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月下のアスール【T】-『The God Delusion』

 ( オリジナルなりきり )
- アクセス(2979) - ●メイン記事(301) / サブ記事 (79) - いいね!(9)

語り部 @yuzuriha16 ★6kAHKhaN27_EP8

にぎわう夜の酒場で、あるいは街灯に照らされた石畳の上で、

はたまた夜風にさらされた荒野で、それとも木の爆ぜる音が響く焚き火の周りで、

まことしやかに囁かれるある一つの国家が存在した。

かの国家の名はアスール。

魔導具と呼ばれる未知の技術を用い、急速に発展する新興国家。

世界から疎まれた狭間の者達が築きあげたその国は、5人の建国者により均衡が保たれていた。



アミル・カーランドが統轄する娯楽区画ウォーティア

ディノアギスバルガエンズルドが統轄する流通区画エイルス

ヒルカ・ルドナルが統轄する工業区画アーティー

出雲 鶴羽が統轄する自然区画ガイアル

そして、アスール国家隊の総本山である中心区画ルナ。

水と遊戯を求める者はウォーティアに

空と発見を求める者はエイルスに

魔導具と情報を求める者はアーティーに

大地と交流を求める者はガイアルに



今日も様々な目的を持つ者達がこの国を訪れる。

純粋に他種族との調和を志す者、己が国を富ませんと仮面を被る密偵、

帰路に迷い流れ着いた者、はたまた想像もしえない願いを抱いた愚者。

そんな各々思惑でさえ、まるで取るに足らぬものと言いたげに、

かの国家は飲み込み、最初からそこに存在していたかのように彼らは国へ同化していく。

その渦中にあなたが飛び込んだ―――それがこの物語の幕開け。



【サブ記事にてルール説明、キャラ募集を行います。本編開始の合図はサブ記事にて行い、
本編は本スレ運営主の最初の書き込みを持ってスタートとさせていただきますので、ご了承願います】

メモ2017/02/21 15:27 : 語り部(スレ主) @yuzuriha16★BWdPwVwAKo_XWi

〜簡易キャラ表(★はスレ主操作キャラ)〜


キャラ多すぎて分からねぇでございますよ、という方はこちらをご覧下さい。

なお、僭越ながらスレ主が参加者様の各キャラ紹介文を書かせていただきましたが、

自キャラの紹介文に納得がいかなければ、スレ主の承諾なしで変更追加していただいて

全然構いませんので、ご一考くださいませ。

なお、各キャラの詳しいプロフについてはサブ記事にてご確認願います。


【男性のみなさん】


○ジョージ・イワモト http://mb2.jp/_subnro/15277.html-15#a

29歳。黒髪、黒瞳。身長180cm体重78kg

義理人情に厚いが冷静沈着。そんな熱さと冷たさを兼ね備えた改造人間の青年。

4年前からアスールにて生活しており、ガイアル区画で森林保護活動などをしていた。

何らかの原因で過去のメモリーのほとんどを失っている。


○エイドリアン・デューク http://mb2.jp/_subnro/15277.html-39#a

通称エドル。32歳(外見年齢20歳)。ブロンドの髪、蒼瞳(※隻眼)。身長247cm体重115kg

平和趣向だが、内に悪戯心を潜ませるハーフエルフの青年。

ハーフエルフなれど片方は純粋な人類種ではなく、エルフと龍人のハイブリットである。

過去の経緯からデュークの通称で呼ばれることを嫌っている。


○青崎 清一郎(あおざき せいいちろう) http://mb2.jp/_subnro/15277.html-21#a

18歳。青みがかった黒髪、吊り目気味の瞳。身長170p体重60s

感情の起伏のなさから誤解されがちだが、ただ口下手な人間の青年。

武門の名家に生まれ、自らを鍛える旅の途中でアスールに立ち寄る。

剛伸鉄棍と呼ばれる伸縮自在の金属棍を武器として扱う。


○ロシム・サンダーボルト http://mb2.jp/_subnro/15277.html-23#a

16歳。金髪、翡翠色の瞳。身長162cm推定体重80kg。

…続きを読む(155行)

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レイチェル @heizeru ★Smart=JteQvmC0Q1

【ジェニファー・エマール/第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

「後退行動禁止…」

ジェニファーは呟いた。別に体には何の以上もない。試しに後ろに足を運ぼうとすると、

(あれ、動かない…!)

足は全く動かない。動かそうとしても、まるで関節がそれ以上曲がらないかのようになるのだ。

(これは…なかなか移動に困りそうですね…)

ジェニファーはそう思わすにいられなかった。
もし攻撃などがあったら、回避は横、縦もしくは攻撃を受けるしかない。ジェニファーとしては、さっきひどい火傷を負って痛みを感じたばかりなのでそういうのは避けたいが、ここまできたらそうも言ってられないのだろう。
横ではセキアがウェディングドレスを身につけ、手には水鉄砲。そのめちゃくちゃな組み合わせに笑いがこみ上げてきたが、必死で堪えた。

(ここで笑ってはいけない…!他のみんなだって真剣なのに…!)

試験の前に、崩壊しそうな腹筋と格闘するジェニファー。彼女は今回、自分の壺が極端に浅いことを知った。
そんなジェニファーの目の前に、大きな砂時計が現れる。

やっとのことで笑いと息を落ち着かせたジェニファーは、遠くにいるヒルカ達を見据えた。
どうやら、あの二人を捕まえろということらしい。普通なら魔法で捕まえて終わりだろうが、きっとそうやすやすとはいかないだろう。
とりあえず、セキアとレイ(が変化した水鉄砲)は若干心配だ。ジェニファーはできるだけ近くに移動した。
守るとまではいかないが、手伝えることがあったらできるだけ手伝いたい。

遠くに移動し終えたヒルカが宣言すると、砂時計の砂が下へ落ち始めた。
試験開始である。

>>all様

1ヶ月前 No.252

語り部(スレ主) @yuzuriha16 ★PSSIjal4Kx_pxp

【セキア&ヒルカ&シスメ/第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

こちらの混乱をよそに悲哀に浸っていると、エルトの言葉が心を突き刺してきた。
彼としてはこちらを励まそうとしたのだろうが、
結果的にセキアは心の大部分をざっくりと切除されることとなる。

「うぐっ……ち、致命的…役立たず…穀つぶし……」

別にそこまでは言っていないだろうに、
一度最下層まで落下したテンションは下に落ち続けたまま留まることを知らない。
そうして勝手に一人落ち込むセキアの耳がある音を拾う。
突然のシャッター音に反応して顔を上げると、携帯端末を構えたイワモトと目が合った。
花嫁衣裳に水鉄砲というミスマッチな今の姿はバッチリと記録に残されたわけだ。

「な、なんで撮るかなっ!? 後生だから今すぐ消し――」

セキアが彼に何か言おうと口を開きかけたその矢先、ふと、ある人物が視界に入る。
見ると、セキアが脳内で勝手に心の癒しと設定したジェニーでさえ、
頬をひくひくと引きつらせ、肩をプルプルと震わせている。

「そ、そんな…うぅ、ジェニーまで…」

勝手に何かに裏切られたような気分になりながらも、
セキアは羞恥に歪む口を押さえ、無理やりにでも気分を変えようと
前を向いていつものファンタジー思想に染まった口上を口にする。

「くっ…こ、これも勇者を志す者に与えられた試練ってワケね!
やってやろうじゃない! なんか色々引っかかるけど!」

もう一度水鉄砲と化したレイとウェディングドレスを交互に見比べる。
その様相は学生服と機銃ならぬウェディングドレスと水鉄砲だった。
もしそんな映画が放映されてもヒットしないだろうなと、
脇道に逸れかけたセキアの思考をレイの申し訳なさそうな声が引き戻す。

「や、むしろ謝りたいのはこっちって言うか…ううん、何でもない!
レイには感謝してるよ。レイがいなかったら前の試験も合格できるかどうか怪しかったし」

このままでは謝罪のイタチゴッコになってしまうので、喉まで出かけた言葉を言いかけてやめる。
その代わりにセキアは花嫁衣裳に似合わない挑戦的な笑みを浮かべながら
水鉄砲に変化したレイの体を肩でも叩くみたいに軽くポンポンと叩く。

「ね、曜もこう言ってるし…だから一緒に頑張ろう!
よっし、攻撃方法も分かったし、そろそろ行こう! 二人とも待てぇい!! おとなしくお縄につけぇい!」

その声を皮切りにセキアはスタート位置から駆け出し、水鉄砲の引き金を絞った。
危険を察知し咄嗟にしゃがんだシスメの頭の上スレスレを、
レイの銃口から滝を横に流したような水流が駆け抜ける。
水流が柱に当たるボシュッ!という音を聞いて顔を青ざめさせたシスメは、途端にその身をすくませた。

「ひいい!? 志願者がっ、志願者が迫ってくるぅ!
どうして捕縛対象への攻撃まで許可しちゃったんですか!? 攻撃当たったら釈迦ります、普通に!」

釈迦る。それすなわちあの世への旅立ち。
全く流行する予定のない独自のスラングを開発してしまうほどにシスメには余裕がなかった。
そんなシスメを気に病んだのか、無視を貫き通してきたヒルカが渋々シスメの言葉を拾う。
いや、騒ぐシスメに目を細めたところを見るに、単に気が散るとかそんな理由なのだろうが。

「何をそんなに怯えてやがるですよ?
いくら書記官でも候補官の時期に戦闘訓練は一通り受けたはずだろーが、ですよ。
てめーはいつも机にばかり向かってないで、たまには体を動かしやがれですよ」

「受けてても無理ですっ、それに貴方達の身体能力基準で考えないで下さい、不快です!
いきなりこんなトンデモ種族のバーゲンセール状態のところに放り込まれたら
誰でも文句ぐらい言いますよっ」

ヒルカのたまには体を動かせ発言にシスメは「本当にもう…余計なお世話♪」と
言いたい気持ちを隊内の上下関係からくる圧力に負けて飲み込み、
涙目になりながら現状に対する理不尽さをヒルカに説く。区画統括管理官としての彼女の評判は聞いている。
きっと話せば分かってくれるタイプの人なのだ、このロップイヤーの少女は。
そんなシスメの淡い期待は、次のヒルカの発言で砂でできた城壁のごとく、あまりにも脆く崩れ去った。

「なにパンピーで女みたいなこと言ってやがるですよ、シスメ。
これ以上接近されたら逃げ切れねぇですよ。いいからとっととお前も散らばれですよ」

その言葉を最後に、ヒルカは無情にもシスメに背を向けてぴょんぴょんと走り去って行った。
しん、とやるせない沈黙だけが周りの空気を埋める。
ふ、ふふっ…と、ある種の危険な人が出すような壊れた笑い声を漏らしたシスメは、
せめてもの反抗として、いなくなったヒルカの方へ向けて心の内を叫んだ。

「一般ピーポーですし女ですっ! もうやだこの組織おうち帰りたい!
ああもう!! 分かりました! やります、やりますよ! せめて危険手当くらいはぶんどってやるぅ!」

無理やりながらも覚悟を決めたシスメは、走り出したヒルカの後を追うような愚は犯さず、
彼女とは反対の方向へ駆け出す。ヤケに見えて以外に冷静だった。
ある困った友人に鍛えられたおかげか、こう見えて切り替えは早いほうなのだ、彼女は。
ヒルカが出現させた石柱を右へ左へ避けながら、シスメは手に持った記録簿ダンタリオンを開く。
先の試験の影響で床には平坦な箇所が少ないはずなのだが、
そこは腐ってもアスール国家隊員と言うべきか、シスメの走る速度が落ちる様子はなかった。

【気が早いですが、皆さんよいお年を!
今後とも月下のアスールをよろしくお願いします^^】>レイ、イワモト、曜、エルト、ジェニファー、ALL

1ヶ月前 No.253

隊長機モルガン @type14 ★BUzhF4mm8n_yFt

【ジョージ・イワモト/第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

 「ゴメンゴメン、可愛かったから。後で消すからその前に試験だ!!」

 セキアにそう言って走りだすも、さすがに関節が悲鳴を上げるため、すぐに減速した。ヒルカが遠い。

 「どうすんだよこれ……」
 とりあえず対応できる機能を探しながら、今度はエルトの反応に応える。
 「たぶん五感の全てが制御に関わるから、ひとつつぶれると制御にばらつきが出るんだろうよ……まいったね。無理はするなよ。こっちも体が重くてたまらんよ……」

 さて、砂が落ちきるまえにどうしようか……体の機能を使うか、それとも別の手段があるのだろうか。
 なんとか重たい体で軽いロップイヤーを捕まえるには……イワモトの計算は続いていく。

>>ALL


【短くてすみません、よいお年を!!明日からもアスールで暮らすぞおおおおっ!!】

1ヶ月前 No.254

ますたあ @ritonetto ★Android=yDqhBiviYT

【白月レイ:実技試験会場】

『や、むしろ謝りたいのはこっちって言うか…ううん、何でもない!
レイには感謝してるよ。レイがいなかったら前の試験も合格できるかどうか怪しかったし』

セキアさんは私のお陰で、さきほどの試験をクリアできたと言ってくれた。それはこちらのセリフだというのに
私なんて誰かの力をかりなければ、力を使うことはできないのだから、もしセキアさんが私を手にとってくれなかったら

「はい、任せてください。……」

レイはいま見た目はおもちゃだが、発車する水の勢いは凄まじく、実弾にも負けない威力をもって発射された。

「……すごい、これが私の……それに力が制限されているせいか、不馴れな武器に変身しているのに疲れません……。」

と、自分の力に驚く。制限されているぶん威力はでないのではと思っていたからだ。

「標準もできるだけあわせます!あとは曜さん!お願いします!」

>all

1ヶ月前 No.255

エルト @absoryut ★XSc0by2j7f_qxX

【第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

「…そうらしいな…試験中にある程度は調整できるとは思うが…そっちも厳しいようだがあまり無茶はするなよ?」
イワモトの的確な分析に内心で少し驚くものの…こちらよりも先にそれに気が付いたと言う時点で当然かと思い直し、隠し立てする意味もないだろうと正直にそう返す。
(今回は戦闘ではないんだ…先程以上にひどい状態にはならないとは思うが…)
思いはするが…土壇場になったらおそらく相当な力押しで何とかしようとするのではないか…そんな気がしてならなかったためそれとなく警告のようなものを口にするが…おそらくはあまり意味がないだろうな…などと薄々ながら感じ取っていた。

>イワモト ALL

「…その…なんだ…悪かった」
励まそうとした結果、余計に落ち込ませる結果となったセキアに気まずそうにそう言う。
…当のセキアも多方面からからかわれ…珍しく(失礼)深く落ち込んだその様子には罪悪感を感じざるおえなかった。
幸いにもセキアは無理矢理思考を切り替えたようで、口上と共にどうにか立ち直る…納得しきってはいないようではあったがそれは致し方ないだろう。

「あんたも災難だな…」
もはや聞こえはしないだろう距離にまで引きずられていったシスメに思わずそんな同情的な事を呟く。
(…なんと言うか…他人事と思えないのが悲しいな)
何処であれ上司の無茶振りと言うのはあるもので…幸いにもこちらの上司は自覚があったのか出来なくともそれをどうこう言うような事はしなかったのだが…
(…っと、そんな事を考えてる場合じゃなかったな)
脱線した思考を戻しつつ状況を軽く整理する。

(現状だと明確に動いてるのは管理官とやらに向かうイワモト…セキアとレイ…それに曜もか?…3人一緒に動くとして…曜も管理官か?)
セキア□レイは前提として…曜も補給に関して請け負うつもりらしく、同行すると見ていいだろう…別に補給時だけ合流するというのも無くはないが少々と言うには無駄が多いだろう。
他のメンバーに関してはこちら同様に様子見と言った所なのか目立った動きは無いようで…このまま待つのは流石に悪手だろう。
「さて…そうなると…恨みはないんだが…」
言いつつ、シスメが走り去った方角を見やると器用にも石柱をかわしながら魔導具と思わしき一冊の本を開いており…その速度自体もなかなかの物だといえた。
「…手加減出来るとは思わないんでな…早めに投降してもらえると助かる」
そう言ってシスメを捕らえるべく、強化した身体能力を持って追跡を開始する。

>セキア シスメ ALL

【あけましておめでとうございました!!かなーり遅い挨拶となりましたが今年もなにとぞよろしくお願いします】

1ヶ月前 No.256

語り部(スレ主) @yuzuriha16 ★BDcx1PB14D_pxp

【セキア&ヒルカ&シスメ/第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

ヒルカの無茶振りに振り回されつつも、何とか逃走を続けるシスメ。
しかし、いくら身のこなしが良くとも、そこは魔力による身体能力強化の恩恵を受けた
クォーターエルフと生身の人間。柱を障害物に上手く使いながら善戦するシスメだったが、
二人の距離は徐々に縮まっていく。先ほど彼がこちらに向けた視線から、
彼とは自分と同じ匂いというか、同類のような親近感を感じたので、
こちらの境遇に同情して少しは手加減してくれるかと期待していたのだが、
そんな様子は微塵もなかった。

「ぜぇ…はぁ…ああもう…っ…ああもう! こんなことになるなら
…はぁはぁ…事前に志願者情報を…っ…もっと読みこんでおくべきだった…!」

訓練で身に染み付いた身のこなしは体が覚えていても、長年に渡るデスクワークのせいかそれに見合う体力が足りない。
加えて、シスメの持つ記録簿ダンタリオンは両手で抱え持たなければならないほどの
体積と重量ゆえに、明らかに走行の妨げとなっていた。
しかし、そんな逃走において明らかにデメリットとなるダンタリオンをシスメは手放すことはなかった。
その理由は一見、愚行とも思える次の彼女の行動で明らかとなる。

「とにかく早急に対応策を…アンブラインドネームサーチ…エルトライゼ。
クォーターエルフ…なるほど、
ではさっきの急加速は身体機能強化による恩恵というわけですね…」

酸素不足を訴えてくる肺と脳を無視して、シスメは手元にあるダンタリオンの背表紙を撫でた。
すると、それに答えるかのようにダンタリオンのページがぱらぱらと自動で捲れはじめ、
やがて止まったあるページに意識を集中する。だが、これはあまりにも迂闊な行為だった。
追跡者たるエルトから完全に目を離した状態、それは自ら隙を作ったということと同義だ。
文字を目で追うためにスピードを落とさざるを得ない無防備なシスメにエルトの追撃が迫る。

「シスメ、転移――!」

思わず、迂闊なシスメの行動に声を張り上げかけたヒルカだったが、

「もうやってます! ダンタリオン!」

あと数歩で距離が埋まるというところで、エルトの目の前からシスメの姿が掻き消えた。
転移魔術。数ある銘有り魔導具の中でダンタリオンはそれだけに特化した魔導具だった。
それを今、シスメはエルトの情報確認と並行しながらやってのけたのだ。
エルトからそう離れていない位置の柱の影に身を隠すシスメを見るようなことはせず、
気配で察したヒルカは、少女の顔に似つかわしくない口角を吊り上げた笑みを浮かべる。

(さすがシスメ、切り替えが早えぇですよ)

そうこうしているうちに、ヒルカの方も追跡者との距離が縮まりつつあった。
追跡してくるのは今確認できる分には3人。イワモトと水鉄砲の姿と化したレイとセキアだ。
完全にこちらに的を絞ったのか、シスメに気をとられている様子はない。
わざとぎりぎり追いつける速度で走ることで、
なるべくヒルカの方に志願者の大多数を引き付けるという計画は成功したと言うわけだ。
実際、相手の力量を量るのが目的ということもあり、あまり遠く離れないよう
付かず離れずの距離感を保つようにしようとしていたのだが、いらぬお節介だったようだ。

「ぬぐぐ…あとちょっとなのに追いつけない…!
こうなったら……レイ、ちょっと揺れるかもだから舌噛まないように気をつけて!」

水鉄砲になった今のレイに噛む舌などないだろうに、セキアは
いつもの良からぬことを考えていそうな得意げな顔で一方的にそう言い切ると、
レイを両手で握り締め、その銃口をヒルカの方ではなく自分の後ろ側へと向けた。

「必殺! えっと、えっと…ウォーターキャノンブースター!! いっけー!!」

そして、地面から脚を浮かせたセキアは、レイの引き金に指をかけると同時にすっ飛んでいった。
水流を後方へ発射すると同時に地面から脚を離すことで、水流の勢いを推進力として利用したと言うわけだ。
おおむねセキアの思惑通りに事は運んだらしく、
完璧な直線軌道とはいかなかったが、蛇行しながらもヒルカとの距離をぐんぐん詰めていく。
勝利を確信したセキアだったが、あと数cmで彼女の背中に手が届くというところで
突然彼女の姿がぐんと遠ざかった。

「甘ぇですよ。コモンマジック・ロールフレア、ストローレーザー」

宙に浮遊している三丁の長銃のうちの赤い飾り布に持ち替えたヒルカは
左斜め前方へ赤い火の輪を出現させたかと思えば、瞬時に青い飾り布の長銃へと持ち替え、
セキアと同じ要領で右斜め後方へと幅のある水のレーザーを射出する。
水流の勢いに引っ張られたヒルカはそのまま前方の火の輪をくぐり、
ある程度距離を離したところで水のレーザーを火の輪に当てた。途端に目の前が白一面となる。
とっさにレイの銃口を先ほどまでヒルカがいた方向へ向けるも、もうそこに彼女の姿は影一つなかった。
ここでようやく理解が及ぶ。要は多属性の魔術を操るヒルカの合わせ技にしてやられたというわけだ。
目の前が厚い霧の壁に覆われる刹那、ヒルカの声だけが響く。

「ふん。鶴羽の言葉を借りるわけじゃねぇが、
これくらいの試験をクリアできない根性なしにまたげるほど国家隊の敷居は低かねぇですよ。
出し惜しみせずにとっとと本気を出しやがれですよ」

セキアの策は失敗に終わる。悔しげな表情を隠そうともせず、
セキアは短く息を吐き出すと、神妙な面持ちで腕を組み何事か考え始めた。

「むう、結構いい手だと思ったのに…えっと、次の手は…
そういえばレイってその状態でも目って見えてるの? もし見えてるとしたらどのくらいの範囲まで見える?
それと、イワモトのおにーさんってその状態でもさっきの試験のときみたく腕を飛ばせたり出来る?」

>イワモト、レイ、エルト、ALL

1ヶ月前 No.257

仔夢 @00000x ★iPhone=y44SZZaVfW

【 東海林曜 / 第一競技場内 / 入隊試験会場 / 実技試験会場 】


一見玩具のようにも見える水鉄砲からセキアの手によって放出された水の弾は柱に勢いよくぶつかって飛び散った。これだけ威力があれば十分な武器になり得る。兎に角、他の候補者は大方シスメのほうが見込みがあると判断したのかそちらへ散っていった為、恐らく後々はシスメへの追跡を開始するのだろう。曜はそもそもの標的、同種族であるヒルカへ向った。ヒルカ側から水鉄砲の水を操ろうというのだ。慣れない視覚は殆ど無視して、本能だけで素早く壁を蹴りながら大凡ヒルカの頭上であろう位置まで飛行能力を使用して浮上した。
周りを見渡せば柱を右に左に交わしながら足場の悪い会場内を駆けるシスメ、とそれを追うエルトがすぐ側に伺える。今のところ彼女を追っているのはエルトのみ。エルトの脚力があれば助けはいらないかと胸を撫で下ろしたその瞬間、徐々に距離が狭まったと思えば、どうやら彼女の魔導具は転移能力を持つものらしく、エルトの前から瞬時に消えたかと思えば、曜の裏側にあった柱の更に裏に姿を移していた。これは空中から狙うのが効率がいい。地に足をつけたままだとかなり厄介だ。然し恐らく今のところ水系統の能力を持つのは曜のみ。レイの回復には曜が必要不可欠となる。とはいえ状態変化はまだしも軌道修正は正直曜が手助けしなくともセキアの腕でどうとでもなる。そう、あの同種族ウサギさんから曜のターゲットは恐らくこの会場内で最もマトモといえる一般ピーポーに絞られていた。


「白月ちゃん、回復とか状態変化が必要になったら呼んで。曜はちょっと狙わなきゃいけない相手がいるみたい」


唱えるように口早に、空中からレイにそう告げると答えも聞かずに先程の柱の裏まで移動した。何やら自らの持つ大きな記録簿をじっくりと見つめてぶつぶつと呟いているシスメは勿論先程と同じ場所にいる。そして、少し遠い位置にエルトも、十分に拝見できた。試験開始前から宣戦布告していた通りのことをしてやろう、と曜の良心と哀れみは徐々に薄れていく。今のところ気づいていないように見えるシスメの頭上に金平糖のような形の鉄屑の塊を作り出し、細い指を擦り合わせてぱちんと小気味のいい音を鳴らすと、それが合図なのか鉄屑は一気にシスメに降りかかる。少しでも素肌を擦れば返しがついた棘先が引っかかり出血を促すいやらしい攻撃である。勿論一般ピーポーとはいえ試験官である彼女。この攻撃をかわすことも想定内、というより許容範囲。当たればラッキーくらいの感覚であり、時間稼ぎにすぎなかった。そして、結果ももはやどうでもいいという表情を見せながら、先程から認識はしていたエルトの元へ向かう。


「シスメの魔導具は多分転移能力がある。てことは、地に足をつけたまま戦うのは体力的に限界があるし、恐らく不利。でも、飛行能力がある曜は白月ちゃん達のサポートもあるからそう長くシスメに構ってられない。だから、シスメはエルトさんにお願いしたいんだけど、これは一つ提案。というより援護するって意味なんだけど……ふふ、曜は今回もサポート要員みたいだね。要するに、エルトさんを飛ばせられるってこと。体の一部さえ触れておけば、一人までなら一緒に飛ばすことが出来る……曜も体力を二倍は使うんだけど、これしかないかなって」


エルトの頭上をくるくると回りながら指を立ててアイドルよろしくなポーズをとる曜には緊張感の欠片も見当たらないが、相も変わらずサポート要員はかなり頭がこんがらがっていた。

>白月レイ様、セキア・ルーブ様、エルトライゼ様、シスメ様

1ヶ月前 No.258

レイチェル @heizeru ★Smart=JteQvmC0Q1

【ジェニファー・エマール/第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

ヒルカが逃げている方向には、セキアレイの水鉄砲を使い、勢いよく飛んでいく。一瞬、うまくいったとおもったが、なかなかそううまくいかないらしい。
ヒルカは魔法を使い、セキアの追跡を回避。セキアは悔しそうだが、すでに何かを考え出している顔だ。

一方、シスメの方を見ると、エルトの追跡を逃れ、どこかに姿を消す。ジェニファーは、目を細め、会場の中を見渡した。すると……

(……いた!)

その位置はエルトよりあまり離れていない柱の影だ。息を潜め、他の人たちの様子を伺っている。
こっちに気づいた様子はない。
ジェニファーはその方向へ駆け出しながら、呪文を呟いた。

「我に風の如き速さを与えよ……神風!」

足元に小さな魔法陣が浮かび、一気に、加速。転びそうになったが、そこは必死にバランス感覚を駆使して抑える。

【めっちゃ遅いですけど、新年あけましておめでとうございます!今年もよろしくお願いします(o^^o)】

>>ALL様

1ヶ月前 No.259

エルト @absoryut ★XSc0by2j7f_qxX

【第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

同情はする…同情はするが…手加減するとは一言も言ってはいない!!…そういう訳で追跡を開始して程なく…息が上がっている様子のシスメを捕捉しつつ、ジリジリと距離を詰めるように追いすがる。
(…速攻を仕掛けるのも有りなんだが…まだ焦るような時間ではないか)
もう少しスピードを出そうと思えば出せない事は無いが…ここではまだ早計だ。
現に今も徐々に追いついてはいるのだし…やはり体力的な面ではこちらが優位言えるだろう。
(隠し玉の1つや2つは持っているだろうしな…仕掛けるのはそれを吐き出させてからだ)
厳密な戦闘とは違うが…これも1つの駆け引きだ…何処でどう動き、それにどう対応するかと言う、言葉にすればそれほど難しいものではない。
…当然ながら実際にはそんな単純な物ではないのだが…結局の所相手に無駄に手札を使わせておけばそれだけ情報的な優位が取れると言うのには変わりない。
(…まぁ使わせる前に決めてしまうというのも戦術ではあるのだが…む?)

そんな考え事をする余力を残しながらも、抱えていた魔導具らしき本を開き、何やら調べ物を開始したようだ。
(これは…誘いか?…だがそれにしては…)
あまりにも隙だらけ、かつ無防備な姿に罠の可能性が真っ先に浮かぶが…ここまででそんな余裕があったとは到底思えず…罠だとしてもそれに対処する余裕は十分にある。
(あまりなめてくれるなよ…っ!!)
そこで下した結論は強行突破…速度が落ちた事もあり、一瞬で距離を詰めてその肩に手をかけんとするが…
(…む!?…こいつは…転移か!?)
その手が空を切り、数秒程ブレーキをかけて体制を整えたところで、突如シスメが消えたと言う事を理解し…少しだけ離れた柱の影で魔力の動きがあったことを察知し、そう当たりをつける。
「…なるほど…厄介な魔術を使ってくれるな」
仕切り直しとなった事で軽く息を整えてそうぼやく…目論見通りと言えばそうではあるが…思った以上に厄介な手札を持っていたようだ。

>シスメ ALL

「あ…ああ、そうだな…確かに厄介だが…」
そこでヒルカを追いかけていた曜がこちらに接触してきて一つの提案を持ち掛けてきた…その直前にこっそりと布石を仕掛けてきたのはちゃっかりしてると思いながら返答を続ける。
「…まぁそれでもやりようはある…切羽詰まったらそれを使う方が良いんだろうが、ここで切り札を切ってしまうのは少々惜しい…今はまだ温存しておくべきだろう」
確かに曜の言う通り不利ではあるが…ここまでの追跡から基礎的な運動能力で押し切れなくもないと感じられ…同時に厄介と思われるヒルカの方を担当する曜の体力を余計に使うのは勿体ない。
(…何より現状だと能力に振り回されかねないからな…平時ならともかくとして)
…人は本来空を飛ばない…それがいきなり能力を得たとして、十全に使いこなせると安易に思う事は出来なかった…更に言えば制限が無い状態であればそれなりに使いこなせる自信はあるのだが、今は若干とは言え感覚がずれているというのも理由の1つだ。
「そういう訳だ…こっちは任せてくれ…少なくとも時間の半分までには目途をつけておく」
そう言うなり、魔力の流れを感じてそちらに視線を向ける…そこではジェニファーが隠れているであろうシスメに仕掛けるところであった。

>曜 ジェニファー ALL

1ヶ月前 No.260

隊長機モルガン @type14 ★BUzhF4mm8n_yFt

【ジョージ・イワモト/第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

 「こういう時、ロボットは自動で力加減が出来る……いくらあちらのロップイヤーちゃんが相手でも、直してもらった以上は無理させられないな……」
 やはり先ほどの戦闘で無理をし過ぎたのか、イワモトの機能は大幅に低下している。もちろん、ヒルカがエネルギー回路の不調を修理してくれなかったらとっくに行動不能になっていたであろう。それだけに、彼女の言葉はイワモトにとって足枷にもなる。
 これは試験。情など感じている場合ではないが、これ以上の無理は彼女の努力を無駄にしてしまう。おまけに増えた重量はたとえ機械に影響はなくても、生身の部位には十分すぎるダメージが蓄積されつつある。
 こんな時に人間らしい生理反応ができず、息切れせずに佇む偽のタフさが真綿で首を絞めるようにじわじわと追い込んでいく。
 僅かな焦りを感じながらエルトに返すと、水流に乗って空を飛ぶセキアが見えた。それをよりによって水蒸気爆発で逃れるヒルカ。敵もさるもの引っ掻くものとはこういうことだろう。だが、イワモトには誰にも使うことができない『目』がある。視界を遮られても、相手が恒温動物である以上、サーモグラフィーがヒルカの位置を捉える。
 修理の際にテストでターレットレンズを切り替えていたため、ヒルカの体温は測定記録にとどめてある。おまけに使用頻度が少ないせいで新品同様のパッシブソナーが全体を感知して全員の相対位置を立体的にメモリーに叩き込む。そこからの照らし合わせでヒルカの位置は正確に予測できる。

 『むう、結構いい手だと思ったのに…えっと、次の手は…
そういえばレイってその状態でも目って見えてるの? もし見えてるとしたらどのくらいの範囲まで見える?
それと、イワモトのおにーさんってその状態でもさっきの試験のときみたく腕を飛ばせたり出来る?』
 「飛ばせる。今外した右腕をこっちに呼んでおいた。推進エネルギーの余剰が少ないから、見積もって五回が限界だが、どこへ飛ばす? 今なら敵も味方も全員『見えてる』ぜ」

 ドッキングした右腕は推進剤の補充に入り、応急的に調整した照準システムが連動する。
 たとえ動かなくても最善は尽くせる。しかし、その想いと裏腹に、左腕の痛みに違和感を覚え始めた。

 「(やはり生身の左腕は……厳しいな)」

>>セキア、エルト、ALL

1ヶ月前 No.261

ますたあ @ritonetto ★Android=yDqhBiviYT

【白月レイ:実技試験会場】

セキアさんの攻撃でヒルカさんを追いつめたかのようにみえたが、あっさりと反撃を受けてしまい逃してしまった。そしてセキアさんは次の手を考えている


『むう、結構いい手だと思ったのに…えっと、次の手は…
そういえばレイってその状態でも目って見えてるの? もし見えてるとしたらどのくらいの範囲まで見える?
それと、イワモトのおにーさんってその状態でもさっきの試験のときみたく腕を飛ばせたり出来る?』

「はい、この状態でも視角はあります。…ここからなら約6メートルの範囲、見渡せます。それと銃口の向きと目線を合わせることも可能なので、照準を合わせる手助けにもなると思います。」

セキアさんの質問に、的確に答える。
少しでも味方に自分の情報を、正確に伝えることが今の状況では必要だろう。
今このとき、捕獲対象であるヒルカさんとシスメさんもいずれ一緒に戦うことになるのだから
そして曜さんは回復するときは呼んでほしいといってくれた

「はい!ありがとうございます!……」


>セキア 曜 イワモト

1ヶ月前 No.262

語り部(スレ主) @yuzuriha16 ★LQ1Cpb7GpF_pxp

【セキア&ヒルカ&シスメ/第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

「うわ、もう見つかったぁ!? あの金髪の子、私と同じ人間じゃなかったんですか!?
何かすごい勢いでこっちに迫ってくるぅ!?
し、しかも…う、うさぎの子までこっちに来てるんですけど!?
いつの間にかこっち担当の人数増えてないですか!? 助けてください! ヒルカ管理官!」

枚挙に暇がないとはこのこと。人間の脚力で出せる速さを超えた勢いで迫り来るジェニファー、
空からの視点を得た曜による上空からの無数の鉄球攻撃、曜の口添えのおかげか、
先ほどまでこちらを完全に見失っていたはずのエルトにもバッチリと位置を特定されている。
異能なしの一般人には捌ききれない人数の追跡者を目の当たりにしたシスメは、
堪らずヒルカに助けを求めたのだが、いかにもというか予想通りな返答が返ってきた。

「あ? そんなもんシスメビームでも使って切り抜けろですよ」

「そんな技持ってませ――って…へ? きゃあああああ!?」

いくら鉄屑の集合体とはいえ、高所から落とせば引力が働き、
どんな小さな体積のものでも、その落下速度は増す。
ヒルカとのやりとりにうつつを抜かしていたシスメが、曜の出現させた鉄球の雨に打たれ、
もうもうと巻き上がる煙の中に姿を消した今の状況は如実にその状態を表していた。

「ふぁ……シスメ…惜しい人材をなくしたですよ…」

その様を半眼で見送ったヒルカは、あくびを噛み殺そうとしてしきれず、
片手を口に当てたまま胸の前で雑に十字を切る。
その背後から数秒と経たず、ドサリという音が聞こえた。
振り返ると、ずり落ちた眼鏡を治しつつこちらを怒りの形相で見上げるシスメと目が合った。

「勝手に喪に服さないで下さい!! 不快です!」

切った頬から流れ出る血を拭いつつ、シスメが立ち上がる。
あんなぎりぎりの状態でも転移は成功したらしい。
しかし、曜の攻撃に反応が遅れたせいか、髪はくしゃくしゃ、上着は裂け、
眼鏡にヒビが入っているというひどい有様だ。文句をいう元気はあるところを見るに、
まだ動ける程度には大丈夫なのだと勝手に結論付けたヒルカは
その後もエンドレスに続きそうな勢いのシスメの文句を右から左へ聞き流す。
そんなヒルカとシスメの気の抜けるようなやりとりを横目に、
セキアは声を潜めながら、イワモトとレイにそっと耳打ちした。

「よっし、気をとられてる今がチャンス!
確かこの試験って“手が触れたら捕縛完了”扱いになるんだよね?」

そう言うとセキアは地面に落ちている床の一部だったと思わしき、石片を拾い上げる。

「それって、イワモトのおにーさんのその飛ぶ腕が当たっても捕縛完了扱いになるってことだよね?
だったら、あの子の防御が手薄になる隙を狙って、何とかおにーさんの腕を当てられないかな?」

セキアの考えた作戦はこうだ。イワモトとセキアが左右から挟みこむように
試験会場の壁際までヒルカを追い詰め、セキアの合図同時に二人で一斉に飛び掛る。
すると、後方を壁に阻まれ、左右をイワモトとセキアに挟まれたヒルカは
当然、誰もいない前方へ逃れようとするだろう。そこをあらかじめ狙いをつけておいた
イワモトのロケットパンチで仕留めるという筋書き。つまりは逃げ道こそが鬼門というわけだ。
単に出し惜しみしているということも考えられるが、
今のところヒルカが浮遊関連の異能や魔術を使用する素振りはない。
もし、彼女が浮遊魔術を行使できないのだとすれば、逃走経路は一本に絞り込むことが出来る。

「あたしは妨害に専念したいから、レイにはあの子が今手にしている銃から
別の銃に持ち換える瞬間が見えたら教えてほしいんだ」

そして、気付いたことがもう一つ。
ヒルカが今手にしている長銃から空中に浮遊している別の属性の銃へと持ち換えるときに
一瞬だが隙ができるということ。そのタイミングで二人同時に飛びかかることが出来れば、
ヒルカも悠長に別の手を講じている余裕などなくなるだろう。
破片を手に、がりがりと床に簡単な作戦図を書きつつ、ひとしきり説明を終えたセキアはゆっくりと顔を上げた。

「どうかな?」

>曜、ジェニファー、エルト、イワモト、レイ、ALL

1ヶ月前 No.263

ますたあ @ritonetto ★Android=yDqhBiviYT

【白月レイ:実技試験会場】

『あたしは妨害に専念したいから、レイにはあの子が今手にしている銃から
別の銃に持ち換える瞬間が見えたら教えてほしいんだ』


そういわれ、レイはヒルカの存在を目で捕らえた。
ここからならよく見える。見逃すことはない。それを確認し

「おまかせください!ヒルカさんもシスメさんの行動も見逃すことはありません!」

自信満々でいう。
なんという協力プレイ、これが仲間というもの。
なんてすばらしい。

》セキア ヒルカ シスメ

1ヶ月前 No.264

仔夢 @00000x ★iPhone=y44SZZaVfW

【 東海林曜 / 第一競技場内 / 入隊試験会場 / 実技試験会場 】


「…まぁそれでもやりようはある…切羽詰まったらそれを使う方が良いんだろうが、ここで切り札を切ってしまうのは少々惜しい…今はまだ温存しておくべきだろう」
「ふーん、なるほど。一人なら砂時計が終わるまで体力持ちそうだし、あの一般ピーポーちゃんいじめすぎても可哀想だから曜はそろそろうさちゃん狙おっかな」


ちらり、と曜のリボンの浮かんだ瞳が傾いた方向には、頬から彼女の身体を巡り巡った鮮血を滴らせ、眼鏡にはヒビが入り、服は切り裂けた、どこぞの撃ち合いにでも参加してきたような風貌のシスメが立っていた。そんな彼女の側に急降下して「そのくらいの傷で済んだなら有難いと思ったほうがいいかもね。それ、下手すると即死だから」と耳打ちしてまた先程の高度まで急浮上した。しかし全てが反転となると頭を使いながら動かなければならないのが厄介だ。本能重視のうさぎさんにとってはやはり痛いハンデだ。そんなハンデにうってつけなのがこの技だ。この荒技を使えば狙いを定める必要もなく、一粒一粒が小さいため体力の消耗も落ち着いている。なんといっても攻撃力の高さは曜のお墨付きで、下手な動脈でも引っ掻けば動くたびに凹凸が血管や皮膚を切り裂き、ものの数分で戦闘不能まで陥らせることもできるのだ。今回は、曜のはずれという結果となったがそもそも運任せだ、期待はしていない。しかしこの攻撃のコスパがいいことに変わりはないのだ。
そうしている間に、ターゲットをシスメからヒルカへと移す。そして、最初から彼女を狙っていた団体にも。


「どうかな?」
「うんうん、いいと思うよ!」


いつの間にやらお得意の飛行能力で彼ら彼女らの頭上に姿を現した曜は、少しばかり離れていても無駄に巨大な耳、否、視覚が狂っている曜の戦闘の要である巨大な耳で粗方の内容は聞き取れていたらしい。壁際に追い詰め、イワモトの飛ぶパンチで仕留める、いや、仕留めなくとも触れさえすれば捕縛だ。今の可愛らしいセキアが発するとは思えない作戦だ。良い案だとは思うが曜には一つ心当たりがあった。


「でも、ヒルカちゃんってウサギの獣人だよね。曜もだからわかるんだけど、ウサギの獣人って例外を除いて多少なりとも跳躍力が高いんだよ。二人の身長分跳べるのかは未知数だからわからないけど、少なからず対策が必要……というわけで! 曜ちゃんが協力してあげましょう! 曜は空中から狙っていけるから、ヒルカちゃんの跳躍力が高いと仮定して、いざ飛び越えようにも出来ないよね?」


三人の頭上をくるくると回りながら、指を立ててアイドルよろしくポーズをきめながらの提案をした。


>セキア・ルーブ様、ジョージ・イワモト様、白月レイ様、エルトライゼ様、シスメ様

1ヶ月前 No.265

エルト @absoryut ★XSc0by2j7f_qxX

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1ヶ月前 No.266

語り部(スレ主) @yuzuriha16 ★x2jCCfHaqQ_pxp

【セキア&ヒルカ&シスメ/第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

エルトが姿を消したことにシスメが気付いた様子はない。
近くに降り立った曜の声に身をすくませたシスメは、
一刻も早く彼女から離れたところに行こうと脱兎のごとく駆け出した。

「ぐぬ…わ、私だってやられたままじゃないんですから!
こ、これは戦略的撤退――そう! 戦略的撤退なんですからね! 本当ですよ!」

アスール国家隊に所属する一隊員としての意地からだろうが、
見事な小物然としたやられ役のセリフだった。
そんな捨て台詞を吐きながら遠のくシスメを見て、ヒルカは魂まで吐き出しそうな深いため息をつく。
そうしながらもヒルカは、セキアの声にその長い耳をそばだてていた。

(さて…そろそろ仕掛けてくる頃合か、ですよ)

落ち着いた色の服装なら普段活発な人もおとなしい性格に、暖色多めの奇抜な服装なら
普段は控えめな性格の人も自己主張が強くなるといったように、着用した服の色や形によって着た本人も
その服の影響を受けるというが、セキアのようにそれに当てはまらない人物もいる。
最初こそ戸惑っていたが、レイの能力により現状最速の移動手段と
広範囲の攻撃範囲を得たセキアは早くも裾の長いドレスに慣れ始めていた。
この速度と、射程範囲があれば今のセキアでも難なくヒルカに追いすがることができる。
無論、セキアがレイの操作を誤らなければ、だが。
先ほどのヒルカとの攻防で調子に乗ったセキアは、頭上でセンター歌手よろしくポーズを決める曜に微笑みを返す。

「よっし、これで空中の死角もなくなったというわけね!
うんうん、我ながら完璧な作戦! これはいい線いくんじゃないかな」

一度上昇を始めたテンションは留まることを知らない。
仮に上限を示すメーターなり枠なりがセキアの中に設定されていたとしても、
セキアにとって、それは突き破るだけのものでしかないのだ。
結婚前にウェディングドレスを着た者は婚期が遅れるというジンクスがあるが、
勇者的マッチョイズムをベースに今の作戦を立案したセキアには
ジンクスでは済まされない可能性が大いに出始めていた。

「それじゃ、オペレーション…スタート!」

かくして、花嫁(水鉄砲装備)、人造人間(コップなロボ挙動)、うさぎ(空中浮遊)という
カオスなパーティーは進軍を開始した。
打ち合わせどおりセキアとイワモトが左右をブロックし、曜が空中をカバーする。
そんな4人の連携を嘲笑うがごとく、うさぎ系亜人特権である跳躍力を活かして
凹凸のある床を難なく走破していくヒルカ。打ち合わせの段階で決めていたわけではないが、
自然とヒルカの左側に陣取ったセキアはレイの水流で牽制しつつ、ヒルカの誘導を試みる。

「はっ、それで追い詰めたつもりか、ですよ。
そこの曜といかいう女にもゆるふわ女の声が聞こえたように、私もうさぎの亜人なのを忘れてねぇか、ですよ?」

しかし、先ほどと違いこちらの作戦は彼女に筒抜けだったらしい。
当然と言えば当然であるが、作戦はもう始まっている。
今更別の作戦を立てている暇はないし、いくら内容が筒抜けでも、この作戦の正否までは分からない。
イチかバチか試してみる価値はある。順調に壁際まで歩を進めていたセキアが
横に逸れてこの陣形から抜け出そうとするヒルカにレイの銃口を向けたとき、唐突にヒルカが叫んだ。

「シスメ、転移準備!」

「うぇっ!? は、はい!!」

>曜、レイ、エルト、ALL

1ヶ月前 No.267

隊長機モルガン @type14 ★BUzhF4mm8n_yFt

【ジョージ・イワモト/第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

 「なるほど。それぞれが持つ『推進力』を惜しみなく使うというわけか……乗ったぜ!」

 ……と、言うわけで、実は筒抜けである作戦は始まってしまった。可能な限り全速力で目標地点へ辿り着くと、イワモトは腕を伸ばす。ターレットレンズは青。照準システムとリンクさせて、周囲の魔力変動をサーチする。ロップイヤーが優れた跳躍力を誇るだけなら意味がないが、彼女は魔力を持つ。そんなヒルカが自分の力を使わずして……いや、敵はもう一人いる。シスメという少女も、転移魔法が使える。つまり二人はテレポートでこちらを翻弄できる。しかし、テレポートは指定座標にポータルを作り、そこへ転送されるのが一般原理。つまりが亜空間にトンネルを作ってその先へ行くというものだ。
 「(恐らく仕掛けてくるな)」
 イワモトはじっと相手を待つ。乗ってきたときと、乗らない時のプランは、実は思いついているのだ。



 「シスメ、転移準備!」

 「うぇっ!? は、はい!!」

 「(そう来たか)」

 イワモトの目がシスメの高まる魔力と、ヒルカと包囲の外に魔力のポータル出来てくるのを確認する。
 「相手がロップイヤーなら、俺は機械の力を見せてやるさ」

 さあ、転移してみろ、予測地点にロケットパンチをお見舞いしてやる。それとも正面か?

 イワモトの伸ばした腕は、ヒルカをレンジに捉えようとしていた。

>>セキア、ヒルカ、曜

1ヶ月前 No.268

語り部(スレ主) @yuzuriha16 ★ZcDlyzCJbk_pxp

【セキア&ヒルカ&シスメ/第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

ヒルカの転移準備という言葉が気がかりだが、今更自分が果たすべき役割は変わらない。
なおも横に逸れてこの陣形から脱出しようと試みるヒルカを
水鉄砲と化したレイから放たれる水流を使って牽制しつつ、何とか壁際まで追い詰めることに成功した。

「追い詰めた!今――」

今だ、と言いかけて、セキアは突如鼓膜を揺さぶる轟音に言葉を失った。
ヒルカがある床を指で指し示したかと思えば、
試験会場全体に響くような衝撃音と共に白い壁が現れ、セキアの進路を阻んだのである。
その壁に見慣れた正方形の模様が並んでいるのを見て、すぐに理解が追いつく。
セキアは尻餅をついたまま、驚きに呆然と目を見開いた。

「床を丸ごと!?
転移できるのって人だけなんじゃないの!? だったら、回り込んで――」

絶句とはこのこと。あろうことかヒルカは試験場の床の一部を
丸ごとシスメに転移させ、バリケードとして利用したのだ。
上空に位置する曜の追撃を警戒したのか、先ほどまで床だったもの改め石壁は
セキア達がヒルカを追い詰める算段をしていた壁に立てかけるようにして出現していた。
回り込んで壁の内側を確認したが、既にそこにヒルカの姿はない。
消えた彼女を探して視線を巡らせていると、不意に背後から声が聞こえた。

「どこ見てやがるですよ」

腰に手を当てた仁王立ちのヒルカと目が合う。
その視線は今までこちらに向けられてきた呆れとは違う。今は明らかに失望の色を濃く表していた。

「ぐぬっ…ひょっとしたら奇跡が起こるかもしれないと思ったのにっ」

「はっ」

セキアの言葉のどこに失笑を買う要素があったのだろうか、
ヒルカはわざとらしく鼻で笑うも、すぐその顔に影を落とした。

「おまえがどんな理由で国家隊の門扉を叩いたのかは知らねぇし、
それをどうこう言えるほど高尚な位にいるわけじゃねぇが…」

先ほどの失望とも呆れとも違う。その視線には哀れみさえ含んでいるように見えた。

「底が知れるですよ」

「鶴羽の試験をクリアしたのは、紛れもなくてめぇらの実力だろーが、ですよ。
ここまで来てなに不確定なものに縋ってやがるですよ。
起こらねぇですよ、奇跡なんて。起こすのは行動だけ、得るのは結果だけですよ」

ここで明確なヒントを与えても良かったのだが、あえてヒルカは口にしない。
ただ、確実に言えることは、セキア達はヒルカを追うべきではなかった。
こちらを追う方に人数を多く裂いた時点で彼女らは“詰んでいた”のだ。
先ほどのヒルカの落胆は、それにいまだ気付かないセキア達に業を煮やしていた反動だったのもかもしれない。
そう一息に捲くし立てた後、ヒルカは息を長く吐き出すと、すぐさまその場から遠ざかっていった。

「…………」

よほどヒルカの弁が堪えたのか、黙ったまま立ち尽くすセキア。
悔しさからか、ヒルカが去っていった後も、ずっと口をつぐんだままだったが、
なんの前置きもなく、いきなり勢いをつけて顔を上げた彼女は――

「ふふ、燃えてきた。まだまだ勝負はこれからってね。
だって、前半劣勢になればなるほど後半大逆転劇が用意されてるのがセオリーでしょ?」

いつもどおり――いや、いつもよりかなり重症なファンタジー思考を露呈させながら
ヒルカの去っていたほうに指を突きつけ、声高にそう宣言した。
ただ、そう啖呵を切ったのはいいものの、ノープランであることは確実なわけで

「ねぇ、どうしよう。どうやったら捕まえられるかな?」

結局、皆に助けを求めたのだった。

>イワモト、ALL

1ヶ月前 No.269

隊長機モルガン @type14 ★Android=KeKvbmnKtk

【ジョージ・イワモト/第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

まさか転移したのは床だったとは。
ロケットパンチはヒルカの前にそびえる壁にめり込んで、未練もなく戻ってくる。それをはめ直し、推進材を補充すると、仁王立ちしたヒルカに微笑み、彼女を見送る。
さて、我らが勇者セキアは凄まじいポジティブシンキングでノープラン。そっと彼女の頭を撫でれば、シスメとヒルカの相対距離をそっと計算する。
「もう一度だ。もう一度同じ手を使えばいい。同じ手を使うとは普通思わないだろうし、向こうはアドバンテージを握ってる。そいつを逆手にとるんだ。具体的にはだ……スピードで勝負してやりゃいい」
と、言いつつ、端末の液晶をセキア達に見せる。

「ロップイヤーは素早いが、転移魔法は詠唱に時間がいる。そのラグを利用して推進力を上げれば計算上追い付ける」

液晶画面【言葉は聞かれるからここに作戦をうつす。ようは全力でヒルカに向かい、シスメに同じように転移を使わせる。そこに俺の右腕を巻き込ませ、転移先に届ける】

「頭のいい奴は一辺倒をバカにする。ならば俺達はさらに速いことをみせてやろう。なあに、奴のスピードは計算済みだ。俊足に俊足で挑むのは愚かしいことじゃない。俺達ならできる」

液晶画面【確率は低いが、目には目を歯には歯を、あえて最後まで向こうのスタンスに相乗りする。勝ち目はみえないのかもしれないが】

「奇蹟は祈るもんじゃない。信じるからこそ起こすんだ。乗るのなら、手を重ねよう」

生身の左手を前に出す。

>>ALL

1ヶ月前 No.270

仔夢 @00000x ★iPhone=y44SZZaVfW

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1ヶ月前 No.271

エルト @absoryut ★XSc0by2j7f_qxX

【第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

(壁を転移!!そういうのもあるのか!!)
物陰からステルス状態に移行し、完全に『浮いた』戦力となった状態で機会を探っていた所で、包囲されていたヒルカより指示を受けて『壁』を転移させたシスメの機転に舌を巻く。
(…一般人と侮っていたわけではないが…いや、そう思う事こそが甘えか)
その仕草と言葉からは想像し難かったが…不意の一言に対して咄嗟の機転で答えてみせると言うのはなかなかできる事ではない…それをこなしたと言う事は相応の修羅場はくぐっているのだろう。
…実際の所買被りが過ぎるのかもしれないが…基本的に高く見積もるのは彼の性分故に致し方ない…見積もられた側のシスメにとっては残念な話なのかもしれないが。
(…出し惜しみは無しだ…全力で仕留める!!)
中途半端に追い回した所で先のような連携を取られ、いたずらに時間を浪費する事になる…そう判断し、様子見気味であった思考を戦闘に挑む時のように研ぎ澄ませる。

そうしている内に難所を凌いだヒルカがセキア達に叱咤ともとれる言葉を投げかけており…未だ逃走を続けているシスメに割いていた意識が幾分か緩まったように見受けられる。
…同時に必死に追跡を回避し続けるシスメが都合よくこちらの射程圏へと近づいているのも確認ができ…いよいよ待ちに待った好機が訪れた事を察する。
(…奇襲が生かせるのは精々3回…いや、2回か…ただでさえ少ないチャンスだ…一気に仕留める…今だ!!)
覚悟を決めたところで、射程圏へと駆け込んできたシスメが十分に踏み込んだのを確認し、漆黒の矢となって飛び出す。
(いただくっ!!)
到達までは数瞬であり、少なくとも初動に気づかれた様子は無い…まさに必殺と言えるタイミングだが…効果の程は果たして…?

>シスメ ALL

1ヶ月前 No.272

語り部(スレ主) @yuzuriha16 ★4pcrDTLu5X_pxp

【セキア&ヒルカ&シスメ/第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

エルトの接近をシスメが知る術はない。
加えて、シスメは鶴羽のように気配や闘志を感じ取れるわけでもなく、
嗅覚が発達しているわけでも、並外れた視力をもっているわけでも、
空気の流れが読めるほど感覚が研ぎ澄まされているわけでもない。
こうして必然的に、当然の帰結のごとく、二人の距離は縮まっていく。
やおらシスメの肩口まで伸びかけたエルトの手はしかし――

「えっ、わっ!?」

ほぼ倒れこむ形でシスメがしりもちを付くことによって、虚しく空を切った。
確証などない。ただ、嫌な予感がしたから避けた。それだけだ。
シスメは単に自分の直感を信じたのである。その刹那にシスメは見た。
少しでも視線をずらせば分からないほど小さな“ゆらぎ”が空気の中にあるのを。
更なる追撃を恐れてか、素早く後ずさったシスメは半歩後ろに踏み込むと同時に叫ぶ。

「ダンタリオン!」

判断は一瞬だった。突如、エルトの周りを4本の石柱が取り囲む。
石柱はまるで盤上騎のごとくエルトを前後から2本、左右から2本
エルトを中心に挟みこむような形で彼を閉じ込める即席の檻を形成していた。
シスメの周りの石柱が切り倒された木の切り株のように足元だけ残して消えているところを見るに、
恐らく転移魔術で柱をエルトの周りに転移したのだろう。それも4本同時に。

「…っ……はぁ、はぁ……ぅ…」

喉に込み上げる空気以外の何かに思わず口に手を当てる。
魔術の連続行使に体中が悲鳴を上げていた。ただ、志願者からは視線を外すことだけはしない。
口の中に広がる今朝飲んだコーヒーの味とともに苦い思い出が蘇る。
いつだって才能は自分を裏切ってきた。だが、身に着けた技術だけは自分を裏切ることはなかった。
自分は亜人種と比べれば体力も感覚も身体能力も遥かに劣っている自覚はある。
多少色をつけて見積もったとしても、同じ人類種の中でも自分の身体能力は、
せいぜい中の上くらいだろう。異能もなく、魔力保有値も平凡。
加えて使用できる魔術は転移魔術だけ。無謀だなんて自分がよく分かっている。
無能だなんて人から言われる前に既に自分で評価を下している。
生まれたときから既に差はついている。自分は持たざる者だ。
だからこそ言ってやるのだ「貴方達(人外種)は人間をナメすぎだ」と。
凡才でも天才の喉元に喰らいつく牙を持っていることを今から証明してやるのだ。
最初こそ混乱の連続だったが、すっかり頭がクールダウンしたシスメは
柱の向こう側にいるエルトに背筋を正して宣言する。

「はぁ…はぁ……貴方の情報は閲覧しました。手の内はだいだい読めてます。
私もヒルカ管理官に任された以上、
この職務を全うする責任があります。そう簡単には捕まりませんよ!」

転移魔術しか適性がない。それは言い換えれば、
他の魔術に早く見切りをつけられるということでもある。
だからこそ、愚直に、素直に、シスメはそれだけを鍛え続けた。
故に、成しえることが出来たのが、今見せた複数の対象の同時転移だった。
しかし、これは奥の手で、切り札を切るには今はまだ尚早といっていい。
シスメの見上げる視線の先には、溜まった砂を残り3分の2に減らした砂時計が見えていた。

>エルト、ALL


ヒルカは曜達志願者から一定の距離を保ちつつ、彼女を中心に右回りに旋回する。
こちらの挑発ともとれる言葉に反応してか、曜がヒルカに言葉を返してくる。
だが、先ほどのアイドルポーズのときの無邪気な色の瞳から一転して、
あらかじめ録音したテープを再生するかのように、ぽつぽつと言葉を口にする
彼女の瞳は、その輝きがたちまち黒く濁ったように見えた。

(なんて目してやがるですよ、あの女。
鶴羽が試験直前に気をつけるよう耳打ちしてきやがったが…そういことか、ですよ)

相手に発破をかける意味での言葉だったのだが、これはひょっとすると、
こちらの想像以上の地雷を踏み抜いてしまったかもしれない、と思うも顔には出さない。

「はっ その様子じゃ闘志は衰えてねぇみたいで安心した、ですよ。
威勢がいいのは嫌いじゃねぇが、物語のように現実は甘くねぇですよ。
どちらにせよ、中身が伴ってるかどうかはこの試験で分かるですよ」

またしても分かりやすい挑発を繰り返したヒルカは
その言葉を最後に柱の間を縫うように走り去っていった。
ヒルカの姿が点のように小さくなっていくのを見送ったセキアは
再び二人に向き直り、

「ん。じゃあ、これで」

そう言うとセキアは2本指を立てる。二人の案を同時に試してみよう、
という意味のジェスチャーなのだが、分かってもらえただろうか。
先ほどこちらの作戦が相手側に筒抜けだったのを反省しての行動なのだろう。
同意するならと差し出されたイワモトの手の上に、セキアは運動部の試合前よろしく手を重ねる。

「乗った! レイと曜とイワモトのおにーさんを信じるよ」

にっと笑った奥歯に力がこもる。
これまではいつもの悪い癖で一人突っ走ってしまうことが多かったが、今は違う。
旅の孤独はセキアを強くしたが、同時に大事なことを忘れさせていた。
一人でいい案が浮かばないなら仲間の知恵を借りればいいのだ。
幸いにもまだ時間はある。
もし、この作戦が失敗に終わったとしても試せる手を全て試せばいい。
最適解がないのなら、当たりが出るまでしらみつぶしにいくだけだ。

「見せてあげようじゃない。
勇者は追い詰められるほどに強くなるものだってことを!!」

重ね合わせた手を空に上げパン!と打ち鳴らしたのを合図に、
セキアはドレスの裾が激しく踊るのも構わず駆け出した。

>イワモト、曜、ALL

1ヶ月前 No.273

エルト @absoryut ★XSc0by2j7f_qxX

【第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

(…入った!!)
シスメの方は全く気が付いた様子も無く、刻一刻と詰められる距離…ここまでくれば転移をする間もなく、肩口を捕らえんと、突き出したその手はもう間もなくその役割を果たす事だろう…そう確信していた。
(っ!?消え…下!?)
そう、突如倒れ込むような形で身を投げ出したシスメがその直勘…本能とも言ってもいいだろう…にしたがって強引な回避をした結果、逆に虚を突かれる形となって一瞬とは言え完全に見失ってしまったのだ。
(まだ…っ!!)
そしてその一瞬は致命的なまでに相手に猶予を与えてしまい…悪あがきに再度その手を伸ばしたものの、一歩及ばず…『何か』がいると確信したシスメは淀みなく次なる動作を終えており…『ダンタリオン』を起動し、こちらの四方をふさぐように柱を転移させてこちらを隔離したのであった。

「…通らん…か」
万全の奇襲が失敗に終わり、ため息とともにそんな言葉を漏らす…それで何かが変わるという訳ではないが…相応に自信があって仕掛けた結果が不発となったのだ…ため息や悪態の1つでも漏れようという物だ。
そうやって一時の膠着の中で、平静を取り戻さんとしていると…柱で隔離された向かいからシスメの宣言が聞こえてきた。
「情報…?ああ、志願書のことか…」
情報を閲覧し、手の内が読めたと言うシスメの言葉に軽く疑問を感じ首を傾げるが…すぐさま思い当たり、そう結論付ける。
(…詐称とも取れるような部分はぼやかして書いたが…確かにそれ以外は馬鹿正直に書いたんだったな)
…出自やら実年齢、体質と言った部分は眉唾物と判断されてもおかしくは無いため、違和感が出ないように調整して書いたが…それは重要な事ではないのでさっさと思考から追い出す。
(…となると…なるほど、確かにある程度は予想はつけられるか…厄介だな)
…こちらの手の内は割れているのに対し、相手の手の内は未だ未知数…少なくとも2、3枚のストックはあってしかるべきと言え…それ以上に問題なのは『本物』の経験値が違うと言う事だ。
先の一合が示した通り、こちらが確信をもって仕掛けた一連の攻防は、あちらの磨いてきたであろう十数年の経験は決して裏切る事無くそれを凌がせた。
単純な能力と、直前の状況では此方が圧倒的に優位だったのにもかかわらずだ…ならば認めるべきだろう。
「そうだな…最初から余計な気を使う必要なんてなかった…」
全力で、とは言わないが本気で取り組んでいたのは紛れもない事実だ…その上でここまでの攻め手悉く凌いできたのだから相手は強者と言って差し支えないだろう。
そう自覚してしまえば後は早いもので…抜けていた歯車がピッタリと填まるかのように意識が切り替わり…一拍置いて眼前の障害となっている柱に掌を当て、魔力を開放して吹き飛ばす。
「ここからは全力で挑ませてもらう…今更な話だが…行くぞ」
そうやって無理矢理包囲を突き破り、瓦礫となった柱を踏み越え、再び標的を捕らえんと飛び出す。

>シスメ ALL

1ヶ月前 No.274

隊長機モルガン @type14 ★Android=KeKvbmnKtk

【ジョージ・イワモト/第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

曜がプランBの準備を進めていた。イワモトの作戦は思いつきとしてはよさそうなものの、実際は学習と警戒には弱い。僅かな閃きだけでも感づかれてしまいせうぬなる。しかし、プランが増えればもはやそれはシャッフルしたカード。引いた札次第で互いの決着は浸くだろう。

「よし、俺も曜のプランに賛成だ。二段構えでいこうぜ」

二人とかたく手を結べば、イワモトは突然服を脱ぐ。文字通り裸にはなるが、モーフィングを解除したため、さの姿は首から上と左腕以外が黒いウェットスーツを着用したように、体のラインだけが浮き出たものとなっている。しかしそれも、乳房がないだけの、女性的なもの。
イワモトのボディがガイノイド用のものなのがよくわかる。瞬間である。

「さあて、ここいらでしまいにしてやろう!」
右腕を伸ばし、センサーがヒルカの姿を捉えていた。

>>ALL

1ヶ月前 No.275

語り部(スレ主) @yuzuriha16 ★ap2jHRfhEP_pxp

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27日前 No.276

ますたあ @ritonetto ★Android=yDqhBiviYT

【白月レイ:実技試験会場】

ヒルカさんのスピードにほんろうされ続け、制限時間も残りわずかとなった。だが、今の私にはヒルカさんの姿もシスメさんの姿も、目ではなく感覚でつかんでいる。

今こそ、あの力を使うべき、でもあれは
いいえ、ここでみんなを助けられずに、どうやって

「………セキアさん、少しだけ、少しだけでいいんです。私に身を委ねて、私にセキアさんの身体をお貸しください。………私を信じて……」

と、セキアの心に話しかける。
この声は周りには聞こえない。言わば、セキアとレイだけの心の会話。

これは、私達魔武器のなかでも長の一族にのみ伝わる融合技。でも同時に意味嫌われる技。
でも私はここの人たちを信じる。この人たちなら

》セキア シスメ ヒルカ all

27日前 No.277

エルト @absoryut ★XSc0by2j7f_qxX

【第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

(対した役者ぶりだが…今更そんな演技にかかるか!!)
こちらが飛び出した事により、口上の中断を余儀なくされて悲鳴じみた声を上げるシスメであったが…幸か不幸かそれを演技だと判断したようで…顔色一つ変える事無く追跡の手を強める。
そんなわけでシスメの名誉は守られたのだが…第三者から見ればこの男、少々天然の気がある…という評価をされそうなものである。

それはさておき、またもや仕切り直しとなった追跡劇ではあるが距離が詰まる所まではやはりこれまで通りであり…結果へとつながる読みあいやアクションが起こるのはここからだ。
(やはりそれで来るか…何とかの一つ覚え…なんて甘く見るつもりはない)
再びダンタリオンを開き、転送魔術を行使しようとしているのを確認したまではこれまで通り…が、なんとシスメは足を止め、八つ当たりでもするかのように近場の柱を蹴り飛ばした。
当然、その程度で柱がびくともする筈は無く…貴重な距離を浪費しただけ…と、言う事にはならず、蹴られた柱が次々と傾ぎ、倒れ始める。
(部分的な転送か!?…『繊細に力技』をやってくれるなまったく…)
彼女の身体能力だけでは到底成し得ないであろう結果に瞬時にそう、当たりをつける…その間にも傾いだ柱は次々と地面へと向かい…やがては進路が限定された悪路だけがそこへと広がっていった。

(あからさまな時間稼ぎ…と、思って突っ込むのは愚策だな)
砂塵が舞い、視界の不明瞭な現状ならば何かしらの仕掛けをするのにうってつけであろう…ここまでのやり取りから彼女はそういった仕掛けを用いるのが得意だというのはわかっている。
(と、なると…予想されるのは設置式の転送陣か?)
速度差がある相手に有用な手段と言えば…やはり待ち伏せだろう…速度が如何にあろうと、迎撃に集中すればそれを止める事は難しい事ではない…来るべき場所が分かっているなら尚更だ…それでも限度と言う物はあるが、今回にそれは当てはまらないだろう。
(それならばこちらの手札は…これだ!!)
悪路へと迫る最中、クロークのステルスを解除…同時にここまで使用を控えてきた法撃を解禁…巻き込みを恐れて自重していたと言うのもあるが…度重なる転送により、他の追跡者とは少々距離が離れており…シスメに関しても直接狙っている訳ではない為、転送でどうにか凌ぐであろう、と言う妙な信頼…というか目測があったため強硬手段へと踏み切った。
これまで身体へと抑えられ、循環していた魔力を解放し、数十発の魔法弾として周囲に形成し…仕掛けられるであろう小細工諸共全て打ち破らんとその弾体を静かに待機させ…
「…まとめて吹き飛べ!!…『アーティバレット・マルチブラスト』」
宣告と同時、魔法弾が乱れ飛び…着弾する毎に込められた魔力が弾け、柱であったものは悉く壁片と成り果て砂塵を一層巻き上げる。

>シスメ ALL

22日前 No.278

語り部(スレ主) @yuzuriha16 ★LdTEoImf2l_XWi

【セキア&ヒルカ&シスメ/第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

自分の動体視力ではやはりどう角度を変えたところでヒルカの早さには対応できない。
それでも諦めずにレイの銃口を彷徨わせていたセキアだったが、
思いもかけない呼びかけに、はたと手を止めた。

「………」

意外なことに驚きはない。
水に溶ける氷のようにすっと脳内へ直接彼女の想いと声が染み込んでいく様な感覚。
まるでここだけ時間が切り取られてしまったかのような静寂の中で、
レイの声だけがはっきりと聞こえていた。
気のせい、だろうか。
今、自分の手の中にある彼女は紛れもなく無機物の感触なのに、
魔力を他者に分け与える感覚を掴んでから、より一層レイを近くに感じるようになった。
いつもの思い込み、とは違う。
そして、直感的に理解する。彼女が何を成したいか。自分がどうすればいいか。

「あたしに同調することで、嫌な記憶とか見えちゃったら、ごめん。
それでもいいなら、あたしと、相乗りしてくれるかな?」

少年漫画的なノリで前方に拳を突き出す。レイは今、水鉄砲の姿でセキアの手の中にある。
当然、レイとセキアが拳を合わせることなど出来ない。だからこれは完璧な自己満足だ。

「レイ! おもいっきりやっちゃって!」

だが、これでこちらの覚悟は整った。足は止めず、後は黙してただ彼女の返答を待つ。

>レイ、ALL


エルトは悪路を走破することを早々に諦め、遠距離攻撃にシフトしてくる。
狙いはこちらが倒した石柱、もとい障害物と化した即席のバリケード群。
しかし、相手方が予期していたかどうかは知らないが、
石柱を貫いた魔力弾は、流れ弾となってシスメを襲った。

「ひぃい!? あ、これ間違いなく終わ―――」

石柱、次いで足元に魔力弾が着弾したところまでは、覚えている。
ドカーン!とそれはもうヒーロー番組の爆発演出も顔負けな煙の量だったと後にシスメは語る。
ああ、こんなことになるなら昨日はケチって豚肉を使わず、牛肉を入れてカレーを作れば
よかったな、などと、うっすらと昨晩の出来事を頭の中の映像で
振り返りかけた彼女だったが、小さな瓦礫が頭を直撃することで、ふいに現実へと引き戻された。

「危うくちょっとした走馬灯とか見えちゃいましたよ!!
魂的なものとかとる気ですか! とる気ですね!?
いくら遠慮は要らないといってももう少し加減と言うものを………!」

文句を言いつつ、駆け出そうとしたその矢先、クンッと服が引っ張られる。
予期せぬ力が加わったことにより、シスメは無様に顔から地面へ落ちていった。

「くむっ!?」

これが漫画だったら、ベシャ!というオノメトペでも付きそうな
見事な顔面ダイブを決めたシスメは、
ズレ落ちた眼鏡を直そうともせず、ボヤけた視界である一点を見つめる。
視線の先には、その速度のせいか白い線にしか見えないヒルカと、
水鉄砲を構えるセキアの姿。転移はもう使えない。
いや、使えはするが、この柱を転移させて自分がこの場を逃れるほどの
転移魔術を行使するだけの魔力はない。ならばすることは一つだけだ。

「ヒルカ管理官!」

ダンタリオンを開き、ヒルカの方へ手を向ける。
光を放ち始めた彼女の魔導具は、今にも転移魔術を行使しようとしていた。

>エルト

22日前 No.279

エルト @absoryut ★XSc0by2j7f_qxX

【第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

(凌いでおいてよく言う…やはり食えない相手だな)
シスメの抗議もどこ吹く風…逆の意味で実力を読み違えている彼にとっては『あわよくば』と言った形での油断を誘う演技との解釈にしかならず…まったくもって噛み合わない2人である。

しかして状況はそんな事など意にも介さず…走馬燈から覚めたシスメは退避する途中、何かの力に引かれてヘッドスライディング…などと言えばカッコいいのだが…結果的に地面に顔面ダイブを決める事となり、地に伏することになっていた。
(…今のはワザと…ではない…よな?…いずれにしても時間が無いか)
その様子を『観て』いる最中にも、いつの間にか砂の流れる勢いが猛烈に早まっており…残りが1/3にも満たない状態になった砂時計を目撃していた。
(まったく大したペテンじゃないか…見えるもの、聞かされたもの…そういったのを鵜のみにするともれなく手痛いしっぺ返しをねじ込まれる…)
内心でため息をつきながらも、動作を全く滞らせる事無く、『アルカナイザー』を取り出し…クロークの端を少しだけ切り取り、その柄へと投入し、シスメへと向ける。
(だがまぁ…そういった教訓を持たせる事こそがこの試験の目的なのかもしれないな…と言うのは…いや、終わらせてから考えるべきだな、これは)
そして魔力を込めれば…瞬時に硬さを感じさせない奇妙な刀身が転送魔術を発動させんとするシスメへと伸びて行き…通り過ぎんとした所で巻きつくように軌道を変えてその身を捕らえんとする。

>シスメ ALL

22日前 No.280

ますたあ @ritonetto ★Android=yDqhBiviYT

【白月レイ:実技試験会場】

……信じてくれてありがとう。

拳を前にやったセキアさんに対して、レイは心の中で
いや、魂でセキアさんと拳を交わした。それは幻かもしれない。気の迷いかもしれないけれど、でも、そうしたいほどに、胸が高まっている!

そして集中し、レイの魔力をセキアさんの全神経に送り込み、セキアさんの体、魂と同調する。

「同調率、50%…60%…80%…95%……同調完了。ノイズなし、異常なし、視力展開…」

急にセキアさんの口を借り、レイの声でボソボソと呟き、目を見開く。その目は緑色に輝いていた。

『ここから選手交代です!』

セキアさんの身体をかり、水鉄砲をヒルカさんに向けて発射、その狙いは正確で、ヒルカさんの心臓めがけて飛んでいく。もちろん水なので死にはしない。が、当たればあばら骨2、3本は逝くだろう。

その間、セキアの精神も起きていて、レイと同じものを見ている。かもしれない

>セキアさん シスメさん ヒルカさん イワモトさん エルトさん 曜さん

22日前 No.281

隊長機モルガン @type14 ★BUzhF4mm8n_yFt

【ジョージ・イワモト/第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

 プラン通りに事が進んだとして、それが望んだ過程と結果をもたらすとは限らない。ヒルカとてここでむざむざやられるわけではないのだろう。とうとう切り札を使ってきたあたり、本気を感じる。いや、彼女の場合は意地なのだろう。あからさまに少女である彼女が今の地位にいるとして、最初からその恩恵を受けていたわけではない。恐らく最初は年齢から安く見られていたのではないのだろうか。それを不断の意志と終わることなき努力で地位に見合った人脈や扱いを獲得していたにちがいない。
 そう考えると、彼女もまた。「負けられない」のであろう。多数の国家隊隊員に自らを認めさせた意地が、たった数人のイレギュラーに負けるなんてそのプライドが許さないのだろう。

 しかし、イワモトもまた負けることを良しとしない男だ。みんなその人生に目的を持って行動している。そこに理不尽や悲しさもついてまわるのは当然のことだ。鶴羽の時による不意打ちもそうだが、ヒルカの時間操作に少しばかり憤慨したらしい。自分のルールを敷いて、不利になれば変えてしまうようなやり方は……メモリーのせいかしらないが、覆したくなる程に腹が立つものだ。

 だからこそ、この記録を電子頭脳にかけて正解だった。
 ヒルカの軌道はある程度計算できた。超高速の視界で捉えるものは少なく、故に判断が頼りになる。それはつまり、自分から安全な位置の計算が出来ているということ。純粋にスピードを追いかければヒルカは捕まらない。ならば座標を計算すればいい。彼女の魔力ブーストはエーテルに漂いながら、空気中の濃度を増している。つまり、その特異点でに飛び込めばいい。後は、自分の瞬発力にかけるだけ。
 レイとセキアは最初の槍を放った。エルトはシスメと対峙している。曜もタイミング次第で仕掛けるのなら、自分はここで切り札を使う。
 胴体の表面が捲れてショックリムーバーと防御シャッターが全部パージされた。動力炉からエネルギーを放出し、自ら纏う。これでスピードとしては食らいつける。もっとも、質量は増えているのでその分稼働時間は短い。終われば損傷はどれほどになるかはわからないが、自分は機械の身体。偽物の身体なぞ、ぶっ壊れてもかまわない。

 「さあて、時間一杯まで相乗りだ!!」

 転移魔法に出るシスメには右腕を、そしてヒルカには予定通りボディで挑む。レイの水流が迫るなか、イワモトもまた無理矢理な加速で彼女に迫る。

>>ALL

21日前 No.282

語り部(スレ主) @yuzuriha16 ★hpxTkoYFcd_XWi

【セキア&ヒルカ&シスメ/第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

エルトの接近は止まらない。いや、今のシスメに止める術はない。
今も自分をこの場に縫いとめているソレにシスメは忌々しげな視線を向ける。
先ほどのエルトの攻撃によって長い上着の裾が瓦礫の下敷きになっていた。

「(どうやってもちぎれない…)」

どこかで絡まってしまったのか、なぜか上着の袖から右腕を引き抜くことができない。
服を脱ぎ捨てて逃げることは叶わない。
ならばと無理やり服を引きちぎろうとするのだが、どうやっても片手では無理だ。
八方塞の中、シスメは全神経を集中させてダンタリオンに残りの魔力を全て注ぎ込んだ。
霞む視界の中、大勢の志願者を相手に善戦するヒルカの姿が見える。
エルトのアルカナイザーが体に巻きついたその瞬間、ダンタリオンの転移魔術が起動した。
今まさに志願者の集中攻撃を受ける寸前のヒルカの姿が掻き消える。

「後は任せます、ヒルカ管理官」

拘束された今となっては、悪あがきをしようにも出来ない。
この声は恐らく耳のいいヒルカにも届かないだろう。
そう言ってシスメはダンタリオンを持った手を力なく床へと下ろした。
足音が近づき、エルトの手が迫る。そして―――

「参りました。私の負けです。まずは一人目の捕縛おめでとうございます」

悔しさから、だろうか。
声だけは平常を保ったまま、涙をこらえたシスメはエルトに賞賛の言葉を送ったのだった。

>エルト


頭だけぬるま湯に浸かっているような酩酊感が消え、突然、視界がクリアになる。
目を覚ました先には、セキアの知らない別世界が広がっていた。
感覚が鋭敏になる感じとは近いようで遠い。
今の状態を言葉にするなら、まるで感覚が広がったような、という表現が正しいだろう。
口が、腕が、足が、こちらの意思とは関係なく動き始める。
この感覚をうまく説明できる言葉をセキアは持ち合わせていなかったが、
強いて言うなら、まるで頭部に装着するタイプのカメラの映像を見ているような、
第三者視点に視界が切り替わったと言えばいいのだろうか。

『同調率、50%…60%…80%…95%……同調完了。
ノイズなし、異常なし、視力展開…』

自分の口を介して出るのはレイの声だ。
鼻の下に生暖かいものが流れる感触がした次に、口の中に鉄の味が広がる。
そこでようやく自分が鼻血を流していることに気付く。
ああ、自分のほうがまだレイに合わせきれていないのか、と
僅かに四肢にこもった力を抜き、完全にレイに自らの体をゆだねた。
いわば今の状態は一つの体に魂が二つ入っているような状態なのだろう。
二つの意思に体がついていかず、脳が限界を訴えてくるのは当然だ。
ようやくぴたりと鼻血が止まる。なるほど、こうすればいいのか。だんだんコツが掴めて来た。
この状態に早くも適応するセキアだったが、それよりも早くレイは動いていた。
先ほどまでとは比べ物にならないほどの水流がヒルカに放たれる。その刹那、ヒルカはシスメの声を聞いた。

『ヒルカ管理官!』

腹の底に響くような衝撃と共に視界が暗転し、景色が加速する。
数秒と立たずして先ほどいたところより2メートルほど後ろに転移させられたヒルカは
先ほどまで自分がいたところを巨大な水の柱が通過していくところを見た。
シスメの機転で一発目は回避することができた。
だが、その転移先へヒルカが出現するタイミングを見計らったようにレイの第二撃が飛んでくる。

「(転移魔術の使用ばかりか転移先まで計算に入れてやがったか、ですよ!?)」

魔術の行使は間に合わない。ヒルカのもつ魔導具ビフレストは魔術行使の際、
どうしても行使する対象に狙いをつけ、構えてからトリガーを引くという3つの動作が必要となる。
その工程を省略できる手立てがなければ、レイの攻撃はヒルカに直撃していただろう。
しかし、

「甘ぇ、ですよ!!」

今手にしているビフレスト以外の――すなわち空中に浮遊する
残り三丁の長銃(ビフレスト)が組み重なり放たれた水流を受け止める。
ただ、ヒルカのいる場所が踏ん張る足場のない空中であったころが、このせめぎ合いの勝敗を分けた。

「ぐ、ぐく…っ―――――!?」

一見、防御は間に合ったかに見えたが、水流に押し出されたヒルカは
背中越しに石柱へと衝突し、そのままずるずると柱を伝って床へと落ちる。
悲鳴すら上げられないほどの衝撃に言葉を失う。
水流の勢いによって吹き飛ばされ、コントロールを失った3丁のビフレストが
落ちた彼女の後を追うかのように次々と床へ突き刺さった。

「ふ…ふふ……やりやがる…ですよ…!」

虚勢でも、空元気でもない。
ここにきてようやく志願者の本気を見られたヒルカの顔に満足げな笑みが広がる。
ただ、そう簡単に国家隊の敷居をまたがせる気はないらしい。
一丁だけ手元に残ったビフレストを杖代わりにゆっくりと立ち上がる。

(背中の痛みがひどいが確認している暇はねぇですよ。
………右肩が外れたか、ですよ。左足首もくじいてやがる…こうなれば……)

緑色の飾り布がついた長銃を左手に構え、
加速するイワモトに長銃の先についた銃剣を突きつけ最後のあがきに出るヒルカ。
その間にも砂時計の砂は減り続けていく。

>イワモト、レイ、ALL

21日前 No.283

エルト @absoryut ★XSc0by2j7f_qxX

【第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

「確保…出来たのか…っ!?」
転移を発動させようとしたシスメに先んじて拘束する事に成功したものの、術の発動を止める事は出来ず…今まさに攻撃を仕掛けられていたヒルカは転移魔術によりその身をかわすことに成功した。
(このっ…これ以上はやらせん!!)
捕らえた感触は確かに有り、その上で大して抵抗するような気配もなかったため訝しんだのだが…そのわずかな時間が彼女の最後の足掻きを許す事となった。
…最も彼の予想では再度、自身を転送するのだと思っており、その直後を捕らえるつもりであったのでまたしても意表を突かれた形になるのだが。

ともあれこれ以上好き勝手に動かれては彼方の方の負担が増える一方だ…一刻も早く無力化せんと砂塵の向こうの人影へとその手を伸ばし…
「…捕らえた?」
…その手は拍子抜けするほど容易くシスメに触れる事となり、困惑気味にそんな声が漏れる。
そんな此方の事など構う事なく平静を保ったシスメの賞賛の声が届き…ようやく捕獲が完了したのだと言う事を認識する事となった。

「参った…ね…こっちとしてはまるで勝てた気はしないんだがな」
シスメの服を下敷きにしている瓦礫を手早くどかしながらそう返す…実際こちらが追跡している最中にも要所要所でヒルカへの援護を許しており…これが実際の強盗等への追跡劇であれば十二分に仕事をさせてしまったと言えるだろう。
そう考えるとこちらは完全に翻弄されたという事になり…戦略的にはシスメの方に軍配が上がるのではないだろうか?
「…ほら、もう動けるな?…捕虜なら余計な事しようなんて考えずにさっさと避難しておけ…こっちもまだ終わったわけじゃないしそこまで面倒は見られない」
考えてるうちに粗方の瓦礫は撤去出来たためそういいつつ倒れているシスメに手を差し出す。
…こんな惨状に追いやった当人が言うような言葉じゃないのだが…先程ちらりと目撃したヒルカ達のやり取りは激化しているようで…多少の距離があるとはいえここも流れ弾が来かねない危険地帯と言えよう。

>シスメ ALL

21日前 No.284

隊長機モルガン @type14 ★BUzhF4mm8n_yFt

【ジョージ・イワモト/第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】


 エルトとシスメの対決は終わった。右腕は二人の頭上を飛び越え、再びイワモトとドッキングする。そのままスピードで追いつこうという腹積もりだったが、ここで予想できなかったことが起きた。水流はヒルカを押し込み、ついに壁に激突させたのだ。立ち上がるヒルカはもはや移動は出来ないらしい。ならばこのまま激突すれば間違いなく彼女は御陀仏だ。そんなことは自らに課せられた指令が許さない。

Prime Detective:1 Save to Lycanthrope
『最優先指令1・亜人の防衛』

 自らのヴィジョンに表示されたものが、イワモトの推力を弱める。逆噴射の力が、肘を曲げた左腕を潰していく。痛覚はとっくに切った。ひしゃげた水道管のように原型から壊れて代用血液が噴き出す。だが、左腕一本の犠牲で掴めるのなら、この勝利は安くない。そのままの軌道で飛び込むと……左腕を前にしながら右手の拳を叩き込み、壁をぶち壊しながら停止する。しかし、銃剣のついたビフレストは肘を曲げたままひしゃげた左腕に深々と突き刺さり、文字通り串刺しにした。減速したとはいえ、推進力のままに正面から彼女に飛び込んだ結果だ。

 「もらったぜ」

 蒼いターレットレンズがヒルカの瞳を見つめる。そして抜かれた機械の右手がヒルカの肩へそっと伸ばされた。ビフレストには無駄に赤い代用血液が伝う。

>>ALL

21日前 No.285

語り部(スレ主) @yuzuriha16 ★Iu91npMFIt_XWi

【セキア&ヒルカ&シスメ/第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

服の裾を下敷きにしている瓦礫にシスメが手をこまねいていると、エルトが横から手早く瓦礫を撤去してくれた。
その様をぽかんと見送るシスメだったが、やがて落ち着きを取り戻した彼女は、
何がおかしいのか、ほんのり微笑むと口に手を当てた。

「あ、すみません。他意はないんです。
ただ、あの…何と言いますか…エルトライゼさんでしたか、損な性格してますね、貴方。
あ、違っ、ほ、褒め言葉です!
その…先駆者というか先輩の言葉として聞いておいてほしいのですが、
貴方とはまた近いうちに顔を合わせそうな気がするんです。根拠はないですけど、ただ、なんとなく。
もし、万が一、彼女の隊に所属することになったとしても……その、強く生きてくださいね」

“彼女”が誰なのかシスメは明言しなかったが、
そう語る彼女の顔は、何故かひどく哀愁を漂わせているようであった。

『参った…ね…こっちとしてはまるで勝てた気はしないんだがな』

「勝ち負けなんてどうでも……良くはないですけど…
ああ、私生きてる! ちゃんと生き残ってるっ 生きてるって素晴らしい…」

一般ピーポーの実力相応の逃亡を繰り返しているこちらを散々買被ってくれたエルトのことだから、
こちらを気遣ったのではなく、今のも本心からの言葉なのだろう。
そんなエルトもエルトならシスメもシスメだった。
五体満足で試験官としての役割を終えられたことが嬉しいらしく、感極まった様子で胸をなでおろしている。
どことなく苦労人オーラというか雰囲気は似通っていそうなのに、どこまでも噛み合わない二人だった。
しかし、その感動も長くは続かない。こちらの身を案じたエルトが試験会場からの避難を勧めてくる。

「いいえ、その必要はないようです。どうやら、もう…」

しかし、シスメはその場から動こうとしなかった。
縦横いくつも亀裂の入った視界でシスメは彼を促すように、ヒルカのほうへ視線を戻す。
そんな彼女の横顔には、祝福の感情と悔しさが奇妙に同居していた。

>エルト


イワモトの追撃が迫る。まだ避けられない距離ではないと、
まだ動かせる右足に力を込めた瞬間、ヒルカの上体がぐらりと揺れた。

「ちっ」

兎系亜人 最大の特徴ともいえるその長い耳がヒルカの枷となった。
先ほどレイから放たれた水流を受け止めたとき、せき止め切れなかった水を
浴びるように被ったせいか、水を吸って重くなった耳と服がヒルカの動きを制限する。
そんな状態で無理に動こうとした結果、あろうことか彼女は足を滑らせたのだ。
ならば多少危険でも魔術を使用した離脱に切り替えようとした矢先、生暖かい液体の感触が人差し指を伝う。

「おまえ……!?」

コンクリートの中に無理やりシャベルを押し込んだかのような感触という表現が妥当だろうか、小刻みな振動が指先を伝う。
滴る血液を辿った先にはイワモトのひしゃげた左腕と、その中に埋没するビフレストが見えた。
このイワモトの負傷は完全にヒルカの想定外だった。
この状態で引き金を引いて魔術を発動しようものなら、まず間違いなくイワモトの腕が四散するだろう。
イワモトの体を気遣ったのか、一瞬、ビフレストのトリガーにかかったヒルカの指がこわばる。
その一瞬の迷いが、この勝負の明暗を分けた。彼女が避ける間もなく、倒れこむ速度よりも早く、
完全に離脱するタイミングを逃したヒルカの肩にイワモトの手がぽんと触れる。
その瞬間、勝負の結果を示すように、天井の砂時計がぴたりと動きを止めた。

「………」

ビフレストから完全に手を放したヒルカは、倒れる勢いに任せたまま、ぺたんと床に尻餅を付く。
しばし言葉もなく床に伏す彼女だったが、
やがて、くじいた足をかばいながらもふらふらと立ち上がる。

「……捕縛対象者2名の捕縛完了により実技試験を終了するですよ。
どうやらこの試験の趣旨を正しく理解できていたようで安心した、ですよ」

先ほどの沈黙は、こちらの身を案じて攻め手を緩めたイワモトに対する憤りでも、
志願者の前で醜態をさらした自身に対する憤りでもない。
試験中の挑発的な態度はどこへやら、すっかり頭の冷めた様子のヒルカは、
体の痛みをものともせず、とうとうと語り始める。

「私たち国家隊員は無法者の寄せ集めでも、殺戮者でもねぇですよ。
私達がするのは、あくまで捕縛。秩序の維持だけですよ」

「捕縛対象と一口に言っても、恐怖からこちらに牙を向ける奴、
正気を失って暴走している奴、異能を制御しきれず意図せず人を傷つけてしまったり、
パニックでこちらの話に応じず、逃走を図る奴も当然いる、ですよ」

「相手のことを理解しろ、とまでは言わねぇですよ。
ただ、お前らには相手をよく見る目をもって欲しいですよ」

ひとしきり話し終えたヒルカは咳払いを一つすると、一呼吸おいて皆に宣言する。
いまだレイの制御下にあるセキアは、心の中で密かにガッツポーズの準備をした。

「さて、長話はこの辺にして試験結果だが――」

こうして

「文句なしに合格、ですよ」

彼、彼女達の物語の第一歩が踏み出された。

>イワモト、ALL

【Information:イベント終了条件クリア!
これにてイベントを終了いたします。お付き合いいただき、ありがとうございました!】

15日前 No.286

エルト @absoryut ★XSc0by2j7f_dB9

【第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

「…なんだ?」
瓦礫を撤去してる最中、ふと微笑みの表情を作り、次いでそれを隠すかのように口元に手を当てたシスメが気になりそう問いかける。
すると、彼女は取り繕いながらも他意は無いと語り、次いで性格に関しても苦言…と言うほどではないが損をしていると指摘された。
「…まぁ、性分だ…今更どうこうしようとは思わないよ」
と、苦笑交じりにそう返す…これが必要とあれば修正を試みるのだろうが…現状ではその必要を感じていないしこのままなのだろう、と結論付ける。
…などと考えていた所で、先達としての忠告として『彼女』の下についたときは…強く生きろ、と悟った言葉を投げかけてきた。
「…そればかりは此方からどうこう…とは行かないな…まあ、顔を合わせる事が有ったらその時はよろしく頼むよ」
何処に配属されるのか…そればかりはどうしようもなく、なるようにしかならないだろう…彼女の様子からしてロクでもないと言うのだけはわかるが。

「そう思うんならもう少し加減して欲しかったものだけどな…こっちも最後のアレは不本意だったんだ」
勝ち負けに関して言及した所で、シスメの方は執着がなかった…と言う訳ではないが…そんな事より、と言った様子で無事に試験を終われたと感激しているシスメに苦笑してそういう。
もしも彼女が要領よく立ち回る事を是とするならば適当な所で受け損なったフリをして転倒するなりなんなりすれば此方としても最後に強硬手段に訴える必要も無かったのだが…
(…まぁ…それを良しとできないんだろう…損な性格だな)
よく言えば忠実、悪く言えば馬鹿真面目…と、評してもあながち間違いではないであろう彼女にこちらもまた、先の彼女と同じような感想をもったのであった。

…と言った感じでやり取りをしているうちにヒルカ追跡班の方も片が付いたようで…シスメの言葉にそちらを見れば、そちらの方も片が付いたようだ。
「…また無茶しやがって」
そこでは確かに試験の方はクリアできたものの…どういう状況か、ビフレストが突き刺さり、左腕をひしゃげさせたイワモトや、何処か雰囲気が変わっているセキアが薄っすらと血の残滓のような物が漂っていたように感じられ、無事とは到底言えないと、察する事が出来た。
ひっそりとつぶやきため息を漏らしたが…ふと視線が逸れればそこには悔しさを滲ませる一方で祝福するような表情をするシスメが目につき…考えを改める。
(…こっちにかかりきりだった以上文句を言う筋合いはない…か…結果的には無事合格できたわだし…素直にに労うべきか)
負傷こそあれ、誰一人命に別状があるわけでも無い…そう考え、最後の1度とため息をつき、よくやったと言ってやるために険しくなっていた表情を改めた。
…それが相変わらずの苦笑であるあたり、やっぱり納得しきったわけではなかったりするのだが。

>シスメ ALL

15日前 No.287

隊長機モルガン @type14 ★BUzhF4mm8n_yFt

【ジョージ・イワモト/第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

 「……こんな言い方を貴女にするのは失礼だとわかっている。でも、言っておきたいことがあるんだ……俺はただ……貴女に追いすがりたかった。何故かはわからないけど、ただ……追いつきたかった。まだ頭に残る……人間のちっぽけな意地のおかげかな。俺はどうせ、数ある歯車、朽ち果てた人形の残骸に……過ぎないんだ。そんな俺でもわかっているんだ。インプットされた指令ではなく、自分の意志として……誰かを殺したりはしたくない……」
 ビフレストを握りしめないように気を付けて腕から引き抜くと、一振りして血を落としてからヒルカに返す。
 「代用血液の汚れはついたが……血中の脂質はゼロだ。だから、綺麗にするのは……簡単……さ」
 ゆっくり後ずさりしながら義手で左腕を掴み、無理矢理真っ直ぐにする。生身とはいえ、左腕もまた生体改造を受けている。つまりはナノマシンによる手当が可能である。出血は止まり、虫食いを逆再生するように左腕の傷をナノマシンが塞いでいく。
 「やっと……合格か……貴女の工房には、約束通り……お邪魔する……」
 ついにカットしきれない情報……つまりは痛覚がイワモトを襲う。
 今にも倒れそうなくらい痛いが、どこかその痛みに嬉しそうに微笑みながらヒルカの合格宣言を聞いていた。そしてセキアにレイにエルトに曜にジェニーといった面々に振り向けば、痛みを堪えた……しかしとびきりの笑顔でサムズアップを見せる。

 「俺達の……勝ちだ!」

 >>ALL
【イベントお疲れ様でした! シスメもヒルカもすっごいいいキャラしてて大好きです!!】

15日前 No.288

語り部(スレ主) @yuzuriha16 ★ro9DQ1yXqw_XWi

【セキア&ヒルカ&シスメ/第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

「はぁ…出来ればもうこんなことは一年に一回あるかどうかぐらいにしてほしいです。
こんなの命がいくつあっても足りないですよ」

エルトの視線の先にいる腕を負傷したイワモトを見てしみじみそう思う。
試験会場の倒壊具合も含めてだが、当初はここまでの被害は想定していなかった。
それこそまだ書類と格闘していたほうがマシだと思えるくらいに会場はひどい有様だった。
改めて周囲に目をむけて見ると、天井と壁に亀裂が走り、床は小さくえぐれた箇所と
大きく長方形に切り抜かれた箇所が――まぁ、これは自分が転移魔術を行使したせいなのだが、
今更ながらに修繕費とか、もろもろの経費とか、想像するだけで眩暈がしてきそうだ。
本当に、よく生き残った自分。今日は自分へのご褒美に
いつもより少し高いお肉を買って帰ろうと心に固く誓ったシスメなのだった。

「この後、明日の予定についてヒルカ管理官からお話があるとおもいますので、
とりあえず皆さんのいるところまで行きましょうか、エルトライゼさん」

服は目も当てらないほどボロボロだったが、体は軽傷で済んだらしい。
最後の瓦礫が取り除かれると同時にスッと立ち上がったシスメは、
ずれた眼鏡を元の位置に直したり、服に付いた砂塵を手で掃い落としたりして、
現状で出来うる限り整った身だしなみにしてから、エルトと連れ立って志願者達の輪に近づいていく。

>エルト


ちょうどヒルカがゴキン!と脱臼した肩をなおした直後、
それをまるで合図としたかのように、志願者の腕から行動を制限していた腕輪が、
カランカランとひとりでに外れて落ちる音が連鎖的に響いた。
はめなおしたばかりの肩の調子を試すかのように、
ぐるぐるとヒルカが腕を回していると、イワモトが言葉を投げかけてくる。

「追いつく? はっ、何なまっちょろいこと言ってやがるですよ。
せめて、いつか追い越してやるぐらいは言ってみやがれですよ。
それくらいの気概はこの試験で見せてもらった、ですよ。
ま、それはそれとしてだ…ですよ。確かに焚きつけたのは私だが―――」

イワモトの今まで内に溜め込んできた心情を吐露するかのようなセリフに対する
ヒルカの言葉は実に彼女らしいものだった。その後、いきなり何を思ったのか、
彼の腕から抜き取られたビフレストを受け取った後、くじいた足を気遣いながらも、
ずかずかと大股でイワモトに近寄り、ひょいと背伸びしたヒルカは両手でふわりとイワモトの頬を包み、

「こ こ ま で や れ と は 言 っ て ね ぇ で す よ」

搾り出すような声と共に、ぎりぎりとイワモトの耳を左右に引っ張った。
しばらくイワモトの耳の耐久テストに臨んでいたヒルカだったが、
数秒と経たず飽きたのか不機嫌な顔のまま、合図をするように手をパンパンと2回叩いた。

「クノン! キアラ! こいつに応急手当を!
他の人花族(アルラウネ)にも各志願者の治療に当たるよう伝達しろ、ですよ」

ヒルカが見上げた先には、観客席から隠れてこちらを覗き見ている
二人の人花族の少女の姿が見えた。頭隠して何とやらとはこのこと。
本人達からすれば上手く隠れたつもりなのだろうが、頭の上についた鮮やかな紫と青色の花弁が
ちょこんと柵の隙間から見えている。名指しで呼ばれたことへの驚きの表情から一転、
まるで悪戯がばれた子供のように慌ててペコペコと何度も頭を下げた少女二人は、
『かしこまりー』『了解でござます』とばかりに敬礼の姿勢を取ると観客席の奥へと消えていく。
やがて、他の人花族を伴って二人が姿を見せると、とたとたとイワモトの傍へ駆け寄った。

「シスメ、転移魔術はまだ使えるか、ですよ?」

「はい。もう少し休憩して体調が整ったら二人くらいなら何とか大丈夫そうです」

「はぁ…負傷者も多いことだし、手短にすませるか、ですよ」

“負傷者”のところであからさまにイワモトをギロリと睨み付けたヒルカは、
人花族の治療を受ける他の志願者にも聞こえるよう声を張り上げた。

「明日の同じ時間、この区画内の国家隊本部前広場にて所属の振り分けを発表するですよ。
合格通知に関しては、今日中に発送。荷物に関してはこちらで飛空便を手配するですよ。
候補官の間は寮で過ごしてもらうことになるから、住居を持つ者は住居の玄関先に、
宿泊している奴は宿屋のフロントに、今日中に必要な荷物を纏めておいてほしいですよ。
何もなければこれでお開きにするですよ。何か質問は?」

【性格設定的に少し尖ったところのある二人なので、お気に触ったらどうしようかと
ハラハラしていましたが、二人を受け入れてくださり、ありがとうございます^^】>イワモト、ALL

14日前 No.289

ますたあ @ritonetto ★Android=yDqhBiviYT

【白月レイ:実技試験会場】


シスメもヒルカも捕獲したのを確認した瞬間に
レイはセキアの体から魂を切り離し、水鉄砲から人の姿へ戻り、その場で倒れた。

この技にはそうとうの魔力と体力を要するからだ。

分離する瞬間、レイの思念のようなものが
セキアに流れ込む。


『異端の魔女が作った魔武器はすべて排除しろ!』
『逃げなさい!レイッ!キャァアアアア!』
『おかあさまぁあああああ!!』

周りにすごい形相で命令する国家隊の軍服をきた男の声
娘を逃がそうとする最中に、撃たれ倒れる母親の声
それを見て、絶叫をあげる幼い子供の声

その光景と声が、セキアの中に流れ込んでしまった。
レイも予想していなかったこと
そして、誰にも知られたくなかった過去


力を使いきったレイは先ほどと同じように
眠るように気を失ってしまった。外れだリングが床で砕けた。

>セキア ヒルカ シスメ イワモト エルト

13日前 No.290

語り部(スレ主) @yuzuriha16 ★3VFBa8Hd4C_XWi

【セキア&ヒルカ&シスメ/第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

皆が勝利に沸き立つ中、真っ先に騒ぎそうなセキアは黙したままだった。
その目は虚空のある一点を見つめたまま、微動だにしない。
意識が深く落ちていくのが分かる。自分ではなく、レイの中に。
これは現実、なのだろうか。幻にしては生々しすぎる。
低い視線の先には、軍服を着込んだ男の姿が見えた。レイの深層意識が拒んだのか、
彼女の記憶が朧げなのか分からないが、男の顔はもやがかかったように特徴が掴めない。
彼の腕には国家隊の証明である腕章がつけられ、そこに描かれた
アスールの旗に描かれたものと同じ狼と月のシルエットが重なったシンボルが見える。
セキアに伸ばせる腕はない。無常にも引き金は引かれ、そして――

『異端の魔女が作った魔武器はすべて排除しろ!』

『(待って!!)』

セキアの叫びも虚しく悲鳴の間を縫って、
機械的に、作業的に、銃を撃つ乾いた音が淡々と響く。
息が詰まる。
むせ返るような血の匂い。カラカラに渇いた喉の痛み。額を伝う冷たい汗。
彼女の恐怖までもがセキアに伝染する。
それはまさしく記憶の大洪水といって差し支えないものだった。
飲み下せないほどの感情の渦に、思わずセキアは口を押さえる。
レイの急激な魔力の消費が体を通して伝わり、ほどなくしてレイがセキアの意識を手放した。

「戻っ…た…? 今のは、もしかして……」

勝利の美酒に酔いしれる暇もない。
言葉の代わり、自分の腕の中に横たわるレイに視線を送る。
光景が過ぎ去った後も、頭の中にこびりついた記憶がセキアから言葉を奪い続けた。

>レイ、ALL

12日前 No.291

隊長機モルガン @type14 ★Android=KeKvbmnKtk

【ジョージ・イワモト/第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

「……?」
まるでマスターとパダワンのような会話にイワモトもなるほど、と頷いたときだった。
ずかずかと大股で近づいたヒルカがイワモトの頬を手で包んだ。その状況が理解出来ずにいたが、次の瞬間、絞り出すようなヒルカのツッコミと共に耳が引っ張られ……
「あだだだだだだ……よせよせ耳たぶは生身だ!」
なんだか真面目過ぎてグレた妹ができた気分だった。

その後離れた彼女により予定が発表される。ついに配属が決まるというのに、心は何かをうったえたいと言わんばかりの感情を覚えてしまう。
そう、最初の試験での鶴羽のヘッドハンティングが浮かんでしまうのだ。
迷いが吹っ切れた時に訪ねよ。しかし、その迷いは未だ吹っ切れない。傷だらけの左腕と、機械の右腕。その間に見えるのは朽ち果てた自分達と、唯一愛された―

「……ん?」
突然視界に花がぴょこん、と入ってきた。あのアルラウネ達がまた治療に来たのだ。なぜかまだ睨んでるヒルカに苦笑いを浮かべて座るとアルラウネに頭を下げた。
「お願いします。左腕だけでいいからね」
こうして治療が始まった矢先、セキアがレイと分離したが、何か様子がおかしい。

「セキア、レイ、大丈夫か?」
二人に声をかけ、一人のアルラウネにそっと話しかける。
「ごめん、倒れてるあの子を看てあげてくれる?俺は歯車のひとつ……じゃなくてマシーンだから後回しでも大丈夫だよ」

>>セキア、レイ、エルト、ALL

12日前 No.292

エルト @absoryut ★XSc0by2j7f_dB9

【第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

「…そうだな…荒事になんて関わらないで済むに越した事はない」
ぼやくシスメに同意しながらそんな事を言い、つられるように周囲を見れば、またもや凄惨な現場となった会場の様子がよく把握でき…今回はそれの片棒を担ぐ事になった自覚も有り、少々の罪悪感を感じる。
(…少しばかり…いや結構…か?…やりすぎたな…まぁ仕方のない事か)
等と思いはしたものの、試験内容的に荒事になるのは想定できていたはずだろうしおそらくは主催側の想定内なのだろう、と考えて思考を打ち切る事にしたようだ…修繕費を払う事となる試験官=ヒルカの財布の中身の明日はどっちだろうか?

「…そうだな、ここで突っ立っててもしょうがない」
話がある、と言う事でありこんなところでぐずぐずする意味は無く…促されるままシスメに続こうと歩き始めた所で先程身だしなみを整えていた姿を思い起こす。
(…身だしなみに気を遣う女性があまり肌をさらすのはよろしくない…か?)
ふとそんな情報が頭の中に浮かび上がり…同時に、試験の名残で相当ボロボロになったシスメの衣服を思い起こす。
…少なくとも数ヶ所は穴が相手いたはずではあるし、終盤に至っては例の瓦礫から無理に引っ張ったのであろう影響からか少しばかり伸びてバランスが悪くなってしまった袖口もあったはずだ。
「…一々呼びにくいだろう?…エルトでいい…それからこいつはそのうち返してくれればいい」
そう言いつつ、先ほどまで羽織っていたクロークを脱ぎ、どういう原理か手早く2、3回織り込んでから両肩にかけてやれば不思議とずり落ちる事が無く、ほぼ全身を覆い隠せるだけの前開きのマントとなった。
(…直接的に手を出した以上これぐらいはせんとな…む!?)
やる事を終え、そう思いながら歩を勧めようとした矢先、急激な魔力の乱れのようなものを感じ、その直後に何かが倒れるような音が聞こえてそちらを見れば、セキアの隣で横たわっているレイが目につき、イワモトの方でもそれを確認したからか、何やら治療中の人花に指示を出そうとしているようだった。

>シスメ セキア レイ イワモト ALL

7日前 No.293

語り部(スレ主) @yuzuriha16 ★ITrxuH1qbO_XWi

【セキア&ヒルカ&シスメ&レイニア/第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

こちらの満身創痍な姿を見かねてか、タオルよりもずっと柔らかな感触が肩にかかる。
試験中、ステルス機能で自分を苦しめた見覚えのあるクロークが自分の身を包んでいた。
なおもポカンとシスメがその様を見送っていると、やんわりと呼び方を訂正するエルトの声が後に続く。

「………これは借りにしておきます。エルトさん」

ここまでされては、先輩の威厳とか、持たざる者の意地とか、色々と形無しだった。
なんだろうか、この感覚は。目の奥にじんわりと熱いものがこみ上げてくる。
来る日も来る日も、うず高く積みあがった書類と格闘する毎日。
彼にとっては何気ない行動なのだろうが、
久しく忘れかけていた人の温かさというものに触れた気がする。
彼が入隊すれば立場的に自分は先輩になるのだから、ここで無様な姿は見せられない。

「(机上の戦なら、もう少しマシなものを見せられたはずなのですが、ね)」

思わず、小さな呟きと共に苦笑がもれる。
試験中の言動から威厳などもはや皆無だろうに、シスメは言いようのない
不思議な満足感のある敗北感に浸りながらも、込み上げる涙をぐっと堪えたのだった。
そんな彼女の思考をさえぎるかのように、
背後から聞き覚えのない声が差し込まれたのはそのときだった。

「こうして彼の言葉に救われた彼女は、それを糧に、より一層仕事に励むようになり――」

>エルト、ALL


セキアの様子を不審に思ったイワモトが声をかけてくる。
エルトも訝しげとまではいかないが、こちらを気にしている様子だ。
そんな二人に対しセキアは――

「えっと、なんか合格したって実感がなくて、なはは…」

自然な笑顔で応じる。咄嗟にだが、あからさまに顔に出したり、
動揺して悟られるような失態は避けることが出来た。我ながら迫真の演技だったと思う。
これは、根の深い問題だ。先ほど自分が見たものがレイの過去ならば、
それは本来、彼女自身の口から語られるべきもので、
それを本人の意思も確認せず第三者がおおやけに吹聴していいわけがない。
何とか誤魔化せたが、この話題からどう話を繋げようか考えていると、
シスメとエルトのいる方から、今、この場にいるはずのない人物の声がして思わず振り返る。

「こうして彼の言葉に救われた彼女は、それを糧に、より一層仕事に励むようになり――」

まるで茶化すようなセリフと共に現れた声の主は、
セキアが先の獣化騒動で一時的に共闘した人物――
夜の闇を固めたかのような黒髪とマリンブルーの瞳を持つ一人の少女だった。

「勝手なナレーションをつけないで下さい! 不快です…って、貴方は…」

シスメの言葉をさえぎる形で、セキアの注意を引き付ける形で、
コツコツと杖の先が床を叩く単調な音が響く。
それとほぼ同じタイミングで顔を向けたヒルカは、
まるで彼女の登場を予想していたかのように、さして驚いた様子もなく一つ息をついた。

「……レイニア・ベルダー。しばらく顔を見なかったが、帰ってきてやがったか、ですよ」

くすんだマリンブルーの双眸を細めて笑みを形作った彼女は、
実技試験の攻防の激しさを物語る爪あとを残した荒涼とした試験場に
そぐわぬほど能天気な声でひらひらと手を振って見せた。

「やーやー、お久しぶりですねぇ 二人とも。
なにやら本部の近くで大きな音がしたので、気になって来ちゃいました。
ところで、ここにいる方々が今回の試験の合格者ですか?」

盲者であることを示す白杖を手にしながら、彼女はまるでこの場にいる
全員の姿が見えているような素振りでマイペースに視線を巡らせている。
その視線はシスメのいるところで止まった。

「ははぁ、なるほど。今年は豊作みたいですねぇ。ね、シスメちゃん」

「う、ぐ、何故、貴方がここに…?」

「あはは。えらく嫌われたもんですねぇ。
聖夜にわびしく二人で鍋をつつきあった仲じゃないですか〜」

「わー! わー! それ秘密にするって約束したじゃないですか!?
新入隊員のいるここでバラすとかバカなんですか!? バカなんですね!?
うわぁん!! だから嫌いなんですよ貴方のことが!! 今ここで積年の恨みを晴らして――」

「まーまー、積もる話は後にしましょう。それよりも」

どうやらシスメの口にした“彼女”とはレイニアのことだったらしい。
調子を狂わされ、今にも掴みかかってきそうな勢いのシスメをよそに、
レイニアは軽く両腕を広げた後、彼女の話を遮って親指で後ろを指し示す。
そこには既に白い腕章をつけた医療班と思わしき一団が控えていた。
いまだ水入りのペットボトルを前にした猫のように
姿勢を低くして身構えるシスメだったが、レイニアを横目にちらちら見ながらも転移魔術を行使し始める。

「ひとまず精密検査が必要な人を本部の医務室まで移送しましょうか。
シスメちゃんはヒルちゃんとイワモトさんの方に専念してください」

医療班の数名は、魔術の作用によるものと思われる一定感覚で空中に浮かぶ移動ベッドに
慣れた手つきでレイを横たえると、静かに宙を滑らせながら試験場を後にする。
そんな中、皆の追及を逃れるように「あ、あたしも!」とセキアが
細い三つ編みを揺らしながら足早に浮遊ベットの後に続いた。
どやどやと足音が遠ざかった後、シスメの行使した転移魔術の光に
イワモトとヒルカの二人が包まれる間際、薄く微笑んだレイニアは彼に一方的に問いを投げかける。

「答えは見つかりそうですか? ジョージ・イワモトさん」

レイニアがイワモトの返答を知る由はない。
彼が答えるより先に、転移魔術の光が二人の視界を埋め尽くした。

>イワモト、ALL

【information:これよりフリータイムに入ります。詳しくはサブ記事、メモ欄をご覧下さい】

7日前 No.294

ますたあ @ritonetto ★Android=yDqhBiviYT

【レイ:実技試験会場>医務室】

試験が終わり、周りが一件落着ムードのなか、極限までの魔力の消費とさっきの技の反動で眠り続けているレイ。
眠っているレイはそのまま、医療班によって医務室へと運ばれることになった。武器になっていたため、目だった外傷はない。
魔力も供給され、目を覚ますのもそう遅いことではなかった。
医務室に運ばれて30分くらいたったころ、レイは静かに目を覚ました。

「………?こ、ここは………?」

今のレイには、自分が今何処にいるのか、今はどういう状況か、自分が合格したか不合格になったのか、そして、セキアに己の過去を見られてしまったということも
まだ頭がフワフワして、技の反動のせいか、身体を動かすことができないので、ただ目線を動かすことしかできなかった。


>all(勝手に医務室へと移動させてもらいました。)

7日前 No.295

エルト @absoryut ★XSc0by2j7f_dB9

【第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

「大した事でも無いし気にする程の事でもないんじゃないか?」
なにやら感慨深く呟くシスメにそう返す…最もこちらは後方に位置するため完全に把握できたわけではなく、少々気負ったように感じられたのだったが…
(…単に感謝されているだけ…でいいんだよな?)
…彼にとってはそう大した事をしたつもりは無く、実際に傷つけた責任を取っただけと言う事である。
「…まぁ流石に紛失されたら困るが…そんな事にはならないだろう?」
それ以上考えても結論は出ぬと割り切り、空気を換えようとそんな事を口にする。
むろんこれは冗談のような物で…後半口にした通り、此方の把握している性格上余程の事が無い限り問題は起こらないだろう。

そんな事を話しているうちに、突如背後から声が聞こえ、同時にシスメが素晴らしい反応速度でこちらに…と言うより背後にいるであろう声の主に振り返ってきた。
「…あんたh」
いったい何者なのか?…そう問おうとした声は横合いから発せられた抗議の声によって中断される事となり…その最中、ヒルカの発言により、『レイニア・ベルダー』なる人物だと言う事が発覚した。
…同時にシスメの対応からおそらくはこのレイニアなる人物が『彼女』とやらなのだろう…確かに癖のありそうな雰囲気の人物である。
その人物は此方が話す言葉を考えているうちにレイとセキアを伴って転送陣の中に消え去っていった。

「…なんというか…台風のような人物だったな」
医療班の人物らも含めて、それなりの人数が一気に消えた結果ずいぶんと静かになった試験会場のなかで誰ともなくそう呟く。
現れるなり場を引っ?き回してそのまま去っていったレイニアにはそんな感想を抱かざるおえなかった。
(あれが茶飯事だっていうのなら苦労もするだろうな…)
げんなりした様な様子で語っていたシスメの様子を思い出し、確かにその通りだったと心の中で同意する
(…まぁそれはそれとしてだ…これからどうすべきか)
思ったよりも早く試験が終了したことにより、完全に暇な時間が出来てしまった…用意にしてももとより亜空間に収納している分だけで事足りるため、基本的に荷物なども無いわけで…
(…この場でやれる事もそう多くは無し…少し散策にでも出るべきか?)
今は数人の受験者…いや、もはや合格者か…それと関係者がいるがそれぞれ思い思いの行動に移ろうとしており、ある者は早々に会場を後にし、またある者は同じ合格者や関係者やらとの会話に興じているようで…
(…さて、どうしたものか)
考えを纏めるため、一度様子見をしながら周囲の様子を探る…特に焦るような事でもないしじっくり考えるの意もいいだろう…そんな結論に達したようで一時待機する事にしたようだ。

>シスメ ALL

【こちら側に再投稿です…申し訳ない…】

6日前 No.296

語り部(スレ主) @yuzuriha16 ★BWdPwVwAKo_XWi

血も凍るような実技試験から数時間後、空の朱も褪せうっすらと月が顔を見せ始めた頃、
セキアは本部内の廊下をひた走っていた。

「(飲み物買ってくるってメモ残しといたけど大丈夫かな、レイ)」

既に治療を終え、服も着替え終わったセキアは、しばらくレイの目覚めを待ったのだが、
一向に目覚める気配がないので、ならば起きたときに喉が渇いているであろうレイに
何か買ってこようかと外へ出たのである。一応、医務室の前にいた国家隊員に外出の旨は伝えたのだが、
目覚めたら知らない場所のベッドに寝かされていたなんて、誰であれ最初は混乱するものだろう。
幸い、長旅の経験から地図や建物の構造を覚えるのは慣れている。
レイが目覚めるよりも早く医務室に戻らねばと自然と足の早まるセキアだったが、
次の一歩を踏み込もうとした瞬間、ガクンと前のめりに膝を突いた。

「あ、…れ……?」

グニャリと目の前の景色があべこべに混ざる。水を吸ったスポンジのように体が重い。
体を支えようと壁についた手からも力が抜け、だらりと垂れ下がる。
疲労感とは違う。セキアを襲ったのは強烈な眠気だった。
間もなくしてセキアの意識は虚無の底へ反転した。
こうして、これから起こる一連の騒動が終わるその時まで
セキア・ルーブは誰にも発見されることなく、意識を失い続けることとなった。


【仮面の女/ルナ区画/国家隊本部/第三医務室】

誰もいないはずの医務室の中に背景から浮き出るようにソレは現れた。
黒い女だった。白塗りの医務室とは対照的な黒ずくめ。
フードを目深に被り、そこから覗く仮面だけが白い。
彼女の手にする魔導書らしき薄汚れた本に巻きついた鎖が歩くたび、
錆び付いた鈴の音のようにチャリチャリと音を立てる。
仮面の覗き穴から海色の視線がレイへと降り注ぐ。
獲物を狙う蛇のように、しかし、獅子のような悠然さで、
じりじりとレイのベッドに近づいた仮面の女は、ゆっくりと口を開いた。

「こんばんは、白月 レイ」

>レイ、ALL



【レイニア&ヒルカ/アーティー区画/センターブロック/トリニッジ工房前】

今日の月はことさら青く感じる。伸びの姿勢を保ったままヒルカはそんなことを思った。
昼間は火事場のように怒号と魔導具の駆動音に溢れかえる工房も、
夜間の今はもう鳴りを潜めている。イワモトの修繕を終え、待つこと数時間。
作業台に寝かせた彼が目覚めるまでの間、外の空気でも吸ってこようかと
工房から出たはいいのだが、春に相当する季節とはいえ、まだ夜は少し肌寒い。
少ししたら戻ろうとう〜んと凝り固まった体を伸ばし、踵返したその直後だった。

「ヒ〜ルちゃん」

ぷにっと頬に人差し指が埋まる。
指を追って振り返ると、そこには微笑みを深くしたレイニアがいた。

「なにしやがるですよ、この昼行灯。火床の煮汁をすすりてぇか、ですよ」

「あはは、そこまで怒らなくてもいいじゃないですか〜。まぁでも相変わらずのようで安心しました」

「こっちのセリフですよ」

どこぞのスポーツマンよろしくパン!と二人の手が打ち合わさる。
先ほどの一連の流れは二人の間では日常茶飯事らしい。
常にべらんめぇ口調+悪舌な故にヒルカは誤解されがちだが、さして気分を害された様子もなくヒルカは話を続ける。

「で、こんな夜分に尋ねてくるってことは…」

「はい。ちょっと感想でも聞いておこうかな、と。今日の実技試験どうでしたか?」

一瞬の逡巡の後、ヒルカはいつもの不機嫌そうな顔に戻りつつ、
ぽつぽつと今日の実技試験の所感について語り始める。

「……どうも何も、ちっとは見込みのあるやつがいて安心した、ぐらいですよ」

実に区画統括管理官然とした予想できた模範解答。
それを聞いたレイニアは何に不満があるのか、顎に手を当てながらう〜んとうなり始める。
そんなレイニアを訝しげに見つめるヒルカ。しかし、彼女は知らない。
この瞬間を待っていたかのように、上空で大量の爆弾が待機していたという事実に。

「えー、私はアーティーの区画統括管理官としてではなく、ヒルちゃん自身の意見を期待したんですが〜。
ああっ、いつからこんな風になってしまったんですかねぇ。
まだヒルちゃんが入隊したてで右も左も分からなかった頃は、
ノイちゃんが妬くぐらい何をするにしても姉さま姉さまと慕ってくれて、かわいかっ――」

レイニアの言葉は続かなかった。ぐんと彼女の体が上へ持ち上がる。
瞬時にレイニアの襟首を掴んで持ち上げたヒルカは、慌てた顔で周りにキョロキョロと視線を巡らせ、
一方、レイニアはというと、そんな状態でもなお笑みを絶やそうとはしなかった。
やがて宙吊りの状態からレイニアを開放したヒルカは、搾り出すような声でこう言った。

「……次、その話しやがったら30m蹴り飛ばすですよ」

>ALL

【information:サブ記事&メモ欄にて仮面の女の情報が追加されました】

5日前 No.297

ますたあ @ritonetto ★Android=yDqhBiviYT

【白月レイ:ルナ区画:国家隊本部(医務室)】

現状を理解しようと、動かない身体に戸惑いながらぼーっと考えていると、ふと誰かの声がした。
それは、先程まで気配を感じさせず、まるで急に現れたようにも思えた。
普通ならここで驚いて飛び上がるところだが、今のレイは、口と目線以外の小指一本すら動かせない状況で、しかも、まだ少し頭がぼーっとしていて

「……誰……ですか………」

弱々しく目を細めて、いまにも消えそうな掠れた声で、尋ねた。
今のレイが、精一杯振り絞って出た言葉がそれだった。

>仮面の女

5日前 No.298

隊長機モルガン @type14 ★Android=KeKvbmnKtk

【ジョージ・イワモト/アーティー区画/センターブロック/トリニッジ工房】

はっきりと覚えているのは、レイが倒れてから運ばれ、セキアが追いかけたこと。そして転送される直前のレイニアの問いかけ。マリンブルーの瞳が恨めしいくらいに懐かしくて……

懐かしくて……

ああ……

帰りたい……帰りたいよ……

寝ている私を見つめる瞳に、多くの自分が朽ち果てている闇に帰りたい。でも……自分は一人の存在に敵わない。
創造者(プレゼンス)が愛する使徒(コリガン)に敵わない。
彼女が手にした栄光に駆逐され、涙と絶望の代わりにただ、帰りたいと呟く人形。

そこに寄り添った魂があったけど、どうしてなのだろう。
肉体が繋がれたのに、魂が結び付いたのに……

どうして俺は、空っぽなんだ?
俺は一体誰なんだ……知りたい……知りたい

帰りたい

知りたい

そんな二つの魂が結び付いて、機械と人が溶け合って、彼女は尋ねたんだ。

『答えは見つかりましたか、ジョージ・イワモトさん』

【再起動確認】
【システム正常】
【指令回路起動】
【エネルギーコンバーター正常】
【生命維持システム異常無し】

【再起動】

まるでテレビをつけたように視界が戻り、意識が帰ってきた。薄暗い明かりの中作業台から起きてみた。医務室にしては医療器具が皆無だし、機械は全て作業用。つまりはラボだ。

「……どうやら直してもらえたようだ」

立ち上がり、黒いラバースーツのような体で部屋を出ると声が聞こえてきた。そこへ行けばヒルカと吊るされたレイニアがいた。二人のもとへたどり着くまでに拾った声を再生してみると……ヒルカの一面が伺えた。
「はっはーん……ヒルカさんにもそんな過去が……」
思いきり本人の背中に向かって言葉を放った。
「それはさておき……レイニアさん……先程は質問をどうも……あとは……またあなたに借りができたようだ……」
ヒルカにも言うと、人間の部分が本調子でないらしく、壁によりかかる。

>>レイニア、セキア

5日前 No.299

語り部(スレ主) @yuzuriha16 ★HDuKbgERSx_XWi

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1日前 No.300

ますたあ @ritonetto ★Android=yDqhBiviYT

【白月レイ:ルナ区画:国家本部:医務室】

鏡の仮面で顔を除かれ、自分のことを「叡智の絞りカス」だと称す謎の人物への謎が深まってしまった。だが、確実に言えるのは、この人は敵ではないが味方でもない、そう私の中の何かが訴える。

そして仮面の人物は、私について話す。
滅ぼされた哀れな一族の末裔。
そう、忘れてはいけない、忘れたいけど忘れられない…
私達は、この国家隊によって討伐され滅んだ。

仮面の人物の言葉にレイの瞳は曇った。
そして、彼女(?)は謎の道具を持ち出し、天井に映像を映し出した。

それは、見慣れないどこかの会議室。
そこに集まった、きっととても偉い人たち。

その人たちの議題は、最初、どうやら今回の入隊試験の最終決定についてだった。だが、すぐにその議題はかきけされた。
一人の屈強な国家隊の…軍服を………!?

「?!っ……ああ……っ…あぁ」

その男の姿をみた瞬間、過去の嫌な記憶が甦った。
紅蓮の炎で燃える故郷、母の叫び声、そしてあの軍服…
レイは、言葉にならない声をただ発した。

そうしている間にも、会議は続く。
その男の言葉に耳を疑った。
『かつて支援と保護を目的にこちらが送り込んだ調停官を手にかけ、アスールに反旗を翻した忌むべき魔武器の種族の者です。』
何を言っているの?手にかけた?違う…
そんなはずはない、だって
支援や保護なんて言葉、あの時来た国家隊からは一言も発せられることはなかった。
『異端の魔女が作った危険な兵器である魔武器を、他国に利用される前にすべて破壊することが、゛国によって決断された。゛よってこれより貴様らを全員排除する』
今でも鮮明に覚えている。忌々しいあの言葉によって全てが失われた。
この男の言葉はおかしいと、レイはそう思った。
嘘の情報で続けられそうだった会議室、だけど、鶴羽さんが手をあげ、私について弁解をしてくれた。

しかしそれでも、決断は出ず、そこに現れたのは
かなりの重ね着をして、見るからに重そうな装いをした人だった。
どうやらすべての決断はこの人に委ねられるようだ。

>仮面の女 all

1日前 No.301
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