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魔女の【ヴァルトラウテ】

 ( オリジナルなりきり )
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Gothic×仄暗いファンタジー×剣と魔術の戦争 @nisemodoki ★hELxStGP5l_8ER

「 北東端の大地に魔女が巣食った日。200余年程前のあの夜。
 大魔術師の血が治める大地”ヴァルトラウテ"は呪われた戦線と化した。

 首都・主城内で突如発生した「始祖の魔女」は領主であった大魔術師を殺害。
 その後強大な悪魔を駆り、ヴァルトラウテの北東部に広がる都市”グリムローゼ”を焼却。壊滅したその地に常夜の深き森を生み、大悪魔と共に占領した。
 「始祖の魔女」は大悪魔との間に数多の子をもうけ、生まれた子達はグリムローゼの魔女となり、罪無きヴァルトラウテの民を喰らう。

 ーー”グリムローゼの暗き森”に近づいてはいけない。"ヴァルトラウテ"の民は魔女の贄、生命は全て魔女の物。ーー 」


 ヴァルトラウテとその周辺の地域に伝わる史実。「始祖の魔女」の現れた夜から数世代を経た、今に生きる民の持つ歴史。
全ての始まりである200余年前の夜。あの日あの夜から、魔女達は大魔術師の民を喰らい糧とし、眷属に貶める。大魔術師の子孫である領主は軍と魔術を用い、領民を喰らう悪い魔女を打ち倒す。
それがヴァルトラウテ、大魔術師の大地であったこの地で暮らす者の日常。魔女の支配する夜に怯え、呪われた永別を悼みながら、其れでも生きて朝を迎えられることを喜び合う人生。

領主たる王はいずれ「始祖の魔女」の住む北端の城を攻め落とし、呪われたグリムローゼの暗き森は焼き払われるだろう。
悪逆の「始祖の魔女」はヴァルトラウテによって滅ぼされる。……そんな未来が、勇者伝説に憧れるヴァルトラウテの子ども達、いや、領地に暮らす誰もが夢に見る幸せな結末。


だが、現実は違う。

真実のあの日は。魔女が生まれたあの夜は。

**


あの夜を、「始祖の魔女」の真実を知るのは唯ふたり。


**

語られぬあの夜の惨劇。主城のどこかに隠された、作者のない古びた書。

「 その”夜”までは、まだ一帯が全て大魔術師の支配下にあった。
 伝統的にヴァルトラウテの血縁の者達、特に貴族の間では、悪魔を召喚し使役する魔術の研究が行われていた。
 領主家である大魔術師XXXX・ヴァルトラウテの家も例外ではなく、彼は強力な魔術と膨大な魔力を駆使して、大悪魔XXXXXと呼ばれる高位の悪魔の召喚に成功する。
 大悪魔側から持ち掛けられた「領主家で次に生まれる”娘”が10歳の誕生日を迎えた際に悪魔に差し出す」ことを条件に、当時の領主でもあった大魔術師は大悪魔と契約し、長きに渡りこれを使い魔として使役した。

 その後大魔術師の家系はいくつかの代を数え、大悪魔との約束であった娘たる女の子が誕生し、10度目の誕生日を迎える。

 しかし、大悪魔との契約であるその夜、娘の引渡しは行われなかった。誕生日を祝う席の折、子孫を差し出すことを拒んだ大魔術師は、”娘”に手を出そうとした大悪魔をその魔術によって退け、強制的に大悪魔が元いた世界へ還してしまうことを試みる。怒った大悪魔は、娘の引渡しを拒否した裏切りの大魔術師を殺害、更に領主城にいた大魔術師の縁の者、招かれていた民すべてを惨殺する。

 そして誰もいなくなった城で、改めて大魔術師の血族の娘に襲い掛かり、彼女に呪いを掛け記憶を奪い、魔女に変えてしまった。
 大悪魔と魔女はグリムローゼを支配すると、その地の民を眷属に変え魔女を増やした。そして大魔術師の血族とヴァルトラウテの民に更なる報復を与える為、グリムローゼの魔女達に罪も無い領民を襲わせるようになった。

 大悪魔と魔女が去った後、ヴァルトラウテ主城に唯一人残されていたのはXXXXXXXXX 」 ーー(どこかの誰かの古い手記)


 あの夜に至るまでのこと、「始祖の魔女」の真実、あの夜の後領主として台頭した男の素姓、手記に遺された事実全ては隠された。

ヴァルトラウテは悪魔を使役する魔術によって繁栄した地であること。
大魔術師の裏切りによって悪魔に背反され、多くの者は魔術が使えなくなったこと。
グリムローゼの悪魔は、かつて大魔術師の同胞であったこと。魔女は全て、大魔術師の血を分けた娘達であること。

全ての答えの無い儘に。

或る者は魔女を殺した。或る者は魔女に祈った。また或る者は悪魔へ堕ちた。

“あの夜”を、主の思惑さえ、何一つ知り得ぬ儘に。



**


だが、人が知り得ぬのは過去のみに在らず。


**


亦同じく語られぬもう一つの頁。未来を記した過去からの遺物。


ーー「緋色の月が満ち、大地の全てを飲む夜。
数千の月日に唯一度訪れる魔の春。グリムローゼが迎える緋き黎明の日。

悪魔の祝宴の夜。
緋き月の力を得た六魔の呪いの手前、
魔術師の血”ヴァルトラウテ”でさえ、永久の宵闇と夜霧によって、全てを覆い尽くされるだろう」ーー(大魔術師の未来視による手記)


大悪魔が「始祖の魔女」と共に去りて後、ヴァルトラウテ城に遺された最期の紙片。
血で記された破滅の詩。その頁を詠む者は、あの夜を越えることが出来た彼の者ひとり。


**


緋色の月が満ちる夜、ヴァルトラウテは呪いに焼かれ、大地すら残さず夜に飲まれる。……男に残された時間はそう長くはない。


「悪魔の夜が来る前に、あの憎き……を……、そして愛しいあの娘を……。」



        ーー 緋の月が昇る夜まで後 五つ月









【あけましておめでとうございます。2017年もよろしくお願い致します。

 少し前のスレのリニューアル版です。魔女×人類の戦争、剣と魔術のファンタジーと退廃的な空気がメインのスレになるかと思います。なりたい。
 PC含むキャラクターの死、それに類するネタを含みます。好きな方、許容できる方のみ。
 あらすじその他詳細はサブ記事まで。とりあえず詳細説明が終わるまではレス禁でお願いします……。】

メモ2017/02/02 21:02 : 募集中 @nisemodoki★iPhone-6OBHeQDJR0

進行中 緋の月の夜まで…

★あと五つ月(http://mb2.jp/_nro/15494.html-46#a

基本方針 ヴァルトラウテ>>47 グリムローゼ>>48

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ジルベルト @nerokichi ★Android=dW04Pqrh6J

【ジルベルト/ヴァルトラウテ城内】



窓から漏れる月明かりは辺りの影を退かせて屋敷内を我が物顔で照らしている。
絶えず降雪する分厚い雲から顔を出した月は酷く幻想的で、太陽のように主張の激しくないその姿は慈愛を象徴するかの様に佇んでいた。ヴァルトラウテの領民は魔女の夜に恐怖しながらもこの月光を求めているのだろう。人間は魔女とは違い太陽も月も手放せない生き物なのだから。

五ヶ月後にはこれが狂気の夜への源となるのだが。

僅か五つの月を跨げばヴァルトラウテの滅亡の夜に全てが崩壊していく。誰も知る由もない、既に一度崩壊した古城の中で、過去の遺物はそう嘆くのだ。未だ本性を見せる事の無い青白い月は、紅の片鱗を示して残り少ない平穏を嘲笑うが如く輝いた。
その静寂な雰囲気を遠慮無く壊していく低い靴音が響く。薄暗い廊下に並ぶ伸びた窓型の光に一瞬、姿を現し消えるを繰り返して進む影が、肩にかけたコートの先を尾のように引いて通った。その影の主、ヴァルトラウテの王、ジルベルト=ヴァルトラウテは悪魔の夜の根源に目もくれず自身の執務室へ足を運ぶ。彼にとって予言など目的の猶予を決められるだけの出来事に過ぎない。元より始祖の魔女である兄妹を誑かした大悪魔を抹殺する事には変わりはないのだから。
無駄のない動作で自室の中へ入り、コートを適当にスタンドへ掛けて机の前に腰をかける。昼の間に本棚から取っておいたまだ目を通してない魔術書の一つを手に取って、背後の窓から漏れる月の光で目を通し始めた。

一つ目の月で無駄に焦り攻め立て兵を浪費することもない。襲撃をかけるなら次の月だ。自らの領民にも、忠誠を誓わせた兵士にも、格上の存在である神にさえ明かすこと無い、暗闇で目を光らせる己の冀求を腹の奥に潜ませながら、暗い瞳を誰もいない扉へ向けた。

>all



【本編開始おめでとうございます。文章能力の無さで分かりにくくなってしまったのですがこの月ではグリムローゼ襲撃はせず、次の月の襲撃に向けた情報収集、準備を指示として落とします。セリフも無い上絡みにくい文ですがもしよければ誰か絡みに来てくだされば嬉しいです…。また時刻が夜であっているのか分からず結局夜中としてしまいましたが、間違ってましたらどなたかの文で朝もしくは昼に戻していただけると嬉しいです。】

1ヶ月前 No.47

ミネルヴァ @metropia23☆rhQo82JcU2ig ★iPhone=hpAHaaYwlW

【イヴ=ティフォン/ グリムローゼ城 屋根→グリムローゼの森(ヴァルトラウテ領付近)】


深雪の月、この大地において過酷な季節とも言えよう極寒の季節がやって来た。
ヴァルトラウテでは分厚い雲に覆われ雪が降り積もり、都市の建築物や街路までもが雪で覆われ純白の大地と豹変させる。寒さと積もる雪の不自由さゆえ街路は暗く静粛に包まれているが、分厚い雲にも関わらずすり抜けそれらを照らす月は街を白銀の世界へと何とも幻想的な風景を生み出している。
そして、普段はじめじめとした霧に包まれた不気味な程に静かなグリムローゼでも雪が多く降り積もり純白と白銀の世界を彩っており、また不快なあの霧も氷霧となり月光により美しく輝かせ神秘的な風景を魅せていた。
常闇の闇夜を照らす白銀の大地にて佇むグリムローゼ城。その中で最も高い塔のアンバランスな屋根上にも関わらず、分厚い雲の上に顕現する月を背に、悠々と立った状態でイヴはそこに居た。いずれ力の源となりうる月の光を浴び辺りの空気を静かに感じ取り、冬の夜独特の澄んだ空気を小さく吸い呼吸を止めると降り注いでいた雪が急に止み始める。その後金色の瞳をゆっくりと開き、辺りの景色を眺め、風で靡く雪のような白銀の髪を手櫛をするようにゆっくりと掻き分け妖艶さを醸し出しながら静かに笑い口を開く。

「フフ…常闇と霧に包まれたこの大地も、何とも美しくかろうな…今宵もまた一段と美しい…。が、この芸術的な白銀も今年で終わり…次はこの大地も緋色となり得るだろう…」

静かな口調で呟けば、ここから見えはしない筈のヴァルトラウテのある方角へゆっくり視線を向けると先程妖艶さを見せていた小さな笑顔は徐々に不気味な笑顔へと変貌して行き、金色の目は鷹の如く鋭い眼光へと様変わりし、風が急に吹き付け先程止んだ雪が猛吹雪と変貌し、森からヴァルトラウテへと吹き付け始める。

「…それにしても…未だに彼奴らは仮初めの平穏に浸っているのか…はたまた我らの様子を伺っているのか…?…まぁよい…事はなりようだ…あの壁もいい加減目障りだしな…。しかし…ふむ…」

あの壁、果てしなく蒼空まで聳え立つ様にヴァルトラウテとグリムローゼを隔てる暁光の壁、200年前に抹殺した大魔術師の血族の憎き生き残りが領を守るために神を召喚し、それにより顕現した結界であるが少しイヴは思考を巡らし考え込み始める。あの壁により殺戮が出来ず、魔女達は危険を承知で川から侵入を試みそこから領民や弱った騎士を攫うか、稀に森に訪れた領民を攫うなどお零れに縋る状態だ。それに緋色の月を迎えるまでにヴァルトラウテの連中が攻め込んでくるのも時間の問題である、その為にも始祖の魔女は勿論魔女達の力を蓄える必要もある、さてどうしたものかと首を少し傾げるが直ぐに決断が下りたのか考えるのを止め口を開く。

「…仕方あるまい…我が直に動き動向を伺うか…。敵地に入り込むなど…魔女達には少々荷が重すぎる。しかし、それなりに働いて貰わねばな…。」

視線だけを向けていたが、そのまま決断した後体ごとヴァルトラウテの方角を向ければ黒い霧状となり雪が多く降り積もり猛吹雪が押し寄せているヴァルトラウテ付近の森に姿を現せば、目を見開き呪われた各地に潜む魔女達の脳内に呼びかける。

『家族達よ…緋色の月を迎えるために我らの王始祖の魔女にできるだけ多くの贄を捧げよ…、森に居る者はフライヤ川にて派手に暴れ領民…騎士達を攫え…。城に居る者は適宜の判断に任せる…。しかし決して深追いはするな、あくまで…フライヤ川付近で止め目的を終えるか、危険と判断すればすぐ様に撤退せよ。』

決断の内容は魔女達は己が敵地に入り込む時に目立たぬための陽動にすることだった、少々危険を挟むため結果は期待してはいない、派手に暴れれば確実に敵はそちらに目を奪われるだろう、領民を攫えれば尚良し、そう判断すれば命令を下した後呪いの力を弱めて遮断し再び暁光の壁が聳え立つヴァルトラウテを無表情で見上げると同時に猛吹雪が森から吹き付け始めヴァルトラウテを覆い始める。


>>ALL


【ジルベルト様に併せて私も時間を夜として行動させていただきます。こちらは暁光の壁に阻まれているため、魔女達は陽動でフライヤ川で騎士達と交戦させ、イヴは制限されつつも単身でヴァルトラウテに侵入して悪事や敵の視察を兼ねるつもりですが、ダメ出し覚悟で書き込んだため駄目であれば問答無用でダメ出し書き直しを要請してください。】

>>主様

1ヶ月前 No.48

募集中 @nisemodoki ★iPhone=6OBHeQDJR0

【リューシェ/ヴァルトラウテ城内】


外は雪灯りのおかげで陽が沈んだにしては眩しい夜中だが、最低限の照明のみが灯った城内の廊下は仄暗い。点々と蝋燭の火が揺れる長い通路を、眠らない神リューシェは橙色の光輪の輝きで天上かのように照らしながら歩いて行く。
こんな未明にまで活動している者といえば睡眠の必要がない人外達か昼夜の区別の無い警備兵共、または寝る間も惜しんで魔術で誤魔化し今夜も何かしら読み耽っている領主様くらい。そうなれば夜の間、彼女は常に暇を持て余していた。職務時間である城の騎士達を邪魔するのもあまり趣味ではないし、陽のないグリムローゼを一人で彷徨くのは無謀が過ぎる。この夜も、リューシェは勤勉な領主様にちょっかいを掛けに彼の執務室に赴くのだった。

「ジル! 茶を淹れましたよ! 大方今夜も徹夜する気でしょう、その修業ぶりには常常称賛せざるを得ませんね。」

ノックも礼もなしに、執務室の扉を開け放つ。彼は魔術書を読んでいるだけと決め付けて掛かっている為だ。然して彼は大概、リューシェの予想通り魔術書を読んでいるだけであった。尤も彼にしてみればそれこそ大義の為の奔走の一部であり、邪魔が入るのを良くは思わないということなど明らかなのだが。
しかし、特に腹の中だけの人心など理解出来ず、人外故の人類への不遜を貫くリューシェは彼の許可も無しにズカズカ部屋に入り込み、持ってきた何やら湯気の立つ液体の入った陶器の杯を机の上に置きなから、いつもの調子で語り始める。

「……小間使いの職分に私が手を出すのは本意ではありませんが、折角日中に茶の淹れ方をご教授頂きましたので。微量大麦の蒸留酒を混ぜておいたのでこの冷温にも少しは機能しましょう。」

>ジルベルト
【絡ませて頂きました…!鬱陶しい奴でスミマセン。」




【グリムローゼ側辺りにミシャエル置けるので万が一絡みに来たい方いましたら対応しますね。】
>みなさん

1ヶ月前 No.49

ジルベルト @nerokichi ★Android=twULkCgnJm

【ジルベルト/ヴァルトラウテ城内】


豪快に扉の開く音と共に少女の明るく可愛らしい声が部屋に響く。突然の来訪に対してジルベルトの表情が変わることは無かったが、内心では相変わらず騒がしい奴だと溜息を吐き出していた。姿を見た訳では無いがこの時間にこの様な入室の仕方をするのは一人しか居ない。明らかにこちらの行動を予測しきった食い気味な発言に、書物から顔を上げることもなく返事を返す。

「本意でないのなら行動に移す必要も無いだろう。茶など家僕が用意する。貴様が行うべき職務では無い。」

彼女が暇だとか、少々の気を使った上での行動だとかの配慮などある筈もなく。抑揚のない機械じみた言葉をリューシェに投げかけながら魔術書を捲った。
自身が200余年前に起きた一族大虐殺の生き残りであるという事を知る存在は目の前の神を除いてあの深き森に君臨する悪魔のみであり、それを隠す必要の無いリューシェは他の輩と比べれば対応が楽な方だ。無駄に気を使わせられることもない。しかし彼女には余暇を手に入れた途端ジルベルトを標的とした暇潰しを行ってくるという難点があるが。
そんな戯れ好きな神が直々に淹れたという茶の入った陶器の杯が机の上に置かれ、書物に向かう視線がついに上がった。いつもの如く頭上の光輪により輝いたリューシェの姿に自然と眉間に皺が入ると同時に細められた双眸を彼女へと向ける。
そのまま一言一言を冷淡に回収して、「悴せている状態ではない。喉を潤す行為は現時点で優先するべきとは思えないが、」などと返していたところで、"冷温に機能する"という発言への悪目が思い当たらず言葉に詰まった。人の身体というのは非常に面倒で、体温が過剰な寒暑に晒されると途端に性能が落ちる。リューシェの淹れたという微量の蒸留酒を含んだ茶がその一つである集中力の維持という点で効力を発揮する事は否定することの出来ない事実だ。

「……貴様の行動は理解しかねる。」

目を閉じて一つ溜息を吐き出し、怪訝な表情で杯に手を伸ばした。


>リューシェ



【絡み文ありがとうございます。こんな無愛想な輩に構ってあげるリューシェちゃんが可愛くて仕方が無い。いえ失礼大好きです。】

1ヶ月前 No.50

募集中 @nisemodoki ★iPhone=6OBHeQDJR0

【リューシェ/ヴァルトラウテ城内】


「凡百の人間如きに理解できる筈など有りませんからね。……但し測ろうとする心意気は愚劣ながら嫌いでもないですよ。」

相変わらず色々と理屈を並べ立てながらも、最終的には杯に手を伸ばすジルベルトを見てニタリと口角を上げながら彼の言葉に答える。何の事はない、その選択が彼にとって有益と判断されただけである。事実、気まぐれとは言え茶を淹れて部屋まで運んで来たことについて彼の口からは礼さえ無い。
しかし、しのごの言いながらも素直に篤志を受けるジルベルトにリューシェは気を良くしたらしかった。200を超える歳月を生きているとは言え、神霊であるリューシェから見ればジルベルトでさえその他大勢の人類と大差はない。彼に喉を潤すモノを与える、という行為を動物でも世話するかのように楽しんでいた。

そして彼の性格についてもよく知っている。杯に手を出しながら、内心は既に魔術書の方に思考が移りつつあるだろう。そうなれば問答無用で部屋から追い出されるだろうという予想も付いていた。それを見越してか、礼も言わないジルベルトへのささやかな意地悪なのか、彼が今格別な憎悪を向けながらも興味の対象としては最も効力のあるであろう女の名前を持ち出してみる。

「例の女悪魔めが動いていますね……結界に魔女が幾つも纏わり付いているようですよ?」

と言っても、離れたこの土地からの感知では彼女であってもその程度しか解らない。いの一番に報告しなかったのは、それだけではいまいち大悪魔の目的を図り切れなかったというのもある。勿論魔術書の虫であるジルベルトの気をどうやって他に逸らすか、という暇潰しの挑戦的な意味の方が大きいのだが……。

>ジルベルト
【ヒエーありがとうございます。基本にあまり感想的なコメントしてなくて申し訳ないですがジル様すごく領主のイメージに合ったキャラだと思います……カッコイイ……】




【ミシャエル/湖畔→グリムローゼ境界フライア川】

川付近の湖の畔。本来ならば夜には澄んだ上空に煌く数多の星を映し、霧に沈む森と共に幻想的な青い偉観が見られる筈の鏡の湖面。
そんな湖畔も、湖畔だけではなく、北一帯が今夜は天候が最悪だ。少し前から急激に吹き荒び始めた猛吹雪のおかげである。当然ヴァルトラウテの中でも北の地である此処では冬になればそれなりに雪も降り積もるのだが、視界全てが真っ白に覆われるどころか、碌に前も向けないほどの猛吹雪となれば話は別だ。誰かの魔術か、何かしらの特異な要因で生まれた異常気象と判断せざるを得ない。

全てがホワイトアウトした荒天の中、ミシャエルはいつものやたら着込んだ防寒具の外套に着いたフードを相当目深に被り、森の木を利用して風を避けながら雪の中を川の方に向かって進んでいた。彼にとっては最悪目視の視界は無くとも困る事はない。吹雪の中であっても雪の奥の景色を見失う事も無い。防寒具のせいで顔が全て覆われ、雪のせいで脚取りも悪く、更に真夜中の森の中に一人でいる男という魔女に引けを取らないくらい気味の悪い状態になっている事は自分でも理解できるが、それに構っている余裕もない。


平時の吹雪ならば大人しく屋内に引き篭もっているのだが、今日は最早何もかもが異様だった。彼が引き篭もっていられなかったのは、猛吹雪の中わざわざグリムローゼの魔女達がヴァルトラウテに進行して来た為である。そのタイミングの良さから言ってこの猛吹雪がグリムローゼ側によって起こされたものは確実だろう。

何にせよ、境界に常駐している並の騎士達では悪天の中戦うどころか攻撃を受ける前にその存在を察知することさえ儘ならない。雪だろうととりあえず視界だけは邪魔されないミシャエルは、魔女の群が境界に到達する前に騎士達に迎撃の体制を整えさせる為に仕方なく湖から徒歩でこちらの野営までやって来たという訳だ。
到着するや否や小屋の中で仮眠を取っている騎士達をも叩き起こして、間も無く吹雪の中から波のようにやってきた魔女達と交戦を始める。

「流石にちょっと寒いなあ……。」

ごく近いとは言え徒歩ではそれなりに時間が掛かった上この天候なので実は相当疲弊している。しかしそこは一応騎士の中の精鋭、それだけの条件でも、少しだけ弱音を吐きながらも、間合いに入る魔女達を整然と斬り伏せていった。

>all 【結局置きました。わかりにくいですがイヴ様がけしかけた魔女を迎撃する為の境界の騎士隊です。グリムローゼ側の方々良かったらどうぞ。】



【さて1週間経ちましたがなぜかほとんどの方がいらっしゃらないという……。
あまりダラダラやりたくなかったのですが1ヶ月の期間かなり延ばさないと話進まなさそうですね……;】

1ヶ月前 No.51

ジルベルト @nerokichi ★Android=twULkCgnJm

【ジルベルト/ヴァルトラウテ城内】


自身が茶を飲む姿を至極愉しそうに眺めてくるリューシェから目線を外し、杯を片手に魔術書へと戻した。彼女の予想通りこのやり取りが終われば即座に書物へ意識を戻して、他に用がないのなら立ち去ればいいと退室を促そうともしようとしていた。しかし二の次に出たリューシェの注進に再び意識を持っていかれる事となる。

『例の女悪魔めが動いていますね……結界に魔女が幾つも纏わり付いているようですよ?』

ピクリと分かりやすい反応を示して自身の背後にある窓へ振り返り、静かにその先を見据えた。
大悪魔は何を考えているのか、そんなもの予想の容易い事である。僅か五つ月後に迫った"悪魔の月"までの延命、こちらからの襲撃に対する妨害、そして防衛。唯、闇雲に手下である魔女を向かわせようがリューシェの結界によって弱体化を施され駆逐されるのみ。こんなものは作戦という言葉を知らぬ獣の如き襲撃である。だがあの悪魔が愚かではない事など承知の上だ。その程度の輩ならここまで手こずってはいない。どう考えても陽動。本隊、もしくは大将自身は好奇を狙って潜んでいるのだろう。しかしどちらにしろ魔女の群れを境界防衛兵のみで凌げというのは酷である上不可能、いずれ尽きる。目論見がどうであれそれなりの対応が必要なのは確実だ。
暫く窓外へ目線を置いて直ぐに、しかし余裕のある動作で立ち上がった。近くのコートへと手を伸ばして腕を通さずに羽織る。

「下らん、分かりやすい陽動だ。こちらの干渉に狼狽したか。……リューシェ、貴様も闘争に備えておけ、本命は恐らく別だ。内部に入り込んでくる可能性は十二分にある。もしあの悪魔が来るのなら最悪私も出なければならないが、」

少し足早に歩きつつも冷静な口振りでリューシェへ、また城内警備の兵士へ他の駐屯兵も含めた招集、その内の半分をフライア川へ向かわせるよう指示を出した。どういう目的であれ人間より格上の戦闘能力を誇る魔女からの襲撃というのは軽く見積もれるものではない。深刻な損害を被る可能性も視野に入れながら、自身が先程組み始めていた計策の修正を模索し始めた。
その濁った瞳で、恐らくグリムローゼの深淵に囚われた兄妹を見据えながら。

>リューシェ


【ヒェ、勿体ないお言葉です。とりあえず勝手ながら騎士達を動かしましたのでヴァルトラウテ騎士団の方々はフライア川への援護に行くのも、そのまま残って来たる本命へ備えるのも自由にどうぞ。】

1ヶ月前 No.52

ミネルヴァ @metropia23☆rhQo82JcU2ig ★iPhone=hpAHaaYwlW

【イヴ=ティフォン/ グリムローゼの森(ヴァルトラウテ領付近)→ヴァルトラウテ領 町】

白い大河が氾濫するかの如く大きく畝り、ヴァルトラウテを呑み込み始める猛吹雪の中にも関わらず、雪片一つ着かずに己の顔を隠すかのように黒いフード服を着ているイヴが佇んでいた。此処から離れたフライヤ川付近にて、イヴの命令に従い騎士や領民達を攫いに来た魔女達とそれを迎え撃つヴァルトラウテの騎士達が交戦し始める。聳え立つ暁光の壁の正面にて、目を閉じ両腕を広げながらそれらの力の流れを感じ取る。すると、すぐ様に目を見開き暁光の壁に手を差し伸べ、当然それに反発するかのように暁光の壁はバチバチと唸り始め貫かれていくと同時にイヴの手が少しずつ焼けていくかのように白い煙が立ち上るーーしかし。


「いくら敵に居場所を気付かれぬ為とは言え、力を使わずして生身で入り込むなど少々応えるか…。…ククク…しかし幾百年かぶりに感ずるこの痛みもまた心地よい…」


痛みは魔女達にしてみれば尋常な痛みではない上、下手をすれば身を滅ぼすほどであるが、イヴは無表情から歪んだ笑顔を見せて、壁に溶け込むかのようにそのまま静かに壁を全身で貫けばジューッと焼けたような音を白い煙を立たせながら、壁に隔たれたヴァルトラウテへと足を踏み入れヴァルトラウテの大地を踏みしめると、貫いた壁は瞬時に修復される。
多くの建物が目に入ると黒い霧を纏いその場へと瞬時に移動する。
城や城下町から少し離れたこの町は、城下町程ではないが産業が盛んなため工場や働く者達の住まいなどの多くの建物が建ち並んでいる。その広々とした道なりは多くの働き者達が行き交うが、夜中の大雪にて降り積もったその道は今では静かで美しい白銀の道へと変貌している。
その美しい白銀の道のど真ん中にて、黒い霧が立ち上りその中から黒いフード服を纏ったイヴが現れる。

「ここへ降り立つのも久方ぶりか…相変わらずの美しさだ…。」

その場に悠然と立つイヴは白銀に染まる建物と白銀の道を見てそのような事を口走る。
そして先程侵入した際に焼け爛れた己の両手を眺め、月に向かって手をかざすと、微かにゆっくりと焼け爛れた両手が回復していくが、その様子に満足そうではないイヴは口を開く。

「…ふむ、まだこの程度か…仕方あるまい…。」

と呟いた瞬間、鷹のように鋭く恐ろしい眼差しで背後に顔を向ければ、そこには若く可愛らしい女性がカゴを落として恐怖に震えて固まっていた。女性は突然現れた不気味な女に恐ろしい眼差しで睨まれて恐怖のあまり体が言うことがきかないのだろう、叫ぶことすら逃げる事すら出来ず脂汗をかきながら息苦しそうに震えていた。その様子を見てイヴは、亀裂の入った笑みを見せてゆっくりと女性に振り向き近付いていく。

「さぁ…喰らわせておくれ。」

と女性に対してそう口を開けば、最後の力を振り絞り女性は大声を出そうとした瞬間、先程ヴァルトラウテを呑み込み始めた視界五メートルにも満たない猛吹雪が、虚しくも女性の声をかき消し猛吹雪の中漆黒の霧が微かに見える。暫くすると若干猛吹雪の視界が広がると、そこには女性の姿はなく、傷を完全に回復したイヴは無表情のまま黒いフードを深く被り静かに歩いて行った。

猛吹雪に覆われその白銀の道端に虚しく、先程の女性の落としたカゴが雪にあっという間に包まれて行った。


【大変お待たせして申し訳ありませんでした、グリムローゼ側の人達の書き込みがあってから書き込んで行くつもりでありましたが、いかんせん期間が長引いてしまいましたね…。恐らく自分の分かりにくい書き込みで書き込みしづらくなってしまったのかなと…。それはそうと、私の分かりにくい書き込みで対応していただきありがとうございます。あと、暁光の壁を】

>>主様、All


【場所的にヴァルトラウテ側のみとなっしまいましたがヴァルトラウテ側の方でよろしければ絡んで頂けると幸いです。】

>>All

1ヶ月前 No.53

錆色の鍛冶師 @kaizelkai ★kdFzi0ED3j_mgE

【ヴァルカン・マエスティラ/ヴァルトラウテ領 町】


 今日の店の中は寒い。昨日の夜に激しい吹雪があったようで、外は一面白銀の世界になっていた。子供なら外に出て、遊んでいる所だが今はそういう時ではないらしい。なんでも向こうの魔女達がこちらに攻め込んでいるとかそんな話になっているらしい。街の中の騎士達がフライヤ川に向かっている噂を聞いたので、納得はした。今日はうちの武器や防具を買っていく騎士もいつもより、多かった気がする。しかし、それでも暇になってしまった。徐々に眠気も襲って来る。ドアの開いた音で起きれば良いとそのまま瞼が閉じる。小さく寝息を立て始めると、そのまま意識を手放す。


「 ……―――ッ!? 」


 だが何かを感じたかのように目を覚ます。嫌な胸騒ぎを感じて、少し苦しそうに胸に手を当てる。何か怖いものが近くにやってきたような、気持ち悪い感覚が苦しませる。こんな時に面倒くさい事が起きてしまう、心底嫌そうな顔を浮かべると愛用の金槌を持って、外を出た。表の看板を「closed」と置き換えて、雪の道を歩く。


「 はぁ……はぁ……クソッ、まさか此処に入ってきたのか……なんとかの壁もアテになんねぇな……。」


 胸の苦しみが強くなる場所へ向かう。魔女は光の壁だったかそんな名前でこちらには入れない話だったはず。それは神様が造った障壁らしいが、そんな古臭い壁で守られてるなら、この苦しみはなんだと心の中で吐き捨てる。きっといる、黒い霧を操る白銀の髪を持つ女性が。きっとあれは普通の魔女じゃないのだろう。やはり自分は本当に女性に関する事には災難がよく起きる。歩き続けると、それはいた。吹雪く白銀の世界の中で暗黒に輝く黒いフードの存在。あれだ、フード越しでもわかる。あの異様な存在と恐怖を。初めて会った時の記憶が蘇る。


「 ハハ……マジでいやがった。面倒、くさいなぁ……。」


 その場にどさっと座り込む。額には冷や汗が流れ、冷たい風が身体を冷やす。恐怖より自分に降りかかる災難の存在の一つがこんなにもまた会えた事と、面倒な事が起きるという様々な感情が渦巻いている。何でこんな寒い外を歩き、あれを探した理由がわからない。ただ、苦しんだまま店の中で閉じこもるのが嫌だったかもしれない。そういう事にしておこうと思った。


>>イヴ


【こんばんは。早速ですが、絡みます。戦闘するかどうかは、お任せします。もし戦闘の場合は、全速力で逃げるかもしれませんが(苦笑)】

1ヶ月前 No.54

春宮 @12122404 ★Tablet=4fg2rbSSgp

【ミレーナ/グリムローゼ城近郊の森】

猛吹雪の中、ヴァトラウテの兵士とグリムローゼの魔女達が戦い、大悪魔たるイヴが結界内へ侵入した頃。

グリムローゼ城近郊の森は銀世界に包まれていた。月明かりに照らされ、普段は暗い森も、月の光の反射を受け、銀色に輝いていた。

「雪だー!」

コートに耳まで隠れる帽子、ミトンの手袋を付けてブーツではしゃぐミレーナもまた、そこに居た。雪により所々白くなったフギンとムニンも足取り軽やかだ。「犬は喜び庭駆け回る」のだ。

さて、まずミレーナが取り掛かったのは雪だるま作り。手頃な枝から雪をとり、それを丸めて核にする。それを地面に溜まる雪の表面だけをこそぎ取るようにそっと転がす。

目指すはこの景色と同じ、濁りの無い白。ヴァトラウテに住まう10歳の少年少女は、雪が降っただけではしゃぎ、それが積もったとなると目も当てられない狂乱っぷりを見せる。そこで作られる雪だるまは大きさばかりを求めて土やら枝やら葉っぱやらが混じり、形も悪い。

そうなるのは仕方がない。雪だって有限なのだ。平和な取り合いの中で「綺麗な雪」など選んでられないのだ。

この場所に踏み入れる者は敵意を持った騎士か、自らの眷属くらい。今はそのどちらもフライヤ川に居る。つまり、雪を独り占め出来るミレーナはいわゆる「勝ち組」なのだ。

綺麗な雪を求めて歩き回っても競合する相手がいない。子供にとってそれほど都合の良い雪遊びはないのだ。

「出来たぁ!」

落ちていた枝を手に、小石を使って顔のパーツ、そして、城から持ってきたバケツを被せて完成したのは━━


━━雪玉を幾つか重ね、簡単な装飾を施したとは思えない、異形のモンスターだった。


湾曲した胴体はどうやって重力に抗って居るのかと疑いたくなるほどぐにゃぐにゃと捻じ曲がり、頭には何故か正中線に沿って大きなヒビが入り、地面との接地面はこれでもかという程に小さい。

例えるなら、ミノタウロスとスライムの不快な部分を合わせ、案山子の骨組みに貼り付けた様な、そんなモノだ。

「会心の出来ね!稀代の芸術家と言われても疑わないレベルだわ!」

流石の忠狗達もこれは理解しかねるのか顔を見合わせ、「くぅーん」と困ったような声を出す。

「さあ、どんどん作るわ!この世に芸術を残すのよ!」

もうお分かりかと思うが。ミレーナには絵を描いたりものを作ったりする才能が致命的に独特なのだ。

この森を異形の雪像の展覧会にされないよう、そろそろ誰かが止めなくてはならない。

≫all

【皆さんが物騒な雰囲気になっている中、雪遊びに勤しむ始祖の魔女ちゃんです。呪い渦巻くグリムローゼですから、その内雪像達が動き出すかも……(無いです)】

1ヶ月前 No.55

スサ男くん @kodai4370 ★iPhone=nHvdad0K0Z

【 ジュリアス/ グリムローゼ境界フライア川】


全てが白く染まる、感極まった永遠の世界。その穢れなき純白の中には何物も存在しない。突如として吹いてきた異常な猛吹雪を前にして、ただゆっくりと静かに流れるこの川を見てそう実感する。歩きながら下を見ると足跡がくっきりと付いていた、こういう日もたまにはいいかもしれない。


…寝起きのせいであの人の言葉は全く理解できなかったが、言いたいことはある程度脳で判断が付いた。何よりこの吹雪、全ての命に生を実感させるこの綺麗で冷酷な風がその火照った身体を冷まし、持ち前の冷静さに再び輝きを与えてくれる。生きるというのは、やはりこの上ない幸福であり素晴らしい事なのだ。


だが、ここに来て生を邪魔する断罪人が1人。


この白銀の世界の中に、まるで他の何かを存在させまいと魔女達を切り捨てていく者の姿が確かにこの目に映り込んだ。恐らくこの川の境界付近を守る騎士、以前から鉄壁の防御とは聞いていたが本当に堅牢強固なヤツがいるとは正直予想していなかった。だがコイツは周りの他の騎士達とは比べものにならない圧倒的な脅威、魔女達が無闇に特攻ぜす、尚且つ切り捨てられた魔女達を回収するために囮にでもなってやるか。


「…まずは一手…」


ここまで来たらもう止まらない、腰から取り出した一本のナイフを相手めがけて全力で放り投げる。腕の振りを加速させることで猛烈な速さと威力を実現させ、もはや猛獣の牙と言っても過言ではないナイフは白き世界で剣を振るう騎士めがけて綺麗な直線を描き飛んでいった。

>ミシャエル様

【絡ませていただきました】

1ヶ月前 No.56

ミネルヴァ @metropia23☆rhQo82JcU2ig ★iPhone=hpAHaaYwlW

【イヴ=ティフォン/ ヴァルトラウテ領 町】

猛吹雪はいつしか町全体を呑み込み、風雪が高速で多くの建物の間を吹き抜けて行き、嵐のように物凄い轟音を立て建物の中で身を潜め、人々は凍てつく寒さと猛吹雪により軋む建物、この異常な気象に対して恐怖と不安を募らせ無力ながら身を寄せ合っていた。
町中に広がった猛吹雪も城の方へ目掛けて流れて行き、猛吹雪はヴァルトラウテを次第に呑み込んでいく。
轟音と白銀に埋もれる道を悠々と歩くイヴは、更に拡大していく猛吹雪により、町中の人々の恐怖と不安を直に感じ取り、それら負の感情は黒い霧へと変貌して行きイヴの方へと集まっていく。

「他者の恐怖は何たる美味か…、これは礼だ…汝等に良いものをやろう…」

無表情でかき集められた霧を己の体に取り込んだ後、ニタァっと口角を上げ醜い笑顔へと変貌させれば先程かき集められた霧とはまた別の霧が小さな球状になり、その球状の黒い塊は各建物へと霧散して行き眠っている人々の中へと入り込んでいく。が、その行為を暫く続けようとした矢先、背後からどさっと雪の大地に落ちたような物音が聞こえたため拡散させていた霧を一旦中断しゆっくりとその方向へと顔を向けると、そこには極寒の猛吹雪の中にも関わらず恐怖で冷や汗を流し、槌を握りながらも座り込んでしまっている男性の姿が目に入る。
その男性は見覚えがある、たまたま出くわして大悪魔である己に呪われた挙句他の魔女にも獲物として狙われている不運な男性である。イヴはその様子を見て、未だに男性は己に対して恐怖に感じている模様で神の加護の力があるにも関わら呪いが解けていない様子を見て、不気味な笑みを見せた後、ゆっくりと威圧するかのように男性へと歩み寄る。

「誰かと思えば汝であったか…、酔狂よなぁ…身を潜め隠れていればよいものの…我がそんなに恋しかったか…?…それとも…そのちっぽけな槌で我を殺しにきたのか…?」

ゆっくりと歩み寄り、相手の正面にまで近付けば一歩も動けない相手に対して目線を合わせるかのように身を低くした後顔を正面に近付け金色の目で相手を見つめながら、相手の顎をそっと撫で、口を開く。

「ククク…汝がどう思おうが結末は同じだ…無理であろ…?汝は何もできない玩具だ…ただただ絶対なる者に身を委ね…強者の興次第でされるがままの玩具でしかならぬのだ…可哀想に…このまま汝は何も抗うことができず…このまま朽ち果てるのだな…。…だが案ずるな…我は今非常に気分が良いのだ…。」

ねっとりと獲物を締め付ける蛇のように、獲物に対して顎や頬を撫でながら妖艶な手つきと声で相手に恐怖をさらに植え付けていくが、最後に助け綱とも言えない、気分が良いと先の見えぬセリフで相手に選択肢を奪って行き、その後に相手の耳元に顔を近づけて口を開く。

「…一つ…頼みたい事がある…とても簡単な事だ。」

男性の取り扱いを知り尽くしているイヴは、相手の死角で不気味に微笑んだ状態で、妖艶さを放ちゆったりとした誘惑するような心地よい声で相手に頼みたい事があると問い始める。


【あぁ、絡みありがとうございます!戦闘は状況によりますがイヴは悪事を働きにきたのでただ戦闘するだけのような単純な事ではなく、狡猾な感じで立ち回って行こうかと思うので普通の戦闘は多分しないと思います。この後ですが、イヴになすがままにされるのもいいですし、全速力で逃げて頂いても構いません。】

>>ヴァルカン様

1ヶ月前 No.57

錆色の鍛冶師 @kaizelkai ★kdFzi0ED3j_mgE

【ヴァルカン・マエスティラ/ ヴァルトラウテ領 町】

 舞い散る雪が強くなり、吹雪と成る。白銀の世界は獣のように荒れ狂い、その身を冷たく包む。口から出る白い息は激しくなる、強ばった身体に見知らぬ恐怖の対象がそこにいるからだ。落ち着け、呼吸を整えられない面倒な事にはなりたくないと呼吸を整える。視界には球状になった黒い塊があちこちに出て行った。何をしたかはわからないが、ロクでもない事が起きるのは確かである。自分のように悪夢を見させられるか、それ以上の事か。
そしてこの恐怖の元凶である彼女に見つかる。恐怖は最初の時より、慣れた気もするが気を許してはならない。それより、フードを深く被ってて顔はよく見えないが、綺麗な女性であるのは確かであると思う。一息、吸って吐いて彼女と目を合わせた。


「 お、覚えてたのは意外だ、な……てっきり忘れていると思ってたぜ。あれ以来、お前に会ってからたまに夢に出て忘れられないだが?この前の化物女と交互で夢に出るから、こっちはほぼ睡眠不足だバカ野郎……ッ!!あぁ?こんなんで殴ったくらいじゃ死なないだろう、お前。俺の槌はな、誰かを殴り殺すもんじゃねぇ、何かを創るためにあるんだよ。」


 面と向かうと、威圧感を感じる。正面に近付け金色の目がこちらを見つめる、自分の顎をそっと撫でられ、まるで心臓でも掴まられた気分になる。だが自分の想い、その生き方を捻じ曲げない覚悟くらいは持っている。この際だ、言いたい事は此処で言ってしまおう。恐怖に立ち向かうように、言葉の槌を相手に叩きだす。こっちは、数回も人外な存在に会っているのだから。


「 おう、確かにこれじゃ何も出来ねぇ。ただこれだけは言える、普通のしがない鍛冶師がお前のような絶世の美女にこんなに撫でてもらえるなんて、こ褒美か?お前の上機嫌さには感謝しかねぇ。あとはそんな怖い感しまって、普通に撫でてももらえる方が、俺的には好ましい。ついでにこの雪も止めてもらえるとありがたいがな。フゥ…まあなんだ、一生の内に一回ぐらいこんな面倒な事、なかなか起きないからな。 」


 自分の人生は生か死か、どちらに転ぶのかわからないが我ながら言いたい事は言い切った。近くに寄って見えた顔は確かに綺麗であった。その威圧感さえなければ、こんなに身体は強ばったりはしない。開き直りに近い事をやったかもしれないが、割と悔いはない。言い終えると、自分の耳元に彼女の顔が近寄ってきた。一瞬だけ強ばると、誘惑するような心地よい声が響いた。


「 ……ただの鍛冶師じゃ、出来る事は限られるけど、なんだ?」


 自分の命は彼女によって掴まされている。心地の良い声に得を感じつつも、やれやれと呆れ顔を浮かべてその頼み事を聞き返した。どうせ面倒な事だろう、それしか思い浮かばなかった。


>>イヴ


【というわけでなすがままにさせて頂きましたー。逃走については了解しました】

1ヶ月前 No.58

募集中 @nisemodoki ★hELxStGP5l_8ER

【リューシェ/ヴァルトラウテ城内】

 リューシェの目論見通り、ジルベルトは魔女の襲撃と聞いて即座に反応し、外の様子に目を引かれていた。常に陰鬱で淡々とした態度の彼を苦手とする領民や官吏は多々いるが、リューシェにしてみれば彼の興味に対する動向は非常にわかりやすく、扱いには困らない。彼に招かれた身でありながら、逆に手綱を取っているくらいの気持ちでいる。彼女としても単独で悪魔たちに勝ち目がない以上、ジルベルトを何とかして焚き付け、あの悪魔に嗾けることが上策なのである。その為、来たるかもしれない悪魔との対峙に備えろとの命にはひどく上機嫌に、快活な少女そのもののような声音で即答した。

「ええ、ええ。承知しましたとも! 私もあの雌狐には久しく挨拶を出来ていないと思っていたところなのです。……と言っても彼女の居場所の特定までは私では不可能ですね……。」

 ジルベルトの背後を早足で歩きながら、自分がどこへ向かうべきか思案する。

 廊下の窓に流れる景色に目を向けても、流石に南端の都である此処からグリムローゼの様子は見えない。ただ降り着ける雪は先程から一段と激しくなっていた。このまま勢いを増すのであれば視界が確保出来ないという可能性もそう遠くはない。この吹雪があの大女悪魔の仕業であることに違いないのだが、それを覆す程の手立てはない。況してや夜中である。リューシェの権能も万全ではない。騎士達もその半数が出払っている以上、ジルベルトを外に放るのは不安しかなかった。

「……あの獰悪相手に、更に此の悪天です。大した数の護衛も無い夜戦にジルは戦力外でしょう。慎ましやかに玉座で縮こまって震えていた方が賢明ですよ。」

 最悪自分が出て行くという彼を、先程とは打って変わって冷淡な声でそう諌めた。

>ジルベルト【すみません遅くなりました;】





【ミシャエル/グリムローゼ境界フライア川】

 猛吹雪の中だというのに、一頻りの間どれだけかの魔女を狩っていた身体は火照り、外套とフードの中に熱が溜まって暑い。近寄ってくる魔女は悉く斬って捨てた。この灰色の中で視界を邪魔されない彼がそうでもしなければ此方に与える損害、具体的には兵の死傷は考えるだけで恐ろしい。

 まあでも無理だ。多くの魔女を屠り足元に仰臥させて尚、ミシャエルは内心は観念していた。何体かの相手はできても、一掃する程の力はない。真向に戦えるかどうかという人間如きが一人くらいいたところで、結果はそう変わらないだろう。こんな数の魔女が集って来ることなど、其れなりに前線を観続けている彼でもそう見るものではないのだから。

 相変わらず騎士とは思えない程に弱気ながらも冷徹で矛盾のない予測を立てながら、それでも課せられた役として魔女は殺す。作業のような仕事にもちょっとだけうんざりして来た頃、彼の目前に一人の魔女の姿がいた。少し距離を取った所から、此方を観ていると思った矢先。


 彼女の腕が動き始めてからそれが振り下ろされるまで、異様な速度だった。

「…………!……」

 その一振りで投げられた刃物は当然の如く勢いが付く。咄嗟に剣を構え弾くが、これだけ吹雪いているのに真っ直ぐに飛んで来た一撃は、小型のナイフとは思えない程に重かった。
 飛び道具である以上距離を取っていても不利なのだが、あの動きをする相手が早々剣の間合いにまで此方を近寄せるとも思えず、とりあえずそのまま防御する姿勢で様子を見る。

>ジュリアス【ありがとうございます。】

1ヶ月前 No.59

ミネルヴァ @metropia23☆rhQo82JcU2ig ★iPhone=hpAHaaYwlW

【イヴ=ティフォン/ ヴァルトラウテ領 町】


猛吹雪の凍てつく冷気により恐怖と寒さで強張った体を懸命に呼吸を整えて落ち着かせようとする、そして空元気にもこちらの威圧に気圧されまいと言いたいことを己に訴えかけてくる。その恐怖に抗おうとする様子を見てイヴは滑稽に感じ取り、愉快そうな顔をして口角を静かに上げた後、相手の顎を指で撫で回しながら相手の目線に合うようにこちらを向かせると。

「ククク…カカカカカカカカ……面白い男だ…そこまで言うのであれば…我の美貌を堪能するといい…。しかしそうか…それは気の毒で申し訳ないことをしてしまったな…。詫びに汝を夜通しで愛でてやっても構わんが…汝はゲーテの物だ、些かそこまで愛してやる事はできんな…。」

相手が恐怖に抗おうとするものの、同時に己の誘惑による魅了が邪魔をし、抗うにも抗えずただされるがままの状態になる。しかしそれでも健気なまでに覚悟をしているのか威圧をするのをやめてくれと訴えかける相手に対して、両手を相手の双方の頬に手を当て顔を近づける。

「…汝等は食事を妥協するのか?…無理であろ…?我の血となり肉となるのは恐怖のような因子だ…、…よって汝の願いなど聞くに値せず…。知っているか…?人の血と言うものは…生きたまま死の淵に立ち、恐怖と絶望にのたうつ頃が一番美味なのだよ…、我が家族らも恐怖を望んでいるのだ…。まぁ今はそんな事はどうでもよい…」

相手の要望など全く聞き入れる事なく、真逆の内容で、ぶれる事なく淡々とおっかない物言いをしながら静かに返答をし、相手の耳元にまた顔を近付けて囁き、今はただ恐怖を食らう事を目的にしているわけではないと訴える。

「なに…単純な話だ…。…汝等の信じる神とやらに祈り…見苦しく助けを乞うてみよ…。」

心地よい声の中に暗闇のように暗い不気味な感情を発しながら、神に祈れなど助けを乞うて見せろと悪魔らしからぬ事を囁きかける、しかしそれは明らかな企みを秘めながら只々相手に己の願いを訴えかける。

>>ヴァルカン様

1ヶ月前 No.60

錆色の鍛冶師 @kaizelkai ★kdFzi0ED3j_mgE

【ヴァルカン・マエスティラ/ ヴァルトラウテ領 町】


 吸っては吐いての呼吸を繰り返す。こうして呼吸を整えないと、息苦しくて死んでしまいそうに感じる。寒さや彼女の発する威圧感に耐えてはいるが、限界というものは自分にもある。逃げるのにヘマをしたら、それこそまさしく人生の終わり。対する彼女の様子は至極楽しそうに見える。この寒い中でも彼女にとっては寒さも感じないように見える。それもそうか、自分で起こした気象で自分を傷つける真似はしないだろう。自分には考えられない体をしているという事にしておこう。女性にとっても、化物にとっても。大人しく撫でられて、彼女の手の柔肌の感触を楽しんでいる。こんな極寒の中、彼女の言葉に聞き逃せない単語があった。ゲーテ、自分はいつの間にかそれのものになったらしい。


「 ああ、是非とも堪能させてもらう。この街の娼館の女以上に、お前は綺麗に見える……娼館の女と比べたら、それは失礼か。夜通しか、まあ俺は受けでもOKだ、うん。ん?ゲーテ?ちょ、ちょっと待てッ!ゲーテってあれか?色んな生き物の体をくっつけたあの化物女の事か?!俺はッ!あんな女のものになった覚えはねぇよ!!別に俺フリーだから!変な気遣い止めてくれねぇかなぁッ!」


 頭の中にあの女の表情が蘇る。至極楽しそうに、蛇のような舌を出して喜んでいる彼女の表情が。手でブンブンと否定する意味で振り、寒さや恐怖、魅了されてた事が頭の中で吹っ飛ぶ。何故自分はあの女のものになってたのか、吹雪に負けないくらいに焦り混じりに怒鳴るように言い放つ。目の間の彼女とは違う意味で、別の恐怖が蘇る。向こうでは俺はそんな立ち位置でいたのか、というか何故彼女は自分がゲーテに狙われてるのを知っているのか。言い終わると、白い息を疲れながら吐いた。


「 はぁ……はぁ……。そ、そりゃあ妥協はしないけどよ……恐怖と絶望、ねぇ。お前らって―――ってか、近くで見ると綺麗だな。」


 視線を落として不便な生き物だよな、と言おうとしたが止めた。自分に怖がられないと、生きてはいけない存在なのだろう。哀れみを感じたが、それはそれで彼女の逆鱗に触れるかもしれないので寒がっている苦悶の表情の奥に隠した。ちなみに彼女の顔を近くで見れたので、褒めといた。そして彼女の頼み、それは神に助けを乞う事をしろであった。何故そんな事をするのか、思考する。恐怖と絶望する自分の血でも飲むつもりか、そんな答えが頭によぎる。もう逃げられる状況ではない。彼女が何をするにしよ、大人しく従う事にした。


「 ―――…… 」


 金槌を持ったまま、胸元で手を組む。そして目を閉じて、神に助けを乞うつもりで祈りを捧げる。頭を垂れ、表情は強張り、恐怖に包まれる。このまま死んでしまうかもしれないと、更に恐怖を加速させる。吹雪で雪が服の上から積もり、じっとその場から動かない。血を飲むなり、煮るのも焼くのも好きにしろという事にしか頭になかった。


>>イヴ

1ヶ月前 No.61

Nero @nerokichi ★Android=twULkCgnJm

【ジルベルト/ヴァルトラウテ城内】

妙に意気盛んなリューシェに対していつも通り特に反応を示す事無く、騎士達がフライア川へ向かったという伝令からの報告に軽く返事をして窓の外に顔を向けた。
先程の静寂な降雪が嘘の様な猛吹雪である。恐らくあの大悪魔の仕業だろうが、状況要因としては騎士達に重い枷が掛かっているようなものだ。魔女達からすれば主人からの追い風、尚更不利な現状に変わりない。兎に角親玉を探して撒くか首を取ってしまわない限りは湧いて出てくるだろう数多の眷属の存在を考慮し、思うよりも面倒な状況に思わず眉間に皺が寄る。

「吹雪が障壁を超えた。軌道が不自然過ぎるな。あれは奴の手の内のようだがいくらあの悪魔でも障壁外から気候を操作する事など不可能だろう。……既に奴の侵入を許してしまっている。」

だからといってこの広大なヴァルトラウテ領内からピンポイントで大悪魔の居場所を突き止めるなど出来るわけが無い。勿論あちら側も領地の端で餌を取りに来るなど悠長な輩ではないことも承知の上だ。いずれは此処に直接攻撃を加える可能性も拭えない。
そんな厄介な大悪魔と唯一対等に渡り合える神が、背後で先程とは打って変わった冷淡な口調で自身を咎める。その言葉は図ってか考え無しなのか妙に挑発的で高圧的だったが、表情を崩す事なく彼女の方へ身体を向けた。長い付き合いのリューシェならば、この反応など考えずとも予測出来ただろう。

「……障壁の領域内とはいえ夜陰だが、一人であの悪魔を確実に相手取る確証が貴様にはあるのか」

傍から見れば対抗するような煽りと感じる発言であるが、決して挑発などではない。元よりジルベルトが挑発等と言う器用な真似が出来る訳が無い。それは単純に彼女が大悪魔イヴに対等な闘争を出来るのか、その確実性を確かめているに過ぎない。こちらの過信で最も重点的な戦力を失うということは即ちヴァルトラウテの敗北と滅亡を意味する。慎重にならざるを得ないのだ。
ジルベルトの暗い瞳が、然し真直にリューシェを見据えた。


>リューシェ


【大丈夫です、私も大概遅いので…;】


【ゲーテ/グリムローゼ城近郊の森】


パチリと左右黒白の双眸が開く。空を見ると、大きい月が一つ、爛々と輝いていた。呆ける頭で考えて、あ、と分かりやすい単声を一つ。

「……だぁいぶ寝過ごしちゃったァ。寝過ごしたなァ、寝過ごしちゃったわねぇ。」

襲撃の刻は今である。恐らくフライア川の国境では仲間達が悪魔様の命令で人間共に奇襲を仕掛けている所だろう。その脳内に響く命令さえ、完全に眠りに塗り潰してしまった事にあららーと軽い声を上げた。
まぁいい、これから行っても間に合うのは間に合うだろう。騎士の一人や二人首を取ってしまって遅刻のマイナス分も補ってしまえと適当な思考回路をこねくり回しながら、自身の寝そべっていた大樹の枝から軽やかに降り立った。
ストン、と流れる様な音を立てて少量の雪を弾き飛ばしながら着地する。飛んだ雪を簡単に払いつつ、顔を上げたその先には奇妙な姿をした雪の群れがまるでお祭りの如く並んでいた。

「……わぁーお、可愛いぃ□。そうかァ?そうなんじゃねぇのぉ?」

さっきの挽回策は何処へやら。並ぶ雪像の群れを見渡しながら先へと足を進める先、そこにはグリムローゼの長、魔女達の崇拝が、その忠犬達と共に積雪と戯れる姿があった。なるほど、異形のモンスター達を作っていたのは彼女であったのか。たがその抽象的なデザインはゲーテのドストライクな好みであったらしく、彼女もまた目を輝かせながら始祖の魔女の元へ歩む。

「始祖ちゃーん!何しているのォ?してんだァ?こぉんな可愛い雪だるまちゃん達作っちゃってさァ。天才かしら!天才かよ?天才じゃないのォ?」

>ミレーナ


【絡ませていただきます!】

1ヶ月前 No.62

スサ男くん @kodai4370 ★iPhone=nXMEXuDZqQ

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1ヶ月前 No.63

ミネルヴァ @metropia23☆rhQo82JcU2ig ★iPhone=hpAHaaYwlW

【イヴ=ティフォン/ ヴァルトラウテ領 町→広場】

呼吸を整えるも、寒さと恐怖により息苦しさを訴えるも、逃げることもさえも叶わず、ただただなされるがままの状態でその場を耐え忍びながらも誘惑に飲まれつつある、感情の起伏により踊らされている相手を楽しみながらも観察する。凍える中に恐怖して、誘惑されつつもそれらの負の感情に対する抗いは、いつしか体力が奪われる毎に薄れつつはある。一方、凍えるはずの猛吹雪に対して寒さも感じる様子もなく、服には雪片一つも付着しないイヴに疑問を感じているようだ、それを踏まえて相手の反応に答え始める。

「ククク…それは…褒めの言葉として受け取ろう、我は対峙した者は勿論、万象をも魅了しているのだ…、…一つを除いてな…。」

人は勿論、殆どの現象も掌握しているイヴではあるが。一つを除く…それは己自身も美しく思える光という存在、その光は己の持たないたった一つの美しい存在、それから拒まれた尚美しく感じ妬ましく憎い存在。
光という存在を思い浮かべれば、先程からゲーテの愛情を真っ向に否定する相手を無視して少し何か思い詰め、相手と顔を合わせた状態で無表情で呆然とし始める。
しかしその思い詰めた表情から、恐怖と凍えによる体力の低下により死の淵に近付いて行く絶望感と顔に魅了される感情の起伏にふと、苦悶の表情の奥深くに何か感じ取り難い想いを感じ取り、意識を再び相手の方へと振り返る。

「…ほぅ…伏して尚、我に哀れみを感じるか。」

色々な人間を観察し、魅了し、絶望させ、恐怖や憎しみの沼に陥れてきたイヴは感情を感じ取る事は造作もない事であったが、自身が哀れと思われたのは今まで生きてきた中で久しい感情であった。先程の願いを耳に入れ、死を覚悟して言うがままに健気に神に祈りを始める彼に対して頬に手を添えたまま無意識にもクスリと柔らかく笑みをこぼしながらそう小声でつぶやき、猛吹雪により見えぬ筈のヴァルトラウテ城へと視線を向ければ笑みは消えそのまま無表情でゆっくりと立ち上がる。

(さて…汝はどう動くか…神の端くれよ)

祈りをさせる事でここに奴らが駆けつけてくるのか、そもそも間違えではあっても幾人か相手取れば何れ奴も駆けつけてくるだろうと判断すれば、神に祈りを捧げている男に何もせず静かに猛吹雪の中、広場へと歩き始めて行く。


【遅くなってしまった上、下手な言い回しと短くてすみません。そのままイヴについて行くか、ここで回収するかは判断を任せます】


>>ヴァルカン様、ALL

1ヶ月前 No.64

錆色の鍛冶師 @kaizelkai ★kdFzi0ED3j_mgE

【ヴァルカン・マエスティラ/ ヴァルトラウテ領 町→広場】


 襲いかかる極寒の風は徐々に強くなっているような気がする。呼吸を整えてないと、体も満足には動けない。こんな目の前に美女がいるのに、寒い、苦しい、怖いの三連発に流石に、驚く気にもなれない。妙に観察されてるように見られるのを感じており、自分の反応でも楽しんでいるのかと思う。どうやら彼女の前では、自分は玩具当然の扱いである。強大な力を前にして、自分がまだ生きているのは運が良いと思うしかない。


「 ふぅ……そ、そうかい。まあそれだけ美人なら納得、だな。んあ?魅了されねぇのもいるのか……。な、なんだよ……俺にだって選ぶ権利くらいあるだろう?確か、ゲーテだったか?確かに体つきは良いし、顔も悪くはないし、愛想もまあ明るいから良いけどよ……俺の事を剥製にしたがるからなぁ。それだったらまだ血を吸われた方がマシだと思う。 」


 彼女の魅了を持ってしても、心を奪われない相手がいる。男性の同性好き、最初にそれが一瞬で浮かんだが口には出さない事にした。毎日彼女と顔を合わせるのは嫌な気もするが、美女は三日で飽きるという言葉がある。三日連続に彼女と会っていれば、これに飽きるのではないかと思うがそれはないと思った。ゲーテとの愛を否定すると、彼女の表情が無表情で呆然とする。何か気に障る事でも言ったかたと焦るが、女性くらい選びたい権利もある。しかし、異様な姿を除けばゲーテも美人の部類には入ると思う。だが自分を剥製にしたがるあの欲望にだけはどうしても素直に頷けない。はぁと、白い息のため息を吐きながら、ゲーテとの記憶を振り返っていた。


「 ―――……面倒くせぇな。 」


 見よう見まねの祈りの格好からまだ動かない。流石に何もしてこないので、ゆっくりと目を開くと彼女は目の前にいなかった。だが耳元に彼女の言葉だけは聞こえた。哀れみ、確かに彼女達の事を可哀想で面倒だと思っていたが、今まで口には出してはいない。まるで心を読まれたような、本当に自分の心を読まれたかもしれない。色々思う事はあるが、心を読まれる事に呟きながら面倒だと思った。
祈る事を止めて、何処かへ向かおうとする彼女の姿を追う。吹雪の中で走る事は不可能、寒さで身体が上手く動かせない。だがそれでも追いかけるのは止めない。


「 結局、俺に何させたかったんだこのヤロウッ!は、ックションッ!!あぁ……さ、寒い……。」


 祈らせておいてなにもしなかった。吹雪の中でじっとしてたのは身体に堪えるものである。吹雪の轟音でかき消されそうになっても、寒がりながらも叫ぶ。思わずくしゃみをして、両手を擦り合わせる。


>>イヴ


【了解しました。いける所までいこうと思います。】

1ヶ月前 No.65

募集中 @nisemodoki ★hELxStGP5l_8ER

【リューシェ/ヴァルトラウテ城内】

「私を誰だと心得ますか!悪天と言えど我が権能は狐狸一匹程度、訳なく転がして馳せ戻りましょう。」

 妙に訝しげに確認してくるジルベルトに得意げにそう答える。一切揺れない彼の鉄紺の瞳を賢しらに見つめ返し、歯を見せて笑った。
 淡白ながら迫力のある彼と会話していると、尊大な態度を崩さないリューシェでは常に険悪そうな空気になってしまう。但しそれは端から見た様子の話で、彼女自身は彼にそれほど嫌悪を抱いている訳でもなかった。冷徹であるが明晰な分、話が早い。しかしその透徹は既に人間の域ではないのも確か。今のところは完全な主人とは言え、情のない統治者はいずれ敬遠されて足元を掬われるだろうと彼女は実は予想している。彼に伝えたことはないのだが。
 そんな論理の一点張りな彼を知り尽くしているリューシェは、威厳を示すだけの威勢と共に冷静に続ける。

「とは言え、威勢だけでは納得しませんからね、ジルは。……そもそも私だけを狙って此方に侵入すること自体愚策でしょう。夜とは言え奴らも我が光を忽せには出来ません。地の利を得たあの暗夜の森に引き篭もって誘き出す方が確実ですからね。」

 と説明していても、やはり彼が聞き分けのない男だと言うことは重々承知している。あの大悪魔に対峙するのだから尚更頑固になるだろう。どうしても着いてくると言うのであれば、それ以上は止めないつもりでもあった。

>ジルベルト




【ミシャエル/グリムローゼ境界フライア】

 魔女の方も、既に何人かの同輩を斬って捨てた此方をそれなりに警戒しているのだろう。互いに距離を取ったまま膠着していると、彼女の方が他の魔女たちを後ろへ匿った。魔女たちに指図でき従えさせることが可能と言うことは、それなりに高位の魔女なのか。そうであれば向こうから此方を狙ってきた理由も何となく察しは付くが、どうせ斬ってしまうので彼としては何でも良かった。何にせよ、此方としても同時に複数の敵に目を付けられるのは都合が悪い。平時でさえそうなれば分が悪いと言うのに、今は積もった雪に嫌でも足を取られる。滅多打ちにされない方が難しいというものだ。

「……?」

 一対一となればどうとでもなるか……などと思いながら様子を伺っていると、雪の向こう側で彼女がどうやらぱくぱく口を動かしていた。見ようによっては何か喋っているようだが、生憎豪雪の吹き荒ぶ音で此方まで声は届かなかった。
 その様子を見て、そもそも魔女たちはこの中でどうやって視界を確保しているのか、という疑問がふと思い立つ。身体能力は高いとは言え、もしかすると五感やその辺りの条件はそれほど変わらないのかもしれない。向こうも警戒しているのならば、少々強引にこじ開けることも不可能ではない。

 些か早計かもしれないが、どの道このまま距離が開いていても彼方の益でしかない。そう思いながら好機を見計らっていると、彼女の腕がもう一度動く。2本目のナイフが、吹雪の間を一筋に此方へ向かってくる。しかし先程のような不意の一投ではない。この豪風に衰えないくらいの勢いで投げる彼女の腕の強度がどうなっているのかを気にするほど余裕があった。

「……!?」

 ……直後にナイフを持った彼女がものの一息で眼前に接近してくるまでは。
 更に今度は聞き取れた。投げたナイフと突っ込んでくる自分と、同時に襲いかかることで何方かを犠牲にさせるのが彼女の狙いらしい。確かに両方を処理するには、彼女の接近はあまりにも速すぎた。危険性からして彼女の握ったナイフをどうにかするとしても、飛んで来た方のナイフはせいぜい当たるところを選ぶくらいか。

 少し体を傾けて、外套が幾重か重なっている肩口辺りでナイフを受ける。分厚いとは言え勢いに乗って飛んで来たそれは鎧を貫通して肉にまで浅く刺さったが仕方ない。呻き声一つも挙げず、接近して来た彼女のナイフを、両手で掴んでいた剣の刀身で弾き返し、一瞬体制の崩れるであろう彼女の首を狙ってそのまま剣を振る。

 あの接近を一瞬でここまで処理したのだから誰かに褒めて欲しかったが、そもそもこの猛吹雪の中では誰にも見えていなかった。

>ジュリアス

1ヶ月前 No.66

春宮 @12122404 ★Tablet=4fg2rbSSgp

【ミレーナ/グリムローゼ城近郊の森】

「始祖ちゃんじゃなーいーっ!ミレーナだもん!」

近づいてくる眷属の一人、ゲーテにぷんすこ怒るミレーナ。ぷくーっと頬を膨らませる。

別に自身が始祖の魔女と呼ばれる分には別に構わないのだが、それをあたかも自分の名前であるかのように呼ばれるのが気に入らないのだ。まあ、いわゆる幼子のよく分からないわがままなのだ。

だが、自らの作った雪だるま(と呼ぶのを舌が拒否する程のオブジェ)が褒められた事にすぐに機嫌を直し、得意満面になる。

「ふふふ、ゲーテ、貴方にはものを見る才能があるわっ!さあ、一緒にこの森を私の芸術で埋め尽くすの!」

ゲーテが現れたことによって事態が好転すると考えていた二頭の狗は、「あ、コイツもダメなヤツや」とばかりに尻尾を下げて落ち込むが、気を良くしたミレーナは気にもとめない。

「それでね、ゲーテ。お願いがあるの、この頭をあそこにある雪だるまに重ねてほしいの」

ミレーナが差し出したのは、幼子では抱えるのが精一杯という程の頭らしき形をした何か。端的に言えばどこが上下で何処が左右かすら分からないもの。何故か目らしき部分には太い枝が突き刺さっている。

そして、ミレーナが指し示す先には2m程に積まれた雪のオブジェ。例の如く見事な逆三角で地面に突き立つもの。だが、2mもあるその胴体(であることを願う)部分はミレーナがフギンとムニンを踏み台にしても届かない高さだった。

「……ダメ?」

潤んだ目で首を傾げながらお願いをする。

≫ゲーテ

【暴走するセンスの塊(皮肉)。】

1ヶ月前 No.67

Nero @nerokichi ★Android=twULkCgnJm

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1ヶ月前 No.68

ミネルヴァ @metropia23☆rhQo82JcU2ig ★iPhone=hpAHaaYwlW

【イヴ=ティフォン/ ヴァルトラウテ領 広場】

住宅の建物、入り組む工場の町々を猛吹雪が強烈に吹き抜け、風の強さがさらに増していき、吹き抜ける轟音は街に響き渡り人々は建物の中で家族と身を寄せ合い、異常気象に対する寒さや不安と恐怖に晒されながらただただ耐え忍んでいる。
轟音を響かせる白い濁流の中雪道を悠々と歩いて行くイヴは路地を歩いて行くと、住宅や工場で行き交う町々の中で大きく開けた見渡しの良い広場へと到着すると、フードを脱ぎ白銀の髪を妖艶に靡かせ手櫛をするかのように己の髪を撫でた。
普段はここで商人達が露店を開き人々は買い物をしたり、祭があればとても賑わう活気のある場所であるが、この猛吹雪による悪天で真夜中の今では風による轟音以外では静けさしか残らない。しかしイヴはそれでも、猛吹雪の中でも薄っすらと顔を出す月と雪景色による幻想的な風景でもなく昔と変わらず繁栄する町や建物を眺めていた。

「…久しきかな…この地を訪るのも…、建物は変わろうとも…判る…人々が丹精を込め創造し様々な物を作り上げゆく姿が…。非力ながらも知恵を絞り…群れ…必死に万象に抗おうとせしめぬその生き様も…。愛する者の為に、動き支え合い、働く姿も…。人間どもの創造と想いは何とも美しきかな…何とも愛おしいことよ…何とも健気で愛らしいのか…嗚呼…汝達に全てを与えたいとも今も思えよう…。」

昔にも踏み入れたことのある地なのか、懐かしむ表情をしつつ繁栄しゆく町を見て、無表情と言えど人々に対して賞賛の言葉を呟く。城下町に次ぐ人口が多い町と言えど、活気があるのを直に感じ取れているのか、人々に感心の意を込めただ呟くと、広場の中央へと歩み続け、辺りを見渡した後、広場の中央に到着すれば足を止め薄っすらと顔を出す月に背を向け、雪よりも艶やかな白銀の髪を靡かせ腕をゆっくりと広げる。
しかし、先ほどの言葉から考えられないような冷たい無の表情且つ、輝きのない黄金の双眸を鷹のように鋭い眼光で見開き再び口を開く。

「…万象に抗う知恵も与えた…創造の発展をも与えた…愛おしい上力なき汝等に力を与えた…。…だが何故汝等は我を裏切った…、何故様々な物を欲し与えられた汝等は、一つのものを欲した我が罪深いのか…。…そして汝等は…何故我を差し置いて光に愛されるのか…。」

その言葉に同調するかのように、黒色の霧がイヴを覆い尽くすが白銀の長髪すらも覆う程の暗闇にも関わらず黄金の鋭い双眸のみが暗闇から覗かせていた。黒色の霧は増幅したのち凝縮すれば黄金の双眸が再び大きく開けば、暴発するかのように一つ一つ小さな球体となり、町や広場にある住宅の中へと霧散して行く。霧散して行く黒い霧は、眠りにつく人々に入り込み悪夢を与え、人々は悪夢による恐怖に包まれていく。イヴを包んでいた黒い霧は霧散していく霧により徐々に無くなり、イヴはその霧の中から姿を現せば鋭い眼光のまま自分を尾けてくる先程の男の方向を睨む。

「…我は憎む…光あるものを…全てを…。」

その憎悪に包まれゆく感情の矛先は、裏切ったこの地の人間に対してただならぬ憎悪を醸し出していたが、一つの雪片がイヴの片目付近に付着し溶けて水になり一滴の涙のように流れていた。


>>ヴァルカン様、ALL

1ヶ月前 No.69

スサ男くん @kodai4370 ★iPhone=nXMEXuDZqQ

【ジュリアス/グリムローゼ境界フライア】

猛吹雪を駆けたナイフは騎士の鎧を一気に貫き、分厚い装甲をしていた肩へと一直線にぶっ刺さった。ナイフからすればボロ雑巾を貫く感覚だっただろうが、向こうからすればが大砲からナイフを発射したようなもの。だがやはり、痛みを感じているような苦痛に満ちた表情はしていない。刺さった時の傷が浅かった、と言うよりは、向こうがわざと当たる場所を変えたと解釈するべきか。ならば、私の持つナイフをどうにかしようとしている…そんな不可能な行為をしようとでも言うのか?

しかし、構えていたナイフは敵騎士の持っていた剣の刀身によって弾き返された。自身の振りかぶった勢いと向こうの剣の勢い、それが一本のナイフへと重なるように収束し、痺れと痛みを私の手にもたらしながら雪の積もる地面へ向けて吹き飛んでしまった。そうして虚しく崩れて行く体勢から見えたのは、銀色の風の中で剣を振り下ろさんとする騎士の姿。身体の加速が止まっても、周りの景色は止まっているかのようにゆったりと過ぎて行く。


流石だ、今まで切り殺してきた人間や騎士とは比べものにならないぐらい、あなたは強い。咄嗟に動く判断能力とそれについていく身体の速度、やはり成長し続ける人間は素晴らしいものだなぁ…。

“だが、最後に笑うのは私だ”


冷たい剣は首の急所を確実に斬り裂くよう、精密な動きで振り下ろされていた。体勢も崩れて動けない、それがどうしたと言うのだ。足の動きを最大まで加速させ、積もった雪の中で一気に右脚を動かし身体の軸をズラす。そうすればどうだ、彼の剣は大動脈をギリギリ避ける形で通過した。喉元にできたデカイ傷から、吹き出すように出血が始まる、そしてその飛沫が向かったのは、他でもない、彼の目元だった。

>ミシャエル様

【小難しくて駄文ですけど、傷から吹き出た血で目潰ししてやるぜ、みたいな感じのことを書きたかっただけです】

1ヶ月前 No.70

募集中 @nisemodoki ★hELxStGP5l_8ER

【リューシェ/ヴァルトラウテ城内】

 思いがけずジルベルトは大悪魔の処理を此方に任せても良いと判断したようだ。冷淡な態度の裏には大悪魔への憎悪が燃え滾っている筈の彼にしてはしおらしい決断のようにも思えるが、どうしたって不利な状況よりも自身の怨嗟を優先する程短慮でもないという表れとも言えるか。
 しかし、何分任されたからには応えなければならないというのがこの神の持論であり哲学である。相手がこの全く敬神の欠けらもなく可愛げのない、眉間に皺の寄った男であろうとそれは同じこと。人の域を超えた彼の冷徹な闘志も今はさておき、召喚された者として報じなければならない。

「ええ、ええ! 言うも愚かです。此方ももとよりそのつもりですから。……では少し席を外しましょう。あれもこの地では一騎当千とはゆきません、此処に侵入する程愚かではないでしょうが……何かありましたら鐘でも鳴らせばすぐさま戻ります。ジルも手を抜かないで警戒して下さいね。」

 この男に最後の言葉は蛇足であるということはわかっているが、いちいち何かそしりたくなってしまう……というより、一応彼よりも更に永く生きている先輩として面倒を見なければ気が済まないようだ。
しかしうるさく言いながらも、暗い筈の彼の眼光が鋭く尖ったのを見て安心したようにニヤッと笑うと、いつも通りに唐突にその場から掻き消えてどこかに移動した。光輪から振る火の粉のようなちらちらとした光を一瞬だけ残して。



>ジルベルト【一旦回収しますね!ありがとうございました。】





【ミシャエル/グリムローゼ境界フライア川】

 面倒な魔女だな、というのが所感だった。
ろくな魔術を持たないと言え、彼も徒らに騎士をやっているわけではない。むしろ”ちょっと広範囲が見えること”以外に得手がない癖に剣技だけでそれなりに健闘するし、故にこの領地の中での地位は上々である。たとえその武装が剣一本だけであろうが、大概の魔女であれば敵ではなかった。しかし今のところは、天候の不利があるとは言え、魔女一人を剣撃で捉えられないどころか逆にナイフを肩口にぶっ刺される羽目になっている。

 とは言えそれも流石に、この一撃でで斬り伏せてしまうだろう。と思ったのだったが、それは慢心で油断でしかなかった。寸前で魔女が体勢をずらした為に、銀の剣の切っ先だけが彼女の首を掠める。この状況からまだ抵抗する気があるのか、と驚きながらも間髪入れずに追い撃ちを掛けようと腕を振りかけたその時。

 彼女の傷が吐き出した血を、噴き出された飛沫をもろに顔に被った。今しがた魔女の体外に出されたばかりのそれは、夜の吹雪で冷えた肌にはあまりに熱い。
 目とは更に別の視界を持つ彼には、実のところ魔女が狙っていたような目を潰す効果は全く得られていないのだが、それにしても怯ませる程度には充分な威力があったようだ。目元どころか前髪や□や顎先からも熱い血を滴らせながら、彼女を避けるように数歩背後によろけた。

>ジュリアス【了解ですー。】

1ヶ月前 No.71

Nero @nerokichi ★Android=twULkCgnJm

【ジルベルト/ヴァルトラウテ城内】

彼女が元いた場所に散る光の粉が消え去るまで眺め、目線を上げる。手を抜くなと最後の最後までそれこそ子供を心配する親のように執拗い言葉だと内心溜息を漏らし、最早そこにはいないリューシェへと次の句を返す。

「要らない口を挟まなくていい。言わずともそれ位分かる。」

吐き捨てる様に呟いて踵を返して直近の兵に更なる指示を与える為歩みを止めた。あの神といえど広大なヴァルトラウテの土地で、挙句悪天候で一つの獲物を探し出す事など容易では無いだろう。一人で狩れとは言ったが探索程度なら手を貸してやろうと、立場も弁えない相変わらずの上からの態度である。

「際ほど分割した兵士を更に三部隊に分けろ。二部隊はこのまま城内警護に当たれ。一部隊は少数隊で悪魔の探索を。発見時は即座に他隊、またリューシェ・ヴァルトラウテへ連絡を寄越し、戦闘行為は極力控えて援護を待て。」

そうして立ち去った兵士の背から、窓の外へと視線を移して見据える。相変わらずの猛吹雪だ。探索隊が発見して連絡を取り付ける前に奴に飲み込まれる可能性はある。寧ろそちらの方が確率は上なのかもしれないが、ここはグリムローゼではない。いくら強大な力であっても神の防壁内にいる内は確実な力は発揮することは叶わないだろう。今回は寧ろチャンスとして受け取った方がいいのかもしれない。

確実に殺してしまわねば。今回ばかりは本格的な神頼みとなってしまったが神からの志願ならば仕方あるまい。こちらもやる事はやった。
そうして徐に自室へと歩の方向を変え、廊下の先の闇へと消えていった。

>リューシェ


【お相手ありがとうございました!】

1ヶ月前 No.72

錆色の鍛冶師 @kaizelkai ★SoNCRU4hPO_mgE

【ヴァルカン・マエスティラ/ ヴァルトラウテ領 広場】


 何処かへ歩む彼女に必死に自分の足を動かして、彼女についていこうとする。街を攻撃しようとしない、黒い霧を使った行為もしない今の彼女の行動に不可解に思う。今の彼女は隙だらけで、戦闘に関する腕が無い自分でも彼女を攻撃する事はやれるかもしれないが、これから彼女が何をするのかが気になった。光の壁を突き破ってまで此処に入ってきた理由が、人々を襲うという単純な理由だけで入ってくるのも思えない。別にこれは彼女を手助けしているつもりはない。単純な興味本位というだけしておく。彼女の歩いていく道の先は確か広場だったはず、雪で見慣れた光景がすっかり変わってしまったが彼女を後ろ姿だけ見逃さなかった。

 広場に辿り着くと、彼女はフードを取って白銀の髪を靡かせ手櫛をするかのように己の髪を撫でていた。吹雪の中で輝く白銀は際立って目立っており、感嘆の声を漏らした。自分の腕のみで創れるなら彼女の髪のような美しい剣を打ってみたいと思う。


「 ……おおぅ、悔しいくらいに綺麗だなその髪。いつかその髪のような剣でも打ってみたいと思うぜ。ってかき、急に変に褒めるなんて……さっきと態度変わり過ぎだろ……まあ、創る事に関しちゃ同意するけどよ。」


 無表情で人間に対する賞賛の言葉を並べる彼女に驚きを覚える。この広場の光景を随分と懐かしく見渡しているようだった。言葉の中にも久しいともあり、彼女は以前にも此処に住んでいたのだろうか。それはどれくらいの前の事だろうか。少なくても両親が健在だった頃や物心がついた頃には彼女の姿は見ていない。自分が生まれる前だとすると、どれくらい前だろうか。寒さで身震いしながらも、彼女の言葉に耳を傾けた。そして次の彼女の言葉が語り始めた時に、吹雪の寒さ以上に彼女の表情が更に凍りつくほどの無の表情に成っていた。


「 う、裏切った、だと?お前の言い分だとまるで、こっちが何か悪い事したような感じじゃねぇか。そんな話、聞いた事ねぇぞ。あれか、かなり昔、始祖の魔女と大悪魔が出てきた事件と関係があるのか。」


 まるで被害者のように語る彼女の言葉は本当に悲しそうに見えた。嘘ではないように思えるが、彼女をここまで憎悪を抱かせる理由はなんだろうか。そういえば昔、この国で大魔術師の血の者が多くが死に、「始祖の魔女」が大悪魔を連れヴァルトラウテ領の一部を支配した事件の事を思い出す。悪魔が領民を攫うようになった話はそこから始まったと聞く。鋭い眼光を彼女に向けられ、寒がりながらも強気な笑みを浮かべ返していた。黒い霧が彼女を周囲を暴発するかのように一つ一つ小さな球体となり、町や広場にある住宅の中へと霧散して行く。それを見て、相棒である金槌を振り上げた。


「 そうかい……そんな怖ぇ眼を向けても今は怖くもないぜ。そんな悲しそうな顔するなよ、美人がもったいない。―――それにしても此処は寒い。吹雪が邪魔だな。」


 金槌を思いっきり地面の雪に叩く。雪は氷の結晶、自分の力の対象内である。あらゆる雪が自分と彼女の周りにそびえ立つように壁が出来る。その壁は徐々に大きくなり、広場を包む半球体の建造物に変わった。一見すれば巨大なかまくらである。ここまで巨大な物を創る力は消耗が激しい、全力疾走でもしたかのように息が荒くなっていた。巨大なかまくらに包まれて、辺りは闇に包まれる。持てる力を振り絞って、かまくらの壁に移動して、もう一度金槌を叩きつけた。


「 ぜぇ……ぜぇ……ま、まだまだ、こんなもんじゃねぇぞッ!―――昔、何があったか知らねぇけど……美人には太陽や月のような光がお似合い、なんだぜ……最後の仕上げだおらぁッ!! 」


 すると雪で出来た巨大かまくらは、氷で出来たドーム状に変化する。月の光が氷の壁を通り抜け、宝石のように、氷の壁で夜空と青空を創った。太陽のような彫刻と雲の彫刻、反対には満月と数多の星の光景。氷の角度、厚さ等を考え、月の光を利用した光を彼女に見せた。武器でもない誰かのために魅せるものを創るのは非常に気持ちが良かった。小さく笑みを浮かべると、そのまま雪の中に倒れ込んだ。そういえば寒さで体力が削られてるのにここまでの物を創り、限界がきていた。これを見て彼女がどう思うかわからないが、笑顔になって欲しいと思い、意識を失った。


「 やれやれ、面倒なものだったけど……会心の出来だったかな、こりゃ……。」


>>イヴ


【一度回収させてただきます。このあとの行動はお任せします。連れ帰ったりしても構いません。】

30日前 No.73

スサ男くん @kodai4370 ★iPhone=nXMEXuDZqQ

【ジュリアス/グリムローゼ境界フライア川】

吹き出した血を受けて、彼が後ろへとよろけたのを見逃しはしなかった。仰け反っていた足に無理矢理力を入れ、後ろを向きながら距離を取るようにして一気に下がる。ある程度置いたところで正面を向くと、積もった雪には彼女の足跡がくっきりと残っていた。そして佇む彼の姿も。

この天候の中で、肌から一滴の汗が滲んでいることに気付いた。若干の焦り顔をしつつその汗を指で拭き取り、深くはないががっぽりと開いた首の傷口へ開いた手のひらをそのまま持ってくる。
状況を覆すためだったとは言え、ちょっと無理をしたとは後悔している。目潰しは成功したが、まだ何かしらの奥の手は隠しているだろう。


顔を動かすたびに首傷から血がちょっとずつ吹き出てくる。もう少しずれていたら本当に首が転がっていたかもしれないと思うとゾッとするが、血を吸えばこんな傷が回復してしまうことも不気味といえば不気味か。更に言えば足も酷い、無理矢理動かしたせいでこうして立っているだけでも激痛が襲ってくる。それは実質接近での加速は使えないということに他ならない。


「グゥ……人は常に成長するもの……そのために知性や理性を持っているのよ……天が授けた唯一無二の代物を生かす、肉体と精神の進化こそが真実であり理想……「成長こそ真理」なんだァァッ!」


何物にも遮られないよう、顔を天にかざし大声で叫んだ。ドロドロと流れ続けていた首からの血はピタッと止まり、寒さで冷えていた身体の熱が徐々に戻り始めた。

>ミシャエル

30日前 No.74

春宮 @12122404 ★Tablet=4fg2rbSSgp

【ミレーナ/グリムローゼ城近郊の森】

ゲーテが雪玉をその謎のオブジェの上に乗せる。やはり、ゲーテはミレーナのセンスをわかっているのか、左右や上下を逆に設置することは無かった。

それを見て、爛々と目を輝かせてミレーナが手を掲げる。

「ゲーテよくやったわ!あとは仕上げよ!」

雪のオブジェの横から太い真っ黒な茨の棘が生える。血管のように張られた線は紅く、鼓動するようにドクンドクンと蠢いている。

黒棘。ミレーナの力によって生み出されたそれは、蛇のように雪のオブジェに巻き付くと、

躊躇無くオブジェを締め上げた。

見るも無惨な形のオブジェが更に残念な形になる。胴体部からはどうやって入ってたんだと言う量の石の破片が溢れだし、ひしゃげた頭部は苦悶の表情を浮かべる怪物そのものだった。

「破壊の芸術よっ!ちょっと前衛的になり過ぎちゃったかもだけど、初めてにしては上手くいったわ!」

手を叩いて小躍りするミレーナ。そのオブジェは森に散らばる禍々しい雪像群の親玉のような雰囲気を醸し出す。

「ふぅ、芸術を生み出すのは疲れるわ。お城に戻ってあったかい紅茶とクッキーを食べたいわ」

ようやく雪遊び(と言うには景観を壊しすぎた)に満足したのか、フギンに跨る。ムニンもその横に寄り添う。

「そうだわっ!フライア川で皆が戦っているのよね?ちょっとだけなら……見に行ってもいいかしら?」

ちょっといけないことをするような悪戯っぽい笑みでゲーテに問うた。

≫ゲーテ

29日前 No.75

募集中 @nisemodoki ★hELxStGP5l_8ER

【ミシャエル/グリムローゼ境界フライア川】


 目前にいた魔女は距離を取ったようで、その少しの合間に白い溜息を吐いた。唇を少し動かしただけで鉄の味が舌先に滲んだ。顔に被った血は肌に粘り付きながら重力に従って絶え間無く流れ落ちていくも、彼にとってはその肌を這うベタベタした感覚が不愉快、それだけだ。彼は血で赤色に曇った両眼でも、天を仰ぎ何か叫ぶ魔女をじっと見ている。僅かに湯気の立つ返り血に塗れても尚、仕留め損ねた仇を狙う様は最早どちらが狂気かもわからない。

「……は。まだ叫ぶのか……。」

 魔女を仕留め損ねたとは言え、あれだけの出血だ。事も無しに済んでいるとは信じがたい。しかしあの魔女は、相変わらず暴風のせいで何を言っているのか聞き取ることは出来ないにしろ、傷を受けて未だ叫ぶほどに覇気があるようだった。果敢かつ打たれ強い魔女の様に驚いて、たじろく。聞こえていないのはわかっているのに、それでも思わず呟いていた。言ってしまってから、喋ると口内に血が流れ込むのを思い出してげんなりする。

 彼は内心焦っていた。この猛吹雪の中で夜通し、肉体と剣だけで戦い続けるのは無理がある。表情こそ動かさないが、ナイフが刺さったままの傷口の痛みもずっと感じている。他の騎士達は尚更堪えているだろう。いや、そもそもどれだけの数が残っていると言うのか。厄介な天候の中厄介な魔女を相手にしていては、周囲を見渡すことが可能でもそちらまで気を回している程の余裕はない。そもそも自分が疲労で死にそうだ。主都の方から増援はあるようだが、このあらゆる苦渋の状況でそれが到着するまで持たせる自信が皆無だった。
 だから一体の魔女に固執する訳にいかないし、理由もない。しかし雪に足を取られるこの地形でさえ、先程あれだけの速度を見せた相手に不用意に彼女に背を向けることも出来なかった。更に言えばこの状況を打開するような芸当も無い。むしろ現状を見渡して絶望するばかり。本人もこう腑抜けたところが自分の弱点であると理解しているし、こんな吹雪の中で斃れるのは御免なのだが、それでもどうしても死が見えていた。

 死ぬにしてもあの魔女だけ倒してから死のう、と何とも後ろ向きな決意を固め、まだ何かしてきそうな彼女を警戒して剣を構える。



>ジュリアス

28日前 No.76

Nero @nerokichi ★Android=twULkCgnJm

【ゲーテ/グリムローゼ城近郊の森】


柔らかい雪の上に無骨な石片が転がり落ち、若干の振動がグリムローゼの森に溶けた。傍から見れば何を作っているのか理解に苦しむレベルなのだろうが、ゲーテもミレーナと同じ様に目を輝かせて雪のオブジェを見上げている。
そうしてその製作者である魔女の王は満足したのか、己が従僕である忠犬2匹のうちの一匹に跨り玉座へ戻らんと宣言した。───が、振り返った彼女の目は悪戯っ子宛らの輝きを灯していた。

『フライア川で皆が戦っているのよね?ちょっとだけなら……見に行ってもいいかしら?』

その言葉に、ゲーテは表情を変えないまま思考を巡らせた。正直彼女がグリムローゼ城へと戻るのならば、自身も今話題に上がったフライア川で勃発している小規模戦争に向かおうとしていたところだ。そこでこのミレーナの提案。ほんの一時程無い頭を働かせて、同じく悪戯をする子供のようにニヤリと笑った。

「んふふー、バレぬ程度ならば良いのではないでしょうかァ?ミレーナ殿ォ。何で武士調なんだァ?いいんじゃないのォ偶には?」

怪しい口調を内なる悪魔共に突っ込まれつつ、彼女の提案を肯定して頷く。バレるも何も魔女達を管理するイヴからすれば筒抜けなのだが、この大悪天候である。離れた場所で上空から除く程度ならば問題無いだろう。万が一巻き込まれる事態が発生したならば自身が盾にでもなればいい。それに彼女は見た目こそはか弱そうな少女ではあるが何を隠そうかの魔女達の王、始祖の魔女ミレーナである。自分とは天地の差と言っていいほどの高等能力者の彼女ならばフライア川の兵士等軽く捻ってしまえるだろう。
だが確実に安全というわけではなく、褒められた行動ではないのだが。そんな事などお構い無しにゲーテは再び翼を引きずり出して、ミレーナを後ろから抱える様に持ち上げた。

「イヴ様に怒られちゃうからほんの少しだけだよォ?さっさと俺も人間共殺してぇからなァ!わァ物騒だわァ。物騒だねェ。」

>ミレーナ


【フライア川への移動はそちらでおまかせします!自由にゲーテを使ってください。】

28日前 No.77

ミネルヴァ @metropia23☆rhQo82JcU2ig ★iPhone=hpAHaaYwlW

【イヴ=ティフォン/ ヴァルトラウテ領 広場】

広場には塞がれるものが無く、そのまま轟音と白い濁流を、凍てつく空気が容赦なく立つ者に叩きつけられる。黒い霧を霧散させながらも白銀の髪を靡かせ、雪景色や猛吹雪の中でも際立っていたのであろう、男は感嘆の声を漏らし、自身の髪のような美しい剣を作って見たいと呟く。また、自身が人々に対する裏切りや妬みに対し憎悪を込めた感情を醸し出しているのにも関わらず、一部の真実を知ったためなのか、それとも自身に対して哀れみを感じたのか、はたまた恐怖に抗い尚自身に対して対峙しようとせしむ男の様子を見てイヴは不思議な感覚に囚われる。

「…汝にはどう足掻こうが知り得ぬ事よ…しかし誠に不思議な男だ…、我に魅了され…畏怖していたのにも関わらず、尚我と関わろうとするか…変わった男よ…。…いや、そうか…だから我は汝を呪ったのか。……ぬ?」

今まで老若男女問わず、恐怖されつつも自身に魅了され心変わりし、色欲にまみれた人々を数え切れない程堕として来たが、この槌を持った男は何かが違っていた。先程の自身に対する哀れみや、髪を美しいと褒め称え、尚も自身に恐れを抱かず強気で佇んでいる様子を見て、一瞬不思議な感覚に囚われ少し呆然とし無表情でも一瞬隙が生じる。
すると男は槌を振り上げ、雪で降り積もった地面をそれで叩きつける。すると自身が吹き起こした猛吹雪が広場にかき集められ見る見るうちに形を成しながら降り積もっていき、高速で壁を作り広場を包み込むほどの大きな氷の壁、ドーム状へと形を成していく。自身が隙を見せていたのもあるがその能力は自身の物質を掌握する能力と似た力であったため、その予想外な事象に少し目を見開き、男が何かをしでかすのかすぐさま黒い霧を纏い転移をしようとするが、男は力を振り絞りこう発言した。

『ぜぇ……ぜぇ……ま、まだまだ、こんなもんじゃねぇぞッ!―――昔、何があったか知らねぇけど……美人には太陽や月のような光がお似合い、なんだぜ……最後の仕上げだおらぁッ!!』

この発言に敵意が全く感じられないと共に尚もこの状況でも自身に対して口説きの文句を垂れる男に対してイヴはピタリと止まり転移を辞め、ただただ男から起こりうる事象を眺め始める。
雪でできた巨大なかまくらは次第に宝石のように煌めき、太陽と雲の彫刻が施されていき、氷の壁が透き通り月の光がそれをさらに輝かせると蒼穹の如き青空を象る、いかにも神秘的な芸術的な空間へと様変わりした。この状況に流石のイヴも魅入られ大きく目を見開き揺らぎ始める。理由は作り物とは言えど青空に見立てたこの空間、人の可能性に驚きを感じ、さらに悪魔である己の笑顔のためにと抜かし、青空を届けようとする純粋な想いに対し少しばかり揺らいでいた。
男は自分の作りあげた傑作の巨大な芸術を満足気に眺めた後、体力の限界により、そのまま意識を失い地に伏してしまう。
青空に見立てたこの空間の月の光を浴び白銀の髪を輝かせながらイヴは辺りをゆっくりと見回した後、地に倒れる気を失った男に近付き、男に元に近寄ればゆっくりと屈み込み男の頬に手を添え口を開く。

「…やはり人の可能性というものは…侮れんな…、無力ながらもこうも美しい…そして魂を込めた創造ができようとは…。しかし汝も酔狂よな…呪いの元凶相手にこのような美しい物を届けるなど…、そこまでして我を放っておけなかったのか…?…それとも…その下手な口説きで我に振り向いて欲しかったのかえ?…だが無駄な事だ、我の笑顔は愛しい娘と家族のみ許されるものだ。…しかし…汝の届け物はありがたく受け取ろう…。」

と、気を失って届くはずもない己の言葉を相手に投げると共に頬を撫で穏やかな口調で相手に問いかけたのち相手の口説きに対して断りの返答をしつつも、満更ではない表情を見せるとフード服を脱ぎ捨て、己が羽織っていた金の装飾が施された黒いスヌードスカーフを男の体に優しく巻きつけると、美しこの空間は白銀に輝く氷の粒状へと変化していき、その氷の粒はイヴとは違う方向へと流れていき、広場を覆っていた巨大なかまくらは無くなってしまえばそのまま立ち上がる。


「…もし、我に会いたければ…その衣を返しに来るがいい…さて…。」


気を失った男に対してそう言葉を投げかければ、再び猛吹雪が吹き荒れると同時にイヴは鷹の目の如く鋭い眼差しを辺り中に向ける、その目線の先には突如引き起こった巨大なかまくらに引き寄せられた騎士達が、包囲するかのようにイヴを四方八方から包囲していた。

【ヴァルカン様、お相手ありがとうございました。少し口説き文が来てドキドキしちゃいましたけど精一杯の下手な返しでありますが、ご理解していただければ幸いです。ある理由で攫えないため、イヴの衣の一部であるスヌードスカーフを巻きつけて痕跡を残した感じで対応させていただきました。】

>>ヴァルカン様


【そろそろ発覚された感じで立ち回って行こうかと思います。宜しければヴァルトラウテ側の方でどなたかお相手お願いします。】

>>ALL

28日前 No.78

スサ男くん @kodai4370 ★iPhone=nXMEXuDZqQ

【ジュリアス/グリムローゼ境界フライア川】


「フッフッフッ…」

両腕を服のポケットへと突っ込む、胸から手のひらへ向けて直接伝わってくる温かさに若干の感動を覚える。そりゃこんなに寒けりゃ感動だって感じるだろうが、今はそんなものを感じ取っている場合ではないのは重々承知ではある。
「執念の加速」が発動したとはいえ、やっぱり接近して仕留めるのは無理がある。

向こうがあんな用心しているのであれば尚更、近づいたらまた大怪我をするのは目に見えている。まぁ、この執念の加速を目で捉えられるとも思えないが、今はまだこちらが有利だとして、近づくのは得策ではない。


「あなたに近づかずに仕留めるとっておきのアイデアがあるわ……」


胸から取り出した物、それはナイフ。しかし一本だけではない、左右の手に三本ずつ握られた計六本のナイフである。さて、投げナイフの速度は一投目の比ではないが、どう行動するか楽しみだ。


ニタァと悪童のような笑いを口に浮かべると同時に、両腕の筋肉がはち切れんばかりの勢いで振りかざす。その手からは果物を切るという本来の目的すら果たせずに、無慈悲にも人の命を切り裂こうとする六本のナイフが放たれた。この雪を物ともせず、弾丸と化したナイフは騎士を襲う。


>ミシャエル

27日前 No.79

代理です @persona ★iPhone=l8QroD8Fr4

【ミシャエル/グリムローゼ境界フライア川】

再びナイフを取り出した魔女はあくまで遠距離からの投擲に徹するようだ。どうやっても雪に足を取られ駆け出すことすら儘ならない此方が攻めあぐねている為致し方ない。自分が逆の立場でもそうするだろう。既にあちらも相当量の出血を伴う一撃を食らって安全策を取らざるを得ないのならば尚更。
しかし、彼女が近付いて来ない限りは此方は全く手が出せず分が悪いのも確かではある。とは言え此方から近付けない以上は、投擲でとどめを刺せないのを理解した魔女が接近してくる瞬間を狙うくらいしかない。先程の一投と同じ動作ならば見切ることも難しくはない筈……そう思ってその投擲を処理しようとしたのだったが。

先程見たよりも遥かに速かった。

投げる瞬間から到達まで見るには見えたのだが、迫ったそれを全て撃ち落とすには剣の速度では間に合わない。暴風に紛れて金属のぶつかる甲高い音が何度か連続して響いた直後。

「ぐ……ぐあぁ……。」

取り零され剣撃を摺り抜けた2本が、白銀の鎧を穿って彼の肉に突き刺さっていた。吹雪にも衰えぬ弾丸の勢いのまま体内に到達したその衝撃は先程の一投の比ではなく、重い槍の一撃で突かれたかのような痛みに今度は顔を歪めて悲痛な呻き声を漏らす。
同時にそのうちの1本に貫かれた左腕が、剣の柄を離れてだらりと垂れ下がる。手甲の上を線のように赤い血が這って、白い雪の上に点々と雫を落とした。もう1本は腰辺りの鎧を穿ち突き刺さっている。唯の人間があの速度のナイフを半分以上落とし2本で済んだだけでも御の字なのかもしれない。

とりあえず即死こそしなかったものの、長く放置出来ないのは目に見えている。血を流し過ぎて動けなくなる前にあの魔女をどうにかしたかった。しかし片腕を潰された今、彼女が近付いて来たとしてもあの速さを受け止めるのは難しいだろう。

仕留めるにしても最早刺し違えるしかない。そもそも動けなくなる前に魔女が近付いて来るかどうか。
放置しても死に行く人間を魔女がわざわざ危険を冒してまでとどめを刺しに来るとも思えなかったが、そうするしか他に無さそうな彼は残った右腕だけで剣を構え、挑発するようにゆっくりとその切っ先を魔女に向ける。

>ジュリアス


【主です。申し訳ありませんがちょっと1週間ほど席外します、レスは見えますが返事(書き込み)ができませんので代理で失礼します。書き込めない関係でレス返と月替えがその後になります、すみません。

一応今あんまりストーリー的な区切りよくないので、このまま続けて頂いて大丈夫です。よろしくお願いします。】
>みなさん

25日前 No.80

春宮 @12122404 ★Tablet=4fg2rbSSgp

【ミレーナ/→フライア川上空】

「きゃー!高ーい!速ーい!」

深い森と近づく結界を眼下にしながらミレーナはゲーテの腕の中で大はしゃぎしていた。確か、今まで読んできた御本の中にもこんな内容があった。なるほど、物語の主人公はこんな気持ちだったのかと思いを巡らせる。

「真っ白ね!ほんの少し先も見えないわ……あら?」

川らしきものが見える。そこにはまるでジオラマ劇の様に動き回る騎士と魔女。その両陣営が殺しあっていた。

「むー、面白くないわ!ええ、ちっとも!だって、英雄も悪い魔法使いもここには居ないじゃない!あ、悪い魔法使いは私達ね!ともかく面白くないわ!」

眼下に繰り広げられる命のやり取りをつまらないと一周し、手を前へ出す。すると、ミレーナの横の空間が裂け、中からフギンとムニンが顔を出す。

その風貌は、いつもの凛々しく黒い狗では無く、鎖と鎧に縛られ、目隠しをされて口輪を嵌められた、どこかの動物を大事にしよう的な団体が文句を言いそうな姿をしていた。

「眷属をお創りなさい?Go!」

ミレーナの掛け声とともに2匹は降下し雪に降り立つ。騎士たちは突然現れた狗に戸惑うが、直ぐに剣を構え、警戒する。

2匹は鼻を利かせる。嗅ぎ取るのは人間の、負の感情、意思。それが強いものほど、眷属へ変わり易い。

そして、走った。狙われたのは一人の騎士。その騎士は臆することなく剣を振るうが、鎧に弾かれ、鎖にいなされる。

そして、遂に背後に回ったフギンが彼の身体を貫く。その瞬間、騎士は身体を仰け反らせ、痙攣し、崩れ落ちる。

『おい!大丈夫か!?』

駆け寄る彼の上官らしき騎士は彼を庇うようにフギンに相対する。だが、フギンは動かない。それを訝しく思ったその上官は、次の瞬間、

背後から剣で胸を貫かれ絶命した。

「おめでとう騎士様?貴方もこれで私の眷属よ」

狂気を秘めた瞳を細め、子供のように微笑むミレーナが見つめる先には、フギンとムニンによって混乱した戦場。もはや誰が味方かもわからない状況で騎士達が殺し合う。

「ねぇゲーテ。これで誰も悲しまなくて済むわね!眷属になるのは幸せな事よ。私の眷属も死なないし、ほら!私達も行きましょ!」

ゲーテに降りましょ!と誘う。

「私達が悪い魔法使いよ!英雄とか正義の王子様はどこかしら?」

≫ゲーテ

24日前 No.81

スサ男くん @kodai4370 ★iPhone=nXMEXuDZqQ

【ジュリアス/グリムローゼ境界フライア川】


「……この音……まさか弾くなんて、ね……」


この吹雪の中、視界さえロクに確保できないこの天候でも音というのははっきりと聞こえる。特に鉄や鋼同士がぶつかる甲高い音は、どこまでも不快感を与えてくれるものだろう。しかし今はあの速度の刃が弾き落とされたという事実の方がずっと衝撃的だった。

自信満々、確実に殺す手っ取り早い方法と思ったナイフ投下、それ以上に執念の加速を使った攻撃が破られたことが何よりも心の底の憎悪や嫉妬の炎を煽る。これが「執念の加速」の見せる真意なのかはわからないが、一魔女としてヤツが危険だということはようやく本能で理解できた。


「…ちょうど一本だけ残ってるわね……弾いたとは言えあの速度なら腕が麻痺を起こすレベルよ…刺さろうが刺さっていなかろうが、動けないのは明白……そのツラを拝みながらこの白銀の世界で眠らせてあげるわ…」


胸ポケットから最後のナイフを取り出し、持ち手を逆手に変える。たかが一本を投げた所で死ぬことはないだろう、直接この手で切り裂く方が確実だ。接近すれば不利になるなんて考えは先ほどのナイフ投げの屈辱を前に、雪とともに身体から地面へと降り注いでいった。

呼吸が整った瞬間を見計らい、一気に身体を加速させる。地の雪が舞い上がるほどの速度で接近し、視界に捉えた、満身創痍の身体で剣を構える騎士に向けて、ナイフを振り下ろした。


>ミシャエル

23日前 No.82

Nero @nerokichi ★Android=hswo6GaRTv

【ゲーテ/グリムローゼ城近郊の森】

(あーらら、やァっぱり虫ケラ同然ねェ?)

彼女の眷属が派手に暴れ周り戦線が慌ただしく狼狽える様に、まるで雨の洪水に抗う蟻を観るかのような気分になる。憐れな人間共、その脆弱な体で夜を駆る魔女に抗おう等言語道断。

このまま戦火を眺めているのもまた一興だとは思うが、肝心のミレーナは下に降りたいと所望する。ふむ、と普段あまり使われることのない頭を働かせた。ここまで連れてきてしまってアレだが、本当は王をこんな最前戦まで連れてくるなど褒められた行為ではない。増してはあの戦場に突っ込ませるなど。などと正常な魔女ははっきり断るだろうが、頭のネジが吹き飛んだゲーテには残念ながらそのような選択肢を掴める常識はなかったようで。

「んー、じゃあちょっとだけよォ始祖ちゃん!本当はすゥっごく怒られそうなんだけどそんな可愛い顔で頼まれちゃったら断れないしィ?出来ねぇな、できないのォ?───でもこれは約束、降りてもワタクシの前に出ない事。攻撃が来たら必ず俺を盾にすること。守れるかァ?守れるよねェ?」

両翼を大きく動かすと近くの大樹の枝へ降り立つ。そうして腕の中で愉しそうに笑う始祖の魔女へ、まるで先生との決め事とでも言いたいかのようなお約束を彼女に語りかけた。

>ミレーナ、フライア川all

19日前 No.83

募集中 @nisemodoki ★iPhone=6OBHeQDJR0

目前の魔女に気を取られている間に、此方の戦線は致命的な程に混乱させられていた。どうやら領主からの増援よりも彼方の新手の方が遥かに早く姿を見せたようだ。唯でさえ地の不利を強いられた脆弱な人類の部隊如き、新手など無くとも直ぐに殲滅できようというのに、今更新手の投入など過剰であろう。
加虐好きな魔女達に叩きのめされた騎士達の残骸がそこら中に転がった雪原を眺めて辟易する。戦場と言うにはあまりに一方的な蹂躙に遭った様は最早、墓地と表現しても大袈裟ではない。もしくは地獄と言ったところか。
だが彼がいくら内心地獄のような惨状に打ちのめされようと、ミシャエルより上の階級の者が此処には存在しない以上、未だ残っている僅かな騎士達の指揮を取らなければならない。しかし既に崩壊した戦線に何をどう言ったものか……、結局その時は何も言わずに、一瞬だけ雪原に向けていた目を目前の魔女に戻す。

何にせよ今はあの魔女を無視できない。彼方も殺気立っているのか、先程彼が危惧したように瀕死のおいしそうな(?)人間を無視する気など全く無かったようだ。つまり今度こそとどめを刺してくるつもりに違いなかった。確かに彼女があの速度で突っ込んできた一撃を喰らえば、たかが果物ナイフとは言え致命的な傷を負うだろう。
しかし間合いは此方の剣の方が長い。それは彼女も承知の上の筈だが、それも顧みず突っ込んで来るということは実は刺し違えても生き延びる算段があるのかもしれない……最早無駄な抵抗だっま可能性も充分にあるという一抹の不安が過るが、それでも彼には魔女の一撃を迎撃するしか他に無かったのだ。背を向けようが諦めようが、その結果が死であることに違いはないのだから。

右に握った剣を構え、魔女が雪を蹴る瞬間に一歩前に踏み込む。動いたと思えば既に此方に到達しているような人外など今まで相手にしたことは無かったが、そう承知した上で相応の間合を図る。少しでもズレれば剣が空を切った上で果物ナイフが彼の急所を切り裂くだろう。

一歩踏み込んだとほとんど同時に、ナイフを振り上げガラ空きになった彼女の胸部を穿とうと銀色の剣が真っ直ぐに突き出される。しかしその一撃と共に自然と姿勢の低くなったミシャエルの背に魔女のナイフが突き立てられ、血飛沫と共に息の抜けるような低い唸り声を挙げた。

>ジュリアス、フライア川all


【戻りました。やっぱり30日前後だとあんまり進みませんね;】

18日前 No.84

スサ男くん @kodai4370 ★iPhone=nXMEXuDZqQ

【ジュリアス/グリムローゼ境界フライア川】


『後悔先に立たず』なんて言葉がどこかの国にあるらしい。「あの時あぁすればよかった」だとか「こうしたからこうなった」だとか、そんな後悔しても遅かった時に使う言葉のようだ。実のところ、今まで散々馬鹿にしてきた。恥や後悔のために死んでいく人間なんぞは所詮は愚か者でしかない、と。
しかし今、ようやくその意味を理解した、ナイフを突き立てようと、天高く振り上げた無防備の一瞬を狙い、敵方は腰を低く構え一気に剣で貫いてきたのだ。


「……まさかッ…」


こちらのナイフが振り下ろされ、彼の急所を確実射抜くように突き刺さる。血飛沫と低い唸り声、どうやら本当に消えかけの灯だったみたいだ。一時の怒りと執念に任せて接近戦に持ち込んだのが運の尽きというのか、あのままナイフを投げるだけでも簡単に決着はついた。慢心だ怒りだとか言い訳を並べるつもりも無かったが、後悔しても遅かった時とはこんは場面のことを言うのだろう。

胸元から背中側に向けて一直線に貫かれた剣、その剣の柄へと自身の血がゆっくりと垂れていくのをまじまじと見つめるのはなんとも言えない気持ちになりそうだったが、全身を巡る鋭い痛みが平常の感覚に戻してくれた。
そんな痛みに耐えかねると、胸元にぶっ刺さった剣をゆっくり抜き取るに後ずさりした所で、糸が切れた操り人形のように膝の力が抜け、地面へと突っ伏してしまった。


「こんな痛みに耐えて…刺し違えようとしてたなんて…あなた……魔女よりタフじゃないの……」


口から出たのは自身の痛みを訴えるものではなく、相手を賞賛するような言葉だった。


>ミシャエル、All

16日前 No.85

沙穂 @persona ★iPhone=l8QroD8Fr4

【アラン・ショルチェネフ/ヴァルトラウテ城下町】

多数の少女を攫い、殺害した事により捜査の手が自身に及んだ為に身を隠していたアランだったが、突然の猛吹雪により街中に姿を現す

「異常気象に乗じた魔女の侵攻とは……はてさて、それとも魔女のがこの吹雪を起こしているのか。
まあ、どちらにしろこの混乱に紛れて殺しや誘拐を行なったとしても魔女のせいになるというのは極めて僥倖と言えるな」

などと独り言を呟きながらあらかじめ目星をつけていた家屋の扉を片端から蹴破り、浸入し、一家を殺害
そうして殺害した人の血液を採取し、また次の家へと向かう

彼には目的があった、その目的を達する為ならば倫理などとうの彼方へと捨て去れる程にそれは彼にとって重要なのだ

「やはり、魔女の秘術に頼る他ないということか……?」

(長らく放置していて申し訳ございません!)

>>ALL

16日前 No.86

ミネルヴァ @metropia23☆rhQo82JcU2ig ★iPhone=hpAHaaYwlW

【イヴ=ティフォン/ ヴァルトラウテ領 広場→城下町】

白い濁流は町の隅々まで飲み込み、降り積もる雪は大地に凍てつきを与え、凍えるような吹き荒れる風は極度な冷却によりレンガ石でできた建物の壁を徐々に凍らせて行き、凍り付いていく石は色が劣化していく。その建物の中で身を寄せ合う人々は猛烈な風による轟音、吹雪によって凍えていく空気、そして未知の事象による不安と恐怖に支配されていく。
白い濁流のような猛吹雪が最も吹き付ける広場にて、凍えるようなこの大地に、細身の女性であるイヴが極寒の大地にも関わらず、ゴシック製の漆黒のドレスを身に纏い、雪のような白銀の長髪を靡かせながら何の表情を介さず悠々と佇むその姿は、たとえ先程の光り輝く巨大なドームが無くとも、1人の女性がその様な状態でその場にいると言うことでさえ不自然この言えない。
…あれが領主の言っていたこの惨状の元凶であるのかと、喉を鳴らしながら固唾を飲み込み、交戦を避けつつも離れた距離でイヴを包囲するかの様に一定の距離で身を隠し常にイヴの動向に警戒しつつ監視をする騎士達。しかしイヴが本当に悪魔か判断しきれないためなのか、ただただイヴの動向を伺っている。
イヴは騎士達の気配を感じつつも、向こうのこちらの動向を伺って監視をしているだけだと認識はするが…、遠くからふと邪な感情の入り乱れを感じ取る。
それはまさに今、魔女達によるフライヤ川付近の奇襲により、血と殺戮や生け捕りによる狂気な惨状を繰り広げられ、人間達の阿鼻叫喚の叫びを感じ取ったのである。その邪な力により叫ばざるを得ない環境はきっと心地よいのだろう、イヴは風に乗って運ばれる人々の感情を直に感じ取れば、快楽に感じたのか口角を上げ、狂気をも感じさせる不気味な歪んだ笑顔でその空気を堪能し、気分が高揚し口を開く。

「あぁ…心地良し…我が愛しの家族が我らが王の為に力を捧げる想いも…、そして軟弱な生身で万象に抗う事すら叶わず…蹂躙され逝く人間達の悲鳴も…なんと心地良いのだろうか…出来れば…」

吹雪で視界が定まらなくとも、広場の真ん中で白銀の髪を靡かせ佇むイヴは目立つ上、不気味な囁きが騎士達の耳に流れ込み、その存在感は騎士達の五感に焼きついていた、そして身体が吹雪によって冷え込んだのもあるがそれとは違う重くゾッとする空気に騎士達は身震いする。ーーーその刹那、最も広場の近くに居た二人の騎士の背後から、暗闇から女性の両腕が現れそれが2人の肩にそっと手を置くと、二人の騎士達は慌てて背後を振り向けば、巨大なツララのような氷の棘が雪の中から高速で突出し、二人の腹を鎧ごと貫き持ち上げる。巨大な氷の棘に貫かれ持ち上げられた二人の騎士は、激痛と呼吸もできぬ上、吐血し、苦しみ悶えながらもその肩に手を置いた女性の正体を見るとーーー広場にいる筈のイヴが、亀裂が入ったような笑顔で見上げていた。

「我も直に血と阿鼻叫喚を浴びたいものよ…ククク…クカカカ…。良い出来であろ…、彼処に居る我は…。」

苦しみ悶える騎士達は驚きと苦しみにより、広場に佇むイヴと背後に現れたイヴを目で追いやりながら声にもならない呻き声を吐血しながら上げ、背後に現れたイヴが広場にいるイヴを作りものかと言うような事を話すと不覚を取られた騎士達は絶望の中意識が徐々に薄れていく。
騎士達の背後から現れたイヴはその騎士達を楽しそうな表情で眺めた後、黄金の瞳の瞳孔を開き周りで広場に居るイヴを監視する残りの騎士達8割程、先程の氷の棘で同じように貫き、満足そうに亀裂の入った笑顔で

「…おっと…泳がせるつもりが楽しさ故つい手を出してしまったか…。…まぁ良い…、我の爪痕として…汝等はこの町の芸術となっておくれ…ククク…クカカカ…」

騎士達の背後から現れたイヴは、不気味な亀裂のような笑顔と笑い声を上げながら黒い霧で己の身体を取り巻き、姿を消す。
被害を免れた騎士達は突然地面から突出した巨大な氷の棘が仲間を貫いた何が起こったのか理解できずとも強大な現象を見て、危険だと判断し、すぐ様撤退し始める
取り残された広場に佇むイヴは、近くで氷の棘で貫かれ力尽きた騎士達を眺めると無表情に戻り、吹雪で見えぬ筈のヴァルトラウテの城のある方向に顔を向け

「ここも飽いたな…、…ならばあそこに前進してみるか…ゆっくりと…じわじわとな…。」

広場の真ん中に佇むイヴは猛吹雪の中、白銀の髪と黒いドレスを靡かせ、先程相手をした鍛冶屋の男を放置し、ゆっくりと城へと歩み始める。

ーーー暫くして、城下の町へと到着すると、猛吹雪はイヴを中心に更に荒れ始め、町を飲み込んでいく。
イヴは歩みを続けながら小さく笑い再び口を開く

「また…会えれば良いですわね…坊ちゃん…」

その呟きは、かつて皆殺しにした筈の大魔術師の息子である領主に対しての呼称であった。


【暫く絡みを待機しておりましたが、長引いてしまうと言うこともありますが、いかんせん絡みがしづらい状況だと判断し、再度書き込ませていただきました。】

>>ALL

15日前 No.87

春宮 @12122404 ★Tablet=4fg2rbSSgp

【ミレーナ/フライア川】

「はーい!」

先生の支持に元気よく従う生徒の如く、手を挙げて返事をする。つまりは、ゲーテより前に出ないなら好き放題やっていい訳だ。

「ムニン、C'mon」

ミレーナがそう発音すると、ムニンだけが木の幹から現れる。ミレーナはそれを「いい子」と撫でてから背に乗り、木の枝から飛び降りる。

先程戦場を混乱させた狗の出現に、周囲の騎士は警戒を強める。だが、同時に、背に乗って現れた幼子に呆然とする。

「遊びましょ?」

黒棘が発動し、騎士の足元から黒い茨が現れる。無論、騎士達は混乱。だが、逃走の暇も剣を構え直す隙など与えない。

バシュ、という音と共に茨の棘が急速に伸びる。茨に囲まれた騎士達は為す術もなく茨に串刺しにされる。呻き声など、もちろんある訳が無い。

呻くのは、茨の外側に居た者達だ。茨の棘に腕、目、足などを飛ばされ、蹲っている。幾人かはまだ戦意を維持しているようで、剣を構えてこちらへ向かってくる。

「きゃあ怖いわ!ゲーテ、お願いね?」

演技っぽい声で騎士を嘲笑うと、木の上のゲーテに声を掛ける。無論、向かってくる騎士の処理と、まだ死んでいない騎士の掃除を兼ねて。

≫ゲーテ

14日前 No.88

募集中 @nisemodoki ★hELxStGP5l_k1j

【ミシャエル/グリムローゼ境界フライア川】

 剣が刀身が魔女を貫き、傷口から赤い血が銀色の刃を流れ落ちてくる。魔女がどれ程傷を追えば絶命するのか人類には正確なところの見当など付かず、彼自身の経験則でしかないのだが、とりあえず痛手であることに間違いはないと判断した。然して、彼女は胸元に刺さった剣を抜くや否や、雪上に膝から崩れて、今や倒れ伏している。
 普段なら魔女と会話を交わすことなど無いが、己も長く立ってはいられないという観念か同情か、ようやく沈めた彼女に気まぐれに言葉を返した。

「……私はそんなに人外染みてなどいないけど。しかしキミ一人倒しても結果は変わらないようだ……残念だけどね……。」

 事実ナイフが刺さった身体はこの雪の中だというのに焼け付くように熱かった。それは彼女の言った通り酷い”痛み"なのだが、最早神経を直接燃やし尽くされるような感覚としか感じられない。その癖血を失った手先や足先は冷え切って震えている。

 まさか魔女一人に此処まで追い詰められるとは全く想定しておらず、その辺りは完全に彼の油断であり誤算だった。いくら何でももう少しマシな働きが出来るかと思ったのだが、この雪と魔女相手ではどうにもならなかった。しかし追い詰められているのは彼だけではなく、フライアの傍では相変わらず魔女とその眷属による陵轢と虐待が行われている。
 魔女一人にかまけて痛手を負った自分の体たらくを反省する。更に魔女側の蹂躙の手際の良さへの絶望を感じながらも、震える舌先と崩れそうな身体を何とか律し、暴風が一瞬落ち着いた隙を見て、最早気休め程度にしかならない言葉としても何か言っておくかと声を張り上げる。

「ようし、聞くがいいジルベルト・ヴァルトラウテの騎士達!動ける者は後退して増援と合流しろ、傷兵は私と残って犬のエサにでもなるがいい!ま、チョットくらいなら時間稼ぎにもなるだろう!……最早これは敗軍の些細な悪足掻きだ、気楽に行こうか!」

 殺伐とした戦場には相応しくない平然とした彼の言葉が辺りに響く。実のところこの絶望的な状況を把握し、どうあっても覆せない戦力差と判断を付け、一番恐怖しているのは彼自身なのだが、そこは指揮官としては無駄に絶望を煽るわけにもいかない。とは言え、鼓舞の言葉としてはいまいちズレている辺りから彼にも余裕がないのは見え透いている。
 実際先ほどから既に相当朦朧としている彼はそう言い終わった後、へたり込むようにその場に頽れた。

>ジュリアス、ALL




【誰もいらっしゃらないようでしたらリューシェでイヴ様迎えに行きますね。】

13日前 No.89

沙穂 @persona ★iPhone=l8QroD8Fr4

【アラン・ショルチェネフ/ヴァルトラウテ城下町】

粗方周囲の家屋を荒らしたアランだったが、ふと吹雪の向こう側から複数人が走ってくる気配を感じ、自身の追っ手かと思い身を隠して様子を伺うと
走ってきた数人は確かに騎士のようであったが、どうやらアランを探しに来た訳ではなく”何か”から逃げてきたかのような必死さと表情を見ることができた。

「ここで見逃せばいずれ私の事を捜査する集団に加わる可能性がある、な……」

そう呟いて逃げる集団の先頭で統制している騎士に照準を合わせて撃つ、見事その頭部に命中し粉砕すると後続の騎士達は途端にパニックに陥った
混乱した集団が1人、また1人と撃ち斃されていく様はまるでカモ撃ちの様相を呈し
そうして、新たな死体を量産したアランは騎士達が来た方へと足を運んでゆき、しばらく歩くと、やがて辿り着いた場所ではアランが先程殺戮したよりも多い騎士達があちこちで死んでいた。

魔女の仕業だろうか?
そう思いあわてて周囲を見渡すと、死体の中心に背筋が凍りつきそうなほど美しい女性が居た
何者だろうか、問うまでもなく魔女に関する存在であろう

「恐ろしい程の美貌を持つ貴女にあえて問う無礼を許していただきたい……貴女はグリムローゼの魔女、だろうか?」

高貴なるその佇まいに、できる限り最大限の敬意を表する
まあ、ヴァルトラウテの領民だった場合は殺してしまえば良いだけだとタカをくくってはいるが

(雑な文章で申し訳ございません!絡ませていただきます)

>>イヴ、All

12日前 No.90

ミネルヴァ @metropia23☆rhQo82JcU2ig ★iPhone=hpAHaaYwlW

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8日前 No.91

スサ男くん @kodai4370 ★iPhone=47c3b5qoOk

【ジュリアス/グリムローゼ境界フライア川】


「ははっ……だいぶ勢いは削がれたけどね…」

笑っちゃうぐらい足に力が入らない。心臓の横端を上手い具合に貫かれている、このまま何もしなければ死は免れないだろうが、このやたらと頑丈な身体のお陰でしばらく痛みに耐えなければならない。まさに生き地獄、身体を捻り、うつ伏せの状態から仰向けへと変化させる。少しでも楽な姿勢になればいざとなった時にも安心できる。

魔女達は……こちらを見る様子はない。そりゃそうだ、たかが1人仲間が死んだ程度で助けにくるわけもない。だが目の前の騎士も雪の積もる大地にようやくぶっ倒れた。敵を仕留めておくという目的は達成できたし少なからずあの人達には貢献できた、かな? 全く、下っ端のクセによく頑張ったと褒めてもらいたいモンだ。


「昔は何度も挫折したよ……」


唐突に口から出た言葉、自分でもこれから盛大な独り言が始まるんだろうとは薄々予想できた。そうして案の定はじまる。


「前もね……こんな感じで私はあっさり死んだのよ……その時は1人だったけど、今回は道連れにできる人間が……もう1人いるってことが…嬉しいわ……フゥ……ねぇ、アナタ意識はまだあるの?…あるならちょっと耳を貸して頂戴…」


死にかけのわりに流暢に話せた自分に感心しつつ、一呼吸置く。死への恐怖から一時的に免れるために言い出したわけではない。どうせ死ぬだけなら賭けてもバチは当たらないだろうという考えしか無かった。それにまだ“死ぬとき”じゃあない、私も、コイツも。そう思い再び口を開く。


「死にたくないなら……私に協力しなさい……」

>ミシャエル

【遅れてしまい申し訳ありません】

4日前 No.92

Nero @nerokichi ★Android=hswo6GaRTv

【ゲーテ/グリムローゼ城近郊の森】

「はァい、仰せの通りにするわ。やるのかァ?やるわよねェ。」

強大な魔術を操る姿を尻目に、まるで可愛らしい小動物のようにミレーナが背後に下がった事を確認してこちらに切りかかってきた騎士の一振りを鱗で覆われた腕で掴む。自身の能力を考慮するとまるで赤子のそれだ。口角を大きくつり上げ一つ踏み出して距離を詰める、同時にその首へと鮫の如き牙を突き立てた。騎士の悲鳴が響く。そして血走らせた目を見開いて痙攣しながら崩れていった。
血を吸った訳では無い。己の毒を騎士の体内に直接流し込んだのだ。泡を吹く男の姿を道端の石でも見るような目で見下ろしながら、口から紫の混じった体液を吐き出す。

「不味い。まずい。マズいんですけどォ。血も毒もまっずい。仕方ないけどさァ。もうちょっと改善出来ないわけ?…あーはいはい、感謝してますゥ。」

相変わらずの独り言を呟きながら長い舌を渋々といった表情で垂れ下げた。そうして会話を切り上げ、辺りを見渡す。戦況はこちらが押していると思っていたがそうでもないようだ。先程より騎士の数が増えている。増援の姿を見て面倒臭そうな視線を彷徨わせて、後ろの主へと首だけを振り向いた。

「うーん…始祖ちゃん。遊び足りないかも知んないけどちょォっと数が面倒になってきちゃったから適当なところでお城に戻っちゃってェ。イヴ様も心配になっちゃうだろうし。まともな判断だなァ。意外ねェ」

ごめんねェ。と緩い謝罪を向けつつ、戦場へと目線を戻した。流れ弾がミレーナにでも当たってみれば大変な事である。可愛い我王に怪我など言語道断である。自身の能力では混沌とした戦況か彼女を守れる保証が出来ない。頭のおかしいゲーテにしては真面な判断ではあった。

>ミレーナ、フライア川all

4日前 No.93

沙穂 @persona ★iPhone=l8QroD8Fr4

【アラン・ショルチェネフ/ヴァルトラウテ城下街】

吹雪の中、近く存在に気づいたであろうこちらを向いた彼女のその顔を見て息を飲む。さきほど軽々しく美しいと言ってしまったが、それ以上の……言葉では形容することができないほどに美しい顔をしていた
が、しかし。こちらの問いを聞いた目の前の女性が表情を歪ませる。
恐らく笑っているのだろうが……しかしアランは彼女から自身に注がれる視線がいっそう鋭くなっている事を認識し、少しでも対応を間違えればそこいらの騎士の様に容易く殺されるであろうといった緊張感に支配されていた

「名乗らずにいた無礼にどうかお許しを、私はアラン・ショルチェネフ……ヴァルトラウテの民にして、魔女を崇拝せし教団に所属するものです」

敬意を示さなければならない、と頭を垂れて自身の身の上を明かすアランはこの吹雪の中、ツ……と背中を垂れる汗に若干の恐怖を感じていた

「私にはとある目的がございます、現世では倫理的に不可能だとされ、神などは聞き入れてもくれないであろう願いでございます。
ですから、私には魔女の秘術が必要なのです……その為ならば、倫理や理性を捨てることなどどうとも思いません」

まるで挑発するかのように色気のあるその体を見せつける目前の女性を、視界に入っていても見てはおらず
彼女の問いかけにも具体的に答えずにいるのは、やはり『死者を蘇らせる禁断の秘法』を求める事を知る人は少ない方がいいという判断だろうか

(いえいえ、こちらこそ大分遅筆ですみません!)

>>イヴ、ALL

4日前 No.94

募集中 @nisemodoki ★iPhone=6OBHeQDJR0

【ミシャエル/グリムローゼ境界】

結局気が付けば冷たい雪に抱かれて身体を横たえていた。ナイフで穿たれた傷は呼吸と鼓動の度に熱いような痛みを伴い、彼の下に敷かれた白い雪にじわじわと赤い血が拡がっている。全身から血の気が引いて、青白い顔をしているのが自分でも認識出来た。危機を感じる程の嫌な寒気も吹雪のせいだけではないだろう。
当たる箇所を調整出来た何本かのナイフはすぐにどうにかなる程の傷ではなかったが、魔女の手で背中に突き立てられたものは致命的だった。いっそ即死であったら魔女相手に雪の中に倒れるという無様な気持ちになることもなかっただろうが、どうやらそれは魔女の方も同じらしかった。お互い即死でなかった事が幸運だったにせよそうでないにしろ、このまま放っておかれたら極寒の中で力尽きるのは明白だ。

「…………。」

唐突に始まった魔女の語り、それに対する彼の反応は無かった。聞こえていないわけではない。既に口を開くのも憚られるほど弱っているだけだ。
実は内心では道連れが出来たと喜ぶ彼女に対して、此方はこんな所で魔女一人程度の伴侶にされたくはなかったと最悪な気分になっている。可能ならば雪の中に落ちている先程まで振るっていた剣を取り直して、つらつらと独り言のように言葉を並べる魔女に引導を渡していただろう。しかし雪原に斃れた身ではそれも許されない。

意識はあるのか、と言う彼女の問い掛けに対し、一応起き上がろうと試みるが、やはり上体がほんの少し浮いて被っていたフードがズレただけだった。最早伏して漸く呼吸と共に身体を上下させることしかできないが、夕陽色の髪は吹雪に激しく煽られている。
こんな様子では、「死にたくないなら協力しろ」などと言われても、選んでいる余裕などある訳がなかった。此処で彼女と共に朽ち果てるのが騎士の矜持であり、ヴァルトラウテの駒でありながら魔女に協力するというのがどれ程馬鹿げた行為であるか、それすら理解できないほど、既にまともな思考能力など残っていなかったのである。

死の淵にある恐怖と寒気、更に刺し違えなければならない程に追い詰められておきながら魔女を仕留め損ねたという未熟にとっくに心を折られていた彼は、返事が出来ない代わりに血で汚れた手甲に覆われた腕を彼女の方へ漸く伸ばす。血を失い過ぎた指先が、金属の手甲越しにも分かるほどに震えていた。

>ジュリアス
【大丈夫ですよー。】

2日前 No.95

ミネルヴァ @metropia23☆rhQo82JcU2ig ★iPhone=hpAHaaYwlW

【イヴ=ティフォン/ ヴァルトラウテ領 城下町】

猛吹雪は彼女らを中心に白濁と遍き尚、勢力を衰える事なく白の化粧で包んでいく。その凍える程の猛吹雪の中で、黄金の輝きのない双眸が鷹の如く鋭い眼差しに対し男は屈しこの寒さよりも恐怖が勝り汗を滴らさせる。男はイヴに対して最大限の敬意を表して己の名を名乗り頭を垂れる。
イヴは恐怖による緊張感に支配されながらも誠意を見せたその男の人間らしい様子をみて、鷹のような鋭い眼光と亀裂の笑みから、乾いた眼差しながらも穏やかな表情と元に戻して男の言葉に耳を傾ける。男の名はアラン、魔女達を崇拝する教団に所属し現世の倫理に反する願いを持つため、あるもわからない秘術とやらの存在を信じ、ただこのような殺戮などの倫理に反する行為を繰り返しているらしい。
イヴはその男の行為と願望による理由でこちらの接触を試み、絶対的な力の差をすぐさま理解する賢明さに対して、満足そうな表情をした後、先程とは考えられないような軽く慈しむようなしかしどこか見透かした目をしつつ穏やかな表情に変え、相手に近寄り頬に手を当て口を開く。

「…賢明な判断だ…そう…その素直さこそが人があるべき姿だ…。アラン…と言ったか?頭を垂れる必要はなし、汝の目的はあい判った…。…神々からの意に反し、倫理に背く程の願いとはさぞ重い願いなのであろう…。」

心地良い静かな穏やかな口調でゆっくりと誘惑するかのように話しかけ、男の頬に手を当て頬を撫で始め、顎を指でなぞると手を止めると、黄金の双眸で相手の顔を見つめた後、男の首から下げられてる小袋に眼差しを向けゆっくりと空気を吸うように呼吸をした後再び男の顔に視線を向け。


「…成る程…、倫理に背く程の願いか…。人智を超越し神々から賜った物は天の理り地の自明である…人の物とせしむのは烏滸がましい…と、…その様な現を抜かす現世ではさぞ叶えられぬわなあ…“死した愛しき者の蘇り”など…。…しかし魔女如きではそれは難しかろうな…だが汝は運がいい…。」


何もその様な発言していないのにも関わらず、輝きの無い乾いた黄金の双眸は相手の心中に悟りをかけるかの如く、慈しみの表情の奥深くに移る闇よりも深い暗黒がその全てを見透かし、男の願いを無下にする事はなく淡々と語っていくと、黒い霧が背中から充満する。


「…真名と正体を晒すのは我らが道理に反すが、汝の想いに応えよう…、…我が名はイヴ=ティフォン…。…この地の者らの脅威であり、我らが王始祖の魔女と共にある者と言えば…判るか…?」


己の名と正体晒すと同時に、黄金の眼差しを見開けば、充満した黒い霧は暴発し街でばら撒いた黒い霧の様に、城下町の各住宅に霧散していく。霧散させた黒い霧を眺めた後、笑みをこぼしながら再びその黄金の双眸で男を見つめていた。



>>アラン、ALL

9時間前 No.96
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