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【ALL】Euthanasia in the Asteroid U【冒険/戦闘】

 ( なりきり掲示板(フリー) )
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スレ主 @artemish☆8cfl5/j3VDw ★utloP7NDPP_3wf


 ――異星の錨は落ちた。楽園の光は地上に満ちた。

 それは突然の災害だった。
 瞬く間に失われていく自然の力、ヒトの営み。
 空の彼方より降り注いだ七つの光が大地を貫くと共に、世界は加速度的な終末の時を迎えた。
 惑星漂白。秩序は崩れ、生温い中庸は滅び、混沌すらも死に絶えた白の世界。

 宇宙からの星光は途絶え、地表は漂白され、地球はあらゆる関連から孤立した。
 ヒトの積み上げた歴史は見るも無残に棄却され、かつて未来と呼ばれた文明の灯は一つ残らず吹き消された。

 我々の宇宙は、未来は―――『礎』となった。
 歴史を見据える眼は既に無い、人を守護する英霊はもういない。
 すべては支配の檻に囚われ、進退も贖罪も赦されず枯死するのみ。

 だが、それを否定するなら、浅ましくも運命に抗い"生きたい"と願うのなら。
 旅立て、そして戦え。"まだ終わらない"と、"本当の闘いはこれからだ"と叫び続けろ。

 最期の希望は楽園の涯てに――――


【七つの"異聞星"を巡る、星を救う物語。詳しくはサブ記事まで。
 運営側役職『ドミネーター』のキャラクター以外はまだ本スレへのレスを禁止します】

メモ2019/08/19 17:23 : ジェイク・マルチネス☆8cfl5/j3VDw @artemish★xQst1BEY9F_JyS

改訂版ルール:http://mb2.jp/_subni2/19760.html-84#a

レイドイベント用ルール:http://mb2.jp/_subni2/19760.html-98#a


現行節あらすじ・概要:http://mb2.jp/_subni2/19760.html-213#a


◆アステロイド3 錆憑く狂愛 銘治禍津理想郷 ニライカナイ

 異聞深度:B+


        此の世で最も正しく強き感情とは、他者想う心である。


 其処は、本来の歴史とは異なる近代化の道を進んだ世界。

 遥か古代より存在する悪しき禍津と特異な製法で作られた剣とが、地の支配権を奪わんとする天の使いと勇気ある者達とが鬩ぎ合う。


 危うい部分で保たれていた均衡を破ったのは、本来秩序を守る側にある筈の巫剣・北谷菜切。

 内側から戦力を食い破られ、多くの同胞を喪った剣と勇者は本土を追われ、神の樹の加護が残る四国での篭城を余儀なくされた。

 一方突如として叛旗を掲げた菜切は、姉である二振りの剣と共に、本来ならば不倶戴天たる怪物を使役し一息に本土を掌握。

 築き上げられてきた文化と叡智は、瞬く間に荒廃していく。


 かくて、彼ら/彼女らが次に挑むは一振りの剣が引き起こした暴走が全てを塗り潰した星。


 果たして真に強き想いとは、"勇気"か"恋慕"か。

 最後に咲き誇るのは何れの花か。


        ────第三の異聞、根絶。その賛歌は『狂愛』。


関連用語:http://mb2.jp/_subni2/19760.html-191#a

ロケーション:http://mb2.jp/_subni2/19760.html-213#a


キャラクター一覧(○=生存、●=死亡)


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夜刀神天香 @evil☆wlNTvj.bQ62 ★Android=c1E0DIQTEq

【商店街/夜刀神天香】

天香の今の目的は叛逆者、即ちトリズナー達が如何なる者か見極めるためだがそれは手を抜くという事に非ず。自分を下せなければこの先に待ち受ける者を倒すことなど出来はしないと断じて天香はタスクに牙を剥くのだ。
だが己が一切手心を加えていないにも関わらずタスクは折れない、負けてはいない。

「――っ」

少なくとも最早彼を、龍炎寺タスクを天香が何を言ったところで止めることは不可能であろう。彼は誰がなんと言おうと世界を救うまで止まらない、そういう目をしていた。
タスクの姿が更に変わる。氷の角が、翼が生える。

――氷。かつて天香の中に眠る『彼女』と親しい友人関係を気付いた優しき精霊の姿が脳裏に過ぎる。全ての世界が消えたという事は彼女も消えてしまったという事だが彼らトリズナーが勝てば彼女達は戻ってくる、そういう事だろう。

「ならば、勝ってもらわねば困る。
私にも、此処から先の星の支配者にもな」

ふっ、と天香は笑い真っ向より突撃する。強化されたタスクに最早闇の雨は意味はなく、突撃するタスクは止まらない。

ぶつかり合う拳と『暴虐公』。それにより天香の態勢が崩れたところに天香の腹部をタスクの突撃が捉えた。

「ぐあっ…!!」

天香は吹き飛ばされ地面に激突する。だが暴虐公はその手に握り締め決して離すことはない。尚も天香は立ち上がりその手に暴虐公を構える。

「なるほど、貴様の覚悟はわかった。
認めよう…ただし、これを凌げればの話だがな」

天香は爪先で軽く地面を叩く。天香の背後にせり上がるのは物々しい玉座だ。それが砕けて暴虐公に集まり結合し天香の身の丈を遥かに上回る巨大な剣と化す。
巨大な剣が闇の粒子を集めて暗く輝く。これこそ天香の最強の武器、その名を――

「《終焉の剣(ペイヴァーシュヘレヴ)》」

天香は終焉の剣を両手で持ち、それを渾身の力で叩き下ろした。闇の奔流が溢れて放出される。
まさに滅びと終焉の告げる破滅の剣。それは天香の敵を殺して壊(ころ)して消(ころ)し尽くし死んで絶(し)んで滅(し)に尽くせと吼える。
絶対なる『終焉』が今此処に解き放たれた。

>タスク

7日前 No.849

安倍晴明 @phile☆fFByNj5QP5A ★6lZVB9LbYB_Bka

【崩壊逆さ塔/逆さ塔第一層/安倍晴明】

 若武者もまた、なにがしかの力で力の流れを視ることができるのだろう。
 その体にわずかにまとう神の気配がその証か? 『混ざりもの』であればあるほど力を持つ晴明の生まれた星の理をそのまま彼の世界にあてはめるのであれば、その能力にも頷ける。

 その証拠に、術の性質を見抜くのも極めて速い。
 打ち出した玉と虎は、その相反する属性がもたらす爆発的な力を質量で無理矢理撃ち抜かれ消滅。
 同時にタクミが撃ち放った矢は、ただ矢を止めるためだけのものではなく。降り注いだ風神の矢には、これまでの戦いで彼が多用した竜巻が篭められていることが見て取れる。
 そのうえで──

「お見事──『虚』『襤褸』」

 陰陽士は、あろうことか竜巻と正面から向き合った。
 次なる式神行使への躊躇はやはりなく、ぱっくりと裂けていたはずの傷が蘇生の影響できれいになくなった足を撫でる。
 噴き出した膨大な霊力は泡のように立ち上り、袴を履いた晴明の足を完全に覆いつくして変成させる。
 それは蛇だ。足の代わりに大蛇の尾が伸びている。
 尾を食む虚と襤褸、永遠の象徴ともよばれた一対の蛇神。先ほどの玉と虎のようにかたちを成して飛び出させるのではなく、その式神は最初に見せた潮丸のように体を変成・延長するかたちで顕現した。

「……『風祭』」

 つづいて唇に乗せた呪は風属性への抵抗力を上げる術。
 全身に風気をまとった陰陽士は大地へ降り立ってその蛇となった両脚をぐるりと回し、驟雨のごとく降り注いだ風矢のほとんどを相殺せしめてみせる。
 とはいえ──着弾する前の矢をすべて閉じ込められたのならばまだしも、竜巻という自然の暴威へと変成した竜巻を相殺するには、それなりに用意が要るものだ。
 風祭の加護があるとはいえ、ありったけの霊力をつぎ込まれたその竜巻。封殺しきれなかったいくらかの暴風に巻かれ傷を負っていくが、そんなことを気にしない不死身の男は止まらない。

「……ええ、強いですね! あなたは! あなたを殺して天の神がすべてを燃やせば、あるいは彼女は来てくれるかもしれません!」

    .  あし
 式神を纏った尾が、タクミのその弓を握る腕を狙って勢いよく薙ぎ払われる。
 うつろな期待をこめた声とともに式神の一撃が人の身をはるかに超える膂力をもって振るわれれば、轟と風が暴れ狂って大地が震えた。

>タクミ 【見事に誤植してましたー大変申し訳ないです! 玉と虎は狛犬でした!】

7日前 No.850

タクミ @tukuyomi07☆2nDyzvx51us ★3aNoMW8gGM_Bka

【 崩壊逆さ塔/逆さ塔第一層/タクミ 】

 一対の狛犬を一矢で打ち砕いたとしても、陰陽師の呪を紡ぐ唇と印を切るその手捌きは一向に衰えることはない。
 ……いや、衰えはしないだろう。あれ以上キレがよくなるとは思いたくはないが、自称し実演してみせた通り、死なず朽ちず滅びない肉体を存分に振るい、顔面から色を失わせていきながらも無限に近い生命力を贅沢に消費し続けることが出来ている。
 対するこちらは、どうだ? 肩で息をしてやるつもりも、手にはしる震えも、火傷の傷も表に出してやるつもりはないが――流石に文字通りの人外とヒトを比べて優っているだなどと言えるおめでたい思考はしていない。
 いずれは限界が来る。その前に、あれを滅ぼすことだけが生き残る唯一の道だった。

 ごぽりと気味の悪い音と共に発生させた泡でもって、人体構造を完全に無視した過程を経て男が足を蛇に変成させる。
 そうして竜巻に絡みつき、抱き潰すようにして相殺していった。
 風に対する抵抗力を上げる呪もオマケで纏わせたようだが、暴風はその上から身を捩じ切り喰らっていく。
 だが陰陽師は笑っている。痛みなど無い。流れる血に対する忌避も、傷に対する忌避も、曝け出した肉に対する忌避もない。

「彼女、ね」

 本来ならその狂人の戯言に乗ってやる義理もない。
 だが狂気と共に発露されたその言葉こそ、あの男が死の星で叶えようとした狂おしい願いではあるのだろう。

「っ、ぐ――」

 体力を削がれ、火傷によって削り取られた生命力が響いたか、しなりと共に音を切り裂く速度で迫る大蛇に全く対応できない。
 振り抜かれる向きも、角度も、何もかも見えてはいる。
 だが体が追い付かない。防御しようとする手も、回避しようとする足も何もかもが手遅れだ。
 故に弾き飛ばされ、持っていかれる。
 弓術を扱う者にとっては致命的となる手の骨を砕かれながら、風神弓を取り落とす――地面に着く寸前に足で受け止め、跳ね上げ、折れていない方の手で背に収めた。

「その願いは叶わない。
 お前は今、ここで僕が滅ぼす。僕が滅ぼせなかったとして、この星と一緒にお前も消える……!」

 手に形成するは暴風の矢だ。ただし、先に見せたようにその大きさは通常の矢よりも大きい――まるで、剣のよう。
 体の傷を押して疾駆する。まだ、足はついえていないだろうと自分に言い聞かせながら踏み込み、その首に狙いを定めた。

 轟、と一閃が横なぎに振るわれ、追い討つようにして塵風が吹き荒れる。
 一点を切り裂く剣、全身を切り刻む嵐。
 日ノ本の神話において八岐大蛇は最終的に首を断たれた。その末路を、なぞらえるかのように。

>安倍晴明

7日前 No.851

━━━━いざ、咲き誇らん。 @recruit ★Android=2AWrmBu7z5

【丸亀城下/三ノ輪銀】


>>837


 二度目……っ!

 ……、……づ、づ…………。

 ……こりゃ、ただの偶然じゃないな。
 初戦だっていうにも関わらず、アタシの動きは見事なまでに見切られてる。


「……なーる。そういう」


 蓋を開ければつまり、こっちが考えてる事は全部筒抜けになってるから、攻撃は当たらないって事だ。
 そりゃそうである。どうやって攻めるか、どう動くかを喋りながら戦ってるようなものなんだから、どれだけ速く打ち込みに掛かろうとも、先んじて動いてればかわすのも訳はないって事だ。
 でもって困った事に、わざわざ堂々と種明かししてくれる辺り、どうも相当に自信があるらしい。この能力は知られた所で絶対に破られたりしないと、そういう事。


 …………さて、どうしようか。


 こりゃちょっとばかし厄介かもしれない。棗さんだったら良い手を思い付いたかもしれないんだけど、それこそ無心になって攻撃に移るのがあの人である。だがアタシは如何せん心を読むと言う相手に対しての手段は、考えたこともない。
 かといって、諦めるって訳でもないんだが━━━━あ、いや?


(待てよ。心を読める、って言うんなら)


 あるかもしれない、今のアタシにしか出来ない手段が1つ。通じるかどうかは別だが、思い付くのはそれくらいだ。
 どの道それ以外に出来るのは、ただ真っ直ぐいってぶっ飛ばすってなモンな訳で━━
 だったら、とにかく試してみるのも悪くはないか!


「まだまだァ!
 こんな程度で折れるくらいなら、アタシはとっくに勇者を名乗っちゃいないんで!」


 ━━再びの突貫。


 諦めの悪さは折り紙つき。
 傷だらけになろうとも、愚直な有り様は決して曲げることはない。
 そうして、"全力全開"。大斧を一旦背負い、振るうはその拳だ。神樹の加護を受けたその身体能力は、身の丈以上もある斧を本来であれば二刀流で扱える程に強化されている。
 真っ直ぐ。そう、真っ直ぐに。迷いなく、心の中で決めて放たれたストレートは、



 ━━━銀が当てると決めていた顔面から、"彼女すら意図せずに鳩尾へとズレた"。
 それは顔面へと放とうとしたフェイントではなく、
 真実、三ノ輪銀自身にとっても想定していない動きだった。

6日前 No.852

━━━━いざ、咲き誇らん。 @recruit ★Android=2AWrmBu7z5

【→移動(目的地:理想郷上空)/<大満開>高嶋友奈】


>>840


 ━━━<大満開>


 此処とは異なる何処かの世界。
 巫剣の存在しない勇者達の世界で、
 人の可能性を信じた神樹が、自らの力を以て満開を発動させた姿。
 此は、それによく似ているが異なるもの。
 異宙の錨と一つとなり、歪みを得た天津神をも越えるべく、この星で紡がれ、繋いできた勇者だけではない、巫女や巫剣、巫剣使い達の魂も結集した姿。
 <大満開>をも<超越>するに到ったもの。
 それは、決して必ず此の形態に到れると定められたものではなかった。
 何か一つでも要素が欠けていれば、何か一つでも違う道筋を辿っていれば現れることがなかっただろう。
 だが、その綱渡りのような可能性は、こうして具現化した。
 もっとも大切だったのは、彼女の記憶を呼び覚ます存在。懸命に生きる全ての人を愛する高嶋友奈だからこそ、その中でも一際、彼女に強い影響を及ぼす人間でなくてはならなかった。

 …………だから、もしかしたら千景との再会は、或いは偶然ではなくて。

 高嶋友奈。彼女自身が、強く願ったからこその━━━━




「…………うん!」


 あの天へと、何があっても連れて行く。
 その言葉に、友奈もまた頷く。これ以上に信頼の於ける誓いは、世界中何処を探したってない。少なくとも、高嶋友奈にとっては間違いなく、誰の言葉よりも心に強く響き渡る。


 ……気付くと、千景の肩には、1羽の蒼い烏がいた。
 今ならばそれが何者であるのか、確りとわかるはずだ。魂に遺された意志が、力として発露し、世界に拡がっていく今ならば━━




 友奈は、飛び出す。
 何も告げずとも、ぐんちゃんは傍にいてくれるから。

 天津神へと迫らんとする道程に、無数のバーテックスの姿が見えた。
 星屑/集合体/完成体、足掻きが如く道を塞ごうとする。されどそれらは最早、両者の、いや━━━勇者の道を阻むには不足した存在である。

6日前 No.853

━━━━いざ、咲き誇らん。 @recruit ★Android=2AWrmBu7z5

【理想郷上空/■■■■■、千代金丸】


>>ALL



 …………何が起きている?


 天津神にはわからない。
 わかるはずがない、粛正の名目において、その生命を奪って来た存在に、今その御前で拡がりつつある光景は理解の外のものだ。
 錆び付いていくだけだった筈の星に、喪われた筈の生命が溢れだしていく。

 器である身体が滅ぼうとも、魂までは消し去る事は出来ない。この星に根付いてきた生命は全て、その護り手である神の樹木によって庇護されてきた。

 そして、今━━
 漸く訪れた華開く時。
 地の神が代行者として選んだ少女が、全ての花に命ずるのだ。


 闇を切り裂き、いざ、咲き誇らん━━と。


>>838


 だが、理解が及ばないからといえ、それを看過する事が出来ない事は確かだ。
 起動する星はない。次なる手として、神が放つは自分自身から連なる能力。単純だが、それだけに強大なエネルギーをそのまま撃ち出してぶつける。
 無数の光弾が容赦なく注がれ━━然し。



 それらは、再び何処からともなくと出現する蒼い弾幕によって落とされる。



 既に星の進退窮まれど、如何な結末を辿るかを選択する自由はまだ残っている。ただ静かに地上が侵される、そんな幕引きは断固として拒絶する。
 星の興亡を巡る最後の一戦、其処に馳せ参じずに何時往くと言うのか。それに━━

 今度こそ、友達を守りたい。
 例えそれが、異なる世界のあなただったとしても。


 …………ね、そのっち。


 阻む物はもう、何もない。
 紫光の刃が神なる身を、とうとう穿つ。


>>842


 もっと速く。
 誰よりも、何よりも迅く。
 その速度、最早神すらも追い付く事は叶わない。
 光速すら越え、神速にも至る黒雷が神琴の炎を後押しし続ける。

 迎撃として起動する射手座と、それを加速させる双子座でも━━捉えられない。


 ……御礼を云うことがあるとすれば、ちがねの方なんだけどね。
 折れた自分を持って、最後の最後まで付き合わせてくれた。なら、今度はちがねが力になる番だ。
 それに、星越えの道を拓くなんて、これ以上ない誉れじゃないか━━━!


 槍に続いて、打ち込まれる拳。
 動くは雷の振るうが如く、攻めるは燃え盛る焔が苛烈さを以て。

 まだ、まだまだ。
 治金丸と言う刃を得た神琴の力は、まだまだ止まる事を知らずに増していく━━。


>>845


 甦ったのは、二人だけではない。
 もう1つの太陽たる、天を噛み砕く竜もまた雄叫びを上げた。自らの得物であり、手足と同様のそれを構え、放つは獅子の星団との戦いでも見せた疑似的な居合いの一閃。


 起動。水瓶座/山羊座━━
 水泡を破壊すれば、その周囲へ毒霧を撒き散らす効果を付与。
 迫り来る悪竜の息吹と呼べる炎に対して、此れを意図的に相殺させようと、


    "そうはさせません"━━と。


 その瞬間、吹き荒れた絶対零度の突風が水泡を凍結させる。
 それはさながら、雪女郎の引き起こす吹雪。指向性を以て発動されたこの現象によって、竜の炎は阻まれることなく、水泡を蒸発ではなく、破壊する形で突破。

 となれば、後は通る。
 回転の後に打ち下ろされる紅蓮の踵が、槌として叩き込まれる。


>>848


 誰かと結び、誰かと繋ぎ、
 生命が朽ちても、その想いはまた後へと受け継がれてゆく。それをバトンと呼ぶのであれば、この世界の人間は今日までそれを渡し続けてきた。

 此処にいる彼らが、
 先に散っていった彼らが、
 皆がいたからこそ、紡がれてきた。この輝きは、その種が実を結び、花開いた証明。


 究極の名を冠する魔法は此方の攻撃が他の者達に放たれるのを先読みするようにして放たれる。
 ならば、発動するは蟹座の権能。反射板━━その究極、自らの身を以て味わえば良いだろうと、


 だが、蟹座の権能もまた、何処からともなく放たれたまるで鎌鼬によって絶ちきられるように十六では生温い程に切断される。


 象天法地・絶牙三段━━━


 とある巫剣の奥義が猛り、そして狙い通りに究極魔法は撃ち込まれ、星の動きが制止する。今度は先のような、次手への溜めではなく、
 押し込まれている。天津神が、一手ずつ。

6日前 No.854

龍炎寺タスク @antinomie☆yzl4MFL1dRLB ★AmPQPE9EE6_Bka

【商店街/龍炎寺タスク】

勝ってもらわねば困る、と。目の前の女性はそう言った。
即ち、彼女の望むところは此処のような星ではない。……恐らく、言葉通りのものを望んでいるのだ。
彼女が生きた星を、取り戻したいのだろう。だからこうやって、見極めるような真似をしている。
自分のような、反逆者を。なればこそ、疑念は湧いてくる。それを問わずにはいられない。

「……だったら、どうして」

《フューチャーフォース》と《ドラゴンフォース》の同時発動である“グランテーゼ”によって手にした竜の胆力と腕力。
それに任せた拳と、突撃。それは両方とも功を奏した。剣とぶつかり合った拳が痛み、血が滲む。無理矢理突破した闇色の雨の着弾点がじくじくと痛み始める。
地に叩き付けられながらも、尚立ち上がり構える天香を前に、タスクもまた一枚のカードを掴み、自身の前へ差し出す。

「どうして、そっちに立って戦うんだ。
 それを願っているんだったら、この星が―――……支配者が目指しているものに、手を貸すような真似を。なんで……ッ」

圧が、変わる。天香の動作に呼応するように現れた玉座が砕け散り、剣へと纏わりついてより巨大な剣へと成す。
纏うは闇の波動。両の手で持ち上げられる剣は、その実体よりもはるかに大きい。
それを見て、避け切るのは不可能だと判断するのも早い。当然、防ぐのも。そして、元よりそのような手を用意していたわけではなかった。
迫る波動は、全てを消し去る闇の力だ。それを目前にして、差し出していたカードを解放する。

「―――ファイナル・フェイズ!……キャストッ!」

解放宣言。
それは、切り札が内の一つ、『必殺』の名を冠するカードを発動するための条件。

「僕たち、二人の命を一つに―――……!」

共鳴する鼓動。竜と人との絆が形になったものが“グランテーゼ”なら、今から放たれる必殺は互いの命を補い合って放たれる一撃だ。
もちろん、既に放たれた攻撃を止めるような力はない。迫り来る闇に何もせず呑み込まれればタスクはひとたまりもないだろう。待つのは死だ。
だから、放つ必殺技は天香というよりも、その技目掛けて。

「必殺!《ドラゴニック・パニッシャー》ァァアアアっ!!!」

巨剣を封じる鎖を引き千切るように。
巨竜の腕が封を解き、天へと山すら砕く巨大な剣を掲げる。スカイサークルの代わりにタスクの両翼が羽搏き、全身を動かした。
巨大なものを振り下ろすように、タスクは《ドラゴニック・パニッシャー》と連動した腕を振るう。向かう先は、彼方が放った大いなる技のもと。
ぶつかり合うことで生まれた衝撃が、弾き出しきれなかった波動がタスクの身体に襲い掛かり血を撒き散らす。

それでも、まだ我慢が利く。相棒に目配せをすれば、そのまま終焉を轟断せんと出力を増す。
……越えろと言うなら、越えてやる。タスクの目は、そう訴える。

>夜刀神天香

6日前 No.855

理央 @evil☆wlNTvj.bQ62 ★Android=c1E0DIQTEq

【めいじ館周辺(崩壊)/理央】

理央の放った怒臨気で強化された剛勇掌打は狙いを外さず豪軍の肉体に抉り込まれた。だがしかし、理央はその感触に違和感を感じる。感触自体は人体に極めて近いが何かが、決定的に違う。これはまさか――

「貴様…『生身』ではないな…!?
その身体に如何なる施術を施した…!?」

感触で分かる。この男は単なる武術の達人ではない。異形の肉体改造を施しながら自らの戦闘技術を損なう事無く扱える、理央すら想像に及ばない外法の者。それが豪軍という男の正体なのだ。

その肉体に理央の拳が抉り込まれているにも関わらず豪軍は語り続ける。
それは豪軍の紛れもない本音にして本心であり今こうして戦っている理由だ。

同時に彼の手が動いて理央の胸に届き、理央の身体に文字通りの衝撃が走った。

「ガアッ…!!」

鎧装の中で理央の口から夥しい量の鮮血が吐き出される。今の一撃で理央の内臓機能のほぼ全てが死んだ。紛れもない致命傷である。
だが理央はそれを受けた瞬間に自らの身体を指で突き、ある臨技を発動させた。

「《超無限烈波》…!!」

自らの血潮を、細胞を燃料として強化する無限烈波の強化版でありこれを使えば命の保証は無い。だが使わなければ理央は死ぬ。それほどのダメージだ。

「ああ…なるほどな。
貴様は、貴様の掲げる愛が菜切の出汁に使われるのが気に入らんと、そういう事か」

理央は不敵に笑う。だがその笑いに嘲りの色はなかった。理央は続ける。

「だが貴様の考え、わからないという事もない。
俺も女を愛した身だ、その愛を引き立て役にされてはたまったものではないとも、それは俺にも理解できる」

『彼女のために捧げた薪を白紙に還し、あげく他の輩の嘯く愛に使われたらたまったものじゃない』

その点においては理央は豪軍に対して理解を見せた。理央も、愛した女がいたから言い分についてならば理解は出来た。だが――

「しかし、貴様の掲げる滅びを俺は否定する。
故に貴様の道は此処までと知るが良い、悪鬼よ」

理央の身体より溢れる臨気が更に増加する。まるでそれは臨界点を迎えていくかのようで――

「共に砕けよう。
《大魁咆》」

理央の身体から臨気が溢れ大爆発を起こす。《大魁咆》、それは全ての臨気を解放して攻撃する奥義であり超無限烈波と合わせて使うことでその威力は計り知れないものとなるが使用者は確実に命を落とす。

「(メレ、遅くなったな。
今からお前の元へ帰る)」

最期に理央が想ったのは共に散った愛した女の事。未練も後悔もなくそして細胞の一欠片も残すことなく理央の身体は燃え尽き消えていく。

そうして理央はこの星より跡形もなく消えた。

>豪軍

【理央@獣拳戦隊ゲキレンジャー
豪軍の攻撃により致命傷を負い、超無限烈波と大魁咆の合わせ技により自爆する】

【これにて理央は退場です、お相手ありがとうございましたー!
そちらの生死はお任せしまするm(_ _)m】

6日前 No.856

安倍晴明 @phile☆fFByNj5QP5A ★6lZVB9LbYB_Bka

【崩壊逆さ塔/逆さ塔第一層/安倍晴明(生命ストック1⇒0)】

 塵風の剣が振るわれ吹き荒れる。
 かつて神代、暴れ狂った蛇神を鎮めるために振るわれた一閃をなぞるように。
 その一閃は──男の首をかき切った。確かに。男の生命の灯火がその一斬で消えかけ、蛇神の気配が両脚から消失する。

 ・・ ・・・・・・・・・・・・・・
 だが、それで終われるわけもなかった。
 それが、男を苛む呪いだったからだ。
 断たれた首が、ひゅうひゅうと耳障りな音を立てながら語りだす。

「消えるのは、ふふ、かまわないんですが──それより、見るべきものと、待ちたいものが……あったものでね」

 死にかけのかすれ声で、陰陽士があざ笑う。胴体が、転がった首を拾い上げた。
 全身の肉は竜巻に裂かれ傷だらけだ。3回目の命が風前の灯火と化したいま──この期に及んで薄笑いが消えないのは、死が男にとってあまりに身近だったからか。
 果たして、その正体はこの場で掴むには時間が足りない。
 だが──晴明はそれを自分から教えてやるとばかりに、決定的な言葉を口にする。

「あなた、も──私と同類でしょう。ええ、思うところがあるでしょう──」

 男がこの星にドリフターとして零れ落ち、北谷菜切に同調した理由がそれだ。
 取り戻せない相手への狂おしい想いのかたち。
 あらゆるものを犠牲にしてまで作り上げた星の果て、彼女が手に入れるものを見るために。

 そして、なにより──

 嗤いながら、男は前かがみにうずくまった。3つめの命が消える直前に、男の抱える神力が爆発的なほど高まってゆく。

    ・・
「……『家族』に」

 辛子色の水干が嫌な音を立てて裂けた。
 源は晴明の背──背中の肉を裂いて盛り上がり、鮮血を噴き出しながらみぢみぢと蠢いた。

「ぐ──う、うぅう──」
「う、ぁあああああああああッ!」

 叫ぶ男の背に、そいつが生えた。

 それは──蜘蛛の足だ。
 黒と金に彩られた異形の三対六本の蜘蛛足。これまでの式神憑依とは一線を画した霊力を放つその異形は、死にかけだった男の命を一度食い破りながら具現する。
 式神『アスラ』。煉獄の阿修羅の名を冠した土蜘蛛は、晴明が抱えさせられた五種の式神の最後のひとつ。

「……母親を、ねえ。待っていたんです。この死ねない身体を作って、地に放り出した母親を!
 ええ、この際彼女でなくともかまいません! やってみてください、私を本当に滅ぼしつくせるのならば!」

 それが、男の全てだった。
 世界が漂白されたいま、地の果てで封印されている女がいまどこにいるかどうかなど知らぬ。
 それでもかつての世界において、男を完全に殺せるのはその女、『母親』だけだったのだ。
 一縷の望みにかけて死ぬために世界を乱した当代最高の陰陽士の目は、ぎらぎらと金にきらめいていた。
 世界の理が混ざり合ったこの星の下であるのなら、あるいは自分を──何をしても死ねなかったこの自分を、この若武者こそが殺しつくしてくれるのではないかと!

 鋭利な六本の脚の全てが、その四肢を狙った刺突として牙を剥く。
 同時に大地が鳴動した。陰陽士の歌った術によって音を立ててばっくりと大地が割れ、地震を巻き起こしながら礫がいま一度降り注ぐ。
 手の骨を砕かれた若武者へ容赦のひとかけらもなく、鬼神の暴威が吹き荒れる!

>タクミ

6日前 No.857

五十鈴れん☆4H2CCC.TU8ct ★Android=zbCXnRRWFb

【理想郷上空/五十鈴れん】

>理想郷上空all

「…え?」

 それは──突然のことだった。
 れんには理屈は理解できない。
 でも──どこかで何かがあったのだということだけは分かった。
 今まではまったく届いていなかった攻撃が届くようになっている。
 れんの持つ鎌は…どんなものでも切り裂けるくらいに強く、鋭く研ぎ澄まされている。

「(…わからない。わからないけど、でも──)」

 何が起きているのかなんてれんにはわからない。
 だから、出来るのはただ踏み出すことだけ。
 そのまま宙に躍り出て、いくつもの軌跡を描きながら鎌を振るう。

「(…行きましょう、菜切さん)」

 懐にしまった「彼女」と共に。
 今やただひとつだけになった人類の敵を倒さんとする。

5日前 No.858

岡田以蔵 @artemish☆8cfl5/j3VDw ★xQst1BEY9F_JyS

【逆さ塔第七最下層/岡田以蔵】

「──────」

 その姿は、まさに鬼と呼ぶ他ないものだ。
 血と全く同色の眼光を燃やしながら、刀を振り乱して襲い来る辻斬り。
 それは磨かれぬまま才能だけが燻っていた男に、壊れない肉体を与えたならこうなるという身も蓋もない図示。
 呉島貴虎を一閃して吹き飛ばすや否や、文字通りの返す刀で彼が放った一筋の大矢へと斬撃を見舞う。
 無論、如何に日本刀という刃物が優れた代物であろうが、こんな荒業で用いれば腕前の好悪に関わらず硝子のように砕け散ってしまうことだろう。にも関わらず以蔵は一瞬の逡巡もすることなく打って出、彼の刀は刃毀れひとつすることなく担い手の期待に添えてみせた。
 砲より尚鋭く、重く奔る矢を侍の小手先で両断する。だが無論、それは道理という名の針の穴を無理という名の糸で通すが如き所業だ。
 完璧にとは行かず、捌き切れなかった分の勢いは矢の残骸を載せて以蔵の心の臓を撃ち貫く。一瞬だけ、剣鬼はその衝撃の前に動きを止めた。とうとうこの鬼も朽ちるのか。

 ───否、否だ。何故ならこれは既に人に非ず、巨大な悪意に導かれた異形の使徒であるのだから。

「侮るな、わしを」

 どくん───
 どくん───と。
 脈打つような音がする。
 いつの間にか、逆さ塔の中には禍の気配が満ちていた。
 もしも此処が塔の最下層でさえなかったならば、確認することも出来ただろう。
 示しを合わせたように降りた夜の帳。禍へと変生を遂げた妖魔がその獣性の真髄を揮うに相応しき真の逢魔ヶ時!

「人の器は不便でならんきの。    ・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・   カラダ
 今はまっことえい気分じゃ。たかだか胸を抉られた程度で、頸を斬られた程度で死ぬる霊基になぞ戻れんわ」

 死なぬ。
 滅びぬ。
 心臓という無二の急所を貫かれて尚、始末剣の狗は呵々大笑を繰り返す。
 その有様───宛ら。骸と成った身で忌名の刃を揮い、裡に異形の宿業を脈動させる屍山血河の主が如く!

「わしはおまんを殺す。
 その為だけにわしは、あの耳触りな音に耳を傾けたんじゃ」

 そして。この血塗られた剣豪は今、目の前の敵など見ていない。
 否、視線は向いている。されど呉島貴虎と奴隷騎士ゲールという個人に対しては、恐らく認識すらしていない。
 それは彼らが取るに足らぬからではない。この男の妄執はあまりに深く、前衛芸術の如くに歪曲されている。
 今や区別などありはしないのだ。この男は屍を重ねたいのでは、そもそもない。

 岡田以蔵。幕末にその人在りと恐れられた天誅の執行人が、骸の霊基に堕ちさらばえて尚殺したがっている存在は───今や、過去の彼方に佇むのみで。


        .      .・・
「──────此処で死ねや、■■ァァァアアアァアアアアアアアッ!!!!」


 解読不能の音節で、人名だったのであろうその名残を咆哮しながら。
 此処に再現された屍山血河の死合舞台は、今や二人だけになった生命反応を呑み込まんと鳴動する。
 《奪われた者》、その第三。彼もまた、ひとつの過去を簒奪されている。
 そして故にこそ、此処に在るのは妄執のみがひとり歩きする虚ろで無為な一体の怪物でしかなかった。

>呉島貴虎、奴隷騎士ゲール

5日前 No.859

ソル @evil☆wlNTvj.bQ62 ★Android=c1E0DIQTEq

【理想郷上空/ソル=バッドガイ】

何事が起こったか、それはまさしく奇跡としか表現出来なかった。ソルを含めたこの場で神に立ち向かう者全員に力が溢れ「この場にいない何者か」からの支援が全員にもたらされ、そしてソルの元へも当然のように現れる。

天津神は先ほどから何度も見せつけてきている水泡をソルに向かって放ってきた。だがそれは突如発生した吹雪により凍結させられた。それは明らかにソルではなく天津神の攻撃を阻む形で巻き起こる。

「誰かは知らねえがここまでお膳立てされてるんだ。
野郎は確実に潰す」

吹雪を起こした誰かにぶっきらぼうながらソルなりの礼を述べてソルは尚も天津神に食らい付く。
ヴォルカニックヴァイパーの斬撃からの踵落とし、狙いを余さず天津神の玉体を捉える。

他の面々もそれぞれ異なる技や能力の援護を受けて天津神は今度こそ間違いなく押し込まれていると言えよう。だが安心するのはまだ早い。天津神の能力自体が弱まったわけではなく敵が弱体化したわけではないのだ。支援があるならそれと共に一気に、畳み掛けて奴を倒す。安心するのは奴が完全に砕け散ってからだ。

地面に着地したソルはジャンクヤードドッグを大地に突き刺し法力を全開にする。

「《サーベイジ…ファング》!!」

大地より噴き出すは無数の長大な火柱だ。まさしく巨大な火竜が大地より身体を起こして食らい付かんとするような威容を誇る。まさに燃え盛る竜の牙が天津神の身体に食らい付かんと襲来する。

>■■■■■、理想郷上空ALL

5日前 No.860

ジェイク・マルチネス @artemish☆8cfl5/j3VDw ★xQst1BEY9F_JyS

【丸亀城下/ジェイク・マルチネス】

 兎にも角にも、ジェイク・マルチネスは悪魔のような男だ。
 人を殺すことにも、その尊厳を踏み躙ることにもひとかけらの躊躇いもない。
 自分が気持ちよくなれるならばそれでいいと、幼子にも劣る幼稚な獣性を撒き散らす"凶悪"という言葉が具現化したような業人。
 しかしながら。天は彼に二物を与えた。如何なる攻撃をも防ぎ、転用すれば一発で何人もの命を奪い去れる《バリア》と、どんな計略をも瞬時に見抜いて手玉に取ってしまう《読心》が、生まれた時からジェイクの身体には備わっていた。
 その恐ろしさ、強さ、そして完璧さは他でもないジェイク・マルチネス自身が一番よく知っている。
 その気になれば一個の国をだって平気で相手取れるだけのポテンシャルとスペックを秘めた力であるのだと、深く理解した上でそう自負している。

「……不快だなァ」

 ジェイクは、女が好きだ。
 今まで何人となく弄んで来たし、望むならこの女もそうしてやっても良かった。
 自分との歴然とした力の差を理解して跪き、靴に舌を這わせるならば……一頻り弄んでやった末ではあるが、楽に殺してやるのも吝かではないと思っていた。なのに、眼前の《勇者》はその目に灯った目障りな光を一向に消さない。
 不快。そう、実に不快だった。その目は、忌々しいものを思い出させる。

「ハッ、何か思い付いたのかと思えば。
 力ずくで俺のバリアをぶち破れるとでも思ったか? 全く子供らしくていいアイデアだ───」

 舐められたものだと、ジェイクは思う。
 得物の斧で壊せなかったバリアを、よもや徒手空拳で砕けるなどと夢想されるとは。
 あのシュテルンビルトで自分に敗れ去ったヒーロー達も皆、最後はこうしてやけっぱちのような攻撃を繰り出してきた。
 皆、絶望するからだ。そうするしかなくなるからだ。心は読まれ、攻撃は防がれ、有効打は何もない。交渉を持ち掛けようにも心を読まれてしまうから通じず、その結果、こうして闇雲に突っ込む以外の手が無くなってしまう。
 こうしている今も、ジェイクの頭の中には三ノ輪銀の考えが筒抜けになっているのだ。


        "全力全開。真っ直ぐ進んで、ストレートで顔面をぶっ飛ばす"。


 ほら、来た。
 馬鹿の考えほど悲しくなるものはない。
 ジェイクは黙って顔面にバリアを展開し、その拳を防ごうとして。
 その瞬間に───目を見開いて、驚愕の声をあげた。


「───な、にィいいいいいいいッ!!?」


 拳が、ずれた。
 思考にはなかった動き、偶然が彼女の為に編み出したとしか思えないフェイント。
 それはすべての戦況判断を読心に委ねているジェイクにとっては覿面の効果を挙げた。
 銀の拳はジェイクの鳩尾に吸い込まれ、その長身をたたらを踏んで後退させる。
 神樹の勇者による打撃は、凄まじいまでの衝撃を伴っていた。その威力たるや、スーツで武装したヒーロー達のそれにも何ら劣らない。そんなものを生身で受けたのだから、ジェイクの受けたダメージの程は推して知るべしだ。
 だが、しかし。ジェイク・マルチネスはその身で味わうことになった痛みよりも遥かに強く激しい、とある感情に震えていた。

「テメェ……こンの糞餓鬼がァァアアアアッ!!」

 記憶の中の忌まわしいヒーローと、目の前の餓鬼の姿が重なる。
 神が自分という優れた人間に授けてくれたNEXT能力を、下衆で馬鹿げた偶然で攻略した気になっていたあのヒーロー共。
 ジェイクが今一番殺したい、五体を引き裂いて腸を引きずり出してもまだ飽き足らない連中を想起させる銀の一撃は、彼に怒髪天を衝かせるには充分過ぎるものであった。
 何の遊びもない、一撃で爆殺してやるとばかりの殺意に満ちた光の掃射が銀を焼き払わんと猛る。直撃すれば勇者であろうが四散することは請け合いで、副産物として生じた爆風さえもが容易に肌を焼き、肉を焦がす。
 ジェイク・マルチネスの凶器(メインウェポン)。彼が神に授けられたと豪語する絶大な力が、赫怒のままに撒き散らされていく。

>三ノ輪銀

5日前 No.861

ラムザ・ベオルブ @aroundight☆SdjaOljKHtOm ★msJh1WzJ3A_pzR

【理想郷上空/ラムザ・ベオルブ】

 そう。
 全知全能の神にあって、唯一成し遂げられないことがあり。
 全能ならざる凡そ全てのヒトにおいて、唯一可能とすることがあった。

 錆び付く星に、喪われたはずの命が舞い戻る。
 極星の瞬きは雨のように降り注いで、此処で戦う者達の傍らにあり続ける。
 その光景を奇跡と呼ばずして何と言う。剣を翳し、いまここで闘うラムザ・ベオルブ自身でさえもそう思い、しかし同時に、これはこの星が継いできた全てであるのだと紛れもなく飲み込んだ。
 強いと、心の底からそう思う―――自分たちにその覚悟がないと卑下するつもりはないが、この星で生きて、根付いてきた者達がそれを願ったというのならば………それはなんと輝かしく、そして強靭<つよ>い想いの元にあった願いなのか。そしてそれらが、孤独な旅路を歩んで来たのだろう彼女ら彼らの背を押すことの、なんと頼もしいことか。

 無間無尽の弾幕を張って敵陣を蹂躙することは神にしか出来ぬ。
 だが、それを叩き落とす蒼光を呼び込むことは、この天にあるものには出来ないだろう。

 雷霆のような素早さを持って迫ることはヒトならざるものにしか出来ない。
 だが、いま焔に応じて宿る黒い稲妻を呼び込み肩を並べることが適ったのは、その焔がヒトだから。

 あらゆる力を無為に帰す暴力の災渦はヒトより巨きな災害の成せる業であり。
 されど、それを越えるために起きた力と意思の結合は、彼らが紡いできた災害の越え方である。

「!」

「(通った………! 予想よりもずっと巧く)」

   、    、    、  キャンサー
 カマイタチのように断ち切られた蟹座の権能。
 この星で戦ってきた巫剣が鍛えた秘奥の一によって齎された刃が、ラムザのそれを後押しした。
 布石として、繋ぎとして撃ち込んだ『全霊』は確かにその眩い輝きによって天津神の総体を照らし、立て続けざまの攻撃によって少しずつアレは怯み始めている。今が押し込む最大の好機だ―――今度のそれは予兆や嵐の前の静けさなどではない。本当に、裁きを下すものが手傷を負い、歪み始めている。

「今度は怯んだな………仕掛けるなら『今』だッ!」

 剣を手に取る。正確には、構え直す。
 それと共に立ち昇る黄金の気は、好転する前に使用していた青色の闘気と似て非なるもの。
 全体として、この息吹が皆を支えてくれている以上。ラムザが補佐に回る意味は薄くなった。

 ならば………此処まで来て、これを好機とみる以上、ラムザも先の『アルテマ』のように全霊を叩きつけることで彼らの後押しとするべきだ。即ち求められるのは、託し繋がんとされているこの風に応えること。
 彼らとてそうすると決めて来たものがいるはずだ。嘗て戦い、散って行った者達は皆。そうした希望を胸にして来たと信じているし、信じたい。此処で力を貸し、『独りじゃない』と訴えてくれる者達は皆―――。

「―――ぉおおおおおおおおおおおおおおッッッ!!!!」

 全神経を刃とそれを携える己に収束させる。
 跳躍の直前、その叫びを持って爆発的に―――後押しを受けたが故に―――膨れ上がる気を伴い、ラムザ・ベオルブは蒼穹へと跳んだ。天へと刃を突き立てることの荒唐無稽さを頭に入れて、それでもと吼え猛った。

 ラムザ・ベオルブは騎士である。騎士ならざる騎士だ。

 彼は自身の道と、自身の大切なもののために戦ってきた人間である。
 そしてラムザはその道を成し遂げ、人理の断末魔に導かれてここに来た。
 その時に、大きな理想を掲げた覚えはない。だからこそ、ここで彼らとともに戦う。

「届け―――」

 金色の闘気を纏った剣が、空を薙いだ。
 一度目の斬撃は黄金の波動を伴い、斬撃と魔力の衝撃によって天を覆うものを切り裂かんとする。

 水平の薙ぎから、空にて袈裟掛けの一閃を叩き込む。
 その度に散る魔力と闘気は彼らの後押しを受けてなお一度ごとに渾身を込め。
 同時に横溢する力は力場となって迫るやもしれぬ攻撃に対する守護として機能する。

 聊か無謀な正面突破だが、正面に飛び込んだ/飛び込むだろう者達の刃を届かせるための全霊だ。


 袈裟掛け、切り返し。振り下ろし。
 力強く振り下ろされる剣戟は、軌跡の光を残して駆け巡るラムザの手元で踊る長剣によって紡がれていた。
 巨体ゆえに外す方が難しいが、此処まで来ると後は『どこに当てるか』『どう防がせるか』。
 その点において、彼の刃は縦横無尽に跳ね回り、一箇所に力を留めさせない。
 力量の絶対値において隔絶した差があった時ならばまだしも、今ならばそうした刃の振りは意味を持つ。

 その剣は、彼の歩み託されてきた『物語』のそれと同質のものだ。
 違うのは、魔剣士バージルに振るったそれがラムザ“に”託されてきたものであるということであり。
 これは、ラムザ・ベオルブは誰かに託すべき、切り拓くべき、彼自身の『物語』。
 ラムザ・ベオルブという―――英雄ならざる英雄の剣。


「―――届けェ―――ッッ!!!」


 最後の一振りが、天へと突きたてられる。
 風の先導者と自惚れるつもりはない。僕はこの戦いにおいて、あくまでも繋ぐものだ。

 ならば、“それ”を届かせるべき相手は、きっと―――。

>■■■■■、理想郷上空ALL

5日前 No.862

乃木園子 @artemish☆8cfl5/j3VDw ★xQst1BEY9F_JyS

【理想郷上空/乃木園子】

 咲き誇る。咲き誇る。
 これまで、燻っていたすべてが。
 存在こそしていても、天津神という圧倒的な災害の前に蕾のままでいることを強いられていたすべての命が。
 何処からか生じ、二万五千荒野の果てまでもを光と癒やしで満たす勇気の光によって、開花の時を迎える。
 宛らそれは星の花。ニライカナイという、ただ枯れ落ちるしか役割のなかった異聞星から立派に咲き誇った命の証。

「───うん、うん……!」

 言葉はない。言葉はない。
 それでも、伝わってくるものがある。
 神によって間断なく撃ち込まれる粛清の光が、何処からともなく出現した蒼い弾幕によって撃ち落とされた。
 その弾には、確かに見覚えがあって。けれどそれが此処に降り注ぐことだけは有り得ない筈だったから、尚更涙が零れそうになる。
 それをすんでのところで堪えられたのはきっと、彼女たちとの思い出が───世界は違えど、辿った歴史は違えど、胸の中に生きているから。

「……一緒に行こう、今度こそ。私たちが、勝つんだ───!」

 紫光、神を穿ち。
 そこに更なる活路を切り開かんと、全身全霊を注いで勇者は決起する。
 負けられない、ではない。もう園子は、いいやこの場に集った誰もが、"負けはしない"と確信している。
 ならば後は果たすだけだ。人を見下す傲慢な神に、自分達は滅びないのだと突き付ける使命を果たすのみ。


 無限の星すらも霞むような───この、勇気(ヒカリ)で。


>■■■■■、理想郷上空ALL

5日前 No.863

鬼眼麗人 @aroundight☆SdjaOljKHtOm ★msJh1WzJ3A_pzR

【めいじ館周辺(崩壊)/劉豪軍】

 もはやその言葉に応じ返すものなどいないが。
 確かに、劉豪軍という男の肉体は外法のそれによって編み上げられたものだった。
 内家の武術とは自然の人体によって培われ、経絡系を廻る力の流れというものを汲み取り繰り出す氣を根底と置くもの。ならば外家の人工駆体のような力と速度を追求したが故に人体と剥離したようなものにそれは扱えず、同時にそれによって語らせる功夫と言う言葉は存在しない。
 だが豪軍から言わせてみれば、そんな誇りがどうの流派がどうのという軛こそ余計なものだ。
 彼は力というものに何ら浪漫も幻想も懐いていない。徹底したリアリズムで、内家功夫の神秘を辱め、同時に外家の技術をこねくり回すことで、極めて自然体の人体に近いボディを得た。そこで構築される存在とは即ち、外家の耐久力と瞬発力を得た内家武術の達人………あらゆる武術が誇る研鑽の全てを嘲笑に付す、異端にして並び立つもののない武術家である。

 その比類なき肉体に、鬼眼麗人の頭脳が重なるならば。
 手札を支払いリスクを被ってでも最短効率での殺人を成し遂げようとするならば。

 半身が焼かれる程度の傷で、致命傷を叩き込もうとするなど造作もなかった。
 戴天流が誇る秘奥義の一つ―――対人において決定的威力を誇る伏せ札は、凡そ最高のかたちで理央という男を穿った。先ず致命傷だ、ここからどんな理屈があろうとも、いまの夥しい血を覆すことは出来まい。
 この男は死ぬ。かかった血を払うこともなく、状況の推移を読み取っていた豪軍は、淡々とした面持ちでトドメを刺そうと剣を構えた。油断なく、加減なく、この獅子の首を落とすことに意識を向けていた。


 ………以上のことから分かる通り、豪軍は相手をいま詰ませたも同然である。

 ………ではなぜ。もはやその言葉を返すものがいないのか。


 解答は二つ。ひとつは、そんな言葉を返してやる意味を感じなかったから。
 だが、もうひとつは………。


「――――――」

 ・・・・・・・・・・・・
 もはやそれどころではないから、だ。


 豪軍の識る氣と、理央が積み上げて来た臨気は似て非なるものである。
 だが、「似て」はいるのだ。だから気付く。

 刃圏にあるこの男の肉体が、いま致命を受けた直後に起こした行動によって変化したのを、鬼眼麗人の慧眼は見過ごさなかった。それも攻撃を受けた直後の、全く澱みのない動きと「意」によってそれが起きたのだ。
 捨て鉢になった? 確かに納得のいく話だ。そこから助かる術はもうない。
 だが、いいや違う―――豪軍は自分の中に浮かんだ考えを速攻で切り捨てた。これは“どうせ死ぬから”という自棄を起こしたような意ではないのだと、その瞳に決して重ならない何かを見出したからだ。

 この男の、この目は。

「………分からんな。
 何をどうすれば、そういう結論を出せる?」

 死ぬ気だ。俺を道連れにして。

 間に合わない。
 ここで理央の首を撥ねることは可能だろうが、瞬時に増幅する“気”を彼は感じ取ることが出来た。
 だからこそ、その気/氣の増幅に依って放たれる攻撃は、ゆうにこの場の全てを飲み込むだろうと保障があった。

 つまり詰みに追い込んだことは事実でも。
 劉豪軍も詰みに追い込まれていた、というわけだ。あるいは―――此処で戦ったその瞬間から。

「否定はせんよ。俺は確かにそういう理由で動いたし、動機がそこなことも全く否定せん。
 だが………最後に見せたものが『愛』でありながら、望むのが死か。尚のこと奇怪な男だ」

「誇りだの矜持だのを語る輩の性根というやつは、そこにはないと思っていたよ」

 あらゆるすべてが対岸にありながら、ただひとつそこだけが合致した。
 愛する女がいるということ。
 ただそこだけが同じだが、そこから導き出される解答というものがどうしようもなく異なっていた。

 劉豪軍としては、だからこの最後の行動は奇異に映った。
 愛した女が居て、言い分について理解したという物言いをしておきながら、それを否定する。
 そもそも此処に喚ばれた意味さえ能動的なものではないと言っておきながら、此処で確固たる理由を挙げる。

 控えめに言って理解を半歩飛び越えていた。
 だが、半歩だったから、すぐに豪軍は気付く―――。

「………ああ、もしかすると、だ」

 なにか、おかしなものを見たように。
 此処ではない誰かに語り掛けるように、豪軍は嘯いた。要はこの獅子―――。

 いいや、あるいは喚ばれた者達が同じく愛という言葉に意識を向けておきながら。
 その在り方が違い、くっきりと立つ陣営/視るものが異なるというのは。


 ・・
「俺達とお前達では、愛し方が違ったというわけか」



 単に。
 愛という言葉に込めたものが違うという、それだけのことだったわけだ。

 空を見る。
 朱く錆び憑く理想の星に、終わりが近付いていたのが分かった。
 豪軍がそれに何らかの感情を懐くのかと言われたら、答えは否。
 彼としてはその空さえ、遺すべきものに値せず―――生存したのならば、迷わず天津神の援護と利用の為に動き続けただろう。ダメで元々、どうせ蛇足と断じているから、彼はたいへん身軽な身で遍くすべてを滅ぼそうとするだろう。

 ………しかし、どうせ蛇足だからこそ。彼にはその狂気に未練を持たなかった。

「しかし、悪鬼………悪鬼か―――それも、どこか久しく聞いた気がするな」

 なにか、理央ではないだれかを嘲るように。鼻を鳴らして嗤う。
 冷静に算出した『死』という不可避の牙の到達を待つ彼が笑ったのは、誰か。

 愛し方を間違えたと教えられた、錆び憑いた女? いいや違う。彼にとってこの女は互いに隣人でもない。
 ついこの間現れたばかりのような、星の漂流者? いいや違う。豪軍は彼らに対しては部外者であるからだ。

   、   、   ・・
「あの瞬間に至るまで、貴様はどんな幕切れを願ったのやら」

「よもや、こんな御伽噺のような末路だったとは思わんがな―――」


 彼が嘲ったのは、この結末。

 かつて錆び切って、天蓋に如何なる星の瞬きも残さぬままに幕を閉じたのだろうある結末を想い。
 それとあまりにも違う、あまりにも『救い』のある結末を見て。そこに至らなかった誰かを嗤ったのだ。
 胸の中にある、小さな嗜虐心という―――そいつとのつながりを、最後にもう一度だけ蘇らせて。


 豪軍は死の華の中に―――。
 命を賭して臨界に至る『大魁咆』の光に身を喰らわせながら、最期を迎えた。


 虚無を宿した男が黒金の獅子と繰り広げた死闘は、何の未練も執着も遺すことはなかった。


>理央


【では死んだ方が綺麗なので此方も御伴します。
 改めてお相手ありがとうございました〜! m(._.)m】

5日前 No.864

アマテラス=姫 神琴 @tukuyomi07☆2nDyzvx51us ★3aNoMW8gGM_Bka

【 理想郷上空/アマテラス=姫 神琴 】(※解除)

 ハヤ 、ハヤ 、ハヤ
 速く、疾く、風く、もっともっともっとハヤく――風を超え、嵐を超え、音を超え、光を超えろ。

 猛き焔を発し、深黒を引き裂き、何物も寄せ付けないまま夜空を駆け抜ける一つの流星。神が仕掛けた皆殺しの威光などとるに足らないと、光となって焼き尽くしながら、誰にも届かない至高の焔/雷でもって拳を打ちこみ続けていく。
 もはや遠心力という加速装置を乗せた光子の矢雨ですら、神琴"達"にとっては緩慢なものでしかない。全神経が光速を超えた領域にある今、己はあらゆる全てを置き去りにしながら勢いを止めることなく推進し続ける疾走者だ。

 言葉を交わさずとも分かる。息を合わせることが出来ている。
 もはや負けはしないのだと、この身に宿る確かな感覚がそう叫んでいる。

 万物両断の刃が空へと舞う。
 裁きの明星を、蒼き弾幕が撃ち落とす。
 病毒の泡沫を絶対零度の吹雪が凍てつかせ、業焔が撃ち込まれる。
 物理反射防壁を三段の絶技が打ち砕き、究極魔法が炸裂する。

 闇を切り裂けと謳う華が咲き誇り、集う魂が輝かせる反逆の暁星。
 それを前にして鏖殺の神が揺らいでいる。
 凶兆などではない。理解できない事象を前に、押し込まれている証だ。
 害なる者は死すべしと滅ぼすのみで、生まれた絆と受け継がれた魂を視ようともしなかった、あの天<ソラ>が。

   ・・・ シフト
「――やるよ。 換装、《草薙剣》ッ!!!」

 今しかない。
 力を貸してくれている彼女にそう呼びかけ、神器を換装し空へと向けて振り上げた。

 《八尺瓊勾玉》より取り込んだ全魔力の行き先を、《草薙剣》一点に収束させる。
 更に合一。力を貸してくれている皆を――そして"彼女"の黒雷も併せて上乗せし、太く、巨大で、高密度な魔力刃を形成。
 否、それは単なる魔力刃とは形容しがたいそれにあった。
 天を貫くほどに重厚長大な爆焔に、とぐろを巻くようにして黒雷が巻き付き、融け合わさっている。

 菜切との戦いで一度見せた即興の併せ。
 だが一度やっている以上、今度は簡単だ。
 更に言えば、神話輝術に細かい理屈など必要ない。
 想いのままに、魔力炉を廻し限界を超えて魔力を引き出すという、理屈無用の荒唐無稽。

 、  ・・・・・・・・
 だからどこまでも行けると思ったならば本当にそうなる。
 呼吸を合わせ互いを信じ、ただ、あとは叫べばいい。


  、   、キセキ
 此処に二つの神話が顕現する/
    、        /それは轟く雷霆でありながら焼却の赫焔。


 名をば、


  フレアヘイズ・インドラ
「《 武御雷・天羽々斬剣 》――ッ!!!」


 苛烈なる黒雷と猛き業焔、あらゆるすべてを光の彼方へと消し飛ばしながら炸裂する神話の一刀。
 墜ちろ天よ、お前は神であって神ではない。そんなモノに滅ぼされてやるつもりなどない。
 此処にいる全員が同じ神話の舞台に立った今その驕りは終わりだと、天へと向けて吼え猛る!

>■■■■■、理想郷上空ALL

5日前 No.865

タクミ @tukuyomi07☆2nDyzvx51us ★3aNoMW8gGM_Bka

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5日前 No.866

━━━━いざ、咲き誇らん。 @recruit ★Android=2AWrmBu7z5

【丸亀城下/三ノ輪銀】


>>861


「……ああ、やっぱし。
 アンタ、アタシの心は読めても、アタシも想像出来ない動きまではわかんない訳だ」


 それは、今の銀にしか出来ない芸当だ。
 三ノ輪銀は隻腕だ。しかしそれは、ずっと昔からそうだった訳じゃない。
 反逆者がこの世界を訪れてすぐの頃には、確かに其処にはあったのだ。
 喪失したのは、ほんの少し前。
 だから、銀はまだ元あったものが無くなった後の身体のバランスの取り方に、まだ慣れていないのだ。
 それは、タスクとの会話の中でも見えた通り、度々転びそうになったことからも伺えたこと。もっともそれは、今日まで三ノ輪銀とまみえた事のないジェイクが知らない事であり、微塵の興味も持たない事柄だろう。

 そう、詰まるところ━━三ノ輪銀は、止めたのだ。

 失った部分を補うようにする慎重な動きをするのを止めて、いつものように、いや、いつも以上に全力全開で戦うことにしたのだ。
 結果として、体幹が定まりきっていない今の銀の身体は確実な制御を失い、今のように銀にすら想像もつかない結果を引き起こす。
 無論、それは良いことばかりではない。要するに精密性については、かなぐり捨てているのだから。然し━━

 悪くない。銀は、そう感じている。


「づっ、ぐ……う、ぅぅぅ……!」


 一撃、叩き込まれたことがよっぽど腹に据えたか。それまでの態度を引っ込ませて、狂ったようにエネルギーをぶちまける。暴風のようなそれは、斧で身を隠していても防ぎきれるものではなく、その身は着実に傷付いていく。


 …………なんの。勇者は、根性…………!


 意を決して、銀は自らの得物である斧を遥かな空へと投げ飛ばし、盾を失い、無防備となった姿をさらけながら━━━ジェイクへ、迫る。

5日前 No.867

夜刀神天香 @evil☆wlNTvj.bQ62 ★Android=c1E0DIQTEq

【商店街/夜刀神天香】

「――ああ、そうだな。
我ながら矛盾していた。菜切が気に食わないなら己自身で挑むべきだった」

タスクに自身の矛盾を突かれた天香は自嘲するように眼を伏せた。タスクに対して一方的に試す見極めると宣いながらタスクからすればならば何故と問わずにいられない疑問がそれだ。
その矛盾を叩きつけつつタスクもまた己の奥義を解放する。

天より現れるのは鎖で繋がれた巨剣だ。それを巨大な竜の腕が握り、縛鎖を引き千切る。そうして剣が振りかぶられ『終焉の剣』と激突する。

「奴に召喚されること自体が不本意だった。
元より奴のような者のために『彼女』を戦わせるなど、我慢がならなかった。
だから――」

『終焉の剣』と『ドラゴニック・パニッシャー』が激しく火花を散らす。天香が戦っていたのは星のためでも菜切のためでもなく、自らの中に眠る『彼女』のため。菜切は『お兄様』以外眼中になかったが天香もまた『彼女』以外に関心や重要さを持っていなかった。

「私が手を汚すと決めた。
『彼女』は私の中で眠っていればいい。直に時が来ればこの星と共に私も消えるだろう。
――いや」

いつまで続くかと思われたせめぎ合いが崩れようとしていた。まるで揺らぐ天香の心を映したかのように闇の奔流が乱れていく。そして乱れた奔流を断ち切りながらタスクの巨剣が『終焉の剣』に激突し『終焉の剣』がひび割れる。崩れていく『終焉の剣』はまるで曇り空が晴れていく空のように、消えていく。『終焉』を『人と竜の命』が否定する。
闇が消えた後には丸腰となった天香が立っていた。

「今すぐに私を消し去りたいなら、そうしろ。
元より私…いや、『私達』は世界が終わるより前に世界から消えた身だ。
再び消えたところであるべきところに還る、それだけだ」

天香は、自らの負けを受け入れた。同時にタスクの意志を覚悟を認めた。故に彼女の生殺与奪は今タスクの手の中にある。

>タスク

5日前 No.868

━━━━いざ、咲き誇らん。 @recruit ★1tmmb02HRh_XMC

【理想郷上空/■■■■■、千代金丸】


>>858


 例えどのような物が塞ごうとも、今の五十鈴れんの放つ刃に絶てないものはない。
 一つ振るえば雲が斬れ、二つ振るえば空が割れる、三つ振るえば陽すらも切り裂く。
 踏み出し、幾度と軌跡を描く。それは紛れもなく、北谷菜切があの戦いの中で見せた斬撃だ。



   "はい。これが、贖いになるとは思いませんが……それでも……"



 ━━━鋭過ぎる切れ味は、菜切にとっては忌むべき伝承だ。


 多くの人から避けられ、疎まれた原因。
 己を見失っていた時も誰かを傷付けるために、その力を使っていた。
 けれど今は、何よりも遠ざけたかったその業が、力になりたいと願っていた彼女達の道を拓く刃となった。

 どのような力でも、力は力。
 使う者によって正しくも、過ちにもなる。
 希望の担い手である魔法少女、五十鈴れんによって、妖刀として恐れられた少女は、ようやく誰かの為の剣と成る。

 押し込まれた天津神は、権能を起動することは━━━出来ない。

 天が、裂けていく。


>>860


 吹雪も収まりつつある中、けれど届いてきた意思は幻ではない。
 はじまりの勇者の一人。今ここへ向かう二人の友だった人物━━━
 言葉はなくとも、互いを知らずとも、ソルと彼女が成さんとすることは同じ。故に、道は拓いてみせる。

 打ち込まれた踵落とし。だがそれで終わりではない。
 湧き上がり続ける気力は留まることを知らず、訪れた好機を逃さぬと獰猛な牙を剥いた。

 神は自らの力を落とした訳ではない。
 異様であり、威容なる存在は、まだ滅ぼさんとする意思を無くしてはいない。
 だが、裏を返せばその中にあってもなお、今は彼らのほうが━━強い。
 支える者。支えてきた者。星に在った生命が、天津神によって理不尽に呑まれて来た者達の魂が、此処にある。

 噴出す火柱。
 地から奔るそれは、天に対しての反逆の焔。
 焔は竜の姿を成して、空を我が物として統べる神すらも呑み込まんでいく。


>>862


 ━━大きな縁があった訳ではありません。ただ同じ銘の刀を振るった、その程度の事ではありますが……


 他者を支えるその有り様は、何処と無く彼を想わせる。何より自らが倒れた後も、星に在って禍憑や天津の代行と戦い続けてくれた漂流者。その心中に如何様な想いがあったにせよ、此度はそれだけで━━━充分。
 そうして撃ち込まれた究極魔法が、天津神を押し込んでいく。


 ……何故、これほどまで。


 隔絶した存在である神の問いかけに、答える者は一人としていない。敢えて言えば、此処にいる者がまだ生きて、抗い続けていることこそが、その答えそのものだろう。
 周囲を支える役目は、この輝きが成してくれる。ならばと此処で、騎士は自らが纏う力の色を青から金色へと変化させる。
 色が変われば、その意味もまた変わる━━━

 雄叫びと共に、ラムザは━━跳ぶ。


 それは、天津神が何よりも忌まわしく思う行い。
 人の身でありながら、天へと届かんとする在り方。
 天へと届き……天を越えんとする意思。それがいま、斬撃と言う形で振るわれた。
 袈裟懸け/切り返し/振り下ろし━━━そして、"届け"と放たれる太陽を穿つ一撃。


>>863


 ━━━連なるように、神花の槍が空を衝いた。

 それは、歪まされた世界においても、正しき流れを汲んだ世界でも、届くことのなかった穂先だ。
 けれど、今━━ようやく届いた。
 今度こそ、一緒に勝って護るのだ。
 その一念が、神様に翻弄されてきた人間の刃が、辿り着く。神の下へと。


 空が、割れる。

 五十鈴れんによって絶ちきられ、ソルによって噛み砕かれ、ラムザによって貫かれ、そして今園子の一撃によって穿たれた神、その神体に刻まれていた星座が破損し、歪んでいく。


>>865


 "━━━━いつでも準備万端さ!"


 最後の一押しと、天を照らす者が猛る。
 呼び掛けに応じる声が響き、黒雷もまたその圧を増していく。
 なにをやるか? そんなの聞くまでもない。神琴がやると言ったのならば、次に放たれるのは、どんなものをも焼き尽くす、シンプルで、だからこそ強い━━焔!

 其処に生じたのは━━刃だ。

 黒き雷を纏った、炎の剣。
 銘治館での戦いでやってみせた併せを、より集束させて、より強力にしたかのような、天を越え、星を焦がす極の刃。
 理屈なんていらない。治金丸もまた、そんな彼女の有り様に乗せて、稲光を滾らせる。


 ━━━其は、神を焼き尽くす剣。


 暗雲全て、振り払うかのような猛る雷焔が、天津を通して存在する十二の紋、その全てを━━━消し去った。

5日前 No.869

呉島貴虎 @antinomie☆yzl4MFL1dRLB ★AmPQPE9EE6_Bka

【逆さ塔第七最下層/呉島貴虎(仮面ライダー斬月・メロンアームズ→カチドキアームズ)】

かの存在の外見、その威圧感。そこから感じるすべてが異形なのだ、常識で測ることの方が無理があるだろう。
それを分かっていながらも、放った技が日本刀に弾かれたことに驚愕を禁じ得ない。
視界の端に映るゲールの姿は、凄惨なものだ。如何に彼自身が不死を語ろうと、あれでは戦闘続行こそ厳しい。
だが、と弾き切れなかった光の矢が人型の怪物の心臓を撃ち貫いたときに、仮面の下で表情を険しくした。
如何に人外とて、人の形を取る以上心臓部となる場所はあるはずだ。それこそ、超常の者でもない限りは。だからこそ、一瞬だけ勝利を確信する。

……それも、ほんの一瞬の夢だったが。

「……な」

思わず驚愕の声が漏れる。同時に、周囲を満たす邪悪なるものの気配に遅れて気付き、心の臓を掴まれたような気分になった。
男の語る言葉は、自身が『人間』を越えたということに他ならず。貴虎は、その事実にただただ焦燥するしかない。
心臓を貫かれて死なぬ。きっと、彼の言葉通り首を断ち切られようが死にはしないのだろう。
最悪の形で、呉島貴虎の記憶にある人物たちが蘇る。

「ク……、とんだ悪夢だな、本当に」

一人は、文字通り人間を超えることを望んでいたもの。彼は結局、その理想に手が届かず潰されてしまった。
一人は、かつての友。意味のない、空っぽの存在―――神を生み出すことを目論見、一人の男に下された存在。
そして、もう一人は。名実ともに、人を超越した存在になってしまった、青年。
苦いものも何もかもを想起して、叫ぶ鬼人を前にして新たなロックシードを取り出した。
ソニックアローが粉砕され、ジンバーメロンの装甲すら通用しないと分かった今、札を切るには申し分ない状況だろう。

「だが、……貴様が何を見ていようとも、膝を屈するわけにはいかない……!貴様は、危険だ!」

<カチドキ!……―――ロック・オン!>

頑強なメロンの形状を象ったメロンのロックシードをバックルへと装填。そのまま、刀のギミックを倒して自身に更なる変身を促した。
それが成るよりも前に、貴虎は咆哮する影へ向かって駆ける。

<ソイヤッ!カチドキ・アームズ!いざ、出陣!エイ・エイ・オーッ!>

「はぁあああああッ!!!」

装甲が再び変わる。
陣羽織のような鎧から一転、重厚かつ絢爛な戦国武将然とした翠色のアーマーを身に纏い、その両手には斬月の印が入った二振りの旗が握られている。
それを構え、周囲を巻き込むように旋回しながら風を解き放った。
旗から生まれた風圧は重力波となり以蔵へと向かう。吹き飛ばすことは勿論目的ではあるが、もう一つ。
例え攻撃としての行動が失敗に終わったとしても、その渦に巻き込むことで動きを阻害出来れば重畳だ。……周囲の空気が、彼自身が。どれ程までに、人を超越したかを測るという目的も、勿論。

>岡田以蔵、奴隷騎士ゲール

5日前 No.870

龍炎寺タスク @antinomie☆yzl4MFL1dRLB ★AmPQPE9EE6_Bka

【商店街/龍炎寺タスク】

終焉を謳った剣閃が、《ドラゴニック・パニッシャー》が激突する。
通常のそれを遥かに超越したそのぶつかり合いは、周囲へ少なからず影響を与える。
既に終わりへと向かいつつある星からすれば大きな被害ではない……が、そこが平和だった時を知る人物たちが見たらどう思うか。
元より、襲撃から荒れた様子ではあった。気にするなと言われればそれまでではあるが。

籠めた力を緩めることなく、天香の語る言葉を聞く。
彼女の言う『彼女』が何なのかは、分からない。だが言っている意味くらいは推察が出来る。
要は、彼女はその『彼女』のために自ら矢面に立ったのだ。『彼女』にこの星の有り様を―――行く末を見せないために、というのが妥当だろう。
そう考えれば、なんてことはない。彼女とだって、きっと本来は戦う必要などなかったのだろう。
拮抗の末、ガルガンチュアの剣が昇華した竜と人とが紡ぎ出した力は、闇の奔流を打ち砕いた。
そこに立つのは、戦う術を失った一人の女性だった。終焉を冠する一撃を打ち砕くと同時に、《ドラゴニック・パニッシャー》もまた消え去る。

「……ふ、ぅ」

ジャックとタスクを包んだ黄金が、氷が砕けるような音を立てて消滅する。
相棒はその身を“SD”化させてタスクの傍らへ飛び、タスク自身もその身を包んでいた竜の闘気を霧散させた。
その手に残るのは、最初に握っていた竜の大剣、《竜剣 ドラゴブレイブ》のみだ。それを構えもせず、ゆっくりと相棒と共に天香へと歩み寄る。
伸び切った長髪はそのままだが、その身に戦意を帯びてはいない。それは火を見るより明らかで。

「貴女は……きっと、強い人だ。方法こそ違っても、守りたいもののために戦っていたのなら、多分」

その選択は誤りだった―――とは、言えない。こうやって戦ったことも、間違いではない。

「だから、というとおかしいかもしれないけど。
 僕はこれ以上、戦わない。命を奪うために、この力を使いたいわけじゃない」

それでも、戦って散っていった人は、少なからずいる。
目の前で死を選んだ人は、いるのだ。それらも、『強い人』ではあった。
疲弊した様子で、剣を地へ突き立てて支えにする。……力を、凡そ使った。今から決戦の地に向かっても間に合いはしないだろう。
ならば、信じるだけだ。

>夜刀神天香

4日前 No.871

《思うはあなた一人》郡千景 @wakame3☆FYUOhnBVGmk ★2RykzmoSz4_Bka

【→移動(目的地:理想郷上空)/郡千景】


 飛び立つその直前に、私の傍らに止まる一羽の鳥を見る。
 それが何者なのか、もはや語るまでもない。
 嗚呼……やっぱりあなたも来てくれたのね。
 私が欲しかったものを何でも持っていて。私の手の届かないところにいて。
 腹立たしいくらい真っ直ぐで、憎たらしいぐらい優しくて。
 きっと、一番憧れていた。目指していた、その人。
 彼女はこの星で、どう生きたのだろうか。
 何度負けても、屈辱を味わっても、この人は立ち上がり続けたのだろう。
 本当、腹が立つ。
 腹が立つくらい、立派で、眩しく、強い勇者。

 勿論……あなたも力を貸してくれるわよね。

 そうして私と高嶋さんは、一斉に空へ向けて飛び立った。
 迎え撃つは天の神、まさしく虚空そのものとも呼べる頂点者(バーテックス)の総軍。完成体だけでも数えるのが馬鹿馬鹿しいぐらいの途方もない軍勢だ。
 私の時代は、私の星は。あれ一体を葬るのにだって何人もの犠牲を出した。出してしまった。
 けれど――


「邪魔しないで――!」


 彼岸花の花弁を散らして、大葉刈の鎌を大きく一閃する。
 空を切るだけに思えたそれは、しかしまるで空を裂くかの如き一斬へと変化していた。
 雲霞の如きバーテックスの大軍勢、星屑と呼ぶに相応しい大群が、まるで花火のように一斉に爆散していく。
 舞い散る粉塵を掻き切って、仕留め損ねた完成体が襲ってくる。
 関係ない。誰が相手だって、今は負ける気がしない。

 切り札、七人御先。七人に分かれた私は一気呵成に吶喊し、一斉に七の鎌で切り裂いた。
 もはや御霊の封印の必要もない。直接御霊ごと叩き斬ったことで、一瞬にしてその総体は消滅した。

 体が軽い。心の澱みも最早ない。
 漲る力、漲る勇気。阻むものなどありはしない。
 だってここには――たくさんの勇気があるから。

 私より先の未来に生きた、どこか自分と雰囲気の似た砲撃の勇者がいた。
 かつては敵として戦った巫剣がいた。
 遠い昔に取りこぼした、大切な友達がいた。
 どこかあの明るい女侍に雰囲気が似た剣士がいた。

 そして、此処にも。


 背後から追いすがるように現れた、伏兵のバーテックスの軍勢から、守るように現れた彼らは何者か。
 中空に顕れたシルエットは見覚えのないものだったが、私たちを護ろうと駆けつけてくれた何某の一人であることは確信できた。
 旧日本軍の軍服を着た、帯刀する少女のシルエット。手に携えた軍刀は武骨ながらも純朴な闘志に満ちていて。
 その傍らには、金色の八咫烏を瞳に宿した少年が、菊の紋を刻んだ刀を振るい付き添っていた。
 二人はまるで一蓮托生、阿吽の呼吸で連携をとり、バーテックスの大群を相手取る。


 "――稜威を回す。一気に行くよ、甲"

 "――了解。殲滅する……抜刀"


 直後に吹き荒れるのは、無数の軍刀の嵐。
 実体を持つ軍刀の残像が周囲を駆け巡り、数え切れぬ数の星屑たちを一掃する。
 最早背後から迫る敵の影は微塵もない。宛ら壁が出来たように、背から迫る敵陣をなぎ倒していく。

 彼らもまた、この星で誰かのために生きた人たち。
 私の知らない、けれど確かに同じ志を、意志を秘めた人たちの心。

 絶望に染まった空の中でも、こんなにたくさんの意思がある。
 生きたいという心がある。
 絶望の宙が軋みを上げていく。理解しがたい人の意志を前に歪んでいく。
 そうだ。
 私たち人間は、弱い。
 臆病で、脆く、そして悪意に落ちやすい。
 これまで何度となくそれを経験した。自分の在り方に苦しんだこともあった。

「……けれど」

 けれど。
 それでも護るもののためならば、無限に強くなれる。
 私のようなちっぽけな人間でも、世界中の人を信じ、愛するような器を持たなくても。
 只一人を想い、思い遣る、その心だけで、どれだけ傷付こうと戦うことが出来る。

 ――そうでしょう、乃木さん。

 傍らに乗った青い鳥に不敵に笑って。
 進む、進む、進む。
 絶望の宙を切り裂いて。
 ただ天頂の星を目指して。
>高嶋友奈

4日前 No.872

━━━━いざ、咲き誇らん。 @recruit ★Android=2AWrmBu7z5

【→理想郷上空/→高嶋友奈、■■■■■、千代金丸】


>>872


 次から次に現れど、その度に切り裂かれ、消滅していく星の眷族。
 どんな能力を持っていようと、どれ程の数で押し寄せようと、如何なる進化を果たそうと最早通じない。
 今の彼女達には、それすら凌駕する程の地に根付いた華が味方している。

 歪んでしまったこの星によって、狂わされてしまった彼らもまた、この世界の希望であるようにと、かつて願われたその力を道を切り開く為に振るう。


 "そうだ、それが……"


 そして、最後に彼女達を阻むようにして現れた獅子座と他の星座の集合体。


 "弱き人間が、強き奴らに勝てる理由だ!"


 それが、蒼き軌跡を描く一太刀によって、真っ二つに両断される。

 その声は他でもない。高嶋友奈、郡千景にとって、縁深い少女のものであり、今天津神と戦う旅人の1人にとっても、決して無関係ではない存在。
 力を貸してくれるかと言う問いかけに対して、行動で以て示して見せるように。
 はじまりの勇者達の先頭に立った者。烏の姿を象った精霊となり、この世界を見続けて来た人物が、その傍らに在る。


 "━━━辿り着いた答えは、一緒だったな。千景"


 切り札。禍憑を自らの身に宿す、反動も決して軽いものではない力を使い、外も内もぼろぼろになる中で、少女が叫んだ言葉と、郡千景がこの世界で悩みながら、時に俯くことがありながらも、行き着いた結論は、同じものだった。
 だからこそ、勇者は……

 いや、人間は負けない。そして、何度でも立ち上がる。




 ━━━━辿り、着く。

 終局の近い、最後の戦いの場へと。

4日前 No.873

アマテラス=姫 神琴 @tukuyomi07☆2nDyzvx51us ★3aNoMW8gGM_Bka

【 理想郷上空/アマテラス=姫 神琴 】

  、    、   ソラ
 反逆の暁星は輝いた。天を覆う神の肉体を引き裂き、その神体が歪んでいく。
 支配者の象徴たる十二の星の輝きは砕け、歪み、白光の内に溶けてゆく。
 そうして、数多に輝く星が、勇者達が見せた極光が、ついに神が振るう天罰権能の全てを消し去る――!

「ッ――ハァッ……!」

 魔力光たる焔を揺らめかせ、剣より黒雷と灼熱を噴出させながら空を見やる。
 超常現象たる権能の全てはこれで終わった。そこだけは確信をもって言えることだろう。

 ――やったの? ……いや……

 一方で警戒の鐘が頭を揺らしている。
 奮っていたそのすべてはあくまで配下の星の力だ。
 だが、神に慢心はない。害意はあれども悪心はない。
 最高神たる絶対の驕りこそあれど、常に徹底的にその力を振るっている印象があった。
 単騎でも人類にとっての大敵となる力は、神にとっては組み合わせれば人類を皆殺しに出来る道具にしか過ぎないのだろう。

 奥の手の一つや二つ――というよりかは、十二の配下全てを統率する神そのものの力は未だ見えて来ない。

 だが、それを持ち出されたとしても。
 たとえそれがいかに強大なものだったとしても。
 負けるつもりはない。勝ちを譲るつもりもない。
 やるならこいと、かかってこいと、声を張り上げて叫ぶのみだ。

 空を睨め付け、限界を超えた魔力炉から焔を引きずり出し、再び黒雷を纏わせる。

>■■■■■、千代金丸、高嶋友奈

4日前 No.874

五十鈴れん☆4H2CCC.TU8ct ★Android=zbCXnRRWFb

【理想郷上空/五十鈴れん】

>理想郷上空all

 伝わってくる思いがある。
 そしてそれが幻想でないことを、れんは誰より強く実感していた。
 体が軽いのだ。
 振るう鎌は──一振り一振りが過去最大の切れ味。
 斬れないものはないといってもいいほどに冴え渡っている。

「これで…!」

 そして。
 それに続くように攻撃を加えた仲間たちの活躍で──とうとう神の紋が掻き消えた。
 戦いの流れは確実にこちらへ向いている。
 天が割れる時は近い、それは誰の目から見ても明らかで。

3日前 No.875

━━━━いざ、咲き誇らん。 @recruit ★Android=2AWrmBu7z5

【理想郷上空/■■■■■、千代金丸、高嶋友奈】


>>ALL



 ━━━━まだだ。


 十二星座の力は失われ、神体そのものも損傷を受けながら、されど地に見下ろす小さき衆生は、生命の焔とでも呼ぶべき輝きを尽かせるどころか、一層にきらめかせる。

 ……全てではない。だが、何が起きているのかを天津神なりに理解を得る。
 地の神は、自らの全てを人と言う可能性に賭して、残り僅かな力で以て大輪の華を咲かせたのだと。
 それこそが今地上に拡がる光景であり灯火の尽きかけていた抗う者達へと際限のない力を与えているのだと。

 だが、理解したとしても━━それを是とはしない。



 空に浮かび上がる巨大な紋。
 それと同時に、大気はただ一点、花文鏡へと収束していく。
 これまで天津神が用いていた眷星の権能ではない。それは、紛れもない彼女自身の力。解き放つのは、増殖や毒霧のような賢しき手ではなく、絶対的な強さによる蹂躙。
 主にもっとも近かった獅子座がそうであったように、あらゆる小細工を無為とする。


 鏡から撃ち出される━━━地表を消し去る極大のレーザー光。



 これが最後だ。

 真なる/神なる裁き。
 乗り越えられるというのなら、それが出来ると言うのならば、成してみせるがいい。

 その時こそ━━━━

3日前 No.876

赤頭巾 @wakame3☆FYUOhnBVGmk ★2RykzmoSz4_Bka

【逆さ塔第七最下層/奴隷騎士ゲール】


 ――仕留め、損ねたか。

 想定しうる限り最悪の事態であるが、敵の姿は未だ健在だ。確かに深手を負っているのだろう。だが、あれは死ぬその直前まで一切動きが衰えることがないのだろう。
 次の一合が天王山と、かの鎧武者も決心したのだろう。東人の鎧を新調し、装いを改めれば、両の御旗より解き放つは大旋風の如き連撃。
 人体など容易く吹き飛ばす天狗風は、妖の人斬りを吹き飛ばそうと放たれる。が……
 占めた。老騎士はそこに勝機を見出す。

 瞬間、まるで風景に溶けるかのようにゲールの姿が掻き消えた。
 ゲールがこれまで見せることのなかった技の一つ。或いは応用というべきか。
 白いサインろう石を利用した空間転移。
 発動までのタイムラグはあれ、多少時間があれば狙った位置に転移することもまた可能である。

 転移する位置は人斬りの頭上。
 そしてたとえ片腕になったとて、この手には大剣が握られている。
 ならばこれを……相手の脳天向けて頭上から叩きつけてやればいい。

「ウオオオオオオオォォォォォォォォッ!!!!」

 渾身の落下致命。その鈍器に等しい無刃の剣を、相手の脳天に向けて思い切り突き入れる。
 生憎不死殺しは慣れている。頸を落とし、胸を貫いても足りぬと言うなら。脳髄から腸までこの剣を突き入れ、掻き回し、内の腐った臓物を残らず引き出してやればいい。
 人斬りは何やら昂ぶり、譫言のように咆哮を上げていたが、それが呪文でも詠唱でもないのなら耳を貸す理由はない。
 これから殺す相手の心情など、知ったことではない。それは敵とて同じこと。
 恨みつらみは死んだ後にでも聞いてやる。

 だから、疾く逝ね。
   、   、   ソウル
 貴様の、昏く淀んだ"魂"を儂に寄越せ。


>呉島貴虎、岡田以蔵

3日前 No.877

ジェイク・マルチネス @artemish☆8cfl5/j3VDw ★xQst1BEY9F_JyS

【丸亀城下/ジェイク・マルチネス】

「──────」

 不快。
 不愉快。
 ジェイク・マルチネスは口元から一筋の血を流しながら、怒髪天を衝く勢いで激昂していた。       .   ..・・
 彼のように絶対的な能力を持ち、それに依存した振る舞いを続けてきた人間はその牙城を崩されると得てしてこうなるものだ。それは宛ら、神職者が無神論者に神の不在を証明されるが如く、信じ難いほどの怒りと憎しみが沸き起こる。
 更にジェイクというヴィランは、過去に二度これだけの能力を持っていながらヒーローの前に敗北を喫している。
 その屈辱的な事実は傲慢という言葉を人の形にして具象化させたようなこの男の心理に消えることのない汚点として未来永劫に刻み込まれ、三ノ輪銀が偶発的な有効打を打ち出してのけたことでその古傷が今再び痛み始めた。

「……いい度胸してるぜェ、クソガキ」

 一見すると、相手の実力を認め賞賛しているかのような物言いだが、こと彼という男に限ってそんなことはまず有り得ない。
 ましてかのレジェンドやバーナビーを彷彿とさせる形で自分に不覚を取らせた少女が相手であるならば尚更だ。
 こめかみに青筋を走らせながら、ジェイクは向かってくる少女を鬼の形相で睥睨する。
 心の声は聞こえている。ジェイク・マルチネスの悪辣なところは、よしんば奇跡的な偶然で攻略法を発見することに成功したとして、"それを意識してしまえばすべて彼に筒抜けになってしまう"ことだ。
 だからこそ、打算的な人物では突破出来ない。行き当りばったりでも、確証がなくても、迷うことなく走り抜けられる人間でなければジェイク・マルチネスという極悪非道の卑劣漢を打倒することはまず困難である。

「テメェは嬲り殺しにしてやるッ! 薄汚ェ手でこの俺に触れやがってよォ〜〜〜ッ!!」

 ただ。
 強いて言うならば、ジェイクは劣勢の状況というものにそもそも慣れていない。
 戦闘のすべてを能力に頼ってきた彼には、劣勢どころか互角の戦いすら経験した記憶が殆ど無いのだ。
 おまけに生来の性格も相俟って、今の彼は紛うことなき激昂状態。一切の遊びを取り払った極めて凶暴な容態ではあるが、その分"聞こえない"事象に対してはノーガードにも等しい状態だ。
 これを上手く突けるかどうかで、勇者の少女の命運ははっきりと分かれていくことだろう。
 迫る少女に向けてジェイクは大上段からビーム状に放出したバリアを振り下ろす。直撃すれば人体両断、否爆散を引き起こすに余りある威力の異能が、爆轟にも似た苛烈な敵意と共に振るわれる。

>三ノ輪銀

3日前 No.878

五十鈴れん☆4H2CCC.TU8ct ★Android=zbCXnRRWFb

【理想郷上空/五十鈴れん】

>理想郷上空all

「…!」

 まだ、神は死んでなどいない。
 空に浮かぶ──巨大な「紋」。
 それは──これまでで一番強く凶悪な裁きが落ちてくる前触れだ。

「(これを、凌げなかったら…)」

 その時は間違いなく全滅だ。
 そしていくら強烈な切れ味だろうと、あれを断ち切るなんて不可能だろう。
 そこで──れんは意を決する。
 キャッスルヴァニアでは自棄のように使った「力」。
 でも、今度は──確固とした自分の意思で。

「──どうか」

 そう呟いて、意識を手放す。
 それと同時に出現するのは、本来れんたち魔法少女が倒すべき相手によく似た何か。
 心電図のようなヴィジョンと──霊体のように佇む五十鈴れんの姿がそこにはある。
 ドッペル。
 ソウルジェムの呪いに縛られない、新しい魔法少女たちの持つ──切り札。

『どうか、私たちの──!』

 私たちの勝利が訪れますように。
 祈りと共に空に電撃が放たれる。
 様々な加護が降り注いでいる今ならば──神の裁き相手にも少しは通用するだろうか。
 分からないが、れんにできることはこのくらいだった。
 これが、れんの全力だ。

2日前 No.879

━━━━いざ、咲き誇らん。 @recruit ★Android=2AWrmBu7z5

【丸亀城下/三ノ輪銀】


>>878


「━━━ッ!!」


 振り下ろされた光撃が、両断と爆発とを童子に引き起こす。
 今の銀は悪く言えば猪突猛進。
 真っ直ぐ行ってぶん殴る、それ以外の余計な事は考えていない状態だ。
 余分な事を考えれば、動きは鈍る。
 鈍ってしまえば、目の前の相手の事である。其処に付け入ってくる抜け目のなさを発揮して、一気に押し込んで来るだろう。


 ……だから、前に進むことは止めない。


 回避は許されない。激情のままに打ち下ろされた一撃を、僅かに身体を逸らす事で、直撃だけはどうにか逃れる程度の抵抗が、今の銀に出来ること。


「ぐ、ぁ……ッ」


 断絶━━━片足。更に、爆風による衝撃によって、空へと舞う少女。
 四肢のうち、二つまでを削がれ、手負いの獅子は更に追い詰められていく。だが━━━

 その時、激昂する男へと、墜ちて来るものがあった。
 それは、男へと突貫した銀がその直前に空へと放り投げたもの。自身にとって、盾であり刃でもある大斧だ。携えたまま挑みかかれば、先程迫り来た光撃に対しても防御手段として使えたろうに、それを棄てたのは単純に加速の為だけかと問われれば、そうではない。

 意思を読んで攻撃に対処するのであれば、自分でも意図しない動きで攻めればいい。

 或いは━━━意思のない攻撃であればいい。

 目前の少女へと自らの感情を向けている男へと、物言わぬ斧が重力によって━━━墜ちて往く。

2日前 No.880

ラムザ・ベオルブ @aroundight☆SdjaOljKHtOm ★msJh1WzJ3A_pzR

【理想郷上空/ラムザ・ベオルブ】

 眩い黄金が軌跡を残して奔る。
 一太刀、また一太刀と、届かせんとする天へ不屈の念を込め。
 ラムザ・ベオルブという人間が、先に進む者達に残す/託す一振りは嘗てと変わらぬ意思と共に。

「………ありがとう。いや、まだ早いかな。
 それを言うには、すこし気を急いた―――」

 果たしてそれは―――先の援けもあって、成し遂げられた。
 大きな縁があったでもないが、強いて言うならば同じ刃を手に取った縁同士。
 同じ方向を向いたもの同士。そうした華のきらめきも手伝って。
 断ち切り、噛み砕き、切り裂き、貫くことで、天の光はその威光を緩めていく。

 それに止めを刺したものは焔。黒雷を纏い、焔を束ね、星をも焦がすは命のきらめき。
 あれにきっと理屈のようなものはないだろう。
 ただ強く、届かせるために速く、力強くその刃を振るい、天へと炎を届けんとした。
 刃の振りからして確信に至る………アレはたぶん、仰々しい御題目とかそういうものが生み出した刃じゃない。

 きっと。負けん気が強いだけだ。

 なぜだか確信すらある。
 ひょっとするとだが、此処で戦いを挑んだもののうち、半数くらいはそうなのではないかと、ラムザは一瞬だがそう思った。………だけど、別にそれを咎めようとかいうつもりはない。むしろ、間違っていなかったという思いを懐くくらいだ。

 ヒトの感情というのはどうにも強いもので。そういうのは、理屈にならないのがむしろ正しい。
 生きようとすること、明日に進もうとすること、そのことに貴賤はなく。
 大きな理由を掲げず、ただ生きていくために戦うのがトリズナーだと感じたのが、ラムザが此処にいる理由だ。

 その彼女ら彼らに託そうと決めたのが、この星の輝きであり、自分たちであるのだから―――。


 天を仰げば、もう一つの輝きが見えた。
 巨きくはないけれど、優しい輝きだと感じるそれがきっと、この事象の中枢だとアタリを付ける。
 終局の近いこの場所にやって来たその姿は、ラムザ・ベオルブが感じたものと概ね同じなのだろう。

 届かせるべきだれか。
 トリズナーたちがそれであるが、それと同時に―――この星に生きただれかが。
 天の光へと解を出しに来たのだ。いま、手元にありつながれてきた想いを担うものとして。

 一方―――神の紋が掻き消えて、天津神はその力を失いつつあり。
 されども、その気勢を緩めはしなかった。
 如何なる犠牲を払わんともその煌めきを祓わんと猛る姿に、未だ油断できるところなどない。
 善悪云々を抜きにして、人の在り方を赦さないと断ずるその様は正しく裁きの天秤だ。

 この光景を理解しても、是とすることはなく。
 否むしろ、届かせることこそ傲慢と知れと断ずるように、光が集っていく。
 紛れもない全霊だ。小細工を抜きにした滅光は地表を薙ぎ払い、根本を焼き払うことだろう。
 絶対的な質量を前にして相性差や状況など無意味。これを前に、どんな天秤も傾きはすまい―――だが。

「それでも………この輝きを作ったのも、ヒトなんだ」

 彼の存在が何を以て人を否と断ずるのか。
 ラムザ・ベオルブには識る術もなければ知る由もない。

 そして、ラムザは人という種が時に持つ醜さと浅ましさを良く知っていた。
 おのれがその渦中に在ったのだ―――裏切りがあり、利用し利用されるものの関係があり。
 崩れ去る“当然”があり、喪ったものがあり、その中でも………ラムザは信じたいと思ったものがあった。
 託し託されてきたものの中に。


「ならば―――」


 だから。
 この期に及んで、その輝きに首を垂れる真似はしない。

 掲げた剣は全霊の闘気と魔力を纏い、再び口ずさむ詠唱と共にその眩い輝きを増していく。
 それは斬るためのものではなく、打ち払うためのもの。
 彼の刃は切り拓くためのものであると同時に護るためのものだった。
 その光に対して、いま生命の灯火たちの後押しを受けて、ラムザが成し遂げることは一つ。


「僕は、それを信じるよ」


 ただ信じることだ。
 打ち払うように振るった剣は、『アルテマ』のそれに似た光を纏う障壁を造り出した。

 かつてラムザは、巨きなものと対峙した。
 いま相対するものと同じく人に敵対し、いま相対するものと異なり邪なる意を持つものと。
 あの時と同じように、黄道十二星を冠した存在へ―――振り払った刃の輝きは、先に奔る雷撃を後押しした。

 束ねた光刃の障壁は、迫る極大の光を受け止めながら他者の攻撃を後押しせんと、ラムザの全霊を掛けて放たれる。
 彼という人間が、戦いの中では常にだれかと共にあったように。
 騎士ならざる騎士ラムザの本質は、他者の援けにあるのだから。

 そうとも、信じている。

   ヒトがどうであろうとも、ラムザは自分が眼にした確かな物語のあかしを、託された歴史を、繋いできた絆を。
    、   、  たとえここが己の生きた場所でなく、それとは異なる場所であろうとも、信じている―――。


>■■■■■、理想郷上空ALL

2日前 No.881

岡田以蔵 @artemish☆8cfl5/j3VDw ★xQst1BEY9F_JyS

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2日前 No.882

ソル @evil☆wlNTvj.bQ62 ★Android=c1E0DIQTEq

【理想郷上空/ソル=バッドガイ】

幾多の、それもこの場にいる者達だけでなく、この場にいない者達の力すらもが具現化しそれらが次々に天津神の身体に撃ち込まれていく。

神の攻撃すらも悉く打ち消し打ち砕く奇跡は確実に、その身体にダメージを与えつつある。そうして、一際痛烈な雷と灼熱をその身に浴びて天津神の身体から『紋』が消えた。

弱っている、という表現が正しいかは定かではないが確実に届いている。だが油断と安心は出来ない。まだ神は天に、そこに存在するのだから。そうしてやはり、神は動いた。

「どこまでも上から、焼き尽くそうってハラか」

鏡から打ち出されるのはなんの奇をてらうものでもないが、それ故に威力に特化した破壊の光。だが今さら逃げる者も恐れる者もいない。

「寄り道は此処までだ…!!」

此処にソルもまた己の力を解き放つ。ジャンクヤードドッグに蓄積させた法力を解放、それをソルは大地に突き立てる。そうして爆炎が大地より火山のマグマのように吹き上がる。

「此処で燃え尽きちまいな…《サーベイジフレイム》!!」

炎がマグマのように、波のように吹き上がりうねり荒れ狂う。それは既に放たれた幾多の攻撃に追従し神の放つ光を、ひいては神そのものを呑み込まんとする。
その様はまるで神を喰らう竜の様にも似ていて、ソルという叛逆者の在り方をこれ以上なく示しているように思えた。

>■■■■■、理想郷上空ALL

2日前 No.883

アマテラス=姫 神琴 @tukuyomi07☆2nDyzvx51us ★3aNoMW8gGM_Bka

【 理想郷上空/アマテラス=姫 神琴 】

 天津神の底が見えた時、裁きは下される――その予感は的中した。

 紋がひときわ強くきらめいた。やがてそこに描かれたのは十二の星ではなく、一個の巨大な恒星だった。まるで、そこに当たり前に坐するモノ、あるいは天より世界を見下ろすモノであるという威光を知らしめるかの如く。
 ようやくお出ましになったのだ。真の意味で岩戸を開け、衆生にその輝きを知らしめにやってきたのだ。
 やがて極光が集う。誰がどう見たところで、次に何が来るかは分かる。

 光線だ。言葉でそう表現するのは簡単だが、実際に繰り出されるものは天を切り裂き地を焼き払う蹂躙の権化。
 あらゆる小細工を無為にし消滅せしめんとするその光が、反逆者達へと向けて降り注ぐ――、

 シフト
「 換装 ッ――」

 墜ちる閃光へ、冶金丸の電光で空を舞う。
 誰よりも前に出て叫ぶは守護の障壁の名だ。

「――《八咫鏡》ィッ!」

 あえて、これで真っ向から挑みかかる。
 皆に降り注ぐ分を和らげるというよりかは、最前線で受け止めて極光の威力を削ぎ落しながら進む。

 雷撃と駆ける、焔と奔る、光剣と飛ぶ。
 数多の攻撃に自らの体一つで追従する。
 前へ、前へ、前へ、ただ、前へ、それしか知らぬと言わんばかりに。

 今の神琴は、盾を構えながら進む歩兵だ。
 お前の知らぬ輝きを見ろ、見て来なかったものを見ろ。
 認めろとは言わないから少なくもどこについてるのか分からないけれど、どっかにあるんだろうその目でしっかりと見ろ。

 鏡に、一筋の亀裂が走った。
 増える罅、しかしその隙間からひときわ強い光が奔った。
 そうして割れる寸前に、輝かしき極光が瞬いた。

 ・・・・
「当てつけよ」

 手をかざし、あとは意志と共に叫べばいい。
 この星で起きたこと、神琴の母が願いと共に託した神器の名を持っておきながら好き勝手にやってる神に対してのもの。
 万感の想いを込めて、鏡で喰らった全てを解き放った。

「持って、けぇぇぇぇ……ッ!!!」

 膨大な神気を秘めた極大の光線――あらゆる小細工全てを無為に帰す神なる裁きが、自分で味わえと言わんばかりに天へと向かう。

>■■■■■、理想郷上空ALL

2日前 No.884

乃木園子 @artemish☆8cfl5/j3VDw ★xQst1BEY9F_JyS

【理想郷上空/乃木園子】

 ……届いた。
 その事実を理解した園子の胸に、温かな達成感が湧き上がってくる。
 自分達の想いは、勇気は、今この時確かに神をも揺るがす力となって轟いたのだ。
 今や此処に人と神の差はない。手を伸ばしても届かない頂点など存在しない。咲き誇った花は天にも届くほどうら高く伸び、何人たりとも達成し得なかった勝利が今目の前にある。
 だが───それでも未だ、天津神は死してなどおらず。
 冷酷なまでの輝きと共に巨大な最後の紋を浮かび上がらせれば、そこに途方もない質量の大気が吸い寄せられるように収束していく。

「っ、まさか……!」

 これは、今までに神が弄してきた権能の数々などとは文字通り次元の違う不条理だった。
 そこにあるのは強さ、ただ強さ。小難しくて迂遠な理屈や仕掛けなど存在しない、ただ純粋に"強い"という暴力の究極形。
 これに比べれば今までの星座達など児戯にも等しいだろう。仮に十二星座のすべてが並び立って神と相対したとして、果たしてこの光を前に一秒と拮抗出来るか分からない。
 まさに、それほどまでの絶望だった。誰もが勇気も希望もかなぐり捨てて膝を屈するに足るだけの暴威と意味をこれは秘めている。
 対処出来なければ、此処までの奇跡も連携もすべてが無為に終わるだろう。神に弓を引いた愚かな衆生は等しく地表から消え去り、ドミネーターを亡くしても尚ニライカナイの星はその元来の在り方を強引に取り戻すに違いない。
 だからこそ───形振り構ってなどいられなかった。諦めるのは論外だ。第三の異聞星を切除して明日へと進み、いつかは真に世界を救うためにも。この"神意"だけは、たとえどんな博打に出てでも打ち壊す必要があって。

(……見ていて)

 故に園子も、臆することなく仲間達に続いた。
 持てる限りの全力で神槍を天へと放ち、いざや神を撃ち落とさんとする。
 此処が天下分け目の大一番。勝てば救いが、負ければ終わりが降り注ぐ分水嶺。
 賽子は今こそ投げられた。後は───ただ、祈るしかない。

>■■■■■、理想郷上空ALL

1日前 No.885

ジェイク・マルチネス @artemish☆8cfl5/j3VDw ★xQst1BEY9F_JyS

【丸亀城下/ジェイク・マルチネス】

 そうだ───負けるわけがないのだ。
 冷静に考えてみれば、そんなことは有り得ない。
 ジェイクは少女の片足が痛ましくも爆散する光景を悦楽の笑みで見つめながら、自らの絶対性に対する自負を思い出していた。

「おォおォ、どうしたよ……ハハ。
 随分と無様な姿になっちまったなァ、えぇ? 勇者ちゃんよォ〜!?」

 結局のところ、自分に痛い目を見せてきたのはいつだって偶然に過ぎない。
 レジェンドも、バーナビーも、そして目の前の餓鬼も……真っ向から自分の脳力を攻略出来た訳ではないのだ。
 すべては偶然。単なる運の巡り合わせ。それがたまたま無敵のNEXT能力の隙間を縫う形で上手く働いただけのこと。
 仮に読心能力を破られたところで、バリアが使えなくなる訳ではない。ビームが撃てなくなる訳でもない。
 そして大概の場合、ジェイクの前に立つ莫迦は彼のバリアを相手取るだけでも手一杯になる。事実上破壊不可能の硬度と、触れれば即死級の破壊力とを表裏一体に併せ持った件の能力は、読心による優位がなくても十二分に凶悪なものだからだ。
 今の三ノ輪銀がいい例だろう。彼女は読心を破ることは出来たが、結局ジェイクのメインウェポンを攻略することは叶わなかった。
 だからこうして、地面に転がりのたうつしか能のない虫ケラのような姿を晒すに至るのだ。いい気味だった。"たまたま"自分の能力を攻略出来ただけで粋がっている糞餓鬼が苦悶に顔を歪め、二足で立つことすら出来なくなっている有様は、実に佳くジェイクの心を慰めた。

「───言ったよな、タダじゃ殺さねえって。
 先ずもう片方の足をぶち抜いて、その次は腕も吹き飛ばしてやる。
 それから内臓をひとつずつ、じ〜っくりと踏み潰すんだ。たっぷり楽しんでくれよなァァ」

 楽に殺してやる選択肢など、ない。
 この餓鬼には、人間が味わえる限り最大の苦しみを与えてやらねば気が済まない。
 ジェイクは目を血走らせながら指先を銀へと向け、能力射出の照準を合わせた。
 宣言通り、次は残った片足だ。立つことも出来ない醜い身体では、音速以上の勢いで迫る爆光を避けることなどまず不可能であろう。
 三ノ輪銀は、何をどう考えても詰んでいる。ジェイク・マルチネスはもう、戦う必要すらもなしに彼女のすべてを奪うことが出来る。

「そらよォッ、精々佳い声で鳴いて見せろや糞餓鬼ィィィッ!!」

 勝利を確信した面持ちのまま、ジェイク・マルチネスは口角泡を飛ばしてそう叫び。

 ───それが、彼の辞世の句となった。


 ……ジェイク・マルチネスにとって唯一幸運だったのは、自身が三度目の敗北を喫したことを自覚せぬまま地獄へ叩き落されたことだろう。
 そして彼は、とことんまでに"学ばない"男だった。二度の敗北を経ても尚、その自信過剰で慢心の深い人間性は一切変わってなどいなかったのだ。
 銀の足を吹き飛ばして戦闘能力を事実上削ぎ落としたことにより、ジェイクは完全に勝利を確信していた。確信して、しまっていた。
 自身を殴り飛ばし、厭な記憶を思い出させてくれた恨み骨髄に徹する敵なのだ。彼の頭の中はその確信を覚えるや否や、すぐに"戦い"ではなく"蹂躙"のベクトルへと切り替わった。
 どのように痛め付け、蹂躙し、殺してやろうか。神に選ばれた人間である己に舐めた真似をした報いを、どう与えてやろうか。
 そんな思考を回すことに夢中になったジェイクの頭の中には───三ノ輪銀が先ほど投げ捨てていた武装の存在など、片隅にさえ残っていなかった。当然、彼の持つもうひとつの能力もそれの存在を感知しない。否、出来ない。

 何故ならそこには意思がないから。
 確かに投げたのは銀であるが、彼女は何ひとつとしてその軌道を意図などしていない。
 ジェイクにとっての死神を誘導しているのは人間ではなく、この世界の方だ。
 重力に任せた自由落下でぐるぐると回転しながら墜ちた大斧の刃は、戦勝の愉悦に浸る悪漢の頭蓋へと吸い込まれるように近付いていき。
 ……ぐしゃり、という音がした。
 それが、すべての終わりだった。

 顔面に悦を貼り付けたまま、ジェイクの頭から脳漿が飛ぶ。
 ぐらりとその巨体が揺れ、俯せに地面へと倒れ込んだ。
 後頭部に深々と突き刺さっている大斧は、この戦いの勝者が一体どちらであるのかを何処までも雄弁に物語っており。
 自身が敗れたことも知らぬまま召された愚かな男の身体が動くことは、二度となかった。

>三ノ輪銀

【これにてジェイクは退場とさせていただきます〜。お相手ありがとうございました】

1日前 No.886

━━━━いざ、咲き誇らん。 @recruit ★Android=2AWrmBu7z5

【理想郷上空/■■■■■、千代金丸、高嶋友奈】


>>879


 祈りを捧ぐ者がいた。

 降り注ぐ天の裁きに対して、れんが使ったのもまた、人間が生み出した可能性。
 希望を臨み、手にした代償としてやがて訪れるであろう絶望をも、自らの力としたもの。
 例え穢れから生まれる呪いであったとしても、それもまた自分自身である事に違いはない。ならば浮かび上がる自分(ドッペル)もまた、欲する所は同じく。


 ……勝利を。


 ━━━この戦いに、私達の勝利を。


 想いは雷となり、地より空へと昇っていく。
 それは、少女へ力を貸す菜切の想いも一つとなって、何処までも光となる。

 何処までも、何処までも。
 例えそれが、空の向こう側だろうと。


>>881


 信ずる者がいた。

 此処ではない何処か、漂流者としてこの背中に誘われるより前に辿ってきた道筋で、騎士は知っている。
 人の持つ負の面。人間は決して綺麗なだけの存在ではない。目を背けたくなるような、暗い側面も持ち合わせている。
 この世界だけでも、禍憑のように、そうした念があるからこそ生まれ落ちるのだから。

 ・・・・
 それでも、と━━━


 この光もまた、同じように人が作り出したものだ。
 この光が、負面であれ正面であれ、人がこれまで歩んで来た積み重ねであるのならば、彼は自分のすべき事に迷いはない。

 れんの放った雷を、これより放たれる攻撃の支えにならんと光が放たれる。


>>883


 叛旗を翻す者がいた。


 天津神。

 人智を越えた、およびつかぬであろう存在。
 この星を常に天の向こう側から見下ろし続けて来た絶対者。
 理想郷の終焉に姿を現した、最後の敵。

 ━━だからどうしたと言うのだ。例え何者であろうと、彼のやることは徹頭徹尾変わる事はない。

 ・・
 反逆だ。

 吹き上がるマグマの如き焔は、地から空への反旗の証左。どれ程強大な存在だったとしても、此処は終点ではない。行き着くべき、辿り着かなければならない場所へと進む旅路。その途上でしかないのだ。
 故に、足を止められるのも此処まで。
 反逆者(トリーズナー)を体現するかのような悪竜は、炎と言う牙を以て、神の裁きを飲み干し食らう。


>>884


 進む者がいた。


 電光纏いて空を往く。

 決着を付けるべく、神琴が最後に選択した神器は武力の象徴たる炎剣草薙ではなく、八咫鏡。
 選択した理由は一つ。
 ・・
 見ろ、と。鏡に写るものを、鏡を持ち進む己の姿をと。其処に在るものこそが、決して認めようとしなかった人が持つ光なのだ。
 故に彼女は一歩として退かない、そして、そんな彼女を前へ前へと、進み続けろと治金丸の黒雷がそれを後押しする。


 そして、光が溢れ出す。


 罅割れた鏡から、これまで写し出して来た全てが光の元凶である天津神自身へと跳ね返っていく。


>>885


 打ち壊さんとする者がいた。


 終局の閃光を前にしても、折れてはならない理由がある。二つの星を越えて、今また第三の星を生き抜いた先に、取り戻さなければならない未来(あした)があるから。
 そのために彼女は旅人となったのだ。ならば、やるべき事はたった一つ━━

 神意すらも乗り越える人の意思を以て、最後の大津波を打ち壊す。

 鏡を穿つ為の最後の一矢となった槍が、天へと向かっていく。

 ……そこに、もう1人の勇者の想いを纏わせながら。
 紫光と蒼光、二重の螺旋を渦巻かせて。

1日前 No.887

━━━━いざ、咲き誇らん。 @recruit ★Android=2AWrmBu7z5

>>872, ALL



 ━━━それらを結ぶ、輝きがある。


 祈りを、信頼を、反逆を、前進を、打壊を……
 それだけではなく、此処ではない何処かで今も戦う人の想いを。この星に既になくとも、その魂だけは今も在る人の想いを。


「━━行ってきます」


 一度だけ振り向き、此処まで自分を宣言通り連れてきてくれた友達に告げる。
 さようならではなく、行って来ると。そんなに時間は掛からない、ちょっとだけ待っていて欲しい。
 必ず戻って来る。だから、行ってきますなのだ。


 飛び立つ━━━

 全ての人々の意思を載せ、ただ一点へと集約させる。

 万感と共に、光の先へと打ち込まれるのは何時だって前へ進もうとする人が掲げ、突き出す拳。

1日前 No.888

━━━━いざ、咲き誇らん。 @recruit ★Android=2AWrmBu7z5



        勇者、パンチ━━━━━!!




1日前 No.889

━━━━いざ、咲き誇らん。 @recruit ★Android=2AWrmBu7z5


     そして━━━━



     轟音の後に



     空が、晴れた。

1日前 No.890

《思うはあなた一人》郡千景 @wakame3☆FYUOhnBVGmk ★2RykzmoSz4_Bka

【理想郷上空→/郡千景】

 最後の敵を切り裂いたのは、私の刃ではなかった。
 先んじて鞘走ったのは、生太刀の一刀。
 それが誰で何故なのか、説明するのも野暮だろう。
 敵を切り伏せ、何処か嬉し気に微笑みかける彼女に、私もまた小さく微笑んだ。

 私も乃木さんも、奇しくも同じ答えに辿り着いた。
 それは、ほんの少しだけ、私のあこがれに近付けたようで。

 最後の敵を両断し、一言告げて飛んでいく友達の姿を見送る。ここから先は私も手出しができない。
 願いを、祈りを、想いを、そして勇気を。高嶋さんに捧げるだけだ。

「――行ってらっしゃい」

 言葉は静かだった。
 多くを語ることはない。
 込める心は、ただ一つ。
 ――生きて。無事に帰ってきて。

 私は傍らに立つ乃木さんと共に、その光景を見守り続けた。真剣な眼差しで、一瞬とて目を逸らすことなく。
 祈りを捧ぐ者がいた。
 信ずる者がいた。
 叛旗を翻す者がいた。
 進むものがいた。
 打ち壊さんとする者がいた。
 どれも一つとして同じもののない、ただ一つの花の色。
 それを束ね、花結いのきらめきを放ちながら――高嶋さんは、遥かな天の頂へと飛翔した。

 空に向かって、勇者たちの叫びが突き刺さる。
 誰かの願いのため。そして自分の生きるため。


 そして……色とりどりの花びらが花弁を散らしながら。



 絶望の宙が明ける。



 青い空。白い雲。じりじりと照り付ける日は、しかし万物を焼き殺すような殺意の陽ではない。
 吹き抜ける風が運ぶのは死でなく、たくさんの生き物の命の芽吹き。
 今は何月だったか。暫く四季を感じる余裕なんてなかったから、よくわからない。
 でもこの心地よさ、風の暖かさは、きっと春先のそれだ。
 私の大切なともだちを象徴するような、桃色の花の季節だ。
 これがきっと、本来の季節。

 幻想的な光景だった。色とりどりの花びらが散って、この世界を祝福しているようだった。
 これが私たちの護った世界のかたち。
 そしてこの世界が滅びる最期の輝き。

「高嶋さん……乃木さん……」

 その風景を前に、まだ『結果』を確信できていないような口ぶりで、私は呆けた面持ちのまま二人の名前を呼んでいた。
 私の長い黒髪が、前へたなびく。気が付けば私の体は上空からゆっくり落下していた。地を背にして、空を臥する形で落下していた。
 私は待った。
 行ってきます、と。そう告げていった高嶋さんを信じているから、涙することなくただじっと待つ。目をそらすことなく、空を見つめて。

>高嶋友奈、ALL

【二度にわたり返レス遅れてしまい申し訳ありませんでした。
 ついては二つ統合して返信させていただきました】

1日前 No.891

呉島貴虎 @antinomie☆yzl4MFL1dRLB ★AmPQPE9EE6_Bka

【逆さ塔第七最下層/呉島貴虎(仮面ライダー斬月・カチドキアームズ)】

「……ッ!」

彼という存在を、貴虎は知らない。
悪鬼羅刹と化してしまった後の姿しか知らぬ剣客は、最早貴虎の想像しうる範囲を超えて人外と化していた。正しく超越者―――オーバーロードのようにも思える、何かだ。
重力波の残滓を手繰って放り棄てられた無双セイバーを手元へと寄せつつ、間際までに迫る以蔵に肝を冷やす。
迫る一突きを前に、貴虎は咄嗟に二振りの旗を十字に構え防御を行う……が、勢いに押され、旗が後方へ弾かれた。
殺し切れなかった突きが脳天を穿たんとぶつかり、額を中心に兜のような仮面に罅が入る。
そのまま貫かれるか、それならば―――と咄嗟に巨大な砲台を構えようとした、その瞬間だ。

後ずさりながらも視界に入ったのは、舞う鮮血だった。
知らぬ間に上空へと移動をしていた―――否。恐らくは転移をしたゲールが、以蔵の頭蓋を砕いて見せたのだ。
耳をつんざく咆哮と、揺さぶられた脳が影響して頭痛がする。だが、この反応は『有効打』だ。
そもそも頭蓋を叩き割られて苦悶しない生物など見たくもない。貴虎自身が扱ってきた、ヘルヘイムの人外たちでさえそこまでの狂気は孕んでいなかっただろう。

「(……いや、……今それは関係ない。此処で決着をつける!)」

……そうだ。この怒気は人外のものではない。
であれば、やはりこの異形も人だったのか?ゲールの言う、時計の音―――裏に潜む何某かが、此処までに至る何かをしたのか。
そこまでを考えて、明かな限界駆動を見せる以蔵を目にし痛ましい表情を浮かべる。尤も、その表情も仮面の下に隠れてしまい誰にも見えないのだが。
狂気を斬り伏せる。此処で、こんな姿になってまで動く剣客に永劫の眠りを与えてやるのだ。

手繰り寄せた無双セイバーと、片手に構えた大筒『火縄甜瓜DJ銃』と連結させる。
二つの武器を組み合わせて生まれるのは、大剣。そのまま、バックルからカチドキロックシードを外し、火縄甜瓜DJ銃の装填口へと押し込んでいく。

<ロック・オン!一・十・百・千・万・億・兆!無量大数!>

斬月のカチドキロックシードは、とある男からの贈り物だ。今は遠くに離れてしまった、男の。
彼から託された、『お前ならば力として使いこなせる』という言葉を信じる。空を裂き、此方を両断しようとしている以蔵に、視線を合わせ。

「……天誅、か。貴様に裁かれる謂れはない!
 何を見ているか、誰を見ているかは分からない。だが、それを正せないのであれば……お前は、此処で―――消える……!」

<カチドキ!チャージ!>

迸る、淡いグリーンとオレンジ色をしたエネルギー。それらがロックシードを伝い、大剣へと化した二本一振りの武器の刃を覆う。
逆袈裟に振るわれる刃の軌跡を目で追って、此方は走り抜けるようにその胴へと横薙ぎに剣を振るう。

「は、ぁああああああッ!!!」

全て、終わらせるために。胴と脚を泣き別れさせるように、通り抜けるように剣を振るってからゲールの動向へ意識を向ける。
見立て通り、扱う武器の都合上気を引くのは此方になる。威力も、技量も申し分はないとはいえ、何をしてくるかは分からない。
……であれば、其方も。此方を、上手く使ってくれ。此処で終わらせる。砕けつつある仮面の下で、そう訴える。

>岡田以蔵、奴隷騎士ゲール

1日前 No.892

安倍晴明 @phile☆fFByNj5QP5A ★Android=jnRPVqvIPa

【崩壊逆さ塔/逆さ塔第一層/安倍晴明】

 ほぼ同時に、互いの体を互いの獲物が貫いた。
 千の礫と万の轟嵐が交錯し、上空の戦と遜色ない天変地異のせめぎ合いが巻き起こる。

 大地の怒りを風神の意志が飲み干し、そして──

「……ええ……見事です」

 ──嵐の果てから、男の声がする。

 青年の四肢を貫いた蜘蛛の鋭い足は、やがて他の式神と同じように不気味な色の泡沫として溶け消えた。
 残る土蜘蛛の足は霊力の塊となってわだかまり、鮮血の散る男の首だけがそこに残されている。
 それでも、男は死ねなかった。
 はじまりの鬼と人の混ざり物の母と、神の父の間に生まれた子。数奇な出生に呪われた男は、全身を砕かれなければ完全には死ねない。タクミの見立て通りだ。

「殺しては……くれませんか」

 晴明は、目を閉じる。砕かれた全身は今のところ再生の気配を見せない。
 戦闘の中で、晴明はドリフターという形に押し込められた自分の不死がわずかに形を変えていることを理解していた。
 おそらくは、あと一度で死ねたのだ。それを理解していたのかしないのか、若武者は晴明にとどめを刺すことを、しなかった。
 明確な敗北だ。死ぬというかたちで男がある意味の勝利を迎えることすら、青年はゆるさなかったのだ。
 その原因となったもの──自分の焚き付けの言葉。それをたどって、晴明はふと目を細める。単純な興味に。

「……ひとつ……だけ。きょう、だい、とは……どんなものですか?」

 それは、純粋な疑問だった。
 陰陽士にはきょうだいがいない。男はいつもひとりだった。
 本来の時空で男を殺す一族は、血を歪んだ方法で継ぎ、増やし、そして血の力で敵を討ち取った。それが正常な歴史だ。そのように晴明自身が焚き付けた。そして一族の絆をよすがに、晴明が滅ぼしたものたちは晴明の喉笛を食い破るのだ。
 それでも──実感として理解はできない。その歴史をたどったとしてもぬくもりの意味を知ることはなかった。
 なぜなら男は、誰かとともにいるよろこびを知らずに生きてきてしまったからだ。青年と違って。

     .  ・・
 今のところ、彼女の姿だってどこにもない。
 それが、晴明の求めたあらゆるものへの答えだった。

 正直を言えば、さほど期待もしていなかった。
 星がすべて漂白されたのならばそれ以前に彼女は動いていたろうし、それがこういった状況にまで縺れ込んでいるのならばもはや生きてはいまい。
 期待外れ、そう言わざるを得ない結末。

 それがすべてだった。
 だから安倍晴明の道はここで終わりだ。
 いもしない母を求め続けた愚かな男の末路は、こんなものだった。

>タクミ 【たびたび遅れてたいへん申し訳ありません……!! 生首は煮るなり焼くなりお好きにどうぞ……!】

1日前 No.893

五十鈴れん☆4H2CCC.TU8ct ★Android=zbCXnRRWFb

【理想郷上空/五十鈴れん】

>理想郷上空all

『…あ…』

 それを──見た。
 意識は消えて残っているのは魔法少女のドッペルのみ。
 それでも、れんは確かに見た。
 少女の拳が…神を打ち抜いて。
 大きな光と衝撃の後に──空が晴れ渡る瞬間を。

『(これで、全部──)』

 それを見届けてれんは、今度こそ本当に意識を手放す。
 心電図のドッペルは消える。
 戦いは──今、終わった。
 自分たちは…神に、勝ったのだ。

22時間前 No.894

━━━━いざ、咲き誇らん。 @recruit ★1tmmb02HRh_XMC

【丸亀城下/三ノ輪銀】


>>886


「あ……馬鹿! やめろ!!」

 ・・・・ ・・・・・・
「いいから、そこから動けって! でないと━━━」






 ……


「……ばっかやろう……」


 結末は呆気もなく訪れる。
 放り投げた大斧は確かに男の虚を突く為のものだ。
 だから斧はアタシにも分からないタイミングで落ちて来るだろうと踏んでいたし、そうなる事が狙いでもあった。

 でもそれは、せいぜいが相手に決定的な隙を生み出させる為の手段である。
 誤算があったとすれば、その直後の攻防の中で、アタシが大怪我を負ってしまったことだろう。
 それが起因となって、結果として男はアタシへの殺意以外に関心が沸かなくなってしまった。

 だから、こうなった。

 ……持てる手段を全部出し切れば、無力化出来る。そんな考えが通用するほど、甘い相手ではなかったのもわかるけど。

 そうだとしても、苦い結末だった。


「……」


 地面に背中を預けて、空を見上げる。

 赤茶けた空と、曇り空は払われ、その向こうにあった晴れ間が現れていく。
 ああ、うん、どうやら終わったみたいだ。

 こんなにキレーな青空を見るのは、本当に久し振りだから、すぐに分かった。

 にしても、疲れたや。
 なんだかどっと疲労が押し寄せてきた気がする。
 でもまあ、いっか。出来ることは全部やったし、暫く休んでも。


 じゃあ。

 夢でも、見るとしよっか。







        ━━━瞼を、閉じた。


【此方こそ、お相手ありがとうございましたー!】

21時間前 No.895

タクミ @tukuyomi07☆2nDyzvx51us ★3aNoMW8gGM_Bka

【 崩壊逆さ塔/逆さ塔第一層/タクミ 】

 嵐が過ぎ去る。吹く風が彼方へと消え、いつからか天を覆っていた赤錆の空は元の青空へと戻っていた。
 礫が、業嵐が、互いの体を捩じ切り捻じ伏せ打ち砕く。幾度となく繰り返されたぶつかり合いの末に、タクミは勝った。
 四肢を引き換えにするという大きな代償こそ支払えども、今はただ自分がこの男を押しのけたという事実に浸っていたかった。

 砂煙の向こうに、首が見える。

「ああ、殺さない」

 再生する気配はない。するつもりがないのか、出来ないのか。その真相を知ろうとするつもりはない。
 この後で他の誰かがトドメを刺そうが、自壊しようが、知ったことではない。
 ただ、焚きつけられるままに殺しては男が喜ぶだけだ――自分以外が殺せば、無為に、感慨なく男は死ぬだろう。

 体を引きずるようにして、背を瓦礫に無理矢理寄りかからせる。
 その最中、生首の口が開いた。

「……」

 真実、男は一人だったのだ。
 家族に思うところがあるといっても、自分にとってのものと安倍晴明にとってのものとは違う。
 その上、所業はタクミがはたから聞いても実の子に行うものではないとハッキリわかる程に。
 不老不死にされて死ねないまま育てられたとあっては、根性がねじくれ曲がるのも無理はあるまい。

「さあね。……目指すべき相手で、護るべきものだよ、僕にとってはな」

 タクミにとってはそうだったが。
 男にもしいたとすれば、また違った感情があるのだろう――丁寧に教えてやるつもりはないが。

>安倍晴明

19時間前 No.896

赤頭巾 @wakame3☆FYUOhnBVGmk ★2RykzmoSz4_Bka

【逆さ塔第七最下層/奴隷騎士ゲール】

 剣鬼の頭上にマウンティングする形で大剣を押し込み、頭から圧し潰したゲールであったが、しかし。
 未だ足りぬと、最期の生の縁に縋って咆哮を挙げ反撃してきた。
 よもや、殺し損なったか……。
 老騎士は渋面を顰めて、心中で毒づいた。
 只者ではない。かつての異聞において、同じ力を持った少女は時空さえも操作した力を有していた。
 あれと子細な事情は異なるだろうが、彼奴も同質のものを宿しているのは間違いなく。なればこその、この理不尽というべきか。
 されど此処で果てるわけには行かぬ。あくまで己の目的のために戦うゲールは、たとえ既に世界の趨勢が決し、トリズナーという立場で戦いに勝つ必要がなかったという事を知っても、その剣を振るうのをやめなかっただろう。

 その故に、今はこの協力者に感謝せねばなるまい。
 同胞の力、友誼の力、それを特別重んじる訳ではないが。どうあれ、死合うに手数が多いのは善きことだ。
 たとえこちらが捨て石として最後の一手を繰り出した後でも、まだ後詰を行える手が残っている。
 東人の鎧武者・斬月……呉島貴虎は、先にこちらの告げたようにゲールの攻撃を利用して最後の詰めの一斬を解き放つ。それは人斬りのこちらへ向けられた反撃に合わすように、鋭く放たれる。
 ゲールはその功あって、敵の斬撃を辛うじて交わすことが出来た。いや、これは技術云々というより貴虎の腕であろう。老騎士は落下の一撃を放った時点で一切の防衛行動をとれない状態にあった。
 巧く使えと言った。それはこちらがそうするように、捨て石に使えという理由のつもりだが――いや、確かに、あの男らしい使い方だ。


「ギ、キィェアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!」


 貴虎が斬り抜けるのを確認したゲールは、そのまま地面に着地し、深々と突き刺さった処刑人の大剣をさらに深く押し込んだ。
 いわば駄目押し、不死なるものを確実に仕留め、殺し切るための追撃の一手だ。
 そのまま股まで斬り潰さんと隻腕に込められた力は、僅かに闇の力を帯びていた。奪い、喰らい、その矜持や安楽を、己のために貪り尽くそうとする……度し難いまでの人間性の闇が、ゲールの赤い頭巾から揺らいでいた。

>岡田以蔵、呉島貴虎

17時間前 No.897

夜刀神天香 @evil☆wlNTvj.bQ62 ★Android=c1E0DIQTEq

【商店街/夜刀神天香】

実のところ、天香もまた道に迷っていたのかもしれない。望まなかった場所にまた命を受けたとはいえこの身体は天香と『彼女』のものである。故に、だからこそ天香の勝手な意志で自死する事もできなかった。
『彼女』の存在は天香にとって大切な、掛け替えのないものだったから。

だが大切な者がいるのは眼前のタスクも同じであろう。彼はそのためにこれまでも、今も、そしてこれからも戦うのだから。

止めを刺される事を受け入れた天香であったがタスクはそれを拒んだ。手には剣を携えてはいるものの最早戦意は感じられず傍らの竜も小型サイズとなっている。天香は目を伏せ口元に微かな笑みを浮かべる。

「甘い奴だ。私のように、物分かりがいい奴ばかりが敵とは限らない。
そこは覚えておく事だ」

――見れば天に坐する天津神が討たれて消え去り空が晴れていくのが見えた。
そして天香は踵を返す。そうして去り際に、

「征け、叛逆者(トリズナー)。
最早この星にお前達を止める権利がある者など存在しない。
そして――」

そこで天香は一度言葉を切り、そうして続きを述べる。

「私『達』の世界のことも、よろしく頼む」

その言葉天香だけではなく、『もう一人の声』も重なって聞こえた。そうして天香に一瞬重なるように天香に瓜二つだが彼女より幾分表情が軟らかい少女の像も浮かんで消えた。

その場をあとにして、天香は自らの中の『彼女』に問うた。

『これで、よかったのか』

『ああ、彼らなら必ずシドー達の世界を取り戻してくれると私は信じる』

『そうか。ならば私からはこれ以上何も言うまい』

そうして天香は当てもなく、最後の時を迎えるに相応しい場所を探して歩き出した。

>タスク

【遅れて申し訳ないm(_ _)m
ラスボスも倒されましたのでこれにて絡みを切らせてもらいますね、お相手ありがとうございましたー!】

16時間前 No.898
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