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【ALL】Chrono Crisis【戦闘/シリアス】No.1116 だけを表示しています。

『世界』を視る者 @x5mas☆sECYEVcUXiI ★iPhone=Sd1LJwcPBN

[時空防衛連盟本部/救護室/【リプレイサー】]

「――――――――ッツ!?」

頭を揺さ振る痛みが、意識を無理矢理に覚醒させた。眼を開けてみるが、焦点が合ってくれない。輪郭の無い光が部屋を照らしているらしいことだけだけは分かった。グラつく頭を叩き直し、重い身体を持ち上げる。手を握り締めてはみるが、まだ感覚は覚束ないらしい。

“あれ”から、どれくらいの時間が経ったのだろう。

目が醒めるのに遅れて、聴覚が戻ってきた。耳を澄ませなくても分かる程、馬鹿みたいに主張の激しい警報と爆音が鳴り響いていた。『頭痛のタネ』とはよく言ったものだ。ガンガン脳にも響き渡って、意識を深層まで掻き乱してくる。

「ああ……此処は、救護室……だったか。」

次に戻った嗅覚と視覚が、己の現在位置を定めてくれた。真白な天井、寝床に機材。消毒薬の匂いとやらも漂ってくるようだ。であれば、やはり此処は救護室に違いない。

そこまで認識して、やっと状況の理解に至った。古代からの帰参を直前に、やけに睡魔に襲われたことまでは覚えている。きっと自分は、そこからずっと眠っていたのだ。
いや……。『理解した』と言うには、少々欠落が大きいか。どうして突然に昏倒してしまったのか、自分が眠りこけている間、一体何が起きていたのか。どちらも全くもって見当がつかないが……『解らない何か』がキッカケにあるのだろう。或いは、『解らないキッカケ』とやらのせいで、もう一度意識が戻ったのだろう。
そしてその『キッカケ』は、勘が鈍っていないなら、恐らくはこの警報と爆音に関係している。ならばこそ、己の“不幸”を託つ暇はない。少しでも戦況やら何やら、情報を集め直しておかなくては。

「嗚呼、クソ……。意識が、どうも……。」

時間を経るに連れ、触覚も手元へと戻ってきた。だが、いざ立ち上がろうと踝に力を入れると、途端に意識へ霞が掛かる。まるで『まだ行くな』とでも言わんばかりに、腰を病床にへたらせてしまう。ここを襲撃されるのも、時間の問題だろうに――

――否。それは違う。

「うん……?なんだ、コレ……。」

脳裏にコトバが響いてきた。まるで、『まだ大丈夫だ』とでも言いたげに。何だ、コレは。とうとう耄碌してきたか。幻聴なのか、いや、これは――

――訓練施設に、エントランスに、放送室に、作戦会議室に、シチュエーションルームに、大型エレベーターに、食堂に、牢屋に、武器庫に、監視室に。

扉を見ても、敵影はおろか人の型すら見えはしない。近隣に語らう仲間がいるかと言えば、それも違う。だが、脳裏に浮かぶこの文字列は……?

徐々に薄れ行く意識は、やがて己の肢体を離れ、霞の彼方へ散って行く。せめて雲散はするまいと、瞼に力を込める――

――霞を超えた遥か先。声が聞こえる。姿が視える。この目が観るは、『彼ら』の織り成す物語。チェスか、或いは碁の目のように、盤面は瞬く間にその彩りを変える。
友を得た駒。理解者を得た駒。不解を騙った駒。理解を求めた駒。剣戟を求めた駒。激情に堕ちた駒。『世界』を拓いた駒。『世界』を閉じた駒。

盤面は一枚に非ず。差し手もまた、一人に非ず。
そして、今此処に目醒める駒は――

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

鈍い頭痛にまた、意識が浅層まで引き摺り上げられた。仰向けの身体に、見えるのは白天井。警報も幾分か落ち着いていたようだ。……どうやら暫く倒れ込んでしまったらしい。
幸い、感覚は普段と変わりない。視界は良好。脳裏を覆い尽くしていたモヤも、幾分かマシになっている。当面の行動に支障は無さそうだ。
ポーチを掴み取り、今度こそ確かに立ち上がる。立ち眩みも、動き出せない焦燥も、不思議ともう消えていた。

正直なところ……何が起きたのか、自分では分からない。脳裏に流れた映像と言葉、その意図するところは解らず終いだ。
けれど解らないながら、何となく理解できたことはあった。例えば、“この世界”の行く先だとか――

「うん? なんか増えてないか?」

新たに増えた、救護室の同居人のことだとか。部屋を見回してみてからやっと気が付いた。いつの間にか、集中治療を受けてる誰かさんが増えていたらしい。傷は深いと見える、恐らくは仲間か、或いは“別の誰か”にでも直接担がれて来たのだろう。道理で皆、慌しそうにしてるわけだ。
けれど、今の自分には特段関係のないこと。後れを取り戻さねば、颯爽と出口から出撃しよう――一度はそう思ったのだが。
扉に向かう足が、パタリと止まった。

「……まあ今は、俺の出来ることをすべき、だよな。」

自分の得物は手元にある。身体も無理なく動く。けど、今は――今はまだ『俺の出番』じゃあない。そうなんとなく、素朴に理解できていた。『出番』は“そう遠くない未来”に訪れるだろうことも。

ならば今出来ること、すべきことは何がある。振り返る目に飛び込んできたのは、消毒薬の詰まった棚に、治療を待つ人々の姿。まあつまり、そういうことなんだろう。

「良ければ俺も手伝う。備品の出し入れなら任せてくれ!」

手近な職員に声を掛けてみる。運良く声を掛けたのは闊達なヤツだったらしい。歓迎の意を二つ返事で表してから、ビンを此方に投げ渡してきた。指定する薬を詰めてくれ、との指示が飛ぶ。
これはまあ、しばらくは忙しいことになりそうだ。

>>(救護室、他ALL)

【最終章前の再配置、兼フラグ建築】

2018/04/04 22:23 No.1116

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