Google
    
<< TOPページ 掲示板TOP 記事データ お知らせメール ▼レス(103) >>

【ALL】Euthanasia in the Asteroid U【冒険/戦闘】

 ( なりきり掲示板(フリー) )
- アクセス(798) - ●メイン記事(103) / サブ記事 (12) - いいね!(2)

スレ主 @artemish☆8cfl5/j3VDw ★utloP7NDPP_3wf


 ――異星の錨は落ちた。楽園の光は地上に満ちた。

 それは突然の災害だった。
 瞬く間に失われていく自然の力、ヒトの営み。
 空の彼方より降り注いだ七つの光が大地を貫くと共に、世界は加速度的な終末の時を迎えた。
 惑星漂白。秩序は崩れ、生温い中庸は滅び、混沌すらも死に絶えた白の世界。

 宇宙からの星光は途絶え、地表は漂白され、地球はあらゆる関連から孤立した。
 ヒトの積み上げた歴史は見るも無残に棄却され、かつて未来と呼ばれた文明の灯は一つ残らず吹き消された。

 我々の宇宙は、未来は―――『礎』となった。
 歴史を見据える眼は既に無い、人を守護する英霊はもういない。
 すべては支配の檻に囚われ、進退も贖罪も赦されず枯死するのみ。

 だが、それを否定するなら、浅ましくも運命に抗い"生きたい"と願うのなら。
 旅立て、そして戦え。"まだ終わらない"と、"本当の闘いはこれからだ"と叫び続けろ。

 最期の希望は楽園の涯てに――――


【七つの"異聞星"を巡る、星を救う物語。詳しくはサブ記事まで。
 運営側役職『ドミネーター』のキャラクター以外はまだ本スレへのレスを禁止します】

メモ2019/04/13 22:58 : スレ主☆8cfl5/j3VDw @artemish★utloP7NDPP_Oem

改訂版ルール:http://mb2.jp/_subni2/19760.html-84#a

レイドイベント用ルール:http://mb2.jp/_subni2/19760.html-98#a


現行節あらすじ・概要:http://mb2.jp/_subni2/19760.html-213#a


◆アステロイド3 錆憑く狂愛 銘治禍津理想郷 ニライカナイ

 異聞深度:B+


        此の世で最も正しく強き感情とは、他者想う心である。


 其処は、本来の歴史とは異なる近代化の道を進んだ世界。

 遥か古代より存在する悪しき禍津と特異な製法で作られた剣とが、地の支配権を奪わんとする天の使いと勇気ある者達とが鬩ぎ合う。


 危うい部分で保たれていた均衡を破ったのは、本来秩序を守る側にある筈の巫剣・北谷菜切。

 内側から戦力を食い破られ、多くの同胞を喪った剣と勇者は本土を追われ、神の樹の加護が残る四国での篭城を余儀なくされた。

 一方突如として叛旗を掲げた菜切は、姉である二振りの剣と共に、本来ならば不倶戴天たる怪物を使役し一息に本土を掌握。

 築き上げられてきた文化と叡智は、瞬く間に荒廃していく。


 かくて、彼ら/彼女らが次に挑むは一振りの剣が引き起こした暴走が全てを塗り潰した星。


 果たして真に強き想いとは、"勇気"か"恋慕"か。

 最後に咲き誇るのは何れの花か。


        ────第三の異聞、根絶。その賛歌は『狂愛』。


関連用語:http://mb2.jp/_subni2/19760.html-191#a

ロケーション:http://mb2.jp/_subni2/19760.html-213#a


キャラクター一覧(○=生存、●=死亡)


…続きを読む(62行)

切替: メイン記事(103) サブ記事 (12) ページ: 1 2


 
 
↑前のページ (53件) | 最新ページ

「あなた」と「わたし」の理想郷 @recruit ★Android=2AWrmBu7z5

この投稿はフィルタされています。表示するにはアカウントにログインして下さい。

11日前 No.54

スレ主 @artemish☆8cfl5/j3VDw ★utloP7NDPP_Oem

【神社/岡田以蔵】

 ───気分が悪い。それが、岡田以蔵の胸中を占める感情であった。
 何故、など問うまでもないだろう。英霊である以上負傷への耐性はあるものの、元より以蔵は色々な意味で我慢強い質ではないのだ。八岐大蛇を自称する気の触れた小娘に一杯食わされたことも際して、以蔵は今非常に機嫌が悪いのだった。

「……そもそもどうなっとるがじゃ、このけったいな街は」

 更に言うなら、以蔵の話はそこから始まっている。
 彼は異聞星の仕組みはおろか、此処が狂愛の巫剣によって仕立てられた偽りの星であることすら把握していない。
 突然英霊の座から呼び出され、目的もマスターもなしに街中へ放り出されてしまったようなもの。
 取り敢えず、あまりの舞台の異様さから"此処は聖杯戦争ではない"ということだけは認識出来ているものの……逆に言えば、それだけだ。
 神社境内、階段脇の丘部分にうつ伏せで横になって空を眺める。お世辞にも、佳い空とは言い難い。鉛のような雲の立ち込めた曇天は、否応なしに見る者の気分を陰気にさせてくるそれだった。

(……わしは、誰を斬ればいい。わしは───)

 何より腹が立つのは、未だ、自分が一体誰を斬ればいいのか判然としていないことだ。
 人を斬る、天の代わりに誅を布く。それこそが、己の存在するただひとつの意義だというのに───。


>ALL


【喫茶店/乃木園子】


 ───星を渡って、次なる星へ。
 この星は、これまでの弐つの星と比べても明らかに異質だった。
 文明の兆しがない。発展の目がない。此処には、凡そあらゆる未来がない。
 廃墟の星と呼ぶのが最も適切だろう。この異聞が版図を広げ、勝者の座を勝ち取ってしまったならと考えると、園子は怖気すら覚える。

「……だからこそ。こういうところがあるっていうのは、ちょっとだけ驚きだったかなー」

 そんな星にはしかし抵抗の芽が残っていて、園子は今、彼らが憩いの場としている喫茶店の一席にちょこんと座っていた。
 生憎と戦いの場に参じることは叶わなかったが、既に第一陣の戦闘は終結しているらしい。
 となれば、今頃誰かが抵抗勢力───"御華見衆"のトップと会合している頃だろう。

「───今回も、頑張らないとね」

 異聞の錨は、あと四つ。あるべき星を取り戻すために、自分達はまだ、立ち止まるわけにはいかない。


>ALL

10日前 No.55

理央 @evil☆wlNTvj.bQ62 ★Android=c1E0DIQTEq

【城内/習練場/理央】

習練場に打撃音が響き渡る。音の元は習練場を利用している青年が訓練用の木人に拳や蹴りを叩き込む音だ。

青年の名は理央。この星のドリフターであり御華見衆に属する者である。
彼の戦いは本来は終わっ他はずだった。本来の世界で理央を含めたありとあらゆる者を不幸にした黄金の邪竜に対して理央は特攻を仕掛けて彼はその命を散らしたはずだった。

しかし今彼はこうして新たな生を受け、現在御華見衆の戦士として戦いの日々を送っている。決めた回数の打撃を木人に打ち込んだところで理央は腰を下ろす。
理央は周囲を見回すがやはり理央が愛し、また理央を愛した右腕たる『彼女』はいない。彼女以外の顔馴染みの姿もないが、虚しい等と言っていては理央のライバルたる『彼』に笑われてしまうだろう。

「悪いな、メレ。お前のところに戻るのは今暫く先のようだ」

理央は虚空を見つめそう言葉を漏らす。理央が新たな生を受けた理由。それは恐らくだがこの星を支配するドミネーター、菜切を討つためだ。他のドリフター達もそうであろう。ありとあらゆる世界から奴を討つために召喚されし者、それが御華見衆のドリフターであると思っている。

そして聞くところによれば、星々を渡り歩きこうした異聞星を滅ぼす役目を帯びた者達、トリズナーがこの星にも現れたとか。しかも既に星を二つ、滅ぼしているらしい。

「この星での決戦の日もそう遠くないというわけか。
あの菜切が、この事態を黙って静観しているとも思えんしな」

そうして理央はこれからのことを想いながら持ち込んでいたスポーツドリンクの蓋を開けて喉に流し込んだ。

>ALL

10日前 No.56

サビルバラ @genmwhite ★HGFSFqNdXl_ts3

【神社/サビルバラ】

 今日も風は乾いていた。肌を撫でる風は生きた心地を感じさせない。それだけ、自然が生命を失わせていっているのが感じずとも分かる。
 嫌な気分だった。誰だろうとこんな世界で、息吹を感じさせるような力は出ない。それだけ廃れきっている。それだけ疲れきっている。ここが空ではなくて、大地と呼ばれる空の下であろうと、気づけるものだった。
 一体全体どういうことかなどと問うつもりもなし。サビルバラという男にとって、ここが魔に満ちた世界であるならばそれを斬るのみ。数え切れぬほどの血が流れていることも、悲しみが広がっているのも分かる。
 まるで妖刀が齎した災厄のようだ。心中に留めていた怒りを湧き上がらせるほどのものだった。だが、その妖刀は自らが追い求めたそれではなく。しかし、人々を糧とする悪魔のような存在であったことに違いはない。
 形はどうあれ、そういうものが存在する。ならば、それが違うものだろうと折らねばならない。そういうものだと理解しているから、それをそのままにしておくわけにはいかぬが道理だ。

 そして今に至る。御華見衆とやらが何処の馬の骨とも分からぬ自分を受け入れてくれたことには感謝している。彼らにはまだ生きるだけの気力がある。戦うだけの気力がある。それはこの淀んだ世界を切り開くものだと確信した。
 青空を裂く大いなる戦いを切り抜けた彼らのような目をしていたから、それを信じることができた。だから身を預けた。協力を申し出た。
 彼らの他に───この星へとやって来て、この淀んだ世界を作り上げた者たちと戦う戦士たちがいるという。おそらくはその到来があったであろう気配を感じつつも。彼は少しばかり神社へと足を運んでいた。
 神頼み、というつもりではないが。それでも少し気を入れなおすには、ここいらの静かなところが肌に合う。そうして境内に入ったところで、ふと目につく人物がいた。

「…………おんし、そこでなにしゆう。腹でも減っちゅうのか」

 独特な喋り方だったが、人間よりも小柄で小さな男サビルバラは、境内の脇の丘でうつ伏せになっている男に声をかけた。
 見れば刀がある。だが、空の世界で彼のような風貌の男を見たことはない。ここが異なる世界からの来訪者が多いのであれば、きっと彼もそうなのだろう。
 最もその目は濁っている。いや、濁っているというよりかは、やり場のない怒りを見せている。この灰色の空の下で、そんな顔をするとは何事かと思った故に。ひとえに声をかけたのは、彼が魔性の者共とも思えぬ気配を漂わせていたからだ。

 だから、声をかけた。その目の怒りにどこか通ずる何かを感じたのか。最も、あちらからすれば───御伽噺に出てくるような小柄な小人が、編み笠を少し上げて話しかけて来ている異様な光景に過ぎぬのだろうが。

 >岡田以蔵

【遅ればせながら2スレ目おめでとうございます。】

10日前 No.57

ザックス @phile☆fFByNj5QP5A ★AnStI6F1tD_Hhd

この投稿はフィルタされています。表示するにはアカウントにログインして下さい。

10日前 No.58

呉島貴虎 @antinomie☆yzl4MFL1dRLB ★AmPQPE9EE6_Hhd

【宿舎/呉島貴虎】

スーツを着崩した男が廊下を歩いている。
呉島貴虎―――アーマードライダーシステムを使う『仮面ライダー』。仮面ライダー斬月だ。
先ほどの戦いの傷を癒すため……そして、結局のところ自分の任務をろくに果たせなかった不甲斐なさ。
それらを抱えて、一度城へと戻ってきた。その道中で、かの存在を知る。

「……叛逆者、トリズナーか」

懐から取り出した錠前を手の内で弄びながら、一人呟く。
奪われた大量の命と、星。それを奪い返すために戦っている戦士たち。
その多くは、若者だと噂程度に小耳に挟んだ。それを知ったとき、貴虎は妙に気後れした気分になった。
当然だろう。自分のようなものは、こうして一つの場所で戦うのが精一杯だというのに。
彼らは既に多くの戦いを経ているというのだから。ふ、と自嘲気味に笑いながら足を止める。

「“大人”としての責務を、彼らに背負わせるというのは心苦しいが……」

無論、トリズナーだけじゃない。
この星で戦う、御華見衆。その中にも少なからず若者はいる。自分より一回り若い人間だって。
余裕がないのは確かだが、それでも責任感を感じざるを得ない。だが、と瞑目。

「……いつだって世界を変えるのは、そういう人間たちだな。俺たちが出来るのは……」

それを守ることくらいか。溜息を吐き、歩みを再開した。

>ALL


【商店街/ミトス・ユグドラシル】

星渡りは成った。
既に多くの叛逆者は、この地に降り立っているだろう。そして、此方の星での抵抗組織に接触しているはずだ。
繋がり、そして戦うと良い。この星の有り様を見ると、確かに好ましいとは思えない。
だって此処には何もない。今までもそうではあったが、この星については生存圏の詰み具合が群を抜いている。

「……ふん」

自分にとってはとんと縁のない文化―――精霊に関する術という意味では、多少縁のあった文化を代表する建築物の並びを前に、腕を組み佇む。
別に見られようが構わないと判断しているのか、背には虹色の十二枚羽を背負って、飛ぶことなく歩む。
そのまま数歩歩いて、視線を周囲へと向けた。珍しく、機能しているように見える。とはいえ、別に買い物をしに来たわけではない。
もっと言えば、別に力を持たない生存者などと話したところで、ミトスにとっての利益はないのだ。

「まあ、……気になることもあるのは事実だ。」

例えば、くだんのバーテックスだとか。
あとは、剣の精霊と言っても過言ではない、巫剣とやらのことか。今後の動きのための何らかのヒントにはなるかも。
そんなことを考えながら、凡そ景観にはそぐわない天使が街道を闊歩していた。

>ALL

10日前 No.59

「あなた」と「わたし」の理想郷 @recruit ★Android=2AWrmBu7z5

【作戦会議室/小烏丸、→古波蔵棗、三ノ輪銀】

>>ザックス、(ミラ、神琴、タスク)


 ── 其れから暫くして、戸を叩く音が会議室へと響いた。
 どうやら例の彼らが辿り着いたようだと小烏丸も作業を中断して其方へと意識を向ける。
 入室の許可を出す前に扉が開いたのは少々不躾であると感じはしたが、其処を一から注意している時間も勿体ないと判断、後回し。

「ああ。一番偉いし、説明も出来る」

 先んじて会議室へと入った青年の質問に小烏丸より早く簡潔に答えたのは、一歩遅れて入室してきた棗。
 どうやら彼女が迎えに出た側の方が早くに戻って来たようで、二人とは別にもう一人連れがいるのも小烏丸の目線から見えた。
 それにしても会って早々、疑問符だらけな上にその内容が内容ときた。棗の答えもフォローとして成立しているかどうかと言えば微妙な内容である。なんじゃ、説明も出来るって。誰でも出来るじゃろ。

 ── 尤も、古波蔵棗という人物はあまり説明上手な部類ではない。
 口下手な彼女からすれば、小烏丸が頭が回って話の出来る人物であることを、正しく評価している言葉ではあるのだが、それが伝わっているかはさておき。

 咳払いをしてから。

「如何にも。妾が彼奴らに対抗する最後の砦である此処、丸亀城で指揮を執っておる、小烏丸じゃ。

 ……代理ではあるがのう」

「態(なり)については案ずるな、これで妾は千年は生きとる身じゃ。年功序列で長を決めておる訳ではないが、少なくとも其処の棗よりはまとめ役を買うには適任なのでのう」

 年寄めいた口調で語る小烏丸。

 長たる者が自分達よりも幼い。等と、仮に其処を理由に此方と協力を結ぶという提案を示すにあたって暗雲が生じては困る。
 故、現状では信憑性をあちらが懐かずとも嘘偽りなく真実を告げる。理屈は後で証明すればいい。

 ……それさえ済めば、今しがたより向けられ続けている興味の視線も収まるだろう。
 ええい、初めて会った時の銀と同じ程度には眼を輝かせておらぬか、此奴は ──


『お、棗さん達のが先に帰ってたみたいっすね』


 ── 等と、考えていれば影が射す。

 扉が開いたまま、まだ閉まっていない為に廊側からの声が聞こえて来る。
 どうやら、迎えに遣わせたもう一人の方もさして間を置かずして戻って来たらしい。
 となれば、これで心置きなく本題に入る事が出来るか。

10日前 No.60

魂魄妖夢☆4H2CCC.TU8ct ★Android=zbCXnRRWFb

【工房/魂魄妖夢】

>all

 工房の中に、その少女はいた。
 銀の髪に、体のすぐそばに浮かんだ半透明の白い半霊。
 この「半人半霊」の少女の名前は──魂魄妖夢。
 御華見衆の一人としてこの異聞星に呼び出されたドリフターだ。

「…はあ。物騒な争いに呼び出されたものですね」

 よもやこんな、血で血を洗うような戦いの舞台に呼び出されてしまうとは。
 呆れたような息を漏らしながらも──しかし妖夢には戦う意思があった。
 自分の、あのだらしのない主人。
 彼女ならばこの星がまかり通る未来は決して快く思わないだろう。
 なら──自分は主の代わりに、役目を果たすまでだ。
 幻想郷の、庭師として。

10日前 No.61

スレ主 @artemish☆8cfl5/j3VDw ★utloP7NDPP_Oem

【神社/岡田以蔵】

「……なんじゃあ、おまんは。物の怪の類なら間に合っちょるぞ」

 憮然とした声色に、表情。
 凡そ初対面の相手に対して取る態度ではなかったが、挨拶代わりの剣閃を飛ばしていないだけでも、以蔵という男に言わせれば随分と行儀がいい。人を斬ることが役目であり至上命題であるこの男にとって、他者とは斬れるか斬れないか以外の意味を持たぬのだから。
 以蔵が声の方へちらりと視線を向ければ、そこに居たのは小人と称しても何ら差し支えないだろう小柄な男だった。
 とりあえず武器を携えている様子はないし、敵意も感じ取れない。腹でも減ってるのか、という言葉に対しては、英霊はそもそも腹など空かないと返す以外にはなかったが、以蔵としてはそれすら億劫だった。
 故に、その問い掛けには答えることなく───本題へと入る。
 彼が今この瞬間、他者に対して最も訊きたいこと。相手の事情やら身分やらを探るよりも先に、不躾なまでに叩き付ける。

「おう、小人。おまんにひとつ訊くがじゃ。
 このけったいな街は何じゃ? 踏ん反り返った神仏はわしらに何をせぇとぬかしちょる?」

 如何に以蔵がやや頭の足りない男であるとしても、流石にこの状況に何ら違和感を覚えない程の底抜けではない。
 この世界では今、何かが起きている。ひとりで頭を捏ね繰り回していてはいつまで経っても辿り着けないような、途方もなく厄介で面妖な問題が発生している。そして自分はそこに一枚噛む為に、遠路遥々呼び出されたのだろう。
 では───世界は何を求めて英霊を呼び出す? この荒涼たる残骸の街で、一体何を成せという。

>サビルバラ

9日前 No.62

サビルバラ @genmwhite ★HGFSFqNdXl_ts3

【神社/サビルバラ】

 相手の返答は風貌から察せられる通り。そも、自分の知るヒューマン族とは背格好は似てはいるが、内面的な部分から根本的な違いがあるようだ。と言っても勘でしかなく、この手の相手にそれを問い詰めるのも礼儀に欠ける。
 何より相手の目と口ぶりは、最初に自分が推察した通り。行き場のない殺意を宿した目。相手の事情などを知るよりもまず早く知りたいこと。成る程確かに、と編み笠を上げながら空を眺めた。

「そうか、おんしはまだ知らんか」

 木偶の坊というわけではなく、鋭い殺意はこの世界の異変というものに既に感づいている。だが、そこまでであり、実際に何が起きているかと言うのも分からないようだ。行き場のない殺意というものは暴走し、やがて脅威となる。
 ここで例の支配者の軍勢に惑わされて御華見衆の敵となられても勘弁だ。おそらくは剣客。その実力のほどを対面して理解できないほどサビルバラもずぶの素人というわけではないのだから。

「ワシも全てに詳しいわけじゃないが、先ず言えるのは……この世界は人が滅びようとしちゅう、ということか
 どういう理屈かは知らんが、一人の女に率いられた……御伽噺に出てくるようなバケモンどもが人を貪っちょる。この街は強いていうならば、人間の残された生存領域か」

 伝聞によって歴史を知った以上、まずこれだけは言わなければならない。巫剣なる刀から変じた支配者がこの星を塗り替えた。魔性の怪物どもが闊歩し、人間たちの命を散らさんとしている。
 悪き魂から生まれる怪物どもと、天の使いなる白塗りの怪物ども。そして、それを率いているという一人の少女。そこに至るまでには捻れるまでの経緯があったのだろうが、さすがにサビルバラはそこまで知っているわけではない。
 だから彼から言えるのは、この世界───星に住まう人間は滅びんとしていること。それを成さんとしているのは怪物であり、一人の少女の姿をした剣であるということ。
 少なくともワシはそいつらを斬る、と前置きしながら。

「此処に住まうのはそいつらを僅かに生き残った者共と、彼奴等に反抗する気のある者共だ。
 おんしが何故この世界に来たかまではワシにはわからん。が、しかし……おんしが悪意に満ちちょらんのならば、その剣で斬るべき相手は定まっちゅうやか」

 この男は何を為すべきかという問いに、完璧な答えを返すことはできない。彼がどういう人物なのかをまだよく知らないからというのもある。
 彼が何故剣をとり、その剣を振るうのか。それによっては、今この場で交える必要すら出てくる。だが、彼がこの世界に呼ばれたのが、人を襲う魔性どもを斬りふせることならば、きっと心強い味方になるものだとも思っている。
 そしてもしも人を斬るものであるならば、あるいは……だが。

 >岡田以蔵

9日前 No.63

アマテラス=姫 神琴 @tukuyomi07☆2nDyzvx51us ★3aNoMW8gGM_Hhd

【 →作戦会議室/アマテラス=姫 神琴 】

 ――案内に従い、招かれたのは近現代的な赴きを見せる建造物だった。

 日本は明治に入り、諸外国から文化を流入することで、これまでの文化をがらりと変えていった。
 着物は洋服へ。石積みは煉瓦へ。灯篭はガス灯へ。これまでの価値観を含め、生き方そのものが変わっていった激動の時代。
  、    、     、     、    、・
 歴史の資料を少しつまんでいるものであれば、ここが明治館であると何となく察しが付くように。
 神琴もまた何処か不思議な懐かしさを覚えるそこへと、ほのかに香る土のにおいを受けながら入っていく。

 …
 ………
 …………

「失礼しまーす! 局長さんはいらっしゃ、い、ます、か……」

 リノリウムの床、漆喰塗りの壁、古めかしい時計、今ではあまり見ないすりガラス。
 先に入った銀に続くように入ると、青年や金髪の少女、そして日焼けした少女よりも先に――デスクに座った少女に視線がいった。
 察しは付く。あそこに座っている、蒼を混ぜた銀の髪を切りそろえ、カラスアゲハを想起させる黒い服装を纏った童女が局長であると。
 だがそうだとして神琴の想像は何か色々と間違えているというか、大変失礼なものであったことであり――。

「ん"っ"んっ――姫 神琴。
 コードネームは"アマテラス"、えー、反逆者<トリズナー>です!」

 あらゆる物事を飲み込み――妙齢のおばあちゃんだと思ったらロリっ娘だったとか――七聖騎士団としての外行きの名乗りを告げる。

>小烏丸&古波蔵棗&三ノ輪銀 タスク ミラ ザックス

9日前 No.64

龍炎寺タスク @antinomie☆yzl4MFL1dRLB ★AmPQPE9EE6_Hhd

【→作戦会議室/龍炎寺タスク】

神社の一角から歩みを進めること、それなり。
目に入る景色は、一つ目の星とはまた違う方向で既視感のあるものだった。
否。どちらかと言えば、今回の方がタスクの知る日本の形に近いかもしれない。
と、言うのも。タスク自身、少年バディポリスとして遠征に出ることはあってもその圏内は基本的に本土だ。
四国についての知識というのは、情報以上のものがない。

最も、此処はどう知恵を持っていようと確実な『ズレ』がある世界―――異聞星なのだが。
それにしたって、だ。
城だのなんだの、そういった歴史的な建造物にこういう形で足を踏み入れることになるとは思っていなかったので、少しそわつく。
と、案内人となっていた三ノ輪銀が声を漏らした。視線の先には開かれた戸。つまり、此処が『局長』とやらの居場所か。

「失礼します」

元気よく声を上げながら入室していった神琴の後ろ姿を苦笑しながら見送りつつ、タスクもまた一礼しながら部屋の中へ。
少年バディポリスとして働いていた時期から、周りに大人しかいない状況は慣れている。故に多少の礼節も弁えている。
そのつもりで、面を上げながら部屋の中を視線だけで一瞥。

先の星の決戦にて見た覚えのある金髪の女性。大剣を担いだ青年。褐色肌の見知らぬ人。
恐らく、今三ノ輪銀の言った『棗さん』というのが最後の人物だ。
そして、もう一人。推定『局長』の少女に視線を移し。ほんの一瞬だけ何かを考えるような表情をして。

「……バディポリス兼トリズナーの、龍炎寺タスクです。三ノ輪銀さんの案内で、此処まで連れてきてもらいました」

見れば分かる説明を、何となく口に出しながら脳裏で思考する。
年上、だとか言っていなかっただろうか。見かけで判断すべきではないし、確かに年上ではあるかもしれない。
此処までの経験上てっきり『大人』が現れると思っていた少年は、自分の考えに苦笑を漏らしながらも思考だけは漏らさまいと表情を保つのだった。流石に、いきなり失礼はいけない。

>小烏丸、古波蔵棗、三ノ輪銀、神琴、ザックス、ミラ

8日前 No.65

赤頭巾 @wakame3☆FYUOhnBVGmk ★2RykzmoSz4_Hhd

【宿舎/奴隷騎士ゲール】

 嘆息して歩み出そうとした男の傍らに、ふらりとその老人は姿を現した。
 赤い襤褸切れの頭巾と、煤汚れた灰の豊かな髭。外套に隠れた顔は、宛ら幽鬼の如き印象を与える。
 その在り様は強者と呼ぶには程遠い、乞食とも見まがう亡者の気風。仮にも異聞を二つ下した軍勢の一人とは思えぬ程に脆弱な、一介のアンデッドである。
 ただ一点。その外套の奥から覗く、得体の知れない『意思の炎』とも呼ぶべき何某かが、彼を一介の亡者と一線を画す存在としていた。
 その男、奴隷騎士ゲールがこの丸亀城に到着したのは、本隊が合流する以前のことであった。
 工房の一角に篝火を見出し、そこに灯火を焚いた後、彼は今後の方針を立て、独自に動き出そうとしていた。
 即ち異聞の実態、この星のみならずすべての異聞にまたがる謎を解き明かすために。
 そのためには、布石を打ちたい。差し当たっては、この男に。
 老騎士ゲールは、身なりの良い服を着た青年、呉島貴虎に向けて、どこか独り言ちるよう語り掛ける。

「加護を授かったといえど、主力は女子供ばかり。
 四方を敵の侵攻に襲われ、休む暇を作ることも危うい。
 神々の加護を享け、辛うじて物資を得ているが、それもいつまで持つか判らぬ」

 普通に見れば、それはほぼ詰みのようなものだ。
 城塞など構えているが、内蔵する兵力が貧弱であれば張子の虎。
 抗うこともできず、蹂躙されるのを待つだけ。
 誰しもそう絶望することだろう。

「だのに、人々はここまで活気づいている。老いも若きも、迫る絶望に面して臆すことなく抗っている。
 儂の国では、とても見られなかった景色だよ」

 絶望に抗う者たちはいた。それも数多。数え切れぬ程の、那由他の死を超えて何かを掴もうとし、遂に何も掴めず朽ち果てた亡者たちがいた。
 だが彼らは常に一人であり、孤独であった。徒党を組んでも、それは僅かな人であった名残を噛み締め合うだけの関係に過ぎない。
 この地に生きるものたちのように、互いに鼓舞し、高め合い、共に歩もうとしたものは、久しく見ることはなかった。
 ゲールはその在り得ざる存在に敬意を示した。示したうえで、赤頭巾の奥から見定めるような視線を若人に向けた。

「……あんたはどう見るかね。
 彼奴等を『逞しい』と捉えるか。『痛ましい』と捉えるか」

 これに正しい答えなどない。その在り様に憐憫を抱こうと尊敬を抱こうと、それは等しく正しい感性であり、同時に誤った偏見でもある。
 言ったように、これは相手の在り様を見定める問いかけであった。この男が見立て通りの男ならば、きっと望んだ答えを返すことだろう。
>呉島貴虎

8日前 No.66

ミラ @aroundight☆SdjaOljKHtOm ★msJh1WzJ3A_keJ

【銘治館⇒作戦会議室/ミラ=マクスウェル】

 程なくして、そこにたどり着いた。
 丸亀城―――それがこの世界において、唯一のヒトの在処だという。
 古波蔵棗という人物の案内を受けて、ザックス・フェアと共に出向いた先は、その建物の様相から永らえる人々の顔、そしてその主として此方を待っていたと思しき人物に至るまで、ずいぶんとミラの予想とは違っていた光景だった。
 東洋の技術で培われた城内というものは、なにぶんミラが今までやって来たものとは違っている。魔海の時にあったモビー・ディックの船内とは当然その構想も違っているし、混沌の際に肩を並べたシュトルツたちの居城と比較してみても、これは戦うためのものでありながら、その根本的思想が違っているように見える。

 地域が違えばヒトの在り様も違う。
 それは当然のことであるが、全くの未知であったのもまた事実。
 招かれたその場所の事前知識がないだけに、後回しにするべきだとは思うが道中のミラはそれなりに忙しなく視界を動かしていた。辺りにある生活の名残と活気は、此処が最後のヒトの生活地であるとは思わせないような有様だったのも、そうだ。

「小奇麗というのか。
 いや、これまでのものと少し装いが違うのでな。ヒトの営みである以上、大きく外れたわけでもないが―――」

 などと考え、呟きながら。
 ミラは、その作戦会議室の扉を、ザックスが親鳥の後に続く雛鳥が如く、
 なるほど二回叩いてから入るのだな、などと少し誤った理解を得た上で―――入室。

「………ン、君は―――あの時の少年か」

 入室して少し経ち、ことばを紡ぐ前に、新しい方から聞き慣れない少女の声と共に誰かが入室してくる。
 見た覚えのある顔の少年に一言声をかけ、それから主の方へと向き直った。

 顔を合わせた覚えのあるものから、名前とその活躍について小耳に挟んだものまで。
 各々、覚えのある時点でトリズナーというやつだ。
 ならば、あの銘治館からこの四国までを潜り抜けたということになるのだろう。

 であるなら………そこにいる少女。
 曰く“小鳥丸”と名乗った彼女が、この丸亀城のあるじということになるか。自分たちとは別の位置から現れた少女等のうち、見知らぬ方の言葉を照らし合わせていけば、消去法でそうなる。
 どういう意図であるにせよ、此方でも、抵抗の芽は残っていたということだ。

「改めて―――ミラだ。ミラ=マクスウェル。そのトリズナー、というやつになる。
 彼女から情報交換の提案を受けて此処に出向いた―――よろしく頼む」

 余談だが、彼女が眉一つも動かそうとしなかったのは、外見だけなら子供のそれにしか見えない小鳥丸が、しかし恐らく自分たちを連れて来た双方のドリフターから主であると看做されているからでもあり、彼女もまた、齢を逸脱した精霊のあるじであるから―――ひとつの例としてそこにあると認識しているからだ。
 ならば少しばかりの奇異なものを感じこそすれども、そこに驚愕のような感情を示すものでもなく。
 こうして揃った後の本題に入るまでの様子は、基本的に平常心の域を出ない。

>小烏丸、古波蔵棗、三ノ輪銀、ザックス、アマテラス=姫 神琴、タスク

8日前 No.67

呉島貴虎 @antinomie☆yzl4MFL1dRLB ★AmPQPE9EE6_Hhd

【宿舎/呉島貴虎】

ふと、立ち止まる。
何か啓示があったわけでも、宿舎に割り当てられた自身の部屋に忘れ物をしたのを思い出したわけでもない。
視界の端に映る奇妙な影が、貴虎の足を止めたからだった。
一見して健常ではないように思う幽鬼の如き存在に、思わず怪訝な顔をして視線を向ける。
ぼろ布のような赤頭巾に覆われた顔は、その髭も相まって表情というものを読ませてはくれない。しかし、と目を細める。
確かに“亡者”然とした人影ではあるが、その姿見に脅威とも言うべき強靭な意思が垣間見える。

思わず言葉を失っていた貴虎が声を掛けるよりも前に、男は静かに語り始めた。

「お前は……」

男は語る。この星の現状を、淡々と。
その話に耳を傾けながら、男の素性について考えようとして直ぐに止めた。
この身なりで、保護をされた人物であるなら向かうべき場所は此処ではないからだ。迷って現れたという風でもない。
男は他でもない、自らの意志で此処に居るのだろう。何かの目的のために。
その彼が、星を渡って現れた存在だと察するよりも前に、この星に生きる人間たちについての所感を求めてきた。やや瞑目する。

「……少なくとも、お前が見て感じた敬意のようなものに近い感情はある。
 私も同じだ。私が諦めた道を成してみせた若者、その仲間……そういう人種が、多いのだろう。此処にはな」

と、答えてからややあって。
見定めるような外套の奥の瞳に、見えぬままでも真摯に視線を返し、再び口を開く。

「私も本来は部外者の身だ。が―――……強い、とも。逞しいとも、眩しいとも思う。
 諦めず、自分を……世界を変えようというのは、言うだけでも難しいものがある、と―――……」

率直にそう返して、ふと自身の顎に手を当て静止。そして、少しだけ首を傾げて。

「……聞き逃すところだったな。お前は何者だ?彼方の間者でないことは元より、我々とも違うように見えるが」

>奴隷騎士ゲール

8日前 No.68

スレ主 @artemish☆8cfl5/j3VDw ★utloP7NDPP_Oem

【神社/岡田以蔵】

「……、……」

 以蔵は小異人の言葉をただ黙して聞いていた。
 曰く───この世界は今、終わりに瀕しようとしている。
 ひとりの女が率いる怪物の同行集団による蹂躙が続いた末の光景が、この退廃した空虚な廃墟の山なのだという。
 俄には信じ難い話であったが、しかし此奴の言葉を信じるならば、あの物の怪めいた女の存在にも納得が行く。
 どうやら彼の言う通り、自分はその戦いに参じる為に席を用意された存在であるらしい。全くけったいで風情のない話だった。秩序の存在しない死にゆく混沌の中に、己のような人斬りを用立てようとは。

「……えい、よう分かった。分かりやすぅて助かるわ」

 そう、実に分かりやすい。
 複雑なことを考えずに済むのは、以蔵のような単細胞には実にありがたかった。
 要するに今回もまた事の基本は変わらない。いつかの帝都と同じく、教科書通りの単純さだ。

 ───斬るか、斬られるか。強い者は勝ち弱い者は負ける、ただただそれを突き詰めるだけの趣向。
 そしてその末に己は己の使命を果たせばそれでよい。成る程、事の全貌が一度見えたなら実に陳腐な舞台ではないか。
 天誅、天誅。世界は己にそれを求めている。世界を喰らう何者かを斬り伏せよと、小判もなしに傲岸不遜に突き付けているのだ。
 実に人使いの荒い話だったが、英霊の座などという碌でもない場所に祀り上げられた時点でそうなることは読めていた。ならば精々、世界の狗として躍ってやるとしよう。幸いこの身は、何かを斬ることに関してだけは異常なほどに長けているから。

>サビルバラ

8日前 No.69

「あなた」と「わたし」の理想郷 @recruit ★Android=2AWrmBu7z5

【作戦会議室/小烏丸、古波蔵棗、三ノ輪銀→移動】

>>64

 ……

 何の咳払いなんじゃ、なんの。
 口にこそだしてはいなかったが、この反応は十中八九先の青年の其れと似たような感想を抱いたが故のものだろうと小烏丸は考える。
 矢鱈景気良く部屋に入ってきた割には、人の事を見て勢いが収まったのが良い証拠である。

「…………
 妾が此処の局長じゃ、代理じゃがのう」

 念押しのように、銀の連れてきた叛逆者へと告げる。
 其れ以上の事は一旦咽の奥へと飲み込む。人を見掛けで判断するべからずという題目に関しても、説明しなくてはならない事を話す前に訴えたとして、アレだ。
 背伸びしているだけに取られても致し方ないからして ……
 結局、お互い口にしたい処を置いておく事を選択する形になった。が ──

「……アマテラス、か」

 最後に小烏丸は、やや神妙な口振りで彼女の暗号名を呟いていた。

>>65

『二人ともアタシが着く前から、射手座のバーテックスと戦ってたんですけれど。アタシが着いた時には、もう御霊が表に出るとこまで追い詰めてて ──』

 二人が自己紹介を終え、後を引き継ぐようにしてそれまでの経緯を簡素にだが銀が小烏丸へと報告していく。
 大まかではあるが、偵察役だった烏から聞いた内容と食い違う所はない。この地で長く戦い続けてきた銀からしても、反逆者の実力とは目を見張るものがあるのが偽りなき事実と言って過言ではないだろう。

 ………… が、其れは其れとして、やっぱりアレか。態(なり)がこれでは全員思うところは同じであるのかと、瞼が細まる。
 タスクと名乗った彼の場合は他ほど露骨ではないと言えば、そうなのだが。

>>67

『みんな、此処で生きているからな』

 道中でのミラの呟きに対して、棗からの短い回答。

 ・・・・
 これまでの、という言葉が何を示しているのか。
 辿ってきた道筋、2つの異聞星における戦い、其処で出会った協力者、組織 ──
 棗からは想像も出来ない死線を潜りながら、尚且つ其々の世界における有り様を見てきたが故のミラの思考。
 小綺麗、と評されたこの城内は人の生活圏でもある。
 これまでの星とてそうではない訳ではなかったろうが、内装に授業を受ける為の教室や憩いの場たる喫茶があり、それだけでなく城下の装いを取っても他とは違っていたのだろうか。
 其れを可能としているのが、彼ら御華見衆とそれと併合した大赦の後ろ楯たる存在という訳なのだが ──

 閑話休題。
 視点は小烏丸へ移る。
 青年、そして棗と共に入ってきた人物。
 様子から察するに、銀が連れてきた者とは面識があるのか。恐らくはこれまでの戦いで、互いに協力し合う事もあったのだろう。


>>ザックス、ミラ、タスク、神琴



「神琴、タスク、それにミラ、か……
 改めて此処までの足労、痛み入るぞ。
 銀の連れてきた二人にはまだ名乗っておらぬゆえ、今一度名乗らせて貰うのじゃ」

「妾は小烏丸。
 御華見衆と、今は併合された大赦と呼ばれる組織の長を代理で務めておる。
 ……一先ず適当な席に掛けると善い、説明は其処からじゃ」

 ── ともあれ、四人の反逆者(トリズナー)が揃い、状況は整った。此処からは本題だ。

『それじゃ、アタシ達は此処で!
 神琴さん、タスクさん、また後で!』

『……また』

 説明に入る前に、銀と棗とが部屋から去っていく。役目を終えて、一時の休息を過ごすために ……

8日前 No.70

赤頭巾 @wakame3☆FYUOhnBVGmk ★2RykzmoSz4_Hhd

【宿舎/奴隷騎士ゲール】


 男はこちらの問いに対し、真摯に視線を返して正面から応えた。
 その答えに対して、ゲールは反応を返さない。表情は窺うことが出来ないものの、その態度からして答えには満足した様子だった。
 こいつならいけると、こいつなら信用できると、そう判断したようだ。

「儂は只の老いぼれ、只の不死よ。この世にもごまんといた不死人の、その生き残りさね。そして今では二つの世界を旅し、ようやっとこの三つ目の世界へと辿り着いた。
 そういった世界を渡るものたちを、トリズナーと巷では呼ぶらしい」

 篝火の存在は、不死人の実在の証。星の断末魔が異聞に英傑を送り込むならば、雑兵を呼び出すことも造作もない。
 藁をも掴む思いで放たれた不死人はあらゆる異聞に使い捨ての兵として駆り出され、何もできず、名を刻まれることもなく朽ちていった。
 己もそうした者の一人で、何かの間違いで生き残った例外。即ち星を渡るもの、トリズナーである、と。老騎士は静かに語った。
 ……余計なことを語るつもりはなかったが、そこはゲールにとって譲れぬ一線であった。
 己は彼ら輝ける救世の英雄たちと並ぶつもりはなく、その資格もないと考えている。
 そもそも、こうして世界を渡るのも別の目的があるからだ。積極的に異聞の争いに手を出すつもりもないし、何となれば異聞が生き残る世界もアリだと考えてすらいる。
 尤もこの世界にそれを譲るのは、さしものゲールといえど考えものであったのだが……。

「あんたはドリフターの者だな。そして、この異聞の賛歌を垣間見ながら、猶も進む意思を曲げずにいる。
 ならばこそ託せるものもまた在る」

 それはこれまで星渡りの旅をしてきたことから来る、ゲールなりの信頼を感じさせる声音だった。
 そう、信頼。

 ・・・・・・・・・・・・・
 ドリフターは原則使い捨てだ。
 ・・・・・・・・・・・・・・・
 だから危険な役でも体よく任せられる。

 そんな本心などおくびにも出さないが、この男がしようとしているのはそういうことだった。
 群れから距離を置く人間を敢えて選んだのも、相手の性根を試したのも、つまるところ捨て駒を剪定するために過ぎない。
 たとえ何の成果を上げずとも、少なくとも周囲に徒に口外して回る類の手合いでなくばそれで良し。
 最終的には己が立ち回ることとなろうが、この身は所詮、一介の亡者に過ぎぬ。只のドリフターならいざ知らず、元凶と繋がっている可能性さえある強者相手に単騎で挑んで下せる実力は到底ゲールにはない。
 だがトリズナーと徒党を組んだ際には、こちらの不手際で貴重なトリズナーの要員が欠けさせてしまう羽目になりかねない。何よりあまり他のトリズナーに知られたくはない。
 ドリフターを『使う』他に、ゲールがあの者たちを斃す手立てなど初めから存在せぬのだ。

「或るものを探している。それは、この星を……或いは星々を跨る脅威となるであろう。
 それを探す助力を乞いたいのだ」

>呉島貴虎

7日前 No.71

ザックス @phile☆fFByNj5QP5A ★AnStI6F1tD_Hhd

【作戦会議室/ザックス・フェア】

 一番偉くて説明もできる。
 そりゃあありがたい、と深く頷いて、次に開いた扉の方向をちらりと見やる。
 ミラと自分のあとに入ってきた数名──そのうち学生のような形をした二人組はそこそこ見覚えがあった。姫神琴と龍炎寺タスク、ふたりともトリズナーだったはずだ。
 であれば残る一人は、自分たちと合流した棗と同じく彼らの側の迎えだったのだろう。
 退出していく二人の姿を手を振り振り見送って、視線を小鳥丸と名乗った少女に戻して──内心、冷や汗。こころなしか、その長という少女から向けられる視線が険しくなったようにも思えたので。

 ぶしつけな目線で眺めまわしたのがよほどまずかったか?
 いいや、とはいえ俺自身の常識からはありえないしな、そもそも千年も生きてるってどういうことだ?
 ──といった塩梅のことを考えているのが丸見えな目では、あった。落ち着きのなさと好奇心に輝く目はまるで子犬だ。
 とはいえ、ザックスとて仮にも軍隊でそこそこの位置を得ていた兵士である。
 その過去を掘り返し掘り返し、すすめられた通り椅子に着席。協力組織のお偉いさんに対するなりの、そこそこ神妙な態度を取ってみせる。

「小鳥丸ね、よろしく。俺はザックス。神羅カンパニーのソルジャー・クラス1ST……あ、元な、元特殊部隊ってやつだ。今はトリズナーをやってる」

 ・
 元、である。     .    あちら
 つい慣れた名乗りをしてしまうが、神羅のモルモットという扱いから逃げ出した身は立派に無職だ。いまはトリズナーという大事な仕事があるが。
 仕事がどうとか、これからの食い扶持がどうとかについてもちょっとだけ考えてしまうが──まあ、そのあたりは世界の漂白が治ってから考えればいいことである。
 念入りに何度も穿たれたはずの心臓を一瞬だけ意識してから、自分の立場について思索しかけた意識を現実に帰還させる。

「それで、早速なんだけど。状況について教えてもらっていいか?
 いて座がどうとかバーテックスがどうとか言ってたが、それがあのでかぶつの呼び名ってことだよな?」

 まずは、最低限の敵の確認だ。
 タスクと神琴の紹介をするために赤い少女が使っていた言葉を考えれば、彼ら二人も自分たちの出会ったようなタイプの敵と遭遇したんだろう。
 そういう簡単な予測が正しければ、つまりああいう厄介な敵がうようよいる可能性も現実味を帯びてくるわけだが──

>小鳥丸、作戦会議室ALL

7日前 No.72

呉島貴虎 @antinomie☆yzl4MFL1dRLB ★AmPQPE9EE6_Hhd

【宿舎/呉島貴虎】

「不死―――……そして、トリズナー。噂の、か」

少しだけ驚いたような表情を浮かべ、直ぐに納得する。
否。勿論、前者の“不死”というワードには未だ衝撃を感じていないといえば嘘になるだろう。
が、後者に関しては納得だ。彼のような人物が案内もつけずにこの場に居ることに、まず違和感がある。
そして、これでも元々は大企業で開発主任をしていた男だ。そう多くない御華見衆の個性などは、ある程度頭に入っている。

「ただの、とは言うが……私からすればそれだけで十分驚きだ。
 それに、二つの星を渡ってきたのなら……それこそ、尊敬に値するとは思う」

まあ、私に何を言われようがその自己評価は変わらないのだろうが、と付け加えながら少しだけ表情を柔らかくする。
若者ならともかく、彼のような老兵に何かを示せると思うほど自分の評価は高くはない。故、抱いた素直な思いを開示しつつ、その言葉を受け取る。
その言葉。『託せるもの』という、何らかの意図を持った言葉。
そこから、何かを試すような先ほどの質問の意図は読み取れた。トリズナーでありながら、この星で戦う自分を試したのだ、この男は。
そうして、その思いに応えられるような何かを貴虎の中に見出した―――と、見るべきだろう。そんな声音だ。

「ふむ、……まずは話を聞かせて貰いたい。
 私にとって、目下の脅威はこの星に巣食う化け物どもと、この惨状の引き金を引いたという少女―――刀だが……。
 他ならぬ星々を渡ってきた貴方の言葉だ。そのような脅威がある、というのは見過ごせない」

目の前の奴隷騎士が胸中に抱く、ともすれば他者の命を利用するのも厭わないような『本心』。
呉島貴虎は、その対象へと選ばれてしまったことを気にする様子もなく、興味ありげに男の言葉に応えた。

呉島貴虎は、善人だ。善人ではあるが、底抜けの聖人というわけではない。
世界を救うためならば小を切り捨てる道を選べるし、そのための犠牲―――……選ばれし者になる覚悟を持つことも出来る。
そして、そう。そのような思惑で接されているということに気付いているかと言われれば、否だ。
呉島貴虎の、ある種の悪癖だった。既に興味を示している、大いなる脅威。その話を聞けば―――……。

>奴隷騎士ゲール

7日前 No.73

アマテラス=姫 神琴 @tukuyomi07☆2nDyzvx51us ★3aNoMW8gGM_Hhd

【 作戦会議室/アマテラス=姫 神琴 】

 人は見かけになんとやら。

「あ、うんまたねー!」

 局長の椅子から放たれる、何処か批難がましい刺すような視線を視線を受け流しつつ、銀に手を振る神琴。
 細められた瞼とやや不満げに膨れた頬が、ある種の諦念を垣間見えさせる抗議の意志を示していた。
 他の皆もほぼといっていいほどに初見の反応が"これ"であったため、念を押すように告げる言葉に異論を差し挟ませようともしなかった。

 これ以上の詮索はよそう。
 自分達も知らない不老長寿とかの技術が、此処では確立されているのかもしれない。
 いやそんなのがあったら私が欲しい。特に不老とか。いつまでも若々しい娘でいたい。

 などとはおくびにも出さず、促されるままに席に着いた。
 ……途中、神妙な口ぶりで繰り返していた自分のコードネームを聞き逃すことは、無かった。

 …
 ……
 ………

 ザックス・フェア、ならびにミラ。
 "でかぶつ"と呼ぶその口ぶりから、彼ら二人もまた、別の場所で同じようにバーテックスと交戦したらしい。

「んで、そのバーテックスの"射手座"ってのが、私とタスクと銀が遭遇した奴なんですよね。
 あの、なんか顔二つ付いてて大量に弾丸を撃ち込んでくるの」

 こんな感じ、とザックスのあとに続くようにジェスチャーしてから説明する。
 今思えば、あの怪物はそこそこの脅威ではあった。
 特異な事情を抜きにしても、下手を打てば殺されかねないほどの。

「そして、そいつらがこの星だと我が物顔で歩き回ってるってのは、銀から聞きました」

>小烏丸 作戦会議室ALL

7日前 No.74

龍炎寺タスク @antinomie☆yzl4MFL1dRLB ★AmPQPE9EE6_Hhd

【作戦会議室/龍炎寺タスク】

何やら抗議めいた雰囲気を発している少女を前に、やはり失礼だったかなと自分の思考を改める。
実際には自分以外―――そこそこ露骨に気を取り直した神琴や、先んじて此処に居た二人の反応もあったのだろうが、それでも。
苦笑を浮かべながら、一声だけ掛けてきた見覚えのある女性……今しがたミラと名乗った女性に視線を向けて、軽く会釈をする。

「この間振りです」

歓談をするのも良いが、今はそういう場面ではない。視線を『局長』へと移し、向き直る。
その間に、自分たちを此処まで連れてくるという役割を果たした少女たちは部屋を後にしていった。
「また、後で」と短く返答をし、促されるままに適当な席に着くことにした。
少女―――……組織の長を代理で務めているという、小烏丸に改めて身体を向けた。
なんとなく、何処かで聞いたことがあるような名詞だった気がするが……今は、其方より気にすることがある。情報整理を優先すべきか。

「その辺りは間違いなさそうですね。バーテックス……種族、なのか何なのかは良く分からないですけど。
 光の矢を放っていた巨大な個体―――……ええと、射手座。それと、口のみの無数の個体。僕らが戦ったのはその二種類ですね」

自分たちが遭遇したのが射手座。ミラと、ザックスと名乗った青年も戦ったらしい“でかぶつ”。
想像通りなら、当然別個体だ。そして、三ノ輪銀の言葉通りに街中を彷徨っているのだろう。当然、そうなると遭遇率は高まる。
そして、あれらがある程度の意図を以て攻撃を振り撒くことすらするのは確認済みだ。……なんというか、情報が出揃う内から厄介だ。
それに、……『射手座』、という呼び方も気になる。単純に、あの戦闘方法から当てはめた識別名なら気が楽なのだが。
名に、ある種の法則性でもあるのだとしたら。少なくとも、個体数は―――……そこまで想像して、一先ず思考を打ち切る。

「……あいつらが、この国を―――……星を、ここまで追い詰めたんですか?」

あの神社から四国の側に寄るまで、凡そ活気なんてものはなかった。ヒトの気配すら怪しいもので、これまでの景色とはまた違った終焉を感じさせる。
その一因がバーテックスなのだろうか、と、口をついて疑問が出る。勿論、これまでの例を鑑みるならドリフターらの存在もあるのだろうが。

>小烏丸、作戦会議室ALL

7日前 No.75

サビルバラ @genmwhite ★HGFSFqNdXl_ts3

【神社/サビルバラ】

「おう、そうか。そりゃあよかったぜよ」

 サビルバラにとって、目の前の彼が人ならざる英霊という存在であることは分からない。だが、その声色から納得しているというのを感じ取り、口元を綻ばせながらそう答えた。
 決して交わらぬ異人同士、サビルバラにとっては目の前の彼が敵にならなかった───というだけでも安堵するのだ。邪な気配を感じるわけでもなし。ましてや妖刀などを所持しているわけでもなかろう。
 だからこそ、刃を交えることは無い、と確信したが故の笑みだった。その方向性が定まっただけでも良しとする。最も、彼が本質的に人斬りであるということにはまだ、サビルバラは気づけていない。
 そういうものは実際に交えるか、刀を見るかでもしなければ分からないことだ。今の彼に分かることは、本質的には彼とは相容れないものだ、ということだけだ。

「して、おんしは何ちゅう名前ぜよ。ここで会ったのも何かの縁、名ぐらいは知っておこうと思っとってな」

 そうして神社の方にて手を合わせてきたサビルバラは、以蔵の近くで胡座をかきながらそう問う。
 一匹狼のような気質なのだろうが、少なくとも名前を知っておくのは悪いことではあるまい。サビルバラからすれば、彼の事については報告をしておく必要性も出てくる。それに、少しばかり興味が湧いていたのだ。
 彼の居た大空の世界には居ない、異世界の剣客。その人となりや、剣の腕が。剣を握るものとして、私情混じりでも知りたいと欲求を抱かせるのだ。それだけ、彼は「強い」、とサビルバラは確信している。

「わしの名はサビルバラ。ちょいと目的があってふらふらしとったが、今は御華見衆に世話になっちょるぜよ。
 おんしも剣士だろう? わしもそうぜよ、少しばかり気にかかったもんでな」

 座り込むサビルバラの隣に置かれた二振りの刀。いずれも彼のような小人が扱うには大振りすぎるもの。彼は自らの得物と性質を明らかにしつつ、四方山話のように自分の名を名乗った。

 >岡田以蔵

7日前 No.76

赤頭巾 @wakame3☆FYUOhnBVGmk ★2RykzmoSz4_Hhd

【宿舎/奴隷騎士ゲール】

 男は己の頼みに対して、一先ずは興味を抱いた様子だ。
 ゲールにとっては都合がいいことに、この呉島貴虎とは目的のために私情を切り捨てることのできる類の善人だった。
 他者に犠牲を強いること、自己が犠牲となることを容認できる類の人間だった。
 或いはそうした人物が率先して星に喚ばれるよう、システムが出来上がっているのか……
 どうあれ、その天恵には感謝せねばならない。

「星を越え、異聞を渡り、あるべき世界の形に修繕する。
 それがトリズナーの役割という」

 相手が促すままに、徐に老騎士は語り始める。
 それは己が、この二つの星の間で確かに確認した、巨大なもう一つの悪意の存在。

「だが考えてもみよ。異聞を渡る存在が、我々のような存在のみと誰が断じたのだ?
 考えてもみよ。異聞を統べるものとは賛歌を謳い、規を敷き、新たな理を以て一つの界を治めるもの。
 そんなものに力を与えた者が、何の手綱もなしに連中をのさばらせておくと思うのか?」

 そもそもの根幹の話。異聞星を統べる者の証、『錨』が与えられた背景を、ゲールは知らない。それが何の目的であるかも検討もつかぬ。
 だが元凶となる者たちが存在し、事の顛末を眺めているにもかかわらず――彼らが異聞に何の干渉も及ぼさないなどとは、到底考えられないのだ。
 即ち第三の敵。それが、この異聞の統治者を定める争いにおいて見え隠れしている。

「ドリフターを除けば、この星の支配者のみが異なる宙と交信する権限を持つ。最初はそうだと考えていた。
 だが、星を渡るにつれて、その例外が存在することを突き止めた」

 尤も、その正体までは掴めなんだが……そう付け加えて、老騎士は続ける。

「我らが抗う『敵』の中に、或いは味方の中に、それは潜伏している。
 それが何者なのか。何の目的あって隠れ潜むのか。儂はそれが知りたいのだ」

>呉島貴虎

6日前 No.77

スレ主 @artemish☆8cfl5/j3VDw ★utloP7NDPP_Oem

【神社/岡田以蔵】

「名前ぇ? ……まぁ、此処にはわしの名が割れたところでどうこうしてくる輩も居らんか。
 ───以蔵じゃ。岡田以蔵。土佐の人斬り以蔵っちゅうんは、他でもないこのわしのことよ」

 小異人……サビルバラと以蔵は確かに剣を使うという点では同業者かもしれないが、少なくともその性質は明確に異なっている。
 以蔵が剣を振るうのはあくまで手段でしかなくて、そこに拘りだの何だの、それらしいものは一切存在しない。
 剣士ではあれど武人ではないのだ。故に人斬り。作法など知ったことかと蹴散らして、涎と食渣を撒き散らしながら、獲物の喉笛を食い千切って呵々大笑する眼光鋭い野良狗である。
 故に以蔵としては、どちらも良かった。
 異聞の星を運営する側に天誅を下すのでも、はたまたそれとは真逆に秩序なき秩序の完成を邪魔立てする反乱分子に神の道具として天誅を下すのでも、どちらでも一向に構わなかった。
 以蔵がサビルバラから話を聞くのに先んじて、あの八岐大蛇を名乗る娘と見えていなかったなら───話は解らなかったろう。その場合、此処で刃傷沙汰が起こっていても何ら不思議ではなかったに違いない。

「馴れ合うのは好かんじゃき、御華見だか何だか知らんが、わしはそいつらとは付き合わんぞ。
 わしはただ、好きに練り歩いては斬るだけじゃ。何処にあろうとわしは変わらん。斬って、斬って、斬り伏せるまでじゃ」

 確かに、立場上は御華見衆に加担することになる。
 だがそれは、以蔵がその手の連中に心を許すことと同義ではない。
 彼の性根は基本、野生動物めいている。そこが善良な場所であろうが、自身がいけ好かないと思ったなら絶対に近寄らない。
 第一、人斬りが同行を組んで練り歩くなどそれこそお笑いだろう。特に───巨大な秩序を相手取るに当たっては。

>サビルバラ

6日前 No.78

ミラ @aroundight☆SdjaOljKHtOm ★msJh1WzJ3A_keJ

【作戦会議室/ミラ=マクスウェル】

「生きている、か」

 それにしても。
 道中で案内してくれた女性が口にした短い解答には、どんな意図が秘められていたのか。
 此処で生きている―――それ自体は、魔海にて“気に食わないから”と戦いに応じた、海賊アイゼンやゼタの居たモビー・ディックも、混沌の中であるべきところに父を還すべく戦ったアルカード等の属するシュトルツも然程変わらない。

 東洋の建築様式が珍しかったと言えばそれまでだが、
 ミラはその“みんな”という言葉の辺りで、ようやく合点が行ったように一つ頷いた。
 生きている―――此処には、戦えない者も、最後の砦である以上は此処に身を寄せて生活圏を形成している。

 言うなればここには、善でも悪でもない。普通の民というものが住んでいるのだ。

 いずれ消えてしまう異聞星にも、またそうした者達は居る。
 それは分かり切っていたことだ。この世界が、支配者の夢と妄執によって成るまぼろしである限り。
 例えなんの罪もなかろうと、この世界は消えねばならない、あるべきところに還らねばならない定めの下にある。

 ………なるほど、と。小さく呟く。

“他とは違う”と感じたモノの正体を薄らとミラは掴み取り。それでも歩みは断じて変えない。
 これはただ、棗の言葉から得た小さな感傷にも似た感情を、今のミラはその程度と処理したという。それだけのことだ。


◇ ◆ ◇


「構わない。礼を言うべきは此方の方か。
 あの館に踏み入っていた場合、手酷い被害を被っていたのは私と其方のザックスかも知れないからな」


 タスクとの挨拶もそこそこに。
 去っていく棗の方へと軽く手を振ると―――これまた周囲の反応を見て「そうするのが正しい見送り方」と判断したためだが―――ミラは早速、小鳥丸と名乗った彼女の方へと向き直り、今後のこと、つまり本題について話を始めた。
 椅子に座り、視線を向け。挨拶は済ませたから、ザックスの言葉通り此処からが情報確認の時になる。

 たどり着いたこの地と、小奇麗に映ったあの建物ではずいぶんと距離がある。
 あれが友好的なドリフターたちの集まりでないのなら、待っているのは即ちその反対に位置する者達だという話だ。とすると、近寄った自分たちがこのように攻撃を受けたのも、あの星空から来襲した御使いの存在についても納得がいく。

 要は不埒な侵入者がやって来たから、
 迎撃の為に尖兵が降りて来たと………それ以上でもそれ以下でもなかったわけだ。
 言い換えればそこが“敵”だとも分かりはした。出向くための準備はほぼ整ったとも言える。

「バーテックス。ああ、それが先程の御使いの正体か。
 概ね尖兵のようなものだとは思っていたが………得てして悪い予想ほどよく当たる」

 乙女座の、曰くバーテックスと呼ばれるものに関しては、他のトリズナーたちがこぞって話を通してくれた。
 どちらも同じように交戦した後であるらしい。………と、なれば、どうだ。あの巨体と神出鬼没を兼ね備えた『バーテックス』とやら、思っているよりもずっと危険で、数と質を備えた敵であると見るべきか。

 加えて以前と同じように、星に同調したドリフターが居ないとも限らない。
 魔海にて、欲望をたぎらせた黄金王テゾーロや、主に殉じた鬼武者アーロンと相見えたように。
 または混沌にて、邪悪の化身ディオや、浮上間際に戦った魔剣士ナイトメアのようなものが居ないはずはない。

 であるに。
 ミラからしてみれば、考慮するべきはむしろ其方であり、“敵”の情勢であると同時に………。
 この場所に関する話だった。小さく呟いていた内容を、彼女は見過ごさず、そして別に察することもしなかった。回転が鈍いとかそういう話ではなく、理解してもそれを聞かないでおこうと思うような配慮が根本から抜け落ちているわけだ。

 もちろん―――別に聞いても構わない内容だったのかも知れないが。

「では。私からは質問を変える。
 ………あの館が、彼方の拠点と見て相違ないのかどうか。そして」

 ・・
「代理というのが。どういう意味なのかだ」


 まるでその物言いは。
 この最後の砦として成った丸亀城が、既に本来の機能から何かを欠けさせた後であるかのようだ。

 となれば敵の居所を識ることも重要だが、先ず状況がどの程度悪いのか―――それをミラは問うことにした。

 とどのつまり、彼女は小鳥丸に対して、『当てにしていいのかどうか』をばっさりと訊いたとも言えたわけだ。

>小烏丸、作戦会議室ALL

6日前 No.79

呉島貴虎 @antinomie☆yzl4MFL1dRLB ★AmPQPE9EE6_Hhd

【宿舎/呉島貴虎】

男が自分に対してどういう評価を下しているのかを、細かく知ることは出来ない。
元々人の心の機微を量ることに長けているとは言えない性格だ。話を始めてくれたということは、認めてくれたのだろう。
そういう判断を下すことしか、呉島貴虎には出来ないのだった。
ともあれ、だ。現状それに不都合はあるまい。全ての判断を下すには、早すぎる。不死を名乗る男が齎す情報に、耳を傾ける。

男が語るのは、突拍子もない―――……途方もない何かに思えた。
この星で生き、戦うべき相手は何もバーテックスだけではない。自分たちのようなドリフターも居れば、彼方の大将となっている者もいる。
この星を支配するもの。目下、戦うべきは彼女であり。少なくとも、この星の在り方を崩す上でその戦いは避けられないものである。
そして、男が言ったのは、その支配者たる存在に“力”を与えた何某か―――上位の存在がいて。

「……それらが、貴方達と同じように星を跨って何かをしている、とでもいうのか?」

口振りを察するに、それが正しいはずだ。
我々のような部外者と、星をこのような形にした支配者。そして彼ら、トリズナー。
それの何れにも当てはまらない、『例外』。

「つまり、……敵とも味方とも分からない間者を探し出して、その目的を探りたい、と。
 先ほどの話通りの憶測が正しいのなら―――……それは、確かに脅威だ」

顎に指を添え、考え込む。
考えもしなかった可能性だった。
そして、考えもしていなかったからこそ、そこから先へ進む前に話も足も止まってしまう。

「潜伏しているのなら、誘き出す必要がありそうだとは思う。
 思うが……流石に、難しいんじゃないか。敵、若しくは味方、となると……疑わなければならない範囲が広すぎる」

嘗てのように自分が大企業の主任という立場であれば、それこそその手の調査を行うための何もかもが揃っていたのだが。
事ここに至っては、そんな過去は関係がない。そもそも、ユグドラシル・コーポレーションの陰も形もない。

>奴隷騎士ゲール

6日前 No.80

「あなた」と「わたし」の理想郷 @recruit ★UH4NIh0UMH_Jty

【作戦会議室/小烏丸】

>>ザックス、ミラ、タスク、神琴


「反逆者(トリズナー)、か。
 妾もその仔細を知っておる訳ではないが。
 ただ、御主らが漂流者(ドリフター)とは異なり、明確に彼奴らと敵対しておること。
 そして、この世界に変化を齎すじゃろう事 ──」

 それが善い方向にであるのか、悪い方向であるのか、其処までは分かぬが。
 然し残された唯一の巫女が受けた神託の通りであるならば、
 現状が動き出す要因たる存在なのは確かであろうと云うのは頷ける。

「そうじゃな、要因の一つであるのは間違いないのう」

 険しい顔を浮かべながら、タスクの問いに頷く。
 原因を懇切丁寧に挙げるのだとしたら、其れ一つには留まらない。
 とはいえ中核を担い、戦力の天秤が何時まで経っても変化しないのはその特異性や能力に拠る物が大きい。

「御主らが交戦した相手こそが、この世界でバーテックスと呼ばれる生命体じゃ」

「天の神が人類粛正の為に遣わした怪物 ──
 かつて存在しておった大赦と云う組織は、それ故に彼奴らをそう名付けたのじゃ。
 あらゆる生命体の頂点という意味を込めてのう」

 奴らは大量に増殖し、増殖した個体が一つになることで進化し、進化の果てに超越的な再生能力を得る。
 恐ろしいことにバーテックスという存在は、その機能をたった一日で手段として選択し、他の生物が永い刻を掛けた発展を僅かな期間で成し遂げてしまう。
 果たしてこの名を付ける事を決めた人間は畏怖の感情を其処へ籠めたのか、はたまた。
 最早問える相手もこの世界には残されていないが、それが名ばかりでないことは交戦した彼らであれば理解出来る筈だ。

「彼奴らは最下級の個体である星屑……
 タスクと神琴、御主らが交戦した巨大な口が特徴の奴じゃな。
 それを除いて十二体、黄道十二星座にちなんだ名前を付けられた上位個体がおる。
 仮にこれを完全体とでも呼ぶとして ── 御主らのうち片方が戦った"射手座"のバーテックスも、その一体じゃ」

 広域殲滅と単体特化。
 二種の矢を使い分け、人類廃滅の使命の下、幼子一人として残さない。
 何時か息の根が潰えるその時まで、バーテックスは消えることなく活動を続けるだろう。

「……うむ」

 其処まで説明して ── 大敵となる相手の情報とは別に、聞かねば為らないことがある、と声を出したのがミラだった。

 ・・・・
「めいじ館の事であるのならば、相違ない。
 我が友の報告の通りなら、御主とザックスはそこで乙女座(ヴァルゴ)と交戦したんじゃったな」

      ・・・
「彼方こそ、かつて妾達の拠点であった場所でもある。そして ───」

 やや、間を置く。
 わざわざ誇張したのだ、問われることも最初から念頭に置いた上。

「─── 言葉の通りじゃ。
 御華見衆本来の司令官は、もう居らぬ」

【工房/国土亜耶】

>>61

「よい、しょ──」

 その手に必要な物資を抱えながら、一人の少女が工房を訪れる。

 巫女。

 現状、唯一神樹と一方的ではあれど、交信することの出来る存在、それが彼女である。
 そんな彼女だが、その手に持っているのは工房に必要な道具の入った箱だ。
 傍から見ても危なっかしく見える様子だが、懸命とも云える様子を見せていた。

 前線に赴く人とは違い、自分には戦える力はない。
 それならば彼らの無事を祈るだけではなく、出来る限り自分に出来ることは手伝いたい。

「──と。……?」

 そんな覚束ない様子で工房に入ってきた少女の目の前にいたのは……

「こんにちは、妖夢さん。何をしているんですか?」

6日前 No.81

アマテラス=姫 神琴 @tukuyomi07☆2nDyzvx51us ★3aNoMW8gGM_Hhd

【 作戦会議室/アマテラス=姫 神琴 】

 バーテックス
 頂点に立つ者――神社で、あるいはかつて彼女たちの拠点であった(そして神琴が遠目にて見た)場所で邂逅した怪物の名を、小烏丸はそのあらましと戦いの歴史も含めて、神琴達反逆者に伝えた。

 それは、宵闇の世界にて恨みつらみで以て進行する怪物達のような"欲望"がない点では、あまりにも悍ましいものであった。
 説明を聞くにつれ、神琴の表情が険しくなる。
 曰く、天の神より人類粛清の大命を受けて侵攻した物言わぬ怪物達にあるものは、生物とはかけ離れた機械的な行動理念だったのだから。

 ・・
 代理。ミラがその事について聞いた時、"めいじ館"の名を出してから一言間をおいて彼女は話した。

「……いない、って」

 十中八九――死んだか、あるいは……。
 否、それよりも引っ掛かるものがある。
 "かつて"拠点においていたと言っていた。
 だがバーテックスの侵攻にしては、残されているのは不自然だというのは、これまでの街並みを見てきたが故の判断だった。

「その、めいじ館?にしても。
 かつてってことは、もう攻め込まれ――いえ……」

 ふいに浮かんできたものは、支配者という単語だった。
 これまで二つの星を渡ってはきたが、そのどちらにも異聞星の法則を定める支配者はいた。

「――しつもーん、敵の大将の見当ってついてるんですか?」

>小烏丸 作戦会議室ALL

5日前 No.82

赤頭巾 @wakame3☆FYUOhnBVGmk ★2RykzmoSz4_Hhd

【宿舎/奴隷騎士ゲール】

 老騎士の述懐に、相手は当惑しているようだった。無理もない、この星の現状に応じるだけでも手一杯であろうに、そこまで規模を広げた話を展開されては咀嚼するのにも時間がかかるだろう。
 だが現実に、トリズナーの負った使命を思えば避けては通れぬ敵である。
 尤も完全に敵と断言するにはまだ情報が不足している。今回、接触せんとしているのは、今一度それを判断するためでもある。

「左様。
 目的も分らぬ。居場所も分らぬ。雲をつかむ如き話であり、この星を生きるものにとっては脇道に過ぎぬ。だからこそ敵にも味方にも混じる可能性があり、疑い始めればキリがない。
 故に多くは望まぬさ。ただ……異聞を攻略するという行為が意味することを、あんたも薄々理解している筈だ。それは彼奴等にとっても無害ではない。
 我々が特別な動きを見せずとも、奴らは動かざるを得ないのだ。特別誘いをかける必要もなく、彼奴等はしっぽを出すだろう。その中で判別する」

 少なくともこの二度の異聞攻略において、二回とも結果的には誰かが彼らと争い、そして討ち取った。
 異聞星が激動を迎えるとき、彼らもまた沈黙を守り続けることはきっとできない筈だ。
 というよりかは、そうして炙り出す他に現状手段が存在しない。如何せん目的が分からないぶん、ヤマを張って罠を仕掛けることも難しい。どうあっても後手に回らざるを得ないのが現状である。
 ならばこそ全体に情報共有して警戒に当たるべきなのだろうが……

「そうなれば手数を増やして手当たり次第というのが定石であろうが、このことを他の多くの者は知らぬし、広めるべきではないと考えている。
 理由は、分かるな」

 濁すような言い方だが、要は無用な混乱を避けるための手だ。
 今でこそ一枚岩となっているが、余所者が大挙して押し寄せ、あまつさえ不和の種まで持ち込んだとなれば一気にトリズナーは信用を失うだろう。
 大局を見据えるのは大事だが、あくまで目下の目的は異聞攻略だ。それが危ぶまれる行動は控えねばならない。
 無論、理由はそれだけではないのだが、余計なことまで口に出す必要はなかろう。

「ただ何者がその間者かと判別するかについて、一つだけ手掛かりを知っている。
 ……あれだ」

 言いつつ、老騎士はゆっくりと手を上げ、何某かを指差した。
 指の先には、廊下の壁に掛かった振り子時計が周期的に時を刻んでいた。
 チク、タク。
   ,   チク、タク。
   ,     ,   チク、タク。


>呉島貴虎

5日前 No.83

魂魄妖夢☆4H2CCC.TU8ct ★Android=zbCXnRRWFb

【工房/魂魄妖夢】

>亜耶

「…おや」

 工房の中に現れた見知った顔。
 一生懸命に荷物を抱えて現れた彼女に、妖夢は口許を緩めて言った。

「先ほど鍛練を終えたところでして。今は少し休憩中、といったところですね」

 ──国土亜耶。
 彼女は、「巫女」だ。
 戦う力は持たないものの、まぎれもなく唯一無二の存在である。
 彼女がいなければ、自分たち御華見衆が神託を受け取ることはできないのだから。

「とと、重いでしょう。私も少し持ちますよ」

5日前 No.84

「あなた」と「わたし」の理想郷 @recruit ★UH4NIh0UMH_Jty

【工房/国土亜耶】

>>84

「そうだったんですね、お疲れ様です」

 そう屈託のない笑みで以て、巫女は漂流者へと返す。
 漂流者(ドリフター)。星か、或いはこの世界にとって脅威となった存在が喚び出す者。

    ・   ・
 それは善くも、悪くも、闘争に巻き込まれてしまったとも云える立ち位置の人達と云える。
 勿論世界の現状を知った上で、義を以て戦場に立つ者も在れば、その役割を課せられたから戦線へと赴く者もいる。
 その辺りの明確さは、あちら(禍憑)とこちら(御華見衆)のどちらに呼ばれればという点で言えば、後者の方が顕著かもしれない。

「じゃあ私、今運んでる御荷物を運び終えたら飲み物持ってきますね。スポーツ飲料が確か喫茶店の冷蔵庫にあったと思うんです」

 それでも──
 どちらの理由であったとしても、彼等は皆、この世界の為に戦ってくれている。
 其れは何よりも感謝すべきことであり、亜耶にとってもその事に変わりはない。
 だからこそ、少しでも助けに成れればと巫女は可能な限りに身体を動かし、その支えに為ろうとする。

「ありがとうございます、妖夢さん。
 でも大丈夫ですよ、鍛錬の後ですし……ゆっくり休んでください」

 その気持ちだけでも嬉しいと、未だグラグラしている荷物を持ちながら答えた。

5日前 No.85

呉島貴虎 @antinomie☆yzl4MFL1dRLB ★AmPQPE9EE6_Hhd

【宿舎/呉島貴虎】

男の言うことは、実際尤もだと思う。
本当にそのような―――……敵味方どちらとも知れぬ何某かが、星を跨いだ観測者のような存在がいるとして。
本当に雲を掴むような話だ。情報を得られたとして、それを取っ掛かりにするには線が細すぎる。
そして。彼の言う通り、恐らく最も効果的な探り方は至極単純に、この星を救うために戦うことだろう。
今までのような状況ならともかく、今此方には目の前の男のような存在―――トリズナーが、いる。
即ち、状況が好転する予兆が出ているのだ。その流れに乗じ、上手くことが運ぶようならば。

「……その何者かも、黙って見てはいられない、か。
 それに、……そうだな。貴方の言うことも分かる。司令部に一言伝えておこうかとは思っていたが……」

彼らの立場を考えれば、あまり多くに伝えない方が良いのだろう。
伝えるとしても、此方が明確に優位になってからだ。それまでは、あまり下手なことは言わない方が良いのだろう。
と、言うのも……御華見衆は、メンバーの平均年齢は比較的低めだ。勿論、司令代理や漂流者たちを加味すれば変わるだろう。
が、だ。組織の中心となる戦力は、未だ若く青い。ただでさえ劣勢の戦いの中にあるのに、敵・味方の境なく疑えというのは酷だ。
―――と、呉島貴虎は判断する。眼前の奴隷騎士のペースにやや乗せられていることに、頓着する様子はない。

そうして、ほぼ唯一の手掛かりとしてゲールから齎された情報。
それは、時計だ。彼が手掛かりだと指差す先にあるものは、時計。思わず眉を顰めてしまう。

「時計……?何の謎掛けだ。言っておくが、私はその手のものには強く―――……いや、……違うのか?」

このタイミングで冗談めいたことを言う性格ではない、ということはこの短いやり取りでもわかる。
ならば、そのままの意味と捉えるべきだ。短く唸って、視線を時計へと向ける。

>奴隷騎士ゲール

4日前 No.86

ミラ @aroundight☆SdjaOljKHtOm ★msJh1WzJ3A_keJ

【作戦会議室/ミラ=マクスウェル】

 原因の一つ。
 バーテックスという生命体を、小鳥丸はそのように語った。

 国と星を追い詰めた原因―――その尖兵の名こそがそれであるというのは分かっているが、
 それを遣わしたという存在が聊か問題だ。なにしろ、今回ばかりは先の二つとは別のベクトルでスケールが違う。

「天の神と来たか」

 ずいぶんと大袈裟な呼び名のようにも聞こえたが、ミラにはそれが虚言には聞こえなかった。
 天からやって来た御使いを『尖兵』と定義するならば、それを寄越したものが天津の主でなくてなんとするのか。
 あらゆる生命体の頂点に存在し、進化の果てに超越的な再生能力を持ち。
 あらゆる生命体が永い永い時間をかけて作って来た系統樹を嘲笑うかのような変化を引き起こしている。

 天の神という存在が星の皇である可能性―――そこまでは、良し。
 だがしかし、それではあの館に関する結論がつかない。
 あの館に足を踏み入れようとした時に来襲してきたということに関する、結論が付かない。

「そうなる。立ち入ろうとした時の襲撃だった。
 ………だが。そうか。嘗て、か」

 ………やや、間を置いた。
 その小鳥丸の態度と、かつてという言葉。代理という意味。
 その司令官がもう居ないという状態には、この星の彼ら彼女らの現状を理解させるには十分だ。

 押し潰される一歩手前。
 そのことを強く感じさせると同時に“かつて”という言葉に込められた意味には漸く合点が行った。

      、   ・・
「理解した。ならば、そこだな」


 ………嘗て拠点だったものの名残に、目敏く襲撃を掛けて来たあのバーテックスという生命体。
 あれだけ無作為な攻撃をしておきながら、あの建物だけは特に目立った外傷もなかった。

「そのバーテックスが自然に此方を嗅ぎつけて来た可能性も考えられるが、
 それにしてはあの建物、酷く小奇麗だった。周囲があれだけ凄惨な有様でありながら………だ」

「ならば、そのバーテックスに命を下せるものがそこにいる。そう考えた方が自然だろう。
 あくまで疑惑だ、確信ではない、が………君の口から是非を聞かせて欲しい」

 疑うな、という方が不自然だ。
 ミラはこの時、ならば何故“司令官がいないのか”については考えを至らせなかった。この話だけならば、ただバーテックスや彼方に与するドリフターにすり潰された以上の結論が出ないからでもあったが―――。

>小烏丸、作戦会議室ALL

4日前 No.87

サビルバラ @genmwhite ★HGFSFqNdXl_ts3

【神社/サビルバラ】

「オカダイゾウ……ふんむ、聞き慣れぬ名前ぜよ。まあ、おんしの名前はこれで覚えた」

 土佐の人斬り以蔵。その目を見て、自らそう名乗った意味をサビルバラは自然と理解した。この男が振るう剣が持っている意味合いと、その眼光に残された感情、意思、思想。それらを統合して、内心上手く引き込めた、と安堵する気持ちがある。
 実際、それを咎めるつもりはなかった。ただの快楽殺人者ならともかく、そこに何らかの思想や意思があったことは見て取れる。だからこそ、サビルバラが向けた視線は同じ剣士としてのものだった。
 実際のところ、サビルバラも同じだ。彼は復讐という道に走った男だ。シロツメグサを手に、刀を持って、必要とあらば人を斬り殺してきた。斬った相手が善だの悪だの、そういうことは一切関係ない。
 人を殺しているという点については、糾弾するところではない。だから、不思議には思わないし、「そうか、人斬りか」と返すだけだ。

「別にいかんに付き合えって訳でもないぜよ。今こうして話しかけてるのは単なるわしの気分ぜよ」

 そういう人物が馴れ合いを嫌うというのは定説のようなもので、納得いけることだった。それに対して、サビルバラは「気分」とだけ称した。彼が御華見衆に心を許さなくとも、別に良い。
 彼のやるべきこと。彼が振るうべき剣が定まっているならばそれでいい。それがこっちに牙を剥かなければ、なお良いということだ。最も体裁的なこともあるのだから、彼が寄り付かないのはある意味では正解だ。
 だから強要はしないし、放し飼いのように自由にする。わかりやすい男だが、確かな実力を持っているのは伺えるのだからそれでいい。
 そうして一つ、少しだけ興味本位で問いを投げかける。

「しかし人斬り≠ニはまた大層な渾名だが……相応の腕前と見て、間違いはないぜよ?」

 単なる興味本位。自分で自分の強さをどこまで知っているか。しかしそんな二つ名をまことしやかに噂されているのだから、確かな実力はあるだろうが。

 >岡田以蔵

4日前 No.88

ザックス @phile☆fFByNj5QP5A ★AnStI6F1tD_Hhd

【作戦会議室/ザックス・フェア】

「俺たち自身、トリズナーが何者かっていうと説明つけにくいんだけどな。
 まあ、偶然生きのびて、この状況をどうにかしてやろうって思ってる奴らの集まりって感じか?」

 バーテックス。
 畏怖をもってそう呼ばれるもの──いわく、神が遣わした怪物たち。
 人間を粛正するために、という言い方は、なんとも不吉だが。とはいえそういう由来を持った者たちということなら、最初に降り立った町の惨状についても理由は想像がつく。
 タスクと神琴が交戦した『いて座』と、自分たちの倒した『おとめ座』でふたつ。単純に考えればあと十の完全体がいることとなるか。
 腕を組んで考え込んでから、ザックスは顔を上げて小鳥丸の顔を見つめた。

「なるほどな──ああ、そう、敵の大将ってのは、俺も気になってた。
 あんたの言い方じゃあ、前の拠点から追われて、いまはここにいるってことなんだろ? で、小鳥丸、あんたの本当の大将は今はいない」
      .      .   ・・・
 あのこぎれいな喫茶店──いわくめいじ館。
 いまや敵陣のど真ん中にあるあの場所が、ある程度小ぎれいにされていたこと。
 ミラも言及していたが、その場所こそが現在あちら側の本拠地であることについては容易に想像のつくところ。

     .     .  ・・・
「……単刀直入に訊くが、そいつか?」

 ──裏切りだ。それも、相応の立場にあるものによる。

 バーテックスという怪物に自意識らしい自意識が薄いことについては、交戦した時にわかっていた。
 自分の常識の中で知る相手であれば、それは『コピー』どもと類似していた。人工の化け物、オリジナルの抱える感情に追い立てられるものたち。
 いくつかの情報をもとに単純に考えれば、行きつくのはそういう可能性しかない。
 ……多少、胸くその悪い話ではあるが。

>小烏丸、作戦会議室ALL

4日前 No.89

魂魄妖夢☆4H2CCC.TU8ct ★Android=zbCXnRRWFb

【工房/魂魄妖夢】

>亜耶

「そうですか?…じゃあ、お言葉に甘えて」

 本当ならあまりこき使うような真似はしたくないのだが、相手の好意を無下にするのもなんだ。
 妖夢はこの場は素直に好意に甘えておくことにした。
 こうしていろいろ気を回してくれるのも彼女なりの努力。
 なら、それにはこちらも応えるべきだろうから。

「それはそうと──亜耶さん、『トリズナー』の皆さんはもう?」

 そう──先日をもって戦いの状況は大きく動いた。
 トリズナーおよび旅人の到着。
 聞けば彼らは救援があったとはいえ、見事最初の邂逅であの「御使い」を倒してみせたのだという。
 妖夢としても──いささか興味があった。

3日前 No.90

赤頭巾 @wakame3☆FYUOhnBVGmk ★2RykzmoSz4_Hhd

【宿舎/奴隷騎士ゲール】

「ああ、他言は無用。このことは我らだけで共有するとしよう。
 王道を征くものは、翳りなく王道を征けばよい。その道を拓くのは年長者の務めであろうさ」

 然り。この異聞を渡る戦いは正道を征くものでなくばならない。
 人の欲から出た争いに大義などとは笑わせるが、それとて必要な時もある。ことに、使命の重さを噛み締める時には。
 尤も――それはあくまで行きがけの駄賃である。ゲールは実際のところ、ごく個人的な目的のために彼ら間者との接触を図ろうとしているのだから。
 口実に使うのが丁度良く、そして何より嘘はついていない。責められる謂れも、またない。

 そして時計を指差した後、相手は当惑したように問いを返す。老騎士はそれに対して、ただ静かに言葉を継いだ。

 ・・・・
「この音だ。
 それが本質を顕にする時、何処からかその音を耳にするだろう。比類なき力の発現と共にな」


 それはともすれば荒唐無稽な、手掛かりともいえぬ手掛かりだった。しかし、あれは実際に面してみればすぐに分かる。
 危機感を煽り、何かを嘲弄するかのような時計の針音。

 ――チク、タク。

 ――チク、タク。

 ゲールのいた時代には、歯車で動く発条仕掛けの時計など存在しなかった。当然、これが時を刻むものであると知ったのは、第二の異聞を探索した際のことだ。
 その意味することが何なのか。それは分らない。だが、現時点で一見して分かる共通項はそこだった。

「あんたにはそれを感じ取った時、儂にそれを伝えて欲しい。
 ――"これ"を使ってな」

 そう言いつつ、老騎士は懐の奥からあるものを取り出した。
 取り出したものは、白いろう石……それも筆記用に加工されたものだった。

>呉島貴虎

3日前 No.91

主任と少年 @antinomie☆yzl4MFL1dRLB ★AmPQPE9EE6_Hhd

【作戦会議室/龍炎寺タスク】

バーテックス。
頂点の名を冠する、生命体。
天の神が人類を粛正する為に遣わした、怪物。
―――天の神、と来たか。思わず、目を細めて考えてしまう。

勿論、タスクとて“神”に類する存在を知らないわけではない。一つ目の星では遠巻きに天の使いたる存在を見ている。
それ以外でも、タスクを『運命の子』たらしめた力は、そこから生まれる“必殺”を思うとバディファイトの『戦いの神』に類している。
そんな存在が、人類を裁くために。それだけでも少し、信じたくない内容だったが……。

「(……だから、代理)」

ミラの問いに、少女は返す。
曰く、めいじ館なる場所。その場所で、今しがた十二星座と関連していると説明を受けたバーテックスのうち一体とミラ、ザックスが戦っていたらしい。
そして、……その場所こそ、彼女たちの本当の本拠地らしい。そして―――そこから先を、まず単純に想像するのは容易い。
だから、勝手に喪に服すわけにもいかない。そもそも今あったばかりの自分が何を言えるのだろうか。
頭を切り替えて、みんなが口々に言葉にするものを呑み込んでいく。

「そんな。……それじゃあ……」

確かに、想像したくない話だ。
ザックスの予想通りなら。彼らの言葉通りなら。最初に自分が想像したものよりも余程酷い。
それが、今自分たちの目の前に居る彼女や、その仲間にとって大切な場所で。大切な存在であるほど、痛みは大きいはずだ。

「……でも。ミラさんたちが会った場所が、彼方にとっても大事な場所……なの、だとしたら。
 もう少し大げさに守って見せても良いような気がしますけど……でも、それだと露骨すぎるから……?」

考えるには情報が不足している。心を痛めるには、真実が足りない。
少しだけ冷静に、再び小烏丸へと視線を戻して。

「敵が“そう”だとして、……そうだとするなら。確かに僕たちが現れたことに意味はある」

裏切り者―――組織の動きを知るものが、いるなら。
確実に知り得ないトリズナーたちこそ、確かに切り札な気はする。

>小烏丸、作戦会議室ALL


【宿舎/呉島貴虎】

「……ふ。全くだ。
 私も、それなりの年齢の人間として出来ることをやらなければ。……と、言っても。流石に貴方には負けそうだが」

自分とは。
呉島貴虎という存在とは、星が奪われ全てが白に染まるよりも前に、一人の青年によって導かれ“変身”している。
いや。しようとしている最中だったという方が正しいか。何方でも構わない。
戦うべき敵。競い合う仲間。そして自分自身。全てが変身するまで、見届けたいというのも本音ではあるが。
そうこうしているうちに、ゲールの指したものの答が告げられる。
時計自体ではない。彼が指差し、伝えんとしていたのは耳に通ずる子気味良い音色。
時計が、時を刻む音。

そんなもの、どう判断すればいいのか。実は乗せられているのか?
―――勿論、嘘を言われているようすもない。目の前の男は、その手の冗談を言わないようだ。
だから信じるだけなのだ。言葉と共に渡される石。それを見て、軽く嘆息を贈り、少し珍しそうにそれを見た。

「これはまた、珍しいものを見たな。
 石のペンか。用途をわざわざ聞く必要は……必要かもしれないが。……」

感謝の意を示しながら一礼、その後即座に新たなる謎のアーティファクトに視線を向かわせていた。

「しかし、まあ。これで伝える、というと?
 これで描けば、貴方に通じる……というだけでは終わらない、のか?」

>奴隷騎士ゲール

3日前 No.92

「あなた」と「わたし」の理想郷 @recruit ★UH4NIh0UMH_Jty

【作戦会議室/小烏丸】


>>ザックス、ミラ、神琴、タスク



「───まあ待て、逸るでない」

 ぴしゃりとザックスの疑念を差し止める。
 その認識だけは有らぬモノであり、否定せねばならぬ疑惑なのだと。
 疑いが疑いを呼んで広まって行くのを抑える意図もあったが、小烏丸個人の感情も混じっていたのは拭えない。
 考察そのものは鋭く、何故本来の司令塔と呼べる立場の者がいないのか。    、     、    、     、   、   ・・
 御華見衆という組織が、本来の拠点を追われるに至ったのは何があったのかという謎に切り込み、そしてほぼ正解に辿り着いている。故、逸りと評した部分は──

「……御主らの推測通り、離反はあった。
 然し断じて、それは我らの長に拠る物ではない」

 行き着く結論として長がもういないという部分は変わらないが、その後の顛末が全く違って来る。
 何より、最後までこの世界の為に文字通り剣折れる瞬間まで戦い続けた彼女達に誤った認識を持ってはほしくなかった──というのは、個人の感傷が過ぎるともいえたかもしれないが。

「めいじ館の守りは一見以上に堅牢でな。
 ミラとザックス、御主ら二人が近づいただけで、乙女座が攻撃を加えたのが証拠じゃ」

 とはいえ、とは言えだ。

「敵の総大将についても、御主らが見た未だ形を保った侭のめいじ館についても、今より説明しようぞ。
 それはこの世界の現状とも密接に繋がっておる。御主らが今後この世界で彼奴らと戦うのであれば、知らねば為らぬ事柄じゃろう」

 情報は正確でなくては為らない。
 これから彼等に話すことについても。
 それがこの世界で戦う者として、此処まで来て貰った彼等に果たすべき責務だ。

「元々この世界には、二つの脅威が存在しておった。
 脅威のうちの一つが御主らも既に知っておるバーテックスともう一つが、"禍憑"。
 それに対抗しておったのが、妾達"巫剣"が属するここ───御華見衆と、そして───"大赦"という組織じゃった」

「巫剣とは───
 そうじゃな、剣であり、人である者。
 遡れば千年は前から存在する特殊な製法で作られた存在──と、平たく説明してしまえばそんな所か。
 妾もまたその一人じゃ。我らは不老故、容姿が変わることはない。
 態(なり)はこそ幼くとも、銀や棗の奴よりも年長であるというのは、そういう事じゃ」



【工房/国土亜耶】

>>90

「はい。任せてください──」

   ・・・・・
「──トリズナーさん、ですか?」

 そういえばと、亜耶が振り返り、答える。

「ついさっきなんですけれど、銀ちゃんと棗先輩と一緒に丸亀城にお越しになられたそうです。
 他にも、二人とは別の道筋でこちらにいらした方々もいらっしゃるみたいですけれど───」

 妖夢の云うトリズナーと云う聞き慣れない単語は、此処最近になって亜耶もよく耳にするようになった単語だ。
 御神託にて告げられた、この世界に転機を齎す人たち。
 神樹様が巫女たるに伝えた内容を、言葉として表現するのならば、これが一番相応しいと云える。
 衰退の一途の中に投じられ、波紋を促すかもしれない方々。
 勇者様とも、巫剣様とも、漂流者様とも異なる。

「私もまだご挨拶ができてなくて……
 妖夢さんも、どんな方々なのか気になっているんですか?」

3日前 No.93

赤頭巾 @wakame3☆FYUOhnBVGmk ★2RykzmoSz4_Hhd

【宿舎/奴隷騎士ゲール】

 その反応はおおむね予想通りだ。
 しかし論拠を提示するわけにはいかなかった。異なる異聞の間、共通で発生していること。『旅人』がその存在について何も語らないこと。
 何より当て馬として使おうとしている中で『その存在が場合によっては異聞星のルールそのものに関わっている』ことなどは、とても。
 第一の異聞においては、あの少女は支配者の最大の盾として機能していた。おまけに星の核となる『錨』をその裡に取り込むことで、異聞星が瓦解するリスクを分散させていた。
 第二の異聞での動向はゲールも深くは知らないが、討伐されたのは恐らく最終局面になってからだ。
 この第三でも同じことが起きない可能性は決してない。
 杞憂であれば、それはそれで良い。結局見つかることもなければ「気のせいだった、済まない」で済むことだ。万一そうでなかった場合に被るリスクを比べれば、どうということはない。

 次いでゲールは取り出したろう石を持って地に蹲ると、さらさらと廊下の床にろう石でサインを描き始めた。
 白く発光するサインを見せながら、ゲールは説明を続ける。

「儂の白サインを、あんたに教える。あんたが助けを必要としたならば、その白サインを見出すことができよう。
 もし先の異様な音を耳にし、敵に並々ならぬ危機を感じたならば、その時こそ儂を喚んでくれ。このろう石で描かれた、白いサインに触れて。
 魔術の知恵も、魔力もなくとも、そのサインを見出すことが出来たならば……儂はそこに召喚されることができる」

 貴虎の時代の人間には馴染みが薄かろうが、ゲールのいた時代とは暗黒時代の幻想世界。この白いサインろう石もその元居た時代の産物である。
 現状このサインを教えたのはトリズナーの者二人だけだ。しかし元より英雄の素養持つ彼らには、己の助けなど必要ないだろうことは、これまでの戦いでよくわかった。
 ならば己が直接駆けつける必要がある場合にのみ召喚に応じる方が良いだろう。
 その点で言うと白サインによる呼び出しは都合が良い。少しでも妖しいと感じたものがいれば、伝聞を待つまでもなくその場に急行できる。
 尤も、接敵することがあればの話であり、実際に呼ばれる機会があるかはまだ未知数。故に頭の片隅にでも、そのサインの存在を覚えて貰えればそれでよい。

>呉島貴虎

2日前 No.94

スレ主 @artemish☆8cfl5/j3VDw ★utloP7NDPP_Oem

【神社/岡田以蔵】

「気分、のう。ハッ、身なりにそぐわず爺みたいな物言いじゃ」

 サビルバラの物言いに以蔵はからからと笑い声を返すが、一方でその推測はあながち間違っても居るまいと、以蔵は思っていた。
 何せそもそも、此奴は小人と呼んで差し支えのない体躯をしているのだ。
 見てくれの年齢など参考にならないのは明白であろう。スカした輩じゃな、と思わないでもなかったが───無駄に干渉し付き纏われるよりかはこの方が余程気楽だ。
 何せ今の以蔵は機嫌が悪い。もしその手の輩に小煩く囀られたなら、つい鯉口を切ってしまわないとも限らなかった。

「あぁ? そりゃあ、おまん───誰に物を言うちょるがじゃ」

 人斬りを豪語するからには相応の腕なのだろうな、という問いに対しては、やはり苦笑交じりにそう答えるより他にない。
 岡田以蔵は類稀なる天禀だ。この世に剣の神なるものが存在するのなら、この餓狼めいた男は間違いなくそれに愛されている。
 誰もが彼の人間性は兎も角その才からは目を反らせなかったし、以蔵自身、自分こそは天下一の剣士であると自画自賛を繰り返してもいる。

「わしは剣の天才じゃ。わしは得物を選ばんし、斬る相手も選ばん。
 重要なのは腕じゃ、腕。それさえありゃあ、天魔外道じゃろうが斬り捨てられるきのう」

>サビルバラ

2日前 No.95

魂魄妖夢☆4H2CCC.TU8ct ★Android=zbCXnRRWFb

【工房/魂魄妖夢】

>亜耶

「まぁ…気にならないといったら正直嘘になりますね」

 トリズナー。
 彼らは曰く、この世界に転機をもたらす者たちなのだという。
 現に今──戦いは平行線を辿っている。
 このまま今の状態を続けていたなら遠くないうちにこちらが衰えて、いつかは負けてしまうだろう。
 その運命を変えられる存在こそが──その「トリズナー」なのだ。

「少なくとも彼らは、私みたいなドリフターとは違ったなにかを持っているはずですから。
それがいったいどうやって世界を救うことにつながるのか、割と興味津々です」

 亜耶によれば彼らは銀や棗といったこちらの仲間たちと一緒に無事こちらに合流することができたらしい。
 となれば──出会う機会もそう遠くはないだろうか。

1日前 No.96

アマテラス=姫 神琴 @tukuyomi07☆2nDyzvx51us ★3aNoMW8gGM_Hhd

【 作戦会議室/アマテラス=姫 神琴 】

 逸るザックスをぴしゃりと嗜めた小烏丸は、やや長い沈黙を経てゆっくりと語りだした。
 離反はあったこと。だがそれは、かつての"あるじ"によるものではないということ。凛とした表情を崩さない彼女の言葉は、何処か遠い場所に思いを馳せるようでもあった。私情を挟むまいとしながらも、端々から零れる感情の片鱗がそれを伺わせる。

 バーテックス、そして"禍憑"。
 それらの存在に対抗してきたのが、御華見衆と"大赦"と呼ばれる組織であった。

「ああ、そういうこと……」

 小烏丸はそのうち、御華見衆に所属する巫剣――ヒトの形をした刀であり、不老の存在。
 銀や、ミラとザックスを連れてきた褐色の少女よりも幼く、しかし年上であることの理屈。
 彼女たちは人の一生の何倍も時間を過ごし、それこそ日ノ本の国を見守り続けてきていることとなる。

「えーっと、バーテックスは分かったわ。
 じゃあ禍憑って?」

 もう一つの敵対者にして、人理の敵となるであろう存在。
 彼女たちが対峙している存在とは、いったいどういうものなのだろうか。

>小烏丸 作戦会議室ALL

1日前 No.97

呉島貴虎 @antinomie☆yzl4MFL1dRLB ★AmPQPE9EE6_Hhd

【宿舎/呉島貴虎】

取り出された白いろう石。それなりに未知のアイテムと向き合ってきた身としても、これは初めてだ。
自分の取り扱うロックシードらも、十分奇妙なのは自覚している。だが、あれは見た目の時点で十分違和感があるものだ。
これは、一見してただのアクセサリーか何かのようにさえ見える。ペンか何かのような形状になっていなければ、ものを書く用途で使うとは思わなかっただろう。
なおも怪訝な顔をしつつ、座り込むゲールを見る。
さらさら、と。文字を描くように、ろう石を走らせれば―――そこに残るのは、白く輝く筆記。“サイン”だ。
事も無げに語るその内容は、貴虎からすればそれなりに驚きの内容だ。

「……召喚?この文字から、か。
 覚えておく。……随分と奇妙な話ではあるが、な。素直に驚いた」

サインに触れ、召喚する。言葉にするとそれだけなのだが、その技術こそ貴虎の知識の中にはないものだ。
無論、瞬間的に広域移動をする手段がないわけではない。それを使えるか、と言われると否ではあるが。
目を瞑り、なるほどと頷いてみせた。
どのような事態に巻き込まれても後れを取るつもりなどはない。ないが―――……。

「時計の針の音を伴う、何者か……それほどまでに、か。
 出来得る限りの協力はさせてもらう。そして、……是非頼らせてもらおう。どうにもならないときは、な」

一人で出来ることなどたかが知れている。それに、目の前の男はトリズナー―――……我々の立場からすれば、希望だ。
悪戯にサインなどに触れるつもりはないが、口振りから察するに目的の何某かのことを高く評価しているように思う。
で、あれば。必然、出会えば使うことになるのだろう。サインとやらを。

>奴隷騎士ゲール

1日前 No.98

「あなた」と「わたし」の理想郷 @recruit ★Android=2AWrmBu7z5

【工房/国土亜耶】

>>96

 国土亜耶は敬虔な信仰者である。
 バーテックスという存在が現れて以降の世界の在り方として、人類に力を貸してくれる神樹に対して祈りを捧ぐというのは、さして珍しいものではない。
 その神樹様の神託において、この世界の進退に関わる存在であると告げられたのだから、妖夢が話す通り、其処には何かあるのだろう。

 亜耶もそれを疑う余地を持たない。
 ただ───

「確かに、神樹様の御神託にあった通りなら、何か不思議な力があるのかもしれません」

「でも、勇者様も、巫剣様も、妖夢さんのように、私達に力を貸してくださる漂流者様もいてくださったのに……だから私も、御会いしてみたいと思うんです」

 妖夢が云うところの、興味である。

「…………ふうっ」

 と、話ながら荷物を運び終える。
 ちょっぴり腕が重たいが……

「ちょっと待っててくださいね、今持って来ます」

 さっき話した通り、スポーツ飲料を持って来る為に、その足は喫茶店へと向いて。

22時間前 No.99

ザックス @phile☆fFByNj5QP5A ★Android=jnRPVqvIPa

【作戦会議室/ザックス・フェア】

「……そういうわけじゃあ、ないんだな?」

 長ではない立場のものによる裏切り──それで、ここまで星が崩れているという事実。
 それを理解するには、たしかにまだ状況の理解が足りなすぎた。追及するのをやめて、腕を組む。

 ……外様の、それも外野に好き勝手に想像されるのは、たしかにいい心地ではないだろう。状況的に仕方ないといえば仕方ないとも、言えるが。
 とにかく、順を追って説明がされるまではこの話題について深く突っ込むのを止める。
 ひとまず、状況を細かく理解するのが先だ。

「剣で、人……? もとを正せば俺の、こいつと同じ獲物ってこと?」

 とはいえ説明に今ひとつピンとこないと言いたげな様子で、ザックスは首をひねった。
 少女の矮躯には当然、柄もなければ刀身もない。しかし彼女は、自分が背中に担いだバスターソードと同じ存在だという。
 腰に提げている獲物は、確かに真剣のものだろう。そこに疑う余地はない。問題は、本人が言うには自分などよりはるかに年を食っている、鉄をもとに作られたものということである。

「まあ、そういうもんだって言われたらそれで呑み込むことにするけど。
 とにかく、二つの組織が前はあったってわけだ。じゃあ、大赦っていうのはどんな戦力を抱えてたんだよ?」

 思えば、最初の異聞で遭遇したのは艦船を少女にしたものたちだ。彼女たちの場合仰々しい砲台を体中にくっつけていたから、そういうものなのかと理解をしたものだが。
 刀が人になって、人のように剣を振るって戦っているのも、それを考えればなんとかわからないでもない。
 細かく説明を求める前にひとまず自分で納得をしてから、それならとばかりにもうひとつ質問。つまり、刀であり剣である小鳥丸たち御華見衆と協力関係にあるという組織のことだ。
 とはいえ先程までの説明を考えれば、その末路は推して知るべしというところだが──

>小鳥丸、作戦会議室ALL

21時間前 No.100

ミラ @aroundight☆SdjaOljKHtOm ★msJh1WzJ3A_keJ

【作戦会議室/ミラ=マクスウェル】

 堅固な群が崩壊する時というのは、二つの要因がある。
 外的要因による崩壊と、内的要因による崩壊。
 その御華見衆という組織の崩壊と、本来の拠点であるめいじ館が今や落とされて久しいという状態を作った原因は、後者―――ザックスの言葉を借りるならば、その組織のより大きな立場にいる誰かの所為だ。

 奇しくも、魔海の時と同じ。
 獅子身中の虫。
 その存在が御華見衆の崩壊を招いたという事実………言い換えるならば。

「(………その者か。
  あるいは、その者を唆した“何か”があったのか―――)」

 それは間違いなく、少なくともこの異聞星の崩壊を招いた原因だ。
 立場の大小はどうあれ、それは間違いなく討つべき敵の一人だろう。
 この状況下から裏切りを招いた者が、まさか『異宙の錨』に何も関わっていないということだけはない。

 曰く―――この世界の“敵”は二ついる。
 ひとつはバーテックス。天上より遣わされた御使いであり、銘治館で交戦したものと考えて相違ない。
 そしてもう一つは“禍憑”………こちらに関しては初耳だ。
 対抗していた組織の名も挙げられたが、だった、という言葉の意味を何も察しないほどミラは愚かではない。

「剣であり、人であるもの、か。
 どうにも不思議な話だが―――そこはまあいい」

「その二つの脅威は、何故纏まっている?」

 今の言葉で考え得るところがあるとしたならば、その部分だ。
 大赦という組織については既にザックスが質問し、
 禍憑という存在については既に神琴が疑問を投げかけている。
 そしてミラが最後に気にした総大将についても、いまは敢えて急かす意味は感じない。

 あとは、何故この連中が纏まり、何処にいるのか………。
 考え得るべきところは、そこのはずだ。

>小烏丸、作戦会議室ALL

19時間前 No.101

龍炎寺タスク @antinomie☆yzl4MFL1dRLB ★AmPQPE9EE6_Hhd

【作戦会議室/龍炎寺タスク】

組織の長による裏切りはなかった、という断言に少しだけ安堵をする。
が、安心しきっていいわけでもなかった。現に本来の局長はこの場にはおらず、組織からは裏切り者が出ているのだから。
妙に、ちくちくと心が痛む。極限の状態で発生する裏切りが齎す被害と結果を想起してしまったからだろう、と自己分析。
それは嘗てバディポリスを一度見限った自分のことでも、ミッドウェーにて対峙した彼女のことでもある。
浮かんだ不安の表情を飲み込むように深く息を吸って、吐いた。

敵は、バーテックスだけでも、漂流者だけでもない。曰く、“禍憑”なる存在があるらしい。
それらに対抗していたのが大赦なる組織と、御華見衆の構成員である巫剣と呼ばれる存在。眼前の少女もそうらしい。
なるほど、と合点がいく。彼女の名前に覚えがある理由は、少なくとも記憶の中にそういう名をした刀があるからだろう。
原理こそ不明だが、彼女らは剣そのものということになる。ミッドウェーで出会った艦娘や艦船少女と同じようなものか。

「……剣に、意思と身体を……ですか」

少しだけ自分のデッキへ視線を向ける。発想としては、一度自分が陥った「意思あるものを道具として使う」というものの反転だ。
正直、好ましくはある。少しだけ頷いてから、思案するような顔をする。その間に、三者は三様の問いを投げていた。

一つ。“禍憑”とは何か。神琴の口から出た問いは、この場の全員が考えていることだろうと思う。
バーテックスとは接触した。だが、それと並び立つ脅威とは何か。……―――其方に寝返った彼女らの同胞とは何なのか。

二つ。“大赦”とは何か。バーテックス、禍憑相手に立ち向かっていた、今の御華見衆と共にある組織。
組織・形式が違う以上巫剣とは戦力を持っていたはずだ。三ノ輪銀は、確かに剣というには大振りな武器を扱っていた気がする。

そして、三つ。天の神が遣わした破滅、バーテックス。そしてもう一つの脅威。それらが共存していると考えられるのは何故か。
此方が結託するのは分かる。追い詰められれば、手を取り合うだろう。そうなれば相手も―――というのは、人外が絡んでいるにしては確かに妙ではある。

「僕たちが戦わなきゃいけない存在の戦力は、今のところは大体わかりました。それで、あの。
 ……天の神の遣いなんて代物を、その『めいじ館』の防衛に充てられる―――……制御している風に聞こえるんですけど。
 それを可能にする存在が、禍憑という側に居るんでしょうか。それとも、何か……」

拠点を奪うまでに至った離反者とやらか、若しくは敵方の『総大将』か。
……ひいては、推定『異宙の錨』を伴ったドミネーターが関与しているのか?呟くように、自身も浮かんだ疑問を口にする。

>小烏丸、作戦会議室ALL

16時間前 No.102

魂魄妖夢☆4H2CCC.TU8ct ★Android=zbCXnRRWFb

【工房/魂魄妖夢】

>亜耶

 妖夢の考えはほとんど亜耶が代弁してくれた。
 トリズナーとドリフター。
 二つは、少なくとも表面上の意味だけみればあまり違いがないはず。
 なのに「神託」によると──重要なのはトリズナー、なのだとか。

「いい人…とまではいかなくても、話の通じる人たちだといいですね。
まさかあちら側に寝返ってしまうような方が呼び出されるなんてことはないでしょうけど──」

 そう言いながら、妖夢はいそいそと喫茶へ向かう巫女を見送る。
 せっかくの親切だ。
 此処は──お言葉に甘えさせてもらうとしよう。

29分前 No.103
切替: メイン記事(103) サブ記事 (12) ページ: 1 2

 
 
<< TOPページ 掲示板TOP 記事データ お知らせメール ▲ページ上 >>
★必ず ローカルルールメビウスリングのルール をご覧ください。
 ▼スタンプ▲スタンプ
※スタンプはいちどに 3個 まで使えます  ×閉じる
注…進行相談・設定はサブ記事をご利用ください(テスト中)。