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【ALL+オリ】Voodoo Nightmare【戦闘】

 ( なりきり掲示板(フリー) )
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星々の祝福と光があらん事を @neko222 ★iPad=wgrpp3lApe

───『アステル王国の歴史』第4章より

(中略)
このアステル王国は、100年以上もの長い間、夜の国との戦争状態にあります。
夜の国はチェシャテンペルトという悪い魔女が統べており、王国の人間を攫っては見るも無惨な化け物へと変えて町を襲わせます。
夜の国がアステル王国を襲う理由は、恐らく「ただ楽しいから」なのでしょう。あの気紛れな魔女には降伏も服従も無意味なのです。

夜の国への入り口は日が沈んでいる間だけ開くのですが、強力な魔物たちが番をしているためまず近寄ることも敵いません。
勇敢な王様が優秀な兵士たちを引き連れて夜の国へ攻め入ったこともありましたが、誰も帰って来ないまま20年が過ぎました。
現在の若き王───フェルミ様は政治の腕、剣の技術、魔力とどれも申し分のない高い実力を有してはおりますが、最早戦意を失いつつある国民たちに焦りを覚えているようです。
しかし共に生きてきた身内が異形と化し、それに刃を向けねばならない心労は計り知れない。明日には愛する家族が犠牲になっているかもしれないのです。国民の士気の低下も尤もでしょう。
このままゆっくりと、日々襲い来る魔物に怯えながら滅びを待つ他ないのか───そんな時、転機が訪れました。

その転機も、憎きチェシャから齎されました。
ありとあらゆる造形の化け物を作り続けてきた彼女は、アイデアに詰まったか趣向を変えてみたのか、異世界の者を喚び差し向けて来ることが多くなったのです。
彼女が生み出した時空の歪みによって、他にも多種多様な異世界の者がこの地に迷い込んで来るようになりました。
その中には、我が王国の惨状を憂い共に闘う者も。
この者たちならば、あるいは───この戦況を変える事が出来るかもしれない。

一刻も早く心優しい国民が、若き賢王が、この美しい国が永い永い悪夢から救われん事を祈りましょう。
アステル王国に、星々の祝福と光があらん事を。


【クリックありがとうございます。
 美しい自然を有したアステル王国と、数多くの魔物を使役する気紛れな夜の魔女の長い悪夢のような戦争を舞台とした戦闘ALLスレとなります。この世界に召喚されてしまったキャラクターたちはどのように思い考え動くのか───

 版権作品のみならず、オリジナルキャラクターのご参加も歓迎します。
 互いに思い遣り、楽しみながらスレッドを続けて行きたく思います。お気軽にご参加ください。

 許可を出すまでは今しばらく書き込みはご遠慮いただきます。詳しい世界観などはサブ記事をご確認ください】

メモ2017/12/01 17:34 : 星々の祝福と光があらん事を @neko222★mp0JFDbtw8_MMU

―― 第2章 光と闇のクォータイル ――


二国の冷たい均衡は、魔女の呟きによって崩された。

「――なんだか退屈だわ。ねぇ、面白いもの見せてくれない?」


チェシャテンペルトが魔水晶から眺めるは、アステル王国とその人々。

指を鳴らし黒い霧を纏わせれば、夜の国の誰もが瞬時に彼の地に移動できてしまう――しかし、夜の女王は未だ動かず。

異なる世界の者同士が刃を交える時、悪夢の百年戦争が新たな局面を迎える。


―― 第3章 トリプルコンジャクション ――


「――何があっても、生きて居てくれ」


「――凄いショーになるんじゃない?」


パルレーシュ村での惨劇から一週間。

若き王の読み通り、チェシャテンペルトは魔物の群れと異界の同胞たちをオルバーシアの町へと向かわせる。


決意を固め剣を取る国王と、まだ見ぬ『見世物』に胸を膨らませる災厄の魔女。

この永き戦争でも初となる城下町での市街戦は、この戦況をどう動かすだろうか。


☆ 現在は第3章への移行期間です、2章現在の絡みは切りの良いところまで継続して構いません

☆ しばらくの間版権オリジナルキャラクターの募集は打ち切らせていただきます


☆ 国民たちはほとんど皆既に城への避難を終えているため、町の建物などはある程度派手に壊しても良いものとします

☆ アステル王国側は夜の国のロケーションにまだ立ち入ることが出来ません

☆ オルバーシア城には魔物を弾く強力な結界が貼られており、加えて夜の国側のキャラクターはチェシャテンペルトから水晶越しに「城を傷つけるな」と言い含められている状態です


★ プロフィール・規則 【 http://mb2.jp/_subni2/19672.html-1#a

★ 世界観・用語 【 http://mb2.jp/_subni2/19672.html-2#a

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結女 @tukuyomi07☆2nDyzvx51us ★3aNoMW8gGM_c1Z

【 アステル王国/城下町/市場/結女 】

 誰一人――殺すことも殺させることもしない。魔物の類は得ている知識を活用し獣と思いながら殴り飛ばして再起不能にはするが、夜人を殺すことは絶対にしない。頸椎を打って縛って地下室に封印。彼らも元々縁を紡いでいた人間であったかもしれない以上、結女は殺さない。殺せない。縁の鶺鴒に出来ることは誰かを助けること。誰かの縁を繋ぎ、小鳥達を大空へ羽ばたかせること。
 肘鉄、掌底、ストレート、アッパー。古今東西の格闘術の技が並び立つ。人以上の推進力で以て殴りつけながら、獅子奮迅の活躍を見せていた。結女こそが希望の光、止むを得ず殺し合いをしている者達においても愛(えにし)を説き手を取り合うことを諦めない。

 時に――その残滓に憧れて追い求める者がいたとしたならば、どうなるだろうか。
 無論。奮い立つ。根拠もない自信であるが、彼女とならば全ての人間と分かり合えるのでは?という思いも抱くであろう。
 眩い太陽。暖かな輝き。
 この手を取れ、絶望するにはまだ早いぞ諸人よ。前を向け、彼女がいれば大丈夫だ。
 雄々しき聖人の魂は……勇気を与えるには十分な無敵のヒーロー。
 天の陽を遮る人型の影、一つ。
 巫女服に顔を包帯で覆う少女が天<ソラ>より飛び込めば、吹き荒れるは轟嵐。絶望よ去れと下される絶対的な命令(あらし)は、未だ数を減らすことのない夜人と魔物を一気呵成に吹き飛ばす。

「! ――縁はここに結ばれました、もう少しの辛抱です皆さん!」

 天真爛漫、翳る色一つ見せることなく高らかに告げた。
 涙の出番はもう終わり。恐怖と絶望で締めくくる物語を、観客たちは望んでなどいない。
 愛と勇気と友情が織りなす縁の物語は、果てなく暗き地平の夜を明けに染めよう。

「あなたも! ――助かります、しかし無理はなさらぬよう。
 あなたも死ねばここから先に紡がれる数多の縁が潰える。生きてこの戦いを終えるのですよ!」

 先端か開かれてから三十分以上ひっきりなしに戦い続けている――にも関わらず、息一つ乱すことなく、傷一つ作ることはしていない。
 挟み込まんとしていた魔物と夜人を回し蹴りで薙ぎ払いながら、背中を預けた少女に向けて叫んだ。

>クズノハ

4ヶ月前 No.337

リインカーネーション @genomirai ★z8IID1mzG7_c1Z

【オルバーシア城/城下町とを繋ぐ道/パスィート】


城からは警鐘が響く、敵襲の合図であり、この鐘がなっているのは間違いなく先程の異世界人の侵入が原因だ。
しかしどうやら目の前の少年は警戒の鐘を鳴らされているのが不快なようだ、通常時であっても押し入れば不審者ではあるがそのような常識はないようだ。
すると少年はこの防衛陣を迂回するように移動するが、どちらにしても結界に触れる。結界を通れないことを知って近付くとは、そういった嗜好の持ち主か。
少年を目で追えば何時からかある謎の物体へと触れる、何らかの法則によって動くようだがその肝心の動く姿をパスィートも見たことはない。
それを弄りながら少年は言葉を続ける、曰く鐘を止めなければ皆殺し、街を何らかの方法で石にすると。そもそも正式な手段で通ろうとすれば鐘も鳴らないだろうに、この少年は道理も知らずに育ったのだろう。
皆殺しにされるならばすぐに結界内に退避させればよい、それを察してか騎士たちは結界内へと徐々に下がる。守備部隊の半分は既に結界内へ退避している。
そして石にするという事だが、何らかの儀式とみるのが妥当だろう。しかし街には殆ど民はいない、すでに城へ避難が終了している。
残っているのは何らかの事情有って街に戻った者程度だろう、その者もずっと街にいる訳ではない。襲撃の予兆を感じ、城への避難を開始しているはずだ。
街に刺さっていたあれが触媒か何かであればご愁傷さまだ、避難の邪魔になると言って騎士総出で解体した。ついでにそれの魂も美味しく頂いた。

「成程、脅しか。貴様は結界を通れず、指差した城下町の民の避難は完了している。そしてこの鐘は押し入らなければ鳴ることもなかった。」

騎士たちは結界内への退避を終える、戻るようにとそんな視線が背に刺さる。しかしこの騎士でなくパスィートである以上、退避はできない。
同じく夜の国の者、であれば結界は許さない。現状敵意がなくとも夜の国の生物であれば弾く、それがこの結界だろう。
兜の中の表情は窺い知れないが、その声は明らかに相手を愚弄し、敵意をこちらに向けるものだった。

「残念だったな、脅しは優位な立場の者がやることだ。そもそも鐘については貴様らの出方が問題だ、誠意ある対応には誠意ある対応をするが、その逆も然り。」

背後の騎士たちからは困惑の声が上がる、あの騎士はそんな奴だったか、いやもっと温厚な奴だったなどと、そんな声が聞こえる。
当然だとも、パスィートはこの場で騎士の皮を捨てるつもりでいる。ならば気が触れたとでも思わせればいい、その方が悲観的にはなるまい。

(さあて、どうでてくるかのお。優位でないと知れば、撤退するのが賢いが……まあ、この様子じゃなさそうじゃの。)

未だ剣は抜かず、相手の出方を窺うのみ。先に仕掛けて有利になるほどこの騎士の腕前は人間を超えてはいない、狙うは一瞬、相打ち覚悟で臨む。
まあ撤退された方が困るだろう、後ろのこの身体の同僚に何と言い訳をしたらいいのか。そんな気楽な考えが浮かぶほどパスィートは落ち着いていた。

>>ラース (比那名居天子)


【中世舞台に警報装置や換気扇やバルブがあるのか……】

4ヶ月前 No.338

継ぎ接ぎ執事 @akuta ★Android=8Sr3SxYeQ0

【インスタ映えしそう。老執事登場っ!】

【 夜の国/洋館/ロングギャラリー/ケイオス】
 からからとアンティーク調のワゴンを押す、燕尾服を纏った老執事が一人。
 うねった白髪、黒曜石を埋め込んだような生気がない瞳、何よりも目立つのは縦に走る縫合された跡。
 この眼鏡の老人の名はケイオス、その正体は夜の国の闇から生まれた黒靄で、その名の通り「ギリシャ神話に登場する原初の闇(カオス)」を冠している。
 その見た目から『継ぎ接ぎ執事(フランケン・バトラー)』と呼ばれており、ケイオスはそのあだ名を不名誉とも名誉とも思わなかった。
 何故ならこの老執事、眷属として生まれ落ちた存在であり、主君を仕えるのに不要な野心すらもないからだ。
 ただ、夜の国に尽くすただそれだけの為に生まれた存在であり、そういう余分な物は一切削ぎ落としているのだ。
 だから血の気の多い人々は、罵声を浴びせても眉ひとつ動かさず黙々と雑務をこなす姿に不気味がるのだ。
(ポットやカップ、紅茶瓶がないという事はチェシャ様は今頃、あそこで御視聴なさっているのでしょう)
 知らぬ間に、台所から消えていたという事は自分で持ち出したのだろう。
 なので小さな茶菓子を作ってみた。
 マーマレード、イチゴ、ブルーベリーなど色とりどりのジャムの美しい山が乗せられたスコーン。
 それらは平皿に数十個盛られており、それを追加のジャム瓶も乗せたワゴンで運んでいる最中だった。
 スコーンは小さめに焼いた為、手軽に観戦しながら頬張れる算段だ。
(ふむ。お客様方にも同じような物をお出しすれば少しは恐怖も薄れる筈ですかね)
 人々が戻ってこない事に気づき精神を病んだ人間や、食事を拒否する人間がここ連日増加している。
 確かに、この戦いが始まると決めた時から、人間の消費は平年に比べ激しくなっている。
 夜人の軍団を作るには大量の人間が必要となる。
 そんな人々に対して、ケイオスができる事は大切におもてなしする事である。
 甘いものでも食べれば、頭おかしいんじゃねえかと食器をひっくり返した男もきっと心を落ち着かせるのだろう。
 材料として消費されていなかったらの話だが。
 そんな事を朗らかに思い描きながら、魔女の居場所まで目指し。
>ALL

4ヶ月前 No.339

リインカーネーション @genomirai ★z8IID1mzG7_c1Z

【アステル王国/城下町/市場/クズノハ】


拳を作り、叩きつける。脚を振り上げ、薙ぎ払う。
身体の有り余る力を活かした力任せの技とすら呼べぬ数々、その一つは加減さえ間違えれば致命の一撃となり、その場で潰してしまう。
しかし夜人相手にそれはできない、潰せば死んでしまう。だから私ができるのは大きく吹き飛ばすことだけ、数こそ減らないけど一時凌ぎにはなる。
背を預ける少女は技も多彩であった、格闘術であろうそれを余すことなく発揮し、夜人の無力化をしている。
ああ、その少女は私には眩しすぎるのだ。私が死んでも、むしろ死んでしまえば多くの人の危険は去ると言うのに。それが出来ずに燻っているのに。
少女は容易く生きろと言う、私にも紡ぐことができる縁があると容易く言うのだ。何も知らないのに、いや知っていてもきっとそう言うだろう。
だからこそ私は羨ましい、恨めしい、私にもその光があればと思うのは駄目だろうか。何故彼女は照らせるのだろうか。

「―――勿論!貴方なら皆を引っ張れる、だからその光は潰えさせない!」

僅かな沈黙は動揺か、それとも……浅ましい嫉妬だろうか。私がそうでありたいものをきっと少女は全て持っているだろう。
私は救う人々の光になれない、人々に希望を持たせることもできない、ただ救うと言って、救えて初めて光に近付ける。
少女はその場にいるだけで人々に前を向かせられる、とてもじゃない、私とは比べられない。私なんかよりずっと、救える人だ。
でも、私だってそうなりたい、そう想うのはいけないだろうか。私だって光になりたい、救う人々遍く照らす光に。
だったら、私ができるのはなんだ。今この場で出来るのは夜人と魔獣をどうにかすることだけ、ならそれを全力でやるのみ!
殺さない程度に全力で拳を叩きつける、違う、少女はこうやっていた。その動きを夢想する、この位置にこのようにして打っていたと。
吸い込まれるようにして手刀は頸椎に当たる部分を打つ、吹き飛ばしても立ち上がっていた夜人が嘘のように地に伏せる。
少女の再び動きを模倣する、身体は何故か動く、まるで元々はこうして戦っていたかのように。格闘術が身体に馴染んでいるのだろうか。
それならば良し、少女が繰り出した技に倣い、繰り出す。掌打、貫手、上段蹴りに踵落とし。繰り出す技にまだ見ぬ技も混ざってくる。
私はきっと知っていた、記憶の中にあったのだ。身体の動かし方が徐々に分かってくる、力の抜き方、入れ方、体捌き、まるでずっと使っていたかのように動いてくれる。
迫る夜人の急所を的確に打ちぬく、力任せの一撃とは違う明確な弱点を見据えた一撃。その巨躯を地に沈ませるには十分な技であった。
双方向から迫る魔獣は掌底で胸部を打ちぬき、迫る片方に身体を捻り肘鉄を頭部へと刺す。その動きに力任せのものは存在しなかった。

「よし!この調子なら――!」

軽快に動く身体、光と共にあることによる高揚感、順調に数を減らし、また順調に増え続ける魔獣と夜人。
私は今とても気持ちがいい、決して油断があるわけではない。誰かのために戦えている、誰かを救える人と戦っている。
そして今一瞬だけでも救うべき人々の光になれている、その事実が私にとって何よりの喜びだ。
不謹慎だ、この戦いが少しでも長引けばと思ってしまっている。ああでも、この感覚は私にとっては何よりも得難いものなんだ。
だから少しだけ、この気分でいさせてほしい。一時の夢だなんて、分かっているから、そうしてまでも欲しかったんだ。

>>結女

4ヶ月前 No.340

覚醒ノ遺骸 @x5mas☆sECYEVcUXiI ★iPhone=cnpetByfzr

【アステル王国/川/Peacock 】

王都を侵すシ者の影。無銘の行軍が地を踏み躙る。それでも、それで尚も、川の流れは悠久を謳う。千古不易の言葉を湛え、明日へ明日へと命を繋ぐ。その恵みは森に林に、花に野に、果ては大海にまでも続き、王の渇きを潤してきた。当代、先代、その又前も――きっと、幾世を跨いで活力を与え続けたのだろう。明日こそは、明日こそは仇を討つのだと。明日こそは、世に光を齎すのだと。

曇天。枯葉を鳴らす、一つの影。

「此処は……成る程、城に通ずる河川か。偶さかの逍遥も良いものだ、幾分か面白いものにも出会えるとはな。」

その影は岸部に屈み、清流を手に受ける。掬い上げだ水を口に含み……その味わいに満足したのか、彼は“黒い”笑みを零した。
影は二度立ち上がり、大地を潤すせせらぎの音に耳を澄ませる。揺れる水面に緋色の残光が乱反射した。

「嗚呼――これほどの美味とは。永遠にこうして楽しみたいものだな……。しかし、やんぬるかな、人の身には叶わぬ所業。永遠なる命など、絵に描いた餅に過ぎない……。」

口籠った笑い声。小鳥達は歌を止め、一目散に飛び発っていった。彼から何かを感じたように、或いはナニカを報せるように。
徐に影が動き出した。左腕に手を掛ければ、炭と化した布片を引き剥がす。迸る鮮血の下に現れるのは、銀の金属光沢。紅き宝玉を閉じ込めた籠手。

「だが、手伝えぬ事も無いだろう。永劫の生命には、肉叢も却って桎梏となろうさ。ならばこそ、『不死の妙薬』が相応しい。此度の餞別が恵と成らんことを祈ろうか。」

影は祝福を唱えれば、左腕を流水に向け掲げる。銀腕から、紅き閃光が迸る――


刹那の後、清水の輝きが“変わった”。ああ、流体の流れは変わらない、輝きは寧ろ増したかも知れない。だが、だかその色は『銀』。特有の光沢を放ち、怒涛の如く流れ征く。清水が命を運ぶのなら、この流体は命を刈り取るだろう。

その流れは、『水銀に変わってしまった』のだから。

影の姿は忽然と消えていた。彼が次に訪れるとすれば……水銀の流れ行く先。即ち、王都本土になるだろう。

――夢物語は、もう終わりだ。

>>ALL


【水場に毒、戦争の基本】

4ヶ月前 No.341

修羅獣 @adrasteia ★qa9glxeVZq_2mP

【アステル王国・城下町/住宅街/ノイン】


 城壁を爆砕し、家屋を倒壊させ、大地を踏み砕き、血風を纏って悠々と進撃するその姿はさながら悪鬼羅刹の如く。
 かつて平和を享受していたであろうこの地に人々の営みは見る影もなく、今や血染めの雑踏だけが犇めいていた。
 十戒衆随一の無頼漢、“不壊”のノイン――魔女の手によって、その枷を解かれた修羅道の化身。
 この行軍は彼一人の手によるものだ。それがここまでの惨状を生み出しているというのだから、手に負えない。
 事実、彼に把捉されたらば最後。“死”あるのみである。――そう、誰もこの鬼からは逃れられない。

「ハッ! この俺に喧嘩を売ろうってのか、おもしれぇ!」

 刹那、それをさせじと戦陣を引き裂いて出現したのはアステル王国が誇る騎士部隊だ。彼らは自らの絶息すら顧みず死地へと突貫する。
 王国の勝利のため栄光のため輝かしい未来のため、悪鬼に鋼の誅を下さんがため。身命を賭して仇敵を討たんとする気概に覚悟。百余年もの間戦い続け、身も心も憔悴しきっているはずだが、未だ屈さぬその意志力たるやまさに王国兵の鑑。
 これ以上我らの国をやらせはせんぞ、夜人(ばけもの)どもめと。戦友に続け、後ろは振り返るな、敵手を打ち破り前へ突き進め――王国の威信にかけて、この異形を撃滅するのだと奮い立ち、無辜の民を守るべく異端の怪物への殺意を滾らせる。
 我が身、砕けようと構わない。言外にそう語る彼らは与えられた職務を全うするべく、捨て身の特攻を繰り出していた――否、もはやそうせざるを得なかったのだ。そして。

 斬の一字。
 烈昴の気合を以て放たれた無数の剣閃は、確かに余すことなく修羅獣へと殺到した。だが――

「痒いなあ……蠅でもとまったのかと思ったぜ」

 呵々と笑うは修羅の獣。だが――そう、案の定無傷。
 道理を無理で通す何らかの力が働いているのではないかと疑ってしまうほどに、彼には痛手を受けた様子がまるでない。
 有り得ない、そんな馬鹿な事があるか。明らかに人間の範疇を逸脱している。それともこいつは――いや、いくら鋼の如き肉体を持つ“夜人”がいたとしても、刃物で切れば傷つくし当然痛みも伴うはず。では一体、なぜ……考えたところで答えは出ず。転じて状況は一向に改善されない。
 だから、彼がまさか“異世界人(そう)”だとは知らない騎士たちが束の間自然と忘我に憑かれるのは仕方のないことで――帰するところ、その僅かな間隙が次なる破滅を呼び込むことに直結したのは言うに及ばず。

「鍛え方が足らねぇんだよ、お前らは。
 ……気張れよ、さもなくば死ぬぜ」

 ――そして、潰える。
 家屋が、瓦礫が、兵士が、平穏の象徴が、そのすべてが。
 動体視力を振り切るほどの高速移動を駆使しながら、巨躯に見合わぬ俊敏さで騎士部隊を蹂躙する。
 この鬼面からしてみれば準備運動のような所作だとわかっているのに、この有様。ただ一言、格が違う。

 拳が振るわれるたび、鋼鉄の鎧諸共に王国兵が拉げた。
 力投される肉塊に巻き込まれた兵士が、数人まとめて潰れたトマトに早変わり。
 かつて人だったものの頭部は掴んだ端から握力だけで磨り潰され、臓物を零して血飛沫を撒き散らしながら大地の染みへと変えられていく……のみならず、爆力によって目まぐるしく変化する地形にその痕跡すら掻き消される始末。

 抗うことすら馬鹿らしくなるほどの隔絶性。そこに生者死者、有機無機の区別は真実一切なかった。
 壊したい、壊したい、壊したい、壊したい――在るのは本当に破壊衝動(それ)だけ。
 嗜虐、悪虐、重ねて暴虐。全身にくまなく浸透する肉を打つ感触、鮮血の薫香。それのなんと小気味良いことか。
 “不壊”などというクソッタレな掟が機能しない上、魔女の手綱がないと来ればいよいよ以て彼を抑制するものは何もない。まして大義名分など当然あるべくもなく、鬼は己の欲望の赴くまま真摯に殺戮の数を積み上げていく。

「チッ、どいつもこいつも骨がねぇ……あ?」

 虐殺も一頻り。ふと、視界に入った白鎧の男に興味が移る。
 銀髪黒目、そこいらで潰れている雑兵とは少し趣の違う顔立ちに眩い剣。
 難しいことはわからないが、そういう明らかな風貌をしている以上、大方異世界人とやらだろう。
 すなわちそれは彼にとって僥倖に他ならず。ここから更なる絶望が具現するという先触れに違わなかった――。


    ・・
「よぉ、次はお前か?」



>>クリストラル

【身を磨り減らして勝った途端、どこからともなく出現してくる容易に超えざる大敵。ノインおじさん。
 お前は見事勝利したのだから、次のステージに進むのは当然でより相応しい戦場に身を投じるべきだろう?(血も涙もない糞理屈)】

4ヶ月前 No.342

No.9 @voltexfbk ★1DXVdHzeIP_M0e

【オルバーシア城前/Unknown】

……誰かがネクストで覆われた彼をつつく。そしてもはや人型というソレにまで小さくされたネクストに誰かが乗った。

本人としてはどちらでもいいのだが、こんなタイミングで載られては動くのが難しい。
それに、目の前の認識しているものが敵だというのも。そして、その誰かが此方側の敵であることが明らかになってるのも。

彼は沈黙を保っていたが、それを崩す。
腕が動き、その少年をネクストから下さんと抱きかかえようとする。

『どなたか明確に分からない人間を乗せるのは危険ですから』
そう機械音声が告げて動く。

一言もしゃべらず、告げるのは機械音声。
異様な彼なのだが、彼が排除を決意すれば、動くかどうかわからないように見えるこの機体の動きを見せることが出来るであろう。

だが、AIも彼も、ここで1vs2になるような構図は避けたい。
出来る限り1vs1というのが彼の基本的なものだ。この状況では、置物のように見せるべきであろう。

>>ラース、パスィート


【中世の城 とは……ちなみに明らかに敵対行為になったり、身の危険が来ない限りUnknownは基本的に戦闘しません。】

4ヶ月前 No.343

結女 @tukuyomi07☆2nDyzvx51us ★3aNoMW8gGM_c1Z

【 アステル王国/城下町/市場/結女 】

「その意気ですッ!」

 人を大きく逸脱した性能でありながら――芸術作品を彩るがごとく繊細な力加減の拳打。殺さず、しかし動かすことをさせない程のそれは簡単に見えて難易度の高すぎる所業だ。力任せに解放すれば全てが終わる。だが力任せでは鏖と何ら変わりはない。縁の鶺鴒として成すべきことは、紡がれる/紡がれていた縁を絶やさぬこと。だからこそ意識だけを確実に刈り取ることが重要となる。
 我ら、死神の鎌ならぬ天使の鎌。汝らに安らかな平穏があらんことを、今は苦しみに満ちていようとも……希望を諦めるな。縁を諦めるな。小鳥達はまだそこから羽ばたけておらず、羽をむしられた者達であっても治せば大空へと舞えるのだから。
 迫る夜人。軽快な動きで脇に逸れれば同じく背後へ迫ってきていた者の頭を掴み、思いきり打ち合わせて昏倒。更に背中を取った魔獣を視ることもなく背後回転蹴りを側頭に撃ち込み吹き飛ばす。刺す肘鉄、ボクシングの容量で撃ち込まれる鋭いストレート。壁を蹴って推進力にし、そこから撃ち込まれる蹴りの薙ぎ払い。
 はらり、閃きに合わせて羽織がはためいた。
 球の汗一つこそ浮かべていようども、浮かぶ笑顔に一片の曇りなし。吸い込まれる拳は《縁(アイ)》を刻む鉄の意志。

 その攻勢の成果あってか――。

 一時間程後、此処市場周囲の敵は一先ずは全て打ち据えた。
 適当な住宅に気絶した夜人をぎゅうぎゅうに押し込んでから扉を閉め、此処に避難民のための掃討戦は終わる。
 そこから慣れた調子で家々の壁を連続で蹴り跳躍。屋根上より周辺を確認し、一先ずは安全ということを確認した上で――。

「ありがとうございました。あなたのお陰でより多くの《縁》を繋ぐことが出来ました。
 私は《縁》の鶺鴒"N.o08"結女、――良ければお名前、伺えますでしょうか?」

 やはり、曇りなき太陽を思わせる微笑みとともに共闘した少女に礼を述べた。
 耳が生えている……やはり、世間はもふもふなのだろうかと余計なことも考えながら。

>クズノハ ALL

4ヶ月前 No.344

雨隠れサイゾウ/射命丸文 @huujinn ★osU3O6U7LH_yFt

〜斬刀 街中〜
どこへ行っても化け物や夜人ばかり。そして彼自身は凄く暇になってしまっている。

「倒せどもだな。一向に減りやしない」

単純作業に思えるほど早く周りの魔物や夜人を殺していく。

「それにしてもどこから湧くのやら」

彼はそのままフラフラと街中を彷徨う。

【ALL&フリー】

4ヶ月前 No.345

動き出す再びの悪夢 @suta ★t4luxLxbBa_c1Z

【オルバーシア城前/ラース】

【あ、これ天子死んだ…】

「おー!それは本当かい?いや手間がはぶけたよ。これで僕の仕事はもう8割終わったもんだね。クククク、アハハハハ本当に人間ってつくづく馬鹿だよね。安全だと思うとこほど、仕掛けやすいものってないからさ。予定とかなり違うけど、こっちの方が都合がいいや」

 何が面白いのかお腹を抱えながら笑いを噛みしめようとするが、我慢できないと三日月のように口元を歪め笑う表情は狂気じみた表情を浮かべる。パスィートの発言が面白いのか、ヒヒヒとお腹を抱える。

「バッカじゃないの。でも君のおかげで本当に助かったよ、優位?そっちが?アハハハ、無知って本当に愚かだね。ご自慢の結界って意味知ってるかい?領域内を守る目的で、なんらかの手段や道具などを用いて持続的な霊的もしくは魔術的な防御を施すことさ。例えば霊的な能力を持つ者が、その力を用いて悪霊などの外敵を排除し侵入させない霊的な壁に囲まれた空間を生じされるか、逆に結界の中に邪悪な存在や異質な存在を封じるもんなんだよ。

 そして、あいつが通れた理由はどうしてかも気づかないのかい?

 敵対視があるならそもそもあいつは入れないかったんだよ。 では問題なんで僕が入れてあいつは入れたのでしょう?でも僕は優しいから答えてあげるよ。だってここまでやってくれたお礼にさ。 答えは結界という陣を利用して、人の魂を奪うことを教えようとしてるからさ。僕はねあいつにが賢者の石に変わる代わりに彼女の姉を生き返らせるからという取引で自分を生贄に国民を逃す約束だったんだけど、そんだけ人がいるならあいつもろとも一緒にした方が効率もいいからね」

と、ロボットから降りようとすると抱えられ、え?と間抜けな声を出してしまう。目をぱちぱちさせながら、再びロボットを眺める。

 「こいつ喋った!?」

慌てて、逃げ出すように暴れて飛び降りる。 驚き戸惑いながらも、ロボットに不審と不気味さを感じながら今度は右へとゆっくり歩き始める。

 コホンと気を取り直すように、にやつく表情を浮かべ

 「誘導場所を間違えたね。ガレッジにでも誘導をするべきだったお前のミスだ」

両手を地面につけると地面に赤い稲妻ともに、城内の周りを光り輝く。「第五実体」

 「僕は錬金術を使うんだけど、地下のマグマのエネルギーを使用を使用にするのさ。媒体はその城の結界で陣は真上にある奴だよ。今から起こすのは魂と精神を引き離す豪業。結界が反応するのはあくまでも、城という概念を守るだけ。城に干渉しなければ袋の鼠なんだよ。じいさんがやったことはな」

 太陽が消え始めていく、無論こんなことはラースができるわけではない、始めたという信号さえ送れば後はやってくれる。月食が始まりながら

 「今から城の連中全員を非難果たして間に合うかな?もっともお前が城に入ればお前も食われるけどな」>Unknown・パスィット・城の中にいる方逃げて

4ヶ月前 No.346

カズィクル・ベイ @casebycase☆0c9nqQGSPbs ★bqIJj3tDmH_mgE

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4ヶ月前 No.347

リインカーネーション @genomirai ★z8IID1mzG7_c1Z

【城下町/住宅街/クリストラル】


―――響く爆音、新手の襲来と予測しクリストラルは夜人を切り捨てつつ身構える。
足元にまで飛んできた赤い何かは、金属の混じった何かは、戦場で見慣れてしまったものであった。
王国の騎士、その余りにも無残な残り滓。飛来した方向に視線を向ければそれはまさに大嵐、暴虐の風を巻き起こす巨体がそこにいた。
血みどろの景色ではない、その血飛沫すら消し飛ばすほどの剛力、人を肉風船の如き浪費する様はこの街全てを飲み込むのではと錯覚するほど。
自然と聖剣を握る腕に力が入る、人の理から外れた者と相見えるのは初めてではない。
世界の理、その使徒にはあれほどの俊敏さを剛力を兼ね備えたものもいた、だがしかし軍団での勝利であった。
一人で勝てる保証はどこにもない、いや万に一つあればいいだろう。それほどまでに眼前の嵐もその使徒も人の手に負えるものではない。
そして次の標的は間違いなくクリストラル自身、現にその目はこちらを向き、獲物として認識された。

「ああ、そうだ。貴様の相手は私がする。」

問いかけに躊躇いもなく答える、結界があるとはいえ民の避難する城に向かわれてはどうなるかは分からない。
夜人もこの嵐も通すわけにはいかない、民を守るとそう誓った、ならば自身のその心に偽りはない。
手を抜ける相手ではない、全力のその先を超えて一合交えられるかどうか。それが民を守る為ならばクリストラルは限界など越えて見せよう。
あの敏捷性で先手が取れるとは思わない、しかし後手に回ってどうにかなる相手でもない。ならば、打倒すために進むのみ。
聖剣を強く握り、此方を認識した嵐へと駆ける。嵐へと近づくたびに聖剣が帯びる光は眩く、そして強くなっていく。
嵐へと跳躍し上空で構えるは光を携えた聖剣、下段から徐々に頭上へと構えを変えていく。
その輝きは聖剣を上段に構えた時に最も強く輝き、聖なる力を宿す光は臨界を向かえる。
溢れんばかりの光量、周囲に漂うは聖光の残滓。

「―――聖剣開放!邪なる者よ、消し飛べぇ!」

解放の文言と共に纏う光子は膨れ上がる、振り下ろされる聖剣と共に光の奔流となり扇状に広がる。
クリストラルが持つ必殺の一撃にして、最大の攻撃。その光は闇に属するものを払い、死霊に憑かれたものを浄化する。
使徒との戦でも大いに振るったその力、しかしこれで倒れると判断するのは早計だろう。あの使徒も立ち上がったのだ。
再び聖剣を構え、光の波が薄れるのを待つ。恐らくは、痛手すら負っていないと。

>>ノイン


【開幕聖剣ぶっぱ、クリストラルは死地を悟りました。】

4ヶ月前 No.348

リインカーネーション @genomirai ★z8IID1mzG7_c1Z

【アステル王国/城下町/市場/クズノハ】


縦横無尽、一騎当千、表せる言葉の何と多い事か。少女は笑顔を絶やさず、ただ輝き続けながら魑魅魍魎を地に伏せる。
私もと、倣ってみるがこれが難しい。顔は自然に強張るし、少女のように人々を照らす光にはなれそうにない。
それでもこの場で夜人を無力化し、魔獣を蹴散らすことくらいなら出来るようにはなったのだ。
太陽のように照らし続けられなくてもいい、星の瞬きほど僅かな間でも照らせればそれでいいと。
同時に攻めればと本能的に思い至ったのだろうか、夜人が数体同時に攻め立てる。何れも私と比べれば何とも大きい。
しかし今の私は止められない、先に辿り着いた夜人を無手にて後続へと投げ飛ばす。
それを乗り越えて来た者の頸椎を回し蹴りで捕らえ、隙を見逃さず横から飛び掛かる魔獣には回転の勢いのまま膝蹴りを入れる。
投げ飛ばされ、巻き込まれた二体を掌打、手刀を続け意識を刈り取る。これぞ好機と背後へ迫る夜人には宙返りの後、踵落としで眠ってもらう。
真剣な面持ちでそれらを制し、また次の波を制する、僅かな汗こそ頬に浮かべるがその動きに鈍りなし。
少女と共にその波を制し続け幾許か―――

気付けば周囲は意識を落とした夜人ばかり、空き家に押し込むの少女に倣い適当な家に夜人を運び込む。
少女は空から、私は下から安全を確認し漸く落ち着いた話ができる状況になったようだ。
輝かしい笑顔を浮かべ、礼を述べる少女。結女という名の様だ、鶺鴒という組織に所属しているらしい。

「こちらこそありがとう、間に合って良かったよ。
 私はクズノハ、多分これが名前だと思う。ちょっと訳が有って名前が分からないんだ、ごめんなさい。」

記憶がない事をぼかし、思い当たる私の名前と思わしき単語を少女に伝える。
このような少女に隠し事をするのは心苦しい、しかし少女が救うべきは人々であって私ではない。
もしも記憶がないと言って、それを助けてくれるとしよう。そのせいで少女が救えた誰かが傷ついてしまうことが、私は怖い。
きっと少女は誰であろうとも救おうとする、夜人を敵と知っていながらも意識を奪うだけに留めているのはきっとそうだろうと。
だから少女の救いは私に向けてはならない、ここでは共に救おうとする存在、それでいい。

「そういえば、一つ気になったんだ。貴方の言う『縁』ってどういうこと?」

そっと話題を反らすついでに、気になったことを聞いてみる。少女は先程の戦いの中でも『縁』と口にしていた。
言葉をそのまま受け止めれば人との繋がりを示しているように聞こえる、けれど少女の言うそれはもっと大きい意味なのではないかと感じたのだ。
まるであらゆる人と繋がれる、そんな少女の光の源なのではないかと。
それを知れば私も多くの人々を照らせるのではないかと、邪な、何とも浅ましい感情を抱いた。
きっと、少女のようにはなれないのに、手は届かないのに、届くのではないかと思わせる。
ああ、この少女は眩しすぎる。

>>結女

4ヶ月前 No.349

リインカーネーション @genomirai ★z8IID1mzG7_c1Z

【ロケーション追加により名称を正門前に変更します】

【オルバーシア城/正門前/パスィート】


「成程のお、無知は愚か、確かにそうじゃろう。であれば、お主。相当な愚か者じゃろうて。」

このような手合いは何故こうも準備が足らないのか、そして自分の過ちに気付けないのか。
パスィートは溜息交じりに言葉を吐く、最早皮に固執する必要もない。予定外が出て来た、であれば修正するほかないだろう。

「お主の勘違いの一つ目、この結界はの、夜の国の生物を通さない結界じゃ。だから先の異世界人は通れた、だがお主は夜の国に加担しておろう?だから通れないと言ったのじゃ。」

少年に背を向け、結界に触れる。触れた部分からは炎が上がり騎士の皮ごとパスィートを焼く、結界内の騎士たちはさぞ動揺するだろう。
何せ今まで共に戦ってきた騎士の一人は既に夜人に乗っ取られていたから、城に入らないことを不審に思ったものは合点がいった顔もしている。
燃え盛る腕から結界に侵食する、少しばかり王様には迷惑をかけるがちょっと眩暈がする程度、民を守るためと思って我慢してほしい。
肉喰らい、魂喰らいに続くパスィートの力。
理喰らい、皮肉を込めてパスィートは神喰らいと名付けている。
文字通り神であれ何であれ、世界の理さえも喰らう一つの生命が持つには過ぎた力。それを制御するにどれだけの時間がかかったか、どれだけの苦労を有したか。
しかしここで王国の民が全滅すれば勝機は消える、パスィート自身の目的も消え失せる。であればその苦労を水泡に帰すのも吝かではない。
本来ならば予定にないこの力の行使、それを使わせたことだけは幾ら愚か者であれど褒めるに値しよう。

「お主の勘違いの二つ目、相手の力量も分からずに優位を語らぬ事じゃな。そもそもこれだけのことをして魔女も許さぬだろうに、子供と言えど弁えなければならぬこともあるのじゃよ?」

結界に干渉し、少年の言う錬金術の式を全て喰らう。空中にある錬成陣とやらは掻き消え、結界も依然とパスィートの侵入を拒んだまま。
王には自分の結界に異物が侵食した気味の悪さが這い回るかもしれないが、まあ恐らくは魔力を繋げたままの低級な結界ではないと読み取って分かった。ならば杞憂で終わるだろう。
これで少年の建てた計画は全て潰した、これ以上の計画があるならば是非聞かせて頂きたいものだ。
起点とした斧はすでに解体され、媒体とした結界からは逆探知により術式を喰らい尽くされ、空の月食は依然夜の国の侵攻を表す黒い霧のまま。

「そしてお主の間違いは術が成立しない内に、術式を説明することじゃな。もしも媒体とやらを言わなければお主の言う通り、人間が石になってしまったかもしれんのお。」

ほっほっほと笑いながら少年を見やる、ここで撤退しあくまで魔女の遊びに乗った戦争をするならば見逃すことも良いだろう。
ああしかし、残念ながらそうでなければその魂はパスィートの糧の一つに成り下がってしまうだろう。
再び結界を背にしながらパスィートは問う、兜に隠れたその表情は見えない。

「さて、どうするんじゃ?お主の手品はこれで終いかのう?であれば魔女の元に戻って遊び方でも教えてもらうが良い、ちゃんと遊ぶならば魔女も邪険にはしないじゃろうて。」

行動次第ではパスィートは喰らうつもりでいる、もしも再度同じことをすれば王国はかなり危うい。その危険分子を残す必要はない。
ただの子供とみて、一度ばかりの粗相は見逃そうと年老いた心で見ているだけ。
しかし忘れてはならない、パスィートは計画性を持ち、それに不必要なものは本来排除する存在だという事に。

>>ラース UNKNOWN


【許可のないロケーション攻撃の確ロル、こちらも確ロルで返させて頂きます。場合によっては次で確ロルを用いたキャラロストを行わせて頂きます、どうかご容赦ください。】

4ヶ月前 No.350

雨隠れサイゾウ/射命丸文 @huujinn ★7pKuCyndxs_yFt

【お手数ですが >>332>>345 の削除をお願いします。微妙に早かったようなので。別路線の進めるように改良版書きますので、本当に毎回毎回すいませんです】

〜斬刀 街中〜
斬刀は一人警備に似た感じの要領でうろうろしている。

「いつ来てもおかしくないな。戦争とは無常で非情にならなければやられる。それが命のやり取りだ」

彼は一人空を見上げながら、新しい能力と戦争の醜さを説きながら一人歩くのだった。

【ALL&フリー】

4ヶ月前 No.351

龍 柳浪(ロン・リィゥラン) @tkmgm ★Android=FEXrwvXv7K

【城下町/墓場/龍柳浪】

「墓場……」
闇雲に駆け走り──時に、夜人を叩き伏せながら──いつのまにか郊外にたどり着いたらしい。空気がひんやりとしたような心持ちがして、柳浪は服の上から腕をゴシゴシとさすった、そんな時。

「おかあさん」と呼ぶ、空へ溶けていく声を聴いた。幼い声だ。続いて何かを探すような動きの小さな影を視認する。
こんな時に、こんなところに、なぜ子供が。親とはぐれたのか?一人では危ない。
思わず柳浪はその小さな背中に近づいて、話し掛けた。

「やあ、少年。どうしたんだ。親とでもはぐれたか?」

≫メリッタ

4ヶ月前 No.352

操り人形 @sable ★mvaJaf04S7_PHR

【城下町/祈念公園/フラム・アルティア】

いよいよ以て始動する夜の国の侵攻。夜人や異世界の住人を含む多くの戦力が城下町へと差し向けられる。当然フラムも例外ではない。
幼い面(おもて)に一切の色を浮かべず歩む彼女には、慈悲も迷いもありはしない。その操り糸でがんじがらめの心中に存在するのは、主たる魔女・チェシャテンペルトへの忠誠ただ一つ。
意思の疎通が出来る以外、背後に従えられた夜人達と何ら変わりない、文字通りの操り人形。その目は故郷を目前にしても曇ることすらないのであった。

「散ってください」

町の中ほどまで進むと連れてきた夜人を全て散開させ、自分は一人で祈念公園の中へ踏み入る。そして何やら文字の刻まれた石碑と像の近くで立ち止まった。
平和を願う文言が記されているに違いないが、皮肉なことに彼女が取った行動は正反対も良いところであった。罪の色一つ浮かべず片手をかざし、爆破魔法で像を破壊したのだ。
爆音に次ぎ、ある程度のサイズと重量を持った物が倒壊する轟音。立ち昇る黒煙。更に花壇や噴水といった代表的な設備にまで術を撃ち込み、破壊を重ねていく。
住民の影もないことへの八つ当たりだろうか?いいや、そんなくだらない激情に任せた行いではない(そもそもフラムにその類の感情は存在しないが)。

こうしていれば、"奴ら"が必ずやってくる。町の平和を守らんとする守護者達が。

>>ALL


【敵キャラ配置します!絡みいただけるとうれしいです】

4ヶ月前 No.353

龍牙 @fuji11☆t0QHHCMsvFg ★iPad=vWQ0kADtRY

【オルバーシア城/自室→城下町/降魔龍牙】
――閑静な室内。床に結跏趺坐を組み、瞑想を行う青年が一人。
法衣を纏ったその青年の横には、一振りの刀。
彼の名は降魔龍牙。時空の歪みに飲まれ、異界よりこの地に流れ着いた者の一人にして、人の世の闇より出ずる『魔』を祓う使命を帯びた『退魔師』。
彼がこの異界の地にて身を置くアステル王国は、穏和な国民性と豊かな自然を持つ平和な国……であった。
しかし、今は魔の者たちが棲まう『夜の国』……その夜の国を統べる魔女の脅威に晒されている。
龍牙はこの地に迷い込み、倒れていたところを国王フェルミに救われ、彼から『夜の国』や魔女の話を聞いて力を貸す事を決意した……のだが。

「……出遅れたか」

瞑想を止め、銀の瞳を静かに開く龍牙。
そう、出遅れた。とうに交戦状態にあるにも関わらず、彼はフェルミより与えられた自室にて肉体鍛錬や瞑想などの修練を延々と繰り返していたのだ。
その間、招集は無し。否、あったのかもしれぬ。しかし彼はそれに気づかず、ひたすら修練に没頭していた。

「くっ、俺としたことが……」

龍牙は横の刀を掴むと素早く腰帯に差し部屋を出て、城を飛び出した。

>>ALL


【参加許可ありがとうございます!】
>スレ主様

4ヶ月前 No.354

雨隠れサイゾウ/射命丸文 @huujinn ★7pKuCyndxs_yFt

〜雷桜 屋根の上〜
彼女はひたすらに走り回っている。屋根の上にいる敵を排除しながら。

「はあ、はあ、はあ。流石にしんどいですね。それに数が多すぎます」

彼女は絶賛囲まれ中だが何とか一人で頑張っている模様。

【ALL&フリー 特に絡む也は自由です】

〜斬刀 街中〜
悠然と歩く。今の彼はそれが一番似合う。

「爆発か。俺には関係ない」

祈念公園辺りで爆発したが向かわなかった。理由は単純、どうせ他の人が行くからだ。

「それより雑魚敵の排除だな」

街にいる夜人を容赦なく斬り付ける。

「戦争は迷った時点で死ぬんだよ。何も考えないのもまた迷いだな」

彼は和装を靡かせ戦場を歩く。

【ALL&フリー】

4ヶ月前 No.355

結女 @tukuyomi07☆2nDyzvx51us ★3aNoMW8gGM_c1Z

【 アステル王国/城下町/市場/結女 】

 先まで共闘していた狐耳の少女は――クズノハ、と己を名乗った。

「成る程、良い名前ですね!」

 それを聞いて真っ先に思い浮かぶのは葛葉であろう。結女達東洋系の宗教観からすれば馴染みの深い名前。他人の空似か、ないとは思うが本人であるかどうかは兎も角そのような名前を持っているのは――きっと良き縁を婚げることを示すその証。
 うんうんと頷きながら、しかし……彼女は何故己の名前が分からないのだろうか。孤児の類ならまだわかるのだが、逡巡していたのも少し気になる。
 だが、まだ疑問だけ。
 確証が無かったのもあるが――何より一つ、問いが投げかけられたのだから。

「縁、ですか?」

 《縁》とは何か。
 聞かれた彼女は、開けた市場の向こうに見える街並みと青い空を見上げ、謳うように手を伸ばした。

  、 愛
「それは縁です」
 、  、  、  、  わか
「愛し合うこと、愛をもって理解り合おうとすること、愛だけが――私達を導く光となるのです」

 浪々と、結女は語る。その瞳は一種の求道者――全てを包み込まんとする、光溢れる聖人の眼。

「小鳥達の飛び立つ空が暗くて何も見えなくとも、ほんの一筋指す光があれば迷わずに羽ばたいていける」

 伸ばした右手からは羽織が落ち、しかし優しい風はふわりとはためかせ自然に落としてゆく。
 疑うこともなく、しかし視野を狭いということもなく。広々とした大空のように彼女の顔は晴れやかであった。

「そしていつか、厚い雲を切り裂いて光溢れるその向こう側へと行ける。届かせてくれる力なのです
 今は暗く厚い雲に閉ざされ、涙の雨が降ろうとも……縁<アイ>さえあれば必ず、行けるのだから」

 だから彼女は誰も殺さない。お人よしでも偽善でもない究極の非殺傷。
 究極の性善説。彼彼女らにも縁があるのだし、これから紡いでいくのだから――殺してはならない。
 一辺の曇りなき眼はじっと一点、クズノハを見つめていた。

「あなたも、それを信じているのでしょう?
 先の獣や夜人と呼ばれる者達の戦い。獣は兎も角、夜人は誰一人として殺していないのですから」

 ……それはそれとして、結女にはまだ余裕すらあったのだ。
 周囲を囲み、絶え間なく押し寄せてくる敵の軍勢に絶妙な力加減で奮戦していながらも、飛び込んできたクズノハの戦いを視る余裕が。

「今度は、私から聞きましょう。
 あなたは王国かは夜の国かは分かりませんが――彼らが手を取り合える未来は、存在すると思いますか?」

>クズノハ

4ヶ月前 No.356

龍牙 @fuji11☆t0QHHCMsvFg ★iPad=vWQ0kADtRY

【城下町/大通り→祈念公園/降魔龍牙】
――城下町は、喧騒に溢れている。しかしそれは平時の『賑やかさ』とは程遠い。
町民の悲鳴、夜の国より来たる魔の咆哮。それらが交わり、アステル王国の城下町は混沌とした地獄の如き様相を呈していた。
龍牙に迫り来る魔物と……夜人。この国の民や、大陸に住まう生物が、魔女の力により魔物と化した存在。

「眠れ……」

龍牙は静かに抜刀し、襲い来る魔物や夜人を斬り倒してゆく。
一体、また一体と、次々に襲って来る魔の軍勢を一刀の下に斬り伏せ道を切り拓いてゆく内に、やや遠方より轟音が聞こえた。
どうやら祈念公園の方向らしい。そちらを見やると、根元から折れた一体の像が炎に包まれている。平和記念の像が、爆発により破壊されたのだ。

龍牙は切り開いた道を足早に進んでいく。時折襲い来る夜人を斬り伏せながら。
そうして辿り着いた先には――年端もゆかぬ少女が一人。
しかし、龍牙は確信していた……この者は間違いなく王国の敵、夜の国の手の者であると。故に……

「貴様、ここで何をしている」

眼前の少女に刃を向け、厳しい口調で問うた。

>フラム


【絡みます】

4ヶ月前 No.357

リインカーネーション @genomirai ★z8IID1mzG7_c1Z

【アステル王国/城下町/市場/クズノハ】


良い名と褒められて嬉しくないものはそういないだろう、私も決して例外ではない。記憶の片隅に残った残滓の様な掠れた名でも私の存在、それが確かなものと示してくれている。
記憶も記録もない、空っぽな私ではあるが底に残ったものは一番重たく、溢れ出なかったもの。だからこの首飾りも、人間を想う感情もきっと呪いも私にとっては重要で忘れてはならないのだろう。
縁とは何か、私の問いかけに少女は天を仰ぐ。青い空に向け、まるでそれが万人にとって当たり前のことのように謳う。
それは愛だと、少女は言った。愛し合うことが、愛を持って理解することが人々を導く光になるのだと。
少女は一片の陰りなくそれを信じている、その曇りなき青空の如き表情が語っている。

―――ふと、脳内に流れるは何処かの屋上。誰かと語らう私、その時の私は惜しげもなく人間を愛していると、そう言っていた……?

私は、確かに人間を愛していた、のだろうか。私の記憶、私が知らない私の。でもこの温かい気持ちは本当で、どんな人間でも愛していると本気で。
かつては少女のように愛を抱いて、その愛のままに戦えていたのだろうか。断片的な記憶はそれ以上は何も写さない。
確かに私は人間が好きだ、その感情は記憶がない今でも本物だ。でも見えた記憶の私は今よりももっと深く愛していた、目前の少女と同じ位にはきっと。
深く愛せるほどの何かが今の私にはない、ただ人間と共にいたくて、人間を守りたい、我儘な感情があるだけ。
私も愛を信じていた、きっと今も信じている。だからこそ夜人が人間と知ったとき、助けたいと思った、殺さなくていいようにと思った。
でも記憶の中の私よりもずっと浅く、独善的で、人間の事を理解していない。

「私は……きっと、手を取り合えるとそう信じたいです。」

自信はない、確証もない、その表れか伏し目がちに言葉を紡ぎ始める。
過去の私よりも人間の事を知らない、優しい人間がいて、悪い事を考える人間もいる。その程度の事しかまだ分かっていない。
でも夜人も人間に戻って、王国と夜の国が手を取り合えるようなそんな夢物語、望むことが悪いはずがない。
人間を信じる、まずはその事から始めようと思う。この戦争が終われば、互いに手を取り合うことだって出来るはずだと。

「私には貴方ほど愛を信じることはきっとできません、ましてや全ての愛を受け入れることも出来ません。」

震える喉で絞り出す声は消え入りそうで、でもそれは事実でしかない。受け止めなくてはならない事だからと、言葉は続く。
少女ほどの器はない、私が受け入れられるのはもっと少なくて、もっと狭い範囲の愛だけ。
そして私が救える人々は手が届く範囲だけ、この少女のように広く包み込めるような光は私にはない。
でもそれが私に相応しい、少女の様な人がいるならばきっと私の救いなんて必要なくなってしまう。

「私はきっと人間を愛しているのだと思います、だから愛した人達が手を取り合うことを心から願っています。」

そんな不相応な私でも愛しているのだと、人間が争わずに手を取り合える未来を望みたいと、渇望する。
少女と漸く目が合った、いや私が反らし続けていただけだ。この言葉だけは、眩い少女の目を見据えてでも答えたかった。
貴方のようにはなれない、貴方のようには救えない。それでも私は私が出来る僅かなことへ尽くしたいと、そう改めて思ったから。

ああでも、きっと私は気付かない。それが単に逃げているだけだと、身を弁えたふりをして人任せにしているのだと。
どうしても敵わない光を前にして、陰に隠れるしかない臆病者。あの救いと愛は本物だった、では今の救いと愛も本物か?

>>結女

4ヶ月前 No.358

電子の詩人 @akuta ★Android=8Sr3SxYeQ0

【乱入失礼致す。おらぁ!盾キャラ出番だ!!】

【アステル王国/城下町・大通り→正門前/ショパン】

「僕だけじゃ……無理……」
 そう消えそうな声で呟く。自分だけで行動したら前のように死ぬだけだ、だから天子とパーティー組みたかったのだ。
 誰かと組まないと、国民を助けられない。
「……」
 そして、この恐怖を思い出された狼の騎士の恨みがまた積もっていく。
 アイツのせいでこの恐怖を抱える羽目になったと、恨み節がまた1つ増えたところで病室は騒がしくなる。
「?」
 ショパンは首を傾げると、医者らしき人物が慌ててこの病室を覗き、ショパンの人見知りが発動し、ヒイッと声をあげて肩をはね上がらせベッドの中に潜り込み引きこもった。
 その様子はさながら、天敵を見つけ巣穴に隠れるプレイリードッグ。
 医者はその様子を見て怪訝そうに見るが、つっこむ暇はないらしい。
「異世界のあんちゃん、逃げな。夜人達がとうとう王国に攻めて来やがった!」
 ショパンはそれを聞いて、憂い気な表情がみるみると引き締まる。
 また一歩、現実が故郷の危機の記憶に近づいて来た。
 心臓は脈を打ち鳴らし、固唾を飲む。
 死に行く感覚が怖い。けどそれを乗り越えなければ、過去は繰り返される事となる。
 荒い呼吸を整えてベッドから勢いよく飛び起きると、病院の廊下がてんやわんやになる風景を眼に焼き付けると医者はぽかんとその様子を見た。
「……行かなきゃ」
 医者はぼそりと呟かれた台詞にやめろ明らかに弱そうだと背後から言われたが無視をして、肩にかかった上着のような紫の布をはためかせて駆け病院から抜け出す。
 雑踏の奔流、悲鳴の嵐。
 驚異が迫った『彼』の故郷もこんな感じだったのだろうか、ただひたすらショパンは大通りを駆け抜ける。
 目指す先はこの城の正門。
 ここに連れてこられ、人見知りによって拒絶し二週間も引きこもった為に、結界の存在はよく知らないショパンが思ったのは正門に敵がいたら、自分が逃がした村人達やここにすがって逃げてきた人々も被害が出ると思ったのだから。
 駆ける、駆ける。『革命』の調べの如く駆け抜ける。
 あの恐怖を忘れるぐらい、細い体は役目を果たそうと懸命に動く。
 そうこうしているうちに見えた、正門らしき建造物。
 自分が塞ぎ込んでいる間、既に戦いは始まっていたらしい。
 黒髪の少年らしき人物を嗜めるは黒い液体と、ブーツを履いた自身よりも低い白い機体。
 多角形が組み合わさった無機質なタクトを出現させ、紫の燕尾服を纏うと、挨拶がわりに右手の音色を歌い上げる電子の歌声を周囲に満たすと、正門の入り口を四重に重ねて防ぐ。
 弱々しい表情で黒髪の少年と黒い液体を無言で見終えたあと、隣のロボットをちらりと見る。
 ある戦略が浮かんだと同時にロボットゲームが現実化するとこうなるのか、コスプレするならやはりこれぐらいはクオリティあった方がショパン的に好みだと内心思いつつも、向こう側を再び長い前髪の隙間から無言で敵なのかと訴えかけていた。
>パスィート ラース UNKNOWN

4ヶ月前 No.359

結女 @tukuyomi07☆2nDyzvx51us ★3aNoMW8gGM_c1Z

【 アステル王国/城下町/市場/結女 】

 じぃ、と決意と不安の狭間で揺らぐ少女の瞳を見つめていた。決して脅迫的な意思こそなけれど、逸らすことは難しい。常に太平を照らす陽の光はどんなに逃げても入ってくるのだから。優しく暖かな、しかし強い意志のそれは否応が無しに誰かの心を照らしてゆく。
 伏し目がちに紡がれる言葉。羽を広げようとしてゆっくり、ゆっくり、恐る恐る己の感覚を確かめているのか、それとも一度折れた羽を治しその感覚に戸惑う不安か。震える声と唇が、ゆっくりと己の意志を紡ぎあげていく。
 やがて、その全てを吐き出し終えた。
 人間を愛しているのだから、愛した人達が手を取り合える世界が欲しい。
 確りとクズノハの目を見ていた結女。瞳に浮かぶ陰陽図を想起させる眼は、閉じられ逡巡する。
 そして、――こくり、と一つ頷いた。

「――それでよいのです。
 しかし、あなたもまた小鳥。大望を抱くのもよいですが……まずは身近な者から愛しましょう」

 聖人だ。
 結女とは、聖人だ。誰かに縁を伝え、それを繋ぎ結んでゆく結女(むすびめ)。
 渇望する彼女の手を取って告げた。

「しかしまずは――此処の縁を繋ぐのが先です。今だ、この街では多くの者達が危機にさらされているのですから」

>クズノハ

4ヶ月前 No.360

雨隠れサイゾウ/射命丸文 @huujinn ★7pKuCyndxs_yFt

〜斬刀 街中→祈念公園の近く〜
彼は一人夜人を殺していく。

「はあ、またか。まだいるのか」

辺りにいる夜人を殺し終えた後、爆発があった祈念公園に向かう。

「ここか。まあ入らずとも様子は見れるか、一芸特化『視力強化』」

改めて一芸特化の能力を説明すると、一つの分野でとんでもない程優れるが、他が弱くなってしまう能力だ。
今回は『見える範囲を広げる』と『見える距離を伸ばす』の二つを発動している。
斬刀の一芸特化は分野であって一つだけ強化するではない。視力を上げるなら、見える範囲と見える距離この二つを強化できるという感じになる。

「さて、お手並み拝見かな」

ついでに近くにいた夜人もついでに殺しておく。

【ALL&フリー ちなみに二人からは見えない場所にいます】

〜雷桜 住宅の屋根の上〜
「さ、さすがに雷を使いすぎちゃった」

完全にばててガス欠状態になってしまった雷桜は袖から乾パンと水筒を取り出し食べ始める。

「少しでも回復しておきましょう」

雷桜は食べたり飲んだ後、胡坐をかいて、目を閉じた。
簡単に言えば充電状態だ。空気中の電気を集めて充電しています。
ちなみに充電中は夜人も感電してしまうので近寄れません。もちろん仲間も敵も。

【ALL&フリー】

4ヶ月前 No.361

操り人形 @sable ★mvaJaf04S7_PHR

【城下町/祈念公園/フラム・アルティア】

夜の国に対抗し得る者を炙り出すべく、人無き町で力を行使するフラム。施設に魔術を撃ち込むという暴力的な行為であるにも拘わらず、その顔には昂りも無ければ、上気の色も浮かび上がらない。
主からのオーダーに一切の疑問や迷いを持たず実行に移す様は、まるで自我など初めから存在しない機械。ロボット。爆ぜる炎の熱とは裏腹に、さめきった氷のような冷たさでそこに佇む。

そんな停滞した一方的な流れを切り裂く者が一人。

「来ましたか」

遠くから聞こえる夜人の交戦する音。悍ましく歪んだ断末魔。そしてこちらへ向かい迫りくる足音。それらの要素は挑戦者の登場を意味していた。
眼前に立ち塞がる一人の男性。自分より頭一つ二つ高いかと思われる長身に加え、衣を微かに押し上げる筋肉質な身体付きが威圧感を与える。
腰に佩いた刀と銀色の瞳は敵意と殺意の塊であり、フラム程の年齢の少年少女など、一睨みでもされれば尻尾を撒いて逃げ出すこと間違いなしだった。

しかし。

「見ての通りですが」

彼の方を向き直るや否や、臆面もなく罪の色すら浮かべず吐き捨てる。悪意すら存在しないが故の不気味な面持ちで発せられる言葉は、男を対象にしているはずなのに、まるで虚空に吸い込まれるかのように消えていく。
そんな異様な姿を見た男は何を思うのか。無関心か。狼藉を働いたことに対する怒りのみか。それとも...

体格差からして容易であろう反撃を警戒して先制攻撃が出来ないのか、それとも敢えてその機会を相手に譲ることでカウンターを狙っているのか、フラムは何もせずに男の顔を見つめているのであった。

>>降魔龍牙


【絡み感謝です!】

4ヶ月前 No.362

龍牙 @fuji11☆t0QHHCMsvFg ★iPad=9LdT4V16rs

【城下町/祈念公園/降魔龍牙】

「……そうか」

少女の答えは、至極単純明快。『見ての通り』……そう、見ての通りの破壊行為。
悪びれなく言ってのけるその表情からは、何の感情も窺い知れない――悪意さえも。
彼女はこの破壊行為に、何の感情も抱いていないのだ……だとすれば、『夜人』か?

――否。この少女から、魔の者特有の妖気は感じられない。
どうやら、彼女は純然たる『人間』らしい。それも恐らくは、かつてこの国の民であった者……
ならば何故、魔女などに力を貸す?それが解せない。彼は一瞬躊躇い、少女に向けた刀を下ろしかけた。


「……お前が何を考えて夜の国などに与しているかは知らん」

――『魔』とは、超常の力を振るい人の世に害を為す者のこと。
ならば、眼前の少女の行いはまさしく『魔』の所業。そして龍牙は、一切の魔を祓う使命を帯びた『退魔師』である。
如何なる姿であれ、人に仇なす魔の者であるならば……彼は容赦などしない。
『降魔』……『魔を降(くだ)す』という意味を持つ、その名にかけて。
一瞬の逡巡を拭い去り、龍牙は続けて言葉を紡ぐ。

「だが……その行い、魔の所業と認定。これより退魔師・降魔龍牙の名において、貴様を調伏する」

刀を構え直し、逆の手で刀身をなぞる。
霊力を受けたその刃は、青白い輝きを放ち始めた。

>フラム・アルティア


【こちらこそ反応ありがとうございます!】

4ヶ月前 No.363

リインカーネーション @genomirai ★z8IID1mzG7_c1Z

【アステル王国/城下町/市場/クズノハ】


私は絶え絶えに言葉を吐いた、少女を見据える瞳は少し潤んでいたかもしれない。それでも私はそうしたいと、思ったんだ。
目を閉じる少女、僅かな間は私に迫る刃のよう。じわりじわりと空を進み、喉と突き破らんとする輝く一閃。
何故これほどまで緊張しているのか、何故これほど少女の答えに縋っているのか。無意識の内に私は少女に魅せられてしまったのだろうか。
初めに出た言葉は肯定、続く言葉は道標。私には大勢を救うのは早いと、手の届く範囲を救えと少女は言っているのだろう。
不意に手を取られる、長らく相手から触れられることのなかった温かさに心が跳ねる。手から伝わる温かさは、何とも抗い難い。
慣れない触れ合いに僅かに体温が上がる、きっと私の白い肌では分かりやすく紅潮しているだろう。
対面して人と触れ合うことなど此方に来てからなかった、そもそも呪いを恐れて触れ合おうなど思わなかった。

「そう……ですね、私達で一人でも多くの人々を救います!」

余りの唐突な出来事に言葉こそ詰まるが、救いたい意志に嘘はない。少女と一緒ならきっと救えると、そう信じられる。
取られた手を強い意志を持って握り返す、彼女の様な大きな光になれなくとも、手の届く範囲だけでも、救えるならばそれでいいと。
そう、私には手の届く範囲だけで精一杯。少女が全てを遍く照らし続ける太陽であるならば、私は月ですらない、少女の光を受けても夜の暗闇を照らせるほどの強さはない。
私は日が昇る中の星々のようにその輝きに掻き消される小さな光、太陽が昇れば必要なく、月があれば夜の闇も払われよう。
でも夜であれば僅かなれどその光を誰かに届けることが出来るかもしれない、決して多くはなくとも誰かの道標となれるかもしれない。
少女の言うように私はまだ未熟で、大きな望みなど持てはしない。だから私が持てるだけの僅かな人を救えれば良いのだと、やっと分かったんだ。

「一先ずは救いを求める方々を探しつつ、安全な場所を目指す。私はこう考えたけど、貴方の意見を聞かせて欲しいな。」

今この場にいる人々は決して少ない人数ではない、しかし先に安全な場所へ送り届けてからだときっと間に合わない。
私ならば安全な場所を目指す道中で救える人々を救えるだけ救い、出来る限り多くの人間を救おうとするだろう。
でもきっとそれでは駄目なのだ、私は村の襲撃で救えた人々は片手で足りてしまう。
では少女が向かっていたら?きっと両手など軽く超えてしまうだろう。そう感じさせるほど少女は眩く、人を照らす光だ。
だからこそ私は少女に意見を求める、この状況でどうすれば多くの人々を助けられるのか、私では不可能でも少女になら出来る方法があるのではないかと。
私に出来ない事を少女ならできる、私の助力など微量に過ぎない程の輝きで多くの人々を救えるとそう確信している。

ああそうして私は知らぬ間に少女に溺れる。眩き光に照らされて、あたかも自身もそうなれると、その光にいると錯覚する。
少女と共にいれば気分がいいだろう、私が救った気にもなれるのだから。私は確かに救えてたはず、では今の私は救えているのか?

>>結女

4ヶ月前 No.364

悪魔の妹 @neko222 ★iPad=rUJqsdn1Wi

【 夜の国 / 洋館 ロビー / フランドール・スカーレット 】

 「ふぅん……あんまりよく分からないけど。要するに、強いのね?」

 曖昧な頷き方をするフランドールだが、その目は凶暴な期待に輝いている。
 死龍が自身の不死能力を解説する度に、明らかにうずうずと落ち着かない様子を見せる。
 壊しても壊しても治るんなら、まさにうってつけの遊び相手じゃない?

 しかし封印という単語を耳にした途端に少しだけ眉尻を下げ、同調するように少しだけ俯いた。
 元の世界でのフランドールも、数百年の間紅魔館に封印されているようなものだろう。あれはとても退屈だ。

 銃の手入れ──弾幕と違ってじゅうとやらは手入れが必要らしい、面倒な物ね──に部屋を移動しようとする死龍。
 ふととある事を思い出して、フランドールはその背中に声を掛けた。

 「あの魔女、思ったらすぐ行動する性格みたいだから。もう始まってるかもよ。
  でんこーせっかってやつ?私のお姉さまも似たような感じだけど、めんどくさいったらありゃしない」

 実姉の顔を思い浮かべながら、苦い顔で吐き捨てる。
 ぱっと思いついただけでも、急に月に行くと言い出してロケットを造らせたり、天邪鬼を捕まえるとか言いながら館を飛び出して行ったり。
 面倒くさいとはいうものの、フランドールが実害を被ったケースは少ない。
 騒ぎの輪に入れてもらえない寂しさと嫉妬を紛らわせる強がりの発言なのか、単に隙あらば姉を貶したいだけなのだろうか。

 「行ってきたらどう?ここよりは多分楽しいわよ。私は……もう少しお留守番かしらね。日焼けが天敵なの」

 美容を気にする乙女のようにおどけてみるが、単に吸血鬼だから日光に弱いというだけのことである。

>死龍龍四、舞


【遅れてごめんなさい……!】

4ヶ月前 No.365

雨隠れサイゾウ/射命丸文 @huujinn ★7pKuCyndxs_yFt

〜死龍&舞 洋館・ロビー〜
「確かに強いが、それだけ弱点も多いってわけだ」

敢えて封印のことには触れず、『弱点』という言葉で濁す。
舞もそれを察したのか敢えて何も言わない。

「あ〜パスだわ。俺、そういう遠出けっこうめんどくさがるから今回はパスだわ。それに手入れなら終わったぞ。ちょっとの確認みたいなものだったからな。それとな、面白いで動いてないんだわ、俺は。それに今は目的とは外れてるから命令があったとしても行かないからな」
「アハハ、はあ〜。まあそうなんだよね。目的とは大きく外れちゃうからね、今回は私もお留守番かな?」

二人は目的が外れた瞬間動かない質の悪いのだ。
それにメリットがない。デメリットしかないのに行く理由も必要もない。
だから行かないのだ。

「それと俺より舞の方が戦闘スキル自体は高いからな」
「言わないでよ!絶対死龍の方が強いよ!」

真っ赤になりながら舞は言った。
端的に戦闘スキルだと圧倒的に舞の方が強い。ただ、スキルというだけで戦闘が始まれば、死龍の方が強くなるのだが。

【フラン】

4ヶ月前 No.366

No.9 @voltexfbk ★1DXVdHzeIP_M0e

【オルバーシア城/正門前/Unknown】

【ロケ変更(というより名称を変更)】

あの少年はいきなり城を攻撃しようとし出した。それも錬金術という明らかに概念が違うもの。そして、明らかに狙っていた。
だが、それらはパスィートたる敵によって全てがなかったことのように元に戻された。

しかし、彼には敵同士によるやり合いにも思えるが、片方は明らかに止めに入っているようにも思える。



それでも気を抜くわけにはいかない。ホワイト・グリントは攻撃態勢にいつでも入ることが出来るよういつでもクイックブーストを吹かす事が可能になるよう、調整した。

ふと、その無機質なカメラアイの先からは走ってくる少年かどうかわからない者が一人。此方に駆け込んで何かしら隔壁みたいなのを作った当たり、彼と同じ陣営であるだろう。焦りは禁物だ、と少し願いながら。

そしてその少年は横に並んだ。彼は、機械音声を介して伝えた。

『防壁設置、感謝します。彼の代わりとして喋りますが、状況的にいえば敵は2人です。ですが、今の段階で2人に戦闘を仕掛けるのはやめるべきかと』
人がいるように喋るソレは、彼の意見を少し代弁したもの。
いくら喋らないとはいえ、少しは意見を持っているのだ。

一応彼は本当にロボット――――――そうだとは言えネクストであることを少し証明するために、両腕を動かす。これだけでは足りないかもしれないが、戦闘時にしか見せられない姿もあるのだから今はどうしようもない。せめてもの、本当にロボットであることを証明するため。

>>ショパン、ラース、パスィート

【警戒体制ではありますがラース様のロル次第では強制的に戦闘に介入します。ご了承を。】

4ヶ月前 No.367

修羅獣 @adrasteia ★qa9glxeVZq_2mP

【アステル王国・城下町/住宅街/ノイン】


「そいつぁ嬉しいなぁ! 見ろよ、オレの上腕筋がまだまだ潰し足りねぇってミチミチ言ってるぜ。
 だから、そら―――せいぜいがっかりさせないでくれよ」

 先手必勝、まず最初に打って出たのは白甲冑の聖騎士だった。
 瞳に宿る決意の灯火は眩しく、雄々しく、熱く、尊く。いざ内に秘めた光輝を解き放たんと聖剣を振り抜き、修羅獣へと肉薄する。
 そして、光耀一斬――無辺の闇を斬り裂き、扇状に拡散する純白の煌きは、さながら灼熱の波濤か暴風か。
 とにかくそういったものを連想させる烈日の抱擁が悪鬼の身を灼いていく。

「ぐお―――ッ!?」

 踏み込みからの跳躍、剣を振り下ろすタイミングに位置。構えに至るまで、一挙一動どれを取っても無駄がなく洗練されていて隙がない。機先を制されたとあって、尚更回避は不可能。であれば受けて立つ。
 戦場において勝敗の趨勢を決するのは常に攻撃力、防御力、速力の三要素だ。その上で相手が自身より格上であるのなら自明、先手を打たれた時点で敗北は決定的となる。ならばこそ、この騎士の選択した一手は正しかった。
 不倒の獅子と相対し尚も怯まぬ不屈の闘志を筆頭に、無辜の民を守るのだという信念に覇気。情熱の多寡――ああ、確かに。この男はその一念にかけて破格の人物なのだろう。真実、彼の纏う清澄なる闘気は鬼の重圧(プレッシャー)と比しても遜色ない。
 そこに一抹の希望を見出しても仕方ないが……
 しかし人間らしいその道理、果たして人道を踏み砕いた魔物にまで通用するのかと論ずるならば、やはりそれは否だ。よって――

「ぐ、ぐぐ――ああクソ、鬱陶しい!」

 宣した瞬間、鬼の剛腕一振りで木端微塵に砕ける大地。弾ける輝きの奔流。
 猛々しい音響と共に、抉れた岩盤を足場として素早く上空へ転身を完了する鬼面の修羅は、小屋ほどもある岩塊の一つを手に取った。巨大な残骸を片腕で軽々と振り翳し、鈍器のようにして――投げつける。
 そのあまりにも隔絶した光景は、男が紛れもない人外であるという事実を一目の下に証明していた。

「ドラァァアアッ!」

 岩石が着弾するのを、しかし暴虐の嵐たるノインは待たない。聖剣使いの上方より具現するのは悪鬼の持つ爆力が一。剛脚の空襲、慟哭ユビキタス。
 重力の後押しで威力が数倍にも膨れ上がるであろうこの落下攻撃は、まともに食らえば最悪即死……などという顛末は無いにしても、肉袋になることはまず疑いようなく必然だ。
 敵手を圧殺せんと押し迫る瓦礫に加えて、巨躯による純粋な暴力。
 性質は同じだが全く趣の異なる二種類の殺意を前に、さて、この騎士はどう出るか――。


>>クリストラル

4ヶ月前 No.368

結女 @tukuyomi07☆2nDyzvx51us ★3aNoMW8gGM_c1Z

【 アステル王国/城下町/市場/結女 】

 結女は人懐っこい。否、人と真摯に向き合い対話し、暗闇に閉ざされた者へ向けてあなたの光となりましょうと平然と告げ実行し続けられる強い聖人だ。だからこそ、人を視る目は養われていたのだし、人と触れ合い続け数多のセキレイを大空へ羽ばたかせてきたからこそ対話を諦めないという強い心を持ち続けていられた。
 そこにはやんごとなき事情からくる僅かばかりの寂寥感と羨望が含まれるものでこそあったが――今は、彼女はそこを語ることはしない。

 一語一句、震える声で絶え絶えに、しかし確りと己の言葉で紡がれた決意。時折挟まれる、張り詰めた間にはどれほどの葛藤や不安があったのか。一体何が彼女をそこまで深い暗闇へと閉じ込めたのか。結女には知る由もない上に、無理に話させようというつもりもない。
 だからこそその答え、その粋や良しと微笑む。彼女を肯定する。
 それが自身を羽ばたかせる道だと理解しているのなら――その道<いし>に寄り添おうと頷いた。
 先程とはまるで別人のように、不安<闇>を払い晴れやかな表情<かお>を覗かせ意見を求めて来た。

「ええ、そうしましょう。……そういえば、貴女は真っ直ぐわたくしのところへ向かってくださいましたね」

 彼女はただ真っ直ぐに――こちらへ向かってこれたことを思い出す。
 戦闘は各地で行われていたが、避難民のいる地域をピンポイントに探り当てられるのは希だ。
 だからこそ考えて、推測する。
 ……声を聞き分ける力はあるのではないかと。

「よし、行先はお任せします。――恐らくあなたの方が、理解<わか>り合おうとする者達の声を聴けるはずです」

 そう考え、提案した。

 最も、輝かしすぎる光に縋りついた者の末路など分かり切った話であるが。
 そこから離れることのできぬ者、そして"結女がいる"という本当の意味を知らぬ者は往々にして更に濃く暗い闇へと沈んでいくのである。

>クズノハ

【恐らく移動しないと会話が続かない可能性があったので移動したいのですが、行先はお任せします〜】

4ヶ月前 No.369

四楓院夜一/バードウェイ☆bTbpChSv7Og ★kWZYx5ckcj_uKh

【アステル王国/城下町(⇒噴水広場)/FIVE_Over.Modelcase_"RAILGUN"】

 蝗の群の如く押し寄せる敵。
 殺しても幾ら殺しても其の数が減る様子は無い。鏖殺の化身は同胞の屍を躊躇なく踏み越えて突貫して来る。其の光景は宛ら血肉に飢えた屍食鬼の様に観えた。夜人に由る人海戦術は其れこそ津波も同然。例え幾千の砲弾が有ろうと幾億の弾丸が有ろうと、悪鬼羅刹を一人残らず倒すには砂漠の砂を一粒ずつ撃ち砕くだけの弾が必要だ。正しく彼等は屍人で出来た砂嵐に他ならない。
 ある者に取っては蟻にも等しい存在、或いは最早障害ですら無いのかも知れない。併し砂より軽い命の累計がバリケードより重く積れば其の見方も変わって来る。城より出陣する勇猛果敢の騎士達は、王の号令に血を滾らせて、信じられる戦いの意義の為に其の剣を振るう。だが、何度も首を刎ねようが化物の勢いは止まる事は無く、度重なる攻勢に由って兵員は削がれ、残った者は疲弊して行くばかり。状況は切迫している。此の侭行けば城下町は墜ち兼ねない。併し彼等には守護天使が居た。

 救世主──そう誰かが譫言の様に呟いた。

 広場の方から打ち上がる色取り取りの花火。
 其の下には救援を要する友軍の元へと急行し、如何なる絶望的な状況をも打破して来た伝説(ヒーロー)が居た。彼こそ正しく全滅を待つばかりとなった騎士達の最後の希望に他ならない。上空を飾る数々の魔法に惹かれ、騎士達を襲っていた夜人は踵を返して広場へと蝟集──満面の笑みで構える彼の者の眼下に集い、餌を前にした犬の様に涎を垂らして唸りを上げる。併し魔法の撒餌さに食い付いたのは何も夜人だけでは無かった。

 地虫の鳴く様なスチームの音が大気を揺さぶる。

 次の瞬間には百雷の様な轟音が鳴り響いた。
 煙幕の様に舞う土埃を突っ切って"其れ"は広場の入口付近より接近。列車の如き勢いで軌道上に居る夜人を轢き殺し、噴水の上に立っている派手男の前に其の姿を現す。全長5m前後の──まるで蟷螂の様な機械だった。二本の脚で直立し、残り四本の手足で巨大な鎌と保護カバーに包まれた主力武器を構える。最先端の科学により開発された戦闘特化の無人兵器。ファイブオーバーのモデルケースレールガン。突貫して来た巨躯の兵器は、標的の前で敢えて其の勢いを殺し、睨み合う様に立ち塞がる。
 両者の距離は僅か5m。数秒の沈黙の果て、先手を打ったのはファイブオーバー。繰り出されるのは右腕に装備された大鎌。天へと振り上げ、地へと振り下ろす。単調な動作から繰り出される其の一撃は、人体は疎か派手男が足場にしてる噴水をも両断できる。其れを眼下の標的目掛けて勢い良く叩き落とす。感情は無い。交える言葉も無い。AIはただ任務を遂行するのみ。

>>ドライツ・ユメイル・ファラレス・ロスリアン

【中ボス的な感じで絡ませて頂きますね】

4ヶ月前 No.370

操り人形 @sable ★mvaJaf04S7_PHR

【城下町/祈念公園/フラム・アルティア】

相手の素性を掴み損ねてか、戸惑った後に切っ先を下ろす男性。張り詰めた空気の中に生まれる一瞬の隙。剣豪同士の勝負なら付け込まれ勝負を決められかねないが、そこに意気揚々と切り込むフラムではなかった。
元より圧倒的な体格差を付けられており、こちらには得物という得物もない。そうとあっては誰が好き好んで接近戦など挑もうか。彼女が信条とし主軸に据えるのは、あくまで魔術を用いた遠距離戦。常に安全を確保しつつロングレンジ攻撃で追い詰める。
そのセオリーとも呼ぶべき手順を遵守するフラムが行ったのは、施設の破壊に用いたエネルギーの補填。フルパワーで戦いに臨むための布石を打つ。

「全ては偉大なる我が主のために」

あらかたチャージを終えたフラムは、先程男が述べた言葉に対し小さく呟いて返す。それは彼女が夜の国に与していることを認めると同時に、チェシャテンペルトの息のかかった者であるという何よりの証拠でもあった。
眼前の少女という『魔』を降し、この場に静寂と平和を取り戻すことを宣言する男性。龍牙と名乗る彼の刀に、まるで気高さと清廉潔白の証明であるかのような青白い光が灯る。
仮にフラムが滾りや下衆な考えを抱くことのできる人間だとしたら、その貴い輝きを踏みにじり、叩き潰し、闇の奥底に沈めてしまいたいという欲望に駆られたことだろう。
それだけこのシチュエーションは王道でありながら熱いのだ。善と悪。ヒーローとヴィラン。正義をうたう者と邪悪の道を突き進む者。敵であれ味方であれ一筋縄にはいかない経歴の持ち主が多くいる中、見事なまでに対極化された者同士での対決が始まる。

「貴方の様な方は、きっと主のお気に召されることでしょう」

彼ほどの人間ならば、例え敗北し捕らえられたとしても簡単には折れないはず。その瞳に逆巻く炎は最期の瞬間まで消えないに違いない。それこそ命を奪われるか、夜人に身を窶すその時まで。
そんな逸材を何としても組み伏せるべく、フラムは先制攻撃を繰り出す。左の掌を龍牙に向けると同時に、彼の周囲に赤黒いゼリー状の物体が出現し、瞬く間に黄金の光を伴って膨れ上がる。爆破エネルギーの塊だ。
間髪入れずその手を振り払うや否や、はち切れんばかりのエネルギー塊は炸裂し、臨界状態を彷彿とさせる青い閃光と共に周囲5メートル程を吹き飛ばした。
立ち昇る黒煙と鼻を衝く焦げくさい臭い。だがこの程度で音を上げる相手ではないだろう。反撃は何処から来るか。煙の中からか。悠長な爆撃などには付き合いきれないとばかりに背後からか。次に備えて警戒を怠らず、アンテナを張り巡らせるかのように気を引き締める。

>>降魔龍牙

4ヶ月前 No.371

操り人形 @sable ★mvaJaf04S7_PHR

【城下町/住宅街/アナスタシア・ディアヴェルト】

戦禍に呑まれる城下町。邪知暴虐の限りによって町が切り刻まれる様は、この世の終わりとでも形容すべき凄惨さ。住民達が城内に避難済みであるというただ一点だけが不幸中の幸いであった。
否、真に不幸なのは王国に忠誠を誓う兵士達と言えよう。住民の有無にかかわらず彼らの使命は国を護ること。そのためにはたった一つの命を投げ出さなくてはならない。例え勝機など見いだせない逆境の中にあったとしても。
本を開けばその手の兵(つわもの)は"勇者"として華々しく描かれている。苦難を乗り越え平和を取り戻した者。紆余曲折の果てに真実に辿り着いた者。魔王を退け王女と結ばれた者。どれも輝かしい栄光の中に締めくくられている。
しかし現実はどうか。本当に物語はハッピーエンドで終わるのか。その答えは足元に飛来し叩きつけられた肉片に聞くのが一番だろう。お前は勇者として死ねたか、と。

「私が出遅れたばかりに...」

少なくともこの肉片の持ち主はそうではなかっただろう。勇者以前に一人の人間らしい最期すら迎えられなかったに違いない。肉片から滴る血は怨嗟の涙の如く。
もっと早く駆けつけていれば防げた犠牲。彼らを下がらせ、異能者である自分が代わりに出る。そうすれば無意味な死の連鎖だけは免れたはず。その事実がアナスタシアの肩に重くのしかかる。
失われた命も、砕かれた街並みも、もう取り返しはつかない。ならばせめて仇だけは討ち取らなくては。小さな双肩にかかる重責がますます膨らんでいく。

悲劇の原因はすぐに突き止めることが出来た。災厄を撒き散らす嵐とも言うべき威容はまさに破壊神そのもの。暴力の権化である。見れば既に白鎧に身を包んだ青年が対峙していた。
自分と似た身なりに親近感を湧かせられるが、今はそれどころではない。相手は仮にも精鋭兵である王国騎士を、蜘蛛の子を散らすかのように薙ぎ払った怪物だ。
彼がどれだけ卓越した技量の持ち主であったとしても、ヤツ相手に余裕の勝利というのは無理があるように思われた。そしてその見通しはすぐに現実のものとなる。

「危ないッ!」

大地を穿ち投じられるは、放った本人を優に超えるサイズの岩塊。神が下界の人間を裁くべく投じた怒りの鉄槌。あんなものをまともに受ければ骨も残らない。
持ち前のスピードで間に割って入ったアナスタシアは、間髪入れずに上空に爆破エネルギーの塊を生成し、力を溜め神速で突進してからの蹴りで射出した。先の戦場で活躍した『マッハブラスト』だ。
非常に高い威力を持つが故に迎撃にも転用できるが、言い換えれば並みの防御技では焼け石に水だということ。相殺覚悟で繰り出された砕光の弾丸が、岩塊に杭の如く撃ち込まれる。
そして刹那の後に炸裂...完全に消滅させることこそ能わなかったものの、砕け散った岩の破片は十分に回避可能なサイズである。これで第一波は凌ぐことができた。そう、"第一波は"。

真の絶望はこれからだと言わんばかりに襲い来る第二波。大技を撃って間もない彼女に、地を割り地獄すら突き崩さんばかりの突撃を凌ぐ術はなかった。

>>クリストラル、ノイン


【絡ませていただきます!
乱入した癖に蹴りの対処ができてないですが...】

4ヶ月前 No.372

電子の詩人 @akuta ★Android=8Sr3SxYeQ0

【とりあえず。投下】

【アステル王国/城下町・正門前/ショパン】

 どこか哀愁を感じさせるエレクトリックな音色が交差する夜想曲に合わせてタクトを振るうのをやめ、光輝く音符と五線譜も周囲を飛ばしつつ白い機体は機械音声で話しかけられ、両腕を動かしている様子を確かに見た。
 クラシカロイドになってから、バーチャルアイドルアプリのキャラの音声を自分で調節したなどと、パソコン関連を嗜む様になったショパンはただ僕の時代より未来から連れてこられて来たのだなと理解する。
 だがそれは、人工知能の叡知も合わさった技術で造られた楽器(せいねん)が思える立場だろうか。
「攻撃は無理」
 相手は明らかに人じゃないので、それなりにコミュニケーションは取れるのでそうきっぱりと答えると、それに付け足すように先程思い付いたある戦略を向こう側に聞こえないぐらいの小声で囁いた。
「……攻撃は無理だけど……パソコンとかスマホがあれば、相手を閉じ込める事が……できる」
 ここでコンピューター制御をするための電脳空間があれば、相手を閉じ込める事ができる事実を明かす。
 ロボットということは必ず電脳空間があるはずだ。
 嫌ならやらないが、もしやるならば歩く牢獄としてそのまま献上できるのではないかとショパンはそう提案する。
 もしこれが可能ならば、何をしでかした知らないが一網打尽に捕らえれると、思いつつも黒髪の少年には人見知りが出た為、白い機体の背後に隠れて様子を伺おうとして。
>パスィート ラース UNKNOWN

4ヶ月前 No.373

龍牙 @fuji11☆t0QHHCMsvFg ★iPad=3AJwODkExi

【城下町/祈念公園/降魔龍牙】

「……盲信か」

――『盲信』。少女の呟きに対し、こちらも呟きで返す。
それは盲目の忠義……眼前の少女は、魔女より下される主命以外、何も見えていないらしい。
では彼女は何故、かの邪悪なる魔女に忠誠を誓ったのだろうか?それも単なる狂信ではなく、人間味を感じさせぬ機械の如き忠誠心。

彼はこの地に流れ着く遥か以前に戦い、そして壊滅させた『邪教』を思い浮かべた。
妖魔を神と崇める邪教――その殆どは、『教祖』たる呪術者により洗脳され操られていた者達。彼らには罪は無かった。
ならば彼女も、彼らのように操られているのでは?だとすれば今の自分は……訳もわからず操られている哀れな幼き少女を、斬り殺そうとしているのではないのか?
再びの躊躇い。それは一瞬であったが、敵の先制攻撃を許すには充分な時間であった。

「っ……!」

突如龍牙の周囲に出現する赤黒いゼリー状の物体……それは金色の光を伴い膨張する。
ここより放たれる攻撃は……『爆破』。少女が龍牙に向けた左手を振り払った瞬間、ゼリー状の塊が炸裂した。
青い閃光を伴った破壊のエネルギーは彼の周囲5m程の物体を巻き込み、吹き飛ばす――その只中にあっても、龍牙は倒れない。

「……今度はこちらの番だ」

――黒煙が晴れた先には、無傷のまま刀を構える龍牙がいた。
彼の足元に、周囲を取り囲むようにして梵字を書いた呪符が三枚配置されている。爆発の寸前、龍牙が咄嗟に地面に撒いたものだ。
『観音護法陣』……観音菩薩の種字を書いた呪符を媒介にその力を借り受け、防御の結界を張る法術。その防御力は術者の力量の他、呪符の枚数にも比例する。
どうやら三枚ではあの爆発を一度防ぐだけで限界らしく、結界の崩壊と同時に呪符は全て燃え尽きてしまった。

「……オン・インダラヤ・ソワカ」

龍牙が小さく唱えると、その全身から紫電が迸る。
仏教における帝釈天……雷帝インドラの力を借り受けて、聖なる稲妻を呼び寄せる『帝釈天招雷呪』。
しかし、彼が用いたそれは眼前の敵に向けるためのものではない。己に雷を宿し、力を高めるものだ。

「ふっ!」

短く気勢を上げ、地を蹴る龍牙。地より天へと伸びる電光。
その姿は、最早少女の眼前には無い……では何処へ?


「はああぁっ!」

――答えは上空。眼下の敵の遥か頭上に狙い澄ました急降下斬撃。
その刃の閃く様は、まさしく『紫電一閃』。
この一撃に対応できねば、敵は恐らく脳天より両断され絶命するであろう。

>>フラム・アルティア

4ヶ月前 No.374

リインカーネーション @genomirai ★z8IID1mzG7_c1Z

【城下町/噴水広場/ドライツ・ユメイル・ファラレス・ロスリアン】


彼が魔法を放ち幾何かの時が流れた頃には、広場に魔獣夜人問わず多くのモノが惹きつけられていた。
極彩色の魔法は未だ止むことなく、多くの輝きで広場全てを照らしている。無論最も輝いているのは噴水の上に立つ彼だろう。
その最中、魔法が弾ける音に交じり虫の音が僅かに聞こえた。それはこの輝かしき魔法の数々につられた、大物の前兆だったのだろう。
瞬間、雷光の如き轟音が広場へと響く。舞う土埃、その内から突貫し進路上のモノ全てを鏖殺する機械仕掛けの蟷螂。
一目見れば理解できる凶悪な鎌、用途の分からない円筒状のモノ、どことなく人を思わせる形状をしたそれは僅かな間を開けて静止する。

「おお!君は中々派手ではないか!うむ、うむ!派手なものは派手なものに惹かれるのが定め、私は気分が―――」

両手を広げ歓迎する彼、依然と魔法を放ちながらも新たな派手なものに興味を抑えられない。それ故か、振り下ろされた鎌が発する言葉ごと刈り取る。
もし彼がこうなった場合どんな行動を取るだろうか、回避、逃亡、若しくは直撃して死亡。そのどれも違う。彼ならばこう言うだろう。
―――派手さには派手さで対抗する、と。

「うむ!いい派手さだ!無骨ながらに体躯を活かしたその一撃、私は気に入ったぞ!だぁが!私の方がさらに派手だ、それをお見せしよう!」

彼に振り下ろされた大鎌、それを阻むは色彩豊かな大結晶。その破片は常に飛び散り、辺りに輝きを散りばめる。
しかしそれを壊すには至らない、その水晶には多くの輝きを発するための多くの魔力が注ぎ込まれている、さらに壊れた傍から修復している為舞う結晶が増えるばかり。
しかしこの大蟷螂、馬力は相当なもの。修復と破壊が追い付かず徐々にその鎌は結晶の中ほどまで食い込んでいる、だが十分。次の準備は出来ている。
遂に輝かしい大結晶は決壊を迎える、広場全域に広がる光の粒。破壊によって巻き上がるそれは色とりどりの雪のよう。
これで場は整った、迫る大鎌を跳躍で躱す。ローブの一部が大きく裂けたが彼は気にしない、傷もまた派手さを引き立てるだろう。
空中に浮かび上がった彼は回避をしたのではない、新たな派手さのために宙へ飛びあがる必要があったからだ。
あくまで彼が求めるのは派手さ、それに繋がらない回避などするわけがない。全ては派手さの為、大輪咲かす一手に手間を惜しむことはない。

「さあその身に刻め!その目に焼き付けるがよい!私の華やかさ!私の輝き!私のぉ!派手さをぉ!はーはっはっは!」

広場に散り、舞う結晶。その全てから稲妻が迸る、それは徐々に勢いを増し近くの結晶と結晶を稲光で繋ぐ。
さらに上空の彼の背から伸びるは雷の翼、多くの結晶とその翼。光が一瞬強まったかと思えば、次の瞬間弾ける。
上空の彼と地や宙に存在する結晶を繋ぐは眩き雷、迸る電光は広場を埋め尽くし、その様相はまるで稲光の檻。
彼の魔法は決して殺傷能力のあるものではないにしろ、魔獣と夜人が怯む程度の威力はある。
大蟷螂にも影響があるかは分からない、しかし彼は殺傷能力よりも派手さを求める。何故かと彼に問えばこういうだろう。
―――派手な方が素晴らしいからだ、と。

>>FIVE_Over.Modelcase_"RAILGUN"


【絡みありがとうございます!】

4ヶ月前 No.375

リインカーネーション @genomirai ★z8IID1mzG7_c1Z

【城下町/住宅街/クリストラル】


手応えはあった、しかしそれだけだ。クリストラル渾身の一撃、それは腕の一払いのみで掻き消される。
人の枠に収まる嵐ではない、理解はしていても実際に目にすれば驚愕する。間違いなく己の持つ最強、それが身動ぎ一つで打ち破られる。
聖剣を構え、一挙一動に目を凝らす。一つ一つが致死、そう考えなければ斃れた騎士と同じ結末を迎えるだろう。
抉った地をその足で踏み崩し、上空へと跳んだ。その手には家屋ほどの岩塊、そのまま大地へと帰す如く投げつける。
微かな音で嵐自身も岩塊に続いている、一時距離を取ることを脳に浮かべた時に、間に入る影があった。その影は危険を示す声を発する。
視界に移るは靡く水色、続くように流れる白と共にその少女は現れた。勢いを殺さぬまま作り出した力場を蹴りにて射出、迫る岩塊に杭の如く打ち込まれ
を破砕に至る。
飛び散る岩片に視界を奪われそうになるが嵐は止まらない、少女は岩塊に使った技の反動か自ら動ける様子ではない。ならばとクリストラルは少女の鎧の首元を掴み、後方へ飛ぶことを選択する。

「くっ、すまない!」

謝罪の言葉と共に、暴虐の嵐の外側へと退避する。出来る限り体制を崩さぬように気を付けたが、あれだけの破壊の権化、逃れても衝撃のみで吹き飛ばされそうだ。
鎧の首元から手を放し、少女を手放す。すぐさま聖剣を持ち直し、次へと備える。決して小さな隙ではないが、あの嵐に人の常識が通用するとは思えない。
目を離さず、気も緩めずに、少女へと声を掛ける。その声色は決して厳しいものではなく、かといって優しいものでもない、戦場で声を掛けたただ事務的なものに近い。

「救援感謝する、あれを見て戦う気が失せないのなら手伝って欲しい。」

何故そうしたか、謂わば少女の無鉄砲さが心配であった。救いたい気持ちは痛いほど分かる、クリストラルこそ民を救うために立ち上がった人物であるからこそ。
しかし助けるために自身の命を危険に晒すのは、より多くの人々を危険に晒してしまう。少なくとも少女がクリストラルの傘下にいたならば間違いなくその点を指摘していた。
だがこの場では恐らく少女の方が力になる、その上助けてもらった。力量を見定めることも、恩義を感じることもクリストラルは持ち得ている。
だからこそ問う、あれほど人間を超えたモノを相手取り戦えるのかと。戦えるのであれば肩を並べ戦おう、無理なのであれば撤退を薦めると。
聖剣を握る腕に力が入る、力不足であると、この地で民を救うには信念だけでは足りぬと。
しかしその心は折れぬ、信念だけで足りないならば足らせるまで。この民を救うという想いは、かつては歪んていたが今はただクリストラルの芯となるもの。
それを折らぬ限りは、決して諦めることも、敗北もありはしないと。

>>ノイン アナスタシア


【退避のためアナスタシアを少し動かさせて頂きました、問題がありましたら無視していただいて構いません。
援軍によって少しのクールタイム、次からは死闘の開幕なるか。】

4ヶ月前 No.376

普通の魔法使い @hiruko ★Android=nWlXLTGI1r

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4ヶ月前 No.377

雨隠れサイゾウ/射命丸文 @huujinn ★z2wcFHj9Fe_yFt

〜文 王都上空3000メートル地点〜
「人間とは愚かですね、まあ私は烏天狗ですからいちいちこの発言が似合いそうだとか言われそうですね」

文は一応メモしつつこんな小言を言っている。
つい先ほどマスタースパークみたいな光線が見えたが、あれは見間違いだろうと結論付けてそのまま観察を続ける。
ちなみにちょくちょく現れる空飛ぶ魔物は蹴り一撃で排除してます。

「流石に何かしましょうか?う〜ん、やめておきましょうか」

結局その場にとどまり取材という名の観察を続けた。

【ALL&フリー 現状報告みたいなものです】

4ヶ月前 No.378

操り人形 @sable ★mvaJaf04S7_PHR

【城下町/祈念公園/フラム・アルティア】

雲散する黒煙。その先に佇む男は全くの無傷であり、構えを解く様子もない。足元に札のような物が敷かれていることから、それがもたらす何らかの効力を以て爆破の衝撃を退けたらしい。
これにより敵は単なる剣士ではなく、自分と同じ術士の面も併せ持っていることが明るみに出た。つまり接近戦では最初から有利な上、遠距離戦でもフラムと張り合える可能性が出てきたのだ。
まだ全容は見えていないとはいえ強敵であることに変わりなく、剣の攻撃範囲の外からの攻撃を徹底しなければ、瞬く間に決着を付けられてしまう恐れもある。
しかし魔女の操り人形に嘆く様子は微塵も見受けられない。それでいて勝利を疑わない驕った態度でもなければ、戦いを放棄し諦観しているわけでもない。ある種の気味の悪さが滲み出る。

崩壊する結界から飛び出した男は、詠唱と共に紫電を纏い空へ臨んだ。風にまかれた黒煙を反撃の狼煙と見紛うほどの、雄々しくかつ神々しさすら感じさせる一連の身のこなし。
道を踏み外した者を焼き焦がすとされる裁きの雷(いかずち)が、まさに今、フラム・アルティアという悪魔を捉えた。

だが。

  クロスブラスト
「砕光十字掌」

機械的な呟きと同時に空を見上げ、赤黒い輝きを灯した左腕を十字に振るう。その軌跡に残された爆破エネルギーは、先程と同じように金色の光を伴い膨れ上がった。
そのまま右の掌に炎を溜めて待機し、十字の中心に刀が触れると同時に突き出す。熱を受け爆ぜるエネルギー。視界に焼き付くような青い閃光。雷鳴轟く一閃が弾き返された。まるで悪魔が神の審判を拒み、運命すら壊してしまったかのように...

ただし完全に無事というわけにはいかない。元より対空使用は想定していない技であり、使用時の決して小さくない反動も相まって、彼女の小さな身体には相当な負荷がかかっていた。僅かとはいえ地面に沈み込んだ両足が何よりの証拠だろう。
それでも大振りな一撃を凌いだことに変わりはない。次に待ち受けるのは当然、反撃のチャンスを掴んだ彼女の猛攻である。

「...ッ!」

男目掛けて放射される、広範囲の紅い炎。その勢いを活かして後方に大きく飛び退き、距離の確保も両立する。更に間髪入れず細いビームの様な炎を十数本、男目掛けてホーミング弾の様に射出。
広い範囲をカバーする"量"の第一撃と、対象を仕留めることだけを追求した"質"の追撃。対照的であるが故に組み合わされた時は絶大な威力を発揮するのだ。
チャンスから一転、激しい連続攻撃の只中に置かれた男は、どう対処してみせるのか。

>>降魔龍牙

4ヶ月前 No.379

四楓院夜一/バードウェイ☆bTbpChSv7Og ★kWZYx5ckcj_uKh

【アステル王国/城下町(噴水広場)/FIVE_Over.Modelcase_"RAILGUN"】

 太陽の如き喜色を満面に湛え乍ら、快活で──其れで居て磊落な調子で歓呼の声を上げる。
 此処はサーカスだ。演者と観客の区別なく、踏み込んだ者の全てに例外なく死の舞踏を踊らせる。悪魔の如き見世物(リング)。併し彼の者に恐怖も無ければ躊躇も無い。興奮と喜悦で、まるで舞台の主人公にでも成ったかの様に、喉を振るわせて乱入者たる機械仕掛けの蟷螂を歓迎し歓待する。其の清々しさは最早道化だ。其れも千両役者に値する程の隙の無さ。自らを餌にして交戦区域を闊歩する彼の覚悟は、愉快である一方、場違いな程に馬鹿らしかった。
 稼動音と共に天へと掲げられる死の鎌。対して派手男は依然として白い歯を見せたまま臆する事なく仁王立ち。併し其の姿は冷静とは程遠く、寧ろ溢れんばかりの興奮に満ちている。危険極まる最高の見せ場で派手男は大いに笑い、次なる演目へと堂々たる足取りでステップ。頭上より落下する巨大な鎌を色彩豊かな大結晶で防いで見せた。

 飛び散る無数の破片と光彩を帯びる舞台(ステージ)。

 繚乱と咲き散る花弁の様に。旋風に舞う雪の様に。広場に光の鱗粉が撒き散らされる。
 併し修復と再生を繰り返す魔の結晶と雖も大鎌を完全に抑える事は出来なかった。氷の様に無造作に砕け散り、形成されて居た派手男の氷像諸共、噴水が恰も西瓜割りの様に文字通り両断される。衝撃で四方に散る瓦礫と視界を覆う土埃を前に、ファイブオーバーは直ぐ様標的の生体反応を感知。内臓されているダイヤフラムにアメリカ人顔負けの高笑いが幻聴する。派手男は空を跳んでいた。夜だと云うのに朝日の如き輝きを全身から発し乍ら彼の者は居る筈も無い観客に高らかにアピールし宣言する。
 拍手は無い。喝采も無い。併し応じる物は在った。広場に撒き散らされていた結晶の破片が自発的に発電し帯電し放電する。其れに応じて上空の派手男は魔法で背に雷の翼を形成し、無機物の歓声までも受け止めて全身のボルテージを限界までチャージ。次の瞬間には稲妻が周囲を覆い尽くした。圧倒的な迄の範囲攻撃はファイブオーバーは勿論、周囲に居た夜人をも一人残らず感電させる。蝟集していた彼等はまるで糸を切ったマリオネットの様に次々と斃れていく。併しファイブオーバーはAIが内臓されている頭部からショートしたかの様に煙が棚引くも、機体の損傷は思ったより軽微で依然として立ち尽くす。

 システムにエラー発生。
 正規フォーマットを含むパケットを確認。内臓ネットワークへの再接続を開始。
 強制終了による誤差をスキャン。サブシステムによる修復作業を開始。
 総合脅威判定4件。電子演算から標的のスペックシートを更新。ガトリングレールガンを起動。

 前脚の円筒形が二つに割れる。
 其の中には人工物の兵器が取り付けられていた。三本の銃身を束ね、回転する様に作られた物。其れでいて火薬の力は使わず発射される物。電磁力の原理を利用して金属砲弾を打ち放つ殺戮兵器。直後に鋼の暴風が襲った。派手男に標準を定めた得物は直系1mの弾を連続発射。過剰すぎる破壊力で応戦する。銃口のサイズから言って、砲では無く銃に部類される兵器だが、文字通り其の規模は桁が違う。一発で十分怖ろしい飛び道具をフルオートで大量発射する。科学の恐ろしさを存分に発揮する回転式多銃身機関銃。凌ぐには其れこそ銃身から逃れる他ない。

>>ドライツ・ユメイル・ファラレス・ロスリアン

4ヶ月前 No.380

龍牙 @fuji11☆t0QHHCMsvFg ★iPad=8s2bUbBofM

【城下町/祈念公園/降魔龍牙】

――雷神の加護を受けた電光石火の刃が、敵を斬り裂かんと迫る。
少女は空に向けた左腕を十字に振るう。その腕が赤黒い軌跡を描き、赤黒の十字は黄金の光を伴って膨張。
刃が十字の中心に触れた瞬間、少女は右掌を突き出す……その手に宿るは炎の力。
迅雷の剣は爆炎の盾に阻まれ、熱と閃光を伴う衝撃が龍牙の身体を吹き飛ばした。

「ぐっ…なかなかに手強いな……」

吹き飛ばされながらも受け身を取って着地、刀を正眼に構え直す。
次の瞬間、襲い来る紅の炎。そして間髪入れず放たれた、十数の炎の光条。
龍牙は未だ紫電を微かに帯びた脚で地を蹴って後方へ跳躍し、距離を取る。

「……オン・アロリキャ・ソワカ」

懐から取り出した五枚の呪符を周囲に撒き、同時に真言を唱える。
『観音護法陣』が発動し、龍牙の周囲を取り囲むように不可視の防壁が出現した。

「ノウマク・サマンダ・バザラダン……」

龍牙は刀を納め両手で印を結び、再び真言の詠唱を開始。
その最中にも、敵の放った炎が迫り来る。結界は攻撃を防ぎ続けるが、次第に綻び始めた。

「……センダマカロシャダ・ソワタヤ……ッ!」

結界越しからも伝わって来る猛烈な熱に耐えながら、龍牙は両手に一層力を込めて詠唱を続ける。
次の瞬間、敵の攻撃が結界を破り……龍牙の身を焼かんと迫り来る――

「っ……ウンタラタ・カンマン!」

龍牙の身を焼く『一撃目』の炎。焼かれながらも詠唱を続ける龍牙に、追撃で放たれた光線状の炎が直撃する……寸前のところで詠唱が完了。
それと同時に抜刀し、勢いのまま横薙ぎ一閃。
振り抜かれたその刃から、紅蓮の炎を伴う剣圧の衝撃波が半月のような形状を成して遠方へ放たれた。

『不動迦楼羅斬』……この世一切の不浄を焼き払うと言われる不動明王の力を借りて浄化の炎を顕現させる法術『不動光焔呪』の応用で刀に炎の力を宿し、燃える刃で敵を焼き斬る退魔の剣技。
半月状の炎刃は十数の光条を取り込んで更に激しく燃え盛り、遠方の少女目がけ飛翔する。

>>フラム・アルティア

4ヶ月前 No.381

リインカーネーション @genomirai ★z8IID1mzG7_c1Z

【城下町/噴水広場/ドライツ・ユメイル・ファラレス・ロスリアン】


徐々に収まる雷光、雷の翼の光のみが煌々と広場を照らす。照らされるは魔獣や夜人、気を失い地に伏せる様は死人のよう。
されど彼の魔法は殺さない、見た目の派手さのみを追求した究極の浪費。現に大蟷螂は依然健在、損傷も見られない。
彼は気にしない、派手なものがそれで倒れないならばさらに派手なものが飛んでくると、彼はそう信じている。
期待に応えるかのように大蟷螂に異変が起こる、用途の分からない円筒上のモノがその姿を見せる。それは三本の筒を束ねたモノ。
彼にとっては見覚えない、無機質な外観。てっきりゴーレムや絡繰りの類と思っていたようだが、もっと高等な技術の物と判断した。
筒が回転を始める、その様子に満面の笑みを浮かべる彼は子供染みていた。何が飛び出すか分からない好奇心を刺激するそれ。
だがその期待など機械に伝わるわけもない、大蟷螂は反応なく行動へ移った。

「おお!それはなん―――」

再び言葉は続かず、されどその状況は異なる。彼は再び派手さを持ってその鋼の暴風を受け立つ、そのはずだった。
砕ける岩壁の音、消えゆくそよ風、形を失う水流、霧散する雷、そして地に何かが落ちた音。
その暴風は彼が繰り出す派手さを悉く打ち破る殺意の権化、先を阻むその一切を粉砕し破壊するための物。
故に彼は全てを貫かれ、その初撃で意図せず宙に舞い、地へと落ちた。運が良かったと言えば全てを受けなかったことだろう、そうなれば欠片も残りはしない。
地に落ちた彼はよろよろと立ち上がる、その場には夥しい血の海、それもそのはずあの嵐に右肩から先を持っていかれた。直撃を免れるためとはいえ、掠っただけでそれだ。

「うぅむ、そうか。君のその派手さは、そういったものだったか。……それもまた良いな!私の派手さがこうも容易く打ち破られるとは、心が躍るな!」

一瞬見せた表情は酷く悲しんだもので、それでいながら無念だと語っていた。されどその表情が消えれば再びの笑み、傷は深いが彼は倒れない。
出血は抑えた、派手な治療魔法はまだ研究中。ならば今やるべきは派手さの競い合い、殺意に溢れたものとただ魅せるだけのもの、そのぶつかり合い。
しかしあの派手さを打ち破るのは困難極まる、先の魔法も全力も全力。手を抜くことを知らない彼らしくはあるが、同時にあれ以上は難しい。
そうだとしても彼は派手さのみで打ち勝つ、これまでも多くの魔物や幻獣を相手取り勝利してきたのだ。派手さに趣が変わったところで何だと言うのだ。

「ならば私もその派手さの上をいかねばならぬ!私は派手さに生きることを決めたからな!派手さで負けては死んでも死に切れんわ!」

作り出すは様々な槍、暴風纏いし真空の槍、灼熱纏いし溶岩の槍、冷気纏いし水流の槍、鋼鉄纏いし岩石の槍、光輝纏いし裂光の槍、例に挙げたもの以外にも多くの槍を周囲へと作り出す。
穂先は全て大蟷螂を捉える、この全ては派手さのみに特化した不殺の魔法。ダメージこそ与えるが致死にはならぬ見た目だけの槍。
直撃すれば対応した属性が炸裂するが、それもまた派手さのみ。彼は命を奪うことを良しとしない、無駄な破壊を良しとしない。
彼が好むのは派手さのみ、その追及に余念もなく派手な魔法が世に溢れれば幸せになると本気で思っている。
ならばここで派手さで負けてはならない、作り出した槍を全て大蟷螂へと射出する。一つ一つの槍は大蟷螂と同程度の大きさ、それを多数射出するのだ、何とも言えないほど派手ではないだろうか。
殺意に塗れた攻撃と言えども派手さで返す、きっと愚かだと言うものもいるだろう。そんな言葉に彼はこう答えるのだ。
―――命を奪うのに派手さも何もない、であれば楽しめて派手な人を殺めない魔法であれば幸せになるだろう、と。

>>FIVE_Over.Modelcase_"RAILGUN"

4ヶ月前 No.382

操り人形 @sable ★mvaJaf04S7_PHR

【城下町/祈念公園/フラム・アルティア】

第一波の広範囲攻撃は僅かに男の身を蝕んだようだが、続く追尾弾まで命中というわけにはいかなかった。すんでのところとはいえ防がれたことに変わりなく、フラムが掴んだ反撃のチャンスは勝負を決めるに至らず終了する。
相手はますます激しく攻め立ててくるだろう。これ以上被弾を重ねる前に決着するのが得策だ。そして敵の猛攻を凌いだ直後というのは、絶好のチャンス。『勝機を逃さぬは兵法の常道』。これ程の相手が弁えていないわけはない。
その見立て通り男のカウンターは熾烈を極めるものであった。詠唱に続く居合の一閃は火炎を伴い、鋭く滾る退魔の刃となって迫り来る。これだけでもかなりの威力であることは間違いないが、都合の悪いことに先程放った光線状の炎を絡め取られてしまった。
二、三本程度なら大した差ではないが、あろうことか十数という単位で放っていたことが裏目に出る。『砕光十字掌』では防御はおろか相殺すら難しいに違いない。
しかしフラムには奥の手があった。先の技が近距離の攻撃を弾くことに特化していたように、対遠距離を想定した防御の手段も用意してあるのだ。

「『フレミングキャッチ』」

呟くと同時に炎刃の行く手を阻むようにして幾層もの爆破エネルギーが出現し、その滾る波動を連爆の渦に沈めていく。結果、フラムの至近距離まで迫った時には、勢いのほとんどが削ぎ落されてしまっていた。
最後に炎を纏った両手で受け止め、勢いを完全に殺してフィニッシュ。威力が加算された分もまとめて抑え込めたのは、距離を大きく空けていたことが幸いしたようだ。
仮に攻撃自体は防げても、先程のような負荷と反動をまともに受け続ければ、フラムの小さく華奢な身体ではすぐに限界が来る。そのため『フレミングキャッチ』の成功は命拾いをしたようなものであった。
ここまでの流れから長期戦は不利と見たか、勝負を決めにかかる大技が炸裂する。

  イラプトフェニックス
「『砕光烈飛翔』!」

右手にはち切れんばかりの爆破エネルギーを充填し、大きく振りかぶった後に地面へと叩き込む。パックリと割れた大地からマグマが流れ出るように姿を現したのは、赤黒く煌めくエネルギーで形成された不死鳥。
その背中に飛び乗ることでフラムは空中へ退避し、彼女を安全地帯へ送り届けた不死鳥は急降下。地面に激突し、内に秘められた悍ましいまでの力を解き放つ。
震動する大気。刹那の後に起こる大爆発。たった一瞬ではあるものの超広範囲を舐め尽くす大技...それが『イラプトフェニックス』。辺り一面が青白い目の痛くなるような輝きで満たされていく。
その様を安全な場所から見下ろすフラム。しかしこの技は大きな落とし穴とも言うべき危険を孕んでいた。それは技を終えた発動者が降下する際に生まれる、飛行能力でも持っていなければいかんともしがたい隙。
降下中はもちろんのこと、着地した瞬間を狙われれば俊敏な回避など不可能。問題は相手にそれだけの余裕があるかだが...もし現実となれば、戦いの流れは一気に変わることだろう。

>>降魔龍牙

4ヶ月前 No.383

龍牙 @fuji11☆t0QHHCMsvFg ★iPad=Nm2rjovQec

【城下町/祈念公園/降魔龍牙】

少女目がけ飛翔する浄炎の斬撃は、移動線上に生じた幾重もの爆炎の波によってその勢いを削がれていく。
その炎刃が少女に届く頃には完全に威力を殺され、掻き消えてしまった。さりとてあれ程の衝撃、身体にかかる負荷・反動は凄まじいもののはず。
まともに受け続ければ敵とて無事では済むまい――それ故に、彼女は勝負を決めに来たのだ。

少女は張り裂けんばかりの力を込めた右手を大きく振りかぶり、地面に叩き込む。
割れた大地の中から溶岩が流出するように、赤黒い輝きを放つ『不死鳥』がその姿を現した。
不死鳥は少女を空へと運び、自らは地へ狙いを定めた。

これまでの少女の戦闘傾向から、彼女が繰り出す攻撃がどのようなものかある程度の予想はつく――恐らく、広範囲を巻き込む爆撃。
結界は間に合うまい。間に合ったとしてもこの短時間では、あの不死鳥が放つ一撃は到底防ぎ切れず、深刻なダメージを負うことは必至。
水の法術で不死鳥を消し去ろうにも、あれほどの高エネルギーの塊。一撃で消し去るには多大な霊力消費を要するだろう。
ならば――考え得る対抗策はただ一つ。

「……オン・マリシエイ・ソワカ」

龍牙は真言を詠唱する――それは『陽炎』を神格化した摩利支天への帰命を意味する聖句-マントラ-。
不死鳥は少女を空に残したまま急降下、地面に激突して内包された大いなる力を解放した。
周囲の大気が震え、炸裂する力。瞬間、炎魔の舌の如き灼熱が辺り一帯を舐め尽くし、思わず目を覆うほどの青白い閃光が一面に広がる。
一瞬の内に荒野と成り果てたその地に、龍牙は立っていた――否、立って『いなかった』のだ。
そこにあったのは、朧げな輪郭を持つ、龍牙の姿をした陽炎……だが次の瞬間、輪郭が確かなものとなり、陽炎の中から龍牙が出現した。

『摩利支天隠形法(マリシテンオンギョウホウ)』……摩利支天の加護を受け、たった一瞬ではあるが自らの身を陽炎と化す法術。
この術が発動している間、術者の実体は『存在しない』ものとなるため、あらゆる物理攻撃は意味を成さない。
その効果時間は極めて短いものの、対物理においてはこれ以上ない防御手段となろう。しかし、少女の攻撃は恐らく魔術によるもの。
そのため爆発によって生じた衝撃の余波からは逃れ切れず、彼は膝をついて吐血し、身悶えた。

「がっ…ぐはっ!はぁ……はぁっ……!」

己を強いて立ち上がり、よろめきながらも刀を構え直す龍牙。
見ると、少女は既に着地を完了させていた。

「娘……名は何と言う?それだけの力を持ちながら、何故魔女に従う」

龍牙はふと問いかける。『操られている』者を斬る事への迷いからか、単純に強敵への興味からかは彼自身にも分からなかった。
ただ一つ分かることは、盲信者にこの手の問答は無意味ということだけ。
しかも相手は己の信ずるものを否定され怒り狂う『狂信者』ではなく、機械的に命令を実行する『操り人形』。挑発としても、恐らく効果はないだろう。

4ヶ月前 No.384

四楓院夜一/バードウェイ☆bTbpChSv7Og ★kWZYx5ckcj_uKh

【アステル王国/城下町(噴水広場)/FIVE_Over.Modelcase_"RAILGUN"】

 此の機械は一人の能力者を基としている。
 学園都市と呼ばれる科学が発展した地で七人しか居ないとされる超能力者。其の内の一人である第三位『超電磁砲』を純粋な工業技術だけで再現し、尚且つオリジナルより高出力高精度へ発展昇華させる事をコンセプトとした駆動鎧(パワードスーツ)。其の名の通りに此の兵器は本来ならば有人を前提として開発されていた。AIに由る高度な電子制御を受けているものの、人間の脳を操作体系に組み込む事に由って兵器として完成させている。其れは畢竟すれば機械が人間を取り込んで隷属化させると謂う本来の駆動鎧の在り方とは逆転した兵器に他ならない。併し何れにせよ人間がコックピットに乗り込むのを前提とした搭乗兵器で在り乍ら此の兵器には必要不可欠である筈の"其れ"が乗って居なかった。
 完全なる無人兵器。そう言ってしまえば其れ迄だが、其処に至る迄の過程には骨子のレベルでの改造が必要不可欠だった。普通に考えれば期間にして五年、或いは十年は掛かるだろう。併しあらゆる科学技術を集結する街は其れを僅か一ヶ月で成し遂げた。科学の階梯を理解している者であれば其れがどれ程の常識外れか理解できるだろう。理解の範疇を超えた技術は最早魔法と何ら変わりないと断言できる。此の機械に感情は無く、言葉も無い。故に動揺も躊躇いも無い。派手男には予測の出来ない形で常識を覆したのは必然。分野は違えど戦場で振るわれる其の技術(ちから)には確かな差が在った。

 外見画像識別を開始。生体磁気走査及び生体情報走査を完了。
 標的の生存を確認。標準の誤差を修正。主兵装に由る射撃準備──完了。

 科学の尖兵は魔法の使徒を無慈悲に打ち砕く。
 視界を覆う閃光と襲い掛かる弾幕。其れ等を前に派手男は反射的にも即座に対応していた。思考する間も無く技を繰り出す。成程、多くの戦いを重ねた者にだけ成せる行為だ。併し彼の者は此の兵器の真価を見誤っていた。一点への集中攻撃に関して言えば、此の兵器の主兵装『ガトリングレールガン』は戦車は勿論、一人で軍隊と対等に戦える第三位(オリジナル)をも凌駕する。結果として派手男が繰り出した数多の魔法を貫き、ローレンツ力で加速した弾丸は其の右腕を抉り取る。
 致命的な痛手だ。併し派手男は其れに屈しなかった。身に起こった出来事を受け入れ肯定し、そして喜悦な笑みと共に闘志を再点火させる。其の旺盛で不屈な敢闘精神は正しく英雄に足る高潔な勇姿に他ならない。立ち上がった派手男は臆する事も無く数々の魔槍を繰り出し、銃身を向けるファイブオーバーに暴威の限りを尽くす。破竹の如き勢いで機体を揺らす槍の豪雨は、其の侭サンドバッグと化しているファイブオーバーを広場の端まで追い遣り、民家の壁へと其の巨躯を叩き付ける。宙に舞うのは衝撃で破損した細かな部品と瓦礫。そして巨大な鎌が取り付けられていた左腕の前腕部分。加えてレールガンと右脚の間に在ったアームが根元から外れ、瓦礫と云う背凭れに身を滑らせる機体と共に地面に落下する。

 機体ノ損傷wo確認。ダメージreートwo算出。

 攻撃の衝撃はAIにも及ぶ。其の所為かファイブオーバーは直ぐに反撃に移る事は出来なかった。

>>ドライツ・ユメイル・ファラレス・ロスリアン

4ヶ月前 No.385

リインカーネーション @genomirai ★z8IID1mzG7_c1Z

【城下町/噴水広場/ドライツ・ユメイル・ファラレス・ロスリアン】


大蟷螂に降り注ぐは極彩色の彗星、暗き街並みを照らす幾千の雨。全ては大蟷螂へと直撃し、伴った属性を弾けさせる。
数多の大槍を受け、その巨体を後方へ退けさせられる大蟷螂。民家に突っ込み、その瓦礫を背にして凭れ掛る。
大鎌と足の一つが外れ、直ぐ動く様子はない。彼の魔法が予想以上に効いているようだ、四肢の内一つと六肢の内二つ、どちらも痛手だが大蟷螂の方が少しばかり不利だろうか。

「うむ!これが私の派手さだ!その身に受けてさらに理解しただろう!命奪わずとも、人は派手に輝ける!それが私のぉ!証明だぁ!はーはっはっは!」

直ぐ動く気は彼にもなかった、傷は深いがすぐ死に至るほどでもないがそれが理由ではない。彼の信念として派手さで勝負を求めている、倒れた相手に追撃を加えることが派手と言えるだろうか?少なくとも彼はそれを否とする。
身体から幾つかの装飾品が子気味よい音を奏でながら地に落ちる、鋼の嵐の余波で幾つか壊れたのが今外れたのだろう。特に首元のものは右側が削れ、首に掛かっていたのが不思議な状態であった。
形あるものは何れ消える、それは派手さも変わりない。何れ派手なものも新たな派手なものが現れる、派手なものが劣化しそうでなくなってしまう、だからこそ彼は派手でい続けるために努力を惜しまない。
派手であることを求めたならば、常に比例することなき派手さであろうと。何物にも追いつかれず、劣化も許さない。人の心を照らす明かりなれば、それが沈むことは許されない。
いつもの調子で腕を組もうと思い、右腕がない事を思い出す。仕方なく極彩色に輝く結晶で腕を組むためだけに右腕の代用品を作り出す、腕組みをして仁王立ち、これこそ彼が思う派手さが際立つ立ち方。

「さあ!君の派手さもそれで終わりではないだろう!先程の嵐、私は好まぬが実に派手であった!あれだけ派手であればまだ輝けよう!さあ、まだ私の輝きは陰ることはないぞぉ!立ち上がるがよい!」

言葉を発した後に右腕を模した結晶は崩れ去る、相手の派手さで削ったものを態々無為にすることは好まない。ならば互いに派手さで失ったものを抱え、更なる派手さ比べをする、それこそ彼が求める事。
此方が派手さを示したならば次は大蟷螂の手番、それを派手さで立ち向かい、派手さで打ち破って見せよう。それこそ彼の派手さ。
愚かだと笑うものもいるだろう、確かに止めを刺せる可能性があり、それをしないならば愚かと言われても仕方がない。
そうでなくても攻撃の好機、それをみすみす見逃す。戦場で生きた者ならば正気の沙汰とは思えない、それでも彼はこう言うだろう。
―――派手さは比べてさらに輝くもの!一方的に輝けども互いを見なければ派手さなど比べられぬ!と。

>>FIVE_Over.Modelcase_"RAILGUN"

4ヶ月前 No.386
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