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イスマリア @tukuyomi07☆2nDyzvx51us ★3aNoMW8gGM_iR4


【 時空防衛連盟/作戦会議室/イスマリア・ザルヴァトール 】

 イスマリア・ザルヴァトールの特質――もとい異常性。
 それはただでさえ異常性の塊である異能<デュナミス>、人間の延長線とされるその力。
 全く系統も方向性も違う二種の武装、それを一つの肉体に同居させていることにある。
 だが、彼女は何も疑問に思うことがない。
 当たり前だろう。
 魚が川を泳ぐが如く、人が地に足を付けて歩くがごとく、鳥が大空を飛ぶが如く――イスマリアにとっては当然のことなのだから。
 未来を目指すという唯一つの妄念に賭けて、彼女は他の誰の追随も許さない。完璧な怪物として出来上がっている。

 黒い瘴気が部屋の大地を満たす。波打つ黒が蝕むは世界。
 耐えられず引きはがされた棚やテーブルまでもが自ら首を差し出すが如くイスマリアに殺到し、しかし増幅された雷撃を受け消滅していく。
 「引力」操作の異能、――自身を一つの星であると規定し、他の物体全てを物理法則でとらえて引き寄せる力。
 網にかかった者は大抵が逃れることを許されない。罪人は己の罪を悔い、その果てに頭を垂れるのだ……彼女という名のギロチン台へ。

「納得してもらおうとは思っていません」

 冷え切った声――いいや、他者の機微に敏感なフランネルだからこそ察してしまうものはあるだろうか。
 スピーカーから発されている音声が如く、イスマリアの声には全くの色がない。
 もはや人間が話しているのではない。機械が、インプットされた声をそのまま発しているかのよう。

「世界は求めています、叫んでいます、泣き喚いています。
 よりよい未来を。よき未来を。世界にとって優れた未来を」

 イスマリアにはエゴはない。
 いいや、あったのだろうが……それはもはや、エゴという名の怪物染みた精神性と成り果てた。
 未来のための殉教者――電撃を纏い、処刑台へ引きずり込む異能<チカラ>を振るう処刑人とはこのことか。

 完全に委縮しきったフランネル。
 硬直、――息を止めた彼女であろうともお構いなしに処刑刀は歩みを進める。
 だが覚悟を決めた。
 何時だって人間のそういう姿は美しい、と己の主は言うだろうか。
 構わない。

 七本の処刑杭は全て展開されたビットを刺し貫き、爆散する。
 ファイアワームにしても――成る程、仕留め損ねるか。
 飛ぶ手榴弾である以上は直撃しなければ問題無いという点を突いてきた。
 すぐさま、フランネルは詠唱を重ね火球を放つ。ビットの支援もあり――盤石、そう、盤石だ。
 包囲からの集中砲火による殲滅。
 ああそうさ。そのまま立っていれば灰も残るまい。

「評価はします。が――」

 生体電流増幅。黒光、稲妻の波が全身を覆う。肌が焼け肉を焦がされる痛みを覆うとも止まることはない。
 そして引力の異能の干渉を受けた太刀を構え……突貫。視線は一度もフランネルから外すことはなかった。
 防御も回避も必要はない。
 必要なものは――未来を信じるこの心のみ。

「――甘い」

 爆せた。いいや、弾けたという方が正しいか。
 一瞬にしてイスマリアが地より飛び、切断力のみで火球を切り裂き爆発に揉みこまれながらフランネルへと接近を果たしたのだ。
 焼け焦げた服。重度の火傷が見られる肉体。にもかかわらずまるで変わらない表情は、"生き残るくらいなんのことはない"と物語っていた。

 一閃、――イスマリアの太刀が右斜め上に斬り上げられる。
 だがただの斬閃ならばどんなに良かったことか。今行われたこの刃は、"敵対者を引力で刃の方へ引き寄せる"オマケ付きなのだから。

>フランネル

2018/04/05 20:37 No.1119

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