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【ALL】mirage world【版権】

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スレ主 @vtyjf ★GFYUJuZycW_c1Z

それは蜃気楼
現れては消える泡沫の夢

皆はどこへ消えたのか、世界はどこへ行ったのか
夢から零れ落ちた残滓達は彷徨い歩く

全てが消え、全てが溶け落ち、全てが混ざったあの日


ある者は絶望の中を、しかし笑顔で歩き始めた
ある者は絶望の中、しかし希望を見出した
ある者は絶望の中にこそ、己の目的があるとほくそ笑んだ


全てが揺蕩い、現れては消える夢現の断片ならば――

――あるいは、常ならば起きぬことも起きるかもしれない


【クリックありがとうございます、少しでも興味がお有りでしたら本記事をゆるりと御覧ください】

メモ2018/01/01 02:01 : 勇者 @ask2★iPhone-P9oxZSYDmV

レス解禁しました。


【現在の参加キャラ一覧です】


○保守派 ●革新派 ☆楽園派 *放浪者

レベル5

○葵・トーリ

●カオス

●エレオノーレ・フォン・ヴィッテンブルグ

●アビゲイル・ウィリアムズ

☆タブー

☆アクア

☆ケフカ・パラッツォ

*ヴォルフガング・シュライバー

*アルガス・サダルファス

*ネウロイ


レベル4

○アルトリア・ペンドラゴン[オルタ]

○ニンジャスレイヤー

○ソル=バッドガイ

○ビヨンド・ザ・グレイヴ

○レオン・ルイス

◯相川過波

◯ボンドルド

●ジャティス=ロウファン

●イシュタル

●檀正宗

☆劉豪軍

☆キング

…続きを読む(43行)

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冒険者 @mistnack ★Android=GSNUYecoxY

【崩壊した都/佐藤カズマ】

 今日も今日とて肝が冷える思いだ。
 アルガスが高らかに宣告した啓示に、ゾクリと肌が粟立った気がする。いや、もちろん具体的なところはわからない。わからんが、この悪寒は洒落になっていない。
 俺がその威光を浴びていれば、きっとこんなバカは出来なかっただろう。一目散に逃げ去るか、それもできずに縮こまるか……まあ、どっちでもいいが、とにかく無様の極みを晒していたのは間違いないはずだ。

 ──まあ、それはそれとして。
 結果として、俺達の誰もそうはならなかった。ダーナの無事は直ぐに確認できたが、ソルはどうかといえば彼方も流石と言うしかない。
 そもそも俺に凌げてアイツに出来ないってことはないだろうが、それでも懸念や不安を丸ごと吹き飛ばしてくれるのは有り難いもので。
 普段の俺ならあまりの性能差に嫉妬して愚痴のひとつでも溢すところだが、今はただ頼りになるばかりだ。ここからまたひとつ苦労を掛けることにはなるが、罪悪感だの何だのとも言っていられないわけだし。


 そしてあとは、ダーナの返答次第。
 ……なのだが、それも正直なところ断られる気は微塵もしてなくて──ほらね、やっぱり。

 この娘が“そういう”ヒトだってのは、なんとなくでも伝わってくるものだ。そんな相手の心優しさにつけこんで、陽動に利用するのは外道だと詰りたいヤツが居たら好きにしろ。
 応とも、知るかそんなもん。ルールやフェアネスなんて今時スポーツでも如何にして目を盗み、裏を掻くか競う対象だってんだ。
 ……そんなふうに、危険を丸投げする後ろめたさを正当化する必要もないほどに、ダーナは快く承諾してくれた。

 ここで保身に走るような相手なら、俺だって負けじと自分だけの逃げ道を確保しようともできたってのに。まったく──!


「──おう。頼りにしてるぞ!」


 視界を塞ぐ岩山が断ち砕かれるより早く。
 最後に親指を立てて二人の奮戦を願う気持ちを示し、俺は全力で走り出した。

 ……危なかった。
 絶賛引きこもりだった頃の俺なら、女の子にあんな風に微笑まれたら動揺して声が上擦るか、変にカッコつけようとして吃っていたかもしれない。
 この時ばかりは、見てくれだけはよく整ったあの問題児たちに感謝しなくちゃならないだろう。……いや、今のはそもそも本当に上擦ってなかったか? ないよな?


 もちろん、そんなバカを考えている余裕があるわけじゃない。ないが、そんなバカでも言っていないと緊張で吐きそうなのだから仕方ない。
 ついに麻痺が切れたのか、存分にその剛剣を冴え渡らせるアルガスが俺を隠している岩壁を斬り飛ばす。それに留まらず大気を裂く真空刃は臆する俺の歩を鈍らせ、その間にも岩陰の安全地帯は削れていく。
 立ち止まっていてもいられないが、俺の足でこの剣閃吹き荒れる只中を駆け抜けるのは難しい。何を言っても行くしかないのが嫌になるが……もう覚悟は決めたのだ。


「(くそったりゃあーっ!)」


 こうなったら、半ば以上にヤケクソだ。
 俺とアルガスを隔てるのは、この薄っぺらい外套ひとつ。それでも『潜伏』はしっかり発動しているはずだが、そんなことはお構いなしに場を制す斬撃はいつか俺を捉えるだろう。
 それを承知で走り出した、俺は。

 アッサリと、真空刃のひとつに食らい付かれる──よりも前に、舞うように薙がれる水流が、剣撃の余波をさらっていく。


 …………それは、きっと竜だった。
 たとえばソルが、炎獄を砕き割って降臨する“個”としての魔竜だとすれば。
 彼女のそれは、かつて絶対を誇って君臨した“種”としての巨竜。


 ほら、アルガス。お前が王だっていうのなら、大陸の覇者って括りにおいては大先輩のお出ましだ。
 なら、今度はお前が頭を垂れる番なんじゃないか。なんだったら俺も手伝ってやるさ。せっかく調子を取り戻したところ悪いが、もういっちょ麻痺でもプレゼントして──!


「あっ! ──コイツ、跳びやがった!」


 もう少しで足元、というところになって。魔神は大きく跳躍すると、玉座まで後退して悠々と詠唱を開始する。
 ……まずい! わざわざ距離を取ったのを鑑みるに、次の一撃はまず間違いなく大技だ。麻痺が効果を示すのは肉弾戦のみと先に実証されている以上、もう『不死王の手』ひとつでどうこうできる領域ではなくなったと宣言されたようなもの。

 しかも、それだけじゃない。俺が一息に駆け抜けた後方──ちょうど、味方二人と俺を分断する位置に、無数の反応が敵感知に引っ掛かった。
 現れたのは無数のアルガス。魔神へと変貌する前、人間だった頃のアイツが。もはや数えるのも億劫なほどの軍勢となって、各々が騎士剣を振るい始める。
 数の優位はプレイヤーの特権じゃねーのかよ! 異世界ってのは、どこもかしこもゲームバランスが滅茶苦茶なのか! ……このまま魔神を追えば、俺は本当に孤立無援と言ってもいい状況に陥ってしまう。



 …………だから、どうした。

 ──走る。走る、走る、走る!
 ただ前へ。場が混乱し始めたというのなら、なおさら俺は影になれる。どのみち詠唱を止めなきゃ大惨事は確定だし、今さら提げて戻れる面もねえ!

 なるべく外周に沿うように、俺という存在を気取られないよう回り込む。
 近くで見れば見るほど、サイズの違いを実感するせいか格(レベル)の差を思い知らされる。俺なんかに、コイツを止める術があるのかと二の足を踏みそうになる。
 ……でも、違う。俺がコイツと渡り合う必要なんてない。そりゃ勝てるかよ、そんなもんプチッと潰されてオシマイですわ。
 だから、派手な活躍なんて要らない。孤軍奮闘だとしても、勇ましい一騎討ちなんてやめちまえ。卑怯な手でも何でも使って相手の隙を執拗に突く、それが俺の流儀だろうが!



 俺が構えたのは、通用しないと切り捨てた、弓。
 その矢に、残ったダイナマイトもどきをワイヤーで括り着けて。狙うは、魔神の膝間接に浮かぶ球体の裏だ。
 何をするつもりかと言えば、そう。つまり──超大規模な『膝かっくん』、これしかない。



 …………バカ野郎、ふざけてねーよ!
 大真面目に、俺はこれしかないと思っている。ヒトガタとはいえ魔神の身体構造はまったく謎だが、ここまで見た限りでは人体にあらぬ駆動は見せていない。なら規模が違おうと、不意に自然な方向へ膝を曲げてやれば体勢を崩しても良いはずだ。
 第一、俺の手札でマトモに動きを止めるのは無理だ。真正面からならソルの乱打にも余裕で耐える相手だぞ。その点、『膝かっくん』に然程威力は必要ない。全力で膝裏を蹴り飛ばさなくたって上手くやれば成立するもんだ。
 ダメージの蓄積が下半身に寄っていることも、この案を後押しした。ダーナに削られヒビの入ったその脚で、ソルに焦がされ光を溢したその腹で、お前はどれだけ踏ん張れる!


 ──いや、分かってるよ。
 無理があるのは承知の上だ。こんなものは駄目で元々。
 ……俺だって、分の悪い賭けはしたくない。もっと慎重なギャンブルがしたいさ。

 でも、しょうがないじゃん。
 やるって言ったのは、俺なんだから。



「──『狙撃』ッ!」



 渾身の一射が空を裂く。これなら、あの球体まで届くだろう。
 ダイナマイトもどきは着火済み、炸裂のタイミングも概ね予測してある。多少の誤差はあるだろうが、結果に影響するものじゃなし。
 あとは、ダメ押しだ! 俺は間髪入れずに、放水魔法と氷結魔法で魔神の足元を凍結させる。単純に滑らせて転ばせる、俺の十八番戦法のひとつではあるが、この巨体相手では少しでも相乗効果を生むよう願う程度でしかない。

 理想を言うなら、前のめりに倒れてもらってアルガス軍団を押し潰し、三人で一気にタコ殴りだが……理想は理想だ。せめて膝をついてくれりゃいい。効かなかったら効かなかったで、それならその時考えるしかないだろ。
 ……あ、でも、こっちに倒れてきたらどうしような。そこまで考えてなかったな。でもって、もう考える時間もなさそうだ。

 俺の放った矢が膝裏に届こうとする、その瞬間。
 火種が導火線を食い付くして、紅蓮の閃光が迸り始め──!


>>アルガス、ダーナ、ソル

27日前 No.277

グレイヴ @5121☆stkO0KxpThU ★ztEbdaugmt_7FY

【雪国/ビヨンド・ザ・グレイヴ】
【Ex技『DAWN OF GRAVE』発動 残り2レス】

グレイヴの取った攻撃は半分は失敗したようなものだが、得たものはあった。
視界不良を起こした上で熱源レーダーに移らないようにしての不意打ちは失敗だった、それ以外のレーダーも搭載されていたようでロケット砲はメイスにより防がれた。
これに関しては申し開き用のないこちらの落ち度だ、気配と体温のない身体に驕ってこの結果だ、次はない。
続く両手のケルベロスの高速連射もバーニアではなく着弾位置を調節されその周辺を穿つだけに留まった、読まれていたといっても過言ではない。
得たものとは『ケルベロスでもあの機体に穴を穿てる』という事実だ、その確証が得られなかったからこそグレイヴは腕の負担を覚悟して装甲の張りようがないバーニアを一点集中で狙ったのだから。
時間加速の残り時間は残り三分の二程度、僅かに焦りが僅かに鎌首をもたげてくるが、それすら理性で押し殺しグレイヴは次の行動を取る。

ケルベロスをホルスターに納め、両腕に巻き付いていた鎖を解き、デス・ホーラーを両腕で保持し、”全力で真上に放り投げた”。白き棺桶はバルバトスの全高よりもはるかに高く飛翔する。
このデス・ホーラーとはいわばグレイヴの主兵装だ、攻撃防御を一手に行えて、様々な敵に対応できる武器を備えている、とだけ言えば聞こえはいいが欠点はその”重量”だ。
厚過ぎる装甲、これでもかと詰め込まれた過剰な量の武器弾薬は凄まじい重量になる、グレイヴが使うことに念頭を置かれたこの兵装は常人どれほど鍛えようと使用は愚か持ち上げることすらかなわない。
その武装を一時的にでも放棄するということは、保持する火力の大半を放棄することになる。その行為を行う利点はただ一つ。
”さらなる機動力の確保”だ。この兵装は頼りになる武器であるとともに”枷”でもあるのだ。バルバトスに投げつければそれだけでも高い威力となり得るがそれをしなかったのは一瞬でも意識を逸らせれば、との考えだ。

「行くぞ」

今度の武装は見覚えがある、いわゆるレールガンと呼ばれるものだ。今の状態で直撃を受けようものなら死は免れないし、掠ってもまずい。
なのでこれは大きく横に跳躍して避ける、この速度はまだ三日月に見せている範囲の速度で充分だ。グレイヴのいた場所には大きな穴が空いていた。
次いでグレイヴは再びバルバトスに突貫を掛ける、それを予想していた三日月の大型メイスが迫るが、今度はさらに段階を上げた速度でメイスの攻撃をすり抜ける。
跳躍しながらホルスターに収めたケルベロスを二挺抜き放つ。

「EXECUTIONER'S BLOOD」

まずは背後を取り、バックパック、バーニア、頭部目がけて文字通り目にも止まらぬ速さで高速連射。
腕の負担は気にする必要はない、その大きな負担の一因だったデス・ホーラーが今は手元にないのだから。
しかしこの位置に留まって射撃を続けていれば三日月は必ず対応してくるだろう、だからその前に方角を変える。
今度はバルバトスから見て右側に瞬時に回り込み腕の関節と手のマニュピレーターを狙い連射。攻撃力を削ぎ落しにかかる。
次は左側からも同じように、しかし今度は足の関節を重点的に狙い機動力を削ぎ落しにかかる。
その次は再び背後を取り膝裏とバーニアを狙い、時には正面に回りバルカンとレールガンを潰しにかかる。
恐るべき速さと精密さで全方位へ/全方位からケルベロスの破壊力を無慈悲に振り撒く、これがグレイヴの魔妓”EXECUTIONER'S BLOOD”。
これはグレイヴが認めた敵にしか使わない技だ、これを可能にするのは改造された肉体だけではない、その肉体を限界まで振り回せるグレイヴ自身の”ポテンシャル”だ。
全方位からの射撃を行ったのは時間にして僅か十数秒程度だが、加速をやめない戦場にはあまり意味のない数値だ。
最後にもう一度正面に回り二発の弾丸をバルバトスのカメラアイに放つ、弾丸を放ち終わった瞬間上空から思い出したようにデス・ホーラーがグレイヴの目の前に降ってきた。
互いに力と技術の粋を尽くしての戦いだが、そろそろ終わりが近いとグレイヴは感じていた、バルバトスのあの動きにも限界が当然あるだろう。
上げたギアを落とさざる得ない時、この戦場で最後に拳を振り上げていられるのははたしてどちらか。

>三日月・オーガス

26日前 No.278

アタランテ @evil☆wlNTvj.bQ62 ★Android=c1E0DIQTEq

【街/アタランテ】

厄介な相手だと、アタランテは歯噛みする。
通常の獲物なら顔色や動きのキレでどれほど消耗しているかがわかるというものだが今の相手は機械であり如何なるダメージを受けようと停止するまで全快と変わらない動きが可能であるのだろう。

アタランテが大砲の如き一射を放つと同時、キラーマジンガが何発かの矢を放ち、アタランテはその矢を自分の矢で相殺する。
そしてアタランテが放った渾身の矢はキラーマジンガに確かに命中した。
その身体が爆炎に覆い隠されるがアタランテは構えを解かない。

そして案の定、キラーマジンガは爆炎の中より現れた。腹にはアタランテにもわかる大穴が開いているが剣を煌めかせながら突っ込んでくる。

「ぐっ…あッ…!!」

狙われた心臓だけは躱すも今度は肩を切り裂かれた。浅くはないし無視できる傷ではない。あの光る剣は恐らくは剣の威力強化。
アタランテは接近戦がまるっきり出来ないわけではないが今のアレと接近戦は分が悪い。
瞬足を以てアタランテは距離を取りあくまで射撃戦に専念する。

「手負いは互いに同じ…!
だが、仕留めるのは私だ!」

再度、魔力を込めた射撃が放たれる。魔力を帯びて輝く都合三射、二射はキラーマジンガの側方から、三射めは真っ向からキラーマジンガを撃ち抜きにかかる。

>キラーマジンガ

26日前 No.279

キング @evil☆wlNTvj.bQ62 ★Android=c1E0DIQTEq

【霧の街/キング(EX技:ダークネスヘルクラッシュ)】

オーズ、クロノスを諸共に紋章で押し潰すつもりであったがクロノスの攻撃によってオーズは吹き飛ばされ、クロノスも紋章を受け止める。
だが紋章はフィンガースナップで起爆させることが可能だ。いや、アレほどの相手だと違う攻撃で痛打を与えるべきか?

キングが思案しているとベルトのキバットバット二世がキングに警告した。

『ッ!!もう一人の様子がおかしい!!』

咆哮と共にオーズが変貌する。金色から紫へ、纏う雰囲気が先程までとまるで違い、先程までと同じライダーなのかと疑問すら生まれる。

「レジェンドルガか?」

『いや、アレは俺が見るに太古に地球を支配した覇者…《恐竜》だ』

「ほう…?」

だがキングにとっては相手が神話の力を使おうが太古の力を使おうが関係ない。
ただ、絶滅させるのみ。

恐竜の力を得たオーズの力が今解き放たれる。
強靱な尾から発せられるのは極低温の波動。

「冷気か」

見れば足元を凍結させられたクロノスが無様にも態勢を崩し冷気と紋章のサンドイッチ状態を晒している。

「褒美だ。もう一つ、くれてやる」

キングは二つ目の紋章を発生させ、クロノスの上から落下させた。
ついでウェイクアップフエッスルをキバットバット二世に噛ませ、軽く叩き吹かせる。

『ウェイクアップ1!!』

霧の街を赤き月が照らし出す。キングは遥か上空に跳躍し、冷気を回避する。
そしてオーズ目掛けて急降下、赤く輝く拳をオーズ目掛けて叩きつける。

「砕けろ…!!」

ウェイクアップ1、『ダークネスヘルクラッシュ』。
ダークキバの持つ三種の必殺技が一つ。それは相手を壊し闇へと還す、闇の王の拳撃である。

>映司、正宗

26日前 No.280

蝋翼 @artemish☆8cfl5/j3VDw ★nvK6VZex7T_UxJ

【ベルリン/アシュレイ・ホライゾン】


 ――獲った。

 確かな手応えに口許が歪みこそしないが、会心のそれが脳髄を駆け巡る。
 アッシュの星は炎熱の付与。同じ炎ならば、太陽プロミネンスの超高温ですら無力化する灼熱の超新星。それを攻撃に回しているのだから心構えは塵も残さず焼き尽くす以外に有り得ない。
 邪悪なるもの一切よ、ただ安らかに息絶えろ。積み重ねた屍、食らった魂諸共に、このベルリンと共に消え去るがいい。
 それだけの覚悟と殺意を秘めて放った炎は確かにウォルフガング・シュライバーの総身を呑み込み、咀嚼してこの世から消し去らんとした。
 ……その筈、であった。

「ッ―――」

 シュライバーは、硬直していた。忘我の境地に達したかのように、茫然と。
 一撃で仕留め切れなかったのは痛恨であるが、それでも予想の範疇を飛び出たわけではない。
 星を解放して漸くアッシュの位階は四。その点、シュライバーはその一つ上を行く五だ。故に仕留め切れない可能性は当然存在する。では、アッシュは何に対して驚愕しているのか。
 その解答は、ウォルフガング・シュライバーという戦徒が晒している、余りに悍ましすぎる有様にあった。

 焼け落ちたトーテンコップの下に本来あるべき眼球は存在せず、無明の空洞となった右眼窩からありとあらゆる汚物が溢れ出してくる。
 蛆虫であり、人体の残骸であり、血であり、膿であり、腐汁であり、■■であり■■■であり。常人なら一目見ただけで重篤なパラノイアを患って然るべき光景が、アッシュの視界の先に在る。
 理解不能。だが、彼/彼女の背景に存在する悍ましい真実が垣間見える地獄絵図。
 何かが起こる。何かが、来る。それは災害、否或いはもっと恐ろしく果てしない何か。一度発動を許せばこれまでに築いてきたプロセスやアドバンテージの全てを無に帰し、終末だけを一方的に押し付ける魔の暴風。

        ・・・・・・
 それが何であるかを正確に認識する前に、アッシュはこれしかないと即座に判断。
 迫り来る暴風を一か八か滅却する為に、過去最大の熱量と出力でもって蝋の翼を燃え上がらせる。
 その汚濁諸共この世から消し去るしかないと、全身の血液が気化してもおかしくないほどの勢いで猛り――

「な……オリエさんッ!?」

 そこで、信じられない行動に打って出る者を見る。
 それはオリエ・バラーディア。撃ち抜くのでもなく切り裂くのでもない、ただ両手を広げて迎え入れると言うだけの行動。
 抱き締めてあげるとでも言わんばかりに、一切の殺意も、一切の敵意も秘めずに敢えて晒す無防備。
 何をしている――その意味が解っているのか、あなたは。
 アッシュは驚愕と焦燥に身を焦がされるが、今は彼女のやろうとしていることを見届けるしかないと瞬時に悟ったからこそ動かなかった。動けなかった。たとえ、その末に待つものがどれだけ悲劇的なものだったとしても。

>シュライバー、オリエ、ライダー

【体調が悪くてレスが遅れてしまいました、申し訳ないです】

26日前 No.281

シュライバー @trifas ★51ct67nR08_8gk

【ベルリン/ウォルフガング・シュライバー】

>>レジスタンスのライダー、オリエ・バラーディア、アシュレイ・ホライゾン

呪詛の言葉が紡がれる間、なにかしらの抵抗・妨害をしようと試みて、己が武器を振り回す彼らの行動に無駄などなかった。
確かに男を確実に仕留めるとするならばあの時、あの一瞬しかありえない。一度渇望の顕現を果たせばあるのは人外極悪の怪物であり、もはや誰の手であってもかすり傷一つ与えることは困難になるだろう。
だが、それすらも許さない。放たれた弾丸も、止めようとした試みも。その一切が触れることすら――近づくことすら許さないほどの圧倒的な魔の力。
・・・・・・・・・・・・・・・
なにをやっても必ずその上をいく。
まったく馬鹿馬鹿しいルールだが、ウォルフガング・シュライバーの壊れた精神をまるで映し出しているかのような――。

その時、詠唱を果たしたシュライバーのもとに無限の錨。伸びる鎖を利用した攻撃が繰り広げられる。
呆然と立ち尽くしている今が好機と見たか、様子見としているのか。いずれにせよ正解だ。動き出してしまえば、もうそんな余裕など二度とは訪れない。
着弾する寸前までシュライバーは動かなかった。血液(ガソリン)の溢れ出る右目を抑えたまま、残る左目で視界に取り込んだ――瞬間。爆ぜる土煙。

「Zarfall' in Staub deine stolze Burg――!」

以前のシュライバーであるならば一撃は貰っていたやもしれぬ虚を突いた策であっても、通用しない。理性の持たない怪物を成り果てたシュライバーは、まともに考える力など残っていないが――それだけに、目に見えないモノでさえも知覚する。否、嗅ぎ分けるといった怪物じみた行為には特化している。
彼らの感じた経験などはすべてが白紙と戻ったのだ。今ここまでシュライバーを追い詰めた作戦。そのどれもが、その類であったがゆえに。

異常なまでの速度からなる土煙を利用して、ただでさえ目で捉えることも困難な状況を更に悪化させたシュライバー。
こうなれば第六感で、それも一瞬で三百六十度、どこからくるかも分からない攻撃に対応しなければならない。
狙いはもちろんライダーだ。瀕死である相手を放っておく理由などなく、まして喧嘩を売ってきた相手をみすみす生かしてやるなど。

「―――――」

肉を引き裂き、骨を絶ってやろうとした手が止まる。獲物を蹂躙せんとしていた足が止まる。
この期に及んで、どこからどうみても愚行と思える働きを見せた女にシュライバーの注意が逸れた。

いまこいつはなにを?

この場の誰よりもおそらくは脆弱である女に、シュライバーの狂気に満ちた視線が向かう。
一体何をしているのだと、様子を窺うようにしていたのは一瞬だった。優しさが含む無邪気な、子供らしい表情を浮かべて。
心底信じられない、といったいわゆる呆れから生じるものではない。なにかに涙し、歓喜に打ち震えている姿とそれは似た何か。
ウォルフガング・シュライバーはその異常さがあるがゆえに、犠牲とした部分もまた甚大だ。そう。

誰にも触れられたくないという渇望。
・・・・・・・・・・
本当にそうだろうか?
それならば、なぜ??

「………ァ」

暴君と化したシュライバーが揺らぎ、動きを止めている。溢れる殺意も心なしか落ち着いているように窺える。
わたしはいてもいいのだと認めてくれる誰か。愛し、傍にいてくれる誰かを願うアンナ・シュライバーの、聖遺物にかけた真の渇望。
それが叶うかもしれない瞬間を前に、壊れた精神が反応を示したのだ。しかし。

「オオオオオオオオオオオオオォォォォォッッ―――!」

信じがたい光景を目の当たりに、シュライバーは吼える。
瓦礫を、灰となり割れた地面を粉砕する魔力を帯びた音の衝撃。たかが雄叫びと言えど、一時動きを封じる事ぐらいは可能とみて。
シュライバーは駆けた。女にトドメを刺そうと。あるいは抱き締めてもらおうと――したのかもしれない。だが結果としてそれは。

流星の速度で迫るシュライバーに、突き出しただけに過ぎないシュライバーの手に。
耐えられる者などそうはいまい。普通は恐怖し逃げるか、気付かぬ間に心臓を抉られている。
そもそもついてこられる他者が存在しないのだ。如何にその気がなくとも、自身は怪物ゆえに。

だから。
未来永劫――アンナ・シュライバーの渇望が果たされることは、ない。


【結果はそちらにお任せ致します。】
【此方こそ、厄介な能力のお相手をありがとうございました】
【そして申し訳御座いませんでした。また機会がありましたら遊んで頂けると幸いです。】

26日前 No.282

火野映司 @antinomie☆yzl4MFL1dRLB ★sLdIAtRTAq_xmq

【 霧の街/火野映司 】【EX技「プトティラコンボ」発動!/残:3レス】

「ぉ、おおおおおおおおおおおおッ!!!」

咆哮は途切れない。
明滅する胸の輪は、光を奔らせ全身に力を渡らせる。
ひとしきり吼え、仮面ライダークロノスに第二の紋章が落とされようとしているときに、動きを止める。
瞳が光る。緑、紫、緑と光り、瞳に緑が灯ると、オーズは正気を取り戻したように前を向いた。

「……―――ッ、危ない!久しぶりだと、感覚狂うなぁ……!」

小声でつぶやき、前傾姿勢のまま首を二度振る。
紫のメダル、恐竜のコアは暴走の危険性を孕んだ、無の属性を持つメダルだ。
無に等しい欲望の隙間に入り込み―――もしくは、底無しの欲望に寄生し―――暴走させる。かつては、そういう存在だった。
そのメダルは既に失われ、未来に向かった他のコアメダルと違って発見されることは無かった。が……どうやら、此処ではそうではない。
可能性があれば、其処に手を伸ばすことが出来る。……まあ、また暴走しかける羽目になるとは思っていなかったのだが。

「って、そうだ。このままじゃ……ええと、確か……」

ベルトに備え付けられたホルダーから三枚の銀色のメダルを抜き取り、片手に携えた手斧へと装填していく。
恐竜の顔のようなデザインの斧の口に、メダルが吸い込まれる。三枚が呑み込まれた後に上顎を模ったパーツを動かす。

《ゴックン!》

手斧―――<メダガブリュー>に、セルメダルが噛み砕かれエネルギーとして還元される。力は巡り、やがて放たれる。
響く笛の音と、夜の闇に包まれる霧の街。それを視界に捉えて、迫る拳に対して向き直る。

《プ・ト・ティラーノヒッサーツ!》

「セイヤァァァァァッ!!!」

放たれた必殺の拳に、カウンターを放つように紫の刃を叩きつける。狙うは胴体、確実に攻撃を叩き込む―――……!
だが、それは当然、放たれた必殺を避けないという選択をしたということ。
胸部で拳を受け止め、其処にクロスカウンターの形で斧での必殺技『グランド・オブ・レイジ』を放ち。
強烈な火花と共にオーズは吹き飛ばされて、後方に控える街並みの一つに叩きつけられ、盛大に破壊する。

「ぐ、あァッ……」

声を漏らす。―――やはり、少々無茶な手だった。もう全身、バラバラになりそうで……軋んでいる気がした。

>キング、正宗

26日前 No.283

ソル @evil☆wlNTvj.bQ62 ★Android=c1E0DIQTEq

【崩壊した都/ソル=バッドガイ】

ソルの業火が、ダーナの岩槍がアルガスに迫る。これでたとえ倒せずとも、それなりに手痛いダメージは免れまい。

――だがそれは、アルガスが『万全でなかったら』の話だ。

「カズマの麻痺が解けやがったか」

ソルは一瞬の境にアルガスの動きが一変したのを見た。合計四本の剣が振るわれ台風が如く衝撃波が巻き起こる。

「チィ…今のであの程度かよ…!!」

こうなるとこちらも更に出力を上げねばあの魔神は打倒できまい。それに、だ。
即席ではあるものの相方のダーナは既にトップギアでアクセルを踏み込んでいた。
姿当初出会った青い髪と肌に戻り、人間のフォルムこそ変わっていないが溢れ出る力は桁が違う。
ならば、こちらもややこしい事は考えない。
今出せる限りのトップギアを開帳する――!!
ソルの足元に火の粉火の粉が舞い散った。

【EX技:ドラゴンインストール】(残り5レス)

「ドラゴンインストール!!」

火の粉が爆炎に代わり溢れ出る。ダーナが太古に世界を支配した覇者たる恐竜であるならソルは神話にて君臨する背徳の炎竜である。

爆炎の中から現れたソルは肌は紅き鱗に覆われ、顔は竜そのものとなり、臀部からは尾、背中からは燃え盛る翼を生やした竜人へと変貌していた。

「ガンフレイム!!」

襲い来る剣戟の衝撃波をソルは地面にジャンクヤードドッグを突き刺し吹き出す焔で迎撃する。当初にアルガスに放った技と同じそれだが今のガンフレイムは火力と炎の密度が桁違いだ。
アルガスの脚部、胴体…大きくはないがそこに確かな『傷』がある。

狙うなら其処であろうがそれをわかってか否かは定かではないがアルガスが次に取ったのは後方への跳躍だ。
そして聞こえてくる不快な何かの音。そして現れたのは…アルガスの影とでも言えば良いだろうか。
もっとも魔神に変貌したアルガスではなく人型であった頃のアルガスであるが驚くべきはその数だ。
いちいち数えてなどいられないが総数は3桁に相当するのではなかろうか。
加えて地には暗黒の剣、空には黒き風。どちらに進もうと待ち受けるのはアルガスの悪意。
躱せないならどうするか、ソル=バッドガイという男ならどうするか。
答え?単純だ。

「はっ、仕方ねえな」

合わせる、というダーナの言葉に口ではそう言いながらも竜人と化したソルの口許は笑っていた。
紅蓮の焔を纏うソルの拳が、地面に叩きつけられる。

「失せな…!ドラグーンリヴォルヴァァァァーッ!!」

吹き上がるのは火山が如き噴火。噴火は波となりてアルガスの影へと押し寄せる。水と火、本来交わるはずのないモノが今は共通の敵を目指して進撃する。
次いでソルはジャンクヤードドッグを構える。

ジャンクヤードドッグが燃え盛り長大な炎の刃を象る。それをソルは軽く跳躍しながら振りかぶった。

「ヴァルカニックバイパァァァーッ!!」

繰り出されるは長大な炎の刃。それはダーナが放った円刀と横並びに飛来しアルガスへと迫り来る。

さて、あとはカズマだがぱっと見た限りでは確認は出来ないのだがどこからともなく矢が飛んできたのをソルは見た。
それはダーナもソルも狙ってはおらず、アルガスを狙って飛翔する。となればあれを撃ったのはカズマ以外にあり得まい。
加えてアルガスの足元に冷気が発生している。アレも恐らくはカズマのもの。
あれらがソルやダーナほどの力量を持たない彼が出来る精いっぱいのことならソルは何も言わない。

ただ、自分たちの攻撃がアルガスにどれほど効果があるか、その一点のみに意味がある。

>アルガス、ダーナ、カズマ

25日前 No.284

社長 @carisu☆t8OIH682mSg ★412JbkxTX6_M0e

【霧の街/壇正宗】

「ぬあぁぁぁぁぁぁ!!!!」

二重に増えた紋章の荷重に、クロノスは悲鳴をあげる。
幾ら伝説の戦士と言えど実年齢は50を超えて社長職、腰が重い。
それゆえ腰の爆弾が爆発しかねない。
冷えも良くないと聞く。
だが二重目の紋章の圧力で現在の氷はひび割れ、更に冷気の放出は止まった。
ここが踏ん張りどころである。

「私の上で遊ぶんじゃあない………!」
『クリティカルジャッジメント』

ひびの入った氷を跳ね除け、紋章を跳ね除けるように仰向くクロノス。
そんな仰向けになったクロノスに必殺のカットインが走る。
右腕に構えたガシャコンバグヴァイザーUにガシャットを装填し、必殺技が起動。
拳と刃をぶつけ合う二人のライダー目掛けての、蓄積されたエネルギー弾による攻撃だ。
両者を撃ち抜き、爆破せんと無数のエネルギー弾が二人目掛けて放たれた。

>火野映司、キング

25日前 No.285

レジスタンスのライダー @aroundight☆SdjaOljKHtOm ★zLr78z7s8m_FR1

【ベルリン/レジスタンスのライダー】
【Exスキル『新天地探索航』発動中 0/1 Lv3⇒5 持続1レス】

 そもそもの話。
 ウォルフガング・シュライバーと彼我の戦力が拮抗していた理由は、偏にアレの動きにある。
 自らに対する攻撃は必ず回避するという、触れられることへの忌避。
 誰にも触れられたくないという渇望こそが唯一の付け入る隙にして、あの嵐の軌道を予測出来る目印でもあったのだ。航海者にとって嵐とは御するもの、制して征して静するものであり、故にそうするだけの根拠があって初めてそれを嵐と呼ぶ。
 それがあったからこそ、ライダーはこれを嵐と断じて処置を取っていた。宝具の開帳という最大のカードを用いてまで………それが成立せず、白騎士の真骨頂が此処に現れた瞬間、もはや対処する手段は無きに等しい。もちろん想像していなかったわけではないが、さしものライダーとてこれには幾らなんでも瞠目せざるを得なかった。

「(幾つか考えちゃいたが―――こりゃあ最悪だ………!)」
「(速度がどうのこうのじゃねえ、パターンが変わりやがった!)」

「イカレると母国語が出る性質かい、クソったれめ………!」

 単純な動きの質が変わった。判断の材料とするものが大きく変わった。
 以前ならば命中の可能性があったものが、恐らくは完璧に零の領域にまで落ちて来た。
 避ける躱すまでなら“まだ”いいのだ、あくまでもライダーが見たかったのは、この狂乱怒涛の魔獣がどれほど獣性に自分を割り振ったのかを確認するため。それが完璧に傾いていたのならば、いよいよ以て彼の下すべき結論はひとつになってくる―――そう、レジスタンスのライダーは不屈の人であるが、それは断じて“不退転”を意味するものではない。

「こりゃあ退き時か、流石に打つ手が―――」

 諦めなければ何時か勝ちのチャンスは来る、今回が間違いなくその時ではないというだけ。
 シュライバーのその性質、常に溢れ出る血液が燃料に等しいものであると感じ取ったが故に、最悪放っておけばアレは機能を停止するだろう事実が掴めている。であるならば、此処から手札を切り尽くしたライダーが考えることはこの獣を如何に煙に撒き、この死都で朽ち果てさせるかというものだけなのだが………それも難しいだろう、とは彼の中で結論が付いていた。
 持久戦など仕掛けることがそもそも馬鹿馬鹿しい。必ず先手を取るように動くあの白騎士を前に、一手一手を悠長に打つような真似をすれば数百は冥府へご招待だ。ふざけている、前提が成り立っていない。後出しで殺しの最善手を選べる怪物《フリークス》に、わざわざ勝率零の捨て身など選んでは居られない。

 今までのものはあくまでも“可能性があったから”こそだ。
 であるに、ライダーは次の一手にある種の乾坤を乗せた。煙の中、三百六十度の視界が不明瞭の有り様であるが、この塵に等しい確率を乗り越えねば生存の打ち手はない。
 そして、そもそも此処から逆転勝利は望めない。
 なにしろ宝具とてそう保たないのだ―――あの鎖に対しての機動がまだ今まで通りならば十分やり様はあったが、よりにもよってと考え得る最悪へと正着した今、悪態の一つでもくれてやりながら対処を考えるより他になく………しかし、しかし。


「(………―――何故、来ない?)」


 何時まで経っても、それが来ない。
 待ち構え、霊基損耗を覚悟の上で撤退の一手を打とうとしたライダーは、嵐の停滞を一歩遅れて感じ取る。たった今、間違いなく此方を殺しに来るはずだった殺意の風向きが変わったのだ。
 何が起きた? 何故そうなる?
 これだけ“狩る”のに最適な状態を作っておいて、あの白騎士に足を止める要素があるか?

 ………ライダーの予想は、しかしさすがの彼でも付くことはない。
 煙が晴れる瞬間まで、シュライバーの行動が停止したという“奇跡”の実態を理解出来ない。
 ただし、それはあくまで視覚の問題。
 聴覚が確かに、オリエ・バラーディアのある宣誓を受け止めていた。


「―――なに?」


 煙が晴れる。予感は的中。
 この局面に限れば、これこそがたった一つの冴えたやり方だと告げたシスターの行動。
 ………それが、あの愛されることの無い怪物《フリークス》の動きを止めた、唯一にして最大の理由だ。だが、それは信じがたい光景だった。

「おい………待て、まさか!」

「嬢ちゃん、止めろ! それの意味は分かってンのかッ!
 死んで何になる、次はねえんだ! “それ”は無駄にしていいモンじゃねえぞ―――ッ!」

 少なくともライダーにとっては、あまりにも理解の範疇を越えた“捨て身”に等しい。
 否、アレは捨て身ではない。“おいで”と両手を広げ抱き留める行為を現すものはひとつしかない。
 否、これは献身ではない。適する言葉は確かにそれだろうが、その根底には確かなるものがあった。

 ・
 愛だ。
 もはやこの言葉以外に、彼女のそれを評することは適わない。

    ゴルゴダ
 ―――処刑場への旅路を、十字を背負って歩く聖者の如く。
 ―――世の人のため、死の試練をその身によって教えた女神《マリア》の子の如く。

  、 あるいは―――ただ、母親が子供を抱き留めるようなものなのかも知れないが。


 聖者のものではない。表情の震えはすぐに分かる、あれは決意と覚悟を揺れる天秤に乗せた者の瞳だ。
 故にそれが“自らの死が前提である”ということも分かる。
 あの狂瀾怒濤の暴風獣に、
 あの殺戮者として完成された白騎士に、
 あの―――もはや理性のタガが外れた少女に、彼女が成そうとしていることはそういうこと。

 間に合わない。
 船体から再び伸ばした鎖は、しかし魔獣が渾身で成した咆哮によって軌道を逸らされる。
 そして、シュライバーがそれに反応したということは………彼の中で渦巻き続けていた獣の道理よりも優先するべき何かがあるということで。

 それこそが、オリエ・バラーディアだけがこの場で見抜くことの出来た、
 餓えて痩せさばらえた捨て犬に過ぎない、ウォルフガング・シュライバーのたった一つの真実だ。


「ああクソ、そうかい、もう止めらんねえよド阿呆め………ッ」
「だがよ………そいつは無駄にしないでおこうじゃねえか―――!」


 出来れば止めず見ていてくれと言うが、そもそも無茶な相談だろう、それは。
 流星の如く駆けるシュライバーの速さを上回ることなど出来はしない。
 ライダーだろうが、アシュレイだろうが、他の誰かだろうが。オリエ本人とて、此処からの翻意は出来ない。最早どうする事も出来ず、結末はオリエの手にこそ握られている。
 彼女の死という、もはや払い戻しも叶わない賭け金を乗せた、最期の博打。
   、   ・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・
 ならば―――極めて貴重な命であったが、潰れるという時は活用するのが船長の思考だ。

 故に彼は、これまた一寸たりとも躊躇うことなく。
 再度船の全出力を以て、丁度時間差で………オリエがこれより行う行動が成立する瞬間を見計らって、宝具の稼働限界ギリギリまで鎖を伸ばさんとする準備を整えた。それこそが、再び魔獣を捉え縛り、冥府へ連れ戻す魔鎖であるかの如く。

 此処でもしも鎖を伸ばしたところで、
 死の試練をその身で以て衆愚に示さんとする聖者の動きは確実に止められない。
 だが………望まぬやり方であるとはいえ、最もライダーにとっては望ましい流れが来た。かならずオリエの行き先に辿り着くのであれば、あとは彼女の乾坤と殉教への茨道を見届けるまでだ。
 それこそ、あの娘の望み通りに。貴重な生命/■■の、確定したつかいかたを。

 見届けてから―――そう、確実に。
 同じく女神《マリア》より伸びて下ろされる錨は、後に残るだろうシュライバーを殺すべく動くだろう。なお言うまでもないことだが………ライダーがこの局面で出来ることはそれだけだ。
 繰り返すが、彼はもう手札を出し切ったのである。


>シュライバー、アシュレイ・ホライゾン、オリエ・バラーディア


【了解しました〜。では妨害しないようにオリエの行動後に一手を打つ形とさせて頂きます〜】

25日前 No.286

三日月・オーガス @aroundight☆SdjaOljKHtOm ★zLr78z7s8m_FR1

【雪国/三日月・オーガス】
【Ex技『阿頼耶識リミッター解除』発動 Lv3⇒4 持続1レス】
【Ex技『ヴァルキュリアバスターソード』発動 Lv4⇒5】

 結論。読みは両方当たって両方外れ。
 レールガンからすぐさま持ち替えて振るわれたメイスの一撃は小回りが利き、尚且つ単純な瞬間速度であればバルバトスすらも上回るグレイヴの機動力を封殺するための一手であったが、読みが当たっても肝心の部分が外れていた。
 そのカラクリたるや実に単純明快だ、なにしろ速度のギアが違っていた。
 段階を上げた速度は三日月の軌道予測を一歩外したが―――単に重しを外したというのが事の真相だった。“葬儀屋”が持ち歩いていた棺桶を思わせる複合兵装、あれが余程の重量だったらしい。そいつが天高くまで投擲されていること、つまり自身の目を晦ます為に用いられたことに関して、三日月が判断を遅れさせないはずはなかった。
 ………納得の行く話では、ある。あの純白の棺桶に詰め込まれている武装はもはや単独で一軍もかくやの有り様だ。何処にそんなものを入れ込んでいるのかも分からないし、アレを振り回すために必要な膂力がどれほどかは想像に難くない。
 少なくとも、屍人であるグレイヴでさえも、その重さは枷となっていたのだ。だが重さの要因は彼の火力を支えていた要素、今投擲する意味はほぼ無い。ある一点を除いて、それは一切の利益を生むことのない行動であるからだ。

 ………では、何故?

    ―――答えは、三日月の読みが外れたという“速度”にある。

「(今までの狙いは、その為か!)」

 ある一点だけ、武装を放棄したことによる利点がある。
 三日月がやったそれはデッドウェイトの処理以上に誘爆阻止の為でもあったが、重武装の処理による重さの排除は、唯一機動性と運動性の向上のみを恩恵として齎す。それこそ、読みを当てたはずのメイスさえも易々躱す機動力を。
 勿論。そこに火力が無ければ微塵も意味はないだろうが、グレイヴにはもう一つの武器がある。
 バックパック、バーニアに対して確かに損傷を与えて来たケルベロスの銃弾………急所に命中させれば確実に誘爆を引き起こす武装がそこにある。こうなって来れば、兵装の放棄という行動はデメリットではなく、むしろグレイヴに好機を齎した。

 メイスを振った直後では止められない。
 ―――時間にして十数秒程度の連続射撃が、バルバトスを針鼠にする。

 着弾による誘爆が、雪の空を大きく揺らした。

 頭部のツインアイの片方が崩壊。
 先ずは右腕部がレールガンの誘爆も込みで粉砕。次に左脚部、関節への被弾こそ避けたが損傷。
 背部バーニアとバックパックへの連続射撃のうち、大半が突き刺さり、一部が機能を停止した。
 一瞬の読み違えだ。だが、戦場におけるミスは死に直結する―――そうしたシビアな世界で生きて来たもの同士の戦いだから、状況の趨勢がグレイヴに傾くのもほぼ一瞬だった。
 破砕したツインアイから、こぼれ出すように赤い光が漏れ出す。
 稲妻のような赫怒の光。半壊した狼王から、それでも緑と赤色の眼光は失われず………。


「―――こんなもんかよ」


 だから。
 ・・・・・・
 こんなものか、と三日月が小さく呟いた。
 鉄血の華を咲かせてきた少年に残された誓いは、ただ止まらないことだけだ。
 止まらぬ限り、男は先に居る。
 自分達の居場所はそこに在り、鉄華団は自らが存在し続ける限りには在り続ける。
 例えばそれが、もう世界が崩壊し尽くした後だとしても―――彼は仲間だけは裏切らなかった。


 死んでいった仲間には何時でも会えるから / 自分は生き続ける。
 それが世界の全てを踏み躙ることでも / 悪魔は生き続ける。
 仮令、ほかの全てを食い貪ってでも / 狼王は生き続ける。



 ―――そして、狼王は鋼鉄の咆哮を鳴らした。



    ・・・
「―――おまえの、力は!」



 乗り手の、“もっと寄越せ”という声に応えるように。



 何処かから手にした最後の武器はヴァルハラへ魂を送る戦騎たちの名を冠した巨大剣。
 全長にして三十メートルはゆうに超す、対大型兵器用のバケモノじみた巨大兵装。
 掠めただけでも致命傷となるそれを、範囲と質量の暴力が、怒れる狼の手元へと渡った。
 奇しくも、死者を葬送《おく》る棺桶がグレイヴの元へと振って来た瞬間、それを最後の手向けとするかのように………手負いの悪魔が、最大限の悍ましい脅威を引っ提げて、火花を散らしながら滑走する。

 正面から一斬。振り下ろしは空気に引き裂く断末魔を挙げさせた。
 右方へと回り込んで薙ぎ払い。
 返す刀での振り上げも、リミッターを外したガンダム・フレームならではの反応速度。
 左方へと百八十度回転しながらの斬り付けは、戦場の雪土を思い切り巻き上げて。
 半壊の有り様によるポテンシャルの低下を感じさせない叩き付けからの跳躍。
 空へと飛び、振り返って再度の袈裟掛けから着地までの動作に一切の淀みはなく。
 地面ごと突き刺して、掘って抉り、かち上げるようにビヨンドを襲うそれは狼の牙のよう。

 其はバルバトスが、嘗て火星という世界に咲かせた鉄の華。
 本来ならばそこで朽ちるはずの命を継いで来たが故の、二度目の閃光のようなランナーズハイ。

 命のかがやきは戦場に在る。
 そして、それが散るのも一瞬―――三十メートルの鉄塊が、これまでにおける最速で七度振るわれる。
 意趣返し、分かりやすい範囲と質量の暴力が終わった時………鉄の華は、ひとつは必ず咲くだろう。


>ビヨンド・ザ・グレイヴ

25日前 No.287

グレイヴ @5121☆stkO0KxpThU ★ztEbdaugmt_7FY

【雪国/ビヨンド・ザ・グレイヴ】
【Ex技『DAWN OF GRAVE』発動 最終レス】

ケルベロスから放たれた弾丸の大半はその役目を果たした、中破しながらも致命的な部分だけを回避したことにはもう驚かない。
この少年は生粋の戦士にして獣だ、その直感や戦闘センス、言動にそれが現れている、味方は守り敵は殺す、そのシンプルを突き詰めた思考もそうだ。
先程出くわした時も彼は微塵もこちらが”自分が知らない味方”だとは考えていなかった。撃ち出された銃弾に銃弾で答えたので間違いではなかったのだが。
グレイヴが三日月を獣と表現したのは”極端な思考”と”凄まじい直感を基盤にした戦闘センス”だ。思考と行動にまるでラグがない。これは経験に裏打ちされた技術というよりもうそういう生き様なのだろう。、
その結果、まともに機体にダメージを与えたのはほとんどケルベロスの銃弾だ、マイクロイサイルはあの物量で運良く一つの武装を潰せたに過ぎない。

デス・ホーラーの鎖を再び腕に巻き付けようとした時、三日月の呟くような声が聞こえた。グレイヴは手を止めてバルバトスを見上げる。
潰れた片方のカメラアイはまだ赤く光っている、あの光が消えるまで三日月は止まるつもりなど微塵もないのだろう。
だが機体もそろそろ限界のはずだ、ケルベロスによる損傷もあるが、急に動きが良くなったのはただ本気を出していなかったのではなくあくまで”切り札”の一つだと考える。
自分も同じだ、ギアを上げたのは再生能力を殺すことで自らの時間を加速させる技を使ったからであり、相手も同じようなものなのだろう、例えばリミッターを外したとか。
次に放たれる三日月の言葉は今までの彼のどの言葉より感情が籠っていた。先程の思考を一部訂正しよう、彼は獣じゃない、獣染みた直感を持つ一人の人間だ、機械の類でもない。

「……ッ!」

彼がどこからか取り出して握った剣には流石にグレイヴも驚いた、バルバトスの大きさを遥かに超える巨剣だ、掠っただけでも致命傷になりかねない質量だ。
咄嗟にグレイヴはデス。ホーラーを後ろに放り投げ、バーニアを点火させて遠くに飛ばす、この剣は”枷”を背負ってかわせるシロモノじゃない、防御などもってのほかだ。
今デス・ホーラーを失うわけにはいかない、だから一旦遠くへと飛ばす。そしてその判断は間違いではなかったと数秒後に思い知る。
正面からの振り下ろしは横に跳んで回避、したが凄まじい風圧でよろけそうになる、棺桶を外した速度を維持しているにもかかわらずだ。遅れてくる衝撃もまた凄まじいとしか形容できないものだった。
まるで大地ごと自分をぶった斬るように振るわれた巨大剣はグレイヴを戦慄させた、これほどヤバイと感じたのは体感時間でもう何年前になるか。
だがもちろんこれで終わりではない、次は右側からの薙ぎ払い、迂闊に上に跳躍して避ければいい的になる、だから今度はバルバトスの懐に飛び込むようにして回避する。
火花を散らしながら疾走し巨大剣を振るうバルバトスの姿にグレイヴは悪魔を幻視した、だが負けるわけにはいかないのはこちらも同じ、自分は”守り続ける”と決めたのだから。
反応速度で負けていないのはこちらも同じだ、時間加速という手段を取っているので機体の予備動作から剣の軌跡はある程度見切れなくもない。
返す刀での振り上げも真横に最大加速して回避、まるで嵐だ、攻撃する暇がまるでない。次は左からの回転斬り、質量と広範囲攻撃が合わさったときこんなに厄介だとは思ってもみなかった。
避けるには上空しかない、だが高く飛び過ぎれば致命的な隙が生まれる。だから敢えて傷を覚悟の上で掠らない程度に跳躍、踏ん張る者のない空中で巨大剣の余波に煽られてグレイヴは大きく吹き飛ぶ。
雪原に派手に転がるもまだ四肢は繋がっている、生きている、動ける。今度は叩きつけとそれによる跳躍、辛うじて回避に成功するが叩きつけの余波でメガネが吹き飛ぶ。グレイヴの”隻眼”が露になる。

「オオオオオオオォォォォォォッ!」

グレイヴは咆哮を上げる、袈裟切りを懐に飛び込んで回避し、突き刺しも横に跳んで避けるがかち上げの余波でグレイヴの身は宙を舞う。
だが致命傷には至らない、確かに再生能力は死んでいるがそれでもグレイヴの身体は並外れてタフに出来ている、激しい痛みはあるがそれで鈍る男でもない。
歯を剥き出しにして食いしばり、グレイヴは空中で無理矢理体勢を整えてホルスターからケルベロスを抜き、大雑把にバルバトスに狙いをつけてケルベロスを乱射する。
どこかで反撃の一手を入れない限りずっとこの攻勢が続くと判断したからだ。大きくしゃがむように着地して衝撃を押し殺すが、思わず膝を付きそうになった。
時間切れ、である。時間加速技である”DAWN OF GRAVE”は時間に限りがある。しばらくは使えないし再生もできない、だがまだグレイヴの意志は折れることなく健在だ。
遠くに遣っていたデス・ホーラーを呼び戻すと、鎖が生きているかのようにグレイヴの腕に巻き付いて背中に固定される。
そしてトドメと言わんばかりにバルバトスの頭部目がけて二発の銃弾を放つ、先程の乱射と違い正確に狙いを付けた二射は真っ直ぐな軌跡を描いてバルバトスの頭を撃ち抜かんと飛翔する。

>三日月・オーガス

24日前 No.288

エイラ・イルマタル・ユーティライネン @voltexfbk ★1DXVdHzeIP_M0e

【荒野/超大型母艦型ネウロイX-26(第2形態、X-26本体浮上中、X-24:2→1機、X-25:10機、魚雷型ネウロイ:推定500→40機)】

ネウロイには無差別の戦いを好む。
しかし、集団で動くと言う特性を見抜いた2人にはスケールの違いで駆逐されてしまった。残っているのは約40機ほど。

原因は巨人の竜巻だ。流石にあのスケールを耐える小型ネウロイは存在しない。
まるで吹き飛ばされるかのように誘縛を連発し、500機はほぼ消滅した。

一方の小型は避けていたのか健在だったが、ほとんどの攻撃が逸れた、またはあまり攻撃として成立していなかったか。

吐きだしし過ぎたのか、X-26は放出するのをやめる。次はいつ、どのタイミングで来るのか予測が不可能になった。ネウロイの力をどんな感じなのかを知っていれば、もう対処は難しくないが。

そして、この戦線もあの2人に傾きつつあり始めた。

まずはX-24への攻撃だろう。あの修復が慢心からか少し不完全で、規格外の2つの剣によってその圧倒的な質量がX-24のその本体を貫かんと、襲いかかった。
もはやここまでくればネウロイにもなすすべがなく、コアごと斬られ消滅する。

白い破片を出しながらではあるが、ゆっくりと崩壊した。だが、ネウロイは暇を与えない。

X-25が5機、それぞれ編隊を組んで変則的に追撃を始める。そして、もう一方のX-24は射程に収めたあの巨人を「集中砲火」に晒す。


ネウロイに対抗できるパワーを持つことは証明された。だが、これからが本番だ。
X-26のコアへ攻撃を刺せば、全てを終わらせる最後の手段でもあるが。どちらを選ぶだろうか。

>>クレナイ・ガイ、相川過波


【カメレス申し訳ございません。X-24のうち1機は相川過波様の攻撃が規定のシールド防御ラインの限界を超えました。それに加えクレナイ・ガイ様の攻撃が規格外のスケールの為特例としてコアごとの破壊判定、X-24:1機目撃破となります。】

24日前 No.289

オリエ @wakame3☆FYUOhnBVGmk ★2e24CBTIuR_PHR

【ベルリン/オリエ・バラーディア】

 正直なところ、とても怖かった。
 死ぬことも、勿論怖かったけど、このまま何もできないまま殺されるのかもしれないと思うと、怖くて仕方がなかった。
 だけど、私の姿を見た彼の反応は、ある意味私の予想した通りで。

 ――よかった。
 ――これなら、役目を果たせるみたいだ。

 ほんのわずかに見せた躊躇い、その瞳の中に私は彼の孤独を見た。
 本当に良かった。あのまま戦って、そもそも勝てたか怪しいけれど。少なくとも、何も知らないまま手にかけてしまうことにはならずに済みそう。
 己に芽生えた疑心を振り払うかのように、少年は雄たけびを上げる。魔力の乗った絶叫は、それだけで痩身を破壊する。

「っ」

 鼓膜が破れ、耳から血が噴き出る。音波の振動で、体中が見えない鉄棒に殴られている錯覚を覚える。けど……かろうじてたたらを踏んで、その場にとどまる。
 耐えて見せる。この程度耐えられなければ、今まで備えた意味がない。身を晒した意味がない。
 何より、ここで吹き飛んでしまったほうがいっそ楽だという誘惑に、こんなところで屈してなるものか。
 そして先が牽制なら、次の一打が本番だ。
 私の死ぬ瞬間は、きっと私自身も認識できない。死んだことにさえ気づかないかも知れない。先のライダーさんの攻撃をかわした瞬間も、残像がぶれたようにしか見えなかった。あれでは、どうすることもできない。
 故に待つ。もともと、合わせる必要なんかない。ただあちらが、私に直接殴りにくれば、それでいい。


 視界から彼の姿が消えて。
 その手が、私の体の中をえぐり、貫いた瞬間。
 そうして、私の策が発動した。


 偽誕者の発生メカニズムは、虚無と呼ばれる『門』の向こう側からくるモノ、その体を構築する物質を、人間の器の中身を削ることで代入して生まれる。
 だから、己の体内に術を組み込むのはたやすい。
 私のしたことといえば、私自身を術式(ワナ)とすること。
 私の体を直接貫くことで、その結界の中に少年の体を取り込むことだ。

 次の瞬間、私の目に飛び込んできたのは。
 私の胸を貫く少年の腕、そこから眩い光が放たれ、少年を磔にするように光の十字架に拘束していた光景だった。

 そう。
 ただの罠であれば、この時点で躱すことができたはずだ。
 埒外の速度は一般通念で知られる罠を容易くすり抜ける。
 トラバサミを仕掛けたとしても、轡が足を捉えるより先に躱せるのがこの狂狼だ。
 だからこんな風に、一度触れたと同時に効果を発揮しなければ意味がない。


「やっと……つかまえた」


 自分でも驚くほど、穏やかな声でそう呟いて。
 貫かれる己の体などいちいち顧みないまま、ゆっくりと、その両の手を少年の背中に回した。
 少なくともそのつもりだった。もう手の感覚がなくって、正しく触れているかもわからない。いや、そもそも腕なんて先の突進の衝撃ではじけ飛んでいるかも知れない。
 今まで散々ボロボロにされたけど、流石に死の間際になると痛みさえ感じないみたいだ。
 そして――間違いなくこの瞬間だけは回避することができないはず。
 私だけの攻撃じゃ足りない。きっと他の皆も雪崩れ込むように最大の力で打って出るだろう。

「大丈夫……痛くないから」

 彼に対して、子供を窘めるように精一杯の強がりで、そうか細い声で語りかける。
 偽善かもね、と私は自嘲する。本当は、ついさっきまであれほどの返り血に濡れていた少年を抱きとめるなんて、恐ろしくてできっこなかった。
 私がこうしたのは、あくまで殺戮の獣を葬るため。それだけは変わっていない。
 コマンドオーダー。最後の命令を剣精へと送り込む。私が身を捧げても、この剣精は稼働できる。ただ与えられる顕現の続く限り、タナトスは相応しい相手に相応しい末路を与える。
 剣精タナトス、その御佩せる聖光の大剣が処刑人の如く構えられるのを見ながら、私はそれに身をゆだねる。

 そう、私は女神になれない。
 すべての嘆きを抱きしめるなんてこと、私にはできない。

 そんな私が、ああなった子を救うことなんてできない。
 こんな降って沸いた感情なんかで、あの子の永い孤独を癒すことなんてできない。
 そもそもが私は名前だって知らないのだ。これもただの当て推量、正答したとしても彼の気持ちを理解したなどと口が裂けても言えない。
 私にできるのは、最後の瞬間に一握の救いを与えることだけ。
 故にこれは、死すべき時に死にそびれ、魔道に堕ち果てた魂への鎮魂。
 せめて末期には、人として眠るように帰天すべしという祈り。
 ただ安らかな眠りを与えるために、私が唯一持ちえた最後の力。



『――レスト・イン・ピース――』



 祈りとともに、その大剣を突き入れた。



 十字の形に、眩い光の柱が立つ。その中枢で、私の体もまた光の粉となりながら芥子の如く散っていく。
 その僅かな時間、ぼんやりと私は思う。

 そう、私は女神になれない。
 大洋を渡り、新世界への道を開いた大偉人でもなければ。
 英雄の素質を持ち、今にも彼方へと飛び立ってしまいそうな英雄でもない。

 私はただの女の子だ。
 ほんのちょっぴり、不思議な力を持っているだけで、性根のところはただの学生だ。
 生真面目で、人並に勉強ができて、おしゃれが好きで、たまにおっとりしてるってよく言われるような。
 仇を前にしても、何となくその人の苦悩を識ってしまったら、それだけでとどめが刺せなくなるような、どうしようもない甘い女性。
 私はそんな自覚はないけれど。とにかく、私はそんな人間で。


 そんな私だからこそ、辿り着けた答えがあって。
 そんな私だからこそ、成し遂げられた行いがあった。


 荒れ狂う嵐の中、乱れ舞う暴虐の中、誰もがただの敵であると目した相手の、本当の姿を見出すことができた。
 もう十分だ。
 私には、それだけで十分すぎた。


「ぁ――――」

 小さく呻きを挙げる。痛みはない。ただ、どっと疲れが雪崩れ込んできた。もう起きているのも限界だ。
 せめてどのような結果に終わるのかを見届けておきたかったけれど。どうやら、結末を見ることは許されてはいないらしい。

 己に残った人としての部分をすべて放棄。生成された顕現(イグジス)を、ありったけを十字架に流し込む。この十字架が、少しでも長持ちするように。
 かすれていく意識。靄のかかる視界の中、ただせめて笑って逝こうと思って微笑んで見せて。
 そうして。

 ――――

 そうして。
 少女、オリエ・バラーディアは燐光となって消えていった。
 残るのは、ただ彼女自身の墓標のように立ち続ける、剣精の光の柱のみであった。

 やがて、術者が消えたことで、彼女の存在の力によって作り出された剣精タナトスも、光の十字架も、眩い光を放って消えていく。
 真に、その殉教を価値あるものとするならば。消える前に贐として、最後の一撃を磔の少年へ叩き込むことだ。

【いえいえ、とんでもございません、むしろこちらとしては、良い死に場所を戴いて大変ありがたく思っております。
いっそのこと"あの"シュライバーなら此処からでも立ち上がって絶望させてほしいとも思いますが、そちらの意思決定を曲げてまで継続してほしいとは思いませんし、何より自分の関わらないことなので、やるだけのことをやって大人しく退場することとします。
 それではお相手ありがとうございました。また絡む機会があればその時もよろしくお願いします】
>シュライバー、ライダー、アシュレイ

24日前 No.290

イヴァリースの王 @aroundight☆SdjaOljKHtOm ★zLr78z7s8m_FR1

【崩壊した都/アルガス・サダルファス】

 人の理を支配し得るのが、この魔神という王なれば。
 されども、天の理にて王者足り得るものがいる。
 山を切り裂き地を割って、空を断つが如き千手無双の乱舞剣を凌いだその姿たちは、大空を舞うもの。世界の覇者として嘗て在り、やがて来たる大翼のあるじ………竜と呼ばれる存在、支配者の具現たる神獣。
 片や世の理を統べる、澄み切った穢れ無き水竜を思わせるものがダーナ・イクルシアならば。
 片や世の理に抗う、背徳の魔竜ファヴニールを彷彿とさせる暴力の化身こそがソル=バッドガイ。

 爆風もかくやの勢いで叩き込まれた剣戟の豪雨を凌ぐ。
 例えばそれは、暴風災害、赫怒の如き自然の猛追さえも受け流す柳のように。
 例えばそれは、目の前に立つ城を構わず踏み潰し、荒れ狂う神話の悪竜の如くして。
 それらの偉容と威光は位階にして魔神《ルカヴィ》たちの肉体と魔力の強度に比肩する域に立つ。全霊のアルガスが放つ剛剣を凌ぎ切る膂力と機転の早さは双方の性質を色濃く現したものになっていた。

 されども、まだ届かない。
 アルガスとてその程度のことは想定済みなのだ―――最初から、その程度のことは。

 見下していたから、進もうとしない。
 見下していたから、触れようとしない。
 見下していたから、理解しようとしない。
 結局のところ、僭王が取った手段は極めて効率な排斥の手段でしかないのだ。一人二人三人と、数による暴力と視界を覆い尽くす肉と影の壁はあくまでも詠唱が完成するまでの時間稼ぎに過ぎない。


『ク………クソ………ッ』
『た、助け………て………』
『軟弱な者どもに………!』


 突破は出来るだろう。
 即席の連携であることを差し引いても、あの場の二人は一瞬にして阿吽の呼吸を生み出した。
 だがそこまでだ。アルガスはその判断を、ルカヴィとしての名前通りの冷血さで弁えている。

 荒れ狂う波を内包した水球がまず空を舞う暗黒剣の乱射を凌ぐ。
 投擲された巨大な半月刃が風を纏って飛翔する。
 続いて火山の如き噴火。火口の中点にはソル=バッドガイ。彼が吠え立てると同時に、アルガスの影は次々と焔に呑まれるようにして消えていく。暗黒剣の刃を物ともしない火力は、虚無の影の脆さとソル=バッドガイの暴力性の合わさった結果だ。

 さながら竜巻を思わせる真空の牙は、
 バカバカしいほどのスピードでアルガスの影達を切り裂いていき。
     、   、   、   、  レーヴァテイン
 叩き込まれた長大な焔剣は神話に語られる激痛の剣。
 横並びに飛来しながら僭王たる魔神へと到達せんとする。

 そこに引き起こされた断末魔に、恐らく彼らは関与しないだろう。
 影のそれは概ねは自業自得であるし、攻撃の刹那にいちいちそんなものには取り合うことも出来まい―――だがもしも気にするべき点があるとするならば、どうだ。
 たった一つ気にするベきところがあるとするならば、それは………影たちの断末魔は、王のものと言うにはあまりにも凡庸な悲鳴のそれに聞こえたという点かも知れない。もちろん、些細な話。少なくともこれから先の状況において考察の余裕はない。

 数を爆発的に強めた悪意の渦を物ともしない、なるほど見事と言えるだろう。
 だが、そこまでに生じてしまったラグが幾ら最小限であったとしても。
 この瞬間までに生じていたラグは、決して零ではない。
 魔神の権能である高速詠唱は、仮令魔法の最上位格であっても易々と詠唱を整えさせた。虚無の魂は収束され、例え軍団でも一撃で紙屑のように消し飛ばすドス黒い虚無が収束を開始するのが見えている。
 所詮は捨て駒。魔神の口元が歪み、迫る竜の爪牙を哀れな足掻きと断じて身構える。



「―――虚無の魂を此処に!」


>    、    、   、   渦なす生命の色、七つの扉開き



 ………アルガス・サダルファス最大の失敗は、ひとつだけしかなかった。

 彼は位階にして確かに五に到達する魔神であるが、
 しかし本来の規格としては多少剣技を嗜み、それすらもルカヴィに補強された仮初のもので。
 そうした性質と、増幅された傲岸さと不遜さの気質が噛み合って、極めて慢心のケが強かった。
 それが意味するところは、姿を見せなかったカズマを“侮った”ということである。目前の二人、清廉なる巫女と背徳の炎を圧殺することに全てを合わせ、敵対心《ヘイト》の全てをカズマに対して向けることをしなかったということである。


>   、    、    、   力の塔の天に到らん―――


    、  ・・
 ある種、彼の幸運であるとも言えるだろう。
 動機がどうであれ最初に潜伏を選び取ったこと、
 ダーナとソルの二人との連携を選び取ったこと、
 アルガス・サダルファスが彼ら二人の方をこそ脅威に感じていたこと………その、すべてが。

 あるいは、竜と化した二人の成果であるとも言えるだろう。
 幾度かの凍結と土流において傷付いた脚部、
 猛打に次ぐ猛打を受けてほころびを生じさせた胴体、
 それらの全てが、魔神たる冷血剣に、此処でひとつ致命的な誤算を生じさせていたのだ。



「ダーク、―――ぬ゛、ぅううううおおおッ!!?」



 関節部の代替となる球体の裏に、矢が刺さる。
 それだけならばまだいい―――爆発によって揺れ動き、僅かなよろめきが最後の詠唱を阻害する。
 実際のところ、本来ならばそこまでだ。凍結した地面でどうこうなるほどではない。
 本来ならば真っ当にダメージが入ることすら怪しい。………ただし、此処まで状況が整えば話は別。如何なる魔神の肉体であると言えども、関節部を確かに狙った膝崩しともなれば、然したる力が入っていなくとも易々と魔神の態勢を崩させた。
 足元が滑る。
 不明瞭な状況で、彼は態勢を整えるために氷を踏み砕くという選択をよりにもよって選択した。

 ………ラグが生じた。その“態勢を整える”という一手のラグ。
 その些細なものが、此処に来てアルガス・サダルファスに最悪の結果を齎した。そう―――。



「―――よ………、」

「よくも………ッ! 家畜、家畜、この家畜どもがァーーーーーーッ!!!!!!!!!!!」


    、    ・・・・・・・・・
 よりにもよって、暴発した最上位魔法と。
 ダーナ、ソル両名の攻撃を真っ向から浴びるという凄惨な結果だ。

 内側から炸裂した虚無の魂がアルガスの胴体から零れ出る光を可視化出来るほどに増大させ、
 袈裟掛けに振り下ろされた焔の剣が、僭王の上半身を引導を渡すかのように引き裂き、
 投擲された真空の爪牙が、盾代わりに使われた啓示の仮面すらも軽々と粉砕した。

 爆発、爆発、爆発!
 連鎖するようにして煌めく光と激昂した僭王の咆哮が響く。
 それは嘗て、この王都ラバナスタに瞬いていた栄光が二度目の没落を迎えつつあることの証明であるかのように。玉座に座する偽りの覇者は、此処に朽ちる秒読みを見せていた。

 ………だが、しかし。



「朕に………神に楯突くとは生意気なッ」
「ならば聖石が秘めたる力を見せてくれようぞッ! 悔いるが良いッ、死を以て償うが良いわッ!」



        【Exスキル『虚無の魂』発動 Lv5⇒5 持続3レス】



 王者の悪足掻きは、さりとてただの悪足掻きと一笑に付すことの出来ない全霊である。
 世界が狭まる、王の玉座を中心とし、辺り一帯が虚無の黒い障壁によって逃げ場を阻まれる。
 いわば戦場の再形成だ。無事なのは戦場に立っている者達だけであり、それが意味するところは逃げ場の完全な封殺。虚無の障壁は聖石によって放たれた魔力の全てが収束されており、触れてしまえば如何なる強靭な精神の持ち主と言えども汚染は免れまい。
 それだけだ。それ以上に何があるでもない。
 戦場を狭くしただけで、カズマもダーナもソルもその場に立つことは出来るだろう。
 何の意味もない―――ただ逃げ場と成るべきものがなくなっただけ。………だが、しかし。

 アルガスにとってはそれこそが狙い。
 もはや遅きに失したが、此処でようやくカズマを捉え、
 屈辱的な隙を与えた彼を、二体の竜もろとも範囲に収めて殺す算段ゆえの行為に他ならない。


 跳躍した。
 今一度の跳躍は、崩壊した都、そこに形成された虚無の戦場における天井ギリギリまで。
 冷血剣が携えた無数の剣、三本の長剣と一本の大剣が唸りを上げ、地上に納めたすべてを見据える。
 つまるところ、彼がやろうとしていることは単純な話だ。


「王都を踏み荒らすものども、ベオルブの末裔どもめッ!」
「朕の剣にて果てるが良い! これこそが神の授けし啓示と知れ!」


>   、  、  命脈は無常にして惜しむるべからず………葬る! 不動無明剣!



  一の太刀、天より堕ちるは時を射止める絶対零度。
  降り注ぐ氷刃乱舞、鋭敏なる氷柱を思わせ三方を強襲する。


>   、  、  大気満たす力震え、我が腕をして閃光とならん! 無双稲妻突き!



  二の太刀、光と成るは音すらも越す雷迅疾駆。
  稲妻の如き剣気の乱射が、第二波として全方位に襲い掛かる。


>   、  、  死兆の星の七つの影の経絡を立つ! 北斗骨砕打!



  三の太刀、七星の経路を断つが如き、紅蓮の剛剣。
  撃ち下ろされた巨大な深紅の太刀を思わせる剣気が、戦場を四つ五つに引き裂く広範囲の分割攻撃。


>   、  、  鬼神の居りて乱るる心、されば人かくも小さな者なり! 乱命割殺打!



  四の太刀、死の兆しを射貫くは無明の光と刃。
  目に見えぬ漆黒の太刀が、その場に留まるならば容赦なく肉体を穿ち死を宣告するだろう。


>   、  、  天の願いを胸に刻んで心頭滅却! 聖光爆裂破!



  五の太刀、大剣を振り翳して地を割るように墜落する爆光。
  アルガス本人が大剣での打ち下ろしによる急速落下と合わせて光剣と化し、
  虚無の障壁で閉じ込めた三方諸共“都”そのものを切り裂き砕く処刑のギロチン。


 そう………剛剣によって繰り出される剣気に拠る、縮小した戦場全てへの空からの“爆撃”である。
 当然、落下しながらの行動とはなるものの、
 矢継ぎ早に四本の剣から繰り出されるそれは、どれもが致死たる冷血乱舞。
 五の太刀を放ち、自らの手で全てを砕くことに固執するまではカウンターすら不可能な高高度爆撃。
 しかし聖光爆裂破の奥義が真髄を見せつけた時には、王都とこの領域の全てを光の中に消し飛ばす。


「―――ぉおおおおおおおおおおおォォォォォッッ!!!」


 ―――天よりその刃が振るわれる。

 冷気を纏い時を縫う氷柱、音すらゆうに超す稲妻の猛襲、
 戦場を叩き割るように襲来する斬撃波、不可視にして死を宣告する霊刃。
 それらを降下しながら撃ち終えたアルガスは、トドメの一刃を自らの手で刺すことに拘った。

 ―――あるいはそれこそが、最後の隙であると気付かずに。


>佐藤カズマ、ダーナ・イクルシア、ソル=バッドガイ、(ALL)

23日前 No.291

キラーマジンガ @kyouzin ★XC6leNwSoH_UxJ

【街/キラーマジンガ】
【ときどきバイキルト(LV4)発動中、残り2レス】

確かにこちらの攻撃は、相手にダメージを与えている。
しかしながら、直撃には至っていない、今までの攻撃はどれも直撃さえすれば、一瞬にして相手の命を刈り取ってしまうような強力な剣技ばかりにも関わらず、間一髪の所でいなされてしまっている。
流石の回避力と褒めるべき点なのだろう、しかしキラーマジンガにとってこれはたまった物ではない。

というのも、暴走機関の停止から分かるように、既にキラーマジンガのボディは限界が近づいている。
平時ならば離脱を考えなければならない所だが、前回の戦闘とは事情が違う。

ここは開けた屋外だ、前回は地下であったため、すぐに射線を切りつつ逃げることが出来たが、今回はそうは行かないだろう、そして相手は明らかに遠距離戦闘に秀でた『射手』だ。
後ろを見せて逃げ、長い間、その射程内に身を晒すなど殺してくださいと語りかけるような物だ、ならば、ここで殺しきらねばならない。

火力だけならば、現在のキラーマジンガはレベル4並みだ、故に、一撃を加えれば、それだけで――

だが、そう上手くは行かない。
相手はこちらの攻撃手段に目処をつけて、あくまで射撃戦を選択してきた。

これ以上の消耗戦はあちらに分がある、しかしボウガンによる射撃も、森羅万象斬も既に見せた手だ、上手く対処される可能性が高い。

とにかく目の前の脅威を、そう考え、キラーマジンガはレーザーを放ち、前方のレーザーを対処、さらに両手の武器で、側面から飛んでくる矢を叩き落す。
だが……側面からの攻撃は対処が上手く行き、武器の凄まじい破壊力の前に矢は砕け散った、だが、そもそもバイキルトの効果はあくまで武器に対してのみ適用される、つまり、レーザーには全く関係の無い物なのだ。

レーザーの出力が足りなかった、そして、その結果起きる事は一つだ。

「見事」

アタランテの放った矢はキラーマジンガの頭部を貫通した、自らの武器であるレーザー砲ですらも、発射口が潰された事でエネルギーの行き場を失い、逆流し、機体ダメージが限界点に達した。
頭部を失い、バイキルトの効果で輝いていた両手の武器もその輝きを失い、キラーマジンガがゆっくりとその動作を停止しようとした、その時である。



「――しかし、ただでは通さん」

一度は輝きを失った両手の武器にもう一度光が灯った。
いや、"戻った"と言う表現は不適切だろう、何故ならば、先ほどの何倍もの輝きを武器は放っているのだから。

その輝きはさらに強くなり、まるで『雷』その物をキラーマジンガが両手に持っているかのような輝きを放ち続ける。

そして、キラーマジンガは両手のその武器を、十字を切るように振るう、すると、その雷にも似た輝きがそのまま衝撃波になったかのような、十字の一撃が放たれた。
これこそが、キラーマジンガの隠し玉、ギガクロスブレイクに他ならない。

だが、ただでさえ大破に近い状態で放った大技は、同時にキラーマジンガにもトドメを刺す形となり、まるで大技に全てのエネルギーを使い切ったように、淡い輝きすらも失われ、浮力を失ったのか屋根の上にごとんと落ちたかと思うと、そのまま転がり落ち、そして地面に接触すると……

「任務――失敗」

凄まじい爆発が発生した。
それこそ、確実に死んだ、と断定できるような。

>アタランテ


【キラーマジンガ@EX技であるギガクロスブレイク(LV4)を発動後、爆散。 という事でお相手ありがとうございました! 最後の一撃はお好きに処理してくださって大丈夫です! 返信が遅れ気味になってしまい申し訳ありませんでした】

23日前 No.292

三日月・オーガス @aroundight☆SdjaOljKHtOm ★zLr78z7s8m_FR1

【雪国/三日月・オーガス】

 どんな物事も、終わってしまう時はあっさりとケリが付く。
 戦いの最後が華々しい幕切れになるというのは物語だけで、現実は淡々と生死が決まる。
 急転落下、かつ唐突。どれほど積み上げ、どれほど道を疾走しようとも、死は何処かに待っている。
 止まる時というのはそうした軽々しいものになる。戦争も戦場も、“彼ら”が生きて来た場所はそういうものだ。命の華は戦場にこそ咲き、しかしてそれは珍しいものではない。一瞬で咲き誇り、刹那に散り、涙と共に枯れ落ちる。
 それが生命というならば。
 この決着が雪の空に響く号砲で閉められたのはまだしも豪勢と言えるだろう―――。

 振るわれた大剣、規格外の特殊兵装であるヴァルキュリアバスターソードの斬撃。
 そもそもそれは対人に向けるものではなく、全長にして三十メートルほどの暴威は大型のモビルアーマーにぶつけられていたものだ。あらゆる物理的攻撃において、極論重さと速さとは破壊力の全てを決定する。
 狼王が振るったものはそういうもの、明らかにグレイヴという屍人に向けるものではなかったが………三日月の中におけるグレイヴとは、既にサイズがどうのこうのという話を越えた相手だった。この“葬儀屋”は間違いなく敵であるし、この存在に対して全霊を振るうことに厭う要素はなかった。

 何よりも、これは敵で障害なのだから。
 狼王が最期に命じられた意思は、生存のための疾走、生存のための破壊。
 だからこそ、最初から最後まで、そもそも会話など通じない………当たり前だ。鉄華団団長の意思を受け継いだ男は、そもそもこの世界の惨状と三つの派閥について、実のところ微塵たりとも思うところはない。目的はただひとつだったのだ、最初から。

 であるならば容易く引き込めるのかと言われたら………、それもまた否。
 今日の都合で魂を売るようなものは、明日にも滅ぶからだ。
 だからこそ。一度決めた道を、彼は止まらず疾走し続けることを選んだ―――傭兵としての、嘗て在ったとある“居場所”の義理としての選択として。彼はただ、無意味とも取れる戦いと選択をしていた。

 ………だから。

    咆哮を上げるもう片方。三つ首の“狼”が放つ弾丸が、機体に次々と突き刺さっても。

    幾つも放たれた鉄の砲が、打ち所の悪さによってとうとうバーニアを爆砕させても。

    加速され続けて来たギアが、まるで計ったかのように両者ここで打ち止めとなったとしても。

    、  ―――乱射された弾丸の一発が、コクピットに突き刺さり。中身が重態となったとしても。


「そうだ」


 機体は、変わらず動き出した。
 悪魔は、ためらわず吼え出した。
 七度の斬撃、かちあげるような一撃を最後に、
 乱射されたケルベロスの砲弾によって破砕された右腕部ごと落としたバスターソードではなく。
 左腕部にそのまま備え付けられていた、バルバトスのレクスネイルが爆発と光を浴びて瞬いた。

 腕を伸ばす。前へ。
 狼が研ぎ続けたその爪を―――なにかに届かせるように。

 果たすべき大義などない。
 戦うことに意味などない。
 ビヨンド・ザ・グレイヴが、守り続けると決めたように。
 三日月・オーガスは、生きるために戦い続けると決めたのだ。

 自分の本当の居場所に辿り着くまで―――。

 ・・
「俺達の、本当の居場所………」

.   、   、  ラストシューティング
 そして、それこそが最後の撃ち合いになった。
 左腕が、墓場の守護者が立つ場所を先に穿つのが先か。
 銃弾が、鋼鉄の悪魔の歩みを止め、その頭を潰すのが先か。

 答えは―――すぐに出る。
 機体そのものも。中の三日月の意識も限界を迎えていたという事実が、明暗を分けた。
 あと一歩というところで、その腕の速度が減少した。
 頭部が撃ち抜かれ、そこから光が失われ、まるで絶命したかのように機体のツインアイから光が消えて。火花が散り始めたかと思えば、度重なる射撃で損傷を誤魔化し切れないバックパックに誘爆する。

 頭部の爆散が、決定的な損傷となった。


「(また、汚れた)」
「(アトラに怒られるな………)」


 最後の操作を終えた三日月が、その手から操縦桿を放り出す。
 膝の上に落ちた左手を、血が流れ落ち、手首のブレスレットを染め上げた。
 幾度目になるか。クーデリアは一緒に謝ってくれるだろうか。そんなことをふと考えて―――。


 爆散する瞬間。最後の操作が、その結果を齎す。
 グレイヴの立っていた場所を、地面ごと抉り取るように狼王のレクスネイルによる斬撃が襲い掛かる。

 そして―――その数瞬もしないうちに。
 零距離にて稼働限界を迎えた悪魔が、とうとう勢いのまま崩れ落ちた。

 あるいは、眠るように。
 走って、走って、走り抜いて。疲れ切ったその身体を休めるように。
 爪で引き裂いた後、前のめりに何処か遠くを示すようにその左腕を伸ばしながら。

 ………微かな休みの後に、狼王はその機体を爆散させ、大きな火の華を咲かせるだろう。
    雪を爆風で巻き上げ、幕を下ろすようにその白雪を降らせる。

   、   、 グレイヴ
 ―――あるいは、墓場こそが。死者の待つどこかが、彼の居場所だったのだろうか。


  もちろん、そうではない。辿り着くべき場所は、きっと、もう少し明るいところだ。
  だが、それを知るものは何処にもいない。
  なぜなら鉄華団という組織の歩みは、この世界には残っていない。


 残るとしたら、それは。
 此処ではないどこかと、“悪魔”を見たひとりの男に。



>ビヨンド・ザ・グレイヴ


【遅れましたが、お相手ありがとうございましたm(._.)m】
【最後の攻撃は躱してくれて全く構いませんので、そのままお進みくださいませ〜】

22日前 No.293

ダーナ @tukuyomi07☆2nDyzvx51us ★3aNoMW8gGM_xmq

【 竜気(残り2レス) 】
【 崩壊した都/ダーナ・イクルシア(モード:グラティカ→イクルシアン) 】(レベル4→レベル5)

 焦熱。水流。そして炸裂する火炎。
 三者一様の総攻撃。息を合わせ、相手に態勢を整えさせることすら許さない攻撃の連打。

 神話の魔竜<ファヴニール>をその身にて発現させたソルが撃ち放つは、紅蓮の猛攻。燃えろ燃えろ燃えろ全て焼き焦がせ。火の粉は爆炎へ変わりその身を包めば、現れるは暴竜。紅き鱗を身に纏い、燃え盛る翼を展開する背徳の魔竜。密度が段違いの灼熱を叩き込めば、出会った当初とは何ら変わらぬぶっきらぼうな口調のままに、あらゆる全てを飲み込むダーナの水弾に合わせて燃え盛る紅蓮の拳を叩き込んだ。
 相反する二つの属性は、互いに同等の力で衝突し拮抗し合うことで膨大な破壊力を生み出す。
 ファイアウォーターインパクト
  紅。水。 爆!
 それは一瞬にして影達を蹴散らしていく。悲痛な叫び。苦悶の嘆き。未練の声。断末魔がそれぞれからあがるが、ダーナは関与はしない。
 一度撃滅すると定めた以上、余計に情をかけてしまえば苦痛を長引かせることになってしまう。
 その手を緩めることは決してしない。ソルも、そしてカズマもそれは共通の見解だろう。

 だが、――通るか。通るのか。通るのか?
 いぜんかの先王の力は強大極まりない。都市一つであれば容易く撃滅しかねない力と実力。
 そしてとりこんだ魔石が齎した更なる力の本流。それが指し示すは、並大抵の事では揺らがないという確証。
 小さな恐竜<レックス>。
 巨大な暴竜<ファヴニール>。
 ヒトの限界を示した戦士<アサシン>。
 格を押し上げたとはいえ待っているのは時間制限付きの真っ向勝負だ。
 アルガスは既に次の一手を打っている。闇の渦。全てを飲み込む虚無の塊。ありとあらゆる生命<イノチ>を喰らい、無に還す絶望の一手。
 敵わないことは既に証明されてしまっている。
 あれに直撃すれば今、力を押し上げている状態であっても容易く吹く死の風に粉々に砕かれるだろう。

 ・・・・・
 真っ向勝負なら、の話だが。

「――よしっ!!」

 ――既に凍て付いていた関節。
   そして撃ち込まれたカズマの一矢と凍土。
   態勢崩しの膝砕きは、最良のタイミングで炸裂した。

 それ即ち"詠唱中断による暴発"。
 ソルとダーナによる外からの攻撃に加え、内側から炸裂した闇の衝撃がアルガスを蝕み滅ぼさんとしていく。
 大打撃。アルガスにとっての致命。偽りの覇者の絶叫にも近い咆哮。
 だが立っている。まだ立っている。未だ健在。亡者の王は朽ちることはない。
 叫ぶ猛るなおも動く。亡国の悪あがき。果てる寸前の大喝采。されど、無駄かと問われれば否と答える。

 絶対零度。
 雷神疾駆。
 紅蓮斬閃。
 漆黒両断。
 閃光炸裂。

 ハイパーノヴァ
 原初の爆裂もかくやと言わんばかりの衝撃の乱舞。神殿はおろか、都市そのものを灰燼へ還さんが勢いの燼風<ストリーム>。
 触れた傍から消し飛び無へと還るは亡王の最後の猛攻。

「ッ――っぐぅ……!!」

 零度がその身を凍て付かせ、稲妻が身を焦がす。
 紅蓮が体を焼き、漆黒が足の一部をえぐり取る。
 閃光が吹き飛ばし、――それでもなお、ダーナは負けない。

 5【EXTRAスキル/氷煌演舞刃】

「ぉぉぉぉおおおおおおおおおお――ッ!!!」

 切り裂き、喰らえ。
 戻って来た一対の牙<半月刀>。
 己の手でトドメを刺すことにこだわるアルガスに、目にモノを見せてくれよう。
 氷を砕き、稲妻を引き裂け。紅蓮を吹き飛ばせ。漆黒を断ち、閃光を打ち砕け。
 理力を最大限に引き出し、纏わせた太刀は蒼き軌跡を描きながら己に降り注ぐそれらを引き裂いていく。

「行くよ、アルガスさんッ。どうか、――安らかに」

 告げたそれは鎮魂歌<レクイエム>。ひらり、と舞い上がって見せれば、――上空に大量の氷柱が形成される。
 それは一本一本がアルガスほどのサイズを誇る巨大な砲弾。着弾地点に花開き、世界を凍土に塗り替える蒼海竜<イクルシアン>。

「氷煌演舞刃ッ、――行ッけぇぇぇえええええええええええっ!!!」

 降り注ぐそれはアルガスへのはなむけ。
 一発一発。その全て。
 確実に飲み込まんと――炸裂した。

>アルガス・サダルファス、ソル=バッドガイ、佐藤カズマ

22日前 No.294

相川過波 @judgement☆yHV90fAmU/2 ★xrMpCPw4om_xmq

【荒野/相川過波:Lv4:保守派】

>ネウロイ、クレナイ・ガイ

 ダメージ覚悟の一撃は何とか相手に痛打を与えた。
 悠々と旋回していた中型の一機に振るった氷剣が届き、修復しきっていなかった装甲に刃を沈めてそのまま船体を切り裂いた。
 今の内に厄介な相手を減らそうという心積もりだったが、流石に無茶だったようでその一撃を受けても中型のそれは動いている。
 だが、問題はない。僕が凌いでいる間に彼――オーブが動いているのを僕は《ディメンション》で感知している。
 巨人に変身したオーブの剣が技名と共に振るわれる。そうして起こるのは渦を巻くような風の流れだ。恐らく何かしらの力が働いたのだろう。風は竜巻のような天災と呼べる規模となり、周りに展開していた無数の魚雷型の殆どを墜落させて見せた。
 オーブは起こした竜巻を突っ切って中型機に肉薄。その剣が叩きつけられることでようやく中型が白い破片をまき散らしながら崩れ落ちていく。
 残った小型からの光線が飛んでくるが、先ほどの苛烈な攻撃よりもずっとマシだ。僕が右へ左へ余裕をもって避けていく。
 しかし《オーブ・ウィンドカリバー》か……。中々ネーミングセンスが良い。叫んでいるところも高得点だ。僕の騎士、ライナーにも見習ってほしいぐらいだけど、あえて言えば《オーブ・風王剣》としてルビを付ける形にすればよりカッコよくなるだろう。
 …………いや、そもそも僕が使う魔法とは違うものだろうし、カッコよければいいというものではない。14歳が発症する病気を振り払いながら改めて戦況を見定める。
 先ほどの竜巻は正直言って助かった。この戦いには加勢しに入ったものの、母艦が放つ戦闘機群は剣を振るうぐらいしか攻撃手段がない僕にとって脅威だった。異常な身体能力を得ている僕でも、魚雷型の攻撃すら何度も受けては危険だろう。オーブと違って的が小さいから何とかなっていたが、もしも僕一人で挑んでいたら持久戦は免れない。先に疲弊するのはこちらになっていはずだ。
 そして今、厄介な戦闘機群の殆どがいない。懸念していた中型の残り一機はオーブを狙っているようだ。彼のことが少し心配だが、今ここで攻める手を弱めるのは得策ではない。母艦は減った魚雷型を投入していないがいつ追加されるか分からない以上、今は彼を信頼して僕は攻撃に徹しよう。
       ,  トルシオン
「――《フォーム・捩菖蒲》」

 僕の手から複数の魔力の固まりが放たれる。高度な魔法構築によって作られたそれは花状の空間の捻れだ。空間を"ずらす"力が景色を歪ませ、花のような形を成している。
 ふわふわと浮かぶ《トルシオン》を魔力を操って動かす。僕が惑星として《トルシオン》が衛星のように円軌道を描く。掌程度の大きさしかないので頼りないように見えるが、僕は攻撃を放つ小型機の動きを把握している。飛来する光線を《トルシオン》を動かしてぶつけると空間の捻れに飲み込まれるように消えていった。
 これで場は整った。意識を母艦へと移し、僕が持つ剣――宝剣ローウェンを居合のような横薙ぎの形で構える。《ディスタントミュート》を使ってローウェンとの『繋がり』を作り、『感応』の感じるがままに最適最速の一振りを夢想する。
 力を貸してくれ、ローウェン――!
 瞬間、どくん、と世界を揺るがす波動が周りに広がった。
  ぼく アナタ
「『私は世界を置いていく』――」

 詠唱の一節目を唱える。これを放つには詠唱の三節にまで至る必要があり、行動も殆ど行えないため大きな隙が生じてしまう。その間《トルシオン》を使って光線は防ぎきるつもりではあるが、母艦の行動次第によっては邪魔されるかもしれない。
 だからこれは賭けだ。これを唱えきればあの強大な母艦も必ず斬ることが出来ると『感応』が教えてくれている。
 僕が持つ最強の一撃。それが放たれるかはあの母艦とオーブの行動次第だ。

22日前 No.295

蝋翼 @artemish☆8cfl5/j3VDw ★nvK6VZex7T_UxJ

【ベルリン/アシュレイ・ホライゾン】


「――――、」

 アッシュは、見届けるしかなかった。
 共に世界の救済を掲げ、鉄火場を戦った同胞が、燐光と化して空に消える瞬間を。
 彼の名誉の為に言っておくならば、アシュレイ・ホライゾンにあの場面で出来ることは一つとして存在しなかったと言っていい。
 攻撃をすればオリエを巻き込む。彼女を無理矢理にでも引き戻せば或いは救えたのかもしれないが、それもその場限りのものだ。彼女が身を削らなければ白騎士は無限に等しい魂を永久に駆動させ続ける魔機として疾走を続けるのみ。
 それが解ってしまったからアッシュは無情に徹した。そうするしか出来なかった。
 その果てに何が待つのかを途中から理解していたが、止められなかった。知ることは、時に無慈悲になることと同義だ。

 されど、未だ白騎士は健在。
 その肉体に、永劫破壊の鎧に如何程の損害が加わったかは定かではないが、位階の低いアッシュの焔程度では、まず間違いなく不適であろう。
 熱量の問題ではない。純粋に、質が不足している。もっと深い因果を持って駆動する星がなければ、オリエ・バラーディアが遺した好機を白騎士の終末譚に変えられる程の何かを生み出すことは不可能だ。
 では、アシュレイ・ホライゾンに四より先の位階――天駆翔の片翼たる蝋の翼以外の星は存在するのか、否か? 答えは、是である。

 脳裏に過る光景が在った。
 それは、失われた記憶の断片。
 覚醒せし光輝。煌めく翼。
 実験動物でしかない己は用済みと運命に切り捨てられ、敗亡の泥に塗れた。
 今の自分も、同じだ。仲間を目の前でみすみす死なせるという敗亡を味わった時点で、雄々しく輝く光としては落第も良い所だろう。
 伸ばした手は届かず、輝いて照らす太陽にもなれなかった哀れな焔。蝋翼の神話をなぞるが如く、アシュレイ・ホライゾンは負け犬と成った。

 そう、彼は嘆きの無明を心に抱えた。
 それこそが、失われた記憶の覚醒条件。
 敗残からの奮起――光ならぬ闇への堕落。正しき自己の直視。

「……そうだな。光の座を転げた負け犬なら……おまえも俺の為に歌ってくれるか」

 一度は取り落としかけた剣を、骨が砕けんばかりに強く握り締めて。


「――力を貸せよ、闇の冥狼! 吟遊詩人の詩をくれッ」


        .  .タルタロス
 彼が求めた力の根源は奈落。
 天高く輝く白の月、闇に満ちたる冥王星。
 くすんだ焔の抜け殻が、今再び正反対たる奈落の闇で満たされて――


  さけび
「《慟哭も涙も無明へ墜ちた。闇に響く竪琴だけが、我が唯一の拠り所》」


 生ずるのは、あり得ざる融合現象。
 どこまでも雄々しく輝く焔の翼は、闇に満ちた奈落の讃歌と合一。
 敗者と敗者、罪業に束縛された運命への生贄達が時空を、因果律を超えて呼応する。


「ゆえに邪悪なるもの、一切よ。ただ安らかに息絶えろ」


 冥界讃歌を奏でる翼。
 奈落の底で邪悪を謳う地獄鳥が、轟く瘴気を増幅させる。
 全ては白騎士を闇で飲み干し、聖女の祈りを届かせる為に。
 戦いを終わらせる一撃を、肉体を、魂を摩耗させながらの位階突破で実現へ導いた。


Metalnova  Mk.vanish Kerberos
「超新星――狂い哭け、末路に墜ちた蝋翼よ・滅奏之型」


        .      .ハイペリオン    うつわ
 かつての勇壮さはそのままに、天駆翔と呼ばれた外殻が輪廻の如く変生を果たし、此処に滅びを告げる。


「――ライダーさん、後退を」



 刹那――異界じみた死線が具現していく。

 その時生じた現象を説明するのには、一言で充分だ。
 極小規模の大破壊。かつて、ある世界を滅亡させた空間震災を局地的に引き起こす絶技。
 対消滅と対振動の二重奏は、凡そこの世に存在するあらゆる万象を対滅させる究極の裁きに他ならない。
 ウォルフガング・シュライバー。黄金の近衛に引導を渡すに相応しい、持てる限り最大の攻撃。銀の冥狼が持つ無敵の星のポテンシャルを最大で発揮する、過去に一度見たきりのそれ≠――



    ダ ー ク ネ ビ ュ ラ  フ ル ド ラ イ ブ

「 《  闇 黒 星 雲 ・ 全 力 発 動  》 」


 ――己に出来る限り最大の規模と威力で、シュライバーを塵も残さず滅却せんと発動した。

 この攻撃は絶大な威力を持つが、然し欠点として、敵味方の区別なく攻撃範囲の全てを呑み込む無差別性だ。
 この場で言えば、もしもライダーが巻き込まれでもすれば、それこそ取り返しの付かないことになる。
 そんな攻撃を持ち出してもそもそも当たるか解らないという辺りにシュライバーの恐ろしさが垣間見えるが、こればかりは、オリエの命を賭した献身がどれほどの効果を挙げているかに掛かっている。
 当たれば、殆ど確殺出来るのは間違いない。しかし外せば……根気強い戦いが必要になる。
 これが運命の分水嶺だ。さあ、投げられた賽は半を出すか、丁を出すか――。


>シュライバー、ライダー、(オリエ)

22日前 No.296

シュライバー @trifas ★51ct67nR08_8gk

【ベルリン/ウォルフガング・シュライバー】

>>オリエ・バラーディア、レジスタンスのライダー、アシュレイ・ホライゾン

(さようなら)
auf Wiedersehen――

貫通した手。滴り落ちる血に、己が勝利を確信した。それはあくまで勝利であり、シュライバーの求めた結果とは異なるモノ。
一度こうなればまず助かるまい。万が一に一命を取り留めたとしても、回復の手段がなければどのみち出血多量で死を待つのみ。
シュライバーは理性を失くしている。言わばオリエに向かった行為も暴走に似た、本来ではありえなかった行為だ。
故に訪れる死に想い耽ることはないが――
・・・・・
これもまた、シュライバーにとって意図しなかった結末。

「――――ッ」

顕現する光の十字架に、さながら火炙りにされる囚人がごとく拘束を受ける。
なにもかも必ず、どうあっても上回る速度はそもそも、動き出そうとしなければ成立しない。
そしてシュライバーの肉体は超人と化した今でも脆弱。攻撃に特化した捨て身の身体。

「ぎィィッ―――」

その身体が、光に焼かれる。同時に、この機会を狙ったように迫る錨に、シュライバーの肉は抉り取られる。
だが、同じことだ。何度傷ついたところで、無限に等しい数万の魂からなる再生力を上回る一撃などあるはずもない。
抉り取られ、傷ついていく部分から瞬時に何事もなかったかのよう再生し――瞬間。
シュライバーは動きを封じる手足を、強引な力で自ら引き千切る。死と乙女が融合した矛盾の狂気。能力を駆使したバカげた手段。

結果――それが自身の首を絞める、決定打となる。


何度目かわからない、動き出した矢先の焔。しかも、これは今までの火炎とは異なる莫大な範囲攻撃。
手足が再生したすぐのことだ。無論これをどうこうする術もなく、再び焼かれる身体に苦痛の声を漏らす。
本来これは対象を灰にするまで決して止むことのない一撃。だがことシュライバーにおいては、その無限の再生力あるがゆえに。

「痛い」

耐えきる。その筈だった。

「痛い――痛いよ、どうして!」

痛みを感じることは問題ではない。痛みを感じ続けることが問題なのだ。
シュライバーの再生力はそんなものではない。一度焼かれたとしても、回復する一瞬があればここを抜け出せる。
だが。
そう。
これは。

創造を果たす前、受けた致命傷。
光の十字架に焼かれた肉体。
肉体をそぎ落とす無数のアンカー。
己が引き千切り失った手足。
そして今――今もなお終わることのない灼熱の焔。

シュライバーにとってはそれっぽっち――だったかもしれないが。
怨念の源である右目の軍勢(レギオン)が沈黙している。灼熱に血が乾いていく。
彼はついにここにきて、その膨大な燃料を失ったのだ。そして死界(ニブルヘイム)がなくなれば、アンナ・シュライバーは触れれば砕ける乙女でしかなく。

「ああ……」

焼かれ続ける中、シュライバーは諦観したように――否、その焔に。どこか温かく包まれるような錯覚を覚えて。

「お願い……」

殺意と狂気の交じり合う、莫大な怨念の塊。
血を好み、血を貪る殺戮の特攻隊長。黄金の近衛。

「抱き締めて……」

己が渇望を、己が理性で自覚したその瞬間。
極悪非道なる魂。されど内に秘めるは、ただ一つと求め続けた、純粋無垢である少年/少女。
ウォルグガング・シュライバー/アンナ・シュライバーは、ここに――燃え尽きる。


【若干、無理やり〆てしまった感は否めないのですが…】
【このあたりで退場とさせていただきたいと思います。】
【オリエ本体様。そう言ってもらえて有難い限りです。】
【他のお二人様も、本当に、お相手ありがとうございました!】

22日前 No.297

グレイヴ @5121☆stkO0KxpThU ★ztEbdaugmt_7FY

【雪国/ビヨンド・ザ・グレイヴ】

ケルベロスの銃弾は次々とバルバトスに突き刺さり、そのうちの一発がバーニアを直撃したのかついに爆砕した。
これでもうあの機動力は出せまい、あとはもう仕留めるだけだ、仕留めるだけなのだが、この少年はそうそう簡単にやらせてくれないだろう。
この少年は、三日月・オーガスは昔の自分に少し似ている。生きるために、仲間の為に全力で生きている所は同じだ、だが自分には感傷があった。
恋人の誕生パーティでビッグダディを守るために人を撃ち殺してから、ミレニオンという巨大な組織の力の象徴とされるスイーパーになってから、恋人にまともに会いに行けなくなった。
会う資格はもうないと思い込み、ビッグダディの計らいで無理矢理引き合わされても顔をまともに見ることも出来ずに、決別した。彼女を血で汚したくなかったから。
そしてそれを勘違いした親友の悪魔の囁き、明確な裏切りに銃を抜くが撃てずに逆に撃ち殺され上昇を続けるエレベーターから落下する自分。
そんな昔の記憶がリフレインしているのは自分にも再び死期が近づいているからなのか、この少年の何かに引きずられたからなのかは定かではない。
崩れるバルバトスの右腕、地に落ちる巨大剣、左腕のルクスネイルが何かを掴もうとするかのように伸ばされる。グレイヴの最後の一撃と三日月の駆る狼王の最期の一撃。
グレイヴはこれを受け切ることにした、この少年はもう長くない。グレイヴの直感がそう囁いていた。

「ぐっ……!」

デス・ホーラーを地面に突き立てて三日月の一撃を受け止める。思わず後退りそうになるがそれでも腕の力は緩めない、ルクスネイルにより無茶を続けたデス・ホーラーの装甲が一部剥げ落ちる。
だがどちらも引かない、退けないのだ。拮抗状態が少し続いた後不意にルクスネイルから掛けられる力が軽くなる、三日月に限界が訪れたのだ。
崩れ落ちる狼王、火花を散らせ続ける機体、光の消えたカメラアイ。戦いは終わった、ビヨンド・ザ・グレイヴの勝利という形で。
ほどなくして機体が爆散する、デス・ホーラーの影にいたグレイヴは爆風から逃れることができた。爆風が収まった頃舞い上げられた雪が地面にしんしんと降る。
この爆発では中にいた少年はもう生きてはいないだろう、だが遺品の類があれば埋葬しよう、グレイヴはそう思い立ち爆散した機体を注意しながら捜索する。

コクピットだったであろう位置を調べていると三つの血が付いた金属片を見つけた、それは彼のいた世界で『阿頼耶識システムのピアス』と呼ばれるものだった。
その三つの金属片を握るとグレイヴは小さな穴を掘る、そして阿頼耶識のピアスを布に包んで埋めて、墓標の代わりに巨大なルクスネイルの破片を地面に突き立てた。
墓碑銘でも刻んでやりたいところだがグレイヴは終ぞ少年の名前を知ることはなかった、少年もグレイヴの名前を知ることがなかったように。
何故だか分からないがグレイヴの胸が痛んだ、この少年は自分のifの可能性だ、自分が感傷を持たなかったら、もっと冷徹だったら自分はここには居なかったのかもしれない。
これは紛れもなく戦争だった、殺さなければ自分は死んでいたし手加減できる相手でもなかった、歯車が少しでも掛け違っていたら少年と話す機会もあったかもしれないというのは過ぎた感傷か。
だが感傷こそが人間を人間たらしめるものだと誰かが言っていた、自分は一度死んだ身だが、感情や感傷までは捨てていない。
今の状態で次の戦いに臨むのは厳しい、デス・ホーラーは整備しなくても後一度くらいは耐えるだろうが問題はグレイヴの傷だ。
傷が治るのを待つ間なるべく動かないことが望ましい、即席の墓標の裏に回ってグレイヴは腰かける、そしてグレイヴは自分以外誰もいない空間で口を開いた。

「……お前は一体何を、何処を目指していたんだ?」

当然ながら答えは帰ってこない、だが問わずにはいられなかった、グレイヴの言葉は風にかき消されて消えた。
曇天だった空から一筋の光が差す、それは三日月・オーガスの墓標を暖かく照らしていた。

>(三日月・オーガス)

【こちらこそ、初戦とは思えない程濃密で熱いバトルをありがとうございました】

22日前 No.298

クレナイ・ガイ @antinomie☆yzl4MFL1dRLB ★sLdIAtRTAq_xmq

【 荒野/クレナイ・ガイ(オーブオリジン→エメリウムスラッガー) 】
【EX技:未知の<ウルトラフュージョンカード> 精製 発動!/レベル4】

スケールの差は、そのまま攻撃範囲の差となる。
この歪なる世界の影響上、その火力差で押されることはあってもその分野で負ける気配はあまりしなかった。
何と言っても、此方はウルトラマン。光の巨人であり、宇宙を飛ぶものだ。……まあ、勿論。制限時間があるから、生身で戦うこともあるが。
放たれた<オーブ・ウィンドカリバー>は確かにその小型機たちを巻き込み破壊していく。

カナミの攻撃も、勿論視認した。
あの氷刃は一体どこまで届くのか……彼は、見たところ宇宙人でも何でもない。少し異質な力を感じる程度の、地球人。
―――そのように、思ったが……分からないな。そもそも、この世界で出会う存在全てが分からない。その辺りの考察は、あとで良いだろう。
打ち砕かれ、破片を飛ばしながら消滅する中型機を視界の端で確認し、迫る攻撃に対処する。

「ゥ、ォオオッ!!!」

ウルトラマンオーブ、オーブオリジンには先のタイミングで見せた「スペシウムゼペリオン」のような加速性は存在しない。
迫る変則的な攻撃と、生き残った中型機による集中砲火。
<オーブカリバー>の腹で五機による攻撃を防ぎつつも、迫る集中砲火をその身に受けて苦悶の声を漏らす。

「ッ……!」

意識を地面に向ける。
男―――カナミを取り巻く何かが、様子を変えたのが見えた。剣の構えを見れば、ほんの少しだけ“腐れ縁”の男を思い出し。
ばちり、とクレナイ・ガイに閃光が走る。先の闘争で感じた、ドラスとの戦いでも覚えた感覚。
巨人の身体の内側で、ホルダーから二枚のカードを引き抜く。

「セブンさん!……ゼロさん!」

<ウルトラセブン!> <ウルトラマンゼロ!>

二枚のカードを、順番にリングに通す。浮かぶイメージは、二人の巨人―――そして、彼らは単なる絆で片付けられない関係を持つ。

「―――親子の力、お借りします!」

<フュージョンアップ!ウルトラマンオーブ・エメリウムスラッガー!>

三度、姿は変わる。
周囲を守るように駆け巡った剣閃が、五機の編成機へと襲い掛かってからオーブの頭部に収まる。
赤、青、銀のシンプルな造形に、盛り上がった両肩のプロテクター。やや目つきは悪くなったが、先ほどまでとはワンランク上の力を感じさせる。
空中で飛翔したまま、新たな姿のオーブは名乗りを上げる。

「智勇双全、光となりて!」

つう、と流すように。頭部の三本のうち、両側の二本に触れて、それを眼下目掛けて投げ飛ばす。
<ゼロスラッガー>と呼ばれるそれは、所謂ブーメランである。
ある程度、自在に行動するそれを自身の守護ではなく地面の側へと投げたのは、何かをしようとしているカナミを守らせるためだ。
敵機を討つためだけに、<ゼロスラッガー>二本は飛翔する。そして。

「―――お前相手には、こっちで十分だ!」

次に触れるのは、頭部の中心―――<アイスラッガー>。同じくブーメランのようなそれを手に取れば、それを短刀のように坂手持ちにし。

「例えどれだけ出てこようが……追加が間に合わないほどの攻撃を、刻み込んでやる!」

オーブオリジンよりも素早く、手数で。
中型機に、<アイスラッガー>での無数の斬撃を刻み込む。

>ネウロイ、相川過波

21日前 No.299

レジスタンスのライダー @aroundight☆SdjaOljKHtOm ★zLr78z7s8m_FR1

【ベルリン⇒/レジスタンスのライダー】
【Exスキル『新天地探索航』発動終了】

 決着はいとも容易く。
 ………否、その決着を容易くと評するのは、流石に死者への冒涜もいいところだ。
 オリエ・バラーディアの命を掛け金とした最後の布石は、これ以上もないほど効果的に成立した。顕現したそれが光の十字架であるならば、それに括りつけられたウォルフガング・シュライバーはさながら囚人というわけか。
 であるならば、それを運んで来た修道女《シスター》はさながらイエス・キリストだ。このベルリンをゴルゴダと定め、此処に死の試練を迷える子供に示して与えた、女神マリアの祝福と啓示を受けた聖なる子のそれを彷彿とさせる―――あまりにも美しく、麗しき献身の構図。それが総攻撃の合図、終りへの号砲となるのは何たる皮肉か。
 ライダーはそれを聖者の如しと評したが、その実、彼女の心はあまりにも少女的だ。
 何処にでもいる、言わせてしまえば普遍でありふれていて、希少価値があるとは思えないもの。触れたばかりの存在を慈しむのではなく、振り下ろされた刃は抱擁ではなく処刑のギロチン。偽善であると言えば偽善であるし、悩む泣くと言った立ち止まりに酔い痴れていると言えばなるほどそうでもあるだろう。所詮、総評してしまえば彼女は聖者ではなく、あくまでも“そんなもの”なのだ。

   、・・・・・
 だが、そんなものでいい。恐らくあの魔狼には、そんなもので良かったのだ。
 泣いて喚いて、頭を垂れてようやく啓示を下ろしてくれる神だの聖人だのでは止められない。
 ましてや、最初から殲滅を考えていた航海者と蝋翼は、正答ではあるがシュライバーの求めていたものではない。
 その証拠に―――ほら、足が向いた。そして止まったではないか。
 なんという有効的な命の使い捨て方だ、これこそ最初で最後の、魔狼を繋ぎ止める鎖に他ならない。ライダーのように捉え繋ぐのではなく、抱き締めるという発想は………凡庸で、満ち足りた生き方をして来た、オリエという少女以外には出来ない。

 だからこそ、これを好機と錨が下ろされる。
 その嵐を留めるべく、乗り越えるべく、数千数万に及ぶ新天地を切り拓く鉄の暴風。
 ライダー本人の好みなど今更言っては居られない。
 まだ■■■はずの命が、こうも易々と失われることへの怒りなど口にしては居られない。

 だが―――それでも。

「足りねえか! 畜生ォ、大喰らいめェ………! ありったけくれてやらァ!」
「(―――そして、此処までだ! 勇敢と無謀は違う、こいつを倒せる手段は俺にも坊主にもねえ!)」

 足りない。抉り傷つけて、その部分から瞬時に再生していく。
 ライダーの宝具は確かに万能、攻防一体にしてあらゆる嵐を乗り越える怒涛の猛撃だ。
 だが、そこに対してある決定的なものが足りなかった。………そう、シュライバーの再生力さえも塗り潰すような破壊力。万能であるが故の欠点であり、しかし同時に、それこそが暴風獣《ヴァナルガンド》の真骨頂。
 死世界の主たる凶獣の生命の燃料は数値にして六ケタに匹敵し、そう易々と削り取ることは出来ない。それがあらゆる不可能を不屈の意思で乗り越えて来た偉業の主であったとしても、獣は嘲笑いながら、その戒めを引き千切っていく。

 万事休す。此処までの贄と犠牲と対価をくべて、引き時を再判断するより他にない。
 ―――そのはずで、しかし。


「―――坊主?」


 誰にとっても予想外の事態が、発生した。

 征服者はそれを、後ほど素晴らしい幸運だったと評するかもしれない。
  、  、  、とんでもない不運だったと毒づくかもしれなかった。



  、  、 タルタロス
 其はさながら奈落。今までの、雄々しき光のようなアシュレイの在り方とは真逆の闇だ。
 天高く輝く太陽と対になるは、夜の帳にただ一つ浮かぶ白き月。
 冥王が、吟遊詩人の奏でる竪琴の音に拠ってその悍ましき姿を現す。
  、   、   、 ケルベロス
 聞こえた咆哮は―――銀悠冥狼。怨嗟と呪詛を乗せた、狂った光を憎む冥王の代行者。
 先のそれが聖女の祈りだというのなら、それはあまりにも、お世辞にも褒められた光ではない。
 勇壮さはそのままに。
 輪廻の如く変生を果たしたそれは、彼の今までの性質からはずいぶんとかけ離れていた。


 滅尽滅相、誓うぞ、生かして還さない。
 死に絶えろ、死に絶えろ、全て残らず塵と還れ―――そんな呪いじみた冥界讃歌の瘴気が垣間見える。
 そしてわざわざ後退を自らに命じて来た意味が分からないライダーではなかった。


「ッええい、そこまで言ったんだ、しくじるなよ―――!」

        、     、     、   、リュカオン フェンリル
 恨みの叫びを天へ届かせ、虚しく闇へと吼えながら、人狼が悪狼と相対することの意味。
 その全霊の咆哮によって、ベルリンの焔を悉く塵に還して飲み込む闇の渦。
 局地的に発される対消滅と対振動による、空間震災で以てして、白騎士を葬らんとする攻撃。

 ―――たまらない。
    巻き添えにされたのならば、当然死すより他にない。

 錨を戻すことを諦め、活動限界を終えた船から彼は転げ落ちるように落下。
 そのまま躊躇うことなく距離を取った。アシュレイへの信頼でもあるし、単純な脅威の大きさ故にだ。あれは間違いなく―――正確には彼が纏う瘴気こそが、だが―――生きているもの全てへの脅威に他ならない。

 だから、ほれ見ろ。
 その振動は狂える白騎士の命を枯渇させ / 痩せさばらえた捨て犬に最後の祝福を与え―――。



■  ■  ■



「………」

 幕切れは、あっけない。
 膨大な怨念の塊、ベルリンに存在した殺戮人形は、無情な慈悲によって砕け散った。
 最後の一言はあまりにも残酷な言葉であるが………それを受け止める人間は何処にもいない。
 攻撃したアシュレイ本人は元より、それを抱き締めようとしたオリエは自らの手で砕いた後。
 ましてや、後退したライダーも、いちいち嵐に、自分の障害に感傷を覚えるような男ではなかった。


「………終わったか。とんだ災害だったなァ、全くよ」
「オリエの嬢ちゃんが居なけりゃあ、三人纏めてあの畜生が鎮まる前に轍だっただろうぜ」


 だから、災害を鎮めた人柱を讃え、惜しみ、嘆くだけ。
 それ以上でもそれ以下でもない。ライダーは………クリストファー・コロンブスは、
 それこそ死者への弔いであるべき行為だと、前に進むべきことこそ肝要なのだと行動で示した。

 しかし―――先程の光景を思い出す。
 あの一撃が全ての決定打となったことは、もはや言うまでもない。だが―――。

「しかしよ、なんだ今のは? おまえさんは出し惜しみするヤツじゃねえのは分かってるが………」

 その序でに数万の錨、降り注いでいた物を跡形もなく崩壊させるほどの火力の変質。
 そして、そもそもの話―――攻撃の系統から範囲、その性質に至るまでもが違い過ぎるという事実。
 この二点が、最初からアシュレイに感じていた違和感の正体に近いものだと、ライダーは気付いた。

 気付いたが故に、直球で疑問を口にした。
 なにしろ、共通点は“目の前の敵を滅する”という点と、
 それが深い赫怒によって構成されるという点だけなのだから。

 ―――だがもちろん。それよりもやるべきことは、ある。

「ま、なんにせよお疲れさん。―――これで先に進めるのも事実だ」

 SOSの正体を掴みに行くことだ。

「此処までやって他のヤツに先取りされるのも頂けねェ。行こうじゃねえか」

 此処以外の通り道はなく、恐らくは一番乗りになるだろう自負がある。
 だからこそ、既に消えてしまったシュライバーと、その身を奉げたオリエのことは引き合いに出さない。
 それよりも、まずは進むことを優先する。
 居なくなった船員は、惜しむことはあれど引き摺ることはしない。それがライダーの信念ゆえに。


>シュライバー、アシュレイ・ホライゾン、(オリエ・バラーディア)


【お相手ありがとうございましたm(._.)m】
【並びに各本体様もありがとうございました、楽しかったです】

20日前 No.300

キング @evil☆wlNTvj.bQ62 ★Android=c1E0DIQTEq

【霧の街/キング】

オーズに叩き込まれんとするダークネスヘルクラッシュの破壊の拳。振るわれる拳に対して、オーズは逃げるような素振りを見せない。
彼は手にした斧に何かをしていた。斧が、禍々しい煌めきを放出しそれがキングの胸部を捉える。
同時にキングのダークネスヘルクラッシュもオーズの胸部に命中していた。

「ガッ…!!」

吹き飛ぶ両者。
だがキングを襲ったのはオーズの攻撃だけではなかった。紋章で動きを封じられていたクロノスの必殺技までもが吹き飛ぶキングへの追撃に飛んでくる。

「貴様ァ…!!」

光弾を浴びたキングは爆炎に飲まれその姿が覆い隠される。爆風の中から姿を現したキングは変身こそまだ解けていないが相当なダメージを受けていた。まだ変身が解かれていないのはダークキバの防御力有ってこそだと言えるだろう。

「許さんぞ貴様ら…!!
生かして返さん!!」

キングは両腕を大きく広げる。瞬間、キングの全身から爆弾が爆発するかのように赤黒い破壊エネルギーが周囲に放出された。

>映司、正宗

20日前 No.301

勇者 @ask2 ★iPhone=P9oxZSYDmV

【 外なる図書館/入り口前/乃木園子 】

 >???

「はわ〜……見つからないよ〜……」

 のんびりと間延びした、しかし疲労の滲んだ声が、誰に聞かれることもなく風にさらわれていった。
 烟る砂塵と鑢のような岩肌。決して生命を受け入れることのない大地を、一人の少女が歩いていた。
 華やかな紫の装束は、さながら荒地に咲いた花の如く。尤も、それを纏う当人は蕾と喩えるべき幼さではあったが。
 名を乃木園子。保守派に身を置く、勇者である。彼女もまた他のメンバーと同じく図書館の捜索にあたっている最中だった。
 外なる図書館。この世ならざる界層に在し、あらゆる叡智の集う智慧の庭――と言われてもピンとくるはずもなく。
 そんなに凄い図書館なら、普通の場所にはないかも? なんて思いつきで戦地を駆け抜け、遠く離れた荒地まで来たはいいが、それらしき施設は当然見当たらない。

(……?)

 ふと、声が聞こえたような気がした。
 きょろきょろと園子が視線を巡らせ――ぴたり、と静止する。

「お〜〜、休憩スポット発見かも」

 園子の目がきらきらと輝く。期待に満ちた眼差しの先、ささやかな洞窟が鎮座していた。崩落か、陥没か。上部を損なったドーム状のそこへ足を踏み入れる。ようやく砂混じりの風から解放されて、園子はほうと息をついた。
 ……が、それも束の間。不自然に置かれた長椅子に驚く間もない。先客がいたのだ。ぐったりとベンチに身を預ける様子から、具合が良くないことは明白だった。

「ッ――」

 目を見開く。息を呑む。しかし驚嘆はそこで打ち止め。
 驚くよりも先にすべきことがある。

「だ……大丈夫? おなかいたいの?」

 人影の肩を軽く揺すり、尋ねる。その口端を伝う血に気づき、ハンカチで拭いながら。

19日前 No.302

エイラ・イルマタル・ユーティライネン @voltexfbk ★1DXVdHzeIP_M0e

【荒野/超大型母艦型ネウロイX-26(第2形態、X-26本体浮上、X-24:1→0機、X-25:10→5機、魚雷型ネウロイ:推定40→70機)】

X-24への巨人による斬撃の連射は、まるで巨人の正義を示すように一気に装甲をはがす。
だがそれと同時にX-24は変形して斬撃を若干避け、一気に最後の力を振り絞って首を狙った一点集中のビーム連射を行う。

明らかに防ぎきるのは難しい。が、斬撃によって巨人はX-24をコアごと砕いた。
しかし、その隙が一点集中のビーム連射が突き刺さるかは分からない。



一方の小型機は巨人に巻き込まれた分だけは全滅、他はすべて健在だ。巨人の方が攻撃を加えやすいと判断したのか、過波への攻撃を中断している。


そして母艦と魚雷型だが、陣形を変えている。
しかも自爆すれば一気に誘爆が広がってしまうというリスキーなところまで付いているが、徐々に魚雷型の数を増やしつつ過波に一点集中するように、そして巨人の攻撃が「間に合わない」ように。

その中、魚雷型の5機が、何故か過波へ攻撃をする。
しかも別の位置だ。それは何を意味するか、過波ならわかるだろう。


>>クレナイ・ガイ、相川過波

【X-24全滅判定を下しました。よって再登場はしません】

18日前 No.303

蝋翼 @artemish☆8cfl5/j3VDw ★nvK6VZex7T_UxJ

【ベルリン/アシュレイ・ホライゾン】


 ――滅びは成った。

 弱者の牙が騎士の喉笛を食い千切った。
 その証左に、ベルリンの街並みは大規模な災害でも吹き荒れたかのように局地的な荒廃を晒している。
 獲った。忌まわしき狼は奈落に消え、今は冥狼の星だけが輝く。

「づッ――」

 勝利を確信した瞬間、アッシュの全身に襲い掛かるものがあった。
 膨大な、反動だ。位階を飛び越えるという不条理を実現させた対価として、比喩でも何でもなく総身あらゆる箇所が悲鳴を上げている。
 このままそれこそ冥府へ召されてしまうのではないかと思うほどの激痛、負担。それをどうにか、輝きとは無縁の気合で以って耐えながら、アシュレイ・ホライゾンはゆっくりと天を仰いだ。
 失われてしまった。一人の仲間を、俺達は今日此処で失った。
 だが皮肉なのは、その喪失がアッシュに力の萌芽を齎したことであろう。失われていた記憶の断片が、ウォルフガング・シュライバーへの怒りという感情の炸裂をトリガーにして発現した結果が先の大破壊(カタストロフ)だ。
 彼女がいなければ、自分達は間違いなく此処で詰んでいた。白騎士の疾走はそれほどまでに凄まじいものであり、規格を飛び越えたものだったからだ。その勇敢な最期に、敬意を表さずにはいられない。

 そして――いつまでも悲しんではいられない。
 自分は、生き残ったのだ。一人の犠牲を踏み越えて生き残った。勝利を手にした。
 ならば勝者の責務を果たすのみ。進み続け、乗り越えるのだ。寄せ来る、次の試練を。

「……なんていうんでしょうね。俺にも、今ひとつピンと来ないんですけど――なくしてたものを一つ取り戻した=c…そんな感じだと思います」

 恐らく、さっきのあれで全てではない。
 まだ、アシュレイ・ホライゾンには空白がある。
 それを総て取り戻して初めて、この世界における境界線の物語は始まるのだろう。

「ええ、そうですね。行きましょう、ライダーさん」

 過ぎたことは胸に刻み、振り返らずに前に進む。
 それでこその男であろうと、自らを鼓舞して。
 アッシュは、ライダーと共に次へ進まんとするのであった。


>(シュライバー、オリエ)、ライダー

【こちらこそお相手ありがとうございました!
 途中から返信がアホみたいに遅れてしまって申し訳ないです、楽しかったです〜】

18日前 No.304

レジスタンスのライダー @aroundight☆SdjaOljKHtOm ★zLr78z7s8m_FR1

【ベルリン⇒外なる図書館/入口/レジスタンスのライダー】

「なくしてたもの、ねェ………?」

 アッシュの、何処か確信と疑惑の入り混じった言葉が耳に入り、ライダーは思慮に入る。
 疑惑に対して誠実に自分の空白を回答して来た点、なるほどこの青年らしいと言えるだろう。彼は悪に対して苛烈で、赫怒の念を以て何処までも勇壮なる炎翼を広げ、天に向かって飛翔する一方で―――それ以外の部分に関しては、存外真っ当だ。
 先の嵐との闘いで見せた光のような雄々しさと、所々の柔らかさはイメージが合致して来ない。
 特に………“最後のアレ”のような呪詛で編み込まれた宵闇のような能力を持つ精神的イメージをアシュレイ・ホライゾンが持っているのかと言われたのならば、恐らく誰もが違和感に首を傾げるより他になかっただろう。

「取り戻した、取り戻した………か。妙な言い方するモンだ。まるで今のおまえさんが、元のおまえさんとはちと違うみてェーに聞こえるぜ。それが例え事故であれ、他意あるものであるにせよ、な。
 まあ、おまえさんのアレ含めて、さっきの魔狼《フェンリル》は何一つ欠けちゃあ不味い戦闘だった。理屈がどうのと、いちいち終わった細かいことを気にしちゃ居られねえのも事実よ」

 しかし、取り戻したと彼は言う。
 あれがアシュレイ・ホライゾンの本性だと?

 ライダーは考えたが、ものの数秒立たないうちに確信すら懐いた。“有り得ない”。

 そもそも、この青年が仮に何らかの空白を持つものだとして………その過去がアレほどの憎悪と悍ましく醜い冥界の亡者が如き念に塗り潰されているとしよう。
 ならば―――果たしてその記憶を取り除いた程度で、彼は此処まで善人となるものか?

 有り得ない。
 どんな悪党も、善人も、記憶を失くしたところで魂が成すべきことを覚えている。
 記憶を奪えば悪党が真っ当になるなど、出来過ぎた理論であるし。
 記憶と寄る辺を失った善人が真逆の道を歩む事例も、前者ほどではないが有り得ない。
 ………それが、実体験を込みとしたクリストファー・コロンブスの絶対的な論であった。

 つまるところ、あの銀悠冥狼を彼の本性、空白と呼ぶにはあまりにも性質が違い過ぎるのだ。
 それはまるで、ひとり二役の人形《パペット》であるかのような本質の違いで―――あるいは。他人の記憶と情熱を借り受け、当て嵌めているかのような………。
 そんな、最初にも感じた違和感が、頭を過り―――。

「此の先のことも、ある」
「東方じゃあ九十九里を以て半ばとする、なんて言うそうだしな」

 ………しかし。その先について、果たしてライダーは結論を出せなかった。
 出すこと自体に興味を持たなかったのだ。今優先すべきものは違うと理解していたから。
 何より貴重な■■であるオリエを失ったのだ。
 此処で何も得られないでは、いよいよ損得が合わない。だからこそライダーはゆっくりと先を目指して歩いた。錨を下ろしたその先へと、新天地を踏破するが如き様相で。


■ ■ ■



 時間と空間が捩れ、捻じれ、外界と途絶された地。
 その中心部にそれは存在した。
 そこは何時までも消えることのない、世界に打ち立てられた一つの楔。
 すべての人間に助けを求めて来たと思わしきものがいる、各々にとってのゴールテープ。

 岩と砂だらけの荒野を歩き切った先、彼は先ずそれを見た。
 長椅子の背後に落ちる砂―――砂粒が無数に集まって、滝のような様相を醸し出している情景を。なんとも幻想的で、なんとも荒唐無稽な光景だろうか。逆に言えば、それこそ“異質な風景”であると断言できる、物理法則も何もない気配。
 溢れ出すそれは、何故なら何もない虚の孔から溢れ出している。
 神秘的な景色の中で、そこに座っている先客と思わしき人影………―――と。あと一人。

 どちらも、カテゴリとしては少女と言える、うら若き外見の者達だった。
 見てくれはどちらも良い。長椅子に凭れ込む魔術師《メイガス》も、
 紫色を基調とした装束を着込んだ、何処か浮世離れした印象を持たせる少女も。


「一番乗りは貰われちまったらしいなァ、坊主。だが悪くねえ感じにはなっているようだ」
「よォ―――あのサインを寄越して来たのは、椅子のあんたでいいのかい?」


 つまり、片方は別の来客だ。
 自分たちがごたごたやっている間に、先客がやって来てしまっていたらしい。
 らしい、が。どうやら先に到着した彼女も、別段敵対的という様子ではなかった。

 なにかを知ろうとしているというなら、この現状を止めたくない楽園派の連中ではない。
 何よりそもそも、ライダーは簡単な顔ぶれ程度であれば保守派の人間のことを把握していた。もちろんその人物の性格・行動までを完璧に掴んでいるわけではないが―――そこは船乗りだった頃の名残、船長としての義務というヤツである。
 ならば、この状況は完全に自分たちがリードし終えたということだろう。
 保守派の人間としては、これ以上ないほどに“善い”流れだった。

「(………さて。想定外は、あのマンイーター野郎だったかね)」

 ―――保守派の人間としては。そう、この状況は勝利と言えるはずだ。

>アシュレイ・ホライゾン、???、乃木園子

18日前 No.305

火野映司 @antinomie☆yzl4MFL1dRLB ★sLdIAtRTAq_xmq

【 霧の街/火野映司 】【EX技:「プトティラコンボ」発動!/残:2レス】

ぶつかり合う技と技。
闇の鎧と、紫の恐竜の力がぶつかりどうやら闇の鎧に攻撃は通ったらしい。
が、それだけでは終わらないようだ。

「ぐ、ぅっ……」

圧し潰され、氷漬けになっていた戦士は行動を起こす。
耳に届くのは電子音声。予感がする。強力な攻撃の、予感が。
視界に入るのは、禍々しいエネルギー。一足先にその力が届いたダークキバは、怒号を放ちながら更なるエネルギーを爆発させる。
迫るあれらを直接受けるのは不味い。ガタガタの身体に気合を入れ、再び三枚の銀のメダルを<メダガブリュー>に装填する。
それを再度、噛み砕かせ―――今度は、小銃とバズーカ砲を複合させたような形状に変形させる。

《ゴックン!プ・ト・ティラーノヒッサーツ!》

「が、ぁあああああッ!!!」

迫る二重の暴発的エネルギー。如何に最狂のプトティラコンボと言えど、疲弊した今その両方を受けるのは不味い。
だから、無理にでも動く。俺が此処で死んでしまったら、正直、全く笑えない。
プテラヘッドを展開し、自身を受け止めた建物から突発的に飛翔しながら飛び出す。砲口を、波動と、その先にいる二人のライダーへと向ける。
そのまま地に足をつけることなく、飛翔する勢いを殺さぬままトリガーを押し込むと、再び<メダガブリュー>が鳴る。

放たれるのは紫の暴風。
砕いた欲望の固形<セルメダル>から純粋な力のみを引き出し、凝縮した破壊光線を撃ち出した。
正面から来るエネルギーを無に帰しながら、閃光は彼らに迫る。

最も、全てを打ち消せるはずがない。消し切れない衝撃と打ち漏らした破壊の波動が身体に届くが、直撃よりはマシだ。

>キング、正宗

17日前 No.306

相川過波 @judgement☆yHV90fAmU/2 ★xrMpCPw4om_xmq

【荒野/相川過波:Lv4→Lv5:保守派
EX技《ディスタントミュート》4→3回。EX技『親愛なる一閃』1→0回】

>ネウロイ、クレナイ・ガイ

 戦闘機群は再びその体制を変え始めた。
 オーブのほうで小型機が破壊された影響で、僕に付いて回っていた小型機はあちらへ補充される形になった。代わりに先ほどより数を増やした魚雷型の機体がこちらを集中攻撃するための陣形を取っている。以前の馬鹿げた数ほど脅威ではないが、油断ならない数だ。
 その変化を眺めていると陣形を作っている箇所とは別の、死角となる位置から光線が五つ放たれた。こちら集中するかのような陣形の展開は意識を逸らすための布石。僕の行動に警戒を抱いたのか、本命となる奇襲攻撃を仕掛けてきたのだろう。
 だが、その奇襲は通用しない。

「僕を、舐めるなっ!」

 次元魔法に精通する僕は"知る"ことに特化している。《ディメンション》によって3次元的に広げられた次元魔法の魔力がこの戦況全体の情報を僕に与え、死角を作ることを許さない。発射された光線が通る位置を把握して、展開してあった魔法《トルシオン》を操り光線を防いでいく。
 この程度であれば僕の詠唱を妨げるには至らない。
 更にはオーブから放たれたブーメランのようなものが敵機を迎撃せんと飛び回っている。さっきから助けられてばかりだ、と内心頼もしさを覚えながら詠唱の最終段階へ突入する。
  アナタ    ツルギ  ぼく
「『世界が拒んだ剣は』『私たちが受け継ぐ』――!」

 今、ここに剣を受け継いだもう1人の親友、リーパーはいない。
 世界の混ざり合いによって安否さえ掴めていない状態だ。
 けれどもローウェンに彼女を託されたから。
 だからこの一撃は彼女を含めた僕の仲間達を取り戻すための最初の一歩になる一撃だ――!
   ・・ ディ・ア・レイス
「――魔法『親愛なる一閃』!!」

 魔法が発動した瞬間、剣を振るった腕がまるで別空間に突っ込んだかのように消失する。
 その船体に剣は届き得ない。
 その装甲を断つには力が足りない。
 その巨体を裂くには剣はあまりに小さい。
 しかし僕が発動した最高の魔法は、剣筋すら視認出来ない距離硬度規模の全てを無視した一閃となって母艦へと放たれた。


【もしかしたらネウロイ様側の解釈が間違っているかもしれません。おかしい点があればサブ記事などでご指摘頂ければと思います…】

17日前 No.307

スレ主 @vtyjf ★GFYUJuZycW_xmq

【外なる図書館/入り口のベンチ/女魔法使い】

>>乃木園子、コロンブス、アシュレイ・ホライゾン

「大丈夫、少し寝ていただけ」

口元を拭う布切れ、上等なそれに口元をなされるがままに、紫の装束を身に包んだ少女の問いかけに答える。開いた瞳は眠たげに、訪れた三人を順繰りに見渡し、あくびを一つ。

「ようこそ、外なる図書館へ――私は女魔法使い、図書館族にして勇者のパーティの一人。そして私達の世界の最後の一人」

淡々と、喜びも悲壮さも滲ませずにあるがままを告げる。平坦な声音、三人を見ても動じず、あるいは感情を動かさないのは冷静なのか鈍感なのか、その無表情からは伺えない。

「そう、私があなた達をここへ呼んだ」

壮年の男の言葉に頷きを一つ返し、ベンチから立ち上がり、言葉を続ける。

「あなた達を図書館族として認める。これで、このベンチに触れて入りたいと願えば外なる図書館の中に転移する」

でも、と、言葉を区切って咳き込み、同時に血が溢れる。

「長くは、保たない。今この場所を維持している私の魔力が尽きれば、それまで。入るなら急いで」

中に入れば、望むだけで勝手に求めている知識の記された図書が収められた棚が現れるから、と。ローブの袖で血を拭いながら伝える。

「それと、今何が起きているのか説明する。私にも時間がない」

だから、最低でも一人は残って。と言外に告げ、三人を眠たそうに見つめる。その真意は見えず、三人を見定めるように眠たげな瞳はじっと三人を観察していた。

16日前 No.308

社長 @carisu☆t8OIH682mSg ★412JbkxTX6_M0e

【霧の街/壇正宗】

「ぬあああああああ!?」

クロノスの頭上で争う二人のライダーを吹き飛ばしたものの、依然敵は健在。
しかも両者距離を取り、エネルギー弾と光線のぶつかり合い。
だが忘れてはならないのがクロノスの位置だ。
紋章と凍結により地面に這いつくばり、時を止める為に必要な武装のベルトは銃撃の為に腕部。
つまり二人の攻撃は『挟み撃ち』であり『回避不能』。
そして二つの攻撃が、クロノスに直撃した。
エネルギーに呑みこまれながら、霧の街にクロノスの断末魔が木霊する。

「ぐっ…ごほっ、がふっ…」

吹き飛ばされたクロノスこと檀正宗は、強固な装甲に身を守られながら身体こそ残ったものの満身創痍。
遂には変身が解かれ、地に叩きつけられる
それでもだが正宗は、ほぼ死に体で起き上がる。
正義のライダーが魅せるそれではない。
正に檀正宗の狂気、意志がそうさせる。

「よくも、私を打倒したと言いたいところだがぁ…仮面ライダークロニクルは永遠に愛される作品でなくてはならない。」

狂ったように笑みを浮かべながら、正宗は二人のライダーを睨みつける。
だがその相貌は、まるで病人のそれだ。
異色な痣を生み出し、眼が赤く発光する。
その身が放つ、オーラさえも禍々しく纏いながら、壇正宗は『息絶える』。

【EX発動レベル4:ゲムデウスクロノス:継続】

「それは、現在も、これからも!!!」
『今こそ時は極まれりぃぃぃぃ!!!』

死んだはずの檀正宗は、しかし再び変身する。
だがそれは先ほどまでの仮面ライダークロノスではない。
正宗の身体が一瞬怪人に変化した直後、変身シークエンスが行われた。
赤く充血した双眸の眼、緑の装甲が赤く、ローブは金に染まる。
両の腕に盾、そして剣を持つその風貌。
倒された後に蘇るその様は正にラスボス。

「檀正宗は 人としての生を終えた。しかし、私こそが仮面ライダークロニクルの運営にして 真の…ラスボス」

先ほど死んだとは思えぬような、軽い足取りでゲムデウスクロノスは歩き出す。
自分こそが処刑を執行する審判者だと言わんばかりに。

>火野映司、キング

16日前 No.309

クレナイ・ガイ @antinomie☆yzl4MFL1dRLB ★sLdIAtRTAq_xmq

【 荒野/クレナイ・ガイ(エメリウムスラッガー) 】【発動中:未知の<ウルトラフュージョンカード>/レベル4】

斬り刻む。
光の巨人の持つブーメラン状の刃、この場合は<アイスラッガー>と<ゼロスラッガー>は優秀な武器だ。
力を貸してくれている二人の巨人、ゼロとセブンは血縁関係にあり、両者ともその力を持っている。
故に、このように自在に操ることが出来る。核ごと斬り裂いた中型機を見送りながら、迫る攻撃に備える。

巨人の首元に放たれたそれを防ぐには盾が足りない。直撃を受け、宙で仰け反る。

「が、っ……!」

短く声を漏らしながらふと見れば、あの小型機……カナミへの攻撃を中断している。
内心で笑みを浮かべる。彼の能力体系は、正直さっぱりだ。光の巨人の力でも無ければ、異星人でもない。
感じられるのは地球人のそれでしかない。なのに、不思議な力を操る。
有り体に、知り合いたちの言葉を借りるなら『超能力者』とか、そんな感じだろうか。
何にせよ、この場に彼女たちが居たら突撃取材でもしてたに違いない。そんな他愛もないことを考えて。

「……っと、考え事してる場合じゃないな。此処は踏ん張りどころだ……!」

視界に収めたのは、消える剣閃。驚愕に値する、これまたオーブの理解が及ばない異能だろう。
そしてそれが、準備を経て放たれたのであれば。クレナイ・ガイは確信する。あの剣技……魔法は、強力なものである、と。

「ダァアアア……ッ!!!」

力を込めるように、両腕で力こぶを作る。そして、両腕をL字に構え―――……。

「ゼェリャアッ!!!」

広がるように、光線が飛ぶ。
<ワイドスラッガーショット>。ウルトラセブン最大の必殺技と、それを次いだウルトラマンゼロの必殺技が組み合わさった技。
それを、残る小型機と魚雷を発生させ続ける母艦に向けて撃ち出した。

残された時間は二分。次でどうにかしなければ、此方の戦力は激減してしまう。……どうにか、しなければ。

>ネウロイ、相川過波

16日前 No.310

勇者 @ask2 ★iPhone=P9oxZSYDmV

【 外なる図書館/入り口前/乃木園子 】

 >???、レジスタンスのライダー、アシュレイ・ホライゾン

 淡々とした語りは、ときおり喀血によって遮られながらも、一旦の区切りを迎えた。

「うん、わかったよ」

 把握を示す首肯。
 女魔法使いがポータルを維持していること。
 彼女から話を聞く必要があること。
 彼女の残量が尽きかけていること。
 魔力どころか命さえも、風前の灯火のよう。
 それらを把握した上で、園子はまだ諦めていなかった。勇者である彼女は、助けられるかもしれない命へ手を伸ばさずにはいられない。
 柔らかくも真剣な眼差しが、ライダーとアシュレイの2人を見上げた。

「おじさんたち、このお姉さんの傷治せる? ……あのね、もしここに治癒の力を持ってる人がいないなら、私、お姉さんをソーチョーたちのところへ連れていこうと思うの」

 ――保守派拠点『武蔵』へ。
 相応のリスクを伴う行動だ。道中の危険も、徒労に終わる可能性もある。女魔法使いの意思も問わねばならない。
 それでも、園子の意思は一先ずここに示された。『女魔法使いと保守派の目的をどちらも果たした上で、女魔法使いを救う』、と。

16日前 No.311

蝋翼 @artemish☆8cfl5/j3VDw ★nvK6VZex7T_UxJ

【ベルリン⇒外なる図書館/入口/アシュレイ・ホライゾン】

 アッシュとしては、それに対しどう返せばいいものか非常に迷う。

      ・・・・
 なぜなら、その通りであるからだ。
 雄々しく蒼穹を舞って燃え尽きる蝋翼と、冥界讃歌の加護を宿した地獄鳥は似て非なる存在。具体的に言えば、記憶の有無だ。シュライバーを怒りの儘に屠った瞬間には既に、アッシュは己の放り込まれた運命≠ェ如何なるものかを思い出していた。
 ――実験動物。願いを叶える魔法のランプを現実に作り出し、世界そのものを書き換えたいという狂気に満ちた目的の為に生み出され、大いなる太陽の依代として消費される筈だった価値のない命。     ヘリオス        ケルベロス
 おかしなことを挙げるとすれば、この肉体の中には荘厳なる煌翼は愚か、道を同じくするに至った冥狼の気配も存在しないことであろうか。
 この異界において普遍とされる法則を踏まえて考えれば、どうしてそのような事態に陥っているかの答えは薄々浮かび上がってくるが……今は、それは然程重要なことではない。
 此処には悪辣な審判者も、理解し難い邪竜もいないのだ。少なくとも今は、己は世界を救うという大義の為に進み続けるだけでいい。

        ス イ ッ チ
 思考を後腐れなく切り替えして、アッシュたちが向かった先は――幻想的でありながら、同時に虚無的でも在る、そんな奇妙な景色の只中だった。

 外界から隔絶された世界。物理法則を始めとした、あらゆる既存の理屈が通じない事を容易に理解させてくる神秘に満ちた世界。もとい、領域。
 そこには一人の先客と、一人の本命が居た。即ち、ライダーの言うサイン≠寄越してきた人物だ。白騎士という想定外も良いところの強敵に遭遇してしまったことで到着が聊か遅れてしまったが……どうやら一番最初にこの地を踏んだ娘は善玉、恐らくは同胞であるらしい。幸運だったなと、素直にアッシュはそう思う。
 楽園派と革新派を悉く出し抜いての完全勝利。犠牲はあったが、その分、得られた成果は大きい。

「…………」

 黙して少女の話を聞き、反芻し――

「……いや、無理だ。少なくとも俺は、人体を修復するような力は持っていない。
 応急手当の備えも持って来てないしな……ライダーさんはその辺、どうですか?」

 一応振ってはみるが、答えは大方、同じであろう。

>ライダー、園子、???

15日前 No.312

レジスタンスのライダー @aroundight☆SdjaOljKHtOm ★zLr78z7s8m_FR1

【外なる図書館/入口/レジスタンスのライダー】


「そうかい、そいつは願ってもねえ………」
「“時間がない”ってのを除けば、だがよ」

 もはや確認を取るまでもなかったが………自ら達を呼び込んだのは間違いなくこの魔術師だ。
 何の為にそれを伝えようとしたのか、何を伝えようと考えていたのか。
 望むだけで望むものが現れるという書庫の存在―――渡るものによっては洒落にならない事態が起きることは明白だというのに、これだけの博打を仕掛けようと思い立った理由はなにか。
 幾つかあるが、少なくとも裏切りの類ではない。ライダーの思考は、そもそもこのSOSを聞いた時点からそこに結論を立てていた。何かの打算を胸中に秘め、それを何処かあどけない表情に隠し持っていることは明白であるが、それが自らに牙を剥く凶刃ということはほぼない。この魔術師の有り様を見るまでもなく、考え付く程度の簡単な事実だ。

 時間が無い、とは言う。唯一不味いとライダーが零したのはそこだ。
 考えようによっては悪い話ではない―――ないが、恐らく時間は殆ど残されていまい。
 つまりは、情報の取捨選択が必要になる。ライダーが“ふむ”と小さく唸るような声を上げて、顎に手を当てた後、彼女の“だれか一人は此処に残れ”という言葉に応えようとした時………。

「うん? 治せるかどうか、か」

 もう一人が先んじて声を掛けた。
 風前の灯火である彼女を前にして、“連れて行って助ける”と明記した。
 それについてライダーが如何なる感想を胸中に懐いたか、敢えて此処では書くまい。
 少なくとも彼は、ここに関しては即答で以て応じた。どのような場合にせよ時間が無いからだ。

「そうしてぇのは山々だが、俺もほぼ同文だなァ………」
「あとはそこの魔術師の嬢ちゃん次第だがね、決定と行動は早めにした方がいい。
 そういう強欲さは嫌いじゃねえしむしろ好きだが、間に合わないってのが一番利益がねえだろ?」

 即ち、助けるならば早くした方が良いという激励と事実の確認。
 魔法使いを救うという思考で動くならば、この場の誰もがそれに適した力を持っていない。
 それでもやるというならば、尚のこと拙速が猛威を振るう場面だ。
 ―――それにライダー個人としても願ってもない話だった。申し出てくれたというのが、特に。

「で。魔術師の嬢ちゃんがそれで良いなら、事情を聴くのはおまえさんの役割だな。頼めるかい?」

 序でにタスクの効率化を目指すならば、拠点に戻った園子が事情を聴いた方が都合がいい。
 図書館での情報収集が自分たちの目的のひとつでもあったからだ。
 あるいは園子と魔法使いの護衛のためにもう一人回しても良かったが、最善はこうだろう。

>アシュレイ・ホライゾン、女魔法使い、乃木園子

15日前 No.313

エイラ・イルマタル・ユーティライネン @voltexfbk ★1DXVdHzeIP_M0e

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15日前 No.314

スレ主 @vtyjf ★GFYUJuZycW_aZs

【外なる図書館/入り口のベンチ/女魔法使い】

>>乃木園子、コロンブス、アシュレイ・ホライゾン

目の前で行われるやり取りに、しかし少女は首を横に振る。

「問題は身体の傷じゃない――もっと大きな、世界の仕組みの問題で私は消える」

だけど、と。続ける女魔法使いに恐怖の色も、ましてや自暴自棄の色もない。あるのは静かな決意と覚悟のみ。

「この道は私が決めた私の道――たとえ終わりが近くとも、私は私の選択を後悔しない」

だからこそ、危険を冒させてまでここに人を呼んだのだから、と。

「そこのあなたの言う通り、間に合わないというのが一番の悪手」

つい、と視線を滑らせて壮年の男性を見やる。瞬きを一つ、それで何か得心がいったのか女魔法使いは続ける。

「あなたはこの中にあるものの価値を理解して、欲している――なら、入ると良い。知識は平等」

はふぅ、とため息をついて眠たげに瞼が閉じて、開く。

「どう使うかはあなたが決めると良い――使い方によって善くも悪くもなるけれど、消えてしまうよりはいいかもしれない」

青年と少女、壮年の男性から視線を外し、二人を眺める。

「あなた達は、どうする?」

眠そうに半目になりながら、交互に視線を彷徨わせ、どちらでも良いと結論を出したのか答えを待たずに右の掌を上向きに前に突き出す。

「これから説明するのは、この世界の成り立ち――そして、今何が起きているのか」

掌の上に、透明なぼんやりとした光を放つ光球が現れる。擬似的に世界を表したソレを掲げ、女魔法使いは語り始める――

この場に残るも、図書館に入り望むものを探すもの各々の手に委ねられた。

15日前 No.315

勇者 @ask2 ★iPhone=P9oxZSYDmV

【 外なる図書館/入り口前/乃木園子 】

 >???、レジスタンスのライダー、アシュレイ

 壮年の男性も、碧眼の青年も、どうやら治癒の手段はないらしい。園子も含めて全滅、となればやはりライダーの言うように急がねばならないだろう。決定と行動は迅速に、道理である。

「それじゃあ超特急で――」

 意気込む園子だったが、女魔法使いはそれを斥けた。
 曰く、彼女の容態は身体を治してどうにかなるものではないらしい。世界の仕組み。彼女が自他に危険が及ぶ手段をとってまで伝えようとしたことに関係ありそうだが……。
 それでも助かる方法があるかもしれない――不確かな可能性にしがみつこうとする意思は、より確かな意志の前に沈黙した。
 終わりを間近に見据えながらも女魔法使いの瞳に迷いはない。
 あるのは決意と覚悟。静かな……それでいながら、何よりも雄弁な強い意志。
 ならば園子にできることは一つしかない。哀しげな表情を微笑みに変え、ライダーとアシュレイへ振り返る。

「うん、任されました。私がお姉さんの話を聴くから、おじさんたちは図書館に行ってきて。
 ……ほんとはね、まだできることがあるかもって思ってるんだ。でもお姉さんが決めたことなら大事にしたいから」

 頼めるか、という先の問いへ首肯する。
 救えない命の代わりに、彼女が伝えようとしている言葉を余さず掬いあげること。苛烈な戦いを経てここへ至った二人が、存分に目的を果たせるようにすること。
 それが園子に今できる、せめてもの行いだった。

 女魔法使いへ向き直る。
 もはや待機の余地なしと見たのか、その唇は言葉を紡ぎ始めていた。彼女が突きだした手のひらの上に、茫とした光の球が浮かびあがる。

「わぁ……」

 柔らかな光を帯びた世界の縮図を前に、感嘆が漏れる。世界を紐解く音律を前に、それはあまりに無垢な声だった。

15日前 No.316

蝋翼 @artemish☆8cfl5/j3VDw ★nvK6VZex7T_D9v

【外なる図書館/入口/アシュレイ・ホライゾン】

 一頻りの話を聞き終えて――アッシュは少女が語った内容を反芻する。
 曰く、この少女は最早どうにもならない。身体の傷などという小さい理由ではなく、もっと大きなルールによって消え去るのだという。その事に思うところがない訳ではなかったが、此処でそれを問うべきではないとアッシュは判断した。彼女が最期の余力で伝えようとしていること。或いは、散り際の少女をして無二の価値を持つと言うこの先に在るモノ≠ノついて。
 それらの値打ちを見極め、理解して進むことこそが真に肝要。そこを見誤れば、彼女の命を無駄にしてしまうことにも繋がりかねないのだから。
 言わずもがな、選べるのはどちらか一方だ。然し、アッシュがそれについて結論を出すよりも早く、勇者の少女が口を開く。
 先へ進め、と。此処は自分が話を聞くから、と。特段、述べる異論もない。アッシュは静かに頷きを一つ返した。

「分かった。その人のことは君に任せるよ」

 となれば、自分のすべきことは最早一つ。この先――図書館に眠るという何か。それの下まで辿り着くことだ。

「……行きましょう、ライダーさん。新手がやって来ないとも限らない」

>園子、ライダー、女魔法使い

14日前 No.317

相川過波 @judgement☆yHV90fAmU/2 ★xrMpCPw4om_xmq

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14日前 No.318

レジスタンスのライダー @aroundight☆SdjaOljKHtOm ★zLr78z7s8m_FR1

【外なる図書館/入口⇒/レジスタンスのライダー】

 手遅れだ―――魔術師が曰く、自分の消滅は確定事項だと言う。
 覆水が盆に返らぬように、時の針を1分前に戻すことが出来ないように。
 この女の道は、最早断崖に進むよりほかにない。それが魔術師の選択であり、それが彼女の託そうとする希望であることを、ライダーは確りと感じ取った。

「応よ。“それ”は元々トーリのやつの頼みでもあるんだしな」
「普段なら諦めが早いって言ってやるもんだが、その目………曲げやしねえってことか」

 ………その上で、そうとも間に合わないことこそが悪手だ。
 二兎を追うこと自体は、そこに確かな算段があるならばライダーは厭を出さない。
 だが、確信もないうちの二兎追いは愚行でしかないのだから、事実として彼は園子が提案を出すまで彼女の救助を視野には入れていなかった。仮令口にしていたとしても、それはあくまでも周辺の心情に配慮した上でのものになっていただろう。
 それこそ、彼女の願望を叶えてやるため。自分の生ではなく、先の希望をこそ諦めなかった彼女のため。ライダーの行動は、概ねそのようなものを根底として成り立っているように見えた。そして―――。

「任された。それじゃ、行こうぜ坊主」
「しかし使い方次第で、ねえ。道具ってのは何時の世もそんなもんだが。
 確かに消えるよか良いコトだろう。まだ使えるモンがポコポコ潰れていくよりは、遥かにな」

 ライダーはこの状況を、最善ではないが十分に次善だと評した。
 これで他の勢力に“重要なモノ”とされる何某が渡ることはない。
 図書館に眠るそれは使い方次第で変わるというが、さてどのようなものか………彼はそのように思慮を巡らせながら、ベンチへと歩みを進めた。触れて、入りたいと望むだけで十分だと言うが―――此処で余計なロスはしていられない。

「(さァて。吉と出るか凶と出るかだ)」

 これで目ぼしいものが無ければ骨折り損のくたびれ儲け。
 避けたいところであるが、中身はその“外なる図書館”とやらに着いてみなければ分かるまい。

>アシュレイ・ホライゾン、女魔法使い、乃木園子

13日前 No.319

クレナイ・ガイ @antinomie☆yzl4MFL1dRLB ★sLdIAtRTAq_xmq

【 荒野/クレナイ・ガイ(エメリウムスラッガー) 】【発動中:未知の<ウルトラフュージョンカード>/レベル4】

ぴこん、ぴこんとオーブの胸部で輝くリング状の水晶が赤く点滅する。
この戦線において二度目の、フュージョンの限界点。一度目はともかく、今度は“繋ぎ”が成立しない致命的なエネルギー切れだ。
オーブの身体を軸にして、半透明の光の巨人が二人、ふらつくように揺らめいている。気を張ればすぐに元に戻るが、限界の証である。
今回はダメージも受けすぎている。残りの一分。これを過ぎれば、恐らく間をあけなければ光になることが出来ない。

だが、彼方も限界が近いようだ。
カナミの斬撃と、オーブの撃ち込んだ光線。届いた攻撃が、母艦の装甲が削れる。

「ぐ、ぅっ……!?」

しかし、まだ終わりではない。
再度、数百の単位で現れるのは魚雷型の機体。それらが狙うのは、大規模な破壊攻撃を持つ此方ではなくカナミの方だ。
その間隔は、決して巻き込んでの破壊が不可能ではない程度のもの。だが、それはカナミ自身にも言えることだった。
あれらが全て爆発すれば、間違いなく彼をも巻き込む。内にて核となっているクレナイ・ガイは歯噛みする。

「(しかも、あいつ―――……誘っているのか?焦らせて、せめてカナミだけでも……って腹かもしれない)」

わざと、核を見せるように動く母艦を見てそんなことを考えながら、どうすべきか考える。
考えて、考えて……耳に届くのは、託す言葉。見れば、その身体を結晶で包み込んでいる。その狙いは間違いなく魚雷の処理。
そして彼が託したのは、あの本体の破壊。であれば、気を張らねばならない。託されたのなら、失敗は有り得ない。

「ダ、ァアアア……ッ!!!」

再度、先ほど撃ち込んだ光線と同じ構えをとる。
しかし今度は、それとは違う。先ほどよりも長くエネルギーをチャージし、オーブを包み込むように光の輪が広がる。
そのまま、腕を浅く十字に組む。光が集束する。

「……残念だったな、こっちはもっと厄介な奴と当たったことがあるんだ」

想起したのは別次元から現れた独善的な奇機械改竜、シビルジャッジメンター・ギャラクトロン。
彼方は明確な意思を以て地球人を滅ぼしリセットしようとしていたので、共通点と言えば機械類であることくらいだが。

「意思も言葉も持たない野郎が、俺たちに勝とうなんざ―――……二万年、早いぜェッ!」

光の輪が、両の腕に集束した光が。黄金に輝いて、エメリウムスラッガー最大の威力を持った光線を発射する。
カナミが切り開くであろう道を突き進み、母艦の核を貫かんと伸びる。
名を、<エメリウムスラッガー・スペシウム>。先輩の言葉を借りながら、止めを刺さんと解き放った。

泣いても笑っても、この姿ではこれ以上はない。今すぐにでもウルトラマンの力が解除されてしまいそうだが……果たして、どうなるか。

>ネウロイ、相川過波

13日前 No.320

スレ主 @vtyjf ★GFYUJuZycW_ly4

【遅くなってしまい本当に申し訳ない……!!】

【外なる図書館/入り口のベンチ/女魔法使い】

>>乃木園子、(コロンブス)、(アシュレイ・ホライゾン)

少女の感嘆の声を耳にしながら、女魔法使いは光の球を構成する魔力を操作する。
無色の光の珠から上下前後左右に白い光の糸が伸びていき――その先に六色の光の球が生まれる。

「この世界は拡張と収斂が釣り合うように作り出された」

赤、青、黄色、緑、紫、橙、六色の光の球から、再び上下前後左右に光の糸が伸びていく。その先に結ばれるのは先の再現の様に色とりどりの光の球。

「だからこそ、ある程度までは世界は拡張性――可能性の許す限りの世界が約束されている」

光の球から新たな色の光が産まれ、そしてまたそこから新たな光の色が生まれ落ちていく。もはやそれは小宇宙、空間を埋め尽くす天体と言っても過言ではない幻想的な風景へと姿を変えている。

「誰かが願いと言う形で観測し、あるいは在り得たかもしれないという可能性から生まれる。これを繰り返し、世界はどこまでも枝葉を広げていく」

最初に産まれた光の球を中心とした色とりどりの鮮やかな光の群れは、しかしあるところでその増大を停止する。それぞれの光の球がぶつかり合い、弾け、あるいは光を失い消滅していく。

「それでは世界のリソースが限界を迎える、それ故に世界には自滅因子による収斂を経て拡張を抑えるシステムが存在した」

紫の少女を見据え、問う。

「きっと、あなたの世界にも滅びがあったはず。それがすぐ先の未来か、遠い未来の果てかはわからないけれど――全てのものは滅びるようにデザインされている」

はずだった。と、言葉を一旦区切り、光の天体を見やる。そこでは、消滅と生誕、釣り合っていた光の拮抗が崩れ始めていた。

ゆっくりと、だが、確実に、光の数が増え、天体が大きく膨れ上がっていく。

「世界の想定外は私達――私達は世界の滅びに抗い、そして乗り越えてしまった」

世界を守るために戦い、世界を救ったことこそが、取り返しのつかない過ちだったのだと。

「結果、均衡は崩れた。増え続ける可能性に、有限の許容領域(リソース)……世界の許容が限界に達した時、何が起きるのか」

膨れ上がり続ける彩色の天体は、しかし女魔法使いを以てしても制御の手を離れようとするほどの膨大な数へと至っている。全ての光が震え、はじけ飛ぶ寸前、女魔法使いの開いていた掌が閉じる。

「それは強制的な再起動(リブート)、全てを還元し、再びやり直す世界の機構」

全ての光が中心へ吸い込まれるように集まっていく。虹を超え、混ざり合い、彩色の暴力となった光は、しかしゆっくりと色を失っていく。あらゆる色の光を混ぜ合わせれば、透明な光へと戻る――あらゆる光を内包した、無垢なる原初の光への回帰。

「これが、今起きていること」

全てが溶け合い、原初へと再構築される。

「これは消滅ではなく、融合――世界が必要とした摂理」

今はまだ、と前置きをして女魔法使いは続ける。

「力の大きな者、何かしらの特異な者は、比較的個我を保ちやすい傾向にある」

一つに戻ろうとする収斂の引力に対し、抵抗できるのだと。

「要は綱引き、回帰する力に対して反発する個我が世界の断片や、私達のようにこの世界に残っているということ」

ふぅ、とため息を一つ吐いてベンチに腰掛ける。寄り集まった数多の色を持つ光の球は、再び最初の無垢な光の球へ戻っている。

「私は、この綱引きするための力で、この図書館を守り続けてきた――だから、私ももうすぐ消える」

眠たそうに、半目になり、少女へと再び問いかける。

「私達が自分の世界を望むのは、世界の摂理への叛逆――それでも、貴方は前へ進もうとする?」

10日前 No.321

蝋翼 @artemish☆8cfl5/j3VDw ★nvK6VZex7T_D9v

【外なる図書館/入口→内部/アシュレイ・ホライゾン】

 外なる図書館。
 幾つかの到達経路を持つにも関わらず、その全てが極限の到達難易度を誇る今回の最終目的地。
 アッシュとライダーの二人は、オリエという犠牲を払いながらも黒円卓の白騎士を退け、他のどの勢力よりも速く其処へ辿り着くことに成功した。
 外の彼女から話を聞く役目は勇者の少女・乃木園子に委ねた。――アッシュ達の役目は外なる図書館、その内部を検め、其処にあるとされる価値あるもの≠拝見すること。物によっては、それを持ち帰ること。

「此処が――」

 入口の扉を開けば、茫洋とした図書館の内部が顔を覗かせる。
 ベルリンのように噎せ返りそうな死臭に溢れている訳ではない。寧ろ、こうしてただ見ている分には平穏そのものだ。
 だが、此処に凄まじい量の叡智が集約されていることはアッシュにも解った。さて――此処で何が出来るのか。

>ライダー、(園子、魔法使い)

9日前 No.322

勇者 @ask2 ★iPhone=P9oxZSYDmV

【 外なる図書館/入り口前/乃木園子 】

 >女魔法使い、(レジスタンスのライダー、アシュレイ)

 輝く球体から、蜘蛛糸のように細い光が伸びる。六方向へ分岐した糸の先端に色とりどりの光球が生じる。分岐と拡張は繰り返され、やがて欠けたドームの中に小さな天体を築き上げた。
 それは世界の縮図。幾万の「もしも」を内包し、実現する。際限などないように見えた拡がりは、しかし異なる光との連鎖的衝突によって最大数を減らしていった。
 園子がその光景に圧倒されていると、女魔法使いの眼差しがひたりと彼女を捉えた。

『きっと、あなたの世界にも滅びがあったはず』

 結界の外で蔓延しているというウイルスを想起すると同時、それは起きた。

「――ぁ、――ッ?」

 目の奥で火花が散ったような、短く鮮烈な頭痛を覚える。同時にほんの一瞬、身に覚えのない光景を幻視した。
 灼熱に蝕まれた天地――おぞましく貪欲な流星群――まだ知らない/いずれ知る真実(まぼろし)。しかしそれら幻像は園子の中で明確な形を得る前に消失した。

『すべてのものは滅びるようにデザインされている、はずだった』

 女魔法使いの言葉で意識が引き戻される。

「光が……増えていく……?」

 光球の群れは、次第に増加し、拡張し、際限なく膨れあがっていく。
 女魔法使い曰く。数多の世界が滅びを克服したことで、世界の運営に狂いが生じた。自壊による拡張の抑制が行われなくなり、IFの累積が世界の許容上限を超過。世界は初期化による不具合の解消を試み、それを押し留めているのが、今まさに個我を残している園子たちなのだと。
 現存している者が融け合う世界を救い/掬い、維持することの困難さは女魔法使いの容態が物語っていた。

「私は……」

 ――なんて、ひどい。どん詰まりもいいところ。ハッピーエンドの累積がこの状況を引き起こしたのなら、現状を打破したところでいずれまた世界は再起動されるだろう。
 均衡を保つために剪定し、異常に対処しきれなくなればやり直す。それがこの世界の在りようなのだ。
 再起動を阻むということは摂理への叛逆であり、予定調和への謀反。世界を救おうという意思こそが現行世界を終わらせる。
それでも進むのかと女魔法使いは問うた。

(私、は――)

 閉ざした瞼の奥で、面影が蘇る。命懸けで守ってくれた少女と、命懸けで守りたい少女。

「……なんだ。答えなんて、もう決まってたんだ」

 迷いはほんの一瞬。
 あるいは。そんなもの、最初からなかったのかもしれない。

「私は、私の世界を守るよ。私の世界だけじゃなくて、みんなの世界も守りたい」

 滅びが定められていたとしても。
 その先にあるものが、どん詰まりの未来だとしても。
 滅びに抗うことが過ちだなんて、認めない。
 あの鮮烈な背中を覚えている。一人きりで敵に立ち向かった彼女の行いが無に還ることも、認めない。

「だって私は勇者だもん」

 だからね、と微笑んで、園子は女魔法使いの手を取った。

「摂理に抗うんじゃなくて、超えてみせる。私一人だけじゃ無理でも、仲間がいる。みんなで力を合わせて、本当のハッピーエンドをきっと見つけてみせるから」

 重ねた温もりを、胸に抱く。決意に満ちた、強い鼓動を伝えるように。かつて滅びに抗い、成し遂げた数多の見知らぬ英雄たちへ敬意を払うように。

9日前 No.323

レジスタンスのライダー @aroundight☆SdjaOljKHtOm ★zLr78z7s8m_kuu

【外なる図書館/内部/レジスタンスのライダー】


「―――ほぉ………こいつが、ねえ」

 入口の扉が重い音を立てて図書館の全貌を晒す時、ライダーもまた揃って声をあげた。
 これこそ、先の魔術師が守ろうとし続けていた叡智の書庫。
 内部は図書館という言葉に偽りなく、中身も分からぬ分厚い本の山と言ったところだ。視界に入るものだけが恐らく全ての本というわけでもない、それら一つ一つに文字という形で残された記録と記憶は、人の一生を掛けたところで読み切れまい。情報という形で全てが収められたこの場所は正しく宝物庫と言えるだろう………その手の人間にとっては、という前提を付けるが。

 ライダーとしても、その有様には相応の驚きと期待を込めずには居られなかった。

「確かに、渡る人間によっちゃロクでもねえことになってるなあ、こりゃ」
「“なんでもわかる”は伊達じゃないってことか。確か………望むだけで良いんだったか?」

 そうでもねえと困るんだが、と。
 この書庫の膨大な情報量に苦笑いの一つも浮かべつつ、彼は図書館の方を見やる。

 そう、この書庫の中であるならば、それこそ何が見つかるか分かったものではない。
 この書庫の中にいったい何が込められているのか、恐らくは先程の魔術師だって全貌を理解はしていまい。そういう意味では、此処に保守派以外の人間を招くことがなかったのは幸運であるとも言えた。ライダーとしても、他の者達としても。

 まずはトーリの頼み通り、世界が何故こうなっているかの事実を知る必要がある。
 その上で、戻し方もだ。その手段とやらがあるならば、望むだけで手元に来るということなのだから。
 どうなっているかの要因と、その“戻し方”を考える必要があるのは確かなのだ。

「ま、要は前例と情報があるかないかだ。それが無くっても、俺達だけは諦めるわけにゃイカンよ。
 ―――さて、崩れて巻き込まれました、じゃあ元も子もねえ。手早く探して行こうぜぇ、坊主」
「(最善じゃねえが、坊主一人か………時間も少ない、手早く探してみるかね)」

 ―――もちろん、時間はない。故に探し物は素早くだ。

 ライダーは当然、保守派にとっての、自分にとっての最善を願い望むだろう。
 手元にやって来る書物は概ねそういったものになるはずだが、さて………。

>アシュレイ・ホライゾン、(女魔法使い、乃木園子)

9日前 No.324

エイラ・イルマタル・ユーティライネン @voltexfbk ★1DXVdHzeIP_M0e

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8日前 No.325

相川過波 @judgement☆yHV90fAmU/2 ★xrMpCPw4om_ly4

【荒野/相川過波:Lv4:保守派
EX技《ディスタントミュート》使用回数:3→2】

>ネウロイ、クレナイ・ガイ

 引き寄せた機体が《トルシオン》に飲み込まれて破砕した後に爆発する。爆発が近くの機体を破壊して誘爆、その爆発が更なる破壊を呼び連鎖していく。
 一つ一つは大きなものではないが、近すぎる距離に、数百機に及ぶ爆発の連続は僕の身体を紙屑のように弄ぶ。四方八方から押し寄せてくる空気の圧に耐え続けるしかなかった。

「あぁああああアアアアァァァ――!!」

 空間を焼く熱が息さえ許さない。
 爆音を聴覚ではなく振動としてぶつけられる。
 もはや宙に浮かんでいるのか、地面に叩きつけられているのかすら分からない。
 そんな無限に思えた苦痛の時間が、唐突に終わりを告げた。

「――っ?」

 背中に地面の感触を感じて気づく。いつの間にか仰向けに倒れていたようで、僕は空を見上げていた。
 爆発が終わるには早すぎる。そう感じた僕はとっさに《ディメンション》を展開して周りの様子を確認してみると、爆発を起こしていた魚雷型が消滅していっていた。
 どうやらオーブが母艦を破壊し、それに伴って子機が活動を停止して爆発が収まったようだ。僕はてっきりSFの産物かと思っていたけれど、その消滅の仕方から魔法のような法則が存在した世界での兵器だったのかもしれない、と今更ながらに思う。
 激戦を制したことに安堵のため息をつく。そこでようやく自分の状態を見ていった。
 水晶で覆った身体はところどころが剥げて、そこから覗く皮膚は熱によって炭化している。衝撃によって内臓も傷ついていることだろう。周りの音も聞こえないので耳が馬鹿になっているかもしれない。
 最後まで爆発が続いていたら本当に危なかったかもしれない。その事実に冷や汗をかきつつ、腕に《ディスタントミュート》の魔力を伝わせて神聖魔法を使い始める。
 これほどの重症だと回復に時間はかかるが治せないことはない。
 回復を行いつつ、オーブのほうへと近づいていく。

「オーブ、さっきは助かったよ。僕一人じゃとてもアレを倒すことは出来なかった」

 彼との戦いに加勢するという形で参加したものの、実際あの母艦をどうにかしなければ通り抜けられなかった。
 戦いは避けられなかったのだから、助けに入ったというより一緒に戦ったと言うべきだろう。だから礼を告げておく。

「――行こう。僕達がここにいるのは助けを求めている人の元へ行くためだ。ここで立ち止まっている訳にはいかない」

 図書館へ向かおう、とオーブへ伝える。正直言って色々話したいこともあるし、彼自身への疑惑もあることにはある。だが僕も彼も、あの救援要請に導かれたのなら目下の目標はそこに帰結する。ならとりあえずそちらを優先するべきだ。


>>ネウロイ本体様

【こちらこそ拙いロルをお相手頂きありがとうございました。またお相手することがありましたらよろしくお願いします】

5日前 No.326
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