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リインカーネーション @genomirai ★5PyZcP0Vz3_iR4

【魔帝城/魔将軍の間→移動中/エスト(残魔具3184個 残魂数7)】


意識の覚醒、死の淵から明るき生へと向かう感覚もまた、そう容易く慣れるものではなかった。人は生きて、死ぬ。その自然の理から外れることを本能から拒絶しているのだろう、心が凍えるような恐怖は未だ張り付いたまま。
目を覚ました彼女は上体を起こす、傷を負っていたことは衣服の損傷がなければ判別できないほど、何時もの様に綺麗に塞がっていた。尤も、彼女本人はその何時もの記憶すら消えてしまっている。そしてまた、失ったのだ。
すぐさま違和感に気付いた、脚が微塵も動かない。そして、視界の半分が光を映さない事に。記憶は盟友との約束は覚えてはいた、だがそれだけであった。その盟友との思い出は僅かばかり残るだけで、最早顔すら思い出せなかった。
身体の喪失はまだ良かった、どうにかなる術があったから。しかし彼女にとってのその記憶は掛け替えのない物であって、失って良いものではなかった。強く残るあの帝国の日々、それすらも不鮮明になっている。
そして、彼女はこの場で何があったかさえも覚えてはいない。自身が何と戦ったのか、誰と戦ったのか、ただ戦闘の痕のみでそれを知る術はない。魂に刻まれるほどの鮮明なものでなければ、彼女は死ねば失ってしまうのだ。

「……うーん?分からないな、どうしたものか……ここは、危険なのか?」

頭を振りながら思考の海へと没するも何も浮かんでこない、判断するだけの記憶はなく、判別するための材料もなく、あるのは己が何かと言う答えと、僅かな記憶のみ。答えの出ない思考を取りやめ、近場にあった記録書を手に取る。
それが何かは知識で知ってはいる、だがその中身が何かまでは知らずにいる。だから読み進めた、何らかの解決になると思い、何故自身がこの場に居るのか、何故死んだのか、その理由を探して。
しかし、そこに記されるは魔に関するものと自身が魔を扱うために必要な事のみ。それ以上は何も記されておらず、現状の判断を行うに足るものなどなかった。記録書の頁の一つを開き、記された通りに魔力を込める。
するとふわりと身体が浮かび上がる、浮遊の魔術だ。脚の動かぬ今、移動の手段はこれに頼ることになるだろう。歩行程度の速さであればそれほど消費も大きくないようで、魔具を使用するまでには至らない様だ。
ふわふわと不安定ながらにも移動を行いながら彼女が目を止めたのは、正体不明の黒い粉。それが何なのかは分からない、分からないが邪悪なものであったと何処か感じた。拾って実験に使おうかとも考えたが、魔に注力しない事と記されていた事もあってやめた。
改めて見まわせば酷い有様の部屋であった、場合によっては部屋と判別できないほどの損傷具合だ。焦げ跡、魔力の残滓、数多の武器の痕跡、数え上げればキリがない。それだけこの場で凄惨な戦闘が行われていたのだろう、そう彼女は判断した。

「うーん?一先ずは、この場を離れようか。……行く当てもないが、世界でも見て回ろうか。」

そう、呟けば壁に空いた大穴から外部へと飛び出す。今までいた空間が城の一室だと気付いたのはその時であった、何故こんなところにと疑問が深まるがそれを解決する術がない、踵を返して海上を浮遊する。
そうだとも、今の彼女は盟友との約束と帝国時代の僅かな記憶しかない。女帝と呼んだ存在の声は思い出せず、盟友と呼んだ存在の顔は空白であった。共に作り上げた王国の存在、それすらも死は奪っていったのだ。
もし、記憶が残っていれば王国を陰から見守る選択肢もあっただろう。だがそうはならなかったのだ、魔族と人間の戦争を止めるために魔帝城へ向かった事すらも覚えていない彼女は、ただ盟友の約束のみを信じて生きる他はない。
未来で会えるから、生きていて欲しいとそう告げた盟友を信じて生きる他はないのだ。それまでに多く失っても彼女はこの約束を忘れることはないだろう、例えその盟友が誰かすら分からなくなろうとも、約束の為生き続ける。

―――そう、生き続ける。時を重ねても、死を隔てても、また会うまでは。

>>シャル・ド・ノブリージュ フィラッサ


【此方も遅れて申し訳ありませんでした!お相手ありがとうございました!】

2018/04/07 20:04 No.1125

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