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神嶋怪奇事件簿 第一幕:雨子さん

 ( オリジナルなりきり )
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ホラー探索スレ @haine345☆SyFFuyTE.oo ★Android=qGEX45X08v


「"雨子さん"を探しに行こう」

 歴史上、最も多くの探検家を殺してきたのは、人心の内から這い出る好奇心だ。
幻の島に眠る金銀財宝の山岳、七色の羽を持つ伝説の鳥、人を狂わせた旨い話は枚挙に暇がない。
それは浪漫が潰え、夢のないリアリズムが氾濫した時代においても、絶えることなく人を暗黒路へと誘うのだ。

 埃臭い旧校舎の一室を根城とする神嶋高校新聞部は、問題児の集まりというレッテルを貼られている。
もっとも濡れ衣などでは断じてなく、事実として彼らは生徒指導室の常連揃いであり、ただ新聞を流布するだけで職員室がちょっとした騒ぎになるほどの危険なネタを使い続ける過激なライター達の集いだった。
ひとたび話題のタネを掴めば、まるで現代のリシュリュー枢機卿さながらに、必ず娯楽メディアとしては最高の、学校にとっては胃の委託なるような記事を書き上げる。活動場所が教育機関であることを除けば、彼らは何処に出しても恥ずかしくない優秀なジャーナリストに違いなかった。

 探訪者を先導する新聞部長が次に標的と定めたのは、之までに扱ったことのない題材。
神嶋高校の敷地内に出現するという怪異――いわば学校の怪談の一つ。「雨子さん」と言う噂話である。

**

 雨子さんはその名の通り、雨の降る日にだけ現れる。
学校の敷地内であれば何処にでも、ふらふらと彷徨うようにして現れる。
どれだけ走っても、隠れても、雨子さんからは逃げられない。
だが、雨子さんが近くにいることを知る方法はある――「雨」だ。

 雨子さんがいる場所では雨が降る。
あり得ない場所で雨が降ってきたのなら、それは近くに雨子さんがいる合図。その場ですぐに逃げ出せば助かるが、もしも雨子さんと出会ってしまったのなら……もう逃げ場はない。

 雨子さんに触れられた人間は不幸になる。
その形はどうあれ、恐ろしい未来を約束される。
だから雨降りの日は、なるべく少人数で行動しない方がいい――

**

 ……なんてことのない噂話。
何処の学校にでも一つ二つはあるような、下らないと一蹴されて当然の怪談。

 この時、当然ながら彼らは知らなかった。神嶋では有名な怪談だということは承知していたが、あくまで噂は噂、凡百の迷信と大差のない作り話に違いないと高を括っていた。
……事件の背後で蠢くどろついた闇と、町に巣食い始めた恐怖の影の存在を、視界にすら含めていなかった。
これは、長い長い因縁の始まり。
好奇心で突いた藪の底に大穴が空いており、その奥から蛇などとは比べ物にならない恐怖が這い出てきた物語だ。

 雨子さんとは何なのか。
 鬱屈とした梅雨の神嶋に、今日も重い雨が降る。

 ―――気を付けるんだね。きみ達は今、運命を選ぼうとしている―――

【伝奇風味のホラー探索スレです。興味を持っていただけた方は、ぜひサブ記事へ】

メモ2017/01/05 21:10 : 募集中!☆SyFFuyTE.oo @haine345★Android-qGEX45X08v

キャラ一覧


・神高新聞部

 【部長】(募集締め切り)

 祠堂 元人★Android=qGEX45X08v(http://mb2.jp/_subnro/15500.html-4#a)

 

 【顧問】

 あと一名募集


 【副部長】(募集締め切り)

 如月 椿★chfNVTLIUI_Hej(http://mb2.jp/_subnro/15500.html-18#a) 


 【部員】 

 有野宮 佳之子★Android=nMqLjsjQcP(http://mb2.jp/_subnro/15500.html-11#a) 

 佐伯 隆星★w7OkMAbEe8_mgE(http://mb2.jp/_subnro/15500.html-21#a) 

 及川 光希★iPad=wzvagDhvp3(http://mb2.jp/_subnro/15500.html-16#a) 

 一本花 生絹★Ywte4t2Nfq_Q1n(http://mb2.jp/_subnro/15500.html-17#a) 

あと一名募集


・ゲーム研究部

 【部員】(募集締め切り)

 琴弾 景色★Android=qGEX45X08v(http://mb2.jp/_subnro/15500.html-5#a)

 朝桐 御鳩★Android=qGEX45X08v(http://mb2.jp/_subnro/15500.html-5#a)

 七塚 ましろ★Android=nMqLjsjQcP(http://mb2.jp/_subnro/15500.html-20#a)


・琴弾の取り巻き(一名募集)


・夏目探偵事務所

 【所長兼探偵】(募集締め切り)

 夏目 空人★Android=qGEX45X08v(http://mb2.jp/_subnro/15500.html-5#a)

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本編開始! @haine345☆SyFFuyTE.oo ★Android=qGEX45X08v

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9ヶ月前 No.1

本編開始! @haine345☆SyFFuyTE.oo ★Android=qGEX45X08v



神嶋怪奇事件簿 第一幕:雨子さん

9ヶ月前 No.2

本編開始! @haine345☆SyFFuyTE.oo ★Android=qGEX45X08v

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9ヶ月前 No.3

本編開始! @haine345☆SyFFuyTE.oo ★Android=qGEX45X08v

【夏目探偵事務所/所長室/夏目空人】

>ALL

 机の上に山積みになった、糊付けして束ねれば人一人くらいであれば撲殺出来るのではないかと言う程の厚さの書類。それを前に、ハーブの香りが芳しい紅茶を嗜む薄弱そうな青年が一人。
この彼こそ、此処、夏目探偵事務所の所長兼探偵を務める、『対霊探偵』その人である。じっとりと室内に立ち込めた陰鬱な湿気に顔を顰めながら、手にした報告書に目を通していく。探偵が夏目自身な以上、当然これを記したのも彼以外にはあり得ないのだが、所長の業務もある以上何度も読み返すのは当然のことだった。

「雨は怪異を引き寄せる」

 学校の怪談のように子供向けな物から、プロの小説家が道楽で書き上げた怪談本。将又この世成らざる者達と出会してしまった者の実体験も含めて、雨の日は怪異と遭遇する可能性が高い、と言うのがオカルト業界の通説だ。
怪異は水場に現れる。海然り、湖沼然り、身近な所で言えば風呂場なども彼らの現れやすい場所として挙げられよう。街全体が水浸しになる雨降りの日は、必然彷徨う霊魂の量も増加する。
無論、それだけではない。怪異の波長が現世と合いやすい湿気、暗さ、光量。そうした条件が限りなく完全に近い形で満たされるのが雨降りなのだ。それ故、雨降りの日には神社への参拝や墓参りは避けるべきとされている。

「逆に言えば、それだけ僕らは儲かると言う事でもあるんだが――こればかりは難しい。
いずれにせよ、梅雨は嫌な季節だね。そうした諸々を抜きにしてもじめっぽくて敵わない。おまけにこういう時期に限って、普通の依頼が全く届かないんだ」

 梅雨に入ってから、夏目は簡単とはいえ心霊関連の依頼を既に三件もこなしている。元々専門はそっち方面だとはいえ、こう何度も重なってくると気が滅入る。この世成らざる者、怪異の相手をするのは、人間が起こした事件の解決に挑むよりも何倍も疲れるのである。
 何しろ、毎度毎度が命懸けだ。羊の姿で此方を油断させ、隙を見て狼の顔を見せてくる奴等日常茶飯事。一瞬でも気を抜けば即座に死ぬより恐ろしい目に遭う事さえある、怪異の相手とはそういう難儀な仕事なのだ。

「さて、だが嫌な予感がするな。何か早速、面倒事が飛んできそうな予感だ。
……あの子を連れて軽井沢辺りにでも夏季休暇に行きたい気分になってきた。稼ぎのノルマはとっくに達成しているし、前向きに検討しておくべきか」

 古今東西、探偵の嫌な予感と言うのは兎に角やたらめったら当たるものだ。
どうせ逃げられないのだろうな、と諦めつつも、対霊探偵はじめっぽい部屋で一人ぼやくのだった。

9ヶ月前 No.4

織恵 @orie1008 ★Android=YTWdYynmaG

【神嶋高校・旧校舎/新聞部室/及川光希】

>>祠堂元人、all


いつもと変わらぬ放課後。神高新聞部自称心霊現象担当及川光希は心霊写真のチェックに勤しんでいた。崇拝する部長の空気を感じながら、前のめりに腰掛け、デジカメの小さな画面に目を凝らす。キラキラした瞳とにこやかに微笑む表情からはとても霊感がないとは思えない。チェックが終わりそうになるとこれもいつもの如く悲しげな表情になり、今日もダメか、と呟く。
 両手で頬付きをし、天井を心のない目で見つめる。霊を撮るための明日の罠を考えながら、ため息をつくと、部長の声が頭に刺さる。

「"雨子さん"を探しに行こう」

 心霊現象担当の及川にとってスルーできない話題である。

「雨子さん……いいですね!!流石部長です!新聞部の全身全霊を掛けて!追いかけましょう!雨子さん!準備はバッチリです!さあ!早く行きましょう!」

 すぐにスイッチが入った及川はバッと立ち上がり、部長に視線をやる。スクープ写真は任せてください、と言いながら何も見えない部屋の至るところにシャッターを降ろしまくる。

「おっとぉ!安心してください!雨子さんだけじゃなく部長もおさめまっす!」

 サッと首に掛けてあった別のデジカメを構え、不意をついて祠堂をカメラに納める。直ぐ様にチェックし奇声をあげる。

「素敵……素敵です!自然な部長も素敵であります!」

 新企画と隠し撮りでテンションが上がる及川は今日も平和である。

9ヶ月前 No.5

すずり @suzuri0213 ★Android=nMqLjsjQcP

【神鳴高校・旧校舎 / 新聞部室 / 有野宮佳之子】

何処と無く薄暗く、あまり人が好んで寄り付かないであろう旧校舎。そこの一角にある新聞部室に彼女はいた。有野宮佳之子。名家の生まれにしながら天性の好奇心と野次馬根性を持ったその少女は、先ほど新聞部長である祠堂元人が切り出した「雨子さん」の話にいち早く食いついていた。
佳之子は「雨子さん」を知らなかったわけではない。むしろ興味すら抱いていた。しかし「雨子さん」に遭遇したという生徒はなかなか口を割ろうとせず、佳之子としてはやきもきしていた。そんな中今回の企画が持ち出されたのだ。機会としてはちょうどいい。

「部長さん、素晴らしい企画ですわね!この有野宮佳之子、精一杯尽力させていただきますわ!」

がたり、と椅子を蹴飛ばして佳之子は勢いよく立ち上がった。その目は爛々と輝いている。こうなると佳之子が止まることはまずない。
ちなみに佳之子は元人のことを敬意を抱いて「部長さん」と呼ぶ。よそよそしい感じはするが、これが佳之子なりの尊敬のしかただった。佳之子の人の呼び方は一風変わっているのだがこれは新聞部員や佳之子の友人からしたら周知のことである。

「……でも、そう簡単に情報が集まるかしら。被害者さんはなかなかお口を割ってくださらないんでしょう?この前一年生の女の子が雨子さんに触られたとおっしゃっていたようだけれど」

真剣になるととことん真面目になるのが佳之子だった。一変して冷静な声色になってから誰か意見のある部員がいないか辺りを見回した。そしてしきりにシャッターを切っている部員の及川光希を見やる。

「光希さんのカメラは今日も冴えておりますわね!その撮影技術なら雨子さんを見つける日も近いですわ!」

佳之子が光希の思惑に気づくはずもなく、ただただお気楽に彼女の技術を褒めちぎった。

>>元人さん、光希さん、all様


【神鳴高校 / ゲーム研究室 / 七塚ましろ】


「失礼しまぁす」

カチカチと携帯ゲーム機のボタンの音がわずかに聞こえる薄暗い教室に、場違いなくらい間延びした男子にしては高く、女子にしては低い声が響き渡った。そして女子の制服を纏った生徒が軽やかな足取りで入ってきた。一見して女子生徒に見えるその生徒は鞄をよいしょと近場に置く。
“彼”の名前は七塚ましろ。訳あって女子の制服を着ているだけの健全な男子生徒である。もちろんそっちの気はないし、ましろとてそのつもりはない。━━━━まあそれはさておき、ましろは純粋なゲーマーだ。それゆえに彼はゲーム研究部に入部した。同じく部員である朝桐御鳩の姿を見つけて、その次に画面を一瞥する。

「御鳩ちゃん、やっぱり上手いねぇ。ボクこういうジャンルはあんまり得意じゃないからさ。すぐゲームオーバーになっちゃうんだぁ」

てへへ、と可愛らしい微笑みを浮かべて、ましろはちょこんと御鳩の隣に座った。寡黙であまりコミュニケーションを取らない御鳩を、ましろは密かに心配していた。なんとなくだが、最近の御鳩は様子を疑うほどにしゃべらなくなっている気がする。琴弾景色が関係しているのではないか、とましろは一瞬疑ってからその考えを消した。根拠もないのに憶測だけでものを考えてはいけないだろう。

「しばらく見ててもいいかなぁ?あ、もちろん嫌だったらどくから。早く克服したいんだよね、シューティングゲーム」

にこにこと朗らかな笑みを浮かべたまま、ましろは御鳩の顔を覗き込んだ。同じ研究部の仲間なのだ、ましろとしては積極的にコミュニケーションを取っていきたい。

>>御鳩ちゃん、all様

【メイン解禁おめでとうございます(*´∀`)】

9ヶ月前 No.6

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★Ywte4t2Nfq_Q1n

【 神嶋高校・旧校舎・新聞部室/ 一本花生絹 】


 何人かは足りていないが、概ねいつも通りのメンバーで集まった旧校舎の部室。そこに鎮座する部長が突拍子のない事を言い出すのもいつも通りのことだし、彼の発言に真っ先に賛同するのが及川光希なのもいつも通りのことだ。部屋中をハイテンションに撮りまくりながら、さりげなく……というかあからさまに部長の写真をパシャリとやる黒髪ボブの少女の姿を視界に収めながら、続く部長の言葉を聞き漏らさないようしっかり耳は澄ませておく。
 雨子さん。その存在は知っていたし、部長の言う通りに文屋として、そして怪奇小説作家の娘として、ついでに民俗学者の孫娘としても、興味を引かれなかったわけではない。活動範囲が神鳴高校に限定されるあたり、都市伝説というよりは学校の怪談の部類だろう。確か日本の有名な都市伝説である『ひきこさん』も出現する条件は雨の日だったが、雨子さんの場合は雨の日に登場するのではなく登場しそうになれば雨が降り出すというのだから驚きだ。そこら辺はホラーというよりファンタジーじみている、気がしないでもない。そんな怪異の中でもとびきり存在が疑わしいレアモンスターみたいな存在に、実際に触れられたと証言する生徒がいたことは知らなかった。いつもながら部長の情報収集能力はとにかく凄まじい。


「――ふんふん、ほはへへひーひひひははひほ。ふひほほっはへ、ほほひはふ。(訳:うんうん、ド派手で良い響きやないの。ウチも乗ったで、その企画)」


 昼食を食べ逃したのか何なのか、放課後の時間帯にも関わらず焼きたてホカホカのたこ焼きなんぞを食べながら頷き返す。ポリっぽい白の容器に入れられている状態と比べれれば、薄茶色い舟皿は少し豪勢に見える。中には神鳴市の名産品である山芋も練りこまれており、外はふわふわ中とろーりな優しい食感とお味である。お値段は十二個で六百円。大阪生まれの生絹にしてみればちょっとお高めと感じる値段設定だが、関東県域では恐らくこれくらいの値段設定が平均であろう。むしろ良心的なお値段かもしれない。飲み物は熱々の麦茶。熱いたこ焼きを熱い麦茶で流し込むという暴挙だ。自分で選んだくせして食事の合間に「あっつ」「これふざけてんとちゃうか」などと独り言の文句を垂れているが、この場にふざけている者がいるとすればそれはたこ焼きでも麦茶でもなくそれを選んだこいつ自身でしかない。直射日光対策で顔にサングラスをかけたままだから、画面的にはなおさら間抜けだ。人によっては下手なコントの真っ最中としか映らないだろう。
 堂々と上座に鎮座している男と、そんな男をハイテンションで撮りまくっている女子と、そんな女子の写真の腕を無邪気に褒めちぎるお嬢様と、ヒョウ柄のトランクケースの上にあぐらをかいてサングラスをかけたままたこ焼きを喰っているアルビノ女。端的に言ってカオスな光景だ。もっとも、これくらいの個性のせめぎ合いがなければあんなブッ飛んだ内容の新聞を作る集団としては相応しくないという見方もあるかもしれないが。


>祠堂元人様&及川光希様&有野宮佳之子様&ALL様


【メイン解禁おめでとうございます! 駆け足でなんとか今日中に間に合いました!】

※警告に同意して書きこまれました (個人情報)
9ヶ月前 No.7

本編開始/引き続き募集中! @haine345☆SyFFuyTE.oo ★Android=qGEX45X08v

【神嶋高校・旧校舎/新聞部室/祠堂元人】

>光希、佳之子、生絹

「やる気十分なようで嬉しいぜ。これまではお前の情熱を活かしてやれる機会が余り無かったからな……今回は部長権限で許可する。存分に、サツにしょっぴかれないレベルで暴れてこい」

 シャッターを降ろしまくる、心霊現象担当記者――及川光希の様は端から見れば間違いなくかなり異様なものであったが、この並み居る曲者達を束ね上げている祠堂にとっては慣れた物だ。
オカルトマニアと言う存在自体大分奇特なものと成りつつある今日、この光希程に強い情熱と拘りを以って異界の存在を追い求めている人間が一体どれほど居るだろうか。悲しきかな、その情熱が活かされる場面はほぼ無いのであるが、祠堂は前々から彼女の熱意を高く評価していた。
今回雨子さんと言う"心霊ネタ"を扱うことにした時、最初に脳裏に浮かんだのが喜悦満面の光希の顔だった。そう、丁度今目の前にある、こんな顔だ。喜んで貰えたようで、祠堂としても何よりである。

「佳之子と生絹もそう思うか。それでこそ我が神高新聞部の精鋭ってもんだ」

 鼻が高いぜ、と祠堂は満足げに頷く。有野宮佳之子、一本花生絹。どちらもこれでもか、と言うほどの個性派で、まさに悪名高き神高新聞部を体現したような女傑達だ。無茶な舵取りをした事は数え切れない程あるが、振り落とされるどころか、揺れた船をもっと揺らそうとするような、そんな連中。
これでこそだ。こう言う奴らが居るからこそ、読み応えのある記事が出来上がる。そして今回は、そんな彼女達も未だ未経験の分野。学校と言う狭い世界に蔓延する噂話の真相に迫る、形なき者との戦いだ。

「勿論、その辺については考えてある。……と言うより、雨子さんを狙うアイデア自体は一週間前には既にあったんだよ。幾ら何でも、あんまり信憑性の低い話にお前らを付き合わせる訳には行かねえからな。
調べに調べて『雨子さんは実在しない!』だったら良いが、調べ切れずに『雨子さんの真相は分からず仕舞いだった。未完』とかだったら、一気にウチの看板は地に落ちる。
だからまあ、ちょっと下調べをしてみたんだ。――で、結論から言うと佳之子が今言った通り。雨子さんに接触したって連中は揃いも揃ってだんまりで、話し掛けると逃げ出す奴さえ居る始末だよ」

 言って、彼は肩を竦めた。その仕草から、"下調べ"が相当難航したらしい事が読み取れる。

「けど、一人だけ、取材に応じても良いって奴が居た。……居たんだけど、そいつの名前がちと問題でなあ」

 祠堂が懐から取り出したのは、折り畳まれた一枚の書類。彼が取材や大きな踏み込みをする時に毎度作成してくる、個人の人となりや噂なんかを記し纏めた物だ。本人曰く、『門外不出のXファイル』。新聞部がガサ入れされることがあったならまず真っ先にこれを燃やせと常日頃から厳命している程の代物である。
其処に載っていた名前は――『琴弾景色』。珍しい、一度聞いたらまず忘れないような名前。艶やかな金髪と愛らしい顔立ちが特徴の、美少女と言って差し支えない女子生徒だ。

「ま、良い噂のない奴なんだよ。やれ誰々を不登校にしただとか、誰々と誰々の仲違いは此奴が原因だとか。突けば突くほど埃が出てくる系の人種だ。まあ、いつもの俺達のターゲットになるような奴さ。
で、今回は此奴が雨子さんの有力情報を唯一持つ人間だと来た。……取材の対価に何を要求されるか分かったもんじゃねえが、その点については覚悟しなきゃならねえだろうな。
やれやれ、一生記事で自分の名前を出すな、とかならまだ良いんだけどよ」

 ジャーナリストの世界は、取引の世界だ。そこら辺は、はっきり言ってヤクザやマフィアのそれと何ら変わらない。
ある情報を得るために何か対価を渡す、損耗と引き換えに大スクープを手に入れる。正義の告発者と言えば聞こえは良いが、結局のところ、やっているのは裏社会の真似事だ。
そして琴弾景色という女は、所謂厄介なタイプである。難敵なのは間違いないし、最悪金ヅル宛らに色々毟り取られる可能性もゼロではないのが怖い所だ。
――とはいえ。それしきのことで臆してしまうなら、とっくに新聞部は廃部になっている。

「で――琴弾相手の取材を誰か二人に頼みたいんだが、誰か行っても良いって奴は居るか?
おっと、悪いが光希は俺と来てくれ。何しろ俺も、形のないバケモノと相撲取るのは初めての経験だからよ。ちょっとばかし助っ人を用意してあるんだ。これから一時間ほど後に、その助っ人と落ち合う予定になってる。
 ……て言うか、これからなるんだけどな。光希には、その人の所まで付いてきて貰いたい」

9ヶ月前 No.8

本編開始/引き続き募集中! @haine345☆SyFFuyTE.oo ★Android=qGEX45X08v

【神嶋高校/ゲーム研究部室/朝桐御鳩】

>ましろ

 無人だった筈の部屋。視界の片隅に、御鳩は動く物を捉える。視線は画面に合わせたままで微動だにしない。それでもその足取りから、動作の主が部員の一人――七塚ましろであることを理解出来た。
七塚ましろ。男子だと言うのに、何故か女子の制服を着ている不思議な人物。まるでアニメや漫画の世界の登場人物のようだが、彼はこのゲーム研究部において限りなく"まとも"な部類の人間である。
琴弾派に所属していない、ただ純粋にゲームが楽しみたくて入部しただけ。彼女の色香に惑わされることもなく、今日も今日とてマイペースに部室へやって来たようだ。
御鳩としても、ましろのことは自分から積極的に関わりこそしないものの、それなりに好ましく思っている。話し掛けてくるのを煩わしいと思ったことも最初はあったが、彼は集中を乱すような騒ぎ方をしたりはしない。だからたまに喋る事もあったし、苛立つことも特にはなかった。
されど。御鳩は見てていいか、と言う問いにちらりと視線を向け、こくんと一つ頷いただけ。
心神を喪失した人物がそうするような淡白な動作で、御鳩は繊手を動かし、画面に復活した自機を再び操作していく。

 ――画面上部から飛んでくる色とりどりの弾丸を、蝶が舞うように淀みのない軌道で回避していく。
画面端にぶつかって反射した弾を、今度は後ろにバックして回避。カチャカチャと、慣れた手付きで弾丸を避け、避け、避け、避け……三方向から同時にやって来たそれを、特殊アイテムの爆弾で粉砕する。
御鳩は色々なゲームをやるタイプだ。ノベルゲームやソーシャルゲームのようなものはやらないが、格闘ゲーム、クイズゲーム、パズルゲーム、時には推理ゲームなどにも満遍なく手を出している。
このシューティングゲームもその一つだが、やはり得意分野なのだろう。今度は一発も被弾しないまま、自機をボスの眼前まで導き、散々翻弄した末に消し去ってみせた。

9ヶ月前 No.9

夕邑三日月 @mistydark☆NIljAHmRyhk ★R3lMq2ye0U_qxX

【神嶋高校・旧校舎/新聞部室/佐伯隆星】

「さーせん、遅刻しましたー、文句はホームルーム長引かせた担任に頼んます」

 ガラリ、と派手な音を立てて建て付けの悪い旧校舎の扉を開ける。廊下を全力疾走してもどれだけ騒いでも咎められない魔法の空間に存在する部室の扉……そうすればその向こうに広がるのは、見慣れ過ぎて見飽きることの無い混沌である。混沌と書いて破天荒と読み、部室と書いて狂乱の宴の会場と読む、もう訳が分からないがその訳の分からなさを受け容れてしまえば、これ以上居心地の良い場所は無い。
「今日も今日とて盛り上がっとんねんなぁ……いやー、部長も可愛い後輩が不在なうちから話進めるなんてお人が悪い。今度の企画は……及川ちゃんが何時にも増してハイテンションみたいやしそっち系?」
 自分が遅れてきたくせにへらへらとした笑みを崩さないまま、所定の位置に腰を下ろすのは佐伯隆星、新聞部所属の二年生である。
 何やら重大そうな部長たちのやり取りに混ざって鳴り響くカメラのシャッター音と、鼻腔をくすぐるたこ焼きの香りをものともせずに――後者は一瞬物欲しそうな目で見詰めたが――、さぁ詳細を説明しろと強請る姿は、他者が見ればこれまた強者に映るだろうが……何と言うことは無い、慣れである。
「もう目星ついとんねやったら、俺ひとっ走り行ってくんで」
 隆星の担当は自他共に認める情報収集である、むしろそれだけが取柄と言っても良い。だから何の気は無しに彼は告げた、取材対象に挙がっている女生徒がとんでもない難敵だとは知る由もなく。

>新聞部ALL様


【夏目探偵事務所/所長室/柊遊雛】

 タオルの山を詰め込んだ洗濯籠を抱えて、少女は歩く。雨降りの外には当然出せないし、乾燥機からもあぶれたそれらは、爽やかな白さも何処か澱んで見える。濡れそぼったタオルたちに一刻も早く本来の役目を取り戻させてやるには、最早部屋干し以外に残された手段がないのである。そして部屋干しの犠牲になるべき部屋は、何時客人が来るともしれぬ応接室ではなく、奥まった個人の部屋であるべきだ。

「開けますよ」

 一旦籠を置き、その奥まった部屋の扉をノックする。中に人がいるのは間違いないが、彼はここの家主なので問題はない。
「……ただでさえ湿気が凄いのにあなたまでじめじめしててどうするんですか、夏目さん。というかこの部屋色々籠ってますね、換気してください、あと除湿も。今からタオル干したいので迅速にお願いします」
 湿気の凄い部屋とやらに更に湿気を持ち込みにきた者の言う事ではない。しかし、そこは文明の利器に頼ってしまえば問題はないと決めつけているのが少女、柊遊雛だった。
 断っておくが、此処は彼女の家でも何でもない。紛うことなき探偵事務所の、所長の部屋である。そこに年端もいかない少女が出入りし、剰え洗濯に勤しんでいるのは、柊遊雛が探偵・夏目空人の助手だからだ……割と真面目な。
「一体どこに一人で黄昏る理由があるんです、また面倒な依頼ですか? 閑古鳥の鳴く探偵事務所なんて掃いて捨てるほどありますからそれに比べればマシだと思いますが……出来ない仕事、嫌な仕事は断るのもプロです」
 とても十一歳とは思えない事を言いながら、遊雛はタオルを広げ始める。タオルを干すことについて拒否権を与えるつもりは小指の甘皮ほども無いらしい。

>空人様

【メイン解禁おめでとうございます、完全に出遅れたので隆星にも遅刻して貰いました。遊雛は助手っぽい事、ということで取り敢えず洗濯してます。】

9ヶ月前 No.10

すずり @suzuri0213 ★Android=nMqLjsjQcP

【神鳴高校・旧校舎 / 新聞部室 / 有野宮佳之子】

元人が取り出した一枚の書類。そこに映っている女子生徒を見て、あら可愛いではありませんかと佳之子は佳之子なりの大人の余裕を見せた。しかしその女子生徒━━━━琴弾景色の話をされたとき、佳之子はあからさまに顔をしかめた。正義感の強い佳之子にとって琴弾景色のようなタイプは完全にアウトだ。いじめっ子グループに向かって捨て身の突撃を決めた経験のある佳之子はむっと頬を膨らませる。

「まったく、こういう方がいるからスクールカーストとかクラス階層が生まれてしまうのですわ。……部長さん、この方への取材、私にさせていただけません?女子には女子、ですわ!」

えっへんとない胸を張ってから、佳之子はある一点に目を向けた。鼻腔をくすぐるソースの香り。そう、一本花生絹の食べているたこ焼きだ。少しの間たこ焼きに貫くような視線を送っていた佳之子だったが、すぐに駄目駄目と目を背けた。

「……たこ焼きならいくらでも後から買えますものね……我慢も必要ですわ。ねぇ佐伯君」

仲間が欲しかったのかいきなり佐伯隆星に話しかけにいく辺り佳之子はたこ焼きが食べたいのだろう。同学年ゆえか彼に対して佳之子としては気軽に接している。あくまで佳之子としては、だったが。

>>新聞部all様


【神鳴高校 / ゲーム研究室 / 七塚ましろ】

こくり、とうなずいた御鳩にましろは御鳩ちゃんありがとうと微笑んだ。しかし内心ちょっとはしゃべってもいいのではないか、と心配になる。これではなんだか外国人と話している気分だ。
次々と爆弾を回避していく御鳩に、すごいすごいとましろは素直に称賛の言葉を送る。どうやったらそんなに上手くなれるのか。ましろはアクションゲームをいちばん得意とするが、シューティングゲームを除いたら大体どんなジャンルでもできる。あまりしないが乙女向けのものもやれと言われたらとことんやる。それが七塚ましろというゲーマーだった。

「……そういえばね、御鳩ちゃん。最近お化けみたいなのが噂になってるらしいんだけど……知ってた?」

無言の空間が気まずくて、ましろはそう話を切り出した。最近噂になっている“雨子さん”。ましろ自身特に気になっていたわけではないが、話の材料としてはちょうどよかった。怖いよねぇと言いながらも、ましろは男子ゆえか恐怖は覚えていなかった。

「でも女の子のお化けらしいから、見た目だけだとあんまりわかんないかもしれないね。ホラーゲームとかで出てきそうな感じのやつだし」

気がつくとゲームの話になっているのはゲーマーの性とも言うべきか。そのときのましろは、“雨子さん”についてそこまで気にしてはいなかった。

>>御鳩ちゃん、ゲーム研究室all様

9ヶ月前 No.11

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★Ywte4t2Nfq_Q1n

【 神嶋高校・旧校舎・新聞部室/ 一本花生絹 】


 後から同学年の佐伯隆星が部室に入ってくるのを見て、ひらりとそちらに片手を振っておく。もう片方の手では相変わらず爪楊枝を湯気の立ったたこ焼きに突き刺している。もう三つほど食べたから、舟皿の中に残っているのは九個だ。一瞬、なんだか物欲しそうな目を向けられたことを察した生絹は、とりあえず口の中に入っているたこ焼きをもぐもぐと咀嚼して飲み下した後、「食うか?」とでも質問するように爪楊枝に刺さったたこ焼きを舟皿に戻し、それを片手でちょっと持ち上げる。加えて小首を傾げれば、このジェスチャーの意味も伝わるだろう。少し遅れて佳之子からも視線を頂いていたことに気付くが、お嬢様である彼女は人に何かを欲しいと言えないタイプなのか、我慢する気満々である。とりあえずそちらにも舟皿をちらつかせて「今ならまだ九個あるぞ」みたいな無言のアピールをしておく。たこ焼きが予想外に人気なのは、大阪人として嬉しい悲鳴だ。


「ほお。ヒョウ柄の似合いそうなベッピンさんやないの。まあ、部長の口振りからするに性根のほうはちょいとアレみたいやけど。隆星はんと佳之子はんがそのベッピンの取材に行って、部長と光希はんが助っ人とやらに会いに行くんやったら……ウチは別口の情報収集でも担当しよか? 人手がもうちょい欲しいっちゅうんがあったらそっちのグループについて行くけど」


 琴弾景色と銘打たれた資料の文章と写真に目を通しながら感想を漏らし、最後のほうは部室の面々を見渡しながらサングラスをかけたままの顔で再度小首を傾げる。今度は口の中にたこ焼きが入っていないのでちゃんと人間の言語だ。プリントアウトされた画像の中で微笑む金髪の少女は珍しい名前をしているが、ぶっちゃけ一本花生絹という名前もなかなかネーミングセンスがイかれているので、こいつに限っては琴弾景色という名前を変だと思う権利はあるまい。
 こいつの厚かましさが取材で良い方向に転ぶか悪い方向に転ぶかは謎だし、怪奇小説作家の娘で民俗学者の孫娘としては、心霊現象を調査するにあたっての助っ人とやらが何者かも気になる。どちらも人手が足りているというなら自宅の図書館を引っくり返してそれっぽい書籍を選りすぐる時間に当てるし、ともかく生絹としては自分がこれからどの役割を任されることになっても問題ない。割り振られた役目を全力でやかましくやりきるだけだ。大阪の娘は根性と勢いとその場のノリだけで何でもできると思っている節がある。


>祠堂元人様&及川光希様&有野宮佳之子様&佐伯隆星様&ALL様

9ヶ月前 No.12

水没王子 @umeboshi ★chfNVTLIUI_Hej

【神嶋高校・旧校舎/新聞部室/如月 椿】


「お手洗い行ってた。ただいまー。」


怠い、そして不機嫌。その言葉にそのまま肉体を与えたような顔をしている少女が入って来たのは旧校舎の教室。普段なら彼女にとって放課後と言う時間は面倒な授業から解放されて邪魔するものも居らず、まさに夢のような時間なのだが、この日はそうではなかったようだ。


「廊下まで筒抜けなんだよね。まーたうちの部長さんは面倒なことを…いいじゃん、新聞なんてそれっぽく書いとけばさあ。」


手をハンカチで拭きながら怠そうに足で教室のドアを閉めて、そのままふらふらと近くの椅子に腰掛ける。うちの新聞部は勢いが良いのが取り柄だが、それが逆に面倒事を招くことも少なくはない。と、言うより毎号毎号流布する度に何かしら面倒事を引き起こしてる気がしないでもない。教師に注意されるなんて可愛いもので、とある部活の記事を描いた時には暴動寸前になったこともある。そんなモノは巡り巡って椿の元へ来ることも多々ある。
そんな事を踏まえると椿がこんな事を言うのは無理もない…と、いうのは八割くらい建前で実際はただ単に面倒というだけ。だが、そんなに面倒が嫌いならば早い話がさっさと退部なりすればいいのだ。そうしないということは、彼女がそんな面倒事をどこか好んでいるという事だろう。

我こそは、と意気込んでいる部員とは対照的に椿は全く動きたくない様子。一方で、自身の食欲には忠実なのかそろりそろりと手を生絹のたこ焼きへと伸ばす。


「私、ここで待機でもいいかな。その女の子、良く知らないけど評判良くないらしいじゃん。その子に何かされるの嫌だし。私は平穏な日常を過ごしたいんだよ。」


こんなトラブルの元凶である新聞部に入っている時点で平穏の「へ」の字もないのだが、そこはもう諦めている。しかし、実際に部長が取り出した資料に載っている『琴弾景色』、彼女は祠堂がそう言うようにあまり良い噂を聞かない生徒だ。少なくとも今回も一筋縄ではいかない事は何となく予想できていた。いや、予想できてしまった。



>>新聞部室ALL様


【こんな事言ってますが無理矢理引きずり出せば何やかんや付いて行くと思います()放置でも全然おkですので皆様に任せます】

9ヶ月前 No.13

本編開始/引き続き募集中! @haine345☆SyFFuyTE.oo ★Android=qGEX45X08v

【神嶋高校・旧校舎/新聞部室/祠堂元人】

>(光希)、佳之子、生絹、隆星、椿

 琴弾とは、要するに『姫』と呼べるタイプの人間だ。自身の周りを敢えてスクールカースト下位の人間で囲み、相手をその気にさせ、絞れるだけ絞り取って最後はゴミのように投げ捨てる。
若くして、既に結婚詐欺の素質を見せ始めている辺り、彼女の悪女ぶりが窺える。今回は取材の対象として浮上してきたが、仮に彼女が件の怪異の目撃者でなかったとしても、何時かは神高新聞部と関わる機会があった事だろう。新聞部は告発者であり、断罪者でもある。彼女のような人間は、まさに格好のターゲットなのだから。
遅刻してきた佐伯隆星が最初に仕事を買って出て、次に憤慨した様子を見せている佳之子が胸を張りながら彼女の相手を引き受けた。……前者については、微妙に事を理解していない気もするが――遅刻者への罰としては丁度いいかもしれない。心の中でニヤリとほくそ笑みながら、祠堂は「そうか、行ってくれるか」とわざとらしく頷いた。

「じゃあ、琴弾の事は佳之子と隆星の二人に任せる。何を聞けだとか、今更俺がとやかく言うのもなにだ。お前達の判断で質問し、お前達の判断で取引してこい。何、責任は俺が持ってやるさ」

 佐伯隆星はジャーナリストとしては、そう素養の高い人物ではない。だがそれは、情報収集以外の分野を見た場合での話だ。こと情報を集める事にかけて、彼の才能はかなりのものがある。
佳之子は……既に馬が合わない事が明らかな相手を前に何かやらかさないか多少心配ではあったが、その辺りは隆星が上手くカバーしてくれるだろうと、そう思うことにした。

「椿か。姿が見えないと思ってたが――フ、今更だな。危険を冒し、深淵を覗き込まなければ判らない真実ってのが世の中にはごまんとあるんだよ。それを深淵から引き摺り出して白日の下に晒す、それがジャーナリストの仕事ってもんだ。
と言う訳で待機希望は却下だ。ちょうどいいからお前には、生絹と一緒に校内での情報収集をやって貰う」

 如月椿――神高新聞部の副部長を務める彼女が、こうしてやる気なさげにしているのはいつもの事である。
面倒事は嫌だ、平穏な日常を過ごしたい。そう零しながらも未だ悪名高き新聞部に名を連ねている辺りが、彼女が本心では新聞部の巻き起こす面倒事を好んでいる事の何よりの証左だと祠堂は思っていた。

「下調べをしたって言っても、所謂目撃者を軽く洗っただけでな。噂に関する情報なり何なり、現状色々と不足してんだわ。お前達二人はその辺、手当たり次第に漁って来てくれ」

 怪奇を暴くには、兎に角情報が必要だ。雨子さんのルーツなり、出回っていない情報なり、直接的な目撃談ではなくとも、雨子さんの出現に伴って発生する"異常な雨"に遭遇した事がある人物だったり。
直接の取材に比べれば些か地味な仕事であるのは否めないが、欠かすことの出来ない重要な役割である。

【光希様からのレスがあり次第、そちらへの反応レスも投下しますー】

9ヶ月前 No.14

本編開始/引き続き募集中! @haine345☆SyFFuyTE.oo ★Android=qGEX45X08v

【夏目探偵事務所/所長室/夏目空人】

>遊雛

「湿気が凄いと言うのなら、そこに追い討ちを掛けるような真似はしないで欲しかったな」

 所長室を訪れたのは、探偵事務所と言うロケーションにとてもではないがそぐわない、十歳前後の幼い少女だった。可愛らしい容姿と、子供らしからぬ物言い。この彼女こそ、対霊探偵・夏目の助手を務める幼子――柊遊雛その人だ。
助手に子供を起用していると聞けば十人中十人が驚愕を顔に浮かべるが、遊雛はそこらの子供とは比べ物にならない程優秀で、聡明な娘である。時には危険を伴ったり、寝る間もない激務だったりする探偵業を完璧にサポートし、今日まで仕事を続けていると言うのだから、その実力は推して知るべしだ。
尤も。良識のある人物ならば、子供を危険に晒したくないとそれらしい事を言って仕事から遠ざけるのが普通だろう。夏目空人と言う男がそうしない理由は、単純明快にして簡潔明瞭。
――夏目は、幼子が近くに居ないと全力を発揮できない、モチベーションを維持できないタイプの人間なのである。此処で性癖と言う言葉を用いなかったのは、誉れも高き対霊探偵へのせめてもの敬意だ。

「雨が入ると嫌なんだがね……とはいえ、このままじゃ部屋に菌糸類が生えてきてもおかしくないな」

 言うと億劫そうに椅子から立ち上がり、立て付けの悪い窓を異音を立てながら開ける。
……外のじめついた空気が流れてくる。やはり梅雨と言う季節は、人間を不快にさせる為に存在しているとしか思えない。夏目は早く今月が終わって欲しいと願いながら、再び椅子に腰を下ろした。

「普通の仕事なら断るよ。懐が潤っている時に、わざわざ工藤新一なり、金田一耕助なりの真似事をする必要は何処にもないからね。ただ、怪異関連の仕事なら話は別だ。
君も知っていると思うが、あれらは人間社会と幽世を隔てる境界線を平然と踏み越えてくる災害だ。目の前に災禍の予兆があったなら、食い止めなければ明日は我が身、と言う事も有る」

 無論、それだけではない。
彼は追っている――とある存在を。
この神嶋の街に潜み、怪異を招き、人の狂乱を愉しんでいる絶対の悪を。

「まあ、今はどちらの依頼もないけどね。ただ――……今日はどうにも空気が良くない。面倒事が運ばれて来る予感がする。今日のおやつを賭けてもいいが、今から一時間以内にこの部屋の黒電話が耳障りに鳴り響くだろう」



【神嶋高校/ゲーム研究部室/朝桐御鳩】

>ましろ

 以前までの様子に輪をかけて寡黙な、近頃の御鳩。
七塚ましろと言う部員は、誰も気にも留めない路傍の石である彼女の様子の変化に気付いている、数少ない人間だった。御鳩も、ゲーム好きとして彼の事を快く思っている。
御鳩はある程度好き嫌いでジャンルを選ぶが、ましろはやろうと思えばどんな物でもプレイし、楽しむタイプのプレイヤーだ。そんな彼の姿勢はリスペクトして然るべきだろうと、御鳩は彼を高く評価していた。
……しばらく、無音の時間が続く。ボタンの音とゲームの音声だけが響く、狭い部室。そんな沈黙に耐え兼ねてか、ましろは不意にとある話を切り出した。
噂話――学校と言う場所にはいつの時代も付き物である、怪談だ。

「……そうなんですか?」

 ましろとしては、沈黙を切り払う為に振ったのだろう話題。
それに、御鳩は今日初めて彼の前で口を開いた。文字としては短いが、最近の御鳩はそもそも、話すという事自体が稀である。こうして言葉を返した事が、その話題に彼女はある程度の関心を持っていることの証左だった。
雨子さん――ゲーム研究部とは、何ら縁の無いだろう話題。……それでいて、今この時、ジャーナリスト達の手で大きく芽吹かんとしている噂話。糸は、見えざる場所で繋がろうとしていた。

9ヶ月前 No.15

織恵 @orie1008 ★iPad=wzvagDhvp3

【神嶋高校・旧校舎/新聞部室/及川光希】

祠堂の提案に気分が舞っている及川に更なる朗報。

「おっと、悪いが光希は俺と来てくれ。何しろ俺も、形のないバケモノと相撲取るのは初めての経験だからよ。ちょっとばかし助っ人を用意してあるんだ。これから一時間ほど後に、その助っ人と落ち合う予定になってる。
 ……て言うか、これからなるんだけどな。光希には、その人の所まで付いてきて貰いたい」

今までの気分が更に空へ舞い上がる。そして祠堂の言葉の余韻がなくなってから一瞬思考も止まる。崇拝する、憧れの指導からのまさかの指名。つい手からデジカメがするりと落ちる。首にかけていた紐から重力を感じ、ふと気が戻る。

「祠堂部長!!ありがとうございます!どこまでもついて行きます!心霊現象担当の血が騒ぎます!!私にできることがあれば何なりとご命令ください!!一時間後がこんなに楽しみなのはいつぶりでしょうか」

やったやった、と呟きながら再びカメラを手に撮りシャッターをおろす。祠堂に一目置かれたということに及川は喜びを隠せない。

「やっと私の出番ですよ!いやぁ、皆さん今日も元気そうですね!!」

今度は祠堂以外の部員にも何度もレンズを向ける。

>>新聞部部室all

【すみません!部室allとさせていただきます。】

9ヶ月前 No.16

すずり @suzuri0213 ★Android=nMqLjsjQcP

【神鳴高校・旧校舎 / 新聞部室 / 有野宮佳之子】


「ええ、私にお任せくださいな!ジャーナリストの意地を見せて差し上げますわ!」

誇らしげな━━━━俗にいう“ドヤ顔”をしながら佳之子は自分の胸を叩いた。残念ながら叩いた手は跳ね返ることはなかったのだが……まあそれは気にしないでおこう。同じく聞き込みをすることになった隆星に「頑張りましょうね!」と声をかけた。
ふとたこ焼きの香りを感じてそちらを向くと、生絹がたこ焼きをこちらにちらつかせていた。あまり空気の読めない佳之子にもその意図はわかる。ぐぬぬと小さく唸ってから、仕方がないとでも言いたそうな表情を浮かべてみせた。

「こうなってはいただくしかありませんわね……ありがたくちょうだいいたしますわ」

はふはふしながらたこ焼きを頬張り、副部長の如月椿をちらりと見る。待機希望をあっさりと却下されてしまった彼女の肩を、佳之子はぽんと軽く叩いた。

「人生、平穏なことばかりではありませんわ……副部長さん。生絹さんがたこ焼きを持っていらしているから、よければ召し上がってくださいな」

あたかも自分のもののように言ってはいるが、たこ焼きは生絹のものである。佳之子なりに慰めているつもりではあるのだが、周りを容赦なく巻き込むから佳之子はタチが悪い。

「あら、私は毎日元気ですわよ?……光希さん、我らが新聞部の心霊担当たるもの、部長さんと共に頑張りなさいね。まああなたなら大丈夫でしょうけど」

光希の向けたレンズに向かってピースやいわゆる小顔ポーズをしながら、佳之子は珍しく先輩らしいことを言ってみせた。佳之子も佳之子で仕事を請け負っている身ではあるのだが。

>>新聞部室all様


【神鳴高校 / ゲーム研究室 / 七塚ましろ】

今回初めて言葉を発した御鳩に、ましろは嬉しさと安心ゆえかぱっと表情をほころばせた。自分の話に食いついてきてくれたことが嬉しかったのだろう。ましろの声はいくらか高くなっていた。

「実はそうなんだよ!なんだかどんどん噂が大きくなっちゃってるみたいだし、ちょっとやだよねぇ。あ、でもボクたちはホラーゲームである程度は対処法を学んでるから、なんもしてない人に比べたら大丈夫なんじゃないかなぁ」

それから、と続けようとしてましろははたと口を閉じた。“雨子さん”と言えば、あの琴弾景色が彼女(と呼んでいいものかはわからないが)に触られたといつか言っていたのを思い出した。景色のことだから他の者の関心を惹くための嘘かもしれない。しかしましろが実際に“雨子さん”と関わったわけではないからどうこうは言えない。

「御鳩ちゃんも気を付けてね。お化けってなにしてくるかわからないじゃない、とにかく会ったら逃げるしかないよ。なにかあったらボクに言ってね、ボクで良かったら相談とか乗るから」

最後の言葉は“雨子さん”に限ったことではない。少しだけでも御鳩の悩みや心配事はなくしたいのだ。ましろもそれほど聞き上手というわけではないけれど、話くらいなら聞くことができる。

>>御鳩ちゃん、ゲーム研究室all様

9ヶ月前 No.17

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9ヶ月前 No.18

織恵 @orie1008 ★iPad=wzvagDhvp3

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9ヶ月前 No.19

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★Ywte4t2Nfq_Q1n

【 神嶋高校・旧校舎・新聞部室/ 一本花生絹 】


 たこ焼きを無言のアピールで勧めていれば、勧めていた相手である佳之子と隆星より先に花摘みから舞い戻ってきた椿がソレをひょいと口の中へ放り込んだ。今日も今日とて気怠げでダウナーな風情である。部長の成すことを普段から面倒だと言っている割に、ずっとこの部に在籍し続けているあたり彼女の本音はわりと正反対のものなのだろう。いや、新聞部の皆は好きだけど新聞部の仕事は怠いとかそういった気持ちであることも考えられるが。
 部長に褒められた嬉しさのあまりこちらにまでシャッターを切ってくる光希に無言のダブルピースを返しつつ、椿と同じくたこ焼きを頬張る佳之子が何故かたこ焼きを己の持ち物のように椿に勧めている会話を聞き流す。大阪人としては「そうそう、このめっちゃ美味しそうなたこ焼き食べてお姉さんも元気出し……って、なんでやねん! それウチのやろうが!」くらいの軽いツッコミは入れておくべきかと真剣に悩んだが、この流れるように話が進んでいく空間では一つのボケにいちいちツッコミを入れていては流れに追いつけなくなってしまう。あと佳之子には自分がボケたという自覚はないだろう。彼女はそういう性格の女性だ。


「一緒に校内の情報収集か。承知しました、やらせてもらいますわ。ほら、行くで椿。放課後に何の用もなく廊下で屯しとるような暇人どもに突撃インタビューや。あ、その残ったたこ焼き誰か食べといてもろて大丈夫なんで、適当に消費しとってください」


 部長からの指示を受け、確実に渋るだろうことが予見される椿の左腕に右腕をがっしりと絡め、付き合って二日とたっていないイチャイチャしたカップルのような体勢のまま、空いている左腕の立てた親指でぐっと部室の出入り口を示す。GOサイン。わかりやすいジェスチャーだ。これをやっている生絹の顔に未だサングラスがかかっていることも相まって、細かい所に目を瞑ればどことなくハリウッド映画のワンシーン的な雰囲気さえ感じられるかもしれない。本当に、細かい所に目を瞑ればの話である。
 ちなみにキャリーケースは大変行儀が悪いが、持ち手のところに足を突っ込んで足を動かせば勝手にキャリーケースもついてくるような状態にしてあった。扉を指し示すのに使っている左腕を使えよと言いたくなるような光景だが、この左腕に先に任せた仕事は扉を指し示すことだから仕方がない。ないったらないのである。
 これで椿が自主的に動こうとしなければ力づくで引きずっていく気満々で彼女の返答を待つ。引きずるのが辛くなれば、最悪、キャリーケースの上にでもちょこんと座らせてそれを台車みたいに自分が引きずっていこう。


>祠堂元人様&及川光希様&有野宮佳之子様&佐伯隆星様&如月椿様&ALL様

9ヶ月前 No.20

水没王子 @umeboshi ★chfNVTLIUI_Hej

【神嶋高校・旧校舎/新聞部室/如月 椿】


予想通りではあったが、やっぱりあっさりと却下されてしまった。祠堂はあんなことを言っているが用はいつもとやることは一緒である。その危険に対する見返りが少なすぎると椿は思うのだが。
「ちぇっ、そう言うと思ったよ。」なんて小さく愚痴を漏らした後、全身の力を抜いて机に突っ伏す。そんな椿を哀れに思ったのかどうかは知らないし、多分そこまで深く考えてはないと思うのだが、佳之子がたこ焼きを勧めてきた。それも生絹のたこ焼きを。

たこ焼きをくれるのは嬉しかったが、何となく普段からハイテンションな彼女に慰められるという事と、年下に人生を語られるという事が気に食わなかったので


「……まな板。ベルリンの壁。ぬりかべ。」


そう相手にギリギリ聞こえる位の声でつぶやいた後、お返しと言わんばかりに少しドヤ顔をしながら胸を張ってみた。冷静に考えてみればくだらない事だが、そんな事を気兼ねなく出来ることもこの部活の良いことだと思う。まあ、自分の行動を正当化するための言い訳でもあるのだが。

佳之子が何か言ってきたらそんなようなことを言って誤魔化そう、そう考えていたら生絹が突然左腕に抱き付いてきた。あまりに唐突だったので少し驚いたが、その後に生絹が親指で部室の出入り口を示した事で彼女の意図が理解できた。


「ええ……動きたくないのに……。すーずーしーちゃーん、ねー、おねがーい。私ここで待ってるから。ね?」


一度は椅子から立ち上がったものの、直ぐにやる気を失って生絹に正面から抱き付く。相手にとっては自分よりも大きな相手がだらだらと抱き付く、というよりも纏わりついてくるのでうざったいことこの上ないだろう。

「一応言われた通りにするけど、勿論ご褒美はあるよね。ね、生絹?」

もしかしなくてもこのままだといずれ無理矢理引きずり出されそうだったので、今回は渋々部長の命令に従うことにした。……生絹に抱き付いたまま。


>>有野宮 佳之子様 一本花生絹様 新聞部ALL様


【分かりやすくするために文字色を変えてみました。】

9ヶ月前 No.21

すずり @suzuri0213 ★Android=nMqLjsjQcP

【神鳴高校・旧校舎 / 新聞部室 / 有野宮佳之子】

本日二個目のたこ焼きを頬張りながら、佳之子はちらりとたこ焼きの持ち主(と言うべきか)である生絹を盗み見た。美味しくてついついいつもお菓子を食べるようにつまんでしまったが生絹はなにも言ってこない。まあなにか言いたそうな表情をしてはいたが佳之子は細かいことは気にしないタチだ。ラッキーですわ、くらいの軽さだった。

「……副部長さん、少なくとも私は天保山くらいはございますわよ?それに人間っていうのは━━━━器の大きさではなくて?」

横合いから聞こえてきた椿の言葉を佳之子が聞き逃さないわけがなかった。にこぉ、とどこかどす黒いオーラを漂わせながらそれらしいことを言ってみせた。もっともあまり説得力はないしむしろ寂しさしか感じないが佳之子にとっては気にすることでもないのだろう。なにせこのようなやり取りは日常茶飯事なのだから。
しかしながら去っていった椿を見送りながらも、佳之子は自らのそれを見て「……まな板……ベルリンの壁……ぬりかべ……」とぼそぼそ呟いていた。

>>新聞部室all様


【神鳴高校 / ゲーム研究室 / 七塚ましろ】

しゃべっただけでもかなり珍しいというのに、御鳩はかすかにだがましろに微笑んでくれた。なんだ、笑えるんじゃないと安堵する一方で、その笑みが悲しげだったことがましろの心には引っ掛かった。

「そっ、か……。うん、そうだね。噂しすぎるのもよくないよね!」

ゲーム画面をずっと見ていたからか、ましろは目をこすると大きく伸びをした。閉めきっていたからか、ゲーム研究室はどことなく埃っぽく、じめじめとしていた。換気をしようにも生憎の雨である。単刀直入に言えば、すこぶる健康によくない環境だ。たまに掃除をしなくてはとは思うものの、最近では他の部員がまともに来ないのだから話にならない。

「御鳩ちゃん、少し休憩しない?ほら、ずっとゲーム画面見てたら目によくないよ。せっかくだし、購買行ってみない?お菓子とかジュースとか買いたいんだけど……御鳩ちゃんはどうする?」

無理に連れ出すのもよくないとは思うが、“雨子さん”の噂のこともある。ましろとしては、御鳩を一人にしたくはなかった。

>>御鳩ちゃん、ゲーム研究室all様

9ヶ月前 No.22

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★Ywte4t2Nfq_Q1n

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9ヶ月前 No.23

夕邑三日月 @mistydark☆NIljAHmRyhk ★R3lMq2ye0U_qxX

【神嶋高校・旧校舎/新聞部室/佐伯隆星】

「ハイっ!?」
 突然同級生から名前を呼ばれて、何やら後ろめたいことを隠している小学生よろしく威勢のいい返事をする隆星。傍目に分かるほどビクついているのは、事実彼がたこ焼きを「美味しそうやな〜食べたいな〜」と思っていたからであり、このくらいオーバーアクションの方が周りにウケて溶け込みやすいと常日頃から意識しているせいでもある。そんなこんなで建前上は我慢すべきという佳之子の言葉に同意してしまった隆星だが、直後たこ焼きを頬張っている生絹の方から食べるか? と言わんばかりのジェスチャーが飛んできた。それに隆星よりも先に反応したのはあろことか佳之子の方であり、となれば彼が遠慮する理由は何処にも無い。
「いやぁ、恩に着るわぁ……腹減って死にそうやってん、また今度何か返すわ」
 神様仏様生絹様、と顔の前で一度手を合わせ、そのままの姿勢で右手だけを船皿に伸ばしてつまようじとたこ焼きを掻っ攫う。まだ温かいソレは小腹を満たすにはちょうど良く、自称飢え死にしかけていた男は幸福感に顔をほころばせる。
 新聞部部長がとある名前を口にするまでの、ごく短い間だったが。

 ゴフ、と、誰かが何かを喉に詰まらせたような音がする。その発生源たる男、佐伯隆星はこれまた大袈裟に胸を叩き、肩で息をしながら若干涙目で部長こと元人の顔を見上げ。
「……今、琴弾言いました? 琴弾ってあの琴弾景色? あの両極端な良い噂と悪い噂しか聞かん琴弾景色? うっわぁ……」
 やらかした、と隆星が思っているのは彼の台詞に全て現れているが、もう後の祭り以外の何者でもない。今回のコンビになるらしい佳之子の声援を受け、隆星は机に突っ伏して項垂れた。
 琴弾景色の情報は、コミュ力の塊である隆星の所には耳にタコができるほど届いている。良い噂の出所は、彼女に心酔する取り巻きたちから、悪い噂の出所は、彼女にこっぴどく捨てられた男やいじめ被害に遭った女生徒から。どちらが彼女の本当の姿かなんて考える必要もない。
 その他の部員のたこ焼きや役割、双丘に関するやり取りなどどこ吹く風、暫く机に突っ伏したままうーとかあーとか呻いていた隆星だったが、数瞬の沈黙の後、バッと顔を上げた。

「あぁ、もう良ぇわやったるわやったろうやないけ! 奴さんゲーム研究部やんな? ゲームにはゲームや、攻略法聞きに行きがてら潜入調査でそのままインタビュー! これで良ぇやろ?」
 どうやら遅刻した自分を恨み、何かを諦める為の儀式だったようである。それが済んだ今、隆星は取り敢えずの方針を示した。

>新聞部ALL様


【夏目探偵事務所/所長室/柊遊雛】

「部屋にキノコが生えたら夏目さんの食費が浮きますね」
 もう此処まで来ると、遊雛は部屋の湿気を減らしたいのか増やしたいのか分からなくなってくる。テキパキとタオルを広げながら辛辣以外の何者でもない言葉を紡いで見せる遊雛だが、彼女は親しい間柄の人間程扱いが雑になってくるタイプである。恐らくそんなことはとっくに見抜いているであろう探偵がどのように受け取るかは、敢えて考えないようにしているが。
 ガタガタと異音を立ててではあるが窓が開いたことを確認し、空人の言葉を聞き流しながら、遊雛はハンガーにかけて広げたタオルドアや棚など自分の手が届く出っ張りに引っ掛けていく。壁の一角を白で埋め尽くした辺りで満足し、椅子に座る彼の方へと向き直った。

「対霊探偵なんて肩書も難儀なものですね。行く先々で殺人事件を発生させる小学生よりはよっぽどマシですが」
 何せ、明確な悪意で以て人が殺せるのは生きている人間だけなのだから。仮に怪異が人の命を奪う災厄であったとしても、その事象自体は天災と何ら変わりない。しかしその天災を面白おかしく囃し立てる一部の人間が、連鎖的に、ねずみ講的に新たな犠牲者を発生させる。恐れる人が居なければ、怪異などこの世に存在し得ないのだから。閑話休題。
「……38分」
 一時間以内に電話が鳴る、そう断言する空人と時計と電話を交互に見遣った遊雛は、徐に告げた。
「今から38分後、それ“以外”のタイミングで電話が鳴ったら私に東京駅でしか買えない限定のチョコタルトを奢って下さい。夏目さんのそう言う予感は当たるんです、おやつを賭けると言うならこのくらいのハンデがないと面白くありません」
 これで38分後に電話がかかってきたら、遊雛は別の職業に転職できる。しかしそんな無茶振りをするのも、遊雛なりに澱んだ空気をどうにかしようと思ってのことなのかも知れない。

>空人様

9ヶ月前 No.24

すずり @suzuri0213 ★Android=nMqLjsjQcP

【神鳴高校・旧校舎 / 新聞部室 / 有野宮佳之子】

突然威勢のいい返事をした隆星に、さすがの佳之子もびくりと肩を揺らした。怖いもの知らずな佳之子ではあるがなんにでも驚かないというわけではない。はぁ、と胸を撫で下ろした。

「も、もう……びっくりさせないでくださいな。危うくたこ焼きを詰まらせるところでしたわ」

まあ実際に詰まらせかけたのは隆星の方だったが。佳之子とて琴弾景色の噂は良くも悪くも聞いている。いわゆるお嬢様気質な佳之子だがクラスでは浮いているわけでもなくクラスメートとの関係は良好だ。やれ一年生に可愛い子がいるだのやれ一年生にろくでもない奴がいるだの、噂だけなら飽きるくらいに聞いていた。実物を見たことはなかったが、存在くらいなら知っている。

「佐伯君のクラスでも噂になっておりますのね。私のクラスメートも同じように言っていましたわ。とりあえず私の敵ですわね、ああいう類いの人間は」

そんなこんなで椿との言い争いに発展したわけだが、なぜかことの成り行きを見ていたらしい生絹が仲裁に入ってきた。彼女はどっち付かずなそれの持ち主ゆえに佳之子も怒りの感情は起きなかった。

「そうですわね……私としたことがやってしまいましたわ。生絹さん、巻き込んでごめんなさいね。副部長さんも。……その挨拶はどうかと思いますが……お互いにお務め頑張りましょうね!」

佳之子はどこで覚えたのかはわからないがプロ顔負けの敬礼をして二人を見送った。このお嬢様は最近戦闘機や軍艦のプラモデル作成にハマっているらしい。少女らしい趣味とは言えないが歴史を学ぶのはいいことだし、映画などを見てはワアワア号泣している佳之子は心を打たれているのだろう。

「私たちも頑張らなくてはいけませんわね……。この有野宮佳之子、有野宮家の名にかけて有力情報とおすすめのゲームを掴んで参りますわ!」

最近ゲームにもハマっているらしいお嬢様は、ぐっとガッツポーズをしてみせたのであった。

>>新聞部室all様

9ヶ月前 No.25
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