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【ALL】Chrono Apostle【戦闘/シリアス】

 ( なりきり掲示板(フリー) )
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異次元からの使者 @infernus☆XQ6phrzcKMtR ★F7MrHN45jw_Qi5

西暦7000年に起きた、時空防衛連盟と歴史是正機構の戦い。時空を巡る戦乱の果てにあった、時空断裂という最悪の結末。
史上最大とも称された危機を乗り越え、人類は更なる発展を重ねながら安寧の日々を過ごしていた。
民衆からの圧倒的な支持を受け、世界政府大統領に選出されたユーフォリア・インテグラーレは、就任と同時に数々の改革を実行する。
彼女の治世の元で、汚職にまみれていた世界政府はあるべき姿を取り戻し、社会問題となった経済格差にも改善の兆候が現れつつあった。
もはや、人類があのような危機に陥ることは、二度とないだろう。誰もがそう思っていた矢先、それは唐突に始まりを告げる。

新たなる大統領の誕生から丁度1年が経過したとある日、大統領直属の組織となっていた時空防衛連盟が、時空の歪みを観測した。
それが検知された場所は、リヒトルザーンから車で6時間ほどの距離にあるオラムフェルト上空。直後、空を割るようにして、異形の物体が出現する。
周辺一帯を覆い尽くす、無数の戦艦。どこからともなく現れた彼らは「並行世界管理協会」を名乗り、"調整"のためこの世界を訪れたのだということを明かす。
曰く、この世界の科学の発展は危険領域へと達しており、その先にある崩壊を防ぐために、協会の管理を受け入れることが必要であるというのだ。
しかしそれは、彼らの下に付くことも同然のこと。世界政府は拒否の姿勢を示すも、相手が返した答えは、武力による制圧であった―――

以前から存在が示唆され、半年前には実際に確認されていた並行世界。そんな、数ある並行世界の一つによる侵攻。それが現実となった瞬間であった。
オラムフェルトは一瞬の内に焼け野原へと変えられ、敵艦隊は世界政府首都、リヒトルザーンへと向けて進軍を開始する。
このまま何もしなければ、彼らによって世界は完全に滅ぼされることとなる。世界政府の命令を受け、抗戦のため次々と出撃していく時空防衛連盟と地球軍の面々。
ようやく訪れた平穏の時代を、破壊される訳にはいかない。美しき世界を護るため、時空防衛連盟は一月前に完成したばかりの"並行世界移動装置"を用い、境界線を超える。
その先に広がっていたのは、世界政府が汚職に染まっていた暗黒時代すらも軽く凌駕する、絶望の景色であった―――



【クリックありがとうございます。この物語の舞台は時空防衛連盟の存在するホームワールドと、並行世界管理協会の存在するアナザーワールドです。並行世界管理協会は、ホームワールドを支配下に置くべく、世界の境界を超えて戦争を仕掛けてきています。自らの世界を護ろうとする時空防衛連盟の面々と、そんな彼らを打ち倒して世界を支配しようとする並行世界管理協会、更にはその両組織の戦いに巻き込まれた人々の姿を描くのが、このスレッドの主な目的です。

オリキャラでの参加は勿論、版権作品をあまり知らないオリなり民の方も歓迎ですので、オリなり民の方も、どうぞご遠慮なくご参加下さい。
なりフリー民とオリなり民、互いに協力しあうことで、よりよきスレを目指しましょう。

なお、合図があるまで書き込みは禁止ですので、ご注意下さい。まずはじめに、サブ記事の方を確認頂くようにお願いします。】

メモ2019/01/11 23:15 : 第一章:「侵略者襲来」☆XQ6phrzcKMtR @infernus★F7MrHN45jw_Qi5

―――現在は、第一章です―――


第一章:「侵略者襲来」

時空断裂による崩壊の危機を乗り越え、新たなる体制の元に復興と発展を続けてきたユーフォリア達の世界、ホームワールド。

しかし、そんな平穏は突如として崩れ去る。並行世界管理協会を名乗る者達からの攻撃……それが、アナザーワールドとの邂逅であった。

強力な艦隊による一斉攻撃により、一瞬の内に焼け野原に変えられたオラムフェルトとサクラゴス。

ホームワールドを恐怖のどん底へと突き落とした絶望の象徴は、次なる獲物を喰らわんと、首都リヒトルザーンへと進軍を開始する。

数多の試練を乗り越え、ようやく勝ち取った世界の平和。それを乱す者を、許す訳にはいかない。今ここに、時空防衛連盟の新たなる戦いが幕を開ける。


ルール&プロフィール:http://mb2.jp/_subni2/19796.html-1#a

役職一覧:http://mb2.jp/_subni2/19796.html-2#a

世界観・用語解説:http://mb2.jp/_subni2/19796.html-92#a

各陣営の目的:http://mb2.jp/_subni2/19796.html-4#a

第一章のロケーション:http://mb2.jp/_subni2/19796.html-110#a http://mb2.jp/_subni2/19796.html-111#a


・現在イベントのあるロケーション

時空防衛連盟本部(H):味方陣営の顔合わせ

リヒトルザーン(H):味方陣営の顔合わせ

並行世界管理協会本部(A):敵陣営の顔合わせ

強制労働施設(A):第三臣民キャラクターの顔合わせ


サクラゴス(H):連盟と協会の陸上戦

プリンシパル(H):連盟と協会の空中戦


※(H)はホームワールド、(A)はアナザーワールドを現す。

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卑劣な軍団指導者 @kyouzin ★XC6leNwSoH_Qi5

【サクラゴス/卸売市場/南側/ユキア・ビコラン+レギオン】

「あっはっは、不覚? もう後悔しても遅いわ、さあてどう料理しましょうか」

全て、そう全てが上手く行った。
一応ほとんどの戦闘では鎧のレギオンだけで敵を片付ける、というのが基本であったが、それでも奥の手を隠し持っており、またあくまで目に見えた形で殺しに行くのではなく、無力化手段を隠し持っていた自分の勝利に終わった。 少なくともユキアはそう確信して笑う。
そして、さらに挑発するかのようにユキアは糸でぐるぐる巻きにされた相手の身体を踏みつけてわざとらしく首をかしげて見せる。

もちろんそれに攻撃の意図は無く、ただ勝利者が敗北者を玩ぶのとまったく同じ物で、ユキアという人間の人格がよく現れているような行動であった。
ただし、やはり定期的に視線は外しているし、レギオンもそばに付いている一体を除いて監視体制を敷いていなかった……とは言え、これからの事を考えると、監視していたところでどうにかなったかと言うと別問題ではあったが。

「苦しい? でも負けを認めるのね、じゃあちょっとは優しく扱ってあげようかしら!」

相手が策を考えている間にも、ユキアはただ無駄に時間を浪費していく、負けを認めたように見せかけているだけの相手の態度に満足しきっている。
もぞもぞと無様に動き、そして最後には諦めたように顔を伏せてもがくのをやめた相手を見て、面白い、なんなら自分が飼おうか、なんて考えているユキアだったが。

次の瞬間発せられた言葉で、目の色を変えてグリゼルダの方を向いた。
しかし、もはや遅い。

「へ、自爆――うっぎゃああ!!」

次の瞬間には、糸越しでも分かるほどに相手の身体が発光し……そして、爆発を引き起こす。
そう、まさにこれは自爆だ、自爆ではあるが、蟲を殺せはせども、自分や鎧の中に居る蟲は吹き飛ばす事は出来ても、殺せるほどの火薬量が人間が携行できる訳が無い。
本当に、ただの自殺の類、そう思った時だった。

「がっ……い……っ。 がほっ、げほっ、お、お前ぇ……」

自爆したはずの敵が自分の真後ろに立っていた、それが確かにユキアに対して蹴りを叩き込んだのだ。
それを受けてユキアは無様に転倒、変わり身の単語などもはや頭に入っていないのか、ただユキアは振り返って忌々しそうに相手を睨む。

そしてそれで問題が出るのが、別の固体のようで実際には「彼女の能力」であるレギオンだ、これ以上のダメージを受ければ、彼らの制御が出来なくなる。
そうなればどうなるか、簡単に敗北し、恥を晒し、さらには相手に捕まる羽目になる、そんなのはごめんだ。

「お、覚えておきなさい、次は泣かす!!」

そんなありふれた台詞を吐き捨てて、ユキアは残存のレギオンに自分の退路を確保させながらではあるが一目散に逃げ出した。
ある程度の時間が経てば、レギオンたちは砂のように消えて、少し離れた場所でユキアが使っていたであろう輸送機が飛び立ち、この戦場からいち早く逃げ出した。

>グリゼルダ・ホーネット


【お相手ありがとうございました!】

2日前 No.185

リインカーネーション @genomirai ★jhfTwDC05p_Tbw

【並行世界管理協会/重役会議室/テロヨワ・アムリーベン】


「おや、エルヴェシス会長秘書殿。ここにいたか、先程空軍中心の補給要項を纏めたものを送信しておいた、確認をお願いするよ」

重役会議室に入り、何処かへと通信を行っていたリコルヌに声を掛けたのは白衣を羽織った男。片手に紅茶のポットを持ち、もう片方の手に盆を持ち、その上にカップや茶菓子、その他用具を乗せた場にややそぐわぬ彼はテロヨワ・アムリーベン。
上級役員の一人であり、やや古参に位置するこの男の管轄は補給。此度の作戦においては補給を必要としない為、迅速かつ緻密に練られた策と聞き及んでいるのみ。それを実現するために要した時間も、また膨大であるとも。
それだけの作戦を実行しているというのに、幾ら表情の変化に乏しいとはいえ喜色の気配すら感じられない。それもそうだろう、この男も作戦立案に携わっていないとはいえ状況は知っている、作戦自体は完了しつつあるが危うい状況であると。
そもそも被害が零であることが当然の戦闘であり、作戦もそれを基本として立てていた。それが今崩壊している、既に艦隊への被害は甚大、戦闘機の撃墜数もかなりのもの、さて、責任の所在は何処へと向けるべきなのか。
そんなことを考えながらも、その気配を一切表面に出さずに紅茶を温められたカップへと注ぎ始める。リコルヌに対して飲むかい?と聞いたものの、返答を待たずに用意し、重役会議室の机上に二つのカップとお茶請けの焼き菓子が盛られた皿が並べられた。

「趣味の範疇だが味はそれなりと自負している、それとその焼き菓子は子供たちが作った物だ。良ければ感想を貰いたい、会長秘書殿からともなれば子供たちも喜ぶだろう」

そう告げれば椅子に深く座りながら紅茶に口を付ける、その後に忘れていたと言いながら砂糖とミルクの入った容器を並べる。リコルヌが使うのであれば、と言う気遣いでもある。彼は基本的に何も入れずに飲むことが多い。
彼が話に出した焼き菓子は見た目こそ不揃いではあるが味はテロヨワ自身が食し、確かめている。口に合うかどうかはともかく、不味いと言える味ではない事は保証できる。こればかりは親の色眼鏡は含んでいない。
これで少しは落ち着けると良いのだが、等と要らないお節介を考えながら紅茶を半分ほど飲み進めた辺りでカップを皿へと戻し、口を開く。お茶会も目的の一つだが、本題は別にある。

「さて、まずは作戦成功おめでとう。若くして会長秘書に選抜されるだけの手腕だ、私のような者には真似できない」

心からの祝福と本心を語る、例え戦力差があると言えどあれほどまで鮮やかに遂行できたのは軍拡された空軍の力あってこそだろう。空軍を主力に据えリコルヌ、そして優秀な空軍将校達の成果と言えよう。
しかし、現在の状況は芳しくない。あのプリンシパルに何かあれば場合によっては、これまでの功績を見ても足りぬ可能性すらある。こればかりは会長の裁量故に彼が介入できるわけではない、では目的と言うのは―――

「だが現在をどう見る?プリンシパルが墜ちなければ幸い、と言うレベルだ。そうなれば歯車王からの反発は強まるだろう、会長秘書殿が良ければ助け船を出そうとも思うのだが―――」

一つ、この提案には本心と同等の企みが存在する。彼はリコルヌを選抜した会長に疑念を持っている、有体に言えばその意図が理解できないからだ。相応しい人物は他に居る、その中で何故リコルヌ・エルヴェシスなのか、と。
目立った失敗を見せなかった彼女が初めてとも言える大きな損失、責任の取り方、会長を始めとする協会上位層への対応を含め、探る価値があると彼は判断した。この提案もその一つだ。
賢い、そう断定するのは良くはないが良いやり方としては歯車王との協調だ、組織全体を見ても良い面の方が多い。だが現状はそうではない、だからこそこの機会にどう出るかと言う一つの試金石でもある。
提案を受けるならば、意図はどうであれ取り持つ気はある。受けないにしても色々あるが、受けずに反発するならば余計に会長への疑念は強まる。それも彼の想定する限り悪い方向へと。
さて、どうでるのか。やや無表情で彼女を見つめるテロヨワ、その瞳は言い逃れを許さないように思えた。

>>リコルヌ・エルヴェシス

2日前 No.186

天雷 @zero45 ★pB1cyTl1jZ_Tbw

【プリンシパル/艦橋/ヴィルヘルム・エーベルヴァイン】

 虚空を一閃すると共に迸る雷光。紫の輝きが煌いたのを合図に疾走を始め、背後へと回り込んで放つ連閃。実力の大半を出さずに繰り出したそれらの一撃がいずれも躱され、この場に乱入して来た究極の銀狼による爪攻撃もまた、紙一重で避けられたという事実が、敵の強さを証明する。ヴィルヘルムが本来得手とする徒手空拳を解放していない様に、彼女もまた得物であろう刀を引き抜かず、身体の動きだけで往なして見せた点でも、かなりの手馴れである事が窺える。
 協会に目を付けられた時点で、我々に未来はない。そう彼女は静かに宣告すると、抜刀と同時に刀身へと竜巻の如き炎を纏わせる。それと同時に、急速な勢いで熱せられて行く周囲。機器を狂わす危険を孕んでいながらも、それを懸念せずに扱うだけの気概。余程、自信があるという事だろう。

「未来がなければ、切り開くまでだ。そんな訳でアルティメットなオオカミさん、手伝ってくれよ!」

 だが、未来はないと言われて、はいそうですかと潔く諦める様なヴィルヘルムではない。希望が見えている限りは、例えどんなに無様でみっともない姿を曝け出してでも、往生際悪く抗い抜いて見せるのが、彼の在り方だ。最期を迎えるその時までは、どれほど嘲笑われようとも、誇りを胸に抱いて戦い抜く事を誓った身だ。それこそが、誇り高き"エーベルヴァイン"の名を継ぐ者である事の証明である。
 敵の一閃に合わせて放たれる炎弾。殺到する群を前にして、彼もまた剣を振るい、それに合わせて雷撃を迸らせて総てを相殺して見せる。間髪入れずに飛んでくる巨大な炎の衝撃波、二人ごと纏めて焼き払う心算と言った所だろうが、そうはいかない。
 振り抜く動作から間髪入れずに剣を掲げると、そのまま魔力を籠めて振り下ろし、地面から天井まで届く雷の刃を飛ばす。衝撃波を断つと共にその間へと疾走して飛び込み、彼女の眼前に立つその瞬間に地面を蹴って跳躍すると、空いた片手から真下の敵を目掛けて雷弾を飛ばし、直後にその後方へと着地した。

「さあ、どうする艦長さんよ! 躱そうものなら、この艦は制御不能のポンコツになるぞ! それとも、みんな仲良く道連れにして墜落でもしてみるか!」

 即座に敵へと振り向き、左手を添わせて正面に剣を構えながら魔力を充填すると、続けて剣を下に向けて虚空へと振り上げる。同時に出現したのは、先の雷刃よりも更に幅広くなった巨刃。彼女は決してこれを避けようとする事はできない、ヴィルヘルムはそう確信を覚える。何故ならば、巨刃が向かう先に密集しているのは艦を動かす装置群。直撃したが最期、この艦が制御不能となるのは確実。それだけは敵も避けたい筈だ。
 そして余念を欠くつもりはない。巨刃へと真っ向から対処している隙を突いて破壊する為に、左手から発射する二つの雷弾。其々が左右の壁際に沿いながら、装置へと向かって進んで行く。
 これらに対して、果たして敵はどう動くか。未だ明らかとはならない彼女の実力に警戒しながらも、神経を研ぎ澄まして備える。

>セレナー・バルダローム アルティメット・イアン

2日前 No.187

@grimsky☆J1OzOaAlqIDo ★dxkzXfPWBG_Tbw

【プリンシパル/格納庫/ヤロス・ハニービー】


 光学式ライフルの銃口から橙色の光が炸裂し、一つずつが弾丸の形となって、まるで蛍のように疎らに散らばってゆく。
 その一つ一つずつが容易に人間を殺害できるほどの「力」を持っている。
 指を引けば「それ」が無数に発射される。人類の戦いを一変させた革命の主導者だ。
 そして、ハベルが投げ込んだ一つの小さな物体を見て、ヤロスは咄嗟に体を回転させて後ろへと飛びのく。

、  、グレネード
 それは手榴弾。
 短い腕の動作で行われる、人類の叡智が生み出した殺戮兵器に他ならない。
 手のひらサイズの爆弾として名高い手榴弾は、投げ込むタイミングと状況が完璧ならば小隊すら殲滅することのできる兵器。、 、 、 フラグ
 爆発の影響を受けないために床に這いつくばり、物陰に飛び込んだため、それがどのような種別であったかは定かではないが、おそらくは破片型、だろうか。
 ともあれ、あのような密集陣形の集団を一掃するには打ってつけのモノだ。
 事実、敵陣はほぼほぼ壊滅状態。周りを囲んでいた量産型≠ヘ跡形もなく全滅していた。
 ヤロスはハンドサインでハベルに対してサムズアップを送る。これで、敵の中で最も警戒するべき人物を割り出すこともできたのだから。
 どういう理屈か──薄い膜によってそれまでの攻撃を防いでいる。
 ああいうのって、確かエネルギーフィールドのようなものなんだろうか……?
 ……最も警戒するべきなのは、光学式の銃や手榴弾程度の兵器では傷一つ与えられないという事実が今、明らかになってしまったのだ。
 あの膜を展開されれば、あたしたちの手段は限られてくる。

 こんなところで奥の手を使うわけにもいくまい──けれど、腹をくくる必要はありそうだ。
 ローソクを吹き消したような焦げ付く異臭が鼻をつく。おそらく、手榴弾で破裂に用いられた火薬だろうが……。
 何か、何かだけど、嫌な予感がする。
 敵はそもそも、周りの味方が殲滅されても顔色一つ変えやしないのだ。
 むろん、発言から考えて、それらが代替の効く都合のいい兵士、というのは、聞いても明らかだ。

 だから、それがとんでもなく恐ろしい。
 そういう使い捨ての道具が使われる、最も効率的な手段など、古の時代から決まっている。
 ヤロスは、ただ、それを恐れている。


「そっちはそっちで、随分と余裕なことで……ご安心をー」
、 、 インベーダー
「……侵略者≠ノは、ニコニコと話し合う余裕はないのデス」

、ぼうりょく
 派手な挨拶──確かに、褒められたやり方とは言い難い、かもしれない。
 だが、自分たちの立場をはき違えてもらっては困る。
 お前たちは、単なる侵略者にすぎん。和平で解決する道もあるのだろうが、今はそれに収束することはありえない。
 侵略者に対し、自らの安息の場を守ろうとするのは生物として当然の本能だ。
 ならば、倒すだけだ。そうしなければ、われらの安息は約束されないというのならば。

 それが戦いの火ぶたを切って落とした瞬間であった。
 無造作にヤロスの右足が輝きだす。白い光は蛍光灯のような明るさを与える。
 それは──魔法が苦手なあたしが唯一、自信をもって得意と胸を張れる魔法。
、バ ッ ファ ー
 身体強化魔法……、純粋かつ野性的。
 白い光は、その発動の印である。
 つまり、光が通った部分──右足は、常人よりもはるかに強化されたことを意味している。


「ちょせいッ!」


 右足で踏み込む。
 発光箇所が足の伸縮と同時にばねの様に連動し、徐々に足先へと集中してゆく。
 掛け声とともにヤロスの体は、床を蹴った反動で上昇する。
 魔法行使後の右足によって蹴られ、その反動は通常時よりも倍化──ヤロスの体はみるみる天井に、磁石の様に引き寄せられていく。
 直撃する前に手を用いて身を抑え、すぐさま下を向いてイリスの位置を視認。

 そのまま、光が残留している右足を用いて天井を蹴る。
 やったことは、天井へ飛びあがったことの真逆。そのまま、落下していく。
 落下速度は、やはり引力に引き寄せられて降りるのとはまた違う。倍化された速度は重さを生んでいる。
 そのまま突進するというわけではなく、ヤロスは不安定な空中でイリスから視線を外すことはなかった。

 右手にはメインウェポンである光学式ライフルが。
 それを、彼女はしっかりとイリスへと照準を定める。
 グリップを握る手にも白い光がある。銃の反動というものは洒落にならない。ましてや空中だ、この状態で発砲すれば衝撃など容易に想像がつくだろう。
 だから、その衝撃を確実に殺すために、腕に力を込めている。
 魔法によって強化された力は、間違いなく空中での衝撃すら受け止めてしまうだろう。

 そのまま、先ほどの乱射と同じように銃口から橙色の光が、まるで雹の雨の様にイリスへと降り注いでいくのだ。
 ヤロスは軌道を変えることはない。
 このままでは衝突するのみだが──彼女が握っている光学式ライフルの先端をよく見れば、その先にはアタッチメントが取り付けられている。
 やや強引に嵌め込まれたそれは、黒光りする光沢の刃を、これでもかというくらい冷徹な殺意を乗せて前に突き出している。
 近接戦闘用のナイフ。それを、先端に括り付けていた。

 この銃は、ただの銃ではなく、銃剣なのだ。
 硬化と同時に銃弾を吐き出したのは、あくまで牽制の一手に過ぎない。
 そこで決め手となるのが、ナイフだ。当然、銃を握る手は、魔法による強化が施されている。
 それが一体何を意味するのか──戦いに熟知したものならば、その意図を推し量ることは可能だろう。


>>ハベル・アレッセル、イリス

2日前 No.188

I am Determination @infernus☆XQ6phrzcKMtR ★F7MrHN45jw_Qi5

【プリンシパル/第6通路/キャラ・ドリーマー】

「私も薄々気付いてたよ。君が"似た者同士"ってこと」

予想通り、キャラとサンズは同じ能力の持ち主であった。同じ部分は恐らくショートカットだけで、攻撃方法などはさすがに違うのだろうが、それでも十分似ている言えるだろう。
それにしても、心強い味方が出来たものだ。能力の性質が似ているということは、それだけ連携も取りやすいということ。それは、今後の戦いにおいて大きなアドバンテージとなるはずだ。
協力者としての勤めを果たすためにやって来たプリンシパルで、早速出会した敵。なんとも重苦しい雰囲気を漂わせる少女だが、ちゃんと食べているのだろうか?
腹が減っては戦は出来ぬとやら、既に戦闘が始まる一歩手前であるというのに、呑気にチョコレートを頬張るキャラ。サンズにも「これいるかい?」などと聞いている辺り、余裕といったところか。

無表情のまま相手が振り返ると同時に、僅かにだが増した殺気。しかし、キャラはこうしたものを向けられることに慣れているため、特にそれを意に介すことはない。
もう少しお話が続くのか、とも思っていが、唐突に戦いは始まりを告げる。呪文のような言葉を言い放つと同時に加速する敵、次の瞬間にはキャラの眼前に姿を現していた。
振り下ろされる踵が直撃する前に"ショートカット"で攻撃を回避するが、どうやれこれはフェイントだったらしい。奴にとっての本命の狙いは、サンズの方であったようだ。
助太刀することも可能だったが、彼ならばそうするまでもなく、躱してみせるだろう。自分と同じであるならば、ほとんどの攻撃を見切れるだけの力があるはずだ。

「君も似た者同士ってか。つくづく面倒くさそうな相手だ」

残像を置き去りにして移動した敵の位置を、音だけで探り出し、予測した方向へと反撃を行うキャラ。血のような赤色に染まったナイフが、透明者(インビジブル)向けて放たれる。
丁度この立ち位置からならば、サンズと挟み撃ちに出来そうだ。彼女はそれを悟ってか、彼へ向けてウインクで合図を送ってみせる。どうせ相手は透明だ、見えないなんてことはないだろう。
さて、細部は違うだろうが、相手もショートカットじみた瞬間移動、しかも透明化を伴うものを使えるとなると、これは非常に厄介だ。ずっと集中して音に耳を傾けていなければ、敵を見失ってしまう。
しかも機械の多い艦内では、ちょっとしたことで音が掻き消されてしまう可能性もある。他に透明化を無効に出来る手段があればいいのだが……今のところ、それは見つかりそうになかった。

>ソリダー、サンズ

2日前 No.189

影からの支え @infernus☆XQ6phrzcKMtR ★F7MrHN45jw_Qi5

【サクラゴス/港/ヘルガ・アポザンスキー】

「心配するな。貴様が隙を曝してくれるような奴でないことは承知済みだ」

歯車王が釘を刺すように言い放った言葉に対し、ヘルガは強気の口調でそう返す。彼がそのような生温い相手でないことは、ここまでの戦い振りで十分に理解している。
まして、敵にそのようなことを期待している時点で、負けているようなものだろう。極限の戦いにおいては、相手のミス待ちという後ろ向きな思考自体が、自滅への第一歩なのだから。
しかし敵の二人は、先程からどうも連携がちぐはぐであるように見える。いや、どちらかというと、門矢士の方が、場を掻き乱していると表現するべきであろうか。
一体何が目的なのかは分からないが、後にこれは突くべき弱点として露呈するかも知れない。今は時間を稼ぐことに集中しつつも、ヘルガはそれを"プランC"として記憶しておくのであった。

さて、ヘルガは流星を呼び寄せた後、清太郎と重なるような位置に移動した。一人であれば違ったかも知れないが、満足に身動きの取れる仲間がいる状況で、その周囲に攻撃を降り注がせるようなことをするだろうか?
答えは勿論、否である。歯車王もそれを見抜いていたのか、激しい火炎を前にしても後退することなく前進し、二人に接近することで攻撃へ対処しようとする。
彼の選択は間違いなく正解であると言えるだろう。下手に躊躇するよりも潔く行動することで、窮地を切り抜けた歯車王。しかし、それは、相手がこの事態を想定していなかった場合における話。

「来ると思っていたぞ。死地へ自ら足を踏み入れたようだな」

ヘルガは、彼がこうするであろうことを予測していたのだ。故に敵の攻撃もしっかりと見切り、躱しきれないものに関しては青炎で焼き尽くすことによって対処していく。
僅かに弾丸が肩を掠めていき、血が滲み出すものの、彼女はそれを意に介さず前進する。自らこちらの間合いに敵が飛び込んでくれるという好機、絶対に逃す訳にはいかない。
走るヘルガの両手両足に、猛々しく燃え盛る青い炎が宿る。そのまま歯車王へと飛び掛かった彼女が放つはジャブ、ストレート、フック、更には回し蹴り、踵落とし、蹴り上げなどを織り交ぜた格闘技による連撃。
流れるような動作で繰り出されるそれらを、至近距離で全て回避するのは難しい。だが、一発でも喰らおうものならそこから体勢を崩され、やがては超高温の業火によってその身を焼かれる結果となるだろう。

「……っ。受け取れ!」

連撃を終え、再度歯車王と間合いを取る直前、清太郎が相変わらず門矢士の前に劣勢を強いられているのを目撃した彼女は、右手に炎を呼び出し、それを彼へと向け送る。
清太郎の周囲を飛び回った炎は、やがて炎魔の形を取り、彼を護る守護霊として機能し始めた。迫りくる攻撃のいくつかを炎魔が受け止めることで、多少は余裕が生まれることはずだ。
恐らく、敵方の組織においても屈指の実力を持つ敵二人。連携に問題があったとしても、力でのごり押しを可能とするほどの強さに圧倒され、状況は一向に好転しない。それでも、ヘルガは戦う。空の彼方に浮かぶ戦艦での、味方の奮闘を信じて。

>歯車王、門矢士、橋川清太郎

2日前 No.190

協会の頭脳 @infernus☆XQ6phrzcKMtR ★F7MrHN45jw_Qi5

【並行世界管理協会本部/重役会議室/リコルヌ・エルヴェシウス】

あちらの戦況は、通信などに頭を割いていられるような状況ではないようだ。完全に制空権は喪失しており、戦況もとうとう、敵方の優勢へと傾いてしまっている。
リコルヌから出来ることは、もはや何もないといっても過言ではない。完璧であるはずの作戦の筋書きは崩れ、アナザーワールドに居残った彼女は、現地の人員の奮闘を信じて待つことしか出来ない。
あの聡明なセレーナが、何故あのような行動に出たのか。前々から野心の強さはあったものの、空軍基地が存在するリヒトルザーンへ侵攻するリスクを、彼女が理解していないはずがないのだ。
まさかとは思うが、あまりに完璧な、筋書き通りの結果に気が大きくなったのだろうか……リコルヌは考え込んだ様子で、如何にも未来といった様相の、空中に描き出されたディスプレイを見つめていた。

これからどうするべきかと考えていると、重役会議室に一人の男が入ってくる。テロヨワ・アムリーベン。古くから協会に所属する人物で、権力争いとは無縁のキャリアを歩んできたという経歴を持つ。
そんな彼がここに現れたのは、ごくごく事務的な内容によるものであった。空軍中心の補給要項をまとめて、送信していたらしい。リコルヌはそれを聞き、一言「感謝します」と声を掛け、その資料に目を通す。
この一瞬だけを切り取れば、何らいつもと変わりない並行世界管理協会の光景。しかし、アナザーワールドに何ら問題はなくても、ホームワールドに向かった仲間達の間で大問題が発生している。
自然と表情が険しくなってしまうが、どうやらテロヨワはお茶の時間をご所望のようだ。今、例の問題について出来ることは少ない。不本意ではあるが、彼女はそれに従うことにした。
彼が持ってきた菓子と紅茶に、リコルヌは手を付ける。因みに菓子については、子供達が作ったとのことだ。それを一口食べ、紅茶にミルクと砂糖を入れながら、彼女は感想を口にする。

「見た目はともあれ、味は問題ありません。子供達の温かさを感じます」

非常に堅苦しい口調ではあるが、とにかく不味いとは言っていない。ここに子供達に伝えるためのフィルターを通すと、"会長秘書も美味しいと言っていた"ということになるのだろう。
さて、話は本題へと入る。テロヨワはまず、作戦の成功に賞賛を送ってきた。この状況においては嫌味のようにも聞こえるが、恐らくそのようなつもりではないだろう。
たとえそうだとしても、リコルヌもここで怒りを顕にしたりはしない。特にそれについて何か言葉を返すことはせず、小さく頭を下げ、賞賛に対する感謝を示すのみに留めた。

「今回の作戦に帯同する人員を選抜したのは私です。この事態を招いたのは、現場の者だけの責任ではありません。私も、監督責任を問われることとなるのは覚悟しています」

テロヨワからすれば、意外な回答であるかも知れない。アナザーワールドにおける出世レースは熾烈であり、失敗を犯した際に部下に責任を押し付けるのは、割と常識であるところがあるからだ。
しかし、リコルヌは自分にも責任はあると語ってみせる。この件に関しては言い逃れをするつもりはないようで、彼女は会長に此度の事態をどのように説明するべきかを模索しているようであった。

「私を会長秘書という立場に選んで下さったのは、他でもない会長自身です。私は結果として、その会長の顔に泥を塗るようなことをしてしまった。ゴードヴェンからの反発を受けることになるのは必然でしょう。仮に会長が、私がこの地位に相応しくないと判断し、別の者を据えるのであれば、私はそれに従う他ありません」

彼女の言葉から分かるのは、リコルヌが心配しているのは自分の立場よりも、会長の名誉であるということが窺い知れる。このような結果を招いた以上、会長から見放されるようなこととなったとしても、その覚悟は出来ているようだ。
そして、歯車王とも無駄な対立を起こすつもりはないようだ。普段、彼に対し陸軍の軍縮を求めているのは、単純に採算性が取れないからであり、歯車王本人を嫌っている、という訳ではないらしい。逆も同じであるとは限らないが。
リコルヌが考えているのは、協会、ひいては現会長のために全身全霊を尽くすこと、ただそれだけ。それが出来るのであれば、たとえ今の地位を失うことになろうとも構わない。彼女がテロヨワに示したのは、そのような献身的姿勢であった。

>テロヨワ・アムリーベン
【リコルヌのキャラの掘り下げが出来て嬉しい……嬉しい……】

2日前 No.191

Ray @mgs56 ★kOwjtfzUku_keJ

【並行世界管理協会本部/レストラン/董卓】
「ほう。このワシに面と向かい要求を拒否するとはな。その胆力だけは認めてやろう。」

相手の答えは否。そして新たな警告。確かに協会への叛逆を口にし、彼女のように冷静な対応を行う者だけではないだろう。中には彼の傲岸不遜な態度や組織に狂信にも近いほどに忠誠ある者は彼の話を聞いただけで彼に襲撃を掛けてくるだろう。元の世界であれば実際に彼の命を奪わんと宮城に乗り込んだ阿呆は極僅かであったが…。だが、心配するほどの事でもあるまい。

「フン、ワシを討つじゃと?そのような阿呆にワシが討たれるはずもあるまい。逆に返り討ちにし、二度とワシに逆らう奴が出ないよう八つ裂きにしてくれるわ。」

確かにこの組織には元の世界にはない魔法とかいう異能の持ち主や近接戦闘においても一級品の敵に回すと非常に厄介な実力者揃い。されど「絶対に死なない」と、彼はそう豪語する。元の世界にように天下無双の豪傑が側にいないにも関わらず。だ。その自信の現れは幾度となく窮地に陥りながらも切り抜けてきた悪運の強さ故か。いずれにしろ、組織の反逆者を粛清し続ける処刑人にとって董仲穎という男が十分すぎる程に危険であると認識させる言葉であった。

そして董卓も理解した。この女はある意味で同類ながら目的へ至るための過程はかけ離れている。組織内における絶大な名声を持った彼女を取り込み手っ取り早く組織を乗っ取りたかったが、元の世界のようには上手くはいかないか。――――ならば、この世界は完全なる実力主義。弱肉強食の世界。少しでも上にのし上がらんとしている連中を取り込み、徐々に力をつけていくしかないと。

>>キャロライン・ガーネット

2日前 No.192

ハベル・アレッセル @tukuyomi07☆2nDyzvx51us ★3aNoMW8gGM_Tbw

【 プリンシパル/格納庫/ハベル・アレッセル 】

 一通り弾幕を張り、即座に物陰へと退避――カツン。
 鳴り響く硬質。大気がはじけ、音が消し飛び熱がバラまかれるまでには一秒もいらない。
 花開く殺戮に群体は巻き込まれ、その痩躯は悉く千切れ消し飛び、残った血肉を破片が喰らい尽くす。
   、    スプリンクラー
 火器厳禁と叫ぶ消火装置。放熱を浴びて断末魔のように、放水を開始。
 フラググレネード
 破片手榴弾――後期になり開発された、M67をモデルとした仕様。
 安全性のみを求めるハベルにとってはうってつけの装備。
 爆発を確認したのちにもう一個取り出し、いつでもピンを外せよう手を添えて待機。
      、      、        、      サムズアップ
 同じく滑り込んだヤロス――視線を覆う赤外線装置で確認し、親指を立てた。

(あんだけ固まってればカモですよカモ。さて、問題は――)

 硝煙。焦げ付く香り。走る火花。全滅完了。
 バースト   、    なごり
 炸薬が咲かせた放火の花びら。揺れる大気の向こう、残骸<スクラップ>の中に悠然と立つ影が一つ。
 純粋を通り越して無機質にすら見える紅い目、皮肉を込めて笑ううっすらとした桃色の唇。
 煙が、橙色の髪を揺らす彼女の周りだけを避けるように立ち込めている――爆炎と彼女を隔てるように。

 異常 現実
 敵 と味方を隔てる違和感に、それはよく似ている。

(対衝撃反応エネルギー装甲とかその辺の類ですか。あーやだやだ。
 しかもなんですかあの態度。よっぽど自分に自信があるんですかねぇ)

 愚痴、愚痴、愚痴。民兵として恥ずかしくないのかという考察。
 想定しうる危険――自分がやられて死ねることとすれば、自爆特攻とかその辺。
 人命を軽視して資源だけで考えれば、一人一殺、高いコストを払って確実に一人殺せるやり方をアレはやれる。

「――三流」

 呼気を整えるように吐き出した。

「俺と同じだ、敵を前にペラペラしゃべる。
 自分が上だと思っていて、いつでも殺せるからと舐め腐っている。
 ああやだなぁ。俺そういうのにあたると本気で殺されるんですよ。惨めな死に方じゃないですか」

 魔法を行使、淡い翡翠の光が零れる。
 ヤロスが飛ぶのと同時、マシンピストルの銃口がイリスへとその照準<殺意>を向けた。

 ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ!!!
 咲き乱れるマズルフラッシュの花。吐き出される鉛玉の嵐。息継ぎ無しで降り注ぐ死。

 ――反動を無視した精密性を維持して、イリスへと無数の弾丸が殺到。

 ともすればその場に縫い付けるような射撃をヤロス・ハニービーへの支援と思ってくれれば僥倖。
 幕で覆った手札を仕込むは、後ろ手に隠した右手。
 小声で何事かを紡ぎ、大気を震わせると同時に右手で宙へ向けてデコピンを放った。

   、    、 ・・・・・・・・
 何か巨大な、彼方へ弾き飛ばすような不可視の衝撃――現象発生。
 イリスを背後から吹き飛ばすような指向性を持った現象が、彼女へ向けて襲い掛かる。

>イリス ヤロス・ハニービー

2日前 No.193

負け犬 @adrasteia ★qa9glxeVZq_uLX

【サクラゴス/大通り/レイン・ウォルクオーク】


 弱者が強者に土をつける。鼠が猫を噛み殺す。そうした展開は極めて稀で、現実ではまず起こりえないからこそ誰もが夢見憧れ――そして当然、十中八九かなわない。
 自然界において小は小、弱者は餌だ。大が小を圧倒し、より優れたものが順当に勝つという子供にでも分かるその方程式に例外はなく、無論この瞬間においてもそれは純然たる事実として存在した。ゆえに――

「ぐッ、――――が、ぁ」

 瞬間、毒蛇のように靭る少女の触腕がレインを弾き飛ばし、背後の壁面へと打ち付ける。
 能力使用による反動に加えて、この攻撃。腕を犠牲にして体よく致命を逃れたはいいが、直撃は直撃。四肢がバラけてしまうのではないかというほどの衝撃が総身を襲う。
 人体の許容範疇を明らかに逸脱しているであろう膂力の一撃を受けて、尚もレインが生存を許されているのは偏に、彼もまた異能者であるがゆえ。迸る激痛を頼りに機能を停止しようとする脳髄を必至に覚醒へと保つが――しかし、彼の手指に刃を握る余力は既に残っていなかった。

「ゲホッ、ゲホッ」

 霞む視界の先には血反吐をはいて紅く染め上げられた路面と、拉げた左腕。そこに内臓も幾つかやられたとあっては、いよいよもって重傷というものだろう。――痛すぎて、気がどうにかなりそうだ。
 端的に言って満身創痍、進退ここに極まっていた。

       、   、  ヒューマノイド
 あとは文字通り、赫怒に猛る人間兵器の腕によってその生涯を終えるのみだ。


>パルメメ、(ボルヴェルク)

【そろそろ撤退したい(願望)】

2日前 No.194

アリア @aroundight☆SdjaOljKHtOm ★msJh1WzJ3A_keJ

【プリンシバル/第一機関室/アリア=イヴァンヒルト】

 斬り裂こう―――として、目に何かが入る。
 何か、と言わざるを得なかったのは、それが視界の片隅に入る程度でも異質だったからだ。
 そのやって来た何某に対して少しばかりの怪訝さを認めたことに関しては、己の常識とすり合わせても可笑しい話ではない。行動の直前でなければ早速手を止めてそちらに警戒を寄越していたかも知れない。そう思う程度に、そいつは異様だ。

 第一印象、血塗れの兵器。
 兵器というよりは鎧の方が近いだろう。光も差さない夜ならばその風景の中に溶け込めるのではないか、と思える黒い装甲が、顔に当たる赤い瞳よりも更に鮮烈な赤色の血化粧に彩られている。
 その原材料が何処かは語るまでもない。有り体に言ってそこを追求する必要性はない。

 即ち。重要な部分はこれが敵か味方か、その一点だ。
 元々立場として自分がグレーの位置に立っている以上、あまり大っぴらに活動している面々だと今後の活動に支障が出るし、その部分に関しては事前に頭に入れているつもりだ。嘗て全く記憶にすら入れていない(教えられてもいない)是正機構の面々とは違い、名のある面子の顔ぶれ程度は、記憶の中に留めることにしている。

「(認識している限り、政府にこんな技術系統の兵器はない………。
  可能性があるとするなら、二つ―――)」

 している、のだが。その上で、これは異質なのだ。

 このようなスプラッタな有様を張り付けてやってくる機動兵器など全く記憶にない。
 あまつさえ―――嘗て“彼女”の傍らに居た時、この辺りの兵器は概要とはいえ資料で目を通してあるつもりだが、こんなケースに発展したタイプは見たことがない。二足歩行の駆動兵が絶無というわけではないが、見た印象からして違う。


 そして全くの余談だが。
 その人物ないし機動兵器は、極めて彼女の立場からすると複雑な相関図の上に立っているのだが、それに気づくことはまだなかった。何しろ間接的関わりのある人物との接点は全くなく、彼方側からすると決定的地雷としか言いようのない“ある要素”に関しては、双方ともに知り得ないのだ。
 ………知っているとして彼方くらいのものだろう。兎に角、此処での遭遇は偶発的、かつ初対面同士だ。


「(侵入を嗅ぎ付けられたのか、それともなければグレーな立場なのか。
  前者ならわたしのミス、後者なら………考えるまでもないか)」

 閑話休題。
 順当に装いや技術的特徴から考えたならば、これは件の侵略者の尖兵と言うことになるわけだが。
 もう一つ、可能性がある―――その血化粧が、アリアにもう一つの可能性を指し示していた。

 この場でそんな浴びるように血をまき散らす方法は、当然軍勢を薙ぎ払う以外の手段はない。
 多数を一人で打ち倒すような真似でもしない限り、そんな絵面にはならない。
 アリアが手を止めなかった理由は三つ。うち一つは、このくろがねが大方敵ではないとする証拠を見つけたから。もう一つは、そのくろがねが自分からコンタクトを取って来たこと。つまりは最初の疑惑を彼方から確信に代えてくれたこと。

「立場は知りませんけど、意図は分かりました。
 お互いそれでイーブンですし十分です。最も」

 そして、最後の一つは―――。

「それでさようなら、にはなりそうもないですけど―――」


 最後の一つは、爆散した人影にある。
 断じてあの所属不明機ではなく、割り込んで来た人形の方だ。

「(………間の悪い)」

 勘付かれたというより、元々居たのが正しいか。
 手元に伝わった感触は人の肉や骨というより、爆発が示した通り明確な無機物。
 デザインと性質こそ違うが、所謂“人形”―――カタチが同じだけの、ヒトではないヒトガタ。
 一際目立つのは中央の少女。球体関節の四肢と出来の良い彫刻のような顔立ちに無機質な瞳を湛えさせたそいつ以外は、言葉も喋らなければ並びも均一。ただ中枢の女王が鶴の一声で以て応ずるのを待つだけのようにすら見える。
 この時点でただの兵士と呼ぶにはあまりにも歪だが、少女趣味の着せ替え人形というには少々剣呑な空気を纏っていた。

「さあ」

 少なくとも、そいつの言葉通りに会話をしようと考えるほど、能天気にはなれそうもない。
 それに―――。


「知りませんし、そんな簡単に分かったら苦労しないんじゃないですか」


 言葉通りに会話をしようにも、その意味を感じない。
 少なくとも、わたしは。

 カタチもなければ定義も不明の言葉を、解明する手段があるなら誰しもとっくにやっている。
 いっそのこと、そんな言葉を口にするくらいなら自分の胴でも抉って確かめて見ればいいのだ。

 やったら本当の間抜けだけど。兎に角―――対応は分かり切っている。
 今までと何も変わらない。唯一違うところがあるとするなら、それは一つくらいか。

「正面、巻き込みます」

 念のため“突っ込まないで欲しい”と前置きをしてから、振り下ろしたばかりの青光を引き戻す。
 続いて両の腕を切り開くようにして振り払い、指に付属するように舞う光糸を広げるように展開。

 正面から視界に入るぎりぎり百八十度、それこぞ女王のようにゆっくりと歩く自動人形諸共兵隊を纏めて切り裂くように放たれるその青白い光の糸は、見た目通りの光というわけではなく、自らが体内の魔力を用いて形成した領域だ。
 最大射程は半径にして20m、悟らせるつもりもないので伸ばした距離は10m辺り。
 そこまでの距離に限り、この場はわたしがモノを想える箱庭になる―――前から変わらず、モノを壊すための手段として。自らの敵を殺傷するための道具になる。

 だから、ただの細い一筋の光ではなく。
 実際に触れたならば、文字通り一面焼き払い、押し退け、切り裂くような現象が巻き起こる。
 そのように自分が性質を持たせたから、そのカタチの強度が勝る限りは平然と空想が現実を侵食する。

 あの一体だけ違う要素の輩ならさておいて、ほかならば文字通り鎧袖一触―――避けねば先程のように両断するし。
 そもそも、あの動きの緩慢さなら避けさせるつもりもない。

 正面の百八十度を薙ぎ払うようにそれを振るったら、次は跳躍。
 空に身を委ねるようにしつつ、万が一代わりに突っ込んでくる人形が居た時に備える。
 つまり、余計な行動はせず最初の一撃で視界を薙ぎ払った後は様子見に回るわけだ。

 より、正確に言うなら―――。

「(アレだけ動きが正確………さっきので解体出来る程度なら楽だけど)」


 正直なところ、測り兼ねているのかも知れない。
 あの人形を、ではない―――知るつもりは少なくともないから、そちらに意識は割いていない。

 では何を測り兼ねるというなら。それはあのくろがねの間合いの取り方にある。
 少なくとも出会ったばかりの赤の他人、配慮する意味などあまりないはずだが。強いて言うなら何となくだ。


>Dual、ハートレス

2日前 No.195

世界の破壊者☆hWelpoTo9Ao ★XEmBtaY8sV_Qi5

【サクラゴス/港/門矢 士/ディケイドクウガ ドラゴン⇒ディケイドキバ キバフォーム⇒ガルル⇒ドッガ⇒バッシャー】

>歯車王( >>170 ),橋川 清太郎( >>184 ),ヘルガ・アポザンスキー( >>190 )

 歯車王の言葉には、ディケイドはクウガ ドラゴンフォームの鎧を軽く鳴らしながら肩を竦めるだけだった。元より張り合いがあるかないか、といったところに価値を見出すことあれど、闘いそのものを目的にするかのように“興じる”感性を有さない士からすれば、歯車王からの扱いもまったく意に介していなかった。
 無論言わんとしていることはわかる。せっかくの“強者”との闘いに乱入してきた、味方とも敵とも知れぬ存在が、好き放題暴れているともあらば、さすがに気分の良いものではないだろう。
 もっとも、それでもなお、知ったことではない、とこの態度を取っているわけだが。
 少しばかり手を貸してやろうか、とも考えて、歯車王へと視線を向ける。
 棒術による一撃を振るう中、ちらり、と一瞬だけ見るも、どうやらそれは不要だったようだ。真っ向から炎の中に飛び込み、さらに苛烈にして熾烈なる闘いを新たなる参入者と繰り広げていた。

 「手は……ふ、必要なさそうだな」

 『ブラストペガサス』による撃墜が失敗したことを改めて確認し。
 クウガ ドラゴンフォームによる追撃を見事に防ぎ、距離を取り直してみせた橋川に改めて視線を向けた。
 両手を軽く打ち鳴らし、ただただ、拍手を相手に送った。
 挑発をしているわけでもなく。
 ましてや先程のように皮肉を込めているわけでもない。
 タイタンフォームによる攻防に特化した姿でなければ防ぎきれなかったであろう連続攻撃の火力。
 ペガサスフォームによる狙撃を回避せしめる判断力。
 ドラゴンフォームによる加速と技巧でなければ、防がせることもできなかっただろう技巧。
 どれを取っても、なるほど世界を守る者の一人に相応しい。

 「なかなかやるな。……ひとつ聞こうか」

 遥か後方へと飛翔する橋川と。
 さらに付け足すならば、新たに現れ、歯車王と火花を散らすヘルガにも刹那、眼を向けながら、彼は距離を取る橋川へ追撃をすることもなく言葉を生み出す。

 「誰に頼まれたわけでもなく、誰に感謝されるわけでもない。
  俺はお前達のように、何度傷つき、倒れようと立ち上がってきた者を何人も知っている。……その中には、死んでしまった者もいる」

 それを、非難しているわけではなかった。
 死んでしまってはどうにもならない、と思わないでもない。
 されど士自身が言えた義理でもない。なにせ自分もかつて、一度自らの命を投げ出したのだから。
 ゆえに投げかけられる言葉は、ただ単純な、問いだ。

 「何故闘う? お前達は何故闘える? ――お前達も、俺の知っている“あいつら”と同じ、ということか」

 まるで何かを試すかのようにすら聞こえてくる。
 橋川の周囲を漂うようになった炎魔を眼にしても、やはり大きな行動を取ることはしない。
 ようやく橋川が全身からミサイルを出現させ、攻撃に出ようとしたところで動きを見せるほどに――その問いは、士にとって大切なものだったのかもしれない。
 バックルが自発的に九十度回転し、勢いよく中空に跳ね上がり、“クウガ”の力が宿されたカードはホログラムのように解けて消えて行く。
 駆動音を奏でながら姿を見せるのは、蝙蝠や吸血鬼を模した仮面を持つ新たな戦士の札。


 ―― KAMEN-RIDE! KIVA! ――


 魔笛を吹くようなおどろおどろしい音が響く中、クウガの姿は一瞬だけディケイドのモノへと戻り、しかし灰色の銀幕がその姿を覆い始める。
 一瞬にして硝子細工が砕け散るようにして中から生み出されるのは、ここまで五つもの姿を披露してきたディケイドの新たな姿。血のように暗い赤の装甲を持つ、皇にしてヴァンパイアの力を持つ戦士。
 名を、仮面ライダーキバ。
 クウガに次いで付き合いの長いモノ。ある意味では、よく使い込んでいる、慣れているとも言える“ジョーカー”の一枚をとうとう切ったと言える。
 されどそのままミサイルに突っ込んで行けば、爆風に呑まれ、刹那のうちに爆ぜ死ぬが道理。
 であれば――?


 ―― FORM-RIDE! KIVA-GARULU! ――


 次に響くのは、魔狼を思わせる甲高い咆哮であった。深い蒼の鎧と、同じく蒼の複眼を持つキバの力。
 一瞬にして、その体がブレた。
 ミサイルの雨霰の中を縫うようにして、それこそ狼が如し勢いで駆け回る。
 ガルルセイバーと呼ばれる双剣から、時折音波とも、衝撃波とも呼べる斬撃を用いて、的確にミサイルを撃ち落し、爆ぜさせ、対処をしていく。
 しかしそのミサイルが、とうとう士――ディケイドキバへと追いつかんとした中で、再び光が視界を覆う。


 ―― FORM-RIDE! KIVA-DOGGA! ――


 筋骨隆々とでも言うべきか、上半身が盛り上がり、より硬く、より分厚い装甲に覆われた紫のキバ。
 腕には巨大なハンマーを手にして、まるで風車のようにそれを回転させた。
 撃ち落せないというのなら、再び分厚い装甲に覆われて防げば良いだけの話。
 無論、先程までの機関銃――言ってみれば威力も申し分はないが、どちらかと言えば牽制用の攻撃――とはわけが違う。火力に特化した爆薬を完全に防ぎきれるわけもなく、少しずつ、少しずつだがガルルフォームで詰めた距離を再び離されていくではないか。

 「…………」

 ならば止むを得まい。
 キバの最後の姿を用いるのならば、今、まさにこの瞬間だ。


 ―― FORM-RIDE! KIVA-BASSHAR! ――


 最後にその姿を見せるのは、碧。
 先程のクウガ ペガサスフォームにも似通う配色をした、エメラルドグリーンの色彩に包まれた四つ目のキバの姿だ。
 基本フォームの赤。
 速度と技巧の青。
 重量と防御の紫。とすれば、残る緑は――、

 「ふんッ! はぁッ!」

 取り出した『バッシャーマグナム』と呼ばれる、黄金色の拳銃にプロペラのようなパーツが備え付けられた特異な形状の銃でミサイルへ再度射撃を行った。
 腰に下げられた『ライドブッカー』をガンモードへ切り替え、二丁拳銃の要領で次々とミサイルを撃ち落して行く。
 ふとここで、この場にいる誰もが気付くことだろう。
 『ライドブッカー』が放つのはエネルギー弾。とあればただ爆発を生み出すだけになるだろう。
 だが、ミサイルを撃ち落したり、撃ち抜いたりしたバッシャーマグナムの弾丸は、空中で威力を失い、やがて濃霧のように戦場を覆い始めた。
 そもそも、仮にも拳銃程度の大きさしか持たず、貫通力にこそ優れているが、拳銃如きで本来ならば小型核にも等しいミサイルの雨を防ぎ、凌げるわけもないのだ。
 ならばなぜ、このように射撃同士の闘いが拮抗しているのか。

 ――水、だ。

 バッシャーフォームの専用武装、『バッシャーマグナム』は魔海の二つ名を持つ。
 その真髄は大気中の水分を凝縮し、超水圧の弾丸――『アクアバレット』へ変える能力。
 彼らにとっての不幸か、それとも士にとっての幸いか。ここは海に面した港であり、普段より膨大な量の水分――海水を攻撃に用いることができる。
 やがて士の足元や、橋川の足元には水溜りが生まれるほどに大量の水が散布されるようになるほど、その水分量は尋常ではなかった。
 無論霧を起こした程度で、ヘルガの蒼炎が衰えるなどと考えているわけではない。
 びちゃり、ばしゃり、ざば、と。
 何度も音を立てて、水の塊が地面に撒き散らされ続ける。
 ミサイルと、ライドブッカーとバッシャーマグナムの撃ちあいが拮抗し続ける限り、これが止むことはないだろう。
 時折、橋川を的確に穿たんと、普段よりも上乗せされた威力を持つアクアバレットが襲い掛かることになるが。
 それも十中八九、ヘルガの用意した炎魔により凌がれることだろう。もしやともすれば、その炎魔に多少のダメージを与えることができるかもしれないが。
 連射。連射。連射。連射。
 連射連射連射連射連射連射連射連射連射連射連射連射連射連射連射連射連射連射連射連射連射連射連射連射連射。
 文字通り雨霰と化した弾丸と爆撃飛び交う戦場を支配する海水により生み出された霧は、この場にいる者たちの肌や装甲を濡らさんと、少しずつ広がり始めていた。

 「さあ。次はどう来る?」

 水溜りを強く踏みしめながら、ディケイド――門矢 士は橋川とヘルガへと問いかけた。
 先程までの『アタックライド』による波状攻撃や、『クウガ』の力を用いた連続動作のように、劇的な変化があったわけではない。
 ましてや士はヘルガには一切の攻撃を行っておらず――もしかしたら。本当にもしかしたら、ややこの大気中に満ちた湿気が妨害になるやもしれないが、まったくその程度であり――橋川に向かって飛翔するのも、炎魔に防がれ、せいぜいが水飛沫を彼へかけるのが精一杯であろうバッシャーマグナムの連射のみ。
 だというのに、士は余裕の態度を、一切崩すことはしなかった。

2日前 No.196

ライル @aroundight☆SdjaOljKHtOm ★msJh1WzJ3A_keJ

【サクラゴス/灯台/ライル】


「素晴らしい、お前ひょっとしてレベルの高い馬鹿だな? 爆発大変結構だが、マナーは守れよマナーは。
 夜遅くの打ち上げ花火は近隣住民に迷惑だから嫌がらせ行為以外ではやめろとお母さん何時も言ってるでしょう。

 それと、あまり持ち上げてくれるなよ。僕は自覚がある程度につまらん人間だ、今までもこれからも」


 断っておくと。
 爆弾魔の騎士、風変わりな研究者であるプレイグナイトと会話している時の彼は………否、それに限らず、言葉を発している時の彼は終始真顔だった。怒りもせず笑いもせず、嘆きもせず喜びもしない。表情だけ見るなら終始真面目な応対だったというわけだ。
 それは醒めているというわけではないし、相手の対応に対して何かしら気分を害したわけでもない。

 要はそれが彼の平常なのだ。冗談でモノを言っているというより、それを真面目な顔で言い切っている。
 最初の台詞から今のこの瞬間に至るまで、彼は自分のことを“つまらない人間”と自負しているし、先程の決め台詞の審議を真剣に考えていたことになるし、真面目に目の前の兵士たちを悪だと定義していたことになる。
 それが何によって定義されるのか―――当然、ライルという少年の自我<エゴ>によってのみ定義されるものであるが、それを口にすることはほぼない。というより、口にしたとてこの場の人間の我の強さと余裕の無さを思えば意味はない。

 したがって彼は、得体の知れない良く分からない兵士と化すわけだ。
 そして―――その良く分からない兵士が、戦術の思考を定めれば後はフルスロットル。


―――


「(思った通り。いや言い過ぎだな、7割思った通りか)」


 ある意味予想通りに兵士を一掃してくれた爆弾魔の行動予想と、
 たった今打撃を打ち込もうとした相手の対応に対して、概ねの結論を出す。ぶっちゃけた話が悪くはない。

 むしろ、最初の行動が中々自己顕示欲入った爆撃であることから、前者は完璧に予想通り。
 あと、攻撃の範囲がいちいち派手なところまで予想通り。典型的ながら重宝する火力タイプと見る。
 それを多人数で相手取ろうとしたのは、彼方の指揮官の采配ミスとすら言える。というか、僕があの鉛使いに狙われていなければ適当に爆風を誘導していたところだ。
 始末に少しばかり時間がかかると踏んでいた敵は御覧の通りに殲滅され、多少の余裕が出来た。
 というか―――。

「(エラい簡単に始末されたな、あの指揮官っぽい面したモブ子。いやモブ男? モブ男か。
  単純な戦力指数ならあからさまにこの鉛使いの方が上、さて“どういう理由”か………)」

 残っているのがコイツだけだ。
 最初見た時から、妙な怒りを瞳に灯していた男。
 いまのところ此方の話に付き合う気力ゼロの男。
 なんだ、僕の話など聞きたくないと良心が申しているのか? 徹底していいから死ねの一点張りだ。

 おかしなものだ。そう思う。

 兵力の8割方どころかコイツ以外が倒されたのに、何故全く退く気配を見せない?
 自爆特攻? 東洋で言うカミカゼというやつか? うわ迷惑。偉いヒトはだいたいそんな気持ちだったんだな。

 強いてこれを何かと紐づけるなら、それはこいつを含めた大半の装備が型落ちなことだ。
 退くことすら出来ないと―――今の段階では、そう結論付けるを得ないわけで。考えるのが面倒になったので一旦停止。

「とんだ強盗どころか蛮賊の台詞だな。髪型が整えば完璧に核の炎に包まれてユーはショックだ。
 そもそも殺されるようなことをした覚えもないし、僕がお前を殺す理由は全くない。正当防衛にもなりはしないし、そこまで怒りの籠った視線で見つめられるような間柄でもない。
 ひょっとして初対面の人間に因縁をつける癖でもあるのか? 何処の極道だ、絶滅危惧種の真似はやめろ」

 続いて拳の方。防ぐならどう出るかは大体読んでいた通り。
 あの鉛はただ振り回すだけの道具ではない。伸縮自在の千変万化だ。

 だからこうして壁のようにも使えるというわけか。攻防一体という意味でも、つぶしが利くという意味でも良い能力だ。
 少なくとも僕の火力では突破に時間がかかるし、その間にあの男が何もしない理由がない。
 というか今しがたやって来ている。近距離の間合いから容赦なくトドメを刺そうとする全方位攻撃―――いちいち防いでいる暇がない以上、普通にやっていると中々手ひどい殺し技になりかねないようなものだ。

 まともにやっていたらジリ貧だろう。
 彼方が1発殴る前に僕が3発殴らなくてはつり合いが取れない不平等な取引だ。

「まあ、どれでも構わない。
 殺す理由はないと言ったが、殴る理由がないとは一言も言っていないからな。そして」

 前提として長期戦をやってはいけないのに、こいつの能力は短期決戦の穴を塞ぐことに特化している。
 イヤな相性の悪さだ。………だが。


 リテイク
「やり直しだ」


 だが。
 それは、僕がただ壁に向かって体当たりをする単細胞のような立ち振る舞いをしていればの話だ。

 条件は全て揃っている。
 これを出すには少し早いが、出し渋って死ぬ阿呆になるよかマシだ。
 起動の言葉を口にした時、僕の時間が巻き戻る―――無数に迫る鉛の槍は、何もない空気と線対称の鉛を貫く。

「目的もなく歩く最中に分かれ道を見た時。
 人は『右に曲がる』のか『左に曲がる』のかを考える………」

 そして僕は、突進して打撃を仕掛けようとしたポイントに自分を再配置する。
 これはそういう能力だ。

 左に曲がった後に、右になにかあったのではないか。
 右に曲がっておけば素晴らしいものと出会えたのではないか。
 あの時ああいうことをしておけば、この時になって酷い目には遭わなかったのではないか。

 そんな餓鬼の妄想を現実にする『能力』………。

「だが、どちらを選んでも後悔するだろう? 実際にしかけるところだった。
 だから『今のはナシ』だ。これにめげることなく努力して欲しい、今後の更なるご活躍をお祈り申し上げます、ということで」

 派手さはヤツ以上になく、利便性もヤツ以上にない。
 だが、しかしこの状況で―――回避不能の攻撃を“回避する”という点において、局地的に己は無敵になる。

 リピート
「もう一度。

 僕の殴る手が痛くなる前に退くか、僕の手に嫌がらせをした対価が再起不能か………よく考えて選べ?」


 そして、この状況で、飽きもせずもう一回飛び込む。
 無数に出現した鉛の槍がわざわざ展開されている場所ではなく、右側面から回り込むように。
 斜め右に吹っ飛ぶようにジャンプした後、その軌道を修正するように腕から術式として決まった型になる前の稲妻のような魔力を勢いよく解き放つ―――要するに燃費の悪い噴射だ。
 もたもたと回り込んでいる時間より、今は殴りに行く時間が欲しい。

 だからこその空中歩行。
 その急接近で勢いよく近付いたら、いま雷を放出した方の腕で殴りつけるように、斜め右上方から男の顎を狙う。
 顎を狙うべく無造作に振るった腕から、その燃費の悪い噴射の余波とでも言うべき放電現象<スパーク>が散弾のようにして兵士を襲撃する。要するに、上方向からの打撃と雷のショットガン、その寄せ集めから来るハッピーセットだ。

 打撃の威力は変わらない。序でに言うなら、雷とて範囲を取っただけだ。


 こういう時にあの爆弾魔がどう動いて、

 こういう時にこの鉛使いがどうするか、僕の読み通りなら次で詰められる。


>エドガー・グリム、プレイグナイト

2日前 No.197

無限刃 @sable ★c1PKWYVyQN_Tbw

【プリンシパル/倉庫/アマツ】

 仕留めそこなった。心底驚いた。不敵な笑みを見せる女。釣られて笑った。眉一つ動かさずに、心が驚いた。大笑いした。
 全てが初めての体験。他人に生かされ、与えられ、命じられてきた自分が、自ら何かを為そうとしている。
 これは命令違反だ。本来なら要人の暗殺に徹する立場。上が進撃を決めたとあらば、神妙に待っているべきだった。
 暗闇に根を張り、外界から切り離されたままでいるはずだった。ここまで自分を惑わせた存在に、刀一つ振るわないわけにはいかない。

「無論」

 そんなものでは満たされない。一滴の水に狂う餓鬼にでもなりかねない。知ったが最後二度と雑魚狩りには戻れぬ禁断の果実。
 書籍の中の存在と思っていたそれが、今目の前にたわわに実っている。これを切り落とさない人間がどこにいるか。
 齧り付き喉を潤したいと思わずして何が殺し屋か。故に刃を突き立てる。最奥を満たされるその時まで。

 再び閃く、途切れることのない剣技。鋼鉄が迸る。紛れもなく全身へ、芸術性すら感じさせるリズムで。
 風になびく天女の衣のように。水面を侵す波紋のように。最早鼓動も同じだ。
 どちらかが命尽きるまで鳴りやまない。故に呼称される――無限刃と。

「この渇きを終わらせよう」

 ただ振り下ろし、切り刻むだけが剣術ではない。間もなく殺人の舞は変貌し、眉間を的確に狙った突きを織り交ぜるようになった。
 命を刈り取る死神の鎌。肉塊を突き崩す神の槍。ただの一人として、逃げおおせた者はいない。

>>ツバキ・オオトリ

2日前 No.198

リインカーネーション @genomirai ★jhfTwDC05p_Tbw

【並行世界管理協会/重役会議室/テロヨワ・アムリーベン】


「感謝するよ、会長秘書殿。戯れとは言えど付き合ってくれるのは有難い、子供の喜ぶ顔は見る側も心温まるものだからね」

子供たちが菓子作りに精を出し始めたら、またこうしてお茶会に誘うかもしれないな。と微笑みを浮かべながら冗談交じりに語る、彼自身としては本気と言えども、リコルヌは立場上おいそれと暇を作れる立場ではない。
勿論、余裕を持つことの重要さなど語る必要もないだろう。更に言えばこの瞬間にそれを口にすればあらぬ誤解も生むだろう、少なくともリコルヌにとっては焦るに値するだけの事態が起きているのだから。
先の言葉に別の意図を見出さないほどには落ち着いているとはいえだ、例えその言葉自体がそう捉えられると理解しながら放ったものであっても。深く関わることは少なかったが、感謝を示せる以上噂通りの冷静沈着さではある様だ、と。

「―――ふむ」

しかし、これより先の言動はテロヨワにとって良いと思えるものと、危惧すべき事態であるものの二つに分かれていた。前者はリコルヌ個人に対して、後者は会長への疑念へのものと言う違いはあれども。
まず前者、これは協会内では珍しく、更に言えばこの地位まで登れることが稀有な性格の人間であると判明したこと。基本的な協会の人間と言うものは、話題の渦中にあるセレーナのような野心に加え、手段を選ばないような者の事を言うだろう。
功績を貪欲に欲し、不名誉を遠ざけ、協会への忠誠心か自己保身の為に万進する者が大半。功績の中には部下が得たものを己のものにすることもあれば、不名誉を部下へと押し付けて責任の所在は自身以外にする、これらが一般的だ。
現在の主だった将校や上級役員、武官や役員にはそうでないものもみられる。しかしそのような存在は周囲からのそれを跳ね除けるだけの力を持つか、そのような上司に恵まれたか、はたまたは隠し続けているかのいずれかだろう。
会長に次ぐ立場のリコルヌがそう言った性格であることは組織にも影響を与える、上を目指す人間は総じて上の人間を観察し、糧とするもの。協会という組織が健全な状態へと向かう可能性すらある、これが彼が良いと判断した部分である。

「余計な気を利かせてしまったようだ、どうも歳を取ると余計なものにまで気を回してしまう。しかし会長秘書殿はまだ若い、何かあれば私などで良ければ手を貸すとも。これも先達の役目だ」

再度紅茶を口へと運び、皿へと戻せば老いを隠せない手の甲を触る様にして言葉を紡ぐ。恐らくはリコルヌがそうしないであろうとも理解した上でだ、これが危惧すべき事態として認識したもの。会長への妄信、心酔、そして傀儡。
彼が抱く疑念は先に述べた通り、歯車王と言う相応しい存在が居るにもかかわらずリコルヌを会長秘書へと据えた会長へのものであった。だが今回の問答において限りなく確証に近いものを得られた、リコルヌの行動原理には会長しかない。
協会であればまだ良かった、それは現在の協会に忠誠を誓っている以上は仮に会長が暴走しようとも拒絶できるからだ。だがそうではない、会長個人への忠誠となれば話は違う。協会がどうなろうとも、会長には忠誠を誓えるのだ。
将校、もしくは上級役員以下であれば個人への忠誠は問題はない。将校内にも序列はあり、上級役員も同様であるから。しかし会長秘書が会長へと妄信に近い忠誠を抱けば、止めるものなど居ない。
良い例が空軍の軍拡だろう、会長秘書の決定が最古参であり功績も膨大な歯車王の意向を押しのけている。周囲の賛成、時勢も確かに有った。だがそれらを除いてもそれだけの決定権を会長秘書が持っている。
そして、その会長秘書自身が会長へ心酔しているならば協会など会長の思うがままでしかない。更に言えばリコルヌ自身が語ったように、彼女をその地位に選んだのは会長だ。だからテロヨワは傀儡と言う言葉を選んだのだ。
何故ならば、会長の意向一つで協会そのものをどうとでも作り変えられる、現状はその布石に他ならないからだ。彼自身も妻を失ってからやや疑念を強く感じることは自覚している、子供たちを守る為に過敏になっていることも認める。
しかし、危惧していた全てが繋がってしまうのだ。リコルヌの失態、そこからの対応を判断材料とするべきがこうも繋がるとは思いもしていなかった。同時に、これは己以外に気付いていないだろうという事も。

「それにだ、一度の失敗も許容できない会長ではないだろう。確かに現在でもその失態は大きい、ならばそれ以上の功績を以って協会への補填とすると良い。尤も、会長秘書殿には要らない助言かもしれないがね」

子供たちに語る様に優しく、安心させるようにリコルヌへと言葉を投げかける。心中がどうであれその言動に一切の予兆を見せない辺り、彼が長年風見鶏として意見をひた隠しに出来ていた才の一つだろう。
言葉に嘘は混ぜない、彼の語る言葉はある意味では本心ばかりだ。一度の失敗で切り捨てるなら会長はより良い人物を見出す、そしてこれまでから導き出した会長像からは自身へ貢献ある限りはリコルヌに何かしらの危害を与えないとも。
無論、彼が導き出した故の会長像が間違いである可能性は高い。寧ろ誤りであって欲しいとすら願うほど、しかし散らばった要素を積み重ねれば最低でも己の為に協会を使うような人物だと判断できてしまう。
だからこそ、テロヨワにとってリコルヌは最早得体の知れない会長秘書ではない。ある意味純粋と言える程の献身を持つ、会長とそれに伴う協会に対して真摯に動く人物と。そして、哀れとも言える傀儡と。

さて、どの機を見て会長が動くか分からない以上は現段階で侵攻までしたワールド10をどうにかしなければならない。仮に彼自身が動くとしても戦争状態で内乱を起こせば協会そのものが崩れる、子供たちがいる以上それは避けなければならない。
更に言えば、会長が彼の危惧すべき人物であった兆候が見えたとしても味方は作れない。僅かな数など協会そのものには意味を為さず、説得の手間すらつけ込む隙に成り得る。為すならば、己一人だと。
隠し通すことは慣れている、そしてソリダーにしか明かしていない伏せ札も持ち合わせている。味方は居らず、周囲は全て敵になりえる。しかし、子供たちの未来の為には、協会の為にはやらねばならないのだ。
妻の愛した子供たちと協会の為に。

>>リコルヌ・エルヴェシス


【テロヨワの掘り下げが出来て私も嬉しい……嬉しい……】

2日前 No.199

究極一番星 @sable ★c1PKWYVyQN_Tbw

【プリンシパル/艦橋/アルティメット・イアン】

 もう我慢ならねえ、コイツぶん殴りたい!艦橋で発狂!戦闘中にイライラした究極隊長が四つん這いのまま赤髪ワル女にバッコリ殴りかかる!
 部屋中に響くボーボーと暑苦しい音!敵ながら惚れ惚れする灼熱に野獣クオリティの歓声!脇なんか熱い汗冷たい汗ゴッチャゴチャでグッチャグチャだ!
 バスケットファイアー大歓迎、熱狂コートでオレ様の脳天にダンダンダンクキメてこいや!
 結局のところ炎弾と衝撃波は兄ちゃんが潰してくれた。ちょっと粋すぎやしないか!いい意味でムカつくし。ライバル感じるし。
 超野生オオカミの脳内は"ムカつく=暴力タイム"。兄ちゃんと一緒に襲い掛かる!

「いいねえ、ちょっと狡いのも好きさ!」

 兄ちゃんの狙いはワル女だけじゃない。周りの高そうな装置も巻き込もうとしていやがる。
 壁沿いにいくピカピカの弾はそういうことだよな?なんだかよくわからないが、話を聞いてみれば合点がいった。
 なんでもこの部屋は……なんだ、船の脳ミソみたいなもんなのか?なるほどなあ、そりゃビリビリされたらクルクルパーだ!
 真似しようかと思ったが危ねえ危ねえ、オレ様は自他ともに認める"一番星"。二番煎じは失格退場だ。
 ここはワル女が対処できないようにちょっかいを出してやるんだ。ヒュー!粋だね!ライバル感じていいんだぜ。

「オレ様を怒らせることの意味も教えてやろうか。オレ様に殴りてえと思わせた時点で、次の飯にはありつけなくなるんだぜ!」

 疾走、振りかぶる剛爪!何もないところで振り下ろせば、空間が歪むような真空波がすっとんでいく。まともに喰らえば三枚おろし……いいやお造りだ!
 でもって勢いのままに究極ダッシュからのアルティメットタックル!毎日トラックに轢かれて鍛えなきゃ死んじまうぜ!
 さらにさらにさらに!こんなもんじゃ終わらないのが究極流よ!〆は顔面一直線のハイキック!入れば首がもげちまう!
 これが疾走サバンナ系一番隊隊長の、究極時空防衛術ってヤツなのさ!

>>セレーナ・バルダローム、ヴィルヘルム・エーベルヴァイン

2日前 No.200

大鎧 @kyouzin ★XC6leNwSoH_Qi5

【サクラゴス/港/歯車王】

「ほうそれなりには出来る様だな」

友軍と敵対者の戦闘を、自分の戦闘に支障が出ない程度、つまり横目程度に見ていても分かる、この戦況、押しているのは明らかにこちら側の異世界人だ。
どうやら、実力に関しては口調と態度に見合っただけの物があるようだった、少なくとも歯車王にとっては異世界人など戦う機械、その戦う機械としての性能が出せるのならば、それ以上の文句を言うつもりは無かった。 無論、機械として命令違反などは咎めるが、今は関係の無い話だ。
そして、それに対処する敵対者のほうも自律兵器を操りながらも良く動くと感心する。 だが、所詮はワンオフの物だ、この世界が劣っていると言う評価に変わりは無い。

さて、自分に食って掛かってきた女のほうに目を向ければ随分と強気な口調で言葉を返してくる。 だとするならば、このまま踏み潰せる相手では無いだろう。

"死地へ自ら足を踏み入れたようだな"
それ見たことか、対抗策を持っていない者があんな事を言う訳が無い、しかし。

「こちらの両腕はフリーだぞ小娘ェッ!!」

的確に青い炎を使ってこちらが放つ大量のビーム弾を迎撃しきってしまうのは見事と言えよう、だが、使ってくるのは接近戦では。
いや、それも仕方が無い、砲撃戦をすればこちらが射程で圧倒し、射撃戦をすれば装甲と火力の差で粉砕し、こうやって格闘戦をすれば、肩に搭載した火器を撃ちながら両腕を使える自分に利がある……そう、最初から敵対者に勝ち目など存在していないのだ、相手の選択を責める訳には行かないだろう。

しかし、そんな考えとは裏腹に、相手の動きは非常に機敏な物で、最初の数発は歯車王も受ける事になった。
だが……恐ろしく堅い、そんな感覚が相手を支配した事だろう、ある一部分を除いて、一撃一撃が軽い物理攻撃は歯車王にほとんど効果を見せていなかった。
そんな事もあり、余裕を持って対処しようとする歯車王だったが、その「一部分」となる"足の関節部"に攻撃が当たると、大きなダメージには見えないが、明らかに一瞬だけ言葉を詰まらせた。

「チィッ、小賢しい!!」

そう叫び、歯車王は出力を瞬間的に引き上げて、ギアソードを振るう。
もちろん、それを想定していないヘルガではない、彼女はその前に間合いを取る。 だが、歯車王のあまりにも強烈な一撃は相手の体勢を崩すほどの凄まじい暴風を発生させる。
相手は暴風に対応する前に味方に対して支援を飛ばしたようで、また、その味方は大量のミサイルを発射して来る。

「楽をさせて貰うぞ」

これに対してディケイドがある程度対応できると見ると、歯車王は戦車形態に変形して後退、ミサイルがディケイドに集中し、自分からはミサイルを捕捉しやすいような位置取りをしつつも、ビームガトリングガンでしっかりと自分に飛んできた少数のミサイルとディケイドに飛ぶミサイルのうち、彼のハンドガンの射程外と判断した物を優先して叩き落す。
そして、水の弾丸と言う攻撃手段を選択したディケイドに対して、歯車王も巻き込まれてはたまらないと、その少し離れた位置からの砲撃を選択する。

……どちらかと言うと、間接部という弱点を防御できる戦車形態を取り、その戦車形態の小回りの効かなさが気にならない砲撃戦に持ち込もうとしているようにも見えるが、気づかれなければ何の問題も無い。

「消し飛ぶが良い!!」

そして放たれる、レッグロケット、ビームガトリングガン、ビームキャノンを総動員した一斉射撃、自分より巨大な兵器すら粉砕しかねない大火力投射だ。
だが、確かにそれらは一見絨毯爆撃のように敵対者二人のうちどちらにも降り注ぐ攻撃に見えるが、破壊力の高いビームキャノンだけは明らかにヘルガを狙った物であった、それはやはり、僅かに見せた無敵の歯車王の無敵とは言えぬ部分に感づかれている可能性を考慮した物と言えるだろう。

>橋川清太郎 ヘルガ・アポザンスキー 門矢士


【敵役職らしく、それをやった結果無双っぽくなっていたら申し訳ないです!】

1日前 No.201

新副総統 @sable ★c1PKWYVyQN_Tbw

【時空防衛連盟本文/エントランス/外部/オスカー・ソレイユ・ルヴァン】

 今にも息絶えそうな、だとか……棺桶に片足突っ込んでいる、だとか。そんな悲壮感漂う表現は、全てこの男のためにある。
 オスカー・ソレイユ・ルヴァン。次期連盟副総統に任命された壮年の男性。大柄で屈強な肉体を持ち、非常に存在感漂う風貌のはずだが……まるで覇気が感じられない。
 それもそのはず、彼こそが連盟オラムフェルト支部のリーダーなのだ。非常時には街を、市民の命を守る義務があった。
 だが結果は見るも無残な焼け野原。喪ったのは街だけではない。輸送機と客船を駆使して市民を避難させるも、ほとんとが敵機の餌食となってしまった。
 オスカー自らも輸送機に乗り込んだが、殿を務める彼の機には、シールド用のエネルギーが特別多く搭載されていたのだ。
 意図しないこととはいえ、市民を救えずにおめおめと生きながらえてしまったという事実が、彼の心を責め苛む。
 悲劇はまだ続く。暮らしを共にしていた7人の弟妹――かけがえのない家族。彼らは、オスカーの計らいによって、いの一番に輸送機に乗せられていた。
 一番機の通信は"敵機多数"を最後に途切れている。何度も呼び掛けたが、一番機そのものが既に存在していないらしい。

「俺は……俺は……」

 墜落寸前の輸送機。不時着の衝撃でハッチが破損し、乗員数名が外に投げ出された。アナウンスの一つもないことが、パイロットの消耗具合を語っている。
 フラりと立ち上がり、幽霊のように行進。だが入り口に辿り着くだけの気力もなく、すぐに膝をついてしまった。
 全てを失った。自分には何もない。果たすべき使命を一つも果たせず、数えきれない犠牲の上に立っている。
 頭がどうにかなりそうだった。今すぐにでも家族の元へ行きたかった、

「人として失格だ……」

 >>(ユーフォリア・インテグラーレ)

1日前 No.202

虚空 @zero45 ★pB1cyTl1jZ_Tbw

【時空防衛連盟本部/オペレーションルーム/サミュエル・ベルナール】

 プリンシパルの周囲では、地球軍元帥シフォン・ヴァンディールの活躍によって敵艦の対空兵装が無力化され、防戦一方であった戦いに光明が差し込み始めようとしていた頃。自分のやるべき仕事は滞りなく遂行させつつも、思いもよらないミスで抱える羽目になった個人的な問題を前に、サミュエルは悩む。
 名乗った直後に焦る素振りを見せてしまった事で、相手は疑問を抱いたのだろう。何か名前を言ってはならない事情でもあったのか、そう少女は自分に問い掛けて来たのだ。実際に彼女がどのように想像しているかは解らないが、別に大してやましい事情、例えるならば元歴史是正機構の一員だったり、政府の腐敗官僚の息子でした、等と言った物はこれっぽっちもなく、経歴は正真正銘の清廉潔白、そう言った方面で躊躇う理由は一つもない。
 焦ってしまったのは、彼女の前では正体を隠せなくなり、想定していた計画が台無しになってしまう、そう思ったから。しかし、この程度で崩れてしまったのだから、相当杜撰な計画であったのだろう。いずれにせよ、杜撰なのだからバレるのがオチ、そう考えれば焦る必要はない。

 そのように結論を出すと、"何でもない"と返して話を逸らす。彼女の方も、深くは詮索はしてこなかったようで、モニターに映し出されるプリンシパルへと目を向けると、再び後部ハッチを開かせる方法を探り始めようとしていた。自分もまた、文章の解析を行うと共にダメージを与える手段を考え始めながら、モニターの方を見やる。
 この瞬間、其処に映し出されていたのは、一機の戦闘機が戦艦の後方へと突撃を仕掛け、そして自爆特攻を敢行して見せた場面であった。あの爆発の規模では、パイロットが脱出してでもいない限りは、確実に死んでいる。きっと、それは誰からの命令でもなく、自分の意志でやらねばならないと思っての行動だろう。だが決して美談にはならない、一つの命を犠牲にしてしまった事を、悔いねばならない。

「あ、ああ……そのようだね……」

 勇敢なる者の行動は確かに実を結んで見せた。少女の言葉通り、爆発の衝撃によってハッチは開かれたからだ。間もなくして、連盟の戦闘員達が直接艦内へと乗り込んで行き、制圧の為に戦い始める事だろう。一人の尊い犠牲の下に、我々は次なる一歩を踏み出したのだ。
 だが、この時。少女はこの事を深く考えないことにした一方で、サミュエルは名も知れぬパイロットの生死の事を強く意識して考えていた。辛うじて少女の言葉に相槌を打ててはいても、その視線はモニターへと注がれており、その実、彼が見つめているのはひたすらに虚空。呆然としているのだ。

「……一つ、聞かせて貰ってもいいかい?」

 それから暫く無言が続くと、彼は急に我を取り戻したかのように少女へと視線を向け、口を開いた。

「これは例えばの話だ。君にとって一番大切な物を失ったとして、もしもそれを取り戻せる方法があるとするなら。
 例えそれが禁忌とされている方法であっても、君はそれを取り戻そうとするのか、取り戻さないのか……少し、気になってね」

 今までの態度とは一転して饒舌となって、サミュエルは問い掛ける。傍からすれば、まるで別人のように豹変したように見えるかもしれないだろう。

>シエンタ・カムリ

1日前 No.203

西の魔女王 @libragreen ★iPhone=LntI4QQSlu

【 リヒトルザーン/総合病院/ヘカテー・V・トリヴィアム 】

 自らがお願いした、糸化の代償によるバッドステータス『欠落』の治療をラスティアラは快く引き受けてくれた。
 しかし魔の物と密接な繋がりを持つヘカテーは、癒しの魔法が神聖の類に属するものだと感知してしまう。
 ほんの一瞬だけ居心地悪そうに身じろぐも、ラスティアラの謳(ウタ)により発動した淡い光はどこか、綺羅星のように仄かで心地よいものだった。
 体を安静に落ち着けて彼女の癒しに身を任せれば、全身の数箇所に浮き彫りになっていた空洞があっという間に埋まる形で完治した。

「ふふ…ありがとう、あたしと同じマレビトさん! 何となく肌ツヤがよくなった気がするわ」

 おぉ、と感嘆の声を漏らしながら自らの顔に優しく触れ、元気良く調子を取り戻せたのをヘカテーは嬉しく実感する。
 ほんのささやかなお礼として、ヘカテーはラスティアラに秘薬用キャンディを一粒プレゼント。
 この紫色で蝶型の飴──パープルバタフライは覚醒作用のあるエキスを配合した、魔力を回復するアイテムなので、持っておいて損はないはず。

 これで心置きなく避難民および患者の手当てを続けられるだろう。
 そう思った矢先に、連盟員たちの敬意ある接し方から上司の中でもとっつきやすそうな隊長格だと見て取れる半魔の女性──シビルナから、若干伝わりにくい言動であるものの確認をとられた。
 普通よりも長く重みのある人生経験から、人は誰しも大なり小なり心に影をおとす者が多いことを、西の魔女王は痛感している。
 シビルナも何かしら訳ありの過去と魔族なりの苦悩を持ち、このような口調になってしまったのならばそれを責めることなどできやない。

「えぇその通り。 敵の連中を叩くことだけが、戦いだけじゃないでしょ?
 あたしもこの娘と同様、別の世界からやってきた助っ人という訳」

「ヘカテー、それがあたしの名前よ。
 一応フルネームも教えておいた方がいいかしら」

 そういって近くにあったメモとペンを取り、自身の名字であるV(ヴォルヴァ)・トリヴィアムも含めた正式な氏名を達筆で書いておく。
 文通をとろうと励むシビルナに素早くその紙を手渡しておいた際、目線を隠した桃紫と金の前髪から垣間見える雰囲気から何かを察する。
 彼女たちがこれからどのような行動をとるのかは、こちらが決めつけずにしっかりと尊重しておきたい。

「…半魔の、あんたは避難民の手当と別にやりたいことがありそうね。
 だったらここはあたしに任せて、奴らと彼らの元に征くのも悪くないはずよ」

>>シビルナ・カストリス、ラスティアラ・フーズヤーズ

1日前 No.204

獄炎 @infernus☆XQ6phrzcKMtR ★F7MrHN45jw_Qi5

【プリンシパル/艦橋/セレーナ・バルダローム】

今まで協会艦隊と戦闘した者達は、誰であろうと皆その圧倒的な力の前にひれ伏してきた。中にはこの世界よりも強大な軍事力を誇る世界もあったが、それらも全て、だ。
赤き並行世界管理協会の旗は、常勝無敗の証。どんなことが起きようとも、どんな相手が立ち塞がろうとも勝利を収める。それこそが、彼らの誉れ高き栄光の歴史なのである。
時空防衛連盟は、事前の情報によれば航空戦力は僅か3桁程度の戦闘機しか持たない存在。その程度の相手に負けることが、あろうはずもない。あってはならない。
しかし、現実はどうだ。今やプリンシパルは敵に侵入を許し、このまま行けば遅かれ早かれ撃墜されるのは必然。状況の挽回は、極めて難しいものになりつつある。
それでも、セレーナは引くことはない。これは、頂点へ這い上がるために通らなくてはならない、試練の道。窮地の先に待ち受ける栄華に、彼女は縋り付く。

「躱す必要なんてないわ。この艦を落とさせるつもりはない。無敵の協会艦隊に、敗北などあり得ないのよ」

小手調べでしかない最初の一撃で死んでくれるほど、敵も軟な存在ではなかった。二人を同時に攻撃することを狙った炎弾と衝撃波は、いずれもヴィルヘルムの手によって防がれ、その役目を終える。
直後に放たれた相手の反撃は、非常に狡猾なものであった。正面から巨大な雷刃を飛ばすことによってこちらの身動きを封じ、その隙に横から迂回させた雷弾で操縦装置を破壊するという魂胆だ。
当然、これに回避で対処しようものなら、プリンシパルを制御する術がなくなってしまう以上、セレーナは動かない。だが、彼女はそれでも、余裕の表情を崩さなかった。
もう一人の銀狼に対する警戒も怠らず、彼女はまず眼前の雷刃を魔力を込めた刀の振り下ろしによって一刀両断すると、直ぐ様その刀を振り上げる。その動作に呼応して呼び出されたのは、小型の炎の竜巻。
竜巻は装置を中心とし、絶妙に当たらない距離を旋回することによって、左右から迫りくる雷弾を無効化してみせた。こうして遂に自由を得たセレーナは、空間を歪めるほどの勢いで迫る爪を、刀の刀身で受け止める。
続けざまに放たれたタックル、そしてハイキックも、一撃目は刀の鞘を引き上げることで威力を相殺、二撃目は大きくのけぞって空振りさせることで、無傷で切り抜けてみせた。

「次の飯にありつけないのは、一体どちらになるのやら。今日の夕飯は狼鍋かしら!」

実に強気なイアンの言葉に、セレーナは挑発めいた口調で返しながら、豪炎を宿した刀を艦橋の床へと叩き付ける。すると、刀が触れた場所が起点となる形で、爆炎の衝撃波が辺りへ撒き散らされた。
視界を覆い尽くすほどの炎で敵を怯ませている間に、彼女は左手に炎を宿らせ、それを丁度相手の足元に着弾する形で放つ。これに対処しなければ、炎は着弾と同時に爆発し、その身に甚大な被害を及ぼすだろう。
油断も隙も見せる様子のないセレーナ。だが、彼女は確実に焦りを感じている。序盤からハイペースで攻撃を重ねているのは、それだけ早く決着を付けたいという心理の表れといえるだろう。
何せ、ここでセレーナが敵と戦っている間、プリンシパルの指揮を取る人間はいない、ということになるのだから。

>ヴィルヘルム・エーベルヴァイン、アルティメット・イアン

1日前 No.205

Futo・Volde @nonoji2002 ★VgtmIqXF0o_qY9

【プリンシパル/第6通路/Sans】

「似た者同士、仲良くしようぜ」

チョコレートはいるか、と尋ねるキャラに“いんや、腹いっぱいだから遠慮しておくぜ”と返しながら、ふと思う。これだけ心強く感じたのはいつ以来だろうか、と。
ただ単に自分と全く同じとも言える能力者で、自分とよく似通った雰囲気というだけで心強く感じるとは、自分以外の奴に仮面を付けて生きてきたわけだが、自分もまだまだ“お人好し”って奴なのかもしれない。

「大人しく通してくれたら……おっと」

こんなことを言ったところで易々と通してくれるなんて思っちゃいないが、物は試しと言う奴だ。だが、こちらがそれを言い切るより先に少女は何か呪文のような物を唱えたかと思えば、姿を消す。そして次の瞬間には背後にその存在があった。

そのまま突っ立って居れば、危うく蹴りを頭に受けるところだった。もっとも、伊達に修羅場を通ってきたわけじゃない。得意のショートカットでその蹴りを躱しては相手の存在を探す。
が、その姿は確認こそ出来るが、明らかに遅れている。姿は確かにあるが、もはやそれは残像と呼ぶに相応しく、肝心の本体はその“像”より先に行動している。
わかりやすく例えるなら、対戦型のオンラインゲームで回線が悪い時にラグが生じ、瞬間移動している敵プレイヤーってところか。

「Heh, まさかオイラ達以外にも似た能力を使える奴が居るなんてな」

一人どころか二人も、自身の能力とよく似た奴が居るとは。もっとも、この少女のショートカットと自分達が使うショートカットとは特性が異なるようだが。それに、この少女の場合はキャラとは真逆で、殺気立って居る。

さてさて。今、ここで頼れるのは自身の勘と耳と、そしてキャラだけ。
しかし、後部が吹き飛び、なおかつ戦闘員も多いだろうこの艦内ではその音がかき消されるリスクは高い。下手に動けばリスクになるが、動かなくともリスクはある。では何をすべきか。

――その答えは決まっている。
キャラが血の色に染まったナイフを少女が居るであろう方向に放つと共にこちらにウィンクして合図を出した。なるほど。その作戦に乗るとしよう。

白色の大きい骨をいくつも繰り出して、キャラの投げたナイフと対になる形で放つ。挟み撃ちになる格好で。いくら姿が見えずとも、攻撃が無力化されるわけではないだろう。

とはいえ、透明な姿というのは厄介だ。透明人間相手では、こちらが不利なのは目に見えてわかる。相手の姿は見えないが。早い段階で対策を打ち出しておきたいのだが……。

>キャラ・ドリーマー、ソリダー

1日前 No.206

協会の頭脳 @infernus☆XQ6phrzcKMtR ★F7MrHN45jw_Qi5

【徐々に第二章へ向けての展開を始めていこうと思います】

【並行世界管理協会本部/重役会議室/リコルヌ・エルヴェシウス】

「感謝します。貴方の力が必要となった際は、こちらから連絡させていただきます」

実に事務的な言葉ではあるが、少なくとも感謝の気持ちは本心だろう。リコルヌからしても、現在抱えている問題の解決に協力してくれる人材が増えることは、紛うことなきプラス要素であるからだ。
相変わらず、頭の中は会長になんと説明するべきか、という考えで一杯であった。自分自身がどのような辱めを受けようが構わないが、会長がそのような事態に巻き込まれるのだけは避けたい。
同時に、作戦成功のために献身してくれた部下達に責任を負わせることになるのも避けるべきだ。上司が部下に責任を押し付けるのが常識となっては、組織全体が萎縮し、結果として後のマイナスに繋がる可能性が高い。
彼女は並行世界管理協会でナンバー2の地位を得ているのが、不思議であると思えるほどの人材だ。仮にリコルヌが思想だけで実力の伴わない存在であったならば、今頃とっくに第三臣民に落ちていたことだろう。
それだけ、リコルヌの思想というのはこのアナザーワールドの理に合致していない。確かに彼女も第三臣民を資源扱いするなど、それらしい一面は持っているのだが、このような構造の組織で失敗の責任を進んで負うなど、前代未聞といえる。

「ええ。そうであることを願っています。私は、会長の判断を尊重し、それに従うつもりです」

リコルヌの思考における優先事項の最上位には、必ず会長の意向というものが存在している。如何なる場合においても、それが最優先されるべきことであり、自らの意見や考えを反映するのはその次なのだ。
会長秘書という立場にいる者が、そのような姿勢であることの危険性は、テロヨワが思い浮かべている通り。会長はリコルヌを通じることで、組織を思いのままに操ることが可能となってしまう。
とはいえ今の所、そのような傾向はないため、彼が感じていることは杞憂に終わるかも知れない。それでも、懸念しておくべき事項であることに間違いはなく、仮に協会の構造そのものに影響を及ぼすようであれば……真剣に議論する必要が生じてくるだろう。

「恐らく、敵は"例のメッセージ"に従い、こちらに攻め込んでくることでしょう。既に策は練ってあります。ここは、彼女の行動を"釣り餌"とするのが理想かと」

彼女はテロヨワにそう語ると、彼の眼前に作戦の概要が映し出されたディスプレイを表示する。これが、リコルヌなりに考えた、名誉挽回の策ということなのだろう。
簡単に説明するならばこうだ。先刻、愚かな裏切り者ショコラ・ヴァンディールによって、ワールド10の時空防衛連盟に向けて救援を求めるメッセージが発せられた。
それ自体は既に当人の暗殺、及びこちらへの影響を最小限に留める工作によって済んでいるが、あの組織の性質からして、彼らがメッセージに従い侵攻を掛けてくるのは確実だ。
ならば、それを利用してしまおうというのがリコルヌの作戦。連盟に向け、わざと誘引地点となる場所の座標を送ることによって敵を引き付け、一網打尽にするのだ。
出来ることならば、彼らの食い付きが良い場所……例えば、第三臣民の強制労働施設などが、今回の作戦には適任だろう。一つ、労働施設を犠牲にしたところで、第三臣民は無数にいる。実質的に、並行世界管理協会には何の損失も出ない作戦であった。

>テロヨワ・アムリーベン
【協会キャラの第二章へ向けての絡みでは、既にこの作戦内容が通知されたことにしてしまって大丈夫です】

1日前 No.207

マダム・ギロチン @infernus☆XQ6phrzcKMtR ★F7MrHN45jw_Qi5

【並行世界管理協会本部/レストラン/キャロライン・ガーネット】

「貴方こそ、ね。この世界で堂々と野心を口に出せることは、尊敬に値するわよ」

並行世界管理協会、ひいてはアナザーワールドにおける上下関係には絶対的なものが存在している。たとえ誰であろうとも、協会への反骨心を露わにしようものなら、即刻処刑台送りとなることだろう。
董卓がそうならないのは、彼が異世界人であるからに過ぎない。わざわざ協力者として雇っている者を簡単に殺すほど、協会は阿呆ではないということだ。
とはいえ、あまりに目に余るようであれば話は違ってくる。だからこそ、キャロラインは彼を監視すると決めたのだ。このような強烈な野心を持つ輩は、一度力を持てば何をするか分からない。

「警戒しておくに越したことはないわよ。貴方の実力は本当かも知れないけど、油断すればいずれ足を掬われる」

相当な自信の持ち主だ。キャロラインの警告を前にしても、彼の余裕が崩れることはない。だが彼女は、それこそが命取りとなる可能性があることを指摘する。
仮に董卓が素晴らしい実力の持ち主であったとしても、慢心は必ず隙を生む。そして、この世界の人間、はたまた敵の時空防衛連盟の面々は、その隙を見逃さないだろう。
話題は完全に平行線。少なくとも、この件において双方が理解し合えることはない。話題を変えるべきか。などと考えていると、キャロラインが持つ通信端末にメッセージが届く。
それは、次の作戦内容についての連絡であった。やはり、ワールド10の侵攻は想定外の事態によって上手く行っていないようだ。この作戦は、そこで生じた損失を取り戻すためのものであると見た。

「次の作戦が決まったようね。如何にも、貴方の好みそうな内容だけれど、どうするつもりかしら?」

ある意味卑劣とも言えるその内容は、この男の好みに合致していそうであると、キャロラインは判断する。彼にも通信端末は支給されているはずだが、使い方は分かっているのだろうか。
生まれた時代からして厳しいと判断した彼女は、自らの端末を操作し、次の作戦内容が書かれたメッセージを画面に表示すると、それを空中へと投影することで董卓に見せる。
裏切り者が送ったメッセージを利用して敵を誘き出し、罠にはめる。彼からすれば、慌てふためく敵の様子は、きっと極上の光景であるに違いない。着々と近付いている実戦に向け、彼が何を考えているのか。次は、それを探ってみるとしよう。

>董卓
【意外に仲いいんじゃねえのこいつら?】

1日前 No.208

時空の守護者 @infernus☆XQ6phrzcKMtR ★F7MrHN45jw_Qi5

【時空防衛連盟本部/総統室→エントランス/外部/ユーフォリア・インテグラーレ】

並行世界管理協会を名乗る侵略者との戦いが始まってから、どれほどの時間が経過しただろうか。絶望的にも見えた情勢は、シフォン達人員の奮闘によって、徐々に覆りつつある。
望ましくない形ではあったものの、敵旗艦内部への侵入口も開かれた。既に続々と味方が乗り込んでおり、このまま何事もなければ、制圧が完了するのは時間の問題だろう。
しかし、犠牲の数は計り知れない。オラムフェルトは焼け野原となり、サクラゴスでも多くの民間人が虐殺された。インフラの面で見れば、大きな発電所を二つも破壊されたのは致命的だ。
更に、敵の砲撃によって、市民を乗せて脱出するはずであった輸送船と客船も多数撃墜されている。僅かな時間の間にホームワールドは、史上最悪ともいえる損害を出してしまっていたのだ。

『総統! 副総統が到着した模様です!』
「オスカー……すぐに出向くわ」

殿を務めた機には、オラムフェルト支部にて勤務していた時空防衛連盟副総統、オスカー・ソレイル・ルヴァンが搭乗していた。通信への応答がないため、最悪の事態を想定していたのだが……どうやらそれは避けられたようだ。
部下からの報告を受け、すぐに彼がいるであろうエントランスへ向かうユーフォリア。通信が出来ないほどの状況であったことからして、かなりの被害を受けていることが予想される。
彼女は急いでエレベーターから降り、扉を潜って本部の外へと出る。そこには、不時着した輸送機と、着地の際の衝撃で外へと投げ出された乗員達の姿があった。
墜落寸前の機体を何とか本部まで持ち帰ってきたのだ。彼らがどれだけ消耗しているかなど、考えずとも分かる。だがその中でも、オスカーは、全てに絶望したかのような、悲惨な表情を浮かべていた。

彼が受けた精神的ショックは、想像を絶するものであろう。守らなければならない市民、更には血を分けた弟妹達までもが死んだ中、それらを守護るはずであった自分だけが生き残る。
恐らくオスカーは、今すぐにでも彼らの元へと行ってしまいたい、と考えているだろう。さすがのユーフォリアであっても、今の彼にかける言葉は見つからない。たとえどんな言葉であろうとも、オスカーの傷を癒やすには足りぬだろう。

「……貴方の責任ではない」

だからこそ、こうするしかなかった。項垂れるオスカーをただ無言で抱き締める。慰めにはならないかも知れない。それでも、今の彼を放っておく訳にはいかなかった。
異次元より現れし侵略者は、平和な世界を瞬く間に地獄へと作り変えた。絶対に、彼らを許すことは出来ない。あちらの世界では、もっと多くの人が虐げられ、犠牲となっているのだろう。
命懸けで連盟に希望を託してくれた、"見知らぬ彼女"のためにも、時空防衛連盟がやらなければならないことは唯一つ。並行世界管理協会を打倒し、アナザーワールドにも平穏をもたらすこと。
それは、非常に難しく、険しい道程となることだろう。しかし、それが出来るのは自分達以外にいない。今こそ世界線を超え、"時空の守護者"としての責務を果たすべき時だ。

>オスカー・ソレイユ・ルヴァン

1日前 No.209

逆賊 @mgs56 ★kOwjtfzUku_keJ

【並行世界管理協会本部/レストラン/董卓】
この不特定多数の人間が出入りする場所において大声で自分の野望を口にする。何者かが密告する可能性も十分に考えられるのだが、あくまでそれは考えていない。当然だ。何故ならば自分は異世界から呼び出された大事な戦力。この世界の人間と違ってある程度の自由が保障されている。それを笠に着て彼は好き放題しているのだ。元の世界においてこの「身内で絶対に歯向かう者はいない」という絶対の自信、慢心と油断。元の世界においてこの油断と慢心が自らの破滅を招くことになるのだが、あくまで彼はそれを顧みることも反省することもしない。

そのような出口の見えぬ会話が続く中、彼女が持つ通信端末にメッセージが届いた。しかし董卓はこんな近代の利器が生まれる遥か以前の時代を生きた男。恐らくは使い方が分からないだろうと彼女が端末を操作しメッセージを空中に投影し董卓にメッセージの内容を見せる。
内容は次の作戦の概要。どうやらそれは裏切り者が送ったメッセージを利用し敵を誘導、罠に嵌め徹底的に叩く。ということか。

「ほう。つまりはのこのこ誘い出された敵の阿呆共を蹂躙すればいいという訳じゃな?…じゃが、ワシはワシの野望の為にやらねばならんことがある。そのような些事、貴様らでなんとかせい。」

この戦い、敵が慌てふためくことで混乱するだろう。討ち取るには絶好の好機といえる。それに加えて敵の首級を挙げれば出世への足掛かりとなる。だが、今は自分の言う事に忠実な連中を揃え自分の派閥を形成することこそが急務。
グラスに注いだ麦酒を一息に飲み鳥の丸焼きの足をちぎって食べると、彼女に背を向けもうここには用は無いとばかりにそそくさとレストランを後にした。

>>キャロライン・ガーネット

【これにて一章での董卓の出番は終わりです。短いながらもお付き合いいただきどうもありがとうございました。】

1日前 No.210

中二病はいつになく真剣 @infernus☆XQ6phrzcKMtR ★Android=OJgArNBIOG

【時空防衛連盟本部/オペレーションルーム/シエンタ・カムリ】

逆転への道筋が見え始めた。プリンシパル内部に突入した味方の活躍によって、確実に戦況は時空防衛連盟有利へと傾きつつある。
あれだけ旗艦が突出してしまった上、他の艦も航空部隊の激しい攻撃に曝されているとあっては、救援も期待出来ないだろう。相手のミスから生まれた希望、何としてでも繋がなければ。
シエンタが引き続き、プリンシパルの解析を進めていると、隣にいるサミュエルが唐突に質問をしてくる。その内容は、初見ではまず間違いなく言葉に詰まるであろうものであった。
しかも、それを話している間の彼は、やたらと饒舌であった。一瞬、別人と見紛う変わりぶりに、さすがのシエンタも面食らってしまうが、しばらく考えた後に、よくやく口を開く。

「それが出来るなら、ボクだってそうしたい。けど、なくなったものが戻ってくることなんて滅多にないことだ。悪いことをしてまでそれを取り戻したところで、本当に自分が満たされるかどうかは分からないよ」

シエンタにしては、珍しく難しい口調だった。少なくとも、彼女にとっての大切なものは、禁忌を破ってまで取り戻すことが正しい、とは言い切れないようだ。
どうしてサミュエルは、このようなことを聞いてきたのだろうか。とても気になることだが、それについて考えると頭が痛くなりそうだし、彼にとっても失礼だと思ったので、やめておいた。

二人が会話を終えた直後、通信端末に通知が入る。確認してみたところ、次の作戦についての情報のようだ。総統は、例の艦隊を退けた後に、あちらの世界へ攻めいるつもりらしい。
これは正直、予想出来ていたことであった。ユーフォリアは直接助けを求められた時点で、それを見捨てるようなことを絶対にしない、いや、出来ない人物だからだ。
しかしそれを実行するためには、一刻も早くアナザーワールドの座標を解析しなくてはならない。自分達の責任は重大だ。一度自分も、サミュエルに合流するべきか。そんなことを考えていると、今度は連盟の通信回路にメッセージが届く。

「何だこれは? この座標、海のど真ん中を示してるじゃないか。いや、でも……」

シエンタがメッセージを開いてみると、そこに表示されたのは、ホームワールドのある場所を示した座標。試しにアクセスしてみたが、あろうことか海のど真ん中であった。
一応、その場所には古代、カルストンと呼ばれる島があったのだが、現在は気候の変化や地殻変動などにより水没してしまっている。まさか、海の中から通信など出来ないだろう。唯一考えられるのは潜水艦だが、この付近
にいるという情報もない。
だが、通信相手の特定が出来ないこと、そして先程助けを求めてきた人物の存在を加味すると……これは、アナザーワールドにおける同座標を現しているのではないか。そう考えれば、全ての辻褄が合う。
となれば、ただちに最初の座標の解析を終わらせなくてはならない。シエンタは一旦、プリンシパルの解析を中止すると、別のコマンドプロンプトを開き、計算を開始させるのであった。

>サミュエル・ベルナール(H)

1日前 No.211

カリー @karikari10 ★Android=GZn0EZmRVy

【サクラゴス/港/橋川 清太郎】

バーニアで距離を取るために後退したタイミングで、ヘルガの方をちらりと確認すると、歯車王の弾幕へ怯まず果敢に立ち向かう姿が見えた。弾道を瞬間把握して回避、或いは青い炎でもって迎撃。一連の動作にはまるで無駄がない。多少危なっかしい部分もあったが、見事歯車王の懐まで潜り込み怒涛の炎打で畳み掛ける。その装甲を穿つには至らなかったものの、脚部関節に命中した瞬間だけ、僅かにたじろぐような挙動が見られた。
関節部。機動兵器の弱点の一つとしてよく取り上げられる部位だ。通常は装甲配置などを上手く工夫して補うものだが、どうやら歯車王はこれを放置せざるを得なかったようだ。恐らくは変形機能との兼ね合いが原因と思われるが、今考察を深める意味はない。
痺れをきらしたのか、明らかに苛立った声を上げ大型剣を使用。ヘルガは直撃こそ避けたが、衝撃の余波に煽られそうだ。そしてその直後、

「! これは……」

彼女から炎が送られてくる。だがそれは突如として裏切ったというわけではなく、何らかの補助魔法のようだ。
HUDでの簡易スキャンではサテライトタイプの防性媒体との結果が出た。

「助かる!」

この後に及んで格下扱いしてきたことに、胸中で少しばかり憤慨するも、やはり劣勢という現実が己を戒める。彼女の厚意を無下にすることに何のメリットもない為、ここは感謝の言葉を伝えておいた。

(実際、今のは割りかし純粋に有難かったしな)

仮面の男からの攻撃をロクに捌けない現状では、この魔法の存在は少なからずアドバンテージとなるだろう。

――――

ミサイルの弾幕を張った後、対する男はまたも変身を行う。今度は魔導的、かつ禍々しい姿である。瞬時に青色へ変わったかと思うと、狼らしき咆哮を上げた。もう今更姿を変えることに違和感は持たないが、まだ多くの揉め手や奥の手を有しているかと思うと不安を覚える。
男は一対の剣と驚異的な敏捷性でミサイルを捌いていく。それが駄目とあらば紫の重厚な鎧じみた姿へと変わり、それでも足りなければ緑へ変化し独特な外観の銃と元から持っていた銃のトゥーハンドで迎撃する。

「……?」

足元を見れば、少しづつ、ほんの少しづつであるが雨でも降っているかのように、水溜りがいくつかできつつあった。それだけでなく霧までかかり始めている。掃射の合間にスキャンしてみると、男の銃が水を弾頭として射出していることが判明。
辺りを水浸しにして一体どうするつもりなのだろうか、強力な電撃攻撃の布石? 十分有り得る。先程から目まぐるしく能力と武器を変えているこの男ならそれぐらい不自然ではない。

「っ!」

弾幕の隙を突く形で、あの水弾を撃ち込んでくる。掃射体勢の維持などで、幾らか動きが制限されているこのタイミングで回避は難しく、ヘルガの渡してくれた炎に防御を任せることになる。

(まずいか……?)

だがそれもみるみるうちに数を減らし、10秒と経たない内に全滅してしまった。決してヘルガの魔法が弱い訳ではない、男の攻撃が純粋に強いのだ。そして間の悪いことにここでランチャー内のミサイルが切れる。

「くそっ!」

HUDの『ミサイル残弾ゼロ』を意味する表示を苦々しく一瞥。


しかし、それがまずかった。

「うあ……!!!」

目を逸らした一瞬の間に、運悪く水弾が頭部装甲を直撃。衝撃で脳震盪を起こし仰向けに倒れる。直ぐに起き上がろうとするも、視界が酷く歪曲し平衡感覚が機能しない。

『何故闘う』

『何故闘える』

意識が気絶という静かな微睡みに落ちる寸前、男の言葉が脳裏で反響した。

>>歯車王、門矢 士、ヘルガ・アポザンスキー


【お相手ありがとうございました】

1日前 No.212

Charlott @kirieru ★Android=ryLO8WYMEG

【時空防衛連盟本部/エントランス/霊犀唯香】

「やっぱり!どうやら私達は似た者同士ですね」

唯香の思った通り大道寺達は他の異世界に飛ばされて来た人間だった。
似た境遇の仲間が出来たのか唯香は少し嬉しそうな表情を浮かべる。

「本当にある日、突然ですもね......私なんか二学期、初日の部活帰りからここに飛ばされたんですよ......かれこれ一ヶ月はこの世界に居るんです.......これもう向こうで大騒ぎになってますよね」

異世界に飛ばされた経歴を少し話す唯香。
話の内容通り彼女は二学期、初日の部活動を終えての帰宅途中でこの世界に飛ばされたのだ。
世間的になら帰宅中に何者かに誘拐という騒ぎになるはずである。

「そうですね.....精鋭部隊は基本、命令があれば動きますけど.......一緒に戦うって貴方達とですか?」

菊丸の言うにはこれから一緒に戦うと言うのはどうかという提案に少し驚いたが妙に納得した面持ちを見せる。

「貴方達って普通の学生ではないですよね.....だって拳が人を殴る仕様に出来上がってますし......」

さっきも感じた事だが唯香は彼らが普通の一般人では無いことは既に見透している。
武道や戦いに常に身を投じている人間の特徴を見抜くも容易い事だ。
唯香も彼らと同じ戦いに身を投じる人間なのだから。


>>大道寺重蔵、佐久間菊丸、愛染翼


遅れましたすいません

1日前 No.213

水刃 @hal0406 ★Android=FuD56rsS9O

【プリンシパル/倉庫/ツバキ・オオトリ】

男は唐突に笑い出した。何が可笑しかったのだろうか。必殺の攻撃を避けられて気でも触れたのか。否、それだけは有り得ない。
男が放つ殺気は、微塵も衰えていない。むしろ先より強く感じられる程だ。ならば、奴も"同類"なのだろう。

それは即ち、戦いにこそ己の生き様を見出だす者の証。
身を切り心を震わす死合いの感触だけを拠とする異端者の縁。
何よりも虚な己の魂を満たす為に、ただその為だけに死線を踏み越える修羅共の、僅かな刹那の、しかし永遠にも想える邂逅だった。

舞い踊るように白刃が軌跡を描く。少しの余分の立ち入る余地の無いそれは、正しく窮極の剣技。彼女はそれを、ほんの僅かに視ただけで確信した。男は、"それ"だけの為に存在する、剣の奴隷なのだと。

「ああ――悪くない」

業には業を以て応えよう。全身に向けられる刃の奔流を、超人的な身のこなしで往なして行く。一度、二度、三度と無くその柔肌に裂傷を刻まれる。だがそれすらも心地好い。これこそが、彼女が望む死線のカタチなのだから。
男の剣筋は変幻自在。切り刻むばかりでなく、突き付けるばかりでなく、それら全てが柔軟に織り交ぜられている。如何に生きればその境地へ辿り着けるだろうか。否、果たして諸人に辿り着き得る場所なのか。嗚呼――否、否、否。"そんなこと"はどうだって良いのだ。
この至上の死線に、それ以外は不要。在るべきは、ただ純粋な命の遣り取りだけだ。

荒れ狂う刃をすり抜けて、彼女は男に肉薄する。足元から水を作り出し、踵を水圧で急加速させて斜め下から蹴り上げる。続けざまに大量の水を生成したかと思えば、瞬間的に水壁を築いて視界を奪い、相手の足元目掛けて払い蹴りを繰り出した。

「失望させてくれるなよ」

彼女は、更にその"先"を見据えている。男が『値する』存在であれば、その時は――。

>>アマツ

1日前 No.214

無限刃 @sable ★c1PKWYVyQN_Tbw

【プリンシパル/倉庫/アマツ】

 感情を出すなど悪手でしかない。敵に手の内を晒すのは愚者の常。そう叩きこまれ、心身で理解しているアマツだからこそ、この行為には深い意味がある。
 遂に巡り合ったのだ。心のどこかで望んでいた好敵手と。汚れ渇き埃を被っていた盃――彼女との戦いが満たしてくれるに違いない。
 同時に彼女をも満たしてやれる自信があった。滾らせ潤した上で、鮮烈な死を味わわせてやれるという、確固たる自信が。
 一種の矜持だろうか。命を刈り取る仕事はしても、不必要に弄び、辱めるような趣向は持ち合わせていない。
 生命とは生物に与えられた権利。本来何者にも奪うことの許されない、不変かつ神聖なもの。
 それを奪わずして生きられない"化け物"になってしまった以上、化け物なりの信念が無ければ壊れてしまう。

「なるほど」

 自分の目に狂いはなかった。あの眼差しを見ればわかる。女は評価した――剣の奴隷だと。
 剣を操る奴隷ではない。操られる奴隷だ。だからこそ極められる。己を持たず、操られるからこそ隙がない。
 あらゆる意味で"初めて"出会う種の生き物だった。ここまで聡明な人間もいなければ、ここまで強かな人間もいないだろう。

 柔肌に切り込む刃。肉を断つ感触、血の匂い。全て見慣れている。ありふれている。ただ一つのイレギュラーと言えば、女が死んでいないことだ。
 身のこなし。痛みを受け止める表情。やはり有象無象とは何もかもが別次元にある。
 アマツは気付いていないが、自分自身と向き合うようなものだ。同じ道に生き、同じ蟠りを抱え、同じ末路を望む者同士。
 だからこそここまで入れ込める。心を。身体を。人生を。この邂逅は言わば運命だ。いつか対決せねばならぬ父と子の如く。

「誓おう」

 失望――仮にさせたのなら、この命を以て償われるだろう。
 生み出された水による冷気が、またアマツを狂わせる。火照った頭を冷やすどころか、さらに昂らせ昇り詰めていく。
 水圧に後押しされた一撃。素早く身を翻し躱す。続けざまに視界を奪い、動きを封じる魂胆であろう足払い。
 敢えて受けつつも、直撃と同時に足を引くことでダメージを軽減。転倒したように見せかけ、天井付近まで跳躍。
 頭上を押さえて急降下、二刀を以て叩き切る。静と動を織り交ぜた戦術こそが暗殺者の本領だ。
 この一撃も単なる力押しなどではない。片方の剣を微妙に前へずらして構えることで、紙一重の回避すら許さないのだ。

>>ツバキ・オオトリ

1日前 No.215

新副総統 @sable ★c1PKWYVyQN_Tbw

【時空防衛連盟本部/エントランス外部→総統室/オスカー・ソレイユ・ルヴァン】

 死すら望ましく思う絶望の中、ユーフォリアの慰めは真っ直ぐに届いた。立ち上がらなければならないと思った。
 使命を果たせず、守るべき人々の犠牲の上に生きていると思うと、どうしても自己嫌悪に陥ってしまう。だがそれ以上に、メソメソとして意気地ない自分の方が大嫌いだ。
 これは弔い合戦。戦わなければ、次に焼かれるのはリヒトルザーンだ。

「ユーフォリア……俺はやるぞ」

 それでこそ副総統。組織を引っ張る指導者というもの。泣くのは戦いが終わってからでいい。
肩を借りて立ち上がると、復讐と使命に燃えるオスカーは、迷いない足取りで総統室へ向かった。
 戦力はともかく情報は十分だ。向こうに乗り込み遺恨試合をするだけのツテも揃っている。
 電撃戦をし損ない大損害を吐いた敵へ、泣きっ面に蜂と言わんばかりの意趣返しを叩きつけてやろうではないか。

「オスカー・ソレイユ・ルヴァン、只今着任した。さあ……暴れよう!全世界がそれを望んでいる。

未来は不確かなものになった。誰もが試される時代だ。

だからこそ抗い抜く!"最後の希望"なんて言われて、熱くならずにいられるか!」

 出かかった涙を堪え、全ての同志達の魂に訴えかける。諦めかけていたヤツも、怒り狂っているヤツも、全てこの呼びかけに応えてほしい。
 我々は時空防衛連盟。その戦いの舞台は、古代や中世から、異なる次元――並行世界へと移った。新たな試練の到来だ。
 厳しい戦いになることは間違いない。それでも耐え抜き、抗い抜けば、新たな希望が芽を吹くだろう。

>>ユーフォリア・インテグラーレ

1日前 No.216

リインカーネーション @genomirai ★jhfTwDC05p_Tbw

【リヒトルザーン/総合病院→移動中/シビルナ・カストリス】


少女が穴の開いた女性の身体を、彼女に施した魔法と同じもので癒していく。方向性の違う身体の異常を治すことのできる異世界の魔法の汎用性に僅かに驚愕を抱く、少なくとも彼女の異能は傷は癒せても病は癒せない。
例えば先程までの彼女は失血と呼べるだけの状態にあった、同等の症状を持つ相手を彼女の異能で癒すならば傷を塞ぐことは出来ても、失った血を補うことは出来ない。疲労などの回復の促進は出来ても、即時の回復は体内に長時間留まった体液でないと難しい。
そう考えた時、少女が重傷者を手早く治療して回れた理由も納得できる。詠唱を挟むとは言えど、多くの時間を取らずに全快にほど近い状態にまで回復することが出来る。軽傷者の手当てと同等か、それ以上の速さで。
少しばかりの羨望が心に巣食う物の、彼女は自分たちのやったことが無駄になるとは言わない。その要因に少女の積極的でありながらも、優しい人柄も含まれるだろう。戸惑い、押され気味と言えど嫌悪感を抱く要素は何もないのだから。
先程も彼女の動揺を心配する素振りを見せたり、しっかりと何かを確認した上で、大丈夫と言う言葉に肩を軽く叩いて治療の終了を示したり、今も目の前の女性の治療を快諾したりと世が世なら聖女と呼ばれるのだろうなと、彼女が思うほど。
そして女性の方も親しみやすいように思える人柄であった、少女にお礼と言いながら可愛らしい蝶型の飴を手渡していた。それを見た彼女も、制服のポケットやらポーチを探るも気の利いたようなものは見つからず、落胆の色を表情に浮かべていた。
そもそも治療の補助と言う任務の為に、この場に居るのだから持っていても医療用の簡易栄養補給剤程度しかない。味もあり、比較的好評ではあるが流石にこれを渡すのはと控えてしまう。他には輸血液しか手持ちはないのだが。

「え、えっと……ラ、ラスティアラさんに、ヘヘカテーさん……ですね。あ、あの、わ、わわ私はシ、シシシビルナ・カストリスです……い、一応、時空防衛連盟五番隊隊長で、です。」

双方から避難民の治療をしていた事と、別世界からの協力者であることが確認できた。少女の方には時空の彼方からやってきた流離の旅人と、丁寧に書かれており、女性の方も達筆を読み取るのにやや苦労しながらもフルネームを記入している。
協力者の全容を把握しきれていない事もあり、敵味方の区別をつけるためにもこういった報告は重要となってくる。少なくともこの二人が戦場で連盟と出会っても、敵と誤認されるような可能性は極端に低くなるだろう。
本来なら顔写真も添付したいのだが、そのような状況でない事と女性からの提案もあってか文体で手早く説明し、二人の情報を送信した。記入時間はとても素早く、筆談形式であるならばと彼女が言うだけの理由にはなるだろう。

「そ、その……ヘカテー、さん、あありがとうございます。す、少し、ほ、ほほんの少しだけ、か考えさせて、ください。」

やや伏し目がちに女性へと答えた後に考え込む、現状も作戦は進行しており、敵戦艦への侵入が行われた事を報告を送信する間際に確認していた。戦端は収束に向かいつつあるのは事実、避難民が増えているのも事実、そしてまだ戦場に取り残されている避難民が居るのも事実だ。
彼女の異能は確かに治療に適してはいる、女性のその方法を目にしてはいないが噂を聞く限りは同等以上の治療を行っているのは確実。少女がどうするかは不明だが、もし残ってくれるならば何も不安はない。
時間にして一分ほど、沈黙のままに思考を巡らせていた彼女の決断。それを後押ししたのは前五番隊隊長であればどうするか、と言う事であった。きっと、現場に向かって一人でも多く助けようとするだろうと、彼女は思ったのだ。

「……す、すいません!ヘ、ヘカテ―さん、後、で出来ればラスティアラさんも、避難民の方々をお願いします!ごごご、五番隊は現状のまま軽傷者の手当てを、新たな指示あるまでは二人の支援もお願いします!」

そう言うが早いか、使う事がないだろうと端の方に立てかけていた短弓を手に持ち、少女と女性に頭を下げながら病院の裏口から飛び出した。連盟の車両の一つに飛び乗り、そのまま運転をして走り去る。
あの積極的で優しい少女と頼りになる雰囲気の女性、二人にならば任せられると彼女は思ったからこそ戦場へ向かう事を決めたのだ。もし、何かあっても責任を取るのは彼女自身である、それでも任せても良いと思えるのだ。
避難民が通らないであろうルートを選別し、最低限の安全を守りながら全速力で飛ばしていく。彼女の戦闘能力は決して高いと言える程ではない、だがそれが誰かを助けない理由にはならない。きっと、前隊長もそう言うだろうと彼女は思うのだ。

そうして意気込んで飛び出した彼女の端末に、新たな作戦の概要が送られてくるのは僅か後の事だ。それを確認すれば大慌てで連盟本部へと戻る事になるだろう。

>>ラスティアラ・フーズヤーズ ヘカテー・V・トリヴィアム


【章移行が近付いているので移動とさせていただきます。短い間でしたが絡み、ありがとうございました!】

1日前 No.217

天雷 @zero45 ★pB1cyTl1jZ_Tbw

【プリンシパル/艦橋/ヴィルヘルム・エーベルヴァイン】

 正面へと飛ばした雷刃で敵の動きを封殺し、その間に壁の両端を沿って迂回しながら飛んで行く雷弾で、密集した操縦装置群を破壊するという目論み。我ながら狡猾な手段であるとは思うが、それでも一筋縄ではいかないようで、相手は余裕と言った風のままで雷刃を一刀両断し、更にその動作に呼応する形で火焔の竜巻を呼び起こしては、装置すれすれの軌道を描きつつ雷弾を無力化されてしまう。
 空間を歪める真空波、力強い疾走からの体当たり、顔面へと容赦のないハイキックのアルティメットな三連コンボも、動きを阻む障害から解放されて自由の身となった彼女には通用しない。初撃を刀身で受け止め、続く二撃目を鞘で引き上げ相殺し、三撃目を大きく仰け反り躱し、反撃へ。烈火纏う刀が叩き付けられ、撒き散らされた爆炎の衝撃波がヴィルヘルムと銀狼へと襲い掛かる。

「へえ、そうかい。なら、お前たちの今日と言う日を、忌念すべき初敗北で飾ってやる!」

 視界を覆い尽くす紅蓮。直に感じる熱気に絶えず汗が流れるのを感じながらも、意気揚々と笑って見せながらヴィルヘルムはセレーナの言葉に対して宣言をする。常勝無敗、天下無双、無敵艦隊。その強大さと偉大さを示す言葉の羅列を我が物とする協会艦隊に初の敗北を味わわせて、これまで打ち立てて来たであろう伝説にピリオドを打ってやるのだと。
 左手を前に、剣を持つ右手を後ろに引くような構えを取ると、ヴィルヘルムは体内で生成されるエネルギーを強く引き出し、白き光という形で全身から放出し始める。それが意味するのは、軽度の身体強化。それが彼にどれ程の恩恵を与えるかは、次の瞬間に解る事だろう。

「ついて来れるか? 言っておくが、まだまだ俺は……フルスロットルで行っちゃいない!」

 地面を蹴る動作と共に炎が激しく揺らめき、それと同時に彼の身体はその場から消失する。結果として彼が元居た地点を狙った炎は今、標的の一つを外す形となり、それをどう対処するのかは銀狼に委ねられた。だが、彼は信じている。彼女のアルティメットなオオカミパワーであれば、必ずや見事にアメイジングに対処して見せるだろうと。だから、攻めに転じたのだ。
 目視する事を困難とする程の高速のスピードで移動を行う彼が、次に出現した地点はセレーナの少し後方の位置。其処から彼は再び地面を蹴ると、直線軌道を描きながら彼女の背後を目掛けて突進して行き、勢いそのままに剣での刺突を放って心臓を貫かんとする。更に間髪入れずに、左手で虚空を爪で裂くような動作と共に、超至近距離から雷を放射して、彼女に電撃を浴びせようと試みた。

>セレーナ・バルダローム アルティメット・イアン

1日前 No.218

二重刀 @kyouzin ★XC6leNwSoH_Qi5

【プリンシバル/第一機関室/Dual】

まず起きるのは沈黙。 しかし、これは当然と言えば当然の事だ、突如として現れた血に塗れた機兵、それが連盟の機体のどれにも該当しないとなれば、まず敵かどうかを見極め、考えなければならない。
もしもデュアルがまともなコミュニケーション能力を持ち合わせているか、あるいは最初から敵であることを証明するように先制攻撃を仕掛ければ話は早かったのだろうが、少なくともこの状況はそうではない。

だが少なくとも相手に恐怖の感情が見られないのは良かったと言えるだろう、戦場慣れしていない異世界人だった場合は面倒ごとに繋がりかねない。 連盟も所詮自分にとっては外敵、踏みつぶして進む過程に過ぎないとデュアルは断じているため、戦闘になるのは問題ないが、それで本来の目的を達成できなくなるのは困る。
見た目の話をさらに掘り下げるなら、そんな事を考えつつもデュアルは何も語らず、不気味にカメラアイを赤く輝かせて立っているだけと言う亡霊染みた事になっているため、余計である。

しかし、対応が遅い。
もちろん、連盟から見ては自分は不明機体だが、ここまで思考時間を使い、また、上司に連絡する様子も無い。 もしやするとこれは自分のような敵を増やすことを嫌った単独勢力なのかもしれないとも思うが、あまり無い線でもあるだろう。

とは言え、言葉を交わす必要は無かったらしく、こちらの行動を見て相手は共闘の路線を固めてくれたようだが……どうやら、ただここを破壊して終わりと言う訳にも行かないらしい。

「話が早くて助かる、僕は無駄話と言うのが嫌いでね。 ……さて、試し斬りの相手と言うのは、嫌いじゃあないんだがね、少なくともここで出てきて欲しくは無かったな」

相手のほとんど感情の篭っていない、軍人然とした答えに対してデュアルは内心に秘める特定の人種に対する侮蔑の篭った回答をする。
それをしているのが表情のある人間ではなく、ほとんど動かない機械であるので、その見た目の異質さはさらに加速する。 しかし、そんな回答をしながらも、既に彼もまたアリアと同様に敵対者の存在には即座に気づいた、どうやらこちらが放った攻撃の間に盾として人形型の兵器が割り込んだようだ。

そして、響くのは女の声、周囲に確認されるのは無数の女の人形だ。
随分と趣味が自分とは異なるが、おそらく無人兵器の類だろう、ルクセンの老婆がくだらない理由で若者から優れた発想を取り上げたと名高い高級ビットと大して変わりは無い。
だが一匹だけ差異が見られる、あの最初の問いかけをしてきた物だ。 アレが指揮官タイプで、他より優れていると判断するのが妥当な所だろう。

「僕に"心"があるように見えるかい? そう言ってくれたのは二人目だ、嬉しいね、あと回答は"全て"だ。 一人目と違って君は敵で愛着も無いから最低でも無力化はさせて貰うがね」

心はどこにある、その問いに対してデュアルは、少し笑うようにあるいは機嫌が良さそうに返答する。 その無機質さに自分の作品の一部を重ねたのかもしれないからかもしれないが「最低でも無力化」と言う彼にしては優しい言葉も使っていた。
さて、戦闘は開始したようだ、しかしメインの攻撃は雑兵、指揮官の動きを悟らせないつもりだろう。
そんな中で、味方はある言葉を発した、それに対し――

「名前が無いと不便だ……そうだな、デュアルと呼んでくれて構わない。 さて、広域攻撃かい? ふむ、火力に欠ける精密砲撃と君の命は保障しない無差別砲撃、どちらが支援内容としてお好みかな?」

彼は最初こそ、戦場に不釣合いなことを呟くが、少なくとも何れ連盟に出くわす以上、クラスターよりもデュアルと言う新たな名前を認知させたほうが良いと考えていた、それ故の発言だ、もちろん連携の問題もある。
さて、どうやらあの女は自分が突っ込むと巻き込まれかねない広域攻撃をするようだ、ならばこちらも合わせてみよう、どうせ実力も測っておきたい、使えないのならば退かせて自分一人で敵を倒すのも要検討だ。

そして、デュアルはその言葉の直後に、比較的太く、大きい両足を変形させて、まるで「獣」のような四足歩行形態を取り、刀を専用の鞘に収め、腰部に装着されている対空砲とキャニスター砲を手に持った。
そう、このデュアルは近遠両用、形態を使い分けることであらゆる戦況に対処できるという兵器なのだ。

「やはり指揮官は早いね、まあ、まずは雑魚だ」

この時点で、ハートレスだけ他に比べて機動力があるのは確認できた、ただの指揮官機には納まらない性能差すら感じられる。
それでも、仮にも敵が指揮者を気取るならば数の利を潰すのが先決だろうと、味方の攻撃に驚くことすらせず、光から逃れようとするものや射程範囲外に居るものを対空砲と言う人形相手には過剰火力とも言える大火力を叩き込む。
さらに、精密砲撃だけでは飽き足らず、無差別砲撃も見せ付けるようにキャニスター砲に弾を込め発射。 大量の子弾がこの空間に撒き散らされ、あらゆる物を縦横無尽に破壊する。 もしも運がよければ、あの指揮官も一緒に潰せるだろうと思える程の広域攻撃だ。

また、デュアルは相手が接近しようとしていた事を思い出し、予め再度脚部を変形させ、射撃武器をマウント、刀を取り出して最初の接近戦形態に戻る。

>ハートレス アリア・イヴァンヒルト ALL

23時間前 No.219

リインカーネーション @genomirai ★jhfTwDC05p_Tbw

【プリンシパル/第6通路/ソリダー】


似ていると、骸骨と少女が口を揃えた理由が彼女にも理解できた。恐らくは彼女が使用するものとは原理は全く異なるだろうが、導き出される結果自体は変わらない。そう、それは瞬間移動と言う形であった。
虚像が放つ攻撃を避ける少女、回し蹴りを避ける骸骨、その両方が瞬間移動のような行動で回避を行った。成程、少女が面倒と言った理由も頷けると彼女は判断した。互いに回避に関しては最高峰を誇る、少なくともそれを踏まえて攻撃を当てなければならないのだ。
その方法は回避する必要がないと思わせる攻撃を放つか、単純に相手の反射神経を上回るか、必ず当たる攻撃を放つか、またはそれ以外の方法だろう。この場においては前者二つを中心としつつ、条件が整えば後者を選択するのが彼女の最善だろう。
彼女の能力は継ぎ接ぎ、切り離す能力。生命体以外であればあらゆるものを能力下に置く、彼女の戦闘能力の大半を担う強力無比なもの。今この時点では彼女は無手である、しかし武器を持ち、投擲すれば回避される可能性すら切り離すことも出来るのだ。

「面倒は此方の台詞だ、手段こそあれど厄介極まりない」

少女側が音を聞き逃さなかったのか、位置が判別されていると見るや能力を解除し、姿を現す。少女が放ったナイフと、それに合わせるようにして射出された白く巨大な骨、その対角線上に彼女は現れた、同時に虚像の方は存在しなかったように掻き消える。
少なからず、感覚と言う点では少女の方が警戒度が高いという判断を下す。だが攻撃手段と言う点ではやはり骸骨の方が警戒すべきだろう、ナイフは単発であるが骨は幾らでも射出できそうだ。なれば少女と言う目を潰し、骸骨を葬るのが上策と彼女は導き出す。
彼女へと向かって飛来するナイフと骨、双方共に攻撃の隙を狙った反撃として放たれた故に能力を使用する以外に完全回避をする手段はない。そこで彼女が取った手段は単純だ、物量の少ないナイフの軌道上から外れる、そして―――

「『Articulacion』―――――――『Voltear』」

―――数多の骨は消え失せた。
続く言葉が紡がれると同時に、骸骨の頭上に彼女へと放たれるはずであった白く巨大な骨が降り注ぐ。彼女の能力本来の使用法、継ぎ接ぐ能力。己の能力で切り離した物体を、任意の方法で世界へと継ぎ接ぐ。
普段であれば使用せず、切り離す能力を多用するのだが似た系統の能力と言う受け入れざるを得ない事実が無意識的に使用させた。現に、彼女の光の失われた瞳に僅かな驚愕が見える。それも極一瞬の事であり、すぐさま無表情へ戻ったのだが。
そしてこの状況は連携の取れている二人を一瞬でも孤立させるには十分なものであった、幾ら瞬間移動が使えようともその反応速度には限度がある。回避に気を取られるならば、互いを補うのは不可能に等しい。
さらに少女は得物を投擲している、隠している何かがある可能性もあるが反撃の余地は現時点ではないに等しい。援護が望めない状況で対処するには厳しいものになる、だからこそ彼女は油断を誘う攻撃手段を取った。

「これで孤立、チェックだ。―――――『Articulacion』」

全力の瞬発力を以って少女へと跳躍、落下の勢いをそのままに先の再現を行う様に脳天へと踵落としを行う。これだけならば単なる繰り返し、少女の対処も同様のものになるだろう。
だが、彼女が今回切り離したのは音。響くはずの足音は数拍遅れて耳に届く、まるで頭蓋を砕かんとしている彼女自身を虚像と思ってしまう、そう誤認するには十分であった。
彼女の能力の全容が明らかになれば警戒のしようはあるだろう、だが仮に見えない姿での攻撃へ警戒を強めていたのであれば目の前の攻撃と遠くで聞こえた足音、何方を危険視するかは明白だ。
そう、彼女の能力は唯一の欠点である対象を一括りでしか区別できない。骨ならば骨のみ、音ならば音のみ、それが能力の対象に出来る条件だ。これに関しては、この時点でも推測は立てられるだろう。
何故ならば、全て透明になった状態で行動すればいいだけなのだから。それさえ理解されれば物量攻撃によって彼女は回避に専念しなければならなくなる。故に、彼女はブラフを蒔く。
能力の制限が言葉であるように見せ、能力の使用法も同じ攻撃を繰り返すかのように動き、今回は偶然ではあるが能力の二面性を見せ特定を防ぐ。強力な能力であるが、対処自体はされやすいが故の工夫とも言えるだろう。
その仕込みの多さと能力の強大さが重なり、ソリダーと言う屈指の戦闘機械を生み出したのだ。彼女に打ち勝つならば多彩な攻撃手段と連携が要になるだろう、尤もそれも彼女は理解しているのだが。

>>キャラ・ドリーマー Sans

23時間前 No.220

ラスティアラ・フーズヤーズ @tukuyomi07☆2nDyzvx51us ★3aNoMW8gGM_Tbw


【 リヒトルザーン/総合病院/ラスティアラ・フーズヤーズ 】

 構造が違えど、生物ならとりあえず治療は出来る――我ながら驚きの発見。
 いや、異界法則をなじませるように作られていたのかもしれないが、考察は後でいいだろう。
 穿たれたように複数個所空いていた不自然な孔は神聖魔法でふさがり、その礼にと飴を手渡された。

「わぁありがとうおばさま! 大事に使わせてもらうね」

 アイテムの詳細を確認――カナミのものより精度が低いことだけが気がかりだったが、どうやら世界を隔てたくらいでは、『擬神の目』の効力が落ちないことは彼女たち二人のステータスを見たことで実証済み。

【パープルバタフライ】
 服用するとMPを回復する飴

 MP回復――便利の一言に尽きる。
 万一神聖魔法を使いすぎた結果によるMP切れに対する保険がこれで出来た。
 これからどのくらいこの世界にいるのかは分からないが、万が一の時のために持っておいて損はないだろう。

「あ、無理しなくて大丈夫。押しかけてきたのこっちだしね」

 さて、これで重要人物<ネームド>の二人の治療を終えた。
 ポケットを漁るも、遠慮がちに手を引くシビルナ。
 もらえれば比較的なんでも喜んじゃうけれど、流石に見返り狙いは気が引ける。
 それに、私の目的なんて最初から一つだ――。

「分かったよ。気を付けてねー」

 ――前線へ赴くため、病院を飛び出していったシビルナ。

 出ていく彼女をのんきに眺める――飛ばしていったあれ、車っていうんだっけ。乗り回したいなぁ。
 隊員たちがそれぞれの応対に戻っていった中、こっそりポケットから取り出してヘカテーへと放り投げた。

「はいおばさま、その様子だと無いと不便でしょ。
 あ、これの礼はいいよ。自分のためにやったことだし、流石に盗品でお礼もらうのはこっちの気が引けるからね」

 まぁ遺跡探索の一環だと思って目を瞑ってもらおう――ポケットから取り出したもう一台を軽く見せてウィンク。
 無遠慮にシビルナに近づいたあの時、泥棒紛いの手口を実行。
     、        、    ・・・・・・・
 彼女の傍付きだった隊員達からこっそりくすねておいた通信機をヘカテーに共有した。
 これで、時空防衛連盟の話がこっちにも入ってくる。彼らには悪いが、異世界探索は情報が命。
 並行世界だなんて面白そうな場所と戦争。英雄譚好きの私にはぴーんときた。大冒険が出来るかもしれない。
 もうちょっと楽しんでカナミに全力で自慢してやるのだ。真っ先に情報<ブツ>はキャッチしておくに限る。

>シビルナ・カストリス ヘカテー・V・トリヴィアム

【お相手、ありがとうございましたー】

23時間前 No.221

時空の守護者 @infernus☆XQ6phrzcKMtR ★F7MrHN45jw_Qi5

【時空防衛連盟本部/エントランス/外部→総統室/ユーフォリア・インテグラーレ】

ユーフォリアの慰めの言葉の効果があったかどうかは定かではないが、しばらくしてからオスカーは何とか冷静を取り戻し、逆に弔い合戦への闘志を宿すまでに回復してくれた。
肩を借りながらも立ち上がった彼の足取りに、もう迷いはない。ここで反撃に出なければ、いずれホームワールドは並行世界管理協会の手によって焼き尽くされることとなる。
未だプリンシパルから戦勝の報告は届かないが、次なる作戦を成功させるためには、こちらも迅速に動く必要がある。十分に、現段階から協議を始める意味はあるだろう。
総統室へと辿り着いた二人。オスカーは威勢よく、着任の報告をする。最後の希望。あちらの世界から届いた伝言。見知らぬ誰かがアナザーワールドで、助けを求めている。
自分達を頼りにしている者を見捨てることなど、出来るはずがない。世界線を超えた先に、希望をもたらす。それが、時空防衛連盟が成し遂げるべき、次なる目標なのだ。

「つい先程、連盟に新たな通信が届いた。その通信には、とある座標が記されていたわ」

早速、オスカーに対して作戦内容の話をするユーフォリア。オペレーションルームにいるシエンタの推測によれば、これはアナザーワールド側における座標なのではないか、とのことだ。
試しにホームワールド側でこの座標を調べたところ、そこにあったのは一面の大海原らしい。その付近にいた船舶等、もしくは海底から通信があったとは考えにくいだろう。
まだ、最初の文字化けした座標の解析が完了していない以上、あちらの様子を窺い知ることは出来ないが、一つだけ確かなのは、この座標に何かがある、ということである。

「アナザーワールドの"位置"を特定後、私達はその座標にある対象へ攻め入る。全てが未知である以上、あらゆる状況に対応出来るよう準備を整える必要があるわ」

既に、世界政府の議員及び地球軍にも連絡を入れてある。世界政府はユーフォリアの管轄だが、地球軍は地球軍で、今頃シフォンが指示を出している頃だろう。
空中に投影されたディスプレイに、プリンシパルの映像が映る。再度、機体が火を吹いた。どうやらかなりのダメージを受けているようで、外部からの攻撃もようやく機能し始めている。
今回の作戦に、これ以上の犠牲は必要ない。墜落が確実となった時点で直ぐ様脱出出来るよう、味方にはそのための経路を確保しておくよう、通達しておく必要がある。
まずは自らの考えを述べてはみたが、これについてオスカーはどのように考えているのだろうか。事の大きさはかなりのものである以上、短絡的に決断を下すことだけは避けたい。十分な議論を重ねた上で、結論を導き出したいところだ。

>オスカー・ソレイユ・ルヴァン

22時間前 No.222

心の在処 @infernus☆XQ6phrzcKMtR ★F7MrHN45jw_Qi5

【プリンシパル/第一機関室/ハートレス】

ハートレスの純粋な疑問に対して、アリアとデュアルは望ましい回答を返さなかった。しかし、彼女がそれに対して何かを言うことはない。ただ、儚げな瞳を二人へ向けるのみ。
彼女に感情というものは、果たして存在しているのだろうか。少なくとも、他の人形とは一線を画する動きをしているのは確かなのだが、どこか人形らしさも感じてしまうような、そんな雰囲気を纏っている。
一切調子を変えることなく、敵へ向けて進み続けていたハートレスであったが、何を思ったのか、もう少しで相手を射程に捉えるというところで突如立ち止まり、再度口を開く。

「人間は心を持っている。私は、それがどんな形をしていて、どこにあるのかを知りたい。貴方の心は脳にあるの? 心臓にあるの? それとも別の場所にあるの?」

あまりに純粋過ぎる故に、寒気すらも覚えそうな冷たい声が、二人の耳へと突き刺さる。それと同時にハートレスは首を傾げてみせるが、角度が明らかに恐怖を感じさせるものであった。
アリアが放ってきた光の糸を視認したハートレスは、右手を振りかざしてマリオネット達に指示を出す。人形達は様々な方法によってそれを躱そうとするが、一部は間に合わずに胴体を両断される、頭を切り落とされるなどする。
が、問題はそこからだ。明らかに破壊されたはずの人形は、身体の一部分を失っているのにも関わらず、相変わらず動き続けているのだ。何らかの形で完全に消滅させない限り、これらを止めることは不可能ということだろう。
ハートレス本人も、明らかに他と比べて俊敏な動きで天井へと張り付き、脅威が去ったのを確認した後で地表へと舞い戻る。その間にも、もう片方のデュアルの攻撃で人形達は阿鼻叫喚だが、彼女はそれを意に介さず前へと進む。

「貴方の心をちょうだい」

その言葉が聞こえた瞬間であった。ハートレスは錐揉み回転しながら、自らの右手を前へと突き出し、アリアの脳天を貫こうとする。さしずめ、脳髄を食らうため、穴を開けようとした、というところだろう。
勿論、デュアルに対する攻撃も忘れない。着地後に常人を超越した速度で右手を振るい、衝撃波を飛ばすことによって足止めする。こうしている間にも、二人の周囲からはハートレスの指揮を受けたマリオネットが迫っており、攻撃の対処を誤れば一瞬で窮地に陥るのは間違いない。
今の所、彼女が狙っているのは、明らかにアリアの方だ。ハートレスは無表情のまま大口を開け、更に敵を弱らせるべく、その首筋へ食らいつこうとするのであった。

>アリア=イヴァンヒルト、デュアル
【ホラー映画化かお前】

20時間前 No.223

I am Determination @infernus☆XQ6phrzcKMtR ★F7MrHN45jw_Qi5

【プリンシパル/第6通路/キャラ・ドリーマー】

仲良くしようぜ、というサンズの言葉にキャラは当然さといった様子で、にへらとした笑みを返す。さて、そろそろ状況がおふざけしている場合ではなくなってきた。集中しよう。
敵は位置を把握されていることを知るやいなや、すぐに能力を解除してその姿を露わにした。案外、潔いようだ。悪足掻きをしないというのは、少しだけ好印象である。
キャラとサンズは完璧な連携でソリダーを挟み撃ちにすることに成功。だが、これくらいでやられてくれるほど軟な相手ではないらしく、敵はまずナイフを躱すと、次に迫りくる骨を掻き消す。
消された骨はというと、あろうことか発動者であるサンズの頭上から現れた。あ〜、これは。本気で厄介なやつだ。そんな芸当が出来るのなら、最初に言っておいてくれ。

「上だ、サンズ」

幸いにも、こちらは二人。互いの死角を補い合うことが出来る。キャラは相方が気付いていなかった場合を考慮し、声を出して攻撃が迫っていることを教える。
しかし、次に脅威に曝されることになったのは彼女自身だ。非常に高い速度を以て接近してくるソリダー。だが、何かがおかしい。動きと音がズレているような、そんな気がする。
いや、気の所為ではない。本当にズレているのだ。動きよりも一瞬遅れて、音が耳に聞こえてくる。ふざけた真似を。透明になるだけではなく、聴覚を狂わせることも可能と来たか。
対処が遅れながらも、ショートカットで攻撃を避けるキャラ。ところが、僅かに間に合わなかったようで、別の場所にワープした彼女は、出現と同時にバランスを崩していた。
直撃とまではいかなかったものの、足先が脳天を掠めていたのだろう。それだけで体勢を崩されるのだから、直撃していたらと思うと……考えたくもない。
頬を汗が伝う。意図せずして、最悪な時間を過ごすことになるかも知れない。キャラは内心、そう感じ始めていた。何せ、敵の能力が多彩で、対処が難しすぎるのだ。

「君、もしかしてナイフを飛ばせるのは一本だけだと思ってないかい? だとしたら、それは大きな間違いだ」

さすがに一本だけでは当たらないと判断した彼女は、今度は自身の眼前に無数のナイフを展開し、それらを一斉にソリダーへと向けて差し向ける。しかし、今度はそのナイフの色がオレンジ色をしていた。
相手が搦め手で来るのであれば、こちらも一計を案じようという構えだ。この色の攻撃は特殊であり、躱すか、それが通り過ぎている間"動き続けていなければ"、傷を追うこととなる。
勿論、そのような性質の攻撃である以上、彼女が逃げ道など作るはずがない。完全に敵の視界を覆い尽くすほどの勢いで、嵐の如くナイフが襲い掛かる。
止まってこれを受け止めようものなら、大惨事だ。この攻撃に仕込まれた絡繰りに、相手は気付けるかどうか。はたまた、またまた別の異能を披露して切り抜けるのか。恐らく、敵の能力の限界を探るという意味でもよい試金石となる。

>サンズ、ソリダー

20時間前 No.224

無邪気さの化身 @infernus☆XQ6phrzcKMtR ★F7MrHN45jw_Qi5

【リヒトルザーン/地球軍本部/滑走路→ロッカールーム/ニコル・シーザリオ】

リヒトルザーンの地球軍本部は、今まさに慌ただしさのピークを迎えていた。協会艦隊に対する勝利が濃厚となり、時空防衛連盟総統、もとい大統領が、次なる作戦の概要を伝えたからである。
地球軍は、そのための準備に取り掛かっている最中だ。次なる戦いの舞台は、あちらの世界。何せ、兵器に世界線を超えさせるのは初めてだから、何が起きるか分かったものではない。
恐らく、時間遡行の応用で適応出来るだろう、というのが上の見解だ。勿論、それをテストする機会はないため、ぶっつけ本番となるのは確実。だからこそ、トラブルの発生だけは避けたい。

「うんしょ、うんしょ……あぁ〜終わりました〜! やっぱり久々に重い荷物持つときついですね」

必死に機材を抱え、滑走路までそれを運び込んだこの女性の名前は、ニコル・シーザリオ。恐らくホームワールドでも、特に知名度の高い魔族の一人だ。
何せ、彼女は魔族として初めて地球軍に所属した、歴史的な人物なのだ。同じく、魔族初の世界政府議員となったサシャ・インテグラーレと並び、魔族の代表者として認識されている。
しかし、人類と魔族が平等な時代が訪れたとはいえ、前大統領の施策の影響もあって、まだ完全に差別意識が取り除かれたという訳ではない。汚職の根強かった地球軍などは、その典型例だ。
結果としてニコルは、軍内部において、ものを隠される、捨てられるといった陰湿ないじめを受けているが、本人は純粋無垢であるためか、その事実に気付いていない。
むしろ、ものをなくすのは自分の悪い癖だと思っているようで、何とかそれを改善しようと努めている始末だ。無論、そんな姿が滑稽だと認識され、いじめはエスカレートしているのだが。

「あれ、ない? またなくしちゃうなんて! やっぱり私、駄目ですね……」

一仕事終え、自分のロッカーへと戻ってきたニコルは、いつの間にか小物を入れていたポーチがなくなっていることに気付く。中をくまなく探してみたが、どこにも見当たらない。
これで今月、ものをなくすのは五回目だ。一体自分は、いつになったらこの悪い癖をなくせるのだろう。成長のなさに落胆しつつも、彼女は可愛らしい弁当箱を持ってにっこりと笑う。
今日は朝から色々あって忙しかったので、まだご飯を食べていない。さすがにこれ以上栄養補給なしで動いたら死んでしまいそうなので、しっかりと腹を満たしておこう。
彼女は荷物をまとめると、軍本部内にある食堂へ向かうため、ロッカールームを出ようとする。すぐ横にあるごみ箱に、自分のポーチが捨てられていることも知らずに……

>ALL
【第二章へ向けた配置です】

18時間前 No.225

忠義の者 @kyouzin ★XC6leNwSoH_Qi5

【並行世界管理協会本部/私室→応接間/漸玉】

「いやはや、前回の無料配布も盛況であった! あれほど第三臣民が居て、涙を流す者すら居たのだ、これがレムルマ様の口に合わないはずが無い!」

自分に用意された私室の中で、その時代錯誤な鎧を纏ったような機械兵士が、何とも見た目に合わない事に調理器具と料理と睨めっこをしている。
彼の名前は漸玉、並行世界管理協会に所属する兵士であり、こちらの世界のデュアルに改造されたプロトマキナヒューマンと呼ばれるサイボーグである。 そのため、他の生体兵器などと違って、性格や多くの機能は人間の頃から変わってないので、この見た目ながら料理をしたり、味見をする事が出来る。
そして同時に、彼は概ね名声よりも悪名のほうが名高いレムルマ・グリンデルワルド直属の部下である。 つまり、他の一般的な第二臣民から見れば、かなりの地位がある上級兵士でもあるのだ。
だが……そのレムルマという人物の評価は、親の七光りだったり、第三臣民に限らず第一臣民すら見下す性格の悪い人物であり、その彼女に仕える漸玉という人物は極めて性格に問題があるように見える。

しかし……実際に性格に問題はあるが、現実は多くが想像するものとは大きく違う。 ただ闇雲に並行世界管理協会の理想を信じ、また、裏など探さなくても見つかるレベルのレムルマの良い面だけを見ているのか絶対の忠誠を誓い、それでいながら先ほど発言したように、第三臣民や魔族にすら手を差し伸べる"馬鹿"である。
さらに言うならば、自称並行世界管理協会最強の武人だそうだが、多くの上級役員や将官の直属の配下や副官が武官や役員と言う役職を得ていると言うのに、彼はずっと会員のままと言う事実から色々とお察しである。

さて、そんな彼の趣味は料理、それも敬愛するレムルマに作る弁当と、第三臣民や魔族に配るカレーやスープだ。 前者には捨てられるが、後者にとってはそれなりの料理人である彼の料理は御馳走であり、レムルマの部下を名乗っても誰も信じない。

そして彼は、弁当を完成まで持っていき、これならばと応接間に向かう。

「レムルマ様ー! いらっしゃいますかー!?」

そんな彼の声はデカい、戦場においては士気高揚のために使えるものの、こういう時はただただうるさい。
さらに言うならば、そんな彼が持っているのは、とっても家庭的な弁当であり、レムルマから見ればそういう所が気に入らない部分なのかもしれない。
だが、そんなレムルマが何度捨て駒として使っても生き残って帰って来る、捨て駒として使われている事が知れても忠義を尽くす、それが漸玉という男なのだ。

「むむ……いらっしゃらない? しまった、まさかこうなってしまうとは」

そう呟いて、漸玉はその辺りの椅子に腰掛けてうんうんと唸る。
何せ、彼渾身の出来のカレーが冷める可能性があるからだ、かといって、広いこの協会本部を歩いて会える可能性と言うのも低いのだ。
……とは言え、第三臣民にも出したカレーと同じものを持ってこられるレムルマの心境は如何なものか、いや、厳密に言うとレムルマに渡すものは常に漸玉が用意できる最高の物を使っているのだが、それでも見た目だけで判断されると、どういうものに見えるかはお察しの通りである。

>(レムルマ・グリンデルワルド) ALL

7時間前 No.226

永世無極召喚士 @5121☆stkO0KxpThU ★ztEbdaugmt_Ssw

【サクラゴス 潮力発電所 北部/17代目葛葉ライドウ】

「ほざけ、邪教徒め。俺の仲魔が”神ごとき”に救われるなどあり得ん話だ」

確かに見捨てざる得なかった、彼女の攻撃は一撃でも食らえば重傷・致命傷は避けられないほど威力は高く、精密かつ高速だった。
だから普段は禁じ手としている仲魔を盾にする行動を取らざる得なかった、マタドールもその意を汲んで自ら死地へと赴いた。
それをこんな女に”救われてたまるか”、その思いを込めて殺意の刃を乱れ打ちしたが、あり得ざる火花と共に防がれた。
切り札を隠していたのは彼女も同じようだ。瞬時にそれを理解すると、左手で一本の封魔管を引く抜く。

「来い、クー・フーリン、魔槍を構えろ!」

『了解です』

右手で刀を持って前線を維持し、左手で再び仲魔を召喚し、今度は必中の魔槍を装填させるべく指示を出す。
ライドウもヨシツネも剣撃を止めないが、刀から伝わる感触が”これは斬れない”といっているのでヨシツネを”召し寄せ”で隣に再配置する。
マハ・ヒートライザが継続している今ならゲイ・ボルクを発射して貫けるか? などと戦いの思考を止めない。
効かない剣を振るう意味はないと、一時的に距離を空けるが、彼女の鎧は消え去った。

「フン、貴様らの侵略はこの17代目葛葉ライドウが居る限り成し遂げられぬと知れ、狂信者め」

牽制として放たれる光の矢を刀で斬り払い、消し飛ばしていく。もう単なる無詠唱の光の矢程度ではライドウは止められなくなっていた。
だがこちらもクー・フーリンがゲイボルクを完成させるまでの間に名前も知らぬ修道女は既に間合いから逃れていた。
刀に残留していたマグネタイトを一振りして降り払い、刀を鞘に納めた。戦闘は終了した。
痛み分け、というにはこちらの被害が大き過ぎる、もう敵も味方も発電所の北部には残ってはいない。
残ったのは無差別爆撃を受けて焼け野原となった地面だけ、発電所は……外観からはどうなっているか分からない。通信でも送るとしよう。

≪こちら潮力発電所北部、敵は撃退したが味方は全滅だ。繰り返す、味方は俺を除いて全滅だ。発電所を維持するなら増援を求む≫

風に舞ったマントを回収して通信機に手を伸ばすと、そう本部に通信を入れる。
被害状況を鑑みるに、今回はこちらの敗北、大敗といっても差し支えない状況だ。
だがあの女をこれ以上先に進ませていたら被害は発電所北部に留まらなかっただろう。
自分が切り札を隠しているように、相手もアレが完全な姿とは思いづらい。
だからこそ、次は勝つ。負けたは負けたが、まだ俺が生きている以上奴らを好き勝手にさせやしない。

>リャノー・ミッシェル、ALL

【返信が大幅に遅れて申し訳ありません、レスを見落としておりましたorz 次からは気を付けます; お相手ありがとうございました】

6時間前 No.227

イリス @infernity☆ABoQ4DiOf0I ★PSVita=3aypDZ0Vq6

『プリンシパル/格納庫/イリス』

「あらあら酷い言われよう。あたしも嫌われちゃったわね」

協会に所属、侵略行為への加担、大勢の死傷者が出る作戦に参加していること。
相手にその様な反応されるのは当然と言えば当然である。

「褒め言葉として受け取っておいてあげるわ」
「そうね。同じよ。あたしもあんたも。何処に居ても人間は変わらないわ」

男性が言い放った「三流」という言葉に、
イリスはまるで知っているかのような口振りで非難や否定を行わず、肯定した。
自覚しているのか、或いはそれでムキになって騒いでも何が変わるというのだと考え、割り切っているのだろうか。

敵二人と戦闘となったのだが、どういう訳かイリスはビームライフルを手放さなかった。
相手方から見ても持っていて何になると言いたくなるだろうが、イリスにとっては意味はある。
これはすぐにイリスの手によって”新たな武器”として使われる事となる。
正面から来る攻撃は床から無数の赤黒い水晶体を生やすように出現させ、盾として展開し使用する。
続いて魔法を使用して天井まで移動してみせた女性。イリスはそちらに壊れたビームライフルを向けた。
するとそれが橙色の光に包まれると、形状が変化し、みるみると赤と白を基調とした引き金1つのガトリング×3にその形を変えたのである。
1人の少女が持つにしては大きいが、威力は見た目に違わず本物である。
イリスは両手でそれを軽々持ち、引き金を引き上から来るであろう女性目掛けて発泡する。
反動が強いであろうガトリングをイリスは使っているが、あろうことか殆ど反動を緩和した上で使用している。
女性を撃ち抜こうとした直後、イリスの背後から衝撃が襲う。

「あうっ!?」
「いっ痛ぁい…!」

背後から攻撃が来るとは思っていなかったようで、前に行くように倒れ込む。
常人であったら粉砕骨折やら内臓破裂などで死ぬなりするところだか、イリスは打撲で済んだ。
斬ったのか口から血が少し出た。
「非常に頑丈だが痛がる」、「血が出る」のでイリスを殺すことができる。

>>ヤロス・ハニービー、ハベル・アレッセル

6時間前 No.228

禍を引き起こすもの @libragreen ★iPhone=LntI4QQSlu

 IN A UNIVERSE OF LIGHT AND DARK,WHERE PERCEPTION IS REALTY…
 (光と闇が生み出す 無限の時の世界で…)



【 サクラゴス/大通り/ボルヴェルク 】

 先日まであった人々の営みが瞬時に焼き払われ、蹂躙され、民のほとんどが殺し尽くされた港町の跡地にて。
 甚大な被害を受けた今は亡き民衆に何も落ち度などなく、向こう側におぞましく蔓延る歪んだ欲望の餌食となってしまった原因は、ただ間が悪かっただけとしか言いようがなかった。

 むせかえる血潮と硝煙と瓦礫の焦げ臭さに紛れ、灰色に限りなく近い金髪をもつ黒ずくめの賢者が、金の右目に映った生きる屍に等しい敵兵どもを鏖殺している。
 彼の使い魔である双子の狼が、主命のままに敵兵の喉笛を噛み砕く。
 彼の得物である剣槍で首を刎ね、剛拳で頭を粉砕し、狙撃銃で離れた場所から数十体ほどの敵兵に風穴を開けてのける。

 味方の奮闘により敵の勢いが徐々に弱まりつつある戦況の中、黒ずくめの賢者──ボルヴェルクは鋼鉄の匣の群れに穢された空をしばし仰いだ。
 元いた三位一体世界の一つ、光を司る天界に棲まいし異形の怪物──天使。
 連中の中でも『方舟型・能天使 キンシップ』や『巨大軍艦型・能天使 ウォーシップ』、『超弩級城塞型・座天使 リスプレンデンス』に酷似した脅威を、権天使の名を冠する敵艦隊の旗艦…プリンシパルは先鋒として過大に保持している。
 並行世界からの強大なる悪意を断じて許せぬ賢者まがいの人造悪魔も、味方の叛逆に応じるべく馳せ参じようとしていた。

 いったん眼帯を取り外して左目を解放し、その紫の眼から入ってくる情報で敵の規模や頭領の位置を割り出そうとした、ちょうどその時。
 別方面の離れた距離に位置する大通り跡地から、残存した敵と味方一人ずつの反応を感じとる。
 彼らの姿をこの目で確認しようと、空を埋める艦隊からそちらの方向へと視線を移し、辛うじて残っている電柱の頂へと登ってから再び左目による注視を行う。

(ほぅ。 …某の優先事項は空でのさばる権天使を陥落させるよりも、あの青年を生かすこととみた)

 ボルヴェルクが雑兵の悉くを始末していた間にある程度進行していたらしく、両者ともも無傷と程遠い状態であった。
 敵は包帯で目元を隠し、腕の部位が触手状の口となっている、製作者の狂気が露骨に滲み出た少女型・生体兵器。
 もう一方の味方は虫の息および風前の灯火と成り果て、赤い水たまりの中で力なく倒れ伏す、ごく普通でいてどこか陰気くさい青年。
 状況から推測を立てると、己と同様に雑兵を狩っていたところあの人型兵器に遭遇。
 彼なりに足掻いて善戦したものの、結局は膂力の圧倒的な差で負けてしまい、今にも殺されかけているのだろう。

 あの味方の青年を助けると決めたボルヴェルクの行動は迅速なもので、まず彼は電柱の頂から空高く跳躍した。
 天の秘術によって黒い鳥──レイヴンへと転ずれば、艦隊同士の衝突が目と鼻の一歩先で届きそうなギリギリの高さ、そして真下に大通りが重なる位置まで羽ばたく。
 ここで彼を助けるのに間に合うよう光陰術〈ライトスピード〉を発動し、超光速移動によって空中から地上まで瞬時にたどり着く算段を整えた。

 あの人型兵器が見た目通りの盲目だとすれば、視覚以外の音・触覚・においに対する五感がとても優れている可能性が高い。
 しかし激昂に駆られた敵の思考は、倒れる味方に確実なトドメを刺そうと躍起になり、殺意のままに力を振り回すことしか眼中にない。
 敵の意識がそちらにしか向かっていないのであれば、認識の外から叩く形となるボルヴェルクの奇襲は、ほぼ確実に功を奏するだろう。
 後は、只ひたすらに攻勢あるのみ。

 レイヴンの姿のまま三日月状の弧を描き、落下するその直前で元の人型に戻れば、一瞬だけ生じさせた魔法陣の足場に強く踏み込んで真っ逆さまに地上へと跳ねる。
 猛スピードで一直線に落下しつつ、籠手形態の剣槍〈ガングニィル〉を纏う拳を振り翳した構えのまま突撃する。

「ごきげんよう、異次元より襲来し使徒の輩よ。
 ──くたばるのは、貴様の方だと知るがいい」

 光陰術の効果が切れ、時が動き出したその瞬間──真上からの奇襲を仕掛けた人造悪魔による、非常に豪快で重く槍めいた拳の一撃が、パルメメの右腕を突き穿つ。

>>レイン・ウォルクオーク、パルメメ・ポブルティーク

5時間前 No.229

逆賊 @mgs56 ★kOwjtfzUku_keJ

【強制労働施設/監督官詰所/董卓】
協会本部を後にし我慾に塗れた暴威が次に訪れた場所は協会支配下の辺境の島、アンゲルレリトン。その島にある労働施設…そういえば聞こえがいいだろう。だが、その実態は人権が存在しない最底辺の第三臣民が文字通り死ぬまで過酷な労働を強いられる「強制収容所」に等しい地。

この世界にやってきて日は浅いながら、董卓も彼ら第三臣民については知っている。一人の人間として扱ってもらえないどころか家畜と同等あるいはそれにも劣るほどの扱いを受けている存在。元の世界において民草がどれほど困窮しようが全く気に留めず、それどころか己が豪奢な暮らしの為更に困窮する民から搾り取ろうとするような男が彼らの身の上を知ったところで憐憫の情を感じることもない。彼らを救うため待遇改善を求め立ち上がることなどまずありえない。精々一度の戦いで生き残る可能性があるかもしれないが基本的には捨て駒度。使える奴ならば取り立てる可能性も成しにあらずだが、あくまで兵卒か自身が危うくなった時の盾でしかない。そういう意味では第三臣民の獲得は必至であろう。

「フン、このワシがこんな小汚い場所に来ようとはな。」

不機嫌そうな顔をしながら周囲を見渡す。ここはこの施設の監督官の詰所。劣悪な環境下であるこの施設において数少ない清潔感のある部屋。それでも元居た世界の宮城や協会本部に比べればかなり狭苦しい空間だ。何故彼がこんな場所に来たのか。それは他でもない。それは自身の派閥を形成し影響力を高めるため地盤作り。彼が本来赴くべき協会の指令などあくまで些末事。「そんなこと」よりも今は自分の影響力を高めることが急務だ。手っ取り早くのし上がるため、この世界において知らぬ者はいない「マダム・ギロチン」を懐柔しようと目論んだが失敗した。恐らくは上層部からも警戒されているだろう。こうなった以上、もう何人も寄せ付けぬ権威や武威に頼る手段は難しい。ならば七面倒ではあるが徐々に地盤を作っていき、しかる後に戦功をあげ上層部に食い込むことだ。

「…じゃが、これもいずれ来る酒池肉林の世の為じゃ。――――おい、誰かおらんか!」

詰め所の窓を叩き誰かいないか確認する。まずは使えそうな第三臣民を寄こしてもらい、ついでにこの施設の監督官を懐柔する。ここは比較的人気の無い施設。出世欲溢れる人間は多いに違いない。そこに付け込み、更に金や物をちらつかせば懐柔は容易かろう。

>>ALL

4時間前 No.230

アリア @aroundight☆SdjaOljKHtOm ★msJh1WzJ3A_keJ

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3時間前 No.231

究極一番星 @sable ★c1PKWYVyQN_Tbw

【プリンシパル/艦橋/イアン・ガグンラーズ】

 やっぱつえーぜワル女!悪だから全部間違ってるなんてことはありゃしねえ。アイツの姿勢は本気と書いてマジだ!
 毎日腹空かせてエサ探してた頃を思い出すな。あれは生きることがかかっている目だ。手を抜いたら明日には死んでるってわかっている目だ。
 きっとここで負けたら、お偉いさんにでもしょっぴかれちまうんだろう。でも同情の余地はない!こっちだって生きるか死ぬかなんだから。
 それにオレ様は、アイツより本気な奴らを知っている。アイツの炎よりアツい奴らを知っている。
 ここで負けたら顔向けできねえ。ここで引き下がるなんて時空防衛連盟じゃねえ!
 だから絶対に勝ってやる。これはもっかいお天道様を拝むために耐えなきゃならない試練だ!
 ピンチの後にはチャンスあり。小指一本でも縋り付いて、一発ぶん殴ってやらなきゃな!

「てめえええ……言ったぬああああああああああああ!!!!!!!!」

 その発言、トサカに来たぜ!オツムが逆巻きになっちまうくらいカチンと来た!
 ステーキとかハンバーグならまだしも鍋!?鍋だと!?あの鍋にするってのか!
 オレ様に下味つけて野菜と一緒にグツグツするつもりか!でもって皆で囲んで最後は雑炊か!ざぁけんな!
 ワル女は刀をボーボー言わせてこっちを牽制していやがる。兄ちゃんはそうでもないらしいが、ケダモノにとっちゃ結構怖いんだなこれが。
 そうして怯んでいる間に爆弾みたいな炎が命中、たたらを踏んで壁にもたれかかる。痛いし熱いしサイアクだ。帰ったらおじさんに氷を100キロ用意してもらわなきゃな。
 もちろんこんなんじゃ止まんねえ。苦しかろうと胸いっぱいに空気を吸い込んで、意地張らなきゃならねー状況だしな!

「テメーのいっちばんいい部位でダシ取ってブイヨンにしてブイブイ言わせたるよぅ!

兄ちゃん!腹空かしとけーッ!」

 言われっぱなしは大嫌い!やられっぱなしなんてもーっと嫌いだ!オレ様をメシの話でおちょくったらどうなるか、きっちりケジメ付けさせて前例作っとかなきゃな。
 巻き返しにはなんといってもコレ!覇者のキバだ!情けねえ体勢から一転、両腕振りかぶって猛ダッシュ!
 津波みてえな白銀の波動を一纏めにして、渾身のキックでバッコリ撃ち出す!原理はわからねえが波動がデッカイ狼に化けて猛追!
 でっけえ口開けて、熊手みたいな爪ブンブン振りかざして、美味そうな獲物に一直線ってもんだ!
 まともに喰らえばソイツが食い散らかす。凌ぐようなら後でオレ様が食い散らかす!
 これぞ食の極道系一番隊隊長の極意よ。テメーの道はエサになるかご飯になるか……二つに一つ!選びやがれ!

>>セレーナ・バルダローム、ヴィルヘルム・エーベルヴァイン

3時間前 No.232

無垢な捕食者 @kyouzin ★XC6leNwSoH_Qi5

【絡んで頂いた瞬間ではありますが、予定通り撤退させます! お相手ありがとうございました!】

【サクラゴス→並行世界管理協会本部/路地→研究施設/パルメメ・ポブルティーク】

こちらがほとんど痛みによって咄嗟に放った一撃は、消耗しきっていた相手に対してクリーンヒットし、相手はその攻撃により壁まで吹き飛ばされた。
一応、死んでいないことから見て、咄嗟に受身を取れたのだろう、それでもどう見ても戦闘継続が出来る見た目ではない、一方でパルメメ側は、左腕こそ一度戻って修復を受けなければどうにもならないレベルではあれど、右腕はまだ捕食器官としての役割を十分に果たせる上、本体はそう大きなダメージを受けていない、つまり、誰がどう見てもパルメメの勝利だと判定を下すような状況だった。

そして、吐き出された血液が敵の周囲を赤く染める。
戦った感じから言ってあちらは普通の人間だ、まさかここまでの状態を偽装するのは難しいだろう、故に、後は。

「嬲るのは趣味じゃない、すぐ殺すから」

パルメメはゆっくりと彼のほうへと近寄る、ただし、怒りを覚えているとは言えこれ以上痛めつけるつもりも無く、ただその触手でさっさと食い殺してしまうようだった。
少なくともパルメメは兵器でしかなく、必要以上の攻撃性は持ち合わせていない、だが……痛みを長く感じないとは言え、死と言う結末自体は変わらない。

彼の眼前でがばぁっと口が開いた時だった。
上空から飛来するものが一つ、それは鴉のように見えたが、次の瞬間には青白い人間の姿になっている。
もちろん、この一撃はパルメメは予測できていない、そこはボルヴェルクの予想通りだ、だが、並み外れた反射神経を持つパルメメの対応は、相手の想像よりも早かった。

「また増える……もう、まずいかな」

瞬時に後方に跳躍し、敵の武器と接触する時間を稼ぎつつも、触手を盾のように使って相手の攻撃を受ける。
しかし、それは最初から右腕を狙った物であり、腕を使った防御と言うパルメメの行動は、それはそれは相手にとって都合の良い物であっただろう。

そして、敵の一撃が確かにパルメメの右腕に叩き込まれた。 ゴムのように柔らかく、それでいて丈夫な触手であったが、この一撃の前には流石に流血し、また破片を周辺に飛び散らせた。

「……私は死ねない、主様が死なないことを第一の命令にしているから」

相手の言葉に対してパルメメはそう返答した。
そして、戦闘を再開するのかと思いきや、彼女は無線を使ってどこかに小さな声で話しかけたかと思うと、空高く跳躍する。
すると、その空が一瞬だけ引き裂かれたように次元が歪み、その中へとパルメメは消え、撤退した。

新たな無傷の敵の出現を前にして、相手を殺すことよりも生存を優先した行動だったのだろう、とにかく、この場の静寂は取り戻されたのだ。

>レイン・ウォルクオーク ボルヴェルク



【並行世界管理協会本部→移動開始/研究施設→移動開始/デクロム・ディシダール】

そして、視点は並行世界管理協会本部に移る。
パルメメを送り出したデクロムが手に持つのは、次元だけではなく、あらゆる物を引き裂くオオハサミ、そう、あの撤退用のゲートをこじ開けたのはデクロムなのである。
そんな彼の目の前に居るのは、色々と悲惨な状態になっている自分の創造物だ。

「あぁ、私のミスだ、許して欲しい、これは神への冒涜に等しい、ワールド09、アレは思っていた以上にすばらしく、恐ろしい所だった。 何と、何と言う予想外、予定外、あぁ君が謝る必要は無いんだよパルメメ、腕は修復しよう、人間パーツが痛むなら交換してあげよう、君以外の人間の存在価値など、君のスペアパーツ程度にしか無いんだから、さ、私の部屋に行こう、ここでは邪魔が入る」

そんなパルメメを見て、パルメメが口を開いて謝罪の言葉を言う前に、デクロムは畳み掛けるような早口でその言葉を潰す。
謝罪、そしてパルメメが謝罪の言葉を言う必要が無い、そしてスペアパーツは幾らでもある、そんな事を一息に話して、彼はパルメメを抱えて、自身の研究室に篭るようにこの場から消えた。

>ALL

2時間前 No.233

Futo・Volde @nonoji2002 ★VgtmIqXF0o_qY9

【プリンシパル/第6通路/Sans】

少女への挟み撃ちは一応成功したと言えるだろう。もっとも、攻撃をヒットするには至らない。やはり、そこらの戦闘員とは異なる実力をこの少女は兼ね備えている。だが、こちらだって軟ではない。

「Heh, 警告ありがとな」

やはり戦闘は一人よりも二人の方が有利なのだと痛感する。お互いの死角を補ってカバーし合えるのだから。
キャラの“上だ”という警告はとても役立った。今回は自分でも気付いて居たが、誰かが自分を観ていて、その危険を察知し、それを警告してくれるだけでも、反応に数秒の差は間違いなく出る。ましてや、その危険に気付いていないとなればさらに話は変わってくる。

上から降ってくる骨をショートカットで早々に躱しては次なる攻撃の一手を考える。
敵のロックオンから外れる代わりにそのロックオンはキャラへと向けられる。やはりショートカットとも言える速度でアイツへと少女が近づいたかと思えば、そのまま跳躍し、キャラへと踵落としを繰り出す。

「大丈夫か?」

キャラはショートカットで少女の踵落としを回避。が、完全には避けきれずにショートカット先でよろめいている様子。
アイツなら大丈夫だろう、オイラと同じ力だから。とどこかで高を括っていたが、オイラに弱点があるように、アイツにも弱点がある。無論、今この状況ならお互いの弱点を補い合う事が出来るだろう。大丈夫か、と心配の声を掛けながら、次なる一手に出る。

「オイラは“青”で行かせてもらうぜ」

キャラは“オレンジ色”のナイフを無数に展開する。いわば、赤攻撃。
この赤攻撃は、攻撃そのものを回避するか、動いたまま通り抜ければ、刃は突き刺さらない。このからくりに気付いて居るのならば、少女はただ動きさえすればこの攻撃を回避出来る。だが、そこにオイラの青攻撃を被せればどうだろうか。
元々逃げ道さえ残さないように張り巡らされたオレンジ色のナイフに合せるように、オイラは青色の無数の骨を織り交ぜる。
赤色が動きを含ませれば無効化出来るとすれば、青色はその真逆、 “動かない事で無効化”される攻撃だ。ただ色の付いただけの攻撃ではない。少女はこの攻撃をどう対処するのか。

>キャラ・ドリーマー、ソリダー

2時間前 No.234
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