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千年京とヘマトフィリア〜名無しのアヤカシ〜

 ( オリジナルなりきり )
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【陰陽師VS妖怪】 @mistydark☆NIljAHmRyhk ★nk2Rea4pnP_4ff

「お願い、私を……此処から出して……?」
 宵闇の中で緑柱石の瞳が。何処までも甘美に、蠱惑的に揺らめいている。



 アヤカシ――それは、人とは異なる理に生きるモノ。
 アヤカシ――それは、気紛れに人の生活を脅かすモノ。
 アヤカシ――それは、滅されなければならないモノ……

 2013年、夏、京都。
 全国から集結した陰陽師達は、今日も今日とてアヤカシ退治に精を出す。
 古来より人間の生活を脅かしてきた人ならざるモノ――アヤカシに対抗できる力を持つ人間が現れたのは、最早千年以上前のこと。その血と共に、脈々と受け継がれる力でもって人々を守る彼等に対しては、今では時の政府すら一目置いている。
 陰陽師は仲間と共に、時として敵であるアヤカシの力さえ利用しながら、彼等なりの日常を過ごしていた。
 立籠める暗雲を、理性ではなく本能で知覚しながら。

 陰陽師――それは、人とは異なる理に生きるモノ。
 陰陽師――それは、意図的に我等の存在を脅かすモノ。
 陰陽師――それは、屠らなければならないモノ……

 同年、同刻、同地。
 呼び集められたアヤカシ達は、今日も今日とて本能のまま生きる。
 古来より自然の中に生き、人に恵みも災いも与えてきた彼等が認識されたのは、最早千年以上前のこと。彼等に仇なす存在――陰陽師が現れたのも、千年以上前のこと。気の遠くなるような時を生きるアヤカシは、実に様々な感情を抱いている。
 アヤカシは同胞と共に、時として敵である陰陽師を利用しながら、彼等なりの世界を守ってきた。
 立籠める暗雲に、本能的な愉悦を覚えながら。

 両者の思惑も、運命も、全てが交錯したいにしへの都で。
 世界の礎を作る闘いは、始まろうとしていた。

【意味不な駄文で済みません。興味を持って頂いた方、詳細はサブ記事へ】

4年前 No.0
メモ2018/02/10 05:08 : 。★uCiazIfwi9_7sc

当スレッドへのご意見等ありましたら、スレ主アカウントまでお願いします。文章の非表示等、参加者様・閲覧者様のご迷惑になる行為はお控えください。


【2015/12/31 本編完結】


沢山の閲覧、そしていいねの数々、本当に有難うございます。参加者様は勿論ですが、このスレッドを見ていて下さる方々のお陰で、何とか此処まで来ることが出来ました。今後は後日談、伏線回収等々に当スレッドをご利用くださいませ。


完結スレッドにもかかわらずアクセス数が伸び続け、ついに2万アクセスを突破しました、有難うございました! スレ主がひっそりとお礼の企画を用意いたしますので、今しばらくお待ちくださいませ。


キャラクター一覧… http://mb2.jp/_subnro/13445.html#S1134 ミスがあった場合は、報告お願いします。

序章 :日常の狭間と非日常の隙間 >>1-148


第一章:昏い路地の物騙り >>149-380

第二章:イツワリノシジマ >>381-454

第三章:君はその眼に何を映すの…… >>455-648

第四章:Who is a betrayer? >>649-742

第五章:取捨選択 >>743-766

第六章:倒錯×交錯×ユーフォリア >>767-860

第七章:いにしへの 京の都に 弔いの 花は散るらん 秋の夕暮れ >>861-1480

終章 :千年京とヘマトフィリア〜After Dream〜 >>1482-1520(進行中)


【絡み状況】

・京都駅・大階段(鏡面世界)…日下部阿藍&緑利&紅子&相澤薙&刃金丸&芦屋勇、ヴェズVS滝夜叉姫、鬼

・伏見稲荷大社周辺…芦屋巖児&唄女&戯、安倍凰華&玖楼 銀嶺

こっそりスレ主が外伝集作っちゃいました。「千年京異聞録」 http://mb2.jp/_shousetu/32177.html

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日下部阿藍&滝夜叉姫 @papillon ★hl3oQC7qkm_mgE

【京都駅大階段/日下部阿藍+正体不明の女改め、滝夜叉姫(唄女&戯→(回収))】


「そうかい、欲張りなようで欲の無い子だねえ……関西でのやり方というのに疎いわたしだが、そういうのならまあ無理にとは言わないさ。その信頼と実績をこの先も積み重ねて頂く為に、わたしもお前さん方に最大限協力するし、わたしにも協力してもらえたらと思っているよ」

 可愛らしいウインクを見せてくれた紅子ではあるが、確かに依頼料としてはすでに破格である、阿藍も彼女の様子にふっと小さく笑うと片目を閉じて答えてみせる。彼女ならば、いいや彼女達なら信頼出来ると、阿藍は直観していた。情報だけでしか知らなかった彼女達ではあるが、こうして話をしてみればその本質はある程度見て取れる。長い間、人間の暗部に触れてきた阿藍だからこそ、其処を見誤るつもりはなかった。
 芦屋漆蓮。現在、この世で最も恐るべき忌み名となったその存在。それを口にした時点で、彼女達を巻き込んでしまった事は阿藍とて重々承知の事だろう、故に紅子と同じく、その表情は最初から今まで、ずっと落ち着いたものである。

「末妹……おや、相澤薙の事かい? いよいよもって物騒な話になってきたじゃないか、まったく。ああ、今度そちらでゆっくり話をしようじゃないか、外だとこういう厄介事が起こりやすいから。わたしも最近は自由に外出も出来やしないんだ……どうにも、あいつらに監視されていて、狙われちまっているようでね」

 こちらが渡した名刺はそのまま紅子へ、そしてそれに加えて現れた呪符の存在に、阿藍は特に何も言わなかった。それよりも緑利の言葉で引っ掛かった事があるようで、阿藍は眉間に深い皺を刻んで一瞬考え込んだのは、相澤薙ことセレスティアの存在は近付いているという事実。恐らく偶然ではなかろう、何者かの見えざる力が働いているに違いないと、阿藍は顎の下に手を当てて目を伏せる。

 そんな中、均衡を破ろうとしたのは、唄女でも戯でも無く、彼女らの側に立つ正体不明の女であった。

「きゃあー! 熱い熱いー! こーれだから血の気の多い方々は苦手なんですぅ! わたしぃ、低血圧で朝も苦手だしぃ! 『ソレ、今、何の関係があるワケ!? バカ言ってる暇があったら下がりなさいよ!』」
『あちらもこちらも何をごちゃごちゃ申しておるのか存ぜぬが、――まずは妾(わらわ)の可愛い童(わらし)ども、返してくりゃれ』

 突如階段の上に燃え上がった悪魔の舌のごとき赤黒い業火、その壁を前に悲鳴を上げながらあたふたと逃げ惑う唄女を一切顧みる事なく、女は悠然と片手を前に差し伸べる。と、その手の前にぼおっと血の色をした六芒星の光の印が浮かび上がり、女はその手を緑利と阿藍の後方で転移の術式を組み立てる紅子の方へと向ける。同時に、緑利が紅子へ渡した一枚の呪符に、凍り付いたようにびしりと亀裂が走った。紙である筈の札に、である。それは氷の固まりが今にも砕けそうになる様に似て、何らかの外部からの強い力が掛かっているのは明白だった。

『悪いがそなたらの〈結界の出口〉、妾が貰い受ける』

 女が片手を上に向けていくと、魔法陣もそれに合わせて上へと移動する。やがて六芒星の中から騒々しい喚き声が聞こえ始めたかと思うと、ざあっと強い風が吹くと共に陣の中から先程の大量の餓鬼どもが次々に飛び出していく。とはいえ陣の効力なのだろう、餓鬼は地面には降りて来ず、そのまま六芒星の上空をふわふわと漂っており、まるで特撮映画か何かのようだ。百体程の餓鬼が浮遊している様など、あまりに現実味がない。しかも先程まであれだけ暴悪に騒いでいた餓鬼の群れが、餓鬼とは思えぬ静けさで眼下の様子を伺って黙り込んでいる。餓鬼にとって女の存在は、余程大きいらしい。

『さてさて、〈メンドーな術式〉とやらを組み上げずに済んで良かったの、感謝してたもれ……久方ぶりよのぉ、鈴木紅子。よもや妾を忘れたとは言わせぬぞ、影の京都≠ナ度々顔を合わせたであろう? そして……誰じゃ、その翡翠そっくりな女子(おなご)は』

 はらりと、女が顔を隠す被衣を自ら落とした。同時に、引き摺る程長い艶やかな黒髪がさらりと流れた。玉虫色に爛々と輝く瞳、近寄りがたい程に高貴な顔立ち、赤と紫を基調とした絢爛豪華な十二単。そして被衣を脱ぎ捨てると同時に漂い始める、悍ましい程に邪な妖気。
 悪意の塊のような、――――何処となく咎女に似たその女は、艶やかに、そして妖しく微笑んだ。

「……こいつは驚いた、まさかこの表舞台にあんな醜悪なのが出てくるとはね……滝夜叉姫、元咎女一派の重鎮だよ。紅子さん、知り合いかい? 唄女ははっきり言って大した事ないが、あの鬼女は一筋縄じゃあいかないこと、奴を知っているなら分かるね?」

 流石に笑みを消して、杖を構えたままの阿藍が小声で紅子達に語り掛ける。大量の餓鬼を引き連れて悠然と笑う女、その正体は平将門の娘である伝説の妖術使いだ。千年京事変≠ナは咎女の右腕として多くの陰陽師を屠った、恐るべき逆賊である。その鬼女が今、再び京都駅に現れ、何事かを告げようとした、その刹那。

「あっれー? 安倍紅子さんじゃないんですかぁ? 鈴木さぁんっ? もしかしてわたし、また人違いしちゃってますぅ? あちゃー……まぁたやってしまいましたー! 咎女様に怒られてしまいますぅ! どうしよぉ、ほんとどーしよぉー! 『ちょっと! あんまり頭振らないで! 酔う! 酔っちゃうから!』」

 凍り付いたような場の空気をぶち破る、悲劇的なまでに能天気な声。唄女は先程の紅子の発言を今頃になってすっかり真に受け、文字通り両手で頭を抱えて珍妙な様子で苦悩し始める。
 暫く黙って、無表情なままそれを見ていた滝夜叉姫だったが、ふいに片手を彼女らの方に向けると、にっこりと微笑む。

『五月蠅い』

 そのまま、翳した手ですうっと二人を空間ごと撫でる様に、ゆっくりと手を動かしていく。

「あぁ! 姫様ぁ!? ちょ、待っ……!!」

 と、まるで黒板に書かれたチョークの文字を黒板消しで擦るように、唄女の姿が忽然と掻き消えた。どうやら無理矢理転移させられてしまったらしい。
 それにしても、高度な転移術を印を結ぶ事もせずに駆使したり、呪文の詠唱も無く簡単に術で唄女を何処かへ飛ばしたり。ただでさえ高い妖力を持つ滝夜叉姫であるが、この二年で更に厄介な能力を手に入れた様子である。恐らく千年京事変′繧焉A何らかの〈目的〉の為に力を磨き続けたのであろう。

『さあ、これでようやく静かに話が出来るようになったわ。確かに懐柔、という言葉はあまり相応しいものではなかったかもしれぬ……服従せよ、我等〈鬼〉の一族に。今後我等は、人間ごときに傅き擦り寄る腑抜けた犬神どもを駆逐し、この平和に澱み腐れた世界に再び乱世を齎す。その障壁となる者を、我等は欠片も許しはしない……其処に居る日下部阿藍も、我等にとって目障りな狗っころなのじゃ。きゃんきゃんと騒ぎ立て、我等を嗅ぎ回り、この手に噛み付こうとする駄犬めが』
「随分言いたい放題してくれるねえ、ま、それだけわたしの存在が邪魔という訳か……要は怖いんだろ、このわたしが。わたしに調べ尽くされて、負ける事が恐ろしいんだろう
?」
『……貴様……』

 紅子と緑利を放ったまま、阿藍と滝夜叉姫は階段の上と下とで対峙する。二人の視線が交わる空間では、今にも火花が散りそうだ。それ程の殺気と殺意が交差している、アヤカシである滝夜叉姫はまだしも、人間である阿藍の気迫も相当なものだ。血を啜る悍ましき鬼女を前にして、一歩も退くつもりはない様子だ。

『そこな女子、何故かは知らぬが、そなたからはかの地獄の犬が長女、翡翠の気配を感じる。そなたも我等アヤカシの為に生きるが本望であろうて……その手で、日下部阿藍の息の根を止めよ。さすれば、鈴木紅子の命位は見逃してやらん訳でもない。さ、どうする? 妾は別にどちらでも良いのじゃ、そなたが断ればこの京都駅がそなたらの墓標となるだけじゃからな』

 急に滝夜叉姫がその涼やかだが狂気を孕んだ視線を緑利への向け、小首を傾げて語り掛けた。どうやら同士討ちが望みらしい、まるで観劇のように、仲間同士の殺し合いを楽しもうというのだからこの女の醜悪さが如実に分かる発言である。そして先程からの発言を聞くと、どうやら滝夜叉姫は緑利の正体を知らないようだ。
 阿藍はといえば、まずは緑利、次に紅子の方を見て、やれやれとでも言いたげに薄く笑って肩を竦めて見せた。回答は決まっているだろう、とでも言いたげに。


>>紅子&緑利(、セレスティア)


【レスをお待たせしました、引き続きお相手下さりありがとうございます! キャラは増えましたが、実はスレ主様お気に入りのこの子だったのですよ……! そしてセレスティア本体様、微妙な絡み方となりましたが、是非とも京都駅の大階段へいらして下さいませ!】

※警告に同意して書きこまれました (個人情報)
1年前 No.1516

鎧の付喪神 @kaizelkai ★jMAPUVVmIc_mgE

【→京都駅近く・雑踏/刃金丸】


 世界的に変化が起きても、彼はゆっくりとその時の中で巡る。例え平和だろうが、争いになってようが関係無い。それが生きる者としての、誠意である。


濃い黒髪は変わらず、背中に【鎧】という文字と様々な刀剣や火縄銃が刺繍された派手な黒い陣羽織を羽織っている青年は手にあるスマートフォンを見ながら、歩いていた。目の前よりも画面だけを凝視している。周囲の人の流れを戦闘によって鍛え上げてきた勘や匂い、感覚による動きで交わしながら、進んでいく。一歩一歩と何かを探すようにして動き回っている。
そして、とある地点で止まり、指で何回かタップする。そして、やり終えた顔を見せて一息をついた。画面にはデフォルメされた鎧武者の付喪神とGETという文字が表示されていた。


「 ついに、ついに手に入れたでござる……!ふむ、何だか拙者に似てて親近感があったござるが、やっと手に入れたでござる。その地点で向かわなければ、げっと出来ないとは大変な遊戯でござるな。最近のすまほの遊戯も変わったでござるな……えーあーるもばいるげぇむといったか、面白いでござるなぁ。」


彼がやってたのはとあるARモバイルゲームの一つであった。鎧の付喪神っぽいそのキャラクターを手に入れるため、歩いていた。人が集まる場所が捕まえやすいという情報を得て、実行に移していた。結果はこの通り、成功した。こういうゲームは通行人にぶつかりやすいというが、常人離れした感覚を使って、避けてみたのだ。最初は不慣れだったが、画面に集中しながら周囲の人間を避けて歩くのも慣れると簡単なものである。念願のキャラを捕まえたので、休憩しようと思った視線の先に久しい姿が見えた。その者に大きな声と手を振って、近づきながら呼びかけた。


「 おーい、なーぎーどーのー。こっちでござるよー!」


スマホをいつもの巾着袋にしまい、かつて共に戦った少女を呼ぶ。あれから数年は経ったか、同じアヤカシだから外見的には変化はないが、雰囲気は違っていた。元気そうだと思ったが、その表情は曇っていた。一体何があったのだろうか。



>>薙、京都駅周辺ALL


【お久しぶりです。ずっと何処にうちのを投下すればいいのか、スタンばってました。急な絡みですが、もし宜しければお相手よろしくお願い致します。】

※警告に同意して書きこまれました (個人情報)
1年前 No.1517

セレスティア @mostbeto☆MNLE1Yk.EMQ ★sqMH8Q2zCH_wZ2

【京都駅近く・雑踏/セレスティア】
「…どうしたら…いいのか…」
はぁ、とため息を付きながら彼女は、京都駅へと向けて
ゆっくりと歩いていた。突然のことがあまりにも多すぎたのだ。
それはあの時…京都駅で姉たちと再開した時を越えるような、脅威の光景である。

「はぁ…お姉ちゃんは…ああいう性格と…わかってたつもりでも…」
確かに姉とともに行けばまた三姉妹仲良く暮らせる可能性があるのだろう。
彼女の言葉はそれを感じさせるほどの優しさを感じさせるものだった。
信じてみたい。と思えるほど。

「だとしても…」
しかし、彼女の…姉で有る咎女の決意は鋼のように硬い。
おそらくまた恐ろしい手段でつなげようと考えるのかもしれない。
それに…一度断絶した世界だ。
色々問題はあっても、この世界は比較的平和に過ぎていっている。
おそらく、分たれたあの世界でも平和な日々を過ごすアヤカシ達がいるだろう。
…その平穏を再び乱してまで、自分は会いたいのだろうか?
この世界を愛しているのに……今やっと、共存の道へと迎えたこの世界が
またあの時と同じようになってしまってもいいのか?

「ダメだ……頭がごちゃごちゃだよ…」
いくら問うても答えは出ない。
頭を抱えて何気なしに歩いていた彼女だったが…

「…ん、その声は…」
ふと顔を上げて、声のした方に顔を向けると…
そこには数年前から変わらぬ姿を見ることが出来た。

「あなたは…刃金丸さん…!」
懐かしい顔との再びの出会いに彼女は笑顔になった。
薙は、高校を卒業したためもう制服は来ていない。
ジーンズなどのややラフな格好だ。だがあのマフラーは変わらない。

「こんな所で会えるなんて奇遇ですね。
 しかも京都駅…色々あったここで会えるのは運命かも…ですねー。」
と言って少し微笑みかけた。

「あ、それ…最新のゲームじゃないですか?
 そういうのにも興味があるんですねー…
 私も一応…持ってるんですけどねー」
と、何気なく会話を交わしてみる。
少しは気が紛れるだろうと考えながら、彼がプレイしていたARゲームに興味を示した。

…しかし、少し気になる感覚を彼女は覚える。
(あれ…?この気配は…?)
妙な気配を感じたのだ。アヤカシ?あるいは陰陽師の気配…
アヤカシはあちこちにいるのだから、そのような気配など別に気にする必要もないはずだが…

(異常な気配だ…
 敵意のような…)
気になってしょうがない。会話をしながらもその意識は少し、
京都駅の中へと向けられていた。

>>刃金丸さん&京都駅内ALL
【どうもお久しぶりです!
 戻ってきてくださったのがとても嬉しいので、レスを変えさせていただきます!

 後、京都駅内のみなさんも絡みをありがとうございます。
 こちらも少しですがロールをお返しさせていただきます。このような感じでよろしければ、ぜひお願いします。】

※警告に同意して書きこまれました (個人情報)
1年前 No.1518

紅子・緑利 @mistydark☆NIljAHmRyhk ★TY0LnyDKkC_mgE

【京都駅大階段→京都駅付近/鈴木紅子・芦屋緑利】

 きぃぃん、と。
 音叉のような、ガラスをはじいた様な高く澄んだ音が一つ、紅子や阿蘭の耳には届いただろう。そしてそれだけで、いとも容易く世界は隔てられる。

「私の答えか……確かにそれは、もう決まっているね。因みに母さんはちゃんとあなたのことを覚えているから安心していいよ。それから日下部さん……お茶会の約束、私が行くまで忘れないでいてくれると嬉しいな」
 遥か高みから見下ろす滝夜叉姫にも届くように、緑利は告げる。両者の間に立ち塞がるように、或いは何かから決別するように一歩前に進み出たその姿だって、高低差を利用すれば頭のてっぺんからつま先までつぶさに見えているに違いない。
 緑利の背後でごとりと音を立てて落ちた先程まで日下部阿蘭だったモノの一部も、グロテスクな切断面からスプリンクラーのように飛び散る赤も、彼女の右手の中で赤黒く光るサバイバルナイフも、いつの間にかまだら模様になった白いワンピースも、薄く弧を描く唇も、すべて。その、一瞬のうちに起った悪夢の――滝夜叉姫からしてみれば、望んだとおりの喜劇だろうが――何もかもが。
 緑利の名を叫ぶ紅子の声も、何処か遠くて。
「久し振りねお姫様。日下部阿蘭の命一つなんて、貴方にしては随分とお手軽なお土産だこと……あたしはてっきり、また京都タワーでも叩き折れと言われるんじゃないかと思っていたのよ。嗚呼、でも貴方は昔から小さい女の子には優しいものね……あの時はうちのローリィが迷惑をかけてご免なさい。でも貴方のお蔭で、あの子は着物が大好きになったのよ。見ていて楽しかったわ」
 一瞬で階段の上から煙のように掻き消えた緑利の姿は、今は大階段の頂上にあった。ふわりと空から舞い降りるように現れて、背後から滝夜叉姫の耳元で囁くのは遠い日の思い出。翡翠と咎女、そしてその側近と言っても差し支えないアヤカシたちしか知らないはずの、とある邂逅。
 それを、芦屋緑利という彼女の関係者の寄せ集め様な姿をした少女が語る。緑利でしかない声で、顔で、けれど決して彼女のものではない口調で、彼女が本当に芦屋緑利という個体であれば、知り得る筈のない事実を語る。
 人であれアヤカシであれ、これほど不気味なことはないだろう。緑利という存在の正体を知らない者が相手であれば、特に。
 だからこれはきっと、こけおどしの時間稼ぎに位はなる……頼むからなってくれというのが緑利の本音だった。

「おいこら緑利! お前また勝手に!」
 一方、結界の内側で叫ぶ紅子の非難は、当然緑利には聞き流され、滝夜叉姫の耳には届くことすらなかった。五体満足の阿蘭の鼓膜は、五月蠅い位に震えているだろうが。
 紅子たちの目には、一人結界の外に立つ緑利が滝夜叉姫を相手に一人芝居をしているようにしか見えない。だが、付き合いの長い紅子には分かる……緑利は自分が時間を稼いでいる間に形勢を立て直せと言っているのだ。恐らく近くにいるのであろう即戦力を掻っ攫って来いと。だからわざわざ目くらましの結界の中に自分と阿蘭を押し込めるような真似をした。翡翠の妖力を一部とはいえ陰陽術に転用してみた結果がこのザマだ、陰陽師なんて滅びればいい。
「……これでも元影の輩なもんで。一時期同盟組んどったんですわ、ウチらと咎女……ってか犬神。せやからまぁアレも知っては……良い噂は聞かんかったけど。ってか他人様の呪符横取りするわ餓鬼共黙らせるわやもんな、普通じゃないわな」
 諦めた紅子は阿蘭の質問にやっと答え、改めて彼女の様子を見やる。実際の年齢は知らないが、聞く限り漆連の祖母レベル……しかも車椅子ときている。多分、老人扱いしようものなら殺されるだろうが、此処は未だ階段の上、ならば自分が駆け下りた方がきっと早い。と言うかきっと阿蘭は、戦略的撤退よりも徹底抗戦で無理矢理に道を開くタイプだ。そう紅子は判断して走り出す……その前に、何を思ったか自分の得物であるワイヤーの先端を手首にあてがい、正真正銘本物の深紅をまき散らす。
「ちょいと下行って使えそうな人材ヘッドハンティングしてきますわ、悪いんやけど、その間緑利のことよろしゅう。ついでになんかあったら使えって伝言しといてんか」

 足元に少量の血痕を落として、今度こそ紅子は階下の京都駅に向かって駆け出した。手首の傷を止血しつつ、無駄に長い階段を飛び下りるように下って、まだ人影の見える駅の外を目指す。緑利の言葉を信じるなら、この辺りに居るはずなのだ。紅子が言葉を交わしたことはほんの数えるほどしかない。けれど、今この世界で彼女のことを知らぬ人間もアヤカシも存在しない、一人の少女が。
 そして数分もしないうちに、紅子は目的の姿を見咎める。雑踏の片隅でスマホ片手に雑談に興じているらしいヘルハウンド三姉妹の末妹こと相澤薙……と、その昔焔御前が猛攻を仕掛けたアヤカシ。
「ちょっとそこのお二人さん! 人助けしてみる気あらへん!?」
 一体何の怪しい宗教だと思われるような文言だが、詳しいことを説明している暇は恐らくないし、多分見せたほうが早い。どうか二人が自分のことを覚えていて、事態の切迫性に気付いてくれますようにと祈りながら、紅子は叫んだ。

【天下の滝夜叉姫様にこんな猿芝居が通用するのだろうか……しかも若干確定ロルっぽくて済みません。
そして刃金丸様、ご帰還ありがとうございます、お待ちしておりました! というわけで早速お二人を巻き込みに行ってしまいましたが、面倒でしたら「誰お前」と切り捨ててください。】
>京都駅周辺ALL

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1年前 No.1519

鎧の付喪神 @kaizelkai ★jMAPUVVmIc_mgE

【京都駅近く・雑踏/刃金丸】

 そいえば京都駅が最初の彼女の出会いだった覚えがある。数年前という長命なアヤカシにとっては短い時間だが、何故か懐かしく思える。あの事変から此処もすっかり元通りになっている。人が流れ歩くのも日常の光景の一つである。当たり前のような景色が、平和と思わせてくれる。目の前にいる少女に、笑顔を浮かべる。


「 うむ、久しぶりでござる。確か、薙殿と初めて会ったのもこの京都駅でござったな。あの頃はまあ色々あったでござる。」


 あの時が全ての始まりであったような気がする。最初の出会いの記憶を思い出しながら、うんうんと頷き、懐かしんでいる。そして、彼女が自分のやっていた遊戯に興味を示す。世界的に話題となったゲームの一種なので、彼女も流石に知っていた。色んな大人や子供が楽しんでいるらしいので、アヤカシが知っててもおかしくはない。自身のスマホを彼女に見せる、さっきゲットしたばかりの鎧の付喪神っぽいSDキャラが映っていた。


「 拙者っぽいきゃらがいるげぇむなので、興味本位でやってみたのでござる。歩いて遊ぶ遊戯は、昔万歩計の原理を利用したのがあったでござるが、これは面白いでござる。薙殿もやっているのでござるか?」


 様々な妖怪っぽい可愛い系やカッコいい系や、不思議系なキャラクターを画面をスクロールさせながら、見せる。目的のキャラをゲットする前に至るまで捕まえてたようだ。元気がなく、様子がおかしく見えた彼女だが、少しは元気が出たのだろうか。何かに悩んでるかもしれない、様子を伺って、尋ねて見ることにする。
周囲の人の流れの中にアヤカシの気配を感じる。まあいても違和感がないのだが、普通の感じではない。何か強い力を持つアヤカシがいるのだろうか、薙も強い力を持つアヤカシだが、発生源は彼女ではない。感じる力に敵意、のようなものがある。どちらにせよ、あまり良いものではない。
場所を変えて話そうかと思ってた時に、いきなり誰かに声をかけられる。その声の主に振り向くと、身長が低い女性がいた。


「 ……拙者、怪しいきゃっちせーるすというのは何度かあったでござるが、こういうのは初めてでござる。ふむ……拙者達にどうすればいいのでござる?」


 怪しくも小さな女性を不審者を見る目を向ける。歩いていて、たまに知らない人間から声をかけられる事があるのは知っている。内容が怪しすぎて、全て断ってきたが、人助けをして欲しいというのは初めてである。いつもなら不審で断っている所だが、とりあえず内容を聞いてみる事にした。


>>薙、紅子


【ありがとうございます。あの頃のように、レスさせて頂きます。】

※警告に同意して書きこまれました (個人情報)
1年前 No.1520

唄女&戯 @papillon ★6ycWB2hnsK_mgE

【→伏見稲荷大社周辺/唄女&戯】


 相変わらず何処か不穏な空気に満たされた伏見稲荷大社、その側の公衆電話。今まさに其処から出てきた、明らかに常人とは異なる雰囲気を纏った男、芦屋巌児。彼の感じている不吉な気配は確かなものである。今まさに京都駅では騒乱の火種が大きく燃え上がろうとしており、それどころかほんの数時間前には、この伏見稲荷で彼を待っていた主税が予想も出来ない悲劇に見舞われた訳だが、巌児はまだ恐らくそれを知らないだろう。

 彼の見上げた空は少しずつ暮れており、夜が勢力を広げ始めている。明るい太陽に守られた昼は死に絶え、悍ましい闇を引き連れて、夜が来る。
 ますます鉄錆めいた血の匂いがしそうな、影の気配が濃くなってきた時だった。唐突に、何処か遠くから声が聞こえた。女の叫び声である、しかしそれは何処か緊迫感の無い、全身の力がへなへなと抜けそうに間の抜けた悲鳴だ。それがどんどん近付いてくる、それも加速して。

「ひぃいぃーやあぁーっ! たぁーすぅけぇてぇーっ!!」

 逆に発音が難しそうなおかしな声を上げながら、上空から降ってくる人影。黒衣に身を包んだ、随分と長身な女だ。顔をぐしゃぐしゃにして泣き喚きながらじたばたと空中でもがきつつ、巌児の頭上から、真っ直ぐ巌児目掛けて落ちてくるのである。

 さあ、空から降りてくる――いや、落ちてくる――、可憐とは程遠い正体不明の少女――いやいや、成人女性――を見上げて、果たして巌児は次の瞬間どのように行動するのだろうか。


>> 巖児


【巌児本体様、大変お待たせ致しました! あれやこれやと登場を考え、悩んでいたのですが、結局唄女らしい登場の仕方というとこのようなものしか思い浮かびませんでした……恐らく此処からはギャグパートとなりそうですが、クールな巌児さんがどのようにこの空気の読めない子をあしらうのか、実は楽しみです。宜しければお相手をお願いします!】

※警告に同意して書きこまれました (個人情報)
1年前 No.1521

塚守來安 @iwing ★1hguPJXUDx_GbW

【伏見稲荷大社周辺/ 芦屋巖児】


「今度は魔女が空から降ってきやがったか」

 彼の周囲にいる人間にも、恐らくこの事態に気付いた者がいたに違いない。
 中には素知らぬ振りをして通り過ぎようとする者がいたが、それでも空を仰ぎ見る者、またはスマートフォンを片手にカメラ撮影をする者まで現れた。みな共通して言えることは、誰もが間の抜けたような大音声の主に好奇の目を向けたということだ。ただ、一人だけが心穏やかでない心境で、夕暮の空から墜落する影を見守る人間が居た。

「……アレ、こっちに向かって落ちてきやしないか?」

 そう、何を隠そう彼である。

 しかし、暫くあっけにとられていたために初動が遅れてしまった。
 落ちてきた唄女の身体を受け止めこそしたものの、その落下速度を殺し切れずに地面へと叩き付けられたのだ。幸い彼女の身体を強く抱き締めながら、彼女を庇うように彼自身の背中から倒れたために、彼女自身には怪我は見られないようだが……。
 彼が叩き付けられた地面がひどく陥没し、蜘蛛の巣状の罅割れが起きている。それが落下の衝撃を物語っていた。常人ならば重体は必須。だが、彼は人から外れた陰陽師という存在。更に彼の持つ能力が落下の衝撃から彼自身を守っていたらしかった。

「……ってーなコノヤロー。明らかに俺を殺す気だったろ、テメー」

 何時までも引っ付いたままでは話もできないだろう。唄女の体から両腕を放して彼女を自由にした後に、その額にデコピンを喰らわせた。後半の部分は単なる悪ふざけのつもりであった。


>>唄女&戯


【唄女ちゃんの破天荒振りに巖児がどこまでついて来られるのか、私自身も実は興味があります。こちらこそよろしくお願い致しますねッ!!】

1年前 No.1522

咎女 @papillon ★6ycWB2hnsK_mgE

【京都駅大階段/日下部阿藍+滝夜叉姫】


 酷く奇妙な感覚、まるで五感の全てがぐにゃりと歪み、一瞬だけ曲げられたような。滝夜叉姫は一度瞬きをし、はて、と小首を傾げてみせる。

「……ふむ、結構結構。紅く麗しいその答えも、あの元陰陽師が妾を覚えている事も。少しは妾を満足させる術を心得ているようじゃな」

 大階段の高みから下界を見下すように、何処からか取り出した檜扇で口元を隠しながら滝夜叉姫は両目を剃刀のように細く鋭く吊り上げる。言葉とは裏腹に、その表情は何処か硬く冷たい。
 切断された日下部阿藍だった〈もの〉も、吹き上がる生温かく鉄の匂いを放つ飛沫も、それで美しく染まっていく彼女の姿も、何処となく咎女を連想させるその冷酷な微笑も。本来であれば、全て好ましい筈だ。
 だがこの違和感はなんだ、この歪な空気はなんだ。まるでよく出来た作り物のようだ、古の覗きからくりを観るがごとく、滝夜叉姫は先程までの笑みを消して眼前の光景を見据える。

「…………まさか、そなた……、――――そうか、やはりそなたは〈女王の残り香〉か。誰だだか知らぬが、よくもまあこのような空蝉じみた存在を作り上げたものよ。まるでまやかしの残響、まさに玉響のかりそめじゃ……まあ良い。久しいの、誰だかよく知って存じておるが、今は名も知らぬ麗しの君。そなたはまるで異国の童話の主人公のようじゃな、ほれ、白兎を追って穴に落ちたり、縮んだり伸びたり、気難しい芋虫やにやにや笑いの猫と戯れるあの少女のことよ」

 その存在そのものが幻であるかのように、何時の間にかすぐ側に現れた緑利。彼女の方を振り返らないまま、滝夜叉姫はそっと檜扇を閉じた。そしてそのまま、肩越しに片手を伸ばし、まるで見えているかのように緑利の頬に触れ、繊細な指先の動きでそのまま撫でる。魔術、呪術、妖術に精通している滝夜叉姫である、緑利の肌に少し触れただけで全てを理解したようだ。一瞬目を見開き、その後苦笑しながら緩く首を横に振り、大仰な仕草で肩を竦める。

「あの塔程度、そなたの手を借りるまでもなくへし折れるとも。成程、昔話も懐かしいものだが……それよりそなたは一体、〈何処まで記録されている〉? そして、それ以上に……」

 その顔に笑みが戻る、しかしそれは楽しそうというより、何か強い感情を押し殺す為に仮面を被っているかのような表情。少女の名も知らぬままではあるが、彼女が一体〈何なのか〉はわかっている。ならばその存在の奥底知れなさも重々理解している筈だ、だがだからこそ滝夜叉姫は無防備に背後を取られたまま、先程までの余裕を取り戻して滔々と語っていく。
 そして、その時はいきなり訪れた。ふいにぐるり、と滝夜叉姫の首が捩じれて顔だけが緑利の方を向いたではないか。同時に額の真ん中で、縦に裂けたような金との銀ともつかぬ月のような色の目が見開かれると、ぐりんと動いて緑利とその周囲を見渡す。

「刹那とはいえこの滝夜叉姫を惑わしたこと、褒めてつかわす」

 滝夜叉姫の額に現れた第三の目は、普段は隠されている妖力を一点に集めて今、生み出されたものだ。その強い眼光が緑利の能力が作り出した〈幻想空間〉を見透かし、媒介となる呪符の存在も見抜いたようだ。
 だが、しかし。何故か滝夜叉姫は術を打ち破ろうとは動かなかった、顔と身体の向きを正しく合わせると、そのまま両手を伸ばして緑利の頬を柔らかく包み込む。その顔に浮かぶ笑みは先程までのものとはまた異なり、こってりと甘く、そして真意が読み取りにくい。

「やはり姉妹よの、咎女によう似ておるわ、――そなた、名は? そなたの言う通り妾は女子に優しいつもりでの、折角じゃ、少しゆるりと話そうではないか」

 にぃっと唇を歪め吊り上げるその顔さえ、妙に完成されていて妖しい。滝夜叉姫は片手を緑利の頬に添えたまま、片手で彼女の艶やかな髪を緩い手付きで撫でる。
 何を企てているのか、その言動からは計りにくく、ある意味互いに不気味な存在たる二人は異空間で対峙した。

 一方、結界の内部では。
 恐ろしい剣幕で叫ぶ紅子の、鼓膜が貼り裂けそうなその声に、やれやれと何度も首を横に振りながら阿藍が両耳を塞いでいた。結界の外で起きている事は手に取るようによく見える、だからこそ紅子にも阿藍にも緑利の思惑がすぐに読み取れた。時間稼ぎ、それ以外になかろう。阿藍は先程聞いた言葉を思い出していた、京都駅の側には今や革命の申し子として、人間とアヤカシの架け橋として名高いヘルハウンド一族の三女が居るらしい。確かに彼女の力ならば、この事態を容易に動かす事が出来るだろう。

「ま、そうだろうね。とはいえ性格上、お前さんとあの鬼女が仲良く出来る筈もないだろうし、事態は悪化していると思った方が良い訳だねぇ……はいよ、それが一番良いだろうね。助っ人探しは任せたから、あのお嬢ちゃんの事はわたしに任せておくれ。もしあの子に何かあったら、結界を破ってでもわたしが飛び込んで、――――あの鬼女の首から上、吹き飛ばしてやるさ」

 こちらの質問に答えつつ、機敏に動き始めた紅子に、阿藍は軽く頷いて答えてみせる。確かに今の自分では足手纏いだろう、彼女の判断は実に正しい。自らの肌を傷付けて赤い飛沫を散らした紅子に一瞬顔を顰めるも、駈け出した彼女の背中にひらりと手を振ってみせる。
 阿藍の顔に浮かんだ、敵の喉笛を噛み裂きそうな獰猛な笑みを、もしも紅子が見たら懐かしさを感じるかもしれない。そう、密林の女王たる豹を連想させるその笑みは、どこぞの誰かによく似ているのだから。


>>紅子&緑利(、セレスティア、刃金丸)


【……こそこそと、遅ればせながらレスをさせて頂きます……遅くなってしまってごめんなさい……! セレちゃん戻って来られるかしら、是非お戻りになって下さると嬉しいのだけれど……あともし可能であれば、勇さん達も戻ってきてくれたらとても嬉しいです……!
申し訳ないです、巌児さんへのレスも出来るだけ早めにしますので、もう暫くお待ちを……!】

※警告に同意して書きこまれました (個人情報)
1年前 No.1523

セレスティア @mostbeto☆MNLE1Yk.EMQ ★sqMH8Q2zCH_odF

【京都駅近く・雑踏/セレスティア】
「全くです…何ていうか、京都でいろいろなことが始まったって気がしますから…
 私も、あの時から色々と変わっていった…と思います」
刃金丸の言葉を聞いて、少し気を良くしたのか、ある程度冷静になることが出来た。
かつて姉に向けた言葉を思い返しながら、少し考える。

「まぁ、そうですね…私も最近やり始めたところですけど…
 なかなかうまくいかないですねー…
 ゲームの方はまだ初心者みたいなものですから…
 できればコツを教えてくださると嬉しいかなーと…」
と、軽く世間話のようなものを続けている中でも、京都駅の方の気配が気になってしょうがない。

そんな中、突如やってきたのは
「おや…あなたは…」
あの戦いの時に少しだが話をしたことがある少女の姿を確認した。

「えーっと…紅子…さん…でしたっけ?
 もしかしたら間違えてるかもしれないですけど…」
少し心配そうに答える。
ちゃんと覚えているのか不安になったような感じがする。

「人助けですか?
 …私は別にかまわないんですけどねー…
 その人助けの内容については一応…聴いておきたいと思いますが」
そう言って軽く京都駅の方角を見る。

「うーん…どんな内容なんです?」
彼女が気にしているのは京都駅の方。
尋常ではないアヤカシの気配を彼女は感じているに違いない。


>>刃金丸さん&紅子さん&京都駅内ALL

【ちょっと咎女様を待っていたもので、おまたせしてしまい申し訳ありません!】
【今後の展開にどんどんついていく予定ですので、どうぞよろしくお願いいたします!】

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1年前 No.1524

紅子 @mistydark☆NIljAHmRyhk ★R3lMq2ye0U_Qc5

【京都駅付近/鈴木紅子】

 どうやら二人は、紅子の存在を認知してくれたらしい。宗教勧誘まがいの事をしてのけたのだから当然と言えば当然だが、更に僥倖なことに薙は一応は彼女の事を覚えていてくれた様子である。
「ご名答、ウチは鈴木紅子で正解や……そっちのおにーさんもよろしゅう」
 肩で息をしながら全力で階段を駆け下りてきた分の呼吸を整え、ついでに名乗り上げておく。アヤカシの方は完全に不審者を見る視線なのでその程度で紅子への懸念が薄れるとは思えないが、大事の中に小事無しというやつである。
 全力疾走で上がった心拍も何とか抑え込み、二人からの問いかけに答える前に紅子は辺りを見渡した。此方に注意を向ける人間が居ないことを確認し、やっとのことで口を開く。
「……京都駅の大階段な、今滝夜叉姫が陣取っとる。影の京都に居ったんなら分かるやろ、あのおっかない鬼の姫さんや。ご丁寧に餓鬼どもわらわら連れて沸いとんねん。このまま放置しとったら面倒なことになるんは請け合いや。今ウチの連れが時間稼ぎしとるさかい、ちょいと助太刀頼まれてんか」
 緊急事態とはいえ、流石に内容が内容なので詳細を口に出すのは憚られたらしい。だからこそ紅子は言うより先に見せたかったのだが、あんな文句ですんなりついて来てくれるほど二人は愚かではなかったようだ。
 しかし告げたところで事態が好転するのかどうかも怪しい所である。滝夜叉姫と言えば咎女――薙の姉の側近であり、しかも偽物とは言え京都タワーを叩き折った強力なアヤカシである。ヘッドハンティングしてくると豪語はしたものの、はいそうですかと簡単に加担できる相手ではないだろう。

 だから紅子は、言うだけ言ってくるりと踵を返す。
「無理にとは言わんけど、オッケーなら付いて来てくれはると助かる!」
 そして来た道を、また全力で駆け抜けていった。嵐のように現れ嵐のように去っていく様は声を掛けられた二人からすれば堪ったものではないだろうが、それでも紅子からすれば、残してきた二人のこともあるのである。
せめて一人くらいは付いてきてくれることを祈りながら、紅子は眼前に聳え立つ、数えるのも嫌になる階段を諦め、エスカレーターを駆け上った。

【レスが遅くなって申し訳ありません、良ければ合流お願いしますm(__)m】

>刃金丸様、セレスティア様、周辺ALL

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1年前 No.1525

緑利 @mistydark☆NIljAHmRyhk ★R3lMq2ye0U_Qc5

【京都駅大階段/芦屋緑利】

「……嗚呼、アリスだね。でも、仮称とは言えその名は昔お母様が纏っていたものだからね、私はきっと名乗らない方が良い」
 自分と、恐らくその背後の偽りの光景を睨め付ける滝夜叉姫の視線に動じることも無く、涼しい顔で緑利は、彼女自身の口調で言う。先程完璧に演じ切った存在を、紅子とは別にまた“母”と形容する辺り傍から聞いているともう訳が分からないが、これに関しては滝夜叉姫を混乱させる意図は何処にも無い。ただ普段から緑利自身がそうしているだけだ。
 そんな彼女には、一つの勝算があった。元来有機の器に宿った存在ですらない緑利は、たとえ四肢をもがれようが首を落とされようが死ぬことは無い。滝夜叉姫に術の絡繰りを暴かれ、偽りを示した報復にと緑利があの光景通りの姿にされようとも、彼女は首だけで喰らい付くことも出来る。
 だから、正直滝夜叉姫の腕が肩越しに伸ばされてきた時は緊張と後ろ暗い期待が綯い交ぜになっていたのだが、幸か不幸かそんな光景が現実になることは無く。

 やはりあっさりと暴かれた。彼女に偽物を見せたことも、あろうことか緑利自身の正体さえも。其れでも尚……或いはだからこそ、滝夜叉姫は何もしかけては来なかった。
 最初は首だけ、そして全身が相対することになった滝夜叉姫の姿を見上げ、緑利はゆっくりと口角をあげていく。

 嗚呼、もう。いい加減誰か一人くらい、「翡翠の隠し子!?」とか言って騒いで欲しい。

「ふふ、首だけで振り返るなんて素敵な演出だね。私の身体は所詮人形だし、今度真似させて貰う事にするよ。それからお褒めに預かり光栄です、貴女に褒められた術なら、此の世の何処でも通じるさ。
 さて、お姫様のご質問にお答えしよう、ここで野点でもしながらのんびりと、と言う訳にもいかないのが残念だけれどね。空蝉と言うのは言い得て妙だ、確かに私はお母様の抜け殻に過ぎない、けれど私の記録……何処まで、と言うのは定義が難しいけれど、少なくとも貴女や私の叔母様よりは克明な記録じゃないかな。それから私の名前だっけ……そうだな、今の名前は陰陽師嫌いのお姫様に名乗るのも呼ばれるのも憚られるし、でもカタカナ言わせるのも雰囲気壊しそうで申し訳ないし……取り敢えず若紫なんてどうかな。日本で空蝉と言えば源氏物語でしょう? それとも、若緑とか若葉とかの方が分かりやすいかな……まぁ、私達にとっては呼び方なんて些末なものだからね。芦屋緑利、母さんの付けた名を嫌うなら、貴女が便宜上の区分を与えてくれて構わないよ」
 長々と喋っている割には、答えになっているのかなっていないのかよく分からない台詞である。

 そしてひとしきり喋り倒せば、ふわりと斑の消えたスカートを翻し、宙に並んだ餓鬼を見遣る。
 折角向こうが話そうと言ってくれたのだ、この機会は有難く頂戴しよう。
「別に答えたくなかったら黙っていてくれれば良いけれど、私からも良いかな。貴方達鬼の一族と日下部阿藍、一体どんな因縁があるんだい? 粗方陰陽省の闇に葬られた研究が原因だろうとは思うけれどさ……それとこの件、叔母様は何処まで関わってる? あと最後に、私が地獄の犬の末裔の娘ですって言ったら、何人騙せると思う?」
 恐らく、国家機密レベルの重要事項の後に非常にどうでも良いことをとても楽しそうにぶっ込んでくるくらいなのだから、何処で何をして誰を相手にしようとも、緑利のペースは乱れることを知らないのだろう。
 その様子はまるで結界の中の阿藍に対し、自分の心配などしてくれるなと告げているかのようだった。

>滝夜叉姫・日下部阿藍様

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1年前 No.1526

サムライ @samurai07 ★iPhone=QCAUNJ3bTK

【京都駅入り口前/ヴェズ・ルング】

「ほーう、これは面白い。ヘルハウンド三姉妹の1人の咎女と芦屋漆蓮の過去か。これを見れば千年京事変の全てがわかるよ。咎女の過去も面白いけど、芦屋漆蓮がぶっちぎりで面白いね。」

京都駅入り口前、壁にもたれかかり独り言をつぶやくジャージの痩せ型の男がいた。彼の手には辞書のような分厚い本。どうやらその男は夢中でその本を読み更けっているようだ。やがて、次のページをめくりフッとため息を吐くと本を閉じた。

「残念ながら芦屋漆蓮の項目は終戦以降は更新されていないみたいだね。D・Aの書は消息不明の人物の項目は二度と追記されないからねえ。その先は白紙だ。まあいいか。さてと…僕は例の戦争の「英雄」に会いに行かなくちゃ。僕が遊び半分で復活させた蚩尤を倒したんだ。きっとすごいお宝を隠し持ってるに違いないだろうしね〜。」

ジャージの男は本を閉じる。そしてなんと頭上に異空間を召喚し、本を放り込む。この行動から彼がただの人間ではないことがわかるであろう。ジャージの男は京都駅の付近をぶらぶら歩くが、突如歩みを止めた。そして、2人の人影をじっと見る。

(おやおや…日本はアヤカシに寛容な国と聞いたが、まさか歩いてるだけで会えるなんてね。しかも、一方は僕とタイプは違うけど神、もう1人は…かなり有力なアヤカシだね。ここからでも只者じゃない霊力を感じるよ。)

ジャージ男の視線の先には相澤薙ことセレスティアと刃金丸がいた。どうやら彼はしばらく様子を見るつもりのようだ。

(とりあえず、気になるからあの子達を尾行してみようか。あと、あの人間も面白い人だね。ただ、わずかに霊力も感じる。ふふ、まさか陰陽師ってことはないよね?)

あの人間とはおそらく紅子のことであろう。しかし、彼はまだ知らなかった。鈴木紅子…彼女もまた斬騎と戦った、そして彼が接触を狙う「英雄」の1人であることを…

>セレスティア様、刃金丸様、紅子様、周辺ALL


【皆様お久しぶりでございます。斬騎やってましたサムライです。今回は斬騎を詳しく知り、さらにこの物語を引っ掻きまわすポジションなヴェズを投下してみました。もちろん絡んでも構いませんし、しばらく気づかないことにして放置してもOKです】

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1年前 No.1527

鎧の付喪神 @kaizelkai ★jMAPUVVmIc_mgE

【京都駅近く・雑踏/刃金丸】


 京都駅の奥から感じるアヤカシの気配は気づいていた。それも強力で複数の存在がおり、更にそれに引き寄せるかのように徐々に気配の色は濃くなる。薙もそれが気になるのか、京都駅の方に気になるように、視線を向けている。薙とはゆっくりと近況報告をしてみたかったが、どうもそういう訳にはいかないようだ。紅子と名乗った妙な関西弁で喋る人間の女性のいう人助けと関係があるのは明白である。またこの駅で騒動が起きるのは偶然か、必然かとただ思うが、彼女の言葉に嘘はないと感じた。自分より小さな紅子に少し見下ろす形になってしまうが、彼女の言葉を信じてる事にした。


「 紅子殿。拙者は刃金丸、鎧の付喪神でござる。この京都駅でまた騒動が起きてしまうのは、拙者としても喜ばしくない事でござる。故に、お主の言葉に信じてみようと思うのでござる。困った時はお互い様、まあ、拙者の事はぼらんてぃあと思えば――む? 」


自分が言い終える直前に彼女はすぐさま駅の方へ走り去ってしまった。疾風のように現れて、疾風のように去っていくのが最後に見た彼女の姿であった。助けるか否かはついてくれば良いそうらしい。自分は行くと決めたが、隣にいる薙はどうなのか、どうなのか聞いてみた。


「 すまぬ、薙殿。ゆっくりと話をしておきたかったが、拙者は紅子殿の助けに行く事にするでござる。しかしあの滝夜叉姫か……あの影の京都にいたのは初耳でござるが、何故今になって現れたのか、気になるでござる。それで薙殿はどうするでござるか?」


京都全体を写した偽の京都の舞台を思い出す。確か自分は清水の舞台で、りくというアヤカシと戦っていた事を。平将門の娘として有名なアヤカシもまたそこにいたとは知らず、自分もそのアヤカシには会ってはいない。名前ばかりは有名であり、知識としてそれは知ってはいたが、何故表立って京都駅に現れたのはかは気になる所である。


>>薙、紅子、(ヴェズ)

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1年前 No.1528

咎女 @papillon ★6ycWB2hnsK_mgE

【伏見稲荷大社周辺/唄女&戯】


 珍妙な悲鳴と、というよりけたたましく泣き叫びながら、天の彼方から落ちてくる黒衣の女。誰もが関わりたくないような、それでいて好奇心を揺さぶられるような、そんな奇妙な心持ちで空を見上げる中、落下速度を増しながら女は真っ逆様に落ち続ける。 それはもう、凄まじい速度で。
 黒い女の落下地点で、何やら呟きながら天を仰ぐは、壮絶な雰囲気を漂わせる、凄い位の良い男。

「だぁあーめぇえーっ! よぉーけぇーてぇーっ!」

 その姿が一瞬、目に入ったのだろう。先程まで助けを求めてバタバタともがいていた長身の女――唄女――は、真下に人間が居る事に気付いて、元々悪い顔色を更に悪くした。どうやら自分のせいで犠牲者が出るのは断固として阻止したいらしい、手脚を更にばたつかせ、まるで空中を泳ぐかのようにするものの、悲しい事にほんの僅かにさえ位置は変わりはしない。

 次の瞬間、唄女の大柄な身体は下界で待ち受けていた男――巌児――に、直撃した。

 鈍く、大きな音が周囲に響き渡る。唄女を受け止めて地面に倒れ伏した巌児の周囲は、地面がべっこりと陥没しており、まるで不発弾が爆発してしまったようだ。
 そんな巌児の上で涙目をぱちくりさせている唄女は、一瞬巌児を見失ったようできょときょとと辺りを見回す。そしてふいに、自分が彼を下敷きにしている事に気が付くと、盛大に眉間に皺を寄せて普段眠たげな目は見開き、小さな悲鳴を上げた。

「ぎゃあっ! わたしったら遂にやってしまったですー! ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめぇ……ってぇ、ひぎゃあっ!」

 驚き過ぎて一度泣き止んだというのに、その目からはまた滝のような涙が流れ始める。倒れている巌児が自分を抱き締めている手をぎゅっと握って、顔をぎしゃぐしゃにしながら、壊れた人形のように謝り始めた唄女だったが、いきなり額にデコピンをされれば一瞬で泣き止んで。起き上がる巌児をきょとんとして見詰めていたが、ふいにその顔がにぱぁっと満面の笑みにだらしなく歪んだ。

「…………わぁあっ! 良かったぁ、生きていてくれたんですねーっ! 人聞きが悪いですぅ、殺す気なぁんて皆無ですわー! わたし、命の恩人を押し潰しちゃったらどうしようかとぉ……ありがとーございまーすぅ!」

 巌児が陰陽師で、霊力により先程の危機から脱した事などつゆ知らず、というよりあれこれの不思議に気付きもせずに。
 巌児がその身体を解放してくれたというのに、唄女はいきなり彼の鍛え上げた身体に飛びつくと彼をぎゅっと抱き締め、その胸に顔を埋めてわんわん泣き始める。今度は嬉し泣きで、笑いながら泣き始めるのだから忙しいものである。子どものように体温が高くなったその身体は、二メートルを超える長身とはいえ一応若い女性であるが故に柔らかく、ミルクのような甘い匂いがした。

 彼らの周りにはいつの間にか人だかりが出来ており、周囲の人間やアヤカシ達は恐々と、しかし興味津々で二人の様子を見ていた。やがて唄女が何度も何度もお礼を言いながら泣き始めると、あちこちからパチパチと拍手が聞こえ始め、口笛を鳴らす者もいたりで、口々にまるで巌児がヒーローであるかのように褒め称え始めた。
 まるで映画の一場面のような、何処か和やかな光景である。

 ちなみに誰もが忘れているが、此処は伏見稲荷のすぐ側である。お稲荷様はこの珍妙な事態を、溜息を吐きながら観ているのだろうか。


>> 巖児


【また一か月以上経ってしまった……お返事が大幅に遅れ、大変申し訳ありません。なかなか思うように創作を出来ない、浮き沈みの激しい精神状態が続いておりご迷惑をお掛けしております。スレ主様、巌児本体様を始め、セレスティア本体様方、本当に申し訳ないです。ゆっくりとしたペースとなってしまいますが、これからも物語を進めたい気持ちが御座いますので、どうか温かい目で見守って頂けますと大変有難いです。滝夜叉姫を近いうちに動かします……いつもごめんなさい】

1年前 No.1529

セレスティア @mostbeto☆MNLE1Yk.EMQ ★sqMH8Q2zCH_JdE

【京都駅付近/セレスティア】
「ええ、あのときは色々とあったので…
 印象は強く残ってる…つもりです」
軽く笑いながら彼女の返答に答えた。
そして、彼女の急ぎの用の話も僅かも漏らさずに聞いていく。

「滝夜叉姫…」
其の名前を聞いて、セレスティアは少し厄介そうだと考えた。
顔を合わせたことはないものの、彼女の実力は理解できている。
そしてまた、平和になりかけた京都で乱を引き起こしかねないということだということも、
彼女…紅子の話を聞いてよくわかった。

「…いろいろとまだ、わかんないことが一杯で
 正直混乱しているけど…」
と言って顔を上げる。

「少なくとも…
 せっかくともに暮らせるようになった世界を
 まためちゃくちゃにする訳にはいかないね」
騒ぎが起こるのであれば止めるまで。
この世界を守るという意思は、彼女は強く持っていることが伺える。

「えっと…刃金丸さん。
 問題ないですよ」
そう言って視線を彼の方に向けた。

「色々あってちょっと…いま頭がごちゃごちゃしてますけどねー。
 あれですよ。また平和じゃなくなるのだけはたくさんですから。
 私も一緒に行きますよ。」
そう言ってちょっと凛々しい顔で答えた。
先程の陰鬱そうな雰囲気はかなり緩和されたようにみえる。

「とりあえず…紅子さんの後をついていけば大丈夫ですよね。
 ちょっと言ってみましょう。」
と言って、彼女は紅子のあとを、やや急ぎ足でついていく。

(…なんだか…別の誰かにずっと見られてる気配がするような…)
何処かから向けられる視線に、少し神経質になりながらも
彼女は、京都駅へと向かっていくのであった。

>紅子さん、刃金丸さん、ヴェズ・ルングさん&京都駅の人
【ちょっとまっていようかと思えば、こちらもだいぶ遅くなってしまいました。申し訳ありません!
 サムライさんもお久しぶりです!ぜひともまた絡ませていただきたいと思います!】

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1年前 No.1530

芦屋 勇 本体 @sibamura ★kKKGFRDHgi_Q1n

【府警内 警備部特別機動2課出向所 /芦屋勇】

『アヤカシ』 超自然的な生き物の総称である。
高次の存在は古来から神として祭り上げられ、身近な存在は伝承の中で妖怪や都市伝説として語り継がれてきた。
翡翠と芦屋漆蓮、そして咎女によって引き起こされた「陰陽省壊滅事件」そして、それに続く「影の京都事件」によってその存在は白日の下に晒され、彼らが存在することが公式に認められるようになった。
しかし、それと同時にアヤカシによる事件や逆にアヤカシが被害者となる事件も急増した。
警視庁は、本庁警備部内にアヤカシ対策用の部隊、特別機動2課を新設してこれに対抗した、通称「陰陽機動隊」の誕生である。

 そして、府警にある特別機動2課の出向オフィス内、

「えっと、ここの表現がこうで…………だー! お役所ってのはなんでこう書類の形式にこだわるんだよ。」

 一人の青年が、本を片手にPCを打ちながらわめいていた。ちなみに、彼が持っている本のタイトルは『丸わかり!正しい公用文の表記』である。本の読みながらPCのキーボードをタイピングをする青年が着ているのはダークグレーのシャツにネイビーのスーツ、ワインレッドのネクタイとその装いはあまり場所にふさわしいとはいえないが、タイピングする姿は真剣そのものである。
 そんな彼に、同じように書類仕事をしていた同僚と思しき人物が声をかける、

「しょうが無いでしょ、勇さん。陰陽省とちがって今の我々は公的な機関なんですから。なんでもツーカーで通じたあの頃とは違いますよ。」

 そう、青年の名は芦屋勇。かつて「影の京都事件」で闘った陰陽師の一人にして、現在は「陰陽機動隊」の府警出向所の室長に収まっている人物である。
 勇たちが書類相手に悪戦苦闘するその時、オフィスに電話のベルが鳴り響く、

「はい、こちら、特別機動2課府警出向所。あぁ、いつもどうも、どうしましたか?」

 勇は3コール目で受話器を取ると、落ち着いた声で対応する。電話の相手は警邏中の警官である、何か事件かと耳を傾けると

「えぇと、ですね。いや、アヤカシを見たって訳じゃ無いんですけど。変なんです。京都駅に……入れないんです。いや、出入り口が使えないってことでは無くてですね……なんていうかなぁ」

 途中まで言って、電話相手の警官は言い淀む、どう表現して良いのか分からないというように。

「京都駅の中に入ろうとすると……行く気がなるなるんですよ。えぇ、そうです、別に明確な理由はないんですけど。京都駅にとまった電車の乗客も同じような理由で京都駅で降りていないそうです。」

 相手の言葉を静かに聞く勇。そして相手から必要な情報を聴くと、返事を返す。

「恐らく、人払いの結界ですね。しかし……その規模となると相当な術者。分かりました。うちが動きます。……はい、はい、上には私から連絡を……はい、いつもありがとうございます。」

 そうして電話を切ると、オフィスの部下に呼びかける。

「京都駅で人払いの結界が張られてると思われる。相当強力な結界らしい、俺たちの出番だ。各員、関係各所に連絡と応援の要請を………」

 指示を飛ばしながらも自分はPCをシャットダウンして机上の書類をデスクに仕舞い、飲みかけの紅茶を一息に飲み干す。

「勇さんはどうするんですか?」

 先ほどの同僚、否、部下が半分答えが分かっている質問を投げかける、その表情とどこか楽しそうだ

「俺は?」

 その問いに、勇もどこか楽しそうな表情で、最後にデスクの引き出しの一番奥から何かを取り出しなら答えた。

「俺は、現場さ!」

机から取り出したアクセサリー、男物としてはやや似つかわしくない大きなルビーを冠した金細工のネックレスと上着の内ポケットにしまうと、ドアをくぐり、書けだしていた。

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1年前 No.1531

芦屋 勇 本体 @sibamura ★kKKGFRDHgi_Q1n

【京都駅/芦屋勇】

 京都駅で異変を知らされてから数十分後、勇は数人の部下と共に京都駅の入り口に到着していた。辺りを見回すと、駅前通りや駅ビルには多くの人々が行き交っているのに対して京都駅内には人っ子一人見当たらない。その様は、まるでそこだけが周囲から切り離されているようだった。

「なるほど。連絡にあった通り、人払いの結界が張られてるな……それも相当協力なのが。」

 勇は目を眇めて駅の周辺を見回し、駅に張られた結界の構成を解析する。その規模・構成から、かなりの手練れの仕業と言うことは容易に想像がつくが、


「さて……最近は元犬神派の過激なアヤカシもなりを潜めてたんだがな。」

 そういいながら、勇は駅の入り口へと一歩踏み出す。当然、人払いの結界の効果で入ろうとする意欲が減衰するが、一応陰陽師の端くれである勇にはさほど効果は無い。
 何人かの部下が制止しようとするが、勇は手を上げてそれに応えた。

「とりあえず、内部を調査しなきゃならんだろ? この結界を解こうにも、解いた瞬間、あらゆる出入り口から魑魅魍魎が吹き出すなんかになったら目を当てられんし。」

 そして、勇は数年前にも闘いの舞台となったその場所へと再び足を踏み入れた。そして、しばらく進むと首をかしげる

「ん、なんだ? なんというか、覚えのある霊力やら妖気が……」

 駅の構内には強力な妖気や霊気が渦巻いていた。しかし、それは予想通りであり訝るには値しない。だが、彼が首をかしげたのはその質である。いくつかの妖気に知っている特徴、気配を感じたのだ……が

「……気のせいだな。特に、あいつがこっちに来てるなんてあり得ないんだから」

 内ポケットにあるネックレスをスーツの上から触るように胸に手を置くと、勇は自分を落ち着かせるように深呼吸する。と、

「あ、あれは!」

 眼前にあったエスカレーター、それに乗るラフな格好をした少女(実際は少女という年ではないが、少なくとも勇にはそう見える)を見て勇は目を丸くする

「確か……安……いや、鈴木紅子か?」

 かつて、この京都駅で勇と拳を交え、影の京都では曲がりなりにとはいえ、協力関係にあった陰陽師がそこにいた。

>>京都駅ALL様 鈴木紅子様

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1年前 No.1532

夕邑三日月 @mistydark☆NIljAHmRyhk ★R3lMq2ye0U_qxX

【京都駅付近/鈴木紅子】

 京都駅の二階部分まで上がった辺りで、紅子は一度足を止める。まだ少し、件の滝夜叉姫や緑利達とは距離が有る。遠目なので絶対とは言い切れないが、これと言って戦局が動いた様子はない。どうやら紅子は間に合ったようだ。
 振り返ると、僥倖なことに刃金丸と薙の両方がついて来てくれているのが見える。
「こっち! この上や!」
 どうせ敵方も分かっているだろうと、躊躇いもせずに叫ぶ。そうして視線をずらした瞬間……紅子の瞳は見てはいけないものを捉えてしまった。いや、この場に居ると言うのはある意味で有難いのだが、別の意味で面倒な存在を見付けてしまった。
「芦屋……勇……」

 グレーのスーツに身を包んだ元芦屋家頭首――その肩書が正しいのかどうかはさておき――がそこには居た。向こうも紅子に気が付いているらしく、瞠目して此方を見ている。
 確か彼は……というか、陰陽省の残党は今警察に居るはずだ。ということは、誰かが京都駅の異変を察知して通報したのか。少なくとも階段上の大惨事は人には見られていないはずだが……まぁ、来てしまったものは仕方ない。天の助けと思って使わせて頂こう。
「……アラサーに何往復もさせんなっ」
 自分でやっているのだから言われた方が困る悪態をつきながら、エスカレーターの上で反転した紅子は地を蹴った。もういちいち階段など使ってやるものかと心に決めた彼女は、普段と同じように結界を足場にして宙を掛ける。殆ど飛び降りる様にして、紅子は勇の眼前に着地した。

「どうもお久し振りです公僕、陰陽省の次は公の犬とはご苦労なことで! そんでお仕事中申し訳ないんですけれど! 雑魚は今直ぐ帰せ、上に居るんは滝夜叉姫や。んでもって出来ればアンタはこっち来てんか!」
 悪態と忠告と現状説明と救援要請を一息に済ませた紅子は、本日三回目の京都駅大階段に挑みをかけるのだった。

>刃金丸様、薙様、勇様、京都駅ALL

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1年前 No.1533

芦屋 勇 本体 @sibamura ★kKKGFRDHgi_Q1n

【京都駅付近/芦屋勇】

 勇同様に紅子にとってもこの邂逅は不意の出来事だったらしい。暫し戸惑っていたようだが、やがて意を決したように跳び上がると、結界を足場にしてこちらに向かって跳躍し、やけくそのような叫びを上げて彼の眼前に着地して……

「そうは見えないが……って、そんなことはどうでもいい。滝夜叉姫って、あの滝夜叉姫か? なんであいつがここに……っおい!」

 前半は彼女の叫び声に、そして後半は彼女の悪態と忠告と現状説明と救援要請の入り交じった台詞への呼びかけである。しかし、そんな彼を振り向きもせず、紅子は再び踵を返して駆けだしてしまう。
 そんな彼女の様子に、暫し迷った後、勇は無線機を取り出すと、部下に連絡を送る

「こちら勇だ。各員は京都駅の出入り口を封鎖、府警の警邏に協力を要請してもいいが、どの出入り口にも最低一人は陰陽師を配置するように。 ん? いや、今のところ援護は不要だ……何しろ、頼りになる『ぼらんてぃあ』もいるようだしな。以上、通信終わり」

 そういって通信を終える勇が見ていたのは、紅子の後を追うようにしてこちらに駆けてくる二つの影。見覚えのある二人のアヤカシにどこか懐かしさを感じながら、誰にともなく勇は呟いた。

「ま、国民に愛されるお巡りさんとしては、納税者のお願いを放置はできないか」

 そして自らも走り出すと、懐かしい二人、刃金丸とセレスティアに並走しつつ、声を掛ける

「やぁ、しばらくですね。お二人ともご壮健でなにより。二人もさっきの跳ねっ返りに呼ばれたクチですか?」

>>京都駅ALL様 刃金丸さま セレスティア様

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1年前 No.1534

鎧の付喪神 @kaizelkai ★kdFzi0ED3j_mgE

【京都駅付近/刃金丸】


 様々な妖気の流れを感じる方へ紅子が行く。行った視線を薙へと視線を向ける。自分は行くと宣言した後、彼女も行くことに決めたようだ。大きく頷き、自分も紅子の後を追うために駆け足で移動を開始する。先ほどの陰鬱とした雰囲気が少し緩和されたようだ。色々とあったようでまだ解決された訳ではないようだ。それはまるで10代の人間にある多感なお年頃を持ったような、そんな感じなのだと捉えていた。内面はそうでもないなとふと思う。


「 うむ、では行くでござる。それにしても薙殿、何か悩み事でもあるのでござるか?拙者で良ければ、話ぐらい聞く事ぐらいは出来るでござる。 」


 紅子の足は結構速い、見失わないように自分達も追いかける。追いかけながら、何か思い悩む薙を見て、自分には何か出来ないかと考え込む。頭にパッと閃めくと、こういう時は誰かに話したほうが良いという言葉を思い出す。なので、早速彼女に問いただしてみた。あまり悩んだ事がなく、誰かに相談する事もそんなにないが、話せば気持ちが楽になるかもしれない。心持つ生き物にはそういう事が付いてくる、自分はそう思っていた。


 紅子が行く方向へ向かえば向かう程、その者達の力をより感じる事が出来る。久しぶりのようなそんな感覚に襲われる。これほどまでの力を感じる事になるのはいつ以来か。あの時の事件以来かもしれない。すると紅子に急かされると、彼女自身の様子がおかしくなった。その視線の先が固定されており、何かあるのかと自分も振り向くと、懐かしい若者の姿がいた。


「 ほう、あれは勇殿か……少し、背が大きくなったでござるか? 」


 陰陽師の彼が此処に来たのは、やはりこの異変に気づいたからだろう。あの時と違って、灰色の紳士服に身を包んでいる。それに少しだけ、大きく見えるような気がする。紅子が彼に向かって何か言い、そしてそのまま結界を使用し、駆け始める。自分も向かうかと再び移動を開始する。そして改めて、勇と再開を果たした。


「 久しぶりでござる、勇殿。少し見ない内に、立派になったでござるなぁ。うむ、紅子殿に助けを求められて一緒にいるのでござる。勇殿は紅子殿と知り合いでござるか? 」


>>薙、紅子、勇


【あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。】

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1年前 No.1535

塚守來安 @iwing ★1hguPJXUDx_NBk

【伏見稲荷大社周辺→(移動中)/ 芦屋巖児】

 巖児は辟易としていたに違いない。目の前の名も知らぬアヤカシに対してではなく。
 “千年京事変”から数年が経過し、非日常と日常の境界線が曖昧なりつつある中、世界中の人間―とりわけ日本人が――がアヤカシを受け入れることができたのは驚くべきことであろう。だが――……。

「あいつら、俺のことを大道芸人か何かと勘違いしてやしないか……?」

 巖児の言うように、現に、今この場で、映画のワンシーンから飛び出してきたような、光景に出くわしても、人々がそれを受容するだけの余裕が生まれてしまっている。

「……お前も、好奇の目に晒されていることには変わりねえから、さっさと離れろ。つーか、俺より目立ち過ぎだな。速めにこっから移動すっぞ」

 巖児は唄女の首根っこを強引に掴む掛かると、片手で彼女を持ち上げ、母猫が子猫を咥え運ぶような要領で移動を開始する。どうやら唄女に拒否権はないらしい。人混みを力任せに突っ切る中、巖児は唄女に話しかけた。

「事務所までちょっと付き合えや、そこで話がある」

>>唄女&戯


【今回は短めで申し訳ありません。これからのことについてですが、唄女ちゃん&戯さんを主税の事務所まで連行して、彼女達から、あれよこれよと事情を伺うシーンを設けようかと計画中ですが如何ですか。唄女ちゃんに拒否権はないとありましたけれど、全然自由にして頂いて構いませんのでよろしくお願い致します】

1年前 No.1536

サムライ @samurai07 ★iPhone=QCAUNJ3bTK

【京都駅付近/ヴェズ・ルング】

「すごいなぁ。こんなにだだっ広い結界を作れるなんて只者じゃないな。」

勇や紅子、滝夜叉姫や刃金丸が思い思いに結界内で行動する中、ちゃっかりと結界に侵入し、傍観を決め込む男が1人。その男はジャージ姿からこの場では明らかに浮いている燕尾服に変わっていた。

「こりゃすごいお宝がありそうだ。例えばここにヘルハウンド三姉妹の1人とか、劉斬騎を倒した陰陽師とか居そうな気がするんだよねえ。僕の勘だけど。」

さすが邪神ロキの分霊。その勘はだいたい当たっている。しかし、そんなことを知ってか知らずかいつの間にか京都駅大階段まで足を踏み入れ、ヴェズは宙に浮いた。眼下には紅子と勇、刃金丸にセレスティア、足だけだが滝夜叉姫の存在も確認できる。

「さーて、とりあえず僕は様子見かな。やっぱり怪盗たるものここぞって時に登場しなきゃね。」

ヴェズは皆の頭上に浮き、皆を見下げている。果たして気づく者はいるのだろうか。仮に気づかれなくてもヴェズが面白そうな展開と判断すれば勝手に介入するだろうが。


>>勇様、紅子様、刃金丸様、セレスティア様、京都駅周辺ALL


【あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします!ヴェズは高みの見物を決め込んでいますが、気づくのも無視するのも撃ち落とすのも自由です。】

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1年前 No.1537

名前人 @mostbeto☆MNLE1Yk.EMQ ★sqMH8Q2zCH_JdE

【京都駅付近→京都駅/セレスティア】
「…はい、急ぎますので…!」
紅子の急ぎ足に合わせて、彼女の足も自然と早くなる。言われるとおりに階段の方へと進んでいく。
「……なんだか仲が悪そうですね…」
と、紅子の様子を見ながら不安げな表情を見せる。今のところ大変な状況が続いているため、こういうのはどこか不安になるのだろう。

「えっと……はい、お久しぶりです…えっとあなたは…芦屋の……」
ちょうどその場に居た芦屋勇に対しても声をかけた。跳ねっ返り、という言葉を聞いてどうやら彼女とは血縁なのかもしれないと考えていた。

「あなたこそ、元気そうでよかったです…ええ、その…紅子さんに来てほしいと言われまして…きっととても大変なことが起ころうとしているんだろうと…そう思って向かってきた次第です。」
そう言って頷いた。現状はよくわかっていないが、しかし滝夜叉姫というアヤカシが京都駅の大階段に居るということが不安でしょうがない。大変なことになってしまう前にこの状況を収拾してしまいたいところなのだ。

「悩み…悩みですか…」
ふと、刃金丸に問いかけられた心配の言葉に少し顔をうつむかせる薙。ずっと心のなかに引っかかっているのは、姉の言葉。もう一度出会えることは嬉しいことではあるのだが、それでは上の姉であるルークリーシアに対しての裏切りになってしまうずっとその狭間で揺れ動く心が、彼女を少し惑わせていた。

「…色々あるんですよねー…まぁ、家族の問題みたいなものなんですが……その…もう一度お姉ちゃん…下のお姉ちゃんですけど…姉妹で暮らせるようにと…また世界の境界を越えようとしているみたいな…そんなことを言われて…」
また咎女と出会えたときのことを静かに刃金丸に伝える。
それもまた世界の根幹を揺るがす大変なことになってしまうのかもしれない。だが、目の前で起こりそうな大変な事態にまず対処しなければならない。
そうなると、彼女も…
「とはいえ…今は京都駅で起こっていることを解決することが先決…かもしれないですね。」
と言って軽く頷いた。ある程度話せたためだろうか、彼女は先程よりも少し落ち着いているようである。


……その会話はもしかしたら、後からついてきているであろうヴェズ・ルングにも聞こえているのかもしれない。



>紅子さん、刃金丸さん、ヴェズ・ルングさん&京都駅の人
【また遅れてしまってすいません……】

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1年前 No.1538

夕邑三日月 @mistydark☆NIljAHmRyhk ★R3lMq2ye0U_dB9

【京都駅大階段/鈴木紅子・芦屋緑利】

 紅子がヘッドハンティングしてきた味方を半ば置き去りにして、やっとのことで阿藍の居る位置まで戻って来た時も、辺りは膠着状態が続いていた。緑利の作った結界は消えていないが、向こうの様子は一応分かる……これは紅子の直感だが、何となく緑利は現状を楽しんでいるような気がしてならない。
「……一応、活きが良ぇのばっかり釣って来たんで……形勢逆転も夢やないと思うで」
 三度目の京都駅大階段疾走を終え、息を整える意味でも紅子は小さく囁く。振り返ればそこには、紅子と同じく階段を上って来る薙と刃金丸、そして勇の姿がある。油断は出来ないが、これだけいれば先程より幾分もマシだろう。
 そう思って息を吐いた時、不意に、紅子と阿藍の目の前の結界が消えた。そして開いた視界の向こうに、緑利の姿は無く……――

 此処で少し時は巻き戻る。
 紅子が京都駅の入り口で勇と遭遇していた頃、緑利は平穏とは言い難いが、それでも歪に平和な会話劇を滝夜叉姫と繰り広げていた。しかし緑利は、其処に紅子が居たら確実に呆れ返っていた発言を幾つも飛び出させながらも、滝夜叉姫の一挙一動、そして結界の背後の様子の確認を怠ってはいなかったのである。
 次々と集まってくる見知った気配――勿論緑利は初対面の者達ばかりだが、此処に集まっている者は全て、いや、なんだかよく分からないものも混じっているが、八割方はその魂の持ち主が知っている。彼等は味方であると断言できる。だからこそ緑利は、時間稼ぎと言う自分の役目が終わったことを瞬時に悟ったのだった。
「ふむ……もう良さそうだね。お姫様、お話の続きはまた今度……その時まだ私を誘ってくれるのなら、次もお手柔らかにお願いしたいな」
 そうして紅子が戻ってきたことを確認した緑利は、頬に触れる滝夜叉姫の指など存在しないかのように、その場から消え去って見せた。滝夜叉姫からすれば、先程までそこに在った物が空気に早変わりしてしまったような、文字通り掴み所のなさを感じている事だろう。そして同時にまやかしを映し出していた結界も消え、生きている阿藍と紅子、彼女が連れてきた援軍が滝夜叉姫たちの目に映るようになる。
 その視線の先に、緑利も居た。彼女は能力の一つとして空間を捻じ曲げる強引な転移術を持っており、それで瞬間移動の如く移動したのだが……如何せん、彼女が移動した場所とその後に発した言葉が大問題だった。

 緑利が立っているのは、滝夜叉姫の背後でも紅子の隣でもなく、今まさに階段を駆け上がっている所の勇の眼前であり。
「お会いしたかったですお父様ぁ!」
 満面の笑みでそう叫んだ。

 数秒後、滝夜叉姫が物凄い数の餓鬼を引き連れて階段の上に居る事など忘れ去った紅子の哄笑が響き渡ったのは言うまでもない。

>京都駅ALL様

【遂にやってしまったぜ……】

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1年前 No.1539

鎧の付喪神 @kaizelkai ★SoNCRU4hPO_mgE

【京都駅付近→京都駅/刃金丸】



 悩みという言葉に反応して俯く彼女、どうやら何か心に引っかかるような事を抱えているようだ。自分に話してそれを解決策が出るような悩みであるといいのだが、そう簡単ではなさそうだ。アヤカシとしての生を得て数百年、長いからといってあまり悩んだ事のない自分にそれを見極める事は出来るのか。走りながら、彼女の言葉に耳を傾けた。


「 ……ふむ、今聞き逃せない言葉が出てきたような気もするでござるが、まあ……また会えて良かったというべきでござろうか。以前のような事をしなければ、拙者は暮らせればいいと思うのでござるが……うむ、今は目の前の事を解決するでござる。」


 彼女の下の姉、という事は薙は咎女とまた会ったという事実に自分の耳を疑った。死んだ姉妹に会えるという事はそれは良い事だと思う。だが咎女は世界を混乱を起こした一人であり、敵対した身としてはどう言うべきか迷ってしまう。だが本当にまた姉妹と暮らしたいのであれば自分には異はない。しかし、心配なのは咎女の本心、薙のような心優しい子に甘い言葉を並べているだけで、実際には違う目的があるかもしれないと疑っている自分がいる。いない相手の事を考えても仕方がない、まずは目の前の事の解決に意識を向ける事にした。


 階段を上がった先には確かに大妖怪の姿がいた。あれが噂に聞く滝夜叉姫、近くで見ると強大な力の持ち主と肌で感じ取れる。薙や自分という援軍だけで勝てる相手なのだろうかと若干疑問に思う。しかし気になるのはもう一人、十代半ばの少女は誰であろうか。アヤカシの力は感じるが、純粋という形ではないように思える。それに自分と同じのような気もする。彼女は誰だろうかと思っていると、姿が消える。すると勇の目の前に現れて、彼の事を父と呼んだ。


「 ほう、これは驚いたでござる……まさか勇殿に大きな娘がいたとは。拙者、生きていた時間の中でかなりの上位に入る驚いた事に入るでござるよ。おめでたでざるな、勇殿。」


 まるで祝福でもするかのような微笑ましい笑顔を勇に向けて、何か違う言葉で彼を祝福した。もちろん人間ではないとわかってはいるが、種族の差は関係ないと思っていた。


>>京都駅ALL様

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1年前 No.1540

推古 @iwing ★1hguPJXUDx_PGu

【伏見稲荷大社・千本鳥居/ 安倍凰華】

「こんなことをしたって意味があるはずがないのに……」

 京都の名所の一つ。千本鳥居には〔人払いの結界〕が張られている。凰華が万が一の事態を考慮して先手を打っておいたものだった。
 現在、千本鳥居には、凰華以外の人間の立ち入りができないようになっている。このような衆目に晒される危険性のある場所において、人攫い目的の〔転移術〕が堂々と行われた形跡が確認されたのは、随分あとになってのことだった。

 安倍家の" とある諜報機関 "によって齎されたこの情報は、安倍家中を巡り巡ってやがて凰華のところへ行き着いた。それを確かめるのが彼女に与えられた任務であった。いわゆるパシリというやつである。
 〔千年京事変〕の後に安倍家に復帰した凰華は、皮肉にもここに来て初めて人並みの自由を得たのだが、昨今の世情に危機感を覚え、こうして陰陽師としての勤めを果たしているというわけだ。
 その〔千年京事変〕の折に、何の因果かその時の活躍が全世界に知れ渡る次第となり、今ではちょっとしたアイドルのような扱いを受けていたりする。しかし、ようやく取り戻した日常に波風が立つことを憂慮したのか、特徴的だったメガネを外してコンタクトレンズに替えるなど、今は外見の印象を変えようと試みている最中なのである。
 ヘアスタイルも工夫が施されてあり、濃い緑の深森を思わせるおさげの髪を一つに結い、それをガーリーなヘアアレンジを加えてゆるふわカールにしていたのだ。落ち着いた大人の女性を演出することが目的だった。
 だが、祖母の影響を受けて確立した和の装いだけは崩すことができず、色々とイメージチェンジを計らったにも関わらず、それがかえって仇となっているようだった。
 この場に〔人払いの結界〕を張ったのも、そういった好奇の目に晒されることを厭ったためでもある。

「犯罪行為、もしくは悪意のある悪戯、どちらにせよ時間が経ち過ぎている。思った通りここから逆探知するのは厳しいかも。それに飛ぶ鳥跡を何とやら、か。" ぼく "の見立てでは、この犯人、かなり神経質な人物と見た」

 誰にも見られていないせいか、思わず" 素の自分 "が出てしまった。

>> 伏見稲荷大社・千本鳥居 周辺ALL様

1年前 No.1541

サムライ @samurai07 ★iPhone=QCAUNJ3bTK

【伏見稲荷大社/玖楼 銀嶺】

「ヴェズ・ルングめ…奴から例の書物を取り返さなければこのままではソロモン72柱の悪魔の笑い者だ。奴を倒すにはまず、情報を集めなければいかん。聞けばこの地に我がソロモンの悪魔のお得意様、蚩尤一族の男もいると聞いた。その男を手を組めばヴェズ・ルングを殺すことは容易い…ん?」

ヴェズ・ルングを探して日本にやって来た玖楼銀嶺ことソロモンの悪魔の一柱であるラウム。ワイシャツに黒いローブを羽織った彼はちょうど伏見稲荷大社の前を通りかかった。人払いの結界が無効なのもおそらく悪魔であるからであろう。そんな銀嶺は神社の鳥居近くにいる和装の少女に気づく。

「何だあの娘?ただ、普通の人間ではないことは確かだ。この距離からでも感じる。もしかすると俺の探しているあいつらのことを知っているかもしれんな。」

銀嶺は和装の少女、安倍凰華に向かって駆け寄る。銀嶺の予想は大方正解だ。凰華は普通の人間ではない。陰陽師である。銀嶺は凰華に声をかけてみた。

「済まない。少し話があるのだがいいか?俺は『玖楼銀嶺』。職業は…商人とでも言っておこう。ところでこの結界はお前が張ったのか?」

まずは結界を張った人物は彼女なのか、確認することにした。しかし、まだ銀嶺は知らない。銀嶺がかつて同志であった『劉・斬騎』と凰華は浅からぬ関係であったことを。

>> 安倍凰華様、周辺ALL



【お久しぶりです!まことに勝手ながら私の自キャラの1人である銀嶺を凰華にからませていただきました。大人っぽくなったらしい凰華の活躍を楽しみにしています。】

1年前 No.1542

推古 @iwing ★1hguPJXUDx_hqi

【伏見稲荷大社・千本鳥居/ 安倍凰華】

 凰華は劉斬騎のことを忘れていたわけではなかった。

「……そんなことより。あなたはあの男とはどういう関係なのかしら? さっきそこで殺すだとか物騒な言葉が聞こえてきたのだけれど……? 蚩尤一族と言えば、確かに知っている男は一人いるのだけれどね」

 面倒だと感じ質問をはぐらかしたが、彼も別段それを知りたいがために訊ねにきたわけではないだろう。蚩尤一族の知り合いと言えばあの一人しか思い浮かばなかったが、銀嶺が誰に殺意を抱いているのかまでは分からなかった。しかし、相手は自身の正体を知った上で声を掛けている。だったら、こちらとしては一歩踏み込んで鎌をかけてみるのも面白いかもしれない。そちらを値踏みするように視線を向けると、誰とは名言しなかったがそれとなく尋ねていた。

>> 玖楼銀嶺様


【絡みありがとうございます】

1年前 No.1543

サムライ @samurai07 ★iPhone=QCAUNJ3bTK

【伏見稲荷大社/玖楼銀嶺】

「ほう、蚩尤一族の存在を知っているのか。いかにも俺はその蚩尤一族最後の王となり得る男…俺はそやつを探している。だが、誤解しないでくれ。俺はそいつの敵ではない。ただ、取り引きをしようと思っているだけだ。」

なるほど、これは癖の強い者に声をかけてしまったなという心境で銀嶺は頷きながら凰華の質問に答える銀嶺。しかし、斬騎はこの世にはもういない。銀嶺は海外にずっといたためか千年京事変の終結を知らないのである。おそらく凰華にとって銀嶺は馬鹿馬鹿しい戯言を吐く変人に見えるだろう。

「あやつは俺の商売相手、つまりお得意様だ。別に俺は蚩尤という大それた種族ではない。まあ…お前なら気づいているだろうが俺も人間ではないのだ。」

銀嶺は人間に化けている悪魔…しかも、悪魔の中でも上位に入る『ソロモン72柱』の1人なのだ。そこまでは凰華に読まれていないだろうと思いながら銀嶺はこう付け足す。

「殺したいのはヴェズ…いや、『怪盗V』という名前を聞いたことはないか?世界中の価値ある神器や文化財を盗む泥棒だ。最近ではニュースでもときどき取り上げられているからお前も名前だけなら聞いたことあるんじゃないか?俺はそいつを探している。何でも俺の商売道具の1つが奴に盗まれてしまってな…」

ロキの分霊であるヴェズ・ルングの名前を言いかけてやめたのは真名をバラしたことによる余計な混乱を起こさせないようにするという銀嶺なりの気遣いだった。果たして凰華は気づいたのか。しかし、もし凰華がロキの分霊の事を知っているなら蚩尤に続き、2体目の魔神が日本にいるということになる。もちろん、怪盗Vの話だけで終われば平和的に済むが。とにかく銀嶺は凰華の反応を待った。


>>安倍凰華様、周辺ALL

1年前 No.1544

咎女 @papillon ★6ycWB2hnsK_mgE

【京都駅大階段→鏡面世界・京都駅大階段/日下部阿藍、滝夜叉姫→餓鬼】

 涼しげな表情で平然と自身を見つめる、知っているのに知らない、〈彼女〉でありながら誰でも無い少女を、滝夜叉姫もまた奥底知れぬ静かな笑みで見る。どちらも本音の欠片も見えないくせに平然と真実すら語る世紀の嘘吐きだ、ある意味これは狐と狸の化かし合いなのかもしれない。一歩間違えばひどく血腥くなる、そんな騙し合いであろうが。

「妾を欺きし才気と勇気を併せ持つ策士、そして懐かしき夜と闇の再来よ……そうか、若紫か。それは良い、ますます気に入ったぞ……芦屋などと妾の仇である忌み名を名乗るより、遥かに美しく気高い」

 空中に浮遊する、数えるのも億劫になる程膨大な餓鬼の群れは、その混沌そのものの存在らしくもなく皆黙ったまま興味深げに下界の二人の姿を見下ろしている。
 異様な静寂に包まれた大階段で対峙した人ならざる姫と女王の残り香、その異質な組み合わせ。緑利の頬からそっと手を離すと、滝夜叉姫は優雅な手付きで緑利の髪を器用に纏め上げていく。そして懐に手を差し入れ、其処から何かを取り出した。

「妾は今、気分が良い。故に答えてやろう、我等〈鬼〉の軍勢は〈常闇の王女〉の帰還により進軍を開始する、――――その瞬間より時は逆巻くのだ、普遍たる流れは理(ことわり)に逆らいて虚ろの渦となり、世界の終わりも始まりも呑む。喰らわれた過去が、膨大な現在が、改変されし未来が混ざり合って…………この世は再び乱世だ。日下部阿藍はその為の〈鍵〉じゃ、呪われし漆黒の血脈が地獄の門を再び抉じ開ける鍵となる」

 緑利の髪に、滝夜叉姫は何かを差し込んだ。それは異様に輝く真っ赤な珠の飾りがよく目立つ簪(かんざし)であった。それで髪が綺麗に高く結い上げられた事を見れば、滝夜叉姫は満足げに一度頷いてみせた。
 よく見れば、簪を飾る深紅の珠飾りの中で、何かが蠢いているように見える。かの千年京事変≠知る者であればすぐに思い出すだろう、それが、とある稀代の妖女が操る転移術が施された硝子玉にそっくりである事に。

「そなたのよく知るかの〈王女〉が我等の〈長(おさ)〉と手を組んだ事が、我等にとっては吉であり、弱き人と妖にとっては凶となっただけのこと……くくっ、誰もがそなたを〈革命家〉の娘と見間違える事だろうよ、だからこそ、妾はそなたを勧誘しようと思う。望むならいつでも〈こちら側〉に来るが良かろう、忌まわしき陰陽師どもと共にそなたを滅するのは忍びないのじゃ、若紫」

 ふいに、滝夜叉姫の眼前から緑利の姿が掻き消えた。まるで最初から其処に少女の姿など存在していなかったかのように、呆気にとられる程自然な流れで。
 しかしそれをも想定の範囲内であったのだろう、優雅で邪悪な微笑を浮かべたまま、滝夜叉姫は緩々とその顔を大階段の下へと向ける。其処にはすでに多くの、明らかに己の敵であろう者達が集っていた。知った顔も、知らぬ顔もある。しかし等しく彼女にとって脅威にはならぬとでも言いたげに、その表情は仮面のように揺るぎもしない。

「若紫、望む時は簪に祈れ、鬼神はどんな時でもそなたに応えよう……では、此処より舞台の赴きを変えよう。にっくき陰陽師、そしてそれに付き従う痴れ者どもよ、貴様等の相手など妾の僕(しもべ)で十分であろう」

 先程までと変化したのは、その目だ。明らかに蔑んでいる、遥か古より敵対し続ける陰陽師を、そして己に逆らうアヤカシ達を。
 滝夜叉姫が片手を高く上げると、その腕を緩やかに回し始めた。と、空中に浮遊している無数の餓鬼の群れもぐるぐると回り始め、回転が早くなっていく事にその姿が溶け合い、醜い色をした巨大な渦となっていく。

「我等が長は無用な騒ぎを嫌う故、この鏡の内側がそなたらの戦場となるのだ……もし、もしも我が僕を倒せたならば、鏡は砕けそなたらは現世に戻れるであろう……、――やれるものならやってみせろ、妾に地獄を見せてたもれ」

 悍ましい渦の下で、滝夜叉姫は空いた片手を前方に突き出す。その手には一枚の小さな手鏡が握られていた、金属を磨いて作られたのだろう非常に古い銅鏡だ。と、その鏡が一瞬眩い輝きを放ち、人々の視力を奪った。
 次に目を開いた時、其処には先程までとほとんど変わらない光景が広がっている事だろう。ただ一つ違うのは、辺りが妙に薄暗いこと、滝夜叉姫の姿がないこと、渦の代わりに何やら巨大な人影が出現していること、そして先程までと微妙に光景が変わっていることだ。間違い探しのようだが、よく見れば全てが先程までとは反転しているのだ。そう、彼らは滝夜叉姫の術により、鏡面の別世界へ強制的に転移させられてしまったのである。

 やがて人々はもう一つの変化に、いや、脅威に気付くだろう。耳を劈く、凄まじい咆哮。先程まで浮遊していた数えきれない程の餓鬼は消えたが、その代わりに其処には身の丈四メートル以上もある筋骨隆々とした化け物が忽然と現れていた。無数の餓鬼が融合して生まれた、醜くも恐るべきアヤカシが。
 仁王の彫像を思わせるその身体は何処も彼処も悍ましくも捩じれ、膨れ上がり、常に奇妙な蠢きを見せている。ぼろぼろの着物のような物を纏っているが、その隙間から見える赤褐色や濃緑などが入り混じった異様な肌が鋼以上の硬度を誇っている事は、その場に集いし強者ならば容易く予測出来るだろう。そして、その顔。凶暴さを誇示するかのような鬣(たてがみ)から覗くのは獅子にそっくりな獣のそれであり、爛々と輝く鬼灯に似た目と牙を剥く裂けた口、そして額から伸びる歪んだ一本角が、その化け物が下級ながらも鬼である事を示していた。

「まったく、ただの餓鬼も合わされば厄介、か。さて、知らない顔も居るが挨拶は後だ。今は目の前の敵をどうするかだね、〈一度世界を救った〉あんたらならあの程度、造作もないだろう?」

 やれやれ、と首を軽く捻って鳴らしながら。得物の杖を暴悪な餓鬼へと向けて、日下部阿藍は彼ら彼女らの方を見ると、にやりと笑ってウインクしてみせた。


>>緑利、大階段ALL


【またも恐ろしく長い間、お返事が遅れてしまって大変申し訳御座いません。いつもご迷惑をお掛けして本当に申し訳ないです、こんな私ですが皆様まだお相手頂けますでしょうか? 勝手に場面転換もしてしまいましたので、宜しければお相手頂ける方だけ引き続き絡んでもらえたら嬉しいです。皆様、私の勝手に無理をしてお付き合い下さらなくても、本当に大丈夫ですので。身勝手ばかり申しますが、これからはもう少し早くお返事出来ればと思っておりますので、もしお許し頂けるようでしたらどうか宜しくお願い致します。
來安本体様、巌児さんへのレスも近いうちに必ずお返し致します。誠に申し訳ありません】

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1年前 No.1545

芦屋 勇 @sibamura ★o0W3VsenYO_pns

【京都駅大階段→鏡面世界・京都駅大階段/芦屋勇】

 先に進んだ紅子や刃金丸、セレスティアを追って階段を駆け上がった勇が見たものは、累々と群れ集うガキの群れと件の滝夜叉姫、それだけならばまだ予想がついたのだが、

「っと、日下部のご隠居さんなんでここに」

 車いすに乗った老女を見て、勇は訝し気に顔を顰める。旧陰陽省・政界・そして司法界に太いパイプを持つ彼女を勇は当然知っていた。一もちろん、彼女の引退が表向きでありいまだに裏でいろいろ暗躍していることも。だが、彼女ほどの大物が偶然このような場にいることなどありうるのだろうか、そう思って彼女に声を掛けようとして、

「日下部阿藍様ですね、自分は………わぷっ! は……はぁっ?!」

 その声掛けは突如として彼の眼前に出現した少女によって、物理的にも精神的には中断させられた。彼の目の前に現れたのは、年のころs十代半ば少女だった。漆黒の長い髪、きめ細かく白い肌……そして………緑の瞳。

「翡………翠……? いや………」

 反射的に少女の体を正面から抱き留めながら、かつての守手を連想させるその容姿と行動につい反射的にその名が口を出る。だが、そんな疑問をかき消す彼女の爆弾発言が勇から思考力を奪う。

「お、おと……お父様ぁ? いやいや、刃金丸殿、なんで祝福してるんですか 」

 芦屋勇、未だ20代前半にとってこの言葉の破壊力は大きかった。当然身に覚えはないのだが、あまりのことにしどろもどろになり、なんというか隠し子がばれた放蕩男のうろたえに見えなくもない。しかし、敵はこちらの事情など鑑みてくれないようで、

「……確か、咎女の部下……というか側近だったか? 千年京事変から今までおとなしくしていたのにわざわざこんな目立つところで騒動を起こすってことは、ま〜た大がかりな陰謀の準備ができたってことか。」

 中空に浮かぶ滝夜叉姫の方に顔だけを向けて小さくつぶやく。というよりも、未だ抱き留めている緑利から目を逸らしているというのが真相ではあるが。視線だけを滝夜叉姫に向けつつ、2・3歩上って階段を完全に登りきる。無論、緑利を抱き留めたままでである。

「よっと、あんたが誰なのかは知らんが、とりあえず青少年をおちょくるのはやめてくれ、いやほんとマジで」

 ぞんざいな言葉遣いとは裏腹に、まるで宝石をケースに戻すように丁寧で優しい手つきで緑利を広間に降ろすと、自由になった右手で腰の裏に刺していた警棒を取り出し、そこに霊気を通す。すると、警棒の表面に曲線を多用した文字、梵字が現われると同時に淡く発行し始めた。その警棒、霊撃棍を勇が構えたとところで異変は起こった。
 周りの餓鬼たちが開店すると同時に滝夜叉姫の手元の鏡がまばゆく輝く。その光が消えたあとに残されたのは、勇達と左右が反転したした京都駅……そして

「おいおいマジかよ。」

 彼らの目の前に出現したのはまさに天を衝くような巨大な鬼だった。鋼のような肌、鋭い牙、底冷えするような眼光。誰もが見て恐れを抱く、日本の恐怖の象徴にして具体化。それが彼ら前にそびえ立っていた。

「……ちりも積もれば、というのは同感ですね。ついでにご挨拶も後ほどというのも賛成です。まぁ反論するならば、世界を救ったのは俺たちではない…………多くの人がそれを望み、それに命を懸けたこと。そして、矛盾するようですが、その流れを作った二人ですよ。」

 こちらにウィンクしてくる阿藍に目礼を返しながら返答したあと、勇は淡く発光する霊撃昆を構えつつ巨大な鬼に向かって駆け出した。右手で武器を構えつつ、左手でジャケットの内側から符を取り出して真言と共に投げつける。

「盟によって命ずる、見えざる縄となりて彼のものを縛れ。縛鬼捉霊、急急如律令!」

 すると、符が不可視の縄となって巨大な鬼の腕に絡みつく。

>>京都駅ALL様 緑利様


【こんばんは、返信すっかり遅くなってすみません。忙しい時期もすぎて、こちらにもぼちぼち顔を出せるようになりました。もしよろしければまた、皆様と物語を紡がせてください】

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1年前 No.1546

咎女 @papillon ★6ycWB2hnsK_mgE

【伏見稲荷大社周辺→(移動中)/唄女&戯】


 巌児が何を考えているのか、恐怖と歓喜から号泣している唄女にはほんの欠片も察する事は出来ていない事だろう。しかし唄女の後頭部に宿る存在、二口女の象徴たる裂けた巨大な口――今は髪できちんと隠れているが――である戯は、眼前の巌児をすでに危惧し始めていた。口だけで、目は無いように見えるが。

「『…………芦屋巌児? 何故この男が此処に……まさか咎女め、これすら予測済みで此処に飛ばしたのか……?』」

 本当に小さく、密やかな声。唄女にすら聞こえないような囁きではあったが、千里先で針が落ちる音すら聞き取るだろう強者の巌児だ、幾ら微かであろうとこの至近距離の声を聞き逃す事はなかろう。

 それはさておき、巌児に縋り付いたままだった唄女はと言えば、ふいに自身の身体がふわりと空中に浮かんだ事にきょとんとして、泣き止んで目をぱちくりさせていた。なにせその身長は約二メートル、驚く程の長身である唄女である。まさか自分の身体がこんなにも軽々と持ち上げられるとは思ってもいなかったのだ。

「ふぇ? わたしぃ、大道芸人さんじゃないですよー? こーきのめぇ? じむしょ? あー、もしかしてお兄さんっ、ソノスジのお人ですかぁ? きゃー、こわぃー」

 乱暴に、そして驚くべき事に片手でその巨体を持ち上げた巌児は、そのまま人ごみをかき分けてどんどん歩き始める。周りの野次馬はと言えば、その珍妙な様を笑う者、好奇のままに写真を撮る者、「兄ちゃん、女の子にはもっと優しくしろよ!」などとはやし立てるものなどなど、誰もこの光景の異常さには気付いていない。
 ある意味、それだけ人間達の中でアヤカシの存在は当たり前のものとなっている証拠であろう。しかし裏を返せばこの状況はかなり危険だ、下手に奇異に対して慣れきってしまい、ぬるま湯に浸かるようなこの状態では、何かあった時の被害は甚大なものになるだろう。

「お兄さ−んっ、クミノジムショ? に行っちゃう前にぃ、二条城に寄ってくださいよー!わたしぃ、二条城に用事があるんですぅ。あとあとぉ、あのぉ…………運ぶならせめてお姫様抱っこ、してくれませんかぁ……? 『……どのツラ下げて乙女ぶりやがるのかしら、このバカは……』」

 強面の巌児の素性をすっかり勘違いしてしまった唄女は、間の抜けた声で物騒な事を言いながら、自分の立場も考えずに妙な願いを口にした。二条城と言えば、今は崩壊したものの元陰陽省の本拠地である。そんな場所に、この怪しげな女は一体何の用件があるというのだろうか。
 そして奇妙な願いの後、涙目のままの唄女は急に俯いて何やらごにょごにょ言い始める。頬を微かに赤らめ、すっかり照れたように両手に手を当てて、恋する少女のような事を言い始めた訳だ。
 そんな場の空気を読まない、むしろ場の空気を破壊する女、唄女に対して、戯の一言は恐ろしく冷たいものだった。


>> 巖児


【お返事がまたもすっかり遅くなりまして申し訳ありませんでした……今更ではありますが、もしもお嫌でなければ引き続き絡んで頂けたらとても嬉しいです。どうぞ宜しくお願い致します。そして事務所への移動、全く問題ありません。ただ、もし良ければ寄り道を許して頂けたらな、と】

1年前 No.1547

夕邑三日月 @mistydark☆NIljAHmRyhk ★Android=o4eHgid1YH

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1年前 No.1548

サムライ @samurai07 ★iPhone=QCAUNJ3bTK

【京都駅大階段→鏡面世界/ヴェズ・ルング】

鏡面世界に陰陽師やアヤカシ達を誘った滝夜叉姫であるが、招かねざる客が着いてきてしまった。ヴェズであった。鏡面世界でも平気でいられるのはひとえに彼が北欧に伝わる魔神、ロキの分霊であるためである。滝夜叉姫の霊力や魔力を突破したヴェズは余裕そうにヘラヘラと笑う。おそらくここにいる皆の中で一番気が抜けているだろう。

「あはは、こりゃ面白いアトラクションだね。異次元っていうのかな?まあいいや。もう少し様子見しよう。」

その時、巨大な餓鬼が現れて鏡面世界に響き渡る咆哮と共にこちらに向かってきた。一瞬、ヴェズはギョッとするもまた普段の態度に戻り、懐から何か小槌のようなものを取り出した。

「ありゃりゃ…厄介なのが出てきたねえ。傍観者である僕が面倒事に巻き込まれるのは御免だ。オーディエンスに被害が及ばないように演出家も気をつけてほしいものだよ。」

ヴェズはそのまま空中から小槌をブーメランのように放り投げる。小槌は回転しながら餓鬼の背中に当たる。そして、次の瞬間、ほんの一瞬だけ餓鬼がまるで雷に撃たれたかのように発光した。ヴェズが投げた武器は北欧神話の雷神トールの持つ、ミョルニルである。

「さてさて、あの餓鬼の動きを電撃で鈍らせてやったよ。これで僕の方に向かってくることはできなくなったかな。だって、たぶん僕の前にたどり着く前に他の陰陽師やアヤカシに殺されるだろうしね。じゃあ、皆々様。あとは頑張ってね。僕の援護はこれでお終いちゃんちゃん。」

ヴェズは他人事のように空中で腕を伸ばしであくびをする。ヴェズは他の陰陽師やアヤカシ達、ましてや滝夜叉姫と関わるつもりはないのだろう。彼はまるで今の光景を舞台の客席で見ているだけ。そう表現してもおかしくないような緊張感のなさである。


>>京都駅大階段(鏡面世界)ALL


【こっそり援護射撃してみました。ウザいことには変わりないですが…】

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1年前 No.1549

推古 @iwing ★1hguPJXUDx_eQU

【伏見稲荷大社・千本鳥居/ 安倍凰華】


「そう、つまりアナタは盗まれたモノを取り返すために日本に来たということね……?」

 言ってみて相手の反応を窺った。
 話の全てを理解したつもりではない。彼の身の上を詮索することもできたがあまり気乗りはしなかった。
 そこで銀嶺が最初に訊ねてきた意図を思い返し合点がいった。もしかしたら知らぬ間に彼に迷惑を掛けてしまったのかもしれない。

「あぁ、もう用は済んだから結界は解いておくわ。もし怪盗Vが日本に来ているのだとしたら、陰陽師の人間が力になってくれると思う」

 銀嶺が陰陽師の存在を知らない筈はないだろうが、彼の役に立ってくれるであろう、その存在を仄めかしておいた。少しお節介だっただろうか。しかし、困った人間を放っておくほど非情でもなかった。

 一人合点がいった凰華は、話が済んだものとして、千本鳥居に張っていた結界を解除するための、呪言を唱え始める。


>> 玖楼銀嶺様


【遅くなってすみません】

1年前 No.1550

鎧の付喪神 @kaizelkai ★OoN6oNoyDt_mgE

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1年前 No.1551

推古 @iwing ★1hguPJXUDx_Gxb

【伏見稲荷大社周辺→(移動中)/芦屋巖児】

「おもしれえ冗談だ」

 言葉で表現している割には、ピクリとも表情を動かさないのがよく分かるだろう。
 この時点では肯定とも否定ともつかなかったが、次の瞬間には唄女を掴んでいた手を放していた。
 二人に背を向けて歩き出す。既に野次馬が三々五々に散って行った後だった。先ほど遭った珍事件のことなど忘れたかのように、女子高生たちが先週見たドラマの話に花を咲かせていた。サラリーマン風の男性は腕時計の時間を確かめた後、慌てたようにその場から去って行った。唄女と巖児の、まるでコントのようなやり取りを見守った後、彼らはまた彼ら自身の生活に戻って行くわけである。
 巖児は背後へ振り返り、唄女の方へと視線を遣った。その鋭く刺すような、冷たい眼光は既に相手の正体を見抜いているのだろうか。二人の間の時間が停止する。周囲の人々が無意識的に関わり合うのを避けてしまっているかのようだ。そのぽっかりと空いた空間に、二人は対峙していたのだった。最初に口を開いたのは巖児だった。

「ついて来い、二条城に用があるんだろ?」

>> 唄女&戯


【遅くなって済みません】

11ヶ月前 No.1552

推古 @iwing ★2VrCb8Fmem_3Nj

【鏡面世界・駅大階段→駅大階段/ 雫(砺波)御前】


 御鬼が真っ二つに斬り割かれる。すると一閃。眩い光が世界を飲み込んだ。御鬼の裂け目から放たれた閃光が世界を"反転"させる。
 ここは現実世界。元の大階段へと帰還していた。滝夜叉姫の言に嘘偽りはなかった。御鬼を倒して鏡面世界から戻ってこられたのだ。
 自らの得物――薙刀――を振るうと、その血で穢れた刀身から鮮血が迸った。床にぶちまけられたそれは先刻の御鬼のもの。
 彼女は勇たちとは反対側の位置に陣取っていた。滝夜叉姫からは背を向け、ヴェズ・ルングとは少し離れたところで隣り合うようにして立っている。
 規制線の張られた駅は静けさに包まれていた。日中の陽光に照らされた構内は夜の静けさにも似て。静かに佇む女武者の姿がここにある。

「余興はこれにて。滝夜叉姫、また一つ腕を上げられたのには感心に値しますが、残念、少し遊びが過ぎますよ」

 咎女によって電脳蟲の巣から解放され、何処かの竹林に移動させられていたはずだった彼女は、其処から異界の狭間を飛び越えて鏡面世界まで飛び、そして焔御前や刃金丸たちの攻撃を受けて弱り切っていた御鬼に止めを刺した。それが引き金となって彼女もまた現実世界へと戻されていた。「今の貴女が仕える主が何処の誰かは存じませぬが、この私を"獣"などと呼び侮蔑した代償は払ってもらいます。あと、またあのような"化生"を生み出したのなら今度は捻り殺しますわよ……?」

表情こそ窺えないものの背中からは怒気が溢れんばかりに放たれていた。

「しかし、これはこれは、何時ぞやで見た面々ではありませんか。まぁ、アナタたちが私を知るはずはないのですけどね。だからこれは独り言。私の戯言だと認識して下さっても構いません」前方にいる勇たちを冷ややかな目で見据える。その瞳は獲物に飢えた猛禽類のそれと同じ。感情の見えない得体の知れない眼であった。

「自己紹介が遅れました。私は一介の武士(もののふ)、倶利伽羅峠の戦いにおいて、木曾義仲様に助力し武勲を挙げた、ただの"女"でございます。義仲様からは砺波御前と呼ばれていましたので、皆様もどうぞそう呼び捨てて下さい」静謐な物腰で己を語る彼女が、つい先ほど人一人を切り捨てていたことなどと誰が想像できよう。彼女を知る者ならば、彼女が猫かぶりをしていることは明瞭であった。


>> 駅大階段周辺ALL


【スレ主様からお許しを頂きましたので早速参加させてみました。
なかなか動きが見られませんでしたのでこちらで戦いを終わらせました。お楽しみのところをすみません】

6ヶ月前 No.1553

芦屋 勇 @sibamura ★o0W3VsenYO_c1Z

【鏡面世界・京都駅大階段→現実世界・京都駅大階段/芦屋勇】

 巨大な鬼の体がわずかに発光する。それが、鬼の意志でないことは苦悶の表情を浮かべる鬼の形相でそうと知れた。どうやら、勇が認識している以外にも助っ人がいたらしい。

「とりあえず、チャンスは生かさないとな。」

 一瞬鬼の動きが止まったのを見た勇は、大鬼の腕に巻き付けた不可視の縄をぐいと引いた。もとよりふらついていた鬼の態勢が揺らぐ、そこに刃金丸が雷を宿した刃を一閃する。
 その威力にさしもの鬼も轟きをあげる。

「よし、俺も……」

 それに遅れじと勇も警棒を握りなおす。
 が、

「なにっ!」

 突如として、雄たけびを上げていた大鬼の体が真っ二つに切り分けられる。背後から、まるでバターを熱したナイフで切り取るような気安さで大鬼の屈強な巨体は両断され、むっとした血と臓物の匂いがあたりに立ち込める。
 そして、倒れいく大鬼の体と血飛沫の中から現れたのは、一人の女だった。
 髪も、衣装も純白の女だった。平安の白拍子が着るような服を着ていながらその上に甲冑を帯びている。全身純白のその身の中でその双眸だけが血のように紅かった。女は、大鬼を両断した長刀を振るって血を落すと、こちらへ自己紹介らしきものをしてきた。

「砺波御前……さんね。残念ながら俺はあんたとは面識はないはずだが、あんたは俺たちを知っているらしいな。自己紹介が不要で助かるよ。それと、あの大鬼を退治てくれたことには感謝する。ありがとう。」

 だがしかし、勇は彼女への警戒を解いていない。静かな物腰の彼女のその奥から、ただならぬ力量を感じ取っていたからだ。そして、しずかに彼女に尋ねて

「それで……あんたは俺たちはそっちのお姫様。どっちの味方なんだい? それとも、どっちの味方でもないのかな?」

>>ALL様 砺波御前様

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6ヶ月前 No.1554

推古 @iwing ★2VrCb8Fmem_3Nj

【京都駅大階段/ 雫(砺波)御前】


冷めた視線を勇に向ける。表情も変えずに口元だけを緩ませた――別に相手を見下したつもりはなかろうが。

「ありがとう……などと感謝される謂れはありません。御鬼(おに)を斬ったのはそれがこちらの性分であるがゆえ。もし立場が逆でも私は変わらず御鬼を斬り捨てたでしょう。貴方は最初に問いましたね。私が誰に与するのかと。しかしそれはあまりにも見当違いでございましょう。私を信用するかしないかは結局のところ貴方次第。そして私を使うか使わないのかを決めるのも貴方次第……しかし、御姫様とは。かの妖術師殿をそのような名で呼ぶとは……何と不調法な」

口元を僅かに引き締め表情を強張らせる。すると、一歩踏み出しただけで勇の目前まで"移動"した。高速移動……というよりはワープに近いだろうか。瞬きの間に音もなく"其処"に現れる。

「私でさえ目を合わせるだけでも恐ろしいというのに――滝夜叉姫はまだ底を見せてはおりません。そしてその妖術師殿には、彼女を裏で操る存在がおります。その名は"咎女"。今やその名を呼ぶことさえ禁忌とされる希代の悪女。先の大戦で死亡したとされる彼女ですが、実はまだ"生きて"おります――だって私、この目で拝見しましたもの」

その事実を知って勇がどんな反応をするのか。しかしそれを無視して矢継ぎ早に続ける。

「かの妖術師殿の言葉を思い出して。彼女は何と言っていたでしょうか――……

『我等〈鬼〉の軍勢は〈常闇の王女〉の帰還により進軍を開始する、――――その瞬間より時は逆巻き、普遍たる流れは理(ことわり)に逆らいて虚ろの渦となり、世界の終わりも始まりも呑む。喰らわれた過去が、膨大な現在が、改変されし未来が混ざり合って…………この世は再び乱世。日下部阿藍はその為の〈鍵〉。呪われし漆黒の血脈が地獄の門を再び抉じ開ける鍵となる』

 <常闇の王女>……つまりかの"悪女"の帰還が呼び水となり、止まっていた時が再び動き出すのでしょう。そして文字通り地獄の門が開かれこの世に災厄が振り撒かれるのです。それを引き起こす<鍵>となるのが日下部阿藍というそこな老婆」


>> 京都駅大階段周辺ALL様、芦屋勇様

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6ヶ月前 No.1555

紅子 @mistydark☆NIljAHmRyhk ★R3lMq2ye0U_c1Z

【京都駅大階段/鈴木紅子・芦屋緑利】

 戦闘を自身の式神と周りの人間に任せていた紅子と緑利は、またしても唐突に現実世界に放り出された。それは二人の、そして周囲の願っていた事であり、その現実を齎した存在に感謝しこそすれ文句を言う筋合いはない。しかし、だからと言って、それは紅子にとって理解不能な幕切れだった。
 気紛れで京都に来たら訳の分からない老婆に捕まり、何処かで見た大妖に弄ばれ、また未知の人物(?)に局面を引っ掻き回される。いい加減理不尽だと叫び出しそうになる紅子だが、叫んだ所で答えてくれる者がいないことは痛いほどわかっている。唯一紅子が出来たのは、怪訝以外の感情を映さない瞳を緑利に向けることだけだった。
「……悪いけど、私は全知全能の女神ではないのだよ。お母様が知らないことまでは知らないから、彼女のことは正体も目的も何も解らないよ。勿論、此処に居る誰の手引きでもなく、彼女が彼女の信念に基づいてやったことだろうね……此処はお父様に倣って、お礼の一つでも言ってなぁなぁに片付けてしまうのが良いんじゃないかな」
 紅子とは対照的に、こうしたイレギュラーを全力で楽しむタイプである緑利は、瞳を輝かせながら、新たに現れた女性――砺波御前と名乗るアヤカシの動向を見守る。
 勇の目の前まで一瞬で移動した彼女が紡いだ言葉は、本来であれば緑利にとって捨て置けない筈のものであったが……此処は華麗に捨て置くことを決めてしまえる辺り、緑利のしたたかさを如実に物語っているのだろう。その分紅子の頭痛の種は、時を追うごとに増していくのだが。

「あー……もう良ぇわ……ウチからも礼は言う……んで、この状況どないしたいねん、皆様?」
 全てを諦めた紅子の問いかけは、敵味方合わせたその場にいる全ての者たちに向けられていた。

>周辺ALL

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5ヶ月前 No.1556

サムライ @samurai07 ★iPhone=QCAUNJ3bTK

【鏡面世界・京都駅大階段/ヴェズ・ルング】

「あれ?もう終わっちゃったの?しかもここでまた誰か増えたねえ。」

突然、餓鬼が一刀両断されて少しハッとするもすぐ息を整え、砺波御前の方に視線を移して軽口を叩く。ヴェズにとってはこの突飛もない展開がますます面白く感じたのか砺波御前に好奇の目を向けている。ヴェズはD・Aの書を懐から取り出すとページをめくり出す。

「この人は…あれ?おかしいな。D・Aの書でこの人を見れない?故障したのかな?」

さまざまな人物の過去を盗み見ることができるD・Aの書。しかし、砺波御前の過去はまるでフィルターがかかっているように見ることができない。もちろんD・Aの書の不具合ではない。これは彼女の神通力で悪魔の力の干渉をブロックしているのかもしれない。だが、そんな疑問を打ち消してしまうような衝撃の一言を聞いてしまう。

(その名は"咎女"。今やその名を呼ぶことさえ禁忌とされる希代の悪女。先の大戦で死亡したとされる彼女ですが、実はまだ"生きて"おります)

「嘘だろう…?ヘルハウンド三姉妹の1人、あの『咎女』が生きてるだって!?これは予想外だ。もしそれが事実なら僕がこの国に来た意味が初めて見出せた気がするね!」

いつもヘラヘラしているヴェズが人が変わったかのように興奮している。そして、ついに物陰に隠れていた彼は姿を皆の前に現した。そして、砺波御前向かって芝居掛かったようなオーバーアクションでビシッと指を指して言う。

「そこの君!僕は北欧の生まれだから倶利伽羅なんちゃらの話は知らないが、その代わりにその咎女生存説の話を詳しく聞かせてくれないか?僕は『怪盗V』だからね、持ってるものは持ってるから情報料は弾むよ!」

まるで1人だけミュージカルのようであった。この場にいる者にとっては得体の知れない闖入者であろう。しかし、その腹の内には冷酷な打算がある…それがトリックスターと呼ばれた魔神の分霊なのである。

>>砺波御前、周辺ALL


【お久しぶりです。生存報告も兼ねて書き込みました。】

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5ヶ月前 No.1557

推古 @iwing ★2VrCb8Fmem_3Nj

【京都駅大階段/ 雫(砺波)御前】


『「私でさえ目を合わせるだけでも恐ろしいというのに――滝夜叉姫はまだ底を見せてはおりません。そしてその妖術師殿(滝夜叉姫)には彼女を陰で操る存在がおります。その名は"咎女"。今やその名を呼ぶことさえ禁忌とされる希代の悪女。先の大戦で死亡したとされる彼女ですが、実はまだ"生きて"おります――だって私、この目で拝見しましたもの」

「かの妖術師殿の言葉を思い出して。彼女は何と言っていたでしょうか――……

『我等〈鬼〉の軍勢は〈常闇の王女〉の帰還により進軍を開始する、――――その瞬間より時は逆巻き、普遍たる流れは理(ことわり)に逆らいて虚ろの渦となり、世界の終わりも始まりも呑む。喰らわれた過去が、膨大な現在が、改変されし未来が混ざり合って…………この世は再び乱世。日下部阿藍はその為の〈鍵〉。呪われし漆黒の血脈が地獄の門を再び抉じ開ける鍵となる』

 <常闇の王女>……つまりかの"悪女"の帰還が呼び水となり、止まっていた時が再び動き出すのでしょう。そして文字通り地獄の門が開かれこの世に災厄が振り撒かれるのです。それを引き起こす<鍵>となるのが日下部阿藍というそこな老婆」』


「目下のところ貴方たちが滝夜叉姫から日下部阿藍を護り抜いて"頂ければ"御の字。でなければ私がこうして出しゃばることなどありましょうや?」

つまり滝夜叉姫の目的を確認させ、そしてかの"妖術師(滝夜叉姫)"を陰で操るとされる咎女の暗躍を知らせた上で、勇たちに全ての責任を背負わせようと言うのだ。本当のところ紅子たちに鉢合わせになったのは、御鬼の存在を感知して駆け付けた産物であったのだが、そしてその他に話すべきこともあっただろうが、しかし今以上に話がこじれることは目に見えていたため割愛した。――それでも納得できない者も中にはいるだろう。

「私は私で他にやるべきことがございます。それはそうとして利害の一致とはいかないまでも、あなた方にとっても悪い話ではないのでは……? 私としても妖術師殿(滝夜叉姫)やかの"悪女(咎女)"の思惑通りに事が進むのはとても好ましいい状況とは思えません。今のところ私から提供できる代価――もとい情報――は以上です。"咎女"に関することなら……むしろ、そこにいる彼女(相澤薙)の方が詳しいのではないかと」

しまいには言うに事を欠いてあっさりとヴェズ・ルングからの交渉をはねのけたのである。


>> 京都駅大階段周辺ALL様、芦屋勇様、鈴木紅子様、ヴェズ・ルング様(、相澤薙様、日下部阿藍様)

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5ヶ月前 No.1558

サムライ @samurai07 ★iPhone=QCAUNJ3bTK

【伏見稲荷大社・千本鳥居/玖楼 銀嶺】

「ふむ、陰陽師ならば知っている。何でも日本の優れた呪術の使い手のことを言うらしいな。」

凰華の言葉に深く頷く銀嶺。だが、銀嶺とて悪魔の端くれ。ヴェズを倒すためなら手段を選ばない。銀嶺は凰華との別れ際にこう切り出した。

「ついでだ。怪盗Vの弱点を教えておこう。いつお前に奴の魔の手が及ぶかわからんからな。いいか、怪盗Vの弱点は聖なる角笛『ギャラルホルン』の音色だ。奴はその音にはトラウマがあり、聞くと悶絶するような激しい頭痛に襲われて行動不能に陥る。その隙に叩けば奴を倒すことは容易い。」

ギャラルホルンは北欧神話で、かつてロキと戦い勝利したヘイムダルが持つ角笛のことである。だが、そこまで喋って銀嶺はバツの悪そうな表情を浮かべる。

「しかし、私ではギャラルホルンに触れることはできない。なぜならギャラルホルンを作るには『聖水に浸した水牛の角』が必要だからだ。残念ながら聖水に触れることは私の命に関わることだからな。そこでだ。」

銀嶺は凰華に黄土色の布に包まれた何かを差し出す。中身は何と水牛の角だった。

「私は水牛の角を2本持っているのだが、良ければお前に1本分けてやろう。日本では水牛の角は入手困難であろうからな。あとは聖水に浸して加工して笛にすればギャラルホルンが完成するだろう。お前は見たところなかなかの手練れのようだ。怪盗Vに対抗する力はおそらく後々必要になるはずだから持っていけ。何、お前ならば聖水を直に触っても痛くも痒くもあるまい。」

ギャラルホルンの材料のひとつである水牛の角をあろうことか凰華に譲渡しようとする銀嶺。彼の思惑はきっとヴェズを確実に潰すために間接的な協力者を増やそうとしているのだろう。果たして、凰華は角を受け取るのだろうか。

>>安倍 凰華様


【あけましておめでとうございます。とりあえず銀嶺を動かしてみました。さあ、銀嶺に手を貸すのか、敵対するのか。楽しみです】

4ヶ月前 No.1559

推古 @iwing ★gBSwv0JJyH_3Nj

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4ヶ月前 No.1560

芦屋 勇 @sibamura ★o0W3VsenYO_ly4

【現実世界・京都駅大階段/芦屋勇】

「信用するかしないか……まぁ、即断はできないな。今頃影の京都でのんびりしてるだろう誰かさんと違って、あんたとは縁もゆかりもないからな。信用とは謂わば積み重ねさ、言葉を返すようだが、俺が君を信用するか否かは君次第……っ!」

 雫御前へ向けられた勇の言葉はしかし、最後まで言い終わることはなかった。なぜなら、雫御前の姿が消えたとほぼ同時に勇の眼前に現れたのである。

(タイムラグがほとんどなかった。高速移動というより、空間転移だとでもいうのか……)

 胸中の驚きをポーカーフェイスで抑え込んでいた勇であったが、次の雫御前の言葉に驚きをあらわにする。

「んなっ! 咎女が……生きてるだと!」

 影の京都事件、さらに遡ればこの京都駅での騒動でも暗躍したあのアヤカシが生きていると彼女は言った。それは真実か否か、それを確かめるすべは今の勇にはない。だが、ブラフにしてはあまりに突拍子のないことであり、それが逆にその情報の信頼度を高めていた。
 そのことに思い至った勇の耳にまた耳慣れぬ声が響く、

『そこの君!僕は北欧の生まれだから倶利伽羅なんちゃらの話は知らないが、その代わりにその咎女生存説の話を詳しく聞かせてくれないか?僕は『怪盗V』だからね、持ってるものは持ってるから情報料は弾むよ!』

「怪盗って……俺、一応警官なんだが。」

 あまりに場違いな明るい声音、だが、この場にいる限り彼が只者であるなどありえない。その証拠に、彼の持つ本からは強大な力が発生していた。
 様々な勢力と思惑が入り乱れる京都駅、その現状を断ち切るかのような紅子の声が響く。


『あー……もう良ぇわ……ウチからも礼は言う……んで、この状況どないしたいねん、皆様?』

 それは別に勇に対してだけ言った言葉ではないだろうが、勇はその言葉に応じた。

「まぁ、真面目な公僕としては咎女の件も調査しなきゃいけないし、日下部さんが狙われるってんなら警護する。そもそも、そういうことのために俺たちを引っ張て来たのはお前だろうに」

 はっきりと断言する。そして同時に自分の眼前にいる雫御前への警戒も怠らない。右足をわずかに後ろに下げ、左手と左足を前方に進めて半身を取るとこの正体不明の相手の一挙一動に警戒するように気を引き締めた。

>>雫御前様 鈴木紅子様 ヴェズ・ルング様

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4ヶ月前 No.1561

サムライ @samurai07 ★iPhone=QCAUNJ3bTK

【伏見稲荷大社/玖楼銀嶺】

「そうか。まあ、いらぬお節介だったようだ。しかし、怪盗Vには気をつけろ。奴は珍しい物を奪うためには手段を選ばぬ。絶対に関わってはならぬぞ。おそらくギャラルホルンなしでは制するのは難しいからな。」

銀嶺はそれだけ忠告を促すと凰華のアドバイス通りに陰陽師を探しに伏見稲荷大社を後にした。

「しかし、斬騎は死んだという話は本当なのだろうか…?確か封印が解かれた話は知っているのだが…」

独り言をつぶやきながら鳥居を出る銀嶺。その言葉はきっと斬騎の最期を知る凰華にとってはこの男が哀れな風に見えるであろう。

>>安倍凰華様、周辺ALL




【京都駅大階段/ヴェズ・ルング】

「ふんふん、なるほど。それはすごい話だ。ますます楽しみになってきたよ!」

砺波御前の話を興味深そうに相槌を打ちながら聞くヴェズ。しかし、砺波御前が咎女の話を打ち切るとヴェズはニヤリと笑って彼女にこう問いかけた。

「じゃあ、せめて君はどこで咎女を見たのか教えてよ。それぐらいいいでしょ?それともそこから先は有料かい?」

欧州では知らない人はいない魔神ロキゆえの余裕か砺波御前をからかうような発言も平気でするヴェズ。しかし、ヴェズはおそらく砺波御前がもうすぐいなくなることを悟って情報をできるだけ搾り取ろうとしているのかもしれない。

「おっと、そちらにいらっしゃる警察の方は…ああ、『芦屋 勇』か!確か僕が復活させた蚩尤を倒した勇者様じゃないか。まさかこんな場所でお会いできるとはね。」

初対面にも関わらず芦屋勇のフルネームと劉斬騎と対峙した過去を言い当てられるのはD・Aの書の力である。ヴェズは前もって劉斬騎に関わりがある人間をその書物で調べていたようだ。そして、ヴェズは呑気に自己紹介を始める。

「僕の名前は怪盗Vさ。まあ、知らないのは当然だ。だって日本ではまだ何もしていないからね。貴方が国際警察とかなら話は別だけど。でも、僕は欧米では有名だよ。例えばこれは…」

怪盗Vことヴェズは小さな異空間を展開させ、その中に手を突っ込むと黄金の小箱を取り出した。

「これはエチオピアの正教会から拝借してきた『聖櫃』さ。別名はアークとも呼ばれているね。どうだい?珍しいだろう?」

ヘラヘラと盗品を見せびらかすのはこれも魔神ゆえの余裕か。とにかくこのトリックスターは何を企み、何をやらかすかはわからない。油断ならない相手である。

>>芦屋勇様、砺波御前様、周辺ALL

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4ヶ月前 No.1562

推古 @iwing ★gBSwv0JJyH_gi9

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3ヶ月前 No.1563

推古 @iwing ★gBSwv0JJyH_gi9

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3ヶ月前 No.1564

削除済み ★a4htif7vzY_t5r

【この投稿は”ポンデリング”削除されました】 削除者: あうら☆マスター ( 2018/03/03 05:58 )  削除理由: その他の違反

3ヶ月前 No.1565
切替: メイン記事(1565) サブ記事 (1147) ページ: 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17

 
 
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