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【ALL】Euthanasia in the Asteroid【冒険/戦闘】

 ( なりきり掲示板(フリー) )
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異星の王 @artemish☆8cfl5/j3VDw ★utloP7NDPP_ouC



 ――異星の錨は落ちた。楽園の光は地上に満ちた。

 それは突然の災害だった。
 瞬く間に失われていく自然の力、ヒトの営み。
 空の彼方より降り注いだ七つの光が大地を貫くと共に、世界は加速度的な終末の時を迎えた。
 惑星漂白。秩序は崩れ、生温い中庸は滅び、混沌すらも死に絶えた白の世界。

 宇宙からの星光は途絶え、地表は漂白され、地球はあらゆる関連から孤立した。
 ヒトの積み上げた歴史は見るも無残に棄却され、かつて未来と呼ばれた文明の灯は一つ残らず吹き消された。

 我々の宇宙は、未来は―――『礎』となった。
 歴史を見据える眼は既に無い、人を守護する英霊はもういない。
 すべては支配の檻に囚われ、進退も贖罪も赦されず枯死するのみ。

 だが、それを否定するなら、浅ましくも運命に抗い"生きたい"と願うのなら。
 旅立て、そして戦え。"まだ終わらない"と、"本当の闘いはこれからだ"と叫び続けろ。

 最期の希望は楽園の涯てに――――


【七つの"異聞星"を巡る、星を救う物語。詳しくはサブ記事まで。
 運営側役職『ドミネーター』のキャラクター以外はまだ本スレへのレスを禁止します】

メモ2019/03/31 01:38 : スレ主☆8cfl5/j3VDw @artemish★utloP7NDPP_3wf

改訂版ルール:http://mb2.jp/_subni2/19760.html-84#a

レイドイベント用ルール:http://mb2.jp/_subni2/19760.html-98#a


現行節あらすじ・概要:http://mb2.jp/_subni2/19760.html-213#a


◆アステロイド3 錆憑く狂愛 銘治禍津理想郷 ニライカナイ

 異聞深度:B+


        此の世で最も正しく強き感情とは、他者想う心である。


 其処は、本来の歴史とは異なる近代化の道を進んだ世界。

 遥か古代より存在する悪しき禍津と特異な製法で作られた剣とが、地の支配権を奪わんとする天の使いと勇気ある者達とが鬩ぎ合う。


 危うい部分で保たれていた均衡を破ったのは、本来秩序を守る側にある筈の巫剣・北谷菜切。

 内側から戦力を食い破られ、多くの同胞を喪った剣と勇者は本土を追われ、神の樹の加護が残る四国での篭城を余儀なくされた。

 一方突如として叛旗を掲げた菜切は、姉である二振りの剣と共に、本来ならば不倶戴天たる怪物を使役し一息に本土を掌握。

 築き上げられてきた文化と叡智は、瞬く間に荒廃していく。


 かくて、彼ら/彼女らが次に挑むは一振りの剣が引き起こした暴走が全てを塗り潰した星。


 果たして真に強き想いとは、"勇気"か"恋慕"か。

 最後に咲き誇るのは何れの花か。


        ────第三の異聞、根絶。その賛歌は『狂愛』。


関連用語:http://mb2.jp/_subni2/19760.html-191#a

ロケーション:http://mb2.jp/_subni2/19760.html-213#a


キャラクター一覧(○=生存、●=死亡)


…続きを読む(58行)

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呉島貴虎 @antinomie☆yzl4MFL1dRLB ★AmPQPE9EE6_tVR

【病院/呉島貴虎】

ふいに響く声の方角に、貴虎は視線を向ける。
抑揚のない、感情希薄な声は嫌でも耳に残るものだ。向けた視線の先に立つのが白服の無機質な表情をした男だ、というのも。
白服だけならば、病院という場所も相まって生き残りかという期待も持てるのだが―――……制服じみたそれでは、何も期待は出来まい。
目を細め、現れた男の動向を見据える。
腰に巻き付けたのは、<戦極ドライバー>ではない、何らかのベルト。手に取ったのは、片手サイズの小さな箱。
鳴り響く音声に、身構えると同時に周囲に尋常ならざる力場が広がった。

「……噂程度には聞いたことがある。ガイアメモリ、だったか」

惜しむらくは、ユグドラシル・コーポレーションとしても“仮面ライダー”としても、彼の立ち居振る舞いに思い当たる部分がないことだ。
白服、ガイアメモリ。一度でも関わった人間であるならば、彼が関与している何らかの組織を看破できたことだろう。
が、貴虎にはその知識はない。故に、男の言葉に戦意を以て返すのみだった。

「そうか。……その通り。私が呉島貴虎だ。
 だが、お前のような輩に覚えられておく義理もない。目的が始末であるなら、猶更な。……変身!」

《メロン!》

差し向けられた手に、力が集束するのが分かった。そこからの行動は迅速だ。
取り出したのは錠前。メロンのような形状の錠前を開錠すると、上空にクラック―――ジッパーが開くように割けた扉が現れる。
その扉から現れるのは、巨大な果実のような鎧だった。それを確認することなく、即座にバックルの窪みへと押し込んで鍵を閉じ。

《ロック・オン!》

そのまま、ベルトに備わった刀型のギミックを倒すことで錠前―――<ロックシード>の力が、ベルト伝いに全身へ流れていく。

《ソイヤッ!メロンアームズ!天・下・御・免!》

頭部に被さったメロン型の鎧が展開、貴虎の身を“アーマードライダー”―――所謂、仮面ライダーとしての姿へ変身させた。
迫り来る火炎放射を、現れた大盾<メロンディフェンダー>で防ぐ。そのまま、軽く振りかぶってブーメランの要領で盾を投擲する。

「はッ!」

短く発声し、弧を描いてユートピア・ドーパントに迫る大盾を追うように駆ける。
右手に構えた銃剣<無双セイバー>から三度の銃撃を放ち、盾が最接近するタイミングに合わせて斬り上げるように剣を振るう。
貴虎の返答は極めて単純。そう、其方がそのつもりなら容赦なく討滅してやる、と行動で示したのだ。

>加頭順

3ヶ月前 No.1951

アマテラス=姫 神琴 @tukuyomi07☆2nDyzvx51us ★3aNoMW8gGM_sNF

【 神社/アマテラス=姫 神琴 】

 魔力、神秘性、あるいはその他諸々は薄い――それこそ、なんとなく清浄だ、とかそういった雰囲気しか感じられないほどには。
 だから神琴は気のせいかと通りすがった。
 当たり前だ。カミもホトケもない時代に神頼みに来ている以上、あまり期待はしていなかったのも事実。

「――地球がこのザマじゃあね……」

 ことん、からん。
 投げ入れられた百円玉と賽銭箱が立てる交響曲が虚しく境内に響き渡ったのを聞きながら、神琴は肩を竦めて表情に陰を落とす。
 だいたい、自分は異聞星まで来て安全祈願など何をやっているのだというのは感じている。
 だがそれ以前にまだ旅路は続いているという事実が重くのしかかっているのもまた、事実。
 屈するものかと叫んで雄々しく立ち向かうことは出来れど、果たしてこの先、ずっと言い続けていられるのだろうか。
 もしそうでない場面に立ち会ったのならば、自分は何を選択するのだろうか。

 ……やめだ。
 考えてたってキリがない。どうかしていたみたいだ。
 朽ちていれど、確かに漂っていたはずの清浄な雰囲気に触れたせいもあるかもしれない。
 こういう時は雄大な空でも見て、おのれのちっぽけさを自覚するとともに、活力を貰うにかぎる。
 適当に理由付けでもしながらなんとなく見上げた空に流れているのは、大量の白い流星じみた何か。

「おっ流れ星。しかもあんなにたくさん! ――たくさん?」

 ……多すぎる。
 それに、それだけなら単なる流星群として片付けてもよかったが、問題がもう二つ。
 一つ、それがこちらに向けて墜ちてきているということ。
 もう一つ――。

「――ッ!?」

 ――あれを星と呼ぶのは、すべての天文学者に対する侮辱だ。

 白い立方体じみた形状、四肢はなく、宙に浮かぶことで維持されているその姿勢。
 唯一見受けられるパーツは巨大な口であり、もはや感じられるのは動物染みた本能めいたもの。
 要は文字通りの怪物だ。
 分かりやすいくらいの人類の敵対者であり、そもそも会話の一つ通じやしないだろうということがハッキリわかるほどには。

   、   、 シフト
「なにあれッ!? 換装ッ――《八尺瓊勾玉》!」

 個々の戦力は不明であるが、分かることは一つ。……あまりにも数が多い。
 一体一体焼き払っていれば、その間に丁寧に貪られるのは目に見えている。

 距離を取るようにして境内を駆け抜けながら、展開した勾玉より白い軍勢へ向けて火炎弾を連射、連射連射連射!
 物量には物量を。強引に押し切るくらいの勢いで魔力を消費していきながらも、怪物を焼き払わんとする。

>星屑、???

3ヶ月前 No.1952

ムラマサ・獣刻・ヤマタノオロチ @tukuyomi07☆2nDyzvx51us ★3aNoMW8gGM_sNF

【 大通り/ムラマサ・獣刻・ヤマタノオロチ 】

「もし、そこなお方」

 かんっ、と朱下駄が地面を打ち鳴らせば、りん、と鈴の音が一つ鳴る。
 静寂をかきわけるようにして現れたのは、日本刀の二振りを腰に携えた軽装の女。黒から朱へと変遷する髪が、歩むたびにそよ風に揺れる。東洋人のようでいて、しかしその眼光は文字通り暗く鋭い。
 この世ならざぬ化外の気配を纏わせながら、人斬りへと向けて躊躇いなく歩みを進める。

   、     、        、       、・・
「名のある剣豪とお見受けする。同時に、ここらで見かけぬ生者であるとも」

 彼女を一目みたならば、"鬼に堕ちた□と呼ぶ者がいるだろう。事実、女は魔であった。
 髪の隙間から覗かせる小角、漂う暗く燃える鬼火、漂う六つの刀、何よりもその身に漂わせる魔の気配。
 そのすべてがヒトに在らず。在り方、立ち振る舞い、その何もかもが捻じ曲げられた末に完成した偽物の武神だった。

 名を、ムラマサ・獣刻・ヤマタノオロチと言う。
 ある少女を素体とし、鍛え上げた末に完成した皆殺しの妖魔姫。
 八つの刃は魂を吸い上げ、数多の命を貪り喰らった魔龍をその身に宿す者。
 ヒトでありながらヒトに在らず。その心と魂を、理想に準ずるままに駆動させる剣鬼となった女は、その腰の二刀に手をかける。

「ここで断つのが惜しいが、生者は一人残らず皆殺しと命を受けているゆえ」

 抜かれた二刀の刀身は、美しさを通り越して畏怖すら与えかねないほどの不気味な紅で構成されていた。
 大振り、されど細身のその形状は、人間の道具ではなく、龍が齎す脅威を内に秘めているかのよう。

 誰でも良かったのだ。
 その視線の先にたまたま岡田以蔵という凶手を見つけたから、武器を抜いただけの話。
 あとは何も語るまい。刀が敵を見つけたときにすることといえば一つだけ。

「――お覚悟を」

 戦端は、縮地による間合いの侵食から開かれた。
 軽やかな歩み、重さを一切感じていないかのような立ち振る舞い。
 ムラマサが以蔵に肉薄すると同時に、後から追いついていてきた一陣の風が駆け抜ける。

 龍の大爪が、立ちふさがるものを薙ぎ払って吹き飛ばさんとするかのように。
 順手で構えられた二本の長刀が、胴体を狙って袈裟懸けに振り下ろされる。

>岡田以蔵

3ヶ月前 No.1953

龍炎寺タスク @antinomie☆yzl4MFL1dRLB ★AmPQPE9EE6_tVR

【神社/龍炎寺タスク】

かくして、星渡りは成った。
二度目のそれに、驚きは多くない。厳密にいえば漂白された基底宇宙があるのだから、三度目になるのだろうか?
そんな他愛もないことを考えながら、俯き気味に階段を昇る。視界の端には自身の武器となるデッキが浮遊し、右手では拾い上げた小石を弄ぶ。
小石を近場に投げ捨てるついでに周囲を見回しても、そこに気配などない。

『……奇妙なものだな。覚えがある景色なだけに、余計に』

姿を見せずに呟いた相棒の声に、タスクは頷く。

「うん。……一つ目のときにも少しだけ感じたけど、今度は間違いない。
 ここは、日本だ。でも、……何か……決定的に、欠けている。いのち、だとか。そういったものが」

それが余計に、異質なのだ。
戦勝国・日本が存在していたミッドウェー。復讐鬼が人を脅かすキャッスルヴァニア。
その何方とも違った異質さが、タスクに妙な危機感を与えている。少しだけ早足になって進んでいく。
すると、耳に届いたのは柏手を打つ音だった。方角は進んでいる先。少なくともそこに、人がいる。
少しだけ表情を明るくし、面を上げる―――と、同時に。降り注ぐ無数の白が、視界へと入って。

「―――ジャックッ!」

言うが早いか、デッキで休息をとっていた相棒が成竜の姿となって飛ぶ。
タスクも即座にその背に飛び乗り、右手に片手剣《竜剣 ドラゴフィアレス》を握る。
同時に、左手でカードを掲げ―――放つ!

「コール!《ジャックナイフ“バーンエナジー”》!」

宣言と同時にジャックが纏う鎧は形を変える。近未来的な装備ではない、ファンタジーじみた意匠のソレは刺々しさに塗れていた。
“ゴルドリッター”や“グランテーゼ”とは違った金色の鎧の真価は、剣ではなく胸部に収束しつつある光にある。
タスクが手に取った剣で指す方角、雪崩の如き白き異形たちの中腹へ向けて、衰えることのない聖火が放たれた。
同時、ジャックの背より飛び降りて、手近な個体へと竜剣での斬撃を放ちながら周囲を見回す。

「(……一人!?それを相手に、こんな量の―――……何だ……!?)」

形容する言葉の見つからぬ異形と、それに立ち向かう個人。
それらを認識しながら、少年は戦場へと押し入った。

>星屑、???、アマテラス=姫 神琴

3ヶ月前 No.1954

ミラ @aroundight☆SdjaOljKHtOm ★msJh1WzJ3A_keJ

【銘治館周辺/ミラ=マクスウェル】

 重ねて、こう思う。
 この地は空虚なほどの無で満ちている。

 生命という生命全てが掻き消え、漂白され切ったような白の大地とはまた違う。
 何ら発展と進歩を生むことなく、生きとし生ける全てを根絶し切ったこの大地こそが、
 この世界に定められた理だというならば―――あまりにも度し難く、そして悍ましいものがある。

 敵の姿はなし。その痕跡と呼べるだけのものも、なし。
 あるのはただ屍だけ。即ち動くものがあるとすれば、それは―――。

「ン―――」

 それは、例えば自らと境遇を同じくするもの。
 極僅かな旅人という例外を除いて、同じく世界を巡るトリズナーと呼ばれた者達。
 この静寂をこそ理とした世界に異常があり、息遣いがあるとするならば。
 どの世界にも馴染めない/馴染むことは罷り通らないものがいるとするならば、それこそが彼らだ。

 あるいは、我々と言い換えてもいいか―――ともかく。


「君か。ウィゴル以来になるが」


 たまたま、同じ建物の方を目指していたのか。
 視線が交差したと同時に、脚を止めて、そう言葉を発した。
 第一発見者はキャッスルヴァニアの時と同じ、あの快活な青年だ。妙な縁もあるものらしい。

 それも当然と言えば当然―――この建物以外は揃いも揃って廃墟か痕跡のないものだ。
 不自然なほど小奇麗で、整っているようにすら見えたこの館へと脚を運ばない道理はなく。

「………現状を話す前に一つ聞こう。それは、君の連れか?」

 だからこそ、不意に映ったそれはよけい怪訝なものに見えた。
 乾いた風に乗ってやってくる、なにかの命を内包したもの。
 全く見覚えもなければ類似する知識もない。強いて言うなら、コレは―――アレか。


 ………卵、だろうか?

 このような印象を持った、ふわりとした何かに意識を向けながら、問を投げる。
 無論、回答が本当に“連れ”などとなるはずもなかろうが………。


>ザックス、(???)

3ヶ月前 No.1955

夜刀神天香 @evil☆wlNTvj.bQ62 ★Android=c1E0DIQTEq

【学園/夜刀神天香】

何かが羽ばたく音が聞こえる。天香は天を仰ぎ見て霊装と『魔王』を顕現させようとしたがやめた。
理由は単純な話、舞い降りてくる者が『敵』ではなかったから。
天香より明らかに大きな体躯を持つ異形の怪物が天香が歪めた柵の隣の柵の上に立ち、こちらを見下ろしていた。

「何者かと思えば貴様か、『虚無の獣』。否、『メルカヴァ』と呼んだ方がいいか?」

禍憑。それはこの異聞星において人類種に仇為す怪物、異形の総称だ。天香もまた本質は違えど禍憑と同じように振る舞っている。
謂わば今の天香とメルカヴァは同類といっても差し支えなかった。天香の頭に直接、テレパシーという形で送り届けられるメルカヴァの声。メルカヴァ曰く、獲物の臭いと感じて来てみたはよかったがそこにいたのは天香であり、そういう意味ではアテが外れたというところであろう。

「浮かぬ顔だと…ふん、そう見えたか?
私にはお前のカオから感情の機微を読み取る事は出来んがな」

天香は鼻を鳴らし、メルカヴァに倣って外を見る。メルカヴァの方もこの異聞星、ニライカナイにも件の叛逆者が現れたことは察知しているらしい。故にか、メルカヴァの肉体は昂ぶりを覚えているらしく獲物を求めていたが見つけたのは天香であると、そういうことであろう。

「私が奴等に、叛逆者共に抱いた感情など負のそれでしかないがな。
奴等が来たせいで穏やかに過ごしてはいられなくなった」

天香はそう言うがそもそも天香が穏やかに過ごせなくなったのは元はと言えばこの星のせいでもある。かつて己の肉体は十香と共に消え失せ次に意識を持った時は此処だった。天香は十香の意識を眠らせて彼女が再び手を汚さずすむように今まで魔王として禍憑として振る舞っていた。

そして段階は今、次に進もうとしている。メルカヴァの、如何にするという言葉に天香が出した答えはこうだ。

「もう少し、この学園で張り込む。
それでも叛逆者か御華見衆が来ない場合はこちらから打って出る。
この星の支配者に怠惰の誹りを受けるのは業腹故にな」

天香は今暫く学園にて敵を待ち受け、それでも敵が現れない場合は打って出る事を宣言した。

「ついてくるなら好きにしろ。手柄や叛逆者や御華見衆の首には興味は無い。
止めは好きに攫って構わない」

更に天香は仮にメルカヴァがついてきたとしても止めは譲るとまで言っている。言い方を変えればとことんまで敵の命に無頓着と、そういう風にも見えた。

>メルカヴァ

3ヶ月前 No.1956

加頭順 @evil☆wlNTvj.bQ62 ★Android=c1E0DIQTEq

【病院/加頭順】

放たれる火炎に対して貴虎が取り出したアレは――なんだ?
傍目から見れば果実と錠前を複合させたようにも見える。奇妙なアイテムだが此処で出したという事はアレが加頭でいうガイアメモリに値するものであることには間違いない。

そしてそれを貴虎はドライバーに装着する。貴虎の頭上の空間がまるでジッパーで広げられたかのように裂け、頭に『メロン』が――いや、自分でも何を言っているかわからないがとにかくメロンが貴虎の頭に被さり、それが展開され装甲となる。

「斬月…名前は知ってはいましたが随分と奇妙な変身をするものですね」

正直奇妙な変身に加頭も驚いていたが驚いていられるのはそこまでだった。斬月はメロンを模した盾で加頭の放つ火炎放射を防いだかと思うと盾を投擲してきた。

「――ッ!!」

同時に放たれる銃撃はユートピア・ドーパントの武器たる『理想郷の杖』を掲げて停止させ、あらぬ方向に逸らすが斬月の盾、メロンディフェンダーがユートピアの肩を捉えて火花が散る。だがそれ以上の攻めをユートピアは許さず、振り上げられる無双セイバーを理想郷の杖を叩きつけるようにして抑えた。

「メロンとは、なんとも愛らしいアイテムですが性能は本物のようだ。
では一つ、私の『理想郷』と比べ合ってみましょうか」

加頭は後方に跳躍し間合いを取った。そして自分の前方の床に理想郷の杖を向ける。するとどうだ。床が大きくくり抜かれて浮遊したではないか。
引力、斥力、重力。それらを操るのが加頭が持つガイアメモリ『ユートピアメモリ』の力だ。くり抜いた床の塊を、ユートピアは杖を振るってそれを斬月目掛けて投げつける。人間の直径ほどもある瓦礫が、斬月目掛けて襲い掛かった。

>貴虎

3ヶ月前 No.1957

スレ主 @artemish☆8cfl5/j3VDw ★utloP7NDPP_3wf

【大通り/岡田以蔵】

 大通りの道を往く時代錯誤な風体の男の前に立ちはだかる影が、ひとつ。
 以蔵の英霊としての嗅覚が、そしてそれ以前にその奇矯な身なりが、彼女が人外の者であることを目聡く察知する。
 人斬りは静かに眉根を寄せた。不機嫌そうなそれは、既に少女の剣呑なものを感じ取っている故か。

「……なんじゃあ、おまんは。物の怪か?」

 頭髪の隙間から覗く小さな角に、彼女へ付き従うかの如く漂う鬼火の数々。
 間違いなく人間のそれではない。そして、友好的な存在とも到底言い難い。
 生者、と呼称された以蔵は鼻を鳴らす。確かに、傍目から見ればそうであろう。実際には、死の丘を越えて久しい霊体であるのだが。
 だがそれ以上に以蔵の笑いを誘ったのは、彼女が己を"剣豪"と呼称したことの方であった。
 事実、間違ってはいない。岡田以蔵の剣術の才は紛れもない本物であり、これを破れる者などそうは居ないだろう。
 しかし───他の誰がどう思おうと、当の彼にとってだけは違うのだ。その呼称は、以蔵に言わせれば的外れもいいところ。

「剣豪? 何を勘違いしちょる、鬼女。わしは───」

 小野派一刀流、鏡心明智流、直指流剣術。果てには、柳生新陰流に至るまで。
 以蔵はあらゆる剣術に手を出しては一朝一夕で究め、呵々大笑しながら道場を後にしてきた。
 その天禀はかの宮本武蔵、佐々木小次郎、柳生宗矩と比べても何ら劣らない。或いは凌駕とてするやもしれぬ。
 されど、されど。岡田以蔵という英霊を象徴するのは剣の技に非ず。それを振るって、何を為したか。この一点に尽きる。


「───"人斬り"じゃ」


 返答の瞬間、以蔵の刀は鬼女の剣戟を事もなげに弾き返していた。
 否、正確に言えば弾き返したのではない。受け止めた上で力の方向を巧みに逸らし、重心をずらすことで無力化した。
 彼に言わせれば、ただそれだけのこと。読み飽きた小説の中の台詞をひとつ、暗唱してみせただけに過ぎない。

「ふっはっはっはァ! ええぜよええぜよ、分かりやすうて助かるわ!
 わしみたいなロクでなしを呼びつけよったんじゃ、思う存分期待に応えてやるきのう!!」

 先程までの鬱屈とした雰囲気は何処へやら、以蔵は大層上機嫌そうに笑った。
 そう。この男は───基本的に頭が悪い。言葉を選ばずに言うならば、馬鹿であり、阿呆である。
 だからこそ。分かりやすい目標を認識したなら話が早い。それが正しかろうが間違っていようが、彼はそれを直向きに成し遂げようとする。
 岡田以蔵とは、ひとえにそれを貫いた男。その末に、命を落とした凶人。

「───お初にお目にかかります。ちゅうわけで、死ねや」

 愉快痛快と腹を抱えて笑ったかと思えば、その次の瞬間には以蔵の剣はムラマサの頸動脈を目掛けて振るわれていた。
 即断即殺。
 誇りも拘りもない泥に塗れた一閃はただ一点、人を斬って殺すことのみに特化した《始末剣》である。
 相手が子女であることなど、彼にとっては刃を止める理由にはまるでならない。敵ならば斬る、気に入らなければ斬る。斬って斬って斬って斬って、屍の上で笑い日銭を稼げればそれで佳い。
 ───歪み狂った理想郷にあっても。彼は、何も変わらない。

>ムラマサ・獣刻・ヤマタノオロチ

3ヶ月前 No.1958

彡/┐° 皿°)┐ @aroundight☆SdjaOljKHtOm ★msJh1WzJ3A_keJ

【学園/メルカヴァ】

 禍憑という生命体は、一口で言っても千差万別だ。
 自律した意識や高度な知性を保有している個体がいるのはもちろんのこと、
 このように生物として剥離した外見を有しておきながら、反比例するような知性を持つ個体もいる。

 人間に意思の表現を知り得ることが出来ないだけ、コミュニケーションが取れないだけ。
 ロジカライズ インターフェイス   、   、メディアウム
 言語体系、接続手段、そしてこれらの伝達媒体………。
 そういったものが人間とは違う。そう考えるのが適切で、妥当だ。

<どちらでも構わぬ。どちらも私を指し示すには的確な呼び名であろう。
 獲物の血肉を欲して止まぬこの肉体、人の身に戻れぬ故に獣と呼称するより他にない>

 そのメルカヴァと対話という形でコミュニケーションをとる彼女は、
 ヒトの姿をこそしているがなるほど実態と言う部分でどうしようもなく異なる。

<然り。とうに人の身と心など捨てて久しいものと思っていたが、お前のその表情に憂いを見出すは容易い。
 ドミネーター
 支配者の揺り籠に理想を見出したものは、肉体のカタチを問わず、皆獣のそれと変わらぬ。
 浅ましく収まらぬ欲に身を焦がす獣。そのような表情をする者を、私はお前の他にさほど知らぬ>

<静寂に乱れが生まれたことか、さもなくば………―――いいや。これは無粋であったな>

 精霊―――隔絶した高次元にその魂を置く者。
 それが夜刀神天香を名乗る少女の『区別』だ。
 少女のかたちをとったそれはヒトと変わらぬ肉体を有しておりながらも、
 霊力で編まれた鎧を伴い、永久機関に等しい核を有する正しく“次元違い”の存在がそれだ。
 即ち獲物として接するならば極上のそれであるが、獣畜生の如く食欲に身を躍らせるほど生への執着が濃いわけではない。であるに接触が比較的穏便なものになるのは明白―――とはいえ、だ。

 その膨大な霊力の塊をメルカヴァは公女などと呼んだが、
 実態として見たなら、その公女の前に『塵殺』とでも付属させるのが相応しい。
 そこまで呼ばしめる公女、天香の表情は、さりとて憂いと決意を相反させたものであるように見えた。

 だから何、とは言うつもりはない。メルカヴァが己を“そう”定義するのだから、
 これはただの会話のタネだ。それ以上でもそれ以下でもないから、彼は言葉の引き際を弁えて話を戻す。


 閑話休題。


<獲物が這い出るのを待ち伏せるは一長一短。
 根負けせぬよう心がけることだ、公女よ>

 待ちの一手を選んだ天香の言葉は正しく一長一短。
 下手に動き回るでもないが故に消耗は抑えられようが、
 獲物が迷い込むを待つのみとなれば、聊かに狩りの精度は落ちよう。
 それ故の次善策が『打って出る』というならば是非もない。後はどれほど有利な状況での接敵があるか否かだが。

<この獣に餌を譲ると。火の粉を払うが動機と見ても異なことを言う。
 では飼い慣らされた家畜のように、打ち捨てられた餌を甘んじて貪ろう>

 ………その言葉は、聞くものによって著しく評価を分けよう。
 打って出る、待ち伏せる。
 どちらにせよ、血肉に狂う食欲旺盛の魔獣を傍らに置く行為は危険と隣り合わせだ。
 さりとて彼が餌を待ち続ける事に同意した/その餌を与えると口にした以上、その可能性はない。

<何しろ目星を付けた場所には既に“アレ”が降りた。獲物の血肉に充てられて巻き添えを食っては元も子もない。
 となれば。我が身の餓えが毒となって回る前に、事が進むのが最上だが―――さて>


 ………しかし言い換えれば、天香の物言いは敵対者の死を易々と許容するものに等しい。

 ある種、この星の縮図を思わせる物言いだ。ただ一つ事のために全てを蔑ろにし、屠り、喰らう。
 尤も、彼女の内に秘めたものを獣のそれと同一視するのは、聊か筋違いかも知れないが―――。


>夜刀神天香

3ヶ月前 No.1959

ムラマサ・獣刻・ヤマタノオロチ @tukuyomi07☆2nDyzvx51us ★3aNoMW8gGM_sNF

【 大通り/ムラマサ・獣刻・ヤマタノオロチ 】

 いなされた――。

 弾くのは簡単だ。何故なら力押しを仕掛け、最悪そのまま押し切ってしまえばいいのだから。
 だが堕ちてこそいれどムラマサは剣鬼である。己が今何をされたかすら分からぬほどに無知蒙昧ではない。
 暖簾を薙いだような感触から崩されるといったこともなく刀と姿勢を引き戻してみせた直後、空を割く紫電一閃が上機嫌な笑いと共に振り抜かれた。

「三之太刀」

 高らかに響き渡ったのは、皮膚裂け肉断ち鮮血散る鋭い音色ではない。
 金属同士がぶつかり合う耳障りな音色が以蔵が放った即死の剣戟が弾き返されたことを証明している。

 すじがき
 基本技術をなぞったのは、ムラマサの手にある太刀に在らず。その両手の太刀は一切弾かれた位置から動いていない。
 三之太刀、そう銘打たれた刀の柄を握っているはずの手があるべき部分では化外の鬼火が黒々と燃え盛っていた。
 鬼火が再現した技量は本体となんら遜色がない。
 微細な力加減、重心のずらし、あるいは体幹の崩しといった小手先の全てが鬼火に宿っている。

 それにしてもこの男、よく笑う。
 邂逅した最初こそ鬱屈そうな、それでいてつまらなさそうな雰囲気を纏わせていたのが嘘のように此れ見よ顔で剣を振るってきた。
 そう、剣豪であるとの見立てを否定し誇らしげに語った異名と共に――。

「……"人斬り"」

 然らぬ顔で相手の名乗りを反芻しながらも、ムラマサがその手を止めることはない。
 剣が先に来る剣術ではなく殺人術の一環として後から剣が来るのならば、それに合わせて攻め手を変えればいいだけのこと。
 元より生者皆殺しが命令である以上、自分のいるこの場こそが、道理も道徳も情けも無用の死合いの地なのだが。

「ならば好都合、今の拙者は人に在りませぬ」

 それはそれとして、というものがある。
 剣の道に沿っているかはともかく、仮にも剣を振るう上で自らを至高と断ずるならば黙っていられないのがこの女の性分。

「おぬしの前にいるのは、八頭八尾の八岐大蛇であると知るがよい!」

 次手を構えさせる隙はおろか呼吸を置かせる暇も与えない。
 体幹の軸はずらさず、すり足で剣の必殺圏内に以蔵を捉え続けながら更に一歩踏み込んだ。

 鋭い呼気が唇を突く。独楽のような回転から放たれるは二刀でもって構成された鋼の嵐。
 太刀筋一つをとっても神速、常人の視認を許さない速度で振るわれている。
 それが二つに増えただけでムラマサが放つ連撃の脅威は何倍にも増していた。

 加え、相手の弾きと回避を予測した場所に"設置"されるように三本目の刀が振るわれた。
 今はまだ三つ首、されど三本。しかし多頭の龍の必殺の間合いに入れている以上は逃がしはしない――そんな執拗さを秘めた攻撃だった。

>岡田以蔵

3ヶ月前 No.1960

「あなた」と「わたし」の理想郷 @recruit ★UH4NIh0UMH_z8B

【神社/星屑、???】


>>1952,1954


 流星と見紛うが如く、空から墜ちて来たのは人々にとっての恐怖の象徴。
 その存在が現れた日から、人間は青い空を見上げなく成ったという。
 名を「星屑」と呼称されるようになったこの怪物と対峙した彼女も、これらが言葉を交わす事の出来る生物ではない事に早々と気付けた。
 同時に、これが敵である事にも。言葉無き捕食者。ただ、喰らい、ただ蹂躙する。


 ── 抵抗が来る。


 然し、相手が叛逆者である以上、この邂逅は決して一方的な物には成り得ない。
 驚愕を覚えながらも、即座に戦闘態勢を整え反攻に移り、炎弾を撃ち出したのだ。
 各個撃破の方針では物量で押し潰されると判断した彼女は、速射性に長けた攻撃で対処を行う。
 一匹、二匹、三匹、四匹。異形の怪物は一撃を受けるごとに、羽を□がれた虫のように、地へと落ちていく。

 実際、それは正しい。
 星屑はこの世界を彷徨う怪物の中では最下級の個体である。
 力を持たない人間に対しては圧倒的だが、逆に言えばそうでない物からすればあっさりと薙ぎ払える対象でしかない。


 ・・・・・
 だからこそ、この個体は群れで動く。
 一人の強者を多数の群勢で喰らい尽くす。


 焼き払われながら、それでも視界に収まる星屑の数は減らずに増える一方。
 あちらこちら、散らばっていた個体も仲間の声無き声を聞き、集ってきているのだろうか。
 四方八方、其処彼処から訪れる脅威が勢い衰えることなく攻め寄りつつあった。その瞬間──


 ── 均衡を崩す。


 猛る意思と共に、同じくけして消える事のない炎が集結しつつあった星屑を押し流し、焼滅させる。
 其の侭彼はその異質な怪物の群れに対して、勇ましく果敢にその身を投じていく。
 一対多数から、二対多数への変化はけして侮れる物ではない。まして、それが力持つ勇士であるのならば、猶更だ。

 戦況を示す天秤が傾きつつあるなか、それでもなお、星屑の数は────増える。

3ヶ月前 No.1961

五十鈴れん☆4H2CCC.TU8ct ★Android=zbCXnRRWFb

【図書館/五十鈴れん】

>all

 潜行、そして──三度目の、浮上。
 次の星はれんにとってどこか馴染みの深い風景だった。
 恐らくここは日本だ。
 れんだけでなく他のトリズナーたちの中にもこの国を故郷とする者は多いだろう。
 しかし──。

「(…この星も、やっぱり──)」

 この星は、明らかにおかしかった。
 ここには文明の気配がない。
 どこまでも換算としていて生気が薄く、虚しいほどの静けさばかりが広がっている。
 その静寂に薄気味悪さすら感じながら、れんは図書館へとやってきていた。
 特に目的があったわけではない。
 ただなんとなく、目についた建物に入っただけ。

 …さあ──この星では、どんな闘いが待っているのだろうか。

3ヶ月前 No.1962

アマテラス=姫 神琴 @tukuyomi07☆2nDyzvx51us ★3aNoMW8gGM_sNF

【 神社/アマテラス=姫 神琴 】

 あれが人間どころか、既存の生物の枠組みで語ってはいけないことは、嫌悪感を与えるその形状<フォルム>からしても明らかだ。
 まして、一匹見れば百匹いてもおかしくないと思わせる軍勢で押し寄せてきているならば猶更のこと。
 その在り方は虫に近いような気もするが、それらと比べてしまうには人を喰らい殺す獰猛な動作が際立ちすぎている。

 焼く、増える、撃ち出す、焼く、増える、増える――。
 何処から来ているのか、そもそも何処に潜んでいたのか。
 空から降ってきた分以上に押し寄せているような気がしてならない。

「上等よッ――」

 押し寄せる物量へ向けて更に炎弾を投げ込もうとした矢先に、別の方角より炎が飛来した。
 密集した白い怪物たちを刺し貫くように投げ込まれた灼熱が怪物達を焼失させてゆく中、果敢に飛び込む鎧姿の青年がいた。

「ナイスサンキュー助かった!」

 感謝の気持ちを全力で伝え、そこで妙案を閃く。
 一体一体は貧弱だが、数があまりにも多すぎる。まともに立ち会っていればキリがないと予感出来てしまうほどには。
 だからこそ、一度に掃除しなければ終わらない。それこそこの戦火の音を聞きつけて集まってきているというのもあるだろう。

「その調子で思いっきり焼き払ってくれると助かるわ!」

 成功するかは分からないが、試す価値だけはある。
 《八尺瓊勾玉》を納めその両手に黒々と燃える炎を纏わせれば、投げるような動作で軍勢へ向けて放った。

 シフト    クイックシルバー
「 換装 ――《月夜見命》ッ!」

 投下されたのは炎弾ではない。
 かつて、宵闇の星にて討ち取った戦馬ゲリュオンが操っていた時間を凍て付かせる砲弾。
 彼より引き継いだ敵対者の時の停滞を齎す力は、獲物を捕らえて縫い留める蜘蛛の巣のように作用する。
 神琴が放ったバレーボール大の砲弾が軍勢の中心で爆発し、ドーム状に拡散した。

「《八尺瓊勾玉》ァッ!!!」

 自身もまた、広がった停滞圏内へ向けて炎弾を放ち群がる星屑たちを焼き払わんとする。

>星屑、??? 龍炎寺タスク

3ヶ月前 No.1963

燕結芽 @genmwhite ★HGFSFqNdXl_ts3

【図書館/燕結芽】

 こつん、こつんと歩く少女の顔はどこか不満げだ。楽しくない、つまらないと言ったような雰囲気を漂わせながら、刀を手にしながら歩いている。見た目は十代、それも小学生か中学生かと思わすほど小さい姿だ。
 明らかに異質である、そう告げるような佇まいは、ただの刀を持って歩いている狂人ではないことを伺わせる。最も、狂人であるかと言われれば、それに答えられはしない。意味はわかってないし、理解もしていないことだ。
 入り組んでいる図書館を選んだのは、隠れている存在を探すためだった。広いところは、もう他の人が出ているから。おこぼれとまではいかないけれど、隠れているならこういう施設の中が一番だと思ったから。
 少女の目は、獲物を狙う狩人の目だ。鷹のように鋭く突き刺さるような視線は、暗がりを見通しながら……獲物をただ探し続けている。善も悪もなく、ただ、強い存在と戦いたいがためだけに。
 そうすれば、きっと誰かは覚えてくれる。強い奴を倒せば、自分が強いことが証明できるから。
 そうして見つけたのが───。

「見つけたぁ───」

 少女、結芽の行動は早かった。目にしたのは、自分より少し上かと思うくらいの同じ少女の姿。けれどもそれは一般人のそれとは異なる力を発している。
 何より、あれはこの星で見たことがない人間だ。つまり、聞くに及んでいた叛逆者<トリズナー>である可能性は十二分に高い。結芽は待ち望んでいた、二つの異聞星を突破してきたという無垢なる叛逆者たちの存在を。
 彼らは強い。そして、彼らを倒せば、誰かは結芽のことを覚えてくれる。そのためだけに戦うのだ。そのためだけに彼女は、この星を支配する者の下についた。神薙ぎの巫女、刀使という存在でありながら、だ。
 トントン拍子のように結芽は床を蹴った。彼女の体は白い神気に包まれた。手にした刀───否、御刀という神聖な力の込められた刀を通じて、現世とは異なる隠世から力を引き出した。一時的に自らの肉体をエネルギー体と化した。

「こんにちは、おねーさん! ねえ、あーそーぼっ!!」

 見つけた獲物───れんの前に不意打ちのように現れた結芽は、手にした鞘から引き抜いた刀を下から上へ逆袈裟のように振るった。
 防御術である写シと同時に、自らを加速させる迅移を用いた。距離が離れていても、縮地のようにそれは一瞬で相手への間合いを詰める武器になる。それを利用して、結芽はれんの前に突然現れた。
 苛烈な戦闘狂の、挨拶がわりの一撃が迫る。これを防ぎ、反撃するなら応戦可。これで傷つくなら、少しがっかりで、これで死ぬならハズレを引き当ててしまったことになる。
 結果を期待しながら、結芽の目は細まり、口元は笑みに包まれるのだった。

 >五十鈴れん

3ヶ月前 No.1964

呉島貴虎 @antinomie☆yzl4MFL1dRLB ★AmPQPE9EE6_tVR

【病院/呉島貴虎】

奇妙な変身だ、と言われてしまえば、私もそう思うと返すしかない。
ジッパーのように開かれた扉―――クラックの奥に広がるのは、異なる時空『ヘルヘイムの森』のそれ。
<戦極ドライバー>の機構に関しては、ほとんどかつての友に一任していた。デザインの話になれば、頷かざるを得ない。
装甲の下で、不思議な力によって銃撃が無力化されるのを見据えながら貴虎は思考する。

不意を打つ形になった<メロンディフェンダー>での一撃。かろうじて避けられたが、恐らく二度以上は通じまい。
杖によって受け止められた斬撃、そして謎の力で無力化された銃弾。問題は、此方にあると言っていい。

「……『理想郷』だと?」

そういえば、先ほどあの小箱―――……USBメモリの形状をした端末、ガイアメモリからは『ユートピア』と流れた。
メロンの装甲を纏った自分が憶測するのもなんだが、恐らくは意味のあるワードだ。そこから、奴の異能を推察できるかもしれない。
……が、当然『理想郷』などという言葉で思い至る力などありはしない。後方へと跳ぶユートピア・ドーパントを追おうと踏み込みながら、驚愕する。
音を立てて浮遊する、床として存在していたもの。それは一つの巨岩となって、貴虎へと迫り来る。
だが、と必要以上に焦る様子を見せず、流れるような動作でベルトの刀を再度倒す。

《ソイヤッ!メロン・スカッシュ!》

発声と同時に、斬月の握る剣が黄緑色のオーラを纏う。
それを力強く振るって、迫る岩石を一太刀で打ち砕き―――……そのまま、真っ直ぐと踏み込んで、異形と化した加頭順へ肉薄する。

「貴様の『理想郷』とやらが、今このような……死んだような景色を生むことを是とするならば!認めることなど出来はしない!
 それを否定するのが、我々だと知れ……!はァッ!!!」

黄緑色の軌跡を描いた高速移動で、オーラを纏った斬撃を振り下ろす。
力は未知数。……かつての“オーバーロード”さえ彷彿させる異能。であれば、それを十全に使われる前に攻めるしかない。
無論、100%の勝機ではない。此方の手には、まだ手が残されている。

>加頭順

3ヶ月前 No.1965

夜刀神天香 @evil☆wlNTvj.bQ62 ★Android=c1E0DIQTEq

【学園/夜刀神天香】

天香が『虚無の獣』、または『メルカヴァ』と呼ぶべきかと問うたソレはどちらでも構わないと自らの呼び方について語る。彼にとっては呼び名など特段大事なものではないのであろう。
天香自身は自分の名には幾何かの特別な意味を持っていたがそれは此処では語らない。メルカヴァは天香の事を『公女』と呼ぶがそれを訂正させようとはせず、ただ天香はメルカヴァとの対話に応じる。

「憂い、ときたか。
そうだな、こんな殺風景な星だ。憂いの一つも覚えたくなるというもの」

天香ですら憂いを覚えたくなると言わしめるこの星の現状。ますますもって十香に見せるべきではないという感情が強くなる。あの明るくて、純粋なあの子がこの景色を見ればどう思うかなど想像に難くない。だから天香は今この身体の、この眼を、預かっている。

メルカヴァが何かを言いかけて、やめたが天香はそれ以上追求はしなかった。気を許している、というわけでもないがこの魔獣は少なくとも天香に害を与える者ではない。敵でないものに牙を剥くなどそれこそ無駄の極みだ。

「根負けとは心外だな。
言っただろう、あの支配者に怠惰の誹りを受けるのが業腹だとな。
もっとも、奴はそれにすら興味がないのかも知れんが」

天香は別に待つのが苦だと言っているわけではない。ドミネーターたる菜切に、怠惰だのなんだのと罵られるのが不快なだけだ。だがアレが掲げる賛歌『狂愛』だ。別にアレに愛されたいだ等とは思わないしこちらを好きにさすてくれるならそれはそれで都合がいいわけだが。

「欲しがるなら存分に喰らえよメルカヴァ。
私に食人の趣味はない。故にお前と獲物を獲り合うつもりもない」

たとえ天香の攻撃で瀕死になった敵を目の前でメルカヴァが掻っ攫ったとしても天香は感知しない。理由は単純興味がないからに尽きる。だから天香はくれてやると、そう言ったのだ。
続いてメルカヴァが発した言葉に、天香は頭上を仰ぐ。

「『バーテックス』か。
相変わらず鼻のいい連中だ。食い意地ならお前以上か。
そんなに人肉が好きか、アレは。理解に苦しむ」

メルカヴァが言うには既に菜切の駒たる怪物『バーテックス』が動いているらしい。下手すればアレに全て食い荒らされてはい、終わりという可能性もあるがそれは楽観視が過ぎるか。

天香はバーテックスを皮肉るかのようにポケットに入れていたおにぎり(ツナマヨ)を袋を開けて口に放り込んだ(ちなみに菜切陣営の拠点から拝借したもの)。見知った顔も、ものもないこの地でこれだけが天香の心を慰めてくれた。

>メルカヴァ

3ヶ月前 No.1966

龍炎寺タスク @antinomie☆yzl4MFL1dRLB ★AmPQPE9EE6_tVR

【神社/龍炎寺タスク】

咄嗟に放った聖火は、集結しつつあった異形の群れへ一石投じることができた。
ただ、それだけだ。見覚えのない、……自分の知る枠組みの中にない、奇妙な無数の生命体。
助けた女性もまた、戦士だったようで。撃ち続ける攻撃が、確実にその数を減らしているはずなのに……一向に、衰えの気配はない。

「えっ―――……あ、いえ!はい……!」

簡潔だが明快な礼の言葉に一瞬だけ驚いたような反応をしてしまうも、そんな場合ではないと視線を敵へと移す。
彼女の言葉の通り、まずはこの場をどうにかするために攻撃を仕掛け続けるしかない。《竜剣 ドラゴフィアレス》を投げ捨てながら、戦略を切り替える。
数が相手ならば、ドラゴンWの姿のままでは恐らく不適当だ。引き抜いたカードを再度ジャックへ向けて発動する。

「―――キャスト、《スタージャック・ドッキング》!」

瞬間、ジャックの装甲が星の力を纏う未来の力―――……スタードラゴンWのものへと、切り替わる。
《超星護(スターガーディアン) ジャックナイフ》が装甲を展開。その身に、無数のアンカーがついた《剣星機 J・ホルダー》を合体させる。
同時に、タスクの左手が蒼光を放つ装甲に覆われる。《スターハンド フィールドリーダー》によって状況を読む。
女性が放ったのは、先ほどまでの炎とは違う。榴弾のようにも見えるそれが、敵の群れ目掛けて飛来し―――……炸裂。
結果齎されるのは、破壊ではなかった。

「あれ、って。時間が歪んで―――じゃ、ない。狙い目だ……!ジャック、星合体<クロスナイズ>!」

左手が輝くと同時、二つ目の武装がジャックの身に接続される。
《竜装機 ナノブレイク》。プラズマを放つ砲台を二つ兼ね備えた粒子の身体を持つ機械が、ジャックの両腕に繋がって。

「ジャック!……連携!」

タスクの左手が描く軌跡が、ジャックの放つプラズマ砲に指向性を持たせる。
向かう先は、今しがた放たれた時空の歪みに囚われるであろう星屑たちのもと。指示通り、焼き払うべく力を放つ。
数ばかりが多いのであれば、対策の打ちようはあるようだ。が、……それだけで終わるとは、思えない。

「(油断はできない。敵の正体だって、まだロクに分からないのに……)」

>星屑、???、アマテラス=姫 神琴

3ヶ月前 No.1967

加頭順 @evil☆wlNTvj.bQ62 ★Android=c1E0DIQTEq

【病院/加頭順】

加頭が発した『理想郷』という言葉に疑問符を貴虎は浮かべる。当然と言えば当然だろう。ガイアメモリとは地球の記憶を司るメモリだ。
生物系のメモリならその生物の力が使えるとわかりやすいしアイスエイジなら氷、マグマなら溶岩と生物でなくても大体のメモリは単語から能力を察する事が出来る。
だがまさかその中にまさか理想郷というモノが有り、その能力が引力、斥力、重力の操作だなどと初見で見破れる者が果たしてどれだけいるであろうか。

だがそれでも呉島貴虎こと仮面ライダー斬月が的確に対応してくるのは彼がただ単純に場慣れしているということであろう。

斬月は無双セイバーに黄緑色のオーラを纏い、瓦礫を切り捨てこちらに迫ってくる。アレは、先と同じように対処すれば理想郷の杖が叩き折られるであろう。
理想郷の杖を構えて斥力と重力を操作、斬月のスピードを抑えつつ向かってくる刃を反発させる。

「なかなか、やりますね」

それでも肩口なら胸にかけてを浅いが、切り裂かれる。貴様の理想郷を認めないと吼える貴虎を加頭は嘲笑う。

「『理想郷』というものにはそもそも不要なものは存在すべきではないのですよ。
この景色を求めたのはこの星の支配者たる菜切さんです。ならば私は甘んじてこの星の理想郷を守る兵士となりましょう」

ここで一つ明らかにしておこう。ユートピア・ドーパント能力は引力、重力、斥力の操作だ。ならば先に加頭が放った炎はなんだというのか。それは加頭が超能力兵士クオークスとして持つ力だ。加えて言えば加頭が扱えるのは炎だけに留まらない。加頭の左手に電撃が走る。加頭は踏み込み、電撃纏う掌底を斬月の胸目掛けて叩きつける。これも、クオークスとしての力である。

>貴虎

3ヶ月前 No.1968

ザックス @phile☆fFByNj5QP5A ★Android=jnRPVqvIPa

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3ヶ月前 No.1969

「あなた」と「わたし」の理想郷 @recruit ★UH4NIh0UMH_z8B

【銘治館周辺/???】

>>1955,1969

 ふわり、ふわり。
 浮遊する卵のような物体は、一つだけではなかった。
 よく見れば、彼彼女達の周りに幾つか点在している。
 ようやく出会えた同胞同士、会話と情報交換に勤しんでいる最中、精霊の主である彼女が疑問を投げかける。
 こんな正体不明の物体がうろついていては、おちおち話も出来はしない。
 剣を構えながら、炎弾を投げつける。
 警戒しての事だろう。その判断は、正しかった。


 ・・
 ぼん ── と。


 渇いた音と共に、卵が破裂した。
 破裂した卵は周囲の建造物も混凝土も巻き添えにしながら、爆発する。・・        ・・・・
 その威力は決して音だけの見せ掛けではない。直撃すれば人一人は裕に殺害出来る規模の破壊が、めいじ館周辺一帯に引き起こされる。

 そう、見て分かる通り、詰まる所この卵は当然連れでもなければ、この世界に原生している物質でもない。


 異物を殺す為に放り込まれた、「兵器」、である。


【神社/星屑、???→射手座】

>>1963,1967

 二人の叛逆者の合流。
 一人より二人、という言葉が指すように、これによって精神的にも戦力的にも安定した状態となったと言えるだろう。
 そんな両者に対抗する為か、単純に本能か。次から次へと数を殖やしていく星屑の群れだが──


 ── 時間が止まる。


 何より、連携という戦術を取ることが可能となったのは大きい。
 天照の名を持つ彼女が次手として打ち出したのは、先程とは異なる黒き炎。
 その役割とは攻撃ではない。されど、状況をより優勢に傾ける為の一手だった。

 それこそ、先んじて崩壊し消失した「無明」の世界にて彼女が得た力。
 火炎と時間を操る戦馬。銀の名を冠した砲撃が着弾すれば、間を置かずして一気に解放される。
 後は絡め取られたかのように、動きの鈍った怪物共目掛けて再び炎の弾丸が放たれた、元より数の多さが売りだった怪物。
 それが群れでいるところへと時間の弛緩が行われれば如何なるかは言葉にするまでもない。引き起こされた渋滞は、命取りとも言える致命傷。

 当然 ── 札使いの彼も、その様子を見逃す筈がない。

 剣を投げ捨てれば、戦い方から変更する。
 空からやってきた星の怪物に対して行使されるのは、星の力。
 されど、原初即ち過去へと全てを戻さんとするこの怪物と先を見る即ち未来を象徴とす彼とでは決定的に相容れない。
 故に放たれるは、プラズマによる容赦なき砲撃。言葉の通じない怪物へは、力で以て蹴散らすほかはない。

 それらは見事、星屑共を薙ぎ払っていく。
 その景色が、鮨詰めになっていた白い化物から見晴らしのいい物に変わっていく。が──


 ── 然し。


 札使いの彼の懸念は正しい。
 表情にこそなく、ただ人間を喰らうだけの星屑だが、彼らは「殺す」という側面においては知性を働かせる。
 それは時として人間の弱さを利用した悪辣とも言える手立てによって、人を自滅に追い込むという陰湿さすら兼ねる。
 そして、そんな存在がこの両者を殺すにはどうすればいいかという答えを出した時──



        空から、無数の光矢が降り注いだ。

3ヶ月前 No.1970

呉島貴虎 @antinomie☆yzl4MFL1dRLB ★AmPQPE9EE6_tVR

【病院/呉島貴虎】

思い通りにいかなくなる刃と身体。
先ほどサイコキネシスのようなものだ、と当たりを付けた『理想郷』の力について、別の可能性が浮かび上がった。
そんな単純なものではない、ということだ。本来ならば逆らうことのできない、誰もが影響を受ける異能。
肩口を掠め火花を散らした<無双セイバー>に伝わった感触は、『防がれた』というよりも『反発された』と言った方が正しい。
引力・斥力。もしくは、それらを含んだ重力。あるいは、本当に強力な超常現象か。
で、あれば―――……。と、次に備えて剣を構え直そうとしたところで、思考を遮られる。

「な……っ」

そうだ、失念していた。
この男は、最初にパイロキネシス―――炎を扱ってきたのだ。先ほど推理した力に、そんなものはないはずだ。
スパークする左手を前に、対応が遅れる。大盾の弱点は、零距離にまで踏み込まれてしまえば扱えないことにある。
直撃。迸る雷撃を纏った掌底が胸へと叩き込まれ、火花を散らしながら後ろへ吹き飛ばされる。
膝をつく……前に。無双セイバーを地に突き立てて、何とか踏ん張り切った。

「……随分、多彩だな。だが、そんなことは良い。
 そんな、ふざけた……不要なものは全て排除する癇癪のような理想郷を殉教するというなら、やはり私は負けない……!」

目の前の存在が持つ、力。その全てに懸念がある。要は、彼の能力値の限界が読めないのだ。
だからと言って様子見に徹していられるほど甘い相手ではないのは確かだ。故に、自身の胸部を抑えながら再度攻めに転じる。
もう一度、ベルトの刀を動かし《メロン・スカッシュ》を発動させる。
オーラを纏うのは剣ではなく、盾だ。強化された<メロンディフェンダー>を勢いよく回転させ、加頭に向けて全力で投擲する。
そして、やはり最初と同じくそれに追随し、くるりと取り回して<無双セイバー>を腰溜めに構え―――……。

「は……ッ!」

跳躍。投げた大盾を足場に高く跳び、<メロンディフェンダー>の向かう先……即ち、加頭順の背後側へ向けて落下しながら斬撃を放った。
疑似的な二面攻撃。疑似的な挟み撃ちだ。

>加頭順

3ヶ月前 No.1971

彡/┐° 皿°)┐ @aroundight☆SdjaOljKHtOm ★msJh1WzJ3A_keJ

【学園/メルカヴァ】


   、   、    ドミネーター
<閉じ切った環こそ、彼の支配者が持つ生であり執着。
 それを乱す者への憎悪こそあれど、それ以上のものなどありはするまいな>


 天香の言葉も最もだ。
 この死んだ星は、ただの支配者が持つこころの在り方を証明する材料でしかない。

 屍は屍として打ち捨てられたまま。
 廃墟は廃墟として朽ちるを待つのみ。
 生き物が生き物を愛するにあたって、その矛先は無限ではなく有限であるゆえ、この地は頓着されない。

 例えば虫や埃が部屋の片隅に溜まる程度ならば、
 定期的に掃除をしようという精神すら持ち得るか怪しい。
 否、その掃除をオートメーションでこなすのが“アレ”だと言えばそうなるが―――。

<そうさな。ではしびれを切らすは私の方となるか。
 この身体は存外便利なものだが、ただ一つ、食欲旺盛なことだけが玉に瑕よ>

 そこに何らかのねぎらいなど向けることはあるまい。
 ヒトに仇名すものを断つ巫剣が、ヒトに仇名すはずの己を放置するがその証拠。

 いいや、あるいは。支配者にとってのヒトなど、もはや一人しか存在し得ないのだろう。
 それ以外のものがどう蠢いても、気にも掛けない。

 例えばメルカヴァという禍憑がその獣の如き欲を敵対者に振るおうとも、
 天香のような精霊が、その目的と決意をかけらも自分と被せていなかろうとも。
 絶望的に支配者としての才能はなく、だからこそ星のかたちがこのような結果になる。


<食い荒らすためならばより本能的な動きとなろう。この浅ましき虚無の躰のように。
 目的を持つならばより効率的な動きとなろう。菜切めの傍らについた『漂流者<ドリフター>』のように>


 バーテックス。
 既に動き出したその化外は、既に現れたのだろうトリズナー等を食い殺すべく動き始めた。
 鼻の良さと獲物を見定めるまでの動きの良さは、彼女が皮肉った通りだろう。
 だが理解出来ぬのもむべなるかな。アレ等の動きは別に本能的なものでも、目的を定めた人間の動きでもない。

 生態として/生体としてそもそも別の構造なれば、その行いは理解の範疇を聊か以上に越えている。

<食欲のまま暴れ、狩られ、果てるのみの獣に非ず。
 ふむ………だが、その空虚さは禍憑のそれに通じよう>

 それは兵器だ。目的を達成するべく、第三者の意思を介入させた意思無き殲滅の道具。
 ともすれば命令に従わないこともあるドリフターたちよりも、場合によっては“高性能”と呼べる。

 故にそれは試金石とも言えた。
 現れた者達が、この地で嘗て食い殺されたような輩と然程も変わらぬのか、否かの―――。

 それはそれとして。

<興味深いな、公女。
 お前の躰はヒトのそれを凌駕する。生命としての出来が違う。にも拘らず、ヒトと同じく糧を求めるか>

 手持ち無沙汰のメルカヴァが遠くを傍観する監視塔代わりをしている最中、
 ふと天香が取り出したものに、彼は興味ありげにそう呟いた。
 精霊というものの異常性と逸脱性は解説したばかりだが、彼女はヒトと同じように糧食を頬張る節を見せた。

 あるいは不要なれどもただの嗜好なのか。
 嗜好だとしたら、どのような契機がそれに至らせたのか。

 ―――もっと余談だが、メルカヴァが欲しいと思ったわけではない。
    僅かに残った人の心さえも揺り動かさない。この肉体が欲する糧は、ヒトのそれとはずいぶん違う故。

>夜刀神天香

3ヶ月前 No.1972

ミラ @aroundight☆SdjaOljKHtOm ★msJh1WzJ3A_keJ

【銘治館周辺/ミラ=マクスウェル】

「此方も同じだ。
 ヒトの気配もなければ、それに準ずる生物の気配さえ、ない―――」

 やはりか。
 ザックスという青年の言葉に応じながらも、ミラは怪訝な表情と共に腕を組んだ。
 どうも他の者達が探った上で、人っこ一人いないというならば最早先の推察は確信に近くなる。

 この地の有様は今までのどの異聞にも該当しない。
 それが支配者のゆめまぼろしのカタチだというならば、という仮定は先もしたばかりだが………。

 どうも、それは杞憂に終わることはなさそうだ。

「その癖、あの場所だけが小奇麗だ。肩透かしに終わらねば良いのだが」

 崩壊した建物が建造物というカテゴリのほぼ全てを占める世界において。
 この館のみは比較的整っているというのもまた事実。
 だからこそ、情報の筋道があるとしたら此処だろう。―――問題は、一つ。

 先の卵が、ザックス・フェアというトリズナーの連れでなかった場合、結論はただ一つしかない。
 というよりそんな可能性があるなら、ウィゴルの時点でその姿を一目見ることが適っていただろう。

 よってミラも、すぐさま戦闘態勢になっていたのは事実だ。
 これが敵か味方か分からない以上、警戒を解く理由などない。

 小さな焔が卵へと直撃した時、それは唐突に訪れた。本当に………唐突なことだ。

    ・・
 ―――ぼん。


「………どうやら、悪い方の客だったらしい!」


 爆発の音はそんな陳腐にも聞こえるものであったが、
 それが冗談で済まされぬものであるということは、ミラにも察しがついていた。

 詠唱の時間などない、弾かれるようにミラがその掌を動かし、精霊たちを使役する。
 組み上げた<フォースフィールド>の光壁が正面に突き立てられると同時、至近距離の爆発から逃れるように飛び退いた。爆弾を思わせる大規模な破壊の嵐は、その一定値を壁に阻まれて被害を削減させることだろう。

 最もすべてではない。すべてならば、至近距離にミラは留まっていた。
 青年の方が少し気がかりだが、煙の中では区別の方法もないか。

「(さて、本当にそれだけか―――)」

 爆発によって巻き上がる煙。
 その先に広がるものがなにもないなら良し。そうでないなら、一難去ってまた一難だ。

 もう一度詠唱を行うでもなく、剣を払うようにして繰り出す<ウィンドカッター>の旋風。
 刃のような鋭さを以て解き放たれた鋭利な風の刃、
 それが、先に巻き起こされた破壊の中心点を確かめるように煙ごと吹き荒れ、払いに掛かる。

>ザックス、(???)

3ヶ月前 No.1973

五十鈴れん☆4H2CCC.TU8ct ★Android=zbCXnRRWFb

【図書館/五十鈴れん】

>結芽

「っ…!?」

 その攻撃に反応できたのは経験だった。
 魔女ではない、血の通った生きた人間と戦ってきた前二つの星の経験。
 それが筒抜けの殺気をめざとく感知。
 反射的にどうにか鎌を構えて防ぐことができた。

「あなたは…この星の「ドリフター」ですか……!?」

 だとしたら、彼女は一体どちらなのか。
 いや──考えるまでもなく答えは分かっている。
 問いかけたのは念のための確認だ。
 こうしていきなり、殺すつもりで仕掛けてきた時点で──この少女は敵だろうとれんは理解できた。

 応戦のために鎌を振るう。
 魔法少女の身体能力と、二つの星で鍛えた身動き。
 それを駆使した一撃は、少女が仕掛けてきた最初の攻撃の何倍も鋭い。

3ヶ月前 No.1974

スレ主 @artemish☆8cfl5/j3VDw ★utloP7NDPP_3wf

【大通り/岡田以蔵】

「ほぉう。防ぐんか、ようやるのぉ」

 以蔵は口笛を鳴らしてそう零す。
 生半な使い手ならば一息に切り下ろせている場面だったが、どうやらそう易々と事を運ばせてはくれないらしい。
 幾つかの鬼火を侍らせながら、それらに戦闘を援護させている姿はいよいよ以って物の怪めいている。
 どうやら、英霊として世界に召し上げられた己には相応しい敵であるらしい。
 尤もそこは岡田以蔵。斬るもの選ばぬ飢えた野良犬。誰が相手だろうと、やるべきことは決まっていたが。

「八岐大蛇じゃと? ふっはっはっは! 据え膳食って首狩られた大間抜けの名ァ好んで名乗るがか! こりゃええのう、傑作じゃ!!」

 大笑する一方でしかし、以蔵は冷静に相手の剣を見極めてもいた。
 八岐大蛇を自称する辺りは大変に奇矯であるが、その実、振るう剣の鋭さは間違いなく本物だ。
 いつかの聖杯戦争で相見えた新選組の人斬りと比べても、遜色ないほどの腕前。
 成程確かにこれは、侮って掛かれば死ぬだろう。だが───それをどうにか出来るのが己だと、以蔵は強く信じていた。

「───その剣、覚えたぞ」

 餓狼を思わす鋭い眼光と共に、底冷えするような音色で呟く以蔵。
 刹那、彼の刃は十重二十重の煌めきを見せ、ムラマサが繰り出した神速の剣戟への適合を見せ始めていた。
 道場剣法を基礎にしていることは辛うじて分かるだろうが、それらの要素を取っ替え引っ替え取り出しているものだから実に節操がない。
 そして、それらの技を以蔵はすべて己の所有物にしてしまっている。更に、それだけには留まらず。

「チェストォォ───ッ!!」

 島津示現流に基づく、膂力をとことんまでに込めた剛の一撃で以蔵は少女を一刀両断せんとする。
 一方で、振り下ろすと共に突きの一撃へと転換することで二の石を伏せておくのも忘れない。
 剣豪とは縁の遠い、人斬りならではの貪欲な剣法。狗のように獰猛な刃は、果たして蛇の首をも捉えるか。

>ムラマサ・獣刻・ヤマタノオロチ

3ヶ月前 No.1975

燕結芽 @genmwhite ★HGFSFqNdXl_ts3

【図書館/燕結芽】

「!」

 剥き出しの殺意が押しとどめられる。反射的に置かれた鎌に御刀がぶつかり合い、火花を散らす。結芽はすぐさま刀を振り戻し、視線を交錯させながら身を捩じらせる。迅移による加速は写シの身体強化と加わり、おおよその人間とは思えぬ反応速度を見せる。
 振るわれた鎌は空を切り、結芽の体は宙へ。器用に回転しながら着地して───ゆっくりと立ち上がる。まるでピクニックに来た子供のように朗らかで、そして歪な笑みを向けながら結芽は笑った。
 笑みの正体は、れんの質問に対する答えではなかった。手応えと実感だ。たった一度の打ち合いで、だいたいの力加減がわかってくる。伊達に異聞星を突破して来たという実力は伊達ではなかったようで。
 お眼鏡に叶う相手であることへの喜びが、今結芽の中で湧き上がっていた。

「そうだよ、"叛逆者"のおねえさん。結芽はその"漂流者"ってヤツなんだって。
 ……どうでもいいけどね? それよりもすっごい強いんだね、おねえさんは」

 歯を見せて笑う少女の顔は、強い相手を見つけたことへの喜びだけに収束されている。
 いたずらっぽく、子供のように笑う結芽の精神が強く表された笑みだった。ああ、間違いなく。この叛逆者を打ち取れば、誰かは結芽の名前と存在を覚えてくれる。それだけの強い人だ。
 それがわかっただけで、どこか安堵したように、そして湧き上がる感情を抑えきれないとい言った風に御刀を構える。

「別に難しいことなんて考えなくていいよ。ただ、私と一対一で真剣勝負して欲しいだけ。
 私は、あなたみたいな強い人を待ってたから。そしてあなたに勝てば───私が"凄い"ってことになる!」

 とん、っと直線的に急加速。言うが早いか、結芽の体は第二段階の迅移へ繰り上げされた。
 より身を隠世に置くことで、時間流の違う世界へ体を順応させる。時粒子の流れる速度が違うのだ、それは単なる加速ではない。先ほどと同様に直線で突っ込んで攻撃するだけなら愚直な行動だが、結芽はさすがに二度も通用しないだろうとは踏んでいた。
 だから、目の前で剣を振るうことはなかった。そこから踏み込んで跳躍して、相手の上を飛び越える。そこから───捻りながら振り向いて、御刀を連続で、何度も何度も背後から突き出す。
 受ければ串刺し、武器で受けたとしても、連続でダメージを受ければ武器の耐久に関わる。さらに、結芽はそこから回避に移れるように、足を下げ、万全の体制を敷いていた。

 >五十鈴れん

3ヶ月前 No.1976

五十鈴れん☆4H2CCC.TU8ct ★Android=zbCXnRRWFb

【図書館/五十鈴れん】

>結芽

 少女の言う理屈は破綻している。
 いや──そうとしかいえないくらい切実だった。
 誰かに覚えていてほしい。
 ただそれだけを突き詰めた結果、彼女は星の敵へと回ってしまったのか。

「(…戦うしか、ない…!)」

 戦うしかない。
 強くそう思いれんは動く。
 鎌を構えて…まっすぐに。
 そんな間にもれんを鋭い突きの雨あられが襲うが──

「…ごめんなさい。あなたの剣は、その。少し、弱いです」

 れんはそれをことごとく対処していた。
 どうしてか。
 こういう攻撃は見たことがあるからだ。
 前の星で戦ったある吸血鬼が同じようなことをしてきた。
 自分のすごさを証明したい──その思いは切実だけど…だからこそ脆いことをれんは知っている。

「ふっ!」

 結芽の剣を潜るように這う鎌。
 けれど、それはブラフだ。
 本命は──

 鎌をくるりと回転させての、石突きでの上顎への突き。
 当たれば上唇を失うだろう攻撃。
 当然避けなければまずい。
 しかし…れんの「弱い」という一言が響いていれば、避けるのはまず──。

3ヶ月前 No.1977

加頭順 @evil☆wlNTvj.bQ62 ★Android=c1E0DIQTEq

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3ヶ月前 No.1978

夜刀神天香 @evil☆wlNTvj.bQ62 ★Android=c1E0DIQTEq

【学園/夜刀神天香】

メルカヴァもまた天香の言葉に同意する。異聞星とは言うもののそれは惑星規模の箱庭と言い換えてもいい。いわば要らないものをとことんまで排除した空っぽに近い箱庭。それがこの星だ。

「奴の掲げる『狂愛』の賛歌はただ一人にだけ捧げられているものだ。そのただ一人が如何なる者は私も知らぬがその者以外がどうなろうが関知する気すら無いのだろう、奴は。
もっとも、私もそういう意味では奴のことを笑えぬ同類やもしれんが」

天香は間違ってもドミネーターたる菜切の忠臣と言えるような存在ではない。何の因果か禍憑として召喚され、それらしく振る舞っているに過ぎない。そして何故そのように振る舞っているかと言えば己の中に眠る『十香』のため。天香もまた『十香』のためだけに手を汚し、悪を、禍憑を、魔王を演じている。ただ一人のためだけに尽くしている、その点のみに限るなら菜切と自分は同類であるかもと天香は語る。

加えて言えばだ。
菜切にはわざわざ手のかかるドリフターを使わずともバーテックスという駒がある。生半可な者なら鏖殺出来る凶悪な駒が。なればこそ菜切もまた関知せずにいられるのやもしれない。

「奴には手綱を牽かねば従わぬ漂流者を使わずとも『アレ』がいる。
生半可な者はアレに喰われて消え果てるだろう。
だが、だ。叛逆者共は既に二つの星を滅ぼしていると言うではないか。
ならば――」

生半可、と天香は言ったがそもそも生半可な者達であればそもそも最初の星すら超えられるはずがないのだ。仮に、仮にだ。何かの偶然や奇跡で一つ目の星を超えられたとしても二つ目はどうだ?奇跡や神に縋って勝てるような星の支配者が二人もいるとはどうにも思えなかった。

「二つの星を超えた叛逆者共、バーテックスも退ける可能性は十分あり得る。
その時は、我等の出番となり得るだろう」

ここでバーテックスに負けて終わるような輩ならそもそもこの星にたどり着けるはずがない。天香はそう結論付ける。故に彼等と直接刃を交えるのもそう遠くないだろうと予感した。

そんな中でだ。メルカヴァの視線が天香に向けられた。正確には天香が行った行為か。今しがた天香が行った『食事』という行為がメルカヴァの興味をそそったらしい。

「ああ、これか」

天香はおにぎりをもう一つポケットから取り出し見えるように掲げてみせる。

「好物でな。これを食べている時だけは心が安らぐ。
何もないこの場所でこれを食べている時だけは落ち着けるのだ」

ありとあらゆるものから引き離された天香が唯一見つけられた安らぎがこのおにぎり(ツナマヨ)だ。そういえば、十香はパン(きなこ)が好きだったかとふと思う。また今度探してやってもいいだろうと天香は思いながら、二つめのおにぎりを口に入れた。

>メルカヴァ

3ヶ月前 No.1979

燕結芽 @genmwhite ★HGFSFqNdXl_ts3

【図書館/燕結芽】

 驚きを隠せなかったのは言うまでもない。それが初見の攻撃でなかった、というのは言葉の通りだが、その一つ一つに対処をされている。
 これが二つの星を超えて来た叛逆者。培ってきた経験は実力に反映されて、この結果を生み出している。自分より強い人間を二人しか知らない結芽にとって、それは全くの未知の体験に他ならなかった。
 そして告げられた言葉が、何よりも結芽の心を抉った。鎌の一撃をブラフと知りながらも受け止めてしまったことがその結果を生み出した。ずきずきと痛む心が、結芽の中で何かを渦巻かせていた。
 研ぎ澄まされている本能が、直感的に結芽の御刀から神力を引き出す。写シの上から金色の膜を張るようにして展開されたのは、金剛身と呼ばれる刀使の用いる力の一つ。
 写シと違った単純な物理的攻撃に対する防御策。展開時間も短いし、緊急的な役割しか果たさないが───それが功を制した。
 当然。言葉で心をえぐられた一瞬の隙は、回避という選択を忘れさせる。石突きのように放たれた一撃は直撃する───が、金剛身がそれを防ぐ。ガラスのように砕け散りながら、しかし衝撃は結芽はよろめいた。

「……」

 目は細まった。自分にとってい一番言われたくないこと───要するに存在を否定されることを口走られたのだから、その動揺は計り知れぬものだ。
 同時に、顔は少し青ざめていた。結芽はまだ気づいていないが、彼女が生前患っていた病は今もなお彼女を蝕んでいる。それを中和するためのアンプルはあれど、それを今使ったらこの先いつまで持つかわからない。
 構えは解かない。緊張も解けない。けれど結芽の中ではざわついた何かが心を支配していた。剣はそれを読み取り、太刀筋は乱れていくもの。結芽は心を落ち着かせたかった。その疑問を捨て去りたかった。

「……結局、おねえさんにとって私は石ころみたいなものなんだね。
 それって───なんだか、すっごく嫌だなぁっ……!!」

 視線を険しくしながら攻撃を再開。迅移の段階を繰り上げて、三段階へ。一の太刀と似たような、瞬間移動まがいの縮地。それによって放たれる突きは、重さと速さによって絶大な破壊力を生み出す。
 さらにそこから追撃するようにして───

「やぁっ!」

 横一文字に振り抜かれる、相手の腹を掻っ捌かんと言う勢いの一太刀。数秒前の一瞬とは違う気迫がそこにはあった。

 >五十鈴れん

3ヶ月前 No.1980

五十鈴れん☆4H2CCC.TU8ct ★Android=zbCXnRRWFb

【図書館/五十鈴れん】

>結芽

「…!」

 急に、目に見えて勢いが上がった。
 最初の星に飛ばされた時のれんだったならすぐに負けていただろう。
 だがここは──第三の星。
 奴隷騎士ゲールの臆さない戦い方も、スパーダの恐ろしい強さも…
 間近で見て感じてきた。
 だかられんは──結芽の剣が見える。

「…そういうわけじゃないです、はい。でも──あなたのやってることが間違ってることだけは、確かです…!」

 瞬間移動のような突きを受け止める。
 魔法少女の力でも受け止めきれないような衝撃にたたらを踏む、れん。
 そこに追撃──腹を切るような一撃。
 それはれんの腹を確かに切り裂いていた。

「(…ゲールさんなら)」

 あの奴隷騎士のように、臆さない心で。
 れんは傷が浅いのをいいことに踏み込んだ。
 最初の突きが重く、後ろに後ずさりさせられたこと。
 それがここで回り回ってれんを助けてくれた。
 そのまま踏み込んだ勢いのまま──れんは結芽に一閃見舞おうとする。
 攻撃の後は最大の隙。
 剣使いに、剣使いよりも早く斬撃の直撃を加えようとして。

3ヶ月前 No.1981

燕結芽 @genmwhite ★HGFSFqNdXl_ts3

【図書館/燕結芽】

 敵の一手が見える。一手先に駒を置くことはできる。戦いに慣れているなら、攻撃後の硬直を狙ってくるのは序の口とも言えることだからだ。
 迅移の段階は下げない。むしろ下げずに第三段階まで引き上げたのは回避運動に余裕を持たせるため。踏み込んだ勢いで放たれる一閃を跳んで回避しながら、一度距離を置くようにして着地する。
 ずきりと痛みが走る。鎌の切っ先は結芽の跳躍した際の結芽の背中を切り裂いている。埃をはたき落としながら、れんが自分の剣を見ていることを悟る。それだけの神速の剣技の使い手がいたとはまた興味の湧く話だが、今はそれを聞き出すつもりもないし、もう滅んでしまった存在だろう。
 負ければそこで終わりだ。自分もそうだ。相手もそうだ。負けて消えるくらいなら腹を切った方がマシと思えるくらいに、ただの敗北には屈辱が待っている。血を恐れるな、傷を恐れるなと自分に言い聞かせて。
 最も、迅移はツケを払わなければならない術だ。それは、結芽の今の肉体ならばなおさらのこと。先ほどの一太刀とは関係ないものであろう血が、結芽の口から流れ出ていた。
 大きく咳き込みながら血を吐き出し、みるみる顔色を悪くしていく結芽。息を荒くし、おぼつかない状態で制服のポケットから注射器のようなものを取り出して、それを首筋へ突き刺す。

「ッ……う……!」

 悶え苦しみながら結芽の体から赤黒い瘴気が溢れ出る。だが、数秒もすればそれは一気に体内へと収まっていく。
 結芽の体は病に侵されている。それはこの星に来ても変わらない事実だ。病の進行を遅らすために───と使っているアンプルを持っていた、それが幸運だったのかどうかはわからない。
 けれど、今ここで倒れるわけにはいかない。すっごく楽しいから、すっごく強い相手だから、こんなものからもたらされる力を使うわけにはいかない。使ったらそれは、きっとダメなことだから。

「……間違っててもいい、誰かが私を覚えてくれるなら。人間でも怪物でもいい、誰かが記憶してくれるなら───」

 迅移。病の進行を一時的にせき止め、再びの加速。時間流の違う世界を走りながら、結芽は三度れんの前へ急接近する。
 放たれるは突き───ではなく。直前までそれと見せかけたフェイント。深く踏み込んで、すり抜けるようにして刀を抜く。狙ったのは鎌を持つ腕だ。
 そしてそれが読まれているならば、そこに置くようにして。迅移の真髄は既存の時間流にとらわれない加速だ。それを利用した急反転。刀を水平に構えた回転斬りを見舞わんとする。

「正しいとか正しくないとかわかんないもん、私にはそんな時間がないからッ」

 >五十鈴れん

3ヶ月前 No.1982

アマテラス=姫 神琴 @tukuyomi07☆2nDyzvx51us ★3aNoMW8gGM_sNF

【 神社/アマテラス=姫 神琴 】

 かつては脅威極まる力だったが、だからこそ自分が振るう時にここまで頼もしいものは存在しない。
 凪に満ちた世界の中に、容赦なく叩きこまれるは全てを焼き払う爆炎と、電子の海に解いて葬るプラズマ弾の雨あられ。
 大渋滞を引き起こしていた星屑共は、今度こそ悲鳴をあげることもなく葬り去られた。
 次はない。波のように押し寄せてくることがなければ、どこからか一匹やってくることもなかった。

「いやー助かったぁー……」

 ふぅ、とまずは一息ついた。来て早々に、正体不明の怪物どもに襲われて殺されましたでは流石に色んなとこに顔向けが出来ない。
 全て残さず消し飛ばしてしまったせいで調査のしようもなくなったが、それよりも今は命が助かったことに目を向けるべきだろう。

「あんがとねー! ほんと助かったわ……ところで日本人?」

 改めて彼の顔立ちを見たとき、どことなく東洋系のものに似通っているあたり、神琴は推測を付ける。
 ドリフター……にしてはどこかこの状況を把握できていないという風にも見えるあたり、トリズナーなのだろう。
 あわよくば避難場所でも聞ければ良かったのだが。

「あっそうだ。私、神琴。コードネームは"アマテラス"――土地の親和性ってやつかなあっはははは」

 今はこのさびれた空気を全力で笑い飛ばしながら、今後のことを考えるに尽きる。
 そうするにしたって、焼き鳥とビールでも食べながらの方がいいのだが。
 そうして彼に近づこうとした時、空に閃く無数の光が目に入った。

 ――今度こそ、あれがこちらを害するために放たれたものというのは明らかだった。

「危ないッ!!!」

 降り注ぐ光の嵐。矢が、こちらを串刺しにすべく降り注ぐ。
 庇うように前へと出て宣告する。

 シフト
「 換装 ッ――《八咫鏡》!」

 それは魔を照らし浄化する聖なる鏡。輪を描く炎と共に展開された障壁が、光の矢を吸い込み喰らう。
 強力だが、防げないほどではない。問題はこれをどこの誰が撃ってきたか、といった点だが。
 それもすぐに暴いてみせると躍起になっていた神琴は、何処とも知れぬ何者かへと向けて叫んだ。

「お返ししてやるわよッ!」

 鏡より放たれたのは、先ほど吸い込んだ光の矢。
 まるで像を写し取り再現したかのように、放たれた方角へと向けて無数の光子が真っ直ぐに飛んでいく。

>射手座、(星屑)、龍炎寺タスク

3ヶ月前 No.1983

ムラマサ・獣刻・ヤマタノオロチ @tukuyomi07☆2nDyzvx51us ★3aNoMW8gGM_sNF

【 大通り/ムラマサ・獣刻・ヤマタノオロチ 】

 斬閃走る、打つ、返す。畳みかける、返される。
 嵐と凪、女と男、多刀と一刀。反目し合う。
 散る火花。鋼の音。裂かれる空気のぶれを読み、交わす刃は一進一退。

「――その挑発、高くつくぞ!」

 大笑する男の言葉に噛み付くも、感情が腕を鈍らせる様子はない。寧ろ意固地、むしろ愚直なまでに己が会得した型をなぞり続ける。
 安定を通り越して頑固と呼べるまでの領域でもって、硬化した精神<ココロ>が描くは魔龍の絶技。
 二刀流に織り交ぜられる一刀という変則的な剣技を前には、並みの武芸者はそろって膝を付く。
 だが目の前にいる男がそうであるとは限らない。

 眼光が交錯する。飢狼の瞳に射抜かれる。
 紡がれる宣告。底冷えするような音色と共に起きた変化を女は見逃さない。

 打つ、返される、躱す、弾く、火花が躍る。鮮血交じる――動きが止まる。
 自分の血。再始動、反撃に転ずる。息継ぎはしない。
 斬る、弾く、斬る、弾く、斬る、斬る、斬る――手ごたえ無し。

 十重二十重に閃く相手の刃は、一瞬ほど前と比べると明らかに動きが変わっている。
 根底にあるものが道場剣法であることは辛うじて分かったが、型が全く統一されていない。
 決して初心者のやぶれかぶれの剣術ではなく寧ろその逆、剣を納めきった者にのみ許される自由型。
 古今東西あらゆる流派の要素を、動きに淀みを一切見せずにとっかえひっかえ繰り出しているのだ。
 その動き、呼吸、全てを含めてリズムの統一性が存在しない。
 にもかかわらずこちらの剣戟に適合、それどころか凌駕せんとしている!

 響く猿叫。空気を切り裂きながら振り下ろされる剛の剣を前に本能のままに刀を交差させる。
 鋼相打つ。麻痺が奔る。硬直、相手の剣を押し返せない。
     、    、  、 二の太刀
 隙有りと言わんばかりに迫る突きの一撃。回避に転ずるには手遅れだった。

 だから二刀を手放した。
 そして身を捻りながら前へ踏み込んだ――大きく、一歩。
 ぱっと鮮血が咲いた。以蔵の太刀が、滑るようにムラマサの上腕を切り裂いていく。
 臆さず、更に一歩踏み込む。相手を通り過ぎれば、すかさず反転。以蔵の背中を捉えた。
 ムラマサの手に刀が戻る。両方とも逆手。順手よりも弾きに特化させた構え。

「やぁッ!」

 威力よりも速度を重視、相手に対応させる間だけは与えさせない。
 両手が閃く。クロス字を描く斬り上げでもって、切り伏せんとする。
 動きに合わせて、鬼火もまた揺らめいた。

「四之太刀!」

 今度は二本。クロス字の動きに合わせ、重ね合わせるようにして連撃を放つ。
 描く鋼の軌跡は、神話に伝え聞くオロチの大爪を思い起こさせるようであった。

>岡田以蔵

3ヶ月前 No.1984

@wakame3☆FYUOhnBVGmk ★2RykzmoSz4_tVR

【地下街/三十二年式軍刀甲】

 今や無人となった地下街で、粉砕音が響き渡る。
 まるでブルドーザーが障害物を蹴散らしながら進むように、尋常ならざる怪力で地下街を隔てるバリケードが蹴破られる。
 豈図らんや、それを成したのは一人の少女であった。まるで人形のような、華奢な四肢をした矮躯の少女だった。

 御華見衆の英傑ならば、その姿、正体を知る者は多い。
 人類の残された希望である巫剣の一振り、銘を三十二年式軍刀甲。
 ……正確に言うならば、名のある刀どころか日本刀ですらない騎兵刀に刀工から継いだ銘など存在しない。
 しかし彼女はこの銘治の世に新たに発生した巫剣だ。
 廃刀令が敷かれ、武士が一線から退き、迷信が淘汰され――刀の需要そのものが著しく減った時代において、『ただの量産兵器』として鍛造された軍刀の一振りが巫剣と成るのは極めてまれな例であった。
 だが故にこそ、この時代に於いて新たな巫剣が誕生した事実と、その戦闘力が他の巫剣と遜色ない事実は御華見衆にとって希望となった。
 希望と、なる筈だった。

 しかし、見よ。
 端正な少女のように見える、そのとりなりは、具に見れば歪に変異していた。
 顔の半分が、まるで火傷の跡のように黒ずんでいる。
 可憐な黒髪の一部は脱色したように白く染まっている。
 軍帽の影に隠れた片目は、白目と黒目が逆転し、錆びついたかのように濁り切っている。
 巫剣が人でないとしても、この変異は一目で異常を来していることが窺えよう。

 それもむべなるかな。凶禍による浸食は半身を蝕み、巫剣使いもまた不在。有体に言えば彼女は暴走状態にある。
 今や彼女は百華の誓いを結んだ御華見衆の誉れある剣などでない。

 ここにあるのは希望の残骸――生き延びた既存人類を殲滅する殺戮の巫剣である。


「――――」

 双眸が暗がりで妖しく輝く。その貌に表情はない。歓びもなく、悲しみもない。まるで昆虫が複眼で獲物を探すように、無機質な視線を向けるだけだ。
 私が斬るべき相手はどこにいるのか。
 私の、命を果たすための標的はどこにいるのか。
 静かに狂う鏖殺の眼を開きながら、錆び憑いた巫剣は地下街を徘徊する。

>ALL

3ヶ月前 No.1985

呉島貴虎 @antinomie☆yzl4MFL1dRLB ★AmPQPE9EE6_tVR

【病院/呉島貴虎】

「……貴様っ」

加頭の言葉に対し、真っ向から反論が出来るのはそれこそ純粋な子どもくらいのものだろう。
人間というのは、自分勝手なものだ。確かに個々人が思い浮かべる理想とやらに、存在してほしくない存在はいるだろう。
だが、と頭を振って言葉を放つ。

「だからと言ってそれを実現させてしまうのが癇癪だと言っている!
 この世には理由のない悪意なんてものは幾らでも転がっている。それを知らないわけでもないだろう。だが……」

背後より振り下ろした奇襲は、成功だ。
大盾を回収しながら、壁へと手をつくドーパントに向け<無双セイバー>の切っ先を向ける。

「それをすべて排除するなど、人がやるべきことではない」

歩むように近付いていく。
この隙に叩き斬ってしまおう、と剣を振り上げ、足場の崩壊に気付いた。
地割れだ。吸い込まれる前に、と跳躍するが、連続して放たれる火炎弾が迫っていることにギリギリまで気付かなかった。
初撃こそ咄嗟に構えた大盾で防ぐが、炸裂と同時に盾が弾かれてしまう。続く炎弾が身体に直撃すれば、そのまま姿勢を崩して地面へ打ち付けられた。
即座に立ち上がる。……―――と、同時に。取り出したのは、別のロックシードだった。
その見た目もまた、メロンのものに近い。貴虎がそれを開錠すれば辺りには《メロン・エナジー》と音声が鳴り渡った。

「……そも、そも。そんなものは、『理想郷』ではない……そういう、ことだ」

緩やかな動きで、ベルトのフェイスプレートが入った部位を取り外しアタッチメントを装着。
そこに、取り出した新たなロックシードを押し込んで、閉じたメロンのロックシードごと、刀のギミックで斬り降ろした。

《ソイヤッ!―――ミックス!メロン・アームズ!天・下・御・免!……ジンバー・メロン!》

融合するメロンとメロン。組み合わさった果実が鎧となったとき、斬月のアーマーにはメロンの切り口のような柄の陣羽織が装備されていた。
それだけではない。新たに取り出された<創生弓ソニックアロー>の穂先を上へと向け、間髪入れずに放ったのだ。
それが齎す効果が相手に知れるより前に、新たに<ジンバー・メロン>と化した斬月は前に出る。
ソニックアローの両端の刃で、加頭へと襲い掛かる。同時、降り注ぐのはエネルギーの弓矢。そして―――……。

「はあッ!」

二度、斬撃を繰り出して反転。
回転の勢いを利用し、全力で横薙ぎを放った。

>加頭順

3ヶ月前 No.1986

龍炎寺タスク @antinomie☆yzl4MFL1dRLB ★AmPQPE9EE6_tVR

【神社/龍炎寺タスク】

爆発。
放たれた攻撃によって、波のように増え続けていた化物に一旦の暇が出来る。
開かれた空に一瞬だけ視線を向けて、気の抜けたような声を漏らす女性に苦笑いで顔を向けた。
同時に、光の粒子となってタスクの装備が解除されカードに戻る。念のためと右手に光剣《スターセイバー アステロイド》を握って。

「いえ。僕だって、一人だとどうなってたか分かりませんか、―――……え?ええ、まあ」

朗らかに礼を言ってくる、神琴と名乗った女性の問いに対して肯定で返す。そう問いかけてくるならば彼女もきっとそう、なのか?
第一印象としては、こんな状況なのに随分と明るいな、というもの。
……と、言っても。そういったタイプの人間を知らないわけではない。それなりに好印象だな、と思う。
同時に、自分ではこう振舞うことは難しいと改めて考えて、また自然に苦笑いが漏れてしまった。
そういえば今、コードネームがどうだ、とか言っていたような。

「……僕は、タスク。バディポリス―――……じゃ、なくて。トリズナーの龍炎寺タスクです。多分、同じですよね?
 なんというか、珍しいですね。コードネームがあるって。もしかして、何処かの機関にでも……」

そこまで口にして、神琴が自分らの前に出ると同時。
武装解除せずに哨戒をしていた相棒<バディ>が、首を持ち上げ空を睨んだ。後に続くように、視界を空へ運ぶ。
煌くのは無数の光。それを阻むのも、また輝く鏡だ。日本人であれば誰もが知る名をしたソレに、先ほどのコードネームとの繋がりを感じる。
などと、悠長に考えている場合ではない。

「さっきまでとは、違う……?
 っ、……気を付けてください!何かに、目を付けられた……!」

本能に従ったように無限に襲い来る異形とは違う、明確な攻撃。
それが意味するのは、先ほどの波もある種哨戒要員だったということだ。本命は、きっと今の攻撃を放った何者か。
異形か、もしくは……今までの例に倣うなら、この地に引き寄せられた漂流者か。

「―――ジャック!」

『フェイスマスク・オン!シャイニング・ターミネイト……!』

装甲、更新。“逆天”の力を纏う《逆天星竜》へとジャックナイフを進化させ、指揮棒のように光剣の切っ先を天へ向ける。
咆哮。同時に、装備されたままだったプラズマ砲が、同じく光矢の飛んできた方角へと火を噴いて。

「捉える……!」

更に。実体の把握できぬ、見えぬ敵に対し、ジャックナイフは背から四つのアンカーを射出する。
口を開き、姿の見えぬ敵を捕捉すべく迫っていき―――……。

>(星屑)、射手座、アマテラス=姫 神琴

3ヶ月前 No.1987

彡/┐° 皿°)┐ @aroundight☆SdjaOljKHtOm ★msJh1WzJ3A_keJ

【学園/メルカヴァ】

 惑星規模の箱庭―――なるほど、言い得て妙だ。
   アダム .イヴ
 ただ一人と一人。その二つだけで完成するミニチュアが、
 どういうわけか異常なほどの総体で以て形作られているとすれば………この星の状況は大変良く当てはまる。

 そこだけで完結するはずなのに、そこ以外がどういうわけか付属した。
 だから、とりあえず捨て置いた。
 乱暴な言い方だけをしてしまえば、とどのつまり“そんなもの”なのだろう。

<なるほど、この獣を生む土壌は既に整っていたというわけだ。
 欲のみに奔放で、欲のみに忠実。それは我が身とさほど変わらぬ浅ましさであろうな>

<加えてヒトの欲は複雑怪奇、ただの獣よりもより醜悪で、より狡猾で………より偏狭だ>

 何がおかしいのか、静かにメルカヴァは笑った。

 狂おしいほどの愛はただ一人に向けられ、それ以外の全ては些事と切って捨てられる。
 それはその愛だけに飢え続ける獣のそれとなんら変わりはあるまい。
 あるいは………だからこそ、彼女の星に流れ着いたものは、そうしたサガを持っているのか。
 この躰はヒトの記憶と心を捨てて久しくあれど、その醜悪さと皮肉にはこみ上げるような笑いすらあった。

 この理がこの理のままあり続けるならば、未来などない。
 メルカヴァという個は穏やかであり、望みはなく、ただ空虚な捕食のみを続ける化外であるが。
 それ故に、一歩引いた場所からこの悍ましさを見届けて来た。
 にも拘らず彼女の下についたドリフターという存在は多く、その全てが願いの光に目を眩ませている。

 例えばそれは、この公女とて同じことだろうが―――。


<理に適う>


 バーテックス。
 その道具の存在が、菜切にとっての不干渉の要とも言えた。
 生半可なものならば構わず食い殺し、平らげる塵殺のホシ。

 それが食い散らかした果てがこの大地。獲物の臭いを追い、鎌を振るうが如く引導を渡した彼奴らの所業。
 しかし………。

<星に打ち克ったものが、星に喰われるほど愚鈍ではなしか。
 それほどの血肉を蓄えたというなら、ふむ―――>

 しかし、だ。
 彼らはそのようにして、嘗て星を征服した王を玉座から引き摺り下ろしてきている。
 一度目は偶然かも知れぬ。
 だが二度目は必然だったかも知れぬ。
 あるいはその逆かも知れぬ。喰らうことを定めとした絶対強者を、逆に引き摺り下ろし続けたのがアレらだ。
   、  チカラ
 それほどの血肉、野放しにするには惜しい。
 否―――その遠くからも発する力の奔流こそ、メルカヴァという禍憑の肉体を滾らせて余りある。

 彼は理知的であるが、決して善良なる生き物ではないのだ。

<ほう。それはまた、興味深い。
 元来必要ではない行為に興味を見出し、安寧を見出すか。公女よ>

 だからこそ、彼とでも呼ぶべき化外は彼女のそれに興味を感じた。

 好物、と。
 彼女は紛れもなくそう言った。
 恐らくは、本当にただの嗜好品として。心を安らげるためのものとして、だ。
 無駄と非効率を罵ることはない。それを言えば、メルカヴァという生命体そのものが人類にとって“それ”だ。

 だから彼がやや意外げに口にしたのは、その過程に至るまでのプロセスを想像したから。

<いや、なに。感傷を伴とするその在り様、おまえの在り方からは想像し得ぬ点であった>

 なにせ。
 この敵どころかヒトの命はひっくるめて等しく興味のないような精霊の公女が。
 ヒトの作り物に興味を持ち、安らぎを見出すことなど誰が想像しようか。

 まるでそれをするだけの追憶か、それを喜ぶような何某が在るかのようではないか―――。

>夜刀神天香

3ヶ月前 No.1988

ザックス @phile☆fFByNj5QP5A ★AnStI6F1tD_tVR

【銘治館/ザックス・フェア】

「うぉっと──」

 バスターソードを盾のように体の前で構えながら大きく飛びのいて爆風を凌ぐ。
 横で閃いた魔力のきらめきは、ウィゴルでの戦いにおいてもミラが手足のように使いこなしていた魔術による壁か。
 その光で彼女の無事を確認してから、さきほど〈ファイア〉による炎弾を投げつける前に確認した〈卵〉の数を思い出す。
 それらが自分とミラの周囲を囲むように分布していたことを思い返し、そこから予想されるこの星のありさまに舌打ちを一つ。

「……これで、始末に回ってるってことか」

 ミラの撃ち出した風の刃が煙を切り裂いた。
 その奥にこれを振り撒いた術者の姿を探そうと目を凝らすが、最低でも先ほどその姿を見はしなかった。
 遠隔操作するタイプの兵器──ドローンのようなものか?
 ファイア程度の衝撃ですぐに起爆するしろものがこれだけたやすく量産されるのであれば、この星に棲んでいただろう人々がたどった末路も想像するのはたやすい。
 なにせ、神羅カンパニーだってときおり使ったからよく知っている──効率のいい処理のやり方。
 その対象が、この星への新たな侵入者に向けられているのだと考えるのは自然だ。であれば、と、ザックスはバングルのマテリア、先ほど使用して魔力の残光を残すものと、懐から取り出したマテリア数個をすばやく入れ換えた。

「んで、こいつら、どうする! 片してから行くか!?」

 あの館だけ綺麗さを保っているということは、〈卵〉の爆発がそこには及ばないということである可能性もある。
 もちろんこのタイミングでの襲撃であることを思えば、館内部へこちらをいざなうための駒である可能性も。
 とはいえ──この状況で館から離れ、〈卵〉に対処しながら生存者を探すのはやや骨だ。
 であるなら、この状況で求められる判断は二択だ。〈卵〉から逃走して館に滑り込んでしまうか、〈卵〉を一掃してから館の探索に入るか。

 返答を聞く前に後方、やや離れた位置の〈卵〉へ向けて手をかざした。
 マテリアが注がれた魔力によって励起し、〈卵〉周辺に巻き起こる冷気が、周辺の空気ごとそれを凍りつかせようとする。
《ブリザラ》は本来氷塊をぶつける魔法だが、凍りつかせる空気の位置を工夫すればこういう芸当も不可能ではない。あの異物どもが起こす現象がただの爆発なら、こういう方法を取ることで起爆を防げると踏んだが──

>ミラ、????

3ヶ月前 No.1989

五十鈴れん☆4H2CCC.TU8ct ★Android=zbCXnRRWFb

【図書館/五十鈴れん】

>結芽

 ここに来てれんも気付く。
 彼女は──病に侵されているのだと。
 それもかなり重大なもの。
 れんが今までに羅患してきたものなんかとはレベルの違う重病に。
 だからこそ焦っているのだ。
 何者かになるために──文字通り命を削って戦っている。

「っ」

 突きが来る。
 そう思って避けようとした途端に意図に気がついて、れんは慌てて腕を引き戻した。
 危なかった。
 あと少しでも気付くのが遅れていたら…れんの腕は飛んでいただろう。

「…それ、でも…!」

 結芽の回転斬り。
 それを鎌で受け止めつつ、衝撃波を噛み締めて堪え、魔力を灯す。
 鎌を振るう。
 しかしこれはフェイントだ。
 青白い人魂のような魔力で範囲制圧して、逃げ場を削る。
 結芽は確かに強い。
 それでも──彼女は人間だから。
 この魔力の檻を強引に抜けようとしようものなら、普通に攻撃を食らうのと同じかそれ以上のダメージを受けよう。
 そうやって退路を絶ってから、れんは鎌を振り上げた。

「ソウル……サルベーション!」

 必殺技。
 渾身の一撃。
 魔力をまとったそれは、魔女すら一刀に伏すれんのとっておき。
 あのスパーダをすら揺るがせた一撃を、結芽の頭めがけて降り下ろす…!

3ヶ月前 No.1990

加頭順 @evil☆wlNTvj.bQ62 ★Android=c1E0DIQTEq

【病院/加頭順】

足場を崩し、そこに出来た隙を狙い撃つという加頭の目論見は成功だ。やはりというべきか、この仮面ライダー斬月にして呉島貴虎という男、『出来る』。
ユートピアメモリは高ランクにして強力な力を持つゴールドメモリであり加頭とユートピアメモリメモリの相性は最高クラスである。それでも圧倒的優位をとれないのはこの仮面ライダーが実力者という事実をわかりやすく表している。

「悪意ある眼差しに四六時中見られていては安らいで過ごすことなど出来はしない。
その不安を取り除き、理想郷を創ることの何が悪いというのです?」

貴虎と加頭は変わらず議論をぶつけ合う。とはいえ加頭がどんな理屈を並べようが貴虎が理解するとは思わないし理解されなくても構わない。仮面ライダーとは基本、そういう人種だと考えているから。
だから排除する。この星から、この理想郷から。理想郷の杖を手に更なる追撃を加頭が仕掛けようとした時だ。斬月が新しいアイテムを出すのが見えた。

「(さっきのものと同じ…いや、形状が微妙に違う)」

それを斬月が追加装着した時、斬月のボディに変化が起きる。斬月のボディに装着されたのは武将が着る陣羽織のようなアーマーだ。
単純な能力強化か新たな能力を付与するかは不明だがとにかく、強化されたというのは間違いないであろう。だがそれより先にもっとわかりやすい強化が形となり現れる。

「弓矢、ですか」

斬月が新たに手にしたのはアーチェリーのような弓矢だ。幸いだが形状がわかりやすいおかげでアレで何をしてくるか予想するのは容易い。弓矢とは、矢をつがえて、放つものだ。
予想通り、斬月は頭上目掛けて矢を放ちそれらが加頭の上から降り注ぐ。
加頭は手を軽く上げて小規模な竜巻を巻き起こし、矢を吹き飛ばすが――

「――ッ!!」

斬月は弓矢を持ったまま突っ込んでくる。いや、よく見ろ。あの弓矢には刃が取り付けられている。近接戦にも対応可能な多機能武器か。

「ぐっ、オオッ…!!」

理想郷の杖による斥力、引力操作にて斬撃の威力を弱めるも加頭の身体は大きく後退させられる。だがそれでも加頭は嗤っている。

「ふふ、理想を求めても理想郷は求めない。あくまでもそういう事ですか。
なるほど、やはり仮面ライダーと私は水と油の関係ですね」

つまりは決して交わらず、相互理解は不可能と、そういう事だろう。それはそれでよい。わからないなら力ずくで排除するまで。
加頭は再び理想郷の杖で床を叩く。今度は加頭の足下から火柱が吹き上がり、それらは地雷が連鎖爆破されるように斬月目掛けて迫り行く。

>貴虎

3ヶ月前 No.1991

「あなた」と「わたし」の理想郷 @recruit ★Android=2AWrmBu7z5

【神社/射手座】

>>1983,1987

 ── 報いるという概念はない。ただ全ては在るがまま、殺す為に注ぐ雨でしかなく。

 神琴とタスク。
 一先ずの難を乗り越え、互いの素性を明かしあい始めていた矢先に、間髪を置かずしてやって来る次なる襲撃。
 或いは ── そもそも、この瞬間を待っていた節も見える。
 小兵を囮として送り出し、本命は相手が安心した隙を見て怒濤の攻めに移る。果たして見掛け人外どころか周知されているような動物の類ですらない存在に、其所までの知性があるのかどうかは彼等にも未だ推し量れないところではあるだろう。何せ、それが出来る対象をこの世界では星屑しか見ていないのだから。然し──

 ── 一つ言えるのは、新たに降り注いだこの矢に同族の進退を考えるような思考は一切ないという事である。

 まだ全身焼き焦がされ、最早行動することも出来ない。実質絶命しているとはいえ、地面に伏している星屑に対しても容赦なく矢は突き刺さり、その身を一層襤褸へと変えていく。
 これは例え他の星屑が残ったまま、神琴とタスクへと攻撃を仕掛けている最中だったとしても、同じようにしていただろう。
 三種の神器の名を冠した障壁が、矢を吸い込み、結果として残ったのは荒れ模様の大地だけしかない。

 神琴が返礼とばかりに、吸収した矢を。
 タスクは更に装甲を変化。プラズマ砲と四つの錨を以て。

 暴き出す ── 未だ姿見えぬ、射手の正体を。

 炸裂と崩壊。
 その奥から姿を見せたのは……



       ──── 人の数十倍はあろうという体躯。星屑などは取るに足らないと思える、異形の真なる姿。二つの顔を持つ、形容し難き化け物だ。


【銘治館周辺/→乙女座】

>>1973,1989


 ─── その影は、此方にも。


 爆音と共に、彼彼女らもその異質な物体が自分達にとっては招かざる客であることを理解し、同時にこの「卵」を放った者からして自分達が招かざる客である事も、最早言葉にするまでもなく判断がつくだろう。
 彼 ── ザックスが口にした予想の通りに。
 詰まる所、これはこの世界にて未だ生き長らえる生命を殺すモノである。

 彼女 ── ミラの作り上げた光の壁と、ザックスは己の得物を盾としつつの防衛。危険物である可能性を考慮していたとはいえ、咄嗟の爆発に対応してみせたのは、彼彼女ら自身の強さと此処までを生き残ってきた経験の大きさ故か。

 ・・
 鎌鼬の如き颶が舞い上がった煙を払い、まだ炸裂せずに残っている「爆弾」への対抗手として、空間ごとの凍結が行われる。
 一先ず、卵そのものへの対策という点だけを取るならばこれだけでも問題はない。が……

 ゆるり、と。
 死なない人間に対して、直接の罰を与えんが為にか。
 神社方面とは別に、もう一つ。
 遥か見上げる程の巨大な怪物が、両者の前に姿を現す。

3ヶ月前 No.1992

燕結芽 @genmwhite ★HGFSFqNdXl_ts3

【図書館/燕結芽】

 振るわれた鎌を、振った刀で弾きながら結芽は気づく。退路を絶たれた。獣めいた直感力が、触れればダメージを受けるか、それ以上の結果が待っていると警告してくる。
 いくら写シを使用しているとはいえ、全てのダメージは精神ダメージに直結する。事実、背中は斬られているし、そこから直接肉体へダメージが行き渡ってもおかしくないのだ。
 結芽はどこか冷めたような視線を送っていた。それが自分へ向けたものか、相手へ向けたものかは定かではないが───少なくとも、アンプルを打ってから結芽の思考は随分と冷静になってきていた。
 自我の確立、存在を焼き付けるための戦い。その相手として選んだ叛逆者だが、何かが違う。何かが結芽の中で疑問を抱かせている。ここで戦っていても、記憶に残ることはありえない。
 それが冷めの原因だったのか、結芽はつまらなさそうな表情を送って───

「───ッ!」

 御刀で鎌を防がんとするが、それが武器に与える影響を考えた結芽は咄嗟の判断で身を捩らせる。檻に包まれながらも最低限の動きはできる。頭部を狙った一撃なら、それを避ける必要がある。
 となればどこかの部位を犠牲にする必要がある。しかし、そのための写シだ。御刀を持っていない左腕を根こそぎ断ち切るようにして、鎌は振るわれる。
 結芽の体を覆っていた白いオーラのうち、その部分だけは急激にエネルギーを失って消えていく。その部分だけ、エネルギー変換していた肉体が生身に戻った瞬間だった。
 当然痛みがないわけではない。けれど、生身の肉体が断ち切れるわけではないし、写シを解除すれば済むことだ。最も、失われた部分は使えるわけではない。ただその戦いでは、存在しないことになるだけだ。
 腕一本を失った痛みは、心と脳に刻まれるのだから。

「凄いね、おねえさん。まるで人間じゃないみたい。
 悔しいけど、今日は私の負け。認めたくないけど、私じゃちょっと敵わないみたい───」

 でも、次出会ったら倒す───その意志を視線越しにぶつけながら、結芽は刀を水平に構える。
 三段階の迅移から放たれる、周囲へ向けた連続突き。もちろん対象はれんも入っているが、狙いはそちらではなく。檻を形成している人魂のような力だ。
 荒ぶる神の負念を切り裂き、神力を通す御刀を持ってすればそれらを相殺仕切るエネルギーを付与させることは出来る。そのための八幡力であって、迅移と併用することで破壊力を上乗せする。

「だからまた会ったら、また遊ぼうね? おねえさん。
 けど───次は絶対勝つ。勝って、私が強いって、証明してあげる」

 アンプルでは完全に抑えきれない病の片鱗を、気づかぬまま晒しながら。結芽はとん、と軽く跳んで撤退する。
 そういえば名前を言ってなかったな、そう振り返りながら、でもいいか、と刀使の力のそれぞれを解除しながら思う。次出会った時にいえばいい。次戦うときは、私が勝つとき。私の名前を覚えてもらうなら、その時でいいはずだ。
 口から漏れ出る血を拭い去りながら、燕結芽は静かに闇へ姿を消す。楽しみだ、次はどんな強い人と出会えるのかが。ちょっと早いけど、あのまま打ち合ってたら確実に負けていた実感がある。
 だから悔しいし、だから次は勝つと、盲目めいてそんな言葉を放ったのだった。

 >五十鈴れん
【少し早いですが結芽はこれにて撤退します、お相手ありがとうございました。】

3ヶ月前 No.1993

スレ主 @artemish☆8cfl5/j3VDw ★utloP7NDPP_3wf

【大通り/岡田以蔵】

 捉えた。
 見目麗しい生娘の柔肌を切り裂いた手応えにも、岡田以蔵は何ら気分を害した様子はない。
 戦場に事の善悪なしとは良く言ったもの。そう、人斬りに余分な感情など必要ないのだ。
 必要ならば斬る。それだけを徹底して歩み誅伐に徹していれば、自ずと名は後から付いて来るものなのだから。
 勝利を確信して笑みを浮かべる以蔵だったが、しかし相手も伊達に古の大蛇を名乗ってはいない。
 畳み掛けるように後続の斬撃を放たんとした彼に対し、あろうことかムラマサは臆すことなく踏み込んできた。
 これには以蔵の顔が顰む番だ。よもやこの局面で、更に一歩を踏み込んで来ようとは……命知らずにも程がある。

「チィッ……! 何しよるがか、この糞餓鬼がァ!!」

 重ねて言うが、以蔵は剣豪ではない。それどころか、剣士という呼称すら本人は嫌うだろう。
 だから当然、敵から傷を負うことを譽れとし、次の一歩への糧とするような精神性は持ち合わせていない。
 大事なのは斬れるかどうか。"斬られる"なんてことがある時点で人斬りの機嫌は損ねられてしまう。
 そして今、ムラマサの刃は浅くこそあるものの以蔵の背を切り裂いており、彼の中の炎がカッと油を注いだみたいに激しくなった。

「あぁあ、鬱陶しいのう! 大人しゅうわしに斬られときゃあいいものを……!!」

 立て続けに放たれる連撃に対しては即座に反応し被弾を避けたものの、以蔵は赫怒しながらも剣に関してだけは冷静だった。
 業腹だが、あちらの方が基礎のスペックで優っているのは確からしい。無論以蔵は、剣の腕前に於いて自分が遅れを取っているとは微塵も思っていないが、それはそれとして肉体面の差異ばかりはどうにもならない。
 何せさしたる業物でもないのだ。弘法筆を選ばずではないが、人斬りが武器に拘る理由もない。折られでもしたら鼠のように逃げ帰らねばならなくなってしまう。無用な負荷は避けるべきであろう。
 が、以蔵も一歩も引かない。後方へ逃れていなしたかと思えば、次の瞬間には縮地法宛らの超速でムラマサの間合いへと再接近する。

 そしてそのまま───すれ違いざまに袈裟懸けの斬撃を繰り出した。現代風に言うならば、ヒット・アンド・アウェイの要領だ。
 彼は人斬りである故に、勝ち方の如何になど頓着はしない。極論。最後に勝てれば、何でもいいのだから。

>ムラマサ・獣刻・ヤマタノオロチ

3ヶ月前 No.1994

呉島貴虎 @antinomie☆yzl4MFL1dRLB ★AmPQPE9EE6_tVR

【病院/呉島貴虎】

呉島貴虎は、事実として強い。
その実力は折り紙付きだ。故にこそ、スペックとして劣るであろう目の前の怪人に迫ってみせた。
だがそれにも限界はある。斬月の持つ大盾と剣を使えば、防御に意識を傾ければある程度は凌ぐことができるはずだ。
はず、だが。それだけでは勝てない、と見ているのが目の前の相手になる。
だからこそ、一つ形態を抜いた。ベルトを付け替える暇などない。であれば必然、ジンバーメロンの力を使わざるを得ない。

「分別を弁えろ、と言っている!
 悪意は悪意として、存在する。耐えられない人間もいるかもしれない。それでも、……人は変われるものだろう!」

かつて自分がそうであったように。
咆哮するように、距離を離されまいと後退する加頭の元へ駆ける。
男の言う理想郷―――彼のクライアントの求める世界。その証明が、この世界だ。そんな理想郷などあってはならない。
命には価値がある。そこについては大きく口出しを出来る立場ではないが、取捨選択すらない死の世界で―――……。

「その通りだ。
 ……ノブレス・オブリージュ。理想郷を謳うなら、責任を持って動くんだな……!」

迫りくる火柱に対し、貴虎が選んだのは『前に出ること』だ。
それは勿論、爆発の中に飛び込むのと同義。自殺行為に映るだろう。だが、この力を使う限りはそうではない。
陣羽織が輝くと同時に、メロンの皮のような網目状の光が貴虎を中心に広がる。その役割は、バリアだ。
衝撃が全身に襲い来る。全ての威力を相殺するなど、そんなことは不可能だが……。

「(前に出るまでに力を残しておくことは、出来る……!)」

事実。全身が赤熱化し、火花を散らしながらも理想郷の名を持つ怪物のもとに接近する。
ベルトからメロンエナジーロックシードを外し、ソニックアローへと装填する。

《メロンエナジー!》

「此処で消してやる……!」

力が、弓矢に集っていく。
この距離であれば外さない。不可思議な力による障壁も、恐らくは通用しない。
零距離で放つ必殺、<ソニックボレー>を、その胸目掛けて放つ。

>加頭順

3ヶ月前 No.1995

ムラマサ・獣刻・ヤマタノオロチ @tukuyomi07☆2nDyzvx51us ★3aNoMW8gGM_sNF

【 大通り/ムラマサ・獣刻・ヤマタノオロチ 】

 その背を捉え、斬閃が交差した。
 紅が、外套が、弾ける。相手のものだった。
 浅い――が、手応えあり。
 すぐさま追撃、連なる刃が蛇のように男に猛襲していく。
 男は即座に刃をいなし、躱した――これ以上一撃たりともくれてやるかと。
 その間、男の顔は歪んでいた。弾けた榴弾の如く嚇怒し感情の炎を撒き散らしていた。

 紅色の刃はその肉体のみならず、人斬り以蔵の誇りにも手をかけていた。剣士の矜持、武術家の精神、それらに囚われないと豪語せんばかりの態度を取っているようだが、それは決して筋が通っていない破綻者を意味するものではない。
 聖人には聖人の、悪鬼には悪鬼の、外道には外道の支柱があるように人斬りにも人斬りの支柱があるだけの話だ。
 傷は決して致命打に繋げられるものではない。しかし、精神的優位性は少なくとも此方が上に立ったことは間違いあるまい。
 だがそれを突いたからといってムラマサという女が楽観的な思考を持てるかと言われれば違う。
 己の目指した姉は決して満足せず、死合いに一度望んだが最後命を刈るまで凶刃を振るい続けているだろう。
 だから、自分ごときがこの程度の手傷で慢心するなど愚かにもほどがあるのだから。

 それに――獲物を見定める蛇の目つきで以蔵を見た。
 その素養、底知れぬと感じる。あの感情も煮え滾る油のような意志も嘘ではない。それどころか吐けるような人間ではない。
 それでいて共存させているのだ。薄氷であるように見せておきながら、剣に関してだけはある種不気味なくらいの冷静さでもって。
 唸る飢狼の視線が刀を、手を、肩を、足を、胴体を、頭を――ムラマサを、睨め付けている。
 自分の技であれば狩れると考えている。だからどこをどうすれば目の前の獲物を切り刻めるかと考えている。そのためにはどこで息を整え、あるいはどこで無呼吸で畳みかけるべきかと考えている。

   、    、 ひ
 その視線が、女の闘志に静かに油を注いでいた。
 飢狼に勝てねばなんとする。己の目指す高みは、あまりにも遠い場所にいるのだから。

「驕りの高み、そのまま沈めてくれる!」

 次の瞬間には、両者は再び対峙していた。

「五之太刀」

 直後、重く鋭いものが打ち付け合う音が響いた。
 互いの視線の先で、それぞれの得物がぶつかり合う。鋼鳴り火花散らす。
 黒々とした炎が纏わりつき浮かせていた刃が、袈裟懸けに振り下ろされた斬撃と反目し合っていた。

  、 、 ヒットアンドアウェイ
 超速かつ変則的な立ち回りで間合いを侵し、喉笛を噛み喰らう顎のように襲来する惨殺の一刀。
 その牙を、ムラマサは鬼火に纏わせた長刀を自身の傍に"置く"ことで防いだ。
 これまでに現出させた刃と合わせると五本目となる。

 即座に追撃する女、重心を誘うようにして男の太刀を真下に打ち下ろさんとする鬼火の長刀。
 以蔵を射抜くオロチの眼、獲物を前にした狩人の殺意。

 二刀を手にした女が放たれた独楽のように舞う。
 連撃――瞬く間に起きた斬撃の嵐は、こちらの間合いに踏み込んだ男を逆に飲み込まんと駆け抜ける。

「荒ぶるがよい、六之太刀!」

 更に一本――宙を踊る四本の長刀が、ムラマサに合わせて一斉に斬撃を繰り出した。
 袈裟懸け、斬り上げ、横薙ぎ、一刀両断。多種多様の剣術が以蔵を喰らい尽くさんと殺到する。

 、   、   、 ・・・・
 そのどれもが、僅かにずらして繰り出されていた。
 ほんの少しでも対処が狂えば、その隙を突いて瞬く間に斬り刻めるように。
 一対一の死合いでありながら、まるで一対多を演ずるが如し所業<無茶>を相手に要求する。
 打ち合いの中で鋭さを増した女の剣は圧倒的な手数という強みを最大限に発揮しながら、人斬りへと果敢に挑んでいく。

>岡田以蔵

3ヶ月前 No.1996

アマテラス=姫 神琴 @tukuyomi07☆2nDyzvx51us ★3aNoMW8gGM_sNF

【 神社/アマテラス=姫 神琴 】

 虫のようだといったのもあながち間違いではなかったかもしれない。
 一つだけ言えることは、この襲撃者は随分滅茶苦茶な真似をするといったことであった。

「目ぇつけられてたってか、ずっと見張られてたんじゃないのもしかして」

 文字通りの絨毯爆撃だ。広域に降り注いだ光の矢は、此方のみならず先ほどまでこちらに襲い掛かってきていた小型の星屑にも容赦なく降り注ぐ。絶命している存在はもとより、まだ息のある個体にも矢は突き刺さり、死屍累々の荒野を神聖な寺社仏閣に形成していく。
 安心しきったところを狙うという害意だけは確かに読み取れた。現に、神琴達はあの群れを焼き払い、一息付けていたのだから。
 だが用済みだ、とかそういったありがちな悪意が感じられない。あるのは、徹底的な皆殺しだ。
 適者生存。それこそ食物連鎖の上位種が、下位種を轢殺しながら突き進み続けるように。

 吸収した矢が、電子の砲撃に追随する四つの錨が、見えぬ敵へと目掛けて殺到する。
 炸裂。重厚な爆発が、確かに何かを打ち砕き――その姿を、暴き立てた。

「…………」

 見上げたまま、凍り付いた。唖然とするしかなかった。
 ガロン王、と呼ばれた存在が無明の星にいた。
 始めの星では、戦艦大和と天使が空を舞い、地上を蹂躙していた。
 だがそれらはあくまで切り札であり……神琴は雑な区分で、大きいは強い、という結論でいたのだ。

 その常識はたった今、木っ端みじんに打ち砕かれた。案外、早かった。
 あれをドリフターと呼べる自信は、今のところはない。

「……もしかしてさぁ。地上がこの有様なのって、アレが原因……?」

 視線の先で、割れた空間からぬるりと出てきたのはハッキリ言って化け物以外に言葉が見つからないなにかだった。
 人の数十倍の体躯、建物一つであれば余裕で圧し潰せそうなサイズを誇っていた。
 形状に関して言えば、異様ことこの上ない。
 中央にぽっかりと開いた空洞、二つの顔、胴体と思しき部分と上の口にかけて管のような針が歪に貫いている。
 ただ一つだけ確実なのは――人類にとって共通の敵、善も悪もない、感情無き虐殺者という点だけ。

「タスク、話はあと! とりあえずぶちのめすわよアレ!
 あんなのに見られてたらおちおち調べものもできやしないわ!」

 言うやいなや、神琴は大きく円を描くようにして駆けだした。
 先ほどの光矢を撃ってきた下手人なら、一点に留まって狙いを付けられること自体が致命的だ。

 走りながらも、《八尺瓊勾玉》は再び燃え盛る。
 煌々と輝く七つの勾玉、一つ一つが超高密度の魔力の塊であるそれらの矛先が、一斉に化け物――射手座へと向いた。
 絶え間なく連射される火炎弾、絶やすことのない紅蓮の弾幕が怪物へと殺到する。

>射手座 龍炎寺タスク

3ヶ月前 No.1997

ミラ @aroundight☆SdjaOljKHtOm ★msJh1WzJ3A_keJ

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3ヶ月前 No.1998

沖田総司 @aroundight☆SdjaOljKHtOm ★msJh1WzJ3A_keJ

【地下街/沖田総司】

 この地には、かつて命があった。
 命は、容易く摘み取られ、無惨に食い散らかされた。

 このホシに降り立った巨いなるもの、黄道の星座より来る化外たちによって。
 このホシに巣食っていた邪悪なるもの、錆び憑く悪しき魂魄の手によって。

 此処はどうしようもないほど残滓だ。死んだものは何も残さぬし、遺してはならない。死した屍を拾うものもいないから、その静寂と朽ち果てていくものが織り成す腐臭は、どうしようもない虚無と終わりを思わせる。
 終わりに伴うものは、何時だってそういうものだ。それを彼女は知っていた。
 死という言葉が救いを持つときと持たないときがあるが、これはどうしたって後者だ。この地が何かの希望を生んだわけではなく、此処には希望と呼ぶべきものだった残骸しか残っていない。

 さぞ無念だっただろう。さぞ悔やまれることだろう。
 在るべき理由を果たせぬというのは、成すべきことを成す前に死するというのは。
 その無念と悔恨を、暗闇の中で微かな光を浴びて煌いた白刃の担い手は、良く知っていた。


    、    、   、   、   、 ・・・・・
 ―――よく知っていたから、なんの一言もなく。刃が飛んだ。



 向けられていた刃の構えは平晴眼。
 他の流派に曰くは正眼ないし青眼と呼ぶ、攻防一体の剣の構え。
 真正面に刃を向けるのでなく、半身に構えて刀身を傾斜させるその構えこそ天然理心流が構えの一つ。

 光の差さぬ、希望の残らぬ場所で、その白刃の軌跡だけが煌きを持つ。
 爆発のような空気の流れと共に、地を蹴って駆ける者の歩幅は瞬きの一つでも交えれば最早捉えることは適うまい。

 まさしく電光石火。
 刃を寝かせるようにして、前のめりな構えから疾駆と共に迫る“彼女”のそれは、
 敵手が万が一刀を振るおうとも、それを躱して瞬時に首を刎ねるための構えにそぐう刃の振りであった。

 いまや希望の残骸と呼ぶに久しき、朽ち果てた一振り。
 そのものが錆びついてなお、ヒトの型を保つがゆえに残る急所を目敏く狙う、刺客もかくやの一刀一殺。

 戦場に事の善悪無し。
 正々堂々だの戦の浪漫だの、そんなものは煌びやかな武士が寝惚けた御前試合でもする時に語ればいい話だ。
 彼女が戦い、肩を並べ、最期まで思いを馳せていた者達にとって、その言葉は狗が食えればまだ良い方だろう。

 だから何も言いはしなかった。
 ただ刀だけを手向けとするように―――否、それでも彼女は切り伏せに出向いた瞬間。

 その一撃で勝負が決まる、決まらないを抜きにして。ただそれのみを口にした。


「御覚悟を。堕ちた巫剣。
 果てて久しいその刃<み>には、ただ我が一刀を静寂への手向けとしましょう」


 彼女はこのつくられた刀の経緯、その巫剣たる存在が担っていた希望を知らぬ。
 異聞星の建立にちなんで召喚されたドリフター、
 しょせん御華見衆という組織への密接なつながりを持つわけではない。

 されども、刀を振るうものの在り様として、ただその少女に願われたこと/願ったもののみを知っていた。

 なればこそ此処に立つ。
 言うなれば、その刃は慈悲だ。

 おまえを楽にする/おまえを殺すという、冷たく研ぎ澄まされた、慈悲という名前の殺意だ―――。

>三十二年式軍刀甲


【よろしければ〜】

3ヶ月前 No.1999

スレ主 @artemish☆8cfl5/j3VDw ★utloP7NDPP_3wf

【大通り/岡田以蔵】

 放った剣はまたしても致命傷を生み出さず。
 逆に、ムラマサの振るった刃が複数の軌道を描きながら以蔵へ向けて到来する。
 それは最早、単なる天誅人、日銭稼ぎの人斬りに対して向ける技ではなかった。
 まさしく───災害が如く。八岐大蛇、古の龍神を謳う自信が虚仮ではないことを示す連撃が、幕末の鬼人を討ち取るべく迸る。
 だが……以蔵の瞳は、その剣ではなく。それを振るうムラマサの双眸にこそ向けられていた。
 冷ややかな眼。獲物を見定める蛇のような眼。それが、岡田以蔵にとっては何よりも───

「……おまん、何じゃその眼は」

 瞬間、以蔵の動きが目に見えて変化する。
 ムラマサの振るう数多の剣戟に対して、以蔵が繰り出したのは先に彼女自身が見せた神速の二刀流の写しであった。
 強いて違うところを挙げるとするならば、得物の数が以蔵の場合は一振りのみであるということだが、逆に言えば刀の本数という技量ではどうにもならない点を除けば以蔵はムラマサの挙動を百パーセント完璧に模倣していた。
 そのまま刃を刃にぶつけ合わせ、点と点を繋ぐように繊細な動きで彼女の無茶を踏破していく。
 天衣無縫と呼ぶに相応しい、されど磨かれることのなき才覚。それを遺憾なく滲ませながら、人斬りは底冷えする程の殺意と敵意を、溢れ返らんばかりの怒気と両立させながら攻め込んだ。

「わしを誰だと思うちょる───」

 時に。
 岡田以蔵という男は極めて単純な頭の持ち主だが、それ故に地雷も極めて分かりやすく単純である。
 彼は、笑われることが嫌いだ。見下されることが嫌いだ。己を侮り、狗を見るような目で見つめてくる輩すべてを等しく嫌悪している。
 そして彼の嫌悪は殺意と同義であり。皮肉にも───その一線を超えられた瞬間にこそ、以蔵は"人斬り"の真の恐ろしさを発揮するに至るのだ。

「───わしは人斬り、以蔵じゃぞぉおおおおおぉ!!」

 あろうことか。
 神話の龍の名を冠する少女の剣閃すべてを、徹頭徹尾理屈に裏打ちされた剣閃のゴリ押しで突破し。
 一気呵成に懐まで踏み入れば、以蔵はその腸すべてを撒き散らしてやるとばかりに刃を振り抜いた。
 撃剣矯捷なること隼の如し。かつて人がそう呼んだ、幕末の鬼の天禀は……依然として衰えるということを知らない。

>ムラマサ・獣刻・ヤマタノオロチ

3ヶ月前 No.2000
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