Google
    
<< TOPページ 掲示板TOP 記事データ お知らせメール ▼レス(392) >>

月下のアスール【T】-『The God Delusion』

 ( オリジナルなりきり )
- アクセス(4094) - ●メイン記事(392) / サブ記事 (99) - いいね!(10)

語り部 @yuzuriha16 ★6kAHKhaN27_EP8

にぎわう夜の酒場で、あるいは街灯に照らされた石畳の上で、

はたまた夜風にさらされた荒野で、それとも木の爆ぜる音が響く焚き火の周りで、

まことしやかに囁かれるある一つの国家が存在した。

かの国家の名はアスール。

魔導具と呼ばれる未知の技術を用い、急速に発展する新興国家。

世界から疎まれた狭間の者達が築きあげたその国は、5人の建国者により均衡が保たれていた。



アミル・カーランドが統轄する娯楽区画ウォーティア

ディノアギスバルガエンズルドが統轄する流通区画エイルス

ヒルカ・ルドナルが統轄する工業区画アーティー

出雲 鶴羽が統轄する自然区画ガイアル

そして、アスール国家隊の総本山である中心区画ルナ。

水と遊戯を求める者はウォーティアに

空と発見を求める者はエイルスに

魔導具と情報を求める者はアーティーに

大地と交流を求める者はガイアルに



今日も様々な目的を持つ者達がこの国を訪れる。

純粋に他種族との調和を志す者、己が国を富ませんと仮面を被る密偵、

帰路に迷い流れ着いた者、はたまた想像もしえない願いを抱いた愚者。

そんな各々思惑でさえ、まるで取るに足らぬものと言いたげに、

かの国家は飲み込み、最初からそこに存在していたかのように彼らは国へ同化していく。

その渦中にあなたが飛び込んだ―――それがこの物語の幕開け。



【サブ記事にてルール説明、キャラ募集を行います。本編開始の合図はサブ記事にて行い、
本編は本スレ運営主の最初の書き込みを持ってスタートとさせていただきますので、ご了承願います】

1年前 No.0
メモ2017/05/20 18:22 : 語り部(スレ主) @yuzuriha16★K0RFIFu846_giC

〜簡易キャラ表(★はスレ主操作キャラ)〜


キャラ多すぎて分からねぇでございますよ、という方はこちらをご覧下さい。

なお、僭越ながらスレ主が参加者様の各キャラ紹介文を書かせていただきましたが、

自キャラの紹介文に納得がいかなければ、スレ主の承諾なしで変更追加していただいて

全然構いませんので、ご一考くださいませ。

なお、各キャラの詳しいプロフについてはサブ記事にてご確認願います。


【男性のみなさん】


○ジョージ・イワモト http://mb2.jp/_subnro/15277.html-15#a

29歳。黒髪、黒瞳。身長180cm体重78kg

義理人情に厚いが冷静沈着。そんな熱さと冷たさを兼ね備えた改造人間の青年。

4年前からアスールにて生活しており、ガイアル区画で森林保護活動などをしていた。

何らかの原因で過去のメモリーのほとんどを失っている。


○エイドリアン・デューク http://mb2.jp/_subnro/15277.html-39#a

通称エドル。32歳(外見年齢20歳)。ブロンドの髪、蒼瞳(※隻眼)。身長247cm体重115kg

平和趣向だが、内に悪戯心を潜ませるハーフエルフの青年。

ハーフエルフなれど片方は純粋な人類種ではなく、エルフと龍人のハイブリットである。

過去の経緯からデュークの通称で呼ばれることを嫌っている。


○青崎 清一郎(あおざき せいいちろう) http://mb2.jp/_subnro/15277.html-21#a

18歳。青みがかった黒髪、吊り目気味の瞳。身長170p体重60s

感情の起伏のなさから誤解されがちだが、ただ口下手な人間の青年。

武門の名家に生まれ、自らを鍛える旅の途中でアスールに立ち寄る。

剛伸鉄棍と呼ばれる伸縮自在の金属棍を武器として扱う。


○ロシム・サンダーボルト http://mb2.jp/_subnro/15277.html-23#a

16歳。金髪、翡翠色の瞳。身長162cm推定体重80kg。

…続きを読む(166行)

切替: メイン記事(392) サブ記事 (99) ページ: 1 2 3 4 5


 
 
↑前のページ (342件) | 最新ページ

語り部(スレ主) @yuzuriha16 ★oJrwVIk95I_jWF

【セキア&レイニア&ノイ/ルナ区画/国家隊本部敷地内/候補官用第七教室】

『あ、ああ、わ、私、今回の任務、あんまりお役に立てそうにありませんね…アハ、アハハ…』

「おや、もうギブアップですか?
レイさんには教官としても個人としても期待していたんですがー、
そうですねぇ、今回は特別に―――」

ある意味、レイの進言も最もだった。
レイニアは小さく肩をすくめるも、彼女にレイを非難する資格はない。
正式な顔合わせは初めてだが、一通り自分が受け持つ隊の情報は掴んでいるはず。
要は今回の件は、レイの魔武器としての特性を知っているはずのレイニアの準備不足が招いたことだ。
あるいは、だからこそ彼女を試すため、あえてレイに不利となるようなものを
手渡したとも考えられるが、真相は緊張感のないへらへらした笑顔の中だった。
レイの言葉を受け、やおら腰にぶら下げた魔導書に
手が伸びかけたレイニアだったが、突如飛び込んだエルトの声にはたと手を止める。

『一応聞くがこいつは破片程度でも当てれば効果はあるのか?』

「悲しいことに細切れにしてしまうと効果半減どころか
ただの紙切れになってしまうんですよねぇ、ソレ。
まぁ、ちぎったり、切ったりせず、折り曲げて形を変える程度なら大丈夫ですよ」

呪具。おおざっぱに分けるならこの札も藁人形と同じカテゴリーに入るといえる。
魔術と起源を別にするものだが、感情に関わる点ではその根幹は限りなく近い。
ぶっちゃけてしまうならレイニアは呪具に関してのエキスパートではない。
畑違いというか、両者にはうどんとそばくらいの隔たりある。
故に今の説明も全てこの札の製作者から事前に聞いいていたことの復唱に過ぎないのだ。
そんな三者のやりとりを見かねてかイワモトから鶴の一声がかかった。

『なら、レイ。俺の右腕に変身して俺とドッキングしておけばどうかな?』

『それは妙案ですね!…一度やってみます。………』

「いやぁ、素晴らしいですねぇ。互いを利よ――もとい、協力する関係って。
まぁ、冗談はさておき、幽霊については概ねイワモトさんの言ったとおりの解釈で合ってます」

イワモトの申し出を快諾するレイ。
そんな二人に余計な茶々を入れようとしたレイニアを
ノイの鋭い視線とデコピンの構えを取った手の指を引き絞る音が制した。

「なんかまだ不安だけど…幽霊退治なんていかにもな感じ!
ふふん、未来の勇者が踏み出す一歩としてはまさにセオリー通りってワケね!」

「不安、材料、過多。気持ち、分かる。
でも、レイニーの、腕、保証。危険な目、合わせない、絶対」

思春期特有の病のスイッチが入ったセキアを横目に、
ノイは引きつった苦笑いを浮かべるデウスにそれだけ言うと、
その細腕でできもしないのに力こぶをつくるジェスチャーをしてみせる。
ちゃらんぽらんな言動の多い主人だが、信じて欲しいとでも言いたげに。
しばらくして、先ほど注意を引くときにしたように、もう一度手で
パンパンと拍を取ったレイニアは、声の質をがらりと変えて皆へ向き直る。

「では〜、疑問も出尽くしたということで、最後に私から一つ。
入隊してすぐの任務で戸惑うことも多いでしょうが、これだけは覚えておいて下さい。
他人の身も自分の身も守る。ここでそれだけの力を身につけてください」

見えていないはずのくすんだマリンブルーの瞳に射すくめられた気がして、セキアは思わず姿勢を正す。
先ほど入ったスイッチは、こちらが手をかけずとも自動的にOFFとなった。

「私の隊に配属された以上、勝手に死ぬことは許しません。
どんな醜態をさらしたとしても、最後には必ず立ち上がってもらいます」

脅迫にも似たレイニアの命令に教室の空気がぴりぴりと目に見えない棘を含む。
だが、そんな空気も10秒と経たず霧散した。

「あはは。では、そろそろ移動しましょうか、皆さん。
さぁ、励みましょう! 励むのです! 我が国家アスールの繁栄のために!」

真剣な空気の中に10秒以上いると死んでしまう病か何かにかかっているのではないかと
思うほどに再び能天気な声音に戻ったレイニアは、皆を促すように手を上げて教室の出口に移動する。
その背中を「それが本音かい」とでも言いたげなノイの冷めた視線が突き刺した。

>レイ、デウス、エルト、イワモト、ALL

1ヶ月前 No.343

語り部(スレ主) @yuzuriha16 ★HLMfmyjWF6_jWF

【セキア&レイニア&ノイ&シスメ/ガイアル区画/ソエリス遺跡前】

各区画を繋ぐ環状線ウロボロス特急に揺られ、そこから歩くこと幾星霜。
第七候補隊はガイアル区画内のソエリス遺跡の前まで来ていた。
移動に時間がかかったせいか時間はちょうど昼にさしかかるかというところ。
しかし、ガイアル区画の最西端に位置するこの場所は、普段から人の出入りが少ないのか、
鬱蒼とした木々に覆われ、昼間だというのに空へブラインドをかけたかのように薄暗い。
そんな鬱屈した雰囲気を吹き飛ばすかのごとく、そこでは一人の女の声が響き渡っていた。

「なんとなくこうなる予想はしてましたけど…今度はどんなトリックを使ったんですか!?」

「あはは。さー、どうしてですかねぇ。私にはさっぱり何のことだか。
運命とか星のめぐり合わせとかそんなカンジのアレじゃないですか?」

「さも適当な理由をつけて煙に巻かないで下さい! 不快です!
いきなり異動の通達が来て、集合場所に到着してみればこれですよ!
どうしてあなたみたいなちゃらんぽらんな人がしれっと候補教育官になれちゃってるんですか!?」

肩をつかまれがくがくと前後に揺さぶられるレイニア。
彼女に詰め寄り、鬼気迫る表情で捲くし立てるシスメ。
ノイにとっては見慣れた光景だが、当の候補官達にしてみれば、この光景には困惑して当然だろう。
小さくため息をついたノイは、いまだ喧騒の渦中にある二人をなだめにかかる。

「静止、要求。レイニー、ズル、駄目。シスメ、言いすぎ」

「はーい」

「う…す、すみません…」

12歳に注意される大人二人。なかなか絵になる光景だ。
タイトルをつけるとしたら「ダメな大人の見本」といったところか。
気を取り直してとばかりに、くいくいとシスメの袖を引いたノイは皆へ自己紹介を促す。
慌ててずり下がった眼鏡と居住まいを正したシスメは、敬礼の姿勢を取りながらきびきびと話し始めた。

「ご挨拶が遅れました。
シスメ・テムセージ弐位書記官です。第七候補隊の専属書記官に任命されました。
今後はあなた方の活動を見守らせていただくことになりますので、よろしくお願いします」

誰に言われるでもなくセキアはパチパチと拍手を送った。
裏方の仕事ばかりで、こうして表立って人の前に立ち、
話をする機会などそうそうないのだろう。照れくさそうにしながらも
小さく頭を下げるシスメを微笑ましげに見守った後、レイニアは声をかける。

「ところで、状況はどうでしたか?」

レイニアの言葉を受け、
記録簿である本型魔導具ダンタリオンをめくりつつシスメは答える。

「報告によると投書のとおり深夜帯から朝にかけて
ときおり獣のようなうめき声が聞こえていたようです。
立ち入り禁止の通達を出してから目立った被害や報告はありませんが、
日がたつにつれ、うめき声の聞こえる回数が増えてきているようです」

【それではそろそろイベントを進めさせていただきます!】>ALL

1ヶ月前 No.344

隊長機モルガン @type14 ★BUzhF4mm8n_yFt

【ジョージ・イワモト/ガイアル区画/ソエリス遺跡前】


 レイが変身した右腕は凄く感度が良くて、あの後イワモトはお礼にガイアルの自宅にあった鉢植えをレイに譲った。作戦が終わってからでもよかったが、こういうものは早い方がいいだろうと先に手渡したのだ。
 そして今、右腕はまだ自分のもののまま、イワモトもこの地に降り立った。ガイアルに住んでいながら、、決して近づくことのなかった遺跡。以前から足が向かない場所だったが、改めて遺跡を見ると、どこか気持ちが溢れそうになるのを堪えていた。

...13th order uploading
...cancel

...13th order uploading
command to R.B.13th unit
...cancel

P.D.4 access can not

 「うっ……」

 せっかくシスメの着任式をセキアが祝っている中だというのに、イワモトは左手を顔に当ててうなだれていた。近くに枯れ木があったので右手をついて息を整える。これが人間ならバイタルを調整できるが、生憎イワモトは改造人間。機械の不具合はバイタルと無関係に異常を表してしまう。こんな時にエラーなど認めたくもない。意地を張って体を前を向く。映像に酷いノイズが入り、ヴィジョンの大半が機能不全に陥っている。サーチ用の青いターレットレンズに切り替え、センサーの値を立体にすることで、なんとか視界は確保していた。

 「(これは……なかなかつらいな)」

 正体不明のロボットと、身元不明の人間。
 混ざり合っているのに、溶け合うことのない機械と肉体。
 メモリーと記憶。遠くから聞こえる帰郷を望む声。
 まるで自分がゴーストに憑りつかれたかのように……イワモトは無意識にお札を取り出し、震える左手で体につけようとしていた。

>>ALL

【滞って申し訳ないです。イベントに参加します!!】

1ヶ月前 No.345

ますたあ @ritonetto ★Android=yDqhBiviYT

【白月レイ:ガイアル区画:ソエリス遺跡】

私の変身はイワモトさんに絶賛され、あの後、イワモトさんに素敵な鉢植えを貰った。作戦が終わったらあれを私の庭園に加えるのが楽しみだ

そして今、幽霊が出ると噂のソエリス遺跡への調査にきた。なんだか凄く長い道のりだったような、いや一瞬だったような不思議な感じがする。

それにしても、ここがソエリス遺跡。大昔の軍事施設。
魔導戦争の痕跡、魔導兵器が作られ使用された場所
魔導……兵器

ここってもしかして

そうだ、あれをつけないと
といい、レイは腕に緑色の大きな石がついたバングルをつける。

いろいろなことを考えていると、シスメさんから報告を受ける、うめき声が聞こえ日に日に増えているという。
うめき声…

「幽霊さん、苦しんでいるのでしょうか。早く助けてあげないと!」

と張りきる。とそんななか、何やらイワモトさんの様子がおかしい
枯れ木に右手をおき身体をささえ、左手で頭を押さえている。さらにあのおぞましいお札をあろうことか自分に張ろうとしているではないか

「イ、イワモトさん?!!何してるんですか?!!」

あまりの行動に思わず慌てるレイであった

>イワモト シスメ セキア

1ヶ月前 No.346

狐鈴 @korin29 ★dqv1e4o9J5_Xgx

【デウス=ミレニア/ルナ区画/国家隊本部敷地内/候補官用第七教室】

『不安、材料、過多。気持ち、分かる。
でも、レイニーの、腕、保証。危険な目、合わせない、絶対』

その言葉を聞きなんとなくではあるが安心する
嘘をつくような目ではないしなにより先ほどまで話していて信用できる人物だということはわかっている
少なくともこの場にいる人々の中では一番話してはいるしその分なのか信用に足る人物であることは理解できている

「そうですね。ノ…失礼、教育官特別補佐殿の言うとおり教育管殿の腕は保障できるとおもいます。ただ依頼が依頼のためあちらの腕と言うより幽霊云々についてがやや不安ですが」

ノイとつい名前で呼びそうになりあわてて訂正する
若干打ち解けつつありその流れで言いそうになるがあくまでこれは軍なのである
元の生まれが貴族のためかそういうお堅い規則のようなものは妙に意識してしまい呼び方は注意しているようだ

やや苦笑いを浮かべつつノイの言葉に答えレイニアの移動の号令に合わせて移動を開始
初めて乗るウロボロス特急に揺られ例の遺跡へと向かう
社内でのデウスはとても物静かでじっと外の風景を眺め話しかけられれば言葉を返すが
なにか考え事をしているのか外の風景を眺めたままやや薄味な返答をするくらいであった


【デウス=ミレニア/ガイアル区画/ソエリス遺跡前】

現地に着くなりいきなり声をかけてきた女性がいるが
どうやら何かいがみ合っている模様、そんな様子を眺めているうちにノイがその状況を制し話が進む

シスメ・シスメ・テムセージ弐位書記官と名乗るこの女性、こちらの部隊の専属書記官と聞きこちらもそれに合わせるように敬礼をする

「初めましてテムセージ弐位書記官殿。よろしくお願いします」

あえて自分の名前は名乗らずシスメの言葉に返すように挨拶をする
名乗らなかったというのも自分はあくまで隊の中では一番のしたっぱ…っというより数時間前に入隊したようなものである
わざわざ名乗るまでもないだろうと思い省略した

そしてレイニアの言葉で現状の報告をするシスメ
その中に気になる一文があった

『日がたつにつれ、うめき声の聞こえる回数が増えてきているようです』

幽霊騒動にしてはなにやら怪しいというかきな臭いというか
毎日定期的に聞こえているというのならわかるが増えているというのがどうにも気になり少し難しい顔をし考えるような素振りを見せる

>ノイ&シスメ・ALL

1ヶ月前 No.347

エルト @absoryut ★j9FaXqIw4R_pns

【ガイアル区画/ソエリス遺跡前】

「…ここが例の遺跡か」
あれから多少の質疑応答こそあったものの全体としては滞りなく…一通りの説明が終わったことで候補生全員が件の遺跡に到着する事となった。
(…タダの跡地かと思えば…こいつは随分と作り込まれた遺跡だな)
資料を見た限りでは眉唾物と思っていたが…現物を見れば決してそうではなく、規模こそやや小さいそれは『要塞』と言っても過言ではない技術の塊であると言う事が見て取れた。
(…まぁ…その道にある程度の理解が無ければただの遺跡にしか見えないんだろうけどな)
生憎とこちらはそういった物を扱っていた経験があるためただの遺跡ではないと言う事を容易に察する事が出来…機能こそほとんど死んではいるらしいが…こんな物が一般に開放されているという事実に一瞬めまいを覚えそうになったほどだ。

「…さて…それはそれとしてだ」
軽い現実逃避を終えた所で…逸らし続けても仕方が無いと覚悟を決めて騒がしい一角に意識を向ける。
(…これは何と言うか…思った以上に修羅場だな)
…そこでは先日試験官と受験者と言う立場で対峙する事になった人物…シスメが猛烈にレイニーに抗議しているようで…抗議された当人はどこ吹く風とばかりに軽く聞き流しているようだった。
(相性が悪いと思ったが…実際に目にするとな…)
これを受け流せるレイニアに軽く感心しながらも、どうにか宥めなければ話が進まない…声をかけるべきだと分かってはいるのだが…
(…それで…どうしろと?)
…下手に声をかければあたりに飛び火することは必至で…波風起こさずにこれを収めるのは至難の業なのではなかろうか?
残念ながら対人経験は決して豊富ではない上に…当人は認めたくないであろうが気圧されている状態の彼にとって、目の前の光景はまさに前門の虎が唸りあっているようにしか見えなかった。

(…あれを収めるのか…大したものだ)
そうやって成り行きを見守っていた所で、この場でも最年少であろう補佐官の少女が鶴の一声とばかりに注意すれば…先の勢いは何処とやら…何処となく気恥ずかしそうにしながらも自己紹介を兼ねた挨拶を候補者らにしていた。
(…怪我の方は完治したようだな…何よりだ…ってぇ!?)
騒ぎが収まったことに安堵しつつもふと視界の端に移った事案に思わず強化の魔術をかけた身体能力をもって凶行防がんとその手を伸ばす。
「イワモト…いったい何を!?」
あろうことかその手には件の札があり…心ここにあらずと言った様子でその手が体に触れようとした瞬間にその手を掴まんとのばしたが…間に合うか!?

【場面が進んだためレス蹴り失礼いたします】

>レイニア イワモト ALL

1ヶ月前 No.348

語り部(スレ主) @yuzuriha16 ★MrpGEoCB3w_jWF

【セキア&レイニア&ノイ&シスメ/ガイアル区画/ソエリス遺跡前】

「ははぁ、呻き声ですか。ただの幽霊ならいいんですけどねぇ」

レイの幽霊を気遣う声にレイニアは珍しく考え込む様子を見せた。
投書にあった赤い髪の不審人物の情報、加えて獣のようなうめき声。
最初は幽霊、赤い髪という情報から吸血族(アルカード)による
愉快犯の可能性も考えていたのだが、どうにも何か食い違っている気がしてならない。
まぁ、それもこの遺跡での調査で明るみに出ることだが、いまいち何かスッキリしない。
くしゃみがでそうででないようなもどかしさを感じた。
ふと、一瞬だけ何か考え込む様子を見せたレイが気になり、問いかける。

「おや、なにか気になることでもありましたか? レイさん
レイさんに限らず、どうにもここについてから心ここにあらずという人がちらほらいますねぇ。
ここには何回か来てますので、聞きたいことがあれば“応えて”あげますよ?」

発音が同じなので簡単には見抜けないだろうが、
含みのある言葉で逃げ道をつくりつつ、レイニアはそんなことをレイに提案してみる。
ようやく教官の面目躍如といったところか。しかし、今さら教官らしく振舞ったところで、
今までの行動がアレなだけにプラスマイナスゼロにしかならないだろうが。
そんな二人の声の合間を縫って、シスメの声が聞こえてくる。
どうやら新たに配属となった彼女は、おおむね歓迎ムードで迎え入れられたようだ。
レイとの会話を続けながらも、レイニアはそちらのほうへもひっそりと聞き耳を立てる。

「エルトさん…ああ、はい。予想はしてましたけど早い再会でしたね。
大丈夫です、胃薬 大量に常備していますので必要なときは言ってください」

ようやく周りが目に入るようになってきたシスメは、
新古入り混じった第七候補隊の顔を早くも覚えようとしたのか
首をめぐらし始めたのだが、ある人物ところで、はたと視線を止めた。
エルトの姿を認めたシスメの顔に落胆の色が広がる。
どうしてこう嫌な予感ばかり当たるのか。しかも、レイニア絡みの案件は特に的中率が高い。
幸いにもノイという抑止力がある今、こちらへの被害はないに等しいが、
彼女という防波堤が崩れたとき、ストレスという名の大波が胃を直撃することは想像に難くない。
コホンと咳払いをして湿った空気を無理やり払拭したシスメは、
急に背中に回した手を前に出すとその手に握られたあるものをエルトに向けて差し出した。

「そ、それとっ、こちらをお返しします。あの時は本当にあじっ、ありがとうございました!
一応汚れは落としましたし、知り合いの魔導具職人に聞いて、簡単な手入れを施しておきました。
その、仕上がりに不備があれば言ってください」

シスメの手には、先日の実技試験中に借り受けたエルトのクロークが乗っていた。
なんとも言い訳めいた言葉になってしまったが、それも仕方ない。
誰かに衣類を借りるなんて経験は、そもそもそんなにない。過去にもい親から借りたくらいだ。
その変な遠慮というか緊張というかよく分からない何かがシスメの声を裏返させた。
返すタイミングをもう少し考えても良い気がしたが、昨晩、どれだけ彼を探しても見つけられなかったのだ。
他の者の目があるとはいえ、もうなりふり構っていられない。
こちらがまごついていると先ほどの自己紹介に対して返事が返ってきていた。

「礼儀正しいし…なんてまともな受け答え…!
こんな善良そうな子までが彼女の歯牙に…悔やまれます」

シスメの人物チェッカーが作動する。
表情、良し。言葉使い、良し。身だしなみ、良し。どれをとっても彼女は完璧だった。
途端にシスメの表情が分かりやすいほど明るいものに変わる。
砂漠の中でオアシスを見つけた遭難者のような、
と言えばおおげさだが、シスメの目にはうっすらと涙さえ浮かび始めていた。
それだけ彼女にとってデウスの存在は救いだったのだろう。
しかし、それもつかの間。じとっとした視線がレイニアを射抜く。そんなシスメの悩みの種である元凶は

「あはは。本人を前にしてシスメちゃんもたいがい失礼ですよねぇ」

などと供述しており、まるで反省の色なしだった。
レイニアの言葉を丸々スルーしたシスメは、相手が驚きで
のけぞりそうなほどの勢いでデウスに詰め寄ると、その手を掴み

「あくまで私は書記官ですので、公平な視線で皆さんの活動を記録しないといけないのですが、
個人的には今後とも良好な関係をぜひ! ぜひこちらからもよろしくお願いします、ミレニア候補官!」

そのままぶんぶんと上下に揺さぶった。突然の熱烈な握手に戸惑うこと請け合いだろうが、
それだけデウスの入隊を歓迎しているということなのだろう。
それを抜きにしても人間という種族が比較的少ないこの国で、同種族にめぐり合えたのが嬉しかったらしい。
彼女の過去や数奇な運命の末に身に付いた特性を知らないシスメは、ただただ、この出会いを喜んでいるようだった。
そんなやりとりの傍ら、ふいにイワモトの周りが色めきたつ。
状況を察したセキアが彼の元へ駆け寄ろうと動いていたが、それよりも早くイワモトは行動しており――

「イワモトのおにーさん!? ちょっと待って! ストッ――」

伸ばした手は間に合わない。
先に手を伸ばしたエルトに期待する他ないが、その手が間に合うかどうか。
加えて声が届いている様子もない。また間に合わないのだろうか、あたしは。
昨日の実技試験中にレイを手放してしまったあの時のように。
口だけが何とか彼の意識を取り戻さんと動くのだが

「ラミネートベール」

プとセキアがいい終えるよりも先にレイニアの口が動いた。
途端に淡青の防御オーラがイワモトが手にしている呪札を包み込む。
くるりと軽やかにその場でターンしたレイニアはそのまま滑るようにセキアの背後へまわる。

「え? え? レイニー教官?」

ただただレイニアの奇行に戸惑うセキア。
それを見たレイニアの口角がにやりと吊り上るのが見えた。
さながら獲物を見つけた肉食獣が舌なめずりをするかのように。
食すためでなく、無力の獲物を前にどういたぶろうか思考する獣のように。
切り離された意識の取り戻し方は心得ている。
意識を取り戻さざるを得ないほどの衝撃を外部から与えればいい。
要するにショック療法。その回答すなわち

「セキアさん、イワモトさんに抱きついてください。それでは、はいどーん」

「いきなりなに言って――のおぉ!?」

トン、と軽くセキアの背をレイニアの右手が押した。
どんな技を使ったのか定かではないが、おもしろいほど体のバランスを崩し、
足をもつれさせたセキアは、勢いに反してやんわりとイワモトにしがみつく形で静止する。
先日の実技試験での記憶が蘇ったセキアは、
口をパクパクさせながら今までの騒がしさが嘘のように動かなくなる。
小さく息を吐き出したノイは満足げな主人を横を通り、イモワトを見上げると

「イワモト、平気? 休憩、所望?」

今だ現実との境界が曖昧かもしれない彼に休憩は必要かと問うた。

>イワモト、レイ、デウス、エルト、ALL

1ヶ月前 No.349

隊長機モルガン @type14 ★BUzhF4mm8n_yFt

【ジョージ・イワモト/ガイアル区画/ソエリス遺跡前】


 「う……!」

 様々なノイズに混じって、仲間たちの声が聞こえてくる。レイもエルトも、そしてセキアも何かをしている自分を止めようとしているようだ。何をしているんだろう、自分は。機械の身体は自分の意志を離れていき、代わりそこへ入ろうと……している誰かが見える。そいつは自分こそ『持ち主』で、自分を『亡霊』と言いたげに……そうだ、俺を成仏させようとしているのか。死んでもいないのに。
 帰りたいから、体を返せと……いや、これは俺の身体……でも、コントロールが効かないのに、どうして『俺のもの』と言えるのだろうか。

 ノイズだらけの世界でイワモトに小さな諦めが広がろうとしていたのに、声が反響してくる。

 『イ、イワモトさん?!!何してるんですか?!!』

 『イワモト…いったい何を!?』

 『イワモトのおにーさん!? ちょっと待って! ストッ――』

 『ラミネートベール』

 いよいよ札が体に触れようとしたとき、それはレイニアが放ったフィールドに弾かれた。その瞬間、イワモトの意識の中で、涙を浮かべた淀んだ『青』が激しい憎悪に満ちて歪んでいくのを見た。そう、あれはまさしく……

...Ghost

 その言葉だけがヴィジョンに浮かんでイワモトは現実を消失したように動きを止めた。エルトの手が触れて札が落ちた。そしてセキアがそこへ突っ込んできて……無意識に左腕がセキアを受け止め、体は枯れ木に寄り掛かった。その瞬間、現実が戻ってきた。青い瞳を輝かせ、周囲を見る。イワモトは今状況に気が付いたかのように全員の顔を見ている。そして左手はセキアの頭をぽんぽん、と撫でていた。

 「俺は……一体……いや、わかっているのに……く……」

 震える左手でセキアの頭を撫でながら、悔しそうな表情を浮かべるイワモト。こんな姿を見せていたことを恥じたのか、周りから目を逸らすと、ノイがこちらを見上げていた。どうやら、今の自分に休息が必要なのかと聞いているようだが、イワモトは静かに首を左右に振った。

 「大丈夫、黒13には休息は不要。機能は正常」

 機械的な、感情のない言葉で返すと、瞳は黒へと戻り、イワモトは小さく微笑んだ。

 「大丈夫、少しくらくらするというのかな……変な気分だけど、任務は続行できる。ありがとう、ノイ、みんな……セキアもね」

 左手の震えはまだおさまっていなかった。

>>ALL

1ヶ月前 No.350

ますたあ @ritonetto ★Android=yDqhBiviYT

【白月レイ:ガイアル区画:ソエリス遺跡】

遺跡をみて考え込んでいると、レイニアさんに声をかけられた。それにハッとした顔をして

「いやその……私達、魔武器の一族を作った魔女さまのことを思い出してて……魔武器も魔導兵器のようなものだから……」

少し浮かない顔をしてうつ向いた。
そして考えてしまった。魔導兵器だから私達は廃除されたのかな 危険だから、っでも

「あ、ごめんなさい。変なことを言ってしまって。忘れてください」
すっと微笑み、遺跡のほうをみる


>レイニア

イワモトさんの衝撃の行動は、なんとか抑えることができた。
ほっと一安心して、イワモトさんに近づく。とても疲れていそうだったイワモトさんをみて、少し考える。
もし、疲れているイワモトさんとドッキングをしたら

「イワモトさん……やっぱりドッキングはやめた方がいいです。
もし、いまの状況のイワモトさんとドッキングしたら、イワモトさんの身体が持ちません。きっと壊れてしまう。」


>イワモト all

1ヶ月前 No.351

狐鈴 @korin29 ★dqv1e4o9J5_Xgx

【デウス=ミレニア/ガイアル区画/ソエリス遺跡前】

「善良…っといわれるほどのものでもないですが。一応よそ者ではありますし」
少々苦笑いを浮かべつつシスメのこちらに寄せてくれている好感については素直にうれしいものである
これまで様々な偏見などで見られてきたり出来る限り人との交流を避けて生活してきたことからすればこういった反応は久しぶりすぎてむしろ新鮮に感じるほどだ

だが良く見ればうっすらと涙を浮かべている姿を見て少し驚く
それほどまでにおそらくこれまでいた人間関係や仕事などが大変だったのだろうと
少々可哀想にも思うが気持ち的には少しでも自分が助けに慣れればなとこちらもシスメに対して気持ちが動く
まあその大変な思いをさせているおおよその原因は先ほどの会話でも予想はついているが
今明らかに敵意に近い目線でにらめつけている相手がそうなのだろうと目線の先を追えば
予想通りレイニアの姿があった

当のレイニア本人はと言うとああは言っているが特に意に返していない様子
飄々としていると言うか…つかみどころがないというか…
とても頼りになる人でありいい上官であるのだけれどなんともそこの見えない人だと思った

ふと目線を戻すと突然シスメが詰め寄ってきて驚くがそれと同時に
手を握られて再び驚く
何をされるのかと思ったが突然振り回され一瞬何事かと思うがシスメの様子を見るに感極まってのあちらなりの挨拶なのだろうと思い
なんというかその初々しさや健気さに思わずほっこりとしてこちらも優しくその手を握り返す

「はい!こんな私でよければこちらこそよろしくお願いします、テムセージ弐位書記官殿。っというより私はしたっぱゆえ上官にこのように接していただけるのはありがたい限りです」

すごい真面目な性格であるからこそなのかこういった様子を見て純粋に可愛い人だなと感じ改めて礼を言う
とはいえその性格から見るに仕事はとても出来る人なのだろうとも感じこちらの身元などを調べられればこの関係もまた失うことになりかねない
自分の素性は明かすわけには行かないと少し表情を曇らせて考える


っとそんなやり取りをしている最中別のメンバーのほうではまた新たな問題が起こっていたようで騒がしいほうを見てみると
ジョージといわれる先ほど話しかけてくれた人が何かあったらしい

どうやらすでにことは終わっていたようでほっとするがセキアたちの様子を見るにやはりレイニアが解決に関わっていたようだ
軽い面持ちと柔らかな様子とは裏腹に最初のミーティングのときや今のトラブルなどでの的確な行動
底知れぬ彼女の実力に少しばかり恐怖に近い感情を感じた

単に人として怖いというわけではなくこちらの事情を暴かれるもとい知られるのではないかという隠し事に対しての怯え
一番気をつけなければいけないのはあの人なのかもしれないと
無意識にレイニアのほうを真剣な表情で見つめていた

>レイニア&シスメ ALL

1ヶ月前 No.352

エルト @absoryut ★j9FaXqIw4R_pns

【ガイアル区画/ソエリス遺跡前】

「チィッ!!」
異変を感じて手を伸ばしたものの…それは遅きに失した状態であり…どうあがこうとも間に合うものでは決してなかった。
(流石に間に合わんか!!…何だ!?)
そう諦観しつつも少しでも被害を抑え込むために事後の対応を考慮しようとした矢先…レイニアの声と共に札に件の札が淡青のオーラに包まれ…そのオーラにより辛うじてイワモトに届かなくなった札をどうにか弾き飛ばし、当面の問題を払いのける。
「…まったく…焦らせないでほしいんだがね?」
そうして軽く額に浮かんだ汗を拭う動作をしつつも若干目を細めて咎めるような体をを装う。
…無論、悪気があっての行動ではないというのはわかっており、軽く茶化すような誇張ではあったが…これは単に何事も無く流したらそれはそれで気にしそうだという余計な気遣いという物だ。

>イワモト レイニア ALL

「あー…まぁ…そうだな、そう遠くないとは思っていたが…思いの外早かったというのはあるな」
落胆の表情を見せるシスメに対して若干の間が空くものの苦笑しつつそう返す。
その間と言うのは、先のやり取りで怯んでいたというのもあるが…それを思考から追い出すためには若干の時間が必要だったのだ。
それにしても大量の胃薬を常備してるというのは…その気苦労は想像以上の物なのだろうと察する事が出来てしまい、少々憐れみのようなものを感じてしまう。
(…余計な苦労は…なるべく掛けないようにしたほうがいいな)
…でなければあっという間に病院送りにされてしまうかもしれない…逆に慣れてしまっていて鋼の胃袋になっている可能性も無くはないのだが。

そんな事を考えていると彼女の方から見覚えのある布が差し出され…続く言葉から先日貸し出したクロークである事が分かり、その言葉を聞きながらも受け取る。
「貸したのはこっちの勝手だからそこまで気を使わなくてもよかったんだが…」
どこか緊張した様子のシスメに苦笑を深めながらも返されたクロークに目をやれば…なるほど、確かに丁寧に手入れされたことが分かる仕上がりであり、内心でひそかに感心する。
(これは…随分と細かい部分まで手入れされているな)
この魔導具はかなり特殊な部類であり…本格的なメンテナンスをしようと思えばはっきり言って一流技師でもなければ困難な物だったりする…無論書記官であるシスメにそれが分かるとは思えないが…
だが今回手入れされていた部分はそう難しくはない表面的な部分がきっちり手入れされており…その上で普通はスルーしてしまうような細かい部分にまで手入れされており、そこだけで見ればまさに一流の仕上がりとも言えた。
「…相当手間がかかったんじゃないのか?」
そうやって返されたそれに満足しつつもシスメの方に向き直り心配そうな声をかける…ひょっとするとかなり無茶を押しているのではないだろうかと言う懸念がどうしても拭えなかった。

>シスメ ALL

1ヶ月前 No.353

語り部(スレ主) @yuzuriha16 ★fky7eubgvC_jWF

【セキア&レイニア&ノイ&シスメ/ガイアル区画/ソエリス遺跡前】

イワモトの優れない様子に、予期せぬ異性との接触で上昇したセキアの熱は冷めた。
意図せず声のトーンが下がる。イワモトからやんわり体を離したセキアは、
隠し切れない感情を表すかのように震えるそこへ手を伸ばす。

「おにーさん、ちょっとごめんね」

頭を撫でるイワモトの左手の手首を
両手で掴んで目の高さに持ち上げたセキアは、何か分かったかのように首肯した。

「………うん、やっぱり。
触るけど怖かったら逃げて、手を振り払ってもいいから」

触れていいかどうかを確認するかのように、
軽く指先でチョンチョンとイワモトの手の甲に触れてから、彼の左手を自らの両手で包んでいく。
いきなり何をするのかと首を傾げるノイを視線で制すると、
催眠術師が暗示をかけるときのように、ぽつぽつと言葉を口にしだした。

「手の感触は忘れて、温かさだけに集中して。
難しいなら、目を閉じてくれるだけでいいから」

なんてことない。ただの暗示に近いものだ。いや、そもそもこれは暗示ですらない。
真偽が確かでないおまじないというものに属するソレだ。彼にこの方法が通じるかは分からない。
そもそもこれはおまじないの範疇だ、科学的根拠もなにもない。
彼は苦しんでいる理由を口にしなかったが、
自分と同じように過去の記憶で苦しんでいるように見えた。
セキアの苦しみが彼と同等のものかどうかまでは分からない。
ただ、過去の記憶で苦しむ気持ちは、よく分かっていた。だからこそ、放っておけなかったのだ。

「あたしは夢見が良くないほうだけど、その中でもこれはダントツに良かった記憶。
むかし誰かにこんな風に手を握ってもらってすごく落ち着いたんだ」

照れの気持ちは、もうすでにどこかへ飛んでいってしまった。
ふにゃふにゃと緊張感のない顔で微笑んだセキアは、手を握ったままイワモトへ語りかける。

「これは受け売りだからおにーさんに効くかどうか
分かんないんだけど、これで少しは落ち着いたりしないかな?」

>イワモト、ALL


レイと話し込んでいると、ふと、昔にも出会ったことのある雰囲気を彼女から感じ取った。
こんなときに目が不自由なのがもどかしい。
最後までレイの言葉を聞き終えたレイニアは
小さく微笑むとレイが途切れさせた言葉を拾う形で話し出した。

「魔武器も魔導兵器のようなものだから―――危険、ですか?」

忘れてほしいというレイの言葉をスルーしたレイニアは、数歩レイの方へ足を勧める。
手にした白杖が土を突き刺すザクザクという音を響かせながら、
やがてレイニアはレイの手が届くほどの距離にまで接近すると、
白杖をノイに手渡し、レイの手を両手で包みこんだ。

「あはは。これは私の持論なのでー聞き流していただいて構いませんがー」

レイにしか聞こえないよう声量を整えながら口を動かす。

「ただ存在するだけで危険なものなんて、
世界には確かにそこそこありますけど、そうそうないものですよ」

この世に存在するだけで危険なものがあることは、否定はしない。
過去に任務で携わった中で、違法改造を施した魔導具や、
無茶な遺伝子操作で誕生した危険生物はあった。
だが、それらに共通することは決まって自我を持ち合わせていないというところだった。
片目を伏せたレイニアは、握っていた手を放し、やわやわとレイの肩をたたいた。

「要は使いどころです。
先の理論に当てはめるなら包丁も立派な兵器扱いになってしまいますからねぇ」

喉元まで出かかった「それなら私も危険なことに変わりないですし」という言葉は飲み込んだ。
レイから半歩離れる。なおも表情の優れないレイにレイニアは
マリンブルーの瞳を細めながらその年齢にしては主張の控えめな胸を軽く叩きつつ宣言した。

「それに、私の目の前では滅多なことはさせません。
貴方は私の隊の隊員です。身の安全と命の保証はさせていただきます。
そーですねぇ、例えば――」

顎に手をあてうーんとわざとらしく考え込む仕草。
やがてレイニアはこともなげにその言葉を口にしてみせた。

「軍服姿でやたら上から目線で話す上官の魔の手から、とか。
今日、本部にたどり着くまでの間、タイミングよく馬車が現れたりしませんでしたか?」

考える隙を与えず、レイニアはにっこり微笑むと冗談めかした言葉を付け加え始める。

「付け加えるなら、私の耳と、ノイちゃんから伝え聞いた容姿と、
今、話しているかんじから判断するなら
私にとって、貴方はただのかわいい女の子ですよ、レイさん。私は貴方を信じてます」

>レイ


「よそ者…確かに、最初は誰でもそうかもしれません。
でも、すぐにそんなこと忘れてしまいますよ、ここはそんな国です。
良くも悪くもお節介なんですよ。本当に、ね」

ふと、昔の記憶が蘇る。差別というほどではない。
ほんの少しのすれ違いから起こった不和。
それが人間という種族の溝が合わさって灰色一色だった候補官時代。
あろうことか彼女は、そこへ土足で上がりこんだ末に、へらへらと勝手に色を足したのだ。

――おや、貴方お一人ですか? 寂しいですねぇ、ぼっちというやつですか――

――なら一緒に食べませんか? やー、実は私もあぶれちゃいまして――

失礼なヤツ、というのが彼女の第一印象だった。それから増えた厄介ごと、嬉しいこと。
どちらが多かったかといえば、比べるまでもない。
苦笑するシスメの遠い視線の先には、マリンブルーの瞳を持つ彼女の姿があった。
その視線に気付いたレイニアが途端、淑女然とした容姿に
似つかわしくない、にやにやとした微笑みを浮かべる。

「おや、どうしたんですかシスメちゃん? そんなに熱のある視線で私を見て。
ひょっとして私に惚れました? あはは、仕方ないですよねぇ美人ですし、
性別の垣根とか超えちゃうのも仕方ないことです。
やー、でも困りますねぇ、さすがに私でも同性は法律的にも個人的にもお断りといいますかー」

「本当に…こういうところさえなければ…っ…!」

無意識に、硬く拳を握り締める。
言及はしないというかしたくないのだが、そうなのだ。彼女は昔からこれなのだ。
だからこそ、悔やまれる。これでそこそこ仕事も出来るというのが、余計に腹立たしい。
それをとうとうとデウスに話したところでどうにもならないので、
ぐっと堪えていると、彼女は国家隊入りたての新入隊員らしい初々しい挨拶で迎えてくれていた。

「上官…! ああ、こんなまともな扱いをされたのは何年ぶりでしょう…。
お任せ下さい、私の目が黒いうちは、絶対にあなたを彼女の魔の手から守りきって見せます!」

>デウス


「あ、でも、エルトさんが入ってくれたのは救いですね。
入ったばかりのあなたにこんなことを頼むのは筋違いですが、
彼女もし暴走したらフォローをお願いします。
5年来の付き合いですが、私ではどうしても裁ききれません」

最後のセリフ一行だが、誤字にあらず。裁ききれるとしたらそれこそ従者のノイくらいだろう。
何を思い出したのか、ははははと乾いた笑いが口から出る。
思えば、昔から私の周りには人の話を聞かない人種ばかり集る傾向にあった。
それを考えれば、この出会いには感謝しなければならない。
きっと彼のことだ。その哀れむような視線から察するに、
語らずともこちらの苦労や、立場ゆえの苦悩に理解を示してくれているのだろう。
常識人である彼の存在は貴重だ、彼女のような相手の対処法を学んでもらうためにも
こちら側に引きこ――もとい、協力を要請しておいて問題はないだろう。

「い、いえっ、そそそんな全然! ほつれを直すのに、
ちょっとだけそのクロークに適合する魔力糸の選別に
時間がかかったくらいで、他は別に何にもです! 本当です!」

ほのぼの話していると、エルトがこちらを気遣うように尋ねてくる。
対するシスメは手に持った記録簿ダンタリオンのページを誤魔化すかのように
高速で捲りつつ応じた。何故満足そうな相手に対して、ここまで恐縮するのだろうか、
その様はまるで校長先生の前に立たされた生徒のようである。
実は、クロークの手入れについて、どこまで手直しすれば相手に
変な遠慮を抱かせずに済むか最後まで葛藤があったのだが、そこは伏せておく。
結局、汚れは全部落とすを基準に、目に付く箇所は全て知り合いの魔導具職人に補修を依頼した。
満足げなエルトの様子を見て、内心ほっとため息をつく。

「と、とにかく! これで借りは返しましたからっ」

そこまで序列にはこだわらないのだが、上官として最低限の意地と見栄はある。
ビシッ!とエルトに指を突きつけたシスメは、
もうこれ以上は取り合わないと言わんばかりに、軽くそっぽを向きながら腕を組んだのだった。

>エルト

1ヶ月前 No.354

狐鈴 @korin29 ★dqv1e4o9J5_Xgx

【デウス=ミレニア/ガイアル区画/ソエリス遺跡前】

「おせっかい…そうですね。…ここが私の故郷になればいいな」
最後の一言はぼそっと小さく喋り、さきほどまでとは表情が異なり少し悲しげな疲れているような
そんな顔を一瞬浮かべる、最後の言葉は本心からふと出てしまう
シスメの様子に心を許してしまったためかこぼれてしまった言葉である

落ち着いてすごせる場所が欲しいそんなことをふと考えてしまったがあわてて表情を元の笑顔に戻す

しかしふとシスメの表情を見ればこちらではなく遠い先を見つめる瞳
その目線を追えばそこにいるのはレイニアの姿
いろいろと思うところがあるようなシスメの表情や先ほどの口ぶりからして
レイニアとシスメの関係についてはこれまでの人生経験からかなんとなくであるがおおよそ理解し小さく笑みを浮かべる
こういった関係を構築できているのもとてもうらやましく思う
すくなくとも今の自分にはすべて置いてきた、もといすべて消えてしまった関係である
そんな二人の様子を眺めてはいたがやはりぶち壊しにするのは…

『本当に…こういうところさえなければ…っ…!』

そんな悲痛な一言を見てこちらもあきれた表情を浮かべる
小説やマンガなどで描かれるようなとても美しいものではなく現実はこうも複雑である
シスメの立場をうらやましくも思うが同時に軽く同情する

正直なところレイニアの言っていることはどこまでが本気なのかは理解できないが
おそらくシスメはそのほとんどを真に受けているようだ
真面目なところがこういった部分で裏目に出ているのが少し可哀想ではある
そういうところも含めて自分が助けになれればいいがと少しシスメのそばによる

「あはは…今後ともよろしくお願いしますテムセージ弐位書記官殿。頼りにしておりますので」

そういうとこちらも両手でシスメの優しく手を包み込むように握り笑みを浮かべる
この町に着てから初めてこういった話をした
自分の中では少なくとも今はここの町の中で一番信用できる存在それがシスメになっている
その次がノイであろうか、あちらもいろいろと忙しいようでふとそちらのほうに目をむける

そして信用はしているし頼りにもしているが一番警戒しているのがレイニアではある
ノイが言うように信用して言い存在でありこちら側の大事にしてくれる存在というのは疑う必要はないだろうが
どこまで見抜いているのかその底知れなさが侮れないと感じる

今所属しているこの部隊ではジョージを含むほかの面々は今のところかかわりが薄いためかまだ判断は出来ないが
おそらく身を脅かす存在ではなさそうだというふわっとした印象ではあるがそれは感じている

「…そういえばテムセージ弐位書記官殿はベルダー候補教育官殿と付き合いが長いようですが、ベルダー候補教育官殿は一体どういった人なのでしょうか」

少しシスメと打ち解けたため少々思い切った行動ではあるが一番警戒してる対象について尋ねてみることにする
様子を見る限りこの中でレイニアとの付き合いがながそうだと思ったのと
この所属したばかりのタイミングであれば違和感なく聞けるかなという思いの元である

>シスメ&レイニア ALL

1ヶ月前 No.355

ますたあ @ritonetto ★Android=yDqhBiviYT

【白月レイ:ガイアル区画:ソエリス遺跡】

聞き流してもいい自分にとってはくだらないことだと思っていたことに、レイニアさんは私に近づき、優しく手をとって答えてくれた。
存在することが危険なんてない。ようはつかいようだと

「……………」

私にとってその言葉はとても嬉しいのだが、何かが浮かばれない。レイニアのその言葉は、私が昔からずっと疑問に思っていたことを思い返させた。私達を作った魔女は私達をどう使いたくて作ったんだろう。
誰かを傷つけるため?…私達が生まれた意味って…


そのあと、レイニアさんから衝撃の言葉がでた
軍服姿の上官の魔の手
タイミングよくきた馬車のこと

「レ、レイニアさん、どうしてそのことを…、そ、その私…その方のことに触れていいのかどうかわからないんですが……今朝、本部に来るまでに、それを妨害するかのような大男に遭遇して、なんとか逃げて、その時タイミングよく馬車がきて、それにつかまって………もしかしてあの馬車って」

>レイニア all

1ヶ月前 No.356

隊長機モルガン @type14 ★BUzhF4mm8n_yFt


【ジョージ・イワモト/ガイアル区画/ソエリス遺跡前】

 イワモトはセキアの言葉通り、一度全てを忘れるようにセンサー類を全て切った。機械の身体には何も感じない。代わりに、左手には人の温かさが広がっていく。彼女の言う通り、それがセキアの手の感触とか、そういうものは抜きにして、ただ、温かさだけを感じていた。その時、電子頭脳がなければ半分は動かない脳が確かに感情を発していくのを感じた。数値的に言えば、バイタルが安定している。でも、これを感情で表すのなら、なんていうのだろう。落ち着く、だけではなく……そう……

 「……安心、するよ、これ……」

 人間「だった」頃の記憶は何一つないのに、人間「ならば」持っている感情や感触が頭に蘇ってくる。まるで、何も書いていないノートに記していくように。ああ、そうだ。自分は凄く安心しているのだ。同時にこみ上げてくるような感覚が襲ってくる。でも、そこから先は何もない。今、自分に何が起ころうとしたのかイワモトにはわかっていた。

 ―キカイのヒトは、涙を持たない―

 わかっているのに、涙が出ないことがこんなに悲しいものだとは思わなかった。だが、新たに悲観するのではない。今は、この温かみを信じよう。
 ターレットレンズは再び黒に戻り、いつの間にか震えは止まっていた。手を握ったまま、笑顔で語り掛けるセキアに小さく頷くと、イワモトにも笑みが戻ってきた。

 「俺には人間の記憶はない。でも、この感触が、温かさが、誰かを助けてくれる優しさなのを知っている。受け売りのおまじない、確かに効いたよ。もう大丈夫。俺の中にいたゴーストは、また闇に隠れた。今の俺は、機械の中にある人間という存在が尊くなるくらい、吹っ切れた気分だよ。心配かけてごめんね」

 自分の左手を握るセキアの手に、機械の手をそっと重ねると、イワモトはデウスやレイ、エルトと話していたレイニアとシスメの二人に振り返る。

 「作戦参加の続行を希望します」

>>レイニア、シスメ、ノイ



 結局、セキアとレイニアに止めてもらったのはいいものの、仲間たちにはかなり心配をかけてしまった。安堵したエルトと、心配そうにこちらを見ているレイ、そして騒動を聞いてこちらを気にしてくれたデウスに深々と頭を下げる。心配は当たり前かもしれないが、その優しさに感謝を表したいのいうのはイワモトの本音だった。

 「すまんエルト……止めてくれたのは正直助かったよ。あり得ない話かもしれないが、俺にも見えたような気がするのさ、ゴーストって奴を。だから尚更負けられないさ。今度こそ俺が体に張ろうとしたこのお札でぎゃふんと言わせる……なんて言いたくなるくらい、気分がすっきりしたよ」

 エルトにそう言って微笑めば、今度はレイの方へ。

 「心配いらないよ、レイ。機械の身体が止まっただし、もう一度動かしたから今度は大丈夫。ドッキングだって平気さ。だから、一緒に戦ってくれないか?」

 今度は大丈夫……イワモトの中には、それひとつ。もちろん、また体の機械が危ないことになったら、ジョイントが勝手に外れるように細工をするつもりだ。せっかく合体して戦おうという時に、こんなアクシデントに負けてしまうわけにいはいかないのだ。

 「デウスもすまない……これが機械の身体のさだめさ。どこかおかしくなったりしたら、体全体がおかしくなる。でも、今は平気だよ。優しい仲間のお陰でなんとかなったんだ」

 デウスにそう言いながら、自分の出した任務復帰への発言の応答を待つ。

>>エルト、レイ、デウス

1ヶ月前 No.357

エルト @absoryut ★j9FaXqIw4R_t92

【ガイアル区画/ソエリス遺跡前】

「あー…まぁ、そうだな…善処しよう」
シスメの乾いた笑いや、若干ながらイントネーションの違う発言を正確に察した上でそう返す。
先日の試験及び結果的に候補教育官と言うポジションに落ち着いた事や先のイワモトに強引にセキアを差し向けたりと言った手腕からも相応に『やんちゃ』している経験があるのだろう。
…そこに悪意があるのであれば大問題ではあるが…なんだかんだと慕われて…はいないようだが…それでも周囲に理解者がいるというのならばそう悪い人物ではないのだろう。
そう考えると口や態度では邪険にしているシスメではあるが…本心から嫌っているのではないのだろう…きっと…たぶん…おそらく?
(…うん、まぁ比率はともかくとして…悪感情だけではない…よな?)
考えているとどうにも疑問が大きくなるが…深く考えてはいけない事だと判断して一度思考を打ち切る。

「その魔力糸を調べるだけでも結構な労力なんだが…」
言いつつも視線をシスメに向けてみれば…何かを誤魔化すかのように忙しなく手元の本を捲っており…さらなる言葉を紡ごうとした矢先にまくし立てるかのように『借りは返しました』と切り捨てられてしまったためにその言葉は大人しく飲み込むことにした。
「…わかった、ならこの件はここまでにしよう」
自身はそう察しがいい方ではない…と思っているがそれでも彼女には何かしらの一線という物があるのだろう、と思い話題を切り替えることにする。
(とは言え如何せん返されたもののほうが大きすぎるな)
…するつもりだったのだが…こちらにしてみれば取り分が大きすぎてどうにもいたたまれず…何かしらの埋め合わせはしなければどうにも気が済まない。
(…となると…ちょうどいいのがあったな)
と、ここでちょうど手ごろな物があったのを思い出し、亜空間のアイテムボックス…通称『異次元○ケット』…の魔術を使い、その中から1つの菓子折りサイズの包装された箱を取り出す。
「…と言ってもそれだとこっちの気が済まないからな…なかなか美味いと思うし適当に食べといてくれ」
とそう言って先日大量に購入した団子の内の一箱を差し出す。

>シスメ ALL

「…まぁ、無事ならそれでいいさ」
セキアのおかげか大分落ち着いたようで、微笑みながらも此方に軽口を交えつつ返したイワモトに軽くうなずきながらもそう返す。
(…とはいえ…不安定ながらも自我のある存在を乗っ取ってくるか)
返した言葉の裏では目の前で起こった事案に対し、真剣に思考を巡らせる。
…表面上は流すことにしたものの…今回の件で発覚したことはかなり重大な事であり…下手をすれば同士討ちを容易く誘発できる存在がいると言う事は間違いない。
(…あらかじめ危険を把握できたと考えれば安い物ともいえるが)
危険があると分かっているならば相応の覚悟ができ…その覚悟が有無では被る被害は格段に差が出るものだ…理想を言えば対策を講じられれば良かったのだが…
(流石に思いつかんが…この札で多少なりともおとなしくは出来るか)
先のセキアとのやり取りがヒントになるのではあろうが…最悪件の札を使えば動きを止めるぐらいの事は出来るだろう。
「大丈夫だというなら止めはしないが…無理はするなよ?」
そんな思考を巡らしていた所で立ち直ったイワモトがレイニア達に任務続行の意思を告げた所でそう言っておく…彼の性格上無駄な忠告だとも思うが…こちらとしても言ってはおかねば気が済まなかった。

>イワモト ALL

1ヶ月前 No.358

語り部(スレ主) @yuzuriha16 ★Jrzpi3wt11_jWF

【セキア&レイニア&ノイ&シスメ/ガイアル区画/ソエリス遺跡】

デウスにレイニアのことについて聞かれる。シスメは少し言葉に詰まる様子を見せた。

「どんな人かですか……個人の主観になってしまいますが良いですか?
変なところで一線引いているというか、
何故か自分の身の上をあまり話したがらないんです、この人」

ちら、とレイニアの方を見る。
視線に気付いたのか、笑顔で手を振り返してくる。どうやら口を挟む気はないらしい。
ここに至って口をつぐむわけにもいかない。当人を前にして口にしずらいのだが、
腹をくくるしかないだろう。ため息をつきたい気持ちを堪えて言葉を搾り出す。

「えー、その、まぁ…立派な人です」

「おや?」

珍しい単語を聞いた、とでも言いたげにレイニアの頭頂の耳がぴんと立つ。

「亜人種保護の実績で右に出る者はいませんし、事実、結果に見合う人望もあります。
名家の出でありながらもそれを鼻にかけないところや、
階級特進の話が来ても足が重くなるからと毎回断っているところを見るに、
自分の信念に生きているという感じがして、そこには好感が持てます。例え――」

一息にそこまで捲くし立てたシスメは
ぎろりとレイニアを睨むと、怨嗟のこもった声でこう付け加えた。

「言動がパワフルかつ意味不明で突拍子がなくトラブルメーカーなところがあったとしても」

「あれー? シスメちゃん あれー?」

上げて落とされたレイニアの非難の声を無視したシスメは、何とか平静取り戻し付け加える。

「胡散臭さと鬱陶しさは指折りですが、きちんと適切な距離は保ってくれる人です。
害はあっても、害意はない人です。だからこそ厄介なんですけどね」

ふと、昔あった彼女との大きな衝突を思い出し、苦笑いがもれる。
いつも笑っていると彼女は言われる。笑っているから何を考えているか分からない、とも言われる。
きちんと評価されるべきものが評価されていない。そのことに憤りを覚えた私は彼女に尋ねたのだ、
どうしてわざと相手の不審を煽るような態度をとるのかと。
そのとき彼女はそう思われるよう心がけているだけだと零した。
しかし、そうしている理由までは彼女の口から語られなかった。意味が分からない。
でも、理解しようとしているからこそ、最終的にいつも私は彼女のいざこざに付き合ってしまうのかもしれない。
苦笑いがため息に変わる。非効率、悪循環にもほどがあると。

>デウス


警戒しているのかレイの声に自然と焦りと困惑が表面化する。
当然だ、自分しか知らないはずの情報を出会ってまだ少ししか面識のない第三者の口から
まるで見透かされたかのように口にされては、気にしないほうがおかしいだろう。
だが、そんな彼女の声を聞いて、安心したかのように口が緩んだ。

「あはは、そのまさかです。やー、まさかとは思いましたが国内で事に及ぶなんて
あちらも相当切羽詰っているようですねぇ。ノイちゃんに監視を頼んで正解でした」

あの夜、鶴羽からレイニアにもたらされた情報は、二つ。
一つは、特別会議室が魔力を用いた装置により傍受されていた痕跡があったこと。
もう一つは、昨晩、国家隊本部に何者かが侵入したということ。
彼女は、知りえないはずのことを知っていた。
「軍服姿の上司」という情報のみに絞るなら、アスールには該当する人物が何人かいる。
しかし、彼女はまるである特定の人物一人のことを知っているかのような反応を見せたのだ。
彼女がアスールに来てから彼とはまだ直接的な接触はない。だが、レイから返ってきた反応は純粋な驚愕だった。
推測が確信に変わる。今の反応を見る限り彼女はシロだ。
彼女会議室傍受の主犯なら適当に誤魔化すなり、とぼけるなりしただろう。
恐らく巻き込まれたか、侵入者の方から接触があったのだろう。これで彼女が傍受の主犯格という線は消えた。
そして、同時に、とき同じくして国家隊本部へ何者かが浸入したという
情報とあわせれば、その謎の侵入者が会議室の様子を傍受していた確率が高い、と考えるのが妥当だろう。
考えを表に出さないまま、レイニアはへらへらと軽口を交えつつ続ける。

「助けた理由が気になりますか? あはは、それはですねぇ
将来有望な候補官に今のうちに恩を売っておこうかと思いまして〜」

さも冗談であるかのように声の調子をわざとらしいものに変えて言い、
くるくると白杖を手の中で器用にもてあそびながらも言葉を続ける。
口調こそおどけたものだったが割と本音だったりする。
だが、それをわざわざ口には出すようなことはしない。

「ま、それも理由の一つですが〜、鶴ちゃ――鶴羽管理官が
貴方のことを心配してまして、私に貴方のことをいろいろと話してくれたんですよ。
なんでも、試験のときに危険な目に合わせたお詫びとか言ってましたね」

このくらいの情報はレイの警戒を解くためにも伝えてもいいだろうと、彼女と面識のある鶴葉の名前を出す。
これでレイニアがある程度レイの事情を知っていた理由が分かってもらえたはずだ。

「いろいろ気になるとは思いますが〜、
とりあえず話の続きはお茶の飲めるところでゆっくりしましょうか。
先にこの任務を片付けてからにしましょー。は〜い、皆さんも移動しますので準備して下さいねー」

そう言って話を切り上げたレイニアは皆に召集をかけ、
ツアーコンダクターよろしく手を上げて遺跡の中へ皆を先導し始めたのだった。

>レイ、ALL


「やっといつものイワモトのおにーさんに戻った」

にひ、と歯を見せるあまり女らしくない笑顔がセキアの顔に出る。
マフラーを風になびかせながら、とんとんと軽快な足取りでイワモトから距離をとると、
手を後ろで組んだ状態でくるりとイワモトに向き直る。

「やっぱ、おにーさんは笑ってるほうがいいな。
それに、ごめんじゃなくてありがとうでしょ」

勇者冒険譚に出てくる主人公が口にしそうなセリフを得意げに言うセキア。
こんなセリフを恥ずかしげもなく口にできる辺り、
治療不可能なほどに、彼女は思春期特有の病に脳の大部分を侵食されているらしい。
加えて、自覚がないのだから、それだけ彼女の思考はファンタジー寄りなのだろう。
いや、魔術や魔導具が日常の傍らにあるこのアスールという国に来て余計悪化したといっても過言ではない。
気を取り直してとばかりにセキアは再び近づいてイワモトの手を握ると
その中に琥珀色のキャンディーを残して手を引っ込める。

「エナジードリンクのシュワシュワするヤツ、元気ないときはよくそれ食べるんだ。
そこまで気にしなくてもいーと思うけどな、あたしは。
今度あたしが落ち込んでたら励まして。それで貸し借りなしってことで!」

体育会系のノリでペシペシとイワモトの背中を軽く叩きつつ
「早く行こーぜブラザー」とでも言わんばかりに
そのまま背中を叩いた手でイワモトの体をやわやわと押して遺跡の入り口へ誘導し始める。

>イワモト


彼も渋々ながら納得してくれたようで、それ以上の追求は控えてくれた。
ただ彼にも引き下がれないところがあるらしく、懐から何かを取り出そうとしている。
断りの文句を口にしようとしたシスメの口はソレを目に下途端、突如 フリーズした。

「そ、それは…! 角天堂限定の三色団子!? せ、せっかくですから頂戴し―――」

驚嘆に声のボリュームが一段上がる。ほぼ無意識に、反射的に、
喜び勇んで包装された箱へ伸ばされた手はしかし、その手前でぴたりと止まった。

(う、でも…お礼は必要ないと言った手前、受け取るわけには…
ああ、でも距離的にガイアル区画にはなかなか行く機会がないし…)

シスメとてまだ齢18の女。標準的女子が持つくらいの甘味への執着はある。
己の中にある秤の上に威厳と甘味がどさりと置かれた。
それらはぴたりと動きを止めたまま、どちらかの皿も沈むことなく水平を保つ。
負けるな、自分、その欲に。耐えろ、自分、威厳のために。
少し見方を変えよう。目の前のコレは竹串と炭水化物できた只の物体だ。
ただの、物体、なのだ。有機物と無機物の集合体なのだ。
よし、これで邪念は打ち払われた。こちらのメンツも保たれるというもの。
実技試験では彼に醜態ばかり見られているのだ、
先輩としてこれ以上の威厳と信用の失墜は、避けねばならない。
ゆらゆらと揺れるシスメの両手はしかし

「ひ、必要ありません!」

言葉に反してがっちり箱のふちを掴んだ。

「ハッ!? 手が勝手に!」

こんなギャグ漫画のテンプレートのような反応をしてしまう自分に愕然となる。
自分はもっともギャグ時空から遠い人間だと思っていただけにショックが大きい。
そうこうしているうちに先に移動を開始していた前を歩くレイニアから声がかかる。

「シスメちゃーん、エルトさーん、移動しますよ〜。ちゃんと付いてきてくださいね〜」

「あ、う、わ」

箱を手に右に左に体をひねり、おろおろとしていたシスメだが、
やがてエルトに向き直ると、気まずさからか顔を伏せ

「い、行きましょう。エルトさん」

それだけ言うと手の中の箱を転移魔術で転移させ、足早にレイニアの後を追ったのだった。

>エルト

27日前 No.359

エルト @absoryut ★j9FaXqIw4R_t92

【ガイアル区画/ソエリス遺跡前】

「…あー…いや、無理にとは言わないんだが」
良かれと思い差し出した菓子折りだったが…ひょっとするとこれは賄賂に値するものであり彼女の立場的にまずい物だったりするのではないだろうか?
…その辺りの事をあまり深く考えずに差し出してしまったのだが…かえって迷惑だったのかもしれないと思い直し、今晩の夜食にでもしようと考えて取り下げる事にしたのだが…
「悪かった、少し短慮だったかもしれ…」
『必要ありません!』と、言い切った彼女に軽く謝罪した所で引っ込めようとした菓子折りがピクリとも動かない事に気が付いて言葉が途切れる。
「…うん…まぁ…有効活用されるのなら何の問題も無いだろう」
ついでに場の空気も凍り付いたような気もしたが…なんとかそう言葉を捻りだした所でいつの間にやら先行していたレイニアや候補官達に声をかけられ、出遅れていた事に気が付く。
「っと、そうだな…待たせる訳にもいかないしこっちも行くとしようか」
何やらおろおろとしていたシスメだったが、顔を伏せつつもレイニアの方に速足で向ったのにそう答えつつ、こちらも後を追う事にする。

>シスメ ALL

26日前 No.360

ますたあ @ritonetto ★Android=yDqhBiviYT

【白月レイ:ガイアル区画:ソエリス遺跡】

「でも………わかりました。でもあまり無理はしないでください。それと、私がイワモトさんの様子をみてドッキングするのが不可能だと判断した場合、ドッキングはしません……それでいいですよね?」

と、少しきつい言い方をした。あくまでイワモトさんを心配してのことだけど、言いすぎたかな。でもこうでもしないと、きっとドッキングしたとき辛いだろうから。
そして、イワモトさんに背を向け、少しだけ歩きながら

「いくらあなたが機械の体で壊れても治るといっても、あなたが疲れていたり、辛そうにしているのに無理なんてさせるくらいなら……あなたを引き摺ってでも任務を放棄し、療養させます。たとえ、それで除名処分になろうとも!」

顔だけを振り返らせて、目を少し細めていった。
少し偉そうだったかな。しかし言ったことに嘘偽りはない。

>イワモト


『あはは、そのまさかです。やー、まさかとは思いましたが国内で事に及ぶなんて
あちらも相当切羽詰っているようですねぇ。ノイちゃんに監視を頼んで正解でした』


あの場にノイさんがいたなんて、人混みもあってまったく気づかなかった。それをきいて、ノイさんのほうへ顔を向け

「ありがとうございました。あの時馬車が通らなかったら、どうなっていたか…」

そういい、ふたたびレイニアさんのほうをむく。

『ま、それも理由の一つですが〜、鶴ちゃ――鶴羽管理官が
貴方のことを心配してまして、私に貴方のことをいろいろと話してくれたんですよ。
なんでも、試験のときに危険な目に合わせたお詫びとか言ってましたね』

その言葉に、少し苦笑いをして、両手を前に出しヒラヒラとふって

「そ、そんな、あれは私の力不足が招いたこと、鶴羽管理官が重んじることではないですよ。」

と、鶴羽管理官のお詫びを受けるほどのことではないと否定した。でも

「でも、ありがとうございます。少し安心しました」

あの映像を見てからと言うもの、この国家隊にとって私は敵かもしれない、だとしたらみんな敵かもしれない、そんな疑いの心がどこかに芽生えていたので、助けてもらっていたときいて、味方がいたという事実に心が安らいだ。


『いろいろ気になるとは思いますが〜、
とりあえず話の続きはお茶の飲めるところでゆっくりしましょうか。
先にこの任務を片付けてからにしましょー。は〜い、皆さんも移動しますので準備して下さいねー』

「そうですね。今は任務中でした!」

そういうと、両手を握り控えめにガッツポーズをした。
あまりレイには似合わないポーズだが

「もしも奥で誰かが助けを求めているなら、早くしないといけませんね!」

>レイニア ノイ セキア エルト all

26日前 No.361

隊長機モルガン @type14 ★BUzhF4mm8n_yFt

【ジョージ・イワモト/ガイアル区画/ソエリス遺跡前】


 「……俺は以前読んだ書物より、亡霊というものはモビーディックのような『人間の執念の喩え』とばかり思っていた。ミス・ベルダーから人体と魂の関係性を教えてもらうまでは……いや、やはり執念や無念、未練というものが生命体のエネルギーを形に変えて、世の中に具現化する。そう思えてきた。だが、俺の身体を乗っ取ろうとしたものは……果たしてそういうものと呼ぶべきだったのか、ちょっとわからないんだ。ひょっとしたら、機械の身体の持ち主かもしれないな……」

 こちらの醜態を心配していたエルトに、思ったことを告げてみる。体はガイノイドで出来ていると前に言ったが、そういうふうに作られたわけではなく、あらかじめ作ったガイノイドにジョン・ドー(南米のスラングでななしのごんべえ)を組み合わせたものであるということは、殆どのメンバーにはまだ言っていない。もっともこれは、ヒルカの解析結果である「正体不明の技術と人間のごった煮で、機械と肉体が境目もわからない程に組み合わさっている」という言葉から得たものであるが。

 「ただ、機械の俺でもわかることだが、乗っ取りを受けると結構苦しいな……無理はしないように気を付けるよ。暴走して大暴れとかゴメンだしな」

>>エルト



 いつもの自分に戻った。
 その言葉がどれだけこちらの心を救ってくれたことか。歯の浮く言葉と言われるかもしれない。でも、人を励ますのに、言葉の作りなど問題にはならないだろう。罵倒でもない限りは。
 笑っている方がいい。ああ、泣きたい……いや、嬉しさに泣くことと同じように、嬉しさに笑う……これだって大事なことじゃないか。記憶が欠落したのに、笑顔だけは忘れなかった少女の言葉が、記憶が存在しない自分に新たなことを教えていく。だから、負けないくらい明るい笑顔で、口を開いた。

 「ありがとう、セキア。本当にもう大丈夫……キャンディ?」

 しゅわしゅわする味と言われて、それを口に含んでみる。
 ああ、なるほど……ラムネのように溶けて発泡する。炭酸のような刺激と、オレンジの香料が多くふくまれたような甘い味……気分転換に相応しい味だ。

 「ん……美味しいね。すっきりするよ。じゃあ、今度は俺の番、か。セキアがつらい時は、力になるよ。まずは任務をこなしながら、セキアが探している人をみつけなきゃね……とと」

 セキアに背中を押され、レイニアの先導で遺跡の中へ入ってみることとなる。さて、亡霊の真の正体やいかに……だが、その前にイワモトにはもう一人、心配をしてくれた人間がいてくれた。レイである。

 「……わかった。ドッキングが無理だと判断した場合、君の裁量に任せる。無理はしないようにするし、ドッキングしてる間は俺の状態も逐一みられるようにしておこう」

 ……と、言うものの、レイは自分の状態次第では引きずってでも任務を放棄させるつもりだ。
 レイニアとの話を盗み聞きしたわけじゃないが、彼女の立場が微妙なのはある程度理解している。だからこそ、その決断は心を動かされる。

 「君を除名なんかしてなるものか。君も含め、俺達はチームなんだ。俺も迷惑をかけないように気を付ける。でも、心配してくれてありがとう、レイ」

>>セキア、レイ

24日前 No.362

狐鈴 @korin29 ★fkYX4WEGOM_NFR

【デウス=ミレニア/ガイアル区画/ソエリス遺跡前】

「大丈夫なのであればよかったです。びっくりしましたよ」
先ほどはかなり心配をしたが現在のイワモトの様子を見るに大丈夫そうだと思う
また自分が心配せずともセキアたちがいるのだとあちらの様子を見て自分が出るまでもなさそうだと思う
それにあまりよって騒いでも邪魔になるだけだということもあり再びシスメのほうへと戻る


先ほど投げかけたレイニアに対する質問へはあまり上手く答えられないというか少し言葉を詰まる様子を見せ少々不思議そうな顔でその様子を見る
どうやらシスメにも本人の身の上などははっきりとは話していない様子であった

こちらもそうなのかといった少々驚いた表情をしつつ静かにシスメの言葉を聴く
しかしその後出てきた言葉はなんとなくではあるが予想通りのものだった

『立派な人です』

そんな言葉にレイニアはと言うとかなり意外そうな表情をしている
そこからつらつらと語られるレイニアの功績、それはすごいものでありシスメの口から出ていると思うとなおのこと説得力があった
只者ではないとは思っていたがそれほどの人だったのだとわかるとすごいものだと関心する…が空気が少し変わった

『言動がパワフルかつ意味不明で突拍子がなくトラブルメーカーなところがあったとしても』

その言葉を発したシスメの様子と対照的に悲壮感が漂うレイニアの様子に思わず笑ってしまい口元を抑える
くすくすと小さく笑いつつもシスメの言葉を聴き一呼吸置くと口を開く

「ふふっ…ありがとうございます。途中笑ってしまってすいません、でもどういった人かはしっかりとわかりました」

チラッとレイニアのほうを向くと先ほどの様子を思い出し再び笑ってしまう
こういった関係があるのだなぁと少しうらやましくも思いつつ話してくれたことにお礼の意味も含めシスメに深々と頭を下げる

「問題はあるけれどとても頼りになる上官だということ…そしてテムセージ弐位書記官殿もとても正直で良い上官なのだということも」

包み隠さず思うままに話してくれたこと正直な人なのだとはっきりとわかった
そしてその正直なシスメから話されたレイニアの情報も本当のことなのだろう
ため息をつくシスメを見るととても非効率的なことをしているのだろうとも思うがいい人なのは理解できた

出来ることならここの人たちと友人関係を作れたら…
そんな風に感じつつあった

>レイニア&シスメ・ジョージ

22日前 No.363

語り部(スレ主) @yuzuriha16 ★6613Ctpt03_jWF

この投稿はフィルタされています。表示するにはアカウントにログインして下さい。

21日前 No.364

ますたあ @ritonetto ★Android=yDqhBiviYT

【白月レイ:ガイアル区画:ソエリス遺跡】


イワモトさんの言葉に安心しつつ、遺跡のおくへと足をはこぶ。外にいたときから感じていたけど、この遺跡、やっぱりただの遺跡じゃないんだ。
これ、つけておいてよかった。婆さまありがとう。
魔武器も一応魔道具だからかな、あちらこちらから魔道具らしき気配がする。なんの魔道具なのかはわからないけど、なんだろう、まるで大きな魔道具のお腹のなかにいるみたい

いろんなことを考えていると、セキアさんがおもむろに本を取り出して、ここだったのか!と納得していた。その本をみて、はっとして

「セキアさん、その本…」

何かを訪ねようとしたその瞬間シスメさんの悲鳴が聴こえた、その方をみると、大量の血が奥へと続いていた。薄暗いこの場所で、血だとわかるくらいの赤


「この血、まだ新しいですね。ふつう、血って黒くなるのに、まだ赤い」

と、何故か血をみても平然としている。というかこういうときこそ落ち着かなければいけないからだ
とはいえ、さすがにこの状況、平然を装おってはいるものの、内心はかなり焦っている。

>セキア シスメ イワモト all

18日前 No.365

隊長機モルガン @type14 ★BUzhF4mm8n_yFt

この投稿はフィルタされています。表示するにはアカウントにログインして下さい。

17日前 No.366

狐鈴 @korin29 ★fkYX4WEGOM_jCr

【デウス/ガイアル区画/ソエリス遺跡】

表と違い中はまさに遺跡、それも今まで自分がいってきた遺跡という名前の廃墟に近しいものではなくれっきとしたものであるとわかるほど
中はひんやりとした空気も相まって心霊スポットのような雰囲気と同時に
その外壁などのミステリアスさがいろいろなものがデウスの気をひく

しかしやはり気になるのは遺跡と言うのに真新しさを感じるものの数々
無意識に自分の能力である『設計眼』を使ってしまいその建造物のものの構造を見てしまうほどであるが
そのほとんどが古代のものであるためか構造がいまいち読めなかったり
現代アートのような図の構造を読もうとするとその複雑さに脳の処理が追いつかず軽く貧血を起こしてしまう

『ひぃ!?』

軽く意識が朦朧とする中そのふわふわとした視界をはっきりさせたのは突然の悲鳴だった
少しふらふらとした足でその場に駆け寄ると他の人たちの視線の先を目で追えば赤黒い染み
もとい血痕のようなものが目に入る
先ほどのレイニアたちの話ではここは進入禁止になっていたはずではあるし幽霊騒ぎがあったくらいしか聞かされていない

そしてたった今レイニアとシスメが話していた会話でこの目の前の事態の異常さを再確認できた
いよいよキナ臭くなってきたと思いやや表情をこわばらせる
イレギュラーなことではあるのだろうがこれも任務の一環であるどちらにせよ調査をしなければいけないのは変わらない

とりあえずシスメのほうはレイニアのおかげでパニックから回復はしてはいるがこの事態は流石に怖いかな?と思い
シスメの名前を少々震えた声で呼びかけ右手につけていた大きなガントレットをはずして腰から下げると手を伸ばす

「テムセージ弐位書記官殿…情けない話で申し訳ないのですが…その、怖くなってしまいまして足が震えてしまうのです。申し訳ないのですが手を繋いで頂けないでしょうか」

怖いっというのは嘘ではあるが足が震えるのは事実であり先ほどの遺跡内部の構造物を解析しすぎて頭がオーバーヒート気味なのである
お化けや血が恐ろしいというのも子供のようでもあるが興味本位で解析しすぎて知恵熱で貧血をしたというのもまったく情けない話であるため
流石にそこは話せなかった

>シスメ ALL

16日前 No.367

エルト @absoryut ★j9FaXqIw4R_AkG

【ガイアル区画/ソエリス遺跡前】

(…さっきは要塞だのと思ったが…見当違いだったか?)
あれから全員で遺跡内に突入し、しばらく進んでいると、思いもし得なかった内装に内心で首をかしげる。
外観からは確かにそういった雰囲気を感じ取ったのではあるが…実際に内部を見ると正直戦闘を主眼に置かれているような作りはしておらず、むしろその幻想的な光景は観光地とされるには十分過ぎるほど見栄えのする内装であった。
(…とは言え…ここは『俺にとっても環境が良すぎる』のは気にかかるな…何のための建築物なのかが分からんことには安全とは言い難い…落ち着いたら個人的に調査するの必要があるかもしれないな)
最後尾を静かに歩きながらそんな事に思考に耽っていると…突如として前方からおかしな報告が届く。

「血痕だと?…確かに妙だな…」
少なくとも立ち入り禁止となっているこの遺跡には誰かが居るというのは考えられない…だというのにその血痕はまだ変色しきってはおらず、若干ながら赤みを未だ保っており…少なくとも数時間経っているかどうかと言うところだろう。
真っ当に考えるのであれば非公式な侵入者が居ると考えるのだが…こんな何もない所で負傷するような落ち度があると言うのは正直…首をかしげたくなるところだ。
…だがもう少し掘り下げてみれば…考えたくはない事だが、閉鎖されているのをよい事に『良からぬこと』を考えている狼藉者が状況を利用して犯罪行為に利用している可能性も無いとは言えない。
そうなるとこの血痕の主は安全かと言えば…決してそうであるとは言えないだろう。
(…考えすぎであってほしいが…な)
だが状況的には杞憂と流すにはあまりに楽観視が過ぎる…そう考えた所で先を急ぐという言葉が聞こえて静かに頷きながら同意する。
「そうだな…この血痕がなんであれ放っておくわけにはいかない」
…先程考えた可能性を考慮しつつ、速度が速まった一団に送れぬよう、歩を進める…今回もまた何事も無ければいいのだが…おそらくそうはならないのだろう。

>ALL

16日前 No.368

語り部(スレ主) @yuzuriha16 ★vq9q6ujEBN_giC

【セキア&レイニア&ノイ&シスメ/ガイアル区画/ソエリス遺跡】

簡単な仕事のはずだった。

「…く、そが……っ」

引っかかれた腹部が、じくじくと痛む。
まるで全身の熱がそこだけに集中しているかのように熱い。
3日前、ここに一緒に入った二人の連れの姿は今はない。
いけ好かない連中ではあったが、利害は一致していた。
何の思い入れもなかった、そのはずなのに。

「この涙は何だ……っ…」

同情ではない。後悔でもない。この足をひたすら前に動かすのは、恐怖だ。
ああはなりたくないという恐怖。
あの組織から渡されたリボルバーに銃弾は残っていない。こんなものでは身を守れない。
予備に持っていた銃も弾を撃ちつくし、持っている武装も今やナイフのみだ。
思えば、浅はかな考えだった。依頼された内容はさらってきた吸血種(アルカード)に
一日おきに特別性の銃弾を一発ずつ撃ち込み、その様子を通信機能付の映像晶石に記録するというもの。
それだけで優に10年は遊んで暮らせるような大金が手に入るはずだった。
だが、こうして命を危険にさらされている今だからこそ分かる。
いくらなんでも話がうますぎた。
だったら、今のこの状況もあらかじめこうなることを想定されていたのではないかと。
すなわち、俺たちは体よく利用されたのだ。単なる捨て駒として。

「……っ……出口は…まだ――がっ!?」

背中に強烈な痛みを感じて、振り返る間もなく床へと倒れこむ。
視界に写る赤が、その赤い液体が自分の体から
流れ出たものだと理解するのにそう時間はかからなかった。
あざ笑うかのように、逃げようと這い蹲る獲物の背に鋭い爪が何度も振り下ろされる。

「がああああああああ!?」

彼が最後に聞いたのは自分の断末魔となった。




薄暗く鬱屈とした雰囲気さえ感じる遺跡内部だが、
セキア達第七候補隊はおおむね和やかな雰囲気で進軍を続けていた。
その筆頭たるのが、シスメとデウスのやりとりだ。
導火線に火をつけたのはレイニアだが、
シスメをフォローするデウスの姿に、珍しく微笑ましげな笑みが零れる。

「お、お願いします! 是非! うう…どっきり系とかは大丈夫なんですけど、
こういうド直球なスプラッターは受け付けないといいますか…ああ、我ながら情けない」

プライドなど とうにかなぐり捨てたのか、
デウスの提案にふたつ返事で飛びついたシスメは、はっしと彼女の手を掴む。
しかし、手を繋ぎ僅かばかり落ち着いたのか、いい訳めいた言葉を並べ始める。
一方で血痕の側にしゃがみこむ影があった。
苦悩する哲学者のように眉間に皺を寄せた神妙な顔つきだが、
ポーズでしかないため、考えていることの中身はないに等しい。

「レイが言うみたいにまだ新しいものみたい。それに、血が奥まで続いてる…
引きずった後がないってことは、移動出来るくらいの体力は残ってるってことだよね?
でも、変じゃない? なんかちょっと引っかかるっていうか…
なんで出口の近くまで血痕が続いてるのに、そこで急にぱったり血が途切れてるのかな?
エルトとイワモトのおにーさんはどう思う?」

一人ごちるセキア。いつの間に取り出したのだろうか、
どこぞの探偵よろしく虫眼鏡を取りだして意味もなく
血痕を拡大して見せながらセキアは怪訝そうな表情で肩眉を上げてみせる。
そんな弛緩した空気を、腹の底から搾り出したかのような悲鳴が遮った。

『があああああああああ―――」

「ひぇええ!? ここここ今度はなんですか!?」

怯えるシスメの悲鳴を無視したレイニアは頭頂の耳を動かして状況把握に努める。

「十中八九、嫌な予感しかしませんねぇ。
皆さん、ノイちゃんを先頭に、出来るだけ横に広がった陣形で移動します!
シスメちゃんは最後尾で待機しててください、くれぐれも絶対に一人で突っ走らないように!」

レイニアの声が硬さを帯びる。ノイの控えめな足音の後を、忙しなく複数の足音が追う。
通路に足音を反響させてたどり着いたその先には、
血で手を染めた少女と、その下に転がる血に塗れぐったりと動かなくなった男の姿があった。
少女のほうは、齢15ほどだろうか。憔悴しきっているのか顔に生気がない。
血染め色といっていいほど強烈な赤い色の髪と、それと同色の瞳。
元は豪奢なドレスだったと思わしき衣服には銃痕と思わしき淵の焦げた穴と
彼女が流したものらしき乾いた赤い血がこびりついている。
きらりと口角に光る鋭い犬歯を目にしたレイニアは、
茫然とした表情で血に染まった両手と床に伏した男を見比べる少女に問いかけた。

「吸血種(アルカード)ですか。その人は貴方が?」

務めて冷静な声で問いかけるように心がけたが、返ってきた声は強烈な拒絶と混乱に支配されていた。

「ち、ちがっ……私じゃない…こんなことになるはずじゃ…
ずっと…血を吸わないように…我慢してたのに…
急に…血が…見たく…欲しくなって…うそ、嘘、ウソ、うそ」

うわ言のように否定の言葉を口にする少女。
自問自答を繰り返す様子から、こちらの声が聞こえているかどうかも怪しい。

「え、えっと? おねーさん? とりあえず落ち着いて何があったか話し――」

誰もがとめる間もなく少女に不用意に近づいてしまうセキア。
だがこれがいけなかった。
真っ先に獣の動体視力をもって赤髪の少女の違和感を
感じ取ったのか、ノイがセキアに鋭く警告の声を上げる。

「セキア、退く! 早急!」

「放っておいて! 人を…見たら、私…は…また…衝動が…抑え……あ……」

吸血種の少女が意味のある言葉を口にしたのはそれが最後だった。
充血した瞳が捉える先は、セキアの首筋。残像を残すほど素早く赤髪の少女の右腕が振るわれる。
そのことにセキアは気付かない。いや、人間の動体視力ではとらえることすら不可能だ。
死を宣告する死神の振るう鎌の音のように、ヒュンと風を切るような音だけが尾を引いた。

>レイ、イワモト、デウス、エルト、ALL

12日前 No.369

狐鈴 @korin29 ★fkYX4WEGOM_jCr

【デウス/ガイアル区画/ソエリス遺跡】

差し出した手を握り返してくれたシスメを見て少しほっとしたような笑みを浮かべる
少し出すぎた真似をしたのではないかという一抹の不安を感じではいたものの好意的に受け止めてもらえたのはうれしい限りだった
こうして人と手を触れ合わせられるのは何年ぶりだろうかと懐かしみつつ
シスメのほうも少しばかり落ち着いたような様子を見てこちらの意味でも良かったと思う

「仕方ないですよ、こういったものは本来は見慣れない光景のはずですし。私もやはり怖いです、テムセージ弐位書記官殿に手を繋いでいただいて嬉し――」

和やかにはなしていた空気を突然何かがさえぎった

『があああああああああ―――』

突如けたたましく鳴り響く悲鳴
言葉を途中で飲み込み、本能的にシスメの手を強く握り悲鳴の方向へ立ちはだかるように立つ
きな臭いと思ってはいたが当たってはほしくない予感が当たってしまい少し動揺する

レイニアの指示に従いノイのやや後ろに広がりつつ臨戦態勢で進む
先ほどまで初々しい新人隊員を演じていた顔はもはやなく、その真剣の顔は戦場での兵士のような
そんな張り詰めたような顔をしていた
黙り込み先だけを見て歩いていくと見えたのは一人の少女…と人だったであろうもの

『吸血種(アルカード)』

レイニアが発したその言葉、話には聞いたことがあったが見ることは実は初めてであった
しかしその少女から感じるなんともいえない感じ、言葉に表せない違和感というのか理由はわからないが危険と
自分の中の警報がずっとなりっぱなしになっている
なんだかわからないがヤバイのだと

だがこちらの思っている不安とは裏腹に近づくセキアをみて声を出す前に体が先に動いた
シスメと握っていた手を突然はなし、手を繋ぐためにはずし腰に下げていたガントレットを強く握る

自分でも何故こんなことをしているのかわからないだが考えているまもなく体は動く

ノイが警告の声を発する直前、握った大型のガントレットを細い腕からは考えられないような力で投げていた
方向は少女とセキアのちょうど間くらいを狙って全力で…

「セキア!離れろ!!」

そんな言葉を発したのは投げた後のことだった

自身でも理由はわかっていない、無論その後の少女の動作も目ではまったく追えていないどころか何もわかってはいなかっただろう
ただ頭の中に浮かんでいた言葉は

『間に合え』

それだけだった

>セキア&シスメ・ALL

11日前 No.370

ますたあ @ritonetto ★Android=yDqhBiviYT

【白月レイ:ガイアル区画:ソエリス遺跡】

出口まで続いているのに急に途切れた血痕…たしかに気になる。まるでここでいきなりその被害者か加害者かあるいは両方が姿を消したみたいに

「……こんなとき、あの人がいれば……ううん、今はそんなこと考えてる場合じゃないですね……。」

この状況をみて脳裏にある人のことが過り思わずつぶやいた。でももうあの人は…

『がぁあああああああああああ!!』

そんなとき、奥から悲鳴のようなうめき声のようなただならぬ声が聞こえた。
それをきき、みんなで駆けつけることになった。私も後から慌てて追いかける
私は足が遅いので、みんなより少し遅れただろうか

「はぁみなさん!…まっ待ってください……ってあれ?」

おかしなことが起きた。確かにみんなの後を追ってまっすぐ走っていたはずなのに、みんながいない。
それに、さっきまで続いていたはずの血痕が私の足元にはない。思わず立ち止まりあたりを見渡す。

「え!み、みなさん!ど、どこですか?!おーーい!どこ行っちゃったんですかー!…どうしよう。とりあえず引き返して……ってあ、あれ?な、なんで?!」

みんなとはぐれたと気づき、大声を出すが返事が聞こえない。とりあえずもと来た道を引き換えそうと振り替えると、そこにさっきまではなかった壁があり、戻れなくなっていた。

まずい、こんなところではぐれちゃうなんて……
進むしかないですね。
……こ、これって!


>all

11日前 No.371

エルト @absoryut ★j9FaXqIw4R_VuR

【ガイアル区画/ソエリス遺跡内部】

「そうだな…応急処置に成功した…と考えればありえなくは無いと思うが…」
セキアの問いにそう答えつつもあまりに楽観的な事を言っている自覚から、現実的であろう話に切り替えるべく、一度言葉を切って続ける。
「…この遺跡が完全に死んでいなかったとしての話だが…何かしらの設備やトラップが発動して強制的に移動させられた…と言う可能性も無くはないんじゃないか?」
…少々突飛な意見かもしれないが…これまでは何もなかったのだとしてもこれだけの遺跡だ、何かしらの設備が誤動作したという可能性は捨てきれないだろう。
何より真っ当に考えればこの状況自体が少々腑に落ちない部分が多く…真っ向から考えるだけでは真相にたどり着かない可能性が高いと思えた。

「…何にせよ…この先何があるかわからないし念のため最低限の証拠品ぐらいは持っていくべきだな」
そう言って地面の血痕から一部削り取って、どこからともなく取り出した試験管の一つに入れ込みコルク製の蓋を閉めて保存する。
「素人が現場を荒らすのは問題だが…調査の名目で来ているのだしこれぐらいの権限はあるだろう?」
全ての行動を終え、今更ながらにレイニー達教官にそう質問する…事後では何も意味がない気はするが…何かあった時のためにも『建て前』という物は非常に大事な物なのだ。

「っ!!…今の声は!?」
そうしている内に、どこからともなく絶叫のような悲鳴が響いてきた。
(…血痕の主だったら話は早いが…それはそれで厄介事には変わらんか!!)
こんなところでこのような叫び声をあげるというのは十中八九危機的な状況であるというのが疑う余地も無く…しかもこれは断末魔と言ってもいい様な悲痛な響きであった。
「了解した…流石にはぐれでもしたら厄介だしな」
陣形移動の指示を出したレイニアにそう返しつつも指示された通りのポジションに移動して追従するとする。

そうして少し経ってたどり着いた現場では一人の男…と思わしき人影が血溜まりの上に倒れており…少し視線を上げればそこには茫然とした様子の少女が血に染まった己の手を見比べているようであった。
(…この子が手を下した…と言うのは間違いないだろうが…どういう状態なんだ?)
下手に動くべきではない…そう判断して静かに思考に耽っていた所で…ある事に気が付く。
(…待てよ?人数が…レイはどこに行った?)
状況を把握しようと周囲に意識を走らせていた所で気が付き、周囲に視線を巡らせる。
(…単に遅れただけならばいいんだがっ!?)
考える途中で少女の様子がおかしい事に気が付き…セキアがそれに気が付かず、不用心に近づいている事に気が付く。
(チィッ!!間に合うか!?)
何人かはその様子に気が付き、行動を起こすべく動いているが…少女の動きは早く、今まさにその右腕が振るわれんとする瞬間であった。
此方もあろうじて速度を最優先にした魔力弾を放ち、その凶刃を打ち払わんとするが…

>セキア ALL

11日前 No.372

隊長機モルガン @type14 ★BUzhF4mm8n_yFt

【ジョージ・イワモト/ガイアル区画/ソエリス遺跡】

 「血液が途切れたというのなら、ここが血液を流した出発点と考えたほうがよさそうだ。俺の目には見えてるよ。ルミノール反応が奥へと続いてる。俺達の前に誰か入ったな。もっともこれじゃあ、何が起きたかを知るには至らずか……うーん……エルトの言う通り、これが応急処置の後ならいい。ただ、この先に続いてるということは……言い出しっぺながら気乗りしないが、前者の方がアタリかもな……」

 セキアにそう言いながらイワモトはルミノールライトを眼球から放ち、その後で再びセンサーで周囲を探る。構造をスキャニングし、トラップが周りにないか確認する。それにしても不自然に隙間の多い建物だ。その時、遠くから轟音の如く叫びが聞こえた。シスメがびっくりする中、イワモトは手首を展開してカートリッジを差し込み、戦闘アームV2をセットアップする。三連装22口径の銃身を下げながら前方と、そしてじっとしてくれないかもしれないセキアの動きに注意しながら、レイニアの指示通り陣形を整える。
 奥から出てきたのは、血だらけの少女だった。それだけではない。彼女の足元に転がる肉塊と、そして彼女自身についた弾痕。

 ...Target Scanning
 ...Type ALUCARD

 レイニアの言う通り、彼女はアルカード種族。始祖のヴァンパイア・ドラクルをアダム、花嫁のミナ・ドラキュリナをイヴとし、その血を受け継ぐ宵闇の住人。なるほど薄暗い遺跡には紫外線や赤外線といった太陽の力から逃れやすい。それにアルカディアン達は基本的に吸血衝動を抑えて生きている。彼女たちにとって吸血は究極の食事ということだけではない。その魂を吸い尽くす為に吸血対象者の血液を依代に、己の牙の魔術を使う。自ら悪魔、デビルサマナーの二つを演じることで、対象の純潔な血液を奪い、己の血族へと進化させる。その為、彼女達は生活のスタイルを他の種族に合わせ、個体数の管理をして生きながらえているのだ。それが時に人間とのいざこざにもつながる。
 イワモトのメモリーにもそうインプットされているのだが。
 怯えた状態でドアルカードの少女は、自分の身に何が起きているかわからない状態だった。
 イワモトは彼女のスキャンを続ける。ヴィジョンには確かに彼女のバイタルが急上昇しているのが確認できた。それも、まるで安全装置を外したように、計測はでたらめな結果を出す。

 「(まさか……!)」

 こんな数値、前にも見たことがある。そしてセキアが近づいた途端、ノイの叫びが全てを察した。
 デウスのガントレットが投げられ、エルトの魔力弾が放たれ、そしてイワモトはセキアの前に立ちふさがり、吸血鬼が宵闇に君臨した所以のひとつ……その怪力から放たれた一撃を機関砲と化した右腕を盾にして受け止めんとする。

 だが、事態はもうひとつ起きていた。
 レイが忽然と消えたことに、イワモトは気が付いていない。

>>セキア、レイ、エルト、デウス、ALL

11日前 No.373

語り部(スレ主) @yuzuriha16 ★K0RFIFu846_giC

【セキア&レイニア&ノイ&シスメ/ガイアル区画/ソエリス遺跡】

爪が振るわれる刹那、セキアの目には
少女の体から硫黄に似た黄色いオーラが陽炎のように立ち上るのが見えていた。

「え、これ、この反応って、ひょっとしてレダール鉱石?」

イワモトも異変に気付いたらしく、表情の中にそれが見て取れる。
しかし、それを確認しあう暇もないほど、事態は切迫していた。

『セキア!離れろ!!』

やおら食い気味に、カキンと硬いものどうしが衝突する硬質な音がデウスの叫びを僅かに遮る。
彼女が何をしたのか確認する間もなく矢継ぎ早に火花が目の前に散る。
そして、突如目の前に現れたこの見覚えのある背中はイワモトだろうか。
僅かに向きを逸らされた鋭い爪が、今は機関砲と化している
イワモトの腕の表面をぎゃりぎゃりと撫でるのが見えた。
続いて、その攻防の合間を縫うように飛来した魔力の弾丸がアルカードの正面をとらえ、
堪らず少女は、セキアを狙って振るった腕を盾にしながらそれを受け止め、大きく後退する。
まさに秒間の出来事、だが、ようやく脳からの命令が体に伝わったセキアは
回避行動をとろうとしてよろめく。なんとか転倒だけは避けねばと
足を軽くつっぱって耐えるのだが、このとき、素直に尻餅をついていればよかったと
後悔するハメになろうとは、セキアは露ほども思っていなかった。
情けない悲鳴と共に大きく上半身をそらしたセキアには
後方に注意を払う暇など当然あるはずもなく――

「うひゃあ!?」

カチッ

「……………ん?」

この緊迫した雰囲気には似つかわしくない、
あまりにも間の抜けた作動音がセキアの足元から聞こえた。
だらだらと嫌な汗が体中から噴出する。恐る恐る足元を窺うと、
そこには案の定、セキアが今しがた踏みしめた床が正方形に沈み込んでいるのが見えた。
うわぁ、ベタだー!と叫びたい気持ちを堪えて、体を硬直させたまま、
ギギギという音が聞こえてきそうな固まった動作で顔だけ動かして皆のほうを向く。

「あの、ごめん……みんな、あたしなんか踏んじゃ―――」

と言いかけたそのとき、ゴゴゴゴと大地が鳴動し始めた。
そして、瞬間、足元に虚空が広がる。
今の状況を端的に説明するなら、観音開きだった。床が。

「あはは。私この遺跡から出たら結婚するんですよ〜、しませんけど」

「露骨に死亡高確率な旗を立てないでください!
不快で――うわぁああああおばかぁああああー!!」

「落下、降下、フォールアウツ、いえー。衝突、炸裂、ふぇすてぃぼー」

「ネガティブな歌禁止! こうなる原因つくったあたしがいうのも
なんだけど、まだ諦めるにははや――のおおおおおお!?」

かくして第七候補隊は遺跡の奈落へと飲み込まれていったのだった。


【レイニア&ノイ/ガイアル区画/ソエリス遺跡/開戦の間】

「食べ放題!」

落下の途中で気を失ってから数刻、意味不明な言葉と共にノイはむくりと起き上がる。
不思議なことにおせんべいの形態模倣をするはめにはならずに済んだ。
手に不思議な感触を感じて下を見ると、肉厚なマットが敷かれていた。
なるほど、これのおかげかと納得して、
ぺたぺたと体を触ってどこにも異常がないことを確認すると、ひょいとマットから飛び降りる。
なんでこんなところにマットが…?と考えていると、その疑問には闇が答えてくれた。

「あはは。もしものことを考えてー、安全対策にマットを敷いておいたんですよ〜。
やー、余計な費用かと思いましたが、用心しておくに越したことはありませんねぇ。
それにしても妙ですねぇ、どうして機能停止しているはずの罠が作動したんでしょうか…」

闇の中から浮かび上がるようにレイニアが現れる。
たまらず、ノイは駆け寄ってその手を掴んだ。良かった、幻じゃない。

「おやおや、照れますねー、そんなに手を強く握られると。
他の人の目もあるかもしれませんのに」

レイニアの一言が引き金となったのか、
おもしろいほどに慌てふためいた様子でノイがこちらの手を放す。
これは、あれだ。多感なお年頃なのだ。
今のは母親と仲良くしているところを同級生に見られて気まずい、的なアレだ。
その様子にレイニアは静かに微笑むと、闇に向かって呼びかけ始めた。

「みなさ〜ん、生きてますか〜?」

ゴゴゴゴ…と先ほどよりは控えめだが、
トラップの第二派的な音が聞こえているが気にしてはいけない。
今は何よりも仲間の無事の確認が最優先だ。

>ALL


【シスメ/ガイアル区画/ソエリス遺跡/終戦の間】

「ぐうぅ…新形式の住居手配申請書類
記入見本の雛形はもう少し待って下さい…明日中には仕上げますから…ハッ!?」

ちょうどいい反発性でもう少しで夢の世界に旅立ってしまうところだった。
ん…? 反発性? と疑問に思って自分が落ちたところを触ってみると、
ふかふかとした感触が返ってきた。
脳裏にへらへらとした笑いを浮かべるエセ淑女の顔がよぎる。
なるほど、ほぼ間違いなくあの人が準備したものだ、これは。
用意周到すぎるというか何というか、軽く戦慄を覚えたところでふと気付く。

「レ、レイニアさーん…? あれ、候補官の皆さんは…いずこに…
ていうか、ど、どこですかここ!? ひょっとして私一人ですか!? 一人なんですね!?」

シスメの声に答える者はいない。
いや、あるいはまだ気絶ないし放心状態から回復していないだけであって、
まだ候補官の誰かがいるかもしれない。
そんな一縷の望みを抱いて、シスメは壁に手を伝いながら移動を開始する。
ひんやりとした壁がシスメの手から温度を僅かに奪う。
一時にパニックによって混乱した思考は、そうして現実へと引き戻された。

「………いっ……?」

右足首に違和感を感じてしゃがみこむ。
捻挫というほどではない。ちょっとひねった程度だ。
マットへ着地するときに足から着地したのか、触った箇所はすこし熱を持っていた。
幸い、歩く分には支障はない。ただ走るのは少し我慢したほうがよさそうだ。
淡々と怪我の分析を済ませたシスメは虚空に向かってか細い声で呼びかけた。

「だ、誰かいませんかー? い、いるなら、お化け以外でお願いしまーす…」

壁に置いた手をつたって、トラップの第二派的な微細な振動が伝わってくるが
気にしてはいけない。何においてもまずは、この心細い状態から開放されたい。
シスメは虚空へ向かって呼びかけ続けるのだった。

>ALL


【クラウズ&スタルチア/ガイアル区画/ソエリス遺跡/反魂の間】

第七候補隊の面々と離れ離れになってしまったレイに近づく二つの影があった。
一人はこの薄暗い遺跡に似つかわしくないサングラスに、
カソックにコートという出で立ちの男。
クセの強い銀髪がこの薄暗い遺跡内でもよく目立っていた。
もう一人は暗色の修道服に身を包み、ライラック色の長髪をもつ女。
それだけならまだ髪色が珍しいだけの普通の修道女で通っただろうが、
その背に担いだ巨大な大鋏が彼女の雰囲気を異様なものに変えていた。
男が無害を主張するように両手を上げてレイに近づく。

「おー、まだ人が残ってたんだな。サンキュー、唯一神フォルなんちゃら!
毎日お祈りをかかさない俺を天は見放さなかったってわけだ」

「フォルラーンでございます、主様」

「そうそう、そのフォルなんちゃらな!」

ようやく人に出会えた喜びからか、男は年齢相応の顔つきにしては
無邪気にはしゃいだ様子で隣の修道女に嬉々として語りかける。
こけた頬から何日もここを彷徨っていたことを察することができる疲れた微笑だった。
漫才のようなやりとりを続ける二人だったが、
やがてレイの顔が見える位置にまで近づくと修道女が男に注意を促した。

「主様、わたくし程度の者と会話していただけるのは光栄の極みにございますが、
あちらのマドモワゼルがぽかーんとしていらっしゃいます」

出会っていきなり一息に捲くし立てられれば誰だってそうなるだろう。
文字通りぽかんとしているであろうレイに
男はバツが悪そうに頭をバリバリと掻くと、朗々と話しはじめる。

「お、おお、わりぃわりぃ。
あんた、立ち入り禁止のここにいるってことは国家隊員だろ? たぶん。
ちょっと道に迷っちまってよ。出口まで案内してくれねーか。
俺はとある教会で神父をしてるクラウズ。クラウズ・フォルマーカー!
呼ぶときは神父様でいいぜ」

「スタルチアでございます。呼ぶときはスターチ、と」

相手の反応などおかまいなしに自己紹介をしはじめるクラウズなる男とスタルチアなる女。
3秒以上 深々と頭を下げるスタルチアが頭を上げるのを待ってクラウズは続ける。

「花の譲ちゃんもここのトラップに引っかかったってクチか?
ところで…ここにくるまでになんか変なボタンとか押してねぇよな、譲ちゃん?」

どうやら花の譲ちゃんとはレイのことを指しているらしい。
そして、引きつった顔で後ろを指差す。そこからは何か
トラップの第二派が発動したと思わしき重低音がゴゴゴゴと迫ってきているようだった。

【Information:サブ記事&メモ欄にて
「クラウズ・フォルマーカー」「スタルチア」の項目が追加されました】>レイ

10日前 No.374

狐鈴 @korin29 ★fkYX4WEGOM_jCr

【デウス/ガイアル区画/ソエリス遺跡】

吸血鬼の少女の動きは一切目では終えなかったが、飛び散る火花の軌跡を捉え何とか間に合ったのだと安心したのもつかの間
セキアの転倒と同時に聞こえたいやな機械音で顔面が蒼白になる

まったく考えたくはないがこういうとき先ほどと同じように悪い予感は当たるもので
いやな音とともに足の裏から一瞬で感覚がなくなる
下を見れば広がるのは底の見えない暗闇先ほどまであった岩の床はどこへやらなんて悠長に考えるまもなく体はその暗闇へと引っ張られる

一番近くにいたシスメに手を伸ばすがその手は空を切り先ほど手を離してしまったことをその一瞬で後悔し、悲鳴を上げるまもなく闇の中へと落ちていった



【デウス/ガイアル区画/ソエリス遺跡/終戦の間】

誰かの声がうっすらと聞こえた気がした
朦朧とする意識の中暗闇の無効から何か声がする
どうやらシスメに手を伸ばした勢いで体が回り頭から落下したらしい…が死んでいないということは…

感覚が徐々にはっきりしてくると自分が横たわっているところがとてもやわらかい何かだということがわかる
こんな遺跡の中に自然にこんなものがあるわけがない…恐らくレイニアか誰かの仕業だろう、まったく抜け目ないものだと
頭はボーっとしているが原因探しをしようにも一人しか出てこなかった

『だ、誰かいませんかー?』

再び聞こえる声
いくらマットの上とはいえ高高度から落下し頭を打てば視界も揺らぎ思うように体が動かない
先ほど起こした貧血と合わさりまだ立てるような状態ではない上に
先ほどセキアを助けるため無意識に自身の全力以上の力でガントレットを放り投げた影響か力もいつも以上に入らない

さらに運の悪い事に落下の衝撃のせいかガントレットもグリーヴも電源が落ちてしまったように機能が停止し機能を使うことも出来ず
ガタガタの状態ではあるが今は誰かと合流をせねばと這うようにして動きながらそちらの声のほうへと進む

「テム…セージ……。弐位…書記官…殿?」

暗闇から聞こえた声はシスメのような気がして弱々しい声で声のほうへと必死に呼びかける
今出せるの全力の声ではあるが普段話してるときの声量よりやや小さいくらいしか出せずとてももどかしく感じる

気づいてくれと必死に呼び続けるが果たして…

>シスメ ALL

10日前 No.375

隊長機モルガン @type14 ★BUzhF4mm8n_yFt

【ジョージ・イワモト/ガイアル区画/ソエリス遺跡】

 そう、さっきから何か変だと思っていた。
 上がりまくるバイタル、そして失っていく理性と、体から放たれる光。

 『え、これ、この反応って、ひょっとしてレダール鉱石?』

 セキアの言葉が全てを一本の線でつなげた。

 ...Scanning__
...Lederle reaction
<レダール反応検知>

 「まさかここにも、あの親子を苦しめた悪魔がいるというのか! くっ!」

 恐らくシルバーブレットでないからこそ、その弾丸は少女の体内に宿っているのだろう。イワモトのヴィジョンがそれを検知したと同時に、少女の一撃をV2が受け止める。しかし、ギャリギャリと爪で撫でられた機関砲の銃身には爪痕が深く残った。試験における巨大折り鶴の爆発にも耐えた特殊合金で出来た右腕だからこそ、それが傷ついた事実は驚愕に値する。

 ...Damage Level3

 ただし、射撃システムには影響無し。これならまだ大丈夫だ。
 そう思っているとアルカードの少女はエルトの攻撃で距離を取った。だが、自分の背後でセキアがまさかのスイッチを押してしまうなど、夢にも思っていなかった。仲間と共に落ちていく。イワモトは悲鳴などあげない。ただ、アルカードの少女を何とか救ってやらねばという気持ちで落ちていき……

−脳裏に過った『13』の気配が背中から現れたのを感じた瞬間、イワモトの意識はシャットダウンした−



【ジョージ・イワモト/ガイアル区画/ソエリス遺跡/開戦の間】


PlayBack

 味気ない表示と共に意識は戻っていく。いや、意識とはちょっと違う。まるで映写機を脳に直結され、見せられているかのような感じ。自分の記憶なのに、自分のものではないと思えてしまう記憶。
 薄暗い、殺風景ながら、様々な本や機械が乱雑する空間。そこに整然と組み上げられた20を超える同胞。
 自分は13番目。それがプレゼンス<創造主>から与えられた証。しかし、愛されるのはここにいないコリガン<従者>だけ。それは誰なのかわからないけど、プレゼンスの口調からその愛は容易に理解できる。

PlayBack

 まるでチャンネルを変えたように映像は切り替わる。
 古戦場などとは呼べぬ、戦いの後。煙の中には肉と機械が焼ける音。全ての同胞とコリガンが横たわる。自分は生きてしまったらしい。
 雨に打たれながら、ずっと同じ言葉を壊れた蓄音機のように繰り返す。

 −そうか、君は帰りたいんだな−

 一人の男が見下ろしてきた。

 −俺は間に合うことが出来なかった。こうなった原因を探りたいが、君にも手伝ってもらうよ−

 男の顔が近づいてくる。自らを目的達成の為に守らなければならない。左腕は無くなった。残った壊れかけの右腕を上げるも男に掴まれてしまう。

 −人と獣と機械が溶け合った出来損ないのボーグめ。抵抗は、無意味だ−

 映像にノイズがかかり、闇に全て溶け込んだ。


 『みなさ〜ん、生きてますか〜?』

 その声が半分の自分を目覚めさせた。
 青いターレットレンズが光り、暗闇の中でむくり、と起き上がる。
 機械的な動作で立ち上がり、レイニアとノイの許へ近づく。

 「ユニット13、異常なし。任務続行可能」

 感情のない、機械的なエコーのかかった声でレイニアに言葉を返す。

>>レイニア、ノイ、ALL

9日前 No.376

ますたあ @ritonetto ★Android=yDqhBiviYT

【白月レイ:ガイアル区画:ソエリス遺跡】

みんなと離ればなれになって歩いていると、ぼんやりと人の姿が見えた。しかし、それは私が知っている人たちではなくて、それでいてとても異質な存在に思えた。
こんな薄暗いのにサングラス?それにあの大鋏は……
あれ?この人たち…

「はい、私はこの遺跡を調査しに来た国家隊員…なのですが、ごめんなさい。新米な上にここに来るのは初めてで、私も今道に迷ってしまったんです。」

迷った一般人を助けたいのは山々だが、今の私はこの人たちと対して状況は変わらない。不甲斐なさすぎの国家隊員だなあ、私。

「あ、私、白月レイといいます。……どうやらそのようです。前を歩いていたはずの仲間ともはぐれて……え?変なもの…あ、スイッチかどうかはわかりませんが、さっき気になる壁画を見つけて、触れたらそれがひか……っ………」

後ろを指差すクラウズさんをみて嫌な予感がして振り返る。何か余計なものを触ってしまったかもしれません。

>クラウズさん スターチさん

9日前 No.377

エルト @absoryut ★j9FaXqIw4R_VuR

【ガイアル区画/ソエリス遺跡内部】

(間に合ったか!!)
少女の腕が振るわれるその刹那、イワモトがその間に割り込みその凶刃を受け止める。
次いでデウスの投擲したガントレットがと自身が放った魔力弾がアルカードへと殺到したが…それらは先程振るった腕で防ぎつつも後退していった。

(…どうにか凌いだが…もはや戦闘は避けられないか…しかしレダール鉱石…何の…ん?)
一連の攻防が終わり、膠着が見えた所で一度落ち着いて思考を走らせ…ようとした所で何かのスイッチ音が聞こえた。
「…何の音だ?」
…嫌な予感が…と言うよりも確信に近い思いを抱きながらも幻聴であったという一縷の望みにかけてそんなことをつい呟く。
そんなささやかな抵抗は当然ながら何の意味もある訳が無く…直後に申し訳なさそうなセキアがこちらに視線を送り…何かしらのスイッチを踏んでしまったと言う。
(…まぁ…あの状況では仕方ないよな)
諦観に似た思いを抱きながらもゴゴゴという動作音が響き…足元の地面が開いていく。
「…今日は厄日だな」
投槍にそんな事を呟きながら自身もまた階下へと落下していく…高さ次第ではただでは済まないと言うのもあり、全神経を集中させて身体能力を強化して着地の瞬間に備える。

【ガイアル区画/ソエリス遺跡/終戦の間】

『ボフン!!』
「っとぉ!?」
そしてたどり着いた穴の底では、想定したような衝撃とは全く別方向での感触が返ってきた。
「…ベッド?…いや、マットか…これはいったい?」
遺跡の中にこんなものがあると言うのは本来ありえないのだが…あるはずの無い物に少々困惑しつつも、答えは出るわけも無く…情報が無いかと周囲を見回すと一瞬光の反射を見たような気がしてそちらをみれば…
(…手甲…いやガントレットか…さっきデウスが投げた物か)
手に取り、軽く触ってみれば…見た目の割には少々軽く感じた…それでも女性が扱うには若干重い様な気がしなくはないが…今はそんな事はどうでもいい。
(…放置しても仕方ない…運よく合流出来たら返すとしようか)
そう考えて一度亜空間に収納して今後の事を考える…目に見える範囲ではこの場に落ちたのは自分一人と言う事になるが…
(…早めに合流した方が良いな…メンバーによるがアルカードと単独で出くわしたらまずいことになる)
全員がそれなりの戦闘力は持つものの、先ほどの場面を見る限り互角の勝負ができるかと言うと少々厳しい…そう考えて一刻も早く合流すべく行動を開始しようとしたところで声が聞こえた。

「この声は…シスメとデウスか」
やや大きく聞こえるのはシスメで間違いないだろうが…もう片方のやや小さい声はおそらくはデウスの物であろう。
…単純に距離の違いであれば問題はないのだが…どうにも弱弱しく感じる。
(…杞憂であればいいんだが)
幸いにも聞こえる方向は同じであるために考える時間も惜しいと声がする方へと足を進めつつ呼びかける。
「こっちは無事だ!!聞こえているなら下手に動かずに返事をしてくれ!!」
現状では返事は聞こえないが…何度も呼び掛けていれば近づくにつれて反応があるだろう…そう考えて耳を澄ませつつも歩を進める。

>シスメ デウス ALL

9日前 No.378

語り部(スレ主) @yuzuriha16 ★67qC88ufW9_giC

この投稿はフィルタされています。表示するにはアカウントにログインして下さい。

8日前 No.379

ますたあ @ritonetto ★Android=yDqhBiviYT

【白月レイ:ガイアル区画:ソエリス遺跡、反魂の間】

落ち込んでいるとそれを励ましてくれるクラウズさん…大丈夫この人は危なくなさそう。でもなんだろう、スターチさんから感じるこの違和感。

「さっき私が見た壁画はその……」
あれは、魔女さまが使っていたと言われる魔方陣、魔女さまだけが使うことができたという魔方陣。なぜこんなところにあったのか疑問だった。私たちを作った魔女さまとこの遺跡は何か関係が…。
言えない

そうこうしていると、後ろから大きくてメタリックな蜘蛛がゾロゾロと現れた。これは侵入者を撃退するためのものなのでしょうか!
クラウズさんに鉄火場はいけるか聞かれ
「一応、護身術程度ならできますが……くっいまの状況じゃ能力を使えないんです。パートナーとなる人がいれば、なんとかなるのですが…。」

まただ、あの試験のときと同じ、自分一人ではなんとも無力で、誰かに頼らなければ戦えない。情けない。

>クラウズ スターチ

7日前 No.380

エルト @absoryut ★j9FaXqIw4R_VuR

【ガイアル区画/ソエリス遺跡/終戦の間】

「ああ、こっちは特に問題ない!!すぐに向かう!!」
シスメの返事を確認し、少し足を捻ったものの無事であると言う事に安堵しつつ、しっかりと聞こえるようにそう返事を返す。
(…周囲に敵意らしきものは無いが…好都合…とは一概には言えないか)
そんな中でも警戒しつつ、早急に合流するために足を進める。
(こっちはまだ余力があるが…他のメンバーも無事であればいいんだが…)
強制的に仕切りなおす事態にはなったが…それでも1対1であれば『このフィールドにおいて』大抵の相手と互角以上に渡り合えるという確信があった。
…そんな状況に進んでなってほしいなどとは思わなかったが…分断され、安否が取れない味方が襲撃を受けているかもしれないと言う事を考えると気が気ではなく、いっその事こちらに襲い掛かってもらった方が心情的にどれほど楽になれた事だろう。

そんな事を考えているうちに声の聞こえた場所で合流すれば…どうやら先に合流していた様子のシスメとデウスと遭遇する。
「無事…と言う訳にはいかないか…介抱の方は任せてもいいか?」
しかし、シスメはともかくとしてデウスの方は好調とは言い難く…先に合流したシスメに介抱されているようであった。
おそらくは落下のショックを殺しきれなかったのであろうが…この状況で敵に襲われていたらひとたまりもなかっただろう。
敵に襲われる前に合流できたのは不幸中の幸いだった…最も動けるようになるまでは予断は許されない状況である事に変わりはないのだが。
「警戒の方はこっちが請け負う…どのみち下手には動けないしな」
そう言って目を閉じ、静かに集中し…広域にわたるように、少しずつ魔力を放出する。
(消耗が大きい使い方だが…背に腹は代えられん)
そうして放出した魔力を敏感に感じ取り、一種のセンサーとして活用する…既存の探知の魔術の方がよほど効率はいいのだが、こちらは此方で精度が格段に優れる上に別方向でのメリットがある。
(さて、現状では何もないようだが…)
ある程度の範囲を確保し、特に異常が無い事を確認してひとまずは安堵しつつも決して油断する事無く警戒を続ける。

>シスメ デウス ALL

7日前 No.381

隊長機モルガン @type14 ★BUzhF4mm8n_yFt

【ジョージ・イワモト/ガイアル区画/ソエリス遺跡/開戦の間】

 イワモトと呼ばれていたサイボーグはレイニア達の方へ近づくと、その瞳が即座にレイニアの分析を始める。映像から得られる個体の特徴、センサーを介しての遺伝構造の鑑定、魔力数値の検知……イワモトが普段使わないようなシステムもフルに活用してひとつの結果を得たイワモトは、音声データを集めるべく彼女の話を聞いていた。
 光る蝶が示すもの……かつての凄惨な戦いの様子。それを見つめながら、イワモトのメモリーサーキットは当該項目を探す。イワモトの生体記憶には記されていない。書物における記録を覗いては。
 続いてユニットの電子頭脳。そこにも公的な記録しかない。そして電子頭脳はブラックボックスを開示する。イワモトが知らないブラックボックスの記憶を調べて出た答えは……

 「当該事項の記憶を持つ生体結合ガイノイド・ナンバー13の生体細胞は改造時に殆どアポトーシスをしているため、当該事項の記憶は断片的なものである。僅かながら一致している記憶が保管されている」

 『Rebirth Black Project、もしくはデザインライカンという言葉に聞き覚えは?』

 「私は有機体結合試作兵器『リ・ボーグ・ユニット13』。このユニットの素体に使われているのは機能停止寸前のRBP-13。生体ユニットにデザインライカンが使用されている。なお、ナンバー13にインプットされた命令は『RBP-29及びその協力者の抹殺』。標的を再確認。抵抗は、無意味だ」

 イワモトが右腕の機関砲をレイニアの胸元に向ける。しかし、銃口はそこに留まらず、あちらこちらへと向いてしまう。

 「指令4を確認。抹殺は、実行不可。当該指令は、RBP-13のコマンドが実行もしくはメモリーが検索された時のみ発動し、システムは一定時間後に再起動される。ユニット13の設計思想は、RBPシリーズの再現と生産にあるが、ユニット13はメモリーサーキットの基となるマン・マシン・インターフェースへの指令回路に特殊な設定が施してある。この力が人類に災厄を齎さぬよう、そして、その災厄で全ての亜人が悲しまぬよう。名前に月を忍ばせた亜人を娘と認めたプログラマーが、ユニット13の人格が現れた際、目の前の亜人に説明するよう設定した」

 機関砲を下げて、カートリッジが引き抜かれると、右腕はいつもの義手に戻っていく。
 しかし、レイニアの質問は終わらない。

 『貴方の中に“彼女”はいますか?』

 「彼女……私の使命は……守ること……亡霊になることではない」

 イワモトの、いや、ユニット13の言葉は歯切れを悪くし、ターレットレンズは点滅を始める。

 「もう一人の……自分は……帰りたいという。だけど……俺の中には……もうひとつ……声が聞こえてくる……」

 声からエコーが消えて、人格は徐々に再起動してイワモトが戻ってくる。

 「守ることこそ……その手に輝く……栄光……ハンズ……オブ……グローリー……うっ!」

 レイニアの眼前で跪いて、ついに機能を止めるイワモト。しかし、再起動はすぐに行われ、機械の頭脳から伝えれられるあまりの不快感に頭を抱えてしまう。

 「ミス・ベルダー……俺に何が起きた……?」

 今までを忘れてしまったのか、あるいは意図的に記憶が消されたのか……イワモトは混乱の中に佇んでいた。

>>レイニア、ノイ

6日前 No.382

狐鈴 @korin29 ★fkYX4WEGOM_jCr

【デウス/ガイアル区画/ソエリス遺跡/終戦の間】

『ミレニア候補官!? しっかりして下さい!』

ボーっとする頭に響いたのはシスメの声だった
まだ視界ははっきりしないがだいぶ体は動くようにはなってきた

「情けない限りで申し訳ないです」

弱々しい声でシスメの言葉に答えつつ自分の体の様子を一通り見る
大きな外傷は無し、頭から落ちたせいでの脳震盪による一時的な視界の悪化と強い頭痛と吐き気…
これくらいなら大丈夫そうだと大きく深呼吸する

マットを引いといてくれたレイニアにはあとで感謝しなければいけないなと思う
沈めのほかにあともう一人見えるが名前がわからない
先ほど集まったときに自己紹介でもしておけばよかったかと
そんなことを考えられるくらいには余裕も出てきた

「めまいはまだ少ししますね…手足の痺れはないですがまだ少し立てそうにないです。首っというよりも後頭部がちょっと痛いです」

シスメに質問されたことに一通り答えつつ
先ほど罠でここで落ちたということはまだ罠がある可能性があるなと、いつまでも寝ている場合ではないと思い
再びこの場にいる人を一通り見回す

シスメは今の状況に少しまいっているようで恐らく細かいことには気がつかないだろう
もう一方のほう、エルトを見れば周囲を警戒してくれているようだ、つまるところこちらをしっかりは見られていないと判断すると
残っている左手のガントレットを指で軽くつつく

すると目を良く凝らさないと見えないほどのうっすらとした光を発する目で見るには困難なほど極小な何かが無数左腕を伝って体の周囲に這って行きそのうちいくつかは耳から中へ入る

「ふぅ…心配をかけてすいません、もう大丈夫ですテムセージ弐位書記官殿。他の人たちを探しに行きましょうか」

大きく息を吐くと飛び起きするように状態を起こし笑みを浮かべる、顔色は先ほどよりかなり良くなっているようで妙なほど元気になっていた

シスメが先ほどいっていたように今の状態で先ほどの吸血鬼に襲われれば間違いなく人たまりもない
それははぐれてしまった仲間も同じくそうであり
レダールとは何のことかはわからないが正気でないのであればなおのこと問題だ
一刻も早く合流を考えたほうがいいだろうと考え動く

>シスメ・エルト・ALL

6日前 No.383

語り部(スレ主) @yuzuriha16 ★qq8xNPEo0q_giC

【クラウズ&スタルチア/ガイアル区画/ソエリス遺跡/反魂の間】

「パートナー…?」

レイの言葉に喰いついたのは以外にもスタルチアだった。
その細腕に似合わない軽々とした動作で背中に背負った大鋏を振りかぶると
力任せに振り下ろす。ぐしゃりと嫌な音をさせてクモ5匹を纏めてその下敷きにした
スタルチアは、刃にべっとりとついた緑色のクモの体液を
鋏を振って掃い落としながらもレイをしげしげと見つめた。

「それじゃあれかい!?
花の嬢ちゃんはパートナーの力を借りる特殊な異能保持者ってわけかい!?」

バスバスッ!と外皮に比べて柔らかいクモの口の中に
銃弾を撃ち込みながらも、クラウズは銃声に負けないよう声を張り上げる。
疲労困憊というほどではないが、この遺跡内を彷徨ってから結構な時間がたつ。
同じような通路の繰り返しで精神的に参っているし、とっくに食料の備蓄も切れ空腹も今や最高潮だ。
歩きどおしだったせいで足が棒のようであり、早くもトリガーにかかる指先の感覚がなくなってきている。
加えて、倒せども倒せどもクモは一向に減らないどころかさっきより数を増している気がしてならない。
気がつけば周りをクモの壁に囲まれていた。
まるでこちらの反応を楽しむかのように、ギチギチと牙を鳴らしながら徐々に輪を狭めてくる。

「いけねぇな、いけねぇよ、このまんまじゃ。
おいおい、しっかりしろよフォルなんちゃら!
毎日お祈り捧げてんだろーが加護が足んねぇぞ! しゃあねぇ…スターチ!」

「ですが…いえ。はい、でございます」

何を了承したのかホルスターに銃をしまったクラウズの
呼びかけに応じたスタルチアは言葉と同時に差し出された彼の手を握る。

「花の嬢ちゃん、ちょっと頭下げといてくれ!」

そう矢継ぎ早に捲くし立てると、何かを振りかぶる動作。そして、一閃。
スタルチアの姿が消え、代わりに彼の手の中には黒塗りの大鋏が握られていた。
ハンマー投げの選手のように右足を軸に大きく鋏を一周させたその後には、
放射状に飛び散った緑色の液とクモの足を形作っていた銀板の残骸が舞う。
クラウズはそのままターンに失敗したスケート選手のように
回転の勢いを殺すことができず、背中から大の字に床へ倒れ込んだ。

「フ…祈りだけは捧げといてや――うごぉ!?
ああいってぇ…腕もすげー痺れやがるし…コレ絶対明日筋肉痛だな」

「無茶をするからでございます。ですが…さすがでございます主様」

消えたスタルチアの声は、何故かクラウズの手中にある黒塗りの大鋏から聞こえた。
格好をつけようとして見事に失敗したクラウズはバツの悪そうな顔で
ガリガリと頭を掻くと、立ち上がろうとしてよろめき、壁にもたれかかる。

「クモは…さすがにもういねぇな。
ぐおお…やべぇ…力配分ミスったかも…なんかすげぇ腹減った。
本来はこっちが施す立場なんだが…すまねぇ花の嬢ちゃんなんか食べるもんもってねーか?」

>レイ



【シスメ/ガイアル区画/ソエリス遺跡/終戦の間】

「は、はい! お任せ下さい! 本職には負けますが、最善を尽くします」

思わず、じんときてしまう。誰かに頼られる、こんなに嬉しいことが他にあろうか。
社会の歯車の一部となってから幾数年。おおげさかもしれないが嬉しさに少し声が上ずってしまった。
そんなエルトの言葉に快く頷きかけたそのときだった。
ガントレットを指先で軽くつついたデウスが事も無げに立ち上がる。

「えっ…ええ!? ミレニア候補官本当にもう大丈夫なんですか!?」

控えめに言っても、デウスの状態はすぐに歩き出せるようなものでなかった。
それをこともあろうに、彼女はまるで何事もなかったかのように
突然立ち上がり、こちらに心配をかけまいと微笑む余裕すら見せている。

「え、あ、ま、待って下さい!
いくら軽度の脳震盪とは言っても、しばらくは安静にしてないと危険で―――」

それが空元気でも、やせ我慢をしているわけでもないのは分かったが、
急に動き出したデウスを呼び止めようと手を伸ばしかけたその直後、ふとおかしな点に気付いた。
先ほどまでトラップの第二波が発動する前触れかと思われた振動がぴたりと止まっている。
暗闇に目を凝らすと、先行したデウスの頭上に何か大きなものが覆いかぶさろうとしているのが見えた。
デウスがそれに気付いた様子はない。すかさず手に持った魔導書を開く。

「ダンタリオン!!」

デウスが転移の光に包まれかき消えた直後、腹の底に響くような振動が三人を襲った。
進路を阻むかのように、床にクレーターを穿ったソレは悠然と頭をもたげる。
示し合わせたかのように、天井から鍾乳石のように垂れ下がった明度の高い水晶に
一斉に光がともった。まぶしさに思わず目を細め、床に視線を落としたシスメの瞳はしかし、
その直後 驚愕に大きく見開かれることとなる。エルト、デウス、シスメを
覆うように落とされた影。それはその三人を飲み込んで余りある大きさをしていた。

「………」

その巨躯に言葉を失う。体長8mほどだろうか、ねずみ色に似た粘土の胴体に、
床につきそうなほど長い手、バケツを逆さに被せたような
のっぺりとした顔の中心には赤い水晶が埋め込まれている。
ずんぐりとした砲台のような胴体についた足は異様に短く、下に向かうほど太い。
歩くたびに響くズシンズシンという音が否応なく踏みつけられたときのダメージを連想させた。
なんとそんなものが天井から降ってきたのだ。エルトやデウスの無事を確認しているときは、
振動は遠く、第二のトラップ発動まで、まだ余裕があると判断したのだが、それが大きな間違いだった。
迂闊としか言いようがない。この第二のトラップは、文字通り三人との距離を“跳んで”詰めてきたのだ。
そして、迂闊といえばもう一つ。

「ぐ……い、た……っ……」

耐え切れずシスメは床に膝をついていた。未知の痛みが熱となって思考を塗りつぶす。
原因は明白。この右肩に刺さったガラスのような結晶片だ。
ゴーレムが床を踏み砕いたときの衝撃で飛来した床の破片が運悪く肩に突き刺ささったのだ。
転移に限らず、魔術の行使中、術者は否応なく無防備な状態となる。
同時転移で自分も場を離れれば良かったのだが、そこまで気をまわしている余裕はなかった。
自分に動物系亜人種のような肉体的強度や、竜種のような驚異的な傷の回復能力、
大きな損傷を負っても動き回れる機械人形(オートマタ)のような痛みへの耐性などがないことは熟知している。
人間の自分にコンティニューはない。
一度ヘマをすれば取り返しが付かなくなることは分かりきったことだった。
ここで下すべき決断は一つ。幸いというべきか、デウスをエルトの側へ転移させておいたので、
いま位置的に一番ゴーレムと距離が近いのは自分だ。痛む肩口を押さえて、ゴーレムの前に立ちはだかる。

「エルトさん……ミレニア候補官………退避して下さい」

>エルト、デウス



【レイニア&ノイ/ガイアル区画/ソエリス遺跡/開戦の間】

『生体細胞は改造時に殆どアポトーシスをしているため、当該事項の記憶は断片的なものである』

「(記憶が消去されている…? しかも部分一致、ですか。
彼の製作者にとってこの出会いは織り込み済みのもので、
彼がアレの写し身だという信憑性を持たせるためにわざと
RBPデザインライカンしか知りえない記憶を残していたのだとしたら……底が知れませんね)」

機械は嘘をつくことができない。その定説を覆す存在に過去 出会っていることで
彼…いや、彼女の言葉を丸まる鵜呑みにするようなことはしない。
ただ、少なくともレイニア個人としては、それが信憑にたるものだと感じていた。
しかし、だからこそ解せない部分もある。この状況ができすぎているというのもそうだが、
自らをリ・ボーグ・ユニット13と名乗った彼女は、
大破以上の損傷を受けた素体を基にしているにも関わらず、今もこうして動作している。
内部構造比は混合体のツギハギではあるものの彼女を復元できるほどの腕前の人物がいるその事実に驚いた。
そんなことが出来る人物なんて自分が知る限りでは…一人しかいない。

「やー、驚きましたねぇ。ということは〜、私たち同郷の姉妹ということになるじゃないですかー。
あはは、まさかこの年で生き別れの姉妹的存在の人に出会えるなんて、なんという幸運―――」

迷いも逡巡もない。レイニアの顔に笑顔が戻ったのもつかの間、
軽口はそのままに、予備動作なく行動に移る。ベガを左手で開くと同時に右手を突き出し――

「―――ブレードバース」

イワモトが機関砲をこちらに向けるのとほぼ同時に、
レイニアは半透明の防御壁で構成された剣の切っ先を彼の喉元へ突きつけていた。
防御魔術の応用にしか過ぎないこれに、肉を裂く刃はない。
ただ、切っ先は鋭利なため、このまま少し腕を前に押し出せば容易にイワモトの喉を貫通するであろう。
右目にノイと視覚情報を共有する白線の魔法陣を浮かび上がらせながらレイニアは低い声で続ける。

「あの計画は闇に葬りさられなければいけないんですよ。これ以上、同じ悲劇を生まないためにも。
そして、ひっそりと消えるべきなんです。貴方(13番目)も私(29番目)も。
だから、私と心中したいというなら止めはしませんよ」

カラカラと床に落ちた白杖の転がる音が二人の間に横たわる沈黙を埋めた。
そのまま永遠に続くと思われた膠着状態は、イワモトの銃口が不規則に揺れ動き始めることで終わる。
明滅するターレットレンズの光。電波状態の悪いラジオのように途切れる言葉。代わる一人称。
彼女の意識が彼の意識の中に沈み込む刹那、レイニアは無駄と分かりつつ問いかける。

「誰を……貴方が定めたその守るべき対象は誰なんですか?」

レイニアのその問いに返って来る答えはなかった。
ほどなくして分離していたイワモトの体と意識が繋がる。

「…………」

我に返った様子のイワモトの疑問には、レイニアの長いため息が応えた。
手から零れ落ちた刃は音もなく床で粉々に砕け、細かな魔力の粒子となって空気中へ溶け消える。

「貴方の中の――いえ、こんなところで話せる内容ではないですねぇ。
この話は任務を終えてからしましょうか、イワモトさん。ちょうどお客様も来たようですし」

そう言ってレイニアが振り返る先には、陸上競技に使う大玉をさらに
大きくしたような見た目の巨大な球形の岩が迫り来るのが見えた。

>イワモト

4日前 No.384

エルト @absoryut ★j9FaXqIw4R_VuR

【ガイアル区画/ソエリス遺跡/終戦の間】

「ああ、頼んだ」
こちらの言葉に快く返事を返し、どこか嬉々としたような様子で介抱に取り掛かろうとするシスメにそう返して自身の作業を続ける。
…当のシスメは久しぶりなのか頼られたという事実に舞い上がっていたりするのだが…極度の集中状態になりつつある彼にはそんな様子を感じ取れるでもなく…それにしても頼られただけでここまで感動してしまうとはどれほど扱いが悪いのであろうか?

(…範囲はこんなところか…『同調開始』)
周囲に拡散させた魔力が十分に行き渡ったことを確信し…それに意識を集中させれば、まるでそこにいるかのような感覚が返される。
(っ!!…少し…欲張りすぎたか?)
しかし、数秒後に還元された情報を処理し続けていた頭が急増し続ける負荷に、警告とばかりに鋭い痛みを返してくる。
(だが、この程度…?こいつは…?)
それでもまだ無視できる範囲と、頭痛を無視しながらも警戒を続けていると…突如騒がしくなった地点が出た事に気が付いてそちらの方の情報を集めるべく意識を向ける。
(物音が多い…多すぎるな…まだまだ俺たち以外の侵入者がいるのか?)
索敵範囲をそちら側に伸ばしていく最中、多すぎる物音に疑問を浮かべるが…生憎とまだまだ断定できるほどの情報は得られず…そうしている途中でデウスが立ち上がり、無事を主張し始めた事に気が付き、そちらにも意識を向ける。

「…思っていたほど重体じゃなかったなかったのは幸いだな」
先程、彼女の手から若干ながら不可解な力の発動を感じ取れたのもあり、何らかの回復手段を行使したのだろう、と当たりをつけるが…それが何なのかを今聞いているような余裕などありはしない。
何よりここに来るまででの道中でもどこか一線を引くような雰囲気の醸し出す彼女にとって、根掘り葉掘り聞くのはあまり歓迎されないだろう。
「この辺りはまだ安全なようだが…どうにも騒がしい場所があるみたいだ…できるだけ早く他の候補官たちと合流した方が良い」
と、安静にした方が良いと主張するシスメと大丈夫な様子のデウスに提案した所で、突如異変に気が付く。

(何…早…!?)
騒動の方を中心に意識を向け…回復したデウス達に安堵し、若干警戒が緩まった所で突如として巨大な何かが落下していることに気が付き、索敵の方に割いていた思考を即座に打ち切り、限られた時間の中で少しでも対抗策を取らんとする。
(くそっ!!まにあわ…!?)
しかしそれでもタッチの差で迎撃は間に合わず…次善策として、どうにか被害を減らすべく、防御に回ろうとしたところで、焦った様子のシスメの声が上がり…直後に落下音と轟音が響きわたった。

「…2人とも無事か!!」
轟音とともに、砂塵巻き上げられたが…突如天井の水晶から光が発せられ、視界がはっきりとした所で、安否を確認するべく周囲に声をかける。
…その間にもこの事態を引き起こした『巨大な何か』を認識するべく意識を向ければ…その無骨な全容があらわになる。
「っ…こいつは…ゴーレムだと!?」
それは8メートルほどの巨体を誇る圧倒的な質量の塊…古くから重要な物を守る役目を課せられる事の多い巨人の姿であった。
(…材質は…金属と言う訳じゃないのはありがたいが…3人がかりでも少々手に余るか?)
先程の様子からして敵対状態と認識されているのは間違いなく…決して倒せなくはないだろうが容易くとはいかないだろう。
…先日手合わせする事になったシスメはともかくとしてデウスの力量が分からないのは不安要素ではあるが…と、考えた所でうめき声が聞こえた事に気が付く。
「…シスメ?」
声が聞こえたならば無事である…そう考えた所でちらりと視線を向ければ…そこには負傷した肩口を押さえながらも、ゴーレムの前へと立ちはだかるシスメの姿があった。
(…何をやっている!?)
負傷したのであればすぐに下がるべきだ…だというのに彼女はあえて前に出て、あろうことかこちらに退避するように促してくる…それが意味する事と言うのは…考えた瞬間、こみ上げてきた怒りに任せて荒げた声を吐き出す。
「怪我人がでしゃばるんじゃない!!」
そう言って亜空間から夜宵を取り出し、即座に纏いながらもシスメよりも前に出て制するように左手で行く手を遮り…次いで自身の5倍近くは大きいゴーレムを見上げながらもさらなる言葉を紡ぐ。

「やってくれたじゃないか…お前にとっては命令を果たしただけの事に過ぎないんだろうがな…」
…言いつつ、全身に魔力を巡らせて、戦闘態勢を整える…碌に自我のないゴーレム相手にこんな言葉をかけても無駄でしかないのだが…それでも仲間を傷つけた存在に対し、言わなければ気が済まなかった。
「落とし前はつけさせてもらうぞ木偶の坊…相応の返礼をくれてやる!!」
今にも動き出さんとするゴーレムにそう言い捨て、右手に出現させたアルカナイザーを顔に当たる部分に突き付ける。

>シスメ デウス

4日前 No.385

隊長機モルガン @type14 ★BUzhF4mm8n_yFt

【ジョージ・イワモト/ガイアル区画/ソエリス遺跡/開戦の間】

 ―誰だ、君は誰なんだ―

 眠る意識の中、イワモトは闇に浮かぶ少女に問いかける。見た目がまだ幼い少女は、身体的特徴からおそらく亜人であることはイワモトの知識でも判別出来た。ただ、不思議なことに、周りが闇のせいなのか、彼女の左半身は背景に溶け込んでしまっている。そんな彼女を見つめている自分はといえば、右半身が見えない。

 ―帰りたい。なのにみんな邪魔をしてきた。そして目の前の人は『もう一度』。そこに貴方も一緒になった。私の半分を奪って、邪魔をする―

 実に恨めしいという言葉が似合っているくらいに、彼女は悔しさと悲しさに身を奮わせる。不自然に鮮やかなマリンブルーの瞳は、同じく海色の涙に濡れていく。その姿にイワモトも心を痛めた。だが、イワモトは首を左右に振った。

 ―帰ったところで、君に居場所はあるのか? 俺すら自分が誰なのかわからない世界に溶け込んでしまっているのに、ここを離れて、君に居場所はあるのか?―

 その一言に少女は距離を詰める。左半身の闇がイワモトの右半身から中に入っていく。

 ―帰れば、貴方は自分が誰なのかわかる。だから連れていく……帰る場所まで連れていく……何もかも忘れて、約束を果たせない貴方を連れていく!―

 闇は何もかも覆いつくし、そして全てを海色に染めていく。だが、イワモトは最後まで首を縦に振らなかった。

 それは、電子の柩の中で見た夢か、幻か。ただ、イワモトはようやく理解したのだ。自分の中にいる『誰か』の悲しみに。それを踏み台にしてでも、自分はこの世界で生きていこうとしていることを。そしてイワモトは恨んだ。自分の記憶を奪い、哀れな少女とつなぎ合わせて、機械の檻に閉じ込めた開発者―クリエイター―の存在を。

 そんな感情が再び意識を呼び覚ます。気がつけば、自分はレイニアの前に跪いていたのだ。彼女への質問は、笑顔の彼女には珍しい溜息をついていた。
 イワモトはゆっくり立ち上がる。

 『貴方の中の――いえ、こんなところで話せる内容ではないですねぇ。
この話は任務を終えてからしましょうか、イワモトさん。ちょうどお客様も来たようですし』

 「……ええ、機械の身体は敵の接近を察知しています。笑っていない貴女を見たのは初めてだが……話はあとの方がよろしいでしょう。ノイ、バックアップを。俺が前に出るよ」

 迫る球体。
 戦闘回路が入ったイワモトの右腕は、カートリッジを装填してハニカム装甲の剛腕に変わる。

 「自分が定めた『誰か』なんて意識したことはない……しかし、この場においては貴女たちを守ることにします。三つの指令と、自分の生きる理由にかけて……命令を、指揮官―マスター―!」

 レイニアとノイを守るように、球体の前に立ちはだかる。

>>レイニア、ノイ

3日前 No.386

ますたあ @ritonetto ★N6ZPthUNsx_nHx

【白月レイ:ガイアル区画:ソエリス遺跡】

「はい、その通りです。私は魔武器。武器に変身し使用者に力を与えるのが私の能力。
パートナーになる人がいない今では…」

クラウズさんはもう武器を使ってるから私がでる出番はない。
国家隊の身でありながら、この人たちを守ることさえできないなんて
帰ったら訓練のし直しね
その時、スターチさんがなんと大鋏に変身しそれをクラウズさんが使い蜘蛛たちを薙ぎ払った。
私はとっさに頭をさげ、その様子をみた。私は驚いた。
あれはまさしく魔武器の力、でも、魔武器は私以外は全員…
クラウズさんが蜘蛛を全滅させた後、食べ物はないかと聞いてきた。
私は持ってきていたカバンををガサゴソと探り非常食に支給されていたパンと飲み物を取り出した。

「これをどうぞ…。あの、スターチさん…あなたはいったい
私と同じ魔武器かと思いましたが、少し違うみたいですね。」

スターチさんはさっき大鋏を自分で使っていた。魔武器にはそんな芸当はできない。
自分で自分を使おうとすれば武器は弱体化してしまうからだ。

≫スターチ クラウズ

2日前 No.387

狐鈴 @korin29 ★fkYX4WEGOM_jCr

【デウス/ガイアル区画/ソエリス遺跡/終戦の間】

突然元気になり過ぎて不自然に見えたのかシスメとエルトから妙な視線を感じ
しまったなぁと少し汗ばむ

…がそんなことを考えているときシスメの『しばらくは安静にしてないと…』という言葉に返答をするまもなく視界が突如消えた
理解がまったく追いつかず最後に聞こえたのはダンタリオンという言葉のみ

しばらくの間の後視界が開けるとそこに見えるのは巨大な何か
無機質なその物体の大きさは町で見かける建造物のそれとほぼ変わらない
これまで何度もこのサイズの化け物…いやこれ以上のものも見てきたが
今この状況でこんなものと対峙していることがいかにまずいことなのかはすぐにわかる

どう切り抜けようかとまだはっきりとしない思考で考えてる最中聞こえてきた言葉

『退避して下さい』

直後飛び出していったエルトを見送ると数秒の間の後大きくため息をつく

「テムセージ弐位書記官殿、申し訳ありませんがその命令を聞き入れるわけには行きません」

そういうとかかとをコンコンと二度叩くと直後大きな爆発音とともにデウスの足の裏あたりが強く爆ぜその勢いに載せて一気にシスメの元に飛び込む
エルトがあの化け物に立ち向かっていくのを見送り自分はシスメのそばに駆け寄って話しかける

「貴官だけ残して逃げたらベルダー候補教育官殿になんと説明すればいいのですか。命令違反の処分は後で受けます」

そういうとシスメのそばで屈んで自分の背中をつんつんと叩く
シスメの足の様子に気がつきおんぶするという意味で行った意図が伝わるといいのだがとおもいつつ化け物の様子を見る

逃がしてくれそうにも無いがどの道先ほど振ってきた妙な氷柱のようなものがあるこの場で
歩くだけで地響き起こすようなあんなのと戦えば何が起こるかわからない
そもそも勝算がない上にこの場でむやみに時間を使えばあの吸血鬼が騒ぎを聞きつけて来る可能性だって大いにある

それ故にデウスとしての判断は逃げようというものだった

>シスメ・エルト

2日前 No.388

語り部(スレ主) @yuzuriha16 ★mEnOfkHz0o_giC

【レイニア&ノイ/ガイアル区画/ソエリス遺跡/開戦の間】

「おっと、いけませんねぇ。これではチャンスをとりこぼしてしまうかも。
あはは、でも、そんなときもありますよ。だって、笑えるはずがないじゃないですかー」

今自分が口にしたように、貼り付けた笑顔に彼女ほど前向きな理由はない。
しかし、笑顔がないことをイワモトに指摘されたレイニアは、
そううそぶいてから、もう一度笑顔の仮面を被りなおすと迫り来る脅威へ向きなおる。

(貴方がひょっとしたら―――かもしれないだなんて)

希望的観測に似たレイニアの内心を砂利を巻き込む乾いた音が断った。
戦闘用に仕上げた呼吸で獲物を待つ。
すると、右手に掲げたベガが少女のような声で詠い始めた。
同時にページの表面からふわりと黄金色の文字が実体を伴って浮かび上がる。
いずれも目の不自由なレイニアのために最適化されたもの。
幾重にも交わらせた黄金文字で魔法陣をくみ上げ、それを空いた左手へと纏わせる。

「ダガーバース」

指の間に挟まれる形であらわれたそれは全長20cmほどの小ぶりな刀剣類だった。
半透明の防御壁で構成された刀身に刃はない。
そもそもが切りつけるより、刺す、投げるという用途に向いた構造。
しかしてそれは構造通りの用法で使用された。閉じたベガを
腰のブックホルダーに固定すると指の間に挟んだダガー4本を上空へと投げはなった。
重力に引かれて落ちる小剣、その全ての柄頭をレイニアの指が押し撫でる。
レイニアの手を離れ直線的に放たれたそれらは、
そのうち3本が勢いよく転がり来る球形の岩の表面に食い込んだ。

「あはは。さすがにベルダー家 前当主のようにはいきませんねぇ。
形態変化(エミュレーション)―――ブラスト」

まるでダーツの的を外した子供が言い訳をするかのような
気軽さでレイニアはパチンと指を鳴らした。
8割思惑通りといったところか。そこそこ満足のいく成果だ。
球形の岩に突き刺さった3本のダガーが炸裂する。
煙が晴れると、体に無数の細かい裂傷を刻んだ岩が姿を現した。

「勢いを殺します。ノイちゃん、下」

「御意。起動せよ、災厄の枝。一撃、活殺、ウェルダンフレア!」

レイニアの脇を抜けて床を直撃したのは、ノイの放つ黒鉄の銃器から放たれたものだ。
床に大きなクレータを穿ち、そこへ嵌った岩を大きく空中へと跳ね上げる。
ひび割れた腹を無防備にさらす大岩。
転がるべき地面の空中で、それは完全に回転の動きを止めていた。
お膳立ては整ったとばかりにノイはサムズアップを、レイニアは片目を伏せてみせる。

「好機。イワモト、今! 鉄拳、粉砕!」

「はは、お姫様になったようでそういう呼ばれ方も案外悪くないかもですねー。
ではー、やっちゃってください、イワモトさん」

>イワモト



【クラウズ&スタルチア/ガイアル区画/ソエリス遺跡/反魂の間】

「サンキュな。天にまします我らが神よ…以下略! んじゃま、いただきまーす」

「ご寄進感謝いたします。
主様、きちんと手を拭いてからお召し上がりになってくださいませ」

レイからパンを受け取り、食事前のお祈りの文言を適当に済ませてから
パンにかぶりつくクラウズと、武器状態から人間体にもどり、
どこから取り出したのか、ナプキンを手に甲斐甲斐しく主人の補助にあたるスターチ。
なんとも対照的な二人だが、レイの疑問に二人は声を揃えて驚きの表情を見せた。

「魔武器だって…? 花の嬢ちゃんどこでその言葉を――」

「主様。少し口を挟ませていただいてよろしいでしょうか?」

普段は進んで前に出ることがないスターチがくい気味でクラウズの言葉を遮った。

「ん」

特に気を害した様子もなく二つ返事で
再びレイにもらったパンにクレーターを穿つ作業へ戻るクラウズ。
一口が大きいクラウズの咀嚼によって瞬く間に手の中のパンが小さくなっていく。

「魔武器と仰いましたね、身に覚えのある単語でしたので、
少し口を挟ませていただきました。
わたくしは識別コード NA-2764 Scissors of hysteria スタルチアと申します。
お許しをいただけましたので、歩きながらお話しさせていただきましょう」

ぽつぽつと自らの身の上について語り始めたスターチは
マットの引かれていた大広間の中心を通り過ぎ、壁際へと足を進める。
不意に立ち止まると、魔女装束の女と海色の瞳をもつ獣の向かい合う姿が描かれた
壁画を見上げる。2000年前の、当時起こった戦争の出来事を綴ったものだ。
向かい合う獣と魔女装束の女を中心に描かれた9つの武具。
斧、鎌、剣、槍、鋏、杭、盾、車輪、歯車のうちの鋏を指差す。

「まず最初にわたくしの正体でございますが…わたくしは『魔道具』でございます。
貴方様がよくご存知の『魔女様』と、
それとは違う別の魔女――西方の魔女クロノリヴィセンアルゴの手によって
作り出され、輪廻の輪から解き放たれた擬似生命――いいえ、人型魔導兵器でございます」

数ある記憶のうち、ひときわ赤黒く染まった記憶の一部を呼び起こす。

「2000年前の魔導大戦の折、当時最高峰の知恵を持つと謡われた
西方の魔女クロノリヴィセンアルゴの知識をもってしても、
魔道具の開発は困難を極めておりました」

詳細は彼女の必要としない知識であるため省くが、
当時、西と東は我こそが大陸の覇者たらんとふたつに分かたれていた。
西方の魔女、異界の海、禁忌の獣と呼び方は様々だが、
その当時、比類なき知性を活用し、強力な魔導兵器の開発を行っていた者がいた。

「そこに手を貸したのは、
貴方たち魔武器の祖であらせられる魔女様であったと言われております」

やがて禁忌の獣は一つの結論にたどり着く。
魔術とは、意思だ。意思の強さに比類して魔術はその効力を高める。
ならば、“魔力を媒体とする兵器自体に意思をもたせてしまえばいい”のではないかと。

「いうなれば貴方様とわたくしは歳の離れた異母姉妹ということになりますわね」

クラウズがミネラルウォーターを飲み干す音をBGMに、スターチはそう締めくくった。
精巧に作られているが、自分が人間ではないこと。紛れもない兵器であること。
そして、その兵器の作成に、彼女の祖が関わっていた事実を。

「この鋏はわたくしです。他のと同じに見えるかもしれませんがわたくしだけのものです。
この鋏なくしてわたくしはなく、この鋏なしにわたくしはない。
この鋏はわたくしの写し身のようなものと思っていただければ結構ですわ」

続いて、彼女の鋏をみる視線から察したのか、
魔武器と違い手持ちの武器が弱体化しない理由を端的に説明する。
もっとも、今の言葉だけ聞けば、魔武器の能力の上位互換と
受け取られるのだろうが、むしろその真逆だ。この大鋏はスターチと感覚を共有している。
鋏が傷つけば、スターチも傷負うし、その逆も然りだ。
故にこの鋏は明確な弱点にもなりうる。それを今口にする必要性がないくらいの
警戒心は持ち合わせているので、自分に不利となる情報は伏せたままにしておく。

>レイ



【シスメ/ガイアル区画/ソエリス遺跡/終戦の間】

こうして立っているだけでも、痛みはじわじわと頭の中で支配圏を広げていく。
思考が飛び、視界が歪む。痛みのことしか考えられなくなっていく。
それでも即死を回避できただけ、これでも安上がりなほうなのだろう。
痛いには痛いが、死ぬほどではなかったのだから。
貫かれた肩を見る勇気はない。その分は既に立ち上がることに費やしてしまった。
とりとめもなくそんなことを考えていると、急に目の前のゴーレムの姿が途切れる。
不思議に思い、目を凝らすと見覚えのある背中が見えた。

「どうして…来てしまうんですか…でも…いえ、ありがとうございます。
本当に…損な性格ですね、お二人とも」

言い返す気力は既にない。
状況についていけず口をつぐんでいるとその蛮勇を戒められた。
続いて怒りの対象をゴーレムにシフトして気色ばむエルトとは対照的に、
厳しさを含んだ口調のデウスが自分の肩を指差す、
途端に熱に浮かされた頭の霧が晴れていくのを感じた。
二人して共倒れないようにしながらも、ほぼ倒れこむようにデウスの背におぶさる。
肩口から流れ出た血が、デウスの背を湿らせた。

「すみません…服を……汚してしまって…」

口を開くのさえ精一杯、いや、呼吸するのさえ億劫だ。
だが、これでも自分は上官なのだ。これ以上の無様はさらせないし、
こちらのミスで危険に巻き込んだ以上、状況の放棄は認められない。
再び地響きが三人を襲う。振り下ろされた拳が穿ったのはエルトではなく地面だった。
天井から降り注ぐ、鍾乳石のような石片を目視したシスメは
転移魔術で転移させて直撃を回避すると、
記録簿であり転移魔術専用の魔導書であるダンタリオンをゴーレムに向かって掲げた。

「来た以上は…手伝ってもらいます。
アンブラインドエネミーサーチ……ゴーレム」

何とか言葉を搾り出すと、自動的にダンタリオンのページが捲れはじめる。
背表紙からが放たれた一筋の光がゴーレムの足元から頭頂までをスキャンし、
解析を終えたダンタリオンはある項でぴたりとその動きを止めた。

「魔導大戦時代のゴーレム…型式はグノーシス…それも自律回路型…
なるほど博物館のものと同型…みたいですね。弱点が…っ……分かりました。
顔に埋め込まれた赤い石――エネルギー変異蓄積型の魔力結晶が弱点です。
あそこから周囲の光や微量な魔力を駆動エネルギーに変換しているようです。
そこを叩けば、あるいは…いえ、完全に機能停止に追い込むことが出来ると思います」

シスメが弱点について話している間にも、
ゴーレムは第二撃を放とうと、すでに拳を振り上げていた。

「ひとまず、退避を……この…先に、地下から上に上がれる階段が…ある…はずです。
そこの高低差を利用…し…て……頭部を…狙えば」

>エルト、デウス

1日前 No.389

狐鈴 @korin29 ★fkYX4WEGOM_jCr

【デウス/ガイアル区画/ソエリス遺跡/終戦の間】

『損な性格ですね、お二人とも』
その言葉に苦笑いを浮かべながらも「お互い様ですよ」っと含み笑いを交えつつ答える
元々自分はこんなことしか芸のない人間だ
誰かを助けたい誰かのためになりたい…そして誰も失いたくない
そんなことを思って研究や開発をしていたら自分が国の厄介者になっていたと言うなんとも哀れな末路だ

でもそんなことがあっても人の性格とは早々変わらないもので今もこの有様である

背中に乗っかったシスメは思っていたよりも軽く立ち上がることも思いのほか容易であった

「そんなこと気にしないでください、それよりもかなり出血が多いです。これを」

背中の湿った感じから暗がりではよくわからなかったがかなり傷の具合は悪いようだ
腰の大き目のポシェットから大き目の布を取り出しシスメに手渡す

「緊急用に薬をしみこませた応急用のタオルです、それで止血してください」

応急用のタオルであることは事実ではあるが実は薬というのは大きな嘘
っというのも布の表面には先ほど自身の体を直したあの光る小さなものが広がっている
あれは独自で開発した超小型のナノマシンで傷の治療や栄養の供給を行い、作業が終われば本体は治癒者の細胞と同化するというもの

とはいっても自分用に調整しているため人間にしか今のところ効果はなく、さらに自分ではなく他人に使うと
体の構造に差異があるためやや治癒能力は落ちる
しかし自然治癒なんかと比べれば遥かに効果は高く、止血や雑菌などによる化膿を止めたりする効果には十分でありこのままよりは何とかなるだろうという考えである


それにしても人をおんぶするというのはかなり久しぶりで人の肌とはこれほど温かいものだったのかと
少々良くないときめきをしつつシスメの言葉を聴く

魔導大戦というのはわからないがおおよそロボットのような代物だということはわかった
専門的な言葉が多くこの国のことをまだほとんどわかっていない身としてはおおよそでしか理解は出来なかったが弱点くらいの把握はできた

やつが今にも振り下ろさんとする拳を見て退避の言葉が聞こえると同時に脚部の装備、グリーヴあたりのダイヤルをさらに回すとまるで強いエンジン音のようなものがしだし
脚部の装備に光の線のよな物が無数に走り光出す

「ちょっと荒っぽくなるのでしっかり掴っててくださいね。テムセージ弐位書記官殿」

そう言い終えると踵で強く床を叩く、すると脚部から煙が吹き上がりかなり大きくジャンプしたかのように数十メートル大きく前進しシスメに指示されたほうへと移動を始める
足の裏からジェットのような炎を上げ跳ぶように走る
しかし一度ナノマシンでの自分の治療にややエネルギーを消費してしまっている
どうにか逃げ切れればいいがと顔はゴーレムのほうを振り向きながらひたすら跳ぶ

>エルト・シスメ

23時間前 No.390

ますたあ @ritonetto ★Android=yDqhBiviYT

【白月レイ:ガイアル区画:ソエリス遺跡】


私が魔武器のことを口にすると、その言葉に二人が反応し、スターチさんが語ってくれた。自分が魔道具であるということ、自分を作ったのは西の魔女で、その人に私達魔武器を作った魔女さまがてを貸したと。

「魔道兵器…その製作に魔女…ツキヨミさまが……。そうなると私達魔武器もやはり…」

魔女さまはいったい何が目的で私達を作ったのかずっと悩んでいたが、世界を滅ぼすために私達を作ったのか。
それとも…

「……ここで貴方たちと出会ったのは、魔女さまのお導きでしょうか。」

偶然にしては出来すぎているような気がするが
あの壁のトラップの先にあの紋章や魔方陣があったことといい、その先に私と同じ境遇の彼女がいたことといい
まるで誰かに仕組まれているみたいだ。

>スターチ クラウズ

13時間前 No.391

隊長機モルガン @type14 ★BUzhF4mm8n_yFt

【ジョージ・イワモト/ガイアル区画/ソエリス遺跡/開戦の間】

Detective:1 Save to Lycanthrope
Combat circuit ON
Target searcher is Green

R.B.P-13 System tuning
Battle Mode__

 ターレットレンズは『黒』のまま、すなわちイワモトの意志が指令1を呼び起こす。国家隊でいえば上官、先輩の二人の安全を確保する。それがイワモトに与えられた使命。二人に物理的被害が及ばないように前に出る。ターレットレンズに搭載された戦闘用レフレクター・サイトは暗視であっても敵を性格に視覚で補足する。そのままスキャンをして相手の正体を確かめる。物体を構成するのは岩石、しかし、球体の形状は伸縮によるもの。丸くなることで物体の密度を高めた物理攻撃を得意とすると見た。
 透き通った声が告げた魔法。ダガーバースの刃は全てとはいかないまでも敵に突き刺さり、レイニアの合図とともに爆発する。表面をえぐり取られた岩石はその動きを止める。しかし、敵にその先の展開など、小さな狙撃手が許さない。いつの間にか展開されていた『スルト』から放たれるウェルダンフレアは岩石の焼き焦がさんばかりに包み込む……ことはなかった。岩が鎮座した床を吹っ飛ばし、敵は舞い上がる。その瞬間をイワモトも見逃さない。岩にはないが、球体になった者には存在している、防御の薄い『腹』の存在を。

 肘を曲げて右手を引けば、握られた鉄の拳に力が入る。いや、ジェネレーターと機械の性能でしかないが、イワモトにとってそれが『力』なのだ。それを増幅することが人間同様に『力を込める』ことになる。

 『好機。イワモト、今! 鉄拳、粉砕!』

 『はは、お姫様になったようでそういう呼ばれ方も案外悪くないかもですねー。
ではー、やっちゃってください、イワモトさん』

 「了解……!」

 低い姿勢からのジャンプが、まるで弾丸のような加速を生み出して敵に突撃する。レフレクター・サイトが捉えた、ただ一点目がけて、イワモトは鉄の拳を叩き込む。

 「(そうさ、俺は人間でも亜人でもロボットでもないかもしれない。それでも人の形を持つ以上、自分の意志でこの世界にしがみついてやる!)」

 何もかも振り切るかのような速度で肉薄すると、鉄の拳は唸りを上げた―

>>レイニア、ノイ

10時間前 No.392
切替: メイン記事(392) サブ記事 (99) ページ: 1 2 3 4 5

 
 
<< TOPページ 掲示板TOP 記事データ お知らせメール ▲ページ上 >>
★必ず ローカルルールメビウスリングのルール をご覧ください。
 ▼スタンプ▲スタンプ
※スタンプはいちどに 3個 まで使えます  ×閉じる
注…進行相談・設定はサブ記事をご利用ください(テスト中)。