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【ALL】夜汽車の汽笛-聴く度に-【冒険物語】

 ( なりきり掲示板(ストーリー) )
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波乱万丈の観光ワールド ★DAhfN5VYQC_XYR

 汽車で色々な世界を行き渡る波乱万丈の冒険物語。
 乗客となったキャラクター達は元の世界である「終点」を目指すべく様々な世界に足を踏み入れる事となる。
 物語で重要となるキーワードは「切符」──。
 主人公達が乗る汽車が次の駅に行くには1枚の「切符」を改札する必要がある。
 「切符」は今居る駅の何所かに隠されているとされているが、其れをさせまいとする魔の手が乗客達に容赦なく襲い掛かって来る。

【版権キャラクターのみ対応】
▼留意事項
・メビウスリングの注意事項と最低限のマナーは守りましょう。
・相手本体様の許可がない限り確定ロールとドッペル行為を禁止とさせて頂きます。
・戦闘及び死亡有り。尚、死亡したキャラクターに関してはキャラクターリセットと言う形に致しております。
・最低文量としては100文字以上のロールを目安にしましょう。
・他者様に迷惑が掛かる、又は世界観崩壊に繋がる場違いな行為は謹んで貰います。
・暫く絡み相手の返信が返ってこない場合に、当スレではやり取りを円滑化させる為のレス蹴りは有りに致しております。
・本体同士の会話は出来るだけ記号(【】)を扱った上でお願い致します。
・注意事項を破った場合に参加権を剥奪する場合もあります。ご了承下さいますようお願い致します。
・ルールを変更・追加・刷新する場合がありますのでご了承ください。

1年前 No.0
メモ2016/05/11 21:15 : 狂言廻しは斯く語りき★4q8hCnvG2L_gyZ

▼募集/相談/設定

 http://mb2.jp/_nrs/4152.html


▼進行中ストーリー

【Stage1.千と千尋の神隠し<前編>】


▼舞台

【海原】

  ┣線路

  ┣駅

  ┗夜汽車(1号車~8号車)

【油屋に付随する食堂街】

  ┣大通り/路地/中央街

  ┣廃墟の在る丘

  ┣養豚場/冷凍室

  ┣花園

  ┗油屋正面入口(渡橋)

【油屋(未解禁)】

  ┣最上階(広間/湯婆婆の部屋)

  ┣上階(客間/宴会場)

  ┣中層(玄関/庭/屋内渡橋/調理場)

  ┣下層(番台/風呂場/大湯/屋外階段)

  ┣最下層(ボイラー機械室/従業員用スペース)

  ┗共通小ロケーション(廊下/屋内階段/エレベーター)

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飯綱使い @aries ★oeo1ihE8rP_xU5

【夜汽車(5号車)→/車内/飯綱紀之】

「海賊……?うん、ロマンあるね〜。」

訝しげな顔をした後、すぐさま元のテンションへ戻る。信じられるか、とは大きな声では言えそうにもないのだ。
口ごもることなくあっさりと話したところからするに嘘をついているようには見えない、それにここは恐らく「そういう所」なのだろう。
となると他にも特殊な人間が複数いる可能性もあるということ。メジャーなところをつくなら魔法使いでもいそうではある。
で、ゾロが証明するかのように取り出したお尋ね者の紙を見てギョッとする。主に金額に。

「うわ、倒したら億もらえんのかよ……あ、でも通貨違うか。」

お金に目が眩むような暮らしは脱却したがこの人一体何しでかしたんだと内心焦る。それもそのはず、善人に基本こんなものはついてまわらない。
まぁ本人が略奪はしないと言ってるのだから大丈夫、とも言い切れないが今のところはそこまで気にしなくてもいいだろう。
そんな会話の最中、ふと列車内にアナウンスが流れ出す。乗ると言って乗ったわけじゃないぞと心の中でツッコミを入れる。
予想は概ね当たり、異世界旅行中の列車の中ということだ。ルールについては…まぁ後で整理しよう。

「うっし、食堂車の場所もわかったし行きますかね。」

ゾロの身の上を理解した上で、二号車を目指す。

【→2号車(テーブルB)/飯綱紀之】

暫く歩いた後、トラブルも無く無事に二号車へ到着、車内には未だアナウンスを聞いて戸惑ったり、同じように二号車へと向かう連中の後ろ姿も見かけた。この列車に乗せられた人間は意外と多そうだ。そしてその誰もが退魔師でも海賊でもないような恰好、更には一般人のような者までいた。
そして適当なテーブルを見つけると、椅子ににさっさと腰掛けてふぅ、と一息つく。

「さて、試しに酒でも注文してみるか?」

目的地についた以上、後はこの列車の人間が説明にくるまで待機となる。罠の可能性もある以上気は抜けないが、ひとまずここでのんびり構えても罰は当たらないだろう。

>ロロノア・ゾロ

1年前 No.63

アストルフォ @cube☆PjfbxfTdjqg ★8jCPFrgLSZ_ZFe

【夜汽車(5号車)/車内→/アストルフォ】

 「学生――?」

 些細な質問にクルルシファーはそう答えた。
何の変哲もない些細な返答。――だが、果たして本当にそれだけなのだろうか。
おそらく彼女には学生であるという身分以外にも何か秘密があるのだろう、と独りでにアストルフォは決め込む。

 「……まぁ、いいや。キミのことは今後ゆっくりと知っていくとするよ!」

 どうあれこの未知への探求は始まったばかり。
この旅を通して自ずと分かってくることだろう。そう信じて彼は微笑ましい笑顔でそう告げる。
底無しの探求心と好奇心。そしてお人好しを地で往く勇士――それこそがアストルフォという人物だ。


 『ご乗車頂き有難う御座います』


 「噂をすれば……だね」

 唐突に車内へと流れる音楽の後に女性の声でのアナウンスが聞こえてきた。
『世界を渡る汽車』『終点は元の世界』『切符の探索』何れの内容が大まかに告げられる。
おそらくは全乗客がその実態を知るために二号車へと召集されることだろう。

 「さぁ……何たらは急げだし、ボクたちも行こっか!」

 陽気な足取りでダッシュ。目指す先は二号車の食堂車。

>>クルルシファー

1年前 No.64

海賊狩り☆C5yfm9izSvWa ★WUbBUrpikd_fQJ

【5号車→2号車(テーブルB)/ロロノア・ゾロ】

 他愛ない会話を続けていると、列車内にアナウンスが流れ出した。
 耳の中に響き渡るのは音楽。死んで骨だけブルックが弾きそうな曲だとは思ったが、随分と眠気を誘ってくる音楽だ。一瞬眠くなったが、頭を横に振ってなんとか持ち直した。こんな得体の知れない列車の中で寝るわけにはいかない。
 だが…。
 一つ気になる単語が有る。別世界行き、という言葉だが。別世界とはなんだ?新世界のような俗称というわけでもない。だが明らかに何処か違う世界にきてしまった、という状況だ。別世界。……要するに、ここは大海賊時代の世界ではないということか?

「はッ…別世界ね。そんなもん、ガキの頃に読んだおとぎ話の中に出てくるもんかと思ってたが……」

 飯綱を見て、おとぎ話じゃなさそうだな。と溜め息混じりに呟いた。
 食堂が有るのは2号車。元々2号車には用があったわけで、実際のところ運がいい。重畳というものだ。

 ――

 ガキの他にも、屈強な男やら何やらいろいろいた。世界ってのは広いものだと思った。老若男女問わずに様々な世界から集めたっていうのが本当なら、それはとんでもない力だ。どういう能力かは分からない。ただ、顔を見ていれば分かる。頼れる奴と頼りない奴の違いは。
 飯綱が選んだテーブルの席に自分も座る。三本の刀を側に置き、両手を後頭部にまわす。それで、飯綱の提案だが。

「駅員もいねぇのにどうやったら酒が頼めるんだよ。頼んだら酒が現れるってもんでもねェだろ」

 若干不服そうな顔で返す。
 さて、列車の乗務員が出てきたら真っ先に殴ってやりたいところだが、少しは抑えよう。酒が早くのみたかった。

 >>飯綱、2号車ALL

1年前 No.65

クルルシファー @tukuyomi07☆2nDyzvx51us ★ssiVBx8qzf_jiY

【 夜汽車(5号車→2号車)/車内→食堂車/クルルシファー・エインフォルク 】

 隠し事――というより、話していないことはあるのだが、それはあくまでクルルシファーと周囲の者達にのみ関わりがある問題だ。アスフトルフォに話したところでどうにかなるというわけでもないし、知った所ででは何かと聞かれても答えられないのが現実。
 学生であるという身分には嘘偽りはない。
 だが、哀れんで欲しいわけでもないしどうにかしようとしてほしいわけではない、だから話さないのだ。

 だから、こちらの内情を知ろうとしてくるアストルフォには少し引き気味であった。
 嫌悪は示していない。
 だが、苦手なのだ。自分が攻めるばかりであったので守りには長けていない。

 そんな調子で話を続けていた矢先、車内アナウンスが鳴り響いた。

 『ご乗車頂き有難う御座います』

 平坦とした調子の女性の声は、たんたんと三つの事項を告げた。
 そして、二号車へ真実を知るために集まるように、という。

「分かったわ――って、走ったら危ないわよ……」

 常に立ち止まることを見せず。
 軽快に走っていくアストルフォの後を追う。

>アストルフォ

1年前 No.66

★JX6bnaRSzZ_XYR

【2号車/食堂者(テーブルD)/漣】

>>式、アナスイ


「儲けに関しては兎も角──こんだけ豪勢な食堂車両をわざわざ用意してるわけですし、料理人の一人や二人、居ても不思議じゃないと漣は思うのですヨ」

 4号車からやって来た三者全員がD卓に着く。
 料理人の有無を疑問に呟くアナスイに、漣が返す。
 まさか車両一つ使っての食堂で、出されるのが只の御弁当って事もないだろう。

 別に良い待遇を期待している訳ではないが、どうせ御飯を食べるのなら美味しい物を食べた方が今後に待ち受けているであろう、"切符"探しとやらへのやる気にも関係してくる。
 それは何も漣に限った話ではない──と思うのですが。
 式さんが和食を食べたいと思うように、誰だって自分の望む物を美味しく食べた方が士気は上がるではないですか?

「はにゃ。式さん、料理できるんですか?」

 ───思い掛けない。
 いや、でもないかもしれない、よくよく考えてみると、式は漣と初めて会った時から着物を着ていた。
 部屋には当然、式一人しかいない。となると、着付けだって自分一人で済ませたはず。
 なんだか普段から着こなしているような様子すら見られるし、もしかして、彼女、良家の出とかだったりで、和食料理に関しても教養として仕込まれていたりするのだろうか。

 推測はともかく、少なくとも式当人は、下手な人間に包丁握らせるより、上手く作れる自信があるようだ。

「漣もだいたい式さんに同じくってやつですかね。後はそう、前に話した通り、なんで漣達なのかっていう、"理由"かなぁ」

 車掌に会って訊きたい事──考えているうちに、式が先に答えた。
 漣も大体同じ、後一つあるとすれば、付け足したソレだろう。"何故"という疑問に対しての答えを、車掌ならば必ず持っている。
 例え選ばれた理由が、偶然だったにしても、故意だったとしてもだ。それを張本人の口から訊くまでは、疑問に決着がつかないままなのだから。

「──んで、そう言うアナスイさんは、どうなんです?」

 何かあるの? と、漣は同じように問い掛けた。

1年前 No.67

ヨイヤマ @sdelta ★AYpJeJhgbj_HtG

【海の駅/6号車/高原喜一郎】
扉を開いていた人物はこちらの存在に気付くと勢いよく通路へと飛び出した。その身のこなしは機敏の一言に尽きる。躊躇なく得物を向けられたのを見て、苦無を握る指先に力がこもる。
 互いが相手の姿をはっきり視認できるようになってから少しして、相手もこちらと同じく警戒心を露わにしている一方で、話し合いの余地があることを伝えたいのか右手の鉈を背中にしまった。欲を言えばその銃口も降ろして欲しいところだが、喜一郎も投擲の構えを解いていない以上、それは過ぎた要求だろう。
 彼が口を開く。喜一郎の抱いた危険な印象とは反して、彼の口調からは理性的な雰囲気が感じられた。
 曰く、彼の正体を理解できる者なら、その姿を見ただけで彼の正体を知ることができるという。しかし生憎ながら、喜一郎は彼の容姿から関連して分かることは何も知らず、その素性を推し量ることはできなかった。

 取り込み中というなら、実際そうだったのだろう。未だ銃を構える男が危険か安全か判断しきれないでいるところに、彼の背後にある扉を開けて現れる三人目の乗客。彼もまた、まともではなかった。
「自動人形(オートマタ)?……いや、違うか?」
 帽子のつばが目元に落とす影の中で黄色く光る双眸。所々剥げた血の気の無い皮膚やその下に覗く無機質な物体。精巧に人を模したその顔は、なまじ良く出来ているために他の要素と相まって、人間味を感じさせるどころか退廃的でグロテスクな雰囲気を強調していた。男の持つ外見的特徴から判断できる彼の素性について、喜一郎が知る中ではそれが最も近かった。自動人形、その言葉が指し示すものは数多くあるが、喜一郎がこの単語を聞いて連想するものの多くは錬金術、もしくは古科学によって造られた意志を持つからくり人形だ。
 しかし第一印象からして何かが違うと感じられる、銃を構えた男越しに観察してみると、彼の体は錬金術と古科学のどちらにも属さない技術で造られている様に思われた。なにより、古びた煙草をマズそうにたしなむ自動人形など聞いたことが無い。

 探りを入れるためにも、彼に対して何か言うべきだろうかと考えていると、その手前にいる銃を構えた男が先に口を開いた。簡潔に敵意が無いと主張すると同時に銃を降ろしたのを見るに、この場を争いを避ける方向に持って行きたいらしい。
 「それなら、俺も何かする謂れは無いな」
 喜一郎もそれに賛同する。懐に隠した左手を苦無を離してゆっくりと抜き、開いた手の平を彼らに見えるように掲げて何も持っていないことを示す。体の陰に隠していた右手もそれに倣って、まるで万歳をするような格好になった。
 二人が敵意の無いことを示す中、意見がハッキリしていないのは機械的な男のみ。だが、彼が危険なものを構える様子が無い今、必要以上に警戒することは無いだろう。外見だけで言えば一際人間離れした男だが、その落ち着いた態度が警戒心を鈍らせた。

 未知の二人に対する刺さるような警戒心を納め、それでも未だ距離を開けたまま何か情報を聞き出せないかと彼らに投げかける言葉を選んでいると、前触れ無く流れ始めた耳に心地良い音楽。音の聞こえる辺りを見回すとスピーカーらしきものがあった。話すタイミングを失ったままその放送に耳を傾けていると、人の注意を十分に引く為かたっぷりと音楽が流れた後、女性の明瞭な声でアナウンスが始まる。

 「ずいぶんと簡単に言ってくれるな」
 悪意を感じるほど丁寧な業務連絡を聞き終えると、つい呆れたような笑いがこみ上げてきた。アナウンスの内容はとても受け入れ難いが、その受け入れ難い現実にこうして立たされている身の上では、取り合わないわけにもいかない。なに、この二人に遭遇した驚愕に勝ることじゃない、と自らに言い聞かせて平静を保つ。
 気になるのはその二人の反応だが、注意すべきはこの放送を信じるか否かだろうか。この放送を真実として受け入れることにした喜一郎は、出来るなら協力者が欲しいところだった。そうすると信じなかった場合、話自体取り合ってくれないだろうから、彼らがこの話を信じてくれたほうが都合が良い。

 「俺はサロンカー、だったか?そこに向かおうと思う。あんた達は……」
 どうする、と尋ねようとして気付く。出会い方が出会い方だっただけに、この二人の名を聞いていなかった。この先行動を同じくするならお互いの名を知っていたほうが良いし、そうでなくてもこの二人の素性を少しでも知りたいという興味本位から名を聞きたかった。
 「俺は高原喜一郎という……古科学者だ」
 自己紹介というには言葉の少なすぎるそれは、口下手な喜一郎に出来る精一杯の会話のきっかけ作りだった。

>>狩人、ニック・バレンタイン

1年前 No.68

飯綱使い @aries ★Android=wQhSKrDKlW

【2号車(テーブルB)/飯綱紀之】

席につきなにかテーブルに置いてないかと大雑把に見渡していると、続けてゾロも座った。大分ゆったりと構えているがそれは自分も同じこと、それにいざとなったらその体勢でもすぐに斬りかかりにこれるのだろう。
そして、ゾロのいかにもな回答にそりゃそうだと苦笑いする。これは時間がきたらあっちから適当に料理を運んでくるとかそんな感じだろうか?まぁ料理がくる前提で考えるのも食い意地張ってるみたいで嫌なのだが。

「案外大声で言ったらひょっとお酒出たりしないもんかね?」

何が起こっても不思議ではないこの列車だ。唱えれば意外と簡単に出るのでは、とも思う。別のテーブルに女の子と大和撫子いるし恥ずかしいことはしたくないが。
さて、時間まで暇をもて余す以上、自分で推測ことは予めしておきたいが、何といっても圧倒的にヒントが足りない。
状況はこれから説明が入るとして、ここに乗せられた人間の共通点……しかしここにいる人間はとても共通点があるようには見えない、ゾロがいるのだから日系人が連れてこられてる訳でもなさそうだ。

「しかし切符探しするんだっけか?まるで宝探しのゲームだな。」

得意なんじゃない?とゾロに問いかける。
目の前にいるのは不確かながらも海賊だ。海賊といえば船を襲うのとは別にお宝探して海を渡るといったイメージもある。
自分も鼻はきくし、霊獣に関しても索敵、諜報に優れたものだ。探索なら得意と胸を張っていい。

尤も、それが純粋な探索なら、という事前提でだが。

>ロロノア・ゾロ

1年前 No.69

Frankenstein’s monster @tokyoapple ★iPad=Zj4eBZbZCm

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1年前 No.70

アクセル @aroundight☆SdjaOljKHtOm ★SKGC1pYrJC_GjI

【夜汽車(2号車/テーブルH)/アクセル・アルマー】

「寄越していたとしても、応ずる輩が居るかは怪しいがな」

 座席に座り、酒を煽り、話を続ける傍ら………ふと気付けば、第三者の女の姿があった。
 どうにもそそっかしい、というより“浮遊した”雰囲気を持つ中性的な女であり、それ相応の落ち着きというヤツを感じる辺りは何かしらを知っていると判断して良さそうだ。最も車掌とやらから詳細さえ聞いてしまえば今のところ情報の多寡は全く意味を為さなくなる。
 が、しかし。別段必要もなかったことだから放置こそしていたが、名前の方は全く名乗っていなかったことを彼は今思い出した。
 名乗らせたままというのも決まりが悪かろう、短い付き合いか長い付き合いかは知ったことではないが、この場では偽名を使う必要性もなく、まして名乗ることに躊躇いを持つ必要もない。強いて言うならば組織用語を出す必要まではないと断ずる程度だが、今後何らかの理由で行動を共にした際、多少でも事情を知っているというのは行動のラグを減少させる要因になり得るものなのだ。

「アクセル・アルマー。同じく好きに呼ぶが良いさ」

 そうして暫く待って居るうちに、ようやくその車掌とやらから現状について知らされることとなった。
 ヤツの姿は見えない、アナウンスと言っていた通り何処か遠くからの発言ということか。
 別世界行き、終点までは戻れない、運賃として切符を探して来い。
 概ね宝探し―――違うのは、見つかれば宝の山が手に入るのではなく、見つからなければ死であるという極めて受動的なものであるということくらいか。それでもニュアンスとしては似たようなものだろう、所在の分からないものを探して来いというのだから。
 つくづく面倒事に巻き込まれたとは思うが、止めだと突っ撥ねるのも非効率であるとは感じていた。
 おれはおれなりに、この状況を呑み込み始めているというわけだ―――戦場とは、聊か違うものだが。

「前者はない、その次もだ。おれは少なくとも羽の生えたヤツを今まで知らん。
 そら、此処に例外が居る以上、まずその仮説は違うと言える。
 なにより異世界などという単語が出て来た以上、もうなんでもアリだ」

 そして、無作為に選ばれたのではなく、共通点が目に見えないだけかも知れないという一点。
 なるほど確かだが、アクセルは途中までを否定した。
 なぜならば………同じ場所で生まれ育ったにしては、あまりにも周囲の人間は違い過ぎる。服装、態度、肌色、言語、何よりも自分の知っている文明や技術とはあまりにもかけ離れているものすら居るのだ。これでも他の会話に聞き耳を立てる程度の能力はある―――さらに言うならば、今入って来た二人に至っては完璧に人外と時代違い、例えるなら中世のそれとまで来ている。無論、戦場ではそういったものに対しても貴賤はあるまい。生きるか死ぬか、気にするべきはその違いだけだ。

「だが………」

 しかし。
 彼は一区切りしてから、こう告げた。

「おまえはこう言っているわけだ、この場では非力な一般人など無価値であり。
 故に自分自身も、この場に居る人間も、何らかの非凡性を持っている………と。
 ―――だがまあ、それが一番同意できる内容ではある。
 何故ならどんなものも、案外見かけにはよらんものさ。これがな」

 それはともかく、その内容には彼は同意を示した。例えば今入って来た学生服の輩など、如何にも凡人じみているが―――アレはアレで、意外と凶悪なものを手にしているのかも知れない。もちろん、このように口にしたからにはエリックも、だ。
 この男がこうしたことを共通点として持ち出して来るのであれば。
 この男が“そうした”側面を持っているというのは明白だろう。
 もっとも、それが分かったところでアクセルが何かを口にするわけでもない。だから詮索をしようなどという野次馬根性を持ち合わせているわけでもないし、何よりも今の優先事項がなんであるかという点を、彼は冷静に弁えていた。何故なら彼は現実主義者(リアリスト)なのである。

>エリック・マグナス・レーンシャー、キド

1年前 No.71

ナルシソ・アナスイ @arthur ★iPhone=APM86vnaJt

【2号車/テーブルD/ナルシソ・アナスイ】

 ぶっきらぼうな物腰とは裏腹に、式は料理には小うるさいようであった。それは料理の腕に対する自信にも捉える事が出来る。無論、自信は技量に直結する訳ではないのだが、式は客観的な判断力を備えている。口だけではないのだろうとアナスイは結論付けたが、料理を作ってくれと言う間柄でもないので、意外そうに眉を踊らせるのみに留めた。漣などはもっと露骨に聞き返していたが、目敏い式に対しては同様であろう。
 呑気な食いしん坊でもあるまいし、話題は目の前にある現実的で非常識的なものへと引き戻される。

「だろうな……どーゆー訳かは知らんが、向こうにも『切符』とやらをオレたちに探させ、夜汽車を運行する必要があるようだ……その為の質問ならいくらでも答えるだろう」

 式の返答に首肯する。
 何の目的があってかは分からないが、車掌は自分たちを乗せて、夜汽車を運行している事は確かである。乗せた以上はいて貰わなくては困るという事であろうし、切符もその為に無くてはならないのだろう。となれば、説明を惜しむ理由が見つからなかった。
 漣もまた式と同意見を表明しながらも、ここに乗せられた理由を知りたいと、好奇心に基づく質問を口にした。
 彼女は続けて、アナスイに何を聞くのかを尋ねる。

「目的……いや、存在そのものが不明瞭な連中だ。『信頼』に足るかどうか……オレはそこを確かめたい」

 終点が果たして本当に元の世界なのか。それを保証しろとまでは言わないが、せめて自分たちがどういう存在なのかを明かして、こちらをある程度は信用させるべきではないだろうか。まして、アナスイはこの現象をスタンド使いによる攻撃という線もまだ捨て切れていない。ヨーヨーマッやボヘミアン・ラプソディーのようなスタンドが実在した以上、夜汽車のスタンドが存在し、迂遠な過程を経て、対象を再起不能に至らしめるものである可能性も否定出来ないのだ。
 アナスイたちにとって馴染みの薄い世界の仕組みが少しでも説明されれば。僅かではあるが、少なくとも『切符』を手に入れようとは思えるはずだ。
 質問の内容も纏まってきたところで、新たな乗客たちが空席のテーブルを埋めた。日本刀を帯びている者もおり、ますます常人の気配は薄くなっていく。
 そもそも、なぜこんな曲者ばかりが集められるのか。それを考えれば、アナスイのいう車掌に対する『信頼』の有無は大きいものになるだろう。

>>両儀式 漣

1年前 No.72

民兵と人造探偵 @izuma☆VNvX9naPtFo ★HhCfmmMzXU_Gbh

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1年前 No.73

始まりの男(?) @kaizelkai ★dn5b6MPK4r_mgE

【夜汽車三号車→二号車・テーブルC/葛葉紘汰】



車内に突如、アナウンスが流れる。内容は食堂車でこれから起きる事の説明であるようだ。別世界、それだと彼らの容姿等について納得が出来る。彼らと自分は全く違う世界からきた住人なのだ。恐らく日本人の高校生もそうかもしれない。まあ此処で話を続けるより、アナウンスに従う事にしよう。


「 異変の犯人かはわからねぇけど、とりあず俺達も行くとしよぜ。 」


早く元の世界に戻れるといいが、早く戻れる保証はないような気がする。誰が何の目的でこうして集まったのかは理由が見えない。二号車に向かう中、こう思っていた。早く元の世界に戻らないのは誰だって同じだと思う。ミスティアが先に二号車の扉を開けて、自分もそれに続くように入っていった。
中は寝台列車にあるような食堂車そのものである。数人、各自テーブルに座っているが、彼らも別世界の住人なのだろう。とりあえず空いていたテーブルに席を着いた。


「 俺達も座ってようぜ。まあ何か頼める感じじゃないけどな…… 」


心なしか、車内の空気が不穏に感じる。まあこんな事に巻き込まれたら、それは誰だって怪しく感じるだろうなと内心思っていた。


>>ミスティア・ローレライ、ラムザ・ベオルブ、上条当麻

1年前 No.74

アストルフォ @cube☆PjfbxfTdjqg ★8jCPFrgLSZ_ZFe

【→夜汽車(2号車)/食堂車(テーブルA)/アストルフォ】

 彼女に注意喚起されつつもアストルフォは駆け足で食堂車へと進んでいった。
車両という車両を超えて二号車へと行き着き、その扉を開けば、其処にはいくつものテーブルが並列していた。

 「ありゃあ……てっきり一番乗りかと思ってたけどなぁ」

 既に異なる世界から招かれた乗客たちが着席している様子に何処か残念げにそう言い漏らす。
各々が談笑へと耽る中、アストルフォもまた先導してテーブルの席へと着けば、手招きをするように。

 「じゃ、ボクたちは此処にしよっか!」

 クルルシファーへとそう催促する。
止まることを知らない彼のテンションは未だ鰻登り。
ともあれ、アナウンスの内容では此処でこの境遇についての詳細が説明がされるというのだが……。

 「……それで、このまま待っていれば料理のフルコースでも来るのかな?」

 まるでディナータイムと言わんばかりの雰囲気に彼は腹を空かせていた。

>>クルルシファー

1年前 No.75

海賊狩り☆C5yfm9izSvWa ★WUbBUrpikd_fQJ

【2号車(テーブルB)/ロロノア・ゾロ】

「宝探しか……得意でも下手でもねぇが」

 仲間に執拗に一人歩きを止められた事を思い出す。
 飯綱はまだ知らないだろうが、このロロノア・ゾロという男。異常なまでに迷子になりやすい。一時間も経たずにもとの場所に戻ってきてしまうほどの方向音痴で、切符を探索するなどとはとても出来そうには無い。
 だが、そんなのでも関わらずにゾロはにやりと口角を吊り上げた。

「……面白そうじゃねぇか」

 と、一言言った。飯綱がゾロと切符探しを試みる場合、確実に、ゾロの方向音痴に手間取るのが明確となった瞬間でもあった。
 だが……ただの探索だとは、さすがのゾロも思えなかった。ただ切符を探すだけならば、わざわざそういうゲームを仕掛ける事も無い。何か裏が有るとは思うが、それを察知する事は出来ない。側に置いた三本の刀に目をやり、少しの間目を閉じた。

 ――目を開けて、身を起こしながら少し声を潜めて飯綱に話しかけた。

「どう思う? ……他の客だ。基準がまったくわからねぇが、俺達含めて……こんな奴らにただ宝探しをさせると思うか?」

 もっともな疑問をぶつけたのだった。

>>飯綱

1年前 No.76

ツンツン頭の少年 ★Y0lBv7ssZc_XYR

【3号車⇒2号車(テーブルA)/上条当麻】

 元の世界?帰れない?普通なら信じられないような話だ。併し上条は似たような事を経験した事が在る。
 オティヌスとの一件。世界が滅んだあの時。魔神の力で幾つもの世界を見てきた。自分が世界共通の絶対悪となった世界や、自分を全く必要としない世界など。兆を超える年月の中で過したあの世界は上条の中では一種のトラウマでもある。だから若しも其の様な出来事が今回も在るとしたらとてもじゃないが耐えられない。幾ら無限地獄を終えて魔神の良き理解者となった上条さんでも、あんな体験──もう二度と経験したくないのである。其れこそ涙目になって許しを請うレベルで。

 「不幸だ……」

 買い物帰りから如何してこうなったと今更になって思い浸る上条当麻。
 車内アナウンスの内容が信用できるか如何かは兎も角、ラムザの言う通りまともな情報が無い今は大人しく指示に従う他ないだろう。後ろの車両から2号車へと向かっている人も居る事だし。とは云え先程から妙な胸騒ぎがする。車内アナウンスが言っていた「別世界」と自分が思っている「別世界」は本当に同じなのだろうか?ラムザや葛葉──其れに羽の少女は身形だけなら許容の範囲では有るが思い返して見れば科白のひとつひとつに小さな違和感が存在する。特に少女の方は「異変」と云う言葉からして何かがズレていた。

 「ああ、嫌な予感しかしねえけど行って見るしかないよな」

 前提からして間違っているような気がしてならない──が、考えるのは後だ。
 先程から恐ろしく思える程やけに頼もしい少女に続いて上条もまた葛葉と一緒に前の食堂車へと歩みを進ませる。



 そんなこんなで食堂車。
 葛葉と同じ席に着いた上条は両手に持っていたスーパーの袋をテーブルの上へと置くと他の乗客達へと視線を移す。
 平凡な服装に身を包む者からまるで侍のように刀を携える者まで。色々な人物が確認できる。此処に集まっていると謂う事は彼らも自分達と同じく気づいたら此の列車に立たされていたのだろう。知人がひとりも居ない──と言うより乗客の殆どが奇妙な服装をしている所為か、在り来りな服を着ている自分が浮いているように思えてくる。やはり此処は位相操作とかで作られた別世界(パラレルワールド)じゃなくて文字通りの別世界なのか?考えたくは無いが乗客全員もしかしたら学園都市という言葉すら知らないのかもしれない。

>>ミスティア・ローレライ、ラムザ・ベオルブ、葛葉紘汰




【2号車/車掌】

 カツンと言う硬い音が響いた。
 其れが足音だと理解した頃には各テーブルにブランド物の暖かいコーヒーが置かれていた。

 「いやはや、これで何度目になりますかな…?あなた方のような"流された者"を相手にするのは」

 第一声と共に車両の中央に立っていた其の人物は何から何まで黒かった。
 まるでマネキンに車掌服を着せただけのようなそんな無機質な容姿をしている。
 ただ身体的特徴と声から其の者が男性で有る事は明確だった。

 「お集まり頂き有難う御座います。私が此の列車の車掌の一人で御座います。名前はそうですな…特に在りませんので好きに呼んでもらって構いません。今後の旅のガイド役も兼ねております故、何卒宜しくお願い致します」

>>2 号車ALL

1年前 No.77

★JX6bnaRSzZ_XYR

【2号車/食堂者(テーブルD)/漣】

>>式、アナスイ


「信頼に足るかですか」

 なるほど、と、漣は返って来た答えに相槌を打つ。

「まぁ、漣達の事情を抜きにして汽車に乗せるような相手ですし、今更信頼を得るとかなかなか厳しめな話ではありますが。せめて切符を見付けたらきちんと帰れるって保証くらいは欲しいとは漣も思いますネ」

 ────そもそも、あの連絡で言うところの"切符"が漣達の想像する切符と同じだという保証はない。
 夜汽車の運行に必要な物であるという意味合いから、便箋上、切符という単語を使っているだけなのかもしれないという可能性だってまだまだ捨て切れない。
 わざわざ探して回らなければ成らないような代物なのだから、ただの切符ではないことだけは確かだと思われる。
 その辺りに関しての事情も、結局は車掌の説明待ちではあるのだが。
 何はともあれ、せめて探し終えたらきちんと帰る事が出来るという事に関しての車掌でも誰でも良いので、御墨付きが欲しいところなのは漣も同じではあった。

 そんな話をしている間にも、食堂車には放送を聞いた人達が集まって来る。
 何時しか個性溢れる面々で一杯に成った食堂は、その全員が元凶とでも言うべき人物の登場を今か今かと待っていた。

「お……来た来た、来ましたよ、御出座しって奴ですね」

 そして、遂にその姿を現す。
 自らを車掌の"一人"と名乗った男性は丁寧な挨拶を済ませ、集められた面々の前に立つ。

 漣はD卓に座った面子にしか聞こえないような小さな声で話しながら、とりあえずは車掌の様子を伺う事にした。

1年前 No.78

飯綱使い @aries ★Android=wQhSKrDKlW

【2号車(テーブルB)/飯綱紀之】

良くも悪くも、やはり海賊なのだろう。得意不得意の話ではなく、面白そうといった言葉が返ってきた。
現状、まともに会話した上で協力しても問題ないと判断できているのはこの男一人のみ。やる気を持ってくれているのならそれはそれでありがたいことだ。
そして次々に席に着いていく他の乗客達を他所に、ゾロは周りに聞こえないよう静かに問い掛けてきた。

「確かに……モノホンの一般人みたいな奴もいるけど気持ちに余裕を持ってる奴が明らかに多いな。俺達みたいな何か特異な物を持ってる奴等を中心に集めてるとしたら……その刀が必要になるだろうよ。」

もしかしたら学生服の青年といった一見何もなさそうな奴にも、ほんとは隠してる何かがあるかもしれない。
そうなればここには各々戦えるスキルを何かしら持ってるのを前提に集められた可能性だってある。
なら、ただの切符探しとはいかないだろう。その道の途中には異形の何かが待ち受けてると覚悟して臨むべきだ。

「……おっ、来たな。」

突如置かれたコーヒーに驚いたが、ここで件の車掌が来たことで話が進むのだろう。ゾロの望んだ酒では無かったが、自分はコーヒーの方が良かったし個人的にはラッキーだ。
が、彼の話し方に違和感を感じる。流された?相手をする?この男が呼んだわけではないのか?

「ま、これから説明あるだろうし静聴するとしようぜ。」

この車掌が何を目的で自分達を連れ回すのかはわからないが、乗り掛かった船……もとい列車だ。とことん付き合ってやろうではないか。

>ロロノア・ゾロ、車掌

1年前 No.79

クルルシファー @tukuyomi07☆2nDyzvx51us ★ssiVBx8qzf_jiY

【 夜汽車(2号車)/食堂車(テーブルA)/クルルシファー・エインフォルク 】

 アストルフォの後を追って、車両から車両へ、通路から通路へ、と伝い移動していく。そして、ようやく食堂車に辿り着きその扉を開けた時、そこに見えるのは輝かしくも強過ぎず、見事に調和したシャンデリア。そして、純白のテーブルクロスが敷かれたテーブルが並列されている。
 そして、そのほとんどの席は埋まっていた。
 全員、見慣れぬ服装、見慣れぬ顔立ちであった。国籍も様々だろう。
 こっちこっち、とアピールしてくるアストルフォの元へとよりつつ、対面になるようにして座る。

 出自柄慣れているためか、こういった場で座る時の所作は気品高くも見えた。

「そうね。
 ただ、困惑のフルコースになる予感もするのだけれど。――ほら、噂をすれば」

 ”現れるコーヒー ”。
 何気なしにそれに口を付けていると、車掌と名乗る男の声がする。
 うやうやしく男は案内だと名乗る。

 おそらく、説明があるだろう。
 それを聞き終えてから質問事項を質問するつもりでいた。

>アストルフォ 車掌

1年前 No.80

ペイル @panther10 ★Android=Q1OWp6z00J

【6号車→サロンカー/上位者狩りペイル】

東洋人の男はこちらの声に応え、無事警戒を緩めてくれたようだ。思えばこの狩装束姿は些か物騒に過ぎ、社交性に欠ける。険しい表情をされるのも無理はない。

機械仕掛けの男も危険性は感じられない。彼もまた自分と同じく中々に一目でぎょっとするような容姿だがお互い様だ。狩人はこれまでの自分の戦いの中でも珍しい敵意の無い人物に出会えたことに安心する。するとその時、車内に謎の声が響いた。古い時代に生きた狩人には仕組みは理解できないが、どうやら案内の類いらしい。各駅で切符を集め、終点を目指す。そしてより詳しい説明のため、サロンカーに移動しろと。

「……どうやら俺の知る『悪夢』とは少し勝手が違うらしいな」

狩人は肩を竦め、そう呟いた。
いくつもの悪夢を行き来した狩人でも、天の声による案内があるのは初めてだ。否、ここが悪夢であるかも疑わしくなってきた。

狩人以外の二人はどうやらこの呼び掛けに応じるようだ。無論、狩人もそのつもりである。

「俺も行こう。鬼が出るか蛇が出るか獣が出るか――はたまた別の何かかは知らんが、この世界に関する『何か』はあるだろう。」

狩人はそう言って、続いて二人の名乗りに続こうとするが、ふと何と名乗れば良いのか分からなくなった。今の自分には名前はない。ヤーナムの民にも、『狩人』としか呼ばれなかった。彼にはそう呼ばれる以上の価値も、以下の価値もなかった。

ふと、自分が『青ざめた血(Pale blood)』を求めていたことを思い出した。獣狩りの使命以外に自分を表す事柄など、この欲望しかない。

「俺は……『ペイル』。獣狩りの狩人……まあ殺し屋とマタギの中間みたいなものだ。…キイチローにニックだな。……よろしく」

狩人――ペイルも遂に名乗りを上げた。思えば自己紹介は難しいものだ。名前も素性もでっちあげるしかない。
とにもかくにも、でっちあげでも自分の名前が出来たことに若干の満足感を味わいつつ。ペイルは二人に続いてサロンカーへと歩を進め始めた。

>喜一郎、ニック

1年前 No.81

ヨイヤマ @sdelta ★AYpJeJhgbj_HtG

【海の駅/6号車→サロンカー/高原喜一郎】
 二人の乗客はこちらの名乗りに応じてくれた。
 喜一郎が始めに出会った男はペイルと名乗った。彼曰く殺し屋とマタギの中間のような生業をしているそうな。しかし、一体どんな獲物を相手にしていれば、あの血の臭いがしてきそうな装束や武装が出来あがるのだろうか。興味は尽きないが、残念ながら今はそれを聞いていられる余裕は無い。
 そして二番目に現れた機械の体を持つ男が明かした名はニック・バレンタイン。こちらの方は職業自体は明快なものだった。探偵を営んでいるのだとか。あまりにも特徴的なその体に注意が向いて気付かなかったが、確かにその衣装はわかりやすく探偵然としていた。
「古科学は日の目を浴びることの無い技術だ、知らなくとも無理もない。……それ以前に、あんたが居た世界に古科学が存在しているかどうかも分からないしな。あとこの格好は昔の名残だ。太平洋戦争、と言って通じるか?」
 ニックの言葉に簡単に答える喜一郎。彼の体に使われている技術は喜一郎にとっては未知のもの、もしかすると喜一郎とは生きた時代が、もっとすると世界そのものが違うのかもしれなかった。普段であれば考えようもしないことだが、彼の知る世界の歴史と己が知る世界の歴史では全く違う可能性すらあったので、言葉尻に太平洋戦争という単語が理解できるか確認する。

 全員が話し終えたところでサロンカーへ向けて通路を進む喜一郎。幸いにも他の二人も自分と同じ意見のようで、アナウンスの呼び出しに応じて移動を始めた。
 「念のため俺が前に出よう、人より体は丈夫な方だからな」
 扉とは反対側の位置に居た喜一郎は三人の中で扉から最も遠い位置にいたが、そう言うと前の二人を追い越して真っ先にサロンカーへと通じる扉に右手をかける。手をかけてすぐには開けず、左手に袖から取り出した苦無を握り、一度背後の二人を振り返って「開けるぞ」と合図を送ってから扉を開いた。

 喜一郎が七号車に足を踏み入れると、そこには格調高い落ち着いた空間が広がっていた。左右の壁全体を覆うように大きく伸びた窓を備えた車両の中は、本来は開放感を感じさせるつくりになっている。だが、窓の外に目を向ければそこに広がるのは暗い夜空と黒い海原。窓から漏れる照明の光を静かに呑みこむ外の世界を眺めていると、まるで車両の中だけを残して世界が暗闇に包まれたかのような閉塞感に襲われる。
「ここで待て、と言うことか?」
 ただ車両の中に目を向ければ、どっしりとしたソファーが備え付けられた心地よさそうな空間が。アナウンスで述べていたように、誰かから説明を受けるには打ってつけの場所だろう。喜一郎は車両の半ばまで進んで立ち止まった。革の張られたソファーは魅力的だが、それに体重を預けられるほどこの空間に対して気を許してもいなかった。

>>ペイル、ニック・バレンタイン

1年前 No.82

民兵と人造探偵 @izuma☆VNvX9naPtFo ★HhCfmmMzXU_Gbh

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1年前 No.83

狂言廻しはかく語りき ★Y0lBv7ssZc_XYR

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1年前 No.84

アストルフォ @cube☆PjfbxfTdjqg ★8jCPFrgLSZ_ZFe

【夜汽車(2号車)/食堂車(テーブルA)/アストルフォ】

 「んっ――?」

 クルルシファーの言葉に反応すると共に途端に、室内に硬質な床を踏みしめる音が響いた。
いつの間にやらテーブルの上に置かれたコーヒーに驚きつつ、アストルフォは徐にそれを啜りながら車両の中心に立つ車掌へと視線を向ける。

 「…………真っ黒だね」

 他愛もないことをボソリ、とそう呟く。
丁寧な口調で改めて乗客へと挨拶をする車掌の姿は大凡、個性的な乗客とも一線を画している。
クルルシファーは困惑のフルコースと冗談めいたことを言っていたが、彼の発言は確かに周囲に謎を深めることとなった。

 あとはこの世界のついて、流された者というワード。そして『切符』を集めて終点を目指す……それらを車掌の口から告げられるのを、アストルフォは高まる冒険の予感に昂揚しつつ、静かに耳を傾けるのであった。

>>クルルシファー、車掌

1年前 No.85

異端者 @mistnack ★5FRn24rqAx_ACu

【夜汽車三号車→二号車:テーブルC/ラムザ・ベオルブ】

他の面々――自分達以外の、三号車を抜けて食堂車に向かった人達を含む――に続いて、二号車へ足を運ぶ。
部屋の内装については、何を言うこともない。
異世界、という突拍子もないワードに比して、並べられたテーブルや天井のシャンデリアにはまだ馴染みがある。
自身とて元はベオルブ家の、貴族の一員だ。どこか畏まった雰囲気の装飾にも、特別気を張ることはない。

――そんな余裕はない、というのが、正しいところなのかもしれないけれど。
周囲の顔ぶれを何とはなしに見回して、小さく溜息を吐く。
誰も彼もが神妙な面持ちである……わけではないが、少なくとも自分は料理のひとつも注文する気にはなれなかった。

それから、暫く待ったろうか。或いはほんの数秒数分を何倍にも感じていただけか。


――カツン、と。


走行する車内でやけによく響いた足音に視線を遣れば、そこに佇む黒があった。
上から下まで、まさに真っ黒だ。明確にヒト型でありながら、どこか人形染みた印象も受ける。
各テーブルに着く、自身とはまるで"世界観"の異なる面々と見比べても殊更異質。おそらくは、彼が"この世界"の存在で間違いないだろう。
そんな彼――便宜上、車掌と称する――が発した言葉は、どうにも首を傾げたくなる。

『流された者』。車掌はたしかにそう口にした。
流されると言っても、何も波に浚われてきたわけではあるまい。いや、中にはそういう人間もいる可能性はあるが、兎も角。
他に連想されるのは、せいぜい時間くらいのものだが……異世界という以上は、此処が未来や過去であるとも考えづらい。
であれば、世界間を何らかの要因で移動することをそう呼ぶのだろう。

そして、車掌の物言いから察するに、その要因とは彼らでないと思われた。


一旦、思考を休める。
まだ車掌はほとんど何も語っていない。これだけの情報で全容を掴むなど到底難しい話だ。
もう暫くはこのまま、彼の言葉に耳を傾けるとしよう。

ちなみに、いつの間にか手元に現れていたコーヒーには、口をつけていない。
信用できない、というのも勿論ある。あるけれど、それよりも……実のところ、酒も珈琲も美味しく頂けないお年頃なのだ、自分は。


>>ミスティア・ローレライ、葛葉紘汰、上条当麻、車掌

1年前 No.86

狂言廻しはかく語りき ★Y0lBv7ssZc_XYR

【p/説明だけなのでちゃちゃっと済ませちゃいます。
  ツンツン頭の少年の方は順番が来たら返信させて頂きますので其の様に〜】

【2号車/車掌】

 食堂車に集まる乗客達は車掌の一声と共に注目する。
 興味を示す者も居れば警戒に身を固める者までと反応は様々。状況に混乱して敵意を向けて来ない者が居ないのは立場柄幸いと言える。とは謂え数多の世界の者が一堂に会する信じがたい此の状況で、正気を保てなくなったとしても其れは仕方の無い事だ。逆に冷静に置かれた立場を理解しろと言う方が無理が有るだろう。だからこそ私は皆の者に姿を現した瞬間、一回や二回殺される気で居たのだが──いやはや今回の乗客達はまこと善き者に恵まれている。今まで此の列車に流れされた者は聖人君子が良くて二、三人居ても往々にして歓迎し兼ねるような類の連中が多かった。そういう意味では狂言を廻す者として是ほど都合の良い事は無い。過去には幸福な日常を突如として乱された事で怒り狂う者も居たが無傷で話しの場に立てたのは之が始めてである。実に喜ばしい事この上ない。この一瞬が有るからこそ接客は止められぬのである。

 「さてさて。まず最初に皆様の状況についてお話させて頂きましょう。
  車内放送で御伝えした通り皆様は"今まで居た世界とは異なる別の世界"に漂着されました。誰が何の為に皆様を此の列車へと飛ばしたかは残念ながら私共には解りません。但し皆様の時間感覚で言う所の1年に1回のペースで此の列車には何十人もの別世界の者が流されて来ます。今回でそうですな…めでたく10回目と言った所でしょうか。私共は之を人為的なモノではなく"自然的なモノ"として受け取っておりますが皆様にとっては原因など然したる問題ではないでしょう。重要なのは如何やったら元の世界に戻れるのか」

 カツリカツリと各テーブルを廻るようにゆっくりと歩き出す影の人間。
 窓の外より尚暗い空虚な闇ばかりの眼差しは感情と言う色を灯す事も無く乗客達一人一人に注がれて行く。

 「車内放送では終点までは帰れないと御伝えしました。其れと同時に運賃として切符を探して頂くとも。理解出来るかは如何あれ、勘の良い方ならお気づきかも知れませんが、此の終点こそ皆様の元居た世界に繋がる唯一の駅(みち)で御座います。切符は其処まで列車を運行させる為に必要な鍵。放送では運賃と申しましたが実際の所は此の列車を次の駅まで動かのに必要不可欠な動力源としての意味もあります。今こうして列車が動いているのは過去の余った切符を使っているからです。次の駅に着けば問答無用で止まります」

 1号車へと繋がる扉の前でピタリと足を止めて影の人間は振り返る。

 「列車を動かすには切符の力が必要です。切符は駅の何処かに在ります。形こそは皆様方が知っているような物ですが内包されている見えざる力は世界を渡る動力源となるほど混沌を極めます。過去の乗客達の中には切符から生み出された魔の手によって息を引き取った者も居るくらいです。併しご安心を。終点まで辿り着いた者は過去にも居ます。其の証拠に」

 パチンと指を鳴らした瞬間、各テーブルに使用済みの切符が2枚ずつ出現する。
 ホグワーツ行きやロアナプラ行き──果てはハイラル行きと書かれたものまで。様々な世界の名が切符に記されている。

 「既に力は失われていますが過去に終点を目指した者が集めた切符で御座います。私が左手に持っている此方の3枚の切符が終点行きの物です。皆様には是非とも此方を手にして頂きたい。併し其の為には之から渡る駅で切符を探して頂く事となります。どうか心に深く刻みつけて忘れないで欲しい。駅では皆様の常識は通用致しません。下手をすれば其処等辺に歩いている住民にさえ太刀打ち出来ず殺られてしまう事でしょう」

>> 2号車ALL

1年前 No.87

クルルシファー @tukuyomi07☆2nDyzvx51us ★ssiVBx8qzf_HtG

【 夜汽車(2号車)/食堂車(テーブルA)/クルルシファー・エインフォルク 】

 まず最初に感じたのは、面倒な、ということ。
 目の前にいる車掌はあくまでこの事態には我関せずであり、あくまで「システム」の一旦として目的も首謀者も不明のままに流されてきた者たちを引き受けてこのようなことをさせているらしい。そして、そもそもの原因は人為的ではなく自然現象である、といった見解。
 これでは車掌から聞きだそうとも何も聞き出せないではないか。

「……まったく。迷惑な自然現象もあったものね」

 紅茶を一口。
 傍迷惑な事態に辟易しつつも、車掌の言葉に耳を傾ける。

>車掌 アストルフォ

1年前 No.88

始まりの男(?) @kaizelkai ★dn5b6MPK4r_mgE

【二号車:テーブルC/葛葉紘汰】


カツンと言う硬い音が響いた時に、テーブルにコーヒーが出現した。コーヒーの匂いが何故か懐かしく感じる。それに今なら飲めるような気がしてならない。本当に人間に戻っているという感覚を改めて思いさせられたのである。
そしてそこに現れる車掌、声は男性的に聞こえるが身体はマネキン人形に車掌服を着せたようなもの、人ならざる者が会話を続けている。それぐらいの事で今更驚くつもりはなかったが、人は様々な世界にそんなに漂流するとは、それは驚いた。いや、だが過去にも様々な敵と戦ってたのでわかる気がする。


「 常識が通じない、か……なぁ、車掌さん。この列車、何ていう駅に向かっているんだ? 」


まるでまだ戦極ドライバーすら持ってなかった頃、始めてヘルヘイムの森に入った記憶を思い出す。きっと異世界というからには自分が驚くような世界があるのだろう。インベスを超えるような化物がいる世界だってあるような気がする。
車掌というからにはこの列車がなんという駅に向かっているか、尋ねた。そいえば、まだこの列車がどんな世界に着くのかがわからない。車掌というからには向かう駅ぐらいの名前くらい知っているはず。


>>二号車ALL

1年前 No.89

★JX6bnaRSzZ_XYR

【2号車/食堂者(テーブルD)/漣】

>>式、アナスイ、車掌


 自然現象ぅ───?

 此れが? この此れが?

 車掌からの耳を疑いたくなるような言葉に漣は顰め面を隠そうとはしない。
 まさか黒幕だと思しき人物から語られたのが"自身はこの事態の首謀者ではない"ことや"この現象が人の手ではなく超自然的な何かによって起こされている"ことだとは考えてもみなかった。これでは謎が一層深まっただけである。
 話を信用するのならば、一年に一回の周期でこの現象は発生し、既に十度ほど繰り返されている。原因を調べたことがあるのか如何かに関しては語らなかったが、彼等はこの不明な現象を既に受け入れてしまっているみたいだ。

 車掌の語りは止まらない。
 原因は出来る事ならば知りたいけど──例え今回帰る事が出来たとして、また同じような目に遭うのは嫌なので──車掌は、今重要なのは如何すれば帰る事が出来るのかの方法だと話す。

(まぁ。それはそうなんだけど──ネ)

 提示された条件は放送での其れと変わらない。
 切符を手に入れ、終点まで辿り着けば良い。
 件の切符にどれだけの力が宿っているのかは置いておいて、とにかくそれがなくては汽車は動かないそうな。

 でもって

「うぇー、やっぱり荒事ありきなんですか」

 タダで切符を見付けられる、なんて都合の良い話はないらしい。
 降りた駅で切符を探しているうちに、そこの住人に討たれる……考えるだけでもゾッとしない。

1年前 No.90

ナルシソ・アナスイ @arthur ★iPhone=kHQ5n1NUe8

【2号車/テーブルD/ナルシソ・アナスイ】

 二号室に現れた人物は車掌の一人であると名乗る。影そのものに服を着せたような姿形で、表情は愚か人間味すらも読み取れない異質さが感じられた。
 テーブルには、いつの間にかコーヒーが用意され、香りと湯気を立てていたが、アナスイはとても飲む気にはなれなかった。極度の飢餓状態にあるならばともかく、信用出来ない相手の用意したものは口にすべきではあるまい。
 最も、合席者の漣や、他の乗客たちはコーヒーを喫していた。肝が据わっているのか、それとも、単に危機感が欠如しているのかは分からない。
 車掌は説明を始める。まずここは別世界であること、乗客たちがここにいるのは自然現象であり、車掌である自分たちのあずかり知らぬものであること、終点に辿り着かなければ、元の世界には帰れないということ、その為には夜汽車の動力源たる切符を集めなければならないこと。
 すでに車内放送で説明されたものもあったが、乗客にとって理不尽な話である事には変わりないだろう。

「お前らが夜汽車を運行するのは何故だ?百歩譲って……オレたちが自動的に選ばれた事は信じよう。終点に辿り着かなければ、帰れないという事もだ……だが、あんたらがオレらの手助けをする理由が分からない」

 車内が困惑と反感に揺れ動く中、アナスイはどちらかと言えば、後者寄りな響きを持って、黒尽くめの車掌へと質問をする。
 車掌たちもこの夜汽車という現象の一部分に過ぎず、あくまで夜汽車を運行する事だけが目的なのだろうか。しかし、車掌の口振りでは異なるように思える。
 先程、式と漣にも話したように、この返答次第で車掌への信頼度は変わってくる。親友同士の友誼やそれに似たものなどアナスイは求めていないが、利害関係の一致でもしなければ、納得がいかないというものだ。多くが謎に包まれている彼らの言う通り、命懸けで戦うにはそれなりの心の整理がなくては踏み切れない。

>>車掌 両儀式 漣

1年前 No.91

ツンツン頭の少年 ★Y0lBv7ssZc_XYR

【2号車(テーブルC)/上条当麻】

 そうして。車掌と名乗る其の男は長々と語り出した。
 上条達がIFとは違う完全なる別の世界に迷い込んだ事。そして元の世界に戻るには切符と呼ばれる証票を入手しなければならない事。
 之までの前提を吹き飛ばすかのような其の説明には数々の修羅場を掻い潜ってきた上条と雖も流石に戸惑いを隠せない。

 (これが自然現象…?)

 魔術師とか魔神とかそう言う段階を超えている。
 車掌が言っている事が本当なら思った以上に上条が立たされている状況は絶望的と言える。併し前提と言うラインで考えるならば車掌の言っている事は如何にも猶予う。と云うのも根本的な問題として此の車掌と言う人物は信用に足る人物なのか。情報を上手い様に捏造されている可能性だって有る。寧ろ何も知らない上条達からしたらそう考えた方が幾分か納得できる。仮に車掌の言っている事を信用したとしても"此の列車に乗務する者達は何者"だと話しになる。

 乗客と言う内野に留まる事も、黒幕と言う外野に留まる事も無い。彼等──第三の存在『車掌』

 上条が抱く疑問は違うテーブルの席に座っている一人の男が代弁してくれた。
 網のように透き通った服にヴィジュアル系のように派手な色をした長い髪。見た目からして危ない雰囲気を漂わせている其の人物は車掌に対して威圧的に疑問を呈している。併し其れとは反対に上条の前の席に座っている葛葉はと言えば驚く程に冷静だった。信憑性が如何こうの話しでは無く彼は舞台そのものを受け入れた上で次なるステップへと移動しようしている。

>> 2号車ALL

1年前 No.92

ヨイヤマ @sdelta ★AYpJeJhgbj_HtG

【海の駅/7号車(サロンカー)/高原喜一郎】
 喜一郎にとっては半世紀ほど前の出来事、つい昨日のようと言うにはあまりに遠いが、それでも忘れることなど決してないあの戦争が、彼にとっては文献でのみ知られるはるか昔の出来事だという。不本意ながらも尽きない命を持つ喜一郎からしてみても、300年とは気の遠くなるような年月だった。未来の退廃を感じさせる彼の容姿や言葉から、喜一郎の知らない長い年月の間に、盛者必衰の言葉通りに栄え衰退した人類の様子がうかがい知れる。

 喜一郎が警戒心をむき出しにして侵入した7号車に、続けてニックも入ってきた。ソファにも座らずクナイ片手に立ち止まる喜一郎を尻目に、ニックは車内の設備とそこからの景色に対する感想を述べながらソファに腰を下ろす。確かに未だ事が起こっていない状況で気を張り詰め過ぎるのも良くない、だが、まだ気を抜けない事情があった。7号車の先にある物、8号車。ニックの言葉通りそこに自分達と同じ境遇の者が居ないとも限らないし、その者たちが友好的な人物であるとも限らないのだ。

 向こう側の扉へ向けて銃を構えたニックに倣って、喜一郎も投擲の構えを見せる。その扉の奥から姿を現した男は、既に得体の知れない銃を構えて、いつでもこちらに攻撃できる態勢を整えていた。
 男のそうした様子を見てから、喜一郎がクナイを彼の腹と頭目掛けて投げずに済んだのは、すんでのところで彼の口から聞き覚えのある名前が出たからであった。
 「……ニックの知り合いか」
 お互い親しげに言葉を投げかけながら武装を解く二人を見て、喜一郎もそそくさとクナイをしまった。しばらく黙って彼らが会話する様子を見ていると、話はニックと行動を共にしていたこちらに及ぶ。
 「高原喜一郎だ。こちらこそよろしく、プレストン」

 プレストンとの合流を経ていよいよ車掌からの話を待つだけとなった。
 すると今度も唐突に、それこそ先ほど流れたアナウンスのように何の前触れも無くそれは現れた。位置は車両の中央左側の窓付近、車両の通路中央で立ち止まっていた喜一郎のすぐ傍だ。こんな至近距離だというのに、声が聞こえてきたその瞬間まで一切の気配を感じなかった事に驚愕する。
 亡霊のような雰囲気の彼、声やその他の特徴からすると彼女だが、車掌と名乗ったものの言う事には、先ず彼らはこの出来事の首謀者ではないと主張したのだった。
 「つまり、お前をどうこうしても意味はないと」

>> 7号車

1年前 No.93

民兵と人造探偵 @izuma☆VNvX9naPtFo ★HhCfmmMzXU_HtG

【夜汽車(サロンカー)/車内/ニック・バレンタイン、プレストン・ガービー】

ニック「そんなもんかね?」

当惑気味の民兵の自己紹介が終わったところで、丁度見計らったかの如く何ら前触れ無く唐突に姿を現したのは、正しく影法師めいた“何か”ソレは先程のアナウンスの声と同じく無機質な女性の声で、何やら自分とプレストンが同じ(場所)から来たのであろう事を早々に察して(と言うよりは普通に認識しているのかも知れない)珍しい事も有るモノだと口にする。民兵は反射的に肩に掛けたマスケットのストック(銃床)に手を伸ばし掛けたが、探偵の方は寛いだ様子でソファに腰かけたまま足を組みつつそんな事を呟いて続ける。

ニック「極有り触れた台本通りの展開という訳じゃ無い様だな?―まぁこんな老いぼれを攫った処で一キャップにもならないのは確かだが」

プレストン「“インスティチュート”絡みの厄介事では無いと言う事は理解出来た。」

民兵の方は(人攫い)から元居た(世界)も於ける、ある組織による(入れ替え)事案を頭に思い浮かべたらしく―(転移)させられたとの事からその組織が用いていた転送技術の類なのではと考えては、首を傾げる。自分は兎も角、元々(人造人間)であるこの探偵までこうして此処に居て、尚且つ武器や装備を奪われていないという点から見ても不自然と言えば不自然である。それに名を教えてくれた古風な(自分も人の事は到底言えないが)軍装姿の青年(喜一郎)や、何処かしら血の匂いがする鋭利な雰囲気の男(ペイル)にしても、纏っている(空気)からしてバラバラなのだ。

ニック「つまりアレだ。俺やプレストン、この二人も含めて――乗客云々以前に窓からどこぞのロクデナシに勝手に(放り込まれて)きたラッドローチみたいなモノだって事か、車掌の御婦人。」

ローチが如何たらというのは流石に言い過ぎだろう、と民兵は苦笑いを浮かべたが――だとすれば、手段は兎も角キイチロウが言う様に、この(車掌)にどうこうした処でどうしようも無いのかも知れない。

ニック「それで、その(無賃乗車連中)への対応もマニュアルか何かで決まっているんだろう?、アンタの言い方だと珍しくも何とも無い様な言い方に聞こえる。」

その内容こそ今し方、“彼女”が言った、これから行われる(状況説明)如何なのは間違いない。再び懐から煙草を引き抜いて、火を点けたソレを人工皮膚の剥がれた掌の指先に挟みながら人造探偵は相手の無機質なマネキンめいた双眸を、やたらギョロッとした作り物めいた黄色い眼で見据える。民兵は民兵で壁に背を預けて腕を組んで思案顔を浮かべていた。

≫車掌、高原喜一郎、狩人、七号車ALL

1年前 No.94

狂言廻しはかく語りき ★Y0lBv7ssZc_XYR

【7号車/車掌】

 三人の反応を見る限りでは随分と警戒されているようだ。無理はない。状況も状況だ。警戒と言う人の恐怖の念は高位存在への畏敬に基づくモノで有ると肯定的に受け取る事も出来る。其れくらいの度量はあるつもりだ。併しまあ常人なら概念レベルで理解できない出来事だと言うのに此の三人は意外にも飲み込みが早い。スケールの関係で多少の認識の違いが有るようだが、之なら余計な空隙を埋めて格子を均す必要はないだろう。楽観的な流れになるのは彼等の経験が拒絶している。

 「ええ。貴方方が此の列車へと転移した原因については私共には解りませんので個々の判断に任せます。私共を信用するか如何かもです」

 無駄話は不要と言いた気に語り出す影の人間。
 確かなモノなど此処には無い。在るのは猜疑心から成る『疑念』と探究心から成る『疑問』だけ。
 彼等は信用するかしないかで状況が変動する立場ではない。此処で見極めるべきは情報と言う名の霧に紛れた一本のレールだ。

 「現在、この車両は停車を余儀なくされています。理由は単純。牽引車両との連結を切り離されたから──と言う訳では無く、車内放送でお話しした動力源たる"切符"が無いからです。時期に牽引車両の方も此の"海の駅"に到着しますがあちらも状況は同じ。切符に内包されている見えざる力を動力源とする牽引車両の方も此の駅で停車する事となります」

 一泊。区切るように影の人間はこう続ける。

 「列車を動かすには切符の力が必要です。切符は此の駅の何処かに在ります。形こそは貴方方の想像の通りの物です。併し私共は"切符を探せ"とは申しません。この列車で一生を過すおつもりなら居食住は保障させて頂きます。其れがせめて私共に出来る救いの手です」

>>高原喜一郎、狩人、ニック・バレンタイン、プレストン・ガービー

1年前 No.95

狂言廻しはかく語りき ★Y0lBv7ssZc_XYR

【2号車/車掌】

 「ふむ…人助けに理由を求めますか。其れも悪くない。併し貴方は自分が立たされている状況の深刻さを今一理解していないらしい」

 既に誰かが決めた道を辿って山の頂を目指すより、自らの手で新たな道を開拓する方が遥かに難しい。
 之は信用するかしないかの話しではない。詰まる所、例え車掌が納得の行く答えを口にしたとして其れで信用できると断言できる者など此処には存在しないはず。逆に筋道や善悪が支離滅裂になっている立場から一体どうやって第三の存在と自称する中立者に心を許せるというのか。数十年と同じような輩を相手にすれば嫌と言うほど思い知らされている。懐疑主義者には目の前の証言を素通りするフィルタが実装されていると言う事を。だから此の際乗客達に信用されるか如何かなど車掌と言う立場からして見れば然したる問題ではなかった。

 「私は無駄話は好きではない。仮に信用できないとして如何するおつもりで?ハイジャックでもするつもりですか?何の道この列車は次の駅で停まります。そして勘違いされているかも知れませんので言っておきますが私は何も"切符を探せ"とは言っておりません。列車内で一生を過すのも私共としては一向に構いませんよ。其れは其れで退屈はしないのですから」

 権謀術策の一環と思うならそう思えば良い。其の不憫極まる判断に藻掻き苦しむのは"車掌(わたし)"では無いのだから。其の滑稽な様子を見て溜飲を下げる事も出来る。端から乗客達を導く事に価値など求めてはいない。情報を提示できる良心と余裕が有っただけの話し。
 影の人間は再び歩み出す。カツリカツリと。車両内に足音を響かせながら其の異質さを際立たせて。

 「もうそろそろでしょうか。先に忠告させて頂きますが駅に住んで居る人達とは決して戦わぬように。そしてもうひとつ。今から行く駅で切符を探し出すのであれば日が暮れない内に探し出すように。」

 科白の区切りと共に汽笛の音が響き渡る。

 「其れでは皆様、ご乗車頂き有難う御座います。海の駅──海の駅です」

>> 2号車ALL

1年前 No.96

アストルフォ @cube☆PjfbxfTdjqg ★8jCPFrgLSZ_ZFe

【夜汽車(2号車)/食堂車(テーブルA)→/アストルフォ】

 車掌の口から語られるのは、この世界の全容。
これまで経緯であれ境遇や理屈であれ、やはり終点を目指すためには『切符』を集めなければならない。
決して強要されたことではないにせよ、おそらくこの列車に乗り合わせた殆どの乗客が元の世界への帰還を望み『切符』の収集に乗り出すのは確かだろう。

 「まぁ、こんなことに巻き込まれてしまったのは仕方ないことだとして……やることは一つしかないよね」

 ともあれ、アストルフォは車掌の告げた内容に異を唱えることもなければ特に考えも無く、全てを割り切っていた。

 やがて車掌が語り終えるとほぼ同時に列車は海の駅へと到着したようであった。
途端にグイっと紅茶を一気に飲み干し、空となったカップをテーブルの上へと置けば、アストルフォは椅子から腰を上げる。

 「よぉし! 出ようか、クルルシファー。
ずっと車内にいたから、そろそろ外の空気が吸ってみたいところだし、ネ」

 天真爛漫な明るい笑みを浮かべながら彼は冒険の予感に心を躍らせる。

>>クルルシファー、車掌

1年前 No.97

両儀式 @orcus ★3DS=g2X061q9vW

【二号車・D卓/両儀式】

 つい料理について口走ったが、同卓している二人にとっては割合意外なことのようであった。女子に料理ができて何が悪いと言うのか。むしろ、あれだけ家庭的な顔をしていながら、麺を茹でるしか脳の無い友人の方が“意外”ではないか。

 話が逸れたが、本当に“車掌”を信用できるのか__なるほど、真面目な思考回路を持っていればもっともな疑問だ。これから現れる車掌なる人物がすへて真実を話すとは限らない。或いはいいように弄ばれる可能性は低くないのだから、アナスイの疑いは間違いではないだろう。
 しかし、式はそれほど真面目でないようだった。
 意味の無いことは即ち無駄で、式は別に無駄が大好きな変態ではない。他に与えられる情報が無いならそれを鵜呑みにして動く他はない。知らされるルールすら疑うというのは、停滞を生み出すだけで、つまり無駄だろう。勝手にそう結論付ける。

 ……不意に、カツンと靴音が響いた。反射的に車内を見渡すと、音の主はすぐに見つかった。
 「ご乗車頂き」
そんな決まり文句から淡白に挨拶した男。言葉こそ丁寧だが、登場の演出も、姿も、すべてが奇妙に思える無気味さがあった。
 そして、この場で式にだけ解る奇妙な点が、もう一つ。

 __開眼。

 宿した“直死の魔眼”が、周囲の乗客と、車掌を確かに捉える。人の密集した空間に死の線が蜘蛛の巣の如く張り巡らされていて__やはりというか、車掌にだけは何も無かった。
 それだけ分かると、式は再び魔眼を収めた。魔眼の保持者で、この所謂「ON/OFFの切り替え」ができるのは、現状は世界中で式ただ一人。式の実力者たる所以の一つである。
 兎も角。『死』が見えないということは、即ち「死がない=終わりがない」大いなる不死の存在。或いは、彼は少なくとも式の理解の範囲内では『生きて』いないということであるらしい。説明の中に出てきた「駅の住人」も、恐らく同じ性質だろうと式は考えていた。つまり、死の線は見えないし、死ぬことも終わることもない。ただその駅の世界に在り続けるだけのモノ……。「お前たちは“生きているのか”」そんな質問が喉まで出かかったが、結局口にはせずに飲み込んだ。
 そうして車掌の説明を聞きながら、無意識にテーブルのコーヒーへ手を伸ばす。口元まで運んで、ふと、水面に目線を落とす。

 ……コーヒーか。

 それ自体は嫌いではないが、幹也の淹れるそれを、帰ってからの楽しみにしてもいいかな、と思った。
 手に持ったカップを口をつけずにテーブルに戻す。ほぼ同じタイミングで車掌の話が終わり、汽笛が響いた。

 「自然現象、世の法則には従うのが道理。オレは行くぞ」

ひとつ伸びをして立ち上がり、短く告げて、まずは一旦自室へ戻ろうとする。

>>漣、アナスイ、車掌


【大変遅れてしまい申し訳ありません、私は生存しております】

1年前 No.98

★JX6bnaRSzZ_XYR

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1年前 No.99

ヨイヤマ @sdelta ★AYpJeJhgbj_HtG

【海の駅/7号車(サロンカー)/高原喜一郎】
 ニック達は車掌の説明を淡々と受け入れている様子だった。特にソファにどっしりと構えたニックの泰然自若とした態度は相当なもので、車掌の説明に自虐じみた諧謔を挟む余裕を見せるほどだ。しかしその内容に一点、些細なことだが疑問が残る。
 「……ラッドローチ……?」
 ニックが一行を例えて言ったその単語だ。聞き覚えの無い名称だな、とだけ喜一郎は思った。同じ時空からやってきたプレストンには何のことやら分かるようで、その呆れたような苦笑を見る限りろくなモノではないのだろう。それはそれとして今は話に集中する時と、要らぬ疑問は頭の隅に追いやる。

 説明を促しながら新たに紫煙を立ち昇らせるニック。それを受けて相変わらず必要最低限のことしか話さない車掌。片や生気を感じさせない黄色い眼、片や感情を感じさせない黒い眼窩、その二つを交互に眺めて、喜一郎は影のようにじっと話に耳を傾ける。
 曰く車掌にもこの現象の原因は不明らしい、今この状況となっては例え原因が分かったところで役に立つとも思えないが。何よりこんな現象を引き起こす要因が人の理解の範疇に収まるかどうかが疑わしいものだ。
 続けて彼女は語る。この車両が停まっている訳と今後の予定について。そのついでに車両が中途半端な編成になっている理由も分かった。この7号車を含め三つの車両は、やがて来るという牽引車両を待つ身なのだ。
 説明はこれで終わりだろうか、いずれにしろ自分達が置かれた状況と、これから何をすべきかが詳しく分かれば十分だろう。車掌と名乗る彼女らがどういう立場なのかも、すべてが判明したわけではないが、敵ではないという事が分かればそれでいい。

 これまでの話を踏まえて、喜一郎が言うべきことはただ一つ。彼女が救いの手だと語るそれだけは、どうしても拒絶せねば気が済まなかった。きっ、と影を正視して言い放つ。敵意を込めたわけではないが、それだけ強い感情を瞳に込めて。
 「生憎だが、終末医療に与るほど老いた訳じゃない。ここで死に損なうのは御免だ」
 言葉少なにそれだけ言うが、言外に元の世界に帰るという強い意志を秘めた言葉だった。
 わずかでも望みがあるのなら、とことん縋ってやろう、と。

>>車掌、ニック・バレンタイン、プレストン・ガービー、狩人

1年前 No.100

ツンツン頭の少年 ★Y0lBv7ssZc_XYR

【2号車(テーブルC)/上条当麻】

 車掌から返って来た言葉は信用するか如何かで論じる段階を超えている。
 送り出す理由を答えなかった辺り余計に雲行きが怪しくなって来た。やはり此の車掌は黒なのか。併しそうなれば何故態々不信感を抱かせるような発言を口にしたのか。仮に此の車掌が黒ならばそんな却って乗客達の敵愾心を燃やすような発言はしないはず。上条にはひとつも理解できない。何に迎合する必要も無い、ニコニコとした愛想笑いも要らない、個人で確立した自分だけの世界を持つ者だけに許された車掌の言葉が。

 「なんつーか」

 一々工程を気にするのが馬鹿らしくなって来た。車掌の云っている事は冷静に考えてみれば尤もな事だ。状況は思った以上に深刻。提供された情報には信憑性が薄く、御負けに生死を賭けた探索ゲームと来た。之じゃ何を頼りに元の世界に帰れば良いのかも始終はっきりしない。けど。判れば良いんだ。レールが一本見えて来ただけでも十分。後は自分で切り拓いて行くしかない。

 「ちょっとくらい長いプロローグで絶望してる場合じゃないよな」

 ガタリッと。列車が海の駅と呼ばれる場所に着いたのを境に上条は席から立ち上がる。
 幸いにも此処には同じ状況の下に立つ仲間が居る。ラムザや葛葉──其れにさっきの鳥のような女の子だって。之は彼等に限った話しではない。言ってしまえば乗客達全員が上条と同じ立場に立つ仲間だ。帰る場所が在る以上、例え此処が極楽浄土だったとしても、インデックスやオティヌスが待つ元の世界に戻らなければならない。其れだけは揺るぎようの無い決意だ。

 「此処に居ても仕方が無いし取り敢えず外に出て見るか」

 同じ席に座る三人へとそう声を掛けた後、上条は窓の方へと視線を向ける。
 時間は既に夜明けと言った所か。青い景色に飾られた外の世界は何処と無く神秘的でノスタルジーだ。

>> 2号車ALL(ミスティア・ローレライ、ラムザ・ベオルブ、葛葉紘汰)

1年前 No.101

民兵と人造探偵 @izuma☆VNvX9naPtFo ★HhCfmmMzXU_HtG

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1年前 No.102

始まりの夜行列車 ★Y0lBv7ssZc_XYR

【7号車/車掌】

 「そうですか」

 正直に言って終点までの道程は厳しい。
 其れこそ自分の人生を全て賭けた大博打で最後の最後にラッキーカラーに頼ってしまうような酷道の中の酷道だ。力技で如何こう出切るレベルではない。少なくとも数々の乗客を見て来た車掌からは一概に進められる道では無かった。併し其れを解っていて尚も縋ってしまう蜘蛛の糸。彼等の目的は揺ぎ無い。だからこそ肯く他なかった。彼等の行く先が死と暴力と理不尽で渦巻く舞踏会だとしても。

 「此の駅は油屋の世界。其の名の通り油屋と呼ばれる八百万の神々が集う温泉旅館が中心となっている世界で御座います」

 ソファーから立ち上がるニックの質問に影の人間は静かに答える。
 列車から出れば直ぐにでも油屋の建物が確認できるだろう。併し油屋の主人は神でも無く人間でも無い強欲な魔女。一度でも目を付けられたら魔女の手から逃れる事は出来ない。

 「どうか日が暮れない内に戻るように。此の世界では常識は通用しません」

 最後の忠告と言わんばかりに影の人間は告げる。
 同時に。外の方から汽笛の音が響き渡る。牽引車掌のモノだ。連結車両の前に"忽然"と現れた1号車から5号車の車両は、後ろの連結面を6号車へと繋げる。車掌は其れに反応するように6号車の方を横目に一瞥した後、改めて三人へと向き合うと──。

 「ディナーのご用意をしてお待ちしております」

 彼等の旅出を見送るようにお辞儀をする。

>>高原喜一郎、狩人、ニック・バレンタイン、プレストン・ガービー


【p/吃驚するくらいスムーズに終わりましたね。
  切りの良い所で出口へと進んでいただき本編(Stage.0)を終えてください】

1年前 No.103

始まりの男(?) @kaizelkai ★7bhpSMCgpY_mgE

【2号車(テーブルC)/葛葉紘汰】


車掌の言葉は何か含みがあるように答えは返ってきたが、帰れる希望があるというだけはわかった。その希望に向かって進んでいけば、帰れる。今は車掌の言葉を信じていくしかない。あの頃のように、強い自分に変身するように、この世界でもそれを貫いていけばいい。まずは前に進む事に決めた。



「 ああ、まずは切符を探してみるか…海の駅っていってたな。」


上条が立ち上がると、自分も立って窓の景色を覗いた。海が広がる光景で海の駅だという事がわかった。神秘的だがこれだけ広い場所で切符を探すとなると一人で探すのは無理かもしれない。そいえば駅には住人が住んでいるといっていた。しかし戦うなとはどういう事だろうか。暴力を振るう連中であれば難しいが、もしかしたら言葉で分かり合える存在もいるかもしれない。
まだ幾つかの疑問もあるが、駅に出て考えることにした。


>>二号車ALL

1年前 No.104

ヨイヤマ @sdelta ★AYpJeJhgbj_twG

【海の駅/7号車(サロンカー)/高原喜一郎】
 喜一郎と同じく、ニックとプレストンも切符を探す姿勢を見せる。車掌はそれを受けて否定するでもなく肯定するでもなく受け入れた。来る者は拒まず去るものは追わず、あくまで彼らは第三者の立場にあるということだろう。ここで喜一郎は彼らにある種の不気味さを感じていたことに気付く。それは単に彼らの異形からくるものではなく、彼らの敵とも味方ともつかない曖昧さ、どっちつかずの底知れない態度がその不気味さの正体だったのだ。

 ソファから腰を上げたニックが駅の詳細について車掌に問う。行楽気分を隠そうともしないその口ぶりは、情報を聞き出すための道化なのか、はたまた本気で楽しもうとしているのか。
 「温泉か……こんな状況じゃなければ……」
 素直に楽しめそうだったんだがな、と続く言葉を呑み込んだ。始まったばかりのこの旅がいつ終わるかは定かではなく、ニックの言うように長い道のりになることも十分考えられる。そんな状況で精神をすり減らし続けるよりは、小さくとも何かしら楽しみを見つけていくほうが得策にも思えた。もちろん、警戒を怠ることも出来ないが。しかし、それよりも、
 「ニック、水に浸かって平気なのか?」
 ニックのように精巧な人造人間を作れるだけの技術があるなら、防水加工ぐらいは施されているかもしれないが。何より機械の体で温泉を楽しめるのだろうか。

 最後に日が暮れない内に戻るよう促す車掌。この世界の危険性を示唆しているのか何か不都合でもあるのか、その意図が何であれ喜一郎も見知らぬ場所で夜間に活動するのは避けたかった。
 そんな話もそこそこに、海原の静寂を破って鳴り響く汽笛の音が喜一郎の耳に届く。今まで他の列車が近付いてくる気配は感じなかったが、汽笛を上げたその列車も恐らくこの車掌のように唐突に現れたのだろう。
 ついに外へ踏み出す時が来た。喜一郎はその重みを確かめるように腰に提げた見えない鞘を握り締め、お辞儀をする車掌を背に出口へ向かって歩き出した。

>>車掌、ニック・バレンタイン、プレストン・ガービー、狩人

1年前 No.105

ナルシソ・アナスイ @arthur ★iPhone=TTiA4AXd15

【2号車/テーブルD/ナルシソ・アナスイ】

「ごちゃごちゃとうるせーぞ!いいか、無駄話かどうかはオレが決める……それとも何か?てめーの生い立ちから話すつもりだったのか?」

 車掌に対し、アナスイは射竦めるような一喝と自己中心の極みのような返答で応じた。車掌も礼を失していたので、一概に非難は出来ないだろう。アナスイとしては、無駄話は嫌いだと言う割に、簡潔な自己紹介ぐらいは出来そうな時間をかけて喋った事も気に障った。それだけ喋るなら、こちらの質問に答えれば良いではないかという事である。
 しかし、気分は悪くしたものの、それなりの収穫は得ていた。車掌はハッキリと切符を集めなくても良いと言ったのだ。つまり夜汽車の運行をする必要は本来、この人物にはないという事になる。
 では、異変に巻き込まれた自分たちの為にわざわざヒントを与えてくれているのかと言えば、そうではあるまい。善意と親しみからの助言だとするなら、自分たちの素性ぐらいは簡潔にでも喋るだろう。単なる好みの問題で、善意の徹底さを欠くとは思えない。
 何か喋れない事情でもあるという事か。ごく自然な結論にアナスイは行き着くと、すぐに思考を打ち切って、行動に移す事を決めていた。

「『ダイバー・ダウン』」

 アナスイが冷然と声を出したかと思うと、彼の身体から人型が飛び出した。眩い閃光が擬人化されたというよりも、力強い影が形を取ったと表現する方が適切であろう。仰々しくはないが、確かな存在感を放つそれは、右手に握り拳を作ると、車掌へと目掛けて強烈な打撃を繰り出す。
 彼のスタンド『ダイバー・ダウン』の拳速は人知の領域を逸している。他の乗客たちが只者でない事は勘付いていたが、椅子に座った姿勢ではこの速さにはまず追いつけないであろう。何より、スタンドそのものが見えていない可能性の方が高いのだ。
 だが、さすがのアナスイも式と漣との約束を反故にするつもりはない。命を取るつもりで繰り出した一撃ではなく、車掌が反応出来なければ、急所を避けた位置へ拳は叩き込まれるだろう。無論、ぶっ飛ばすだけでは意味は薄いので、打撃が打ち込まれれば、車掌の身体の一部を改造して、尋問を開始するつもりではある。

【遅れて申し訳ありません!攻撃しても構わないとの事で殴りかかってみました。主人公サイドのキャラとは思えない思考回路……】

>>車掌 2号室ALL

1年前 No.106

民兵と人造探偵 @izuma☆VNvX9naPtFo ★HhCfmmMzXU_HtG

【海の駅/夜汽車(サロンカー)/車内→下車/ニック・バレンタイン、プレストン・ガービー】

プレストン「“油屋”?、此処は食用油やオイルの精製工場か何かなのか?…温泉?いまいちイメージが掴めない。」

ニック「(旅館)と言っているから違うだろう。800万の神々ねぇ…神学者が聞いたら頭が痛く成りそうな話だな、(温泉)というのも登録外の単語だ。」

文化圏的な意味で馴染みが薄い言葉や施設の説明に、少々頭を捻らせている異邦人二名…それはそれで仕方が無い話なのだが元々の(生活習慣)そのものも根本的に変わりつつある世界出身という事も有り…車外へ出て行くキイチロウからのちょっとした質問に人造探偵は彼の後に続きながらおどけた様子で答える。

ニック「水に浸かるどころか、たっぷりの下水から硫酸湖、それに沸き立て(流れたて)のブラッドバス(血風呂)まで色々経験済みだ。特に機能面に問題は無かったな。人から避けられる事以外は」

(入浴)という習慣は多少残っているにせよ、身体を洗う水どころか飲み水も不足しがちな彼らの世界では相当な贅沢に位置付けられるのかも知れない。それ故にそもそも(温泉)とは何なのかが分からなかった。

ニック「つまり夜になったら(ブギーマン)に引き摺り込まれるぞ!って訳か、我々の常識、アンタらの常識、そして(此処)の常識…何れにしても、夕暮れごろには一度引き揚げるさ。」

プレストン「御忠告どうも、元より相応に警戒して行くつもりだ。――それより、ニック…こんな澄んだ空気を吸うのは久し振りだな。」

事前の余韻無しに汽笛を鳴らして(現れた)車列がジョイントされる音が聞える。(合流)した車両、中にどういう面子が乗り込んでいるのかは分からないが、目的が同じならばどの道顔合わせせざる得ないだろう。キイチロウに続いて車外へと出て、余りにも物が無く、吸い込まれそうな水平線が続く様が見えるホームに、それぞれ60年代の刑事・探偵物の世界観に歪なSF要素が混ざった様な容姿の人造探偵と、古風でやや西部劇にも近い様な装束に奇妙なマスケットを肩に掛けた民兵は降り立つ。

ニック「兎穴がどうこうなんてスケールじゃあ無い。――中々心躍るよ。」


≫海の駅ALL

1年前 No.107

狂言廻しは斯く語りき ★4q8hCnvG2L_XYR

【2号車/車掌】

 空気が凍り付く。
 次の瞬間、アナスイの一言と共に守護霊の像が顕現。まるでアクララングを装備したダイバーのような姿を持つ其れは、瞬きすら許されない薄く細い時間の切れ目の中、近づいた事さえも気付かれないまま、其のパワーを以ってして車掌の身体に強烈な打撃を叩き込んだ。
 衝撃の余りに車内の壁へと派手に弾き飛ばされた車掌は、拳を打ち込まれた部位に右手を当てながらも左手でズレた帽子を被り直す。そして、近くのテーブルに手を付いて自身の身体を持ち上げると、クツクツと嗤いながらもアナスイの方へと視線を飛ばし──。

 「フフフ…やはり今回も斯う成りますか。私を殴って状況が進展するなら其れは其れで実に愉快極まりない」

 確かなダメージを感じさせながら車掌は依然として余裕綽綽な態度を崩さない。
 其ればかりか火に油を注ぐように更にアナスイへと挑発する。今度は急所に叩き込んで見ろと言わんばかりに。

 「貴方の質問に答えると必然とそうなりますな。乗客達一人一人に得心が行くよう私が車掌(わたし)を説明した所で皆が皆理解できる筈も無い。そもそも私に取っては乗客達の信用を得る必要はないのだから。そう言う意味で私は"無駄話"と言ったのですよ」

 乱れた服を整えるような仕草で影の人間はそう語る
 もはや彼は敵か味方か等と謂う矮小な二元論で語れる存在ではない。
 車掌──其れ以上でも其れ以下でも無い第三の存在。今迄の情報の開示などサービスの一環にしか過ぎない。

 「敵意を煽るのは私の悪い癖だ。"彼女"なら斯うは成らなかっただろうに」

 やれやれと。
 自嘲気に連結予定車両を担当している車掌の方を思い浮かべながら影の人間は言葉を続ける。

 「ともあれ、私は乗客達を導く事に価値など求めていない。言ってみればサービスですよ之は。レストランでウェイターがワインを注ぐのと同じように。私は提供できる"情報"を貴方のグラスに注ぎました。併し其れがどの様な味なのかは私ではなく貴方が判断しなければならない。先程、貴方が私に訊いた事は此の場に於いて"何故、ワインを注いだのか"と言っているようなもの。私からしたら逆に"何故、貴方はこの店に来たのか"と言う疑問が生じます。車内放送と謂う宣伝は掛けましたが何も"集まって下さい"とは言ってませんでしたから」

>> ナルシソ・アナスイ、2号車ALL


【p/相変わらず役柄上セリフが多いレスですが返信し辛いようでしたら遠慮なく言って下さい。
  能力で車掌の身体を改造するつもりでしたら確定でやってもらっても構いませんので其の様にどうぞー】

1年前 No.108

ナルシソ・アナスイ @arthur ★iPhone=WEmC3liTfA

【2号車/テーブルD/ナルシソ・アナスイ】

 いけ好かない相手を殴った事でいくらか気は晴れたのか、アナスイの表情に再び平静さが取り戻されていく。残念ながら、酷薄さの方は磨きがかかったようで、瞳の色はより冷たさと影が増していた。

「足の骨をバラバラにして組み直した……答えないのであれば……発情期のウサギみてーに飛び回る事になるぜ」

 品性に欠ける例えではあるが、想像力を掻き立てる表現に違いなかった。そして、それ以上にギャングも泣きを入れるような真実味を持った脅し文句である。
 しかし、それすらも大して意味を持たない事をアナスイは実感せざるを得ない。車掌の憎たらしい態度はまるで崩れなかったのだ。致命傷ではないにしろ、凄まじい腕力で殴られ、壁に叩きつけられたのにも関わらずである。どれほど忍耐力のある人間であっても、痛覚を有している限りは痛みや怯え、怒りと言った感情を表すのが自然である。それにも関わらず、車掌は皮肉っぽく話を続けた。
 その様が癇に障ったらしい。アナスイの身体から怒気が迸った。

「ワインの産地を聞かれたら、答えるのがサービスだろーが!なぜここへ来ただと!?行き先も分からん、帰り方も分からんで、ベッドで寝てるバカがいると思うのかテメーッ!!」

 態度や行動は褒められたものではないが、アナスイの発言は理解に足るものであるし、正しいと言っても良いだろう。むしろ乗客の多くは彼と同じ結論に至ったのだから、この2号車に来ている訳である。酒類を嗜んでいる者もいたとはいえ、それが主目的だったはずはあるまい。
 ここまで頑なに説明を拒む車掌の謎は深まるばかりである。信用させる必要がなく、無駄話が嫌いなのであれば、確かに説明などしなくて良いだろう。まして、切符を集めさせる必要がないのであれば尚更だ。だが、その言葉とは矛盾して、車掌は駅と夜汽車の説明を行っているのだ。言える情報がなんらかに定められているか、あるいは究極的な気分屋のどちらかとしか思えない。

「『彼女』と言ったな?そいつなら答えるのか?」

 激昂しながらも、意味深な言葉は拾っているあたり、数々の修羅場を潜った洞察力は健在であった。
 納得は全てにおいて優先すると考えるのは、人間にとって当然の心理である。同じ殺人という事柄を取り上げても、罪のない子供が殺されるのと、その犯人が殺されるのとでは、その納得の度合いというのは大いに異なってくるものである。今、アナスイは心の整理が何よりも重要な事だと直感していた。

>>車掌 2号室ALL

1年前 No.109

狂言廻しは斯く語りき ★4q8hCnvG2L_gyZ

【2号車/車掌】

 「ふむ、えげつない能力をお持ちだ」

 足に違和感を抱きつつも相も変わらず其の口調に変化は無い。
 寧ろ先程の攻撃が包含していた異能の効果に興味を示す。併し足の骨がバラバラに組み替えられた事によって尋常ならざる痛みが車掌の身体を奔り抜ける。足を動かす度にまるで神経痛のような痛みが生じる此の状況はアナスイが宣告した通り正に拷問に他ならない。先程までの静かな空間が嘘のようだ。唐突すぎる暴力は周りの乗客達の目を引き付ける。だが当の車掌は予測も覚悟も間に合わなかったアナスイの攻撃に子犬のような怯えの色を覘かせる訳でもなくば、立って居られる事もままならない足の痛みに身を臥している訳ではない。彼は其れこそ痛みと云う感覚を其の身から取り払ったかのように攻撃前と同じ調子で其の場に立ち尽くしている。

 「困ったお人だ。其処まで私があなた方を助ける理由が訊きたいと?」

 車掌に取って此の状況は昼下がりのコーヒーブレイクと何ら変わりない。
 何度も攻撃されようが其れこそ不適な科白と共に何食わぬ顔で起き上がって来るだろう。何せ彼は車掌。敵にも味方にも属さない第三の存在にして列車に必要不可欠な案内役だ。必要不可欠な存在で有るが故に列車から居なくなる事は無いし、車掌で在る以上は迷惑な乗客を車内から追放させる事も出来る。併し其れをしないのは乗客達を利用した狙いが在るからか。一向に強まる不信感から見ても車掌に目的が在るのは明白だった。
 口調荒く激昂しながらもアナスイは『彼女』と云う車掌の意味深な科白に疑問を呈する。テールライト並みに燃え滾っている反面、此の洞察力は抜かり無いの一言に尽きる。が、彼の期待は残念ながら裏切る事と成る。車掌は今にも二撃目を放って来そうなアナスイに臆する事も無く、カツリカツリと歩みを進ませながら黒に染められた口を開く。

 「彼女でも答えないでしょうね。何せ先程も申した通りにあなた方に理解できるはずm」

 言葉が途切れる。否、彼の科白に他の声が被さった。

 「生き甲斐だからですよ。此の列車で生まれ育った私達は外の世界に踏み入れる事も出来ない不死の存在。だから此れは言って見れば退屈凌ぎです。多少の善意は在っても私達の大部分は其処に有ります。あなた方からすれば信用を欠く事かも知れませんが、私達に取ってはお客様が終点に辿り着けようが辿り着けなかろうが関係のない事です。だから私達が態々助ける理由を話しても意味の無い事。そもそも"助ける"と云うこと事態そちらの思い違いだったのです」

 気配も無くアナスイの背後に現れた『彼女』は語る。
 其れと同時に言葉を中断された車掌は彼女と入れ替わるように背景に溶け込んで行く。

 「おやおや…如何やら私の出番は此処までのようですね。
  もう少し納得と云う言葉に踊らされる彼を見たかったのですが…。いやはや実に残念です。実に」

 言葉惜しげに消えて行く車掌は最後まで挑発的な態度を崩さなかった。

>>ナルシソ・アナスイ、2号車ALL


【p/上条さんのレスは後程に】

1年前 No.110

ツンツン頭の少年 ★4q8hCnvG2L_gyZ

【夜汽車(2号車)⇒海原(駅)/上条当麻】

 晴れた空には白い雲が浮かび、吹く風も爽やかな潮の香りを運んでくる。正に絶好の行楽日和だった。
 葛葉と共に夜汽車から出て来た上条は紺碧の海に囲まれたホームに降り立つと強張った身体を解すように軽く背筋を伸ばす。長いこと椅子に座っていた所為か身体が随分と重く感じられる。やはり異世界に迷い込んだと謂う荒唐無稽な状況と相まって、思っている以上に体が緊張していたのだろう。ホームの景色を見れば改めて其れを痛感させられる。

 「すげぇな…」

 静けさだけを前面に押し出した海のホームは良い意味では神秘的、悪い意味では何処か寂し気だった。
 上条は辺りを見回すように細長いホームを歩き始める。遠くの方に『油屋』という旗を掲げた極彩色の城の如き建物が、独立した絶壁の上に聳えるように建っているのが確認できる。向かいの方には単線の線路を挟んで観光地のような純日本的な町並みが崖の上に広がっていた。

 「何だあれ?油屋…?」

 遠くに見える景色を不思議そうに眺める上条。
 油屋って事は油を売っている店なのか──?にしても随分とデカいし色々と異質だ。人影が見られないのは早朝だからか。其れ以前に海に囲まれた駅から如何やって町まで渡れば良いのか思い悩む。線路の上を沿って渡れば向こうの橋の下までは辿り着けそうだが。如何せん町と油屋と云う建物は絶壁のような崖の上だ。ロッククライミング出来るほど上条は超人では無いし、崖の低い所まで泳げるほど体力がある訳でもない。線路の先にあるトンネルを介して行けば若しかしたら町の裏側に出られるかも知れないが。其れは上条の想像の範疇に過ぎない。

>>葛葉紘汰、海原(駅)ALL

1年前 No.111

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【油屋(最上階)/???】

 其の部屋の中は真っ暗だった。
 窓の重厚なカーテンが引かれ、室内の明かりは全て消されている。カーテンの隙間から僅かに光の筋が漏れていたが、其れも却って暗闇を際立たせる役目しか果たしていなかった。黄昏のように暗い室内はまるで御殿のように広々としている。壁や扉に設置されている洋風の飾り付けは部屋が暗いのも相まって不気味の一言に尽きた。併し広壮な部屋に置かれている家具は何れも之も王室にでも有りそうな高価な物ばかり。部屋の主がそう謂った物に目が無いのは誰の目から見ても明らかだった。

 「…」

 豪奢な両開きの扉から1人の人物が現れる。
 おかっぱ頭に白い狩衣を着た中性的な顔立ち。12歳程の少年だった。彼は誰も居ない主の部屋をスタスタと歩み進む。此の部屋は湯屋の経営者にして食堂街を牛耳る魔女の部屋だ。本来なら従業員でも許可が無い限り入る事の出来ない部屋なのだが、彼は其の魔女の弟子にして経営者が不在の間すべての責任と管理を背負う代理人でも有った。
 此の世界は所謂、昼夜逆転の世界。昼間に寝て、夜に働く。其れが常識と成って世界が動いている。此の"油屋"と呼ばれる湯屋も例外では無い。併し経営者である魔女は営業時間が過ぎると油屋から離れて遠くの方へと行ってしまう。そして開店時間と共に最上階のバルコニーから帰って来て責任者の座へと戻る。一体、なぜ其の様な事をするのかは従業員の間では知れ渡って居ない。ただ魔女に仕える此の少年は主の帰宅時間に併せて部屋の窓とカーテンを開けるのが日課と成っていた。
 だが主が飛び去ってから未だ数時間しか経っていない。其れなのに少年が部屋に訪れたのには理由が有る。

 「…此の気配」

 異様な胸騒ぎを感じて窓から食堂街を一望する。
 何かが混じったような感覚だ。まるで水に油を注いだような。そんな混沌とした何かが此の世界に訪れた。

>>対象なし

1年前 No.112
ページ: 1 2

 
 
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