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【ALL】Chrono Crisis【戦闘/シリアス】No.1124 だけを表示しています。

洩矢諏訪子 @aroundight☆SdjaOljKHtOm ★zLr78z7s8m_sgs

【歴史是正機構本部/食堂/洩矢諏訪子】


「………ふん、ふん」
「(やるねー、いや、あれくらいは対処するのが普通か? ま、どっちでもいいわ)」


 気体への変化、自身を中心とした守護領域。
 片や不規則な攻撃に対しての機動力、片や狙いを付けた弾丸に対する防御力。完全な正解であるかはさておいて間違いではない。悪態の一つも吐きながらの迅速な対処を、相も変わらずその場から動く様子なしに諏訪子は見ていた。そう………ただ見て、確認して、再度相手が動くまで手を付けない。
 わざわざ行動に茶々を入れる理由はない。
 もし、入れようと多少無茶とリスクを侵せば手の一つも出せただろうが、そんなことに興味を見出す女ではない。よほど“殺したい”と思ったのならば話は別でも、元来この女は―――“彼女”をより広義的にひとつのある纏まりとして見た場合、そのまとまりに属する者達とはそういう性格なのだ。
 常識の形態も違う。精神の構造も違う。戦闘行為へのモチベーションからしてそもそも違う。
 だから、わざわざ相手が明確な攻撃行動を起こすまでは一切行動を起こさないし、やって来たのならば相応の返礼を叩き付けているに過ぎない。
 元よりそいつは祟りを生業としたもの、人に畏れを以て敬われて来たものだ。


「はー真面目なことで結構だね。だが、弁えろとは言うけどさー」


 よほどのことでもない限り、遊びと公言したならばただの遊び。
 だから周りの輩の命も奪おうとはしない。その理由は偏に虫に対する気まぐれや情けのようなもので、数秒と経てば唐突に反故にする可能性さえもあったが、さりとて彼女は自らの口で“望み通りに”と言ったのだ。
 望み通りに遊びに付き合ってやろうと言った手前、気が変わる事が無ければ態度も変わらない。
 例え相手が真摯にこの戦いに―――否、否々。この世界の物事に向き合っていようが………変わらない。

 ・・
「何を?」
「なあ、いったい私に、これ以上何を弁えろと言うのかなお嬢ちゃんよ」

「遊び場の使い方はちゃんとしてるつもりだよ? そういう話でないというなら、はあ、お門違いさね。
 この世が幾ら荒れようが大して興味はないし、幾ら栄えようとも無論興味はないさ」


 だから、当然のようにそんなことを口にする。
 弁えろという意味合いがそもそもズレている。
 人の常識を汲み取って、理解して、だが“それと自分が何か関係あるか”という態度を徹底する。良くも悪くも傍若無人、傲岸不遜。徹底した上から目線と気まぐれの性質は、しかし薄氷の上に成り立つバランスでもある。
 ………もう一度言うが、カミとはそういう生き物だ。信仰と畏れで成り立つものは、しかしこの世にモチベーションとなるべきものがないことを早々に理解している。であるに、極論“この世界でどっちが勝って目的を果たそうが果てしなくどうでもいい”のだ。
 帰りたいのならそれこそ適当に帰れる。だからこそ―――。


「だがしかし、こっちの方が“らしい”だろう? いっぺんやって見たかったのよー」


 彼女はこう言うのだ。

 どうせ信仰も恐れもない世界の生末など死ぬほどどうでもいいから、
 自分はやりたいことをやっているだけ。それが“どうでもいい世界”でのカミの弁え方だ、と。

 どちらかと言えば、祟り神であるからには“人間を脅かす”のがらしい方だろうと。
 洩矢諏訪子が此方で好き放題やっている理由など、たったそれだけだ。


 悪意を持ってことを成しているわけでもない、善意でなにかの助けをしているわけでもない。
 そこらの考え方は、最初から盤上の内側に立つ気の無い輩が突然チェス盤に乱入して荒らしに来ているようなものだ。有り体に言って傍迷惑、かつ理解の及ばない感情だろうが―――災害だの天災だのに思考を要求する人間など居はしまい。
 言い換えればそんなものだ。ヒトのかたちだろうがなんだろうが、これらの生き物は思考構造からして違う。言葉が通じるだけの“異物”だから。


「それに、貴女もこの世にとっちゃあ異物でしょう? これは勘………」
「だが、ねッ!」


 背後から襲い掛かる剣戟。
 速度は増した、威力も推定は増した。
 とはいえ………正面からの突撃だけの話ではない。要は意の向け方が分かりやすいのだ、この女。


 であるに対処も明快で良い。
 左右正面を纏めて薙ぐ斬撃ならば、自分の立ち位置を変えるのだ―――踏みしめた地面から吹き上がる水流が諏訪子をソラへと飛ばす。くるくるとその小柄な体躯を撃ち上げながら回転し、まず1発目の斬撃を回避する。
 続いて残る一発には、元居た場所からせり上がる何かが衝突し、しかし斬撃で粉砕される。
 せり上がる何かの正体は石像だ。蛙の石像、物言わぬ石くれ、微かなれども神威を宿し、この周辺の素材を用いて成形された無機物。諏訪子の身代わりのように展開された石像は当然のように月光の剣に寸断されるが、本人には傷一つない。
 白い袖が暴風と水流に揺れて濡れて靡く。
 けたけたと笑い声を上げながら、天井に貼り付いた諏訪子が笑う。



「では次、もうちょい大きいヤツで行こうか! さーん、―――」

   、        ――― ゼロだ! 『源符「諏訪清水」』 ―――


 笑って。
 その正面から、集中砲火もかくやの勢いで放たれたそれは水流だ。
 セリィの居た場所を円状に穿ち、そのまま地面奥深くまで穿って消し飛ばすような水流。

 当たり前だが、先程まで生かさず殺さずだった人間たちには対して手を付けていない。
 弁えるとはそういうことだ。“遊び場”ならば、殺すのはご法度と、つまりそういう話である。

 ………が。それと“セリィに対して加減をする”のはイコールで結びつかない。
    遊び相手に手を抜くことほど失礼なことはない。それがカミの理屈だからだ。

 二度も三度も先のように防壁を貼るならば良いだろう。
 次はそれごと消し飛ばすことに挑戦してみるまでだ。
 避けるならばそれも良い。すぐには終わらせてくれるなよ、興が削げる。

 ―――セリィが彼女にとって優良な遊び相手である限りは、諏訪子の調子はそのままだ。
    付け入る隙はそこにあるが、されど忘れる勿れ。

    カミとは元より、ヒトとは頭の構造の違う“異物”だ。

>セリィ

2018/04/07 14:48 No.1124

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