ_yoD

【 白灰零 / 二階廊下 】

 反射的に洩れた声に、彼はどう思ったのか。引っ込んだ手を疑問に思い相手を見上げるように見つめると、今度は荒い手つきで髪をかき混ぜられてしまった。手の動きに合わせてぐらぐらと頭が揺れる。もしかすると優しい彼のことだから、戯れのつもりで喰らわせた手刀が此方のダメージになってしまったのではないかと不安になってしまったのかもしれない。それを隠そうとして、痛いの痛いのとんでけ、ではないけれども、撫でようとしてくれたのではないのか、と。照れ屋さんだから乱暴な手つきになってしまうのはご愛嬌。伊達に幼馴染をやってはいない。ぼさぼさ頭のまま、困ったように、けれども嬉しそうに笑う。

「わわ……、あはは、冗談だよ。痛くない」

 大切にされているなあ、という自覚がある。そこまで弱くないのになあ、とも思うけれど、折角の気持ちを無下にはしたくない。それにそう言えばきっと、目の前の彼は己惚れるなと再びチョップを繰り出してきそうだから、無駄な口は叩かないように、と笑うだけに済ませておいた。そもそもの話、これだけで痛いと喚いていたらとっくの昔に廊下の真ん中で泣き叫んでいることだろう。

「惜しい。キーゼルバッハ、だよ。美味しそうだけどね」

 ヘーゼルナッツなんて部位があれば皆すぐに覚えてしまいそうだなあ、と彼の言葉にくすくすと笑いつつ間違いを訂正する。別段この知識がなくとも困ることはないし、それを咎めることもない。学年で言えば一つ上の彼がどのような進路を歩むのかは聞いたことがないけれど、医学部に進むなんていう話ならもっと先にきいているだろうから、彼にとっては必要ない知識だろうと勝手に判断した。
 優しいね、という言葉に対し、やはりと言うべきか優しくないと言葉を返してきた彼に、こういうところも相変わらずだなと笑う。これ以上言うと「だから優しくねえっつってんだろ!」と怒られてしまいそうなので、意味ありげな笑みを浮かべるだけにとどめておいた。勝手に言ってろ、とのことなので、言う分には構わないらしいと上機嫌に言葉をつづける。

「ああ、それじゃ勝手に言わせてもらうことにするね」

 褒め言葉に、今更恥じらいを感じるような人間ではない。わかりやすく照れている相手とは対照的に、涼しい顔をして一度頷いておいた。
 続く花見に関する言葉は何となく歯切れが悪く、目をぱちりぱちりと瞬かせながらそれを聞いていた。他の連中の邪魔になる、とか、お菓子を作る、とか。何となく不自然な言葉たちだが、彼がそう言うのならそうなのだろう。

「邪魔になんてなるわけないだろ、紅くんは考えすぎなんだって。……あれ、そういえば紅くん、その怪我どうしたの」

 紅の周囲の状況は何となくわかるけれど、それに対し彼が気を遣う理由はない。言いたいのなら、先程の彼の言葉通り好きに言わせておけばいいではないか。彼のクラスメイトにはきっと、彼の優しさに気が付いてくれている友人だっているはずだ。事実、ここにだっているのだし。どことなくばつの悪そうな表情を浮かべる相手に、対照的にこちらは笑みを浮かべ、そう深刻な話でもないのだとわからせるように考えすぎだと告げた。けれどもそこで彼の顔の傷に気が付き、小さく目を見開いて問いを投げる。頬の傷、それから口元の痣。どう考えても転んだだけとは言い難いような怪我の仕方だ。それに、自分のように道で転ぶような真似を、彼がするとも思えない。
 近寄ると、これまでの一連の出来事を見ていたのだろう、鼻血の件を心配してくれる彼女にはばつが悪そうに苦く笑った。

「ああ、うん、大丈夫。そう、手当てしてもらったからね。自分の着てる服破ってまでしてくれたんだ、優しいだろ?」

 自分よりも僅かに背の高い彼女が、覗き込むようにして此方の安否を確認してくる。続けて周囲をぐるぐると回りながら、他に怪我をしているところを確認してくれているのだろう彼女に一度頷いて、大丈夫だと告げた。確かに少し表情の機微はわかりにくいかもしれないけれど、意外と行動的な彼女――それがわかりにくい表情の代わりに感情を表現してくれているのだと気が付いたのはいつだったか。目の前でぴたりと止まった彼女に笑いながら、鼻を押さえている布を指差して、後方で待っている彼が優しい人間なのだと伝わるように言葉を選ぶ。

「キーゼルバッハだってば。聞いてたでしょ」

 紅がヘーゼルナッツだと言ったのに合わせたのだろうと思われるナッツ類の単語が聞こえてくれば思わずふきだして、紅にしたときと同じように訂正を施す。
 紅に向き合い、自分越しに挨拶をする桃前に、零は少なからず安堵していた。見た目だけで紅を敬遠するような態度をとる生徒がいることは知っている。中身をろくに知らないくせに、距離を取ろうとする生徒がいることだって。それを見ると零は悲しくなるし、どうしてだろう、と思わざるを得ないのだけれども、自分と仲の良い桃前がそうしなかったことには底知れず嬉しかった。彼女には紅の優しさが伝わったのだな、と思うとにこにこ顔を隠すことも出来ず、二人のやりとりをその表情のまま見つめていた。やがて此方に向きなおった桃前の質問に一度頷き、思いついたように声を上げる。ぴーん、と、まるで明かりのついた電球が頭上に浮かび上がるかのような、零にとっては本日最大の名案である。

「うん、暫くは。……あっそうだ! 三人でお菓子作りしないかい? 僕、普通にお花見するには勿体ないなって思ってたところなんだ」

 普通のお花見、例えば下から桜を見上げながらお菓子を食べるような、例年通りのお花見では面白くないと、二人を交互に見つめながらお菓子作りの誘いをかける。もとは紅がしようかと言っていたそれだが、彼がお菓子作りに異様な執着を持っていて、一人でつくりたいと言うわけでもないだろうし、おまけに桃前は甘いものが好きだったはずだ。彼女の予定はきいていないけれど、どうだろうかと伺うように二人を見つめる。何となくきまらないのは、鼻を押さえている白い布のせいであろう。

>>紅くん、桃前さん

7日前 No.33

@akira0908☆G2g5KGLD3yBo ★Tablet=UIgVrM4Ag0

【華聖紅/2階廊下】

 冗談だと言われ、一気に脱力して肩の力が抜ける思いだった。全く、本当に手のかかる幼なじみだ。そんな事を思いながらも、決してそれを口にすることはなく、「けっ、心配して損した」等とぶっきらぼうに吐き捨てるようにいう。口調こそは横暴、というよりはかなり乱暴なものではあるが、そんな事を言う口ぶりに反して表情こそは安心しきったかのように緩み、零を見る瞳は穏やかなものだった。
 紅が誤魔化しになっていない誤魔化しでヘーゼルナッツと言った言葉に対し、キーゼルバッハ、と訂正を入れられ、よく理解してないかのように「きーぜるばっは」と言葉を少し幼子のようにも見えるが呟くようにただ反芻をした。
 ────ヘーゼルナッツの方が覚えやすいと思うんだけどなぁ。
 いくら勤勉な紅と言えども、医学的分野に手が回るほどではない。どちらかと言うと医学の勉強をする暇があるなら絵本作りに勤しみたいところだと思う。まぁ、まだそれを誰かに言ってはいないが。フラワーアレンジメントの話はなんとなくしたような気もするものの、本当にしただろうかとも考えてみる。
 「それじゃあ勝手に言わせてもらうことにするね」、と言った零の言葉と零の意味ありげな笑みに少し首を傾げながらも、ここはあまり聞いたところで自分にとっていい結果になるようなことではない気が直感的にしたので、敢えて深く触れずに「言ってろ言ってろ」とくすくすと口元を抑えながら笑った。無意味な時間が紅は好きだ。
 すると零からは嬉しいとも言える言葉、「考えすぎ」という言葉にどうだかなぁ、と思いながらも、有難い言葉だったことに変わりはなかったので、小さく笑いながらその言葉を聞いていると、零がふと怪我について触れてきたので「ああ……」と思い出すように少し上を向いた後に口を開く。

 「うちの一番下の弟が今朝学校嫌だーつって喚いてたもんで。そん時に引っ掻かれたのがこっち。そんでこれは弟の喧嘩に巻き込まれただけだな。本当にアイツらは手加減が無いと言うかなんというか……」

 こっち、と言いながら絆創膏のついた頬をトントン、と叩きながら苦笑をし、口元に出来た痣の方は決して仲裁に入った、とは言わずにただ、巻き込まれた、という表現を使ってやれやれと肩を竦めながら呆れたように小さく笑いながらまだ痛むのか口横の痣はトントン、と人差し指で軽く叩くような素振りはしなかった。
 そういえば一番下の弟はまだ零は見ていなかったっけ。そんな事を思ってみるも、我ながらなかなかの大家族に住んでいると思う紅にとっては誰が誰でも皆同じような顔してるな等と失礼なことも考えている。まぁ、同じ顔してると思っていてもちゃんと見分けているのは流石お兄ちゃんと言うべきか。
 零と左京の談笑をあまり邪魔しないように少し遠く離れたところで見ながら、少しの物悲しさを覚えつつも小さく微笑して見守っていると、零越しに左京に軽く頭を下げられ、一瞬ギョッとしたが、紅も控えめに会釈程度に頭を下げた。

 「え、あ、お、おう、ご、ご丁寧にどうも……。さ、3年の華聖紅っす……え、と、あー……零が世話んなってます。…………おかあ?」

 零に迷惑をかけないためにもなるべく引き攣りながらも精一杯の笑顔を作りながら挨拶をしてみるも、コミュ障やら何やらが混ざった事もあり正直言うと慣れていないこともあり人によっては恐怖を覚えるような笑顔になってしまったが、紅はその事に未だ気がついていない。度々出てきた「おかあ」との言葉の先は察した気がしたが、敢えて知らないふりを通すことにした。
 すると唐突に先程までやたらとにこにこしていた零がいきなり口を開いたかと思えば、3人でお菓子作りをしないか等と言い出す。一瞬困った素振りを見せるものの、いずれにせよ最後の花見だしそれもいいかもしれない、と思い小さく微笑しながら「しょうがねぇな」と口を開く。

 「俺は構わねぇけど……。えーっと……桃前はいいのか?」

 少し気にかけるように零と左京を交互に見ながらそんな風に声をかけた。

>>白灰零様、桃前左京様、all様

6日前 No.34

リンボ%% @linnvo☆wNQuFdG87BE ★6O1STZoCNm_M0e

【園崎舞沙夜/2年牡丹組教室】

 ……なるほど。神原は前からそんなことを考えていたのか。本当に花見をするつもりだったのか否かは置いといて。

「へぇ。此処から見れて良かったじゃないか。来年は校舎ん中で花見スポット探してみるかー」

 校舎の中から花見をする楽しみを発見した園崎は、神崎に微笑みかけた後、窓の外を眺めたまま少し口角を上げて呟くように言う。校舎から桜を見ている者達は、一体何処から同じものを見ているのだろうか。グラウンドで誰かが探し当てた『絶好の花見スポット』なる場所から眺める桜も確かに最高だったが、校舎の中にもきっとそのような場所があるのかもしれない。クラスが別れた友人とのんびりつるめる機会としても良いと思ったけれど、それを目的にするなら必ずしも桜は無くてもよくなってしまう訳で。飽き無く桜を楽しもうと思うならば、少しでも綺麗に見える場所にすれば気分も上がるはずだ。……来年、自分にちょっとでも花見をやる気があったらそうしてみよう。

 神原曰く、園崎に押し付けた菓子は、元々人にあげるつもりで買い、試しに味見してみたら一袋で飽きてしまったものらしい。園崎は目を細め「ふーん……」と、じとー……と神原を見つめながら声を漏らす。

「罰ゲームじゃあるまいし、本当に不味かったらどうすんだよ。ったく……」

 ちょっと機嫌が悪そうに言って、菓子を口に含む。美味しいと言って勧められ本当に不味かったら、一応騙されたってことだし、まんまと目論みに引っかかるところだったと思う。まぁ、結局自分が全て引き取って、神原にとっては良い形になったのだが。

「俺が後で外で見てる友達にあげて、この菓子の感想聞いてきてやろうか?」

 なんてことを微笑んで言ってみる。
 その時神原は紙コップに炭酸飲料を注ごうとしていて、尋ねられたので「おう。大丈夫」と答えた。

>神原はるか、周辺all

6日前 No.35

仔夢 @00000x ★iPhone=y44SZZaVfW

【 荊棘之院廻 / 生徒会室前 】


『はい。林檎、大好きです。この籠の中が林檎なのも……当たりです。これで、食べたくなった時にいつでも食べられます』
「へえ……籠に林檎入れてるなんて、なんかの童話のお姫様みたいだねぇ……何か、って言われるとそんなの忘れちゃったけどね。こーゆーのロマンチックっていうの?」


それを聞いて菓子棚からソフトキャンディやマシュマロ、喉飴などの林檎をモチーフにしたと思われる菓子をぽんぽんと机に放っていく。どうせ食べられるなら自分のことが好きな人に食べられるのが菓子も本望だろう。以外と林檎系の菓子が多いことに唖然とし、そこまでメジャーな味でも無いことから執行部の中に誰かしら林檎好きな人がいるのだと新たな発見をする。


『おっまっえに言われたくないよねえ。出張なの忘れてたんだよ……あっ、またジュウサンニンって呼んだな、何だ、そんなに俺に増殖してほしいのか? まあ、イケメンな副顧問の先生を13人も侍らせたいっていうなら、分からんでもないぞォ__春キャベツって。俺だって、会議とか出てるんだぜ? まー寝てるけど……』
「なぁに? こちらがサボってるとでも? 生憎寝てばっかの生物の先生とは違って色々こなしちゃってるからぁ……生徒会の美形担当はこちらだけでじゅーぶん。寧ろイケメンなんていたっけ……?」


廻の冗談にもノリがいいのか悪いのか乗ってくる一三人に「可愛いのは事実だしぃ」と放送とは大違いの甘ったるい声を上乗せしながらもだらしなく会長席の机の上に顎を乗せて思い切り引いた椅子から流れる曲線美を演習している白い脚をぶんぶんと揺らす。印刷機がガシャン、と流石最新式と言わんばかりの控えめな機械音を立て、偶に電子音を響かせて紙を強請る度に他校より数倍はあるであろう会費で大量にストックされたコピー用紙を袋ごと突っ込むという単調作業を繰り返すこと数分。最早印刷室においてある印刷機より新しい最新式印刷機の周りには使い果たしたコピー用紙の袋が数枚散らばり、印刷機は幾ら無駄がないとはいえ流石に限界だとインクを欲している。先程『あっ、先生嫌な予感するう……』などと呟いていた彼は机に積まれた書類のその高さに唖然としており、有希はその書類の山と廻を交互に見て薄っすらと目を煌めかせていた。


『廻さーーん、怖い。俺は君の仕事の速さが怖いよー。ええ、これ全部俺が確認すんの? いや、やるけどさ、やるけどもだよ、でも、我らが生徒会長殿が仕上げたんだから、俺ごときの確認なんて要らないよねえ? 俺せいぜい4、5枚くらいだと…』
『生徒会長さんって……生徒会長さんなんですね。……あ。えっと、何て呼べばいいでしょうか……。生徒会長さん……? 廻さん……?』
「どっかの誰かと違って要領がいいから困っちゃうねぇ。オマケに機械に強いなんて文句つけるとこが無くて困っちゃうって感じー。ていうかさ、そういう文句は顧問に言ってよねぇ……彼奴が確認なら今度、今度って後回しにした挙句急な出張だー、とか言って勝手に出てっちゃったんだから。……もー、結局やるならそんなくだらない文句垂れ流さないでさっさと終わらせて!____それはこちらの働きっぷりを認めたと捉えるけど? ねぇ! 新入生にもそう見えちゃうかあー。やっぱり廻さんは立派な生徒会長様の器に生まれちゃったんだなあー。正に天は二物三物を与えた、ってことだねぇ。____こちらのこと? 好きな呼び方でどうぞー。呼び名って特段拘りも無いし、でも強いて言うなら役職名じゃ無くて名前で呼んでほしいよねぇ」


素直にテーブルに向かう彼の背に強気な口調でどろどろとした文句の山をさらりと切り崩しながらも、有希の褒め言葉ともとれる言葉に乗せられて調子に乗りながら呼び名についての会話を交わし、愛用のリンゴマークのノートパソコンを立ち上げるという聖徳太子のような技を繰り広げる。そして、彼が数は少ないもののそれでもこれだけの書類を一人で纏め上げるとやはり数枚は出てくる誤字脱字や印刷ミスのある用紙にペンを入れる度に『タイピング世界大会とかあったら難なく優勝できるんじゃないか』レベルの途轍も無いスピードのタイピングで校正していく。印刷機はもうその速さについてこれておらず、勿論彼が書類に目を通すのも一般的には速くとも廻からすれば『遅い』に値するのでこの時間は割と暇だ。常日頃の行動からして遅いこの先生に限って確認作業が特別速いというギャップも無く、そもそも校正が必要な書類だって片手に収まる枚数なのだから彼の確認作業が廻より速くとも暇なのに変わりは無い。処理の追い付かないノートパソコンを前に会長席の背凭れに背を預け足をぶらぶらと弄びながらイモを原料としたスティック菓子をつまんでいると、ふと目の前に差し出されたのはきらきらと光を反射するパッケージ。珍しくそれに興味を示し、見づらいと思われる位置から見入っていると、校正作業を行っていたはずの一三人が口を開いた。


『君は、林檎ジュース飲んでるし、林檎好きそうだからこれあげる。ほぼ林檎の果汁だけで作ってるんだけど、角砂糖の割合も絶妙で美味い。それと、生徒会長殿には、ラズベリー風味のミルクティー味な。中には練乳が練り込まれてて美味いぞ』
「ふーん、割とこちらの好みわかってそーゆーのやってんのねぇ……」


満足げな表情でその飴に手を伸ばしたその時、破壊音のような激しい音が廊下中、生徒会室中に響き渡った。何事かと十字架を浮かべた目を見開いたのも束の間、処理がやっと追いついた脳は音が両開きのドアが乱暴に開かれたことによるものだとは理解し始めたもののそれを行った人物には残念ながら見覚えがなかった。冷静になるべく芋菓子を二、三本同時に口の中に放り込み、それを眺める。


『いみひとせーんせぇっ! あっやっぱりいたっあのねあのねっめりとんせんせーにあめちゃんもらいにきたの! いますっごい甘いもの欲しいんだぁ♪ ねっ、ちょーだい?♪』
「それ、そのこにあげていい、よ。こちらはそんなに甘いもの食べたい気分でもない……し」


小声とアイコンタクトで一三人にそう囁く。有希は飴をとることに間一髪で成功したようだが彼女が入ってきた今とるのもなんとなく嫌味に感じさせてしまうかもしれない、と伸ばしかけた手を引っ込めた。世渡り上手な廻は彼女が退室するか、若しくは飴を貰うまでは自分は手を出してはいけない理由がよくわかった。そして、前述した通り廻は要領のいい子でもあるため一三人が自分に差し出した飴を彼女にあげることを勧める。ここで一三人が違う飴を取り出し彼女に渡したのなら、今彼が差し出した飴が廻だけの為に用意したものとなり、一三人と親しげな彼女の機嫌を損ねる可能性も否定できない。そもそも彼女の人間性がわからないため可能性など未知数なのだが。飴を強請る様子を訝しげな表情で眺めながらも興味を示さなくなったのかイヤホンをつけて何時の間にやらシャットダウンしていたパソコンを立ち上げ、来月の仕事に取り掛かる。そもそもノックも無ければ許可もとっていない第三者に自身の城にそうずかずかと立ち入られることに嫌悪感を示しているのだ。一三人に用があるのなら其奴も含めて外でやってくれと内心でぶつぶつ呟きながらも苛立ちも兼ねてかタイピングの速度は何時もの五割増しで速い。そんな逸る心を落ち着けるためか、将又単に疲れの解消か、先程準備していた湯が沸いたのを確認し、紅茶を淹れる。生憎お気に入りの銘柄は昨日切らしてしまったのだが、それでもローズヒップの特徴的な香りが鼻に抜けるこの感覚はそう嫌いではなかった。


>姫路有希様、四条一三人様、新郷芽璃兎様

6日前 No.36

司徒 @nobunaga10 ★2rB1db7muK_yoD

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5日前 No.37

@purple3ru ★iPad=o1RdeKbLL2

【新郷芽璃兎 / 生徒会室】

"わざと"無礼に生徒会室に入って、四条一三人にくっついていると、まず気になったのは視線。
きょとんとした顔で感じた視線の方を向くと、グミを咀嚼する白い肌が目立つリボンのついた真紅のカチューシャが生える長い黒髪の、華奢な少女がいた。突然の襲来に平静を保ったまま、こちらをジッと見つめている。その行為に特に意味はないと判断し、彼女の無表情に無邪気に笑顔を返した。

>>それ、そのこにあげていい、よ。こちらはそんなに甘いもの食べたい気分でもない……し


我らが生徒会長様は、小さく四条先生にそう言いながら手を引いた。手を引いた、というのは何かの比喩ではなく、そのまんまの意味で。そうして自分だけの飴を私のようにねだることはなく、こちらを不審そうに見ながら、パソコンをたちあげて生徒会の仕事を始め、紅茶を淹れた。なるほど、此処に無礼に入ってきたのがそんなに気に入らなかったわけか。ただキャラ維持でそうしただけだしこの人となにか人間関係を築くことはないだろうから、嫌われたっていいけれど。

>>おお、新郷か。よく分かったな、てか放送で呼び出されてたか、俺……甘い物、飴か、ちょっと待てよ……


キビキビとは正反対の動きで私の頭に手を乗せ、生徒会長と会話を交わした四条先生は、飴をこちらに渡した。「わぁーい! ありがとっせーんせっ♪」と顔全体を使って笑うと、飴を受け取り、早速包み紙を剥がして口に入れる。仄かに酸味を感じる甘い味が、口の中に広がった。本当はガリッと噛み砕いてしまいたいが、それはあまりにもかわいくないので、ゆっくりゆっくり舐めまわす。先生と目が合い、柔らかく微笑まれたので、自分もえへへーと笑いかえす。

>>ん。この飴やる。ラズベリー風味のミルクティー味。中には練乳入りで甘いぞー。つか、新郷ちゃーん。君はちゃんとドアノックして入ってきんさいよ? 俺ビックリしちゃったからさ。お花見は良いのか? お前の事だから、こういうイベント好きそうだと思ってたが


「はーい、今度からノックするねー…。お花見はつまんないよ! だってっお花を見るだけなんだもん!めりとんはもっとわいわいさわげるうんどーみたいなのが好きなんだもん! お花はきれーだけどっめりとんはさくらよりあめの方が好きだもーん」

注意されたことにしょげてみせてから、花見に対する意見を勢いよく、それでいて飴を舐めながらヨダレを垂らさないように器用に口の中で管理しながら話す。
彼が一切怒っていないし心配しているだけなのは簡単にわかったが、怒られたととって悲しむ方が愛らしい、と私は思う。
先生は目を細めてまた目を合わせると、頭の上を軽く滑るように動かした。

>>姫路有希さま、荊棘之院廻さま、四条先生

5日前 No.38

リンボ%% @linnvo ★iPhone=vHS9oEFUi7

【姫路有希/生徒会室】

「じゃあ、廻さんにします」

 名前で呼んでほしい、という荊棘之院廻の発言を聞いて、有希はこれからは彼女を名前で呼ぶことに決めた。

 生徒会室に突如入り込んできた少女を見ていると、彼女は無邪気に微笑み返してきた。どうして見覚えがある気がするのか……。すぐには思い出せそうに無いから、思い出したらその時に考えることにした。そう決めて、少女への注目はやめる。
 グミを食べ終わると、廻が沢山出してくれた林檎味のお菓子を、手に取ったり目移りさせながら、次はどれを食べようか考えていた。だが、実はそろそろ果物の林檎の食感が恋しくなってきていて、食べかけていた林檎も食べてしまおうかとも思っていた。すると、急にどこかから甘い良い香りが漂ってくる。顔を上げると、廻が紅茶を淹れていた。この香りは、紅茶のものだった。
 それに気付いた有希は、ソファーから立ち上がって、廻のもとに歩み寄る。

「廻さん。うちも、その紅茶飲みたいです。林檎に合いそうだから……。飲んでもいいでしょうか?」

 と、林檎に合いそう、という理由で同じ紅茶を飲みたいと告げて尋ねた。

 その時、耳に入ってきた四条先生と少女の会話に有希は反応する。

“ん。この飴やる。ラズベリー風味のミルクティー味。中には練乳入りで甘いぞー。つか、新郷ちゃーん。君はちゃんとドアノックして入ってきんさいよ? 俺ビックリしちゃったからさ。お花見は良いのか? お前の事だから、こういうイベント好きそうだと思ってたが ”

“はーい、今度からノックするねー…。お花見はつまんないよ! だってっお花を見るだけなんだもん!めりとんはもっとわいわいさわげるうんどーみたいなのが好きなんだもん! お花はきれーだけどっめりとんはさくらよりあめの方が好きだもーん”

「お花見は楽しいですよ。花は、普段は飾り物でしかない時もありますけど、じっくり見てみると綺麗で、なんでか楽しいって思えるんです。こんなことは初めてしました。うちはお花見が好きです」

 口を挟んだ有希は、お花見はつまらないものじゃない。そう主張したくて、相変わらず起伏の少ない口調でお花見について語り出す。どちらの方が好きでも構わないが、お花見がつまらない、ということにはとにかく否定したかった。

>荊棘之院廻、四条十三人、神郷芽璃兎、生徒会室all

5日前 No.39

千里 @matunogirl☆JygYpuYd4vU ★Android=W1VemU3zJF

【神原はるか/二年牡丹組】

「まあね!!あたし来年は屋上から見下ろそうかなって思ってんだ。」

良かったじゃないか、と言われ、まあね、と答えると、来年は屋上から見てみたいな、という話を園崎に話す。
はるかだって、毎年見る場所が同じだと飽きるはずだ。そんな時に校舎内で花見を楽しめる場所、と言うのはやはり見つけなければならない。それがひとりで見るハメとなってもそれはそれでまた一興だろう。
「いや、それはないから。母さん達にも食べさせたし。あたしだけだよ、1袋で飽きたの。」

本当に不味かったらどーすんだ、という質問には、母親達にも食べさせたことを素直に話す。ここで嘘をついたところで、仕方が無いので、たまたまはるかの口には合わなかっただけの話だ。
「……うーん……感想は直接聞きたいからな……。……でもまぁ、うん、……いいや。友達の感想、メールしてよ、メアド教える。……炭酸飲めんのね、なら良かった。」

はるかはそう言いながらコップに注ぐと、彼の目の前へと差し出す。差し出した後に、カバンを探り、飾り気もないカバーすらしていない小綺麗な白いスマホを取り出すと「赤外線でいい?」と相手に問いかけるのだった────。

>>園崎舞沙夜様、周辺all様

【凄い自然な流れで連絡先交換出来る子ですが、嫌なら突っぱねてください((】

5日前 No.40

ゆれる @ryyy☆XMpWJ8ETLe5Y ★r79hxdKfuX_m9i

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4日前 No.41

リンボ%% @linnvo ★iPhone=vHS9oEFUi7

【園崎舞沙夜/2年牡丹組教室】

「いいねぇ! よく見えそうじゃん」

 屋上は見晴らしが良いし、確かに桜の映える良い景色が見られそうだ。園崎も、校舎内から見ることを考えるとベストな場所の一つだろうと思っていたのだが、神原が選ぶなら違う所も探してみようか。他に当てが無い訳ではないし。

「へぇー、これが飽きんのかー……」

 妙に間延びさせながら言う。神原のこの発言は嘘ではないだろう。ただ、気に入った側からすると、この菓子がたった一袋で飽きてしまえるものとは、なかなか納得出来ないものなのだ。でも園崎は菓子自体あまり買わない人間ので、飽きてはいないけど、今回の分が終われば次いつこれを食べることになるのか分からない。普段は何であろうと、菓子を買う分の金は欲しいものの為にいつも当ててしまうから。安い菓子くらいでケチだ、と思うかもしれない。実際周囲からそのように言われることも少なくなかったりする。

「ありがと。……おう、いいよ。明日教室で神原に話すつもりだったけど。……ん。おっけ。赤外線だね。ちょっと待ってな」

 炭酸飲料が注がれたコップを受け取って、連絡先交換について承諾する。ズボンのポケットから、保護シートが貼られただけの黒いスマートフォンを取り出し、操作をしながら返す。明日牡丹組の友達に適当に話しに行くついでに神原に話しかけて伝えようかと思っていたが、メールでいいならそれでもいいだろう。
 そして準備が出来るとスマホを神原に、上部を向けて差し出した。

【いえ大丈夫です!男女共に連絡先沢山持ってそうですし笑】

>神原はるか、周辺all

3日前 No.42

仔夢 @00000x ★iPhone=y44SZZaVfW

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3日前 No.43

独楽 @sbluexxx☆rx3sEFPR6z6 ★qxXpJAS7CZ_yoD

【 白灰零 / 二階廊下 】

 心配性なところもあるような素振りを見せる彼に、いつもいつも心配を掛けさせてしまっているのは自分だった。彼は決してそんなことを口にはしないけれど、わかる。今だってそうだ。脱力して安心したように、けれども口はぶっきらぼうに言葉を紡ぐ。あはは、と笑いながら、いつも通りのその瞳に安心するのだって、此方なのだけれど。
 耳慣れない単語を繰り返す様はまさに子どものようで、その大きな体躯と対照的な姿に思わず笑ってしまう。かわいいなあ。口にすると怒られてしまうだろうから絶対に言わないけれど。親が子を見守るようなあたたかい眼差しで彼を見つめると、彼も同じように笑っているのが見えてじわりと胸の奥があたたまる。明確な温度を持ったやりとりが好きだ。近くにいて、目で見て触って、声を聞ける距離に、大切な人がいる。なんてしあわせなんだろう、と思う。恵まれているなあ、とも。確かに親はいないけれど、そんなことは些細なことだった。だってもう、こんなに近くに、こんな素敵な人達がいるのだから。
 感傷的になると泣きたくなるなんて女々しいなあと、彼の怪我に関しての方に意識を向ける。彼に限って自ら喧嘩を売りに行くなんてことはないと思ったけれどやっぱりだ。つまるところ、兄弟喧嘩で――それも彼自身が喧嘩したわけではなく、弟たちの面倒を見て負った傷、ということ。

「ああ、それは大変だったね……痛むかい? やっぱりお兄さんは苦労するね、僕に出来ることがあれば何でも言ってくれ。手伝うよ」

 絆創膏の貼ってある頬は嫌でも目に付くし、口元に出来た痣はあからさまな喧嘩の痕として存在を主張している。これが周りから距離を置かれる理由なるとは一切思っていないが、確かに怖がる者は怖がってしまうのかもしれない。理由を背中に背負って歩くわけにもいかず、色々な意味を込めて大変だったね、と心配そうに眉を寄せて相手を見つめた。絆創膏の下にあるであろう傷はともかく、口元の痣は色も相俟って相当つらそうに見える。彼が大家族の長男であることは知っていた為、投げ出せそうにもない役目に苦笑いを浮かべて労いの意味を込めた言葉をかけた。おまけに彼は面倒見が良いし、色々な苦労事を背負い込んでいそうだ。何か此方にも出来ることがあるのなら、と笑みを明るいものに変え、細い体を張って腰に手を当てた。

 優しいですね、と同意を示してくれた相手に、嬉しそうに顔を綻ばせて大きく一度頷いて見せた。とっても大事な幼馴染なのだと、彼女にも伝わっているだろうか。身体は大きくて、不器用でぶっきらぼうなところはあるけれど、本当に優しい人間なのだ、華聖紅という男は。そういうところが好きなのだと、初対面である桃前にも伝わっているだろうか。きっと、伝わっているだろうな、と思う。彼女には少し無機質な部分があったとしても、紅と同様、そのうちに秘めているものはとてもあたたかいものであると、知っているからだ。

「相変わらずだなあ。その様子だとお花見もまだなのかい?」

 聞き慣れない単語を曲解して食べ物に変換するあたり、彼女らしいと思う。嘘だ、此方をからかいたかっただけなんでしょう、と思わなくもないけれど、お花見が始まっているのにこの場所にいるということはまだお花見らしい食べ物を口にしていないのかもしれない。それに戯れ程度のからかいだ、弾むようなリズムで進む会話が楽しいのには変わりなかった。困ったように眉を下げて笑いつつ、首を傾げて問いかける。
 桃前と紅が言葉を交わすのを聞いて、まずは桃前のおふくろさん、という単語にふはっとふきだしてしまった。成程、彼女にはそういうふうに見えていたのか。確かに無理もないなあと思いつつ、笑っているのがバレないように顔を背ける。勿論、肩が震えているのには正面にいる紅が気付かない筈も無いのだけれど。

「うん、じゃあ決まりだね! 鼻血も止まったみたいだし早速行こう、何作ろうか」

 構わない、と答えた紅と、名案だと手を叩いた桃前。おまけに桃前の表情は一瞬だけだけれどふわりと和らいで、見ている此方の気分を高揚させるには十分だった。了承の意を示してくれた二人に零はにっこりと満面の笑みを浮かべ、鼻を押さえていた布と手を外した。真っ赤に染まった布を握り、すん、と鼻の通りを確認してから、早速と調理室に向かうべく廊下を歩き出す。ああ、楽しみだ。大勢でわいわい調理実習をするのも勿論好きだけれど、大切な人達と近い距離で話をしながらするお菓子作りなんて、一体何回経験しただろうか。指折り数えるほどの経験を、今日出来るのだ。それも、素晴らしく咲き誇る桜を見ながら。零のそんな心境は、軽快で楽しげな足取りにそれはもう全面的に表われてしまっていた。

>>紅くん、桃前さん

3日前 No.44

千里 @matunogirl☆JygYpuYd4vU ★Android=W1VemU3zJF

【神原はるか/二年牡丹組教室】

「だろ?来年は屋上でひとり花見かなって。……気ぃ合うね!」

はるかはそう言いながらにしし、とわらう。他にはどこがあるかな、そんなふうに考えながら、お菓子へと手を伸ばす。甘じょっぱいポテチを口に入れる。
モゴモゴと口を動かしながら、先程あげたお菓子を見ながらこれが飽きるのか、と言いながら何かを考えているような感じがしたので、敢えて口は開かず、黙々とお菓子を口に運ぶ。もちろん入れた炭酸飲料は彼のコップからなくなればまた入れてやろうとか考えながら、食べ続ける。

「んー……それでもいいんだけどさ、文章の方が残るし……今後のお菓子の購入する時の参考にもなるかなって。」
連絡先の交換をするとはるかは直接言いに来るつもりだった、という言葉に、んー、と少し悩んでから口を開く。
はるかはスマホをなれない手つきで操作しながら頭をガシガシとかく。
「あっ……れ……。赤外線ってどれだっけ……あ、あったあった、これでいいんだよね?」

ようやく見つけた赤外線を確認するかのように、相手に画面を見せる。
「……で、どれ押せばいいわけ?」
自分で言っておきながら、どれを押すのか、と聞くはるかはおそらく馬鹿だ。

>>園崎舞沙夜様、周辺all様

【遅くなって申し訳ないです!!】

1日前 No.45

リンボ%% @linnvo ★iPhone=vHS9oEFUi7

【園崎舞沙夜/2年牡丹組教室】

 にしし、と笑う神原に、園崎はクスッと笑い返し、炭酸飲料を飲む。

「ひとり花見かー。俺にはつまんなくて出来ないやつだな」

 と言って、苦笑する。園崎はもう一つ開けていた、自分がよく食べるチョコの方の菓子もつまみ始める。これも美味しい。よく食べる……と言うより、これを買う友達が多いから食べる機会もあるという訳なので、特別お気に入りのものではないのだが、美味しいやつには違いない。
 確かに話してて楽しいし、神原とは気が合うかもしれない。神原の言ってることや気持ちは大体理解出来る。……一人でいるより誰かといる方が楽しめるところは違うようだけど。ただ、そんな自分でも意外と……例えば幼馴染のあいつみたいに、そこまで群れるのを好んでいない奴とも、結構仲良くなれている。それに、こういう少し価値観の違う人と話していると、今まで分かっていなかった事が分かる場合もあったりする。

 神原は、今後菓子を買う時の参考になると言う。確かに、納得だ。

「なるほど。だったらメールの方がいいだろうね。……どうした?」

 急に神原が頭をガシガシかきながら様子がおかしくなる……と思ったら、園崎にスマートフォンの画面を見せてきた。……途中で操作の仕方が分からなくなったのだろうか。

「自分で言っといてやり方覚えてないのかよ……。――……ん。これでいいはずだよ」

 少し目を細めてつっこみ、神原に画面を向けられた状態のままパパパッと残りの操作を進めてあげる。園崎は機械は不得手な方ではないので、たとえ多少機種が違っても慣れた手つきでいじくれる方だ。
 操作が終わると、神原の携帯に自分の携帯を向け、連絡先が来たのを確認すると「おっけ」と呟いた。

>神原はるか、周辺all

10時間前 No.46
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