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戦国蓮玉妃伝―永遠の対価―

 ( オリジナルなりきり )
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中華系ファンタジー/戦国/呪い/人魚 ★xukvgMSQik_ZFe

 《その歴史書は語る》



 ――太古の昔。

 この世は、九代に渡る聖皇によって代々統治されてきた。
 聖皇は君主であると同時に人類の導き手であり、彼らに火の使用、農耕、治水、文字などを教えたとされる。
 人々はそんな聖皇を敬愛し、崩御した時は皆で悲しみ、聖皇の治める争いのない平和な時を当たり前のごとく生きたという。



 けれどそんな平和は長くは続かなかった。この世の秩序に乱れが生じたのだ。ある一人の君主の登場ですべてが変わってしまったのである。


 ――君主の名は祥裔。


 祥裔は今までの統治者と同様、博識な君主でその治世も最初は安定したものであった。だが、彼は権力には目がない男で、絶対的な権力、永遠なる自身の治世を望んでいたのだ。いわば永遠の命を求めたのである。
 彼は密かに永遠の命を手に入れるための研究を仙人たちにさせたが、どれも成功はしなかった。

 そんな時、ある一人の仙人が、北方には食せば永遠の命が手に入る人魚がすむという伝説を祥裔に告げた。
 そこで祥裔は早速北方へと足をのばしたが、結局は見つからず難儀していたところ、そこで彼は若く美しい女を見つけたのだ。
 妖しいほどの美しさは、きっと多くが息をのむほどであっただろう。
 しかし女がデニズという名であること以外は、何者であるかなど全くわからなかった。
 人魚は見つからずじまいであったが、祥裔はデニズを気に入り、自分の国に連れて帰り、常に彼女を傍においた。

 デニズの方はとても幸せであった。そう、彼女は祥裔が思うよりも遥かに彼を慕い愛していたのである。そして彼に愛されることが何よりの幸せであった。
 けれど、その異常なまでの強い愛は月日を経るにつれて祥裔に重く圧し掛かり、今や彼にとって煩わしいものでしかなくなった。煩わしさはやがて殺意に変わり、祥裔はある美しい月夜の晩、デニズを殺したのである。
 デニズが深い絶望と愛憎の果てに息を引き取った途端、月光に照らされた彼女の躰は、見る見るうちに異形なものへと変貌したのだ。真珠のごとき白く艶めかしい足は虹色に輝く鱗に覆われ、魚の尾ひれに変わっていった。彼女は人間ではなく人魚だったのだ。

 祥裔はそれに絶句したが、すぐにその表情は喜びに変わった。何せ、人魚を食せば念願の永遠の命が手に入るのだから。


 ただ一人の男を一途に愛し、初めての恋に身を滅ぼした海の娘は、結局最後まで彼に愛されることはかなわなかった。
 哀れな女の悲劇――けれど、物語はそれで終焉を迎えたわけではなかったのである。



 人魚の肉を口にした祥裔に異変が起こった。



 永遠の命を手に入れた彼は、その代償におぞましい異形となり、人としての情も理性も消え、人々を恐怖で縛りつけたのだ。
 欲望のまま生き、邪魔なものは粛清し、民を苦しめ、政治は乱れた。皇国は腐敗し、祥裔は永遠に生きるただの獣となったのである。そしてその獣に取り入り陰の支配者となった謎の美しき寵妃、蓮玉。何もかもが狂っていた。

 きっとそれはデニズの呪いだったのかもしれない。

 しかもそれはすべてに及んだ。今まで無欲であった人々は、欲深いものへと変わり、権威をめぐる争いは絶えなくなった。諸侯の国々は分裂し、盛者必衰、奪い奪われの戦いを繰り返した。戦国の世の始まりである――。




 そんな世界に生きる幾人かの者たちは、この争いの世を終わらすべく、強い志をもって立ち上がった。悪逆非道な祥裔を倒すため。或は新しき聖皇となるために。そしてやがては真相を知ることとなる。



 ――彼らの物語が今、幕を開けた。

4年前 No.0
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オルハン ★xukvgMSQik_ZFe

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4年前 No.1

琳 愁夏 @nekomaki ★iPad=2RtHPbTSUJ

【楊国/城】

「…また、か…懲りないものだこと」

整頓された、彫刻以外に飾りのない質素な机に差し出された書状。
それを見ると、机同様の椅子に座る女ー楊国君侯、愁夏は呆れたように眉を顰めた。その顔は机の質素さを埋めるかのように煌びやかで美しく、宝石箱を覗いているかのように思ってしまう。

愁夏の視線の先にあるのは“聖帝さま”からの書状であった。それも、『税を納めよ』とかなんかそういうことが書いてある書状。
が、愁夏はフンっと嘲笑を浮かべ、書状を使いの者に突っ返すようにと告げた。

そしてこう付け加える

「後でうちの者に運ばせます故、それまでお待ちくださいませ」

と。勿論持って行かせる気など更々ない。
まず、既に聖帝に従う理由などないのだ。かつての権力は意味を成さない。今権力を持つのは各君侯であり、聖帝なぞ既にいないも同然。従わなくたって、何も変わらない。

使いが部屋を去るのを見ると、彼女は一人呟く

「どうしてあんな異形なんぞに払わねばならないのだ。税だなんて嘘ばっかり。結局、あの化け物夫婦が食い潰すだけだろうに。」

本当ならここで向こうのお怒りを恐るだろうが、今は従ったって周りから当て馬にされるだけだ。権力のない存在に優遇されることはない。我が身が可愛い愁夏は、そんな馬鹿な真似をする気はなかった。
それに、このまま一生伴侶を持たないであろう愁夏には恐れるものなどない。

男として、愁陵として生まれた以上、男を相手に孕むことはできない。男なのだから、女を相手に孕ませることしかできない。けれど、男として生きることはできない。
そんな存在が、伴侶を持つ必要がどこにある。

守るべき家族はそのうちいなくなる。守るものがなくなったら、国を守る意味もなくなる。

「…どっかに、一生愛せるような人がいたら良いのに。想いなんか告げられなくても、守りたいと思えるかもしれないのに」

そう一人悲しげに言うと、目を閉じた。
寝る気ではないけれど、気持ちを切り替えたかった。

>>all様


【メイン解禁おめでとうございます!】

4年前 No.2

花水晶 @komonn ★qHNWHFx2p0_xX0

【楊国/大通り】

「ふむ……なんと申し上げれば良いのやら。残念ですが、あなたの慕ってらっしゃるお嬢さんはお嬢さんではなくご婦人で、もう夫と二人の子供がいるようです。付き合うのは無理でしょう」
「そ、そんな……」

 場所は楊国の大通り。水鏡を覗き込んで申し訳なさそうに呟く青年と、その男が発した言葉に頭を抱えてへたりこむ町人が一人。
 どうやら恋占いの結果が最悪の方向に特化して出てしまったらしい。見ているこちらが可哀想になるほどショックを受けて半泣きになっている町人の男は、もう通行人どころか空を飛ぶ鳥までからも憐れむような眼差しを向けられていた。
 そんな男に青年もさすがに不憫さを感じたのか、いつもは仕事を終えればさっさと帰宅するというのに、慰めるように男の背中を撫でる。その指先はまるで白磁でできた作り物のごとく人間味がなく、それゆえに整いきっていた。
 占い師の青年――花水晶。彼は“黙っていれば人形と見紛う美形”ではない。黙っていようが喋っていようが走っていようが食べていようが眠っていようが笑っていようが怒っていようが、それでも人々の『人形でなければここまで美しいはずがない』という意識の下、どう足掻いても人形として無意識から扱われるほどの美貌の青年だ。その麗姿に常識や理屈なんてものは通用しない。生々しさに欠けて神々しさに満ちあふれたその存在は、例えるならば芸術の神の恩寵を受けた稀代の天才絵描きが、その一生を捧げて決死の思いで書き上げた最高峰の絵画のようなもの。とてもではないが人間には見えない。
 さて、そんな彼は人間には見えないというだけでその実、紛れもない人間であり、日々の生活費のために今日も占いに励んでいた。髪のひと房でも切り取って宝石商に売り飛ばせばそれだけで七代遊んでくらせそうな美しさではあるのだが、しかしその反面、あまりにも整いすぎた容姿が逆に恋愛対象には入らないと女性からは敬遠されがちな水晶である。己の生きる金は自分で稼がねばならない。

「さて、これからどういたしましょうか。観劇に行こうにも今の時間帯は何もやっていませんし……」

 泣き終えてなんとか立ち上がれるだけの余裕を取り戻した町人を見送ったあと、ふとそんな小さな悩みを口に出してはあてもなく歩く。
 今日はもう六人も占ったわけだし、次の仕事は明日からで良いだろう。そう思って店じまいをしたのだが、よくよく考えれば暇つぶしの手段がない。近所の美味しい食べ物や流行りの甘味を売っている店はあらかた行き尽くしたし、華やかな衣服を取り扱う店だってすでに制覇した。ならば普段は観劇に移るところ。だが、今日は朝方と夜型くらいしかやっておらず、昼間の今は本当に何も予定を埋められそうな場所が浮かばなかった。

>ALL様

【本編開始おめでとうございます! 遅れてすみません!】

4年前 No.3

劉耀 @megapaca☆5J7SJmWKBbc ★Affmnz7ynM_hEi

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4年前 No.4

琳 愁夏 @nekomaki ★iPad=2RtHPbTSUJ

【楊国/城→大通り】

「あーもう、悩んでたって進まない!
いっそ、占いでもしてもらおうかしら。楊国だもの、優秀な占い師の一人や二人、その辺フラついてそうじゃない?」

頬杖をついていた腕を宙に投げ出し、質素な天井を眺めながら誰に言うでもなくそう呟いた。
切り替えた後で今日はもうあと仕事がないことを思い出し、暇潰しに聖帝を倒す作戦を練って見たものの、まるでいい案が浮かばない。
こういう時は知識人に頼るのが一番だ。確か最近よく当たる占い師の話を聞いたので、そこを訪ねよう。
そこまで考えると自分の服の中でもわりと質素なものを選び、こっそり城を抜け出した。
場外なら女装を解いてもいい気がするが、どこで見つかるかわからないしそもそも男物の服をもってないし着方もしらないのでそれは諦める。

============================================================================

「とはいったものの、そういや何も情報知らないんだった。」

大通りをフラつきながら、ため息を吐く。
やはりその場限りのテンションで動くのは良くないんだな、と心に誓い、ふと周りを見渡してみると。

「うっわ……超綺麗」

普段伏せている目を本当より見開き、目玉が落っこちるんじゃないかと思うほど大きくそて驚く。
目に入った麗人は、人とは思えぬ美貌を持っていた。というか、一瞬本気で人じゃないと思った。
が、後ろから少年がぶつかったのでやっと人だと分かった。
不思議な人だ。そう思ってしばらく二人を見つめていた。

>>花水晶様、劉耀様、all

4年前 No.5

花水晶 @komonn ★qHNWHFx2p0_xX0

【楊国/大通り】

「っうぉぅ!?」

 ギャグマンガのような間抜けな悲鳴と共につんと前のめりになる水晶。
 この男の名誉のために言っておくと、老人のように道端の小石に蹴躓いたとかそういう理由ではない。背後から何者かによって唐突に追突されたのだ。

「――――………ぷぇっ! ………っとと。あ……えと、すみません!!」

 なんとか足を踏ん張って転倒を防ぐと同時に、未だ声変わりを終えていないか、あるいはその最中であろう少年らしい丸みを残した声が聞こえてくる。耳の中が綿飴で一杯になるような、とでもいえばわかりやすいだろうか。柔らかくて甘くて暖かい。そういう感じの声である。
 「いえいえ、こちらこそよそ見をしていてすみません!」と叫ぶようにして謝罪を返しながらも、この声を持っている相手の容姿はどのようなものだろうと気になり、思わず振り向く。すっかり少年だろうと思い込んでいたが、しかし、そこにいたのは青年と呼ぶべき年齢だろう背格好であった。腰を折って顔を下に向けているためそれ以上のことはわからないが、かなり洗練されたデザインの服を着ており、流行りもの好きな水晶は思わずじっと凝視する。
 しかしこのまま放っておいたら青年はしばらくの間ずっと頭を下げ続けていそうだ。それは申し訳ないと思い、無理やりではあるが相手の肩を掴んでぐっと上半身をあるべき位置に戻す。……そして相手の容姿を見た瞬間、ポタポタと、細かく削ったダイヤモンドを浮かばせた聖水のような涙を瞳から流して、水晶は心の中で強く嘆いた。

(嗚呼――なんということでしょう! こんな、誰からも親しみを持って愛されそうな、春の麗らかな木漏れ日を人の形にしたような方と出会ってしまうなんて! 綺麗なのにきっちり人間扱いされそうで、なおかつ人であるからこそのぬくもりと優しさに満ち満ちている! どうして私はこのような造形に生まれ落ちることができなかったのでしょう! あんまりです神様! 手に入らないものならせめて私の視界に入らないようにするという配慮を何故してくださらないのですかッ!)

 どうやら青年の容姿が、己の理想とする人間らしい美形像そのものだったようで、水晶は青年の肩を掴んだままはらはらと真顔で泣き続ける。
 その光景を見ていた周囲の通行人たちは「おい、仙人が急に泣いたぞ!」「新手の占い方法か?」「泣いても相変わらず人間に見えないあたり作り物感ほんと極まってるわ」「私はそういう機能つきの人形って説を未だに捨ててない」「ところで何で泣いてるの?」などなどと、それぞれが好き勝手に、しかし誰しもが事の行く末を気にしている様子でちらちらと視線を送っている。
 しかしそんな自分たちの背後に、これまた宝石を食べて生きてきたように煌めかしい美女がいることに気づくと、「美女だ! 美女が来たぞ!」「道を開けろ! 美女のお通りだ!」と口々に叫びながら通り道を開けてくれた。ここの知識人たちは頭の良さと比例してノリの良いタイプも多かったりする。もちろん厳格で寡黙な知識人も豊富にいるのだが、彼らはこの時間帯だと家で本でも読んでいることが多かった。よっていま路上にいるのは、比較的に明るい性格をした国民たちばかりである。

>劉耀様&琳愁夏様&ALL様

【問題ございません! うちの仙人は非力なので通行人にぶつかられるどころか刺されたって文句は言えません!(真顔)
 というか私のせいで楊国の人々がなんかテンション高いのばっかに……でもみんな頭は良いんです!((】

4年前 No.6

オルハン @makita ★Android=oiuxxae5O4

【祥/都城内/仙人の邸】


 茶を啜る小さな音が静かな邸で響いたあと、仙人はそっと湯飲みを唇から離した。仙人の遠くを見つめるような瞳に、中庭の狭い景色が映りこむ。
「お前はこの庭を見てどう思う」
「え……?」
 庭を眺める仙人が唐突にオルハンに問い掛けた。当然オルハンは混乱し、疑問符をつくった。けれど師の問い掛けには答えなければと取り敢えず思うことを率直に述べた。
「――狭いですが、洗練された美しい庭だと」
 あまりにも工夫のない答え方をしてしまったと、オルハンは気まずそうに仙人を横目で見やる。そんな彼に対し仙人は、特に咎めるわけでもなくこう続けたのだ。
「そう。美しい庭だ。だけど、その庭を外界から隔絶するものが壊れる時、その庭の秩序は崩壊し変質する。以前と全く同じ庭には戻らない。それでも、その状況に適切な秩序を新たに創ることはできよう」
「新たな秩序? ……まるで国家ですね」
 オルハンは仙人の言葉に対し呟いた。師の言わんとしていることは何となく分かるも、明白なことは分からずじまいである。仙人自身、その言葉に詳細を付け足すことはなく、弟子に「もう用はないゆえ、自由にして構わない」と云うだけだ。
 オルハンはそれを受け入れ、仙人の邸を後にした。

 残った仙人は、弟子が去ったあと意味深にこう呟く。
「お前はまだ、故郷へは戻れないだろう――」


>ALL様

4年前 No.7

劉耀 @megapaca☆5J7SJmWKBbc ★Affmnz7ynM_n5J

【 楊国/大通り 】


 此処で首を斬られたらイルカイとエニスは誰が養うのだろうか。喧嘩をしたら?きっとお腹を空かせてしまうだろう。もし虐められたら?幾ら強い馬と人さえも喰う犬鷲とて多勢で来られたら太刀打ちができない。彼らには痛い思いをしてほしくない。嗚呼、何だか泣きそうだ。ごめんね、ごめんね。
 涙がこぼれそうになる所をぐっと唇を噛み我慢する。泣くな。泣くな。そう自分に言い聞かせ、相手の声すらも聞こえない状況の中不意に視界が明るくなり、目を瞬かせる。一体何が起こったのか分からず「ふぁ」とか「ふぇ」とか意味不明な喃語の様な言葉が漏れた。漸く目の前に居るのがとても綺麗な人で、その人は泣いていて、掴まれたままの両肩には力が籠っていた。
 その人は今迄自分が見てきた"人"の中では一番と言っていいほど綺麗で、極上の絹糸のような髪に磁器としか信じられない肌、そのパーツ一つ一つが作りものみたいで思わず違う国から来た人か、本当に作られた人形なのか、と思ってしまったほどだ。彼の身に纏う服も誰が見ても一級品だと思うものだ。瞬きさえ惜しくなるようなその美しさに思わず自分が同じ場所に立っていることが恥ずかしくなってしまう。

 道行く人々が口ぐちに発した言葉はノイズの様なものがかかって頭の中でぐるぐると理解しえない言葉が渦巻いて、最早彼の意識はパンク寸前、と言っても良いだろう。それでも彼が倒れなかったのは両肩に籠る力のせいか、此処で倒れてしまったら目の前の美しいそれを見れなくなることへの恐れなのか。何はともあれ何故目の前の人が泣いているのか意味が分からなくて。もしかしたら自分がぶつかった場所が怪我をしたところで傷んでしまったのか、なんて考えてしまっている。


「―――あ、あのっ……ごめ、な……さっ………ひっ、うっ……お、れッ。」


 何か言わなければ、と思い口を開けば同時にぶわっと涙が溢れて止まらなくなる。砂金を鏤めたような両の瞳からぽろぽろと溢れて止まらない朝露の様なそれを拭おうにも肩を掴まれているためにできないもどかしさと焦りとか入り混じって嗚咽混じりの声がやっとのことで洩れた。小刻みに震える唇から発せられる音の粒は余りにも繊細でうっかり女の啜り泣きよりも禁欲的で扇情的と受け取ってもおかしくない。
 野次馬の声もやっとクリアに聞こえてきて、どうやら誰かが来た、と理解すれば八割方好奇心により恐る恐る首だけをそちらに向ければこれまた身分の高そうな女性がそこに居た。もしかして目の前の綺麗な人の知り合いか何かだろうか。偉い人なのだろう。服がそれを物語っている。嗚呼、自分の人生はもしかしたら此処で本当に終わってしまうのかもしれない。そう思ってしまうと本当にそうなりそうな気がして思わず「エニス」と小さく呟いた。遠くで彼の声が聞こえた気がしてますます涙は止まらなくなり、ひっくひっく、と小さく洩れる嗚咽は隠しきれない。


 遠くから弾丸の様に飛んでくる一つの点には道行く誰もが気付かない。



>>花水晶さん、琳愁夏さん、周辺ALL

4年前 No.8

オルハン @makita ★Android=oiuxxae5O4

【祥/都城内/商業区】


 仙人の邸から出てオルハンが馬に跨がり商業区近くを通りかかった時、なにやら男達の怒声が響いていた。
「命が惜しいなら出ていくんだ!」
「ついでに交易品は没収だ」
「ど、どうかお許しください!」
 男達は大商人のもとで働く者達で、商業区の監視や管理を任されている。その男達の前には、よそから来たであろう商人が怯えるようにして小さくなっていた。

 何事であろうかとオルハンは穏やかではないその現場へと近づく。
「何事だ。騒がしい」
「オルハン閣下!」
「見苦しい姿を申し訳ございません!」
 オルハンを見た男達は先程とは売って代わり、即座に頭を下げた。
「すまないが事情を説明してほしい」
 馬に乗ったまま、体格の立派な男達を見下ろす。
「はい閣下。実はこの商人が勝手に商売をしておりまして。許可状も取らずに」
「それで、命さえ奪うと脅したのか? そもそも大商人の市場独占は法に明文化されていない。許可状もお前達の主人が勝手に作成した制度。安易に他者の命を奪う方が処罰されるべきだ」
 オルハンが彼らを鋭い目で睨み付けると、男達は慌てて「申し訳ございません!」と地に額を押し付けた。
「今後気を付けてくれ……」

 そうはいったものの、オルハンには気掛かりなことがただあった。何せ、法の整備がこの国ではなっていないからだ。この様な地で、法治主義的観点からものをいったのは軽卒であったかもしれないと不安がよぎる。
 去っていく男達の背を目で追いながら、自然と溜め息が溢れた。

「あの……ありがとうございます。お陰で命拾いいたしました」
「……」
 すると商人が震えた声でオルハンに対し礼を述べてきた。その姿は憐れみさえ感じさせる。
「此処での商売は危険な上に利益も生まない。大商人が祥裔皇に保護され、経済の流れが滞ってしまっている。――関所まで送ろう」
「かたじけないです。私は楊国の商人で、行商をしていました。そこで首都まで赴いたのです……」
「私はオルハン。この国の大臣だが、お前の故郷出身の仙人に弟子入りしている」

 何気なく自己紹介を始めながら、二人は関所までの道を進んでいく。そしてようやくたどり着いたその時、商人はオルハンに小声でこう言ったのだ。
「――オルハン閣下は、楊国に行かれるべきでしょうね」
「え?」
「私には分かります。閣下は祥を変えたいと強く思っていらっしゃる。楊国の王に一度謁見なされてはいかがでしょう」
 オルハンはそれを聞くなり驚いて目を大きく開いたが、すぐに平静になり黙したまま商人を見た。
「楊国か……」


>ALL様

4年前 No.9

琳 愁夏 @nekomaki ★iPad=2RtHPbTSUJ

【楊国/大通り】
周りの反応を見るところ、あの綺麗なのが仙人らしい。
丁度良かった、と人混みをかき分けると、なにやらみんな気前良く道を開けてくれた。

この国はこんなにも明るい国だったのか。幼い頃は存在すら知られぬように隠れて過ごし、それからは城にこもっていたからか、城下のことなぞろくに知りもしていなかったのだ。
今更そんなことに気づくだなんて、遅すぎる。もっと早くに出ていればよかった。
恵まれない土地なりに、人々は楽しくやっていたんだろう。何故気づけなかったのかと不思議になる。

何はともあれ仙人に近づくと、彼はボロボロ泣いていた。少年も号泣している。
いやはやよくこんな二人組に近づけたものだな、と自分のことながら呆れてしまった。

「大丈夫ですか? お二人揃ってそんなに泣いていらっしゃったら奇妙に思われますわ。一先ず落ち着きになられては如何でしょう」

取り敢えず平静を装って手拭いを差し出す。実際ここの住民は面白がっているだけで引いているようには見えないが、ここは他国民を装うことで常識的な声がけをすることにした。
うん、もうこの際他国民の振りをしよう。幸いなことに誰も王の顔を覚えていないのだし。

「お二方は楊国のお方ですか? そちらのお方は仙人様ということでしたが。」

にこやかに、優しげに微笑みかける。本当は仙人にしか用はないのだが、この少年についても知っておきたい。というか、街について教えてもらうにはもってこいではなかろうか。
結局、愁夏は自国の住民も仙人も道具としてしか考えられず、そういう考え方でなければ人助けすらろくにできないのだ。

>>劉耀様、花水晶様

4年前 No.10

花水晶 @komonn ★qHNWHFx2p0_xX0

【楊国/大通り】

「え、あ――な、何故そんな、お涙を……」

 相手もこいつにだけは言われたくないだろう。が、とつぜん泣き出してしまった青年を見て困惑したらしい水晶は、自分も泣いているという現在進行形の事実を棚に上げてそう問いかける。決してツッコミ待ちなわけではない。
 まさか、肩を掴んでいる手がとても痛かったのだろうか。そう判断してパッと勢いよく手を離す。が、離したあとでそれは有り得ないだろうとついさっき思い浮かべたばかりの可能性を否定した。自分で言うのもなんだが、水晶はかなりの非力である。脆弱、とまでは言わぬが、少なくとも軟弱ではあるだろう。体は並だろうと腕っ節は並ほども無い。ちょっと武をたしなんだ女性や体格のがっしりとした子供にも暴力事では負けてしまうと思うし、そもそも最近は占い道具よりも重いものを持った覚えもない。
 こんな人間が肩を思い切り掴んだからといって、泣くほど痛がるものだろうか。否、それはない。目の前の青年が骨粗鬆症でも患っているなら話は別だが、見たところ、細身ではあるものの健康そのものの正常なボディである。
 ならば何故。彼はこんなにも涙を流しているのか。考えれば考えるほどわからなくなる。いっそ思考を放棄してしまおうかと投げやりな結論にたどり着きかけたところで、

「大丈夫ですか? お二人揃ってそんなに泣いていらっしゃったら奇妙に思われますわ。一先ず落ち着きになられては如何でしょう」

 ――どこか艶を含んだハスキーな女声が響いてきた。
 袖の端で頬についた嘆きの残滓を拭い取りながら振り向くと、そこには人の形をした宝石があった。

 ……いや、声を発しているから恐らくは人か。黒曜石の髪。緑翡翠の双眸。白真珠の肌。紅珊瑚の唇。それら輝かしいまでのパーツが織り成す、現し世のものとは思い切れぬ色妙なる美貌。纏う衣も造りこそ質素だが光沢から見るに生地はかなり上質なもの。間違いなくそこいらの一般庶民ではない。お忍びの貴人か、それともどこぞの令嬢か。
 ナルシストでこそないが、自分の容姿が人間性を超えて美しすぎるという自覚が水晶にはあった。そんな自分と『同じくらいに美しい』と感じる相手はこれまでの人生で一人しかいなかったのだが、どうやら彼女で二人目になりそうだ。そんなことを考えつつ彼女の言葉にならって、落ち着くために小さく深呼吸をする。

「お二方は楊国のお方ですか? そちらのお方は仙人様ということでしたが」
「ええ……そちらの青年の出自は定かではありませぬが、私は確かに楊国の仙人でございます」

 花水晶(ファ・シュイジン)。以後お見知りおきを。と続けて、しずしずと上品に礼の姿勢をとる。
 見苦しい場面を見せてしまったが、相手が自分を仙人と知っているからには最低限でも気取っておかなければならない。彼女のこの気品。ひょっとしたらどこかの土地のお姫様が市井の民を装って町に降りてきているという可能性もあるのだ。迂闊な真似はできない。

>劉耀様&琳愁夏様&ALL様

4年前 No.11

紅亜鈴/二次元は神。ゼッタイ。 @arinn1111☆hyO.1.4ziuyw ★Tablet=ZZJPPZeuWa


【 晶国 / 自室 → 暢国 / 大通り】

『…暇。とにかく暇。することないにゃあ!』

…。場所は変わって晶国。晶の仙人であるこの 紅亜鈴 は、周りに面白いことが無いので、発狂している。((
因みに、鈴の色は黄色である。
こんなハイテンションなのは猫しか居ないであろう。
さて。暇だと言っているわりに仕事を猛スピードで終わらせている亜鈴は、暇だと言えるのだろうか。

『にゃ、あ!暢国行くにゃあ!なーんか集まってそうな気がするにゃ。』

こんな台詞をどや顔で呟いている彼女は末期だろう。
だが、晶国から抜け出す(出かける)のは猫だったらホイホイだろうか。
と、その途端、鈴が−赤になった。

『どこの誰かしら?』

−面白いことになりそうね

と一つつぶやき、晶国を後にした。

…場所は変わり、暢国。適当にぶらぶら歩いて居ると。(青)
何と。仙人を見つけ。
逃げようとして、こけた。

【周囲All様】

(遅れて申し訳ない!物凄く遅れましたが、メイン解放おめでとうございます!
亜鈴ちゃん絡ませて頂きました!

…申し訳ないことに、自分、暢国読めません。助けてください。)

4年前 No.12

オルハン @makita ★xukvgMSQik_ZFe

【祥/宮廷】


 オルハンの頭からはあのときの商人の言葉が離れることはなかった。
『閣下は祥を変えたいと強く思っていらっしゃる。楊国の王に一度謁見なされてはいかがでしょう』という言葉。さらに楊国は師である仙人の故郷であり、仙人からはそこが知識人の多く輩出された地だと彼は知らされていた。つまり商人はオルハンに、楊国から多くの諸制度を学び、祥をかつての栄光へと導いてほしいと伝えたかったのである。
 祥を変えたい――その大臣オルハンがそう考えていたのは事実であった。しかしながら、今の状況では不可能であることも十分承知していたことだろう。
 そんな時、ある転機が訪れた――。

「私が楊国に?」
 オルハンが驚いたように聞き返す。それに対し大臣はいたって冷静に答えた。
「近頃かの国は朝貢を怠っていることがわかっている。貴殿がその詳細を探りに行くのだ」
 この大臣はオルハンよりも位の高い人物で、祥裔皇にも忠実な家臣として知られていた。ただ長く仕えていた彼からすれば、新参でしかも何処の馬の骨ともわからない異民族のオルハンが高級文官にまで成り上がったことに不快感を感じていたのだ。
 そのことはオルハン自身も察しており、彼もこの大臣が苦手であった。他国に高級文官を派遣するなど滅多にないことであるが、これもオルハンを嫌う彼の思い付きである。
「閣下。私は仮にもこの国の大臣。国を離れ問題はないのでしょうか」
「すでに許可はとってある。すぐに出発いたせ」
 経緯がなんであれ、オルハン自身、楊国が気になっており、ある意味で言うとよい機会である。オルハンはそう思って、大臣の命を承諾した。


>ALL様

4年前 No.13

綾梨 @yumiyuki☆B9idXU3F5bqQ ★YZufXN3nNo_7l1

【朝国/城→楊国/大通り/櫻白虎】

――朝国城内は今騒がしかった。
蓮玉,祥裔からの税の取立てが続いているからである。
さっきから祥裔たちの使者たちが「はらって頂けなければ...」等と申しているが、白虎にとってだからなんだ?というわけである。
白虎は、思ったことを使者に行って使者を困らせて遊んでやろうかと考えた。一段使者たちよりも高い場所から応接室を見渡してみるが、使者たちはあせって汗をかいているだけである。椅子のひじ奥にひじを置き頬杖をつき、使者を見つめてこういってみた。

「お前達、税を持っていかなければ蓮玉たちを何をされる?」

思いつきでいった言葉、使者たちは汗をよりいっそうかき服にしみこんでいる。
黙ってしまった、使者を見ながらこう言い放つ。

「あいにくだがこの国は、余分な金銀が無い。わが国の財宝は民たち分けているからね」

にこっと微笑み、ウィンクしてみせる。早く帰れと出言う風にあごを使って使者たちを追い返す。
これによって、朝国がどうなるか分からないが。戦ならば戦って見せよう。そして、白虎は思い出し口に出す。
「音來(いんらい),俺の国のほかに税を払っていない国はあるか?」
音來とは、スパイ的なヤツだ信頼でき闇に溶け込んでいるかのように誰かを監視している。

「楊国は確定です。」

楊国か、、、面白そうだ

「みなのもの、これから俺は楊に遊びに行く」

4年前 No.14

琳 愁夏 @nekomaki ★iPad=2RtHPbTSUJ

【楊国/大通り→王宮】

「まぁ、やはり仙人様でありましたか。これは嬉しい。
実はわたくしは仙人様に占っていただきたいことがございます。それ故に訪ねてきたのですが……」

と嬉しげに微笑みながら話しかける。
その時だった。彼女の背後に更に楽しそうな女性の声が掛かったのは。

「あら、こんな所にいたのね、琳愁ってば。
ほらぁ、綺麗な男見つけて楽しいのはわかるけど、早く帰んないとあたしが怒られちゃうわ」

と、その女性は愁夏に親しげにしなだれかかり、グイと腕を引っ張った。
その姿を認めるや否や愁夏の顔はサッと青くなり、急に大人しくなって女性に従う。
が、ハッと思い出したように花水晶様に向き直るとこう言って。

「ごめんなさい、ちょっと用事があるようでして……あの、もしよろしければ後で、暇な時で構いませんので、楊国の王宮に行ってくださりませんか。
そこでこちらの君候にお会いになってください。わたくしはかの人から頼まれたのでございます。ですからどうか、ご本人にお会いになってくださいまし。」

お願い致しますわ、と言いつつも女性に引きずられるように足早にその場を去ってしまった。
このあまりに無理矢理な流れを作った女性は、愁夏の腹心の一人、香麗という腰元である。
昔から一緒に居るせいか、ちょっとした変化から抜け出したのを知られたらしい。
街に出てからはこれだけ目立つ容姿をした愁夏を探すのにそう時間はかからないであろう。
どんどん街を連れ歩かれ、あっという間に王宮に着いてしまった。

王宮の自室で不貞腐れる愁夏を前に、香麗は堂々と向き直り、説教もなしに話を切り出した。

「愁夏様に、来客があります。お相手は祥のオルハン大臣と、別件ではありますが朝国の櫻君候です。
どちらがお先にご到着されるかはまだ分かりませんが、そろそろいらっしゃることになっております。
その先の対応はお任せいたしますが、双方とも楊の未払い税にご興味がありますようで……まぁ、頑張ってくださいまし」

「成る程、承知した。話の内容によっては個別にではなく同時にお相手するでもよかろう。
……風の噂によればどちらもわたくしと考えが同じ。本当であればこれ程心強い味方もいなかろう。」

そんな風に腹黒さを窺わせる発言を返しながらも不機嫌が止まらない愁夏だったが

「……先程の仙人様については私にお任せください。愁夏様のお考えはわかっております故」

との香麗の言葉に“まぁいいわ”と返して元に戻った。心を許したものには単純なのだ。

そしていつもの男性さを見せた余裕の微笑みを浮かべ

「お客人を待ちますか」

と、楽しそうに言い放った。

>>花水晶様、オルハン様、櫻白虎様


【なんかすっごい無理矢理展開ですね……すみません。】

4年前 No.15

餡子 @megapaca☆5J7SJmWKBbc ★Affmnz7ynM_n5J

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4年前 No.16

オルハン @makita ★xukvgMSQik_ZFe

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4年前 No.17

紅亜鈴/二次元と歌い手は神。ゼッタイ。 @arinn1111☆hyO.1.4ziuyw ★Tablet=ZZJPPZeuWa


【 楊/紅 亜鈴 】

こけたあと、立ち上がろうと思った瞬間に、何やら大層なお方がこちらに顔を向けてたっていらした。
背景に馬車が居ることからして、転んだ場所がまずかったらしい。
「大事ないですか?」
と声をかけられ、護衛のような方が手を貸してくれた。
−助かった。()
なるべく目を見られないようにし、立ち上がる。
これでも一国の占い師だ、礼儀として言わなければならない。

『申し訳ありません。私(わたくし)は晶国の仙人、紅亜鈴と申します。宮殿に向かう道の途中を邪魔などとご無礼をお許しください。』

一礼。民の目線も集まって来たことだ。
おいとましよう…とは思ったのだが。
やはりやめた。道中に失礼をしてしまった云々で帰ったら何かと怖い。

『それでは、これで失礼いたします。』

また一礼し、背を向ける。
しゃべる必要はもうないから、と鈴を緑にした。

オルハン・周囲All様》

4年前 No.18

オルハン @makita ★Android=oiuxxae5O4

【楊/大通り】


 護衛によって起こされた女は、オルハン、そして護衛達の顔を見ることはなかった。まるで自身の目を隠そうとしているがごとくに。
 しかしその時は誰も彼女が抱えるものに気づくはずもなく、単に羞じらいからだと解釈したに過ぎなかった。

 そんな彼女は晶国の仙人、紅亜鈴というらしい。紅亜鈴は頭の青い鈴を揺らして謝罪の一礼をした。特に謝罪をするほどのことではないとオルハン自身内心で感じてはいたが、中には酷い連中もいるため、彼女の姿勢は崩さない方が妥当だと、敢えてそれに触れはしない。
「道端で仙人にお会いできるとは、やはり楊は違いますね。晶からも遙々訪れるのですから……。私は祥に仕える大臣でオルハンと申します」
 楊は仙人の都、そして学問の都である。各国から多くの仙人が来ることは皆が知っていたが、この場にいる他国の者達は改めて其を実感させられたことだろう。
 紅もそれら仙人達の一人なのかは定かではないが、次第に人通りが多くなる大通りの中心で落ち着けない様子から、急ぎの用でもあるのだろうとオルハンに思わせた。

 再び揺れる鈴――。
 紅はオルハンに別れ際の挨拶をして背を向ける。その時であった。
 突如突風が吹いたかと思えば、軽く握られた日傘はいとも簡単に空へと舞い上がり、刹那その華やかな姿を見せ付け地上へと墜ちていく。その歪な放物線を目で追っていくと、一人の青年のそばに傘は降りた。
 青年には立派な猛禽が彼の使いのようにとまっている。
 オルハンはその青年に目を凝らしたとき、何かいけないものでもみたかのように顔をそらした。護衛の日傘を取りに行こうとする行為さえ阻み、彼はなかば逃げるように馬車へと戻る。
「出発してくれ……」
「日傘はよろしいのですか?」
「構わない。急げ」
「御意」
 先程とは売って代わり、オルハンの様子は明らかに怯えている。それを気掛かりに感じた護衛の一人が彼に問い掛けた。
「閣下。如何したのです? 先程の青年とはお知り合いでいらっしゃるのですか?」
「――いや。ただ彼はシャミール族だ。シャミール族に近付いては……気付かれてはならない」

 護衛はオルハンの言葉にポカンとしていたが、それもそのはずだ。彼の過去を知る人間は周りにはいないのだから。
 彼がかつてシャミールのスルタンの子息であり、後にベイリックとなるも、マリク・ベイ達に陥れられ皇国に亡命したという過去だ。オルハンは亡命後もマリク・ベイの脅威に怯え、シャミール族を見れば彼等の手先であると疑い続けたのである。

 そうして馬車は、楊の王宮へと到着した。


>紅亜鈴

>劉耀(青年)

>楊王

>楊ALL様

4年前 No.19

綾梨 @yumiyuki☆B9idXU3F5bqQ ★ijc7dQMbfF_7MK

【朝国/城→楊国/大通り/櫻白虎】

―ふぅ、やっとついたか
朝国から楊国まで約一刻(二時間)ほどだった、早馬を走らせたからでもあるが予定よりも早くついてしまった。まあいいかと勝手に納得し周りを見渡すと、朝国の一同以外にも他にもこのよう国に楊が有る国があるらしく周りが忙しく馬が動いているのが目に見える。暘谷に誰か重要なお客でも着ているのだろうかと思い。供の音來に見ると考えて一言言葉を発して疑問に思ったことをことばにはっしてみる。

「音來,俺たちの一向意外にも楊国には来客はあるのか?」

そう聴いてみると、隣で馬に乗っている音來を横目でちらりと見ると音來は少し考えるそぶりを見せた後にこの一言を放つ。

「確か、皇国の官僚。とのお方がいらっしゃっているよう。。。って聴いてます?」

そういってしまうのも確かである、白虎は他の部下に向かって「「あーちゃん」「おーちゃん」ふたりはらぶらぶだねぇ」とカップルに対し話しかけ恥らうふたりをただ単にからかっているのである。音來が、調べたことに対し質問を投げかけそれに対し白虎は聴かないで二人をからかっていたのである。その隙に白虎派、すたすたと馬を走らせ国境の門番に近づいている。
音來はそのことにあきれながらも、傍においてくれる主に対しぼそっとつぶやく「いつまででも一緒にいます」。と

【遅くなってすいません】

>>周囲ALL

4年前 No.20

琳 愁夏 @nekomaki ★iPad=2RtHPbTSUJ

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4年前 No.21

オルハン @makita ★Android=oiuxxae5O4

【楊国/王宮】


 馬車が到着するなり、オルハンを迎えてくれたのは立派な王宮に、楊王の家臣達であった。
 祥に未納税である事実から状況を視察してくるようにと派遣された、ある意味で言うと、楊国にとって厄介な存在であるに関わらず彼等からは微塵もそういった感情は感じられない。それ故か、オルハンは悪いような気がしてならなかった。

 それを押し隠すようにしたため、馬車から降り立った祥の大臣の表情はよりいっそう無表情に見えただろう。
 彼の姿を初めて見た楊の家臣は、一瞬呆然と黙った後、すぐさま無礼のないように笑顔を浮かべた。
「オルハン大臣、お待ちしておりました。女王陛下は応接間の方にいらっしゃいます。私がご案内いたしますよ」
「よろしくお願いします」
 少々無愛想に丁寧語で短く返事をしたオルハンは、数人の護衛と側近、役人を連れて家臣の案内に従った。
 そうして通されたのは、豪華絢爛、まるで富と権力を寓意するような宝飾品の数々――この応接間以外が質素であっただけに、そのきらびやかさは一層引き立つ。オルハンの付き添いは皆感嘆の声をあげて、その美に魅入った。けれど、彼等が感嘆したのは、珍しい宝物だけではない。
 この応接間の宝に溶け込むほどの端正な女が凛とした面持ちで座しているのだ。邪な考えを持つ人間は勿論、普通の人間であっても、この美女を目の前にすれば正気ではいられまい。きっと己の目で、この女の深いところまで触れようとするだろう。
 彼女は妖艶という言葉が似合う。新雪に鮮血をたらした如き唇、黒曜石の輝きを持つ長い髪、どれも魔性といえるものだ。
 だがオルハンは貞節という言葉を形にした程の人物。その上、皇后のこともあり美しいものには複雑な思いも抱いているゆえ、彼の心には嫌悪もわずかながらある。それと緊張、期待が渦巻いていた。

「お初に御目にかかります、陛下。私は祥の使いで参りました、オルハンという者です」
 簡単に紹介を終えると、オルハンはすぐ本題へと出た。
「貴国が祥に対して税を滞納しているということで、詳細を伺いに来たのですが……。何故なのか理由をお聞かせ願えますか?」
 此処までは頼まれた事だ。だが本心ではその様なことはどうでもよかった。私が楊へ来たかった本当の理由は、楊王に祥の現状を告げ、助言をいただくことにある。


>楊王

>ALL様

4年前 No.22

十六夜 @nekomaki ★iPad=2RtHPbTSUJ

【楊国/王宮】

「楊国君侯を勤めさせていただいております、琳愁夏と申します。このような辺鄙な地にようこそいらしゃいました。」

客人の訪れと共に立ち上がり、深々と礼をする。
大臣にしては若い男だ。朝廷の高官なぞ呆けかけた老人ばかりかと思っていたのだが、意外とそうでもないのだろうか。否、彼が異例なのかもしれない。
彼自身のことについていえば、とにかくその容姿ー特に瞳が目を引いた。北方民独特の顔立ちで、寒い地である為か肌は白く、その瞳は積もった雪に空いた穴を覗いた時と同じ、冷たい青色。あとは、今となっては珍しい真面目で賢い若官僚と言ったところか。
軽い挨拶を終えるや否やすぐさま本題を切り出した辺り、真面目なんだろうとは思った。

「こちらに来る道中、ご覧になりましたでしょう。この国の地は枯れて、痩せています。とてもではありませんが、国の民を生かすのが精一杯。最早税を支払う余裕もございません。」

伏せた翡翠の瞳でオルハン大臣のその冷たい青の瞳を捉え、一切の淀みなく言い切った。
全て真実を語っている。これまでだって、他国より幾分か減らして貰ってもギリギリだったのだ。
それをいきなり引き上げられ、減らしてもらうもできず、どうして国をやっていけというのだろうか。

「…詳細を知りたいと、大臣はそう仰られましたね。本当の詳細については、そちらの方がよくご存知でありましょう。」

流石にここで蓮玉と祥裔の名を出すわけにもいかず、そう濁した。
この大臣がもし本当に賢いのならば、祥裔夫婦を快く思っていないのならば、何かを察してくれるかもしれない。
この邪魔な大勢の付き添いさえいなければ本当の事を話そうか。けれど、人払いは格上であるオルハンの決めることなのだ。

>>オルハン様、ALL

4年前 No.23

オルハン @makita ★Android=oiuxxae5O4

【楊国/王宮】


 楊王の語ることを、オルハンは黙って、だが思索しながら聞いていた。
 彼女が言うには、楊国は資源に貧しい国であり、納められる税(この場合農作物)がないという。事実、楊の地は耕作には不向きであり、育つものといえば強い植物ぐらいだ。けれど、文化や経済には力をいれ、都市を活性化させてきたことも、オルハンは知らないわけではない。少なくとも祥よりは、人々の生活水準が高いのだから。
 そうして最後まで聞くと、ようやく彼は口を開いた。
「楊王とお話がしたい。他のものは下がってほしい」
 オルハンが何を思い、何を語ろうとするのか。唐突な指示に、彼の付き添い達は困惑するだけだ。けれどこの時既にオルハンは、目の前の美しき王に本当の思いを語る覚悟は出来ていた。その事は、王の方も察していただろう。またオルハンの方も、彼女の持つ苦しみが結局は自分が持つものと同様の原因から来るということに気付いていた。

 やがて扉の閉まる音の後、応接間が絢爛豪華な宝飾品の賑わいだけとなり、静寂が包み込んだとき、その時には妖しい程の艶美さを持つ華麗な美術品の如き女王と、対極的な、一切の乱れのない冬の凛とした清水の如き男の官吏が居るだけだ。
 官吏はしばらくその静寂を味わった後、二つの翡翠を見つめ、静かに言葉を紡ぎ始める。
「陛下、お聞きください。私が此処へ参上したのは、貴方に税の催促をするためでは御座いません。私は御覧のように、祥の一大臣。祥の経済を整え管理し、政策を考え出すのが任された役目……」
 一旦口をつぐむと、暗い表情を垣間見せるも、すぐに続ける。
「しかし大臣に昇格するも、全て権力は蓮玉陛下にあるのです。臣下の中には私を快く思わず信用していない者も居ますから。私が何のために存在するのかも疑ってしまう。彼女も、そして祥裔陛下も社会を見ようとせず、己の欲に従い政務の意義を破壊している。法も役に立たない。市場も一部に独占された状態です。格差は激しく、経済は滞り、飢えで死ぬものもいる。これが皇国の首都の現状です」
 オルハンの脳裏には、路地裏で息絶え、蛆を湧かせ腐りかけた貧民達の遺体が過った。それ故、彼の口調は次第に強くなっていく。
「貴方も中央に苦しめられている国。お願いがあるのです。私は祥を変えたいと思っています。だから、あの元凶を絶やしてしまいたい。彼等をあのままにはできません」
 これをきいて素直に納得する人間は早々いない。そして口にする人間もだ。もしも言ってしまえば、中央によって首をはねられるに違いない。いや、もっと残忍な方法で処刑されよう。同時に、それだけオルハンは真剣なのだということをこの場で示すこととなったが。
 彼が楊王に訴えたのは、中央に対する謀反、つまり革命の実行であった。


>楊王

>ALL様

4年前 No.24

十六夜 @nekomaki ★iPad=2RtHPbTSUJ

【楊国/王宮】
大臣が人払いを命じ、彼の付き添いは多少の迷いの後部屋を下がったが、此方の家臣は慣れた様子で下がっていった。もともと愁夏の側にいることの方が珍しい彼らのこと。公務のときですらすぐに下がらせてしまうので、いつものことと大して気にもしないのだろう。大臣の側付きは香麗が上手く対応してくれることだろうし、こちらも特に気にしない。
それに、彼の語る都の話にすっかり興味が持ってかれていた。
中央で、かの聖帝のお膝元で、餓死者がでるだなんて。他国に比べて貧しい楊国にすらいないのに。
経済も政治も崩壊しているのは知っていたが、いくらなんでも想像していなかった。いや、普通に考えたら出てもおかしくはあるまい。けれど、歴代聖帝の政治の印象は拭いきれていなかった。

「元凶……聖帝とその愛妾に、歯向かうと?」

その唇に薄く笑みを讃え、半ば挑戦的にそう言った。
愁夏は蓮玉を皇后とは呼ばない。彼女の中では、所詮蓮玉は妾あがりであり、跪くなど考えられない。
けれど、この大臣は信じてしまったのだ。

「良いでしょう。わたくしも頃を見計らっていた所です。________お味方いたします。」

とハッキリと言い放つ。
例え失敗し、処刑されても、特に心残りもない身の上。それにどうせなら、死に花を咲かせるべきであろう。否、死ぬ気など微塵もないのだけれど。
それに、やはり男だからだろうか、そんな危険なことを楽しいと思ってしまっている。

>>オルハン様

4年前 No.25

綾梨 @yumiyuki☆B9idXU3F5bqQ ★4MONNG99XZ_yIc

【楊国/城下→城内/桜白虎】

城下町に着き、楊国はあまり作物が育ちにくい国だと聴いていたのでそんなに栄えていないのではと思っていたのだが、思った以上に栄えている。しかし、このような団体に慣れていないせいか道行く住人たちは面白そうにこちらを見るもの、恐ろしそうに見るもの、興味本位で近づいてくるもの、まぁ興味本位の場合は側近どもにじろりとにらまれておびえているが...。
城の手前の門につくと音來に門番の兵隊に挨拶し、通してくれるようにはなして来い。と命じた。音來は、門番と一言二言と話してこちらに戻ってくる。

「白虎様、待機場所へと案内されるようです。
 どうやら今日は、オルハンというお方がいらっしゃているようで__
 我々はそのあとだそうです。」

音来からの報告を受け、白虎は考える。
どうせ、話していることは我々の条件と一緒だろうと。そこで考えた白虎は待機場所にいた、この城で働いていると思われる男性に話しかけ”朝国の君候がきたこと。税について話したい”と伝えてくれと言伝を頼んだ。
たとえ、人払いをしてあろうが急用だと押しかけろ。とも___


【なんか勝手に動いてスイマセン…。
 絡みよろしければお願いします
文字数が少ないこと,急ぎの用の為お許しを__】

>>周囲ALL

4年前 No.26

十六夜 @nekomaki ★iPad=2RtHPbTSUJ

【楊国/王宮】
愁夏が再び口を開こうとしたその時、唐突に閉め切られているはずの扉が開いた。
入ってきたのは楊国の家臣を後ろに従えた香麗で、露骨に顔をしかめる愁夏に構わず声を上げる。

「失礼致します。愁夏様に伝えたい要件がございます故、入らせていただきます」

香麗はそう言うや否や愁夏の耳元に近寄り、要件を囁く。
それを聞くと愁夏は楽しそうに面白そうに微笑んだ。そして何故か、香麗も美しく微笑む。

「オルハン大臣、どうせなら味方は多い方が良いのではありませんか? そう、それこそ朝国なんて如何でしょう。」

香麗が伝えたのは朝国王、櫻白虎の訪れと、彼の“税について話したい”という要件だった。
今日は税に関連する客が多いなぁ、なんて思いつつ、オルハンにそれを告げた。
普通なら他国の王が税金について話しに来るなんてあり得ない。きっと何か裏があるはずだ。そう、もしかしたら朝国も税を払いたくないのかもしれない。だから税から逃れる術を聞きに来たとか。
それなら祥を、聖帝夫妻を快く思っていない可能性も高い。
一緒に謀反を起こすのを了承してくれるやも知れない。朝国はここと違って真っ当にきちんと栄えた国だ。味方になってくれたらいいに決まっている。

「誘い込むのでしたら今ですわ。______朝国王がいらしています。」

>>オルハン様、櫻白虎様

4年前 No.27

オルハン @makita ★xukvgMSQik_ZFe

【楊国/王宮】


 相手がどういった反応をするのか。今のオルハンにとってそれが一番の関心ごとであっただろう。得体のしれない緊張が彼を拘束し、女王が笑みを浮かべるまで、その手を放しはしなかった。
 そしてその時、楊王が皇后である蓮玉を「愛妾」と呼んだことを彼は聞き逃しはしなかった。つまり、楊王もオルハンと同様、いやそれ以上に蓮玉の悪政に我慢ならないというのだ。彼女を皇后――天上人とは認められないほどに。

 王は挑戦的な微笑を浮かべながら、向かい側にいる祥の大臣が述べた言葉を確認するように尋ねた。それに対し彼はゆっくりと頷く。そして彼が望んでいた答えが王の口から出たのだ。謀反をおこし皇国に変革をもたらそうという意志が共鳴し合った瞬間である。
「感謝いたします、陛下――」
 オルハンは自分の冠のてっぺんがみえるくらいに、自身の協力者、そして同志となった者に深く頭を下げた。

『失礼致します。愁夏様に伝えたい要件がございます故、入らせていただきます』
 そんな時、応接間に突然何人かが入ってきた。声を発したのは香麗という楊王の腹心だ。その背後には楊の家臣たち。
 流石にそんな光景をみればただごとでないと感じるわけで、主君である楊王も顔をしかめている。オルハンも香麗を警戒した面持ちで窺っていた。
 香麗は彼女の主君に要件を囁くと、二人とも何を思ったのか笑みをこぼしている。しかし何が何だかわからないオルハンは頭にはてなを浮かべるだけで、その笑顔を観察しているだけだ。そして頭の中で思案しているうちに、答えは向こうからやってきた。
「朝? 朝王が?」
 オルハンは思わず息をのんだ。なにせ豊かな国である朝の王が自分たちの計画に加担してくれるかもしれないからである。これは願ってもないチャンスだ。ゆえにオルハンの考えは楊王のものと一致していた。
「当然です。朝が味方に付いてくだされば心強い。ただ問題が御座います……。祥裔と蓮玉は決して死なないのです。彼らに勝利し政権を握るには、策が必要でしょう。きっと原因があるはずです」
 祥裔はかつては不死身ではなかった。そして蓮玉の経歴は謎に包まれたままだ。いったい何があったのかつきとめ、そこで導かれた答えによって勝利への一歩が歩めるとオルハンは信じていた。


>楊王

>朝王

4年前 No.28

綾梨 @yumiyuki☆B9idXU3F5bqQ ★4MONNG99XZ_yIc

【楊国/城内/櫻白虎】

「失礼致します。」
先ほど、名を知ったが香麗というものとその他が再び控え室へと戻ってきた。
用件は思ったとおりグッドサインに決まっている。朝国は栄えた区にその国に税を払えないわけが無い、しかしここ楊国は朝国に比べたら栄えておらず,作物の実りも悪いと思われる。
謀反を起こす仲間としてなら、朝国はちょうどいい手駒となる。

「音來だけ、ついて来い。
 あと、そこの香麗というものもな」

音來は静かに頭をたれる。扉に近づき扉を両手であけ一言こういった。

「愁夏様のところへあんなしろ」

この後のことは考えている。今来客しているというオルハンというもの。
上手くこの朝国、楊国に取り込み味方につけさせよう。そうしたら、オルハンの味方は引っ付いてくるだろう金魚の糞のように。
これが成功したら、成功したら、彩面を倒せるかも知れぬ。

__今勝機がここに見えたり。

>>周囲ALL様

4年前 No.29

十六夜 @nekomaki ★iPad=2RtHPbTSUJ

【楊国/王宮】
オルハン様が朝王の訪れを許したのを確認すると、香麗は朝王を呼びに行った。これできっと彼はこちらの仲間になる。けれど、オルハンの告げた真実はこの計画の困難さを表しており、ちょっと気の弱いものならばこれは辞退してしまうやもしれない。朝王の心臓が丈夫なことを願おう。

けれど愁夏とて、不死の存在というのは信じられないのだ。それを倒す術など分からないに決まっている。
驚いたように目を見開くが、暫し思案して。

「______死なない、というのならば、殺さずに存在を消せばいいだけのこと。何も殺すしか術がないわけではありますまい。」

と絞り出した。
と言ってもそんな生易しい方法でどうにかなるとは思えないのも事実である。それが妙に悔しくて、ちょっと顔を顰めた。
その瞬間だった。またもや扉が開き、香麗が入ってきたのは。

「朝国君侯、櫻白虎様がいらっしゃました。」

そういう彼女の背後には、男性が二人。
片方の優雅な雰囲気の方が恐らく朝王の櫻白虎だろう。もう一人は愁夏でいうところの香麗のような存在と見た。
他国の王との関わりが一切ないわけではなく、場合によっては幼い頃に既に他国の後継と顔をあわせることもあるのだが、何しろ棚ぼた王位で最近になってやっと存在が知られ始めた愁夏には全くもって面識がない人々ばかりである。

「楊国王、琳愁夏でございます。ようこそいらっしゃいました。歓迎いたします。」

二人に向かって礼をする。
そう、朝王を歓迎しているのだ。心の底から。

>>櫻白虎様、オルハン様、all

4年前 No.30

オルハン @makita ★xukvgMSQik_ZFe

【楊国/王宮】


 祥裔と蓮玉は何の因果か不死の存在として、帝国の権威がおちた今も恐れられている。倒したところでどうにもならない敵だと、いやそれ以前に倒せるような相手ではないと、皆恐怖に支配されながら彼女たちに従っている。祥裔に関してはあれは獰猛な怪物。人間の手に負えるところにない。そのことはオルハンも楊王も百も承知であり、殺さずに存在を消すという方法に顔を顰めるのも無理もないことであった。

 その重たい空気の中、突然明るさが戻ってきたかと思えば、端正な顔立ちの身なりの良い好青年が彼の腹心音來と楊王の腹心香麗と共に、楊王と祥の大臣のいる応接間に現れたのである。彼の縛った艶やかな長い髪が一歩進むごとに靡いた。
 オルハンはその優美な髪がしなるように、深衣のゆったりとした袖を翻し、現れた別の客人に向きなおった。
「お初にお目にかかります、櫻白虎陛下。祥の大臣をつとめております、オルハンというものです。突然申し上げてよいかわかりませんが、陛下は祥裔と蓮玉の政治に不満を持っていらっしゃるとうかがっておりますが……それはまことなのですか?」
 敢えて相手を強い目つきで睨み付けた。一応私は祥の大臣だ。相手を信用できるまで、祥につかえる者の仮面を被っておかなければなにかと不都合かと思ったのである。


>朝王

>楊王

4年前 No.31

劉耀 @megapaca☆5J7SJmWKBbc ★Affmnz7ynM_mhm

【 楊国/長屋→王宮 】


 まだ温かさの残る天心基本日の夕食を頬張りある程度完成した反物を眺めながら今日あったことを思い出した。凄く綺麗な人にたくさん出会い、その上偉い人と来た。多少地位の高い人の元へ品物を届けることは日常茶飯事だけどあそこまで緊張したのは何年ぶりだろうか。暗闇の中で一点ゆらゆらと揺れる蝋燭の炎はまるで今の自分の脳内を表しているようだ。ぼうっとした夢見心地。もしかしたら先程長い午睡から目覚めたのかもしれない。生憎自室には暗幕が張られている為外の様子はよく分からないけれどもう日が暮れる時間帯だと思う。
 手と口元を布で拭き、今度は針と糸を手に刺繍に取りかかった。

――

 出来あがった反物には筆で描いた様な細かな今にも動き出しそうな虎の刺繍が施され、それを囲むように竹林の緑が鮮やかに揺れている。最早一種の芸術品と言っても過言では無いような出来栄えだ。余った布と糸で仕上げた飾りは国に帰った時にでも売ろう。一日見ていても飽きないくらいのそれを真っ白な布で包み、桐の箱に入れ紐で縛れば完成だ。否、まだ服に仕上げる、という作業が残っているのだった。今度は御屋敷に行ってからではないとできない作業故にあてがわれたこの長屋とはおさらばだ。たった数時間だったけれどお世話になった。今晩中は此処にいると思ったのだが思ったより早く作業が進んだものだ。

 荷造りを終え、引き戸に手をかけたその時だった。からん、と戸の外で何かが倒れた音が聞こえた。不思議に思って見てみれば一本の傘が転がっている。一体誰がこんなものを、と首を捻った。兎にも角にもこのままにしておくにはいけない為、それを片手に馬屋へと足を滑らす。愛馬の背に馬具を乗せ、軽く口笛を吹くとイルカイが肩に降りた。自分の頭よりも膨らんだ風呂敷包みを器用に抱え、長屋を後にした。


――


 所変わりこの国一番大きな建物である王宮の前に少年は佇んでいた。先程から門番と口論になっているのだ。勿論少年が下手であることと少年の性格上いつ首根っこを掴まれ追い出されても不思議ではないのだが。それは彼の後ろに待機する彼の屈強な馬の威圧感により辛うじて少年は未だに交渉を続けていられるのかもしれない。


「っで、ですから!大臣様へのお届物なんですよ……!本当ですって、僕嘘とか吐いてません!
 ―――っ……もう……!ではこの包みと傘をお通し下さい。包みは大臣様に、傘は……恐らく陛下に……ああ!い、いえ!偶々拾っただけなので確かでは無いのですけど……。」


 目に涙を浮かべ、声は震え、まるで状況だけを考えると明らかに門番が悪者と見られそうだ。自分よりも背も体格も良い門番の前でびくびくと怯えているだけではいけないのだ。腐っても商売人として此処はしっかり品物は届けたい。



「――え……ナマエ……?………ああ!名前ですか!!
  宗国より参りました服飾人の劉耀、とお伝えください。」



>>王宮内ALL様



【ものすっごい所で乱入してしまい申し訳御座いません(スライディング土下座)
 もしよろしければ琳愁夏様の元へ伝わって頂けると幸いです。
 こんなちんちくりんが王宮なんて煌びやかな所に入って良いのか未だに不安ですがよろしくお願い致します。】

4年前 No.32

綾梨 @yumiyuki☆B9idXU3F5bqQ ★4MONNG99XZ_yIc

【楊国/城内/櫻白虎】

まぁ、ここまでは想像できた。
二人の態度が違うことである、ここでぐずぐずしても仕方ないのでまず楊国のほうが身分は上なので「楊国王 琳愁夏」に挨拶をする。
そのあとに祥の大臣というオルハンに挨拶をすることに決めた。

「いきなりお尋ねしてすいません。こうしてあえることを光栄に思えます。
櫻白虎と申します、以後お見知りおきを。」

一礼して愁夏にたいし,挨拶を終えるとすぐにオルハンから自己紹介とあの耳にたこができるほどに名前を聞いている「祥裔と蓮玉」というキーワードとともににらみを利かしてくるオルハンに挨拶をする。

「はじめまして、オルハン君…かな?
そんなににらまなくて良いよ、私たち...朝国はあの政治に対して全員不満を抱いているからね。」

>>周囲ALL

4年前 No.33

琳 愁夏 @nekomaki ★iPad=2RtHPbTSUJ

【楊国/王宮】
驚いたことに、オルハン大臣は第一声に聖帝夫妻を出した。しかも結構目つきがキツイ。
これを大臣に真っ先に聞かれるなんて、愁夏だったら冷や汗が出そうである。否、例えそうでもそんなこと表に出さないだろうが。
しかもこんな状況なら普通は笑顔で取り繕ってしまうところだろう。相手の真意がわからぬ以上、下手に動かぬほうが無難だ。
だがしかしそこは裕福な朝国王のこと、平然と肯定してしまった。
同じ王とて国柄によって全く考えることが違うのであろう。穏やかで豊かな国と、必死に頭を使い続ける恵まれない国では、王の対応すらこうも違うか。

「……お国柄か……」

ふと、聞き取れないような小さい声で呟く。思わず漏れた声にすぎない為、いたって普通の男声で。
だがまぁ、こういう張り詰めた雰囲気を他人に放たれるのは然程好きではない。
一歩下がってふと外を見やると、門番がなにやら騒いでいるのが見えた。普段は特に気にも留めないのだが、チラリチラリと見える相手の馬らしいそれがあまりにも立派だった為、つい気になった。
それを見ているとまた香麗が物音も立てずに近寄り、こそりと耳打ちしてくれた。
内容は今の門番の相手の事。しかもその名は_____

「宗国の劉耀と、そう言ったの? だったら連れて来ていいわ。ここに入ると面倒そうだから、隣の部屋とか、そんな所に連れて来て。来そうになったら、わたくしも隣へ移るから。」

その少年はきっとさっき大通りで会った少年であろう。その名はさっき聞いた。
失礼だが、とてもじゃないが内偵なんてできるとは思えない人物だったし、何か用があると言うのなら直接顔を知っている愁夏が合うのが一番だろう。自慢じゃないが、自分の顔は滅多なことでは忘れられない自信がある。
香麗が出て行くのを確認し、二人の男性を見ながらタイミングを見計らう。

>>櫻白虎様、オルハン様、劉耀様、all

4年前 No.34

オルハン @makita ★xukvgMSQik_ZFe

【楊国/王宮】


 流石朝国の王といったところか。オルハンの迫真の演技ともいえる態度にさえ動じず、恰も彼の心意を見抜いているような言葉を向けてきたのだ。つまり、オルハンの演技が見破られていたということだ。それにはオルハンも動揺せずにはいられなかったであろう。気付けば呼吸さえも止めていたのだ。彼の心の中を要約すると、何故この王はここまで堂々とできるのかといったところである。
「つまり我が主君に従うつもりはないと……そうおっしゃっているのですか?」
 けれどオルハンも負けてはいない。本当ならこれくらいで演技はやめてもいいようなものだが、彼は全く以て驚きもしなかった朝の王に対抗していた。だがすぐに表情を和らげると、「ご無礼をしまして申し訳ございません、陛下。陛下がご存じのとおり私は皇国の官僚であるオルハンと申します」と先ほどとはうってかわって深々とお辞儀を始める。
「陛下が信用できるお相手かどうか試した次第でございますが、お気を悪くなされたことでしょう。そして私は貴方がそうおっしゃってくださるのを待っておりました。――櫻白虎陛下お願いいたします。我々と共にあるべき秩序に、この皇国を導いていきませんか」
 また王に向けた眼差しは真剣なものであった。自身の尊き志の遂行のため懇願する――そういう目だ。


>朝王

>ALL様

4年前 No.35

綾梨 @yumiyuki☆B9idXU3F5bqQ ★4MONNG99XZ_HnU

【遅くなってすいません。
 テスト期間終わったらからのこの三連休すべて部活とかちょっといかれてますよねw】

 【櫻白虎/楊国城内】

「あはは、そうなるかもね。」

香麗が愁夏に近づき何かをささやいているのを横目に見ながら,オルハンとの会話を続ける。
まぁ、このままあの二人のわがままに付き合っていても朝国に何も利益は無い、あるとすれば媚を売っておけば金や何やらもらえると考えるがそんなもの負けたときには意味はないし、負けたら負けたら後々めんどくさい。
そんなことを表情にも出さずに頭の中で考えていると、オルハンはイキナリ表情を和らげて改めて自己紹介をし始めた。
まさか、官僚とは思わなかったがこれも何かの縁。
あのわがままの主との関係をもてるとは...

「全然、かまわない。
ある意味私ははめられたのかな?」

あの言葉を言うのをまっていたとは、結構な策略かと見える。
そしてその後に続く,導いてくれというのには。
オルハンの瞳をまっすぐと見、ただ、ただゆっくりと頷いた。

3年前 No.36

十六夜 @nekomaki ★iPad=2RtHPbTSUJ

【楊国/王宮】

「…話の腰を折るようで申し訳ありませんが、遅ればせながらお茶が入りました。よろしければどうぞ。」

張り詰めた空気が若干ほぐれた頃を見計らい、愁夏がそれぞれに席を勧める。
香麗が扉の方に立つ小間使いの少女からお茶の入った茶器のお盆を受け取り、オルハンの前に一つ、白虎の前には音來の分を合わせて二つ、愁夏の前に一つお茶を置き、最後に中央にちょっとした茶菓子を置いた。
この国では充分高級なお茶だが、他国の王族や中央の上流階級は多少高級だが割と普通に飲む程度の階級だ。だがそこは楊国。普通の淹れ方ではない美味しく感じるような淹れ方で入れてある。菓子も同様だ。割とどうでもいいところにも頭を使ってしまうのが楊国民の性質なのである。

「さぁ、これでお仲間は集まりましたわね。楊国だけでは力が無さ過ぎますもの、朝王がいらっしゃって良うございました。
けれど、それだけであの2人は消えませぬ。何か策がなければなりませんわ。」

愁夏はそう言いながらも楽しげな笑みを浮かべている。
好戦的なそれは女の笑みではない。女の顔だが、男の笑みだ。どうやら愁夏は人並みの男以上に争い好きな質らしい。

「大臣の仰るところによりますと、あれらは何も効かぬ不死身であるとか。まずは其れをどうにかせねばなりますまい。」

さっきはオルハンに「それ以外の術を」と言ったが、それはもう諦めた方が良いだろう。
ならば不死身というのをどうにかできないか。それを相談してみたかったのだ。

「何か心当たりはございませんか?」

>>オルハン様、白虎様、all

3年前 No.37

オルハン @makita ★Android=QP7DgXg77L

【楊国/王宮】


 私は僅かに顔を綻ばせて、おどけているようではあったが自分が私にはめられたのかと言う朝国の王に対して首を横に振った。
「朝王をはめたなど、その様な厚顔無恥では御座いません。ただ、この件に尽きましては私の首が跳びかねないので、少し慎重にさせていただいただけです」
 何せ謀反を起こそうとしているのだ。不特定多数に知られて良いわけがない。そこは相手が誰であれ、疑って損はないのだ。特に私は作戦を円滑に進めるため表面的には皇室に従っていなければならない。皇国の高級文官の地位にいなければ祥国がどの様な動きをするか情報も得られないのだ。
「ありがとうございます、白虎陛下。心強い味方を得ることができ光栄にございます」
 この王は寛大で心を許しやすい雰囲気を漂わせていたが、私はそれでも敬意をはらうことは忘れず堅い言葉を並べて頭を下げた。張り詰めた空気が、お茶が楊王によって出されるまで維持されたのはそのためであろう。

「有り難くいただきます……」
 せっかく淹れてくれたものを躊躇って冷ましてしまうのは勿体ないと、出されてすぐに茶器の縁を口元の方まで運ぶ。いつも飲んでいるものだと思っていたが、口にしてみればそれは違っていた。
「とても美味しい」
 茶葉が違うのか淹れ方が違うのか、香りも味も格上である。茶菓子もいただいてみたが、これもなかなかの絶品だ。
「楊国はあらゆるものが美味であると聞かされておりましたが、改めて実感した次第です」

「……そうですね……」
 祥皇室を如何に消すべきかという本題に促された時、私は顎に手を添え思考をめぐらす。そういえば、殺す以外の策をといっていたようだが今の流れは全く逆のようだ。そしてふと楊王の顔を見やれば、彼女は笑みを浮かべていた。この状況を楽しいと感じているのだろうか。顔に似合わず争い好きの性格のようだ。まるで戦士のような。
 まあそれは関係がないと特に気にはとめないで、私は今呈示された問題に集中することにした。
「心当たり……。実は祥裔がおかしくなったのは私が皇国に来る前で、詳細は何ともいえないのですが、彼には蓮玉が来る前にデニズという妃がいたと……。その妃の死後に祥裔は−−」
 デニズという名からして、その妃は皇国の人間ではない。私と同じシャミールの出だ。けれど謎が多く、誰も彼女の出自に関することを知らない。

「それとですが琳陛下。折り入ってお願いがございます。楊国の富国政策の責任者に私を登用していただけないでしょうか?」
 唐突に凄いことを頼んでしまった気もするが、楊国が貧しいままでは負担が多すぎると感じたのだ。


>楊王

>朝王

>All様

3年前 No.38

十六夜 @nekomaki ★iPad=JdKmE3uZZb

【楊国/王宮】
「そうでしょう? こんな国でも充分幸せに暮らせますのよ。手間さえ惜しまなければね。」

大臣の“美味しい”という言葉に嬉しそうに答えた。
自分の統治する地を褒められるのは何より嬉しいことなのだ。


「デニズ……ちょっと調べてみましょうか。残念なことに、私は何もしりませんのでね。」

妾腹の公女なんてそんなものですわ。と半ば自嘲的に笑うと、側に控える香麗に書庫を開けるよう指示した。
もしここで関連することが見つからなければ、直接首都の王宮に乗り込んで調べるまでだ。国王が首都に行くのはおかしな話ではあるまい。
もし拒まれても、オルハン様に手を引いて貰えばいい。どうせ顔など知られてはいないのであろうし。
そんな中、ふと持ち掛けられた富国政策の話。

「まぁ、それは有難いお話でございますわ。大臣ほどの力量が御座いますれば、この国も今よりずっと豊かになることでしょう。」

悪い話ではないだろう。寧ろ、皇国の大臣にこれほどの若さで君臨する方がなって下さるなど光栄な話ではないか。
だがしかし。

「わたくしどもは歓迎いたします。どうぞよろしくお願いしますわ。……けれど、この国の政治は、結局のところ仙人さまが相手です。」

そう、今までだってずっと仙人が相手だった。だからこそ、下手な提案などしたらあっという間に見下される。

「仙人さまは相談相手です。何か行うのであれば、何人かの仙人さまにはご相談なされるとよろしゅうございます。ただ、相談の内容はお気をつけなされませ。あまり妙な提案ですと、相手によっては出したこちらが馬鹿にされかねませんからね。」

ふわりと笑い、なんでもないことのように言った。
まぁ、このお方に限ってそんなことはないと思うが、一応だ。前にそれで国にいられなくなった家臣を知っているから。

「どうぞ、不作だからって王族が粟稗を食べずに済むようお願い致しますわ。」

たまに大不作の年には、民は勿論、城に仕える者も王族も関係なく粟や稗を食べる日々が続くこともあった。
それがなくなれば取り敢えず良いかな、と若干軽い考えである。

>>オルハン様、白虎様、all

3年前 No.39

劉耀 @megapaca☆5J7SJmWKBbc ★mJ1PlGPnl2_jwY

【 楊国/王宮 】


 喉元に突き付けられた刃にじわりと涙腺が緩む。意地はあっても死ぬのは嫌だ。もっともっと色々なものを作りたい。死んでしまったら何もできないではないか。「お通しください」と嗚咽混じりの声で告げれば目の前がぼんやりと滲んで見えた。後ろで蹄を研いでいる友を制するように、彼らには手出しさせないように、と両手を広げればしゃらん、と荷物の中に入っていた鈴が転がった。

 今日という日は自分にとって最もデンジャラスでスリル溢れる一日になったことだろう。普段は職人や下町の子供たちとしか触れ合わない為か高貴な人に会うとどうしても緊張してしまう。今日だってそうだ。昼間は生きているのかさえ妖しい人にぶつかって、何だか偉い人にも粗相をして、終いには門を開かせて貰えない。確かに真面目に仕事しない日もあったけど余りにも酷いツケが回って来たものだ。

 急に刃が下ろされたかと思えば一人の文官が現れ、門番に耳打ちをしていた。何だろう。もしかしてどこかの国の偉い人がこれから来るからさっさと追い返せとかそういうのだろうか。そんなことを考えながらもそうはいかないぞ、とじっとその文官を睨んでいるとふいに笑みを向けられた。


「――っな!(な、何だよ。こ、これでも昔は強かった民族の端くれなんだからな!)」


 意味の分からない素晴らしいへっぴり腰が特徴の構えをすれば遂には門番さえもふきだした。一しきり笑い終えると門番と文官は「通って良い」と言った。一体何故許可されたのかよく分からないが兎にも角にも目的は果たせる訳で、終わり良ければ全て良し、って奴だと思う。

 王宮内に入れば何だか大きな部屋に通された。窓も無い、机と椅子のみの閑散とした部屋で一人ぽつんと佇めば何となく今迄の出来事が夢で、起きたら見慣れた天井を目にすることなるのではないだろうか、等と思った。ぼんやりと自宅の天井とは比べ物にならないくらい高くて綺麗なそれを首を痛めることも厭わない様子で只只管眺めていた。

>>王宮内ALL様



【遅くなりまして申し訳ありません!
 新たに作らせて頂きましたキャラは後程参加させて頂きます。】

3年前 No.40

オルハン @makita ★xukvgMSQik_ZFe

【楊国/王宮】


 やはり楊王であってもデニズが何者であるかまでは知らなかった。けれど、彼女は卑下しながらもこのまま知らずにいることは選ばず、書庫を開けさせるよう命じる。関連のある資料を探そうということらしい。
「わざわざ有難うございます。見つかることを願いましょう。私も祥に帰ったのち調査をしてみます」
 多分命がけの行為となるだろうが覚悟はできている。祥裔や蓮玉は不死身ではあっても千里眼ではない。私の行為や心まではわからないだろう。ただ注意しなければならない人物は上層部に何人もいる。気は抜けない状況だ。

 茶と菓子をいただいたあたりに楊王はその美しい顔を綻ばせ、私の美味しいといった言葉に答えた。それだけで自分の国を愛していることが感じ取れたが、だからこそ、楊の現状を変えたいという一心で私の唐突な富国策の話にさえのってくれたのだろう。お世辞にも、この国の農業は彼女が問題視している通り発展しているとはいいがたい。商工業とてそこそこ繁栄はしていても、一国の収入を賄うには不十分だ。
 私は同盟者となるこの国を何とかしたいという気持ちは大きかったが、ただ問題があることが楊王の次の発言でわかった。この楊という国は知識人である仙人たちが多く輩出される地としても知られている。そのせいもあるのか、仙人の地位が高く、政治も彼らが動かしているといってもいいほどだ。しかし彼らは祥にいる金や地位でものを言わせる野心家たちと違って、妙な提案をしたものは身分が高くとも制裁を加えるという事例の存在から、いくらかまともなようであることがわかった。それゆえ仙人と相談するといいという王の助言を、私は何も抵抗なく承諾することができたのだ。
 正直責任が大きく緊張は覚えたが、楊という国のためだ。仙人が私を相応しくないと判断するならば相応しくない。その相応しくない人間が楊国の政治を動かしても無意味なのだから、仙人たちに対して文句はないだろう。それに楊王は私を信頼し、任せてくれた。この恩に報いるためにもめげずにつとめたいのだ。
「陛下、問題はありません。私も仙人の弟子。そして官僚です。時間はかかっても楊国を裕福な国にして見せましょう。一段落したら、その仙人たちにあわせていただけませんか?」
 私は早速とりかかろうという思いで、楊王にそう頼んでみた。



>楊王

3年前 No.41

綾梨 @yumiyuki☆B9idXU3F5bqQ ★UM3Wt3W7TU_Jtr

【申し訳ないです・・・
 また絡んでくれるとうれしいです。
 一応書いときます】

【 楊国/王宮/櫻白虎 】

「有り難う」

いい感じの流れで入ってきて茶器の道具を準備してる小間使いに対して、それに茶を入れてくれている愁夏に向けての敬意の現われだ。
一口飲むとまた一口飲見たくなる衝動がでてきて、癖になる味だな塗布と心の中で重いながら茶を口の中に運ぶ。まぁ、でも朝国も負けて劣らず美味だろう。今度茶葉と茶菓子を楊国に対し送っておこう、こんなことをしたら対抗心がむき出しになるのを分かっているのや否わかっていないのか、よくわからないことである。
そんなこんなで話は進んでいく、キワードは 【 デニス 】 と思われる。
デニスか・・・古い書庫を調べれば出てくるかもしれないと思っていると愁夏もそう考えたようで香麗に明けるように頼んでいる。


「音來、急ぎ国へ帰り書庫をあさって来い」


と、静かに隣に控えている音來に向かいしずかに、オルハンを雇うか雇わないかで盛り上がっている二人を尻目にそう伝えた。
音來は、静かにその場を去り朝という国へと帰っていった。

>>周囲ALL

3年前 No.42

オルハン @makita ★Android=QP7DgXg77L

【楊国/都城外】


 楊国に滞在し一日が過ぎる。

 私は王宮の近くに位置する邸で一夜を過ごし、供を数人連れて、荒廃した土地が広がる城壁の外へと足をのばした。調べたいことがあったのだ。
 農業に適さない土地とあったが、実際はどうであるのか、また付近に河川はあるかといったことである。あともう一つ別のことがある。

「地図を広げろ」
「はい」
「豊かな朝の国と、楊は隣国……」
 供のひとりが徐に地図を広げたのを確認すれば、私は「朝」と記された位置に指先を置いた。さらにそれを下へと滑らせていく。
「楊国と朝国の間に交易路を設置することで、よい成果が得られるに違いない。土地も乾燥しているが、悪い土ではないだろう。その交易路だが、この川を利用したい。つまり大規模な治水灌漑事業に着手する。悪い投資ではないはずだ。何せ水は農業に欠かせない」
 そう簡単に説明を述べていけば、ひとりが気になることがあったのか問題点を指摘してきた。

「しかし、費用はどこから?」
 だが私は問題はないと断言した。
「この都市に訪れる商人たちから税をとり、まずは一定の資産を蓄え、事業にあてる。南部からやってくる彼らは豊かな朝国と取引をするため、祥か楊を経由しなければならない。けれど祥は関税も高く大商人が独占してしまっている。そうなると流れてくるのはこっちだ。――それと、朝と経済的な同盟を組めればいいと思っている。朝と楊間での商品取引にかかる関税が優遇されれば朝の羽振りのいい商人が楊へ商売に訪れるだろう。そうなれば交易中継都市として機能する」
 理屈で行くとこういうことである。ただ、政治に関与している仙人の意見をきかなければ。私はこの方まともな政治を祥でできた試しがないため不安だったのだ。


>all

【勝手に蹴ってしまいすみません!】

3年前 No.43

十六夜 @nekomaki ★iPad=JdKmE3uZZb

【楊国/王宮書庫】

「愁夏様、デニズについて乗っている書物はこれくらいでしたわ。けれど、どれも名前が載っているだけで詳細はちょっと……難しいかもしれません。」

「そう。ありがとう香麗。そこに置いておいて、貴方は他の仕事に戻って頂戴。」

書庫でのデニズ調べはなかなかに難しいようだ。そもそも、祥について書かれている書物が少ないのだから仕方ない。
積まれた書物を開き、窓から差し込む光と蝋燭の灯りを頼りにデニズを探す。けれど、どれを読んでも“祥裔の連れてきた素性の知れぬ北方の女”としか書かれていない。
だんだんと面倒になってきた頃だった。ふと手に触れた書物は、今までの物と違って簡素で、頼りないくらいボロボロになっていた。
それをそっと開いてみると、どうやら日記のようだった。誰のものかと思って表紙を見ると、「琳姜慶」とある。

「父上の……日記?」

そう。それは紛れもなく愁夏の実父の日記であった。
けれど、内容を見れば日記と言えるほど大層なものでもない。子供の頃から死の間際までの生涯のうち、特に気になった、心に残った事柄があったら、その都度思い出したように書き足して行っている。そんな印象だった。
デニズについては、彼が楊王になる少し前のところにあった。どうやら、次代の楊王として祥裔の元を訪ねた際に書いたものらしい。
「デニズは凄まじい程に美しい女ではあったが、不気味に思えるほど常に祥裔様の傍にいたがり、それを祥裔様は鬱陶しく思っているようにもみえた。 これは聞いた話だが、そもそも彼女は、祥裔様が人魚を探しに行った際に連れ帰った女であり、本来の目的ではなかったという。」
デニズについてはそれだけだった。他の書物よりは長いし、興味深い話ではある。
他にもないかと捲っていくと、またすぐに祥裔とデニズの文が現れた。
「祥裔様が最近おかしい。皆、デニズが亡くなったから気を病まれたのだ、というが、本当だろうか。」
どうやら、デニズはこの頃死んだらしい。そして、オルハン大臣の言う通り、祥裔はこの頃から可笑しくなり始めている。
もうこの先にデニズが現れる事もなさそうだったので、それをパタリと閉じ、香麗を呼んだ。

「香麗、これを取っておいて。後でオルハン殿に見せるから。」

そう言って香麗に書物を渡すと、愁夏は自室に戻った。

>>all様

3年前 No.44

オルハン @makita ★xukvgMSQik_ZFe

【楊国/王宮応接間】


 楊王からの伝令で、私は用事を一旦済ませ王宮へと急いだ。どうやら、デニズに関する資料が見つかったというではないか。
 私は王宮に到着するなり、再び例の応接間に通された。いつみても、綺麗な空間だ。この国の王のように。ぼんやりと楊王の華麗な佇まいを頭に浮かべながら、腰掛に腰を下ろす。

「この国に来てから僅かしかたっていないが、祥国のことが気がかりだ」
 ふとそう溢すのも無理はない。師である仙人のことも気がかりであるし、私自身とてぼやぼやしていると他の大臣たちからはじき出される可能性だってなきにしもあらず。一人怪しい人物は知っているが……。

 さて、楊王がいらっしゃり次第、事業のことも報告しておくべきだろう。朝国の王も同席してくれていたらありがたいが、あとで使者を派遣するということもできよう。その前に仙人に認められなければならないだろうが。


>楊王

>ALL様

3年前 No.45
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