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月下のアスール【T】-『The God Delusion』

 ( オリジナルなりきり )
- アクセス(2656) - ●メイン記事(272) / サブ記事 (68) - いいね!(9)

語り部 @yuzuriha16 ★6kAHKhaN27_EP8

にぎわう夜の酒場で、あるいは街灯に照らされた石畳の上で、

はたまた夜風にさらされた荒野で、それとも木の爆ぜる音が響く焚き火の周りで、

まことしやかに囁かれるある一つの国家が存在した。

かの国家の名はアスール。

魔導具と呼ばれる未知の技術を用い、急速に発展する新興国家。

世界から疎まれた狭間の者達が築きあげたその国は、5人の建国者により均衡が保たれていた。



アミル・カーランドが統轄する娯楽区画ウォーティア

ディノアギスバルガエンズルドが統轄する流通区画エイルス

ヒルカ・ルドナルが統轄する工業区画アーティー

出雲 鶴羽が統轄する自然区画ガイアル

そして、アスール国家隊の総本山である中心区画ルナ。

水と遊戯を求める者はウォーティアに

空と発見を求める者はエイルスに

魔導具と情報を求める者はアーティーに

大地と交流を求める者はガイアルに



今日も様々な目的を持つ者達がこの国を訪れる。

純粋に他種族との調和を志す者、己が国を富ませんと仮面を被る密偵、

帰路に迷い流れ着いた者、はたまた想像もしえない願いを抱いた愚者。

そんな各々思惑でさえ、まるで取るに足らぬものと言いたげに、

かの国家は飲み込み、最初からそこに存在していたかのように彼らは国へ同化していく。

その渦中にあなたが飛び込んだ―――それがこの物語の幕開け。



【サブ記事にてルール説明、キャラ募集を行います。本編開始の合図はサブ記事にて行い、
本編は本スレ運営主の最初の書き込みを持ってスタートとさせていただきますので、ご了承願います】

メモ2016/12/28 02:42 : マスター @ritonetto★Android-yDqhBiviYT

〜簡易キャラ表(★はスレ主操作キャラ)〜


キャラ多すぎて分からねぇでございますよ、という方はこちらをご覧下さい。

なお、僭越ながらスレ主が参加者様の各キャラ紹介文を書かせていただきましたが、

自キャラの紹介文に納得がいかなければ、スレ主の承諾なしで変更追加していただいて

全然構いませんので、ご一考くださいませ。

なお、各キャラの詳しいプロフについてはサブ記事にてご確認願います。


【男性のみなさん】


○ジョージ・イワモト http://mb2.jp/_subnro/15277.html-15#a

29歳。黒髪、黒瞳。身長180cm体重78kg

義理人情に厚いが冷静沈着。そんな熱さと冷たさを兼ね備えた改造人間の青年。

4年前からアスールにて生活しており、ガイアル区画で森林保護活動などをしていた。

何らかの原因で過去のメモリーのほとんどを失っている。


○エイドリアン・デューク http://mb2.jp/_subnro/15277.html-39#a

通称エドル。32歳(外見年齢20歳)。ブロンドの髪、蒼瞳(※隻眼)。身長247cm体重115kg

平和趣向だが、内に悪戯心を潜ませるハーフエルフの青年。

ハーフエルフなれど片方は純粋な人類種ではなく、エルフと龍人のハイブリットである。

過去の経緯からデュークの通称で呼ばれることを嫌っている。


○青崎 清一郎(あおざき せいいちろう) http://mb2.jp/_subnro/15277.html-21#a

18歳。青みがかった黒髪、吊り目気味の瞳。身長170p体重60s

感情の起伏のなさから誤解されがちだが、ただ口下手な人間の青年。

武門の名家に生まれ、自らを鍛える旅の途中でアスールに立ち寄る。

剛伸鉄棍と呼ばれる伸縮自在の金属棍を武器として扱う。


○ロシム・サンダーボルト http://mb2.jp/_subnro/15277.html-23#a

16歳。金髪、翡翠色の瞳。身長162cm推定体重80kg。

…続きを読む(152行)

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隊長機モルガン @type14 ★BUzhF4mm8n_yFt

【ジョージ・イワモト/第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

 「……ばれてたか。心配かけちゃったかな……俺もあそこまでの大激闘は初めてなんだ……」
 人間を捨てつつある左手に、セキアの手が重なる。この国は平和で、イワモトもさして実力行使に出る必要はなかった。だからこそ、あそこまで身を砕いた戦いは初めてだった。思えば自身の口許は代用血液を吐いたせいでまだ赤い。作り物の身体なんぞ、また直せばいい。そう思って、イワモトはセキアが一番聞きたくなかったであろう言葉を口走ってしまった。

 「……悪かった」

 初めてだった。こんなに心配してもらったのは。だから、それ以外に言えなかった。電子の海から情報なんていくらでも引き出せるのに、こういう時はどんな顔をしていいかわからないのだ。そんな彼をよそに、セキアは照れくさそうに笑うと、身を乗り出してこちらの頭を撫でてくる。

 「お、おおお……びっくりしたぞ。今回はセキアの勝ちだな……これからはもっと仲間を頼りに……あっ」
 曜とレイが倒れる。まずいと思ったその時、回復したセキアが真っ先に飛び出した。よかった、二人はセキアが支えた。実は魔力を半分以上あげちゃったのは内緒にしておこうと誓ったイワモトだった。そうこうしているうちに救護のスタッフが駆けつけ、ロップイヤーの少女が指揮を執る。

 「ゆるふわ!? それってあたしのこと!? それとも頭がって言いたいのかな!?
あーっ! それにキミってイワモトのおにーさんを助けてくれた人だよね!?」

 「べ、別にそこまでは言ってねぇだろうが、ですよ。
とにかく細けぇ話は後ですよ。いいから、そこの改造人間はこっちに。
他の志願者は人花(アルラウネ)の救護と魔力供給を受けるといいですよ」

 二人のやり取りを遠目に見ていたが、イワモトはゆっくり立ち上がり、右腕を拾ってヒルカのもとへ辿り着き、座り込む。
 「あんたにはお礼を言わなきゃならんな。二度も助けてもらえるとは……損傷があちこち酷いし、回路も四割は焼き切れてる。代用血液は栄養の摂取で精製できるが……エネルギーの……漏れが……ひど……い……とりあえず……これを見れば……わかる……」
 OSの具合も相当ひどいらしく、イワモトは今にも倒れそうになりながら、小型端末を託す。液晶にはオーパーツをニコイチしてベルダー式工学技術で補ったような設計図と、現在の破損部位のデータが表示されていた。

>>セキア、ヒルカ、ALL

1ヶ月前 No.223

エルト @absoryut ★XSc0by2j7f_Qc5

【第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

「…そういう顔?…そんな変な顔をしていたのか?」
そう返す間にも、何やら自身の言葉で慌てふためきながら捕捉するセキアに首を傾げそうになりながらもセキアの言い訳…ではなく補足を最後まで聞いて、分析する。
(ああ、そういう事か…)
…どうやら少々すれ違いがあったようで…おそらくは冷たい印象と言うのがあったのだろう…実際の所セキアが感じたであろうその評価は間違っているとも言えず…むしろ的を得ていると言える事も理解していた。
(まぁそれを本人に漏らすのは問題らしいが…悪気があるわけでもないしな)
短い付き合いながらもセキアの事はそれなりに分かってきたようで…少なくともそういった類の考えをするような性格でもないと思っている。
「…気にしてないから余計な事してないで休め…少なくとも今は気を抜いてもいい時間なんだ」
慌てふためきながら何やら言い訳をしているその様子に無自覚の内にまた微笑んでいた。

>セキア

「そのようだ…な…」
腕の件を問いかけている間に鶴羽が試験の終了を宣言し…先の攻撃で巨鳥は完全に燃え尽き、影も形も残ってはいなかった。
「…まぁお互い無事…とは言い難いが試験は突破できたようで何よりだ」
そう言ってセキアと何やら話し込み始めたのを確認して改めて試験会場を眺めてみる。

(いくら…実践試験とは言え…相当な被害だなこれは…)
人的被害こそなかったが…この状況だけを見れば一般的な兵士程度であれば数十人単位の死者が出てもおかしくはないだろう。
…壁は所々に亀裂が入っている上に床に関しては複数個所に渡って、歪な形のクレーターのようになっている…更に言えば終盤丸ごとひっくり返された大穴まで覗き込む始末である。
(…正直補修費用より移設した方が安くつくんじゃなかろうか?)
ざっとでこの有様である…詳細まで考えると頭が痛くなるであろうこの事態に責任者への憐れみを感じざるおえなかった。
(…まぁ後始末は俺たちの考える事じゃないか)
…とは言えそれはそれ、これはこれである…そんな事を考えて手を抜いていたら危うかったのは此方なのだし責任は試験内容を考えた人物がしっかりとる事だろう。

「む?…っと」
そうこう考えているうちに試験が終了したことで緊張の糸が切れたかのようにふらつく影が複数見られ…倒れる直前でどうにか滑り込んだセキアが支え、遅れてきた救護班等が受験者たちを手当てすべく雪崩れ込んできた。
「こちらは問題ない、他の手当てを手伝ってやってくれ」
こちらにも手当をすべくやってきた人花続の試験官にそう言って各員の状態を把握すべく再び試験会場を見渡す。
…断られた試験官は少々戸惑ったかのような反応を見せた気がするが…こちらは大して負傷はしていないし、魔力に関しては戦闘態勢を解いたことと大気に散らばった魔力を静かに…だが結構なペースで吸収しているため他者の治療が終わるよりも早く回復しきれるだろう。
と、言うよりも先程同様、この吸収が暴発して試験官、ないし設備に被害を出す方が怖いというのが大きかったりもする。

>イワモト ALL

1ヶ月前 No.224

語り部(スレ主) @yuzuriha16 ★yveAOPsBdS_mOc

【セキア&ヒルカ/第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

セキアの手の治療をせんと人花族の少女が彼女に付き治癒魔術を行使し始めたのを
確認すると、ヒルカはイワモトから端末を受け取り、彼の背後に陣取った。

「ふん、別に礼は入隊した後、働いて返してくれればいいですよ。
それにしてもこれは…」

内心はまんざらでもなかったが、イワモトの謝辞を素っ気無い風を装ってつっぱねると、
ヒルカはイワモトに上着を脱ぐよう指示してから、背中にゆっくりと人差し指を這わせる。
やがて身に覚えのある感触に当たったのか、僅かに盛り上がったそこをプチリと押した。
すると、巻き上がる紙テープのように、イワモトの背中がパラパラと左右に開き、
内部構造が露となる。彼の背中を覗き込んだヒルカの表情が険しいものに変わる。
彼の言ったとおり、エネルギー伝達系のほとんどにひどい損傷が見受けられた。
こんな無茶をせざるを得ない状況にまで彼を追い込んだ張本人を探して
ヒルカは観客席を見上げるも、既にそこに鶴羽の姿はない。

「(なにをそんなに焦ってやがるですよ、鶴羽…)」

ヒルカの呟きに答える声はない。ただ、カラカラと車輪の遠ざかる音だけが、
人よりも発達した聴覚をもつヒルカの耳には聞こえていた。
彼女はため息を一つつくとそれ以上の思考をやめ、目の前の作業に集中し始める。
側に控えた人花の救護係がぐるぐると目を回しながら必死にメモをとる傍ら、
矢継ぎ早に必要な部品や工具を持ってくるよう指示したかと思えば、
まるで外科医のように正確な動作で、ちぎれているものや、
ささくれの目立つエネルギーケーブルを次々と新しいものに変えていく。
ドライバーを口に咥えながらふがふがとヒルカがぼやく。

「何ふぉいうか、デタラメというか野放図というふぁ、
ふぁなり無茶な構造をしてやがるですよ、おむぁえの体。普通、
あんな無茶ふぅればメインフレームが歪んふぁり、腕や脚の一本二本完全に機能停止
しそうなもふぉなのに、ふぉの程度の損害で済んらのに納得がひっはですよ」

いうなれば今の彼はスポーツカーをラジコンのモーターで動かしているようなもの。
彼が有しているオーパーツ部分は、個々でせっかく高いアドバンテージを秘めているのに、
無理やり今の規格に当てはめた部品で足りない部分を補っているために、
うまくエネルギーの循環ができていない、とヒルカは言いたいらしかった。
やがて、イワモトの腕を元に戻し、ほとんどのケーブルを取り替えたヒルカは
計器が示す数値を見て満足げに息を吐くと、外皮が捲れ上がった状態の彼の背中を元に戻した。

「てめぇだけに言えることじゃねぇが、人でない部分を持ったやつらは頑丈な自分の体に
頼りすぎるあまり、自分をないがしろにしがちですよ。もっと自分を労わってやれですよ」

「代用血液の補充、エネルギーケーブル交換の応急処置で8割型エネルギー循環率は
回復したが、無茶はもう出来ねぇですよ。後で必ず私…ヒルカ・ルドナルのいるアーティーの
中央工房まできやがれですよ」と長々付け加えたヒルカは魂まで吐き出すようなため息をひとつつき、
その年齢ゆえの小さな背丈に似合わない迫力でイワモトに釘を刺した。
「約束を反故にしたらどうなるか分かってるな?」と、どこぞのマフィアのボスが
口にしそうなセリフを今にも言い出しそうな様子。
いや、どちらかというと言う事を聞かない患者にお冠な医者のようであった。

>イワモト


そのまま言い訳と補足のオンパレードとしゃれ込みそうなセキアだったが、
エルトの言葉で落ち着いたのか乾いた笑い声をだす。

「気にしてないなら良かった、なはは…」

そうしている間にも治療班による治療と魔力供給は進められ、セキアの顔もだいぶ血色の良いものに
戻ってきていた。一方でエルトのほうはというと、ちょっと困ったことになっていた。
彼に治療を断られ、タスキがけにした医療カバンに手を突っ込んだまま
おろおろとしだす人花族の少女。辺りを見渡す限り、もうほとんどの志願者は治療が
終わっているか、誰か別の担当が付いている。自分だけ職務を全う出来ていないことを
気に病んだのだろうか、目に見えてシュンとする人花族の少女。それを見かねてか、
セキアの治療に当たっていた別の人花族の少女が治療を終えて駆け寄ると、ポンポンと彼女の肩を叩く。

「………?」「……。…………」

恐らく、彼女達の間では「どないしょ?」「ええんでない。本人がこうゆーとるし」
というようなやりとりが繰り広げられているのだろう。実際には一言も発せず、
視線のみでの会話だったので彼女達が本当はどんなやりとりをしているかまでは
分からないが、おおむね間違っていなかったらしく、先ほどまでおろおろしていた人花族の少女は
すっかり立ち直った様子で微笑みを一つエルトに送ると、ペコリと頭を下げ、
二人連れ立って元の位置へ戻ろうとする。
その時だった、二人の人花族の少女の間にひょこっとベーシュの帽子が現れたのは。
歩けるまでに回復したセキアが人花族の少女に近づく。
そして、爪先立ちとなったセキアが人花族の少女にズイと顔を近づけたかと思えば、
ふんふんと頭についた薄紫色の花を匂ったのである。

「……!」

こんなことをされてなお無言を貫く人花族の少女だったが、
「きゃあ! 非常識様がわたくしの頭の花などお嗅ぎになられておりますわ!」と
言わんばかりに恥じ入り、一気に頬を朱に染めあげる。
曜の時と同じく、人間以外の種族なんて本でしか見たことがないセキアである。
そんな彼女にとって目の前の人花族の少女は格好の獲物…もとい、好奇心欲を満たす対象だった。
「頭についてるあの花っていい匂いするのかなー」なんて考えたときにはもう体が勝手に動いている。
人としての礼儀を叫ぶ理性より本能が優先されてしまうのだ。そうさせる若さが悪い。

「あ、ごめん! 綺麗だったからつい…」

「……。………♪」

さすがに自分の行動の失礼さに気が付いたのか、慌てて頭を下げるセキア。
しかし、少女は頭の花を褒められたのが嬉しかったのか、まだ朱の抜けきっていない頬のまま
「なんちゃあないきに、気にしとらんがよ」とでも言いたげな微笑を形作ると、
バイバイと手を振って去っていった。気まずそうに頬を掻きながらもセキアは再びエルトを注視する。

「本当にエルト平気なの? 試験中は余裕なかったから聞けなかったけど
あたしが魔力を分けたとき何か様子が変だったよーな…?」

>エルト、ALL

1ヶ月前 No.225

隊長機モルガン @type14 ★Android=KeKvbmnKtk

【ジョージ・イワモト/第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

服を脱いだ時、もはやモーフィングを維持することもかなわなかったのか、イワモトの裸体は黒い人工皮膚に覆われ胸部以外は女性的なフォルムになっていた。
やはりヒルカはロボット工学の造詣がかなり深いようで、メンテナンススイッチを探りあて、背中の装甲を開いた。
メンテナンスモードに入り、イワモトの視界はカメラが切られ、パソコンの画面のようにコードが羅列されていく。
故障した部分が修理されていく度に表示は消えていき、代わりにエネルギーの循環率が上昇していく。

『何ふぉいうか、デタラメというか野放図というふぁ、
ふぁなり無茶な構造をしてやがるですよ、おむぁえの体。普通、
あんな無茶ふぅればメインフレームが歪んふぁり、腕や脚の一本二本完全に機能停止
しそうなもふぉなのに、ふぉの程度の損害で済んらのに納得がひっはですよ』
「でたらめなのは仕方ないさ。元々はガイノイドの体に人間の脳髄と臓器の一部と左腕をつけてあとは現代ロボット工学で不足分を埋めて男に仕立てた……って友達が教えてくれたんだ。ガイノイドは設計思想が解析不能でそれこそ2000年前の超古代文明のロボットって嘘ついても信用できるそうだ」

実際問題イワモトもこの体をどのようにして開発したのかは知らないのだ。設計思想がガイノイドにせよ現代ロボテクニクスでも理解しがたいのだから。

『てめぇだけに言えることじゃねぇが、人でない部分を持ったやつらは頑丈な自分の体に
頼りすぎるあまり、自分をないがしろにしがちですよ。もっと自分を労わってやれですよ』

『代用血液の補充、エネルギーケーブル交換の応急処置で8割型エネルギー循環率は
回復したが、無茶はもう出来ねぇですよ。後で必ず私…ヒルカ・ルドナルのいるアーティーの
中央工房まできやがれですよ』

「自分を労ることは善処するよ。君のいうところのゆるふわちゃんに怒られたし……それに中央工房へのお誘い、確かに記憶したよ」
カメラを再起動するとエルトと目が合い、右手でサムズアップをしておく。
背中を閉じて上着を着れば、イワモトはヒルカに振り向く。
「ありがとう。戦うことは叶わないが、拾った命は大切にするよ」

>>ヒルカ、エルト

1ヶ月前 No.226

仔夢 @00000x☆cwJNWCyjuy3U ★iPhone=y44SZZaVfW

【 東海林曜 / 第一競技場内 / 入隊試験会場 / 控え室 】


そっと目を開けた頃には、黒い巨大な鳥は疎か、無数の小さな折り鶴さえも綺麗さっぱり消え去った控え室の中心付近の天井にぽっかりあいた穴を見つめていた。視界に入るのは頭に花のついた、恐らく人花族という種族の少女であった。気付けば立っていられなかった筈の体はもう歩けるくらいには回復していたし、白肌に咲いた紅の花は全て白いガーゼで覆われていた。となると、この少女が手当てしてくれていたのだろう。上半身だけ起こして周りの状況を確認すると、大方の志願者は同じく人花による手当を受けていた。寧ろ需要と供給のバランスが崩壊するくらいに人花人口が多いほどである。最早職を見つけられない人花はセキアの好奇心の的となってしまっていたし、治療が終わった人花たちは職が無いと判断すれば世間話をしながらそそくさと部屋を出て行く様子も見受けられた。自身の手当てをしてくれていた白い花の少女に軽く会釈し、礼を言うとそのまま包帯やらギプスやらで痛々しい容姿となった曜はすっと立ち上がり、共戦した仲間たちの元へと足を進めた。先程から同じく白いウサギ、だがロップイヤーであるため恐らく性格は真反対であろう少女に手当てを受けていたジョージの元へと歩み寄った。


「大丈夫ー? 戦ってる時はあまり共戦って感じがしないくらいお話できなかったけど、活躍はちゃんと見てたよ? すごいなって思ったけど……今の曜から言えることは取り敢えず……まぁ、なんだ、無理すんなってことなんだわ。」


恐らく曜よりボロボロになって戦っていたのだ。無理のし過ぎは良くないことくらいウサギにもわかる。言い切った後、ニッと笑ってからふっと彼を抱き締めた。彼女にとって、ハグは挨拶の一つ。実は人間の暖かみを感じるためでもあって、彼は確かに生きている、と自分に言い聞かせ、納得させるための手段でもあった。何より戦闘後は人肌恋しくなる。ウサギは寂しさで死んでしまうこともあるくらいに寂しがり屋なことで有名だ。スキンシップがやたらと多いことくらい許して頂こう。次に、エルトの元へと駆け寄った。最後の総攻撃には加わっていなかったおかげか、なんとか気絶は間逃れたらしいエルトもまた魔力の供給を受けていた。


「もー、エルトさん無茶なんだよ本当に。もうあんな危ない戦い方したら駄目だよ? 曜は心配して言ってるんだからね! ほんと、世話がやけるんだわ。」


あからさまな呆れ顔を作って大袈裟に肩を竦めたかと思えば、またどこか困ったかのような笑みで溜息を吐き、エルトにも抱きついた。体のパーツを、体温を、確かめるようにゆっくりと、そして自分の体温を分け与えるように強く抱き締めた。


>ジョージ・イワモト様、エルトライぜ様、控え室オール様

1ヶ月前 No.227

エルト @absoryut ★XSc0by2j7f_Qc5

【第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

「…まぁ、そういう事だ」
乾いた笑い声を出しながらも何とか落ち着いたセキアに、そう短い返事を返す。
…下手に余計な事を言うと混乱しそうだったからと言うのがあったからだが…それ以上にこっちもちょっとばかり困ったことになっていて余裕が無かったからだ。
それと言うのも…先程診療に来た人花がおろおろと狼狽えており…そのまましゅんとしょぼくれているような雰囲気になってしまったからだ。
(…む…むぅ…逆効果だったか!?)
…これだけの惨事になったのだ…人手が足りないと思い、他の手伝いをしてもらおうと考えての発言だったのだが…完全に裏目に出たようだ。
(…これは嘘でも不調を…いやしかし原因が判らないとかえって大事になるか…?)
表面上は軽く冷や汗こそ流れているものの大して変化はない…が、内心では図らずも落ち込ませてしまった人花をどうフォローすればいいのかと高速で思考する。
しかし、そもそもそういった経験が皆無であり、下手に思考が回る都合上気のきいた言葉すらも思いつかず…焦りだけが徐々に募っていった。
…しかし幸運な事に、人花の方は同僚に恵まれていたようで…何やらフォローするかのように肩を叩き、視線を交わしたかと思えば…何らかのやり取りがあったのだろう、立ち直った様子の人花がこちらに軽く会釈をしてきた。
「…ん」
内心で安堵しつつもそう極々短い返事…とも言い難い様な相槌を打って軽くうなずいて平和的に解決…するはずであった。

「こ…こらセキア!?」
いつの間にか人花に近づいていたセキアが何を思ったのかその頭部についていた花に顔を近づけ匂いを嗅ごうと試みていた。
止める間もなくその匂いを嗅がれた人花はその頬を朱に染めて恥じらう物の…直後の謝罪で褒められたのが嬉しかったのか、微笑みを浮かべ再び元の場所へと戻っていった。
「気になるのは仕方ないにしても…まず相手に同意を求めるのがだね…」
今回こそ何事もなく済んだものの…トラブルになってもおかしくはない事案であり、少し注意しておく必要があると判断して何やら説教じみた言葉が出てくる。
…本人に自覚は無いが…その心境は親戚の子供を注意する年長者そのものであった。

「ん…まぁそうだな…」
と、ひと段落した所でセキアがこちらの状態が気になったのか、体調を含めてこちらの様子を聞いてくる。
(…正直に全部話す…と言うのは流石に手間か)
セキアの質問に十全に答えるならば流石にこの休憩時間は足りないだろう…そもそも理解できるような説明をできる気がしない。
創られた命…なんて突拍子も無い事を言った所で信憑性もないだろうし…ここは掻い摘んで言うべきだろう。
「…まぁ最低限の魔力さえあればどうにでもなる…そういう魔術だ…それと戦闘中はセキアの言った通り余裕が無かっただけだ」
…少なくとも嘘は言っていない…かなり端折った説明ではあるが…必要最低限の事は伝えている…はずだ。

>セキア ALL

「…今の会話に安心できる部分がまったくなかったんだがね…まぁすっぽかす気なら引きずってでも連れてくから覚悟してもらおうか」
ヒルカとの会話が聞こえていたようで…大丈夫だ、と言わんばかりのサムズアップを見せてくるイワモトにため息交じりにそう返す。

そんな事を言っている間になんとか復調した曜がこちらにやってきて、無茶を押し通したイワモトに挨拶がてら軽く苦言を呈する。
「…そうだな、見ているこっちが肝を冷やした…仕方ない状況だったとは思うが、そう頻繁に味わいたくは無いものだな」
…自分の無茶に関しては棚に上げて…と言うよりも自覚が無いようで便乗するような形でこちらからもそう告げる。

「え?…いや、あれは、無茶ってわけじゃ…」
しかし、傍観者になりかけていた所で曜の矛先がこちらへとむけられ、一瞬遅れながらもそう言葉を紡ぐ。
(…確かに先行して多少引き付けはしたが…最後の踏み込み以外はいくつかの択を用意していた…はず…だよな?)
…途中からその択という物が徐々に狭まり、結果的に最後に踏み込む以外の選択肢が潰されることになってはいたのだが…本人はそれに気が付いてはいないながらも、どこか違和感を感じたらしく少し考え込みそうになる。
「…え?…な!?…よ…曜!?」
そんな状況下で突如抱きしめられる事となり、反射的に戸惑うような反応が飛び出てしまう。
(え?え?いや、こ、これはどういう…!?)
完全な不意打ちであった…今まで体感したことのない温かみと感触に一瞬でそこまでの思考は吹き飛び霧散する。
(お…落ち着け、落ち着くんだ…まずは状況の整理を…)
…それでも冷静な部分の思考がかろうじて働き現状を打破せんと高速で…それはもう高速で思考を巡らせる。
(抱擁、あるいはハグ…一般的にそれは親しい者への信頼の表現であり…そういえばさっきイワモトにもやっていたっけ?…やってたな?…ということは…)
一度動いてしまえば後は早いもので…時間にして数秒の間で『信頼している』と言う事を表現したいのだ…と言う結論に達したようですぐに平静を取り戻す。
「…ふぅ…無茶はそちらもだろう?…見てるこっちが不安だったぞ?」
分かりさえしてしまえば後はもう簡単な話でいつもどうりの調子でこちらもため息交じりにそう返す。

>イワモト 曜 ALL

1ヶ月前 No.228

ますたあ @ritonetto ★Android=yDqhBiviYT

【白月レイ:実技試験会場】

人花たちに魔力を供給してもらい、小さな怪我も治してもらった、が、レイはそのあとも目を覚ますことはなく、眠ったままだった。
命には別状はないので、ただ眠っているだけだった。

「……………っ」

慣れない武器に変身したあとは反動が大きい
魔力とともに体力も消費され、1歩も動けないどころか、1日くらい眠ってしまうのだ。

まるで、何かの峠を越えたかのような満足そうな顔でスヤスヤと眠っている

>試験会場all

1ヶ月前 No.229

語り部(スレ主) @yuzuriha16 ★QfkxS1HnBM_mOc

【セキア&ヒルカ/第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

「今のおまえの説明をそっくりそのまま現代の技術者どもへ伝えてやるといいですよ。
きっとへそで灼熱の茶を沸かしやがること間違いなしですよ」

紛れもない事実で現実のことなのだが、さらりと荒唐無稽なことをいうイワモトに、
ヒルカは皮肉を過分に込めてそう言った。実際、彼の体内構造を見る前に、
今のイワモトの説明を聞いていたら、ヒルカがへそで茶を沸かすことになっていたかもしれない。
限られた工具で何とか応急処置だけでも施せた自分を褒めてやりたいほどだ。
彼の体構造は生物と科学と魔術のごった煮融合体といって差し支えないものだった。
計器が示したオーパーツ部分の基本スペック値も大概なふざけぶりだったが、
そもそも彼の設計思想自体がぶっ飛んでいるのだ。それこそ、彼と同じものをもう一体作れと言われたら
即行で首を横に振れるほどには。あるいは“彼女”であれば
彼と同じものをもう一体作ることが可能かもしれないが、それを今確かめる術はない。

「はぁ…全く、何で私の周りには人のいうことや話をきかねぇ奴ばかり集りやがるですよ。
あくまで応急処置と言っただろうが、ですよ。
記憶するだけじゃなく、ちゃんと行きますぐらいは言えですよ。
一応名刺を渡しておくから、今日以外にも何かあったときには、ここに来るといいですよ」

イワモトの言葉を受けたヒルカは頭が痛いとばかりに額に手を当てつつ首を振る。
そして、『アーティー区画 第1区 センターブロック 中央通 トリニッジ工房
アーティー区画統括管理官 ヒルカ・ルドナル』と書かれた小さな紙片を彼に無理やり握らせると踵を返す。

「ふん。命だけじゃなく体も大事にしてやれですよ」

イワモトのゆるふわちゃん発言を耳ざとく聞いていたセキアの
「あーっ、イワモトのおにーさんまでひどい!」というセリフをBGMに
短く言葉を返したヒルカは、そのままスタスタと足早に遠ざかっていった。

>イワモト


先の人花族の少女の一件でエルトに注意を受けたセキアは
帽子の上から頭を掻きつつ、小さく反省の意を示した。
その後、エルトから試験中の不可解な行動について説明を受けるも、
やっぱりよく分かっていないのか、小さく首を傾げるに留まった。

「なはは…ごめんなさい。そういえばエルトも綺麗な瞳の色してるよね。
そういう色の瞳って旅しててもなかなか見なかったなー…ふむ」

あ、これまた絶対良くないことを考えてる顔だ、と誰が見ても分かるような表情で
顎に手を添えつつ、何事か考えこむセキア。やがて、彼女の頭上にピコーンと電球が
点灯すると、スタスタとエルトとの距離を詰め始めた。
人花の少女が去ったことで興味の対象が少女からエルトへシフトする。
セキアの反省は5秒と持たなかった。この後、彼女が何をするかはもはや説明不要だろう。
要するにセキアは近くで見たいのだ。観察したいのだ。覗き込みたいのだ。その薄緑を。
まるで人見知りの猫に近づくがごとく、セキアは接近を開始する。
そろそろとスローペースで近づくなんて慣れないことをしているせいか、
セキアはよく分からない怪しげなオーラさえ纏いつつあったが、
思わぬ乱入者が現れることで、興味が一瞬そちらへ逸れる。

「あーっ、あーっ! いいなー! あたしにも曜のハグを―――いや、これは…
ひょっとしてチャンス? ちょっとだけそのまま! そのままねー、
ちょっとチクっとするだけだから、痛くないからねー……そろりそろり」

会話に気をとられていたエルトに曜のハグが炸裂する。
分かりやすいほど恥ずかしがるエルトをよそに、セキアは助ける素振りも止める素振りも見せずに
曜の抱擁を羨ましそうに指を咥えてみていると、はたと口の動きを止めた。
また先と同じ例の表情がセキアの顔に浮かぶ。そして、お前はどこの医者だ、とツッコミが
入りそうなセリフと共にじりじりとエルトに接近を開始した。ある程度距離を詰めると、
曜に抱きつかれたおかげか、やや前傾姿勢のエルトの顔にセキアは視線を合わせる。

「曜、ナイスアシスト! ほうほう…こうなってるのかー。
見事に緑色…いや薄い緑っていうか…やっぱり綺麗だなー…ふむふむ」

一体何に対しての礼なのか曜の理解を置き去りにして、セキアはエルトの瞳に集中する。
本人は気付いていないが、先のイワモトの自分をないがしろにする発言に
怒ったときと同様に、基本的にパーソナルスペースが近いのだ、この娘は。
前門の兎、後門の(頭が)ゆるふわ女といった状況のエルトに今のところ助けが来る気配は…なかった。

>エルト、曜、ALL


治療の邪魔になると、人花の救護係がレイの側を離れるまで近づくことはしなかったが、
人花族の少女が離れたと同時に彼女の元へ駆け寄る。

「レイ!……って、まだ起きないか」

セキアの言葉に答えるのは規則正しい寝息の音だった。
その寝顔に苦しげなものは何一つない。
それは人花族の治療と魔力供給がうまくいっている証だった。
ほっと胸をおろすのもつかの間、レイが何も敷いていない床に寝転がされているのに気付き、
セキアはいそいそと地面に座り込むと、自分の膝の上にそっとレイの頭を乗せる。
無言のまま彼女の顔を見下ろすと、先ほどの試験の記憶が鮮明に蘇ってきた。

「………」

そっとセキアの手がレイの頬に触れる。
思えば、無茶な武器化を依頼したにも関わらず、彼女は終始、こちらにあわせてくれていた。
それどころか、セキアのどんなオーダーにも文句一つ言わず、忠実に応えてくれていた。
自分は巨鳥と化した羽軍に上空へと連れ去られたとき、不覚にも彼女を放してしまった。
こちらのミスで彼女を命の危険にさらしてしまった。試験中はとにかく無我夢中で
後悔に思考を裂く余裕すらなかったが、今になって急にその事実が重くのしかかってくる。
無意識のうちに、ずびっと鼻がなる。幸い、長い髪に顔が隠れて皆から自分の顔は見えない。

「ごめん、無茶させて。
もし、次があったら…もっと、レイに楽させてあげられるくらい強くなるから」

自分のこんな顔は何よりもレイが望まないだろうと、溢れかけたものを無理やりに引っ込める。
そうして――


■■の重みを支えきれず■■が地に横たわる。■■は動かない。
■■の瞳から光が消える。■■の心音が遠ざかる。■■の息が先ほどから止まったままだ。


横たわるレイの姿の中に誰を見たのか、頭の中にノイズ混じりの映像が流れて消えた。

「…痛……っ……? 何、今の……」

>レイ

1ヶ月前 No.230

レイチェル @heizeru ★kNsprAD8lb_ZIw

【ジェニファー・エマール/第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

「傷を癒せ、黄金の時の魔法よ」

小声で呪文を唱え、右手の火傷を癒す。救護係の力も借りたことで、すぐに治すことが出来た。
だか、その反動は大きく、ジェニーは倒れそうになったが、何とか堪える。
他にも傷を負った者は沢山いる。自分も何か手伝えることをしよう。
彼女の周りには見知った顔が沢山いて、ほとんどが試験に合格したようだ。そう分かって安堵する。
ある者達はなぜか抱擁を交わし、セキアはレイというまだ目を覚ましていない少女が地面に直接横たわっているのを見て膝枕をしている。
彼女の顔は長い髪に隠れて見えない。一体、何を思っているのだろう。

「ああ、服がボロボロです……」

ジェニーは自分の姿を見下ろして、ううっと眉をしかめた。袖は焼け焦げて穴が開いている。他はそこまでとは行かないものの黒く煤け、元の色が分かるところがあまり残っていない。
後で洗濯しないと。シャツはもう着れそうにない。なかなか帰ってからも大変そうだ。

『…痛……っ……? 何、今の……』

突如、セキアがそんな声を上げる。何かあったのだろうか。
ジェニーは疲れを体の奥に追いやり、彼女に駆け寄った。

「大丈夫、ですか? 何か怪我とかが……」

残っているのだろうか。ジェニーはセキアの体を見渡したが、特にそのような様子は見つからない。

>>セキア、ALL様

1ヶ月前 No.231

隊長機モルガン @type14 ★BUzhF4mm8n_yFt

【ジョージ・イワモト/第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

 「……それで俺の過去がわかるなら、喜んで差し出すよ、技術者にね」
 戦いの余韻か、この体になって初めて『死にかけた』影響からか、イワモトは珍しく表情が陰った。正体不明の機械の身体に人間の残骸を繋いで『らしく』見せてる自分を再認識したのか、ぽつりとそんなことを呟く。だが、ヒルカの誘いには、確かに首を縦に振った。
 「わかった。試験が終わったら必ず出向くよ。これは名刺……はあっ!?」
 ヒルカの肩書が書かれたそれを見てイワモトのOSはぶっ飛びかけた。自分を修理してくれた女の子は間違いなく、統括管理官なのだから。
 「(鶴羽さんも見た目が若かったけど、ほんとに女の子がこんな仕事やってるのか……)」
 踵を返す彼女を見送ると、やっぱり発言を聞いてた『ゆるふわちゃん』から抗議の声が響いた。
 「あ、あれ、聞こえた? ごめんごめん……おっと」
 苦笑いをうかべていたら、今度は曜が抱き付いてきた。ボロボロになったこちらを気遣ったのだろう。
 「大丈夫、もう体は平気だよ。きみは大丈夫か?」
 曜の頭を優しく左手で撫でる。彼女はすぐにエルトにもハグしているのが微笑ましい。ジェニー傷を手当しているし、後は気がかりなのが……
 「レイ……は落ち着いたかな」
 目を覚まさない、いや、休眠に入っているレイを見れば、セキアが寄って何か話している。敢えてその内容は記録にとどめない。そこまで趣味の悪いことはしたくないし、これはセキアなりになにかのけじめがあるだろうと察したからだ。

 『…痛……っ……? 何、今の……』

 そのけじめが何かによって弾かれたのか。自分も気になって寄ってみる。

 「セキア、どうした?」

>>ヒルカ、セキア、エルト、曜、レイ、ジェニファー

1ヶ月前 No.232

仔夢 @00000x☆cwJNWCyjuy3U ★iPhone=y44SZZaVfW

【 東海林曜 / 第一競技場内 / 入隊試験会場 / 控え室 】


 「大丈夫、もう体は平気だよ。きみは大丈夫か?」
「そっか、大丈夫、か。よかったぁ……曜も大丈夫だよ。暫く誰かにぎゅってしてないといけないだけなの。」

相変わらずエルトにひっついたまま、ジョージにそう返すウサギの顔はほんのりと赤みを取り戻していた。要するに、嬉しいのだ、この子は。こうして仲間たちと言葉を交わせていることに、そして、確かに自分達は勝利したんだという喜びに。


「…え?…な!?…よ…曜!?」
「む、どうしてそんなに驚くの? 曜の事嫌い? 曜はエルトのこと好き。あのね、ウサギは好きなウサギにこーするんだよ。」


少し、いや、かなりその細い足がつりそうなほどに背伸びをして曜と同じ美しい白髪のかかった耳に口付けをする。これがウサギにとって敬愛の意を示す行動なのだ。そして勿論好き、も仲間として、だ。基本的に言葉が足りないのだ。この子は。一目見た時から細っこいとは思っていた体つきのエルトは、実際に触れてみると、あまり抱きしめ過ぎると壊してしまうんじゃ無いかという不安に襲われるほどの細さだった。その頼りない体つきの少年の顔を見上げると自然と瞳に涙が浮かんだ。戦闘中、一瞬、何が起こったか分からなくて、全員、勿論自分も含めて死んでしまったのでは無いかという恐怖感に襲われたのだ。共戦した仲間の顔を見るとその時の感情が大波のように押し寄せ、更に不安感が煽られる。それはエルトの体温を感じることで落ち着くかと思っていたのだが、全く真反対の結果となった。いつ失ってしまうのかが怖い、いつ失われてしまうのかが怖い、それは人の暖かみに触れるたびに強くなり、余計に相手を手放したくなくなる。一度離してしまったらもう二度と触れられないような気がしてしまうのだ。段々と込める力が強くなる。一方、先程の口付けで更に顔中に薔薇の花びらを埋め込んだかのように真っ赤になるエルトに曜は全く気付いていない。基本的にウサギは発情期以外は異性との壁なんか関係無しに接する。今はウサギの発情期ではない、然し、そう、人間は万年発情期だということをこの白ウサギは理解していない。それに対してエルトは何かを理解したのか一人頷き、曜に向かって声をかけた。


「ふぅ…無茶はそちらもだろう?…見てるこっちが不安だったぞ?」
「嘘だぁ…… 曜はそんな不安定な戦い方はしないもん……多分……」


するとエルトの体は少し前に傾いた。ふと埋めていた服から顔を上げてみると、そこにはセキアがいた。どうやら瞳の色を観察しているらしい。何が何だか分からないうちに褒められたウサギは一瞬きょとんとした顔をしたあとに、褒められた喜びに頬を染め、今度は大きなうさ耳も使って更に抱き締める。


>ジョージ・イワモト様、エルトライぜ様、セキア・ルーブ様

1ヶ月前 No.233

エルト @absoryut ★XSc0by2j7f_qxX

【第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

「いや、そういう問題じゃなくってだな…っ!?」
こちらの反応が少々気に入らなかったのか不満そうな声を漏らす曜。
そういう訳ではないと返答しようとしたところで唐突として耳に感じた違和感…それが曜の口付けだと分かるのに数瞬かかり、自覚した瞬間『ボン!!』と、何かが爆発したような幻聴を聞いたような気がし、同時に心臓が早鐘を打つように早まったのを自覚する。
(な…なな…!?…い、いや落ち着け落ち着け…これは抱擁の延長であって…そう、ただの同胞への信頼表現であるからして…)
等々、先程同様高速で思考を巡らせて、何とか落ち着こうと言い聞かせる…効果の程は残念ながら今一つのようで…密着しているが故に否応なく感じる柔らかさや息遣い等に幾度となく妨害される事となる。

>曜 ALL

「…セキア」
…と、ここでそんな状況を打破するきっかけになったのがセキアだった。
先程注意したばかりだというのに好奇心の任せるままにこちらにやってきて…その本能のままにこちらの目を覗き込んでいる。
「…はぁ…まぁ見るぐらいなら別に構わないけどな…相手によっては不快に感じることだってあるんだと言う事は覚えておくように」
ちょっとやそっとで理解できないならばじっくりとOHANASIするべきと本気で考えていたのだが…一片たりとも悪気のないその純粋な視線にすっかり毒気を抜かれてしまい、ため息とともにそうセキアに言う。
…まぁそういった人物は滅多には居ないし、遭遇しても『そんなの関係ねぇ!!』とばかりに突っ込んでしまいそうなものだが…頭の片隅にでも残っていればいいか、程度の投げ槍な心境であった。

そうこうしているうちに、レイの容体が気になったのかセキアがそちらの方に駆け寄って、意識のないレイに労いの言葉をかけていたようだが…突如としてその様子に異変が起こり、周囲にいた受験者らが心配そうにセキアの方を見ている。
(…何かあったのか…?)

>セキア ALL

1ヶ月前 No.234

語り部(スレ主) @yuzuriha16 ★tparLSU8Lm_pxp

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1ヶ月前 No.235

隊長機モルガン @type14 ★Android=KeKvbmnKtk

【ジョージ・イワモト/第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

騒動の中心に謀らずもいてしまったセキア。そういえば、自分の過去やらなんやら彼女に語ってきたが、イワモトは反面、セキアのことは何も知らないも同然だった。

そんな彼女が語る過去。
抜け落ちた記憶、思い出せない恩人。
マリンブルーの瞳をした、大切な人物。
イワモトのメモリーによぎる、淀んだ目の人形……

「違うッ!」

セキアがえづきを堪えるのと同じタイミングで突然イワモトが吼えた。自分がなぜこんなことを言い出したかわからないまま、イワモトの頭に埋め込まれた電子頭脳が最適な言葉を手繰り寄せる。
「君の記憶は……抜け落ちたんじゃない。忘れていても、全てを失ったわけじゃない。メモリーは……人間の……いや生きてる者全てのメモリーは……いつか思い出せる。機械のメモリーサーキットにはできないそれを、いつかやる日が君にはくる。俺とは違うんだ……機械の俺とは違う、君になら……できる」

メモリーを失い、苦悩する思いでなんざ自分独りだけ味わえばいい。

「セキア、俺達はチームだ。一蓮托生じゃないか……だから……そのメモリー、俺達と探してみないか……」

いつの間にか膝をついて、修理が終わって代用血液の通う紛い物の温かさしかない体がセキアをそっと抱きしめる。

>>セキア、ALL

1ヶ月前 No.236

語り部(スレ主) @yuzuriha16 ★RKmHI4Icaj_pxp

【セキア&ヒルカ/第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

「巻き込んじゃうことになるけど…本当にいいのかな。確証はないけど
たぶん、記憶探しの途中で良くないことが起きる可能性があるかもしれな――」

唐突なイワモトの叫びにも似た声にも感情を動かされることなく、
静かに言葉を返しかけたその直後のことだった。
あくまでこちらを気遣うような力加減の、やんわりとした衝撃がセキアの体を包んだのは。

「え、わ…お、おにーさん?」

突然のことで頭が真っ白になる。
セキア・ルーブ、18歳。昔から物怖じしないというか遠慮のない性格で、
その性格基盤はここアスールにたどり着くまでの旅を通じてより強固なものとなっている。
だからこそ知らない人に話しかけたり、例えそれが初対面の相手であったとしても躊躇なく接近したり触れたりできる。
それに今のこの行動もこちらの身を案じての行動だということは、これまでのイワモトの言動から分かる。
しかし、それとこれとは話が別。うどんとそばくらいの違いがあるのだ。セキアの意識は月面まで吹っ飛び、
そして、大気圏に突入したかと思えば、そのままUターンしてまた宇宙へと舞い戻った。
そんな遥か彼方へと遠ざかりつつある意識の中、どう断りを入れて
イワモトから自然に離れようかと考えをめぐらせていると、前から呆れた声が覆いかぶさってきた。

「お前ら何してやがるですよ…」

曜に抱き疲れた状態のエルト。そして、イワモトにより以下同文な状態となっているセキアに
突如現れたロップイヤーの少女、ヒルカの視線が突き刺さる。
後先考えない猪突猛進なその性格に隠れて、あまり表に出ることはないがセキアとて羞恥心はある。
個々人の幸福な時間は冷静な第三者の目が介入した瞬間、消し去りたい恥ずかしい思い出に変わるとは
よく言ったもので、それは能天気の権化といっても過言ではないセキアにも例外なく当てはまった。
何かの拍子に自分のほうから抱きついてしまった経験こそあれ、異性から抱擁を受けた経験など
皆無なセキアは、途端に手をばたばたとさせながら支離滅裂な言葉をヒルカへ向けて発した。

「のおっ!? わ、た、不意打ちとは卑怯な!?
武士の風上にもおけませぬぞ! かたじけのうござるっ!?」

「そこまで警戒しなくてももう奇襲なんて二番煎じが通じるなんて思ってねぇですよ。
何をそんなにキョドってやがるですよ?
次の実技試験の説明に移りたいからちゃっちゃと落ち着きやがれですよ」

彼女の言葉を皮切りに、付き合っていられないとばかりに肩をすくめたヒルカの脇を一人の人花族の少女が通り抜けた。
その手には大きなダンボール箱が抱えられており、彼女が歩を進めるたびに
中に入っている物どうしがぶつかりあうジャラジャラという音が聞こえてくる。
やがてセキア達志願者の前にドサリと箱を降ろした人花族の少女は、
小さく一礼すると箱を開け、その中身を手際よく配り始めた。
やがて、ポカンといまだ放心状態から抜けきれていないセキアの手の上にもそれがポンと置かれる。
渡されたのは、ちょうどセキアの手首にはまりそうな大きさの銀色の輪っかだった。

【それではそろそろイベントの方、進めさせていただきます。
お待ちいただいていた方は申し訳ございませんでした;】>イワモト、ALL

29日前 No.237

仔夢 @00000x☆cwJNWCyjuy3U ★iPhone=y44SZZaVfW

【 東海林曜 / 第一競技場内 / 入隊試験会場 / 控え室 】


「いや、そういう問題じゃなくってだな…っ!?」
「「そういう問題じゃない」わけない……だってエルトさん困ってる……」


相も変わらずむすっとした態度を示しながらも白ウサギは身長差によりかなり高い位置にあるエルトの首に手をまわしたままだ。暖かい息遣いが白いツインテールを揺らし、首筋を撫でるのが酷く心地良かった。ただ、人間の男性というのは女性のように柔らかく崩れてしまいそうな弱さと愛らしさがあるわけではないということも初めて知った。然し、もうくっついていれば何があっても大丈夫だという安心感もかなりのものだった。この国に来てからというもの、人肌の暖かみを感じることはそうそう無かったため、愛しく、懐かしく、新鮮な気分とエルトの同い年とは思えない大人っぽい香りに浮かされていると、ふと、セキアの異変に気付き、エルトも曜も小競り合いを止めてそちらに意識を向ける。それは、セキアの過去の話。残念なことに控え室に来てからというもの、慌ただしく時が過ぎ、セキアの過去の話をじっくり聞くことは出来なかったため、上手く話が掴めない曜だったが、セキアが落ち込んでいる様子はしっかりと分かった。側に行って慰めようとしたその時、一足先に動いた人物の人影が曜の視界の隅に映った。
ジョージだ。彼は自らと同じようにセキアを抱き締めた。それは彼女を労わるかのように、包み込むように優しい抱き方で、見ているこちらが微笑ましく思った。先程までの不機嫌具合は何処へやら、満面の笑みを浮かべた曜は殆ど真上にあるエルトの顔に向けて「良かったね、」と無邪気に言った。


「お前ら何してやがるですよ…」


突如、この状況においては第三者の声が飛んだ。二組の抱擁を静かに見つめる同じく白ウサギの少女。彼女が区画管理官であることは曜でも分かる。真上のエルトに向けていた顔を彼女に向けていると、分かりやすく動揺し、恥じらいを隠すように警戒するセキアに向けてロップイヤー少女が鋭く一言を零した。


「そこまで警戒しなくてももう奇襲なんて二番煎じが通じるなんて思ってねぇですよ。
何をそんなにキョドってやがるですよ?
次の実技試験の説明に移りたいからちゃっちゃと落ち着きやがれですよ」


すると、人花の少女が小さな白い手のひらに銀色の輪っかを置いた。


「これを、実技審査に……?」


片方の手は未だエルトにまわしたまま、不思議そうに人花の少女を見つめる。


>エルトライぜ様、ジョージ・イワモト様、セキア・ルーブ様

29日前 No.238

ますたあ @ritonetto ★Android=yDqhBiviYT

【白月レイ:実技試験会場】


無理な力の使い方をしたレイは、休眠状態だった。
が、周りが騒がしくなってきたので、レイはゆっくりと目を開ける。さっきの実技試験の結果を聞く前に眠ってしまったので、自分が合格したとはしらない。むしろ落ちたとさへ思っている

「……あれ、私………そっか、力を使いすぎて……あ、れ?セキアさん?どうしたんですか?」

自分がどうして倒れたのかを思い出したあと、自分を看病してくれたのだろう、膝枕をしてくれているセキアさんがなぜか、あたふたして、放心状態になっていたので、首をかしげる。

>セキア all

29日前 No.239

エルト @absoryut ★XSc0by2j7f_qxX

【第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

「…どう見たって平気じゃないだろう?」
こちらとの会話中に頭痛を感じたようで、何とか誤魔化そうとしていたセキアだったが…どう見ても何かあったような慌てぶりな上に口調までもおかしくなっており、訳有なのだという事が筒抜けとなっていた。
流石にこんな調子では誤魔化されてやる事などできるはずがなく、心配そうに声をかけてセキアの反応をうかがう事にした。

「…そうか…恩人を…か」
するとセキアの方から語られたのは普段の彼女からは想像もつかないような内容であり…かと言って決して偽りの無い事実であると思わせるような説得力の有る口調であった。
「もういい…辛いなら無理に話さなくてもいい」
その語りの最中、むせるように口に手を当てるセキアにそう言って軽く首を横に振る。
…止めるべきではないのかもしれなかったが…辛いのを押し殺してでも最後まで語ろうとするその姿は見ていて痛々しいほどであり…同時にその姿から彼女の過去について『最悪の部類』であろう事柄を考えてしまったからだ。

(…まさかな…考えすぎだ)
その考察を今の状況しか知り得ない根拠のない推論、と切り捨てて思考に耽りそうになった意識を引き戻せば、語り終えたセキアをイワモトが抱きしめ、彼なりの理論で言葉を紡いでいた。
それが功を奏したのか落ち着きを取り戻し…はしなかったセキアが戸惑いつつも暗い方面に走っていた思考を引き戻したようで…面白いように顔色を変えて現状をどうにかしようと考えているのが見るまでもなくよく分かった。
(…まぁそうなるな…『それ』の衝撃は大体の事が吹っ飛ぶよな)
…先程経験したばかりだからわかる事ではあるが…異性との抱擁と言うのはそれほどのインパクトを持つもので、それに難なく抗えるのは余程の経験者か、朴念仁かのどちらかだろう。
そしてセキアは辛うじて(失礼)後者の方ではなかったようで…後にやってきた…戻ってきた、というのが正しいか?…ロップイヤーの少女が呆れたような…ではなく実際呆れた声が投げかけられ、現実に引き戻される事となった。

「…ほっといてくれ」
そしてヒルカの呆れはこちらにも向けられているのだと言う事は疑う余地もない事であり…取り繕いようもない現状に対して、もはや言い訳する気も起きずに、そう素っ気なく答えつつも抱きついていた曜の両腕の内、片方を引き離し、直後にやってきた人花から謎の銀の輪を受け取る。
…その途中であからさまに不機嫌そうになった曜の顔がちらりと見えた気がするが…こちらにも体面という物があるのだ…そこは勘弁してもらおう。

>セキア 曜 ALL

28日前 No.240

隊長機モルガン @type14 ★Android=KeKvbmnKtk

【ジョージ・イワモト/第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

「巻き込まれてもいい。俺たちは犠牲になる前に、運命だってひっくり返してしまいたくなるくらいに往生際が悪いんだ。だからセキア、頼っても……あれ?」
やっぱり抱きしめるのはまずかっただろうか……こちらも沈黙をもってあれこれ思案を巡らせる。そりゃあ……いくら自分が改造人間とはいえ、やっぱりそこは異性なのだから、いきなりはダメだよな……なんて考えてると、不機嫌そうなロップイヤーちゃんの声と、岩本の腕の中でぶんぶん腕を振り回すセキアの姿があった。
「あっ……いや……これは……ごめんセキア」
すっ、と腕を開いてセキアを離すと、青い瞳のターレットレンズを回して黒い瞳になり、アルラウネが持ってきた手枷のようなそれを手にする。どうやら次の試験のようだ。
「ひとつ確認したいがヒルカさん、戦闘じゃあ、ないよな?」

>>セキア、ヒルカ、曜、エルト、レイ

28日前 No.241

語り部(スレ主) @yuzuriha16 ★70fQfK1k0G_pxp

【セキア&ヒルカ&シスメ/第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

「あっ、レイ! 良かった〜、意識が戻って…
一次試験レイが頑張ってくれたおかげで突破できたよ、ありがとう!
それで、今は次の試験の説明を受けるとこなんだけど……」

さきほどの慌てぶりはどこへやら、レイが目覚めた瞬間、彼女の手をとってそのまま踊りだしそうな
雰囲気さえあるセキアだったが、目覚めたばかりの彼女の体を気遣って感謝の言葉を送るだけに留める。
そうこうしているうちにも話は進んでいたようで、エルトの照れ隠しがわりの言葉に
短く鼻を鳴らしたヒルカは、ジョージの問いかけに僅かに片眉を吊り上げ、
今一度ぼろぼろとなった試験会場を見渡しながらため息混じりに否定した。

「体を動かしてもらうことにはなるが、無論ちげーですよ」

「よかった…さすがにもう戦闘はこりごりだよ」

ヒルカの言葉にほっと胸をなでおろすセキア。満身創痍の状態からは脱却できたものの、
セキア含め他の志願者も程度の差こそあれ、先の試験の消耗を引きずっている状態だ。
ここでもう一度戦闘試験なんて言われていたら、さすがに乗り切る自信がなかった。

「何を安心してやがるですよ。
何も試験の難易度を下げるとは一言も口にしてねぇだろうが、ですよ」

そんな弛緩した雰囲気をヒルカが嗜めるように視線を鋭くした。
再び肌に刺さるようなピリッとした空気が試験会場を支配する。彼女も区画統括管理官として手加減は逆に
失礼に当たると思ったのか、その視線から一切の手心は加えないという意気込みが見て取れる。
一次試験を突破した浮かれた雰囲気から一転、そんな場の雰囲気に当てられたセキアの喉がごくりと鳴る。

「二次実技試験のルールを説明するですよ。
一度しか言わねぇから、耳の穴かっぽじって聞きやがれですよ」

そう前置きしたヒルカは全員の意識が戻っていることを確認してから試験の説明を開始した。

「お前らにはこれから捕縛任務のシミュレーション形式の実技試験を行ってもらうですよ」

そう言うとヒルカの指が壁際にいるある人物を差す。

「捕縛対象は私と、そこにいるシスメの二人。体に手が触れた時点で捕縛完了扱いとし、
こちらが指定する時間内に二人とも捕縛が完了した時点で今この場にいる全員を合格とするですよ」

事前に知らされていなかったのか、ヒルカのアドリブによるものか真相は不明だが、
試験場の壁際に控え、手持ちの本型魔導具に何事か熱心に書き込んでいた
眼鏡の試験官らしき女性――シスメは顔を上げるときの風圧で、
そのまま手に持った魔導具のページを捲り上げそうな勢いで「うええっ!? 私もですか!?」と
弾かれたように顔を上げる。突然、捕縛対象役に抜擢されたシスメの非難の視線を黙殺し、ヒルカは続ける。

「攻撃なり妨害なり捕縛の為の手段は問わねぇですよ。
ただし、お前らには一人ずつ行動の一部をランダムに制限させてもらうですよ」

「行動の制限? それってどういうこと?」

人花族の少女が先ほど配っていたこの銀のリングと関係あるのだろうか、とセキアは頭に疑問符を浮かべる。
ヒルカが口にするべくもなく、その答えは間もなく明らかとなった。
天井の一部にスライドしたかと思えば、映像投影用魔導具(通称モニター)がゆっくりせり出してくる。
そこに写されていたのは、一昔前に流行ったようなスロットゲームの筐体だった。
ただ、少し違うのはスロットの幅が横に広く、何故か今ここにいる志願者達全員の名前がその上に
刻まれていることだ。スロットは高速で回転しているため、どんな絵柄が描かれているかまでは分からない。
やがて、チーン!と間延びした音と共にスロットの回転が止まると、
ようやくこの試験の趣旨がセキアにも理解できた。セキアは自分の名前を探すついでに、
他の志願者の名前の下にある文字もゆっくりと読み上げていく。表示された文字はこうなっていた。


ジョージ・イワモト:『体重増加』現体重に+20kg追加

ジェニファー・エマール:『後退行動禁止』バックステップ、後ろ歩きが出来なくなる

エルトライゼ:『嗅覚遮断』一切の臭いの判別が出来なくなる

東海林 曜:『視界反転』見えている景色が上下逆さまになる

白月 レイ:『属性固定(水)』魔術、異能、物理、全ての攻撃・補助行動が水の属性になる

バラッド・ゼルレイン:『限定右左折行動』直角にしか曲がれなくなる

エイドリアン・デューク:『弾力走行』断続的にしか地面に脚をつけられなくなる

セキア・ルーブ:『衣装チェンジ』error code 2167 詳細説明が登録項目にありません


「その魔導具にはつけた者に精神干渉能力への耐性低下と、
限定形質発現を付与する魔術式が組み込まれているですよ。
その腕輪をつけた時点でモニターのデメリットが自動的にお前らに付与されるですよ」

この際、リングの仕組みとか色々気になったが、まぁそれは良しとしよう。
ただ一つ納得できないことがあるとすれば、自分の項目に描かれた文字だ。
「うん、おかしい。変だ。なにこれ。どうなるのあたし」と言いたい気持ちを飲み込んで
ヒルカの表情を伺いながらセキアは恐る恐るモニターを指差して問いかける。

「え、あの、あたしのだけエラーとか書いてあるんですけど…」

「あ? はぁ…またあいつの仕業か、ですよ。
制限項目の引きなおしは認められねぇですよ。運が悪かったと思って諦めるといいですよ」

理解が追いつかず思わず普段でも稀にしか使わない敬語口調になってしまっていたが、
そんなセキアにヒルカが放った言葉は無情にも「お気の毒さま」だった。
口に入れるまで何味か分からない系のお菓子とかは好きだ。
だが、こんなにも嬉しくないサプライズはいつ以来だろうと、
セキアは途方にくれた顔で自分の手の中にある銀色のリングを見下ろすのだった。

>曜、レイ、エルト、イワモト、ALL

27日前 No.242

隊長機モルガン @type14 ★Android=KeKvbmnKtk

【ジョージ・イワモト/第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

「これで当面の危機は去った……はずだよな。よかった」
セキアが離れた後でイワモトはレイの頭を優しく撫でて、その頑張りを労った。そしてヒルカと、その横にいるシスメを見比べながらつぎの試験内容を確かめる。戦闘はないという事実はありがたいのだが……ハンデのついた捕獲シミュレーションに思わず眉をひそめた。
「……体重増加?」
自分に課せられるハンデを見て思わず鼻で笑ってしまう。機械の自分に重量が増えたところでそれが何を意味するのだろうか。機械動力がその程度では参らないのだと信じていた。
「素早いロップイヤーちゃんにヘビーで挑むとはおもわなかったよ」
右腕のジョイントを外し、床に置くと渡された腕輪を左手に装着する。何も感じない。
「どうやら俺には失敗だったようだ……今回の試験は楽に……あれっ」
ようやくイワモトは異常に気がついた。動きがノロノロになり、ロボットのようなモーター音が聞こえる。
そう、体重増加により間接部が保護モードになり、動きが某デトロイトのサイボーグ警官みたいになってしまう。
「なるほど……ハンデにはちょうどいいわけだ……」

言いつつイワモトは膝をついた。

>>ヒルカ、シスメ、セキア、ALL


【待ってました!そしてメリークリスマス!】

27日前 No.243

エルト @absoryut ★XSc0by2j7f_qxX

【第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

「…そうか、それは何よりだな」
イワモトの問い掛けに『戦闘ではない』という明確な答えを返した事で少しだけ安心してそう呟く。
…それなりに戦えていたように思えただろうが…正直なところ自身は戦闘向きではない…と、言うよりも初陣と言えるほどの素人なのである。
(…情報としてはそれなりに知っていたつもりだったんだがな)
睡眠学習…とでも言えばイメージしやすいだろうか?…あくまでも『情報』という形で、戦闘とはどういったものなのかと言う事は脳内にしっかりと叩き込まれていた…だがそれはあくまでも知識でしかなく…実際に活用できて初めて本物と言えよう。
(多少の勝手は違うと覚悟はしていたが…やはり上手くはいかないな)
先程の戦闘を思い返せば所々でミスが合ったように思え…まだまだ未熟なのだと言う事を痛感させられた。

そんな事を考えていた所でこちらの気が緩んだのを察知したヒルカが釘をさすように『難易度が下がる訳ではない』と告げてくる。
「ああ、それはわかっているつもりだ」
それに対してそう返事をし、続く試験についての説明を静かに聞いていると、突如として試験対象に選ばれた女性が弾かれたかのように反応していた。
(…ああ、これは聞かされてなかったんだな)
…その推測は間違って無いようで…抗議の声と共に、恨みがましい視線を発言者であるヒルカに送っており…思わずその眼鏡の女性に同情するような視線を向けてしまう。

「手段は問わず…ただしハンデ付き…か」
さりとてあまりよそ見しているわけにもいかないと、思考を切り替えて殺名された内容を復唱する。
手段を選ばないで良いのは此方としてもやりやすい…むろん良識の範囲で、という但し書きは付くだろうが…それとは別にハンデ付き、という点が気にかかった。
(…あまり無茶な条件ではないと思いたいが…む?)
考えている途中で突如、天井からスクリーンが降下してきたことに気が付きそちらを注視してみれば…そこにはスロットマシーンと思わしき映像が写されており、そこに受験者らの名前が固定されていた。
そのスロットはしばらく回転していたが…徐々に勢いが弱まり…やがては完全に制止し、各員へのハンデの内容が決定した。

「色々と取りそろえたものだが…」
…どうにも内容に偏りがあるように感じる…と、いうかセキアのに至っては明らかにおかしい。
「…マシンの故障…と言うわけではなさそうだな」
当のセキアは非情に困惑しているのだが…後姿だけではそんな様子が分かる訳もなく、ヒルカとセキアの会話から何者かの横槍が入ったのだろう…と、だけ推測していた。
(…まぁ…精々動きにくい服装にされるぐらいだろう…それはそうと…嗅覚遮断?)
と、セキアの方はそう重い制限ではないのだろうと結論付け、自身に課せられた制限について思考を始めるとする。
(…嗅覚は多少良いぐらいであまり頼る事も無いんだが…これは当たりか?)
他の嗅覚に比重を置く獣人系人種であれば重大なペナルティにはなったであろうが…生憎と自身はそういったタイプではなく、ほとんど無制限にならないといえるだろう。

(…まぁ動きに支障が出ないのに越したことはないが…他のメンバーの分まで動くつもりでいた方が良いな)
ふと周囲に目をやれば、重量増加によるペナルティでイワモトが明らかに機動に支障をきたしており…他のメンバーに関しても勝手の違いに戸惑うであろうというのは十分に想像できた。
故にその分を補う算段に入っていたのだが…この時の彼は知る由もなかった…自身が意識していないだけで実際には嗅覚もまた魔術の行使に活用されており…それが遮断された場合には微量なれど確かにズレが生じるのだと言う事を。

>セキア イワモト ALL

27日前 No.244

ますたあ @ritonetto ★Android=yDqhBiviYT

【白月レイ:実技試験会場】


「よかった。みなさんも、そしてどうやら私も次の試験に進めるんですね。魔力も体力も回復したので、もう大丈夫です。ありがとうございました。」

そういうと、ゆっくり立ち上がり渡されたリングをみてキョトンとする。そして説明を聞き自分の名前と制限される項目をみる。

「『属性固定(水)』魔術、異能、物理、全ての攻撃・補助行動が水の属性になる、ですか。えっと、私の能力は武器化、水系の武器になるということでしょうか。
水、水………うーん、これしか浮かびませんね」

自分の能力がどこまで制限されているかわからないけど、たぶんこう言うことであってるはず!と変身したのは、水鉄砲だった。
一応これも武器といえば武器ということになる。
いまはまさに100円ショップなどに売っていそうな小さなものだが、頑張ればとてつもなく大きなかっこいいやつになれるかもしれないけれど

>セキア イワモト ヒルカ エルト

27日前 No.245

@00000x ★iPhone=y44SZZaVfW

【 東海林曜 / 第一競技場内 / 入隊試験会場 / 実技試験会場 】


戦闘ではないというヒルカの言葉にほっと胸を撫で下ろしつつも、先程学んだ通り、楽な試験ではないことくらいは誰もが暗黙の了解として分かりきっていた。そこに質問をふっかけるほど曜は馬鹿ではない。難易度が下がるわけがない、と思った途端、ヒルカの口から全く同じような言葉が発せられ、確かに予想はしていたという納得感と恐怖感が入り混じった複雑な心境に陥った。恐らくこのウサギ(ウサギとしては曜も同類だが)、碌なことを言い出さない。きっと一次試験が不意打ちで始まったことよりもっとぶっ飛んだことを言い出すに決まっている。と思いきや、彼女の口からは、曜の予想斜め下を貫く言葉が発せられた。


「お前らにはこれから捕縛任務のシミュレーション形式の実技試験を行ってもらうですよ」
「捕縛任務……って、それって捕まえる、ってことだよね? えぇ……わたしは守る方が得意なんだけどなぁ……」


捕縛対象として挙げられたのは、ヒルカと、壁際で何かメモをとっていた女性、彼女は恐らくヒルカの気まぐれにより二秒前に選ばれたのだろう。何かの音がするくらい、擬音で表すならぱんっと顔をあげ、ヒルカに必死に抗議の瞳を向けていたが、ヒルカは御構い無しに説明を続ける。そんな彼女を哀れに思った曜は、「可哀想に」と「容赦しない」の二つの意味で彼女に微笑みかけた。そして続くヒルカの説明を聞き逃すまいと大きな耳をピンと立てて音を拾いやすいように、そして警戒の態勢をとる。


「攻撃なり妨害なり捕縛の為の手段は問わねぇですよ。
ただし、お前らには一人ずつ行動の一部をランダムに制限させてもらうですよ」
「行動を制限? 動きにくくなるってこと?」


そんな質問も知らん顔。いつの間にか、天井には高速回転するスロットの映像が映し出されていた。最早文字が読み取れないほどに回転するそのスロットが小気味のいい音を立てて止まった時、候補者たちは目を見開いてスロットを見つめた。行動制限とは、このスロットで決められた不自由のことを指すのだろう。自分の名前を探すと、「東海林 曜 :視覚反転」の文字が読み取れた。見えている景色が反転、ということは上下左右が反対に見えるということだろう。左にヒルカを見れば右に動かなければならないし、下から攻撃が来れば下に逃げなければならない。とはいえ獣人として嗅覚、聴覚の方が大事といえばそうだし、そもそも視覚など殆ど当てにしていない。そして妖精の血が入ったものとして飛行能力がある曜は恐らく捕獲の要にならなければならない。ウサギは上からの襲撃に弱いことは自身の経験から知っている。更に言えば身軽さや素早さで言っても曜は劣っていない。なにせ同類のウサギが相手だ。残念ながら人間は苦手だ。シスメは他の候補者に任せるとしよう。
すると、ジョージが確かに自らの異常に気がついたかと思えば一気に視界が眩み、次に瞳を開くとそこは別世界のように思えた。


「わぁ、世界が反対だ! イワモトさんがこっちで、エルトさんがこっちに見える! それに二人とも浮いてるよ!」


きゃーきゃーと赤子のように騒いで戸惑う素振りすら見せないこのウサギは恐らく馬鹿の分類に入るのだろう。


>ヒルカ・ルドナル様、シスメ様、セキア・ルーブ様、周辺ALL様

26日前 No.246

語り部(スレ主) @yuzuriha16 ★fChNFuElpx_pxp

【セキア&ヒルカ&シスメ/第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

各々が自らに課せられたハンデに戸惑う中、
セキアはいまだ呆然と銀色のリングを見下ろしていた。
やがて覚悟を決めたのか一度深く頷いた後、手の中のリングを大きく振り上げると――

「ええい、ままよ! 鎧でも着ぐるみでもどんとこい!」

自らの手首へ向けて振り下ろした。自動で留め金が外れ、カチャンという静かな音と共に
リングが装着されると、セキアの体を包み込むように光が発せられた。
あまりの眩しさと、何が起こるか分からない恐怖に閉じていた目を開けると、
そこには反射的に顔を覆った自分の左手が、白いレース手袋に包まれているのが見えた。
続いて体を見下ろすとそこに見えるは、同じく純白のドレス。
頭を触ると薄い布を幾重にも重ね合わせて作られた長い布が被せられていることが分かった。

「えっと…何故にウェディングドレス?
で、でも! 衣装が変わっただけなら、あたしにはまだネムレスと魔術が――」

ある! と続くはずの言葉は先ほどまでネムレスを握っていたはずの
手の中で光る銀色のナイフを目にした途端、霧散した。
ご丁寧にもその刀身には、それが今さっきまでセキアが所有していた魔導書で
あったことを証拠づけるように、タイトルであったNamelessという文字が刻まれている。
これはあれだ、なんかケーキ入刀とかの時につかうやつだ。なんか柄の近くにリボンで
編んだ花とか付いてるし。何故、ブーケじゃないのとか思考が横道に入りかけるも、
元来のポジティブシンキングな性格が、何とかプラスの方向へ思考を導こうと軌道修正をかける。

「うわぁ…い、いや! 見た目こそ変わちゃってるけど魔術は問題なく使え――」

るはず! と続くはずの言葉はセキアの手から放たれたキャンディーが
放物線を描いて地に落ちることで途切れた。普段であればセキアの魔術シュガーバーストが発動し、
光に包まれ爆発するはずのキャンディーがころころと空しく地面を転がる。
魔導書としての本来の機能には期待できそうになかった。

「うわぁい…って、ことは今のあたしはつまり……」

ザ・ただの人間。
身体能力、平凡。異能なし。特筆事項なし。能力値オールCなただの人間。
しかも、裾の長いドレスのせいで移動速度は激減。
オマケにどこかに裾が引っかかれば即、脚が止まるというハンデ付き。
その事実はセキアに床に両手をつかせるには十分な内容だった。
がっくりと項垂れたセキアはとぼとぼと重い足取りでレイの元へ向かう。

「くっ……ごめん、レイ…またお世話になっちゃうけどいいかな…?」

先ほどの試験でセキアが剣の姿の彼女を握った途端、ボロボロだった彼女の刀身が新品同様に
ピカピカになったのを思い出したのか、水鉄砲の姿になったレイを手に取りつつ問いかける。
自分の魔力を彼女に分け与えれば、さすがにウォーターカッターとまではいかないまでも
ジェット水流くらいにはなるかもしれないと思っての行動だった。

「試験終了と同時にその腕輪の効力は切れるよう設定してあるから心配いらねぇですよ。
どうやら準備も整ったようだし、そろそろ試験を開始するですよ――ビフレスト」

ヒルカは「ひぃ!? あのうさぎの子 なんか確実にこっちの魂的なものとる気の顔で
私のこと見てるんですが!?」と曜の含みのある微笑に怯えるシスメの声を無視して、
ペンサイズの何かを上空へと投げ放った。それらはヒルカの声に呼応するかのように肥大化し、
先端に銃剣のついた4本の長銃となり地面に突き刺さる。ヒルカは無造作にその内の
茶色い飾り布のついた一丁を地面から引き抜くと、それに反応して他の3つの銃も空中へと浮き上がる。
それを確認しつつ、ヒルカは破壊痕の目立つ試験会場へ銃口を向け、さらに何事か呟いた。

「起動せよ、震虹の橋。
タワーオブジェクト・オベリスク、タイムテクスチャ・アワーグラス」

トリガーガード前部から伸びた魔力伝達ケーブルの先端とヒルカの右腕に刻印された接続陣が合わさると、
マスケット銃型の銘有り魔導具ビフレストがモーターの回転音のようなうなり声を上げる。
そのまま手にもった一丁の引き金を引き絞ると銃口から散弾のようにバラ撒かれた無数の光が
試験会場の床に着弾し、その床が隆起したかと思えば、そこから無数の四角柱が天井へと向かって伸びていく。
まるでタケノコが一夜にして竹へと成長する様を早送りで見せられているような光景をヒルカは一瞥した後、
天井へ向けて更なる一撃を放つ。着弾した光は霧散し、ある紋様を天井へと浮かび上がらせた。

「あれって…砂時計?」

セキアの記憶に間違いがなければ、アレは砂時計と呼ばれる
内側に溜められた砂の満ち引きで時間を計るための道具だ。
今でも紅茶を入れるときなんかによく使うのでその姿が記憶に新しい。
その砂時計の紋様をぼけっと見上げていると、ヒルカがシスメを引きずりながら既に移動を開始していた。
姿は視認できるものの、全力で走ってもすぐには追いつけないくらいの
距離をとったヒルカは、志願者達の方を振り向くと同時に宣言する。

「第二次実技試験を始めるですよ。死力を尽くして喰らいついてきやがれですよ」

ヒルカが宣言した瞬間、絵でしかないはずの砂時計が
まるで映像を再生するかのごとくサラサラと砂を下へ落とし始めた。

>イワモト、エルト、レイ、曜、ALL

【Information:第二次実技試験を開始します。イベント終了条件につきましてはメモ欄末尾をご覧下さい】

25日前 No.247

ますたあ @ritonetto ★Android=yDqhBiviYT

【白月レイ:実技試験会場】

これでいいのかな、などと不安に感じていると、ウェディングドレスをきたとてもかわいらしいセキアさんが、また私を使いたいと言ってきた。

「もちろんです!でも、私も今は、水属性の武器しか使えませんが」

という、間もなくセキアさんは私を手に取った。
すると、セキアさんの魔力の影響を受けて、レイの姿が変化した。
それはタンクを背中に背負うタイプで、水圧の威力も抜群なウォーターブラスターだった。ただこれも見た目的にはオモチャだが、あくまで武器扱いになった。

「……あの、ごめんなさい。」

ハンデのせいとはいへ、こんなオモチャみたいな武器で、なんだか申し訳ない。しかもただでさ動きが制限されてしまうウェディングドレスをもし濡らしてしまったら、水をすったドレスが重たくなってしまうのでは、と思うとさらに申し訳ない。

「それと、もし背中のタンクの水がなくなった時、補充するには、私に水属性の魔力を送り込む必要があります。すいません、負担をかけてしまって」

本来なら使い手の魔力ならどの属性でもかまわないのだけれど、どうやらこのリングの影響で、リロードするために必要な魔力も水属性に限定されてしまっているようだ。

>セキア all

25日前 No.248

隊長機モルガン @type14 ★BUzhF4mm8n_yFt

【ジョージ・イワモト/第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

 「へぇ……似合ってるじゃない」
 ウェディング姿のセキアを見ると、小型端末を取り出し、撮影モードにしてセキアの写真を撮るイワモト。かなり意地悪なアングルで撮影しており、不謹慎ながらこの状況を楽しんでいる。
 すると曜は視界が反転していることに大はしゃぎし、レイは水鉄砲とタンクに変身する。エルトだけは嗅覚の制限故になにも変わってないように見えるが、念のためターレットレンズをブルーにしてみると、エルトの周囲の魔力メーターにばらつきがあるのを確認する。
 「なあエルト、大気中の魔力が君から出たり入ったりで安定してないぞ? 大丈夫か?」
 もしかしたら嗅覚もコントロールに必要なのだろうか……聞いたこともないが。

 そうこうしているうつにヒルカとシスメが凄い勢いで距離を取る。頭上の砂時計がひっくり返ったとき、試験は始まった。

 「……くそっ……動きが鈍い……」

 とりあえずは自分の限界を知る為に重量が増えた体でヒルカへ向かって走る

>>ALL

【お待ちしてました! 頑張ります!!】

22日前 No.249

仔夢 @00000x ★iPhone=y44SZZaVfW

【 東海林曜 / 第一競技場内 / 入隊試験会場 / 実技試験会場 】


シスメの明らかにやりたくないというオーラも悲鳴も無視してヒルカは黙々と会場準備を進めていく。大きな耳でシスメが曜に怯えている様子もキャッチしたものの、それ以上特に言及せず、ただ目があった時にはほんのりと笑みを浮かべてやった。そんな中、ヒルカが手にした一丁の拳銃のようなものの引き金を引くと、瞬く間に無数の光が飛び散り、やがて床に着弾した。床に触れたそれは天井に向かって伸びる柱を作り、やがて最後の一発を天井に向けて撃つのが分かった。曜目線で厳密に言えば反対のヒルカが床に向けて撃ったのだが。そこには大きな砂時計が映し出されていた。この砂時計の砂が全て移動し終わるまでがタイムリミットと言うことだろう。アスール国家隊入隊試験とあって、タイマーやデジタル時計のような測り方かと思っていたがそこはやけにレトロチックな設定なんだ、と少し笑いを零してしまった。そんな中、嫌がるシスメをヒルカが全力で引っ張り、候補者たちと距離をとると、高々と二次試験開始を宣言した。曜もここぞと意気込み、姿勢を整えたその時、近くにいたウエディングドレス姿のセキアに構えられたレイの一言が大きな耳に飛び込んだ。


「それと、もし背中のタンクの水がなくなった時、補充するには、私に水属性の魔力を送り込む必要があります。すいません、負担をかけてしまって」
「おっと、それは聞き捨てならないッ! 曜は無機物操作能力を持ってるから、水属性の魔力なら送れるよ? 水って無機物だし、白月ちゃんの水鉄砲の軌道を変えたり、状態変化させたりくらいならお手伝いできるかも。例えば、白月ちゃんの発射した水を軌道上で鋭い氷に変化させるとかね! 曜も縛られた身だからある程度動きにくいんだけど、それくらいだったら全然大丈夫!」


左に見えるが、恐らく右にいるはず、よって右側を向いてそう話すがどうも慣れない。何せ話しかけている相手側の顔色が伺えないのだから、酷く扱いにくい。自らの立った位置を中心に会場内に一気に氷を張り、そこからウサギ仲間の標的、ヒルカを中心的に氷を集めていく。仲間の一人が水属性ならば、曜も水属性で、そんな深く考えもしない案だったが何せ視覚的に慣れないもので動きにくい曜にとって効率のいい作戦だった。

>白月レイ様、周辺ALL様

22日前 No.250

エルト @absoryut ★XSc0by2j7f_qxX

【第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

「…動けなくはないんだろうけど…厄介なチョイスだなこれは」
リングがはまると同時に不思議な光に包まれ…それが引いたかと思えば、この場においてはあまりにも異質な全体的に広がる様につくられた…いわゆるドレス、それも結婚式に使われるような完全に『見栄え重視』のドレスであった。
セキア自身も多少のショックは受けたようだが、魔導具は服装とは関係ない…と思い至って『ネムレス』を取り出したものの…ご丁寧にそちらも服装に合わせて変化しており…一縷の望みをかけて魔術を発動させようとしたのだが…
(…あー…まぁそうなるよな)
…当然というかなんと言うか…魔術は発動する素振りすら見せずに放り投げられたキャンディーが悲しく転がるだけであった。

「ま…まぁ動きづらかったり魔術が使えないのは少し…いや、かなり厳しいが致命的という訳じゃ…」
これ以上無いというレベルの落ち込み用で地面に手を付ける事となったセキアを何とか励まそうとそんな言葉をかける…実際の所若干傷口をえぐっているようにも聞こえるが本人に悪気はない。
そんな事を言ってるうちに、当のセキアは、ひとまずは水鉄砲に変化したレイを手に取って立ち回る事にしたようだ。

>セキア ALL

「安定していない?…それは確かなのか?」
と、イワモトの指摘を受けるなり、少しだけ驚いたようにそう返す。
(…自覚は無いが…冗談でこんな事は言わないだろうしな)
大丈夫だ、問題ない…と迷いなく突っぱねる方が安心させられるのだろうが…彼の内蔵する計器類の性能に関しては確かな物だったと言う事もあり…一蹴するのは少々早計と言えるだろう。
「そんな事は無いと思うんだがな…っと!!」
言いつつも足元に転がっていたボール程度のサイズの瓦礫を拾い上げてやや強めに放り投げ…十数メートルほどの距離に達した所ですかさず一発の魔法弾を放つ。
放たれた魔法弾は寸分違わず瓦礫を打ち抜…くこととはならず、やや下方を掠めて数センチほど跳ね上がり…通過した魔法弾はさらに数十センチ程進んで小さく弾け、やや遅れて跳ね上げられた瓦礫が地面に落下して砕け散る。
「はぁー…なんてことだ…」
思わず手で目を覆い、深く…それはもう深くため息をはいて、視線を地に落とす。
(…いや、そうだな…未熟だってのはさっきも自覚した所だったしな)
理性でそう納得しようと言い聞かせるものの…少なからず自信を持っていた魔術だったが…それがたかが5感の1つを封じられた程度で狂わせられる物なのだと言う事実を突き付けられたような気がしてしまい、流石にショックを隠せなかった。

「…っ!?」
…だがそんな此方の事情になど構う事なく試験の時は刻一刻と差し迫っていて…開始の宣言によりようやく沈みかけた意識が現実に引き戻される。
(くそっ!!何やってんだ!?…今は試験の事だけ考えろ!!)
そうして若干出遅れながらも強引に思考を切り替える…今やる事ははっきりしているのだ。
(…身体強化は問題ないようだが…法撃関係はしばらく使わない方が良いだろうな)
出遅れたものは仕方がない、と割り切って軽く様子見がてら自身の状態をそう分析する…思った以上の痛手を被る事となったがやり方次第では十分に対処できるはずだ。
そう判断してこのまま一時の様子見を続行する事にする…今でこそターゲットは固まってはいるがこういった場合別々に逃げるのがセオリーなはずだ。
その時全員で早急に一方を確保し、もう一方に全力で当たる…と言うのも有りだがそれにしてももう一方も最低限居場所ぐらいは掴んでおかないと追う時になって苦労するのは目に見えている。
(ひとまずは人手の少ない方に向かうべきか)
…短くは無い思考の末にそう結論づけ、試験の動向を伺い…次に動きがあったらすかさず行動に移すべく、意識を集中させる。

>イワモト ALL

22日前 No.251

レイチェル @heizeru ★Smart=JteQvmC0Q1

【ジェニファー・エマール/第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

「後退行動禁止…」

ジェニファーは呟いた。別に体には何の以上もない。試しに後ろに足を運ぼうとすると、

(あれ、動かない…!)

足は全く動かない。動かそうとしても、まるで関節がそれ以上曲がらないかのようになるのだ。

(これは…なかなか移動に困りそうですね…)

ジェニファーはそう思わすにいられなかった。
もし攻撃などがあったら、回避は横、縦もしくは攻撃を受けるしかない。ジェニファーとしては、さっきひどい火傷を負って痛みを感じたばかりなのでそういうのは避けたいが、ここまできたらそうも言ってられないのだろう。
横ではセキアがウェディングドレスを身につけ、手には水鉄砲。そのめちゃくちゃな組み合わせに笑いがこみ上げてきたが、必死で堪えた。

(ここで笑ってはいけない…!他のみんなだって真剣なのに…!)

試験の前に、崩壊しそうな腹筋と格闘するジェニファー。彼女は今回、自分の壺が極端に浅いことを知った。
そんなジェニファーの目の前に、大きな砂時計が現れる。

やっとのことで笑いと息を落ち着かせたジェニファーは、遠くにいるヒルカ達を見据えた。
どうやら、あの二人を捕まえろということらしい。普通なら魔法で捕まえて終わりだろうが、きっとそうやすやすとはいかないだろう。
とりあえず、セキアとレイ(が変化した水鉄砲)は若干心配だ。ジェニファーはできるだけ近くに移動した。
守るとまではいかないが、手伝えることがあったらできるだけ手伝いたい。

遠くに移動し終えたヒルカが宣言すると、砂時計の砂が下へ落ち始めた。
試験開始である。

>>all様

22日前 No.252

語り部(スレ主) @yuzuriha16 ★PSSIjal4Kx_pxp

【セキア&ヒルカ&シスメ/第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

こちらの混乱をよそに悲哀に浸っていると、エルトの言葉が心を突き刺してきた。
彼としてはこちらを励まそうとしたのだろうが、
結果的にセキアは心の大部分をざっくりと切除されることとなる。

「うぐっ……ち、致命的…役立たず…穀つぶし……」

別にそこまでは言っていないだろうに、
一度最下層まで落下したテンションは下に落ち続けたまま留まることを知らない。
そうして勝手に一人落ち込むセキアの耳がある音を拾う。
突然のシャッター音に反応して顔を上げると、携帯端末を構えたイワモトと目が合った。
花嫁衣裳に水鉄砲というミスマッチな今の姿はバッチリと記録に残されたわけだ。

「な、なんで撮るかなっ!? 後生だから今すぐ消し――」

セキアが彼に何か言おうと口を開きかけたその矢先、ふと、ある人物が視界に入る。
見ると、セキアが脳内で勝手に心の癒しと設定したジェニーでさえ、
頬をひくひくと引きつらせ、肩をプルプルと震わせている。

「そ、そんな…うぅ、ジェニーまで…」

勝手に何かに裏切られたような気分になりながらも、
セキアは羞恥に歪む口を押さえ、無理やりにでも気分を変えようと
前を向いていつものファンタジー思想に染まった口上を口にする。

「くっ…こ、これも勇者を志す者に与えられた試練ってワケね!
やってやろうじゃない! なんか色々引っかかるけど!」

もう一度水鉄砲と化したレイとウェディングドレスを交互に見比べる。
その様相は学生服と機銃ならぬウェディングドレスと水鉄砲だった。
もしそんな映画が放映されてもヒットしないだろうなと、
脇道に逸れかけたセキアの思考をレイの申し訳なさそうな声が引き戻す。

「や、むしろ謝りたいのはこっちって言うか…ううん、何でもない!
レイには感謝してるよ。レイがいなかったら前の試験も合格できるかどうか怪しかったし」

このままでは謝罪のイタチゴッコになってしまうので、喉まで出かけた言葉を言いかけてやめる。
その代わりにセキアは花嫁衣裳に似合わない挑戦的な笑みを浮かべながら
水鉄砲に変化したレイの体を肩でも叩くみたいに軽くポンポンと叩く。

「ね、曜もこう言ってるし…だから一緒に頑張ろう!
よっし、攻撃方法も分かったし、そろそろ行こう! 二人とも待てぇい!! おとなしくお縄につけぇい!」

その声を皮切りにセキアはスタート位置から駆け出し、水鉄砲の引き金を絞った。
危険を察知し咄嗟にしゃがんだシスメの頭の上スレスレを、
レイの銃口から滝を横に流したような水流が駆け抜ける。
水流が柱に当たるボシュッ!という音を聞いて顔を青ざめさせたシスメは、途端にその身をすくませた。

「ひいい!? 志願者がっ、志願者が迫ってくるぅ!
どうして捕縛対象への攻撃まで許可しちゃったんですか!? 攻撃当たったら釈迦ります、普通に!」

釈迦る。それすなわちあの世への旅立ち。
全く流行する予定のない独自のスラングを開発してしまうほどにシスメには余裕がなかった。
そんなシスメを気に病んだのか、無視を貫き通してきたヒルカが渋々シスメの言葉を拾う。
いや、騒ぐシスメに目を細めたところを見るに、単に気が散るとかそんな理由なのだろうが。

「何をそんなに怯えてやがるですよ?
いくら書記官でも候補官の時期に戦闘訓練は一通り受けたはずだろーが、ですよ。
てめーはいつも机にばかり向かってないで、たまには体を動かしやがれですよ」

「受けてても無理ですっ、それに貴方達の身体能力基準で考えないで下さい、不快です!
いきなりこんなトンデモ種族のバーゲンセール状態のところに放り込まれたら
誰でも文句ぐらい言いますよっ」

ヒルカのたまには体を動かせ発言にシスメは「本当にもう…余計なお世話♪」と
言いたい気持ちを隊内の上下関係からくる圧力に負けて飲み込み、
涙目になりながら現状に対する理不尽さをヒルカに説く。区画統括管理官としての彼女の評判は聞いている。
きっと話せば分かってくれるタイプの人なのだ、このロップイヤーの少女は。
そんなシスメの淡い期待は、次のヒルカの発言で砂でできた城壁のごとく、あまりにも脆く崩れ去った。

「なにパンピーで女みたいなこと言ってやがるですよ、シスメ。
これ以上接近されたら逃げ切れねぇですよ。いいからとっととお前も散らばれですよ」

その言葉を最後に、ヒルカは無情にもシスメに背を向けてぴょんぴょんと走り去って行った。
しん、とやるせない沈黙だけが周りの空気を埋める。
ふ、ふふっ…と、ある種の危険な人が出すような壊れた笑い声を漏らしたシスメは、
せめてもの反抗として、いなくなったヒルカの方へ向けて心の内を叫んだ。

「一般ピーポーですし女ですっ! もうやだこの組織おうち帰りたい!
ああもう!! 分かりました! やります、やりますよ! せめて危険手当くらいはぶんどってやるぅ!」

無理やりながらも覚悟を決めたシスメは、走り出したヒルカの後を追うような愚は犯さず、
彼女とは反対の方向へ駆け出す。ヤケに見えて以外に冷静だった。
ある困った友人に鍛えられたおかげか、こう見えて切り替えは早いほうなのだ、彼女は。
ヒルカが出現させた石柱を右へ左へ避けながら、シスメは手に持った記録簿ダンタリオンを開く。
先の試験の影響で床には平坦な箇所が少ないはずなのだが、
そこは腐ってもアスール国家隊員と言うべきか、シスメの走る速度が落ちる様子はなかった。

【気が早いですが、皆さんよいお年を!
今後とも月下のアスールをよろしくお願いします^^】>レイ、イワモト、曜、エルト、ジェニファー、ALL

21日前 No.253

隊長機モルガン @type14 ★BUzhF4mm8n_yFt

【ジョージ・イワモト/第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

 「ゴメンゴメン、可愛かったから。後で消すからその前に試験だ!!」

 セキアにそう言って走りだすも、さすがに関節が悲鳴を上げるため、すぐに減速した。ヒルカが遠い。

 「どうすんだよこれ……」
 とりあえず対応できる機能を探しながら、今度はエルトの反応に応える。
 「たぶん五感の全てが制御に関わるから、ひとつつぶれると制御にばらつきが出るんだろうよ……まいったね。無理はするなよ。こっちも体が重くてたまらんよ……」

 さて、砂が落ちきるまえにどうしようか……体の機能を使うか、それとも別の手段があるのだろうか。
 なんとか重たい体で軽いロップイヤーを捕まえるには……イワモトの計算は続いていく。

>>ALL


【短くてすみません、よいお年を!!明日からもアスールで暮らすぞおおおおっ!!】

21日前 No.254

ますたあ @ritonetto ★Android=yDqhBiviYT

【白月レイ:実技試験会場】

『や、むしろ謝りたいのはこっちって言うか…ううん、何でもない!
レイには感謝してるよ。レイがいなかったら前の試験も合格できるかどうか怪しかったし』

セキアさんは私のお陰で、さきほどの試験をクリアできたと言ってくれた。それはこちらのセリフだというのに
私なんて誰かの力をかりなければ、力を使うことはできないのだから、もしセキアさんが私を手にとってくれなかったら

「はい、任せてください。……」

レイはいま見た目はおもちゃだが、発車する水の勢いは凄まじく、実弾にも負けない威力をもって発射された。

「……すごい、これが私の……それに力が制限されているせいか、不馴れな武器に変身しているのに疲れません……。」

と、自分の力に驚く。制限されているぶん威力はでないのではと思っていたからだ。

「標準もできるだけあわせます!あとは曜さん!お願いします!」

>all

18日前 No.255

エルト @absoryut ★XSc0by2j7f_qxX

【第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

「…そうらしいな…試験中にある程度は調整できるとは思うが…そっちも厳しいようだがあまり無茶はするなよ?」
イワモトの的確な分析に内心で少し驚くものの…こちらよりも先にそれに気が付いたと言う時点で当然かと思い直し、隠し立てする意味もないだろうと正直にそう返す。
(今回は戦闘ではないんだ…先程以上にひどい状態にはならないとは思うが…)
思いはするが…土壇場になったらおそらく相当な力押しで何とかしようとするのではないか…そんな気がしてならなかったためそれとなく警告のようなものを口にするが…おそらくはあまり意味がないだろうな…などと薄々ながら感じ取っていた。

>イワモト ALL

「…その…なんだ…悪かった」
励まそうとした結果、余計に落ち込ませる結果となったセキアに気まずそうにそう言う。
…当のセキアも多方面からからかわれ…珍しく(失礼)深く落ち込んだその様子には罪悪感を感じざるおえなかった。
幸いにもセキアは無理矢理思考を切り替えたようで、口上と共にどうにか立ち直る…納得しきってはいないようではあったがそれは致し方ないだろう。

「あんたも災難だな…」
もはや聞こえはしないだろう距離にまで引きずられていったシスメに思わずそんな同情的な事を呟く。
(…なんと言うか…他人事と思えないのが悲しいな)
何処であれ上司の無茶振りと言うのはあるもので…幸いにもこちらの上司は自覚があったのか出来なくともそれをどうこう言うような事はしなかったのだが…
(…っと、そんな事を考えてる場合じゃなかったな)
脱線した思考を戻しつつ状況を軽く整理する。

(現状だと明確に動いてるのは管理官とやらに向かうイワモト…セキアとレイ…それに曜もか?…3人一緒に動くとして…曜も管理官か?)
セキア□レイは前提として…曜も補給に関して請け負うつもりらしく、同行すると見ていいだろう…別に補給時だけ合流するというのも無くはないが少々と言うには無駄が多いだろう。
他のメンバーに関してはこちら同様に様子見と言った所なのか目立った動きは無いようで…このまま待つのは流石に悪手だろう。
「さて…そうなると…恨みはないんだが…」
言いつつ、シスメが走り去った方角を見やると器用にも石柱をかわしながら魔導具と思わしき一冊の本を開いており…その速度自体もなかなかの物だといえた。
「…手加減出来るとは思わないんでな…早めに投降してもらえると助かる」
そう言ってシスメを捕らえるべく、強化した身体能力を持って追跡を開始する。

>セキア シスメ ALL

【あけましておめでとうございました!!かなーり遅い挨拶となりましたが今年もなにとぞよろしくお願いします】

15日前 No.256

語り部(スレ主) @yuzuriha16 ★BDcx1PB14D_pxp

【セキア&ヒルカ&シスメ/第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

ヒルカの無茶振りに振り回されつつも、何とか逃走を続けるシスメ。
しかし、いくら身のこなしが良くとも、そこは魔力による身体能力強化の恩恵を受けた
クォーターエルフと生身の人間。柱を障害物に上手く使いながら善戦するシスメだったが、
二人の距離は徐々に縮まっていく。先ほど彼がこちらに向けた視線から、
彼とは自分と同じ匂いというか、同類のような親近感を感じたので、
こちらの境遇に同情して少しは手加減してくれるかと期待していたのだが、
そんな様子は微塵もなかった。

「ぜぇ…はぁ…ああもう…っ…ああもう! こんなことになるなら
…はぁはぁ…事前に志願者情報を…っ…もっと読みこんでおくべきだった…!」

訓練で身に染み付いた身のこなしは体が覚えていても、長年に渡るデスクワークのせいかそれに見合う体力が足りない。
加えて、シスメの持つ記録簿ダンタリオンは両手で抱え持たなければならないほどの
体積と重量ゆえに、明らかに走行の妨げとなっていた。
しかし、そんな逃走において明らかにデメリットとなるダンタリオンをシスメは手放すことはなかった。
その理由は一見、愚行とも思える次の彼女の行動で明らかとなる。

「とにかく早急に対応策を…アンブラインドネームサーチ…エルトライゼ。
クォーターエルフ…なるほど、
ではさっきの急加速は身体機能強化による恩恵というわけですね…」

酸素不足を訴えてくる肺と脳を無視して、シスメは手元にあるダンタリオンの背表紙を撫でた。
すると、それに答えるかのようにダンタリオンのページがぱらぱらと自動で捲れはじめ、
やがて止まったあるページに意識を集中する。だが、これはあまりにも迂闊な行為だった。
追跡者たるエルトから完全に目を離した状態、それは自ら隙を作ったということと同義だ。
文字を目で追うためにスピードを落とさざるを得ない無防備なシスメにエルトの追撃が迫る。

「シスメ、転移――!」

思わず、迂闊なシスメの行動に声を張り上げかけたヒルカだったが、

「もうやってます! ダンタリオン!」

あと数歩で距離が埋まるというところで、エルトの目の前からシスメの姿が掻き消えた。
転移魔術。数ある銘有り魔導具の中でダンタリオンはそれだけに特化した魔導具だった。
それを今、シスメはエルトの情報確認と並行しながらやってのけたのだ。
エルトからそう離れていない位置の柱の影に身を隠すシスメを見るようなことはせず、
気配で察したヒルカは、少女の顔に似つかわしくない口角を吊り上げた笑みを浮かべる。

(さすがシスメ、切り替えが早えぇですよ)

そうこうしているうちに、ヒルカの方も追跡者との距離が縮まりつつあった。
追跡してくるのは今確認できる分には3人。イワモトと水鉄砲の姿と化したレイとセキアだ。
完全にこちらに的を絞ったのか、シスメに気をとられている様子はない。
わざとぎりぎり追いつける速度で走ることで、
なるべくヒルカの方に志願者の大多数を引き付けるという計画は成功したと言うわけだ。
実際、相手の力量を量るのが目的ということもあり、あまり遠く離れないよう
付かず離れずの距離感を保つようにしようとしていたのだが、いらぬお節介だったようだ。

「ぬぐぐ…あとちょっとなのに追いつけない…!
こうなったら……レイ、ちょっと揺れるかもだから舌噛まないように気をつけて!」

水鉄砲になった今のレイに噛む舌などないだろうに、セキアは
いつもの良からぬことを考えていそうな得意げな顔で一方的にそう言い切ると、
レイを両手で握り締め、その銃口をヒルカの方ではなく自分の後ろ側へと向けた。

「必殺! えっと、えっと…ウォーターキャノンブースター!! いっけー!!」

そして、地面から脚を浮かせたセキアは、レイの引き金に指をかけると同時にすっ飛んでいった。
水流を後方へ発射すると同時に地面から脚を離すことで、水流の勢いを推進力として利用したと言うわけだ。
おおむねセキアの思惑通りに事は運んだらしく、
完璧な直線軌道とはいかなかったが、蛇行しながらもヒルカとの距離をぐんぐん詰めていく。
勝利を確信したセキアだったが、あと数cmで彼女の背中に手が届くというところで
突然彼女の姿がぐんと遠ざかった。

「甘ぇですよ。コモンマジック・ロールフレア、ストローレーザー」

宙に浮遊している三丁の長銃のうちの赤い飾り布に持ち替えたヒルカは
左斜め前方へ赤い火の輪を出現させたかと思えば、瞬時に青い飾り布の長銃へと持ち替え、
セキアと同じ要領で右斜め後方へと幅のある水のレーザーを射出する。
水流の勢いに引っ張られたヒルカはそのまま前方の火の輪をくぐり、
ある程度距離を離したところで水のレーザーを火の輪に当てた。途端に目の前が白一面となる。
とっさにレイの銃口を先ほどまでヒルカがいた方向へ向けるも、もうそこに彼女の姿は影一つなかった。
ここでようやく理解が及ぶ。要は多属性の魔術を操るヒルカの合わせ技にしてやられたというわけだ。
目の前が厚い霧の壁に覆われる刹那、ヒルカの声だけが響く。

「ふん。鶴羽の言葉を借りるわけじゃねぇが、
これくらいの試験をクリアできない根性なしにまたげるほど国家隊の敷居は低かねぇですよ。
出し惜しみせずにとっとと本気を出しやがれですよ」

セキアの策は失敗に終わる。悔しげな表情を隠そうともせず、
セキアは短く息を吐き出すと、神妙な面持ちで腕を組み何事か考え始めた。

「むう、結構いい手だと思ったのに…えっと、次の手は…
そういえばレイってその状態でも目って見えてるの? もし見えてるとしたらどのくらいの範囲まで見える?
それと、イワモトのおにーさんってその状態でもさっきの試験のときみたく腕を飛ばせたり出来る?」

>イワモト、レイ、エルト、ALL

15日前 No.257

仔夢 @00000x ★iPhone=y44SZZaVfW

【 東海林曜 / 第一競技場内 / 入隊試験会場 / 実技試験会場 】


一見玩具のようにも見える水鉄砲からセキアの手によって放出された水の弾は柱に勢いよくぶつかって飛び散った。これだけ威力があれば十分な武器になり得る。兎に角、他の候補者は大方シスメのほうが見込みがあると判断したのかそちらへ散っていった為、恐らく後々はシスメへの追跡を開始するのだろう。曜はそもそもの標的、同種族であるヒルカへ向った。ヒルカ側から水鉄砲の水を操ろうというのだ。慣れない視覚は殆ど無視して、本能だけで素早く壁を蹴りながら大凡ヒルカの頭上であろう位置まで飛行能力を使用して浮上した。
周りを見渡せば柱を右に左に交わしながら足場の悪い会場内を駆けるシスメ、とそれを追うエルトがすぐ側に伺える。今のところ彼女を追っているのはエルトのみ。エルトの脚力があれば助けはいらないかと胸を撫で下ろしたその瞬間、徐々に距離が狭まったと思えば、どうやら彼女の魔導具は転移能力を持つものらしく、エルトの前から瞬時に消えたかと思えば、曜の裏側にあった柱の更に裏に姿を移していた。これは空中から狙うのが効率がいい。地に足をつけたままだとかなり厄介だ。然し恐らく今のところ水系統の能力を持つのは曜のみ。レイの回復には曜が必要不可欠となる。とはいえ状態変化はまだしも軌道修正は正直曜が手助けしなくともセキアの腕でどうとでもなる。そう、あの同種族ウサギさんから曜のターゲットは恐らくこの会場内で最もマトモといえる一般ピーポーに絞られていた。


「白月ちゃん、回復とか状態変化が必要になったら呼んで。曜はちょっと狙わなきゃいけない相手がいるみたい」


唱えるように口早に、空中からレイにそう告げると答えも聞かずに先程の柱の裏まで移動した。何やら自らの持つ大きな記録簿をじっくりと見つめてぶつぶつと呟いているシスメは勿論先程と同じ場所にいる。そして、少し遠い位置にエルトも、十分に拝見できた。試験開始前から宣戦布告していた通りのことをしてやろう、と曜の良心と哀れみは徐々に薄れていく。今のところ気づいていないように見えるシスメの頭上に金平糖のような形の鉄屑の塊を作り出し、細い指を擦り合わせてぱちんと小気味のいい音を鳴らすと、それが合図なのか鉄屑は一気にシスメに降りかかる。少しでも素肌を擦れば返しがついた棘先が引っかかり出血を促すいやらしい攻撃である。勿論一般ピーポーとはいえ試験官である彼女。この攻撃をかわすことも想定内、というより許容範囲。当たればラッキーくらいの感覚であり、時間稼ぎにすぎなかった。そして、結果ももはやどうでもいいという表情を見せながら、先程から認識はしていたエルトの元へ向かう。


「シスメの魔導具は多分転移能力がある。てことは、地に足をつけたまま戦うのは体力的に限界があるし、恐らく不利。でも、飛行能力がある曜は白月ちゃん達のサポートもあるからそう長くシスメに構ってられない。だから、シスメはエルトさんにお願いしたいんだけど、これは一つ提案。というより援護するって意味なんだけど……ふふ、曜は今回もサポート要員みたいだね。要するに、エルトさんを飛ばせられるってこと。体の一部さえ触れておけば、一人までなら一緒に飛ばすことが出来る……曜も体力を二倍は使うんだけど、これしかないかなって」


エルトの頭上をくるくると回りながら指を立ててアイドルよろしくなポーズをとる曜には緊張感の欠片も見当たらないが、相も変わらずサポート要員はかなり頭がこんがらがっていた。

>白月レイ様、セキア・ルーブ様、エルトライゼ様、シスメ様

15日前 No.258

レイチェル @heizeru ★Smart=JteQvmC0Q1

【ジェニファー・エマール/第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

ヒルカが逃げている方向には、セキアレイの水鉄砲を使い、勢いよく飛んでいく。一瞬、うまくいったとおもったが、なかなかそううまくいかないらしい。
ヒルカは魔法を使い、セキアの追跡を回避。セキアは悔しそうだが、すでに何かを考え出している顔だ。

一方、シスメの方を見ると、エルトの追跡を逃れ、どこかに姿を消す。ジェニファーは、目を細め、会場の中を見渡した。すると……

(……いた!)

その位置はエルトよりあまり離れていない柱の影だ。息を潜め、他の人たちの様子を伺っている。
こっちに気づいた様子はない。
ジェニファーはその方向へ駆け出しながら、呪文を呟いた。

「我に風の如き速さを与えよ……神風!」

足元に小さな魔法陣が浮かび、一気に、加速。転びそうになったが、そこは必死にバランス感覚を駆使して抑える。

【めっちゃ遅いですけど、新年あけましておめでとうございます!今年もよろしくお願いします(o^^o)】

>>ALL様

15日前 No.259

エルト @absoryut ★XSc0by2j7f_qxX

【第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

同情はする…同情はするが…手加減するとは一言も言ってはいない!!…そういう訳で追跡を開始して程なく…息が上がっている様子のシスメを捕捉しつつ、ジリジリと距離を詰めるように追いすがる。
(…速攻を仕掛けるのも有りなんだが…まだ焦るような時間ではないか)
もう少しスピードを出そうと思えば出せない事は無いが…ここではまだ早計だ。
現に今も徐々に追いついてはいるのだし…やはり体力的な面ではこちらが優位言えるだろう。
(隠し玉の1つや2つは持っているだろうしな…仕掛けるのはそれを吐き出させてからだ)
厳密な戦闘とは違うが…これも1つの駆け引きだ…何処でどう動き、それにどう対応するかと言う、言葉にすればそれほど難しいものではない。
…当然ながら実際にはそんな単純な物ではないのだが…結局の所相手に無駄に手札を使わせておけばそれだけ情報的な優位が取れると言うのには変わりない。
(…まぁ使わせる前に決めてしまうというのも戦術ではあるのだが…む?)

そんな考え事をする余力を残しながらも、抱えていた魔導具らしき本を開き、何やら調べ物を開始したようだ。
(これは…誘いか?…だがそれにしては…)
あまりにも隙だらけ、かつ無防備な姿に罠の可能性が真っ先に浮かぶが…ここまででそんな余裕があったとは到底思えず…罠だとしてもそれに対処する余裕は十分にある。
(あまりなめてくれるなよ…っ!!)
そこで下した結論は強行突破…速度が落ちた事もあり、一瞬で距離を詰めてその肩に手をかけんとするが…
(…む!?…こいつは…転移か!?)
その手が空を切り、数秒程ブレーキをかけて体制を整えたところで、突如シスメが消えたと言う事を理解し…少しだけ離れた柱の影で魔力の動きがあったことを察知し、そう当たりをつける。
「…なるほど…厄介な魔術を使ってくれるな」
仕切り直しとなった事で軽く息を整えてそうぼやく…目論見通りと言えばそうではあるが…思った以上に厄介な手札を持っていたようだ。

>シスメ ALL

「あ…ああ、そうだな…確かに厄介だが…」
そこでヒルカを追いかけていた曜がこちらに接触してきて一つの提案を持ち掛けてきた…その直前にこっそりと布石を仕掛けてきたのはちゃっかりしてると思いながら返答を続ける。
「…まぁそれでもやりようはある…切羽詰まったらそれを使う方が良いんだろうが、ここで切り札を切ってしまうのは少々惜しい…今はまだ温存しておくべきだろう」
確かに曜の言う通り不利ではあるが…ここまでの追跡から基礎的な運動能力で押し切れなくもないと感じられ…同時に厄介と思われるヒルカの方を担当する曜の体力を余計に使うのは勿体ない。
(…何より現状だと能力に振り回されかねないからな…平時ならともかくとして)
…人は本来空を飛ばない…それがいきなり能力を得たとして、十全に使いこなせると安易に思う事は出来なかった…更に言えば制限が無い状態であればそれなりに使いこなせる自信はあるのだが、今は若干とは言え感覚がずれているというのも理由の1つだ。
「そういう訳だ…こっちは任せてくれ…少なくとも時間の半分までには目途をつけておく」
そう言うなり、魔力の流れを感じてそちらに視線を向ける…そこではジェニファーが隠れているであろうシスメに仕掛けるところであった。

>曜 ジェニファー ALL

15日前 No.260

隊長機モルガン @type14 ★BUzhF4mm8n_yFt

【ジョージ・イワモト/第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

 「こういう時、ロボットは自動で力加減が出来る……いくらあちらのロップイヤーちゃんが相手でも、直してもらった以上は無理させられないな……」
 やはり先ほどの戦闘で無理をし過ぎたのか、イワモトの機能は大幅に低下している。もちろん、ヒルカがエネルギー回路の不調を修理してくれなかったらとっくに行動不能になっていたであろう。それだけに、彼女の言葉はイワモトにとって足枷にもなる。
 これは試験。情など感じている場合ではないが、これ以上の無理は彼女の努力を無駄にしてしまう。おまけに増えた重量はたとえ機械に影響はなくても、生身の部位には十分すぎるダメージが蓄積されつつある。
 こんな時に人間らしい生理反応ができず、息切れせずに佇む偽のタフさが真綿で首を絞めるようにじわじわと追い込んでいく。
 僅かな焦りを感じながらエルトに返すと、水流に乗って空を飛ぶセキアが見えた。それをよりによって水蒸気爆発で逃れるヒルカ。敵もさるもの引っ掻くものとはこういうことだろう。だが、イワモトには誰にも使うことができない『目』がある。視界を遮られても、相手が恒温動物である以上、サーモグラフィーがヒルカの位置を捉える。
 修理の際にテストでターレットレンズを切り替えていたため、ヒルカの体温は測定記録にとどめてある。おまけに使用頻度が少ないせいで新品同様のパッシブソナーが全体を感知して全員の相対位置を立体的にメモリーに叩き込む。そこからの照らし合わせでヒルカの位置は正確に予測できる。

 『むう、結構いい手だと思ったのに…えっと、次の手は…
そういえばレイってその状態でも目って見えてるの? もし見えてるとしたらどのくらいの範囲まで見える?
それと、イワモトのおにーさんってその状態でもさっきの試験のときみたく腕を飛ばせたり出来る?』
 「飛ばせる。今外した右腕をこっちに呼んでおいた。推進エネルギーの余剰が少ないから、見積もって五回が限界だが、どこへ飛ばす? 今なら敵も味方も全員『見えてる』ぜ」

 ドッキングした右腕は推進剤の補充に入り、応急的に調整した照準システムが連動する。
 たとえ動かなくても最善は尽くせる。しかし、その想いと裏腹に、左腕の痛みに違和感を覚え始めた。

 「(やはり生身の左腕は……厳しいな)」

>>セキア、エルト、ALL

13日前 No.261

ますたあ @ritonetto ★Android=yDqhBiviYT

【白月レイ:実技試験会場】

セキアさんの攻撃でヒルカさんを追いつめたかのようにみえたが、あっさりと反撃を受けてしまい逃してしまった。そしてセキアさんは次の手を考えている


『むう、結構いい手だと思ったのに…えっと、次の手は…
そういえばレイってその状態でも目って見えてるの? もし見えてるとしたらどのくらいの範囲まで見える?
それと、イワモトのおにーさんってその状態でもさっきの試験のときみたく腕を飛ばせたり出来る?』

「はい、この状態でも視角はあります。…ここからなら約6メートルの範囲、見渡せます。それと銃口の向きと目線を合わせることも可能なので、照準を合わせる手助けにもなると思います。」

セキアさんの質問に、的確に答える。
少しでも味方に自分の情報を、正確に伝えることが今の状況では必要だろう。
今このとき、捕獲対象であるヒルカさんとシスメさんもいずれ一緒に戦うことになるのだから
そして曜さんは回復するときは呼んでほしいといってくれた

「はい!ありがとうございます!……」


>セキア 曜 イワモト

13日前 No.262

語り部(スレ主) @yuzuriha16 ★LQ1Cpb7GpF_pxp

【セキア&ヒルカ&シスメ/第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

「うわ、もう見つかったぁ!? あの金髪の子、私と同じ人間じゃなかったんですか!?
何かすごい勢いでこっちに迫ってくるぅ!?
し、しかも…う、うさぎの子までこっちに来てるんですけど!?
いつの間にかこっち担当の人数増えてないですか!? 助けてください! ヒルカ管理官!」

枚挙に暇がないとはこのこと。人間の脚力で出せる速さを超えた勢いで迫り来るジェニファー、
空からの視点を得た曜による上空からの無数の鉄球攻撃、曜の口添えのおかげか、
先ほどまでこちらを完全に見失っていたはずのエルトにもバッチリと位置を特定されている。
異能なしの一般人には捌ききれない人数の追跡者を目の当たりにしたシスメは、
堪らずヒルカに助けを求めたのだが、いかにもというか予想通りな返答が返ってきた。

「あ? そんなもんシスメビームでも使って切り抜けろですよ」

「そんな技持ってませ――って…へ? きゃあああああ!?」

いくら鉄屑の集合体とはいえ、高所から落とせば引力が働き、
どんな小さな体積のものでも、その落下速度は増す。
ヒルカとのやりとりにうつつを抜かしていたシスメが、曜の出現させた鉄球の雨に打たれ、
もうもうと巻き上がる煙の中に姿を消した今の状況は如実にその状態を表していた。

「ふぁ……シスメ…惜しい人材をなくしたですよ…」

その様を半眼で見送ったヒルカは、あくびを噛み殺そうとしてしきれず、
片手を口に当てたまま胸の前で雑に十字を切る。
その背後から数秒と経たず、ドサリという音が聞こえた。
振り返ると、ずり落ちた眼鏡を治しつつこちらを怒りの形相で見上げるシスメと目が合った。

「勝手に喪に服さないで下さい!! 不快です!」

切った頬から流れ出る血を拭いつつ、シスメが立ち上がる。
あんなぎりぎりの状態でも転移は成功したらしい。
しかし、曜の攻撃に反応が遅れたせいか、髪はくしゃくしゃ、上着は裂け、
眼鏡にヒビが入っているというひどい有様だ。文句をいう元気はあるところを見るに、
まだ動ける程度には大丈夫なのだと勝手に結論付けたヒルカは
その後もエンドレスに続きそうな勢いのシスメの文句を右から左へ聞き流す。
そんなヒルカとシスメの気の抜けるようなやりとりを横目に、
セキアは声を潜めながら、イワモトとレイにそっと耳打ちした。

「よっし、気をとられてる今がチャンス!
確かこの試験って“手が触れたら捕縛完了”扱いになるんだよね?」

そう言うとセキアは地面に落ちている床の一部だったと思わしき、石片を拾い上げる。

「それって、イワモトのおにーさんのその飛ぶ腕が当たっても捕縛完了扱いになるってことだよね?
だったら、あの子の防御が手薄になる隙を狙って、何とかおにーさんの腕を当てられないかな?」

セキアの考えた作戦はこうだ。イワモトとセキアが左右から挟みこむように
試験会場の壁際までヒルカを追い詰め、セキアの合図同時に二人で一斉に飛び掛る。
すると、後方を壁に阻まれ、左右をイワモトとセキアに挟まれたヒルカは
当然、誰もいない前方へ逃れようとするだろう。そこをあらかじめ狙いをつけておいた
イワモトのロケットパンチで仕留めるという筋書き。つまりは逃げ道こそが鬼門というわけだ。
単に出し惜しみしているということも考えられるが、
今のところヒルカが浮遊関連の異能や魔術を使用する素振りはない。
もし、彼女が浮遊魔術を行使できないのだとすれば、逃走経路は一本に絞り込むことが出来る。

「あたしは妨害に専念したいから、レイにはあの子が今手にしている銃から
別の銃に持ち換える瞬間が見えたら教えてほしいんだ」

そして、気付いたことがもう一つ。
ヒルカが今手にしている長銃から空中に浮遊している別の属性の銃へと持ち換えるときに
一瞬だが隙ができるということ。そのタイミングで二人同時に飛びかかることが出来れば、
ヒルカも悠長に別の手を講じている余裕などなくなるだろう。
破片を手に、がりがりと床に簡単な作戦図を書きつつ、ひとしきり説明を終えたセキアはゆっくりと顔を上げた。

「どうかな?」

>曜、ジェニファー、エルト、イワモト、レイ、ALL

11日前 No.263

ますたあ @ritonetto ★Android=yDqhBiviYT

【白月レイ:実技試験会場】

『あたしは妨害に専念したいから、レイにはあの子が今手にしている銃から
別の銃に持ち換える瞬間が見えたら教えてほしいんだ』


そういわれ、レイはヒルカの存在を目で捕らえた。
ここからならよく見える。見逃すことはない。それを確認し

「おまかせください!ヒルカさんもシスメさんの行動も見逃すことはありません!」

自信満々でいう。
なんという協力プレイ、これが仲間というもの。
なんてすばらしい。

》セキア ヒルカ シスメ

10日前 No.264

仔夢 @00000x ★iPhone=y44SZZaVfW

【 東海林曜 / 第一競技場内 / 入隊試験会場 / 実技試験会場 】


「…まぁそれでもやりようはある…切羽詰まったらそれを使う方が良いんだろうが、ここで切り札を切ってしまうのは少々惜しい…今はまだ温存しておくべきだろう」
「ふーん、なるほど。一人なら砂時計が終わるまで体力持ちそうだし、あの一般ピーポーちゃんいじめすぎても可哀想だから曜はそろそろうさちゃん狙おっかな」


ちらり、と曜のリボンの浮かんだ瞳が傾いた方向には、頬から彼女の身体を巡り巡った鮮血を滴らせ、眼鏡にはヒビが入り、服は切り裂けた、どこぞの撃ち合いにでも参加してきたような風貌のシスメが立っていた。そんな彼女の側に急降下して「そのくらいの傷で済んだなら有難いと思ったほうがいいかもね。それ、下手すると即死だから」と耳打ちしてまた先程の高度まで急浮上した。しかし全てが反転となると頭を使いながら動かなければならないのが厄介だ。本能重視のうさぎさんにとってはやはり痛いハンデだ。そんなハンデにうってつけなのがこの技だ。この荒技を使えば狙いを定める必要もなく、一粒一粒が小さいため体力の消耗も落ち着いている。なんといっても攻撃力の高さは曜のお墨付きで、下手な動脈でも引っ掻けば動くたびに凹凸が血管や皮膚を切り裂き、ものの数分で戦闘不能まで陥らせることもできるのだ。今回は、曜のはずれという結果となったがそもそも運任せだ、期待はしていない。しかしこの攻撃のコスパがいいことに変わりはないのだ。
そうしている間に、ターゲットをシスメからヒルカへと移す。そして、最初から彼女を狙っていた団体にも。


「どうかな?」
「うんうん、いいと思うよ!」


いつの間にやらお得意の飛行能力で彼ら彼女らの頭上に姿を現した曜は、少しばかり離れていても無駄に巨大な耳、否、視覚が狂っている曜の戦闘の要である巨大な耳で粗方の内容は聞き取れていたらしい。壁際に追い詰め、イワモトの飛ぶパンチで仕留める、いや、仕留めなくとも触れさえすれば捕縛だ。今の可愛らしいセキアが発するとは思えない作戦だ。良い案だとは思うが曜には一つ心当たりがあった。


「でも、ヒルカちゃんってウサギの獣人だよね。曜もだからわかるんだけど、ウサギの獣人って例外を除いて多少なりとも跳躍力が高いんだよ。二人の身長分跳べるのかは未知数だからわからないけど、少なからず対策が必要……というわけで! 曜ちゃんが協力してあげましょう! 曜は空中から狙っていけるから、ヒルカちゃんの跳躍力が高いと仮定して、いざ飛び越えようにも出来ないよね?」


三人の頭上をくるくると回りながら、指を立ててアイドルよろしくポーズをきめながらの提案をした。


>セキア・ルーブ様、ジョージ・イワモト様、白月レイ様、エルトライゼ様、シスメ様

10日前 No.265

エルト @absoryut ★XSc0by2j7f_qxX

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7日前 No.266

語り部(スレ主) @yuzuriha16 ★x2jCCfHaqQ_pxp

【セキア&ヒルカ&シスメ/第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

エルトが姿を消したことにシスメが気付いた様子はない。
近くに降り立った曜の声に身をすくませたシスメは、
一刻も早く彼女から離れたところに行こうと脱兎のごとく駆け出した。

「ぐぬ…わ、私だってやられたままじゃないんですから!
こ、これは戦略的撤退――そう! 戦略的撤退なんですからね! 本当ですよ!」

アスール国家隊に所属する一隊員としての意地からだろうが、
見事な小物然としたやられ役のセリフだった。
そんな捨て台詞を吐きながら遠のくシスメを見て、ヒルカは魂まで吐き出しそうな深いため息をつく。
そうしながらもヒルカは、セキアの声にその長い耳をそばだてていた。

(さて…そろそろ仕掛けてくる頃合か、ですよ)

落ち着いた色の服装なら普段活発な人もおとなしい性格に、暖色多めの奇抜な服装なら
普段は控えめな性格の人も自己主張が強くなるといったように、着用した服の色や形によって着た本人も
その服の影響を受けるというが、セキアのようにそれに当てはまらない人物もいる。
最初こそ戸惑っていたが、レイの能力により現状最速の移動手段と
広範囲の攻撃範囲を得たセキアは早くも裾の長いドレスに慣れ始めていた。
この速度と、射程範囲があれば今のセキアでも難なくヒルカに追いすがることができる。
無論、セキアがレイの操作を誤らなければ、だが。
先ほどのヒルカとの攻防で調子に乗ったセキアは、頭上でセンター歌手よろしくポーズを決める曜に微笑みを返す。

「よっし、これで空中の死角もなくなったというわけね!
うんうん、我ながら完璧な作戦! これはいい線いくんじゃないかな」

一度上昇を始めたテンションは留まることを知らない。
仮に上限を示すメーターなり枠なりがセキアの中に設定されていたとしても、
セキアにとって、それは突き破るだけのものでしかないのだ。
結婚前にウェディングドレスを着た者は婚期が遅れるというジンクスがあるが、
勇者的マッチョイズムをベースに今の作戦を立案したセキアには
ジンクスでは済まされない可能性が大いに出始めていた。

「それじゃ、オペレーション…スタート!」

かくして、花嫁(水鉄砲装備)、人造人間(コップなロボ挙動)、うさぎ(空中浮遊)という
カオスなパーティーは進軍を開始した。
打ち合わせどおりセキアとイワモトが左右をブロックし、曜が空中をカバーする。
そんな4人の連携を嘲笑うがごとく、うさぎ系亜人特権である跳躍力を活かして
凹凸のある床を難なく走破していくヒルカ。打ち合わせの段階で決めていたわけではないが、
自然とヒルカの左側に陣取ったセキアはレイの水流で牽制しつつ、ヒルカの誘導を試みる。

「はっ、それで追い詰めたつもりか、ですよ。
そこの曜といかいう女にもゆるふわ女の声が聞こえたように、私もうさぎの亜人なのを忘れてねぇか、ですよ?」

しかし、先ほどと違いこちらの作戦は彼女に筒抜けだったらしい。
当然と言えば当然であるが、作戦はもう始まっている。
今更別の作戦を立てている暇はないし、いくら内容が筒抜けでも、この作戦の正否までは分からない。
イチかバチか試してみる価値はある。順調に壁際まで歩を進めていたセキアが
横に逸れてこの陣形から抜け出そうとするヒルカにレイの銃口を向けたとき、唐突にヒルカが叫んだ。

「シスメ、転移準備!」

「うぇっ!? は、はい!!」

>曜、レイ、エルト、ALL

5日前 No.267

隊長機モルガン @type14 ★BUzhF4mm8n_yFt

【ジョージ・イワモト/第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

 「なるほど。それぞれが持つ『推進力』を惜しみなく使うというわけか……乗ったぜ!」

 ……と、言うわけで、実は筒抜けである作戦は始まってしまった。可能な限り全速力で目標地点へ辿り着くと、イワモトは腕を伸ばす。ターレットレンズは青。照準システムとリンクさせて、周囲の魔力変動をサーチする。ロップイヤーが優れた跳躍力を誇るだけなら意味がないが、彼女は魔力を持つ。そんなヒルカが自分の力を使わずして……いや、敵はもう一人いる。シスメという少女も、転移魔法が使える。つまり二人はテレポートでこちらを翻弄できる。しかし、テレポートは指定座標にポータルを作り、そこへ転送されるのが一般原理。つまりが亜空間にトンネルを作ってその先へ行くというものだ。
 「(恐らく仕掛けてくるな)」
 イワモトはじっと相手を待つ。乗ってきたときと、乗らない時のプランは、実は思いついているのだ。



 「シスメ、転移準備!」

 「うぇっ!? は、はい!!」

 「(そう来たか)」

 イワモトの目がシスメの高まる魔力と、ヒルカと包囲の外に魔力のポータル出来てくるのを確認する。
 「相手がロップイヤーなら、俺は機械の力を見せてやるさ」

 さあ、転移してみろ、予測地点にロケットパンチをお見舞いしてやる。それとも正面か?

 イワモトの伸ばした腕は、ヒルカをレンジに捉えようとしていた。

>>セキア、ヒルカ、曜

4日前 No.268

語り部(スレ主) @yuzuriha16 ★ZcDlyzCJbk_pxp

【セキア&ヒルカ&シスメ/第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

ヒルカの転移準備という言葉が気がかりだが、今更自分が果たすべき役割は変わらない。
なおも横に逸れてこの陣形から脱出しようと試みるヒルカを
水鉄砲と化したレイから放たれる水流を使って牽制しつつ、何とか壁際まで追い詰めることに成功した。

「追い詰めた!今――」

今だ、と言いかけて、セキアは突如鼓膜を揺さぶる轟音に言葉を失った。
ヒルカがある床を指で指し示したかと思えば、
試験会場全体に響くような衝撃音と共に白い壁が現れ、セキアの進路を阻んだのである。
その壁に見慣れた正方形の模様が並んでいるのを見て、すぐに理解が追いつく。
セキアは尻餅をついたまま、驚きに呆然と目を見開いた。

「床を丸ごと!?
転移できるのって人だけなんじゃないの!? だったら、回り込んで――」

絶句とはこのこと。あろうことかヒルカは試験場の床の一部を
丸ごとシスメに転移させ、バリケードとして利用したのだ。
上空に位置する曜の追撃を警戒したのか、先ほどまで床だったもの改め石壁は
セキア達がヒルカを追い詰める算段をしていた壁に立てかけるようにして出現していた。
回り込んで壁の内側を確認したが、既にそこにヒルカの姿はない。
消えた彼女を探して視線を巡らせていると、不意に背後から声が聞こえた。

「どこ見てやがるですよ」

腰に手を当てた仁王立ちのヒルカと目が合う。
その視線は今までこちらに向けられてきた呆れとは違う。今は明らかに失望の色を濃く表していた。

「ぐぬっ…ひょっとしたら奇跡が起こるかもしれないと思ったのにっ」

「はっ」

セキアの言葉のどこに失笑を買う要素があったのだろうか、
ヒルカはわざとらしく鼻で笑うも、すぐその顔に影を落とした。

「おまえがどんな理由で国家隊の門扉を叩いたのかは知らねぇし、
それをどうこう言えるほど高尚な位にいるわけじゃねぇが…」

先ほどの失望とも呆れとも違う。その視線には哀れみさえ含んでいるように見えた。

「底が知れるですよ」

「鶴羽の試験をクリアしたのは、紛れもなくてめぇらの実力だろーが、ですよ。
ここまで来てなに不確定なものに縋ってやがるですよ。
起こらねぇですよ、奇跡なんて。起こすのは行動だけ、得るのは結果だけですよ」

ここで明確なヒントを与えても良かったのだが、あえてヒルカは口にしない。
ただ、確実に言えることは、セキア達はヒルカを追うべきではなかった。
こちらを追う方に人数を多く裂いた時点で彼女らは“詰んでいた”のだ。
先ほどのヒルカの落胆は、それにいまだ気付かないセキア達に業を煮やしていた反動だったのもかもしれない。
そう一息に捲くし立てた後、ヒルカは息を長く吐き出すと、すぐさまその場から遠ざかっていった。

「…………」

よほどヒルカの弁が堪えたのか、黙ったまま立ち尽くすセキア。
悔しさからか、ヒルカが去っていった後も、ずっと口をつぐんだままだったが、
なんの前置きもなく、いきなり勢いをつけて顔を上げた彼女は――

「ふふ、燃えてきた。まだまだ勝負はこれからってね。
だって、前半劣勢になればなるほど後半大逆転劇が用意されてるのがセオリーでしょ?」

いつもどおり――いや、いつもよりかなり重症なファンタジー思考を露呈させながら
ヒルカの去っていたほうに指を突きつけ、声高にそう宣言した。
ただ、そう啖呵を切ったのはいいものの、ノープランであることは確実なわけで

「ねぇ、どうしよう。どうやったら捕まえられるかな?」

結局、皆に助けを求めたのだった。

>イワモト、ALL

2日前 No.269

隊長機モルガン @type14 ★Android=KeKvbmnKtk

【ジョージ・イワモト/第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

まさか転移したのは床だったとは。
ロケットパンチはヒルカの前にそびえる壁にめり込んで、未練もなく戻ってくる。それをはめ直し、推進材を補充すると、仁王立ちしたヒルカに微笑み、彼女を見送る。
さて、我らが勇者セキアは凄まじいポジティブシンキングでノープラン。そっと彼女の頭を撫でれば、シスメとヒルカの相対距離をそっと計算する。
「もう一度だ。もう一度同じ手を使えばいい。同じ手を使うとは普通思わないだろうし、向こうはアドバンテージを握ってる。そいつを逆手にとるんだ。具体的にはだ……スピードで勝負してやりゃいい」
と、言いつつ、端末の液晶をセキア達に見せる。

「ロップイヤーは素早いが、転移魔法は詠唱に時間がいる。そのラグを利用して推進力を上げれば計算上追い付ける」

液晶画面【言葉は聞かれるからここに作戦をうつす。ようは全力でヒルカに向かい、シスメに同じように転移を使わせる。そこに俺の右腕を巻き込ませ、転移先に届ける】

「頭のいい奴は一辺倒をバカにする。ならば俺達はさらに速いことをみせてやろう。なあに、奴のスピードは計算済みだ。俊足に俊足で挑むのは愚かしいことじゃない。俺達ならできる」

液晶画面【確率は低いが、目には目を歯には歯を、あえて最後まで向こうのスタンスに相乗りする。勝ち目はみえないのかもしれないが】

「奇蹟は祈るもんじゃない。信じるからこそ起こすんだ。乗るのなら、手を重ねよう」

生身の左手を前に出す。

>>ALL

1日前 No.270

仔夢 @00000x ★iPhone=y44SZZaVfW

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16時間前 No.271

エルト @absoryut ★XSc0by2j7f_qxX

【第一競技場内/入隊試験会場/実技試験会場】

(壁を転移!!そういうのもあるのか!!)
物陰からステルス状態に移行し、完全に『浮いた』戦力となった状態で機会を探っていた所で、包囲されていたヒルカより指示を受けて『壁』を転移させたシスメの機転に舌を巻く。
(…一般人と侮っていたわけではないが…いや、そう思う事こそが甘えか)
その仕草と言葉からは想像し難かったが…不意の一言に対して咄嗟の機転で答えてみせると言うのはなかなかできる事ではない…それをこなしたと言う事は相応の修羅場はくぐっているのだろう。
…実際の所買被りが過ぎるのかもしれないが…基本的に高く見積もるのは彼の性分故に致し方ない…見積もられた側のシスメにとっては残念な話なのかもしれないが。
(…出し惜しみは無しだ…全力で仕留める!!)
中途半端に追い回した所で先のような連携を取られ、いたずらに時間を浪費する事になる…そう判断し、様子見気味であった思考を戦闘に挑む時のように研ぎ澄ませる。

そうしている内に難所を凌いだヒルカがセキア達に叱咤ともとれる言葉を投げかけており…未だ逃走を続けているシスメに割いていた意識が幾分か緩まったように見受けられる。
…同時に必死に追跡を回避し続けるシスメが都合よくこちらの射程圏へと近づいているのも確認ができ…いよいよ待ちに待った好機が訪れた事を察する。
(…奇襲が生かせるのは精々3回…いや、2回か…ただでさえ少ないチャンスだ…一気に仕留める…今だ!!)
覚悟を決めたところで、射程圏へと駆け込んできたシスメが十分に踏み込んだのを確認し、漆黒の矢となって飛び出す。
(いただくっ!!)
到達までは数瞬であり、少なくとも初動に気づかれた様子は無い…まさに必殺と言えるタイミングだが…効果の程は果たして…?

>シスメ ALL

1時間前 No.272
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