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【紅玉龍出現】そんな世界の道しるべ!!【宝石爆発】

 ( オリジナルなりきり )
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ファンタジー @kofu32 ★4AGN4ZU9YR_yFt

私の前には道が在る。

荷馬車が行きかう大きな街道、商店街の石畳。

急勾配の山の坂道、人も通らぬ獣道。

街や森、砂漠や洞窟、数え上げたらキリがない。

だから、私は記してみせよう。そこに、道が在る限り。

これは、ここではない、世界の物語。

未知の世界を冒険する、とある『道しるべ』達の物語である。


〜 Prologue 〜

港町『ベル』に春が来た。待ちに待った春が来たのだ。
雪が解け、草木が芽吹き始める、この季節に街は大いに賑わいを見せる。
流氷や、厳しい冬の寒さといった障害が無くなり、船の往来が自由になるからだ。今年も暖かくなるにつれ、一艘、また一艘と、船が増えていく。やがて港は、様々な色彩や模様のマストによって、彩られる事になるのだ。その、光景も今年で5回目になる。

『新大陸』

現在でも、単刀直入な名称で呼ばれる、その大陸が発見されたのは、長い歴史から見ればここ最近のことだ。
決死の覚悟で、一か月以上未知の航路を進み、発見された新しい世界。その世界には、見たことも聞いたことも無い、動物、植物、資源で満ち溢れていた。
発見した冒険者達は、そこに拠点を造り、そこに自分達の女神の船首像の名前を付けた。
あれから五年、女神の名前を冠した、その拠点は街となり、世界中から冒険者が集まる新大陸の中心地となっている。

さて、この物語は、その『ベル』の街の片隅。人の多い石畳の商店街から三つばかり外れた、薄汚い路地から始まることになる。
『道しるべ』。そう書かれた、木製の吊り看板が、同じく吊り下げられている淡い光のカンテラと共に、港特有の海風で揺られていた。人も疎ら、建物に囲まれ昼でも薄暗い。


軋む扉を開けて中に入る。すると、カランカランという小気味の良いベルの音が迎えてくれる。
中は、外とは対照的である。カウンターや、テーブルは隅々まで磨かれ、清潔感が溢れている。店の中には、笑い声や美味しそうな料理の匂いで満たされていた。何よりも最大の特徴は壁である。そこには、『新大陸』の地図が、一面に張り出されている。地図と地図の間から、微かに木目が見えるという有様だった。

「いらっしゃいませ!!空いてるお席へどうぞ!!」

歯切れの良い挨拶の声がかかる。視線を向けると、トレイを片手に忙しなく料理を運ぶエプロンの少女の姿。

「食事ですか?お酒も各種、取り揃えてますよ。それとも……」

少女は、そこで言葉を区切る。そして、人懐っこい笑顔で、こう言うのだった。

「それとも、冒険の旅をお求めでしょうか!!」



そう、何時だって冒険は、新大陸の片隅にある、この小さな酒場から始まる。
未知の世界の、新たな道を切り開く冒険の旅が。
そして、旅を求める冒険者達は、今日もまた『道しるべ』に集うのであった。



【駄文申し訳ありません!!
これは、以前上げた物の、リメイクです。ファンタジーの冒険物語の予定です。
もし、よろしければ、サブ記事の方までいらして下さい】

メモ2017/04/09 13:54 : 友禅☆fXqsD0VZIxk @yuuzenn★Ywte4t2Nfq_Xgx

〜あらすじ〜 


【第一章 イント村の焔振り(ほふり)の洞窟】


最近発見された新大陸。その大陸にある、港町『ベル』からこの物語は始まる。酒場『道しるべ』に集う団員達は、道に関するエキスパートである。

今回はイント村の村長ソーンによる依頼が舞い込む。地震によりイント村にある炭鉱から新たな道が発見され、その奥に宝石を採掘出来る地点があるという。しかし、その情報をもたらした工夫は、全身が焼け爛れており「近づくな」と言い息を引き取ってしまう。現在、村の炭鉱も枯渇しはじめたという。


【坑道の奥にある採掘地点の確認と、安全なルートの確保】


それを、団長であるルトに依頼するのであった。


その夜、契約をするため酒場へ訪れようとした村長を、エギル率いる強盗団が襲う。団長のルトが撃たれるというアクシデントはあったが、団員達は強盗団を軽く退治し自警団へとひき渡す事となった。そして、坑道内での陣形など団員で話し合い、契約を結ぶのだった。


数日後、団員達はベルの街を出発。レンタルした馬車で三日かけ、イント村へ到着する。

村長の家で、イント村で取れた芋料理をごちそうになるのだった 


そして、一行は坑道へと赴く。その途中、魔物による奇襲を受ける。フレイムスパイダーと呼ばれる種類の魔物だ。

道しるべVS炎蜘蛛軍団の戦いの火蓋が切って落とされる。

炎蜘蛛達を撃破した一行は、その場でキャンプを行い、体を休める。


翌日、ルビーの採掘地点を発見し、坑道の最深部へと到達するのだった。←今ココ


『道しるべ』団員一覧


ルト=ラルベル

[http://mb2.jp/_subnro/15531.html-6#RES]


漣 清流

[http://mb2.jp/_subnro/15531.html-7#RES]


…続きを読む(38行)

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彼岸花☆ceTjr.OtlhiK ★DO6kIb3Hl5_M0e

【レリカ・プラムティム/坑道内】

「おやおや、精霊さんも鍛冶に興味がお有りで?」

自分の行動を興味深く……見えただけで実際はどうかは全く分からないがジェームズ先生の精霊さんが見守っていた。 何の予備知識もない状態で鍛冶行為を見るのは確かに興味深い物かもしれない。 例えるのであればどう見ても解けなさそうな知恵の輪を解く人を見るような感じだろうか。 こちらとしては幼少期からやりたくもないのに叩き込まれた物なので感慨深くも無い日常の一部ではあるが。 物事に興味を持つというのは良い事だと言うしそれを咎める気もないので良しとしよう。 人間と精霊の感性の違いが分からないのであくまで人間の感性として、だが。

「やりたいのでしたら長ーい下積みからですね〜。 桃栗三年柿八年、注意一秒怪我一生、焼肉焼いても家焼くなって相場は決まっておりますので。 あ、どもです」

一番最後は絶対に鍛冶と関係無いが、思いついたので一緒に言ってみる。 こんな事ばっかり言っているから変な奴扱いされると分かってはいるものの、思いついたからには言わなきゃ損なので言っておこう。 正直、言わなきゃ数歩歩けば忘れるのは確実な事でもあるし。

濡らされたハンカチの冷たさが火照った身体に心地よい。 蜘蛛達の熱気もそうだし、今しがた自分が行った鍛冶の熱に当てられていたというのもあるので猶更である。 その冷たさに癒されていると精霊さんが少々大げさな動作で手を振っている。 そしてその動作はジェームズ先生の元へ届いたようで、フーリ嬢に私とアリス嬢の手当ての予約……なのだろうか? まぁそれはともかくとして、治療のお願いをしてくれたようで有難い。 流石に日課をこなすのは気力でも出来るが、逆にそれ以外をこなす程の体力は無い。 清流のおにーさんよりは多いけど霊山の姉御よりは少ない私の体力は割りとギリギリなのである。 胸にタイマーがあればピコーンピコーンと赤く光って鳴っている最中である。 何の話だか。

「ノンノン、自分の武器の手入れだからこそ量とかそういう理由で大変というのは“有ってはならない”のですよ、だんちょーさん」

自分の武器とは命を預ける相手でもある。 騎士が王や貴族に命を捧げると言う事もあるだろうが、真に自分と共に戦場に立ち、共に戦い、命運を共にするのは他でもない武器なのである。 それがナイフや大剣、銃火器などであってもそれの手入れを“大変”だと言うのであればそれはその者が武器に対して合っていないという事実に他ならない。 担い手が武器を選ぶように皆考えるのかもしれないが、実際は武器の方が担い手を選んでいる。 そのサインの一つとして存在するのは“手入れが大変”というものでもある。

「武器は自分に合った“者”を使う。 それは戦法に合った合わないではなく。 担い手として、主として、共に戦う友人として、武器が担い手を選ぶのですよ。 手入れが大変だと言うのであればそれは武器に担い手が追い着いていないという事。 私主観で言うのであればその武器は手放すがヨロシ。 そんなんじゃ武器が可哀想ですわい」

口調は何時もの調子を崩さず、されど内容は全くふざけたりなどしない。 鍛冶師の娘として様々な武装を見た。 栄誉を受けた剣を見た。 主と運命を共にした鎧を見た。 主を最後まで支えた盾を見た。 志半ばで朽ちてしまった槍を見た。 だからこそ、手入れが大変だという輩は許せない。 打つ者の観点からではなく、その言葉は武器防具への冒涜にも等しい言葉でもあるから。

「だんちょーさんだって道具は選ぶでしょう? それと同じで道具だってだんちょーさんが使いやすいように変化するし、だんちょーさんに着いて行かなければ壊れる。 だんちょーさんが使い辛い道具はだんちょーさんを拒んでいる。 武器もそれと同じでございます」

そこまで言い切ってから、横になった体制を起こすことも無く。 尺取虫のようにノソノソとテーブルに向かい始める。 せっかくの食事タイムで湿っぽい話を続ける事も無いからである。 5センチ程そのまま移動してからすぐに立ち上がりテーブルに向かう。 流石に剥き出しの地面の上を外装を羽織らない状態で進むのは無理があった。 流石に痛い。

>>ジム、ルト、ALL

26日前 No.185

雪鹿 @salt9140 ★Android=42zyboh5vZ

【アリス・ウェスタ/坑道内】

余った魔力によって動かせるようになったトランプを見て思い出したのか、ちょっと照れ臭くなるような事を言ってくるのでふふっ、と笑ってそれを誤魔化した。

「それなら、私はビスに感謝しなくちゃね!ああ、怪我ね……私は最後で大丈夫。最悪、治癒魔法の練習にしちゃってもいいし!」

ふと、疲弊しきった時に油断した事を思い出してビスをちら、と見ては感謝の意味を込めてひらひらと手を振っておく。邪魔をしても何だと思ったので、気付かないのであれば、気付かないでいいかな、と思っていた。
なんか、私だけ着替えちゃって申し訳ないけど……私の服着れるの、この中だと……フーリちゃん位ね。フーリちゃんも服のカラーリング違いすぎて嫌かもなぁ。
怪我に関しては痛みのピークが過ぎて冷えてきた事からジリジリと痛みがじんわり続いている。とはいえ、前線組に比べたら全然問題はない。だからこそ、フーリちゃんの負担を減らす為にそんな事を言っては心配をかけないように笑っておく。
かくいう、フーリちゃんは何やら霊山に指南を願っていたが……フーリちゃん!その人は肉体派だから!見た目は近いかもだけど、どちらかと言えば真逆だよ……なんて内心ツッコミながらも頑張ってそれを抑えた。

そんな風にいつも通りの日常に回帰したような雰囲気で談笑をしている訳だけれど、不意に優しいクリームシチューの香りがした。

「ん?清流の方がボロボロじゃない。あなたこそ、お疲れ様!クリームシチュー出来たみたいだけど、食べれる?」

労いの言葉を掛けられたので清流の思った事など知るよしも無く、近付いていけば相手の怪我の具合を見てはふふっ、と微笑んで労いの言葉を返した。
そして、お腹が空いているようだったのでクリームシチューが出来た事を思い出して食べれるかどうか声を掛けてみる。

まぁ、お礼を言われるのはサポート役としてその点が際立つってことなんだけど……私としては前線居てこそ。つまり、皆が居なければ、私はあっさりと負けてしまう。ルトが居なければ、こうして一同に会する事なんて無かったはず。だって、こんなにバラバラな人が集まるなんてそれだけで奇跡じゃない!

「はーい、もう少ししたら食べるね!やっぱり、ルトちゃんの作るクリームシチュー美味しいね!」

割りと好きなクリームシチューを見てぱあっと表情を明るくしてはルトへ親指を立ててグッジョブ、と言いたそうな顔をしていた。
因みに、美味しいと断定したのは、こんな美味しそうな匂いがする食べ物が美味しくないはずは無いと思ったから。そもそも、物を大切にして仲間の事も思いやるルトちゃんの料理なんだから、美味しくて当然じゃない!

>ジム様、清流様、ルト様、all

24日前 No.186

そぼろ @snr2510☆yjBqeQuEvFAK ★lbC28FbjXY_Nu2

【フーリ・フォリア/坑道内】


『今はまだ任務中やから無理やけど、この仕事が終わったらウチが力のあんまりいらん格闘技術でも教えようか? 関節技とかやったら、自分より身体が大きい相手にでも結構ダメージ喰らわせれるで。まあ、さっきの蜘蛛みたいな人型やない化物にはあんま意味あらへんかもやけど……』
「ほんとーに!あのね、ぜひおねがいするのー!」

霊山の目に見える部分の火傷はほぼ完治させられた。服を脱いでもらい痣の治療に取り掛かりながら、フーリは霊山の提案に瞳を輝かせる。単純なもので、早くも脳内には悪漢をちぎっては投げる勇猛な自分の姿が映し出され。……もちろん、そんなにうまくいかないことは心の底では分かってるけれど。反射能力や力に自信があれば、そもそもこんな悩みを持つこともなかったのだから。
だけれど、今を努力しないまま「いつかはきっとできる」と思いたくはないし、努力する前から「いつか」を諦めきることもできなかった。だから、隣にやってきたルトの『フーリはよくやってくれてるよ』の言葉に、フーリはちょっと複雑に微笑み返す。

「フーリね、フーリは何ができて、何ができないのかもよくわかんないの。だからわかるまでやってみたいの。…うん、ルトちゃんもいっしょにやろー!」


そうこうしているうちに、霊山の治療がほぼ終わった。まだ痣の多少の疼きは残っているかもしれないが、一晩休めば気にならなくなるだろう。「はい、おしまいなの!おつかれさまー!」と霊山の方をぽんぽん叩いた。
そして聞こえてきたジムの『君が頼りだ』の声にちょっと面映ゆく思いながら、「ジムくんも、いたいとこあったらおしえてなの」とはにかむ。
先ほどからルトたちが作った料理の香りが届いてきてる。疲れていないと言えばウソになるが、ちょっと先にゴハン食べるからみんな痛いのガマンしててねー、とはとても言えない。ポケットから飴玉をひとつ取り出して口に放り投げると、食卓に向かおうとしているレリカへと声を上げた。

「はあい!レリカちゃんおまたせなの、ぱぱっとやっちゃうのー!他のみんなもごめんね、ちょっと待っててなの」

とは言え、ゆっくりのんびり治療をしては、その間は仲間もご飯のお預けを食らうことになる。ちょっと気合い入れてスピード上げてくの!と、フーリは口の中の飴玉をガリっと音を立てて噛み砕いた。


>>霊山様、ルト様、ジム様、レリカ様、他ALL様

21日前 No.187

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★Ywte4t2Nfq_Xgx

【 名古屋扇霊山 / 坑道内 】

 フーリとルトの発言を受けて、脳内で二人を鍛えるシュミレーションなんてものをしてみる。両親が自分に戦い方を教えてくれた時は「実戦と実践が手っ取り早い」との言い分に従ってひたすら二人との組手や盗賊だのモンスターだのとの戦闘ばかりやっていたが、あれは霊山や霊山の両親のような生まれ持った身体能力と頑丈さがあるからこその修行方法であって、それがフーリとルトにも相応しいかと聞かれれば断じて否だ。もっと別の方法、できればなるべく彼女らに負担が少ない丁寧なものを考えなくては。

「おおきにー、フーリたん! うっわあ、めっちゃ美味そうやん! 早速いただきまーす」

 おしまいなのーと可愛らしく笑うフーリにこちらも笑みとお礼を返し、次いでルトが作ってくれたクリームシチューに目を向けると、早速お鍋のほうへと向かってゆく。器によそうシチューと盛り付けるパンは、己の分だけではなく三人分。何も一人で三人分食べてしまおうという卑しい考えがあっての行動ではない。腹を空かせているにも関わらずそれを隠して健気に治療を続けようとするフーリの分と、そんな彼女に今から治療されるから必然的に鍋のほうに寄って行けなくなるレリカの分だ。治療をしている最中、されている最中に自分が横からスプーンですくったクリームシチューをアーンとしてやれば、食事をすることは可能だろう。まあ、フーリはともかくレリカのほうには嫌がられるかもしれないが……その時はその時で持っていったシチューとパンの皿を隣に置いておけば後で自分で食べるだろうから、食事を無駄にしないという意味では嫌がられても問題ない。

「フーリたん、レリカきゅん、シチューとパン持ってきたでー。念の為に聞いとくけど、同性同士でも『あーん』ってするんに抵抗ある子おるー?」

 暗に抵抗が無いのであれば私はお前達にあーんをするぞと言っている。食い下がる理由は無いので、自分あーんとか無理ッスと拒否されればシチューとパンのセットを傍に置くだけに留めるが、「どっちでも良い」や「あるか無いかで言うとよく分からない」みたいな曖昧な返答の場合は面倒臭いので口に突っ込む予定だ。
 二人の傍で両手と頭の上に皿を乗せた状態で返答を待つ。先の尖った魔女帽子の上にクリームシチューの皿を置いているのに少しも傾いたり揺れたりしていない辺り、戦闘以外の場面でも無駄な身体能力の高さが活かされている。バランス感覚だって立派な身体能力の一つだ。こいつは身体を地面と並行になるまで倒しても足の親指一本でも地面に着いていれば倒れずその体勢を何十分でもキープしていられる奴なので、仮にここの状況でいきなりフレイムスパイダーが復活してきたってシチューをこぼすような真似はしない。

>フーリ・フォリア様&ルト=ラルベル様&レリカ・プラムティム様&ALL様

20日前 No.188

古風 @kofu32 ★a00mQn4He6_yFt

【漣清流/坑道内】

『ん?清流の方がボロボロじゃない。あなたこそ、お疲れ様!クリームシチュー出来たみたいだけど、食べれる?』

「もちろん食うぜ!!つーか食わない選択肢はありえねぇ!!」

アリスに話しかけられ、清流は勢いよく上半身を起こした。その時、清流の背中に電流が走る!!そして、悶絶する。
一瞬息が詰まり、目には涙がにじむ。

「大丈夫だ!!痛くねぇ……」

サムズアップし引きつった顔で言う。バレバレだった。
それでも、生まれたての小鹿の様に立ち上がると、ゆっくりとテーブルにつき。シチューとパンを頬張り始めた。時々、手が止まり脂汗が出るも、食欲の方が勝るらしい。ある程度、食べた所で落ち着いたのか、清流の手が止まる。

「けどよ……」

だれに言うでもなく、前置きを言った後言葉を続けた。

「工夫達を襲ったのって、多分この魔物じゃないよな……」

フレイムスパイダーの攻撃では、火傷は糸の線状に残るはずだ。しかし、聞いた話によると、全身に火傷を負っていたそうだから、これとは違うだろう。
それに、手強く怪我人が出たとはいえ、自分達にも犠牲者は出ていない。もしも、出た段階で逃げれば、全滅という事はあり得ないだろう。

「これより、手強いのがいるって事だろ。気を引き締めていかねぇとな……」

柄にもなく真剣な表情で真面目な事を言うのであった。だが、落ち着いた所で、また背中の痛みがぶり返し、テーブルにつっぷする。

「フーリ、悪ぃが、皆が終わった後でいいから俺も頼む……」

そして、情けない声で頼むのだった。

>>アリス、フーリ、ALL

19日前 No.189

古風 @kofu32 ★a00mQn4He6_yFt

【ルト/坑道内】

『だんちょーさんだって道具は選ぶでしょう? それと同じで道具だってだんちょーさんが使いやすいように変化するし、だんちょーさんに着いて行かなければ壊れる。 だんちょーさんが使い辛い道具はだんちょーさんを拒んでいる。 武器もそれと同じでございます』

レリカの武器に対する解釈を、聞き頷くルト。流石は実家が鍛冶屋なだけある。内容についても最後の一言でルトは腑に落ちた。
ルトも製図の道具は吟味する方だ。定規やコンパスなども、複数所持している。どれだって同じだろうと皆が言うが、長年愛用していると手に馴染むのだ。愛用の羽ペンも、大切に使っており、使った後はきちんと手入れをしている。微妙な違いなのだが、似た様な羽ペンを使っても効率が少し落ちるのだ。

「なるほど!!確かにそう言われると納得する!!」

そして、レリカに相槌を打つのだった。

傍らでは、フーリが霊山に関節技のかけ方を教えてくれるようにお願いしていた。

『フーリね、フーリは何ができて、何ができないのかもよくわかんないの。だからわかるまでやってみたいの。…うん、ルトちゃんもいっしょにやろー!』

その複雑な笑みを浮かべた一言にルトは、ハッとなった。確かにフーリの言うとおり、やってみなければ分からないだろう。
その性格からか、どうしてもフーリやルーチェを子供扱いしてしまうのはルトの悪い癖だ。

「そうね、私も、もしかしたら出来るかもしれないし、一緒にやってみようか!!霊山お願いできる?」

そして、笑顔で頷くのだった。

怪我をした者はフーリよる治療を受け、各自食事は進んでいく。洞窟内で外の様子は分からないが、もう夜に入って結構立った頃だ。

「じゃあ皆、食べ終わったら休もうか」

そして、ルトは皆に提案するのだった。

>>レリカ、フーリ、霊山、ALL

19日前 No.190

古風 @kofu32 ★a00mQn4He6_yFt

【坑道内最深部へ】

フレイムスパイダーとの激闘を制した一行は、坑道内で交代で見張りをしつつ一泊する。
そして、朝……とは言っても光の差し込まない坑道内なので、体感になるのだが一行はキャンプ地を出発した。ルーチェの明かりを頼りに進む一行。幸いにして道は一本道であり、それを遮る敵も出てこなかった。
一時間ほど坑道内を歩くと、緩い下り勾配に差し掛かる。道は長い様で、どこまで下っていくのか暗闇で見えなかった。

「結構下の方まで行くかも……」

ルトは地図を描きながらボソッと呟く。
坂自体は緩やかなものだ。しかし、距離が長い為その分下る量も大きいだろう。一行は足を取られないように、緩やかな坂を慎重に下っていく。
やがて、ルーチェの光は今までの岩の色とは、別の光を持つ岩を照らし出す。

「思ってたよりも凄いな、おい!!」

清流が思わず大声を上げ、ルトも驚き声を失う。
それも、そのはずだ。一面ルビーなのだ。壁から天井にかけて、赤いルビーの光が一行を照らす。岩肌の30%ほどがルビーなのだ。
ルトはブロードソードを取り出し、柄の方で小さいルビーを一つ叩いて手に取る。そのままルーチェの光球の方に向け透かして覗き込んだ。酒場で前払いで貰ったルビーを思い出す。それは色や輝きなどが一致する。

「どうやら、ルビーの採取地点はここで間違いなさそうだね!!」

ルトは弾むような声で皆に言った。この量なら、村の財政も潤うはずだ。それに、何より自分達の報酬も相当な物となるに違いない。

「これなら、ちょっとぐらい持っていってもバレないんじゃねぇか?」

目を$にした、清流が呟く。

「だめだよ、清流。あくまで私たちの仕事は地図を描くこと。ただ、この量だとかなりの額になるだろうから期待していいと思うよ」

何人かが、清流を鋭い目つきで睨んだのでルトは慌てて、たしなめフォローする。その顔は苦笑いだった。

そして、ルビーの道を進む一行は終着点に到達する。そこは大きな部屋の様になっていた。
ルトは荷物を下ろし注意深く辺りを眺めた。この部屋にはどうやらルビーが見えない様だ。壁や天井など見るにルビーは見当たらない。
特徴と言えば、部屋の中央に大きな穴がぽっかりと開いている事だった。蟻地獄の巣のような形状をしており、冒険者達を待ち構えている様にも見える。

「さてと、あの蜘蛛が最後っつー訳はないよな」

清流はつばを飲み穴の方に槍を構える。工夫達の火傷の原因となった魔物は、まだ見ていない。ここまで敵とは遭遇しなかった。となれば残されたのはここぐらいな物である。

「皆、何が出てくるか分からないから気を付けて」

ルトも少し離れた場所で剣を構えるのだった。

>>ALL

【最深部に到達しました!!ネタが分かったという方は、ネタバレせずにスルーしてもらえると助かります!!割とバレバレ……】

17日前 No.191

隊長機モルガン @type14 ★BUzhF4mm8n_yFt

【ジム・グレイソン/坑道深部へ】

 結局あの後はヴァニラがレリカに鍛冶の心得を文字通り堪能して真剣に話を聞いていたり、ジムはジムでアリス達とルトの作ってくれたシチューに舌鼓を打ちながら楽しい夜を過ごしていた。そんな中、フーリとルトが霊山に護身術を習いたいと言ってた。彼女なら引き受けてくれるとは思うが……実のところジムも霊山には格闘技の指南を受けたいという気持ちはあった。
 霊山が魔法少女めいたコスチュームをしながら実は格闘主体のアイアンフィストという見た目詐欺なのは知られていることだが、筋肉質でいかにも力仕事が得意そうで腕っぷしが強そうに見えるジム(唐紅氏の日記にある全体イラスト参照)も実際はストレンジ級ソーサラーという戦闘スタイルが詐欺しているのである。もちろん、ステゴロで挑むこと自体は不得意ではないが、極めた人間に接近戦を挑まれたら間違いなく負けてしまう。もちろん、組手をやれば精霊魔術を使わずしても、戦術の見極めで近接を得意とする面々相手に互角の勝負は挑めるが、最後は力負けだ。だが、生憎とここの面々は力技一辺倒ではなく、己の戦闘パターンに力を込めるため、戦術を見破っても安心できない程手ごわいなのだ。
 ただ、ジムは組手に勝ちたいわけではなく、格闘慣れしていない部分を何とかしたいので、力を上手く使う意味もこめて霊山に指南を頼みたかったのだが……

 「(このノリで男が『俺も』なんて言えないだろ、こりゃ。やめとくか)」

 フーンマルク人特有の『妙なコミュ障』がその願いに待ったをかけた。向こうは自分の努力で強くなったのだから、精霊魔術を極めた人間が体の鍛え方ひとつも出来ないなんておかしいだろう、と自己完結し、その日は休んだが……

 一度フレイムスパイダーの亡骸が眠る場所へ戻って一人でシャドーボクシングをしていたのは内緒である。

 太陽の昇らない、穴倉の翌朝……
 陣形も整えて歩く一向だが、やはり深部に向かいながら面々が感じるのは『嫌な予感』だ。
 しかし、ルビーの鉱脈を見つけた時は驚いたものだった。ルトが前払いでもらったルビーと、鉱脈で削り落としたルビーを比較している。結果は言うまでもない。ここで間違いはないのだ。

 「ルト……この鉱脈は変だぞ。宝石があるということは、大地のマナが見えているのだが……それはとどまることなく、この奥へ光る道を作っている。この先にマナを貪ったヤツがいるということだ」

 ジムの目つきが変わり、外していたマラッキアンを指に通す。先頭ではマナの感度を調べていたヴァニラが霊山とイザベラに振り向き、不安げな表情で二人を見つめている。

 「本丸が近いか……イザベラ、霊山、そろそろ油断しないほうがいい。ルト、清流、間違いなくこの奥だ。この奥にいるぞ」

>>ルト様・清流様、霊山様、アリス様、レリカ様、フーリ様、ALL様

16日前 No.192

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★Ywte4t2Nfq_Xgx

【 名古屋扇霊山 / 坑道内・最深部 】

 食事を終えてからそれぞれが睡眠を取り、ずっと真っ暗で実感は薄いが確かに体内時計が朝と称して差し支えない時間を迎えた。途中で見張りを立ててはいたが、旅暮らしに慣れきった霊山の身体は眠っていても完全には眠っておらずその場に新しい気配が現れたりどこからか殺気が飛んできたりすると一瞬で自動的に目が覚めてしまうので、たぶんうっかり見張りが眠るみたいな事態に陥っていてもどうにかなったはずだ。もっとも、そんな見張りは自分も含めて一人もいなかったけれど。
 昨日と違って、今日の道のりは至って平和なものだった。少なくとも最初の一時間は敵との接触どころか気配さえ感じなかったのだから。しかし緩やかな坂を下りきったところで、赤いルビーの輝きが目に入ると同時に何やら嫌な予感が湧き上がってきた。この先に自分たちにとって害となる存在が待ち構えているような。まだ気配と呼べるほど明確には感じ取っていないので、これはもはや野生の勘の領域だ。そして名古屋扇霊山という女の野生の勘は、得てして一度も外れたことが無い。ルビーの道を進むにつれてその感覚はだんだんと大きなものになってゆき、大きな部屋のような空間にたどり着いた時には、いよいよ霊山はすっかり戦闘体勢になっていた。獲物を前にしたメスライオンのようとでも言えば良いのだろうか。これから狩りを控えた者が帯びるに相応しい、どこか周りの者の皮膚をチリつかせるような雰囲気を纏っている。

「本丸が近いか……イザベラ、霊山、そろそろ油断しないほうがいい。ルト、清流、間違いなくこの奥だ。この奥にいるぞ」
「ジムグレもな。いつも通り根拠はあらへんけど……ウチの嫌な予感、あの穴やのうてこの部屋全体から感じるんよね。るとるとも、もうちょっと限界ギリギリまで下がっとったほうがええかもしれへん」

 本当に何の根拠もないただの野生の勘だが、今まで霊山の野生の勘が外れたことがないのは『道しるべ』のメンバーなら殆どが知っていることだ。少なくとも警戒への材料には値するはず。徒手空拳が基本スタイルの霊山は、清流のように槍を構えるでもなく手ぶらのまま穴を見据える。しかし油断しているわけではない。警戒ならこの大部屋に入る前からしている。合気道の構えのように右脚だけ前に出して半身になり、指先は軽く伸ばす。どのようなサイズや形状の敵が出てくるか分からない以上、どんな攻撃が飛んできても対応できるよう軽い構えを取っていたほうが良い。こちらに不安そうな視線を送ってくるヴァニラにはジェスチャーで後ろに下がっておくようアピールする。前に出たところで実体のない妖精の彼女には関係ないのかもしれないが、前衛の自分より前に出られているとあまり落ち着かない。
 さて、鬼が出るか蛇が出るか。穴だけを凝視するのではなく、視界の及ぶ限りの全てを警戒した状態で敵の出方を伺う。場所が坑道でなければ、向こうが何か仕掛けてくる前にこちらから地面に拳を叩き込んで割ってしまっても良いのだが。さすがにやりすぎると崩壊してしまいそうなステージにいるとあっては、そんな無茶な先制攻撃も出来そうにない。ゆえにこちらは待ちの一手。来るべき攻撃に備えたまま、ただひたすらに相手の気配を探り続けた。

>ルト=ラルベル様&ジム・グレイソン様&ALL様

16日前 No.193

彼岸花 @tragedy☆ceTjr.OtlhiK ★iPad=txBUCiCVZB

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16日前 No.194

雪鹿 @salt9140 ★Android=42zyboh5vZ

【アリス・ウェスタ/坑道内最深部へ】

ルトお手製のシチューをたらふく食べた後にゆるゆるといつも通りに楽しみながら、怪我や疲労を癒してわいのわいのと楽しんでいた。私の怪我は、と言えば治癒魔法に自分でチャレンジしてみたけれど、やっぱりいまいち上手くいかなくて結局フーリちゃんにお願いしてしまった。ちょっと不甲斐なかったけれど、
そして、交代で番人をして暗き朝を迎えて私達は最深部へと向かうことにした。最深部へと向かう道は下り坂が続いて足を取られそうになりながらも、先日の喧騒も嘘のようにちょっと怖いほどに何も無かった。……フレイムスパイダーが近付きたくない程の怪物が居る……?昨日清流の言っていた通り、フレイムスパイダーではない何かが居ることは間違いない。それが何か、は流石に分からないのだけども。

警戒しながら進んでいくとルーチェの光によってルビーが赤く煌めく道に変わった。仕事じゃなければこれだけ見て帰ったんだけどな……でも、綺麗!光源が多ければ、もっと素敵なんだろうな!
やがて、辿り着いたのは部屋のような洞窟。真ん中によく分からないのだけれど、存在している穴。砂漠とかでこういうものがあるって読んだことはあるけど……んー?何だろ?いまいち思い出せないんだよねー。
ルトや清流に霊山とジム、レリカも警戒をいっそう強めた。……私も、同じ轍は踏まない。ポケットにしまっておいたいわゆるロイヤルストレートフラッシュと呼ばれる役を構成している五枚を取り出して空中に浮かせた。私に今出来ることはこれだけだし……一応、トランプには人魚姫の加護(ティアードロップ・マーメイド)をかけておいたから一安心、かな?

「一応、かけておくね。炎の攻撃なら火力が高くても気休め程度にはなると思うから!」

そう言ってから一応、全員に触れてフレイムスパイダーの時にも使っていた人魚姫の加護(ティアードロップ・マーメイド)をかけておく。炎属性の一番厄介な所は武器が駄目になってしまう事。これをかけておけば、高温で熔けてしまう事はあるけれど、ちょっとやそっとの火力じゃ服も武器も焼けないんだからね。火傷は炎の火力が高ければ防げないけれど。
流石に、何着も駄目にされたら私のお財布が空になっちゃうもの。あと何着かはあるけれど、意外とこの服高いんだから!……まぁ、私の場合はこのトランプが焼けても困るし、意外と火属性は苦手かな……。この中だと清流が火属性が使えるのかな?私はあくまでも補助として、だし。
さて、問題はどんなモンスターが待ち構えているか、かな。とてもじゃないけど、昨日のフレイムスパイダーが大小含めて纏めてかかってこられたらかなり厳しかったし……被害を最小限に抑えるためにも私だって頑張らなきゃ!

>清流様、ルト様、ジム様、霊山様、レリカ様、all

16日前 No.195

そぼろ @snr2510☆yjBqeQuEvFAK ★lbC28FbjXY_lU1

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15日前 No.196

古風 @kofu32 ★a00mQn4He6_yFt

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14日前 No.197

古風 @kofu32 ★a00mQn4He6_yFt

【殿部隊】

「大丈夫だよこれぐらい。しかし、まずい事になったね……」

イザベラが辺りを見回すと、先ほどの振動と衝撃で部屋が崩れかかっている。
先ほど見た通路を見れば、長い上り坂の一本道。そこには熱で爆発する宝石が散りばめられていた。
ここに留まっても、崩落により全滅は免れないだろう。速攻で倒せる相手でもなさそうだ。
かといって、一本道を逃げれば火球で狙い撃ち。回避すれば壁や天井の宝石が爆発し、生き埋め確定。

ならば……

イザベラは、深く息を吐く。

「ルト、宝石の区間の長さは、どれぐらいあるんだい?」

「直線距離で3.6キロ!!」

落ち着いた声でルトに尋ねると、ルトからは直ぐに正確な距離が返って来る。ルトは心配そうな顔でイザベラの顔を覗き込む。
微妙な距離だ。足の速い奴は逃げ切れるかもしれないが、ルトは無理だろう。覚悟を決めねばなるまい。

「皆、聞いとくれ!!このまま、ここにいたんじゃ全滅だ!!私が殿を務めるから上まで逃げるよ!!」

ルビードラゴンから視線を逸らさぬまま、イザベラは大声で皆に叫ぶ。
その、叫びに負けないぐらいの大音量でルトも叫んだ。

「無茶だよ!?いくらイザベラだって、何時までも攻撃受け続けたら死んじゃう!!」

「そんな事を言ったって他に方法も無いだろ!!」

珍しく言い争う二人。しかし、そこに火球の第二弾が音を立てて向かってくる。再び盾を構え衝撃に備える。
しかし、そのイザベラの前に高速で一人飛び込んでくる。その人物に火球が直撃するも、何とか受けきった。レモンイエローの髪がチリチリと焦げている。
道しるべの回避盾である、サナだ。

「にゃは〜ん、結構きっついねこの攻撃!!ところでイザベラ姉さん、誰か忘れてないかい?」

おどけた口調で、けれども真剣な表情を崩さずにサナは言う。

「私も残るよ。イザベラ姉さん程は受けれないけど、一応私も盾だからね」

サナの本領は敵の注意を引き付ける回避盾だ。しかし、今回は回避する事はできない。そう考えるとリスクが大きい。イザベラは止めようとする。しかし、イザベラを制しサナも残る決断を伝えるのだった。

「じゃあ、俺も残るッス」

その二人の背後から、ルビードラゴンに狙いを定めたウィルがボウガンを構えながら、話かけてくる。

「守るだけじゃ無理だから、牽制約も必要でしょ?そう考えれば俺も残るのが妥当ッス」

話しかけながらも、ウィルは魔力を込めルビードラゴンの顔面めがけて矢を発射した。落ちてくる岩の間を縫い顔面に向かうも、爪で叩き落とされた。

「それに俺は結構足があるから、逃げ切れるかもしれないしね」

ウィルは自分の足を叩いてみせ、笑顔でそう言った。ウィルも引く気はないだろう。

「あんた達いいのかい?」

「上等!!盾冥利につきるってもんだよ」

「牽制なら俺がベストでしょ?適材適所って事で」

こうして3人の殿部隊が結成された。

「皆!!私とサナとウィルで殿を務める!!通路の安全を確保しておくれ!!」

そして、叫ぶのだった。

>>ALL

【何と宝石は龍の鱗であり、しかも爆発した!!(白目)強引なイベント展開すみません……。これより逃走戦に入ります!!これがやりたかった(笑)。殿部隊がドラゴンを防いでいるのその間に、宝石の通路を駆け抜けて下さい。通路には御馴染み(?)のフレイムスパイダーが騒ぎを聞きつけて現れるので、全力で撃破でお願いします。
イザベラ、サナ、ウィル各本体様、ちょっとキャラお借りいたします!!イメージが崩れたらごめんなさい(土下座)】

14日前 No.198

隊長機モルガン @type14 ★BUzhF4mm8n_yFt

【ジム・グレイソン/坑道深部/元凶出現】

 『ジムグレもな。いつも通り根拠はあらへんけど……ウチの嫌な予感、あの穴やのうてこの部屋全体から感じるんよね。るとるとも、もうちょっと限界ギリギリまで下がっとったほうがええかもしれへん』

 「やっぱり感じるか霊山。俺もあの穴は単純に元凶の一部で、本丸はこの鉱脈そのものだ……炎のマナと大地のマナが混ざり合った……ヤバいルビーだな」

 そう、誰もがルビーの鉱脈と回廊に心躍らせる時間は一瞬だけあった。だが、その感動はすぐに引っ込んでしまう。そう、それはルト達の嫌な予感だったり、霊山の野生の勘であったり、レリカやジムの魔導物を使用できる者の違和感だったりで、前方の穴が見えたのを皮切りに徐々に広がりつつある警鐘にも似た感覚だった。霊山の指示でヴァニラは後退してマラッキアンの中に戻る。その瞬間、ジムはざらつきにも似た感覚を覚えた。
 そして、宝石の違和感に気が付いたらしいレリカにも声をかける。

 「レリカも気が付いたか……そうさ、ここは……ヤツの巣<ハイブ>さ。アリス、念の為にフーリやルトをすぐにカバーできるようにしていてくれ。撤退が生じる場合、後ろから逃がさなきゃならん……ん?」

ZZZZZZZZZZZZZZun...!

 突然揺さぶられる大地。来る、とイザベラが叫んだ時だった。

DDDDDDRRRRRRRRRUUUUUUHHHHHHH!!!
DDDDDDDDDDDRRRRRRRRRRUUUUUUUHHHHHHH!!!!!!

 まさに轟音。そんな言葉が似合う雄叫びが大地の牢獄にこだまする。同時にまるで火山弾のように穴から火球が飛び出し……

 「危ない、退け!! マルクゥ・マラッキア!」

 『いよいよ、本命のお出ましって訳かい!!皆、気をつけな!!』

 イザベラがシールドを構え、ジムは前面にバリアを展開する。

SKREEEEEBOOOOON!!
BRAKKKAAADOOOON!!!
GGRRRNNN......!!

 凄まじい爆発音とともに火の粉やルビーの破片が振ってくる。殆どは凌いだが、ジムの魔法はルビーに還られたマナの影響を受けて弱まりつつあった。
 這い出たルビードラゴンの巨体を仰ぎながらじりじり下がるも、雄叫びでとうとう鉱脈は崩落が始まり、そこへ脆くなったバリアをやすやすと木端微塵にして火球が放たれた。その標的は……

 「ルト!!」

 「このぐらいなら!!」

KRA-BOOOOOMMMMM!!!

 爆発と共にルトと彼女を庇ったイザベラが業火に包まれたが、二人は無事だった。しかし、攻撃を防ぎきれなかったイザベラは傷つき、倒れてしまう。
 この状況にチームは転進を決意しなければならなかった。この狭いフィールドではとても歯が立たない。ここは一度広い場所に出ようという算段だろう。その為に殿を決意するイザベラだが、怪我をした彼女の為にサナとウィルが殿に加わる。

 「皆!!私とサナとウィルで殿を務める!!通路の安全を確保しておくれ!!」

 「よし……このまま転進しよう。先導は清流だ。前面からの敵は爆破しても問題ないだろう。俺は退路の維持と殿の撤退を援護する。バリアは俺自身を守ることは出来ないが、なんとかその時その時の火球が殿を通過した際に耐えてみせる。アリス、トランプをいつでも展開できるよう頼むよ。崩落は君なら防げる。巨大な岩石はそれこそ霊山やレリカの出番だ。ルト、広いところで落ち合おう。君の判断が一番頼りだ」

 これは敗走ではない。広いところへ出て反撃する為の『転進』なのだ。

>>ルト様、清流様、霊山様、レリカ様、アリス様、フーリ様、ALL様

14日前 No.199

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★Ywte4t2Nfq_Xgx

【 名古屋扇霊山 / 坑道内 】

 それぞれがそれぞれなりに身構える中、ついに嫌な予感の正体はその姿を現した。強い揺れをバランス感覚だけでやり過ごした後、耳朶を打つのは鼓膜がピリピリと痛むほどの咆哮。穴の中から飛び出してくる火球と、四足歩行の真っ赤なドラゴン。――ルビードラゴン。またの名を紅玉龍。鬼が出るか蛇が出るかと嘯いていたが、まさか竜が出てくるとは驚きだ。これほどの強敵が潜んでいたなら、穴どころかもう部屋全体から嫌な予感がしたのも頷けるというもの。むしろそれだけじゃ足りないくらいだ。
 ルトに放たれた火球はイザベラとジムが盾と結界で辛くも防ぎ、前衛にいた霊山は彼ら彼女らが守りにくくならないよう素早く後退する。爆発して飛んできた宝石も、霊山のスピードであれば避けられるものだった。しかし盾を構えていたイザベラはそうもいかず、彼女は鎧の一部と顔に火傷と切り傷を負ってしまっている。マズいのは仲間が負傷したことだけではない。先程の爆発で、この部屋そのものが崩壊しかかっているのだ。つまり長居は無用。早急に避難せねばならない。
 同じくそれを察したイザベラとサナとウィルが殿を買って出る。ジムは全面からの敵なら爆破しても問題ないだろうと言っているが、そうすると煙が後方に流れて殿メンバーの視界に悪影響を及ぼしてしまう気がする。しかし自身が指示を出している以上、そこら辺についての解決策は当然自分で用意しているのだろう。ならばいちいち口出しをしたりはしない。何より今はそうしている時間さえあまり無いのだ。

「ジムグレ、せっかっく出してくれた指示に従いたいんはやまやまやけど、ウチはフーリたん背負って真っ先に坑道からの脱出目指すわ! 堪忍な!」

 それだけ言い残してさっとフーリの華奢な身体を横抱きにすると、その場の誰よりも真っ先に地面を蹴り上げて部屋から飛び出す。人を抱えているとはいえ、抱えているのは小柄で体重の軽いフーリだし、霊山は速さにも力にも自信がある脳筋。そもそも自分より重い人間を担いでいたところで全力疾走が可能なスペックなのだから、そういう意味ではフーリを抱き上げたところでハンデどころか羽飾りが腕に付いたようなものである。残念ながら両腕は塞がってしまうが、それでもさっきのフレイムスパイダーどもよりは随分と速く動ける確信があった。
 本当はルトも一緒に抱えて脱出したかったが、そうなってしまうとフレイムスパイダーには追いつかれないにせよ爆発するルビーを回避する際にルトかフーリどちらかの身体に掠らせてしまうかもしれないという懸念があったため、やむなく抱える相手はフーリ一人とした。それにルトは戦闘が得意でないだけで運動能力はちゃんと人並みのものが備わっている。対するフーリはといえば、回復魔法の腕は天才的だが運動能力は子供らしくまだまだ未発達。どちらがよりルビードラゴンからの逃走において危険値が高いかと問われれば、大半の人間は皆フーリを選ぶことだろう。もちろん霊山もそうした。だからフーリを抱えて疾駆している。

「三途の川ぁ渡りとぉなかったら、ウチの道のり邪魔すんなや虫けらども!!」

 ほぼ悪役みたいな台詞を宣いながら、腕にはフーリを抱えたままとてつもないスピードでフレイムスパイダー達の隙間を駆け抜けていき、どうしても通り抜けられないと判断した時は邪魔になる位置にある脚だけを蹴り飛ばすなどして最低限の攻撃とタイムロスだけで坑道を逆戻りしてゆく。完全に殺すことももちろん可能だが、そうしてしまうとやはりただ脚を蹴って吹き飛ばすだけよりも若干タイムロスが多くなるのだ。只今の行動目標はフレイムスパイダーの殲滅ではなくルビードラゴンからの逃走。ゆえにフレイムスパイダーを“まともに”相手する必要は無い。最低限だけ散らしておけば、後は勝手に後からやって来るルビードラゴンに怯えて逃げるか、上手くいけばルビードラゴンの吐き出す火球やルビーの爆発にでも巻き込まれて御陀仏になってくれるだろう。

「るとるとー! 早いことフーリたん逃がせたらまた戻ってきて今度はるとると抱えるから、それまで踏ん張ってなー! 間に合わんかったら堪忍なー!」

 顔は向けず声だけを後方へと投げかけ、足は止めることなく地面を蹴り上げるたびに岩場が靴底の形で抉れるほどの脚力で疾走を続ける。爆発して飛んでくるルビーもタイムロスに繋がらないよう最低限の動きで避けているから、身体は無事でもマントや魔女帽子やスカートの裾なんかに当たりまくって結構ズタズタだ。しかし細かいことを気にしていられる状況ではない。この衣装は自室に帰れば同じデザインのストックがそれぞれ十個くらい用意してあるのだし、もう己の身体と抱えているフーリさえ無事なら最悪全裸になっても構わないくらいの精神で行こう。さすがにそこまではならないだろうが、それくらいの心構えがあるという例えだ。

>ルト=ラルベル様&フーリ・フォリア様&ジム・グレイソン様&ルビードラゴン様&フレイムスパイダー様&ALL様

【確定ロル(フーリちゃんを勝手に背負った辺り)すみません。不都合がある場合はサブ記事にてご指摘を頂ければ、即刻修正いたします】

13日前 No.200

古風 @kofu32 ★a00mQn4He6_yFt

【漣清流/宝石通路】

「言われなくても分かってら!!」

清流は怒鳴るようにして、ジムに叫ぶ。

「イザベラ!!サナ!!ウィル!!死ぬんじゃねーぞ!!帰ったら一杯奢るぜ!!」

そして、殿部隊にそれを言うと、霊山に続き清流も通路を駆けていく。

ルビーが散りばめられた通路を全速力で駆け抜ける清流。ほどなくして、ルビーの赤ではない色の丸が見えてくる。鈍く輝くそれはフレイムスパイダーの目である。霊山の一撃を受けて、瀕死の蜘蛛もいる。しかし、まだ体力の残っているフレイムスパイダーの一匹が、此方に向けて糸を吐いてきた。
清流はアリスの人魚姫の加護頼みに、右手で糸を受けると、残った左手で槍を直線に突き出しフレイムスパイダーを串刺しにする。そして、串刺しにしたまま持ち上げ、隣のフレイムスパイダーを殴りつけた。

「イザベラ達の所には絶対に行かせねー!!」

清流は懐から炎符を取り出し、目の前のフレイムスパイダーを爆破する。当然、ルビーに引火し、清流の身も焼き、落石が傷を作る。それでも守備は考えなかった。

鬼気迫る表情で蜘蛛達と対峙するのであった。

>>ジム、ALL



【ルト/宝石通路】

「霊山!!フーリをお願い!!私は大丈夫だから、通路の安全の確保をお願い!!」

フーリを抱えて駆けあがる、霊山にルトは声を掛ける。聞こえたかは分からない。声を掛けた時にはその姿は既に小さくなっていた。
フーリさえ無事なら、ある程度の怪我は治せる。しかし……

「皆、お願いだから死なないでね!!」

怪我は治せるが、死んでしまってはどうしようもない。

泣きそうな表情で皆に願いルトも通路を駆けあがる。危険を承知で殿を買って出てくれた、イザベラ、サナ、ウィル。それに、そのフォローをするジム。皆かけがえのない仲間である。誰かが欠けるなんて考えられない。
危険を承知で受けてしまった自分の団長としての判断を呪う。悔しくて、情けなくて、袖で涙を拭い駆けていく。凸凹の地面に足を取られそうになる、走り続けて呼吸は苦しい。しかし、その足を止める事はない。
ルトは両手で自分の頬を張る。それでも自分にしかできない事があるはずだ。頭の中で今まで書いた坑道の道を描く。

宝石の通路を駆けあがり、すぐの所に道が在った事を思い出す。厳密にいえば道は無い。切り立った岩石が並んでいたのだから。しかし、岩肌の隙間から覗くと奥に空間のようなものが広がっていたはずだ。少なくともルーチェの明かりでは、奥までは見通せない程の広さの。

「先頭の皆に伝えなきゃ……」

そして、息を切らしながら駆けあがるのだった。

>>霊山、フーリ、ALL

【坂を駆けあがった所に広い部屋を用意したいと思います!!ご都合主義バンザイ!!入り口は清流が爆破し入れるようにします!!
友禅様のロルに乗っかたっので、不味かったらこちらも蹴って下さい!!>>そぼろ様】

13日前 No.201

彼岸花 @tragedy☆ceTjr.OtlhiK ★iPad=txBUCiCVZB

【レリカ・プラムティム/宝石通路】

轟音と共に現れるは、昨今では集団討伐以外では被害報告で稀に聞くような生物であるドラゴン。 その体表を覆うルビー……否、ルビーのように見える鱗とでも言うべきだろうか。 それを撒き散らしつつの火球の礫は此方の動きを大きく変えさせるには十二分な力、脅威を放っていた。 ドッシリと構えて盾として何時も皆を守るイザベラの姉御が吹き飛ばされ、敵を引き付けつつ攻撃を躱す所謂回避盾のサナ姉さんがその威力に苦笑の笑みを浮かべる。 そしてその二人の補佐としてウィル先生が残る、と言う。 即席の殿部隊としては悪くはない。 だが長くは持たないのもまた事実。

そしてバリアーでイザベラの姉御の補佐をしていたジェームズ先生が指示を出す。 清流のおにーさんの爆発攻撃で道を開き、私と霊山の姉御が崩れる岩を処理する。 よし来た、と思ったらフーリ嬢を抱えての先制離脱。 霊山の姉御の野生の勘はたまに着いて行けなくなる時があるが、理由は考えれば自ずと見えて来る。 即ち回復役だけを先に逃がして最悪の事態を避けるものだ。 姉御が戻るまでの間は落石、及び討ち漏らしのフレイムスパイダーは私が担当するしかない。

「まぁ、そうも言ってられないですしね」

その不満を口にしても状況は好転しない。 ただやる、それだけの事だ。

武装に被せていた大盾擬きを投げ捨てる。 左手に腰に装備していたナイフ4本を握り込み爪のように構える。 更に右腕の鎖のフックに今まで左手で抱えていた大剣をつけ、周りの武器も一緒に右腕に固定する。 その固定した武器の中から長槍を取り出し左足の鎖を利用して巻き付ける。 そのまま右手に腰に装備している長剣2本を握りこむ。 左手とは逆にリーチを優先した物でありそれを人差し指から薬指までの間に柄を握りこむ形で構えると、何時もの如く自分の中でスイッチを入れる。

「……戦闘術・レベル6」

そのまま地面を強く蹴ると清流のおにーさんに追随する。 爆発攻撃により亀裂が入り、今まさに落ちようとしている岩を右腕に巻き付けた大剣を岩に向かって投擲し岩を小さく砕く。 そのまま壁に刺さった大剣を利用して地面を強く蹴る。 ターザンの如く地面を滑空し、左足に巻き付けた長槍で撃ち漏らしたフレイムスパイダーの頭部を正確に踏み貫く。 自分の体重により壁から抜け落ちた大剣を鎖を引いて手繰り寄せると、そのまま遠心力を利用して新たに湧いて来たフレイムスパイダー複数匹を纏めて両断する。

戦闘術レベル6、その特徴は一対多を主にした物であり基本的に味方のフォローが無い状態で使う、武器で自分の四肢を覆い自らを武器の一つとする戦闘術である。 相手の攻撃を受ける前に叩き潰し障害を前以て排除する攻めの姿勢、それをフォローに使わなければならない程の状況の悪化を心の中で嘆きつつ、道端の誘爆するルビーを左手のナイフで防ぎながら岩と敵を処理していく。

>>イザベラ、サナ、ウィル、ジム、清流、ALL

13日前 No.202

雪鹿 @salt9140 ★Android=42zyboh5vZ

【アリス・ウェスタ/坑道最深部→坑道】

皆に触れて軽度の物で消費魔力を抑えた人魚姫の加護は各々の太腿辺りに水色の紋様を浮かべた。これなら、そう簡単に火傷もしないだろう。と、安心していると、フーリちゃんが飴玉をくれた。
確か、フーリちゃんの飴は私のお菓子と似ているけれど、フーリちゃんの方がコントローラブルなんだよね。

「ありがと!お守り程度だから、フーリちゃんも無茶はしないでね。」

飴玉を受け取ってはふふっ、と笑ってそこまで目線は変わらないものの、フーリの頭を柔らかく撫でてみた。帰ったら、ケーキ……じゃなくてタルトでも作ろっかな!
と、和やかになりつつあったその時であった。突如、業火が天へと舞い上がり、この洞窟を崩落させようと砕く。
飛散した火の粉位は補助魔法『人魚姫の加護』(ティアードロップ・マーメイド)のおかげで手で払いのけられた。しかし、それだけでは終わらない。
穴からは現れたそれは、見覚えのある紅に身を包んだ四足歩行をする鉤爪を持ったその神秘的とも言えるその姿。それは、私達に危機感を覚えさせるには十分すぎた。ルビードラゴン。
不味い、まさか敵が竜だなんて聞いてない!

思考が思わず停止する。その直後、ルビードラゴンは火球をルトへぶつけようと放った。イザベラがすかさず割って入る。これなら、私の魔法もかかっているのだし……。
と、思ったのが甘かったのだ。火球は周りのルビーの爆発を誘発した。ただの高温な物体ならやりようはあるし、あの大きさの火球ならイザベラだって対処出来た。しかし、無数の爆発の暴発となれば、私のかけた魔法すら殆どお守りのようなものなのだ。

その攻撃を受けて、皆は決断した。イザベラやサナ、ウィルは皆を戦える領域まで行かせるために残ることを決断し、ルトやジムは逃げることを決断した。

「誰1人、欠けさせないんだから!『人魚姫の聖歌』(ウィッシュ・トゥー・マーメイド)!」

危ない役割を買って出た三人に間際に触れて彼女がそう言えばその三人の首元に深い海のような蒼によって描かれる清廉な少女の横顔が切り絵のように浮かび上がる。彼女の出来る精一杯、水属性の付与。ただ、それでも先ほどの威力を鑑みれば、耐えきれるかどうかは危険な賭けだ。ここまで引き上げると人数が限定されちゃうのが問題なんだよね……。
続けてフーリに貰った飴玉を1つ口に含めば、ガリッと噛み砕く。 甘味と魔力が伝わってまだ大規模な魔法を1つや2つはかけられる。彼女は既に自分のやるべき事は十二分に分かっていた。トランプを空中に浮かべたまま、その回復した魔力で次の一手へ向けて魔力を集中させる。

「ええ、分かったわ。フーリちゃんのおかげでまだやれそうなの!『時計兎の加護』(ハリー・アップ)!」

トランプをすうっと少し間を広めにして守りを更に固めれば、魔力を練って消費魔力をどうにか抑え気味に発動する。すると全員の足に時計と兎の横顔が真っ赤な線によって浮かび上がった。加速魔法。少しでも早く逃げれば、それだけイザベラ達の負担は軽減されるはずだ。ただ、フーリちゃんと霊山ちゃんには適用範囲越えてしまっていた。……霊山ちゃんなら、大丈夫だよね。引き留めた方が時間かかりそうだしね!
そのまま、私も撤退……もとい、転進を始めた。彼女の周りのキングとクイーンは道中に数匹居たフレイムスパイダーの間接や首の付け根を薙いで裂いていく。

「っ!そうだった。落石は私に任せて!」

レリカちゃんが落石を対処しながらフレイムスパイダーと戦っている姿を見れば、少しでも戦いやすくするために通路の天井をトランプのエースが湾曲する事で覆った。崩落してくる岩を天井と共に押さえ付けているだけなのだから、いずれ限界が来るだろうけど……仕方ない、かな。
ただ、彼女は補助魔法を使える状態では無い。ただでさえ、崩落してく物を押さえ付けているだけ。それ故に単純計算でもいずれはs程度ではきかないだろう。……それに、床や壁を覆えなかったが故にルビーの殆どは剥き出しのままなのだ。
せめて、もうちょっと広ければ……。

>イザベラ様、ウィル様、サナ様、ルト様、清流様、ジム様、レリカ様、all

13日前 No.203

そぼろ @snr2510☆yjBqeQuEvFAK ★Android=SAhLN2msbN

【フーリ・フォリア/宝石通路】

ルビードラゴンが現れたとき、フーリは呆けた表情でそいつを見上げていた。まず思ったのは、きれいだなあというお気楽すぎる感想。咆哮と共にルビーが辺りに飛び散ったときでさえ、その一種幻想的な光景にぽかんと口を開けていた。しかし、さすがに爆発を「かっこいー演出なの!」とは思えない。衝撃でびりびりと部屋が揺れる中、イザベラ、ウィル、サナが足止め役を引き受けるという声が聞こえた。
だめなのそんなの、危ないの、なにか、なにか他の方法が。みんなが逃げ切れるような他の方法が―――
そう声を上げようとしたとき、いつの間にやら傍らに来ていた霊山にひょいと抱えられていた。

「りょーぜんちゃ……」

おろして、と訴えようとした瞬間、霊山が走り出す。爆発的な瞬発力を持つ彼女はスタート直後からほぼ最高速度だ。舌を噛みそうになりつつ、反射的に霊山の腕にしがみつく。
そのあとは無我夢中だった。霊山はフーリが体感したことのない速度でフレイムスパイダーの群を突っ切っていく。ついさっきまで美しいと思っていた周囲のルビーの光だが、今は不気味に輝いておぞましい蜘蛛の姿を映し出していた。
思い出されるのは先程のドラゴンの攻撃。もしここにある無数のルビーが一斉に爆発したら……?とんでもないことになってしまうことくらいは分かる。同時に、「せっかくのルビーがだめになって、ソーンおじいちゃんがかなしむかもなの」とかいうまたしても場違いなことを、心の端でちらっと考えた。

そのとき、視界が赤く染まったかと思うと、フーリの顔のすぐ横あたりを何か熱いものが通った。反射的に「ひゃあっ!」と坑道内に響く悲鳴を上げてしまってから、これもフレイムスパイダーの攻撃手段だと思い出す。やたらに追いかけたり足元に群がったところでは、霊山に敵わないと向こうも悟ったのだろう。
鏡もない、手で触れて確認もできない状態だからなんとも言えないが、直撃は免れたわけだし火傷はそう酷くないはずだ。そう思い込むことにした。

「フーリはだいじょぶ、糸、きをつけてっ」

猛スピードで走る霊山に抱えられているわけだから、上下に左右に揺れてまともに喋れない。しかしどうにかこうにか口を動かし、軽傷であることを霊山に伝える。

>>霊山様、他all様


□【>>友禅様、古風様
いえいえ、こちらとしてもそうしていただけた方がロルしやすかったので助かります……!どんどん持ってっちゃって下さい!□】

11日前 No.204

隊長機モルガン @type14 ★BUzhF4mm8n_yFt

【ジム・グレイソン/坑道深部/退却する本隊と殿の間】


 指示というよりも提案に近いジムの言葉だが、何もニューリーダー病が発症したわけではなく、強敵相手に素早い判断を提示することで、周りもそれを中心にさらに最適な行動を考える。ようは「言われるまでもなく」を引き出すのがジムのやり口だ。もちろん、指示として従うもよし、別の妙案があれば実行するのもよし。全員の共通認識は最深部から広い空間への転進であり、殿が今回はいるということ。これで十分だ。

 『ジムグレ、せっかっく出してくれた指示に従いたいんはやまやまやけど、ウチはフーリたん背負って真っ先に坑道からの脱出目指すわ! 堪忍な!』
 「わかった霊山。崩落には気を付けてくれ。フーリを頼んだ! 清流、殿の命は俺が預かる。本丸を任せた!」

 返事を聞くまでもない。レスポンスの速さが指示を出した相手と阿吽の呼吸になってくれるのが霊山の強かなところだ。
 フーリを背負い、韋駄天の如く大地を駆ける彼女を信じて送りだすと、霊山に代わって落石から本隊をガードするアリスのトランプにマラッキアンの光を当てると、僅かに残った大地のマナの加護を重ね掛けする。これによりトランプの強度は一時的に鉱物と同じになるはずだ。もっとも、マナを吸収してルビーに変えてしまうドラゴンの前では、脱出の補助がせいぜいいいところだ。長居は無用、こちらも殿の攻撃をぬって飛び出してくる火球を魔力のフィールドで押さえ込む。

 「くそっ……けっこうヘビーだな……そして『前』は……よし、レリカも清流も霊山もアリスも無事なら大丈夫だ!」

 魔力のフィールドを不完全なルビーとなったマナが自らを取り戻そうと、ジムの魔力ごと容赦なく吸ってくる。それはつまり、純粋に体力を奪われるのと同義だ。殿も本隊との距離を計算しつつイザベラの指揮でじりじりと退却していく。それに合わせてこちらも下がり、火球を絶対前にはいかせない。それでもルビードラゴンはというと、こちらの必死さなどおかまいなしに攻勢を強める。本来なら魔力の結晶となったルビーを爆破してドラゴンを生き埋めにしてやりたいが、こいつは大地のマナを貪り食って肥え太った。つまり、生き埋めにすると永遠に村の活気を失わせる元凶を取り除くことができないということだ。とにかくここは現状維持。味方の転進を援護する。
 そんな時、良すぎる耳がフーリの悲鳴を聞いてしまった。短い悲鳴だが、察するにフレイムスパイダーの返り血でも浴びたかもしれない。まさか霊山がやられてフーリが孤立などあり得ないだろう。だが、一度意識を向けた瞬間がいけなかった。火球が目の前に迫っていたのだから。

 「くそっ!!」

 CHA-CRASH!

 フィールドで押さえつけるも、枯渇が激しくなってきた魔力など、板より薄い。ついに火球がフィールドを破る。
 ジムは即座にレーザーでルビーに亀裂を入れて魔力を無理矢理逆吸収すると、魔力の帯で火球をキャッチ。投げ返せば誘爆を起こしかねないので、それをエネルギーに還元して新たにフィールドを作った。
 この動きは、自らに合わないマナを用いた手段であり、いわば自分の身体に高圧電流を流してその手でコンセントを握って電化製品を動かすようなものだ。自分への負担は体力どころか、物理ダメージとしても返ってくる。膝をついて後ろに下がると、相手を見上げ続ける。

 「はぁ……はぁ……まだまだ!!」

>>清流様、レリカ様、アリス様、フーリ様、霊山様、殿メンバー様、ALL様

11日前 No.205

古風 @kofu32 ★a00mQn4He6_yFt

【漣清流/宝石通路】

後方からは、ルビードラゴンの叫び声と、火球をイザベラやサナが受け止める音。そして、それに伴う爆発音が聞こえてくる。
ルビードラゴンと対峙した殿部隊が、一番危険なのだ。自分の身が多少傷つこうとも、立ち留まることは許されない。傷つきながらも清流は符を舞わせる。
目に入った水分は、汗かそれとも、自分の血か分からない。清流は狩衣の裾で顔を大雑把に拭う。何時もは白い狩衣が汚れ、所々に赤いシミを作る。

「くっそ!!わらわらと、きりがねぇな!!」

真っ先に先陣を切った霊山に続き、飛び出した清流とレリカ。
全身に武器を装着し、縦横無尽に動き回りフレイムスパイダーの他、岩石やルビーの処理に余念がないレリカ。
目の前のフレイムスパイダーを符で吹き飛ばし、清流はいらだちを隠さずに叫ぶ。焦ったらいけないと分かっていても、それは無理な話である。

『っ!そうだった。落石は私に任せて!』

そんな時、天井をトランプが覆うように出現する。アリスの魔法だろう。
岩石の落下を考え無くてもいいなら符の火力を上げられる。清流はちらりとアリスの方を見る。
現在アリスは補助魔法を使用していない。それは、岩石の落下を抑えるのに相応の魔力を使用するという事だろう。果たして、耐えられるかどうか……。
問題はまだある、この火力を上げる方法は、魔力を相当消費するため、連続使用は出来ず、使用後は無防備になってしまう。フレイムスパイダーというだけに火耐性はあるだろう。
一瞬、清流は躊躇する。しかし、そんな事を言ってられる状況ではない。レリカやアリスの力を信じるしかない。

そう決意すると、懐から複数の符を取り出す。そして、槍で自分の指を切り、その血で符に一文字付け足した。
何時もは墨と筆を使用して作成する清流の符。己の血を媒介にする事でより強力な力を符に込めることが出来る。

『轟』

乱雑だが、はっきりしたその赤文字は、書かれると光輝き始めた。そして、自分の流れる血でその符を真紅に染め上げた。

「アリス!!威力を上げっからな!!」

そう叫ぶと、先ほどよりも高火力の符を構える。

「レリカ!!背中は預けるからな!!後は頼むぜ!!」

その符を高々と構える。

「二人とも信頼してるぜ!!」

清流は札を前方に叩きつけると、先ほどよりも強い轟音を立てフレイムスパイダーの殆どを巻き込む。

そして、力尽き片膝をついて肩で息をするのであった。

>>レリカ、アリス、ALL

11日前 No.206

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★Ywte4t2Nfq_Xgx

【 名古屋扇霊山 / 宝石通路 】

 腕に抱えたフーリが可愛らしい声で「ひゃあっ!」と悲鳴を上げたその瞬間、霊山は自分の思い至らなさに気付いて咄嗟に舌打ちした。そうだ。自分の皮膚を基準にして“ギリギリで避ければ火傷しない”と考えてしまっていたが、さらによくよく考えれば、フーリの皮膚と霊山の皮膚とでは見た目は大して変わらずとも耐久値にかなりの差がある。彼女の皮膚ではフレイムスペイダーの熱い糸は、最低限の動きで回避するとその近くにまで接近した熱で軽い火傷を負ってしまうのだ。そのことを、今の今まで失念していた。フーリ・フォリアは、名古屋扇霊山ほど頑丈な造りをしていない。つまり“最低限の回避”ではいけないのだ。

「フーリはだいじょぶ、糸、きをつけてっ」
「堪忍なフーリたん、自分基準で考えすぎとった!」

 喋りにくそうだがそれでもなんとか無事であることをアピールしてくれたフーリに謝罪を返し、今の今まで動かし続けていた脚をいきなり止める。ズザザザザッと地面と靴の裏が擦れる音が通路内部に響いた。捉えきれないほどの素早さで駆け抜けてきた標的がいきなり停止したことに何の疑問を抱く様子も無く、無数のフレイムスパイダーたちが我先にと勇んで襲いかかってきた。その攻撃が自分に届くよりも早く、羽織っていたマントを脱ぎ捨て腕の中のフーリを覆うようにすっぽりと被せる。これには《白金の魔法使い》に耐熱魔法をかけて貰っているから、くるまってさえいれば多少フレイムスパイダーの体液がかかったところで内部にその熱は伝わらない。糸の攻撃はその場から勢い良く飛び上がることで回避。壁を蹴って空中で方向転換し、勢いよく落下した先にいるフレイムスパイダーを強烈なかかと落としの一撃で粉砕。スカートとタイツも《白金の魔法使い》の耐熱魔法のおかげで熱を通さないので、体液の飛沫は肌が剥き出しになっている部分にだけかからないよう気をつければそれで回避できた。最初の戦闘のように自分だけで暴れ回るなら多少の火傷など気にせずスピード重視で暴れ回るが、今は腕にフーリを抱えている。うっかり怪我なんてしてしまうの治療をするために外に出てこようとしてしまうかもしれないから、なるべく怪我は回避しなければ。

「ちょっと暗いかもしれんけど、我慢してなフーリたん! 適当に間引いたらマント外すから!」

 たくさん数がいるから最低限の回避を選ばなければ逃走速度に支障が出るような事態になっているのだ、ならばその数のほうを適当に減らしてしまえば良い。なんとも霊山らしいワイルドな発想で、逃走から一転、フレイムスパイダーたちを足技だけを駆使してその場で次々と潰したり砕いたり飛ばしたり割ったりしていく。これだけ酷使されているのにヒビ一つ入らないブーツの頑丈さときたら、さすが靴屋ではなく武器屋で売っていただけのことはある。これが普通のブーツだったなら、霊山の荒っぽい戦闘に耐え切れずもう十足は履き潰されているだろう。

>フーリ・フォリア様&ALL様

【ありがとうございます!】

10日前 No.207

彼岸花 @tragedy☆ceTjr.OtlhiK ★iPad=txBUCiCVZB

【レリカ・プラムティム/宝石通路】

薙ぎ払っても薙ぎ払っても湧き出て来るフレイムスパイダーに内心溜息を吐く。 仲間がわんさか倒されているのでそれを恨んでの事だろう、歯を無駄にカチカチと鳴らす個体さえいる始末だ。 種の保存本能だか何だかはよく分からないが、大人しく退いて欲しいと思う次第。 数を相手にするのも面倒だし、何より体液で景気良く煙を上げている私の身体や武器に大変よろしく無い。 昨夜とは異なり外装のマントが無いからその被害は色々と甚大である。 無論言葉には出さないが。

そんな事を考えながら道を開くべく武器を振るっていると、アリス嬢の言葉と共に天井がトランプで覆われる。 それに伴い天井に張り付いてた数体のフレイムスパイダーも落ちて来た。 一瞬天井の個体を叩き落とすのは任せろ、という意味なのかと考えたがよくよく考えれば落石に違いない事に気付いた。 何せ、叩き落とすだけなら覆う必要はない。 普段ならすぐ気付く事なのに違う方面に思考が飛んだのは、私自身の疲れ、何より甘味ゲージが少なくなっているからであろう。 頭を回転させる為に飴玉の一つでも口に含みたい所ではあるが、そんな余裕は無い。

天井から叩き落とされたフレイムスパイダーを左足の槍で刺し穿ち、突き穿つ。 左腕のナイフで飛びかかって来るフレイムスパイダーを爪の要領で突き刺し地面に捨てていると清流のおにーさんの言葉が聞こえて来た。 その言葉の直後に起こる大爆発。 思わず右腕に括り付けた大剣を盾代わりにして飛んで来る瓦礫や死体の欠片を避けると、後に残るのは大きく地面に開いた窪みとフレイムスパイダーの死体の欠片。 そして片膝を着いて肩で息をする清流のおにーさんの姿である。

前方の安全はほぼ確保された。 後は残っている残党を駆逐し、殿とその前でフォローしているジェームズ先生達と合流し逃げるだけである。

「やれる範囲で努力はしませう。 ほら、無理はしない主義なので、極力ですが」

そんな言葉を口にしつつ右腕の鎖を一部外す。 ジャラジャラと音を立てながら大剣とそれに付随する幾つかの武器が地面に落ちる。 それを鎖の一部を持ち、まるで投錨するかの如く回転させる。 充分な回転をした所で壁にいる残党目掛けて投擲。 それが壁に突き刺さる直前に鎖を引き、起動を変える。 そのまま自分の身体を回転させてトランプを齧ろうとしているフレイムスパイダーを壁のルビー擬きと一緒に斬り裂く。 肩に掛かるルビー擬きの欠片を手で払いながら、鎖えお引き大剣を手元に戻した。

>>アリス、清流、ALL

10日前 No.208

雪鹿 @salt9140 ★Android=42zyboh5vZ

【アリス・ウェスタ/宝石通路】

トランプに魔力を込めていたために両手をその方向に向けて耐えていたが、次第に押し返される。が、耐えられない程ではない。と、意気込んでいると不意に負荷が和らぐ。魔力の感じからしてジムがやってくれたということは十分に分かった。
ちらと後ろを振り返れば、火球をエネルギーに還元してフィールドを張り直したジムの姿があった。……あんなの、無茶だ。彼女がそう思うが早いか、ジムは膝をついてしまった。やっぱり、負担が大きい。何度も使える手じゃあ無さそうね。

「無茶して動けなくなったら本末転倒だよっ!【煉瓦の家】(リジェクション・トゥー・ウェアウルフ)!」

負担の和らいだ隙をついて片腕で補助魔法をかける。ジムの張り直したフィールドに狼の影絵が現れたと思えば、バツ印が浮かび上がり、フィールドを透明度の高い赤茶色に染めて強度を高めた。その上、そのフィールドに無断で干渉をさせないように魔力を固めて鍵をかけた。つまり、ジムの魔力を吸わせないようにしたのだ。
さっきから中級魔法以上を多用しているせいで、体力的にも少しキツかった。それでも、彼女は誰1人倒れることがないようにその魔法を振るうのだろう。それが、彼女なのだから。

「清流、まさか!?……任せてって言ったんだ!それくらい、耐えきってみせるんだから!」

再び両手を上に上げてスペードの10をを即座に追加して守りを固めた。そして、魔力を最大限に込めて強度を底上げする。清流の全力を迎え撃つには本来、これ位……あるいはこれ以上が必要なのだ。
そして、響く轟音。
爆撃によってフレイムスパイダーはもちろんの事、トランプにすら響く衝撃。それと同時にアリスの細腕の皮がピシッと一筋、裂けた。本気の爆撃が直撃でもないのにこの威力……。一枚がボロボロになり、使い物にならなくなってしまったのでそれを此方に戻してポケットに入れた。
つうっと血が腕を伝っていく。周りの三枚のトランプはどこか心配そうに彼女の周りをくるくると回っては表情を伺うようにちらちらと見ている。長年、存在しているそれは多少の感情を持っているのだろう。
しかし、今一番危ないのは私なんかではなく、清流だ。力を使い果たしたらしく、片膝をついて息を切らしている。

「私は大丈夫だから、清流を守って……!ロード・オブ・ワンダーランドっ!」

両手を腕に上げたまま、キング、クイーン、ジャックにそう告げれば、そのトランプ達は清流の方へと飛んで行き、清流の前で静止して万が一から守るために盾のように立ちはだかる。両手を使っている現状、鍵を使えないが故に新たなトランプを呼び出せない。自分の盾を擲つのは、仲間を信頼しているからこそだった。私の事は、大丈夫。レリカちゃんだって居るし、後ろを担ってる四人も居るのだから。

しかし、現状はもう何も出来ない。するとしたら、上で抑えの役割を果ているトランプを手元に戻せば出来るが、本末転倒になってしまう。正直、現状維持で精一杯だ。次の一手を考えなきゃ……!

>ジム様、清流様、レリカ様、all

10日前 No.209

そぼろ @snr2510☆yjBqeQuEvFAK ★Android=SAhLN2msbN

【フーリ・フォリア /宝石の通路】

ばさっという音と共に、もともと光源が遠く薄暗かった視界が完全に暗転した。霊山がなにか布をかけてくれたのだろう。目から入る情報は完全に絶たれたが、霊山の動きが先程までとは全く違っていること、またフレイムスパイダーの断末魔が聞こえることから、完全に攻めの姿勢に転向していることがわかる。 ……フーリを抱えたまま。
昨日からひしひしと感じていた後ろ暗い感情が、改めて胸のなかに沸き上がってくる。イザベラにウィルにサナ、まだ通路の下の方に残るメンバー、そして霊山。みんなきっと傷ついているはずだ。なのに、自分は小さな怪我に声を上げ、今ひとり庇護のもとにいる。……「てにもつみたい、」と小さく呟いた声は、喧騒の最中でフーリ自身の耳にも聞こえることなく消えた。
そういう作戦なのだと、頭では分かっている。自分がいないと、助かる仲間も助からなくなるということが分かってはいる。理解はしているけれど、納得したり割り切ったりすることがどうにもうまくできないのだ。この坑道に入る前でもちらっと「強さ」に憧れたことはあったけれど、そこから自分への劣等感に繋がったのは今回がはじめてだ。
落ち込んで、立ち直って、また落ち込む。それを繰り返すだけで疲れてしまったのだろうか。次第に「フーリがもっと強かったら」から、「フーリがフーリでなかったなら」へと思考がシフトしだす。
そんなとき、不意に先程の火傷の傷が痛んだ。瞬間、いつのまにやらどこか遠くなっていた周囲の音が急に戻ってきて、フーリは身をすくませる。岩盤に靴が当たる音、蜘蛛の出す音、霊山の息づかい。そして、遠く地鳴りのように聞こえるのは、ルトたちのほうの戦闘の音か、もしくはドラゴンの咆哮か。

フーリは軽く目を閉じてみた。どちみち視界の暗さには変わりないのだけれど、まぶたを下ろすことにより、霊山がいまどんな動きをしているのか、より敏感に感じとれる。普段の彼女のような奔放極まる自由な動きではないが、どこかからだの1ヶ所をかばっているとか、そういったものも感じられない。なにか支障があるほどの怪我はなさそうだった。ふたたび目を開くと、少しのくすみもない白い杖を握りしめる。
本来は、杖などなくても魔法を使うことはできる。ただフーリの場合、杖を使えば魔力のコントロールがうまくいくし狙いもつけやすい。そして、ある程度の魔力を杖に溜めておくこともできる。
間もなく暗いマントのなかで、杖が至極控えめに光りだした。はじめは根本の方から、そして少しずつ先端の方へと光はのぼっていく。
少しでも集中が切れればその光は失われてしまう。フーリは自分の身のことをすべて霊山に任せることにして、手元に意識を集中させた。これで、このあと何人かの怪我人の治療はスムーズになるはず。


>>霊山様、all様

9日前 No.210

古風 @kofu32 ★a00mQn4He6_yFt

【最終決戦へ】

「ちょっと無理しすぎた……、助かるぜアリス」

目の前の蜘蛛をあらかた吹き飛ばし、清流はアリスのトランプに守られながら肩で息をする。残りの残党はレリカが狩っている。
血が流れ意識が飛びかけるのを、かろうじて気力と根性でつなぎとめる。アリスもレリカも疲労の色が隠せないようだ。

後方からはルビードラゴンの咆哮が強くなってきた。イザベラ達が上手く殿を務めているようだ。その内ルトが息を切らせながら追いついてくる。
殿部隊の方も、状況は似たようなものだ、ジムもアリスの補助を得たとは言え、無理していた分が出ているようだ。

「皆、あとちょっとで危険な宝石のエリアを抜けるよ!!頑張って!!」

励ましの言葉をルトがかける。この坂道を抜ければ、爆発するルビーが無い分、洞窟の崩落は避けられる。もしかしたら逃げ切れるかもしれない。淡い期待が胸をよぎる。だが、そのほんの少しの油断が隙を作る。後方から飛んできた火球が、ルトの眼前に迫って来る。一瞬気づくのが遅れたルト。

しかし、そのルトを突き飛ばすようにイザベラが駆けつけてきた。走って来た勢いそのままに、背中をを突き飛ばすイザベラ。突き飛ばされたルトは、地面を回転し壁にぶつかって止まった。回転し地面、天井と視界が映り、定まった時に見えた物は、大やけどを負ったイザベラだった。
ルトは慌てたイザベラに駆け寄る。鎧は焦げ体も所々変色している。特に足が酷い。赤黒いその火傷にイザベラが顔をしかめた。

「私も焼きが回ったね……」

「イザベラ、ごめん……」

謝るルトを制し、立ち上がろうとする。しかし、足に激痛が走り崩れ落ちた。顔が苦悶の表情にゆがむ。思ったより足の損傷が酷く、立ち上がるのすら困難なようだ。イザベラは大きく息を吐いた。冒険者たるもの覚悟はできている。

「ここは、私が何とかするから皆逃げな!!」

イザベラは片膝をつきながらルビードラゴンの方角へ盾を構える。

「イザベラを置いて行ける訳ないじゃない!!」

「殿は私が勤めると言ったはずだよ!!ルトは団長だろ!!被害を最小限に食い止める方を選択すべきだ!!!」

イザベラは怒鳴るように大声でルトに言う。確かにここで、イザベラが食い止めてくれれば他のメンバーは助かるだろう。団長として被害を最小限に食い止める判断は必要かもしれない。だが、それではイザベラは確実に助からない。逆に足を怪我したイザベラを連れて行けば、必ず追いつかれる。全滅の可能性も高くなる。
考えている暇はなかった。

「イザベラ……。ごめん……」

ルトは俯き掠れるような声でイザベラに言う。

「そうだよ、それでいい……。さてと、もうひと頑張りするかね!!」

イザベラは気にするなとばかりに、ルトに笑顔を向ける。イザベラにとってルトは、団長という前に可愛い妹のような存在だった。それに皆を守って、倒れるなら悔いはない。それが自分の盾としての生き方である。

だが、次の瞬間にルトは顔を上げる。その瞳には強い決意が宿っていた。

「そのイザベラの案は聞けない!!」

強い口調でイザベラの案を否定する。そして、皆の方を振り向いた。

「皆、ルビードラゴンを迎え撃とう!!坂を上り切った左手側に、岩で隠れているけど大きな空間があるはずなの!!」

「お、おい!?ルト!!」

慌てるイザベラを制し、ルトは言葉を続けた。

「団長として、団員を犠牲にするという選択肢を取る訳にはいかない!!誰も道しるべの団員を欠けさせたりはしない!!危険は承知の上だけど、皆力を貸して!!」

そして、皆に訴えかけるのだった。そして、イザベラの前にセシルが現れる。

「ルトの言う通りだよ。ほら、肩かして。ルトは鎧のパーツとか、盾とか持ってくれる」

まだ、何か言いたげな、イザベラにセシルが話しかけると、肩を貸し立ち合がせる。少しでも軽くするために細かいパーツはルトに持ってもらう。
それに、イザベラはすっかり観念したようだ。

「すまない……。皆後は頼むよ……」

絞り込むような声で言うのだった。

【遅れてすみません!!分割します!!何で盾で防がず、突き飛ばしたの?というツッコミは無しの方向で……orz
ご都合主義って奴でございます(土下座)】

8日前 No.211

古風 @kofu32 ★a00mQn4He6_yFt

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8日前 No.212

隊長機モルガン @type14 ★BUzhF4mm8n_yFt

【ジム・グレイソン/坑道深部/転進中】

 「これはアリスの……よし、みんな、退け、退け! ここはしばらく持つ!」

 アリスの魔法のお陰でフィールドは十分な硬度を維持できる。その間に殿を受け持つ味方を少しずつ減らして本隊と合流させる。一番の消耗は現時点では本隊で清流、そして殿でイザベラだ。こちらは体力低下と疲労のみだ。ならば殿の負担はこちらで受け持つ。アリスの心配をよそに鉱脈に亀裂を入れて再び魔力を無理矢理吸収すると、指輪に収束させたレーザーを撃つ。ルビードラゴンの表皮は鉱物で覆われ、フィールドを通過して飛ぶ光の収束であるレーザーでは乱反射されてしまい、その熱量だけであの質量を焦がすのは不可能だった。ただ、それでもルビードラゴンに『貴様の相手は俺だ』と思わせて、味方の態勢がたてなおるのを待つことが出来る。だが、背後でイザベラがルトを庇って負傷した。
 イザベラは捨て身覚悟で撤退を援護するつもりらしい。ジムも急いで合流すると、イザベラを止めるべく……となる前に、我らが団長は決意を固めた。

 『皆、ルビードラゴンを迎え撃とう!!坂を上り切った左手側に、岩で隠れているけど大きな空間があるはずなの!!』

 『お、おい!?ルト!!』

 『団長として、団員を犠牲にするという選択肢を取る訳にはいかない!!誰も道しるべの団員を欠けさせたりはしない!!危険は承知の上だけど、皆力を貸して!!』

 「そうこなくっちゃな。ルト、殿は俺が引き受ける。とはいってもルビードラゴンの足を止めるくらいだから、頃合いを見て少しずつ下がるよ。だからみんなを引っ張って岩場の方へ向かってくれ。団長の命令には逆らわない。必ず追いつく」

 そろそろフィールドも限界か……向こうは力任せに破ろうとしているようだな。あの巨体でぶつかるのも、火球と同じくらい脅威なんだ。

 「さあて……もうひと踏ん張りだな。イザベラが守ったものは貴様に壊させやしないぞ」

 一番後ろで火球を防ぎながらゆっくりと、しかし確実に坂道を登ってゆく。容赦なく飛んでくる火球をフィールドで防ぎ、時には顔面を飛び道具で攻撃しながら注意を引き付ける。指輪の中にいるヴァニラはまだ安定している。決意を固めた時は、彼女は泣かない。ルトの選択を守る為に、彼女も誇りをもって力を授けてくれる。
 イザベラ達が坂を登りきるのを見届けると、ジムもいよいよスピードアップだが……振り向けば
フレイムスパイダーが少数ながらも「お前だけでも逃がさん」と言わんばかりに道をふさいだ。しかしジムも立ち止まれない。突貫は霊山や清流程じゃないが、出来なくもない。右手にエネルギーを溜めて、インパクトパームの一撃で真ん中から突き抜ける。しかし、撃ち漏らした一匹の糸が背後から体に覆いかぶさる。

 「eiyaaaaaaaaaaaa!!!」

 熱い、なんて言ってられるか! 巻き付いた糸にあちこち焼かれながら残ったフレイムスパイダーをレーザーで撃ち殺し、白煙を焚きながら地面を転がり、みんなと合流する。

 「……さあて、反撃開始かな?」

 男というものは己の限界を度外視する。
 清流に負けじとボロボロになりながら、ジムもまた沸騰するアドレナリンの中にいた。

 >>ALL様

8日前 No.213

彼岸花 @tragedy☆ceTjr.OtlhiK ★iPad=txBUCiCVZB

【レリカ・プラムティム/宝石通路→大部屋】

「…………」

イザベラの姉御がルトだんちょーを庇っての負傷。 その前に聞こえて来た清流のおにーさんの誘導の指示にどうするか考えていた。 攻撃役の私は速やかに新たな空間の方へ身を移し、少しでも体力を温存するのが正解である。 攻撃役の役目が出来るのは何人もいるがドラゴン相手ではこの面子でも不安が残るという物。 負けないと言葉にするのは簡単だが実現は困難であるのは、私が鍛冶屋だからか、それとも臆病であるが故か。

『皆、ルビードラゴンを迎え撃とう!!坂を上り切った左手側に、岩で隠れているけど大きな空間があるはずなの!!』

葛藤している中で聞こえて来る団長の声。 撤退ではなく討伐を目的とする、決意とも取れる言葉を大きな声で皆に伝える。 それだけでは終わらない。 イザベラの姉御の言葉を遮るかの如く、言葉を重ねる。

『団長として、団員を犠牲にするという選択肢を取る訳にはいかない!!誰も道しるべの団員を欠けさせたりはしない!!危険は承知の上だけど、皆力を貸して!!』

その言葉にやはりリーダーはこの人だな、と改めて実感しながら小さく了解、と呟いて皆より先に部屋の中へ入る。 無事だった荷物を漁り、ミニサイズのチョコレートバーを取り出す。 数としては14本、私が持って来た菓子もこれともう一種類で在庫が尽きる計算だ。 無論普段ならこの14本ももう一種類も私が全て食べる、だが今この状況下でそんな事が出来るほどマイペースではないつもりだ。

チョコレートバーを自分を除いた全員に向かって投げ渡す。 勿論食べる食べない、好き嫌いだとかはあるだろうから食べなくても無論構わない。

「意気込むのは良いですしアドレナリンだのペニシリンだのを捻り出すのも宜しいですが、今一度の深呼吸をお勧めするのはこの私でございます。 一部男性陣は特に。 それ、ヒッヒッフー」

そんな言葉と共に一旦は落ち着け、という訳ではないが危機的状況の一山を乗り越えたのでそこで頭はリセットするべきで。 明らかに深呼吸とは違う言葉を言いながら、食べるようなジェスチャーを全員に出す。 甘い物で脳の回転率を上げ、体力を微量でも回復し、心を一旦落ち着けてから全力を出す。 鉄だってずっと熱いまま叩き続ける訳ではない、一旦冷やして再度熱する事でより硬度が増す。 人間もそれと同じで一旦のリセットが必要なのである。

もう一種類の菓子、小さいプラスチックで出来たケースを取り出す。 それの中には薬の錠剤にも似た小粒が全部で30粒程入っているが、それを選ぶとか数個だけ取るとかせずに全部口に含み、噛み砕く。 ケース表面には“強烈タブレット ~阿鼻叫喚ミント味~”と書かれており、その記載に違わず拷問のような清涼感が口から、鼻から、目から入って来て抜けていく。 その感覚にゴヘッと無様な反応を示しながら、改めて武装をし直す。

「この火蜥蜴退治が終わったら大量の糖分を要求します、割と深刻に」

右腕に直刀を背中合わせに接続して鎖に巻き付けた片手半剣、右手に長槍、左手にハンドアックスを背中合わせに接続した両刃の斧、左足にナイフ二本を括り付けてルビードラゴンと相対する。 表面のルビーに似た鉱石は砕くのは容易いが、それがある限り私の大剣でも相手に攻撃は通り辛い。 それをどう攻略するか、そして何処まで相手の気が引けるか。 燃え上がる男性陣とは逆、先程食したミント菓子のように何処までも冷たく相手を見据えた。

>>ALL

8日前 No.214

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★Ywte4t2Nfq_Xgx

【 名古屋扇霊山 / 宝石通路 】

 襲い来るフレイムスパイダーたちをバッタバッタと薙ぎ倒し……というよりは、グッチャグッチャと蹴り潰して周囲に次々と屍の山を築いていく霊山。履いているブーツはもはや何液ともつかぬ赤やら緑やらの粘っこい汁で汚れまくっているが、このブーツも服と同じく自室クローゼットに予備の同じものがいくつも仕舞ってあるので気にはしない。それに外側が汚れたくらいなら水で濡らして洗剤にでも浸したタワシで思い切り擦ればまた乾かして履ける。なにせ靴屋ではなく武器屋で売っていたブーツ、素材は謎だが前にタワシで力強く洗った時にも傷一つ入らなかった。この世にここまで霊山に適したブーツも中々あるまい。勧めてくれた武器屋のお爺さんには深い感謝が沸くばかりだ。
 腕の中、マントにくるまれたままのフーリから感じる魔力の量が増えている気がする。もっとも、霊山は体術こそ優れておれど魔法に関しては一般人レベルなので、殺気や敵意はともかく魔力の察知に関してはあまり自信が無い。遠くから魔法で攻撃された時だって、あれは魔力を感じ取っているというよりは魔法攻撃を繰り出す際にどうしても放たれる殺気を感じ取って回避なり警戒なりしているのだ。そういう意味では、攻撃ではない魔法の気配を感知する能力では恐らく霊山は『道しるべ』最下位。なので“殺意無き魔法のための魔力”を溜めているフーリに関しては、魔力を溜めていることは分かってもどの程度の魔法が使えそうな量の魔力が溜まっているかなどの細かいことまでは察せなかった。
 だがしかし、フーリがフーリなりに己の役目を果たそうと力を蓄えていることが分かれば霊山にとってはそれで充分。霊山も霊山で、腕の中の小さく可憐な少女のように己にしかできないことをやるだけだ。


「霊山!! フーリ!! イザベラがやられた!! 足を怪我して歩けない!! この坂を上った所で迎え撃つぞ!!」

 怒涛の勢いで坂を駆け上ってきた清流の姿。そして彼が発した言葉に、霊山は回し飛び膝蹴りで近場のフレイムスパイダーを一体屠りながら大きく頷いた。負傷者が出たならば、今抱えている『道しるべ』が誇るヒーラー少女の出番。そして彼女を負傷したイザベラの元まで送り届けるなら、脚が速くて力のある霊山の出番だ。もっとも、こっちは最初から腕に抱えている以上、新しい出番というより引き続きで出場といった感じだが。
 脚力に任せて先行しようにも、清流が口にした『ルトに言われた、立ち回れるような広い場所』とやらの場所がわからないので、清流から二歩ほど下がった位置をとりあえず追走。そして数十秒の疾駆の後、清流の符術によって広い場所への出入り口が即興で開通された。近付いてくるルビードラゴンの咆哮と、中から他のメンバーを呼び込む清流の叫び声。近くにいた霊山はもちろんその中へとフーリを抱えたまま飛び込む。出来るだけ安全そうな位置にフーリを降ろしてマントを羽織り直し、さて、脚を負傷したイザベラを急いで回収しに行こうかと意気込んだが、やや遅れてセシルに肩を貸されたイザベラの姿が同じ空間に現れたので、その予定は脳内でキャンセル処理をしておく。火傷の影響で身体から白煙が出ている状態のジムやお菓子を食べているレリカなども合流してきて、いよいよ最終決戦の雰囲気に近付いてきた。ルビードラゴンが同じ空間に入って来れば、それが開戦の合図となるだろう。

「あ、レリカきゅんおおきに! ウチ今めっちゃ甘いもん欲しかってん!」

 投げ渡されたチョコレートバーを手ではなく歯でキャッチし、口内で器用に舌を使って外装を取り外しチョコレートバーだけを食べながらの台詞だ。たぶん口内に取り残されている外装のビニールは、機会があれば挑発がてらルビードラゴンの顔にでもツバと一緒にペッと吐き捨てる予定なのだろう。普段から決して上品ではないが、戦闘の最中ともなるといっそ粗野とも表現できるような振る舞いをするのもこの女の特徴の一つだ。
 皆がついに同じ空間に入って来たルビードラゴンをぐるっと円状に取り囲むよう配置についたので、霊山もとりあえずルビードラゴンの真ん前に陣取った。いざ戦闘が始まれば霊山はあっちに跳ねたりこっちに飛んだりと場所を目まぐるしく移動するだろうから、まあ初期位置はさして重要でもないのだが……このポジションを負傷者や脚に自信の無い者に任せるのはいくら何でも忍びない。さっそく吐き出された火球を跳躍で避けながらそんなことを考える。幸い、真後ろに人はいないから火球は真正面から受け止めなくても大丈夫だ。
 跳躍の勢いのまま背後の壁を蹴って弾丸のごとき速度で真正面へと飛び、すれ違い様、ルビードラゴンの身体に向かって唾液にまみれて生ぬるくなったチョコレートバーの袋をタバコのポイ捨てみたいに口から直に吐き捨てた。というか吐き掛けた。相手にどの程度の脳味噌や理性があるかは不明だが、仮にこれで霊山に怒って攻撃を集中させてくれれば御の字だ。威力は驚異的だが速度ではこちらが上回っている。下手に攻めようとせず避けることだけに集中すれば、周囲が攻撃できる隙やタイミングを増やすための良い囮になれるだろう。そうなってくれなかったところで、別に吐き捨てた側の霊山には何のダメージも無い。ルビードラゴンの真正面側から真後ろ側の地面へと着地して、いつでもその場から高速移動できるよう低く腰を落としたままで相手の反応を待つ。さあ、出来ることなら自分に怒り狂って狙い打ってくれ。フーリがイザベラを治療してやれる時間くらいは稼ぎたい。

>フーリ・フォリア様&漣清流様&レリカ・プラムティム様&ルビードラゴン様&ALL様

8日前 No.215

雪鹿 @salt9140 ★Android=42zyboh5vZ

【アリス・ウェスタ/宝石通路→大部屋】

イザベラが大火傷を負った。やっぱり、属性付与なんかじゃ守りきれない火力。本当なら今すぐ逃げたいくらい!だけど、私には仲間が居る。だから、イザベラの提案にも私は堂々とNOを突きつけた。

「流石、団長だね!私も同じ意見だよ!ひとまず……帰り道は確保しないと、ね。『母の縫い糸』(マザータスク)!」

山羊の紋様がトランプに浮かび上がれば、トランプの側面から糸が現れて天井に縫い付けられた。これで、ずっと微細なコントロールをしなくても良いのだが……ジムのサポートが無ければ、如何せん併用出来ないのだから仕方ない。
これで、コントロールから外れていつも通り五枚のトランプを操れる。持ちつ持たれつとは良く言ったものだよね。本当に!
四枚をポケットに戻せば、少々遅れて駆け出しながらも僅かに残ったフレイムスパイダーを見て空中に一瞬扉を作り、開ける。すると、即座に意気軒昂とダイヤのロイヤルストレートフラッシュが飛び出してフレイムスパイダーを切り伏せつつ、皆に続いて駆けて行く。

「役無しは大人しく伏せててよねっ!」

広間に駆け込んでサポートが全員に行き届き、尚且つフーリちゃんの近くへ行く。多分、この中で防御が出来るのは三人……相手が魔法攻撃なら私が適任……だよね!

突如、こちらに……と言うか、全員に飛んでくるチョコレートバー。心当たりが一つしか無いので、ふとそちらを見ればレリカが落ち着くようにそう言っていた。……確かに、そうかも。熱くなりすぎても視野が狭まってしまう。ふぅ、と息を吐けば、チョコレートバーをかじりながら周りに浮かぶダイヤのトランプを五枚確認して皆を確認した。

「チョコレートバーありがと!甘いものなら私にお任せ、だよ!」

グッと親指を立ててレリカちゃんにはそう返しておく。まだ、チョコレートパイやパンプキンパイ、アップルパイにブルーベリーパイ!色んなパイがあるし……ケーキは……ほら、大きくなっちゃうから。

そして、入ってきたルビードラゴンを見据える。流石に、もう綺麗だとか見とれそうだとか、イザベラが傷つけられた今はそんな事は思えない。というか、今は許せない気持ちでいっぱいなんだ。レリカちゃんのおかげで私は真っ赤なハートのように怒って、真っ黒なスペードのように落ち着けてるんだ!

「とっとと、終わらせちゃおう!時計兎の加護(ハリー・アップ)!」

既に切れてしまっていた加速魔法を全員に掛け直す。いつもの通り、真っ赤な時計と兎の横顔の影絵が皆の脚に浮かび上がった。今やれるのはこれ位……かな?
トランプ達を元のサイズのまま前方へ展開して、いつでも守れるようにしておく。イザベラも、今は護衛対象。私は防御専門じゃないから何処までやれるか分からないけれど……きっと、大丈夫。やってみせる!

>ルト様、清流様、イザベラ様、ジム様、レリカ様、霊山様

7日前 No.216

古風 @kofu32 ★a00mQn4He6_yFt

【漣清流/大部屋】

『……さあて、反撃開始かな?』

「ぶっ倒してやる!!覚悟をしとけよ!!」

静かに闘志を秘めるジムに対して、清流は分かりやすいまでに沸騰している。
ジムの姿もボロボロだった。先発組も苦労はしたが、殿組も危険だったのだろう。殿のイザベラにおいては、火傷により重症である。
今にも飛びかかろうという時、レリカから何かが飛んできた。それを、片手でキャッチする。それはチョコレートバーだった。

『意気込むのは良いですしアドレナリンだのペニシリンだのを捻り出すのも宜しいですが、今一度の深呼吸をお勧めするのはこの私でございます。 一部男性陣は特に。 それ、ヒッヒッフー』

その意見を聞いて我に返る。このまま怒りに任せて突っ込んだ所で、返り討ちに合うのが関の山だ。

「ありがとよ、レリカ!!助かった!!」

この助かったは二重の意味だ。一つはチョコレートバーを貰った事、もう一つは興奮状態から少し冷静になれた事。清流はレリカからチョコバーをもらうと、袋を開け丸ごと口に放り込む。そして、二、三回咀嚼すると、一気に喉の奥に流し込んだ。
どうすべきか、考えていると。自分の脇から霊山がルビードラゴンに突っ込んでいく。空中でチョコレートバーをキャッチし、その袋をルビードラゴンに吐き捨てた。
それに怒ったのか、それとも目の前で動く物体に反応したのか分からないが、ルビードラゴンの注意が、霊山の方へ逸れる。後方へと着地した霊山の方に体を向けて、再び火球を吐き出した。

「霊山、助かるぜ!!」

その行動に対して清流も即座に動く、姿勢を低く突っ込むと、その勢いのままルビードラゴンの胴体に水平に突きを入れた。

ガキン!!

金属が衝突するような激しい音が聞こえ、清流の槍は弾かれる。両手が痺れる。

「皆、気を付けけろ!!こいつ堅いぞ!!」

そして、ルビードラゴンから距離をとるのだった。

>>ジム、レリカ、霊山、ALL


【ルト/大部屋】

「イザベラ!!しっかりして!!」

大部屋の入り口付近で横になっているイザベラにルトは声を掛ける。火傷は酷いようで、ここまで来るのにも激痛が走っただろう。
リュックの中からタオルを取り出し、汗を拭きとる。

『意気込むのは良いですしアドレナリンだのペニシリンだのを捻り出すのも宜しいですが、今一度の深呼吸をお勧めするのはこの私でございます。 一部男性陣は特に。 それ、ヒッヒッフー』

レリカの声が聞こえ、チョコレートバーが飛んでくる。ルトはそれを手の上でバウンドさせ、落下するも地面スレスレで受け取った。
レリカのいう事は最もであり、焦りは禁物である。ルトはチョコレートーを頬張るのだった。疲れた体に甘さがありがたい。

「レリカ、ありがとう!!ただ、それは男性の深呼吸じゃなくて、女性の深呼吸法だよ!!」

冷静になったルトは律儀に(?)ラマーズ法に突っ込むのだった。

ふと横を見るとアリスがトランプを展開している。イザベラは怪我をしており、サナも先ほどの殿戦で力を使い果たしたらしい。元気な様子は影を潜め、岩に寄りかかり、激しい呼吸を繰り返している。

「アリス、イザベラが回復するまで守備の方をお願い!!きついかも知れないけど頑張って!!」

盾コンビが戦闘不能の今は、守備はアリスに頼みになる。アリスだって先ほどの逃走戦で魔力をかなり使用したはずだ。きついのは分かってても、頼らざるをえなかった。

「フーリ!!こっちよ!!イザベラをお願い!!」

そして、フーリに自分達の位置を知らせるべく、大きく手を振るのだった。

>>レリカ、アリス、フーリ、ALL

7日前 No.217

そぼろ @snr2510☆yjBqeQuEvFAK ★Android=SAhLN2msbN

【フーリ・フォリア/大部屋】

ほんの数分離れていただけなのに、やけに懐かしく聞こえる清流の声。しかし無事を安堵する暇はない。イザベラが負傷したという報告、そしてその後の清流が激しく咳き込む声は視界がなくたって聞こえる。今へたに返事をすると集中が切れてしまいそうだったので、杖をもっていないほうの手を軽くあげて応える。どちみち「せいりゅーくんもすぐ治すから、それまで無理しないで」とか言ったところで、その通りにしてくれるはずがないのは分かっていた。
やがて聞こえてくる轟音。清流がなにかしら護符を使ったのだろう。ひさびさに地に足が着く感覚がしたかと思うと、マントが取り払われ視界が晴れた……と言っても、薄暗いのには変わりないのだけれど。マントを羽織り直す霊山の体を確認する。フーリを抱えたまんま単騎で暴れまわったというのに、服の破れや汚れを除けば特別目立った異変は目につかない。

「りょーぜんちゃん、ごめんね、めいわくかけちゃったの」

光を保っている杖を胸の辺りで握りながら、フーリは霊山を見上げる。なにか一区切りついたような気分になってしまうが、実際はまだなにも終わっていないのだ。なので、「がんばってなの」と早口で付け加える。
マントの中は酸素が少し薄かったようで、少し息苦しさを感じたフーリは1度か2度深く呼吸をする。ここだって土埃やら何やらでたぶん体によくない空気なんだろうけれど、少しはすっきりした気分になった。そのうちに仲間たちが次々とこの大部屋のなかに走り込んでくる。誰も欠けていないと信じてはいるけれど、この状況で点呼なんかできるわけがない。
そのタイミングで、レリカからチョコレートバーを投げ渡される。なんとか片手でキャッチするが、袋は開けられそうにないのでお礼をいってポケットにしまっておいた。あとでお返しに飴ちゃんをあげよっと、と思いながら。

そして、とうとうルビードラゴンが咆哮とともに滑り込んできた。なぜだか臆する気持ちは無くなっている。レリカのおかげでさっきより落ち着いたからか、はたまた先程までの自己嫌悪から自暴自棄のような心理状態になったのかはフーリ自身全く判断がつかないし判断している場合じゃない。ドラゴンが火の玉を吐き出すのが目の端に見えたが、どうやらこちらには当たりそうにないとみたフーリは入口へと走る。目指す先にはおおきく手を振るルト、そして憔悴しきったイザベラにサナの姿。
アリスの補助魔法のおかげでまもなくイザベラの傍らに到着し、膝をつく。……ひどかった。まさか「あの」イザベラがここまでやられてしまうなんて。だけれど、この短期間に火傷の見た目やにおいに慣れたフーリは、すぐに杖を彼女の脚にかざす。

「イザベラちゃん、お疲れさまなの。でもごめんね、もうちょっとだけがんばってほしいの」

そう声をかけているうちにも、普段よりも見るからに早いスピードで傷口が塞がっていく。膿んだ傷口をたちまち瘡蓋が覆い、肌がその瘡蓋をじわじわ縮める。早送り映像を見ているかのようだ。フーリが杖を一旦離したとき、イザベラの脚には広範囲の赤い痕が今だ残ってはいたが、立ち回りには影響がないくらいまで回復していた。
しかし、脚ほどではないがやはり火傷を負った今のイザベラの腕では、肝心の大盾をすばやく構えることはできないだろう。さっき貯めたぶんの魔力が少しだが残っているし、あとほんのすこし時間を稼いでもらえればイザベラを前線に帰せる。残念ながら焦げた鎧は治せないが。

「アリスちゃんもごめんね、あとちょっとだけがんばって!
ルトちゃんも、いたいところあったら言ってなの。なおせるのはちょっと後になるかもだけど」


>>清流様、霊山様、レリカ様、イザベラ様、ルト様、アリス様、all様

6日前 No.218

彼岸花 @tragedy☆ceTjr.OtlhiK ★iPad=txBUCiCVZB

【レリカ・プラムティム/大部屋】

「うんうん、皆さん落ち着きを取り戻していただけたようで結構結構コケコッコ〜。 団長や、私は一応女なので問題無しでござんす」

ふざけた言葉を吐きながら、霊山の姉御を追って向きを回転させたルビードラゴンの尻尾を大剣を使って受け流す。 霊山の姉御が身体にチョコレートバーの袋を唾と一緒に吐き掛けるという人にやったら喧嘩勃発な事をやってくれたお陰でルビードラゴンはそちらに意識が行っている。 そして清流のおにーさんはそんなルビードラゴンの隙を見て突きを繰り出すが、思う戦果は挙げられていない。 鉱石として見ればルビー自体の硬度はそこまで高くない。 硬度と言っても色々な括りがあるので一概にそうだ、と言える物では無いのだが今回に置いてはルビーの靭性によって弾かれてしまったのだろう。 即ちただの突きでドラゴンに張り付いたルビーを崩すのは不可能という訳だ。

「……霊山の姉御や、もう少し惹きつけてて下さいな……」

ボソリと告げつつ音もなく地面を強く蹴り、ルビードラゴンの脚をすれ違いざまに斬り付ける。 狙いはルビーとルビーの間に生じている僅かな隙間、ルビードラゴンと言えど皮膚を全て覆うようなルビーの生成方法はしない。 故に必ずルビーとルビーの間に隙間が生じている。 胴体と脚の付け根を見て貰えば分かりやすいが、駆動部に当たる部分に置いてはルビー同士が干渉しないようにゆとりを持たせているのが見える。 それが指すのは絶対の防御壁では無く、極めて付け入る隙の小さい鎧を相手にしているような物だ。 それに対する手段は大まかに二つ。 一つは隙間を狙う事、もう一つは相手が宝石を纏っているからこその戦法だが打撃攻撃を行う事。

金剛石と呼ばれるダイヤモンドを思い浮かべて欲しい。 世界最高であり世界最硬の宝石と呼ばれるそれだが実は壊すのは容易い。 トンカチでもハンマーでも良い、それで叩けばダイヤモンドはガラス細工の如く割れてしまう。 これは鉱石に置けるモース硬度、ヌープ硬度というよく分からない単語で表される硬度の種類だが、所謂摩擦や引っ掻き傷に対しての硬度がずば抜けて高いだけなのである。 無論日光や薬品を相手にして変質しないという特性もあるが今回は関係ないのでスルー、要約すれば“宝石は打撃に弱い”という事実があるのみである。

ルビードラゴンの方を見て見れば私が斬り付けた箇所の宝石が少し欠けているのを確認出来た。 これを繰り返して宝石を削るのも悪くはないが燃料切れが先に来るのは目に見えている。 なのでそのままルビードラゴンから距離を取り、フーリ嬢の治療を受けているイザベラの姉御達の元へ駆ける。

「イザベラの姉御かサナ姉さんや、盾を貸しておくんなまし。 あのドラゴン相手だと私の武器だとジリ貧間違い無しでござんす。 どちらかの盾があれば宝石崩しが捗るので一生に一度では済まないレリカちゃんのお願いでゴンス」

頼み込む、というのにも関わらずふざけた態度は崩さない。 これは私が自分の中でスイッチを入れていないからであり、スイッチを入れるタイミングは今では無いからである。 ドラゴンの特性を察知してからが私の中で本番だからだ。 故にルビードラゴンの体表のルビーに打撃が効くのか試す意味合いも込めて、二人にお願いして見た。

>>ルト、霊山、清流、イザベラ、サナ、ALL

6日前 No.219

雪鹿 @salt9140 ★Android=42zyboh5vZ

【アリス・ウェスタ/大部屋】

霊山が引き付けてくれているおかげで、此方にあまり攻撃という攻撃は来ない。しかし、それでもルビードラゴンは此方の都合など気には止めない。
ちょっと移動するだけで岩が削れて飛んで来たりしてしまうし、火の粉だって多少は飛んでくる。それが今のイザベラにとっては、致命的になりかねない事は私にだって分かる。

「ええ、ちょっとなんてケチ臭い事は言わないわ!治癒が終わるまでは守ってみせるんだから!」

此方に気遣いながらも守備をお願いするルトの方をちらと見ては、にこりと微笑んでは、トランプを2mまで巨大化した。そして、降りかかる火の粉も岩の破片も防ぐ。そもそも爆発物の真の恐ろしさを持っているのは、その爆発物の破片や爆風なのだ。故に、今回も距離が多少保った状況でも警戒を怠ってはいけない。
しかし、ああ言ってしまったけれども……此方に注意が向いてしまったら守りきれる自信がない。既に魔力を半分以上消費している現段階で火球に耐えられるレベルに引き上げられるのは、感じ多く見積もって三回。それ以上は……分からない。
補助魔法をかけておけばいいのだけれど、それをしたら私が攻勢に回った時に不味いことになる。

戦況を少しずつ優位に進める前線組をトランプの合間から見れば、少しだけ安堵した。誰も大怪我はしていないみたい。どうか、最後までそうあって欲しい。

「大丈夫!ただ、焦ったら駄目だからね!」

ルトと同じく心配をしてくるフーリちゃんに対しても振り返って親指をぐっと立てて微笑みかける。彼女の性格を鑑みて、その上で不安をかけてしまうのは一番不味い事だと思った。
今は私の守護と霊山やレリカ、ジムの攻勢から、焦燥も不安も無いだろうけど……ここで崩れたら不味い。
避けた皮膚は既に血を止め始めた。これなら、あれを一度位使えるかもしれない。あのルビーの鎧をどうしたら良いのか……レリカが弱点に気付いたみたいだけど……私の魔法の中で通じるのは3つ位。それ以外は正直、ロード・オブ・ワンダーランド含めて通用する気がしないけれど、諦めないのが私の強みだからね。

「……サナ、イザベラ。大丈夫!だって、私が守るから。二人は相当に満身創痍でしょ?私もこの子達も、ちょっとやそっとじゃ倒れないから!」

レリカの申し出を聞けば、二人としても戦いたいだろうし、いざという場合に盾がないのは不安だろう。だから、ニカッと酒場に居る時と同じように少々悪戯っぽく笑えば、説得を試みた。レリカの口調はサナはともかくとして、イザベラにはマイナス効果になってしまいそうだ、と思ったこともあるが、私を理由に断られないようにするためでもあった。
もちろん、それは強がりでしか無い。現実的な問題として見れば、不安要素がたっぷりだ。しかし、今の自分に出来ることはこれだけ。だから、精一杯強がって笑うんだ!

>ルト様、フーリ様、レリカ様、イザベラ様、サナ様、all

6日前 No.220

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★Ywte4t2Nfq_Xgx

【 名古屋扇霊山 / 大部屋 】

 有難いことにまたしてもアリスが施してくれたらしい魔法のおかげで脚に力が増したのを感じた刹那、こちらも有難いことに霊山の行動に煽られてくれたらしいルビードラゴンが、狙いを霊山に絞って二度目の火球を吐き出してくれた。それを自慢の脚で右方に飛び退いて躱す。その隙を突いて清流が槍を片手にルビードラゴンの胴体へと突きを仕掛けたが、どうやらとんでもなく硬いらしい外装に阻まれて攻撃は弾かれてしまった。清流は即座にルビードラゴンから距離を取り、周囲にルビードラゴンの防御の硬さを注意喚起する。それは霊山にとってもかなり有益な情報だった。刃物がまともにぶつかっても傷一つ付かないほどの硬度なら、成功法ではなくもっと搦手を駆使して倒すことを考えたほうが良いかもしれない。例えば呼吸を防ぐとか、眼球から先に潰しにかかるとか。

「いや、眼球は下手に潰したらウチのこと狙ってくれへんようになるかもやしなー……」

 自分の発想に自分で却下の判断を繰り出しつつ、もう少し引き付けておいてくれというレリカの言葉に応えるかのように派手にマントを翻しながら大きく跳躍する。攻撃が通用しない相手とはいえ、触れられない相手ではないのだ。ならば存分に触れさせて頂くことで気を引き付け、こちらに苛立って頂くとしよう。壁とルビードラゴンの身体とを交互に、けれど目にも止まらぬ速さで蹴ってどんどん上へと登ってゆく霊山。そしてついにはルビードラゴンの頭の上へと乗っかることに成功した。残念ながらここも見事にルビーでコーディングされていて攻撃は通りそうにないが、しかしそれが目的でここまでやって来たわけではない。

「タップダーンス! イェーイッ!!」

 ルビードラゴンの頭上にて、まるでここは自分のためだけに用意された特設ステージだと言わんばかりに満面の笑みを浮かべていきなりそんなことを叫ぶ霊山。そして始まるのは宣言通りのタップダンス。リズミカルに足を踏み鳴らす音でミュージックを奏でるその動きは、ここが洞窟の奥深くで、今は戦闘中だということを忘れてしまいそうなほどの軽やかさだ。タタタッタッタタッタッタタッタ、タタタッタッタタッタッタタッタ、タタタッタッタタッタッタタッターン……見事な足さばきと鳴り響くテンポの良い足音、ばっさばっさと翻るワンピースの裾。きっと頭蓋にまで響くだろう怒涛のタップダンスは、物理的攻撃にこそなっておらずとも精神的攻撃にはなっているはずだ。自分が巨人になったつもりで想像してみるといい。いくら痛くも痒くもないからといって、自分の脳天でやたらとリズミカルな足音を延々と響かせて踊り狂う小人が居座れば大抵の者はその状態をストレスに感じるし嫌気がさす。そして周囲への注意力も散漫になるはず。そしてこれは希望的観測だが、他の敵よりも頭上の敵のほうが排除の優先順位は高くなる確率が高い。

「エントリーナンバー一番、名古屋扇霊山! 『天城越え』歌います!」

 ひょっとしてダンスだけではウザさが足りないかもしれないと妙な危惧が湧き上がったので、とりあえず歌のほうも足してみようかと再びそんな宣言をかます。『天城越え』は東方の国で出会ったなんか色っぽい着物姿のお姉さんが歌っていた曲だ。歌詞もリズムもうろ覚えだが、そこは持ち前の胆力で勝手にアレンジしたりアドリブを入れたり変なところでこぶしを効かせたりして気合で乗り切っていく。
 頭上で演歌を熱唱しながら無駄に上手いタップダンスを披露し続ける敵。そんな奴が頭の上に乗っかっているのだから他の誰でもなく霊山を狙ってくれると信じたいが、はてさて、ルビードラゴンに二度目の煽りは通用するのだろうか。

>レリカ・プラムティム様&漣清流様&ルビードラゴン様&ALL様

【頭の上に乗ったあたりが確定ロルです、すみません!】

6日前 No.221

隊長機モルガン @type14 ★BUzhF4mm8n_yFt

【ジム・グレイソン/坑道・大部屋】

 「……久しぶりに俺も燃えてきたよ、清流。今日は前に出させてもらおうか。It's clobberin time!」

 ジェームズ・グレイソンは道しるべの中では比較的新参である。現行メンバーがほぼ揃いきった頃に入ってきたジムだが、彼のポジションは必ず真ん中から後ろ寄り。一応、評価としては『目がよく行き届く。異常に気が付きやすい。気配りは上手い方。オールラウンド中距離寄り。ステゴロもいけるけど本職にはどうやっても勝てないのであしからず』といったところだ。年齢や貫禄から真ん中ではなく、普段の会計士的な仕事から、全体を見渡せるポジションにいる。地上最強のヒーローチームで言えば鋼鉄の社長と『ンーさん』のポジションを……というか前以外にも危険なところはあるから、ということである。だからこそ前については清流やレリカ、霊山といった正面の攻撃力が高い人間と、イザベラのようなファーストコンタクト対策に優れる者が担う。ジムが前に出るのは最終手段に近い時か、もしくは彼の言葉にある「お仕置きタイム」くらいだ。ムッシュムラムラではない。

 さて、ルビードラゴンはといえば、やはり表皮のルビーが原因で物理攻撃をはじいてくる。レリカの一撃が防がれたが、ルビーがかけているのを見ると、その防御力は無敵ではない。ジムも指輪のレーザーで攻撃するが、こちらは光の乱反射で威力が落ちる。そんな中、放たれた火球が霊山に迫る。大丈夫、彼女の纏う風には掠りもしない……が、ジムは咄嗟にトラクタービームで火球を二つ受け取ると、そのまま投げ返そうとして動きを止めた。なにせ霊山が無慈悲なストンピング……もとい華麗なタップダンスを披露しているのだから。

 「ブラボー、霊山!」

 火球をそのままに、レリカからもらったチョコバーを食べながら拍手すると、今度は霊山は『天城越え』を歌い始めた。合いの手を入れようと思ったが、ルビードラゴンはどう考えてもご立腹だろう。だが、奴さんが彼女に気を取られているうちがチャンスだ。

 「レリカ、ご馳走様。さあて、霊山、ライブにはサイリュームが必要だろ……これでどうかな!」

 火球は霊山の背後に飛ぶと、ジムの魔力を受けて変質し、細かい熱線となってルビードラゴンの背中に降り注ぐ。さながらそれは霊山の後ろでオレンジのサイリュームが交差しているような光景だった。熱線がドラゴンの表皮に届かなくても、熱を帯びたルビーがじわじわと苦しめていく。

 「ヴァニラ!」

 ジムの呼び声に応じて出てきた精霊はアリスの方へ行くと、そのまま自らの魔力を注いでいく。声を出せない精霊だが、口パクで「無理はしないで」と語りかけているようだ。

>>清流様、霊山様、レリカ様、アリス様、ALL様

5日前 No.222

古風 @kofu32 ★a00mQn4He6_yFt

【ルト、イザベラ、サナ/大部屋】

『ルトちゃんも、いたいところあったら言ってなの。なおせるのはちょっと後になるかもだけど』

「ありがとう、だけど私の事は気にしなくても大丈夫だよフーリ。私よりも皆を優先してあげて」

イザベラの汗をタオルで拭きながら、治療するフーリにルトは自分の事は後回しにするように伝える。フーリの術により、イザベラの傷が見る間に塞がっていく。やがて足はすっかり完治し、元通りになった。次いで、腕の治療に取り掛かる。前線では霊山、清流、レリカが立ち回りルビードラゴンの気を引いている。

「フーリ助かったよ。流石は道しるべで一番の回復役だね」

イザベラは感謝言葉を言うと、フーリの頭を撫でようとする。しかし、激痛が走り、腕を再び下ろした。苦痛の表情に顔をゆがめる。

『ええ、ちょっとなんてケチ臭い事は言わないわ!治癒が終わるまでは守ってみせるんだから!』

「ありがとうアリス!!頼りにしてる!!」

ルト達の前では、アリスがトランプを展開している。小さなアリスの背中が大きく見える。フーリにしろアリスにしろ、自分の仕事を的確にこなしている。
一瞬自分が情けないと頭をよぎる。だが、今はそんな事を考えている場合ではない。反省や後悔なら後からでも出来るのだ。今は皆で生き残る事を最優先で考えるべきだ。

『イザベラの姉御かサナ姉さんや、盾を貸しておくんなまし。 あのドラゴン相手だと私の武器だとジリ貧間違い無しでござんす。 どちらかの盾があれば宝石崩しが捗るので一生に一度では済まないレリカちゃんのお願いでゴンス』

そんな時に前線を離れ、レリカがこちらの方に向かってくる。そして、イザベラとサナに盾を貸してくれと要求した。

『……サナ、イザベラ。大丈夫!だって、私が守るから。二人は相当に満身創痍でしょ?私もこの子達も、ちょっとやそっとじゃ倒れないから!』

そこに、アリスの説得も入る。

その願いにサナが答える。壁に寄りかかり、息はまだ整っていない。やはり、回避盾のサナとしては、受けきるのに相当の体力と精神力を費やしたようだ。イザベラの離脱が、そこに拍車をかけた。

「私のを貸すよ、レリカ。イザベラ姉さんの、盾はあんたじゃ重すぎる。その点私の盾は軽いからさ……」

サナは、脇に置いてある、鱗を何枚も貼り付けている円形盾をレリカに投げて渡す。本来なら、霊山と共に囮役をやっている所だ。悔しさに唇を噛む。

「私代わりに相棒を使ってやってくれ、頼むよレリカ!!」

そして、俯いたまま、サムズアップするのだった。

>>フーリ、アリス、レリカ、ALL


【漣清流/大部屋】

ルビードラゴンは霊山を目で追い、首を振る。その間に清流は再度距離を詰め。槍で攻撃を仕掛ける。しかし、仕掛けるたびに弾かれる。

「本当に固ってえなぁ」

言っても始まらないが、怒気をはらんだ言葉を発する。
眼前では霊山が、気を引くためにあの手この手の方法でルビードラゴンに攻撃を仕掛けている。
頭上に乗り、タップダンスを踏む霊山。その衣装も相まって、その光景は華麗な少女が踊っているようだった。ステージがルビードラゴンの頭の上というのがあれだが。噛みつこうと何度も牙をむくも、それをひらりひらりと舞いかわす。

『エントリーナンバー一番、名古屋扇霊山! 『天城越え』歌います!』

ついには、歌い出す霊山。しばらくは攻撃が続く。

『……久しぶりに俺も燃えてきたよ、清流。今日は前に出させてもらおうか。It's clobberin time!』

そして、ジムまでも前線に躍り出ると、ルビードラゴンの火球を変質させ、攻撃する。ルビードラゴンの体のルビーが所々、熱によって爆発しルビーが剥がれ落ちる。

「ジム!!オッサンが前線に出てきて無理するんじゃねーぞ!!」

失礼な事を言う清流。

『清流、それは私に対する皮肉ですかな?』

すると、傍らでワイヤー攻撃をするビスからツッコミが入る。顔は笑っいるが、声が冷たい。清流は肩をすくめ説教を覚悟する。

しかし、ジムの攻撃に清流はヒントを得る。符による攻撃は熱攻撃の為効かないと思っていた。しかし、体表のルビーは熱により爆発するのだ。ルビーを剥いでしまえば、何とかなるかもしれない。清流も符を出すとルビードラゴンを攻撃する。所々ではあるが熱でルビーが剥がれていく。

しかし、自分の攻撃が当たらない事、相手の攻撃が自分にダメージを与えられない事に気づいた。歌の途中で、目線の方向が変わる。残念ながら、天城越えなかった。

目線の先には、人が最も集まっている場所。ルト達の方向である。
頭上を向いたまま、体の中で炎を生成する。そして、首を振り下ろすと。アリスのトランプの方へ火球を吐き出すのだった。

「アリス!!そっちにいったぞ!!」

そして清流は叫ぶのだった。

>>霊山、アリス、ジム、ALL

【大丈夫ですよ!!ただ、盛り上げる為に、ルト達の方向にも火球を撃ちます!!>>友禅様
今から仕事に行くんで、明日、明後日は、おそらく来れないのでよろしくお願いします〜!!】

5日前 No.223

雪鹿 @salt9140 ★Android=42zyboh5vZ

【アリス・ウェスタ/大部屋】

ルビードラゴンの上でタップダンスを踊って演歌を歌っている霊山を見れば、防御を展開しながらも堪えきれずにくすりと笑う。やっぱり、不思議でおかしい素敵な仲間達!私の目に狂いは無かったみたいね!
そんな風に笑っていれば、何かの気配がしたのでそちらを見れば、ジムの精霊の姿があった。彼女はどうやら私に魔力を与えてくれているらしく、これなら……と、ある考えに至った。

無理はしないで、と告げた精霊に「もちろんよ!」と微笑み返した。さて、ちょっと頑張ってみよっかな!無理はしないけど、努力は目一杯しちゃうんだから!

と、ルトにも頼られて気込んでいると突如耳を突き抜ける清流の叫び。前を改めて向き直せば、ルビードラゴンが火球を吐き出して一直線に此方へ飛んでくる。

「ロード・オブ・ワンダーランドっ!」

既に大きくなっていたそれは、たった一枚でその火球を受け止めた。……このままでは、【人魚姫の加護】(ティアードロップ・マーメイド)の掛かったトランプとは言え、高温で溶かされてしまう。出力を上げれば問題無いけど……やられっぱなしだと、ちょっと腹立っちゃうよね。だから、別の方法を取ることにした。

火球の周りをぐるりとトランプが左右前後を囲んだ。そして、その中でサッカーボールのようにぽん、ぽんと火球をパスしていく。これで、問題は解決した。いずれは消えるから。でも!これだけじゃ終わらないんだから!

「ちょっと危ないから気を付けて!さぁ、私を助けてちょうだい!『赤の女王の名の元に』(クイーン・オブ・ハート)!!」

一応、ルビードラゴンの近くで戦っている皆に届くようにそう告げれば、盾になっているトランプを一枚消してポケットに忍ばせていたハートの女王のトランプを火球にピッと投げる。ハートの女王は空気を切りながら火球に当たる寸前でそのトランプから、各所にハートのアレンジが施された真紅と漆黒の入り交じる派手なドレスに包まれている気高く妖艶な冠を被った女性が玉座と共にぼんやりと浮かび上がった。
しかし、火球はものともせずにその女王に襲い掛かる。その女王は不機嫌そうに少し眉間に皺を寄せた。

『この無礼者!奴の首を刎ねよっ!』

玉座に座ったまま、その女王はとびきり気高く激情に身を任せてルビードラゴンもろともに一喝した。その激情はその大部屋に響き渡る程によく通る声だった。
そして、その声と共に火球は潰れたように横に広がって鋼鉄の巨大で強大な刃となった。
それは、まるで罪人を裁く為のギロチンのように無情にもルビードラゴンの方へ飛んで行く。トランプはいつの間にやらアリスの元へ戻っていた。

しかし、ルビードラゴンはその恐怖も相成ってか、危険を十分に把握していたようで慌てて旋回する。それでも、僅かに間に合わない。無情にも体表を覆っていたルビーの一部をスパンッと切り取ってしまった。
それを見るとふんっ、と玉座で小気味良さげに笑えば、ギロチンの刃と共に女王は消えた。
今の私では1日一回しか使えない大魔法。トランプを媒介にしてコントロール性・恐怖の付与と……今回はエネルギーを物質に変換。んー……毎回思うんだけど、彼女の声って何処かで聞いたことあるんだよね。

「私だって、ただサポートするだけじゃないんだから!」

ふふん、とトランプも含めて誇らしげに勇ましく微笑んでいた。もっとも、先程以上の攻撃力を私は持ち合わせていない。しかも、あの一回限定。だからこそ、強気に振る舞った。またああなるかもしれない彼女の居る方へ攻撃をしようと思う者なんてそうは居ない。それに知性があろうと無かろうと、だ。

>ジム様、レリカ様、霊山様、清流様、ビス様、all

5日前 No.224

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★Ywte4t2Nfq_Xgx

【 名古屋扇霊山 / 大部屋 】

 一人だけ歌とダンスで勝手に盛り上がっている霊山のバックステージに、ジムの魔法でステージライトのような熱線が交差する。ブラボーの声援にはライブ中のアイドルよろしく手を振りながら「おおきにー!」と叫んでおいた。頭上でゲリラライブを開催されているルビードラゴンのストレス度数はお察しである。それがタップダンスに演歌という少しも合っていない組み合わせなら尚更だ。
 ルビードラゴンもやられてばかりではない。なんとか頭上の霊山を振り落としたり攻撃を当てようとしたり頑張っているが、頭上に乗っているのは魔法の腕前はクソでも肉弾戦では人外の疑いをかけられる脳筋だ。足場がどれだけ不安定になろうと合間合間にどんな妨害が入ろうとも、それら全てを跳躍したりバックステップしたりで回避し続けルビードラゴンの攻撃には一つも当たらない。
 が、残念ながらそれがいけなかったようだ。いくら攻撃しても当たらない頭上のストレス原を排除するのは一旦諦め、まずは狙いやすい集団をと目論んだのか、ルビードラゴンは霊山ではなくルトとフーリとアリスとイザベラのグループに火球を吐いた。向かう先にはアリスのトランプがある。が、はたしてイザベラの盾でさえ完全には防ぎきれなかったあの火球をアリスだけで凌ぐことは出来るだろうか。
 しかしそれは杞憂だった。アリスは何枚ものトランプを召喚すると火球を蹴鞠のごとくあっちにやったりこっちにやったりすることで一枚のトランプに負担がかかるのを防ぎきり、それだけでなく、火球に向かって投げたトランプから何やら玉座に座り華麗なドレスに身を包んだ女王様を召喚。召喚された真紅の女王陛下はとても不機嫌そうに火球を一喝したかと思えば、その怒声を受けた火球は瞬く間にギロチンへの刃と姿を変え、矛先をアリスたちのグループではなくルビードラゴンのほうへと進路変更した。
 どうやら喰らうまでもなく危険性を察知したらしいルビードラゴンが旋回してそれを躱そうとするが、しかし向かってくる刃のほうが速かった。強固な表皮、肌をびっしりと覆うルビーの一部がギロチンの刃によってばっさりと切り落とされ、断頭台の前に跪かされた罪人の生首のようにボトボトと落ちていく。清流の突きをまともに喰らって傷一つ付かなかったルビードラゴンの外装にこれだけのダメージを負わせるとなると、たぶんアリスの今の魔法は必殺技の類だろう。ひゅうっとよく通る口笛を吹きながらルビードラゴンの頭上を強く蹴り飛ばし、空中に勢い良く飛び出した状態でアリスたちのいるほうに向かって笑顔で叫ぶ。

「ようやってくれたで、アリス嬢! ウチは過激な女が大好きなんや!」

 地面に降りる前に落下しながらルビードラゴンの下顎を蹴り上げてほんの二、三秒の間だけ強制的に口を閉じさせたあと、その下顎を足場代わりにまた蹴り飛ばしてアリスが外装を剥いでくれた箇所付近へと高速落下。空中で体をひねりながらの右肘打ち右膝蹴り左膝蹴り左肘打ちという四連コンボを決めた後、これ以上はさすがにルビードラゴンからの迎撃回避に間に合わない可能性があると判断して攻撃を切り上げ地面に着地。
 立ち位置の影響を受けない魔法と違い、肉弾戦は空中での踏ん張りが効かずどうしても地上で戦ったほうが強い。ゆえに今の四連撃でどれだけのダメージを叩き込たかは不明だが、その威力不足を補うために四連撃も入れたのだ。多少は効いていると信じたい。

「やっぱウチ、戦うんやったら人型のほうがやり易ぅてええわー。ドラゴンやと関節の位置とか経穴の位置とか分かりづらくて技掛け辛いんやもん」

 東方の大国を訪れた際に仙人を名乗る謎の老人から教えられた八極拳の構えでルビードラゴンの出方を伺いつつ、そんな風に相手の形状に対して軽く愚痴をこぼす。しかし口振りの割に表情に嫌気が見えない辺り、やはりこの女は自分を手こずらせてくれるほどの強敵との戦いにこそ心を動かされるタイプのようだ。だからこその脳筋。だからこその肉体派。バーサーカーとまでは行かないが、基本的に徒手空拳での戦いを好む者などというのは手に汗握る戦いが大好きなのだ。

>アリス・ウェスタ様&ジム・グレイソン様&ルビードラゴン様&ALL様

5日前 No.225

彼岸花 @tragedy☆ceTjr.OtlhiK ★iPad=txBUCiCVZB

【レリカ・プラムティム/大部屋】

「……アリス嬢、サナ姉さん、恩にきますぜ!」

差し出された盾を受け取り、右手首のスナップを活かしてそれを上に放る。 盾が戻って来る前に左手のハンドアックス二組を合わせた斧を分解し、右手の大剣に合わせて左手を空にする。 回転しながら戻って来た盾を右手の大剣の上から右腕全体を使い、コロコロと転がして行く。 そして肩を伝って左腕に移動した時に左腕を徐に大きく上に高く振り上げる。 左腕で回転していた盾も当然ながらそのまま上に高く上がる。 そして左手の親指のみを曲げて示すのは、昨日フレイムスパイダー戦において使った戦法と同じ数字である。

「……第四戦術」

宙から帰って来た盾を左手に持ち、地面を強く蹴る。 アリス嬢の強化はまだ残っており、それを利用した加速は常日頃の加速を上回る速度でルビードラゴンに肉薄する。 高速に自分に迫る物体にルビードラゴンも気が付いたのか、動作を起こそうとしているが尚遅い。 その速度を殺す事なく、左手に持った盾を正面に構えてそのままルビードラゴンに衝突する。

………パリン!

まるで硝子細工が割れるような音と共に、ルビードラゴンの左胴体に付着していたルビーが赤く煌めく粒子となって空中に霧散する。 流石に図体の大きさや骨格のそもそもの違いから態勢を崩すそれにはなり得ない。 だがその不快な衝撃はルビードラゴンに伝わったようで、ルビードラゴンが此方に身体を直そうとする。 その前に地面を再度蹴り、ルビードラゴンの右脚前に移動する。

その動きに合わせてルビードラゴンは右脚を振り上げ、こちらに下ろす。 それを退避する行為を行わず。 左脚の鎖を巻き付けたナイフを下ろしてスパイク代わりにするとその一撃を受け止める。 無論立ち位置そのままではなく後退りをしている状態……否、押し込まれている状態ではあるが通常なら吹き飛ばされても可笑しく無いそれを正面から受け止めてみせる。 第二撃を放とうと脚を引いた瞬間に、今まで正面で構えていた左腕を一旦下げ、右腕の大剣を振るう。

その一撃はルビードラゴンの爪と爪の間を正確に傷付ける。 ダメージとしてはそこまで大きく無いながらもルビーに覆われてない関節部、更に自分を傷付けたという事実から怒り狂ったそれが第二撃を薙ぎ払うように振るう。 その一撃を今度は正面から受け止めず地面を軽く蹴り空中に身を移す。 そして振るわれる第二撃を左腕の盾で敢えて受け、自分に回転を加える。 振るった腕は当然戻される物。 四足歩行の動物であれば尚更である。 元の位置に戻された右脚に向かって受けた回転もその一撃に加えるかの如く左腕の盾を叩き付ける。 またも硝子細工の割れるような音と共に右脚のルビーが煌めく粒子の如く霧散する。

イザベラが守備重視の不動要塞、サナが機動重視の機動要塞だとすれば今のレリカは攻撃重視の迎撃要塞のような物だろうか。 その防御は味方を守る為では無く自分を守る為に使われる。 但し受けた一撃さえも利用して相手に攻撃を続ける。 当然ながら相手はその攻撃を防ぐ、もしくはリスクを覚悟でこちらに突撃するしかない。 狙いを変えようとすればその瞬間に空いた隙で更に攻撃を加えられてしまう。 故に相手にし続けるしかない。 そして相手は自分の周囲にいる者以外を相手に取れなくなって来るだろう。 少しでも気を逸らせば飛んで来るのは侮辱的な言動、決して小さくは無い攻撃の数々。 それを無視し続ける事がこの相手に出来るかどうか。

盾を持ちながら振るわれるそれは守護では無く惹きつけ。 霊山と同じくデコイが強い物である。

>>アリス、サナ、ジム、清流、霊山、ALL
【ルビーを砕く辺りが確定ロルですね、申し訳ありません】

5日前 No.226

そぼろ @snr2510☆yjBqeQuEvFAK ★Android=SAhLN2msbN

【フーリ・フォリア/大部屋】

『私のことは気にしなくて大丈夫だよ』との返事を受けて、ざっとルトの様子を見る。元気はつらつとはいかないものの、無理をしているようでもないようだ。わかったの、と頷いたところでイザベラに優しい言葉をかけられれば、「ありがとなの」と目を伏せながらお礼を言う。そのまま彼女の手を軽く握り治療を続けた。
いちばん重傷の脚がどうにかなったので後は比較的簡単なものだ。間もなく他の部位の痛みも随分と緩和された。完治はしていないが、動くのに支障はないはずだ。

イザベラの処置の終了を報告しようと顔を上げたとき、なにか清流の大きな声が耳に入る。同時に、視界の端が急に明るくなった。振り向くと、巨大な火の玉がこちらに向かってきている!今から立ち上がり逃げたところで間に合わない、仮に逃げ切れたとしてイザベラちゃんたちは?…思考が回りきらず、ただ目を見開いて近付いてくる火の玉を見つめていると、アリスの朗々とした声が響いた。
アリスはあっさりとトランプでドラゴンの攻撃を受けとめたかと思うと、1枚のトランプからきれいな女性を召喚した。知らない女のひとだ、アリスちゃんのおともだちかな、などと考えているうちに、火球は女性により刃に変えられてドラゴンを襲う。ダイナミックな攻撃に、フーリは「すごいの…!」と声を上げた。そして改めて、

「イザベラちゃんのお怪我なおったの!いたいところあるひとは、こっちまできてほしーの!」

と、なるべく大きい声で叫ぶ。改めてドラゴンの姿をみると、一部ルビーの輝きがはがれている箇所がぽつぽつと見受けられるようになっていた。しかし前線も決して余裕があるわけではないはずだ。
フーリは立ち上がり、ドラゴンのそばで戦う仲間たちに杖を向けた。まずは先程の様子からそれなりに手負いだったはずの清流に。そして珍しくかなり前に出ているジム、着実にルビーを砕いていっているレリカ、空中で踊るように戦っている霊山。かなりの距離があり、ひとりひとりに当てられる時間はそう多くないので精密な治療は見込めないけれど、「なんかちょっと楽になったかもしれない」くらいの効果はあるはずだ。
もっときちんとした手当をするには距離を詰める必要があるが、こちらから前線に走っていくわけにもいかない。気休め程度のサポートはこの位置からでも適宜できるが、それ以上が必要なら一度こちらまで戻ってきてもらう必要がある。

>>ルト様、イザベラ様、アリス様、清流様、ジム様、レリカ様、霊山様、all様

4日前 No.227

隊長機モルガン @type14 ★BUzhF4mm8n_yFt

【ジム・グレイソン/坑道・大部屋】


 『ジム!!オッサンが前線に出てきて無理するんじゃねーぞ!!』

 「俺が前線は無理だなんていつ言ったんだい?」

 にっこり笑って返したら、案の定ビスが清流を睨んでいた。まあ、その……気持ちはわからんまでもないが……
 お説教はとりあえずあちらにまかせ、こちらは特設ステージの演出へと戻る。

 「ブラボー、霊山!」

 『おおきにー!』

 さて、ルビードラゴンの特設ステージで歌い踊る霊山を捕まえることが出来なかったルビードラゴンはあろうことにイザベラ達に火球を発射。こっちはエネルギーの放出が済んでいない為魔術をこれ以上を行使できない。一瞬の焦燥、しかし我が妖精ヴァニラの布石は功を奏した。アリスの呼び声に応じて現れた不機嫌な女王は斬首刑を命じる。火球はギロチンの刃に変わり、そのまま返されてルビードラゴンの装甲を削り落としていく。どうやらかなり広い範囲をそぎ落としたようだ。その間にレリカもタスク・マスターの戦術を披露せんと構え、ルビーの切り落としにかかる。そして霊山が剥き出しになったルビードラゴンの表面へ空中からの連撃にかかった。

 「ひゅう……」

 見事な連撃に思わず口笛が出る。その間にフーリがヒーラーとしての行動に移った。ジムもみるみる傷が癒えていく。痛みと出血を止めた体なら、さらに集中が出来る。ヴァニラもアリスの役に立てて満足したように指輪へと戻った。これならもう少し高度な技を使うことができる。攻撃用レーザーとトラクタービームでは芸がない。せっかくみんながルビーをはぎ取っているのに、何もできないままではまずい。相手の状態を見ながら、使うべき精霊魔術を考えていると、連撃を終えて地上に戻ってきた霊山がぼやいていた。

 『やっぱウチ、戦うんやったら人型のほうがやり易ぅてええわー。ドラゴンやと関節の位置とか経穴の位置とか分かりづらくて技掛け辛いんやもん』

 「……面と点、か……」

 彼女のぼやきを聞いて思った。確かに霊山の格闘やレリカの戦術は人間に近い大きさの敵には有効だ。ただ、レリカは武器を所持していることから、敵に裂傷と出血を誘うことができても、霊山の場合はいかにアイアンフィストであっても敵の質量や大きさによっては面への攻撃を点で行うことになってしまい、内部まで攻撃が届かないこともある。そうなれば生命力にあふれた巨大な敵はその質量で耐えきってしまうこともある。もちろん、連撃に持ち込めばダメージの蓄積で溺死を狙えるが、好戦的なルビードラゴンはそのサイズ自体が防御であり攻撃。つまりは、反応されたら人間は即座に離れないといけないのだから、決定打が与えにくいということだ。
 もちろん、これを名古屋扇霊山というファイターの弱点と思うなかれ。彼女はこの状況から勝つ為の算段を考えているのだろう。
 そしてレリカの戦術は彼女の『本職』が映える。膨大な記憶の『兵法』から最適な技を繰り出す彼女はまさに生きた『柳生新陰流秘伝之書』ともいえよう。戦えば必ず勝つ。之兵法の第一義なり。このでかぶつをズタズタにしていくまで、その動きは止まらない。決して後ろに下がることを知らない、彼女の必勝の戦術……それは決められたパターンを持たないのだ。
 そんな心強いフロントがいるのなら、今一度サポートの術を使うとしよう。両手からエメラルドの光を放ち、一方はレリカの武器と盾を、一方は霊山の全身を照らす。一時的な、風のマナによる魔力の加護を分け与えたのだ。

 「霊山には敵を穿つ竜巻の加護、レリカには突風の鎌鼬の加護を分けた。敵を一撃で……とは言えないが、霊山、君は打撃の手ごたえを感じやすくなってるはずだ。レリカは切断面が広がった。効果はさして長くは続かないが、よかったら役立ててくれ」

 そしてこちらも光の鞭を出し、敵の表面を打ち据えようと構える。

>>清流様、レリカ様、フーリ様、アリス様、霊山様、バルト様、ALL様

4日前 No.228

古風 @kofu32 ★a00mQn4He6_yFt

【ルビードラゴンの奥の手】

ジムの熱戦や、清流の炎符、アリスのギロチンやレリカの攻撃によって、ルビードラゴンの鱗が削がれていく。
ルビードラゴンは爪や牙で攻撃するも、霊山やレリカの素早い動きに翻弄され、その一撃は空を切る。
逆に、鱗が落ちた部分に霊山が連撃を決める。その一撃は確かに手ごたえがあり、叫び声と共にルビードラゴンは、絶叫を上げた。
身もだえるルビードラゴンは、大きな体を振り回しながら地団駄を踏む。その衝撃で地面が微妙に揺れる。

もう少しで倒せる。誰もがそう思った時だった。
ルビードラゴンの動きが止まり、耳を防ぎたくなるような大きな咆哮を上げる。その咆哮と共に、ルビー状の鱗が全部地面に落下した。
今までに削がれたルビーと、咆哮により落ちたルビー。それを巨大な体を回転させ、弾き上げた。
ルビーは地面を滑るように、また別のルビーは跳ね上げられ宙を舞う。
そして、宙を舞ったルビーが落下する前に、ルビードラゴンはそれに向かって火球を飛ばした。
火球に包まれ爆発を起こすルビー。爆発が爆発を呼び、大部屋中で、大爆発が起こる。
自らの体を巻き込む事をいとわない、火力耐性の高いルビードラゴンだから出来る芸当。一行はルビーの爆発に巻き込まれるのであった。


【漣清流/大部屋】

『ようやってくれたで、アリス嬢! ウチは過激な女が大好きなんや!』

「うへぇ、うちの女性陣はおっかねぇな、おい!!尻に敷かれねぇようにしなきゃな、ジム」

霊山の言葉に、清流は茶化すように感嘆の言葉を述べる。熱線で攻撃していたジムが霊山とレリカに補助魔法をかける。アリスのギロチンが、レリカの第四戦術が、ルビードラゴンの鱗を落とし、その空いた体表に霊山が連打を食らわせる。ルビードラゴンは先ほどと違って身もだえている。やはり鱗が無い部分に攻撃は通るようだ。清流も炎符を駆使し、鱗を剥ぎにかかる。
そう言えば心なしか体が軽い気がする。先ほどまで、頭から血を流し、邪魔だからと何度も拭っていたが、今はそれが無い。この様な事が出来るのは、心当たりは一人しかいない。見ると、イザベラの回復を終え、フーリがこちらに向かって、回復魔法をかけている。

「フーリ。助かったぜ!!見てろ、もうちょっとで終わるからな!!」

サムズアップで感謝の意を伝えるのだった。
だが、目の前のルビードラゴンは予期せぬ行動をとる。突然の咆哮に清流は思わず耳をふさぐ。
その咆哮と共に、ルビードラゴンの鱗がすべて剥がれ落ち、弾き飛ばされたルビーがこちらに向かってくる。
油断なく戦ってきたつもりだが、ダメージが与えられると分かり、慢心していたのかもしれない。単純な清流でさえも次の一手は予測できた。

「やべっ!!」

そこからは、考えるよりも体の方が先に動いた。眼前にルビーが迫る。ルビードラゴンを中心に、爆発が円状に広がっていく。
清流は懐に手を入れ、符を取り出すと、地面にたたきつける。ルビーの爆発に負けないぐらいの爆音、そして衝撃。爆発を爆発で相殺させる。
だが、完全に相殺する事は出来ない。自らの爆風に煽られ、後方に吹き飛ばされると壁に強い衝撃で叩きつけられる。

「せっかく回復してもらったのにな……」

全身に痣や火傷を作りながら、根性で意識をつなぎとめるのだった。

>>ジム、霊山、レリカ、フーリ、ALL


【ルト、イザベラ/大部屋】

迫りくる火球にルトは、目をつむり思わず顔を背けた。しかし、火球は何時までも到達しない。見ると、アリスが火球を受け止める?……と言うかトランプで弾き飛ばしている。その光景に唖然とする、ルト。

「アリス……、凄い……」

その褒め言葉は、驚きと共にボソリと口からでる。

「何やってんだいルト、冒険者が敵の攻撃から目を背けたらダメだろ!!」

すると、何時もの調子でイザベラから、指摘が入る。すでにイザベラは盾を構え戦況を見つめている。その指摘にちょっと、シュンとなる物の、純粋にイザベラの回復を喜ぶ。
戦況は、ややこちらが有利に見えた、皆で鱗を剥ぎ、その合間に一撃を加える。その一撃はルビードラゴンにも確かに通じているようだ。
霊山にしろ、レリカにしろ、前線で動き回り、ルビードラゴンの注意を引き付ける為、此方への攻撃は無くなってきている。
その状況にほっと胸を撫でおろす。頼りになる仲間達で本当に良かったと思う。

だが、そんな安心は長くは続かなかった。ルビードラゴンが咆哮を上げ、ルビーをこちらに飛ばしてくる。地面を滑る様なものもあれば、放物線を描いて飛んでくるものもある。危ないとは、思う物のルトは咄嗟に動けなかった。

「皆!!大きいのが来るよ!!」

皆分かっているだろうが、反射的にイザベラが大声ーで知らせる。
イザベラが大楯を構え衝撃を抑えるフィールドを張るのと、爆音が響くのはほぼ同時だった。直撃は免れたが、その爆風にルトは吹っ飛ばされて地面を転がる。急いでルトは立ち上がる。膝が痛い。見ると転がった時に出来たのか大きな擦り傷が出来ている。

その時、正面のイザベラが膝をついた。慌ててルトは駆け寄る。

「イザベラ!!」

「思ったよりも強かったね、今ので魔力を全部使っちまったよ……」

冷や汗をかき、途切れがちな言葉でイザベラは喋るのだった。

>>アリス、ALL

【ルビードラゴン最後の大技?を出しました。これを耐えて、とどめを刺して戦闘終了にしたいと思います!!結構、大き目の一撃ですが、何とか耐えて下さい。ルビードラゴンへの確定ロルについては気にしなくて大丈夫です!!私は結構いい加減なので、皆様のロルを見てから展開を作ったりしてます(汗)。まとめ投稿すみません!!】

2日前 No.229

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★Ywte4t2Nfq_Xgx

【 名古屋扇霊山 / 大部屋 】

 空中ということもあり威力が不安だった四連撃。けれど相手の装甲が剥がれていたこと、そして空中においても霊山の馬鹿力がある程度健在だったことが効いたようだ。ルビードラゴンが上げる絶叫と踏んだ地団駄のせいで、大部屋の地面ががたがたと地震のように揺れる。怪我が無いどころかフーリが飛ばしてくれた回復魔法のおかげで調子は良好、重ねてジムからの精霊魔法の加護も付いた。この状態なら多少の無茶をすることになっても大丈夫そうだ。野生の勘が、ルビードラゴンを追い詰めている状況といえど「このまま素直には終わらない」ことを感じ取っているのか、本人も無意識の内に無茶をしなければ切り抜けられないような出来事が起こることを前提にそんなことを考える。
 相手が身悶えている内にさらなる追撃を。東方の拳法の構えから素早く地面を蹴って再度の口撃に臨もうとすれば、出鼻を挫く形でルビードラゴンがとてつもない声量の咆哮を轟かせた。咄嗟に空中で片足を振って旋回、地面へと戻る。そして素早く両耳を手で塞いだ。霊山の身体能力が人並み外れているのは、何も体力や脚力や腕力に限った話ではない。聴力とて平均を大きく上回っているのだ。鼓膜の強度も同じくらい平均を上回っているから破れることはないが、それでもこの距離で他の誰よりも咆哮を五月蝿く感じてしまうことに変わりはない。思い切り耳を塞いだ状態ですら鬱陶しそうにしかめっ面をしているのがその証拠だ。

「うるさっ! 何やねんこのデカブツ、そんなに自分の声に自信でもあるんか!?」

 腹いせにこちらも大声で相手に文句を投げかけてみる。人間の言葉など恐らくドラゴンには通じないだろう。もちろん霊山にだってドラゴンの言葉は分からない。そうと分かった上で、文句を付けずにはいられないくらい大きい声だったのだ。隣の家に引っ越してきた家族がこんな叫び声を上げるペットを飼っていたなら、きっと霊山は三日の内に隣の家を素手で住人ごと破壊して更地に変えるはずだ。
 鱗のようにビッシリと表面に貼り付いていたルビーが咆哮と同時にバラバラと身体からこそげ落ち、地面に着いたそれらを、今までに落としたものと一緒くたにして巨躯を回転させることで巻き上げるルビードラゴン。その時点で嫌な予感がした霊山は、咄嗟にマントの紐を解いて身体の前へと一瞬で持ってくる。予感は当たった。巻き上げられたルビーの群れに向かって吐き出される火球、熱に反応して爆発の連鎖を発生させるルビー。その規模は程度こそ違えど部屋中に及んだ。それはつまり、霊山にも及んだということだ。

「ふーっ――――でやぁっ!」

 裂帛の叫びと共に瓦割りの要領で地面へと拳を叩きつける。瞬間、拳が叩き込まれた位置の半径3メートル以内にあった地面は瞬く間にクレーター状に大きく抉れた。そこに素早く飛び込んで、穴の中でマントの裾を脚で踏み上のほうを手で持った体勢になりやや身を屈める。こうすれば、正面のルビーは《白金の魔法使い》が色々と補助魔法を施してくれたこのマントが防いでくれるし、背後からのルビーが来たとしても穴の中なのでその数は平地にいるよりもぐんと減る。そして衣服のほうにも事前に魔法を掛けて貰っているから、こちらも当たったところで打撲は負っても火傷は負わない。
 がんがんと背中や腿裏にぶつかるルビーの衝撃に呻き声も漏らさず凛然と耐えきる。爆風に吹き飛ばされていないのは、負けじと靴の何割かを力尽くで地面へめり込ませ身体を固定した上、全身の筋肉を駆使することで上体が後ろに逸れないよう抗っているからだ。成人男性をも軽々と吹き飛ばしてしまいそうな爆風と正面からぶつかりあうのは、本音を言ってしまうと腹筋が攣りそうなくらいキツい。しかしキツいだけだ。出来ないとまでは思わない。

 ――『よう聞き霊山、ええこと教えたるわ。欠損以外は無傷と同じや。肉が抉れようが骨が抉れようが、そんなもんウチらやったら適当に喰っちゃ寝してる内に人の数倍早く治る。せやからダメージを怖がるな。相手の骨を叩き折れそうな場面で、自分の薄皮一枚守りたいがために引くようなやり方は――まあ、否定はせんけどウチら向きやあらへん。ダメ押し、ゴリ押し、力押し。単純なパワーでもスピードでも、ほんでもって持久力でも。ウチらに敵う生き物は中々おらへんねん。せやからフィジカルとタフネスに物言わせて……相手が先に集中力なり体力なり切らしたその瞬間、ドデカい一撃叩き込んだり!』

 かつて自分の身の丈を優に超えるクマを片手で締め上げその肉を素手で捌いている最中の母に言われた言葉が脳裏をよぎる。当時の己は六歳だったか。まだ年端もいかぬ娘に何て力技を教え込んでいるのだと、我が母ながら思い返すたびに口元が引き攣る思いだ。しかし母の言うことに間違いは無かった。言われたような戦い方こそが自分に一番似合っているのは、それから数年の旅路で身に染みてよく理解したから。
 爆風が止んだと同時、複数箇所の打撲による鈍痛を訴える身体を無視して即座に地面を蹴り上げる。吹き飛ばされないよう無理やり踏ん張ったせいできっと周りよりダメージは多いが、そのおかげで、自分のスピードならば確実に口撃が当てられると確信できる距離を保ったままでいることができた。上体を左に回し、左脚を大きく振り上げて右脚で踏み切る。同時に腕を振り上げて跳躍の補助の力とし、ジャンプしてから腰を引き上げ右脚を素早く蹴り上げる。跳躍力と回転力、そして純然たる脚力。それら全てを一体にして放つこの技は、東方のとある国で『旋風脚』と称されていた。

>ルビードラゴン様&ALL様

2日前 No.230

彼岸花 @tragedy☆ceTjr.OtlhiK ★iPad=txBUCiCVZB

【レリカ・プラムティム/大部屋】

幾ら盾で受け流し、攻撃に転じていようとその巨大な図体から繰り出される一撃は人体には重たい物である。 左腕の感覚が鈍り始め、右腕も疲労により速度を落としている最中。 その負担がフワリと軽くなる。 勿論全て忘れ去れる程の物ではないが幾分かマシになった気はする。 こんな芸当が出来るのは一人しかおらず。 該当者であるフーリ嬢に向かって左手でサムズアップを無言で出す。 流石に声を出せる程の余裕は無く、されどお礼をしない程に恩知らずでは無い。 それであるが故の無言サムズアップである。

さて、そこに更なる変化である。 簡単に言えば『なんか武器と盾が緑色に光り出した』としか言えない。 さてこれは何なのか、と言うか苔とか生えたりしないよな? と一瞬不安になるが、直後に解説の声。 ジェームズ先生である。 聞けば自分の武器に鎌鼬の加護を授けたとか何とか。 魔術的な話はよく分からないが、結局の所は“切断出来る範囲が広がった”の一点に尽きる。 浅い一撃でも深手を与え、深手の一撃は致命傷を呼べる物になったという訳だ。 そこまで時間的に持たないという事で、何としても相手に深手を打ち込みたい所だ。

「……的確な支援に感謝する」

そして差し出すサムズアップ。 言葉はフーリ嬢とジェームズ先生、そして言い損ねてしまったアリス嬢への物である。 無論普段であれば緩いと思われる言い方で返しているが生憎と今は寡黙な不退転の騎士として動いている。 そんな騎士に言葉を求められてもそこまで気の利いた発言は出来ない。

そして響く、ルビードラゴンの咆哮とイザベラの姉御の注意喚起の声。 その両者の叫びに短槍二本を左脚の鎖に括り付け、先程のナイフと合わせてスパイクを強化する。 ルビードラゴンが巨大な図体がを回転させて宙を舞うルビーを左腕の盾で弾く。 そしてドラゴンが口を開けた瞬間、左腕を前方に突き出し、左脚の武器をしっかりと地面に突き刺し、今出来る最大限の防御を行う。

「……ーー!」

声にならない悲鳴、叫びとはこの事か。 しっかりと突き刺した武器は途中で折れ、爆風によって身体は宙を舞う。 全身に受けたその痛みに地面に墜落した事による痛みが追加される。 恐らく食い縛った時に噛んだのであろう、口から漏れる血を地面に吐き捨て周辺を確認する。 清流のお兄さんはダメージこそ多いが無事、ルトだんちょー達もイザベラの姉御によって無事。 霊山の姉御は地面にクレーターを作りつつも無事。 ジェームズ先生も精霊を呼び戻していたから何とか無事だろう。

死傷者は無し、この事実があれば攻撃を続行出来る。 とは言え体力、精神的に次の一撃が最後である。 それが私にとってなのか、ルビードラゴンにとってかは不明だが。 霊山の姉御とは真反対、ルビードラゴンの背後の位置に陣取っている……というよりかは吹き飛ばされたのが幸いと言うべきか。 霊山の姉御に続くように攻撃を仕掛ける。 大剣に接続したハンドアックスを取り外し両手に構えると、それをルビードラゴンの上方に向けて投擲する。 自重で落下を始めるハンドアックスに合わせて今度は直刀二本を左右に分けて投擲する。 残る大剣を両手で構えると地面を強く蹴る。

「山を抜け岩を断ち、雨を裂き水を割る。 それを結びて此処で断つ!」

ハンドアックス、直刀が計算されていたかの如く同時に直撃しようとしているその時。 更に重ねる大剣による一閃。 その同時に直撃する事による威力はどの程度なのか。 言葉では説明出来ない。 何せ、こんな事をする者は誰も居ないのだから。 ハンドアックスはトマホークと違い投擲しない、直刀も右に同じ。 そんな事は誰にも定められて居ない。 故に投擲し、自分の斬撃と重ねて手数と威力を増やす。 幾多もの武人の模倣をして来て積み上げた技術より産み出した、その答えの一つがこれである。

「……なんちゃって」

とは言えその技に名前は無い。 何せ私は怠け者であるが故に。 そんな奥義の名前とかは勝手に他人が付けてくれるという他人任せであるからこそ。 また紛い物から生まれた技であるからこそ、付ける名前が無いというのもあるからか。

>>フーリ、ジム、ALL

2日前 No.231

雪鹿 @salt9140 ★Android=42zyboh5vZ

【アリス・ウェスタ/大部屋】

戦場に立つ者にも関わらず、褒められて少しばかり嬉しくなってしまった。……まぁ、ジムのサポートがあったからこそ出来た事だし、そもそも皆が注意を引いてくれたから出来た事なのだから、皆のおかげでもあるのだ。

「気に入ってくれたなら良かった!イザベラも元気になったみたいだし……さて、私も次の手を考えなきゃね。」

ふふっ、と微笑んでは次の一手を考えるが……先程の一撃でかなり魔力を消費してしまった分、出来ることは少ない。全体火力の底上げも考えたけど、それをしたら、トランプが維持できない。出来る事と言ったら……

しかし、彼女は次の一手を考える前に守りを固めるべきたった。ルビードラゴンは、体表のルビーを自発的に引き剥がして自身が回転することであちこちへ反射しながらルビーを散らばせる。そして、間髪いれずに火球。爆発による誘爆、誘爆による誘爆。連鎖的にそれが広がっていく。咄嗟に後ろを振り返って見れば、イザベラが全快していたようで私がなにもしなくてもルトとフーリ、サナは大丈夫そうであった。
しかし、彼女は一番前に立っていた。だから、自分の身を守るべきだったにも関わらず、咄嗟に仲間を心配してしまったが故に対応が出来ないーーーはずだった。

彼女の周りに浮かんでいたトランプはまるで意思を持った盾のように、一瞬で部屋となって周りを取り囲んだ。前後左右、そして上。トランプは彼女を護るために閉じ込めたのだった。
それでも、爆発の威力は凄まじく爆発が収束する頃にはトランプは焼失してしまっていた。中に居た彼女の服も所々焼けてしまっていて、爆風によって勢いよく飛んできた何らかの破片かいしころによって所々に傷もあった。

「ごめんね、私を守るために……本当は、この子達の仇も含めて私も一撃食らわせたい所だったけど……私の魔法は取っておいた方が良さそうみたいね。皆!後一息、頑張って!」

ちら、と全員を確認すれば、酷い怪我をしている者がちらほら居る。清流は特に酷い。レリカもボロボロだし……火傷は少ないけど、霊山も大分。となると、どう考えても人手が足りないのだ。イザベラはともかくとして……まさか、フーリちゃんやルトちゃんにだけ後処理をさせるのもなんだか気まずい。
それに……イザベラが魔力を使い果たして膝をついている。私もなまじ使いすぎたもんだから限界と言えば限界だけど、私はまだ、ルビードラゴンが隠しているかもしれない技に警戒をしなくてはならない。一応、一回くらいは……いけるかな。最悪、私の荷物を犠牲にすれば……いや、キツいかな。ともかく、一回は護れる。守って見せる。
懐に戻しておいた五枚のスペードを宙に浮かせては戦いの行く末を見つめて、ただ勝利を祈るだけだった。

>フーリ様、ルト様、イザベラ様、all様

1日前 No.232

隊長機モルガン @type14 ★BUzhF4mm8n_yFt

【ジム・グレイソン/坑道・大部屋】


 『うへぇ、うちの女性陣はおっかねぇな、おい!!尻に敷かれねぇようにしなきゃな、ジム』

 「強い、したたか、女の武器はそういうもんさ。清流もツケの代金でルトに頭が上がらないなんてことないようにな」

 怒号の攻撃が続く中、霊山やレリカにかけた精霊魔術の加護は二人に強い力を与えたようだ。早速レリカが飛び出した。ルビーの弾幕を切り払い、次の攻撃に備えて着地する。

 『皆!!大きいのが来るよ!!』

 DRRRRRRRRRRRRUUUUUUUUUU!!!!!!

 イザベラの注意通り、強烈な咆哮と、巨体を震わせて弾かれたルビー、そして火球が迫ってくる。

 「いかん!」

 咄嗟にフィールドを張ったものの、それはルビーの直撃でひび割れ、火球にやすやすと砕かれてしまう。その瞬間、指輪の中にいるヴァニラが悲鳴をあげたのがジムには聞こえた。転進中のルビーの魔力を吸収し続けたツケが回ってきたのだ。魔力を介したダメージはお互いに共有する。ジムの身体に入り込んだ魔力はヴァニラを傷つけ、そのダメージを溜め込んだヴァニラの苦痛がジムに押し返される。

 「KKKKAHHKKK!! AAAAOWWW!! HRUP!」

 言葉に言い表せない声を出して喀血と共に膝をついた瞬間、火球は着弾した。ルビーのいくつかは自分に命中したようで、額から血が流れ、腕や足にはルビーが深々と食い込んでいた。フーリの努力を無駄にしたようで申し訳なく思ったジムだが、命がある以上、まだ自分に敗北はないと感じたようで、膝をついて体を起こす。
 自分で防いだ霊山とイザベラ、そしてダメージを受けたレリカ。他の面々はイザベラの捨て身の仁王立ちが守ってくれた。こちらも爆心地付近から吹き飛び、地面を転がる。意識はまだあったのでマラッキアンに手をかざすと、指輪封じの魔法で一時的に武器を封じた。たとえ精霊の力を借りずとも、魔術師としてのスキルは決して低いものではない。最高の武器が使えなくなった以上、人間として最大の武器を使う時がきたのだ。
 杖の代わりに使うサバイバル用の銃剣を引き抜くと、余韻を残す火球の熱を集める。マラッキアンが使えない今、己の体力を最大限に使って、大がかりな魔法を放つ。熱は橙の光を放って銃剣の切っ先に集まり、それを振り上げたジムはさながら太陽を貫く剣士だ。
 この魔法を使えば、継続して体に強烈な負荷がかかる。だが、命を惜しまず助けてくれた副団長の誇り……そしてここまで来たルトの決断。年配組の者として、新参よりでもこの心を守る気持ちは、ジムにだってある。

 −精霊魔術は自然の力。人の痛みも自然の痛み。自然の摂理を忘れし飽食に、大自然は今、怒る。風を孕めば嵐を生み出し、水を得れば波浪が吠える。火を齎せば、輝き轟く太陽の一撃―

 「ゾンネ・フェーザー!!! いけぇっ!!!」

 熱と光が一筋のビームとなってルビードラゴンの首筋へ迫る。

>>ALL様

1日前 No.233

そぼろ @snr2510☆yjBqeQuEvFAK ★Android=SAhLN2msbN

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1日前 No.234
切替: メイン記事(234) サブ記事 (81) ページ: 1 2 3

 
 
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