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【ALL】Chrono Crisis【戦闘/シリアス】

 ( なりきり掲示板(フリー) )
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時を巡る旅路 @infernus☆XQ6phrzcKMtR ★F7MrHN45jw_UxJ

進化と共に新たなる技術を生み出し、その活動域を地球全体へと広げていった人類。
彼らは常に自らの生活を豊かにすることを考え、革新的な発明を世へ送り出し続けてきた。
留まることを知らない人類の科学力は、やがて禁断の領域へと足を踏み入れていくこととなる。

西暦6990年、それまでの常識を、それどころか世界の法則さえも歪めてしまうような大発見が人類にもたらされた。
時間遡行……俗に言う"タイムマシン"を駆り、現在と過去や未来を繋ぐ手段。人は、その方法を確立した。
今まで文献を漁ることでしか様子を知ることの出来なかった過去と、思いを馳せることしか出来なかった未来。
それらへの道が開かれたことは、確かに衝撃的ではあったが、同時に新たなる問題も浮上することとなった。

タイムパラドックス。未来からやってきた人間が過去に干渉することによって起こり得る、歴史の改変。
たった一つの筋を辿るように紡がれてきた歴史に矛盾を生じさせてしまえば、世界そのものの崩壊を招きかねない。
不測の事態が発生することを恐れた時の世界政府は、直ぐ様会議を開き、"時間遡行法"を制定。
資格を持たぬ者の時間遡行を禁ずると共に、時間遡行中の行動に厳しい制約を設け、歴史の改変を未然に防ごうとした。
―――しかし、全ての人間が、その決定を黙って受け入れた訳ではない。何せ、これは空前絶後の大発見。
上手く時間遡行を利用すれば、世界を思い通りに操ることも可能……そんな邪な考えを持った人間が現れるのは、当然の流れであったのだろう。

時間遡行法の制定から数年が経過したある日、歴史の保護を目的に設立された組織、「時空防衛連盟」が、大規模な時空振動を観測する。
遙か数千年前より発せられし、時空の歪み。それは紛れもなく、今この瞬間に、"歴史の改変"が実行されていることを示していた。
改変を止めることが出来なければ、タイムパラドックスの連続によって、やがて世界は消滅してしまう。
時空振動の余波によって、世界線の境界そのものが揺らぐ中、時空防衛連盟の面々は、人類の歴史を護るための戦いに挑む。



【クリックありがとうございます。この物語の舞台は時間遡行技術が確立された未来と、能力のある者のみが人権を得ることの出来る古代、人類と魔族が熾烈な戦いを繰り広げる中世という三つの異なる時代です。歴史是正機構は禁忌である歴史の改変を実行しようとしています。彼らの思惑を阻止するべく行動する時空防衛連盟の面々と、何としてでも歴史を書き換えようとする歴史是正機構、更にはそんな両組織の戦いに巻き込まれた各時代の人々の姿を描くのが、このスレッドの主な目的です。

オリキャラでの参加は勿論、版権作品をあまり知らないオリなり民の方も歓迎ですので、オリなり民の方も、どうぞご遠慮なくご参加下さい。
なりフリー民とオリなり民、互いに協力しあうことで、よりよきスレを目指しましょう。

なお、合図があるまで書き込みは禁止ですので、ご注意下さい。まずはじめに、サブ記事の方を確認頂くようにお願いします。】

メモ2018/03/04 20:57 : 風神少女☆XQ6phrzcKMtR @infernus★F7MrHN45jw_cjE

―――現在は、第四章です―――


第四章:「昇華の革命」

中世にて起きた人類と魔族の闘争は、本来の歴史にはない、両者の和平という形によって幕を閉じることとなった。

幸いにも、時空断裂が起きることはなく、時間は止まることなく紡がれている。この"小さな"改変により、未来の人類と魔族の関係が改善されたのは、幸運というべきか。

しかし、帰還した時空防衛連盟の面々を待ち受けていたのは民衆の歓迎などではなく、未来世界にて発生した新たな問題であった。

突如として世界政府から出される非常事態宣言、錯綜する情報。そんな折に飛び込んできた、大統領が暗殺されたという報せ。

世界政府及び時空防衛連盟の情報系統が完全に混乱している隙を突いて、歴史是正機構が遂に革命を起こす。

彼らは人類を昇華へと導くため、今、この時代の"改変"を目論んでいたのだ。古代や中世の改変失敗も、全て計算の内であったのである。

まともな準備も整わない内に、この日のために準備を進めてきた相手との戦闘を強いられる時空防衛連盟。

もしも、敵が歴史是正機構だけであれば、どれだけ幸せだったことだろう。彼らは、自分達を疎ましく思う全ての勢力と、一度に対峙することを迫られたのである。


ルール&プロフィール:http://mb2.jp/_subni2/19695.html-1#a

役職一覧:http://mb2.jp/_subni2/19695.html-2#a

世界観・用語解説:http://mb2.jp/_subni2/19695.html-3#a

各陣営の目的:http://mb2.jp/_subni2/19695.html-4#a

第四章のロケーション:http://mb2.jp/_subni2/19695.html-222#a


・現在イベントのあるロケーション

大統領官邸:大統領暗殺事件

時空防衛連盟本部:時空防衛連盟と歴史是正機構の全面戦争

歴史是正機構本部:時空防衛連盟と歴史是正機構の全面戦争

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時空の守護者 @infernus☆XQ6phrzcKMtR ★F7MrHN45jw_N6D

【時空防衛連盟本部/総統室→作戦会議室/ユーフォリア・インテグラーレ】

大規模な時空振動の観測。西暦7000年の世界は、そんな話題で持ち切りであった。革新的な時間遡行技術が確立されてから、早いことでもう10年が経過しようとしている。
多くの人々の夢でもあったタイムトラベルは、今、歴史改変の危険性を恐れた世界政府が制定した時間遡行法により、資格を持つ者だけの特権となっていた。
しかし、考えてもみれば当然だろう。成り行き構わず過去や未来を行き来し、特定の事象に多大な影響を及ぼすようなことをすれば、時空の流れに乱れが生じかねない。
今回観測された時空振動は、まさしくそんな乱れの予兆ともいえる現象だ。古代にて観測されたそれの原因を確かめるべく、時空防衛連盟は着々と時間遡行の準備を進めていた。
時空の監視と保護の役目を担っている時空防衛連盟に所属する人員には、全員に時間遡行の許可が与えられている。後は総統の指示さえあれば、いつでも作戦を開始出来る状況だ。

「ですから、その件については既に話したはずです。私達は今すぐ紀元前254年へと向かい、時空振動の原因を確かめなければなりません。これ以上、邪魔をしないで頂きたいのですが」

総統、ユーフォリア・インテグラーレが、静かながらも強みの籠もった口調でそう告げる。電話の相手は、世界政府の重鎮ともいえる人物。彼はこの期に及んで、事務的な書類の提出を要求してきた。
何でも、それがなければ、時空防衛連盟の作戦を認可することは出来ないというのだ。だが、時空防衛連盟職員の持つ時間遡行の権利については、法律においても保証されている。
今更、利権を狙った者達が群がってきたところで、彼女が動じるはずもなかった。相手はあれやこれやと理由を付けてどうにか食い下がろうとしているようだが、呆れたユーフォリアは強制的に通話を終了する。
完全に独立した組織であるとはいえ、世界政府によって設立された経緯を持つ時空防衛連盟。それを理由に、干渉を仕掛けてくる者が後を絶たないのが現状だ。
そうした者達は接触の段階でユーフォリアがシャットアウトしているため、現場にまでは影響を及ぼしていないが……彼女自身にとってみれば、多大なる悩みの種であることは間違いない。

「そろそろ時間ね……もう皆は集まっていることでしょう」

ふと、壁の時計を見てみれば、時刻は14:57。あと3分で、自らが招集した会議の開始時刻だ。恐らく、他の者達は、既に全員作戦会議室にやって来ていることだろう。
ユーフォリアは定刻通り会議を開始するべく、総統室の扉を開け、移動を開始する。廊下ですれ違った職員達に労いの言葉を掛けながら、彼女は作戦会議室へと足を踏み入れた。

>ALL
【それでは、これより本編への書き込みを開始致します。
 なお、会議につきましては、副総統、司令官、隊長クラスによる重役会議を想定しております】

3ヶ月前 No.1

第一章:「時空の旅」 @infernus☆XQ6phrzcKMtR ★F7MrHN45jw_N6D

第一章:「時空の旅」
遠い未来の世界。留まることを知らない人類の進歩は、遂に時間遡行技術という叡智を得るまでに達していた。
過去や未来を自由に行き来する、夢の技術。しかしそれは、邪な企みを持つ者達にとっても、格好の道具であった。
古代より発せられし、時空の振動。何者かによる、歴史改変が、今まさしく行われようとしている。
過度の介入による時空崩壊を防ぐためには、何としてでも改変を未然に阻止しなければならない。
厳重な警備体制の元、静かに起動されるタイムマシン。遙かなる時空の旅が、始まりを告げようとしていた。

3ヶ月前 No.2

よく分からない何か @kyouzin ★XC6leNwSoH_UxJ

【時空防衛連盟本部/訓練施設→作戦会議室/ミシャール・ルクセン】

ぶぉんっと大きな物が風を切るような音が鳴り響いた。
そんな音が聞こえてくる場所はたった一つ、ここ、訓練施設のみである。 とは言え、今日は比較的スパルタで知られている幹部達が使っているわけではない。
別に、時間的にもハードとは言えないが、その短時間に、武器こそ模造品だが、実戦形式で訓練をやりたがる人間が来ている。

そんな一番五月蝿いのは、ここの兵士ではなく、ましてや幹部でもない。 しかし幹部連中なら間違いなく顔を見た瞬間誰なのかわかる程度の有名人だ、故に兵士達も真面目に取り組む……と言うか、もし機嫌を損ねたらそれこそ恐ろしいのではないかと言うイメージがある。

……ミシャール・ルクセン。 世界政府元防衛大臣にして、現地球軍中将、付け加えて時空防衛連盟に最も多くの武器と人員を輸出している人物。
兵士にとっては、たまにふらふらとやってきては数十分から数時間程度だけではあるが、誰の訓練よりも怖い模擬戦をする者。 新兵にとっては悪名である。

「いやーっはっはっはっ! まず、一つッ!!」

明らかに戦闘向けではない衣装のまま彼女は模擬戦開始早々に跳躍。 彼女はスカートを履いているため、さらに実年齢とは程遠い極めて若い見た目をしているために、初めて彼女を相対する男性は、実戦ではないという事もあって反射的に目をそらすが、それを即座に見抜いた彼女はその男の眼前に着地して、刃がついてはいないとは言え、本来彼女が握る、両手に装備する巨大な斧を再現しているせいで『非ッ常に重い鈍器に近いモノ』を、少し勢いを落としてから頭に叩き込んで、笑った。

しかし、次の瞬間には、はぁ、と溜め息を付いてから、勢いを落としたとは言え重量が重量なので痛みで頭を抱える兵士を横目に。

「スパッツぐらい履いてんだよ馬鹿たれがァ……次だ。 こんなのじゃあ腕が鈍る、どうせ模擬弾だ、本気で首を取りに来てみなッ!!」

恐ろしく早い機動で置かれた障害物を使って兵士の銃弾を回避してから、ミシャールは一つ、また一つと頭のみを狙って脱落させていく。
全ての攻撃は、流石に自分が使ってる武器が鈍器に近い物を自覚しているのか、トドメの一撃は力を抜いて行っているが、何せ目の前に現れては鈍器を頭に叩き込むので……この辺に皆から恐れられる原因がある。

そして、数分もしない内に、数十人ぐらいで行っていたはずの訓練は終わってしまった。 最後の数人はまだ粘ったが、それ以外は……と言った所だ。
ぱしゅんと音を立てて、彼女の機械部分が廃熱を始め、彼女はさっさとシミュレーターを落として椅子に腰掛けて、また笑う。

「ご苦労、ご苦労! 他の連中もちゃんと訓練はやってるようで何より、新兵と最後らへんの奴らの動きが違うのがその証拠。 一回一回で動きが変わるもんだから、アタシもたまに来る甲斐がある。 あはははっ、悪かったねぇ若造共、後で焼肉でも奢ってやるから勘弁しておくれ」

そんなこんなで、彼女の訓練と言うのは、大体頭か胸辺りに恐ろしく痛い一発を貰うだけで済みはする。 それなりに厳しい訓練を長時間行うよりはマシといった物だ。
が、大体の場合、自信を粉砕されるので、後のフォローをキッチリする方とはいえ、恐れられる人間であることには変わりない。

さぁて、時間の程は、なんて時計を見れば……ああ、やっぱり、結構時間使っちまったなあ、14時半か。 と呟いてから。

「誰か総統にご報告を。 セキュリティビット百三十、ソルジャービット三十、戦車と自走砲、各三両。 戦の前だ、多少奮発して、確かにお届けした、って具合にね。 アタシは老人の特権の昼寝を行使する」

……主力が不在になった本部を守るには多少力不足かもしれんがね。
そうミシャールは歯噛みしながらも、帽子を光避けに使って、軽くうとうとし始める……が叩き起こされる。

「あぁ!? 特別招待だあ? ……ああ、朝にそんなメールが一通あったような……行くか」

さて間に合うかな、と半ば笑いながらミシャールは老体を起こして……サイボーグ故にありえない速度で走り、自分が持ってきていた資料を回収、そして作戦会議室に、時間ギリギリで到着し、何事もなかったかのように平静を装って、着席から数十秒後にユーフォリアを出迎えた。

「ゼェッゼェッ……ああ失礼。 地球軍中将、ミシャール・ルクセン、ここに。 本当は元帥、最低でも大将を呼び出せれば良かったんだが、まあいつも通りアタシさ、つまり何時も通り気を張らずやってくれ」

何せ走ってきたので、疲れて呼吸を乱していたが、すぐに軽く自己紹介を行う……が、その中で、やはり地球軍元帥や大将といった自分よりも上の階級の者は来なかった事を語る。
結局、あれらにとって時空防衛連盟と言うのはその程度の価値なのだ。 さて、自分が引き受けなかったら、少佐レベルでも来たんじゃないだろうか。 などと考えながらも、とにかく顔の知れた自分が地球軍として来たので、気を張らず何時も通りで構わないとだけ言った。

>ALL (ユーフォリア・インテグラーレ)


【本編開始おめでとうございます!! スレ主様から許可が取れましたので、役職は協力者ですが作戦会議に出ます】

3ヶ月前 No.3

リインカーネーション @genomirai ★z8IID1mzG7_aZs

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3ヶ月前 No.4

二番隊隊長 @infernus☆XQ6phrzcKMtR ★F7MrHN45jw_N6D

【時空防衛連盟本部/訓練施設→エントランス/喫煙室/フォッサ・セントライト】

「ほらそこ、足止めてんじゃないよ! ここが戦場だったらあんた、とっくに死んでるよ!」

訓練施設に、女性の怒鳴り声がこだまする。彼女の名前は、フォッサ・セントライト。時空防衛連盟二番隊隊長であり、新兵教育の教官を務めている人物だ。
フォッサの訓練はとにかくハードで厳しいことで有名であり、途中で弱音を吐く者も少なくはない。訓練中であれば、そのような者に対しては彼女も強く当たる。
ただし、それはあくまで"訓練中"であるから。普段のフォッサは気さくで部下思いな上司であり、毎晩のように彼らを労うため、夜の街へ繰り出しているほどだ。

「よし、それじゃあ今日はここまでだ。明日のためにも、焼肉食ってしっかり体力付けようじゃないか! 今日はあたしが奢るよ!」

フォッサが訓練施設全体に響き渡る声でそう宣言すると、途端に歓声が上がる。辛い訓練を乗り越えれば、幸せが待っている。それだけでも、新兵達のやる気には大きな差が生まれる。
部下が喜ぶ様子を見て、自分自身も笑顔を覗かせながら、フォッサはエントランスへと向かう。理由はただ一つ。基本的に全面禁煙の時空防衛連盟において、喫煙が許されているのは、ここにある喫煙室だけだからだ。

「ふぅーっ、やっぱり動いた後の"コレ"は最高だねぇ」

煙草を吹かしながら、フォッサは設置されたソファにどかっと座り、火照った身体を休める。こう見えても彼女は、1日20本は煙草を吸う、ヘビースモーカーなのである。
喫煙室からエントランスの壁に埋め込まれたテレビを覗いてみれば、丁度大統領の演説が流れているところであった。反吐が出る。奴らは綺麗事を並べておきながら、時空防衛連盟にまともな支援を寄越しもしない。
ユーフォリアがどれだけ苦心して組織を維持していると思っているのだろうか。フォッサは少ししかめっ面を浮かべながら、すぐ横に置かれた灰皿に煙草の灰を落とす。

>ALL

3ヶ月前 No.5

ゆーす @sable ★8O0rjcH5GN_8gk

【時空防衛連盟本部/作戦会議室/シフォン・ヴァンディール】

トントン。トントン。作戦会議室に子気良い音が響く。その音の主は決して軽い心持ちなどではなかったが。
彼女の名はシフォン・ヴァンディール。ここ時空防衛連盟にて司令官の一人を務める女性。麾下の兵士達の管理やデスクワーク等、山のような仕事に追われる多忙な日々だが、充実感を感じてもいる。
先程の音は電子端末を指先で叩く際に生じており、こなさなければならないタスクの多さを物語っていた。では何故集中できるであろう自室やデスクルームで取り掛からないのか?
その答えは間も無く始まる作戦会議にあった。役職の中では重役に分類されるシフォンは、連盟の今後について話し合う場に参加しなければならなかったのだ。
時刻は14:57。開始まであと5分を切っている。そろそろ来るだろう、一番の重役が。

「ごきげんよう、ユーフォリア」

戸を開け会議室に足を踏み入れた人物こそ、当組織のリーダーであるユーフォリア・インテグラーレ。シフォンとは幼い頃の知り合いでもある。
総統を務める彼女には、敵との戦い以外にも気苦労が絶えないに違いない。本来味方であるはずの世界政府や地球軍を頼れないことも相まって、連盟の現状はそう芳しくない。
ならば出来る限りのフォローは、と仕事に精を出しているのだが...どこまで役に立てているかはわからない。

「___いよいよ出撃ですのね」

遂に観測された大規模な時空振動、下された時間遡行の許可。そこに会議とくれば何が待っているかは想像がつく。歴史を改変し、捻じ曲げようとする勢力との全面衝突だ。
覚悟は決めていたことだが、いざ目前に迫ったとなると若干の不安や恐怖を感じる。単なる戦争とは比べ物にならない危険を背負うとなれば当然か。

>>ユーフォリア・インテグラーレ、作戦会議室all

3ヶ月前 No.6

電子の詩人 @akuta ★Android=8Sr3SxYeQ0

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3ヶ月前 No.7

人類昇華の道 @infernus☆XQ6phrzcKMtR ★F7MrHN45jw_N6D

【歴史是正機構本部/丞相室/ヘルガ・アポザンスキー】

一人きりの部屋の中、ヘルガは静かにモニターを見つめられた。そこに映し出されているのは、現在歴史是正機構で行われていると思しき研究の実戦データ。
それに目を通した彼女は、溜息を付きながらウィンドウを閉じる。全く、期待した成果が上がっていない。これでは、量産に踏み切ることなど不可能だろう。
あれだけの予算を渡したというのに、研究部は一体何をしているのだろうか。本当に使えない連中だ。次に失敗をしたら、責任者には命を以て償ってもらわなければならない。
歴史是正機構、そしてヘルガの掲げる思想……歴史の改変による戦争の増加、その果てにある人類の昇華……彼女の計画は、今まさに動き出したばかりである。
既に、古代には先鋒として何名かの部下を送り込んである。当時の歴史背景も調査済みだ。あの帝国をより長い間繁栄させることは、必然的に戦争の増加へと繋がる。
それだけではない。徹底した実力主義を貫いたとして名高い国のことだから、彼の国においては、必然的に優秀な人間のみが地位を得ることとなるだろう。
腐り切った世界政府の連中のような人間が人権を手にすることなど、万に一つもないといってよい。そうした差別の中にある選別作業は、確実に人類を次なるステージへと導くはずだ。

「いずれ、時空防衛連盟の連中も動き出すことだろう。だが、何も恐れる心配はない」

世界政府お抱えの時空監視組織、時空防衛連盟。彼らは高度な技術を持って、過去から未来、全ての時代における時空振動を24時間体制で監視し続けている。
今回歴史是正機構の者が古代に干渉したことにより、間違いなく激しい時空振動が発せられている。それに気付かぬほど、彼らも無能ではあるまい。
近い内に、古代で両組織は相見えることとなるだろう。連中がどのような行動に出るかなど、想像がついている。改変を阻止するべく、歴史是正機構が手を貸した側とは反対の陣営に付くはずだ。
そうなれば、衝突は絶対に避けられない。未来の人間までをも巻き込んだ戦争が、確実に勃発する。しかし、その程度では壊れたりしないのが、時空というもの。
多少の歪みを生じさせはするだろうが、長い時間を掛けてそれは、ゆっくりと整合性を保つために元に戻っていくのだろう。勿論、完全に元通りという訳にはいかず、僅かな差異は生じる。
その差異こそが、歴史是正機構が必要としているものだ。時空断裂を引き起こさないレベルで改変を積み重ねていくことで、遠い未来の景色を激変させる……それが、今回の計画の真髄。

「一つの時代の改変を止めたところで、我々の計画に支障はない。貴様らは、最初から後手後手にしか動けん運命だ」

時空防衛連盟は、仮にも時空を保護するという責務を担っているために、予め歴史是正機構側の行動を予測し、防衛線を張っておくという行動を取ることが出来ない。
彼らは、こちらのアクションを確認した後に反応するという方法でしか動けないのだ。それがどれほど大きな差を生むかなど、想像に難くない。
ヘルガは目元を隠したまま、にやりと笑う。世界政府や地球軍の妨害もある中で、連中がどのような対応を見せるのか。然と見届けさせてもらおう。

>ALL
【敵陣営リーダーさんです。ヘルガの許可があったということで扉を開けて絡みに来ても構いません】

3ヶ月前 No.8

リインカーネーション @genomirai ★z8IID1mzG7_aZs

【時空防衛連盟本部/エントランス→作戦会議室/イルグナー・シュタウンハウゼン】

古代への時代遡行、それを目前としてエントランスは大忙しである。記者の波こそ建物内に入ってこないが、それを除いても作戦前の準備やら必要資材やらを地下へ送る職員が右往左往している。
そんな最中、今時滅多に使われない旧式の台車に積み荷をたんまり積みながらある人物が宙から突如現れた。本来そんな人物がいればすぐさま取り押さえられるのだが彼女はそんな目に遭わない、この世界の運輸業を全て賄うハウゼン運輸の代表取締役その人だからだ。

「ハウゼン運輸デース、頼まれていた商品お届けに来たのデス。えー、弾薬、食料品、その他類確かにお届けしましたデスよ!」

エントランスに声を掛けると帰ってきたのはいつもの場所にお願いしますと一言、荷物を受け取って所定の場所にまで運ぶ手間すらない。……のではなく彼女の能力であればそのまま運んでしまった方が早い上に、運輸業として信頼も厚いからだろう。
その言葉を受けて武器庫にちょろっと入り、荷物を置いてまた別の場所へと向かう。今回はハウゼン運輸としてだけではなく、世界政府官僚としての仕事もある。言うなれば会議の要項を聞いて報告しろとのこと、詰まる所手綱が握れないなら握れるようにしたいと言ったところだろう。
正直イルグナーとしては気が進まない、時空防衛連盟に協力したいが世界政府は連盟とそれなりに友好的な彼女を尖兵として使いたいのだ。勿論その全てを報告する気もなければ、全て虚偽の報告をするわけでもない。
言うなれば双方に悪い顔をされないように、適度なバランスで関わり合うのだ。尤も世界政府の方は幾つかの声は握りつぶせる手段はあるが、ハウゼン運輸の信用に傷をつけかねないので最後の手段でしかない。それまでは互いを取り持つしかない。
個人の好意で特別招待してくれた総統にはとても申し訳ないが、これも年老いた弊害だと飲み込んで欲しい。何れ彼女ならばこういったもの全て払拭できる若さがあると、イルグナーは信じている。

「ボ……私、いやボクは世界政府から指示を受けて来た管理省大臣、イルグナー・シュタウンハウゼン。遅れて申し訳ないデス、頼まれていた商品は通常通りに配送しておいたデス。」

空間の扉から会議室を一瞥、顔触れが揃っていることを確認すると軽い礼の後に用意された席へと向かう。時空防衛連盟以外の顔としては地球軍中将のミシャール・ルクセンが目立つ。商いにおいての大先輩であり、尊敬する人物でもある。こうして同じ場に向かえるとは昔は思いもしなかった。
世界政府からの使者はイルグナーしかまだ見えていない、恐らくはイルグナー一人になるだろう。総統と友好的な世界政府官僚など片手でも十分すぎるほど少ない、むしろイルグナーの存在こそが異常であろう。本来この場に世界政府の場はないのだから。

「世界政府の肩書こそあるのデスが、まあいつも通りのハウゼン運輸のおばさんとでも思って欲しいデス。上と違って口は閉じておくのデスよ。」

どちらかと言えば来賓の立場である故に、特に気張らず、会議に口を挟むこともせずにこの会議を見送ろうと思う。口を出すのは散々世界政府がやっている、何もイルグナーまでやる必要はないだろう。

>>ユーフォリア・インテグラーレ ミシャール・ルクセン シフォン・ヴァンディール ALL


【スレ主様に許可をいただけましたので、協力者ですが会議に参加させて頂きます】

3ヶ月前 No.9

黒翼 @kyouzin ★XC6leNwSoH_UxJ

【歴史是正機構本部/司令部/Cluster】

「ふははははははっ! 始まる、始まるぞ! 僕らは偉大なヘルガ様によって行われる神の如き"正義"の尖兵となり、目撃者となる!!」

司令部で、この場に相応しくない興奮を表に出している者が一人だけ居る、それは間違っても、命が惜しくないからこんな事を言っている精兵ではない。
むしろ、立場としてはその対極に近い存在だ。
その者の造形は、真っ黒な細身の、機械で出来た人型であり、ぎょろりとしたカメレオンの目を思わせるカメラアイが特徴的な"人外"だ。

しかし、これは言葉を発している事からも分かる通り兵器の類ではない。 自らをこの戦闘に適したボディへと改造して、本人曰く、新たなる進化過程にたどり着いたと語る"マキナヒューマン"にして、ヘルガや各将官に次ぐ権力者であり実力者である、副将の一角だ。
だから、彼は司令部で騒いでいる、他の将官が居ないのは確かであるが、仮に居たとしても騒いだだろう。 しかし、それが狂信的なヘルガへの忠誠心から来る者なので、誰も咎めようとする者はいない、本人にしろ、彼の信仰対象にしろ、下手につつくとロクな事にならないのだから。

そして、そのぎょろりとしたカメラアイを後方に向けて、Clusterは部下に向けて言った。

「SKYの調整はどうなっている!? ここで最高の光景を見せてやろうと思ったが、もし調整中であるならば仕方の無い事! だがあれとて、僕が作った技術を使う最良とは行かないが、可、程度の義理の娘のような物。 必要な時に必要な時だけ働いてくれるだろう!!」

Clusterは部下からの返答を聞かなかった。 正直な話、どちらでも良かったからだ。
考えていることは口に出ている通りなのである。 自分が作った物ではないとは言え、自分の技術で作られ、自分が調整したあの娘なのだから、必要な分だけは働くだろうと。

しかしィ……成すべき事が山ほどあるヘルガ様は仕方がないとは言え、他の幹部連中は何をしている? まさかこの大事な時に遊んでいるとでも言うのか?

「困った小娘達だね、全く。 やはり僕が将官をしっかりと受け取った方が良かったか、だが、だがだがだが。 僕如きが、ヘルガ様に次ぐ地位など、おこがましい……まあいい。 全てはそうあるべき姿へと自然に変わってゆくだろう、ここは世界政府でも、地球軍でもない、僕を評価してくれた、あの方が居る場所なのだから」

そんな風にデカい独り言を言って、Clusterはようやく立ち上がるのをやめて、その辺の椅子に腰掛けて、経過を見守り始めた。
人間だった頃の癖なのか、時折爪を噛むような仕草をしながら。

>ALL

3ヶ月前 No.10

観測者 @x5mas☆sECYEVcUXiI ★iPhone=3pgtRv8HgY

スラムを抜けて少々行くと、一つ小さな小屋がある。苔生した岩を除け、岩盤に似せた鉄板を除ければ……ほら、白い扉が姿を現わした。

20世紀でもあるまいに、扉は手動、電灯もスイッチ式。それを意に解する様子も無く、白衣の男は棚からヒョイと資料の束を手に取る。まだ電灯の点き切らぬ内に、博士――リチャードは通路の奥へと足を運んでいく。

ポツポツと遅れて点いた電灯の奥には、青い初期画面のモニターがあった。博士はポケットから徐にタブレットを取り出すと、モニターの前にヒラと翳す。暫しの後、波状グラフが画面に描写された。資料と画面とを交互に見遣る博士の表情は訝しげに歪む。

「やはり、か……。時空震動の波長が変化している……。仔細を此処から探るにはこれが限界か。機構には伝えた方がいいだろうか?」

幾つかコードを打ち込んだ後、画面は再びブルースクリーンへと戻される。博士は溜息を一つ吐くと、資料の束を机に置きながら再び歩き出した。

この施設――アンティキテラはリチャードの有する研究所。タイムマシンの技術を流用することで、独自の時空観測を可能としたものだ。私は時空の改変者――即ち、歴史是正機構正規へと観測結果を報告する『時空の目』の役割を担う。
当然世界政府の認可外の代物だ。故に技術は秘匿する必要がある。監視の眼を潜り抜けるため、使える電子機器は最低限度。慣れてしまえばどうということでもないが。


観測し、計測し、結果を報告する。その繰り返し。時空を手繰り、 歴史を解き、新たな布を織り成す神の御業。
時空とは繊細な織物だ。ほんの少しの解れが、他の仕合せをも狂わせ得る。だからこそ人はその偉業を厭い、神の名を授けたのだ。

私が今から向かうのは、『それを恐れなかった者達』が集う場所。

《テレポーター起動完了。目標確定まで 残り5秒 STANDBY・・・》

廊下を蒼光が満たす。意識を溶かし、虚無に委ねた。

【歴史是正機構本部/資料室/リチャード・R・バルジャベル】

掌に空気を感じ、意識が舞い戻った。いつも通りにいったようだ。テレポーターの補修作業に慌てる必要も無さそうだ。

通り過ぎていく研究員と適当な挨拶を交わしつつ、時空観測の概要を伝える。時空震動の頻度と、それに伴う断裂確率の上昇。致命傷とはなるまいが、注意を欠けばいつ何が起きるかも分からない、といったところか。

礼を言い、棚の奥へ。改変履歴を中心として、適当なデータを漁ってみた。雑多な物だが、中々侮れない情報量。戦地が歴史と寄り添うとなれば、これが勝敗の決定打とならないとは言い難い……少々考え過ぎだろうか。

選別した電子データを空間に拡げ、思考を巡らせる。伝え聞くところ、現在は古き時代の帝国――要するに『古代』が介入対象に据えられているようだ。時空震動も断裂確率の上昇もそれが原因だろう。

或いは、自ずから赴く必要もあるだろうか――背凭れに身を任せつつ、一つ溜息を吐き出した。

>>資料室

3ヶ月前 No.11

中二病でもハッキングがしたい! @infernus☆XQ6phrzcKMtR ★F7MrHN45jw_N6D

【始まって早速小ロケ捏造、恥ずかしくないの?】

【歴史是正機構本部/個室/シエンタ・カムリ】

何やら古代での作戦が開始されたとかで慌ただしくなっている歴史是正機構の本部。そんな忙しさ真っ只中の本部で、個室に閉じ籠もり、PCの画面やスマホとにらめっこを続けている少女がいた。
彼女の名前はシエンタ・カムリ。典型的なネットオタクのように見えるかも知れないが、こう見えても彼女、一度は歴史是正機構を恐怖のどん底に陥れた天才ハッカーなのだ。
自らの力を売り込むため、歴史是正機構へとハッキングを仕掛けた彼女は、ものの数分の内に防御を突破し、制御権を掌握。それを返して欲しければ、自分を受け入れるようにと要求したのである。
かくして彼女は、日夜を問わずネットに熱中出来る上、組織の金で無限に課金アイテムを手に入れられるという、(一部にとって)夢のような生活を手に入れた。
その見返りとして、シエンタは絶対に突破されることのない盤石の防御ネットワークを組織へと提供している。今や歴史是正機構のネットワークは、この13歳の少女の手中にあるといっても過言ではないのだ。

「全く、このガチャはおバカだね。こんなに石を使ってやったのに、☆5の一つすら出さないなんて。ボクを侮辱しているのかい?」

呆れたような表情で、そう呟くシエンタ。どうやら彼女は、とあるソーシャルゲームのガチャで爆死してしまったようだ。それに対し出てきたのは、何とも子供らしい負け惜しみ。
レアリティの高いユニットを狙っていたのだが、運悪く手に入れることが出来なかった。とはいえ、☆4がいくつかいるだけでも、まだ救われている方だろう。
この調子では、ダンジョンに潜ったところでまともな結果を出せるとは思えない。丁度疲労度も溜まっていたことなので、今日は別のゲームへと移行することにしよう。

「誰だい、ボクを抜かしたおバカは。今すぐ抜き返してあげようじゃないか」

シエンタが次に起動したのは、王道のRPGゲームであった。彼女が使っているキャラクターのレベルは100。GOD_SIENTAというIDで知られる彼女は、同ゲームのユーザー間ではいわゆる上位ランカーとして有名だ。
当然のようにフレンド依頼や共闘依頼も相当な数舞い込んでくるが、彼女が対応するのは一緒にプレイしていて楽しいと思えるユーザーのみであり、一般ユーザーにとっては手の届かない神のような存在。
アンチも当然の如く大量に湧いているようだが、シエンタにとっては負け犬の遠吠えなので、全く気にしてなどいなかった。彼女はカーソルをフレンドの欄へと持っていき、ログイン中のフレンドをチェックする。

「チョピンがいるとはいいタイミングだ。早速、グレードAのボクのために、周回を手伝ってもらうとしよう」

彼女はフレンドであるChopinがログインしていることを確認し、直ぐ様共闘依頼のメッセージを送る。ショパンをチョピンと言っているが、彼女はそれが正しい読みだと勘違いしているようだ。
何はともあれ、このChopinはシエンタも認める腕前の持ち主。まだレベルこそ低いが、恐らくこのゲームを初めて日が浅いのだろう。レベルの割には、とても洗練された動きをするユーザーである。
相手からの返答が来るまでも待ち時間を、シエンタはSNSを見ながら潰す。あらゆるゲームの上位ランカーということで、フォロワーも相当数だ。その割にフォローは少なく、彼女が"アルファ"を気取りたいのは見え見えであった。

>(ショパン)、ALL
【何だこの絡み方……】

3ヶ月前 No.12

リインカーネーション @genomirai ★z8IID1mzG7_aZs

【歴史是正機構本部/食堂→移動中/フォルトゥナ・インテグラーレ】


食堂には一人の女性が食事をとっていた、その食べる姿は一種の芸術のようであり女性の容姿も相まって双方共に魅力的に思えるだろう。
彼女の目の前に広がるのは野菜、肉、穀物をバランス良く調理された三皿。色彩良く盛り付けられたそれらは見ているだけで食欲をそそられるものだ。
女性がナイフとフォークを用いて切り分けるのはサンドイッチ、本来は手掴みで食べることも多いが程よいスパイスの効いたソースが掛かったそれは手を汚してしまうだろう。
ナイフを入れるとパンのカリッと焼かれた皮を裂くと、内にはしっとりと食感の良さそうな生地が顔を覗かせる。さらにナイフを押し進めるとザクっと音が鳴るほど繊維のしっかりとした新鮮なレタスが現れる。
もっと深くナイフを突き進ませれば、程よい加減で炙られたハムが肉汁を伴ってその断面を女性に見せる。食べやすい大きさに切り分けられたそれを女性は口へと運ぶ。
まず最初に広がるのは香味と辛味の重なり合ったソースの味わい、続くは香ばしいパンの香りと肉の旨味がたっぷり染み出た生地。最後に小気味良い音を立てるさっぱりとしたレタス。確かにおいしい、各々の素材が喧嘩せず纏まった味となっている。これが多く用意されていれば手に取って食べ続けてしまうだろうと思える程であった。

――――――

続くスープ、小さなケーキを食した女性は満足そうにすると食堂を後にする、しっかりとした食事は訓練効率を上げる。大きな訓練施設こそないが鍛錬するのに不自由はない。
今回古代への時間遡行には彼女は同行しない、彼女には明確な目的がありその目的を利用されこの歴史是正機構にいる。目的を実行するのは決して今ではないと、来るべき時を待つのだ。
その為に彼女は鍛錬を怠らない、睡眠も最低限しかとらず、先程の食事も今日一回目の食事でありこれ以降は摂取しない。その全てを目的のための鍛錬に捧げている、知識も、武芸も、魔法も、どれ一つ欠けることなく必要なものであるうちは極め続ける。

彼女の目的、それはユーフォリア・インテグラーレを止める事。汚職に手を染めた父と変わらない道を進む彼女を止め、二度と戻らない家族の団欒を取り戻す。

そう、彼女はフォルトゥナ・インテグラーレ。歴史是正機構将官であり、時空防衛連盟総統ユーフォリア・インテグラーレの実の妹。
彼女は姉を止めるために全てを捧げるだろう、姉を憎み、同時に最後の肉親として愛しているからこそ止めるのだ。

>>(無し)

3ヶ月前 No.13

RED @prismriver☆kFuUk0otHg5u ★TZkXkdft22_gIp

【時空防衛連盟本部/休憩室/RED】

休憩室の隅っこに、縮こまって動かない少女がいる。真っ赤な風貌をしたその少女は、REDというコードネームで呼ばれていた。彼女は世界政府が時空防衛連盟の戦力として送り込んできた人材で、ある研究によって能力を獲得した、人造能力者だ。元より社交的な性格ではなかったのか、REDは今のように部屋の隅っこで縮こまって動かないことがほとんどである。

だが、話せないというわけではないので、話しかけられれば反応はする。もっとも、こんな少女に話しかけようとする者など、よほどの物好きかおせっかいかのどちらかだが。

「……」

今は話しかけられていないので口は開かない。遠くで、ひそひそと噂話をする声が聞こえてくるが、REDは気にしてないようだ。周りへの興味も、あまり持ち合わせていないらしい。しかし、そんな少女も、一度敵を視界に入れた途端、敵を殲滅するための戦闘兵器となり果てる。普段は抑えられているが、彼女の脳には人工のプログラムが埋め込まれていて、敵を認識すると起動する仕組みになっているのだ。

>>ALL

【スレ開始おめでとうございます。静かな子ですが、よろしくお願いします】

3ヶ月前 No.14

イスマリア @tukuyomi07☆2nDyzvx51us ★3aNoMW8gGM_xmq

【 歴史是正機構本部/丞相室/イスマリア・ザルヴァトール 】

「――失礼、丞相。次の作戦の確認に参りました」

 ノックの後に丞相の部屋に入った女は、――純白の軍服に日本刀という時代錯誤もいいところといった格好であった。
 人を引き付けて離さない容姿端麗なそれは、しかし放たれるどうしようもなく昏い気配が相殺し人を遠ざける。

 鋼を槌で殴りつけたような凛とした声。
 冷え切った鋼鉄のような声は一切の妥協も許さない意志の表れ。
 物腰柔らかに見せたそれはあくまで形だけのものであり、内で燻るどうしようもない革命の炎は隠すこともできない。
 異質な女。化け物。革命家気取り。ヒトは彼女を称した時様々にそう呼ぶ。そして、彼女はその全てを自覚していた。

 研究職が成果をあげないことへの苛立ち、反面、時空管理局が後手後手に回らざるを得ないこの状況。
 正負入り混じり、しかし己が勝つ事を信じて疑わないヘルガの机に何の躊躇いもなく歩み寄れば手にした書類を置く。
 びっしりと蟻の行軍のような文字が書かれた紙面。しかし一部の無駄もなく文字達は整列しており、寧ろ読みやすささえ覚える。

 ・・
「加害範囲はどの規模が目安か。
 改変レベルは最大値にまで持っていくべきか。
 兵力は。武器保有数は。

 ……作戦計画をこちらに纏めました。記入と確認、自由裁量で構わなければそれに印をください」

 曰く、魔人。
 曰く、革命家。
 曰く、――常に前を向き進軍を続ける津波の如く。
 自身の上司にも憶するところを見せることはなく、いっそ不敬とも取られかねない態度を取り何のためらいもなく殺戮を実行する。
 ゼロミッション
  破綻者、彼女――歴史是正機構の尖兵イスマリア・ザルヴァトールとはそういう女だった。

「ああ、――研究職、次に成果があがらなければいかがいたしましょう。
 次の作戦明けは時間も出来るでしょう。丞相の手を煩わせることもございません。私が処罰しますが」

 彼女にとっての人の命は積み上げる礎でしかない。
 至極真面目な顔で、明日の昼ご飯を決めて材料を決める時と同じ要領で――殺していいか、そう聞いた。

>ヘルガ・アポザンスキー ALL

3ヶ月前 No.15

リインカーネーション @genomirai ★z8IID1mzG7_aZs

【歴史是正機構本部/時間遡行装置→司令部/黄衣なる者】


人が偉大なる種族に追いつく、これは素晴らしい事だろうねえ。何せ鋭角の追跡者の目を逃れ時間旅行とは、偉大なる種族を除けばあの副王位なものだろう。大いなる存在と言えども出来ない事を、この世界の人間はやってのけた、これは素晴らしい事だろうねえ。
目の前に存在する機械を仮に壊したとしても、人間はこの領域まで進化しているという事。新しい機械を作り出し、何れ時を制して見せるだろうねえ。なんとも興味深く、何とも怖いもの知らずな所業だろうねえ。
人の領分を超えてしまえばそれは人ではない、しかし領分が固定されているとは限らないねえ。でも過去の人間から見れば、時を制した人間は人間足りえるだろうかねえ。まあ、これは今は関係ないねえ。

「時を渡り、人の進化の為に闘争の歴史を創造する。手を貸すには十分な理由だねえ、人の進化を見られるならば楽しみでしかないねえ。まあ、でも……いやいいか。時が来れば何れ見えるだろうねえ、今はまだ見えなくていい。さてさて、協力者としての責務は果たすかねえ。」

本当は観測者の方が性に合っているんだけどねえ、まああの獣でありながら人間でいようとした彼女のように興味深い存在がいるかもしれないねえ。もし居れば、少しばかりちょっかいをかけてしまうかもしれないねえ。

―――――――――

おやおや、人間を捨てた人間は興味深いけど面白くはないんだよねえ。しかも人間に対して狂信的ときた、ちょいとばかり残念だねえ。もう少し早ければ、って過ぎたことは仕方がないねえ。
豪く興奮した様子から椅子に座る彼は見ているだけならそれなりに面白いかもしれないねえ、おっと司令部とやらに来たはいいけど姿を隠していては意味がないねえ。顔見せ、とやらが必要らしい。ならそれなりの立場の彼が相応しいだろう。
彼の座る椅子の後ろ辺りに姿を現す、まあ彼ほどの狂信者ならこの程度で驚くこともないだろうねえ。本当は少しばかり脅かしてみたいけれども、この場で無用な騒動は控えるべきだろうねえ。人間なら、そうするだろう?

「やあやあ、協力者として挨拶しに来たんだけどねえ。邪魔だったようだねえ、確かClusterだったかねえ。うん、確かそんな名前だった気がするねえ。」

この声は人間にとっては中性的で年齢が把握しづらい声らしいねえ、まあ人間の言葉を喋ろうとするとこうなるんだけどねえ。うんうん、彼は興味深いと記憶しておこうか。

「そうだねえ、黄衣なる者とでも呼んでくれると嬉しいねえ。うんうん、君達というよりも君達のトップの思想が気に入ったから手を貸すよ。まあ、よろしくねえ。」

ひらひらと触手を見せずにローブの袖を振る、こうすると人間曰く可愛いらしいけど、まあこの見た目だと無理だろうねえ。そもそも彼にはそういった感傷は持ち得ていなさそうだ。
ま、観測者根性っていうのかな?それが染みついているからあんまり役には立たないかもしれないけれども、まあ義理だけでも果たすと思うよお?

>>Cluster


【絡ませて頂きます!】

3ヶ月前 No.16

芋娘 @infernus☆XQ6phrzcKMtR ★F7MrHN45jw_N6D

【ロンカ村/民家(パメラの家)→牧場→宿屋/パメラ・エンドネル】

雪に閉ざされた極寒の地。夏であっても気温が滅多に0度を超えない地域であっても、人は着実に根付いていた。ロンカ村。大陸の北に位置する、真っ白な村。
村の主な産業は酪農。この寒い地域では農業を営むことが出来ないので、それも当然のことだろう。辺りを取り囲む荘厳な雪山は、まさしくこの世の絶景である。
そんなロンカ村ではあるが、古代の人々の間では、控えめながらもすっきりとした甘さが特徴のロンカ産牛乳と、絶品鍋料理が、巷で話題となっているらしい。
二つの名物を味わうために訪れる観光客も年々増えているようで、地図にすら乗っていないこの村の人々は、そんな彼らを暖かく出迎えていた。

「何しとんだべさ! もっと牛乳ば搾らんと全然足りないっぺ!」

村の民家の一つの玄関から中にいる人に向かって、そう叫ぶ少女。人によっては途轍もなく芋臭い印象を受けるであろう彼女の名は、パメラ・エンドネル。
ロンカ村にとっては基調な若い世代の人物であり、なおかつ快活な性格で人々の評判もよい。誰に対しても分け隔てなく接することの出来る彼女の存在は、間違いなく村全体に活力を与えていた。
村で酪農を営んでいる両親を手伝う彼女は、宿屋へ料理の飲み物として出す牛乳を届けようとしていたのだが、どこかで計算が狂ったのか、数が全く足りなかった。
早く届けなければ、夕食の時間となってしまう。これ以上、親が出てくるのを待っている場合ではないと、パメラは一人大きな瓶を持って、牧場へと向かう。

「わだすがやっとくからいいど! おとんとおかんは晩の支度ばしとぐだ!」

両親は直ぐ様牛乳を絞るため、支度を始めたのだが、パメラは二人に夕飯の準備をするように伝える。どうやら搾乳は、彼女一人で済ませるつもりのようだ。
毎日働いている両親のためにも、少しでも力になりたい。彼女のはそんな一心で、二人を暖かい家の中で待たせ、一人寒空の下へと走り出す選択をしたのである。



「こんくらいあればいいべ! もう持ってかんと間に合わんさ!」

必要な量を搾り終えたパメラは、両肩に壺を乗せて、急いで宿屋へと向かう。牛乳が満載の壺を二つ担いでも、彼女はまるで平気な顔をしていた。
やっとの思いで宿屋に辿り着くと、既にそこでは夕飯の仕込みが始まっていた。まだ料理は客へと出されていないので、何とか間に合ったようである。
さすがのパメラも疲れたのか、額の汗を拭っていたが、このくらい何のその。折角この村へとやって来てくれた人達のためにも、自分達が最高のおもてなしをしなくてはならないのだから。

>ALL
【こちらは古代編前日譚となります】

3ヶ月前 No.17

大災厄の残痕 @kyouzin ★XC6leNwSoH_UxJ

【歴史是正機構本部/食堂→移動中/キラー・テンタクラー】

「えぇいシエンタめ……私が折角、良心から欲しい欲しい、勿体無いと騒いでいたイシとやらを限界値までデータを改竄して増やしてやったと言うのに、即座にそれを戻し、あまつさえ私に怒りを向けるなどと……腹立たしい」

ぶつぶつと文句を吐きながら是正機構本部の廊下を歩く者が一人、それは一般的な人の造形をしていない。
まるで無数の青、赤、紫と言った怪しく輝くクリスタルが無数に連なって出来た、鍵爪のような形状をした下半身と、無数の流体金属で構成された触手を持ち、頭部の赤いクリスタルを光らせて周囲を見渡す化け物その物だ。
しかし、彼の話している内容と言うのは、人類を滅ぼすだとか、いたぶるだとか、そんな見た目につりあう物騒な物ではなく、むしろ奇妙な程に、日常的な物だった。

それは相方に対する愚痴、折角、気を利かせて色々やったのに、それを否定して怒り始める……結局このキラーと言う怪物が人の心をそこまで細かく理解できていないから起こった事なのだが、とにかくそんな事があって少し彼は不機嫌だった。
とは言え、彼には彼女以外友人が居ない、ので、この正統な愚痴を聞いてもらう相手が居ない訳で、それを探していたのだが……そこで視界に映ったのが、フォルトゥナ・インテグラーレと言う訳だ。

だが、彼は高い索敵能力で、既にこの状況の異常を察知しており、すぐに彼女に話しかけることはしなかった。
いやしかし、そんなまさかな、などとキラーは独り言を呟きながら、彼女の食事を見守っていた。

来ないな、誰も。 おかしいな。

そんな風に、彼は彼女の食事を見守っていたのだが、ついには食事を終えて、何処かへと行こうとした。
本当か? うーん、いや、しかし。

まあいい、ならば確かめてみるか、とキラーは物陰から姿を現し、フォルトゥナの傍まで近寄って声を掛ける。

「少し時間があるか? 無いなら歩きながらで良いのだが、いやいや、大した話であり、大した事なのだが、な?」

なんだかよく分からない事を言いながらも、明らかに人類の敵認定できそうな見た目の奴が話しかけてくる。
その光景はかなりシュールだが、それはさておき、キラーは少し思考を挟んでから、彼女に再度声を掛けた。

「フォルトゥナ将官、だったかな。 えっとだな、何故、他の奴を連れて歩かない? ここの奴らはよく群れる、道すがら悪趣味な事をやる奴も二人ほど居るが、とにかく群れる。 ここのトップも例外ではない。 お前は何故群れない? そりゃあ、お前に比べれば、兵士など雑兵に過ぎぬが、盾ぐらい、あっても良いのではないか?」

彼が感知した異常と言うのは、フォルトゥナが将官と言う立場にありながら、誰も連れず、一人であると言う事だった。
キラーからすれば、他の幹部クラスは何時も何かしら引き連れており、フォルトゥナも例外なくそうだと思っていた、だが、彼女は一人だ、これを異常と感じて、キラーはわざわざ話しかけたと言うわけだ。

その口調は上官に接するものとはとても思えないタメ口。 これは彼がシエンタと同様、歴史是正機構のコンピューターを容易に破壊できるから、特に二人揃った時など朝飯前だから、というのもあるが、それ以上に彼の性格だ。
とは言え、それは傲慢を意味する物ではなく、むしろ。

「私は考えた、では一人になりたい時とは何かと、私の友人であるシエンタは大体、悩みがある時か機嫌が悪いときに一人になりたがる。 しかも目の下に隈が出来る所などがそっくりだ。 そして私は最強のコンピューターウィルスでありながら「うん」「そうだね」「すごい」などの相槌を打つ事が出来る。 何か悩みや怒りがあるのなら、私が聞こう、何! 私は機密を守る、口の堅さはここのトップに匹敵すると自負する」

恐れ知らずなほどフレンドリー。
歴史是正機構の将官で、常に機嫌が悪そうだからと様々な人間が、面倒ごとを避けたいがために近寄りがたいフォルトゥナに対して、ほぼ初対面でありながらこの態度。

……まあ、要するに、馬鹿なのである。

>フォルトゥナ・インテグラーレ


【絡ませていただきます、何せアレなキャラなので問題があれば無視してください!!】

3ヶ月前 No.18

讐心名誉顧問 @sacredfool ★ujIB23kcPC_UxJ

【時空防衛連盟本部/作戦会議室/シャル・ド・ノブリージュ】

 栄華。端末の画面越しに見える堂々たる雄弁と、煽り立てる民衆。知らねばそうであろう、彼を支持するのも無理はない。見目は華々しくとも、「現場」から見たその実は衆愚と衆愚政治だ。乾いた嘲りが口の端から零れて、自然、そのような見るに堪えないものよりも窓の外に広がる景色に目が向けられる。昼下がりの街は、今日も変わりなく流動しているようだ。一人一人の働きが無数に集まり形作られる社会は、それが不正や不祥事のない真摯なものであることで美しく輝く。それを淘汰するのは人間がこの社会を営んでいる限り不可能かもしれないが、せめてそのような企みは例外なく明るみに出るようになればいい。自分はそう望む。それにはまず、目の前にある社会を守らなくてはならない。この世界の理を捻じ曲げようとする不祥の者共から。

 先日、大規模な時空振動が観測されてからこの時空防衛連盟はにわかに慌ただしい動きを見せている。古代にて観測されたそれの「修繕」のため、時間遡行の手筈が進められていた。観測地点はBC254。歴史改変は基本的にその対象となる時代が古ければ古いほど重大なものとなり、観測される時空振動も大規模なものとなる。今回はかなりの大事だと言えよう。時空防衛連盟が設立されてから最も波乱を呼ぶ任務となるだろう。
 既に何度も確認した資料に目を戻す。……段々と役者が揃ってきているらしい。時計の針はいつの間にか午後の三時を指そうとしている。総統、司令官、隊長、それから……「客人」もだ。入ってくる者の出で立ちを一人一人、横目で見る。年功序列などとは程遠い絵面が広がっている。政府の連中が見たらさぞ滑稽に思うだろう。自らの保身ばかりを考え、真に何を為すべきかを判ろうともしない屑共にはお誂え向きの笑いの種だ。

「……総統」

 時間がやってくるのに従い、自分の上司へ会議の開始を促す。妙な連中に踊らされなければいいが。自分としてはそればかりが心配だ。

>>作戦会議室ALL

3ヶ月前 No.19

葛飾北斎 @tukuyomi07☆2nDyzvx51us ★3aNoMW8gGM_xmq

【 時空防衛連盟本部/エントランス/葛飾北斎 】

「慌ただしいナ」

 雑踏。急げ。会議室だ。おぺれぇしょんるぅむへ集合。武器庫確認はどうした。
 雑踏。ぱたぱたと走り回る異国の者共。鏡のように磨かれた廊下。映る天井。
 沈黙。大筆にもたれ掛る和服少女の顔。異国情緒は果たしてどちらか、唐国や南蛮の服溢れるこの地にぽつんと浮いたソレ。
 見える表情は詰まらないと自分で分かる。

「唐国か。
 それとも百万都市の江戸か。
 あるいはかるであか。
 どれかと思って目ぇ覚ませば、いやはや驚いた――だがこうしてみれば、成る程確かに。描くものに溢れてやがる」

      ・・・
 ぼんやりとたいるから視線を外して空を見る。質素な灯りはどこもかしこも眩いお天道様の光来と言わんばかりの輝きを放っていた。
 こんなのがあれば真っ暗闇の江戸など一溜りも無い。火事と喧嘩が華の町は何処までも何処までも照らされてしまうではないか。
 技術は怖い位に進み過ぎているものだ。あるいはこれが、平賀源内が目指した未来というものだろうか。

 戦いの歴史。戦乱の歴史。ああ上等。画工如き――おれ如きをを呼んでおいてさて、いざ来た時に何の役に立つかは分からない。
 歴史改変だとか何だとか、歴史を曲げる連中を阻止してほしいだとか。
 人理の焼却とやらの話かもしれないし、はたまた違うのかもしれない。
 これが現か夢かなど今更問うたところで些細な問題でしかない。

 だが、なんであれだ。

「お呼ばれしたということは、仏様より何かを成せとのお達しかもしれん。
 ならばおれも、腹ぁ括って一筆振るわなければなるまいサ」

 少女の横を飛ぶ小さな蛸が、その言葉に静かに頷いた。

>ALL

3ヶ月前 No.20

爆炎 @sable ★8O0rjcH5GN_8gk

【ロンカ村/牧場→宿屋/ニケ・エタンセル】

白雪の女神の抱擁を受ける村、ロンカ。大陸の北に位置し、徐々に戦禍に蝕まれつつある古代の中では、比較的平和と穏やかな雰囲気に包まれた安楽の場である。
周囲の山々は冷たくも神々しい銀色の光に満ち、今日も村人達と観光客の行き交いが賑わいを見せている。その姿を見ればわかるだろう。厳しい寒さが奪っていった以上のモノを、この村の人々は掴み取っているのだと。

「オラそこ、モタモタすんな!新入りのアタシに負けてどーすんだよ!」

そんな村の寒空に響き渡る鋭い声。女性特有の高さのみならず凄みを帯びた、言うなればドスの効いた声を張り上げるのは、外ハネの多い髪に挑戦的な顔立ちが特徴の少女、ニケ・エタンセルである。
彼女はワケあって故郷を離れ、そこから遠く離れたロンカに身を置いているのだが、もうとっくに馴染んでいると言ってよかった。振る舞いや村人との関係からもそのことが読み取れるはずだ。
現在は牧場にて雪かきの真っ最中であり、施設の広さとそもそもの雪の量が祟って作業は難航していた。とはいえそこはロンカ生まれロンカ育ちの兵(つわもの)達、疲れと寒さにも弱音一つ吐かずに作業をこなす。
ただしニケと同年代の者に関してはその限りではなく、中にはこれを手伝い始めて日が浅いニケに劣るものまでいた。先程の怒号はそんな連中を冗談半分怒り半分に激励したものというわけである。

それから数時間経ち、無事に作業は終了。労いにと渡された熱い牛乳をちびちび飲みながら、ニケは少しふらつく足取りで次の目的地へと向かうのだった。

「ただいま!

パメラ、大丈夫か?これやるよ」

ドアを開けると、漂ってくるのは得も言われぬイイ匂い。まだテーブルに並べられていないところからして料理中なのだろうが、もうこの段階で十分美味そうだ。
そう、目的地とは宿舎。村の景色と名物を求めて足を運んだ村人を泊め、旅の疲れを癒してもらうための場所。ここにニケの友人であるパメラとその両親がいる。
随分重い荷を運び込んだのだろうか、汗を拭う彼女に、まだ温かさの残る牛乳が入ったカップを差し出す。まだ寒さに慣れきっておらず、スタミナでは村の住人に遠く及ばないニケも相当疲れてはいたが、それも友の苦労に比べればなんのその。

>>パメラ、ALL


【絡みます!】

3ヶ月前 No.21

世界を駆ける者 @x5mas☆sECYEVcUXiI ★iPhone=3pgtRv8HgY

[時空防衛連盟本部/食堂/【リプレイサー】]

総統の命により、世界を護りし重鎮達が机に集う。今まさに会談の口火が切られようという、ちょうどその時。

「あー……やること無いなぁ……」

この奇術師は食堂に一人、呑気に空へ愚痴っていた。

会議に出席予定の人は、それこそ総統閣下や隊長、司令官に世界政府の使者、エトセトラエトセトラ。錚々たるビッグネームたちだ。自分のような『異世界からの流れ者』が呼ばれる訳が無い。
そういった類のことは『前の世界』でも何度か経験済み。だから、必要なことは言われるまでもなく分かる。話に決着が付けば、恐らくは出撃命令が下るだろう。それまでに訓練やら武器の整備やら、あとは腹拵えでも済ましておくのが正道だ。

だがお生憎様。訓練は普段から八分目までやっている。武器の整備と言っても、ダガー二本にそう時間は取られない。更に、食事はもう一刻も前に済ませてしまった。だからこう、粗方やることはやってある。今はこうして、大欠伸を天井に向けてするしかない。

それにしても――椅子に深く座り直して、食堂全体を見回す。西暦7000年、明星が救世主の誕生を告げてから、遥か7000年の歴史。未来の技術は見慣れたものと思っていたが、それでも技術の発展具合には驚かされてばかりだ。とても同じ人類が――正確には異なるが――創り上げた文明とは思えない。

それに、この施設は随分と開かれた場所なようだ。先程までは、職員ではない、つまりは一般市民らしき人が此処で食事を摂っていた。暇潰しのタネありマジックを大層面白がってくれたのだが、いつの間にやら立ち去ってしまったらしい。

「まあ、それだけ『平和』ってことなのか……」

これまでの世界では、そんな長閑な環境は珍しかった。一度誰かと顔を合わせれば、ソイツは敵が味方かの二者択一。中間など認められない狂気。見えぬ敵影に怯え続けるような、只ならぬ空気が蔓延していた。
それに比べれば随分と環境も良い。今は日常は保たれ、毒牙も剥かれてはいない様子だ。

今は、だ。

知っている。こうして奇術師が現れたことこそ、『平和』がハリボテに過ぎない証拠。“それ”は必ず現れて、日常へ暗い影を落とす。そしてその時は遠くない。

『やることが無い』なんて今のうち。今一度、決意を固めておかなければ。一つ大きな伸びをして、冷えたコーヒーを口に流し込んだ。

>>ALL

3ヶ月前 No.22

葛葉の一枚看板 @5121☆stkO0KxpThU ★ztEbdaugmt_7FY

【時空防衛連盟本部/エントランス/17代目葛葉 ライドウ】

時空防衛連盟本部のエントランスに入ってくる男が一人、と青い帽子を被ったヒトガタ雪ダルマが一つ。
男の名前は葛葉ライドウ、栄誉ある葛葉四天王の一人にして最高の実力者である”ライドウ”の名を授かった男。
青い帽子の雪ダルマの方は妖精ジャックフロストだ、ライドウの名を襲名する前からの相棒で仲魔だ。
本来神道式悪魔召喚術で召喚された悪魔は一般人には見えないのだが、この世界に限っては違うようだ、珍妙な外見だが害さえなければいいだろうとライドウは仲魔を一人護衛として出している。

『そういえばもうすぐ会議が始まるホ、ライドウは出なくていいホ?』

「構わん、出席義務があるのは隊長クラス以上だ、我らはいつも通りに勤めを果たすのみだ」

上のセリフがジャックフロストでそれに答えるのがライドウの低い落ち着いた声だ。
会議開始まであと3分程度、前の世界でこういった会議には必ずと言ってもいいほど招聘が掛かっていたがこの世界ではライドウは一兵卒でしかない。
実力を認められた者には一般兵への臨時の指揮権が与えられている、ライドウもその一人だ。
会議室に顔を出してもいいのだが、たかが一兵卒であるライドウには発言権どころか居合わせることで余計な軋轢を生みかねないので出席はしない。
この世界の、時空防衛連盟の長は頭の柔らかい有能な人物だと分かってはいるが取り巻きまではそうとも限らない。
若くしてそういった汚い政争を目の当たりにしているライドウはその辺りの関係には敏感だ、必要とあらば出世はするだろうが進んで政争に巻き込まれたいとも思わない。
つらつらと考え事をしながら歩いていると視界の端に着物を着た少女とその近くに浮いているタコ(?)が視界に入る。

『ライドウ、タコだホ。タコが浮いてるホ』

「喋る雪ダルマや空飛ぶカボチャの類が今更何を言っている、アレは悪魔ではなかろう、もっと別のナニカだ」

ジャックフロストは珍し気に浮いているタコを見てはしゃいでいるが、ライドウや他の者からしてみれば喋る雪ダルマも大概だろう。
それどころか空飛ぶカボチャを始めとした妖精や精霊、髑髏の魔人、歴史上の偉人や神霊の分け御霊の類を使役する者、それがデビルサマナーでありライドウである。
受付の傍にある無料のコーヒーメイカーでコーヒーを入れると少し口に含む、世界や時代が違えどコーヒーの味はほぼ共通らしい。

>葛飾北斎、ALL

【開始おめでとうございます、よろしくお願いします】

3ヶ月前 No.23

時空の守護者 @infernus☆XQ6phrzcKMtR ★F7MrHN45jw_N6D

【時空防衛連盟本部/作戦会議室/ユーフォリア・インテグラーレ】

作戦会議室へと足を踏み入れれば、やはりそこにはユーフォリアの想像していた通りの光景が広がっていた。既に大半の人員が着席し、自分の到着を待っている。
まず最初に声を掛けてきたのは、司令官であり、自分にとっての親友でもあるシフォン。彼女はいつも通りの口調で、軽い挨拶を行ってみせた。ユーフォリアはそれに対し、無言のまま頷いて応える。
ユーフォリアの許可によって招かれた協力者達の姿も見受けられる。地球軍中将ミシャール・ルクセン。彼女は腐敗した軍部においては、良心ともいうべき人物だ。
当然、ユーフォリアもミシャールに大きな信頼を置いている。世界政府が彼女のような人間ばかりであったならば、そもそもこのような状況には陥ってなどいなかっただろう。
続いて目をやった方向にいたのは、ハウゼン運輸代表のイルグナー・シュタウンハウゼン。世界政府では、管理省大臣として名の知られている人物である。彼女もまた、自らの腹を肥やすことしか考えていない政府高官の連中とは異なる存在だ。
最後に視界に入ったのは、副総統であり、ユーフォリアにとっても特に信頼のおけるパートナー、シャル・ド・ノブリージュ。無口な彼は、彼なりの仕草で、会議の開始を促した。
今回の会議に呼び出した者は全員集合している。ならば、会議を始めない理由はどこにもないだろう。かくして15:00、定刻通り、時空防衛連盟の重役会議が幕を開ける。

「待たせてごめんなさい。早速、会議を始めましょう。今回の議題は、前もって伝えておいた通り、紀元前256年で観測された時空振動への―――失礼するわ」

ようやく本題……というところで、それを妨害するかのようにユーフォリアの携帯電話が鳴り響いた。会議中に電話を掛けてくるような者は、連盟内には存在しない。
となれば、相手が誰であるのかなど、ほぼほぼ絞り込めてしまう。果たして、画面に表示されていたのは、地球軍大将の名前であった。無視する訳にもいかないので、彼女はそれに応答する。

「もしもし。只今会議中ですので、追って連絡致します。……いえ、重要な会議ですので。それは困ります。私は貴方のように、職務を全て人任せにして遊び呆けられるほどの時間を有している訳ではありません。……何を言っているのでしょう、私は事実を述べたまでですが。何かご不満がお有りでしたら、まずご自身の行動を見直されることをおすすめします。それでは、時間がありませんので、失礼します」

権力を全く恐れない物言いで妨害兼利権の要求を退け、ユーフォリアは再び皆の方を向く。その後の会議は極めて順調。古代への時間遡行についても、正式に決定が下された。
相変わらず協力の名目で時間遡行への同行を申し出てくる輩が後を絶たないが、大抵の場合は私利私欲のためであると分かり切っているため、取り合う必要はないだろう。
無論、ミシャールやイルグナー、それにこの場には居合わせていないが、ショコラ・ヴァンディールなどといった人物が申し出た場合は、話が別である。

「作戦開始は今夜19時を予定しているわ。何か意見や質問はあるかしら?」

最後にユーフォリアは、同席した者達に意見、及び質問を求める。今後はこうして集まる時間も減っていくことが予想されるので、なるべく認識の齟齬は生じないようにしておくべきだ。

>ミシャール・ルクセン、シフォン・ヴァンディール、イルグナー・シュタウンハウゼン、シャル・ド・ノブリージュ
【この人数を拘束し続けるのもどうかと思いましたので、会議は終了した形にし、意見や質問のあるキャラクターのみ残る形とさせて頂きました】

3ヶ月前 No.24

リインカーネーション @genomirai ★z8IID1mzG7_aZs

【歴史是正機構本部/移動中/フォルトゥナ・インテグラーレ】


フォルトゥナは個室にて鍛錬の続きを、と考えていたが突如横から声が掛かる。前提としてフォルトゥナに話しかける人物が殆どいない事、そして話しかけられたとして急務が殆どである事。その事から何らかの対応が必要と判断し、声の主へと振り向いたのだが、見覚えはないが資料での特徴に一致する存在を思い出す。
キラー・テンタクラー、歴史是正機構のコンピューターに対して多大は被害を与える可能性のある存在の片割れ。資料においてはもう一人の片割れであるシエンタ・カムリと一緒に居る姿が見られるとの話であるが、少なくともそれらしき人物は近くにおらず、間違いなくフォルトゥナに話しかけている。
しかも大した話であるとの前置き付きでだ、何かしらの緊急事態であることも考慮して話を聞くことにする。しかしそれならば他の将官なり、将官よりも余程将官らしいCluster辺りにでも言えばいいと思うが、そう考えながらフォルトゥナは耳を傾ける。
曰く、護衛やら部下やらがいないことが気になったらしい。それについては立場が特殊だからだ、表向きとして将官の地位を与えられているが実質来るべき時にヘルガ・アポザンスキーからの命令系統を単純にするためだ。だから部下もいない、護衛も必要ない。盾という言い方をキラーはしたが、盾よりも前に出るならば盾は必要ないのだ。
相手は間違いなく善意で話しかけている、これをどう温和に伝えようか僅かに悩ませていると予想外の言葉が飛んできた。キラーは下手な人間よりも気遣いが出来るとここで初めて知った、お節介ともいえるがフォルトゥナの一人でいる理由を考え、あろうことか相談を持ち掛けて来た。
これには思わずクスリと笑ってしまう、資料で見た凶悪さなんて役には立たなかった。話してみれば何とも人間よりも人間の傍に立てるではないか、久しぶりに笑った気がする。これは少し卑怯だ。

「――ああ、いや、笑ってしまってすまない。そうだな、私が人を付けないのは必要がないからだ。部下も私に付くより他の将官が相応しい、盾も守るべき対象が前に出てしまえば守れないだろう?」

普段よりも少しばかり柔和な態度でキラーへと説明する、これほどまでに純真な好意に溢れた彼に辛く対応してしまってはきっとキラーにとってもフォルトゥナにとっても良くはなかっただろう。普段滅多に浮かべない微笑みがこの時ばかり溢れていたのは相対する彼だけが知ることだろう。

「だから悩みや怒りがあるわけでは、ない。ああいや、あるにはあるが……やめておく。キラー、君にこの気持ちを理解してほしいとは私は思えない。この顔は、生まれつき……そういうものだと思って気にしないで欲しい。」

少し、ほんの少しだけ怒りがないと言った時にその瞳には怨讐の紫炎が揺らめいていた。しかしそれは瞬きと同時に消え失せる、キラーの純真さとその優しさを尊いものだと感じたからこそ、抱いている黒い感情を知っていいとは思えなかった。
だからフォルトゥナはキラーの親切心から来るそれを、同じく親切心で拒絶する。理解されたくはない、理解してほしいと思えない。そんな複雑な気分だった、おいそれと話せるようなものでもなかった。だから話を逸らすことにした。

「そういえばキラーはシエンタ・カムリと一緒に居ると良く聞く、しかしそれらしい姿はない。一人になりたがる彼女にこそ、悩みを聞ける君が必要なのではないか?」

そうお茶を濁すように、キラーの興味がそちらへ向く様に話を誘導する。もし彼女に何かあったならばキラーは気にするだろうし、彼女と何かあって此方に来たならば何があったかを話すだろう。それでいい、彼が知る感情は善良なものである方が良い。
彼の素直さを利用するのは少し良心が痛む、でもフォルトゥナの陰鬱で憎悪に塗れた悩みよりも共にいるシエンタの悩みを聞いた方がきっと彼の為になる。
久しぶりの会話に、気分のいい存在と会話出来ていたからか歴史是正機構に所属して、いやこれまで生きてきて初めて、彼女は鍛錬の時を他へと回していた。

>>キラー・テンタクラ―

3ヶ月前 No.25

葛飾北斎 @tukuyomi07☆2nDyzvx51us ★3aNoMW8gGM_xmq

【 時空防衛連盟本部/エントランス/葛飾北斎 】

「――とはいえ、あれだろう」

 しばし逡巡後、ぽつりとつぶやく。

「出撃依頼が出るまでは動けないんだったカ。
 血なまぐさい戦事など少ない方が世のため人のためというやつだが……」

 さて意気込んだはいいものの――責任を負う年頃の少女の声は今は酷く気が抜けている。
 どうやらあと三つ後に作戦会議というものがあるらしいが当然北斎……お栄は行かない行けない行くつもりはないの三連なり。
 そもそも画工であるのはそうだが、お上の役所仕事に進んで首を突っ込もうだなどということはするつもりもなければやれる頭も無い。
 さーう"ぁんと、として顕現したが、それでも画工は画工。己の本分を全うするのと同時に、やれることをやるのが人の定め。

 さて、そう考えて――一刻程経過したころだろうか。
 そろそろ準備体操ついでに休憩室でも借りて何か一筆……といったとき、蛸が突いてくる。

「なんだよとと様。
 は? 雪童が地に足付けて歩いてる?
 ハハハ、馬鹿ぁ言ってんじゃねえ。こんな生温い風に晒されりゃあ、雪も氷も融けて水に還っちまわあ」

 ぐいぐいと蛸はある方向をしきりに足を使って器用に指す。
 仕方ないなと顔を上げて冗談半分に、ゆらりとした笑みを浮かべてそちらへ向いた。

「仕方ないから見てやる、ヨ――……、……ホウ、ホウ、ホホウ! 珍しいものを見た!」

 いた。
 何かいる。一人と一匹。
 妙な南蛮服――後の日本との呼び名が定着する場所においての軍服を着た日本人。
 ほうほう、おれの他にも日本の奴はいたというのか。何処の国の出身だが。

 問題は、隣を歩くソレ。
 雪だるまが妙ちくりんな被り物を被って南蛮風足袋を履いて歩いているではないか。
 いてもたってもいられない。商売道具の大筆を持って男と雪だるまに駆けよった。

「そこのあんた! ――その雪童、あんたのか?
 さしずめそうだとすれば、それを連れてるあんたは雪女ならぬ雪男だと見たね。どうだい、話でも」

>17代目葛葉ライドウ ALL

3ヶ月前 No.26

人類昇華の道 @infernus☆XQ6phrzcKMtR ★F7MrHN45jw_N6D

【歴史是正機構本部/丞相室/ヘルガ・アポザンスキー】

しばらくヘルガが一人で時間を潰していると、不意にドアをノックする音が聞こえてくる。開け放たれた扉の先に立っていたのは、イスマリア・サルヴァトール。
精兵でありながら、高い実力を備える人物。容姿端麗でありながら、残虐非道。内々に燃え上がる革命の炎こそが、彼女の本質ともいうべき存在であろう。
常人であれば物怖じしてもおかしくない雰囲気を放つイスマリアを前にしても、ヘルガが別段変わった様子を見せることはない。さも当然であるかの如く、彼女は鋭い目つきで次の言葉を待っていた。
やがて渡された書類には、一字一句確認するのが億劫になるほどの量の文字が刻み込まれていた。ただし、文字自体は綺麗であり、読むこと自体に苦痛は感じない。
パラパラとページを捲り、全てのページをさっと見終えると、ヘルガはろくに内容も確認していないであろうにも関わらず、認証のサインを書き上げる。
信頼しているから、というのもある程度あるのだろうが。彼女にとってみれば、作戦の内容はさして重要ではない、というのが最大の理由であった。大切なのは改変を起こすことであり、時空断裂さえ発生しなければ、その過程は問わない。

「我々が必要とするのは歴史の改変だ。それが果たせるのであれば、何をしようと構わん」

イスマリアの言葉に対し、ヘルガは冷たくそう言い返す。相手も不遜な態度であるが、その点については気にしていないようだ。使える駒であれば、不問と処すということだろう。
歴史是正機構は、基本的に上官の命令が絶対であるが、一定の実力のある者には例外として自由を与えていることがある。このイスマリアも、その一つ。
そもそも、この女を完璧に制御出来る人物など存在しない。束縛を嫌い、自由気ままに行動することを望むシエンタやキラーとは別のベクトルで、彼女には自由を与えておく必要がある。

「そうだな。奴も今頃必死になっていることだろう。次で結果を出せなければ、その時は―――貴様に処分を任せよう」

淡々と、しかしながら残酷な宣言が下される。ヘルガの期待に背き続けた研究者の命は、今や風前の灯。次の研究が、実質的なラストチャンスといえるだろう。
もしもそこで失敗するようであれば、彼の人生はそこで終了。仮に成功を収められたとしても、これまでに重ねた失敗を追求され、主任を外されるのは間違いない。
ヘルガとは、そういう人間だ。結果を出せる人間であれば、それなりに尊重してくれるが、最低限のことも出来ないような人物にかける慈悲など、持ち合わせてはいないのである。

>イスマリア・サルヴァトール

3ヶ月前 No.27

ハザマ @aroundight☆SdjaOljKHtOm ★zLr78z7s8m_FR1

【時空防衛連盟本部/時間遡行装置/ハザマ】

 あらゆる秩序は暴力機構によって保障されている。
 想いだけは立派な聖人に如何ほどの価値があるか。
 言葉だけは大層な首脳にどれほどの意味があるか。

 あらゆる秩序は―――そう、力によって保障され、力によって成り立つ。
 統治とは支配。支配とは圧力。それが人類が紡いだ歴史であり、それが人類の築き上げた世界だ。過去も、現在も、未来も。のみならず、ありとあらゆる世界と歴史の帯において、歴史とは勝者が築くものに等しい。ただ一点、一度にしか来ない刹那の刻に存在する人間のみが、可能性の連続分岐の中に立ち、勝利者として答えを決定するからこその“歴史”だ。
 ………それが後出しで是正出来るとするならば、あらゆる歴史に価値など無くなるだろう。
 あらゆる時代と理が、その時点で一切の存在理由を持ち得ない。机上の紙に走らせたペンが、何時でも消せるような、数十行に及ぶ文字以上の価値を持たなくなる。であるに、これは罪だ。進歩して尚も浅慮なる人間の罪に他ならないが―――。


「いやあ、面白い」


 であるに、ハザマはそれをこのように評するより他に無かった。
 時を翔ぶ門を創るための入り口にして階。出撃前の、人っ子一人見当たらない静寂《しじま》の中で、男の声が響く。愉しむようで醒めた二律背反は、そもそも男の感情の是非を掴ませない。蛇という存在が、そもそも人間と隔絶したことの証だ。


「時間遡行装置………」
「理屈や方法、用途に目的はどうでもいいですが、その意図だけは興味に値する代物だ」

「何故どのような気持ちで、如何なる未来の構図を描いたが故に時の箱舟は生まれたのやら?
 素晴らしいほどに下らないが、故に拍子抜けするほど興味深い。
 これを編み出した御仁は今頃生きているのか、生きていてどのような顔をしているのか。ああしかし科学者という御仁は何時も、このような事態に決まってひとつの言葉を出すものでした。そう―――“こんなはずじゃなかった”。まあそんなもんでしょうが、興味の尽きない話題ではある」


 その胡乱さは語るまでもなく。
 その奇妙さは言葉に現せない。
 その滑稽さは先に記した通り。
 だから、ハザマに評することの出来る内容はたったそれだけ。
 ハザマに興味があったのは、むしろこの理論を何か輝かしい目的の為に紡いだ誰かのこと。
 そいつが今、如何なる表情でこの事態を描いているのかということ。

 ………そして、あとひとつ―――。
   、   、 ・・・
「だからこそ、私は貴方達に興味がある」

 たった一つ。興味が尽きない話があった。
 先に存在を知ったばかりの“これ”の起動を必要とする何某の話だ。
 さぞや緻密に計画を練り、崇高な願いを編んで、すべてを踏み躙る覚悟を携えているのだろう。
 それこそ、当事者以外のこのような端役には理解出来ないほどの膨大な想いで以てして………。

 その姿を想像するだけで、ハザマはひとつの感想を懐くのだ。
 まるで適当にダーツでもなんでも投げて、巧いところ当たりに届けば良いな程度のモチベーションだが………しかし、それは何処までも自己を本位と収束される感情であるから、何の揺らぎさえも見せることはなかった。
 この誰が見ても薄く、感情を読ませないウロボロスが“防衛”などという真似をする最大の理由がそれである。だからこそ、彼はずっとそこで待っているのだ。
 特にメンバーの顔など覚えることもなく。ただ一つだけに意識を集約させて。


「ですので、ひとつ幸運、物は試し。ハレの日と割り切って楽しませて頂きましょう。
 なあに所詮は泡沫、夢物語。ダメなら笑って死ぬだけさ、とね―――」


 いざ、その人物たちの顔を拝む瞬間を。

 ―――誰に理解も出来ぬ、満たされぬ飢えを蛇の毒牙に込めて。

>ALL

3ヶ月前 No.28

リインカーネーション @genomirai ★z8IID1mzG7_aZs

【歴史是正機構本部/資料室/クジャルナ・クオーク】


古代の紙媒体、電子データ問わずの資料を資料室へ返却する男性が一人。背が高く、柔和な表情を浮かべながら手に持つ資料などまるで苦ではないように振舞う。
すれ違う幾人かの職員にこれも頼むと資料を山積みにされようとも彼は笑みを絶やさずに、拒絶することなく従う。何故彼がそのような扱いを受けているか、それは魔族であることが大きいだろう。
魔族は幼い時から差別が浸み込んでいるものも多く、悪気なくとも魔族の彼に何かを頼むようなことは多くあった。また彼が諜報員であり、戦闘が行えないと思われているところも大きいだろう。実力主義であるこの組織では評価が低いせいもある。
しかし心中は如何程として、表面上の彼はそんな対応にも笑顔で答え、あらゆる雑用も頼まれれば断らず、その上で自身の仕事も完璧に行っていた。
今回の古代への介入において使用された資料の返却もその一つである、これもまた二つ返事で受諾し資料室へ送る最中である。

資料室に入るなり、電子データと紙媒体を分け、年代毎に纏め所定の位置へと戻していく。何度もやりなれたような手慣れた動きであり、どれだけの回数雑用を任せられていたかが分かるだろう。
その資料室には先客がいた、博士や科学者と言えばと問うて思い至るような姿をしている男であった。侵入者であるとは考えにくい、その上で見覚えがないとあれば協力者の一人だろうと結論付ける。

「おや、貴方も古代の資料が目当てでしたか。こちらも宜しければどうぞ、私の方でも古代についての資料を多く持ち出しておりまして。」

そう話しつつ幾つかの古代の資料を別の山へと積み重ねる、分けたのは資料の中でも記載と詳細が多いものを山へと積み、与太話が含まれるものや信憑性に欠ける資料を元の位置へと戻していく。
手際よく資料の整理を行う中で一つ疑問に思った、古代について調べるのであればこの男性も時間遡行を行うのかと。特に理由がある問いかけではないが、こう同じ部屋で黙々と作業するのはどうにも居心地が悪い。

「そういえば貴方も古代へは向かうのですか?私は向かうのですが、少し学が不足していまして。調べて何か気付いたことがあれば教えて頂きたいですね。」

調べが足りない、という事に関しては話題繋ぎの嘘である。資料は殆ど目を通してあり、時間遡行における重要点も目を通してある。しかしこの場で沈黙を通すよりも、話題を出した方が自然だろう。
どう答えるにしても、時間遡行までの時間つぶしになればいい。そんな軽い気持ちで彼へと問いかけた。

>>Richard・R・Barjavel


【絡ませて頂きます!絡みづらくて申し訳ありません!】

3ヶ月前 No.29

葛葉の一枚看板 @5121☆stkO0KxpThU ★ztEbdaugmt_7FY

【時空防衛連盟本部/エントランス/17代目葛葉 ライドウ】

コーヒーを飲みながら何気なく辺りを見渡していると先程の和服の少女とタコがこちらを見ていた。
浮かぶタコを引き連れてはいるものの、ライドウの格好かジャックフロストが珍しいのだろう、恐らく後者が9割といったところか。
こちらに駆け寄ってくるのを見ると半分ほど残ったコーヒーを一気に喉に流し込む。

「俺は人間でデビルサマナーだ、雪男ではない。コイツは俺の仲魔のジャックフロストだ、見たところ絵描きのようだが、そこまでコイツが珍しいか?」

『オイラ、妖精のジャックフロストだホ。和訳すると雪男だホ〜』

ジャックフロストはくるりと一回転して右手を上げて挨拶をする、珍妙な出立ちだが愛嬌のある喋り方と仕草である。
ジャックフロスト、読んで字の如く雪男である。悪魔としては下級もいいところだがその愛嬌や使い易さで使役するサマナーは多い。
ライドウは御霊合体を幾度となく繰り返して強化を重ねているのでそこいらの雑魚悪魔など瞬殺できるほどの実力を備えている、雪ダルマなのに。
17代目葛葉ライドウを襲名する前からの付き合いで気心知れた相棒でもある。

「それで、絵描きよ、貴様の傍に浮いている蛸はなんだ? 見た所悪魔の類ではないようだがただの蛸でもあるまい?」

手に持っていた紙コップをくしゃりと握り潰してゴミ箱へと放る。先程から気になっていたので聞くだけ聞いてみることにした。
この少女からも只ならぬナニカを感じていた、感じてはいたのだが何故だか深く踏み込んではいけない気がしたのでこちらはスルーした。

「申し遅れた、俺の名はライドウ。17代目葛葉ライドウだ、して貴様の名は?」

>葛飾北斎、ALL

3ヶ月前 No.30

Futo・Volde @nonoji2002 ★7KU5qNWZJU_N6D

【時空防衛連盟本部/エントランス/喫煙室/アベリィ・シルバラード】

「いつ来てもここは迷路のようで迷っちゃいそうだ」

時空防衛連盟本部。世界政府が設置したこの機関には、軍からの命令でアベリィは出向し、協力者という立場で所属している。他にも数人程度、このような形で協力している兵士が居ると言う話だが、未だに出会った事はない。

そもそも、彼女自身は軍から命じられたこの任務に納得しきっているわけではない。だが、いつもは規律やら軍則やらで縛られている環境から解放されるだけあって、とても有意義に過ごせているのは事実。故に、今のこの生活にもそこそこ満足しているし不満もない。
軍からも、連盟からも呼び出されたり、何かしらの仕事を任せられれば彼女はそれを熟すまでであり、軍に居た頃と大差なく生活できているのだから。
強いて軍に居た頃と大きな違いを上げるとすれば劣悪な環境からそこそこ快適な環境に変わった事くらいだろうか。軍の寮はお世辞にも綺麗とは言えず、手入れもされていないような部屋もあったくらいだ。

「大統領ねえ……」

エントランスに設置された大きなテレビに目をやり、意味もなく映し出されている報道番組を眺める。大統領の演説。一応、形として、軍は大統領の下にあるもの。
大統領から命令が下れば時に任務や作戦を執り行うが、何でもかんでも大統領令に従うわけではなく、軍の指揮官やらなにやら、上の人間が大統領に対し、異議申し立てを行うことも少なくない。

が、これはあくまで上の人間の話。軍曹であるアベリィにとって、自身より上の階級の人間は数多く、彼女にとってみればそんなものは対岸の火事レベルで遠い所の話なのだ。

「アレは……」

ふと、エントランスの大きなテレビと対面するような形にある喫煙室に目を向ける。
禁煙化の波というのは逆らえず、連盟本部で唯一喫煙が許されているのはここ、エントランスに設けられた喫煙室だけ。その喫煙室でタバコを吹かしながら、テレビを眺める女性。金髪ウェーブのロングヘアで前髪を独特の分け方をしている。間違いない。

「あの……フォッサさんですよね?」

喫煙室へと足を踏み入れ、ソファーに腰掛けながらしかめっ面を浮かべる彼女に声を掛ける。
普段、誰であっても、特に気にせずため口を使うアベリィだが、一応“軍人”である以上は、目上の立場の人間は敬うべきだろう、と判断し珍しく敬語で話かける。
間違いでなければ、彼女はフォッサ・セントライト。防衛連盟の隊長を務める人物だ。そんな人物が目の前にいる。同じ組織に属していればこういったことは珍しいことではないが、この組織の場合別だ。数えきれないほどの兵士に迷路のように大きい施設で特定の人物を見つけるのは、大きい砂浜に落ちたコンタクトレンズを探すようなレベルの物だと言っても過言ではないのだから。

>フォッサ・セントライト(、ALL)


【絡ませていただきます……が、オリキャラはしゃべり方とかロルの回し方がなかなか決まらない珍事】

3ヶ月前 No.31

麗人 @sable ★8O0rjcH5GN_8gk

【時空防衛連盟本部/作戦会議室/シフォン・ヴァンディール】

大規模作戦を控えているだけあって会議室には錚々たる面子が集っていた。総統のユーフォリアをはじめとし、副総統のシャル、地球軍の数少ない良心と言うべきミシャール、そしてハウゼン運輸代表のイルグナー。いずれも連盟にとってなくてはならない存在だ。
シャルの促しを皮切りに会議は時間丁度に始まった。早速作戦の内容を述べるユーフォリア____と、そこで鳴り響く携帯電話の呼び出し音。電源の切り忘れを疑い自分の端末に目をやるが、その気はない。
怪訝な顔で前に向き直るシフォン。呼び出し音は親友の端末から鳴っていた。と同時にそのコールの主が誰なのか、そしてどんな要求が突き付けられるのかは大体察しがついた。
顔には出さないがやれやれ、と内心呟く。親友の気苦労は今この瞬間も絶えない。そう、"奴ら"には危機感の欠片も無いのだ。連盟の苦難を完全な他人事と捉え、時空の先の脅威を対岸の火事と見ている。
地球軍で少将を務めていたときもこの類の経験はあったが、今ではそれの比にならない酷さである。仮に僅かにでも危機感を感じているのであれば、自分達の要求を下げてでも、こちらの希望に応えようとするはず。
奴らは老獪な狸。どこまでも他人を利用し、私腹を肥やすことしか頭にない姑息な連中だ。もし助けを求められても応じてなどやるものか。

「私(わたくし)は何もありませんわ。連盟の勝利と皆様の武運長久をお祈りします」

一難去った後は無事会議が進行し、作戦の概要と古代への遡行も決定する。開始時刻も言い渡され、いよいよ開戦は間近に迫った。
最後に意見や質問等はないかとの問いがあったが、シフォンは特に思い浮かばなかったため、軽い挨拶と一礼の後に退室した。
落ち着き払った態度と飄々とした口調。しかし心の内では不安や恐怖も少なからずある。司令官として、その時その時の状況に最適解の指示を出せるか。戦場でベストなパフォーマンスが出来るか。
戦況は生き物だ。均衡が保たれることなど無く、常に姿形を変える。優勢だろうと劣勢だろうと時間は刻々と過ぎていき、やがて勝敗が決してしまう。潮の流れを見誤れば飲み込まれる。
だがもう迷うのはこれくらいにせねばなるまい。自分は司令官、兵士達にとって身近な上役でもあるのだから。そう決意を新たにし、作戦会議室を去るのであった。

>>作戦会議室all


【絡みありがとうございました!】

3ヶ月前 No.32

一番隊隊長 @infernus☆XQ6phrzcKMtR ★F7MrHN45jw_N6D

【時空防衛連盟本部/食堂/ギルバート・トムフール】

「総統は丁度、会議を始めている頃か」

注文した料理を手に席を探しながら、時空防衛連盟一番隊隊長、ギルバート・トムフールはそう呟く。彼は今回の会議に招集されてはおらず、訓練も終えたため、休憩へと入っていた。
昼下がりまでずっと兵士達の面倒を見ていたため、時間的には遅いが、これが昼食だ。とはいえ、ここへ来てからは珍しいことでもないので、もはや慣れっこである。
世界は今、混迷の時代を迎えている。先日BC254年にて観測された、大規模な時空振動。それが何を指し示しているのかを理解出来ない人間は、ここにはいない。
今回の重役会議にて、古代への時間遡行が正式決定されることだろう。そうとなれば、自分も現地へ赴くこととなるかも知れない。あるいは、留守中の警護を任されるか。
何にせよ、いつでも動けるよう、身体を万全の状態にしておかなければならない。そのためにも、疲労した肉体に、迅速に栄養を届けなければ……立ち止まり辺りを見回していたギルバートだが、ようやっと開いている席を見つける。

「隣、いいだろうか?」

もしかすると誰か他人を待っているかも知れないので、彼は着席する前に確認を取る。少なくとも、自分は見たことのない人物だ。一般客だろうか。
だが、ダガーを装備している辺り、精兵か一般兵である可能性も捨て切れない。取り敢えずは座れなくては食事も出来ないので、相手の反応を待つこととしよう。

>リプレイサー

3ヶ月前 No.33

失憶者 @zero45 ★h2BOlEz4kD_FR1


 雪に覆われし極寒の大地にある小さな村、ロンカ村。村人達と観光客との賑やかな交流が齎す活気は、厳しい寒さすら跳ね除ける心の温かさと言う物を人々に与えてくれる。彼らの姿を見れば自ずと解るだろう。寒さを嘆く者など、一人もいない事が。
 此処ならば、満足な食事を十分に食べる事が出来る。労働も、やらされるのではなく自主的に行う事が出来る。何より、誰もがここでは平等に生きて行けるだろう。
 もしも、ある男がそれを目の当たりにしたならば、こう告げる事は想像に難くない。"理想郷"、と。
 だが、その男はその姿を消した。故に、その言葉が告げられる事は無い。

【ロンカ村/牧場→宿屋/アラン・レイクルード】

 牧場にて、大量に積もった雪を前に弱音を一つも零す事無く雪かきに取り掛かる村人たちの中に入り混じる、黒外套の青年。遠くから響くニケの怒号に一瞬だけくすりと笑いながらも、集中を切らす事無く作業を続けて行く。
 彼の名は"無い"。何故なら、彼には一切の過去を忘却してしまっているから。故に村人たちは、本当の記憶を取り戻すまでの間、彼をこう呼ぶことにしている。アラン・レイクルード、と。
 四ヶ月前に重傷を負って倒れていた所を発見され、命を救われた彼はこうして恩を返す為に、村の一員として必死に働き続けているのである。

「それじゃあ、俺は先に戻ってますね。お疲れ様でした!」

 数時間が経過して雪かきも終わり、労いとして渡された牛乳を飲み干した彼は、他の村人達に先駆けて戻る事にした。快活な印象を与える声で挨拶をして背を向けると、まだまだ元気が有り余っているかのように勢いよく走って目的地へと向かって行く。
 目指すは宿屋。今は夕食の時間帯、相当忙しくなっている事が容易に想像出来る。少しでも協力出来る事があるならば是非ともやってあげたい。

「こんばんは、パメラ。それにニケ。何か手伝えそうな仕事はあるかい?」

 漂ってくる料理の良い匂いが空腹感を増長させるのを実感しながらも、宿屋の中へと入った彼は、何か手伝える事は無いかと問い掛ける。もしも他に何かやらなければならない仕事があるのなら、代わりに請け負う心算でいた。

>パメラ ニケ


【絡みます】

3ヶ月前 No.34

ワーロック @aroundight☆SdjaOljKHtOm ★zLr78z7s8m_FR1

【歴史是正機構/大型エレベーター/ワーロック】

 それは、周囲の風景にあまりにも不釣り合いな黒い物体だった。
 物体と評されたその人型は、全長にして3mほどの異形だ。
 そのうつわを組み上げる骨格の代わりにフレームを通し。
 そのうつわを彩り整形する皮膚の代わりに装甲で全身を覆って。
 眼の代わりにカメラを持ち、感覚の代わりにレーダーを機能させ。
 脳髄の代わりにAIの電気信号を通達させ、回路の命令を以て意思の代替とする機械人形。

 黒い機体はその重装備振りも合わせて、まるで時代に似合わない中世の重装歩兵を彷彿とさせるが、さりとて言の葉を一つも載せないそれを騎士と呼ぶには聊か違和感があった。違和感の正体は、単純な外観の話だけではない。
 中身そのものまで機械であり、命令系統を一切持たないはずの機械人形が動き回るという状態。
 何食わぬ顔をしてエレベーターに乗り込み、先程監視室から出て、今は時空遡行装置へ向かおうとするそれがあまりにも異常だというのだ。時折エレベーターの内部にいる人間が興味の視線を投げかけたり、あるいは血の気の多いものは軽く挑発をするが、当然微動だにしない。

 黒き鋼の殺戮者《ジェノサイダー》の名を、ワーロックという。
 どこの時代、どこの未来にも存在し得ない、正体不明のオーバーテクノロジーのカタマリだ。
 このご時世では、どういうわけかさも珍しくはない………俗に言うところの“違う世界線の存在”である。
 この機械人形が協力を提案したのは、歴史の是正をもくろむ革命者たち。これまた、俗に言うところの人類史への敵対者たちだ。如何なる道理で以て、その機械の中のシステムが何故その結論を出したかについては、一度も語られることはない。
 ただ分かっているのは、この存在が修正者たちには一切手を出さないという事実と、指示には従順に行動を起こすという点だけだ。それが未だ出ていないのは、単に指示が認識されていないため。並びに、AIが時期尚早を判断しているが故のこと。

 ―――なお、鋼鉄の機体がエレベーターの行き先を操作するわけではない。

 物言わぬ黒い鋼がそのような真似をすれば成程滑稽というより他にないが、
 これは乗った時点でエレベーターのシステムにハッキングを仕掛け、想定している階へと操作を行っている。想定している階というのは即ち、時空遡行装置………次なるワーロックの存在が求められている戦場にこそある。
 無論、運行に支障がない程度の“ズル”だ。彼と呼ぶべきか分からないこの存在は、今は歴史是正機構の環に従い、和を崩さぬように振る舞っている。口を開くことはなくとも、必要に応じて交信を行うことすらあったという。もちろん、この存在に進んで話しかけるモノズキなぞ居はしまいが………少なくとも、今この場におけるワーロックは、戦闘兵器である以上に組織の戦力であった。

 ―――少なくとも、いまのところは。

>ALL

3ヶ月前 No.35

リインカーネーション @genomirai ★z8IID1mzG7_aZs

【時空防衛連盟本部/作戦会議室→移動中/イルグナー・シュタウンハウゼン】


「はあ、全く仕方がない大統領デスねえ……あ、これはオフレコでお願いデス。ボクも職がなくなるのは困るのデスよ。」

会議中に鳴る電話に苦笑しながら、慌てたふりをして口元に人差し指を添える。イルグナーを会議に潜り込ませながらもどうにかして自身で利権を取りに来るその勢いを、もう少し別の方向へ活かせればユーフォリアの態度も軟化するだろうに。
そんな闖入者はあったが会議自体は特に問題もなく順調に進んだ、世界政府官僚としても一個人としても問題がある内容ではなかった。イルグナー自身は殆ど見学に徹していたが、これだけ流れが出来ているならばこれ以降の会議も問題ないだろう。
報告としては問題なしで終わりだ、これ以上の情報を渡すような何かがあるわけでもないし、全く渡さないなどリスクの大きい行為もできない。まあ所謂いつも通り、どっちつかずで不利益の被らない道を歩む。

「ボクも何もないデスよ。古代への時間遡行の後、また全員の顔が揃うことを願っているのデスよ。……ちょっと不謹慎デスね、申し訳ないデス。ああ、世界政府への報告は適当にしておくデスよ。」

一人退室したことを見送ると、次は自分の番かと言うようにイルグナーは席を立つ。自身は口を出す立場でもなく、冗談を言って和ませようとしたが少しばかり場にそぐわないものだった。
失敗したと言う面持ちで扉の方へ向かい、会議室内へと向き直り一礼をする。扉の前に自身の能力で扉を創造しそれをくぐる、彼女が扉に入った後には元あった空間が広がるのみ。

イルグナーは自身のオフィスに戻ると少しの時間をおいて開かれる世界政府官僚会議に頭を悩ませる、間違いなく今回の会議の事を深く聞かれるだろう。最悪六時間拘束されるだろう、以前されたのだからあり得ない話ではない。
空間投影モニターを起動し、今回の報告書を書き始める。幾ら時空防衛連盟にとって順調に進んだと言っても、世界政府からすればその全てに介入したいほどなのだ。詳細こそ省くが流れと結論辺りは纏めないと老人たちの圧力が面倒臭くなる。

「……まあ、ボクみたいな老いぼれの苦労一つで自由に動けるなら頑張れるデスよ〜。」

虚空へと語りかけながら報告書を書き進める、幾らかの休憩を挟むも三十分足らずで製作されたそれは老人達を一先ず納得させるには十分なものだった。
電子データとして保存しながらデスクにおいてある写真立てをちらりと見る、あの時の幸せがあるからこそ今でも頑張れるのだ。せめて、若い力が発揮できるまでは頑張りたいところ。
一つ伸びをしながら官僚会議までの休憩の為、ワインを取り出す。グラスの底が隠れるほどの僅かな量を注ぎ、一気に呷る。それを幾度か繰り返し、ワインをしまえば椅子に腰かけ仮眠をとる。
彼女、見た目によらず酒類が好物である。

>>無し(作戦会議室ALL)


【絡みありがとうございました!】

3ヶ月前 No.36

スパルタの代名詞 @infernus☆XQ6phrzcKMtR ★F7MrHN45jw_N6D

【時空防衛連盟/エントランス/喫煙室/フォッサ・セントライト】

休憩に入ってから、煙草はもう三本目。吸いすぎが良くないことは勿論分かっているのだが、こうも疲れていて、なおかつ暇だと、ついつい手が伸びてしまうのだ。
煙草は法律で認められた合法麻薬のようなもので、強い依存性がある。やめたいと思ってもなかなかやめられないのは、この未来においても同じことであるようだ。
フォッサはそれでもしっかりと長時間動くことの出来る体力を持ち合わせているが、喫煙者の中には、著しい体力の低下を引き起こしている者も少なくはない。
百害あって一利なし。それは、こうして喫煙スペースが厳しく分けられていることからも証明されている。自分はもうやめられないだろうが、せめて部下に勧めることはしないのは、彼女なりの配慮だ。
酒も量に気を付けなければ、中毒症状を引き起こし、人を死に至らしめる。酒を苦手としている者に無理矢理飲ませるなど、以ての外だ。そんなことをする人間は、上司に相応しくない。
あれだけ訓練で厳しい一面を見せておきながら、フォッサを慕う新兵が大勢いるのは、彼女のそうした気配りによるところも大きいのだろう。彼らの成長は、時空防衛連盟そのものの強化へと繋がる。だからこそ上官である自分が、しっかりと面倒を見る義務があるのだ。

「おっ、あたしに何か用かい? そんな堅苦しい敬語なんて必要ないさ、もっと気楽に話しな」

声を掛けられたので、そちらを向いてみると、そこには真ん中分けの前髪が特徴的な、茶髪の女性が立っていた。雰囲気からして、どうやら軍人のようだ。
日中は専ら新兵の訓練に付き添っているフォッサは、あまり外部の人間と話す機会はないのだが、彼女の名前は知っている。確か……アベリィ・シルバラードだったか。
何でも、地球軍の指令でこちらにやって来ているとのことだが、珍しいこともあるものだ。奴らはもらえるものだけもらって、後は何もしない連中だと思っていたが。
まあ、彼女自身の悪名は聞かないし、ユーフォリアが認めていることからも、信用していいのだろう。だからこそフォッサは、いつも部下に対して取っているものと変わらない態度で、アベリィに接する。

>アベリィ・シルバラード

3ヶ月前 No.37

観測者 @x5mas☆sECYEVcUXiI ★iPhone=Wit8ZXr2ac

【歴史是正機構本部/資料室/リチャード・R・バルジャベル】

背凭れに身を託したのとほぼ同時、資料室に靴音が響き渡った。横目で見れば、手には随分と山積みになった資料。大概資料の分別と言えば、煩雑な事務仕事の筆頭。だがどうだ、この白髪の麗人は随分と手慣れた様子。はて、資料室の管理者にこんな“女性”がいただろうか……。

視線を切り、再び資料に目を向ける。だが、それほど経たない内に、靴音は此方へと近付いてきた。

「あ、ああ。すみません。何分資料が多いもので、中々選別に手間取っていたところでした。ご協力に感謝いたします。」

手渡してくれた資料に目を通す。どれも良い史料だ、信憑性の低い情報は全て除いてあると見た。一見ただの御伽噺でも、貴重な史料となりうるものは少なくない。――この“男性”は資料の中身にも精通しているのだろう。一つ感謝を述べてから、再び椅子を回転させた。


会話が途切れる。無論、会話を目的として此処を訪れた訳ではない。ないのだが、流石に二人きりでの沈黙は胃に悪い。一つ問い掛けでもしようかと口を開く――が、声を絞り出す必要性は無に帰したようだ。

学が足りない……見え透いた嘘だ。これ程の資料の束を整理できる、それだけでも十二分に足りている証拠。恐らくは発想も同じところ。つまりは『暇潰し』。だが此処で御伽噺というのも顰蹙を買うことだろう。飽くまで真面目に答えよう。椅子から立ち上がり、胸から手帳型のタブレットを取り出す。空間へと、グラフが描写された。

「はは……貴方に資料で得られた情報を語ったところで、釈迦に説法も良いところ。ならば、私の専門分野についてお話し致しましょう。先ずこのグラフですが、これは所謂『時空振動』を二次元上に描写したものです。」

言葉を紡ぎ終えれば、タブレットを傾ける。グラフが回転し、一部分が赤く光った。極値に当たる部分だ。

「グラフの振れ幅は、振動の強弱を示すものです。このグラフが振り切れた時に時空の歪みは限界に達し、時空は断裂します。そして……振動は今、非常に不安定な状態にある。特に、古代の部分です。」

グラフが拡大し、周辺に画像が投影される。画像には、魔導帝国の外観や要人の肖像画が描かれていた。

「時代は遡る程、介入による影響が大きくなる。それこそが歴史是正機構の狙いなのですが、やはり不安定だ。それに、どれ程大層な言葉を並べようと、所詮は皆素人。その『影響』が如何なる恐怖であるかは知りますまい。故に、私自身も直接古代へと赴き、時空断裂を未然に防ぐ盾になろうとは考えております。」

ああ、大部分は言葉通りのことをするつもりだ。大部分は、だが。
タブレットを振り、グラフを消去する。銀髪を靡かせる彼に向け、出来るだけ自然な作り笑い。

「私の知りうる情報はこれが全て。少しでも力になれたならば光栄です。ですが、くれぐれもお気をつけて。要人の殺害ただ一回でこの世界は崩壊を迎える。殺すなら、『相手を選ぶ』ことです。」

ああ、自然な笑いだとも。

>>クジャルナ・クオーク

【返しづらいカウンターになりました……】

3ヶ月前 No.38

電子の詩人 @akuta ★Android=8Sr3SxYeQ0

【これでも知恵を絞った方だッ!(それでは引きこもり達の会話をお楽しみください)】

【時空防衛連盟本部/応接間/使われていない空き部屋/ショパン】

 フレンド一覧表をくだると、オンラインを示すアイコンがひとつ。
 ハングネームはGOD_SIENTA。
 ある日共闘した時、あちらでもあるオンラインゲームLV100突破したショパンから見ても腕は立つと見て、その流れで申請してしまったという関係だ。
 ただ……ゲームで知り合った神楽奏助をリアル丸出しにした感じの性格はあまり好かないが、どこか懐かしくも感じた。
 共闘依頼の文章を読み終えると、カタカタとキーボードを叩いてこう返信する。
『おk。今回は何をするの? ゴットシエンタ、レアアイテム出るダンジョンに行く?』
 エンターキーを押してそう返信する。
 しかし、奏助のハングルネーム、クライングダークエンジェルもなかなか衝撃的だったがゴットとは、最初見た時は真顔になった。
 共闘した後、このゲームの攻略まとめサイト覗いた際ゴットシエンタは、どうやら敵が多いらしく、上級者の癖にと罵られていた。
 別にアンチが沸かれている相手だろとショパンは気にしなかった。
 才能に溢れた人物は、批評を書かれるのは常だと思い出した記憶がそう教えてくれるから。
 だから今まで通りに接している事にしている。
 周囲は古代へと向かうつもりだが、生憎とこちらはオンラインゲームが優先順位になったし、ましてや騒がしく知らない人が多い場所へは行きたくない。
 それに自分にはムジークはあるものの、最高の楽器として造られた宿命故に戦闘は専門ではないので戦地に赴くよりも、自分ができる範囲内で戦った方が相応だ。
 ジョリー3もそろう撮影が終わる頃だろうか、旧式と周囲に言われても構わない、というか同じ轍(てつ)は踏まない。
 また彼女に圧倒されてしまうのが分かりきっているから。
 かくしてショパンの行動方針は固まった、無理矢理誰かに連れていかれなければの話だが。
>ALL(シエンタ)

3ヶ月前 No.39

大災厄の残痕 @kyouzin ★XC6leNwSoH_UxJ

【歴史是正機構本部/食堂→移動中/キラー・テンタクラー】

「なああああ!? 私を笑ったな! シエンタと言い、お前と言い、私は真剣に言葉を選択していると言うのに全く!! ――ん、あ、謝るなら、良いんだが」

彼は、ぱっと見ただけではシュールな、見た目だけ凶悪な変な奴で、尚且つ話している事は、少しおかしな事である。
これを笑ってしまうのは、ある種当然の事である。
しかしながら、キラーからすれば、彼にしてはかなり真面目に心配した上で、あんな酷い言葉使いだったが、それこそ一歩間違えばこちら側が駄目にされるセキュリティシステムを相手にするかの如き慎重さで言葉を選んでいたと言うのに、笑われたのだから、当然怒る。

しかし、それも小さな子供の癇癪のような物で、五月蝿いだけで、危害を加える事は無い。
むしろ、彼の触手が明らかに怒っている様子で振り乱されるので、見た目だけ見るなら先ほどよりも、さらに面白い。

だが、シエンタと違って、すぐに謝罪の言葉が掛けられたので、キラーは調子を狂わされたように、少し驚いた様子で、良いんだが、と返して、彼女の言葉を聞く。

「ふむ……なるほど。 私のように、あまりにも固体として完成されすぎているが故に、と言う事だな? だが、他の連中は、戦闘時ではなくとも部下と言う物を消費しているぞ。 私からすれば、アレこそ無駄の極みなのだが……お前はもっと無駄使いしてしまうのか?」

彼女の言葉は、少なくとも絶対の自信を持って実際はシエンタとペアではあるのだが、一応単独行動を行う彼にとっては納得の行く物であった。
しかしそれと同時に、他の将官に付くほうが良いと語る彼女に対して、その他の将官は部下と言う物を、戦闘でもないのに消費しているぞ? と問いかけた。

彼が言う『他の連中』と言うのは、当然自分より階級が高い者、その中でも、中枢近くに居る、ヘルガ、テルン、Clusterの三者だ。 これらが、部下をどのように扱っているかなど、わざわざ議論するまでも無い事だ。
だからこそ、自分には必要の無い、と語るフォルトゥナに対して、無駄なところで消費する奴らよりも無駄にしてしまうのか? と言う純粋な問いかけを行った。

だが、仮に、そうだと答えても、彼は、そうかと納得するだけだろう。
人間一人一人の命など、尊さなどは、彼はあまり考えていない。 ただ、効率の話をしているだけなのだから。

「む……言いたくないこと、と言う奴か。 ならば語らなくて良い、私も無理に聞きだしてお前が苦しむなら、嫌だからな!! 生まれつき……生まれつきなのか? むぅ、私には不調に見えたのだが、勘が外れたか」

続いて語られた言葉に対しては、キラーは特に疑問を語る訳でもなく、概ね納得した。
生まれつき、と言う部分には引っ掛かる物があったようだが、わざわざ味方のいう事をすべて疑って掛かるほど、彼も歪んではいない。

「シエンタ? 今は駄目だ! 私と奴は、目下交戦中なのだ。 イシを改竄で増やすのは人の心が分かってないだの、ワケの分からないことを……それに私が初めて見た食べ物が置かれていたからデータ取得を試みれば激怒した。 こういう時は距離をとるのが最良の解決策と私は確信している」

そしてシエンタの名前が出て、そちらに行ったほうが良いと言われれば、キラーは今は駄目だと語る。
……要するに、また馬鹿馬鹿しい理由で喧嘩をしている、それだけの話だ。

>フォルトゥナ

3ヶ月前 No.40

イスマリア/葛飾北斎 @tukuyomi07☆2nDyzvx51us ★3aNoMW8gGM_xmq

【 歴史是正機構本部/丞相室/イスマリア・ザルヴァトール 】

 提出した書類には一切の不備なく、しかし内容に過多というものもありはしない。
 整然と並べられたデータや書き加えられた初見。それら全てが此度行われる作戦において必要な内容のみが記されている。
 そこに不確実はない。そこに隠匿はない。全てが事実であり、全てが歴史を壊すために必要不可欠なパーツ群。
 無駄は無い。統制されきった資金の流れ。訓練されきった部下。対応できなければ死ぬ砲弾。
 そしてそれは、丞相の許可さえ下れば撃ちだせる止まることはない砲台。その丞相は、言外にこう告げている。

 "結果を出せ。手段は問わない"。

 ほとんど内容を視ずに書き上げられたサインと共にぞんざいに置かれた書類に、しかし何か感情を抱くということはない。
 "不要"だからだ。より良き未来において、必要のないものは徹底的に削ぎ落していく必要がある。
 数多全ての意味無き事象に、裁決を下さなければならない。
 腐り切った人類を性根から変革するには、実に簡単なことだ。

   ・・・・
 人は世界平和というものを簡単に選ぶことは出来ない。
 それは知っている。だが世界平和にならなければ、世界は滅ぶ。
 だから――。

「了解しました。では、作戦終了後に報告書を提出します」

        ・・・・
 ――その根から、選ばせる。それがイスマリア・ザルヴァトールの抱く歪み。
   人類全員が世界平和を選ぶことが出来れば未来は永劫に安泰であるのだから。
   冷え切ったヘルガの声は、人間でありながら非人間たる彼女の内面を見透かしていた。

 会話は二言三言だ。
 それ以上はしない。不要だから。
 淡々と済ませる。不要だから。

「そして、研究者の処分に関しても任されました。後日、報告を受け次第執行します」

    、  、  、  、  エクスキューショナー
 淡々と応ずる声の其れは、まさしく処刑人。
 力の無い者は不要。
 期待に背く者は不要。
 完全なる弱肉強食の理の元に、人間ではなく装置としてイスマリアは生き続ける。より良い未来こそが人のためであるのだから。
 そこに幾つもの屍の山が積みあがろうとも、それを嘆くことはない。世界平和が実現したときに、全てが報われるのだから。
 思考は完全に統制される。
 そう思うことを己で許さない。

「……ああ。
 そういえば、丞相は――幾つの時代を、どういった目的で改変なさるのでしたっけ」

 だから、再三の確認はいる。己をどういう方向で動かしていくのか、己自身が決めるために。
 それはさながら、チェス盤の駒。己自身がプレイヤーであり、己自身という駒を動かすという支離滅裂なソレ。
 何のためにやるのか。
 どれくらい徹底的に行うのか。
 ヘルガという女に限ってそれはあり得ないことだが――生温いものであるならば、こちらも取る選択肢は変えている。

>ヘルガ・アポザンスキー ALL


【 時空防衛連盟本部/エントランス/葛飾北斎 】

 青年はこちらを見つけると喉奥に一気に珈琲を流し込む。
 学ばねば損。学ばなければ不自由。熱心なお栄は良い香木に火を点け放つ香ばしい香りが何であるかは知っていた。
 最も、妙な真っ黒い泥水のような液体の名を珈琲であると日本が知るのは、後一つ時代の変革が必要なのだが。

「あっと失礼、気にしなさんな。戦前の軽い冗談サ、しかし――」

 しげしげとつま先から頭まで、ゆっくりと観察するように眺める。
 やはり見覚えは無い。顔立ちはどう考えても日本人のソレであるが、お栄の知る限り江戸にはこのような着物を着た人物はいない。
 それに――あそこでは聞いたことの無い言葉が次々と飛び出してくる。

 視線をやる。らいどうへ。

「でびるさまなぁ?
 ……なんだそりゃ、南蛮の職かい? 見たところお前さんの着物、江戸では見ないものだが……」

 視線をやる。くるりと一回転して愛嬌のある名乗りをしてみせたじゃっくふろすとへ。

「それに、そう、そうだ。おまえだヨ。
 ははあ――成る程、こりゃ一本取られた。南蛮物とはいえ、雪男はそこの御仁ではなくおまえさんの方だったか。
 しかしまぁ、この時期でも融けない雪童たぁ珍しいものを見たよ。拝んどけばご利益あるかネ?」

 横文字は苦手である――。

 冗談はさておいて、さぁう"ぁんととして座から知識は仕入れている、故に――必要な知識は頭にはあった。
 だが、それも必要最低限のものだ。異国情緒溢れる知識など無いも当然だし、日本古来のものしか知り得ない。
 大筆を抱え、じゃっくふろすととらいどうの両方の間を行き交うように、視線を交互に移す。

 ・・・・
「葛飾北斎。
 もっとも――一人と一匹で、だがね。おれ一人じゃただのしがない画工サ。んで……」

 からん、とらいどうが屑籠へ放った和紙湯飲み<紙コップ>が音を鳴らした。
 何てことはないかのように、からからと快活に笑って蛸に関して答える。

「この蛸坊主はうちのとと様サ。
 墨の擦りすぎでかは知らねぇけど、気づいたらこんなことになっちまってやがった。
 まー、信じがたいかはもしれんが。そんなこと言っちまったら今が夢か現かって話になっちまうしナ!」

>17代目葛葉ライドウ ALL

3ヶ月前 No.41

芋娘 @infernus☆XQ6phrzcKMtR ★F7MrHN45jw_N6D

【ロンカ村/宿屋/パメラ・エンドネル】

ロンカ村でただ一つの宿屋には、入ってすぐのところに観光客がくつろげるスペースが用意されている。パメラはそこにある椅子に座り、上がった息を整えていた。
いくら暑いからといって、汗をかいたまま氷点下の屋外に飛び出して身体を冷やせば、たちまち風邪をひいてしまう。反面ここならば、万に一つも凍える心配はない。
少し運動をすると若干暑さを感じるほどに、屋内は暖められている。暖炉で燃え盛る炎は、極寒の地で生きる人々と村を訪れた観光客に、生きる活力をもたらしていた。

「おお、ニケ! 助かるだべさ!」

聞き慣れた声と共に扉が開け放たれ、一瞬冷たい空気が室内へと流れ込むと同時に、パメラにとって掛け替えのない友人である少女、ニケが姿を現す。
彼女がこちらを見るなり手渡してきたのは、暖かい牛乳の入ったカップ。パメラはそれを受け取ると、感謝の言葉と共に、それを一気に飲み干す。
直後、身体の芯に火を灯すかのように、暖かさが体内を駆け巡っていく。舌が感じ取るのは、すっきりとした、後味のよい甘さ。これぞ、ロンカの牛乳の醍醐味。
やや薄味にも感じる控えめな甘さだが、これがまた絶妙なのだ。後から染み渡るかのように、仄かな甘さが口に残る。雪国が育てた、極上の逸品がそこにはあった。

「アランも来ただか! 大丈夫だぁ、もう仕事は終わったっぺ!」

パメラがロンカ牛乳の後味をこれでもか、というほどに堪能していると、更にもう一つ、声が聞こえてきた。そこに立っていたのはニケと同じく友人である、アラン・レイクルード。
彼がこの村へとやって来たのは、四ヶ月ほど前のことだ。重傷を負い倒れていたところを発見された彼は、村人達によって救われ、ロンカ村へと運び込まれた。
本来ならば、ここでゆっくりと傷を治した後、故郷へと帰るはずであったのだろう。しかしアランは、それ以前の記憶を、完全に失ってしまっていたのである。
どこから来たかも分からない男を、村の者達は見捨てず、暖かく迎え入れた。「アラン・レイクルード」という名前で呼ばれるようになった彼は以来、村の一員として、パメラ達と平和な日々を過ごしている。
しばらくして、美味しそうな匂いが宿屋全体を包み込み始めた。夕食の完成が近いのだろう。今夜のメニューはロンカ村特製、鶏肉と羊肉のクリームシチュー。スープのベースはロンカ村産の牛乳であり、まろやかな風味が食欲をそそる。
この極寒の地域であることもあって、残念ながら野菜は入っていないが、それでも栄養バランスはよく、一度食べたら病みつきになることは間違いなしだろう。

>ニケ・エタンセル、アラン・レイクルード

3ヶ月前 No.42

珍獣とロボット @aaazzz123 ★Android=KP9LssNLxz

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3ヶ月前 No.43

世界を駆ける者 @x5mas☆sECYEVcUXiI ★iPhone=Wit8ZXr2ac

[時空防衛連盟本部/食堂/【リプレイサー】]

コーヒーも飲み終わり、いよいよすることが無くなった。次の一杯でも汲んでくるかと立ち上がりかけた時、不意に横から声が掛かった。思わず座り直してから横を見れば……なんとまぁ、黒髪に黄色い瞳の組み合わせ。妙に親近感を感じるコイツは確か……

「隊長――――!?」

とんだ野郎が現れた――!!
これは強いてでも座らせなくてはならない相手。即座に起立し、椅子を引く。そして訓練への不参加を全力で詫び、今後一切の怠慢も許さぬ覚悟を誓う!!


――とでもするところなのだろうが。ここはあくまで冷静に。

「ああ、勿論。待ち人も居なかったからな、此処が空いててくれてラッキーだった。お前とは常々、話をしてみたいと思ってたんだ。」

隣の席を僅かに後方へとずらし、不敵な笑み(っぽいもの)を返す。歳上だか歳下だかも分からないが、恐らくは同年代辺りだ。ならばそう下手に出る必要はあるまい。勿論、訓練不参加の言い訳ぐらいは考える必要がありそうだが。

着席するタイミングで、一つ挨拶でもしよう。笑みは出来るだけ崩さずに、あくまで冷静に。

「いやしかし、此処で実際に会えるとはな……。申し遅れた、俺の名前はリプレイサー。此処で兵士やらせてもらってる、異世界からの流れ者ってとこだ。お前はギルバート……で良いんだよな?」

ポーチから、ちらとダガーの一振りを覗かせながらの自己紹介。どうやら相手は最初からポーチに目を付けていたらしいが……。仮に自分が敵だとしても、不意討ちする隙も見せない。隊長とはかくあるべき、といった様子だ。
それにしても不思議だ。幾分か遅いとはいえ、彼がここで昼食を食べているとは。まだ会議は終わっていない時間帯の筈だが?

「それにしても……まだ会議は途中の筈だろ。お前呼ばれてなかったのか? 隊長ならば行ってもおかしくないと思うんだが。」

純粋な疑問だ。勿論、『別の質問』から逃れる手でもあるのだが。

>>ギルバート・トムフール

3ヶ月前 No.44

リインカーネーション @genomirai ★z8IID1mzG7_aZs

【歴史是正機構本部/資料室/クジャルナ・クオーク】


どうやらこの男性は意図するものを理解したのか、資料を通した話ではなく時空関連の学者が話すような話題を持ち出してきた。その方がこちらとしても有難い、論文などはそれほど目を通すことがなく貴重であるが故。
空間に表示されるグラフは説明の通りであれば時空振動を表すらしい、そしてグラフの振れ幅は時空の振動の強弱を示すもの、これが最大まで振り切れると時空断裂が起こるようだ。
そして現在は不安定、古代に遡るほど影響が大きく現状でも相当な打撃を与えていると。そして要人の殺害一回で断裂してしまうと。
―――成程、好都合だ。
いや、今はその時ではない。曰く十分な下調べの内倒すべき相手を見定めろと、迂闊に行動してしまえば時空断裂の可能性は高くなる。宰相も周知していることであろうがこの男がいうには、それでもまだ足りないとのことだ。

「……ふむ、門外漢なので詳しいことまでは把握できませんが些細な事で時空断裂の可能性があると、そう仰りたいのですね。」

少し考えるそぶりを見せつつ、彼の話を纏める。詰まる所どの人物が死ねば未来に影響が出るのかを考える必要があるという事、下手すればそのあたりにいる人間が場合によっては未来の重要な何かを担っている可能性があるのだ。
その時代に住んでいた人々の情報などはさすがに残ってはいないが、有名な人物や功績を挙げたような人間の記録は残っている。そして重要なのはそのような人物でなくても影響を及ぼす可能性があることだろう。
極端な例を挙げれば兵士として戦場に出ていた人物が遠い祖先であれば、それ以降の子孫が存在しなくなり、誰かが未来でいなくなることは大いに予想されていた。
つまりそれの規模が大きくなればなるほど、時空断裂の可能性が大きくなるという事だろう。

「ええ、纏まりました。しっかりと殺す対象を精査したうえで、歴史是正機構に有利になるような歴史へと変えられるよう努力します。教えて頂いてありがとうございます。」

そう教えてくれた彼に笑顔で礼を言う、本来の目的が別にあるとはいえ今は歴史是正機構の目的に乗るつもりだ。実際今得られた情報はあるのとないのでは動き方が異なる、絶対に殺してはいけない人物を見定める必要があるだろう。

「そういえば貴方は高名な学者様でしょうか、こちらの方面には明るくなく存じないのですが……宜しければお名前を窺っても?」

これほどの知識を易々と敵に渡すのは忍びない、協力者としてこの場にいるとしてもいざとなれば歴史是正機構に縛る必要もあるだろう。少しでも彼についての情報を集めるべきだと、そう判断した。

>>Richard・R・Barjavel

3ヶ月前 No.45

中二病でもハッキングがしたい! @infernus☆XQ6phrzcKMtR ★F7MrHN45jw_N6D

【歴史是正機構本部/個室/シエンタ・カムリ】

しばらくSNSで誰かと絡みながら時間を潰していると、Chopinからのメッセージが返ってきた。シエンタは一言「離脱するよ」と書き残してスマホを置くと、画面をクリックする。

『おk。今回は何をするの? ゴットシエンタ、レアアイテム出るダンジョンに行く?』

なるほど、レアアイテムか。確かにそれもいいのだが、今自分が欲しいのはランキングを決定するスコアなのだ。とはいえまあ、丁度欲しいアイテムもあることだし、そこに潜るのもありか。
このRPGゲームのランキングはスコアによって決定される。勿論、それを稼ぐためには、現在イベントの開催されているダンジョンに潜らなければならない。
シエンタは前日までこのイベントのランキングでトップを維持していたのだが、今日確認したところ、2人が自分よりも高いスコアを記録していて上位に立っていた。
このようなランキングの攻防はよくあることなのだが、イベント開始から数日間トップを堅持してきただけに、ここで逆転を許してしまったのは想定外であった。
だからこそ、いち早く逆転するためにも、Chopinに周回を付き合ってもらおうと思ったのだ。だが計画変更、まずはレアアイテムを確保してから、周回に勤しむとしよう。

『いいよ。何回かやってみてダメだったらイベント周回付き合ってくれないかな』

メッセージを送信すると、再びSNSを確認するシエンタ。しかし今回は浮上せず、流れてくる投稿を確認するだけに留めているようだ。これからダンジョンへ行くのだから、操作出来ない状況でクエストが開始することだけは避けたい。
手持ち無沙汰になったシエンタは、ポテチを掴んで食べると、それを流し込むかのようにコーラを飲む。一応女子であるからか、手についた塩は舐めることなく、拭き取っているようだ。変なところで少女らしい一面が出てくるのかも知れない。

>(ショパン)
【敵陣営の人間とネトゲする少女】

3ヶ月前 No.46

人類昇華への道 @infernus☆XQ6phrzcKMtR ★F7MrHN45jw_N6D

【歴史是正機構本部/丞相室/ヘルガ・アポザンスキー】

負けたがいい試合だった、と、スポーツの世界でいうことがある。もう少し詳しく言えば、"内容は良かったものの、試合に勝つことは出来なかった"となるだろう。
ヘルガはこの考え方を非常に嫌っていた。負けは負け、内容が良かろうが悪かろうが、負けていることに変わりはない。所詮そんなものは、負け惜しみに過ぎない。
どんな薄氷の勝利だろうと、相手に試合を支配され続けた中で決めた一撃による勝利だろうと、内容でも圧倒しての勝利だろうと、勝ちという単一の概念から見ればどれも同じ。
過程など、どうだっていいのだ。必要なのは結果。歴史の改変による、人類の昇華。それが果たされるならば、どんな汚いことだろうとやる。綺麗事だって構わない。それが結果に繋がるならば。
逆に言えば、最初から結果が出ないと分かり切っている行動は必要ない、ということでもある。例えば、成果の上がらない研究者に権限を与え続けるとか。例えば、失敗を重ねる部下に次なる機会を与えるとか。
恐らく、あの研究者はこのチャンスも無駄にする。奇跡的にいい結果を出してくれるかも知れないが、だからといってこれまでの失敗が帳消しになる訳でもない。
彼は残念ながら、ヘルガにとってもう用済みの人材であった。より優秀で、期待出来る人物を然るべきポストに据えるため、犠牲になることが確定した哀れな存在。
だが、この歴史是正機構において彼に同情する者は、誰一人としていないだろう。何故なら、それは当然のことだから。結果を出せないならば、去るしかない。それが、ここの掟。
淡々と指示を受け入れていくイスマリア。彼女は、情けを掛けない。研究者の命運は、もはや決まったも同然。彼女の裁きは、決して生ぬるいものなどではない。

「今の計画では、古代と中世の二つ。目的は、人類の選別と昇華だ。平和は人類を腑抜けへと変えた。争いのない日々を前に、人類は衰退の一途を辿っている。平穏、平等、共存……そんな弱者の依り代は必要ない。人類を高みへ導くためには、戦争が必要不可欠だ」

歴史介入による勝利陣営の変更、それに伴う戦争の増加。ヘルガはそれが、人類昇華の鍵を握っていると確信している。今の人類が腑抜けなのは、平和が原因なのだと。
脅威の存在しない世界では、自然と警戒心や野生が失われていき、人は飼いならされた家畜のように牙を持たぬ存在に変わり果ててしまう。それでは、駄目だ。このまま行けば、人類はいずれ破滅する。
弱者に手を差し伸べてやる必要などない。争いの末、強い者だけが生存権を得る世界―――それこそ、真の理想郷。生物界とは、得てしてそうであろう。野生動物が手を取り合って生きることなどあるか? 植物がお互いの国境を定めて、限られた範囲でだけ咲き誇るか?
過去を改変する時代は二つ。されど、修正してやらなければならない時代はもう一つある。ヘルガの心の奥底に秘められた真意。破綻者はそれを見抜いているのか、それとも―――

>イスマリア・サルヴァトール

3ヶ月前 No.47

爆炎 @sable ★8O0rjcH5GN_8gk

【ロンカ村/宿屋/ニケ・エタンセル】

牛乳を受け取るなり豪快に飲み干す友の横顔を満足気に眺めるニケ。普通は女の子なら周りの目を気にして少しずつ飲みそうなものだが、彼女に関しては違った。
服装や言葉遣いも如何にも田舎っぽく、悪く言えば"芋くさい"パメラ。王国に近く文明も比較的進んだニケの故郷では、まずお目にかかれない存在である。
それでもニケはそんな彼女を馬鹿にしたり、嘲ったりということは一切しなかった。むしろかけがえのない友人として何よりも大切に思ってすらいたのだ。むしろ似たような傾向にある者同士、いつまでも仲良くしていたい。
村を愛し、両親を労わり、仲間を慈しむ心を持ったパメラは、美しく着飾った都会の人間の数億倍美しい。そしてニケもまた、その事に気付ける澄んだ心の持ち主なのであった。

「ここの牛乳はウマいもんな。今まで飲んだ中で一番だよ」

ロンカ村の乳牛がもたらす乳は、一般的なものと比べるとやや薄味である。最初に飲んだ時は一瞬物足りなさを感じもした。
しかしだ。その一瞬の不敬を窘めるかのように、非常に後味の良い、スッキリとした甘さが舌に残り続けるではないか。濃厚で飲みごたえのある従来の牛乳も好きだが、ニケはもうここでしか味わえないであろう甘美な感覚の虜になっていた。
極寒の地故に野菜はほとんど口に出来ないが、それを補って余りある美食の数々。ご当地グルメという単語はここにこそ相応しい。

「ああ、俺も大丈夫だ。ゆっくり休もうぜ」

時を同じくして宿屋に戻ってきたのは、つい数か月前にこの村の一員となったアランだった。彼もまた疲れているだろうに、手伝える仕事はあるかと切り出す好青年ぶりには、流石のニケも感嘆させられる。
だが今日の仕事はもうおしまい。あとは食事を摂り、風呂を浴び、明日に備えて眠りに就くのみ。あまり無理をしないようにという意味も込めて、ゆっくりのんびり休むことを提案した。
思えばアランと自分は似た者同士なのかもしれない。経緯はかなり異なるだろうが、過去を失い、第二の人生を歩んでいる点では同じだ。
そしてそんな自分達を嫌な顔一つせず受け入れてくれるロンカ村。思えばこの村は、パメラが持つような温もりに満ちている。だからこそ温かく、居心地がいいに違いない。

ありがたみを再度実感しつつ、炉の中で燃える炎に手を翳して暖を取る。そんな素朴ながらも尊さに満ちた幸せが、いつまでも続けばいいと願いながら。

>>パメラ・エンドネル、アラン・レイクルード


【最初のレスでニケの一人称を思いっきり間違えていたポンコツ】

3ヶ月前 No.48

リインカーネーション @genomirai ★z8IID1mzG7_aZs

【歴史是正機構本部/移動中/フォルトゥナ・インテグラーレ】


見ていると何というか、温かい気持ちになれる人物だと。フォルトゥナはキラーのことをそう評価する、笑われたことを怒るが謝られると気まずそうにいいんだがと言い淀む。間違いなく優しい、そして彼にとってすごく真面目だと思った。
それでいて流石の知能というべきか、フォルトゥナが言った言葉に対して切り口こそ子供の様だが、鋭くまた答えづらい事を聞いてくる。フォルトゥナが部下を要らないと言った理由は単に指揮能力が他の将官の方があると判断したから、しかしキラーは粛清や処刑で無駄に部下を消耗していることを突いてきた。
彼女が部下を持たない理由として処刑をするつもりがないから、というのが理由としてある。そうなれば死にたくないものがフォルトゥナへ殺到し、実力主義のこの組織が纏まりつかなくなる可能性も大いにある。それを防ぐために宰相へと部下を付けないことを頼んだのだ。

「……少し難しいな、私に部下が必要ないが部下を無駄遣いしてしまうわけでもない。ただ、この組織が纏まる為に部下は消費されてしまっている、決して無駄ではない。私はそう、思いたいな。」

上手く説明できたつもりはないが、命が無駄遣いされているという事はあまり気分が良くない。徒に人が死ぬことも許容できるかと言われれば否だ、しかしこの組織である以上仕方がない事。この組織でなければ目的は達成できないのだ。
そう、人の命は尊いものなのだ。失ってしまえば戻らない、しかし戻らないことが分かっているからこそ求めたくなる。ああ、でも、それはきっと今の彼女のものではなくて、今のフォルトゥナはきっと目的しか見えていない。
だからこそ彼女はキラーにそれを知られないように隠した、生まれつきだと人が見れば分かるような嘘をついて。無理に聞き出さない優しさを持つ相手に不誠実なのはやはり心が痛む、歪みない彼に黒い染みや汚れは必要ない。

「ああ、そういう事か。イシは分かりかねるが食べ物のほうは同じものを購入して、彼女にプレゼントすると良い。大方楽しみにしていたのだろう、謝るときか次に会う時に持っていくときっと喜ぶ。」

イシ、意思だろうか。改竄で増やして人の心が分からないと言うのはそういう事だろうか、遺子……はシエンタがそうであったとしたら怒るだろうが可能性は低い。遺志、医師などと思考を巡らせるが素早く分からないものと決断し、思い当たる方にアドバイスを送る。
恐らくは楽しみにとっておいたのか、若しくは好物であったのだろう。フォルトゥナ自身にそういった経験はないが、学生として過ごしてきた中そういう反応を取る人物は少なくない。シエンタの年齢から見てもそのあたりだろう。
キラーに言えば喧嘩している今では認めないだろうが、二人は相当に仲がいい。種族も恐らく年齢も離れているが仲睦まじいのは良い事だ、分け隔てなく仲良くなれるのは良い事だと感じる。

「そうだな、女性は概ね容姿を褒められると喜ぶそうだ。時間が経つのを待ってから彼女に言ってみたらどうだ、私には良く分からないがそういうものらしい。」

何処かで女学生が話していたような与太話をキラーへと伝える、実際に文献なども調べてみたが心の籠った言葉であると受け取ったならば喜ぶ様だ。キラーは少なくとも相手を思いやれる、ならばシエンタにそういった言葉をかけても問題ないだろう。
そうして楽しい時間は過ぎていく、職員が通っていないからいいもののもし誰かがこのフォルトゥナを見れば組織内の小さな話題になるだろう。あの不機嫌将官殿が笑顔で話していたと、さらには会話も弾んでいるようだったと。
実際フォルトゥナにとってもこの時間は有意義なものであると感じている、上手く伝えられそうにないが心が豊かになる……と言えばいいだろうか。

>>キラー・テンタクラ―

3ヶ月前 No.49

観測者の瞳 @x5mas☆sECYEVcUXiI ★iPhone=Wit8ZXr2ac

【歴史是正機構/資料室/リチャード・R・バルジャベル】

彼は暫し頷いた後、簡潔な言葉で纏めてくれた。門外漢とは言うが、理解度は下手な専門家気取りよりは余程理解度が高い。聡明な者とは、総じて言葉を巧く手繰るもの。時空断裂の危険性は、十分に伝わったことだろう。

嗚呼、そしてもう一つ。聡明な者は、言外に言葉を含ませるものだ。

「その通りです。皆は良く勘違いを起こすものですが、時空とは容易く手折れる代物だ。ええ、たった一人の謀叛が原因となり、時空は断裂し得る。たった一人の死が歴史を捻じ曲げ得る。そのような物なのですよ。呉々も気をつけて。」

互い互いに見せ合う笑顔。だが互いは知り、覗き見たであろう。僅かに差した影の存在。常人には捉えも出来ぬ世界の話だ。二つの頭脳が観測を可とする、遥か水面下の世界。

「いえ、私など隠者も同じ。孤雲野鶴の境遇にある者ですよ。名乗る程の名も有りません。」

穏やかな言葉に穏やかな返し。だが裏はどうだ。白鳥が必死に泳ぐように、静寂の内に宿る駆引き。言葉を見据えろ。何処にも解れは見せてはならぬ。


博士は暫しの考慮を挟み、軽く咳払いをした。脚、腕、そして耳……。麗人の優れた肢体を一瞥した彼は、資料室の出口へと歩を進める。言い表せぬ『ナニカ』を悟り、それを確信したかのように。

「けれど……問われたならば、答えねばなりますまい。私の名前。私の名は、時代の軛。歴史の杭。異形の怪物。お判り頂けますね、麗しき魔族の御仁。私が貴方に求めることが。」

彼は出口まで至ると、麗人の側へと向き直った。言葉に宿るのは静かな狂気。

――と、次の瞬間。

[その閃光を身を捨てて避けた影に落ちるは長物、十字槍に刃を付けた黒く煤けたそれは頭部目掛けて投下され―――]

虚空から、剣槍が飛来した。
遥か遠方に在った、一人の英雄が手にした得物。本来この場には有り得ない代物が、それでも確実に現れた。僅かに麗人を掠めるかの如く飛翔する。

《徒爾を為すなかれ――》

一つの言葉と、多くの謎。それらを置き去りにし、博士は忽然と姿を消した――

最後の言葉が何を意味するか。彼には分かるのかも知れないが。

>>クジャルナ・クオーク


>>4 を使用 少々早いですが、此処で一旦絡みを閉じさせて頂きます。ありがとうございました――】

3ヶ月前 No.50

一番隊隊長 @infernus☆XQ6phrzcKMtR ★F7MrHN45jw_N6D

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3ヶ月前 No.51

イスマリア @tukuyomi07☆2nDyzvx51us ★3aNoMW8gGM_xmq


【 歴史是正機構本部/丞相室/イスマリア・ザルヴァトール 】

 可哀そう。それは確かに人の感情として在って然るべきだ。イスマリアは己は人であると仮定しているから、処刑が決定された研究者は可哀そうだと思う。
 本当に哀れで不憫でならない。今まで散々頑張ってきて、きっと家族もいたのだろう。養うべき子供達もいたのだろう。
 歴史是正機構は完全な実力主義社会だ。実力次第では高給取りにもなれるし、その逆もまた然りだ。落ちる者は奈落へ墜ちていく。
 落ちて行ったものは哀れで仕方がない。蔑みもなければ侮蔑も軽蔑も侮辱もない。本当に、本当に可哀そう。

 ・・・・
 だが殺す。
 ・・・・・・・・・・・・・・
 世界平和には仕方ないので殺す。

 イスマリア・ザルヴァトールとはそういう女。
 運命がそう裁決を下したのならば、仰せのままにと刃を振るう人間の皮を被った非人間的な機械。
 個人の感情を慮り、しかし最も感情的な決定とは縁遠い女。泣き叫び延命を懇願する者の首を躊躇いなく落とす。
 斬りたくないなど思ったことがない。
 何故なら当然のことであるのだから。
 イスマリアにとっては単なる作業であるのだから。

「彼もまた、その血肉の一片までも未来のために捧げるのです。
 丞相、――彼の最後の奉仕は引き継ぐ研究者に捧げられることとなるでしょう」

 その言葉が意味するものなど――想像は容易い。
 彼の死は、無駄にはしない。首を落とすか、さもなくば生きたまま実験施設に送って廃人にするかの二択。
 そのまま殺して埋めるだけでは、彼は最後まで未来に対して何も報いることが出来ずに死んでしまうのだから。
 彼も無念だろう。だから、その血肉の一片も残さず未来のために使う。それこそが、死にゆく弱者への最大の敬意。
 獅子は、生き残るために弱者を食う。面白半分で殺すことなど、決してありえない。

「古代と、中世……ああ、そうだ。そうだった」

 意志の言葉。
 確固たるソレ。
 紡がれるソレに迷いは一切ありはしない。頭の中でノートを開き、該当箇所を指でなぞって確認する。
 確定する。

「しかしながら、丞相。一つ――勝手ではありますが口を挟ませていただきますが」

 だから、ヘルガ・アポザンスキーという女が何処までやれるかを確認しておきたかった。

「火の発明。
 蒸気の発達。
 情報革命。
 そしてAIの革命、――人類を動かす歴史は多種多様。古代と中世を変えたところで、決定的な変化にはなり得ない」

「――近代はどうするおつもりで? ああもう面倒ですね、言いましょう。この国のトップの首はどうするおつもりで?
 世界中に戦乱を起こしてそれを平らげるというのならば、秩序というものはただ、邪魔なだけなのです」

>ヘルガ・アポザンスキー

3ヶ月前 No.52

削除済み @kyouzin ★XC6leNwSoH_UxJ

【記事主より削除】 ( 2018/01/05 00:41 )

3ヶ月前 No.53

首刈りヴァルキリー ★XC6leNwSoH_UxJ

【ちょっとミスがあったので消してもらいました、失礼しましたー】

【時空防衛連盟本部/作戦会議室→休憩室/ミシャール・ルクセン】

どうも、こちらがちゃんとした会議を始める前にも、上の連中はどうにかして妨害、あるいは利益を得ようとコンタクトをいくらか掛けているようで、今も一つ、面倒な物が入ったかと思えば、ユーフォリアはさっさとそれを切った。
まぁ、それ自体には何か言う必要も無い、相手が誰であろうと、どうせ世界政府側には働きかける能力はないし、地球軍にしろ大方、大将か元帥様からのお達しばかりなのだから、自分がどうこうできる立場ではないのだ、所詮、元防衛大臣、現中将など、世界政府の前では役に立たないカカシに過ぎない。

一喝して黙らせてやれればどれだけ良いだろうか、などとミシャールは思いながらも、ひとまずその場は収まった用で、溜め息混じりに、ミシャールは手元の資料に目をやりながら、各自の話に耳を傾けた。

まぁ、実際のところミシャールのやる事は決まっているので、ほとんどミシャールは発言する事は無かった、精々、質問があれば答えるぐらいの存在だ。
そして、しばらくして会議が終わり、質問があるかと問われれば、ミシャールは。

「問題ないさ。 予定通りこっちは全力支援させて貰うよ。 まあ……地球軍の連中が煩いんでね、不甲斐ない老人は精々留守を守る事ぐらいしかできんが……そうだね、上手くやってくれ」

そんな風にミシャールは言葉を返してから、さっさと立ち上がって歩き始める。

「じゃあ、いく所があるのと、アタシがあんまり長居してもしょうがないからね、この辺りで失礼するよ。 ……あぁそうだ、イルグナー殿。 あんまり本物の老人の前で老いぼれがどうとか言うもんじゃないよ、アンタはまだ若いんだから」

それ以上に3桁を超えてまだピンピンしてこんな所にまで出てくるわ、戦闘訓練はするわ、さらには実戦も行える貴方がおかしい。
そんな突っ込みが飛びそうな言葉をミシャールは残して、ミシャールはこの場から立ち去って、すぐにカツカツと休憩室へと向かった。

その理由は、ある子供に会うためなのだが、そこに付くと、まぁ、居場所が無さそうに隅っこの方に居るか彼女の姿と、ひそひそと何かを見て話している連中の姿が目に入った。

「はあ……ったく、子供なんだからふてぶてしく椅子にでも座ってれば良い物を。 ほら、退いた退いた木っ端共、ここは今から中将様の特等席だ、っと」

それを見てミシャールは溜め息を一つ、ここだってクズの集まりじゃあないんだから、普通に椅子に座っておけば変な仕草をする連中もそう出るまいと内心思いながらも、ミシャールはしっしと人払いを済ませてから、テーブルに隣接する椅子の一つに腰掛けて、ごそごそと弁当箱を取り出しては蓋を開け、テーブルに置く。

そして、目を合わせるようにREDの方を向いて。

「おーいRED、何時も通り、飯持ってきたから食べなー、肉、魚、野菜、なんでもあるよ。 あんまりノロノロしてるとアタシが全部食っちまうからね」

本当に全部食べるつもりは無いが、ミシャールは遠慮なく用意した"女の子にあげるにしちゃあちと詰め込みすぎたか"と反省している、結構なボリュームのある弁当箱の中身の少しを拝借する。
まあ、来なかったら……連れて来る、かあ。 そこまで自分もまだ警戒されているとは、思いたくないがね。 などと考えながら。

>RED (作戦会議室ALL)

3ヶ月前 No.54

ミラノ @aroundight☆SdjaOljKHtOm ★zLr78z7s8m_FR1

【時空防衛連盟本部/訓練施設/ミラノ】

 端的に、訓練/演習と呼ばれる言葉は慣れを生むためのものであるという。
 いざ目標とされる事柄を百に少しでも近づけるための予行演習―――いざその場に立った時、コンマ一秒でも最適解を選ぶまでのラグをすり減らすための反復こそが訓練と呼ばれるものだ。
 こと一瞬の迷いが命の分岐路となる戦場において、そうした身体の慣れとは基本中の基本。軍人、戦士、騎士、なんでもいいが、戦う人間にカテゴライズされるものならば誰もがそうした行動を尊ぶ。いざ本番において、少しでも長く生き延びるために。戦闘が目的の達成手段であるならば、その目的を達成する確率を少しでも上げるために訓練というものがある。
 だから、………敢えて言うが。此処で響く喧騒は少年には只管に無縁のものだった。
 こうした異邦人が紛れ込むこともこの組織には珍しくない。そもそもからして組織立ったものに属するという行為を知らない者が紛れ込むことだって、珍しくはない。
 そんな、銀髪の何処かあどけなさと快活さが入り混じった顔立ちをぼんやりとした感情に染めながらも、ふと連盟本部を見て回っていた彼が最後に辿り着いたのがそこで。


「(………ふぅん。良くやるよな、騎士サマ兵士サマってのは。世界違っても変わりませんってか?)」


 流石に口にこそしなかったが、彼はその喧騒と施設の需要に一歩引いた感想を懐くに至った。
 ここが自分の居た場所とは異なる何処かであること、ミラノはそれを重々承知している。
 承知こそしてはいるし、実際武装だって見た覚えのないものが幾つか存在する時点で、これが馬鹿げた異世界というヤツであることを教えてくれてはいるが………その兵士たち、戦闘員たちがやっていることは概ね代わりもしなかった。
 それなりに眩しく、それなりに前向き。
 変わらないものがあるというのは有難い話ではあるが、彼からすれば比較的敵対していたタイプの“変わらないもの”だ。それと自分がよりにもよって共闘するという状況は、流石に皮肉めいたものを感じずには居られない。
 ただそれでも、少年がまだこの組織をマシだと思っている点は二つある。
 ひとつは陣営の長や、此処に属する人間は、あくまで知っている者に限るが地位と権利を鼻には掛けては来ないことだ。もしもそういう輩が組織の長なら、ミラノからすれば徐に張り倒している自信すらあった。そうした人間は正直に言って嫌いな人種である。

 ………そして、もうひとつのマシな点は―――。


「随分張り切るじゃん、お前。………此処の人間―――いや獣………いや人間………」
「まあ、いいや。出撃前のウォーミングアップってヤツ?」


 訓練施設で多人数戦を軽々とこなしていた、二足歩行の獣と呼べそうな男が佇んでいるように。
 違う世界からの人間を、概ねフリーハンドで動かしていることだった。
 見たところ泳がせているだけという様子もないところから恐らくは尊重しようとしているのだろうことを察せないミラノではなく、それがまだ彼を“共闘”の範囲で妥協させる要素でもあった。
 ………閑話休題。扉を開け、出だしから軽く声を掛けるのは、単に言葉が通じるかどうか。あの様子ならばそれなりに通じるだろうが、もしも万が一現地で実際に同じ戦場で戦う時、いざ言葉が通じませんでしたでは話にならないと踏んだからだ。

 後は―――単に、ヒマなだけ。
 施設巡りも此処で最後であり、それが終わればミラノはいよいよやることがなくなる。
 必要なことでもあるが、必要なことが終わり次第、彼は本気で暇を持て余す羽目になるのだ。
 要はこのラチェットと(彼は認識していないが)クランクを、そして序でに―――。


「―――ああ、後そこのお前、生きてる? 風邪引くぞー」
「………つーか、凄ぇな………どういう部屋だよ此処。流石のオレも屋内の一部分だけ草原とか、そういう光景は初めて見たぞ?」


 別のシミュレーターにて寝転がっている剣槍使いの少女も、(恐らくは現地の人間なのだろうが)自分の暇つぶしに巻き込もうという算段である。
 その少女はまあ見事に爆睡中なのだが、ミラノはそんなことを構いもしない。
 何故なら彼はそういう少年だ。そこで疑問は解決している。
 ………時に、彼は凡そ機械文明のある時代とは程遠い世界の人間である。よって、シミュレーターによる疑似的な風景の変更など、ツッコミどころと興味と好奇心しか動かないというものだったというのは、全くの余談だ。

>ラチェット&クランク、ストラーヴ


【もしよろしければ絡みまする〜】

3ヶ月前 No.55

世界を駆ける者 @x5mas☆sECYEVcUXiI ★iPhone=Wit8ZXr2ac

[時空防衛連盟本部/食堂/【リプレイサー】]

「あー……そこら辺は触れないで頂けるとありがたいデス……、ハイ。あー、まあ兎に角、そういうわけだったのか。あの女史のことなら、何か考えあってのことなんだろうが。」

流す所は粋に流して、ギルバートは質問へと答えてくれた。何でも、隊長クラスの彼が呼ばれていなかったとのこと。まあ考えは読めている。昼食の時間でも取らせたかったのだろう。組織の上に立つ者とは、真に同胞の事を気に掛けられる者。間違ってもそこに仲間の梯子を外すような陰湿さは無い。――そんな芯の強い女のリーダーを、自分は一人知っている。

それにしても、彼はつくづく恐るべき人間だ。挨拶を交わし、質問を投げ掛けるほんの数秒の間でさえ、彼は片時も『視線』を外しはしなかった。何も目線を外さなかったわけじゃない。けれども彼からは、ある種の殺気にも似た、身体の粟立つような感覚を常に感じる。万人の憩いのひと時である食事を前にしてさえも、彼の脳裏では常に新たな戦術を模索しているのだろう。

だが――奇術師は思う。休むべき時に休み、食べる時には食べる。そんな『日常の感覚』というヤツも少しは必要だ。いつも気を張っていたんじゃ、気付けることにも気付かなくなってしまうことだろう。

例えば、こんなことにさえも。

「丁寧な返答、サンキューな。それじゃあまあ、お礼としては何だけど……1つ教えておかなきゃな。」

軽く礼を返した奇術師は、徐に“空の”カップへと手を伸ばした。先程コーヒーを飲み干した、本部では一般的な形のカップだ。
奇術師はニヤッと笑い、言葉を続けた。

「俺との会話を楽しんでくれるのはありがたいんだけど……ほら、折角の食事が冷めちまうと思ってな。せめてコイツだけでも冷めないうちに、って思ったわけさ。」

奇術師はプレートをちょいちょいと指差した。まだ湯気は出ているし、冷め切ってもいない。……ただ一つ、妙な所を除いては。

いつの間にやら、プレートにあった筈の飲物は【空っぽにされていた】。よく見れば、どうだ。空っぽの筈の奇術師のカップは、【ほわほわと湯気を漂わせている】ではないか!

顔を近づければ、空のカップからは仄かにコーヒーの香りがするだろう。そう、いつの間にか飲み物は【容器ごとすり替えられていた】のだ。
だが、どうやって? 奇術師の手が動いていなかったのは、ギルバート自身がよく知っている筈だ。では協力者が? それも違う、そもそも協力者が居れば気付かない筈がない。

勘が良いのならば、もう気付く頃だろう。これこそが、奇術師の能力の真骨頂。

「でも飲むのはよしとくよ。コイツが俺からの返礼ってことで、受け取ってくれ。」

テーブルを滑らせて、カップを再びギルバートの元へ。奇術師はやはり、不敵な笑みを浮かべてみせた。

3ヶ月前 No.56

Futo・Volde @nonoji2002 ★7KU5qNWZJU_N6D

【時空防衛連盟本部/エントランス/喫煙室/アベリィ・シルバラード】

所謂ヘビースモーカー、という奴だろうか。
灰皿には既にフォッサが吸っているタバコと同じ銘柄の吸い殻が2本刺さっている。

アベリィ自身、タバコは非行に走ったときからずっと吸っているし、一時期目の前に居るフォッサのようにタバコを何本も吸うようなこともしていた。
しかし、お酒の良さに気付いてからはタバコはめっきり。加えて、祖父の死因が肺がんだったことを聞かされた今、タバコがどれだけ体に毒なのか、身に染みて実感している。

……とは言え、ポケットにはタバコの箱とライターが入っているのだが。

「それじゃ、お言葉に甘えて。特に用ってわけじゃないんだけど……噂に聞いてる人だったものだから、つい」

にしても、フォッサ・セントライトという人物は噂通りの人柄だ。
例え、自分よりも下の階級の兵士や新兵であっても、分け隔てなく接し、誰に対しても優しく接する。
もし“理想の上司ランキング”なるものがあるとするならば、彼女は間違いなくランキング上位に居るに違いないだろう。増してや、外部の人間であるアベリィに対しても、砕けた話し方で構わないというのだから、誰に対しても対等な立ち位置でありたい、ということなのだろう。
だが、アベリィの知っている噂はこれだけではない。

「あっ、でも……“魔弾のフォッサ”ってのはあなただよね?」

“魔弾のフォッサ”。スラム街ではもっぱらの噂だった人物だ。かつて彼女が率いる複数のグループがスラム街の東側を牛耳っていたと。元々アベリィもそういうスラム出身の同学年たちとつるんでいた為、風の噂程度で認知していた。
とは言え、住む場所も縄張りも違った彼女はその“魔弾のフォッサ”を見ることもなければ、関わる事もなかったが……。
ところでこんなことは聞いてしまった良かったのだろうか。
人には“知られたくない、秘密にしておきたい過去”と言う物がある。アベリィの額にほんのりと脂汗が滲む。

>フォッサ・セントライト

3ヶ月前 No.57

黒翼 @kyouzin ★XC6leNwSoH_UxJ

【歴史是正機構本部/司令部/Cluster】

歴史是正機構の幹部と言うのは、揃いも揃ってロクでもない。 これは、時空防衛連盟のみならず、是正機構の中でも概ね統一された結論である。
厳密に言えば、フォルトゥナ・インテグラーレに関して言えば、そうではないのだろうが、少なくとも彼女は直属の部下をもたないし、何よりもとても絡みに行き辛い。 臆病な者からすれば、何時心臓を握りつぶされるか分かった物ではない、と言う恐怖すら与えているのかもしれない。

そして、他の幹部達の話をするならば、ぱっと見ただけでは一番マシに映る、優しげで、包容力のありそうなテルンは、その本心ではいかに人を苦しめて殺すかに重きを置くようなサディストだ。 それが敵にのみ向くのならば良いが、実際は使えないと判断した部下にもそれは向けられる。
さらに、組織のトップのヘルガは、同じく使えないと判断すれば切り捨て、それに異常なほど重い刑を下すような実力主義者だ。

で、あるとするならば、それらよりも下に居て、兵士達との距離も近いはずの副将クラスターは、人から話しかけられる性格をしているか? 否である。
牢屋に赴いては、少年少女に的を絞って、自らの機械化手術をより完成度の高い物にするために潰して行く、仮に成功したとしても、精神のコントロールが上手く行かなければ破壊してしまう。 結局、長持ちしているのはSKYだけで、"貴重な"彼女に向ける恐ろしい偏愛の表情は、彼が機械とは言え恐ろしい物がある。
そして、彼はヘルガを妄信し、彼女のためならば自分の命を捨てるような人物だ。 それは同時に、彼女の命令ならば何人でも殺してみせる人間でもあると言う事、つまり、ヘルガと完全に同じ基準で部下殺しを行う。

……前置きが長くなったが、そんな彼に話しかけるのは、前者三人と違って、不気味な機械の体を持っているので尚更の事、異世界人ぐらいなのだ。

「あぁ、あぁ。 そうだとも、僕がCluster<クラスター>。 歴史是正機構の副将を務めている者だよ、付け加えるなら人間の機械化プロジェクトや医療全般も僕が取り仕切っている、以後よろしく。 はい、要件は済んだかな? 僕は忙しい、僕の愛らしい人形や、ヘルガ様、あるいは志を共にする者にかける時間はあっても、よそ者にかける時間は無いんだ」

椅子から立ち上がり、奇妙な前傾姿勢のまま黄衣なる者のほうへと振り向き、まるで、確かに生きている存在のようにカメラアイを目玉の如くぎょろぎょろと動かしながらクラスターは簡潔な自己紹介を行う。
その言葉使いは丁寧だが、それを終えてしまうと、彼はすぐに興味をなくしたように、掛ける時間は無いんだとだけ言い残して会話を終えようとする。

そう、彼の異世界人に向ける態度は良くない。 何せ、ヘルガの思想を理解し、そのために実力を振るう自分達と違って、彼らは例外なくよそ者であり、いざとなったら逃げ出す存在と断じているからだ。

しかし、そんな彼を一発で落とすワードがある。
そして、意識はしていなかったのだろうが、偶然黄衣なる者は、そのワードを引き当てた。

それを聞いた途端、クラスターは、ほお! と相手の仮面を凝視しながら近づき、まるで舐め回すように黄衣なる者を見てから。

「そうか、そうなのか、黄衣なる者君。 素晴らしいよ、構わない、君が言うところの"君達"、つまり僕をどう見ているかなんてどうでも良い、ただ、ヘルガ様を正しく評価している事、ここを僕は評価する。 分かるとも、分かるとも。 僕も、初めてヘルガ様に、自分の研究が認められたんだ、嬉しかったよ、いや、認められて当然だった、だがこの世界ではそうではなかった、しかし! 彼女は、彼女だけは僕を!!」

一気に興奮した様子で、畳み掛けるように話しかける。
明らかに先ほどの冷めた口調とは違い、同志を見つけた、といった様子だ。

"彼女だけが僕を評価してくれた"そんなワードを彼は何度も何度も繰り返して説明する、要するに、ここにクラスターがヘルガを妄信する理由がある、という事だ。

だが、少しすると、息を落ち着けたから。

「あぁ、悪いね。 最近くだらない奴らが多くてね、まともな感性の持ち主に会えて嬉しかったんだ、許してくれ。 あぁそうだ、お近づきとお詫びとして、僕の実験体を一つ持っていくかい? 何に使っても構わないよ、食っても、潰しても、犯しても、弄っても。 ……あー? しかし、君は、性別、どちらだ? なるべくなら、生身の人間には異性の実験体を渡したほうが、良い成果が出るから、異性を渡したいんだが……」

そんな風に、彼は自分の言葉を聞いてくれた者に対して問いかけた。

>黄衣なる者

3ヶ月前 No.58

人類昇華への道 @infernus☆XQ6phrzcKMtR ★F7MrHN45jw_N6D

【歴史是正機構本部/丞相室/ヘルガ・アポザンスキー】

歴史への介入というタブー、人類にとっての禁忌を犯そうとしている歴史是正機構。では、そこに務めている職員や、何らかの理由で協力している者達も、全員が悪魔のような者達なのだろうか?
答えは、否。例えば研究員達は、単に優秀な実績を持っているから、才能があるからという理由で引き抜かれてきた者達であるし、戦闘員に関しても、雑兵クラスはほぼ全員が普通の人間だ。
彼らも皆それぞれの人生を生きているのは同じであるし、家族を持つ者さえもいる。ある日突然親が死んだと聞かされれば、子供はどんなことを思うのだろうか。
可哀想だ、と思うことは簡単。しかし、ヘルガはそうは思わない。力を示せなかったお前が悪いのだと、あくまで責任は本人にあるということを突き付ける。
そう、彼らは単に実力を示せばよいだけなのだ。こちらの期待に応えられれば生き、応えられなければ死ぬ。ただ、それだけのこと。戦いに負けた者の運命は、実に残酷だ。
世間はこうした歴史是正機構の姿勢を大々的に批判することだろう。だが、人類の昇華のためには必要不可欠なこと。弱き者はふるいにかけて、選別を図らなければならない。
そこには、生まれも身分も関係ない。つまり―――ここまで言えば、古代と中世での改変を成し遂げた後に、ヘルガが現世で何を成そうとしているかなど、簡単に想像がつくだろう。

「その通り。奴の命は後に続く者の土台となる。同じようにはなりたくないという心が、次の誰かの力を引き出す。競争と生への執着は、人類が進化を果たすための糧だ」

歴史是正機構に所属した時点で、彼の命をどうするかの決定権はこちらが握っている。ただ殺すだけでは意味がない。新たなプロジェクトの被験体にするか、新兵器の実戦テスト台となってもらうか。
彼も自らの命を未来のために捧げられるとなれば、光栄であろう。頭脳で未来に貢献出来ないのであれば、身体で、命で貢献してもらう。無理なことを押し付けるような無粋な真似など、ヘルガはしない。

「―――それを聞くとは、随分踏み入ったものだな? まあいいだろう、教えてやる」

そして。この破綻者は、敢えてヘルガが語らなかった深淵へと足を踏み入れてきた。彼女の言葉を聞いたヘルガは、ここに来て初めて、その視線をイスマリアへと向ける。
もし聞いた人間が一兵卒や下級研究員であったならば、直ぐ様死刑だ。奴らはそれを聞く権利など持ち合わせてはいない。身の程知らずは、寿命を縮める原因となる。
だが、イスマリアはそれを知るだけの力があった。ヘルガにそれを語らせるだけの実力があった。引き際を弁えないその態度に不満がない訳ではないが、今後、彼女が動きやすくなるように、特別に教えてやるとしよう。

「虚勢を張るだけの能無しに居場所はない。それが答えだ」

わざと遠回しな言い方をしてはいるものの、言いたいことは分かり切っている。ヘルガは、この世界の頂点に立つ者、大統領を生かしておく気など、更々ないということだ。
今はまだその時ではないが、いずれ直接手を下す。金と権力しか目のない肥えた豚には、豚なりの結末を迎えてもらわなくてはならない。他でもない、世界のために。人類のために。
世界政府大統領とは、世界のために働くための役職だ。世のため人のために命を懸けることが出来るとなれば、奴も報われることだろう。

>イスマリア・サルヴァトール

3ヶ月前 No.59

クランの猛犬 @akuta ★Android=8Sr3SxYeQ0

【被っちゃった☆兄貴やるの何年ぶりだろうか】
【時空防衛連盟/エントランス/喫煙室/ランサー】

 次なる場所は遥か未来の並行世界。
 人類史の危機に■■■が動き出したのか、それとも人為的に呼び出したのかは分からない。
 ただ――――――猛犬は口角をあげた。
 次こそは、全力な戦いをこの身に投じられるのだから。
 黄色いアロハシャツを纏い結わえた蒼い髪を揺らしながら、退屈そうに歩く長身の男が一人。
 名はランサーと名乗っている。
 理由はごく単純、弱点を暴かれるので便利な名前だと思って、未だに使っているのが現状。
 この世界の自身の伝承がまだ残っている時点で驚いている。
 ここでいう古代以前の出来事というのに、とランサーは少し嬉しそうに微笑んでいると、伝承と言えばと思考が切り替える。
(確か、オレが『クランの猛犬』って名乗ったら、ロコみてえなヤツって言われたな)
 後で調べたらわかったが、勇者の従者として知られているロコという魔族は、犬の亜人として語られている事にランサーは親近感を感じた。
 鍛治屋のクランの立派な番犬を幼きランサーが殺してしまい、番犬を無くして困った主人に対して、自分が番犬代わりになると宣言しいつしか「クランの猛犬」という呼び名がついた。
 だからもし戦場で会ったら、矛を交えたいし酒を通じて互いに語り合うのも悪くはない。
 犬に縁深い英雄ことランサーは、ロコについて興味が沸いていた。
 そう鋭い赤い目は喫煙室を映し出す。
 そこにいたのは、タイプが真逆な女軍人が二人。
 金髪がフォッサ・セントライト。
 茶髪がアベリィ・シルバラード。
 強い女性がタイプなランサーの好みとしては、フォッサ・セントライトが好みだったりするが口には出さないつもりだ。
「なんだ先客がいたのかよ。よお、お二人さん、何話してんだ?」
 ニッと軽く微笑んで挨拶すると、革ズボンのポケットからタバコの箱を取り出して振り、タバコを一本飛び出させると、箱を口元に持って行き飛び出たタバコをそのまま咥えてライターで火を点けようとして。
>フォッサ アベリィ

3ヶ月前 No.60

リインカーネーション @genomirai ★z8IID1mzG7_aZs

【歴史是正機構本部/資料室/クジャルナ・クオーク】


この男が話す言葉は重要なものが多い、時空が容易く壊れるものであると聞いてはいても実際どうすれば壊れるに至るのかを知るものがこの組織にどれだけいるのか。宰相並びに幹部は理解していそうだが、他までは分からない。
その他に位置するにも拘らず、この情報を手に入れ理解できたことは非常に大きい進歩だ。しかし懸念があるとすれば、この男は頭が非常に回るという事。先程の僅かな乱れを感知したかのように、さらにそれを見通したかのように言葉を連ねる。
名乗るほどの名はないと男は言うが、少なからずその知識を得たい人間は多くいる。詰まる所、得体のしれない人物であり油断ならないという事がこの問答で得た答えだろう。

「おや、困りましたね。隠していたわけではありませんが、貴方の目にはそれ以上が見えていそうだ。」

出口で此方に振り向き、虚空から剣槍を射出する。当たらない軌道であることは見て分かったが、その柄の部分を握りしめ身体の真横にて止める。何らかの能力によるものか、それは受け止めしばらく経つと霧散した。
一つの言葉、意訳してしまえば無駄な事をしないように。その言葉を残し男は消えた、かといって追いかける理由も特にはない。剣槍が資料室を穿っていたならば、散らばった資料を整理させようとは考えていたが。
そうそう、彼の残した言葉に答えるならこうだろう。

「ええ、分かっていますよ。歴史是正機構の為、最も効率よく歴史に介入します。」
 ああ、無駄なことはせん。我が魔族繁栄の為、最も効率よく歴史を改竄しよう。

誰もいない資料室に空しく響くは男の声、その数一つ。声の主は再び資料整理を行い始める、別に積んだ資料も読みそうな人物がいなくなったため所定の位置に戻す。
はてさて、聞こえた声は確かに一つ。しかし籠る情念は一つに非ず。このクジャルナ・クオークという男、物心ついた時から人間に忠実な魔族を演じ続けている。つまり、本心を誰にも悟られずにここまで来たのだ。
ああしかし、先程の男は僅かな乱れのみでその裏に気付いた。言い触らすような男には見えないが、障害となるならば排除も検討しなければならない。それだけの野望を秘めているのがクジャルナという男だ。
変わらず柔和な笑みを浮かべながら、鼻歌交じりに資料整理を行うこの人物。歴史是正機構にとって身から出た錆になる存在、目的は今に魔族による治政を齎すこと。
そう、彼は一人の賛同者なく、革命を齎す為に動くのだ。

>>Richard・R・Barjavel


【絡みありがとうございましたー!】

3ヶ月前 No.61

リインカーネーション @genomirai ★z8IID1mzG7_aZs

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3ヶ月前 No.62

リインカーネーション @genomirai ★z8IID1mzG7_aZs

【歴史是正機構本部/司令部/黄衣なる者】


うんうん、彼は立派な狂信者だ。特に人間で見られる依存ってタイプに近いだろうねえ、彼の口ぶりからするにこの世界の人間は彼の研究とやらを忌々しい危険なものとしたんだろう。彼自身が機械の身体であることも一つの証明だと言えるだろうねえ。
どうにかして自身の研究を認められたかったのか、そこは知らないけどねえ。きっとこの組織のトップが有用だから、認めたんだろうねえ。何せ自身の身体すらもきっと研究に晒すほどの熱意だ、それが認められれば陶酔もするだろうねえ。
まあこういった手法は見習うべき部分も多い、なんせ人間でないものが人間を取り込むには理解が必要だ。でも大いなる存在も人間を理解しちゃいないだよねえ、だからこんな存在が必要になるんだねえ。おっと、話が逸れ過ぎたねえ。
どうやら同志を見つけたからか豪く羽振りがいいねえ、実験体とやらを一つ貰えるようだ。……少し面白い試みだねえ、人でなしが人間を育てると言うのは。勿論その人間は同じ観測者として育てるさ、あくまで干渉しないで眺めているのが楽しいだからねえ。

「おやおや、これは少し迂闊に口走ったみたいだねえ。君ほど熱心な信奉者に対して共感したなど、これが恐れ多いって奴だろうねえ。まあ君はこんな事を言われても既に嬉しくはないだろうけど、見てる限りでは君の実験は興味深いねえ。」

まあ好む訳ではないけどねえ、気分を良くしている相手に不機嫌になるようなことは言わないのが人間だそうじゃないか。感情の揺れ幅が面白いのだけどねえ、やはり人間の感性の理解には時間がかかりそうだねえ。
うーん、さてさて、実験体を一つ貰えるという話だったかな。何に使っても構わないそうだ、そして人間には異性を渡した方が良い結果が出るという事だけどねえ。生憎と人間の枠で語れる性別ではないねえ、……無理に当てはめるなら男性になるのだろうねえ。
よし、それなら出来るだけ若い、幼い女性を貰おうかねえ。子供の方か感受性が豊かで、女性の方が感情に富むと人間で言われているようだ。それが事実ならば育てるにはいい対象だろうねえ、何故急にそんなことをするのかって?気まぐれっていう言葉が人間にあるだろう、きっとそれに近いねえ。

「お言葉に甘えて、とか言うのだったかねえ、有難く頂戴するよ。性別はまあ、男性が近いねえ。少し注文が出来るなら、若い方が良いねえ。ああ、どう使うかも言っておいた方がいいねえ。まあ人間を育てて見たくなった、それだけだねえ。」

まあ落とし子のように捨てるつもりはないし、仮に彼が親心を持っていても大丈夫だろうねえ。そもそも育てる事に反対されるのは少し予想しているけどねえ、まあその時はその時だねえ。ほら、善良な人間は子供を盾にされると何もできないだろう?

>>Cluster

3ヶ月前 No.63

電子の詩人 @akuta ★Android=8Sr3SxYeQ0

【本当にネー、そして安定のチョッちゃん。ミルグラムのロル消えた……orz】

【時空防衛連盟本部/応接間/使われていない空き部屋/ショパン】

『いいよ。何回かやってみてダメだったらイベント周回付き合ってくれないかな』
 返信が来た。成る程スコア稼ぎと来たか、キャラ育成やアイテム収集を楽しむタイプのショパンからしたら、ランキング自体あまり興味がないが今は
GOD_SIENTAしかログインしていないし、たまにはスコア周回に付き合うか。
『わかった(`・ω・´)ゞどこで待ち合わせする?』
 そうメッセージを送ると、鍵がかかった扉越しから聞き慣れた声が聞こえた。
「ショパン、カエッテキタヨ」
 ショパンはそう微笑むと、相手が返信までの間と立ち上がり鍵を外してデフォルメされた黒髪のアンドロイドを迎え入れた。
「おかえりジョリー3」
 優しく囁くように呟く、いつも曇っているショパンの表情に柔らかい光が差す。
 時空防衛連盟に頼んで造られた小型アンドロイド、ジョリー3。
 外部の情報得る為に録画機能と通話機能を搭載した動く家電。
 前にも書いたがこの世界の今時、簡易な感情表現しかできず片言で喋りほぼ一方的な会話をするアンドロイドは絶滅危惧種、いっそのことジョリーの人格をプログラミングしようかと言われたが断った。
 考えがあってあの振る舞いをしていたとはいえ、ただ側にいるだけで幸せだと感じるショパンから見れば、ジョリーの積極的過ぎる性格がどうも噛み合わない。
「ロクガシタヨ データソウシンスル?」
 ジョリー3を部屋に入れさせてドアを閉めて鍵をかけ、薄暗い部屋に戻す。
「後ででいいよ。今はゲームに集中したいから」
 時空防衛連盟本部の誰にも見せた事がない、優しげな表情と口調でそう返事する。
「ワカッタヨ ジャア、ワタシのフォルダニデータホゾン スルネ」
「よろしく」
 ああ、ジョリー3。相変わらずかわいいなと頬を赤く染めて思う。
 歴史改変の恐怖なんて忘れさせてくれる、日課もそうだがジョリー3とこうして二人っきりで話すのが、ショパンにとっては精神安定剤だ。
 この密かな楽しみと幸福、ずっと続けばいいのになとジョリー3を部屋の隅に帰宅し、スリーブモードにさせるのを見届けると、ショパンは肩に掛かっている紫の布をはためかせ再びパソコンの前へと座った。
 今日は食堂で食べない、カップラーメンを調達しているので引き込もってゲーム漬けに挑もうと考えているのだから。
>ALL(シエンタ)

3ヶ月前 No.64

葛葉の一枚看板 @5121☆stkO0KxpThU ★ztEbdaugmt_7FY

【時空防衛連盟本部/エントランス/17代目葛葉 ライドウ】

「構わん、味わって飲むほど美味いものでもない、軽い眠気覚ましが欲しかっただけだ」

向こうなりに気を使っていることを察したのか気遣い無用とライドウは言う。
美味くも不味くもないコーヒーよりも彼女の方に興味が移った、ただそれだけなのだから。

「ふむ、ただものならぬ気配だが、そちらの世界では一般的ではないか。和訳すると”悪魔召喚士”だ
 悪魔と言っても悪しきものだけではない、無害な妖精や精霊、魔人や神や英雄の分け御霊、ヒトならざる者を総称して”悪魔”と呼ばれている」

『その悪魔を召喚して使役するのがデビルサマナーだホ』

本来は一般人に身分を明かしていいものではないがここは実質異世界のようなもの、規約そのものが適応されない。
それに彼女は”一般人ではない”ことくらいは見抜いている、ライドウを襲名するのならばこの程度見抜けないならば名を剥奪されてもおかしくない。
それにしても江戸か、江戸時代の絵かきと言えば一人の有名な画家が頭に浮かぶ。

「俺のいた時代の年号は江戸ではない、その四つほどあとの平成と呼ばれる時代の人間だ、約四百年後の時代と言えばわかりやすいか?」

四百年後の世界から来たと言えばカルチャーショックもいいところだろう、こちらの格好を珍しげに見ているのはうなずけるというものだ。
ライドウが此処まで饒舌に話すことは珍しい、その理由は退屈しのぎというしょうもないものだが、暇を持て余すよりはマシだ。

「コイツは神仏の類ではないから拝んでも御利益の類はないが、まあ好きにすると良い
 しかし葛飾北斎と来たか、俺の世界では男として伝わっているものだが……世界が違えば理も違うという事か、ふむ……」

ライドウはこの少女が葛飾北斎を名乗ることに驚いた様子はなかった、嘘をついている様子はないし世界が違えば歴史の些細な差異くらいあるだろう、と理解していた。
しかし葛飾北斎の父親と呼ばれた蛸を注視すると一つの仮説が浮かび上がる、それはこの少女は葛飾北斎の”依り代”として選ばれ、この蛸が北斎本人ではないかということだ。
だが所詮仮説は仮説でしかない、当人を前にして言う事でもないだろう、出会ったばかりの人間に人格否定に等しいことを言われて気分のいい人間はいないだろう。

「まあいい、機会があれば他の仲魔も見せてやってもいい、日本由来の仲魔もいることだしな」

『ライドウいつになく太っ腹だホ、どうしたホ?』

「なに、ちょっとした興味本位だ、この世界にはうるさい連中はいない、この程度ならば許されるだろう」

>葛飾北斎、ALL

3ヶ月前 No.65

珍獣とロボット @aaazzz123 ★Android=KP9LssNLxz

【時空防衛連盟本部/訓練施設/ラチェット クランク】

ラチェットが一息ついて座り込むと同時にクランクは「実戦までには感覚を戻し…」とそこまで言葉を言いかける。
その言葉は外から突然の割り込んで来た別の声に遮られる。
ラチェットが振り向くとそこには銀髪の少年が立っていた。

「んー…まぁ言えばそんなところに…なるのかな、クランク」

「感覚を取り戻すって目的で体を動かしてるって点では、ウォーミングアップで間違いないっすね」

質問にとりあえず答えるが…やはり「人間かどうか」という点をここに来てから疑問に思われる事の多さ。
これまでも結構人間かどうかを問われる事が多く、なにせ彼のいた世界では人間の定義はかなりざっくりしており、「意思をもった二足歩行の有機生物」はとりあえず人間に部類されていた。
最も、人間と言ってもそのほとんどは「ブラーグ」や「ロンバックス」等と種族名で呼ばれる事がほとんどで、人間という言葉はあまり使われなかったという事もある。
とりあえず、この世界の定義で言えることは…

「こちらの世界だと、ラチェットは人間には部類されないようっす。とりあえず、ロンバックスっという種族…という事になるっすね」

「んー…人間じゃないって言われ方がなんか腑に落ちないけど…そういうもんなのかな…?」

クランクが人間かどうかの問に答える。
しかしラチェットは若干腑に落ちない様子でもあるが、他に言えることもないのでとりあえず納得しておく。

>>ミラノ、ストラーヴ


【絡みありがとうございます□。ちょっと返信遅くなって申し訳ないです】

3ヶ月前 No.66

贖罪の山羊 @akuta ★Android=8Sr3SxYeQ0

【歴史是正機構/牢屋/ミルグラム・ゴート】
 人間昇華。そんなのは間引きと同じだ、弱い芽だけを摘み取り強い芽を育てる。だからそんなものは興味がない、自身が興味があるのは―――――
 鉄の檻が並ぶ無機質な牢屋に、立派な山羊の角を生やした男が一人、痩せ細った腕が蹄に伸びている。
 それを横一文字の瞳孔が特徴な金眼を冷たく輝かせ見下ろしていた。
 この魔族の名はミルグラム・ゴート。
 山羊の魔族であり、力を得る前まではただの黒い山羊だった。
 ここに来たのは単なる暇潰しであり、意味も目的もない。
 腕を伸ばした男がこちらを見上げると、ミルグラムは口角を釣り上げて笑うとしゃがんでこう囁く。
「こうされたこの世界が憎いか?こうされた人間が憎いか?」
 モノクルの鎖を揺らして、頭を傾け、男は頷く。
「だったらこうさせた世界を人間のせいにしまえばいい」
この黒山羊の常套句、責任転嫁。
 自身の幸せの為だけに罪を他者に擦り付け追放し、綺麗な楽園を造る。
 ここはそういう追放者達の巣窟になりそうだと踏んで、嘲笑う為に協力している。
 ミルグラムもそうされた生け贄だからこそ囁くのだ。
「けどまあ。行動に移そうとしても、ここに捕まった時点で"何もできない"」
 そう絶望の言葉を残すと、その場から立ち去った。
 蹄の音を反響させながら、今回の仕事を思い出すと渋い表情を浮かべていた。
(今回は俺が生まれた時代か……気まずい)
 自分がまだ黒い山羊として生きていた時代と聞くと、過去の自分に会うのは非常に気まずいとミルグラムは感じていた。
 人々の罪を背負わせた人間全員皆殺しにしてもいいが、タイミングを間違えると自殺行為になるのでリスクが高いので、尚更乗る気がせずアンニュイな気持ちになっていた。
>ALL

3ヶ月前 No.67

獅子心 @zero45 ★h2BOlEz4kD_FR1

【時空防衛連盟本部/資料室/レオンハルト・ローゼンクランツ】

 机に積み重なった古本の山。電子媒体が主流と化した現代に於いて、紙媒体である書籍は徐々に過去の遺物と化しつつある。この古本も、まだ紙媒体が主流であった頃の、遠い時代の産物。今となっては一種の物好きだけが所有する、希少な代物である。
 時が未来へと進めば、いずれこの本も完全に失われる事になるだろう。其処に記されていた全ての情報は電子の海へと流され、自らは"本"と言う大きな括りの一部となって歴史に組み込まれる。覆される事の無い、課された運命だ。
 そしてそれは人もまた、同じ。例えどんなに優れた偉人であろうとも、やがては限られた命を使い果たして死を迎え、最終的には歴史を形作るひとかけらとなる。そのひとかけらを、その青年は美しいと感じ、愛していた。

(時間遡行までの約3時間。可能な限り古代の再復習と行きたいもんだ。その為にわざわざ実家からこいつらを持って来たんだ、活用しなきゃ意味がねえ)

 丁重に扱われて来たのが窺えるであろう、小奇麗な姿を保った本を手にして読み耽る青年の名はレオンハルト・ローゼンクランツ。元地球軍少尉で、嘗ての上官の一人であるユーフォリアの下、同じく元上官であるシフォンと同じ司令官の役職に就いている。
 彼にとって二人は尊敬する存在であり、特にユーフォリアに対しては彼女自身から現在の地位へと取り立てて貰った経緯もあってか、強い信頼と恩義を抱いている。それ故に、一部を除いて無能の屑共が凝り固まった政府上層に何かと悩まされている彼女を全力で支えようとしているのである。

「それにしても、いい加減上の連中を黙らせる手も考えねえとな。妨害されっ放しってのは気分が悪いし、何よりそれで最悪の展開引いちまったら洒落にならねえ」

 小さく囁くような声で呟いた彼は、本に記された内容を目で追う傍らで、頭の隅で政府上層を黙らせる一手を探り続ける。悪辣な連中を野放しにしている現状は、打破せねばならない物だ。歴史を、世界を護り抜き、正しき未来を掴み取る為にも。

 ――時は少しずつ過ぎて行く。静寂に満ちた室内に、時折紙を捲る音を響かせながら。

>ALL

3ヶ月前 No.68

ミラノ @aroundight☆SdjaOljKHtOm ★zLr78z7s8m_FR1

【時空防衛連盟本部/訓練施設/ミラノ】

「ふーん。………いや、たまたま寄っただけなんだが随分熱心なモンだと思ってね」
「お前、オレと一緒で元々此処にいるヤツじゃあないだろ? 何しろ戦い方っつーか武器がそもそも違う。で、そもそもそういうヤツがわざわざ“慣らし”なんかしてるもんだから驚いたって話」

  まあ、オレの価値観で、っていう話になるけど。

 若干口元を釣り上げながらも、曰くロンバックス(と序でに今喋った謎のブリキ?)に言葉を返す。

 悪びれもせずにけろりとした表情で言葉を返すのは、彼が比較的“良い”とは言えない育ちであることの示しでもあった。良く言えば溝を作らずに、悪く言えばズケズケとものを言う。
 第一に言葉の節々からだって、意欲的に取り込む他の異邦人がいるとはそもそも思っていなかったという意思と自分自身のスタンスが見え隠れするものだ。そして驚くべき話であるが、ミラノ本人にこれから先のことは然程頭に入っていない。
 元より盗賊、権威だの組織だの、小奇麗なものとは縁も乏しい。
 例外はあるにはあったが、それは成り行きから信用を積み重ねた上でのものだ。その点を踏まえて考えれば、ミラノがわざわざ此処に居ること自体がほぼ奇跡のようなものだろう。纏まった組織だの権利を振り翳すものに古今東西善いものがあった試しはない―――それが盗賊王ミラノのスタンスである以上、彼は所属がどうであれそういうスタンスの人間だ。

「ま、言葉通じンならなんでもいいや! お前、嫌いなタイプのツラはしてねーし。
 序でにそこで喋った………、………喋るのかそいつ。すげえな」
「まあ、いいや。そういう理由だから、別に気ィ悪くしないでくれよ。なにしろ此処来てからこっち、見たことねェもんばっかなんだ。お前の元のところもだいたいこんな感じなのか?」

 だから、仮令ラチェットの外見が、自分の世界に存在しないものだろうと。
 正直なところ“言葉が通じて”“態度が気に食わないものではない”なら思うところはない。
 軽い口調で彼と会話を交わしながら、残る金の髪の少女が目覚めるのを待って………―――。


「は?」


 彼は思わず半目になった。
 第一声がこれまた再現だのどうだのと物珍しい話題になったことは良い、
 寝てる人間どうこうは別に悪びれるつもりもないから(どうでも)良い。

  ………いや、“そういうこと”ってなんだよ。

「どういうことでも、そういうことでも、ああいうことでも、別になんでもいいけどよ………」

 思わず首を傾げていると、
 その女の手元で回転し続ける剣槍から巻き起こる突風が思い切りこっちに当たる。
 大きさの分だけ地味にうざったい。一度目は不慮の事故かと思ったが、二度三度と続き始めた。

  なるほど、どうもこの女の様子から判断するにわざとか。
  いやマジでわざとか。
  なんだ喧嘩かはっ倒してやろうかコイツ―――とも思いはしたが、別にオレ自身には全く利がないから止しておく。ちなみに悪びれるつもりは二度も言うがあんまりない。
  そう、この女が妙にこっちに風ブチ当ててくる理由は明らかに安眠妨害への猛抗議、やったらやり返す嫌がらせカウンターだ。長い金の髪といい整った顔立ちといい得物が身の丈をゆうに超えるブツだってことと言い、どこぞの王女サマでも思い出しそうになったが………、そこはそれ、もう前言撤回だ。コイツ9割くらい違う。どうにもこう、割かしねじ曲がってる空気がする。
  つまりは、こいつ結構なキワモノなわけで………機嫌が悪いなら、色々物言いの参考にはなるだろう。マイナスの面でモノを見た時の方が、存外参考になることは多い。

 巻き起こる風が自分の髪と衣服を靡かせることなど知ったことではないと、取り合うこともせず。
 会話の続行をしれっと続ける辺りは、彼のふてぶてしさの証左でもあった。

「相互理解のために主語述語はハッキリさせようぜ、なあ?」
「で、さてご明察。別に用もクソもねえが、元々お前らがどういうスタンスで、普段何に力入れて、何処目指してんのかってのが知りてーの。で、此処の常識規則サマに待遇の分だけ従って律儀に待ってる間の暇つぶしで此処が最後の部屋なワケ。
 そしたら草むらで寝転んでる女がいるもんで、何ぞ暇でもしてんのかと思って声かけたのさ」

「で、三人やり合ったってのは此処の兵士サマとか。
 やー、どこの世の中もこの手の兄ちゃん姉ちゃんは真っ直ぐだよな」

 余談だが、わざわざ用も何もないと言い切ったのは別に挑発ではない。
 ―――素である。銀狼は、止せばいいのにしれっと自分の考えをばら撒く年相応の天然世間知らずだ。

>ラチェット&クランク、ストラーヴ

3ヶ月前 No.69

大災厄の残痕 @kyouzin ★XC6leNwSoH_UxJ

【歴史是正機構本部/移動中→/キラー・テンタクラー】

キラーが子供のような気軽さで問いかけた、他の者に対して言ったのならば、確実に誤魔化されるか、何らかの処分を言い渡されるような物に、フォルトゥナは真剣に答えてくれた。
それだけでキラーにとっては、その言葉に高い信憑性が付与される。
とにかく、フォルトゥナは、あくまで他の幹部達は無駄な消耗をしているのではなく、むしろ、その消耗によってこの組織は纏まっており、無駄にはなっていない……と言う見解であり、希望だそうだ。

「なるほど、つまり定期的に塗り替える必要がある接着剤のような使い方をされているのだな、ここの兵士は。 納得した」

キラーはその言葉に納得した様子で、過去の記憶と照らし合わせてから、うんうん確かに、と頷いた。
幾ら優しいとは言っても、キラーのそれは仲間に対してのみ適用される。 セキュリティシステムから一応隠れる場所を提供してくれるシエンタであったり、自分に親切にしてくれる誰かであったり、今こうして自分と会話してくれるフォルトゥナに対してだったりのみ、だ。
それ以外は例外なく"数字"として処理するために、仮に人間の命と言うのはボンドとほとんど同価値と言う狂った結論を出そうとも、何の疑問も思わない。

このあたりが、彼が『扱いやすい』と言われる所以だ。 彼が友人と認識しているシエンタをどうこうしない限り、あまりにも冷酷に彼は人間を一単位として"処理"する事が出来る。
だから、フォルトゥナの言葉も、今まさに、簡単に信じた。

「むぅ……そうか、私が悪いのか。 ……ならば二倍にしてやるのがキラー流と言う物だ!!」

そして、フォルトゥナの言葉を聞いて、キラーは少し考え込んで、シエンタの楽しみにしていた物を奪う形になった自分が悪い事を認識すると、二倍にして返すと意気込み始めた。

「時間……時間か、なるほど。 容姿を褒める所、だと? はははっ! ならば簡単な事だ、褒めるべき点が少なく見積もっても数百はあろうシエンタを褒めるなど、私どころか、赤子であっても容易い事! よぉし! 私はその計画を実行する。 相談を聞くはずが聞いて貰ったな、感謝しよう、また何かあったら何時でも、このキラー・テンタクラーを呼ぶが良い!!」

何処までも相方の事が好きなのだろうな、と思わせるような台詞を言って、キラーは嬉しそうにその計画を実行すると、触手でフォルトゥナの手を取り、そして感謝の言葉を述べた。
"誰の命令も聞かない事がマイ美学"なんて本当に言ったかどうかはさておき、とにかくシエンタ以外の人の言う事は聞かない彼が、何時でも呼べと告げたかと思うと、急速に彼の体が光の粒子へと変わっていき、この場から消えた。
普通に浮遊移動するよりも、インターネットを使った移動をしたほうが早く済むと判断して、電子化してこの場から消えたのだ。

>フォルトゥナ・インテグラーレ


【という事で絡みはこのへんで終わっておきます、お相手ありがとうございました!】

3ヶ月前 No.70

一番隊隊長 @infernus☆XQ6phrzcKMtR ★F7MrHN45jw_D9v

【時空防衛連盟本部/食堂/ギルバート・トムフール】

やはり、リプレイサーは訓練不参加の件を気にしていたようだ。少し狼狽えている様子の彼を見ながら、ギルバートは普段滅多に見せることのない笑みを浮かべる。
それにしても、平和はいいものだ。願わくばこの瞬間が永劫のものとなって欲しいところだが、戦いの時は刻一刻と迫りつつある。古代への時間遡行は、近い。
だからこそ、しっかりと英気を養って、いつでも出撃可能な状態を保っておかなければならない。ギルバートが料理に手を付けようとしたところで、リプレイサーが唐突に不敵な笑みを浮かべる。

「……なるほど。お前もまた、能力者という訳か」

彼がしてみせたのは、簡単な手品、ともいうべきだろうか。いつの間にか空にされていたカップ。だがそれが自分の手元に戻ってくる頃には、また元通りとなっていた。
さしずめ、物体の位置を入れ替える能力、といったところか。ただダガーを投擲するだけではなく、こういったことも出来るとなれば、連携の幅は更に広がることとなる。

「では、俺からも一つ披露しよう。良いものを見せてくれた礼だ」

リプレイサーに差し出されたカップを手に取り、コーヒーを一口飲んだ後、ギルバートはそう語る。彼の視線が向けられているのは、料理の乗った一枚の皿。
すると次の瞬間、"それが宙に浮いた"。誰かに持ち上げられた訳でも、上から紐で引っ張られた訳でもなく、独りでに。まるでそこだけ、重力がなくなっているかのようだ。
否、なくなっているよう、ではない。なくなっていた。ギルバートは、皿に作用する重力を"0"にすることにより、一切手を触れずに皿を浮遊させてみせたのである。
本来は戦闘用であり、このような用途に使うものではないのだが、たまにはいいだろう。軽い手品対決のような光景に、思わず周囲の人々も何人かが興味の視線を向けていた。

>リプレイサー

3ヶ月前 No.71

麗人 @sable ★8O0rjcH5GN_8gk

【時空防衛連盟本部/作戦会議室→資料室/シフォン・ヴァンディール】

古代への時間遡行が正式に決定し、作戦開始を3時間後に控えたシフォン。後ろ向きな感情に決着をつけ、決意を新たにした彼女の次の行動は、もう一度これから訪れる時代を学びなおすことであった。
既にあらかたの知識は得ているため、本来なら訓練場で実技を鍛えるのがベストだろう。しかしお嬢様育ちの彼女のこと、鍛錬で汗をかけば風呂に入りたくなる。それもとびっきり長い時間をかけて。
そこに加えて髪のセットだの化粧だの着替えだの、"レディーの生命線"たる工程を踏んでいけば、とても3時間には収まりきらないのだ。この非常事態に何を呑気なと突っ込まれれば反論の余地はないが、こればかりはどうすることもできない。
部下達の多くは汗を流しているであろうことを考えると後ろめたい気持ちもある。とりわけ複数の部隊を率いる司令官ともなれば尚更だ。

「あらあら、上に聞かれれば大目玉ですわよ」

資料室に足を踏み入れるなり、耳に飛び込んでくるのは物騒な独り言。かなり小さい声で呟かれてはいるものの、他に人もおらず静寂に支配されたこの場所では丸聞こえである。
言葉の主はシフォンの予想通り、ツーブロックの髪に燃えるような瞳が印象的な好漢・レオンハルト。地球軍でも面識があり、当連盟に於いてはシフォンと同じ司令官を務めている。
過去が過去だけにここでの振る舞いには細心の注意を払ってもらいたいところだが、シフォンは彼のことを信頼している。彼がどういう人間かは、部下の声を聞けばよくわかるからだ。
日常では身近で気さくな上司。戦場では厳しくも頼もしいリーダー。まさに指導者の理想像ではないか。地球軍は惜しい人材を手放したものだ。
いたずらっぽい笑みを浮かべながらテーブルに歩み寄り、彼の正面の席に腰を下ろす____と同時に嗅覚をくすぐる懐かしいにおい。正体はすぐにわかった。紙だ。長い時間を経て親しまれてきた本が持つ独特の香り。
長らく忘れていただけあって感慨深い気持ちすら覚える。何年ぶりだろうか。まだ幼い頃、父の書斎や母の膝の上での記憶が蘇る。

「よかったら貸してくださらない?」

レオンハルトの本好きは知っている。歴史是正機構への反感の一部にまで絡んでいることも。彼にとっては宝物も同然であろう。
それを他人に貸し出すというのはいささか抵抗があるかもしれないが、シフォンは敢えて頼んでみることにした。久しぶりに触れ合いたくなったのだ。古き良き文化に。

>>レオンハルト・ローゼンクランツ


【絡みます!】

3ヶ月前 No.72

スパルタの代名詞 @infernus☆XQ6phrzcKMtR ★F7MrHN45jw_D9v

【時空防衛連盟/エントランス/喫煙室/フォッサ・セントライト】

相手はフォッサの言葉を聞くとすぐに口調を崩した。そうだ、それでいい。同じ仲間である時点で、堅苦しい言葉遣いは必要ないのだ。上下関係も所詮、形だけのものなのだから。
彼女は別段何か用があったという訳でもないらしい。自分のことを噂に聞いてやって来たそうだが、そんな有名になるようなことなどしただろうか……
これでも一応、二番隊隊長という役職を任されているので、外部でも名前を目にする機会は多いのかも知れない。悪い噂でないことを祈りたいところだ。
まあ誰に何を言われようが、面と向かって言えないような連中の戯言など、気にする必要もないだろう。しかし、次にアベリィが放った言葉を耳にしたフォッサは、思わず動きを止める。
"その名で"呼ばれたのは、かれこれ何年ぶりだろうか。少なくとも、時空防衛連盟に籍を置いてからは、過去のものとして完全に捨て去ったはずであった。

「驚いたねぇ、今でもその呼び名であたしを呼ぶ奴がいるとは。あんた、もしかして"同郷"かい? それなら納得だ」

当時スラム街で暮らしていた者であれば、一度は耳にしたことがあるであろう、"魔弾のフォッサ"と呼ばれる人物の存在。女性でありながら、スラムの東側を支配下に置いた大物。
その強さは専らの評判で、彼女は周囲から多大なる尊敬と畏怖を集めていた。だがそれも、昔の話。彼女が引き連れていた舎弟達も、今はこの時空防衛連盟で世話になっている。
全く困った奴らだ。彼らにはスラム街に残るという選択肢もあっただろうに、まさか全員が自分と共に来ることを選んでしまうとは。ユーフォリアが寛大な人物でなければ、どうなっていたことやら。
フォッサからしてみれば、過去を隠すつもりはない。知っているなら知っているで構わないのだ。アベリィは内心不安を抱いているようだが、フォッサは決して嫌な顔は見せない。
むしろ彼女は、聞きたいことがあるのならなんでも話してやる、というオーラすら感じ取れる表情を浮かべていた。こんな自分の昔話に興味があるのなら、好きなだけ聞かせてやろう。
全てを話すと長くなるので、一度にという訳にはいかないだろうが、話題に困った時にでも、酒の席での話の種にでも、好きなように使ってくれて結構である。

二人が会話を続けていると、喫煙室に新たな来客が訪れた。細身ながらも鍛え上げられた肉体が特徴的な、青髪の青年。彼もまた、ここへ煙草を吸いに来たようだ。

「なぁに、気にすることもない話だよ。それとも、あんたもこのあたしに興味があるのかい?」

単なる冗談でしかないのだが、もしかするとランサーにとっては冷や汗モノの言葉かも知れない。相手を茶化しているのか、次の瞬間にはもうフォッサは爆笑していた。
実に豪快な性格。彼女と共にいると、周りの人間は自然と活力が湧いてきそうだ。3本目の煙草を吸い終え、名残惜しそうにその先端で吸い殻を潰しながら、フォッサは二人の反応を待つ。

>アベリィ・シルバラード、ランサー

3ヶ月前 No.73

北方守護騎士 @kyouzin ★XC6leNwSoH_UxJ

【ロンカ村/広場/氷魔像ギラード】

あきれ返るほどのどかなロンカ村。 現在は晴れており、普段から寒いこの地域の温度も、少しはマシになっており、今日に限っては通行人も多数見受けられる。
だが、そんな平穏も、一瞬で奪い去られる事となる。
突然ロンカ村の上空に、ちっぽけな灰色の雲が現れ、それが少しずつ広がっていく。 天気が悪くなりそうだな、と誰かが呟いた途端、まるで爆発したかのように急速に灰色の雲が膨張し、一気に降ってくる雪の量が増え始たかと思うと、まるで人払いをするかのように、広場の中央と言う酷く局所的な場所に吹雪が吹き荒れ始める。

それを見た途端、村人は『道』を譲るようにその場から退いた。
こういった現象が起こるのは初めての事ではない、一つは村から出て行った子供が行方不明になった時に起こり、また一つはこの村に外敵が迫った時に起こる。

吹雪が巻き起こす"白"が一つに固まったかのように、吹雪が収まると、そこには、騎士の氷像のような、2mはあろう、二対の腕を持つ化け物が立っていた。
しかし、これは村人にとっては見慣れた存在だ。
何故ならば、気の遠くなるほど昔から、時折ロンカ村に現れては、迷った子供を送り届けたり、敵対者を撃退する、ロンカ村において信仰に近い物すら集める二つの"守護者"の片割れ、実在する神話に他ならない。

だが、魔道帝国が興り、かの国のトップと話し合いをした結果、彼が行った選択は誰もが知っている、だから、何時ものように彼を慕う村人が近づく事は無かった。

「村民全員に告ぐ。 我は氷魔像ギラード、魔道帝国の近衛としてこの場を借りて発言させてもらおう。 女帝パージルク・ナズグル様は、近々この村への全面攻撃を計画している。 しかしこの村を含む近辺は、我の守護領域である、故に、長きに渡る交渉の末、ようやく我が納得の行く結論が出たため、報告する」

魔道帝国近衛としての氷魔像ギラード。 今まで傍で幾千もの敵を撃退した実力者が、敵側の人間として今ここに現れた、その事実に、村人の半分程度は逃げ惑い、宿屋や神社に駆け込むだろう。
しかし、その姿は何時も通りで、さらに何時も通り、威圧感こそあれど、村人を攻撃しない様子を確認すると、その場に残って彼の言葉を聞く者も居た。

裏切り者の演説にこれだけ残れば上等か。
ギラードはそう呟いて、話を続けた。

「我々魔道帝国は、第三勢力との交戦状態に突入する事が予測されている。 故に、ロンカ村は我の守護領域であること、無用な争いを避けたいこと、この二点を持って特例を適用する。 諸君らの帰順の暁には、第一人種の諸君には勿論、第二人種であろうとも、魔道帝国内各統治領への移動許可を与える。 繰り返す。 魔道帝国内、全領土への移動許可を与える。 また、"余所者"については、交戦の意志なき場合、移動を黙認するものとする。 確実で、安全な帰順を申し出る者は、今、ここで名乗り出よ」

その内容は、封建制を採用し、各将軍が特定領土を治めるシステムをとっている魔道帝国にとっては、まさしく『特例』に相応しい物だった。
仮に誰にここを占領したとしても、全領土への移動を認める。 つまり、領主を選べるようにしたと言うのだ。

少しでも魔道帝国を知っている者ならば、第二人種と言っても、将軍によって扱いが随分異なる事は周知の事実だ、それこそ、ほとんど第一人種と変わらない土地もある。
ここを明け渡せば、そんな所に自由に行ける許可を与える。 そんな条件付きの、降伏勧告だった。

個人単位で、この決断をするのは容易い、だが、家族が居る者にとっては、この土地に愛着を持つ者にとっては、苦渋の決断であることはギラードも重々承知しており、その決断を急かすような言葉は発さず、要件だけ伝えると、まるで本物の氷像のように、そこに佇んでいた。

>ロンカ村ALL


【そろそろ第二章開始に備え、平和をぶち壊しに行きます。 一応会話シーンにする予定ですが、攻撃を放たれたら対応しますー】

3ヶ月前 No.74

イスマリア/葛飾北斎 @tukuyomi07☆2nDyzvx51us ★3aNoMW8gGM_ly4

【 歴史是正機構本部/丞相室→移動開始/イスマリア・ザルヴァトール 】

「生存本能、他者を蹴落とす見下し……。ああ、――人類進化は何時だってそこから始まってきましたものね」

 マスト・ダイ
 弱ければ死ね。古来から人間を除く全種族が通ってきた競争。
 秩序とは定められたルールにしか過ぎず、その上でイスマリアはこう考えている。
 為政者が力を維持し己が頂点に至るために他者から力を奪うための「平和」であると。
 人は力ある者の配下に付き、庇護されることで己の生命と生活を保障してもらう代わりに尊厳等の全てを捧げる。
 それを平和とするならば良しだが、人間の性根は何時まで経っても変わりはしない。
 何故なら他の者は弱く生温いころとは変わりはしないのだから。

 だから、ヘルガの思想には共感している。戦乱がなければ人は高次進化しない。
 戦乱がなければ人は腑抜けたまま。戦乱がなければ平和という毒が前に腐り落ちて消える。
 そも、イスマリアにとってそんなものは真の世界平和ではないのだから。
 世界を統治するのは実に簡単だが、民は育つ確証などどこにもない。批判や不満は甘んじて受け止める。
 だが必ず、全人類は世界平和を選び取り己の力でそれを成し遂げられるようになるだろう。結論。そう信じている。

 だから、聞いた。
 ヘルガ・アポザンスキーという女は未来のために何か出来るかと。
 その時、初めて今まで流されていた視線がこちらへ向けられた。
 歴戦の猛者。血なまぐさい戦場の香り。人を殺す覚悟を持つ目。いかなる場からも生き残るサヴァイバー。

 イスマリアの態度は変わらない。
 非人間的態度のままに、鋼鉄のような表情を崩さずに耳を傾ける。
 答えは、ただ一つ。張子の虎に居場所はない。

「――お答え、感謝します。良き未来の実現を」

 深淵に踏み込んだのには変わりはない。
 イスマリアは人間の真似をして、その答えに感謝を述べる。
 それから、――「失礼します」。と告げ、部屋から立ち去った。

>ヘルガ・アポザンスキー


【 時空防衛連盟本部/エントランス/葛飾北斎 】

「ホウホウ……すると、あれか。陰陽師みてぇなもんか。
 しかも修羅神仏を使役するたぁ相当だな、おまえさん」

 ――そも、神秘が未だ充満しており、更に鎖国によって文明発達が遅れた代わりに神秘が守られ続けた江戸時代。

 葛葉らいどうのように修羅神仏を召喚することが出来る人物が実際にいるとなれば、天地が引っ繰り返ることだろう。
 ちゃぶ台は空を舞い布団は踊り、草履の片方は永遠に見つからない。民衆は号外だ号外だと紙をばら撒き走り回る。
 じゃっくふろすとが(強化はされているとはいえ)下級の悪魔だと知れば、それこそ何が起きるかなどは知れている。

「ま、――四百年も経てば何が出てきてもおかしくはねぇか。
 おれに先見の明はないが、そんぐらい経てばお上の一つや二つ、技術の一つや二つ、意図もたやすく変わっちまわぁ」

 そも。
 、  、  、  ・・・・・・
 さあう"ぁんとだのふぉおりなぁだの――南蛮魔術に被れている時点で、もう予測が出来ていなかったことだ。
 今自分が座とやらにいることも奇怪摩訶不思議であるのだし、修羅神仏を使役する者がいても何もおかしくはない。

「この世は移ろう夢が如し。
 過去に飛べる絡繰りなんてものがある時点で、一つ二つ時代を飛ばせば時代情勢様変わり、サ……」
「ン――ああ、やっぱ気になるか。そらそうだ。北斎がほんとは女だなどと言われりゃ蘭学者が泡吹いちまう」

 らいどうの疑問は最もだ。
 英霊の界隈には本当は女だったあぁさぁ王だとかがいるとは聞くが――少女にとっての事情は違う。

 ・・・・
「葛飾応為。おれの画号だヨ。
 言ったろ? あくまで一人と一匹で北斎、……説明も面倒だってことで今は葛飾北斎を名乗ってるのさ。
 おまえさんの知識に間違いはない。狐に化かされてるわけじゃないから安心することだ」

 ――その指摘は的を射ている。ある日何処かへ消えたはずの父親<北斎>が、このような蛸坊主になって浮いている。
   そのような話も実に眉唾物だと我ながら笑い飛ばしたくなるが、事実なのだから更に面白い。
   その本人は手数が増えて便利な体だと笑っているが、体が縮んでいるので相殺されているのではいかと首を傾げる。

「しかし――他にも見せてくれるたぁ太っ腹だね!
 本物の修羅神仏なんて滅多にお目にかかれないよ! 頼むぜ。一筆描いてやるからサ!」

>17代目葛葉ライドウ ALL

3ヶ月前 No.75

RED @prismriver☆kFuUk0otHg5u ★TZkXkdft22_gIp

【時空防衛連盟本部/休憩室/RED】

REDがずっと隅っこで固まっていると、聞き覚えのある声が休憩室に響き渡った。振り向かなくたってわかる。この声は、ミシャールのものだと。確かに休憩室で椅子に座らないというのはおかしな行動だが、REDからすれば、周りの邪魔をしたくないからとあえてこうして冷たい床に座っていた。そのせいで周りから心配の意味もある妙な視線を向けられていたのだが、本人は気にしていない。

「……ん。そんなに、いらないです。わたし、あまり、食べないですから」

いつものようにミシャールが持ってきた弁当箱を見ながら、REDは少しどもり気味にそう話す。こうでもしないと彼女は食事を忘れてしまうくらいに動かないので、ありがたいことであるのは間違いないのだが、量が多すぎるのが問題だ。ギッチリと色々な料理が詰めこまれているその弁当箱は、年頃の女の子1人で食べきれるような量ではない。
しばらくして、食べないと帰ってくれないと諦めたのかようやくREDは手をつけ始めたが、その食事ペースはとてもゆっくりで、このままではミシャールの方が食べる量が多くなりそうだった。しかし、多めに残したところで食べきれなくなって残すのが目に見えているので、それでも問題はないだろう。

「なんで、おばさんは、わたしを構うんですか? 他の人と、同じで、無視すればいいのに」

一番の疑問だった。REDはミシャールが自分に構うことで、一部で物好きみたいな評価をされていることを知っている。そうなることはわかっていただろうに、どうして自分にここまでしてくれるのかがわからないのだ。料理を持ってきてくれるのは嬉しいけど、持ってくれば自分が何かをするというわけでもない。本当に善意だけでやっているとしたら、人が良すぎる。REDはそう思っていた。

>>ミシャール

【絡みありがとうございます】

3ヶ月前 No.76

Futo・Volde @nonoji2002 ★7KU5qNWZJU_N6D

【時空防衛連盟本部/エントランス/喫煙室/アベリィ・シルバラード】

「スラム出身の友達が居ただけで、私は別のところの出身なの。それに私が属してたグループの縄張りは西側だったしね」

アベリィは先ほどフォッサが“魔弾のフォッサ”と口にしたときに動きを止めたのを決して見逃しはしていなかった。だが、動きを止めただけで彼女の反応は特にそれを“思い出したくない過去”ではなく、単に”忘れていたような過去“なのだろう、嫌な反応は浮かべなかった。そんな様子に心の中で溜息をつく。

にしても、あれだけ尊敬と畏怖を集めていた“魔弾のフォッサ”も、今ではこうして時空防衛連盟の隊長を務めているのだから、人生と言うのは何が起こるかわからない。
考えてみれば、アベリィ自身も、父親を失った反動で家を飛び出し、スラムのグループに属していろいろ“悪い事”から“良い事”までやって、最後は父親と同じ軍人という道を歩んでいるのだから、人のことは言えないか。

「舎弟の人たちはどうしたの? スラムの東側からあなたを見かけなくなった時期と同じ時期に見かけなくなったって話だけど。時空防衛連盟に居たり?」

“魔弾のフォッサ”には多数の舎弟や、彼女に従えるグループが数多く存在していた事を当時聞いている。とは言え、そのグループも、魔弾のフォッサも、その舎弟もある時を境にスラムから姿を消した。足を洗った、とか別の街に行った、とかいろいろ噂があった気がするが、その真相を知る前に、アベリィは軍へ入隊したため、スラムとはかけ離れた生活となり、気付けば記憶からも薄れてしまった。故に事の顛末は聞いていない。

さて、そんなフォッサとの会話を遮ったのは青い髪の男。
その容姿は黄色い派手なアロハシャツにベージュの革ズボン。おそらく誰もが横を通り過ぎれば一度は振り返って二度見してしまうような、そんなインパクトのある服装だ。
ましてや、背が高くて、細身ながらも筋肉質で“スラっとしている”という表現がしっくりくるようなまさしく絵に描いたようなイケメンなのだから当然だろう。
……とはいえ、アベリィのタイプではないようだが、元々彼女はそこまで色恋沙汰にはそこまで興味がないのでまた別の問題だ。

「これはどうも。私たちは他愛もない……いや、世間話か。そう、世間話よ」

ニッと軽く微笑みながら挨拶をするこの男にアベリィは応えながら、相手に気付かれぬようにそっと観察する。多分これはアベリィの癖。他人の細かい仕草や癖のような物をつい、見てしまうのだ。タバコをポケットから取り出し、それを口に咥えて火をつける彼を横目に、フォッサの反応も伺う。やはり、相手が誰であっても態度は変わらない。アベリィに接するのと同じように、この男にも同じように砕けた話し方をして、ジョークまで飛ばす。改めてフォッサが部下から愛される理由を理解した気がしたところで、ふと、思い出したかのようにタバコを取り出す。酒の席があるようにタバコの席があっても良いんじゃないだろうか。とは言え、あまりタバコが好きではないのだが。

>フォッサ・セントライト、ランサー

3ヶ月前 No.77

珍獣とロボット @aaazzz123 ★Android=KP9LssNLxz

【時空防衛連盟本部/訓練施設/ラチェット クランク】

元々…なるほど、つまり彼も別の場所から来たと言った所か。それも自分たちがいた場所とはまた違うところ。
様々な惑星に足を踏み入れてきたラチェットにとってはそういう人物やそういった現象はそこまで珍しくはない。

「オイラの元いたところ…うーん、どうなんだろう。似てるって言われたら似てるのかもしれないけど、違うと言われたら違うし…」

なんとも言えない答えには理由がある。
ラチェットは銀河単位で宇宙をまたにかける宇宙のヒーローである。ラチェットの世界では銀河や宇宙規模というのは特に珍しい事でもなく、なんでもない一般市民でも宇宙船を持っているような世界である。
そしてその宇宙にある惑星も様々で、どこもかしこもジャングルの辺境の惑星もあれば技術の発達した機械都市も存在する。
つまり、「もといた場所」の定義があまりにも規模が大きすぎてはっきりしないと言った所である。
更に言わせてもらえばロボットが喋るという事もラチェットのいた世界ではごく普通な事である。
一応喋らないロボットも居るが、それでも大半は自らの意思を持っている。

…もっとも、クランクはその中でも特に特別な存在だが。

「まぁ、オイラにとってそれなりに暮らしやすいって事は、とりあえず似てると言えるとは思うよ。慣れない場所ではこうは暮らせないし。特にここの訓練施設なんてよく出来てると思うよ」

「ワタシに関しては同じ感じとは言えないとは思うっすけどね。ロボットの概念がこちらとワタシのいた世界とでは大きく違うっす」

クランクがラチェットの言葉に付け足すように言う。
少なくとも二人は今のところ自分のいた世界のものと近いロボットは確認していない。
要するに、テクノロジーは大きく違うがそれ以外の部分は特に大差はないと言った所だろう。



ラチェットとクランクがミラノと話して居ると、ミラノが声をかけていたもう片方の金髪の女性が目を覚ます。
そういえばさっきからいたが、自分たちの妨げになるわけでも無かったので特に気にしていなかった。

何を話しているのかはわからないが、とりあえず不機嫌なのはわかった。
寝てたようだし、それを起こされて機嫌が悪いとか?そう考えていた所、彼女は突然その場で自分よりもずっと大きな剣槍を軽快に振り回し始めた。
決して当たりはしないのは見てわかったが、剣槍を振る度にブォンと風がこちらに当たってくる。
ぼそっと「すごい力だな…」と呟いたが、その直後に二人の間に険悪なムードが漂うのがわかった。
これは良くない。ラチェットはすぐに二人の間に入る。

「ま、まぁまぁ二人とも!仲間同士で争ったっていい事なんかないんだからさ、ほら君もそれ振り回すの中止!オイラにまで風当たってるから!」

仲が悪いのは仕方ないとしても、喧嘩を長引かせるのは決して良い事ではない。速いうちに鎮火させなければと
考え、すぐさま二人の仲裁に入る。

>>ミラノ、ストラーヴ

3ヶ月前 No.78

失憶者 @zero45 ★h2BOlEz4kD_FR1

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3ヶ月前 No.79

Lzh @lllllzh☆PvKD6UICUoMc ★TuwsMa7hHI_W3T

【時空防衛連盟本部/訓練施設/万丈龍我、桐生戦兎】

設備の整った訓練施設。その中のシミュレータで戦う一人の男。
シミュレータには元の世界での雑兵「ガーディアン」が映っている。

「だっ! はっ! おりゃああ!!」
男はそのガーディアンをなぎ倒していく。
重要部分を破壊されたガーディアンは見事に爆発四散。ちなみにシミュレーションなのでダメージはない。
見事な打撃と蹴りは、格闘技経験があることを裏付けていた。

「しゃあっ!」
全てを終えた男は気合をいれ、構えを取る。
男の名は『万丈龍我』
元の世界での敵『ブラッドスターク』によって無実の罪を着せられた男――――

「おっ、やってるねぇ」
「戦兎か! 衝撃波だっけ? あれなんとかしないと俺の無実どころじゃなくなるからな!」
そこにもう一人の男が入ってきた。
その男の名は『桐生戦兎』
記憶喪失の天才物理学者で、その正体は顔を変えられた『葛城巧』――――

>周辺all

3ヶ月前 No.80

世界を駆ける者 @x5mas☆sECYEVcUXiI ★iPhone=5TP8WhktZe

[時空防衛連盟本部/食堂/【リプレイサー】]

不意打ちのように披露した奇術は、予定通りに上手く決まった。どうやらギルバートの興味も引くことが出来たらしい。今回も我ながら上々な出来だ、そう心の中で呟いて、奇術師は満足気に微笑んだ。

さて今度こそコーヒーの一杯を……と脚に力を入れた時、ギルバートが呟いた。どうやら彼も奇術を披露してくれるらしい。これは良い機会だと腰を下ろし、身体を傾けてみたところ。

「おお、コイツは面白いな……。紐とかも、付いては居ないみたいだし?」」

ふんわり、ふわりと皿が浮く。おとぎの国によくある世界が、今目の前で現実となった。少し身を乗り出し、皿の下に手も差し入れてはみるが、紐や磁力の類は感じられない。となれば大方正体は掴めた。『重力操作』が有力候補だ。

ツンと皿を突いてみれば、料理を乗せたまま動き出してしまった。いつの間にやら集まった『観衆』が空気を少しどよめかせた。摩擦も働かない皿は慣性の法則に従い、どんどん手元を離れていく。奇術師は慌てて手元に皿を【飛ばし】、プレートの上に置き直した。

「ああ、ありがとよ。久し振りに面白いもん見られたよ。重力操作……確かに隊長として不足無し、だな。範囲にもよるだろうが、場の制圧に於いても強力だろう。俺の能力とも相性が良さそうだな。」

奇術への賞賛と、『能力として』の評価。こうして改めて能力を見せ合うと、どうも意識してしまう。今ならば手品のタネになるものだが、戦場に於いては立派な武器。きっとギルバートも、それを承知の上で見せてくれたことだろう。
平和である内に戦術を考慮する……あまり考えたくはないが、そうでもしなければ“護るべきモノ”も護れまい。集める目線が羨望である内に、すべき事もあるのだろう。――顎に手を遣りながら、奇術師は考えに耽る。食事の時ぐらいは……なんて考えてはいたが、そうも言ってはいられない現実もあるのだろう。背負う命の多い隊長なら、尚更か。

そうだ、折角の機会。今のうちに聞けることは聞いておこう。奇術師はそう思い至ったらしかった。

「多分、出撃も近付いて来てるんだろうよ。 だから今のうちに、『向こう』での事を聞いておきたいんだ。俺は此処に来て日が浅い。タイムマシンも、異界じゃあ見たことがないからな。食べながらでも聞いてくれや。」

先程までのおちゃらけた空気をそこそこに、奇術師は前を向いたままで言葉を紡ぐ。聞きたいのは古代へ向けてのこと。時空遡行なんて経験したことがない事象だ、万が一にでも『断裂』とやらの引き金には手を掛けたくない。疑問点は潰しておくべきだ。

「時空遡行をした先じゃ、文化は違うし言語も異なる。言葉に関しては『補正力』でも働くんだろうが……。それに、俺は生憎ここの歴史には疎い。文献に出てくるみたいな、メジャーなヤツなら分かるんだがな? 何かを間違って『生かすべき人』を殺し、『死ぬべき人』を助けちまう可能性も捨てきれない。」

ある程度の歴史の矛盾は、世界が歪むことで解決する――そうとは知っている。だから、今から聞くことは、そう大事でも無いのだろう。それは分かるのだが、これだけはどうしても聞いておきたい。

「つまりは、だ。俺は行った先で、何処まで関われる? もし俺の目の前に、困窮する人が現れたとして……俺はソイツを救ってもいいのか? もし俺の目の前に、人を虐げる輩がいたら……俺はソイツを殴ってもいいのか?目標以外に 一切関わるなと言うなら、勿論従う。けど、ここだけはハッキリさせておきたい。そう思ってな。」

口調は穏やかなまま。けれど、込める思いは全く異なる。自分は今から、この世界の存亡を賭けた戦いに身を投じるのだ。自意識過剰かも知れないが、出撃するからには絶対に後悔したくはない。失敗を成功の糧にする余裕は残されちゃいないだろうから。

――前を見据えたままの奇術師は、壁のデジタル時計を睨んだ。もう、時間は遠くない。

>>ギルバート・トムフール


【唐突なシリアス】

3ヶ月前 No.81

山城妖狐 @sacredfool ★ujIB23kcPC_UxJ

【ロンカ村/神社→広場/山城瑤子】

 地図に載らない秘された村、と言えば聞こえは良い。ここでしか得られないものがあり、そういうのは得てして極小なるものである。要するに寂れた場所なのだ。真夏でも気温が氷点下を超えることは稀で、一年中雪に覆われている。
 そんな寂れた集落の外れの、吹きすさぶ豪雪の中でもどうしてか負けることのない榊の林にある、もっと寂れた神社。鳥居も拝殿も決して雪に埋もれることなく、寧ろ雪が意思をもってそこを避けているかのように堂々と佇んでいる。拝殿は人間が一人、どうにかこうにか生活できるくらいの規模なのだから、そこにいるのは一人だけ。いや……一柱だけ。
 拝殿の戸から出るは少女。この銀世界には一見して似つかわしくない薄手の着物であるが、彼女が寒さに震えることはない。雪に溶け込む様な銀の髪、白い肌。獣の耳と尻尾を携えた、外見上それだけの少女である。彼女はいつもと変わりない雪景色を一瞥すると、何かを確かめるようにくんくんと遠くの匂いを嗅いだ。

「平和なものだのう。今日のお宿の夕飯は……ははぁ、スチウじゃな」
 風雪に覆い隠されるはずの乳の匂いも、彼女の前では筒抜けである。耳と尻尾だけではない。にやりと笑う彼女の五感の全ては獣のそれと大差なく、ヒトを遥かに超える。当然……ヒトではない。
「それから……今日の妾の晩餐は……」
 それまで長閑な村の風景を幻視してはころころと笑う少女は、突然その顔から笑みを消した。彼女がヒトでないとなれば、何か? 答えは六感を持つそれである。彼女は何かを書き置きしているようだった。
「嫌だのう、こんな所でかき氷など……」

 やれやれと首を横に振り、彼女は来たるべき時に備えてむにゃむにゃと何かを唱えた。それを境に神社の中をちらついていた雪粒は、ぴたりと姿を消した。彼女は不備がないかどうか辺りを見回して、自らの張った結界が柔なものではないのを確認すると、ゆるゆると下駄一足で村の中央へと歩きだす。程無くして村の上空には灰色の雲が立ち込め、書き置きの残された神社には村人が殺到することとなった。


 ――思ったより早いな。
 村の広場には、彼女が思い描いていた光景とほぼ同様の景色が広がっていた。
 見上げるほど巨大な、騎士の氷像。其れの口から発せられるのは、それはまぁ帝国絡みの事になるだろう。そして、それに応じようとする者、異を唱える者、幾つか出てくるだろう。

「止さぬか。其の方の演説も、村への想いも、決して嘘ではない。妾が保証しよう」

 至極都合の良い降伏勧告に真っ先に噛み付いたのは、あの青年。記憶を失った迷い子。この村の温かさに触れたからこそ、なるほど彼の憤りは尤もだ。しかしこれは制さねばならない。其の氷像は確かに村を捨て帝国の軍門に下った裏切者だが、この村を守ろうという想いは、未だ潰えていない。同じ立場ゆえ、それは理解出来る。理解は確かにする。

「保証した上で言う。失せろ」

 “守護者”たる彼女は、冷え切った眼でかの氷像を見つめた。
 此奴とて村のことを考えているには違いない。この提案を飲むこと自体は決して間違いではないだろう。しかし同時に、正しくもない。結局の所、言いたいことはこの青年と大して変わりはしない。如何な想いをもっていようとも、連中の手先となった時点で村の者共に声をかける意味などない。寧ろ、村の動きを二分して混乱を招くという意味では悪だ。さりとて抗いは無駄かもしれない。けれど、屈するよりは余程だと知っている。
 それゆえ彼女はその異形の眼を見つめるのだ。話すことなどない、と。

>>氷魔像ギラード、アラン・レイクルード


【絡ませていただきたい……】

3ヶ月前 No.82

首刈りヴァルキリー @kyouzin ★XC6leNwSoH_UxJ

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3ヶ月前 No.83

爆炎 @sable ★8O0rjcH5GN_8gk

【パメラ本体様からの要望がありましたので、ニケを確定ロルを加えた先レスで投下させていただきます】

【ロンカ村/宿屋/ニケ・エタンセル】

小さく儚いが故に尊い幸せ。厳しい寒さに閉ざされているからこそありがたい温もり。いつまでも続けばいいのにと願った側から奪われようとは。
徐々に無視できない程に膨らんでいく喧騒は、まるで幾つもの水紋が互いにぶつかり合っているかのよう。血相変えて駆け込んでくる村人達の顔を見れば、何が起きたか容易に察することが出来る。水面(みなも)に水滴を落とした人物が誰なのかも。
触発されたアランは止める間も無く表へ飛び出し、すぐに姿が見えなくなってしまった。そこにパメラまで続こうとするのを見るなり、ニケは彼女の腕を引っ掴んで引き留める。

「よせ!いざってときにロンカを護れるのは俺達しかいないだろうが!」

だったら尚更行くべき、そう言い返されるかもしれない。だがこれはあくまで勧告。陽動の可能性すらある。そこに早まって全戦力を注ぎ込み、もし新たな敵が現われでもしたら…
アランを見捨てるつもりか、そう咎められれば反論の余地はない。しかしロンカ村の護り手というのは本当に少ないのだ。帝国に反感を抱く者が近辺に集ったと聞いてはいるが、組織的なものでない上に数も心許なくてはアテにならない。
北方の村々も規模が規模だけに帝国がその気になれば一瞬で灰燼に帰すことだろう。そう、自分達は"集って"などいない。異端者として"追い込まれた"のだ。大陸の端、北方の雪国へと。
貴重な防衛戦力としての自覚、そして冷静さを持たねばならない。それがニケの言い分であった。

「だけど備えはしておこう。万全を期して戦いに臨むんだ」

今すべきことは準備。敵の真打登場に備える。そう言うなり奥の部屋に消え、数分の後に動きやすい服装と防寒用のコートという出で立ちでパメラの元へ戻ってきた。

>>パメラ・エンドネル、アラン・レイクルード


【もし問題等ありましたらよろしくお願いします!】

3ヶ月前 No.84

リインカーネーション @genomirai ★z8IID1mzG7_ly4

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3ヶ月前 No.85

リインカーネーション @genomirai ★z8IID1mzG7_ly4

【歴史是正機構本部/移動中→自室/フォルトゥナ・インテグラーレ】


「ああ、何かあればその時は助けて貰うかもしれないな。彼女と仲直り、出来ると良いな。」

光の粒子として消えていくキラーを眺めながら小さく手を振る、大切な存在にこんなにも一喜一憂出来ることが羨ましいと、そう感じた。しかし、目的にその感情は必要ない。
今の、幼少期からしばらくぶりの楽しいといった感情や、面白いと思った感情、この時間が続いて欲しいという思いも不要だ。今フォルトゥナと言う存在に必要なのは力と目的へと進むための情念、怒りや憎しみ。だから、この感情は不要なのだ。
誰もいない通路、目を閉じ、一つ深く息を吐く。そこに先程まで微笑んでいた女性はいない、いるのは多くの職員に近寄りがたい存在とされているフォルトゥナの姿。
表情は常に険しく、その眼光は心弱き者の心臓を射抜くかのよう。発する圧力も極度に恐怖への耐性がないものなら気を失うほど、腕の立つものでも隙の一切見えない彼女を恐ろしく思うだろう。

「次は、鍛錬か。課題は魔法戦における多属性を扱う者への対策、及び致命を与える手段。……問題ないな。」

皮手袋を嵌めた手を何度か握り開く、身体が鈍った感覚はない、魔力も正常に紡げる。いつもと変わらない、最高のパフォーマンスが発揮できる状態だ。
精神的乱れもなし、目的を見誤ることもなし。そこまで確認を終えると自室へ歩みを進める、すれ違う職員からは避けられるいつも通りの移動時。
自室は将官という立場もあり広くなっている、大規模な訓練施設がない歴史是正機構の為あらゆる機材を自室へと運び込んでいる。そうしている職員は他にもいるらしい。
仮想戦闘シミュレータを起動する、仮想敵は昨日の自身のデータ。それを三十体、思考ルーチンは十体が通常、残りを魔法偏重。再現度は最高、つまり昨日の自分三十人との模擬戦だ。
模擬戦と言えども痛覚は切らない、殺傷能力も有り。本物の戦闘と変わっているのは室内である事のみ、それ以外は全て変わらない。そして彼女にとってこれはウォーミングアップでしかない。
常人であれば数日で二度とやりたくない、やれる状態にないこれを彼女は歴史是正機構に所属してから毎日続けている。求められるのは常なる進化、一日でも停滞すればシミュレーターで死ぬという事態になる。
しかし彼女は大怪我どころか掠り傷一つ負わない、そして十分もしない内に彼女はウォーミングアップを終える。次の設定は所謂ダメージを受けても倒れない自分との闘い、急所を壊しても動く以上苦戦を強いられる。
そうして動く彼女には既に微笑みの後はなかった、残るは只管目的へと突き進む一人の人間だけであった。

>>(キラー・テンタクラ―)


【此方こそお相手ありがとうございました!】

3ヶ月前 No.86

クランの猛犬 @akuta ★Android=8Sr3SxYeQ0

【時空防衛連盟/エントランス/喫煙室/ランサー】

「気にする事もない世間話ねえ、今んところ平和な証拠だな」
 この世界の歴史が人質という状況で、こうして世間話ができるという事は平穏の証だとランサーは、気安い口調で紫煙を燻らす。
 敵であろうと気に入った人間には時として共闘するランサーからして見れば、今回のこの戦いはあまりにも身勝手な理由で長年築き上げた物を粉砕するのは癪だと思っていた。
 何かを変える行為自体は否定しない、ただそのやり方さえ間違っていなければ喜んでその障害として立ち塞がろう。
 その方が戦士として討ち取られても立派な手向けになる。
「? オレの顔に何かついてたか?」
 タバコを咥えた時、一瞬だけアベリィの視線を感じたのだが大雑把なランサーは相手の他愛のない細やかな仕草までは気がつかないので、不思議そうな表情でアベリィを見据える。
 口から煙を出すと、フォッサが興味があるのかと言われて瞼を閉じてニヤリと笑う。
「さてね、それ言っちまったら面倒臭え事になるだけだろ」
 聞く場所選べよと一言付け足して、ランサーがどっちかがタイプか口に出さない理由を述べて面倒事になりそうだと言って回避しようと試みる。
 仮にも女性だ、こういう手の話には敏感だろう。まだ自分に気がある二人が自分を巡って対立するなら男として気分はいいが、そうでない二人が対立するのは面倒この上ない。
 それを見越した上での発言だった。
>フォッサ アベリィ

3ヶ月前 No.87

獅子心 @zero45 ★h2BOlEz4kD_FR1

【時空防衛連盟本部/資料室/レオンハルト・ローゼンクランツ】

 静寂に閉ざされた資料室。時たま捲られる紙の音を除けば、一切の物音がしないこの一室に於いては、例え小さな声であろうと良く響き渡る。
 当然、彼が小さな声で呟いた言葉は室内へと足を踏み入れた女性の耳に届いた。組織で同じく司令官を務める一人、シフォン・ヴァンディールへと。
 彼女は彼が三年前に引き起こした事件を知っている。地球軍少尉であった頃の彼が、直属の上官に対して暴行を加えた事を。この事件がきっかけで彼は軍を除隊させられる事となり、現在も政府及び軍上層からは反感を抱く者としてマークされる状況に置かれている。
 そんな彼が今零した言葉を、仮に政府関係者にでも聞かれでもしたならば、政府は如何なる手段を使ってでも蹴落としにかかって来るだろう。組織内でも総統と副総統に次ぐ権限を保持しているだけに、その危険性は非常に高い。

「そうですね、聞かれでもしたら間違いなく二度と此処には戻れなくなる。外部協力者として関わる事さえ許されない……言いたくても、心の声で止めておくことにします」

 言動には細心の注意を払う様に諭す彼女に対し、先程とは打って変わった態度で彼は答える。既に地球軍の軍人としての関係は絶たれ、司令官として同等の立場に立つ彼ではあれども、その心は今も彼女の事を上官として尊敬しているのだ。
 己の描いた理想像へと近づくに当たって、見習うべき者。いつかは彼女に並び立ち、越えるべき存在となる事を望んでいる。自他共に認められる様な人間、それが彼の目指す目標だ。

「構いませんよ。蔵の中で埋もれているよりは、誰かに読まれた方が本も嬉しいでしょう。本に感情があるかどうかは別として」

 悪戯っぽい笑みを浮かべて正面の席へと座った彼女の、本を貸してくれないかと言う要望に、彼は微笑みを浮かべながら快諾する。
 幼少の頃から読み耽って来た古本の数々は、彼にとって宝物も同然。それを平然と、躊躇いを見せる事無く貸し出すと言う事は、即ちそれだけ彼女の事を信頼していると言う事。これが赤の他人相手であれば、こうはいくまい。何かと理由を付けて、貸す事を拒む事だろう。

「魔道帝国の成立から崩壊に至るまでの歴史。当時活躍した名だたる人物達についての解説……まあ、どれでも好きなのを取って行ってください」

 積み重なった数々の本の中から、作戦に於いて重要性を持ち、阻止しなければならない"時空断裂"に関わって来る内容が記されていると思わしき本の概要を指差ししながら説明して行く。ちなみに彼が今読んでいる本の内容は、帝国崩壊後の歴史に纏わる物。"中世"に区分される時代にも、ほんの少しだけ関わりがある内容だ。

>シフォン・ヴァンディール

3ヶ月前 No.88

葛葉の一枚看板 @5121☆stkO0KxpThU ★ztEbdaugmt_7FY

【時空防衛連盟本部/エントランス/17代目葛葉 ライドウ】

「陰陽師は怪異に対する民間窓口のようなものだ、だが悪魔召喚氏は民間には知られていない影の代行者だ、流石に悪魔を民間人の前に晒すとどうなるか想像に難くないだろう?
 それに俺はまだ未熟者だ、歴代最強と謳われた14代目は西洋の魔王をも力で捻じ伏せ使役したという、俺などまだ膝元程度なものだ」

普段悪魔は秘匿されるものだ、それは当然だ。民間人に見せると間違いなく混乱が起きるし召喚術が民間に漏れると悪用する者が必ず出てくる。
事実普及したCOMPによる召喚術式を悪用するダークサマナーと呼ばれるものは多くいる、ライドウの任務にはその討伐も含まれている。
悪魔召喚術は神道式と陰陽式に分類されている、近頃はCOMPによる電子式が主流だ。手軽で簡単に悪魔を呼べる分葛葉にも使い手は多くいる。
北斎の言う陰陽師は大正時代に大規模なクーデターを起こして参加した殆どが死に絶えたのだが、話がややこしくなるのでここは割愛だ。
14代目は異国文化と共に大量に流入してきた悪魔や、それに伴い発生した怪異を全て一人で鎮圧してきた誇り高き男だ、世界を救った回数は数知れず。
今も尚語り継がれる伝説だ、17代目である自分も”葛葉の一枚看板”という栄誉ある称号を得ているが、14代目にはまだ及ばないと考えている。

「その技術を悪用する輩を厳しく取り締まるのも我らの務めだ、一般にまでこの術式が広まれば間違いなく戦争の道具にされるからな」

事実第二次世界大戦の末期にはデビルサマナーの戦場投入も検討されたと聞くが超国家機関ヤタガラスはこれを拒否した。
その件に関してくだらん派閥争いを繰り広げている間に日本は戦争に負けた、結果としてヤタガラスは無傷のまま残った。

「胡蝶の夢という奴か、この世は泡沫の夢というならばこれは誰の夢かという話だが、精々悪夢にしないのが俺の務めだ
 二人で一人か……よもや、貴様は誰かに、何かに”召喚された”のか? そうとくればすべての話に辻褄が合うのだが」

『ライドウが何の話をしてるのかちょっとわからないホ』

ライドウの世界に英霊の座というものは存在しない、全ては仮説に次ぐ仮設の産物だ。だが葛飾応為という少女を依り代にしてあの蛸を北斎本体として召喚しているならば、と考えたようだ。
ライドウと付き合いの長いジャックフロストでも流石にその辺りの思考にはついていけないのかロクに口を挟めないでいる。
お目付け役である業斗童子という猫でも居れば細かい解説を入れてくれるのだろうが、今回の任務には参加していない。

「俺の暇潰しに付き合わせた礼だ、生憎戦闘向きの仲魔しか連れていないが、それで一筆描けるならば描いてみるがいい
 一旦管に戻すぞジャックフロスト、来い、フツヌシ」

『ほほう、戦闘以外のことでこの儂を呼ぶとは珍しいこともあったものだ、絵の”もでる”に儂を選ぶとは中々の目利きではないか17代目』

「今連れている仲魔の中で拝んでご利益がありそうなのがお前だからな」

ジャックフロストは手を振りながら緑色の粒子となり細長い金属製の管に入っていった。
フツヌシ、またの名を経津主神(ふつぬしのかみ)と呼ばれる神の一柱の分け御霊だ。胡坐で宙に浮き、傍に幾多の剣を浮かばせているのが特徴的だ。
元は14代目の仲魔だったがライドウは実力を認めさせて仲魔に加えている、まだ未熟だった頃に背伸びしたせいで一度死にかけたが。
神仏の一中というだけあって威厳のある声をしているが、絵のモデルということもあって結構乗り気である。

>葛飾北斎、ALL

3ヶ月前 No.89

61 Destroyer Squadron @sreipnile ★1DXVdHzeIP_M0e

【時空防衛連盟本部/訓練施設/秋月】

此処は時空防衛連盟の本部。彼女にとっては、遠く離れた未来の一つ。その未来に、今、彼女は居る。
今は訓練施設となる複数のシュミレーターの前で、静かにある2人の戦いを眺めていた。

まあ、その2人が来る前にはいなかった彼女だが。

(あの2人……秋月とはまた違った世界から来てる)
あのように戦う男は、彼女の世界には存在しない。



もとより彼女の世界では、深海棲艦と艦娘の2大勢力的な、世界の命運をかけるような戦いを渡り歩いた。
だが、この世界に来てからは事情が違うように、平和が紡がれているような感じがした。

尤も、この世界の組織などをあまり調べてないのと、時空の概念が良く分からないまま過ごしていたり、
それに加えて、近代的な技術をよく知らない。流石に元にいた時代とのギャップが激しすぎるのもあるだろう。
そのためか、シュミレーターの使い方すらいまだに分からない。

だが、彼女も最近は調べ始めたこともあり、組織が2つ存在している、という事は分かった。あとは、彼女が初めて訪れた食堂で食べた物があまりにもおいしかったが、夕食だけにとどめようという結論を出している。尤も、彼女の本来の質素な食生活が影響していたものだが。


彼女は、秋月型防空駆逐艦1番艦、秋月。それを示すのは、艤装にある特徴的な長10cm砲だろう。
普通の兵器ではない、何らかの力によって意思を得た兵器。

兵器として扱われるかどうか、彼女が知る由もない。
人かどうかは、誰もが疑うかもしれない。


(秋月は、この世界で戦えるのでしょうか……)
自分の事に不安を抱えながらも、あの2人に声を掛けようと寄りかかっていた壁を離れシュミレーターを眺める。


>>万丈龍我、桐生戦兎、訓練施設all


【絡ませていただきます(ちょっと遅くなりましたが)】

3ヶ月前 No.90

中二病でもハッキングがしたい! @infernus☆XQ6phrzcKMtR ★424pP1PjRZ_UxJ

【歴史是正機構本部/個室/シエンタ・カムリ】

Chopinの返答はOKであった。これが見知らぬ一般人であれば目的が違うということで蹴られていたかも知れないが、彼はフレンド。多少のわがままであれば、応じてくれる。
こちらの都合に付き合ってもらうのだ。今度共にプレイする時は、あちらの要求も聞いてあげなければならないなと考えながら、シエンタは返信のメッセージを打ち込み、送信する。

『それじゃあ、支度が整ったら広場の噴水前に集合しよう。ボクはもう出来てるから、先に行ってるよ』

彼女はメッセージが送られたことを確認すると、すぐにキャラクターを操作し、広場へ向かう。このゲームの広場は、共同プレイの待ち合わせや、プレイヤー同士の交流などに使われる場所だ。
そういうところに、GOD_SIENTAほどの知名度を持つ者が現れれば、どうなるかは想像に難くないだろう。いわゆる"乞食"と呼ばれるプレイヤーが、彼女の周りへと集まってくるのである。

『GOD_SIENTAさんフレンドになってください!』
『レベル上げ付き合ってくれますか?』
『一緒にダンジョン行きましょう!』

ある種テンプレートでもあるメッセージの山と共に届く、大量の共闘依頼。勿論シエンタはそれに反応することなく、無視を決め込む。暇なら気まぐれで付き合ったかも知れないが、今はChopinを待っているのだ。
無視を続けていることもあり、時に『反応しろよボケカス』『上位陣だからって調子乗ってないで返信しろ』などといったメッセージが送られてくるが、雑魚の戯言なのでスルー安定である。
そうして待つこと十数分。広場にやって来たChopinと合流したシエンタは、まずは約束通り、レアアイテムがドロップするダンジョンへ向かう。ここの敵は癖があるので、注意が必要だ。
まあ、シエンタくらいのレベルともなれば、ほぼほぼごり押し出来てしまうので、そこまで身構える必要もないのだが。5回周回した結果、彼女は狙っていたアイテムを運よくゲットすることが出来た。
そのまま今度はイベント発生中のダンジョンへと移動し、ランキングポイント稼ぎの周回が始まる。最深部には強力なボスが待ち構えているのだが、既に対策は研究済み。
故にシエンタは、半ば嵌め殺しにも近い形で、ほとんど傷を負うことなくそれを撃破する。最後に表示されたスコアが加算され、ランキングが2位に浮上。だが、これではまだ足りない。
トップを狙い、更に周回を続けたいところだったのだが、タイミング悪く妨害が入る。鳴り響いたスマホを見てみれば、そこにはこの歴史是正機構のトップからのメールが入っていた。
内容を確認してみれば、そこに記されていたのは出撃命令。とうとう、自分も古代へ行かなくてはならない時がやって来たようだ。丁度いいところでの妨害に、シエンタはやや落胆した表情を浮かべる。

『ごめん、急用が出来てしまったよ。共闘してくれてありがとう。次は君のやりたいことに付き合うよ』

シエンタはChopinにそうメッセージを送信すると、PCをシャットダウンし、席を立つ。彼女がこの部屋から出るのは、ゲームやCDなどを買うために外出する時か、出撃命令が下った時のみである。

「全く、キラーのおバカはどこにいるんだい。肝心な時にいないなんてね。だから君はグレードB止まりなんだ」

自らの相方に悪態をつきながら、シエンタは廊下を歩き、時間遡行装置の置かれている部屋を目指す。一応、スマホでメッセージを飛ばしておくか。俗にいう歩きスマホでキラーへのメッセージを作成、送信したシエンタの表情には、面倒くささと興味の入り混じった、奇妙な表情が浮かんでいた。

>(ショパン)、(キラー・テンタクラー)
【間もなく第二章に移行しますので、ここで一旦切らせて頂きます。妙な絡みでしたが、ありがとうございました】

3ヶ月前 No.91

北方守護騎士 @kyouzin ★XC6leNwSoH_UxJ

【ちょっと自演入ります】

【ロンカ村→城砦都市ギリダン/広場→玉座の間/氷魔像ギラード】

「確かに、我は裏切り者だ。 だがそれ以上にこの地を守る者だ、誇りや自由ではない、この地と、民を守る事こそ、役割なり」

一人だけ、恐ろしい外見をして、今この時ばかりはその外見通りの脅威となる氷像の前に出てくる者が居た。
それはアラン。 記憶喪失となってこの村に何とかたどり着いた者だ。 もはや仕方の無い事だが、彼はその正義感と勇気故に、ここに飛び出してきて、誰よりも先に裏切り者の氷像に意見を言って見せた。
だが氷像は語る、裏切ろうとも、その役割は一切変わっていないと。

信じる者は居ない、果たしてそれは、事実だろうか。
パメラが言うのならば、ある程度の説得力がある、だが、彼は余所者であり、同時にギラードは数十年単位で活動していた守護者である。

ギラードの四本ある手のうち一つの手の中に、彼が戦闘時に使用する氷で形成された魔法剣"アイスソード"が形成される。 一騒ぎ起こるか、そう思われたその時、もう一人、この場に現れる者が居た。

"「保証した上で言う。失せろ」"
その言葉を聞いた上で、ギラードは体の中心部にある、雪の結晶のようなコアを彼女の方へを向けた。

「相容れぬ、か。 それも良かろう。 だが肝に銘ずるがいい、我が提案は例外なく村人が助かり、一度武器を向けた挙句逃げ出したり、降伏する選択は、一定の死者が出る。 戦闘員、非戦闘員、区別無く。 "もう一人の守護者"を心配はしておらぬが、余所者よ、一度は、お前も含む複数の余所者を我はロンカ村の一員として迎え入れたが……ここに居ぬ者共にも問おう!! お前は、お前達は、その選択をする勇気があるか?」

氷像が大気を揺るがし、叫んだ。
その叫びは空気すら凍てつかせ、周囲の水という水は凍りつき、氷塊となる。

ロンカ村の主戦力が、この村の戦力、つまる所、自分や山城瑤子、さらにはパメラだけではなく、余所者に大部分を依存する形になっているのは、ギラードが最もよく知っていた。
故に彼は問いかける、戦う事が出来る者が、不確実な自由や誇りのため、非戦闘員を死の危険に晒す勇気はあるのかと。

「それが出来るのなら、我はもう何も言わん。 だが、我を望む者は、連れて行くぞ。 ……我を望みし者は、数十分もすれば、溶けた氷のように消える。 我が魔力と女帝パージルク様の力によって、必ず望んだ場所に連れて行く。 ……以上だ、戦いの時は迫りつつある、さらばだ、我が愛しき民たちよ、友人たちよ」

そして、パリンと音を立ててギラードの氷の体が割れ、無数の氷塊となるが、それらはすべて地面に溶け込んで、この場から消えた。
間も無く、集団失踪が幾つか起きるだろう、しかしそれは、おそらく、村民の2割にも満たないはずだ。

>>アラン・レイクルード 山城瑤子


【絡みありがとうございましたー!】

【城砦都市ギリダン/玉座の間/氷魔像ギラード パージルク・ナズグル】

大陸中央に存在する城砦都市ギリダン、その気温は元々は特権階級用の魔法の炎を出す暖炉をパージルク・ナズグルがばら撒くように配った事によって、外は寒かろうとも、中は非常に暖かく、また温度の調整が利くようになっている。 当然、ギリダンの中枢たる宮殿の、さらに最高権力者、女帝が座る玉座の間も当然そのように作られている。
しかし、そんな場所に突然寒気が流れ込む。 それを感じて玉座に腰掛けた、銀髪の女性は顔をあげる。

すると、視線の先には、扉もまだ開けられていないと言うのに、巨大な氷像が立っていた。 だが、知り合いを超えて、女帝と近衛の立場にある二人は、特に驚いた様子も見せず、またギラードがパージルクの性格を尊重する形で、旧国家にはありがちだった細かな形式を省略して本題を切り出した。

「パージルク様、我らの提案に賛同する村民の回収が完了しました。 しかし、その数は……」

折角、村民を助けるチャンスを与えてくれたと言うのに、あの投降勧告に従ったのは、村人の半分どころか、四分の一にも及ばない、この事実にギラードが言いよどむ。
だが、それを気にするパージルクではなかった。 すぐにやめろやめろと手を振ってから話しかける。

「気にするなギラードよ。 妾は女帝として、可愛い家臣の勲功に相応しい願いを聞いただけ。 それで成果を出せなかった所で、どうこう言うつもりは無い。 ご苦労だった」

……これで、パージルクが主導する形で、ロンカ村含む、現抵抗勢力の一掃が始まる。
しかし、しかしだ、ギラードは知っている、ロンカ村は確かに一部の強力な能力者によって抵抗勢力の中核を担えているが、その中身を開ければ、非戦闘員ばかりである事を。
そんな"理由"をどうにか探し出して、彼はなお、食い下がろうとする。

「しかしパージルク様、ロンカ村はやはり非戦闘員が過半を占めており、一部の強力な戦闘員を潰し、消耗戦を仕掛ければ、ゆくゆくは8割近い投降が望めます」

その言葉に、パージルクは困ったように笑みを浮かべる。
ギラードからしても、無茶な願いなのは承知の上だ、むしろ、第二人種の移動許可を出して貰っただけでも、異例の願いを聞いて貰えたと言える。
だが、諦めきれなかった。 それでも、一国の長から出される言葉は、必然的に。

「ギラード。 妾は女帝だ、お前は人間ではないかもしれぬが、大事な家臣で、願いを聞いてやりたい。 だが同時に、ノエルやカシュタン、我が娘エスメラルダ、いや、近衛の一人に至るまで、妾の大事な家臣で、その働きに免じた物を与えたいと思っている。 ……消耗戦は時間と労力がかかり、尚且つ食料困窮と村民の数が減るため、領地としての価値も減る。 不可能だ」

拒否である。
当然だった、この場に一人でも近衛や将軍が居れば、この判断を賞賛しただろう。
個人のお気に入りよりも、他の有能な将軍や近衛に、価値ある領土を渡すため、と言う名目であったために。

功績を出した者には、その分の見返りを。 これこそ魔道帝国の絶対的原則であり、パージルク・ナズグルの変わらぬ方針であった。

「あの地は、おそらく戦上手のノエルやカシュタンが取るだろう。 もしやすると、エスメラルダやアルクールの奴が上手くやるかもしれぬが、どちらにせよ、妾の教育が行き届いていれば、第二人種の適切な扱いは心得ているはずだ。 ……ギラード、お前はクズになって良い。 我に従わぬ愚か者はどうなっても構わん、我は我を信じた者だけを守る、とでも言えば良い。 ……エストやマロンと受け入れる村民について話す事もあろう、下がれ」

パージルクは、あの地を取るのはおそらく将軍の二人のうちどちらかだろうと語る。
そして、その二つは第一人種にとってはそうでなくとも、第二人種にとっては、世界で最も恐れられる悪名である。
魔法至上主義であり、使えぬ者は通常の奴隷よりも悲惨な末路を辿らせるノエル。 狂的なラガルデール嫌いで、その関係者はすべて殺して回る、拷問狂カシュタン。 どちらがロンカ村を支配する事になっても、その未来は、パメラのような第一人種にとっては良い物であっても、それ以外の大多数にとっては、暗い物となる。

確率は低いがとあげられた二つの名前も、先にあげられた名前よりはマシだが、それでも、魔道帝国の標準的な統治をするだろう。
……これで終わりなのだ。

「寛大なご配慮を頂き、感謝します。 では、失礼致します」

そして、氷の騎士は、また寒気と共にこの場から消えて、パージルクは疲れたように椅子に深く腰掛けた。

>>ALL

3ヶ月前 No.92

葛飾北斎 @tukuyomi07☆2nDyzvx51us ★3aNoMW8gGM_ly4

【 時空防衛連盟本部/エントランス/葛飾北斎 】

「ま、自明の理ってやつだな。言わんとすることは分かる。
 力がありゃ人はそれに縋る。覇を唱える奴には力がある。覇が欲しけりゃ力を手に入れる。
 群雄割拠の戦国時代、何時だって人はそうやってきたものだしナ」

 妖怪は見えぬ怪異であるからこそ――人は恐れ近づかない。
 古来より、人は己の理解出来ぬ事象をそう呼称し、恐れ敬い続けてきていた。
 それが本当に力のあるものだとして。それを利用できるようになったとして。
 人がそれを濫用しない保証などどこにもありはしない。

 葛葉らいどうがまだ未熟者であったとしても、北斎……お栄からしてみれば修羅神仏を使役できる時点で傑物の類である。
 だが本人が謙遜する程の人物ともなれば――口は挟むまいが、後は本人の精進次第で追いつけるかどうか、といったところか。
 お栄にも身に覚えがないわけではない。

 ハハ、と笑いながら珈琲を入れる。慣れぬ文化にも積極的に挑戦していかなければならない。まずこのでっぱりを押して注ぐ。
 そして何となしに、慣れている風に軽く口に付けて飲む。

「にがっ。
 ……あー、砂糖は今じゃ当たり前のように使えるんだっけ。時代の移り変わりというのは恐ろしいよ、全く。
 して――」

 何事も無かったかのように、備え付けのテーブルの上に飲みかけの珈琲を置く。

「鋭いね。そういうこった。
 さぁう"ぁんと……って言ゃあ分かるかい? おれ以外にも確か二人ぐらいこっち側にいるみてぇだが。
 仏のお導きか閻魔の裁きか。おれも呼ばれたってやつだ」

 和紙の包み紙に包まれた砂糖<スティック砂糖>をぴり、と破り珈琲に注ぐ。
 それから蜜の蓋も開けて其処へ投入。
 そうしている間に――何時の間にか雪童は消え、そこには別な悪魔が顕現していた。
 胡坐で宙に浮き、古代の刃を並べた厳つい顔の神魔。じゃっくふろすとよりかは絵のもでるになりそうなソレ。

「――経津主神か、ありがたい! どれ、では一筆……」

 小筆を取る。
 作戦直後である以上そこまで時間をかけさせるわけにはいかない。
 お栄は出来ればもっと長い間描いてはいたいが――らいどうを引き留めるとなれば話は別だ。
 木板を支えに半紙を敷き、小筆を取ればふつぬしを細部まで観察する。
 一瞬の動き。一瞬の所作。一瞬の構え。様になる対象を網膜に焼き付け、写し取るように墨を用いて描いてゆく。

 やがて――十数分が経過した頃合いだろうか。

「出来たぞ。とと様には届きやしねぇが――話してくれた分の駄賃だ。
 枕元に置くなり部屋に飾るなり、なんなりしてくれヨ」

 笑みをたたえ、出来た半紙をらいどうへ向けて差し出す。
 墨汁で波打つように描かれるソレは、表情の細部の部分もさることながら、宙に浮いているその躍動感の一つに至るまで。
 全てを一枚の風景に切り取ったように、ふつぬしの肖像がそこにあった。

>17代目葛葉ライドウ

3ヶ月前 No.93

ミラノ @aroundight☆SdjaOljKHtOm ★zLr78z7s8m_FR1

【時空防衛連盟本部/訓練施設/ミラノ】

「そうさな。序でにそういうはみ出し者のスタンスが分かるってのが一番だろうよ。
 規則順守の優等生サマは此処を回る最中で結構見たのさ―――だから、此処にはそういうヤツもいて、まあ許容もされてるってのは、割と価値ある話じゃねえのかと思うんだがね? どうだ、そこら辺」

「で、ああ、なんだって? 争うならとっくにどっちかやる気だっての、誤解すんなよ」

 口元を軽く釣り上げながら応答を返し、ラチェットの言葉には肩を竦めて返答する。
 もう一度言うが、彼は考えこそするものの、それ以上に概ね思ったことをズケズケと口にするタイプの人間だ。銀狼は他人に上下関係を求めない―――そういう意味では、彼と礼儀だのマナーだのはかなりの対極に位置するものだろう。
 序でに言うなら、どちらかと言えば少年の属して来た世界は無法の地だ。この程度の言い回しも多少の不機嫌さも、どこ吹く風で流すのがお決まりというもの。彼方の言い分通り、争う気は別にないというヤツだ。

  ………つーかコイツ、所々で妙な言い回しすんな。
  趣味なんだろうか。それともこの時代のお決まりみてーなもんなんだろうか。
  良く分からん。良く分からんが、それ以外の言葉の意味は概ね分かった―――序でに彼方の不機嫌さと八つ当たり加減が消えた辺り、本当にやられた分返したら満足するヤツだったらしい。
  いや、まるで猫だな。考えても口には出さないでおく。

「そりゃあ、な。音自体は此処入る前から聞こえて来たし、そこのヤツの様子で何するところかは分かったし。つってもまあ知らん事の方が多いんでね、今のでようやく百パーセントってとこか?」

「で、ロボ………何? ―――まあいいや、突っ込まねえ。
 にしても、そんな飛んだ時代だってのに、そこのお嬢みたいな武器はまだ残ってんのな。そこんところゴチャゴチャだぜ」

 そして常々口にする通り、此処と彼の生きて来た時代/世界は大きく軸線が違う。
 似通っているのはお堅い頭の人間くらいのものと言ったが、何しろミラノの世界と時代背景は比較して中世レベルのそれだ。例えるならばそれこそ、全く言語と文化の違う国に放り込まれたようなものなのだ。先程ストラーヴが例えた再現だの調整だのは当然のこととして、クランクが言葉に出したような『ロボット』内容など分かるでもない。
 その上でストラーヴが用いる剣槍のような武器は、まだ彼にも内容が通じるものだ。
 アレを見てから、先程のラチェットの持ち武器を見ると、そんな近接戦闘どうこうが必要なのかどうかさえ疑わしくなる。少なくとも発砲音が喧しいことだけを除けば、あの手の遠隔武器は遥かに便利だろうということを、ミラノは今までの合戦から思い知っていた。弓だの魔術だのと言った遠隔武器を扱う者達が攻勢に出た時の面倒臭さと来たらないからだ。

「まあな。例の時間なんとかカントカは許可が出るまで使うなってんだろ?
 お蔭様で見て回る時間は出来たが、それなりに退屈だったわけさ。だから付き合ってくれるならだいたい歓迎なんだが―――つっても、“そろそろ”な気はするんだよなぁ………」

 そして、暇つぶしに回っては見たが、概ねその時間もあまりないだろうことを彼は察していた。
 これでも少年は元の世界での盗賊、無頼の者である。
 物事の前兆を感じ取る程度は造作もなく―――。

「聞けるんなら、此処の話とか聞いてみたかったりするんだけどな。
 色々聞いたぜ、バックのお偉いさんとはずいぶん折り合いが悪いとかなんとか―――」

 序でに“いいこと”ってなんだよとツッコむより前に、
 その話題が出るところが、彼らしい点ではあった。
 ………ところで、知ってどうするか? 決まっている。

 ―――彼が“やらかす”のは、自分より立場が上か、性格の悪い相手だけだ。

>ラチェット&クランク、ストラーヴ

3ヶ月前 No.94

麗人 @sable ★8O0rjcH5GN_8gk

【時空防衛連盟本部/資料室/シフォン・ヴァンディール】

レオンハルトは二つ返事で古本の貸し出しを許してくれた。とはいえ彼は"宝物"を軽んじているわけではない。あくまで信頼関係によるもの、特別な待遇。
シフォンもそのことを重々承知しており、丁寧に取り扱うことを心掛ける。表紙に触れた途端、更に鮮明に蘇る幼い頃の記憶。幸福感を構成していたのは、裕福で恵まれた家庭環境だけではない。両親と過ごした時間も1つの大きなピースだ。
父に難しい字の読みを教えてもらいながら読み進めたこと。母の膝の上や枕元で読んでもらったこと。タイトルやデザインに留まらず、話の内容まで頭の中に浮かんでくる。
とっくに記憶の彼方だと思っていた過去が、ただの紙の集まりに過ぎないはずの束によって蘇る。不思議なものだ。利便性や収納性では電子書籍に劣るとも、本にしかない魅力は確かに存在している。
ふと本の内容より追憶に夢中になっていることに気付いたシフォンは、誤魔化すような苦笑いを浮かべ、やっと山の中から一冊を選び出したのだった。

「では、私(わたくし)はコレで」

暫し悩んだ後に手に取ったのは『魔道帝国の盛衰』というかなり分厚い歴史書。作戦開始まで3時間を切った中で読破できるかは怪しいところだが、既知の部分は飛ばし飛ばし読み進めていけばいいだろう。
これから古代に赴くにあたり、自分達の成すことは敵戦力の撃滅のみではない。何から何まで違った暮らしをしてきた人々と交流するのはもちろん、肩を並べ共に戦う可能性もある。
そんな時に彼らの文明や激動の時代を生きるにあたって抱いた想いを知らなくては失礼に値する。これは予習であると同時にシフォンなりの敬意の表し方でもあるのだ。
再び静かになった空間に、時折ページをめくる音が響く。乾いていて味気ないようで、その実満ち足りた時間を過ごす音が。

「私達もこのように、忘れられることなく…」

ふと口を突いて言葉が漏れる。その呟きが指すのは、古い文化となっても一定の愛読者が存在する本のことか、それとも書物の中に生き続ける人々のことか。若しくはその両方か。
何れにせよ、シフォンはこの短い時間の中で深く感銘を受けていた。これから戦の渦中に飛び込むとは思えないほど静かな心持ちで、シフォンはますます文字の世界に引き込まれてゆく。

>>レオンハルト・ローゼンクランツ

3ヶ月前 No.95

葛葉の一枚看板 @5121☆stkO0KxpThU ★ztEbdaugmt_7FY

【時空防衛連盟本部/エントランス/17代目葛葉 ライドウ】

「理解があって助かる、力を欲し、力に飲まれ、その力が厄災を引き起こすという事例は百年千年経とうと変わらぬのだ」

無暗に力を欲して悪魔を召喚し、その悪魔を御しきれずに殺され、その悪魔が”はぐれ”となり人を襲う。そういう事件は後を絶たない。
そういうことを考えて実行する馬鹿者はどんな時代にでも居るものだ、あまりに事態が重いと判断されたらライドウにも召集がかかるケースもある。
ライドウも一度だけ力を欲して”当時は”格上であるフツヌシに戦いを挑んだことがあったが、あれは必要に迫られてのことであり勝算はあったから上の件とは同じではない。
コーヒーを口に含み苦そうにしているのをみてかつて自分もそうだったなとどうでもいいことを考えながら話を聞く。

「サーヴァント……直訳すると召使いという意味になるが、当然そのような意味ではないのだろう?
 話から察するに、過去の英雄や偉人を召喚する……という推測を立ててみたがいかがか?」

しかもその言葉が外来語である以上は日本に留まらず世界規模で広まっている、ということにもなるのか?
ライドウの世界に英霊の座など存在しない、裏の世界に詳しいライドウですら知らないのだ、まず元の世界にないと見ていい。
場合によっては悪魔召喚や神霊降臨に近しいものかもしれない、だが召喚に応じるからには理由があると思うのだが、それが分からない。
悪魔の類なら力を欲するか、生体エネルギーであるマグネタイトを目的とする場合が多く。神霊降臨は触媒を使いマグネタイトを供物とすることで召喚は成立するのだが。
どんな英雄や偉人であれ見返りもなく償還に応じるとは考えづらい、無理矢理降ろそうものなら召喚氏は殺されても文句は言えないだろうし。
しかし、悪魔召喚もそうだがソレが知るところに知られれば異端認定では済まない事態に発展しかねないとも思う。
彼女が筆を執ったのを見るとフツヌシに小さく、短く声を掛ける。

「フツヌシ、あまり動いてやるなよ」

『応』

ライドウもフツヌシも芸術の類には疎いが、真剣な表情で筆を執っている姿を見て集中を乱さないように心掛ける程度の常識はある。
後ろから覗き込むような野暮をすることなくライドウは筆を走らせる様子を見守る。この姿だけでも躍動感があり十分一枚の絵として成立するのではないかと思うほどだ。
フツヌシも辺りを浮遊する剣をあまり動かさないことを心掛けているのか表情は真剣だ。
十数分後、北斎の筆が止まった。出来た絵を見せられてライドウとフツヌシは息を飲んだ。

「見事だ、絵画の類にはとんと疎い身だが、これは素晴らしい出来栄えだと断言できる」

『ほう、ほほう! よいではないか葛飾北斎! この僅かな時の間にこの儂をこれほどまでに描き上げるとは称賛に値するぞ! まこと見事也』

ライドウもフツヌシも称賛を惜しまない出来栄えの絵がそこにあった。
フツヌシも満足しているのかテンションがいつもより高めだ、ライドウにもその気持ちは分からないでもない。
神仏の一柱とはいえ人格はあるのだ、自分を美しく描き上げられて嬉しくないはずはないだろう。

「ではお言葉に甘えて受け取らせていただく、大事にする」

『応とも、見事な物を貰った褒美だ、受け取るがいい葛飾北斎。傷を負ったときに砕けばたちどころに傷を癒す宝玉ぞ』

神仏の一柱として貢物を貰ったからには相応のものを返さねば名が廃るというものである、ゆえにフツヌシは北斎に青色の宝玉を渡す。
例え腕が千切れようとも生きてさえいれば傷をたちどころに再生するサマナー界でも貴重品である宝玉だ。
これから互いに戦いに挑む者だ、これほどの才をあたら散らすのは惜しいとフツヌシは思ったのかもしれない。

「受け取っておけ、フツヌシがここまで上機嫌になるのは珍しいことだ。貢物を得たら返すのが神仏の務めでもあるのだから」

>葛飾北斎、ALL

3ヶ月前 No.96

時空の守護者 @infernus☆XQ6phrzcKMtR ★F7MrHN45jw_D9v

【時空防衛連盟本部/時間遡行装置/→ロンカ村/広場/ユーフォリア・インテグラーレ】

会議が終了し、古代への時間遡行が決定すると、時空防衛連盟内ではそのための準備が急ピッチで進められていく。何せ、これほどまでの大人数を同時に過去へ送るのは、史上初めての試みなのだ。
失敗すれば、時空の狭間へと放り出され、永遠に帰ってこれない……ということも考えられる。事故を起こさないためにも、細心の注意を払いつつ、作業を進める必要があった。
結局、全ての検査が終了し、装置が使用可能になったのは18時40分を過ぎた頃。時間には余裕を持たせたはずだが、少し見積もりが甘いところがあったかも知れない。
とはいえ、作戦開始の時間には間に合ったのでよしとしよう。ユーフォリアは部下からの報告を受けると、必要な資料等を持ち、足早に時間遡行装置の設置された部屋へと向かう。
扉を開けると、担当の職員が一礼し、彼女を装置の元へと案内する。既にテストも完了しており、いつでも時間遡行を開始出来る状態だそうだ。ユーフォリアはそれを確認すると、専用端末の通信回線を開き、全ての時空防衛連盟所属の人員へとメッセージを送る。

「こちらユーフォリア。皆、用意は済んだかしら? 予定通り、19時より作戦を決行するわ。時間遡行装置の移動座標予測では、全員がロンカ村、グリア村、ナコーンのいずれかに到着する予定よ。歴史を検証した結果、ロンカ村はこの時点では安全なことが分かっているけど、グリア村とナコーンについては魔道帝国の軍勢が駐屯している可能性が高いわ。時間遡行後には、端末に入っている地図で、すぐに現在地を確認すること。くれぐれも警戒を怠らないように。連絡は以上よ。皆の健闘と生還を願っているわ」

告げられる作戦決行の知らせ。ユーフォリアが全ての言葉を話し終えると同時に、時計が19:00を出す。彼女の指示によって、遂に時間遡行装置のスイッチが入れられる。
この装置は、異なる時代の時空をゲートで繋ぐという構造になっており、ゲートを潜り抜けることによって、過去や未来へ辿り着くことが出来るという仕組みだ。
ただし、転送座標には誤差があるため、ゲートを通った者が到着する場所には、若干の差異が生じる。また、遡行先から戻るためには、専用のゲートホルダーでゲートを開けなければならないのだが、これは一機しか存在しない。
ゲートホルダーはユーフォリアが管理しているが、過度な時間遡行は時空に負担を掛けることに繋がるため、古代へ赴いた者は、必然的に作戦終了まで現地へ留まることとなるだろう。

「いよいよね……これは、私達にしか成せないことよ」

そう自分に言い聞かせるようにユーフォリアは呟くと、誰よりも先に、自らが実験台になるとでもいわんばかりに、開いたゲートの奥へと消えていく。
直後、身体を襲う浮遊感。まるで、重力のない宇宙空間へ放り出されたような感覚が数十秒続いた後、唐突に重力が戻ってくる。足が地面に付くと同時に、一変する景色。
先ほどまで、時空防衛連盟本部内にいたはずのユーフォリアは、雪の降る小さな村へと降り立っていた。周囲を見回すと、そこでは直前まで何かが起きていたのか、十数人ほどの人間が集まっている。

「いきなり驚かせてごめんなさい。……信じられないかも知れないけど、私は未来からやってきた者よ」

驚愕する者も出る中で、ユーフォリアは落ち着いた様子で事情を説明する。恐らく信じてはくれないだろうが、これは本当のこと。彼女に続くようにして、時空防衛連盟の兵士達が、次々と周辺へ姿を現す。
少し前から古代においては、見知らぬ人間が突然時空の彼方から現れる、という噂で持ち切りであった。特に魔道帝国ではその現象が多発しているようで、ここ最近彼らが急速に技術を進化させたのには、その者達が関わっているのだという説がある。
恐らく、ロンカ村の住人達も、一度はその噂を耳にしたことがあるだろう。そしてそれは、今目の前で現実になった。にわかには信じ難いことだろうが、ユーフォリア達は本当に、未来からやって来たのだ。

「私達が今ここにいる理由は、貴方達を助けるためよ。魔道帝国との戦いに、協力させてもらうわ。何を言っているのか分からないかも知れないけど……どうか、信じてちょうだい」

今の一言で、本当に彼女達が未来からやって来たのだ、と信じる者もいるだろう。何せ、見知らぬ人間であるのにも関わらず、ロンカ村が陥っている状況を熟知しているのだから。
古代において魔道帝国に立ち向かった勢力は、組織というよりは同じ意志を持つ者同士の連合体であった。戦力差は歴然であり、正史では攻撃開始から間もなく鎮圧の憂き目にあっている。
中でも、ロンカ村の運命は悲惨であったが……彼らにそれを話すのは、あまりにも酷だろう。歴史是正機構は、数ヶ月後に内乱によって滅亡を迎える魔道帝国を存続させ、歴史を変えることと目標としている。
このままでは、その通りとなってしまう可能性は非常に高いといえるだろう。だからこそ、人部達は反帝国勢力へと力を貸すのだ。いきなり意味不明なことを言う自分達を信用してくれるかどうかは分からないが、とにかく今は、総力を結集し、魔道帝国へと立ち向かわなければならない。

>アラン・レイクルード、山城瑤子
【どうやって繋ぐか考えた結果、このようなロルに。これより、第二章を開始致します。
 時間遡行装置の説明が分かりにくいかも知れませんが、簡単にいえば「未来→古代=自由」「古代→未来=ゲートホルダーを持つユーフォリアがゲートを開かないと不可能」ということです。
 歴史是正機構のキャラクターが先んじて古代に現れている設定ですので、古代のキャラクターは未来人の噂を知っているという体にしてくださると助かります】

3ヶ月前 No.97

指輪の女帝 @kyouzin ★XC6leNwSoH_UxJ

【城砦都市ギリダン/玉座の間/パージルク・ナズグル】

「……やれやれ、悪役面と言うのはキツい物があるな。 だが、倒れる訳にはいかん――お前はどう思う?」

氷魔像が視界から消えると、パージルクは溜め息を一つ付いて、誰かに話しかけているような独り言を呟いた。
そして、最後には自分の左手を天へと向け、薬指にはめられた、くすんだ指輪を見て、もう遠くへ行ってしまった誰かに問いかける。

だが、その問いかけに答えが返ってくるはずも無く、彼女は手を下ろしてから、両手から魔力を少量溢れさせる。
すると、玉座の左右にあった二つの球体の形をした水晶が独りでに浮かび上がり、彼女の腕にすっぽりと収まるような位置に移動する。
……感傷に浸るのは終わりだ。

パージルクが少し魔力を込めれば、それを二つの水晶<ビット>がそれぞれ対応する属性へと変換し、彼女の周囲に、十二の飛行する『炎』『氷』『雷』『水』をモチーフとした使い魔が現れる。
もっとも、これに戦闘能力は無く、別の場所に居る将軍に命令を伝えるための者だ。

そしてパージルクは、ぱちんと指を鳴らすと、玉座の正面にある巨大な扉が開き、ギリダンや宮殿に勤務していたり、たまたま居た近衛や将軍が入ってくる。
しかし、あくまで将軍は担当領地の統治や、敵の掃討が目的であり、事実、この玉座の間に来る者はほとんど居ない、そのための使い魔だ。

パージルクは玉座から立ち上がって言った。

「諸君、前々から伝えた通り、近年、時代の異なる第三勢力による、魔道帝国に対する干渉が報告されている。 その片方、是正機構については一応の不可侵を約束している。 しかし、もう片方は、歴史を守ると抜かし、内心その歴史の一部であるこの魔道帝国を嘲笑う偽善者だ。 歴史のためと助けられる者を助けず、しかし反帝国勢力への支援と言う形で歴史に干渉しようとしている」

それは是正機構より齎された、あながち嘘とも言えないが、一種の"意図"が絡んだ情報だ。
しかし、どちらが味方であろうと、パージルクの選択は一つであっただろう。

「この地は第一人種たる諸君の者だ、外部からの干渉は認められない。 故に、各地の反対勢力への攻撃は長らく投降のチャンスを与えるための長期戦を前提とするものであったが、今、この時より、全面攻撃を宣言。 終了後、速やかに時空防衛連盟を、いや、是正機構であっても、魔道帝国を嘲笑い、脅かす者共の一切を殲滅する。 各将軍は、急ぎ攻撃、もしくは防衛の準備に当たれ、行け!!」

その言葉と共に、パージルクの使い魔が一斉に各将軍の下に転送され、この場に集まった者たちも、急ぎ戦の準備をするべく何処かへと走り去っていく。
精々残るのは、パージルクの決断に意見がある者か、あるいは質問のある者ぐらいだろう。

>"将軍"役職ALL ALL


【敵側プロローグも投下します】

3ヶ月前 No.98

第二章:「帝国に抗う者達」 @infernus☆XQ6phrzcKMtR ★F7MrHN45jw_D9v

第二章:「帝国に抗う者達」
時空防衛連盟が辿り着いた先は、紀元前254年。徹底した実力主義で、その勢力を拡大していた魔道帝国の全盛期。
大陸の北にある雪に閉ざされたロンカ村は、そんな帝国のやり方を否定し、抵抗する勢力の一つであった。
彼らと同じような意志を持つ者は決して少なくなかったが、帝国の力は強大であり、力を持たぬ彼らが勝利を収めることは、不可能に等しい。
歴史是正機構は、正史においてはこの年の内に滅びゆく運命にあった魔道帝国を存続させ、未来の景色を塗り替えてしまおうとしている。
時空防衛連盟の責務は、歴史の改竄を阻止すること。反帝国勢力の消滅の時期が早まれば、それだけでも歴史は変わり、時空に多大なる影響を及ぼす。
邪な者達の企みを阻止するためにも、今は力を合わせ、戦うしかない。帝国に抗う者達は今宵、決起の時を迎える。

3ヶ月前 No.99

葛飾北斎 @tukuyomi07☆2nDyzvx51us ★3aNoMW8gGM_ly4

【 時空防衛連盟本部/エントランス→移動開始/葛飾北斎 】

「ん、ああ、お代は――そうだな、受け取るヨ。
 あんがとさん、経津主神。らいどう」

 美麗な姿画だと賞賛後、手渡してきたのは曰く、腕がちぎれても砕きさえすればたちまちに再生できる宝玉。
 どの程度回復出来るかは分からないが、神様の言葉の通りならば人が及ばぬ傷も再生できるということか。

 完成した絵は本家北斎に比べれば多少は劣るところ、差異はあると専門家は言うだろう。
 更に言うならこの世界に版元はいなければ、掘り師もいない。

 しっかし神仏からの贈り物たぁ――とと様が聞けば引っ繰り返るというか。
 いや目の前で見てるんだけどもな。蛸が目をぎらぎらと輝かせておれの作業風景を見てやがった。
 絵描き冥利に尽きるたぁよく言うが、……ま、夢か真か分からん昨今、こんなけったいな力を持つ球もあるというわけか。
 あるいは――いや、考えても仕方ないか。

「さぁう"ぁんとに関しちゃ、おれより専門家はいるかもしんねぇな。
 あの、青い南蛮着物……すぅつっていうんだっけか。
 それ来てるくぅふぅりんとか、割と知ってそうな顔だったぜ」

 そうこうしている内に、ゆぅふぉりあより作戦決行の報せが届く。
 時間遡行装置を潜り抜け、作戦開始地点へと迎えとの合図。

「――じゃ、そういうわけだ。楽しかったぜ。お二人さ……お三方、カ?
 ま、どっちでもいいか。おれは先行ってるぜ。縁があったらまた会おう」

 コーヒーを最後に思いっきり飲乾して立ち去った。
 砂糖をたっぷりいれて、ようやく飲乾せるものだった。

>17代目葛葉ライドウ

3ヶ月前 No.100


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