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【ALL】Euthanasia in the Asteroid U【冒険/戦闘】

 ( なりきり掲示板(フリー) )
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スレ主 @artemish☆8cfl5/j3VDw ★utloP7NDPP_3wf


 ――異星の錨は落ちた。楽園の光は地上に満ちた。

 それは突然の災害だった。
 瞬く間に失われていく自然の力、ヒトの営み。
 空の彼方より降り注いだ七つの光が大地を貫くと共に、世界は加速度的な終末の時を迎えた。
 惑星漂白。秩序は崩れ、生温い中庸は滅び、混沌すらも死に絶えた白の世界。

 宇宙からの星光は途絶え、地表は漂白され、地球はあらゆる関連から孤立した。
 ヒトの積み上げた歴史は見るも無残に棄却され、かつて未来と呼ばれた文明の灯は一つ残らず吹き消された。

 我々の宇宙は、未来は―――『礎』となった。
 歴史を見据える眼は既に無い、人を守護する英霊はもういない。
 すべては支配の檻に囚われ、進退も贖罪も赦されず枯死するのみ。

 だが、それを否定するなら、浅ましくも運命に抗い"生きたい"と願うのなら。
 旅立て、そして戦え。"まだ終わらない"と、"本当の闘いはこれからだ"と叫び続けろ。

 最期の希望は楽園の涯てに――――


【七つの"異聞星"を巡る、星を救う物語。詳しくはサブ記事まで。
 運営側役職『ドミネーター』のキャラクター以外はまだ本スレへのレスを禁止します】

メモ2019/11/08 22:34 : 蒼穹の月☆SdjaOljKHtOm @aroundight★Z73D4iqtrb_KEr

改訂版ルール:http://mb2.jp/_subni2/19760.html-84#a

レイドイベント用ルール:http://mb2.jp/_subni2/19760.html-98#a


現行節あらすじ・概要:http://mb2.jp/_subni2/19805.html-100#ahttp://mb2.jp/_subni2/19805.html-101#a


◆アステロイド4“虹の彼方に”万命捕喰円環 アーク

 異聞深度:A


 その日に文明は終幕を迎えた。

 人類の生存圏は著しく減衰し、国家の全ては消滅した。

   、   、 アラガミ

 あらゆる全ては、荒神と呼ばれるようになった未確認生命体―――。

『考えて』捕食を行う“オラクル細胞”の集合体によって食い尽くされた。


 その日に文明は進化を迎えた。

 人類はそれに対抗するための牙を得た。滅ぼすための爪を得た。


 神殺しを為す唯一の方法は、アラガミ自身の細胞を人体に適合させ、兵器として利用すること。

 それは人体に、あるいは兵器に、あるいは、あるいは―――。

 あらゆる全てを以てして、人類はアラガミという名の敵対種との生存競争に身を投じていった。


 毒を以て毒を制すると言うように。

 アラガミ自身の牙で以て、アラガミという敵対種を殺す闘争が幕を開けた。


 舞台は今より遥か先の時代。

 進歩しつつも増え過ぎた人類が地球という揺り籠を脅かし始めていた2200年代。

 地球上に既存の生物と大きく異なり、生物、非生物を問わずありとあらゆるものを侵蝕し、『捕喰』することで進化・生態を変化させていく未確認生命体『アラガミ』が出現。

 これにより人類そのものがほぼ食い尽くされ、死滅の危機に瀕している―――という世界。


 地球人口の9割は死滅。異聞星の発生地域はアジア。

…続きを読む(79行)

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スレ主 @artemish☆8cfl5/j3VDw ★xQst1BEY9F_9EL

【『コンバイラリリル』/クロエ・フォン・アインツベルン】

 ───星の散る瞬間を。少女は見た。

 己の放った聖剣は闇を切り開きつつも、しかして星を終わらせる一撃とは成り得ない。
 星の聖剣は不完全。円卓の王たる彼/彼女が振るう真作と並べて語るなど無慙無愧が過ぎると断言できる程度の出来でしかない。
 けれど、不安はない。懸念もない。クロエ・フォン・アインツベルンは確かに、自分たちの勝利を確信していた。
 聖剣解放に伴う消耗はクロエの戦線離脱を余儀なくさせるほどのものであったが、自分はひとりで戦っているわけではないと分かっていたから。
 だから、心置きなくクロエはふたりに託したのだ。任せたのだ。後は頼んだと笑みすら浮かべて宣言し、そのまま闘いを一足先に終えた。

「……よく、やったわ。これで、本当に───終わり、ね」

 魔星コンバイラ、撃破。
 かの巨大な荒ぶる神の心臓に打ち込まれたのは、防人の少女の弾丸だ。
 ザックス・フェアが切り開いた先に、シルバーバレットは過つことなく着弾。この長かった戦いに幕を引いた。
 そこでふと、クロエは思う。結局───このコンバイラというアラガミは、一体何だったのだろうか。
 暴性の化身のような存在だったが、そこには確かに意思のようなものがある風に見えた。コンバイラが散華した今となっては、その真実を確かめることは出来ないが……なんとなく、そんなことを考えつつ。

「流石にもう無理、動けない。まったく、最近こういう戦いばっかりでヤんなっちゃうわ……」

 キャッスルヴァニアでの激戦といい、今回といい。
 全力投球の総力戦に晒され続けている状況に嘆息して、クロエはこの戦いを締め括った。

 何処かへと流れていく、コンバイラの残滓を見つめながら───。

>コンバイラ、その他平原ALL

【お相手ありがとうございました〜】

9日前 No.1514

蒼穹の月 @aroundight☆SdjaOljKHtOm ★Z73D4iqtrb_po8

【平原G/ランスロット】

 切るべきカードはすべて切った。
 この期に及んで出し惜しみが出来ると思うほど、ランスロットは自分を過信していない。
 ましてや目の前にて猛る最強の竜を侮ってもいなかった。
 これを相手に侮れる余程の大物だろうが何だろうが、この局面で使うべきものを惜しむ者に命運は繋がらない。
   、   、ゴッドイーター
 アラガミを狩る神機使いとして、ランスロットはその前提を弁えていたし。
 何より、これは決して口にしないことだったが………グラファイトという全てが平行線上に存在するこの『アラガミ』にも、ランスロットは一つだけ共感を示せる内容があった。ただ一つだけ―――戦う理由について、だけは。

 嘗てならば聞く耳持たぬと一蹴しただろう。
 そもそも今でも、そこのところの意見は共通していた。そう―――。

 ・・・・・・・・
 道を譲るかどうかはまた別の話。
 獣の生存競争も、人の戦争もそう。お互いに理屈や掛かっている命があり。
 その上で望みを得るために進むべき道程を他者の望みが塞いでいるから、戦いは避けられない。

 アラガミと言う存在を歪みと断じるランスロットも、それだけは良く分かっていた。
 イースレイを裏切り者と断じるでもなく、軽んじるでもなく。

「ならば私は貴方を喰らうッ!
   、   、   、   、 ゴッドイーター
 最も旧く、最も長く君臨した嘗ての神機使い―――貴方達を、此処でッ!」

 ただ奉じる何者かがいるということにだけは、ランスロットは言い返すことこそ無粋と思う程度に。
 共感を覚えていた。………それが友誼から来るものなのか、■■から来るものなのかは、また別として。


 灼熱が渦を巻く。
 彼の最も恃みにして来たのだろう大剣が轟炎を呼び起こし、
 蓄積されていた全てのオラクル/炎がフルスイングと共に、視界一面に紅蓮を描く。
   、   、  、  グラファイト
 いいやそれが象ったのは、紅き竜そのものか。
 先んずれば人を制す―――では、ないが。ランスロットを単純火力で遥か上回るイヴァンの本命が解き放たれるその瞬間、正しく西部劇のクイックドロウもかくやの勢いで、彼はその灼熱を解き放とうとしていた。

 無論、その狙いは槍と刃を重ね合わせ、動きを縫い留めんと冷気を放出するランスロットにも向けられている。
 ………だがそれを手放せば。その槍を手放せば、此処まで作り出したすべての機は無為に帰すだろう。それ故に、ランスロットが取るべき行動はただ一つ。


「づ、ッ―――!」


 彼女はそのフルスイングを避けようとはしなかった。
 限界ぎりぎりまで、イヴァン・ストリゴイがその自慢の雷光を解き放つその瞬間まで。
 グラファイトの動きを“留める”のが最も大きく、そして生き残る勝ち筋だと看做したからだ。
 シールドを展開する余裕はない。全出力をランスに回した以上、彼女はその刃を少しでも長く拮抗させるだけだ。

「ァ、ァ、ァ、ァ、あああああああ───ッ!」

 この残り数秒の攻防。
 決死の覚悟で見せた衝突にさえたじろぐことなく最善手で打って返すグラファイトに対しても、ランスロットは動じる心を無理やり抑制した。
 これまた口にしなかったが、イヴァンの言葉を借りるならば………『失敗すればただ死ぬだけ』なのだ。
 この戦いにおいて、もう打つべき手は出し尽くした。自分が何をするべきか、何をぶつけるべきかをぶつけ切った。ならば此処でするべきは、別に小細工の類ではない。頭を巡らせ、刹那にこぼれた逆転の機を掴み取ることではない。


 紅熱が身を焦がし。大剣が持つ全霊の一振りと拮抗し合い。
 そして―――打ち負ける。

 彼女の手にした長槍に罅が入り、その人外じみた膂力によって軽々と弾き飛ばされ。
 彼女の纏う外装はみごと全損。
 骨のへし折れるような音が、グラファイトの大剣によって響き、これで間違いなく戦闘不能だ。

 何の供えもなくばランスロットも重大な損耗は免れないだろうと看做された通り………。
 彼女にその気がなく、文字通りこの状況に持ち込み、
 イヴァンの牙を届かせることを最後の攻防と定めた時点で、今更自分の身に対する備えなど用意してはいない。

 そして―――。


「ま、だ―――!」


 丁度、グラファイトの周囲を取り囲むように放出されていた冷気の『柩』が現出した時。
 最大まで溜め切られた電荷が、いま英雄に向ける最大の賛辞と共に放たれる時。
 彼女は途切れかける意識を必死に繋ぎ、弾き飛ばされながら、自分の得物である長槍を力の限り放り投げた。

 神機―――そう、ランスロットに適合した人工の荒ぶる神。
 グラファイトという『アラガミ』の周囲に放出した冷気を“解放”させ、同時にそれごと彼を喰らうべく放たれた楔であり、最後の一矢が、嘗て最強の神機使いであり、今最強のアラガミであるグラファイト目掛けて投擲された。

 そこまでやっても、イヴァン・ストリゴイの持てる最大火力と比べれば霞むより他にないが。
 この状況まで追い詰めること、切るべき手札を全て切ることを決めた彼女にとって。
    、    、   、   ランスロット
 他でもない“彼”から期待を受けた神機使いとして、力を惜しむということは出来ない。


 彼がイースレイとの友誼のために戦うように。
 夢を見ることのできない少女は、夢を見せてくれた男に■■を懐いていたから。

 闘う理由を否定せずとも、立ち塞がるならば越えねばならないからだ―――。


>グラファイト、イヴァン

9日前 No.1515

五十鈴れん☆4H2CCC.TU8ct ★Android=zbCXnRRWFb

【平原D/五十鈴れん】

>虞美人、エメラダ

「──え、えぇっ…!?」

 押し切れる。
 攻め切れる。
 そう思った──その矢先だ。
 今まではひたすら無機質で淡々としていた目の前の敵が、急に普通の少女のような言葉をこぼして。

「…撤退した…ってことで、いいんでしょうか」

 そのまま──去っていったのだから。
 狐に化かされたような顔で、れんはそっと鎌を握る力を緩めた。
 …見れば。
 遠くの方──コンバイラのところの戦いも終わっているらしい。
 どうしましょう──と。
 判断を仰ぐように、れんは虞美人の方を見て。
【遅れてごめんなさい見落としてました!お相手ありがとうございました!】

8日前 No.1516

防人 @recruit ★1tmmb02HRh_qWB

【平原A『コンバイラリリル』/楠芽吹】


>>1513,1514, ALL


 ━━━━終わっ、た。


 そう感じたのは、確かな消滅を目の当たりにしたからより、押し潰すような星の重圧がこの平原から消え去ったのが分かったから。
 聖剣の輝きが道を切り拓き、戦士が放った渾身の拳が届いた。
 各々が自らの持てる術を余さず出し切るなかで、防人である自分がやれた事は些細だ。
 昔だったのなら、その事を何より口惜しく思っていただろう。
 だが今は、些細であったとしてもやれるだけの事はやったし、それに意味はあったのだと、
 ・・・・
 撃ち込めと叫ぶ彼/彼女の声に、少しでも応える事が出来たと━━そう思いたい。


(っ、限界、ね━━━)


 銃剣が手から落ちた。
 そもそも、持っているだけで精一杯だったものをただ執念とも言える意地だけで支えていたのだ。
 その執念を向けるべき対象が消え去った今、糸がぷつりと切れたように倒れるのは当然の流れだった。
 血塗れの平原に仰向けになりながら、完全に脱力しきった芽吹に立ち上がる為の余力は残されていない。

 暫くは、このままでいたい。
 気力と体力が戻るまでは、そのくらいは許されてもいい筈だろう━━━私も、彼/彼女らも。



 塵となった星が、何処へ流れ着いて行くのか。
 その凶星が果たして何を目指し、進化を続けていたのか。
 未だ明かされる事のない異聞星の深淵が、反逆者や旅人を如何翻弄するのか。

 知る由もないまま、今は━━勝利によって得た僅かな時間を、休息に宛がった。

【お相手ありがとうございましたー!】

8日前 No.1517

黒渦ガイト @evil☆wlNTvj.bQ62 ★Android=c1E0DIQTEq

【ビル群C/黒渦ガイト】

女性が選んだ運命、それはこの場においてガイトとアビゲールに滅ぼされることであった。
アビゲールの『ラスト・デスバイオレンス』が女性の身体を飲み込み消滅させていく。

『やったな、ガイト』

「ああ、アビゲール。
俺達の勝利だ」

だがガイトの内心は喜び一色ではなかった。女性が最期に遺した言葉がガイトの中に留まっている。

『自分の選んだ運命が、より大きな運命に飲み込まれないように』

だがガイトは静かに拳を握り静かに言葉を漏らす。

「俺は勝つ、どんな運命にもな」

『見ろ、ガイト』

ガイトはアビゲールに声をかけられアビゲールが示した方に視線を向ける。其所には崩れ去っていくコンバイラが見えていた。

「コンバイラを、倒したのか…」

『これで残るはイースレイの一派か。
着実に前に進んでいるぞ、俺達はな』

この星における脅威が一つ、コンバイラはここに倒された。残るはイースレイ率いる一団だが彼らもまたコンバイラに負けず劣らずの強敵であるのは言うまでもない。

「ああ。だが油断は出来ない。
奴らも強敵という事はわかりきっているからな」

そしてガイトはジーローゼスをカードに戻しアビゲールの背に跨がるとその場をあとにした。

>(笑美)

【こちらこそお相手ありがとうございましたー】

8日前 No.1518

グラファイト @evil☆wlNTvj.bQ62 ★Android=c1E0DIQTEq

【平原G/グラファイト】

まず最初に言っておけばグラファイトが放った紅蓮爆龍剣はイヴァンの半身を文字通り消し飛ばしたがそれはグラファイトの狙いとは外れたものだ。
グラファイトの狙いは紅蓮爆竜剣を相殺、もしくは逸らさせるために荷電粒子砲を撃たせる事だったのだ。

「そう来るか…イヴァン・ストリゴイ!!!」

だが彼はそうはしなかった。身体が半分消し飛ばされるのと引き換えに荷電粒子砲の発射を温存した。
グラファイトは再度エネルギーをグラファイトファングに纏わせるが最早イヴァンの荷電粒子砲の発射は止められない。
だがそれでもグラファイトは自らのダメージを減らすために横に飛びながら紅蓮纏うグラファイトファングを振るい荷電粒子砲を逸らさんとし自らもその衝撃で横に飛ぶ。荷電粒子砲の高熱にその身を焼かれながらも荷電粒子砲の斜線から逃れる。

だがグラファイトに迫る攻撃はそれだけに留まらない。先のグラファイトの一撃にて吹き飛ばされたランスロットが満身創痍ながら残された渾身の力を以て得物である槍を投げつける。

「ぐおッ…!!」

ランスロットの放った槍がグラファイトの肩を抉りグラファイトの身体が大きく吹き飛ぶ。軽くはない傷を負いながらもグラファイトは尚も立ち上がる。
そんなグラファイトは横に、捉えたものを見た。

「まさか…コンバイラを倒すとはな」

グラファイトは不敵に笑う。グラファイトはグラファイトファングを掲げながら言葉を紡ぐ。

「此処は退かせてもらうとしよう。
だが俺達が、そしてイースレイがこれで引き下がると思わない事だ」

グラファイトはグラファイトファングを勢いよく叩きつける。吹き上がる爆炎がグラファイトの身体を覆い隠す。爆炎が収まった時、グラファイトの姿はどこにもなかった。

>イヴァン、ランスロット

【切りが良い、移行期間となりましたのでグラファイトは撤退させていただきますねー
お相手ありがとうございましたー】

8日前 No.1519

スレ主 @artemish☆8cfl5/j3VDw ★xQst1BEY9F_9EL

【平原D/虞美人】

「……何だったのよ、あいつ」

 五十鈴れんと同じように───虞美人もまた、呆気に取られていた。
 無機質な機械人形としか思えなかった存在が、急に少女然とした言葉を発し。
 そのまま、鼬の最後っ屁とばかりの炎風をぶつけながら逃走を図ったのだ。
 その炎自体は虞美人にとっては対処の難しくないものだったが、さりとて仕留め損ねたことには変わりない。
 いっそ"自爆"をしてでも焼き払っておくべきだったか、と思いつつ、虞は彼女が飛び去った方向を見て。
 ・・・・ ・・・・
「おばさん。おばさん、ね」

 ふと、去り際の子供じみた煽り文句を反芻し。
 ふむ、と自分の顎に手を当てた。それは新鮮な感覚を味わっているようでもあり、どうするべきか考えているようでもあり。
 それから彼女はれんの方をちらりと見て、言うのだった。

「───とりあえず、追い掛けて殺すわよ五十鈴。
 あのポンコツ人形の手足毟って、中の導線全部引きずり出してコンバイラの残骸と和えてやるわ」

 次は殺す。うん、絶対に殺す。
 その覚悟を強めつつ、仙女は戦いを締め括った。

>五十鈴れん、エメラダ

【お相手ありがとうございました】

7日前 No.1520

ザックス @phile☆fFByNj5QP5A ★6lZVB9LbYB_po8

【『コンバイラリリル』/ザックス・フェア】

 星が、墜ちる。

 芽吹の放った銃弾がとどめとなって結合が崩壊し、超密度の細胞の塊が崩れ落ちてゆく。
 その上に乗っていたザックスとて例外じゃない。とっさになにがしかの手段を講じることができるほど余力が残っているはずもなく、身体は自然思いっきり荒野へ打ち付けられた。
 どうにかこうにか足から着地することはできたが、びりびりと身体が痺れる。
 その衝撃に負けて膝をついて、思いっきり血を吐きながら、ザックスはそれでも目を凝らして巨星が墜つるその瞬間を見逃すまいとしていた。
 コアが崩れるのはこの目で見た。だからって安心できるわけじゃない──さっきみたいなバカげた再生をしないとも限らないのだ。

 だから、ザックスはその場を離れずどうにか剣を杖代わりに立ち上がろうとして。
 その崩れたはしからどこかへと流れてゆく、最後の瞬間──


“作戦の終了を―――通達する―――。
   、   、   、    ・・
 帰ろう―――フェンリルに―――教授のところに―――”

『彼』の最期の言葉は、果たして──ザックスの耳に届いた。
 たしかな真実の一端を示す、その言葉を。

   ・・・ ・・
「……フェン、リル……それに──」

「(……教授、ってのは、つまり……)」

 呆然とつぶやいて、ザックスはどこかへ流れてゆく戦艦の──いまでははっきりと、そう呼ぶことが正しかったとわかるものの残滓を見つめた。
 それはさらさらと流れどこかへ行くようにも見えたが、さすがにその先まで深追いをしていられない。
 なにより、ザックスは今の言葉を伝える必要があった。あの暴走戦艦──そう呼称されていたものの本来のねぐらと、教授と呼ばれる誰かの存在を。

 余力を振り絞って振り返る。意識を失った芽吹と、満身創痍のクロエ。そしてあとひとり、地面に頽れる少女がいる。
 事実をすべて把握して、歯をかみ締めながら、それでもザックスはゆっくりゆっくりと歩き出した。
 生きているなら、前に進まなきゃいけない。それはどんな時でも同じだ。
 後ろで取りこぼしたそのすべてのためにも、今は止まれなかった。

>平原ALL 【お相手ありがとうございましたー!】

7日前 No.1521

戦鬼 @wakame3☆FYUOhnBVGmk ★2RykzmoSz4_po8

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6日前 No.1522

蒼穹の月 @aroundight☆SdjaOljKHtOm ★Z73D4iqtrb_po8

【平原G/ランスロット】

 仕留めきれなかった。
 いいや、あるいは………見逃して貰った、とでも言うべきなのか。

「―――………ふぅ、………っ」

 沈む紅の凶星が横目に入ったのは、この場にいた皆が同じだったのか。
 その傍らに起こる奇妙な現象に目くじらを立てる余裕も今はなかった。
 爆炎に紛れて消えるグラファイトを追う余力などあるはずもない。
 息を吐く―――それを生み出した要因が安堵なのか口惜しさなのかは掴み切れなかったが、遠くに転がる自分の損壊した神機の下によろよろと歩きながら、同時に空を覆っていたものの消失を見届ける。

 最後の最後にその余力の全てを振り絞る勢いで投擲された槍というよりは、
 イヴァン・ストリゴイの放出した荷電粒子砲の方がダメージの割合は大きい。
 ランスロットの足掻きは残る一押しになったとはいえ、何処かで判断を誤っていれば敗れたのは此方だ。
 とはいえ………。

「ええ………辛うじて、ですが。
 目的は、どうにか果たしました。コンバイラは落とせた―――」

 当面の目的を達成するという点。其処に関して言えば、此方の勝ちだ。
 生きているかという問いかけと、目的の達成という部分の両方に相槌を打つように、彼女は手に取り直した神機を支えにして立つ。立っているのも億劫な傷だが、そこで倒れ込むというわけにもいかない。
 コンバイラの陥落と敵勢力の撤退は成し遂げられたが―――お互い、参戦した時と今は見る影もない損傷だった。外装の殆どを喪失し、肌には大小さまざまな傷と血がこびりつき、得物は半壊………もしこの場で敵の援軍が押し寄せて来ようものなら、此方の敗走は避けられないだろう。

 であるに、動けないことは承知の上だ。
 そこからは救援を待つより他にないし、この場からアラガミの反応がある程度消えた以上、
 今ほど気を張り詰めているわけにもいかないが………彼女としては、どんな反応をしていいものか。

「………其方は、口で言うほど満身創痍でもないように思えますが。
 それに、それでは目的と手段が逆でしょう。戦争のために戦場に出向くなど―――」

 元々戦場において生真面目で杓子定規な人物がランスロットだ。
 彼女からしてみれば、その口に見合う戦果と能力を備えたイヴァン・ストリゴイは、
 同時に彼の『爆弾魔』を彷彿とさせる危険人物にさえ思えた。戦いで生きて、戦いに死ぬ者―――その意味だけは自分と然して変わらないのかも知れないが、何故そうするか、という一点だけが鮮明に違っていることは、この男の言葉を聞いて入れば予想の付くことだった。

 虚偽などではない。イヴァン・ストリゴイは戦争に生きている。
 仮に戦いの場が全て消えたとしたならば潔く消えるのかも知れないが、
 それまでは戦場という異端に生きるものとして、死ぬ瞬間までこの態度なのだろう。

「いえ、やめましょう。………命を拾ったのは事実です。其方の助力が無ければ生きてはいなかったのも。
 ですが燃え尽きるなどと。それは“まだ”願い下げです。少なくとも頭にそれはチラつきましたが、その手の欲求と一緒にアレを道連れにするのはあくまで最後の最後です」

 複雑な心境だった―――思うところはいくらでもある。
 グラファイトというアラガミの『理由』も、このイヴァンという軍人の立ち位置も。
 それだけに、強い追及は避けたが………完全燃焼を所望する彼の言葉にだけは、否と答えた。

 あるいは、その言葉の表面的な意味だけをくみ取った上での発言だったのかも知れないが―――。

「私の戦う理由は、あの御方の作る秩序を守ることですから。
 それが果たされるまでは、相手が何だろうと、死ねません―――」

.    ランスロット
 ………鋳造英雄の強さと壮麗さは、その忠信と、英雄らしい『ヒト』での情にあった。

 そこにはちょっとした憧れのようなものや、彼女に言わせれば不純なものもあったのだろうけど。
 ランスロットが戦いを止めず、此処まであり続けた理由は、偏に彼女に夢を見せたモノのためだ。

 それを忠誠と言わずして何と呼ぶのか。
 それを依存と呼ばずして何と言うのか。
 ランスロットが戦える理由がそれであることに嘘偽りはない。ならば。


 もしもの話をするとするならば。
 それはこの、彼女より遥かに戦場を識る戦鬼が看做した通りなのだろう―――。


>グラファイト、イヴァン



【ギリギリになりましたがお相手ありがとうございました〜m(._.)m】

6日前 No.1523

蒼穹の月 @aroundight☆SdjaOljKHtOm ★Z73D4iqtrb_po8

 かくして暴走戦艦コンバイラは轟沈。
 この星に存在する最大の『アラガミ』は消滅を迎えることになった。

 しかし、アラガミという存在そのものが消えたわけではない。
 神機を以てしても、人類はアラガミという生態系に対する決定打を持たない。
 欲望が形を成したような彼らの爪牙をこの異聞星から駆逐する術はほぼ無く。
 ・・
 彼らが生き延びるための術は、この星における安息の場は、いま現在この地にはなかった。

 彼らが―――星から見捨てられた棄民が。
 人類の存亡をかけた夢を、一人の男に預けようとするのは、必然だったと言えるだろう。

 その夢の成就は近く。しかしその上で、人類に敵対する最後の獣が待っている。
 彼の名前をイースレイ。
 かつて最強のゴッドイーターと呼ばれ、最も古い時代に名を馳せたという異聞星最強の戦士。

 彼と、彼と全く同じ時期に獣に変じた元神機使いたち。
 その者達の夢と、棄民の王に集められた夢が。狼<フェンリル>たちの牙が激突しようとしていた。


「(―――なんて筋書きを描いているんだろうね、あの男。
  いや、あの女もかなぁ。どっちかって言うと、反吐が出るほどロマンチストなのはあっちだ)」


 そんな筋書きは。
 事の真相を知っている人間からすれば、性質の悪さしか感じようのないものだった。

 足立透は小心者である。
 彼は決して大人物ではないし、この世界を回す人間の“使い走り”であることを否定しなかった。
 彼という男の仕組んだゲームは終わり、今はただ燃え尽きた線香花火のように味気なく、波立たない命を送っている。いいや、あるいは送ろうとしていた頃のメンタリティこそが、足立の持っているものだった。

 足立透に理想はない。
 彼が夢を熱く語るための熱は、もう重ねた年月がとっくに醒ましてしまっていた。
 もともと自意識の強い男だったことも相俟って、足立は褒められたモノではなかった。彼はこの星で活動するためのモチベーションに欠けていたし、事の進展に手を出そうと思うほど豪胆な男でもなかった。



 だから―――。

「やあ。はじめまして、フェンリルの番犬さん。
 あー………なんだっけ? 仰々しい名前つけてもらったみたいだけど」

 その時、その場所で。足立透という人物が。

 アラガミのひしめく平原地帯から帰還し、
 一度装備の修復も兼ねてフェンリルの極東支部に帰投する運びとなった、ある人物と出会ったのは。

「まあまあ、そんな顔しないでよ。ブッソウなものも出さないで。
 僕、フェンリルの連中は嫌いだけど、いちいち手を出してキャンキャン吼えるほど暇じゃないからさ」

「ほら、大人ってそういう時期は通り越しちゃうものだし。手を出す代わりに、」

 要するに何処までも彼らしく。
 何処までも彼が捨てきれなかったものの理屈が働いた結果だった。


「キミが大好きらしい赤い彗星について………さ。
 ちょっとした話を聞かせてやろうと思ったんだ」


 足立透は夢を見ない。
 彼はその言葉に綺麗なイメージを懐かない。

 その時、その場所で。足立透という人物が。その少女に何事かを吹き込んだ。
 これは、それだけの話だ。少なくとも今の時点では―――。

6日前 No.1524

蒼穹の月 @aroundight☆SdjaOljKHtOm ★Z73D4iqtrb_po8


 異聞星アークという柩<はこ>の中身は、未だ誰にも明かされていない。

 世界に住まうヒトを護るために戦うフェンリルの牙も。
 そこに属しておきながら、不穏な影を掴まずには居られないトリズナー/旅人も。
 世界を喰らうモノとして振る舞う、自我持つ希少なアラガミたちも。人類の敵も。
 彼らは皆、理想というには馬鹿馬鹿しく、野望というには螺子の外れた、夢追い人の箱庭の中。


 そのどこも信用せず、ただ二人。
 自らが召喚された意味に確信を持って動く“はぐれもの”でさえ。この世界の全てを知らない。

 然るにこの星は、とある“可能性”に最も強く恵まれて。
 同時にその可能性が星に対しての毒と成り得る危険性にも満ち溢れた世界だ。

 その毒の最たるものが、彼のイースレイの『群れ』であることが真実な以上、
 雪の降り積もるその隠れ里で、最後の戦いが繰り広げられることは避けられない。しかし―――。


――― ◇ ◆ ◇ ―――


【フェンリル極東支部/支部長室】


 狼たちの巣穴<アナグラ>には。
 本来座しているべき、一人の男がいなかった。

 棄民の王―――総意の器足り得る人物。『シャア・アズナブル』はそこに居なかった。

 戦いの場に出る人間ではない以上。
 彼が此処にいないということは、何かの事態の進展を厭が応にでも感じさせる。
 そしてもしも“それ”を識るものならば、今までの疑惑を決定的な何かに変えるだろう。

 此処に戻って来る者が、居るならばの話だが―――。


――― ◇ ◆ ◇ ―――


【エイジス島外周】

 フェンリル極東支部から50キロ離れた太平洋上に、その島はあった。
 ドーム状のアラガミ防壁によって遮断された内側はまさに伏魔殿。

 外部に建設された人工の楽園<エデン>を謳う建物は、しかし天を衝くほどの威容を持つわけではない。
 そこは紛れもなく、この星に生きる人間たちの安息の地とされた場所だったわけだ。

 とある男に言わせれば、此処に星の心臓があるという。
 これまでの星でそうだったように、異宙の錨というものは異聞星にとっての心臓部だ。
 それを正面から、堂々と、偽装もせずに外出させている異聞星など、何処を探しても在りはするまい。


 彼の言う『最も目立つアラガミの死』は既に訪れた。
 いわばそれが、外から堂々と飛び込める数少ないチャンスだったのかも知れない。


――― ◇ ◆ ◇ ―――


 そして………。


――― ◇ ◆ ◇ ―――


【鐘楼】


 豪雪が風に乗って吹き付ける場所。
 視界を覆う銀世界の幕。
 いずれ戦場になるだろうこの廃寺の中で、戦域から大きく外れたその場所からは、よく海が見えた。
 その海の先には、人類が作り出した人工の大地がある。
 地球という星が作り出した営みの場ではなく。ヒトが手を広げ、次なる足場とした大地が。

 その中でも………色あせることのない雪の妖精が其処に居た。
 そこに導かれるようにして。彼女もまた、この雪の中、海を見渡せる高台と鐘楼の場へ辿り着いた。


 雪の中を佇む少女の、大粒のルビーのような瞳は、じっと海の向こう側を見ている。
 彼女を呼ぶものが、遥か遠くにあった。
 先の戦いで、吸い寄せられるようにして暴走戦艦の名残を喰らったその『アラガミ』は。
 一度も視線をブレさせることなく、その瞳を海に向け、それから瞑目した。

 その妖精は。きっと自分の彷徨うこの夢が、終わりに近付いている事を感じていた。
 かつて自分に夢を語ったものの願いが近付いていることも。
 そしてこの星を訪れた者の願いが、それと相容れない事も。

 分かっていて、彼女はまた呟くのだ。
 この厳しく、残酷で、それでも始まりに輝かしい夢を乗せた柩<はこ>の中で―――。

6日前 No.1525

■■■■■ @aroundight☆SdjaOljKHtOm ★Z73D4iqtrb_po8


   ――― 第四節 /   、   、 ―――
   ―――     / Parallel line  ―――

   、   、   夢とは、維持を希うものである。
   、   、   たとえ偽りの夢であろうとも、少しだけでも長く、長く。






   、    、   、   、   、  ―――ああ―――



   、    、   、   、  ―――この夢は、いつ覚めるのか―――





6日前 No.1526

グラファイト @evil☆wlNTvj.bQ62 ★Android=c1E0DIQTEq

【鎮魂の廃寺/隠れ里A/グラファイト】

フェンリルとの決戦の時が来た。アラガミを抑制する力を持つドリフター、ファン・レ・ノルンが亡き今フェンリルを守る者はもういない。この世界において最大規模を誇るアラガミ、コンバイラを倒すことは敵ったものの、このまま状況が膠着すればフェンリルとアラガミのどちらに有利なのかはわかりきっている。

「遂に決戦の日がきたというわけか…」

グラファイトは拳を握り、深呼吸する。決戦は文字通り決するための戦いだ。生き残るのがフェンリルか、アラガミかどちらかを決めるための。間を置かぬ連戦とはいえフェンリルも精鋭を送り込んでくるであろうしトリズナーも全力で挑んで来るであろう。
だがしかし、だ。

「それでも、この星は俺達のものだ。
なあ、そうだろう?
イースレイ…」

グラファイトは天を仰ぎ見る。グラファイトは勝つと決めているしイースレイもそれは同じはずだと信じている。この戦いに勝ち、また二人で語り合うとグラファイトは心に決めていた。

そうしてグラファイトは待つ。『敵』の到来を。

>ALL

6日前 No.1527

ザックス @phile☆fFByNj5QP5A ★6lZVB9LbYB_po8

【エイジス島外部/ザックス・フェア】

 フェンリル極東支部から遠く離れた場所、人工の楽園エイジス島。
 ドーム状のアラガミ防壁を見た時、なつかしきミッドガルの姿を想起したことをふと思い返す。
 機械仕掛けの楽園は──最低でもそうと認識されているものは、奇妙な沈黙の中にあった。

 それも当然だ。
 フェンリルは目下イースレイ率いるアラガミの集団と全面対決の作戦真っ最中で、そこで作戦域を離れているザックスは明らかに命令違反で兵士としては落第点。
 それでも確かめるべきことがあり──だからこそ、こうしてフェンリルという集団の心臓ともいえるエイジス島まで来ているわけだ。
 いいところで降格、最悪除隊だよな、と、兵士と言う立場に慣れ切った思考が諦めのため息を吐く。
 自慢じゃないが、ニブルヘイムの一件までは理想的なソルジャーだったつもりだ。
 神羅の、腐ったピザの真実の一端を知りながら、それでも誇りと言うものを信じて。
 そんな自分がいま、こういう行動をとらざるを得ないいまの状況は、あまりに皮肉だ。

「(……あんたもこんな気持ちだったわけか? アンジール)」

 除隊覚悟で作戦域から離脱してまで確かめるべき事実を知りに、対外的には敵とされている男へ会いに行くこと。
 いつかの誰かとぴったり重なる状況に自分が置かれていることに複雑な思いを感じながら、ザックスはバスターソードを肩に担いでかりそめの楽園を見上げた。
 しかるべきタイミングでここに来る、と、いつかそう予告した男を待つためにだ。
 ラグナとニコラ=テスラ、はぐれもののドリフターと接触したトリズナーは、他にも何人かいると聞いている。
 もしかすればそのうち誰かも来ているかもしれないが──

>ALL

6日前 No.1528

五十鈴れん☆4H2CCC.TU8ct ★Android=zbCXnRRWFb

【→エイジス島外部/五十鈴れん】

>ザックス、all

 …あれから。
 れんは一旦いつもの彼女と別れて、「はぐれもの」のラグナに言われた場所へとやって来ていた。
 エイジス島──その外部。
 目立つアラガミの代表格が消えた今こそ──彼の言っていたタイミングに相応しい。

「あ…ザックスさん、でしたよね」

 そこには既に先客がいた。
 ザックス・フェア。
 同じ「トリズナー」の仲間だ。
 ぺこりと頭を下げつつ──こうして一対一で会うのは初めてだななどとなんとなく思いながら。

「えっと…ザックスさんも、ラグナさんに?」

【お話の進行上一旦絡み切らせていただきました!
今回のお話が終わったらまたよろしくお願いします。】
>スレ主様

5日前 No.1529

オーティマ(ダークファントムver) @tukuyomi07☆2nDyzvx51us ★3aNoMW8gGM_po8

【 鎮魂の廃寺/参道B/オーティマ(ダークファントムver) 】

 終わりだ。少なくとも、この星における生存競争は最高潮にまで到達しつつあった。イースレイ、ならびにグラファイトは制御できる個体全てに号令をかけ、この廃寺に拠点を構えた。
 フェンリルは背水の陣だ。観測者であるファ・レ・ノルンの戦死は、彼らの士気に少なからず影響を与えている。何より、コンバイラ戦線の影響でフェンリル内の物資は更に消費された。
 彼らは疲弊した体を引きずってでも、すぐに総力戦を仕掛けなければならないのだ。
 間を置けば置くほど、無限に近い資源で準備が整うこちらが有利となるのは見えているのだから。

「――問題はあっち側の戦力、か。なーんて。アラガミじゃあないやつが言ってみたりな」

 現在、オーティマは参道の一部を占領し、陣を張っていた。胡坐をかいたせいか、漆黒のローブが地面に垂れてしまっている。
 踏み込めばすぐに分かる。振りまいた微弱なアルケミィ粒子を浴びた者を感知する簡単な結界だ。
 微かに残る総力戦の経験を頼りに、この場で即興で編み上げた。

 ……それが出来るほどには、彼の才能には卓越したものがあった。
 ダークファントム
  闇に堕ちた幻影 と成り果てたとしても、研ぎ澄まされはすれど劣ることはない。

「笑美さんもミノタウロスも、ま、悪い奴じゃあなかった。
 やりたいことをやりたいよーにやって死んでった。いいことじゃあないか、ロクな死に方が出来るだけ羨ましいね」

 ぼんやりと、廃寺に残っていた酒をあおりながら呟いた。
 気まぐれ。そう、ほんの気まぐれだ。幻影の意志までもこき使った星への、ほんの些細な八つ当たりにしか過ぎない。

「来いよフェンリル、トリズナーでもいい。
 曲りなりにも決戦って言ってるんだ。少しは俺も、貢献してみたいからさ……」

 だから、彼はヒトの敵となった。

>ALL

5日前 No.1530

"巴流"葦名弦一郎 @wakame3☆FYUOhnBVGmk ★2RykzmoSz4_po8

【鎮魂の廃寺/参道A/葦名弦一郎】

 灰のように白い雪が降り積もる中、その男は座禅を組み石造りの階段の踊り場に佇んでいた。
 男の姿は、まるで落ち武者のそれであった。整った美麗な顔立ちは影が掛かり、髪は整えられることなく流されている。
 肌を晒した上半身には、未だにやけどの痕が強く残っていた。降りしきる雪の中にありながら、寒さに微動ぎもしていないのはそのためだったかもしれぬ。
 只の人間ならいざ知らず、幾多の異聞で敵を葬ってきた神琴の炎を受けて尚も、男の執念は昏く燃え続けている。

 その、度し難い程の妄執。
 既に亡き国の幻影にとり憑かれた戦国の亡霊の中では、今も尚護国の戦が続いている。

「来るか、来るか内府の犬共。
 踏みにじらせは、せぬぞ……」

 修羅の形相に宛てられてか、男が座する空は雷雲が立ち込め、荒れ始めていた。
 静謐な面持ちながらも、阿修羅の如き殺気立った目で、その空を睨む。

 ――渦雲が、あの瞳のようなうねる雷雲が己を見下ろしている。

 天守閣で修練を続けていた時、何度となくあの渦雲に向かって剣を振り続けていた。
 あの渦雲こそが、超えるべき壁であった。
 弦一郎の剣の師は女の身でありながら、剣聖たる葦名一心と競った程の剣の達者であった。弦一郎の剣は船を渡るが、その師たる巴が剣戟と共に飛び渡ったのは、あの空に浮かぶ渦雲であった。
 捨て子として拾われ、武家の跡取りとして修業を続けてきた弦一郎は、生涯賭けて葦名を守るためにも、その師を超えることを夢見て幾度となく剣を鍛え続けたのだ。
 それこそが、己が振るう護国の剣が、敵に届くと自他に証明するだろう、と。

 しかし目指すべき剣の師は既に亡い。不死断ちを成さんと告げ出奔した師は、孤独な主従の旅の果てに主諸共夭逝した。
 師を超える――一介の武辺者たれば、剣の道を究めんとしたものたれば、誰であろうと初めに抱くであろう望みが叶うことは永劫ない。
 以来、弦一郎にとってあの渦雲は、遂に越えられぬ無念の象徴でもあり……力不足を痛感させる存在であった。
 浮舟を渡る己が剣では、渦雲を渡った師の剣に届かず。かの技を収める程に鍛えねば、葦名の国を継ぐことなど叶わぬと。
 力が足りぬのだ。力を求める意志が足りぬのだ。力を扱うだけの技量が足りぬのだ。
 葦名弦一郎の、狂気的なまでの力への渇望は、守るべき祖国を救うというその想念のみではない。何者にも慣れず、目指すべきものに手が届かぬ、その口惜しさによる焦燥もまた、深く根を張っていたのである。
 そのすべてを以てしなければ葦名は護れぬ。事実、その最後は悲惨というほかなく、ただ己の力不足によって祖国の歴史は幕を閉じた。
 なれど、此度は違う。違ってみせる。

「――此度こそは、必ず。
 ――俺が葦名を、生かす」

 信念と執念と妄念が籠った言の葉を唱え、意志を新たにする。
 一度ならず二度までも、己が国を奪われてなるものか。
 寄らば斬る。敵に天道ありというならば、その航路を一刀のもとに断ち切ってくれよう。

 ――この葦名(ほし)は、我らのものだ。

>ALL

5日前 No.1531

蒼穹の月 @aroundight☆SdjaOljKHtOm ★Z73D4iqtrb_po8

【エイジス島外周/→ラグナ=ザ=ブラッドエッジ】


「おう。何時か、然るべき時にってやつだ」


 れんの言葉にザックスが応えるよりも早く。
 紅色の衣に身を包んだ白髪の青年が、ドームの外側から歩いて来る。
 エイジス島―――人類が希望を託した楽園であり、同時に戦地からは酷く遠い場所。

「暫くぶりだな。それにそっちのガキも。くたばってないようで先ずは一安心。
 その様子だと………あの吸血鬼………? っぽい、姉ちゃんもたぶん生きてるんだろ?」

 今この時を以て、イースレイの群れとの最終決戦を迎えたフェンリルの面子にとって、
 少しでも戦力が欲しい時期だ。トリズナー/ドリフターとフェンリルの思惑が合致している今。
 それを此処で放り捨てるかのようにやって来たというのは、はたから見れば敵前逃亡のそれに近い。
 むしろ、フェンリルにとって最も重要な計画の要であるエイジス島に踏み込むというのが、どういう意味を持つかはいちいち口にしなくても分かることだろう。………それでも彼らが此処にいるのは―――ラグナ達がそこへの接近と、手薄な時間を何処からか調べ取って寄越したのは、そのエイジス島にこそ鍵があると見ているからだ。

「エイジス島………あっちの御題目をマジで信じるなら、
 此処はアラガミを永遠に遠ざけるアーコロジーってやつだ。実際それは完璧に嘘ってわけじゃないんだろうが………」

「最初に岡崎夢美と協調していたシャア・アズナブルは、
   、  、 ・・
 あの女のことを教授って呼んだ。そいつがこの異聞星を憂いてフェンリルなんてのを作ったってことも。………そこまで漕ぎ着けること自体は俺一人じゃ無理な話だったし、“その”シャアが何考えてたかまでは知らねえが。此処まで疑える材料が揃えば、途端にコイツも怪しく見えて来た」

 この世界において。
 異聞星という夢を終わらせるならば、フェンリルにもイースレイの側にも居られない。
 そう、判断したのが―――彼と、ニコラ・テスラという人物だった。

「手っ取り早く乗り込んで、以後ハリネズミみたいに警戒されるわけにもいかなかった。
 だからアンタらが此処に降りて来たのは渡りに船だってのは、前も言ったことだよな」

「つっても、勘だがそろそろヤバいって感じがしてな………俺らが今、此処で仕掛けよう、中身を暴こうってすること自体がだいぶギリギリのタイミングなんだ。

 そういう意味じゃ、早く来てくれて何よりだった。
 なにせ―――此処が連中の一番隠したい柩<はこ>の中身だ」

 彼らがはぐれものになった最大の理由は。
 彼らがこの星で一番、自らが流れ着いた意味というものを考えた人間だったからだ。
 片や『悪』として。片や助けを呼ぶ声に応じて。
 時代や状況が違えば敵対していた死神と雷電王は、今日に至るまでの長い間、その布石を整えて来た。
 双方揃って突撃思考であることを考えるならば、たいへん、よく辛抱したと言えそうなほどに。

「で、だ。まどろっこしい話は抜き。何か聞きたいってんなら道中にでも話す」

 エイジス島を構成するモノの中で、最も巨大なものは。
 人工島の中央に存在する巨大なドームだった。
 外部からの侵入を想定していないわけではないだろうが、そこはそれ―――フェンリルのドリフターを能天気に此処に配備は出来ないし、ゴッドイーターだって配置することは難しい。
 勿論それは、ラグナの想定しているものがこの奥にあるならばの話だが………最早それを『疑惑』で終わらせることを、この星で散りばめられた違和感と情報の断片がこぞって否定していた以上、此処に関して何を言うこともない。


 そのまま彼は、エイジス島の中心にあるドーム状の建築物へと向かっていく。
 順当に考えれば、そこはアラガミ防壁で囲われた、外部からの侵入を防ぐ城であり、楽園の内外を隔てる境界線だが―――建前でもそこが“そう”であり、今どうしても戦力を振り分けざるを得ない以上、今ならば手を出せる。


「今更引き返せとは言わねえぞ。………良いな?」

 だからラグナは、敢えて覚悟を確認するような真似はしなかった。
 此処に来たならばあとは一蓮托生―――どころか、自分の言葉でその最深部に誘うように。
 此処にやって来たザックスと五十鈴れんの二人へ、そう言葉をかける。

 ・・
 いま手を出すという言葉の意味など。
 今更、考えて立ち止まるだけ余分というものだ。


>ザックス、五十鈴れん

5日前 No.1532

スレ主 @artemish☆8cfl5/j3VDw ★xQst1BEY9F_9EL

【表門/範馬勇次郎】

 鎮魂の廃寺。
 そう呼称された、決戦の舞台となるには些か寂れた場所。
 その内へと繋がる門扉に凭れ掛かって、ひとりの禍(まがつ)が如き男が時を待っていた。
 断っておくが、この男には仲間意識だとか大義だとか、そういうものに対する拘りは微塵もない。
 ある種の唯我だ。己ありきで他者が在る、そんな実力が伴っていなければ荒唐無稽の一言で片付けられるだろう思考を大真面目に有する生物。
 その彼に、イースレイの戦へ協力をしてやろうなどという殊勝な心掛けは誓って皆無、否絶無である。にも関わらず勇次郎がこの場所に姿を表している理由は、即ちひとつを除いて他にない。

 希求だ。
 渇望だ。
 より激しく、血湧き肉躍る───それでいて、己の糧となる闘争を。この男は、求めている。
 ある者は範馬勇次郎という格闘家(ファイター)を例えて、無限に広がり続ける宇宙と説いた。
 その成長には果てがない。生まれたその瞬間から世界で最強の存在だったというのに、時と場数を重ねる毎にどんどん際限なく肥え太っていく。
 強さを肉に、経験を骨に。そうして出来上がり、異界に在っても尚その在り方を見失わず君臨し続けているのがこの男だ。範馬勇次郎(オーガ)だ。

 であればその彼が、この格好の状況/餌場を当てにしない訳がなかった。
 この場所には、きっと集うだろう。さぞかし多く、群がってくることだろう。
 自分達《アラガミ》を滅ぼす為に、義憤の念を抱きながら駆け込んでくる獲物の群れ。
 それを片っ端から食らうことこそ───この魔人の如き男の目標であり、目当てであった。

>ALL

5日前 No.1533

アマテラス=姫 神琴 @tukuyomi07☆2nDyzvx51us ★3aNoMW8gGM_po8

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5日前 No.1534

龍炎寺タスク @antinomie☆yzl4MFL1dRLB ★AmPQPE9EE6_po8

【鎮魂の廃寺/鐘楼/龍炎寺タスク】

肌を刺すような冷たさが、辺りを支配している。
降り積もった雪がそう感じさせているのだろうか。冷え込む身体に少しだけ鞭を打って、少年は物寂しい建築物を見ていた。
此れより、『アラガミ』―――……イースレイの一派との、決戦の場となるであろう廃寺だ。
辛うじて残る本堂や、木造の建物には少し感じ入るものがある。一応は日本に住んでいた人間として、……越えて来た星と同じようなものを。
そんな郷愁じみたものを振り払うように頭を振って、捲られていたシャツの袖を伸ばす。

「こういうとき、火でも噴けたら違ったんだろうけど……」

『無いものを強請るな』

相棒であるジャックナイフ・ドラゴンは、その身を二頭身程度に縮めた“SD”モードを維持しつつタスクの軽口に返す。
その鱗もそれなりに冷えている。スタードラゴン・ワールドの未来技術を使えば凌げそうだが、そんな理由で居場所が割れてしまうのは少々どころかかなり恥ずかしい。
不意を打とう、という気があるわけではない。が、あくまで目標は一つだ。例え、先に何が待とうと打てる手として、彼らを下す。
会って、話して、……そしてきっと殺し合う。『フェンリル』とイースレイらとの最後のぶつかり合いになるのかもしれない。
バディスキルを起動し、両足に粒子を放つ車輪を出現させた。此処は所謂隠れ里だ。場を知る者ならいざ知らず、自分たちのような初めて踏み入るような者たちにとっては、迷路と言っても過言ではない。
此処を巣とするアラガミがいるのなら、そんな自分たちは正しく餌だろう。消耗を避けられるなら、避けた方が良いに決まっている。
空を駆け、寺どころか外界―――海さえ見渡せる場所に辿り着いたとき、タスクの視線は止まる。

「……君は」

風は強く吹いて、一面を覆うように吹雪いている。視界さえ完全であるとは言えないこの空間で、開けていると言ってもいい場所に。
海を見る、少女が居た。アラガミを喰らってみせた少女。その足で何処ぞへ消えて―――……少なくともタスクは、何処に行ったかを認知していなかった存在。
それが、このタイミングで姿を現した。視線の先は、どうやらイースレイらの方とは違うようだが。

「危ないよ。……此処で何をしていたの?」

何を待っていたのか。何を見ていたのか。……また、何かに呼ばれているのか。
あまり良い予感のしないまま、タスクは起動しているコア・デッキケースに手を置いた。
決戦前。あるいは、もう始まった決戦の最中。そこにいることの意味を、履き違えるわけにはいかない。
此処がターニングポイントだ。きっと、自分たちとこの星との。

>少女、ALL

4日前 No.1535

ザックス @phile☆fFByNj5QP5A ★6lZVB9LbYB_po8

【エイジス島外部/ザックス・フェア】

 後ろからかかった声に振り向けば、内気そうな顔の少女の姿。
 とはいえ、その儚げな風体に似合わないほど彼女が修羅場を乗り越えてきたことは人づてに知っていた。トリズナーの五十鈴れんだ。

「おう。かわいい子に覚えてもらえてて嬉しいね」

 にっと笑って、折り目正しく頭を下げた彼女に手を振ってみせる。包帯まみれのソルジャーの姿は、お世辞にも決まっているとは言えなかったが。
 互いに無事を喜べるほどのんきな時間ではないし、互いに厳しい戦闘を潜り抜けたことがわかるぼろぼろっぷり。
 あまり笑えない状況だが、ザックス自身と同じように真実を探求する道を選んだ仲間がいることは素直に心強いものだった。

「……そういうこと。例のコンバイラが、気になること言ってたのがどうも引っかかってさ」
「それに──」

 れんに返答するより前に、横合いからかかる声がある。
 紅いコートに身を包んだ銀髪のツンツン頭は、自分たちの待ち人で間違いはなかった。その姿を確認しながられんに向けて肩をすくめてみせる。
 ラグナ=ザ=ブラッドエッジというこの異聞星のイレギュラーが、いつかの約束通りしかるべきタイミングにこの場に乗り込んでいた。
 フェンリルの防備すら掃ける総力戦のさなかこそが『その時』なのだと、その読みは間違ってはいなかった。
 ラグナにも手を振ってみせながら、情報交換がてら歩き出すその後ろの姿を追いかける。

「……やっぱり『教授』っていうのは、この星のドミネーターってことか。
 例のコンバイラの死に際にフェンリルと教授って言葉が聞こえたのは、俺の幻聴じゃなさそうだ」

 状況を整理するようなラグナの語りでひとつの真実を確認しながら、ザックスは息をついた。
 最後の最後に聞こえたあの男の声が実際のところコンバイラの何だったのか、推測することは簡単だった。暴走『戦艦』には、文字通りそれを動かす艦長がいたのだろう。
 声が示した事実──フェンリル、いいや『シャア・アズナブル』を名乗る男とドミネーター・岡崎夢美の間につながる明確なライン。
 それを確かめるには後にも先にもこのタイミングしかなく、おそらくはこれ以上遅くなればこのエイジス島には潜り込めなくなるだろう。
 イースレイ率いる一団を駆逐してしまえば、計画を阻むものはおそらくいないのだろうから。

「当然。……ここを逃したら、俺たちもあんたたちも間に合わなくなるんだろ?」

 迷うことはない。
 念を押して確認するラグナに、ザックスはしっかりと頷いてみせながら横のれんを伺った。

>五十鈴れん、ラグナ=ザ=ブラッドエッジ

4日前 No.1536

蒼穹の月 @aroundight☆SdjaOljKHtOm ★PkiRdJ3yaR_po8

【鐘楼】


 そこにいた少女が呼びかけに応じるまでには、少しの時間が掛かった。
 吹き付ける豪雪はその勢いを衰えさせることこそなかったが、
 声を妨げるほど強いものでもない。聞こえていなかったというわけでもないだろう。

「また。あいましたね」

 語調は柔らかく、敵意を感じさせなかったが、彼女の視線は遥か遠くを向いていた。
 海の方―――海の向こう側。
 そこにあるのだろう、黒い点のように小さな “なにか”/島 をじっと見つめたまま。
 釘付けになっているかのように、その視線を暫くは動かさなかった。

「よんでいるのです」

「たべたい、たべたいって。あのうみのむこうがわで………。
 いかなくてはいけないきがして。けれどいってしまえば、すべてがおわってしまうきがするのです」

 何をしているのか―――その言葉には、酷く不明瞭な意味合いの解答が返って来た。
 いいや、言葉にするほど“意味が分からない”というものでもないだろう。

 この星で、喰らう欲を露にするものは、ただ一つしかなかったから。
 この世界で、このアラガミを喰らった“ラーヴァ”と名乗ったものが、どんな立ち位置にいるのかは。
 彼らが出会ったものと見て来たものを統合すれば、分からないということはない。
 彼女の言葉は、どこかその接触<であい>を名残惜しそうに噛み締めているようにも聞こえた。
 当てもなく、何処ともつかず、ずっと其処彼処を彷徨い、なにかを学んでいる彼女が。

「ここにくるまえ。ゆめをみました。
 わたしよりたくさんのことをしっている、アマテラスという、ここにいないひとと、おはなししました。
 あのひとのこと。あのひとのすむせかいのこと。あのひとの、ゆめのこと………」

「あなたのおなまえを、きいていなかったけど。また、おはなしさせてください」

 彼女の言葉と興味は、海の方からタスクへと向いた。
 以前と違うのは、無節操に聞きたいことを投げかけていたのではなく。
 今この瞬間に限っては、明確にタスクの方へと『聞きたいこと』があるように見えたことだった。

 それは。

「あなたは、きっとここにいないひとだとおもいます。
 わたしのしっている“ここにいないひと”のように、どこかにいきたいのですか?」

 ―――それは。とても抽象的な問いかけだった。

>龍炎寺タスク

4日前 No.1537

防人 @recruit ★1tmmb02HRh_qWB

 前回の戦いで負った怪我は決して安いものではなく、未だ防人の身体は癒えてはいない。
 どころか、本来ならば動くべきではない状態と言っていい。
 塞がり切っていない傷口を包帯でキツく巻いて強引に縛り上げる。
 応急処置も何もあったものではなく、指の先から足の先まで、全身全ての動作も万全ではないが。

 だとしても、寝た侭では居られなかった。

 コンバイラの件から後、どうにも拭えない靄が胸中にある。

 何処か覚えのあるその感覚は━━━━そう、自分の世界において、何度か感じたものだ。

 特に、防人というのは大赦の判断によって右往左往させられたもの。
 組織の上にいる人間が抱いていた思惑を告げられるのは、殆どが自分達の意思が関与出来ない状態に陥ってから。
 此処まで、アラガミと戦いを続けて来てはいるものの、それはあくまでもこの世界の生存競争を背景とした物だ。
 例えばアラガミ側の中核として立っている存在こそがこの星の支配者であり、"錨"を保有しているのなら、この戦いこそ、この異聞星における最後の戦となるのだろうが。

 だが━━━何か。

 ただ只管に戦うだけの現状に、違和感がある。
 体よく使われているとは、言いたくないが。

 或いは他の反逆者や旅人は、何かを掴んで動き出しているのかもしれない━━━そう考えたら、尚のこと休んでる間というのはありはしない。

 まして、これが想定されている戦いの中で、最大のものだとするのならば。
 渦中に飛び込み、その後に何が待ち受けていたとしても、臨まなくてはならない。
 それこそ、反逆者であり、防人でもある自分に今出来る事だろう。
 出来ることをやれる限りに成し遂げようとするのは、どんな時も変わらない。


【鎮魂の廃寺/隠れ里A/楠芽吹】


>>1527


 そうして━━━

 雪景色の中で、天を見る荒神に出くわした。
 コンバイラのような意思の感じられない無機質さはない。
 寧ろその姿からは、ヒトと同様の"何か"を思わせる。

 此処にはいない何かに思いを馳せる時、人は空を見上げる。
 同じ空の下に、その誰かは、何かは確かに存在している、離れていても志は同じであると━━━。

 人間とは、何を以て人間とするのか。
 アラガミとは、何を以てアラガミなのか。
 こうした仕草を見るに、不意に浮かんだ考えを頭の片隅に置いた。

 降りしきり、積もる雪を踏む音を隠すこともせず、少女は近付いていく。
 腕に乱雑に巻いた包帯を口を使って更に締め上げ、簡単に剥がれることがないようにした後。


「━━━━アラガミ、ね」


 最早、聞くまでもない問いを、投げ掛けた。

3日前 No.1538

黒渦ガイト @evil☆wlNTvj.bQ62 ★Android=c1E0DIQTEq

【鎮魂の廃寺/参道B/黒渦ガイト】

確かにフェンリルはコンバイラを討伐することには成功した。だが喜んでばかりもいられなかった。
コンバイラ討伐の際にファン・レ・ノルンが戦死してフェンリル本拠地は無防備となり環境や状況その他諸々の事情でアラガミと持久戦は困難となった。
つまりは、今しかないのだ。アラガミと、イースレイの一派と雌雄を決するには。
ガイトもまた決戦の地へと赴き今此処にいる。

視界に広がるは雪が降り積もる銀世界。ガイトはアビゲールを伴い敵を警戒しながら歩いていた。そして見つけた、『敵』を。
何故その者が『敵』とわかったと問われれば答えは簡単だ。ガイトは以前もその者と戦ったから。

「貴様は…!」

『お前ほどの者がそう易々とやられるとはこちらも思っていなかったがな』

黒衣を纏う青年、オーティマ。彼がそこにいた。ガイトとアビゲールは真っ直ぐに彼の姿を捉える。
ガイトはその手に刃が二つ装着された大鎌『ゲールハーケン』を握り、アビゲールもまた本来のサイズに戻り相対する。

「此処にいる、という事は最後までアラガミの側として戦うつもりだと、そう捉えて構わないな?」

『俺達も退けなくなった。
決着を着けるとしようか』

ガイトとアビゲールはいつでも敵の攻撃が来てもいいように備える。彼とは先にも戦ったが彼がまだ見せてない技がある可能性は十分ある。故に一度戦ったから、などという慢心はガイトにもアビゲールにも一切なかった。

>オーティマ

3日前 No.1539

五十鈴れん☆4H2CCC.TU8ct ★Android=zbCXnRRWFb

【エイジス島外部/五十鈴れん】

>ザックス、ラグナ

「えぇ、まぁ…。元気って言っていいと思います」

 どれだけ激しい戦いをしても次の瞬間には「元気」な体に戻っているあの先輩のことを思いつつ。
 れんは曖昧に笑って頷いた。
 ──ラグナ=ザ=ブラッドエッジ。
 フェンリルの本当のことを知り、その上で行動している「はぐれもの」。

「…ここに、すべてが」

 ラグナは言う。
 此処には、この星という柩に隠された中身があるのだと。
 そう言われると──さすがに気を引き閉めずにはいられなかった。
 「教授」。
 その単語に──ザックスはどうやら覚えがあるらしい。
 彼らの会話を聞き逃さないようにしようと思いつつ、れんもラグナの後に続く。

3日前 No.1540

五条悟☆4H2CCC.TU8ct ★Android=zbCXnRRWFb

【表門/五条悟】

>勇次郎

「よう。あんた、暇そうだね」

 表門の前に立つ男。
 一目見ただけで──ただ者ではないと分かる。
 人の姿をしてはいるが、間違いなく彼は「アラガミ」だろう。
 そしてそうでなければ不服だった。
 何故なら奇しくも、この青年もまた目的は彼と同じ。

「暇なら俺と闘(や)ってくれよ。
もう少しで何か掴めそうなんだ──俺の踏み台になってくれ」

 身体中に痛々しい傷を残しながらも──口元はにやりと傲慢に吊り上げて。
 「最強」の呪術師は、「最強」の元人間の前へと立った。
 …それは皮肉にも──正しい世界の五条悟が「最強」に覚醒するきっかけの戦いと同じように。

3日前 No.1541

オーティマ(ダークファントムver) @tukuyomi07☆2nDyzvx51us ★3aNoMW8gGM_po8

【 鎮魂の廃寺/参道B/オーティマ(ダークファントムver) 】

 かつてここはワダツミ、もとい東洋における宗教の拠点の一つであったとされている。神職はここで祈り、巡礼者達は奉られているものに頭を垂れ、様々な願いをここに託した。不浄立ち入れぬ神聖なる場所は、洗い清められているのが普通であるとされていた。
 だがその面影はもはやここにはない。荒神によって喰い荒らされ、身を捧げる者達は潰えた。
 散らばるのはその名残でしかない。手入れもなされず、穴だらけになった寺社、朽ち、今にも折れそうになっている柱。

 そして今現在、人理の跡地に居座るは荒神の一大勢力だ。
 余人が踏み入る場所は、此処にはない。しかし放置すればこの地に未来はない。
 故に来るしかない。そして、来た。

「……ははあ、因縁ってやつねぇ」

 反応せざるを得なかった。
 気だるげな面持ちで立ち上がったオーティマの視線の先には、一人と一体が佇んでいた。
 険しい表情でこちらを見る少年、ガイトの傍ら、魔龍アビゲールが変成し戦闘の構えをとった。

「ええ、まぁ、そうですよ? 俺は俺のためにしか動きませんし?
 人間サマにつくつもりもないんで、最終決戦だってひーこらこっち側でやるってわけだ」

 赤杖を手にとり、彼らにその切っ先を向けた。術式が集う。
 渦を巻き、高濃度のアルケミィ粒子が球体となって杖に宿った。
 ガイトとアビゲールの足下に、真紅の光を発する魔法陣が展開され、雷糸が地面から走った。

 顔にかかった乳白色の髪の隙間から、真紅の瞳がぎらりと輝いた。にやりと笑みを浮かべ、宣告する。

「んじゃそういうわけなので消し飛んでください、《轟堕雷》」

 二人の頭上の空に展開されるのは黒雲だ。
 それは初めに見せたものよりもより強化、研ぎ澄まされている。
 それらが可視化された粒子を伝い、増幅。視界を白く染めるほどの密度となった雷撃が、彼らの下に降り注いだ。

>黒渦ガイト

3日前 No.1542

"巴流"葦名弦一郎 @wakame3☆FYUOhnBVGmk ★2RykzmoSz4_po8

【 鎮魂の廃寺/参道A/葦名弦一郎 】

 来訪者を前に、弦一郎はゆっくりと腰を上げる。
 仁王像よろしく険のかかった表情そのままに、空へ向いていた男の殺意が眼前の女に集中する。
 かつて見えた炎の剣士。星の破壊者。遥か外より来たりし略奪者。
 彼の者どももまた、己が国のため、なすべきことのために戦い続ける者なれば。抱いた覚悟の程を、狂した鬼武者とて解さぬ訳ではない。
 なればこそ、打ち滅ぼさねばならぬ。

「ああ――終いとしよう」

 ゆるり、と弦一郎の佩いた不死斬りが鞘走り、独特の片手持ちによる下段の構えを取る。
 どだい星の住人と、星を渡る叛逆者は言葉通りの不倶戴天。倶に同じ宇宙(そら)を戴かざる敵。
 剣を交える事に如何なる躊躇いが在ろう。
 まして己が国を踏み躙ると言い切ったものを。
 ――斬らねばならぬ。
 そして、この者を斬れぬとあらば、ここで果てるというのであれば、元より黄泉還るべきではなかったというだけのこと。

「――うおォォォォッッ!!」

 一喝と共に跳躍。石段を一気に飛び越え、両者の間合いを一足で踏破。
 地面を抉り取る程の膂力を込めて、神琴の左胸を穿たんと剣刺が奔る。
 その上で回避し、反撃が飛んでくることを見越し、刺突の直後に敵が逃れるであろう後方に向けて回りこむべく身軽な動きで跳躍。階段という悪所を物ともしない軽快な動きで、刀持たぬ左腕の剛腕で掴み掛った。
 そこから狙うのは甲冑兵法――紛うことなき実戦組術であり、首根っこを掴んで地面に叩き伏せ、無力化した上で心臓を抉り取る算段であった。
>アマテラス=姫 神琴

3日前 No.1543

龍炎寺タスク @antinomie☆yzl4MFL1dRLB ★AmPQPE9EE6_po8

【鎮魂の廃寺/鐘楼/龍炎寺タスク】

此方が声を掛けてから、少しだけ間を置き。
少女はゆっくりと、柔らかい口調で此方に意識を向けた。だが、視線は何処か遠くを見たままだ。
タスクの目には黒点程度にしか見えないが、傍らで飛ぶ相棒が怪訝そうな顔をしている。

『……人工の島、だろうか。あれは。確か、資料にもあったな』

黒渦ガイトをはじめとする協力者や、基地のデータなど。それを目にする機会は、それなりにあった。
この切羽詰まった星において、そのような人工島が成立するとはあまり思えない。討伐したアラガミの素材を利用しているらしいが……。
だからと言って、少女の言葉に納得がいくわけではなかった。
彼女の言葉を信じるならば、その“島”が呼んでいるのだという。何の用事で?……当然のように、そこにも捕食という言葉が纏わりつく。
彼女が―――……ラーヴァと名乗った少女が、その呼び声の主を喰らうのだろうか。それとも、呼び声通りに喰らうのか。
何方にしても、良い想像は出来なかった。なんせ、それに携わる張本人が終わりを予言している。

「……夢?それに、アマテラスって……」

夢で、ここにいないひと……『アマテラス』に、会ったのだという。
覚えがある名前だった。むしろ、選択肢が一つしかないようなものだろう。唯一、夢を見ていた―――というのが、分からないが。
ともかく、彼女は神琴さんと接触したのだという。彼女の住む世界、夢……そんなことを、話したらしい。
おなまえを聞いていなかったけど、という言葉に、ああ、と短く相槌を打って軽く微笑んだ。

「そう、だったね。
 ……僕は、タスク。龍炎寺タスク。……ラーヴァ。前に会ったとき、まだ別の名前がある、みたいに言っていたけど……」

彼女の意識が此方へと向いていることに気付く。
……ここに、いないひと。少しだけ瞑目して、頷く。それは肯定の頷きだが、完全な回答には成り得てないとは思う。

「君の知っている“ここにいないひと”っていうのは……遠くへ行ったっていう、君を知る人のこと?
 けど、……どこかに、か。行きたいのかもしれない。……確かに、僕たちの目指している場所は、此処とは違うから」

真摯に、言葉を返す。少女の言葉を解釈し、応えていく。
きっと此処において、優しさのようなものを見せた答えを零すのは無意味だ。自分にとっての真実を、出さなければならない。

>少女(ラーヴァ)

3日前 No.1544

ラグナロク @wakame3☆FYUOhnBVGmk ★2RykzmoSz4_po8

【フェンリル極東支部/支部長室/ラグナロク】

 ラグナロクという少女は漂流者の中では早期の段階でこの星の者と轡を並べ闘い、ある程度は馴染んでいる存在の一人でもあった。
 アラガミとの戦いに関しても、彼女は他の現地のゴッドイーターと比べて引けを取らない経験を積むまでに至った人物である。
 であるが故に、コンバイラの撃沈とイースレイ討滅戦の報せを聞いた時、どこか感慨深い気持ちになった。
 同時に、迷っている暇も最早残されてはいないだろうという事も。

「遂に、この時が来たのね」

 彼女は、未だフェンリルに残っていた数少ない兵力だった。
 バルバロイとの死闘を終え、コンバイラ戦においても療養に専念していたこともあり、この侵攻作戦が開始された時点でラグナロクは再度戦闘に参加できるだけ快復していた。
 こちらが攻勢に転じた以上、この支部に留まり防衛ラインを敷いていても大した意味はない。なればこそ己もまた出立しようとした。
 その矢先のことであった。
 吹き抜ける一陣の風に、編み込んだ麗しい銀の長髪が靡く。それを左手で抑え、はっとしたように彼女は目を見開いた。

「風向きが、変わった……?」

 ラグナロクは、独特な感性を持つ娘だった。まるで神託を享けた聖者のように、直感で物事の流れを察することがある。
 勘は勘、当たるも八卦当たらぬも八卦、という程度のものに過ぎないが……それでもすべての決着がここで着く、というわけではないことを感じていた。
 この星に埋め込まれた様々な仕掛け。未だにドミネーターが姿を現さない、本当の理由。

「――この敵を倒せば、運命の歯車は決する。
 でも、きっとそれで終わりじゃない。いや、寧ろここからが……」

 この星の真価。進化を賛歌(ドグマ)とする異聞星が本当の姿をさらす瞬間だ。
 ラグナロクはこの星に生きる人々を真に助けたいと願っている。
 なれど漂流者としての本分を、違える程ではない。今や遠い記憶ながらも、「ゼロからの叛逆」という信念と共に、託された意思を忘れたことは一時とてないのだ。

 ――まだ、止まるわけには行かない。

 意を決して、少女は踵を返してある場所へ向かい走り出した。
 向かうべきは、支部長室。
 コンバイラが討たれたこの局面ならば、彼の思惑を知ることが出来るかもしれない。
 棄民の王。少なくともラグナロクは、彼が何者であれ真実この星の人々を救おうとする存在であれば、その麾下に就くことは吝かではない。ないのだが……嫌な予感がするのだ。そしてラグナロクの勘は、大抵の場合――

「え…………?」

 そして支部長室の戸を開け、その光景を最初に目にした時、彼女は思わず目を丸くした。
 この場にいるべき王の姿が、ない。
>ALL

3日前 No.1545

アマテラス=姫 神琴 @tukuyomi07☆2nDyzvx51us ★3aNoMW8gGM_po8

【 鎮魂の廃寺/参道A/アマテラス=姫 神琴 】

 神仏修羅の類であっても、今目の前にいる鬼を刮目して見ざるを得ないだろう。
 死を超えて、こけた悪鬼はぎらついた眼差しをこちらに向けている。
 そうして腰に佩いた刀を抜き放つ。鯉口から零れていた妖気が、それと同時にどっと溢れ出る。
 死が満ちる。黄泉が満ちる。触れるもの皆全てに強い怖気を植え付ける今宵かの鬼の色濃い気迫が、世界をも塗り潰さんと渦巻いている。
 対する神琴も、《草薙剣》を横に構え、相手の出方を待つ。残火は生き物のようにゆらゆらと揺らめいていた。
 同じ空を見ることはない。亡霊は、星の彼方へと還れ。そう言ったのならば、この場で終わらせるのが情けというものだ。

 静寂が満ちる。寒空の下、活性化する偏食因子が放つ独特の圧が降り注ぐ。
 されどこれは、アラガミとヒトとの戦いだけが原因ではない。剣士同士の間合いにて発生する、死だ。

 ――来る。

 確信した時にはすでに目の前に迫っていた剣先に、真下に向けて殴りつけることで対処。
 斬り返しを仕掛ける頃には、既にそこに弦一郎の姿はない。空ぶった刃を強引に引き戻し、背後を振り返ったときには既に掴まれていた。

「――む、ぐゥ!?」

 剛腕による凄まじい力で地面に引き倒され、その真上には男の姿があり、既に切っ先は振り抜かれていた。
 即座に《草薙剣》の切っ先を真上に向けると同時、炎を充填する。そして切っ先の一点に寄せ集める。
 真正面から浴びろ、その念のままに高密度の紅蓮が放出された。いわば火炎放射だ。熱分子の暴走からなる超高熱を毒霧のごとく浴びせかけながらも、身をよじって刹那の拘束から抜け出し、斬刑のごとく襲い来る刃から逃れる。
 そして滑るように立ち上がる。
 急激な体重移動が筋線維に膨大な負担をかけるが、構ってはいられない。即座に反撃の刃を振るった。

「はぁぁぁぁっ!」

 気合一閃。技巧よりは力を優先した一撃。
 横殴りの剣閃が弦一郎の胴体を両断せんと迫るとともに、剣より噴き出す灼熱劫火がその全身に襲い掛かった。

>葦名弦一郎

3日前 No.1546

カイ @phile☆fFByNj5QP5A ★6lZVB9LbYB_po8

【フェンリル極東支部/支部長室/カイ=キスク】

 暴走戦艦コンバイラの撃沈と、その最中の貴重な戦力──アラガミの力を抑えるファン・レ・ノルンの殉職。
 いかな切れ者の支部長とて、唯一無二のドリフターの欠落を埋めるにはいささか以上の時間が必要だ。
 そして、その貴重な時間を稼ぐための戦力はほかならぬゴッドイーターと自分たち旅人であること──重大な戦力の脱落の代わりにもたらされた特機戦力の排除。
 この状況で打つ手は、確かに総力戦をかけることが最善に思える。自分が王でも、おそらくはこの手を取るだろう。

 だが──その状況において、旅人のひとりはこのフェンリルにて一つの部屋を目指していた。アナグラの最奥、シャア・アズナブルを名乗る男が控えているはずの支部長室を。
 フェンリルの備品を借りて再度修復した聖騎士団の制服のマントを翻し、速足でそこへ向かう表情は険しい。

「(コンバイラのエネルギーがどこかへ流れ込んだという情報も気になる。『時計の音』がどこかで聞こえたという話も聞いた。
  間違いなく、ここから状況はさらに加速するだろう。……であるなら、まずは目先の疑念から晴らすべきだ)」

 これまでの異聞において、ドリフターたちの立ち上げた組織は常に自分たちと轡を並べ戦ってくれた。
 それはあくまでいくつかの幸運な偶然が積み重なった上のものであり、いつまでも当然のごとく享受できるわけもない。なにせこの戦は星の命を踏み躙り、たったひとつの生存を勝ち取る戦争なのだから。
 死にたくないと吼える一団が敵となっても、まったくおかしくはなかった。その疑念を晴らすためというのが、ひとつ。

 最大の問題は、もっと別にあった。
 この世界の大まかな概略は知っている。教授と呼ばれるドミネーターのことも。
 ……そして情報が確かなら、『シャア・アズナブル』という男は体面通りの世界の味方というだけでなく──

    ・・・
「(……やはり、不在か──)」

 重い扉を開いた先に、やはり目的とする仮面の男の姿はなかった。
 予想通りと言えば予想通りの光景にカイは静かに警戒を強めるが、同時に先客の存在を見て取って数度まばたく。
 銀髪の美しい少女──ドリフターのラグナロク。フェンリルに属するドリフターでも古株と聞いている彼女は、おそらくこの状況だからこそ穴倉の防衛を任されたといったところだろうが……

「あなたも『彼』に用件ですか、ラグナロクさん。……どこに行ったのか、は、さすがのあなたもご存じではないようですね」

 その表情で、おおむねの状況を理解する。
 おそらく彼女もカイと同じくちだ。彼女を警戒する必要はないだろうが、しかし──

>ラグナロク、ALL

3日前 No.1547

スレ主 @artemish☆8cfl5/j3VDw ★xQst1BEY9F_9EL

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2日前 No.1548

蒼穹の月 @aroundight☆SdjaOljKHtOm ★PkiRdJ3yaR_po8

【フェンリル極東支部/支部長室】


 ………そう。
 そこには―――誓って言うが、彼の赤い彗星の痕跡はなかった。


 本来、支部長である『シャア』の役割は前線に出ることではない。

 ましてや彼は、よく鍛えられた軍人としての体格を持ち、身体を動かす術を知っているのだろうが。
 それ以上ではない。そう―――有り体に言って、神狩りの戦場に出るには不足も良いところなのだ。

 元よりアラガミという存在の強固なオラクル細胞を破るには、通常兵器など役には立たない。
 ドリフターという例外/超常の力と枠外の理 を以てしなければ、神機による捕食で食い千切るより他になく。
 その上で、ドリフターと渡り合えるかと言えば、答えは否だ。
 再三に渡って言うことでもなかろうが、『シャア』に生身で前線に出る能力はない。
 彼はこの場で、戦線の整理や軍の指揮、そして彼の進める計画の成就に尽力するべき人物であり。
 断っておくが、それを違える素振りは一度もなかった。なかったし、見せなかった。

 ・・・・・・・・・ ・・・
『シャア・アズナブル』の名は、紛れもなくこの星の片隅に追いやられた棄民にとっての希望である。

 そのことに関しては、誓って違いはない。

 だが、それが居ないとあらば………疑念を懐くのは当然だ。

 星の敵として行動することを決めていた者にとっては、元より当然のことかも知れない。

 それは、星の人々を救おうとするべく、このアークに降り立った彼女でさえも。
 風向きの変化を感じ取らずには居られない。いいや、あるいはラグナロクの感性がそうさせるのか。


「―――『支部長』は、此処には居られません」


 それは。
 ラグナロクやカイ=キスクに一歩遅れて支部に帰還し、『王』の坐す場所へと降り。
 どこか忙しなく視線を動かしていた彼女ですらも。
 この光景を見たとなれば、疑わざるを得ない光景だったのかも知れない。


 銀色の髪を靡かせた少女は、その碧い瞳を先ずカイに向け。
 それから、やや間を置いてラグナロクの方を向いた。
 毅然な態度を貫く節のあった彼女にしては、どこか言い出しづらいかのように。
 次の言葉を紡ぐのに時間が掛かったが………。

「『支部長』は、私が伺いに来た時より、此処には居られないようでした。
 ………エイジス島に向かった―――と。そう、連絡を受けています」

 それは疑念を深める材料にはなっても。
 疑念を『確定』させるものではなかった。そのように、聞こえた。

>ラグナロク、カイ=キスク




―――



【鐘楼】

「タスク、ですね。おぼえました」

 小さくはにかんだ彼女は、それからタスクの言葉をじっと聞いていた。
 嘗てタスクと出会った時と、態度や口調は殆ど同じ。
 彼女は熱心に触れたものの言葉や知識を学び、そして覚えていく。
 そうした好奇心と学習能力は、外見通りの人間の子供として見れば微笑ましいが―――そうではないことなど、もう言うまでもなく分かっていることだろう。

 此処ではないどこかに行きたい人なのか。
 そんな抽象的な問いかけの意味は、他でもないラーヴァにしか分からないが。
 彼女の伝えたいこと、聞きたいことが何なのかは、タスクにはそれなりに正しく伝わったらしく。

「はい。そのアマテラスが、このせかいにいるひとではないと。
 あなたも―――タスクも。ここにきたばかり、といったので」

 彼の言葉にある程度納得を覚えるような素振りを見せて、小さく首を縦に振る。
 嘗ての言葉を反芻しながら、自分の『聞きたいこと』の土台を積み上げていく。

「それに………」

 タスクと名乗ったトリズナーの少年に聞こうとしていることは、彼女にとってはただ一つしかない。
 それを聞くために、いまは質問を重ねているようなものだ。

 そしてその上で―――拙い口調ながら、彼女の言葉は、この星に生きる者と明確な相違点がある。
 その問いかけと解答を繰り返す中で、彼女の視点の中で見えているものを、ラーヴァは隠そうとしないだろう。

「タスクがくるまえに。もうひとりであいました。そのひとはつめたいめをしていました。
『はかせ』いがいの「どこかにいきたいひと」にはゆめがあって。
『はかせ』や『シャア』のゆめをかなえることは、じぶんのゆめいがいをこわすことだと、ききました」

「………アマテラスのゆめは、『はかせ』のゆめとちがうとききました。
 はかせとちがって、ひとりぼっちではないと。だから、タスクのゆめをしりたかったのです」

 この鐘楼で、彼女は間違いなく誰かと出会っていること。
 そしてその“誰か”は明確に、この星の事情を知り、この少女に余分なことを吹き込む性根だということ。

 彼女を知る誰かが―――これは神琴にも告げたが―――『博士』と『シャア』であるということ。

 その二つでさえ奇妙な話だが、それ以上に。

「タスクの“いきたいところ”は、じぶんのいたところですか?
 こことはちがう………『こどく』じゃない、ところですか?」

 その言葉には、ラーヴァと名乗っていた少女の懐くささやかな夢が見え隠れした。

>龍炎寺タスク

2日前 No.1549

蒼穹の月 @aroundight☆SdjaOljKHtOm ★PkiRdJ3yaR_po8

【エイジス島外周⇒エイジス島内部/ラグナ=ザ=ブラッドエッジ、____】

「あーはい、あの“先輩”も元気なのね。
 いや、なんか殺しても死ななさそうだわ」

 これは余談かつ、繰り返すことだが。
 ラグナは彼の先輩こと虞美人にとある既視感を感じていた。
 既視感と言っても、中身を見ることが出来るならば、それは決定的な差になるだろうし。
 ラグナ自身も、その既視感について説明することは難しいと思ってはいたが。

 アレは、ラグナの知る『不死者』と、どこか立ち回りの根底が似ているように思えたのだ。

 ………どちらかと言えば、あれは既に物語の終わった側の存在だった。
      、     、    、 .オーディエンス
    表舞台には立たないと決めている、観測者。そういう第三者のような立場に居座るところが、特に。


 ………それはさておき、本題に入る。
 ラグナはそのままドームの方へと歩きながら、ザックスの言葉に先ず応じた。

 ・・・・
「岡崎夢美」


 教授―――と。
 ザックスがその名前を出した時、間を置かずラグナはそう切り返した。
 彼らはぐれものは、この異聞星に根付く『謎』について、その取っ掛かりに最も強く触れている。

 彼はその名前を知っている。
 その名前がどういう意味を持つのかも、他でもない彼女に最も近かった人間の言葉を以て。

「この星のドミネーターの名前だ。
 テスラのやつが解析した方………俺が知ってるシャア・アズナブルは。そいつを教授と呼んでる」

「そっちの嬢ちゃんにはもう言ったな。
 今の『シャア』、そして最初にドリフターとして流れ着いたシャアのどちらとも組んだ女。この星で『教授』なんて呼ばれ方をする奴、他には知らねえ。コンバイラが言ったってのがずいぶん引っ掛かるが………」

 しかしそのラグナとて、この星の全てを知るわけではない。
 彼とテスラは疑惑を懐く機会と可能性が他のドリフターと比べて多く、
 彼とテスラは疑惑を確信に変える鍵を他のドリフターと違って手にしただけだ。

 そしてその上で、恐らく楔を打ち込めるとしたら今しか可能性はない。
 此処を逃がせば恐らく間に合わない。
 万が一の時は自分一人でも出向き、最悪の場合でも後のことはテスラに任せる算段だった。

「そんならいい。俺もアンタらも、お互い利害が一致するからな」

 ………接触した時点である程度想定はしていたが、それは杞憂で終わっていた。
 敵対する立場には慣れていたが、どうやらこの異聞星に置いて、
 ラグナ=ザ=ブラッドエッジという男の運は、それなりに良い部類だったらしい。

 ラグナが念を押すように“これはあくまで利害の一致”と嘯いたのは。
 この後に想定されること、そしてトリズナー本来の目的を鑑みた上での、決して口にはしない気遣いの類だったが―――ともあれ、そんな会話を交わしていられるのもこれきりだ。

「………ああそうだ。出会う前にこれだけ言っとくぞ。
 目的そのものは知らねえし、興味もないが、これだけは出会わずとも分かってることがある―――」

 ・・・・・・・・・
「ロクな女じゃねえぞ」



――― ◇ ◆ ◇ ―――



 遥か巨大な、ドーム状に覆われた人工島の中心部。
 人工のアラガミ防壁によって外界と隔絶されたその場所には、当然警備と呼ぶべきものはいた。
 呼ぶべきものはいたが、それは大っぴらに配置できるものでもない。
 此処がラグナやトリズナーたちの思う通り、決して開けてはならないパンドラの柩の中身であるならば。
 それを通常の兵士に見せるわけにはいかない。………必然、その警備の量より質を取った体制は、それだけでもその仮説を裏付けかねないものだが、それすらも確信に至る材料とは言えない。

 疑いを強くすることは確かだが、それはあくまで“その程度”だ。
 確信に至るものがなくては、このフェンリルは崩せない。
 狼の牙は嘗て虞美人が評した通り、ドミネーターによって掌握され、たいへんな皮肉じみた有様になってこそいるのかも知れないが、そうだとしても、これは同時に星に住まう人々を護る城壁だ。
 破壊し、内輪もめをし、確証に至る材料がないままそれを見つけられなかったのであれば………後に残るのは、後ろ盾を失った民と、止めようのないアラガミの軍勢だけでしかない。その上で、核心に至るものは掴ませない。


 あるいはザックスにせよれんにせよ、此処に来るものが彼らほど早くないのならば。
 此処でさえ、曖昧な柩の中身を手に掴むことは適わなかったのかも知れないが―――。


「………全く。とんだ楽園だな。ええ?」


 吐き捨てるように、密閉された中心部の扉を抉じ開け。
 薄暗い暗闇の中、敷き詰められた金網張りの足場を踏み鳴らしながら、ラグナが前に出た。

 そこはとても大きく、とても開けた場だった。
 左右には中身の見えない、膨大なエネルギーを閉じ込めておくかのような培養層が並び。
 天井にはこれまた巨きな、機械で作られたなにかが眠る揺り篭のような、繭のようなものがあった。

 そして―――。
 その奥、向こう側に。
 そんなものより遥かに巨大で、目を奪われるヒトガタがいた。


        ・・
 ―――巨大な、何かだった。



 恐ろしいまでの魔力だった。
 圧倒的なまでの存在だった。
 視界すべて覆う怪物だった。

 全長を把握するのは難しいほどの、巨いなる怪物だった。

    ・・
 それは何だ?

 その説明をするよりも早く。
 薄暗く、先も見通せない暗闇の中、ごうごうと音を立てる機械の駆動音と共に。


『ようこそエイジス島へ!』


 暗闇の底から上がって来た、誰かの声が響いた。

 それは女の声だ。年若い、恐れを知らない女の声。
 暗闇の中で最初はハッキリとしないとはいえ、真紅に染まった髪、目、服装。
 なにより投影越しにさえ伝わる、興味と好奇心で爛々と輝きを放つその双眸は、年若い少女の外見相応の子供心と、外見不相応の思慮を渦巻かせていた。

 それはラグナに対して向けたものか、あるいはトリズナーであり、
 この地の謎に向き合うザックスと五十鈴れんに対して向けたものか。
 よくも悪くも、そいつの快活な割り込みと明朗な声は、空気を呼んでいなかった。


『想像してた“楽園”とは違った? ならゴメンなさいね。
 けれど素敵! 思っていたより1時間は到着が早いわ! そうこなくっちゃ!
 私の予想を裏切って来てくれるのはとっても素敵よ!』


   彼女の“素敵”という言葉はひどく多用される。
   ヒトの人格、モノ、語る可能性、ましてや荒唐無稽なる与太話のすべてに対し。
   うつろに漂う幻想をこそ尊ぶように、女はその言葉をよく用いる。
   それはなんて素敵な分岐なのかしら、旅を未来を未知を尊ぶ様に。


『さて。改めて自己紹介と行きましょう………』

 以上、前提―――ゆえに、結論。
 その言葉は両者に向けたものだ。

 彼女は、この場に居る全ての者の到着を喜び、そしてこう告げた。

     、   、    、   、    ドミネーター
『ソラより来たる、異宙の錨を借り受けた七人の<支配者>。
 ええ、貴方達には丁度四人目だったかしら―――』

 ・・・・・・   、   、   、   、   、   アーク
『私が岡崎夢美。改めて―――ようこそエイジス島へ。ようこそ、箱舟へ!』



【エイジス島内部/ラグナ=ザ=ブラッドエッジ、____】

  ↓

【エイジス島内部/ラグナ=ザ=ブラッドエッジ、岡崎夢美】



 アラガミも、フェンリルも。
 そのどちらも踏み込めない領域にて眠る巨人と、それを背にして夢を追い夢を語るもの。

 最も賢しく、最も愚かなる支配者。
 その名前を、岡崎夢美と呼んだ。


>ザックス、五十鈴れん




――― ◇ ◆ ◇



 そして。

 役者は揃い、歯車は回り出した。
 観測されなかった柩<はこ>の中身はいま確定した。


 ………後に残る役者は二人。

 その内の一人は。
 白銀に覆われた世界の奥深くに陣取る、『長』だった。



―――



【鎮魂の廃寺/本堂/イースレイ】

「………さあ。
       フェンリル
 始めるか、『古巣』。そしてトリズナー。お互いにとって、“此処”は最後で最大の分かれ目だ」


 そいつは吹き付ける雪の中。
 何かを懐かしむように、本堂の奥深くに佇んでいた。
 鎮座する仏像と比較して遥かに小さく、荒神というよりそれは只人のよう。

 銀色の長い髪と、金色の瞳を持つ端正な顔立ちの男。
 年は二十の半ばから後半というところだろうか。
 少なくとも装いには頓着しない性質なのだろう、彼の装いは襤褸と呼んでも差し支えがなく、外見の第一印象だけに限ってしまえば決して格のある人間とは思えなかった。

 だがそれを見たのならば、すぐにそんな第一印象を捨て去ることになるだろう。
 彼の金色の瞳は、此処に到来する者を待ち、まるで望んでいるかのように見えた。
 既に出撃した片腕同様に、この男に説得だとか、融和だとか、そういう可能性はない。

 彼らは強く在り、そして喰らうもの。人類の敵として在り、同じ方向の夢を見て来たものだ。
 そして同時に、イースレイにとっては………。
 この戦いの勝敗“だけ”は、それなり以上に意味を持っていることだった。

 極論、コンバイラの死など何の興味もない。
 倒すのは自分でも骨が折れたかも知れないが、だがそれだけだ。
 イースレイにとってしてみれば、それより自分の片腕となった男の方が強く。
 また、存在の価値が重いものだった。彼にとって、夢の共有者はもうそいつ一人しかいないからだ。

 だがそんな言葉で彩る前に。
 ゴッドイーター
 神機使いに、ドリフターに、この星の遍くすべてが知っていることを繰り返せねばならない。

 イースレイという荒神は、“その後”を考えさせる間も与えないほど強い存在だ。
 彼よりも巨大な存在はいた。コンバイラがそれだ。
 彼よりも荒唐無稽な存在は居る。ドリフターたちがそれに値するだろう。

 だが彼は、ゴッドイーターだ。
 最も強く、最も才能のある戦士だった男は―――いま、人類の敵となった。


「俺達が勝つか、お前たちが勝つか。それが決した時、全ては終わっているよ」


 人類の敵として。既存文明全ての破壊者として。

 それに相応しい、星の瞬きを身に着けて。彼もまた、この進化を謳う星で『夢』を見ていた。


>ALL

2日前 No.1550

グラファイト @evil☆wlNTvj.bQ62 ★Android=c1E0DIQTEq

【鎮魂の廃寺/隠れ里A/グラファイト】

そうして待つうちに『敵』はきた。グラファイトはゆっくりとした動きでそちらを見やる。
グラファイトに対して『アラガミか』と問うのはまだ年若い少女だ。見かけで言えばランスロットと同年代…否、もっと下かもしれない。

「ああ、そうだ。
――培養」

少女の問いにグラファイトは淀みなく肯定する。そしてバグヴァイザーを右腕に装着して変身する。


『INFECTION!
Let's Game!Bad Game!
Dead Game!What's Your Name!?
THE ARAGAMI!』

重々しい音声と共にグラファイトの姿がこの星でもよく知られた紅蓮の竜人の姿へと変貌する。その姿はまさに『勇者』に仇為す悪の象徴たる『竜』そのものにも思える。戦闘準備も万端となったグラファイトであるがグラファイトはまだ、攻撃を仕掛けなかった。

「そういう貴様の姿は初めて見る顔だが…そうか、貴様がトリズナーの一人か。
ちょうどいい、トリズナーには訊きたいことがあった」

グラファイトは愛用の武器であるグラファイトファングをトリズナーの少女…芽吹に向けながらグラファイトは問うた。

「貴様達トリズナーに問う。貴様達トリズナーにとって戦いとは何だ?何のためにその命を懸ける?」

グラファイトは芽吹に貴様達にとっての戦いとは何かと問うた。グラファイトがトリズナーに遭遇したら問おうと思っていた事柄だ。
グラファイトは戦意に満ちてはいたがまだ仕掛ける様子はない。もっとも答えなく仕掛けられれば話は別だが。

>芽吹

2日前 No.1551

黒渦ガイト @evil☆wlNTvj.bQ62 ★Android=c1E0DIQTEq

【鎮魂の廃寺/参道B/黒渦ガイト】

予想はしていたし期待もしていなかった。だから避けられない戦いであってもガイトとアビゲールが臆することはない。

「そうか、ならば是非もない。
貴様の運命は此処までだ――!!」

戦いが始まる。
だが先手を取ったのはオーティマの方だ。杖から解き放たれた魔力がガイトらの足元に魔法陣を形作る。
だが攻撃が来たのは上からだ。頭上に立ち篭めた黒雲から雷撃が降り注ぎガイトとアビゲールに襲い掛かる。

「アビゲール、頼んだ!!」

『任せろ!!《ゲールサーヴァント》!!』

『撃滅の黒死竜 アビゲール』となったアビゲールの腹部より濃密なる破壊の奔流が放たれ雷撃と激突する。最初に遭遇した時よりも威力が増しており敵も本気なのだろう。だが負けられないのはこちらも同じだ。
アビゲールのおかげでなんとか雷撃を相殺したガイトはオーティマ目指して駆ける。同時にカードを掲げ新たなモンスターを召喚。

「コール!《黒印竜 レッドゼット》!!」

『Go to hell!!』

凶暴な叫びと共に現れたのは剣のような角に赤い布を巻いた黒竜だ。レッドゼットはガイトと共に併走しガイトが切り込む。

「刈り取る!!」

『勝タイムの時間だぜェッ!!』

ガイトの持つゲールハーケンの刃、そしてレッドゼットの剣状の腕による斬撃が交差するようにオーティマに迫る。

>オーティマ

2日前 No.1552

オーティマ(ダークファントムver) @tukuyomi07☆2nDyzvx51us ★3aNoMW8gGM_po8

【 鎮魂の廃寺/参道B/オーティマ(ダークファントムver) 】

 雷撃の豪雨が突破された。
 白き光の向こうから、アビゲールとは別種の黒龍、そして大鎌を持った少年がこちらへと向けて突っ込んできた。
 恐らくは後続でアビゲールも駆けてくるだろう。雷撃を防ぎ、死を振りまく気高き黒龍と化して。
 あれを一度に撃滅することは無理だ。まして、足場が悪すぎる。石段で迂闊にすっころべば、ひ弱な術士はあっという間にサヨウナラだ。
 故に回避は最低限にしか行えない。転倒するか、最悪足下を掬われることを考えれば、出来るだけ距離をとるのが最善の策となる。

 それを強いられている時点で、オーティマの不利が確定していた。

「マジで強欲だなぁ。過剰戦力だよまったく……!」

 悪態をつきながらも、オーティマから余裕が失われた様子はない。寧ろ先ほどと同じだ。のらりくらりと躱しながらも、天変の才を駆使した超常の術式を振るうことを止めることは絶対にしない。現に、彼の手の内では真紅の錫杖が踊り狂っていた。
 アルケミィ粒子を自らの手足のように操り、術式を精錬する。多少の不利は、むしろスパイスでしかない。差別と死、そして隷奴の地獄を経て開いた一種の悟りはその程度の苦境などすぐに塗り潰してしまう。

「《影無者》」

 迫るレッドゼットへと向けて突き付けたアルケミィ粒子が空間を歪ませた。
 認知に干渉し、オーティマの実像を作成、同時に距離感を誤認させる。――要は囮だ。
 レッドゼットの腕を、後退すると同時に作成、配置したデコイに命中させて空ぶらせ、自分は距離をとる。

 だがまだ終わったわけではない。オーティマへと向けてガイトが迫って来る。
 逃げ切れる道理はない。二度同じ手品をやれば、タネは割れてしまう。
 レッドゼットが即座に《影無者》の理屈についてガイトへ告げるだろう。だから、使わない。

「……まぁ、既にやり口は知ってる。俺だって無策っていうわけじゃあない」

 、       、    、・・・・・・・
 オーティマはガイトへ向けて、一歩踏み込んだ。相手が面くらい、ほんの少しでも動きを止めてくれることを期待する。
 あえて取った距離を、もう一度詰め直した。当然、その身にガイトの刃が突き刺さる。
 肩口より血しぶきが舞う。苦痛に顔を顰めながらも、しかしその視線はある一点を向いていた。

「基本は術者をぶっ殺せばいいが、稀にそうはいかないパターンがある。
 俺は前にそれをたーっぷりと想い知らされた。なのでこうすることにした」

 狙いはただ一人、アビゲールだ。
 気迫とともに濃密なアルケミィ粒子が渦巻き、やがてそれが魔導として構築される。
 お手並み拝見も、出し惜しみもしない。本気を出される前に、その実力ごと捻じ伏せる。

 、   、  や
「使い魔から先に殺る。よそ見はさせないぜ――《ミストエンド》」

 魔導の冷気が満ちたとき、隠し玉の一つとして温存していた術式が起動した。
 同時に、これは彼が扱っていたはずの雷とは大きく矛盾するものだった。
 なにせ紅杖より飛んだのは水しぶき、すなわち"水"だ。しかしそれ自体に害はない。

「お楽しみは、こっからだってね」

 だが大気中に霧散した瞬間、極小の粒一つに至るまでその全てが巨大化し、質量を持った氷塊と化した!
 着弾すれば家一つは軽く押しつぶし、人間は瞬時に潰れたカエルのごとし無惨な有様になりかねないサイズだった。
 決して無視できない威力を秘めたそれらが何十発も、氷の雨となってアビゲールへと降り注ぐ。

 次に、どう動くか。
 術者が庇うか、それともこれでも切り抜けられるか。
 それを見定めるようにして、術を発動したオーティマは肉に食い込んだ鎌から体を引き剥がしながら離脱せんとする。

>黒渦ガイト

2日前 No.1553

防人 @recruit ★1tmmb02HRh_qWB

【鎮魂の廃寺/隠れ里A/楠芽吹】


>>1551, ALL


 姿が━━変わった。
 顕になったのは紅く燃える体色をした竜人。
 先程まで見せていた青年としての容姿は正体を隠す為の擬態なのか。いや━━
 それはふとして湧き上がった疑問である、アラガミとは人類種にとっての天敵だ、それはこの世界に下地として存在する<基本>だ。
 腐りきった魔の海を我が物顔で往く深海の化身がいたように、陽の昇る事のない世界において闊歩する夜闇にしか生きることの出来ない住人がいたように。

 なら━━。

 アラガミが、自分達にとっての不倶戴天の姿を模るのには、何の意味がある?


「そうよ、それが━━聞きたい、こと?」


 疑問は、答えを得ないまま、アラガミの問い掛けによって上塗りされた。
 コンバイラ、カリスモン、私が戦ってきたアラガミと呼ばれる存在が特別なのか、何れも差異はあるが、意思を感じさせる様子を見せた。
 そして今、芽吹はアラガミによって問いを投げ掛けられている。
 竜の姿となったのは、紛れもなく戦闘態勢に入った事を示していると言っていい。
 己が牙たる得物を突きつけるようにして矛を向けるその様子からも、圧が肌を貫くようにして響いて来る。

 問いかけはその言葉通り、彼の中にある興味か疑問か、そこに答えか納得を見出す為のものでしかないだろう。


 以前に、何の為に勝つのかと、私は問われた。
 今度は、自分にとって戦いとは何か、命を懸ける理由とは如何なるものか━━そう、問われた。

 ・・・・・・・・・
「理不尽に立ち向かう事よ」


 システムを起動させながら━━答える。


「人間よりも遥か上の場所から、まるで運命を好き放題弄くるみたいに。
 そういう連中の思う侭にされて、何もかも奪われたままで━━冗談じゃない。
 誰が泣き寝入りしてやるものか、理不尽(アイツら)が自分達の目的の為に消し去った全部を取り返す、その為に私は命を懸ける……!

 ━━━少なくとも、私は、その為に戦ってる」


 結局のところ、芽吹の戦う理由とは其処に帰結するのだろう。
 超常の存在が、石ころのような者達を意にも介さずただ自分の思う侭に蹂躙したり、善いように使ったり。

 そういう事が"許せない"。
 芽吹にとっての戦いとは、常に反逆の意思から生じるものであるのかもしれない。

 腰を落として銃剣を構え、じり、と地を擦るようにして足を伸ばす。
 何時でも雪を踏み抜き、相手の攻撃の対応できるように。

 問いに答えた以上はこの痺れる闘気に満ちた舞台において、何時相手が仕掛けて来てもおかしくない状態だ。


「━━あなたは、どうなの」


 だが、質問をする権利は此方にもあるだろうとばかりに、芽吹もまた。


「あなたたちにとっての戦いって、何?
 何の為に命を懸けるの。種族の繁栄のため? 天敵である人類への憎悪のため?」

1日前 No.1554

五条悟☆4H2CCC.TU8ct ★Android=zbCXnRRWFb

【表門/五条悟】

>勇次郎

「っと、危ね」

 回避は紙一重──ですらない。
 五条は振るわれた勇次郎の剛脚を、術式の効果で自分の位置を微かにずらすことで回避したのだ。
 そうでなければ──とてもじゃないが避けられなかった。
 「アラガミ」の細胞以外は不気味なほど人間の形を保っているのにこの強さというのは悪い冗談のようだ。

「(天与呪縛──ってわけでもないみたいだな。化け物が)」

 五条にこう言わしめたほどの人物は今までの戦いの中でもふたり。
 あのエースキラーという宇宙人と、そしてこの範馬勇次郎。
 五条は彼を踏み台にすると言ったが──この「台」は、驚くほど高い。

「術式反転──“赫”」

 出し惜しみはしない。
 一発目からの“赫”で畳みかける。
 あらゆるものを削り取る反転した無限級数が、勇次郎を消し飛ばそうとして。

1日前 No.1555

黒渦ガイト @evil☆wlNTvj.bQ62 ★Android=c1E0DIQTEq

【鎮魂の廃寺/参道B/黒渦ガイト】

ガイトとレッドゼットの攻撃がオーティマに迫る。悪態をつきながらもその標準的はまだ余裕たっぷりであり焦る様子は微塵もない。
まずレッドゼットの攻撃がオーティマに届いた――かのように見えたが手応えがまるで無い。

『クソッ、偽物だぜこいつァ!!』

レッドゼットが忌々しげに吐き捨てる。ならば本物はどこかとガイトが探した時ガイトが目を見開く行動にオーティマは出た。

オーティマは『自らガイトに接近』してきたのだ。これはおかしい。先の戦いではとことんまで距離を詰められることを拒むような戦法をとってきたし武器の形状が白兵戦用に変わっていたりもしない。
これは確実に奴は何かを狙っている――!!

ガイトのゲールハーケンがオーティマの身体に突き刺さるがオーティマにはそれを度外視してでも狙うべき事があったのだろう。
そしてそれはすぐに彼自身の口から語られることになる。

『狙いは俺か!!』

「貴様…!!
アビゲールを…!!」

身構えるアビゲール。それを聞いた瞬間にガイトは行動を始めていた。ゲールハーケンから逃れるオーティマはひとまず放置、ガイトは二枚のカードを掲げる。

「アビゲール、進化だ!!
そして…ファイナルフェイズ!!」

『請け負った!!』

アビゲールの肉体が砕け散り再構築される。アビゲールの姿は、黄金に輝く翼を持つ神々しさと禍々しさを併せ持つ姿へと変わる。

その名を『逆天の黒死竜□アビゲール』。アビゲールの、最終にして最強形態である。同時にガイトの姿もまた変貌し黒いアビゲールを模した鎧を装着した姿となっている。更に頭上には三つの火の灯っているシャンデリアが三つ浮かんでいた。

その間にもオーティマの策略はアビゲールを狙っている。水飛沫が大気中に霧散して巨大な氷の塊となりアビゲールへと襲い掛かる。それが多数。ガイトは手を横に大きく振るう。

「アビゲール…《逆天》!!」

その瞬間、起こったことを簡単に説明するとこうだ。
『時間が消し飛んだ』。氷の塊はアビゲールに『命中する』という過程の時間を消し飛ばされ空振りになりアビゲールの周辺に転がっていた。
タスクの相棒(バディ)のジャックは『逆天』で敵の能力を無効化出来る能力を持つ。そしてアビゲールの『逆天』は『時間を消し飛ばす』なのだ。
加えて頭上のシャンデリアの一つの灯が消えていた。

「狙いとしては当たり前かもしれないがそれを俺が容易くさせるかと思ったら大間違いだ」

ガイトはゲールハーケンをオーティマに突きつけて言い放つ。そして頭上のシャンデリアを示す。

「これは貴様の運命の火…これが全て消えた時、貴様の運命は決まる」

そしてガイトは構え、再びオーティマに攻めを開始する。

「アビゲール!レッドゼット!行くぞ!」

『応!!』

『let's go!!』

アビゲールの口から、破壊の奔流がオーティマに目掛けて放たれる。そしてガイトがゲールハーケンで上段を狙う薙ぎ払いを繰り出しレッドゼットが両腕でオーティマの足を払うように斬りかかる。

>オーティマ

【死の宣告(デスカウント) 〜鎮魂歌(レクイエム)〜
残りカウンター2】

1日前 No.1556

オーティマ(ダークファントムver) @tukuyomi07☆2nDyzvx51us ★3aNoMW8gGM_po8

【 鎮魂の廃寺/参道B/オーティマ(ダークファントムver) 】

 廃寺を荒らし尽くす氷塊の豪雨が降り注ぐ。まるでそれが当たり前であるかのように構築され、次々と着弾する質量の暴力は、生半可な対処を許さず圧し潰していく。
 ガイトは動かない。オーティマを追撃するわけでもなく、その手に掲げられたのは二枚のカードが輝いた。
 同時に、アビゲールの姿が変化する。黄金の翼を持ち、その内側に無限大にも広がる煌めく銀河を投影した超龍が降臨した。
 だが幾ら姿かたちが仰々しく変わったところで、これは簡単には凌げない。

 、  、 ヴィジョンアビリティ
 潰せ。―― 虚ろの異能 による氷塊が、オーティマの念のままに着弾するはずだった。
 オーティマの意識が次に視たものは、傷一つついていない黒龍と、その場に転がされた大量の氷塊のみだった。
 一級の術士であったがゆえに、今やられたことを瞬時に理解した。そして、苦笑いと共に冷や汗が出た。

「……は、概念まで操るときますか。欲の皮が突っ張ってるなぁ、マジで」

 具体的な理屈は分からない。だが、猫箱の中にあるはずだった命中の「成否」の内、相手が否を強引に取り出した。
 その結果があれだ。絨毯爆撃のごとく降り注いでいたはずの氷雨は、ただの一発も命中していない。
 幾ら面でやって逃げ場を失くしても、ちゃぶ台を引っ繰り返されればそれまでだ。

 ――だけど、そう何度も使えるもんじゃないでしょ、それ。

 オーティマはアプローチを変更した。
 ・・・・・・・・
 もう一つの隠し玉をブチ当てるために、可能な限り相手を疲弊させる。

「運命ねぇ。――《無幻盾》、重ねて三連」

 降り注ぐ破壊の奔流を妨げるべく、霞のようにもやがかかった障壁を何重にも張り巡らせた。

 、   、   、   、おれら
「言葉を返すようで悪いけど、幻影兵が今更運命語っちゃあお笑い草だよな。《常夜装》ッ!」

 一枚、二枚、光線が障壁を削り取っていく中で、目の前から一人と一体が距離を詰めて来た。
 石段を飛び、辛うじて初手の薙ぎ払いを回避した。だが続けざまに降り注ぐ足を断つ斬撃を避けきれない。
 また血が出た。その上少し動きづらくなった。機動力などあってないような術士に、それは不必要だったのかもしれないが。

「だから容易くやらせちゃあメンツにもかかわんのよ、――そら、くれてやる」

 出来るだけ距離を取りながらも、術式構築の手は一切緩めない。
 やがて真紅の錫杖が二、三度振るわれた。

「《夢幻泡沫》」

 アビゲール、ガイト、レッドゼット、三者を丁度巻き込むように展開されたのは、催眠作用のある泡沫だ。ぱちんと弾ける音、抵抗出来なければ夢の中へと誘う行動封印の術式。
 弾けては消えを繰り返すそれが立ち込める中で、オーティマは更に杖を振るった。

  、 とっととくたばれ
「――《ゼロミッション》ッ!」

 全てを呑み込む闇の波濤が、彼らの間に展開された。やがて注ぎ込まれた粒子に呼応するように、闇が巨大化していく。
 触れた傍から、完全なる無へと還す黒の幻影兵のみが持ちうる消滅の力がガイトとレッドセットへと迫る。

>黒渦ガイト

1日前 No.1557

ソル @evil☆wlNTvj.bQ62 ★Android=c1E0DIQTEq

【鎮魂の廃寺/本堂/ソル=バッドガイ】

ザッと、雪を踏み締める音が響く。ソルは今この世界にて人類種と相対するアラガミの王、イースレイと此処に対面した。
顔立ちは整った美形のそれであるが服装はさして華美なものではない。だがソルには分かる、この男は『強い』。なるほどこの男がかつてフェンリルの頂点に立った英雄にしてゴッドイーターでありこの世界に君臨する最強のアラガミというの納得だ。だがそれはこちらが退く理由には全くなり得ない。此処で退くことは、全ての終わりを意味するのだから。

「てめえが、イースレイだな?」

言うまでもないだろうが敢えて問う。これから起こる戦いは文字通りの激戦になるであろう。元よりソル自身、ドミネーターやそれに連なる者との和解などこれっぽっちも考えないがあちら自身も話し合いで解決するつもりはないと、その眼光が言っていた。
ソルは静かに、そしてその目に噴火寸前の火山の如くの激情を湛えながらジャンクヤードドッグを構えた。

「テメエを、潰しに来た」

短く静かな言葉、それがソルの宣戦布告だった。

>イースレイ

1日前 No.1558

龍炎寺タスク @antinomie☆yzl4MFL1dRLB ★AmPQPE9EE6_po8

【鎮魂の廃寺/鐘楼/龍炎寺タスク】

あの時。この星に降り立って、初めて接触したときと何ら変わりない態度の少女の問いに答えようと動く。
思えば、あの時は此方もそれなりに繕っていた気がする。だが、彼女が他のトリズナーに出会って語ったというのであれば。
何より、彼女自身がそれを学び取っていて、今に至るのであれば―――……最早、隠す必要もないだろうと思う。隠し通せるとも、思わない。
だから少女の考察に頷いて答えるし……言葉の中で、少女の抱える何かを、感じ取らなければならない。

「……やっぱり、神琴さんか―――……あ、っと。
 その、アマテラス……さんとも、知り合いなんだ。僕もね」

意外と世間って狭い、と口走りかけて、それはそうだろうと思い直す。そもそも、大多数がフェンリルに合流したのだから周辺に居て然るべきだ。
むしろ驚くべきは、ラーヴァの方が彼女の活動域に居たという事実だろうか。
そんなことを考えていたら、思いがけない言葉が少女から出た。此処に、既に現れた人が居たのだという。

「……自分以外の、夢を壊す。君の、知っている二人の夢は……そう、なんだ。
 その、冷たい目の人が君にそう言ったのなら……」

その人物も、少なからずこの星の深奥を知る者だ。自分のあった中に、当て嵌まる人物は居ただろうか。少しだけ考えて、思考を切り替えた。
“どこかにいきたいひと”―――……この星の外の人間。神琴や自分のような、トリズナーも当て嵌まっているのだろう。
彼女の言う「ゆめ」が、言葉通りなのか概念的なものなのかは兎も角。

「ひとりぼっちじゃない、ゆめ……」

自身の顎に手を添えて、考える。
考えたところで、きっと自分の出せる答えは変わらない。自分の夢だって、そう簡単に変わるものではないし。
何より、嘘を吐けるような代物でもないのだ、そういうものは。

「……うん。僕らは、きっとみんなそれを目指している。
 それを―――……自分のいた場所を、取り戻したくて此処までやって来た。戦って、進んで。
 たくさんの人と、たくさんの夢に出会いながら。……君も、その一人だ」

浮かべるのは、困ったような笑顔になる。
彼女の抱く夢。それは、なんだろう。……孤独ではない場所、なのだろうか。

>少女(ラーヴァ)

1日前 No.1559

ザックス @phile☆fFByNj5QP5A ★6lZVB9LbYB_po8


「詳しくは全然わからない。ただ、死にぎわにコアのそばにいたからか? 『フェンリルに帰ろう』とか、それからその名前が聞こえたんだよな──」

 教授、とそう呼ばれる女が示すもの──ドミネーター。
 ラグナが以前話していた、この世界に最初にたどり着いていたというシャア・アズナブルと、いまのシャア・アズナブルどちらとも、おそらくは組んでいた女の名前。
 最低でもラグナともうひとりのはぐれもの、ニコラ=テスラはそれを確信していて、だから確信を明確とするためにこのタイミングにこの場所へ来ることを選んだわけだ。
 頭を掻いて『詳しくは当然ぜんぜんわからない』という素振りを見せながら、ザックスはれんとともにラグナの後を追った。

 念を押すように一言添えたラグナに、頷いて──開く。
 アラガミ防壁に遮られた楽園と呼ばれる孤島の、その内部へ。

【エイジス島外部⇒エイジス島内部/ザックス・フェア】

 金網を踏みしめて、ラグナが最初に前に踏み出す。
 轟々と渦巻く機械音と逆巻く風の音に眉をしかめながらも周囲を見渡して、ザックスもさすがに瞠目した。
 想像していたよりはずっと拓けた空間だったが、その中に配置されているものがどれもこれもおかしすぎる。
 左右には無数の培養層。
 中央に機械仕掛けの繭のようなものがあり──それよりも気を惹くものが、おそらくはこの島の核となっているものの異様さだった。

 ────巨大な、とても巨大なものがそこにあった。
 人のかたちはかろうじて取っていたが、そう呼ぶにはそれはあまりにも巨きすぎる。

「(……ジェノヴァ……)」

    ・・
 思わずそれを想起したのは、おそらくそう外れてもいないだろう。
 魔力に疎いザックスにすらわかる濃密な魔力は、その《巨人》がエイジス計画とやらを支配する何かだということを直感させるには十分すぎた。
 だがそれに対してなにがしかのアクションを起こす前に、あまりにも気軽な調子で降ってきた声がある。
 どうも機械越しの投影のようだ。この場にその女はいない。
 凍り付いた空気を完全に無視して響き渡る快活な声は、その快活さ通り気軽に自分を名乗ってみせた。

 ドミネーター、と。
 自分たちの宇宙に新しい星を置いて、育て上げようとするその女。

「……あんたが、ドミネーター!」
「確かにかわいいが、だからってマッドサイエンティストっぽい顔が隠せてるわけじゃないな! あの巨人を使って、なにするつもりだ!?」

 バスターソードの柄に手をかける。
 この星を壊そうとする自分たちを歓迎するにしては、あまりに喜ばしさを前面に出すその女の空気は、ザックスに危機感を覚えさせるには十分すぎた。
 このドーム内の空気も、この女の異様さも、眠るあの巨人も培養層も嫌な記憶を思い出させて仕方ないからだ。
 古今東西、こういうタイプの科学者は、ほんとうに余計なことしかしないのだ──

>五十鈴れん、ラグナ、岡崎夢美

4時間前 No.1560

スレ主 @artemish☆8cfl5/j3VDw ★xQst1BEY9F_9EL

【表門/範馬勇次郎】

 この男の"強さ"に、外的な理由は存在しない。
 言うなれば真実、天賦の才能と呼ぶ他ないのだ。
 有史より遡っても人類史に二人と居るか分からない、人間として生まれながらに人間を超絶した、全生態系の頂点に君臨すべき魔人。
 オラクル細胞に侵食され、人成らざる《アラガミ》に成りさらばえようとも、勇次郎という男の強さの根底は何ら変わっていない。
 その証拠に彼は炎も吐かないし、雷も操らず、怪しげな翼だの鱗だのを出現させて戦うような真似もしない。ただ五体の一つ一つに異次元の力を横溢させ、それを振るって敵を撃滅するだけだ。
 なればこそ。如何に数多の呪詛を祓って来た、その業界では最強と謳われる呪術師であろうとも───事は容易くは運ぶまい。彼の眼前で猛るのは人界の《鬼(オーガ)》、文字通り世界に恐れられた男なのだから。

「ぬッ───」

 瞬間。
 勇次郎を目掛けて至近から弾け飛んだのは、目には見えない、其処に存在していることすら認識出来ない"何か"であった。
 咄嗟に回避行動を取ったのは、この最強生物をしても尚、それを受ければ致命は免れ得ないというだけの力が込められていたからだろう。
 先の初撃を躱して見せたのもそうだが、やはり口先だけの雑魚ではないようだ。戯言を回すしか能のない餓鬼(フォックスワード)であったならば、勇次郎は何ら支障なく五条を抹殺出来ていた筈である。

「ふはッ」

 破顔。
 楽しませてくれるじゃねェかッ、とばかりの獰猛な豪笑と共に、勇次郎は猛獣が如く踏み込んだ。
 まるでラグビー選手がタックルを行うかのような正面からの吶喊はそれだけでも十二分に脅威であるが、勇次郎の類稀なる戦闘センスが其処に更なるアクセントを加えてくるものだから事の複雑さは数段増しに怪奇していた。
 距離が迫ると同時にかち上げる右足───宛ら対空砲。
 その傍らで鷲爪のようにかっ開いた左手で目の前の空間を薙ぎ払う───宛ら大鎌(デスサイズ)。

 前者を喰らえば頭部が吹き飛び、後者を喰らえば肉体を文字通り薙ぎ払われる。
 取捨選択の余地さえない、死と死、破滅への分かれ道が口を開けている。   アラガミ
 そんな濃厚な死線を突き付けておきながら凄絶に嗤う勇次郎の貌は……まさに、荒ぶる神のようだった。

>五条悟

4時間前 No.1561

グラファイト @evil☆wlNTvj.bQ62 ★Android=c1E0DIQTEq

【鎮魂の廃寺/隠れ里A/グラファイト】

眼前のトリズナー、楠芽吹よりもたらされた答えとは『理不尽に立ち向かう事』であった。
怒気を込めて語る彼女が言う『理不尽(アイツら)』とは恐らくは『支配者(ドミネーター)』であろうと言うことは見当はついた。
グラファイトはふむ、と納得したように言葉を紡ぐ。

「お前の言う理不尽、それに奪われた大切なモノを奪い返すためと…つまりはお前の戦う理由は『過去』、それに関わる因縁だと、そういう事だな?」

グラファイトの言葉に非難や嘲笑の色は一切なかった。グラファイトはただ芽吹が戦う理由は『過去』にあるのかと、そう確認しているに過ぎなかった。

芽吹は構えながらも今度は彼女自身がグラファイトに問うてくる。そちらはなんのために命をかけるのかと。問いを返されることを予想していなかったわけでもないし語りたくない深い理由があるわけでもない。
グラファイトは芽吹の問いに答える。

「そうだな、この星からフェンリルとお前達トリズナーを一掃しこの世界を俺達アラガミのモノとするためといったところか。
加えて言えば…『生涯の友』でもある。昔からの「あいつ」を知っているのは最早俺だけだからな。
『過去』からの友のため、そしてアラガミの『未来』のために俺は命を懸ける。
俺はアラガミの竜戦士グラファイト、それが戦う理由だ」

懐かしむように、そして確固たる意志をもって語るグラファイト。グラファイトの言う『友』が誰なのかは彼らの事をある程度知っているならば容易に想像が出来るであろう。そしてグラファイトはグラファイトファングを構える。

「さて、そろそろ始めようか。
お前も話し合いで解決出来るとは思ってもいないだろう?」

グラファイトファングが燃え盛り、グラファイトはそれを一閃する。グラファイトファングより放たれる幾つもの火炎弾。サイズは小ぶりながら幾多のそれが散弾のように芽吹に襲来する。

>芽吹

3時間前 No.1562

蒼穹の月 @aroundight☆SdjaOljKHtOm ★PkiRdJ3yaR_po8

【鐘楼】

「はい」

 ラーヴァという少女に余分なことを吹き込んだ男がいたこと。
 それそのものに間違いはない。

 だがラーヴァは聞くまでもなく『博士』と男の持つ夢を、知っていた。
 夢というにはあまりにも多くの感情を混ぜ込んだものを、知っていた。
 その二人のうち片方が、何処かに行きたい人だということを、知っていた。

「『はかせ』は。ここではないどこかにいきたいと、よくいってくれました。
 わたしをしっているひとのひとりです」

 その女と男の二人が、酷く孤独な者であることも分かっていた。
 このアラガミに酷似した性質を持つものは、紛れもなく、異聞星アークの中枢に関わっていたからだ。
 人間離れした雪の妖精は、今日に至るまであらゆる場を渡り歩き。『夢』を見て来た。
 それはひょっとすると待ち望んでいたのかも知れない夢だが、どうしても埋まらないものも、あった。

「………タスクも。アマテラスとおなじ、なのですね。
 あのひとも。あたらしいところじゃなくて。
 じぶんのしっている、あたたかいところにかえるのだといっていました」

「うれしいです。あなたが、わたしをそのひとりといってくれて。
 わたしは、ゆめがさめても、かえるところはありませんから………」

 困ったような笑顔が向き合った。
 寂し気な微笑みは、その言葉を喜びながらも、けれども答えられないと暗に告げるようなものだった。
 ラーヴァという少女は『博士』の夢を知っている。『シャア』の夢も知っている。
 その言葉は、彼女がその二人を知っているのも同然であり。そういう観点で今の表情を捉えたのであれば、ラーヴァという存在の向かう立ち位置には一つの疑惑が生まれた。


 だが、そうだとしても………誰かの夢を壊すことで初めて成り立つ夢を願う者と同じところに居るとしても。
 彼女のそのささやかな夢は、孤独ではないタスクへの羨望であり、憧れであった。

「わたしは―――」

 そして―――。



『───勇敢な事だ。“柩”の中身に押し入るか』



 その言葉を遮るように、光が落ちた。
 瞬きするよりもずっと早く、雷霆が降り注ぐよりもはるか鋭く。
 二条の閃光が嵐を切り裂いて、雪を溶かし、その蒼穹に一つのものを垣間見せた。

 当然のことながら、その閃光はタスク目掛けて放たれたものだ。
 正確に言うなら、タスクと、そのラーヴァという少女を引き剥がすために、か。

 その数メートルほどの影は、赤い巨人だった。
 いいや、噴射炎を軌跡としながらゆるりと降りてくるさまは、どちらかと言えば彗星のそれだろうか。
. モノアイ
 一つ目が翠色の眼光を放ち、紅蓮に彩られたそいつは無機質な声を発してタスクを見下ろし。
 ラーヴァと名乗った少女と、タスクの間に割って入るように、地響きを鳴らして降り立った。

 その目的はただ一つしかなく。
 その声の主を、タスクはただ一人しか知らない。


【鐘楼/“ラーヴァ”、『シャア・アズナブル』】


『迎えに来た。旅立ちの時だ。
 遥か彼方の宇宙より来たりて、嘗て星を蹂躙した、荒ぶるもの………』

 ・・・・・
『セファール』


 声の主の名前を『シャア・アズナブル』と呼ぶ。
 無機質な声を響かせて、タスクの前に現れた紅鉄の巨人は。

 たった一人―――ラーヴァと呼ばれた少女の本当のなまえを呼んだ。


>龍炎寺タスク

1時間前 No.1563
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