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Warning Bell【予約募集中!】

 ( オリジナルなりきり )
- アクセス(1659) - ●メイン記事(70) / サブ記事 (105) - いいね!(8)

ししくれ @kmnkha ★5ZJqsyRP6V_CBa



 苦しい。空気を吸えないことがこんなに苦しいものだとは思わなかった。死ぬってのは大変なことだ。……でも、それでも、生きることに比べたらよっぽどマシだ。私の心は砕け散った。もうなんにも残っていやしない。
 私を手にかけている君が今までのどんな時よりも愛おしく感じるよ。粉々になった無価値同然の私を愛し、そして終焉へと誘ってくれる君は、私の最初で最期の光だ。


『ありがとう』

 そう言ったつもりだったのに、耳に入ったのは掠れた呻き声だけ。でも最早それさえもどこか他人事で。最初はあんなに苦しかったのに、今ではどこか心地よささえ感じている。嗚呼、これが死か。
 意識は私の元を去り、遠く離れた場所で眠ろうとしている。自我が闇に溶け、堕ちていく。


“ Good-bye Hateful world. ”
“ Thank you for a wonderful time. ”

  ――さようなら、忌むべき世界。
  ――素敵な時間をありがとう。


 †


 永遠の眠りから目を覚ましたのなら、其処は箱庭。
 地獄よりも残酷な囚われの監獄。天国よりも甘美な最果ての楽園。
 生から見捨てられ、死から拒絶された者達の住まう屋敷。


“ I never am loved by anyone forever. ”

  ――私は誰からも愛されることはないの、永遠に。


 屍体は静かに言葉を紡ぎ、今日も鐘は鳴り響く。



【閲覧ありがとうございます。詳しくはサブ記事にて。ただし、当スレッドにはグロテスクな様子が含まれます。不快感を感じる方や苦手な方はプラウザバックしてください。閲覧、参加は自己責任でお願いします。メイン・サブ共にレス解禁を表記するまで書き込み禁止。】

1年前 No.0
メモ2017/02/13 00:50 : ししくれ☆/pH2qpQf7L2 @kmnkha★Android-Ok1vAG69Dv

キャラクター(特に女性)募集中です。


*女性

リュシー・ミィシェーレ(http://mb2.jp/_subnro/15452.html-23#a

ハネカワ・ユヅル(http://mb2.jp/_subnro/15452.html-57#a


*男性

ウラジーミル・ウラジーミロヴィチ・ウスペンスキー(http://mb2.jp/_subnro/15452.html-17#a

ケンイチ・ヤナギハラ(http://mb2.jp/_subnro/15452.html-22#a

マーベル・F・オクロック(http://mb2.jp/_subnro/15452.html-29#a

ルカ・エリア=パガニーニ(http://mb2.jp/_subnro/15452.html-32#a

ディーター=バルシュミーデhttp://mb2.jp/_subnro/15452.html-89#a

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千羽 @hina0126☆cC6IJvcXXi01 ★yYM4klxEWP_xKY

【ルカ・エリア=パガニーニ/キッチン】

 ルカは本当に若者なの? ――だなんて問いかけは、初めてだった。しかも五百年の時を生きた人間のようだなんて、当然の如く言われた事が無かった。ふむ、と腕を組んで考える。生憎と死後何年ほど経っているのかは覚えていないけれど、死んだのは確かに――なんせ、20歳の成人の儀を迎える一週間前だったから――19歳だった。

「少なくとも、ディーネよりは若くないかなぁ。でも、他の皆とは……どうだろう?」

 そういえば見るからに年下であるディーネの年齢は知っているけれど、他の面々の年は聞いた事も無かった、と思い至る。まさか興味が無かったわけでは無い。無いけれど、何というか、この場での年齢は死因に直結するわけで、色々な意味でそれを聞くのは憚れていただけのことだった。
 かちり、と飴が歯にあたる。少しだけ砕けてしまった破片が舌に落ちるのを感じ取りながら、ゆるりと目を細めた。

「そんなに永い時を生きた気はしてないけど、そうだね。童話の登場人物に僕が似てるってんなら、その作者と僕が似ているんじゃないかなぁ」

 多分ね、と笑う。その拍子に飴がまた歯にあたって砕けてしまった。それを今度は咀嚼して飲み込む。やはりこの飴は一番ではないけれど、それでも二番目くらいに入るほどに美味しい。


>>ディーネさん、周辺ALL

11ヶ月前 No.21

Nowhere @upto114 ★iPhone=93f6gLtrAF

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11ヶ月前 No.22

毬藻 @shuchishin☆jHqXF0noOB6 ★Jj2DEjpvWx_m9i

【マーベル・F・オクロック/一階 エントランス】

「詩人、ねェ……ハッ、人気作家様にそう言ってもらえるたァ光栄なこって」

 ただ思ったままを口に出してみただけだったのだが、意外にも詩的な表現だったらしい。
 先ほどの発言を思い返せば、確かにそうだったかも。急に恥ずかしくなったのか、一瞬にして真顔になった顔を右手で覆った。

 それから彼はいつものように愛について語り始めた。話す内容はもちろん、いつものこと。聞けばウラジーミルは、ある女性の熱狂的な愛を受け入れて死に至った。胸を一突き、さらに両足を奪われ、それすら愛と豪語する。生前であれば馬鹿なんじゃないかと笑い飛ばしていたところだが、今はそうすることができない。それは多分、自分も同じような死を迎えたからだろうか。受け入れたか受け入れなかったかの違いはあるとしても、愛されていたことに変わりはないのだから。

「……相変わらずそれに関しては口が回るな。別に知ろうと思わねェし知りたいとも思わねェよ。
 第一、面白くもないものを取り寄せ続ける意味なんてねェし」

 ふい、とそっぽを向きながら反論らしき言葉を口にする。つんけんした言い方だが、逆に言えば、面白いから取り寄せ続けているんだと言っているようなものだ。マーベルにとって愛だのなんだのというのは二の次で、一番大切なのは話の内容だったりする。面白いか面白くないか、ただそれだけ。
 実際、ウラジーミルの話は面白い。こうして愛について語っている時でさえもだ。最初はすぐに飽きるだろうと思っていたが、今ではもう何冊読んだか分からない。表に出して言ったことはないが、是非とも推理小説も書いてほしいという願望もある。彼の書いた推理小説なら、例え幾ら積まれても買いたいものだ―――。


『君は、君を殺した相手のことをどう思う?』

 急に問い掛けられ、ハッとする。また、どこかに意識を飛ばしていたらしい。考えすぎるといつもこうだ。やはり、自分に討論は合わない。
 軽く頭を振り、思い返す。さて、質問はなんだったっけ……ああ、自分を殺した相手のことについてか。

「どう、って……」

 そりゃあ恐ろしいに決まっているだろう。だって、自分を殺したのだから。お前のように心臓一突きじゃない。抉り出されたんだ。しかもそれを目の前で食われたんだぞ? どんなに苦しくて辛かったか……。

(悍ましかった……けど……)

「……分からん。何とも言えん」

 “恐ろしい”の一言では、片づけられなかった。だって――それでも愛していたから。
 だから分からない。なぜ、あのような発想に至ったのか。なぜ、あのような行動に出たのか。その原因は、もしかしたら自分にあったのではないか。

「俺は……」

 どうしたらよかったのだろう?
 そう問いかけるには、もう時が経ちすぎてしまっただろう。誰にも答えられないだろう疑問は、口から出ることはなかった。


 何か手伝うことでも? と問いかければ、図書室へと答えられた。
 図書室は四階だ。今の彼の足では到底辿り着けない。

「おう、奇遇だな。実は俺も行こうかと思っていたんだ。行こうぜ」

 元々図書室には行くつもりだったので、ついでに何か物色するかと考える。まずは、ウラジーミルを図書室へ案内せねば。
 マーベルはこの屋敷の中で1、2を争う力強さの持ち主だが、流石に車椅子ごと彼を持ち上げることはできない。先に彼を連れて行こうか。

>>ウラジーミル様、周囲ALL

【ここで図書室へ向かう描写入れましょうか? となると、先にウラジーミルさんを抱えて、そのあと車椅子を持って行こうかと考えているのですが……】

11ヶ月前 No.23

雨上がり @koshou0602 ★iPad=PJvYzvE0AC

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11ヶ月前 No.24

ゆりめろ、 @lilymelody ★2FOBUlth9k_yoD



【 ディーネ・ロリポップカヌレ / キッチン 】


ディーネよりは若くないかなあ、とキャンディを咀嚼する彼をまじまじと見る。ええとつまり、私は十三歳の誕生日に死んだから____。十五歳よりは上なのかしら。そう考えた後、「 この屋敷の男の人達の中だと、ルカが一番若く見えるわねえ 」と歌うように言った。それぞれ事情があるから皆年齢を言わないだけで、ならばこちらも余計な詮索はしないと決めているけれど。生白い肌と艶やかな銀髪の、いかにも若そうな彼を見るとついそう言いたくなってしまう。クッキーの缶を指先で叩くのを止め、ちょうどその横にあった小ぶりな薄茶色の包みを開ける。ああ、これは確かマシュマロね。数えられるくらいしか食べたことが無いけれど。そろりとソレに手を伸ばし、そのまま口に放り込む。バニラの風味が鼻にしつこくない程度に纏わりつき、舌の上で優しく踊るソレにひどくディーネは癒された。

「 作者に似ているのかもしれない_____。きっとそんな事を言う人は、この屋敷の中では貴方だけかもしれないわね。ルカ・エリア=パガニーニ。 」

 童話から出てきたみたいと言った自分の言葉に対し、ルカは『 その作者に似ているのかもね 』と答えた。斬新で、なんて素敵な思考なのかしら。ディーネの中の好奇心が僅かに疼いた。


>>ルカくん、ALL

11ヶ月前 No.25

似非紳士 @baccano☆/.lpbIA2P7M ★J1SGpZKeln_yFt

【ウラジーミル・ウラジーミロヴィチ・ウスペンスキー/一階エントランス】

「ハハハ、褒めても何も出せないけどね」

世の人間は須らく、愛という物を誤解している。
彼らは考える事も無く、愛という物を無条件に肯定する。
そして、同じ愛を無条件に否定する。

彼らの愛に対する価値観は宗教なのだ。
非寛容であり、教義に縛られており、異端を審問せねば保つことすらできない。

愛と云う感情に付加価値を付けた時、それは愛ではなくなり、ただの崇拝対象へと成り果てた。

「他ならぬキミが、楽しんでくれているなら身に余る光栄だよ」

一度死んだ僕が、それでも消えずに、此処に存在している。
ここで思考している。

Cogito, ergo sum(我思う故に我在り)
ならば、私は何故ここに居るのだろうか?
考え思い悩んでも、結果は変わらない。
だからと言って、思考を止めてしまえば、それは人では無くてただの葦だ。

「フフ、他人の言葉に惑わされてはいけないよ。誰が何といっても、君が思い続ける限りその愛は永遠だ。僕にとって愛とは惜しみなく与えるか、限りなく奪うかの二択ともいえる。その点において僕たちは究極的な手段でもって愛されて、ここに居る。熱烈で嬉しい事だよ」

と、そんなことを言っていると、突然彼に後ろから抱き付いた少女がいる。
彼女も、また僕の読者の一人だ。

「結弦ちゃん、こんばんわ。良い子は寝ている時間だよ? 遅くまで起きていると、ブギーマンにさらわれちゃうぞ? まぁ、斯く言う僕も君くらいの年頃には夜更かしして物語を書いていたわけだけど……」

何と言う説得力のない言葉だ、と苦笑が思わず漏れる。
友愛、親愛、恋愛、情愛、狂愛、偏愛、博愛、全ての愛は愛としてこの世界に存在している。
現に、僕がマーベルを愛しているかと言われれば、答えは間違いなく肯定だ。

友人として、仲間として、愛している。

そして、結弦の事を愛しているかという質問に対しても、返答は間違いなく肯定だ。

友人として、読者として、愛している。

愛するという単語の意味を、人間は縛り付けている。
感情を好意と悪意に大別し、さらにそれらを細分化して、全てを別物と捉えているのがいい例だ。

そもそも、其処に差異はない。
須らく感情は愛から来る。

「なに、ただ彼と愛というものについて話し合っていただけだよ……。ふむ、同性愛というのもなかなかに興味深い題材だとは思うけれど、描こうとしても筆が走ってくれなくてね。読みたければ特別に掌編程度は書くけれど、恐らくは詰まらないものに成るだろうね」


と、そんなことはどうでも良い。
今はそれよりも図書室に向かおう。
この不便さえなければ、この愛の証をさらに愛おしめるのだけれど。
こればかりはどうしようもない事か。

其処まで考えた後、先ほどの結弦の発言を思い出しほんのわずかな悪戯心が顔をのぞかせる。

「それじゃあ友よ、抱っこしてもらえるかな?」

自分の容姿は見ようによっては少女とも取れることを知っているが故に。
少しばかり、茶目っ気を出してしまうのも仕方のない事だろう。
上目遣いに、両手を目の前の友めがけて差し出してみる。

>>マーベル様、結弦様、周辺ALL様

【なんというか、うん、悪乗りが過ぎた気がしますが、おそらく気のせいでしょう(^^;】

11ヶ月前 No.26

千羽 @hina0126☆cC6IJvcXXi01 ★yYM4klxEWP_xKY

【ルカ・エリア=パガニーニ/キッチン】

「――、そう?」

 ディーネの発言に、ルカの動きが一瞬だけ止まった。やはり、僕のこの思考はかなり異質なのだろうか。そう一瞬だけ考えがトリップする。
 ぼんやりと窓の外へと視線を向ける。まだ夜明けまでは程遠そうだ。もうひと眠りするには、あまりにも近いのだろうけれど。ふー、と小さく息を吐くと視線を動かさず、ディーネは、と口を開く。

「ディーネは、そういうの、考えたりしないの? 友達が欲しいって、いつも言っているけれど。そういう、……心理学的な、距離感とか、自分の思考とか」

 なんだか思考回路がぼんやりとして、不明瞭だ。頭が良い人間と会話をすると、度々そういう事が起こる。そんな人物との会話に乗じて自分の本質を知ろうとして、結局のところ不発に終わるのが大体の原因だ。……まあ、単純に頭を巡らせすぎただけかも知れないけれど。

>>ディーネさん、周辺ALL

11ヶ月前 No.27

雨上がり @koshou0602 ★iPad=PJvYzvE0AC

【ハネカワ ユヅル/一階エントランス】

「こんばんは、ウラジミールさん。ブギーマン……?あぁ、日本でいうナマハゲみたいなものですか。確か悪い子を誘拐するんでしたっけ?ここから連れ出してくれるロミオに早変わりです……それなら皆で一緒に誘拐してもらいましょう!」

我ながら頭の悪い発想だとは思うが、こんな死人の私を連れ出してくれるならブギーマンもナマハゲもドンと来いです。ちなみにシェイクスピアは大好きです。

お二人のお話の内容は、愛だそうだ。全く、難しい内容を語り合うものです。
愛。
私にも恋の一つや二つはしたことがありますが、恋愛相談をした友達に「おかしい」と言われてからというもの、誰にも相談できなくなってしまいました。
愛してはいけない相手がいるのでしょうか。

「同性愛、ですか。……それは、ハッピーエンドになりますか?それなら是非、読みたいものです。
あ、男性同士なら尚良しですよ。」

どうせなら、私にはできなかったハッピーエンドを。
あと言っておくが別に腐っているわけではありません。もう一度言いましょう。腐女子ではありません!!
……いや、「きらきらひかる」を読んで腐らない人がいたら教えてほしいものです。

ウラジミールさんがマーベルさんに抱っこしてもらおうとしている。
いえ、別に腐女子ではないので何も思いませんよ?えぇ、何も。断じて何もありません。

「……そういえば、好きの反対は無関心ってよく言いますけど、どう思いますか?」

理屈は分かります。憎しみの感情は愛と似ています。何処までも似ていて、ですがきっと何処までも反対なのでしょう。
表と裏。表裏一体。
だから、愛しすぎて殺してしまうこともきっと、あるのでしょう。
だって、憎しみと愛は同じようなものだから。

【別に腐女子ではありません多分きっと】

11ヶ月前 No.28

毬藻 @shuchishin☆jHqXF0noOB6 ★Android=ohN7zExUq4

【マーベル・F・オクロック/一階 エントランス】

「……ぅをっ?!」

 二人で話し込んでいると、突然背後から何かがぶつかってきた。反射的に左胸の時計を押さえつつ、なんとか倒れないように踏ん張る。
 ぶつかってきたそれは、跳ねるような声で話しかけてきた。

「……っぶねェな……時計嵌め込むの結構大変なんだぞ。
 つか、この時間に起きているなんて珍しいな、ユヅル」

 そう言いながら、マーベルはぶつかってきた相手、ユヅルもとい羽川結弦の頭をくしゃっと撫でてやった。
 彼女とはこの屋敷の中でも特に仲がいい。こんな厳ついマーベルによくなついてくるのだ。マーベルも彼女に対しては何故か庇護欲が沸き、妹のように可愛がっている。特に、何事も直球に話す、その裏表のない無邪気なところが気に入っていた。たまに突拍子もないところに話が飛んだりするが……まぁそれはご愛嬌というところか。

 そして今回も彼女の素直さは発揮され……我々を見るなり、秘密の話し合いだの密会だの、さらにはそういう関係かなどなど言って盛り上がっている。
 まぁそこまではいつもどおりなのでスルーしていたが、ウラジーミルまでそれに乗り出したものだからちょっと面食らってしまった。上目遣いで両手を伸ばす相手に、思わず「お前なァ……」と呆れた顔をしてしまう。

 そっちがそうならこっちも悪乗りするまでだ。ニヤリと笑みを浮かべると、「我が儘な奴だな」とわざとらしく呆れたように言った後、抱えあげて横抱きにした。所謂、お姫様抱っこだ。

「おし、しっかり捕まってろよ……ユヅル、悪いが車椅子頼めるか?」

 落とさないように抱え直すと、彼女に車椅子を託す。しかし、車椅子もそこそこ重い筈だ。結弦一人でも大丈夫だろうか。顔だけ彼女に向け、心配そうに見つめる。

>>ウラジーミル様、結弦様、周囲ALL

【遅くなってしまい申し訳ない……そしていきなりお姫様抱っことか申し訳ない……
 PCが充電切れなのに充電器が見つからないという非常事態が我が家で発生しましたゆえ……なかなか書き込めず……文章おかしかったらすいません。スマホ書き込みづらい(´:ω;`)】

11ヶ月前 No.29

似非紳士 @baccano☆/.lpbIA2P7M ★J1SGpZKeln_yFt

【ウラジーミル・ウラジーミロヴィチ・ウスペンスキー/1階エントランス】

「『あぁロメオ、どうしてあなたはロメオなの? バラはバラと呼ばれなくても、その香りも美しさも陰りはしないのに』だったかな?」

あぁ、だがそれは違うのだ。
彼は、彼のままで彼女を愛さねばならなかった。
彼以外として彼女を愛そうとしたからこそ、悲劇が起きてしまうのだ。
愛は、当人同士のものでなくてはならない。
そこを違えれば、取り返しのつかない間違いを招く。

「死人は、死人であるべきだろう。此処の外に出たところで、私たちはジュリエットの二の舞を演じるだけかもしれないのだから。真面な暮らしなど望めはしないさ。僕は僕の死について一切の悲観はないんだ。何故かって、かねてから憧れていた一言を、憧れていたシチュエーションの下で呟けるなんて、冥利に尽きるってものだよ。『止まれ、汝はかくも美しい』ってね」

シェイクスピアも良いが、ゲーテも素晴らしい。
デウスエクスマキナを利用して、それでなお名作と語り継がれるものを残すというのは素晴らしいと思うのだ。
何よりも、彼らの作品は愛に満ちている。

次の彼女の発言には少しばかり面食らったのだが。

「おや、今更何を。僕は今の今まで、ハッピーエンドしか描いたことがないんだよ? 僕の主観の中で、僕の描いた作品はすべてがハッピーエンドなのさ。まぁ、それを読んだ読者様がどう思うかは、残念ながら予想が出来ないけれどね」

その通り、全てがハッピーエンドなのだ。
僕の人生も、そのすべては幸福であったと言い切れる。
愛に生き、愛に死ぬ。
人として、これ以上は望めない満ち足りた人生だった。
ここでの蛇足も悪くはないが、蛇足以上の何物でもないだろう。

だからこそ、こんな蛇足の中だからこそ、彼女の問いにもこたえるべきだと思ってしまうのだ。
嘗ての僕であれば、一つ鼻で笑って流したかもしれないが。
今となっては時間は余ってしまっている。

「『好きの対義語は無関心である』はある意味において真だが、その逆は成り立たないんだ。僕が思うに『無関心とは愛の対義語』なのさ。だからこそそれは悲しい事だ。愛の反対は無関心、無関心の反対こそが愛なのさ」

あぁ、いつもの感覚だ。
執筆しているときに、いつも現れるのだ。
筆が滑るともいえる、やけに饒舌になる瞬間。
制御を離れて、自己投影した登場人物が勝手に動き始める瞬間。
その高揚感にもよく似た、そんな感覚。
僕の舌はその高揚感を得て滑らかに言葉を紡ぎ続けていく。

「好きも嫌いも、全ては愛さ。憎しみすらも愛さ。他人に何らかの感情を持って接することはすべてが愛なのさ。だからこそ、僕は胸の傷も、足の傷も、どちらも愛しいと思うんだ。これは愛の証、彼女からボクへの純粋無垢な愛情の証、そしてこの身が朽ちて消えるまで残り続ける永遠の愛の証なのだからね。そうだとも、『止まれ! 汝はかくも美しい!』……な〜んてね。続きは僕の本を買ってくださいな」

っと、この辺りで止めておこう。
さすがに、これ以上を語ることは憚られる。
ここから先は、僕にとっての福音でも、他者にとっては毒物らしいから。
まぁ、永久不変な死者が、他人の影響で変わると考えるのも、少々滑稽ではあるけれど。


さて、悪ふざけのつもりが本当に抱えあげられるとは思っていなかった。
少しばかり恥ずかしい気もするが、ふむ、横抱きにされる感覚というのはこういうものか。
そこで、一つの疑問が頭をよぎる。
疑問に思ったなら問うべきだと、頭の中で自分がささやく。

「悪ふざけのつもりだったのだけどね……。というよりも、膝のない相手を横抱きは難しくないのかい? 正直に教えてくれ、今後の創作に役立つかもしれない」

僕のこれは、はたして職業病と呼べるのだろうか?
少なくともずれているとは自覚しているが……。

「肉体労働は『騎士殿(マーベル)』にお任せするよ。『お姫様(ボク)』は今から暫くペンより重たいものは持たない主義になるつもりでね。まぁそれになんだ。男としては小柄だし他の連中より肉とか骨が足りてない分、羽根の様とまでは言わずとも多少は軽いはずだよ。それに最悪はKnightを呼んで車椅子を運んでもらうというのもありだしね」

どうも、最近は興が乗ってしまう傾向にある。
まぁ、どうせ蛇足なのだから、わき道にそれねば面白くもないだろうさ。

>>マーベル様、結弦様、周辺ALL

【そろそろ、図書室に向かいますか?(^^; いえいえ、結構素直に乗って下さるのは有り難い事です(^^♪】

11ヶ月前 No.30

妃翠 @azalea☆dszkmgEaqwdD ★BxEfezLEi0_EP8

【 リュシー・ミィシェーレ / テラス 】




 自分の行動に何かを感じ取ってしまったのか。はたまた、媚を売るような行動が自分の意思をしっかりと持っている彼女には気にくわなかったのか。ニーナの眉間に寄せられた皺に気づき、リュシーはそれにそっと触れた。



「あらあら。そんなところに皺を寄せたら、せっかくの綺麗な顔が台無しよ。せっかくの綺麗な夜なんだもの。どうせなら、難しいコトは忘れて、一緒に楽しいことを考えましょうよ。……そうねぇ。例えば、お酒のこととか」



 ね? と小首をかしげて、リュシーは彼女の瞳を覗き込む。ニーナが何を考えていたのか、当然のことながらリュシーには分からない。けれど、眉根を寄せるぐらいなのだから、楽しいことでないことは明らかだ。「どうしたの?」と問うことはいつでもできるけれど、無意識のうちに他人に干渉することを苦手とする彼女は、自分でも気付かないうちにその言葉を飲み込んでいた。代わりについて出た、優しさとも無関心ともとれる空虚な言葉に彼女は自分自身に失望した。怒りと情けなさを押し殺し、今夜はご機嫌だと言う彼女に、満面の笑みを浮かべて見せた。



「邪魔だなんてとんでもない。むしろあなたの歌声を聞いていると、普段よりも本に集中できるの。私ね、あなたの歌声がとても好きよ。叶うなら、ずっと聞いていたいぐらい」



 リュシーがまだ令嬢だったころ。立派なレディになるには音楽の知識をつけることも大切だと、聖歌からオペラまで一時期うんざりするほど多くの歌を聞いたことがあった。当時は美しいとは思えど、彼女に才能が無かったのか。それとも興味が無かったせいなのか。それ以上の感情を抱くことはなかったのだが、ニーナの歌声はそんな彼女でも涙を流すほどに素晴らしい。ニーナが体重を感じさせない軽やかにステップを踏むのを見つめ、彼女の行動に釣られて上を見上げる。そこに認めた者の姿に、リュシーは意外そうに目を瞬いた。三階のベランダ。そこには、この時間帯なら眠っているはずのケンイチの姿があったからだ。普通であることに固執し、生きていた時と何ら変わりない生活を送る。そんな彼が、普通でない自分たちに囲まれて生活をすることは苦痛ではないだろうかと、リュシーは密かに心配をしていた。もちろん、これは口に出したことは一度もない。リュシーは少し考えるそぶりを見せると、ケンイチにひらひらと手を振った。




「ごきげんよう。ケンイチさん。ニーナさんが小夜曲を歌うなら……そうね。私はホットミルクを作ろうかしら。ちなみに私のお勧めはたっぷりの蜂蜜入りよ」



 ニーナの腕には気づかないフリをして、彼女は何故か延々と蜂蜜入りホットミルクのよさを語り続けた。



>>ニーナ様、ケンイチ様、周辺All





【まずはレス被り申し訳ございませんでした! 頭抱えるケンイチくん可愛い……】

11ヶ月前 No.31

雨上がり @koshou0602 ★iPad=PJvYzvE0AC

【ハネカワ ユヅル/一階エントランス】

「マーベルさん、こんばんは。あ、時計をはめてるんでしたっけ。失礼。……はい、今日は少し本を読んで夜更かししてしまったので。」

そう言うと頭を撫でてくれるマーベルさん。子供扱いをしないでください、と言いたくてもどうも嬉しくて止めて欲しくない。矛盾している感情、これが思春期というやつなのでしょうか。

ロミオの話を出すとウラジミールさんがジュリエットの名言を吐く。

「そうですそうです!まぁロミオとジュリエットってどちらかというとただのすれ違い?ですので四大悲劇には入らないんでしたっけ」

流石はウラジミールさん。ノリが良くて大好きです!
死人は死人であるべき、という彼の発言は少し悲しいけれど。

「『人の命は歩き回る影法師、哀れな役者に過ぎない。出番のときだけ舞台の上で見栄を切ったりわめいたり。それが終われば消えてなくなる。』ですもんね。私達はとっくに幕が閉じられている、というわけですか……アンコールも千秋楽もないままとは、ほとほと閉口してしまいますねぇ。」

私の愛の反対について質問をすると、ウラジミールさんが予想もしてなかったほど饒舌に語り出してくれました。
あぁ!全くどうしてこんなにすらすらと言葉が出てくるんでしょう?私にはまるで音楽のような芸術作品のように感じる。本当に羨ましい限り……いえ、私などが羨ましがるのもおこがましいほど完成された作品。

「他人に何らかの感情を持って接することは、愛……うぅ、ウラジミールさんのような思慮の深い方が私のような浅はかな人間と会話するのは大変ではないですか?……もっと、勉強します。いえ、ウラジミールさんのお話が勉強になります!これからもよしなに。」

さて、そろそろ図書館に行こうとしましょう。
誰も乗っていない車椅子を畳み、持ち上げる。
……意外と重いですね、これ……。持てないことはありませんがこれを持って階段を上がると考えると億劫になります。エレベーターが欲しいとこりです。致し方ない、ここは割り切り筋力トレーニングと考えましょう。死んでから筋肉って発達するんでしょうか……。

「では私は恋のキューピッドにでもなりましょうか!この可愛さと純粋さは天使になるに等しいでしょう!!……冗談です。実際はゾンビですよ、はい。
車椅子は私でお持ちしますので、図書館に出発しましょう!」

【遅くなってすいません……。図書館に行きます!】

11ヶ月前 No.32

夕邑三日月 @mistydark☆NIljAHmRyhk ★R3lMq2ye0U_qxX

【ケンイチ・ヤナギハラ/三階ベランダ】

 風邪発言を取り消すか否かで健一が悩んでいると、階下から返答が来た。まぁ、健一が声を掛けたのだからそれが当然な訳で、さて何と言おうかと再びベランダから顔を覗かせる。
「はは、生憎と今日は寝つきが悪くてね。偶に意味も無く星空を眺めてみるのも、いっぱしの元大学生として悪い趣味じゃないだろう? そんなロマンチスト擬きだからこそ、寒空の下のレディ二人に声を掛けずにはいられなかったのさ」
 何となく背格好でそうではないかと思っていたのだが、案の定テラスに居たのは芝居がかった台詞回しが特徴的なニーナ・オズモンドと、それこそ深窓の令嬢と言った佇まいのリュシー・ミィシェーレの二人であった。揃いも揃って健一が眠っていないことを不審そうに――或いは心配か――指摘してくるので、彼の方も苦笑いめいた表情を浮かべる。実を言えば、レディーキラーと称された瞬間に「どちらかと言えば君たちのようなレディに殺されたいね」と物騒なことを呟きかけたのだが、何とかそれを押し留める程度の理性は、死して尚残っていたらしい。因みに、後半の台詞はニーナに合わせたため、半ばやけくそである。

 適当なことを嘯いてから、健一はテラスに頬杖をついて改めてテラスの二人を見下ろす。ニーナにしろリュシーにしろ此方に手を伸ばしたり振ったりしているのが視界に入ったので、健一も軽く右手を振った。ニーナが伸ばした手をすぐに引っ込めたことは一応理解したが、元来目の悪い健一には詳細までは見えていないので、寒かったのか何かだろうとと勝手に解釈しておくことにする。
「セレナーデにホットミルクか。それは確かによく眠れそうだね、今度試してみることにするよ。素晴らしいアドバイスをくれたお二人に僕が返せることなんて殆ど無いけれど……どうする、眠れないついでに温かい紅茶でも淹れに行こうか? まぁ、僕らに体を温める意味なんてないだろうけれどね」
 これ以上テラスとベランダでお互いに声を張っているのも疲れそうなので、健一は自分が下りるか寝るかしようと試みた。

>ニーナ様、リュシー様、周辺ALL様


【此方こそレディ二人の女子会によく分からん野郎を突っ込んで申し訳ないです……絡み有難うございます。是非弄ってやって下さい】

11ヶ月前 No.33

毬藻 @shuchishin☆jHqXF0noOB6 ★JM41Wsh7BS_M0e

【マーベル・F・オクロック/一階 エントランス→四階 図書室】

「ああ。ぴったり嵌るが、その分入れるのが大変でな……なんなら、外したところ見るか? 子供にはちっとアレだがな」

 ニヤリと人の悪い笑みを浮かべると、左胸をコンコンと軽く叩く。これを外すと、その空洞からマーベル自身の臓腑が見えるのだ。自分は何度も見ているのでもう慣れてしまったが、初めてお目にかかる人にとってはなかなかグロテスクだろう。

 さて、どうも彼女は本を読んで夜更かししていたらしい。そういえば、生前聞いたところによると、日本人とは時間にかなり厳しいのではなかっただろうか。目の前にいる結弦やもう一人の日本人、健一が未だに規則正しい生活をしているのを見て、昔聞いたことは本当だったんだなと感心していたが……。「へェ、日本人でも夜更かしってするんだな……」とどこか意外そうに呟いた。

「ま、ほどほどにしておけよ。一気に読んじまったら先の楽しみが無くなるからな」

 そう言って、彼女の頭を軽くぽんと撫でた。永遠とまではいかないかもしれないが、今の自分達には有り余るほどの時間があるのだ。早々に楽しみを潰していってしまうのは勿体無い。あっという間にこの世のありとあらゆる本を全て読んでしまって、あとは死にたくとも死ねない長く暇な時間残ってしまうかもしれないから。


 こちらも悪戯心を覗かせて彼をお姫様抱っこしたら、膝のない相手に横抱きは難しくないのかと興味津々に聞いてきた。てっきり、らしくないとか言って恥ずかしがるものだと思ったのだが……しかも今後の創作の参考にするらしい。

「いや、別に難しくもない……まァそれは俺だからだろうな。力のない奴がやったら難しいかもしれん。
 それに、横抱きとはいえ方法はいくらでもあるからな」

 少し考えてからそう答えると、膝を支えていた右手を彼の腰へと回し、腕で輪を作ってそこに乗せる。まるで赤子を抱きかかえるような体勢だが、これならばウラジーミルを下に落とすことはないだろう。
 しかし、人ひとり運ぶというものはかなりの力が必要となる。死してなおマーベルがこうして人を抱き上げることができるのも、生前の鍛錬の成果により、筋肉がより発達していたからだ。それに加え、腐敗がそんなに進んでいなかったというのもある。防腐処理されていたのか、はたまた死んで間もなく蘇ったのが……。

 結弦に車椅子を任せると、やはり少女の力では重かったらしい。表情から見て取るに、少々苦戦しているようだ。自分ならば片手で持ち上げられるが、男性と女性では力の差は歴然だ。無理をして腕がもげたりしないだろうか、心配になってしまう。

「本当に大丈夫か? あまり無茶するなよ。いざとなったら両方持てるからな」

 彼女にそう声をかけると、ウラジーミルに「念の為俺の首に手ェ回しとけ」と言ってから、図書室へと向かうべく階段へ一歩踏み出した。



 図書室へ入れば、書物独特の香りが一行を包み込む。
 毎度毎度思うが、やはりこの香りは落ち着くし好きだ。眠気を感じないはずなのに、ここへ来ると何故かひと眠りしたくなってしまう。落ち着いて、リラックスできるからだろうか。まぁ寝てしまってはここに来た意味はないのでいつも読書に没頭するのだが。

「うし、お疲れさん。疲れてないか、ウラジーミル」

 多少行儀が悪いが、両手が塞がっているので仕方ない。足で椅子を引っ張り出すと、そこへ彼をそっと降ろした。別に疲れを感じる身体ではないが、運び方によっては抱きかかえられている側が疲れてしまうときもある。今回はいつもと違った方法で彼を手伝ったので、疲れていないか問うてみた。

「ユヅル、大丈夫か? 俺はもう大丈夫だから、あとは俺がやろうか」

 それから結弦の方へと向かい、苦戦していたであろう彼女に声をかける。
 何せ一階から四階へだ。少女の力ではかなり大変だったであろう。もう手は空いたので、代わりに持とうかと尋ねた。

>>ウラジーミル様、結弦様、周囲ALL

【勝手に図書室まですっ飛ばしてしまいました。もし強引でしたら申し訳ない……;】

11ヶ月前 No.34

似非紳士 @baccano☆/.lpbIA2P7M ★J1SGpZKeln_yFt

【ウラジーミル・ウラジーミロヴィチ・ウスペンスキー/四階 図書室】

「心配いらないさ。ボクは考え続ける限り書き続ける。生きていても死んでいても、それだけは変わらない」

愉しみが尽きるなんてことはあり得ないのさ。
人間は永遠に生きている限り、何かを考え、何かを知り、何かを作り続ける。

「マクベスの一節だね。虚無的で寂しいものだが、ある面から見た人生を端的に表現してある。リア王も似たようなことを言っている『人が泣きながら生まれてくるのは、この愚か者だらけの舞台に引き出されるのが耐えがたい苦痛だからだ』とね」

マクベスの一節を引き合いに出した相手に、リア王の似たようなことを返す。

「ならば、ボクたちは誰よりも哀れで、滑稽な道化だ。退場の途中で転び、そのまま背景の一部としてこの世界という舞台に取り残されているのだから」

既に役者(生者)ではなく、演じることなど何もないにもかかわらず、退場すら許されない。
何とも救えない喜劇だ。

「心配する必要はないさ。僕たちは考え続ける限りにおいて人間であり続ける。たとえ僕たちの全てが試験官に浮かぶ脳髄だったとしても、思考し続け、自我を保ち続ける限り、僕たちは人間だ」


さて、わずかに感じられる気恥ずかしさを紛らわせようとそんな雑談を交わしているうちに、図書室についていた。
正直に言えば少々恥ずかしいのだが、それを面に出すのは負けな気がしてならない。
何と戦っているのかはわからないが。

「大丈夫だよ。少なくとも結弦ちゃんに比べればね」

苦笑をこぼしながら疲れていないかと問いかける友にそういう。
さて、ここに来たのは他でもなく、先人に学ぶため、そして新たに書き記すためでもある。

「さて、じゃあ始めるとしようかな」

万年筆と紙束を懐から引っ張り出す。
これらが無くては、僕は僕足りえない。
ゲーテはこう言った「出来ること、成し遂げたいことを今すぐ始めなさい。その向こう見ずこそが才能で有り、力で有り、魔法なのだ」と。
僕は、その言葉に憧れて作家として歩き始めた。
彼の作品ではなく、彼の人生観に憧れて歩き続けた。
考えるだけではだめだ、行動しなくてはあらゆる考えは意味がない。

まずは始まりの一文を書き始めなくては、どのような文章も形にはならないのだから。
考えを筆に乗せて、私は書き始める。

『汝に余の全てを与えよう。いついかなる時も余は汝に幸あれと願い、その願いを叶えるために動こう。たとえその先が余の死であったとしても、汝の望むがままに全てを叶えよう。汝の為に捧げる、余という名の贄。この献身をこそ愛と呼ぶならば、嗚呼、愛とはいかに悍ましく、また心地よいのだろう』
『余に汝の全てを以て報いておくれ。汝の薄桃色の唇も、白魚の如き指も、愛らしく艶やかな紺碧の瞳も、流麗で宝物の如き黄金の髪も。その汝の全てを余は欲しよう。余にしか見せぬ汝を、余の為に生み出しておくれ。余の望みを叶えておくれ。この胸に燻る情欲すらも愛であるというならば、嗚呼、愛とはいかに汚らわしく、また甘美なのだろう』

>>結弦様、マーベル様、周辺ALL様


【いえいえ、図書室への場面転換ありがとうございました。さて、見切り発車で書き始めてしまった(^^; 一応掌編として自分なりに書くつもりのお話を多少変えてぶつ切りにして時々こうやって描写できればなぁ、と。ノリノリで演じていきたいと思います(笑)】

11ヶ月前 No.35

ししくれ @kmnkha☆/pH2qpQf7L2 ★ieluDUuGrE_ELg

 本日二度目の鐘が鳴った。
 屋敷の外に位置するテラスには、かすかではあるもののその音が届いた。ベランダにいる者の耳にもそれは聞こえただろう。
 だが、どうやら普段よりも数段小さい音であったために、屋敷の中までは届かなかったようだ。
 午前零時を知らせる鐘はつい先程鳴ったばかりである。一体この鐘は何を意味するのか。
 鐘塔へ赴けば、その疑問を少しは解決することができるかもしれない。

 (>>リュシー、ニーナ、ケンイチ)


 Knightによって整頓された図書室。入ってすぐの本棚に置かれていた魔法について書かれた厚い本。
 専門的な用語や複雑な公式の連ねられたページをパラパラとめくっていく。
 最後の章へといくと、そこには魔導師が決して侵してはならないルールが記されていた。
 特に、『死者の蘇生』への警告は念入りだ。
 その魔法に手を出すことの重大さに危険さ、それによって問われる罪や罰などが、数十ページに及んで長々と書かれている。
 それを見ただけで死者の蘇生という術がどれだけ恐ろしいものなのか察することはできただろう。
 さて、その術を身体に施された者はそれを見てどう思うのだろうか。

 (>>ユヅル、ウラジーミル、マーベル)


 ロビーの掃除をしていたKnightの動きが、一時止まった。この屋敷に来て今まで、一度たりとも休むことなく働いていたKnightの停止。
 その光景をキッチンにいる二人は確かに目にした。
 それは外で鐘の鳴った時間でもあったが、屋敷の中にいる人がそれを知る手立てはない。
 ただ、働き者のKnightが活動を停止するという不可解な状況があるだけだ。
 ふいに、猫の鳴き声がした。いつのまにか二人の足元にはエルがいた。ごろごろと喉を鳴らしてすり寄ってくる。
 エルに視線を奪われていた間に、Knightはもう何事もなかったかのように動き始めていた。
 しかし見たものが消えるわけではない。
 何かしら、思うところがあるだろう。

 (>>ルカ、ディーネ)

11ヶ月前 No.36

Nowhere @upto114 ★iPhone=evP62i3KRu



【 ニーナ・オズモンド/テラス 】


リュシーはホットミルクの良さを語り続けている。左手を引き、何気なくトゥニカの上から手でその部分を覆い…

さっ、と血の気が引いた。
血の通わない僕らがそんな表現を使うと可笑しいだろうが、義手と繋がる部分が見えた瞬間驚くほど自分でも動揺したのがわかった。もちろん幻覚だとはわかっている。わかっているのに…今継ぎ目から大量に腐敗した花びらが零れ落ちたような…何かを、見た気がしたのだ。もちろん、この義手は精巧に造られているからあからさまに作り物感はない。なのに…今の映像は…。

疲れているのだろうか。それとも今過去の片鱗に触れたことが自分を揺さぶったのか。

(そんな、僕らしくもない。いつだって大胆不敵で唯我独尊、なににも縛られないのが僕じゃないか。)

「そうだね…今夜はよく歩いたからね、酒でも飲みたいんだけどな、甘っっっったるくてそのまま眠りに落ちそうなリキュールとか。ただ生憎Knight達にお使いで買ってきてもらった分は僕が全部飲んじゃったんだよ。ケンイチに紅茶でも入れて貰おうかなぁ…」

自らの思考に自分がはまり込んでしまう前に、唇を動かした。さっきのリュシーの質問に答えるには遅いが、何か他のことを考えて己を保っていたかったのだ。今は1人じゃない、目の前に誰かがいる。そのことがニーナの意識をここに繋ぎ止めた。話すうちに…蝋のように真っ白だった頬に徐々に生気が…生気と呼んでよいのかはひとまず置いておき…生気が戻ってくる。リュシーの横顔を見つめて、ケンイチに甘えた口調で紅茶を頼む姿は、少し疲れてはいるもののほぼいつも通りのニーナだった。

ニーナは誰よりも…誰よりもこの屋敷から出たかった。皆の意思を確認したことはないが…たぶん、明確に、そう。少なくとも、柵の外に手を伸ばしたら気を失うということは分かっていても何度か実行するくらいには。ニーナの意思、それは「ここから出て、死にたい」そして同じくらい強く、「還れるのなら、生き還って彼に会いたい」というものだ。少なくとも、こんな場所に永遠に留まり続けるなんて、彼女にとっては耐え難い苦痛だった。どこでもない(No/where)この場所に、今存在している(Now/here)ということ。眠れない、お腹も空かない、ここからは出られない、なのに、死ぬこともできない…。花を育てる以外の楽しみを見出すことはできなかった。

初めてかもしれない、「誰かがいてよかった」と思うことは。
2人がいたからこそ、今確実にニーナは正気を保てた。2人に自覚はなくとも。それはニーナにとってここに来て初めてとも言える…感謝に似た何かだった。蜂蜜色の瞳の端をほんの少し…緩ませ、悪戯っぽい口調でケンイチに言いなおす。

「それとも体を温めるなら…ふふん、人と寄り添うっていうのも一つの手だと思うけど」

君も混ざらない?とケンイチに問いかけながらリュシーに触れようとしたとき



 本日二度目の鐘が鳴った。



いや、鳴るはずがない。だってさっき庭を散歩していたときに、確かに鐘はなったのだから。毎日12時丁度に鳴る時計。月下美人の香りもした…確実に12時は過ぎている。気づけば、満天の星空は曇っていた。雲に覆われ尽くされた空の中、ぽっかりと雲の切れ間が見える。その下にあったのは…鐘塔だった。嫌な予感がする。第六感に似たものを感じて…ニーナは2人に、そっと問いかけた。

「ね、今何か聞こえなかった?」

僕の聞き間違いだといい、そう念じながら。

>リュシー様、ケンイチ様、周辺ALL

11ヶ月前 No.37

千羽 @hina0126☆cC6IJvcXXi01 ★yYM4klxEWP_xKY

【ルカ・エリア=パガニーニ/キッチン⇒ロビー】

 Knightが止まった――気がした。断言するにはあまりにも一瞬で、エルの鳴き声に反応して見下ろした時には既に何らいつもと変わりの無い様子だった。
 ――Knightって、止まるのかな。そんなの、見たことも無いけど。
 とはいえ、常日頃から隙あらば寝ているようなタイプであるルカにはそれを証明する術は無いけれど。それでも、そんな話があれば耳には入るだろう。何せ、ここでは思っている以上に情報が回りやすいから。隠し事が多い割にあれやこれやと話す同居人達のおかげで、何だかんだと様々な情報を入手する事は少なくなかった。

「……エル、ねえ。Knightが止まったの、見た?」

 足元に擦り寄っていたエルを抱き上げて、そう問い掛ける。自分と同じように小首を傾げたエルに小さく溜息を吐くと、どうしようか、と考える。見間違え、だなんて答えは端からルカには存在しない。見間違いだなんてものは、一度見たことがある光景でしか起きようがない。ならば見たことの無い「Knightの停止」だなんて事象は実際に存在していなければルカの眼には映らないのだ。

 ――誰かに聞いてみようかな。……でも、この時間に起きてるのって、誰だっけ? 起きてたとしても、誰が何処に居るんだろう?

 暫し考えて、そして放棄する。しょうがない。分からない物は考えたって分からない。取り敢えず残った飴をポケットの中に突っ込んで、エルを抱き直して外に出る。ロビーにまで行けば、少なくとも誰かに会えるんじゃないだろうか。という期待も込めて。

 せっかく手に入れた、信用できる場所。それを早々に手放しやる気など、信用した瞬間から存在していなかった。

>>周辺ALL

11ヶ月前 No.38

雨上がり @koshou0602 ★iPad=PJvYzvE0AC

【ハネカワ ユヅル/一階エントランス】

「マーベルさんが嫌でなければ是非見てみたいです!その前にマーベルさんの裸体に興味があります」

確か心臓部分がくり抜かれているのでしたっけ。そんなアニメが確かあったなぁとか思いつつマーベルさんの筋肉を見てみたいという好奇心が湧く。力持ちなので腹筋が割れているのでしょうか?今流行りの細マッチョというやつですね。

「日本人でも夜更かしする方は多いですよ。むしろブラックと呼ばれる企業がたくさんありまして、それによる問題も比例してたくさんあるほどです。……というか私、一度本を読み始めると止まらないんですよ……。面白くて手が止まらないというか……なのでいつもはお昼頃から読み始めるようにしているのですが、今日は失敗しました」

まさか車輪の下があんなに面白いとは。最後いい感じに死んでいてとても好きです。

「マクベス、読んでもあまり意味が分からないんですよね……。未熟なだけでしょうが……。リア王の方が分かりやすいです」

ウラジミールさんのお話を聞きつつ、お二人が図書室に着く。……のだが、私はといえばとても遅れを取っていて2人の姿が見えない。
そこにマーベルさんが現れ、手伝ってくれようとしてくれるがここまで来て最後までやり遂げないのも癪なので、「結構です!」と言いつつ力を振り絞り図書室まで駆け上がる。
息も絶え絶え着いたところで車椅子を広げウラジミールさんに座ってもらう。

「……はぁ、はぁ……。ど、どうぞウラジミールさん……お座りくださいませ……、つ、かれた……」

息を整えるとウラジミールさんが何かを書き出していたので、自分は明日読む本を探すとする。

「……この本棚はあまり見てなかったですね、いつもは奥の方に行くので……。どれどれ。
……魔法とかオカルト系でしょうか」

手前にあった本を手に取り、読み上げる。

「魔法の呪文、魔法陣……数字とか難しい用語がいっぱいですね……。……あれ」

魔術師が侵してはいけないルール、とかかれた章。
青い鳥文庫の魔女のお話的には、黒死呪文とかありましたが、現実では如何なものでしょうか。
ちなみに独り言が多くなるのは気にしないで頂きたいです。

「……『死者の蘇生』」

その魔法の罪、使うことによる罰。数十ページに及んで語られている、「私達」にかけられた魔法。
眠気もない、お腹も空かない、二度と成長しない身体。そんな幽霊の私に誰かが使った魔法。

「『彼は眠りを殺した!眠りはないぞ!』……あぁ、成る程。彼も、魔法をかけられていたんでしょう。
……死者の蘇生なぞ誰が好んで。かけられた方は……幽霊なる私達は、どうすればいいんですか……!」

いつの間にか叫んでいた自分の声と、手から滑り落ちた本の衝動が静かな図書室にこだました。

【遅れてしまい申し訳ありませぬ……。結弦的には死者の蘇生を行われたことに対して少し苛立っている感じです。その魔法が違法なのを知らなかったため、かけられた自分にも罪があるように感じた、ってところです。意味わかりませんね、死にます】

>>ウラジミール様、マーベル様

10ヶ月前 No.39

妃翠 @azalea☆dszkmgEaqwdD ★BxEfezLEi0_EP8

【 リュシー・ミィシェーレ / テラス 】



 なかなかにキザな物言いをするケンイチに、どことなくニーナに似ているところを感じて、リュシーは密かに笑みを零す。口が上手いのね、と口を開こうとした時、リュシーはふと二人には気づかれないようにそっと自身の腕を一瞥した。彼女は少し、男性からのキザっぽい甘い言葉があまり得意ではなかったりする。原因は彼女を殺した人間にあるのだが、何せ最近それに気づいたものだから、どれぐらいの言葉に彼女の身体が拒絶反応をおこすのか未だに掴めていない。死人らしい血のめぐりの感じられない真っ白な腕に鳥肌がたっていないことを確認して、なるほどと一人で納得する。先ほどの言葉程のものなら受け入れることが出来るらしい。自身の腕から意識を逸らすと、どこか顔色の悪いニーナが視界に入る。そのことに触れるべきかと一瞬思案したものの、彼女はすぐさま首を振った。やめておこう。人には一つや二つぐらい触れられたくないことがあるはずだ。……ここにいる者たちなら尚更。心配そうな表情を笑みの形に変えて、ケ名案を思いついたとでも言うようにパンッと手を叩き、ケンイチとにーナを交互に見た。



「それじゃあ、三人でお茶会なんてどうかしら。たまには真夜中にするのも、中々風情があるものじゃない? 私ね、誰かと紅茶とクッキーやスコーンをおともにお茶会をすることが夢だったの」


 生前は優雅なお茶会には無縁だった彼女は、無邪気ともとれるほどにキラキラと目を輝かせる。我ながら子供っぽいとは思わなくはなかったが、仕方ないじゃないか。何せ、やりたいことをやれないまま死んでしまったのだから。綺麗に整えられた庭に視線を寄こし、リュシーはすっと目を細める。生きている時よりも、死んだ後の方が彼女の人生は明らかに充実している。父親をこの手にかけられなかったのは残念だったが、やりたくないことを無理強いされることもなく、理不尽に苦しむこともない。少し歪んではいるけれど、"普通"がこんなにも楽しいのだと感じられたのは、死が自分を拒絶してくれたおかげだった。リュシーは、自分にこうしてまた違う生き方を与えてくれた誰かに感謝している。もし会えるのなら、会って直接お礼を言いたいものだ。などと、つらつらと考えていたリュシーは、ふと周りの雰囲気が違うことを感じて視線をあげた。刹那。
 ――鳴るはずのない二度目の鐘が、静かに鳴り響いた。
 その音を聞いた瞬間、リュシーの全身から血の気がさっと引いた。いや、もう死んでいるのだからその表現もおかしいのだけれど、とにかく嫌な感じがしたのだ。聞いてはいけないものを聞いてしまったような。"日常"が終わってしまうような。リュシーの背中に、冷や汗が伝う。気のせいだと思いたかったけれど、ニーナの問いかけにそれは現実だったのだとつきつけられる。引きつったような笑みを浮かべた彼女は、まるでブリキの人形のようにぎくしゃくと彼女の方に首を向け、震える唇で言葉を紡ぐ。





「……した、ね。二回目の……鐘が、」




 その先は、もう怖くて言えなかった。


>>ニーナ様、ケンイチ様、周辺All

10ヶ月前 No.40

毬藻 @shuchishin☆jHqXF0noOB6 ★Android=inf6RIzTMS

【マーベル・F・オクロック/四階 図書室】

「……お前は嫌じゃないんかい」

 情けない声と共に、心底呆れたような顔をする。怖がるかと思いきや、予想していた返答は斜め上を通り越し、裸体を見たいまでに至った。流石に少女にはキツかろうと思ったのだが……ウラジーミルの影響を受けすぎたのか、興味津々に返されるとは思いもしなかった。
 他人ながら、ちょっと彼女の将来が心配になってきた。いや、今の我々にはもう未来などないのだが。


 さて、図書室へ到着すると、それぞれ自分のやりたいことを始める。
 ウラジーミルは早速執筆活動に取り掛かったようだ。今度はどのような作品を描いているのだろう。そういえばこの屋敷に来て随分経つが、未だに新作を出版し続けているのだろうか。今まで読んだのは彼が生きている頃に執筆したものばかりなので、死んでから執筆したものはまだ読めていない。

 結弦は先程の疲れはどこへやら、既に熱心に本を読み始めていた。しかもなかなかに分厚いものを。時々何かぶつぶつと独り言を呟いている。そういえば、今彼女が手にしている書物は見掛けていないものだった。いつの間に追加されていたのだろう。少し興味がある。空いたら読んでみようか。

 ゆっくりと室内を歩きながら本の背表紙をじっくり眺めていく。この辺りは大体読破したものばかりだ。そもそも好んで読むジャンルがかなり片寄っているので、本棚によっては全く手をつけていない本がずらりと揃っている箇所もあったりする。今日はそこから始めてみようか。
 題名から面白そうなものを手に取り、本棚に凭れたままパラパラと読んでいく。本に集中してくると、だんだん周りの音が聞こえなくなってくるのだがその瞬間も好きだ。ふむ、この本もなかなか面白い―――。


『――は……幽霊なる私達は、どうすればいいんですか……!』

 突如、ドサリ、と重いものが落ちた音が響く。と同時に悲痛な叫びが、マーベルを現実世界へと引き戻した。この声は……結弦?

「オイ! ユヅル、どうした?!!」

 慌てて彼女の元へ駆けつければ、足元にあの本が落ちていた。
 まさか、そんなにもショッキングな内容の物語だったのだろうか。自分のグロテスクな脅し(?)にも屈しない彼女にも、そんなものが……?

 本を拾い上げ、開いていたページを見る。そこには、魔導士が犯してはならない三大禁忌について書かれていた。特に、“死者の蘇生”に関する内容は、数十ページにも及んでいる。魔導士の禁忌については生前うっすらと耳にした程度だが、こんなにもがっつりと書かれているものがあるとは。

「(……そうだ)」

 忘れていた。日常になりつつあるこの屋敷での生活は、とてつもなく異常なことなのだと。今こうして誰かと語り合ったりするのは、本来では有り得ないことなのだということを。

 有り得ない力を、禁忌の魔術を施された自分達。ならば何故、禁忌を犯してでも魔導士は我々にその術を施したのか。

「……俺たちの意思を無視して、そいつはなにがやりたかったんだ……?」

 半ば呆然とした自分の呟きもまた、静かな図書室の中へ消えていった。

>>ウラジーミル様、結弦様

【マーベルは何故蘇生術を施されたのか気になるようですね。魔導士に会ったらまず問い詰めるかと。それか拳で語るとか?(おい】

10ヶ月前 No.41

似非紳士 @baccano☆/.lpbIA2P7M ★1xB5EQogHM_yFt

【ウラジーミル・ウラジーミロヴィチ・ウスペンスキー/図書室】

「禁忌にこそ触れたくなる。人間の本質だよ。エデンの園を追放された頃から何一つ変わらない。人をよみがえらせることが禁忌だなんて当然のことさ。死を克服するなどあってはならない。死があるからこそ、終わりがあるからこそ人間は生きられるのだから」

二人の様子が変わったあたりで足下の本へと目を落とした。
それはそうだ。
魔道師とて人間だ。
人間は神の領域を侵すことをすべきではない。
生命とは神の御業に他ならない。
それを好奇心から侵すのは、愚か者の所行だ。

「終わりのない物語など何の意味がある? どこにたどり着くこともない永遠の道に何の意味がある? それと同じことだ。死という結末を失ったならば、その存在に何の意味があるというのか? 永遠の過程、永遠の物語、永遠の道程。それに見合う罪を生前の僕らは犯していただろうか? でなければ、単なる魔道師の暇つぶしか、好奇心か、まぁその程度の理由だろうさ」

私にとってはどうでもいい。
一度意味を得た。
ならば、意味のない二度目に苦痛はない。

「惜しみなく二度目の生を与える。そこに愛はあったのだろうか? 否、おそらくはないのだろう。彼か彼女か知らないが、魔道師殿は生前の僕らに一切の関心などないのだろう。おそらく、死後の僕らにしか感心などないのさ。あぁ、なんとおぞましいのだろう。愛を持たずに他人に関わるなんて恐ろしいにもほどがある。ましてや、その行動で他人を変えてしまうなどとは……」

何もないのか、僕たちの二度目の生は両親の愛から生まれた訳でも、魔道師の愛から生まれたわけでも。
いな、そこに愛があったとして、私にすら受け入れられないような愛だったなら。
その魔道師は、人といえるのだろうか?

>>マーベル様、結弦様

【ウラジーミルはその蘇生に愛があったのかを気にしています。後は蘇生そのものについて否定的であり冒涜的だと考えています】

10ヶ月前 No.42

千羽 @hina0126☆cC6IJvcXXi01 ★yYM4klxEWP_xKY

【ルカ・エリア=パガニーニ/ロビー⇒テラス】

 期待を込めて出たところで、悲しいかなそこにはKnightも含めて人っ子一人居やしなかった。

 ――いや、まあ、大方の予想は付いていたんだけどね。

 思わず溜息を吐く。却って耳鳴りがしてしまいそうな程に静かなロビーの中央で、ルカはギュッと固く目を瞑る。こういう空間は嫌いだ。例え無機質な時計の音でも、自分に向けられていない笑い声でも良いから、何かが聞こえていないと頭がおかしくなりそうだ。遠い記憶の中に閉じ込められてしまいそうな空気感に背中が冷えていく感覚が響く。足が竦んでしまいそうで、小さく何度も何度も深呼吸を繰り返す。
 不意に、エルがルカの腕からするりと抜け出す感覚が伝わってきた。反射的に目を開けば、まぁお、と甘い鳴き声をひとつ洩らしたエルが顔だけをこちらに向けて優雅に立っていた。ゆらりふらりと尻尾を揺らしながら、猫はルカに構う事なくテラスの方角へと歩き出す。

「……って、エル。……待って」

 かちあった双眸にスッと息を飲んだルカは弾かれる様に一歩、また一歩と足を踏み出した。ぼんやりと霞む思考の中で、エルを追い掛けなければと何かが命を下す。追い掛けないと、エルを、追い掛けなければ……。


 そうしてテラスに出たルカは、先程とは違う意味で息を飲んだ。テラスに居る二人の女性が、それぞれに顔を青ざめさせたり唇を震わせながら立ち竦んでいる。まるで幽霊に――いや、ルカも含めて皆がある意味そういう存在なのだが――に出会ったような、有り得ざる何かを認めたような様子の二人に微かに眉を寄せた。

「……どうしたの、二人とも。何かあった?」

 エルの姿は闇にとけて見えなかった。代わりに月明かりに照らされた二人に、ルカは静かな声で、けれどいつもよりも幾分か穏やかな声色で、そう問い掛けた。

>>周辺ALL
【一応、合流させていただきました。諸々間違っていたら何なりとお申し付けください】

10ヶ月前 No.43

夕邑三日月 @mistydark☆NIljAHmRyhk ★R3lMq2ye0U_qxX

【ケンイチ・ヤナギハラ/三階ベランダ→テラス】

 階下の二人とロミオとジュリエットのような――立場的にどう考えても逆だが――やり取りをしている間に、物理的に頭を冷やすと言う健一の当初の目的は十分に果たされた。その時から既に彼の止まった筈の頭は、今後の展開はレディ二人に任せよう、という何とも無責任な思考に支配されている。
 だから、ニーナの君も混ざらない? という問いかけにもリュシーの真夜中のお茶会をしようと言う提案にも、一も二も無く頷いた。前者に関しては多少曲解した部分もあるが、しがない文系大学生だった健一には、夜通し酒を酌み交わして騒ぎ倒したり、カラオケに一晩中籠っていた経験もある。だから、一度や二度真夜中のお茶会に興じてみるのは、異常でも何でもない。その筈だった。
「じゃぁ、今からそっちに……」
 降りるよ、という健一の言葉は、最後まで紡がれることはない。こんな時間になる筈のない鐘が彼の声を掻き消した瞬間に、振り向きかけた体ごと健一の動きの全てを止めた。

 おかしい。自分は午前零時の鐘で目を覚まして此処に居るのだ、こんな短時間で二度目の鐘が鳴る訳がない。死んで体内時計の感覚が狂っている? だからって外に居る人間が三人も三人、一時間も気付かずに居る訳がない。そもそも喋っていたのはほんの二言三言だ、そんなに時間を消費できるとは思えない。ならば外の世界の鐘か? いや……そんなものが、此処に届く訳がない。

 泡沫のように次々と浮かんでくる仮定は、この事象を否定したいから。それなのに健一はわざわざ一つ一つの可能性を潰して行く。一縷の望みに縋って見下ろしたテラスでは、遠目からでもニーナとリュシーが蒼褪めているのが見て取れる。
 きっと自分も同じような顔をしているのだろう、死人のくせに。そう思った健一は、これでもかというくらい強く唇を噛んだ。血が滲むくらい、という表現を使えないのがもどかしい程、血色の悪いそれは白く白く染まっていく。
「止めてくれ……やっと、少しは慣れてきたところなんだ……此処での‘日常’まで、壊すんじゃない……!」
 恐怖を通り越して怒りにも似た感情が沸き上がって来た健一は、今度こそ踵を返し、一気にベランダから自室を突っ切る。扉を閉めたかどうか確認することさえ忘れて、バタバタと階段を駆け下りた。その道中に誰の姿も見かけないことが、更に彼の胸中をざわめかせる。
 全力疾走するようにテラスまでやって来た健一は、相変らずそこで呆然としている二人と、その間に増えていた人影に声を掛けた。

「……改めて今晩は、ニーナにリュシー、それとルカも。みんな聞いたよね、今鐘が鳴ったの……ちょっと、塔まで確認しに行ってみないかい? ただ風が強かっただけかも知れないけど、エルが悪戯して降りられなくなってたら……後は、泥棒でも入ってたら大変だ……」
 上がる息もないまま淡々と告げる健一だが、その心中は此処に居る者達と同じく、不安と絶望に彩られていた。

>テラスALL様

10ヶ月前 No.44

千羽 @hina0126☆cC6IJvcXXi01 ★yYM4klxEWP_xKY

【ルカ・エリア=パガニーニ/テラス】

 血相を変えてテラスに飛び込んできた(外なのだから“飛び出した”のだろうけれど)ケンイチに思わず身を引いたルカ。けれど、彼の息も切れ切れな言葉にただ一人、小首を傾げて見せる。

「こんばんは、ケンイチ。今日はまだ起きていたんだね。……でも、ねえ、鐘が鳴ったからって、どうしたの。12時の鐘が鳴るだなんて、ここではいつもの――君の大好きな“普通”の事でしょう? 風はこの通りだし、エルはさっきまで僕と一緒にキッチンに居たよ。このテラスに来るまで僕の腕の中に居たんだもの、エルが二匹いるのなら話は別だけど、エルは確かに一匹だけなんだからそれだって違いないよ。何より……僕たちが出られない屋敷に、どうやって赤の他人が入り込めるというの」

 一人、異常を知らない――気付いてはいるのかもしれない。しかし、二度目の鐘という正確な証拠を知らないルカは、ケンイチ以上に淡々と己の知る事を並べていく。無情なわけでも、非常なわけでもなく、不安げな人々に告げる言葉は結局のところ己の知りうる真実が一番なのだと言う経験則故の行動だ。ある意味リアリストを極めているのかもしれない。
 彼にしては饒舌に口を回していたルカはふと口をつぐむ。三人の血相は相変わらずで、死人であるという事を抜きにしても心なしか悪かった。

「……ああ、じゃあ、分かった。僕も確認しに行くよ。どうにも、君達三人じゃあ不安だから」

 片手をあげ、そう頭を振りながら告げる。
 ――三人とも、何処かすぐに壊れてしまいそう。そんなの、許せないもの


>>テラスALL


【期限が迫ってそうなので、取り敢えず投下します】

10ヶ月前 No.45

雨上がり @koshou0602 ★iPhone=z9EyZtvMx9

【ハネカワ ユヅル/一階エントランス】

「……すいません、私としたことがつい感情的になってしまいました……煩かったですよね、ごめんなさい」

近くに来てくださったマーベルさん、何かを口に出しているウラジーミルさん。頭がぼんやりして、言葉は頭に入ってこない。それでも、2人がこの「死者の蘇生」を使った魔導師について頭を悩ませているのはわかる。

ラッキーだと思っていた。
また本が読めると思っていた。
死んでいることを無視して、この屋敷の居心地の良さに甘えて目を瞑っていた色々なことが、ガツンと頭を殴られたように急に入ってきた。
自分は、どうしたって幽霊に変わりないのだ、と。

口が乾いて、目の焦点が合わない。
こんな時まで生きている人間のように動揺する自分に腹が立つ。
死んでいるのに。この身体は偽物なのに。

ーーならば、いっそのこと、もう一回死んだらどうなるのだろう?

頭に浮かんだ妙案。
そうだ、この状態で身体を殺せば、その魔導師はどうするのだろう。
悪戯を思いついた気分だ。魔導師を困らせることができるかもしれない。

思い立ったが、だ。少し元気を取り戻した私は2人に声をかける。

「お二人様、いいことを思いついたので部屋に帰りますね!」

>>ウラジーミル様、マーベル様

【めちゃくちゃな感じになってる……もうやけくそやん……】

10ヶ月前 No.46

ししくれ @kmnkha☆/pH2qpQf7L2 ★ieluDUuGrE_ELg


 鐘の音に誘われるように、鐘塔へと訪れた。
 住人たちは、塔の一番上、鐘のある場所まで上ってみたが、そこに人はおらず、見る限り人がいた形跡もない。

 ーーその時。
 カラン、と小さな音が鳴った。視線を下へ落とすと、鐘の真下に鍵が落ちていた。
 手のひらに収まるような、なんの変哲も無い、銀色の鍵。
 しかし、それは来た時には存在しなかった。突如そこに現れたそれが、魔法であることは誰の目にも明らかだった。
 けれど、それが何のための物なのか。何故このタイミングで鍵が現れたのか。それを知る由はない。


 (>>リュシー・ニーナ・ケンイチ・ルカ)

10ヶ月前 No.47

妃翠 @azalea☆dszkmgEaqwdD ★crwiZQvj4E_EP8

【 リュシー・ミィシェーレ / 鐘塔 】




 真夜中の鐘塔内部は肌寒く、ブランケットでも持ってくればよかったとリュシーは少し後悔する。両腕をさすりながら、彼女はあたりをぐるりと見渡す。不自然な鐘の音が気にかかり、偶然居合わせた四人がここにたどり着いたのはつい数分前のこと。長く続く階段には多少……いやかなり難儀し、最上階にたどり着いた時には肩で息をしていた彼女だったが、今では幾分か落ちつき、酸欠で鈍っていた思考回路もゆっくりと動きはじめる。内部には、まぁ予想通りと言うか、自分たち以外の人影は見当たらない。どこかに隠れているのかと、うろうろと動き回り、木箱の中などを覗き込んだりもしてみたが、当然ながら中は空っぽ。Knightが掃除しているのか妙に綺麗なそこに人がいた形跡を特には見当たらず、リュシーは両腕を掴む手に力を込める。


「誰もいない、か……」



 いたらいたで怖いけれど、いなかったらいなかったで不気味さが増す。まるで何かにじわじわと甚振られているような感覚にリュシーは無意識に表情を引きつらせた。……多分。他の三人がいなければ、自分は今すぐに卒倒していた自信がある。ホラー系は、あまり得意ではないのだ。死人の身で怪奇現象諸々を怖がるのもおかしな話だが、こればっかりはどうしようもない。ともすれば誰かの腕にしがみつきたい衝動を必死に押さえていたリュシーは、カランと地面に何かが転がる音を耳にして「ひっ」という短い悲鳴をあげて身体を強張らせる。ギギギッとブリキの人形のように音のした方へ首を向けたリュシーは、地面に転がる銀色の鍵を見つけて目を瞬かせた。
(銀色の、鍵……?)
 おかしい。さっき見たときは、あの場所に何もなかったのに。一瞬考え込み、彼女の脳裏にある一つの予想が生まれる。それは彼女の想像でしか過ぎないけれど、もしかしたら――……。




「魔導士さん、そこにいらっしゃるの……?」



 誰もいない空間に向けて、リュシーは言葉を投げかける。生前、自分の運命に絶望し、結局は父親の駒であり続けた自分。彼への憎悪だけを糧に生きていた自分に、また違う生き方を教えてくれた、リュシーにとっては誰よりも感謝している人。そこにいるのならばお礼だけでも言いたい。そんな思いで、彼女は虚空をじっと見つめ続けた。



>>All様




【長らく顔を見せず申し訳ございません。順番を気にしないで良いと言うことで投稿させて頂きました!】

10ヶ月前 No.48

千羽 @hina0126☆cC6IJvcXXi01 ★yYM4klxEWP_xKY

【ルカ・エリア=パガニーニ/鐘塔】

 欠伸を噛みながら辺りを見渡す。気紛れに登っては見下ろす風景と何ら変わりのない様子に、眠気(死んでいるので錯覚のような物だろうが)がぶり返してきたからだ。普段から欠伸が多く寝ている事の多い彼だが思いの外体力があるのか、疲れた様子も息の上がった様子も見られない。
 新しい住人でも無い限り、知りうる以外の何かがあるわけがない。……とはいえ、新しい住人が此処に居るのもかなり変だけれど。それにそもそも三人と合流した原因であるKnightの事も言いそびれてしまった。
 そこまでグルグルと考え、最終的に「まあ、いっかぁ」と投げ捨てる。この状況下で更に不安を煽りかねない言葉は控えるべきだ。何か既に追い打ちを掛けていた様な気もするけれど、まあ、うん、取り敢えずは聞かれてもいない事を言うつもりはない。

「んー?」

 金属と石畳がぶつかるような音と短い悲鳴に振り返る。蒼褪めているリュシーの視線の先を辿り、そこで漸く彼は銀色の鍵の存在を認めた。

「なぁに、これぇ」

 拾いあげて月明かりにかざす。恐怖というモノはあまり感じなかった。元よりそちら方面に鈍い、というのもあるのだがそれ以上に興味が勝ったからだ。見た感じにも持った感じにも何ら普通の物と変わりない“それ”はひんやりと冷たく、誰の手にも触れていないようだった。

 ――「魔導士さん、そこにいらっしゃるの……?」

 そんなリュシーの言葉に思わず緩く頭を振った。勘ではあったけれど、ルカには魔導士が其処に居ないと思ったのだ。
 ……居たのかもしれないけど……多分、現在進行形では居ないよねぇ。僕なら、とうの昔に姿を消しているもの。第一……こんな箱庭に死人を閉じ込めるような人間が……態々、“フィールド”に降りてくるだなんて……。

>>ALL

10ヶ月前 No.49

夕邑三日月 @mistydark☆NIljAHmRyhk ★R3lMq2ye0U_qxX

【ケンイチ・ヤナギハラ/鐘塔】

 何やかんやあって鐘塔までやってきた四人――彼等を、健一を此処まで突き動かした原動力は、紛れもなく不安という感情である。しかし幸か不幸か、辿り着いた鐘塔の最上階には何もない。健一の感じた恐怖を現実にするモノが存在していない代わりに、不安を拭い去る真実もそこには無い。きっと普段通りの、何の変哲もないよく手入れされた鐘が一つぶら下がっているだけだ。
 早い話此処に来るのは無駄足で手詰まりな訳だが、何故かさっさと戻ろうとは言えなかった。何か痕跡が残っていないかとリュシーは調べて回っているようだが、健一はそれ以上動く気力もなく彼女の動きを瞳で追うだけだった。
 そうして彼は、突然現れた鍵を目にすることになる。ルカの手によって月明かりに晒された銀色の鍵は、それこそ何の変哲もなかったが……突然その場に現れたというだけで、異常であることは間違いない。まさか鐘の中に鍵が引っ掛かっていて、そのせいで二度目の鐘が鳴ったなどということが起こり得る筈も無い。

 もう沢山だ、こんな事なら布団の中で大人しく眠っていればよかった……!

 そんな後悔など後の祭り、物凄く長い溜め息の真似事をして、健一はこの事象に対する感想を述べた。
「……鍵は閉まっている扉を開けるためのものだよ、普通。まさかknightが掃除して鍵を落として行った訳でもないだろうし……探せってことじゃないかな、この鍵のはまる場所」
 それはリュシーの言う通り、もしかしたら此処に居た魔導士が置いて行ったものなのかも知れない。だとしたら箱庭の中の健一たちは、この鍵を無視することなどきっと許されないのだろう。

>鐘塔ALL様

10ヶ月前 No.50

毬藻 @shuchishin☆jHqXF0noOB6 ★asO8xmBiXn_M0e

【マーベル・F・オクロック/四階 図書室】

 彼女の傍に駆け付ければ、つい感情的になってしまったと話して謝ってきた。

「いや、別に煩くはねェ。ちっとビックリしただけだ……もう、大丈夫か?」

 死んでからこんなことを言うのもあれだが、なんだか先程よりも顔色が悪いような気がする。大丈夫じゃなさそうなその表情に不安を覚え、とにかく落ち着けるようにと彼女の背を何度も優しく撫でた。

 そんなことをしているといつの間にかウラジーミルが傍に来ていた。自分の呟きが聞こえていたのか、禁忌にこそ触れたくなるのが、人間の本質なのだと話してきた。確かにそうだ。人間というのは、やるなと言われると何故かどうしてもやりたくなってしまう。いけないと理解していながら、手を染めたくなってしまう。
 だからと言って死者を蘇らすのは如何なものだろうか。古びた道具を新品同様に蘇らすのとは訳が違う。我々には意思がある。それが生き返りたいと強く願っていたのなら話は別だが、少なくともマーベルはそうではない。蘇ったところで何になる? 自分を殺した恋人を心底驚かせるくらいではなかろうか。否、それとももう一度殺されるだけか……。

「というか、俺らって死ねるのか?」

 不意にふっと沸いた疑問。既に死を迎えた我々は、果たしてもう一度死ねるのか。体温を感じないことから、血が通っていないのは一目瞭然。恐らく心臓も動いていないだろう。というか、蘇生に関して心臓はあまり関係ないような気がする。現に心臓のない自分が平然と生きているから、それが証明となるだろう。

 そんなことを考えていると、結弦がいいことを思いついたから部屋に戻ると言い出した。さて、何か妙案でも浮かんだのだろうか。

「は? いいことって、何だ? まさか魔導師の奴を探し出すとかじゃねェだろうな……」

 思わず彼女に問いかけ、はっとする。そういえば、この屋敷で暮らし始めて魔導師なる人物に遭遇したことがあっただろうか。初めてここで目を覚ました時、自分に蘇生術を施したものだと紹介を受けたことがあるだろうか。

 屋敷に来ておよそ10ヶ月。そろそろ時期が来たのかもしれない。

「魔導師を探す……か。そろそろ俺らも、覚悟を決めてかかった方が良さそうだな」

 ざっと内容に目を通してから本を閉じる。この本は後々に役に立つかもしれない、手元に置いておいた方がいいだろう。

「一度みんなに本の内容を伝えよう。何故魔導師は禁忌を犯したのか、何故蘇生術を施すに当たって俺らを選んだのか……いろいろ調べてェ。そもそも俺らの死に方に統一性がねェんだ。そこが気になる……」

 珍しく口が回るマーベル。きっと、心の奥深く底では、この運命と対峙しなくてはならないという思いが燻っていたのだろう。しかしこの謎を解くということは、この非日常ながらも居心地のいい空間を手放すことになるかもしれないというリスクも伴っている。この屋敷で出会った面々は個性的ながらもいい人達ばかりだ。知らないうちに、ずっとこのまま彼らと永遠に暮らしていたいという願いが生まれていて、今の今まで目を逸らしていたのかもしれない。

 事故や殺人……様々な方法を以て死に、我々はここにいる。蘇らせた後、魔導師は何をしているのだろうか。ただただ普通に生活する様子を見たかったわけでではあるまい……いや、本当にそうだった場合は何発か拳をお見舞いしてやろうか。

「とにかく、こんなとこに閉じ込めてまで何がしたかったのか、俺は調べてみてェな……例え、二度死ぬことになったとしても」

 二度目の蘇生などありはしないだろう。どうやって死ぬかは分からないが、二度目の死こそ本当の最期だ。まだどこかで戸惑っている自分がいるが、そろそろ前を向かなくてはならない。その先にどんな結末が待ち受けていようとも。

>>ウラジーミル様、結弦様

【なんか勝手に方向性決めてきちゃってすいません……何か問題がありましたらご指摘してください;】

10ヶ月前 No.51

似非紳士 @baccano☆/.lpbIA2P7M ★J1SGpZKeln_yFt

【ウラジーミル・ウラジーミロヴィチ・ウスペンスキー/図書室】

「さてね、死ねるのか死ねないのかは大した問題ではないよ。まぁ、冷静に考えれば『心臓を失った』君が生きて動いているのだから、まず間違いなく、真っ当な方法では死ぬことは能わないだろうね」

肩をすくめながらそれだけを返事しておく。
当たらずも遠からずな解答だろうと自分では考えているのだが。

「故に、どういう方法で為そうというのかはわからないが、恐らく無駄であると結弦嬢には回答しておこう」

あの顔は何度か見たことが有る。
死に対して、何かの希望を見出した顔だ。
ファンの中にもいくらかそんな連中がいた。
死を愛している顔だったのだ。
故に、彼女は何故かわからないが自らに引導を渡すつもりだったのだろう。

まあ、十中八九嫌がらせのたぐいだろう。


「頭を砕いても、心臓を抉っても、恐らくだが火だるまになっても死ぬことは無いと思うぞ。首を括るのも意味はないだろう。そもそも、それで死ぬならマーベルはそもそも生きていない。本当に今更の疑問だけれど、マーベル、君はどうやって生きているのだろうね?」

心臓という生命の根幹にかかわるものが書けているというのに、その肉体は何故か動いている。
魂のようなものが、肉体を動かしているのだろうか?

だとすれば、私たちにとってこの体とは牢獄だ。
牢獄の中に居る限り、外部から教われることは無い。
しかし、牢獄の中に居る限り、外と関わることもできない。
開放とは死だ。

「調べるといっても、如何するんだい? まさか、魔導士様を探し出して、直接尋ねでもする気かい?」

少しお道化ながらそう言ってみる。
別に、今更ショックなど特にはない。
このくらいのことで傷つくような軟ではない。

「ここを用意したのは十中八九件の魔導士様だろうさ。なら、彼は何故図書室にこの書物を残しておいた? こうして見かけた死人がどのように反応するのかを見たかったのだろうさ。なるほど、高尚な趣味をお持ちだ。さぞかしポップコーンが美味い事だろう。クフフ」

>>マーベル様、結弦様

10ヶ月前 No.52

ししくれ @kmnkha☆/pH2qpQf7L2 ★ieluDUuGrE_ELg



 屋敷に異変が起きていた。
 一日に二度鐘が鳴り、それと同時にKnightが動きを止めた。鐘塔に向かうとタイミングを見計らったかの様に鍵が現れた。
 図書室では、普通だと手に入れることができないような専門書が見つかった。そこには、死者の蘇生は魔道士の禁忌だと記されていた。
 皆様々な感情を抱えながら、ロビーへと足を運んだ。
 ーーさて、住人の行く末は如何に?


 >>ALL


【イベント開始時は簡素ながらナレーションのようなものを入れさせて頂きます。お伝えしてなくてすいません。では、これから第二イベント開始となります。素敵なお話が紡がれることを楽しみしておりますね!】

10ヶ月前 No.53

千羽 @hina0126☆cC6IJvcXXi01 ★yYM4klxEWP_xKY

【ルカ・エリア=パガニーニ/ロビー】

「……ねーぇ、皆さぁ、本当に大丈夫なのぉー?」

 蒼褪めすぎて意識を保てているのか一目には分からない者、変な方向に興奮して逆に赤くなっている者、何を考え込んでいるのか分からないがそもそも皆が揃っているのか気付いているのかすら怪しい者――何にしても誰も喋らない空間に耐えかねたルカは珍しくも自分からそう切り出した。何だってこうも、お葬式会場さながらの空気が産まれているのだろうか。この場に居る全員が死んでいるのだから洒落になりやしない。
 鐘塔で拾った鍵は、塔を降りようという流れの時点で既にルカの上着に付いたポケットに(お菓子と共に)収まっていた。だって鍵って常に手で掴んで動き回る物じゃないでしょう? あと何だか他の面々に預けるのが不穏な状況だったというのも理由ではある。余談ではあるがあれやこれやと思いつくままにくだらない話を振ってみたが、いまいち反応が宜しくなかった。そうして降りて屋敷まで戻ってきたら、これである。何でだか誰も立ち去ろうともしないし、かといって話を切り出す様子もない。一瞬、先に帰って寝てしまおうかと思ったが、立ち去るのも億劫になってしまった。そうして、冒頭の台詞に戻る。

 なんだか今日は色々と災難だ。妙なモノを見てしまったし、何処に行っても“同居人”の顔色が揃って宜しくない。今から始まるであろう“話し合い”の内容も含めて、本当に今日は面白くない。

 こういった空気を好く方ではないルカは知らず突き出る唇に先程貰ったロリポップを近付けながら、もう一度、問い掛けた。

「だいじょーぶ?」

>>ALL

【繋ぎも兼ねて投下です! 間の出来事を若干、勝手に作っていますが悪しからず……】

10ヶ月前 No.54

ディーター @nerokichi ★Android=dW04Pqrh6J

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10ヶ月前 No.55

夕邑三日月 @mistydark☆NIljAHmRyhk ★R3lMq2ye0U_qxX

【ケンイチ・ヤナギハラ/ロビー】

 端的に言えば、健一はずっと考えていた。何故零時の鐘が鳴って二十分も経たないうちに二度目の鐘が鳴ったのか。何故鐘の中から――実際にそうなのかどうかは定かではないとして――いきなり鍵が出てきたのか。出てきた鍵は一体何なのか……そんな疑問がぐるぐると彼の頭の中を回り続けている。そう、必死になって登った階段を下った後も、屋敷までの道中も、こうしてリビングに死者が一堂に会し座っている間も。
 普段ならとっくに寝ている健一が此処に居るのも奇妙と言えば奇妙だが、彼に言わせればあんな妙な事態に直面した後でぐっすり眠れる奴は普通じゃない、とのことである。
 そうして悶々としていた健一は、ふと現実に引き戻された。
「え、あ……うん、僕は大丈夫」
 ロリポップキャンディを口元に運びながらの、ルカの問いかけによって。尤も健一は、その言葉もまた二度目の物である事には終ぞ気付かなかったが。
 健一からしてみれば何時の間にかロビーに現れていたディーターも何やら話に加わっているようだが、鐘塔に居なかった面子の方もよく分からない事態に遭遇していたらしい。現実として意味不明な減少に直面するのと、何も知らずに眠っていて朝一番に異常を知らされるのとではどちらがましだろう……そんな事を夢想する思考は、間違いなく現実逃避だ。
 そう自覚している健一は、何とか溜め息のように肩を落として気分を落ち着かせると、口を開いた。

「図書館に死者蘇生の本か……こっちは零時の鐘の後にまた鐘が鳴ったから鐘塔に行ってみたら鍵を拾ったよ、ね、ルカ」
 取り敢えず端的に事態を述べてみるが、それで事態が変わる訳がない。事実書物があった所でその知識を利用できる人間は此処にはおらず、鍵があった所で開けるべき扉は此処には無いのだから。

>ルカ様、ディーター様、ALL

【遅くなってしまいすみません】

9ヶ月前 No.56

毬藻 @shuchishin☆jHqXF0noOB6 ★d62zVs4iZJ_M0e

【マーベル・F・オクロック/一階 ロビー】

 図書室を後にして一階のロビーへと降りてくると珍しくも屋敷の面々が顔を揃えていたので、思わず「おっ?」と不思議そうな声を漏らした。 しかし、その表情は一瞬にして訝しげなものに変わる。顔を揃えていた内数名は、何とも奇妙なものでも見たような、少々複雑な表情を浮かべていたものだから。

「おい……一体何があったんだ? 揃いも揃って変な顔しやがって」

 ディーターの後に自分も彼らに声をかけると、健一が零時の鐘の後にまた鐘が鳴ったから鐘塔に行ってきたのだと話した。

「鐘がまた鳴ったって……俺ァ今日はまだ一度しか聞いてねェが……」

 今日マーベルはまだ屋外に出ていないので、鐘が二度鳴ったことなど全く知らない。だが、健一が嘘をつくような人間ではないことも知っているので、実際に起こったことなのだろう。おそらく、二度目の鐘はとても小さくて、屋内にいる者には聞こえなかったのだ。だが、どうして鐘が二度も鳴るようなことがあったのか……。
 そして鐘塔に赴いた一行は、鍵を拾ってきたという。マーベルが記憶している限り、鍵がかかっている部屋と言ったらあそこしか思い浮かばない。時折エルが、番人のように座り込んでいる、あの部屋しか。

「まさか……“あの部屋”を開ける鍵、なんて代物じゃねェだろうな……」

 腕を組み、低く唸るように呟く。この屋敷には一つだけ開かない部屋がある。力尽くで開けようとしてみてもびくともしない、極めて頑丈そうな扉で守られているあの部屋だ。そんな簡単に物事が運ぶとは到底思えないが……いや、もしその部屋のものだとしても、自分たちが開けていい部屋だったりするのだろうか。

「なんか、いろいろと変なことが起きてるな。鐘が二度鳴り、図書室にゃ魔術の専門書がいつの間にかある……他になんか変な目にあったりした奴はいるのか?」

 出来るだけ、今起こっていることを整理しておきたい。他に何か異常を感じたことはあったか、マーベルは周りに問いかけてみた。

>>ロビーALL


【こちらこそよろしくお願いいたします!】

>>ディーター様

9ヶ月前 No.57

千羽 @hina0126☆cC6IJvcXXi01 ★yYM4klxEWP_xKY

【ルカ・エリア=パガニーニ/ロビー】

 漸くいつもの調子を取り戻し始めたらしい面々の会話が始まり、ルカはホッと息を吐く。そうして話を振られ「ああ……ああ、うん」と頷く。無造作にポケットに手を突っ込み、また無造作に手を引っこ抜くとあの鍵を掲げて見せた。――大量のロリポップがポケットから雪崩落ちたような気もするが、元来そこら辺が雑なルカは気にしなかった。
 “あの部屋”というマーベルの言葉に眉を寄せる。いつぞやの際に人手が必要だからと無理やりに駆り出されて開けようとした記憶があるが、嵌め殺しなんじゃないだろうかというくらいにびくともしなかった記憶しかない。確かにあの部屋以外に鍵が必要そうな場所は思いつかないし、今まで扉が開かなかった理由も何となしに察せられるが、それでも何故このタイミングだったんだろうか、と思考を巡らせる。

「えーとね、Knightの動きが止まってたよぉ。ここまで来たら、きのせーじゃないかもねえ?」

 投げては空中でキャッチしたり、ぐりんぐりんとぶん回したりと乱雑にその鍵で手遊びをしながらマーベルの問いに答えた。そして器用に宙を回転しながら待っていた鍵を人差し指と中指の先で挟むようにキャッチすると、「これは僕の憶測だけどさーあ」と呑気なトーンで呟く。

「僕たちを蘇生させた魔術師が、この鍵を渡すためにー、ここに干渉したのかもねぇ? 鐘の音は、それの合図で、Knightの動きが止まったのは、相手が干渉してる間は動けないからでー」

 じゃあ何故、Knightは動けないのか。……多分、この空間に流れる時間を止めなければ、魔術師は入る事が出来ないから?

 そこまで呟くように話し、口を噤む。ここまでは鐘塔まで行き、戻る過程でルカがずっと考えていたもの。当たっている可能性など保証できないけれど、一応の筋は通したつもりだった。

>>ロビーALL

9ヶ月前 No.58

似非紳士 @baccano☆/.lpbIA2P7M ★J1SGpZKeln_yFt

【ウラジーミル・ウラジーミロヴィチ・ウスペンスキー/ロビー】

キィ、キィ、キィ。
恐らく現在この館において一番Knightの停止による弊害を大きく受けているのは私ではないかと思う。
停止の前に嫌な予感がしたため降ろしておいてもらって正解だったようだ。

どうやら、私以外にも幾人もがこのロビーに集まっているらしい。

「さて、突然横合いからすまないが、その魔道士は何故、ボクたちに鍵を渡したかったのだろうね?」

恐らく接近は気が付かれていただろうから驚かれる心配はないと思いそう言って声をかけた。

「僕は彼、もしくは彼女が、僕たちの行動を眺めて楽しんでいるとしか思えないんだけど。君たちはどう見るんだい?」

うん、きっとそれも一つの愛には違いないだろうね。
ボクにとっては不可解極まりない愛だけれど、彼か彼女にとっては愛なのだろう。
行動を具に観察し、それを愛でるという愛。
偏執的だが、それも愛に違いない。

「まぁ、何はともあれ、今は一刻も早いKnightの復旧を祈らなければね。さすがに一日中マーベルに迷惑をかけるわけにもいかないから」

苦笑しながらそう言って、僕はその輪に入って行った。

>>ロビーALL様

【遅くなってしまい申し訳ありません。絡ませていただきます】

9ヶ月前 No.59

妃翠 @azalea☆dszkmgEaqwdD ★tcqQcDSpfs_EP8

【 リュシー・ミィシェーレ / ロビー 】




 呼吸すら阻まれるほどに張りつめた雰囲気は、皆がポツポツと話し始めたことにより幾分か和らいだ。生きていた頃にはおおよそお目にかかれなかっただろうふかふかのソファーに腰掛けたリュシーは、特に口を開くわけでもなく、住人達の話しに静かに耳を傾ける。自分たちが塔に行っている間、屋敷の中でも様々な不可解なことが起こっていたらしい。図書館で発見された専門書。そこに記されていた、死者の蘇生が禁忌であるということ。Knightの動きは止まり、そして――……。近くにあったボルドーのクッションを抱きしめた彼女は、彼らには気づかれないようにそっと息をつく。あまりにも可笑しなことが起こり過ぎて頭がパンクしそうだ。鍵が出て来た以上、魔導士がこの場所に現れたのは確か。ルカの言うとおり、二度目の鐘の音がKnightの動きを止める合図だったのかもしれない。しかし、そんなことが起これば当然住人である自分たちが気づくことは目に見えている。にもかかわらず、行動に移した理由は?



「魔導士様は、私たちに何かを伝えたいのかしら……」



 鍵のあう部屋に行けば、その何かを知ることが出来る? ポツリ、と。リュシーは無意識に呟く。死者の蘇生は神への冒涜だ。この世の理を犯してまで、何故魔導士は何の縁もない自分たちに再び"生"を与えたのか。ただの実験なのか。それとも、禁忌に縋るほどにのっぴきならない理由があったのか。前者であれば魔導士は非常な人間以外の何者でもなく、リュシーはウラジーミルの意見に頷いていたことだろう。しかし、もしも後者であったのならば。どうしても魔導士を好意的に見てしまう彼女は、僅かな希望を捨てきれなくて。自分たちを蘇生したのには何か訳があり、魔導士はその"何か"を自分たちに伝えようとしている気がしてならない。しかし、と自身の見出した答えに彼女は首をかしげる。ではなぜ、自分たちの前に魔導士は姿を現さないのだろう。何故、口を利いてはくれないのだろう。考えれば考えるほど混乱する。この分では皆の話しを余計ややこしくしてしまうだけだ。考えがまとまらない彼女は、自分のあまりの情けなさに深いため息を零した。



>>ロビーAll様



【遅くなった上に訳の分からない文章で申し訳ありません!!】

9ヶ月前 No.60

ディーター @nerokichi ★Android=dW04Pqrh6J

【ディーター=バルシュミーデ/ロビー】


なかなか平行線から抜け出す事の出来ない場の雰囲気に、疑問を感じて顔を上げた。

論議は繰り返されるが、結論に辿り着く事は予想通り不可能だ。だって"張本人"がいないのだから。
その様子を眺めるディーターの眉間には少しずつ皺が増えている。彼からすればこの話し合いは意味の無いループを繰り返しているだけだ。他人の心情なぞ他人が分かる訳も無い。挙句それは面識も無い本当の赤の他人。手掛かりが欲しいのならばルカの持つ鐘塔で手に入れた鍵を手当り次第の扉で試してみる方が、ここで結論の出ない話をするよりかは幾分成果もあるだろう。
他人の戸惑いや恐怖など、知識として取り入れることはあろうが理解は出来ないディーターは、鍵を手に入れた事で深まった住民の謎への恐れを理解する事が出来ずにただ眉を顰めた。

「……所詮魔道士の掌の上だ。手掛かりなど考えても見つからん。なら遊びの駒らしく奴の望む通りの行動をしてやれば良い。その方がまだ幾分か真実が見えてくるかもしれないんじゃないか。」

鐘の音と同時に動きを止めたknight、突然現れた何の扉を開けるものなのかも分からない謎の鍵。様々な情報が出てきてはいるようで、ここの住人の口からは図書室の書物のみならず十分な収穫が見える。何をすればいいかと路頭に迷うことも無さそうだ。それなのに何を迷っているのかと、殆どそんな口振りで発言をしてしまったことの反省など、ディーターが出来るわけもなく。ジトリと辺りを見渡しながら再び書物に目を移した。

>ロビーall


【10日間も席を外してしまいました。遅くなり申し訳ないです…】

9ヶ月前 No.61

千羽 @hina0126☆cC6IJvcXXi01 ★mDe2L0BgOM_xKY

【ルカ・エリア=パガニーニ/ロビー】

「ねえね、リュシー。だいじょーぶ?」

 ソファに腰掛けるリュシーの真正面にちょこんと座り、小首を傾げながらそう上目に問い掛ける。屋敷の中では人数の少ない部類に入る女性陣だ。どうしても気に掛けてしまうのがルカだった。

「あのね、俺、今からさーあ、この鍵、開けに行こーかと思うんだけど、リュシー、どうする? 怖かったら、誰かに頼んで、一緒に残ってる? それか、俺一人で行ってこようか。怖いのなら、見なくてもだいじょーぶだし」

 ね、どうする? と傾げた首をさらに深くした。「確かに、ディーターの言ったとーり魔導士の手中にあるし、僕たちは物語の登場人物らしく、シナリオに沿って動けばいーんだろうけど。でも、物語が進むよりも先に駄目になるのは、違うと思うから」とリュシーや周りに居る面々になるたけ的確に自身の思いを伝えようと唇を動かす。
 それにね、とルカは思う。

 須らく「凄まじく普通」と称されてはいるが一度は文学を綴った身、何となく思うのだ。もし自分が作者だとして、自身が綴った、自身が用意した舞台に、“作者”という登場人物は却って邪魔なのだと。ゲームマスターはゲームマスターらしく、ゲームの外から物事を動かすに限るのだ、と。


>>リュシーさん、ロビーALL

9ヶ月前 No.62

独楽 @sbluexxx☆rx3sEFPR6z6 ★qxXpJAS7CZ_yoD

【エレイン=アッサンドリ/→ロビー】



 ギイ、とロビーに繋がるドアを片手で押し開ける。そこにはこんな時間だというのに数人の同居人の姿があって、やはり屋敷の中では何かがあったのだなと察するほかなかった。腕に抱いた黒猫が、大人数を前にして怖気づく心境を察したように一度だけ鳴く。人間ならまだしも黒猫に気を遣われているようではまだまだだなと思いながら、ロビーに踏み込んで口を開く。外と違って屋敷内は明るかった。

「こんばんは。鐘が二回聞こえたような気がしたんですけど、僕は屋敷の周りをうろうろしていたので何が起こったのかさっぱりで……教えていただけませんか。わかる範囲内で把握したい」

 零時を知らせる鐘を、一度聞いた。誰もいない屋敷の裏側、そこにもきちんと手入れされ存在する庭園で。夜でもわかりやすく色を放つ花と、それから真っ暗な空で輝く星を見つめては片方の目で瞬きを繰り返して、それが夢ではないということを実感する。いつものことだった。だからこそ、今日もいつも通りに日が昇って朝が来るのだと思ったのだが――二回目の鐘の音がかすかに聞こえて、その"いつも通り"は崩壊した。何せ、世間一般の"いつも通り"とはかけ離れた存在である自分達なのだ。いつその"いつも通り"が崩れたって、おかしくはない。たとえば、いつもは鳴らないはずの二回目の鐘が鳴ったことがきっかけで。途端に心許なくなって、そもそも選択肢の少ない脳内ではどうしたらいいのかという問いに答えは出ないまま。庭園に座り込み膝を抱えてしばらくして、夜の静寂を破る呑気な、にゃあ、の声。見慣れた黒猫に連れられて、最後の方は自分が連れて、結局ロビーへと帰って来たのだった。

「それに空気が重くて息がしづらいです。……そういう時は喋るといいと、聞いたことがあります。どうでもいい話ですけど、庭園の花が綺麗に咲いていました。相変わらず月というものは見たことがありませんけど、星も綺麗で。これなら屋敷の中より外の方が落ち着くかもしれませんね」

 ロビー内の人間を見るとやはり思った通り、それに動揺したのは自分だけではないようで、慌てて屋敷内に戻らなくて正解だったなと内心安堵する。だって、こんな重い空気の中にずっといれば、必要の無いことまで考えてしまいそうだったからだ。ちょっとだけ、その重たすぎる空気を揶揄った。何もわかっていないからこそ呑気に発言出来ているけれど、事情を知ったら自分もどうなるかはわからない。何せ二回目の鐘の音を聞いて動揺したのは事実で、あそこでエルが来てくれなければ朝が来るまでずっと一人であの場所に座り込んでいたかもしれないのだ。



>>ロビーALL

( 初めまして、新参者ですがよろしくお願いします! )

9ヶ月前 No.63

夕邑三日月 @mistydark☆NIljAHmRyhk ★R3lMq2ye0U_qxX

【ケンイチ・ヤナギハラ/ロビー】

「ああ、もう、本当に……訳が分からないね」
 次々と耳に飛び込んでくる奇怪な情報に、凝り過ぎた演出に呆れているともそれを理解することを放棄した自嘲ともとれる笑いを漏らす。
 もう既に、此処での日常は綻びかけている。今更何をしたところで、此処の住人の心に巣食った不安は消えることはないだろう。だが、それが何だと言うのだろう……その不安と言う傷口を更に押し広げることなど、健一には到底できないのだ。
「やぁ、こんばんは。今日は珍しく、みんなが此処に集まる日だね」
 だからなるべく平静を装って、どんどん広間に集まって来る面々に挨拶をする。こんな時に何をやっているんだと突っ込まれそうな気もするが、最早自己暗示と言うか精神安定剤の領域なので放っておいて貰えると助かる。最後にロビーへと入って来たエレインの言う通り、このまま外に出て何でもいいから呑気に喋っていられたらどんなに良いだろう。

 しかしそれを許さない空気も、確かに屋敷の中には存在している訳で。
 そしてだからこそ、健一はその空気に抗ってみせる。

「確かに鍵を渡したのが魔導士なら、扉を開けろと言っていることになると思う……それは僕も分かるけど……鍵はただ置いて行かれただけなんだ、このまま放っておくと言うのも一つの道じゃないかな?」
 確かに現状はおかしい。此処に集まっているメンバーの空気も普通ではない。考えた所で答えなど出ないという意見にも頷ける。けれど、扉を開けることによってこの状態は改善されるのか? 答えは絶対に否だ。その扉の向こうにあるのが幸福だろうが絶望だろうが、或いは空っぽの部屋だろうが、知ってしまったら知らなかった頃には戻れない。どう転ぶかも分からない状態で危険な賭けに出るくらいなら、現状維持の方がよっぽどマシだと健一は思う。
「今動かずとも……本当に魔導士が僕たちに何かを望むのなら、動かないことに痺れを切らしてまた何かのアクションが起こると思う。その時の方が、向こうの意図は明確になる筈だ。それを判断してからでも、遅くはないと思う……もし魔導士が実験のリセットでも考えていて、扉を開けた瞬間にみんな死体に元通り、何て可能性もゼロじゃないんだから……そりゃ、きちんと死ねるなら僕は万々歳だけど。それを望まない人だって中には居るんだろう?」
 扉を開けに行こうと言う流れを少しでも押し留めようと、健一は言葉を紡いだ。

【流れぶった切る方向で動いてみましたが、コイツの意見は無視して頂いても構いません】

>ロビーALL

9ヶ月前 No.64

妃翠 @azalea☆dszkmgEaqwdD ★tcqQcDSpfs_EP8

【 リュシー・ミィシェーレ / ロビー 】



 ああでもないこうでもないと思案に暮れていたリュシーは不意にかけられた声にパッと顔をあげる。見れば、自分の目の前に可愛らしく座り込むルカの姿を認めると、申し訳なさそうに眉を下げて微笑んだ。



「ええ。大丈夫よ。心配してくれてありがとう」



 のんびりとした声音は、緊張を和らげてくれる。我知らずほっと安堵の息をついた彼女は、ほとんど無意識にルカの頭を一度撫でた。リュシーよりも、ルカの方が2つ年上だ。身長も彼の方が高いにも関わらず、どういうわけか弟のように感じてしまう。しかし、年上の男性にこんなことを思うのは失礼だろうと思って口にすることはなかったのだが……。何と言うことだろう。口には出していないが行動に出してしまった。自分の仕出かしたことに気づいたリュシーの顔がどんどん引きつっていく。生きていた頃ならば、きっと血の気が引いて顔が真っ青になっていたことだろう。急いで謝らなければ、と勢いよく立ちあがった彼女だったが、扉の軋む音を聞いて、ついついそちらに視線をやる。褐色の肌が印象的なエルを抱えたエレインは、ロビーの雰囲気の異様さに何かを察したようだった。説明を求める彼に、リュシーはドレスの裾を両手で摘まむと丁寧に挨拶をする。



「ごきげんよう。エレインさん。そうね……。外にいたと言うことは、二度目の鐘は聞こえたかしら。私たちもそれを聞いて、時計塔に向かったの。そうしたら、何もないところから急に鍵が現れて……」




 ね? と、鍵をここまでもってきてくれたルカに同意を求めるように問いかけた彼女は、どう説明しようかと迷いつつ再び口を開いた。



「私は外にいたから気づかなかったけれど、屋敷の中でも不可解なことが起こっていたの。図書室で見つけられた死者蘇生が禁忌であると綴られた本が発見され、Knightの動きが止まった。今は……そうね。これからどうするか話し合い中というところかしら」



 おかしなところはなかっただろうかと不安だった彼女だったが、そこは住人達が補足してくれるだろうと責任を丸投げする。元々、会話が苦手だった彼女は、殊更誰かに何かを説明することが大の苦手だった。そんな自分がどうして説明してしまったのだろうと若干後悔しつつ、ルカとの会話に戻ろうと視線を移す。しかし、彼女は完全に謝るタイミングを逃してしまった。鍵を開けるべきだと言うルカとディーター、時期尚早だというケンイチ。三人の意見はどちらも納得できるもので、彼女はどう返そうかと言葉に詰まる。自分たちはいわば魔導士によって準備された駒に過ぎない。その駒の役割は、主の望みの通りに従うことだ。それに、これほどに不可解なことが起こってしまった以上、明日から普通に過ごせと言うのも無理な話だろう。しかし、とリュシーは無意識に視線を地面に落とす。扉を開けたとして、もしも自分たちが死体に戻ってしまったら? 安全な保証なんてどこにもない。自分たちのこの"命"は永遠であり、儚い。それに、誰よりも普通に固執するケンイチがこれ以上、異常なことに耐えられるだろうか? 考えれば考えるほど混乱したリュシーは、不意にパッと顔をあげると各々の顔を順番に見つめる。




「とりあえず外に行きません? 今日は星も綺麗なことだし、エレインさんの言う綺麗な花でも見ながら話しでもすれば、もしかしたら今出ている以上に良い案も浮かんでくるかも……」




 リュシーは考えることを放棄した。




>>ロビーAll様




【返信が遅くなり申し訳ございません!!】

9ヶ月前 No.65

千羽 @hina0126☆cC6IJvcXXi01 ★mDe2L0BgOM_xKY

【ルカ・エリア=パガニーニ/ロビー】

「変なの。“普通”に拘るのに、“普通”じゃない今に縋るだなんて」

 “誰かのため”じゃなくて“自分のため”の考えを教えてくれればいいのに。皆、揃いも揃って誰かが意見を述べてくれることを待っている様に思えたルカは音もなく呟く。“普通”に異常な執着を見せるケンイチはおろか隣に居るリュシーにすら届かない声は、ルカの微かな自嘲を持った吐息交じりの笑い声で掻き消された。
 ふらりと立ち上がり、目を眇めて「さっきも言ったけれど」と低めたトーンで、今度は誰にでも聞き取れる声量で、彼にしてはしっかりとした口調で告げた。

「鐘の音は僕には聞こえなかった。でも、Knightが止まったのは見た。鍵が出たのも、見た。僕がそれを持ってる。図書室に居た人たちは禁忌についてを見てきた。それだけ。そもそも鍵が見えなかった以上、鍵を開けるべき扉も“見えている”かすら確証はない。でも鍵を渡したのは魔導士だと断言できる。理由はKnightと僕ら以外で外部から直接的に関与できるのがあの人だけだから。僕らサイドに関係者が居ない以上、それだけははっきり分かってる」

 そこまで一気に喋り倒し、どこか疲れたのかふぅと小さく吐息を漏らす。そうして鍵をまた無造作に放り投げ、宙で受け止めた。

「嫌がってる人が居る以上、無理やり開けるつもりはないよ。自分にだけ影響があるのなら兎角、そうじゃないのに無責任な行動をとるつもりはないから。……でも、覚悟はしてね? ここに居る以上、ずっと逃げおおせる事が出来るだなんて……思わないで。眼を逸らせるとか、耳を塞いで過ごせるとか、そんな甘い考え、捨てて」

 ね? と小首を傾げて微笑む。妖艶に、穏やかに、……否を言わせずに。

「僕ねえ、最初にも言ったけど『自分に少しでも害がある人』は、ほんとーにだいっきらいなの。だから、ね? あんまりしつこく逃げて、僕に害がある人間だと思わせないでね」

 んふふー、と笑い声が上がる。鍵と手で口元を隠しながら幼く笑った彼は、もう、いつもの彼だった。

>>ロビーALL

【現状、イベントとしては序盤ですし、私としてはルカの言った通り(?)今回は開けない方針ですか……ね?】

9ヶ月前 No.66

ディーター @nerokichi ★Android=twULkCgnJm

【ディーター/ロビー】


"このまま放っておくというのも一つの手じゃないかな"

その言葉にディーターは盛大に眉を釣り上げて顔を上げた。その顔には理解が出来ないと言わんばかりにケンイチへと一直線に向けられる。
何を言っているんだコイツは、と。我々はわざわざ赤の他人である輩に訳も分からず2度目の命を無理やり埋め込まれた状態である。既に今の状況自体が異常なのだ。何故ケンイチは今の状況をまるで日常と捉えて会話をしているのか。早くもこの生に順応させられているのだろうか。思わず乾いた笑いが漏れかけた。

「……下らんな。他人に用意された仮初の平穏に順応させられるとは。そもそも私達に選択権があると決めつけてかかる地点から間違いだったのかもしれん。既にここの住民の躰の主導権はどこぞの魔道士の手の内、そしてこの屋敷も恐らく。それがまるで謎解きのヒントを与えるかの様に同時刻をきっかけとして動き出したのだ。最早主の鞭打ちとそう変わらん。丁寧にknightまで止めて見せた。あれが機能しないとなると外部との接点が完全に断ち切られる事となる。───我々は退路を閉ざされ始めているのかもしれないな。」

ロイドメガネを外し、目の疲れをほぐす様に眉間に手をかけた。睡眠も必要ないこの身体にはそんな動作など必要無いのだがこればかりは癖だ。
こうやって休むことも無く永遠と機能する事実は確かに便利であり、ケンイチの言うようにあの扉を開けることによってそれが解かれる可能性が全くない訳では無い。ここでは何が起きても不思議ではないのだから。

だがそれとこれとは話が違う。
ディーターからすればそれは現状維持ではなく停滞だ。彼が最も良しとしない、先進からの遠のき。それは嘗て自分を殺した教会の様に。変化を求めないものの必衰というのは、どの事象にも執拗く纏わりついてくるものだ。

「だが次のアクションまで待つとして今回と似たような事象であればどうする。また現状維持を続けるのか。……予測するべきならば少々仮説を立てるが、もし魔導師が我々の動きを楽しんでいるのだとしたら行動を起こさない駒に対して怒りを覚えるのではないか。展開のない見物品など飽きが来るのは当然だ。その場合果たして奴は私達をこのまま泳がせておくだろうか。……もう一度言うが所詮は魔導師の掌の上だ。我々の生は仮初で、奴の気分次第で何時でも消滅する可能性がある事を忘れてはならない。」

長々と喋り終わって、部屋を見渡す。魔導師はどこかで見ているのだろうか。自分が認識できる訳がないのだろうが、如何せんこのモルモットの様に集められて状況も何もあやふやな現状が気に入らないといえば嘘になる。考えれば考えるほど眉間に皺が寄る感覚が分かる。が、冷静にならねば思考は偏り偏見を作り出す。間を置くために、一つ息をついた。

「リュシーの言うように外に出るのは得策かもしれんな。1度視点を変えることで考え方が変わるかもしれん。……先に席を外させてもらおう。」

そう言い勝手に語り勝手に考えて、今度は一足先にその場から去ると言い出して外に行くために目の前の書物を整理し始めた。

>ロビーall


【すみません勝手な行動ですが次の展開までは扉を開けない方針っぽいのでリュシー様の提案、外に出てみるを実行してみました】

9ヶ月前 No.67

独楽 @sbluexxx☆rx3sEFPR6z6 ★qxXpJAS7CZ_yoD


【エレイン=アッサンドリ/ロビー】

 基礎知識が著しく抜け落ちているこの頭でも、何とか状況把握くらいは出来そうだ。丁寧に説明してくれたリュシーのおかげで、また現段階での分析を述べてくれたルカやディーターのおかげで、屋敷の内外で起こった異変については知ることが出来た。死者蘇生が禁忌ということは、今ここにいて動いている自分たちが禁忌そのものであるという考えでいい筈だ。魔導士にとって、これはどういうことを意味するのだろう。単純に知られたくないから閉じ込めた。それで今はきちんと稼働するのか、欠陥はないのか確かめている――なんて浅はかで知識の薄い意見は、ただでさえ重苦しい場で言えるはずもなかった。
 鍵とやらはルカが所持しているようで、もしかするととても大事なもの――正体不明、目的すらもわからない魔導士との唯一の繋がりであるのかもしれないのに、まるで飴玉を投げるような適当さでそれを宙に放るものだからどきりとしてしまう。そのルカの雰囲気が、ほんの数秒だけ自分の知らない彼であるようなそれに変わったことも、何とも言えない焦燥と不安を駆り立てた。知識がないのなら目で見て、耳で聞いて判断すればいい。昔から染みついた生きるための術は、無意識にこういう状況下で働くのだ。ロビーのドアの数歩前から一歩も動くことはなく、ひとつの隻眼がルカをじっと見つめている。もしこの場に彼の言う『自分に少しでも害がある人』がいたのなら、彼はともすれば、その笑顔で――なんて、想像するだけ無駄なのだけれど。

 何やらケンイチの意見に次々と言葉がぶつかっていっているようだが、自分としてはどうすれば良いのか、明確なことは何一つ思い浮かばない為ただそれを黙って横から聞いているだけだ。魔導士の掌の上――ディーターが言ったそのワードに、ああまたか、と言い様のない薄暗い感情を抱いたのは、奴隷であった昔を僅かに思い出したからだった。価値のない商品は見捨てられ、可愛がってもらえなければ野垂れ死に。だから必死に媚びて、生きる術を吸収して、喜ばれるように立ち振る舞う。気分を害してしまえば大人しくお仕置きを受け入れ、終わるまでじっと耐え続けなければならない。今の状況と違うところがあるとすれば、手足を制する枷はなく、その代わりにずっと重い何かが伸し掛かっているということ、それから、何をしたら駄目で、何をしてもいいのか、何を求められているのかというのがわからないということ、それから万が一失敗したときに、下されるお仕置きが何なのかわからないということ。整理すればするほど現状の難しさが際立ってきて頭がパンクしそうになる。やがて口を開いて発した言葉は、それでも総じて過去の境遇と似ていると思ってしまったゆえの発言だった。

「……まるで奴隷みたいだ」

 ぼそりと呟いたひとりごとが、思ったよりも暗い響きを帯びている。生き返ってもこうなるのか。否、自由なだけ、少しはマシかもしれない。昔よりもずっと、痛くないし。よっぽどのことがなければ、死なない――死なない、のか? 疑問がひとつ。
 もしずっとknightが止まったままで、傷が修復出来ないとしたら? もし修復するも何も、この肉体自体が消滅してしまったとしたら? もし現在のご主人様である魔導士の望む行動をとらなければ、奴隷は――既に一度死んでいる自分たちは、また動かなくなるそれに逆戻りするだけ? 本当に? ならば、何故禁忌を破ってまでわざわざ、こんな何人もの人間を、様々な境遇で死んだのであろう人間たちを生き返らせたのか? 何かの実験? ただ楽しむためだけに?
 ――わからない。疑問が無数に浮かんでは、その一言で片付いてゆく。この場にいるきっと誰もが、わからない。だから口を閉ざしていた。知識のない小僧の言うことなど、寧ろこの状況を混乱に陥れるだけのような気がしたからだ。表情と声音、仕草、その一つも見落とさないように、片方の目でじっと観察しながらただ話を耳に入れてゆく。どうやら外に行く方向にまとまったようで、何となくだがほっとした。この密閉空間にいるだけでも気が滅入るのだ、柵はあるにしても外の方がよっぽど心地良いし息も詰まらない。

「いいですね。僕もリュシーさんの意見には賛成です。でも、先程のように屋敷の外と中で違うことが起こり得るかもしれない。……僕はここに残っています。花も星も、充分堪能しましたから」

 だからどうぞ行って来てください、と。無機質な表情のまま淡々とそう述べた。お前はどうする、と腕の中の猫に目線だけで問いかけると、ぴょんと身軽に腕の中から飛び出してロビーのドアをかりかりと引っ掻いている。ドアを開けてやれば、自由気儘な黒猫は外へと出て行った。不思議な猫だ。あのようにどこにでも行ければなあ、と抱いた希望はそれでも絶望の色を宿している。踵を返し、ロビーの中心部へと足を進めては椅子に腰かけた。何だか色々なことを考えた所為で疲れたような気がする、やはりない頭を使うのは向いていないのだろう。何一つ明確な答えは得られていないまま、気を紛らわせるようにディーターの整理している書物をぼんやりと眺めていた。無論、読める筈も無いけれど。


>>ロビーAL

( 外に行く流れで良さそうでしょうか……? どこで何が起こっても良いようにエレインは待機させますねー )

9ヶ月前 No.68

ししくれ @kmnkha☆/pH2qpQf7L2 ★ieluDUuGrE_H50



吐く息が白く染まり、凍てつくような寒さの冬。
とある森の中の屋敷には、不完全なまま蘇った死者たちがいた。
目覚めて間もない彼ら彼女らは、何も知ることはできない。
現状を拒む者もいれば、すんなりと受け入れた者もいた。
誰一人としてこれから何が待っているのか知れるはずもなく、ただ日々を過ごす。
そんなとある日の話し。


 (>>ALL)

9ヶ月前 No.69

千羽 @hina0126☆cC6IJvcXXi01 ★mDe2L0BgOM_xKY

【ルカ・エリア=パガニーニ/テラス】

 テラスを中心に響き渡るはバイオリンの音色。まるで優雅な映画の幕開けかのような――ともすれば悪魔に心を売ったというのも嘘とは思えない――旋律を奏でるは、19歳と年若き青年ルカ・エリア=パガニーニだった。屋敷の中は諸々の意味で死屍累々だというのに、彼といえばこうやって呑気に得意のバイオリンを観客の居ない場で披露していた。
 暖かな微睡みにも似た、けれどそれよりももっと冷たく落ちた意識が覚醒した時には既に屋敷の中だった。自身の体は気味が悪いほどに妙な艶やかさを持っていたし、周りの面々はどこのゾンビ映画のエキストラですか、と聞きたいレベルで悲惨な人間もちらほらと居たしで、それはもう前述通りの死屍累々かつ阿鼻叫喚だった。取り乱す者も少なくなかった(というかそちらサイドの人間の方が多かった)中、当のルカといえば「へえ、そうなの」という何とも簡素な声をあげたのみ。挙句いそいそとKnightにバイオリンを初めとする屋敷内に無かった楽器の調達とロリポップやシガレット菓子を要求する始末で、果てには隙あらば眠るかこうやって楽器の演奏に勤しむかというエンジョイ生活を繰り広げている。

 こうして容赦なく指を動かしていれば何処に居たって割と指先だけは温かい、という状況はままあったけれど、さすがに最初から寒さの感覚がないというのは初めてだった。ちょっとしたお試しも兼ねて苦手な寒空の下に立ってみたが、そこら辺は変わりない。……が、ぷつっと物理的に切れた弦に眉が寄る。

「……あーあ」

 弦が切れてしまっては、バイオリンは弾けない。かの有名なバイオリニストはワザと弦が時間差で切れるように仕組んで観客を魅了したという話を聞くけれど、生憎とルカにそんな趣味は無かった。
 面白くもない。皆、取り乱すばかりであまり周りへの関心が向いていないようだった。逆に冷静な者はそもそもあまり対人に関心がないタイプのようだったし、そうなってしまえばルカは音楽に浸るしか術がない。

「……つまんないのぉ」

 まるで子供のような文句だった。白くもならない吐息にフッと鼻を鳴らしバイオリンを冬の日差しへとかざす。替えの弦を頼まないと、と思いながらも動く気にはなれなかった。

>>ALL

【最初の頃、ということで何処か燻った雰囲気のルカで行ってみました〜】

9ヶ月前 No.70
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