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月下のアスール【T】-『The God Delusion』

 ( オリジナルなりきり )
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語り部 @yuzuriha16 ★6kAHKhaN27_EP8

にぎわう夜の酒場で、あるいは街灯に照らされた石畳の上で、

はたまた夜風にさらされた荒野で、それとも木の爆ぜる音が響く焚き火の周りで、

まことしやかに囁かれるある一つの国家が存在した。

かの国家の名はアスール。

魔導具と呼ばれる未知の技術を用い、急速に発展する新興国家。

世界から疎まれた狭間の者達が築きあげたその国は、5人の建国者により均衡が保たれていた。



アミル・カーランドが統轄する娯楽区画ウォーティア

ディノアギスバルガエンズルドが統轄する流通区画エイルス

ヒルカ・ルドナルが統轄する工業区画アーティー

出雲 鶴羽が統轄する自然区画ガイアル

そして、アスール国家隊の総本山である中心区画ルナ。

水と遊戯を求める者はウォーティアに

空と発見を求める者はエイルスに

魔導具と情報を求める者はアーティーに

大地と交流を求める者はガイアルに



今日も様々な目的を持つ者達がこの国を訪れる。

純粋に他種族との調和を志す者、己が国を富ませんと仮面を被る密偵、

帰路に迷い流れ着いた者、はたまた想像もしえない願いを抱いた愚者。

そんな各々思惑でさえ、まるで取るに足らぬものと言いたげに、

かの国家は飲み込み、最初からそこに存在していたかのように彼らは国へ同化していく。

その渦中にあなたが飛び込んだ―――それがこの物語の幕開け。



【サブ記事にてルール説明、キャラ募集を行います。本編開始の合図はサブ記事にて行い、
本編は本スレ運営主の最初の書き込みを持ってスタートとさせていただきますので、ご了承願います】

2年前 No.0
メモ2019/01/15 00:42 : 語り部(スレ主) @yuzuriha16★cKuyENUdPP_lXe
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語り部(スレ主) @yuzuriha16 ★DUZ7mWgN6A_DMW

【セキア&シスメ&レイニア/ルナ区画/第七候補隊用寮アレスタ/食堂】

セキアが二人の身体の安否について訪ねると、すぐに二者二様の答えが帰ってきた。

『…あー…ま…まぁそうだな…怪我の方は大したことはなかったようだ』

「あ、はい、私も…っ すぐに治癒魔術で傷を治してもらったので平気です…けほっ」

苦味の抜けきらない表情のエルト。
彼の医務室からの逃走劇の一部始終を知らないセキアは、
エルトの反応にぽかんと疑問符を浮かべるも、二人の無事に気持ちが流れる。

「そっか、良かった。いや、なんか言ってもしょうがないんだけど
あたしがもう少し早くみんなに合流できてたら
もっと違う結果になってたかもしれないのかなー…なんて」

ほっと安堵の息をついたものの
少しは呵責を感じているのだろうか、セキアは小さく苦笑いを浮かべる。
いくつもの偶然が重なったとはいえ、あの遺跡で隊が分断される原因を作ったのは
他ならぬ自分なのだから…などと珍しくその足りない頭で考えたらしい。
落ち着きなくキャスケット帽のふちに手をやりながらちらちら二人の顔を見比べる。

「なんていうかハプニング? 事件? の遭遇率高いよね、あたし達。
まだ候補官なのに任務の内容が
すごくハードというか…まるで、何かが引き寄せてるみたいに…」

エルトの発言にセキアもまた背筋が寒くなるのを感じていた。
二度あることは三度あるというが、こうも嫌な予感ばかり当たってしまうと
次の任務も恐らく、なんてのっけから邪推してかかってしまう。
特にことレダール鉱石関連というか、獣化騒動に度々縁があるなんてちょっと笑えない。
そういった危険も承知で飛び込んだものの、生身の人間であるセキアからしたら
そうそう何度も命を天秤にかける場面には遭遇したくないものだ。
亜人と純粋なとっくみあいをしたら、負けるのは人間であるセキアの方なのだから。
と、ここで見知った顔から声がかかった。

「っ…大丈夫です…っ…もう落ち着きまじたがら」

今だダメージの残る気管をかばいながらも何とかレイに返すシスメ。
何をそんなに隠したいのだろうかと、さすがのセキアも苦笑いを隠せなかった。

「あ、レイもモーニン! レイも今から? だったら一緒に食べ―――」

先ほどの似合わないネガティブを払拭せんとばかりに
席から腰を浮かし、オーバーなリアクションで手を振りかけたセキアだったが、
こちらに近寄る傍ら小さく口にしたレイの声に動きを止めた。

『折り入ってご相談があるので、また時間のある時に、お話ししていただけますか?』

「(あたしでよければいつでも。じゃあ、この任務の後、レイの庭園でどう?)」

感情がすぐ顔に出る性格であることは認めたくないが、
第三者曰くそうらしいので、ばれないよう手短に言葉を返しておく。
同じ卓についているエルトとシスメの気をそらすためにも、話題の転換を図る。

「ところで、シスメおねーさんさっき何見てたの?」

「さっき? え、あ、これです」

てんぱってはいたが、何とか新聞だけは死守したらしい。
ココアとベーコンエッグの皿をよけながら朝刊を皆に見えるよう机の上に広げる。
そこにはでかでかと『またもフェリクス 内部の犯行か?』の見出しが躍っていた。

「フェリクス?」

「……香水の名を騙った劇薬です。中から大量のレダール反応が検知されたとか…
アスールと古くからやり取りのある信頼筋の空輸便の荷物の中にいつの間にか紛れていたそうです。
幸い、市場に出回る前にエイルスの検問で止まったから良かったものの、
こんなものが誰かの手に渡っていたかと思うと…」

知らず、シスメは下唇を強く噛みしめていた。
何よりも許せないのは、これが無差別的に行われていることだ。
老若男女、種族関係なく自我を狂わせ、人を獣へ堕とす。
レダールによる強制的な獣化は、自分はもちろん周囲に消えない傷を残す。
自分にその気がなくても加害者を作り出してしまう。
そんなものがここアスールで流入していることに強い憤りを覚えた。
そのまま深い思案の底に沈もうとしていたシスメはしかし、唐突に思考を中断させられる。

「フェリクス(幸運)を冠するなんてすごい皮肉ですよねぇ」

いきなり肩に置かれた手にぎょっと後ろを振り返るシスメ。
先に声をあげたのはセキアだった。

「レイニー教官!?」

「あはは。おはようございます皆さん。
なかなかタイムリーな話題だったので、ちょっと口を挟ませてもらいました。
ちょうど良い機会なので、朝食ついでにここでミーティングをしましょうか」

悪戯っぽい表情で、マリンブルーの瞳を片方伏せたレイニアがそこにいた。
杖先でコンコンとリズムを取りつつ、
唖然としているであろう第七候補隊の面々の反応をしばし楽しむ。

「次の新しい任務について」

そして、そのまま流れるように前置きなく話の主導権を奪った。

>エルト、レイ、ALL

6ヶ月前 No.463

ますたぁ @ritonetto ★iPhone=gWqlrtM9V5

【白月 レイ:ルナ区画/第七候補隊寮アレスタ/食堂】

シスメさんはなんとか大丈夫そうに返事を返してくれて、ほっと胸をなでおろす。あの機械人形さんのことは気になるけど今は、それは気にしていられない。

そして私のお願いを素直に聞き入れ了承し、この任務の後に庭園でと約束してくれたセキアさんに、私はそれに静かに頷く。

そして周りの注意をそらせるためにセキアさんは、シスメさんが読んでいる新聞について尋ねた。

「レダール……そういえば、あの遺跡にいた人たちが何やらそれを使って……古代神フォルラーンを復活させるのが目的だって言ってました。この事件と何か関係があるのでしょうか。」

とシスメさんの新聞を見ながら、遺跡でのことを思い出した。種族を一切問わず人を獣へと変貌させることができる劇薬。魔導具と人とが合わさった魔武器である私はどうなるんだろう。

と、不安を覚えていると、そこへ知っている顔がやってきたので、考えるのをやめ、その2人を見上げる。


「えっと、ちょうどいいということは、今回の任務はこの事件に関係することということでしょうか。」

私はこの任務に同行してもいいのだろうか。ただでさえこの前の一件に関与しているのではという疑いを持たれてしまっている状態で今回の任務はアウェイな状況と言えるような気がしている。

>>寮食堂All

6ヶ月前 No.464

エルト @absoryut ★lbN0U8PuMJ_a2e

【ルナ区画/第七候補隊用寮アレスタ/食堂】

「…あ…ああ、レイか…おはよう…朝から騒がしくてすまないね」
ドタバタと喜劇めいた状況に飲まれていたが…ふと、声をかけられたことに気が付き、そちらを見やればレイが食堂に入ってきたようだ。
…騒動に関しては自身が原因の一端である自覚は有るため、騒がしくなった事に謝罪しつつもそう挨拶を返す。

(…む?…何かあるのか…?)
どうにか騒動にひと段落がついてきた所で、何やらレイがセキアに小声で話しかけていたのに目敏く気が付き、少々の疑問を持ったが…
(…余計な詮索をするのも悪いか)
…内容の方はほとんど聞き取れず…主観ではあるがレイとセキアは組む機会が多かった分それなりの信頼関係があるのだろう。
そんな二人が内密に相談していると言うのならば、それを無遠慮に暴くと言うのは無遠慮が過ぎるという物だろう。
そう考え、先ほど見た光景はひとまず頭の片隅に追いやってしまう事にした。

>レイ

「…それは結果論に過ぎないよ」
『もっと早く合流出来たら』、とぼやくセキアにたしなめるようにそう言う。
「経過はどうであれ、皆無事に戻れたのを良しとしないと…高望みのしすぎは足元をすくわれかねない」
諭すような口調ではあるが…言葉面は少々厳しく、咎めてると言えなくもない内容で…どうにも誤解を与えかねない内容になってしまっているようだ…本人には悪気はないのだが…

「…まさかな…流石に偶然だろう」
セキアが背筋を寒くするのと同様…こちらもついつい騒動が続くことを想像してしまい、内心で軽く身震いしてしまう。
(そうだ…偶然に過ぎない…筈…だが…)
生憎と、自身が参加した事件に関しては、候補者試験と先の遺跡調査の2件だけだが…聞いた話ではそれとは別に、セキア達はそれ以前にも何かしらのハプニングに巻き込まれていたらしく…それを踏まえると確かに短期間にしては出来過ぎている。
(人為的なもの…と言うのは…流石に発想が飛躍しすぎているか…駄目だな、推測するにも材料がなさすぎる)
突飛な答えを出しそうになり内心で自嘲しつつも、深みに嵌りそうになっていた思考を引き戻せば…いつの間にやら話題の方は移り変わっており、出遅れた分を把握しようと聞き手に回る事にした。

「…それがさっき言ってた事件か」
セキアが『フェリクス』と言う単語に疑問を持ったところで、すかさずシスメから解説が入った。
それを便乗して聞いたところで、シスメが下唇を噛みしめているのに気が付く。
「劇薬なんだからロクな物ではないんだろうが…のさばらせるわけにはいかないな」
『フェリクス』がどれほどの効能を発揮するのかはわからないが…これほど問題になると言う事は相応の効果があるのであろう。
そう判断して言葉を発していた所で…突如するりとレイニアが話題に加わってきた。

「教官…いつの間に?」
セキアに次いでそんな声をあげるもののレイニアの勢いは止まらず…『ちょうどいい』と言う言葉から今回の任務についてレイが問いかけていようで…
(…そうだとすれば…どうやら今回も荒事になりそうだな)
レイニアの返答が来る僅かな間にそう考えてひっそりと内心でため息を漏らすのであった。

>セキア シスメ レイニア 食堂ALL

5ヶ月前 No.465

語り部(スレ主) @yuzuriha16 ★hxURCRs9R6_DMW

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5ヶ月前 No.466

希石の皇子 @adrasteia ★qa9glxeVZq_GKj

【ルナ区画 / 第七候補隊用寮アレスタ / 食堂前廊下 / アシュレイ・ツィー】


「えーっと、確か……こっちかな―――わっ」

 角を曲がり、目的地を眼前にした刹那。訪れたるは廊窓より吹き渡る、一陣のせせらぎ。
 などと称するには、些か以上に強烈すぎる突風であった。
 絶対安全圏であるアスールの寮の屋内にあって、ある種キリングレシピ地味た攻撃を受け、ハトが豆鉄砲を喰らったかのような素っ頓狂な声を発してしまったものの見事、案内書は死守した。褒めてくれ。
 しかしながら被害はそれだけに留まらず。厄介なことだが、今の天の息吹には気紛れな風精がいたらしい。
 これを運命の悪戯と呼ぶには余りにも陳腐だろうが……まあともかくそんなものを連想させるように、彼の足元にはどこからか攫われてきた灰色の帽子が転がっていた。

 顔を上げると、その更に数メートル先にはピンと張った狼耳を頭頂部に備える紅顔の少女が一人。
 ―――……成る程。帽子(かれ)は僕のように遠路遥々、旅をしてきた訳ではないようだ。
 いや確かに、あのようにして彼女がそういう明らかな面持ちをしている以上、この帽子はやはり彼女の持ち物なのだろう。
 彼はそれを自前の人助け精神から拾い上げると穏やかな表情で一瞥し、その持ち主であると目される亜人の少女―――ノイのもとへと歩み寄った。

 僅かな無言(しじま)。東雲の陽光を纏う、麗らかな朝風だけが二人の頬を撫でる。
 露になった少女の双眸を見据え、少し驚いた様子の後に開口した。
 無邪気な子供が一度飲み干した感動を反芻するように、青年は心のまま感じた事を述べる。

「―――綺麗な色をしているね」

 そこに他意などあろうものか―――彼の言葉は聴く者にそう思わせるほど愚直に、純真に、そして素直であった。
 その眼差しはまるで大地へとその光を等量に降り注がせる、あの太陽のようだと。
 また或いは、雪解けを待つ一輪の節分草のように清澄だと……語るその口に、裏表嘘偽一切なく。
 淡々とした、然れど曇りのない声色は、より真摯な心情を当然のように吐露していく。
 そして優しく微笑みかけ、片膝をつき、どこか伏し目がちな彼女に配慮して目線の高さを合わせると、その白髪碧眼の青年―――アシュレイ・ツィーは、手に取ったキャスケット帽を差し出した。

「僕はアッシュ、アシュレイ・ツィー。
 君の名前を教えてくれるかな、素敵な瞳のレディー」


>>ノイ、ALL

【開幕早々、爆撃を開始するアッシュくん。ノイちゃんのコンプレックスを褒めちぎるの巻。
 しっかりしているとはいえ、まだ幼いノイちゃんには“聖王国騎士流・女性に対する礼儀作法”はちょっと早かったかもしれないですが……ま、何事も諦めが肝心だもんな(デジャヴ)

 では皆様、お手柔らかにお願いします〜!
 時間がなくて冒頭文を省いた、なんて事は口が裂けたので言っておくぜ……】

5ヶ月前 No.467

語り部(スレ主) @yuzuriha16 ★UqoZKivfnl_DMW

【ノイ/ルナ区画/第七候補隊用寮アレスタ/食堂前廊下】

帽子は意外な人物に拾われた。
志願書で見たものと同じ、グラデーションのかかった黒髪、碧眼。
意図せずして意中の人物に出会えたことに驚いていると、向こうも小さな驚きをもってノイを出迎えた。

「……?」

綺麗な色。その言葉の指し示す対象に自身の瞳が入っているなどノイは思いもつかない。
彼の言葉が一体何を指してのものなのか少し理解が遅れた。
順当に考えて、この朝日のことを言っているのだろうか。
ちらと曇りのない澄んだ陽光を横目に見る。
確かに今日はとても良い日和だ。洗濯物もよく乾くことだろう。
つまりこれは世間話では常套句の「今日はいい天気ですね」的なニュアンスなのだろうか。
しかし、彼の視線は先ほどからずっとこちらを向いている。
返す言葉に困っていると彼はすぐに二の句を告げた。
そこでようやく理解する。彼が綺麗だと評したのは、
他ならぬ自身の、忌み子の象徴である、この瞳であることに。

「そんなこと、ない。綺麗な色、そっち。でも、感謝。
帽子も、ありがと。これ、とても、大事」

切った貼ったの単語形成文で、ぽつりぽつりと言葉を紡ぐ。
この目に対する負い目からでも謙遜でもなんでもなく、単にノイは青色が好きだった。
膝を突いて同じ目線となったアッシュの目を興味深げに覗きこむ。
見事な碧眼だ。レイニーのような深みのある青ではなく、透き通った青。
レイニーが海なら、アッシュのその色は空を連想させた。
それからどれだけの時間注視していただろうか、自己紹介の声にハッと我に返ったノイは
彼の手からキャスケット帽を受け取り、目深に被りなおす。

「名前、ノイ。本名、長い。だから、ノイで、いい」

彼に倣ってこちらも短い自己紹介を終えると、
時折詰まりながらも小さい声で何度か彼の名前を復唱する。
やがて何事か考える仕草をした後、唐突な提案を口にした。

「アシュって、呼ぶ。良い?」

促音を挟んだ名前が言いづらいのか、それとも愛称の意味を込めてか、
はたまた瞳を褒められたことに気を良くしてか、ノイはアッシュに訪ねる。
と、ここで本来の目的を思い出したノイは彼の袖を控えめに引っ張った。

「こっち。来る、要求。あとの、流れ、レイニー……教官、説明、する」

そう言うが早いか、食堂の扉に手をかけたノイは、そのまま彼と連れ立って廊下をあとにした。


【セキア&シスメ&レイニア&エフィニア&ノイ/ルナ区画/第七候補隊用寮アレスタ/食堂】

食堂を見渡すと、既に自分達以外の第七候補隊は全員集合しているようだった。
彼の袖を引いて、ひときわ人の多いテーブルへと足を進める。

「レイニー、連れて、きた。遅くなった、謝罪」

ノイの足音に気付いてか、後ろを振り返りかけたレイニーに言葉を投げかける。
待っていましたとばかりに頭頂の耳を小さく動かしたレイニアは微笑をもってノイの声に答える。

「お、噂をすれば、ですねぇ。はいはーい、みなさーん。ごちゅうもーく」

待ち人の登場に騒がしさを増す食堂。視線は自然とアシュレイへ集中する。
パンパンと手で拍を打ち、視線を自分に集めたレイニアは
素早く立ち上がると、アシュレイの横に立って彼を手で指し示す。

「今日から第七候補隊のメンバーに新しく加わることになりました〜
アシュレイ・ツィーさんでーす。はい、拍手〜」

【ようこそ、アスールへ! 廊下から食堂へ移動させていただきました。
こちらこそ至らぬ部分も多いかと思いますが、よろしくお願い致します】>アシュレイ、ALL

※警告に同意して書きこまれました (個人情報)
5ヶ月前 No.468

エルト @absoryut ★lbN0U8PuMJ_EjY

【ルナ区画/第七候補隊用寮アレスタ/食堂】

「!!…いや、そう…だな…その通りだ」
セキアの『まるで先回りされている』と言う発言を聞き思わず動揺しかけるが…どうにか持ち直し、キリがない言うセキアの言葉を肯定する。
(まさか…セキアもそう考えていたとは…いずれにせよ根拠のない推論にしかならないが…)
…能天k…もとい、楽天家なセキアでさえも作為的な物を感じ取っている様子だ…となれば…ほかの関係者にも一度意見を聞く価値はあるかもしれない。
それで事態が動く…というわけではないが情報を共有すればちょっとしたきっかけ程度にはなるかもしれない。
(…まぁ…期待は出来ないが…それよりも…だ)

現れるなり会話の主導権を持って行ったレイニアが、レイからの質問を肯定しつつもそれとは別の話がある、と軽めに制止した所で…
(…エフィメア?)
食堂の賑やかさに紛れていつの間にか駆け寄っていたエフィメアに気が付いたが…こちらが何かしらの言葉を発する間もなく、彼女はそのままレイニアの声に割り込み新たな入隊者の存在と、ノイがそれを迎えに行っている、と発言した。
「…了解しました…ならもう少し待つことにしましょう」
今説明し、新人の方にもまた説明するのであれば二度手間になってしまう。
急ぎであれば移動中などの時間に掻い摘んで説明するのも有りではあるが…そうでないならば一緒に説明をするのが効率的だろう。
そう考え、先の言葉を返したのだが…直前に2、3言葉を交わしただけでレイニアから離れたエフィメアがどうにも悲しげな表情をしているのがどうにも気にかかった。
当人は既に元の表情に戻り、厨房での仕事に戻っているようであったが…
(何か…あったんだろうな…だが…)
そうは思えど…おそらくは当人たちしか立ち入れないようなデリケートな問題なのだろうと言うのは容易に察する事が出来た。
出来てしまったがために直接訪ねる事などできるはずがない…大いに気にはかかるのだが…
(…赤の他人…と言う程ではないんだが…流石に出しゃばりすぎるか)
そう考え、今は忘れ…る事は出来そうにないが…一度棚上げにすることにして件の新人が来るのを待つことにする。

…そうして数分後、ノイに連れられて一人の青年…『アシュレイ・ツィー』がやってきた。
そのまま流れるようにレイニアが軽く彼の名を紹介すると共に拍手を要求してきたため、こちらも拍手で迎えてやるとする。
(身のこなしからして剣士…だろうか?)

>セキア レイニア エフィメア アシュレイ

【新人だー!!囲めー!!(コラ…と、まぁ何はともあれこれからどうぞよろしくお願いします】

5ヶ月前 No.469

ますたぁ @ritonetto ★iPhone=gWqlrtM9V5

【白月レイ:第七候補隊用寮アレスタ:食堂】

あの事件と関係がある案件、その調査と言ったところでしょうか。その事を聞いたレイの目が少し曇ったことは誰も気づかないだろうか。
今回の任務、果たして自分が出るべきなのか、少し悩むレイ。

敵の目的がはっきりわからないが、レダール、フォルラーン、何か、それに関連した話をお母様から聞いたことがあるような気がする。しかし、はっきりと思い出せない。嫌な予感が止まらない。
だからといって予感だけで任務を拒否することはできない。責務は果たさなければ行けないし、今の私の状況で拒否すればそれこそ、あの方に怪しまれてしまう。

「新しい方がいらっしゃるんですね!楽しみです!あ、でもどうしましょう。私何も準備してません、何かえっとー…クッキーは昨日切らしちゃいましたし...」

新しい新入隊員が来るということで、少し気分が上がり、何かお近づきの印としてあげられるものがないかと模索するも何もなくて本気で悩みはじめるレイ。

しかし何かを思いつく前に、新しい新入隊員であるアシュレイ・ツィーさんがやってきてしまった。

「は、初めまして。私、白月レイと言います。......っ」

急なことでワタワタしながら自己紹介をするレイ。しかしそのあと妙に背筋に寒気感じ、無意識にアシュレイさんから距離をおいてしまった。
なんだろう、この人から感じる違和感は、恐怖とかではなく、何か...共鳴に近いもの、この人が持っているあの武器?もしかして魔武器なのでしょうか、でもそんな感じはしないし…
でも引き寄せられる何かがあるようなそんな感じがしてその謎の感覚に恐怖を覚えるレイなのであった。

>>レイニア セキア エルと アッシュ ノイ

(新人さんですねー!よろしくお願いします!!!
さっそく勝手ではございますが、シリウスと共鳴っぽいことしてみました。
魔武器として魔道兵器と共鳴した方が面白いという感覚になりました

5ヶ月前 No.470

希石の皇子 @adrasteia ★qa9glxeVZq_Vzx

【ルナ区画 / 第七候補隊用寮アレスタ / 食堂前廊下⇒食堂 / アシュレイ・ツィー】

 ――――ところで諸君は、ZONYという魔導具ブランドをご存知だろうか?
 アスールではあまり認知されていないようなので手短に説明すると、我々俗人には欠かせない娯楽アイテムを提供している電機メーカーの一つだ。
 元々はテレビやラジオ等の電子機器類を筆頭にした、生活に便利な魔導具の開発に注力していた中小企業だったのだが、昨年、同社により公開された『PF』なる商品が業界に革命の嵐を巻き起こした。
 なんでも仮想現実に自身のアバターを作成し、専用のソフトを購入することでアバターを駆使した様々なゲームをプレイできる『端末型魔導遊具』なのだとか……。
 結果、事業は見事に大成功。人類の可能性を世間に広く知らしめたこの新たな試みは、老若男女問わず様々な人種より根強い支持を獲得し、今や聖王国でも大変人気の高級ブランドへと急成長を果たした。
 取り分け、その技術と特性を存分に活かして制作される『RPG』と呼ばれるゲームジャンルには住み着くユーザーも多く、そしてそんなユーザーの中には、行き着いた村や街の住人に“とりあえず片っ端から話しかける”プレイヤーも、ごまんと居る事だろう。
 必然、そんなプレイスタイルを続けていると、思いがけない所にいる思いも寄らない人物が「実はメインシナリオ進行フラグでした」等という殺人的なトラップに引っかかる頻度も決して少ないとは言えず……ああ、つまり。何がいいたいかと言うと――――今がまさに、それだ。

「? あ、ああ……うん、僕の事は好きに呼んでくれて構わないよ。
 では、お言葉に甘えて―――隣を歩く光栄に最大の感謝を、リトルプリンセス・ノイ」

 …………参ったな、これは一本取られた。
 レイニー。少女が口にしたその名前には確かな覚えがあった。
 なぜならこの案内書を自分宛てに寄越し、ここに呼び立てたのは他でもない『レイニー教官』その人なのだから。
 であれば、このノイと名乗った半狼の少女は差し詰め、案内役と言ったところか。
 ――――成る程、確かに。アッシュを滞りなく隊へ引き入れるには、この無垢な少女を配置するのが最も適任だろう。
 仮に応対を担当したのが他の女性職員だった場合、下手をすればアッシュを打っていたかもしれないし、また或いは絆されていたかもしれない。
 よって、彼女は正しい選択をした訳だが……これが恣意的な配置であったのなら、レイニア・ベルダーという女性は大した慧眼の持ち主だ。
 なにせまだ顔も合わせてすらいないのだから、書面だけで彼という人物を見抜いたという事になる。たかだか一個小隊程度を預かる者の器としては、余りある資質と言えよう。
 ともすれば、こちらの素性や思惑も既に看破しているのかもしれないが――――無論、アシュレイ・ツィーという男にはそれを知るだけの術を持ち合わせていない。
 かといって、当の本人にそれとなく真偽を問うても、精々煙に撒かれるのが関の山だろう。

「全く、食えないお女性(ひと)だ……」

 やれやれと言った仕草で軽く肩を竦める。
 この隔たりの向こうには、自身がたった今「食えない女」と評した聡明な女性と、それに付き従う兵(つわもの)たちが集っているのだろう。
 第七候補隊―――先日もソエリスで活躍したという期待の星。朝刊の一面を飾るくらいには大達周りだったと聞くが……果たして、どのような無理難題が待ち受けているのか。
 国家隊と謳うくらいなのだから、想像するに騎士団の入隊式みたく粛々とした場で隊章授与を行い、その後は別命あるまで食堂で親睦を深め合うのだろうか? とにもかくにも、意を決して拓いた扉から蒼き国の旗下へと踏み入ったのだが―――。

 そんな決意はどこ吹く風。彼を出迎えたのは万来の――というには些か大げさだが――拍手喝采。
 まあ結論から述べると、歓迎された訳だが――――なんだこれは、罠か?
 いや疑いたくもなるだろうさ。僕の辿ってきたこれまでは、いつだって直角90度の坂道だったのだから。
 閑話休題。ノイに袖を引かれるまま歩く内に、やがてレイニーが横へ並び立つと、ここに来て漸く我に帰った。
 まるで聴かされていなかった展開に多少拍子抜けするも、しかしアッシュは気後れする事なく言葉を紡ぎ始める。

「本日付で配属となりました、アシュレイ・ツィーです。
 不肖、若輩者ゆえ至らぬ点も多くございますが、ご指導ご鞭撻の程、何卒よろしくお願いします」

 直立から低頭へ。腰を折り、深々と頭を下げてのお辞儀。
 古来より骨法に勝るものなし。社会的に長生きしたければ繁文縟礼も止むなしだと、スラム時代に良くしてくれた爺さんも言っていた。
 だから僕も常に正しく在りたいと思う―――コンコルディアの騎士として。

 ひと呼吸置いてから面を上げ、総員の反応を伺う。第一印象、良好。手応えはあった。
 刹那の静寂の後、まず最初に訪れたのは薄紫色の頭髪と翡翠の瞳を弁える、どこか優しい雰囲気を纏う少女の一声だった。
 まさしく“白百合”と称えるに相応しい花弁のような容貌を持つその少女は、落ち着きない調子で自己紹介を開始する。
 白月レイ―――この辺りでは耳慣れない特徴的な苗字形態からして、異国の民だろうか。シラツキ・レイ、レイ・シラツキ――――シラツキ?
 いや待て、どこかで聞き及んだ事のある名だ。しかしそれが何だったかまでは……駄目だ、明確に思い出せない。

 なんとも忸怩たる思いだが、このまま追思に耽るのも失礼なので一先ず微笑みを以てこれに会釈すると、見目麗しいその少女は一歩後退る。
 …………はて、なにか不愉快な想いをさせてしまったのだろうか? 僅か数秒とはいえ、見つめていた事に気を悪くしたのならば謝罪しよう。
 だが不可抗力だ。視線はともかく意識は明後日の方角を向いていたし、釈明の余地はそれなりに要求する。


 脳内で勝手に繰り広げられるコンコルディアジョークもそこそこに。斯くして、この白騎士の物語は幕を開ける。
 過去も未来も、希望も絶望も。あらゆる絆を薪と焼べ、願う真を胸に男は果てなく征くのだ。
 例えいつか、燃え尽きてしまう蝋翼であろうとも――――。

>ALL


【Q,聖王国の騎士って、皆こんなキザ野郎なんスか?
 A,(一部を除いて)そうだよ(タメ口)

 皆様、ご丁寧にどうもありがとうございます〜! (人間関係的な意味で)なんてホワイトな職場だ、アスール国家隊……。
 ちなみにアッシュくんの持つシリウスは、一口に魔導兵器とはいっても現時点では「単に出力の高い魔導具」程度の扱いなので、実はそれほど大した代物でもないかもしれないです……。
 まあ、レブランカの『天才の真似事をした、才能のない阿呆ども』が生み出した“意思持つ魔導具の模倣品”という側面もあったりなかったりしますし、シリウスが生み出された経緯に魔武器一族との間にも密接した、“人智を超えたナニカ”があったのかもしれませんね……!! むしろそういうの面白そう!(軽率)

 というか『白月』の読み方、これで合っていたのだろうか……。
 間違えていたら拙者、切腹します(豪語)】

4ヶ月前 No.471

語り部(スレ主) @yuzuriha16 ★3sbWh86ZJj_5qC

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4ヶ月前 No.472

ますたぁ @ritonetto ★iPhone=gWqlrtM9V5

【白月レイ:ルナ区画/第七候補隊用寮アレスタ】

今回の任務に参加するべきか悩んでいると、セキアさんに大丈夫?と声をかけてもらい、一瞬でも自分の世界に入っていた私を、現実の世界に連れ戻してもらった。

「あ、えっと...その...今回の任務いつにも増して嫌な予感がしたというか、あまり乗り気ではなくて...
ダメですね、こんなことで任務を投げ出しては...国家隊として全力を尽くさないと」

自分でもわかる薄っぺらい上辺だけでものを言った。国家隊として...か。私がここにいるのは国家隊のため?否、違う。私は


「セキアさん...ありがとうございます...詳しいことは今回の任務のあと、お話します。だけど今は...ごめんなさい」

今の私にはこんなことしか言えなかった。セキアさんがせっかく手を差し伸べてくれたのに、私はそれに応えられているのだろうか。きっと足りない。

「今回の任務に、アシュレイさんも同行するのですか?」

恐る恐る訪ねてみた。初めて会う人に対してこんな態度をとるのはいささか失礼ではあるが、彼から感じる悪寒は、無視出来ない。身体が、心が、血が...そう訴えてくる。

>>アシュレイ セキア エルト

4ヶ月前 No.473

エルト @absoryut ★lbN0U8PuMJ_gaI

【ルナ区画/第七候補隊用寮アレスタ/食堂】

穏やかな…と言うにはほんの少し騒がしいかもしれないが…それでも概ね歓迎なムードで挨拶を交わしていく隊員たち。
このまま何事も無く顔合わせの方も終了…とはいかなかったようで…
(レイ?…何かあったのか?)
緊張からか、少々詰まりはしたものの、挨拶を済ませたようではあったが…終わるなりやや早足にアシュレイから距離をおいてしまっていた。
(何かあったのか?…しかし…)
短い付き合いではあるが、理由もなくこんな態度をとるような少女ではない…はずだ。

…などと考えていると、同じくレイの様子に気が付いたセキアが話しかけるのが目に入った。
(…セキアに任せっぱなしと言うのは情けない話だが…任せるしかないか)
内心でため息をつきつつ、そう結論づける。
…彼女等の様子からデリケートな問題なのだろうと言うことぐらいは察せられ…これまで必要最低限の会話ぐらいしか交わした事が無い彼女に対し、踏み込むのは大いに躊躇われた。
(しかし…いつまでもこのまま、と言う訳にはいかないか)
今後の事を考えればすぐにでも話を聞くべきだろう…だが…
(…この場で問い質すのは問題だな)
経験不足とは言えどもそれぐらいの理解はある…決して尻込みしているわけではない、決して。
…などと言い訳じみた事を考 えながらも、流れを変えるべく自身もアシュレイへの挨拶と自己紹介を済ませるために行動を起こすことにした。

「…エルトだ。エルトライゼ…これからよろしく頼む」
…流れを変えるどころか微妙な空気をむしろ加速させかねないほどに無機質な文面ではあったが…握手を求めるように右手を差し出している事から歓迎の意思は辛うじて伝わるであろう。
「あー…なんだ…彼女も少し緊張してるみたいでな…悪く思わないでやってくれ」
次いで、近場にいるアシュレイに辛うじて聞き取れるであろう程度の声で密かにフォローを入れる。

>レイ アシュレイ ALL

ふと、こちらに向けられた視線に気が付き、そちらを見やれば…視線の主のエフィメアと目が合う。
(…な…なんだ?)
そのまま値踏みされるかのようにじーっと観察されてると心当たりはないはずなのに何か後ろめたい様な気分になってしまい…内心で少々困惑していた所で、当のエフィメアが何やらこちらに何処か控えめながらも芳醇な香りを漂わせる一枚の皿が置かれる。
(む!?…これは…イイモノだ…だがしかしなぜ!?)
それ…ふかふかのパンケーキは視覚だけでも実に甘美な味わいであると見受けられ…続くエフィメアの言葉からなぜ自分にそれが回ってきたのかと言う疑問にも回答がなされる。
(…なん…だと…?…あの数秒で…見透かされた!?)
…別に悪い事ではないのだろうが…知りえた一般常識の中では男性が喜んで甘味を食すのは一般的ではない、と言う程度の知識を持っている事から、なるべく隠しておきたい事柄であった。
(ま…まずい…何とか切り返しを…)
内心でそう焦ってはいたが…幸いにも周囲の喧騒からか誰も事態には気が付いていないようで…いってしまえば絶好の好機だ。
(…だ、大丈夫だ…バレてない…今ならいける…何よりせっかく出されたものを突っ返すなんて失礼だ、ナンセンスだ、冒涜だ!!)
…そう思ってしまったが故、あとから次々と行為を正当化する理由が湧き出て…断ると言う選択肢などあっという間に忘却の彼方へと吹っ飛んですぃまった。
「せ…せっかくだしな、うん。たまには…そう、たまーには甘いものを食べたくなるかもしれないからこれからもよろしく頼む」
…いつになく饒舌になりながらも密かに夜宵を一部分だけ召喚し、驚くほどの早業でその影に皿毎忍ばせて亜空間へと仕舞い込む…先のセリフを言い終えてからこの間、無駄に精錬された無駄に高度な動きはコンマ単位と言う実に非常識な速度で証拠を隠滅を可能としたようだ…
(さて、これで後は空き時間にこっそりと堪能できるな…うむ)
そうしてまんまと完全犯罪…もとい、目論見を達成したのであった。

>エフィメア ALL

4ヶ月前 No.474

ますたぁ @ritonetto ★iPhone=gWqlrtM9V5

【ガイアル区画/ソエリス遺跡/???】

「あーあ、アイツら好き勝手にしてくれちゃってー。アタシが特別な許可を出したおかげで、実験やらなんやらできるようになったっていうのに。
魔武器の嬢ちゃんまでこの遺跡に連れてくるなんて、やることが露骨というか直球すぎるにもほどがあるねぇ」

遺跡の中を慣れた様子で進んでいく。あの戦闘などで破壊された遺跡を魔法で修復させていく。床についた大量の血も、水で洗い流す。でもこれは、データとして貰っておこうかな。
洗い流した血を、試験管に入れニヤリと笑う。

「やはりあの連中に、あの子を預けておくのは、愚かだった……返してもらわないと」

遺跡の外に出ると、遺跡を結界で囲み、その姿が誰にも見えないように消してしまった。
そしてどこから飛んできた杖に腰をかけ空へと飛び去った。

>> All

4ヶ月前 No.475

語り部(スレ主) @yuzuriha16 ★NbTgTHOZiK_5qC

【エフィニア/ルナ区画/第七候補隊用寮アレスタ/食堂】

突然差し出されたホットケーキに彼はその薄緑の瞳に驚愕をいっぱいに広げた。
あたふたしている。まだまだ感情への理解は深まっていないと
自負するエフィニアであっても彼の感情の移り変わりが目に見えて分かる。
驚愕から狼狽、葛藤、そして妥協へとコロコロと変わる彼の内情に
気付かれないよう笑いをこらえていると、彼は控えめな言葉と共にそれを受け取った。

「はイ。たまーには良いかもしれませんネ! たまーにハ、ふふフ…
お菓子作りハ、趣味の一環ですのデ、
またたまーに作るかもしれませン。その時は味見をお願いしますネ!」

彼の言葉を真似するかのように、なんどもたまーにという言葉を繰り返しながら
エフイニアは料理を受け取ってもらえて満足げだった。
贅沢を言うなら本当は胃袋を握りたかったのだが、結果として弱みを強く握る結果となってしまった。
閑話休題。さてどう切り出そうかと言語データから
適切な言葉を検索していると、突然、エフィニアの目の前でホットケーキが消失した。
僅かな魔力の揺らぎから一瞬だけエフィニアの目が魔力糸の反応を検知する。

(魔導具? いエ、これはこの国の魔導具とは別系統…むしろ構造的に別物といいますカ…)

トランプを消して見せるマジシャンもかくやという早業にぱちくりと目を瞬かせる。
エルトについてまだよく知らないエフィニアは
あのクロークは異次元にでも通じているのだろうかと、好奇に目を輝かせた。
そこまでしてハッと気付く。彼の狼狽はこんな自分の態度にも問題があったのではないかと。
初対面の人に対してグイグイいきすぎたのではないかと。やはりまだ感情データの収集が不完全だ。
我に返ったエフィニアは慌てて言葉を継ぎ足していく。

「すみませン。系統は違えド、エフィと同じようニ
誰かに作られた者が第七候補隊にいると聞いテ、少しテンションがオーバーフロー気味になってしまいましタ」

エフィニアとレイニアが旧知の仲であることは、彼も先ほどのやりとりから既に察しがついていることだろう。
彼女がこれまで学び取った性格の基盤となる部分には、
無論レイニアとのやりとりがフィードバックされたものも多く含まれている。
その結果、彼女の良くない部分も見事に吸収してしまったらしい。
からかうつもりはなかったのだが、エフィニアは先ほどの非礼を詫びるかのように申し訳なさげに微笑む。

「改めましテ、ここの寮長兼、食堂を任されておりまス、エフィニアと申しまス。
炊事、洗濯、裁縫、簡易なバイタルチェックかラ、チャカの扱いまデ、ご用命の際ハ何でも言ってくださイ。
これから長い付き合いになると思いますのデ、今後ともよろしくお願いしますネ!」

深々と腰を折るエフィニア。
家事できますよアピールに加えて、何やらそれらと並べて扱うには
不穏なものまで混ざった気がしないでもないが、
遠回り過ぎる遠回りを経て、エフィニアは本来の目的を終えたのだった。

>エルト、ALL



【セキア/ルナ区画/第七候補隊用寮アレスタ/食堂】

いつもに比べて覇気がない…というより、
考え事に気をとられすぎてどこか上の空なレイの呟きを見送った後、
しばしセキアは顎に手を当てたまま考えるそぶりを見せた。
たぶんセキアの声は言葉として聞こえてはいるものの、
そこに込められたものが彼女に伝わっていないのだろう。

「んー…」

言葉が薄い、というよりも強い言葉で感情を無理やり上書きしていくような、
まるで自分自身に自分自身で暗示をかけるかのような物言い。
何故だかはわからないが彼女が“国家隊”という言葉を使うときに限って言葉と感情のズレを感じるのだ。
思考の迷宮に迷い込みそうになりかけた頭を振る。
そうして、セキアはようやく普段の自分に戻れた気がした。
レイにああは言ったものの、セキアも今朝見たあの夢に引きずられていたのかもしれない。
この件に関しては後で話すと声を潜めるレイに
幾分か落ち着いた口調へ戻ったセキアは、なおも言葉を投げかけた。

「夜眠れないときはさ、散歩でもして気分をリフレッシュさせたほうが良いんだって。
無理に寝ようとすると逆に良くないって」

いきなりなんの話か。唐突に始まった雑学披露に恐らく彼女は首を傾げることだろう。
セキアは続ける。

「つまりそれと同じだよ。つらいときはつらいって打ち明けてくれたほうが嬉しいかな。
そのほうがほら、なんていうか……うん、仲間だーってかんじするでしょ?」

つまりは無理に平静を装わなくても良いと言いたいらしく、
そう一息に言い切ったセキアは、白い歯をにっと見せるあまり上品ではない笑顔を向ける。
長年一人旅を続けてきたおかげか、照れなく仲間という言葉は案外すんなりと口を出てくれた。

「つらいときはあたしが――って言っても普段レイに助けてもらってばかりの
あたしが言うのもあれなんだけど……一度乗りかかった船だし、二人で乗り越えていこう」

「最近レイとの連携もどんどん上手くなっていってる感じがするし!」と
最近、第七候補隊に脳みそ糖蜜漬けな候補官がいるらしいと揶揄され始めてきたセキアらしい
能天気さに溢れたセリフを恥ずかしげもなく言い切った彼女は、
肩を付き合わせるようにレイに身を寄せると、にひにひと微笑んだ。
実は連携が上がったわけの一つとして、最近隠れて軽く素振りを始めた
という話しがあるのだが、それはまた別のお話。
ふと、話題を切り上げようとアシュレイに話を振ったレイにセキアも追従する形で話しに加わる。

「あ、そういえば、自己紹介がまだだったよね。
あたしはセキア。セキア・ルーブ! ふむふむ…あたしの観察眼によると…
おにーさんって騎士っぽいよね。ひょっとしてどこか騎士団に所属してる人!?
なんかマントとかすごい似合いそう!」

自己紹介の波に乗り遅れたセキアはまるで
自分の存在をアピールするかのようにアッシュに向かってハイハイと大きく挙手する。
そして、唐突に始まるセキア劇場。
ファンタジーな書物に毒された勇者脳からいつもの常套句が垂れ流される。
謀らずもどこか柔らかな物腰。そして、気品ある容姿を持つアッシュは、すかさずセキアにロックオンされた。

>レイ、アシュレイ、ALL

4ヶ月前 No.476

ますたぁ @ritonetto ★iPhone=gWqlrtM9V5

【白月レイ/ルナ区画/第七候補隊用寮アレスタ/食堂】

セキアさんはなお私に言葉を投げかけ、辛い時は打ち明けたほうがいいよ、と言ってくれた。私は、チラリとレイニアさんの方を見た。
レイニアさんはエフィニアさんと話している。『誰かに作られた人が第七候補隊の中にいる』それはおそらくイワモトさんのことだと思うが、今の私にもその言葉が胸に刺さる。

「私は、私たち魔武器は、どうやらこの国にとって…あまり良くないもののようで
私はここにいるのが間違いなのではないかって思ってしまって……」

誰にも聞こえないように、セキアさんの前でこっそりと話す。こんなこと今言うべきではないのに、でもセキアさんにはなんだか何でも話せそうな、そんな気がしたのは不思議だった。

「セキアさん、お願いがあります。
いろんな武器に姿を変えられる私が、レダールの影響で理性を失った時は、迷わず、私を殺してください。」

真剣な目で静かにセキアさんへ訴える。
そのことも考えていた。魔武器とてレダールの影響を受けないとは言い切れない。
そしてもし、爆発物にでもなったりすれば、街一つを吹き飛ばしかねない。

あの殲滅の夜も、村を守ろうと爆弾になり自爆した者もいた。その時はパートナーもいなかったのに凄まじい破壊力を見せた。
もしレダールの影響を受け理性を失ったりしたら

>セキア 食堂オール

3ヶ月前 No.477

希石の皇子 @adrasteia ★qa9glxeVZq_Vzx

【ルナ区画 / 第七候補隊用寮アレスタ / 食堂 / アシュレイ・ツィー】


 のべつ幕無しに繰り出されるレイニーの弁舌に苦笑いを呈しつつも拝聴していると、先刻から後方でこちらの様子を伺っていた少女が立ち上がり、やおらアシュレイの防弾チョッキとして機能する。
 年の頃は僕より一、二歳ほど下だろうか? それにしては、随分としっかりした性根を持ち合わせているようにも見える。それこそ彼女の一挙一動、物事への隙のない対応力は、その道を征く練達の士であるアシュレイの目から見ても舌を巻くほどだ。
 ともすれば、戦士としての資質もあるのだろうが……後に残る問題はやはり、気が狂いそうなほどの殺意の乱気流に晒された瞬間の精神性の有無だろう。これに関してはもちろん慣れや経験もあるが、戦場とは得てして生と死の境界が曖昧になる場所である。
 それゆえ向かってくる敵手に対し、臆するところなく常に最善手を打ち続けなければ、余程の強運に恵まれていない限り生き残ることは絶対に不可能と言えるわけだが――――まあ、何にせよレイニーのマシンガントークを適切なタイミングで止めてみせた手腕は見事なものだった。

 然しそれでもなお、マイペースな調子を崩さないレイニーの言動に足元を取られてか。しどろもどろになりながらも自己紹介を終了したその女性の名は、シスメ・テムセージという。
 レイニーがアスール国家を「サラダボール」と比喩したように、十人十色と様々な髪色があるこの国では逆に珍しいものとなった黒髪を有する少女の言葉を受けて、眉目秀麗な自由騎士はこう答えた。

「ええ、こちらこそ―――誠心誠意尽くさせて頂きます、レディー」

 颯爽とチェスターコートの裾を翻し、まるで漫画か紙芝居のワンシーンを切り取りでもしたかのようなソフィスティケーションで跪く動作を完了するや否や、ノイにしたのと同じく今度はシスメの御手を拝借する。
 今は爵位を捨てた身の上。レディーの手の甲にキスを……などと出過ぎた真似はしないが、これに代わり暖かな微笑みを手向ける。
 成る程、確かに。超絶温和そう、というレイニアの評価は強ち間違えてはいない。さながら日溜まりの庭園に飾られた純白のアスチルベの如く、彼のたおやかな在り方は本来、そう見えて然るべきなのだろう。

 素性はともかく、一目で身分を看破され兼ねないであろうこれら洗練された所作の数々。満ち溢れる気品の多寡。
 特別な見識を持ち合わせていなくとも、年頃の少女ならば“白馬の王子様”を夢に見た事くらいはあるはずだ。
 よって、当てずっぽう。或は「そのように見えた」と論ずるだけで、必然、彼の本来の地位を見抜いてしまう事になる訳だが……果たして。

 ――――と、ここでどこか甘い香りを漂わせる青年が声をかけてきた。
 妙な気配を放つ。エルトライゼと名乗りを上げたこの男は、如何にも、といった出で立ちだった。
 白髪に、パライバトルマリンの緑を彷彿とさせる透明感のある瞳。彼も自身と似た境遇なのか、肌で感じられるほどの膨大な魔力量。
 これだけでも人間ではないのだと判断できる。しかしだからといってエルトの友好を拒む理由も、この旭日の騎士には無かった。

「ああ、よろしく頼みます。エルトライゼさん。――――貴方とは、色々と馬が合いそうだ」

 礼には礼で応えるべく立ち上がり、差し伸べられた手を優しく握り返したアッシュは、何やら含みのある言い方で語末を付け加える。
 というのも文字通りに色々、諸々と相性が良さそうだというだけの話で、そこに他意などは介在しない。
 無論、「合体だァッ!」などとのたまうことも理性的に考えた上でない。――――そう、甘党に悪い人はいないのだ。

 そして今ひとつ、彼への問答が寄せられる。
 控えめに発せられた柔らかい声音は、先程身を引っ込めた白百合の少女、レイのものだった。

「うーん、どうなんだろう……」

 彼女の「次の任務に貴方も同行するのか」という質疑に唸るのも束の間。
 転じて矢継ぎ早に向けられるアシュレイへの興味は未だ衰えるところを知らずに、
 案の定、懸念していた事態が次の瞬間には起こってしまった。
 それも前言、目安に付けたような“年頃の少女”の手によって。

「え? あ、ああ……まあ―――大体そんな感じ、かな」

 ひょっとしてどこかの騎士なのか、と問う件の少女―――セキア・ルーブの鋭い発言に、少々虚をつかれたといった調子で返答する。
 むしろなぜ、あそこまでして「バレない」と思っていたのか甚だ疑問ではあるのだが……しかしそれがアシュレイという男の性なのだろう。
 そして尚も始末に負えないのが、彼は何か隠し事をする時、決まって顎を触ってしまうという昔からの悪癖がある点。
 大局の趨勢に影響を与える事はまずないが、実際、小規模なものでも度重なる失態の結果を二十年もの間目の当たりにして来ると、我が事ながら同僚に「アッシュは嘘をつくのが壊滅的に下手なんだから」と言われるのも、流石に理解できる……気がする。

 さて、いつまで誤魔化しが利くのだろうか。早くも任務失敗の予感がしてならない。
 このままでは長く保たないと直感した彼は、先程のレイの質問を反芻して、レイニアへ手頃な話題を振りかける事にする。

「――――あ、教官。
 そういえば僕はまだ、正規の入隊試験を受けていませんよね? 書面上の手続きを終わらせただけで。
 もしかして彼女の言う“次の任務”というのが、僕の実技試験を兼ねているとか……?」


>シスメ、レイニア、エルト、レイ、セキア

【大変長らくお待たせして申し訳ない……。
 リアルの時間の間隙を縫い、やっとこさ書き上げたので投下します……!!
 アッシュくんへのレスは全部拾ったつもりですが、もし拾えていない箇所がございましたらモウシワケナイ……。

 ……その出自から鉱石の類を媒体に特殊な自然魔力を生成できるアッシュと、万象の魔力を吸収できるエルトくんのコンビって実は最強なのでは。
 隠れ甘党とオープン甘党の絡み。戦闘非戦闘時限らず、これからが非常に楽しみです……!!】

3ヶ月前 No.478

エルト @absoryut ★lbN0U8PuMJ_sxd

【ルナ区画/第七候補隊用寮アレスタ/食堂】

「そ…そうだな、たまには…な」
エフィニアの『分かっていますよ』と、いう態度に何処か後ろめたい物を感じ、ついつい視線が明後日の方へと逸れる。
こんなあからさまな対応をされているのだから全てお見通しになっているのだというのに気が付いてもいいのだろうが…本人はどうにか誤魔化せたと思っているようで…
(…これから世話になるわけだしな…恩返しもかねて味見に協力するのは極めて真っ当な理由だな…うむ)
挙句、今後に備えた言い訳じみた事を考え、密かに自信を納得させているのであった…もし、この一部始終を正確に把握するものが居たならば『実に残念な人物』と、評したことだろう。

一連の流れの中、ホットケーキを『夜宵』を介して亜空間へと収納していた所で、ふとエフィニアの様子が変わったことに気が付きふと動きが止まる。
(…これは…まさかやってしまったか!?)
何やら少し驚いた様子のエフィニアに、何か悟られたのかと一瞬警戒するもすぐに復帰したエフィニアから何気なく発せられた言葉は不意打ちと言うにはあまりにも衝撃的な単語が含まれており。
(つく…られた…!?)
エフィニアから自身と同じく『誰かに作られた者』と言う発言を聞き、辛うじて内心で驚愕する。
(一体どこでバレ…いや…落ち着け…そうだと決めつけるのはまだ早い…)
『辛うじて内心で』という状態で済んだのは窮地に対する咄嗟の本能が働いてくれたからなのではあるが…それがエフィニアに通用したかどうかは当人のみぞ知ると言ったところだ。
(…ほかのメンバーにもそういった人材はいたからな…ボロを出すわけにはいかない)
そうして理性を総動員し、もっとも妥当であろう結論を出して思考を落ち着けていた所で、申し訳なさげに微笑んで自己紹介をしていたエフィニアもひと段落がついたようだ。

「ああ、改めてよろしく頼む」
(管理を任されるだけ有ってそちらの技能には自信があるみたいだな…ん?)
一通りの家事などはお任せ…と言ったエフィニアであったが…最後の単語に何か違和感を感じたようで、内心で首をかしげる。
(…チャカっていうと…拳銃の一種だったか?…聞き違い…だよな?)
まさか自己紹介でそんな事を言われるとは思っておらず…若干何を聞き違えたのかと頭の片隅で考え込むのであった。

>エフィニア ALL

【スレ主殿、1つだけ相談と言うか割とどうでもいい細かい事が…キャラ的にはうちの子馬鹿正直に種族欄とか特殊に書かない気がするので志願書(プロフ)の方には普通に『人間』と、書いた体でお願いしたく…ただ受理直後にアスール脅威の調査力やらこちら側のとあるおせっかいがリークした情報により国家隊の資料としては今まで通りと言う感じで特に影響はない感じで何卒…】

「エルトと、呼び捨てでかまわないさ…少々呼びにくいだろう?」
丁寧にさん付けで返してきたアッシュに苦笑交じりにそう返す。
(…ふむ…振る舞いから見てそれなりの教育…ではないな…訓練を受けた人物なのは間違いなさそうだな…恐らくはそれなりの騎士団所属か)
長いとは言えない時間の中で言葉を交わしながらもアッシュを注意深く見ているとその挙動の一つ一つにそれらしき精錬されたものが見え隠れし、そう当たりをつける。
(ならばこそ、連携と言ったものに対する理解はあるだろうし…いざというときには大いに頼れそうだ)
「そうだな…これからいわばチームを組むことになるんだ…長い付き合いであってほしい所だな、アシュレイ」
そうして思考を纏めていた所で、馬が合いそうだと言うセリフにも同意しそう返答するのであった。

>アシュレイ ALL

【そこに気づくとは…やはり天才…と、冗談は置いておときまして…アッシュ君から魔力を受け取って色々やったりできるのは間違いなく相性はいいはず!!…でも外部の魔力に頼りすぎるとやっぱり副作用は出るのでご利用は計画的にする予定です。ナニハトモアレコンゴトモヨロシク】

3ヶ月前 No.479

語り部(スレ主) @yuzuriha16 ★jlCwjdMlDL_aLu

【エフィニア/ルナ区画/第七候補隊用寮アレスタ/食堂】

エルトの視線が明後日の方向へそれる。
昨今ではパフェのような甘味を好む男性も多いと聞く、というか
そういった注文飛び交う戦場もとい厨房にいた当事者である自分にとってはよく体験したことだった。
実際に男性隊員に何度かパフェをつくってくれないかと注文を持ちかけられたこともある。
何もそんなに隠し立てすることでもないでしょうにとも思ったが、
自分が甘党とであるという事実は彼にとって
トップシークレットかつ、あまり触れてほしくない話題のようだ。
相手が伏したままでいたいことをことさらに吹聴する
趣味はエフィニアにはなかったため人差し指を口に当てた彼女は大丈夫だといわんばかりに微笑んだ。

「次に渡すときハ、もう少し配慮させていただきますネ」

慌ててホットケーキをしまい隠したエルトを見て、申し訳なさそうにそう言った。
最悪、甘味好きであることを見抜いたエフィニアにそれが勘違いであることを伝え、
ホットケーキを受けとらないという選択肢もあったはずだ。
しかし、それをせず受け取ってくれたことに彼の性格というか人となりが感じられた。

(秘密がばれてしまうリスクがあったのニ、
食べ物を粗末しないよう受け取ってくださるとハ…やはり甘味好きの人に悪い人はいませんネ)

だが、彼女が考えている内容をみるに、やはりまだ感情データの収集が不十分なようだった。
しばらく話し込んでいると、いつの間にかアッシュが今回の任務についてレイニアに切り出し、
いつの間にか任務の話になったため、エフィニアはエルトに小さく一礼するとそっと壁際へと下がっていった。

【おおおお; 配慮が足りず申し訳ありませんでした;
今後種族に関連する描写をする際にはその体で描写いたしますので何卒…!】>エルト



【セキア/ルナ区画/第七候補隊用寮アレスタ/食堂】

追いすがるように言葉をかけていると、
レイは少しずつだが、その胸のうちにある感情を明かしてくれた。
だが、口を挟まず静かに耳を傾けていると、信じられない言葉がレイの口から飛び出した。

『レダールの影響で理性を失った時は、迷わず、私を殺してください』

セキアが言葉を失ったのは、言うまでもない。
レイを、殺す。
その可能性を考えたことがない、といえば嘘になる。
この第七候補隊の誰かが、レダールの凶弾の前に倒れ、
意識を引き戻せる段階を超えて理性を失い暴走したとして
そのとき自分はどうすべきなのだろうか、と。
結論を先延ばしにしすぎた結果、結局頭の隅に追いやったそれを再び目の前に突きつけられたような気がした。
気付けば、考えるよりも先に言葉が口をついて出ていた。

「やだ」

こんなことを言われて安請け合いなど出来るはずもなかった。
いっそ清々しいと言えるほどきっぱりとレイの頼みを断ったセキアはそのまま続ける。

「なんかやだ、そういうの。絶対やだ。
あたし以外の全員がもうレイのこと助けられないってなっても、あたしは絶対にレイのこと諦めたりしないから」

セキアが年甲斐もなく英雄譚にうつつを抜かし、憧れるのは、
ひとえにこの世に蔓延る理不尽に対する反抗心のようなものだった。
短い人生ながらも見てきたのだ、そういう場面を何度も、そもそもが日常風景の一部として。
得がたい教訓を得たこともあった、多少なりとも人生観が変わる出来事もあった、
だがしかし旅はいいことばかりを教えてくれるわけではない。
アスール国家隊に入隊を希望したのはなにも人探しのためだけではなく、力のない自分を鍛えるためでもあった。
理不尽に立ち向かおうとしたとき、いつも自分には力がないことに気付く。
ないものねだりをしても仕方ない。だから今ないものは仕方ないとして、
気持ちでは屈しないと今日まで自分を振るい立たせてきたのだ。
レイの頼みを受けいれれば、それは理不尽に屈したことになる。いわばセキアのアイデンティティの崩壊だ。
だから、セキアは決して首を縦には振らなかった。

>レイ


【レイニア&ノイ&シスメ&セキア/ルナ区画/第七候補隊用寮アレスタ/食堂】

セキアとレイの間に微妙な沈黙が流れる中、各々がアッシュへの自己紹介を終え、
和やかな雰囲気に包まれる中、ふとアッシュが今回の任務について切り出す。
興味を引くだけ引いておいて、一連のやり取りが終わるまで任務のことには一切触れなかったレイニア。
むしろアッシュから切り出してくれたのは僥倖であったという他ない。
廊下のほうにいるノイに意識を向けながらも、そろそろいい頃合かと口を開く。

「おや、察しが良いですねアッシュさん。
入隊してすぐ任務というプレッシャー、まだ完全には各隊員の実力を把握しきれていない中、
その力量を見極めながら一緒に事を進めなければならないというハンデ。
自身の些細なミスが、あるいは意図せず誘発させてしまった仲間のミスが、任務の失敗に直結する…
その中でアッシュさんがどれほどの連携力を発揮できるか…そこを見させてもらう予定です。
今回の任務は私が試験監督官も兼任していますので、皆さんと一緒に頑張ってくださいねぇ」

エールを送ってはいるものの、手心を加えるつもりはないとその表情が語っていた。
わざと不安を煽るような口ぶりだが、他意はない。
いや、他意はあるのだろうが、いたずらにアッシュの不安を掻きたて
増長させようとする悪意からではないのだろう。
その証拠にそう語ったレイニアの口ぶりには彼を試すような響きがあった。

「え? じゃあ、レイニー教官は……」

先ほどのレイニアとアッシュのやりとりを聞いて
何かに気付いたセキアの言葉に対し、レイニアは小さく頷きを返す。

「はい。今回は私は皆さんにただついていくだけです、
この任務中、私のことは生きたナビ機能付きの監視カメラとでも思って下さい。
今回はアッシュさんの試験も兼ねてますので、
私が手を貸せば不正とみなされ、その時点でアッシュさんは不合格となります」

何かを言おうと口を開きかけたシスメの言葉の先を封じるように
「無論、記録係である書記官のシスメちゃんもですからね」とにっこり微笑んで釘を刺すレイニア。
要するに今回は純粋に第七候補隊の候補官の力のみでこの任務をクリアしなければならないということらしい。
まだ任務の内容を聞かされていないため、その任務の難易度を推し量ることはできないのだが、
なんだろうか、現役の国家隊員の助力を期待できない、それだけでじっとりとした緊張感が漂う。
自己紹介もひととおり終わり、各々が自分の朝食に手をつけ始めた頃、
ひょこっと見覚えのある灰色のキャスケット帽が食堂の入り口に現れた。
その主であるノイはキィ…と控えな音をさせてゆっくりと食堂の扉を開けるとレイニアの元へ足早に近づく。
ノイの足音に気付いたレイニアが振り返るも、なにやら訝しげな表情で彼女を出迎えた。

「おや、ノイちゃん一人だけですか?」

「肯定。さっき、通達、入った」

ペラ…とノイの手から渡された報告書らしき紙に指を滑らせるレイニア。
その表面には文字が一切書かれておらず、針先で突いたような小さな凹凸が無数に羅列されている。
なにかの暗号文だろうかとセキアが考えを巡らせていると、
やがてレイニアは何か納得したかのように小さく息を吐いた。
すでに卓につき無限食パンイーターと化したノイを尻目に書類をしまうとこちらに向き直る。

「まーいいでしょう。それじゃ全員揃ったということで
今回の任務について軽く説明しましょうか」

気を取り直して、とばかりにレイニアが笑顔を取り戻したのを見て、
セキアはいましがたベーコンエッグに突き刺したばかりのフォークを静かに置いた。
いかに能天気がデフォルトなセキアとて学習能力はあるのだ。
思い込みと忠告を聞かずに軽率な行動をした結果、窮地に陥ることはあの遺跡での調査任務で身にしみていた。
だからこそ人の話はきちんと最後まで聞こう、とそんな結論に至ったらしい。
両手を膝の上に置くという徹底振りで普段の騒がしさが嘘のように畏まってレイニアの言葉を待った。

「今回はエイルス区画ですごーく大事な証拠物品の移送をしてもらいます。
早い話が“運び屋の一組として”皆さんには活躍してもらおうというわけですね」

人差し指を立てたレイニアは落ち着いた口調で語りだす。
どうやら、抽象的な話から入るのが彼女の定石らしい。
軽く、と前置きをしたとおり、なんともざっくばらんとした説明だった。
想像力を働かせる余地を残しているのは無論意図あってのことなのだが、
その真意は貼り付けた笑みの中に沈み込んでいる。最初に疑問を口にしたのはセキアだった。

「はいはーい、任務の内容は分かったけどその運ぶものって?」

もっともな疑問である。証拠物品、という言葉からなにやらものものしい雰囲気を感じる、
この前の遺跡調査もとい幽霊騒動しかり、得体の知れないものというのはそれだけで
必要以上に想像力と不安を掻き立てる。今回の任務を進める上で、是非とも共有しておきたい情報だった。

「あはは、そこで最初の話に繋がるわけです。さて、なんだと思います?」

しかし、レイニアはとぼけるように両手を広げた。
正式な国家隊員になるには、推理と洞察力、
それ以前に記憶力は優れたものを持ち合わせていただかなくてはならない。
皆の成長を確かめる意味合いも込めてあえて質問に質問で返したらしい。
一転して静まり返った食堂内に、うんうんと記憶を遡り始めたセキアの唸り声だけが響いた。

>アシュレイ、ALL

3ヶ月前 No.480

ますたぁ(参加者) @ritonetto ★iPhone=gWqlrtM9V5

【白月レイ:ルナ区画:第七候補隊用寮アレスタ:食堂】

自分の願いはあっさり断られた。なぜ、なぜこの人は、レイはなんとも言えない怒りのようなものを覚えた。

「何故です、私は魔武器なんですよ、理性を失えば無差別に人を殺す、兵器になってしまう!私はそれが嫌なんです。理性なく誰かを殺すなんて、そんなことをするくらいなら……いっそのこと……!」

その先を言おうとしたが、口からその言葉が出てこない。喉が震え呼吸が乱れうまく喋れない。このもどかしさに涙が出そうになる。

そして少し心を落ち着かせ、レイニアさんの元へと歩いて行く。

「申しわけございません。今回の任務……私は辞退させてください。」

この任務に私は参加するべきではないと、こんな安定しない精神状態で、今回の任務に出ればきっと足を引っ張ってしまうと、意を決して辞退を志願する。

≫セキアさん レイニアさん エルト アッシュさん

3ヶ月前 No.481

語り部(スレ主) @yuzuriha16 ★8gybAtx6Qr_aLu

【レイニア&ノイ&セキア/ルナ区画/第七候補隊用寮アレスタ/食堂】

レイの声からうっすらと怒りを感じた。
なんの感情の摩擦もなしに人と付き合っていけるとはセキアも思ってはいない。
だが、ショックが大きかったのは言うまでもない。すぐに言葉を返すことができなかった。
セキアが言いあぐねている間にも時間だけが過ぎていく。
そうこうしているうちにレイはレイニアに任務の辞退を告げてしまっていた。

「何故って、それは……あたしがレイに―――!」

感情のままに口にしようとしたセキアの言葉はしかし

「はーい、そこけんかしなーい」

突然割って入ったレイニアによって止められた。
第三者の介入によって頭の中にくすぶっていた熱と焦りがすっと引いていく。

「レイニー教官……」

そのくすんだ海色の瞳からは依然として何も読み取ることができない。
思えば、レイニアはまだ何もレイに言葉を返していない。
セキアは縋るような気持ちで彼女を見た。

「そーですねぇ、それでは……」

二人の間に漂う微妙な空気を意に介さず、マイペースにレイニアは首を捻る。
やがて小さく頷いた彼女はレイへ向き直ると、ある提案を彼女に出した。

「レイさんは今回、見学という形で任務に同行するということでどうですか?
今回の任務に関わらない見学者ということなら私も手出しはできます。
いざというときレイさんの身の安全を保証できますし…どうです?」

折衷案、というよりも隊への同行が最低の許容ラインらしい。
ノイの耳うち報告によれば、彼女は体調が悪いわけでもなく、顔色も良好とのことだ。
元気なものを医務室へ向かわせるわけにもいかない。だから、こうして隊への同行を願い出たわけだ。
逆に見学者であるほうがレイが懸念する不慮の事態にも対応しやすいとのことだろう。
何か言いたげにセキアが視線を彷徨わせていたが、
レイニアは我関せずといった様子でレイへと片目を伏せてみせる。

「レイニー、策謀、悪趣味」

「あはは。人聞きが悪いですねぇ、そんなことないですよ〜」

レイニアの口元に浮かぶ笑みから何かを悟ったのか、
それを隣で見守っていたノイから 何故かじっとりと湿りのある視線を向けられる。
レイニアは非難するようなノイの声に妙に空とぼけた態度をとった。

>レイ、ALL

3ヶ月前 No.482

エルト @absoryut ★lbN0U8PuMJ_sxd

【ルナ区画/第七候補隊用寮アレスタ/食堂】

「…その…なんだ…よろしく頼む」
『次はもう少し配慮する』と、少し申し訳なさそうにいうエフィニアに、ささやくような声量でそう言う。
(あ…待てよ?これだと催促してるように取られかねないんじゃないか…?)
冷静であれば先と同じく誤魔化し…と言うよりも言い訳気味な肯定をしていたのだろうが…やり取りの間に気が緩んだのか、ストレートにそう返してしまったようで…
考え直せども既に出てしまった言葉は撤回などできるはずもなく…急いで言い訳…もとい、訂正の言葉を考えていた所で、レイたちの方から聞き捨てならぬ言葉が聞こえ、そちらに意識を取られる事になる。

>エフィニア ALL

【いえいえ…そもそも自分が分かるようにプロフ書けって話ですし些細なこだわりと言うか大筋には関係ない事なので…一応ストーリー上でもそれっぽい祖語は出てないですし次回プロフの改定した時ににでも便乗して修正させてもらいますよー】

「…理由を聞かせてもらってもいいか?」
突如任務への参加を辞退したいと言うレイに対しそう質問を投げかける。
(ただの気まぐれ…なんて事はないだろうし…何かしらの事情があるんだろうが…)
それでも、突如として身勝手と思われるようなその意見を無条件で認めてしまうのは、部隊として…ましてや国家に所属するものとしては到底看過できない事だろう。
直前まで話していたセキアの方も少々熱くなってしまいかけているようで、感情のままにレイに何かしらの反論をしようとしたところで…絶妙なタイミングでそれらを制したレイニアがレイに提案をする。

…その提案は見学者として同行させるという物であったが…果たしてどのような反応を見せるのだろうか?

>レイ セキア レイニア ALL

3ヶ月前 No.483

ますたぁ(参加者) @ritonetto ★iPhone=gWqlrtM9V5

【白月レイ:ルナ区画:第七候補隊寮アレスタ】

自分の申し出にレイニアさんは、見学者という形でどうこうするのはどうだろうかと提案して来た。その言葉にレイは顔を伏せ頭を悩ませる。
どのみち同行しなくてはいけない現状は変わらないらしい。ならば普通に任務に出た方が、みんなの足を引っ張らないかも、でも

「……わかりました。私は今回見学者として皆さんに同行します。」

正直、今回の任務が怖い。でも怖いなんて口が裂けても言えず、戦うのも迷うレイ。結局見学者という立場に乗っかってしまった。


「今回任務の辞退をお願いしたのは、レダールに関わることは魔武器の里では良しとされていなかった……ような気がしたので……
ごめんなさい、幼い頃の記憶で確かではないのですが、父に聞かされた話にレダールに関する文献があったような気がするのですが、ハッキリ思い出せなくて。……ただ、関わるなと言われていた記憶があって……」

この前の遺跡は、あの遺跡がレダールに関わる遺跡だとは知らなかったがために巻き込まれてしまった、という形だが
今回は違う。レダールに関わることが目に見えているせいか気がひけたのだ。

「ですが、それは避けられないようなので今回は諦めます。」

≫レイニア セキア エルト

3ヶ月前 No.484

語り部(スレ主) @yuzuriha16 ★NvdGUbJVOm_aLu

【レイニア&セキア&シスメ/ルナ区画/第七候補隊用寮アレスタ/食堂】

「では〜、話も纏まったということで、今回の任務に話を戻しましょうか。
どうやら誰も答えを出せなかったようなので、
ここは解説キャラのシスメちゃんに答えを発表してもらいましょう」

答えを出せなかった、とは先ほどレイニアがした質問
「今回の任務で移送してもらう証拠物品の正体とはなんぞや?」を指しているのだろう。
淀んだ空気を吹き飛ばすかのごとく、見計らったかのようにレイニアが切り出す。
シスメもその意図に気付いたのだろう。憎まれ口を叩きながらもそれに乗る。

「人に変なキャラクター性を押し付けないで下さい。不快です。
コホン…今回の任務で第七候補隊の皆さんに移送してもらうものは“フェリクス”です」

仕事スイッチでも入ったのだろうか、
先ほどまでのアッシュに対する萎縮ぶりが嘘のように、
きびきびと事務的な口調でシスメが今回の任務について説明を開始する。
しかし、セキアがその言葉の中に聞き捨てならない
単語を見つけたのか、すぐさまシスメの説明に割って入った。

「それって……レダール反応が検知された獣化作用のある…」

「今朝新聞でも取り上げられていた香水もどきですねぇ」

あまりの驚愕に尻すぼみになるセキアの言葉をレイニアが引き継ぐ。
体内に取り込んだものの理性を奪い獣へと堕とす
レダール鉱石の反応が大量に検知された劇薬フェリクス。
実際にまだ被害者は出ていないものの、
ひとたび服用すれば摂取した本人だけでなく、周囲への被害も計り知れないものとなるだろう。
事の重大性と緊張で自分でも気付かないうちにセキアは机の下で拳を強く握り締めていた。

「今回の任務は皆さんにそのフェリクスをエイルスから
国家隊本部であるここルナ区画まで移送…いいえ、護送していただきます」

移送ではなく護送。
言葉一つ変えるだけでものものしさに拍車がかかった気がした。
疑問はつきないが、とりあえず順番にいこうとセキアは意を決して
先ほどとは打って変わって控えめに挙手すると話し出す。

「んー…そんなに危険なものならシスメおねーさんの
転移魔術とかでぱぱっと転送できないの? そのほうが安全だと思うし」

「エイルスは流通区画です。そう安々と転移魔術が行使できたら不正し放題ですから
エイルスの要所には転移魔術専用の強力なアンチマジックフィールドが張られているんです。
今回私が任務に参加できないのは純粋に皆さんの力を見るというのも目的ですが、単純に戦力外なんです」

あらかじめセキアの言葉を予想していたかのようにシスメは淀みなくそう答えた。
エイルスは巨大な塔といくつもの浮遊大陸からなる区画だ。
その浮遊大陸に上るための巨大な地天間転移装置アマノハシを除いて、
区画全体に転移魔術専用のアンチマジックフィールドが展開されている。
単にこれは転移魔術による積荷の盗難を防止するためでもあるのだが、
外部から不正な積荷がアスールに運び込まれるのを阻止するためでもあった。
シスメは否定したが、レイニアが口にした解説キャラという彼女の評価は案外言いえて妙かもしれない。
しかし、それでも不安を払拭し切れなかったのか、さらに彼女は言葉を続ける。

「でも……この任務、一歩間違えたら大惨事だよね。
移送途中で誰かにフェリクスを奪われたりしたら……なんで候補官のあたしたちに話が回ってきたんだろ?」

最悪の結末を想定しておくのは悪いことではない。
いつぞやかレイニアが言った言葉だ。
セキアの視線を感じたのか、シスメにとって変わる様にレイニアが柔らかく微笑む。

「あはは、予防策はもちろんとってあります。
私達の他に3組の候補隊がダミーの移送役として証拠物品受け渡し場所から出発予定です。
それに、まさか候補官がそんな重要な証拠物品の護送に携わっているなんて誰も思わないでしょう?」

完全には納得した様子ではなかったが、それ以上セキアの口から新たな疑問が出ることはなかった。
やはりこれまでと違い、レイニアやシスメの協力がないというところが
大きな不安材料となっているのだろうか。もちろんイレギュラーな事態があった場合は
入隊試験の頃に戻ったと思えばそう思えなくないが、
今回は失敗の許されない本番だ。プレッシャーが段違いなのだろう。
候補官のみの実力での任務と聞いて最初にうっすらと感じた高揚感はどこへやら。
セキアはいつもの元気が嘘のように閉口してしまう。無論、今回は単にそれだけが原因ではないのだろうが。
セキアから返答がないことから彼女の疑問は出尽くしたと判断したのか、
レイニアは残る三人にそのくすんだ色の双眸を向けた。

「他に何か質問は?」

>アシュレイ、レイ、エルト、ALL

2ヶ月前 No.485

ますたぁ(参加者) @ritonetto ★iPhone=gWqlrtM9V5

【白月 レイ:ルナ区画第七候補隊寮アレスタ】

フィニクスの護送それが今回の任務。フェニクスはレダールの成分が検出された香水のようなもの、それを浴びた人が獣化し、凶暴化する。

毒を運べと言われているようなものじゃないか。と内心思いつつ、顔には出さずただ話を聞いていた。

「あの、フェニクスがどれだけ危険な代物なのかはいま熟知しました。そしてそのダミーを三つも作ってまでの今回の任務、護送ということですが……そのフェニクスを奪いにくる可能性がある人たちについて検討などはついているのでしょうか。」

大方、あの遺跡であったスターチさんやあの青い目の女の人たちも可能性もあるわけだけど、それでもここまでの厳重にする必要があるのだろうかと、疑問を浮かべる。

「それと万が一ですが、候補隊の中の誰かがフェニクスの影響を受け獣化した時の対処法などは例が出ているのですか?」

そこが一番重要だとレイの中ではそう思っている。

2ヶ月前 No.486

エルト @absoryut ★lbN0U8PuMJ_6UX

【ルナ区画/第七候補隊用寮アレスタ/食堂】

「…そういう訳か」
…家訓…と言う訳ではないが…幼少からそう聞かせられてきたと言う事ならばそこには余人には分らぬ理由もあるのだろう。
深くはわからないが…そういう物だと納得できる程度には分らない話でもない。
…だがそれでも彼女は見学と言う形の妥協案を受け入れた…そこにどれほどの葛藤があったのかは知る由も無いが…その覚悟は褒められるべきものと言えよう。
「なら余計な世話なんだろうけど…何があっても前に出ないように…な」
だからこそこんな愚にもつかないちょっとした忠告を告げてしまう事となった。

>レイ ALL

そうしてちょっとした騒動に区切りがついたところで、再びレイニアが音頭取りとなって任務の説明を再開する…もっとも説明するのはシスメにぶん投げたようだが…
(答え…あー…そういえば…そんな話だった…ような…)
エフィニアと重大なやり取り…他者から見れば他愛無い雑談だったのだが…をしていた時に確かにそんな質問をしていた。
「それはさっきの…」
提示された単語にそう呟きかけた所で、先んじてセキアが今朝のやり取りから得られた情報を口にし…それを引き継いだレイニアからは、思っていた通りの言葉が発せられた。

そこからはシスメが『フェリクス』を護送する事が任務と言う旨を告げれば、セキアは2、3質問をし…レイニアやシスメがそれらに答えを返した所でセキアからの疑問は出尽くしたようで…
「ちなみにフェリクスの量はどれぐらい有るので?…少数で済むのなら考えがあるんだが…」
こちらからも質問を投げかける。
考えと言うのは自身が持っている魔術…亜空間収納…通称『ストレージ』で仕舞い込んでしまえば道中の憂いをほぼ無くして輸送できそうな物だが…
(…出来て片手で抱えられる程度か?…まぁ干渉して収納自体が出来ない可能性もあるが)
…先程使ったように料理の一皿ぐらいは苦も無く…それこそ数十枚は余裕でできるのだが…魔術的な加工がされているものだと、入口を通す事すらできないと言うケースが稀にあると聞いたことがある。
(実際目にしたことは無いが…おそらくいわくつきだろうしな…出来れば儲けものではあるが)
…質問しておきながら悪い推測しかできてないのは残念な事だが…試すだけならタダなのだ…そう辛うじてポジティブな意見をひねり出しつつ、質問の答えを待つことにする。

>レイニア セキア シスメ ALL

2ヶ月前 No.487

希石の皇子 @adrasteia ★qa9glxeVZq_Onj

【ルナ区画 / 第七候補隊用寮アレスタ / 食堂 / アシュレイ・ツィー】


「僕のこともアッシュで構わないよ。改めてよろしく、エルト」

 エルトの「疑う心ここに在らず」といった言葉を受け、隊への緊張も幾許か解けたのか穏やかな笑顔を以て相槌を打つ。出会ってまだ数十分にも満たない間柄で、“ただ仲間だから”と宥和的な態度を向けてくれる者が一人でもいる現状は、アッシュにとっても偽りなく好ましい事実だ。
 自治国家アスール。前言でも少し思弁を這わせたが、古今東西出自を問わず来訪するすべてを等しく扱う国風あってこそ、この粋な市民性を構築出来ているのだろう。

 ――――とはいえ、彼らもまた人間である。エスパーなどでは断じてない。
 だからこそ交流は大事だと思うし、無知から生じた齟齬に命綱を掴み損ねれば本末転倒。道義は二の次、とは早々いかない。
 なのでそういった配慮を怠る輩は心底馬鹿だと思うし、目が曇っているという他ないと、思わざるを得ないのだ。
 一喜一憂もひとしお。食膳を前に座し、しばし談笑を続けていると、なにやら書面を見つめて小さく息をついていたレイニーが次なる段階へと駒を進めた。

 任務――ああ、そういえばそんな話だった。
 自ら切り出しておいて「いやそれはないだろ」と言いたいところだが、僕もあれは正直死に身に大炎上だったのだ。今の今まで頭からすっぽりと抜け落ちていたことは、我らが神に免じて目を瞑って頂きたい。
 さて、論点を戻すが……教官曰く、今回候補隊に舞い込んできた依頼は搬送任務。とどのつまりは運び屋の一員として働け、ということらしい。
 日時日程と照合し、重要な証拠と聞いて取り扱う物品におおよその当たりをつけるが……しかし僕はレイニーの言う「最初の話」の場に居合わせなかったので、軽率な回答は伏せることとする。みんな頑張れ。

 質問を質問で返すレイニアの悪戯に刹那の沈黙が訪れる。
 セキアの唸り声と時計の刻む針音に守られていた食堂の静寂はしかし、次の瞬間に引き裂かれる。

 はじめにその刃を振り下ろしたのは、怒りに震えるレイの嘆声。
 涙のうちに辞退を表明する彼女の決意は、不安、緊張、猜疑、憂愁――そういった負の感情を滲ませてのものだろう。
 宝石は見る者の心を映す。如何に僕が人情の機微に疎い非人間といえども、こうしたレイの哀訴を俯瞰し、理解することは出来るのだ。
 ゆえに彼女の言い分には一定の正当性があると思うし、否定出来ないが……それを判断するのはやはり、隊の指揮を預かるレイニー教官なわけで。

 そうして一連の顛末を見届ける中「魔武器」という一言を耳に挟み、ことここに来て漸く先ほどの黙考の答案に突き当たる。
 そうだとも、白月という名は“魔導具と生物の相関性”に関する古い研究資料で見聞したのだ。
 白月一門。なんの因果か、かの厄災の残滓たる彼らが干渉しているともなれば、この小隊の動向。ひいては彼らの行き着く先が、“聖王国(ぼくたち)”に不利益的に働かないなどとは確言出来ないし、警戒するのも殊更必定。もとより教国を牽制せよとのお達しではあったが、こちらも留意するべきだろう。

 かくして、思わぬ収穫があったところで話は纏まった。
 口火はレイニーからシスメへと引き継がれ、任務概要の説明は再開される。では、お待ちかねの答え合わせといこう。

 フェリクス。シスメの口から飛び出たこの単語の正体とは、今朝の朝刊にも載っていた例の劇薬の名だ。想定通りのその答案に、アッシュは小さく「やはり」と独白する。
 そしてそれは如何なる魔法か。芳香成分からは現状加工不可であるにも関わらず、吸引者に獣化作用を催促するレダールの反応が大量に検知されたという。有り体にいえば違法薬物である。
 にも関わらず、この「幸運」の名を冠した香水はその実態に反して“前向きな噂”がこれでもかと付き纏い、市井間に流布してしまっているのだ。
 わかりやすいところでは、嗅げば幸せになれる、夢が叶う、栄光到来に金運上昇、必勝祈願恋愛成就。過激なものでは不老不死、全能の獲得などなどと……。
 一体誰がこんなデマを吹聴し始めたのか。聞けばまだ被害者は出ていないというのに、適当に思いつく限りでこの有様。まったくわけがわからない。
 悪意か、あるいは逆に暴走した無辜の善意ゆえか。どちらにしても悪質で、結果恐ろしいことに変わりなく。
 まあ何はともあれ、こういった手合いに向けられる“あらぬ期待”や“理想像の一人歩き”は仕事柄よく目にする方だと自負しているが、そのどれもが百害あれど一利なしだった。

「――――僕からもひとつ。
 予防策とは各自三つのルートから護送を行うことを指すのでしょうか? であるなら、本命である我々候補隊が狙われるリスクは依然無くならないように思えますが……」

 まさか素人が重役を担うなどとは誰も考えつかない――成る程。それはもっともな策略だし、レイニアの勘考は確かに神算鬼謀のそれなのであろう。
 しかし一見定石を裏切るかのようにも思えるこの一手は、逆説的に語れば“その道を行く智恵者ならば誰しも簡単に考えつくこと”の証左に他ならない。
 名将は名将を知る。ゆえ己が良法を閃いたのならば、当然敵方も思いつく限りの好手を確実に打ってくる。要はあらかじめ、そういった不測の事態にも向き合えるように重ねて予防線を張っておくべきだと、アシュレイは具申したいわけだ。
 なにせ、こちらは新兵同然であり。加えて言うならアシュレイにとってもこれが候補隊としての初陣。ひとつ前にレイが問い出たように、敵の正体どころか影すらも判然としない闇雲の中、一本槍ではまず勝ち目がないと踏んだ上での懸念だが……。


>レイニー、セキア、シスメ、エルト、レイ、ALL

2ヶ月前 No.488

語り部(スレ主) @yuzuriha16 ★2anxDtqLIF_9Xi

【レイニア&ノイ&セキア/ルナ区画/第七候補隊用寮アレスタ/食堂】】

セキアの質問に答えを返してすぐ、最初に疑問を呈したのはレイだった。

『フェリクスを奪いにくる可能性がある人たちについて検討などはついているのでしょうか』

「転移魔術無効化エリアであるエイルスで仕掛けてくるとは思えませんが〜、
もし、こちらを狙ってくるとしたら十中八九レヴァーンの異端審問官の人たちでしょうねぇ。
運び込んだならそれを中で売りさばくかバラまく、もしくは使用する人を潜伏させている可能性もありますし」

レイの問いにレイニアはやけに断定的な口調で襲撃者の名を語った。
遺跡調査任務で仮面の女が転移魔術らしきものを行使して消えたときのことを思い出す。
いくらアスールとレヴァーンの両国が地図上で近い位置にあるといえど、
レヴァーンへはアスールから馬を走らせても2週間ほどかかる。
そんな遠い距離をわざわざ何らかの移動手段を使って行き来しているとは考えにくいし、
この近くに潜伏場所を仮設しているとしても、転移魔術を使用してこのアスールへと侵入しているとみて恐らく間違いないだろう。
アスールの検問も無能ではない。その証拠に入国者のリストを洗ってみたのだが、その中にレヴァーンの関係者はいなかった。
つまり、エイルスへ踏み込むということは、彼らにとって退路を断たれるに等しいのだ。

『それと万が一ですが、候補隊の中の誰かがフェリクスの影響を受け獣化した時の対処法などは例が出ているのですか?』

「あはは。そうならないよう私がついているわけですが〜
万が一の可能性もありますからねぇ。もちろん用意しています。ノイちゃん、例のものを」

フェリクスの獣化作用の影響を受けた際の対処法はあるのかという
レイの疑問を受けたレイニアは横にいるノイに小さく目配せした。

「御意。エルト、レイ、アシュ、セキア、これ」

レイニアの声に頷いたノイは
魔導具の収納箱としていつも手にしているバイオリンケースの中から
筒状の何かを取り出すと、それを皆に配り始める。

「これは?」

試験菅ほどの大きさのあるプラスチック製の筒を
ノイから手渡されたセキアは説明を求めるようにレイニアの顔を見た。
筒の先端の片方だけが赤くなっており、中は透き通った青い液体で満たされている。
とてもこんな小さなものがレダールへの対抗手段になるとは思えない。
そんなことを考えながら、いろいろな角度からそれを眺めていたセキアだったが、
次にレイニアが発した言葉で、手の中のソレを思わず取り落としそうになった。

「アンチレダールです」

アンチ。反対、対抗を意味する言葉であるそれが付いている時点である程度察しがつくだろう。
手にするそれが明確なレダールに対する対抗手段であることに。

「アンチってことは……これを使えば、強制獣化を解除できる…?」

「はい。急増する強制獣化事件の脅威に対し、我々は何も指をくわえて見ていただけではありません。
毒には毒を。解毒剤が毒から作られるのと同じ原理です。
レダール被害者の体内から摘出したレダール弾の解析結果を元に
ヒルちゃんに頼んだら一晩で仕上げてくれました。
ただ問題なのは、用意できたのが今あなた達の手元にあるその4本だけだということです」

ヒルちゃん。つまるところこのアンチレダールの製作者は
アーティー区画統括管理官のヒルカ・ルドナルその人のことなのだが、今、重要なのはそこではない。
解毒剤と今レイニアが評したが、ある意味正しい表現といえるだろう。
それをつくるためには大量の毒、つまりは解毒剤の元が必要となる。
しかし、被害者の体から摘出したレダールでは量が圧倒的に足りないのだ。
今回、少数しか用意できなかったのもそのためだろう。そんな僅かなレダールへの対抗手段が、
レダールの被害者を救えるかもしれないそんな貴重なものが自分の手の中にある。
しかもレイニアは何といったのか、それが4本しかないと言ったのだ。
今もレダールの脅威の渦中にあるここアスール。いつ被害が出てもおかしくはない状況である。
使いどころは見極めなければないらないと、セキアは再び手元のソレに視線を落とした。

「使用方法は簡単です。先端が赤いほうを腕に押し付けて下さい」

それはよくある自動注射器と呼ばれるものだった。
衣服の上からでも注射できる優れもので、針の射出部を体に押し付けると
内部にしまわれていた針が飛び出し、バネの力で内溶液を体内へ注射できるというもの。
魔導具が多く普及しているここアスールでは随分とアナログな機構だが、
そこは魔術的な分野に詳しくない人を慮って考慮だろう。
片手だけで使用でき、使用方法、構造も単純なため民間でも広まっている代物だ。素人でも使用は簡単なほうだろう。
アンチレダールの使用方法をひととおり説明し終えたレイニアは続いてエルトの疑問に応じる。

『ちなみにフェリクスの量はどれぐらい有るので?…少数で済むのなら考えがあるんだが…』

「運び込まれたフェリクスの量ですか?
確かきっちり3ダースでしたねぇ。あはは、どうやってそんな数を見つからずに
正規便の荷の中に紛れ込ませることができたのやら。そこは敵ながらあっぱれというほかありませんねぇ」

レイニアの弁から3ダース
つまり1ダースが12本だからその3倍。合計36本が現在エイルスにあるということが分かる。
エルトが予想していたのがどれほどの量かは分からないが、
恐らく想像していたよりも多い量だったのではないだろうか。
護送の際は、運びやすいようケース類か何かに纏められているのだろうが、
それでも人ひとりの行動を制限するには十分な量であることは想像に難くないだろう。
そこまでひとしきり答えたレイニアは、一息つくためにすっかり冷めてしまったココアへ口をつける。
どうやら大多数が見えない脅威に対し、少しでも不安要素を取り除かんと
しているらしく一人ひとりから質問を受ける。
一人ずつに答えを返していると、ほどなくしてその中にアッシュも加わった。

『――――僕からもひとつ。
 予防策とは各自三つのルートから護送を行うことを指すのでしょうか?
であるなら、本命である我々候補隊が狙われるリスクは依然無くならないように思えますが……』

「あはは、さすがはアッシュさん。いいところをついてきますねぇ。
もちろん予防策はそれだけではありません。今回は秘密のルートを通ることにしています」

さて、どうしたものかとレイニアはアッシュに言葉を返す傍ら、頭の中で思考を巡らせる。
実際のところこの任務にはもう一つ隠された“裏”の目的がある。
分の悪い賭けに近いし、当たってくれれば御の字くらいのものだが、試してみる価値はあるとレイニアが判断したものだ。
アッシュの指摘のとおり、無論、そのくらいのことは敵側も予想して動くだろう。
いや、今回に限っていえば“そうであってくれなければ困る”のだが、
彼の言葉と声の抑揚から判断するに、まだ彼も裏の目的には気付いていないようだ。
騙すようで悪いが、こちら側には良い意味でも悪い意味でも純粋な性質の者が多い。
だからこそこの裏の目的を知る者は少ないほうが好ましい。
後で恨み言を言われるくらいで済むなら、それくらいの泥をかぶるだけの価値はあると、
レイニアは正直者筆頭である彼女に見えないはずの瞳をちらと向けた。

「………?」

いきなり視線を向けられて何事かと首を傾げるセキアの疑問を黙殺してレイニアは続ける。

「今回の任務では使われなくなった旧下水道を使います。
エイルス区画のトップシークレットの一つなので他言はしないでくださいねぇ」

冗談めかした口調で人差し指を口にあてながら釘を刺すレイニアだが、
そんなお茶らけた仕草に反して、目が笑っていないところを見るに
トップシークレットというのはあながち嘘というわけではないらしい。
ひととおり質問が終わり、レイニアは再び皆へ向き直る。

「今回の任務は護送が最終目的ではありません。
さらなるアンチレダール増産のため、レダール成分が多く含まれるフェリクスを
サンプルとして研究、解析するためでもあります。持ち帰ったフェリクスの量によっては
今後のアスールの未来を左右する可能性が大いにあります。気を引き締めてかかってくださいねぇ」

普段の能天気な態度はどこへやら。
レイニアの目がスッと細められたと思いきや、すぐにいつもの軽い口調へと戻る。

「あはは。それではそろそろエイルス区画のフェリクス受取場所まで移動しましょうか〜。
今回エイルスには初めて入る人もいるでしょうし、はぐれないよう付いてきてくださいねぇ」

>レイ、エルト、アシュレイ、ALL

2ヶ月前 No.489

ますたぁ(参加者) @ritonetto ★iPhone=gWqlrtM9V5

【白月レイ:ルナ区画第七候補用寮アレスタ 食堂】

レヴァーン
その名を耳にした時、レイの脳裏にはあの二人の顔がよぎっていた。先日のサンドウィッチは美味しかったけど、あの二人はこの国にとって反逆…いえ国家隊の敵。いずれ戦わなければならない者同士。
できれば戦いたくない。特にスターチさんとは…
いやきっと似たような境遇のスターチさんに心が仲間意識的なものを錯覚させてしまっただけかもしれない、でもなんだろう。戦うのが嫌というより、戦っちゃいけないと何かが私に訴えかけてくる。

アンチレダールたるものを手渡される。
これはレダールの影響で獣化した人を治すことができる解毒薬らしい。残念ながら現段階では今ここにある四つしか作れていないらしい。


「…これを使わないで済むことを祈ります」

そういうとアンチレダールが入った瓶を自分の任務用ポシェットへとしまう。
私がフェリクスの影響を受けてしまうということは町を一つ壊滅させる可能性があるということ。そんなことにはならないようにしたい。

とはいえ私は今回の任務では見学者という形で戦闘などはできない。
最悪の事態は、ないと思いたい。

「セキアさん……今回は私は見学者…戦闘は極力避けますが、いざという時は私を使ってください。」

レイニアや他の隊員には聞こえない声で言う。もし聞かれたら怒られるだろうから。

2ヶ月前 No.490

エルト @absoryut ★lbN0U8PuMJ_pcO

【ルナ区画/第七候補隊用寮アレスタ/食堂】

「ならそうさせてもらうよ…こちらこそよろしく頼む、アッシュ」
自身の方も呼び捨てで構わない、と言うアッシュの言葉を受け、こちらもそれに習い、そう返し…
(…ひとまずは無難な対応は出来た…はず…だよな?)
少なくとも表面上はそれなりに友好的な反応を返されているように見え、ひっそりと内心で安堵する。
…なんだかんだで世渡り経験が豊富でない彼にとっては、先刻のような絶妙な状況と言うのはちょっとした冷や汗ものなのだ。
一応、知識としては人並み…どころではないが…持っているため対応自体は出来るのだが、注意深い人物であればその挙動に何処とないぎこちなさを垣間見た事だろう。
幸い、こちらに意識を向けている人物はほとんどいなかったようではあるが…
(…慣れない事は…難しいな)
再び内心でそう安堵した所で、レイニーが候補生たちへの返答を開始した様なので、再びそちらに意識を向ける事にする。

>アッシュ ALL

「…アンチレダール…そういうものがあるのか」
フェリクスの影響を懸念したレイの質問に対し、ノイに指示を出して候補官達に筒状の容器を手渡させ説明補開始した。
それを聞いて思わずそんな言葉が漏れる事となったわけだが…
(以前からの研究成果もあるんだろうが…一晩で仕上げるか…やはりここの技術は侮れないな…)
何気なく『一晩で仕上げてくれました』と、言う言葉に感心しつつ、その容器を慎重に観察していた所で…聞こえてきた使用法の説明と、注入用の針をタイミングよく目撃してしまい、ほんの少しだけ青ざめる。
(…注射式か…あまり世話には…なりたくない…な)
なるほど、確かにこういった物は信頼性の高く、確実な投与方法が必要になるのは十分に理解できる話だ…話だが、自ら進んでこんな痛い事が分かり切っている手段に頼るというのは当然ながら御免こうむりたいものだ。
…それでも非常時ともなれば迷わず…少しぐらいの躊躇はするかもしれないが…使わざるおえないのだろう。

…そんな割とどうでもいいような事を考えていた所で、自身の発した『フェリクス』の量に関しての答えが返されたため、それに意識を向ける。
「…確かに少し多いな」
3ダース、と言う数を聞き唸るようにそう呟く。
どういった形で渡されるのかは不明だが…輸送中の破損などを考慮すればそれなりの梱包がなされるであろうし…どうしてもかさばってしまうだろう。
(ストレージに入れば楽なんだが…仮とはいえ『転送』と判断されたら無理だろうな)
恐らくは、そういった抜け道的な手段を考え、実行した者はそれなりにいるであろうし…今回は正攻法で行かざるおえないか。

>レイニア ALL

2ヶ月前 No.491

語り部(スレ主) @yuzuriha16 ★AkGMCuEuMo_ef5

【ディノア/エイルス区画/第一浮遊島/区画本部内】

いかにも几帳面と頑固を絵に描いたような服装に身を包んだ
頬に大きな傷のある男が、巨大な椅子にピンと背筋を伸ばしながら腰掛け、
巨大なマボガニーの執務机に手をかけて、ペンを走らせ書類を処理している。
新しい書類に手を伸ばしかけたところで、男はふぅと小さく息をついた。

「よりにもよって候補教育官か……先が思いやられる」

それは一体、誰に対しての当てつけだろうか。
呟きとともに作られた眉間の皺を指で揉みほぐす。
仕事に一区切りつけた男は、ペンを置いて時計を睨んだ。

「そろそろ着く頃だな、うむ……それにしても、貴官も運がなかったな。
配属先を決めたのは私ではない、私を恨んでくれるなよ」

ぺしぺしと手に持った書類に添付された少年の写真を
軽く指の背で叩きながら、苦労と同情のこもったため息を吐きかける。
当然のことながら写真の少年から言葉が返ってくることはない。
ひとしきり確認を終えたディノアは――ディノアギズバルガエンズルド区画統括管理官は、
これから第七候補隊に配属となる少年を迎えるべく、
また、これから任務のためここを訪れる第七候補隊の面々を出迎えるべく、執務室のドアを開けて外へ出た。

聞けば、彼はここへ来る途中の飛空便のエンジントラブルにあって到着が大幅に遅れることとなったらしい。
今回の配属先の不運も彼元来の運勢に直結する出来事なのであれば納得だが、当然予期していたものではないだろう。
既にこちら専属の飛行郵便屋を使って、例のエンジントラブルを起こした飛空挺にいる彼に
集合場所の変更と今回の任務へ参加する旨は伝えてある。
そうこうしている内に、会議室に利用している部屋の前まで着く。
さて、時間通りなら既にこちらの指定した場所までたどり着いているはずだが、
とディノアは指定した部屋の前まで来ると、ドアを開け放った。

「失礼する。今期任務より入隊予定のベリオ=アルスター候補官はいるか?」

【大変お待たせ致しました! これからよろしくお願い致します^^】>ベリオ

【information:ディノアギスバルガエンズルドのプロフがサブ記事に追加されました!】




【セキア&レイニア&シスメ&ノイ/エイルス区画/第一浮遊島/区画本部前】

「すっごーい……!」

抜けるような青空の下、感嘆の声が響く。
ウロボロス特急に揺られること数刻。
セキアたち第七候補隊は、今回の任務地であるエイルス区画まで足を運んでいた。
着いて早々にセキアが感嘆の声を漏らすのも無理からぬことだ。
ここエイルス区画は別名、浮遊都市区画とも呼ばれている。
書いて字のごとく、今も飛空挺の部品にも使われている
特殊な浮力を有する大陸サイズの石の大地が空に浮かんでいるのだ。
その雄大さもさることながら、その隙間を這うように飛び回るここに住まう者達が、さらなる彩をこの区画に添えていた。
その視覚効果も手伝って、今セキアの目にはこの区画が縦に長く映っていることだろう。

「エイルス区画は流通区画の名の通り、外部の商人や諸国との貿易が盛んな区画なんです。
そして、あのディノア区画統括管理官が統括している区画でもあるんですよ」

何故か候補隊の面々に向かって解説を始めるシスメ。
その声は心なしか弾んでいて、自分のことでもないのに誇らしげであった。
とまぁ、その理由というのも

「シスメちゃん、ディーくんのファンですもんねぇ」

にやり、というオノマトペが聞こえてきそうなほど
口をゆがめたレイニアがからかうように肘でうりうりとシスメの二の腕をつき始める。
途端にシスメは手元の魔導書を誤魔化すように高速で捲り始めた。

「ち、違います! 一人の国家隊員として尊敬できるというか…その…私の目標というかですね…」

「あ、そろそろ着きますよ〜」

「そちらからふっておいてスルーしないでください! もう!」

シスメの抗議の声をばっさりと聞き流して、レイニアはある一点を指差した。
この区画でも一際目を引く巨大な尖塔。
この場所こそが、このエイルス区画の本部たる第一浮遊島 国際飛空便空輸監督所ウェンティの
そのまた中にある中枢、すなわちエイルス区画統括管理官のいる区画本部である。

「ここに呼び出されたということは、受け渡し人というのは十中八九、あの人ですよねぇ…」

レイニアの声に珍しく憂鬱そうな響きが交じる。
何事かと首を傾げる候補官の面々を、気にしなくても良いとばかりにノイの手がやわやわと押した。

「セキア、レイ、エルト、アシュ、いこ」

何故か逃走を図ろうとするレイニアの腕を掴んで
建物の中へと引きずり始めたシスメの姿を横目に、ノイは冷めた声でそう促すのだった。

【それではメインストーリーのほう開始していきます! レス蹴り申し訳ございません;】>レイ、エルト、アシュレイ、ALL

1ヶ月前 No.492

レーリン @reirin16☆iFOiR2juBrUr ★iPhone=t2Gdx8uNU5

【ベリオ/エイルス区画/第一浮遊島/区画本部内】

「…はぁ…」

一体、神は自分に何を求めているのだろうか。
そんなことを考えながら、一人きり待機する部屋の席に着きつつ、ベリオは本日何度目かの溜息を吐いた。実際、そうするに値する災難を最近被ったばかりなのである。
士官学校を卒業し、学業や軍事訓練を共にした友人ら、数年間指導を続けて下さった恩師に見送られ、意気揚々と飛行便に乗ったのはいいものの、直後にエンジントラブルがあり、乗っていた飛行艇の再整備のために足止めを食らってしまった。お陰で予定していたアスール国家隊入隊試験を受けるどころかアスール現地にさえ辿り着くことが出来ないという憂き目を見てしまったのだ。
一応関係者に連絡はしたが、盛大に笑われるわ逆に苦笑されるわ無理に慰められるわ何故か泣かれるわで、結果ベリオの自尊心はガタガタになってしまった。

「全く……何故エンジントラブルなんかが……乗客の安全を守りつつ、無事に目的地へ送り届けるのが飛行便の役目だろう?それなのに整備に不備を起こすなど…整備士は一体何をしていたんだ?…はぁ…」

ブツブツと件の飛行便及びそれのメンテナンスを行ったであろう整備士への不平不満を漏らしつつ、再び溜息を吐く。自分は翼があるので飛行艇が墜落することになっても問題ないが、翼も空を飛ぶ魔法も使えない人々はそうもいかない。そんな最悪の事態に晒される危険性があったことも、ベリオの不満に含まれているのだ。
…しかし、そこでへこたれる程度の不運にしか遭っていない訳ではない。そのような間抜けな運命には過去に何度も巡り合ってきた。それに肝心なタイミングで受難を受けやすい星に生まれた程度、特に問題は無い。自身にとって最も致命的な不運といえば、そう__。

「…まぁ、自分の素性知られるよりはマシだわなぁ…」

待ち合わせの部屋に誰もいないことをいいことに、テーブルに置かれた友人からのプレゼントの一つであるパナマ帽を眺めながら、ベリオは普段人と話す時よりも若干砕けた口調で独りごちる。
…そう、彼は自分の出身や隠したい体質を周囲に知られることを何よりも恐れている。今回の受難も、足止めを喰らい待機させられている時にとある区画の郵便屋から集合場所の変更、そしてこれから始まるという任務へ参加するように、という報告を受け、ようやくエンジンを持ち直した飛行艇によって現地へ辿り着き、待ち合わせ場所に指定された区画本部の一室にて、こうして待機しているのである。
場所が場所なだけあり、到着直後は緊張で溜息を吐く余裕すら無かったが、一人になった途端これである。ようやく到着出来たことと、任務に参加するという形で追加で試験を受けられるという安心感から心に余裕が生まれたことが原因だろう。

「…そういえば…そろそろ管理官殿が見える時間だな…。やっべ、緊張してきた……あ、そうだ」

徐に部屋の壁に掛けてある時計に目をやると、そろそろ集合時間だ。今まで不平不満やら溜息やらを漏らしまくっていたが、改めて区画統括管理官の立場にある人物と今から対面するのだと思うと、再び緊張してしまう。
第一印象は大事だ。もし会って早々間抜けを演じてしまえば、その人物の中で自分のイメージは最悪なものになってしまう。図らずも可笑しな言動を取ることを避けるには、一旦落ち着いてしっかりとした言動を取る必要がある。これは士官学校時代に学んだことである。
では、ベリオはどのように落ち着くのか?挨拶の時の言葉の練習?余計緊張する。好きな本を読む?彼は小説も漫画を持っていない。ではどうするかというと。
徐に席を立ち、腰に吊ってある左右のホルスターのうち右側のものから、拳銃を一丁抜き取る。それは冷たい青色に氷塊のような模様が入った銃であった。ベリオはそれを一通り眺めると、安全装置を付けたまま、引き金に指を掛けないよう右手の人差し指をピンと伸ばした状態で構えてみる。次に一度ホルスターに収めると、素早く抜き取って壁の向こうに照準に合わせるかのように構えた。それを何度か繰り返し、完全にホルスターの中に収めると、今度は左の拳銃に手を伸ばし__。

『失礼する。今期任務より入隊予定のベリオ=アルスター候補官はいるか?』

集合時間ぴったりのタイミングで部屋の扉が開け放たれ、そこから軍服のような服装に身を包み頬に傷のあるたくましい男性が現れる。席に座っていたベリオはその声と姿に気付くと、「はい!」という返事と共にスッと素早く立ち上がり、気をつけの姿勢で相手に向き直ると、これまた几帳面にピシッとした敬礼のポーズを取りつつ、前々より練習していた文句を口にする。

「自分、貴国の国家隊入隊候補官のベリオ=アルスターであります!本日、貴国家隊の任務に同行出来ることを、たいへん喜ばしく思っております!今回は何卒、宜しくお願い致します!」

__決まった。ベリオはそこまで言うと、真剣な面持ちで敬礼を続けたまま、相手の返事を待つ。そして同時に、顔には出さないが内心ではこんなことを思っていた。

(__あっっっぶねえええええ!!今管理官殿の足音が聞こえてたから取り繕えたものの、あのまま抜き打ちの振りを続けてたら完全にアウトだった…!ありがとう俺の耳!!)

そう、拳銃の構えを練習していたあの時、突然壁の向こうから足音がフェードインしてくるのが聞こえたのである。超音波を感知出来る程の耳の良い蝙蝠の亜人として生まれてきたことに感謝しつつ、物音を立てないよう席に座り直したところで、先程の一連に続いたのである。
やはり顔には決して出さないが、当時の彼の背中は冷や汗が止まらなかったとか、そうでもなかったとか…。

>ディノア【メインストーリーに参戦できて嬉しいです!此方こそ宜しくお願いします!】


【初めまして、レーリンと申します!文才はあまり無い方だと思いますが、皆様と共に物語を紡いでいけたらいいなと思っております!
どうぞ宜しくお願い致します】
>ALL参加者様

1ヶ月前 No.493

ますたぁ ★iPhone=oVdQpL6VUk

【白月レイ:エイルす区画/第一浮遊島/区画本部前】

「ここがエイルス…話で聞いていた以上の場所ですね。制御装置を持ってきてよかったです」

そうと腕にはめた金属製のブレスレッドを触る。


任務の場所を聞いて、急いでこの魔道具を取りに行ってよかった。ここは空中に浮いた島。どう言う原理かは詳しくはないけれど、少なからず多くの魔道具が動いているに違いない。
そんな場所に、人間と魔道具のハーフみたいな魔武器が行くと、魔道具同士で誤作動を起こしてしまう可能性がある。
このブレスレッドはそれを防ぐためのものなのだ。

「……あくまで私は見学者ですが、みなさんの足を引っ張らないようにしなければ……」

それでもやはり、どこか乗り気にはなれないでいたレイ。今回の任務はレダールの成分が含まれた香水もどきフェリクスを証拠品として本部へ運ぶこと。
レダール……その意思の影響を受けるとどんな種族も野生化し凶暴になり暴れ出す。それだけでも恐ろしい代物だが
あのレヴァーンと名乗る人たちはレダールを使ってなにかをしようとしている。私たちはそれを阻止しなければいけない。
ただ、私がここにいることもなにか嫌な予感がしてならなかった。


≧エルト アシュレイ セキア レイニア ノイ

1ヶ月前 No.494

エルト @absoryut ★lbN0U8PuMJ_TJc

【エイルス区画/第一浮遊島/区画本部前】

「ここは…相変わらずにぎやかだな」
感嘆の声をあげるセキアや何処か安堵したような声を出すレイ等に続き、前者と比べると大分落ち着いた口調で呟きながら、歩を進める。
(…まぁ数か月やそこらで様変わりしてるはずもないか)
なんだかんだで国家隊の候補者と言う立場に落ち着いてはいるが…その数週間前にはざっくりとではあるが各地の主要な場所には足を運んで調査していたこともあり、眼前の光景は予想道理というところではある。
(しかしまぁ…流通区画として考えれば合理的ではあるんだが…もう少し立地はどうにかならないものだろうか…)
…前途の落ち着いた口調と言うのは実際の所、若干の気疲れから来ているものであったりする。
(慣れればそうではないんだろうが…どうにも落ち着かないな…)
と、言うのも…原因は移動途中にあった…こうして浮島に足をつけていると実感は湧かないのだが…ここはいわば空なのである。
高所恐怖症と言う訳ではないのだが、一般的にはこのような高度で生活する機会などあるはずもなく…うっかりと列車の窓から外の風景…もっと言ってしまえば眼下の建築物から高度を推察してしまってからは『万が一』の自体を想定してしまい、気が気ではなかった。

「ん…ああ、もう付いたのか」
結果、シスメやレイニー達のやり取りをぼんやりと聞き流していた所で、ノイの呼びかけに気が付いたところで、そう返して後に続くとする。

>ALL

1ヶ月前 No.495

語り部(スレ主) @yuzuriha16 ★p4z0LSfGXf_OYu

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1ヶ月前 No.496

ますたぁ @usagishi59 ★iPhone=oVdQpL6VUk

(訳あってアカウントが違いますが、ますたぁです。これからはこのアカウントで参加します。なりすましとかではないです。)

【白月レイ:エイルす区画:第一浮遊島:区画本部】

なんだろう、この島は落ち着かない。
早くこの任務を終わらせたい。こんなことを思うなんて、今日の私なんだか変ですね。

そうこうしている間に、エレベーターに乗りエイルスの区画本部へとやってきた。
シスメさんやノイさんの様子を見るからにこれから会う人は、どうやら相当目上の方らしい。
自分も身だしなみや、おかしな挙動をしていないかと、チェックし、開いた扉にゴクリと唾を飲み込んだ。

その方は、ディノアギスバルガエンズルド区画総括管理官さんと言うらしい。肩書きを抜いたとしても、とても長い名前だ。とてもじゃないけど覚えられそうにない……と思っていることに申し訳ない気持ちでいっぱいになっレイだった。

「第七候補隊白月レイです。あの一応国家隊なのですが、今回は訳あって見学者という扱いになってます。種族は…魔武器です」

ディノアさんとベリオさんに軽く自己紹介をして会釈をする。そしてわざとここで自分の種族のことを口にして、相手型の反応を見る。おもにディノア区画総括管理官の反応を…

なんだかあの人から、というよあの人が持つ剣から妙な気配を感じる。恐らく魔道具の一種なのだろうけど、なんだか懐かしい気持ちがした。もしかしたら、魔武器の生き残りかもと思わせるほどに

「……そんなわけないか……っ」
レイは脳裏に、あの遺跡で見た壁画を思い出していた。

≫エルと ベリオ レイニア ノイ ディノア

1ヶ月前 No.497

レーリン @reirin16☆iFOiR2juBrUr ★iPhone=t2Gdx8uNU5

【ベリオ/エイルス区画/第一浮遊島/区画本部内】

目の前に対峙する人物はエイルス区画の管理官殿で間違いないようだ。ベリオよりも数倍は逞しく見える体躯や、傷のある強面の顔等から、一見厳しい性格なのかと思いきや、口を開けば穏やかな物腰を感じさせるお方である。
そうかしこまらなくてもいい、と管理官殿から言われると、ベリオは「はっ!」と軍人らしい返事をしつつ敬礼を解いた。

「(あっ……いかんいかん、折角の管理官殿からの言葉を無視するかのような態度を取ってしまった…。肩の力を抜こうにも、士官学校での生活が染み付いてしまってなかなか上手くいかん…)…えっ、あっ、は、はい!恐れ入ります…」

直前の自らの堅い言動に対し内心で反省していると、テーブルの、ベリオのちょうどそばに当たる位置にコーヒーを淹れたマグカップが一つ置かれ、ちょうど向かい合う席にもう一つ置かれた。管理官殿の言葉に即座に反応するように、若干慌てて「恐れ入ります」と言い、彼に続いて席に着いた。
よく磨かれたマグカップの中に、黒々としたコーヒーがベリオの表情を映し出している。それで自らの顔が僅かに強張っているのに気付き、頭を下向きに傾けて片手で顔を覆うと、小さく深呼吸をして気分を落ち着かせようとする。
その後落ち着いてきたところで、まだ湯気を立てているマグカップの取っ手を掴み、「頂きます」と一言添えた上で一口、口に含む。勿論ブラックだ。
良い豆を使っているのだろう、上質な香りと酸味の少ない味わいが口一杯に広がり、今まで保持し続けていた悪い緊張をほぐしてくれるようだ。甘党らしい友人の一人はコーヒーに角砂糖やらミルクやらを多めに入れて飲んでいたが、それではコーヒー良さが全く分からなくなってしまう、勿体ないな、とベリオは思った。

『貴官も災難だったな。よもや飛空艇のエンジントラブルとは私も久々に聞いたよ』
「…はい。試験官方に多大なご迷惑をお掛けしてしまい、とても申し訳なく思っております。こうして、管理官殿の貴重なお時間を割いて頂いている訳ですし」

一息ついたところで、早速本題として、ベリオの今回の災難について言葉をかけられる。彼自身、この程度の受難には慣れているつもりだが、こうして公の事情に絡んだ不運が降り掛かると、持ち前の生真面目さから罪悪感が込み上げてくる。
管理官殿は決して怒っている様子ではない(むしろ此方に同情している)が、エンジントラブルで試験に遅れることが無ければ、彼は今頃自分の仕事に専念出来ていた筈である。彼の台詞からして、エンジントラブルの事例は滅多にないようであるから尚更申し訳なく思った。

『さて、貴官には手紙でも案内したとおり、今回の任務から第七候補隊へ配属してもらうことになる。
今回の任務が貴官の国家隊入隊の合否を判断する材料とさせてもらうことは手紙に書いたとおりだ』
「はい、存じております。今回の任務が俺……いや、私の試験代わりとはいえ、重要な任務なのですから、足を引っ張らないよう、存分に尽くしていく所存です」

例の不運により立ち往生していた時に貰った手紙は、この区画本部へ来るまでに何度も目を通しておいた。大まかな内容は2、3回読み返した際に既に頭に入っていたが、見落としている箇所は無いか、意味を履き違えていないかと何度も何度も読み返していたため、現在は手紙の内容を宛名から送り主の名前まで暗唱出来る__筈。
話している最中にふと管理官殿の表情が険しくなった気がするが、敢えて気にしないようにしておこう。
その後の管理官殿からの話の最中に扉からノックの音が響き、管理官殿が一旦席を外した。一体誰が来たのだろうかと気にしながら、緊張を完全に無くすつもりで残ったコーヒーをグイと飲み干す。このような場で一気に飲み干すのは失礼かもしれないが、この後用事が出来て残したまま席を立つのも何だか勿体ないからである。

「……?」

管理官殿の背中が、開けられた扉の出入り口を半ば塞ぐようにして見えている。その向こうには複数の人の姿が見えたが、よく判別出来なかった。
管理官殿の苦々しい言動と、見知らぬ女性らしきヘラヘラとした声が聞こえたかと思うと、見知らぬ人間や亜人が複数人、ぞろぞろと部屋の中へ入ってきた。ベリオもそれに伴い、姿勢を正してすっくと立ち上がり、彼ら(女性の方が多い様子だが)の方に向き直る。
管理官殿__ディノアギスバルガエンズルド区画統括管理官の自己紹介の後に、ベリオの簡単な紹介も新たな来客たちにされたところで、自主的に短い敬礼を済ませ、自らも名乗り出る。

「今回から候補官としてお世話になります、ベリオ・アルスターです。本隊の恥となりませぬよう、死力を尽くして貢献していきます。どうぞ、宜しくお願い致します!」

言い終えたタイミングで、新たな来客たちの自己紹介が始まる。
恐らく、同じ候補官と思われる元気少女、セキア・ルーブ。霞んだマリン・ブルーと貼り付けたような笑みが印象的な亜人の女性、レイニア・ベルダー候補教育官。この中では一番真面目というか、苦労人になっていそうな女性、シスメ・テムセージ弐位書記官。カタコトな口調が特徴的な亜人の女性、ノイ教官補佐。それに続き、ベリオと同じく第七候補隊の白月レイという魔武器の少女が自己紹介をしてくれた。亜人は士官学校で、人間は故郷を飛び出した後に住み着いていた町で飽きる程見てきたが、魔武器とは初めて聞く種族である。……魔武器?

「……白月レイとやら。魔武器…だったか?そのような種族は初めてきくが、具体的にはどのような種族なんだ?…いや、気に障ったならばすまない、俺はこのような国に来てからまだ数年しか経っていなくてな……知らないことはまだ沢山あるんだ。出来る範囲で教えてくれると助かる」

自分でも悪い癖だと自覚してはいるが、レイという少女に対する言動は、心なしか堅く取っつきにくいものになってしまった気がする。しかし、誠意をもってきいてみたつもりだ。W魔武器Wというワードに驚かなかったのは彼自身の無知さの自覚もあるが、自分の種族ほど怖がられるものは無いと自覚している理由もある。もし仮にレイ自身からなんらかの説明を受けても、「世界は広いんだなぁ」というくらいにしか思わないだろう。
現在聞いた自己紹介を一通り終えた直後、最初に元気よく自己紹介をしたセキアが真っ先に此方に向かってきた。内心ビクッとしかけたが、舐められてはならないと思い、表面上は平静を保つフリをする。

「……何だ?」

いきなり近付いてきたかと思えば彼の周りを観察するようにぐるりと一周するセキア。そう言えば、先程から此方を興味津々に見つめていたが……そんなに自分は珍しいのだろうか?
彼女が観察している最中に畳んでいる翼を広げて脅かしてみようかとも一瞬考えたが、ベリオはその考えをすぐに捨て、怪訝そうな目で一言口にするだけに留めた。自分はそういうキャラではないからだ。
一通り観察し終えたらしい彼女は、何やら興奮しているような雰囲気を出しつつ、『力になれることがあったら何でも言って!』とベリオに手を差し出してくる。早々に先輩らしい振る舞いをしたいのか、とベリオは思ったが、こうも屈託の無い笑みを向けられると応えざるを得ない。

「…ああ、宜しく。セキア・ルーブ…だったか。お前はもう少し落ち着きというものをだな__ゴホンッ!いや、何でもない。忘れてくれ」

つい癖で思わず説教じみた言葉を口にしそうになり、わざと大きく咳払いを一つすると、気を取り直して差し出された手を握り返す。あのまま自分で止めなかったら、あのまま本当に説教モードに突入していたかもしれない。初対面早々に顰蹙を買うのは御免だ。

>ディノア、セキア、レイ、レイニア、シスメ、ノイ、ALL

1ヶ月前 No.498

希石の皇子 @adrasteia ★qa9glxeVZq_Onj

【エイルス区画/第一浮遊島/区画本部内/アシュレイ・ツィー】

 人が存在する限り物資の流通は必ず生まれる――社会を存続させる商業は自治国家においても変わらず、必然として他国との関係性を築いていた。
 アスールが国策として力を入れている分野は、機工、鉄鋼、兵器に娯楽に生物工学などなどと大分して尚多岐に渡っている。
 あとは魔導具の製造技術が頭一つ秀でてはいるものの、当然これらから割り出されるのは長所に隠れた欠点だ。
 早い話が器用貧乏、無個性なのである。酪農を始めとした第一次産業もそうだが、総じてどの分野にもその道に長けた他国が存在する。
 ……至極当たり前のことなのだが、流通が国の発展に大きく根差している以上、この蒼き国は当然それらに遅れを取っていると言わざるを得ない状況だった。
 まあ、つまりはどれだけ魔導技術が凄まじくとも腹が減っては生きていけないというわけで……必然、国と国との間では古くから輸入業が行われていたのだろう。

 無論、我が国や東の教国もまた別ベクトルに先鋭化しなければならなかったという背景がある以上、奇妙な形であっても、それぞれが相手国を必要とする関係性が構築されたのだ。これもまた、先の魔導大戦が生み出した因果のひとつと言っていい。
 古の魔女が遺した異界の知識は荒廃した世界で唯一不変にして普遍の価値。極論、命綱である。それを頼りに発展してきた結果、獲得した技術の種類が各国それぞれの特徴や傾向を大きく決定づけてしまったということは、もはや疑う方が馬鹿馬鹿しい事実だ。
 そんなわけで、自国にはアレがあるけどソレが足らん。しかし他国はその逆で、という風な持ちつ持たれつの物流関係から、その辺りのインフラはどこの国においても厳重な検査機関が設置されているものなのだ。――少なくとも、聖王国ではそうである。

 ……が、そこに「みんなで仲良く分け合おうぜ」と爆弾を投げつけたのが、この自治国家アスールであった。
 なにせ、聖王国のみならず様々な国家が他国のそうしたテクノロジーを狙っているのだ。
 荷物に紛れて間者が一人、僕のように身分を扮してまた一人、なんてことも当然あるのだから、厳正なチェックを怠ってはならない筈である。
 であるのにも関わらず、今回のように不正ルートを通って流通する品が検挙される始末。これに目をつけず便乗しない愚かな国がどこにあろうか。
 余計な血が流れず懐も痛まない。仮に何かあれば全て自治国家の所為にして自国はシラを切り通すことすら可能なのだから。ゆえに。

「だからこその国家隊、か……」

 斯くして、一行は任務を遂行するべく浮島へと降り立った。
 ここまでの道程を反芻すること数瞬。今朝のブリーフィングにてアンチレダールなるものを受け取り、レイニーに追従する形でウロボロスへ乗車。
 ややあって目的地である区画本部へと到達したわけだが……どうにも着いたからといって「はい、じゃあ開始ね」とは早々いかないらしい。というのも――――。

 ドアノブに手をかけようとしたレイニーの前方。
 ほろ苦い香りを纏って扉の向こうより姿を現したのは、僕と同様に黒白の頭髪を弁えた偉丈夫だった。
 ディーくん――すなわち、ディノアと呼ばれた男に目を遣られて、会釈を返すや否や一行は部屋に通される。
 華美ではなくとも精微に整えられた室内。そこにはマグカップの据えられた長机が配置されている。
 先に椅子へ腰掛けていたのは見知らぬ青年だった。これについてはディノア区画統括管理官から直々に紹介があり――ああ、つまり。
 説明されると納得だった。

 灰髪金眼の先客。ベリオ=アルスターと名乗った白磁は、如何にもといった体で言葉を紡いでいく。
 ゆえに――小気味好い。まるで古い鏡か幼き日の映像でも見ているかのように、くすりと綻びを見せる嫋やかな微笑み。

「僕はアシュレイ、アシュレイ・ツィー」

 セキアに続いたレイを音頭に、まずは一言。
 ふふっ、と物腰穏やかな表情を浮かべて。アシュレイは小さく挙手をして開口する。

「アッシュで構わないよ。よろしく、ベリオさん」


>ベリオ、セキア、レイ、ALL

1ヶ月前 No.499

ますたぁ @usagishi59 ★iPhone=oVdQpL6VUk

【白月レイ:エイルス区画:第一浮遊島:区画本部】

ベリオさんから『魔武器とはどういう種族なのか』という質問をされたので、少し考えてから

「魔武器というのは、かつてこの地にいたと言われる東の魔女、ツキヨミさまが、人間と魔道具を融合させ作った、種族です。魔武器はさまざまな武器に姿を変えることができ、持ち主となる人使ってもらうことで、持ち主の能力と自身の能力を向上させることできるんです。」

と、まるでどこかの辞典から引用してきたのかと言わんばかりの、端的な説明をする。これで相手は理解できたかな。少し心配だけど、多分大丈夫。

他にも、持ち主がいないとろくに戦えないこととかも説明しようと思ったが、セキアさんが割って入ったので、それ以上を説明することができなくなってしまった。

そしてレイはディノア区画総括管理官のほうへと向き直す。
ここ居心地が悪い。早くこの任務を終わらせて自分の庭園へ行きたい。
とレイは思っていた。

≫セキア ディノア レイニア ベリオ アッシュ エルト

【東の魔女ツキヨミ:ルナ企画:中央本部】

「あーここにくるのは久しぶりだなあ……まったくあの連中ときたら。ここなら安全だと思ってアレを預けたのに
わざとあれらと関わらせようとしているのがみえみえだにゃー……。」

黒猫の姿で中央本部の通気口?の中をテクテクと歩いていく。この黒猫こそ何を隠そう、レイたち魔武器を作った張本人、ツキヨミである。世間では死んでいることになっており、「東の魔女が生きているらしい』都市伝説は流れてはいるものも、事実生きていることを知っているものは数少ない
くろねこは若干怒りながら通気口(?)の中を進んでいく。

・>>All

1ヶ月前 No.500

語り部(スレ主) @yuzuriha16 ★2d1sNJyPSG_lXe

【ディノア&セキア&レイニア&シスメ&ノイ/エイルス区画/第一浮遊島/区画本部内】

握手は快く交わされた。だがしかし、ベリオの怪訝な表情は変わらない。
確かに、翼を隠している今の彼に外見的に注目すべきところは見当たらない。
セキアが彼のどこにそんなに興味を引かれたのかというと、その答えはすぐに明らかとなる。

『…ああ、宜しく。セキア・ルーブ…だったか。お前はもう少し落ち着きというものをだな__』

「あー! 誰かに似てると思ったら、
エルトにそっくりなんだ! 雰囲気とゆーか、空気とゆーか」

ベリオの忠告の言葉を半ば遮るような形で、セキアは納得に声を上げる。
今は誤解が解けているのだが、どうもエルトも最初は人を寄せ付けないような雰囲気があった。
そんな会ったばかりの頃のエルトとなんとなく雰囲気が似ている気がして、
必要以上に注目してしまったのかもしれない。
その他にもこうしたことで注意を受けるのもエルトからがほとんどだった気がしないでもない。
そして、彼と同じくその忠告はセキアに聞き流される運命にあった。
常にテンションがMAX方向に全振りなそんなセキアに振り回されるベリオを哀れに思ったのか、
ノイがのそのそと横から現れて口を挟む。

「ベリオ、平気? 第七、候補隊、常時、こんな風。
特に、ひどい、とき、強力、ツッコミ、可」

心なしか旅の疲れに、対人疲れが重なった気がしないでもないベリオに同情するような声色で尋ねる。
これから任務もあるというのに、ここで心労を募らせても大変だ。
ブレーキ役の少ないこの隊に、彼のような存在は本当に貴重なのだ。
シスメのブレーキはレイニアによってもはや使い物にならないほど擦り切れているし、
エルトのブレーキはまだ隊に入って間もないこともあり制止力に欠ける。
自分もレイニアには強く出ることが出来るが、他の人が相手だとあまり強くいけない。
この隊はいつもこんな感じだと、ノイは助けを求めるかのように
半ば何かを悟ったような視線をベリオに送った。
と、そんな中、ふとアシュレイの表情が気になったノイは軽く彼の袖を引く。

「アシュ、大丈夫? さっき、から、表情、変。
レイニー、も、同様、顔、するとき、ある。
そういう、とき、いつも、思いつめる、様子、ある。だから…」

いつもより多い言葉数で言葉を紡ぐも、
ちょっと矢継ぎ早に話しすぎたため自分の思っていることがちゃんと相手に伝わっているかどうか自信がない。
過去を懐かしむような表情だったが、その中には良い感情ばかりとはいかないような
何かが混ざっているような気がして、考えるよりも早く思わず声をかけてしまっていた。

そんな二人の様子をレイニアは黙してまま見送り、
次いでぽつぽつと騒がしくなり始めたところ―――ディノアとレイに視線を戻す。

(先ほどから妙にディーくんのことを意識しているような、ああ、なるほどディーくんの服装のせいですか)

口を挟んでもよかったのだが、黙っていたほうがよさそうだと傍観を決め込んだ
レイニアは小さく腕を組んで二人の声に耳をそばだてる。先に口を開いたのはディノアだった。

「白月レイ候補官。配慮が足りなかったことは詫びよう。
この服を着ると身が引き締まるから、こうして国家隊員として仕事をする際はいつもこうしている。
いわばこれが普段着のようなもので定着しているのだ。今は目をつぶってくれるとありがたい」

鶴羽やレイニアが言っていた話は本当だったのだな。
レイの反応を見て、ディノアはそう確信する。何故だか彼女は軍服に過剰な反応を示す。
本人は上手く隠せているつもりなのだろうが、長年この位についてから飽きるほど隊員の顔は見てきた。
自分でも分かるほどの強面だ。特に怯えの感情とは付き合いが長い。
彼女の見せた感情はまさしくそれだった。そして、それ以上に信じられない。
処断官で生真面一本なあの男が、よもや過去にそんな大それたことをしていたなど
レイニアから話を聞かなければ一笑に伏していただろう。
だからというわけではないが、この騒動の渦中にいるこのレイという少女には、申し訳なさを感じた。
次いで魔武器という単語にディノアは静かに反応を示す。

「……そうか。先の一件、こちらの配慮が足りんばかりに苦労をかけたな。
鶴羽とレイニアから話は聞いている。私も立場上キミだけを特別視するようなことはできない。
ただ、個人の範疇で可能なことがあれば、私を頼ってほしい。」

先の一件とは以前、暴漢に追いかけられたことを言っているのだろう。
明らかに自分の顔を見て怖がっているわけではないのだと
確信したディノアは、そういってレイに皺の多い笑顔を向けた。
それにどうもこう年端も行かない少女に警戒されているというこの状況に居心地の悪さを感じたというのもある。
なんにせよ、これで少しでも肩の力を抜いてくれると良いのだが…
横でこの状況を楽しんでいるかのようににやにやと笑うレイニアを鋭い視線で黙らせ、皆の方へ向き直る。

「自己紹介は済んだようだな。正式な国家隊員になる間まで
同じ隊の仲間として各自助け合いながら任務に当たってほしい」

パンと手で小さく拍を打って自分に視線を集めたディノアは、話題の転換を図る。

「さて、今回の移送品と貴官らの任務地について説明する。ノイ、すまないがあれを頼めるか」

「承知」

言うが早いか、ノイがディノアの言葉を受けて部屋を出てすぐ
数分もたたないうちに取っ手のついた強化樹脂製の黒いケースを三つ持って戻ってくる。
机の上に並べられたそのケースの一つを開けると中には豪華な装飾のついた透明なビンが並べられていた。

「今回の任務では、このケースに入れたフェリクスを持ってエイルス区画の旧下水道を通ってもらうことになる。
シスメ書記官。ダンタリオンにあらかじめ地図データは送ってあるはずだが目は通してもらえているかな?」

「は、はいっ! ばっちりと!」

「結構。下水道までの案内はこの私がする。
これは区画統括管理官の言葉として聞いてもらいたいのだが、
くれぐれも旧下水道の存在とそこに至るルートの件は内密に頼む」

あらかじめ言葉を考えていたのかすらすらと説明するディノアだったが、唐突に言葉を切った。
二三度何かを窺うように視線を移動させた後、彼は口を開き――

「それと今回の作戦、貴官らには――――」

「ディーくん」

今まで聞いたこともないような底冷えのする声がそれを遮った。
思わず隣を見る。
セキアの視線の先には、見えないはずのくすんだマリンブルーの瞳でディノアに鋭く視線を送るレイニアの姿があった。

「だがしかし、この件は……」

レイニアの視線を受け、言いよどむディノア。一介の候補教育官であるにも関わらず、
この区画の最高位であるディノアを黙らせるだけの何かがその瞳の奥にはあった。
ディノアに完璧に言葉を飲み込ませることに成功したレイニアは淡々と続ける。

「“どちらが本当の自分か”きちんと見えてます?
心の中に仕切りを作りすぎて、自分が元いた場所がどこなのか分からなくなっていませんか?」

口を挟むことすらままならない空気が二人の間に横たわる。
そんな沈黙を先に打ち破ったのはレイニアの笑顔だった。途端に、部屋の温度が暖かいものへ戻っていく。

「頭、冷えました?」

にっこりといつもの口調で微笑むレイニア。対してディノアの顔は渋いままだった。

「……………貴様は、本当に嫌なやつだな」

盛大にため息を吐き出したディノアの顔はさらに何歳か老け込んだかのように見えた。

「あはは。よく言われます。それこそすごく今更ですねぇ」

気を取り直してとばかりに襟元を正したディノアは咳払いをひとつして皆へと向き直る。

「失礼した。話は以上だ。現場へ移動後すぐ任務にあたってくれ」

>レイ、ベリオ、アシュレイ、ALL

29日前 No.501

レーリン @reirin16☆iFOiR2juBrUr ★iPhone=t2Gdx8uNU5

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26日前 No.502

エルト @absoryut ★lbN0U8PuMJ_Tbw

【エイルス区画/第一浮遊島/区画本部内】

建物の中に入り、数分ほどの移動時間を経て会議室と思わしき部屋の扉を開けた所で…先頭にいたレイニアが扉に手を伸ばしたタイミングで、中から一人の強面の男が扉を開け、そのまま正面衝突してしまった…体格差から惨事にはならなかったのだが。
「きょ…教官!?」
…それだけならばよかったのだが…当の本人たちにとっては馴染みのやり取りだったのかもしれないが、初見であるこちらとしてはそんな事が分かる訳もなく…ディノアの強面を気分を害した故にと判断してしまい、思わずレイニアを呼び止める。
結局は『候補官の手前』と、いったん置いておくことにしたディノアに促されるまま、部屋へ入室すれば…先客であろう人物がおり…何者かと考える前に、ディノアから新たに候補官に配属されるものだとの説明がなされた。

>レイニア ALL

他の候補官の面々が、新たな候補官『ベリオ・アルスター』とあいさつを交わしている中、一足遅れつつも自身も名乗ろうかと言った所で…いつものセキアの暴走…もとい、好奇心が発揮されてベリオを周囲から伺うような挙動をしているのに気が付いた。
(…まったく…先日行ったばかりだろうに)
と、内心でため息をつきつつも放置するわけにもいかず、セキアを制しようとしたところで…当の本人たるベリオの方から窘めるような言葉がセキアに向けられた。
(…ふむ…こういった経験は以前からあったってことだろうか?)
後半の言葉こそ呑み込んだものの、見事にセキアを止める事に成功していた…かに見えた。

「セキア…いい加減にしなさい」
なおも止まらず、捲し立てる勢いでベリオに詰め寄り、喋り続けるセキアの後方から首根っこ…を直に摘み上げるのは流石にやりすぎと考え、衣服の首裏の辺りから摘み上げ、軽く後方へと下がらせた所で開放する。
「エルトだ…セキアも悪気があるわけではないんだがな…まぁよろしく頼む」
そうして簡潔に名乗るだけ名乗ったところで他の候補官同様、手を差し出し握手を求める。

>ベリオ セキア ALL

そうやってひとまずの挨拶にひと段落がついたところで、何やらレイやディノア、レイニア達が別件で密かにやり取りをしていたようだが…それもまた一段落ついたようで、さっそくとばかりに任務への説明がなされる。
そこで何やらディノアから補足がなされようとしたところで…レイニアがそれを制し、窘めるような事を言い、話を打ち切らせる。
(…ただ物ではない…と言うのはわかっていたつもりだが…彼ほどの立場にも影響を及ぼすか)
それは数分にも満たない、僅かなやり取りであったが…それでも十二分なインパクトを感じさせるに足ることであった。
…それに対し少し考察しようかと思いかけた所で…咳払いをしたディノアが、さっそく任務に掛かるようにと告げ、解散の雰囲気が一室に行き渡る。
(…今は任務に集中すべき…か)
脱線しそうになった思考を引き戻し、任務のためにと思考を切り替える事にした。

>ALL

25日前 No.503

語り部(スレ主) @yuzuriha16 ★0ktEkum2SA_lXe

【セキア/エイルス区画/第一浮遊島/区画本部内】

「なはは、ごめん。仲間が増えるのが嬉しくて変なテンションになっちゃった。
それに話ならちゃんと聞いて…うわとと」

ベリオの言葉で気付いたのか、咄嗟に大きくなりすぎた声のボリュームを落とすセキア。
うん、まぁ、そう。今しがた口にしている彼女の言葉どおり、聞いてはいるのだ聞いては。
ただそれがきちんと反省材料として生かされていないだけで。
ベリオの鋭いツッコミに動じた様子もなく、にへらと能天気に微笑んだセキアは
めげずに会話を再開させようとして、後ろから加わった力に思わずたたらを踏んだ。
何が起こったのか理由は明白、襟の後ろを予告なしに摘まれたのである。
後ろ向きに倒れかけたセキアは、意図せずして
そのまま首根っこを掴んでいる手の主の体にぽすんと受け止められる。
何事かと振り向いた先には、案の定というべきか疲れと呆れを濃くした表情のエルトの顔があった。

「あ、エルト。へへ、エルトにも怒られちゃった。
前々からうすうす思ってたんだけど、エルトってなんかお父さんっぽいよね」

エルトの心情を知ってか知らずか、まるで謀ったかのような彼の登場のタイミングに、
注意を受けているというのをそっちのけでセキアは嬉しそうに笑う。
話の脱線はセキアのお家芸だ。が、彼女の話題はさらなる飛躍を始める。
山を駆け上ったセキア特急は早くも空へと進行を開始し始めた。

「そうだ。だったら、特にこれに気をつけてほしいとか
これダメとか、そういうのあったら
任務の後とか合間の時間のあるときでいいから徐々に教えていってほしいかな」

いくら種族間の壁がうすいアスールといえど、まったく溝や壁がないというわけではない。
どうしても体質や食糧事情、倫理観の違いがあるから、
例外はあれど区画ごとに明確な種族の偏りができているのだ。
今日まで目立った軋轢や衝突がなくこれたのも、ひとえにそこに住む者が
正しくアスールの理念を理解していることと、先達の国家隊員たちの働きによるところが大きい。
国家隊に所属している以上、そういった問題に立ち会うこともあるかもしれない。
それを理解しての発言なのかそうでないのかはその能天気な顔からは判別できないが、
今回ばかりはエルトとベリオの言葉をきちんと受け取ったらしく二人の顔を交互に見比べながらそう言った。

>エルト、ベリオ、ALL



【ディノア&セキア&レイニア&シスメ&ノイ/エイルス区画/第一浮遊島/区画本部内】

ディノアが説明を締めくくったのを皮切りに、
レイニアはパンパンと手を叩いて注目を自分に集めると指示し始める。

「はいはーい、ではそろそろ移動しましょ〜。シスメちゃん。ちょっと誘導をお願いできます?」

レイニアの声を受けたシスメはキョトンと目を丸くした。

「え? あ、はい。地図データがあるので大丈夫ですけど…その、このままトンズラとかやめてくださいね」

「あはは。ちょくちょく失礼ですよねぇ、シスメちゃんって。
品行方正かつ真面目一本だと近所でも評判の私がそんなことするわけないじゃないですか〜」

じとりとしたシスメの視線を軽く受け流したレイニアは、
全員が退室するのを待って、椅子の上で神妙な雰囲気を漂わせるディノアに言葉をかける。

「で、なんですか? さっき机を指で三回コンコンしましたよねぇ」

先ほどこちらにしか分からないような音量で送られた
今やもう形骸化したと思い込んでいた合図を彼が覚えていることに
素直に驚きつつも、それ以上に話の内容が気になったレイニアは単刀直入に訪ねる。
はて、候補官の手前だと言ってさっき遠慮したお小言とやらの続きでも言われるのだろうか。
しかし、レイニアの予想は大きく外れた。

「レイニア」

「はい?」

「その、だな………体のほうはいいのか?」

ああ、なるほど、と顔には出さず一人ごちる。
なんとも形容しがたい気持ちに僅かに目を伏せたレイニアはいつもの微笑を顔に浮かべる。
だが、その笑顔はいつもに比べて誰が見ても作り笑いと分かるほどに下手糞だった。

「あは。まさか天下の区画統括管理官殿からセクでハラな質問を受けるとは思いませんでしたねぇ」

「真面目な話だ。鶴羽も心配していたんだぞ……アミルも、ヒルカもだ」

本人にバラしたらてめぇに火床の煮汁をすすらせてやるですよと
顔を真っ赤にしていたヒルカの言葉を都合よく無視してディノアは続ける。
対してレイニアは珍しく気まずそうに顔をそらした。

「…………あはは。そんな声ださないでくださいよ、ディーくん。
大丈夫です。そのための候補隊ですし。きちんと見極めたら早々に隠居させてもらう予定です」

「あの少年少女らが器だと?」

「はい。今はまだ、ですけど。それまではサポートをお願いしますねぇ」

「ふん。この借りは高くつくぞ?」

「えー、それ作ってあげたじゃないですか。ディノア区画統括管理官殿」

ディノアの腰にある刀を指差すレイニア。
ああ、このやりとりも久々だな、とディノアも応じる。

「貴様に格闘と剣術を教えたのは誰だったか忘れたか? レイニア・ベルダー候補教育官殿?」

いつもの言葉を締めくくりとして、二人の会話は終わりを告げる。
目が不自由なことを忘れるほどの素早い動作で
ドアを開けて出て行く元部下の姿を竜族の男は深いため息と共に見送った。




【ディノア&セキア&レイニア&シスメ&ノイ/エイルス区画/第一浮遊島/区画本部内】

【セキア&レイニア&シスメ&ノイ/区画本部内/旧下水道入口前】

一方その頃。

「そ、その…あの二人は一体どんな話しをしているのでしょうか。
レイニアさんがあんなにディノア区画統括管理官と親密だったなんて知らなかったですよぅ…」

「二人、いつも、ナイショ、話、多い。
私も、ときどき、蚊帳の、外、ある。納得、いかない、じぇらじぇら、する」

眉尻を寄せるシスメと、腕組みをしたままふんすと息をつくノイ。
見事な対比を描く二人と第七候補隊の面々は、
この区画本部の地下、巨大な石造りの扉の前で目的の人物が到着するのをいまかいまかと待ちわびていた。

「「むぅ………」」

共鳴する二人の唸り声。
そこに無神経にも脳みそゆるふわな少女によって特大の爆弾が投下された。

「応援していたアイドルに女の影が忍び寄って動揺を隠せないファンの心境?」

「ち、ちちちがいます! ちがいますよぉ! 本当にそんなわけじゃ―――」

誤魔化すように高速で手元の記録用魔導具のページをめくりはじめたシスメの声を遮ぎるように
レイニアの声が差し込まれたのはそんなときだった。

「やーやー、お待たせしました皆さん。それではちゃきちゃき運んでしまいましょうか〜」

ぱたぱたと小走りに駆け寄ってくるレイニア。
どこか剣呑なノイとシスメ両名の視線を受けたレイニアは小さく首を傾げる。

「おや、どうしました?」

「…………いえ、なんでもないです」

何故か疲労の色の濃いシスメの声に疑問を隠せない様子のレイニアだったが、
すぐに皆へと向き直り、ノイの手の中にある三つの黒いケースを指さす。

「では〜、誰がケースを担当するか。
旧下水道に入る前に決めてしまいましょう。立候補したい人とかいます?」

どうやら今回は観察役に徹するといったとおり、レイニアはケースの運搬に手を貸さないようだ。
含みのある笑顔で立候補者の手が上がるのを待った。

【遅ればせながら祝! 500レス!
ここまで来られたのもひとえに丁寧にロルを回していただいている参加者様のおかげです!
いろいろと不足のあるスレ主ですが、これからもよろしくお願い致します^^】>ALL

20日前 No.504

ますたぁ @usagishi59 ★iPhone=oVdQpL6VUk

【白月レイ:エイルス区画/第一浮遊島/区画本部内】

ディノア管理官は私の複雑な事情を知っているらしく、軍服を着ていることや先の一件のことについて謝罪をしてきた。

「いえ、そんな……私自身の問題ですし、ディノア管理官がお気に病むことでありません。」

それは偽りでもなく、まぎれもない事実だ。軍服をきた大男に関して恐怖心を持ってしまっている私の精神的な弱さのせいでディノア管理官に気を使わせてしまったし
先の暴漢に関しては、本当にディノア管理官にはなんの責任もない。

なんとなくディノア管理官に申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまった。

そうこうしているうちに、任務の話が進んだ。
旧下水道を使って例のフェニクスを運ぶらしい。旧下水道の存在に関しては機密事項らしいので、そのことにコクリと頷いた。

≫ディノア管理官 レイニア エルト ベリオ アシュレイ

【白月レイ:エイルス区画/第一浮遊島/区画本部内】

『…すまん。えー、今の俺には、魔武器の事情を深くまでは理解出来ない。しかし…もし何か自分の周りで困難なことが起こったなら、俺にも頼ってくれ。出来る範囲でなら、お前のことも援護出来る筈だ』


そう言われて、レイは少し驚いた顔をした後優しく微笑み

「ありがとうございます。」

と言ってと返すことしかできなかった。
初対面だったと言うこともあるだろうけど
誰かに自分の問題を負担させたくはないという思いの表れだった。


ベリオ

17日前 No.505

レーリン @reirin16☆iFOiR2juBrUr ★iPhone=t2Gdx8uNU5

【ベリオ/エイルス区画/第一浮遊島/区画本部内】

初っ端から相手のテンションに振り回される羽目になってしまったが、そんな彼に救いの手を差し伸べるかのように、『エルト』と名乗る少年が能天気に笑う相手__基セキアの服の襟を摘むようにして強制に下がらせる。
そうされたことで漸く落ち着いたのか、セキアによる一方的(?)マシンガントークが始まらずに済み、ベリオは僅かにホッと安堵の溜息を漏らした。当の彼女は反省しているのかしていないのか、エルトに対し「お父さんっぽい」と言い始める。もし彼女がベリオの通っていた学校の学生だったら、担当の教官から拳骨を食らっていただろう。それだけ態度と私語に厳しい学校だったのだから。

「こいつを落ち着かせてくれて感謝する…。改めて、俺の名はベリオ・アルスター。此方こそ宜しく頼む」

一言感謝の言葉を口にし、エルトから差し出された右手を自らの右手で握り、握手をする。
ちょうどその時、現在の状況の中心にいるセキアから、特に気を付けて欲しいことや駄目なことがあったら時々教えて欲しい、という要望の声が上がった。気を付けて欲しい、というなら、先程のように自身の話を優先してしゃべくるなと言いたいところだが、それを今言うのは野暮というものだ。彼女の性格からしてどうせ無理な要求であることはベリオにも分かる。
彼女の表情や口ぶりからして、恐らく種族的な部分の話をしているのだろう。人間と亜人の間には決定的な違いがある。それ故に亜人等の種族は普通の人間と比べ劣勢的な立場を強いられ、逆に人間は亜人種を必要以上に恐れる傾向にあると、幼少の頃に知った。全種族平等を謳うアスールであれど、潜在的な差別意識によりお互いを傷付けることだってあるかもしれない。
第一印象の所為であまり落ち着きのない少女にしか見えない彼女だが、そういう注意を払おうと出来るところは感心するなとベリオは思ったが、口にすればまた何かしらうるさくなりそうなので思うだけである。

「…そうか。なら丁度いい……色々言いたいことはあるが、時間が無いから一つだけ言うぞ。亜人には人間とは違う文化や身体的特徴なんかを持っていることは知っているだろう?そうしたことに対して突然あれこれ問いただすことは遠慮して欲しい。そうされることで傷付く奴もいるからな…」

__俺のように。という末尾の台詞を飲み込み、そう告げる。今は、今はまだ自分の素性を勘繰らせるような言葉は言わない方がいい。せめて将来相手の人柄を深く知ることが出来てから、自身の体質を受け入れることの出来る者であると分かってから、そういう台詞を口に出せるようになろう。もしこんな時期にバレれば、何もかも終わりだ。

>エルト、セキア


『ありがとうございます。』

そう言ってレイは微笑みを返した。それを聞いて少し安心したが、半ばの不安もベリオにはあった。
先程僅かに視界に入ったが、ディノアの服装に恐れのような感情を抱いている表情を浮かべたことや、魔武器という人為的に生み出された種族の出身であることが、その理由だった。
今回は任務に参加しないということだが、それでも彼女の身の安全が保障された訳ではない。任務の遂行は積極的にするつもりだが、同時に同じ候補隊員らを守れるだけの対策もしておかねば、と改めて身を引き締める。

>レイ


【ベリオ/区画本部内/旧下水道入口前】

ディノアの話が終わった直後、レイニアから移動の合図が入り、他の候補隊員らと共に部屋から出ていく。通路を歩いている途中でレイニアの姿が無いことに気付き、キョロキョロと辺りを見回すが、すぐに止めた。先程のディノアのレイニアの会話姿を思い出し、きっと二人きりじゃないと話せないことでもあるのだろう、と考えたからである。
その後、この区画の旧下水道の入り口だという巨大な石造りの扉の前で、自分なりの戦闘態勢の一つとして、額に掛かる前髪を上げるようにして愛用のバンダナを巻き、その上から帽子を被り直していた。こうした方が射撃や暗所での行動に都合が良いのである。
その背後にて女性陣数人による女子トークが繰り広げられていたが……そこは紳士らしく、耳を伏せる等して聞かないようにしておいた。

『やーやー、お待たせしました皆さん。それではちゃきちゃき運んでしまいましょうか〜』

扉とは反対方向__つまり自分たちが歩いてきた道の向こう側から、お待ちかねの人物が登場した。
その人物基レイニアは早速ケースの運搬役候補を決めようと提案してくる。自分は運搬役にならないというような口ぶりだが、彼女は目が不自由なようなので仕方ないのだろう。
誰も我こそがと名乗り出ていない頃、ベリオはスッと真っ直ぐに手を挙げ、名乗り出る。

「…その役目、自分が立候補します。暗がりは自分の庭のようなものですし、いざという時にはケースを安全な場所へ退避させるために動くことも出来るでしょう。…ですが、その立候補者を完全に決定する前に、皆の特技や能力の把握をさせて頂いても良いでしょうか?」

ケースの運搬役として立候補する理由を並べた後、それだけでは無く任務に参加する候補隊員の能力も把握したいと申し出る。ベリオはあくまで正規の試験に遅れる形で参加しているのだ。実戦での仲間の戦闘スタイルをこの目で見ることが叶わなかったため、安全にケースを運ぶためにも、必要ならば仲間に適切な指示を出すためにも、それは知っておきたい。

「…因みに、俺は超音波を使って暗闇の中のものを把握することが出来る。所謂反響定位(エコーロケーション)という奴だ。夜行性の蝙蝠系の亜人なら誰でも持っているような能力だな…。亜人には超音波も認識出来るようだし、何度も使うとうるさいらしいから、連発は出来ないがな…」

言い出しっぺの法則ということで、まず最初にベリオの能力の一端を明かしておく。普通の人間は認識出来ないという超音波を使っての行動は、幼少期より用い続けてきた。暗所をW自分の庭Wと称したのはそれが理由だったりする。
他にも翼を使っての飛行も可能だが、それは開放的でない下水道の中では困難だろうから、敢えて伝えない。蝙蝠系と言った時点で察する相手は多いだろうし。

>ALL


【おおう……500到達は視認していたのに理解していませんでした…!(((
改めて500レス到達おめでとうございます!次は1000レス行けるように頑張ります!】

16日前 No.506

ますたぁ @usagishi59 ★iPhone=oVdQpL6VUk


【東の魔女ツキヨミ:ルナ企画:国家隊本部】

中央本部の通気口内を余裕綽々で歩いている黒猫が一匹。

「えーっと…鶴ちゃんの部屋はどこだったかにゃー……」

まるで昔からの顔馴染みのように、この国家隊でそれなりにえらい人の名を口にしながら
その猫は迷わずその部屋へと歩いていく。
通気口の中なので、誰かに見つかる心配はないが、それでも緊張感のカケラもないのは、自分の能力に自信があるからに他ならない。

「このあたりだったかなー……よっと……」

お目当ての部屋を見つけ、通気口からヒョコッと出てきて、あたりを見渡す。
ここで間違いない様子だけど、当の本人はいないみたいなので、あくびと伸びをした。するとみるみるうちに人の姿に戻り、偉い人が座りそうな黒い椅子に遠慮のかけらもなくどっさりと座り

「なーんだいないんだ……まあいいか。まっていれば、そのうちくるよね……。」
椅子に座りながらクルクルと回る。


≫ルナ区画国家隊本部

16日前 No.507

希石の皇子 @adrasteia ★qa9glxeVZq_Onj

【エイルス区画/第一浮遊島/区画本部内⇒旧下水道入口前/アシュレイ・ツィー】


「ん……ああ、いや――大丈夫だよ」

 袖を掴み、拙い公用語で男――アシュレイを慮るノイの頭を撫でて、「ありがとう」と一言謝意を述べる。
 察するに彼女の忖度は、何か良くない過去でも思い出したのか、という体での心配だろう。
 その憂色は、ともすれば的を射ているが……しかし今回のそれは決して悪性ではなかった。
 むしろその逆。愉快にさえ感じた現状に、旭日の騎士は二の句を紡ぐ。

「ただちょっと、彼の態度が初めてこの隊に来たときの僕と重なってね。それが可笑しくて」

 その面映ゆさに張り詰めた表情は幾分か和らぐ。第七候補隊の面々には、当時の僕もこんな風に見えていたのだろうか?
 人差し指で頬をポリポリと掻き、遅れて訪れた羞恥は苦笑を交じえて口外へと通過した。
 ……思えば入隊したのはつい数時間前だというのに、早くも順応してしまっている自分に軽い驚きを覚える。
 成る程、自治国家アスール。多種族異文化さんざめくこの国の最大の武器とは魔導技術などでは断じてなく、文字通りすべてを受け容れる懐の広さなのだろう。

 閑話休題。
 やがて滞りなく――とは些か言い難いが――一通り任務概要を把握したところで、一行は当初の目的地である旧下水道入口前へと到達していた。
 ベリオやエルトらと共にレディー三名の談話を尻目に待機していると、ややあってレイニアが参着する。

 言うが早いか、誰がケースを持つのかというレイニーの弁に逸早く反応したベリオの提案に、アッシュもまた頷きを以て回答する。

「それについては僕も賛同します。なにせ僕にとっても初陣ですから」

 ――というのも、彼もまたベリオ同様に正規の隊員ではない。
 つまりは今回の任務をクリアすることで漸く、正式な国家隊員として認められる……そういう契約だ。
 ゆえに彼の異能、不鮮明だったその真骨頂もこれにて明らかとなるのだろう。ならば――――。

「ああ、僕は―――、」
       .      ・・・・・・・・
 だが。否、当然の如く。そうなるべくして彼は言い淀む。
 よって、その質疑応答は燦然世界に相応しからず。
 星の塵芥は目覚めぬまま、白灰色の灯火は未だその蝋翼を融かさないでいた。

「……媒体なしに宝石魔術が使えるのと、あとは剣が多少使えるくらいかな」

 判定――――、不適格。
 顎に手を添えて、どこか誤魔化すような声色でアシュレイは言葉を結んだ。


>レイニア、ベリオ、エルト、ALL

【500レス突破&あけましておめでとうございますー!
 いやー、僕は筆を執り初めてまだ数レスの滞在ですが、早いことに随分長い間このスレで皆さんと関わっているような気分になっております。
 馳せる感情に反して語れる想いの丈、そして言葉は未だ少ないですが、アッシュくん共々本年度もよろしくお願いします……!!】

12日前 No.508

エルト @absoryut ★lbN0U8PuMJ_Tbw

【エイルス区画/第一浮遊島/区画本部内】

「おとっ!?…あー…いや、まぁ進んで交流を図ろうとすること自体は悪いとは言わないが…」
『お父さんっぽい』と、言う予想だにしない言葉に不意を突かれ、ペースを乱されつつも何とか持ち直し…別に不快だったという訳ではないようだが…
「…どこまで許容できるかというのをよく見極めるように…最初は難しいだろうがな」
ベリオからも『身体的特徴や文化』などを無遠慮に問い詰める事は遠慮して欲しい、というアドバイスを受けるセキアにそう助言する。
…幾多の種族が集うこのアスールと言う国において、彼女のように物怖じせず交流を図ることができる、というのは長所と言えるだろう。
これからの事を考えれば、その長所を伸ばしておく事は国家隊としての活動に役立てることができるはずだ。
(…まぁ…もう少し自制が聞けばとの但し書きは付くが)
故にあくまでもやんわりと…どちらかと言えば呆れ気味と言った様子でそう助言をするにとどめる事にしたようだ。

>セキア ALL

「何、大したことじゃない」
礼を言いつつ握手を交わしたベリオにそう言って、ひとまずの顔合わせを終える。
(…表面上は何もない…つもりなんだろうが)
だが、先のセキアとの会話の中でどこか違和感を感じ…実際に接してみるとその違和感の正体に思い当たる。
(何か後ろめたい物がある…という感じだな…)
何処となく、雰囲気に硬さのような物を感じ…それが緊張によるものだけではなく…隠し事をする子供などと言えば少々言葉が悪いが…によく似た物と感じ取れた。
(まぁ亜人種にはそう珍しい事でもない…らしいが…)
とは言え、その後ろめたい雰囲気も悪意から来るものではないようで…それを無理に聞き出すのは少々無遠慮に過ぎる。
「まぁ…ここの空気に馴染むのも結構骨が折れるだろうからな…何かあれば遠慮なく相談してくれ」
故に、他愛無い言葉としてそう締めくくる事にしたようだ。

>ベリオ ALL


【エイルス区画/旧下水道入口前】

任務に関しての説明が終わり、いざ移動…と言うところでレイニアがシスメに先導を促し隊員たちを移動させようとする。
(…ふむ…何かあるのか?)
先の任務の説明の最中、ヒヤリとするような部分があったが…それを蒸し返すような雰囲気はまるで無いため、大した事ではないと思うが…
…少し気になる所ではあるが…わざわざ人払いをする程なのだし、説明するつもりはないのだろう。
(間違いなく煙に巻かれるだろうしな…それも複数を巻き込んで茶化すように…)
…そう長くはない付き合いだが…多少はレイニアの事を学習したようで、何も言わず引き下がることにする。

「…親密と言うには少し違う気がするが…まぁ教官も上役同士でしかできない話と言うのもあるだろうさ」
レイニアとディノアの関係に対し、どうにも思うところがある様子の2人をなだめるようにそう言う。
(…親密…まぁ間違ってはないんだろうが…どちらかと言えば…『戦友』…と言った方がしっくりくるな)
あいさつ代わりに憎まれ口をたたき合うあの2人は死線をくぐり抜けた兵士のやり取りを想起させ…それが事実だとすれば先の考えも腑に落ちる。
(まぁ…有ってたとしてもだからどうしたと言う話ではあるが…)

…そんな事を考えていたところで、いつの間にかレイニアが戻ってきており…件の荷物を誰が運ぶかで立候補者を募り始めた。
(順当に考えれば後衛の俺が持つべきだろうが…)
と、考えて名乗りをあげようとしていた所で、ベリオから各員の戦力的な情報を共有すべきと言う意見が出た。
「…そうだな…俺は基本的な魔術での火力支援がメインだが…多少ならこいつで前に出れない事も無い」
そう言って、刃のない剣の柄…『アルカナイザー』を取り出し、一般的な長剣ほどの刃を出現させる。
「ただ…出来なくはないと言うレベルだからな…手練れと真っ向から撃ち合えるとは思わないでくれ」
他の候補官達同様、簡単にそう説明し役目は終わったとばかりにアルカナイザーの刃を消失させ、言葉を続ける。
「そういう訳だ…フリーな前衛は欲しい所だし、候補がいないなら俺が運ぼうと思うんだが…」
しかし、先ほどのベリオの話から、この環境において運搬役としては彼の方が有用ではある…が、同時に護衛としての戦力としても当てにできるだろうしどちらが良いかは悩みどころだ。

>ノイ シスメ ベリオ アシュレイ ALL

【あけましておめでとうございました…大変お待たせしましたが、500レス突破おめでとうございます!!これからも燃え尽きるまで付き合っていきたい所存なのでどうぞよろしくお願いします!!】

>ALL

10日前 No.509

語り部(スレ主) @yuzuriha16 ★cKuyENUdPP_lXe

【セキア&レイニア&シスメ&ノイ/区画本部内/旧下水道入口前】

「あはは、エルトすごい声。おとっ!?ってあはは!」

エルトの反応がよほどツボに入ったらしく、ケタケタと笑い出すセキア。
先ほどベリオに注意されたばかりなので、声量は抑え気味だったが、
とうとう耐え切れなくなったのか、ひぃひぃと過呼吸になりかけながらおなかを押さえ始める。
が、続くエルトの言葉で我に返ったセキアは目尻の涙を拭いつつ、ベリオへと向き直った。

「うん、分かった。気をつける」

時間がないというベリオの言葉に倣うかのように、
短い言葉とともに、いつものケタケタとした笑い声を潜めてベリオに静かに微笑を返す。
次いで、話題に上がった各々の能力の把握というベリオの提案に対し、
セキアはいのいちばんに嬉々として説明を開始する――かと思いきや、
手にした魔導書に視線を落としたままの姿勢で固まってしまっていた。

「?」

ふと襲い来る違和感。
セキア自身もその正体が判然としないようだったが、
空いているほうの手に視線を落とした瞬間、
その正体に気付いたのか、小さく息をのむ音が聞こえた。

「あたしは――」

ふと、隣を見る。だが、そこに彼女――レイの姿はない。
いつからそう錯覚していたのだろうか。これまでの勝利が、全て自分の力によるものだと。
傲慢にも、そう思いこんで、思いかけていた。あのときも、あのときも、あのときだって、
私はこの国に来てから自分自身の力で何かを切り開いてきたことなんか一度もない。
目の前に差し出された彼女の手に、その優しさに、ただ縋りついていただけだ。
至極当然の事実。当たり前を再認識する。ああ、なんだそういうことか。

(あたしって弱かったんだ)

ベリオ、アッシュ、エルトの口から語られていく明確な自分との力量差。
努力を怠ってきたわけではなかった。気持ちで負けたつもりもなかった。
それでも、この国に来るまでに嫌というほど体感した現実に、
ふっと自分の足元だけが崩れて落ちていくような喪失感を覚えた。
あたしは、弱い。使える魔術はお菓子を爆発に変えるシュガーバーストだけ。
身体能力は人間基準、加えてその人間の中でもズバ抜けているというわけではない。
何ということはない、元の自分に戻っただけ。なのに、なんで

(あれ、あたしの手ってこんなに冷たかったっけ……?)

どうしてこんなに不安になるのだろうか。
悟られないよう、ぐっとキャスケット帽のつばを掴んで深く被りなおしたセキアは
ベリオ、アッシュ、エルトに続いて自身の能力について説明を開始する。

「3人ともすごいね。あたしはこういうお菓子とかを爆発に変える
熱変換系の魔術が使える…というかこれしか使えないんだけど…。どっちかというと後方支援向きかな」

なんとか急ごしらえの笑顔を取り戻したセキアは、
水玉模様の包み紙にくるまれたキャンディーを
手の中でころころと転がしながら、簡潔に説明を締めくくった。

>ベリオ、エルト、ALL




ノイの憂慮はどうやら杞憂に終わりそうだった。
その証拠に、こちらを見返す旭日の騎士の青い瞳に陰りはない。
頭に感じる手の重みを目を細めて受け入れたノイは、
どこか照れくさそうに頬を掻くアッシュに微笑みを返した。

「その顔、好き。アシュ、いつも顔、変……変?
訂正、いつも笑顔、違和感、ある。今の顔、自然、良い。
……陳謝。言葉、下手、上手く、言えない」

こちらの拙い単語形成文をアッシュが上手く受け取ってくれたことに安心したのか、
いつもより多い言葉数で必死に言葉を紡ごうとしたものの、
上手く自身の心を表現する言葉が見つからないのか、しばし考え込むノイ。
やがて、先の言葉を弁明するかのように、ぽつりぽつりといつもより早口で言葉を紡いだ。
どうやら、ときどき無理に笑顔を作る人が常日頃から近くにいるせいか、
彼の笑顔は正しくその人と同じにノイの目には映ったらしい。
ほどなくしてアッシュの袖を離したノイは、今上がっている各隊員の能力についての話題へと加わる。

「最後の、ケース、立候補者、皆無、なら、私、挙手」

ベリオとエルトがケースの運搬に名乗りをあげ、残るケースは一つ。
はたして自分が名乗り出たところでケースを守りきれるかどうか、
自信喪失中だったことも手伝ってセキアがどうしようか悩んでいると、突然ノイが名乗りを上げる。

「え、ノイちゃんもこの任務に参加するの?」

思えば、ノイの戦闘シーンを今までほとんど見たことがなかったセキアは、急き込んで彼女に尋ねる。
どうもこのちんまい少女が前線に出るという光景を
想像できなかったというのもあるが、その心配はすぐに杞憂となった。

「肯定。能力、披露。私、これ」

そう言うが早いか、ノイはいつも持ち歩いている
ヴァイオリンケースの留め金を外すと、それを大きく空へと振り上げた。

「スルト」

ケース内からバラまかれる黒鉄の部品群。
それぞれが明らかな重量物と分かる速度でノイの頭上へと降りかかったその時、
彼女の言葉が合図となり、バラバラだった部品群は空中でより集り、一瞬で巨大な長銃へと姿を変える。

「長距離、精密射撃、可。広範囲、一定時間、掃射も、可能」

空から降ってきたそれを危なげなくキャッチしたノイは、
銃身を下に向けた姿勢で小脇に抱え、淡々と自分に出来ることを説明し終えると、
同じくケース担当に立候補したエルトとベリオにノイはつかつかと歩み寄る。

「ベリオ、エルト。これ、進呈」

そう言うと、フェリクスの入ったケースと一緒に、
両端に金属製のフックのついた黒い合成繊維製のバンドを二人に向けて差し出した。

「これなら、両手、使用、可。ただ、過信、禁物」

手本をしめすかのようにケースの両脇についたリングに
フックを通した後、バンドをたすきがけにした彼女は、
確かめるように何度かバンドを引っ張ってみせ、
強度はばっちりとばかりに二人に小さくサムズアップした。
ベリオとエルト、ノイが立候補し、それぞれケースの担当が決まったところで
唐突にレイニアがすすっとレイとの距離を詰めたかと思うと、その手を取る。

「レーイさん」

いきなり何事かと目を見開くシスメを尻目に、レイニアはマイペースに言葉を続ける。
その見えないはずのくすんだマリンブルーの瞳は、
なぜかこちらをちらちらと窺うセキアのほうを向いていた。

「レイさんレイさん。また手をお借りしてもいいですか?」

セキアから視線を外したレイニアはレイに小さく首をかしげてみせる。
普段はノイがすぐ傍についてこちらから催促せずとも手を貸してくれるのだが、
今回の任務に加わるため、補助は期待できない。
加えて、今回の任務はアッシュとベリオの入隊試験も兼ねているため
シスメも任務の記録に集中しなければならず、
ともなれば、レイニアはレイに頼るよりほかないわけなのである。
普段歩きなれている場所なら問題ないのだが、今回は極秘中の極秘ともされる旧地下水道のため
当然のようにレイニアも足を踏み入れたことはない。
まぁ、それを差し引いたとしても、以前レイの庭園を訪れた際の彼女の補助が初めてとは思えないほど
とても丁寧だったので、もう一度それに預かりたかったというのが正直なところだ。

「あはは、というわけでー、見学組同士、仲良くしましょうかレイさん。
今回は皆さんが慌てふためく様を面白おかしく観察しながら高みの見物と行きましょう〜」

「そういうことは思っていても口にしないものですよ、もう……」

なぜか始まる前から疲労困憊といった様子のシスメの声が低く旧下水道入口前の広場にこだました。

>アッシュ、レイ、ベリオ、エルト、ALL

2日前 No.510

希石の皇子 @adrasteia ★qa9glxeVZq_uLX

【エイルス区画/第一浮遊島/区画本部内・旧下水道入口前/アシュレイ・ツィー】


「ははは……参ったな。
 レディーにそのような心遣いをさせてしまったのは、エコー以来かな」

 絶星のエコー。詳細は割合するが、彼の幼馴染に当たる少女の名だ。加えて語るならば、彼の嘘を「壊滅的」と評した件の同僚も彼女である。そんなエコーと比肩したノイの言い分とはとどのつまり、贋物は不要という旨の顧慮であった。
 ……たしかに。ノイのその指摘に誤りは一切なく、真実アシュレイの浮かべる笑顔のほとんどは感情の模倣に過ぎないのだろう。
 無論アシュレイとて底抜けの愚者ではない。その行為が偽善であることは否定しないし、己がどうしようもない破綻者なのだとも自覚している。
      、     、     、     、     、      、      、      、      ・・・・・・
 しかし彼にとってそれは、誰もが笑って暮らせる世界を望んで奮い立った男の願いであり――――ああ、つまり。要はこの男、憑かれているのだ。

 閑話休題。
 作戦決行を前に苦虫を一ダースほど頬張ったかのような何とも言えない表情をしていた彼は、三人の言葉を受けて正当を切り出した。

「ならば僕が近衛を務めよう。……どうやらこの中で最も白兵に手馴れているのは僕みたいだしね、いざというときは壁くらいにはなれるさ。
 ――――それじゃあ、行こうか」

 真実は未だ霧の中。
 虎穴の底にて仄めく悪意が今、訪れる生贄を待っている。


>ノイ、エルト、ベリオ、セキア、ALL

2日前 No.511

レーリン @reirin16☆iFOiR2juBrUr ★iPhone=t2Gdx8uNU5

【ベリオ/区画本部内/旧下水道入口前】

『それについては僕も賛同します。なにせ僕にとっても初陣ですから』

今回の任務の参加者らの能力を把握したいというベリオの提案に、アシュレイも頷いて賛同してくれた。そして、彼の言葉により、彼もまた、ベリオと同じく初めてアスール国家隊候補としての任務に携わるということが分かった。現地へ到着した日時や、経路が違うのもあるだろうが、アシュレイの雰囲気的に実戦が初めてではなさそうなのに__実際のところ、そうではないようだが、ベリオ自身、彼の出自を知らないのもあって__W初陣Wであるということは、ベリオにとって驚くべきことだった。
しかしそこは置いておくことにする。相手への偏見が相手を傷付けるということは、自身がよく分かっていることなのだ。幼少期に里を出て、一人冒険したあの頃、自分と違う出自の者と出会わなければ、あのような真実を突き付けられなければ、今頃は__。
閑話休題。そんなある意味ベリオと同期であるアシュレイの特技及び能力は、媒体無しで用いる宝石魔術、そして剣術であった。宝石魔術という魔術なんて聞いたことが無いが、W媒体無しWということは、本来はそれなりの対価を支払って発動させるものなのだろう。とはれば実は彼は凄い才能を持っているのではないか?説明の直前に何やら言いにくそうにしていたのが気になるが…。

「成程…把握した。説明、感謝する。その宝石魔術というのはよく分からないが、何だか強そう、ということは分かる。剣術も得意となれば前衛向けかな…」

アシュレイの能力について短い感想を述べる__後半はやや独り言のようだったが__。彼はケースの運搬役を買って出る様子は無かったことと、任務開始前に彼自身が語ったポジションにより、周囲や前衛で防衛に入って貰うことになりそうだ。高身長であるし、剣の腕も立ちそうなのが頼もしいところである。

>アシュレイ、ALL


自らの言葉によって短い動揺を見せる同僚の反応に、セキアは腹を抱えてケタケタと笑い出す。それでも先程言われたベリオからのツッコミによってか、その声は多少抑え気味であったが。
そんな姿を見て、自らの学生時代に先輩にからかわれて笑われた苦いエピソードを思い返し、心なしか苦い表情を浮かべながらそれを眺めていたベリオだが、彼女が漸く落ち着いてきたところで再び真面目な顔に戻った。
『どこまで許容できるかというのをよく見極めるように』という、ベリオの忠告に添えるように付け加えられたエルトの助言も併せて聞き受けたようで、『気をつける』と微笑みつつ返すセキアに対し、少しは安心したのか、ベリオも穏やかな笑みを浮かべ、こう返事をする。

「気をつけてくれるならいい。まぁ、余程気を遣えという訳でもないし、そうした上で仲良くしてくれるなら嬉しい」

その後、旧下水道前において、任務の参加者の能力を知りたいというベリオの提案に、皆が快く(一部実演もしてみせつつ)紹介してくれた。その中でも、エルトは彼と同じくケースの運搬役に立候補した上、更に『基本的な魔術での火力支援』及び『アルカナイザー』という特殊な武器を用いての援護ができるという。しかし『出来なくもない』というレベルの実力であるとも同時に語られた。

「そうか、説明感謝する。ならばお前は安全な立ち位置で運搬に専念しつつ、周囲が危険に晒された場合に魔法や武器で援護する…という方が向いているだろうな。……あ、こういうことを候補隊員が言うのはおかしいか?」

彼へ説明の感謝の言葉を口にしつつ、本任務での彼のポジションについても提案気味に語る。しかしそういうことは上司が言った方が良いのかと不安になり、チラリとレイニアたち監察官等の方を見る。機嫌を損ねていなければいいが、と持ち前の真面目さによる余計な心配をするベリオであった。
一方、セキアも意気揚々と能力の説明をしようとしてか、魔導書のようなものを取り出してみせ__彼女のみの時が止まったかのように一時停止した。

(セキア……?)

彼女の異変に怪訝そうに眉を顰め、何か声を掛けてやるべきかと思案していると、突然彼女の時が再び動き出したように、そこにはいつも通りの彼女の姿が。……否、その笑顔と口調には少しだけ違和感があった。

『3人ともすごいね。あたしはこういうお菓子とかを爆発に変える
熱変換系の魔術が使える…というかこれしか使えないんだけど…。どっちかというと後方支援向きかな』

そう短い説明で締めくくる。先程分かった彼女の人柄上、ベリオとしてはもっと長い説明が彼女の口から語られると思っていたのだが、そんなことは無かった。故に、彼女から感じた違和感が強くなる。

(気のせい?だが、さっきの彼女の行動は……。能力は割と優れている方だと思うのだが……)

セキアの顔と魔導書を交互に見つめ、思案する中で、ベリオは一つの結論に至る。

(……まさかこいつ、自分の実力に自信が無いのか?それとも、今までは平気だったのに、それを今勘付いたとか…)

自らの推測力のみで導いた解釈。自信が無いのは彼自身も同様なのだが、彼女の場合は彼のそれとは違うように感じた。初対面から振り回される程の明るさを持つ彼女からは底抜けの自信のようなものを感じていたし、自身の能力についても、欠点こそあれ、十分強いと考えていたからこその態度だったのではないか__と、今更ながらに思った。
この解釈は違うかもしれない。しかし、今の彼女は無理をしていそうな節がある。そう考え、それを表に出さないようにしつつ、彼女を少しでも安心させようと、自らの素直な感想を交えた言葉を口にする。

「凄いじゃないか。熱変換の魔法というのは、並の魔法使いでも制御が難しいと聞く。まあ、それはお前が持っている魔導書のおかげかもしれないが……糖分を瞬時に熱に変える、のか?体内における消化過程でも時間が掛かることが出来るのは、十分強力な技だと思う。後方支援向けとは言え、使い方次第では周囲に現れた敵への牽制や直接攻撃にも使えるだろう。その技を使いつつ、援護の方も頼むぞ」

彼女が見せた手のひらの上のキャンディを見ての感想も交え、そう言い終えた後で「…少し喋り過ぎたな」と付け加え、苦笑する。これでは露骨に励ましているとバレてしまうのではないか?彼女は少し明る過ぎるところがあるが察しは良い方だと思うので、そういう意図を読まれてしまいそうではあるが。
それでも、何も言わずに相手を傷付けてしまうくらいなら、何か言って励ましてやる方が性に合っている、とベリオは思うのだ。

>エルト、セキア、ALL


自分とエルトが立候補した後、最後の一つを運搬する役を担おうと名乗り出る人物はなかなか出てこない。そう思った瞬間、メンバーの中から上がる手が一つ。それはレイニアの補佐役であるノイのものだった。

「の、ノイ教官補佐殿が…!?あ、いや、自分は構わないのですが、我々候補官が担うべき任務に上官殿まで巻き込んでしまうのは…」

候補官メンバーではない人物が立候補したことに驚き、思わずそんなことを口走ってしまう。決して彼女の実力を侮っているとか、背丈からして戦いにくそうとか、そういったことを考えている訳ではなく__現に、ベリオの友人の一人の小柄な青年は強かった__、純粋に上司に危険を冒すようなポジションに立たせてしまうようなことをさせまいとしているだけだ。
しかし彼女はセキアの質問に肯定すると同時に、持っていたヴァイオリンケースの中身から何かの部品のようなものをばら撒き、『スルト』と唱える。瞬間、ばら撒かれた武器は瞬く間に集結し、一つの巨大な長銃へと姿を変えた。どう見ても特殊な構造の銃__性能が違えど、似たようなものなら、ベリオにも何処か心当たりがある。現に身に付けている武器のうち二つが、そういう物理的法則には当てはまらない能力を持っているからだ。

「…その銃…もしかして、自分が持っているものと似たようなものかもしれませんね…。ですが、大きな銃をケースを持ったままで使用するのは些か厳しいのでは?」

形成された長銃を危なげなく抱えるノイに対し、先程とは別の意味で驚いた表情を見せつつも自らの懸念を述べる。しかしそれを質問するより早く、ノイから金属フック付きの黒いバンドを手渡される。彼女の説明及び実演してみせる姿によれば、両手が塞がるのを防ぐ程度には役立つ道具のようだ。過信は禁物ということなので、いつまでもバンド頼りにする訳にはいかないだろう。
早速ノイがやってみせた通りにフックをケース両脇のリングに通してたすき掛けすれば、此方に向かい親指を立てる彼女に小さく苦笑し、「ありがとうございます、これな武器を持つのに便利ですね」と返した。
__ふと、ある重要なことに気づく。メンバーの殆どが武器のことも説明しているにも関わらず、ベリオ自身はケースの運搬という大役にばかり気を取られてか、武器については一切説明していない。やってしまった、とばかりに片手で帽子ごと頭を抱え、俯いてみせると、一応の挙手をしてから再び自身について説明する。

「…皆の能力や武器について大体把握できた、感謝する。だがすまない、俺としたことが、武器について説明していなかったな。…まだ扱いには慣れていないのだが、魔力を糧に銃弾に熱を付与させる拳銃二丁と、護身用程度だがナイフを持っている。拳銃については、理由は不明だが、俺が通っていた学校の教官から譲り受けた。有事の際には、これで援護することもできるだろう」

そこまで言うと、ケースを背負ったまま腰のホルスターから二丁の拳銃__真紅の『ディーテ』と氷青の『コキュートス』を両手で一丁ずつ抜き、全員に見えるように持ち説明を続ける。

「こっちの赤いのがディーテ。安全装置を外し、体内の魔力を供給することで最高でも触れた物が熔ける程の熱を銃弾に付与させることができる。で、こっちの青いのがコキュートス。性能はディーテと真逆だな…。最低で触れた物を凍結させたり凍傷にしたりする程の冷気を銃弾に付与させられる。つまり、熱いのか冷たいのかで判断してくれればいい」

その後引き金の部分を指に引っ掛け、クルクルと回すと素早くホルスターに戻した。実演はしない。できるだけ魔力は温存しておきたかったし、スタート地点から進んでいない時点で思いがけない事故を起こすことは避けたいことが理由である。

「……と、また話が長くなってしまったな…。皆の準備が整っているなら、すぐにでも出発しよう。長居は禁物な気もするしな…」

未だ、仲間も自分も大なり小なり秘密を抱えている中、ベリオは下水道の向こうの暗闇をじっと見つめる。
これから一体何が起こるのか、自分にもわからない。教官が自分に拳銃を授けた理由も、レダールを使った香水を、誰がどんな目的で製造したのかも、まだ知らない。しかし、きっとこれから知っていくのだ。それがどんな結果を生もうとも。
きっとそれこそ、生まれてからW業の深い行為Wに及んでいた(と本人は思い込んでいる)ベリオに与えられた使命なのだ。

>ノイ、ALL

1日前 No.512
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