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そして僕らは明日を探す<点呼・2/4まで>

 ( オリジナルなりきり )
- アクセス(2033) - ●メイン記事(83) / サブ記事 (188) - いいね!(25)

異能/脱走/救出/戦闘/絆/国家に対する告発 @line☆1jppp41g33s ★Android=cfmXtsuO1s

 ――わたしたちは生まれてからずっと、この空しか知らない。

 あの日から5年。
 彼らと別れたあの日、手を伸ばしても『扉』に届かなかったあの日、わたしたち被験者≠ェ脱走を図った真っ白な雪が降った夜。
 わたしたちは研究によって造られた異能者≠ナあったから外の世界を知らない。だからわたしたちは脱走という賭けをした。でも脱走できたのはたった5人。被験者の中でも一際強大な異能を持ったわたしたちの家族=B

――必ず助けに行くから

 壁に阻まれたそのとき、必死に叫んでくれた君の言葉をわたしは今も忘れられないでいる。

***

 ――俺はあの日からずっと、君を忘れられないでいる。

 君の手を取れなかったあの日、冷たい雪の降った真っ暗な夜。必ず迎えに来ると約束したときの君の涙に濡れた顔。
 俺たちに残された時間はあまりに短い。俺たちは確かに異能が完成されていたけれど、その代償は寿命だった。それに気付いたとき俺たちは最期の賭けをしようと決めた。自分の家族≠取り戻すために、自由を掴むために。最初で最後の賭けなのだ。
 だから待っていて欲しい。君たちの空は無限に広がっていると証明してみせるから。

***

 被験者が戻ってきたのだと、歓喜に満ちた声で研究者は言った。
 大罪人が戻ってきたのだと、恐怖心を露にして権力者は言った。
 いつかはそうなる気がしていたと、ある一人の治安部隊隊員は言った。
 ようやく運が巡ってきたのだと、ある監査部隊隊員は言った。

***

 ――さぁ、行こう。これより先は歴史に爪跡を残す脱走劇。それが喜劇になるか悲劇となるのかはあなた次第。
 それでもあなたは、明日(希望)を探し続ける覚悟はありますか?


【こんにちは、スレ主の遥です!
 物語は研究によって異能力を強化させられた子供たち(アルカナ)が脱走する話をメインとして、そしてあわよくば他組織と連携して六花国政府の非人道的な実験を告発しようとしたりするのもいいかなぁと。とりあえずやってみなけれな分からないので参加者さまとこのスレを進めながら考えようと思っています。興味があればぜひサブ記事をご覧下さい!】

【レス禁です!】

メモ2017/01/30 22:37 : 点呼確認者チェック/キャラ表☆1jppp41g33s @line★Android-cfmXtsuO1s

25個のいいねありがとうございます!


!お知らせ!

 現在点呼確認中です。まだ点呼確認されていない方はこちら(http://mb2.jp/_subnro/15481.html-175#a)をお読みの上、サブ記事までお願いします!


<<注意点>>

・本編に書き込む前にこちらをお読み下さい!

 各本拠地について、注意点↓

 【http://mb2.jp/_subnro/15481.html-94#a


<<キャラ表>>

 http://mb2.jp/_subnro/15481.html-188#a


<<募集状況(サブ記事レス番188時点)>>


*対六花政府組織監視部隊ペルソナ

 ・サブリーダー:1名

 ・幹部:2名

 ・構成員:無制限


*六花国政府直轄アルカナ守護部隊スペード

 ・構成員:無制限


*5年前に脱走を試み失敗したアルカナ【募集終了!ありがとうございます!】


*ジョーカー【募集終了!ありがとうございます!】


<<予約状況>>


*対六花政府組織監視部隊ペルソナ

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スレ主 @line☆1jppp41g33s ★zuLSncMp6z_ZFe

【樹更朱希/研究学園都市銀花¢蜥ハり】

「あははっ、お礼なんてたいしたことしてないわ。でもありがとう、素直に嬉しいわ! あたしの方こそ、感謝しなきゃね。誰かと遊びに行くなんて久しぶり」

 日頃のお礼と言ってくれる彼に、朱希は明るく笑いながらそう答えた。ジョーカーが六花国に侵入してきてからはさらにばたばたしていることが多かったため、朱希は久しぶりにカフェへ行けることに喜んでいた。たまには息抜きもしなければ、自分の場合は煮詰まっていたに違いないとも思う。それに前々から行きたくてうずうずしていた場所へ知人と一緒にいけるとなればワクワクしてくる。
 護衛はスペードの任務の一つ、朱希としてはお礼を言われるようなことは何一つしていないと思っている。逆に、自由のない生活をしているアルカナである彼に護衛をしている『スぺ―ド』の自分が関わり過ぎると、せっかく街で自由に歩いていたのに窮屈になってしまうのではないかとも心配していた。しかし、礼を言われると単純ではあるのだが、ちょっと安心した朱希だった。ほっと小さく胸を撫で下ろす。そう言う意味での感謝の言葉であるのかもしれない。

「ふふ、それは良かったわ。雪鹿くんは喫茶店が好きなのね。紅茶もよく飲むのかしら」

 僅かではあったが表情を明るくして答えた雪鹿に、朱希は喫茶店が好きなのだなあと単純にそんなことを思って笑みを浮かべた。自分もカフェ巡りが趣味みたいなものであったから、意外な共通点があったものだとも思う。

「ううーん、あたしも他に行きたい場所があるかって言ったらパッとは出てこないなあ。雪鹿くんは行きたいところある?」

 「どこから行く?」という問いかけに、朱希は考えながらそう答えた。いざとなったらパッと思いついてこない。何かに時間が束縛されて好きなことが出来ないときは「あれもやろう、これもやりたい」と休日の予定を頭の中で思い浮かべていたというのに、どういうわけか今は出てこなかった。しかし、朱希としては行きたかったカフェに行けることだけでも相当に嬉しい。その店の評判を噂を聞いてから、ずっと気になっていたのだ。そして、今度は逆に雪鹿に行きたい場所を尋ねてみて。あったらあったで付き合おうと思っていたし、なければこのまま直行でカフェでお茶をしてゆっくりとお喋りするのでも良かった。オフなのだから、たまにはこういうふうにどこかへ行くのもいいなと朱希は思うのだった。

>茶切 雪鹿さま、ALLさま
【ひい、そう言ってもらえてよかったです!気遣い上手な雪鹿くんに本体はすでに吐血済みですww朱希は久しぶりに遊びに行けてルンルンです(笑)】

2ヶ月前 No.34

仔夢 @00000x ★iPhone=y44SZZaVfW

【紅小路莉子/研究学園都市銀花♂w周辺】


ふるふると子鹿よろしく並みに震える律の右手にはグレーのマフラー、序でに律の震えに合わせるようにマフラーも震えている。指先も既に真っ赤で体温は冬景色にどんどん吸い込まれていく。それでも、今更引き返せないところまできているのはわかっていた。もう言ってしまえば仕方ない。全力で家まで帰って布団に潜り込めばなんとか風邪は免れるだろうか。と、そんな思考に浸っていると、月琉の呆れ半分な声が聞こえた。


「もう、ほんと子供っぽい。そんな薄着じゃ風邪引くに決まってるじゃん。まあ優しい優しい澄利さんが看病してあげるけど、もしお粥に観賞用の植物入ってても恨まないでね?」
「そんなことないっ……風邪引いても澄利のおいしいお粥食べれるからいいです……ええっ、澄利ぃ……嘘だよねぇ……? わたし観葉植物消化できるような体じゃないです……」


昔から人一倍寒がりだった律は毎年恒例のように風邪を引いていた。その度に看病してくれるのは大半がとことん万能でソツなくこなせる月琉であり、病人食だって栄養も食べやすさも考えた上で律の好きな薄味も意識してくれていた。その時一緒に作ってくれるスープだって、野菜も肉も沢山入っているのに、その全てが口の中に入れるとほろりと蕩けてしまうように柔らかく、どれだけ煮込んでくれたんだろうと申し訳ないような有難いような、不思議な感覚に陥っていたのもまた一年前の思い出だ。本人はたまに料理するくらい、だなんて言っているが彼女の作る料理はどれも芸術的とも言えるくらいに彩り豊かで美しいものだ。一つ下とは思えないほど大人っぽい節があり、天気は大荒れ、雷が彼方此方に落ちるように鳴ったあの夜、涙目で月琉のベッドに潜り込んで眠ったこともいい思い出だ。そんな彼女の粥を食べることができる風邪のシーズンは律にとって密かに嬉しく感じる季節だったり……したのだが、観葉植物発言には思わず目が潤んだ。次の言葉にはもっと。


「お前寒そうだけどマジでいらねえんだな。俺は知らないからな」
「寒くないって言ってるの。別に知らなくていいです。りっちゃんのお世話係なんて疲れたでしょ?」


じゃれあいだった筈が酷く滑稽なほどに強く当たってしまうのは幼い頃はよくしていた喧嘩の前兆。最近では殆どと言っていいほどに少なくなったそれだが幼い頃も確か律の強がりが主な原因だった。一瀬に一切のことを無視されるその状況が辛くて先に謝るのも、そのあと月琉の説教をくらうのも、殆どが律だ。今思えば懐かしかった。が、現在律はそんなことにかまっていられない。現在その喧嘩が進行中なのだ。このままいつものように何方かが折れてじゃれあいで済ますこともまだ間に合う。然し今回はどうも腹の虫が収まらない。言い出すと止まらないのも自らの悪い癖だ。とはわかっているものの、一瀬と言い合いになると律は折れることを知らなくなる。それは気を許している証でもあるのだが。

月琉と一瀬が会話している最中、律は静かに視線を下に向けていた。兄妹、幼い頃からよく言われるがそれは今も変わらない。いつも喚く律を宥める一瀬は第三者からそう見えるらしい。家族の暖かみを知らない律にとってそれは家族について考える手掛かりであり、少し嬉しいことでもあった。今はそんなことを考える余裕もないに等しいのだが。


「リーダーうるさい。私と一縷が付き合ってるとか盛り上がるだけ無駄だと思うけど、なんか面白いから私は否定しないでおこうかな。でも肯定もしない」
「いーや、お似合いだと思います。りっちゃんはね。否定しないなら、そうと捉えてもいいよってことですよね!」


「…………やってられるか。さっきだって寒そうにしてただろうが。人の好意を何だと思ってんだよ。付き合ってるだのなんだの適当に言いやがって。もう勝手にしろ」
「好意? どうせ莉子のことお子様だとでも思ってるんでしょ? そうね、あんた世話焼きだから小さい子には優しくしないとね。ただ下に見てるだけなら好意とは言わないと思うんですけど。それにいつも莉子のこと散々からかっといて、その言いぐさはないと思います。勝手に言ってるのはいつも一縷のほう。莉子がどれだけ我慢してると思ってるの。ええ、言われなくても勝手にしますよ。」


月琉と話すときの笑みを含んだいつもの通りの話し方とは一転、律のなかで何かが切れた。もう考えなくたって言いたいことはすらすらと言葉が口から発射されていく。まるでさっきの律はもういないとでも言わんばかりの鋭い目つきで、相も変わらず低い身長ももはや関係ないくらいに高圧的な態度で。
一言で全て言い終わると、一瀬の言葉には反応せずに、帰りたがる月琉と全くの同意見だったため、彼女の手を引いた。


「私はもう帰ろうかな、無駄に寒いし」
「りっちゃんも帰ります。澄利、久しぶりに二人でご飯作ろう?」


家の方向へ駆けていきながら、月琉へ向かって真っ赤な顔で微笑んだ。


>科条一縷様、雪吹澄利様

【あけましておめでとうございます!新年早々喧嘩ロルをまわします……喧嘩って難しいですね……りっちゃん結構当たり強めになっちゃいましたが気を悪くされたらごめんなさい本当はお世話係りとか思ってないです感謝してます……!了解です!これから月琉ちゃんと夜ご飯作らせたいですかわよい月琉ちゃんに看病されたいです!】

2ヶ月前 No.35

雪鹿 @salt9140 ★Android=42zyboh5vZ

【茶切 雪鹿/研究学園都市銀花¢蜥ハり→喫茶店】

大したことない、なんて明るく笑って答えてはこちらこそ、ありがとう、だなんてお礼まで言う礼節ある実に善人と言えよう彼女に人望が無いわけなかろうに。と、始めはそんな風に単調な思考に至った。それ故に、

「そうか。僕も暇であったから礼には及ばんよ。」

なんて返してはははっ、と笑った。しかしながら、思考を改めて見直してみれば彼女は善人過ぎても人は近寄りがたいだろうし善人である彼女は他人を気遣うあまり他人を誘う事すら出来ないのかもしれない。そんな不器用さが垣間見えた瞬間だったのだろうか。単に、僕の考えすぎといった可能性も否めないので此処は流しておく事にする。機会があれば、その時にでも言っておこうか……やれやれ、思考の回転が鈍いな。困ったものだ、こんなとこでは今いる“家族”だけではなく居なくなった“家族”にまで笑われてしまう。もっとしっかりしなくてはならないな!

「ああ、紅茶をよく飲むよ。というか、あれだな。紫翠の淹れ方も上手いし嫌いな奴は居ない……気がするな。もしかしたら僕が知らんだけかもしれんが……。」

相手の言動に深く頷いてふと家族の事を思い返せば自分が淹れることも一応はあったものの、紫翠という“家族”の一人がついでだから、なんて言って淹れてくれることも中々にあった。まぁ、その紅茶が中々のもので茶菓子にもよく合っていた。そう言えば、彼女も世話好きと言うか……眼前の女性と似通った部分が少なからずあるような気はしているが、本人達がどう思っているのか分からないのでこれもまた、胸中に秘めておこうと思う。

そして、普段からそれなりに和気あいあいと過ごしているせいか、飲み物の好みなんて知るよしもなかったが、なんとなく紅茶は好きな人が多かった気がしている。なにせ、各々好きなものを適当に飲んでいるためか、そういったことを気にしたことが無かったのだ。今度、機会があれば気にかけてみるとするか。

そんな事をううむ、と少し唸っては考え込んでいるとふと頭に冷たい物が触れた。何かあったか、と上を見れば、白濁とした雲から白いものがはらはらと降っていた。ああ、もう雪が降り始めるのか。道理でやけに冷え込むと思ったら……しまったな、もう少し暖かい格好をすべきだったろうか。いや、そんなことより、だな。

「そうか、僕もない。雪も降ってきた事だし、そのカフェとやらに行くとするか!」

相手が特に行きたいところはない、と言っていたので特筆して無かった僕はすぐさま踵を返して駅の方向へと歩き始めた。生憎、僕は傘の持ち合わせが無い。そんな時にわざわざ女性を連れて行くような御店など、知るよしも無いのだ。カフェについて、雪が積もるようならいくつか僕にも考えがある。かなりの制限を食らってしまったが、それでも能力は健在なのだから。
ああ、でも樹更も能力はあるのだから、そこまで気にかける必要性も無いか……。それでも、女性だから気にかけてしまうのだ。別にフェミニストというわけでは無いが、男性であるならば、この程度は一般的だろう。

ついぞ、先行して歩いてしまったのでちらりと振り返って樹更を待ってみる。先に行ったとて、僕には詳しい店の位置が分からない。それに、樹更の様子も気になった。

「あまり急がんでもいいからな?急がば回れ、とも言うしな。」

樹更の方を見ては相手を気遣う質であろう相手に自分のペースに合わせて無理をしないように少々分かりづらいかもしれないが、少し眉をひそめて微笑みながらそう伝えてみる。雪の日に急ぎすぎて足を挫いた、というのはよく聞く話であったが故に、ついつい心配をしてしまう。子供扱い……という程でも無いかもしれないが、それでも気をよくしない者も少なからず居るだろう。だからこそ、彼の気遣いは何時だって婉曲的であった。そもそも、気遣い自体を自覚することが無いゆえに、その悪癖とも取れるそれは治ることは未だ無かった。

>樹更 朱希様、all

【あぁ!誰か、お医者様はいらっしゃいませんか!笑
若干ながら雪鹿君も上機嫌です。ただし、目には見えないという…。
ルンルンしてる樹更さんの頭を撫でたい…!】

2ヶ月前 No.36

スレ主 @line☆1jppp41g33s ★zuLSncMp6z_ZFe

【樹更朱希/研究学園都市銀花¢蜥ハり→喫茶店】

礼には及ばないと雪鹿から言われ、朱希はにっこりと笑った。アルカナとここまで打ち解けて話せることがあまりなかったためだろうか。話していたとしてもどこかお互い遠慮して浅い話になってしまうことが多かった。一緒に出掛けることはほとんどが「護衛」という役割があるからで、つまりどうしても任務であるためだと思われがちだ。深入りはするな、という昔の上司の言葉に縛られているような感覚があった。仕事上の付き合い、そう言った最低限の会話しかしない者もいる。所詮は監視だろうと言って、詮索してくるなという者もいた。
しかし、オフの日くらいは普通に話していてもいいだろう。

「ふふ、美味しいものね。あたしも紅茶は好きよ。あたしは詳しいわけじゃないけど一日二回、朝起きて飲んで、家帰ってから飲むのが習慣になっちゃったわ。……へえ、紫翠ちゃんの淹れる紅茶ってそんなにおいしいの。全然知らなかったわ。でも、なんか想像しただけでもおいしそうって言うか、似合ってるわね」

 自分の言葉に深く頷いて肯定の返事を述べる雪鹿に朱希は「美味しいものね」と同意した。朱希も紅茶を飲むのは好きだ。色んなカフェや喫茶店に行くと、とりあえずは紅茶を頼むことにしている。朱希にとってカフェ巡りはほっと息をつくひとときの時間で、その紅茶の香りに包まれていると幸せを感じるのである。うんうんと、肯定の意を込めて頷きながら雪鹿の話を聞いていた。そして「紫翠の淹れ方も上手い」という言葉を聞けば、朱希には初耳であるのに「ああ確かに」と呟いてしまいそうになる。紫翠は優しく、他のアルカナの面倒をよく見ていて良いお姉さん的存在だと朱希は思っている。よく気がつくということでもあり、何となく他人に紅茶を振る待っている姿が想像できる気がした。
 少し先を歩く雪鹿の後をついていくと、ちらとこちらを振り返ったので「朱希ナビにまっかせなさい!」と冗談ぽく言って明るく笑いながら、彼の横に並んだ。店を知っているのは自分であるので、そこまでナビのように案内しようというわけである。

「大丈夫大丈夫! あたし、高校生の頃は結構高いヒール履いても全力で走ってたくらいだから、バランス感覚はすっごいいいの!」

 つまり転ぶ心配はないということを言いたいらしい。こちらを見て、気遣う彼に朱希は少し前を歩いてくるりと後ろを振り返ると大丈夫だという旨の言葉を伝える。今は後ろ向きで歩いているので、それこそ転ぶ可能性が高くなるというものだがその表情はどこか楽しそうである。

>茶切 雪鹿さま、ALLさま

【雪鹿くんとは紅茶好き仲間ですね(`・ω・´)るんるんの朱希はカフェに着くとテンションがさらに上がりそうです(笑)】

2ヶ月前 No.37

@tom14ygo☆WnFCSuIj8g3e ★Android=agAsIzwiuP

【 御神木 丞 / スペード本部→休憩室 】


一体、どのくらいの時間デスクに向かっていたのだろうか。存在を忘れていた携帯が突如として鳴り響き、聞き慣れたその機械的なメロディにハッと我に返る。数秒で止まったそれは電話ではなくメールの着信を知らせるもので、差出人は古くからの友人だった。今は西都へ旅行中で、他愛ない一言と共に何枚もの写真が添付されている。多忙な生活のせいか旅行には縁が無く桜雪へ足を運んだのはこれまでの人生で一度だけだったが、歴史情緒溢れる街並みを歩くのはノスタルジックでとても感慨深かった記憶がある。一度行ってみたいと言っていた彼は存分に旅行を楽しんでいるようで、両手でピースサインを作り満面の笑みで写っている。その笑顔につられて自然と頬を緩ませると、送られて来た写真の中から景色だけが写ったものを保存し、返信を後に回して画面を閉じた。
 目の前には作成途中の資料、その脇には山積みの書類。部屋の時計を見上げればどうやら数時間の間仕事に集中していたようで、今日中に終わらせなければならない文書は既に出来上がり、気が付けば別な作業に取り掛かかっているところだった。守護部隊を謳っているとは言えアルカナの護衛だけがスペードの仕事ではなく、五年前に脱走したアルカナジョーカー≠連れ戻すことに加え、六花国に探りを入れているスパイの調査・排除を担っている。現場に出ている事がほとんどだが、政府へ報告書などを提出する為にこうした本部でのデスクワークも多い。再び文字を打ち始めようとキーボードに手を乗せるが、集中力が途切れなかなか思うように進まない。更には長い時間画面を見続けていたせいで目の疲れがひどく、思わず眉間を押さえてしまう。

「…………駄目だ、今日は終わりにしよう」

 そう呟いてパソコンの電源を落とすと、肩の荷が下りたように大きく溜息を吐いた。仕事は一段落したが、警察署――つまりは、職場を出るまでスイッチを切り替える気にはなれない。この場所がアルカナの住まう研究所と繋がっているせいもあるのか、なんとなく、まだ気を休める事が出来ないのだ。さっさと帰り支度を済ませてしまおうと書類を整え、椅子の背凭れに掛けていたジャケットを羽織り内側のポケットにボールペンと携帯をしまうと、まだ半分以上残っていたコーヒーを口へ運ぶ。それは完全に冷め切っていたが、暖房により乾燥した喉にはかえって心地良い。身体の芯まで潤いを満たしていくのを感じながら一気に飲み干してしまうと、空いた缶の行き場を探して休憩室へと向かった。
 そして、ドアが開かれた瞬間――真っ先に視界に捉えたのは、よく見知った女性の姿だった。

「お疲れ様。もう仕事は終わりか、紫」

 紫日恋――スペードのメンバーで、大切な部下。いや、部下では少し遠すぎるような気がする。彼女の場合仲間≠ニ表現した方が合っているだろうか。まさしく仕事の出来る女性で、提出される書類はいつも完璧なものばかりである。戦闘においても非常に優秀で、彼女の能力には何度も助けられていた。自分と同じくデスクに向かっていたとばかり思っていたが、どうやら気が付かないうちに仕事を終わらせて休憩室へ来ていたようだった。


>>紫 日恋様、ALL様


【あけましておめでとうございます!そして非常に遅れてしまいましたが、本編開始おめでとうございます。どこへ行こうか……と迷っていたところ、警察署にとても可愛いお嬢さんがいらっしゃったので早速絡ませて頂きました!研究所へ行かれるようでしたら、是非とも日恋ちゃんのお供をさせて下さい……!お願いします(土下座)】

2ヶ月前 No.38

日恋 @tokiwa☆keIKSoWF8Tc ★5N6QXG582d_m9i

【紫日恋/スペード本部、休憩室】

 立ち上がった日恋が目指すのは、休憩室内に設置されている自動販売機の横に並ぶゴミ箱。手に持った飲み干したココアの缶をカンと分別された口へと投げ入れて、きちんとゴミを処理する。その際、少しずり落ちた肩に羽織るようにかけた大判のストールを手でたどりながら戻しつつ、休憩室をそろそろ後にして先ほど呟いた通りに研究所に顔を出そうかと脳内で再び呟きながら扉のほうへと歩み寄り、ノブに手をかけてゆっくりと開いた。その流れのままに歩みだそうとしたのだが、開けた扉の先、すぐ目の前に人影と直面してはぐっと脚を踏みとどまらせた。少しばかり驚いたような日恋だが、しかし目の前の人の顔を確認する前に低くそして心地よい聞き慣れた声色がゆっくりと降ってくるのである。

「まあまあ、丞くん。お疲れさま」

 漸く日恋は顔をあげて、改めて彼の存在を認識してはふわりといつものごとく微笑みを浮かべた。
 彼は自らが所属するこのスペードを束ねるリーダーであり、だが日恋にとってはスペードのリーダーというだけでなく、紛うことなき仲間の一人である。仕事においての姿勢やアルカナへの対応においてもすべてに誠実である彼のことを、日恋はとても尊敬し、そして敬愛している人物であることは間違いないために、日恋も日頃の恩をせめて仕事という目に見える形でももちろん返していこうと決めているのだ。彼への呼び方は、しかしながら相変わらず上司というのになれなれしいことこの上ないのだが、いつものことである。日恋は予期せず自分の身体でふさいでしまった扉を、二歩三歩と後退して「塞いでしまってごめんなさい、どうぞお入りなさって」と横によけた。これで彼も休憩室へと足を踏み入れることが出来るだろう。

「ええ、私のお仕事のほうは先ほど恙なく終わりました。帰宅する前に研究所へ寄ろうかとも思っておりますけれど、丞くんもお忙しくないようでしたらご一緒にいかがですか?」

 忙しくなければ、と前置きして誘ったものの、きっと彼は忙しいのだろう。彼が忙しくしていないところは、実を言うとあまり見たことがないのだが。しかし、そんな彼が少しでも息抜きが出来ればなと日恋は密やかに思うのであった。

≫御神木丞さま、ALLさま

【あけましておめでとうございます…!ひええっ、とてつもないイケメンさんと絡むことが出来てとてつもなくうれしいです!密やかにこれもう誰も絡んでもらえないのでは……と絶望感じてたところだったので本当に助かりました!うれしい!ありがとうございます!そしてお言葉に甘えまして早速研究所へのお誘いをしてしまいました!こちらこそお願いします(土下寝)(((】

2ヶ月前 No.39

一青瀬采都 @pm300 ★iPhone=psO1pC4dIH



【一青瀬采都 / 警察署地下】

「……予想通り……です」
そう呟いた彼女ーー一青瀬采都は、この日の仕事を少し早く終えて個人の調べ物をしようとアルカナ研究所へと繋がる通路のある警察署地下の端に位置している書庫へ入った。何が予想通りだったかというと、その荒れ果てた書庫の姿である。とはいえ、恐らく普段使っているであろう一角だけは整っており仕事に支障をきたすことはなさそうだが。それでもバラバラのバックナンバーからしてきっと長らく使われていないファイルもあることは明確だった。

ところで、彼女はスペードに配属されてまだ一年目の新米である。新米といえば雑用。雑用といえば新米。幸運なことに掃除が好きな采都ではあったがともすれば図書館を作れそうな書物の多さに一瞬ひるんでしまう。

「…………」
思わず押し黙ってそれらを見つめている自分に気がつき、気合いを入れ直して時計を確認する。針の示す時間はまだ五時四十分。心の中でよしっ!と言ってから腕まくりをして彼女は書庫の整理に取り掛かった。
とりあえず手元にあるファイルのナンバーを揃えてゆく最中、自分の上司の面々を浮かべて彼女は首を傾げていた。様々なキャラクターでありながら、仕事に関しては完璧な先輩たちが手をつけなかったここって一体......?
多少天然であるのかも分からない彼女は、無意識のうちに念糸を使って四方八方の書物を恐ろしいスピードと激しい物音を伴いつつ片付けながら考えるのであった。

【はじめまして、スペード新米幹部の一青瀬采都の本体です。オリジナルなりきりに数年ぶりに参加しているので至らない点も多いと思います......!どうか教えていただけるとありがたいです、采都共々よろしくお願いします】

>>ALL様

2ヶ月前 No.40

よいのつづり @sasame031☆Drc4JVXJx7M ★78Gp0ZKeUd_qxX

【神楽野鎮樹/研究学園都市銀花 広場】

 矢ヶ罪、と名乗った相手を見る。――聞き覚えがあるような、ないような。あったとしても、それが自分の家族のものであると断定するのは早計すぎるし、何より、鎮樹は相手の顔に見覚えはなかった。記憶力が悪いわけではないが、記憶力に自信があるわけではない。だから、目の前にいる彼の顔が記憶になくても、鎮樹は仕方がないと思う。

 ――雪が降ってきたらしい。視界に入ったそれは、すぐに消えていく。吐き出した息は白く、もう雪が降る季節なのだと実感する。寒さに弱い鎮樹は、この季節が好きではない。だが、まぁ。雪というもの自体は嫌いではなかった。ぬるくなり始めた缶コーヒーを両手で転がすように握りながら、鎮樹は矢ヶ罪の質問に答えを返すために口を開いた。

「雪、か。好きな方、だとは思うな。俺、寒いのは苦手だけど、雪を見るのは嫌いじゃないし」

 そう言って、鎮樹は曖昧な笑みを浮かべ、雪が降る空を見上げる。家族と共に逃げ出したあの日を思い出させるような寒さと雪に、鎮樹は知らないうちに、眉をひそめていた。

>>志白くん、ALL

( あけましておめでとうございます!(今さら) この絡みが楽しいと言っていただけて何よりです、こちらこそありがとうございます…! そして皆様、今年もよろしくお願いします )

2ヶ月前 No.41

ゆきお @suzurinn☆Mr5oixGNY1Y ★JyFDodpAvJ_DIF



【明志波桃也/アルカナ研究所/廊下】


 紫翠によってわしゃわしゃっと両手で乱された髪を桃也が直す間もなく、冗談めかした言葉を言いながら紫彼女が笑った。その言葉の「お姉さん」という部分は、紫翠と桃也が同い年である以上必ずしも適切ではないかもしれないが、面倒見が良く精神面でも大人びた紫翠のことは桃也も姉のように思ってきた。だからこそ女装という特異な趣味がバレてしまったことは少しショックなのだが、それさえも踏まえた上で今こうして笑い合えていることには感謝の気持ちしかない。それもこれも彼女の心の広さと口の硬さのおかげだろう。そして、どんなものであれ秘密の共有というものは人の絆を強固にする。とは言っても、アルカナは皆他の何にも代えられない大切な家族なのだ。その家族たちにさえ隠し事をしているという事実に、たまに少し胸が苦しくなることがある。個人的なことだからまだしも、これが家族の存亡に関するものだったら――ネガティブな思考は、いつだって自分を不安にさせる。だからといって女装趣味を他人に言えるわけないのだが、と悶々とした思いが堂々巡りを始めかけたとき、ツンッ、と指で軽く突かれた額の感覚に思考を遮られ、はっとして我に返る。

 問題はあると言った桃也にそのまま、問題はあるのかと不思議そうに聞き返した彼女は、いつの間にか自分の腕をそれぞれの袖口に突っ込んでいた。その姿はいつか本で見た、どこかの民族の妖怪のようにも見える。だが冷え性の彼女がその形を取るのは大して珍しいことではなく、その面白おかしいポーズよりもその行動に至ったことへの心配が勝る。先程の足の感覚がないという発言からしてアウトな気もするが、今は手先が冷えて寒いのだろうか。このまま手足の先から冷えていき、じきに身体中が震え出すのではないか。世話になっているなっていないの悩み事よりも事の重要性の高い事象に、一刻も早く火を扱えるキッチンに急ぐことを優先させた方が良いと気持ちが急く。だがそれを言い出すよりも早く、紫翠の手でパンッと快活な音が弾けた。突然のことに、考え込んでいた桃也は驚いて目をぱちくりさせてしまう。何やら名案を思いついたらしい紫翠が、可愛らしい仕草で人差し指を立てた。

 彼女は自分が紅茶を淹れる代わりに、桃也には話し相手になってほしいと言う。そんな簡単なことでいいのかと、彼は面食らった。頼まれていなくたってずっと話していたいほど、紫翠と話をするのは楽しい。部屋を出る前には多少胸に燻っていた、読みかけの本に対する読書欲も忘れるくらいに。だが桃也がイエスかノーかを答える前に、紫翠は桃也の腕を掴み、そのまま走り出してしまった。彼は一瞬何が起こったのかを理解出来ずに引きずられかけ、慌ててもつれそうな足を動かした。

「えっ、もちろんいくらでも話し相手にはなるけど、ええと……廊下は走ったら、危ないよ……!」

 混乱のあまり学校の風紀を重んじる教師のようなことを口走ってしまいながらも、口元は無意識に笑んでいた。人と手を繋ぎながら――というよりは腕を引っ張られる形ではあるが――走ることに、少し青春っぽいな、なんてことを思いながら。


【あけましておめでとうございます!(大遅刻)
  ンン……というか物凄く発展のない受け身のロルで申し訳ないです……!!
  桃也はあわあわしてるので適当にキッチンまで引っ張っていっちゃってください……!!!】

>>薄花桜紫翠さま、周辺Allさま

2ヶ月前 No.42

妃翠 @azalea☆dszkmgEaqwdD ★BxEfezLEi0_EP8

【 薄花桜 紫翠 / アルカナ研究所 廊下→キッチン 】




「そうね。だから桃也は無闇に走っちゃだめよー。誰かとぶつかって怪我したり、させちゃったりするからねぇ」



 混乱しているのか中々に真面目なことを言う彼に、紫翠は自分のことは棚に上げて足音にかき消されないように少し声を大きくする。豪邸の皮を被った研究所内に、紫翠と桃也の足音だけが響く。これほど騒がしくすれば誰かしらから苦情が来そうなものだが、少しも声がかからないところを見るとここにいるのは自分たち二人だけなのか。しかし、未だに桃也を巻き込んで走り続けている彼女は、すぐに否と首をふる。ここの地下では、今も幼い誰かが政府の餌食になっているのだろう。足を止めれば誰かの悲鳴が聞こえてきそうで、彼女は無意識に桃也の腕を掴む手に力を込める。
――こんな腐った国、いっそのこと滅んでしまえばいいのに。
 暗い思考に沈みかけた彼女は、寸でのところで我に返って……顔を引きつらせた。紫翠の目の前。額が触れるか触れないかと言う距離に、何と言うことだろう。キッチンの扉があった。このまま考え込んでいたらきっと自分は扉にぶつかっていた。もしものことを想像した彼女は、額が痛んだ気がして思わず手で押さえる。無言で扉を開けた彼女は、くるりと振り返って誤魔化すように笑いながらキッチンの電気をつけた。



「すぐに紅茶を淹れてくるわね」



 ちょっとだけ待ってて、と言い残し、紫翠は紅茶の準備にとりかかる。棚から精緻な細工の施された白磁のティーポットとカップを取り出し、鍋に水を淹れて沸騰させる。ネットで得た知識だと5円玉くらいの泡が出ている状態が目安と書いてあったが……。沸騰したお湯をじっと見つめた紫翠は、すぐに半眼になってお湯を止める。そんなもん分かるはずがない。ポットとカップにお湯を淹れて温め、温めたポットに先日購入したばかりのアッサムをティースプーン二杯ほど淹れて勢いよくお湯を注ぐ。蒸らしている間に何かお茶菓子になるようなものはないかと冷蔵庫を漁っていた彼女の視界に、二本のパウンドケーキが入る。ドライフルーツと木の実がぎっしりと入ったケーキが一本。プレーンのものが一本。誰か作ったのか、それとも買って来たのだろうかと首を捻った紫翠だったが、すぐに何かを思い出したように「あ……」と声をあげた。そう言えば、研究者への怒りを込めて昨夜何かを作った覚えがあったが、パウンドケーキを作っていたのか。桃也はどちらが好みだろうと首をかしげた紫翠は、二つを持ち上げるとパタパタと桃也の元へと駆けていく。



「ねぇ。こっちとこっちどっちが良い? あ、それとも、もう夕食も近いし、クッキーとかのほうがいいかしら?」



 二つを交互に見つめ、最後に桃也に視線を寄こし「クッキー……あったかなぁ」と首をかしげた。




>>明志波桃也様、周辺All




【 明けましておめでとうございます。いえいえ。全く大丈夫ですよ!
考えなしに変な行動する紫翠を心配してくれる桃也くん優しすぎて何だか申し訳ないです。
とりあえずキッチンに引っ張って行きましたが大丈夫でしょうか!】

2ヶ月前 No.43

雪鹿 @salt9140 ★Android=42zyboh5vZ

【茶切 雪鹿/研究学園都市銀花¢蜥ハり→喫茶店】

さてはて、うっかり……いや、元から僕は大して警戒もしていないが故に、ラフに話しすぎてしまったろうか。こういう風に他の“家族”が話している所を見たことがない。……残された“家族”はどちらかと言えば、少々内気であったり、歪んでしまっていたりしている部分が少なからずあるように感じる。もちろん、良いやつらである事には変わらんのだが……。
研究所であれば、絶対にこのように話すことは無いだろう。それは彼女にも原因はあるし、単純に“スペード”自体が僕にとって1つの憎むべき相手であることは確かなのだ。……さてはて、ついぞ喫茶店に浮かれきって忘れるところであった。なんとも情けない事よ。

「そうか……僕は飲む物は大概紅茶でな。まぁ、彼女は丁寧だからな。雑味も無いし透き通った味をしている。」

ふむ、と我が身を振り返れば、事あらば紅茶を無意識の内に用意して飲んでいてりいつの間にか、手元にあったり……とよくよく考えてみれば紅茶を以上な程に飲んでいるような……やめよう。こういう無意識に足を突っ込むと砂糖とかカロリーとか同級生と話題が合わないだとか闇に触れてしまいそうな気がする。思わず、頭をわしゃわしゃと掻いてそのまま忘れることにした。
多分、彼が敬遠される理由があるとすれば、こうやって思考の中で完結したことを唐突に現実に反映させてしまうという端から見たら一種の変人に違いは無いのだが、考えこんでしまうことが原因なので理解していても正せないし直せない。直近の悩みのひとつである。

「朱希ナビか、では案内をお任せするよ。」

相手の言動に少しばかり持っていたイメージとのズレからくすり、と笑っては先導を任せるように樹更に先を譲る。譲らなければ、自分が迷子に成り下がるだけなのでいずれにせよ譲らなくてはならないのだが。
にしても、意外な一面を垣間見た気がした。普段はなにやら仕事と割りきっているような雰囲気でとてもじゃないが、ここまで仲良く接することは叶わなかっただろう。……まぁ、今の彼女は仕事と私事で分けている節もあるのだろうな。でなければ、対応や反応にここまでの差異が出るわけない。

「ほう、中々に凄まじいな……僕も見習いたいものだ。ただ、用心に越したことはないぞ。」

相手の発言を聞いては驚きながらも感心した様子で聞けば、自分は平行感覚はあまり良い方ではないな、と思っては改めて感心する。というか、もう少し体力を付けなければなるまいな。なにせ、能力を使っている状態で動き回ると中々に疲労感が凄まじい。故にバランスだけでなく、体力を鍛えなくてはな。と、不意に思い知らされた。
そもそも、僕は研究材料に過ぎず、彼女は護衛者なのだ。相応に運動能力に差があるのは当然かもしれない。一応、研究の一環だったり自由時間に多少のトレーニングをしていたおかげで常人よりも運動神経は良い方だが……。

ちらほら、舞い始めた雪はそんな思考を消してしまうように肩に当たっては消えて頭に当たっては消えて、儚さを嫌でも思い知らされる程に儚すぎた。ただ、ここは雪国。恐らくだが、積もりかねない。

「そう言えば、帰りはどうする?タクシーでも使うか?」

シャリシャリとほんのわずかに積もった雪を踏み鳴らしながら思った事を相手にも尋ねては空を見上げた。先程とは違ってなにやら灰色一色で塗りつぶしたような空だった。……もう、星空は見えないのか。

>樹更 朱希様、all

【遅くなってすみませんでした!
うちのは紅茶を飲んで密かにテンションを上がってはそれを隠そうとしそう】

2ヶ月前 No.44

スレ主 @line☆1jppp41g33s ★zuLSncMp6z_ZFe

【樹更朱希/研究学園都市銀花¢蜥ハり→喫茶店】

 雪鹿も紅茶が好きだという話を聞いて、朱希は「あら」と嬉しそうに笑った。

「あら、じゃああたしたち紅茶飲み仲間ってところかしら。ふふ、雪鹿くんも良いお店見つけたらあたしに紹介してね。――透き通った味……、きっとおいしいんでしょうね。いいなあ、あたしが淹れるといっつも濃いのよね」

 ふうと一つため息をついて、悩ましげにそんなことを呟いた。いわゆる紅茶のティーバッグを引き上げるのが遅いということなのであるが、朱希はなかなかタイミングを掴めないらしかった。しかし、お菓子作りや料理をするのは好きであるので、不器用と言うほどではないのだが未だにコツが掴めていないらしい。ひそかに、紫翠ちゃんに聞いてみようかしらと一人思う朱希であった。
 なにわともあれ、自分と同じく紅茶好き、しかも喫茶店巡りをよくしているという同じ趣味を持った人物と話ができて嬉しかった。今までは、一緒について来てくれる友達もいたのだがどうしても「付き合ってもらっている」という感覚があったために、どうも申し訳なく思うのである。相棒にはそこまで遠慮はなく、接することができるのだがそれ以外の友人には頻繁にカフェへ行くのは気が引けてしまう日もあった。
朱希ナビに任せるという旨の返事を聞くと「それでは、出発―!」と子供のように笑みを浮かべてくるりと正面を向いて歩きだした。

「ふふ、そうね、凄まじい女の子だったわ。はしゃぎ過ぎっていうかお転婆っていうかね、高校のときはホントに元気で、ノーテンキだったわね、あたし。こういう警察関係の仕事は疑ってかかるのが筋なんていうけど、まさかこういうお堅い仕事に就くとは思っても見なかったでしょうね」

 クスクスとおかしそうに笑っていると、はらりと自分の目の前に白い雪が落ちてきて、朱希はそれをキャッチするように掌に乗せた。雪、もうそんな季節になったのかとふいに空を見上げる。先ほどはあかるいと思っていた空もいつの間にか曇っていて、心なしか先ほどよりも気温が低くなり、空気が冷たくなっているように感じた。自分の吐いた白い息も、煙のように濃い。

「そうね、確かに積もるかもしれないわね。雪国は馬鹿にできないもんね。帰りはタクシーの方が良いかもしれないわね。……と、見えてきたわ。あのお店よ」

 朱希は顔を上げ、くるりと雪鹿の方を向くとカフェを指差した。その表情は嬉しそうな笑みが浮かんでいて、ワクワクと楽しみにしていることがうかがえる。

>茶切 雪鹿さま

【全然大丈夫ですよー!(^^)
 雪鹿くんはポーカーフェイスですね!朱希は「ん〜おいしい!!」と恐らく表情にそのまま出るのでなんだか二人はそういう面では対照的で面白いですね(笑)】

2ヶ月前 No.45

仔夢 @00000x ★iPhone=y44SZZaVfW

【紅小路莉子/研究学園都市銀花℃ゥ宅】


ふと、どんなことがあっても帰るのが研究所だった頃が懐かしくなった。十二歳、世間ではまだまだ小学生と呼ばれる頃までは、自宅が研究所であることに慣れきってしまっていたが、今は、そんな無機質な研究所ではなく、暖かみのあるこの家で仲間と暮らせていることが途端に嬉しくなった。今まで、「家事なんて知らない」と洗濯も風呂掃除も何一つ手をつけず他の者に任せ、自分一人で地下に篭って割れるような頭痛に耐えきれなくなるまでPCと睨めっこして調査係をかって出ていた律が、初めて行った家事は、確かこの家の掃除だった。未だ研究所にいる仲間を迎え入れるこの家は綺麗でなくてはいけない、という意識がどこからか芽生えていたのだ。そんな家の戸を小気味のいい音を立てて開けると、現在家には誰もいない様子だった。そもそも律が家を出た時にいたメンバーもいなかったメンバーも完全に把握してはいないのだが、少なくとも全員外出したらしく、家内に人気はなかった。冷え切った外から室内に入ると何処と無くフローリングからの暖かみが足に染みた。これは誰か床暖房切り忘れたな、電気代かかるからやめろと口を酸っぱくして言っているのに、という文句が頭をよぎった。然し、いつもは頬を膨らまして夕食時に家族会議を行うところだが、今は各種暖房器具が効き始めるまでの時間が省け、大助かりだったため仕方なくそれは取り止めた。いつも通り、ダイニングテーブルに乱雑に置いてあったエアコンのリモコンを手に取り、実はこの家で節約のため禁止されている二十八度に設定した。床暖房もあってか、これで凍え死ぬという事態は免れそうだ。

これ以上外出もしないだろうし、何より帰り道で降り出した雪のせいで着物はぐっしょりと濡れている。一度自室に戻り、部屋着に着替えてから久しぶりに夕飯の準備でもしておこうとキッチンへ足を進めた。我らながらかなり広めのキッチンはきちんと整頓され、五人分の食料を保存するパントリーまであるのは中々だろう。一般家庭を知らない律でもこの時代の一般家庭にそう馴染み深い部屋ではないということはなんとなく理解できているほどだ。薄暗く肌寒いパントリーに足を踏み入れると、思ったより食料はあるようだった。そこから徐ろに玉ねぎと人参を掴み、炊飯器から常に誰かが前日の夜朝炊きで一升分炊いているご飯を大体茶碗五つ分と少し、よそった。炊飯器の中のご飯は約一人分しか減っておらず、パントリーに常備された食パンは一枚しか無くなっていないことから、今朝家で確実に朝食を摂ったものは二人だろうということも想像がついた。


「昨日余った鶏肉って冷蔵庫にあったっけ……お、やっぱりありましたね。ささみ、むね肉、もも肉? チキンライスってどれを使うのが正解なんですかね……いいや、全部入れちゃえ。」


少量ずつ余っていた鶏肉の類を全て適当にきざみ、玉ねぎと人参も少し大きい気はするもののそれとなく切った。小皿に移して、下準備といえる下準備は完了だろう。
その頃には部屋も随分と暖まってきていた、筈だったが急に体が冷えていく感覚が襲った。着用しているのは冬用の部屋着でかなり暖かい素材である筈なのだが、それも今の律には通用していないように感じた。足元はふらつき、ソファに倒れ込んだところで、今までなんともなかった頭は痛み出し、視界が霞み、黒く染まっていくのを感じた。


>ALL様

【これALL様扱いでよかったんでしょうか!行動描写多くなってしまいましたがごめんなさい!】

2ヶ月前 No.46

スレ主 @line☆1jppp41g33s ★Android=cfmXtsuO1s

【科条一縷/研究学園都市銀花%ケ中→自宅】

 ふと頭上を見上げると、いつの間にか厚い雲が空を覆っていた。緩やかな風に乗って白雪が降りてくるのをぼんやりと見ながら、一瀬はこの凍てついた気候だけは昔と変わっていないなと思った。昔からこの時期は雪が降り始め、辺り一面を真っ白に染めた幽玄の地へと変化する。その様が面白くて、昔は律とよく二人で飽きずに、部屋の張出窓から雪が降り積もっていく様を眺めていた。律は昔から風邪を引きやすかったから、外に出る変わりにこうして雪を見ていることが多かった気がする。少しずつ、広い中庭や屋根など辺り一面が白くなっていくのは子供の自分にとってとても幻想的に映った。夜になれば雪はやや青みを増して見えるのも面白かった。少しの間だけ中庭に出て、一緒に雪に足跡をつけに行ったこともあった。そのときだけはアルカナとしてではなく、ただの一人の子供でいられた。それは自分にとっての救いでもあった。
 一瀬はふっと息をついた。そんなことを考えていると自然と思考も落ち着いてくる。
 ――言い過ぎたかな……。
 結局あれから喧嘩別れになってしまい、一瀬は一人雪降る街を歩いていた。雪は少しずつ、頭上からひらひらと舞っては簡単に風に流されていく。一瞬、桜の花びらを連想したがそれを手のひらに乗せてみると確かに冷たかった。雪はじんわりと溶けてすぐに水になる。

「帰るか」

 バイトもなかったし。いやまぁ、シフト見間違えた自分が悪いんだけど。
 そうして雪が降り積もらないうちに一瀬はくるりと来た道を引き返して、自宅へ帰ることにした。



「ただいまー」

 そう言って、家の中に入ると見慣れた靴が一足、玄関にあるのを目にした。先ほど喧嘩別れした律の靴だった。雪も降ってきたしさすがに帰って来たのだろう。そう思いながらも顔を合わすのは今もバツが悪くて「う〜ん」と考えてしまう。しかし、このまま二階の自室に駆け込んでも何の解決にもならない。結局は自分もムキになっていたのだろうとも思った。一瀬は手を洗いながら、そんなことを考えて、しかし結局リビングのドアを開けるに至ったのだった。
 部屋の中は暖房がよく効いていて、暖かかった。しかし、ソファの上で横になっている律を目にすると一瀬は最初は自分と顔を合わせづらくてそうしているのだと思った。ソファに横になる律の目線になるように屈んで、一瀬は小さく息を吸った。

「悪かった。俺ムキになってたよ。お前がそんなふうに思ってるって知らなかったんだ」

 そうは言ってみるもしかし、どうも律はいつもの精彩さに欠けていると感じた。熱に浮かされたように顔色が良くない。様子がいつもと違うことに気付いて一瀬は「律、お前熱あるんじゃないか……?」と様子を伺うように声をかけた。

>紅小路莉子さま、ALLさま

【ALL扱いで全然大丈夫です!どなたか戻ってきたら一緒に看病するのも全然ありだと思ってます(笑)】

2ヶ月前 No.47

日恋 @tokiwa☆keIKSoWF8Tc ★RjFBAM7hbf_m9i

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2ヶ月前 No.48

仔夢 @00000x ★iPhone=y44SZZaVfW

【紅小路莉子/研究学園都市銀花℃ゥ宅】


意識が戻るか、途切れるかのぎりぎりのところを浮いているとしか形容できない不思議な感覚に包まれていた。寒気も気怠さも変わっていなかったが、横になったことで頭痛は軽くなった気がする。結局のところ疲れが溜まったんだろうと判断し、他の家族が帰ってくるまではこのままで居させてもらおうと本格的に眠りに就こうとしたその時だった。ドアの開く音が響いたのは。ただいま、と言っているのはわかったが頭がぼんやりと働かず誰の声なのかまで考える余裕がない。二、三歩歩く音がしたかと思えば、足音は止まり、また少しして洗面所、キッチンを通る足音は聞こえるものの、それが誰のものなのかは相も変わらずわからない。気怠さは相変わらずだったが、せっかく家族が帰ってきたというのにクッションに顔を埋めて横たわったままだというのは気がひける。手を支えに起き上がろうとするも、瞬間的に二日酔いの朝にガンガンとお玉とフライパンで叩き起こされるような頭痛がぶり返し、手にも力が入らず震える。そうしているうちにふっと力が抜け、思わずソファに倒れこんだ。と、足音がこちらへ近づき、自分の側に屈んだような風が頬を撫でた。


「悪かった。俺ムキになってたよ。お前がそんなふうに思ってるって知らなかったんだ」
「ん、わたしも悪かった。一瀬に身長負けてるから悔しくって……あんなこと思ってないから、大丈夫……」


帰ってきたのも声の主も喧嘩別れした一瀬で、あのあと互いに雪で頭が冷えたのか散々喧嘩した挙句仲直りはこれでもかというほどすんなりとしたものだった。半分は、頭がまわらない律の殆ど条件反射で返した言葉なのだが、律はそもそもそこまで意地をはるつもりは無かったわけで、結果的にこの件は収束という形になった。本来なら嬉しいはずだが一瀬の顔が上手くとらえられない、目眩がする、涙が出そうなほどに頭痛は酷くなり、凍え死んでしまうのではないかというほどに寒い。然し、何より心配はかけられない。最後の力と言わんばかりに立ち上がると、一瀬の「熱あるんじゃないか」という言葉に体がはねる。昔から毎年そうだ。だから今年こそ風邪はひかないと仲間に宣言していた。が、熱ははかっていないが、この調子だと微熱だろうとなんだろうと兎に角あるのだろう。然し、下手に心配をかけるのも悪いし、仲直りしたての相棒は尚更だ。
立ち上がりかけたところでぐっと手首に力を込めれば、頭痛は酷くなり立ち眩みがしたがなんとか立ち上がれそうだ。いや、(恐らく)風邪ごときで立ち上がれないなんて紅餡寺家の恥だ。親の名も知らぬ律だが。


「熱は、ないから安心して? ちょっと最近疲れてるみたいです。お部屋で休んできます。」


かなり振り絞ったような不自然なものになっているであろう微笑みを返して、部屋を後にした。


>科条一縷様、ALL様

2ヶ月前 No.49

雪鹿 @salt9140 ★Android=42zyboh5vZ

【茶切 雪鹿/研究学園都市銀花¢蜥ハり→喫茶店】

紅茶仲間……確かにそうかもしれない。好きというか、そもそもそれと水しか飲まないので自分でもどうかと思うが……。
ただ、“家族”以外の繋がりは実に久しいことで、どうにも慣れないものだった。学校ですら、生まれ持った性格か、あるいは慣れない環境に置かれたが故の雰囲気のせいか、中々馴染めない。……まぁ、そもそも馴染むつもりも無かったが。

「濃いならミルクティーにするといい。多分だが、そちらの方が美味しいだろう。」

相手の話を聞いていれば、以前喫茶店の店主に聞いていた紅茶の淹れ方やらを思い出してはその中の一節「ミルクティーの時は濃い目に淹れる」を思い出した。牛乳の香りや味に負けないようにするために、ということらしい。まぁ、だとしたら濃い目になってしまう癖のある彼女の場合にもそれは適用されるだろう。……そういうことではない、と言われてしまいそうな気もしないでもないが。
にしても、まさかこのように話が合うとは思わなかった。なにかと、話し相手に事欠く僕は幼少の頃から本と家族∴ハしか話したことが無かった。今となっては、近寄りがたい雰囲気も合間ってるのだが、元々はいわゆるコミュ障だとか、人見知りだとか言われる部類の人間であった。それ故に、このように話をしていること自体がかなり嬉しい。

出発ー!なんて嬉しそうに笑ってる彼女の姿はとても普段接していたあの姿とどうにも結び付かず、まるで別人と接しているかと勘違いすらしてしまいそうだ。

「成る程、合点がいった。まぁ、でもあまり印象に囚われない方がいい。何事にも例外はある……つまり、お堅くしなくてもいい、と僕は思うがね。」

少し真剣味を帯びた顔色で相手の発言をマジマジと聞いていれば、まるで二人いるかのような勘違いの原因に納得ができた。お堅い職についた、それ自体の印象が彼女の中で仕事の時の彼女を作り上げている。根本的には同じだが、印象としてはそれなりに違うところはそこが起因となっているのだろう。
ただ、周りが原因なのだろうが、という言葉を飲み込んでは溜め息をつく。彼女達がそもそも警護にあたっているのは僕達なのだ。あまり不用意な言葉を紡ぐわけにもいかんだろう。

「後で手配しなくてはな……む、彼処か。」

ふぅ、と嘆息をついては面倒だ、といったような語調でそう言っては、樹更の指差した先にある喫茶店を見ては表情こそ変わらないものの、雰囲気はどこか楽しげで少しばかり歩くペースも上がっていく。それは寒さによっての行動でもあったが、それよりも本当に楽しみだったのだろう。

そうして、着けば思わず先に入って客足も雪のお陰か、そこまでではなかったようなのでいらっしゃいませ、という店員の声を聞き流して適当な席に座ってはメニュー表を一度確認する。彼の中では既に決まっているようなものなのだから本来、見る必要も大して無いのだが。

「僕はもう決まっているのだが、君はどうだね?」

一応、相手の方にも見えるようにメニュー表を広げて樹更に決まっているかを尋ねる。新たな味を発見できることに対しての喜びが彼の少し異常に見える無言無表情のはしゃぎをなし得ていた。

>樹更 朱希様、all

【ある意味反対な二人なんですね。でも、なんだかんだ似てるところもありそうです!】

2ヶ月前 No.50

スレ主 @line☆1jppp41g33s ★Android=cfmXtsuO1s

【科条一縷/研究学園都市銀花℃ゥ宅】

 謝罪をすると律の方も謝り、あんなことを思ってないと言われると一瀬は小さく笑みを浮かべて「そっか、良かった」と穏やかに返答した。そして強がってしまった理由を聞くとどこか彼女らしい気がしたのだった。しかし、同時にやはり律の顔色が優れないことや、ぐったりとした様子が気になっているのも確かだった。苦しそうに呼吸を繰り返し、声色もいつもの元気良さがない。弱っているように見えて、一瀬は心配になった。発熱しているのではないか、頭痛や寒気があって辛いのではないだろうかと。
 彼女は毎年、この雪の降る季節になると風邪を引くことが多かった。だからふいに風邪を引いてしまったのではないかと思ったのだ。そして実際に熱があるのではないかという問いかけに、律はぴくりと身動ぎした。図星だったのだろうか。そんなことを考えていると、律はふいにゆっくりと立ち上がった。一瀬は心配そうに律を見上げる。

「熱は、ないから安心して? ちょっと最近疲れてるみたいです。お部屋で休んできます。」

 振り絞ったような弱々しい声音で律はそう言った。苦しそうにしながらも浮かべた笑みを見て、一瀬は大丈夫だという意味が込められているのかもしれないとも思った。しかし、律はふらふらとした覚束ない足取りで歩みを進めていく。一瀬は何だかひやひやした。そして思わず立ち上がり、彼女の側まで近づくと声をかけていた。

「いいよ、俺相手に気を遣わなくても。そのための相棒だろう?」

 顔色を伺うように少しだけ、屈んで目線を合わせては頭の上に軽く手を置いてみる。そのまま一瀬は「な?」と小さく首を傾げて確認するようにそう言った。
 相棒なのだから頼って欲しい。心配かけまいとしているのだとしても、きっと放っておくことは出来ないだろうと思った。それは他の家族もきっと同じことだろうと思うし、相棒なら尚更だった。

>紅小路莉子さま、ALLさま

【ひぃ、短くてすいません!最近忙しくて投稿ペースがやや落ち気味になるかもしれませんが、極力顔出しに来ますね……!】
>仔夢さま

【今日はここまでが限界なので、また後日朱希の方は投稿させていただきますね!恐らく、喫茶店で日恋さんと偶然隣のテーブルに座った感じの絡みで行こうかなと考えていますが、何かあれば何なりとおっしゃって下さいませ!】
>雪鹿くん本体さま、日恋さん本体さま

2ヶ月前 No.51

ゆきお @suzurinn☆Mr5oixGNY1Y ★JyFDodpAvJ_DIF



【明志波桃也/アルカナ研究所/キッチン】


 進行形で館内を爆走しながら、それを注意喚起するような紫翠の言葉。大変突っ込みたいところがあるが、引っ張られる体勢では走りづらく、桃也は出かかった言葉をすんでのところで飲み込んだ。靴下に包まれた足の裏が冷たい床を打つたびにドタドタと足音が立つ。館の豪華さから言って、下の階にいる人間に迷惑はかからないだろう。それに、『下』にいる人間にいくら迷惑がかかろうと知ったことではない。下げかけた視線を意識的に上げると、走るたびに揺れる、紫翠の綺麗な銀髪が視界に広がった。家族が近くにいると思うと、いつだって心が落ち着く。だがほっとしたのも束の間、紫翠が突然立ち止まったことによって心臓が跳ねる。あまり前の見えていなかった桃也は驚きながらも、かろうじて紫翠にぶつかることなく立ち止まった。驚きからの動悸と、事故を起こさなかったことへの安心感が混ぜこぜになって早鐘を打つ胸に手を当て、短く息を吐いた。紫翠はというと、キッチンの扉を開けてくるっと身を翻して笑い、「紅茶を淹れてくるね」と言った。桃也は短い返事を返しながら、もし二人して閉まったままのキッチンの扉に激突していたら、と考え、どこのコメディホームドラマだろうかと、込み上げた可笑しさに苦笑した。

 紫翠は鍋とにらめっこを始め、桃也は水道の蛇口を捻り、持ってきた珈琲のカップに水道水を注いだ。カップから珈琲の色が落ち、取り切れなかった汚れは洗剤を付けたスポンジで拭う。濡れたカップは食器籠に伏せて置く。振り返ると、既に紅茶のいい香りが鼻孔をくすぐった。そして彼女が紅茶を淹れる、その手際の良さを見て感心する。桃也は紅茶も珈琲も特に好き嫌いせず一通り好んでおり、普段から自分でも淹れて飲んでいる。だがそれは専ら手っ取り早いインスタント。紅茶ならティーパックを、珈琲ならインスタント粉末を用意してお湯を注ぐだけだ。感心している桃也をよそに、紫翠はテキパキと事を進めていく。一段落したのか、紅茶を置いて冷蔵庫の方へ行く紫翠を自然に目で追ってしまうが、はっとして布巾を手に取り、洗ったばかりのカップの水気を拭う。自分には人の行動を観察してしまう癖がある。それだけ聞くと自分でもとてつもなく気色悪い。自嘲気味に小さくため息を吐きながら、誰かが洗ったのか元からあった食器もついでに拭いてしまう。

 不意に、紫翠が小さく声をあげる。人とふたりきりでいるときは、どんなに小さな変化でも自然と気にかかってしまうものだ。ほぼ反射的に「どうしたの?」と返しながら紫翠の方を向く。彼女は両手に異なるケーキを乗せてこちらにやってきた。片方はシンプルなパウンドケーキ。そしてもう片方はドライフルーツが乗せられた、食物繊維がたっぷり入っていそうなパウンドケーキ。

「どっちも美味しそう……って、それもしかして紫翠が作ったの? 流石だね、料理も上手いなんて……良いお嫁さんになるね」

 思わず本心を声に出しながら微笑む。どちらが好きかという問いに、「僕はフルーツのケーキより普通のケーキの方が好きかなぁ……」と思案顔で漏らし、むむっと何かに気づいて眉を顰める。

「僕だけ紫翠のケーキ食べさせてもらうのはなんか皆に悪いな。……紫翠の言う通り夕飯前だし、ケーキは皆が揃ってからまた食べよう? 今は……そうだね、クッキーがあれば話は早いんだけど……」

 何処かへ出かけているのか、姿の見えない三人の顔を思い浮かべながらそう答えた。拭き終わった食器を食器棚にしまってから、しゃがんでその下の戸棚を開けて中を覗き込む。特にめぼしいものは見つからず、更にその隣の戸棚も開けてみる。軽く目を通し、ある箱を見つけて「あっ」と声を漏らした。茶色の包装紙に包まれた四角形の箱を取り出し、紫翠に見えるように軽く掲げる。「これどうかな、クラスメイトが旅行のお土産にってくれたんだけど……忘れてたよ」製造シールの名称にクッキーと書かれているのを確認し、立ち上がる。そのままテーブルの方へ歩いていき、テーブルにクッキーの箱を置いた。


【待ってくれとは言ったものの超絶お待たせしてしまった……申し訳ない!
そして果たして今後アルカナのティーパーティーはあるのか……?】


>>薄花桜紫翠さま、Allさま

2ヶ月前 No.52

スレ主 @line☆1jppp41g33s ★zuLSncMp6z_ZFe

【樹更朱希/研究学園都市銀花¢蜥ハり→喫茶店】

 濃いならミルクティーにするとよいというアドバイスをもらい、なるほどと朱希は頷いた。確かにいくつもストレートティが濃くなる自分にはぴったりである。ミルクティも好きなので、それは嬉しいアドバイスを聞いたと朱希は嬉しそうに笑う。本当に紅茶が好きなのだ。

「ふふ、そうね。もっと自分を出してもいいって意味ではそうかもしれないわ。これでもオンオフはかなり使い分けてるからね。でもこの部署に来た後悔はないのよ? うちには優秀で頼れる上司も相棒も仲間もいるし、可愛いあなたたちもいるんですもの」

 そう言って、お茶目に軽くウインクをして見せる。飲み会に行ったり、歓迎会をしたりと案外一緒に仕事をしているメンバーは気の置ける仲間が多い。主にとやかく言うのは部外者であったり、研究者のお偉いさんであったりするものだ。相棒とは飲みに行っては恋愛相談したり失恋したらしたで愚痴を聞いてもらっていたり。リーダーは頼りがいがあって尊敬できる人だ。護衛対象のアルカナだって中には煙たがる者もいるが、普通に接してくれる者もいる。人には恵まれていると自負していた。

 そして、店内に入ると暖かい照明と落ち着いた音楽が出迎えてくれる。店内をぐるっと見渡すと雪のせいかあまり客もいないようだった。良いコーヒーの香りがして、朱希はその空気を吸い込んだ。落ち着いた良い雰囲気の店だと感じた。そうしていると、雪鹿が先に歩みを進めるのを見て、朱希も後に続いて席に着いた。コートを脱いで椅子の背にかけると、メニュー表を雪鹿が見せてくれたので、ありがとうと言って受け取った。

「うーん、そうね。ミルクティと……フレンチトーストにするわ。ふふ、実はどこ行っても最初はあたし、ミルクティかストレートティ飲むことに決めてるの」

 メニューを見ながら、即座にミルクティを選択していたのは、いつもカフェに来るときはミルクティを頼むからである。そして少し小腹がすいていたため、フレンチトーストを選択した。女性らしく甘いものも好きだ。「良い雰囲気よね」と周囲を見回して言うと、ふいに近くのカウンター席に日恋の後ろ姿を見掛け「あら、日恋じゃない?」と嬉しそうに声をかけてみる。

「ふふ、その恰好だと仕事帰りって感じね。もしよかったらこっちに来て三人でお話しない?」

 と朱希は首を傾げて、尋ねてみる。

【こんばんは!ちょっと無理矢理感が否めないですが、日恋さんにもお声掛けさせていただきました。もしよろしければ絡んでやってくださいませ!(^^)よろしくお願いします!】
>日恋さん本体様

【前半が外のときの会話を描写してしまったので、そこは次レスではカットしていただいても構いません!本体さまにお任せします!いつも絡みありがとうございます!】
>雪鹿くん本体さま

2ヶ月前 No.53

仔夢 @00000x ★iPhone=y44SZZaVfW

【紅小路莉子/研究学園都市銀花℃ゥ宅】


「よかった」と軽く微笑む一瀬に対して律も、いつも通りの笑顔を返した。一瀬の顔を見た途端自分も言い過ぎたなと自責の念が律の良心を覆い尽くすが、そうも言っていられないほどに体調は悪化していく。なんとかみんなが帰ってくる前には治さなくては下手に心配をかけてしまう。自室に行く前にキッチンの前の戸棚にある常備薬を貰っていこうと足を進めていたその時、後ろから静かに響く足音が聞こえたかと思いふと自らの足を止めれば、暖かい手のひらが頭の上に軽く乗せられ、もう一度瞬きをした後には目の前に一瀬の顔があった。一瀬の動きが猛烈に速くなったというよりは律の瞬きさえも遅くなったという方が正解だろう。


「いいよ、俺相手に気を遣わなくても。そのための相棒だろう?」
「ごめん……ごめんなさい、いっちゃん……ほんとは、泣きそうになるくらい、頭、痛くて……寒くて……辛い……」


一瀬の言葉を聞いた途端、律の大きな瞳からはどこから出てきたんだと言わんばかりの大粒の涙がぽろぽろと零れ落ち、目の前の体にぎゅっと抱きついて、息を荒げて只管に泣いた。頭痛によるものなのか、安心感からなのか自分でも分からないが、熱を出した赤子をあやすような口調や態度は律を落ち着かせるのに立派な役割を果たしていただろう。身長差で一瀬の心臓かその下辺りに顔を埋めていた律からは心音と呼吸音がよく聞こえ、ふと、胎児というのはこんな音を毎日ずっと聞いているんだと思った。自分にこの音を聞かせてくれていた母親に会いたいと思った。でも、今はもう少し先でもいいとも思った。自分にとっての今の家族と暮らすことが幸せだから、そして、親より長い時を共有してきた家族を救出するために。
一瀬の体温のおかげか寒気は随分と引いたが、頭痛も倦怠感も治まらず、泣いたことによって更に体力を失ったのかもう喘ぎを零す余裕もなかった。律の瞳からは頬に涙が伝うだけでどことも知らないどこかをぼーっと見つめていた。ただ、不意に上を見上げると一瀬と目が合って、「ありがとう、ごめんね、だいすき」という単語だけ伝えた。それを文にする元気もなかった。だが、相棒だったら、気持ちを汲み取ってくれることだろう。そう信じて、力を抜いた。


>科条一縷様


【こちらこそ低レベル&短文申し訳ありません!こちらこそ、私事なのですが用事が立て込んでおりまして、少し出現率が低下するかもれません!】
>主様

2ヶ月前 No.54

妃翠 @azalea☆dszkmgEaqwdD ★crwiZQvj4E_EP8

【 薄花桜 紫翠 / アルカナ研究所 キッチン 】




 隣で慣れた手つきでコップを洗う桃也をちらりと盗み見て、紫翠は密かに笑みを零す。近頃は家事の出来る男性がモテると聞いたことがあるが、桃也なら何の心配をいらなさそうだ。いつか――もしかしたら既にいるのかもしれないが――彼に彼女が出来たならば、きっとその女性は彼の家庭的な面を見て惚れ直すに違いない。うちの桃也はただ容姿がいいだけではないのだ、と何故か紫翠が誇らしそうにうんうんと頷き、その視線を紅茶に落とす。
(でも、そうか……)
ここから出ることが出来たとして。自分たちはいつまでも一緒にいられるわけではない。いつかはきっと、皆誰かしらと結婚して家庭も持つことになるのだろう。……もちろん、紫翠自身も。自分が誰かと結婚することを想像して、紫翠はため息を零す。誰かを好きになったことすらない自分が、その先を考えるだけ無駄と言うものだ。恋愛なんて、自分にはまだ早すぎる。恋に憧れる年頃の少女とは思えない結論に至り、彼女は気持ちを切り替えるためにぺチぺチと自分の頬を軽く叩いた。

 手放しで紫翠を褒める桃也に照れくさそうに笑っていた彼女は、彼の最後の言葉に瞬く間に顔を真っ赤にさせた。きっと彼にとってはなんてことはない言葉なんだろうけれど。そんな風に言われると恥ずかしいことこの上ない。


「ただ混ぜて焼くだけの簡単なものだから、そんな風に言われるほど大層なものじゃないわ」


 どういう顔をしていいか分からず曖昧に微笑み、思案顔をする桃也に気づかれないように両掌で頬を抑える。自分の冷たい手は火照った顔を冷やすのには十分だ。まさかこう言う時に役に立つとは思わなかった。他の三人のことまで考える彼に、紫翠は彼の優しさに微笑む。


「桃也は本当に優しいわね。じゃあ、これは夕食後のデザートにでもしましょうか」


 皆の口にあえばいいのだけれど、とぽつりと呟きながら桃也を真似てもう一度冷蔵庫を開けて何かしらはないかと探し始める。最悪牛乳と卵でもあればプリンでも作れるのだけれど……、と考えていた紫翠は桃也の言葉に反射的に彼のほうへ向く。茶色の包装紙に包まれた四角い箱を手にした彼に、彼女は「あら」と零して微笑んだ。


「流石は桃也! でも、それ、私も食べて良いの……?」


 彼の友人は桃也にと買ってきてくれたものなのに。全く関係のない自分が口にしてもいいものだろうかと、考え込んだ。


>>明志波桃也様、周辺All



【いえいえー。全然大丈夫ですよ! アルカナパーティ……想像するだけで楽しそうですね。やりたい……】

2ヶ月前 No.55

日恋 @tokiwa☆keIKSoWF8Tc ★RjFBAM7hbf_m9i

【紫日恋/研究学園都市銀花°i茶店】

 BGMとして掛かっている控えめで優美な音楽が店内を華やかにさせ、コーヒーの香りに包まれながらコーヒーを楽しむというなんとも静かな時間が、束の間の安らぎとなって日恋の肩の力が少しばかりか抜けていく。このまま眠ってしまうのではないかというほどゆったりとしたこの空間が、なんとも心地よい。店の中には客もそれほど賑わっているというわけでもなく、皆それぞれのティータイムを楽しんでいるようにも感じられた。そんな中、ちりんちりんという先ほど自分も耳にした、来客を知らせるドアのベルが鳴ったということは新しくまた客が来たのだろう。それでも日恋はいちいち来客の姿を気にするわけでもなく、開いた扉から吹き込んできた冷たい風が無遠慮に背中を撫でてくるそれに、少し身震いするくらいだ。すぐに閉まったのだから問題はないのだが、ふいに何やら聞き覚えのあるような声が二つ、耳をかすめてふいに意識をそちらへと向ける。と、同時に背後から名を呼ばれたのだからこれはもう確定だ。ゆっくりと振り返って、聞き覚えのありすぎる声の主を視線で探すと、案外すぐに見つけることが出来た。相棒の朱希だ。

「あらあらまあまあ、朱希ちゃん、雪鹿くん。こんにちは。ふふ、ええ、朱希ちゃんの言う通りお仕事帰りよ。……あら、朱希ちゃんに誘っていただけてうれしいわ。雪鹿くんはどうかしら、ご一緒して平気?」

 相変わらず元気な朱希を見るとなんだかこちらまで元気をもらえたようでなんだか嬉しい。朱希の向かい側には雪鹿が居て、二人でお茶をしにきたのだろうか。朱希はああいってくれているが、相伴にあずかるにはやはり彼の同意ももちろん必要だろう。そうして静かに首を傾げて、彼にも静かに問いかけた。

≫朱希さま、雪鹿さま

【わー!こんばんは!いえいえそんなことありませんっ、絡んでいただけて本当にうれしいです!(*´▽`*)ありがとうございます!せっかくですので場所表記も喫茶店と変更させていただきました!こちらこそよろしくおねがいいたします!】

≫朱希ちゃん本体様

2ヶ月前 No.56

スレ主 @line☆1jppp41g33s ★Android=cfmXtsuO1s

【科条一縷/研究学園都市銀花℃ゥ宅】

「ごめん……ごめんなさい、いっちゃん……ほんとは、泣きそうになるくらい、頭、痛くて……寒くて……辛い……」

 緊張の糸が切れたように彼女の瞳から涙が次々と溢れてくる。「いっちゃん」と言われたためか、「リィ」と一瀬は心配そうにしながらも無意識に昔の呼び名を口にして、頬から滑り落ちる涙を指で拭った。声をあげて泣く律に、一瀬は何も言わずに落ち着かせるように彼女の背中をさする。するとふいに兄妹というのはこういうものなのだろうかという問いが頭を掠めた。同時に「辛い」と素直に口にするあたり、きっと彼女は身体の怠さや頭痛などでいっぱいいっぱいになっているのだろうと思った。その証拠に彼女は堰をきったように泣いている。
 昔から怒るときは怒り、笑うときは太陽のような明るい笑みを見せ、悲しいときはその瞳から涙を流す。喜怒哀楽が素直に表情に出て、彼女はいつも打てば響くような反応を返してくれる。感受性が自分よりも豊かで、人間味のある性格だった。少なくとも一瀬はそう思っていた。そして相棒が泣くことにはいつも滅法弱く、体調が悪いこともあって、こういうときはいつものように茶化すこともしなかったし出来なかった。

 そしてしばらくすると、律の嗚咽が聞こえなくなっていった。少しずつ落ち着いてきたのだろうかと少し視線を下げて様子をうかがうと、顔を上げた律のグレーの瞳と目が合う。「ありがとう、ごめんね、だいすき」。その言葉を耳にすると普段そう言った会話をしてこなかった分の反動もあって、気恥ずかしさに顔が熱くなった気がしてやや視線を逸らした。しかし、喧嘩の後だったので余計にほっとした自分もいたし、今は彼女は弱っていることもあって、そういうことも口にするのだろうとも思った。脱力させる律と同時に、一瞬緊張した自分も力を抜いた。相棒なのだから嫌いなわけはない。「俺もだよ」と静かに呟いて、背中をとんとんと二回控えめに叩いた。そして額に手を当てて、フィーリングであるが熱を測ってみる。

「……やっぱ熱いなぁ。部屋行って休んだ方が良いかもな。薬や体温計は俺が後で持ってくけど、お前歩けるか?」

 脱力している律に、一瀬は様子を伺うように首を傾げてそう聞いてみた。

>紅小路莉子さま、ALLさま

【低レベルなんてとんでもない!そしてご連絡ありがとうございます、了解しました(^^)私も来週は実習なので、お返事遅れてしまうこともあるかもしれませんorzよろしくお願いします……!】

2ヶ月前 No.57

ぎろ @bread10☆Zc30D26XEyF6 ★Android=HMxbkMDOIg

【矢ヶ罪 志白/研究学園都市銀花 広場】


触れては消えてゆく花弁のようだった。そんな詩的な言葉は口に出しこそしなかったものの、正にそう言いたくなる景色が目の前に在る。花弁は志白の見る世界をみるみる白へと塗り替えてゆき、吐く息の白さが雪と同調して益々寒さを強調させた。
鎮樹は、缶コーヒーを遊ばせつつ志白の問いに答えてくれる。雪自体は嫌いではないと応答する彼の顔が何処かくしゃりと歪んだ気がした。……興味本位で大袈裟に突っ込まれたくはないだろう。

「そうか。俺も雪は嫌いではないな。……少し切なくはなるが」
雪に纒わり付いてまわる凍てつく寒さは5年前で止まってしまった志白の時を実感させ、思い出させるようだった。何時か時の融解を求む、求む。ふと脳裏に過ぎった眩い彼女にそう縋り付いてしまう自分に自嘲気味な笑みを吐き捨てたくもなる。そんな影のある笑みを誤魔化し被せるようにゆるやかな笑みを浮かべた。
だが、今日の雪は嫌いではない。それは本当だ。鎮樹の人柄がそうさせるのか、どういう訳かひどく穏やかな気持ちで降り落ちる雪を眺めることが出来た。

「……そうだ、温くなってしまっただろう?それ。良かったら喫茶店か何処かででも何か奢らせてくれ。手袋の礼と、コーヒーのお詫びと、それと、話に付き合ってくれた礼だ」

>>鎮樹、All



【返信が遅れて申し訳ございません。お詫びとお礼に奢るというロルを回させて頂きましたが、これに応じて頂いて場所を移動し絡みを続けても、申し出を断って頂いて絡みを完結させても私はどちらでも構いません!よいのつづり様のご判断にお任せしますので、好きな方をお選びくださいませ!】

2ヶ月前 No.58

雪鹿 @salt9140 ★Android=42zyboh5vZ

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2ヶ月前 No.59

仔夢 @00000x ★iPhone=y44SZZaVfW

【紅小路莉子/研究学園都市銀花℃ゥ宅】


頬を伝う雫を掬い取るように伸ばされた細い指先は酷く冷たかった。それは己の体温が高いせいなのか、それとも本当に一瀬の手が冷たいせいなのかは分からなかったが、律の火照った体が頬からじんわりと鎮められていく気がして心地よかった。自らの嗚咽に掻き消されて上手くは聞き取れなかったが微かに「りぃ」と昔の呼び名で呼ばれた気がしたのは、それが事実であれ聞き違いであれ、多少なりとも嬉しかった。こんなこと本人には照れくさくて言えないな、なんて考えを巡らせる余裕も出てきた頃、背中をリズム良くさすられていることに気付き、これも昔から変わらないな、と笑ってしまった。仲間内で圧倒的に律が多かったとはいえ、勿論他の仲間だって体調が優れないこともあるし、風邪をひくこともある。そんな時、研究所の職員を他の仲間が呼びに行っている間、その子の側でずっと背中をさすっていた記憶が鮮明に蘇った。昔から変わらず面倒見が良く、気配りができる。だからこそ、数は片手に収まるほどしかないものの一瀬が体調を崩した時はこれでもかというほど心配したものだ。そもそもの自己管理がしっかりしている一瀬が体調不良に陥ることなど殆ど無かったのだが。一つ印象的だった出来事は律が八歳の頃、今日のように寒い日に他の仲間と外で遊び尽くしてきた後、一瀬は咳を繰り返していた。風邪ではないかと問うと「お前じゃないんだから風邪じゃねーよ」といつものように笑っていたが、後で聞いた話その時にはもう喋る元気も無かったらしくその後数分でぶっ倒れた記憶がある。一瀬が風邪をひくことなど初めてで死んでしまうのではないかとすら思って、ベッドの側でずっと一瀬の頭を撫でていた。勿論今回の喧嘩の原因である身長差で抱きしめることも背中をさすることも出来なかったから、少しでも落ち着かせる術をそれしか知らなかったのだ。一瀬の綺麗な白銀の髪は律の白髪とよく似ていて、それに気づいた頃には呼吸も落ち着いていたからいつしか撫でるついでに髪を弄り遊ぶようにもなった。しかし一瀬の髪質は非常に柔らかく、律が弄り遊んだ後の癖がしっかりめに残っていたため、回復したあとは癖と同じくらいしっかりめに説教されたのもいい思い出だ。

単語だけの律なりに細やかながらの感謝は伝わったのか伝わっていないのか、一瀬の透き通った青い瞳は律のグレーではないものを映した。鬱陶しいと思われたかと心配したのも束の間、最後の単語は異性としてではなくて仲間として、相棒としてであるという補足を入れなければそっちの意味で捉えられてしまうかもしれないということを思い出した。そしてよくよく考えれてみればかなり恥ずかしい台詞ではないかと突然の羞恥心が襲い、説明を補わなければと口を開きかけたその時、いつの間にやら一瀬はこちらに視線を戻して、かなり小さめの声で「俺もだよ」と言った。心なしか顔が赤いのは風邪をうつしてしまったのか、それとも羞恥によるものなのかわからないが、できれば後者であってほしい。自分のせいで一瀬まで風邪を引いてしまうのは申し訳ない。自分で発した言葉なのにどう返せばいいか分からなくて戸惑い、結局は澄み切った青い瞳に全て見据えられた気がして、熱で赤い頬は更に火照った気がして、恥ずかしくなって目を逸らしてしまった。

そのあと、控えめに背をトントンと叩かれたかと思えば、律より一回りか二回り大きな手の平が額にあてがわれた。そのあまりの冷たさにきゅっと目を瞑って「冷たっ」という言葉が口をついてしまう。しかしあくまで熱いのが律であって一瀬の体温は平常なのだろう。そして、脱力した律の背中に手を当ててさりげなく支えてくれながらも、まるで立ち上がるのをサポートするかのように抱き上げるような体制をとった。


「……やっぱ熱いなぁ。部屋行って休んだ方が良いかもな。薬や体温計は俺が後で持ってくけど、お前歩けるか?」
「ん、部屋くらいまでなら多分大丈夫。えっと、その……上着着てなかったしマフラーしなかったからだよね。わたしのせいだよね。ごめんなさい……」


貸してもらったマフラーを突っ返したことによる風邪だというのは明確だ。その上貸してくれた本人に看病されるのは些か気がひける。一歳差とは思えない体力の違いや精神年齢の違いを見せつけられてきたのだ。そう考えると矢張り今回も相棒に心配をかけてしまうのは申し訳なかった。


>科条一縷様

【遅れるどころか意外に早くかけました!この子たち美味しすぎるんですよはぁ可愛い】
>主様

2ヶ月前 No.60

スレ主 @line☆1jppp41g33s ★Android=cfmXtsuO1s

【樹更朱希/研究学園都市銀花°i茶店】

 後悔はないなら何も言うことはないなと、雪鹿から言われると朱希はにっこりと頷いた。スペードに所属していることに後悔はない。なぜなら自分の周りには大切だと思える人がたくさんいるからだ。仲間であれ、アルカナであれ守りたいと思う気持ちは入隊当初から変わらず存在している。国がどういう策謀を企てているのかは今のところ朱希は察することはできても確信できるはずもなく、ただ純粋にそう思うのだ。そしてきっと国にとっては自分というちっぽけな存在は、ただの歯車であることも理解している。しかし、そうだとしても朱希はただただ自分の守りたい者を守りたかった。仲間がここにいて誰かが自分を必要としてくれる限り、自分の居場所はここであるのだとも思っている。

 そして朱希がミルクティーを選択すると、きょとんとした表情を浮かべる雪鹿にどうしたのだろうと首を傾げる。しかし、その後の発言でなるほどと朱希も納得した。自分と同じく、カフェに来たときはミルクティーを頼むと決めているのだと言う。朱希はその言葉を聞いてニコニコと明るい笑顔を浮かべた。

「ふふ、ほんと奇遇ね。あたし、飲むのはもちろんなんだけどミルクティーの香りが好きなのよ。ストレートティーも好きなんだけど、ミルクティーはまろやかでなんかほっとするのよね」

 メニューを見ながらうっとりとそんなことを言っては、クスクスと楽しそうに笑った。「まさかこんな近くに喫茶店が好きな人がいるなんて知らなかったから、こういう話が出来て嬉しいわ。ありがとう」と付け足して、注文を頼み終えた雪鹿を見た。彼が紅茶好きだということは、日頃からよく嗜んでいるのを目にしていたため何となく紅茶好きなのだろうとは思っていたが、自分と同じく喫茶店にも通ったり、一番最初に紅茶を頼むことに決めていたりとこだわりを持っている点まで似ていると、何だか面白くてしかしその面白さが楽しいとも感じたのだった。

 そして、日恋が雪鹿に同席の許可を求めるのを聞くと、相変わらず彼女の話し方は上品で柔らかな印象を受けるのだった。スペードに入隊した当初は自分と身分が違うのではないかとさえ思ったことがあったが、日恋のその柔らかで落ち着いた物腰に今では居心地の良さを感じるし安心することもしばしばある。戦闘をすることがあれば背中を預け合ったこともあり、今ではすっかり信頼のおける相棒である。そして雪鹿が日恋の言葉に肯定するのを聞いて、朱希は日恋に向かって明るく笑いかけて手招きした。

「ふふ、お仕事お疲れ様。明日からはあたしも出勤だからバリバリ働くわよ。……――それにしても偶然ね。日恋はいつここに来たの? 来たばっかりなら何か頼む?」

 メニュー表を仕舞おうとした手を止めて、朱希は日恋を見た。そうしているうちに、雪鹿のものと一緒にミルクティーが運ばれて、朱希はそれを受け取った。

>茶切雪鹿さま、紫日恋さま、ALLさま

【場所合わせていただいてありがとうございます!!そして今実習中なので、ちょっとお返事が遅れると思いますがよろしくお願いします!三日返事がなければ私を飛ばしていただいても構いません!】

2ヶ月前 No.61

スレ主 @line☆1jppp41g33s ★Android=cfmXtsuO1s

【科条一縷/研究学園都市銀花℃ゥ宅】

 背中を擦るのは一瀬なりの相手への気遣いだった。昔も、風邪を引いた相手に研究所の職員が来るまでこうして背中を擦っていたこともあった。料理も出来ない分、自分の出来ることといったら相手のそばにいて寄り添うことくらいだった。しかし、逆に自分が弱っているときは気付かれないように普段と同じように振る舞うようにしているのだが、相棒には通用しないらしくたいてい最初に心配してくれたのも今目の前にいる律だった。何だかんだで彼女はよく人のことをよく見ている。

 俺もだよと肯定の言葉を返すと、ふと彼女は顔を逸らした。律は徐々に自分の言った言葉の意味を理解したのか、頬に熱とは違う赤みがさしているように思えた。その反応を見ていると自分も気恥ずかくなって、そっぽを向く。なんというか調子が狂う。不意打ちを喰らった気分だと思いながら、表情を隠すように片手で顔を覆った。自分がどんな表情をしているのかよく分からなかったからだ。相棒としての『好き』だと知って言っているのだが、真正面から言われるとは思ってもみず、何よりお互いにこんな反応をするとも思わなかったのである。

「あ〜、アレだ。今のはその……『相棒として』って意味だろ? 大丈夫、分かってっから」

 と、先程と変わらず視線を逸らしながら一瀬にしてはたどたどしくそう言った。自分もらしくないことを言ったものだと思った。
 そして彼女の額に手を当てると反射のように『冷たっ』と言うので、一瀬は「お前が熱いんだよ」と特に皮肉を込めているわけではなくさらっと返答した。どうやら律には自分の手が冷たく感じるらしいと分かって一瀬は額から手を離した。

『ん、部屋くらいまでなら多分大丈夫。えっと、その……上着着てなかったしマフラーしなかったからだよね。わたしのせいだよね。ごめんなさい……』
「もう怒ってないし気にしてないって。それに俺も言い過ぎたとこあったし……。お前が元気になってくれればそれで十分だよ、俺は。気ぃ遣わなくていいって言ったろ?」

 律の声音や表情は言葉通りどこか申し訳なさそうで、一瀬はふっと表情を緩めて穏やかに言った。風邪を引いた原因は確かに律が薄着であったことが一因になっていると思われるが、本人も引きたくて風邪を引いたわけではないだろう。強がってしまったのも一瀬が言い過ぎた面もあったからだろう。今は家に誰にもいないため自分しか看病できる人がいないが、別段嫌々やっているわけではないし、看ていなかったらいなかったで何かと心配になるのは自分の性格から分かっている。だから一瀬は気にしなくていいという意味を込めてそう言った。

>紅小路莉子さま、ALLさま

2ヶ月前 No.62

よいのつづり @sasame031☆Drc4JVXJx7M ★78Gp0ZKeUd_qxX

【神楽野鎮樹/研究学園都市銀花 広場】

 志白の言葉にほんの少しの違和感は感じるけれど、鎮樹はそれを言葉にはしなかった。それが個人の感想であるからかもしれないし、何か踏み込んではいけないと思ったからなのかもしれない。――それはともかく。すっかり温くなった缶コーヒーを手で弄んでいれば、志白が声を掛けてきた。
 奢らせてくれ、というその言葉に、鎮樹は一瞬目を輝かせる。が、すぐに申し訳なさそうに眉を下げて笑った。

「でも、奢ってもらうっていうのはなんだか申し訳ないなぁ……。手袋を拾ったのも偶然だし、別にコーヒーも気にしなくていいのに」

 寒いからちょうど良さそうな缶コーヒーを買っただけなのだ。――ぶるり。背中に這うような悪寒に体を震わせる。コートの下に着たカーディガンの袖をほんの少し引き上げると、手に息を吐いて暖を取る。これは素直に志白の好意に甘えてもいい、ということなのかもしれない。ほんの少しの申し訳なさを感じながら、鎮樹は志白へと声を掛ける。

「会ったばかりの人に奢ってもらうなんて、本当に申し訳ないんだけど、……うん。折角の出会いだし、好意に甘えるのもいいよね。というか、俺寒いの苦手だったから、店に入ってもらえると、ちょっと嬉しかったり」

 照れたように笑いながら、鎮樹は志白に向かってそう言った。寒いのは本当だ、どこか店に入って暖を取りたいのも本当だ。嘘をつくのはよくない、と鎮樹は密かに頷いた。

>>志白くん、その他ALL

( 私も返信が遅れてしまったので、ここはおあいこということで一つ…!そして、せっかくなので甘えさせてもらうことにしました!もう少しかもしれませんが、どうぞよろしくお願いします…! )

2ヶ月前 No.63

仔夢 @00000x ★iPhone=y44SZZaVfW

【紅小路莉子/研究学園都市銀花℃ゥ宅】


摩られるリズムとほんのりと冷たさの残る一瀬の手の感触は心地よく、律の心を落ち着けることに貢献していた。昔から人肌に触れること、人の温度を感じることが好きなのは自分も変わってないなと思うと、容姿も、性格も、名前だって変わった自分達の変わっていないところというのは貴重に思えて、少しだけ嬉しかった。

その言葉の意味に互いが気付いた時には勿論目を合わせることは無かった。此の期に及んで相手の瞳孔を直視するわけがなかったし、できるわけがなかった。熱を抜きにしても顔が熱い。元よりインドア派だった律の生活の賜物である真っ白な肌はまるで桃色のクレヨンを塗りたくったかのような鮮やかな朱に染まり、律までいかずとも常人より若干白いであろう一瀬の肌も負けじと赤くなっていた。なんて爆弾発言を仕出かしたんだと激しい後悔が襲うが考えてみればもう十数年前から互いに好きだ好きだと言い合う関係でもあったし、家族として、仲間として、相棒としての好きを異性の壁で隔ててしまうのは非常によろしくないだろう。仮にこれが同性だったのならこんな恥じらい必要なかった筈だ。一応言っておくが別に同性同士の恋愛を否定しているわけではない。ただ、同性同士の好きは世間一般的に見て、友情の好きとなるのは明確だろう。体感にして数時間、実時間にして何秒か目を逸らしあう時間が続いたあとの沈黙を破ったのは一瀬だった。


「あ〜、アレだ。今のはその……『相棒として』って意味だろ? 大丈夫、分かってっから」
「あっ、うん、そうそう。べ、別に付き合いたいとか、そんなんじゃ……」


一瀬は相変わらず目を合わせることなく片手で顔を覆ってそう言った。角度的に表情を伺うことは出来ないが、それに構っている余裕がないほどに律の羞恥は強くなっていた。これが世に言う年頃とかいうやつなのか。年頃といえば、思い出すのは研究所にいた頃の話。それまで律は性別関係なくいろんな仲間のベッドに潜り込んで一緒に眠ったり、時に夜更かししたりすることが好きだったが、ある日を境に職員が異性のベッドに潜り込むことを禁止した。「年頃だから」というその意味は全く持ってわからなかったため猛反発し、挙げ句の果てに一ヶ月自分のベッドで眠らなかった覚えがあるが高校に通い始めた今ではその真意がよくわかる。高校に入って、家族以外での同世代と関わり、友達が増えてからは自分の世間知らずな一面を多く見るようになり、少し嫌気さえさしていたところだった。
「冷たっ」と反射で返した律の言葉を一瀬はさらっと「お前が熱いんだよ」と言って掬った。それに対抗するように律は「冷たいよ。死ぬんじゃないの。あ、そっか、そんなことしなくても私達近いうちに死んじゃうもんね」と軽い冗談も含んで言った。その目は少しだけ悲しげだった。ジョーカーは、大人になりきれずに死ぬことは自らの調査で知った。能力を二つ持っていることで、使わなくてもそれだけで体に大きな負担をかけているのだ。そんな律ももう十七歳で、一般的な大人まではあと三年しかない。研究所の言う「大人」の定義はいまいちだが、少なくとも長生きはしないのだ。しかし律はそれを知った頃から死ぬことに恐怖を感じていなかった。元より死は誰もが通る道なのだからそれが人より早いだけだと言って笑うのだ。昔から体が弱い自分はジョーカーじゃなくてもきっと早死にしてたよと言って。だからこうして話のネタにして挟むことも多かった。だが、生きたいと願う仲間には長生きしてほしいというのが律の願いだった。そんなことを仲間に言ったこともなければ表現したこともないが。兎に角、いつものように口喧嘩のような日常会話ができる程度には回復していた。


「もう怒ってないし気にしてないって。それに俺も言い過ぎたとこあったし……。お前が元気になってくれればそれで十分だよ、俺は。気ぃ遣わなくていいって言ったろ?」
「ありがと。ごめんね、こんなことしか言えなくて。でも、もう結構しんどいかも。やっぱり少しでも動けるうちに部屋に行っとくね。流石に運ばれるのは……ほら、プライドってものがあるし」


少し喋ったからなのかまたもや息を荒くする律は一瀬から離れ、少し微笑んで淡い桃色のルームウェアの袖を引っ張った。細い指が羊よろしくと言わんばかりのもこもことしたルームウェアの奥に引っ込み、見る人によってはシュールだ。これからベッドに入るのだからと白い蝶の髪留めを外し、ダイニングテーブルの上に置いた。一箇所を除いてストレートで癖もつきにくい白髪は重力に逆らわずストンと落ち、踵に届きそうなほどの長さになった。そんなボリュームのある髪でもこもこのクォーターパンツから伸びる素足を隠し、さらりと揺らしながら階段へ向かった。


>科条一縷様

【遅れてしまって申し訳ありません!はい、インフルですよインフル!お熱です。りっちゃんとおそろいになりました(笑)あ、私学生なんですけれども学校内で最初のインフルエンザになりましたおめでとうございます!(お祝いするとは言ってない)】

2ヶ月前 No.64

雪鹿 @salt9140 ★Android=42zyboh5vZ

【茶切 雪鹿/研究学園都市銀花°i茶店】

ミルクティーに際して、同調を示した彼女はありがとうなんてお礼を言ってくる。お礼を言いたいのは此方の方だということを彼女は知らないままに過ごすだろう。それは、僕が気恥ずかしいからか、あるいは……。
ひとまず、「そうか」と柔らかく笑っては短く答えた。誤魔化すようにも感じれば、そのまま言うことも無く、友好的に返しているとも思える。それほどに中途半端で微妙な対応であった。単純に、そうして相手の反応を楽しむという意図もあるかもしれない。彼の性格を鑑みれば、そう考えるのも十分に妥当と言えよう。

「そう言えば、今日の夕食は何だろうな……。」

ぽつり、外を呆けるように見つめては呟いた言葉は一日の間で楽しく思える時間の1つ、家族との夕食。それは彼にとって最も気になることであった。彼自身、食事を作れる。しかしながら、『作れる』と『作っている』は違うらしく、つい最近の事であったが食材を使いすぎて怒られてしまった。フルコースを用意しただけなんだがな?中々に料理は加減が難しい。
それ以来、厨房には食事を作る際に最低限二人の同行が義務付けられた。なので紅茶以外ではめっきり行っていない。……まぁ、家族が作って、と言えば怒られる事を承知でやるが。料理位は自由にしてもいいじゃないか。

スッと運ばれてきたザッハトルテを一口、口に運んだ。それは程よい苦味と甘味が広がっていく。そう言えば、ザッハトルテはオーストラリアの甘味らしい。……ミートパイが食べたくなるな。後で作ってみるとするか。

「今度、ミートパイを作ろうと思うんだが……良かったら味見してくれないかね?」

真剣な顔で唐突にそのまま考えていた事を相手にぶつけてみる。そもそも、監視者が必要になった現状で協力を仰ぐ意味でもあるし、家族の前に味見をしてもらう必要もある、ということがある。
……ミートパイ、作ったこと無いから凄く不安なんだよな。いや、そもそも作ったこと自体無くてもレシピ見れば、作れるんだがな?味自体はそこまで自信を持てない。そもそも、彼女も暇じゃないだろうからな……付き合ってもらえる事自体、正直気が引ける部分も今更ながらにある。ただ、思い立ったが吉日。行動を始めても構わんだろう。

「忙しいなら、無理はしなくて構わんよ。ただの気紛れだからな。」

一応、後から付きまとった不安からそのまま言葉に補足をしておく。ただでさえ忙しいのに仕事を増やしてしまうのは如何せん申し訳ない。だからこそ、彼女がどうだかは知らないけれど、僕にとってはこの補足は最重要であった。

>樹更 朱希様、紫 日恋様、all

【5日返信無かったので飛ばさせていただきました。申し訳ないです!】

2ヶ月前 No.65

日恋 @tokiwa☆keIKSoWF8Tc ★Ac4Ko9iWtD_m9i

【紫日恋/研究学園都市銀花°i茶店】

 せっかくこうして二人と出会ったのだ、よければ朱希の言葉に甘えて相伴に預かりたいところなのだが、しかしながら日恋の言葉の中に強制という二文字は存在すら見せてはいなかった。特にアルカナたちにとってスペードという存在をよく思う者もいれば苦手とする者もやはりいることは間違いなく、だが雪鹿と相対している今この場に居る自身の相棒である朱希はどこまでもまっすぐで純真な性格の持ち主(と公私共に日々親しい間柄にある自分はそう感じている)であるが故に、もしかしたらどんな人間とも世間話なんかもよく弾むだろう。いや、少し言い過ぎなのかもしれないけれど、日恋にとってはこれを一つも過大評価であると評したことはない。であるのだから、雪鹿にとってもしも自分がいることで少しでも居心地を悪く思ってしまうのであれば、早々に断ってくれてもいいのだ。日恋にとって、本当の意味でアルカナが笑ってくれることが願いのひとつなのであるのだから。しかし、日恋の予想とは反して二つ返事で雪鹿は了承の意を見せた。その表情を密やかに注視する限りも、無理は見られない。そのことになんだか安堵感を覚えながら、「あらあら」とお決まりの口癖を披露しつつふんわりと微笑みを浮かべるのである。

「ふふふ、そうねえ。確かに帰るところは一緒ね。うれしいわ、でしたらご一緒させてくださいな」

 日恋の周囲に花が咲いたような錯覚を覚えさせるほど、ころころと鈴の鳴るように静かに笑む。そうしてカウンターのテーブルに置かれていたカップと少量の荷物を手に、彼らのもとへと歩み寄ってから迷いなく、手招いてくれた朱希の隣に腰をゆっくりかけた。明日からもお仕事一緒にがんばりましょう、と告げて、お邪魔します、なんて一言も添えて。そうするとすかさずメニュー表をしまう動作が止まって気遣う言葉が朱希から飛んできて、それにはいいえと静かにかぶりを振ってからコーヒーの入ったカップを少しだけ持ち上げた。

「大丈夫よ朱希ちゃん、私も先ほどコーヒーを淹れていただいたばかりだから。ありがとう朱希ちゃん、あなたのそういった気遣い、とってもすきよ」

 彼女の動作の中の随所随所にやさしい気遣いが含まれていることに気づかない日恋ではなかったし、とてもすきだ。故に包み隠さずそう言葉にして、ゆっくりとコーヒーに口をつけるのだった。偶然だと驚く彼女にそうねえ、と答えると、先ほどの朱希の問いに静かに答えた、

「私はあなたたちがいらっしゃる数分前に来たばかりよ。ここ、私の以前からの行きつけなのだけれどこうして知り合いに逢えることもとっても素敵なことね」

 朱希の前だとついついいつもの丁寧な敬語よりも親し気な口調になってしまうのはご愛敬だ。店員が運んできた紅茶を二人の前に置いたのを見て、そういえばここに来るときいつも迷いなくコーヒーを選んでしまっていたのだが、此処の店主が淹れる紅茶というのは一体どんな味になるのか予測がついていない。彼ら二人はコーヒーよりも紅茶を好んで飲んでいることを知り、次に来るときは別に紅茶も頼んでみようかと密やかに考えつつ、ミートパイの味見を朱希に頼んでいる雪鹿に少し笑みを浮かべ、話のなりゆきを聞きながら見守るのであった。


【ぐぐぐっっ、大変お待たせいたしまして申し訳ありませんでした……。五日を経過してしまったのにも関わらず図々しくお返事のほうを書いてしまいましたが、特に雪鹿さまには次のお返事も書いていらっしゃることもあり、主さまももし書きにくいなどございましたらこちらのほう蹴ってもらいましても全然かまいません…!せっかく絡んでくださっているのに本当にすみませんでした…。】

≫雪鹿さま、朱希さま

2ヶ月前 No.66

スレ主 @line☆1jppp41g33s ★Android=cfmXtsuO1s

【科条一縷/研究学園都市銀花℃ゥ宅】

 沈黙を破り、先程の発言について言うと律から肯定の返事があった。

「あっ、うん、そうそう。べ、別に付き合いたいとか、そんなんじゃ……」
「だ、だよな! なんかこう、久しぶりに聞いたらなんかテンパって変な反応しちまった。悪い悪い」

 一瀬は目を逸らしていたため、相手の表情を窺うことは出来なかったが何となくそのたどたどしい声音から、彼女も自分と同じような表情をしているのではないかと思った。しかし、考えてみれば昔は好きだ好きだと割と純粋に言い合ってきたのだからお互いに羞恥心がなくてもいいはずなのではという考えが生まれる。だから余計に今日は何がどうなっているのかと心の中で思う。しかし、彼女の言葉に動揺したことは確かであったため、一瀬は律に同意を示した後で早口でそう説明した。

「冷たいよ。死ぬんじゃないの。あ、そっか、そんなことしなくても私達近いうちに死んじゃうもんね」
「いやー、でもちょいとお陀仏するには俺もお前もまだ早ぇなァ。つーか死ぬに死ねないわ。俺らにはまだやることが残ってるじゃーん?」

 一瀬は律の言葉に悪戯っぽく笑って見せた。
 研究所に未だ捕らわれている家族を連れ出し、全員で国外脱走するためにここまで来た。その目的を果たすまでは死ぬに死にきれないと一瀬は思っている。そしてふっと思い出したかのように窓の外に目を向ける。
 雪は相変わらずしんしんと降り続けている。花びらが舞うかのように風に緩やかに流されていく。この光景は六花国の日常であり、一昔前までは雪が降っても特に何も思わなかったというのに今では違った。雪を見るたびに思い出す記憶が少なからず一瀬にはあった。それはたいてい家族と一緒に過ごした記憶だったり、脱走したときの記憶だった。あのときも雪が降っていた。
 一度脱走し、他国に身を置いていたからこそ分かることだが、やはり人体実験を施行するのは異常だった。それも国家が行っているというのだから余計に。しかし、国家なんていうものはどの国だって国民に機密裏にしていることはある。ただそれが自分の大切な者を傷つけることになるのなら許さないし、許せるはずもなかった。誰かの幸福の延長線に家族の不幸があるのなら、自分はそれに抗う覚悟でいる。それはまたこの国に舞い戻って家族で脱走を決意したときから今も変わらず胸の内にある想いだった。

「ありがと。ごめんね、こんなことしか言えなくて。でも、もう結構しんどいかも。やっぱり少しでも動けるうちに部屋に行っとくね。流石に運ばれるのは……ほら、プライドってものがあるし」
「ん、そうだな。じゃあ俺は薬とか水とか持って行くから先に休んでな」

 口ではなんやかんや普通に話しているように見えるが、やはり身体は辛いのだろう。話したからなのか息を荒くして背を向けて部屋へ行く律を静かに見送り、一瀬は薬箱を棚から取った。蓋を開けて風邪薬を確認する。律が階段を上る音を耳にしながら、後は体温計とコップと、と必要な物を考えつつ食器棚のあるキッチンへ向かった。

>紅小路莉子さま、ALLさま

【すいません、私も課題があって遅れましたorz
 インフルエンザ辛いですね……!治ったばかりかと思いますので無理しないで下さいね(´;ω;`)

 一瀬は次のレス、もしくは次の次のレスでお薬と体温計持って上に行かせようと思うのですが大丈夫でしょうか!】

【朱希の方はもう少々お待ち下さい!(^^)】

2ヶ月前 No.67

スレ主 @line☆1jppp41g33s ★zuLSncMp6z_ZFe

【樹更朱希/研究学園都市銀花°i茶店】

 今日の夕食は何だろうかと外を見ながら考えている雪鹿に、朱希もつられるようにしてぼんやりと外を眺めた。雪がしんしんと降っているのを見ながら、誰かと食事が出来るのはいいなあと一人でに思った。一人暮らしをしている朱希としては、こういう雪の日は特に家に帰ると寒くて暗くて、ちょっとだけ寂しい気持ちになる。もう、26歳になったのになあと考えつつ。そういうときは独特の信頼関係で、絶対の絆を持つアルカナたちを羨ましくも思うのだが、何となく口には出さなかった。大人のプライドというものもあるのかもしれない。


 そして自分の隣に座った日恋がコーヒーを口にしながら呟いた言葉に、朱希もふふっとくすぐったそうに笑いながらメニュー表を仕舞った。

「やぁね、相棒なんだから当然よ。ふふっ、でもあたしも日恋のそういう素直なところ好きよ。ありがと。そう言ってくれるだけで、あたし明日も頑張れるわ」

 物腰柔らかく、素直に好意を口にされるとくすぐったくもあったけれど純粋に嬉しくも思う。ジョーカーが国内に侵入してきてからはそれに関する書類を読みさばいたりして、さらに多忙な生活を送っていたのだがちょっとした気遣いでも自分の糧にすることができる。こうして三人でリラックスしながらお茶を楽しんでいることだって、朱希には必要な息抜きであってそれに付き合ってくれている雪鹿には感謝していた。そして、偶然にもこの喫茶店で日恋に会えるとは思ってもみず、それは嬉しい誤算でもあった。いつもは仕事が終わると、飲み会などの付き合いがあるとき以外は家に直行で帰るので、誰かとこうして食事をしているだけでも楽しいものだと一人朱希は思う。今、目の前に話し相手がいて、ちゃんと聞いて受け答えしてくれるだけでもふっと気持ちを緩めることが出来るのだ。

「あら、そうなの? 一ヶ月前にオープンしたばかりだと聞いていたけれど、情報違いだったかしら。雪鹿くんごめんね、もしかしたらお店間違えちゃったかも。ちょっとこの辺り道が入り組んでるのよね。――でも日恋と会えたのはあたしも嬉しい誤算だわ。それにここの紅茶も香りが良いし」

 店員が運んできた紅茶を手に取ると、良い香りがして朱希は嬉しそうに笑った。しかし、店を間違えたであろうことには申し訳なさそうに眉を八の字にして雪鹿に謝罪した。そして紅茶を口につけると「ん〜、美味しい!」とパッと顔を輝かせてそう言った。

「もちろん! お料理ならあたしの得意分野だから、味見はもちろん、何でも聞いてね。……ん? ああ、お仕事のことなら気にしないで。大丈夫大丈夫! だってただ鉄仮面みたいに、淡々と仕事するだけなんて面白くないもの。どっかの白衣着た連中みたいにはなりたくないからね。気を遣わなくてもいいのよ。でもありがとう。頼ってくれて素直に嬉しいわ」

 ミートパイの味見を頼まれると朱希は喜んでそう言った。自分の料理は朱希は一人暮らしをしていることもあって、よく自分で作っていると自然と凝ってきてしまい今ではかなり手慣れたものだ。だからそう言う朱希の顔はどこか得意そうでもあり、頼ってくれることに嬉しそうでもある。そして、最後の「どっかの白衣来た連中」というのはアルカナの研究員のことで、朱希はちょっと苦笑して肩を竦めるた。「今のは研究者には内緒よ」と人差し指を唇に当てて、声を潜めて二人にそう言った。実際の話、朱希は研究者のことがあまり好きではない。そう言った感情から滑り出た言葉であったため、朱希はそう言ったのだった。

>雪鹿さま、日恋さま、ALLさま

【おっと全然大丈夫ですよ!お気になさらず!(^^)むしろお忙しい中、お返事ありがとうございます……!厳しかったらご無理なさらないで大丈夫なので、何かあればいつでもサブ記事でもアカウントでもお声掛けください!】

2ヶ月前 No.68

削除済み @line ★Android=cfmXtsuO1s

【記事主より削除】 ( 2017/01/24 12:52 )

2ヶ月前 No.69

仔夢 @00000x ★iPhone=y44SZZaVfW

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2ヶ月前 No.70

ぎろ @bread10☆Zc30D26XEyF6 ★Android=HMxbkMDOIg

【矢ヶ罪 志白/研究学園都市銀花 広場】


分かりやすくも目を輝かせ、次の瞬間にはまた困ったように眉を下げる鎮樹に意図しなくとも目元がやや細まる。愉快、と言えば道化を指して笑うような不快な印象を与えるだろうか。しかし志白が抱いた感情は、愉快という字面こそ同じであるものの、彼を嘲笑するものでは決してなかった。自分と鎮樹の歳がそう離れているとは到底思えない。同年代か……もしくは1つ、2つの誤差があるか。せいぜいそれくらいだろう。
振り落ちる雪はもちろん、吹き付ける冷風がさらに彼らの温度を奪っていく。志白もやや赤らめた鼻をすんと鳴らした。鼻から入ってくる空気が冷たい。

寒さが背を押してくれたのか、鎮樹はこちらの提案に応じてくれた。なに、それなら嬉しいことはないと言わんばかりに志白は一つ頷いた。

「気にするな、というのは寧ろこっちの台詞だな。気楽に甘えてくれ。……ところで。こちらから提案しておいて何だが、鎮樹は何処か、良い店なんか知っているか?」

生憎俺はそのような店をあまり知らないんだ、と志白はバツが悪そうに呟く。ほんの少し芽生えた羞恥心と申し訳なさに思わず帽子のツバを軽く抑えた。そんな時、彼の記憶にふと1人の人物が過ぎった。
我らアルカナを守護する者達、スペードが一人の紫日恋。そういえば彼女が以前大通り付近に良い店があると1度ばかり口にしていたような、そうでもなかったような……。いや、確かに言っていた。志白は思考をグレーで泳がせず、はっきりと片をつける。物質を保存しておくという自身の能力の性質上、長けている筈の記憶力を信じることにした志白は鎮樹に「そういえば知り合いが大通り付近に良い店があると言っていた」との旨を伝えた。大通りならば大袈裟に迷うことはないだろうし、広場からは左程遠くもないだろう。


>>鎮樹、All



【返信が遅れて大変申し訳ございません(土下座)本当に毎度毎度投稿ペースを維持出来ない自分の未熟さが歯がゆいです……!そして、例の喫茶店のことを日恋さんからお聞きしたという設定を勝手に盛り込んですみませんでした!ヽ(;▽;)ノ】

2ヶ月前 No.71

雪鹿 @salt9140 ★Android=42zyboh5vZ

【茶切 雪鹿/研究学園都市銀花°i茶店】

ちらと紫と樹更のやり取りを聞けば、なにやら紫は見た目にそぐわぬ……と言うと、少々失礼な感も否めないが、いずれにせよ紅茶を飲むイメージの方が強いであろう所作から意外であった。 それは、先入観というものであり、あってもあまり良いものではないものであることは十二分に分かっていた。
ただ、イメージと言うのはそうそう覆らないものだ。そして、そのイメージを抱くことは無意識の内に植え付けられる。なんとも嫌なものだ。

にしても、珈琲もこの店は旨いのか、とほんの一瞬思った。しかし、次の瞬間には、そもそもここは喫茶店でカフェ。珈琲が本分なはずだ。紅茶でこれだけなら珈琲も中々の物だろう。

そうしていると、紫からこの喫茶店は以前からあるという事、そして樹更からそれに関しての謝罪を受ける。ああ……道理で。妙に紅茶や珈琲の香りが染み付いていると思ったのだ。だから、てっきりリニューアルオープンでもしたのだと勝手に納得してしまっていた。

「構わん。寧ろ、良い喫茶店を見付けられて良かったではないか。」

いずれにせよ、良い喫茶店にたどり着けているのだから、構わない。それに変わりはなかった。特段、執着していた訳でもなかったしな。と自分の気持ちを短絡的に整理しては樹更の対応にくすりと笑みをこぼした。

そして、続けて紅茶を飲んで顔を輝かせるその姿にも笑みがこぼれる。嘲笑というわけではないが、普段とのギャップには未だに慣れていないらしい。我ながら遅い適応だ。

そうして、ミートパイの話に対してきちんと返答をしては概ねのOKを貰ったのだ。今日はなんともツいている。我ながら、満足の行く結果となった事にそんな自賛を送ってしまう。

「すまないな、是非とも宜しく頼んだ。そして……面白い事を言うな。鉄仮面……ははっ、あれではただの人形と変わらんなーーーしかし、傀儡とて怒りの対象には変わらんよ。」

小さくふっ、と笑っては快諾してくれた相手に対して礼を言う。これで、美味しい物を食べさせられる。次いで、彼女の口から出た言葉に場を弁えずに笑い声を上げて応対をするが、言葉の最後になるにつれて言葉の鋭さは増していく。その言葉には、冷めきっているにも関わらず、グツグツと煮えた鍋のように沸き立つ怒りが感じられることだろう。家族に非人道的な行為を続けている研究者に、彼は慈悲を持たないどころか、今すぐにでも殺めてしまいたい、そんな風に思っているのだろう。
彼の眼前にあったザッハトルテは形をゆらゆらと変えて人の手の形を成そうとしていた。彼とて未成年。要は未熟なのだ。抑えきれない感情が僅かながら能力として滲み出た。

それに気付いてハッとする。ついぞ、僅かな怒りにすら飲まれそうになる。そして、深呼吸をしてはそれを収めた。しかし、ザッハトルテは手の形のまま彼の眼前にあり、彼はそれを真っ二つにナイフでゆっくりと切り裂く。

「すまん、取り乱したな。やはり、油断するといかん……。」

そう言っては落ち着いたように取り繕って小さく切り取ったザッハトルテを口に運んでからミルクティーを口に運ぶ。その所作は中々に冷静を感じさせるほどに優雅とも言えた。
彼のポーカーフェイスの成せる技といった所であろうか。即座に隠せる彼の嘘は他人にそれを気取らせない程に優秀なものであった。

>樹更 朱希様、紫 日恋様、all

【わぁぁぁ!?もう少し待てば良かったですね!急かしてしまったようですみません。
私も中々返信出来ていないのであまり気にしないでくださいませ!】

2ヶ月前 No.72

スレ主 @line☆1jppp41g33s ★Android=cfmXtsuO1s

【科条一縷/研究学園都市銀花℃ゥ宅】

 律から視線を逸らしていたが、ふと気になって彼女にそっと視線だけを走らせてみる。すると、彼女もまた両手を顔で覆っていて、一瀬は思わず様子を窺うように数秒の間さりげなく目を向けていた。が、再び彼女が手で顔を覆うのを止めて話し出すと、ふいと慌てて目線を窓の方へ向けた。そして、密やかに小さく息を吸った。気を取り直すように一度咳払いをしてみる。

「わたしもリーダーとして、せめてみんなを助けてからじゃないと死ねないですねぇ。いつ死んでもいいように生きてるつもりですけどね。でも、死んだ後地獄に行くのだけは嫌だから……今からでも浄土信仰始めて間に合うと思う?」
「ははっ、それこの前テレビでやってたやつか。さぁなぁ、俺は宗教についてはさっぱり。まぁ、お前が地獄行きなら俺も同じさ。あっちこっちのセキュリティ探るわ、ハッキングしまくるわ、六花国侵入したときなんか異能力使って追っ手蒔くわで、閻魔大王サマも裁きが大変だわ」

 一瀬は軽やかに、冗談ぽく笑って見せた。テレビで見た浄土信仰の話を思い出して、律はそんなことを冗談で言ったのだろうと思いつつ。死後どうなるかは一瀬にも勿論分からないことなのだが、軽やかに笑い飛ばして閻魔大王サマも裁きが大変だなどと冗談混じりに言った。
 そして、明日の欠席の連絡を入れるよう頼まれると「了解、任せろ」と二つ返事で承諾した。授業が始まる前にでも明日の朝に連絡入れておこう。今は看病を優先させよう。

 律の階段を上がる音を耳にしながら、一瀬は棚から薬箱を取り出した。中には包帯や絆創膏、ガーゼ、風邪薬、アルコール綿など様々な医療品が入っていて、いつの間にこんなに増えたのだろうと思いながら風邪薬を手に取った。前に自分が見たときはせいぜい絆創膏と風邪薬くらいしかなかったと記憶している。あまり薬箱を開ける機会がなかったためか、こんなに用意周到に揃ってるとは思わなくて「へえ……」と思わず感嘆の声をあげた。棚に戻しつつ、救急時に備えてるんだなと思った。確かに自分たちがジョーカーだとバレた時点で再び追っ手に狙われるであろうことは目に見えている。
 次に一瀬はキッチンへ向かい、木製の丸盆を取るとそこに風邪薬を置いてコップに水を入れた。すると、視界の端に刻まれた具材が小皿の中に入っているのが見えて「ん?」とそちらに視線を向けた。玉ねぎや人参、鶏肉などの材料が小皿に乗せられ並んでいるのを見るに、先程まで律が下準備していたのだろうと思った。熱まで出ていたのに、やはり無理してしまったのだろうかとそんなことを考えた。
 そして一瀬は体温計を引き出しから開けて取ったり、冷蔵庫からスポーツドリンクを出して盆の上に乗せて二階へと上がっていった。

 律の部屋の前に来ると、中からテレビの音が聞こえてくる。一瀬はドアを2回とんとんとノックをして「律? 入っても?」と声をかけた。

>律さま、ALLさま

【ひええ、38度の熱ですと……!インフルエンザ許さねえ……!そして画面が邪魔でお見舞い行けない、くそ……!
 無理しなくても大丈夫なので、ゆっくり休んでくださいね(´;ω;`)お大事になさってください……!】

2ヶ月前 No.73

ゆきお @suzurinn☆Mr5oixGNY1Y ★JyFDodpAvJ_DIF

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2ヶ月前 No.74

日恋 @tokiwa☆keIKSoWF8Tc ★Ac4Ko9iWtD_m9i

【紫日恋/研究学園都市銀花°i茶店】

「まあまあ、ふふふ、朱希ちゃんにそう言ってもらえるだなんてとっても光栄だわ。ふふ、素直に伝えることも時には大切ね、こういったご褒美もたまにやってくるもの。私も、明日も頑張れるわ。一緒に頑張りましょうね」

 朱希の包み隠さない、その率直な言葉が本当にうれしくて、思わず笑みをこぼしてしまう。こうした気兼ねないやりとりを面と向かって出来る人物など日恋にとっては数えるくらいしかいなければ、彼女はその中でも筆頭になるのかもしれない。いつもプライベートでは他の人に飲みやご飯を誘われてもなんだかんだと理由をつけて断る事が多い中で、彼女に誘われればよほどのことがない限り応とこたえるし、逆にこちらが彼女を誘うことだってあるくらいだ。それくらい、日恋は彼女を相棒としても、仕事仲間としても、友人としても信用と信頼をしている中で根本的に彼女の人間らしさがとても好きなのだと気づいたのは少し前のことだ。彼女には直接言っていないが、しかしこれはまずよっぽどのことがなければきっと話題に出す案件ということもないのだろう。先ほど素直に伝えることも時には大切だと言ったばかりではあるが、これについてはまた別だ。

「あらあら、そうね……、ごめんなさい、私も喫茶店に詳しいわけではないから分からないのだけれど、……確かに入り組んでいるものね、此処の近辺。ふふふ、けれどこのお店のファンが増えることはとってもうれしいわ。マスターもとっても良い方なのよ。……ああけれど、もしよろしければ新しい喫茶店を見つけることが出来たら、ぜひご一緒したいわ。どうかしら、朱希ちゃん。雪鹿くんも、新しい喫茶店は気にならないかしら?」

 雪鹿も朱希もこの店を気に入ってもらえたようであることが日恋にとってはとても嬉しくて、いつも一人で来ていたときには味わうことはあまりない高揚感を感じながらもついぞこの店の良さを紹介してしまう。しかしリニューアルオープンという彼の言葉にはて、と首を密やかにかしげてしまうのは、それについて是も非も反応出来るほど以前から利用しているわけではないからだ。いや、一ヵ月だとまだ最近のほうだ。しかし内装は変わったようには……、などと色々考えながらも結論よくわからないなと一息ついてとりあえず隅に置いておくことにした。あとでマスターに訊いてみよう。
 しかしそれにしても新たに喫茶店を開拓するつもりがもともとなかったので、ここいらにあるかもしれない喫茶店の情報は持ち合わせていないので残念ながら朱希や雪鹿には助力できないのだけれど、しかしぜひその喫茶店を見つけることができたとあれば、相伴に預かりたいところだと日恋は思う。そうしてもともと朱希の勧めでそちらへ行く予定であった雪鹿も、その新しくできたという喫茶店のことを気になっているのではないかと首を傾げながら、良ければ今度見つけたときに三人で行かないかとお伺いをたてるのである。

 それからというものの、雪鹿は朱希との会話でなにやら琴線に触れたらしい。というか、研究者の話だった。研究者の話は自然と眉がひくりと動くが、一瞬のことなので二人は気付いていないだろう。彼が珍しく怒りをあらわに、というより、感情が表に出ようとしているところが彼の持つ異能力によってふと顕現せんとザッハトルテが形を変えようとしているのを密やかに見つめながらも、彼から感じる激情がすぐにおさまったのは彼が早く冷静を取り戻したからなのだろう。しかしザッハトルテはその形を変えたまま。それを見つめながら、まだ暖かいコーヒーをゆっくりと嚥下する。「気にしなくていいのよ、取り乱したとしても、私たちが居るもの」と静かに答えて、日恋はもう一度カップに唇をつけて、ゆっくりと香り豊かなコーヒーを口にするのであった。

≫朱希さま、雪鹿さま


【サブ記事のほうでも暖かいお言葉本当にありがとうございました…!出来る限り早めのお返事を心掛けたいと思いますが、お言葉に甘えましてお返事が遅くなりそうなときは何かしらでお伝えします!本当にありがとうございます!】

≫主さま

【喫茶店のことですが私は全然大丈夫です!^^* 日恋ならば志白くんに話してもなんら不思議ではないなと思いました(*´▽`*)そういうの大歓迎です!(*´▽`*)】

≫志白くん本体様

【いえいえいえ!遅れましたのは私なので全然気にしないでください!また五日すぎることがあるかもしれないので、その時はまた遠慮なく飛ばしちゃってください^^ お優しいお言葉本当にありがとうございます…!】

≫雪鹿くん本体様

1ヶ月前 No.75

点呼中 @line☆1jppp41g33s ★zuLSncMp6z_ZFe

【樹更朱希/研究学園都市銀花°i茶店】

「ええ、もちろんよ! アルカナちゃんにちょっかい出す輩はあたしたちが許さないわ。そんなやつあたしが背負い投げかましてあげるんだから!」

 一緒に頑張りましょうね、という日恋の柔らかな返事に朱希は明るい笑みを浮かべて「ええ、もちろんよ!」とやる気を露にして見せた。元々、朱希は仕事に情熱を注いでいるため、仕事を嫌だと思うこともさほどないために素直にそう返事ができたのかもしれない。それは人を守るという職に誇りを持ち正義感があることや、日恋という信頼できる相棒がいること、仲間や尊敬できる上司がいることのおかげでもある。そして、「背負い投げをかます」というやや過激発言が飛び出してきたのは朱希の冗談であった。むやみやたらに背負い投げを日頃からかましているわけではない。しかし、もし本当にアルカナを傷つける輩がいれば容赦をするつもりはない。だからこそ、研究に口が出せない自分を歯がゆく思うときもあるのだが、それでもその気持ちはずっと変わらず、あの五人のアルカナが脱走した事件があってから存在している。

「ふふ、ありがと、雪鹿くん。そうね、そう考えると日恋ともこうしてお話できたんだから、この喫茶店に来れて良かったのかもしれないわ! だって想像してたものよりとっても紅茶が美味しいんですもの。あたしもこの喫茶店気に入ったわ。マスターも良い人だからきっと紅茶も珈琲も美味しいんでしょうね」

 道を間違えたかもしれないという発言に対して雪鹿と日恋の返事を聞いて、朱希はそう言った。二人とも優しい人だなあと思いつつ、温かい気持ちのまま紅茶を口につける。そして再び話を続けた。

「あたしも、新しい喫茶店は気になるわね。そこの紅茶とパンケーキがとっても美味しいらしいの。一ヶ月くらい前にできたって聞いたんだけど、どこにあるのかしらね。どうやらホームページも作られてない知る人ぞ知るお店みたいなの。くぅ〜、なんか悔しいわ! もちろんよ! 今度は絶対に見つけてやるんだから! 今度ちゃんと教えてくれた知人に聞いておくわね」

 日恋の提案に朱希は「もちろんよ」と意気揚々として返答した。こういうことに関しては燃える性質である。この近辺はやや入り組んでいるものの、研究学園都市に住む自分なら慣れたものだと思っていたがそうはいかなかったらしい。ちゃんと聞いておくんだったと後悔してとても悔しそうな顔をした。無類の紅茶好き、加えて趣味がカフェ巡りであることが彼女をこんなにも燃え上がらせているのかもしれなかった。そして、店員がフレンチトーストを運んでくるのが見えると、それを受け取った。
 と、そうしてフレンチトーストを口に運びつつ、雪鹿の発言を耳にして朱希は顔を上げた。どうやら自分の言葉が彼の怒りに触れてしまったらしい。驚いた顔をしながらも、どう返答しようか考えていたが、自分の感情を鎮める術を雪鹿は知っていた。次には謝罪をして小さく切ったザッハトルテを口に運んでいた。次いで聞こえたの日恋の柔らかな声音。その言葉には朱希も同意で深く頷いた。「ええ、そうよ。あたしたちはそのためにいるんだから」と言って、温和な笑みを見せた。

【いえいえ!リアル優先で全然構わないのでお気になさらなくても大丈夫ですよ……!こちらこそお返事ありがとうございます!】>日恋さま

1ヶ月前 No.76

妃翠 @azalea☆dszkmgEaqwdD ★tcqQcDSpfs_EP8

【 薄花桜 紫翠 / 研究所 キッチン 】




 彼らしい優しい言葉に紫翠は「ありがとう」と一言呟いて微笑む。テーブルの真ん中に置かれた箱の中を興味本位で覗いた紫翠は、様々な可愛らしいクッキーが並んでいるのを見てキラキラと目を輝かせた。なんて可愛らしい形なのだろう。これを買ってきてくれた桃也の友人は中々に乙女心が分かっている。と、そこまで考え、紫翠ははたと我に返る。いや、待て。乙女心が分かっているって何だ。桃也は男であるのにそんな考えはおかしいだろう。そういえば、これをくれた桃也の友人とやらは女性なのだろうか。それとも男性なのだろうか。クッキーを見つめたまま、ついつい考えに耽っていた彼女だったが、すぐにふるふると首を振る。彼の友人の性別などどうでもいいではないか。わざわざ土産をくれたのだ。いい友人に変わりないのだから、それ以外に何が必要だと言うのか。最近周りが色恋沙汰の話しをするせいか、ついつい変な風に捉えてしまってならない。彼に気づかれないようにそっと息をつくと、黙りこくっていては彼に心配をかけかねないと気づき、ニコリと彼に笑いかけた。


「凄く可愛いクッキーね……。桃也のお友達に感謝しなくっちゃ。今度会ったらお礼を言っておいてね」


 紅茶を淹れてくるためにくるりと身を翻し、紫翠は足早にキッチンの奥へ向かう。少し蒸らしすぎただろうかと若干の不安を抱えながら白磁のティーカップにお茶を注ぎ、まずは桃也のものからテーブルへと運んでいく。角砂糖の入ったガラス製のシュガーポットと白磁の小皿の上に置いたシュガートングをクッキーの箱の隣に置き、最後に自身の紅茶を運んで桃也の向かいの席へ腰掛ける。彼が取りやすいようにとシュガーポットの蓋を外していた紫翠は、彼のため息にも似た言葉に顔をあげ、どうしたのだろうと首をかしげた。何か悩み事でもあるのだろうか。どうしたの、と口を開きかけた紫翠だったが、いやしかしと寸でのところで思いとどまる。何でも聞いてしまっていいのだろうか。もしかしたら言いにくいことかもしれないし、何でも自分が口を出してしまうのは果たして彼の為になるのだろうか。聞くべきか聞かざるべきかと悩んでいた彼女は、桃也の前置きにごくりと生唾を飲み込むと思わず身構える。が、お菓子作りを教えてくれと言うあまりにも可愛らしい頼みに、紫翠は「もちろんよ!」と思わず身を乗り出した。



「どうせ学校が終わったらすぐにここに帰って来なきゃいけないんだもの。桃也さえ良ければ明日からでも教えてあげる。私、夢だったのよ。"家族"と一緒にお菓子作りするのって!」



 複雑そうな表情を浮かべる桃也に、紫翠は彼の頬を挟んでまるで犬を撫でるかのように少々乱暴に撫でまわす。一通りそれが終わると、ふぅと満足げに息をついて椅子に腰かけた彼女は、行儀悪く頬杖をついて桃也を見上げると、微笑を零した。



「呆れないわよ。いいじゃない。男の子がお菓子を作ったって。お菓子作りをする男の子より、それを笑って馬鹿にする男の子の方が、私は嫌いよ」



 だからそんな顔しないの。と付け加えると、紫翠は何事もなかったかのように紅茶に角砂糖を一つ入れた。





【 いいえー。気にしないでください。
逆に次は私が遅くなってしまうかもです……。その時は本当に申し訳ありません!! 】



>>明志波桃也様

1ヶ月前 No.77

仔夢 @00000x ★iPhone=y44SZZaVfW

【紅小路莉子/研究学園都市銀花℃ゥ宅】


「ははっ、それこの前テレビでやってたやつか。さぁなぁ、俺は宗教についてはさっぱり。まぁ、お前が地獄行きなら俺も同じさ。あっちこっちのセキュリティ探るわ、ハッキングしまくるわ、六花国侵入したときなんか異能力使って追っ手蒔くわで、閻魔大王サマも裁きが大変だわ」
「んー、カミサマとか信じてないんですけど、ほら、生まれ変わるまでの一億年間を天国で過ごすのと地獄で過ごすのは全然違いますし! いやー、でもりっちゃんの悪事は一瀬よりマシかな。やったことといえばICチップの解析とみんなの分のパスポート、身分証明書偽造でしょ? あと異能力くらいじゃん。」


いやお前も相当やってんじゃん!とどこからともなくツッコミが入りそうな呟きを零しつつも指を折って数えてみると、それは幾ら犯罪だとはいえ仲間への貢献度でもあって、自分が貢献できていることは意外と少ないんだと少し虚しくなった。元より一瀬のように相手側に踏み込むハッキングやセキュリティ解除より、内側で画像、動画、パスワードの解析や証明書、書類偽造などの作業を淡々と熟す方が得意だった律の部屋にはそれ専用の某林檎マークのノートパソコンが三台設置してあり、尚且つ地下室にも自分用のプリンターやらパソコンやら、挙げ句の果てに業務用シュレッダーまで置いているのだから仲間のスペースを相当奪ってしまっていることだろう。然しながらシュレッダーは勝手に購入した時はがっつり叱られはしたものの何だかんだ隠し事が山のようにあるこの家族は断りもせず可愛いシュレッダーちゃんを酷使するのだから酷い。序でに言えば盗聴器だって超小型隠しカメラだって律が外国から取り寄せ、怪しまれないように電話番号も身分証明書も住所まで偽造して取り寄せたものなのにその価値をわからないうちの家族はそれはもう乱雑に扱うのだ。全くそれはそれは酷い。だが嫌いなれないのが家族というものなんだろう。
学校に連絡を入れておいてくれと頼んだものの彼の返事は口だけ。動こうとしない。全く何を考えているのかわからないが大方明日の朝にでも連絡しようと思っているのだろう。いつも後回し後回しにするくせに律と違って忘れないのが彼だ。きっと大丈夫なんだろうと二階に足を進めた。
部屋に入ってテレビをつけたあとは只管寒気を感じた。ワイドショーでは芸能人同士の熱愛やら不倫やら不祥事やらを探っているが、どれもあまり気分のいいものではない。先ほど脱ぎ捨てた普段着はカーペットの上に点々と放り出され、それと対照的に綺麗にクローゼットに掛けられた制服の横にはこれまた先ほど引っ張り出した部屋着の掛かっていたハンガーが外れかけの状態で引っかかっている。昨日あんなに綺麗にしたのにまた汚しちゃったなと頭では考えるものの、上手く体が動かない。寒い。思わず布団に潜り込み、丸くなった。明らかに悪化している。早く寝ればよかった。無駄に泣いて体力を消費している場合じゃなかった。階段を上がる音は聞こえるが倦怠感と頭痛で起き上がれない。そのうち足音は徐々に近づき、ドアの前でパタリと止まった。そして木製の白いドアを叩く音が響き、「律? 入っても?」と一瀬の声が薄っすらと聞こえる。「うん……」と弱く返事をして、ふらつきながらもドアの前に駆け寄った。
昔から風邪をひくと人肌恋しくなるのも、甘えたくなるのも変わらない。そして、弱っているときは一人で眠れないのも、酷く不安症になるもの、不安定になるのも、変わらない。女性だからというのもあるのかもしれないが少なくとも他のジョーカー女子組はそんな素振りを見せないため律に限定される可能性のほうがうんと高い。こちらからドアを開け、足の裏でカーペットを緩く撫でながら手を引いた。


「やっぱりわたし、一人で寝られない。どれだけきつくても寝られないんです。寝たら、もう起きられないような気がして。」

>科条一縷様

【低クオリティ&短文お許しあれ……課題様の合間を縫って書いてたらこれが限界でしたごめんなさい。次挽回できるようなもの書けるかわかりませんけど少なくともこれよりマシなのかきますので!】

1ヶ月前 No.78

雪鹿 @salt9140 ★Android=42zyboh5vZ

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1ヶ月前 No.79

よいのつづり @sasame031☆Drc4JVXJx7M ★78Gp0ZKeUd_qxX

【神楽野鎮樹/研究学園都市銀花 広場】

 生憎、昼は滅多に外へと出掛けず、夜はバイトが終われば真っ直ぐ寄り道もせず帰宅する鎮樹には、この辺りの飲食店には詳しくない。バイト先にも飲食店はあるが、あそこはカフェのような場所ではない。――結局、思い当たるような場所は鎮樹の記憶の中にはなかった。特に思いつかないなぁ、と首を傾げれば、志白の方から提案してくれた。ほんの少しほっとしながら、鎮樹は笑みを浮かべて頷いた。

「ごめん、俺、あまり外に出歩かなくて。……あまり詳しくないから、そこでいいんじゃないかな、とか思ったり」

 好んで外に出ないのも、この辺りに詳しくないのも、全て事実だ。出歩かない、という言い方には少しの語弊はあるが、それは嘘ではない、と思いたい。何か、志白にバレて困るような嘘をついているわけではないのに、不思議と後ろめたいような気持ちで、鎮樹はそう言った。
 ここから遠くないのならどこでも構わなかったし、鎮樹は志白と会話するのが苦ではなかった。積極的に人と関わっていこうとするような鎮樹でも、多少とはいえ、人は選ぶ。家族以外でこんな風に思うなんて不思議なことだな、なんて。

「あ。そこって遠いかな? 動くなら体も暖まるし、大丈夫だとは思うんだけど」

 さすがに長時間外にいることは寒がりの鎮樹にとっては拷問さながらの行為のため、避けたいところだった。もちろん、遠くてもせっかくの誘いを無駄にするつもりはないのだけれど。

>>志白くん、ALL

( 私も遅れてしまって申し訳ありません;; そして遅れは全く気にしていないのでお気になさらず…!!待つのも嫌いではありませんので、ぎろ様のペースで構いません〜! )

1ヶ月前 No.80

スレ主 @line☆1jppp41g33s ★Android=cfmXtsuO1s

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1ヶ月前 No.81

日恋 @tokiwa☆keIKSoWF8Tc ★Ac4Ko9iWtD_m9i

【紫日恋/研究学園都市銀花°i茶店】


「ふふふ、まあまあ、背負い投げだなんてさすがは朱希ちゃんね。とてつもなく物理的でアグレッシブだけれど、ふふふ、箱に籠りきりの方たちにとっては意外にも効果的かもしれないわねえ」

 朱希の背負い投げというワードに思わずおかしそうに微笑んでしまった日恋だが、よく考えてみれば異能の使用を飽くまでも前提として(中には異能にあまり頼らない人もいるだろうが一般的な話)アルカナを護る我々がひとりでも物理で対抗しようとすれば、どこかの籠りきりでいる向こうにとっては驚きで怯むこともあるだろう。それに朱希が言うのだから、なんとなく実行しそうで日恋にとっては笑ってしまう。彼女の言葉が冗談であるということは分かって入るのだけれど、こんなにも頼りのある相棒の言動は、本当に日恋を良い意味で飽きさせることがない。そんなところもとてもすきなのだ。けれど、彼女の言う言葉の真意というものをなんとなくとらえてからは、日恋もそれに対して同意をせざるを得ない。その場合、日恋は確実に狙撃で獲物の頭を狙い仕留めるのだけれど。異能を授かったときから抜けきれない暗殺(スナイパー)精神が少しばかりか頭角を現すのだが、それを発言するにはとてつもなく物騒で場違いなので、笑顔の裏にしまっておくことにした。

「あらあら、本当に知る人ぞ知るお店なのね。あまりヒントがない中で探し当てることは大変かもしれないけれど、なんだか宝探しでもするかのような高揚感は感じることができそうね? ふふふ、おいしいもの食べたいわねえ」

 ゆるく発言する日恋はそういえば最近なんだかんだと忙しさから食事を満足するほど食べられていなかったなということにふと気づき、そこから来たおいしいものが食べたいという願望は、パンケーキという朱希の言葉により思考得たものだった。それから雪鹿が、都合があえば同行したいというなんとも控えめともとれる言葉に日恋は少し笑み、雪鹿を見つめる。

「そんなに気を遣わなくていいのよ。私たちは好きであなたを誘っているのだもの。ふふふ、それともスペード二人に囲まれて緊張するかしら? それについては考え及ばなかった私のミスだけれど、朱希ちゃんのご友人のお勧めである喫茶店に行くとき、きっと私や朱希ちゃんはオフの日に行くはずであるし、その時にあなたをお誘いするのだからあまり考え込まなくてもいいと思うのよ。うふふ、けれど雪鹿くんが考えていることがこういうことでなかったとしたのでしたら、どうぞ聞き流して。余計なことを言ってしまったとも自覚しているから、少なからず私の独り言だと思ってくださって構わないわ」

 半分ほどに減ってしまったコーヒーはまだほんのり暖かく、再び唇を湿らせる。豊かな香りのそれは以前から変化することなく、肩の力を抜かせてくれる。雪鹿の言葉がどことなく控えめで、濁すようなものであったから、日恋はなんとなくそう彼に告げるのであるけれど。日恋は彼の言葉の真意を理解しくみ取っているわけではない。特異な絆で結ばれるアルカナ同士であれば彼の言葉の真意を、或いは思いのたけを何らかの形で感じとることが出来るかもしれないが、残念ながら日恋は想像でしか補完できないし、それが合っているとも限らない。しかし、間違いを恐れるばかりではいつか言葉にさえできなくなるのだから、それはとても寂しいことだとも思うのでたとえこの言葉が彼の思う意図とずれていたとしても、それでもかまわないのだ。聞き流してくれてもまったく問題ない。だが、日恋は少なくとも、彼と話をしたいとも思っているのであった。

「あらあら、朱希ちゃんとの共通の趣味? ……そうねぇ、共通の趣味、……お酒かしら?」

 日恋は彼女とよく飲みに行くし、大まかにいえば酒は趣味であるというわけではないのだが、しかし逆に言えば日恋は彼女とくらいしか自ら進んで酒盛りはしないのだ。思わず朱希のほうを見やりつつも、「朱希ちゃんと一緒にお酒を飲んだりおいしいごはんを食べたり、色々なお話をすることはとてもすきよ」とふわりと微笑んでから、改めて雪鹿をみるのだった。

≫朱希さま、雪鹿さま

【ありがとうございます!いえいえっ、此方こそです!(*´▽`*)】

≫主さま

【わーっ!お優しい(´;ω;`)!ありがとうございます!私は全然大丈夫ですよ〜!(*´▽`*)待つこともお返事待ちの醍醐味のひとつだと思ってますw無理だけはなさらないでくださいね!(*´▽`*)】

≫雪鹿くん本体様

1ヶ月前 No.82

仔夢 @00000x ★iPhone=y44SZZaVfW

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1ヶ月前 No.83
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