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【オリジナル】ワーランド戦記【BAD END】

 ( オリジナルなりきり )
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きみどり @kimidori91 ★iPhone=2uyL0gFN6W

太陽歴20XX年

ある国に、一つの隕石が落下した。

隕石の衝突した跡からは、当時の理論では解明できない物質が瘴気となって立ち込め、周りの動物、植物、無機物に至るまで、全てを汚染していった。

数週間後、隕石の落下地点であったワーランド共和国の聖都『ルザリス』は、かつて緑が溢れ、活気に満ちた姿を一変させ、今や人だったモノや、変異した動物や植物の支配する死都へと変貌してしまっていた。
政府はそれを受け、全てを侵食し、変異させてしまう瘴気を“魔素”と、魔素によって変異した動物、植物を“魔物”と呼称し、対策を急がせた。

その結果、ワーランド政府は聖都ルザリスを放棄し、封印することを決断。多大な犠牲を払い、巨大な壁にてルザリスを包囲し、内側からの脅威を封じ込めることに成功した。

後に“ルザリス事変”と呼ばれることになる大事件から数十年の時が過ぎーー

壁による平和を享受していたワーランド共和国を衝撃が襲った。
それまで壁の内側でしか発生していなかった魔物が壁の“外”で発生し、再び人類は魔素の脅威に曝されたのである。

その異常事態に対し、政府は3つの選択肢を人類に示した。

1つは、魔物の体組織を人体に組み込み、魔素への抵抗力を獲得する方法、
1つは、人体を一部機械化させ、その部分を起点とした機械鎧によって全身を覆い、魔素を全て遮断するという方法、
1つは、人体に手を加えることなく、専用の防護服にて全身を守るという方法、

それにより人類は魔素との新たな向き合い方を獲得し、全ての原因である“死都”ルザリス攻略への第一歩を踏み出したーー

これから綴られるのは、一つの隕石に運命を翻弄された者たちの歴史である。

メモ2017/01/31 18:02 : きみどり @kimidori91★iPhone-2uyL0gFN6W
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逆流王子 @mischief ★cjMytOmAWm_yFt

【アーニャ/クロブ村近郊】
ナラクアント×1


「うわぁ、何ですかあれ。気色悪いし、できれば触りたくないなぁ。」


全身に目玉を生やした気色悪い魔物を見つけて少女は更にブースターの出力を上げる。



数分前に少し離れた位置から聞こえた、とてもこの世に存在する生物とは思えないような悍ましい咆哮。誰がどのようにその咆哮を耳にしたとしても、それが聞こえてきた場所で危険な事が起こっているのは理解できるだろう。
まして正体すらよく分かっていない魔物と戦っているという現状。少し頭の弱い彼女でも僅かな力であろうとも助けが必要な状況であることはすぐに分かった。
それらを理解した後の彼女の行動は早かった。
脚部のブースターをこれでもか、と使いまくって全速力でその場所までたどり着くと即座に戦闘態勢を整える。

まず目に入ってきたのは自分達を血祭りにする気満々な例の化け物。続いて辺りを見回してみれば、何やら味方は撤退を始めようとしているではないか。どうやら彼女の参戦は少し遅かったようだ。それでも、一人でも戦力が増えれば撤退も幾分か楽になる筈。



「『上手く奴の注意を引き続けられねぇか』…ですか。その囮の役、私に任せてもらってもいいですか?」


そう言い終わるが早いか速度を緩めることなく、その化け物の背後に回り込んで足元を狙い、少女は手にしている銃の引き金を引く。下手に手を出して更に強化、そんな事をされたらたまったものじゃない。 これはあくまで威嚇射撃だ。次は当てるぞ、と言う意味も込めての。最も、あの化け物にそれを理解するだけの知能が残っているのかは分からないが。




「お待たせしました!このアーニャ、全力で撤退のお手伝いをさせていただきます!」




周囲に響くほどに声を張り上げながら下半身が地面に埋まっている少女とそれを引っ張り出そうとしている男性と少し離れた位置で急停止し、親指を立ててアピールして見せる。
それと同時に、予想以上にガッツリと埋まっている少女にアーニャは「おおう」、と驚きの声を口から漏らす。

「その様子だとやっぱり手助けが必要みたいですね。私もできるだけ時間を稼ぎますので、その間に何とかできますか?」

「できれば早めにお願いします」、と一言付け加えながら視線を魔物の方へ戻した。お前の相手は私だ、そう言わんばかりに銃口を魔物へ向ける。




>>ネフェス・フロス様 トルデリーゼ様 周辺ALL様


【遅れながらも参戦です。よろしくお願いします。『○○しといて』、と伝えたい事があるなら、言ってくださればその通りに動きます。】

7ヶ月前 No.261

悠木 @kodai4370 ★iPhone=qhmV4NaoTY

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7ヶ月前 No.262

きみどり @kimidori91 ★iPhone=2uyL0gFN6W

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7ヶ月前 No.263

隊長機モルガン @type14 ★BUzhF4mm8n_yFt

【シロー・ナンブ/クロブ村郊外】

ナラクアント×1

『お前ら!奴の行動は支離滅裂だ!一旦戦線離脱し、ある程度殺す算段をつけるべきだ!今この4人ではリスクがデカ過ぎる!もう一度言うが、奴の動きは支離滅裂だ!視界に飛び込んだもの全てに狙いをつけてやがるんだろうよ!村に突っ込んで来る可能性はあるだろうが、その可能性は現状低い!奴は目の前しか見えてない!だから村まで引け!』

 撤退?
 朦朧としていたシローの意識をネフェスの声がよぎった。そうか、逃げなきゃならないのか。だが、生憎とこちらは動けない。このままあの蟻の餌食になってもいいような気がしてきた。後は、地歌くんが逃げ切ればいい。そう思うことが最後の情だと思っていた。そんな自分の身体がふわり、と浮かぶのを感じる。柔らかく、温かい……自分より小さな体の何かが、自分を持ち上げて、運んでいく。そうか、とうとうお迎えが来たのかな。ここいらが年貢の納め時なら、いっそお迎えの天使の顔でも拝んでいても罰はあたらんだろう。
 ……即ち、常人よりも生命力が強いシローはこの傷では死んでおらず……ゆっくりと目を開けた。

 『申し訳ありません、そちらのお姉様! 体勢を立て治し次第こちらに戻って参りますので、しばしのお待ちを!』
 「……ホント、天使様だ……」

 トルデリーゼを気遣い、声をかける地歌に抱かれていたことにようやく気が付いたシローは、怪我を負っている左手を挙げて地歌の肩をそっと掴んだ。
 「すまん……助かった……地歌くん……重いだろ、下しても……大丈夫だ。後は自分でも……」
 言葉とは裏腹に苦痛に顔を歪ませる。地歌の身体越しにネフェスがトルデリーゼを引っ張るのが見えたのと、少しばかり、重心が右に傾いているのに気が付いた。
 「……左足、痛めてないかい? もうじき俺も動けるようになる。アルラウネの彼女は別の仲間が助けに行ってるが、君も加わるなら、俺も手伝うぞ……」
見えてしまったナラクアント。あれを叩き潰すには、いやあれから撤退するなら掩護は多い方がいい。休んでいた自分が動かなければならないという思いが募る。
 「(頼む……二人とも、無事でいてくれよ……!)」
 トルデリーゼとネフェスに祈りを捧げながら、シローは悔しさに歯を食いしばった。

>>地歌様、トルデリーゼ様、ネフェス様、アーニャ様

【怪我してなかったら米俵の如く持ち上げるお米様抱っこを期待していました。とりあえずシローは地歌ちゃんにお姫様抱っこで撤退します!】

7ヶ月前 No.264

花夏 @hana5natu8 ★iPhone=X4EOZsmUqP

【ヴォルフ/クロブ村 近郊】

『おら行くぞヴォルフ、張り付くな鬱陶しい。』

「は、張り付いてないですし!ミヒロに言われなくたって準備できて、」

『ギィジャジャジャジャァァァ!!!』

「っ、今のなんです?」

駆け出そうとするミヒロの背中に、言い返そうとすると、肌にビリビリと刺さるような叫び声が聞こえてきた。
ざわざわと魔素の流れが不自然に変化するのを感じる。
近くにいた魔物ではない。けど、ここらの森の中にいる。
その根源を探そうとキョロキョロした瞬間、目の前の影が揺らいだ。

『うっ…!げほっ!』

「ミ、ミヒロ?大丈夫で、っ!」

咳き込むミヒロに、大丈夫か、と聞こうとしたヴォルフへ、ミヒロの体がもたれかかる。咄嗟に手を広げてその体を受け止める。が、20cmもの身長差と明らかな体格差に、ヴォルフはやや窮屈そうに足と腕に力を入れる。

『悪りぃ、ちょっと肩貸せ…。』

「それは良いでしたけど、急にどうしたです?」

見るからに体調の悪そうなミヒロの体を支えながら、ヴォルフが心配そうな顔で覗き込むが、それに返答はない。
代わりに、『ぅあ…』という小さな呻き声を上げる。

「ミヒロ!?ミヒロ!!」

全身から力が抜け、グラッと傾くミヒロに名を呼ぶも、返事はない。その体を支えきれず、慌てて膝枕するようにして仰向けに寝かせると、横から左手で脇を、右手で首と肩を支える。
その時、ヴォルフはミヒロの体の魔素の流れの異変に気付く。
……かなり荒れてる。まるでさっきの叫び声に反応してるみたいに……。
そんなヴォルフの思考を遮るように、クレイの言葉がかけられる。

『お前達も見ただろうが、あの一回りデカイ魔物自体の戦闘力は高くはない、だがヤツの出す叫びは仲間を呼び寄せる。 そして呼ばれた魔物は強化でも受けているのか、比較にならんパワーを有する。 それだけ気をつけろ』

そう言い、駆け出すクレイにハッとして顔を上げると、その先の魔物達を見る。
本音は魔物をこの手で消したい、しかし、仲間であるミヒロを捨ておけない。
そこで、ヴォルフは敵を見据えると、近くにいたリリィに無表情のまま言い放つ。

「お姉さん、あのヤバくない方の飛んでるやつはオレがなんとかしましょうです。他の堅そうなのは任していいですよね?」

そう言うと、背後で魔素の塊を形成させ始めた。

>きみどり様、悠木様、リリィ様、ライブラ様、周辺ALL様

【ジャイアントモスキート倒そうと思ってますが、苦戦しながらになる予定です。その都度、助けていただけたら幸いです。】

7ヶ月前 No.265

ウルフェン @ajinomoto ★iPhone=BmiCpUTj20

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7ヶ月前 No.266

リリィ @socius137☆fu53JKjHmH2 ★igH1aL2tc6_G29

【リリィ/クロブ村郊外】


『俺はスティーブン・キルヒアイス中尉だ、会議には間に合わなかったが先ほど特殊部隊に合流した、俺たちも加勢する』

颯爽と登場しソルジャーマンティスを見事な一撃で倒した男は、どうやら特殊部隊の援軍らしい。
これで五人。敵のほうがまだ数は多いとは言え、個々の戦力で見ればこちらが上のように感じる。これならば互角以上に渡り合えるだろう。
そんな時、頭上の無人機から声が聞こえてきた。影山大和は既にこの場にはいないとのこと。眼前の魔物の対処に集中してほしい、と命令を受けたので優先順位を変更し、戦闘態勢に移る。

そして行動を開始しようとしたところで――ここから離れた場所から、耳を劈くような不気味な叫び声が響く。

『ギィジャジャジャジャァァァ!!!』

「…………っ」

その叫び声がリリィの耳に届き、リリィの本能、魔物としての心を沸き立たせ、あらゆる感情をごちゃ混ぜにしたかのような内なる衝動は暴れ狂い、本来であれば狂気を与える側であるリリィを狂気で飲み込まんとしてくる。
しかしニューマンであるリリィは魔物そのものが理性と知性を獲得した存在だ。故に、理性によって暴れ狂う本能は押さえ込まれ結果としては不愉快。程度で済んだ。
それにしても今のはいったい……と声が聞こえてきた方を向いていたが

『ミ、ミヒロ?大丈夫で、っ!』

隣から聞こえてくる声にそちらを見れば、意識を失った青年を支える少女の姿。
状況から察するに先程の叫び声が原因……なのだろうか。確かに不愉快なものであったが、そこまで危険なものなのだろうか。

『お姉さん、あのヤバくない方の飛んでるやつはオレがなんとかしましょうです。他の堅そうなのは任していいですよね?』

「任された。そして任せた、です。」

無表情のヴォルフをこちらも無表情のまま一瞥して、そして敵に向き直る。その両手には、いつの間に握られていたのだろう。二振りの黒い長剣。
最も近くの虫へ向けて歩き出す。音もなく、気配もなく。そのリリィの様子はメイドというよりも、アサシンを思わせた。


>>周辺ALL

7ヶ月前 No.267

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★Ywte4t2Nfq_G29

【 扇紙鳶地歌 / クロブ村・郊外 】


 ナラクアント×1


 アーマードの男性が雄叫びと共に植物のような女性の根っこを引き抜かんとぐっと力を込め、どこからともなくやって来たシルバーブロンドの少女、アーニャと名乗った彼女がナラクアントの注意を引き付ける役目を買って出る。あの植物のような女性が一人で残るならともかく、便りになりそうなアーマードの二人組が残ってくれるなら安心できそうだ。別に植物のような女性が弱そうに見えるというわけではないが、少なくとも“移動が苦手そう”には見えたから。機動力に優れたアーマードが二人も助力してくれれば、敵の殲滅はならずとも撤退くらいならどうにかしてくれることだろう。


「……ホント、天使様だ……」


 腕の中のシローから突然そんな声が聞こえてくる。まさか瀕死のあまりに彼には本物の天からの使いが見えてしまっているのだろうか。サッと顔を青ざめさせた地歌はその天使から彼の視線を外させねばと咄嗟に名前を呼ぶため口を開いたが、それより先に彼の血まみれの腕が自分の肩を優しい手つきで掴んだ。たどたどしく語る内容から察するに、どうやらもう天使の姿は見えていないらしい。ならば峠は超えたと判断して良いだろう。けれど下ろしてくれて大丈夫という言葉は聞かなかったことにする。こんな血まみれ傷だらけの満身創痍な頑張り屋さんを、これ以上頑張らせては目を離した隙にぽっくり死んでしまいそうだ。


「……左足、痛めてないかい? もうじき俺も動けるようになる。アルラウネの彼女は別の仲間が助けに行ってるが、君も加わるなら、俺も手伝うぞ……」
「いけませんわ。貴方の“動けるようになる”は、きっと“怪我が治った”という意味ではなく“神経が繋がった”とか“痛みがギリギリ我慢できる範囲にまでなった”とかそういう意味ですの。あたくし、この短時間のやりとりでシロー様を『頑張りすぎる屋さん』だと認識いたしましたわ。ですから貴方の『大丈夫』は信用いたしません。せめて退避が完了するまでは、大人しくこの小娘の腕に抱かれていて下さいまし。……そして左脚ですが、別に“痛めて”はいませんわ」


 聞き用によってはツンツンした言い回しだが、これはこれで地歌なりにシローを心配している証だ。万が一にも腕から勝手に降りられないようますますシローの身体をぐっと自分の体に寄せるように抱き込む。けれど力は込めすぎず、なるべく傷には響かない絶妙の力加減を意識。左脚のことに触れられはしたが、痛いわけでも傷付いているわけでもないので相手の問いに頷く必要はない。後でその件について話したいから時間をくれと事前に言っておいたものの、この分では、戦闘がかなり長引いて訳を話すのもだいぶ後になりそうだ。


>シロー・ナンブ様&ALL様


【ダイレクトメッセージの件、ありがとうございました。一身上の都合で当日中に満足な返事が出来ないことをお許し下さい】

7ヶ月前 No.268

隊長機モルガン @type14 ★BUzhF4mm8n_yFt

【シロー・ナンブ/クロブ村郊外】

ナラクアント×1


 意識が戻ったシローが最初に目にしたのは、地歌の顔のだった。この時自分は助かったのだという自覚があった。だからこそ彼女を見て天使と口走ったのだが……彼女が青ざめていたのを見て、シローは安心させようと彼女の肩にそっと手をやったのだ。
 「ゴメン……心配させたかな?」
 力なく微笑むと、先ほどのやり取りが始まる。シローは地歌が頑張りすぎる屋さんと評した通り、その命が無事なら、万難をすべて含んだ上で物事を成し遂げようとする。その結果自らが死んだとしても、そこに後悔や未練、生きようとする執念のもと、命の炎が燃え尽きる瞬間まで行動をやめない。
 そこまでいかなくても、怪我をおして無茶をしようとしているのを彼女に気づかれていた。
 地歌がシローの身体がすべりおちてしまわないように、少し力を入れて抱き込む。傷は痛まないが、自分がどれだけ彼女を心配させているのか心に痛感する。

 『いけませんわ。貴方の“動けるようになる”は、きっと“怪我が治った”という意味ではなく“神経が繋がった”とか“痛みがギリギリ我慢できる範囲にまでなった”とかそういう意味ですの。あたくし、この短時間のやりとりでシロー様を『頑張りすぎる屋さん』だと認識いたしましたわ。ですから貴方の『大丈夫』は信用いたしません。せめて退避が完了するまでは、大人しくこの小娘の腕に抱かれていて下さいまし。……そして左脚ですが、別に“痛めて”はいませんわ』
 「……わかった。君の優しさに甘えることにするよ。すまない……助けてもらったのに、下してくれだなんて心の無いことを言って……。だけど地歌くん……いや、すまん、なんでもない……くっ……!」
 蟻酸で焼かれた肩の痛みを堪えながら左腕を伸ばし、血液が付着していない左手で少しぎこちなく地歌の頭を撫でる。
 「本当にありがとう……俺には何が起きているかわからないから、これから言うことは聞き流すのも自由だ……左足を庇いすぎて、右足に負担をかけないようにしてほしいな……君も優しい頑張り屋だと見た……」
 そう、本当にシローは地歌の左足が宝石へ変わっているのをしらない。しかし本人が痛めていないことを強調するということは、怪我はしていなくても、何かの要因を抱えているということをなんとなく理解していた。

>>地歌様、ALL様


【身に覚えのあったことでしたから。とにかく返事のことは焦らんでください。落ち着いてからで大丈夫ですから……】

7ヶ月前 No.269

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★Ywte4t2Nfq_G29

【 扇紙鳶地歌 / クロブ村・郊外 】


 どうやらもう腕から抜け出してナラクアントの元まで戻る気はないようで、最悪気絶して頂こうかという物騒な作戦を実行せず済んだことに密かに安堵する。ぶっちゃけモンスターを倒すために拳を振るったことはあっても人を気絶させるために手刀を繰り出した経験はないので、歴戦の兵士のごとく項のあたりをトンッとして「眠れ……」みたいなことを呟いたところで、本当にそれで意識を奪える自信は無かったのだ。この男なら失敗しても気を使って気絶したフリくらいしてくれるかもしれないが、されたらされたでそれもまた居た堪れない。実行せずに済むのが一番だ。


「心なくとも男気は感じましたわ。思う存分に甘えて下さいまし。傷ついた殿方には女の愛に包まれる権利があると、そんなことは太古の昔から決まっておりますもの」


 そんな台詞を口にしたものの、地歌もシローを抱き上げる側であると同時にシローに頭を撫でられる側にも回ってしまった訳だから、これでは女が傷ついた男を愛情で包んでいるというよりは、互いに思いやりあっているような構図にしかならない。どうやら傷を負った男を聖母のように包み込む一方的な無償の愛情というものを披露するには、地歌ではまだまだ年季と経験が足りないようだ。こればかりは今すぐにどうにかなるものではない。


「本当にありがとう……俺には何が起きているかわからないから、これから言うことは聞き流すのも自由だ……左足を庇いすぎて、右足に負担をかけないようにしてほしいな……君も優しい頑張り屋だと見た……」
「その程度のことでどうにかなってしまうほどヤワな脚ではないことは、同じフュージョンのシロー様もよくお分かりではなくって? ちょっと成人男性を抱えて走るくらいなら負担をかけても大丈夫ですわ。……優しいも頑張り屋も、言うのはともかく言われるのは中々に照れくさいものがありますわね」


 毒舌の対義語を何と置けば良いのだろう。長舌では批判的なニュアンスが含まれてしまうし、薬舌なんて造語を使えば、良薬は口に苦い的な意味合いで一周して毒舌の仲間になってしまいそうだ。ともかく褒めるほうは気楽でも褒められる側に回ると意外な気恥かしさが生まれるのだな、と今更なことを考えながらうふふと微笑む地歌。内心ちょっと頬を染めてしまいたいくらいの気持ちにはなっているが、飄々とした小娘を装う癖のあるこいつは素直にそういった部分を表に出そうとはしない。よって傍目には、なんだかミステリアスな微笑みを浮かべているようにしか見えないだろう。


>シロー・ナンブ様&ALL様

7ヶ月前 No.270

ルルブ @perikan ★Android=4Zeuym8hmb

【蘆谷 椋/中央基地 周辺のカフェ】

友人との会話を終え、別れて1人カフェでコーヒーを飲みながら店内にあるテレビのニュースを見る。

放送されているのはちょうどクロブの村近郊に魔物が出現し、それを軍が対処している最中と言ったものだ。

「……うん。心配する必要は無さそうだね」

そう口にしながら、全く心配などはしていなかった。軍人は慌ただしく動いてはいるが、そう鬼気迫るようなものではないし、何よりも自分と同じように召喚された人たちが向かって行ったのだ。

これで負けたのであれば……それこそ自分もここでコーヒーなんて飲んでいられないだろう。

「それにしても……虫かぁ……行かなくて良かった」

もしもクロブの村近郊に行っていたなら嫌いな虫の魔物を相手に戦わなければならなかったのだ。たが、それも付いていかなかったことで見ることも戦うこともない。ある意味ラッキーであった。

「……ふぅ……美味しい」

コーヒーを飲みながらテレビを流れるニュースを眺めているのであった。


>周辺all

7ヶ月前 No.271

隊長機モルガン @type14 ★BUzhF4mm8n_yFt

【シロー・ナンブ/クロブ村郊外】

 ナラクアントからは完全にまいたものの、耳をすませば、ヴェアヴォルフの聴力にはあのおぞましい声が聞こえてくる。まだ誰かが戦っているというのに、負傷で満足に動けぬ自分を悔しくも感じる。だが、そんな自分を焦燥感にかられないように強く抱いた地歌の腕からは、はっきりとみすみす行かせないという意思を感じられた。だからこそシローは動かなかった。いや、動けなかったのだ。

 『心なくとも男気は感じましたわ。思う存分に甘えて下さいまし。傷ついた殿方には女の愛に包まれる権利があると、そんなことは太古の昔から決まっておりますもの』
 「……もう、どのくらいになるんだろうな……俺は人の温もりすら忘れて、ひたすら戦ってたんだ。傷ついても、そこには誰もいなくて、独りで傷の痛みに耐えて……それが俺の人生だと思っていたのにな。こうして君がひっくり返してくれたんだ。最後に手放そうとしたものを……もう一度握らせてもらうとはね……ありがとう……」
 左の肩が悲鳴をあげだしたのか、頭を撫でていた左腕がだらりと落ちる。痛みを堪えて深呼吸をする。

 『その程度のことでどうにかなってしまうほどヤワな脚ではないことは、同じフュージョンのシロー様もよくお分かりではなくって? ちょっと成人男性を抱えて走るくらいなら負担をかけても大丈夫ですわ。……優しいも頑張り屋も、言うのはともかく言われるのは中々に照れくさいものがありますわね』
 「わかっちゃいるんだがね。どうしても気になると心配しちゃうんだよ。優しい頑張り屋は本音さ。親御さんからしたら、きっと誇らしいだろうなあ、君のような立派なお嬢さんは……俺も羨ましいくらいだ」
 うふふ、と含みのある笑みを浮かべる地歌が照れ隠しに見えたのは言うまでもない。だけどシローにとってはそれすらももはや自分の家族では見ることはできない。かつて生きていた娘も、叶うのなら地歌みたいないい子に育ててみたかった。もはや叶わない願いをそっと手放しながら、含み笑いを浮かべる地歌の頬を無意識に左手の指で撫でた。
 「うっ……!」
 途端に痛みが走り、再びシローは現実へ呼び戻される。

>>地歌様、ALL様

7ヶ月前 No.272

悠木 @kodai4370 ★iPhone=mH78AbFlhW

【クレイ・ヴェルサス/村郊外】

『ギィジャジャジャジャァァァ!!!』

敵が不快感を残すように異様な叫び声をあげた。これは第一印象だが、そこに関しては彼がフュージョンという所も関係しているかもしれない。まぁそれは後で調べればいい。

それよりもヤツの始末が最優先だ。幸い前方に敵の気配はない、その目の模様をした羽をまずはむしり取ってやろうと考え、刃を構えて飛びかかった。しかし気付いた時にはもう遅し、敵が何かしらの行動を起こしたという漠然とした事だけしか覚えていないが、なぜか胴体に穴が空いていた。

空中にあった身体は地上へと落下、サッという音と共に片膝をつきながら地面に着地した。不覚だ、攻撃手段が無いと完全に油断していた。

実際は「無い」のではなく「しない」だけだったのだ。冷静な時であればもっと観察して確実に仕留めていたが、今回は結果を急かしてソレを怠っていた。いや、観察するチャンスなら大和が気絶する以前からあったハズだ、言い訳をする資格などない。

「…穴が空くとは…どんなカラクリなんだ…」

≫All様

7ヶ月前 No.273

洗濯板の蟻 @sentakuari ★pl3L5xkSi4_glG

【トルデリーゼ/クロブ村近郊】
ナラクアント


「先ほど張ったばかりだからそんなに深くは張ってないはずだが……、」

両脇を抱えられたトルデリーゼが顎先に指を当てて答える。

「痛、イタタ、もうちょい優しく……、ぅん、体重か、体重は……。」

トルデリーゼ自体は軽い。30キロもないぐらいだ。
だが植物組織を含めればその質量は途方もない。

「少なく見積もって、500キロ。多くて800、と言った所かのう?こっちはこっちで善処するが……っと!」


ボゴッ!ズボボボッ!!


身体が浮き、根が持ち上がる。
トルデリーゼは引き抜かれる力に合わせて脚根を動かした。

まだ暫く掛かりそうだが……、


「時間稼ぎならば任せて置け、軽量化も兼ねて行くぞ。」


蟻の周囲の地面から飛びだした無数の蔓。
当然蟻の攻撃で呆気無く千切れ去るが、それに従ってトルデリーゼの身体も地面から抜けて行った。

ばつんっ、と背中の器官に付属していたウツボカズラ状の構造物が千切れ落ち、更に軽量化を促す。


と、その時踊りこんできた人影。

彼女には見覚えがある。
それどころか見知った顔だった。

「……アーニャ、か!実際有り難いな!……そうだな、後20秒、時間を稼げるか?」

全部が抜けるまで、あと少し。退却時間も併せて、その位で何とかなるだろう。


>>周辺ALL

【あいふぉんがうかれぽんちになりました。ので暫くこちらから投下になります。うぐぇ。】

7ヶ月前 No.274

きみどり @kimidori91 ★iPhone=2uyL0gFN6W

【レイノルド・シルバ/クロブの村近郊→クロブ村付近】

返答は…、無い

恐らくそれほどまでに状況が混乱しているのだろう。
ならば先ほどの鳴き声のようなものから判断するしかない。

あの鳴き声のした方向は、蟻型の魔物が確認出来た方向だ。
衝突音の直後に聞こえてきた所から察するに何かしらの攻撃に対しての威嚇か、攻撃手段の一種か。

いずれにせよ良い予感はしない。

「私は今から戦闘エリアに移動する。もし付いて来たいなら止めないが、自分の身は自分で守ってくれ。それと、私はレイノルド・シルバと言う、出来ればおにいさんはやめてくれ。」

それだけ伝えると、一歩前へと踏み出した。
しかし、歩いていくのではない。もちろん走るわけでも。
ガシャリガシャリと足の裏部分に複数のスパイク付き車輪が展開され、駆動する。
地面に食い込んだスパイクは、地面を削るようにして回転し、急速に前方向の運動エネルギーを与えた。
前傾姿勢になる事でその反動を殺し、位置情報を改めて確認し直す。

「鳴き声のあった付近の光点がその場を離れ始めている…?撤退したのか…?」

やはり戦況を立て直す必要のある“何か”が起こったのだろう。
移動方向はクロブ村方面、一度そちらに合流して直接状況を聞くのが良いだろう。

「初戦と言うにはいささか過剰な歓迎だな…。」

そんな呟きは、誰にも聞かれることなく空気へと溶けた。

>>周辺ALL


【一旦クロブ村周辺まで移動します、撤退チームと絡めると嬉しい。】

7ヶ月前 No.275

逆流王子 @mischief ★cjMytOmAWm_yFt

【アーニャ/クロブ村近郊】
ナラクアント



「20秒……ですか。」


トルディの言葉を自分の中で繰り返しながら、最早“蟻”なんて可愛らしいものではなくなった魔物を見る。20秒程度の足止めを可能かどうか。そう聞かれれば答えはYESだ。
だが、“身動きの取れない味方から注意を逸らしながら尚且つ追撃をされないように”という条件が付くとなると、特に損傷もなくピンピンしているアーニャでも簡単にはいかないだろう。

「分かりました!私は一分くらい粘れると思うので、トルディさんはそちらの方となるべく早く逃げてください!」


そう告げると、アーニャは再び視線をナラクアントへ戻す。パッと見ただけでも分かる分厚い装甲。食事中であれば吐き気がしてくること間違いない多数の眼。アーニャが手にしている程度の銃では歯が立たないことは火を見るよりも明らかだった。

だが、この人類の敵とも言える相手にアーニャは一つだけ疑問を抱いてしまった。この化け物に、アーニャたちに向けている、と一瞬で分かる程の殺意が感じられないという事だ。悲鳴にも似た呻き声を上げながら周囲のモノを破壊している様は、まるで痛みに耐えかねて暴れまわっているようにも思えた。


今のところは滅茶苦茶に周囲のモノを壊しているだけで、こちらに向かって攻撃をしてくる可能性は高くはないだろう。しかし、ふとした拍子にトルディたちの方へ行ってしまう可能性もゼロではない。

兎にも角にも少しでも時間稼ぎをせねば、そう思ったアーニャは引き金を引き、ありったけの弾丸をナラクアントへ撃ち込む。効果がないとは分かっていてもこちらに意識を向けさせることができたら上出来だ。


「ほらほら!こっちですよ、ってうわぁ!?」


彼女の言葉が途中で遮られたのはあのナラクアントがこちらへ突進してきたからだ。幸いギリギリで回避できたものの、あと数秒気付くのが遅ければグチャグチャになっていたかもしれない。何よりもさっきの射撃が全くダメージを与えられていない事を確認できてしまった。


「すみません、やっぱりさっき言った事忘れてください!一分は無理かもしれないです!」


これではトルディたちが避難できても、自分がくたばってしまうかもしれない。せめて何か弱点でもあれば話は別なのだが。そんなことを考えながらブースターを使って飛び上がり魔物を見た瞬間、その姿に違和感を覚えた。明らかに魔物の体の一部ではないソレ。

あれはナイフだろうか?だが、それを再び確認することはまた突進してきたナラクアントの攻撃で出来なかった。





>>ネフェス・フロス様 トルデリーゼ様 周辺ALL様

7ヶ月前 No.276

サナト @defe ★Android=VzWOfoAK0l

【ネフェス・フロス/クロブ近郊】

500……いくら機械化されてるとはいえ、流石にきついものがあるぞ……。

「命あっての物種だ。最悪こいつでぶった切らせてもらうからな……!」

剣を抜き地面に突き刺した後、再び引っ張る。
それなりには抜けてきたが、どうだろうな……。
幸いにも、援軍のお陰で時間稼ぎは良好だ。

「ァガッ………!ヤバイな…左肘の内線が一本千切れたか…」

痛覚同期しているが故に、内部損傷がすぐわかるのだが、意識的なモチベーションがダウンする。良くないことだが、内部損傷に気付けないよりはましだた思っている。

「すまん!パワーダウンすることになっちまったが、それでも力一杯引く!あんたも踏ん張ってくれ!」

逃走用の閃光弾は3つ。波状的に投げるのは得策では無い。
3方向から同時に目眩ましをかけるのが最も有効な筈だ。
今いる三人で同時に仕掛けるしかないか……!
あの飛んでいるお嬢ちゃんには投げ渡す。位置取りは任せよう。今引き抜いてるやつにも一つ。この場で投げてもらうのが良さそうだ。それと俺が側面に回り込んで一つ。
これがベストだろうか……音は我慢するしかない。

「後少しで、抜ける……!」

考えながらも体は動かせるのは、本当に人間という枠の得する部分だろうな。

「閃光弾3つ!三ヶ所同時目眩ましで……撤退だ!」

そう叫んで、ラストスパートをかける。


》蟻の人様、逆流王子様

【抜けるタイミングを蟻の人様にお任せさせていただきたい。なんか申し訳ないのですが、お願いしてもいいですか……?】

7ヶ月前 No.277

洗濯板の蟻 @sentakuari ★pl3L5xkSi4_glG

【トルデリーゼ/クロブ村近郊】
ナラクアント

「ええい、こいつも邪魔だな、後で拾いに来るとするか。」

トルデリーゼが持っていた盾を投げ捨てる。
盾は地面に落ち、めり込んで土をめくり上げた。

それほどまでの重量物を抱えていては迷惑であろう。
こういう事態を想定してあえてシンプルに、替えが利くように造ってあるのだ。

「これだけで100は落ちた筈だが……っと!」


ズボ。


抜ける時は、呆気無い。
ズルズルと根っこが地面から引き出され、身体を支えてさらに力を籠めて後ろに下がる。

「あっちに私が乗ってきた歩行機械が在る筈だ、ある程度距離を離せばアレでも事は足りる!急ぐぞ!」

機械の位置は覚えている。その方向を指示し、アーニャの方を見やる。
ギリギリ、か。


>>周辺ALL

【撤退撤退!】

7ヶ月前 No.278

きみどり @kimidori91 ★iPhone=2uyL0gFN6W

【ミヒロ・クロスフィールド/クロブの村 森の中】

ーー意識が、彷徨う

まるで自分の体と意識が何かに断ち切られたように意識だけが浮遊している、そんな気分だった。

自分の意識は遥か上空から自分の体を俯瞰し、自分とは別の意思が暴れまわる体を見つめるだけ、ただもどかしい。

やめろ

過去にはこんな事が何度もあった。
内なる魔物の声に飲まれ掛け、幾度となく意識を失った。
しかし、ここは戦場、安全な施設とは訳が違う。

それは

際限なく叫び続ける己の宿した魔物の意識、それをねじ伏せ、主導権を自分に。
いつでもやって来た事だ、こんなところで倒れている場合じゃない

俺の体だ…!!

「っ!」

意識が急速に覚醒した。
体調は万全とは言えないだろう。依然として内側からの叫びは少々なりを潜めただけで聞こえ続けてはいる。

それと同時に、後頭部に柔らかいものが敷かれていることに気がついた。

「って、お前かよ…。膝枕なんて慣れねぇことしてんじゃねぇよ。」

ヴォルフだった、倒れた自分を膝に寝かせたまま、魔素を練り上げている。
そう認識した途端、後頭部に感じる柔らかさに気恥ずかしさを感じ、体を起こした。

「もう大丈夫だ、ちょっと休んでっから、攻撃に集中しな。あー、その、」

ーーありがとよ、

その言葉は口にしたのか、意識の中に溶けたのか、その時は自分でもわからずじまいだった。

【レスが一気にゆっくりになりましたが、皆さん大丈夫ですか?体調崩してないか若干心配。物語はナラクアント対策会議のために一時クロブ村に集まります、マッドモスキートが片付いたらシルバから通信を入れますね。】

7ヶ月前 No.279

花夏 @hana5natu8 ★iPhone=X4EOZsmUqP

【ヴォルフ/クロブ村 近郊】
ジャイアントモスキート×1→殲滅

『任された。そして任せた、です。』

無表情な者同士で静かな会話を終えると、見えているのに気配を感じさせないリリィが歩き出すのをヴォルフはジッと見つめる。
気配だけではなく、魔素も薄っすらとしか感じられない。ニューマンでありながら、[最大魔素操作]の影響を受けにくいだろうと思考すると、ヴォルフは最終手段として、それの使用を覚悟する。
この村の周囲の魔素は数々の戦闘で荒れまくっており、根こそぎ奪えば相当な力になる。しかし、問題はその後だ。他の仲間の様子が詳しく見えてこない。もし仲間に影響が出てしまったら、と低い知能で考えて、結局却下する。

「もう面倒くさいなぁ。さっさと散らさなきゃ。」

苛立ちから吐き捨てるように言い放ちながら、ミヒロに目を向ける。
……シルバ先生なら理由分かるかな。
早くシルバのもとに連れて行こう、と誓うと、まるで狙いを定めたかのように自分の頭上を飛び回るジャイアントモスキートを見上げる。

「まずはあんたから殺したげましょうですよ。感謝、ですよ、ねっ!」

語尾に合わせて、3つのかまいたちを飛ばした。
しかし、荒れた精神状態でのかまいたちに鋭さはなく、発生した風圧を利用し、敵はそれをヒラリとかわす。

「ははっ……急いでるんだってば、もー。」

眉間にしわを作り、苛立ったように笑いながら敵を睨み上げていると、ミヒロの魔素の流れが変化したことに気付く。ハッとして下に目を向けると、彼が目を覚ましていた。

『って、お前かよ…。膝枕なんて慣れねぇことしてんじゃねぇよ。』

「ミ、ヒロ…!!」

第一声に憎まれ口を叩くミヒロを気にした風もなく、泣きそうな声で名前を呼ぶ。
何故か気恥ずかしそうではあるが立ち上がったミヒロに、ヴォルフは小さく安堵のため息を漏らす。

『もう大丈夫だ、ちょっと休んでっから、攻撃に集中しな。あー、その、』

ありがとよ、と聞こえた気がして、ヴォルフはキョトンと自分より高くなったミヒロの顔を見つめる。
答えは分からなかったが、荒れていた自分の心が落ち着いていることに気付くと、先ほどよりもずっと鋭く、迷いのないかまいたちでジャイアントモスキートを切り裂いた。腹から縦に真っ二つになった敵は、声をあげることなく、落下していく。

「集中ならずっと前からできてるです。」

グジャッ、っという落下音をBGMに、生意気さが溢れ出た、しかし、どこかすっきりとしたドヤ顔で言った。

>きみどり様、悠木様、リリィ様、ライブラ様、周辺ALL様

7ヶ月前 No.280

サナト @defe ★Android=VzWOfoAK0l

【ネフェス・フロス/クロブ近郊】

抜けた!
歩行機械がある方向に連れて行かねばならんのだろうが、少しでも時間稼ぎがしたい。

「そこの飛んでる嬢ちゃん!こいつを使え!」

閃光弾を投げ渡す。ピンの付いたオーソドックスなものだ、使い方は分かるだろう。
トルデリーゼを右肩に担ぎながら、左手に閃光弾の用意をする。

「それ投げるときはなんかでけぇ声出せ!合わせる!んで、投げたら村に戻れ!俺達もすぐに追う!」

トルデリーゼの指し示す方向に走る。
歩行機械が一体どれ程のスピードかは分からんが、最低俺がこの感じで村まで走ろう。
もしそれで壊れてたら、全額弁償か俺が作るかだな。


》蟻の人様、逆流王子様

7ヶ月前 No.281

ディリム @dilem ★iPhone=HSR9qzDFft

【フリードリヒ・ヴェーラー/輸送車付近→クロブ村】

「あら騒がしいこと」

 森の奥。そこから禍々しい呻き声とも叫び声とも、いや、声とも判断しきれない音が響いてくる。声だとしたら随分と苦痛に苛まれていそうだ。
 その響きが届いたと同時に機械のおにいさんが慌て始める。見たところ誰かと連絡がつかなくなった様子。通信機器に障害が発生しているみたい。
 そんな緊急事態をよそに、わたしと言えば、地面からアルコールとジョッキを作り出して飲酒を楽しもうとしていた。パチリと指を鳴らすと味気ない土や砂利、小石に礫が瞬く間もなく色気ないエタノールに姿を変え、増した体積の分だけ周辺に溢れ出る。透ける腕を透明なその液体に差し込み底に沈んだアクリル樹脂のジョッキを掬い上げれば、わたしの腕とエタノール、そしてアクリル樹脂、屈折率の違う三つの透明な物体が同時に揃った。頓珍漢な光の迷走に頭が痛くなりそうだ。

 あれ、アクリルってエタノールダメだっけ…まあいいか、どうせ使い捨てるんだからヒビが入ろうが色が濁ろうが大した問題じゃない。

 湛えられた酒精を満杯になるまで掬い、口元に運んで一口。うん、おいしい。
 ぐびぐびと残りを呑み下していると機械のおにいさんから自己紹介と戦闘区画へのデートのお誘いを受けた。

「わたしは遠慮しとくよ、いってらっしゃい、シルバおにーさん」

 戦うのは好きだけどそれよりも村に置きっ放しのジョッキを取りに行くのが最優先。何せ生まれた時から持っていた物だ、デートはお断りさせてもらう。
 よっこらと起き上がり腰に手を当てぐーっと一気飲み。カラになったジョッキの持ち手に指を引っ掛けてくるくる回しその辺の草むらに投げ捨てた。

「ほいじゃ、行きますかね」

>>レイノルド・シルバ

7ヶ月前 No.282

洗濯板の蟻 @sentakuari ★pl3L5xkSi4_glG

【トルデリーゼ/クロブ村近郊】
ナラクアントから撤退中


「在ったぞ、あれだ。」

茂みを突き抜け、折れた木立を潜り、先ほどまで居た場所まで戻ってきた。
己が斃した蟻共の死骸が今だ惨たらしく残っている。

その少し離れた場所に、果たしてそれはあった。
幸いに損傷は見受けられ無い。

「此処まで有難う、助かったわ。」

借りていた肩から腕を放し、地に降りて歩行機械に手を掛ける。

「この位置から察するに……あの聖なる芋野郎は三時、村は十一時の方角、っと。」

懐中時計を開き先ほどの戦闘で撤退した者達が行く方向に村が在るとして、そこから位置関係を割り出した。

「重畳、重畳っと。戦闘区域を少し迂回するように進めば何事もなく村に付けるだろう。あそこに戦力が集中していたと言う事は他に敵が居なくなったと言う事だからな。もっともそう言い切れる保証も無い訳だが。」

機械を操作しながらトルデリーゼが呟く様に言う。
これで恐らく自分は大丈夫。あとはこの者だが……。

「君、君は大丈夫なのか?大分磨り減らして居る様だが……。」

この身体を地面から引き抜き此処まで運ぶ。
さぞかし重労働だったであろう。彼と共に行くか、先に行かせるか。
トルデリーゼの身体と盾の重量を削った分この機械にも余裕はある。
蔓を使えば抱えていけるが。此の者の事だから自身で何とかするだろうか?

>>ネフィスs

【何事もなければこのまま村に直行できますが如何しましょう?】

7ヶ月前 No.283

サナト @defe ★Android=VzWOfoAK0l

【ネフェス・フロス/クロブ近郊】

『君、君は大丈夫なのか?大分磨り減らして居る様だが……。』

「気にすんな。内線の一本程度切れても問題ねぇ。ただ、あの場面ではパワーダウンしちまうってだけだったんだ。それに、一本断線しただけで致命的な損害が出るなんて、不良品だぜ?」

リカバリングは利く方が良いに決まっている。

「……俺はあの嬢ちゃん……アーニャ?が撤退してるかどうかを確認しにいく。道中は基本安全だろうが、油断は最大の敵だ。まぁ……年寄りからの戯れ言だ。頭の隅に置かれてくれりゃ満足だ。それじゃ、村で落ち合おう」

確認しだい、即行で戻る。無理はしない。手元の閃光弾と、もう一つの予備で乗り切る。
まぁ、使わない方がいいんだけどな……。

》蟻の人様

【こんな感じでいきたいと思います!】

7ヶ月前 No.284

リリィ @socius137☆fu53JKjHmH2 ★igH1aL2tc6_Q1n

【リリィ/クロブ村郊外】

マッドモスキート×1
ソルジャーマンティス×1→殲滅
キラーアント×3→2


いくら気配を消したところで、見えなくなったわけではない。認識はしにくいだろうが、視覚に入れば姿は見えるのだ。
ゆっくりと自分に近づいてくる影を複眼で捉えたソルジャーマンティスは、警戒するようにそちらを向いて戦闘態勢を取る。その先には、一人の黒いメイド。虫の気配察知の高さを持ってしてもまるで空気のように殺気や警戒心どころか存在感さえ感じないが、広大な視野を持つ複眼の前には無意味。獲物が自らこちらに向かってくると笑うかのような鳴き声を一つ上げ、黒いメイドが間合いに踏み入れた瞬間、その鋭い鎌を振り下ろす。

――――どさっ、と何かが落ちる音がした。

ソルジャーマンティスは手応えの無さに攻撃を避けられたことを小さな知性で理解するが、しかし。"なぜ地面がこんなに近いのか"と疑問を抱き起き上がろうとしたところで、絶命した。

「飛んでるアレの力で強化されている、との話でしたが……まあ、この程度なら問題ない、です」

数秒遅れて崩れ落ちる虫の死体の側で、黒いメイドことリリィが呟く。足元にはたった今切り落としたソルジャーマンティスの頭。
攻撃は多少は速いとはいえ避けられないほどではなかったし、外殻はともかく関節は柔らかい。そもそも斬撃や体当たりといった物理攻撃しか手段がないのなら、ショゴスロードのリリィが苦戦するはずもなく。
魔素を使ったエネルギー攻撃や溶解性の酸といった攻撃手段でも持っているなら話は別なのだが。

「クレイ・ヴェルサスの負傷を確認。……ゆっくりしてる暇はなさそうですね、少し急ぐ、です」

先程の何か落ちる音に反応したのだろうか。こちらに猛然と突進してくるキラーアントと、視界の端に腹部から血を流して蹲るクレイの姿を捉えた。
リリィもこちらへ向かってくるキラーアントの方へ音もなく風のように走り出す。そして衝突するか、と思われた直前に跳躍。キラーアントの背をぎりぎり飛び越える程度の高さで、交差する瞬間に身体を横に捻り、一閃。右手に持った黒い剣によって蟻の頭部が安々と斬り飛ばされる。
着地し、次なる標的を確認する。後は蟻2匹と飛んでいるのが1匹。後者は少女がなんとかすると言った。ならば前者をさっさと片付けよう。


>>周辺ALL

7ヶ月前 No.285

きみどり @kimidori91 ★iPhone=2uyL0gFN6W

【ミヒロ・クロスフィールド/クロブの村 森の中】

みっともねぇ姿見せたなぁ

横のヴォルフを見下ろし、そう思う。
かくいう俺はというと、

…まだ体の中で自分の魔物がガーガーとうるさい感じはするが、体の主導権は取り戻した、フラつくぐらいでもう大丈夫だ。

『集中ならずっと前からできてるです。』

遠くの蛾を真っ二つにする音をバックにこちらを見上げたヴォルフは、なんとも小憎たらしい顔を見せるとフンと一息ついたのだった。

「ハンッ、ザコ1匹片付けて良い気になんなよ。」

実際、あの奥でフワフワしてやがる変異種に比べればザコも良いところだ。

ーーあいつのスピードは異常だ

今のこいつの魔素ブレードとでも言うべき攻撃では、きっと奴のスピードを捉えることは出来ないだろう。
捉えるためにはどうすればいいーー

もっと素早くブレードを射出する?いや、あのスピードだからこそ、魔素の形状と切れ味を保てるのだろう、ならばブレード自体を強化すればスピードを上げても耐えられるか…?
しかし、ブレードを強化するにしても、それだけ高濃度の魔素を練り上げる必要がある。

あいつが会議室で見せた技、あれが出来ることを考えると、周囲から魔素を奪い、自分の力にする事も出来るだろう。
この周りの魔素濃度は確かに高いが、それを利用したところで高が知れている。
何か手段は…、

ーーあるじゃないか、ココに

「おい、俺の中の魔素を持ってけ。周りから吸うよりずっと濃いだろ。」

そう、俺の中の魔素だ。これを分け与え、一発巨大で超加速をかけたブレードを飛ばす。それもヤツの反応できない速度のを。

「変な心配すんなよ?会議室でぶっ倒れたのは考える間も無く持ってかれたからだ、分かってればなんの問題もねぇ。それに、俺の中の同居人達を黙らせることが出来て一石二鳥だ。」

>>周辺ALL


【本当に風邪引きさんが大量発生してたみたいですね、みんなお気をつけて】

7ヶ月前 No.286

逆流王子 @mischief ★cjMytOmAWm_yFt

【アーニャ/クロブ村近郊】
ナラクアント



『そこの飛んでる嬢ちゃん!こいつを使え!』


そんな大きな声が聞こえてきた方向を見てみると何かが飛んでくるのが目に入った。それを落としそうになりながらも何とかそれをキャッチすると続けて声が聞こえてくる。


「でかい声ですね、分かりました!トルディさんの事頼みましたよ!」

顔は魔物に向けていたので彼に聞こえたかどうかは分からなかったが、腕を大きく上げて親指を立てて了解した、と伝える。彼に任せておけば恐らく安全地帯まで避難することは容易だろう。


――暫くして、彼らの声も聞こえない程に遠ざかった時、アーニャはまだ戦っていた。撤退する。その選択肢がなかったわけではない。最もそれは、逃げるだけの余裕があれば、の話だが。


「まあ、そう簡単には逃がしてくれませんよね。」

いくら標的が定まっていないとは言え、あちらこちらに突進を繰り返していればその内の何回かはアーニャの方向へ向かってくることもある。それでも回避だけは何とかできていた。だが、アーニャに向かってくるものが魔物だけとは限らない。
アレがなぎ倒した大木や砕いた岩は四方八方へ吹き飛ぶ。当然アーニャの方向へも。


「あれを考えてやっているのだとしたらかなり厄介ですね…痛てて…。」

こぶし大の岩が当たった右肩を擦りながら苦悶の表情を浮かべる。だが、その痛みに気を取られた瞬間の事だった。しまった、そう思った次の瞬間には地面を転がっていて、肺の中の酸素を全て絞り出されるような衝撃に意識も一瞬飛びかける。

幸いにも頭部の角には当たらず、そして背中の巨大なモノのおかげで衝撃もいくらか緩和できていたようだ。


「痛い…から生きてる、けど。これはちょっと…。」


絞り出すように、そして自分に言い聞かせる為に声を出し、近くに転がっていた自分の銃を杖にして立ち上がる。こんな状態では逃げきれても道中で別の魔物に出会ったらかなりまずい。





>>周辺ALL

【一人でしれっと撤退するのもあれかな、と思ったので救援待ちです()援護があってもなくても早いうちに逃げる予定です。】

7ヶ月前 No.287

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★Ywte4t2Nfq_Q1n

【 扇紙鳶地歌 / クロブ村・郊外 】


 既に十二分の距離をとったはずなのに、あの凶悪に強化された恐るべき魔物の唸り声は未だ地歌の鼓膜を僅かながらに震わせている。ただのフュージョンの地歌でこれなら、腕の中にいるシローにはもっとハッキリとした形で聞こえているのだろう。けれど抜け出して戻るつもりはもう無いようなので、ひとまず意識的に強めていた力をシローの身体を腕から取りこぼしてしまわない程度に弱める。あんまり強く抱き締め続けていれば、傷の治りに悪影響が出そうだ。なにせ地歌がハンデを抱えているのは左脚だけで、腕は立派にフュージョンらしいパワーを発揮できるのだから。
 人のぬくもりすら忘れてひたすら戦っていたのだと。そうポツポツと語るシローの様子は決して嘘を言っているようには見えなかったし、そもそも地歌は、彼が嘘を言うタイプだとも思っていない。自分が故郷や両親を失って天涯孤独の身であるように、彼もまた、その人生に拭いきれない血と悲劇の匂いを纏わりつかせているのだろう。だらりと力を失った左腕。痛みをやり過ごそうと深呼吸を繰り返す彼に、地歌はそっと目を細める。これは、もう安全地帯に到着次第、戦線離脱を勧めたほうが良いかもしれない。いくらフュージョンは怪我の治りが早くて元が丈夫なほうだとはいえ、彼はあまりにも血を流しすぎた。これでは傷が塞がっても貧血のほうがどうにもなるまい。


「わかっちゃいるんだがね。どうしても気になると心配しちゃうんだよ。優しい頑張り屋は本音さ。親御さんからしたら、きっと誇らしいだろうなあ、君のような立派なお嬢さんは……俺も羨ましいくらいだ」
「あたくしの誇りである両親に同じように誇らしい娘だと想って頂けていたなら、それは大変な喜びですわね。……お互い、このようなご時勢にこのような身分ですもの。出会いを果たして子を作り、血と誇りとを後世に残していくことが可能かは分かりませんが。それでもシロー様もあたくしも、確かな先祖と不確かな子孫の恥とならないよう信念を持って生きなければなりませんわ。それを守れているうちは、身体がどうであれ心は人間のままでいられるのだと、あたくしはそう思いますの」


 両親は既に死んでいるのだと、わざわざ直接的な表現を使わずとも「想って頂けていたなら」という言い回しで伝わっただろう。心全てを曝け出すようなことはしないが、それでも互いにある程度の本音を混ぜたやり取りが続く。その間にも地歌の両脚は一定のリズムで地面を蹴り上げ疾走を維持。もうそろそろ他の集団が見えてくる頃合だろう。痛みのあまり力を抜いたはずの左手でもう一度地歌の頬を撫でたシローは、案の定というべきか、再びの激痛に襲われてうめき声を漏らしていた。仕方のない人、と、おっちょこちょいな親戚のお兄さんでも見つめるような呆れを親愛で包んだ生暖かい目を向ける。見た目こそ取っ付き難そうな雰囲気を醸し出しているが。案外この人は、自分にとってチームの誰よりも馴染みやすいタイプかもしれない。それだけにちょっと目を離せばポックリ死んでしまいそうな生き急ぎぶりは不安の種だ。


>シロー・ナンブ様( >>272 )&ALL様

7ヶ月前 No.288

隊長機モルガン @type14 ★BUzhF4mm8n_yFt

【シロー・ナンブ/クロブ村郊外】

 あのナラクアントの唸り声が聞こえる。狼男の能力をもってすれば、常人よりも聞こえがいい耳がよりはっきりと敵の声を拾ってくれる。本人の意思と全く関係なく、聞きたくもないものが聞こえ、嗅ぎたくない匂いを嗅ぎ、闇への恐れを失っていく。それは同じく狼人間になった妻子の血と肉を拾った代償。しかし、シローは孤独でも、その力を人の為に使ってきた。大きな力に溺れることは、家族と故郷を奪った力に屈することだ、と私利私欲の為に使わなかった。

 ―だからこそ、ここで怪我に屈するわけにはいかないのだ。生きて、生きて、人間として生き抜いていかねばならないのだ―

 不安か、心配からか……目を細めた地歌になんとか微笑み、『俺は平気だ』と伝える。ああ、ここまで心配してもらったのは、本当に久しぶりだ。同時にすまないとおもっているのだけれど。体が治ったら、彼女の為に何をしてあげようか……わずかにそんなことを考えていたときだった。

 『あたくしの誇りである両親に同じように誇らしい娘だと想って頂けていたなら、それは大変な喜びですわね。……お互い、このようなご時勢にこのような身分ですもの。出会いを果たして子を作り、血と誇りとを後世に残していくことが可能かは分かりませんが。それでもシロー様もあたくしも、確かな先祖と不確かな子孫の恥とならないよう信念を持って生きなければなりませんわ。それを守れているうちは、身体がどうであれ心は人間のままでいられるのだと、あたくしはそう思いますの』
 「……俺は、父親であったことすら忘れていたようだ。君と同じ信念を持っていた。父親としての誇りを守るため……人間らしさのために、俺ももう一度その信念を持とう。今はこんなザマだが……信念を持っている君を受け止めるくらいには……なるさ……人間の温もりを俺に思い出させた、優しいお嬢さんの為に……」
 地歌の言葉で、恐らくは天涯孤独なのだろうという、ことはシローも察していた。愛する両親を失った少女と、愛する妻子を失った青年。不思議とシンパシーを感じてしまう。お互い心の隙間を埋め合うとか野暮なことを言いたいわけじゃない。ただ……同じような生き方をしている者と出逢ったことの喜びと、痛みにうめき声を漏らす自分を見つめる優しい眼差しを『守り抜きたい』という思いが湧いてくるのだ。
 「……今度は……守らせて……くれよ」
 傷を受けた痛みと、フュージョンの力で傷が無理矢理ふさがる痛みに震えながら、シローは地歌に笑顔を返す。
 こんなに優しい彼女とこれからも組むのも悪くない。だが、その為に死に急ぐ真似だけはしてはいけないのだ。優しい地歌の瞳に二度目の涙を流すきっかけになってなるものか、とシローの生命力は思いに共鳴していく。

>>地歌様、ALL様

7ヶ月前 No.289

花夏 @hana5natu8 ★iPhone=X4EOZsmUqP

【ヴォルフ/クロブ村 近郊】

『ハンッ、ザコ1匹片付けて良い気になんなよ。』

「はっ!?別になってないですし!」

ドヤ顔を怒り顔に一転させて、ミヒロに噛み付かんばかりに吠える。
しかし、ミヒロの言うことに異論はなく、そんな相手に多少手こずったことは恥ねばならない。
キュッと唇を引き結び、先ほどのやつよりもデカく禍々しいマッドモスキートを一度見上げてから、周囲を見回す。
自分がもたついてる間に、クレイが怪我をし、リリィは着実に敵の数を減らしていた。クレイの怪我に一瞬心を乱すも、すぐに深呼吸をし、駆け出しそうになる足に力を込める。
……慌てても仕方ない!今は、あいつ(クレイ)も助けて、あいつ(敵)も殺せる最善の策をとらなきゃ。
弾丸で開けられたかのようなクレイの風穴に、目を凝らし、微量ながら彼のものではない魔素を感じとる。あのマッドモスキートの攻撃だとしたら、厄介極まりない。それにあの変な鳴き声も今のところあげてはいないが、いつ出るかわからない。
敵の観察をしていたヴォルフに、ミヒロが良いことを思いついた、と言わんばかりの顔で声をかけた。

『おい、俺の中の魔素を持ってけ。周りから吸うよりずっと濃いだろ。』

「……えっ、は?ミヒロの、魔素を?」

確かに周囲からかき集めるのとミヒロからもらうのだったら、明らかに後者の方が効率的だ。しかし、相手が倒れない程度に魔素を奪うには加減がいる。奪われる際に、彼にだって倒れないギリギリのラインで抵抗してもらうことになる。少しでもどちらかが加減を誤れば、最悪ミヒロが再度倒れる可能性もあるのだ。
そんな心配をミヒロにぶつけようと口を開くと、それを見越したように彼はヴォルフにくぎを刺す。

『変な心配すんなよ?会議室でぶっ倒れたのは考える間も無く持ってかれたからだ、分かってればなんの問題もねぇ。それに、俺の中の同居人達を黙らせることが出来て一石二鳥だ。』

確かに、と納得しかけるも、やはり迷う。
正直、仲間から意図的に魔素を受け取ることなど初めてであり、少し不安であった。
……うだうだ言ってらんない、か。
ミヒロの魔素と周囲の魔素があれば、密度の高く鋭いかまいたちが出せる。けど多分1回きりだ。使いどころは見誤らないようにしなくてはならない。

「倒れても助けてやんないですかんね。」

確証などないが、ミヒロなら倒れないギリギリで耐えてくれる、と思い、信じてる、と伝えたかった。しかし、口をつくのはやはり憎まれ口で……同時に小さな拳でトンッと彼の胸板を叩く。不器用ながらの激励であった。

「いくよ!」

そう小さく宣言すると、目を閉じ、開いた拳の手のひらから、一気に魔素を奪い始めた。

>周辺ALL様
【遅い上に長くてすいません!】

7ヶ月前 No.290

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★Ywte4t2Nfq_Q1n

【 扇紙鳶地歌 / クロブ村・郊外→グロブ村 】


 血まみれや傷だらけの状況で「平気」と「大丈夫」の五文字を口に出来る人間のことは、基本的に信用しないことにしている。それが自己犠牲の精神の持ち主だったり頑張り屋さんだったり優しかったり強がりだったりすれば尚更。だから腕の中で微笑むシローに対しては「嘘吐き」の三文字を返して、同じように微笑みを返す。男の言う「何もしない」を今時の女の子なら六歳児だって信じないように、この手の男の「俺は平気だ」に何の信憑性もないことはたかだか十六歳の地歌にだってよく分かる。自分も平気なフリが上手いタチだから余計にだ。
 腕の中でシローの語りはまだ続く。父親であった、という表現を鑑みるに、彼にはきっと過去に妻も子供もいて、けれどそれを何らかの切っ掛けで失ったのだろう。今度は守らせてくれという発言まで加味して考えれば、たぶん目の前で妻と子供を同時に無くしている。自分のように死に目を看取っただけなのか、それとも死に至る原因まで目撃して、その上でどうしようもなかったのか。どちらにせよ、他に肉親のいない人間の気持ちはよく理解できるつもりだ。もちろんわかるのはその気持ちだけで、相手の全てが理解できるなどと思い上がった発想をするつもりはないが……特定の孤独は、似たような孤独を持つ者と触れ合うことでしか埋められない場合がある。自分たちの孤独は、たまたまそのタイプだった。


「人間の温もりを思い出すも何も……シロー様ご自身が、温もりを持った人間でしてよ」


 それに自分は、守られなければならないほどか弱く儚い無力な少女ではない。これでもフュージョンの端くれだ。
 そんなこんなで二人して会話を続けてきたが、ついにグロブ村の入口が地歌の視界に入った。見える限りに他の人間の姿は無いように思うが……一口にグロブ村といってもそれなりの広さがあるのだし、中まで入ってしまえば流石に他の人間もいることだろう。


>シロー・ナンブ様&ALL様

7ヶ月前 No.291

きみどり @kimidori91 ★iPhone=2uyL0gFN6W

【レイノルド・シルバ/クロブの村近郊 森の中】

ナラクアント×1 遭遇

ドォォンと、腹の底に響いてくるような音がまた耳に飛び込んでくる。

「近いな、しかし、未だ問題のエリアの状況は掴めず、か。」

森へと足を向けた後は、一度各方面に飛ばしていた無人機を回収しつつ、音のなるエリアに進路を取っていた。

多少危険でも、問題の魔物を目視しておく必要を感じたからだ。
そして一際大きな衝突音が聞こえ、何十本目かになる木を避けると視界が開ける。

現れたのは惨状だったーー、

突然視界開けたように感じたのも、衝突音の主が無差別に突進を繰り返し、生い茂っていたであろう樹木を薙ぎ倒し、岩を砕いたからに違いなかった。

地面は無残にも抉られた場所が点在し、誰かが流したのであろう血がこびり付いた跡も見える。
死体が転がっていないのがせめてもの救いと言えた。

ふと、視界の端に小さな人影が映る、

「っ!大丈夫か!」

駆け寄った先にいたのは、苦しそうに自前のものであろう銃に体重を掛けながら体を起こす白銀の髪を垂らした少女だった。

そんな心配を嘲笑うかのように、少女を痛めつけ、そしてこの森に惨状を作り出した元凶が視線の先の木々の影から姿を現した。

>>アーニャ、周辺ALL


【アーニャさんに絡ませて頂きました、良ければ一緒に逃げましょう】

7ヶ月前 No.292

きみどり @kimidori91 ★iPhone=2uyL0gFN6W

【ミヒロ・クロスフィールド/クロブの村 森の中】

俺の提案をヴォルフは飲むことに決めたようだ。

『倒れても助けてやんないですかんね。』

一緒に戦う中でこいつという人間がなんとなくわかってきた。
性格がガキなのには違いないが、表情と言動がどうしても天邪鬼になるようだ。
つまり、そういう予測の元に今の言葉を訳すと、

「心配でたまらないけど倒れないと信じてるって?ありがたくて涙が出るねぇ。」

こうなる。
まぁ、それに対してからかい口調になってしまうあたり人のことは言えないが、こいつは気付かないだろう。

ヴォルフはその小さな拳で俺の胸を小突くと、手を開いて押し付ける。そこから魔素を吸い出すのだろう。
こちらも再びサラマンダーの内燃機関を稼働させ、体に熱と魔素を充満させる。普段ならこの熱と魔素を適度に放出しないと爆発するわけだが、

『いくよ!』

その掛け声とともに魔物の叫び声と共に身体中を駆け回る熱と魔素が急速に奪われ、それを補填するかのように内燃機関の稼働率が上がる、理性が焼き切れる感覚さえ無視すれば、実質の永久機関だ。

「さあ持ってけ!ただし、俺の魔素はちいとばかり熱いぞ、火傷すんなよな!」

さあ、内燃機関の限界まで吸い付くせ、そして、こいつらの叫びを沈めてくれ。

>>ヴォルフ、周辺ALL

7ヶ月前 No.293

悠木 @kodai4370 ★iPhone=4ebhPNNSHa

【クレイ・ヴェルサス/村郊外】

「…ウッ…危ない」

危うく意識が飛ぶところだった、到着した当初から連戦が続き挙句身体に穴が開く。国のトップだろうとこんなハードスケジュールをこなすヤツはいないだろう。

そんなどうでもいいことでも自分を褒め続けなければ、またあの弾丸を喰らえば意識ごと身体が吹っ飛びかねない。攻撃手段を持っていた以上油断する時間はもう無いのだ。

後ろでは仲間達が奮闘している、仲間の魔素を吸収していたり蟻相手にワンサイドゲームを繰り広げる先ほどの女性の姿も見える。


「…穴が開く、身体も切り裂かれる、踏んだり蹴ったりだな…チーズみたいな状態だぞ」

これ以上時間をかけてしまうと本当に某ネコとネズミのドタバタコメディに登場するチーズのように穴だらけになってしまうだろう。胴体が貫通していないのが不幸中の幸いか。
ゆっくりと足に力を入れ、下ろしていた腰を持ち上げる、こんなところまで来ておめおめと退却するのは許されない。

「…立つのは、ハァ…ハァ…辛いな…」

変身の影響で塞がっていた傷も、きつい動きによって開き再び出血が始まった。とにかく痛い、流石に涙は堪えるがとてもイタイ。やっとこさ剣を構えるのがその証拠だ。

>マッドモスキートAll様、周辺All様

【自分が死にかけから治ったらクレイ君も既に死にかけているんや…】

7ヶ月前 No.294

隊長機モルガン @type14 ★BUzhF4mm8n_yFt

【シロー・ナンブ/クロブ村郊外→クロブ村】

 自分に似た顔の人間が世の中には五人いる。
 フィクションなんかで使い古された言葉だが、この世の中に自分と似た笑みの出来る人間なんて、どれくらいいるだろうか。人間というものは、日々の生活で感情や表情の形はいくらでも変わっていく。
 地歌の笑みは可憐だ。そう、天使のように。しかし、その表情は愛らしさだけではない。彼女の人生に詰め込まれた、悲しみや喜びがその表情を作ってきたのだ。孤独の寂しさ、肉親を失った悲しさに耐え、魔物への怒りではなく、弔いを持ち続けた結果、彼女の笑みは、自分が一人で浮かべる笑みにどことなく近いものを感じたのだ。片脚が少しぎこちないのは、痛みではないのかもしれない。しかし、その理由は、本来みだりに触れてほしくないもの。それを背負っているのに、死に急ごうとする自分を止めんとする。そう、彼女もまた、自分と同じように苦痛を隠すタイプだ。
 参った、と言わんばかりに首を振れば、ようやく村が見えてきた。ナラクアントは幸いにも動けば自重で崩壊し、それを再生させていくことの繰り返しで移動速度は遅い。まだこの村に転進したとしても、態勢を立て直すことくらいはできる。その間に傷をふさがなければならないな、とシローは思っていた。でもその方法は、地歌を絶対に心配させる。

 『人間の温もりを思い出すも何も……シロー様ご自身が、温もりを持った人間でしてよ』
 「君もだよ、地歌くん……どんなに強かに生きていても、優しい本質を見せてくれるのは、温もりのある人間だからさ」

 これからのことを考えながら、地歌と話を続けていた。そろそろ流れた血が乾き、傷のふさがる痛みも消えていく……とシローは思っていた。だが、深い部分や蟻酸で爛れた部分はシローを裏切るように痛みを増すばかりだ。
 「すまない……ここまで連れてきてもらって……しかし、撤退に成功してはずのみんなは……どこにいるんだろう?」
 あの怪物にやられちゃいないだろうか、シローは心配のあまり眉間にしわを寄せていた。

>>地歌様、ALL様

7ヶ月前 No.295

花夏 @hana5natu8 ★iPhone=X4EOZsmUqP

【ヴォルフ/クロブ村 近郊】

ミヒロの魔素には熱が加わり、想像していたよりも高い温度で、ヴォルフは身体中が焼けるかのような感覚に顔をしかめる。

『さあ持ってけ!ただし、俺の魔素はちいとばかり熱いぞ、火傷すんなよな!』

「っ、こんくらい、焼け石に触った程度、ですよね。」

それは、かなり熱い。
「焼け石に水」ということわざを「焼け石には水が効果的=焼け石は水をかけた程度で冷めるくらいの熱さ」と間違った覚え方をしていたために、めちゃくちゃ熱いアピールとなってしまった。
それに気付かないヴォルフは、焼けるような熱さに耐え続けていた。同時に、ミヒロの中で暴れまわるナニカを感じとると、ヴォルフの意識は彼よりもソレに向いてしまう。

「大人しく、オレに渡せ、ってんですよ。」

まるでミヒロの中にいるナニカに話しかけているように、自分の手を当てている彼の胸板を見つめて声をかける。赤い瞳をギラつかせて、口角を片方だけ上げて挑発的に笑うヴォルフには、ミヒロに対する気遣いや加減などみられなくなっていた。
無限ではないかと疑うほどの熱い魔素が流れこみ、体温が異常なほど上がってきていることにも気付いている様子はない。汗が吹き出し、息が上がり始めていることも気にせず、無意識のうちで彼の胸板に徐々に爪を立てながら、魔素を奪い続けた。

「は、はは……このまんま、はぁ…はっ、いなく、なれっ!」

最早、意識はミヒロではなく、完全に彼の中にいるソレに向いていた。
魔素濃度と体温の急上昇に、ある種の麻酔のような高揚感を覚えながら、ヴォルフは魔素を奪う速度と量を上げていく。それは彼女の魔素許容量を急激にオーバーし始めていた。

>きみどり様、周辺ALL様
【あれ?ヴォルフがなんか狂い始めた。】

7ヶ月前 No.296

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★Ywte4t2Nfq_Q1n

【 扇紙鳶地歌 / グロブ村 】


 出会って数分にも関わらず十年来の親友みたいな言葉を交わし合っている二人。これは命の懸かった緊迫した空気感がそうさせたのか、それとも単に二人の相性が凄まじく良かったのか。たぶんどちらも正解だ。人間が心の距離を詰め合うには時間が必要だが、時間には密度が存在する。今回はその時間が濃かったから、ここまで短い時間でシローと地歌の精神的距離が縮まった。共闘やサバイバルを共に乗り越えた相手とは、大抵の場合、無条件に友情や愛情が成立する。喫茶店でたまたま相席になって駄弁っているだけならこうはならなかったはずだ。


「すまない……ここまで連れてきてもらって……しかし、撤退に成功してはずのみんなは……どこにいるんだろう?」
「お互い様ですわ。あたくしが負傷した時はシロー様が抱き上げて下さいまし。……案外、あたくしたちが一番乗りなのかもしれませんわよ? 入口ならともかく、中まで入ってここまで人気が無いとなると」


 シローを抱えたままグロブ村の中へと足を踏み入れ周囲を見回す。けれども自分とシローの他に村に人影は見当たらない。魔物の気配が無いのは大歓迎だが、人間の気配もここまで無いとなると、これは自分たちが一番先に撤退に成功したグループだと見たほうが良さそうだ。とりあえず村の真ん中にある噴水の近くの木造りのベンチにシローの身体をそっと寝かせて、あとはドレスの後ろのほうの布地をビリビリと引き裂いて噴水の水に浸す。前は完全にシローの血で染まりきってしまっている。衛生的に駄目だ。


「何はともあれ、今は少しでも休んで体力を回復させることが最重要ですわ。それと失礼。お顔、拭かせて頂きますわね」


 一応の断りを入れてから冷たい水で濡らしたドレスの切れ端でシローの血まみれの顔を拭う。手付きは丁寧そのもの。壊れ物どころか豆腐を撫でるような慎重極まりない動きだ。それでも血を流してから大して時間がたっていないからか、黒かったドレスの切れ端に赤黒い色が移り切る頃にはシローの顔だけはとりあえず綺麗な状態になっていた。もちろん他の箇所は血だるまも良いところだ。服までびっしょり血で濡れてしまっているので、こちらは顔と違ってもはや拭いたところでどうしようもない。……野盗のようであまり快くはないが、村の適当な民家から洋服でも取ってきて着替えさせてあげたほうが良いだろうか。こんなぷんぷんと鉄臭いままの洋服を着ていては、気分的に治るものも治らなさそうだ。


>シロー・ナンブ様&ALL様

7ヶ月前 No.297

隊長機モルガン @type14 ★BUzhF4mm8n_yFt

【シロー・ナンブ/クロブ村・噴水付近】

 最初の魔物との戦いに助太刀し、続くナラクアントとの戦いで負傷した。そんなついさっきのことが、まるで昔のように思えてくる。
 不思議な雰囲気の同郷のお嬢さんが、いや同じ立場のフュージョンがこうして出会った今までの時間はあまりに濃密すぎた。死線をくぐるどころか、シローに至っては地歌に命を助けてもらっている。それも、単に義理や人情ではなく、いうなれば相棒が助け合うかのように、気遣いと強がりの冗談を交わしながら。
 ……昔見た映画にもあった。危機的な状況を切り抜け、信頼を得るという話。映画ではハッピーエンドを作る関係で二人は相思相愛になるが、現実はそうもいかないだろう。現実の「人間にとって出会った先が大切なのだから。

 『お互い様ですわ。あたくしが負傷した時はシロー様が抱き上げて下さいまし。……案外、あたくしたちが一番乗りなのかもしれませんわよ? 入口ならともかく、中まで入ってここまで人気が無いとなると』
 「抱き上げるだけじゃない……ちゃんと守るよ。しかし一番乗りか……みんなやわじゃないとはいえ、大丈夫か不安だな……っと……すまない」

 地歌は噴水の方までシローを運ぶと、ベンチに寝かせてくれた。見れば彼女のドレスは、シローの血でべったりと染まっている。シローもブレザーが溶かされてしまったが故に、ペンキをぶちまけたようにシャツが赤い。
 自分と見比べたわけではないが、地歌のドレスの汚れを見てシローはもうしわけない気持ちで包まれた。しかも彼女は血がついていないドレスの後ろの方を破り、水に浸す。そして戻ってくると、濡れたドレスの切れ端をシローの顔に当てた。

 『何はともあれ、今は少しでも休んで体力を回復させることが最重要ですわ。それと失礼。お顔、拭かせて頂きますわね』
 「えっ……あ、ああ……なにからなにまで、本当にありがとう。しかし、だいぶ君の服を汚したな……今回の仕事が片付いたら、地歌くんの服を買い替えておくよ。人間の血というものは、ここまで汚してしまうとは思わなかった……すまない」

 ここまで献身的に看てもらうと、さすがに借りを返したくなるのが男というもの。その為には生きのびなきゃならない。シローは死ねない理由をまたひとつ実感すると、シャツの胸元を無理矢理開き、その風貌には似合わないシルバーのロザリオを胸の上においた。さすがに狼の嗅覚を携えたまま、血まみれになるのは鉄分の匂いで気が滅入ってしまう。そこで狼男の弱点である銀製品を用いることで能力のレベルを意図的に下げているのだ。もっとも、治りもその分おそくなってしまうが。

 「そういえば地歌くん、先ほど、俺に話しておきたかったことがあったんじゃないのか?」

 ナラクアントと戦う前に彼女は「話しておきたいことがある」と言ってくれた。味方がまだ到着していないのなら、他の者に聞かれる心配はない。そう思ってシローは改めて問うてみた。

>>地歌様、ALL様

7ヶ月前 No.298

逆流王子 @mischief ★cjMytOmAWm_yFt

【アーニャ/クロブ村近郊】



「…!この声は…レイノルドさんですか。…ですよね?」


普段の何倍も重く感じる顔を上げると、そこに居たのはワーランド政府軍大佐、レイノルド・シルバだった。アーニャがこんな場所に居る理由の一つになった例の手紙を送ってきた人物でもある。彼が居れば撤退もその後の行動もかなり楽になるだろう。


しかし、それと同時にこの状況を作り出した張本人も姿を現す。相変わらず、樹木や岩に何度も激しくぶつかったのにナラクアントには疲労の色は見られなかった。


「私は大丈夫です!…ただ、ちょっとだけ撤退のお手伝いをしていただけるとすっごく助かります。」


映画や小説だったなら二人の登場はこれ以上ないタイミングだろう。最も、そんな冗談を普段のような表情で言えるような状況ではないのだが。


「これを使ってください。あんなに目があるので効果は抜群だと思います。」


そう言いながら彼に閃光弾を投げ渡す。アーニャが投げても良かったのだが、利き腕の右肩を怪我してしまったので正直失敗するかもしれなかった。



>>レイノルド・シルバ様


【返信が遅れて申し訳ありません。この後さっさと撤退するのも、蟻さんと戦うのもお任せします】

6ヶ月前 No.299

友禅 @yuuzenn☆fXqsD0VZIxk ★Ywte4t2Nfq_Q1n

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6ヶ月前 No.300

隊長機モルガン @type14 ★BUzhF4mm8n_yFt

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6ヶ月前 No.301

きみどり @kimidori91 ★iPhone=2uyL0gFN6W

【ミヒロ・クロスフィールド/クロブの村 森の中】

ヴォルフの掛け声とともに魔素の吸収が始まった。

自分の中の力の源が自分の意思に反して抜けていく感覚はなんとも形容し難かった。
そして、ヴォルフは俺の発破をどう取ったのか、

『っ、こんくらい、焼け石に触った程度、ですよね。』

「…。」

多分、熱くねぇって意味なんだろうなぁ、こいつの顔を見る感じ。

そんなことを思っていると、なにやらヴォルフの目に妖しい光が混じり、それと共に急激に魔素を奪うスピードが増した。

『大人しく、オレに渡せ、ってんですよ。』

「はぁ…?お前、何言って、ぐぉ!」

なんだ、何に話しかけている?
加速度的に吸い出される魔素の量は増し、それに抵抗するように俺の中の魔物の意思が、

ーーまさか、

「は、はは……このまんま、はぁ…はっ、いなく、なれっ!」

「ヴォルフ!やめろ!もう吸うな!」

そう叫ぶと、半ば強引に引き剥がしてしまった。
咄嗟に体が動いてしまったが、これはこれでマズイんじゃねぇか…?

「おい、大丈夫か?おい!」

>>ヴォルフ、周辺ALL

6ヶ月前 No.302

花夏 @hana5natu8 ★iPhone=X4EOZsmUqP

【ヴォルフ/クロブ村 郊外】

『ヴォルフ!やめろ!もう吸うな!』

「っ!?」

バッとミヒロによって引き剥がされた体。ヴォルフは呆気にとられ、呆然と目の前の彼を眺める。
……ミヒロ?なんで?あれ?オレ、今、なんか変なのと……。

『おい、大丈夫か?おい!』

自分の心配をするミヒロの声と瞳に、ヴォルフはハッと意識を浮上させる。
……そっか、今、ミヒロから魔素をもらってたんだ。
現状を把握した瞬間、自分のものではない魔素が身体中で暴れまわる。慌てて屈み込むように小さくなると、体内の魔素を支配していく。小さく唸りながら、なんとか支配下に置けば、やや疲労はあるものの、背筋を伸ばして地面にしっかり足をつける。

「心配ないです。」

ふっ、と表情を消しながら、断言すると、未だに飛び回るマッドモスキートに視線を向ける。
……こんだけ体内に魔素があれば、威力もスピードもすんごいの出せる!!
マッドモスキートから視線を外さず、無邪気に笑みを浮かべたヴォルフは、敵の背後に回り込むために走り出す。

「ミヒロ!まだ魔素残ってんなら、ネコのお兄さんかお姉さんの手助けするか、あいつの気ィそらしといてくれっさい!」

そう吐き捨てるように残して、ヴォルフは周囲の草木にその小さな体を紛れ込ませる。
マッドモスキートの視界から逃れられる場所を選びながら、音を立てないように移動を始めた。

>きみどり様、周辺ALL様

6ヶ月前 No.303

ディリム @dilem ★iPhone=HSR9qzDFft

【フリードリヒ・ヴェーラー/クロブ村 酒場】

 魔物の襲来により、人の気がほとんど失せたクロブ村。そんな中、わたしは店の主人がいないのをいい事に、酒場でタダ酒を嗜んでいた。ジョッキは既に回収済みである。
 カウンター奥の棚を物色し、ウィスキーとロックグラス(オールドファッションド・グラスとも言うそうな)を手に取る。それらを一度カウンターに置き、今度はリキュールを漁りにかかる。目当てはディ・サローノ・アマレット。アーモンドの香りがする赤いアンズ核のリキュール。ウィスキーと合わせてゴットファーザーと言うカクテルになる。酒場には欠かせない一本。まさか無いなんてことはないでしょ。

「ん、あったあった」

 カウンター奥の四つの棚の内、見た限りリキュール置きに分類されているであろう左から二番目の棚の右下、分かりやすいにも程がある特徴的なガラス瓶と金地に赤で“DISARONNO”と書かれたラペル。これだ。手に取ってカウンターのウィスキーとグラスの隣に並べる。ウィスキーもアマレットもどちらもポアラーが差し込まれていた。
 カクテルには三つの作り方があり、それぞれ、グラスに注ぐだけのビルド、ミキシンググラスという大きめのグラスに材料を入れバースプーンでかき混ぜるステア、シェーカーに入れて振り混ぜるシェーク、と呼ばれている。ゴットファーザーはビルドで作られるが、注ぐだけ、と言っても層を作りたいのか混ぜたいのか、比重を考えて順番を決める必要はある。

「まずはロックアイス」

 冷凍庫からバーよろしく透明な氷塊を取り出し、ピックで適当に砕いて浅く広いロックグラスにそっと入れる。

「次にアマレット」

 瓶を傾ければポアラーの細い口から透き通った赤い液体がトクトクと流れ、小さな氷山を溶かして行く。ウィスキーとの割合は3対1だから入れ過ぎには注意する。

「最後に…ウィスキー……」

 アマレットと同じようにポアラーから注ぎ入れる。ちなみにウィスキーの種類は特に決まっていない。黄色い蒸留酒が目測だが規定の量まで注ぎ込まれた。
 出来上がりと。では早速一口。グラスを傾けて橙色のカクテルを口にする。

「んー、美味しい」

 ウィスキーのピート香とアマレットのアーモンド香がいいシナジーを発揮している。氷を入れて二種類のお酒を注ぎ込むだけの簡単な作業。だってのになんでこんなに美味しくなっちゃんでしょう。

「アハ、ヴェラちゃん天才かも」

 お酒と氷が良い物ってだけなのは重々承知。雲でも眺めて飲もうかと格子窓から外を覗くと、村中央の噴水の側のベンチに暗い服を着た男女が仲睦まじそうに座っていた。何でこんなところにいるのか、そんなことは置いておいて。

「ちょうどいいじゃない」

 人間観察は結構好きだ。人の気がなくなってしまったこの村で貴重な、動くもの。カウンターから出て、2人がよく見えるように椅子の位置を決めてそこにテーブルを引きずって合わせる。
 椅子に腰掛け、二口三口とグラスを傾けていたけど思ったより減りが早かったからカウンターまで材料を取りに戻る。二本のガラス瓶の首を掴み、ルンルンと席に付く。
 椅子にもたれかかり、あの2人にはどんなカクテルが似合うのかなんてことを考えながら、お酒を注ぎ足し注ぎ足し飲んでいた。

>>なし

6ヶ月前 No.304

きみどり @kimidori91 ★iPhone=2uyL0gFN6W

【レイノルド・シルバ/クロブの村近郊】
ナラクアント×1

目の前の少女、アーニャは動きは緩慢ではあるが、こちらにしっかりと視線を合わせた。
見た所、負傷は右肩と、若干の意識の混濁と言ったところか。

『私は大丈夫です!…ただ、ちょっとだけ撤退のお手伝いをしていただけるとすっごく助かります。』

「無論だ、君を連れてここを離脱する。」

敵の戦闘力がわからない現状で立ち向かうという手はない。

『これを使ってください。あんなに目があるので効果は抜群だと思います。』

「閃光弾、か。ふむ。」

これで動きを止められれば良いが、あの規格外のバケモノに常識が通用するか疑問なところだ。

一つ、試してみるか。

「今から閃光弾を投げるのと同時に無人機を一機飛ばし、閃光弾の炸裂した瞬間に無人機を自爆させる。それと同時に逃げるぞ。走れるか?走れないなら担いで行くが。」

>>アーニャ、周辺ALL


【こちらこそ遅くなりまして、すみません。さぁ、とっとと逃げましょう】

6ヶ月前 No.305

サナト @defe ★Android=VzWOfoAK0l

【ネフェス・フロス/クロブ近郊】

『今から閃光弾を投げるのと同時に無人機を一機飛ばし、閃光弾の炸裂した瞬間に無人機を自爆させる。それと同時に逃げるぞ。走れるか?走れないなら担いで行くが。』

タイミング良くそんな声に遭遇した。
このまま脱出なら、俺も閃光弾投げ込んでとんずらするのがベストだろう。
見てからの始動になるが、ここはまぁアドリブで乗り切る。

「声は……かける必要ねぇな」

しかし、無人機の自爆ってのはちょっとヤバイ気がしなくもない。
巻き込まれねぇ事を祈ろう。
閃光弾を右手に持ちグッと構える。遠投が上手くいくかは分からんが、とりあえずあいつの付近にいけばオッケー。
ノーコン気味な俺の技術はこの際気にしないでおこう。

ピンに手をかける。

》蟻の人様、きみどり様

【すみません。長く空けてしまいました。とりあえず影からご助力という形でおさらばしちゃいましょう!】

6ヶ月前 No.306

隊長機モルガン @type14 ★BUzhF4mm8n_yFt

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6ヶ月前 No.307

春宮 @12122404 ★Tablet=4fg2rbSSgp

【テアトロン/クロブ村のどこか】

「あれは危ないね。本当に、いつかあの蟻は倒さなきゃ……そうじゃないと、戦力バランスが崩壊する……人類と魔物のバランスは壊れちゃ、面白くないよね……」

クロブ村の内部へと撤退を成功させたテアは、適当な場所で横になっていた。身体中を包み込む倦怠感が締め付けるようにテアの身体の自由を奪っている。

「でも、召喚組の実力は中々だ。アレがアレ以上強くなっても上手くやってくれるさ。ホント、世の中は面白い━━っ!?」

突如、テアトロンの視界が真っ黒になる。目が閉じられた訳でも目隠しをされた訳でもない、テアの視力が、0になったのだ。

「え、ちょ、マジで冗談じゃないって、ねぇ、ねえってば、ヤバイって、視えて、視えてよッ━━━━あ」

視界が復活する。胸に手を当てると、動悸が激しい。

「ボクとしたことが取り乱し過ぎ━━まあ、無理もない、か。こんなの初めてだよね。蓄積毒が目にまで影響を及ぼすなんて」

自嘲気味に笑い飛ばすが、身体の震えは止まらない。だるい身体を起こして、壁に寄りかかる。知らず、テアは腕を抱いていた。

「━━━━怖い」

彼女の常である笑顔は見る影も無く、今彼女の顔に張り付いているのは恐怖だった。殺されるのは怖くない、それは仕方がない。だが、こんなので、自分の預かり知らぬ所で死が近づくのが、我慢ならなくて、どうにも出来ない。

「嫌、嫌だ。助けて、助けてよ。まだ死にたくない……」

震えながら洩らした小さな悲鳴。もし聴いている者がいたなら、最後の方は嗚咽混じりになっていた事だろう。

彼女は、どうしようもなく孤独だった。

≫all

6ヶ月前 No.308

きみどり @kimidori91 ★iPhone=2uyL0gFN6W

【???/死都ルザリス 大聖堂跡地】

隕石の衝撃により崩れた大聖堂のとある場所、かつて司祭がその弁舌をふるったのであろう場所に、その少女は存在した。

生きているとも死んでいるともつかない少女は、ゆるりとした動きで体を起こすと、目を開ける。

開かれた紫の双眸には、深い悲嘆と諦念、僅かな苛立ちが渦巻いていた。

「そう、“今回は”ここまでなのね。」

すでに何度も繰り返してきた事だった。

一度目は始まりさえしなかった。
二度目はあまりにも弱過ぎた。
三度目は魔素に溺れ正気に戻った時には何もかもが終わっていた。
四度目は、五度目は、六度目はーーー

惜しい時は何度かあった、しかし最後には必ず停滞が訪れる。

戦力の拮抗、勢力内での不和、一つとして同じもののない原因により、世界は停滞する。

これが偶然なのか、大いなる悪意なのか、存在すら不明瞭な神とやらの意思なのか、それは分からない。

「もし神様の所為ならば、なんてイジワルな神様なのかしら。」

ふと視線を上げると、そこに人影があった、

『母上』

自分をそう呼んだ人影は、少なくとも人ではなかった、人外であるのは間違いないのだが、動物と呼べるのかも定かではない。

その人影はシルエットこそ人であったが、全体は緑色に薄ぼんやりと発光し、人間の目に当たる部分からも同様の光が漏れている。

「また、お願いできるかしら?」

『母上の御心のままに。』

すると二つの影は近づき、重なり、やがて強烈な光を発し始めた。

ーー誰も気がつかないままに。

6ヶ月前 No.309

きみどり @kimidori91 ★iPhone=2uyL0gFN6W

その日、ワーランドという国は消失した。
国そのものがごっそりと抉り取られたように消失したのだ。

隣国の者の中には、ワーランド王国の方向で光を見た、と語る者がいたようだが、真相は定かではない。

なにせ、調べる為の情報が根こそぎ消失したのだから。

ーーワーランド戦記 BADENDーー


【こんな形で終わらせてしまい申し訳ありません。だいぶ停滞してしまった為、世界をループさせます。つきましては、新しくワーランドの名を冠したスレを立てようと思いますので、よろしければそちらに顔を出していただければと思います。】

6ヶ月前 No.310
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