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【ALL】 Project ”X” Over【キャラ】

 ( なりきり掲示板(フリー) )
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無限の可能性と混ざり合う運命の物語 @recruit ★UH4NIh0UMH_51i

 開かれては閉じる。
 開かれては閉じる。

 それはまるで本を読むように、世界は幾度となくそれを繰り返し続けている。
 何度も、何度も───。
 時折思い出したように、世界は同じ環を始め、そして同じ結末へと至る。
 生きるべき者は生き、死して想いを託す者の存在がいて、次の代を歩む者がいて───。


        「でもさ、いい加減繰り返しも飽きちゃったよね」


 雑音(ノイズ)が混ざる。
 何度も何度も何度も何度も同じことの連鎖。
 いつか観測者は退屈を感じ、開くことを止めてしまうのではないだろうか。
 それは物語にとっては真の終焉であり、あってはならない事柄である。
 そう、だから────

 一冊の完成していた物語から、ページが抜き取られていく。
 何枚も、何枚も。
 ありとあらゆる物語のページが積み重ねられ、纏められ……全く新しい一冊の物語としての形を成したとき───。



        「 全ては”未知”を”超えた”可能性を拓くために 」
        「 さぁ、物語を始めよう? 」

【当スレッドはALL版権キャラによるスレッドとなっております】
【募集およびルール、細かな設定・相談については→ http://mb2.jp/_nrs/4262.html ノて行っております】

メモ2018/04/19 11:06 : 轟雷 @recruit★UH4NIh0UMH_51i


 一幕目<芽出>


 メインキャラクター:乃木若葉、赤嶺友奈


 夢を見る

 夢を見る


 平穏な日常はようやく崩れて、町はもう一つの貌を顕わにする。

 止まる時間と動き出す怪異。そして目覚める力。

 桔梗の花の芽吹は、「飛鳥」という世界に何を齎すのだろう────。


※各キャラクターの開始地点の指定は特にありません。

>>1の「夢」は意思力の覚醒者は「見た」か「見ていない」かを、そして見た上で覚えているか、覚えていないかは自由です。アナザー勢は見ていません。また、未覚醒組はこの「夢」を全員見ていますが、そのことを覚えていません。


※WARNING!


 現在「飛鳥町」全体は時間が止まっているような状態になっています。

 活動可能なのは「意思力覚醒者」「意思力の影響を受けている存在」「強い意思力を引き出すことの出来る可能性を持つ者」だけとなっています。

切替: メイン記事(150) サブ記事 (5) ページ: 1 2


 
 
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土居球子 @genmwhite ★z1C7w6TMOe_Ree

【 西/移動/土居球子 】

「───ッ!」

 若葉が自分の名前を呼んだことで、硬直していた意識がはっきりした。まるで電撃が走ったかのような感覚だった。
 自分の手が掴まれ、乱暴とも言える勢いで投げようとされる。
 が、それは急に止まった。これによって、投げられかけていた球子の体はバランスを崩して地面とぶつかった。勢いで膝を擦りむいたようだが、そこは関係ない。すぐに顔を上げて、件の怪物を見る。
 ちょうど、それがバッサリと切り捨てられるところだった。鎧武者のような人物が教師と知るまでには少し時間がかかった。

 ───……と、一瞬、安心したところだった。
 若葉の声が上がった。悲鳴に近い、激痛に苛まれる声だ。
 まさか、と振り返れば、背後に現れたもう一匹の怪物が若葉に突進を仕掛けていた。目の前の怪物が切り捨てられた安心感から生まれた油断が原因だった。
 いや、そんなことを考えている場合ではない……!

 「ッ……若葉ッ!!」

 教師の助けを待っている暇などない。もたもたしていれば、若葉はあの大きな口に食われてしまう。
 それだけはダメだ、と叫びながら、球子は土埃に汚れたパーカーを脱ぎ捨てながら、かばうように若葉の前に立つ。
 きっと、同じ状況なら若葉もそうしたのだろう。
 こわい。こわい。恐ろしい。死ぬかもしれない。恐怖感に足が震える。だが、それでも退くことはできない。友人が殺されようとしているのに、見ているだけだなんて、自分が許せない。
 だから、それが無謀とも言える行動でも。
 それが、蛮勇といえる行動でも。

 球子は動いた。勇気を振り絞って。

 「……大丈夫だ若葉、お前はタマが守ってやるから───……!!」

 >若葉、赤嶺、ヤマトマン
 > (神宮寺黒乃、日向玄乃丈、ありす/アリス)

1ヶ月前 No.101

よせあつめブルース @izuma☆VNvX9naPtFo ★HhCfmmMzXU_LoN

【大通り/B(建物屋上)/アリシア(魔女装束・ガンロッド発現)】【あかん吊るされる…そしてまさかの組み合わせの共闘】

耳を弄する金属を擦り合わせた様な金切り声

前置きの無い(転移)、尋常ではない殺気と共に振り下ろされる血濡れの凶器は、経験に裏打ちされた巧みな業と冷静な状況判断で異常な攻撃を凌ぎ切り態勢を立て直す灼熱と焔を操りし占い師且つ魔術師な彼(アヴドゥル)の放った火炎弾が――悪夢の中から現れた様な(元人間)の看護婦の姿をしたナニカ――骨鋸を振り下ろす正真正銘の怪異へ直撃する前に、馬鹿デカイ魔導複合兵装(ガンロッド)を手に膝立ちの構えで狙いを定めていた魔女の華奢な背へと確実に食い込み、肉を裂き、その歯がめり込む――そして何より其処から噴出し飛び散る真っ赤な鮮血が致命傷を与えた事を雄弁に示している。成した怪異(THE NURSE)も確かな手ごたえを感じた筈…だが


「ごめんなさいね看護婦さん、私の“魂”は止しておいた方が良いわ。予約済みの“先客”が居るから。」




夥しい量の血飛沫は真っ黒な(鴉の羽根)へ

そして(魔女)の姿は再び影絵の様に現実味も無く飛び去る多数の(鴉の群れ)へと解れて変わる。

――元より“彼女”もまたこちら側(現世)側の真っ当な“人間”では無い。

地獄の深遠に出でる物好きな高等悪魔と魂の代価とした外法の契約を結んだ(ヒトではないナニカ)、とどのつまり“魔女”そのものなのだ。それこそ彼女(THE NURSE)がこの場に於けるまともな人間が、彼(アヴドゥル)以外に居ないと認識している通り。

ガジャコ!

鴉で構成された幻影(デコイ)と入れ替わる形で(形態変形)を瞬時に行われ、対物火器(アンチマテリアルライフル)形態から近距離戦用の二連装散弾銃(ダブルバレル)形態へ一工程で切り替わった魔銃の黒き銃身が近距離からぬるりとその銃口を怪異(THE NURSE)へと向け、片腕でソレを構えた“魔女”は引き金を引く。

DOGAN!

近距離で放たれた散弾タイプの魔弾は元より(魔)を殺す為のモノ、到底尋常な代物では無い。至近距離で放たれたソレらは、反対側から迫る魔術師(アヴドゥル)の火炎弾の飛来タイミングとほぼ重なっていた。

ジャコンッ!

そして撃った本人(アリシア)は発砲と同時にその馬鹿でかい散弾銃形態の魔銃(ガンロッド)をスピンコックの要領で軽々と一回転させ次弾を送り込み再度の射撃に備える。


≫THE NURSE、モハメド・アヴドゥル、(アメンドーズ)、(不動アキラ)、(宮本武蔵)

1ヶ月前 No.102

ヴァンピィ☆4H2CCC.TU8ct ★Android=bH29VCQuKA

【デパート/屋上/ヴァンピィ】

>シュテル

「大船に乗ったつもりでいていいよ!ヴァンピィちゃんはさいきょーですから!」

 えへん、とヴァンピィは機嫌よさげに胸を張る。
 これをただの自然現象だなんて考えるようではおめでたい。
 ヴァンピィも、町の住人であるシュテルが覚えのない現象だと言ったあたりから既に察していた。
 この町で今何かが起こっている――“日常”とはかけ離れた異常事態が起きている。
 他の「動ける人間」次第では、衝突することも出てくるだろう。
 そうなった時は自分が責任を持ってシュテルを守る。小さな吸血“姫”は堂々とそう誓うのだった。

「ところで最初はどこ行くー?ヴァンピィちゃん、まだ此処の地図とかよくわかってないんだケド――」

 それはそうと、どこを見て回るかはよそ者のヴァンピィにはちょっと分からない。
 小首を傾げて、シュテルの意向を待つことにする。

1ヶ月前 No.103

片翼 @firstmoon☆Iqtd6N0SMOw ★iPhone=SkBYWclB4P

【大通り/A/セフィロス】

「ああ、それで構わない。同行させてもらうだけでも有難い」


俺も単なる何でも屋だからな、と返して微苦笑を浮かべる。此方はあくまで同行させてもらう側だ。もとより強制する権利はなく、そのつもりはない。

とはいえ、着いていく以上は必要ならば協力する。


「そうか、楽しんでから、か……ん?」

奇妙な服装の男の言葉に一瞬、言葉が詰まる。再考ーー彼は平常心を保っているのではなく、この状況を楽しんでいるようだ。前向きに解釈するならば、ある意味で大物と言える。

案外、図太いぐらいが今の状況には必要なのだろうかと考える。


「ほう、茶摘みをーー」

珍しく食い付いた反応を示す。片田舎暮らしや大企業の私兵、何でも屋と色々あったが茶摘みは経験が無かった。雑誌や新聞で見た程度しかない。


「わかった。同行させてもらうだけでも有難い。

ーー詳しい事情は知らないが、学園に行けば何か手掛かりが得られる可能性がある。あるいは、同じ学園の生徒で俺やお前たちのように動ける人間が居るかもしれん」


途中参加の身である為、事情は知らない。だが、何かの助けにはなるだろうかと考えを述べる。

>猿渡一海 >>89 、モーツァルト >>90 、轟雷 >>92

1ヶ月前 No.104

シュテル @recruit ★UH4NIh0UMH_51i

【デパート/屋上/シュテル・スタークス】

>>103

 最強──。
 言いながら胸を張る少女に、いや、吸血姫の自信は口だけではないだろう。
 そうシュテルは考える。
 吸血鬼という存在は、人間とは別格の能力の持ち主だ。
 それに見合わせるかのように多くの弱点も持っているのも事実だが、差し引きをしても人間が勝利を掴むには容易ならざるスキルを多数持っている。
 何より……「強い」。
 彼女が自らを最強と称すように、ただひたすらに、単純に強いのだ。
 即ち、その存在ゆえに裏打ちされた自信ということ──大船に乗ったつもりでいてくれ、という言葉にも頷ける。

 …彼女の頼もしさは充分に理解出来た。
 だからこそ、己から提案した案内役は確りとこなさなければならないだろう。
 では、どう向かうか──だが。

「まずは東方面へ向かいましょう。
 今後、暫くこの町に滞在することを考えているのでしたら、恐らく此処と西方面が中心になります。
 南と北は気候がやや極端なのもあって、居住地にするにはあまり適してはいませんので──」

 彼女が何処に住まいを置くか…というより、これからの生活をどう考えているかはさておき、この町でもっとも住みやすいのは西と東だ。
 生活の中心であることも念頭におけば、まずは此処を紹介するのが一番だろう。

1ヶ月前 No.105

乃木若葉/赤嶺友奈 @recruit ★UH4NIh0UMH_51i

【西/校舎前/乃木若葉、赤嶺友奈】

>>101 (ヤマトマン、神宮寺黒乃、日向玄乃丈、ありす/アリス)

「(……ッ)」

 駄目か。
 迫り来る明確な「死」を前に、逃げ果せようにも、指先一本まで動きそうにない。
 まして、目を瞑る暇すら与えられない、この迅さでは動けたところで最早どうにも──。

「……? ど、い──」

 そんな中で、「死」と「自分」の前に、誰かが割って入った。
 それは他でもない、自分にとって友人と言える人物。
 何をやっているんだ。
 何故私の目の前に立っているんだ。
 そんな事をしたら、お前は……!

 声にしようにも、身体と同様に口が重くてあがらない。
 ようやく言葉に出来たのは、名前だけで。
 そうこうとしている内に、選択出来る猶予になりえる時間はとうに過ぎていて。


        「………!」


 何のために、土居が私の前に立ったか、なんて。
 そんなの問うまでもない答えであって。
 間違いなく、自分と彼女の立場が逆でも同じことをしただろうから。
 だから──この後に訪れる結末も見えてしまったから。

 何を…。
 何を、やっている、私は…ッ!
 倒れている場合じゃないだろう、乃木若葉。
 恐怖の中にあっても、勇気を振り絞って、私を護るといってくれた友に──報いずして、何が乃木かッ!!!

「う、」

 悲鳴を上げる身体の声を無視した。
 そのせいで、今にも裏返って吐き出しそうな身体の中のモノを無理やり押し留めた。
 そうして、ボロボロに蹂躙され、倒れて動かないガラクタも同然だった自分の手足を再び起動させた。
 今の若葉を突き動かしているのは、体力でも残っていた気力でもない。
 ただ「友」を護るという一心、何者にも勝るその「意思」が彼女の壊れていた身体を限界を超えて稼動させている。

 ──それは「兆し」である。

 人間全てが持ちえる意思、それが極限状態に置かれた事によって、目を覚ました。
 言わば、火事場の馬鹿力。
 出来ないことなんてない、やろうと思えば、それは出来るのだ。
 だから、

「、おおおおおおおおおおおおおおお───ッ!!!」

 不可能を可能にするための「可能性」を、此処に引き出してみせろ。

 絶叫と共に、桔梗の花が飛鳥の町に咲き誇る。





「………───」

 ・・
 一閃。
 それは目にも留まらない、光の如き抜刀。
 後一歩、進んでいれば球子を噛み砕いていただろう異形の怪物は、先ほど「大和」の名を持つ鋼のヒトが切り裂いたのと同じように、口から上下真っ二つに裂けた。
 星屑はそのまま塵となり、粒子となって一欠片の残骸も残すことなくこの世界から消失する。
 赤嶺友奈の視界を邪魔していた異形が消え、その先に見えたものに───満足げな顔を浮かべた。

 そうでなくてはならない。
 そうでなくては、こうして対峙した意味がないのだと。

「──無事か、土居。
 後は任せてくれ、此処は…アイツは、私がなんとかする。してみせる」

 視界の中──乃木若葉は、土居球子を気遣えば、その後は赤嶺友奈を、見据える。
 文字通り、射抜くような視線とは正しくこのことか、常人なら向けられるだけでたじろぐだろう、氷の如く、弓矢か刃のような鋭い敵意。
 最早其処に先程まで恐怖と緊張に圧し殺されかけていた少女はいない。
 今、此処にいるのは、友を、自分を護ると身体を張ってくれた彼女を護るために、眼前の敵を払う「"勇"ましき"者"」。
 身体の深奥から湯水のように湧き出してくる熱い力。
 根本から作り換わった肉体には、もう星屑の一体や二体など、脅威としてけしかけるには力不足でしかない。

 …そう、単純に相手をするならばだ。

『さっきとは打って変わって強気だね、乃木様。
 でも……その様子からして、勇者の力は御気に召したみたいで何よりだよ。
 どう? 凄いでしょう? さっきまでと違って、身体中に力が漲るみたいだよね?』

「……。
 お前が何を考えているのか、そんなことは私の知ったことではない、赤嶺友奈。
 この力が何であれ、お前の目的が何であれ……お前は私の友人を傷付けようとした、躊躇いなくだ」

『そうだね。
 だってさっきも言った通り、私は貴女達の「敵」だから。
 相手をするためなら手段は選ばないし、どんな方法でも使うよ。こんな風に……ね?』

 ズ……、と。
 闇の向こうの異界から、再び星屑共が姿を現す。
 一、二、三、四、五──数は増えた。だが、今更三体増えたところで一蹴されるだけの対象に過ぎない。
 それがわかっていない程、赤嶺友奈も目が曇っている訳ではないだろう。
 若葉が相手の狙いに気づいたのは、其処から間もなくであった。

「! 土居ッ!!!」

 星屑は真直ぐ──ではなく、若葉を越えて……土居球子を標的として走らせる。

『──遅いよ、乃木様。
 それに幾ら強くなっても、まだ戦い慣れていない貴女じゃ……土居さんを庇ったまま何処まで戦い続けられるかなぁ』

1ヶ月前 No.106

ヴァンピィ☆4H2CCC.TU8ct ★Android=bH29VCQuKA

【デパート/屋上/ヴァンピィ】

>シュテル

 東。
 シュテルが提案したのはその方面だった。
 なんでも今後の滞在を考えるなら、今自分たちがいるこの辺りと西方面が生活の中心になるらしい。
 そんでもって、目指す先は東――と。

「あー、知ってるー。南の方はあっつくて参っちゃったよ」

 此処に来る前に軽く通っただけでもなかなかの熱帯具合だったのを思い出してヴァンピィは肯く。
 北の方にはまだ行ったことがなかったが、あの暑さがそのままあべこべになると考えると大人しく先輩に従った方がよさそうだ。

「んじゃ、案内よろしくねシュテル!ヴァンピィちゃんははぐれないようについていきますっ」

1ヶ月前 No.107

神宮寺黒乃 @tukuyomi07☆2nDyzvx51us ★3aNoMW8gGM_iR4

【 西/校舎/神宮寺黒乃 】

 聖域へと侵入することには成功した。反応させる間隙を与えることはしない。
 《クロックドロウ》――超零距離射撃。
 空間防御への対策として練り上げた小細工であり、銃撃の雨あられと比べ必殺を意識した戦い方。
 その両目へ直撃する必殺の弾丸はしかし、一切の手傷を与えるに至っていなかった。

 眼球より響く音は、もはや既存の生物から鳴っていいような音ではない。
 跳弾する弾丸はあらぬ方向へと飛んでいき、ジャバウォックの前進は結果として止まることはなかった。
 良く出来た皮肉だ。
 おびえる男がその想像力のままに描く恐怖の怪異は――高らかに嘲笑っている。
 それ見たことか、そんな鉛玉ごときで止まるものか、と。

 ――実験は失敗だ。

 アレは不変の理不尽。
 いいや、理不尽でなければならないと願われ生み出された――絶対幻想。
 その無邪気な総意を一手に受けて練り上げられた人形に不可能はない。
 豪腕を振るえば壁を砕き、剛脚を振り下ろせば大地を引き裂く。
 止まった世界に咆哮を轟かせる紅き巨体に殺せぬものは存在しない。

 おまけに。

(ブラフか――!?)

 超速で飛来する瓦礫。だが黒乃が捉えていたのは――ジャバウォックの予備動作。
 即ち突撃前の姿勢。どう考えても己を狙っている砲弾は、直撃すれば死ぬのは証明済みである。
 神宮寺黒乃の《クロックドロウ》、そこに出来る僅かな隙を狙われた。
 瓦礫を撃ち落とすために時を凍てつかせれば、その間に砲弾が着弾するように、と。
 そこで理解する。あの怪物は確実に知恵を付けてきていると。
 まだ幼子同然のソレではあるが、時間が経てば本当に手が付けられなくなる。

 その知恵による搦め手を受けている以上、判断の間違いは死を意味する。
 優先順位を間違えるな。ジャバウォックの一撃だけは絶対に当たってはいけない。
 瓦礫へは数発弾丸を撃ち込んで相殺するも、弾き飛ばすことが出来なかった瓦礫が肩肉を抉り吹き飛ばした。
 鮮血が空へ舞い校舎を濡らす。不気味なほどに、吹き飛ばされた部位は綺麗に孔が空いていた。
 腕が千切れそうだが、まだ手は動かせる。神経は断裂していない。
   、   、・・・
 あの怪物相手に即死は避けることが出来たたのだから、成果は上場といっていいだろう。
 奔る激痛。激しい動きで敗れた服布を口に詰めて、歯を食いしばり、退避に次ぐ退避。

、 クロックロック
「《時間凍結》――ッ!」

 生き残っていた壁のギリギリに輪郭を絞り、その時を止め背後に隠れた。
 停止された世界に上書きするように放たれた停止は――この時だけは神宮寺黒乃の絶対の盾となりうる。
 即ち、効果が及んでいる間は"壁は動かない"。
 ジャバウォックの破砕槍に等しい蹴撃であっても、衝撃が蓄積されるのみで破壊されることはない。
 刹那、――《クロックアップ》、体内時間を加速させジャバウォックの対面に大きく距離を取った。

 時間停止の効果が切れた証の硝子の破砕音が鳴り――蹴撃を受けた壁は粉々に粉砕される。
 だがそこには黒乃はいない。回避には成功した。
 だが自身で自覚している通り――次はない。次があるとすれば、限界を超えない限りほぼ確実に死ぬだろう。

 神宮寺黒乃の弱点はただ一つ、弾丸そのものの威力は近代兵器の域を上回らない以上――破壊力に欠ける。
 逃げ回る相手を逃さない死の鎌であろうとも、鋼を相手にしては一撃には成りえない。
 今この場にいる者たちで、最も火力を叩きだすことが出来るのは日向に他ならない。
 その日向――白狼へと変成した彼からいかなる理屈か、黒乃へと要求が飛んできた。
 内容は即ち、時間を稼げ。最低でも一秒以上。

『簡単に言ってくれる――!』

 ・・・・・・・・・・・
 それが出来なければ死だ。
 不思議と笑みが零れる――零さなければやってられない戦い。
 肩口の出血量からして、後三分がまともにやりあえる限度だ。
 それまでに決めなければ文字通り終わる。

(持ってくれ、あと数秒間――!!)

 覚悟を決めた黒乃は引き金に指を掛け――。

 ――"跳んだ"。

 ジャバウォックの正面より六十発の弾丸が殺到する――だが放った地点に既に黒乃はいない。
 続いてありす/アリスの背後より六十発の弾丸が殺到――また、いない。放った地点にはもう既に。
 ありす/アリス、ジャバウォックの両名を視界に入れた方角、その左舷より六十発。
 同じく右舷より六十発。

「――いい加減、終わりだ」

 ようやく立ち止まり視認出来るようになった黒乃は、崩れた階上からありす/アリスとジャバウォックに銃口を向けていた。
 その双銃より暴風雨の如く吹き荒れる六十発の弾丸でもって――布陣は完成する。
 その数、計三百発もの雨霰のような暴力が一斉に、四方八方からジャバウォックと少女達に殺到した。

 《ラッシュアワー》。
 《時間凍結》と《時間倍速》を同時に使用する合わせ技だ。
 片方でも実用十分な能力を同時使用することで、彼我の時間差をより広く開く。
 そして意志の力で限界を超えた者達であれ簡単に対応できない程の連射、あるいは連打を叩き込む。

 これが通らなければ死ぬ。日向が間に合わなければ死ぬ。
 最後の賭けだが――果たして。

>ありすとアリス&ジャバウォック 日向玄乃丈 (土居球子、乃木若葉、????、ヤマトマン)

1ヶ月前 No.108

THE NURSE @tukuyomi07☆2nDyzvx51us ★3aNoMW8gGM_iR4

【 大通り/B(建物屋上)/THE NURSE 】

 顔の無い看護婦が振り下ろした骨鋸は確かに、魔女の肉に食い込み抉り取らんとしていた。
 血肉が噴き出し臓物が零れ落ちる。そのような光景を、幻視した。
 常人ならば致命傷だ。
 動けなくなった哀れな小鹿は出血過多で這いまわり、肉フックに吊るされる運命を背負うこととなる。

 何故ならこれは殺戮に最も適している武装に他ならない。
 殺人者の頭よりも、鉈よりも、何より浄化に相応しいと彼女自身が選んだ武装なのだから。
 そのように、殺人鬼<The Killer>が親しんだ凶器<どうぐ>に絶対の信頼を置いているからこそ――首を傾げた。

「……aa?」

 殺し慣れているからこそわかる。命にヒビを入れた手応えがまるでない。
 あの悪夢の中、何度も何度も何度も何度も――逃げる生存者を狩っているからこそ伝わってきた。

 そしてその直感は正解であると証明される。
 飛散する一枚の羽。そして影絵のように変色する女の肉体。
 狙撃主――否、魔女の肉体が悪夢にて飛び回る無数の鴉となりて飛散したのだから。

 これこそ、"殺せていない"という判断に他ならない。
 闇の向こうで鞭打つ邪悪<エンティティ>に魂が届けられなかったということ。

 ――そして、攻撃のタイミングがぴったり重なった。

 THE NURSEの焼け爛れた左手が向けられたのは怪異<アメンドーズ>の戦闘によって飛散した瓦礫。
 大の男一人では持ち上げられないほどの大きさを不可視の力で掴み取り、引き寄せて自身の目の前に。
 同時に迫る、ダブルバレルショットガンより放たれた魔弾――魔を殺す最速の暴力への盾とする。
 弾丸を瓦礫の盾で弾き、あらぬ方向へと飛ばした。

 だが物量の暴力によって飲まれたと思われていたアヴドゥルが撃ち込んだ火炎弾は避けられない。
 うねりを上げる業火が宙を走り、看護婦を飲み込み焼き滅ぼさんと喰らいはじめる。
 炎に包まれ天へと帰っていくのも時間の問題だろう。
 だが、

 ……看護婦は笑っていた。
 顔は無いなずなのに、ハッキリと笑顔を浮かべているのだけは分かる。

 焼け爛れた右手をアヴドゥルへと向け――彼の前に<転移>した。
 彼の用意周到さを嘲笑うかのごとく、結界をすり抜け前方から振るうは骨鋸。

「Kiaaaaaaaaaaaaaaaaa――!!!」

 そして後方へ逃げることを見越した再度の転移から放たれるは――その背中への必殺の一撃。
 更に念動力で先ほど盾にした瓦礫を掴みなおし、アリシアへと向けて無数の弾丸として殺到させた。

 心せよ、かの邪悪が見出した殺人鬼は人の道を外れた――怪物同様のタフネスを持つ魔人達。
 神の鉄槌で死ぬ人間ごときと同列に扱えば、待つのは生贄としての未来に他ならない。

>アリシア アヴドゥル (武蔵、アキラ、アメンドーズ)

1ヶ月前 No.109

青年探偵 @5121☆stkO0KxpThU ★ztEbdaugmt_6V6

【西/校舎/日向 玄乃丈】

『精霊(リューン)よ!』

玄乃丈は朗々と歌うように声なき声を上げる、さあ、最後の仕上げだ。ジャバウォックに張り付いていた雷球が弾けて消える。
これにしくじればもう勝機は無さそうだ、次の手はあるにはあるがその前に沈むのは確定だ。
だからこれが最後だ、最後にして最大の一撃を今からブチ込む、力を借りるぞ『日和子』。

『我は白き手の乙女に告げる、それは進んで絶望へ落ちる男の権利。白にして白銀の我は万古の契約の履行を要請する』

黒乃の弾幕がジャバウォックに全く同時に迫る、効くか効かないかで言えば効かないのだろうが無駄にはしない。絶対に。

『我は日に向かいて月を測る狼、ただの狼より現れて歌を教えられし一匹狼!
 我は絶望と戦う命の輝き。我は号する、明日を見るために終わる今日。白き手の乙女よ、我は正当な権利を要求する!』

直後にジャバウォックのラッシュが玄乃丈に殺到する、だが黒乃の六十にも及ぶ銃撃がラッシュにほんの僅かな隙間を開ける。
そしてその隙間を玄乃丈は見逃さない、こちとら元々弾幕には慣れているのだ。穴のある弾幕を今のこの身で避けるのは不可能ではない。
玄乃丈の力が、周辺に霧散していた力の残滓が玄乃丈に集まってくる。

「天を取るのは我が弓なり! 我は天に弓引く者なり! 正当な権利によりて、我は暴力として振り上げたる牙を使役する!」

玄乃丈の変身が解けて元の人間の姿に戻る、その変身に使っていた力すらも玄乃丈は次の一撃に叩き込む。
否、それだけではない。最初に放った無数の雷球、次に放って先程弾けた大神雷球、そしてジャバウォックの体内にて弾けた轟雷球。
アドリブは多々あったが、轟雷球でジャバウォックの体内より弾き出された魔力も、アリスが放った炎の残滓すらも”隷属”してゆく。
態々大したダメージにならないであろう轟雷球を放ったのはこのための布石、玄乃丈はこの場の力とその残滓を全て隷属・収束していく。

「完成せよ!≪一撃に秘めし我が誇り!≫」

巨大な、ジャバウォックの巨体さえ飲み込むほどに巨大な雷球が放たれてジャバウォックに迫る、当然のように射線にアリス達を巻き込むような位置取りで。
それだけでもジャバウォックは倒せるかもしれない、が、まだ足りない可能性もある。
だから最後にもう一手間加える、雨の日に空から降ってきて、嵐のように全てを巻き込みながら突き進んでいった豪華絢爛にしか生きられない少女が置いていったモノ。
その見た目はただのシャープペン、元はと言えば玄乃丈が彼女に与えたモノだが、青(ガンプ)の力を宿して置いて行った武具。

「そら、これで終わりだ、ペンは剣より強しってな」

玄乃丈はそのシャープペンを力強く投擲する、するとそのペンは青い光を纏い一条の光と化して飛翔する。
日向玄乃丈は白(リン)のオーマ、他の六色の原色である故に多くの絶技を使える、他の色(オーマ)の技も使えないことはないが、異なる色同士が手を組むことは前代未聞だ。
だがそれを”だからどうした”と常識を蹴破った少女が居た、旅立ちを見送ることも出来なかったがその出会いは確かな形を残した。
それが白(リン)と青(ガンプ)の合わせ技、己が誇りを込めた一撃を”過去を置き去りにして未来を拓く”一筋の光に篭める。
これが未来に生きる人間の生き様を込めた一撃だ、過去の遺物に後れを取る道理はない――!

>ありすとアリス、神宮寺黒乃、ヤマトマン(土居球子、乃木若葉、????)

1ヶ月前 No.110

不動アキラ @evil☆wlNTvj.bQ62 ★Android=c1E0DIQTEq

【大通り/B/不動アキラ】

刀の女性の技が決まる。
怪物のその手足は女性の奥義ににて断たれて宙を舞い、支えを失った身体は大地に引きずり下ろされる。
更に怪物の身体をアキラの業火が襲った。
どこに口があるかなどわからないがそれでも確かに怪物は苦悶の悲鳴を轟かせていた。
再生は、先ほどは瞬時であったが今は明らかに先ほどより遅い。
炎による攻撃が効いているのかそれとも積み重ねるダメージが回復を阻害しているのかなんにせよ今が好機と言える。

だが怪物とてただでは終わらない。怪物は何を思ったのか右腕で左腕を引き千切った。それを怪物を鈍器の如くアキラに振るう。

「チィ…!!
『葬烈脚(フューネラル・キック)』!!」

アキラは振り抜かれる腕に真っ向から蹴りで対抗した。悪魔の蹴りは破壊力に富む。衝撃が巻き起こりアキラの身体は大きく後退する。そのままモロに食らうよりは幾分マシであろう。悪魔の頑丈さと生命力は伊達ではない。
そんな攻防の最中でアキラは見た。刀の女性が掲げる眩い銀の煌めき。今から彼女が放つのはただ刀を振るだけのソレではないということはアキラにも理解できた。恐らくは、アレで勝負を決める腹づもりであろう。

「なら俺も…!!」

アキラもまた、必殺態勢に入る。アキラには本来、『慈悲の一撃(クー・ド・グラース)』と呼ばれる最終必殺技があるが生憎今のアキラはそれを思い出すことが出来ない。
故に今出せる最大火力を叩き込む。アキラは両腕を重ね合わせて構える。

「消し飛びな…!!
『焼滅光線(ターミネーション・ビーム)』!!」

アキラの手から超高熱の熱光線が放たれる。生半可な者なら消し炭すら残らず消し飛ばす必殺光線だ。それは決して武蔵の行動と剣筋を阻害しない射角で怪物を消し飛ばさんと飛来する。

>アメンドーズ、武蔵

1ヶ月前 No.111

トリ @aroundight☆SdjaOljKHtOm ★msJh1WzJ3A_8gk

【西/公衆銭湯(黄泉比良坂)/トリスタン】


「では、そのように」
「………おお、そう言えば名乗っていなかった。私としたことが。
 我が名はトリスタン。―――トリスタン、とお呼びください」

 流子、と名乗った彼女の言葉を聞き留めながら、彼は瞑目する。
 この現象はどう考えても普通ではない。
 数日前にこの街にやって来た、と口にする流子の言葉は、巻き込まれた被害者が語る現状分析としては上等な類だろう。それを的確に口にし、方針として“出たとこ勝負”を仕掛ける辺りは辺りは良くも悪くも真っ直ぐで、好ましいと言える性質でさえあった。そして―――。


「数日前にこの街に………ですか」
「ふむ。にわかには信じがたい話ですが、それを言えばこの事態が信じがたい………」


 さて。前提を語ろう。

 トリスタンは、“Another”と呼ばれる者たちの顔をある程度把握している。
 彼は紛れもなく、この事態を起こした“何者か”にか細いと言えどもラインが成立している。

 だが、新顔の可能性を考えていないわけではなかった。
 明らかにこの街の通常の人間とは異なる態度、途中途中に見えた不審な点―――ひとり芝居のような、虚空に向けた会話。そうした部分は紛れもなく一般の女子と呼ぶには異質な要素であり、だからこそトリスタンは直前まで彼女が自分と顔合わせをしていない人員である可能性を捨ててはいなかった。

 今ので、確信に変わった。
 その上で、トリスタンは何をするでもなかった。

 彼には、目的がある。その目的は、例の計画と同じ軸線にあるとは言い難い。
 その上で………この事態が小さな事の始まりに過ぎぬことを、トリスタンは知っている。

「正攻法ですね。しかし………小さな区域に三人も例外が居た。
 あるいは、少し探れば他の行動可能な人物が居るというのも荒唐無稽とは言えません」

「で、あれば、何も同じ方向を探す必要はありますまい。その上で、番頭殿は腕が立つご様子だ。その貴方が彼女………流子を捨て置く気がないというなら、私も安心して捜索に出向けるというもの。
 私はこの街の西方以外を当たってみたいと思っています。次に人が居るのは東ですが―――」

 ならば、トリスタンにも怪しい輩を探すことに厭はない。
 厭はないが、そのために同じ方向を探るというのは効率的に如何なものか、とも思う。
 それはある種、トリスタンという男の内側にある自信のようなものでもあり、
 番頭殿―――ゲダツが“彼女に同行する”と言い切ったからこその判断でもあった。
 トリスタンとて、この微睡みの中に居た番頭が、所作はともかくとして腕の立つ男であることを見抜けないわけではない。だからこの時点で、流子の安全には一定の保障がある。

 ならば心の憂いなく、探せるというものだ。

「私としては、北か、南のどちらかを。
 この停滞が、どの程度まで広がっているのかを認識しておきたいのです」

 ………ただし。この始まりを促した事態の大きさと、その目的を、だが。


 トリスタンとしては、実のところこの異変自体にさほどの意味があるとは思っていない。

    ―――むしろ。何か取り返しのつかないことが起きるとすれば、それはこれから先なのだから。


>ゲダツ、纏流子


【あんまり会話のしっぱなしだとお二人に苦労を強いりそうなので、
 次? か、そちらの移動を確認次第で此方は北か南に出向こうと思います。返信に時間が掛かって申し訳ない】

1ヶ月前 No.112

土居球子 @genmwhite ★z1C7w6TMOe_ncl

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1ヶ月前 No.113

乃木若葉/赤嶺友奈 @recruit ★UH4NIh0UMH_51i

【西/校舎前/乃木若葉、赤嶺友奈】

>>113 (ヤマトマン、神宮寺黒乃、日向玄乃丈、ありす/アリス)


 人の「意思」とは伝播する。
 誰か1人が立ち上がれば、その意気に連なるようにして奮起する。
 当然逆もまた然り、誰か1人が崩折れれば、まるで毒のようにして他の人間の意志を削ぎ殺す。
 それはその人物が持つ影響力が強ければ強いほどに増していく。
 ──「乃木若葉」という少女こそは、正しくそれに該当する人間だ。
 ただの人間の身の時点で、学園という一種の閉鎖した、かつ多くの人間達が生活を送る空間において、学級委員という多くの生徒を纏め、束ねる役職に就いていた彼女だ。「影響力」という点においては、既に立証されていると言って然り、そして。

 ……そして。
 此処では無い何処かの「可能性」において、勇ましき者達の中心に在り、常に、「最後」まで前に立ち続けた。
 そう、とある物語において彼女という存在が持っていた影響力は、比類なきモノだ。
 その彼女が意思の力を目覚めさせ、蒼と白とを意匠とした清廉なる佇まいでもって、赤と黒を纏う謎の禍津と相対する。その光景はさながら、最初から定められていた運命の如く、あらゆる面で相反した両者の対峙。
 見る者誰しもが感じるだろう。
 これこそが、この世界という物語の始まりの「1ページ目」なのだと──。

 ──物語は続く。
 シーンを戻そう。
 星屑の群れは、若葉を越えて土居へと雪崩れ込む。
 やってくれる……! 若葉は眉間を険しくさせ、然し落ち着いて迎撃の態勢を取る。
 一度に五体、しかも標的は自分ではなく身を護る術を持たない土居。
 全てを庇いながら討つ──赤嶺の指摘は的を得ており、幾ら武道に心得のある若葉といえど、本気で人を、それこそ不条理かつ理不尽な暴力で生命を奪おうとする意思の見えない怪物が相手となれば、これを凌ぐは容易ならざる事だ。
 …だが、そうだとしても若葉の成すことは変わらない。
 内に宿った力で以て、外敵の全てから1人の友を守り抜く。
 やってみせる、それが出来なくて、何の為にこの力を得ようと手を伸ばしたのか──!

 ──物語は続く。
 意思とは人に「伝播」する。
 燃やした意思が大きければ大きいほど、その規模が熱く強くなっていく。
 何より……此処に立っていたのは、「土居球子」だったのは、奇縁じみていた。
 あるいは、これもまた定められた事柄であるのかもしれないが。

「…!? 土居────!?」

 若葉の目覚めに合わせる様にして、「変化」は起きた。
 勇気の花は、二度咲き誇るのだと。
 少女の内の意思が炎のように燃え上がる。
 出来ないことなんてない、やろうと思えば、全てが可能になるのだ。
 土居球子もまた、その資格を他の人間以上に色濃く宿した存在だから──恐怖を乗り越え、その意思を爆発させる。
 具現するのは、清廉なる蒼をイメージする若葉とは真逆、鮮烈な橙色。
 好敵手と並び立ち、時には競い合うがための誇り高き姫百合が目を覚ましたのだ。
 そこからは峻烈かつ豪快。
 彼女が振るう旋刃盤が星屑共を葬り去っていく。
 当然の帰結だろう、今の彼女は若葉同様に只人ならぬ、超人へと昇華されたのだから。最早、雑兵如きでは束になっても叶いはしない。まして──勇ましき者が2人。敗北の余地などありはしない。

「全く、お前と云う奴は……!
 本当に頼もしい、背中を任せられる相手がいるというのはな…!」

 ……若葉の口角が嬉々として釣り上る。
 意思が意思を目覚めさせるのなら、それは若葉とて同様だ。
 最早懸念事項は何処にもない。
 後は────。

『……最っ高。
 そうでなくっちゃ……!』

 全ての手駒を潰された赤嶺友奈──だが其処に焦りの色は無い。
 されど、今度はもう星屑を出そうとはしない。
 とん、とんっ、と地面を蹴って感触を確かめた後……ぎっ、と獰猛な笑みを浮かべて。

『それじゃあ最後───確かめさせてよ…! 貴女達の力を……ッ!』

 地面を蹴り、ロケットの如く飛翔し──突貫する。
 己の拳を構えながら肉薄し、突き出したソレは若葉と球子の両者を諸ともに打ち砕かんと───。


【デパート→移動/シュテル・スタークス】

>>107

「…………」

 そうして、デパートを降りて、直ぐのこと。
 時系列は西にて二つの花が覚醒を遂げた頃だった。
 その凄まじい力の波は、やや離れたこの東の地すらも”揺らす”。
 そう、”揺らした”。
 止まってしまった時間の中で、圧倒的なまでの意思の暴風が木々や大地に影響を及ぼしたのだ。

「……見ましたか、ヴァンピィ。
 どうやら、この奇妙な世界もそろそろ終わりのようです」

 然し、それだけならば西での戦い以外の場所でも多く飛鳥街での激闘は続いている。
 それらとて、勇者2人の凄まじい力に決して勝るとも劣らない、全開のモノばかりだ。
 静止したままの世界が動き出す原因となっても、何らおかしくはないはず。
 ならば何故今になって影響を受け始めたのか───答えがあるとすれば、限りなく正答と云えるのは。

「…町自体が持っている意思力に限界が来ている…?」

 これだけの激戦が連続して、各地で行われていては、町とてその全てを支えるなど土台無理なのは、言わずもがな。
 町の持つキャパシティとて、人間同様に無尽層でないのなら……。

1ヶ月前 No.114

ヴァンピィ☆4H2CCC.TU8ct ★Android=bH29VCQuKA

【デパート→移動/ヴァンピィ】

>シュテル

 その“衝撃”は――世界を旅してきたヴァンピィでも言葉を失うほど大きなものだった。
 どこか遠くで起こり、地面を伝わって此処まで届いたあまりにも大きな震動。
 いいや違う。これは意思だ……止まった時間にすら影響を及ぼしてしまう強い強い誰かの意思。

「みたいだねー……うまく言えないけどなんかすごいや。
 さすがのヴァンピィちゃんも――ちょっとびっくりです」

 シュテルの言葉にヴァンピィはただ感心した風に肯くしか出来ない。
 本当に不思議な町だなー、と。
 素朴な感想を口にしようとしたところで、シュテルが何か呟いたのをヴァンピィは聞いた。
 町自体が持っている意思力に限界が来ている。
 その意味が分からないヴァンピィではないが、問題は“その後”だ。

「そうなると、どうなるの?」

 もしも限界を越えてしまったなら――その時この町はどうなるのか?

1ヶ月前 No.115

謎の生物 @vtyjf ★4gCE4td3c0_zRF

【大通り/B/アメンドーズ】

>>武蔵、不動アキラ

刹那、時が止まった。既に時間が停止している空間で、更に時間が止まるというのもおかしな話だが、その確かに究極の一足る一閃を目にした者は同じような錯覚を覚えただろう。

刹那の永遠は、しかし長くは続かない。まずは投げ放たれた腕、その次に扁桃頭、そして異形の躯、順々に、明確なズレが生まれる。女剣士をちょうど避けるように二分された腕は明後日の方向へ、冒涜的な目玉を浮かべていた扁桃頭は綺麗に真二つに、そして強固に再生したはずの躯でさえ容易く二分されていく。

そこへ襲いかかるは破壊の熱線。今度こそ再生する暇すら与えないとでも言うように、切り分けられた上位者が燃やし尽くされていく。消し炭すら残らない圧倒的な焼却。それこそ、この宇宙神秘的な存在が巻き起こした悪夢のような出来事が本当に夢だったのではないかと思わせるほど、アメンドーズの全身を徹底的に燃やし尽くしていく。

あとに残ったのは、斬り分かたれ二つになった上位者の腕のみ。それも、今まさに白い靄となって溶けるように消えていく。

全ては夢へ。

超越者を夢見、妄執により彼方より上位者を呼び出した者達の夢は、ここに水疱に帰した。永い、刹那の悪夢は、何の痕跡も残さず消えていく。

後には、二人が守った街が残されるのみ。

――時が止まった街。原因の一端であった異界からの来訪者の消滅により、再び街がその時を刻み始めるのも近いかもしれない。

【お相手ありがとうございました>>武蔵様、不動アキラ様、アヴドゥル様】

1ヶ月前 No.116

ありすとアリス @artemish☆8cfl5/j3VDw ★utloP7NDPP_LoN

【西/校舎/ありすとアリス】

 何度目かの時間凍結。しかしながら、ジャバウォックに弾丸の類がそう大きな効果を挙げないことはこれまでの戦いで証明されている。
 故にこの攻撃の真の意図は本命への時間稼ぎ。銃弾自体も幾らかの傷を与えることには成功していたが、それまでだ。
 ジャバウォックの強固な外殻を破って撃ち抜くとなれば、より大きな火力が必要になる。
 そしてそれを持つのは、日向玄乃丈ただ一人。彼が間に合わなければ必然、この"鬼ごっこ"は詰みだ。
 背中には壁。前には燻り狂う怪物。こうなれば、哀れな主役がどうなるかなど火を見るよりも明らかである。
 しかしその点で言えば――神宮寺黒乃は見事に自分の役割を果たしたと言える。

「■■■■■■■■――――――!!」

 時の停滞を破って動き出したジャバウォックは、いざ好機と目の前の逃亡者達を摘み取りにかかったが――その腕が届くよりも速く。玄乃丈の放った、流星の如き一条の光が怪物の胸部へと到達した。
 超音速の戦いにすら対応出来るジャバウォックが、目視すら出来ない程の速さ。怪物の外殻と光条が衝突すれば、溶接を思わす眩い光が走る。
 此処で一つ、この怪物にとっての不運を語ろう。これはそもそも、電子の世界において無敵を誇ったエネミーだ。
 月の戦場でならば、ジャバウォックは真に無敵であった。ヴォーパルの剣を用いない限り、どんなに優れた火力を撃ち込んでもびくともしないご都合主義。
 されど、此処はれっきとした現実の世界。電脳の月海でもなければ、霊子が支配する領域でもない。それがこの怪物の絶対性を著しく低下させていた。
 要は、このジャバウォックにとってはあらゆる攻撃がヴォーパルの剣となり得るのだ。
 それに足る威力さえあるのならば、誰にでも怪物殺しの偉業を成せる。そこに辿り着くまでに大概が死に絶えるという点だけ除けば、だが。

「■■■■■■■■……ッ!」

 その点――玄乃丈達は"合格点"だった。
 ジャバウォックの猛攻を耐え凌ぎ、時間を稼いで必殺を撃ち込む隙を作り出すことが出来た。
 詰まされたのは怪物の方。そのことを証明するように、流星のような極光が怪物の胴に大穴を穿ち、赤錆色の巨体を貫通していった。
 それが最期。撃ち抜かれたジャバウォックは苦悶の声をあげながら、粒子となって虚空に溶けていく。
 そして、一秒の後には肉片一つ残すことなく真昼の校舎から消失していた。破壊の爪痕と白黒の少女達を残して、おとぎ話の怪物は討ち滅ぼされたのだ。

「すごい、すごいわ! 本当にあの子をやっつけてしまうなんて!!」

 黒乃の銃弾はありす達の方にも殺到していたが――結論、それが少女達を貫くことはなかった。
 数十の弾丸がその小さな身体を蜂の巣に変えんとする瀬戸際で、横薙ぎに柔らかな風が吹き付けたのだ。
 それは黒乃の銃弾を吹き飛ばし、反らし、一発も浴びることなく突き付けられた窮地を脱させる。
 白と黒の少女、果たしてそのどちらが今の魔術を行使したのか。それは定かではない。

「もっと遊びたいけれど、残念。もうお別れの時間だわ」
「ワンダーランドは一旦お開き。季節が戻ってくるのよ」

 ただ一つ確かなのは、少女達にこれ以上続けるつもりはないということ。
 その口振りは相も変わらず抽象的なものであったが、どうやらこの停止はそう長くは続かないようだ。
 直に季節が戻ってくる――時が動き出す。そうなれば彼女達の言う遊びの時間は一度終わり。また町は日常を取り戻す。

「じゃあね、お姉ちゃんにおじさん。次はもっと楽しいお茶会に招待してあげる」

 鏡写しの少女達。ジャバウォックほどの使い魔を呼び出しておきながら、まるで消耗した様子を見せないワンダーランドの住人。
 彼女達は手を振りながら、空に溶けるようにして消えていった。ジャバウォックのように消滅した訳ではまさかあるまい。
 遊びが終わったから、家に帰った。そういう風に表現するのが最も相応しいだろう。
 白いありすと黒いアリス。二人の存在は所詮氷山の一角だ。町に現れた異端の者は、決して彼女達のみではない。
 故にこれは始まりに過ぎない。不気味に止まった時間の中、嘘のように消えた少女達とは裏腹に、痛ましく残された校舎の損壊が、そのことを如実に物語っていた。

>黒乃、玄乃丈

【ジャバウォックが倒されたので撤退となります。お相手ありがとうございました】

1ヶ月前 No.117

宮本武蔵 @artemish☆8cfl5/j3VDw ★utloP7NDPP_LoN

【大通り/B/宮本武蔵】

 一閃。そして、炎熱炸裂。
 新免武蔵と不動アキラの総力を浴びた異形・アメンドーズは、真っ二つに割断された上で、徹底的に焼却されていく。
 存在するだけで人を狂わせ、活動するだけで文明を破壊する領域外の生命体。上位者、と呼ばれるモノ。
 彼或いは彼女は、この現世にあってはならないもの。故に討ち倒さねばならなかった。さもなくば、一体どれだけの人間がその手に掛かり、狂わされていたか武蔵には予想が付かない。
 何はともあれめでたしめでたし。アメンドーズは滅び、爪痕こそ残ったままだが、平和な町の風景が帰ってくる。

        .     .  これ
(んん……結構持ってかれるな、宝具。
 この世界だと消耗がいつもより大きいのか――あんまり乱発は出来ないわね。使えば使っただけ転移が早まりそうだし)

 武蔵は世界を渡り歩く特異点だ。異なる世界、事象を行き来できる存在。だがそこに"自由"の二文字は付随しない。
 転移の時は武蔵の意思に関わらず訪れる。気合や根性では対抗の出来ない、強制的な世界移動。
 それはきっとこの世界においても例外ではない。その時が来れば、自分はまた別な世界に漂流することになるだろう。武蔵はそう確信していた。
 その上で、宝具の解放による消耗がいつもより明らかに増加している。世界に留まる為のリソースが一気にごっそり持っていかれる。
 使えば使うだけ、"その時"が来るのは早まる――考えなしに打ちまくっていたらそれこそあと二度、多くても三度で転移が始まってしまうだろう。
 つくづく不便な体質よね、と思わず辟易してしまう、武蔵なのであった。

「っと、君、大丈夫? 割と無茶させちゃってごめんねー、私も結構厳しくてさ」

 そこでふと思い出したように、共闘していた少年に声を掛ける。
 殆ど無我夢中で戦っていたが、思えば結構無茶苦茶なことを言った気がする。
 よく応えてくれたものだ。感心と感謝の念を込めて、武蔵は少年の奮戦を労った。

>アメンドーズ、不動アキラ

【こちらこそ、お相手ありがとうございました】

1ヶ月前 No.118

星の少女 @recruit ★UH4NIh0UMH_51i

【→移動/シュテル・スタークス】

>>115

 そうなれば、どうなるか。

 逡巡。
 もう何度か話したが、こんな状況はシュテルにとっても未知の事態であり、明確な答えを出せるわけではない。
 だから、出来るとすればあくまでも推測でしかないが。

「──先ず、止まっていた時間が動き出すでしょう」

 第一に、自分達のように制止した時間の中で動けている物以外の全ても、動き出す。
 その場合どうなるのか。

「今この町では、大きな力同士の激突が起きている。
 時間の停止は無関係の存在や、その戦いに対する自衛手段を持たない物に影響を及ぼさない為の策だったとするなら──」

 第二に、何故この現象が起きていたのかを振り返る。
 時間が止まったのは町自身が己を守るための自衛手段である。
 となればつまり、その手段が解除されるということは。

「時間が動き出した瞬間から、それらのモノにも影響が出始めます。
 大きな混乱が起きるのは間違いない。……出来れば、そうなってほしくはありませんが……」

 顔を顰める。
 無関係の住人、特にこの町にもともとから住まう人は「こういった力」に疎い。
 巻き込まれれば───。

1ヶ月前 No.119

鋼の武士道 @libragreen ★iPhone=tgA6sy8CRm

【西/学園・校舎前/ヤマトマン】

槍による鋭利な突きをくらい、霧散した唇の怪物──”星屑”の体に、穂先が食い込む確かな手応えを感じた。
油断大敵なのは否めなくとも、こいつは自分でも倒せるものだと証明されたのは、小さくとも大きな事実であり一歩だ。
しかし乃木と土居の二人に先ほどの怪物を差し向けたあの少女、どこかで出会ったような…?
それもつい最近に、と既視感を感じていた矢先──乃木の苦痛に満ちた呻き声でハッと我に帰る。

「……乃木ッ!?」

不覚にも失念してしまった。
どうやらあの怪物は名を体で表す通り、一体限りのものでなくゴマンもいる上にどこからでも現れる厄介な代物だったようだ。
直に衝撃を受けて倒れ込んだ乃木に追い討ちをかけるように、それでいて土居と己の退路を塞ぐように”星屑”が虚空からズルリと顕現し、増えてゆく。

(…試そうとしているのか? 儂だけでなく、あの二人を…何故に?)

少女たちを助けるべく駆けつけようとしていたのを許さず、”星屑”は群れをなしてヤマトマンに襲いかかってきた。
柄で噛みつきをどうにか防ぎ、槍を大きく薙いで数の暴力を切り払い、刺突の連打でその分厚い唇を切り刻んでやる。
ヤマトマンの主観から見れば、不気味な微笑みを浮かべる褐色肌の少女から確かな敵意があれど、いささか奇妙に思える程に悪意がみられない。
奇妙といえば、一介の女子校生でしかないはずの乃木と土居が、この時が停止した世界の中で動けるのも今更ながら不思議でならない。
──その理由と解は、すぐに明かされることとなる。

ー・ー

「お、お主ら……!? よもや戦う力を身につけるとは、意外ッ!」

友を彼女たちの強い「意思」に呼応して、灰色の空間に紫と橙の花吹雪が咲き誇る。
一種の美しさと神々しさのあまり思わず見惚れてしまう程の、覚悟を背負いし桔梗と姫百合の勇者たちが、今ここに芽吹いた。
二人の覚醒を目の当たりにした謎の少女(赤嶺)は、どこか満足気な雰囲気でこれ以上の増援を止め、自らの肉弾戦で一時の決着をつけようとしていた。
謎の少女と何らかの因縁があるかもしれない二人の勇者にとって、ヤマトマンは単なる部外者でしかなく、これ以上の手出しは無粋なのだろうと断ずる。
しかし人間を守るだけでなく助けるのが、教師の務めでもありロボットである己に課せられた役目ではないか。
ならば己が為すべき行い、それは彼女たちが互いに全力をかけられる為の発破をかけるという事になるのだろう。

「…行け、二人とも。 あの小娘に、お主らの『心』を──『意思』を、存分に見せつけてやるがいいッ!」

>>土居球子、乃木若葉/赤嶺友奈、(ありす&アリス、神宮寺黒乃、日向玄乃丈)

1ヶ月前 No.120

神宮寺黒乃 @tukuyomi07☆2nDyzvx51us ★3aNoMW8gGM_zRF

【 西/校舎/神宮寺黒乃 】

 相性最悪と言われれば、否定は出来ない。
 生徒が異常存在に巻き込まれているため、自分達だけにかかずらっている場合ではないというのは事実だが。
 それでも黒乃一人であれば致命的な相性差の前に押し負けていたことだろう。

 だからこそ探偵には礼を述べなければならなかったし。
 目の前の双子には――。

「……、はぁ」

 ――健全な遊びを覚えてこい。スケールを合わせた。
 としか言えなかった。それくらい消耗していたのは事実であるが。
 結果として生きて終えることが出来た。それだけは感謝せねばなるまい。

 三百発の弾丸を四方八方から強襲させる強硬策は、見事に時間を稼ぐことに成功した。
 飛来する一条の流星。極光は怪物の肉体に大穴を穿ち、やがて世界の海に溶けて消える。
 結果として盾がいなくなり、無防備となった彼女達へ向けて殺到する弾丸はしかし、柔らかな風に押し流された。
 起動の様子、あるいは詠唱の様子は見えなかった。
 どちらかの魔術かは定かではないが――何れにせよ、派手な痛み分けのみで終わったというべきか。

 空に解けるように消えた童女――同時に、空にて停止していた木の葉は静かに、ひらりと地面に落ちた。
 時は再び動き出した。

「……一先ず助かったよ――ああ、身分は知っている」
「街にいる胡散臭い探偵の正体がまさか狼とは思うまいが」

 何時の間にか、煙草の火は消えしなびていた。
 シガレットケースに放り込み、新たに一本取り出して火を付ける。

「飛鳥町学園物理教諭、神宮寺黒乃だ」

 、 ワールドクロック
 ――世界時計は名乗ると、残っていた煙草とライターを「飲むか?」と放り投げた。

>日向玄乃丈 (ありすとアリス&ジャバウォック)(ヤマトマン、土居球子、乃木若葉、????)

【こちらこそお相手、ありがとうございました〜】

1ヶ月前 No.121

ヴァンピィ☆4H2CCC.TU8ct ★Android=bH29VCQuKA

【→移動/ヴァンピィ】

>シュテル

 止まっていた時間が動き始める。
 それはヴァンピィにも予想可能な未来だった。
 いつまでもこのまま止まり続けているよりはずっといいのだが――そうなったらそうなったでやはり問題はある。

「あー、そっかー……。やっぱりびっくりしちゃうよね?普通の子たちは」

 忘れてはいけない。
 あくまで自分たちのように不思議な力を持っている、不思議な生まれを持つ人間は少数派なのだ。
 そんな人々が目に見えて分かるような異変に遭遇したのなら、当然そこには小さくない混乱が生まれるはず。
 もしもその混乱が災いして何かに巻き込まれてしまったなら、大変なことになるのは明らかで――。

「そうだねー……大変なことになっちゃうね」

 シュテルと同じくヴァンピィも心からそうならないことを願う。
 町が本来の時間を取り戻したとしても、まだまだ前途は多難そうだ。

1ヶ月前 No.122

青年探偵 @5121☆stkO0KxpThU ★ztEbdaugmt_6V6

【西/校舎/日向 玄乃丈】

アリスをも貫かんと放たれたシャープペンはジャバウォックを貫くに留まった、それは”一撃に秘めし我が誇り”だけでは倒せなかったという証左だった。
異能の跋扈するこの世界では精霊(リューン)の量は多いので負担は前の世界よりは少ないのだが、全力を出したために倦怠感が凄まじい。
狼の姿になって丸くなって寝ていたい気分だ、だがこの状況がそれを許さないし、玄乃丈もそうするつもりはない。
要するにただの強がりである。その強がりがこの状況を打破した。

「……次は、もっとマシな遊びを覚えて来い」

ここにおいては黒乃と玄乃丈の感想は同じだった。あんな相手と何度も戦わされるのは御免被る。
”ねじれた城”のガーディアンに匹敵する程の強敵だった、それを遊び感覚でホイホイ出されてはこちらの身が持たない。
それに玄乃丈の使える絶技はそれほど多くない、その中で全力を出し切ったのだから次の手も考えておかなくてはならない、問題は山積みだ。
消えていくアリス達を最後まで見届けてから玄乃丈は先程投擲したシャープペンを回収する、ペンがまだ青い燐光を纏わせていた。

「胡散臭いとは心外だな、値引きはするがぼったくりはしない、ただオカルト関係も取り扱っているだけだ」

少しだけ心外そうな表情をしながら玄乃丈は言う。そのオカルト関係が胡散臭い原因の一つだと分かっているからあまり強く出られない。
狼であることについては特に言及はしなかった、日向玄乃丈はれっきとした人間である、大神の血筋を継いでいるだけのしがない人間だ。
だが必要に迫られたら空も飛ぶし戦いもする、それだけだ。ここで黒乃は犬ではなく狼と呼んだため玄乃丈の怒りの琴線には触れなかった。
最近はどいつもこいつも犬だの犬探偵だの好き勝手言われているので少しだけ黒乃の印象は良くなった。

「日向探偵事務所所長、日向玄乃丈だ。諸事情あって色々な世界を渡り歩いている内にこの世界に辿り着いた。この世界では何かが起きつつある、それを探るために俺はここにいる」

日向玄乃丈は世界移動存在である、単独で様々な世界を移動して許嫁の敵を探している。話が拗れるから敢えてこれ以上の説明はしないでおく。
だがこの世界の異変は見逃せるものではなかった、下手すれば他所の世界も侵食するかもしれない、そう思い此処に留まった。
放り投げられた煙草とライターを受け取り一瞬だけ吸おうかという誘惑に心が揺れたが玄乃丈は頭を振ってその誘惑を払う。

「気遣いありがとう、だが今は禁煙中でな。気持ちだけ貰っておく」

慢性的な金欠というのもあるが今は禁煙中だ、本当は吸いたかったがここは堪えて煙草とライターを黒乃に返した。

>神宮寺黒乃、(ありすとアリス、ヤマトマン、土居球子、乃木若葉、????)

【お相手ありがとうございました】

1ヶ月前 No.123

不動アキラ @evil☆wlNTvj.bQ62 ★Android=c1E0DIQTEq

【大通り/B/不動アキラ】

怪物が、消えてゆく。
刀の女性の太刀にてその身を断ち切られ、更にそこにアキラの熱線が襲い掛かる。
結果として怪物は滅びを迎えて消滅していく。死体もなく、何もいなかったかのようにも感じられるが破壊された街の景観がそれを否定する。

敵はアレだけのようだ。もっとも、あんなバケモノがゾロゾロ湧いたらそれはそれで困るどころの話ではない。
そんな中で刀の女性が謝罪と共に声をかけてくる。
アキラはアモンの姿から元のアキラの姿に戻りながら応じた。

「気にすんなよ姉ちゃん。
元から頑丈さには自信があるんでな。だがよ、俺のこの力の事は内緒だぜ?」

アキラは現在、この悪魔の力の事は誰にも話していない。今は時が止まって誰も認知は出来ていない。そう、目の前の彼女を除いては。そこでアキラは落ち着いて思考が出来るようになったところで女性をじっくり見る。
やはり、この付近では見かけない顔だ。ただのコスプレイヤー、でもないだろう。それならアキラと先ほどまで肩を並べて戦うことなど出来はしないのだから。

「チョイと気になってたが姉ちゃん、あんたこの近くのモンじゃねえな?
一緒に戦った仲だ、あんたをどうしようなんてのはこれっぽっちも思っちゃいないがそっちが明かせる限りで素性を教えてくれるかい?
俺は不動アキラ、この街の学生だ」

そんなわけでアキラは刀の女性に素性を訊ねてみる。序でに自分の素性もだ。とはいえ自分の素性は悪魔の力に目覚めたこと以外は単なる学生でしかないわけだが。

>武蔵、アメンドーズ

【お相手ありがとうございましたー】

1ヶ月前 No.124

土居球子 @genmwhite ★z1C7w6TMOe_ncl

【 西/移動/土居球子 】

 "出来ない"なんて事はない。為せば大抵なんとか成る。
 球子もまた、若葉と同じく、この世界ではない何処かの可能性の世界において、若葉を筆頭とする勇者たちの一員であった。その時の力を、経験を───今この時、若葉と同じ場で、同じ状況で発現させたのは、もはや因果によって定められた事象だと言わざるを得ないかもしれない。
 "勇者"として立ち上がった球子の心に、もはや恐怖という感情はない。勇者は根性、この程度でヘコたれていてはいけない。他人に優しく、しかし自分に優しく。大切なものを傷つけようとする悪を許さない、正義の味方。
 燃え上がる炎のように咲き誇った姫百合が球子の気を表すように吹きすさぶ。

 「なんてったってタマだからな!
  タマと若葉が組めば無敵だ! 負ける気が、しないッ───!」

 星屑たちを葬り去った球子は、「頼もしい」と笑う若葉の隣に立ち、威風堂々そう宣言した。
 言葉通り、負ける気がしない。燃え上がる闘志が、目の前の少女と対峙させても、恐怖を感じさせない。それほどまでにノッている。蒼と橙、対比となるようにして、魔性の前に立ちふさがった二人の勇者は溢れんばかりの光を放っていた。
 そうだ、若葉と一緒なら、なんだって出来る。若葉は自分の好敵手で、親友で、仲間なのだから。一人じゃダメでも、二人なら。一つ一つは小さな火でも、二つ合わされば炎となる。炎となった二人の勇者は、まさに絶対無敵なのだと。

 「来いッ!」

 獰猛な笑みを浮かべた赤嶺友奈が、地面を蹴って迫る。
 場慣れは相手の方が格段に上だ。だが、それがどうした。負ける気がしないのであれば、怖気付く必要もない。相手が全力の一撃で迫ってくるのであれば、こちらも全力の一撃を持って返すだけだ!
 教師の激励を受けながら、球子は攻撃体勢に移る。
 ロケットの如く突貫してくる相手に合わせるようにして、球子は大きく振りかぶる。バスケットボールのロングパスのように、最速で、最短で、まっすぐに、一直線にッ!
 相手が拳を突き出すように、球子もまた、手を突き出す。
 その手から旋刃盤が射出される。ぎゃりぎゃりという音を立てながら、全力の投擲から生まれる空気との摩擦により、旋刃盤そのものが炎に包まれる。
 名付けるならば、大・旋風炎刃!

 「いっけェェ──────ッッ!!!」

 炎と一体となった旋刃盤が敵に迫る。
 相棒の攻撃を見る必要はない。なにせ、親友なのだ─……勝手に合わせてくれると!

 >若葉,赤嶺,ヤマトマン
 >(神宮寺黒乃、日向玄乃丈、ありす/アリス)

【 大通り/A/猿渡一海 】

 ある程度考察を並べていく中で、結局、この記憶喪失の少女がどういう存在なのか、猿渡は推測を立てることができた。
 が、しかし。それが今の事態に関係しているかどうか、それは関係ないだろう。
 方法が並べられたり、他愛もない会話が続いてく中で、猿渡はふと、向こう側の大通りの方面を向いた。
 "何かが終わった"───と、感じざるを得ない。 風の流れが、いやにそう感じさせた。
 恐怖の時間が終わったのか、それとも。何かしらの変化があったのか───…………猿渡は、ある種の結論を、決めた。

 「学園、駅、……行く当ては決まったみたいだが。
    、、、、、、、、、、、
  ……そろそろ、終わりかもな?」

 直感、というつもりではない。
 だが、この時が静止する事態はもうすぐ終わりを迎える。 これは、事実なのだろう。猿渡がそれを知る由はないが、事態が終息に向かっているのも事実だ。
 ぽりぽりと頭をかきながら、猿渡はため息をついた。

 「……ったく、考えてた時間が無駄になっちまった。
  おい、"コレ"が終わったらモツとレジは行く当てあるのか? 無いならウチに来いよ、腹減ってんだろ」


 >轟雷,モーツァルト,セフィロス

1ヶ月前 No.125

偉人、天才、だが迷惑 @akuta ★Android=8Sr3SxYeQ0

【大通り/A→移動中/モーツァルト】

「……つまり、僕達が持っている物なら大丈夫って事?」
 専門外な話もとい関心がないものにはとことん疎いモーツァルトは、顔をしかめて長考し、ようやく自分なりの回答へ辿り着くと。
 相手の推理にそう唸ると、尊敬できると言われてうへへという擬音がぴったりな表情で嬉しそうに言った。
「僕、女の子に誉められちゃったー」
 皮肉だと全く通じていないモーツァルトは、わーいと上着の裾を水平に浮かすぐらい、ローラーシューズを加速して走ると、学園についてはセフィロスが代弁してくれたので茶摘みについての返答ついでに割愛した台詞を紡ぐ。
「そうだよ。ルーくんと一緒にマーレオポンを買いたくて、喧嘩したりさ迷っていたら大鷹にさらわれて偶然辿り着いたんだ。
 でね、レジの事になるけど、もしかしたら大砲を付けた人とか他にいたり、君の友達いるのかなと思って」
 大鷹のくだりは冗談だが、記憶の手掛かりになるのかも知れないは冗談ではない台詞をモーツァルトは言うと、終わりかもなという猿渡を見て、きょとんと首を傾げる。
「何が?」
 モーツァルトは何が終わったのかよく分からない。
 真相に近寄ったのも、ただムジークという非常識の物が繰り広げられる日常だからこそ検討がついたので「誰かが」という単語を導かれたのだった。
 すると猿渡が行くあてはあるかと聞かれて笑顔で答えた。
「あるにはあるけど、我々の計画の雛型になってくれって白衣君がしつこくてさ、いい加減嫌になってたからサッ君の所へ行きたいな僕は」
 と瞳孔を囲う円形の模様がある、水色の猫目を伏せて辛気くさそうな顔で自分の身の上を明かすと、改めて考えるとしつこく誘う科学者よりも目覚めた時からいつも一緒にいたベートーヴェンのような無愛想な態度を感じさせる猿渡と一緒にいた方がいいと、モーツァルトはそう判断した。
>轟雷 猿渡一海 セフィロス

1ヶ月前 No.126

HELL 2 U! @libragreen ★iPhone=tgA6sy8CRm

【大通り/B・建物屋上/モハメド・アヴドゥル】

アヴドゥルが放った火炎が看護婦に着弾するより前に、司書の女は背中から袈裟斬りをモロにくらって鮮血が噴き出した──かに見えた。
しかしその肉体は生々しい赤から漆黒の鴉の群れへと変化して霧散し、すぐにまた収束するとホウキと銃が一体化した個性的な武器を携える魔女の姿を形作った。
その息を呑むほど幻想的な光景は、さながら仲間の一匹であるボストンテリアが駆使する変幻自在の砂のスタンドを彷彿とさせる。
スタンド能力とは異なる意思にして超常の力を自在に操るかの魔女が、DIOとはまた違った意味で人間をやめているのは明白であった。

「わたしの”魂”は貴様のような、悪しき化け物にくれてやるほどやわじゃあない……消 え 去 れ」

顔が無いと分かっているのに、その看護婦は紅蓮に呑まれてなお獰猛な笑みをアヴドゥルに向けていた。
浅黒い肌が粟立つ感覚を覚えながら、まだ終わりではないという事実をまざまざと思い知らされる。
恐ろしき看護婦が右手を差し向けた途端に消え失せ、あらかじめ張った『赤い荒縄』の『結界』をすり抜けて骨鋸を振り下ろさんと迫り来る。
もし彼女の目論見通りに猛攻から免れるべく後ろへ逃げようとすれば、背後に転移した殺人鬼の奇襲に嵌った”魂”が邪悪なる神に捧げられてしまうことだろう。

「その悍ましき凶刃、焼き尽くしてくれるッ! 『魔術師の赤(マジシャンズレッド)』!!」

しかしアヴドゥルは後退することをあえて選ばずに足を強く踏み込むと、白刃取りを狙って血塗れの凶器の眼前へと進み出した。
両手に火炎を纏いながらアヴドゥルの側に現れた鳥人のスタンド『魔術師の赤』の両腕が、骨鋸の凶刃を融かすべく振るわれようとした瞬間── またもや看護婦は炎の魔術師の眼前から忽然と消え失せる。
そしてアヴドゥルの背中を発熱と共に強く襲った鋭い痛みと出血こそ、看護婦が自分の背後に転移して骨鋸を振るった何よりの証拠だ。
強く前へと出ていたために幸いにも、裂傷はかすり傷程度で済んでいた。

「ぐ………ッ!」

『結界』が無効になった上に手酷い怪我を負ってしまったものの、今までの看護婦の行動から彼女の意思──”異常性”が徐々に明かされ始める。
未だに全貌が明らかになっていないが、今のところ判明している能力は『念動力』と『瞬間移動』の二つ。
発動するためのトリガーは前者がどちらかの手を飛ばしたい方向へと差し向けること、後者が狂気を含んだ喧しい叫び声をあげる必要があるといったところか。

(司書のアリシア……であっているよな? 奴の喉あるいは手を集中して狙ってくれ。 そうすればどちらかの能力を封じる事ができるかもしれない!)

念のため魔女(アリシア)に、スタンドによる思念伝達で看護婦が扱う能力の概要および弱点の推理を、簡潔かつ的確に伝えておく。
空振りして両腕を交差したまま、地(建物屋上の床)を強く踏みしめた片足を軸に回転し、看護婦──DIOの様な邪悪に見出された魔人と対面する。

「クロス・ファイヤ───! ハリケ───ン!」

アヴドゥルの故郷にして死地、エジプトにおける生命の象徴──アンクを型どった十字架状の炎が、先ほどの火炎弾よりも熱く強烈な威力をもって(殺人鬼/看護婦)に狙いを定め撃ち出された!

>>アリシア、THE NURSE(アメンドーズ、宮本武蔵、不動アキラ)


【こちらこそ、お相手ありがとうございました】 >>アメンドーズ本体様

1ヶ月前 No.127

神宮寺黒乃 @tukuyomi07☆2nDyzvx51us ★3aNoMW8gGM_zRF

【 西/校舎/神宮寺黒乃 】

「知ってるか? 今の保護者は過保護でね。少しでも怪しければ何でも通報する時代なんだ。
「だから諦めろよ、私のような立場からすればそう言わざるをえなくてね」

 禁煙だ、そう言って返された煙草とライターをしまう。
 ヘビースモーカーである黒乃にとってはこの時間が一番心を落ち着けられる。
 副流煙が立ち昇る。エチケットは普段は守るが、今この時は誰の指図も受けず飲んでいたかった。

 曰く、世界移動存在。
 時間を操る異能を振るい、時には世界に消えない傷を刻み込むことのできる黒乃であっても首を傾げる存在であった。
 だがしかし――試案するように視線がやや下へと向く。そういえば、この飛鳥町には移住者が増えているという話があった。
 それも近年稀に見るほど、異例の人数であった。そして増えつつあるという"観光客"。

「――調べたいことが出来たが、お前はどうするつもりだ?」

>日向玄乃丈 ALL

1ヶ月前 No.128

乃木若葉/赤嶺友奈 @recruit ★UH4NIh0UMH_51i

【西/校舎前/乃木若葉、赤嶺友奈→撤退】

>>120,125

 見せ付けろ──教員が言うように、それは単純な「力」じゃない。
 事此処に及んでの勝利に必要なのは、「技術」でもない。
 必要なのは「意思」だ、何者にも押されない、潰されない、消されない。
 折れない剣の如き心だ、この激突の勝敗を決める要因が存在しているとすれば、それしかないと、何故かどこかで確信している。

「おおおおおおおおお……っっ!!!!」

 その確信の理由は幾つかある。
 だが、中でももっとも大きいのは隣に並び立つ者がいてくれる事にある。
 炎の旋刃盤は、彼女の内側に燃える魂と意思の証明。
 タイミングを一致させるのに目配せも、合図も必要なかった。

 踏み込み──そして、振るう。
 速度、威力、配分、どれを取っても申し分のない最高の一閃。
 疾風を越え、音すらも上回り、その刀は光となりて友の振るう轟炎の一撃と組み合わさり、赤く黒い拳の輝きを──。

「一閃、■■■───ッ!!!!」

 それは、此処ではないどこかで彼女の傍に在り続けた───の名を冠した───
 鍔迫り合ったのはほんの一瞬だけ、例え一人の意思の力が膨大でも、最高の形で合わさった二人の意思は、それを容易く凌駕し打ち破ってみせる。
 この世界、物語に誕生した原初の勇者二人は、今それを眼前で証明せしめ、そして。





        ────激突が生んだ衝撃は、一帯を揺るがしながら凄まじい勢いとなって拡散した。




 かくて。
 心を合わせた刃は、拳に競り勝ってみせた。
 打ち負けた拳とその主は勢い諸とも其の侭押し返され、抑制も効かないまま吹き飛んでいく。
 止まったのは身体が一度地に付き、爆ぜるように弾け、何度となく無様に大地を転がった頃だった。

 勝った、打ち勝った。
 自分と土居、二人でもぎ取った結果だ。
 どちらかが居なければ打ち負けていたのは此方だったろう。
 だが油断はしない、警戒は解かない、拳と刃との戦いには勝ったが、戦いそのものが終わった訳ではない。

    ・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・
 無論、例えこのまま勝負が続いても、負ける気はしないが。

 鞘に収めなおした刀の柄を握った侭、何時でも振るう準備を万端とし───。






『……あは、』

 若葉の身体に力が入る。
 地面に転げ、這い蹲るように伏せていた赤嶺が、然し未だにその口から零れるのは嗤い。
 ゆっくりと赤嶺が立ち上がる。
 幽鬼のように身体を揺らしながら、再度正面を向いたその顔は、決して無傷ではない。
 切った口元から流れ落ちる血と、埃だらけの装束は、見掛けだけではないのは明白だろう。

 なのにも関わらず、強がりでもなんでもない嗤いで、この状況を満足げに感じているのだ。

『そう、それでいいんだよ。
 これで私の目的は、とりあえず達成されたから……』

「お前…………」

 強がりでもなんでもないから、だからこそ底知れない。

 膠着状態がどれくらい経っただろうか。
 ず、と。赤嶺の背後に再び闇が広がる。
 相変わらずその向こう側に何があるのか、目に映す事は出来ないが。

『今日は此処まで。
 それじゃあ、また会おうね?
 乃木様、土居さん、意思の力の塊──…んー、長いね。普通に「先生」って呼ぼうか』

 ひら、と手を振って、その中へと入って行く。

「待て! 赤嶺友奈…ッ!」

『待たない。それに……どうせ直ぐにまた会えるから』

 制止も聞かないまま、ただ一つ、意味深な言葉を残して、少女は三人の前から姿を消した。



【他のレスへの返信は少々お待ちくださいー】

1ヶ月前 No.129

水妖精 @remarktaka☆r1tEhET71iM ★n218BhbcWr_APy

【お久しぶりですー。今の状況知りたいので状況を簡潔にまとめてくださいな】

1ヶ月前 No.130

青年探偵 @5121☆stkO0KxpThU ★ztEbdaugmt_DBE

【西/校舎/日向 玄乃丈】

「やれやれ、うちは清く正しい探偵事務所なんだがね。気持ちは分からなくもないが」

この世界に来て実際に玄乃丈がやっていることは事務所の立ち上げと探偵業の仕事、具体的にはペット探しや警察からの依頼での聞き込みなどだ。
色々と訳あって浮気調査の依頼はやってない、人間関係が拗れるのもあるが、この世界に来たのは浮気調査に時間を割くためではないからである。
それに並行して異能持ちの情報やそれに準ずる力の持ち主のことを秘密裏に調べて回っていた、この女教師や先程のヤマトマンのような存在まではまだ知らなかったが。
いずれにせよ、この異常事態で動ける人間は皆何かしらの『力、またはその素質がある』と見ていいのだろう。

「奇遇だな、俺もだ。さしずめ俺のような外部から来た人間の異様な流入速度といったところか?」

玄乃丈も顎に手を当てて思案しながら黒乃の考えを言い当てる、コネ作りの一環で出来た警察関係者の知り合いがそのようなことを言っていたのだ。
曰く『ここ最近は地元民じゃない観光客らしき人間が多過ぎる』『移住してきた人間も一気に増えた』との事だ。警察関係者と言っても交番勤務の下っ端だが、信憑性は充分にあると見た。
その移住してきた人間や観光客の大半は訳アリかこの時間が止まった状況で動ける力や素質を持っていると玄乃丈は睨んでいる。

「これからどう動くのかはひとまず置いておいてだ、これをアンタに渡しておこう」

懐に手を入れると名刺入れを取り出して、その一枚を黒乃に差し出す。
それには『日向探偵事務所 所長 日向玄乃丈』の文字とその事務所の連絡先と玄乃丈個人の携帯の連絡先が書いてある。
所長と言ってもその事務所には所員は他に居らず、余程切羽詰まった状況にでもならない限り増やす気もないのだが。

「アンタは人間としても信頼できそうだ、探偵の手が入用になった時はいつでも連絡を入れろ、依頼料はタダでいい。
 代わりに何か気になる情報があった場合は教えて欲しい。こういう状況下では情報が命だ、こちらも知り得る限りの情報を提供しよう」

取引というには玄乃丈にとっては損の割合が大きいものだが、これもコネクション作りの一環と思えばいい。
懐が寒くなるのはもう慣れっこだ、全てはこの世界に起きつつある『何か』を知るためだ。

>神宮寺黒乃、ALL

1ヶ月前 No.131

宮本武蔵 @artemish☆8cfl5/j3VDw ★utloP7NDPP_LoN

【大通り/B/宮本武蔵】

 異形は滅び、これ以上の犠牲は抑止された。
 まだ町の随所で大なり小なり戦いが起こっている気配はあるものの、一先ずこの大通りにおいてはほぼ落着と言って差し支えあるまい。
 ……正直、いきなりこれだけの大勝負をさせられるとは思わなかったが。
 どうやらこの世界は、自分が当初から予想していたものよりも数段上の厄ネタに見舞われているらしい。

「りょーかい。……え、私?
 あー、やっぱり分かっちゃうよねえ。こんな格好だし。
 そうだよ、私はこの辺の人間じゃない……ていうか、この世界の人間じゃない――って感じ?」

 なかなかに現実感というものを置き去った話だと自分でも思うが、事実なのだから仕方がない。
 新免武蔵はこれまで幾十、下手をすればそれ以上の世界を自分の意思とは無関係に渡り歩いてきた。
 今回、この飛鳥という町を訪れたのもその一環。数多の事象の内の一つに"漂着"したようなものだ。

「学生!? うっそ、この世界戦力のアベレージ高くない!?」

 アキラの奮戦と披露した力は、武蔵の目からしてもかなり強いと言えるものであった。
 正直な話、こうして彼の口から聞くまでは対魔性専門のハンターだとか、そういった職の人間だと思っていたくらいだ。
 さっきのアメンドーズもそうだが、なかなかどうして骨太な世界らしい。

「私はね、"世界を移動する"っていう妙ちくりんな体質なの。信じられないかもだけど、今までも何度も何度も色んなところを渡ってきて――で、今回はこの町に辿り着いたってわけ」

>不動アキラ

1ヶ月前 No.132

神宮寺黒乃 @tukuyomi07☆2nDyzvx51us ★3aNoMW8gGM_zRF

【 西/校舎/神宮寺黒乃 】

「当たりだ。――別にな、増える分には構わないんだ」

 プリント類、教科書類、仕事上の書類。
 それらを丁寧に、しかし迅速に並べていきながら元の配置へと戻していく。

 やがて整然とした職員室へと復旧した。
 とりわけ、黒乃の机は過剰なほどに丁寧な配置であった。
 配布用のプリント。パソコン。授業用の資料。その他の資料。小物類。
 どれをとっても、適当な場所に置かれているといったことは決してない。
 当人にとっての利便性を意識しながらも、誰から見ても所謂典型的な綺麗な机といえよう。

 椅子に腰かけ、一息吐いてから黒乃は続けた。

「地域活性化だの、中央に追いつけ追い越せだの、役所で椅子にふんぞり返ってるご老人方は毎年騒ぐ。
 観光客が増えれば、その分経済も回るとはよく言うだろ? いや、回るものさ。普通なら大喜び、普通ならな」

 外から人を呼び、そこでお金を落としてもらってその土地の経済を潤してもらう。
 典型的な地域活性化の手法だ。方法に差異こそあれ、どの国、どの地方、どの自治体もやっていること。

 だが――と名刺を受け取って。

「その結果として国籍不明の連中にうろつかれては、治安に関わるんだ」
「おまけに、ウチの町は四季が地域ごとに分かれてるってこと以外は特に見るものもない。
 定期的に客は訪れても、爆発的に増える要因が此処最近あったかと聞かれるとな」

 取り出したスマートフォンを操作し、手渡された名刺の裏に記載されてあった連絡先を鳴れた手つきで登録する。
 "仕事"柄多くの重役達と連絡先をやり取りすることはあったが、探偵は意外と初めてかもしれない。
 電源を付けた時に見えた夫の顔とライバルの顔で思わず頬が緩みかけるが、こほんと気を取り直す。

「杞憂ならいいんだがな。とにかく、頼みたいことは一つ、いや二つ」
「最近この辺で見掛けてない奴は、一体"何を目的にして"来ているのか。
 それがもし組織的なものであれば、裏を探ってほしい」

 黒乃はボールペンを取り出し、コピーミスの書類の裏に連絡先を走り書きしてから、玄乃丈に手渡した。

「こっちからも言われた通り、いや、言われなくても情報は提供するさ」

>日向玄乃丈 (ALL)

1ヶ月前 No.133

青年探偵 @5121☆stkO0KxpThU ★ztEbdaugmt_DBE

【西/校舎/日向 玄乃丈】

「ところが今は普通じゃない、だからアンタは参ってるし俺もここにいるわけだ。
 軽く調べたがこの世界には神霊庁……いや、これじゃ分からんか、公安や自衛隊に匹敵するような”表立った”超常現象対策の組織がない、老人共の呑気な反応は仕方ないと思うしかない」

玄乃丈の元居た世界には神霊庁という公安組織があった、少なくとも日本にはあった。
二度に渡る”城”の出現のせいで面子は半壊しているようなものだが、表に近い場所にそういう組織があるのと無いのでは反応できる速度が違う。
一度目に城が出現したときは壬生屋の巫女を呼ぶだけでほとんどの事態が後手に回っていたし、二度目には完全に対応が遅れて米国が核の使用を決断していたくらいだ。
表に近しい場所にそういう組織がないのならばこの世界は元々はそういうことに縁が遠い場所だったのだろう。
だがもう違う、もう遅い。既に賽はどこかの誰かが投げてしまった。

「四季が地域によって分けられてるってだけでも作為的なものを感じるがね俺は。まあいい、上の連中はまだ分からないが、警察の下っ端連中はトラブルの対処に追われてると聞いている。
 国籍、人種、果てには種族すら違う連中が集まってるんだ、文化も違えば風習も違う、これでトラブルが起きないわけがない、今までは公安が対処していたが……」

とりあえず交番勤務の警官から教わった情報を一部開示する、今までに起きたトラブルは大半が一般人、警察で対応できる程度のものが多かったが今は違う。
こういった力や素養を盛った連中でしか対応のできない時の止まった世界だ、恐らく次に時が動き出した時には多大な混乱が予想される。
色々な世界に共通しているが日本の公安はまだ優秀な方だ、事態の隠蔽に全力を尽くすことだろう。
それに玄乃丈がまだ見つけられてないだけで表立ってないこういう超常事態に対策を立てる部署や課は必ずあるはずだ。

「請け負おう、というより既に調べ始めてはいるんだ。怪しい個人の特定はある程度進んでいるが、組織についてはまだ調べが進んでいない。
 事務所の立ち上げからまだ半月程度の探偵じゃこれが限度だ、調査がある程度進み次第連絡を入れよう」

この世界に来たのが約三週間前、探偵事務所を立ち上げたのが半月前だ、地元のコネ作りも並行していたら思った以上に早く事態が起きた。
玄乃丈も黒乃に倣ってミスプリントの書類の裏に掛かれた連絡先をやや覚束ない手つきでスマホに入力していく。玄乃丈はアナログな人間だがこういう機器の扱いもいい加減慣れてきた所だ。

「気になる情報があるとすれば、ただの観光客じゃない奴は『気が付いたらこの街にいた』と証言する連中もいるらしい、ここから先はまだ裏が取れてない。
 今日はここまでだな、さっき全力を出したせいで今日はもうまともに戦えそうにない、今までに見かけたこの状況で動ける人間の顔と素性だけでも調べておく、何かあったら連絡をくれ。じゃあな」

今まで強がって隠してはいたが、その顔には疲労が見て取れる、戦闘行為はもう無理だろう。
代わりに今の状況で動ける人間を見かけた範囲で調べる旨を伝えると玄乃丈はその場を立ち去った。
次に会う時までには調査が進んでいればいいのだが……。

>神宮寺黒乃、ALL

【これにて玄乃丈は離脱させていただきます、お相手ありがとうございました】

1ヶ月前 No.134

赤嶺友奈 @recruit ★UH4NIh0UMH_51i

【>>ALL】

 そして。
 勇者と、鋼の教師と──突如として現れた異分子(イレギュラー)。
 彼らのほんの少しの、それこそ、世界には覚えられることもない戦いの後、世界は再び動きだす。
 24時間という一日の中に存在する、更に知られることのない狭間。
 その中で動くことの出来る人、あるいは怪異。
 それらは誰にも知られないまま、一度の安息の時間に就こうとしていた。

 ………じきにやってくる第二幕までの、僅かな一時を。


【大通り/A/轟雷(レジ)】

>>125,126

「はい、そういう事になるのではないでしょうか。
 勿論、確たる証拠がある訳でもないので、現状から判断して──という事になります」

 モツの一言は、レジの回りくどくなってしまった言い方よりもさっぱりと、それでいて判りやすく噛み砕いて自身の言いたかったことをまとめてくれた。
 あくまでも現状から推測出来る事柄でしかない為、それ以上に納得のいく、筋の通った理屈を立てようがないが、あながち間違ってもいない筈だ。

「──どうしてモツさんはあんなに勢いよく走り回っているのでしょう」

 自身の相手を褒める言葉がキッカケで見るからに浮かれているモツの姿を見て、暫しそれを静観してから、レジはぽつりと呟いた。
 単純な話、人間は褒められれば喜ぶ。
 何故か、これも単純にして明解、嬉しいからだ、それ以外にはない。
 中にはそういった厚意の言葉を正面から受け止められず、穿った見方をする者もいるが、少なくともモツという人物はそういった面においては「純粋」であり───

 ───「レジ」という少女は、そうした人の心の弾みを理解出来ていない。

 だから、同じ人間なら簡単に解することの出来る感情の浮き沈みに、首を傾げるような反応しかできないままなのだ。
 これは「異常」である。記憶を失くしただけならばともかく、そうした機微についてまで記憶諸共零れ落ちたというのだろうか。
 猿渡か、モツか、あるいはセフィロスか、その異常に気がつくかどうかは───さておき。

「終る──」

 そう猿渡が告げる。
 今、この状況で「終わり」を迎える現象が存在するとしたら、それは。

「私は……宛てはありません。
 そもそも、記憶がないままでは何処に帰るべきかもわかりません───? いいんですか?」

 猿渡の問いに淡々と答えていたが、思いがけない申し出にレジは問いかけを返す。

【移動/シュテル・スタークス】

>>122

「ともあれ──」

 口元に手を当てながら、逡巡した後に告げる。

「今の私に、これを制御する術があるわけではない。
 見守るほかありませんね」

 懸念はあれど、それを解決する方法は今の自分にはない。
 町全体が持つ意思の力を、個人が如何様にも出来る術を持ててしまえば、その時点で更に危険ではあるが──。
 結果として悪い方向に転がらないことを願うほか、やれることもないのが事実だろう。

「……と。
 すみません、せっかく町の案内をしようという時に、足を止めてしまって。
 では行きましょう。時間が動きだすのなら、町の住民もまた動きだす。
 町の案内をするのであれば、それは悪いことばかりではないでしょうから──」

 何もかも止まったままの世界を紹介するのも、それはただ味気ないだけでもあるから。

1ヶ月前 No.135

ヴァンピィ☆4H2CCC.TU8ct ★Android=bH29VCQuKA

【移動/シュテル・スタークス】

>シュテル

 シュテルの言うことはもっともだ。
 あくまでひとりの住民でしかないシュテルにこれから起こることを制御するなどできるわけもない。
 もちろん――それはヴァンピィも同じだ。
 少し不安ではあるが、よい方向に転がってくれることを信じて見守るしかない。

「そうだねー。いつまでも静かってのも味気ないし。ヴァンピィちゃんも賑やかな方が好きなのです」

 じきに時間は動き出す。
 そうなっても、この町は自分にきっと不思議なものを見せ続けてくれるだろう。
 大いに期待しながら、シュテルと共に町を往く――。

1ヶ月前 No.136

土居球子/猿渡一海 @genmwhite ★z1C7w6TMOe_ncl

【 西/移動/土居球子 】

 ───勝った!

 感覚でわかる。腕を伝わる痺れと確かな実感が、この撃ち合いに勝利したことを直に伝えてくれる。心の躍動感と、全身の血管と細胞を駆け巡る力の漲りが、自分が抱いた希望が勝ったことを、確かに教えてくれたのだ。
 だが、敵はいまだ健在と言わんばかりに笑い声が聞こえてくる。起き上がった彼女の体は確かに傷だらけであり、自分と若葉の攻撃が確かなダメージを与えていることを表していた。それでもなお、立ち上がってきた。
 やる気か、と思いながら構える。そうした膠着状態が形成されてから少しの時間───

 「! 待てよっ……!」

 彼女の背後に広がったのは、星屑を生み出した時と同じ闇だった。その闇の中に何があるのか。深淵を覗くことへの好奇心と、恐怖心。ないまぜになった感情が一瞬湧き上がった。今度は何をしてくるつもりだと、警戒心を強く抱いた。
 だが、違った。
 ひらりひらりと手を振った敵は、その闇の中へと入っていったのだ。あそこからは、星屑が出てきていた。ならば、それが出てきた場所に通じているのだろうか。思考を働かせている間に、敵は闇の中へと消えていった。意味深な言葉を残して。

 「……なんだったんだ……」

 呆然と立ち尽くすように、球子は呟いた。

 >若葉、ヤマトマン

【 大通り/A/猿渡一海 】

 「レジは察しついてるだろ。
  世界の時が止まっちまう、っていう不可思議な現象───」

 何が、と問われればそう答える。
 ……浮かれているモツの様子と、それを疑問に思うレジの姿を見比べる。人間とは、感情豊かな存在だ。その感情が失われる、あるいは希薄であるというのは、過去に何か精神的なショックを受けた影響が推察できる。
 訝しみながら、今はそれを問いつめるつもりもない、と結論づけた。

 「構わねえよ。ま、タダメシってわけにはいかねえから、少しはウチの農業を手伝ってもらうけどな」

 少し先に行ったところに乗ってきたトラックがある、と方向を指差しながら。

 >轟雷,モーツァルト,セフィロス

1ヶ月前 No.137

よせあつめブルース @izuma☆VNvX9naPtFo ★HhCfmmMzXU_LoN

【大通り/B(建物屋上)/アリシア(魔女装束・ガンロッド発現)】【返信がかなり遅れてしまって申し訳ない。】


「!…」


面状の瞬間火力の暴力(散弾)が部位ごと相手を血飛沫と肉片のグズグズになった遺骸に変える事は無く、代わりに飛来した瓦礫と相殺して粉っぽい粉塵へと砕き切る。そうこうしている刹那にも、あの純然たる(魔)であろう(看護婦)は、共闘者の炎の魔術師もとい占い師な彼(アブドゥル)の計算されたタイミングにより放たれて迫った(火炎弾)――常識的に考えれば回避不能な筈のこの攻勢、しかしながら非常識の塊の様な悪夢めいた相手に対してはやはりセオリーがすんなり通る事は無さそうだった。

――再度の射撃に移る前に、爛れた右手を占い師へ掲げた(看護婦)は、次の瞬間にはほぼ一瞬、文字通りの(転移)をやってのけ瞬時に距離を詰めていた。どんなマジックでもトリックも無い、正真正銘の怪異の一端。それに加えて把握する隙すら作らせんといわんばかりに彼(アブドゥル)に対する正面からの一撃及び
、回避行動を見越した様な背後からの強襲、おまけに砕け掛けとはいえ重量やサイズ的にはまだまだ凶器の域である先ほどの銃撃を防いだ瓦礫を飛び道具よろしく魔女の方へとバラけながら殺傷力を維持した無数の弾丸の様に恐ろしい速度で(飛ばして)来た。

一方で急激な接近からの自在な怪異らしい急襲を受ける形になった彼(アブドゥル)の方はと言えば、最初の一撃は、彼の異能(スタンド)たる鳥の頭に筋骨隆々の男体をし赤々とした炎を纏ったモノ(魔術師の赤)が、逆に融かさんと言わんばかりに迫り来る骨鉈に灼熱の両腕を振るわんとしていたが、それに加えてほぼ同時とも言える背後からの(看護婦)の一撃により少なからず手傷を負ってしまった様だ。

「―――――」

同時期の(魔女)はと言えば――砕け致死性の礫と化し迫り来る瓦礫に対し、ぐるりと得物(ガンロッド)をバトンの様に後ろ手で回転させながら、円を曳いて膝立ちに成りながらその銃床を足場に叩き付けつつ無言詠唱。

途端に妖しく青白く光るルーンの筆記体が親の仇の如く書き殴られた大きな(防護壁)が出現し、瓦礫の直撃を防いで見せる。

そうして族に言う(念話)の類での意思疎通を掛けて来た彼(アブドゥル)からの情報と要請に対して


(――あら、貴方にはバレバレなのね。…私の事は好きに呼んで頂戴…ええ、承知したわ。まかせて)


―アブドゥルが(看護婦)に向き直り、一手を掛ける瞬間には、自壊して崩れ落ちる(壁)、そしてその土煙の向こう側から覗くのは、汎用機関銃形態に再び(換装)した(ガンロッド)を構えた(魔女)の姿。

DODODON!DODODON!キンキンキッ(空薬莢の跳ねる音)

コンマ数秒の間に起きるのは、針に糸を通す様な中口径魔弾による点射、三発ずつ撃ち放たれた魔小銃弾頭は、其々指示が出ていた(看護婦)の“手”と“喉”へと吸い込まれる様に向かって行く。つまり(魔女)は着弾確率を上げる為にその両方の箇所へと長モノによる恐ろしい速度での早撃ちを仕掛けた事に成る。


≫THE NURSE、モハメド・アヴドゥル

1ヶ月前 No.138

黒乃/NURSE @tukuyomi07☆2nDyzvx51us ★3aNoMW8gGM_zRF

【 西/校舎/神宮寺黒乃 】

「……なるほど。一先ず、こっちでも持ち帰って検討はしてみる。頼んだぞ」

 玄乃丈の言葉を逐一メモを取っていきつつ、黒乃は去っていく彼を見送った。
 そういえば、あの生徒たちは大丈夫だっただろうか。何ごとも無ければそれでいいのだが。
 だが、あの止まった時間の中で動けるということは、"素質"があるのだろう。

 早急にコトの次第は話さねばならないか。
 だが、久々に銃を手に取ったせいで此方も体にガタが来ている。
 椅子の背もたれにもたれかかり、たばこの火を消して静かに目を閉じた。

>日向玄乃丈 ALL

【お相手、ありがとうございました〜】

【 大通り→撤退/B(建物屋上)→撤退/THE NURSE 】

 顔の無い怪物は確実に彼らを刈り取るべく知恵を尽くす。それは殺人ではない。もはや狩りだ。
 逃げ惑う哀れな生存者が必死に仕掛ける策や、身に着ける常識外れの力を嘲笑い悉く粉砕する獣の。
 そして、その獣たちを見出した邪悪なる者<エンティティ>は特別な力を授けた。
 その力で以て更なる狩りを成し遂げるために。

 異能、スペンサーの最期。
 THE NURSEに与えられた力は、世間一般でいう超能力の行使だ。
 亡霊然とした彼女の黒焦げの腕は、それそのものが人智を超えた力を発揮する。
 念動力<サイコキネシス>、瞬間転移<テレポート>、思考傍受<テレパス>。
 救いを求める者達の前に現れる彼女の持つスキルは、どれを取っても脅威になりうる。

 だが、それだけで。
 それだけで、THE NURSEは悪逆非道の殺戮行為を成し遂げることが出来たのか?

 即席の魔術防御を展開し、致死性の礫を防ぎ切ったアリシア。
 しかしNURSEにとっては特に注視すべき結果でもない。
 彼女にとっては繰り返す転移によって惑わせ、無防備な背に一撃を叩き込んだアヴドゥルの方が気に掛ける存在だったのだから。
 最も、気に掛けたところでそれは死<救済>へのカウントダウンが開始されたにすぎないが。

「aa……」

 アメンドーズは気付けば死んでいた。
 ちらり、と視線をやるも、既に死したものには惹かれない。

 その時だ。明らかに示し合わせたような動きが両者からなされたのは。
 アンクをかたどった十字架の灼熱。触れる者全てに浄化の焔を浴びせかけるアヴドゥルの一撃。
 そして、盾が崩れ去る頃、既に此方に銃口を向けていたアリシア。その引き金が引かれ、弾丸が打ち出される。

 ――あろうことか、浄化の十字へとNURSEは転移した。

「Kiaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!」

 そしてすぐさま、……そう、明らかにアリシアの弾丸が迫るタイミングで遥か遠方へと転移し距離を取った。
 弾丸と十字は互いに衝突し相殺される。それを見ていたNURSEは、明らかに笑っていた。
 どうみてもそれは、アヴドゥルの魔弾に引き付けるようにしていた。

 ただの獣ではないのだ。これは、知性のある獣。
 考え、追い詰め、嘲笑い、あるいは歓喜する。
 どう生存者を甚振り嬲り殺すか。そこにのみ思考のリソースを割いたような存在。

 されど、追撃することはない。
 静かに上を見上げ、ふわり、と浮き上がり闇の向こうへと還っていく。

 ――気づけば、外なる者達が跋扈する逢魔が時は終わっていた。
   止まった世界が再び動き出すと共に、怪異達は虚空の彼方へと解けていった。

>アヴドゥル アリシア

【移行タイミングなのでここで撤退します。お相手、ありがとうございました】

1ヶ月前 No.139

轟雷/乃木若葉 @recruit ★UH4NIh0UMH_51i

【西/校舎前/乃木若葉】

>>137

 かくて、一先ずの勝利を掴み取ったのは勇者達。
 去っていくその様を最後まで睨み付けながら───気配が完全に消失したのを確認すると、ふ、と若葉は刀を降ろし。

「……"球子"」

 共に戦った友人の名前を呼んだ。

「私が立ち上がれたのは、お前のお陰だ。……感謝する。
 先生も、すみません。助かりました……」

 ようやく顔を緩ませれば、隣に立ってくれた事への礼を述べて。
 そこから視線を教員に移せば、同じように感謝の意を告げる。
 どちらかが欠けていれば、それだけで自分がここに居たかどうかわからない。
 少なくとも、こうして今生きているのは、確かに二人の御蔭だろう、と。

「判らない。
 判らない、が──」

 そして。
 呆然と呟く土居に応じるように、若葉もまた独り言ちる。
 目的も、正体も、真意も、全てを覆い隠したまま。
 騒乱の源であったのかもしれない彼女は消え、残るのは自分達だけ。

「グ、……ッ」

 世界の時間が動き出すのと同時に、若葉自身の緊張の糸もぷつりと切れる。
 纏っていた装束が光となって消失し、元着ていた学生服が下から現れて──同時に、ずきり、と身体中に痛みが奔る。
 力が消えたせいで、それまで感じなくなっていた痛みがぶり返したか、或いはこれまでにした事もないような運動に身体が付いていけず悲鳴を上げたか。
 若しくはその両方か。どれにしろ、押し寄せた疲労感とダメージに耐え兼ねて、若葉は地に膝を付く。
 暫し息を整えて、後。

「…、……、………。
 赤嶺友奈は、すぐに会えると言っていた。
 その言葉に……嘘偽りがないのだとしたら、奴は……そう、遠くない内に……またこの町にやって来る。
 何を…企んでいるのか、この…町で何をしようとしているの…か、私達を…どうしたかったのか、その時に……聞け、ばいい」

 途切れ途切れになりながらも話し終えて…そう、結論を出して、静かになった。

(………喋るのも、キツくなってきた、か────)

 そうして、
 限界を迎えた若葉は意識を手放した。

【というわけで若葉ちゃんは適当に運んでいただいて大丈夫ですー】


【大通り/A/轟雷(レジ)】

>>137

「農作業ですか。
 一切の経験がないので、お役に立てるかは判りませんが」

 それでよければ──と、レジはうなづいてみせた。
 お世話になる対価としては、寧ろ妥当な内容だろう。
 ただし、農業経験などない自分が手伝えるようなことがあるのか、というのは微妙だが。

 時間の止まる現象。
 失った記憶と、自分自身。
 思い出せないことの中で、新たに得た己を定義する名前──。

 ……己の正体も、何もわからないまま……それでも確かなこの名前と共に……。

1ヶ月前 No.140

土居球子 @genmwhite ★z1C7w6TMOe_ncl


【 西/移動/土居球子 】

 「ん──へへ、言ったろ? タマに任せタマえってな!」

 急に名前を呼ばれた事に少し驚いた。
 若葉はいつも自分のことを「土居」と苗字で呼ぶ。それでいいと思っているし、そういう仲だと思っているし、若葉はそういうヤツだと思っていたからこそ、思わぬ下の名前呼びに吃驚してしまったのは、事実だ。
 照れ隠しをするように顔を背けるも、「お前のお陰だ」という言葉を聞き、いつものような勇ましい顔でそう告げた。
 球子もまた、教員へと頭を下げて感謝の意を告げる。それこそ、彼が来てなければ自分は立ち上がれなかったかもしれないからだ。

 今こうして、若葉と言葉を交わせているは、彼女と教員のお陰だ。

 独り言ちる若葉の言葉と、彼女の呻き声。
 緊張が切れたように、彼女が纏っていた装束が光となって消え、いつもの若葉の姿に戻る。
 だが、それは今まで変身によって無視していた痛みが再度襲ってきた……ということであり。地に膝をついた若葉に、球子は「大丈夫かよ」と声をかけながら駆け寄る。
 あまり深手を負っていなかった球子は、特に痛みに襲われることもなく装束が解除される。

 「……だな。
  性懲りも無くまた襲ってくるなら、タマと若葉の最強タッグで、またこてんぱんにしてやれば───っとと!!」

 結論を導き出した若葉に応えるように。
 だが、直後、彼女は意識を手放した。倒れる彼女の体を球子は抱き止める。
 ……自分を守るために傷を負ったことを考えると、胸がずきりと痛む。今度は、ちゃんと守ってやらないと。
 若葉を背負い───教師に「先帰ります!」と告げて。彼女の家の方角へと歩き出した。


 >若葉
 >(ヤマトマン)

1ヶ月前 No.141

赤と蒼/予期せぬ邂逅 @recruit ★UH4NIh0UMH_51i

【第一章epilogue】


 赤嶺友奈との戦い。
 そして、町全体で起きた騒乱から一週間が経った後の朝のこと。

 朝一番。
 自身の教室、まだ自分以外に誰も登校していない室内で、一人用意に耽る若葉がいた。
 あの後、意識を失った自分は球子に運んで貰ったらしい。
 何時かきちんとした形で御礼をしなければならないな──。

「……そういえば」

 何時の間にやら、土居の事を名前で呼ぶようになっていたな。
 キッカケとなったのがあの戦いだったのは判るが……。

 ……あの戦い、か。

 振り返ってみれば、まるで夢か幻かという、現実離れした時間だった。
 異形の怪物、それを従える少女、力に目覚め、それに立ち向かう自分。
 まるで何処かに存在する「物語」の序幕のようで。
 アレから静かな日々が続いている。現ではないように感じられるのは、そんな穏やかな日々が数日乱れなく流れているせいだろう。

 ───ただ、アレらが夢ではないのは自身の持つ「携帯端末」に追加された「アプリ」が示しているのだが。

 自分に芽生えたこの力も、一体何であるのかわからない。
 終わってみても解決した事は何一つなく、開けてみれば謎が増えたまま。
 全ての真相を知るであろう赤と黒の少女はどこかへと姿を消してしまった──。
 赤嶺友奈は、一体何の為に私や土居の前に姿を現したのだろうか。
 力に目覚めた私達を見定めるような真似をするだけで、文字通り闇の中に溶けていった。
 不可解な行動と言動は、私と土居を試しているような風にも聞こえように依っては受け取れるが、だとしてもそんなことをする理由も意図も解せない。

 ……結局、知りたくば、問い質したくば、また奴が自分の前に現れるのを待つしかないか。

 それは何時の事になるのか。
 同時に、この町にまた波乱が齎されるのと同じことであるのを考えると、いい気はしない───が、









『おはようございまーす』


        ─────……、……な、に?

『あれ、ちょっと早く来過ぎちゃったかな?
 せっかくきちんと挨拶してみたんだけどなぁ、ざーんねん』

「お、前────」

 そんな馬鹿な。
 夢か幻を見ているのではないだろうか。
 何故って、目の前に現れた彼女は堂々としていて、平然と学園の制服を着て。
 さもそれが当たり前のように教室の前に立ったまま、此方を見ているんだから。

『言ったでしょ?
 ・・・・・・・・・・・・・
 どうせすぐにまた会えるから、って』




 あの日の出会いを再現するように、呆然と立ち尽くす私を前に、そう言って奴はくすりと微笑んだ。



        >>Next 「?????」

1ヶ月前 No.142

片翼 @firstmoon☆Iqtd6N0SMOw ★iPhone=SkBYWclB4P

【返信が遅れて大変申し訳ないです。

ストーリーが進む為、お互い帰るように勧める流れに致しました】


【大通り/A/セフィロス】



「それは随分と冒険をしたのだなーーああ、何か手掛かりを得られるやもしれないな」


何処と無くカオスな何かを感じたが、半ば冗談交じりなようだ。セフィロス自身、幼少から個性が濃ゆい人間に慣れ過ぎているせいもあるが。

マーレオポンーーマーライオン的な何かだろうかと、割と真面目に推察する。

それから、レジと呼ばれた少女の大砲に目を向けた。


「終わりーーつまり、台風のように元凶が通り過ぎたか、あるいは何処かの誰かが元凶を取り除いたか……要するに、一件落着という事だ」


何が、という疑問に対してセフィロスなりの答えを返す。

前者は自然災害のように元凶が過ぎ去った可能性、後者は異変に関わった何者かが元凶を直接解決した可能性を述べた。

その後、あれこれと推測するよりは分かりやすい言葉に纏めた方がいいと思い至って簡潔に結論を述べた。



「そうかーー帰る場所があるのは何よりだ」


この少女ーーレジだけでなく、奇妙な服の男も訳ありのようだと察する。異変と関係あるかもしれないが、情報が足りないので追求しない事にした。何より憶測で疑うのは望ましくない。

それよりも、彼等にも帰る場所がある事に対して安堵する。セフィロスなりに思うところあってだが、それは語るまでもない。



「あれは、褒められたのが嬉しかったのだろう」


レジと呼ばれた少女の疑問に答える。記憶を失ったとの事だが、感情までも失われてしまったのだろうか。あるいは元より感情が備わっていないのではないかと推測する。

尤も、セフィロス自身も歪みを抱えているかもしれないが。


「……では、今宵は御開きとしようか。異変に巻き込まれたのだ。早めに休むと良いだろう。日常に戻る切り替えにもなる」

不器用ながら気遣いつつ、今日は互いに帰路につく事を提案する。

「ーーこれも何かの縁だ。何かあったら、此処に連絡してくれ」

そう言って去り際に名刺を渡す。初対面とはいえ、同じ住人同士だ。何処かで会う事もあるかもしれない。商売

>猿渡一海 >>125 、モーツァルト >>126 、轟雷 >>135

1ヶ月前 No.143

偉人、天才、だが迷惑 @akuta ★Android=8Sr3SxYeQ0

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1ヶ月前 No.144

第二章/日常パート/平穏と不和と刺激と @recruit ★UH4NIh0UMH_51i


 ──八月八日。


    凡そ一週間前のこと、事件があった。
    町の住人が大量に殺害されたという事件である。
    犯人は不明、そも、実行犯が人であるかどうかすらわからない。
    一部を目にした者がいても、彼らは一様に「被害者」は化け物に襲われた、としか語らない。
    それが信用されるかどうか、と言えば──線引きで言えば、非常に微妙なところと言えるだろう。

    結局、事の真実を知っているのは異界同然となった飛鳥町を認識出来た人間その他諸々だけであり、二十四時間「外」に起きた出来事など、寧ろただの人間からすれば知らぬが最良の事柄と言って然るべきだ。
    日常を侵食する非日常など、ただただ空恐ろしいだけなのだから。


        現在時刻、午後13:××分。


    飛鳥町は平穏な午後を迎えていた。
    普段と変わることのない昼下がり。
    けれど、確かに──非日常の影は、着々と近づきつつあった。

27日前 No.145

平凡な日常(?) @recruit ★UH4NIh0UMH_51i

【西/学園/乃木若葉、赤嶺友奈】


     13:××。


 学園の教室内。
 時間は授業と授業の合間であるお昼休み。
 各々、午後の授業前の休憩時間として英気を養うために、昼食を摂ったり、友人と他愛もない話に華を咲かせたり、あるいは個人でやるべきことをやっていたりと、十人十色、様々である。

 と──
 そんな中で教室内。
 2人の少女が自分の机を付き合わせて、向かい合う形で座っていた。
 片方は昼食を摂っている。お弁当の中身は特に変哲のない海苔弁当である。
 傍から見てみると、仲のいい友人同士が昼休みを過ごしているように思える。

 ……ご飯を食べていない片方の少女の眉が、わかりやすく釣り上がっていなければの話だったのだが。

『どうしたの?
 早くお昼済ませないと、休み時間終わっちゃうよ?』

 等と。
 気楽に話しかけるのは、昼食を摂っている褐色肌の女の子。
 対して眉の吊り上った少女。明らかに剣呑な雰囲気剥き出しである。

 こんなもの、仲が良いどころか下手すれば一触即発待ったなしではなかろうか。

「お前がこの学園に居る以上、私は一瞬たりとも気を休めるつもりはない」

 返しとして飛んできたのが、こんな台詞なのだから、その険悪具合は察して欲しい。

『そんなに張り詰めないでもいいのにね』

 おお、怖い怖い、といった風に肩を竦める。
 「青/乃木若葉」と「赤/赤嶺友奈」は先ほどからずっとこの様子だ。
 ずい、と若葉はそんな相手に詰め寄るようにして身を机に乗り出せば、

「……何が目的なんだ。
 校舎の前で私たちに襲い掛かり、
 そのまま消えたかと思えば、一週間経って現れた時には転校生」

 ふざけているのかお前は──という無言の言葉が視線と共に送られる。

『漫画とかでよくあるよね。
 なんだっけ、昨日の敵は今日の友?
 夕日の川原でえいやっ、てぶつかりあって次の日には握手』

 が──そんな刃並に鋭い視線も、さらりとそよ風に当てられたように流れていく。

「私はお前と友になった覚えは微塵もない」

『手厳しいなぁ。
 学級委員さんにとってクラスメイトは大事にしないといけないモノじゃない?』

「お前をクラスメイトと認めた覚えもないと言っているんだ」

『ああ、なるほど』

 そういう──
 判っている癖に今納得しましたとばかりに振舞うその様は、余計に神経を逆撫でさせる。
 が──いちいち乗せられていてもどうしようもない。

「わざわざ私の前に現れた以上、質問に答えてもらうぞ。
 何が目的なんだ。何のために私達を襲った? お前と戦った時に使えるようになった、あの「力」が関係しているのか」

『質問は1つずつにして貰えると嬉しいなぁ、乃木様』

「その呼び方も止めろ──ッ」

 むぐむぐ、と昼食を摂りながら、若葉の一挙一動を愉しんでいるような様子すら見せる。
 相も変わらず、掴み所がないと言うべきか。どころか、校舎前で戦った時よりも酷くなってはいないか。

『そうだねぇ』

 んー、と暫し考えるような素振りを見せて。

『───もう一人来たら、少しだけ話そっか。あ、それまではご飯食べさせてよ』

26日前 No.146

水妖精 @remarktaka☆r1tEhET71iM ★Android=sFhZbtLdQU

【アスナの登場シーン少し時間ください。】

26日前 No.147

土居球子/猿渡一海 @genmwhite ★z1C7w6TMOe_Fi1

【 西/学園/土居球子 】

 結局、あれから若葉を家に帰し、自分も家に帰ってからは、分からないことが分からないままでもどかしいままだった。
 この街でバケモノが大量の人間を虐殺しただとか、そういう重大なニュースも、すっぽりと頭から抜け落ちるほどに。
 おそらく"それ"があった日には、自分は超常的な力を以ってして、友と共に、悪しき敵(ヴィラン)と戦っていたのだが。
 その疲れが出てしまったのか、帰ってからは死んだように眠ってしまったし、その翌日は珍しく寝覚めが悪かった。最悪の気分だった。

 それから一週間の歳月が経った。
 少しでも気分を盛り返そうと、自分を鼓舞させながら日々を過ごした。
 あれは悪夢だったと言うつもりがないが、連日そんなことが起こるなんてのは御免だ。最も、起こったら起こったで行動を起こす。若葉もきっと、同じであろうから。
 でも、いつ自分が日常から切り離されて、悪夢の非日常へと誘われるか分からない。
 だから、悔いが残らないように、この一週間、やりたいことに打ち込んだ。とにかく、打ち込んだのだ。

 一週間後の今日、昼。
 今日は軽い部活のミーティングがあった。昼飯をさっ、と食べ終えて、いつも通り廊下を小走りに進みながらミーティングへと向かう。
 それが終われば、また小走りで教室に戻る。さすがに、人が歩いている廊下で爆走するつもりはない。するのであれば、誰もいないときに限る。
 ではなぜ小走りかと言うと、若葉が少し心配だった。

 それもそのはずだが、若葉と球子にとってはある種、因縁とも言える相手が転入してきた。
 赤嶺友奈──白い怪物である"星屑"を操り、自分と若葉を殺そうとしてきた者。それが、にこやかに笑顔を浮かべながら、同じ制服を着て、同じクラスで、同じ授業を受けて、普通の人間のように暮らしている。他のクラスメイトは、二人と赤嶺友奈の間にある関係性を知らない。知る由もない。
 ……昼休みという、比較的自由な時間で、アイツは絶対若葉に接触する。だから、若葉が不意に怒らないか不安だった。赤嶺友奈は、人を怒らせるのが上手いタイプの人間だ。

 がらっ、と勢いよく教室のドアを開ける。
 見れば、赤嶺友奈は昼食を食べ、そして若葉は何か食ってかかっているようだった。
 「あちゃあ、ちょっと遅かったか」、と呟きながら、球子は二人の方へと歩いて行き───

 「おいっ! 若葉を弄るのもその辺にしておけよな! あんまりやりすぎるとタマが怒るぞっ!」

 ……と、周りからすればちょっとした注意に見える言葉。
 しかして、それは警告。赤嶺友奈を見る球子の目は、義憤に駆られたように怒っていた。

 >若葉,赤嶺

【 北/雪の積もった公園/猿渡一海 】

 飛鳥町は不思議な町だ。
 この国は、その特殊な気候から、春夏秋冬の四つの季節が存在する。それらは、毎年必ず順番のように訪れる。
 だが、この町は少し違う。四季が同じ場所に、同時に存在する。それぞれの季節の特色をしっかりと押さえ、それを独立し、成立させている。
 不思議に思ったことはある。だが、それを根本的に解明するつもりもなかった。
 猿渡一海は北の人間であるから、必然的に飛鳥においても、冬の気候である北方にずっと住んでいた。たまに、栽培した野菜を卸売市場に届ける際に他の方へと出るくらいだ。

 ……あれから一週間。
 猿渡は、雪が降り積もった公園のベンチに座っていた。濡れたベンチを手ぬぐいで拭き、腰掛け、持参した暖かい茶を飲み、五臓六腑を温める。
 レジと名付けられた少女と、奇抜な格好のモーツァルトなる男を引き取ってから一週間。
 二人ともまだぎこちないが、自分の仕事を手伝ってくれている。人出が増えるのはいいことだが、一つ問題が増えた。
 もともと、猿渡が地主として所有する農地には、猿渡以外にも、彼が抱えている使用人やその家族と共に農業を営んでいた。だが、どうも最近は雪の影響が激しく、満足に作物がそだない状況が続いている。そうなれば、金が入らなくなる。金が入らなくなれば、食い物が食えなくなる。
 困窮した生活が続いているのだ。レジとモーツァルトを引き取ったのは自分の判断であるし、使用人達もそれを納得してくれた。
 だが、現実は上手くいくだろうか。
 「オレたちの猿渡ファーム」と名付けられた農地を捨てるわけにもいかないのだから。

 「……、どーすっかね……」

 二杯目のお茶を飲みながら、猿渡は懐を確かめる。
 そこには、確かに。彼が、自分たちの困窮した生活を変えるために手に入れた"力"があった。
 スクラッシュドライバーという、力が。

 >ALL

23日前 No.148

偉人、天才、だが迷惑 @akuta ★Android=8Sr3SxYeQ0

【北/雪の積もった公園/モーツァルト】
 一週間、あの組織には帰ってきていない。
 そもそも、自分はハママツからやってきた流れ者であり、あまり縁が薄くさらに雛型、雛型としつこいのでこちらの方で世話になる事にした。
 農家の人間と世話になるのは二回目とはいえ最初はうまくは行かなかったが、それでも経験があったお陰で様になっている。
 ここでの生活は困窮しているのは知っているし『モーツァルト』も借金作っていた為、この事については他人事とは思えなかった。
 だがそれでもなんとかしようと、気がつけば、農業の方に一生懸命に打ち込めた。

 休憩がてら公園で遊んでいる。
 寒いのでマフラーと耳当てと手袋をして、鼻歌まじりで胸が大きな西洋式雪だるまを楽しそうに作るモーツァルト。
 地面にも、たくさん二つの女性の胸らしき雪の造形物を生産していた。ご丁寧に拾ってきた小石をてっぺんに乗せて。
 端から見れば、女性の胸に目覚めた小学生かとツッコミが飛びそうな風景を作るモーツァルト。
 これを見た女性は幻滅するに違いないだろうが、モーツァルトはその様な事を全く考えていない。
 単にこういうネタが好きだから、作っているだけに過ぎないのだ。
 雪だるまの完成形が近づいてきたので、小石を探そうと歩き回ろうとした途端、猿渡がぼそりと呟いたのを聴いて視線を合わせてピンクのお下げを垂らして不思議そうに問いかける。
「え、何が?」
 生活苦の事か、それとも別の問題か。
 前者の方はモーツァルトは慣れている為にあの時と一緒だと思えるが、後者の方は全く謎であった。
 因みにムジークで生活苦を救おうとはこれっぽっちも思っていなかったというより、音羽館の借金問題どころか家賃の一つや二つ払おうと行動は基本的に起こさないモーツァルトであった。
>轟雷 猿渡一海

22日前 No.149

平凡な日常(?) @recruit ★UH4NIh0UMH_51i

【西/学園/乃木若葉、赤嶺友奈】

>>148

 膠着状態気味の睨み合い──
 かたや涼しげなところからするに、睨み合いが成立しているかといえばそうでもないが。
 何はともあれ、とてもではないが仲良しこよし等というお花畑な状況とは言い難く、剣呑かつ険悪なムードが少しずつだが教室内にも浸透しつつあった、そんな折だった。

『あ、来た来た』

 丁度よかったや、と赤嶺は口元を緩める。

「球子……!」

 丁度いいところに、と若葉は眼を開く。

 図らずともお互い抱いた感情は同じである。
 停滞していた会話状況を打破するためには、第三者による介入こそが一番だ。
 それも特に口数の多い話せる人間の──要するに話を進めてくれそうな/進められる切欠となる人物の登場を待ちわびていたというところが真実だが。

『弄ってないよー。
 ただ乃木様が私の言葉に面白い感じで反応してくれるから、そう見えるだけ』

「私とて弄られているつもりは微塵もないぞ。
 だが、こうも人を食ったような態度で返されては腹も立つだろう……っ」

『そういう反応が面白いんだよ、乃木様』

 今にも一方的に火花を散らしながら、それを涼しくも下敷きで防ぐ。
 例えるならばそんな子供じみた攻防が小賢しく繰り返される中で、赤嶺はやって来た球子に対して、ちょいちょいと手招きをしてみせた。

『まあまあ。
 こっちに来て座ってよ、土居さん。貴女が来たら説明しようと思ってたから』


【北/雪の積もった公園/轟雷(レジ)】

>>148,149

 思えば、雪の積もった景色を見るのは、これが初めてだ。
 思えば、雪に触れるのもこれが初めてだ。
 それは記憶を失っているからだとか、そういうのではなくて──本当の意味で、生まれて初めての事なんだと、自分の中の何かが告げていた。

 飛鳥町は四季を方角によって別けられたような、不思議な特色の町である。
 ──事を知ったのは、一週間前に猿渡さんや、モツさんに会ってからのこと。
 春夏秋冬がこういった形になっている町はどこを探しても此処以外に有り得ない、酷く珍しい物であると聞く。
 何も知らないままでいたならば、私はこれが「普通」なのだろうと受け入れてしまっていただろう。

 一週間。
 そう、ここ一週間、私はモツさんと一緒に猿渡さんの農業の手伝いをしている。
 勿論、全てが自分にとっては初めての事であり、教えて貰うまま、どうにか邪魔にならず手伝いが出来るよう尽力している。
 上手くやれているのならば、いいのですが───。

「? どうしました、猿渡さん。
 何かお困りのことがあれば、お話だけでも」

 鼻歌交じりに雪だるまを製造するモツさんの姿に眼を向けていたレジ。
 いわゆる一般的な雪だるまとは少し……いや、かなり趣きの違うソレだが、一先ず「なんですかソレは?」という疑問が飛ぶ前に彼の現実に対する悩みから齎される声に、耳を傾けた。

19日前 No.150
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