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【ALL】Chrono Crisis【戦闘/シリアス】

 ( なりきり掲示板(フリー) )
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時を巡る旅路 @infernus☆XQ6phrzcKMtR ★F7MrHN45jw_UxJ

進化と共に新たなる技術を生み出し、その活動域を地球全体へと広げていった人類。
彼らは常に自らの生活を豊かにすることを考え、革新的な発明を世へ送り出し続けてきた。
留まることを知らない人類の科学力は、やがて禁断の領域へと足を踏み入れていくこととなる。

西暦6990年、それまでの常識を、それどころか世界の法則さえも歪めてしまうような大発見が人類にもたらされた。
時間遡行……俗に言う"タイムマシン"を駆り、現在と過去や未来を繋ぐ手段。人は、その方法を確立した。
今まで文献を漁ることでしか様子を知ることの出来なかった過去と、思いを馳せることしか出来なかった未来。
それらへの道が開かれたことは、確かに衝撃的ではあったが、同時に新たなる問題も浮上することとなった。

タイムパラドックス。未来からやってきた人間が過去に干渉することによって起こり得る、歴史の改変。
たった一つの筋を辿るように紡がれてきた歴史に矛盾を生じさせてしまえば、世界そのものの崩壊を招きかねない。
不測の事態が発生することを恐れた時の世界政府は、直ぐ様会議を開き、"時間遡行法"を制定。
資格を持たぬ者の時間遡行を禁ずると共に、時間遡行中の行動に厳しい制約を設け、歴史の改変を未然に防ごうとした。
―――しかし、全ての人間が、その決定を黙って受け入れた訳ではない。何せ、これは空前絶後の大発見。
上手く時間遡行を利用すれば、世界を思い通りに操ることも可能……そんな邪な考えを持った人間が現れるのは、当然の流れであったのだろう。

時間遡行法の制定から数年が経過したある日、歴史の保護を目的に設立された組織、「時空防衛連盟」が、大規模な時空振動を観測する。
遙か数千年前より発せられし、時空の歪み。それは紛れもなく、今この瞬間に、"歴史の改変"が実行されていることを示していた。
改変を止めることが出来なければ、タイムパラドックスの連続によって、やがて世界は消滅してしまう。
時空振動の余波によって、世界線の境界そのものが揺らぐ中、時空防衛連盟の面々は、人類の歴史を護るための戦いに挑む。



【クリックありがとうございます。この物語の舞台は時間遡行技術が確立された未来と、能力のある者のみが人権を得ることの出来る古代、人類と魔族が熾烈な戦いを繰り広げる中世という三つの異なる時代です。歴史是正機構は禁忌である歴史の改変を実行しようとしています。彼らの思惑を阻止するべく行動する時空防衛連盟の面々と、何としてでも歴史を書き換えようとする歴史是正機構、更にはそんな両組織の戦いに巻き込まれた各時代の人々の姿を描くのが、このスレッドの主な目的です。

オリキャラでの参加は勿論、版権作品をあまり知らないオリなり民の方も歓迎ですので、オリなり民の方も、どうぞご遠慮なくご参加下さい。
なりフリー民とオリなり民、互いに協力しあうことで、よりよきスレを目指しましょう。

なお、合図があるまで書き込みは禁止ですので、ご注意下さい。まずはじめに、サブ記事の方を確認頂くようにお願いします。】

メモ2018/01/06 20:54 : 第二章:「帝国に抗う者達」☆XQ6phrzcKMtR @infernus★F7MrHN45jw_D9v

―――現在は、第二章です―――


第二章:「帝国に抗う者達」

時空防衛連盟が辿り着いた先は、紀元前254年。徹底した実力主義で、その勢力を拡大していた魔道帝国の全盛期。

大陸の北にある雪に閉ざされたロンカ村は、そんな帝国のやり方を否定し、抵抗する勢力の一つであった。

彼らと同じような意志を持つ者は決して少なくなかったが、帝国の力は強大であり、力を持たぬ彼らが勝利を収めることは、不可能に等しい。

歴史是正機構は、正史においてはこの年の内に滅びゆく運命にあった魔道帝国を存続させ、未来の景色を塗り替えてしまおうとしている。

時空防衛連盟の責務は、歴史の改竄を阻止すること。反帝国勢力の消滅の時期が早まれば、それだけでも歴史は変わり、時空に多大なる影響を及ぼす。

邪な者達の企みを阻止するためにも、今は力を合わせ、戦うしかない。帝国に抗う者達は今宵、決起の時を迎える。


ルール&プロフィール:http://mb2.jp/_subni2/19695.html-1#a

役職一覧:http://mb2.jp/_subni2/19695.html-2#a

世界観・用語解説:http://mb2.jp/_subni2/19695.html-3#a

各陣営の目的:http://mb2.jp/_subni2/19695.html-4#a

第二章のロケーション:http://mb2.jp/_subni2/19695.html-96#a http://mb2.jp/_subni2/19695.html-97#a


・現在イベントのあるロケーション

ロンカ村(古代):時空防衛連盟との邂逅・第二章中盤より反帝国勢力と帝国軍の戦争

グリア村(古代):反帝国勢力と帝国軍の戦争

ナコーン(古代):反帝国勢力と帝国軍の戦争

城塞都市ギリダン:歴史是正機構との邂逅・第二章中盤より反帝国勢力と帝国軍の戦争

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スパルタの代名詞 @infernus☆XQ6phrzcKMtR ★F7MrHN45jw_D9v

【ナコーン/森林/北側/フォッサ・セントライト】

彼は、世界政府の打倒とユーフォリアの理想の実現のため、歴史是正機構へ与することを選んだのだという。決して、奴らの思想に共感を示している訳ではないようだ。
まあ、ユーフォリアの親友とあろうものが、あんな連中と協力することを望むようなボンクラではないと思っていたし、それが確かめられただけ十分といえる。
大学時代の主席争いに負けた恨みだとか、そんなちっぽけな理由で敵対した訳ではないことが分かって安心した。しかし、だからこそ、同時に一つの疑問がフォッサの中に浮かんでくる。

「傍で支えてやるって選択肢はなかったのかい? あいつだって、あんたのことは友人だと思ってんだろう。今からでも頭を下げりゃ、すんなり受け入れてくれると思うけどねぇ?」

彼女が気になったのは、わざわざ敵になることを選んだ彼の心中だ。曲がりなりにも大学の同期であるのだから、ユーフォリアがどういう人間であるのかは理解しているはず。
他人の思想を真っ向から否定するようなことは、まずないといっていいだろう。つまり、彼も己の考えをしっかりと話せば、彼女と手を取り合うことが出来たかも知れないのである。
フォッサからすれば、それをしなかったのが、彼が否定を恐れて逃げているだけにしか見えなかった。世界政府に不満があるのは、時空防衛連盟も同じ。ユーフォリアの理想を実現するために、敵対までする必要は、果たしてあったのだろうか。

「なんだ、あんただったのかい。それならもっと早く出てきて欲しかったねぇ。まあ、いいさ。助けてくれるだけでもありがたいからねぇ!」

槍の一撃を放つと共に"空から降ってきた"ストラーヴを見ながら、フォッサはそう言い放つ。これで、人数的には有利な状況となった。この緊迫した戦いにおいて、それがどれだけありがたいことか。
ストラーヴの攻撃を闇の防壁によって受け止めた彼は、そのまま足元へと魔弾を撃ち込み、大量の水を召喚。水は、溶岩もろとも全てを押し流し、二人へと迫る。
フォッサは咄嗟に風の魔弾を水の中心目掛けて発射することによって、襲い来るそれを二つに割ろうとしたが、威力が不十分だったのか、隙間は十分な広さにならず、彼女はその身体に膨大な水圧を受けることとなる。
とはいえ、威力を減衰させることが出来たのも、また事実であり、幸いフォッサは押し流れるまでには至らなかった。髪が濡れ、水が命中した箇所に痣こそ刻まれているものの、戦闘続行は可能だ。

「あたしとしたことが、読みが甘かったか。やられたねぇ。なら、今度はこっちがお返しといこうじゃないか!」

読み違えによる被弾を嘆きながらも、フォッサはあくまで前向きに、ストラーヴも勢いのままに引っ張るような格好で、上空の敵目掛けて二発の魔弾を放つ。
火の魔力と風の魔力が込められた弾丸は、激突すると同時に、渦を巻く螺旋の炎となりて、一直線に相手へ迫りゆく。普段ならば、ここから更に追撃を行うところだが、今回に限ってそれはしなかった。
何故なら、今隣には、協力すべき味方がいるから。自分が攻撃を撒きすぎれば、ストラーヴの動く余地がなくなってしまう。フォッサは彼女の力量を信頼しているからこそ、敢えて単発の攻撃に留め、連携を図るのであった。

>ダグラス・マクファーデン、ストラーヴ

3日前 No.285

獅子心 @zero45 ★h2BOlEz4kD_FR1

【ナコーン/酒場/レオンハルト・ローゼンクランツ】

 相方が放つエネルギー塊が、金光の輝きを伴う爆発を引き起こして炸裂して行く。爆発は山羊の眷属を蹴散らして行き、その主をも衝撃によって吹き飛ばし、身体を強打させて傷を与える。
 その一方で、豪腕将軍マロン・アベンシスはあろうことかそのエネルギー塊を大剣で打ち返して行くと言う、余りにも荒っぽい強引なやり方で的確に対処して来る。こんな芸当、同じく大剣を使う自分では成し遂げる事が出来まい。つくづく、魅せられてしまう物だ。

「……オイオイオイ、普通は死ぬぞお前。大した物だな、いや感心している場合じゃないが!」

 天へと召喚した紅の流星。道端の小石も同然だったその姿が、凄まじい勢いで肥大化して急降下して行く。着弾と同時に、広範囲を巻き込む大爆発を引き起こしたそれは、山羊の身体を無慈悲に焼き尽して行く。
 そんな中でも、マロンは大剣で余波を振り払って凌ぎ、更には即座の判断で近くの布を拾い上げ、山羊に纏わりつく炎を消火させる。何とも機転の利く敵だ、その並外れた武芸と言い、彼女こそ最も優れた将軍と思わずにはいられない。
 強く感心を抱いたレオンハルトが次に見た物は、思わず刮目してしまう程の途轍もない光景。圧倒的重量を誇り、更には高熱の炎を纏った隕石を、有ろうことか彼女は片手で持ち上げて見せたのだ。その姿には驚嘆の言葉を隠せない。

「シフォン、後は任せろ!」

 強力無比の一撃が、有ろうことか投げ返される事で自分達へと返って来た最悪の顛末。物理的な対処を取る事が可能である攻撃を仕掛けた事を、失敗したと悔やみつつも、何とかしてこの窮地を脱する為の策を考え――そして、不要と結論を出した。
 何故ならば、此方が防御に出るよりも早く、相方がこの隕石を氷壁で勢いを削ぎ、水壁で受け流してしまったのだから。惜しくも完全に防ぎ切るには至らず、身体を地面に打ち付ける事になってしまったが、救護を要する程では無い。
 故に、攻撃に専念が出来る。長期戦は不利、あの生ける爆走列車を前に長時間も戦っていられる程の強さを、自分達は持たない。だから此処で決める必要がある。出すならば、可能な限りの全力を。

「大地に眠れる紅蓮の灼炎よ、目覚めよ……噴焔陣!」

 大地を蹴り上げ一気に跳躍すると、大剣の刃に掻き集めて行く膨大な魔力。重力に従い落下して行く中で、剣を下に構えると、勢いそのままに大地へと突き刺す。刹那――大地より噴き出す紅蓮の炎。
 大地を奔る魔力は、地下に眠れる炎を呼び起こし、立ちはだかる敵を焼き尽さんと火柱で攻め立てて行く。だが、跳躍して回避されてしまっては、先の岩柱と同じ末路だ、何の意味も無い。
 すぐさま剣を引き抜くと、掲げて構えて再跳躍。荒れ狂う炎に焼かれる事を厭わず、マロンの眼前へと急接近を果たすと、大気を揺るがす程の勢いで豪快に大剣を振り下ろす。

>マロン・アベンシス ミルグラム・ゴート シフォン・ヴァンディール

3日前 No.286

似非貴族 @infernus☆XQ6phrzcKMtR ★F7MrHN45jw_D9v

【ロンカ村/牧場/アルクール・サンドリンガム】

バスケリア地方の海沿いに、小さな村があった。その村は今でいうロンカ村やグリア村のような牧歌的な雰囲気に包まれており、漁業を主な産業としていた。
決して文明が発達している訳ではなかったが、村人達は暖かい心を持っており、毎日必要な量だけの魚を取り、生命に感謝を捧げ、毎日を楽しく暮らしていた。
そんな村に悲劇が起こったのは、15年近く前のことだ。当時、ラガルデール王国が滅び、混迷の時代を迎えていた世界では、様々な小国家が乱立していた。
世間ではブールーン民主共和国の成長が話題となっていたが、バスケリアにおいてもサンドリンガム朝の勢力が広がりつつあり、やがてそれは、漁村の傍まで及んだ。
サンドリンガム朝は村に対して貢物を要求したが、開放的な生活を望む村人達はそれを拒む。取引を断られた腹いせとしてサンドリンガム朝は……村全体に、火を放った。
深夜、皆が寝静まっている頃合いを見計らって行われた焼き討ちにより、多くの村人が死亡。生き残った者達も、奴隷として宮殿へ連れ去られ、村は壊滅してしまった。
当時3歳だったアルクールの脳裏に、その光景は鮮明に焼き付き、以降彼女は炎を見る度に、村が壊滅した時の記憶を思い起こすようになってしまったのだ。
奴隷を使役するサンドリンガム朝は、泣き叫ぶ彼女を面白がり、炎に囲まれた部屋に放置するなど暴虐の限りを尽くした。アルクールが精神崩壊を起こさなかったのは、もはや奇跡としか言い様がないだろう。
やがてサンドリンガム朝は、ブールーン民主共和国をクーデターによって打ち倒し誕生した魔道帝国により滅亡。同時に奴隷達も解放されるが、その隙を見計らい、アルクールは宮殿へと忍び込む。
彼女は宮殿の一室に置かれていた高級な衣服を盗み取り、貴族になりすますことによって、戦災孤児として丁重に扱われた。それから5年後、元服を果たしたアルクールは、サンドリンガム朝の末裔を自称し、魔道帝国の軍門に足を踏み入れたのである。
パージルクはサンドリンガムの一族を皆殺しにしているのだから、彼女の嘘を見抜くのは容易かっただろう。しかし、相応しい実力を持っていたからか不問と処され、現在に至るまでアルクールは、近衛として戦地を渡り歩いていた。
だが、炎に対するトラウマは相変わらず克服出来ていなかったため、彼女は火計を用いる作戦には同行しなかった。今回のロンカ村襲撃においても、事前に確認を取っていたのだが、攻め入ったのがあのノエルとなっては、常識など通用するはずもなかっただろう。

「あ…………あ……みんな……みんな焼け死んで…………」

未だ動悸は収まらない。詳しい話を聞くためには、まずは炎を見えない環境にアルクールを連れて行かなければならないだろう。この状態の彼女を歩かせるのは難しいことだが、そうでもしなければ過呼吸で意識を失ってしまう可能性すらもある。

>アベリィ・シルバラード
【ほぼほぼ押し付けのようなレスとなってしまった……】

3日前 No.287

カリー @karikari10 ★Android=GZn0EZmRVy

【城塞都市ギリダン/首都奴隷処理施設/橋川 清太郎】

彼女の言い分を聞き、成る程と関心した。国虫なるものを制定できれば平和的、且つ効率的に人間社会へ馴染むことが出来る。もはや理想的といっても支障はないだろう。
だが、一つだけ。たった一つこちらにとって譲歩出来ない点がある。それは歴史の改竄を前提としている点だ。これを容認することは、自分の所属している時空防衛連盟を裏切ると同義。あそこの仲間達は人の良い人物ばかりだし、組織の理念も賛同できるものだ。彼らを裏切るだなどと、少なくともこの時点で出来ることではない。

「!」

こちらの葛藤などお構いなしとばかりに火蓋は切って落とされた。彼女は自分達を拘束しようと糸を飛ばす。それに対し素早く左へ跳ぶことで回避――――

「うっ!!」

出来なかった。どうにか直撃だけは避けたが、一瞬にして両腕と胴体を簀巻きにされてしまう。これでは武装の殆どが使えない。

(そんな……スーツの構造的防御力と武器管理を重視して内蔵武装を極限まで減らした構成の欠点が、こんな形で露呈するなんて!)

この状態で無理に武装を転送しようとすればどうなるかわかったものではない。

「でも……」

隙間なく絡みついた糸が、ミシミシと悲鳴を上げ始める。

「君の目的だって、連盟側についたら達成出来ないってことはないよ」

内側からの力を押さえきれず、悲鳴を大きくしながら少しずつ破断していく。

「連盟なら見た目じゃなく能力や行動で評価してくれる筈だ」

粘着力のお陰で千切れこそしなかったものの、完全に伸びきってしまいもはや拘束力など望めない。
このGAWNDのパワー、なめてもらっては困る。心血を注ぎに注いだ最高傑作はこの程度の窮地を覆せないほどヤワではないのだ。

「そして君の仕事ぶりを、メディアでもマスコミでも何でも使って発信していけば、きっと受け入れられるさ。それこそスパイダーマンのような、国民的ヒーローになることも夢じゃない!」

理想論や奇麗事だとは言わせない。何故なら、今ここで自分が連盟の一員として働いていることが、何よりの証明なのだから!!

>>リプレイサー、ルーシャ

3日前 No.288

親の七光り @prismriver☆kFuUk0otHg5u ★TZkXkdft22_LPw

【城塞都市ギリダン/正門/エスメラルダ・ナズグル】

敵はこちらが困惑している理由が名乗らなかったからだと思っているようだが、エスメラルダはそうじゃないと声を大にして叫びたい気分だった。あまりに高すぎるテンションについていけない。元から実力が相手の方が上だというのは覚悟していたが、この変なテンションのせいで調子が狂わされるので、余計に戦いにくい。困惑の表情を浮かべたまま対処するエスメラルダ。両手を掲げた彼の背後から飛び出した花火に警戒を強めるが、なんとこれは攻撃のためではなく、ただの演出だったようだ。もう、なんなのだ!?

そのままの勢いで相手は名乗りを上げる。とてもじゃないが長すぎて一度では正確に覚えられそうになかったので、ドライツとだけ記憶した。いつ攻撃してくるかまるでわからないので、ずっと気を張っているが、これが意外と疲れる。どんどん攻め立ててくるのなら、防御に集中すればいいだけの話なのだが、タイミングのわからないものに神経を使うのは、余計な体力を使うのだ。

「え、エスメラルダ・ナズグル。この魔道帝国の正統後継者であり、女帝パージルク・ナズグルの血を引く者よ!」

ついつい相手に乗せられてしまい、エスメラルダも力強い名乗りを行う。相変わらず血筋を強調しているのは、彼女自身が実力に誇れるところがないと理解しているからだろうか。この名乗りあいによって一瞬だけ戦いが止まっているが、この時間を使って息を整えておきたいところだ。守りに自信はあるが、連続攻撃を全部しのげる確信は今のところない。自分から攻めることはなく、カウンターに徹するエスメラルダ。持久戦に持ちこんで一撃必殺を狙うのが、この戦いに勝つ唯一の方法だ。

>>ドライツ

3日前 No.289

リインカーネーション @genomirai ★5PyZcP0Vz3_ly4

【ナコーン/森林/北側/ストラーヴ】


防がれた、そう認識すると同時に反射的に蒼電を開放し行く手を阻む黒き壁から弾くように遠ざかる。押し込めば破れただとかそういった話ではない、力量差がある相手に隙を見せること自体がストラーヴにとっては最大の危機だった。
幸いにもストラーヴへの直接の反撃はなかった、しかし地へと打ち込まれた弾丸はこの緑豊かな森林を水気溢れる海洋へと変貌させた。同時に沸き上がるは大津波、スパルタ隊長ならどうにかすると勝手に思い彼女は倒された大木へと着地する。

「そんなこと言っても襲撃がなければいつも見たく厳しくするんでしょー!だから出て来たくはなかったんだけどね!」

あのスパルタ隊長が怪我をしているところを見て見ぬふりをして、出来る限りいつもの調子で返す。紅き雷を剣槍に蓄えつつ、心を落ち着かせる。あれは決して私の落ち度ではないと、読みが甘いと隊長自体も言っているんだからと。
此方を見下ろす襲撃者を見定める、こうも空中へ逃げられてはただでさえ不利な状況が殊更悪くなるばかり。心臓は鼓動を早くし、心は乱れる。今は目の前のあれに集中しなければ不味いのに、落ち着こうとすればするほど隊長の痣が鮮明に描かれる。
私は悪くないのだ、あれは隊長が読みを誤ったから、ストラーヴならそれで終わる、終わらせなければいけないのに。私はどうしても私のせいで傷ついてしまったと考えてしまう、でも今の私は私じゃなくてストラーヴだから。
大きく息を吐く、今は集中しなければ死ぬと。ストラーヴの身体から紅雷が迸る、準備は十分。速さが障壁によって止められるならば、障壁ごと裂いてしまえばいい。攻撃的な色が示す通りの雷は、周囲に飛び散るたび水を蒸発させていく。

「さーて、総統のご友人さん。女の子に突かれるのは好きかなー?やり過ぎて裂けちゃったら御免、ねっ!」

足元の大木が真っ二つになると同時に炸裂した紅雷、その反動によって空中からこちらを見下ろす襲撃者へと跳ぶ。タイミングはスパルタ隊長の炎と風による渦が放たれたと同時、速度は此方が僅かに上。狙いは防御をさせ、それを砕き魔弾を確実に当てる事。故に求められるは回避を選択しない攻撃範囲。
空中で紅雷の僅かな放出を行い突きの構えを取る、再度空中で紅雷の炸裂を行う事で推進力を得る。先の蒼電が自身を電と化して推進力を得るのなら、この紅雷は雷の威力によって自身を吹っ飛ばすことで推進力を得る。
さらに蒼電が速さによる一点集中型であるならば、この紅雷は威力による範囲殲滅型。遅い速度は爆発力で補う、吹っ飛んで重い一撃をぶちかます。
自身をまるで砲弾の様に吹き飛ばし剣槍の穂先は襲撃者を狙う、先と違うのはこの時点でも多くの紅雷が身体に溜められていること、そして光速よりも遅いが音を置き去りにする程度の速さはあることだ。
上から見下ろす襲撃者に襲い掛かるは先とは比べ物にならない威力を秘めた剣槍、そしてそれに追従する前方広範囲の円錐状に広がる紅雷。回避を行えば広がる雷に身を焦がされる、選択の余地は防御しかない。だがその防御も生半可なものではすぐに破られるだろう。
だがそれも本命ではない、槍の一撃と直角になる様に放たれた魔弾こそがストラーヴの本命。二度も炸裂音を響かせ、眩い紅雷を散らしたのは少しでもこちらに意識を割かせるためであった。
迫る防御を貫く剣槍、これがストラーヴが隠していた技の一つ。原理こそどの技も変わらないが扱い方によってその種類は大きく変わる、残る一つは隠し玉も隠し玉。これも防がれたのであれば開帳せざるを得ないが、彼女が誇る最良の技。
しかし此度は彼女一人ではない、スパルタ隊長との共同戦線である。それならば彼女一人で届かなくても、二人であれば届くこともあるのかもしれない。

>>フォッサ・セントライト ダグラス・マクファーデン

3日前 No.290

氷雪の死神 @zero45 ★h2BOlEz4kD_FR1


【ロンカ村/民家/付近沿道/レイヴン・ロウ】

「……そうか。ならば、その意志が報われる事を祈ろう」

 語る言葉が嘘偽りでなかったとしても、村の敵となった事は最早覆らぬ事実。そして、その選択こそが正しい物と断じた氷像は、如何なる非難をも受け止める覚悟で臨んでいたのだ。その真意を知らずに責め立てる男の言葉さえも、静かに聞き届けて。
 謝罪は不要、そう告げた彼に対し、レイヴンはただ、彼の意志が報われる事を願う。形はどうあれ、彼は村の守護者であり続けようとしたのだ。ならば、その行いが結実する事を願うのに、一切の躊躇は無かった。

「魔法しか取り柄の無い貴様が殺せる程、貧弱ではない。幼子の我儘を貫き通してまで領土を得て来た、どこぞの誰かとは違ってな!」

 嫌悪している"マロン・アベンシス"を比較対象に挙げた事が相当気に食わなかったのか、冷たい視線を突き刺して来るノエル。露骨に不快感を示す彼女の態度を、愚かな物だと内心思いながらも、より醜き怒りを湧き上がらせるが為に、侮蔑の言葉を容赦無く投げ付けて行く。
 彼女が領主を担う広大な領土、バスケリア。現将軍の中でも、堂々たる別格な広さを誇る領域を支配下に置いている彼女だが、それを与えられるまでに至った理由は、別段彼女が優れていたからと言う訳ではない。
 何かしらの功績を挙げれば、己の価値観に則って対価を要求し、成果が挙がらなかったとしても、やはり手間賃として己の価値観に則った対価を要求する。それを繰り返して行く内に完成してしまったのが、このバスケリアと言う領土なのだ。
 さながら幼子が抱く、強請れば手に入る我儘な思想。彼女を知る者からすれば、領土とその実力が比例していない事は、一目瞭然。故に、こうして躊躇する事無く挑発へと踏み切る事が出来る。

「その余裕、次の瞬間には崩れ去る事を覚悟しておけ」

 高速で繰り出した斬撃が、悉く不可視の弾丸に弾かれてしまった。有効打は未だに与えられていないが、まだこちらは余力を十二分なまでに残しているが為に余裕は保てている。後は、この余裕が途切れる前に一度でも斬撃を喰らわせられるか次第だ。
 上方から迫る大気の壁と、飛来する鎌鼬の両方とを、自分の前に立ったギラードが全て相殺して行く。相当無茶をしたのか、鎧の一部分が欠けて始めていた。戦う分には問題なさそうだが、これ以上の消耗は許されないだろう。

「来たれ、八つの雷光――召雷!」

 双剣銃を構えると共に、周囲に召喚する八つの雷剣。大地を蹴って前方へと加速、斃すべき敵の前方へと急接近する。その間に、雷剣の全てが敵を取り囲むかの如くに周囲へと突き刺さり、激しい放電で敵の動きを封じようと試む。
 次に、"召雷"の一声で、遥か天空から彼女の頭上を目掛けて一筋の稲妻を落とす。真面に喰らえばどうなるかは、想像するまでも無い。良くて重傷、悪くて死のどちらかだ。
 そして最後に放つは、やはり先程同様高速の一閃。すれ違い様に放たれた袈裟の一撃を防ぐか否かで、今後の命運を左右する事になるだろう。

>ノエル・マッケローク 氷魔像ギラード 蓼科祈

3日前 No.291

リインカーネーション @genomirai ★5PyZcP0Vz3_ly4

【城塞都市ギリダン/正門/ドライツ・ユメイル・ファラレス・ロスリアン】


「エスメラルダ・ナズクルか!うむ!うむ!良い名であるな!」

女性将軍こと、エスメラルダの名乗りを受けてその名を噛み締めるように頷いた後、彼は一言でその名を称賛する。この時代の言葉の意味も、その名がどのようにして名付けられたかは知る由もない。しかし、力強い名乗りと共に聞いたその名の音が素晴らしく綺麗で、何よりも派手だと思ったからこその率直な言葉。
既にご存知だろうが彼は派手なものをはじめ、美しいものや綺麗なものといった事を非常に好ましく思っている。彼が身に着けている派手な装飾品も、そう言った感性によって選ばれているのだ。人によっては品がないとも称するだろうが、彼は人の価値観にまでとやかく言わない、合わないなら仕方ないとすっぱり諦める。

「……うむ?女帝、この帝国とやらの正統後継者。ふむ……ふむ……なんとぉ!?」

女帝、その言葉に引っ掛かり名乗りにばかり気を取られていた彼はエスメラルダの名以外の名乗りを思い出していく。曰くこの帝国の正統後継者であり、現女帝の実の娘であると。詰まる所お姫様ではないのかと、この彼は素っ頓狂な方面に思考が飛躍した。
そもそもこの帝国自体の仕組みを知らずに戦線に加わっているのだからそれ以前の話ではある、しかし彼の持つ知識では姫が前線に出るのはやや信じられない方面である。それならば相応の派手さで相手をする必要があると、その結論に至った。驚きの声が上がったのも同時であった。
右腕の結晶刃、エスメラルダの持つ日本刀を模して造られたそれの刀身をなぞるように左手を翳す。するとどうだろうか、翳した部分から結晶が七色、いや次々と移り変わる色彩に何色であるとか決められるほどではない輝きが放たれる。
これで準備は良しと言わんばかりにその切っ先を再びエスメラルダへと向ける、これだけ派手であればその身分に不足はないだろうと言いたげである。最も相手からすれば何を満足げに見ているんだとなるんだろうが。

「はーっはっはっは!まさかお姫様であったとはな!うむ!それならば此方も全身全霊の派手さを以って戦わねば失礼というものだ!」

右腕の結晶刃に左手を添え切っ先が僅かに上を向く、徐々に切っ先へと魔力が集中していく。魔力が集う度に焔や視覚化した冷気、迸る稲妻や光の粒子等が彼の周囲に漂い始める。そう、準備しているのは彼が今思いついた最も派手な祝砲である。エスメラルダを狙ったものではない事は僅かに切っ先が上がったことで気付けるだろう。
しかし、彼には一つ誤算があった。本来は気付けたはずなのだが、あまりにも張り切り過ぎてその事がすっぽりと頭から抜け落ちていた。彼は彼の世界において並ぶものがいないほどの魔術の使い手、それは違う世界でも変わることはない。そう、自身の魔力の量が頭から抜け落ちていた。
際限ないと言われるほどの彼の魔力がどんどんその切っ先に集められていく。彼の周囲に漂う属性の余波は大きなものとなる、傍から見れば確実に仕留めるつもりの大魔法と間違われても仕方がないほどである。
それを彼は気付かずに解き放とうとしている、勿論当たっても死ぬようなことにはならない。しかし建物はその例外である上に、当たれば痛いものは痛いしすごく吹っ飛ぶ。詰まる所、彼は派手さに関してはどうしようもないほど馬鹿であるという事だ。

「さあ!これを戦い前の祝砲としようではないか!お姫様に相応しい、私の全力のぉ!祝っ砲っだぁぁぁ!!!!!?
すまん!やりすぎてしまった!はーっはっはっは!!!」

予想以上の威力に驚いているのは何よりも彼自身である、そして不運にもエスメラルダに掠りそうなほどの極太の魔力砲となったそれは正門の上部分の一部を吹っ飛ばして空の彼方へと消えていった。
エスメラルダが危険を察知してしゃがんでいることを祈るばかりである、そうでなければきっと痛いし吹っ飛んでいる。これだけの事をしても懲りないのか、彼に聞けばきっとこう答えるだろう。
―――――派手さにやり過ぎというものはない、と。

>>エスメラルダ・ナズクル


【はい、何かもう色々と申し訳ありません】

3日前 No.292

失敗作 @kyouzin ★XC6leNwSoH_D9v

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3日前 No.293

山城妖狐 @sacredfool ★OFMeBoUVDX_D9v

【ロンカ村/広場/山城瑤子】

 とかくこの狗は本能の奴隷らしく、とりわけ食欲に抗うことはできないらしい。此方へ牙を剥けるのも主にそういった理由あってのことなのか……素性は判らないが、此奴を衝き動かしているものが何なのかはざっと見ただけでも想像するに難くない。が、誠か? 少なくとも村の者ではないし、だとすればこの女と同じで別の時空から来たものか、そうでなければ帝国の手先か。味方にしても敵にしても、戦いの駒としてはひどく汎用性に欠けると見えるが……その動きだけはただの獣とは違うらしい。野の獣は少なくとも、人の眼に留まらぬほどの速度では動けない。人と獣の姿を使い分けるということもない。端的に言って単純な予想は超えている。意趣返しにと使った向こうの刃だが、避けるどころか突進で弾き飛ばしてしまうとは。相応の衝撃も或いは覚悟せねばならぬか……

「ふふ……はっはっは! それだけ食ってまだ足りぬと申すか! 敵わぬ敵わぬ!」

 突撃を敢行すると思われた狗はどうしてか眼前で獣の姿を解き、その場にへたり込む。先程のはやせ我慢か、それとももっと致命的な何かがあるのか。とかくこの狗は敵である二人の前で隙だらけの姿を晒している。ではそのことについて苦悶の表情を見せるかと言えばそうでもなく、此奴が悶えているのは――腹の音。まさか、本当に飢えだというのか。……地に何か描いていると思えば肉に魚に……みな食い物ではないか。
 素性がどうであるに関わらず、こちらを襲ったり村の備蓄を食い荒らしたのは相応の悪意を伴ってなされたことだとこの狐は考えていた。大いなる誤算である。この銀狼はそのようなはかりごととは水と油であり……一から十まで己の食欲に従ったがゆえの狼藉である。そこに害意は存在しない。さしもの神と言えど唖然としたが、この銀狼がそこまでの獣だと悟るに神はその身を人の姿に戻して高らかに笑いだす。

「ほっほっほ。そうさな……そなたはこの村の食い物を荒らしておるし……働かざるもの食うべからず、じゃ。妾たちの敵を倒せば、その褒美として腹を満たしてやろう。強くなれるし腹も膨れる――」

 少女は一頻り笑うと、空腹で動けなくなったかと思えば今度はこちらへの同行を望む銀狼に再び笑う。それほどにこの獣は村と帝国という相反する組織に対する意識が希薄なのだ。
 返答次第では毒にも薬にもなろう。あの身のこなしを見れば当然……現状ではほぼ誰であろうとも、帝国と戦える手合いは欲しい。であれば同行を拒否する理由はない。この銀狼は村の食糧を奪った盗人なれば、兵として使うにも真っ当と言えよう。

「――そう。妾たちの敵とは、あのような輩じゃ。足りぬだろうが……今はこれで我慢せい!」

 銀狼の答えを聞くよりも前に女が身構え、注意を促す。それよりも前に耳に入ってはいた。獣と同等かそれ以上の覇気を込めた雄叫びは耳障りとも言えるほどに木霊していたとも。金鎧を纏う筋骨隆々の男……その紅の瞳の奥に宿る狂気の炎は真の獣(けだもの)か。……良い。神はその間の良さにほくそ笑みながら彼を指差した。罰するにはあれのような者に限る。
 袖の下からでも取り出したのか、神が狼の口元へ放るは己が如何な神であるかを示す、一枚の素朴な油揚げ。無論、この底無しの胃袋を持つ銀狼には腹の足しになるかもわからない代物だが、そのままの空きっ腹ではろくに動けぬだろうと踏んだ神のなけなしの兵糧であり、同門へと下った銀狼へのささやかすぎる祝賀である。
 確かに敵を認めた時、無から生じた紫炎が遥か少女の矮躯を覆い、そこから生まれ出づるは白銀の神狐。あやかしの焔を纏う、紛れない神格としての姿である。

「其の身を奉れ、真の狼藉者よ。穢れぬ神火が浄めてくれようぞ」

 念じ、集った紫炎が焔の弾となって一直線に飛ぶ。狙いは男ではない……空だ。高空へ浮かぶ紫炎はやがて男の真上にまで来るとその身を散らし、無数の火球となって男へと降り注ぐ。平穏を焦がす暴虐の焔と対峙してなお、神狐の焔は揺らぐことなく泰然に、ただ目の前の獣を死によって鎮める。

>>ユーフォリア・インテグラーレ、イアン・ガグンラーズ、カリギュラ

3日前 No.294

ギギナ @koki☆iOEaToagbI2 ★P24UIEe7ZZ_D9v

【 ナコーン/森林/ ギギナ 】

 8つの刺突に回避行動をするのは危険と判断、半ば強制的に彼女と自身の距離を開きながらも防御姿勢をとらせる前に攻勢を仕掛ける奇襲をかけた。太刀の強度以前に自身と彼女では戦いの場数や体格的条件が違いすぎる。まともに当たればひとたまりもないだろう。蜘蛛絲<スピネルに自身を受け止めさせ反道で全身の体重と勢いを乗せた刺突をお返しとばかりに一つの砲撃となって彼女の腹部へと向けて屠竜刀を突き出す。

 彼女と稲妻を纏った太刀に着弾、身体を引き裂くはずの屠竜刀が僅かにずれた。身体を切り裂き肩に深い傷を与えることには成功したものの絶命には程遠い結果となった。すぐさま背後に回り込まれるのを感じた。回避動作に移る隙すら与えないカウンター。屠竜刀の激鉄を引き薬莢が足元に転がり落ちるのと同時、尖角嶺(センガ)を発動させ背中にいくつ物束になった合金金属で生成された数多の棘を出現、何本かは衝撃に耐え切れず太刀によって破壊されていくも残った棘が絡みとめていた。

 「…私の刺突を受け反撃をしてくるとは…貴様の腐った理想は気に入らぬがその実力は認めてやる」

 棘で太刀を受け止め放流した稲妻が身体を焼く感覚に身体を震わせるも体重を乗せ反道をつけた刺突から反撃をしてくる相手に人を手にかける理想は認めることは出来ないがその実力だけは本物だと感じ顔を後方へと向け戦いの楽しさを感じ自然と笑みを浮かべた唇で賞賛の言葉を紡いでいけば後方に跳躍、背中に生成させた棘で背中から彼女を串刺しにさせんとするもあくまでも距離を離すことが目的、地面に着地し屠竜刀を正眼に構える。負傷こそはしたもののまだまだ戦える。重心を落とし追撃に備えた。

 イスマリ (魔大老エスト 桐生戦兎 17代目葛葉ライドウ)

 【こちらの私用で返信が遅れました。申し訳ないです】

3日前 No.295

人の皮を被った悪魔 @infernus☆XQ6phrzcKMtR ★F7MrHN45jw_D9v

【ロンカ村/民家/付近沿道/ノエル・マッケローク】

「ちょっと私のこと舐めすぎじゃないかなー。それにしても、パージルクさんも急激に頭が老けたみたいだねー」

国のために働いてやったというのに最初から抹殺前提とは、あの老婆も随分と衰えが激しいようである。魔道帝国の命も、風前の灯といったところだろうか。
ギラードは魔道帝国の精鋭にノエルが負けると思っているらしいが、彼女はその言葉を聞いて内心嘲笑する。三人掛かりですら傷を付けられないような相手に、どうして勝てないというのだ?
彼女は余裕の表情を崩さない。望めば、なんでも手に入ってきた。誰も自分に逆らおうとする者はいなかった。ノエルは、自分こそが最も優秀であると信じて疑わない。
帝国の者が束になって掛かってきたところで、返り討ちにしてやればいいことだ。魔法の使えない第二人種マロン・アベンシスも、家柄に縋る無能のエスメラルダ・ナズグルも、まともな言葉すら発せないカシュタン・コルーカルも、全員、殺してやる。

「何か勘違いしてないかなー。魔法しか取り柄がないっていうけどさー、魔法があれば他に何がいるのかなー。魔法が使えないから力に頼ろうとするんだよねー」

マロンとの比較をやめないレイヴンに対し、ノエルは徐々に苛立ちを隠せなくなっていく。冷静さを失いつつあるのは、その表情からしても間違いないだろう。
魔法こそ絶対であると信じる彼女にとって、魔法を使えない者と比較されることは、耐え難い屈辱であった。どうして、そんな下位のものと並べ立てられなければならないのかと、心の中でノエルは憤る。
それに、自分が広い領土を持っているのは、相応しい実力を持っているからに過ぎない。マロンも、同じくらい魔法が使えれば、もっと広い領土を有していただろう。
結局のところ、パージルクですらも、魔法を使える者が格上であると認めている訳だ。よもや彼らが、女帝の判断を間違いであると指摘するとは思えない。よって、これは確実なこと。
魔道帝国の中でも最大の面積を誇るバスケリアが反旗を翻したということの意味を、どうも三人は理解していないらしい。一枚岩ではない帝国が、強固に団結した一つの国家に対抗することが、果たして出来るだろうか?

少女が、ノエルを引き裂かんと突貫する。四発の光の弾丸を風の防壁で凌ぎ、続く刃には魔法障壁を生じさせることで対処。障壁は一撃で崩壊したが、傷を負いしなければ問題はない。
足や手ばかりを狙った、嫌らしいギラードのアイスミサイルは、魔法による身体能力の一時的向上を利用し、大きく跳躍することによって、その狙いを全て外す。
これによって、レイヴンが展開した八つの剣による放電も回避出来、一石二鳥だ。対空していることにより、敵の一閃も不発。オールラウンダーとしての真髄を、ノエルがまざまざと見せ付ける。
―――しかし、彼女は驕りすぎた。上空にいれば、もはや攻撃が届かないものだと高を括っていた。そんなノエルに天罰が下るかの如く、頭上より降り注ぐ一筋の稲妻。
音で初めてそれを認知したノエルは、さすがに驚愕の表情を浮かべていた。即座に展開出来る魔法障壁によって威力を削ごうとするが、この強力な一撃を、それだけで防ぎ切れるはずもない。
結果として、魔法障壁を容易く貫通した稲妻はノエルへと突き刺さり、今まで魔法だけに頼ってきたことを象徴するかのような華奢な身体が、地面に叩き付けられた。
痛みに耐えながら身体を起こした彼女は、信じられないといった表情を浮かべている。あの状況からでも、ノエルはまだ、魔法障壁さえ張ればどうにかなると思っていたようだ。

「一体どんな不正をしたのかなー。正々堂々と勝負しないのは困るなー」

この期に及んでも、ノエルは自らの対処が失敗したことを認めようとしない。あくまで被弾したのは相手が不正をしていたからだと、当然のように言い切ってみせる。
まるで、悪いのは三人側であるかのような口振りだ。高い実力を持っているのはこちらなのだから、それが苦戦させられているという時点で、敵は何か汚い手段を使っている。ノエルは、そう考えていた。
これまで如何にも余裕綽々、といった様子で戦いを進めていた彼女であったが、この被弾によって危機感を覚えたのだろう。先程とは比にならない量の魔力を、両手へと集中させていく。
ノエルがその両手を前方へと突き出した刹那、空間が、"避けた"。膨大な魔力によって生じた断裂。その断裂が元へと戻る際に生じた暴虐的な振動が、無数の斬撃となって敵対者へと襲い掛かる。
最初から容赦するつもりなどなかっただろうが、いよいよ本気ということだろうが。だが、それに比例するかのように、ノエルの顔からは余裕が消えており、徐々に追い詰められ始めているということが窺い知れるだろう。

>蓼科祈、氷魔像ギラード、レイヴン・ロウ
【残り1〜2レスほどで決着としたいと思います】

3日前 No.296

贖罪の山羊 @akuta ★Android=8Sr3SxYeQ0

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3日前 No.297

蓼科祈 @tukuyomi07☆2nDyzvx51us ★3aNoMW8gGM_ly4

【 ロンカ村/民家/付近沿道/蓼科祈 】

 最低限、――いや、最大全力で目の前の事象に対処する。
 その全てを捌き切った時、ギラードは言った。行け。彼はただそれを言うのみ。
 ちらりと横眼でその氷鎧を見やり、顔を顰めた。

「……アンタ」

 大地に散らばる欠けた氷。
 レイヴンを守り切った結果だろう、――最高クラスの魔術の連射。
 それを相手にして完全な防御とまではいかず、ギラードの肉体には無数の傷。更に鎧の損傷が見受けられた。
 それでも彼はただ、意にも介すことはなく支援に徹すると告げた。ふぅ、と息を吐きノエル<敵対者>へと向き直る。

 氷槍。破壊の魔弾。斬撃。
 障壁による防御から、跳躍による回避までを成立させた彼女は、しかし天より振り下ろされた裁きの鉄槌を凌ぎきることが出来ない。
 魔導障壁の展開により威力こそ減衰はするものの、直撃したソレが彼女の肉体を焼いていく。
 立ち上がるノエル。依然、健在。
 されど、その表情からは余裕が徐々に失われ始めていた。傲岸不遜。先から見せていたはずのソレはもうない。

 これでハッキリした。
 ノエル・マッケロークは天才ではあるが所詮は人だ。それも、手に入れた力を扱うのではなく力に溺れているだけの。
 あらゆる力に共通して言えることだが、魔術にせよ武術にせよ異能にせよ強力な武器にはなれど万能になり得ることは決してない。
 そう錯覚するのだとしたら格の違いか圧倒的な相性差、このどちらか一つでしかないのだから。
 そして彼女は永遠にそれに気づくことはない。
 全能と錯覚し続けていた己の鍍金が剥げていくのを認めないどころか、この期に及んで正々堂々などとのたまう始末。

「アレの防御は私が崩す。
 アレに"毒を喰わせたい"ならそれで隙が出来るはずよ、一度きりだけどね」

 二人にそう告げた後、印に触れて更に力を引き出した。
 両の手に収束する破壊の光は、より一層輝きを増す。振り上げた右手を合図に周辺一帯に光の陣が刻まれた。
 この世界には存在しない術式。撃ち放つ破壊の光の出力を大幅に増幅させる加速器<ブースター>。
 祈の背より蝶の羽が展開される。中空へと浮き上がる。災厄を予見する不吉な蝶は、天よりノエルを見下ろす格好となった。
 ノエルは容赦を捨てて全力を行使する。
 それは世界のズレ。ヒビを入れた世界が元に戻ろうとする力を利用した、修正作用の暴力。
 そうして生み出された無数の斬撃――言うなれば真空波の上位版。
 今にも三人へと突っ込んで来ようとする其れを自在に振るえるとなれば、ああ、確かに天才の類だろう。

 だが、何をしようとももう遅い。

「砕け――アンタはこれで終わり。私"達"に破壊される」

 この一言を持って――採決は下された。
 、 チカラ  、  、  ・・・・・
 この異能が有するは、「いなくなれ」という命令の最上形。
 光に触れた物質を世界単位で削り取り、無へと還す創世と対を成す力。
 今より全力を引き出して放つは、いなくなれという命令の最上形を――更に発展させた"世界からの排除"。
 抗うならば死力を尽くせ。消えろと祈が告げたなら、眼前の一切合切はあらゆる事象を無視して消えなければならない。
 その命令に逆らうことは即ち、――"神の決定に逆らうことに等しい"。

「完全破壊ッ――!」

 神の権能にも等しい出力の破滅の光が、輝く陣/ノエルの上空広範囲より吹き上がる。
 密度の高い破壊の光の嵐で以て、世界諸共叩き壊す、言うなれば絨毯爆撃。
 地も天も何も関係はない。逃げ場など何処にも無い。
 鎧も魔力防御も、大気の嵐も何も関係はない。あらゆる防御/悪あがきを削り飲み込み破壊し尽くす。
 現にノエルがレイヴンとギラード、そして祈を狙って放った真空波は一瞬にして飲み込まれ破壊された。

 超広範囲の破壊の光、――されどこれで倒せるなどとは思っていない。
 だが、確信はしている。ノエル・マッケロークにその最大全力を引き出させることは必ず出来るだろうと。
 そうしなければ蹂躙する破壊の光に呑まれ、塵も残さず消し飛ぶしかないのだから。

 世界を削り取る光の嵐が陣の中で吹き荒れる中、地上にいるレイヴンに目配せした。

 "行きなさい――!"。

 ――悪逆領主ノエル・マッケロークにレイヴンが"一服盛る"には、全力を出し尽くさせた後(今)しかない。

>ノエル・マッケローク 氷魔像ギラード レイヴン・ロウ

3日前 No.298

イスマリア @tukuyomi07☆2nDyzvx51us ★3aNoMW8gGM_ly4

【 ナコーン/森林/イスマリア・ザルヴァトール 】

 直撃は出来ない。
 いや、訂正しよう、――"真正面から戦うのは無謀のやることだ"。
 受けを崩し押し込んでくる彼の戦法をまともに相手していては、体が幾つあっても足りない。
  、  、  、  、  、  、 パリィ
 真正面から迫りくるギギナという砲弾を弾いて、逸らして回避。
 肩口を大きく切り裂かれるといった形で被弾はするも、致命に至っていないのならば構わない。
 そして反撃に打って出た。異能の爆裂を加速装置<ブースター>とし、何かさせる前に一撃を確実に入れて離脱する。
 その結果を――。

「――凌ぎますか」

 動かぬ自身の得物は証明していた。
 刃の切っ先はギギナには到達せず、まるで彼の背中より生えたかのような鉄棘が太刀を絡め侵攻を押しとどめていた。
 放流した雷電はギギナに纏わりつきその肉体を焼くも、よろめくことなく後方へ大きく後退<バックステップ>。
 そしてイスマリアに迫る棘。太刀に纏わせた雷の出力を瞬間的に増幅させ、衝撃も含めた威力で焼き吹き飛ばす。

「力押しで勝てる見込みは皆無ですがね」

 賞賛を受けてもなお、イスマリアの態度は変わらない。
 この程度で死ぬようでは未来を求めることなど夢のまた夢でしかないのだから。

 決して浅くはない傷を負ったが戦闘に支障はない。肩より流れる血が純白の軍服を鮮血に染めてゆく。
 この程度、未来へ掛ける情熱<イシ>が確かならば何も問題になりはしない。
 根本的に戦闘のスタイルが異なる以上、勝てない土台で戦う意味は何処にもない。
 これが大剣使いのマロンなどといったものであれば真正面からの押し合いは出来たのだろう。
 あるいは魔術に長けた者達であれば物量で押し切ることは出来たのかもしれない。
 だがイスマリア・ザルヴァトールはそのどちらも出来ない。
 故に、――古来の東洋の国の武術で重要視される「手数/技/速度」で応戦するしかあるまい。

 背負った鞘を蹴って腰の位置にセット。
 そして、――納刀。得物を納め、構える。
 腰を深く落とす。右手は柄に。左手は鞘に。視線は正眼に。武装を構えているギギナに。

 そして、――その場から"消えた"。
 いや、違う。
 あまりにも初速が速すぎ、軽やかに地を駆け過ぎたがために消えたように錯覚するほどの踏みこみだ。
 すり足から地を蹴った勢いの接近を捉えることが出来る者はほぼいない。

 一瞬にして互いの距離は零となる。右足の踏み込み。
 間髪入れず抜刀、――腹部へ向けた一閃。
 それはまさしく――"抜刀術"。世界最速を誇る剣術が一つ。
 初速は最大。音を超えた速度でギギナを断ち切らんと刃が抜かれ放たれた。

 更に抜刀を合図とするかのように、――ギギナの足元より彼を焼き尽くさんと極太の黒雷が立ち昇った。

  Drache
「登龍黒閃」

>ギギナ (魔大老エスト 桐生戦兎 17代目葛葉ライドウ)

3日前 No.299

エクセラ・ノア・アウラ @infernity☆ABoQ4DiOf0I ★PSVita=dgrb36F8Ll

『城塞都市ギリダン/玉座の間/エクセラ・ノア・アウラ』

「ああ!」

姿こそボロボロだが、ニケはエクセラとソレミアに向かって士気鼓舞。
彼女からは本気であるという気持ちが伝わってくる。

「あれが・・・」

この玉座にて座っていたパージルクが立ち上がり、背後の壁に向かって指を鳴らすと、壁が扉の様に左右に開いた。
そこに姿を見せたのが青空と高くそびえる巨大なクリスタルであった。
10年間に渡って奴隷を操っていた物である。
同時に、紺色の球体から高圧の水流がこちらに数発放たれる。
相手にとっては小手調べであるが、こちらにとっては大技といっても良いものであり、
あの攻撃に当たるのは非常に危険である。
エクセラは直ぐに龍吼魔笛グラビネットを片手でフルートのように持ち、それを吹き始める。
曲を弾いているものの、これはエクセラの詠唱である。
詠唱が終わると回避目的として、「重力からの解放」という魔法を自分自身にかける。
この魔法の効果により、エクセラの移動速度が上がり、走り回るという形で相手の攻撃を回避する。
しかし、走り回って高圧水流の方は回避する事は出来たものの、
続けて放たれてきた雷には対応しきれず、被弾してしまい、感電により足が止まる。
痺れによりエクセラの動きのきれは悪くなったが少しは動けるため、
エクセラは二人に続いて攻撃するために「ランス・ブラスター」の詠唱を行う為に、
武器でもあり楽器でもある龍吼魔笛グラビネットを吹き始める。
少し掛かったが詠唱が終わると、エクセラは持っている武器を相手に向けると、先端から闇色の一直線に伸びる光線が相手に目掛けて放たれようとした。

>>パージルク・ナズグル、ニケ・エタンセル、ソレミア・ラガルデール

2日前 No.300

豪腕剣士 @infernus☆XQ6phrzcKMtR ★F7MrHN45jw_D9v

【ナコーン/酒場→撤退開始/マロン・アベンシス】

常人では決して不可能な動きで、敵を圧倒し続けるマロン。魔力も持たない彼女がこれだけの戦いぶりを見せる辺り、人間の可能性は無限大であるということだろうか。
だが、彼らも感心ばかりしている場合ではないだろう。必殺級の隕石を投げ返されたということは、今度は自分達の命が危険に曝されているということなのだから。
真っ向からの力のぶつかり合いで勝つのは難しい。ただし、今回の戦いにおいて、金髪の女性とマロンの相性は驚くほどに悪かった。力押しが主体である彼女にとって、それを受け流す術を持つ者は、天敵なのだ。
渾身の力を持って投擲された隕石は、敵の護りを容易に打ち砕くかのように思われたが、なおも抵抗することを諦めない相手は、咄嗟の判断で水を呼び起こし、攻撃の勢いを和らげる。
重力に従って落下した隕石の衝撃が金髪の女性を吹き飛ばしていくが、自らの得意とする戦法が通用しないのを見たマロンは、歯を食いしばり、厳しい表情を浮かべる。

そして金髪の女性から攻撃のバトンを託されたのは、大剣使いの男だ。大地を引き裂くかの如き魔力が火柱を立ち上がらせたのを見て、再びマロンは大きな跳躍を見せ、攻撃の範囲から逃れようとする。
しかし、最初の魔法は囮であったようで、彼女の眼前には男が振り下ろした大剣が迫っていた。頭をかち割られる訳にはいかないと、マロンも大剣を頭上へ引き寄せる。
刃と刃の衝突が、空中に火花を散らす。とはいえ、単純な力勝負に持ち込んでしまえば、こちらのもの。あくまで彼女は片手で対抗しているというのに、両手を使っている男の大剣が、徐々に押し戻されていく。
安全を確保したマロンは、最後に一気に力を込め、敵を弾き飛ばすと共に反動で距離を取り、次なる攻撃に備える。その時であった。酒場に、息を荒げて彼女の部下が飛び込んできたのは。

『ほ、報告です! ロンカ村に火が放たれた模様!』
「何だと!? 嘘じゃないだろうな、確かなのか!?」

パージルクによれば、あくまでロンカ村への攻撃は制圧が目的であり、焼き討ちを行うなどという話は聞いていない。勿論、罪のない村を攻撃するというのは、マロンにとっては気の乗らないことであったのだが。
だが、よりにもよって火を放つなどとは……現地の指揮官が暴走しただけかも知れないが、これでは魔道帝国に大義など存在しない。ここで彼らを討ったところで、村を焼き払ったという汚名が消えることはないだろう。
今までは口で言うだけだったが、これ以上あいつが暴走し続けるのを、黙って見ている訳にはいかない。マロンは大剣の刃先を地面へ向けると、二人に対して語り掛ける。

「やめだ。私が勝ったところで、何の意味もない。帝国がもっと勢力を広げたところで、また洗脳されてこき使われる第二人種が増えるだけだ。力で封じ込めてたって、いつか限界が来る。きっと帝国はもうダメだ。あんなことをしてるようじゃ、人の心が付いてくるはずもない」

ただでさえ第一人種と第二人種の格差が外部から問題視され、反帝国勢力を生み出していたというのに、加えて村を焼き討ちするようでは、国の評判の悪化は止まらないだろう。
第一人種となれた者達は、それでもいいかも知れない。だが、マロンは、その影で多くの第二人種達が犠牲となり、人としてすらも扱われずに死んでいくのを、見過ごすことなど出来なかった。

「ここはお前達が好きにしていい。私は国に戻って、"あいつ"を止めてくる。だけど、こいつには手を出さないでくれ。約束だぜ、もう戦いは終わったんだ。これ以上、誰かが傷つく必要なんてないだろ」

国に戻り、女帝を止める覚悟を決めたマロンは、二人に停戦を申し込み、更に倒れ伏しほとんど動くことの出来なくなっている味方の山羊には、手を出さないようにと懇願する。
勿論、敵である彼らが素直に受け入れてくれるかどうかなど、定かではない。だが、既に勝敗が決しているというのに、無駄に血を流す必要などないだろう。
もし、二人の内のどちらかが山羊の男に手を出そうとしたら、その時はマロンも全力を懸けて彼を守ろうとするだろう。どうか、そうはならないことを祈りつつ、彼女はいち早く帝国首都へと帰還するため、踵を返すのであった。

>レオンハルト・ローゼンクランツ、シフォン・ヴァンディール、ミルグラム・ゴート
【休戦要請。断られた場合はミルグラムを護りつつ撤退戦に入ります】

2日前 No.301

指輪の女帝 @kyouzin ★XC6leNwSoH_D9v

【城砦都市ギリダン/玉座の間/パージルク・ナズグル】

「出会いの形とは選べぬ物です。 願わくば、そういった関係となれるのが一番よろしかったのでしょうな。 ですが……こうなった以上、もはや仕方のないこと」

ソレミアの言葉に対して、パージルクは彼女の目をしっかりと見た上で、自嘲気味に、もし、そんな未来があればと想像する。
だが、この場はすでに戦いの場となっており、はい、やめます。 と言えないほどにお互いには背負う物がある、もはや、無意味な説得の言葉を交わす事こそ無粋。

なれば、玩具に頼るのはやめるとしよう。 そうパージルクは妖しく笑って、ビットを自分の手元から離れさせる。
もはや、五属性を使う女帝と言う肩書きは不要、本業ではない四属性でこの者たちを相手する事こそ真の侮辱に他ならぬ。
そんな玩具を通した攻撃であったが、少なくとも自分の魔力を使った甲斐あって、敵対者たちに一定の被害を与えたようだ、だが、この程度で死ぬようならば、そもそも自分に挑む資格すら無い。 語った事も、全て力なき物の妄想と化す……まぁ、そんな事が無いようで一安心といった所か。

だが、確かに消耗した相手に対してパージルクは相手の言葉に返答する形で告げる。

「共に生きる、誰もが、か。 ははははっ、それを出来るであろう奴は二人知っている、だが一人はまだ未熟だ、国は任せられん。 もう一人は妾を残してずっと前に死んだ。 少なくとも妾しか指導者になれる者は居らず、そして妾にはその世界を作るのは無理だったよ、女帝パージルク・ナズグルは紛れも無く、指導者があらゆる民を幸せにする物と考えた場合、無能であったからな!!」

だが、こんな命でも役に立てる事がある、ならば、最期までそれに尽くすまで。
さて、敵は三人とも健在、結構結構、だが……ここで消耗を見せる程度で、はて、自分に勝てる物か?

ニケが咆える、ならばこちらも答えてやるのが礼儀と言う物か。

「やってみろ! 今こそかつて第二人種から嫉妬と畏怖を集めた、双璧を成す"化け物"が片割れ、光魔術師パージルクが正面から叩き潰してくれよう!! ――ほう、闇、いや、重力魔法か。 だがそれも、影すら掻き消える極光の前には、無力」

敵対者が放つは特大サイズの火球と熱線、そして闇色の光線、その攻撃にパージルクは光魔術師と名乗った直後の事であったため、一瞬心を躍らせるが、すぐに重力魔法と聞いて落ち着く。
パージルクが両手に魔力を収縮、それを天に向けて撃ちだす……すると、おおむね到達速度が同じだった火球や光線が到達する前に、天井を粉砕して、天から無数のレーザーのような"極光"が降り注いだ。

それは国ひとつならば軽く焼き払えるような威光すらある大魔術。 本来攻撃用のそれを無理やり防御のために使っているような、魔力の無駄使いの極み。
その前には、火球も、影も、床も、何もかもが平等に消し去られる。

だがまだ敵の攻撃は捌ききれていない、接近戦を仕掛けてきたソレミアと、追尾性を持つ熱線が迫っている。
しかし、パージルクは一切避けない、というより、回避できるほどの機動力が無いために、彼女の戦闘スタイルとして、どっしりと構えている事が大半なのだ。

――光剣

ただ、それは接近戦が不可能である事を意味しない。 無論、彼女は武芸には秀でていない、しかし。

「圧倒的出力差の前にはあらゆる技能が無へと還る、それが妾の戦術でな!」

彼女の右手に生成された光剣が振るわれる、だがその速度は遅く、とてもソレミアの回転攻撃を防げる物とは思えなかった。
だが、特筆すべきは、その大きさだ。 まるで玉座の間全てをなぎ払えるような"光剣"は、いともたやすく、火力差の暴力でソレミアの勢いを削り取る。

蒸発はしない、それだけ相手の剣も良い物であると言うこと、だが、だからと言って攻撃が通ると言うわけではない。
凄まじい音を立てて光剣に力がこめられ、ソレミアを、まるで鉄の壁に正面から当たった駒のように弾いて見せた。

しかし、パージルクの本業ではない接近戦は、確かに彼女に隙を生み出した。
ほぼ全ての熱線が光剣のなぎ払いによって蒸発したが、一本だけがパージルクの腕を焼いたのだ。

「まぁいい、さあ今度は攻撃にこの強大なる力、振るわせて貰おうか」

パージルクが軽く腕を振るえば、彼女の使い魔たる光の精霊が三機現れる。 それらは、出現した次の瞬間に、敵対者三人に対して、あらゆる物を消滅させる"光線"を発射する。
だが、攻撃はそれだけではない。
彼女の使っていた玩具ことビットも、自律行動が可能なのだ。

あまりにも凄まじいパージルクの攻撃と比較すると、砂の一粒に過ぎないような威力ではあるが、それでも敵を消耗させるには十分な火球を橙色のビットは乱射し、同じく氷槍を紺色のビットは発射する。

>ニケ・エタンセル ソレミア・ラガルデール エクセラ・ノア・アウラ

2日前 No.302

ギギナ @koki☆iOEaToagbI2 ★P24UIEe7ZZ_D9v

【 ナコーン/森林/ギギナ 】

 背後を取られての斬激、並みの戦士であれば即死の攻撃ではあったが細身の太刀と彼女の筋力では尖角嶺(センガ)の棘は断ち切れないと予想通り、半ばで止まったのを背景に後方へ跳躍。距離をとるためと副次的な目的である彼女の負傷にはどうやら至ることはなかった。さすがにすべて予想通りに行かない展開に苛立ちを起こすわけでもなく口元には笑み。純粋に自身の命を脅かす彼女との命の取り合いを楽しんでる笑みでもあった。

 地面に着地すると先ほどの接近戦で髪が焦げていることに気がつく、恐らく背中も同じように稲妻の影響を受けているのだろう。四肢には槍で出来た傷口から鮮血が流れていた。負傷こそしているものの動ける範囲であるし、片腕でも残っていれば戦える。対して彼女も肩口が大きく裂け血が滴っていた。こちらと同じく負傷の度合いは低いと予想。

 「…謙遜するものでもない。…それと先ほどの貴様の答えをいってやる。」

 正眼で構え相手が打つべき選択肢が少ないことは幾度の戦闘で理解していた。単純な剣技での戦闘が出来ない以上一つ一つの動作で奇襲をかけていくしかない。反応速度も咒式を使っての自身とほぼ互角。後は決め手をかけるだけだと結論付け迎撃に備えて重心を落とす。そして飛び出す相手の動きに変化が生じていた。

 刀身を鞘にしまい最低限の動きで敵を切り去る抜刀術であった。東洋の武士が行う居合いを仕掛けてきた相手に呼応するかのように跳躍、自身の腹部に近づいた刃を冷静に屠竜刀を盾にするかのように構えちょうどそこへ太刀が現れる。確かに鞘から放たれる居合いは音速を超えているだろう。しかし、鞘に刃をしまったことで抜刀される位置が固定されてしまう。柄を握る手に衝撃、骨を折らんと屠竜刀から伝わる衝撃が抜刀の速さを伝えていた。

 「…戦うことしか未来を示せない貴様は人間として欠陥品だ。貴様も私も戦いという中でしか自分を見出せないものが待つ場所は地獄じゃないといけない」

  屠竜刀に伝わる衝撃を受け流しつつ前進、遅れて背後から地面にそそり立つ稲妻の柱を背景に反転。その際に背を稲妻で焼かれるも痛みを無視し空輪龜(ゲメイラ)を発動、自身の背に噴出口が出現し圧縮空気を放てば勢いを乗せ先ほど背後を取り背を焼かれたお返しとばかりに背を向けたままの彼女へと刺突を放ち

 イスマリ (魔大老エスト 桐生戦兎 17代目葛葉ライドウ)

【お相手をしていただき嬉しく思います。久しぶりの連続しての戦闘に大変嬉しく思います。
 ただ、大変心苦しいのですが、流れとして撤退をしていくみたいなので次のレスで撤退をさせていきたいと思います。】

2日前 No.303

Lzh @lllllzh☆PvKD6UICUoMc ★TuwsMa7hHI_W3T

【ナコーン/森林/仮面ライダービルド】

「……!!」
怪物によりこちら側の攻撃が防がれてしまった。
それにしてもこの怪物はなんて見た目をしているんだ。戦兎は一瞬そう思ったが、見た目などたいした問題じゃないとすぐに確信した。
『どんな相手であれ、勝利の法則は必ずある』と――――

――――魔大老の名、伊達ではないのでな。ああ、その手からは逃げることをお勧めする。深き闇に捕らわれるのは、永遠の苦しみを味わうそうだ。

「あぁ……言われなくてもな!」
ホークガトリングの能力で飛び回り、怪物の腕を避ける。

(勝利の法則……見つけ出す!)

「!」
その途中で一瞬反応が遅れ、下半身を掴まれてしまった。
とっさにホークガトリンガーで攻撃してそれをふりほどき、再び飛び回る。

「……?」
その途中、『あること』に気づいた。
それは『怪物がどんどんどこかに吸い込まれていっている』ということだった。

「勝利の法則は、決まった!」
確信した戦兎は、攻撃を避けながらホークガトリンガーのリールを回していく。

『テン! トウェンティ! サーティ! フォーティ! フィフティ! シックスティ! セブンティ!』
怪物から距離をとり、必殺攻撃の準備にかかる。

『エイティ! ナインティ! ワアアアアアンハンドレッド! フルバレット!』
「はぁぁ!」
怪物を押し込めんとしたホークガトリンガーの必殺攻撃。
はたしてうまくいくだろうか?

>怪物、魔大老エストおよびその周辺all

【大丈夫かどうか少しわかりづらいロルです。問題あるなら修正します】

2日前 No.304

イスマリア @tukuyomi07☆2nDyzvx51us ★3aNoMW8gGM_ly4

【 ナコーン/森林/イスマリア・ザルヴァトール 】

 イスマリア・ザルヴァトールの戦い方は筋力を重視したものではなく――しなやかな肉体より繰り出される手数と速度にある。
 彼女に限らず日本刀という武装を選ぶ者はほとんどがそうだろう。刀を自在に躍らせる筋力さえあれば、後は技を磨けばいい。
 だが異能と技を両立させた分、立ち回りを重視しなければならない。
 幾万の攻撃を捌けても、幾千の軍を殺せる攻撃とは相性は悪いのは古来より最強の矛と最強の盾といった形で証明されている。

「まさか、事実ですよ」

 ――銃弾は刀で裂けるだろうが、城を壊す砲弾を切り裂けた試しは何処にもない。
   己は剣術一本に絞ってきたわけではない。これ一本に絞った戦いであればとうの昔に殺されている。

  バックスタブ
 背中からの致命は狙おうとすれば、同じように噴き出る棘によって絡め取られるだろう。
 それが出来ると証明されたなら、わざわざ狙う理由もない。
 何時か当たる、そういった希望的観測に囚われれば却って不利になる。

 抜刀、――だがこれも反応される。
 払う太刀の位置。奏でる金音<かなおと>。ギギナの屠竜刀と打ち合い、響くそれを号砲とするかのように黒雷は立ち昇った。
 だが彼は旋回した。稲妻に身を焼かれながら圧縮空気の威力を用いて反転。背後を取られた。

「ええ、知っていますよ。私は地獄へ堕ちるでしょう。 、  Donnerlicht
 しかしその上に誰かが理想を礎とする。それでよいのです―― 雷電壁 」

 相手に出来て自分に出来ないというのはあり得ない。
 出力増幅<ブースト>。身を焼く雷光を体に走らせ放流。強烈な電光の壁で以て強引に受け止める。
 当然制御などあったものではない。自信すら焼き尽くす稲妻は、彼女の体に熱傷を入れ、過剰な電圧は肉体に膨大な負荷をかける。
 肩の傷口は更に大きく開き鮮血は軍服を完全に朱に塗り替えた。
 黒く焦げる皮膚。破れる衣服。焼けた体は凡そ常人に耐えうるものではない。

 だが、未来を目指しているのなら、この程度で止まることはしない。
 未来が欲しいのだろう。イスマリア・ザルヴァトール。ならばこそ踏ん張るのは当たり前のことだ。

 押し返すようにひときわ強く放電し、大きく距離を取った。
 更に大きく円を描くように黒雷を展開。
 電光が再び槍の形を形成するが――その数は先とは大きく異なる。

 Gatling-Kanone
「黒槍、二十連弾」

 計ニ十本。
 黒い槍の矛先は全てギギナへ。
 それも一点、――たとえ逃げようが追尾するオマケ付き。
 指を鳴らす。それは合図。装填された槍が敵を撃滅せんと一斉に解き放たれる。

>ギギナ (魔大老エスト 桐生戦兎 17代目葛葉ライドウ)

【了解しました。撤退はそちらに合わせようと思います】

2日前 No.305

Futo・Volde @nonoji2002 ★7KU5qNWZJU_D9v

【城塞都市ギリダン/城下町/スターロード】

「やれやれ、いつの時代も変な奴は変な奴なんだな」

人のことを言えないのは俺自身が一番わかってるけど、と心の中で付け加えながら、エイリアンライフルを構える。ブラスターに、レールガン、グラビティグレネード、ととりあえずいろいろ持てるだけ持ってきたけど、まだまだ小手調べの段階。ゆっくりと武器のレベルを上げてどれが最適化を探る段階なわけだ。ブラスターより少し強いかな、程度のエイリアンライフル。某エイリアン帝国から強奪してきた武器だけど、意外と使い勝手が良いから気に入ってるんだ。強いて欠点をあげるなら、レートの低さだろうか?

「おっと、危ないな!」

スコープを覗く間に、少女から放たれる雷撃。随分長ったらしい名前の割には、大したことないけど、少し冷や汗書いたのは否めない。よく、雷に当たった人の話とかあるけど、今その気分がわかった気がする。
幸いにも、身を躱したから直撃は免れたし、俺自身には当たらずに済んだ。だが、問題はライフル。ライフルのマズルに雷撃が当たった感触を受けるとともに、思わず手から落としてしまった。ライフルは地面へと落下していく。しまった、と思うのも束の間。どう考えても故障しているかのごとく、雷撃がビリビリとライフルを纏ってる。直撃してたら俺自身の身もだけど、持ち物の大半が使い物になってなかったかも。

「こう、なんていうか……あんたら前線に出るタイプじゃないよな?」

失礼な事言ってるのはわかってるけど、俺はこういうことは気にせず言っちゃうタイプだ。
あからさまなアイコンタクト。バレバレの。おそらく、少女の雷撃で俺の気を引いてるところに、あの男……と言っていいのか。形容しがたい物体が飛ばしてる変形したドローンで俺の不意を……ってことだったんだろうけど、明らかに少女があの男に向けて合図を送ってるのが見えてわかってしまった。不規則な動きをしながら、追尾してくるドローンにブラスターを撃ちながら、さっき長ったらしく説明と名前を言ってたあの馬鹿でかい砲台へと近づく。

「近くで見てもやっぱりデカいな」

すごい馬鹿なコメントだと思う。けど、デカい以外の感想がわかない。
変形した男は巨大な砲台そのもの。それを守る盾みたいなドローンが1つ、アンテナみたいなものが2つ。多分威力を増幅させるような奴だろうか?
というか、説明が長ったらし過ぎて頭に入ってこないっていうのが正しいか。
ここまで来て、砲台に近づくことがあんまりお利口とは言えないかもしれないと思い始めた。けど、ここまで近づいちゃったわけだし、それにあんなデカい砲台をみたらこれを放り込んでみたくなるのが俺の性格。

「よしよし、入れよ……?」

一体彼らが何を企んでるか、なんてわかりっこないが、少なくとも俺にとってメリットがないのは間違いない。ということで、レールガンを構えて、砲台目がけて一発撃つ。向こうも最終兵器って言っていた気がするし、それならこっちも最終兵器のような物を。目には目を、歯には歯を戦法とでも呼ぼう。“普通”ならレールガンの弾丸は物体を貫通するが、どうなるだろうか。

>シエンタ・カムリ、キラー・テンタクラー

2日前 No.306

リインカーネーション @genomirai ★5PyZcP0Vz3_ly4

【ナコーン/森林/魔大老エスト(残り魔具7003個)】


「……うーん?心当たりもある、何故滅びるのかも分かる、それが止めようがない事もな。だが、それは諦めていい理由にはなるまい。」

彼女はそんな事は知っていた、でなければ自身の万に等しい命を僅かな戦闘において全力を出す為だけに魔力へと変換もしなければ、将軍の招集にも応じる気はなかった。兆候は既に分かっていた、同時に何を失えば崩壊するのかも分かっていた。
手遅れ、悪魔使いが言葉の外に含んだもの。その通りだった、彼女が気付いた時にはどうしようもなく、何かが出来るほどの権力は要らぬ物と投げ捨てた後であった。だからといって諦めていいのか、それは否だ。
自身の目は確かであった、変えるには遅すぎたことも知っていた。だが、僅かにでも先延ばしにする方法はある筈なのだ。その為に彼女は努力を惜しまない、自身の命も捧げよう、戦場へも身を置こう、遅すぎたが下らぬ権力争いへも参加しよう、手を尽くせばどうにかなると、今までがそうであったのだから。

「故に、滅びが見えていようとも受け入れる気など私にはない。滅びるその時まで、そうならぬように手を尽くす。」

魔を祓う刀に二本の腕を切り刻まれ、一度掴んだ道連れから逃れられ再度掴もうとするも鷹の弾丸によって押し返される。異形は既にこの世に残っていられなくなった、僅かな道連れすら掴めずに闇へと沈んでいく。その淵を残る片腕でしがみ付くが、少しの間をおいて闇へと飲まれた。
この魔法を使う度に見る光景であるが気分は良くはない、何故この世に留まりたがるのかすら彼女には知る術はない。しかし呼ぶ度にこの異形はしがみ付き、闇へと戻ることを拒絶する。そういった研究はまだしていなかったなど、戦闘時にするべきでない思考に苦笑する。
苦笑一つ、魔具を再び千程使用したその後に襲うは黄金色の龍による雷を収束させた一撃。追従するように駆ける悪魔使いはその一撃を囮に接近を果たそうという心積もりだろう、であればと彼女は頁を一つなぞる。
大魔法の類ではない、かといって周囲に何らかの影響が出ている訳でもない。それもそのはずだろう、彼女が今発動した魔術は身体強化、ただでさえ崩れかけの肉体を近接戦闘にぎりぎり耐えるレベルの強化を施すそれ。何故今それを使用したのか―――

「その為には立ちはだかる脅威を取り除かねばならぬ、帝国に敵対する以上私は立ち塞がろう。ああ、そうだ。此方も忠告は有難く受け取っておこう、だが後悔はするなよ。」

―――その刹那、雷が炸裂する。
しかし炸裂するのは彼女にではない、大放電と言う名で放たれたそれは彼女の左後方の大木へ直撃し、その太い幹をへし折った。何をしたのか、左手の籠手で打ち払ったそれだけだ。ただそれだけで威力と速度を高い水準で併せ持つあれを弾いた。
彼女が装備する籠手と靴は特製であり何重にも魔法で強化を施されている、巨大な剣であろうと強力な魔法であろうとその部位で防げるものならば防げぬものはない。問題は肉体が耐えられない事であるが、身体強化によってそれを防ぐ、身体強化を未使用であれば弾いた瞬間に腕ごと吹っ飛んでいっただろう。
流れる様に頁を二つ捲る、その一つは先のように眩く光り輝くものだ。しかし互いの魔力の消費はそれほど変わらない、何故その区別がついているのかといえば純粋な効率の差だ。
一つ、光り輝く頁のそれ。彼女の周囲に眩い光の柱が三本顕現する、その光から現れたるは白き堅牢な鎧を纏う背に白翼を携えた騎士。人よりも一回り大きい体躯に、その身体よりも巨大な両手剣を構えたその姿は神々しさを感じるだろう。天騎士、天よりの使いであり神の意志を示す執行者。
本来であれば天罰といった人には理解しえない奇跡を代行する存在、それを使役下に置くことで純粋な聖なる存在の騎士として敵を滅する。魔への対処が得意であるならば逆の存在で遮るのみだ。
三体の内二体は悪魔使いへ、もう一体は奇妙な姿の男へと向かう。悪魔使いへ向かった一体は地上から、もう一体は空中から大振りの両手剣で叩き潰そうとしている。回避は容易いが、此方へ向かう障害にはなりえる。奇妙な姿の男は宙を舞っている為、向かう騎士もそれを叩き落とすために空へ駆ける、此方も両手剣で叩き落す算段の様だ。
勿論大振りな攻撃など当たらない、これまでの戦闘を見ているだけでも十分把握可能な事だろう。だからこそ彼女は回避させない為に、もう一つの魔術を使用する。
彼女の足元から上空へと放たれる細い束、それは魔力の鎖、数にして凡そ五百。先程大魔法との区別には効率があると言った、この魔力鎖は創造することよりも操作の方が魔力を多く使用する。詰まる所、この五百の鎖全てを彼女は操作している。
上空から束が半分ほどで二つに分かれる、悪魔使いと奇妙な姿の男の双方に二百余りの鎖が襲う。天騎士が駆けるよりも早く襲来するその鎖は攻撃する為ではない、あくまで目的は拘束である。故に距離が近くなると同時に、束になっていた鎖は四方八方へと飛び散りながら目標を目指す。
触れれば瞬時に巻き付き、当たらなくとも地へと根を張れば罠へと変貌する。彼女自身が操作している為に間違って天騎士を拘束するようなこともない、最低でも行動の制限を余儀なくされるだろう。
とは言えその操作が繊細であるとは言い難い、彼女は冷静ではあるが同時に女帝の危機も知ってしまった。目立って行動に出るようなことはないが、内心は穏やかではない。
面による制圧よりも、行動を阻害して大振りの一撃を叩きこもうとしていることからも決着を急いでいるのが伺えるだろう。魔道帝国の敵を退けることも重要である、しかしそれ以上に女帝の生存が重要である。
氷壁の向こう側、あちらの女性が戦闘を終えればすぐさまに女帝のもとへ向かうだろう。彼女にとってはそれほどまでに緊迫している状況であった。

>>桐生戦兎 17代目葛葉ライドウ (イスマリア・サルヴァトール ギギナ)

2日前 No.307

うつ獣 @sable ★8O0rjcH5GN_8gk

【ロンカ村/広場/イアン・ガグンラーズ】

恐る恐るながら未来への一歩を踏み出したイアン。条件さえクリアできれば仲間入りを認めるという言葉に、澄んだ黒い瞳が輝きを増していく。空腹にしょげていた顔にも喜びの色が満ちていき、ここに愚かで純粋な銀狼は完全復活を遂げた。
もう二度と盗み食いをしないという約束も迷わず交わす。中世に戻ってからも守らなくてはならない、一生モノの契約だ。一時の誘惑に負けることなど絶対にあってはならない。
今まで欲望に忠実に生きてきた彼女には少々難しいかもしれない。戦いの中で数多の困難も降りかかるだろう。それでも、目標も何もない、時間が止まったような日々に戻るよりかは断然マシというもの。
この機を逃せば変われるチャンスはもうない、それはイアンでもハッキリとわかった。

「うん!あとで村のみんなにごめんなさいしてくるよ!」

自分を受け入れてくれた女性にニッと笑みを見せ、盗みを働いたことへの謝罪も約束する。許してもらえずに酷い目にあう可能性を考えていないのは如何にもイアンらしいが、良くも悪くも素直で単純なのは伝わったはず。
彼女をよく言えば、悪意という悪意も持たず、正しい道さえ示せばその上をひた走る正直者。人間性の面ではもう疑ってかかる必要は無いだろう。
ここからは時空防衛連盟としての行動が問われる。幾ら過去を悔いて受け入れられたとはいえ、大飯喰らいの役立たずでは追い出されるのが関の山。狐の少女の言葉を借りれば"働かざる者食うべからず"。

戦場に立ったが最後、大暴れしなくてはならない。

「にゃっはー!これでテンションマーックス!」

少女がくれた油揚げをパン食い競争さながらの飛びつきで胃袋に納める。極めて短い時間とはいえ暴れまわるだけのエネルギーが出てきた。腹が減っては戦ができぬ。イアンに関しては腹さえ満たせば準備万端。
燃料を注がれれば動くエンジンのような単純明快さ。食べれば力が湧いてくる。相手取るのはただならぬオーラを感じさせる怪物だが、授かった"揚げさんパワー"を以てすれば食らいついていけるはず。

「おりゃぁぁぁーっ!」

吹き荒れる吹雪の如く雪を巻き上げ、全速力で敵に突っ込んでいく。加速するうちに先程も見せた銀色のオーラが再び溢れ出し、攻撃準備が整う。
一見単なる突進にしか見えないが、前傾姿勢かつオーラを纏った体当たりは巨戟の一突きもさながら。味方二人に比べると余りに簡素だが威力は十分、より食べ物のパワーが付与されている。イアンにとっては必殺の一撃だ。

>>ユーフォリア・インテグラーレ、山城瑤子、カリギュラ

2日前 No.308

世界を駆ける者 @x5mas☆sECYEVcUXiI ★iPhone=16ne7hgwOK

[城塞都市ギリダン/首都奴隷処理施設/【リプレイサー】]

まだ希望は捨てちゃいけない……そう思おうと、差し伸べた腕。未来に生きる者として、世界を救う連盟としての“責任”を込めた言葉。だがそれらはピシャリと撥ね付けられた。
彼女とて善悪の区別程度は付けられるだろう。だが彼女の居た時代には、選択肢が彼女に示されることは無かった。時代を遡り、時空を超え……世界を歪める他、彼女に示された答えは無かったのだ。

嗚呼、そうだろう。予想は出来ていた。異世界で起きた諍いだ、奇術師は当事者にはなれない。対して彼女は、自身のことばかりか、種としての幸福を賭けて戦いに身を投じている。彼女の願いの切実さは、己の志をも上回り得るかも知れない。

「何をす――うぐ……っツ!」

振り下ろされた華奢な拳は、軽石でも割るかのように地を切り裂いた。砕ける鉄鋼と岩盤が、奇術師と蜘蛛との間に舞い上がる。完全に不意を突かれた彼には、次の一手を講ずる余裕も与えられない。

蜘蛛は天井へと糸を放ち、強靭な支えを元に空へと舞い上がった。対する奇術師は瓦礫に足を取られ、足元も覚束ない。

――かつてならば、もう折れていただろう。持つ意志《もの》は無く、護るべき義務《りゆう》も無い。この地の突破は、この大きくも小さな蜘蛛の懐いた願いを、ある意味では踏み躙る行為となるから。

然し。
奇術師の姿は粉塵へと消え、再び扉の前方へと出現する、深緑の双眸は、狂える蜘蛛の影を確かに射抜く。瞳に宿る光輝は、不退転の覚悟の所作。

奇術師の横には、己の存亡をも賭けて闘う相棒が居る。この戦地には、帝国の運命を打ち据えんと剣を取った、村々の英雄達が居る。世界の理を護らんと闘う、時空を超えた者達が居る。
名前も知らない獣達が、奴隷と化した者達の無念が、暗きを歩む虫達の未来が――時空の渦に呑まれようとしている。

ならばこそ、そいつら全部引っ括めて、“勝手に”背負ってやろう。ここでは折れない。折れられない!

「もう言った筈だ……お前の理想、志、そいつは認めるとも。だが道を違えれば、その理想でさえ外道に堕ちる!耳を塞ぐな……! 飼い主気取り? そんなことで死線は潜り抜けちゃいない!!」

放つのは、震え無き言葉の一矢。苦しみも痛みも、行動理念も理解は出来る。だからこそ柔な言葉では打ち崩せまい、そう判断し、敢えて容赦をしない言葉を選んだ。これが事実上最後の説得となる――が、もう彼女には届いていない。聞こえてすらいないのかも知れない。兎角、攻撃動作を止める気配は無かった。

今度こそ、本当に闘う必要がある。命と命を天秤に掛けた真剣勝負。奇術師はダガーを引き抜き、腕で口元を覆うように構える。脚先へと力を込め、腰を深く落とした臨戦体勢。

「ならば仕方ない。世界の為、人の為、或いは獣や虫達の為だ! お前には此処から退いてもらう!!」

放たれた蜘蛛糸は瓦礫を軽々と持ち上げて、勢い良く撓って見せる。海獣クラーケンをも想起させる攻撃は、しかしてその全てが『敵対者』に狙いを定めたもの。散弾と化した剛撃は、躱すも受けるも至難の業だ。


ダガーの一振りが、弾幕の隙間を擦り抜けて、蜘蛛の喉元へと真っ直ぐに飛んで行く。瓦礫の巨大な弾丸が、奇術師へと降り注ぐ。だが、奇術師へと着弾したと思われた、次の瞬間。

ダガーは、瓦礫の弾丸へと早変わりした――!
僅かに破片で脚を切り裂かれた奇術師、その手元には『一振りのダガー』。そして瓦礫の弾丸は、至近距離から放った張本人目掛けて突撃する!!

この攻撃は確かに躱し難いだろう。だが本命の攻撃は別に在る。放ったダガーは一振りで、それも回収は済ませた筈。だが奇術師の手元には、ダガーは一本だけ。
つまり、ダガーの一撃はもう一つ別に在る。瓦礫の弾丸の影から投擲し、緩やかな弧を描きながら飛んで行く刃。それの標的は、ルーシャを天井に留める糸だ。

奇術師の仕掛けた二段の攻撃。気付き、これを防げるか。それが命運を分けることだろう。

>>ルーシャ・コバルト、橋川 清太郎



――――ダガーを投げる僅かに前、口元を隠したままに、奇術師は密かに相棒へと声を転送していた。
《なあ、相棒。もし俺が次に地面を突き刺したら……それが合図だ。正面から、逃げ道を塞いでくれ!》

言葉の意図するところ。それはもうすぐ、明らかとなる。

2日前 No.309

麗人 @sable ★8O0rjcH5GN_8gk

【ナコーン/酒場/シフォン・ヴァンディール】

剛に振り切れた重撃を咄嗟の判断でやり過ごすことに成功し、危ういながらも相方に希望が託される。天を焼き焦がさんばかりの火柱、大地を一刀の下に断ち切る斬撃。
そんじょそこらの敵なら死体も残らないような激しい攻め。それでも驚いたことに巨剣使いを仕留めるには至らなかった。味方の援護にも気をまわさなくてはならない状況下であれだけの立ち回りが出来るとは驚きだ。
ただ見ている限りでは物理攻撃が全てであり、攻防に魔術を用いることで優位が確保できるのは間違いない。ならば危機を脱し勢いづいた今こそ攻め時。
勝機を見出し再び爆破魔法の発動に踏み切ろうとするシフォン。しかし―――

(それだけ高い見識を持っていて、どうして魔道帝国などに…)

マロン・アベンシスが次の一手としたのは、攻撃などではなく停戦交渉。要約すれば魔道帝国と袂を別ち、罪無き人々を鞭打つ輩に反旗を翻すというのだ。
反乱勢力の思想と寸分違わぬ主張。他の将軍達と比べて良心を感じさせる振る舞いもさることながら、一体何故帝国に与していたのか不思議なくらいである。
この時代の生まれでないシフォンにはどうしても知識の限界が存在するが、魔道帝国が強烈な差別意識の下に成り立つ邪悪な組織であることは疑いようもない。
帝国誕生の経緯には同情できる点も幾らか存在する。優秀な人材にとっては理想郷なのも確かだ。ただそれでも彼らの"第二人種"への仕打ちは看過できたものではない。
タイミングからして、敗北を悟り撤退の理由にしているという可能性もあるが、やはりマロンの人間としての出来を考慮すればその線は薄れてくる。
ともかくこれ以上無駄な血を流さずに済むというのであれば受け入れない手はない。シフォンは山羊の男に手を出さないことも含めて二つ返事で敵将の申し出を聞き入れ、後はレオンハルトが同意を示すか否かとなった。

>>レオンハルト・ローゼンクランツ、マロン・アベンシス、ミルグラム・ゴート

2日前 No.310

まあ偉いローマ @aroundight☆SdjaOljKHtOm ★zLr78z7s8m_kuu

【ロンカ村/広場/カリギュラ】

 先ず前提として、カリギュラの行動は無謀のカテゴリに入る行動だった。
 趨勢決しつつある中での単騎特攻、王の首を取るに等しき行為は成程決着を付けるにはこの上ない正答と言えようが、しかしそれでも真っ当な思考回路の持ち主ならばここでの突撃という愚挙を犯しはしない。
 単純な数の問題だ。如何に暴虐皇帝が優れた英霊であり、如何にかの魔人が万能じみた特権性を有していようが知った話ではない。頭数と質が揃った場合に関して、それが連携を行った場合、カリギュラという英霊に先ず勝ち目はない。
 万全の状態で尚それだ。彼の霊核は膨れ上がる力によっていずれ破滅する性質を備えており、在りし日の栄光は短き間にしか彼に力を齎さない。なればこの状況下における彼は死兵でもなんでもない、文字通りの獣に等しく―――しかし、元よりそれ以外の選択はなかった。狂化の代償は理性の喪失、こと最高格の狂化スキルを備えた暴虐皇帝に状況の判断なんぞ出来るはずがない。


「ディアーナよ………余を、何処に誘う」
「おお、おお、………来たれり! 運命は来たれり! 余は来たれり!」


 まして、仮令彼に月が微笑まなかったとして。
 男の望みは死にゆくものへの祈りなのだから。死地こそが月の導きならば、そこに従わぬ道理はない。

 ―――そして、時として手負いの獣ほど恐ろしいものはなく。


「ッ、ぎ、ぃ―――」


 先ずは銀狼の突進を、真っ向から受け止める。
 受け止める―――とは書いたが、実際のところは加速の掛かり方に違いがある。全速力の突進に対して、これが真っ当に思考を巡らせる相手ならば回避を視野にも入れよう。が、カリギュラはそうした真っ当さとは無縁の英霊だ。
 必然、その行動がどのようなものになるかは絞られてくる。
 即ち迎撃であり、地力がどうであれ真正面からの打ち合いともなれば加速の要素は天秤を傾かせるには十分。
 パワーで押し負けたカリギュラは打撃によって一歩後退し、そこに突き刺さるように襲い掛かる虹槍を、しかし―――。

「う”、ぉおおおおおおおおおおおッ!!!」

 忘れるなかれ、と。
 彼の周囲を舞っていた魔力放出の焔が構わず壁となって打ち消す。
 其はかの建国王の第一宝具。
 血塗られた壁を彷彿とさせる、灼熱紅焔の防壁だ。
 唸りを挙げて空を覆い、突き刺す非実体の槍さえも次々と融解させる。となれば残りは対極たる炎、そして後続で迫りくる槍による空の制圧。踏み越える余地は無きに等しく、されどもカリギュラにとって余地のあるないなど関係はない。
 焔の防壁が持つ間に―――突進して来たイアンを引き剥がすようにまず横に飛び。
 着地したポイントで思い切り地面を踏み砕くようにして衝撃と地響きを打ち鳴らしてから、疾駆。衝撃と地響きはイアン以外には然したる意味もなく、イアンにも動きを止める以上の意味は持つまいが、それだけでいい。

「捧げよ、捧げよ………」

 疾駆、疾駆。
 防壁から洩れた槍の爆風が肉を焦がすことには構わない。
 防壁を撃ち抜いた紫焔が霊基を崩すことも取り合わない。
 再度の皇帝特権スキルで取得を宣言した魔術による肉体強化も相まって、紅の残影さえも残す絶速の強襲者。理性を失えども、狂戦士は本能で戦いの是非を知る。それが戦場とはこと無縁の皇帝であろうとも、彼は攻勢の限りは鋭敏だ。
 遠隔戦闘を続けていればいずれは滅びよう。鎧のいくつかが剥げ落ち、
 雪を血が染めていることからもそれは明白で、しかし“まだだ”と言える余地はある。
 なれば狙うは後衛二人。かき乱して、乱戦に持ち込んで、数の優位を決して生かさせない。

「その命の、全て!」
「その魂の、全て!」

 基本中の基本とも言えるその行動で狙いを付けたのはユーフォリア―――直線的な疾走からの殴打一撃、回避を予想した回し蹴り一撃と同時に吹き荒れる闘気の灼熱が、蹴りの風圧によって乗せられて前方のユーフォリアと山城を薙ぎ払いに掛かった。
 剛力無双、怪力乱神。食らいつけば離さない、暴君の拳と矜持がそこにある。

>山城瑤子、イアン・ガグンラーズ、ユーフォリア・インテグラーレ

1日前 No.311

カリー @karikari10 ★Android=GZn0EZmRVy

【城塞都市ギリダン/首都奴隷処理施設/橋川 清太郎】

彼女の話を聞く限り、彼女と似たような境遇の個体はそう多くないと推測できる。まず第一に、ペットショップというもの自体の少なさが挙げられる。思い出して欲しい、都内における公共施設やチェーン店に比べペットショップの占める割合がどれ程なのかを。第二にその性質。生物を商品として扱う以上、その手間や維持費は無機物の比ではない。よって在庫(個体数)は最小限にしておくのが合理的である。無茶な方針が罷り通った旧世代ならば話は別だが。そして最後に彼女の出生だ。いくらブームがあったとはいえ、人間でない生物を無理矢理人間にするなど醜美関係なく、受け入れられるものではない。(なればこそ、確固たる意思や行動で個体毎の価値を示さなければならない)ましてやそんな無謀極まりない商業戦略を選んだ店舗が幾つも存在するなど有り得ないだろう。
以上の事から、彼女と同じ経歴を持つ個体はどんなに多く見積もっても二桁止まりなのだ。否、下手をすれば一桁というのも十分考えられる。合成クローン処置を受けていない、普通の虫達に関しては特に問題がない限り現状維持か、然るべき地域に還すなりした方がいいだろう。人間に対してどうとも思っていない筈の彼らまで強引に接点を持たせようとするのは、それこそエゴではなかろうか。無理に近づけようとすれば、害虫扱いされるのは目に見えている。

「捨てるわけないよ! 確かな意思と結果さえ出せば絶対に捨てられはしない!」

連盟のような組織は常に人材不足に悩まされている。例え100人単位の追加でも余裕をもって対応できる筈だ。

「もし捨てるようなことがあったら、僕が連盟を裏切る!」

その時は、歴史の改竄に協力するのも吝かではないか…………

彼女は既に次の攻撃に移り、瓦礫をこちらにぶつけようとしてきた。こんなもので破壊されるような防御力ではないが、やはり食らわないに越したことはないだろう。

(!?……一体何をする気なんだ……?)

藪から棒に告げられた奇術師の策。具体的にどうするつもりかは分からないが、こんな状況で彼が意味のないことをするとは思えない。ならばそれが最善の策であることを信ずるのみ。

(やってみるよ……!)

大きな瓦礫をバーニア込みの跳躍でかわす。そしてStrikeDog(ハンドガン)を呼び寄せると同時にあるプログラムを起動させる。
Unblind。超高精度偏差射撃に対応したモーションサポートプログラムだ。すかさずStrikeDogを構え小さな瓦礫全てに向けて連射、撃ち出された弾丸はまるでそれが予定調和のようにそれぞれ目標へ命中し、粉々に破壊した。戦闘に関してほぼ素人である自分がこんな芸当をこなせるのは、超高速並列演算処理で補助してくれるプログラムがあるからだ。

「おっと!」

奇術師の策を忘れてはならないとばかりに、バーニアを吹かしながら着地。彼の指示通り正面からの逃げ道を塞ぐ地点、そこにいつでも行ける位置取りである。

>>リプレイサー、ルーシャ

1日前 No.312

北方守護騎士 @kyouzin ★XC6leNwSoH_D9v

【ロンカ村/民家/付近沿道/氷魔像ギラード】

「……心配は無用。 我は人間とは違う、真似はできても、人間その物になる事は叶わぬように、何処まで行っても死と言う概念は無い」

ギラードは横目でこちらを見て、顔を顰めた協力者に対して心配は無用とだけ言った。
彼は語る、自分は人間の真似をしているだけで、人間その物になる事は出来ず、だからこそ……不死の怪物でしかないと。
それは……この戦いのために、要点を省いた説明ではあったが、少なくとも嘘でもない。

……ノエルの言葉にギラードは本心から軽蔑と言う感情を覚える。
確かに、家柄でしか物事を見れないブールーンから、実力でしか人を見ない魔道帝国へと移り変わる時代に生まれたのならば、何をやっても自由だった自分は特権階級か何かと思い込むのは無理も無い……のかもしれない。
だが、そういった周りの敵対状況も見れぬような思い上がりは、確実に彼女の足場を崩した。

その結果が、まともに人間がついてこないこの様だ。 せめて他の将軍でも抱え込めれば違ったのだろうが。

「不正と喚くのは簡単で良いな……さて」

敵の攻撃が来る、そしてそれに合わせて味方も攻撃を始めようとしている。

だが、これだけでノエルが殺せるとは思わない、幾ら強力な攻撃を放とうとも、回避、防御、相殺の手段は数多く持っているはずだ。
そして……彼女にトドメを刺すには、確実にレイヴンと祈の攻撃を通す必要がある。

また、これ以上の戦闘の激化は、本当に村を滅ぼしかねない。
今までは相殺や防御によってその被害範囲が拡大することは無かったが、一発でも、どちらかがどちらかの攻撃を受け損なえば、それは村の壊滅を意味する。

ギラードがちらりと横目でレイヴンを見る。

――後は任せるとしよう。

そんな小さな呟きがこぼれたかと思うと、ギラードは己の力を付けて、周囲の地面全てを凍結させる。 先ほどのような敵の攻撃を食い止める氷壁の展開ではない、むしろ攻めのための布石だ。

「……今一度言おう、我に死と言う概念は無い。 故に……無用な加減はするなよ」

それだけ言い残して、ギラードは、何時も村に現れたり、消えたりする時のように氷に溶け込んで消えた。
……そして、ノエルの背後にある凍った地面から、ギラードがまるで瞬間移動でもしたかのように現れた。

三本のアイスソードが突き刺される、そう誰もが思うだろう、だが、確かにギラードは三本のアイスソードによる突きをノエルへと繰り出すが、そのアイスソードは途中で無数の"鎖"のような形状へと分かれ、ノエルの身に絡みついた。
それだけではなく、彼女の足元からは、凄まじい速度で氷が這い上がるようにノエルの両足から腿、下半身へと侵食するように凍らせていく。
それらは、何度砕こうとも急速な温度低下によって再度凍らせ始める最強の拘束具であり、敵の体温を急速に奪う武器だ。

「捕まえたぞ……! 幾ら機動力を上げようと、動きそのものを防げば、大差あるまい……これで最大出力の防御手段を吐くしか無いな!?」

しかし、ノエルは至近距離に居るとはいえ、何とかギラードを防御の対象から外しながら完全破壊を防御しようとするだろう、その場合、ギラードは防御手段の無い状態で味方の攻撃を受ける事になる。
だが、ギラードに離脱の意思は無い、全ては自らの領域を守るために、そして、そのためにこの者をこの場で道連れにしてでも、倒す。

>ノエル・マッケローク 蓼科祈 レイヴン・ロウ

1日前 No.313

葛葉の一枚看板 @5121☆stkO0KxpThU ★ztEbdaugmt_HV3

【ナコーン/森林/17代目葛葉 ライドウ】

「何っ!?」

コウリュウの大放電はライドウの仲魔の雷電族の中ではかなりの威力と貫通力を誇る、それを弾いただと?
驚愕は一瞬、だが引きはしない。奴は倒さねばならぬ敵だ。認めよう、彼女は強い、奥の手をいくつも隠して倒せる相手ではない。
仲魔の二体同時召喚、この封印を解く時が来た。大放電を弾いたからくりはあの籠手にあると見た、ならば魔術ではなく純粋な物理攻撃ならばどうだ?

「――心中は察しよう、いきなり現れた未来人を名乗る連中に国を滅ぼされていいわけがないだろう
 だがこちらの”答え”も譲れないのでな!突っ込めコウリュウ!」

『応!』

上空を飛んでいたコウリュウが瞬時にライドウの傍に転移して白き騎士に突進をかます。神道式悪魔召喚術の基本技術”召し寄せ”だ。
これによりどんな離れた仲魔でも瞬時に傍に呼び寄せることができる、旧式のデビルサマナーの基本技術だがそれだけに使い方を考えれば馬鹿に出来ない。
コウリュウは空中からライドウを叩き潰そうとしている白い騎士を足止めし、ライドウは地上の白騎士に足止めを食らう、が、それだけでは留まらない。
ライドウは右手に銃を持ち大振りの剣を避けて、地面に食い込んだ剣目がけて三発発砲、氷結弾の氷により剣が地面に縫い付けられる。
発砲と同時に左手で一本の封魔管を抜き放つ、呼び出す悪魔は恐らく日本人で知らぬ者などいない有名な武将、その名は――。

「ぶちかませ、ヨシツネ!」

『あいよぉぉぉぉぉぉぉ!』

<ヨシツネ見参!>

――その名はヨシツネ、最強の源氏武者”源義経”に他ならない、長い烏帽子に鎧甲冑を着込んだ武者だ。
しかしその動きは非情に身軽で瞬く間にエストに肉薄して二刀による目にも止まらぬ素早い四連撃を放つ。
ライドウを襲う無数の鎖、仮に縫い留められれば恐らく大魔法の的にされて灰すら残らず消え去る、故にライドウは僅かな苦心の後にとある決断を下す。
”仲魔を盾にする”という選択を。

「コウリュウ、後で金丹をくれてやるから許せ」

『おおおう!?』

あろうことかライドウは無数の鎖を前にして再び召し寄せを行いコウリュウを鎖の盾としたのだ。
だがその巨体故に拘束は一瞬では終わらない、暴れるコウリュウ。そしてコウリュウを踏み台にして飛び越えてライドウは肉薄する。
剣の間合いにはまだ足りないが銃の間合いである、左手に持っていた封魔管を口に咥えて左手に銃を持ち換えて氷結弾を三発発射する。

>魔大老エスト、桐生戦兎、(イスマリア・ザルヴァトール、ギギナ)、ALL

1日前 No.314

中二病でもハッキングがしたい! @infernus☆XQ6phrzcKMtR ★F7MrHN45jw_D9v

【城塞都市ギリダン/城下町/シエンタ・カムリ】

「ボクを批判する前にまず言うことが……ちょっと待った、今なんて言った? あっ、待って、食べるさ。四分の一とかそういうのじゃなくて、全部。全部食べるから。いや待って、食べないで」

わざとらしく呆れたような態度を取ったシエンタに対し、キラーが返した反応は、買ってきた甘菓子を他の友人と分け合って食べる、というものであった。
普通の人間からすればそんな子供騙し、と思うかも知れないが、彼女にとっては非常に重要なことであったらしく、必死になって引き止めを図ろうとしている。
元を辿れば、キラーが勝手にシエンタのおやつを食べてしまったことが発端なのだが、そこは彼なりに反省したのか、どうにかして穴埋めをしようと考えていたようだ。
こんなことを言っておきながら、四分の一は残しておこうとする辺りに、妙な優しさを感じなくもない。しかし、他の友人などという、見知らぬ存在に自分が得るべきであったものを奪われるのは、癪だった。

「そうだね、ボクの得意分野は例えば……こういうことさ。……あれ? ああそうか、ここじゃ無理だったね。口で言おう。ハッキングさ」

二人を前線に出るタイプではないと称した男を見て、シエンタはそれを行動を証明しようとする……が、古代には電波が飛んでいないため、不可能だったようだ。
未来であれば、ここでハッキングを仕掛けて、彼の持っている武装の一つや二つを使用不能としていたのだろう。だが、不発に終わった上に醜態を晒したために、結果としてそれが本当のことなのかどうか疑わしくなってしまった。
なんと不便、なんとつまらない時代なのだろう。この時代に生きている人間はネットなしで、一体どうやって暇を潰しているというのか。それとも、暇すらないくらいに働き詰めなのか?
後者だとしたら、絶対に生まれたくない。シエンタの中の二度と行きたくないランキングで堂々の1位を獲得したのも頷ける。まあ、そうではなかったとしても、ネットがない時点で論外なのだが。

「アレをやるのかい。君にしては随分と早いじゃないか。まあ、いいよ。ここはボクの見せ場でもあるからね」

キラーの考えていることはすぐに察せた。そして、彼が巨大な砲台を形成したのを見て、その予想が間違っていなかったことを確認する。
いつもより大分発動のタイミングが早いような気もするが、現状相手に大した有効打を与えられていない状況なので、致し方なしといったところか。
まあ、ライフルを無効化することが出来たのは収穫だったかも知れない。多分あれは、当たったら痛いやつだ。被弾していないので分からないし、試しに当たろうだなんて死んでも御免だが。

「何を言っているんだい? そいつの名前はファイナルギャラクティックサンダーキャノンMk.XIIIだ。説明は間違ってないけどね。つまりそういうことだ、君にもう逃げ場は、ないんだよ」

どういう訳かキラーの言い放った武器名をわざわざ訂正してから、シエンタは電子との会話体制に入る。この周辺に漂う発電機、全ての電力をこの巨砲へ。
……おかしい。予想よりもかなり少ない。たまたま発電所が少ない地域だったのだろうか。まあいいだろう。自分の能力を流し込むことで、ある程度威力は補完出来る。
重要なのは、確実に命中させることだ。軍事衛星をハッキングしたのだから、まさか攻撃が外れることなんて……通信出来ない。まさか、このボクがミスをするなんてあり得ない。つまり、軍事衛星そのものがないってことじゃないか。
そこで彼女はようやく気が付いた。ここは古代だった。ネットすらも飛んでいないこの時代に、発電所も軍事衛星も、ある方がおかしいではないか。

「中止だキラー、ここじゃそれを使っても意味がない。無駄になるだけだ。だから早くそれをしまって―――うひぃぃぃっ!」

先程までの余裕は何処、完全に焦った様子でシエンタはキラーに攻撃中止命令を出すが、時既に遅し。巨砲は、もう発射直前の状態になってしまっていた。
どうにかして止めようと砲台の真後ろに立った彼女であったが、運悪く、丁度相手の放ったレールガンがそれを貫通し、完全なる死角から襲い掛かってくる。
突然眼前に現れた脅威に対して彼女が取った行動は、情けない声を上げながら頭を抱えてしゃがみ込むことだった。幸いにも、直進性の高い攻撃だったため、回避は成功したが。

「ぐぐぐ、グレードSだ。こんなのボクに勝てる相手じゃない。キラー! 君がどうにかするんだ! ボクは後ろで観戦してるよ!」

自らの能力を十分に発揮出来ない状況、そして敵の攻撃の予想外の威力に完全に怖気づいてしまったシエンタは、勝手に戦線離脱を宣言、観戦を決め込もうとする。
恐らく、未来であればこのようなことにはなっていなかっただろう。ただ、古代という時代が、シエンタとキラー両名の実力を引き出すには、あまりにも不適格な時代であっただけなのだ。

>キラー・テンタクラー、スターロード
【駄目だこの子は】

1日前 No.315

爆炎 @sable ★8O0rjcH5GN_8gk

【城砦都市ギリダン/玉座の間/ニケ・エタンセル】

あらゆる属性を使い分け畳みかけてくる女帝。単に選択肢が多いだけではなく、それぞれの威力も針が振り切れている。こちらが体力を大きく消耗してやっと撃てるような技が、息を吐くようにして繰り出されると言えば脅威の程が伝わるだろう。
数的有利を確保してやっとスタートラインに立てるような世界。雑兵1000人を相手取る方がまだ楽なのではないかとすら思わされる。恐らくこの中の誰か一人でも脱落した瞬間に敗北が確定、仮に逃げおおせたとしても五体満足で帰還できる保証はない。
そして二度と決起する機会は訪れない。そうなれば古代は永遠に闇に覆われてしまう。辺り一面に立ち込めた、帝国の恐怖政治という黒い霧を払えるチャンスは、今を置いて他にないのだ。

「俺が三人目になってやる。どれだけ時間をかけても、必ず!」

具体性も計画性も感じられないニケの啖呵。自分に言い聞かせているも同然のそれは、老練なパージルクから見れば若さや無謀さの表れでしかないだろうが、士気の維持のためにも欠かせないものである。
だが現実は冷徹かつ残酷。三人肩を並べての猛攻が功を奏し、一本の熱線が女帝を直撃。こう言えば良い滑り出しに聞こえるが、その裏で三人とも電撃を浴びてしまい、決して軽くないダメージを刻まれていた。
体力の消耗も加味すればこの戦いはマイナスからのスタート。受けた傷や消耗した体力は、見た目以上に重く響いてくるに違いない。相手が相手だけに小さな不利益も数倍に膨れ上がると見ていいだろう。

使い魔が放つ光線を間一髪ながら掻い潜り、橙色のビットが乱れ撃つ炎球はこちらも炎弾を繰り出して相殺する。しかしその後に続く氷槍まで対応することは能わず、あろうことか傷ついていない左足を抉られてしまう。
ここから先は俊敏な立ち回りは当然のこと、回避も困難を極めるだろう。足を用いた攻撃も、封印か、苦痛を覚悟しての使用を強いられる。

「ここまで来たんだ、命を懸けるさ」

そう誰に言うでもなく呟き、炎のエネルギーを蓄えた右手を強く振り払う。オーロラのような形状の炎膜が複数展開され、押し潰すようにしてパージルクへ殺到。
色彩はさることながら陽炎も相まって視界を遮る効果も期待できる。威力は先程の火炎弾や熱線に劣るが、続く二人のサポートもこなせるのなら及第点といったところか。

>>パージルク・ナズグル、ソレミア・ラガルデール、エクセラ・ノア・アウラ

1日前 No.316

魔道を征く者 @zero45 ★h2BOlEz4kD_FR1


【ナコーン/森林/北側/ダグラス・マクファーデン】

「……考えてはいたさ。あいつを傍で支える事が一番の選択である事も自覚している。
 だが、その方法では救えない者達がいる。政府は"後"で倒すのではなく、"今"倒さねばならない存在だ」

 世界政府の打倒を志すに当たって、ユーフォリアを傍で支えると言う選択肢は当然あった。彼女もまた、現状の政府に大いなる不満を抱いている者の一人だ。手を取り合う事を持ち掛ければ、二つ返事で受け入れてくれるであろうその姿が容易に想像できる。お互い悔恨を残さない、と言う点でも最良と言える選択だろう。
 だが、それを実行へ移す事が出来ない理由が彼にはある。政府高官の息子と言う立場であったからこそ、認知し得た物。大統領の命によって生み出され、今も秘匿され続けている"超常能力研究部"の存在とその所業を知っているが故に、こうした強硬手段で政府打倒を図らざるを得なかった。
 歴史是正機構を倒してから、政府を倒すのでは遅すぎる。その間に、研究部の行う実験の犠牲となる者達の数は百を下らない事だろう。それを未然に防ぐためには、今すぐにでも政府を壊滅させなければならないのだ。

「少なくとも、趣味ではないな」

 風を纏って天へと舞い上がった彼を襲う、螺旋の炎と紅雷槍撃。圧倒的で驚異的な反撃の前では、流石に彼も余裕の表情を崩さざるを得ない。取るべき選択を誤ったが最期、槍に穿たれ死ぬか、雷撃に撃たれて死ぬか、炎に焼かれて死ぬかの三択。辿る末路としてはどれも受け入れ難い物ばかりだ。
 咄嗟の判断で、全方位に展開するは広範囲に渡る黒闇の障壁。炸裂する雷撃を弾き飛ばし、続く槍撃によって防壁は破壊された。此処までは想定の範囲、肝要となるのはそれ以降の対処。
 即座に今度は槍撃を受け止めるべく、空いた片手を前に突き出し、収束させた魔力によって盾を形成する。防壁によって威力を減衰させたとは言え、脅威である事には依然として変わり無い槍の一撃。突貫する敵が放つ槍撃を受け止めた瞬間、衝撃が全身へと襲い掛かる。
 その衝撃を敢えて利用する事で後方へと吹き飛び、迫る弾丸を躱した。これによって、何とか直撃は免れる事に成功する。しかし――

「うぐっ……!」

 誤算だったのは、想定以上に衝撃が凄まじかった事だ。体勢を整える前に近くの大木へと身体を打ち付けられてしまった彼は、呻き声を挙げながらも重力に従い落下。そのまま地面へとずり落ちる形となった。
 痛みに喘ぎながらも、追撃を許すまいとして突き出した片手に膨大な魔力を収束させていく。それは虹属性に似た、しかし何処かが違う異なる属性を宿した物。徐々に膨れ上がる暴威は、その余波で大気を震えさせる。

「喰らえッ!」

 刹那、解放された魔力が光となって放出される。超広範囲に渡る巨大な光撃は、木々を次々と消し飛ばしながらも一直線に、二人を呑み込まんとして突き進んでいく。巻き込まれたが最後、待ち受ける物は光が宿す圧倒的な熱量に身を灼かれる未来。破壊光を前に、二人はどう出るか。

>フォッサ・セントライト ストラーヴ


【魔弾(魔砲)】

1日前 No.317

リインカーネーション @genomirai ★5PyZcP0Vz3_ly4

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1日前 No.318

時空の守護者 @infernus☆XQ6phrzcKMtR ★F7MrHN45jw_D9v

【ロンカ村/広場/ユーフォリア・インテグラーレ】

ユーフォリアの言葉を聞いた銀狼の瞳に、光が灯る。やはり、見立ては正しかった。彼女は兎に角飢えていただけであり、罪の意識もなく村の食糧を食らった訳ではないのだ。
笑顔を浮かべる銀狼に対し、ユーフォリアもまた、微笑で返す。かくして、彼女は時空防衛連盟の門を叩くこととなった。欲望に打ち勝ち、成長を遂げるかどうかは、今後の行動に懸かっている。
ひとまずは、村の者達への謝罪を約束しただけでも十分だろう。だが、今はそれよりも、成さなければならないことがある。この期に及んで、突貫を仕掛けてくる、往生際の悪い相手……
仮に話の通じる人物であれば、既に決着が付いていることを説明し、戦闘を回避出来たかも知れない。しかし、目の前の男は、どう見てもそのようには見えない。
会話をしたところで、それに割いた時間を無碍にするだけであろう。気付けば、村を焼き焦がしていた炎の勢いは弱まっており、何とか全滅は逃れられそうな状況。
なれば、是が非でもこの戦には勝たなくてはならない。人の姿へと戻った妖狐が提供した油揚げにより、銀狼も力を取り戻した。これで、あの男を止めることも十分可能―――

されど、それは楽な戦いになるという意味へは直結しない。これだけ離れていても分かる、暴虐的な殺意と狂気。彼が簡単に倒せる相手でないことは、周知の事実であった。
銀狼の全速力の突進が、狂える皇帝の姿勢を乱す。直後にユーフォリアの放った虹の槍が炸裂するが、雄叫びと共に巻き起こった魔力の嵐が、それらを無慈悲にかき消していく。
防壁の隙間から通り抜けた虹の余波は紫炎が、敵の身体に傷を付けているものの、いずれも有効だとはいい難く、彼の足取りが鈍るような様子は一切なかった。
純白の雪を真紅へと染め上げる男の血。戦場全体を撹乱するように動く彼の姿が、ユーフォリアの眼前へと迫る。直線的な軌道での殴打。回避は容易い。
にも関わらず、この嫌な予感はなんだ? 紙一重で攻撃を往なした先に見える、不吉な予兆。彼女は警戒を強めながら敵の一撃を躱し……そして、その意味を知った。
こちらの動きを予測していたかのように放たれる回し蹴り。直撃を回避したとしても、それに伴い放たれた灼熱が、彼女の身を焼き尽くさんと超高速で襲い掛かる。
被害を零で抑えるには難しい状況。ユーフォリアは寸前に短い詠唱から防壁を展開し、蹴りの威力を少しでも和らげようとするが、焼け石に水であった。
結果として、身体を捩るのが限界であった彼女は、凄まじい威力を伴った打撃により、遙か後方へと吹き飛ばされていく。それでも即座に受け身を取り、ダメージを最小限で抑えたのは、時空防衛連盟を率いる者としての意地が為せる技か。
腹の底から口へと競り上がってきた血を吐き捨て、全身を駆け巡る鈍い痛みも何のそのと、ユーフォリアは再度、前方にそびえ立つ強大なる壁を見やる。
生半可な攻撃では掠り傷一つすら付けることは叶わない。彼女は敵へ鋭い視線を突き刺すと同時に再度疾駆し、恐怖を全く感じさせない動きで、またも暴君の眼前へと肉薄する。

「雌雄が決したことにすらも気付けず、戦場を彷徨う哀れな魂……貴方の命運は、ここで尽きる」

ユーフォリアは静かな声でそう告げると同時に加速。迸る虹のオーラを纏いながら、光の如き速さで敵とすれ違い、そのまま彼の後方へと回り込む。
奴に死角というものが通用するかどうかは不明だが、正面からの攻撃よりは確実に対処を難しくさせるだろう。飛翔した彼女は両手を広げ、そこへ膨大な魔力を集中させていく。
膨れ上がった虹の魔力が、大気を振動させる。夜空に輝く恒星を彷彿とさせる大きさにまで膨張した球体。次の瞬間、球体から、無数の虹のレーザーが、地表を埋め尽くす勢いで降り注ぐ。
この男があくまで狂気に囚われ、敵を抹殺するための最短距離を征くというのであれば……その最短距離に、避けることの出来ない攻撃を放ち、待ち受けるのみ。
視界が、虹色に染まる。万物を浄化する必殺級の一撃。これすらも皇帝は、何事もなかったかのように耐え切ってみせるのであろうか。時空の果てより来たる者は、ただ己が使命を果たすがため、遠い過去の一瞬に全てを懸ける。

>カリギュラ、イアン・ガグンラーズ、山城瑤子

1日前 No.319

獅子心 @zero45 ★h2BOlEz4kD_FR1

【ナコーン/酒場/レオンハルト・ローゼンクランツ】

 大地より噴き上がる火柱の中へと飛び込み、灼熱を我が身に受けながら、マロンへと肉薄するレオンハルト。相手が跳躍するよりも速く、その眼前へと顕れ出た彼は、両手に構えた重き大剣を一気に振り下ろす。
 然し、単純な力勝負の場に於いて、どちらが優勢に立つかは一目瞭然。同じ重量、或いはそれ以上を誇る大剣を片手で軽々と扱って見せる彼女を相手に打ち勝てる道理も無く、押し戻された挙句に弾き飛ばされる恰好となってしまった。
 追撃を恐れる彼は、即座に空中で姿勢を整えると着地。次に備え剣を構え直そうとする。敵の部下が此処へやって来たのは、丁度その時であった。

(……遂に起きたようだな。歴史に於ける重要な分岐点、ロンカ村の焼き討ちが)

 部下が述べた言葉に対するマロンの反応を見て、彼は冷静にそう判断する。魔道帝国の"元"将軍、ノエル・マッケロークの暴走によって引き起こされたロンカ村の焼き討ちは、帝国の崩壊する未来を定めたと言っても過言では無い大事件。これが起きたと言う事は、時空断裂を引き起こす可能性が殆ど潰えた事を意味する。ならば、これ以上の干渉は不要だろう。

「停戦についてに異存は無い。此方としても、これ以上血を争う必要は無いと思っている……後は、そこの男が納得するか次第だがな」

 マロンが持ち掛けて来た停戦交渉に、シフォンと同じく同意の答えを返す。彼女の性格からして、語る言葉に嘘偽りの類は一切含まれていない筈だ。罠である可能性も、当然皆無に等しい。何にせよ、これ以上戦った所で双方にメリットは無い、そう判断した上での事だ。
 後は山羊の男が、この結末に納得するかどうかだろう。もしも受け入れないようであれば、此方は剣を再び抜かざるを得ない。出来る事ならば、戦いは避けたい所だ。

>マロン・アベンシス ミルグラム・ゴート シフォン・ヴァンディール

1日前 No.320

亡国の末裔 @infernus☆XQ6phrzcKMtR ★F7MrHN45jw_D9v

【城塞都市ギリダン/玉座の間/ソレミア・ラガルデール】

出会いの形を嘆いたソレミアの言葉に対し、パージルクが返したのは諦めにも近い言葉であった。その通り。出会いがこのような形である以上、分かり合える可能性はもはや潰えた。
お互いに、譲れないものがある。言葉を交わし、和解出来るような状況ではない。明日を掴むため残された選択肢は、勝利を手にすること、唯一つなのだ。
パージルクは、自分には誰もが幸せになる世界を作ることは不可能だった、と語る。それを聞いたソレミアは、彼女もまた、弱き人間の一人に過ぎないのだという感想を抱いた。
いくら願っても叶わないことは、確かにある。しかし、やる前から全てを投げ出してしまうようでは……僅かな確率から奇跡を引き当てることすらも出来ない。
そう、彼女は、失敗を恐れて楽な方向へと逃げたのだ。第一人種と第二人種を差別、第二人種を奴隷化して傀儡とし、批判の出処そのものを潰すというやり方で。

「きっと三人目は、あなたの近くにいたはずよ。あなたのことを思って、間違った道を進んでいることを忠告してくれた誰かが。勿論、これは私の勝手な推測。間違っていたなら、聞き流してちょうだい」

良くも悪くも、実力のみで人を評価するシステムが確立されていた魔道帝国。そんな帝国に属する多くの将軍の中には、一人くらいそのような人間がいたとしても不思議ではない。
仮にそれが本当であるとして、その誰かは、ずっと以前からパージルクの過ちを指摘していたのではないか……ソレミアは、そのような推測を立てていた。
何故、彼女がそれを聞き入れることがなかったのは分からない。単純に、更に高い地位を持つ者の思想が異なったのか。単に自分を曲げることを嫌ったのか。
部下の意見を聞き入れることも、指導者としての大切な務め。もし、パージルクが地位の低さを理由だけに一人の意見を却下するようなことをしていたならば……その時点で、上に立つ者としては不適格である。
民主主義で採用されるのは多数派の意見だ。しかし、だからといって、少数派の意見を無視していい訳ではない。多数派の意見に従いながらも、少数派の意見の良い点を尊重出来る人物こそが、指導者に相応しい。ソレミアは、そう考えている。

「くっ……なんてデタラメな力なのかしら」

どんな戦法や戦術も技量も、圧倒的な力の差の前では無意味。パージルクは、それを当然のように実行してくる。極光が天井を粉砕して降り注ぎ、空間を押し潰す質量の光剣が、ソレミアをバネのように弾く。
全員の連携攻撃によって生み出された隙が、女帝の腕を焼く。だが、あれでは無傷に等しいだろう。未だ健在の彼女が腕を振るうと、三体の光の精霊が権限し、強力無比な光線を放つ。
攻撃がそれだけであれば、どれだけ幸せだっただろうか。なんとパージルクが引き連れていた絡繰りまでもが自立し、それぞれ火球と氷槍を乱射してきたのだ。
しかし、ここで歩みを止める訳にはいかない。小さな村の勇者ですらも、この戦いに命を懸けている。亡国とはいえど、王族の血を引く自分が覚悟を決めずして、どうするというのだ。
ソレミアは自身の前方に鉄で出来た四角い板を展開すると、それを盾とし、迫り来る攻撃を無効化しながら突き進む。すり抜けてきた攻撃の一部が身体に刺さるが、それは極めて些細なものだ。
実力が相当なものであることはもはや疑いようのないことだが、それでも弱点がない訳ではない。あの動きからしてパージルクは、接近戦を得意とはしていない。
ならば、自分はあくまで近接戦闘にこだわるとしよう。鉄壁の守りを突破することは叶わなくとも、近距離からの連撃は、必ずいつか女帝に逃れようのない隙をもたらす。
再度接近を果たしたソレミアは、今度は一撃で叩き潰されることがないよう、細かく立ち位置を変えながら、黄金と白金の双剣による剣撃を繰り出し続ける。
求めているのは、手柄や名誉などではない。この行動が味方の勝利、ひいては虐げられし人々の解放へと繋がるのであれば、自分は喜んで、囮役となってみせよう。

>パージルク・ナズグル、ニケ・エタンセル、エクセラ・ノア・アウラ

1日前 No.321

スパルタの代名詞 @infernus☆XQ6phrzcKMtR ★F7MrHN45jw_D9v

【ナコーン/森林/北側/フォッサ・セントライト】

「何言ってんだい、あたしが厳しくするのは訓練の間だけさ。戦場に出たら、死んでも仲間は守ってみせる。嘘だと思うのなら、一度確かめてみりゃいい」

フォッサの訓練の厳しさは時空防衛連盟内では有名であり、ストラーヴもそれを嫌がっている人物の一人だ。ただし、彼女がそうした態度を取るのは、あくまで訓練の間のみ。
訓練が終われば疲労した部下を労うため夜の街へと繰り出し、戦場では味方を生還させるために全力を尽くす。皆が思っているよりもずっと、彼女は思いやりに溢れた人物なのだ。
スパルタ式の訓練も、部下のことを思っているからこそであり、簡単に死ぬような戦闘員に育って欲しくはないという、フォッサなりの親心が現れた結果なのである。
どうもストラーヴには上手くそれが伝わっていないようだが、無理強いはしない。そんなことをすれば余計に心が離れるだけだし、何より彼女に無駄な心労を掛けたくはなかった。

「その点については同意するが、だからこそあたしは傍にいてやるべきだと思うけどねぇ。歴史是正機構が動くのは、早く見ても改変が全部済んだ後だ。それを待ってたら、日が暮れちまうよ。だけどこっちなら、今すぐにだってあんたのやりたいことが出来る。あいつが許さないなんてことは、まさかないはずさ」

彼は、ユーフォリアですら知り得ない、世界政府の裏の裏を知っているような素振りを見せる。曰く、それを阻止するべく、歴史是正機構に与せざるを得なかったのだと。
確かに、世界政府は今すぐにでも打倒しなければならない存在。それについては、彼女も同意見であった。だが、歴史是正機構は、歴史の改変を一通り終えるまでは、現代の改変へは動かないだろう。もしかするとそれは、数年後の話となってしまうかも知れない。
勿論、時空防衛連盟がそれよりも早く勝利を納めれば事は丸く収まるのだが、現状両勢力がお互いに抜きん出た力を持っていない以上、長期戦となるのは必至だろう。
その時が来るのを悠々と待っているつもりなのかと、フォッサは問い掛ける。今すぐにでも奴らを倒したいのであれば、協力すべきは時空防衛連盟。彼女は力強く、そう宣言してみせた。

螺旋の炎と雷光の突き。フォッサとストラーヴの連携攻撃が、着実に相手から余裕を奪っていく。敵は咄嗟に闇の障壁を展開するも、全ての攻撃防ぎ切るには至らない。
槍を受け止めた衝撃を利用し、攻撃範囲から離脱した彼であったが、大木に激しく身体を打ち付ける。明らかに危険な当たり方で、思わずフォッサが心配そうな表情を浮かべるが、直後に彼は反撃体制に入った。
片手に集中していく魔力。刹那、解き放たれたそれは、暴虐的な威力を誇る光線となりて、二人に襲い掛かる。このままでは、ストラーヴが危ない。そう判断した彼女は、急いで両者の間へと割り込む。

「こいつはあたしがどうにかする。あんたは何も考えずに前に進みな!」

機関銃のように連射される二丁拳銃。危うく弾詰まりが起きかけるが、幸いそれは免れた。円を描くようにして配置されたそれらが魔力を宿すと同時に、フォッサの正面に巨大な土の防壁が姿を現す。
彼女はそれを用い、光線を受け止めるが……凄まじい威力だ。拳銃を前方へと突き出した姿勢のまま、フォッサは徐々に徐々に、後方へと押し流されていく。
このまま放置すれば、いずれ防壁が限界を迎え、彼女は光の中に飲み込まれてしまうことだろう。攻撃を止めるためには、術者に攻撃を加え、魔力の供給を遮断する他にない。

>ダグラス・マクファーデン、ストラーヴ
【リボルバーを連射するな(戒め)】

1日前 No.322

親の七光り @prismriver☆kFuUk0otHg5u ★TZkXkdft22_LPw

【城塞都市ギリダン/正面/エスメラルダ・ナズグル】

名乗るやいなやいい名前だといわれ、余計にエスメラルダは困惑する。悪い気はしないし、むしろ少しだけ嬉しかったのだが、直後に何を考えているのだと彼女はそれを振り払った。このまま相手のペースに乗せられたら、いいようにやられてしまう。集中して、雑音を遮断しなければ。調子の悪そうな顔をしながら目を閉じるエスメラルダだったが、どんなにしてもあの男の顔と声が頭の中をぐるぐると巡ってしまい、集中が途切れる。

そして、エスメラルダは、先ほどの名乗りで、余計なことを口走ってしまった。女帝の娘であるということを言ってしまったがために、男が余計に調子づいてしまったのだ。しまった、という表情を浮かべるエスメラルダ。だが、もう遅い。更にテンションの上がった相手は、より派手さを上げて戦おうとしている。他の者の言葉に要約すれば、全力を出すということだろう。まずいことになった。明らかに格上の相手に全力で挑まれたら、絶対に勝ち目がなくなる。どうにかして逃げるか? そんなことを考えている内に、”祝砲”が放たれる。

「ひぃぃぃぃっ!」

当たったらどうなるかもわからない大出力の砲撃が、反射的に頭を抱えてかがみ込んだエスメラルダの頭上をかすめていった。正門の上半分は跡形もなく消えており、威力の大きさを思い知らされる。恐らく、自分が食らっていたら即死だろう。いくら守りに自信があると知っても、これは規格外すぎる。防げるはずがない。やりすぎだ、こんなの。

半分涙目になりながら立ち上がったエスメラルダは、敵が本気で殺しにかかってきているを実感し、恐怖を感じながらも再び刀を構える。やはり、自分から攻撃することはない。そんなことをしたら自殺も同然だからだ。……実際には彼はエスメラルダの命を奪おうなどとはしておらず、仮に攻撃を食らったとしても死ぬことはないのだが、彼女がそれを知るはずもない。

>>ドライツ

【どうすれば終わるんだろうこの戦い……】

1日前 No.323

リインカーネーション @genomirai ★5PyZcP0Vz3_ly4

【ナコーン/森林/北側/ストラーヴ】


「じゃあ、癖になったらごめんねー!気持ちよくさせる気は、ないけどね!」

障壁を破り、形成された盾を打ち据える感触が柄へと響く。本命の魔弾こそ突撃の反動で躱されてしまったが、十分な打撃は与えられたはずだろう。吹っ飛んでいく襲撃者を後目に水の引いた地面へと着地する。
ぬかるんだ地面に足を取られることなく、体勢を立て直し襲撃者の飛ぶ先を見やる。盛大に木に打ち付けられる姿を見て他人事のように痛そうだという感想を心に漏らす、勿論自分でやったことなど棚に上げている。

「……一度試したら死んじゃうじゃん、馬鹿じゃないのー?一緒に逝くなんて御免だから一人で逝ってよね。」

厳しいのも、それが終われば親しいのも彼女は知っていた。でもストラーヴなら小言を言われる心配をして遠ざかるのだ、そういった風に捉えるのがストラーヴで彼女がそう望んだ。
心地良いと感じてはいけない、自身は孤独でなければいけない、そうでなければあの思い出は塗り替えられてしまうから。もう彼女しか知りえない思い出を、彼女が塗り替えてしまったら誰が覚えているのか。
だから誤解されやすい言動を取る、だから人が嫌うような行動を取る、だから幾ら危機が迫ろうと自身だけ逃げ延びようとするのだ。それが彼女が望んだストラーヴで、大切な思い出を薄れさせない為に必要な事なのだ。
だから、襲撃者が大気を振るわせるほどの魔力を集中させたのを知覚した瞬間に僅かに紅雷を溜め、その炸裂で場を離れることを選択したのだ。そう、目の前に割り込む影を視界に捉えながら。

「―――っ!?」

驚愕に目を見開く、伊達眼鏡を通して見たのは土の障壁で魔砲とも呼べる光の奔流に押し込まれる隊長の姿だった。何故が最初に現れ、次に本当にやる奴がいるかと罵倒が入り、どうすればいいのかわからなくなった。
空中にいる浮遊感に囚われながら僅かな間に答えを導こうとする、ストラーヴならどうする?あんな危険なものは範囲外に退避するのが安全だと、そう言って戦場から離脱するだろう。
でも、この身体は同じように紅雷を炸裂させようとはしない。この時だけ、ストラーヴではなく彼女として行動していた。それは意識したものではない、こうするべきだと身体が勝手に動いていた。

「僕に任せて!」

その一言を合図に全身から迸るは蒼電と紅雷、空中で二色の閃光を放ちながら剣槍の穂先は襲撃者へと狙いを定めていた。溜める猶予はない、だからこそ一瞬で最大へ持っていく。
その為には速度に特化した蒼電、威力に特化した紅雷を合わせなければならない。本来持ち得ていた技ではなくこの時にやるしかないと思いきったもの、成功しない可能性だってあった。だが、彼女は成功させるつもりでいた。
一呼吸の間で溜めを中断し、放出へと切り替える。僅かな溜めで最大の加速に持っていくには紅雷の炸裂と蒼電の放射が必要だと考えた、そして今、その結果が現れる。

―――炸裂する紅雷、尾を引く蒼電
   その速度は光にも及ぶ、是神速也―――

瞬間的に最大加速まで引き上げられ、先の蒼電の一撃とは比べ物にならない負荷がかかる。身体が悲鳴を上げているが彼女は止まらない、止める事を許さない。
圧倒的な熱量による破壊の光、それを眼下に見据えながら襲撃者へと一条の光となりこの剣槍を届かせる。ストラーヴが良しとしない、だが彼女がこれで良いと思ったからこその一撃。
先の二撃比べれば威力は比べるまでもなく低い、速度と純粋な彼女の腕力のみでしかない。しかし、この場面においては速度こそ最も重視するべきだ。
襲撃者に体勢を整えさせず、隊長を一刻も早くあの破壊光から救わなければならない。
故に平時であれば下策でしかないこの一撃も、この一時に限ってのみ必殺の一撃になりうる。

>>フォッサ・セントライト ダグラス・マクファーデン

1日前 No.324

Futo・Volde @nonoji2002 ★7KU5qNWZJU_D9v

【ロンカ村/牧場/アベリィ・シルバラード】

「ほら、肩に掴まって」

怯える少女とかしたアルクールの隣にアベリィはしゃがみこみ、肩を差し出す。
一体、彼女にどんな過去があり、どうして火にここまで怯えているのか。彼女の口から利き出すのが一番な以上、確かなことは言えないが、おそらく火に対して強いトラウマを持っているのは容易に想像が出来る。それが幼少期の物なのか、あるいは比較的最近のものなのか。
トラウマは人の心に深く居座る。克服は難しく、人によっては一度トリガーを引かれれば、それがフラッシュバックのように思い出されて決して言えない傷跡を深く抉る。
幸いにも、アベリィにはトラウマと呼べるほどの物はないが、時に思い出と言う形で、トラウマのように心を抉る、思い出したくない過去がフラッシュバックすることがある。

「とにかくここから離れるよ」

激しい動悸と、しどろもどろになりつつある言葉。おそらく過呼吸になってるのだろう。このままならおそらくアルクールは気絶してもおかしくない。この状態で放っておけば、おそらくこのまま火に囲まれて死ぬ。仮にも敵だから助ける必要などないのかもしれない。だが、軍人であるアベリィは、ただの1人の、民間人の少女と化した彼女を放ってはおけなかった。
彼女を介抱するように支えながら、ゆっくりと火の手が回っていない場所へと目指して歩いてゆく。歩くのもままならないくらいになっている彼女が、バランスを崩して倒れないようにゆっくりと、ゆっくりと。一歩一歩確かに雪原を踏みしめながら。

>アルクール・サンドリンガム


【若干の確定ロルですかね、これ。致し方ないのでご了承を】

1日前 No.325

リインカーネーション @genomirai ★5PyZcP0Vz3_ly4

【城塞都市ギリダン/正門/ドライツ・ユメイル・ファラレス・ロスリアン】


「はーっはっはっは!すまぬ!立派な正門を吹き飛ばしてしまったな!許せ!私もあれは予想外だった!だが、うむ!エスメラルダが避けて安心だな!」

反射的に回避したエスメラルダを見ながら、これっぽっちも悪いと思ってないように大笑いを絡ませながら謝罪をする。彼自身悪気なく、この謝罪も実は心からの物だが流石にこれを察するのは不可能に近いだろう。
実際死人が出ていない以上彼は特に気にしない、謝罪の心こそ本物であるが人が作った物ならばまた人が作り直せばいいと考えている。しかし人が死んでしまえばそうはいかない、故に彼は絶対に殺傷力のある魔法は放たないのだ。
右手の結晶刃は祝砲を放った媒体にしたおかげか今までにないほど光り輝いている、暗闇にこれがあるだけで人が十分な生活が出来るほど煌めいている。戦闘に関係あるのか、あるわけがない。

「……む?エスメラルダよ、嬉しいのは分かるが泣くほどであったか!そうか!そうか!うむ、これはこの後の勝負も気持ちよいものにせねばならんな!」

涙を浮かべながら立ち上がり、刀を構えるエスメラルダ。それを歓喜の涙と感じ、さらに気をよくする彼であった。また防御に徹していることも、相手に先手を譲る高貴なものの余裕の一つだとも思っている。
そう、彼はどうしようもなく前向きである。エスメラルダがどう思っているのかはもっと落ち着いて観察すれば分かる筈なのだ、しかし彼は派手さによって高揚し持ち前のポジティブシンキングで良い様に捉える。
もし祝砲の後に怒声を上げて怒っていたとしよう、彼は派手さが足りなくて怒っていると捉える。文句を言えば派手さが足りなかったのかともう一度祝砲を上げようとする、大泣きすれば歓喜に打ち震えていると思いさらに高揚するだろう。
詰まる所、この男は調子に乗らせると乗り続ける。そうでなければ戦略眼もあり、大局を見て指示を出せる聡明な人物ではある。如何せん今回は彼を乗せやすい相手だったのが、エスメラルダの運の尽きだろう。

「うむ、ではそろそろ勝負と行こうではないか!高貴なる生まれの余裕、しかと堪能させて頂いた。ではその通りに先手は頂こうか!」

大笑いをぴたりと止め、声を張りあげ開戦の合図とする。ちなみに此方側の軍は巻き込まれない為に相当後方にいるが彼は気にしない、エスメラルダとの勝負しか目に入っていない。
結晶刃に左手を添え、魔力を籠めると刀を模していた形をさらに長く細い長刀へと変える。何故変えたのか、気分だ。刀のままでは少し不格好だからと少し長くしたのだ、リスペクトは失ってないから許容範囲内なのだろう。
結晶刃を一振りし、周囲に煌めく魔力結晶を散りばめると同時にエスメラルダへと駆ける。彼の衣装には光を受け、鮮やかな色彩を放つ結晶に覆われている。防御の意味合いもない、言うなればお洒落である。

「では、尋常に勝負といこうではないかぁ!エスメルァルダァァァ!!!!!!!」

無駄に舌を巻きながら高く跳躍し、背に結晶の大輪を咲かせる。降下と同時に結晶の華を散らし、周囲に細かい結晶の針を飛ばす。さらに追撃に結晶刃の一太刀を振り下ろす。
どれも見た目は痛そうであり、当たり所によっては死んでしまうと思うかもしれないが全て非殺傷だ。針が刺さっても血が出ることはなく、その部分がすごく痛い上に見た目の小ささに似合わない衝撃が伝わるだけだ。
結晶刃も刃と名が付いているが斬れることはない、むしろ鈍器に近いがそれで殴っても気絶すらしないだろう。ただすごく痛い上に、すごく吹っ飛ばされるだけだ。
全部非殺傷ならばもっと当てやすいものや、扱いやすいものを使えばいいと思うだろう。しかし刀はエスメラルダへのリスペクトだ、だが他は多分好みだろう。
この様子では勝負にならないだろう、そう彼に問えばこう答えるだろう。
―――今は私が派手さで勝っているな!しかしエスメラルダは生まれの高貴さで十分巻き返せる!私も負けていられんからな、と。

>>エスメラルダ・ナズクル


【私にも分かりません。派手さで負けたら降参だと思います。】

1日前 No.326

氷雪の死神 @zero45 ★h2BOlEz4kD_FR1

【ロンカ村/民家/付近沿道/レイヴン・ロウ】

 魔法こそが万能であると信じて疑わない愚かな思想を否定するかの如くに、稲妻が障壁を破ってノエルへと突き刺さる。天から地へと墜落し、地上へと全身を叩き付けられた彼女は、さも信じられないと言わんばかりの表情を浮かべながら、此方を卑怯者と断じて非難の言葉を浴びせて来る。
 自分が対応し切れなかった事実を認めず、あまつさえ不正をしていると言い切るその姿に、レイヴンは失笑を禁じ得ない。
 元より殺し合いとは、勝利をもぎ取る為ならば如何に下劣で畜生染みた行為を使っても許される無法の場。自分から足を踏み入れておきながら、不正だ卑怯だと喚くのは余りにも滑稽で無様だ。

「本気を出すのが遅すぎたな、ノエル・マッケローク。貴様の命運も、此処で終わりだ」

 先程の被弾によっていよいよ危機感と言う物を抱き始めたのか。これまでとは比べ物にならない程の量の魔力が彼女の両手へと集中して行くのが窺える。やがて引き起こされるは、空間の断裂。その修正に際して生じた振動が、暴虐的なまでの斬撃となって襲い掛かって来る。
 だが、それは何の意味を為さない。創造と対を為す破壊の具現、触れる物全てを無へと還元する光が斬撃を文字通り消滅させたからだ。その過程の中で、絨毯爆撃の主の目配せに、彼は強い決意を以て頷く。

「……ああ、任せろ。これで何もかも終わらせてやる」

 聞こえて来た小さな呟き。それに対して静かに答えを返すと同時に、構える黒紫の双刃。
 絶望の死地へと追いやる死毒を帯びた凶刃の主が、今こそ好機と断定すると同時に最大限の加速を開始。限界を度外視した速度が激しい負荷となって身体を苛みながらも、敵の正面へと躍り出た彼は、紅い右眼でその姿を睨み付け。

「恐怖に打ち震えながら、死ね……!」

 刹那、神業の如き途轍も無い速さで放たれる無数の斬撃。袈裟、逆袈裟、薙ぎ払い、斬り上げ――その形は列挙し切れぬ程の数を誇り、その悉くが致命傷と成り得る物。無惨に殺す誓いを現実の物にするかの如く、繰り出されるは殺戮の暴威。切り刻まれて尚生き延びたとしても、待ち受ける未来が絶望に満ちた物である事に変わりはないだろう。

>ノエル・マッケローク 氷魔像ギラード 蓼科祈

1日前 No.327

失敗作 @kyouzin ★XC6leNwSoH_D9v

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1日前 No.328

大災厄の残痕 @kyouzin ★XC6leNwSoH_D9v

【城塞都市ギリダン/城下町/キラー・テンタクラー】

「フフーフ、それで良い! あーいや、しかし……お前が食っていて横で私が見ているだけと言うのも癪に障るし、フォルトゥナにも何か渡さねば……うむむ、また買ってこなくてはならないか」

先ほどまでは自分に対して呆れた様子で接していたシエンタが一気に今までの言葉を撤回するように引止めにかかった事を見てキラーはうんうんと頷いて笑い、そしてそれなら良いと一気に、実際は顔が変わっていないのだが、本当に人間が表情を変えたように雰囲気がぱーっと明るくなる。
相手が"前線に出るタイプじゃない"と言ったのは、シエンタが言ったようなハッキング専門だから前線向きではないと言う意味ではなく、性格の事だったのかもしれない。

まぁ、本人達にとっては、それを知る由も無いし、それを知った所で精々子供っぽく怒るぐらいで、前線に出張ってくる事はおそらくやめないだろう。
そんなことをしている間に、シエンタの攻撃が見事に武器に命中して、相手はその武器を落とした。 さらに、シエンタの能力によってあの武器はしばらく使い物にならないだろう、まるで金を落とした貧乏人のごとく拾いに行けばアタッカーが殺到して串刺し、拾えても使えない、完璧だ。

「クククッ、よくやったシエンタ、ならばこちらも頑張らねばな!!」

褒めるべきと思った所は素直に褒めながらも、キラーは用意した巨砲の発射体勢に移る。
僅かとはいえ電力が供給された時点で、二基の増幅器が激しく稼動して電力を増幅、それを巨砲に注ぎ込み、光り輝き始める。

さて、ここでシエンタはここが古代であり、発電所も、軍事衛星も存在しないことに気づく。
が、よりにもよって発射開始直前と、シエンタの警告、さらにはキラーの叫びが被ってしまった。
さらに言うなら、アタッカーがブラスターによって落とされてキラー本人はご立腹だ。

「シエンタ!? どうした、電力チャージがまったくと言っていいほど来ていないぞ。 まあいい! 僅かであっても、我がツインアンプによって増幅し、さらに私自身からの電力供給で、フルチャージには程遠いが発射可能ゥ!!」

これではお互いの声がまともに聞こえるはずが無い。
さらに言うならば、増幅器と巨砲が稼動を高らかに示すように凄まじい轟音を響かせており、滅茶苦茶五月蝿い。

故に、行われるのは強行発射。
しかし、そこにレールガンの弾丸が巨砲を貫通した。

「ぐわああああ――とでも言うと思ったか馬鹿め! 我が最終兵器はちょっと穴が開いたぐらいで止まりはせん、あの世で後悔するが――あれ、誘導機能が?」

巨砲は確かに損傷している、だが、それ以上に『何処がぶっ壊れても大して影響の及ぼさない雑な作り』が功を奏したのか、発射がとまる気配は無い。
さらに言うなら本体も、ひっそりと体を捻って回避している。

そして、巨砲が発射される……が、そもそも、超遠距離から大型目標に対して使うこと前提の武装が、誘導機能なしであたる訳が無いのだ、もちろん、誘導機能に必要な軍事衛星のハッキングは出来ていない、つまりは。
ほとんど見当違いの方向へと発射された弾丸が飛んでいく。
それは遠くの城壁に着弾、それを崩壊させることで威力の威厳だけは保って見せたが、結果としてはただ外しただけだ。

「……メガキャノンアァンドキャノン!!」

一瞬の沈黙の後、シエンタがキラーに対処を丸投げした。
それにも、内心はめげているかもしれないが、少なくともそれは表に出さずに、キラーはその巨砲をそのまま四門の"メガキャノン"に変形させ、周囲に展開していた四機のドローンも全てキャノン砲に変形させる。
今度はチャージが不要の、ちゃんとした実弾武器だ、威力に関しては劣ってしまうが、少なくとも、ちゃんと命中はするし、何せ砲門数が多いために、ほとんど弾幕を単機で展開しているような状態となれる。

敵を追い払うように無数のキャノン砲が一斉に火を噴いた、特に本体の"メガキャノン"に直撃するような事があれば、間違いなく普通の人間ならば即死だろう。

>スターロード シエンタ・カムリ

15時間前 No.329

山城妖狐 @sacredfool ★KfU4BwvHXz_D9v

【ロンカ村/広場/山城瑤子】

 あやかしの焔は神の炎。敵と認めた者だけを焦がす断罪の紫炎。それ以外の何物をもすり抜け、相殺や防御といった対処は全くと言っていいほど意味を為さない。神の狐が司る鬼火は彼女の妖術のほんの一端でしかない。それゆえ術士たる神狐は後方からの援護を望む。神格は常に人々の背後に坐したがるものだ。
 そして前は同門へと下った銀狼が務める。与えたモノは兵糧として余りに頼りないが、この場ばかりは何とか凌いでくれないと困る。とかくこの銀狼が再び腹を空かせぬうちにかの暴虐を討たねばならぬ。
 ……が、なるほど魂魄の類なだけはある。頑丈さは確かのようだ。力負けしながらもあの銀狼の突撃を受け止めてのけるか。とはいえそれでも良い。銀狼の本分は鉄砲玉。突っ込み続ける、攻めの手を緩めぬことによって敵の対処を誘い、こちらはその隙を突いて遠くから撃ち抜く。使い古された戦術だが、それゆえ馴染む王道のやり口だ。そして王道だからこそかの魂魄の男もそれを心得ている。男の咆哮から轟く紅の焔は実体をもたぬ虹の槍を残らず燃やす。槍はいずれも高い質量であったのにも関わらず、だ。相当の火力と見える。
 奴ほどの力量をもっていれば、こちらの定石を崩すことも容易いだろう。実際、防壁によって爆発した槍の余波も防壁を突き抜けた紫炎も、男の身を焦がしているのは確かだが、それに怯む気配はない。そして――

「神を足蹴にするか……罰当たりめが」

 銀狼に負けるとも劣らぬ身のこなし。残像さえ生むそれから放たれるは正に暴力。燃え上がる闘志は熱波さえ生じてこちらを燃やさんとする。
 神狐は男の力量を侮っていたわけではなかったが、彼の一撃は受けている。神とはいえ一介の狐ではそれで吹っ飛ぶのも無理はない。彼女の体は雪を巻き上げて転がるがしかし、神であるがゆえにただの一撃では沈まない。理性を捨てて得た暴力の発露であろうと、神狐は再び立ち上がっては陽炎を身に宿す。周りを漂う紫炎は傷を負ってなおその数を増やし、怨嗟の篭もった彼女の声と共に激しく燃え上がる。それは仇名す者に報いを約束する祟りの炎である。

「我慢比べなら……付き合うぞ?」

 神狐は雪を蹴立てて一直線に男へ走る。銀狼にも男にも負けぬほど迅速に、姿が見えぬほど――妖術による短距離の瞬間移動から神狐は男の喉笛を狙ってすれ違いざまに牙を光らせる。そのまま刺さるのならば僥倖、受けるなり躱すなりするだろうが……身を纏う焔は神獣の身のこなしについて来ていない。紫炎は依然その場所に在り、宿り主のもとへ戻る。
 ……否。宿り主の敵を焼く。つまりは牙への追撃。無数に束ねられた焔は快速の炎群と化して一様に男を狙う。先程の火の雨よりも苛烈さは段違いにして、触れれば不退転の攻勢さえ許さず焼き尽くし得る。男の背後へと回った虹の光線と男の真正面から射抜く灼熱の弾丸は重なり、射線上の獲物を挟み撃ちの格好にして追い詰める。同門へ下ったのならば連携も吝かではない。それはあの銀狼も、未来から訪れた女子も同じことだ。

>>ユーフォリア・インテグラーレ、イアン・ガグンラーズ、カリギュラ

11時間前 No.330

クランの猛犬 @akuta ★Android=8Sr3SxYeQ0

【遅れて申し訳ない。ホラー感漂う。絡みありがとうございましたー】

【ロンカ村/養鶏所/ランサー】

「……」
 黙って見守るしかなかった。
 自分がそうだったように、腹を決めて決定した事に口出しする事はしなかった。
 それで少女に悔いがなければそれでいい、ただ少女に余計な事をしでかしそうな相手が気にかかっていた。
 だからこそ約束した。口には出さなかったがもし余計な事をして、理性なき怪物にされた場合の意味で討ち取ってやると言ったのだ。
 ゆらりと魔力も気配も消されて、不気味な相手は闇に消えると。
 大怪我を負った足首を駆使した代償か、がくりとランサーは座り込む。
「一応、うちの大将に報告しとくか」
 ふうと紫煙を吐き出してそう呟く。
 戦って確信した英雄に変貌した少女と無貌の仮面は驚異になる。そう確信すると青いダウンジャケットに着替え、煙草を咥え鶏舎を照らすと焦げ臭い臭いが苦い香りと共に混ざってきた。
「うおっ! コイツはやばいな」
 呑気に一服している場合ではなさそうだ、この村は焼き討ちか大災害にあって消滅する運命だったのかと焦って立ち上がると痛みに戦いながら火の手が回らないうちに再び雪の中へと飛び込む。
(嬢ちゃんすまねえな)
 怒りと苦渋に満ちた顔に冷たい雪が当たる。後ろに結わえた髪を揺らしながら、急いでこの時代に送られた地点へ目指して煙る降雪と火煙の中へと消えていった。
>黄衣なる者

10時間前 No.331

人の皮を被った悪魔 @infernus☆XQ6phrzcKMtR ★F7MrHN45jw_D9v

【ロンカ村/民家/付近沿道/ノエル・マッケローク】

はじめ、この村を焼き払った時の威厳など、もはやノエルにはない。いつの間にか、彼女が引き連れてきたはずの近衛は、危機を察したのか忽然と姿を消していた。
皮肉なことに、周囲に目を向ける余裕を失ってしまっている彼女は、そのことに気付いていないようだ。とはいえ、ノエルに心から従う部下などいないことは、彼女の態度からしても明らかなことであったろう。
あくまで自分が最強であると信じて疑わず、被弾したのは不正であると言い張る彼女の姿は、滑稽そのもの。自らの弱さと向き合えなかった末の結末が、これだ。
それでも、彼女がようやく本気を出してきたのは事実であり、三人にとっては予断を許さない状況であることは間違いない。才能だけでここまでのし上がってきたノエルの実力は、脅威そのものなのだから。

「出来るならやってみなよー。きっと無理だと思うなー」

あくまで敵を舐め腐った態度は変わらないノエル。故に、少女の宣言に対しても速攻で無理であるとの返答を返すが、もはや彼女の思い通りに事が進むことはない。
渾身の力を込めて放たれたはずの大気の暴力は、少女が反撃として見舞った破壊の光によって、尽くかき消されていく。その光景を目の当たりにしたノエルの顔には、驚愕の表情が浮かんでいた。
何故だ、どうしてこうなる。自分の方が強いはずなのに。奴は、どんな不正をしているというのだ。嘘だ、こんな展開あり得ない。何かが間違っている。
焦りは彼女の精神を乱し、正確な判断を不可能とさせる。背後から感じる冷気。背後へと瞬間移動したギラードのアイスソードが鎖となりて、ノエルの身体を捕らえる。
後ろ手に縛られ、これで魔法は使えなくなるかと思われたが、彼女はこの状態においても足掻き続けていた。手を振るわずとも、簡単な魔法を行使することは出来るらしい。
ノエルを取り巻く暴風が、身動きを封じる氷を溶かそうと荒れ狂うが、氷は溶かせど溶かせど再生し、彼女の魔力を持ってしても、消える気配が全く感じられなかった。

「待って欲しいなー! これは本当に卑怯だと思うなー! 正々堂々やって欲しいんだけどなー!」

満足な防御を取ることすらも出来なくなったことを察したノエルは、本気で焦りを露わにする。結果として始まったのは、三人に対する命乞いであった。
次に湧き上がってきたのは、死への恐怖。こんな怖い思いをしているのは、生まれて初めてかも知れない。どうにかして抜け出さなければ、その先に待つのは逃れようのない死のみ。
故に、往生際悪く、彼女は足掻き続ける。次々と放たれるレイヴンの斬撃を、風の爆発を用いて何とか凌ぎ続ける。……だが、両手を使えず、その場から動くことすらも出来ない状態で、これらの攻撃を全て防ぐのは、さすがに無理があった。

最後の斬り上げをもろに喰らい、同時に自らを束縛していた氷が溶けたことにより、地面へと倒れ伏すノエル。受けた傷そのものは、大したことのないもの。なので本来であれば、ここから直ぐ様反撃へ移れるはずであった。
しかし、レイヴンの剣に仕込まれていた毒が彼女を蝕み、視界を歪ませる。口から血を吹き出し、雪の上をのたうち回るノエル。人としての性が、生への執着が、瀕死の彼女を突き動かす。

「お願いだから助けて欲しいなー……このままじゃ……私死んじゃうなー……だから早く―――」

命乞い。ノエルが最後の最後にやったのは、それであった。自らを取り囲む三人に対し、どうにか助けてくれないかと懇願するが……その言葉が聞き入れられることはない。
今まで彼女がそうしてきたように。多くの罪なき人の命を奪ってきたように。徐々にか細くなっていく声。耳と済まさなければ聞こえない音量で放たれていた言葉はついに……途絶えた。
光なき虚ろな目のまま、ぴくりとも動かなくなったノエル。ここに、彼女の命運は尽きた。暴虐の限りを尽くした"マッケローク朝バスケリア"の君主は、村の守護者達によって、全ての代償を支払わさせることとなったのである。

>>ノエル・マッケローク(Chrono Crisis)@祈の破壊の光とギラードの捨て身の行動によって身動きを封じられ、レイヴンの放った斬撃の傷から入った猛毒が全身に回り、死亡


>蓼科祈、氷魔像ギラード、レイヴン・ロウ

7時間前 No.332

忠犬 @infernus☆XQ6phrzcKMtR ★F7MrHN45jw_D9v

【王都ロンカリア/大通り/ロコ】

1300年もの長い歴史を誇るマロニス王国。そのルーツは古代にまで遡り、魔道帝国の崩壊後、偉大なる初代女王の指導の下に、世界の覇権を握った。
その統治は極めて寛容的なものであり、女王は多くの国民から愛された素晴らしき人物であったという。女王の名は、マロン・アベンシス。魔道帝国の時代には、カルストンの領主として記録の残る人物である。
辺境の小さき島に開かれたアベンシス朝カルストンは、魔道帝国の崩壊後、混乱した大陸を平定するために上陸し、急速的にその勢力を拡大させていった。
全盛期には大陸の北半分を支配するほどの領土を有したそうだが、時代とともにそれらの領土は緩やかな連合へと移行し、やがては独立していったのだ。
王都がカルストンからロンカリアへと遷都されたのは、およそ1200年前のこと。初代女王マロンの晩年であるが、何故当時、雪に閉ざされていたはずのこの場所を選んだのかは不明とされている。
以後、大陸の北側を支配する王国として定着したマロニス王国は、1300年もの間途絶えることなく独立と繁栄を保ち続け、未来にまでその名を残すに至ったのだ。

そんな歴史の残る街を、普通の人間とは異なる特徴を持つ少女が歩いていた。彼女は出で立ちこそ人のそれと酷似しているが、頭頂部から犬耳が生え、尻にはふさふさの尻尾が揺れている。
この時代に生きた者であれば、すぐ気付くことだろう。彼女が亜人であり、魔族であるということに。魔族に対する偏見が強い中世においては、王都に彼女がいること自体、異例といえる。

「ここがロンカリアでありますな! 勇者殿、美味しそうな匂いがするでありますよ!」

目を輝かせながら、背後の女性、アンナローズへと話し掛ける亜人の少女、ロコ。二人の出会いは三年前まで遡る。人間と魔族という種族の違いがある以上、その出会いは平和的ではなかった。
魔帝軍の兵卒として暮らしていたロコは、偶然目の前を通り掛かったアンナローズの見るやいなや、その命を奪わんと襲い掛かったのである。
彼女は亜人特有の運動神経や土属性の魔法を駆使してアンナローズを追い詰めるも、善戦及ばず敗北。正史であれば、ロコはここで殺され、命を落としている。
では何故、その彼女が今こうして、アンナローズの従者として行動を共にしているのだろうか。一ついえるのは、"古代における時空防衛連盟と歴史是正機構の介入の影響が、既に現れ始めている"ということだ。
三年間、二人きりで旅を続けていることもあり、両者の信頼関係は絶対のものであるといっても差し支えはない。ロコはアンナローズが魔帝軍を倒すその日まで、忠実なる従者として、彼女を支え続けるだろう。

さて、ロンカリアへと着いたはいいが、人一倍鼻の利くロコは、早くも周囲から漂う料理の匂いに気が付いたようである。既に日が沈みかけているこの時間帯。飯店や宿屋では、丁度夕飯を用意している時間だろう。
しばらく野宿が続いていただけに、久々に落ち着いて取れる食事が楽しみで仕方なかった。彼女は満面の笑顔を浮かべながら、アンナローズの反応を待つ。

>アンナローズ・フォン・ホーエンハイム、ALL
【許可を頂いたので、特定相手への絡みという形で投下。
 既に中世編プロローグは開始しておりますので、準備の出来た方からレスを投下して構いません。
 なお、未来キャラクターの中世編プロローグにつきましては、未来のロケーションで行うようにお願いします】

6時間前 No.333

電子の詩人 @akuta ★Android=8Sr3SxYeQ0

【プロローグ。ネットの中どうなっても知らんぞーいそして、名曲の無駄遣いパート2】

【時空防衛連盟本部/応接間/使われていない空き部屋→エントランス/ショパン】

 ここでの生活は慣れた。
 戦地に赴かずひたすら動画を撮っては編集するだけの生活を続けていく。
 通りすがりの職員は冷たい目で見て陰口を漏らす、近づきたくない。
 食堂で声かける近づいてくるおばさんが、もっと食べな細っこいから戦えないんだろうとしょっちゅう言われる、正直鬱陶しい。
 ここで働いている人達には慣れたけど、まだ精鋭のヤツらと話すのが無理。
「とりあえず一ヶ月分……この身が危なくなるまで随時投稿する予定……」
 レンズの様な輪が瞳孔を囲むくすんだ黄緑の双眸に映るのは、動画サイトの投稿画面だった。
 動画の題名は『【悲報】時空修復の影響を捉えた【新発見】』
 動画投稿者の名前はChopin。
 動画説明は時空修復の影響を捉えた動画、とりあえず一ヶ月分を投稿、この身が危なくなるまで随時投稿する予定。元の景色に戻したければ時空防衛連盟の支援を頼む。
 全ての工程を完了させると、ショパンはアップロードボタンをクリックした。
 完成するまで長かった、初撃は如何にとパーセントの数字を静かに見守る。
 時空修復の影響を動画にまとめネット利用者に、時空防衛連盟の活動を支援するよう扇動と歴史是正機構の活動動をはっきりと明らかにさせて、揺さぶりかける為にずっとコツコツと作っていたのだ、ニュース沙汰にもなっても構わない、その方がもっといい。
 ショパンはほくそ笑むと、ネットでふと世界政府が介入するのではの噂が立っている事を思い出すが関係ない。
「ねんりょうーとーかー」
 かつて、自分の作った歌をジョリーが歌った動画のランキング上位を目指した事を思い出し、その歌(ムジーク)にちなんだ旋律に合わせて祈願の意味で小さく歌うと。
 立ち上がり、肩にかけた紫色の上着の袖をなびかせて外に出た。
 脇にダンボールを抱えながら自動販売機に向かおうと部屋から出る、帰還している人は少ないと思い珍しく目元は陰と前髪で隠れているが、陰のある端正な顔立ちを晒す。
 相変わらず通りすがりの職員は冷たい目で、戦地に赴こうとしないショパンを見る。
 自分は戦闘ははっきり言って不得意だ、だからこそ自分の得意分野でダメージを与えようとずっと行動してきたのだ。
 ふとそんな事を思っていると、映像が脳裏に過る。
(……あれ、前にもこんな事……あった気が……)
 机に向かい執筆し、社交界(サロン)でピアノに向かう『彼』の姿がぼんやりだが"思い出される"だが、ショパンは輪郭をはっきりと捉えられず、首をこてんと犬のように傾げると、もうそろそろ自動販売機に辿り着く。
 硬貨を入れて、飲み物を一缶購入しそれを取ろうと細腕を伸ばそうとして。
>ALL

5時間前 No.334
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